天国の愛犬愛猫へ 3

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109わんにゃん@名無しさん
父親が犬を貰ってきた
しかしまもなくおやじは単身赴任で北海道へ
面倒臭がり屋の俺はろくすっぽ世話をしなかった
母親が
「散歩に連れて行ってあげなさい」
と言うと、親父の犬だろ、かーちゃん代わりに行けよ
と動物嫌いの母親にまかせっきりだった

それでもたまには散歩に連れて行った
ろくに躾もしなかったのでの他の犬にからむは、興奮すると
飼い主噛むわで、相変わらずであまり奴に愛情はなかった
110わんにゃん@名無しさん:03/08/31 09:07 ID:5TzNneMx
8年の月日がたった
ある日奴の様子がおかしいので、母親と一緒に病院へ連れて行った
「フィラリアです」
どーでもいいから早く治してやってくれよ
「手術をしても一時的に良くなるだけです。
 このままで最後を迎えるかどうかは、飼い主さんの判断に任せます。」
は?最後って何?

奴はそのまま入院、手術となった
家に戻って電話で父親に報告した
「二週間後、そっちに戻るから、それまで生きていてくれれば・・・。」
二週間?そんなにすぐ死んじゃうのか?
111わんにゃん@名無しさん:03/08/31 09:08 ID:5TzNneMx
手術後、奴を迎えに病院へ行った
俺の顔を見るなり、寝そべっていた奴は起き上がり尻尾を振った
「器官に虫がつまり、呼吸困難になっていたので
 喉を切開してこれだけの虫を除去しました。」
なんだこれは、こんなのが体の中にいたのか

首に包帯を巻いた奴は、自宅に戻ると嬉しそうにはしゃいでいた
「僕、手術したんだ。今は傷口痛いけど、もう大丈夫。
 呼吸できるし、だるくないし、早くまた散歩に行きたいよ。」
奴が散歩に行ける事はなかった。
手術後、一瞬調子が良く見えたのもつかの間
数日後には、起き上がる事さえ出来なくなった
112わんにゃん@名無しさん:03/08/31 09:08 ID:5TzNneMx
部屋の隅で毛布の上に横たわる奴に向かって母親は
「もうおしっことか垂れ流しで・・・」
と愚痴をこぼした
しかしそんな母親を責める資格は俺には無かった

俺が近づくと無理やり起き上がろうとするので
「いいよ、寝てろ」
と撫でてやると、しっぽをパタパタ振った
小さく切ったハムを口元へ運んでやるが、もう飲み込む力は残っていなかった

父親が帰ってくる二週間をまたずに、奴は逝った
俺も母親も仕事で留守だった
奴は部屋の片隅で一人ぼっちで死んでいった
113わんにゃん@名無しさん:03/08/31 09:09 ID:5TzNneMx
昔は嫌いではなかったが、今は犬が大嫌いだ
こんな俺に尻尾を振るな
そんなに嬉しそうな顔をするな
もっと自分本位に生きろ
俺には動物を飼う資格なんか無い
どんなにくやんでも、もう、奴は帰ってこない