さぬき市内の健康増進施設の駐車場で八月中旬、新聞配達をしていた同市内の
女性(70)が突然、犬三匹に襲われ、全治一カ月の重傷を負っていたことが二十
日、分かった。さぬき署は、近くの市営住宅に住む男性(50)が飼っている約四十匹
の一部が、女性を襲ったと断定。狂犬病予防の注射をしていない疑いがあること
から、男性から事情を聴くなど同予防法違反容疑で調べている。
同署などの調べでは、女性が犬に襲われたのは八月十五日午前六時二十分
ごろ。新聞配達のため同駐車場を歩いていた際、雑種犬三匹が相次いで襲いか
かり、両手と両足などをかまれたという。
悲鳴を聞いた男性が現場に駆け付け、一一九番通報。女性は約二百針を縫う
大けがで、現在も入院している。
男性は約三十年前に市営住宅に入居。次第に捨て犬などを集めて世話をする
ようになり、今では成犬約三十匹、子犬約十匹を飼育。庭で廃車数台を犬舎代わり
に使うなどしているらしい。
犬を飼う場合、登録義務があるが、登録されているのは四匹だけ。他の三十数匹
は未登録で、市は狂犬病予防の注射をしていない上、建物を住宅目的外に使って
いるため、近く男性に退去を求める方針。
住民らによると、以前にも通行人がかまれる被害があり、市などに改善を求めて
いたという。これに対し、市は「犬を飼わないよう、再三にわたり指導したが聞き入
れてもらえなかった」としている。
近くに住む女性は「鳴き声や梅雨時のにおいなど不衛生。本当に困っている。
何とかしてほしい」と訴えている。
ttp://www.shikoku-np.co.jp/news/social/200308/20030821000098.htm