昔話を書かせてください。
動物病院に務めていたことがありました。たった3ヶ月でしたが。
そのなかで記憶から消えない安楽死があります。
その子は22歳になるおじいちゃんわんこでした。
もう寝たきりで、ほとんど動けませんでした。
体にいくつも床ずれがありました。食事も自分では取れなかったと思います。
心臓だけが健康で、もう少し生きられるだろうけど、文字通り「生きているだけ」
だろうとか言ったと思います。(この辺はちょっとうろ覚え)
飼い主はその場では判断できなくて、親と話し合った結果、
数日後の診療終了時間後に来院しました。
時間としては15分ほどだったかと思います。
飼い主は一度も自分と22年共に暮らした子から目をそらしませんでした。
処置が終わった後、タクシーを呼びましょうかと尋ねた獣医に、
飼い主は「歩いて帰ります」と静かに答え、冷たくなった飼い犬をタオルにくるんで
小雨の降る中、歩いて帰っていきました。
5年以上も前になります。
長文ですいません。