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妄想性(偏執性)障害
精神科医は上に述べた比較的程度の軽い妄想性人格障害とより重症の妄想性障害を区別しています。
妄想性障害の特徴は非現実的ではない妄想が続き、そのほかには精神病症状がないことです。
妄想と言うのは、現実には即しない間違った頑固な信念です。
妄想とは、同じ社会に暮らす別の人には信じられることはなく、訂正されることが困難な信念です。
妄想の内容は大きく5つに分けられますが、同じひとが2つ以上のテーマを持つこともあります。
幸代さんは有能なオフイスレデイです。上司も同僚も彼女の有能さを認めています。
しかし、幸代さんは終業後の時間を国や州の当局に手紙を書くことで費やしています。
彼女は、神様が自分に乗り移り、自分には癌を治す力があると、信じています。
彼女は自分の正しいことを世界中に知ってもらうために、
大きな病院が患者のために自分の治癒力を使ってくれることを望んでいます。
彼女は次々に手紙を書きましたが、返事がないか、あっても当たりさわりのないものばかりでした。
そして、チャンスがあれば癌患者を救えるのに、誰も理解してくれないと感じていました。
ある返事を受け取ったとき、彼女はその人は自分の知識と力を故意に無視しているのだと感じました。
自分のすばらしい能力を永久に世間は認めてくれないのかと絶望することもありましたが、しかし、彼女はあきらめませんでした。
彼女はいまだに手紙を送り続けています。幸代さんは妄想性障害にかかっているのです。彼女の妄想は誇大妄想です。
妄想性障害で一番多い妄想は追跡妄想です。
妄想性人格障害の人は同僚が言っていることを冗談ではないかと考える余裕をもっていますが、
一方、妄想性障害の患者は自分は念が入った玄人級の陰謀の罠に陥っているといった疑いを持ってしまいます。
すなわち、毒を飲まされるとか、薬殺されるとか、スパイされているとか、自分の名声を台無しにされるとか、
また、殺されてしまうといった考えさえ持ちます。よくあるもう一つの妄想は嫉妬妄想です。
洋服についたちょとしたシミとか、家に帰るのが少し遅れたとかいった事実を不倫と結び付けてしまいます。