【2008】大野病院事件有罪判決【0820】

このエントリーをはてなブックマークに追加
10名無しさん@おだいじに
「福島県立大野病院事件判決に際して、全国医師連盟の声明」 

はじめに、今回の手術でお亡くなりになられた方、そしてご遺族の皆様方に心より哀悼の意を捧げます。

平成十八年二月十八日、福島県立大野病院で、患者さんが、帝王切開術中の大量出血によりお亡くなりになり、
手術を担当した産婦人科医が、業務上過失致死罪、および異状死の届出義務違反(医師法21条違反)容疑で
逮捕、起訴されました。本年八月二十日は、一審判決が予定されています。

予期しない医療事故が生じた場合、後遺症を負った患者さん本人や御家族、御遺族には、耐え難い悲しみが
襲いかかります。と同時に、現実生活の上で、経済的困難が大きく立ちはだかります。現在の医療技術や診療
環境の実際においては、どうしても不幸な医療事故をゼロにすることは出来ません。

不幸な医療事故が起きたときに、医療過誤があろうと無かろうと、こうした患者さんや御家族を社会的に慰撫し、
経済的に救済する必要があります。私達医師は、国によってその制度が設立されることを望み、また制度設立の
ために協力を致したいと思います。
11名無しさん@おだいじに:2008/08/02(土) 11:01:11 ID:???
もう一つ重要なことが有ります。
この事件では、担当医の逮捕、起訴という衝撃もあり、多くの医療団体及び医学系の学会から 「これでは医療
が出来ない」との抗議声明が出ております。多くの医師達は、被告と同じ診療条件に置かれた場合、最善の医療
を施しても、助け得なかったのではないかと判断しています。

日常診療における予期しない死亡事故が起こったとき、最善の医療を行っていても、不幸な結果のみで断罪される
危険を強く感じたわけです。私達は、現在までの公判での証言内容や証拠等から逮捕、起訴が誤りであったことを
確信しています。

私たち医師は、救急救命活動中や日常診療中に、予期しない事態に遭遇することはまれではなく、その際、判断を
瞬時に行わなければ患者さんの死に直結します。その一連の医療行為を、後で検証すれば、正しい判断であったか
どうか不明な部分は必ず出てきます。しかし、それは後方視的考え方による問題点であり、救命活動などの緊急時
の医療行為は、多くの場合、業務上過失致死罪の成立が阻却されると考えます。

全国医師連盟は、福島県立大野病院事件判決に際して以下の事を主張いたします。

医療過誤の有無を問わず不幸にして予期せぬ医療事故に会われた患者さん、御家族、御遺族への社会的慰撫と経済
的救済を行う制度の設立を強く望みます。私達医師は、その救済制度実現に協力いたします。

また、救命救急活動時の医療行為に対する刑事罰適用は限定し、刑事訴追を回避する法的整備を望みます。

これらの救済制度の実現と刑事訴追回避の法整備は、国民と医療の未来の為に、是非とも必要な措置です。

2008年8月4日
全国医師連盟