だが、3月、突然、閉鎖に追い込まれた。「昨年12月、多額の借金を抱え
たまま失跡してしまった」(関係者)という阿比留被告には、歯科医師という
表の顔だけでなく、「システム金融の帝王」という裏の顔もあったという。
「他人から低金利で事業資金を借り、多重債務者に高利で貸す」のがシステム
金融。昨年末、阿比留被告の失跡を報じた週刊誌は「渋谷と五反田に店を構え
、システム金融で月数千万円の利益をあげ、愛人を囲い、ギャンブルに狂って
いた。だが、仲介者を通して3億円を貸していた建設業者が倒産。元本の返済
や利息の支払いもできなくなり、身を隠した」などと伝えていた。
近所の主婦も「昨年夏ごろから急に茶髪、サングラスなどヤクザ風に雰囲気
が変わり、ビックリした」と振り返る。失跡、逮捕、起訴…と、父親に振り回
された妻と3人の子供だが、その家族は驚くべき有名人一家だった。
妻は映画『時代屋の女房』などに出演した元女優。池田満寿夫氏がメガホン
をとった『窓からローマが見える』では883人の応募者から主演女優に選ば
れ、阿比留被告が開業後、元女優は「まもなく結婚、芸能界から引退し、子育
てに徹していた」(知人)。また、二女は大手芸能プロに所属するタレント。
最近はテレビのほか、写真集やDVDも発売し、「売り出し中の注目株」(関
係者)。長女(18)も有名芸能プロのレッスン生だったが、「父親の失跡な
どの影響で、今春に予定されたデビューが流れてしまった。今回の事件で、二
女の芸能活動にまで影響を及んでは、本当に家族がかわいそうだ」(同)。