建築と、その形や形態の関係について発言することは、
どうも、歓迎されないことが、多いようだ。
フォルマリズムだとひとくくりにされて批判されたり、
使い勝手や機能を考えていない建築家のわがままだという言い方や、
建築を彫刻と間違えていると揶揄されたり、まあいろいろ。
しかし、ヨーロッパを旅していると、しっかりと造形された建物が多い
ことに気付く。彼らの歴史と建築教育の伝統に、造形というものが多分
しっかりとあって、ドハデなものは置いておくとしても、普通の四角い
現代建築の建物でも、躯体の形、建具や手摺まで、しっかりとした形に
デザインされ、構成されていることに気付き、驚くことが多い。
そうした伝統が、ヨーロッパの建築と街並の質を支えている。
建築と形の関係に、ちょっと敏感になり、考えてみたい。