真恵理様がみてる
リリアン女学園構内。
祐巳「ごきげんよう、お姉様」
祥子「ごきげんよう、祐巳」
2人は、マリア像前で、元気に声を交わす。
真恵理「ちょっと、お待ちになって」
祥子「だれ?あなたは、それに、ここはリリアン女学園高等部よ、制服からして
明らかに違うのに、何でこんな所に・・・・」
真恵理「わたくし、春四温女子学院高等学校の、棚橋真恵理と申します、で、あなたのお名前は・・・」
祥子「はい・・・リリアン女学園高等部2年の、小笠原ですが・・・」
真恵理「実は、あなたと一緒にいる娘・・・」
祥子「祐巳、ね」
真恵理「そう、祐巳さん。今一緒にいた祐巳さんは、実は、祐巳さんではなくてよ」
祥子「どうして、あなたにそんなことがわかるの?」
真恵理「後ろで、あなたのことを見ていましてよ。祐巳さんの正体、実はsex0ですの」
祥子「ひぃぃぃぃぃ・・・・・・・・」
真恵理様がみてる2
祥子「うっせーんだよ瀬糞!てめーの嫌いなDJだからってネチネチベタベタウゼーんだよ!!」
真恵理「祥子さん、何故わたくしにキレていらして?キレるのは、祐巳に変身している、sex0の方でしてよ」
祥子「ごめんなさいね、真恵理さん、あまりにもsex0が・・・・・しかし、もう春四温に戻らなければいけないんじゃ・・・」
真恵理「まあ!でも、まだ20分ありますわ、いまから走って戻ります。ごきげんよう」
祥子「ごきげんよう・・・・・・ハァ・・・・」
真恵理は息を切らして、リリアン構内を出て、春四温女子学院に向かう。
祥子「まあまあ・・・・お嬢様なのに・・・はしたなくてよ」
1時間目終了後、リリアン女学園。
祐巳「ひぇぇぇ・・・・何ですかお姉様」
祥子「てめ!!!!!sex0だろ!!DJ NUVOをネチネチいじり倒したあげく、わたくしの
妹になりすましてリリアンに入って、わたくしをどうなさる気なの!」
祐巳「sex0じゃありません、知らないし」
祥子「声で分かるわ、瀬古祐巳さん」
祐巳「福沢祐巳ですお姉様!!!」
祥子「気持ちが悪いから、付きまとわないでくださる?」
真恵理様がみてる3
リリアン女学園高等部、2年生の小笠原祥子は。ふとしたことから知り合った、春四温女子学院高等学校
2年の、棚橋真恵理を、春四温女子学院、正門前で待つ。
棚橋真恵理「ごきげん麗わしゅう。祥子さん」
小笠原祥子「お待たせしてごめんなさいね、真恵理さん。あれから、祐巳に電話したわ。あの日、
祐巳は急に熱を出してしまって、出席できなかったそうよ」
真恵理「今度もまたsec0が祐巳さんに化けるのかしら。いずれにしろ、気持悪くてよ」
祥子「真恵理さん、今度は同学年の、支倉令さんから剣道の竹刀を借りることにするわ」
そこに、春四温の学友の、桜庭春樹が偶然通りがかる。
桜庭春樹「あれ?真恵理さん、一緒にいるのはどなたなんですか?」
真恵理「紹介しますわ、リリアン女学園高等部2年、小笠原祥子さんよ」
春樹「はじめまして・・・・祥子・・・さん」
祥子「ごきげんよう。あなたは?」
真恵理「こちらは、わたくしのお友達の、春樹さん」
春樹「春四温女子学院高等学校1年、桜庭春樹です。よろしくお願いします」
その時、祥子はただならぬ気配を感じる。
祥子「・・・・あ・・・・sex 0がみているみたいよ。真恵理さん」
祥子は真恵理と、春樹を連れて、早足で逃げるようにその場を去った。
祥子「ああ・・・・気持悪かったわ」
春樹「祥子さんも、大変ですね」
真恵理様がみてる4
祥子「祐巳、seX0みたいな人には、構ってはダメよ」
祐巳「どうしてですか、お姉様」
祥子「seX0は、アニヲタで、粘着DQNで・・・・・・とにかく、そんな人に絡まれる祐巳が
可哀相で可哀相で、だから、そうなる前に、警告しておかなければと思って・・・」
祐巳「わかりました」
そんな途中、2人は、春四温女子学院高等学校の、棚橋真恵理と石岡智子とすれ違う。
真恵理「ごきげんよう、祥子さん」
智子「初めまして、春四温女子学院高等学校2年1組、石岡智子と申します」
祥子「智子さんね、初めまして。わたくし、リリアン女学園高等部2年、小笠原・・・・」
そんななか、祐巳は殺気を感じ、後ろを向いて指を差す。
祐巳「あ!!あそこ!!!」
祥子「どうかして?祐巳」
真恵理「祐巳さん、もしも身に危険の及ぶことがあったのであれば、逃げた方が良くて?」
智子「真恵理さん、一緒に逃げましょう!」
2人は手をつなぐ。
祐巳「確かに、seX0がカメラを持ってこちらを見ていたみたいでした」
祥子「それは写真部の武嶋蔦子さんではなくて?」
祐巳「いいえ、確かに眼鏡はしていました。でも、太っていて、いかにもヲタ風の風貌で・・・」
祥子「では、この場から離れた方がいいわね。それでは、祐巳、
駅前のコーヒーショップで落ち合いましょう。真恵理さんや、智子さんも。話はそれからでも遅くないわ」
真恵理「ええ、よくってよ」
智子「身に危険が及ばないうちに、そうします」
2人は、先に、走って駅前に向かった。
真恵理様がみてる5
とある日曜日の棚橋邸、3:15PM。
祥子はリムジンから降りると、近代的で、大きな建物の中に入る。
真恵理「ここが、わたくしのおうちですの」
祥子「あなたのおうちも、大きいのね」
執事「いらっしゃいませ、あなたは・・・」
真恵理「わたくしの、お友達の、小笠原祥子さんでしてよ、篠原」
執事「とんだ失礼を・・・申し訳ございません、真恵理お嬢様のお友達ございますか・・・
お嬢様のご学友が、もう1人、4階、水晶宮殿にございます、どうぞ、あちらのエレベータから
お上がりください」
2人は、エレベータを使い、4階の、水晶宮殿と呼ばれる場所に向かう。そこは天井が100枚以上の
大きなガラス板を組み合わせたものを天井として使っている。普段は休憩場所や、食堂などに使われるが、
パーティーホールとしての機能も備えている。その一角の、イタリア製の丸いテーブルに、真恵理の
クラスメイトの、石岡智子がいる。
智子「あ、祥子さん」
真恵理「さ、祥子さん・・・遠慮なさらずに、座っていて。紅茶も、マドレーヌも好きなだけ取ってもよくってよ」
祥子「恐れ入ります」
智子「ところで、祥子さんが来たところで、作戦会議よ」
祥子「作戦会議?」
真恵理「ええ。ところで、またseX0がこの辺をうろついていますわ」
祥子「彼の声なら、ちゃんと覚えていましてよ。真恵理さん」
智子「なら、早いわね。その声を聞いたら、写真に取って、かわせみ便りと、リリアンかわら版に乗せて、
みんなに注意を促すっていうのはどう?」
祥子「いいわね、でも、seX0が蔦子さんに化けていなければいいけれど・・・」
真恵理様がみてる6
リリアン女学園、放課後。
祥子「祐巳、もし気持の悪い男の声を聞いたら、カメラにその姿を納めるのよ」
祐巳「わかりました、お姉様。でも、いいのですか?だって、蔦子さんのカメラでしょ?」
祥子「いいえ、わたくしのカメラよ。それに、デジタルカメラだから、印刷して、すぐ削除すればいいし」
祐巳「はい!」
リリアン女学園正門前。智子と、真恵理、そして春樹が、2人を待つ。
智子「あなたが祐巳さん、ね」
祐巳「はい・・・・そうですけど、あなたは?」
祥子「祐巳、わたくしのお友達で、春四温女子学院高等学校2年の、石岡智子さんよ」
祐巳「ごきげんよう!智子さま」
智子「智子さん、でいいわ。それより、seX0の写真、どうなったの?」
春樹「祐巳さんっていうのね。私、春四温女子学院高等学校1年、桜庭春樹です」
真恵理「で、写真はどうしましたの?」
祥子「いいえ、祐巳からも、全然ないの」
祐巳は、リリアンの生徒とも春四温の生徒とも違う、人影を見る。
祐巳「あ!!」
祐巳は祥子から借りたカメラで、その姿を撮る。
祥子「祐巳・・・・・撮れた?」
祐巳「ええ、お姉様。とびっきり気持ち悪いseX0の写真が撮れました!」
祥子はカメラのメモリーを確認する。
祥子「よくやったわ!祐巳。後はわたくしが写真を印刷して、新聞部にお願いしておくわ」
真恵理「わたくしは、かわせみ便りの担当に送って、わたくしから、よくいっておきますわ」
智子「作戦成功ね!これでseX0対策はほぼ完璧ね」
真恵理「しかし、seX0はしつこいですの。祥子さん、智子さん、用心しておいた方がよくってよ」
真恵理様がみてる7
福沢祐巳「お姉様、今日も平和ですね」
小笠原祥子「いいえ、祐巳。今日は、何か悪い予感がするわ。気を付けて」
祐巳「じゃ、お姉様。どのように気を付ければいいんですか?」
祥子「わたくしね、今日は、令さんに剣道の竹刀を借りてきたの。今日は、多分seX0が現れると思うわ」
2人はイチョウ並木を越え、リリアンの背の高い門を抜ける。
祐巳「何もなければいいけど・・・・」
いつもの通学路。
棚橋真恵理「いやぁぁ!!何するんですの!!!」
seX0は真恵理の腰に手を掛ける。
seX0「真恵理ちゃんだよね・・・縦に巻いた横髪が可愛いよぉ・・・・俺好きなんだよ・・」
真恵理「お断り致しましてよ!あなたのようなお方はわたくしには相応しくありませんわ!!」
seX0「いいじゃないいいじゃないねぇ」
ガッ!
祥子の竹刀が、Sex0の頭を直撃する。
真恵理「祥子さん・・・・」
祥子「本性をあらわしたみたいね。ただでさえ気持ちの悪い人だと思っていたのに、これじゃ野獣・・・・
それより真恵理さん、怪我はなくて?」
真恵理「いいえ、祥子さんは?」
祥子「大丈夫よ、真恵理さん」
seX0「・・・・はうう・・・・・リリアン・・・・・春四温・・・・・」
祐巳「この人がseX0・・・・気持ち悪い、軽蔑します!真恵理様も、こんな奴にやられずに済んでよかったですね」
真恵理「でも、あなたがたに会わなければ、わたくし、もっとひどいことをされていましたわ。ありがとう、祐巳さん、祥子さん」
祥子「時に、真恵理さん。あなた、SPがご一緒ではなくて?」
真恵理「SPは、送り迎えするときに、車に一緒に乗っていますの。でも、窮屈で。こうして友達と一緒に学校に通うほうが、楽しいわ」
祐巳「あれ?智子さんは?彼女、いつも真恵理さんと一緒にいてるけど」
真恵理「ああ、眼鏡さんね。春四温の図書館で調べ物があるみたいだから、先に帰っていてって言っていましたわ。
しかし、1人になった所を見計らって後ろから襲うのは、本当に卑怯ですわ」
祥子「じゃ、真恵理さん。また一緒に通いましょ。ごきげんよう」
真恵理「ええ、じゃあね。祥子さん、祐巳さん」