池田信夫の自家撞着
「ラディカルハイエキアンのくせに財政政策肯定するなよ」
「リバタリアンを自称してるくせにコメントを検閲すんな」
みたいなのをbewaadの発言から引っ張り出せば
日豪捕鯨問題のときYouTubeにアップされた対豪批判動画について
「オーストラリア人という点で同じ属性だからといって、
捕鯨反対派と人種差別や動物虐殺を行う者が重なるとは限らない。
もし豪州の捕鯨反対派が『ああ、人種差別や動物虐殺をしてる奴らも
お前ら捕鯨賛成派と同じぐらい問題だね』と返してきたらそれで終わり。
また豪州の捕鯨反対派が人種差別や動物虐殺の問題にきちんと対処して、
『自分たちは批判にきちんと応えた。次は日本が捕鯨を止めろ』
なんてことになったらどうするの?ただの自己満足だろ m9(^Д^)プギャー」
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080110/p1 と言い、属性を構築主義的に複雑化し論理的整合性を問題にしながら
慰安婦問題で出稿されたThe Factsについては
「The Factsは日本政府の公式見解の信頼性を傷つけ
日本を非難する議会決議を招くにいたった、
日本という属性のイメージ悪化をもたらした」
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080629/p1 と言い、米国側決議の内容の是非・論理的整合性はまったく吟味せず
アプリオリに対日非難決議を是とし日米関係悪化を懸念し
The Facts出稿者に対して
日本人全体に恥をかかせた、と揶揄しているところかな。
このThe Factsは慰安婦≒自発的な娼婦ということがダラダラ書かれてるが
眼目は最後の 「アメリカだって占領下日本で似たようなことやってんだぞ」 という個所。
でも米議会はbewaadの好きな論理的整合性抜きに対日非難決議を出してきた。
それに対してbewaadは(政府の行為という共通の属性があるにもかかわらず)
「ああ、過去の対日進駐軍の慰安婦制度も
お前らの過去の慰安婦制度と同じぐらい問題だね」 と返されたわけでもなく、
「自分たちは批判にきちんと応えた。だからちゃんと日本も反省しつづけろ」
と返されたわけでもないのにbewaadは対日非難決議を疑いもなく肯定している。
bewaadは捕鯨問題の話で
「日本側による豪州の人種差別や動物虐殺についての批判に対し
豪州側に 『自分たちは批判にきちんと応えた。次は日本が捕鯨を止める番だ』
と言われたら、論理的にはつながらないものの政治的には捕鯨を止めなければ
「人種差別」や「動物虐殺」を言挙げしたことは
単なるごまかしないし嫌がらせだったとみなされてしまうだろう」
と書いている。
The Factsの 「慰安婦≒自発的な娼婦論」 に米議会が非難を加えるのはいいとして
「アメリカだって占領下日本で似たようなことやってんだぞ
(自分たちは批判にきちんと応えた。次はアメリカが批判に応える番だ)」
という言い分をガン無視していることは、bewaad的には
「これでは、『旧日本軍の慰安婦』 を言挙げしたことは
単なるごまかしないし嫌がらせだったとみなさざるを得ない」 と捉えて然るべきだ。
しかもこれは政府の行為だから政治的なのはおろか論理的にもつながる。
なのに、bewaadはそんなのをすっ飛ばしてThe Facts出稿者を小馬鹿にしてるわけだ。
これは捕鯨問題の話のときに持ち出したロジックと大いに矛盾している。
bewaadは論理(ロジック)の組み立てでは隙をなかなか見せないから
そこを突くとウナギやドジョウのようにスルリとかわされてしまうんだが、
修辞(レトリック)や、批判対象の取捨選択では好き嫌いをモロに出している。
簡単に言えば『ニホンのウヨク』が問答無用で嘲笑する対象であり
『ニホンのウヨク』の敵は、敵の敵は味方ということで手心を加える。という感じか。
経済はともかく、政治イシューでは内藤朝雄が言うところの「論点セット抱き合わせ」
http://d.hatena.ne.jp/izime/20080321/p1 からbewaadはまだ逃れられてないんだな、と思う。彼は言い訳するだろうけど。
政治イシューのウヨ・サヨに全く関心を持たないという点だけなら
bewaadは池田信夫を見習ってもいいと思うわ。