日中同盟で、反アングロ・サクソン★4

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619陽之介
.... 「勝敗の予見性と、決定論」

戦争の勝敗が、所定の条件(兵力、戦力など)によって、決まっていてる、
というのは、結果を後から見たものが言えることで、
歴史の現場に生きていた当事者には、わからない。

戦争開始前の条件で、戦力が劣り、関係各国が敗北を予想していながら、
逆に勝利した例は、戦史上いくつもある。

アレクサンドロスのペルシア遠征。
クレシー、アジャンクールの戦い。
第一大戦のブルシロフ攻勢。
ソ連、フィンランド戦。

例えば、ガタルカナル戦を例に挙げれば、日本軍は、兵力で勝り、練度で優り、
勝利を疑わなかった。
状況的にも、当初の兵力は日本が勝っていた。
しかし、作戦指揮の誤り(偵察不足)、兵力の運用(逐次投入)、
戦略の甘さ(攻勢限界点の錯誤)などから日本は敗れた。
もちろん、米国側も、様々な観点から、勝てる戦いだと判断して望んだ。

当事者が直面する戦争とは、偶然と必然の交錯する迷路であり、
敵味方の状況をどれだけ知りうるか、激動する戦闘局面でよりよい判断を行えるか、
といった複雑な要素に満ちた未知のドラマのようなものである。

人為的に構成要素の全てが分かり、選択の可能性が計算できるゲームとは本質的に違う。
政治も同じようなもので、いくら法則化しようとしても、必ず抜け落ちるものがある。
こうした事柄を決定論的に見たがるマルクス主義のような思想があり、
不思議なことに自身を「科学」と称しているが、まさに非科学的である。
科学とは、検証可能な事実を元に、論理的説明を行う方法である。
人間社会を決定論的に予測しようとすると、必ずドグマに陥る。