なぜ京阪式アクセントは難しいかV

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73名無す
>>70
院政時代の京都アクセントでは、「雲」はLL、「蜘蛛」はLF(Fは下降調)となる。つまり雲は三類で蜘蛛は五類。

ここから規則的に変化すると、京阪式では「雲」はHL、「雲が」はHLL、「蜘蛛」はLFかLH、「蜘蛛が」はLFLかLHLになる。
一方、東京式では「雲」はLH、「雲が」はLHL、「蜘蛛」はHL、「蜘蛛が」はHLLになる。

ところが、西関東など一部の東京式では、「雲」が例外的にHL(L)に変化していて、「蜘蛛」と同じになっている。
このため、「雲」は東京と京都でアクセントが同じ例外的な単語になっている。
中国方言など西日本の東京式では規則的な東京式で区別がある。

しかし、今は首都圏のアクセントが標準アクセントとして機能しているため、西日本の東京式でも「雲」がHL(L)になりつつあるし、
京阪式では東京式との規則的な対応から類推して「雲」がLH(L)になりつつある。

東京式でHL(L)の単語は京阪式でLH(L)になり、HL(L)は共通語アクセントだという意識があることから、
より「純粋な」「京阪式」らしいアクセントで言おうとして過剰修正してしまった結果。