アクセント・イントネーション総合スレッド

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1名無す
日本語の方言のアクセントやイントネーションについて語りましょう。
2名無す:2010/01/03(日) 03:03:53 ID:tjNO9Dxv
一般には、アクセントとイントネーションをごっちゃにして、どちらも「イントネーション」という場合が多いですが、
このスレではなるべくきちんと区別するようにしましょう。

アクセントは単語ごとに決まっていて、例えば東京では「端」を低高、「箸」を高低と発音し、
京都では「端」を高高、「箸」を低高と発音するというような感じです。
単語の意味とは関係なく恣意的に決まっています。アクセントにより同音異義語を区別する場合もあります。
言語や方言により違いが大きく、強弱アクセント、長短アクセント、高低アクセントなどの種類があります。
日本語は基本的に高低アクセントですが、方言によって違いが大きく、アクセントがない方言もあります。

イントネーションは文単位で決まるもので、例えば疑問文の場合は文末が上昇調と呼ばれる尻上がりの音調になります。
イントネーションは文法的な機能や、伝えたい文の意味・ニュアンスによって決まります。
どの言語や方言でも音の高低によるもので、言語や方言による差は少なく普遍的な部分が多く見られます。
日本語の方言でも、イントネーションがない方言は存在しません。

日本語の方言について話していて、「イントネーションが違う」などと言っている場合、かなりの確率でアクセントのことを指しています。
日本語では両方とも音の高低なのでごっちゃにしやすいですが、実際は違う概念です。
3名無す:2010/01/06(水) 01:35:15 ID:x/0d7JML
【市況のクズ】<丶`∀´>ノ ◆pc1JVPuYSE【キチガイ朝鮮人】
4名無す:2010/01/08(金) 14:53:41 ID:AG/IcaZB
*東京式
**内輪東京式
**中輪東京式
**外輪東京式
*京阪式(広義)
**京阪式(狭義)
**讃岐式
**伊吹島式
**真鍋島式
*垂井式
*西南九州式

他には?
5名無す:2010/01/10(日) 18:19:11 ID:twEt1NOH
*京阪式(広義)
**京阪式(狭義)
**讃岐式
**伊吹島式
**真鍋島式
*垂井式
**A式
**B式
**C式
**準垂井式
*東京式
**内輪東京式
**中輪東京式
**外輪東京式(広義)
***外輪東京式(狭義)
***北奥羽式
***準二型式(二拍名詞は2パターン、三拍名詞は3パターンの型を持つ)
*西南九州式
*一型式
*無型式
6名無す:2010/01/11(月) 11:28:42 ID:EPgnp6qS
擬京阪式とか加賀式(?)とかもあるような
7名無す:2010/01/11(月) 13:41:35 ID:P5qmilV0
北奥羽式を出すなら雲伯式も出さないと。>外輪東京式の変種。

ところで準二型式は筑前式のことかな?拍数分のパターンが存在する事になるので、
準二型式は今ひとつピンと来ない。
一応、外輪東京式が母体として、大きな二次変化の末型の消失や統合を起こしたようだから、
内・中・外輪に続く第四の東京式系統の型でいいんじゃないかと思う。
色んな資料を見てみると、北奥羽式や雲伯式地域は外輪東京式で括られていることが多いけど、
筑前式地域は、ほとんどの場合「東京式に似た型」「準東京式」「東京式の変種」のような記述で、
外輪東京式とは区別されているような・・・。
8名無す:2010/01/11(月) 18:11:26 ID:EPgnp6qS
雲伯式って北奥式と何か違いがあるのか?
「狭義の外輪東京式において、核の次が広母音拍の場合に限り、核がその次の拍へ移動した」という点は共通していて
違いと言ったら具体的な音調ぐらいじゃないか?
でもそれで分けてたら秋田と津軽も分けなきゃいけなくなるし、
秋田みたいに四類・五類の半分が尾高型になる地域と、岩手の一部のように1/4だけが尾高型になる地域も分けることになる。
雲伯方言も北奥式と言って何か問題あるのか?型はほとんどの語で同じだろう。

筑前式みたいなのを準二型というのは確かにあまりに二拍名詞に偏ってるようで違和感があるな
それならn型とか言ったほうがいい気がする
9名無す:2010/01/11(月) 18:31:11 ID:EPgnp6qS
筑前式が内輪・中輪・外輪のどれにも入れられないのは、一拍名詞と二拍名詞が基準だからだろう。
一拍なら内輪は1/2・3、中輪・外輪は1・2/3で、二拍なら内輪・中輪は1/2・3/4・5で外輪が1・2/3/4・5だが、
筑前式は一拍は1・2・3、二拍は1・2・3/4・5になるからどちらにも入れられない。
ただ、三拍名詞以上を見れば、内輪・中輪由来なのか外輪由来なのかは判別できるはず。
で、そうやって見ると筑前式は外輪系統だろう。外輪そのものとは呼べないが。

九州と沖縄のアクセントは全て外輪東京式からの変化で説明できるというのが定説じゃなかったか?
10名無す:2010/01/11(月) 19:06:48 ID:3Sy5chzh
加賀や佐渡が準垂井式に入るな

準二型式には筑前のほか、浜名湖周辺とか宮城北部・岩手南部も入る
11名無す:2010/01/11(月) 20:01:28 ID:nEQiHlL/
1(LH-H)
3(LH-L)
245(HL-L)の東京式と,

1(LH-H)
3・45(2拍目が広母音)(LH-L)
2・45(2拍目が狭母音)(HL-L)
の東京式の2種類も追加をお願い
12名無す:2010/01/11(月) 20:07:06 ID:EPgnp6qS
>>10
加賀式は垂井式の系統ではないだろう。
垂井式は二拍名詞でいうと1・4(平板型)/2・3(頭高型)/5(尾高型)という別れ方が基本で、
一類と四類が合流していること、四類と五類の区別があることが特徴。また二類と三類は京阪式のまま。
ここから五類が頭高型になって二類と三類に合流したり、富山のように広母音へ核が後退したりする。

加賀式は白峰方言のように、1(尾高型)/2・3(頭高型)/4・5(平板型)という別れ方をするのが原型で、
金沢ではここから二類・三類の語が「第二拍が狭母音を持ちかつ子音が有声子音である場合」を除いて
核を後退させ一類と合流した。
類の合流の仕方は東京と同じで、類に対する型の対応が珍しい。

垂井式の定義としては、「一類と四類が合流」かつ「四類と五類を区別」というのが基準になるだろう。
例えば岐阜県垂井町では1・4/2・3・5で垂井式と呼ばれるが、関ヶ原町の1・4・5/2・3は一般的に垂井式とは呼ばれない。
13名無す:2010/01/11(月) 20:21:05 ID:EPgnp6qS
筑前式と、浜名湖と、岩手南部および宮城北部のアクセントは、
いずれもn拍名詞にn種類の型があるという点では共通しているが、
筑前式は平板型を欠くのに対し、浜名湖、岩手南部と宮城北部のアクセントは頭高型を欠くようだ。

浜名湖のアクセントについては詳しく知らないが、岩手南部から宮城北部にかけてのアクセントは、
その北に隣接する北奥式と似た変化でできたようだ。
北奥式は、外輪東京式から核が後退する際に「核の次が狭母音拍である」という条件があったが、
岩手南部から宮城北部にかけてでは、この条件がなく外輪東京式から無条件で一拍後退したらしい。

青森や秋田では、外輪東京式で核の次が広母音拍である場合は無条件で核が後退したが、
岩手の一部ではさらに条件があり、外輪東京式で核が広母音拍の場合は核が後退しなかったようだ。
つまり、「核が狭母音拍であり、さらに核の次が広母音拍である場合にのみ核が後退した」ということ。

このような地域では、「板」「糸」「井戸」「今」「蜘蛛」「船」「婿」のような語は尾高型になったが、
「汗」「雨」「桶」「影」「肩」「鎌」「今朝」「空」「中」「鍋」「肌」「屋根」などは頭高型のままだ。
三拍名詞も同様に条件付きの変化を起こしている。
14名無す:2010/01/11(月) 20:26:13 ID:EPgnp6qS
>>11
それはどこのアクセントだっけ?
上は岡山県和気郡日生町から兵庫県赤穂市に1963年に越県合併した福浦、
下は山形県と新潟県にまたがる旧朝日村地域のアクセントだったかな?

なんかもうそこまでいくと東京式と呼んでいいのか不安になってくるな。
15名無す:2010/01/11(月) 21:04:04 ID:nEQiHlL/
>>14
それであってる。
上はたしか岐阜県のどこかにも分布してたはず。

体系的には明らかに東京式アクセントだが,
これらのアクセントがどうやって成立したのか,
想像がつかんのだよなぁ。


あと,高知県大方町の東端には,
14(LH-H)
23(LH-L)
5(LH-L)
という,高・低起の対立が消滅した京阪式から,
拍ズレをおこして成立したようなアクセントが存在すると,
本で読んだことがあるが,

こちらはもしかしたら,
紀伊半島南部や能登島にあるような,
東京式への変化の末期状態で,
1(LH-H)と4(LL-L?LL-H→HL-L)の対立を
聞き逃しただけの可能性もあるな。
16名無す:2010/01/11(月) 21:39:24 ID:EPgnp6qS
その特殊な東京式(?)について以前書いた記憶があったので探してきた。

http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1218182688/49-50
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1218182688/141

特徴があるのは二類で、内輪・中輪は尾高型、外輪は平板型なのに対し、この特殊式は頭高型。
それ以外は基本的に東京式と同じ。朝日村は二類以外は北奥式と同じ。

朝日村で二類が母音によって分かれないというのは重要で、少なくとも1/2/3/4・5の状態から説明しなくてはならない。
四類・五類が母音により分裂した時点で、ニ類は四類・五類と合流していてはいけない。
母音による分裂が起きた段階で、二拍名詞に少なくとも4つの型が必要だが、これは東京式の体系では無理だろう。
二拍名詞に型が4つあり、母音による分裂があるといったら高松ぐらいだろうが、ヒントになるだろうか?
三拍名詞がどうなっているかが大きな手がかりになりそうだが、調査されているのだろうか?

高知のそのアクセントについては初耳だ。
ニ類・三類と五類が同じに見えるがそれで合ってるのか?
17名無す:2010/01/11(月) 23:45:07 ID:nEQiHlL/
>>16
失礼。
5類がHL-L
です。

この記述がある本の名前は失念しましたが,
確か高知大学の先生だかがこの記述をしていました。

ただ,地元好きが昂じて方言研究をし始めたような方だったと思うので,
京阪→東京式の変化途中のアクセントを聞いたときに,
誤った記述をしてしまう可能性が有るかなと思った。


朝日村の件だけど,
中輪のLH-LとLH-Hが衝突して・・・という成因はまず考えられないし,
外輪ができる過程で,2類がLL-Lの時代があり,
大半は3類のLH-Hと統合したが,朝日村では,
4・5類の分裂後,2類がHL-Lに変化した。
とでも考えれば説明はつくが,通説に反するんだよね。
それに,岡山や岐阜の説明がつかない。
18名無す:2010/01/12(火) 00:14:24 ID:nEA4ukZf
>>11の下のアクセントが1/2/3/4,5だったころの時代の
2と3のアクセントと4,5のアクセントは何だったんだろう?
2がHL(L),3がLL(L),4,5がLH(H)なら
4,5の一部がLHH>LLH>LL(L)となって、その後LL(L)から頭が高くなってHL(L)の2と合流したとできるが、
3のほうがどうやってLHLになったかが成りたたない。
19名無す:2010/01/12(火) 00:30:28 ID:IjfDePEM
>>18
北奥方言一般と同様の,
4・5類の2拍目が広母音である場合,
HL-L→LH-Lになる変化が起きているわけだから,
この変化がおこる直前は,4・5類がHL-L。

1類や3類は,周囲の東京式と同じでそれぞれLH-H,LH-Lだったと考えて差し支えない。

だから,問題になるのは2類のアクセント。
当初からHL-Lだったとすれば,4・5類と同様に,
2拍目の母音の広狭でHL-L(狭),LH-L(広)に分かれたはず。
でもその変化がおこっていない以上,HL-Lではなかった。
当然,LH-HやLH-Lではないはず。

そうすると,1/2/3/45時代の,2類の形としては,
LL-HとかLL-Lを想定する必要がでてくる。
20名無す:2010/01/12(火) 01:36:02 ID:nEA4ukZf
>>19
ではその2類のLLHあるいはLLLが生じた過程はどうなのだろう。
平安時代の京都のHLLから頭の高を失ってLLLでいいのかな。
しかし2類でHLL>LLLが起きた時点で3類がLLLのままだと
その3類と合流してしまうから、3類LLL >?(>LHL)という変化が先んじて起こったことになるな。

21名無す:2010/01/12(火) 23:38:07 ID:eEQpYIk2
筑前式アクセントの1拍形容詞、2拍形容詞、3拍形容詞はどんな感じなんでしょうか?
教えていただけませんか?
22名無す:2010/01/14(木) 23:47:07 ID:eOxkTLDG
>>16
実は2類も広狭で分裂していて、それが語彙的な変化や隣接方言の影響で分からなくなっただけという可能性も捨てきれない。
僻地の方言島だし、行われた調査もあまり詳しいものではなさそうだから、その程度の誤差はありそう。
23名無す:2010/01/15(金) 02:22:51 ID:24U32w+Z
>>22
確かにそれはその通りだよなあ。
そして,もし今から調査するとしても,
100歳↑の人たちを調査しないと詳細がわからなそうという・・・
(やはり3拍語の調査がされていなそうなのがつらいところだ)
24名無す:2010/01/16(土) 11:25:50 ID:WiqY8c/p
>>21
筑前式アクセントでは、用言は全て-2の起伏型に統合されている。
2拍ならHL、3拍ならLHL、4拍ならLHHLという感じ。
東京式では、n拍語なら体言にはn+1種類、用言には2種類の型があるが、
筑前式では、n拍語なら体言にはn種類、用言には1種類の型があり、ちょうど1種類ずつ少なくなっている。

>>22-23
確かに、本当は2類も広狭で分裂している可能性を考えたほうがいい気がする。
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1218182688/141 の内容は
東京式の成立自体にも関わる極めて重大な意味を持つ報告なのだが、
詳細な報告を見たことがない。できれば一語一語、それも様々な年齢の多数の人に聞いたアクセントが知りたい。

純粋な方言はもう100歳以上でないと聞けないだろうが、アクセントはまだ比較的共通語化が遅く、
70歳以上なら言語形成期にテレビがなかったから、一般的にかなり純粋なアクセントを保持している。
まして山間部の僻地だから都市部ほど共通語化が進んでいないはず。今からでも調査はできるのでは?

とにかく、過去の詳細な報告がないか知りたいところだ。
25名無す:2010/01/16(土) 12:52:02 ID:5NAChucn
>>24
21です。ありがとうございます!!
26名無す:2010/01/16(土) 23:36:09 ID:5jFe9tGP
タイトル見るとアクセントだけじゃないんだな。
北陸の間投イントネーション(ゆすり音調)ってどんな感じだ?
不規則に揺れるのか、きまった形があるのか?
27名無す:2010/01/17(日) 00:29:52 ID:19CVSA7b
「遅上がり」は厳密にはイントネーションなのかな?
アクセントと一緒に語られることも多いようだけど
28名無す:2010/01/21(木) 01:24:33 ID:YPx1VvF+
プログラム→HLLLL
プログラム→LHHHH
はどちらが標準語?のイントネーションですか?

どうもカタカナ語をLH型で言われると違和感がします・・・(もちろん例外もあります)
29名無す:2010/01/21(木) 02:32:38 ID:3QX/EFoy
標準語は
プログラムLHHLL
ちゃう?
首都圏弁は
プログラムLHHHHやと思う。
4拍語で最後が広母音は平板型になることが多い気がする。
特殊拍は1個前にずれてー4かな。
普通は−3.
30名無す:2010/01/21(木) 02:34:31 ID:3QX/EFoy
首都圏弁は
あらゆる名詞がLHHHH〜になってきてる気がするw
31名無す:2010/01/21(木) 02:37:36 ID:YPx1VvF+
ありがとう
LHH…な発音を聞くとムズムズするんだw

今日聞こえたのは「twitter」
((#^ω^))

32名無す:2010/01/25(月) 14:38:18 ID:SfR/7O59
>>28-31
そういう「規範的なアクセント」を聞くなら

日本語のアクセント(旧「正しいアクセント」)
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1239241555/

こっちで。
33名無す:2010/01/25(月) 14:43:51 ID:1ZwQtE3b
口語ではほとんど用いられないような単語のアクセント、
たとえば「けだし」とかは、方言学ではどのように調査するのですか?
34名無す:2010/01/25(月) 15:04:59 ID:q6EldX3y
>>30
そうです。
気持ち悪いですよね。
35名無す:2010/01/25(月) 21:26:20 ID:Wn9n1/nA
野球の江川さんが
タイトルを普通にHLLL-Lで「タイトルが〜〜」言ってたら
横の人がLHHH-Hで「タイトルが〜〜」て言いなおして

江川さんがもう一度HLLL-Lで「タイトルが〜〜」言ってたら
また横の人がLHHH-Hで「タイトルが〜〜」て言いなおしてました。
いかにもタイトルはLHHHだ!!みたいな感じが出てました。
また、このアクセントで知的さを醸し出しているんだよ!優秀なんだよ!東京最高!という
雰囲気を感じました。
(たぶん、アナウンサーの方ではないと思います。芸能人解説者かな。)

ここの人たちから見たら名詞が平板化している人は嘲笑の対象ですよね。
このときの名詞の平板化に対抗するかに見えた江川さんはかっこよかったです。
36名無す:2010/01/25(月) 21:30:16 ID:Yak9tNLO
ですよね〜

全国に音声が伝わるTV・ラジオでは気をつけてもらいたいものですけど、
関東の言葉=標準語と勘違いしてる人が大杉でむずかしいかな?
37名無す:2010/01/25(月) 21:38:38 ID:Wn9n1/nA
>>36
確かに、標準語と思っているひとが多いですね。
wikipediaだと東京の芸人 方言:標準語
となってますもんねwwww
たけし:江戸弁
さんま:奈良弁
タモリ:標準語、博多弁
だったと思います。
38名無す:2010/01/25(月) 21:43:09 ID:q6EldX3y
>>35
それマジで?
本当ならキモすぎ
江川かっけえw

>>37
あの 方言:標準語 ってのまじ意味不明だよなw
39名無す:2010/01/26(火) 02:15:50 ID:TSoN/e4Z
もうその「首都圏方言における外来語・新語の平板化」の話題はよそでやってくれよ。
>>32のスレでやればいいのに、なんでこのスレでまで同じ話題をやるのさ。
折角興味深いスレの流れだったのに、こんな不毛な話題で延々と埋め尽くされるのはうんざりだ。
スレ・板の趣旨としても>>32のほうが合ってるじゃないか。ここは方言板なんだし。
40名無す:2010/01/26(火) 02:24:36 ID:TSoN/e4Z
>>33
「口語では」というか、現代の方言でほとんどどの地域にも用いられていないような単語だと
それはそもそも「方言学」の範疇を外れているのでは?
過去に中央で用いられていた単語なら、文献記録にその単語のアクセントが残っていないか探すだろうけど
それは方言というより日本語史の分野だろう。

文語的すぎる単語、口語で使われない単語だと、親から子へのアクセントを含めての口伝えの伝承が途切れているから、
類推などによってアクセントが変化していることもある。一旦その方言で死語になって、共通語として復活した語も同じ。
「その方言でのアクセント」を調べるなら、その方言で日常的に口語として使われていないと意味がない。
41名無す:2010/01/26(火) 07:26:58 ID:zROksruB
今日本でアクセントがまったく調査されておらず
どんなアクセントが用いられているか住民しかしらないという集落はあるんですか?
42名無す:2010/01/26(火) 09:23:24 ID:Ml0DgD0b
>>41
現実論的には「調査」されていない集落は多いだろう。
最も、普通これらは周囲の集落とほぼ同じアクセントが用いられていると「推定」されている。
特に東京式や京阪式が広域にわたって分布する平野部なんかがこれだろう。

山間僻地や離島などは様々な特徴的アクセントが分布することが多いので概ね調査対象になる。
それでもひょっとするとそういう集落はあるかも知れない。
43名無す:2010/01/26(火) 23:03:30 ID:TSoN/e4Z
>>41
上でも言われているけど、全く調査されていない集落はいくらでもあるだろうが、
周囲と同じ平凡なアクセントだからだろう。
何か特に変わった未知のアクセントが全く調査されずに残っているというのは考えづらい。

山間部や離島の僻地には、それこそ昭和10年代の平山輝男の時代から、
何か変わったアクセントがありそうだということで早くから調査の手が入っている。
アクセントだけでなく、色んな面で変わっている方言島というべきところも多い。

地形的には特に僻地とも言えない平地で何か変わったアクセントの集落があった場合でも、
そういう集落は「あの集落は何かアクセントやイントネーションが変わっている」ということで
近隣の比較的大きな集落で認識されていたりするから、それが学者の耳に入って調査されるだろう。

ただ、主な二拍名詞を大まかに調べ、類の合流の仕方を調べただけで、それ以上詳しく調べられていない集落は多そうだ。
一拍名詞や三拍名詞、動詞、形容詞のアクセントがどうなっているか不明な集落はかなりあるだろう。

下げ核かと思ったら昇り核で実は上昇が有意味だったとか、高起式かと思ったら実は下降式だったとか、
アクセント体系がどうなのか正確に把握されていない集落はまだまだあるだろう。
二拍名詞を軽く調べただけじゃこういう体系は見逃すこともある。
44名無す:2010/01/27(水) 13:17:09 ID:njRCLfPt
周囲から孤立したアクセントが用いられている地域(面積・人口的に小さい地域)

*北海道新十津川町 … 奈良県十津川村と同じ内輪東京式
*北海道北斗市(旧大野町) … 福井県大野市と同じ垂井式
*岩手県洋野町(旧種市町)中野 … 周囲から一拍前ずれしたようなアクセント
*福島県檜枝岐村 … 型の種類が少ない東京式
*山形県鶴岡市(旧朝日村) … 二類が頭高型の特殊な東京式
*新潟県村上市(旧朝日村)三面 … 上と同じ
*山梨県早川町奈良田 … 上げ核で周囲と音調がほぼ逆
*静岡県静岡市葵区(旧井川村) … 無アクセント
*静岡県新居町 … 型の種類が少ない東京式
*石川県七尾市(旧能登島町) … 内輪東京式
*岡山県笠岡市真鍋島 … 真鍋島式と呼ばれる
*香川県観音寺市伊吹島 … 二拍名詞の五類の区別を全て残す
45名無す:2010/01/28(木) 17:43:11 ID:i6kUVpGm
ウィキぺディアの記事「東京式アクセント」「垂井式アクセント」への加筆にご協力ください。

ウィキペディアでは、
「九州地方南部・西部に分布する二型式アクセントと
埼玉県及び東京都の旧葛飾郡・埼玉郡域などに分布するアクセントを合わせた特殊式アクセント」
という記述があるが、こんなくくり方があるのか。

また、石川県加賀地方が垂井式になっているが、これでいいの?
46名無す:2010/01/29(金) 00:05:55 ID:BEBGhD11
アクセント関係のページは増えてきたが間違いも多いな。
西南九州式と埼玉特殊式を一緒にするなんていつの時代だよって感じだし
石川県南部は加賀式であって垂井式には入らない。

ただまともに出典付きで加筆しようとするとそれはそれでかなり面倒。
47名無す:2010/01/29(金) 00:24:35 ID:eChrXGrp
>>46
アクセントに限らず方言関連の記事は間違いだらけじゃないか?

言語学的に記述しようというより、
話者が自分の方言意識で書き込んでるという状況に近いし。
48名無す:2010/01/29(金) 01:39:31 ID:uLyhPGPN
>>46
京阪式アクセントを、東京式より新しいアクセント体系として扱っている記述すらあるね。

>>47
終いには伝統方言似ついて書いているのか、若年層の間で使っている新方言について
書いているのかすら分からなくなっている記事も多いね。
49名無す:2010/01/29(金) 02:12:06 ID:di66LXOQ
>>45
「特殊式アクセント」は要は東京式アクセントからの変化で外見がむしろ京阪寄りと思わせるほどに隔たったものの総称ということで用法としては合っている。
金田一春彦は「擬京阪式」とも呼んでいたようだが。
また、京阪式の甲種、東京式の乙種に対して「丙種」と呼ぶ場合も。
(この場合、鹿児島の枕崎や種子島はさらに反転しているので「丁種」)

「垂井式」の本来の用法から見れば間違い。既に縷々議論されているが、本来垂井式は京阪式の1類と4類、2&3類と5類のいずれかあるいは双方が合流したものを指す。

一方、加賀アクセントについては金田一は「生成過程のやや不明瞭な準京阪式」としている。
但し、慣用的に高起・低起の区別のない、型の区別が摩滅した京阪系アクセントという意味で用いる場合がある。
あくまで誤った用法だが、学界で広く定着しているのであれば「狭義」「広義」で区別するよりない。
どの程度本来誤用である「広義」が蔓延しているか、理論というより用語の定義の問題になってくる。
50名無す:2010/01/29(金) 02:24:48 ID:di66LXOQ
>>45
「特殊式アクセント」は要は東京式アクセントからの変化で外見がむしろ京阪寄りと思わせるほどに隔たったものの総称ということで用法としては合っている。
金田一春彦は「擬京阪式」とも呼んでいたようだが。
また、京阪式の甲種、東京式の乙種に対して「丙種」と呼ぶ場合も。
(この場合、鹿児島の枕崎や種子島はさらに反転しているので「丁種」)

「垂井式」の本来の用法から見れば間違い。既に縷々議論されているが、本来垂井式は京阪式の1類と4類、2&3類と5類のいずれかあるいは双方が合流したものを指す。

一方、加賀アクセントについては金田一は「生成過程のやや不明瞭な準京阪式」としている。
但し、慣用的に高起・低起の区別のない、型の区別が摩滅した京阪系アクセントという意味で用いる場合がある。
あくまで誤った用法だが、学界で広く定着しているのであれば「狭義」「広義」で区別するよりない。
どの程度本来誤用である「広義」が蔓延しているか、理論というより用語の定義の問題になってくる。
5149:2010/01/29(金) 02:28:12 ID:di66LXOQ
ブラウザの不具合かたまに連投状態になるようだ。スマソ
52名無す:2010/01/29(金) 11:16:56 ID:smwvkyLa
そういう垂井式、東京式の定義を書いた文献はある?
金田一春彦の著書では
日本全国のアクセントを東京式か京阪式のどちらかに似ているかで分けてるだけで定義が曖昧だし
「垂井式」という名称も出てこない。
53名無す:2010/01/31(日) 04:27:03 ID:1/PNaUhb
金田一の著者に垂井式の定義というか特徴について触れた箇所があったと思うが。
確か福井北部のアクセントについての文章だったと思う。
この板が言語学板を探せば見つかるはず。
54名無す:2010/01/31(日) 22:21:50 ID:JBhi1yL6
「垂井式」という名称は後輩の学者が名づけたものかも知れないが、
概念としては金田一が提唱しているはず。
なお、平山輝男らの調査踏破結果をもとに金田一がまとめた有名なアクセント地図では、
「型の種類の少ない京阪式アクセント」と呼ばれている。
最も典型的なのが2拍名詞が2型化したタイプ(垂井町含む。その変種が富山)
その他にその途上のものや、少し系統の異なるものとして佐渡島のアクセントが挙げられている。

なお、件の加賀式はこの段階では系譜関係がやや不明瞭として、
「京阪式と似たアクセント」に分類、
ここでは明らかに東京式から派生した所謂丙種(埼玉式、奈良田式、種市式、西南九州式など)と同じくくりにしている。
(地図上の地紋が同じになっている)
最も、岩波日本語講座の本文では「恐らく京阪式から派生した」として「準京阪式アクセント」と呼び、丙種の「擬京阪式アクセント」と明確に区別している。
(地図上の記号は京阪式(垂井式含む)がローマ字大文字、「準京阪式」がローマ字小文字なのに対し、「擬京阪式」はひらがなのいろは順になっている。
55名無す:2010/01/31(日) 23:42:38 ID:q/TgnIYH
日本語のアクセント観は完全に方向観に変わった?
語頭と二拍目の高さが異なることは東京式かどうかとは関係ないよな?
56名無す:2010/01/31(日) 23:53:44 ID:ly2OPH/V
>>55
昔から関係ない。
57名無す:2010/02/01(月) 00:07:38 ID:KVLoKZ/e
福井県嶺北地方の平野部(曖昧アクセント地帯)の周りには、加賀式アクセントが広がっているのかな?
58名無す:2010/02/01(月) 01:44:13 ID:FZnO52Ii
最近の調査では嶺北のうち大野・勝山と今庄以外は無アクセントになっている模様。
今庄は加賀式の祖らしい。
59名無す:2010/02/01(月) 03:13:48 ID:aXYEnfh8
>>55
昔から、平板型が低平型になり起伏型も一拍卓立になる北奥式、
上昇位置が一拍目のあとではなく二拍目のあとである名古屋などが知られていたわけだが。
60名無す:2010/02/01(月) 14:19:20 ID:FZnO52Ii
筑前式でも2拍名詞は基本12/3/45。
1・2類は、一拍目広母音二拍目狭母音のときのみ4・5類と合流して頭高型。
それ以外は尾高型で3類に合流。
61名無す:2010/02/01(月) 14:28:29 ID:WpB/IfCm
琉球方言と本土方言の分岐が奈良時代よりも前とされるのに
琉球方言のアクセントが奈良時代よりだいぶ後の院政期の京都のアクセントと
対応しているのはなぜですか?奈良時代より前から平安時代まで同じアクセントが継続したということですか?
62名無す:2010/02/01(月) 14:50:24 ID:B2l6wajh
>>60
広母音ア段
狭母音イ段、ウ段
ですか?
エ段とオ段はどちらでしょうか?
63名無す:2010/02/01(月) 20:03:09 ID:FZnO52Ii
広母音がア、エ、オ、
狭母音がイ、ウです。
64名無す:2010/02/01(月) 21:54:31 ID:eU0Wz8bR
>>61
そう。奈良時代から院政時代まで、
アクセント体系の大きな変化は無かったのではないかと考えられている。
そのように推測される根拠として、院政時代の京都アクセントを共時的に分析したときに、
いわゆる金田一則(式保存の法則)が成り立っていることがある。

式保存の法則は、高起式と低起式の区別が保存されるという法則で、
例えば複数の形態素が合わさって複合語を作った場合は複合語の式は先頭の形態素と同じになるし、
動詞や形容詞といった用言の活用形では、全ての活用形の式が同じになる。

京都のアクセントは、南北朝時代にアクセント体系自体の大きな変化が起き、金田一則は崩壊した。
この変化では、低低低、低低高、低低低低、低低低高、低低高高のように低が2つ以上語頭から続く型が、
高高低、高低低、高高高低、高高低低、高低低低のように変化した。
このため、複合語や用言の活用形で、式保存の法則が成り立たない例が出た。

もしアクセント体系の大規模な変化が起きれば、式保存の法則が崩壊する可能性が高い。
院政時代の京都で式保存の法則が成り立っているということは、それまでの数百年間、
少なくとも式保存の法則を崩すような変化が起きなかったということがいえる。

また、「琉球方言のアクセントが院政時代の京都アクセントと対応すること」も、
本土方言と琉球方言の分岐から院政時代まで大きな変化が無かったと推定する根拠になる。
65名無す:2010/02/01(月) 22:11:22 ID:LHJUwxPK
ただ、実は、琉球方言のアクセントは、院政時代の京都アクセントと
そんなに綺麗に対応するわけでもないことが近年は分かってきている。

例えば、琉球祖語の2拍名詞における類の合流の仕方は、
外輪東京式と同じ1・2/3/4・5であるというように言われることがある。
ところが実際は、3つの型が再構されるのは確かだが、
四類と五類に所属する語の約半分が三類と同じ型として推定される。
つまり、1・2/3・4・5/4・5という状態だ。
同様に、三拍名詞には3つの型が再構され、類別に分けると1・2/4・5/4・5・6・7というようになる。
(三類は数が少ない上に諸方言で規則的に対応しないので省く)
これは、院政時代の京都アクセントの内的変化としては説明できない。

本土方言(狭義の日本語)と琉球方言(琉球語)との祖語を日琉祖語と呼ぶことにし、
本土方言と琉球方言の祖語をそれぞれ日本祖語と琉球祖語と呼ぶことにすると、
日琉祖語から日本祖語までの間、あるいは日琉祖語から琉球祖語までの間のどちらかで
何らかの、ある程度大きなアクセント変化が起きたことになる。
66名無す:2010/02/01(月) 22:26:01 ID:edt++e7o
今庄は金田一の地図では普通の加賀式の扱いだったはずだが、Wikipediaでは母音による変化なし(つまり白峰式同様?)とある。

いったいどっちが正しいんだ?詳しい方説明キボンヌ。
67名無す:2010/02/01(月) 22:50:35 ID:kjnE9Eox
『岩波講座 日本語11 方言』 岩波書店、1977年。「4 アクセントの分布と変遷」 金田一春彦、149-150頁。

>最後に福井県はきわめて複雑なアクセントの変化のある地域である。
>まず、若狭は中央の小浜地区など、京都・大阪の方言とよく似たアクセントをもつ。
>一方、越前の東隅は東隣の岐阜県の方言と同じで内輪東京式アクセントをもつ。
>他の地域のうち、敦賀地区、大野地区、若狭の高浜地区などは、先に述べた岐阜県の
>垂井方言に似たアクセントを有する。福井・武生など、県の中心部の地域は一型アクセントであり、
>南条郡今庄村地区には二1・2・3が●┐○(カゼ)型、4・5が○●(カサ)型という、
>他に例のないアクセント体系をもつ。三国町をはじめ福井・武生を囲む周囲の地区には、
>二1・4・5が●○(カゼ)〜○●○(カゼガ)型、二2・3が○●(カワ)型という、
>これまた全国に類のない.アクセントを有し、その高低の相は京阪式よりはむしろ
>東京式に似ている。ただし型の区別ははっきりせず、心細いアクセントである。

金田一の地図では今庄は確かにb'(加賀式)になっているが、
本文を読むと明らかに加賀式とは違うアクセントであると述べている。

書き方を上の文と揃えるなら、加賀式は二1が○●┐、4・5は○●で、
2・3は第二拍が狭母音と有声子音を持つものだけ●┐○で他は○●┐(1と合流)、
白峰式は二1が○●┐、2・3が●┐○、4・5は○●。
ただ、白峰式の1が○●┐から●○┐に変化すれば今庄式になるので、
白峰式が変化したアクセントという点では加賀式と似ている。
そこで地図上では一緒にしたのかもしれない。

今庄式は母音による類の分裂はないが、白峰式とも明らかに異なる。

なお、上で三国町を例として言及されているアクセントは、
1970年代当時から既に曖昧アクセントだったことが上の文から分かるが、
現在では老年層までほぼ完全に無アクセント化しているらしい。
恐らく福井市も昔はこのアクセントだったのだろう。
68名無す:2010/02/02(火) 01:14:09 ID:qi42+9eW
>>65
出典と,45類のうち3類と合流する単語としない単語の例をお願い。

その記述だけだと母音の広狭で分裂を起こしたんじゃないかと思ってしまうんだけど。
69名無す:2010/02/02(火) 02:28:02 ID:PnSHz4ck
とりあえずネット上で本文が見られるもの

沖縄本島金武方言の体言のアクセント型とその系列 : 「琉球調査用系列別語彙」 の開発に向けて
松森晶子(2009)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007097760

琉球の多型アクセント体系についての一考察 : 琉球祖語における類別語彙3拍語の合流の仕方
松森晶子(2000)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002533578
70名無す:2010/02/02(火) 02:30:31 ID:PnSHz4ck
松森(2009)では、琉球祖語に想定される型について「類」ではなく「系列」を用いている。
上の2つの論文に挙げられた諸方言の語例から、それぞれの系列に属すると思われる語を拾っていくと、

1拍
A系列
 一類:血・帆・実
 二類:名・葉
B系列
 三類:木・酢・手・荷・根・火・穂・目・湯
 五類:歯

2拍
A系列
 一類:飴・烏賊・牛・枝・風・傷・釘・口・腰・酒・砂・袖・箱・鼻・羽・筆・臍・星・水
 二類:石・歌・音・紙・牙・夏・橋・人・冬
六類:溝
B系列
 三類:網・犬・芋・色・馬・草・雲・米・島・角・波・糠・花・豆・耳・山
 四類:板・稲・瓜・傘・肩・角・鎌・汁・種・味噌・蓑・麦・藁
 五類:雨・腿・夜
C系列
 三類:瓶・蚤・浜・骨・鞠
 四類:息・糸・臼・海・中・箸・針・船・箆・松
 五類:汗・桶・影・声・猿・足袋・露・鍋

3拍
A系列
 一類:踊り・筏・錨・田舎・鰯・漆・終わり・飾り・霞・形・鰹・竈・鎖・轡・車・煙・麹・氷・今年・桜・印・障子・畳・隣・寝言・鼻血・二十日・二日・祭り・港・六日・昔・柳・涎・四日・鎧
 二類:小豆・二人・鶴瓶
 三類:黄金・力・二十歳・岬
B系列
 四類:戦・五日・表・鏡・暦・宝・俵・七日・袴・鋏・光・仏
 五類:油・五つ・命・胡瓜・心・簾・襷・涙・火箸・枕
C系列
 四類:扇・刀・瓦・言葉・境・白髪・硯・袋・筵
 五類:朝日・従兄弟・親子・襷・情け・柱・箒・山葵
 六類:兎・鰻・烏・狐・虱・団子・鼠・裸・裸足・左
 七類:苺・蚕・鯨・薬・卵・盥・畑・一人・緑

少なくとも単純に二拍目の母音による分裂などで説明するのは困難そうだ。
71名無す:2010/02/08(月) 19:27:31 ID:fE8HPnIm
>>52
金田一春彦「隠岐アクセントの系譜」より引用

>そもそも近畿アクセントには、次のような性格がある。
>(1) 1拍名詞。「歯」の類が「葉」の類と同型で、「手」の類とは違う型に属する。
>(2) 2拍名詞。「空」の類と「雨」の類とが違う型に属する。
>(3) 3拍名詞。「兜」の類が「兎」「烏」の類とは違う型に属する。
>(4) 2拍動詞。「出る」「見る」の類の終止形・連体形のデルと、完了形のデタ、接続形のデテとは違う型に属する。
>(5) 2拍動詞。「居る」は「置く」「買う」の類とは違う型に属する。
>(6) 3拍動詞。「歩く」「入る」の類が「動く」「泳ぐ」の類と違う型に属する。
>(7) 2拍形容詞。「よい」「ない」の終止形・連体形が連用形とは違う型に属する。
>(8) 1拍助詞。「も」「へ」は一般の助詞「が」「は」「に」「を」などと違う型に属する。
>(9) 2拍助詞。「まで」「でも」「から」はそれぞれ違う型に属する。

>そうして一般に甲種方言、あるいは甲種系統と呼ばれている方言は、これらの性質を近畿と共有する。
>服部博士以来「垂井式方言」と呼ばれて、近畿周辺部に分かれて分布している方言、
>四国の香川県を中心として広がっている「讃岐式方言」など、いずれも(1)-(9)のすべての性質を持つ。
>佐渡島の方言など、日本で最も東北部に位置する甲種系方言と言われるのは、(1)-(9)の大部分の
>性質を持っているからで、ある人たちが甲種系方言とすることに反対している能登の諸方言も、
>上の(1)-(9)のすべての点で近畿方言と軸を一にしている。北陸諸方言のうちには、福井県三国方言のように
>大分変わり果てていて、近畿方言よりは関東方言に近いように見えるものもあるが、それでも(1)-(9)の性質を
>幾つか共有することによって、近畿方言から由来したものであることを表している。

>例として、福井県三国町方言のアクセントは次のようである。(引用者注:原文は●や○などで表記しているがここでは高低で表記する)
>2拍語には高低型と低高型とがあり、次のような語彙が所属する。
>高低型 「秋」「雨」…「海」「空」…「牛」「風」…「木が」「手が」…「蚊が」「血が」…「書く」「切る」…「行く」「置く」…「よい」「ない」。
>他の語がつけば、これらはアキガ(高高低)・アメガ(高高低)…のようになる。
>低高型 「足」「山」…「紙」「川」…「葉が」「日が」…。他の語がつけば、これらはアシガ(低高高)、ヤマガ(低高高)のようになる。
>3拍語には高高低型と低高高型とがあり、次のような語彙が所属する。
>高高低型 「兜」「野原」…「兎」「雀」…「頭」「女」…「桜」「魚」…「上る」「当たる」「…「明ける」「負ける」…「赤い」「堅い」…。
>他の語がつけば、これらはカブトガ(高高低低)型になる。
>低高高型 「命」「涙」…「余る」「動く」…「晴れる」「掛ける」…「白い」「高い」…。
>他の語がつけば、これらはイノチガ(低高高高)型になる。

>こんなふうで、およそ近畿色が乏しく、むしろ関東色が濃いくらいであるが、「歯が」はハガ(低高)で「葉が」「日が」と同型であり、
>「居る」は他の動詞から孤立してオル(低高)型、「歩く」「隠す」「這入る」は「余る」「動く」から離れたアルク(高高低)型であり、
>近畿アクセントから派生した形跡がはっきりしている。思うに近畿アクセントから
>高高型↘
>低高型=低高型→低低型→高低型
>低降型↗
>高低型→低高'型→低高型
>などのように変化してできたものであろう。

>これに対して、山梨県南巨摩郡奈良田方言、埼玉県北埼玉郡加須方言、
>静岡県浜名郡舞阪方言などは、幾つかの語彙群のアクセントが近畿のものとそっくりであるが、
>上の九つの基準に照らす時、すべての点で近畿と一致せず、乙種アクセントから変化したものであることを
>物語っている。問題の隠岐方言も、この点では奈良田方言と同様で、上の(1)-(9)の基準で、
>すべての点で近畿と一致せず、中国と一致する。これは、隠岐の方言が近畿系ではなく、
>変わり果ててこそいるが、中国方言から変化してできたものと疑わせるのに十分である。
72名無す:2010/02/08(月) 19:42:41 ID:fE8HPnIm
上の記述から整理すると、京阪式系(京阪式、讃岐式、垂井式など)アクセントが満たし、
東京式系のアクセントが普通は満たさない特徴は、

(1) 一拍名詞五類(歯)が二類とが同じ型で、三類とは違う型である。
(2) 二拍名詞四類と五類とが違う型である。
(3) 三拍名詞七類と六類とが違う型である。
(4) 二拍一段動詞二類の終止形・連体形と、完了形・接続形とが違う型である。
(5) 二拍五段動詞三類と一類とが違う型に属する。
(6) 三拍五段動詞三類と二類とが違う型に属する。
(7) 二拍形容詞二類の終止形・連体形と、連用形とが違う型である。
(8) 一拍助詞のうち「も」「へ」は一般の助詞「が」「は」「に」「を」などと違う特殊な接続の仕方をする。
(9) 二拍助詞の「まで」「でも」「から」がそれぞれ違う型である。

さらに、京阪式(讃岐式を含む広義)と垂井式の違いは、
(1) 京阪式では高起式と低起式の区別が有るが、垂井式では無い。
(2) 京阪式では二拍名詞一類と四類とが違う型であるが、垂井式では同じ型である。

京阪式と讃岐式の違いは
(1) 京阪式では二拍名詞二類が三類と同じ型で、一類とは違う型であるが、讃岐式では一類と同じ型で、三類とは違う型である。
73名無す:2010/02/08(月) 23:54:41 ID:lI1eohZM
生田早苗氏は、京阪式方言と東京式方言の間の中間アクセントとして、(以下は二拍名詞によるもの)
A型<1類が平板型/2・3・4・5類が頭高型>、B型<1・4類が平板型/2・3・5類が頭高型>、
C型<1・4類が平板型/2・3類が頭高型/5類が尾高型>と分けたが、
「垂井式」の名は用いなかった。
74名無す:2010/02/12(金) 03:12:38 ID:0MsQY4LS
その例のA型ってどこのアクセントだ?
75名無す:2010/02/12(金) 04:43:28 ID:XFChl1kX
確かなことは言えないが、やはり大垣近辺、確か「今須式アクセント」だったと思う。
76名無す:2010/02/12(金) 08:09:44 ID:8kCb6YzV
A型は岐阜県南濃町境・松山と、大垣市長松など、滋賀県長浜地方、
奈良県大塔村大部(阪本など)、天川村(中谷など)、備前・播磨境界付近の位置など、
らしい。
ただ、長浜地方はちょっと怪しい。
77名無す
今須ってどこかと思ったら岐阜県関ヶ原町か。
前に金田一の有名な図が載ってる岩波の本を読んだ記憶では、
関ヶ原町は一類・四類・五類が平板型で二類・三類が頭高型となっていた記憶があるけど
関ヶ原町の中でも違いがあるのか?

あと滋賀県長浜地方は岐阜県垂井町から連続した1・4/2・3・5の地域では?