大好きな愛犬に捧ぐ独り言。

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605柊三等兵たちと軍用芋虫人たち
柊三等兵たちは、
軍用芋虫人を1体ずつ載せた4台のカートを押して
リノリウムの廊下をあちこち曲がりながら進み、
貨物用の大エレヴェータで下降し、再び廊下をくねくね進んで
地下第3駐車場の入り口まで来た。

入り口横の大きな部屋が臨時の工作室に充てられている。
カートはまずここに搬入され、受け渡される。
5人の柊三等兵の移送任務はこれで完了である。

なお、この
「第2研究室→地下第3駐車場」の移送は実は往復の復路に当たり、
本当を言うと任務の起点は、
臨時工作室で空のカート4台を引き取ること、から始まる。
空のカート4台を「地下第3駐車場→第2研究室」で運ぶのが往路であり、
鰍の第2研究室では、空のカートと
出来立ての軍用芋虫人を載せたカートを差し替えたのだ。



軍用芋虫人たちは、臨時工作室で
ミイラが眠る棺桶みたいな形の装置に組み込まれ、
入出力のさまざまな管や線が繋がれる。
作業を行うのは、鰍から綿密なレクチャーを受け、
装置の作動原理を深く理解している高級技術兵たちだ。

昼から夕方にかけてが鰍とアイによる手術時間で、
高級技術兵たちによる組み込み作業とテストは夕方から夜に掛けて行われる。
だいたい深夜0時頃、4台の軍用芋虫人ユニットが組みあがり、
雑役の柊三等兵たちの手で地下第3駐車場に搬入される。