大好きな愛犬に捧ぐ独り言。

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547柊の国の鰍
鰍はまたもや図書室に籠もり切りだ。

机ごとに
積み上げた本の担当分野が異なるらしく、
すべて独り占めにした机から机へと渡り歩きながら、
本を調べ、ノートに数式を書き散らしている。

あの安楽椅子――夢空間共有システム――は、そのまま
図書室に置いてあったが、その後、
柊准尉との「添い寝」は(まだ?)してない。
ケララには、 >>540
間引いたハケン3体のうちの >>534 2体を使って
新たに2機を作り、試用機として譲り渡した。

警護ということで鰍に付き添っている柊准尉は
ときどき鰍に紅茶を入れたり、話し相手になったり、
ふと眼が合ってみたりしている。

いま、鰍が没頭しているのは、
「モヨコ双対モナドのモジュライ構造」の数学的研究だ。

アルジャーノン指数が低い現実世界において、
なんとか形而上物理学を実証してみたいと考えた鰍は、実験手法を考案するため、
数学的側面から詰めてみることにしたのだ。

物理学としての形而上物理学が凋落したあとも、事柄の
数学的側面の研究は、
ほそぼそとながら進展していたからである。
『同一カオスにおける多重コスモス場の理論』の時代にはわからなかったことでも、
いま、鰍が考えれば見えるかも知れない。