480 :
柊:
カタタタン カタタタン カタタタン カタタタン カタタタン カタタタン カタタタン
暗闇のなかで柊おぢさんは眼をつむる。すると・・ あれ?
見えないはずの右眼に、ぼうぅ っと、ひとの顔が浮かんでいるような気がした。
左眼を開け、閉じてみる。右眼を開け、閉じてみる。
目蓋をシャッターみたいにぱたぱたやってみる。
潰れたはずの右眼の視界に、たしかに白い顔が ぼうぅ っと浮かんでいるようだ。
ヤングジャンプのグラビアで見た
鰍主任科学官の顔に、どことなく似ているような気がした。
解雇されて無職になったときコンビニで見たグラビアのイメージを
鮮明に思い浮かべていたから、
だったかも知れない。