バカは来ないで。

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中日・落合監督には、巨人・清原を引き取る義務がある。独善的で、スタメンを外されたら
すぐにふて腐れる清原のスタンスは、オレ流継承だからだ。

13日の中日戦(東京ドーム)試合前の練習での清原の姿は目に余った。ユニホーム姿でなく、
首脳陣が着ているのと同じグラウンドコート姿。スパイクでなくスニーカー、ヘルメットを
かぶらず、帽子。どうせスタメンでないから、どうでもいいや−といった投げやりな
バッティング練習姿だった。これではナインに悪影響を与えるだけだ。
「清原を置いておいたら、ホリは扱いにくいだろうし、かわいそうだ。巨人が年俸の半分を
持ってやってトレードに出せばいい」という超大物巨人OBの言葉は核心を突き、
現実味を帯びてきている。

引き取り手は、中日・落合監督になってもらうのが最適だろう。そもそも清原のわがまま
放題の番町流は、落合監督の現役時代のオレ流のコピーだからだ。独自の落合流三冠打法に
心酔した清原は、バッティング理論だけでなく、マスコミ、ファンに対する接し方まで
オレ流を標榜した。中日時代、当時の星野監督批判を報道された落合監督は筆談しか
答えないようになったり、マスコミアレルギー症状、ファンサービスにもそっぽを向いた。
それが清原にはクールで格好いいものと映ったらしい。

日本プロ野球界を騒がせた年俸調停の際には、「長嶋さんや王さんが年俸闘争をしてくれ
なかったから、今我々が苦労している。後輩たちのためにオレがあえて年俸闘争をするんだ」
と我田引水のON批判。
ミスタープロ野球こと巨人・長嶋終身名誉監督、世界の王ことダイエー・王監督には
プロとして最高の金銭哲学がある。「プロ野球選手はグラウンドで最高のプレーを
見せれば、お金は黙っていてもついてくる。現役を辞めてからも稼がせてもらえるのは
お金に関してぐずぐず言わず、クリーンだったからだ」そんな永遠のスーパースターの
金銭哲学と違い、落合監督は「後進のために」という奇麗事をいいながら、実際は
自らの年俸アップのために、調停に持ち込んだだけだった。

ところが、清原にとっては三冠男の言い分は鮮烈に響いたようだ。球界のタブーともいえる
ON批判をやってのけた勇気ある発言となるらしい。オレ流は、労組・日本プロ野球選手会を
脱退しながらFAの権利行使1号として中日から巨人へ移籍したことでも遺憾なく
発揮されている。常識的には労組を脱退したのだから、労組が苦労の末に獲得した権利行使を
するのは後ろめたくてためらうだろう。

が、常識とは無縁でメリットがあれば平然と行動するのが落合監督のオレ流だ。
今回の監督就任にしても、名古屋のファンの間に「中日を捨てて巨人にいった人間が
よく名古屋にもどって監督をやれるな」という強烈なアレルギー反応があるが、
落合監督にしたら気にもならないだろう。

そんな強烈なオレ流の背中を、尊敬の念で見続けてきたのが清原なのだから、落合監督が
引き取り手になるのはむしろ当然だ。「右の4番打者を育てる」というキャンプの
公約は実現できなかったのだから、トレードでの4番・清原は次善の策として筋が通る。
しかも、不人気に泣く中日にとって新しい目玉になるのだから言うことなしだろう。