たまに代打で劇的な一発を放っても、窓際族の立場は変わらない巨人・清原。
毎日が肩たたきの危機だ。番長と呼ばれる男のプライドがあるなら、新天地を
求めて、移籍志願するしかないだろう。
5日の横浜戦(横浜スタジアム)、代打で決勝3号3ランを打った清原だが、
翌日の朝刊スポーツ6紙で1面にいったのは、たったの2紙。清原人気と
いっても、その程度。現在の清原の置かれている厳しい立場を象徴している。
4億5千万円もの年俸を貰いながら、代打ホーマーで監督賞というのも何か
違和感がある。ペタジーニの控えと言う立場はこれからも続く。監督賞は
そのためのアメ、我慢手当てにも受け取れる。ペタジーニのお疲れ休みの
際のスタメン、たまの代打以外は、ベンチで阿部、ローズをはじめホームランを
量産するナインを出迎えるのが主な仕事の清原、大好きな格闘技家の一人
小川直也(UFO)のハッスルポーズを真似する姿を見ると寂しくなるばかり。
「そんなに格闘技が好きなら転向すればいいのに。ろくに動けない曙なんかと
違って、十分やれるだろうし、名実共に格闘技界の新スターになれるよ」と
いう声が外野席から飛び出すのも当然だろう。が、肉体派としての名声も
最近は落ちている。相手をビビらせる死球王の金看板も、阪神キンケードの
出現で色褪せてしまった、「ローズが清原によく気を遣っているよ。フテ
腐れてはいけないといろいろ話しかけている」と首脳陣の一人が明かすように
ベンチではローズにベビーシッター役をしてもらっている有り様だという。
渡邉オーナーからペナント、日本一奪回の至上命令を受けている堀内監督に
したら、たまらないだろう。勝つには3割2分、40ホーマーを計算できる
ペタジーニを使うしかない。それなのに清原には2000本安打と500本塁打という
最終目標があるから、タイミングを見て起用する必要がある。しかも一部の
熱狂的な清原信者から場違いなスタメンコールが起きる。
堀内監督の立場になれば、たまたま出る代打ホーマーに本心から喜べるわけがない。
冗談ではないとケツをまくりたくなるだろう。「優勝しなくていいなら、
いくらでもスタメンで使ってやるよ」と啖呵の一つでも切りたいところ。
清原も男なら自分の置かれている立場はわかるだろう。出処進退は自らの
手で決めるべきだ。6月30日までトレード期限があるのだから、移籍を志願
すればいい。カブレラを欠き、看板打者が欲しい古巣西武、清原が尊敬する
落合監督が指揮を執る中日など、需要はある。
巨人の中では肩身の狭い4億5千万の代打という居場所しかないのだから、
男の決断、自ら新天地を求めれば番長株は改めて上がるだろう。それができず
巨人にしがみつきたいのなら、文句を言わずに黙っているしかないだろう。
ベンチの中のムードをお通夜にして、堀内監督の足を引っ張り、監督交代に
持ち込めばなどどいう考えは間違ってもしない方がいい。万が一、堀津政権が
短命に終わっても読売グループ首脳が期待する次なる切り札は
ダイエー・王監督だからだ。清原にとっては天敵だ。
巨人の1位指名を信じていたのに、よりによってチームメイトの桑田を指名され
自らは泣く泣く西武入り。そのときの巨人監督が王監督で、清原はいまだに
逆恨みしている。王監督のほうも、素質がありながら努力してこなかった
清原を評価していない。もしも、巨人王監督が誕生したら、清原の居場所は
今どころではなく、完全に消滅するだろう。今のうちに移籍をした方が
賢明というしかない。