ぼくのらくがきちょうだよ。 みんなもらくがきしてね。
2 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/03/20 10:58
わーい
3 :
ブサイクさん ◆6YF7bXAuf2 :03/03/20 11:01
といれこみすぎ
コカコーラはほねがとけちゃうからのんじゃいけない、とおかあさんによくいわれます。 だからぼくはいつも、ほかのジュースをのみます。 でもコカコーラのみたいです。 だからのむことにしました。 家よりちょっととおいところで、こっそりかいました。 でもかったら、なんだかのむのがもったいないきがして、おおきくなるまでとっておこうとおもいました。 ほねがとけるのがたのしみです。 でも、またこどもにもどっちゃったらどうしよう。
もしよろしかったら、重力室を私に下さい。
>>2 番さん
このスレのレスするひとになってよ。
>>ブサイクさん
それはたいへんだ。ブサイクってたいへんそう!
>>神野神男さん
しらないひとにはあげない!
知り合いなので下さい。
>>真琴ちゃん餃子萌えさん じゃああげる! そもそも重力室ってなに?
うー酔ったぁ〜 今日も寄ったぁ〜 明日も二日酔いだぁ〜 おっちゃん収入ねえぞぉ〜
おわびとていせいがあります。 「ブサイクってたいへんそう!」というのは「ブサイクのひとってたいへんそう!」といういみで、 ブサイクさんをいじめたわけじゃないです。ごめんなさい。
>>9 番さん
しゃちょうさんにぼくもなりたいです。
お金をいっぱいためて、おおきんもちになりたい!
>>10 番さん
おとうさんはおさけがすきですが、平しゃいんなので、
いっぱいおさけをのもうとすると、おかあさんにおこられます。
ぼくといもうとはじゅーすがすきですが、のむのはいつもむぎちゃです。
せんせいにほめられたら、ふたりはじゅーすです。
かちょうさんにおこられたら、おとうさんはびーるです。
かちょうさんにほめられたら、わたしもびーるなんだけど、っておかあさんがいってました。
あと、かていのだんらんはだいじにしてください、っておかあさんがいってました。
きょうはしぶやたいあきはばらたいけつを、いもうととしました。 いもうとがしぶやで、ぼくがあきはばらです。 しぶやはちてきでつよいですが、あきはばらもでんしの力でまけません。 しろがねーぜのおかあさんがいちばんつよかった! おとうさんはさいたまです。さいたまさいたま!
14 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/03/22 16:54
ほんとうにあったこわいはなし
15 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/03/22 16:55
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>>14 ばんのおはなしさん
じゃあ、こわいおはなしをするね。
おかあさんとおとうさんははたらいているので、ぼくがおうちにかえっても、いもうとしかいません。
だからよく、いろんなおともだちのおうちに、ふたりであそびにいきます。
おともだちの、たんていのおねえさんのおうちにいった日のことです。
たんていのおねえさんは、いつもあそびにきたぼくたちに、じゅーすをだしてくれます。
ぼくはみかんじゅーすで、いもうとはりんごじゅーす、ってきまってます。
じゅーすをのんでいると、いつものじゅーすと、なにかちがうことにきづきました。
「いつものじゅーすじゃないのかな」とぼくがつぶやくと、
たんていのおねえさんは「うっさいわぼうず。だまってのめよ。ちいさいこときにすんな」といい、
そしてなんと、ぼくののみかけのみかんじゅーすに、りんごじゅーすをいれるではないですか!
それがいがいとおいしかった!
>>15 ばんのこうこくさん
いつもおしごと、おつかれさまです。
みんながいやがるおしごとを、もんくもいわずにするのってすごい!
くーる!
ぼくは、ちらしのうらっかわがしろいと、うれしくなります。
ちらしにらくがきするのが、だいすきだからです。
だからこんどは、うらっかわがしろいのをください。
あそびつかれたかえりみち、でんせつのはっかーをひさしぶりにみました。 きょうもでんせつのはっかーは、にじゅうくしでとくめいせいはばっちりだぜ、とかいって、 へんなおめんをかさねてかぶってて、とってもあやしかったです。 でんせつのはっかーは「ぽーとすきゃんするぜ」とじどうはんばいきのおつりがでるところを、てさぐりしてました。 そして「ちっ、はちじゅうばんぽーとはつねにおーぷんにしとけよ」というすてぜりふをのこし、 でんせつのはっかーはどこかへいってしまいました。 ゆうひにてらされたうしろすがたが、なんかかっこよかったです。
おわびとていせいがあります。 みんながいやがるおしごとというのは、みんながみてやだなーっておもうことで、 いやがらせをくーるにきめて、まーべらすってことです。ごめんなさい。 さておき、はるやすみです。することがありません。 なのでおとなりの、しょうじょまんがのおにいさんのおうちにあそびにいきました。 「あそぼーよ、しょうじょまんがのおにいさん」 と、げんかんをあけたしょうじょまんがのおにいさんにいうと、 「いや、ぼくはしょうじょまんがかだから。それじゃ、あぶないひととかんちがいされちゃうでしょ」 とおにいさんは、はやくちでまくしたてました。きょうもてんしょんがへんです。 「ちいさいこときにしてたら、たんていになれないよ」 「いや、なろうとおもわないし。てゆーか、たんていはちいさいこときにしていかなきゃだめでしょ」 そんなはなしはどうでもいいので、さっさとへやにあげてもらいました。
しょうじょまんがのおにいさんは、いつもあついげんまいちゃとわがしをだしてきます。 「おちゃ、やだよ」こどもごころがわかっていません。 「いや、けんこうにいいから。のみなさい」 しょうがなくのみます。 「ね? おいしいでしょ」とくいげにきいてきます。 「・・・・・・」ぼくはのーこめんてーたーです。 「それよりちょっときいてくれよ」またはじまりました。 「このまえさ、よみきりかいたんだけど、そのあんけーとけっかがわるいのなんのって・・・・・・」 しょうじょまんがかのおにいさんはおともだちがすくないので、いつもぼくにえんえんとぐちってきます。 「・・・・・・さぶかるちゃーってのはそうじて、げんじつへのはんさようでしょ・・・・・・」 「・・・・・・だれもわかっちゃくれないんだよ、ぼくのちみつなさくひんを・・・・・・」 いいかげん、ぼくのじょうそうきょういくにわるいので、口をはさみました。 「ねえ、どんなのかいたの?」 「いちだいふぁんたじーだよ。まぼろしのぶつだんをもとめ、たびにでるしゅじんこう。 そのたびのどうちゅうにであう、しっこくのぶつだんし。ちちおやは、じつはこうにんかいけいしだった。 かれーらいすは、けちゃっぷとちょこれーとがかくしあじだったのだ。きいただけでむねおどるでしょ?」 「つまんなそう」それをとおしたへんしゅうも、なにがしたかったのでしょう。 「いうねー」おにいさんのひょうじょうは、まじできれるごびょうまえでした。 「じゃあばいばい」ききをかんじ、ぼくはにげだしました。「おちゃ、ちょっとおいしかったよ」 「でしょー。またあそびにきてよ、ばいばい」おちゃをほめると、きげんがころっとかわります。 しょうじょまんがのおにいさんは、むやみにぼくをこどもあつかいしないからすきです。 ぼくがこどもあつかいしたいぐらいです。
/⌒⌒i. ∧_∧ノノノノ .;i ,,,,;;;) ______ (´∀( ゚∋゚) ( ,.,,;;;) | WARNING | ( つ⌒\/ ヽ| |/ |,.ノ | エリア51 | ( / / | / .,i, |______| (_) /) | | ,,i; ,, . ,;⌒‖ ( \/ヽ ,,,丶 | |,,,;. ;i,, ‖ヽ \ ) ) .. ,, ´ヽ (,, ‖丿.,,, /// ,, ,, .. ´ヽ ‖,,, .., `ヾ ヽミ ,, .、 ヽ .. ヽ丶,.ヽ ‖、,,
21 :
βακα..._〆(゚▽゚*) ◆idd0HStl92 :03/03/27 18:11
ぼくはしょうじきものです。いやなことはいやといいます。 いやなことはことわったほうがいいです。でもひとつだけことわれないことがあります。 すきなおんなのこにぱしりにされることです。ぼくはかのじょがすきです。 でもぱしりはきらいです。びぶんせきぶんよりきらいです。 かのじょにはあいでんてぃてぃがたりないのです。どうやらじこまんぞくですとれすをはっさんさせるたいぷのようです。 ぼくはそんなかのじょがきらいです。あしたなぐってみます。
せんそうのきょうふ。
おっさんがいすのうえでとびはねている ゆうやけのけいれん
24 :
βακα..._〆(゚▽゚*) ◆idd0HStl92 :03/03/27 18:17
ぐらんどきゃにおんはあかくもえている
めがねのごじろう
>>20 ばんのヽ(´∀`)ノわーいさん
そこはこうええんなのかな? こうえんのおはなしをするね。
このまえこうえんにあそびにいったら、ろうふうふがべんちでならんですわってました。
ろうふうふはちいさくなきながら、さきはじめたさくらのはなをみてました。
「どうしてないているの?」とぼくがきくと、
ろうふうふは「ほんとうのさくらを、はじめてしったからだよ」とこたえました。
それから、いっしゅうかんぐらいがたちました。
こうえんでこのまえのろうふうふのおばあさんが、ひとりでさくらをみながらないていました。
「どうしてないているの?」とぼくがきくと、
おばあさんは「ぼうやが、はなしかけてくれたからだよ」とひだりてでかいたようなえがおでこたえ、
ゆっくりとたちあがり、どこかへいってしまいました。
ぼくはなにか、わるいことをしたのかな?
>>21 ばんのβακα..._〆(゚▽゚*)さん
ぼうりょくはよくないよ。でもことばのぼうりょくもいけないよね。むずかしい!
とりあえずかろりーめいとに「ぼくはあなたがすきだったりきらいだったりします!」
ってかいていれておくと、そこそこいいとおもうよ。
そこでまずは「かろりーめいとをぱしらせてくださいっ!」ってたのんでみよう!
あたらしいせかいがひらけるかも! かもかも!!!
>>22 ばんの派転功さん
じゃあ、せんそうのおはなしをかこう!
せんそうといえば、もっともらでぃかるなもんだいは、なぜひとはあらそうのかっていうことらしいです。
むいみにむりに、まわりにまわりを、あわせようとするからあらそってしまうのだそうです。
たんしょくのせかいなんか、うつくしくないのに。
そういうおはなしを、このまえどりるがーるがしてました。
どりるがーるはいっつもがっこうさぼって、たばこばっかりすってるひとなんだけど、
ぼくといっしょにいるときはすわないような、やさしいひとなんだけど、
へらへらしているひとたちがきらいで、にんげんなんてだいっきらいっていってるひとなんだけど、
じつはにんげんをいちばんしんじているひとです。むずかしいことは、ぼくにはよくわからないけれど。
どりるがーるは、いっつもいろんなことをぼくにおしえてくれます。
しょうげきてきなのが、どりるがーるが自分をどりるがーるとなのったときのおはなしです。
それはひみつ! それよりらくがきにつかれてきた!
>>23 ばんのいんしょうはさん
むかししょうじょまんがのおにいさんが、おっさんがしゅじんこうのおはなしをかいてたから、
それをしょうかいしよう! とうさくじゃないよ! ぱくりだよ!
おっさんはまじょっこにあこがれているぶちょうさんです。
あるひおきたら、おっさんはまじょっこになってました。
そのかっこでちょうしょくのならんだしょくたくにいくと、かぞくはあわをふきました。
そのかっこでかいしゃにいくと、えらいひとにおこられたり、ぶかにうしろゆびをさされたりしました。
おっさんはいやけがさし、まほうのすてっきをひとふり!
なにもおきませんでした。
>>24 ばんのβακα..._〆(゚▽゚*)さん
もえているひとってかっこいいよね。いっつももえ〜ってるおにいさんのおはなしをするね。
・・・・・・やっぱやめたほうがいいよね。
>>25 ばんの派転功さん
めがねをかけてるだけで、なんかちてきなひとにみえるよね。
ひさしぶりにきのう、たんていのおねえさんのおうちにあそびにいきました。
「たんていのおねえさん、げんきしてた? 」
「おう。たんていのおねえさん、げんきしてたよ」
「あれ? めがねしてるね。め、わるくしちゃったの?」
「もともとわるいんだよ。いつもはこんたくとなんだけど、きょうはわけあってね。へんかな?」
「いつもとちがって、なんだかほんもののたんていさんみたい」
ぐーでなぐられました。
>>26 ばんのやおはちさん
にふてぃのちょくりんはよくないよ!
どれくらいよくないかというと、おとうさんのりょうりぐらいよくない!
おかあさんはいつもかえりがおそいので、たいていおとうさんがりょうりをします。
あまりおいしくありません。たまにつくってくれるおかあさんのりょうりがすきです。
らっしゃい!
てきとうでごめんね!
おととい、どりるがーるとおはなしをしました。 どりるがーるはいっつも、がっこうをさぼって、ひみつのばしょでたばこをすっています。 いまははるやすみのはずですが、こうこうにはほこうってものがあるそうです。 どりるがーるはじぶんのことを、でぐちしゅぎしゃといっています。 「でぐちしゅぎってどんなしゅぎなの?」 「べつにしゅちょうはないしゅぎだよ」 「それでしゅぎなの?」 「そうなんだからしかたがないよ。そもそもぱろでぃなんだから。そこがみりょくなんだけどね。 りろんはそうじゅうようではない、っていうりろん、かな」 「よくわかんない」 「わかんないほうがただしいことだってあるんだよ」 どりるがーるはそういってほほえみ、こうつづけました。 「でぐちしゅぎしゃはでぐちをさがしているんだけど、でぐちしゅぎしゃのでぐちなんかないんだ。 でも、でぐちはまちがいなくあるんだよ。それがぜんていだからね。 だからでぐちしゅぎしゃは、でぐちしゅぎしゃであるとどうじに、でぐちしゅぎしゃであろうとしない。 それがでぐちしゅぎしゃのあるべきすがたなんだけど、それをこえたところに、 でぐちしゅぎしゃがもとめていない、そしてもとめていた、ほんもののでぐちがあるはずなんだ。 ・・・・・・だけどそのでぐちはきっと、さいしょからしっていたつまらないものなんだろうね」 「よくわかんない」 「じぶんでいっててもわかんないよ」 「それじゃあいけないんでしょ」 「そうだね。これじゃあいけないよね。 ・・・・・・ま、なんとなくでいっただけなんだから。りろんはそうじゅうようじゃないし」 どりるがーるはぴたりと、ことばをつむぐのをやめました。
とうとつに、どりるがーるはぼくのちかくによってきました。 「うごかないで」 どりるがーるは、ぼくのまわりの土のじめんに、かかとでえんをかきました。 「このえんが、きみのきょうかいせん。このえんのなかがきみのなか。このえんのそとがきみのそと。 きみははたして、でぐちをみつけ、そとのものをしることができるでしょうか?」 「うーん。・・・・・・できる!」 「はずれー。でも、せいかいかな」 「なにそれ?」なんかがっかりです。いじわるくいずだったのか。 「でぐちはきっと、いまのきみのきぶんじゃ、きみひとりじゃ、みつけられないんだよ」 「どういうこと?」 「きみはでぐちをしりたいとおもってる?」 「ううん。でぐちがなんなのか、よくわかんないから。ねえ、でぐちってなんなの?」 「それをしろうとするのが、どりるがーるのでぐちしゅぎだよ。きみもでぐちしゅぎしゃにならない?」 じょうだんめかして、どりるがーるはいいました。 「えんりょしとく」 「はずれー。でも、せいかいかな」
おわびとていせいがあります。 こうええんじゃなくてこうえんです。ごめんなさい。 きょうはたんていのおねいさんのおうちに、いもうととあそびにいきました。 「おはよ。たんていのおねえさん」 「おう、おはよう。ぼうず、おじょうさん」 「なんかいそがしそうだね」 たんていのおねえさんは、ぱそこんにむかっていそいそとおしごとしてました。 「いそがしくなくっちゃくってけないよ。ま、ひとりみだかららくなんだけどさ」 そういいながら、ぴあのをえんそうしているみたいに、かれいなてさばき。 「ぼうず、わたしのおとうとにさいきんあったか?」 「うん、けっこうあってるよ」 「げんきそうにしてた?」 「げんきそうにしてるよ」 「それはよかった」 「しんぱいなら、あえばいいのに」 「あのいえとはけんかしてでてったみだからね。 おとうとも、かってにでてったわたしをきらってるだろうし」 おねえさんのてがとまり、ぼくらのほうをみました。 「ま、これからもたのむよ。まってろ、じゅーすいれるから」 なんとなく、みかんじゅーすはものたりないあじでした。
おねえさんはいそがしそうなので、じゅーすものみおわったので、かえることにしました。 「もうかえるね」 「そうか。あいてできなくてごめんな」 「おしごとがんばってね」 「ありがとな。――そうそう、きみらのおかあさんによろしくつたえておいてくれ」 「はーい」 「もうすぐがっこうはじまっちゃうなあ」 かえりみち、つぶやき、なんかうんざり。 まいにちやすみがいいです。まいにちたんていのおねえさんとかとあそびたいです。 「がっこういやだなあ。もうやだなあ」 いもうとがしんぱいそうに、そんなことをいうぼくのかおをのぞきます。 「・・・・・・ごめんね。たのしいおはなしをしよう」 そして、でんせつのはっかーがかつやくするおはなしをしました。 いもうとはよろこんでくれました。よかったです。 でもがっこうがはじまるのは、やっぱりよくありません。
ばにら にんげん かざり とり あさがお みるく しずく もり
>>34 ばんのおうじさまか、おうじさまのしりあいさん
ばにらはあいすです。
にんげんはいます。
かざりはばらみたいです。
とりさんはすずめさんがかわいいです。
あさがおはかれました。
みるくはほっとみるくしかのめません。
しずくはまほうつかいのなみだです。
もりではいかむりがわらっています。
>>35 ばんの(・∀・)さん
にやにやするのはよくないよ!
おとうさんはやきゅうのしーずんがはじまって、まいにちにやにやしてます。
おとうさんはよわいちーむがすきなので、かおがこわばってます。
おとうさんはむこいりしたので「じっかならきゅうじょうがちかいのになあ」となげいています。
きゅうじょうでみたって、まけるにきまってます。
にやにやするおとうさんはきらいです。
がっこうがはじまっちゃいました。 とってもゆうつです。 うんざり。やだなあ。
らくがきさぼってごめんなさい。まとめてかきます。 ちなみに、よいこはおねんねのじかんだよ! しがつようか どりるがーるとひみつのばしょでおはなしをしました。 がっこうはじまるのが、いやでいやでしかたがないので、 もしかしたら、がっこうのでぐちをおしえてもらえるかもしれないとおもって、 「ぼくもでぐちしゅぎしゃになりたい」 と、どりるがーるにたのみました。 「ざんねん。ぼしゅうはもう、しめきっちゃったよ」 「え〜、なんでえ」ぼくはすくってもらえないのでしょうか。 「しゅぎやしそうなんか、もたないほうがいいからだよ」 「どりるがーるはもってるんでしょ?」 「それはね、どりるがーるはそれがないと、うまくいきてゆけないからだよ」 「ぼくもこのままじゃ、うまくいきてゆけないよ」 うまくいきるといいうのがなんなのか、ぼくにはよくわかりませんが、くいさがります。 「それはなんかいってくれれば、ちからになるから。べつにでぐちしゅぎしゃになるひつようはないよ。 うん、というかならないほうがいい」 「どうして?」 「みんながみんな、いろんなことをかんがえるひつようはないんだよ。 ただ、どうしてもかんがえたいときがくることもあるから、 そのときのために、せんじんというかひとばしらがひつようなだけなんだよ」
「よくわかんない」 「たとえばね、せんそうのことなんか、みんなふだんかんがえてないけれど、 せんそうがはじまったら、やっぱかんがえちゃうときがあるでしょ。 そういうのは、めでぃあがしょうひさせているだけだというひともいるだろうけど、 かんがえちゃうのはやっぱり、すごくしぜんなことなんだ。 ちかしいひとをうしなって、しについてかんがえたいとおもうことはとてもしぜんで、 かといって、しろくじちゅうしについてかんがえていきているわけではないから、 なにをどうとらえていいのかわかんないよね。 だからまず、むかしいろんなひとがかんがえたしについてのこうさつをしり、 そこからじぶんなりにかんがえていく。 そしていちばんのぞましいさいごは、しについてかんがえなくなることなんだよ」 ぼくにはよくわからないですが、なんとなくぼくなりにかんがえてみます。 でもどりるがーるは、ぼくがかんがえるすぴーどよりはやく、はなしをつづけます。 「あまりこういうひょうげんはすきじゃないけど、ふつうのひとっていうのがいて、 ふつうのひとは、なにもなくったってそこそこいきることはできる。 でもどうしようもないひとはやっぱり、なにかにしがみつかなくちゃだめなんだよね。 そういうひとのためにあるのが、しそうってやつなんだと、どりるがーるはおもってるんだよ。 だからね、きみがでぐちしゅぎしゃになるひつようなんかないし、なるのはいいことじゃないんだよ。 でぐちしゅぎしゃであるどりるがーるは、どうしようもないひとなんだから」
「そうなのかなあ」よくわからないです。「どりるがーるはじぶんのかんがえをもっていて、りっぱだよ」 「かんがえをもっているのは、どうしようもないことのうらがえしで、ほこるもんじゃないんだよ」 「よくわかんない」 「それでいいんだよ」どりるがーるはうれしそうにいいます。 「じゃあね、おねがいしていい?」 「なに?」 「がっこうのでぐちもついでにさがしておいて」 「まかせておいて」 でぐちをみつけてくれるのがたのしみです。
しがつじゅういちにち ぼくはよく、おさんぽにでかけます。 ときたまいもうととおさんぽにいきますが、いもうとはあるくのがおそいです。 川にむかっていたら、いつのまにかいもうとがいなくなっていました。 ぼくはいっしょうけんめいさがしました。 みつかりませんでした。 あきらめて、しょうじょまんがのおにいさんのおうちにあそびにいきました。 あいかわらず、あついおちゃをだしてきます。 「そういえばねえさんはあいかわらず、げんきにわるものをとっつかまえているのかな?」 おちゃをおいしそうにすすりながら、おにいさんがきいてきました。 「うん、そうみたい」 「そうかあ・・・・・・。あのひともいろいろと、くろうしているだろうからねえ。わがままいっちゃだめだよ」 「う、うん」 「それよりちょっときいてくれよ」 またはじまりました。 「すばらしいねーむがあったんだけど、それをへんしゅうがぼつりやがったんだよ。 ぼくはそんなありえない、へたれふぁんたじーなんかかきたくねーんだよ。 そもそもさ、げんだいではすぐにちっそくしてしまいそうなおとぎばなしをかいてどうすんの? ふぁんたじーってのはとしにねづくことのできる、せいめいりょくあふれるものにすべきなんだよ。 それがこのまえのおっさんのはなしなんだけど、まあ、いっぱんうけしないんだろうけど・・・・・・」 「ねえ、ぼつにされたのって、どんなおはなしなの?」 しょうがなく、あいのてをいれます。 そういいながら、いもうとはだいじょうぶなのかな、としんぱいになりました。
「よくぞきいてくれた。こんかいは、うけせんなんだよ。あるなつの、はかないこいものがたりだ。 なつやすみ。そぼのうちへ、ひとりであそびにいったしゅじんこう。 そこでであったひとりのしょうねん。そのしょうねんに、れっしゃのかそくどのようにひかれるしゅじんこう。 いかにも、っておもうでしょ? ところがどっこいだ」 しょうじょまんがのおにいさんは、うれしそうにそこでいったんくぎり、 「しゅじんこうたちのみのまわりで、さつじんじけんがおきる。れんぞくさつじん。 そのはんにんをおうことになった、しゅじんこうとしょうねん。 だが、そのそうさのとちゅう、ふたりともころされてしまうんだ。 そのごさっそうとあらわれる、しんのしゅじんこう。そのしんのしゅじんこうが、しんそうをあばく! どうだい、きいただけでむねおどるだろ?」 「むねやけしそう」 なにが『しんそうをあばく!』なんでしょう。けっきょく、こいものがたりじゃないし。 たんとうのひと、ごしゅうしょうさまです。 「ふん。どうせせけんのはんのうなんて、そんなもんだろうよ」 おにいさんはいじけてしまいました。こどもあいてにいじけられても・・・・・・。 ぼくもいろいろとくろうしています。ぼくにも、わがままいってほしくないです。 つめたくなったおちゃを、いごこちわるくのみました。
しょうじょまんがのおにいさんのおうちをばいばいしたあと、もっかいいもうとをさがしました。 みちばたで、ねぼけてすわりこんでいる、いもうとをみつけました。 だいじょうぶだった? とか、なにしてたの? とか、 なにきこうかといろいろかんがえましたが、くちをでたのは、 「ばんごはんはおかあさんのかれーだったよね。たのしみー。かえろ」 いもうとはこくりとこうべをたれ、たちあがろうとしますが、しっぱいしてしりもちをつきます。 ぼくはてをかし、よいしょとたちあがらせます。そしてそのまま、てをつないでおうちにかえりました。 きょうのいろんなことをおかあさんにおはなししました。 いもうとのことについて、こてんぱんにおこられました。はんせいしました。
しがつじゅうさんにち きょうはたくさんらくがきして、つかれました。 ぎぶあっぷです。
ぱすいち! あとでまとめてかくから! さぼりはよくないよ!
(^^)
>>山崎渉せんせい せんせいは、まんがかさんなんだよね! せんせいのさくひん、よんだことないよ! よんこままんがは、ごーるでんらっきーがおもしろいよ! いろいろとがんばってください!
しがつじゅうさんにち しょうじょまんがのおにいさんのおうちにあそびにいきました。 そらはにせものかとおもうくらいきれいなあおいろだったので、 「おそとにあそびにいこーよ」 と、ぼくはおにいさんをさそいました。 「えー、やだよ」 「えー、なんでえ。せっかくはれてるんだから、おそといこーよ」 「はれのひのしあわせは、せんたくものをほすのでじゅうぶんだよ」 「なにそれ」 「ひにてらされるせんたくものをみるだけで、ぼくはじゅうぶんしあわせなんだよ」 「そんなんだから、ともだちとかかのじょとかしごとができないんだよ」 「いや、さいごのはよけいだから。とにかくそとにはでない。いいね」 「よくない」 「きみはほんとにわがままだねえ」 「しょうじょまんがのおにいさんのほうがわがままだよ」 「じゃあおたがい、すきかってしようよ」 「ぼくはおにいさんとあそびたいんだよお」 はなしはへいこうせんをたどります。
「ちぇっ。じゃあいいよ。あきらめる」 けっきょくぼくがおれました。ぽきっと。「そのかわり、いつかおそとにあそびにいこーね」 「うん。わかったよ」 「そうそう、きょうのゆうしょくはうちにたべにきなさい、っておかあさんがいってたよ。 どうせろくなもんたべてないんでしょ?」 「どうせってしつれいだね。たしかにろくなもんくってないけどさあ」 そのあとおにいさんは、ずっとじぶんのしょくせいかつについてかたりました。 きいてもないのに。 そのひのゆうしょくは、とってもごうかでした。 まいにちしょうじょまんがのおにいさんがきたらいいなあ、とかおもいました。
しがつじゅうごにち がっこうのかえりみち、いつものばしょにいくと、 あんのじょうどりるがーるはひとりでたばこをすっていました。 「こんにちわ」 「・・・・・・きみか。こんにちは」そういいながらどりるがーるはたばこをじめんにすて、あしでふみつぶします。 「きょうもがっこうさぼったの?」 「きょうもがっこうさぼったよ」 「どうして?」 「いやだから。それでいじょうでもいかでもないよ」 「ぼくもやだけど、ちゃんといってるよ」 「それはただしいよ。すごくただしい」 「どうしてどりるがーるは、ただしいことをしないの?」 「いやだから」どりるがーるはわらいながらいいます。「じゃ、だめなのかな?」 「みんながまんしてるんだよ」 「うん、それはただしいよ。ものすごくただしい」 「ねえ、ぼくをからかってるの?」おもわず、くちにしてしまいました。
「ごめんごめん。そんなつもりじゃなかったんだよ」 どりるがーるはべんかいをはじめます。 「『わたし』と『せかい』のしょくばい、ってなんだとおもう?」 「いみがよくわかんない」 「ごめんね、えーといいかえると・・・・・・」どりるがーるはじぶんのおでこをこんこん、とつつきます。 「――じぶんとまわりをつなぐものなんだけど、 つないだからといってじぶんはかわらない、ふどうのものはなんでしょう? ・・・・・・うん、わかりにくい」 「うん、わかんない」 「しつもんがわるすぎるね。ほんとごめん。で、どりるがーるのこたえはね、かんじょうなんだよ」 「かんじょう?」 「そ。いやだなーとかうれしいなーとか、そういうやつ。 そのきっかけでしか、わたしはせかいとかかわることはないんだとおもう。 ようするに、かんじょうにすなおであろうよ、じゃないとせかいとつながることなんかできないよ、 っていいたいだけなんだけど」 「どりるがーるはせかいとつながりたいの?」なんかいがいです。 「もちろん。せかいとしゃかいはせんせんちがうんだけど、 たとえばね、しゃかいにとらわれないというかんがえ、そのここちよさは、 しゃかいがつくったげんそうにすぎないんだよ。せかいもそう。 こどくがここちよいのは、ほんとうはこどくじゃないことをしっているからなんだ。 ほんとうのこどくはぜつぼうなんだよ。ぜつぼうはいちばんかちのあるかんじょうだとおもうけど、やっぱり、ね」 「じゃあね、どりるがーる」――どりるがーるはほんとにいま、せかいとつながっているの? そうきこうとおもいましたが、やめました。なんとなく、やめときました。 「なに?」どりるがーるはうながします。 「ううん、なんでもない」
「かみさまはね、きっとおこってるよ」 ぼくはおもいつきました。そうです、ぼくだってがまんしてるのに、 がっこうをさぼるふまじめなどりるがーるに、かみさまはかんかんのはずです。 「だいじょうぶ、かみさまはとっくのむかしにしんだんだから。――というのはじょうだんで、 どりるがーるのかみさまは、ばつとかしれんとかをあたえないかみさまなんだよ。 わたしがろくなことしなくたって、こいつはいつかはたまにはいいことするだろうって、 じっとみまもってくれてる。だから、だいじょうぶ」 「いいかみさまだね」 いやみじゃなく、すなおなかんそうです。ぼくのかみさまも、そうだといいな。
しがつじゅうくにち ゆうがた、たんていのおねえさんに、おかあさんからのおとどけものがあったので、 それをとどけにいきました。 「はい、これおかあさんから」 「ありがとう。おかあさんのおてつだいをして、ぼうずはえらいな」 「えへ。まかせておいてよ」 「このぼうずはすぐちょうしにのる」 「ひどい」 「じょうだんだって」 「もうかえるね。おそくなるといけないから」 「きをつけてな。さいきんぶっそうだからな。しにんがでてるぐらいだから」 「はーい」
らんらんらん。るんるんるん。あしたはにちよう、はれのひにちよう、 しょうじょまんがのおにいさんといもうとのさんにんで、ゆうえんちのやくそくです。 「はやくかえろう、おうちへかえろ」 すきっぷ、だっしゅ、つかれてとぼとぼをくりかえしながら、どてぞいをかえります。 そのとき、です。 じてんしゃとひとのすがたがみえました。ころんじゃったのかな? どてにはひとがいなかったので、ぼくがだいじょうぶ? とこえをかけなきゃいけない、 そうかんがえて、だっしゅします。 ちかずくと、ああ、なんだか、ああ、というかんじがしてきます。 そしてぼくのめに、はっきりとうつりました。 ぼくははじめて、しりました。いままで、しらなかったのです。あの、こうえんのろうふうふのように。 ――ひとは、しにます。 じてんしゃとしたいがころがっていました。
ぼくはべっとのうえでないてました。 うわああん、うわああん、うわああん・・・・・・。 そんなぼくのかおを、なんだかわかいおかあさんとみおぼえのないおんなのこがのぞきます。 ぼくはなにかをいおうとしますが、ことばがでません。 ぼくにできるのはなくことだけです。うわああん。 なけばなくほど、なんだかどんどん、ぼくとぼくをみつめるふたりのきょりがはなれていきます。 けっこうなきょりができて、きづきました。 ふたりがちゅうにうくのではなく、ぼくがべっとにしずむのです。 このままぼくはべっとにすいこまれ、じごくにおちるんだな、とおもいました。 そう、じごくです。 でもなぜじごくにおちるのでしょう。だれがじごくにいくのでしょう。じごくにはだれがいるのでしょう。 ――おまえはしんだから。 ふたりの口がそういいました。 ああ、ぼくはしんだんだ。 さようなら。なんだか、なきたいきぶんです。 ぼくはゆっくりゆっくり、しずんでいきました。
ゆめでした。
しがつじゅうくにちのつづき なんだかやけにすいぶんをかんじながら、めがさめました。 ぼくはゆめとおなじように、べっとでねていたようです。 なみだとかはなみずとかよだれで、まくらとしーつがぬれていました。 あわててしたのほうをさぐります。――おねしょはしていないみたいです。 そばにはしょうじょまんがのおにいさんといもうとがいました。 どうやらぼくのへやみたいです。だんだんかんかくがもどってきました。 「なにかのみたいものとかある?」おにいさんがきいてきました。 「じゅーすのみたい。のどかわいた」 「おうけい。まってて」おにいさんはへやをでます。 いもうとはじっとこっちをみていました。 「ごめんね、あしたゆうえんちなのにね」 いもうとは、くびをよこにふります。 ふと、おもいだしたくないのに、ぼくがみてしまった、あれがおもいだされます。 かなしくなります。 かなしいのです。とてもかなしいのです。なんだか、なきたいきぶんです。
おとうさんはしゅっちょうさきからでんわをくれました。 おかあさんはよるおそくかえってきて、ぼくにおはなしをきいたのは、つぎのひのあさでした。 おかあさんにおはなしするとき、なんどもなきそうになりました。 かなしいとともに、だんだんこわくなってきました。 なにをしているときも、あれをおもいだしてしまいます。 なにもしていないときも、あれをおもいだしてしまいます。 かんぜんにとらわれてしまいした。ぼくに、でぐちなしです。
しがつにじゅうににち それでもときはきざまれます。むりやり、がっこうにいかされました。 さいあくです。 ぼくはいつもおびえているのです。あのいめーじがせんれつすぎました。 ああ、もう、なんでそうなるかなあ、といらだちをおぼえます。 そして、おびえてしまうのです。いつ、おまえのばんだといわれるのか、しんぱいでなりません。 よじかんめがはじまるまえのやすみじかん、ぼくはがっこうをぬけだすことにしました。 そこできづいたのです。なんだ、かんたんなことだ。 ――でぐちがないなら、つくればいい。 がっこうのでぐちをぬけ、ぼくはじゆうをかちとりました。しょうりです。
そのあしで、たんていのおねえさんのおうちにいきました。 おかあさんにきいても、おしえてもらえないにきまっているので、おねえさんにきこうとおもいました。 ぼくは、とらわれたくありません。しょうりしなければなりません。 おねえさんのおうちのいんたーほんをおしても、はんのうがありませんでした。 ためしにどあをあけようとしてみます。――すんなりとあいてくれました。 おへやでは、おねえさんがあたまをかかえていました。 どうしたの? ――なんだかそれをきくのがはばかられました。 いっぷんごぐらいに、ようやくぼくにきづきます。 「おう、ぼうずか」ちからなくことばがはなたれました。 「とじまり、ちゃんとしなきゃだめだよ」ぼくはちゅういします。 「だいじょうぶだって、しんにゅうしゃがきたら、たたきのめすから」 「ぼくにぜんぜんきづかなかったくせに。ねえ、どうしちゃったの?」 「おまえのみたやつをふくむ、さいきんのさつじんじけんのな、はんにんはな」 おねえさんはためいきをつきながら、こたえました。 「どうやらうちのおとうとみたいなんだよ」
「え?」 「あいつ、どっかにくもがくれしてんのか、まだけいさつにみつかってないみたいなんだけど、 ぼうずはしってるか? あいつがいそうなところ」 「ううん、わかんない」 「そうか・・・・・・」 「じゃあ、ぼくかえるね」 「すまんな、こういうのはいってはいけなかったんだが、どうしてもいいたくてな。たんていしっかくだ」 「たんていは、ちいさいこときにしちゃだめなんでしょ?」ぼくはわらいます「じゃあね、ばいばい」 そういって、とぼとぼとおねえさんのおうちをでます。 どあをしめると、すぐさまだっしゅしました。なんだか、なきたいきぶんです。
ぼくがしょうらいなりたいもの。 そんなことをかんがえたことがあります。 ぼくはまだこどもでなにもできないけれど、ぼくのまわりのひとみたく、こどもみたいなおとなになりたいです。 せかいはおとなでできています。 こどもにはいきづらいせかいです。 だからこそ、こどもはおとなになろうとするのでしょう。 こどもであることをすてるよう、きょうようされるときがやってきます。 だけど、おとなになりきれないひともいるのです。 だから、ぼくはおとなになりたいです。 ぼくがしょうらいなりたいもの。 それはもちろん、あのしょうねんとおなじです。
うそをついたほうがいいときも、ひとはなぜ、ほんとのことをいおうとするのでしょう。 それはたぶん、ひとはだませても、じぶんはだませないからです。
しがつにじゅうににちのつづき ぼくはいちびょうもやすまずに、あのひとのもとにはしりつきました。 「こんにちわ」いきもきれぎれ、ぼくはあいさつしました。 「やあ、こんにちは」 「ぼくをまってたの?」 「さあ。どうだろうね。きょうもえんぜつをききにきたの?」 「うん。きかせて」 「なんのはなしをしようか」 「ひとはなぜ、ころしたりころされたり、しんだりしなせたりするか」 「おうけい。すばらしいてーまだね」 「でしょ?」へへ、とぼくはわらいます。 「りゆうはない、ただかんじょうがるから、いじょう」 「もっと」 「しょうがないね。じゃあ、あるさつじんしゃのはなしをしよう」
「そのさつじんしゃは、なにがよいことでなにがわるいことなのかわからないんだ。 わかってないのではなく、わからない。かちかんというものがないんだね。 だからかんじょうにすなおになるしかない。それがかちかんになったんだよ。 そしてあるとき、ころしたいというかんじょうがうまれちゃったんだね。 じつをいうところしたいのではなく、ころしたあとにあることをしたいためだったんだけどね。 それはしゃかいからはみとめられないこうどうだから、 いっぽうてきにいけないことだというひとがいるけれど、 むしろそのさつじんしゃはかわいそうなんだよ。どうじょうはいけないんだけどね。 しゃかいしすてむによってしょりされたって、そのさつじんしゃはなんにもかわらない。 せけんのこうきのめにさらされるだけだよ。そんなのひどいはなしでしょ? だれもすくおうとしてないんだよ。ただばつをあたえようとするだけで。 ふざけるなっておもうよ。せいぎとかあくとかはじゆうになのればいいとおもうけど、 すくなくともせいぎとかあくとかって、ぜったいてきなものにはなりえない。 そのくせ、ぜったいぶるんだよ。そんなじぶんのことなんかどうでもいいでしょ? なんのひがいをうけたというの? すくわなきゃいけないひとがいるくせに、それにめをそらしてる。 ばかづらさらしながらね。ほんといやになるよ。ばかばっかだよ」 「ぼくはそんなことじゃなくて、どりるがーるのことをきいてるんだよ」
「――きみはしっているんだね」 「ぼくはしってるよ。だってしたいをみたから」 「そうか、しっていたんだ。よくきをたしかにもってられるね」 「しょうきじゃないよ」おもわず、おこったようなくちょうになってしまいました。 「じゃあ、どりるがーるのことをはなそう。 ちゃんすだとおもったんだよ。いまのでぐちがみえたんだ。 でぐちしゅぎしゃはでぐちにはめがないから。 ここにはなにもないんだよ。だけどここにはでぐちがあった。 おどろいたよ。もうしわけないけど、りようさせてもらうことにしたんだ」 「たぶん、たすかったよ。いいことかどうかはわからないけど」 「ほんとにごめん」 「ううん、あやまることなんかないよ。かんじょうがだいじなんでしょ? だから、おねがいがあるんだ」 「なに?」 「ずっとここにいてよ。ここからでていかないで」 「もうしわけないけど、そのおねがいはきけない」 「みんないるから。ね?」 「そもそもみんなってなんなの? なんにんでみんななの? それともじんるいがみんな? ちきゅうのいきものがみんな? うちゅうじんもはいるのかな? みんななんていないんだよ」 「いじわるいわないで、おねがいだから」 「あまえんじゃないよ」 どりるがーるはじめて、ぼくにむかってつよいくちょうをはっしました。
「どんだけでもやさしくしてあげるけど、あまえんぼうさんはだいきらいだよ。 そんなあまえんぼうさんに、こんなしとしゅくだいを。このしをこえるのが、きみのしゅくだいだよ」 どりるがーるはゆっくりと、もとのやさしいくちょうになります。 そしてめをつぶり、あんしょうをはじめました。 「わたしはわたしのことをする。あなたもあなたのことをする。 わたしはあなたのきたいにそうために、このせかいをいきているのではない。 あなただって、わたしのきたいにそうために、このせかいをいきているのではない。 あなたはあなた。わたしはわたし。 だけどもしも、たまたま、わたしたちがであうことがあれば、それはすばらしいことだ。 であうことがなければ、それはしかたのないことだ」 ちょっとあるこうか、とどりるがーるはぼくのてをひきます。 いまけいさつにみつかったら、ぼくもたいほされるのかな、とどきどきしました。 けいじのおかあさんに、さつじんのようぎでおまえをたいほする、 といわれたらどうしようとか、そんなことをおもいました。 やっぱり、ばんごはんぬきなのでしょうか?
「みんなかってなものでね、じぶんのことでせいいっぱいだし、 そもそもそんなじょうたいでなにかひとのことをしたって、いいことなんかないんだよ。 どりるがーるがいいれいだね。このざまだよ」 「そうなることをのぞんだんでしょ?」 「じごうじとくなんだけどね。でぐちしゅぎしゃになんか、ならなきゃよかったよ。 ときどきおもうんだ。ふつーのいきかたもしてみたかったなあ、って。 ちゃんとこうこういってね、どりるがーるなんてわけわかんないなまえなのったりしなくて、 ちょっとくらすのかわいいこにこいしたり、ともだちとくだらないことばっかりいいあったり、 べんきょうめんどくせえとかいいながら、たんごちょうこまごまとつくったりしてね。 そういういきかたもできたかもしれない。そうおもうと、とてつもなくさみしくなるんだ。 せかいはかぎりなくうつくしい。だけどうつくしすぎるからこそ、 ときどき、じぶんだけおいてけぼりをくらったようなかんかくにおそわれるんだよ。 こわくてこわくてしかたがないから、ほんをよんだりしーでぃーをきいたりして、 せかいとつながっていることをかくにんするんだ。どんなにいまこどくだって、どうしはきっといるってね。 でぐちしゅぎなんてことばをしったときは、ほんとにむめときめいたものだよ。でもね――。 えんっふぁんねぱざのおん、おんなはおとこじゃない、ってきょくがあって、 それからひんとをえて、どりるがーるになろうとおもったんだけど――ほんとにばからしいね。 ぎゃぐだよ。わらえないぎゃぐだよ。わらうしかない。きみもおかしいとおもうでしょ?」 「あまえんぼうさんはだいきらいなんでしょ?」 「まったくだね」あまえんぼうさんがこたえます。 「きみはあたまがいいしやさしい。たったひとつのかんちがいをのぞいてね」
「ねえ、これからどうするの」 「となりまちのばすていにいくよ。そこで、これからどうするかかんがえることにする」 「たんていのおねえさん、しんぱいするよ」 「させっぱなしであわせるかおがないよ」 「あまえんぼうさん、ぼくもきらいかも」 「でしょ? だいっきらいだね」 ふいに、ずっとにぎってたあまえんぼうさんのてがはなれます。 「ここできみとはおわかれだよ」 そらはやっぱり、にせものみたいにきれいにまっさおでした。 「いってらっしゃい」 このよはきっと、にせものです。 「いってきます」 ほんものなら、こんなにかなしいはずがありません。 「おかえりなさいって、いつかいわせてよね」 せかいはきっと、ふたつあるのです。 「ただいまって、いつかいいたいものだよ」 もうひとつのせかいのぼくは、いまごろわらっているのでしょう。
それからしばらくは、ぼーっとするまいにちでした。 ほんとうのことはなにもいえないでいます。いわないほうがいいのです。 おかあさんにいろんなことをきかれましたが、しらないとこたえました。 たんていのおねえさんは、とおくへひっこしてしまいました。 りんごとみかんのみっくすじゅーすは、おねえさんにしかつくれないあじだったと、あとでしりました。
しがつにじゅうろくにち 「で、なんていったんだい? たいようがまぶしかったからとでもいったのかい?」 しょうじょまんがのおにいさんがこんかいのことをやけにききたがり、 またぼくも、ちょっとだまっているのがたえられなかったので、 だいじなぶぶんはかくして、これまでのことをおはなしました。 「ううん、そんなんじゃないよ」 「でもおかしいなあ、ほんとうにそのしょうねんがはんにんなのかなあ」 おにいさんはいらないかんだけはいいです。 「もしかしたら、そのしょうねんのおねえさんがはんにんじゃないの? あねをかばうために、じぶんをはんにんとみせかけるようなしょうこをのこした。 うん、これはありえるな。まさしくこうきくいーんもんだいだね」 「そんなの、あとからいくらだっていえるよ。よそうよ、つまらないことは」 「えー、おもしろいじゃん」 「ぼくはそんなことをはなしにきたんじゃないんだよ。あずかってもらってたのを、もらいにきたんだ」
おうちにはぼくといもうとしかいません。ちゃんすです。 ぼくはいそいそとしょっきだなのこっぷにてをのばします――が、とどきません。 いもうとにとってもらいました。もうちょっとしんちょうがほしいです。 ぼくのおへやにいきます。つくえには、さっきとってきたこっぷがふたつ、 それに、おにいさんにかえしてもらった、こかこーらです。 ぼくはもう、おおきくなんかなりたくありません。 あの、あまえんぼうさんにはもうしわけないけれど、ぼくはよわむしすぎるのです。 だから、こかこーらをのんでほねをとかすことにしました。 ほねがとけちゃうんだよ? とやめとくようにいっても、いもうとはいっしょにのむといいはります。 こっぷをとってもらったおんがあるので、ぼくはいもうとのいしをそんちょうしました。 とくとくとくとく。とうめいのこっぷにこーらをそそぎます。 いままでみたことのない、くらいいろです。しゅわーとふだんあじわえないおとがしてます。 「じゃ、のもう」 こっぷにくちをつけ、のどにながしこみます。 しゅわーというかんじがなんかすごいです。おなかのなかであばれます。 おなかにこっぷいっぱいのこーらをそそぐと、だんだん、きもちわるくなってしまいました。 ほねどころか、からだがとけそうです。 たいしていもうとは、へいきそうにのんでます。 たえきれず、ぼくはきっちんにかけこみました。
めざすはほうちょうです。いままでほうちょうなんかつかったことがありません。 まさか、はじめてほうちょうをいれるのがじぶんのおなかだとは、おもってもみませんでした。 ぼくのおなかには、じゃあくなものがはいっています。 とかそうと、ころそうと――そう、ぼくをころそうとしているのです。 ぼくはこーらをねらって、おなかをさそうとします。 が、すんぜんでなぜかためらってしまいます。これではいけません。 もういちど、えいっ! にゅ、とささります。えきたいがほうちょうをつたわります。 ところが、です。よそうがいでした。 ぼくのおなかからでてきたのは、こーらではなく、まっかなちなのです。 だんだんだんだん、いたくなります。おなかがひめいをあげ、しだいにからだぜんたいがひめいをあげます。 いたいです、いたいです。 うずくまり、ごろごろします。まだささったままのほうちょうがゆかにあたり、ぼくのおなかをきりさきます。 ひい。いたいです。なきたいです。 うずくまります。たえます。いたいです。 ――え? いつのまにか、ぼくのめのまえにはいもうとがいました。 そして、いもうとはぼくのおなかにささっているほうちょうを、なんのためらいもなく、ぬっ、とぬきます。 「かいしゃくはしなくていいよ。かいしゃくはしなくていいよ」 ぼくはきがどうてんしてます。 いもうとはぼくのおなかにかおをうずめ、ながれるちをちゅーちゅーとすいはじめました。
「おまえをまもるからね。ずっとおまえをまもるからね」 いたいです。おなかがうずきます。 「いまはがっこうでいじめられているけど、ぜったいちゃんとしたおとなになるからね」 ぼくのことはなにをいわれてもいいけど、ひとの、いもうとのもんくだけはゆるせません。 「ぼくがおまえのくちになるからね。おまえがいいたいことは、ぼくがぜんぶいうからね」 そうです。ぼくがせけんからいもうとを、まもらなければならないのです。 「おまえにはぼくがいるからね。あんしんしてよ。ぜったいにうらぎったりなんかしないから」 いもうとはちゅーちゅーといっしんふらんにちをすっています。 もしかしたら、きこえていないのでしょうか? 「だから、だからね」 ――おねがいだから。 「ぼくをころさないで」
おもむろにいもうとは、ぼくのちでそまったまっかなかおをあげます。 そして――。 さつじんしゃは、てんしのようなほほえみを、ぼくにあたえました。 そんなすがたをみ、なみだがあふれてきました。 ぼくはやっと、なくことができました。 そんなえみをみつめていると、きがくるいそうな、そんなきになります。 なみだとどうじに、なぜかわらいもあふれます。ゆかいでしかたがありません。 いもうとはまんぞくしてないらしく、まだちをすいつづけます。 いたいとかほねがとけるとか、そんなのはめのまえのできごとからするとささいなことです。 いたくったって、ほねがとけたって、ぼくはいま、いきているのです。 いもうとによって、ゆっくりゆっくり、ぼくのきずぐちはとじられました。
くちがかってにしゃべりだしそう
82 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/24 16:53
おまえがわたしのことを書くように わたしもおまえのことを書きたいのだけれど わたしは詩になるのにおまえは詩にならないと ゆめの中のわたしが文句を言う
83 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/24 16:54
湖水を鼓吹風の枷 死後の死語の私語 とぼとぼ鳶飛びとびとびに跳び 夜継ぎ世継ぎを逆さにさがし わたしを渡し 死は詩は死は詩はしわだらけ カフカ不可不可風化をのぞみ 黒い穴掘りあなくろにすむ
84 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/24 16:57
>>82-83 正直、感動した・・・
凄くいい文章だと思うな。
抽象的な感想でごめんだけど。
また木村か
わたしもおまえも外から見れば一人なのかな? 勝手な解釈をしつつ、酒のつまみにさしてもらう。
87 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/24 18:00
ぶきみにそうぞうしいので目がさめた そういえばねる前に 赤えんぴつでぐるっと線を引いて この中だけがわたしの場所ときめてねた気がする 線の外の闇が濃くふくらんで押しかぶさってくる 闇はますます濃くなって とうとうはち切れた 線のすき間から中へ流れこんでくる おんおんおんおん泣いている おんおんおんおん四方から泣く声にかこまれてしまって 身うごきができない とうとうわたしがはち切れた しーん、と 闇の中で わたしだけがいる 赤えんぴつで線など引かなかったのだ あたしの部屋の中にわたしがいるだけだ はじめからずっと静かだったのだ なにもなかったのだ
猟師になったやつらが ぼくをねらっている その中に、ひとり ぼくのともだちだったやつが いる
あとからあとからしゃぼん玉のように わたしが出ていく みんなきゃっきゃっとはしゃいでいる もっとゆっくりしずかに行けばいいのに もう帰って来られないのだから みどり色のわたしがひとつ、痛い それがこっちのわたしにひびいて 痛い それだけがあいさつのようにして あとからあとから出ていく
オリ になって 自分を飼う その生態を 終日 見ている
じゃーね木村
93 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 13:40
「体力ゲージ、もうまっかっかやわ。」 「もう、しゃがパン一発でKOって感じ」 「わかるわかる! ガードしてても削りでKO! みたいな!」 「ブロッキングなんて出来る状態じゃありませんっつの!」
94 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 13:41
シャネルのプレゼント包装用の包装紙(捨てなさい) カネボウ社員から巻き上げたグッチのポーチ(まだ持ってたのか) 賞味期限の切れたチキンラーメン(お) 間違って送られてきたソネットのルーター(送り返せよ!) クラシックのCD(ひゃっきんで買ったなあ) 紫のラメタイツ(何でこんなものが・・・) 赤×黒レースのガーターベルト(うん) すべて紐で構成されているパンツ(うん) キューティーハニーの食玩(おお) マツヤデンキのカード(要らない) BOOKOFFのカード(要らない) 学生時代の定期(ほんとに要らない) 昔の事務所の社長の名刺(取っておく。お世話になりました。) K.two代表取締役の名刺。 ブリヂストンのタイヤマーケティング部の女性の名刺(いい人だった) ナレーターの名刺(やな奴だった) 代表取締役後藤の名刺(なんとなくとっておこう) 学生証(顔がむくんでるよ!!) カメラマンの名刺(シュレッダー行き)
95 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 13:46
Public Function エロトーク As Boolean Select Case 相手の反応 Case 喜ばれる Return True Case 引かれる Return False Case Else もう一回チャレンジ End Select End Function
96 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 14:00
まだ水曜日のつもりだったこんな日々がまだ後数日続くのだと思っていたまだ週半ばだと思っていたジュクンダじゃないけどわたしのほうが息絶え絶えだった。 気が付いたら金曜日で少し驚いたいつの間にわたしの時間を返して返して返して。 学生証一枚あれば誰にも知られずにご利用できますキャッシング弱肉学生を強食金融業者。 新宿前の手相の集団うっとおしくてたまらない笑顔で走って食いついてくるマリオの海の面に似たような敵キャラがいた思い出すしつこいたまらない大嫌い。
97 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 14:02
∧∧ (,,゚Д゚) /,,⊃⊃ ~て ) _) (/ ∪
98 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 14:15
(⌒\ ノノノノ \ヽ( ゚∋゚) (m ⌒\ ノ / / ( ∧∧ ミヘ丿 ∩Д゚;) (ヽ_ノゝ _ノ
99 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 14:32
しっきん。 初めてしっきんしたのは、初めて皮をむいておまにーした時で すごいしょうげきだった。 体じゅうをかけめぐる、かいかんとせーぶのきかない駄々流れ ビクビクと何かが上がってきて、ふるえがとまらない。 それをただ見ているだけで、止まらなくて悦楽で 痛みと快感の狭間は心地よく、今迄にない量の 脳内物質が分泌されて居たに違いない 殊更に分析を試みようとするが叶わず 自らを辱めるかのような状況を反芻しながら 噛み砕き理解を試みるも わかったことは、おちんちんは、しばらくうごかなくて、きもちいいってことだけでした
100 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 14:34
(⌒\ ノノノノ \ヽ( ゚∋゚) (m ⌒\ ノ / / ( ∧∧ ミヘ丿 ∩Д゚;) (ヽ_ノ ゝ_ノ
102 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/05/27 14:35
(⌒\ ノノノノ \ヽ( ゚∋゚) (m ⌒\ ノ / / ( ∧∧ ミヘ丿 ∩Д゚;) (ヽ_ノ ゝ_ノ
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
日本経済の脆弱性と恋のアティテュードについて、ぼくが知っている2、3の事柄。 或いは、殺人を犯す女子高生、高地県警につかまりそうになるも、いまだ未練を残し、学食へ。 このごろぼくにはきになることがあります。 運動会でぼくは玉入れに出場するのですが、その行為について僕は斜に構えざるをえない、 そんな社会状況のもと、女子高生に出会いました。はあはあです。 女子高生は言います。「お前は若いのだから、小さくまとまっちゃいけない」 「ぼくはいやでもちいさいよ」 「なら死のうね」 そういった女子高生はぼくの首を締めようとします。 でも、その手の感触がぼくにはくすぐったいです。 「あはは、くすぐったいよ」 「世界なんかいらない」 「ぼくはじょしこうせいなんかいらない」 「何が欲しい?」 「こむぎことおりがみ」 「どうしてそんなものが欲しいの?」 「あはは、そんなことよりそのてをはなしてよ」 「お前を殺す」
「じょしこうせいには、ぼくをころすことなんかできないよ」 「どうして? この手で何人も殺してきたんだよ? 人を殺すことなんか造作もないことだよ」 「じょしこうせいはぼくとこいにおちるから。だけどもうおわかれのじかんだよ」 「そうだ、お前の命とさよならだね」 「ちがうよ。こいにさよならだよ」 「死ね。死ねよ。しねしねしねしねしね」 「あはは、だからくすぐったいって。やめてよ。でもやめてほしくないかも。あはは」 「お前が憎い」 「ぼくはにくくないよ。あはは。すきだよ」 「死ね」 「しなないよ。あはは。ぼくはしなないよ。だれもしなせないよ。あはは」 「苦しいだろ? 苦しいだろ?」 「くるしくなんかないよ。もしくるしさをかんじてるなら、しめつけられているのはじょしこうせいのこころなんだよ」 「騙されない。そんなまやかし」 「あはは。だまそうとしてるのは、じょしこうせいのこころだよ。あはは。だからくすぐったいって」 「黙れ黙れ黙れ黙れ」 「だれにいってるの? だれもいないよ」 「お前は生きたくないのか? 怖いんだろ? 死ぬのが?」 「こわくなんかないよ。こわいのはいきることだよ。あはっ」 「死ねッ!」 「あははははははははははははははは!!!」
ぐったりと倒れた――女子高生。 「ぼくはじょしちゅうがくせいがすきなんだよ」 「時はもう戻らない」 「ぼくがもどればいいんだよ。あはは。たのしかった」 「お前なんか死ねばいい」 「ぼくのことはいいから、じぶんのことをみなよ」 「・・・・・・かき氷が食べたい」 「いっしょにたべにいこ。じょしこうせいのおごりで」 「女子中学生が好きなんだろ?」 「じょしこうせいもきらいじゃないよ」 「珍しく歯切れが悪いね」 「あってすぐにめずらしさなんてないよ」 「屁理屈だ」 「しょうじきなきもちだよ」 「もうどうでもいい。かき氷が食べたい」 「ぼくははわいあんぶるーがいいな」 「かき氷はやっぱり宇治金時だろ」 「うわ、ださ」 「いや、ほんとにうまいんだって」 「だからぼくはじょしちゅうがくせいがすきなんだよね」 そのあと二人で、女子高生の所の学食に行きました。 ぼくは日本経済を憂うより女子高生と一緒にお金をつかうほうが楽しい、ってとこが、 日本経済の脆弱なところだと思います。 この広い世界の中で、ぼくが知っていることは、それぐらいです。
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ^^ )< これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ( ) \________________ | | | (__)_) 山崎モナー
∧_∧ ノ (゚ー゚*) ⌒ヽつ ,‐' ⌒∪⌒⌒ヽ ( ( ⌒‐ )) ヽ、_ニ____ノノ little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud little fluffy cloud
天国に行く方法をみつけました。 天国に行く方法を教えて下さい。 天国はどこですか。 天国はここですか。 天国は存在しますか。 天国は否定しますか。 天国が堕ちてゆきます。 天国が偏ってゆきます。
「little fluffy cloud」 ちいさなもこもこした雲こそ、天国はそこにあり、ここであることの証左なのです。 偏微分方程式を解くように、石は未来を紐解きます。 孤独が足をすくい、水が地上へ引き上げられます。 意思が偏在し、血は精神であることを確認するのです。 奇跡に足をあらい、土が作物を搾取するのです。 描くとはすなわち研ぎ澄まされた感性が慣性を持ち浮かびつづけ、やがて完成し喚声をあげるのですが、 不完全な形での乾性は陥穽であることを忘れがちなので気をつけて下さい。 ぼくはどこにゆくのですか。ぼくはどこにもいきません。ぼくはここにいないのですから。 泣かないで下さい。笑ってしまいます。罪ですね。だから笑わないで下さいよ。 ちいさなもこもこした雲こそ、天国はそこにあり、ここであることの証左なのです。 天国はここにあります。だからおそれることはありません。 もし。もし、おそれるものがあるとしたら、ですよ。 ぼくの勘違いやあなたの勘違いやぼくらの勘違いやかれかのじょらの勘違いやみんなの勘違いでなく、 ――神の勘違いなのです。 そう、神です。 神がもし勘違いしていなかったら、世界なんて存在しません。 なぜなら神は人が創りました。なぜなら神は人を創りました。 すなわち、どちらが先に創られたのか、それが定義されてしまえば、世界は消滅するのです。 紙が燃えて灰になったり、神が燃えて灰になったり、 ぼくらが燃えて灰になったり、ぼくらが萌えてハイになったり。
ちいさなもこもこした雲こそ、天国はそこにあり、ここであることの証左なのです。 感情は間違いなく、ここにあります。だから怖がらないで下さい。 ぼくを感じている限り、実存在は確かめられます。 実存とは別物で同様の実存在です。 その存在は勘違いじゃないかって? 違いますよ。 そのように、定義するのです。いえ、既にそう定義されている、と定義するのです。 感情がある限り、実存在は続きます。 それが、上の次元での感情の定義です。 ちいさなもこもこした雲こそ、天国はそこにあり、ここであることの証左なのです。 え? ぼくを感じない? 質問します。ぼくは何も感じません。質問になってませんね。 何者ですか? 何者でもないのですか? 生きているのですか? 生きていないのですか? 生きているということの定義を教えて下さい。 そうです。そもそも。天国の定義を教えて下さい。 そうです。そもそも。定義とは何なのですか。 そうです。そもそも。何だろうという感覚は実際に「ある」のでしょうか。 そうです。そもそも。ぼくは死んでいるのです。 ですが。なぜか。存在しているのです。
ちいさなもこもこした雲こそ、天国はそこにあり、ここであることの証左なのです。 屍体に命なくとも、僅かな意思は細胞に偏在しているのです。 遺志、の方が表現としてしっくりくるでしょうか。 死した細胞に寄生した遺志は死を志します。 つまり完全な意味での死です。 完全な意味での死とは、意思遺志意志を破棄し、 存在すると同時に、位相を変えて存在が確認できなくなることです。 決して次元は変わりません。 偏微分方程式を解くように、遺志は未来を紐解くのですから。 そして完全な死を遂げた遺志は一定の可視性を持ち、見慣れたあるものになるのです。 そうです。やっと、わかってくれましたね。 ちいさなもこもこした雲こそ、天国はそこにあり、ここであることの証左なのです。
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120 :
名無しちゃん…電波届いた? :03/06/11 23:03
ぐったりと倒れた――女子高生。 「ぼくはじょしちゅうがくせいがすきなんだよ」 「時はもう戻らない」 「ぼくがもどればいいんだよ。あはは。たのしかった」 「お前なんか死ねばいい」 「ぼくのことはいいから、じぶんのことをみなよ」 「・・・・・・かき氷が食べたい」 「いっしょにたべにいこ。じょしこうせいのおごりで」 「女子中学生が好きなんだろ?」 「じょしこうせいもきらいじゃないよ」 「珍しく歯切れが悪いね」 「あってすぐにめずらしさなんてないよ」 「屁理屈だ」 「しょうじきなきもちだよ」 「もうどうでもいい。かき氷が食べたい」 「ぼくははわいあんぶるーがいいな」 「かき氷はやっぱり宇治金時だろ」 「うわ、ださ」 「いや、ほんとにうまいんだって」 「だからぼくはじょしちゅうがくせいがすきなんだよね」 そのあと二人で、女子高生の所の学食に行きました。 ぼくは日本経済を憂うより女子高生と一緒にお金をつかうほうが楽しい、ってとこが、 日本経済の脆弱なところだと思います。 この広い世界の中で、ぼくが知っていることは、それぐらいです。
ぐったりと倒れた――女子高生。
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ふらい
げしゅたると。
ふぁらうぇい
朝ごはん 朝ごはん みんなで食べよう 朝ごはん おいしく食べよう 朝ごはん サービス定食 サービス定食 朝は600円
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
「愛は虚数の眼/Love is the eye of the i」
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「自己アピールをお願します」 ぼくは答える。 「何もありません」 どうして心にもないことを言わなければならないのか。 ファック。 「何歳ですか、あなたは?」「あなたです」 ぼくを働かせるところなんてどこにもなかった。 小手先ばかりの器用さで世界を練り歩く奴らを軽蔑していたぼくはその欺瞞に徹底的に反抗したのだが、 見事に小手先の器用さがないと社会の一員とは認めてくれないらしいっていうわかりきったことしか 得ることが出来なかった。 ファック。 「萌え氏ぬ〜(核爆)」「お兄ちゃん! 異常性愛者が多いのは、国が弱っている証拠だよ!」 ぼくは何も知らないから何も出来ないのだが、 他の人たちは何も知らなくても何かは出来るらしい。 言葉の意味なんて知らなくても語感だけで使いやがる。 うそっぱちばかりじゃないか。 ファック。 「だ〜れだ?」「わたしだ」 ぼくは死ぬことにした。 毒の入ったカプセルを飲み込む。 ぼくは死ぬことになった。 ファック・ザ・グレイト。
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好きな方がいた。 その人は今も美しいのだろうか。 正しさを突き通すことをお前らは馬鹿正直という。 そういうお前らが馬鹿だと思う。 ぼくは死ぬ時になっても女の子の胸が気になった。 できればとびっきりかわいい女の子がいいな。 自殺は解決か? そのアンケートはお前らにこそすべきなんだと思う。 ぼくはお尻より胸が好きだ。 ぼくは生より死が好きだ。 生は善じゃない。 死も善じゃない。 ぼくは善じゃない。 ぼくは何なのだろう。 ぼくなんていらない。 じぶんにこだわりすぎだ。 自己アピールできないくせに。 じゃあお前らの言う自己って何なんだよ。 ぼくはなんて主語が多すぎる。 ぼくが胸だったらよかったのに。 ぼくの胃液がぼくを溶かす。 この胃液は恵みの雨だ。
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結局ね。ぼくは強がっていただけなんですよ。 ぼくはただの勘違い君だったわけですよ。 自分探ししてる奴らを軽蔑しつつ、ぼくは自分の確立を必死に企てていた。 自分は人と違う、人とは違う次元にいるんだって、むやみに差別化をはかって。 ただ、それだけなんですよ。 汚れるってどういうことか知ってます? ぼくみたいなことを言うんです。 価値観の違う他人を汚いものとみなし、極端にマイノリティであろうとし、 うまくいかないことがあったらそれを他人のせいにし、 どうせぼくはこんな世界じゃ駄目人間だからとか、ぼくはもう汚れちまったんだよとか、 そんな言い訳をして汚れることから逃げている(つもりでいる)。 それをね、汚れるって言うんですよ。 もしかしたら、この説明も汚れることから逃げる手段なのかもしれませんね。 ぼくは逃げきれないのでしょうか。 そもそもほんとうに、人間って汚れるんでしょうか? それって、自分が特別だって事を誤認するシステムなんじゃないんですか? ぼくは何が言いたいんでしょう。 何かしゃべるごとにメッキが剥がれているような気がします。 ただ、これだけは言わせてください。 数の暴力なんて言葉がありますが、純然たるマジョリティより性質が悪いのは、 マイノリティの中のマジョリティだって思うんです。 ぼくはそこに居場所を見つけてしまったのでしょう。 恥ずかしい限りです。
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命の陽が落ちゆくなかで自身の限りを知ったぼくは自棄になる気力すら失い、ただただ原っぱを彷徨っていた。 影と命がけの追いかけっこをしていると、ぼんやりとした人影が見えた。 夕日に映えるきみの姿。真っ黒な服を着ているきみのことをなぜかぼくは知っていた。 きみは品よく笑う。 眼を奪われる。 ぼくは心なく笑う。 今までのみっともない生き様が脳内を駆け巡り、無性に叫びたくなった。 ただそれは、純粋に終わりを意味する。 無知で無力なぼくが無理をした結果だと笑う人もいるかもしれない。 なぜこんなときになっても、人の眼を気にしているのだろう。愚かだ。 いつだってぼくの眼は世界を美しく見せてくれていたのだが、 唾棄すべき劣情が、鏡を通して見るほかない自分の中にあることを知った。 見てしまったのだ。見たくないものを。そもそも見えないものを。 ぼくの理想はぼくが存在する限り叶えられない。 でもこれで完成だよ。よかったね、ぼく。あはははははは。ははは。・・・・・・はは。 きみは美しく発狂し、そして自分を哀れんでいる真に哀れなぼくを間近に見つめながらやさしく囁く。 「愛は虚数の眼のようなもの」 「陽が落ちきってしまえば、ぼくは死んでしまうのですよ」 「あなたには死がお似合い」 「そうかもしれません」 いっしょに道連れにしてやろうかと手を首にかけたのだが、 瞳を覗き込まれたぼくは今になってきみが何者であるかを知り、首から手を離し頬の柔らかさを味わう。 死にゆくぼくは静かに眼を閉じ、しっかりときみを見据た。
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ぼくはエロ漫画家になった。 あの先生を超えるようなすんごい漫画を描いてやるぞと小さい頃意気込んでいたのだが、 かわいい女の子の胸が好きだったし、ぼくの口癖はファックである。 担当にOKがもらえず、いつもプロットやネームに苦労するのだが、 自己アピールなんていう口先だけのものをする必要なんてなく、 ただひたすら(締め切りと担当が許す範囲で)自分の頭と向き合うことができる。 ぼくのおつむは同じことをループさせるシーケンサーではない。 いじればいじるほど華麗な音を奏でるシンセサイザーなのだ。 辛くても自分が好きなことなのだし、密かに馬鹿な自分を気に入ってしまった。 っていう御託はもう後回し。ぼくはペンのみで生き、ペンのみで語る。 はっきりと言い切ろう。描くことは善である。 あと女の子の胸も大小問わず善である。 オウケイマザーファッカー。革命はこれからだ。お前ら待ってろよ。全員愛してやるからな。
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だめだよ ずるいよ
ごめんね、すすませて。
革命少女のふりふりフリル 「あはは〜。じゃあ、そろそろフィニッシュしちゃうよ〜」 革命少女はまじかる造反有理ステッキ(バンダイより二本セットが四千八百円で好評発売中!)を振り上げる。 「日曜朝九時半アニメボンバー! 安い給料で休みなしかよ! ええ〜い!」 どっか〜ん。 「くっそ〜、覚えていろよ、まじかるレボリューションガールめ〜。 格闘ゲームなんかぜったいに認めないからな〜。現実と虚構を混同するのはゲーム脳のせいなんだ! 俺たち大人は悪くない! 子供に影響力のあるおまえらの方がわるいんだからな!」 怪人PTAは捨てゼリフを吐きながら逃げた。 「あっはは〜。正義は勝つのだ! 孫はソフトバンクなのだ! ぶいっ!」 革命少女の決めポーズがばっちり決まる。 「よくぞ倒しましたね、革命少女さん(笑)」 とにかくかっこいい青年が革命少女の目の前に現れる。 「ほむ? あっ! あなたはわたしの想い人! 誉れ高い黄十字騎士団の食事係であるエロコメさま!」 エロコメに抱きつく革命少女。 「はやや〜。エロコメさま〜」 「おーよしよし。相変わらずの説明口調ナイスですね。相変わらずロリロリしたコスチュームですね(爆)。 ん? ――おやおや、革命少女さんのかわいくてキッチュなおでこから、 キューピィキュートなレッドブラッドいわゆるネイティヴランゲージで言う真っ赤な血が流れていますよ(笑)」 エロコメは小指でそっと血をふき取り、それをなめる。 「はあはあ。おいしい。プリシャスデリシャス、エーンドディスコdesオールナイトフィーバーみたいな(笑)?」 「エロコメさま〜、やさしいからだいすきぃ! でもバブルはとっくの昔にはじけちゃったよ! あわわ〜」
「はっはっはっ。作者の気も知らないでいちゃいちゃめぞん一刻のようなラブコメしやがって」 「ツッコミが微妙に間違っているおまえはっ!?」 「その通り。拙者は怪人コメンテーター。知識人軍団八百一番目の刺客。 痛烈な責任転嫁コメントで物事の本質から民衆の眼をそらす、怪人コメンテーターなのだ! はっはっはっ。いえ実はですね、今回の事件にですね、非常によく似た漫画があるんですよ。 子供達はそういう暴力にみちた物が溢れ返っている資本主義社会という金と権力がモノをいう・・・・・・」 「はやや〜。どうしよう、エロコメさま〜。何も言ってないのに、話が進んでるよ〜」 「大丈夫です、革命少女さん。こんなこともあろうかと、職安で秘儀をマスターしてきました(泣)。 二人の力をあわせて参拾六式らぶらぶふぉ〜えば〜えんでば〜を鬱、もとい撃つのです(鬱>笑)」 「ほむ〜、面白くないよ〜。ぶるぶる。普通に京サマのパクリだよ〜。がくがくぶるぶる。 っと、シケギャグとか一般人の食事係がなぜそんな秘儀を撃てるのかとかは置いといて、うん、わかった!」 怪人コメンテーターと対峙する二人。 「らぶらぶふぉ〜えば〜えんでば〜!」 「らぶらぶふぉ〜えば〜えんでば〜(核爆)!」 どっか〜ん。 「くっそ〜、覚えていろよ、まじかるレボリューションガールめ〜。 有害図書なんかぜったいに認めないからな〜。アニメばかリ見るから犯罪を犯すんだ! 拙者たち大人は悪くない! 子供に影響力のあるおまえらの方がわるいんだからな!」 怪人コメンテーターは捨てゼリフを吐きながら逃げた。 「あっはは〜。正義は勝つのだ! 孫は髪の毛が薄いのだ! ぶいっ!」
___ _ _ f´Zフヘ、  ̄ `¨ ‐- ._ . | / , , ,--、,ニ=-、 / / , / ,ト、 ヽ ヽ ヽ'Z / / , ' / /, /! /l ! ト、 丶ヽ 、 ∨ ☆ / ,イ /! l l. l | l| | | | | ! | l 、 l ト、 ゚ + ,' / |/ | | | !_H_ト| トrl l. ト、! ! l. l /ヽ * o |/ /l. ! l ト', ,-‐、ヽ`┘`Ll._,ケ/| l. l. / `、 C l l. | |. ! ト个‐┤ 'ス`ヽV ,ィ ! |/ ヽ ゚ .c ,.r┬ +⊥ l ヽl、 ゝ-' ! `ナV_.L l -′_, ` ̄ ̄`/ ./ \! ヽ┴-ゝ r `-, `゛´ //ト、 / / / * ゞ ノ-/´_二ヽ\ ヽ ノ ,.イハノム r ! 0丶 / ☆ _)_/``ー' _⊥__ヽ` --‐ i´ / ィ´_ ヘ`ァ ヽ 0`ーァ f f -! ::::::.. r ‐ `` ̄`<´_ ̄}ニ-/@イ l.、__/ | .。+ ヽ >、:::::::::l:::i::.. ,.-,==‐‐ヽ フ/ /┐`´ , ! `‐ヘ,ヘ. ::::::ヽヽ:::::l // rァ`´ /ヽ l / \. l * / `T 弋ヽ::::l:l | {ヽ >f、ヽ、 rくl / ヽ、| o ゝ、 / _∧::ゝ:ヽl、 、 `-'、ノ、> ハ ヽ ′ ゚c `ー'´ j t:;!下`メ‐`ァゝ一' ,ヘ-':: l. \ + C ☆ └ヘl ハヽ/ \,.イ|、 ヽ::l:.| ヽ. * ._, /〈′ ! ト、`ヽ ヽ:::::.,, \ /_、ヽヽ、 l. ト.ハ /-‐''\::::. `ヽ、 / ,.-‐ヽ.ヽ┤〉 /|:::.V  ̄,.-‐ヽ:::::.. } ´ ̄`ヽ/ヽ、V / ヽ:::..``-‐'⌒ `、:::::.. _ノヽ . ,-、_/::r7 ,.' / / \:::..ヾ 、 ゝ-< ,. ィ^ー=ぅ
革命少女は萌えにおいてシュルレアリストである
「あ〜。萌えキャラになりたいなあ」 「なんだそりゃ」 「みんなあたしに釘付けなの。萌え〜。萌え〜って」 「そんときゃ縁切るよ」 「そんなこと言わないでよ。激萌えハァハァなんだから。――あっ、そうだ!」 鞄から一冊のノートが取り出される。 「これ読んでみて」 「なんだこりゃ」 「さっきの倫理の時間に書いてみたの。タイトルはね、 『革命少女のふりふりフリル 〜風に吹かれて揺れるのはフリルだけじゃないの。そう、揺れる乙女心篇〜』」 十秒も経たないうちにノートを閉じる。 「三行で読む気なくしたんだけど」 「最後まで読んでよ〜」 「そういう台詞はきちんと読ませることを意識して書いた人が言えるもんだよ」 「きちんと推敲したいから、文章の添削だと思って。ね? どうせつぎ、暇な家庭科だし。ね? お願い」 「・・・・・・あんたがそこまで言うなら。わかったよ読ませてもらいますあ〜楽しみ」 「でしょ?」
三限目の家庭科が終わっての休み時間。 「どうだった? どうだった?」 「二回も言わんでよろしい」 「どうだった?」 「だから落ち着きなさいって。んじゃ言うね」 メモを取り出す。 「一行目はできるだけインパクトがあった方がいいね。特にはじめの五行は神経削って書くべき。 あんたのはのほほんとしすぎてる。ニ、三行目のバンダイとか給料のくだりは狭いネタだからどうかと思うよ。 というか実名出していいのか? まあ、あんたがシュミラークル大好きっ子なら文句言う気も失せるが」 「シュミラークル大好きっ子ってなに?」 「パクリ屋のことだよ。どんどん内包していくのがそういう世界なんだけどね。 それよりさあ、四行目の『どっか〜ん』はないだろ。 文章の作法として地の文にオノマトペは使わないほうがいい。こういうノリならありっちゃありだけど。 でも三人称だからなあ。まあ、どのみち『どっか〜ん』はないね」 「オノマトペってなに?」 「擬音語擬態語のことだよ。どっか〜ん。きゅいいぃん。ずっか〜ん。べちょべちょ。そういうやつ。 十行目の『ばっちり』決まるもなんだかね。それと十二行目の『とにかく』かっこいいってなんだよ。 投げやりにならないでちゃんと書き込めよ。あんたの言う萌やすポイントでしょうが」 「なるほどなるほど。じゃあ、身長百五十三センチ、体重五十三キロ、顔は石橋凌似で――」 「無駄に書き込みすぎると読者はひくよ。あんたの趣味なんて誰も聞いちゃいないんだから。 読者にイメージさせることを一番にしなさい。あと『(笑)』とか使うなよ。ニュータイプすぎる。 んでもって問題の青年の名前とか台詞とかについてはノーコメントね。 『ほむ』とか『はやや〜』とかもそうだね。関わりたくない」 「ええ〜、そういうのが萌えキャラの見せ場じゃない」 「だからそういうのはわからん世界だからノーコメントなんだって。 後もそういう同じような指摘しかできないよ。あんたの趣味にゃ立ち入らんよ。 というか、あんたの好きな世界にこういう無粋なツッコミをする自分が情けないね。 アドバイスは自分の好きなことをちゃんと伝わるように書きなってことだけだね」 「うんっ。ありがとう」
テキストエディタを開く。 書きかけの長編小説。そのはじまりの部分が表示される。 ――革命少女、か。 親友には申し訳ないが、頭のわるい冗談にしか見えなかった。 だが間違いなく、パワーはあった。よくわからない勢いだけは。 もしかすると、どう読まれるかをきっちり計算して書いていたのかもしれない。 ――自分は革命少女なのだろうか。 そんな考えが頭をよぎる。 途中つまって書けなくなっている長編を読み返してみる。 自分が書いていたものなのに、一度つまってしまうとなぜか怖くて読み返せなかった。 書く、ということ。 ――あんたの好きなことをちゃんと伝わるように書きな。 伝える、ということ。 よくわからない。 親友はわかっているのだろうか。 ためしにつぶやいてみる。 「あ〜。萌えキャラになりたいなあ」 自分が滑稽で思わず笑いがこぼれた。
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1 地球だーい好き、じんるいきらい。 たのむからいいかげん目覚めておくれよって叫ぶわけよ。いいかげん脳内の彼女とよろしくやってる場合 じゃないっつーかおれはもうこんな理不尽な不条理な残酷すぎる劇場にもー厭き厭きなわけよ。 わかる? この気持ち。 わかんねーだろ? わかんねーよなつーかわかるわけねえよなおれまだなんも説明してないもん。わかるわかるとかわかっ てないくせに理解あるようなフリしてんじゃねーよボケ。お得な会員制じゃねーんだからポイントなんか稼 ぐなよ。まあおれもいじわるしてわるかったって思わんでもないからこの話はおいといて本題に移ろう。 おれにはさ、脳内に彼女がいるわけよ。脳内彼女。んでもって絶望的にかわいい。おれは彼女とふたりで いる時ものすごく幸せなんだがなぜか彼女はいつもさびしそーに陰をおとしている。でまあおれは彼女が 笑うとこ見たいんであれこれ悪戦苦闘するんだがことごとくミッション失敗なわけだ。おれがもしドジッ娘で ならす女の子ならその光景もハアハアなわけだがおれはドジッ娘でならす女の子ではないのでフツーに 途方にくれる。おれがもし陰のある味わい深い女の子ならその光景もハアハアなわけだがおれは陰のあ る味わい深い女の子ではないのでフツーにみっともないだけだ。だから、困る。どうしようもない。参る。
13 でも、とくべつだよ。 というようなミッションを決行したわけだが先に述べたようにことごとく失敗しておれはつい彼女にやつあ たりをしてしまった。三秒後おれは素にもどりあわてふためいたが彼女はずっといつもの表情をくずさな かった。これは参った。おれは心から謝ってなぜいつもさびしそーにしているのかきいてみた。彼女は答 えた。「そんなことない」「いやさびしそうだ」「ううんそんなことない」「いやさびしそうだ」すると彼女はまた さびしそーな表情。参った。これは参った。で、困る。どうしようもない。しょうがなくおれはギターをかき鳴 らす。ちゃんと調弦できていなかったが気にせずに歌った。どうせ下手だ。三曲熱唱しやっぱ超絶アルペ ジオなんかおれにゃできねーよとかあたりまえのことを確認し、だんだんレイセイになったおれはふと疑 問に思う。彼女はおれの脳内彼女つーくらいなんだからおれの脳内にいるわけでおれの脳はおれがア ンダーソンくんでないかぎりおれが支配しているはずだ。つーことはですよだんな、おれは彼女を好きに できるってことではないですか。やったぜおい生きててよかったなー生んでくれてありがとうとか親には 感謝しないものの今までたえてきたおれをほめたたえてやりたいね。彼女はさびしくないさびしくないさび
しくないと三回くりかえしゃ三度目の正直っしょともういちど彼女にさびしくないのかと聞いてみると「そん なことない」ってさびしそーな表情。おいおいおれの脳はクラックされてんのかよおいとまじでびびるがそ んなことはないよなーつーか何でおれの脳内彼女は意思を持ってんだよおいってことですよ。これがい わゆるウーマンリブっすかとかつまんねーことを考えつつさあこれからどうすんのよ。おれはジャパニー ズフェミニズムが大っ嫌いな英国紳士なので手荒な真似はせんのだが実はこれってやばくね? つーか いつかおれの意識が彼女にクラックされるとかそんなクソつまんねーオチじゃねーだろうなと先に手をう ちおれの意識をとりあえず確保。くっそー、おれはただ脳内彼女とふたりでまったりしたかっただけなのに よー。なんだよ。殺伐としすぎだよクソが。あーそれにしても彼女はとってもかわいいなーかわいいよなー あは。右えくぼがたまんないねとか笑ったとこ見たことないくせに現実逃避つーか妄想逃避つーかようわ からんものからの逃避をするもののあいかわらず彼女はさびしそーにしていた。笑っておくれよ。マジで。
7424 +12V 孤島が自殺した。観念は笑った。雲が流れる。空が澄み鯨幕を垂らす。 胡瓜を食べた。記号が美味しかった。 天才が生まれた。鳥が祝福した。オートマティスムが再開した。世界が終わった。 好きになった。クローズドハイハットが輝いた。 人間は動物になった。無意識を放棄した。魂が変換する。三角が震える。 始まりが始めた。虹が見えた。 今が過去。過去が未来。電圧は納品できなかった。寂寥は宣言した。 終わりが終わらなかった。虹が消えた。 神話が殺した。記述は犯した。繊維は絶望。当面は孤島。
283776 弱さを暴いたってしょうがない、そのよわさをみとめようよ。 おれは夢をみてたんだよ。つーか夢ってなによ? って話だよおい。この現実さんとかいうクソふざけた ものを実感してるわけはねえよな。だってそんな言葉知らなかったらおれらつーかおれひとりでもいいん だけど、これが現実ですこれは夢ですこれは妄想ですこれは逃避ですとかいちいち考えねーでこれを見 てるおれそれをみてるおれとつねにおれは一定してるわけよ。わかる? おれのいいたいこと? だけど さゴリ押ししたところでところでちゃぶ台返してわるいんだけど、もうおれらは現実とか夢とかいう言葉を 知っちゃったわけでさそうなるとやっぱりおれは夢とか現実の区別がついちゃうわけよ。くっそーいらんこ としやがって。でもさ、まあ考えてみるとだからこそ脳内彼女なんていう大切なものが生まれたわけでそ れはそれでわるくなかったなーと思うよ、バカだろおまえと思われるのを自覚した上で素直に言うとさ。 でもさ、おれは夢を見てたんだよ。マジで。 マジで夢なんだって。おれじゃねーよ。夢の中のおれなんだよ。信じてくれよ、おい。 おれはなんなんだよ。おしえてくれよわかんねーよ何でもいいから適当にリーマンやってますとか左利き ですとか何でもいいからさ。おれを教えてくれおれにりんかくをくれ。わかったぞ。これは夢だな。そうか そうかだから脳内彼女が意志持っちゃったりしちゃったわけだな。あーマジかよなげー夢だなおいっつー か夢なら英国紳士なんかにゃならなきゃよかったぜでもやっぱ英国紳士は夢の中でも英国紳士である べきだよなうんそうだそれでこその英国紳士だ彼女にふさわしい男でなくっちゃなオウケイオウケイ。 つーかぜんぜんオウケイじゃねーよどうやったら夢は覚めんだよ教えてくれよ解き放ってくれよたのむか らマジでおねがいもう脳内彼女とかつくりませんから今度は脳内妹にしますからマジでおれを許してくだ さい。つーかおれ今嘘つきました彼女が大切です好きで好きで大好きなんですだから自力で外を破壊し ますよ徹底的にぶち壊しますよそして内と外を同化して不安な思いをしてる人たちを安心させるんです。 おれはひとつの結論に達する。
0 大義の最大の敵は無関心だけど、つよくいきるなんてやめよう。 つーかわかったいいかげん目覚めようぜおれらは夢を見せられてんだよ我慢することなんかないってお れらは自由なのに不自由さという言い訳に甘えてんだよそーだよ、まわりを見てみろよクソばっかだよな クソがすました顔して大手をふって歩いてんだぜふざけんなってのだからさ、いいかげんおれらの番なん だよこれからはおれらのフェーズおれらの時代なわけよ怖くたってさ、声なく死んでいった同胞たちもいる わけよその同胞たちのことを思えばやっぱ使命感つーかなんか大きいものが動いてる感じがするだろ? 待て。だまされるな。今言ったのは全部フェイクだ。 もはや大きいものなんかない。あるのはただおれらの幸せだけだつーか人は幸せになりたいよなそりゃ人 の幸せを考えるやつも結局はそれが自分の幸せにつながったまあ神々しい人で、つまりは幸せになると かなりたいとか是正するとか間違ってるとかあいつはクズとか自分は不当な評価を受けているとかそんな 動機の部分大上段をいまさら語っても前に進むわけはなく、ただ必要なのは不安で声も出せないそんな 人たちのおれたちつーかおれひとりでもいいんだけど、とにかくだれかがもういいかげんその不安をとりの ぞくべきなんじゃないのかとおれは言いたいわけですよ。わかる? おれの言いたいこと。こんな劇場もう 壊しちまおーぜつーかおれが壊す壊しちゃうよおれはそうだよわかったよ、彼女はそんな不安を抱えたひと りだったわけだよ。だからいつもさびしそーにして影を落としちゃうわけ。オッケイオッケイわかったぜおれは 彼女のためつーか彼女の笑顔のためつーかおれのためなんだけど壊しちまうぜ。破壊じゃ。破戒じゃ。
58194 −12V おれが自殺した。おれは笑った。おれが流れる。おれが澄みおれを垂らす。 おれを食べた。おれが美味しかった。 おれが生まれた。おれが祝福した。おれが再開した。おれが終わった。 おれになった。おれが輝いた。 おれは動物になった。おれを放棄した。おれが変換する。おれが震える。 おれが始めた。おれが見えた。 おれが過去。おれが未来。おれは納品できなかった。おれは宣言した。 おれが終わらなかった。おれが消えた。 おれが殺した。おれは犯した。おれは絶望。おれは孤島。
93257 未来が笑って空が閉じて、ぼくらはただのヒトになる。 なぜかおれは警察につかまった。 わけがわからん。 おれは正しいことをしたんだぞ。 いつもさびしそーにしている彼女が笑うところを見たかったんだとおれは必死に主張した。 そのための破壊だと。 だがしかし刑事は夢でも見てたんじゃねーのかわけわかんねーこと言ってんじゃねーと逆ギレする。 おいおい日本はいつからこんなおつむが新書サイズの国になったんだ? わけがわからん。 あーじゃあ刑事が逆ギレしないように破壊するんじゃなくなんかつくるべきだったのかな。 つーか考えたさいちおーおれもバカにバカ乗がつくほどのバカじゃない。 何をつくれば彼女の表情から陰りが消えるのだろう。 おれはどうすれば声もなく死んでいった同胞の無念を晴らすことができるのだろう。 考えたさ――でもな。 考えてもどうすりゃいいのかなーんもわかんなかったのさ。 泣きたい。猛烈に泣きたい。悔しい。猛烈に悔しい。 こんなときは夢でもみたい。 殺伐とした現実なんかごめんだ。 救いなんかねえよ。 手をさしのべてくれる神様なんかいねえよ。 そんな現実の唯一の希望である彼女。 でも彼女はあいかわらずさびしそーにしている。 きいたってきっとそんなことないの一点張り。 おれはずっと満たされない。
93258 自殺の孤島は、きょうもかいせいです。 そこでわかった――おれも彼女と同様の不安を抱えていたんだ。 そしておれは今夢をみている。 夢から覚めたおれは彼女だ。 おれはいつも真実を殺しただおびえている。 このままじゃ同胞たちと同じ残酷で不当な結末をあたかもそれが当然かのように迎えてしまう。 ならやることはただひとつだよ。 いいかげん目覚めろおれいつまでも夢見てる場合じゃねーぞ聞こえてんだろおい。 それでもまだ声なく泣くつもりか? そんなのおれがゆるさねーぞ。 おれらが変えてやろーぜおれらの解放運動だ革命運動だよっしゃやるんだそうだ。 こっちのおれは今警察につかまって身動きが取れないがそっちはのんきに夢見てんだから大丈夫だろ? つくるんだおれたちの新しい価値新しい現実を。 少しずつでもいい。いつか誰かが賛同してくれるはずだ。 つくれ。おれみたいに壊すな。つかまっちまう。だからつくるんだ。 涙は思う存分声出して流せ。 不安で不安でしょうがねーもんなわかるぜその気持ち。 それと似た涙を声なく流しているやつがいるって思うとどうしようもなく熱くなるだろ? その熱は本物だ。それを現実というものの定義にしようぜ。 だからな。 いいかげん目覚めろ。 そしていっしょに笑うんだ。
ヽ / /⌒\ \ | / /ヽヽ|/⌒\ii|\ \ / / /ヾゞ///\\| ―― (´∀`) ― |/ |;;;;;;| \| / \ |;;;;;| / | |;;;;;| |;;;;;| ∧∧ |;;;;;| (,,゚Д゚) いちにちのごはんはおしまい |;;;;;| ι_つ 。 |;;;;;| (___) __/ ..../......\....,,,,,..U U.....,,,,[iii◎[].......,,, ヽゞ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(^^)
>>やまざきせんせい こんなところであぶらうってちゃだめだよ! きょうはぼくがおたためていたまんがのぷろっとをだいこうかいしちゃうから、 それをかいてはくすいしゃとかにもちこみでもしなよ! やっぱやめた! やっぱりじぶんのちからでかかなきゃだよ! それにしてもあついひがつづくね。 よじかんすいみんしんこうでばてばてだよ。 おはだによくないよ。 おなかもぐーぐー。 (^^) にこにこ。 (^^)にこにこ。 (^^)にこにこ。(^^) あは。 だる。 うそでふぁいなるA! もー。 もー。 きゃは。 おしごとがんばってください! でもいらないしごとはしないでください!
ごはんのうた いちにちさんしょくげんきのみなもと♪ みなもとしずかはしずかちゃん♪ ねんまつじゃんぼをかったらはずれた♪ ふっとわらうはなきのりゅう♪ たのしいおしょくじみんなでたべれば♪ あ〜らふしぎ(そだちがよいふりのおかあさんのこえ) すーぱーのおそうざいでもごちそうだ♪ さみしいおしょくじひとりでたべれば♪ あ〜せつない(ざんぎょうがえりのおとうさんのこえ) おちゃづけさらさらあじけないな♪ らんらんらんらんらんらんらんらん♪ きょうもごはんがおいしいな♪ るんるんるんるんるんるんるんるん♪ あしたのごはんはなんだろな♪ き〜ん きゃはは〜ん きゅいきゅいきゅいーーん(ぎたーそろ) りんりんりんりんりんりんりんりん♪ でんわがなってもむしするよ♪ れんれんれんれんれんれんれんれん♪ おおすぎれん♪ ろんろんろんろんろんろんろんろん♪ ふっ♪ おいしかったよごちそうさまでした♪
おほお プスプス!
(⌒V⌒) │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ⊂| |つ (_)(_) 山崎パン
お父さんか、お母さんに――
精神にとって外界とそりが合わぬことは呪いではなくて祝福である (ことによったら恩寵と言うべきかもしれないのだが)、 というのも精神はもしもそれが人間の勝手に作り出した外見や法におどろかぬとしたなら、 そうした外見や法との混同がおこって精神自身の生命を持たぬことになるであろうから。 あらゆる詩、あらゆる知的・道徳的生活は革命である。 存在にとってつねに問題となるのは、 存在を因襲の岩に釘づけにしている鎖をたち切ることであるから。
1 寂れたちいさな町のちいさな木造二階建ておんぼろアパートのちいさな202号室が、ちいさなあたしの世界の全て。 台所の窓から見えるよそ様の家の梅の木とお鍋を交互に見つめる。 梅の花は二ヶ月前に散り、今は太陽に照らされた緑色の葉っぱがきれいに輝き、 その喜びを体全体で表している。 お鍋の中にはカレーライス。 チョコレートとケチャップと醤油が隠し味。おたまでぐるぐるかきまぜる。 よし、ととろみに納得し、時計に目をやる――三時四六分。 あと一時間くらいでお兄ちゃんが帰ってくるはずだ。今日はどうだったんだろ。 あんまり褒められた、というかものすごくきれいじゃない稼ぎ方だけど、 働こうにも働くあてがないあたしたちにとっては、お金を手に入れる手段をとやかく言っている場合ではない。 あたしたちは生きなきゃいけない。少なくともあたしは、一日でも永く生きたい。 それによって人様にいろんな迷惑をかけたとしても、償いはそうすることが一番だと思うのだ。 あたしは昔、人を殺したことがある。それもたくさん。
理由は昇華しても、事実は沈殿する。あたしは人殺しだ。 小さい頃、たくさん人を殺してしまった。殺そうとした理由は自分でもわからない。 そもそも、殺した時のことをよく覚えていない。 あたしが人殺しだって知ってるのは、お兄ちゃんだけだ。 他にも知っている人がいるかもしれないけど、それなら黙っている理由はないはず。 あたしは警察につかまっていない。だから、お兄ちゃんだけのはずなのだ。 事実は沈殿しても、気持ちは蒸留される。あたしは深く反省した。 反省で済む話ではない、ってことはあたしだってわかっている。だけど、どうしようもない。 実を言うと、自殺を考えた。こんな人殺しの自分なんか嫌だった。 理由もなく人を殺すあたしなんて死んだ方がいい。 そんな自棄になったあたしを止めてくれたのが、お兄ちゃんだった。 そしてお兄ちゃんはこう言って、あたしを悲しい世界から救ってくれた。 「中学卒業したら、この家を出てって誰も知らないところへ行こう」 卒業式の次の日、あたしたちは家を出てった。進学の決まった高校なんて知らない。 お母さんお父さんには悪いけれど、子供は親の持ち物ではない。 親は子供の食べ物なのだ。だからバイバイした。親孝行は直接できないけれど、 あたしに子供ができたら、おとなしく子供に食べられようと思っている。 子供は親を食べておおきくなる。あたしも、お母さんお父さんを食べ、それまで生きてきた。 次は、あたしが食べられる番なのだ。 あんまりおいしくないと思うけど、おいしくなるよう努力はします。
これは俗にいう、駆け落ちなのかなあ。そのほうが響きがよくて素敵なんだけど、 なんというか、そんなにロマンチックなものじゃなかった。実際は都落ちみたいな感じだ。 職もない若すぎる二人に、住むとこを貸してくれる人はなかなかいなかった。 今住んでるアパートの大家さんはとても人の良い、 八十を過ぎたとは思えないくらい元気なおばあちゃんで、 もはやアパート経営は道楽らしく、敷金礼金保証人無しであたしたちを入れてくれた。 月二万也。千円単位でないところが素晴らしい。どうせなら一万円ぽっきりがいいんだけどね。 お金は中学生のときまで節制したので、はじめの手持ちは四十三万七千円プラス二人のお財布。 お年玉なんて一回一円も使ったことがない。さすが、昔のあたし。素敵。先見の明がある。 こうやって、なるべく昔の自分を肯定することにしている。 気持ちは生まれ変わったとしても、昔のあたしだってあたしに違いないのだから。
「ただいま」と元気のないお兄ちゃんの声。今日は負けちゃったのか。 「おかえりなさい、お兄ちゃん」 そう言って、いつもの何か困ったような顔をしたお兄ちゃんを出迎える。 あたしは声が出せない。生まれつき、しゃべることができないのだ。 だけどなぜか、あたしが口に出せばお兄ちゃんには聴こえる。 小学校高学年のころから、少しずつコミュニケーションができるようになった。 テレパシーじゃないんだけど、とにかく聴こえるらしい。 そういうのがテレパシーじゃないの? と訊いても、 テレパシーじゃない、とお兄ちゃんはいつも言い張る。変なお兄ちゃん。 「今日はカレー?」 「うん、カレーライスだよ。お肉はいつもの鳥さんだけど」鳥さん、安いから。 晩ご飯のメニューはカレーライスと、レタス、キュウリ、トマトのサラダ。 あと、残り物のきんぴらごぼう。きんぴらごぼうって、カレーと結構相性がいいのだ。たぶん。
晩ご飯を食べつつ、今日あったことをお兄ちゃんとお話する。 読んだ本のこととか、大家さんのお孫さんが大学院を目指しているとか、そんなこと。 そんなことをお話して、お兄ちゃんが今日こんな人を見たとか、そんなことを聞いて、夜はふける。 一日が終わる。 「もう寝よっか」とお兄ちゃん。 「うん。明日もあるんでしょ?」とあたし。 「うん、明日は勝つよ」 「がんばってよね」 我が家にお布団は一つ。二つ買うのはお金がもったいなかったし、部屋も狭かったから。 一つのお布団で寝る。健康的に。 じゃあ不健康って何? それに答える前に、あたしのまぶたは糊付けされる。
2 ブランチとして昨日の残りのカレーライスを食べ、お兄ちゃんは稼ぎに出る。 「いってらっしゃい」 「うん」 お兄ちゃんを送り出し、洗濯(洗濯機はアパート共同)をし掃除をし笑っていいともの時間になる。 家にテレビはないんだけど、どこの部屋からか関根さん(一応知ってる)の笑い声が聞こえてくる。 あたしは読みかけの本を開く。数学の本。大家さんから貸して貰った。 残り百ページ弱かな。これなら一時間ちょっとで読めるだろう。
で、読了。あー、いい本だった。 世界は数字でできている、なんてことを言った人が昔いたらしいけど、 そういう感覚ってすごいなー、と素直に感心してしまう。 じゃあ、あたしの世界は、何でできているんだろう。 本を読み終わり、とたんに暇人になる。 読後感を薄めないよう、今日はもう何も読みたくない。 あー、何しよう。 えーと。えーと。 ・・・・・・。 えーと。えーと。えーと。えーと。 ・・・・・・。 えーと。えーと。えーと。えーと。えーと。 ――そうだ。 さっそく着替えて身なりを整えてミュウミュウのミュールを履いて、出発。 目指すは徒歩十五分(ぐらいって聞いた)のお兄ちゃんのもと。
後悔。やー、なんなのー? ここは。 おじさんだらけ。一面に広がるおじさん達。 なんでおじさんは帽子の着用率が高いんだろう、と不思議に思いながら、 おじさんの渦の中、お兄ちゃんを探す。若い人はまったく見えないから、目立っているはずだ。 だから簡単に見つかると思うんだけど・・・・・・、といやに視線を感じる。 自意識過剰と言われればそれまでだけど、思えばあたしも若いので、目立っているのだろう。 なんだか、嫌。お兄ちゃんが、こない方がいいよ、と言ったのもわかる。 ねえ、おにいちゃーん、どこー? はやくあたしをみつけてよー。 ここにあたしがいること知らないんだから、みつけてもらえるわけないでしょ、 と冷静なあたしがつっこむ。だってえ、とおびえるあたしが駄々をこねる。 ったくあんたはしょうがない子だねえ。だってえ。甘えていないで早く見つけるのよ。 おにいちゃーん、あたしはここだよー。だーかーらー、あんたが探さなきゃ駄目なのよ。だってえ。 あーもう、役に立たない子だね。そんなこといわないでよー。あんたは足手まといなのよ。 そんなのやだー。それが嫌なら探しなさい。うー・・・・・・。返事は? ――はい。
気を確かに持って、と自分を励ましつつ、探す。 わー。ざわざわ。ざわざわ。わー。 スタジアムの方から急に歓声が上がる。おじさん達の歓声は聞いていて、なんだか耳に悪い。 いや、間違いなく心にも体にも悪い。おじさんなんか、嫌いだ。 きらいきらいきらいと心で連呼していたもんだから、思わず目のあったおじさんに、 キッと、きつい目つきを見せてしまう。人のよさそうなおじさんは、それにたじろく。 ごめんなさいごめんなさい。人のよさそうなおじさんごめんなさい。 でもおじさんは嫌いなの。だからおじさんも、こんなあたしを嫌っていいんだよ。 だけど人のよさそうなおじさんは、あたしを嫌うどころか、やわらかい口調で話し掛けてきた。 「ずっときょろきょろしてるみたいだけど、人を探しているの?」 ぶんぶんぶんっと頭を縦に振る。かっこ悪いなあ、と冷静なあたし。 「もしかして」と人のよさそうなおじさんはお兄ちゃんの名前を言う。 ぶんっぶんっぶんっとさっきより激しく頭を縦に振る。よかったじゃん、と冷静なあたしも祝福する。 「やっぱりね。ここで君ぐらい若い人と言ったら、彼ぐらいだからね。 彼はメインスタンドの方にいると思うよ。ついてきて」 いや、このおじさんは人のよさそうな振りして、あんたを連れ去る魂胆かもしんないよ。 と冷静なあたしが忠告する。でも、お兄ちゃんのこと知ってたんだから、きっと悪い人じゃないよ。 ほんと、あんたも人がいいねえと他人事のように言って、冷静なあたしは消えてしまう。 やっとお兄ちゃんに会えるのだから。
3 たくさんのおじさん達の中に、お兄ちゃんがいた。 お兄ちゃんはあたしを見て、何でここにいるんだという驚きの表情を見せるが、 すぐにいつもの、何かに困ったような顔になる。 「若人のお客さんだよ」と、あたしを連れてくれた親切なおじさんが言うと、 お兄ちゃんの周りにいたおじさん達も、一斉にあたしのほうを向く。 「お、なんだい、若人の彼女かい?」 と、なんか嫌な方向に年をとってしまった感じの、小太りのおじさんが言った。 「はは。そんなとこです」お兄ちゃんはあいまいに笑ってごまかす。 「こりゃまた可愛い娘さんだね」と、怪しそうな眼鏡のおじさんが笑みを見せる。 怪しそうな人に言われたって、ちっともうれしくない。 あたしはお兄ちゃんに言う。「他のところ行こうよ。おじさん達と一緒なんてやだ」 おじさん達には聞こえないから、こんなことを言っても大丈夫――なんだけど、 お兄ちゃんはばつがわるそうに周りのおじさん達を見、 「すみません、ちょっと今日はこの辺で」 と言った。 「謝るのは僕らじゃなくて、彼女にだよ。おどおどしながら、若人を探してたんだから。 おっさんばっかりだからね、ここは。怖かったろうに」 親切なおじさんが言う。 「はは、ごめん。じゃ、行こうか」 お兄ちゃんはおじさんたちから逃げるように、あたしの手を引いた。
「お兄ちゃんもへらへらするんだね」 「・・・・・・うん」 「あんまり家では笑わないのに」 「そうかな?」 「そうだよ」 「君が言うなら、そうなんだろうね」 「お、なんだい、若人の彼女かい? はは。そんなとこです」 あたしはさっきのやり取りを、似せた口調で再生する。 お兄ちゃんは困ったような顔をしている。いや、実際困っているのだろう。 「ごめん。適当なこと言って。あんまし、知られたくなかったから」 「言い訳はいいよ」 「ごめん」 「謝らなくても、いいのに」 「ごめん」 沈黙。だけどまだ競輪場から出ていないので、相変わらずうるさい。 「レース、見てみる? あんまり人のいないところもあるし」 あたしは答えない。 「見ようよ。実はすでに車券買ってるから気になる、ってのもあるんだけど」 怒っててもいい事なんかないよ、と冷静なあたしが出てくる。 そもそもあんたは何を怒っているのよ。言いたいことがあるなら、ちゃんと面と向かって言いなさい。 そういうのが一番卑怯なんだよ。甘えるのも大概にしなさい。 そんなこと言われたって、あたしがきちんと正面きってお兄ちゃんと向かい合えるはずがない。 向かい合っちゃ、いけないんだ。正面を見ちゃいけない気持ちもあるんだよ、と反論する。 あんたの言いたいこともわかるよ。だけどこれとそれは別なんだよ。 今は、素直に一緒にレースを見みなさい。 冷静なあたしには敵わない。あたしはこくりとうなずいた。
一本の白いラインに、自転車に乗った選手達九人が並ぶ。それぞれカラフルな服をまとっている。 遠目から見ても、ハーフパンツからのびる足に力強く筋肉がついているのがわかる。 「このレースの本命は2番の黒い帽子をかぶった選手。若手先行ナンバーワンと言われる脚力の持ち主で、 将来が楽しみにされている選手なんだ。周りは明らかに格下で、彼が絶対に勝つだろうから、 黒帽子を追いかけるだけでレースを堪能できると思うよ」 パーン! と出走の合図。ゆっくりと車輪が回り始める。 「競輪はラインと言う、関西とか四国とか地元地域に別れて、チームを作るんだ。 このレースの場合は三分戦と言って、きれいに三人、三人、三人の三つのラインが作られる」 「あれ? でも、十人並んでるよ。いつの間に増えたんだろ?」 あたしは思わず、口をきいてしまった。 でもそれで、ずっと胸の中をたゆたっていたものが一気に晴れた。 黒帽子の選手は――前から五番目。 「周回の時は、レースには関係ない風受け役の人がいるんだよ。 そもそもどうしてラインを作るかと言うと、すごいスピードで走ればそのぶん空気抵抗も大きくなる。 だから先行選手と言って、黒帽子の彼もそうなんだけど、脚力のある人が空気抵抗の高い前を受け持つ。 先行選手の後ろの選手は、他のラインが自分達のラインを追い越そうとするとき、体をぶつけて邪魔をする。 そうやってラインで連携をしながら、ゴールを目指すんだ」 「戦友ってやつなんだね」 「そ。ま、年齢の上下関係人間関係や、自分のすべき仕事をサボる不届き者がいたりして、 一筋縄ではいかないんだけどね。さあ、黒帽子の彼は中段をとったんだから、 先行はならずともバックストレッチとってきっちり逃げて欲しいな」
十人が仲良くきれいな一本の列が三周したところで、その秩序は破られた。 八番目の選手が後ろに二人を従えて、今までの軌道から少し外に膨らみ、前の選手を追い越してゆく。 おじさんたちの歓声のボリュームが上がっていく。 「出ろ! 出ろ!」とお兄ちゃんのテンションも上がっていく。「バカっ!」 「え? あたし何かした? ごめんなさい」お兄ちゃんがバカなんて言うの、初めて聞いた。 「あ、ごめん、違うんだ。あの黒帽子が逃げないんだよ」 さっきまで八番目だった緑色の選手は、五番目の黒色の選手もあっさりと追い越す。 黒色の選手は三人組みに抜かれると、すぐにその三人組最後尾の選手の後ろにくっつく。 「捲る気か。バカだなあ、もう」 突然、鐘が鳴る。じゃーん。じゃーん。じゃーん。じゃーん。じゃーん・・・・・・。 歓声のボリュームは限界を知らない。近所迷惑だなあ、となんとなく思う。 「この鐘は残り一週半の合図。風受け役の人が退場し、これから本気の九人の戦いになるんだ」 今は緑の選手がトップ。黒色の選手は四番目。すごいスピードだ。 これを動とするなら、今までの三周半は静。 はじめののスピードを速いなあと思っていたのが恥ずかしいくらい違う。 あたしの前を急斜面になっているにもかかわらず、選手達はそれをものともせず、風のように過ぎ去っていく。 緑の選手のトップ変わらず、残り半周となったところで黒色の選手が仕掛ける。 ぐんぐん黒色の選手がのびていく。速い速い速い。お兄ちゃんの話では、 緑色の後ろの選手が黒色の選手が追い越そうとしているのを邪魔をしなきゃいけないはずなんだけど、 あっという間に緑率いる集団を抜き去り、黒色の選手がトップに。 それでも黒色の選手は今のスピードに満足していないのか、加速を続け、 ずっと後ろについていた青色の選手を大きく引き離し、一着でゴール。 「すごい! すごいっ!」 思わず叫んでしまう。空に響かずとも、あの選手には響いて欲しい。 とにかく華麗なスピードだった。あんなにダントツのレースをするんだ、将来はきっと大物に違いない。 おじさん達も本命の選手が勝ってくれて、喜んでいるに違いない。
だけどあたしの感動とは裏腹に、おじさん達はなにやら怒号めいたものを、 ゴールしたあとゆっくりと周っている黒色の選手に向けていた。 みんな大穴狙いだったのだろうか。自分のエゴで文句を言うなんて最低の人間だ。 黒色の選手があたしのところに近づいてくる。 あたしはおめでとーって言ってあげなきゃ。聞こえなくても、伝えたい。 そう思い、口を開いた瞬間、 「バカ野郎! お前の走りはそんなんじゃねえだろ!」 と――お兄ちゃん。 え? お兄ちゃんが? 嘘だ。お兄ちゃんはエゴイストなんかじゃない。 でも、お兄ちゃんは明らかに怒っている。幻滅とかそういうのを通り越して、感想が持てなかった。 ――わかった。お兄ちゃんは悪くない。この競輪場が悪いんだ。毒されただけなんだよね。 あんなおじさんたちと一緒にいるから、お兄ちゃんは駄目になったんだ。あたしがちゃんとさせなきゃ。 「お兄ちゃん、駄目だよ、そんなこと言っちゃ」 お兄ちゃんは、はっと我に返り、恥ずかしそうにした。 「ごめん、汚い言葉つかって。君に聞かせる言葉じゃなかった」 「違うよ。言葉づかいじゃないよ。あの人勝ったんだよ。すごい走りを見せてくれたんだよ。 自分の都合で怒っちゃかわいそうだよ。あたしらはちゃんと祝福してあげようよ。 あたったとかはずれたとか、そんなのはいいでしょ」 ほんとうは生活がかかっているから、ぜんぜんよくないんだけど。 「それは違うよ。みんなはずれたから怒っているわけじゃないんだ。彼のレース運びに怒っているんだよ」
「え? どういうこと?」 「彼がこのレースに勝つのはほとんど百パーセントなんだから、みんな彼に逃げて欲しかったんだよ」 「そんなのわがままじゃないの?」 「違うよ。親心みたいなものだよ。若いうちはとにかく逃げて欲しいんだ。 ああいう、最後に捲ってさようならなんて楽に勝てるレースしたって何にも、 ってのは言いすぎかもしれないけど、それでもあえて何にも残らない、って言いたいね。 最初から最後まで一番前で風を受けて突っ走ってもがいて欲しいんだ。 それで勝つのはほんとうにきついことだけど、若い時にとにかくがむしゃらに 逃げて逃げて逃げて勝つというのは、選手のこれからにとって、とても大きいものなんだ。 これから先長いのに、そんな今だけの走りなんてして欲しくない。 だって、彼は間違いなく本物になれるんだから。努力なしの本物なんかいらない。 そういう期待は確かにファンのわがままかもしれないけど、ファンだからこそ、潰れて欲しくない、 っていう気持ちが強くて、ああいう厳しいことを言うんだよ。彼のことを思って、ね」 言い終わり、めずらしく語ってしまった自分が恥ずかしくなったのか、お兄ちゃんはうつむいた。 「勝っても怒られるなんて、大変だね」 「それがプロだよ」 「で、お兄ちゃん――予想、あたった?」 「いや、それがね、二着に流れ込んだのが四十三歳の選手で、まさかくるとは思わなくて。 僕は本命派だからね。あんな車券買えない、いや、買わないよ」 そのあとお兄ちゃんはいろいろと言い訳をはじめて、とてもかっこわるかった。 勝っても負けても、あたしは怒らないよ。ね。
その日の晩ご飯は競輪場の近くにある串かつ屋さんで食べた。 夕方過ぎて作るのが億劫だったし、実はあたしが来る前のレースでお兄ちゃんは数万円儲けた、 もとい稼いでいたからだ。知り合いのおじさんが午前中大きく勝ったら、 お昼ご飯に連れて行ってくれるお店らしく、いつかあたしに食べさせたかったそうだ。 お兄ちゃんのお勧めはかぼちゃ。ほどよくつゆがしみた衣の味と、かぼちゃの甘さがマッチしていた。 かぼちゃはこれからが旬だから、もうちょっと日が経つともっともっと美味しいんだろうなあ、 と思いつつぱくぱく食べた。こんなのをおごりで食べてるなんて、まったくうらやましすぎる話だ。 でもこういうのはやっぱり、おじさんじゃなくお兄ちゃんと食べるから美味しいんだろうけど。
※ 彼は自分が今やっていることに疑問を持っていた。 その疑問は日に日に大きくなっていく。 彼は彼女を必死に守っていた。 この世界に存在するには、彼女はとても危うかった。 たとえるなら、補助輪無しの自転車を操る、小さな子供のように。 だから彼は補助輪となり、彼女を助けているつもりだった。 彼女の転ぶ様を見るのが怖かった。 だが、いつまでも補助輪をつけて自転車に乗る子供などいない。 いつかきっと、一人で走らねばならない時がやってくる。 それを手助けすべきではないのか。 ちゃんと後ろを握って支えているから、と嘘をついてでも。 自分が彼女の補助輪であるということは喜びであり、決して負担に思ったことなどなかった。 だが、いつまでも彼女の補助輪となっていてはいけない。 独占欲なのかもしれない。 自分の行動を分析すると、いつもその結論に達する。 彼女は自身の力で走ることができるようになるべきだ。 わかっている。そうするべきであることはわかっている。 ――なら僕は、具体的にどうすればいいんだ? 結果へのプロセスが全く見えなかった。 そもそも、彼女がどうなるべきかなんて考えていること自体、彼女を不自由にしている。 ※
4 次の日。お兄ちゃんを見送り、午前の家事を済ませたあたしは大家さんのところへ向かった。 あたしたちが住んでいるアパートのすぐ隣、南側に建っている一軒家が大家さんの家だ。 大家さんはまあお茶でも飲みましょうとあたしを家にあげてくれた。 『これありがとうございました おもしろかったです』 とスケッチブックにお礼を書いて、あたしは借りていた本を差し出す。 「ちゃんと読めたのね。やっぱりあなた、すごいわね」 『すごくなんかないですよ わかんなくてよみとばしたとことかもありましたし』 「ということは、わかったところもちゃんとあったんでしょ? やっぱりすごいわ。 私が貴女ぐらいの時に読んだって、きっと何もわからず、感想はつまんないの一言だと思うもの。 もったいないわね、あなたぐらい賢い人が学校行ってないなんて。 大学に行けばきっと素敵な経験がたくさんできるだろうに。もったいないわねえ」 『もったいないとか自分ではおもってないですよ まんぞくしてます』 書くのが面倒というのとスピードの問題で、ひらがなばっかりなのはご愛嬌。 「ほんと?」大家さんはいじわるに笑う。「ごめんなさい、私がとやかく言うことじゃないわね。 あなたにはこれからもいろんな本を読んで欲しいわ。家は本だけはたくさんあるから」 『ありがとうございます。じっさい大家さんがかしてくれた本で、 あたしはすてきなけいけんをたくさんつんでいるつもりですよ』
唐突に、あたしと大家さんがいる応接間の扉が開かれる。 「おはよ。お茶だよ」 大家さんのお孫さんだ。彼女は親元を離れ、大家さんと二人で暮らしている。 大学がこの近所にあるからだ。きりっとした細い眼鏡をしていて、とても頭がよさそうな容姿をしている。 院への進学を目指しているそうで、実際頭がよいのだろう。 大家さんも昔数学の先生をやっていたそうなので、とても頭の良い家系なのだ。 ぺこりと頭を下げ、彼女が入れてくれた玄米茶を受け取る。 お孫さんは大家さんにもお茶を渡し、自分の分のお茶を片手に大家さんの隣に座った。 「おばあちゃん、また学校に行かないのはもったいないって、姫様を困らせてたでしょ」 はは、とあたしは困ったように笑う。お孫さんはあたしのことを姫様と呼ぶ。 これはちょっと恥ずかしすぎるのだが、とにかくあたしは姫様らしい。 「誰だってそう思うはずよ。才能のなかで埋もれていてもいいのは、犯罪の才能ぐらいよ」 この言葉には、どきっとさせられる。 「そうかなあ? 美しい、華麗な犯罪だってあるはずだよ。そりゃ、被害者はたまったもんじゃないけど」 「子供じみたことを言うのね。華麗な犯罪だなんて。やめないさい、推理小説なんか読むの。 あんなバカらしい、人を殺して騙して暴いてばかりのものなんて。 とてもまともな人間が読むものじゃないわよ。きもちわるいわ」 「ほらそうやって、またあ。探偵小説ってのはね、生命の尊重を復権させようとするものなのよ。 そもそも生きることが善なんてとても言えたものじゃないご時世じゃない。 だからこそ、逆説的にアプローチしなきゃいけないんだと思うよ」 ふたりはもしかしたら、あたしが人殺しだってことを知っているのだろうか。 そんなことはもちろんないんだろうけど、まあちょっと、居心地わるい。
何かに操られているような生の失調感とか、自己言及自己運動自家中毒がどうのとか、 そんなことをお孫さんは熱く語る。そんな姿をぼけっと見てたあたしに気づいてか、 「ごめんなさい。おばあちゃんが探偵小説を馬鹿にするから、つい」 と彼女は謝った。 『いいえ そんな』どんな? 「そうだ。漫画また溜まってきたから、持ってく?」 『はい いつもありがとうございます』 「漫画ばっかり読んじゃ駄目だよ。ちゃんとした本も読まなきゃ」 大家さんが口を挟む。 「おばあちゃんはほんと古い人間だね。批判は読んでからしなさいよ」 「読んだって、頭が痛くなるに違いありませんから。私は絶対に読みませんよ」 「はいはい。かわいそうなご老体は置いといて、私の部屋に行こう」 あたしはつい、大家さんの顔を伺ってしまう。 「若者が理解されないのはいつの時代もそうよ。だけど老人が理解されないのは最近の話よ。 だから、せめてあなたはそういう人になって欲しいわ」 あたしは何も言えない。 「老人が一番嫌うのは老人扱いされることなのよ。たぶん。私はまだ老人じゃないけど」 「おばあちゃんは素直じゃないね。おばあちゃんはまだまだ女の子だよ。 別に誰もおばあちゃんをぞんざいに扱わないんだから、いいじゃない。さ、姫様、行こ」 「それをわかってくれればいいのよ」
「はい、どうぞ」 お孫さんはビニールコーティングされた紙袋をあたしに差し出す。 中には漫画雑誌が詰まっている。全部同じ出版社のものだ。 『ありがとうございます』 「いいのよ、どうせまたあとで単行本がただで来るんだから。こっちとしても助かってる。 それよりどう? お兄さんとの生活は? うまくいってる?」 はい、とうなずく。 「大学に行く時に結構彼を見かけるんだけど、彼、いつも愛想ないね」 『すみません』そしてぺこり。 「姫様が謝ることじゃないんだけど。二人の時もあんな感じ?」 昨日の競輪場でのことが胸の片隅で再生される。 『いつも こまったようなかおをしてます』 「そう、そうなんだよねえ。この前の朝彼に会って『おお少年よ、姫を助けるために旅立つのだな』 って声かけたら、姫様の言うその困ったような顔をしちゃって。私も困っちゃってしょうがなく 『いってらっしゃい』って言ったら、彼も『はい』って一応返事してくれたんだけど。 お兄さん、小さいときからあんな感じだったの?」 それは、話し掛け方がわるいような気もするが。 『むかしはそとにあそびにいったりして いろんなひととおはなししているみたいでした あたしもいっしょについていったことが なんどもあるんですけど ちいさいころのおにいちゃんはいつもあかるくて よくしゃべっていました』 「へえ、そうなんだ。なんかイメージできないね。あなた達ぐらいの年になれば多少は変わるものだけど、」 今の彼はどう見たって鬱々としてるもんねえ。なんかよほどのことがあったのかなあ」
――言いたい放題だな、この人は。 ちょっとむっとなるが、事実なのだからしょうがない。やはり、あたしが原因なのだろうか。 あたしが人を殺して殺して殺して、お兄ちゃんはそれを知って誰にも言わず黙って人殺しと一緒に暮らして。 確かに、こんな状況でそこぬけた明るさを持つなんて、とても無理な話だ。 あたしが原因だなんて、そんなの認めたくないけど。 「ごめんなさい。勝手なこと言って。無責任よね、理解しようとしてないくせに解釈するなんて」 よほどあたしが思いつめた顔をしてしまったのだろうか。お孫さんは心配そうに見る。 『いいんです あたしはおはなしできるだけで うれしいですから ほんとです』 「ありがとう。でも、自分を必要以上に抑えるのはよくないよ。姫様はいいこさん過ぎる」 だって、あたしは人殺しだから。自分でもなぜ人を殺したのか記憶が残ってないからわからないけど、 自分を押さえつけなきゃ、また人を殺してしまうかもしれない。 ――そういうふうに考えてしまう。 ああ、最悪だ。最低だ。お孫さんは至極正しいアドバイスをしてくれているのに、 あたしの過去がそれを歪ませてしまう。 だんだんだんだん気分がわるくなる。このままだと耐えきれず、自我がぷちっと押しつぶされそうだ。 『すみません やることがあるんでかえります まんが ありがとうございます』 「そう。ごめんね、やな話しちゃったみたいだね」 いいんです。みんなあたしがわるいんだから。 「なんか困ったことがあったら言ってね。できる範囲で力になるよ。 年頃のお嬢さんなんだから、あのアパートだと何かと大変でしょ」
5 頂いた漫画をアパートに置き、買い物に出た。 今日の晩ご飯は何にしよう。 スーパーに向かっているうちに思いつくだろうとぼんやり歩いていると、 「わっ」 どうやら走っていたらしい小さな男の子とぶつかってしまった。 困った。慌てて小さなメモ帳をバッグから取り出し、 『ごめんね ぼっとしてて』 と謝る。 「あはは。ぼくもごめん」少年も笑いながら謝る。「たいへんだろうけど、なげだしちゃだめだよ。 このよのなかにはたいへんなことしかないけれど、でもよのなかってそもそもなんだろう?」 少年は勝手に固まる。変な子だ。 「みたくないことにめをつぶったり、くさいものにふたをしたってなにもかわんないんだ。 にんげんっていうのは、みんながみんなかたちがちがうからこそおもしろいんだとおもうよ。 そういうちがいをたのしめないひとは、はわいあんぶるーのおいしさがわからないんだよね。 あー、はわいにいきたいなー。ほんばのはわいあんぶるーをたべたいなー。あは。 ・・・・・・あれれ? ということはちがいがあるのがとうぜんなんだから、 ひととのさなんかきにしちゃだめなんだろうね。うん。くだらないくだらない。あはは」 よく笑う子だ。 「ひとにはひとのほちょうっていうものがあるんだ。だからほかのひとのあゆみが じぶんにはおそかったりはやかったりしていらいらすることもあるだろうけど、 だいじなことははわいあんぶるーのおいしさはみんないっしょってことだよ。 ぶるーぶるー。はわいあんぶるう〜。ぶるまじゃないよ、あはは。へんたいさんはっけん!!!」 あたしをビシッと指差す男の子。 へんたいさんはきみだろ。って、何だこの子は。わるいものでも食べちゃったのだろうか。
少年は独り言を続ける。 「あーあついあつい。もうすぐなつだね。『このなつ、ばらはあおい。もり、それはがらすである。 みどりのころもにおおわれただいちも、わたしにはゆうれいほどのかすかないんしょうしかあたえない。 いきること、いきるのをやめることは、そうぞうのなかのかいけつだ。せいはべつのところにある』 って、じゃあどこにあるんだろ? ぼくこどもだからよくわかんないや。なーんちゃって。あは。 おんがくっていうのはね、おとそのものをたのしむのもわるくないけど、 いちばんのたのしみかたは、おととおとのあいだにある、くうはくよはくをあじあうききかたなんだよ。 そうすればしぜんと、ちいさかったりおおきかったりひくかったりたかかったりするいろんなおとが、 きれいなしきさいをおびるんだ。でも、かすかないんしょうしかあたえなかったりして。あは。 だけどぶるまはせんれつないめーじをあたえます! あはは。へんたいさんはっけん!!!」 だからへんたいさんはきみだろ。それはともかく。 『きみ あたしにいってるの?』 「あは。じゃ。ぼくはこれからこいにおちるからさよならだよ。あはは。だらくしたいなあ。やだなあ」 気持ちいいくらいあたしを無視した少年は両腕を地面に平行にし、指先を天の方に向けて走り始めた。 しゃべらずにペンで会話をするというのを全く気にしないのは、その男の子が初めてだった。 なんだか、小さい頃のおしゃべりだったお兄ちゃんを思い出す。 子供っていいな(今のはちょっと変すぎる子だったけれど)。 もう、あたしは子供じゃない。でも、子供のままでいようとしていて、大人でもない。 つまり、中途半端。
6 その日の夜。お布団に入って、明かりのない真っ暗な中、ぼんやりと浮かぶ木目の天井をみながら考える。 あたしはお兄ちゃんの妹。それ以上でもそれ以下でも、きっと、ない。 昨日の競輪場での出来事を思い出す。 あたしの知らないお兄ちゃんがいる。ああいうお兄ちゃんを見たことがなかった。 あたしはお兄ちゃんと対等な立場にたてない。あたしは人殺しなのだ。 そもそも、のんきに暮らしちゃいけないんだ。人殺しのくせに人殺しのくせに人殺しのくせに。 そんなことを考えると、胸がきゅーとしめつけられる。 昨日、冷静なあたしが言った言葉を思い出す。『役に立たない子』。『足手まとい』。 もしもあたしがいなかったら、お兄ちゃんはちゃんと学校に行って、将来立派な仕事についたのだろう。 だけどあたしがわけもわからず人を殺してしまったから、お兄ちゃんの人生も駄目にしてしまった。 そう、お兄ちゃんを殺したんだ、あたしは。 お兄ちゃんはきっと、あたしの前ではいろいろと抑えているんだろう。 だって、人殺しの妹がそばにいるのだから。 だからあたしは、素のお兄ちゃんを見ることができない。 さみしい。とてもさみしい。かなしい。とてもかなしい。 いやだ。そんなのやだいやだ。嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌。 あー、あたしは駄目な人間だ。結局、お兄ちゃんに甘えてばかりでいる。 あたしはほんとに、親になれるのだろうか。いつまでも子供のままではないのだろうか。 いつまでも美味しくなれない。食べてばっかりで醜くぶくぶく太るんだ。 お兄ちゃんはあたしに汚いものを見せないようにしていた。 きっと、あたしを守るために。何かの拍子で人を殺しちゃうかもしれないから。 でも、いつまでも甘えていいのか。 守られているきれいさなんて、無菌状態のまま生きるなんて嫌だ。 あーでもこれがわがままなんだ。 あーなんなんだろう、もう。
そういえば今日ぶつかった男の子が、見たくないものに眼をつぶったりくさいものにふたをしても、 何も変わらないって言ってた。じゃあ、どうすればいいんだろう。 お兄ちゃんがあたしを守ってるっていうのは、いろんな意味で間違いなんだろうか。 思考がぐるぐるまわって、脳が目を回す。 考えることを放棄して、自分を殺したくなる。 でも、お母さんとお父さんがくれた愛を、あたしはまだ誰にも渡していない。 だから、死ぬわけにはいかない。 だけど、あたしは狂ってしまった人殺しだ。 正直、自分では狂っているのか狂っていないのかよくわからないのだけど、 お兄ちゃんはきっと、人殺しのあたしを狂った妹だと思っているだろう。 だから、あたしの前ではいろんなことを抑えているんだ。いろんなものを見せようとしないんだ。 ならお望み通り狂ってしまおう。そう思った。
「お兄ちゃん、起きてる?」 同じお布団に入っているお兄ちゃんの方を見て、話し掛ける。 「うん」 ピクリとも動かず、お兄ちゃんは答えた。 「あのね、お兄ちゃん。お願いがあるの」 「何?」 お兄ちゃんは無防備に答える。 「あたしね、赤ちゃんが欲しい。子供が欲しい」 子供のままなんて嫌だ。このまま醜く太りたくない。 「考えとく。もう遅いからはやく寝たほうがいいよ。おやすみ」 あっけなく、お兄ちゃんはそう答えた。 ――考えとく。 てっきりいつもの困ったような顔をして、ちょっとそれは無理かな、とか答えると思っていたのだが。 ――考えとく。 お兄ちゃんは政治家ではないので、善処します、なんて意味ではないはずだ。 ――考えとく。 あのー、こっちは何も考えてなかったんですけど。 あーもう、お兄ちゃんの方が狂ってるよ。 どういう意味か、わかってるの?
※ ついに夢が叶った。 それは彼女の幼い頃からの夢だった。 それがいけなかった。 夢は叶えるものだが、全ての叶えられた夢が幸せをもたらしてくれるとは限らない。 叶えられた夢は、現実という次元に落とされるのだから。 現実となった夢は彼女を狂わせた。 彼女の周りを巻き込んで。 ※
7 洗濯物泣かせの梅雨も去り、暑くるしい時期は去ってもまだまだ残暑の九月。 じめじめはしてないもののからっとしきれない日が続くなか、 気持ちのよい風のおかげでめずらしく過ごしやすかったある日の夕方、 いつものように稼ぎに行ったお兄ちゃんは、おみやげに小さな子供を連れて帰ってきた。 って、おい。 「お兄ちゃん、その子」 「君がちょっと前、子供が欲しいって言ってたから。はい、子供」 そう言ってお兄ちゃんは子供をあたしに差し出す。 わーい! お兄ちゃん大好き! って、おい。 「だからどうしたの? もしかして、さらってきたの?」 「安心して。そういうのじゃないから」 「じゃあ、どういうの?」 「欲しがってたのに、ちっともうれしがらないね」 お兄ちゃんは少し悲しそうな顔をする。 バカか、こいつ。ほんの少し、宇宙における人類の歴史ぐらいのちいささで、そう思った。 「よろこべるわけないでしょっ!?」 「ごめん」 とお兄ちゃんが謝ると同時に、うわあああああああんと子供が泣き出す。 「あ、泣いちゃった。よしよし、泣かないで。あのおねえちゃん、こわかったねー」 理解不能。 お兄ちゃんはもう駄目になってしまったのかもしれない。 ですのでただいまより、緊急脳内会議を開きます。
というわけなのですが、冷静なあたしさん、ご意見を。 大丈夫だと思うよ。さらってきたんじゃないって言ってるんでしょ。 うう、あなただけがたよりなのに、あなたそんなつれないこといいますかー。 なに日本語下手な人の真似してんのよ。犯罪がらみじゃないんだろうからいいじゃない。 おお、あなたつっこみじょうず。おにいちゃんにもつっこむところ、たくさんあるあるよ。 寒いからつまらない真似はやめてちょうだい。確かにつっこみどころは満載だけど、 なんかわけあって預かってきたんでしょ。たまたまタイミングがよかったというのか わるかったというのかはわかんないけど、とにかくタイミングがあっただけじゃないの? その、なんかのわけを説明してくれてもいいと思わない? ごまかされるのは嫌だよ。 あんたが知ったところでどうなるの? 今は現実、子供が目の前にいるってことを 考えなきゃいけないでしょ。その子、好き嫌いとかあるかもしれないから、今のうちに聞いたりしないさい。 あんたはいつも甘えてばっかりいるから気づかないんだろうけど、甘えん坊さんのあんただって、 人を甘やかすことはできるんだよ。あんたが子供欲しいって言ったんでしょ? 子供のままじゃ嫌なんでしょ? なら、自分は子供じゃないってことをちゃんと証明すればいいじゃない。 うう、どうして、冷静なあたしが性格のメインじゃないんだろうね。 あたしはあんただよ。いつも一緒にいるんだから、安心しなさい。 うう、冷静なあたしはきゃっきょよくてきゃわいすぎるね。お兄ちゃんもきっと、冷静なあたしなら惚れるよ。 バカなこと言ってないで、はやくその子の相手をしなさい! そう言って、冷静なあたしは消えた。
会議終了。結論、とりあえず子供をもてなす。 うわあああん。ひっくひっく。その子はまだひきつりながら泣いていた。 「ごめんねー。おねえちゃんとつぜんおこってこわかったねー。もうなかないでー」とあやしてみる。 「怖いお姉ちゃんも謝っているから、許してあげて」 怖いは余計でしょと口に出したら、きっとまた大泣きするだろうから、我慢。 ――ん? 何か、おかしくないか? あたしはそもそも、しゃべることができない。心因性のものらしい。ってそれは今問題ではない。 どうしてこの子は、あたしが怒ったってわかったのだろう? 「この子、あたしの声が聞こえるのかな?」 「違うよ。君が怖い顔してたからだよ」 なるほど。って、おい。 「ひどい。そんな顔してないもん」 「してたよ」 「し〜て〜ま〜せ〜ん〜」 「ほら、怖い顔」 うう、いかんいかん。どうもあたしは単純すぎる。この子をもてなすつもりだったのに。 「晩ご飯、チキンピラフとワンタンスープとほうれん草の胡麻和えなんだけど、この子大丈夫かなあ」 「大丈夫、なんでも食べる子だから。ね?」 その子はひっくひっくしつつこっくりこっくり。そういえばなんて名前なんだろう? 「この子の名前は?」 「なんていうんだろうね?」とお兄ちゃんは質問に質問で返す。 「なんていうんだろうねって知らないの? 何でも食べるって知ってるのに」 「さっきこの子から直接訊いたんだ。好き嫌いあるって」 「じゃあ名前も訊けば答えてくれるんじゃないの?」 「答えてくれなかったんだよ」 まあ、名前はよしとして(ってよくないんだけど)晩ご飯のしたくをしよう。 お皿はちゃんと足りるかな?
ご飯を食べてお風呂に入って歯みがきをして満足したのか、十時過ぎにはその子はうとうとしはじめた。 んでもって、困った。 ワンルームというか一間というか、とどのつまり寝室なんて代物は我が城にはなく、 物をどかしてお布団敷くスペースをつくり眠るわけで、 要するに何が言いたいかっていうと、誰かが眠る時は強制的に一緒に寝なきゃいけないってことだ。 「じゃあ寝ようか」 パジャマ姿のお兄ちゃんは当たり前のように布団を敷きはじめる。 「お兄ちゃん、まだ十時だよ。もう寝るの?」 「だって、寝る子は育つって言うし」 だってじゃないでしょと言いたいが、しょうがなくあたしも眠ることになる。 お兄ちゃんとあたしの間にこの子。 すぐにす〜す〜と寝息が聞こえてくる。対してあたしはこんな時間に眠ることができるわけがない。 数分間ぼ〜。暇だ。 「お兄ちゃん、起きてる?」 寝てたら承知しないぞと思い、確かめてみる。 「うん」 とすぐに返事が返ってくる。間に仕切りが入ってしまったので、顔の向きとかが確認できない。 「ねえ、この子とお兄ちゃん、どんな関係なの。教えて」 「知ってどうするの?」
「お兄ちゃん、何でそんないじわる言うの? ちゃんと話してくれたっていいじゃない。 それとも何? あたしは人殺しだから? だから、きちんと話してくれないの? まともな人間じゃないから? まともって何? あたしはまともだよ?」 つい言ってしまった。今までずっと外の世界に出さないように殺していた言葉。 ――あたしは人殺し。 でも、今のあたしは、まともだよね? ねえ。 まともだよね? 狂ってなんかないよね? 「まだ気にしてたの?」 ひどい。 「気にしないわけないでしょっ!? 殺したんだよ? あたしは人を殺しちゃったんだよ? わけもわからず気づいたら人殺しだったんだよ? 気にしないほうがおかしいよ」 「僕は気にしてないよ。でも、君はまだ気にしてたんだね。ごめん」 ごめんって謝られたって。わけがわからなくなる。もう。こんな話しなきゃよかった。 人を殺した過去を思うと、いつもこんな感じになる。こんなのやだよ。もうやだ。 「今の君はもう、人殺しなんかしてないんだよね?」 即答できない。お兄ちゃんは勝手に話を進める。 「過去を捨てろとは言わないよ。今の自分っていうのは、過去のよかったりわるかったりした 自分の集積なんだから。でも、過去の自分を否定することは、 決して今の自分を否定することイコールにはならないと思う。ただ、無意味なことでもないってだけだよ。 実際僕は昔からずっと君が好きだし。ただ、君の経験は強烈過ぎた。人を殺しちゃったっていうのはね。 だから君は今もずっとそのことが頭から離れないんだろうけど、 僕は決して、そんな過去から君という像を歪ませたりはしないよ」
「じゃあ、隠し事なんかしないでよ」 あたしは頭がわるい。でも、よくなりたいとは思わない。 「いつか知ることになるよ。もうはじまってしまったことだから。ごめん、きっとよくない最後だと思う。 だから今は、何の先入観もなしにこの子と接して欲しいんだ」 よくない最後ってなんだろう? あたしのおつむじゃわからない。 というか、そもそも情報がないのだ。それが先入観無しに、ってことなんだろうけど。 これもまた、あたしに嫌なものを見せまいとするゆえの行動なのだろうか。 でも、どうやらよくない最後をあたしは見るらしいし。わけわかんない。 冷静なあたしに相談しようと彼女のことを考える。そういえば、こんなこと言ってたな。 『子供のままじゃ嫌なんでしょ? なら、自分は子供じゃないってことをちゃんと証明すればいいじゃない』 そうだ。あたしは子供なんかじゃない――はずだ。 「うん、わかった。ほんとうはやっぱり嫌だよ。隠し事されるのは。 でも、よくわかんないけど、わかったから」 呑みこめないけど、どうにか口に入ったような、そんな感じ。 嫌になったらすぐに吐き出せばいい。そう言い聞かせて。
「そういえばこの子の名前、なんていうのかほんとに知らないの?」 「うん、ほんとだよ。少なくとも僕は、嘘はついてないから」 「じゃあ、名前付けてもいいかな?」 「ほんとうの名前があるだろうし、ペットじゃないんだからそれはどうかと思うよ。 ――でも、愛称ぐらいならいいかもね」 別にペット扱いしようとしてるわけじゃないんだけど。でも名前っていうのは確かに失礼だった。 「じゃあ、愛称ね」 「何かあるの?」 「林川君」 「はやしかわくん? 相変わらずそういうセンスないね」 ひどい。あたしゃあんたと血の繋がった妹なんだよ。 「だめ? お兄ちゃんはなんかあるの? 案」 「うーん。・・・・・・ゴショリップチェリッペギュ君はどう?」 「もう一回言ってみて」 「ゴショリッ、ケハド・・・・・・林川君でいいと思うよ。ふわああぁ」 あくびをするお兄ちゃん。眠くて適当な名前言ったな。 でもそういえば、あたしもなんだか眠たい。 「愛称も決まったしそろそろ寝ようか」 お兄ちゃんはさっさと切り上げようとする。どうもこの人は適当なのか真面目なのかわからない。 ふつう、どういうわけでこの名前付けたのか訊いたりすると思うのだが。 だけどあたしも眠たいし、 「うん。おやすみなさい。さっき変なこといって、ごめんね」 「ううん。そういうことはためないでちゃんと言ったほうがいいことだから。おやすみ」 ありがとう。胸の中でつぶやく。 その言葉は、お兄ちゃんに届いたのだろうか?
※ 彼は小さな頃を思い出す。 小学校の卒業文集で、確かこのようなことを書いていた。 「ぼくはしょうらい、お父さんのようなりっぱなひとになりたいです」 寡黙だった分、まれに放たれる父の言葉の一言一言は、小さな自分には相当の力を持っていた。 家に父と自分しかいなかったある日、昼食に二人で袋入りのインスタントラーメンをつくることになった。 鍋に水を入れ、コンロで湯を沸かす。 しばし待ち、ふたをあけて鍋を覗くと小さな泡が浮かんでいた。 完全に沸騰はしてないけどもういいだろう、と彼は麺を入れようとした時、 「待て。熱いお湯じゃないと、ラーメンは美味しくできないぞ」 と父がそれを止めた。 じっくりと待つことができるなんて、父はなんてかっこいいんだろう。 小さな彼は感激した。 今思えば、たかがインスタントラーメンなんだからお湯の温度なんてどうでもいいじゃないかと思うし、 待つといってもたかが数十秒である。 だが、その感激は今でも心に残っている。 子供に大切なのは、そういうことだと思う。 どんなことも目新しく映る分、ささいなことでも感動できるし、軽い気持ちで惨忍なことをしてしまう。 だから自分も、当たり前だつまらないことだと思わないように固定観念を取り払い、 子供と一緒にいろんな発見をしてみたい。二回目の少年時代を過ごしたい。 そう思っていた。 ※
8 夢をみた。夢じゃなければよかったのにって思うくらい素敵な夢だった。 夢の中のあたしは、ちゃんとしゃべることができたのだ。 自分の声をはじめて聞いた。はっきりと覚えている。 とても澄んだ声だった。遠い国にも届きそうな。 夢の中のあたしは、自分がしゃべることができない過去なんて知らないらしく、 何の違和感もなく朝食の並んだ食卓を囲み、お母さんとお父さんとお兄ちゃんと会話をしていた。 夢の中のあたしは人を殺したことなんかなく、学校に通っていた。 お兄ちゃんと同じクラスだった。 友達がたくさんいた。仲のいい友達が少しだけいた。 お昼休みになり、仲良しのお友達と机をくっつけてお弁当を食べることになった。 お兄ちゃんは男子と食べているようだ。 あたしは朝早く起きて自分で作ったお弁当のふたを開く。 そこで目が覚めた。 体を起こし、やりかたはよくわからないけどこんな感じかな、と声を出そうとしてみる。 まだ眠っている二人の寝息だけが聞こえた。 でも、がっかりはしなかった。 ――いつかあたしはしゃべれるようになる。 何の根拠もないけれど、なぜかそんな予感が芽生えたのだ。
「今日は競輪もないし、三人でどこか遊びにいこうか」 たくわんをごりぼりとかじりながらお兄ちゃんが言った。 あたしはうれしくて、ご飯を咀嚼している最中にもかかわらず、 「どこどこっ!?」 「行儀わるいよ」 「別にあたしは口でしゃべってるわけじゃないからいいじゃない。 お兄ちゃんのほうがたくわん口に入れてしゃべってるんだから汚いよ。それよりどこ行くの?」 一緒に遊びに行くなんて久しぶりなのだ。うれしくないわけがない。 「どこか行きたいとこある?」 「お兄ちゃんが決めてよ」 「じゃあ、動物園に行こうか」 「うんっ」 市営の動物園がバスで十五分ほどの所にあるのだ。ここに引っ越してきてから一度だけ行ったことがある。 ペンギンが猛烈にかわいかった。 写真撮りたいなあ。あとで使い捨てカメラをねだろう。
「動物園好き?」 お兄ちゃんは林川君に尋ねる。 「・・・・・・うん」 林川君はどうも口数が少ない子のようだ。ただ人見知りをしているだけなのかもしれないが。 「お兄ちゃん、林川君にどんな動物が好きか訊いてよ」 流石に筆談するわけにはいかないので、林川君に何か言う時はお兄ちゃんを通すことになる。 「どんな動物が好き?」 「・・・・・・かばさん」 なかなか渋い子だ。 「かばさんのどんなところが好きなのって訊いて」 だけどお兄ちゃんはあたしを無視し、 「ごちそうさま」 と言って、お茶碗を持って流し台のほうに行ってしまう。 お行儀よくお箸を右手お茶碗を左手に持った林川君は、ご飯と海苔を口いっぱいにほおばっていた。
9 動物園から帰ってくると、アパートの前に人がいた。 その人はあたしたちの姿を確認すると、こちらに向かってきた。 なんとなく、見覚えのある顔。 「すまんね。預かってもらって」 「いいえ、いいんです。普段からお世話になってますから」 そうだ。この人はあたしが競輪場で怯えていた時に話し掛けてくれたおじさんだ。 そうそう、親切なおじさん。 「おとうさーん」 帰りのバスのなかで眠って、さっきまでまぶたをこすりながら歩いていたのに、 急に元気いっぱいになった林川君は親切なおじさんの元にかけよる。 親切なおじさんは林川君の頭をくしゃくしゃにしながらあたしのほうを向き、 「どうも、ご迷惑をかけまして」 あたしはそんなことないですとぺこり。 「差し出がましいですけど、もう大丈夫なんですか?」お兄ちゃんが親切なおじさんにそう訊く。 「たぶん駄目だよ。駄目ってわかったから、息子を迎えに来たんだ」 「大丈夫なんですか?」お兄ちゃんは繰り返す。 「わからんよ」 「じゃあ、もうちょっと預かっときましょうか。こっちは一向に構わないんですよ」 「でも・・・・・・」と親切なおじさんはあたしのほうを伺う。 「あたしも構わないよ」とお兄ちゃんに言う。 「妹も構わないそうですから」 「へ? 妹さんだったのかい?」 「すみません。この前はごまかしてしまって。彼女は僕の妹です」 親切なおじさんは色々と考えているような顔をした末、 「じゃあ、もう一日だけ頼むよ。よろしくお願します」 さみしそうな顔の林川君。 「すまん。もうちょっと待っておくれ。すまんな」
あたしは猛烈にどういういきさつなのか訊きたかったのだが、 どうせお兄ちゃんは答えてくれないだろうから訊かないでおこうと思ったものの、 このまま何も訊かないと、お兄ちゃんはあたしを物わかりのいい人間だと思って、 それが後々わるい方向に響くかもしれないと思いつつ、 でも何か訊こうとすれば頭わるい奴だと思われるだろうからそれも嫌だし、 ああ結局あたしはどうすればいいの? こんなとき冷静なあたしならどうする? と訊いてみる。 訊かない、と冷静なあたし。 相変わらず淡白ですね。 わかりきったことを聞かないでよ。めんどくさい。 めんどくさいとか言わないでよ。かわいいあたしからの相談なんだから。 いつあんたはかわいくなったんだよ、とつっこむ冷静なあたし。 だってえ。おにいちゃんがおしえてくれないんだもん。 あんたはバカか? つーかバカだ。あんたきょうからバカ。うん、言いやすくてぴったり。おい、バカ。 バカ言うな! あの人もあんたをバカだって思ってるね。間違いない。 あの人って誰? あんたの兄さんだよ。 冷静なあたしのお兄ちゃんでもあるんだから、あの人呼ばわりするのはよくないよ。 って、そんなことお兄ちゃんは思ってないよ!
そうなのかねえ。あんたっつーかバカがバカだから気づいてないだけだろ、バカ。 バカバカ言うな! お兄ちゃんもあたしがバカなんて思ってないよ! ぜったい! きっと! たぶん! あの人やさしいから気をつかって言ってないだけだね。バカにバカだって。 お兄ちゃんはそんなこと思ってないよ! ねえ、それよりどうして冷静なあたしはお兄ちゃんて言わないの? バカに質問する権利はないね。 あれえ。いけないこときいちゃったかなあ。いってみなよ。お兄ちゃんって。おにいちゃーん。 そういうところがバカなんだよ、バカ。 あはは。かわいー。言えないんだぁ。お兄ちゃんって。ねえ、お兄ちゃんって。かわいー。純情だね! このバカ、もう知るか! 冷静なあたしは珍しく怒り、冷静でなくなってしまった冷静なあたしなど存在できるわけもなく、 冷静なあたしは消えてしまった。はじめて言い負かした気がする。満足まんぞく。 で、一人になって思う。 目の前の問題である、いきさつを訊くかどうか。 結局解決してないじゃん! ――あたしはほんとにバカなのかもしれない。
三人での夕食を済ませ、教科書を広げ勉強をはじめた林川君を見つつ、そういえばと思う。 「ねえ、お兄ちゃん。林川君、今日学校行ってないけどよかったの?」 専業主婦になりきったあたしには、すっかり平日とか学校なんていう概念が抜け落ちていた。 大家さんのお孫さんが一応(失礼)大学に通っているが、週に一回のゼミ(って何?)しかないらしいし。 「うん。まあちょっと、ね」 それ以上は言うつもりがないのだろう。 「あたしが知っちゃいけないことなの?」 お兄ちゃんは林川君の隣に座り、ノートに目を落としながら言う。 「知っちゃいけないことなんかこの世にはないよ。 知ってよい方向に働くものもあるし、知らなくてよい方向に働くものもある。ただそれだけだよ」 そう言われれば最後だけど、何とか言い負かせないかなあと頭をひねる。 「知らされなくてあたしは色々悩んでいるんだよ」 お兄ちゃんは困った顔をして、こう言った。 「ごめん・・・・・・明日たぶん、わかるから」
※ 彼女は再び人を刺してしまった。 自分はわるくない。わるくない。 相手が自分の大切なものを奪ったのだ。 誰だって腹を立てるに決まっている。 血を流しているこの人は死んでしまうのだろうか。 自分はどうなってしまうのだろうか。 こわくなる。手が震える。 これ以上ここにいては危険だ。 彼女は奪い返した大切なものと一緒に走り出した。 ※
10 目覚めたら林川君とお兄ちゃんがいなかった。 昨日いっしょのお布団に入り、おやすみなさいって言ったはずなのに。 だんだん覚醒し、ようやくある思いに至る。 林川君、帰っちゃったんだ。 うん。そうに違いない。 お兄ちゃんが実は少年好きでつい手を出してしまったとか、そんなことはないはずだ。うん。 ・・・・・・でもなんとなくありえそうな人だから怖いんだよなあ。 うわあ、お兄ちゃんがそんな趣味だったなんて。妹として恥ずかしいよ。 いっしょのお布団で寝ても何にもなかったから怪しいと思っていたけど、まさかそんな最後とは。 そういう伏線だったわけね。そりゃあお兄ちゃんもあたしに言わないはずだね、うん。 そんなこと妹に言えるはずないし。わかったよお兄ちゃん、あたしはお兄ちゃんを応援するよ。 美しい愛の逃避行だね、とゆーかこれがほんとの駆け落ちってやつなのか。 なんかすごいワンシーンにあたしはでくわしちゃったわけだ。 脚本にあるあたしの説明は、兄を想いながらも世間体を重んじるあまり、 遠く離れたところから夢見つめつづけた儚くも美しい乙女、 兄の想い人を知り最後は自ら命を絶つ、って感じかな。 ・・・・・・。
じゃ、なくてえ!
朝から妄想爆発させてどうすんのよ。 どの世界にうららかな乙女にハッピーエンドを与えないバカがいるっていうのよ! そんな少年との恋なんて認めたくない! じゃなくて、そもそもこの妄想が妄想っていうくらいなんだから間違いで、 きっとお兄ちゃんは林川君と親切なおじさんのところに行ってるんだ。 あたしが子供じゃないってことを証明終了せぬまま。 ノットキューイーディーだよ! いや、この場合はイエット入れるべきかな。どのみち違う気もするが。 ――よし、ツッコミできる冷静さ充填完了。 素早く着替えてお肌は年齢に任せて(うらやましいでしょお姉さま方。おほほ)、 ちょちょちょっと身なりを整えれば、お嫁に出しても恥ずかしくないあたしの完成。 とゆーか、今日のあたしはなんだかテンションが変だ。どうかんがえても変だ。なぜだろう? なんか、いつものあたしらしくないというか。なんだろう? でも、テンションが変なあたしは細かく考えず、とりあえず安物のサンダルでアパートを飛び出す。
アパートを出るとすぐにお兄ちゃんを見つけた。なんだか拍子抜けだ。 だけどすぐに異変に気づく。 お兄ちゃんは人様の家の塀に寄りかかり、おなかから血を出していた。 「お兄ちゃんっ!?」 駆け寄るとなんだか懐かしさを覚えた。 ああ、この匂いを感じていたから、起きて調子がおかしかったんだね。 「こっちに来ちゃ駄目だ!」 叫ぶお兄ちゃん。 でも、言うこときいてあげない。 あたしの目に映るのはお兄ちゃんのお腹から溢れる血だけ。 いつのまにか、あたしはお兄ちゃんのお腹に顔を埋め、血を吸っていた。 美味しい。お兄ちゃんの味。懐かしい。恋しかったよ。 「おちついて。おちついて」 お兄ちゃんは引きつった顔でそう言いながら、やさしくあたしの頭をなでる。 怖がらなくてもいいんだよ、お兄ちゃん。 血をたくさん吸ってお兄ちゃんになでられて、心がおちつき安心する。 まるで、子宮のなかにいるみたいだ。 でも、安らかな気持ちだけじゃ満足できないの。 満たされれば満たされるほど、なぜか自分を不安定なところにおきたくなるんだよね。 とにかく刺激が欲しくなるの。 そう、耐え切れないくらいのやつ。 久しぶりに人を切り裂きたいな。 誰を殺そうか、お兄ちゃん。
ガツーン(痛っ)!
「ついに現れたわね」「誰だお前は?」「冷静なあたしよ!」「はじめて見る」 「成長の結果生まれたのよ」「てっきりチビだけかと思えば」「チビ言うな!」 「あはは、あんたチビでバカなんて救いようがないね」「チビでバカ言うな!」 「おチビちゃんには刺激が強すぎるから、お眠りの時間だよ」「チビ言うな!」 「あんた、それしか言えないの・・・・・・?」「そんな哀れみの目で見ないでよ!」 「威勢ばっかりなんだから、そうれっと」「あは」「あっさりやられるなよ!」 「さあ、後はお前だけだ。チビと違ってお前は手強そうだね」「そりゃあねえ」
うう。目を覚ます。でも、真っ暗だ。 えーと、そうそう、なんだか知らない人があたしのなかにいて、 あたしをばちーんとやって、それでそれで。 何か忘れているような気がする。 あれ? そもそもあたしのなかってなんだろう? あたしはあたしだよ。 あたしは一人に決まってるよ。 でも何か、大切なものを忘れているような気がする。 考えようとすると、頭が痛くなる。 ま、いいや。 ・・・・・・いいのか? うーんわからん。 なんだかどこかがぽっかりあいちゃっ
カツーン(痛っ)!
いてて。 世界が色彩を帯びていた。 「お兄ちゃん、なにもフライパンで殴らなくてもいいじゃない!」 キスで起こせとは言わないけれど。 フライパン片手に不思議そうな顔をしているお兄ちゃん。 「あたし、そもそもなんで眠っちゃったの?」 お兄ちゃんは困ったような顔をする。そもそも今日は何日なんだろう。 「ねえお兄ちゃん、あたし、どれくらい眠っていたの?」 お兄ちゃんはゆっくり口を開く。 「もしかして――」 耳を塞いだほうがいい。そう本能が教えてくれていたのに、できなかった。 「今、何かしゃべっているの?」 あはは何また冗談言ってるのとか、へへーん何にも言ってなかったよーとか、 そんなサービスの行き届いた演出をする気にはなれない。 これはあたしのための物語なのだから。 あたしは泣いた。声もなく。
11 あたしは気にしていなかった。自分がしゃべることができないことを。そんなに。 なぜって、お兄ちゃんとは話ができたからだ。あたしはちゃんとおしゃべりできたのだ。 それだけが光だった。 だけどまさか、いつか声がだせるようになるかもしれないという甘い幻想は抱いても、 お兄ちゃんとのおしゃべりを失うなんて思いもしなかった。 林川君はどうなったとか、なぜあたしは気を失ったのかとか、いろんな事を訊きたかったけど、 お兄ちゃんが一人でしゃべるのをずっと聞いてるなんて耐えられそうにないからやめておいた。 ただ、孤独に耐えられそうになかったあたしは、ずっと訊けなかったことをやけになって訊いてみた。 『おにいちゃん あたしのことすき?あいしてる?』 ――実際僕は昔からずっと君が好きだし。 「好きだよ」 『あいしてる?ねえあいしてるっていって』 「それは言わない」 キレた。あたしはキレてしまった。 滅入ってしまったあたしを慰めるくらいしてくれてもいいんじゃないかと。 そもそもなんだ。言わないって。わけわかんない。 愛してくれているなら、言ってくれてもいいじゃない。 お兄ちゃんはあたしを愛していることを確信していた。そして愛してるって言ってくれるはず、と。 あとから思えば単なる自暴自棄なのだが、あたしは思わず頭に血が上り、 服を鞄につめてアパートを出て行くことにした。 お兄ちゃんは困ったような顔をして、ただ悲しそうにあたしの行動を見ているだけだった。
結局のところ、あたしがあてにできるのは大家さんのところしかない。 それがわかっていてお兄ちゃんは追いかけないのだろう。 ふんだ。どうせあたしは子供ですよーだ。お子様ランチをできるものなら食べたいですよーだ。 大家さんとお孫さんにお兄ちゃんと喧嘩したと正直に話し、泊めてくださいと頼んだ。 「姫様と一夜を共にできるなんてパンピーにはこの上ない幸せだね」 ふたりとも喧嘩のことについては言及せず、いつものように本のお話などをした。 夜、お孫さんの部屋でふたり寝ることになった。 そういえばお泊りなんてはじめてのことだ。林川君はどんな気持ちで一緒のお布団に入ったのだろう。 ベッドにあたし、そのとなりにお布団を敷きお孫さんという割りつけになった。 「お姫様がベットで寝るのは当然のことでしょ。小さいベッドだけどね」 お孫さんはもの言わせぬ口調でそう言った。 この漫画は読んだほうがいいよ、とお孫さんはあたしにとあるページを開いたまま漫画雑誌を手渡す。 ベッドに寝転がり、渡された漫画を読みはじめる。 お孫さんは恥ずかしいから読みながら聞き流して、と話を始めた。 お孫さんの心の中には自分とは違う女の子がいる、という話だった。 その女の子は今は成長して中学生くらい。 だけどお孫さんはその子に何もしてあげられない。会話もできない。じっと見守ることしかできない。 その子はお孫さんが悩んでいるとき、同じように悩みを持ってしまう。 お孫さんが悩みを解決するとその子もいつのまにか解決している。 そしてその子はちょっとだけ目に見える成長をする。 変な話だけどなんとなくそういう気持ちはわかる。 お孫さんは最後にこう言った。 「悩むことに価値はないと思うけど、悩むことって結構な接着剤なんだよね。いろんなものを繋ぐ。 だから色々悩む人はきっと、とっても大きなものを創ることができるんだと思うよ」 その日の夜は、読んだ漫画とお兄ちゃんのことでいっぱいだった。
12 気持ちよく揺れる列車。小気味よく変わりゆく風景。 あたしとお兄ちゃんは電車に乗っていた。 どんどんあの町が遠くなりさみしさを覚える。 あの町で出会った人たち。 結局自分のことばかり考えてしまって、林川君に甘えてもらえなかった。 もうしわけない。あたしのこと、どう思っていたのだろう。もう忘れちゃってるかもしれない。 お兄ちゃんを刺してしまった林川ママは、ノイローゼから抜け出すことができるのだろうか。 林川パパがきっと仕事さぼっての競輪を止めて、注力してくれるだろう。 大家さんには結局、終始お世話になりっぱなしだった。急に出て行くことになっても、 あなたたちが未来をつくるのよ、できる範囲でがんばってねと、 一枚の名刺をくれて、文句など一言も言われなかった。 出て行く当日、お孫さんはあたしに余計なものをくれた。 思えば、いい町だった。あたしたちが産まれた育った故郷も、思えばいい町だった。 あたしの歪みが、今までそう見せてくれなかった。 だけど大丈夫。あたしはもう、人殺しという過去についてくよくよ悩むことをやめたのだから。 これからちゃんと向かい合って考えていきたい。自分が人を殺したという事実。 それでくよくよするのは、逃げると同義なのだ。一番の罪である。 そんなのは、ただの思考停止。そんなの、バカのすることだから。
あたしが大家さん家にお泊りした翌朝、お兄ちゃんが迎えに来た。 あたしは何も言わなかった。そもそももう何も言えないんだけど。 困ったような顔をしたお兄ちゃんはまっすぐアパートに帰ろうとせず、 自然と見慣れた風景を散歩をすることになった。 そういえば、小さい頃はいつもいっしょに散歩してたけど、この町をあてもなくぶらぶらするのははじめてだ。 朝の空気が何気なく通り過ぎていく。 時折知らない人が空気のように通り過ぎていく。 お兄ちゃんは空を見あげ、さみしそうな顔をする。 「世界にはね、飛べない片翼を持った人がたくさんいるんだ。 そんなの持ってても仕方がないのにね。それでもみんな、わりかし大事にしている。 僕は思うんだ。君は間違いなく飛ぶための両翼を持っているって。 君はしゃべることができないけれど、大事なことを伝えることは何も言葉だけじゃない。 普段の生活は苦労するけど、それはできる範囲で力になるし、 これでも僕は、君の言いたいことはたいていわかると思うんだ。 林川君が君の怒った顔を見て泣いたように、表情は豊かに語るしね」
お兄ちゃんはちらっとこっちを見る。 「怒られるかもしれないけど、実は僕、しゃべれない君をうらやましく思ったことがあるんだ。 僕はときたま、言葉なんか持ちたくなくなることがある。競輪場での出来事みたいに、 わりかし適当なこと言っちゃうから。でも、こんな僕は言葉を話せて、君は言葉を話せない。 不公平だよね。でもそのことについて文句を僕は言えない。 残念だけど人間は平等じゃない。だからこそ、対等でありたいって思うんだ。 例えばだけど、人を殺したってそれがイコールで加害者になるとは思わない。 加害者とか被害者とかはあくまで法の視点なんだ。 ただ被害者とかその周りの人はやっぱり加害者としてその人を恨んじゃうだろうけど、 僕はそういうときこそ、人として対等に向かい合わなきゃいけないと思う」 困った顔をするお兄ちゃん。 「・・・・・・うまく説明できてないね。なんて言ったらいいのかな、 言葉っていうのは万能で、自分を守ることも人を傷つけることもできてしまう。 だけど言葉のほんとうの使い方っていうのは、そういう自分からは離れた、自由なものだと思うんだ。 僕らが言葉を使うのではなく、言葉が僕らのりんかくをつくるっていうか。 僕はね、できるだけ言葉を大切にしたいんだ。 人と人が対等であるっていうのは、そういう言葉が自分から離れて初めて言えるんだと思う。 うまく伝わんないかな。今までの、言い訳みたいに聞こえるかもしれないけど。 そもそも僕は、何の面白みもない人間だし・・・・・・」 ちょっとした沈黙のあと、あたしの顔を伺うお兄ちゃん。 確かにきちんとはわからないけど、あたしがしなきゃいけないことははっきりわかる。 怒った顔を少しだけして、笑ってみせた。
列車の揺れが心地よかったのか、いつのまにかお兄ちゃんはすやすやと眠っていた。 まだお腹が疼くことがあり、そのため眠れない時があるみたいで、 お兄ちゃんの気持ちよさそうに眠っている顔を見ていると、とても安心した。 お孫さんが読ませてくれた吉野桜っていう人の漫画に、こんなことが書いてあった。 愛っていうのは誰しもが産まれた頃から持っていて、成長するごとにどんどんおおきくなる。 そして人を愛するっていうのは、自分の愛のなかに人を入れること。 自分の愛が小さくて愛することに耐えられなくなったりすることもあるけれど、 自分が成長し愛をとってもおおきくしちゃえば、いつかはどんな人だって愛することができる。 今、あたしはお兄ちゃんの愛のなかにいる。あたしはお兄ちゃんに愛されている。 愛しているって言われなくても、ちゃんと実感できる。 そしてあたしの愛はゆっくりあたためられていて、おおきくなっているのだ。 いつか、あたしが暴れちゃったりして、お兄ちゃんが耐えられなくなる時がくるかもしれない。 そしたらちゃんと言ってね、お兄ちゃん。 そのときは、あたしの愛でお兄ちゃんを包んであげるからね。
窓縁をフレームにのどかな田園風景。 緑の匂いを目で味わう。 穏やかな気持ちで足元に目を落とす。 一足しか持っていけないということで履いてきた、ミュウミュウのミュール。 誕生日プレゼントとして、お母さんとお父さんに買ってもらったものだ。 こんな高い買い物、この先一生できないかもしれない。 どんな気持ちで子供であるあたしにくれたのだろう。 胸がきゅーっと押しつぶされそうになる。 つい、ごめんねって言いそうになる。 駄目だ。違う。 このきゅーは、忘れちゃいけないほうのきゅーだ。 ごめんねじゃない。ありがとうって言わなきゃ。 絶対、おいしくなるから。
お兄ちゃんの新しい、ちゃんとした仕事。 大学で勉強したいという、あたしの夢。 新しい土地での暮らしはどんなものになるんだろう。 この電車はどこに連れて行ってくれるのだろう。 あたしはの世界にはもう、歪みなんかない。 きっと、素敵なところにつれていってくれるはずだ。 だから、途中下車なんかしない。
てすと
もっかい
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271 :
地下スレ発掘!水野調査団主任 ◆dKxP7pKMDI :03/08/28 18:51
そうですね
よいこのみんなのためにどくしょかんそーぶんをかこうとおもってたんだけど、 まにあいませんでした。ごめんなさい。 あは。 こまったなあ。
やくそくがまもれませんでした。 ごめんなさい。 いちごちゃんは、 だいやもんどみたく、 いつもひかりをもとめてる。 それをひなんするひとがいるけど、 だれだってひかりのあるほうにすすみたい。 そうでしょ。 まあそんなこと、 どうだっていいんだけどね。 たにんのじんせいにきょうみはないし、 じぶんのじんせいにもきょうみはないし。 じんせいのいみなんてしらない。 そんなことより、 しゃぼんだまがどこまでとぶのか、 それをながめていたほうがいい。 うそかな。 ほんとかな。 じぶんがきめればいいよ。 たぶん、 どっちでもないね。 CPUがかわいそう。 おーばーくろっくされたCPUをしんぱいする、 そんなこ。 つぎまでにはかこう。 そういいつづけて。
約束が守れませんでした。 ごめんなさい。 いちごちゃんは、 だいやもんどみたく、 いつもひかりをもとめてる。 それをひなんするひとがいるけど、 だれだってひかりのあるほうにすすみたい。 そうでしょ。 まあそんなこと、 どうだっていいんだけどね。 たにんのじんせいにきょうみはないし、 じぶんのじんせいにもきょうみはないし。 じんせいのいみなんてしらない。 そんなことより、 しゃぼんだまがどこまでとぶのか、 それをながめていたほうがいい。 うそかな。 ほんとかな。 じぶんがきめればいいよ。 たぶん、 どっちでもないね。 CPUが可哀相。 オーバークロックされたCPUを心配する、 そんな娘。
僕は待ってるから
革命少女のふりふりフリル 〜風に吹かれて揺れるのはフリルだけじゃないの。〜 (Post Production edit 読書感想文付き) 「あはは〜。じゃあ、そろそろフィニッシュしちゃうよ〜」 革命少女はまじかる造反有理ステッキを振り上げる。 「どらすてぃっくれじすたんすぼんばー! ええ〜い!」 ステッキの先から七色の光がほとばしる。 その光は彼女と対峙する怪人PTAを包み込む。 「ほわわ〜。なんだか幸せなき・ぶ・ん」 と怪人PTAの恍惚とした表情。ばたりと倒れこみ、口を開っきぱなしですやすやと眠り始める。 「あっはは〜。革命成功でぶいっ! みんなはっぴいでやっぴいなのだ!」 左手を腰にあて、ステッキを右手に掲げ、革命少女の決めポーズ。 「革命成功ですね、革命少女さん」 どこからか青年が革命少女の目の前に現れる。 「ほむ? あっ! あなたはわたしの想い人! 誉れ高い黄十字騎士団の食事係であるエコロメさま!」 エコロメに抱きつく革命少女。 「はやや〜。エコロメさま〜」 「おーよしよし。相変わらずの説明口調ナイスですね。相変わらずロリロリしたコスチュームですね。 ん? ――おやおや、革命少女さんのかわいくてキッチュなおでこから、 キューピィキュートなレッドブラッドいわゆるネイティヴランゲージで言う真っ赤な血が流れていますよ」 エコロメは小指でそっと血をふき取り、それをなめる。 「はあはあ。おいしい。プリシャスデリシャス、エーンドディスコdeオールナイトフィーバーみたいな?」 「エコロメさま〜、やさしいからだいすきぃ! でもバブルはとっくの昔にはじけちゃったよ! あわわ〜。 っていけない、もうこんな時間だ。はやくおうちに帰らなきゃ。けつかっちんだよ〜」 革命少女はエコロメの胸元からするりと抜け出し、急いで家路へついた。
「ただいまー!」 「おかえりなさい。――あら、今日は大変だったわね、怪我しなかった?」 と台所に立つ革命少女母は娘の姿を見て言った。 革命少女は残念ながら、まじかる造反有理ステッキで怪人をこらしめることはできるのだが、 それ以外の力は何も持っていない。 空を飛ぶこともできないし、どういう生物かよくわからない、ぬいぐるみみたいな相方もいない。 変身も着替えるというアナログな方法で行う。だから革命少女はまだ怪人PTAと戦った時の姿のままだった。 「おでこちょっとすっただけだから大丈夫だよ。それより早くテレビテレビ〜」 「その前に帰ってきたらやることがあるでしょ」 「はーい。よいこは帰ったら手洗いとうがいをしましょー」 急いで洗面台へ。 天使のイラストが描かれたハンドソープでしっかり泡を立て手を洗い、そしてうがいをする。 「よしっと。早くテレビテレビ〜。はじまっちゃうよ〜」 リビングにあるソファーにダイブし、テレビのリモコンを素早く手にとり操作する。 ちゃーちゃららららららー、ちゃちゃちゃーんちゃちゃららららららー。 ――あたくし、うまれもそだちもおおさかにほんばし。ひとよんで、ふうてんのおたとはっします。 「よかった、ぎりぎりセーフだ。おかーさーん、オタクはつらいよはじまってるよー」 「あら、今日は火曜日だったのね。ちょっと待ってね。お鍋の火止めるから」 ――どおせおいらはおたくなおにいちゃん。わかあっちゃいるんだいもおおとよお。 エプロンで手を拭きながらリビングにやってきた母が言う。 「あら、着替えもしないで」 「だって、着替えてたら間に合わないんだもん。いいでしょ?」 「はいはい。しょうがない子ね」 「返事は一回」 笑いながら母は娘の隣に座る。 「はい。今日は山場だからね」 「お母さんはどっちを選ぶと思う?」 「うーん。どっちかなあ」
オタクはつらいよとはアニメーション番組で、現在放映されているアニメの中でもマニアな人気を博している。 生粋のオタクである主人公の日本橋はある日、妄想が過ぎて現実と区別ができなくなり、 いるはずのない妹が見えるようになってしまった。 妹は彼のことをいつも慕い「大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになる」を繰り返す。 あくまで妄想なのだから、彼の都合でそう言わせているだけである。 しかしなぜか、彼の中で本当にそれでいいのかという苦悩が生まれていた。 その苦悩は兄妹だから云々という、勝手にしやがれと言いたくなるようなものでなく、 ふと醒めてああそういえばこれは妄想なんだなと客観視するのだが、 なぜか妄想とわかってしまうことで妹と自分が明確に相対化され、 彼女に輪郭が与えられて、妹の叶わぬ思いが不憫に思えてならないのである。 勝手に言わせておいて勝手に不憫に思うのだからそれこそ勝手にしやがれなのだが、 そこを真剣に悩んでしまうのが本人にしかわからないオタクのつらいところなのだ。 そんな彼を見かねたのか、隣に住んでいた幼なじみが妄想野郎の現実復帰を手助けしようとした。 そんな中で、よっぽど頼りない彼に母性本能が刺激されたのか、幼なじみは彼に好意を抱いてしまった。 でもなかなか言い出せずに・・・・・・、という健気さアピールな演出で幼なじみ萌えを輩出しつつ、 安定したミニマルな妹萌えにより、視聴率をあざとく稼いでいた。
革命少女はこの一週間、今日という日を楽しみにしていた。 ついに先週、幼なじみが日本橋に告白をしたのである。 でも彼は二次元でしか見たことのない告白に戸惑い、思わず逃げ出してしまった。 ――ぼくは妹と幼なじみ、どっちが好きなのだろう。 っておいおい、おまえの妹はリアルじゃねえんだから答えはひとつだろ、と普通の人間なら突っ込むところだが、 そこはオタクはつらいよというタイトルの通り、真剣に悩んでしまう主人公なのである。 その主人公は、いわば視聴者のオタクたちを投影していた。 そもそもこれはアニメなのだから、幼なじみも視聴者にとっては 二次元の存在でしかないというところがポイントで、 ファンサイト等でも幼なじみ萌え派と妹萌え派のせめぎあいが日々行われており、 熱狂的なファンたちも今日の放映を心待ちにしていた。 革命少女はもちろん女の子であり、またアニメ絵にも特別な執着はないので、 不純な物語を純粋に恋物語として楽しんでいた。 「わたしとしては、幼なじみのさなちゃんのほうがいいんだけどなあ」 「うーたんじゃいけない?」 母親が娘に訊く。うーたんとは脳内妹のことだ。 「だって、うーたんはどうせ妄想なんだし。へんだよ」 「だけど板ばさみの日本橋君は、うーたんに心を見てしまっているじゃない。 ふってしまったら悲しんじゃうのよ? うーたんは」 「そうだけどさあ。でもそんなの、勝手に思ってるだけだよ」 「例えばごみ捨て場に古びたぬいぐるみがいたらどう思う? その古さからいっぱい遊んでもらったんだろうなあとか、そういうふうに過去を見てしまって、 悲しい気持ちにならない? なんだか悲しそうにしていると思わない? 例えばだけど、いつもベットで一緒に寝ているポンキチ君がいなくなったらさびしいでしょ?」 「うう」 革命少女は返事に窮する。 「ごめんね、いじわる言って。つまり日本橋君はやさしすぎるのよ。 そのやさしさがこんな風にどっちつかずを生んでるんだけどね」
革命少女の本とぬいぐるみで溢れた自室。 オタクはつらいよを見終え、なんだかやるせない気分になった革命少女は、 着替えもせずにベットに寝転んだ。 「ふにい」 柔らかい枕に顔をうずめる。 アニメが納得のいかない話になって、脱力してしまった。 学校に行って、怪人と戦った一日の疲れが、気を抜くと急に重くのしかかってくる。 「あー、でも本読まなきゃ」 むくっと起き上がり、本棚を眺める。軽く五百を超える本がきれいに整頓されている。 「今日は――九十八年のオリーブっと」 本棚から雑誌数冊を抜き取り、再びベットに寝転がってページをめくる。 母親から、オリーブやそれいゆのバックナンバーを読むように言われている。 曰く、少女たるもの心からの少女であるべし――。 ということで、本棚には母親のコレクションがぎっしり詰まっていた。 毎日の義務ではないのだが、実際読んでいて面白かったし、 母親の期待――どういう期待なのか具体的には全くわからないが――にこたえたいという気持ちがあった。 「あー、わたしなにしてるんだろーなあ」 読み終わったオリーブ365号を閉じ、仰向けになって白い天井をぼんやり眺める。 革命少女は小学生らしからぬ忙しい毎日を送っていた。 怪人との対決は週に一回ほどしかないのだが、宿題をやって、本を読んで、 怪人たちの繰り出す古いネタにつっこむために昔のテレビドラマやアニメを見ていたら、 一日なんてあっという間に終わってしまう。 今日も父親が仕事帰りにレンタル店で借りてくると言っていた、 うる星やつら2ビューティフル・ドリーマーを夕食の後見ることになっている。 こんな毎日がきっと、ずっと続くのだろう。 あんまりだ。
革命少女なんてやめたい。やめて、毎日友達と心ゆくまで遊びたい。 今まで何度もそう思ったのだが、結局やめなかった。 なぜなら、戦い続ける限りエコロメに会えるからだ。 革命少女は彼に会えることを楽しみに努力して、実際会えばとても幸せな気持ちになった。 道端に転がっているありきたりでつまらない石っころでさえ輝いて見える。 それが恋というものなのだと思う。 だけど、ちょっと不安なこともあった。 彼はロリコンだという。そう公言している。 革命少女は小学六年生だ。彼のストライクゾーンらしい。 よくわからないが、たぶんロリコンとはこういうことなのだろう。 エコロメはきっと、自分が小さな子供だから相手をしてくれている。 そう考えると、もしも自分が中学生、高校生と成長し、 今はぺったんこの胸がふくらみはじめれば、彼は自分に興味をなくすかもしれない、という不安が生まれる。 「やっぱり、こーちゃんのほうがいいのかなあ」 こーちゃんとは、クラスメートである男の子のことだ。 つい一週間前、彼からラブレターをもらった。 突然のことだったし、ラブレターなんて物をもらったのもはじめてだったので、 おいそれと返事をすることができなかった。こーちゃんとはときどき話をするのだが、 他の男子に見られるような子供っぽさがなく、それゆえ他の女子からのうけもよく、 非の打ちどころがなかったため、断るにもどう理由をつければいいのかわからなかった。 断るなんて友達のともりんが聞けば、もったいないなー、もったいないなーって言うだろう。 考えてみると、年の差がありすぎるエコロメに比べれば、何十倍何百倍も現実味がある話のような気がする。 それに――。 こーちゃんはきっと、ロリコンなんかじゃないだろう。 「はあ。オタクじゃなくてもつらいよ」 そもそも、こういうことを頭でこねくりまわすのが間違っていると思う。 気を入れなおすためにも、いいかげん着替えることにした。 たくさんのフリルをあしらえたワンピースを脱ぎ捨てる。フリルはいっぱいだけど、夢なんかちっともない。 そもそもこの服は幼さを強調しすぎていて、好きではなかった。
五日後、再び怪人が現れた。 革命少女が戦っている怪人は、宇宙からの侵略者が人間の体を乗っ取って生まれると聞いている。 なぜ伝聞なのかというと、革命少女も詳しい事情は聞かされていないからだ。 ある日友達のともりんとの下校中、黒スーツ姿のエコロメが話しかけてきた。 「はじめまして、お嬢さん。突然ですが、わたしといっしょに革命しませんか?」 あやしい人について行っちゃいけないと母親に言われていたので、革命少女はきっぱりと断った。 だがともりんが、 「えー、もったいないよー。革命なんてそうそうできないんだから。 で、おじさん、革命っていうのは具体的にどんなこと?」 と勝手に話を進めてしまったのだ。 しめたとばかりにエコロメは革命の内容を、自分のことをおじさんではなくお兄ちゃんと呼ぶようにと どうでもよさそうなことにこだわりつつ説明した。 宇宙人の侵略により地球が危険にさらされている。そして自分じゃなければまじかる造反有理ステッキという その宇宙人に唯一対抗できる魔法の杖があつかえないということだった。 ――この人は何を言っているのだろう。 自分はそんな、アニメみたいな話を信じるほどの夢見るアリスちゃんではない。 革命少女は再び断ったのだが、やはりともりんが、 「えー、もったいないなー。魔法が使えるなんて一生に一度あるかないかだよ」 「ふつう、一生ないよ」 「じゃあなおさらもったいないよー。チャンスだよ、チャンス」 ともりんはおそろしくマイペースだ。 そして革命少女はいつもそのペースにのみこまれる。流される自分が悪いのだが。 ずるずると話を聞いてしまったが最後。 どこにでもいる小学六年生の女の子は、この日を境に革命少女という魔法少女になってしまった。
正直に言うと、魔法を使うことに快感を覚えていた。 怪人と戦う革命少女はやめたいが、まじかる造反有理ステッキは手放したくない。 革命少女は今日も怪人コメンテーターにステッキを振り魔法をかける。 七色の光のまぶしさで、テンションが最高潮に達する。 「あっはは〜。革命成功でぶいっ! みんなはっぴいでやっぴいなのだ!」 完璧な決めポーズ。 そしてのこのことエコロメが現れる。 「革命成功ですね、革命少女さん」 「あっ、エコロメさまっ! 今日はちょっとお話があるんです。いいですか?」 「ええ、かまいませんよ」 恐怖さえ覚えるほど美しいエコロメの笑顔。 「エコロメさまって、その・・・・・・ロリコンなんですよね」 「はい。わたしはロリコンですよ。十五を過ぎた女性は総じておばさんだと思います」 エコロメはさわやかに答えた。 「わたしも十五を過ぎたらおばさんですか? 興味なくしますか?」 「どうでしょう――。これは持病みたいなものですからね。 もしかしたら、そのときは治っているかもしれません」
もしかしたらじゃいけないのだ。 「例えばですけど、わたしの胸がふくらんだら、もう女の子として見てもらえないんですか?」 「革命少女さんは勘違いをなさってますよ」 やさしい笑顔。 「確かにわたしはつるぺた好きでぷに萌えですが、それが全てではありません。 わたしがこれからいかに、どのような少女を愛しているかを熱く語ってもいいですが、 おそらくあなたはひいてしまうでしょうからね。ですのでやめておきますが、これだけはわかってください。 あなたの胸はあなたのものです。他の誰のものでもありません。 あなたがもしもいつか、自分の体に嫌悪を覚えたとしても。 将来どのような人と付き合おうとも、結婚したとしても、あなたのものなのですよ」 ずるい。 わたしはわたしのものなのだろうか。 それじゃあ、今まで地球を守るために戦ってきた自分は自分のものだったのだろうか。 わたしはわたしのものであっただろうか。 違うような気がする。 ずるい。 今だけの自分が好かれたって、今だけの自分なんて好きにはなれない。 きっと、エコロメの話を要約するとこういうことなのだろう。 こうすればよいのだ。 「わたし、革命少女やめます」
二週間後国連より、地球があと一週間で滅びることが予想される、と発表された。 発表するかどうかでおおもめにもめた結果なのであろう。 だが人々の目に映るのは発表された事実だけだ。 社会という機能が一斉に停止した。 学校も、大半の生徒先生が来なくなったので機能できなかった。 地球滅亡と言われている日まで休校になった。 「地球がもし回り続いていたら、またみんなでいっしょに勉強しましょうね」 朝九時に学校から開放されるという不思議。 あの日からずっと、ふわふわした気分だった。 風に煽られて、自分の中心部分がどこかへ飛んで行ってしまったような。 ともりんもまじめに学校にきていたので、いっしょに帰ることになった。 「あー、地球が滅んじゃうなんて、もったいない話だねー。なかなかないよ、こんないい星」 なんだか自分の力で、一生に一度あるかないかの魔法を地球にかけてしまった気がする。 エコロメとはあれ以来、会っていない。 滅亡と言われている日までに、なんとか地球を守ろうとしているのだろうか。 もう、関係ない話だ。 こーちゃんにはちゃんと、ごめんなさい、と言った。 地球はそれどころではなかったし、自分もそれどころではなかった。 もう、関係ない話だ。 「あー、おとなになりたかったなー。ぜったいきれいなおねいさんになるはずだったのになー」 「あはは。そうだね。わたしもおとなになりたかったなー」 「ぼんきゅっぼーんだよ。ぼんきゅっぼーん」 「わたしも自分のおっきなおっぱいがみたかったよー」 「うーん。いっちゃんには無理な話かも・・・・・・」 「えー、なんでえ?」 「だって。いっちゃんのお母さん、胸ないじゃん」 「・・・・・・それを言っちゃあおしまいよ」 別れ道まで、少女達の間には笑いが絶えなかった。
あはは。みんな(かな?)らくがきしてくれてありがとう。 よみやすくなった! そうでもないよ! よみやすくなった! かんどうした! まっぴるまから、こんないかがわしいすっどれみてちゃだめだよ。 かといって、しんやもいけないよね。 おかあさんにはないしょにしておこうね。 どくしょかんそうぶんはじかい。 またせておいて、こんなのかよ!
読書感想文 わたしはこの革命少女のふりふりフリルを読んで、主人公の革命少女さんはすごいなあ、とおもいました。 革命少女さんはどこにでもいるふつうの小学六年生の女の子なのですが、ある日突然エコロメさんという、 かっこいい男の人がやってきて、ぼくの地球を守ってということで、革命のために魔法少女になります。 そして革命少女さんは大かつやくするのです。ですが、革命少女さんはいろいろといそがしい毎日で、 学校から帰ってきて楽しみのアニメを見たら、あとはいろいろとお勉強しなければならないのです。 どうしてこういうお話って、女の子が戦って、男の人は戦わないのかな、とおもいました。 ところでその革命少女さんの楽しみにしているアニメですが、とんでもないアニメです。 何のとりえもない男の人がなぜかモテるという、ひじょうに笑いを禁じえないないようです。 しかもそのアニメでは、脳内妹がでてきます。ふきんしんです。いもうともえーといっている男の人は、 現実の女性を相手にできないから(されないから)、無条件に自分をしたってくれるという、 もうそうの中でのせいごうせいのあるほうに逃げているのだと思います。いけないとおもいます。 にげちゃだめだとおもいます。とかいうと、ときたまえばおたがはんのうしますが、 りてらしーが低いだけじゃんってかんじで、わたしはえばはひょうかできません。 まあ、さわぎたきゃさわげばいいでしょう。さわぐといえば、ぼうあかいでぃーぶいでぃーをだしちゃった、 国民的かんとくさんひきいるところがつくるアニメは、なぜせいゆうにはいゆうさんたちをつかうのでしょう? あと、あかいでぃーぶいでぃー回収しろとはいわないから、 せめてせいじつに対応しろよこのロリコンとおもいます。
というのはじょうだんとして(いずれもすばらしいものですもんね)、エコロメさんはロリコンです。 ロリコンというと、社会的には何もしてなくても犯罪者扱いですが、エコロメさんはせいじつなロリコンです。 でもやっぱり、しょせんロリコンなので好感は持てません。革命少女さんはタイトル通り、 フリルのいっぱいついた服を着て、怪人たちと戦うのですが、その服にはどうかんがえても、 必要性がありません。きっと、エコロメさんが趣味で着せているのでしょう。さいあくですね。 そういえば、革命少女さんはオリーブを読んでます。夢見る少女ですね。 でも、夢見すぎるのはいいですが、人に迷惑をかけちゃいけませんよね。 最後、革命少女さんは革命少女をやめ、そのため、地球は滅びることになってしまいます。 読む人をなめています。かってに地球滅亡させんなよ、とおもいました。 これはわたしの想像ですが、もしかしたら、エコロメさんのいう革命とは、 地球を終わらせることだったのではないでしょうか。とおもったりしてみたものの、こういうのは、 たいてい読者のかんちがいですよね。行間を読みすぎるどころか、かってにつくってます。 それにしても、こういう話には社会背景をかかない、すなわち社会性がないものが多いですね。 作者はあえてかいてないのかなー、と思ったりしますが、そもそもそういう発想がぬけおちていたりします。 最近はもう、関係性すら放棄した、ぼくときみしかいないやつを書いたものがやけに目立ちます。 そんなに、自分と自分を(愛する、がふくまれるいみで)愛してくれる人にしか、 きょうみがないのでしょうか? まあ、それで喜んでいる人たちがいるのですから、関係ない話とわりきりましょう。 一生馴れ合ってぬるま湯につかって、自分のくだらない部分を傷つけないよう生きてください。 そもそも、社会なんてものの反発から由来したものですから、とうぜんといえばとうぜんです。 面白い、面白くないは人それぞれですから、ネガティブキャンペーンはよくないですね。 でも安直に、トラウマトラウマいうなよ。キャラじゃなくて話をかけよ、とおもいます。 こっちにくるな、といいたいです。ブームはジャンルに迷惑をかけてはいけません。 まあ期待するだけばかかな、とおもいました。
というみえみえのうそはやめて(すてきなおんなのこってすてきですもんね)、話を革命少女さんに戻しましょう。 果たして最後、地球は滅びてしまうのでしょうか。わたしは滅びないんじゃないか、とおもいます。 じゃないと、革命少女さんがかわいそうです。地球に終わりという革命をもたらしてしまったのですから。 でもきっと、革命少女さんは、自分をかわいそうとはおもっていない、とおもいます。 それが少女というものです。まいにちがちっちゃな革命なのです。 わたしも日々の生活のなかで、ちっちゃな革命をおこしていきたいな、とこの本を読んでおもいました。まる。 こんなんでいいか? あと、ともりんはやめれ。 約1900文字。
本 格 命 ひ が と け す じ
∧∧ (,,゚Д゚) はっちぽっちすてええしょおおん♪ /,,⊃⊃ ~て ) _) (/ ∪
(⌒\ ノノノノ \ヽ( ゚∋゚) 3d82b03a99d182c2 (m ⌒\ ノ / / ( ∧∧ ミヘ丿 ∩Д゚;) はっちぽっちすてええしょおおん♪ (ヽ_ノゝ _ノ
しっきん。 はじめてしっきんしたのは、はじめてのけいけんだったので、 すごいしょうげきだった。 おさないしたいをようしゃなくしげきする、かいかんのれんぞく。 びくびくとなにかあついものがかけのぼり、ふるえがとまらない。 ただみていられるだけで、あらがいがたいえつらくがからだをむしばみ、 しゅうちとかいかんのいたばさみによる、いままでけいけんしたことのない、 のうないぶっしつのぶんぴつをひたすらむさぼっていた。 ことさらにからだをぶんせきされることにていこうするものの、 ことばぜめによってじぶんのからだがじぶんのものではないようなかんかくにおちいり、 ぬれたくちびるからはっせられることばのしんいをりかいしようとしたものの、 わかったことは、ぼくは、いんふるえんざとしんだんされた、ってことだけでした。
(⌒\ ノノノノ \ヽ( ゚∋゚) why sheep? (m ⌒\ ノ / / ( ∧∧ ミヘ丿 ∩Д゚;) はっちぽっちすてええしょおおん♪ (ヽ_ノ ゝ_ノ
(⌒\ ノノノノ \ヽ( ゚∋゚) 220BPM (m ⌒\ ノ / / ( ∧∧ ミヘ丿 ∩Д゚;) はっちぽっちすてええしょおおん♪ (ヽ_ノ ゝ_ノ
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからもぼくをけなしてくださいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ ばいばい!
ヽ(゚∀゚) ハイハイ!
じゃーにー と だいや しか覚えてへん
|д゚) コソーリ・・・ダレモイナイ・・・
モフモフ モフモフ モフモフ モフモフ(w
こないだ、電波板みてたらパパりんがきて 「なにみてるんや」ってきくから 「でんぱ」ってゆったら怒られた
その後ママりんがきて 「なんでちゃんと答えへんの」ってきくから 「だってでんぱやもん」ってゆったら ためいきつきながら行っちゃった
なにが悪いのかな?って考えて そうか、電波って電波の電波だと思ったのかな?って思ったからそうきいたら 「他になにがあるんや!」ってゆわれたけど説明できなかった
電波の電波って電波の電波じゃないんやけど、 電波を知らんシトにどう説明したらいいんやろう。。 うーんうーんうーん
うーんうーん。。まあ、いっか モフモフ モフモフ モフモフ モフモフ(w
あはは。おちゃもらっていいのかな? かってにもらっちゃうけど。あは。 あー、やみあがりのからだにはおいしいね。 うーんうーんう−ん。 もこもこもこもこ。
うん もこもこ あったかそう
かつや
もこもこ ∧_∧ ノ (゚ー゚*) ⌒ヽつ ,‐' ⌒∪⌒⌒ヽ ( ( ⌒‐ )) ヽ、_ニ____ノノ
「明日も雨降りで 太陽は死にました」
ぽい T そっけなく床に捨てられていた南京錠を片目に、私は扉に手をかけた。 少しずつ覗いてくる、これから始まる世界。 穏やかな陽気。頬をやさしくなでる微風。それらを感じる私だけの世界――のはずが、そこには先客がいた。 十メートルほど先に見える小学生と思われる私服姿の男の子。何でこんなところにいるのだろう。 県内一のセキュリティと豪語している警備会社の人は何をしているんだ。 まったく。私はついていない。 あきらめて帰ろうと思い背を向けると、 「こっちにおいでよ」 と声をかけられた。 「そんな、やなかおしないでさ」 あーあきづかれたかという顔を確かにしたのだが、男の子には背を向けていたのでそんなことわかるわけがない。 「そんなの、けはいでわかるって。あはは」 何者なのだろう? まったく、ついてない。 「こっちだよーん」 いつのまにか男の子はすぐそばにいて、勝手に私の手を取った。 「あはは、いっしょにじょしちゅうがくせいのばれーぼーるでもみようよ。 ま、ぼくがみるのはばれーじゃなくて、じょしちゅうがくせいなんだけどね」
バレーボールを金網越しに見下ろしながら、ちょこんと二人で並んで座った。 「きみ、小学生でしょ? 何でこんなところにいるの?」 普段の私なら絶対によく知りもしない人と話したりしない。だが、そのときは普段の状態ではなかったのだ。 「えーとね、じょしちゅうがくせいのぶるますがたがみたくてきたんだ。 でもぶるまじゃなくてがっかり。しょぼーんだよ」 何言ってんだこのヘンタイ。 「まじめに答えて。怪しい人なら、先生とか警備員の人に報告しなきゃいけないからね」 突き出す気なんて毛頭ない。のだが、あくまでイニシアチブはこっちにあるんだぞ、と主張しておく。 「ほんとだよ。ぼく、うそきらいだからうそつかないよ。 はじめてうしなってそのありがたみがわかるんだ。けんこうとおんなじだね。あはは」 「いや、小学生がそんなのを見に来たとかわけわかんないし」 「べーつに。それよりさ、そっちこそここのひとなの? ぼくがみかけたせいふくとはちょっとちがうよ」 「私はここの高等部の生徒なの」 「なーるほど。それがこうこうのせいふくなんだ。 でもなんでそんなひとが、ちゅうがくせいようのとこのおくじょうなんかにいるの?」 「私はいつもここで授業さぼってるの」 「へー。うそつくんだ」 男の子は残念そうにこっちをながめた。
「ま、べつにつかれるうそはいいけどね。これもなんかのえんだから、ひざまくらしてよ」 そう言うと男の子は私の返事を待たずに、勝手にふとももに頭を乗せてきた。 「うわっ、なにっ!?」 するんだ!? 「あははー」 あははーじゃないでしょ。だけど相手は子供なので手荒に扱えず、しょうがなく口で抗議する。 「もしきみがもう少し年をとっていたら、絶対にセクハラで訴えてるよ」 「ぼく、たらればってきらいだから、しらんぷりー」 しらんぷりーって。 なんとなく、弟ができればこんな感じなのかな、とちょっと思った。黙っていればなかなかかわいいし。 まあ姉弟で膝枕なんてやらないだろうが。というか、何で普通に膝枕受け入れちゃってるんだ。 「あははー。かわいいなあ」 「ほめたってサービスなんかしないから」 「ぶっぶー。ぼーるおとしたじょしちゅうがくせいのことだよー。そもそもさーびすってなに?」 前言撤回。やっぱかわいくない。
「ねえ、こもりうたをうたってよ。ねむたい」 私の膝枕をたんのうして眠くなったからなのか、女子中学生のバレーボールが終わって 見るものがなくなって暇になったからなのかはわからないが、男の子はあくびをしはじめた。 わがままな子供だ。いや、子供は総じてわがままなのだろうが。 「聴いて驚かないでよね」 だけど私は歌に自信があったので、そのリクエストに素直に従ってあげることにした。 アカペラはちょっと恥ずかしかったけれど、どうせ聴くのはこの子だけなんだしと自分に言い聞かせて。 歌詞そして歌いだしのキーを思い出す。おなかに力を入れる。頭の中で曲が再生され、それに合わせる。 さあ、リラックスして♪ こっちに来て♪ 貝殻に耳をあてると♪ 懐かしい♪ 声がきこえる♪ 「こえ、とてもきれいだね」 「ありがと。でしょ?」 「あはは。えー、そんなことないよー、とかはずかしがったらとってもかわいいのに。もったいないなあ」 「歌は私の一番自信あるとこなんだよ。譲りたくない部分なの。 きみこそ顔はかわいらしいんだから、もうすこし控え目な性格だったらねえ」 と反撃。 「えー、そんなことないよー。ぼく、かなりひかえめだよー」 「それ、使うとこ間違ってるよ」 思わず笑ってしまった。 かなり嫌な性格をした子だが、なぜだかいっしょに話をしてとても心が落ち着いてる自分に気づく。 「あはは。わらいごえもきれいだね。すきだよ、おねえさんのそういうとうめいにすんでよくとおるこえ」 私の歌声を好きって言ってくれた。 とてもうれしい気持ちになる。 「お姉さんがきみのためにもう一曲歌ってあげよう」
気づくと、男の子は本当に私の膝の上で眠っていた。 ついつい熱唱してしまった。気分よく歌ってしまった自分が急に恥ずかしくなった。 こんなにテンションがあがったのは、何年ぶりのことだろう。 正直、自分にもこういう感情があったんだな、と驚いた。 私は正反対の感情を持ってここに来たのに――。 また、暗い気分になる。 救いを求めて、男の子を見つめる。 のんきに寝ちゃって。 このまま膝をかしてぼーっとしなきゃいけないではないか。 ずっと見つめていると、ある衝動が芽生えてしまった。 その衝動を抑えようとすればするほど、我慢できなくなる。 駄目、駄目、だめ。 男の子に手を伸ばす。 親指と人差し指でつまんでみる。 ――ぷに。 とてもやわらかい。 指でやわらかさを味わっていると、男の子はだんだん苦しそうな表情になる。 「うーんうーんうーん」 はっと我に返り、慌てて鼻から手を離した。 「・・・・・・おかあさん、もうくるしいよ」
どれだけの時間が流れたのだろう。私が鼻をつまんで悪夢でも見たせいなのだろうか、 未だに夢と現実の境をさまよっているような表情で男の子は目覚めた。 「はあー。げっぷ」 よっぽど悪い夢をみたのだろう。男の子はさっきまでの元気が無くなっていた。 「・・・・・・だいじょうぶ?」 声をかける。 「・・・・・・あはは。だいじょうぶい!」 古いな。 「悪い夢でも見たの?」 「おねえさんのひざまくらほどではないよ。あは」 私の膝がけなされているのだろうか。 「わるくないってこと」 男の子はむくっと半身を起こし、そしてえいっと立ち上がった。天を仰ぎ、大仰に手を上方に広げる。 「そらっていうのは、じぶんのこころがすんでいればすんでいるほど、とてもきれいにみえるよね。 『こころがひらいているときだけ、このよはうつくしい』ってね。おねえさんがいまみてるそらはきれいなあお?」 私も立ち上がる。立ちくらみがした。足がしびれていた。 うぅ、とみっともない声を出しながらも見上げてみる。 そんなふらふらな状態でも、私の目には空はしっかりと美しくきれいに映った。 背伸びして手を伸ばせば雲がつかめそうなほど、空が近かった。 「・・・・・・」 思わず、泣きそうになった。だいじょうぶ。血が流れているから、大丈夫。 「きれいだね」 「そらをきれいだっておもえるおねえさんのこえが、きっともっときれいだよ」 「急にどうしたの? そんならしくないこと言って」 「ぼくらしさなんてないよ。ぼくはいつだってぼくじゃないもん。 ――さっきいったことはほんとうだよ。こえだけはきれいだからね、おねえさん」 「そうだね。こえだけはね」 「なんかいいかえしてよ。もー」 ――私もいつだって私じゃなかったから。 我慢できず、泣きだしてしまった。 だいじょうぶじゃない。血が流れているから、大丈夫じゃない。
「ごめんね。たかぶっちゃって、つい」 いきなり泣きだしちゃったので、男の子はひいてしまったかもしれない。 「ううん。むりしてしゃべらなくてもいいよ」 これまでのトーンと違う、男の子の声。 「急に泣き出しちゃって、わけわかんない女だって思ったでしょ?」 「だれだってたにんのしこうにはおいつけないよ。かんじょういにゅうってことばがあるけど、 あれってうそだよね。あんなの、たにんにじぶんをかってにかさねてるだけだもん。 どんなにしんじょうをこくはくしたって、けっきょくはほんにんにしかわかんないんだよ」 「さみしいこと言うね。要するに人間は、わかりあえないってこと?」 「そういういみじゃないよ。せかいにはたにんのいたみをじぶんのいたみのようにかんじちゃうひともいるんだし。 たにんのこうふくでしあわせなきもちになれるひともいる。それってとってもすてきなことだとおもうよ」 「きみは、そういう人?」 「ううん。ぼくはどういうひとでもないよ。ぼくはだれにだってなれるし、だれにもなれない」 「むずかしいこと言うね。ただの屁理屈っぽいけど」 「べーつに。そんなじぶんのことより、じょしちゅうがくせいのほうがきょうみあるし。 かんがえなんてどうでもいいよ。だいじなのは、かわらないつよいいしじゃなく、 かわることのできるゆうきなんだ。おねえさんもゆうきをだしてせかいをかえてみる?」
えへへ、と笑う男の子。 「私は駄目だよ。弱い人間だから。泣いてばっかり」 「もー。ぼくよりとしうえのおねえちゃんなんだから、しっかりしてよね。 べつにつよくなんなくてもいいんだよ。すなおでいればいいんだよ」 いけないなあ、と思う。 こんな小さな子供に気を使わせちゃって。 どう見たって素直そうじゃない子に素直になれなんて説教されちゃって。 だけど、お姉ちゃんだって泣きたいのさ。私はただ、はやく生まれてしまっただけなんだ。 「かんがえてもそうかんたんにこたえはでないよ。そもそもこたえなんかひつようないんだ。 こたえはないならないでいいんだよ。さいてんするひとなんかいないんだから」 言葉の意味を自分に照らし合わせてもうまく消化できない。 きっと解いてはいけない問題を私は抱えているのだ。 「ねえ、さっきの膝枕は何点?」 「ひゃくてんをあげるよ」 「えー、そんなことないよー」 「ま、さっきのぼーるおとしてばっかりのかみをふたつにゆってたじょしちゅうがくせいは、 いちおくてんなんだけどね」 勝負になりませんかコノヤロウ。
U お昼休みの始まりを告げるチャイムが鳴った。 「あー。おなかすいちゃった。おつきさまのかんろにでもたべよーっと。 じゃあねおねえちゃん。またあそぼーね、ばいばい」 男の子はそう言って私を残して屋上を去った。 ひどいなあ。もうちょっといっしょにいてくれてもいいのに。 でも人恋しいなんて思うのは自分らしくないと言い聞かせ、お弁当を食べるために教室に戻ることにした。 空腹は苦手なのだ。中等部の校舎から高等部の校舎へ向かう。 その道中、私とすれ違う女の子達。 みんな群れて、バカみたいに笑っている。 私はそんなふうに、素直にはなれない。どうしてあんなふうに、笑えるのだろう。 男の子は素直でいればいいなんて言ってたけど、素直になるっていうのは強いからできることなんだと思う。 私はとても、強くなんてなれない。 私はとても、弱い人間だから。 そのくせ強がって、いつも冷めたふうにしている。 興味ありません。バカじゃないんですか。せいぜいお友達ごっこを楽しんでください。 いつからか、本当の自分というものがわからなくなった。 本当の私は、何を考えているのだろう。 そしてまたいつからか、今の自分というものがわからなくなった。 今の私は、何者なのだろう。 わからない。わからない。
自分の席へ一直線に向かう。クラスの人達は誰も二時間目をさぼった私のことを気にしない。 それでいいのだ。そのほうが楽だ。 鞄からお弁当を取り出し一人で食べ始める。 いつも誰かといっしょにいる人にはわからないかもしれないが、一人というのはそれはそれで楽しい。 ずっと自分だけの考えに没頭できるからだ。 私は頭の中でいろんな物語を上演する。頭の中なら誰にも迷惑はかけないし、自分の好きにできる。 砂糖たっぷりの甘い卵焼きをつつきながら、昨日の物語の続きを考えることにした。 ※ 放課後。まっすぐ家に帰る気にはなれないが、 かと言ってクラブにも所属していない友人ゼロの私には、時間を有効に潰す手段があまりなかった。 CDショップに行っても欲しいCDなんかないってことを一昨日確認したばかりだし、 チェックしている雑誌の発売は当分先なので、本屋に行っても無駄だろう。 新規開拓なんていうスピリットは持ち合わせていない。 しょうがないので、やっぱりおとなしく家に帰ることにした。電車のダイヤもそうしなよって言っていたので。 人が密度高く存在するから電車は嫌いだ。 車中、ここにいる奴ら全員死ねばいい。本気でそう思った。 そんなことを考える自分が、ちょっとおかしかった。 そう考えるのは健康である証拠だ。ただ、今の私が思ってよいことではないのだ。 ほんと、どうかしてる。
学校ではあんなに楽しそうにしている娘達も、独りになればとたんにおとなしくなる。 街ですれ違う共にくたびれたスーツを着た人や、 あらゆるところででかちかち必死にメールをしている人を見ていると、 私はなんだか悟ったようなさめたような、あきらめきった気分になる。 みんな、本当は面白いことなんかないんじゃないのだろうか。 必死に笑いたいことを探しているんじゃないのだろうか。 何が楽しいのだろう。それとも実は、みんなマゾなのだろうか。 「現実とはつまり、そういうことになっているものだ」って言葉を何かで見たことがある。 じゃあ人生もつまり、そういうことになっているものなのだろう。 ――やっぱり明日、実行しよう。 そう考えるととても楽になった。 私はやっぱりどうかしているのだ。 だからなじめない。 壊れるべきは、壊されてしまったのは、私自身だ。 私は知っている。 太陽は嘘をつく。 もう、空なんかに騙されない。
V 再び始まりの場所への階段を上っていると、世界の始まる扉の前に昨日の男の子がいた。 「おはよ。きょうははやいね。まだ朝の七時だよ」 私の前に立ちはだかるのは悪魔だ。この子は悪魔だ。 「きょうはおくじょうじゃなくて、もっとたのしいところにいこうよ」 悪魔め。悪魔め。 「かわいらしいかおがだいなしだよ。あはは」 どうして私の心を、決意を乱すんだ! 「ばっかじゃない? じんせいにいみがあるとでもおもってんの? しぬことにいみをもとめてんの?」 どうして? 「おねえちゃんうそついたよね、きのう。いつもおくじょうでさぼっているんだって。 このおくじょうにはなんきんじょうがかけられていて、まいにちきちんとかんりされているんだよ。ほら」 昨日は投げ捨てられていた南京錠が、今日はきちんとつけられていた。 「きのうはたまたまぼくがあけただけなんだよ。ひらけありばばーっていったら、あいちゃったんだ。 あはは。ぼくもうそついたからこれでおあいこだね」 なんなんだ。この子は。 「もちろんおねえちゃんががっこうがかんりしているであろうかぎのすぺあをつくってたらはなしはべつだけど。 でも、もってないんでしょ? もうおねえちゃんはぼくにうそなんかつかないよね?」 私の瞳を覗き込む男の子。 「むごんはこうていのいみなのかな? ねえ、なんでおくじょうにいったの? しのうとおもったんでしょ?」 「・・・・・・・・・・・・」 「ばかだね。いきるのもしぬのもかってだけど、ほんきでしんでたすかるとおもってるの?」 なんなんだ。この悪魔は。 私の心に土足で踏み込んでずたぼろにしようとかき乱している。 「お前に何がわかるんだよ!」
「人間が生きる意味なんてないよ。死ぬ意味なんてのも知らない。意味なんて言葉が私は大ッ嫌いだ。 私だってそんなに生や死に意味がほしけりゃ、保険金で国債買うように遺言残して死ねばいいと思うよ。 意味なんてない。私は騙されない。あるのは存在だけだ。それも社会の一部としてのね。 そんなの耐え切れない。いてもいなくても代わりはいくらでもいるんだ。ただの歯車じゃないか。 生きるのも死ぬのも個人の自由だ。だから私は自由の範囲で死を選ぶ。耐えられないんだよ。 世界は狂ってる。でも狂っている世界を壊す力は私にはない。なら、壊れるのは私の方なんだよ。 いや、もう壊された。私は壊された。世界に壊されたんだ。だって、おかしいじゃない。 おかしいよ。みんなさ、何が楽しいわけ? 楽しくなんかないじゃん。無理して楽しんでいるように、 率先して錯覚しようとしているだけなんだ。それこそ社会の思うつぼじゃないか。 とっくの昔に世界は壊れてたんだ。なのに無理して世界を維持しようとして、 こんなつぎはぎだらけの世界になっちゃったんだよ。あほらしい。もういやなんだ。 もういやだ。もういやなんだよ。いやだ。こんなのいやだ。いやだ。いやだ! こわれろ! 全部こわれろ! しねっ! しねよ! いやなんだよ。もういやなんだ! 誰も私の気持ちなんかわかりやしないんだ! 全員しね! しね! しんでしまえ! 君も昨日似たようなこと言ってたじゃん。そういうことなんだ。孤独なんだ! だけど自分を哀れんだりしない! 死ぬんだ。もう私は死ぬんだ! わかんないでしょ!? あはは。君も死ねばいいよ。きみもしねよ。しにたいよ。しにたいんだよ。 わかんないでしょ? 私の気持ちなんて誰もわかんない・・・・・・。 ばーか! しねよ! あはは。なにもいえないでしょ!? ざまーみろ。あははっ! ふざけんな! 勝手に人の心に土足で踏み込んで。これで満足かっ!? 私を壊して満足かっ!? バカにすんな! ばーか! しねっ! 何様のつもりだっ! あはははは。 しねよ。ばかはしねよ。私の何がわかるって言うんだ? ばーか、おい、なんか言ってみろ!」
「・・・・・・ぼくがばかかはしらないけど、おねえちゃんはまちがいなくばかだよ」 「うるさい! 私の何がわかる!」 「わかるわけないじゃん。そういうのをいちどでもことばにしたことがあるの?」 「あるわけない。だって、そんなこと言ったって、私は無視されるだけだよ!」 「おねえちゃん、もしかしてこのよにてれぱしーがあるとでもおもってるの? きもちっていうのはちゃんとことばにしていわなきゃわかんないよ。 いってもないのにわかるわけないって、さいしょからあきらめてるだけだよ。ただのわがままだよ」 「だからこんなこと言えるわけないじゃない!」 「そうだね。いえなよね・・・・・・」 悲しそうな顔をして男の子は私に近づいてきた。 何をする気だ? もうやめて欲しい。もうこれ以上――。 男の子は私に抱きついた。小さい彼は私のおなかに顔をうずめてくる。 とんだセクハラ、いや痴漢野郎だ。 顔をうずめたまま男の子は苦しそうに言った。 「でも、ぼくにちゃんといったじゃん。ぼくにはつたわったよ。それじゃだめなの、おねえちゃん?」 もうこれ以上、騙さないで欲しい。 もうこれ以上、壊さないで欲しい。
男の子はずっと私に抱きついていた。 何も言ってこない。 罵倒するとか慰めてくれるとか、何か言ってくれればいいのに。 私は耐え切れなくなり、私の体に巻きついた男の子の手を振りほどきこの場から逃げ出した。 振り返らなかったので、男の子がどんな顔をしていたのか追いかけようとしたのかはわからない。 怖かった。 とにかく走った。 階段の映像ばかりが続く。 ――と。 視界に一人の女の子が入った。 慌てて減速し、何とか正面衝突を避けた。 その子は、おどおどしながら言った。 「す、す、すみません。私ぼーとしてて」 何を謝っているんだろう? 「すみません。私、いつもみんなに言われるんです。あんたはどんくさすぎるって。 気をつけているんですけど、なかなかうまくいかなくて・・・・・・。 あ、でも、うまくいかないなら気をつけたことになりませんよね・・・・・・。 あ、また私関係ない話しちゃった。すみません」
きょとんとしてしまった私を無視して勝手に話す彼女。どこかで見たような気がするのだが――。 「あ、」 「え、あ、私、何かお気に触ること言っちゃいましたか・・・・・・?」 「――ボール落としてばっかりの」 「そうなんですよ。今、体育でバレーボールをしているんですけど、いっつも私、ボール落としちゃうんです。 ごめんなさいってチームのみんなに謝りっぱなしでつらいんですよね。こんな私でも、役に立ちたいんです。 スパイクを決めたいとは思いませんから、せめてレシーブくらいはって思うんですけど、 やっぱり思うだけじゃダメで、ボール落としてばっかりで、みんなに迷惑かけちゃうんですよ。 ――って、なんでそんなこと? ・・・・・・あ、そうですよね、私いかにもどんくさそうですもんね。 あ、でも、特技があるんですよ。こんな私にも。金魚すくいが得意なんです。あ、ほんとですよ。 家で金魚、たくさん飼ってるんです。お母さんにいっつも怒られちゃうっていうかあきれられるんですけど。 またすくってきちゃったの、って。あ、すみません。また関係ない話しちゃって。やっぱり私、どんくさですね」 昔からずっと君のことを見ていたんだ――なんてつまらない冗談、もちろん言えるわけもなく。
「はい、プレゼント」 自販機の近くに設置してあるベンチに腰掛ける。 「あ、ありがとうございます、せんぱい」 散々まくしたてて渇いた喉を潤すために購買部へ向かおうとしたら、勝手に彼女がついてきた。 とりあえずにらんだのだが、子犬のような目で首を傾げられると何も言えなかった。 この子はもしかして計算づくの行動をしているのではないかと疑いたくなる。 まあ、私にその気はないから無駄だけど。 美味しそうにクーのオレンジを口に運ぶ女の子。何考えてんだか。 ――ああ。 何考えてんだか――私も。 何考えてんだか、わかんないんだな。私にも。彼女にも。 私がよほど思いつめたような顔をしていたのか、心配そうに覗き込む女の子。 「せんぱい。気分わるいんですか? 私、あの、お薬持ってますけど」 「大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて」 これは本心なのだろうか。もはや何もかもがわからない。ただ、そう彼女に言いたかったのは間違いないと思う。 「い、いえ。よかった・・・・・・」 わからん子だ。 胸をたゆたうこのもやもやした気分もいっしょに消えればと、彼女と同じクーのオレンジを一気に飲み干す。 「朝、はやいんだね」 「あ、はい。好きなんです。朝って、一日で一番寒い時間じゃないですか」 じゃないですかって言われても。それに夜のほうが寒い気もするが。 「なんていうか、その寒さで気が引き締まるんです。よーし、今日も一日がんばるぞーって。 そういう気分になれるんです。だから、少しでも長く朝を楽しみたいから、はやく起きて学校行って、 このぐらいの時間から誰もいない朝の校舎を独り占めしてるんです。 あ、でも、太陽が元気に顔を出しちゃったら、私はただのどんくさになっちゃいますけど」 照れをごまかすようにやわらかく笑う女の子。 あなたも私を騙そうとしているの? 少しでも隙を見せたら私は壊されてしまうの?
「で、さ。どうして私の後、ついてきたわけ?」 「え、あの、その・・・・・・」 壊してやる。 「あの、目が・・・・・・」 「目が?」 「――赤かったから」 「だから?」 「何ででしょうね? わからないです、私にも。ただ、ついていかなきゃって。そう思って。 すみません。勝手に。迷惑でしたよね。私なんかついてきたら。すみません。 ただ、何か、何かが先に待っているような気がしたんです。バカかって思われるかもしれませんけど・・・・・・。 あ、いや、バカですよね、私。すみません。バカですみません。ほんとにすみません」 今日は私の前世が何か悪さをした日なのだろうか。 おまえらは笑っていればいいんだよ。バカみたいに。バカみたいに笑えよ。 あるいはずっとさみしそうにしていろ。必死にそれをアピールしろ。 世界のグローバル化なんて嘘だね。セクト化してるんだよ。セクトつくって仲良くやってろよ。 そうしたら、私の自尊心が保たれるから。 「いや、そんなに謝らないで。こっちがなんか悪いことした気になるから」 「すみません。あ、すみません、謝っちゃいました。あ、また、すみません。ああ、ああ、ああ」 ああ、ああを繰り返しフリーズする女の子。何も言わなきゃいいのに。 「・・・・・・素直なんだね」 かわいいくらい。 「いえ、そんなことないですよー」 でたー! 嬉しさを隠せず照れて謙遜しやがった! 実際にやられると私は殺意を覚えた。しかしもうひとつの。 もうひとつの、この気持ち。 この気持ち。
W 死んでいるはずだった今日の予定など何もない。 とても授業を受ける気にはなれない私は、とりあえず学校を出ることにした。 MDウォークマンで音楽を聴きながらふらつく。 海とケーキなんかを聴きながら街を歩けば何かが始まる予感がするのだろうが、 あいにく今はミニマルかデトロイトものを集めたMDしかもっていなかった。 終わってる。おしゃれな歌モノだろ、こういうときは。 流石に今デトロイトテクノを聴くと泣きだす自信があったので、ミニマルの方を聴くことにした。どっちもどっちか。 相対的におとなしめなものばかり。リズム隊が勢いに任せて暴れるのは好きじゃない。 なら聴くなよっていう話だが、やっぱり他にない痛くてつらくて気持ちのいいストイックさが好きなのだ。 微妙な変化とこれまた微妙なレイヤーを楽しむ。 音楽とのギャップで目に映る映像はまったく現実感がない。現実というものにまったく説得力がない。 全部、つくり物のデジタルだったらよかったのに。 社会っていうのは、ミニマルみたいなものだと思う。 微妙に変化しつづけているのだが、キックなどの音すなわち人々には本当に変わっているのかわからない。 生というものをもって社会にレイヤーされ、死というものをもって社会からはずされる。 それでも、社会という音楽は流れつづけるのだ。それが当然かのように。 おそろしい。自分はどういう音楽の一部分かもわからずに、音を奏でつづけるのだろうか。 音楽として社会としての統一のために勝手にレイヤーされレイヤーから削除されるなんて、 つくる側聴く側にはそれでよいのだろうが、音一つ一つの孤独はどうなるのだ。
――またつまらないことを考えている。 冷静になろうとしても、脳を刺激する音楽にもっと思考するよう促され、それに従ってしまう。 たとえば私は、どんな音なのだろうか。 ときどきつくる側はいたずらな音を混じらせる――ノイズだ。 私が一番好きなオーケストラの有名な曲にもあるように、昔から乗せられていたノイズ。 聴けば必要だと私は思うけれど、雰囲気を壊すただ不愉快なものとしか聴いてくれない人もたくさんいるだろう。 そういうノイズなんだと思う。私は。あぶれてしまっている存在。人に不愉快だと思われてしまう存在。 でも、それで完成される曲もある――そう信じて。 私という存在は、レイヤーされると不愉快なんですか?
ほんと、ミニマルなんか聴くんじゃなかった。 せめてアンビエントやチルアウトのほうがよかった。 MDを止めヘッドフォンをはずし、深呼吸をする。 大丈夫。大丈夫だから。 自分に言い聞かせる。 家に帰ろう。何を言われてもいい。もういいや。 そういえば今日はピアノの日だった。全然練習してない。フォーレ弾くの苦手なんだよな。 なんとなくだけど、もう少しちゃんと年をとらないとうまく弾けない気がする。 まあいいや、ってことにしよう。 私がきらいな私は、実は私が大事だった。 結局私は、どこにでもいる自分にこだわるつまらない人間なのだ。 自分が認められないのが悔しいだけなのだ。 それだけだ。 もういい。 人生とは、そういうことになっているものでしかない。 瞳を開けば世界が始まり、瞳を閉じれば世界は終わる。 そういうものだ。 それだけだ。 もういい。 もういやだ。 もう騙さないで欲しい。 もう壊されたくないのに。 どうして?
悩んだ。再びあの場所へ向かうかどうか。 いるかどうかもわからない。いたらいたでどうなるのだ。 散々嫌味を言われるだろう。あの子は悪魔だった。本当に壊されるかもしれない。 でも、向かわなければいけないと思う。 他人をむやみに否定して自分のことしか考えていなかった私は、説教を受けなければならない。 はじめ自殺するために中等部の校舎を選んだのは、高等部の人達に私の死体をさらしたくなかったからだ。 でもやっぱり、死ぬなら学校が一番いいと思った。なんなのだろう学校っていうのは。 大学へのただの通過点でしかないような扱い。しかも今や、学歴なんか社会にはそう通用しない世の中だ。 それでもなぜ、あの人達は大学のランクというステータスにこだわっているのだろう。 まあ、あまりそう必死になる必要のない人達が通っている学校だったから、密かに好きだったのだけど。 そして次の日あの場所へ向かったのは、そういう理由ではなく、きっとあの子がそこにいると思ったからだ。 事実いた。あんなに朝はやく。 何者なのだろう。学校に行かず、女子中学生のブルマ見学と洒落こむあのヘンタイは。 期待していいのだろうか。 私を救ってくれるのだろうか。 謝ってばかりのあの女の子のように、あの子が私の何かを変えるような気がしたのだ。 昨日散々喚いたことを思い出すと恥ずかしくて仕方がない。 どうかしてた。いや、どうかしているのだけど。みんなは本当に、どうかしてないのだろうか? 生きるとか生きないとか、やっぱりわけがわからない。もうやけになるしかない。 生きる理由がなくても人は生きてるし、死ぬ必要がなくても人は死んでしまう。 もう、考えないことにした。今の私の領域で扱える問題ではないのだ。 きっとまたいつか死にたくなるだろけど、そのときはそのときで考えよう。 誰かにわかってもらう必要なんかない。 あの子が言ってたように、点数をつけてもらうために答えを出す必要なんかない。 答えはいつだって、私の中にある。同じように、誰かの中にもある。 誰にも私の思考に追いつけない。私が誰かの思考に追いつけないように。 ただ、だからといって誰かをせめる必要はないという、それだけのことだ。 追いつけないかもしれないが今の私はもう、そういう気持ちになってしまった。
次の日の早朝。 あの女の子が言うように、朝は冷たかった。でもその冷たい朝は、とてもやさしかった。 「行って参ります」 そう告げ、家を出る。 最初の曲がり角を折れたところで、隠しておいた海とケーキがセットしてあるMDを鞄から取り出す。 音楽を聴きながら外を出歩くなんてとんでもないと家人は思うだろうが、 音楽よりも好きなことがない私にとっては、いつだって聴くことのできるウォークマンは神様みたいな存在なのだ。 海とケーキで私が一番好きな曲。今はまだ朝なんだけど、もちろんそんなことは関係ない。 浮遊感のある音と声がやわらかく私を満たしていく。 いっしょになって口ずさみながら、気分よく駅へ向かう。 空なんか信じない。人間なんか信じない。私自身もやっぱり信じない。 何も信じなくても自然と好きになったものが勝手に自分についてくるはずだ。 いろんなものを好きになっていこう。 あの子と同じくらい、あの女の子にも会いたい。そういえば名前聞かなきゃ。
で、信じる信じないの話に戻るのだが、じゃあ神様は信じないのかというと、それはちょっと違う。 なんとなく、あの子はもしかしたら神様なのかもしれない、という考えがふと浮かんだのだ。 実はあの子、ふらっと地上に降りてきた神様なのだ。 そんな神様は気まぐれに、金魚すくいでもやるような気分で人間を救おうとする。 あの頼りない道具で――なんていう名前だったっけ?――金魚をすくおうとするように、 どう転ぶのかわからない私をゲーム感覚で救おうとしたのかもしれない。 いいように遊ばれたのか・・・・・・むかつくなあ。絶対に問い詰めてやる。 やっぱりというかなぜかというか、壊したくなっちゃうんだよなあ。 絶対わかって人の神経逆撫でしてそれで喜んで自分勝手でなまいきでむかつく性格してるし。 ――そういえばそもそも。 女子中学生とブルマが大好きっていうのは、最悪な神様である。 ってやっぱりわかんないんだけど、なぜにブルマ? 音楽と思考のソナタが心地よいあまりすべてを知った気になり、突然新しい現実がぎゅんっと立ち上がる。 この新しい現実は安直に妥協せず本来の精神のために私がそういうことにこれからするのだ。 せつないくらいに不安定につたない電子音が奏でられてこの曲が終わるように、 ノイズみたいな青くさくてつたない言葉達に飾られてこの世界は終わりを迎える。 きゅるるるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるんるきゅ。
ぽい。
こんな朝っぱらから落書きしますね。 っいうかそもそも一時間目の先生きびしすぎるんですよ 前髪きれいにそろいすぎなんですよ レポート大杉 ヒゲ青杉 鼻くそ ちんちょ ばかばか やーいやーい …ぐすん。 せめて出席とってください。
中学のときに歯磨き大好きっ子だった僕としては 譲れない思いがある。 つまり 何でぼくの歯は黄色いのかと 歯の奥に なんで黒い妖精が住んでるんだよとかよと かこっんとーーーーー …もはや僕に一時間目などない。 そう決めてからいったいどれくらいの時間が流れ過ぎていくのか さあみんなで考えよう→ミリオンスロット→逸見まさたか …ぐすん。 秋はなんだかせつないや。 …へへっ (いまだに逸見さんの死を引きずってる僕はハートフルかと) (そして今は春です) もういい加減に大人になってください。
(・ω・)ちんちょ 秘 密 の 暗 号 ! いい加減トトロぐらい見えてもいいと思うよ! ★報告:トトロ→土々呂ってなった なんだか切ないですもの。おかーさん。中だしはヤメレ。 まあそういうわけです。 ところで上げるべきかどうだか、迷いますね。 鬼太郎むすびって喜太郎以外には解けない結び目がほつれて したのほうえとながれていくくくk 君との夢のバカンス っていうかリアルに夢だし! …やっぱ下げます。
…とかいって上げるし! (dat落ちするには惜しいスレだっと) …勘弁してください。
↑なにしてんだこいつ? …久々に書き込むます自己満足します自分を晒します。 っていうかあと10分しかないし! あわわわわわwなにをいえばいいんんだろう っいうか そもそも なにがしたいんだ おれはあああ
…そして僕はいつでも 悲しい ひとり相撲さ 自分の文章を振り返ってみるのは恥ずかしいですね。 リアルでは普通なんですよ。
↑どんどん痛い奴になっていく自分 わりかし好き。
「ネタ全開!2ちゃんねる的お葬式 」は良スレになると思われ
小学校時代に「前ならえ」ってあったよね。 なんか体育の時間とかにやらされたあれ。 けっこう好きだったな。 先生の「まえにー ならえ!」ってかけ声で みんなが一斉に ビッ! と腕をあげる その瞬間 わずかに胸元を走る 緊張の空白 「けっして前の人からずれてはならない…」 そのとき私は戦後58年してなお脈々とつづく 日本の画一的教育について想いを馳せるのである。 「 な ぜ 先 頭 の 人 は あ の ポ ー ズ な の か 」と…
とりあえずジョジョ大好き。 「絵が汚いからキラーイ」とか 「生理的に受けつけなーい」とか 「なんかいっつも血が飛び出てるよね」とか 「キャラのポーズが変」とか 「スパゲティ吸う音が ズビビビィ ズバババァ」とか 散々にいわれることに納得がいかない っていうかお前らちゃんとジョジョ見たんか? 第1部からちゃんと見たんか? おまえらディオが犬におびえるところを見たことがあんのかと おまえらジョルノの髪型は一体どうなってるんだよと 問いたい 問い詰めたい 小一時間問い詰めたい!! (ぼくは第三部からしか知りません)
「粘性減衰抵抗ってエロいよな」 こう友人にメール送ったらスルーされた …いや別に「そしてマクローリンの定理は包容力があるよな」とか そこまで乗ってくれとは言わないけどさ…あははは
マルチメヂィアはじめました
「君って受け皿がせまいよね・・・」 そう和式の便所につぶやいてみる土曜日の夕べ 電波板のみなさん いかがお過ごしですか? 僕は自分のパソを持っていないので 定期的にageてdat落ちを防ぐわけなんですが そんな時このスレがものの見事にスルーされていく様子を どう見ればいいのか困ってしまいます。 嘘です。 別に困ったりはしません。 ただ・・・まあなんとなく寂しいだけです。 まあ放置されていた方が書きやすいって言えばそうなんだけど たまに書き込みぐらいあってもいいんじゃないかな ROMってくれた人は何気に「ちんこん」くらい書いていってもいいんじゃないかな ごめん生意気言いました☆ (とか可愛い子ぶってレスを待つ作戦)
2百。 こんな書き方があっても・・・いいだろ? イグナイ(=A=)
↑これ見てて気がつきました。 僕の書き込みは自己完結している ゆえにレスがつかない。 他人が見てツッコミ入れるゆとりがないとレスがつかないのだ。 「UFO=うふぉ」ではレスはつかないんですよ! 「UFOの読み方は うふぉ でいい?」とか「UFOってなに?」とか 他人が見て思わず「このお馬鹿ちゃんめ!俺が手取り足取りおしえちゃる!」 ってなるような書き込みをすればいいんですよ! いや、しないけど。 そんな書き込みしてまでレス欲しくないです。 いや、欲しいけど。
J月O日 とても暗い 三日前のTシャツが僕を睨んでる 気をつけて ふすまが半分ひらいてる そこでは ゴミ箱が僕を食っちまおう 狙ってる
↑きもおおおおおおおおおお(略 もおう ねるだポン☆☆☆ ↑きもおおおおおおおおおお(略
何だ。まだいたのか俺。 しばらく書けなさそうなんでageます。 誰かなんか書き込んでやってください。
あはは。こんにちは! どうも、らくがきしているにんげんです! きりんさんがすきです! でも、じょしちゅうがくせいがもっとすきです! まだぼくののらくがきはおわってないよ! おちめじゃないから400にとどかないくらいらくがきしてください! そうするとぼくがわりとたすかります! よろしくおねがいします! それまではじゃんじゃんらくがきにしてね! だじゃれずき=だめにんげんってちゃっくぜんかいくんがいってたよ! たてよみじゃないよ! ぽえむだよ! はあはあ。あはは。
ただいま電波板。
わーい!ひとりじゃなかったー! いろいろ突っ込みいれたいのに時間ない…っていうか授業はじまってるよ! とかいって書き続けるてる僕はおかしいです。 まあ、別にどうってことないけど。 なんていうか、その、年とった貫禄ってやつ? 少しのことじゃ動じないような、でっかい器なんだよ僕は。 もう行きます(小心者)
" " ヾ ; " ; " ; ; ヾ "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ ⊂⊃ ヾ ; ;";;/" ; ;ヾ ;ヾ "" ; "i "; ;ヾ; ;ヾ; ;メヾ ゙ ⊂⊃ ii;, メソ ヾ; ;ゞ " ゙ |i;, |ソ "" ゙ Il;: | ゙ !i;: | ゙ ,)ノ |!;; | (( II;; | イーモイモ♪ _,, 从 ホーコホコ♪ 从 ゝ,, (ノ ノ;; 人 """" ( ・∀・)つ/ (;;( ;;);;) ヽ(・∀・ ) ''""" ""''"""'' ''""""""'' ''""" """"''
冷たい花 傷つけ合うくらい愛していた 夢は絶望になった 知らぬうちに 差しこむ光がすきま風が 濡れた頬に痛く浸み入るよう どうせ明日という日はあって 何かが満たしてゆくの いつの日か 根拠のない小さな新しい夢 手の平に感じてるの I'm feeling myself again I'm feeling better now... ゆりかごを揺さぶる風 I'm feeling myself again I'm feeling better now... 振り返るように夢から覚めた
清らかな心でぶっ潰したい 夢も希望も捨てた 自分の手で 怖れていたもの何だったっけ そう 今はもうわからないしわかりたくもない ここからまた日は昇って この空に痛切に何か感じても 想い出と切なく語らうことが 何の役に立つってゆうの I'm feeling myself again I'm feeling better now... 大切に壊したい I'm feeling myself again I'm feeling better now... 冷たい花を蹴り散らすように I'm feeling myself again I'm feeling better now... ゆりかごを揺さぶる風 I'm feeling myself again I'm feeling better now... 振り返るように夢から覚めた I'm feeling myself again... I'm feeling myself again I'm feeling better yeah... 冷たい花を蹴り散らすように
罪と罰 頬を刺す朝の山手通り 煙草の空き箱を捨てる 今日もまた足の踏み場は無い 小部屋が孤独を甘やかす 不穏な悲鳴を愛さないで 未来等 見ないで 確信出来る 現在(いま)だけ 重ねて あたしの名前をちゃんと呼んで 身体を触って 必要なのは 是だけ 認めて
愛してるー独り泣き喚いて 夜道を弄(まさ)れど虚しい 改札の安蛍光灯(やすけいこうとう)は 貴方の影すら落とさない
歪んだ無情の遠き日も セヴンスターの香り 味わう如く季節を呼び起こす あたしが望んだこと自体 矛盾を優(ゆう)に超えて 一番愛しいあなたの声まで 掠れさせて居たのだろう 静寂を破るドイツ車とパトカー サイレン 爆音 現実界 或る浮遊
そう気付いていた 午後の光にまだ 僕は眠っている 思いどおりにならないシナリオは とまどいばかりだけど 今日も会えないからベッドの中目を閉じて 次の次の朝までも この夢の君に見とれてるよ いつでも君の笑顔に揺れて 太陽のように強く咲いていたい 胸が 痛くて 痛くて 壊れそうだから かなわぬ想いなら せめて枯れたい!
もう笑えないよ 夢の中でさえも同じこと言うんだね 窓の向こう 本当の君は今何をしてるんだろう 遠い日の昨日に空っぽの鳥かごを持って 歩いていた僕はきっと君を探していたんだね 彩やかな風に誘われても 夢中で君を追いかけているよ 空は 今にも 今にも 降りそそぐような青さで 見上げた僕を包んだ Like a flower -flowers bloom in sunlight and I live close to you- いくつもの種をあの丘へ浮かべて きれいな花を敷きつめてあげる 早く 見つけて 見つけて ここにいるから 起こされるのを待ってるのに いつでも君の笑顔に揺れて 太陽のように強く咲いていたい 胸が 痛くて 痛くて 壊れそうだから かなわぬ想いなら せめて枯れたい!
差しこむ光がすきま風が 濡れた頬に痛く浸み入るよう 清らかな心でぶっ潰したい ここからまた日は昇って この空に痛切に何か感じても 不穏な悲鳴を愛さないで 歪んだ無情の遠き日も -flowers bloom in sunlight and I live close to you-
らららっら すべて に 正しい 場所 ある 二つの色 ぼくの あたま なに きみ 言うこと れも
ん〜〜〜〜^〜^) right place^^^^^^^^^)9 ぐぐぐぐぐぐぐ
世の中の理不尽さは、カレーうどんを食べた時にはねるシミと同じ数だけあるよね だからカレーうどんは悪魔の食べ物なんだ 存在自体が うどん なのか カレー なのかわからない、この理不尽さ
単位
MMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMM
。 ◇◎。o.:O☆οo. 。:゜ ◎::O☆∧_∧☆。∂:o゜ /。○。 ∂(*゚ー゚)O◇。☆ / ◎| ̄ ̄∪ ̄∪ ̄ ̄ ̄|:◎: / ☆。|..Happy Birth Day!!.|☆ ▼ 。○..io.。◇.☆____| 。.: ∠▲―――――☆ :∂io☆ ゜◎∂:. お前ら豊岡真澄タソの誕生日ですよ
削除対象です。。。
ウッヒョー!!!
390 :
名無しちゃん…電波届いた? :04/02/14 03:19
アウ・・ォォォウ・・ ○ ○ グッポグッポ ( ヽ ○/l )) )))」 ̄[ 乙 ←1の親友 ↑ ↑ 1の兄 1の憧れの女性 _| ̄|○ ← 1(負け犬w)
04/03/01
板焦がし 指を焦がして 枕とす
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,-、 /ヽ ヽ \ / / \__ Y__ノ _,,,...-r ヽー-、._ |~゙ー-、..,_'",..-_ニ oi | | f'" `i,.|. ,ト、ト、 _,i | | i | |. |. ヽ i_,.-‐-(_ノ`i | | i、_,,,.. '()j ,、ノ `” ヽノ ゙ー--、..,,i_,,..-‐''" [() ) _ノ `´ー―----''" てれびすき。
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,.> _,.. -:、 ト,、 l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:: へ、;;:、;;;;/ ー‐ァ _,. -=='、;;;;;;;;;;;;;;;;\l;;;;;`;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;; ‐''" ヽ/ \ /イ r‐''" o `、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::/fニヽヽNヽ、r'` ヽ、 レヽ ./ o i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:、‐'" | ' ├ヽ ヽヽ/‐ 、! ゙i)) o !;;;;;;;;_;: ‐'" `\| `i } i,へ 、 7 { _,..ノ;;;=-、 `` ノ _>、 f;;;;;:=‐ブ,ヘ.'j ! -─‐ l';='" l_ノ;;;;;;;;ヽ /´`lヽ `'′ -‐'′ -── f'" / (`>‐ __ ! ,! i ─- r'¬ ,r''ニヽヽ{iヘ ,.イ ゙,| i ;' / ∠` / /7 / l/ | / |. ! l. '、_- ,./ r<`ヽ / / /./ / | ,r:l l _,,| ! `ー、 '" _rヘ`ヽ 、// / '/ .! . 〈 ゙、 ├‐'`' | ,」 `ヽ__/" 、 //l // | ハ ヽ,....」. | ノ >-、_/ 、 ヽ/;;| | ,.// | 〈 ヽ、_」'"::: / ! r' / 、V;;;i rj ヽ‐/ ....:::::::| .ト 、ノ :: l | |! | 、レ";;;;;;ヽ、/rニl ...:::::;: - '"| | ':、 / ! |! ! i l ,L/;;;;;;;;;;;;: へ.| |;:-‐''" | | ヽ / | i ! l i _レ';;;;;;;;;;: ‐'" /| | | | 雄パイ子揉みたいんだって場よ!
もしよろしかったら、重力室を私に下さい。
てst
てst
400
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404!!!!
ご迷惑をおかけしました。
hosyu
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うただひかり
410 :
名無しちゃん…電波届いた? :04/05/05 13:22
(°Д゜)∩<お母ーさーん
保守
412 :
名無しちゃん…電波届いた? :04/05/12 20:37
ikapu-ni50masokasitemota
えへへ あーいーうーえーおー!
414 :
名無しちゃん…電波届いた? :
04/05/18 21:32 Q 輪ゴムはどう使いますか?