借金生活するくらいなら法知識の研鑽と貯金すべき

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55スーパートライポット ◆DBBY.mrQ7o
( ´∀`)債権譲渡の対抗要件などは中々深く、かつ極端なのです。少し言うと下記なのです。
債務者は、昨日までは債権者はAだと思っているわけです。よって、Aが債権の取り立てに来れば、すんなり払ってくれます。
ところが、債権を取り立てに来たのは、Cという見ず知らずの人です。Cから「Aから債権を譲り受けました。私にお支払い下さい。」と言われても、債務者のBとしては、「そうですか。」と言って、すぐに支払うわけにはいかないでしょう。
Cとしては、債権を譲り受けたことを債務者Bに対抗(主張)できないといけません。したがって、この問題を債務者に対する対抗要件の問題というのです。
それでは、この債務者に対する対抗要件は、具体的にはどの様なものか?民法を見てみると。「債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。」(基本だがしかし!)
つまり、譲渡人Aが債務者Bに通知するか、債務者が承諾することが、債務者に対する対抗要件になるわけです。一般に、「通知・承諾」と省略して言ったりします。
この通知も承諾も、要するに債権譲渡があったことを、債務者に「教えてあげる」ということです。債務者としては、債権者Aから通知があって、「あの債権はCに譲りましたので、Cに支払ってあげて下さい。」と言われると、安心してCに支払うことができます。
また、債権者から通知がなくても、債務者自身が、「Cに譲渡されたことは知っているよ。」というのであれば(債務者の「承諾」)、これは債権者から通知して教えるまでもなく、債権譲渡を債務者に対抗できます。
この債務者の承諾は、債権の譲渡人Aに対して行っても、譲受人Cに対して行ってもかまいません。この「債務者」の、債権譲渡に対する「認識」が重要かなと言う感じなのです。



56スーパートライポット ◆DBBY.mrQ7o :2012/04/14(土) 09:59:11.78 ID:63Ru5J1uP
ここで非常に重要なのは、この債権譲渡の通知は、「譲渡人」から通知する必要があるという点です。「譲受人」からの通知では、対抗要件になりません。
(基本だがしかし!)
これも債務者の立場にで考えれば、よく分かります。今まで、債権者はAで、Aに支払えばいいと思っていた債務者が、ある日突然、見ず知らずのCという人から通知を受け、
「あの債権は私(C)が譲り受けたので、私に支払ってほしい。」という通知が来ても、ちょっと信じられません。Cが勝手に通知している可能性があるからです。
このような虚偽の通知を防ぐ必要があります。下記で「**」のところに注意なのです。
この通知・承諾については、他にいろいろな問題があります。

まずは、簡単なものから。この通知・承諾というのは、特定の形式は要求されていないので、口頭でもかまいません。もちろん、実際には、書面にしておかないと、
後で揉めたときに困りますので、書面にするのが普通ですが、法律的には口頭でもかまいません。この点については、
後の「第三者に対する対抗要件」のところで、関連する話が出てきます。

**更に、債権譲渡の通知は、譲受人が譲渡人に「代位」して通知することはできません。しかし、譲受人は譲渡人の代理人として通知することはできます。
また、ややこしい話です。この2つの違いは、要するに「代位」と「代理」の違いです。「代位」というのは、「代わって」という意味です。
譲受人が譲渡人に代わって通知したとしても、譲受人が通知していることに変わりがありません。
これに対して、「代理」というのは、代理人が行った行為の効果は、本人に帰属する。つまり、最終的に本人が行った行為になるわけです。したがって、
譲受人は、たとえ譲渡人の代理人として行った通知でも、それは譲渡人が行った通知になるわけです。**(おいおい紛らわしいぞ)

また、この債権譲渡の通知は、「事前の通知」は認められません。債権譲渡がある前に、事前に譲渡する旨の通知をしても、これを債務者に対抗することはできません。

あとは、保証と関連する話ですが、「主たる債務者に債権譲渡の通知をすれば、債権譲渡を保証人に対抗できる。」というものです。
保証人は付従性というものがありました。つまり、主たる債務者に対して生じた事由は、保証人にも効力がある、という訳です。つまり、主たる債務者に対して通知しておけば、
その債権譲渡の通知の効力は、保証人にも影響を及ぼし、保証人にも通知したことになるわけです。
これは、逆は真ならずで、保証人に対して債権譲渡の通知をしても、主たる債務者に債権譲渡を対抗することはできません。保証人について生じた事由は、弁済のようなものを除いて、
原則的に主たる債務者には影響を及ぼさない訳です。