2009/2/10 日本金融新聞/コラム 大成小成
ttp://www.financenews.co.jp/a/koramu.htm 返還請求に係る個人信用情報整備で、全情連の「契約見直し」を消すという
話を以前に書いたが、どうやらその方向性で行くしかなくなるようである
▼想像するに、返還請求をしてみたら新たに借り入れができなくなったという
借り手が増えていることが背景にあるようだ。以前はその問題で情報機関への
訴訟も提起されたが、司法の場では情報機関側が勝訴した。そこで情報そのも
のを消すように行政が動いた、というあたりか。だが、「情報がなくなったか
ら借りられますよ」などと言ったらこれは騙しになるだろう。なぜなら、情報
などなくても借りられない人は多く存在するだろうからである。返還請求を債
務整理手段の一部に使うのなら、その前に何らかの延滞情報がついている場合
もあるだろうし、多重債務化しているなら、返還請求ができない他の債務は別
の法的整理を行う場合もあるだろう。属性的にも、所得が高くて債務の少ない
人がわざわざ返還請求をするとは思えないので、元々完全施行時には市場から
退場させられてしまう人が多いのではないか。そう考えると、いずれにしても
「借りることができる」状況にはならない
▼行政はプレーヤーを徹底的に減少させることを志向しているようだが、プ
レーヤーが少なくなればなるほど代替的手段がなくなるのだから、数社に断ら
れればそれでもう他には選択肢がないと思わなければならない。極論すれば、
プレーヤーが数社なら情報機関も要らなくなる。自社保有情報で十分、という
世界ができる。