V 特別付録 ー競売手続の流れについて その1ー
競売自体は、誰でも入札できますから、誰が落札するかは分かりません。ただ、
個人の方が落札するのはまれで、大体専門の業者か、普通の不動産業者等が落札し、
個人の方は、専門業者や不動産業者から買うのが一般的だと思います。
それで、具体的な手続の流れですが。
(1)競売申し立て(裁判所から競売開始決定が届きます)。
まず事件番号 「平成○○年(ケ)第○号」がつきます。※(ヌ)もあります。
開始決定が通知されると、任意売却といって、不動産業者から売ってくれないか?等の
売却の打診が来ることがあります。
もちろん債権者、所有者の同意なしには売却できませんから、業者が来た=差押さえでは
ないので、安心して良いと思います。価格交渉、債権者の同意、所有者の同意などが
不調の場合任意売却は断念し競売手続きが進みます。
(2)1ヶ月以内くらいで、裁判所から執行官と鑑定士が来て物件を調査します。
物件の調査に来て家の内外の写真撮影(もちろん部屋も)や、事情聴取があります。
裁判所から人が来ると動産の差押さえと勘違いする人が多く、居留守を使う人も多いです。
その場合は、裁判所から調査に来たこと、協力をして欲しいこと等を書いた書面を残して
いって日時を指定して再度訪問したり、近所に聞き込みをするなどを行います。
どうしても調査ができない、 夜逃げなどでもう空き家で中に入れない場合などでは、
立会人と開錠技術者を 同行して開錠をする事もあります。
(3)それから、数ヶ月で、評価書、物件明細書、現況調査報告書などの書類がでます。
この3種類の書類を「三点セット」と言います。
(4)さらに数ヶ月後くらいに入札の期日が決まります(その間に競売記録が一般に
公開されます)。
一般に公開とは上記三点セットが公開される事です。
三点セットは、裁判所に行ってみることも出来ますが、
ttp://bit.sikkou.jp で
誰でも ダウンロードできます。(期限付き) 個人情報保護のため、氏名欄などは
黒塗りされています。 しかし住所が分かってしまうため、近所の人にはマルバレなのが
現状です。
ttp://bit.sikkou.jp で、競売スケジュールを確認しておけば、「入札期間」
「開札日」「売却許可決定日」といったスケジュールが確認できます。
なお、債務者・所有者には、こうしたスケジュールが決まると裁判所から、
このスケジュールに加えて最低競売価格等が記載された通知が来ます。
そして、「売却許可決定日」以降に裁判所に出向くと落札した人(法人)が
誰かを確認する事ができます。