業者“廃業”で被害相次ぐ 商品先物取引法が施行
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2011021702000048.html >金や石油など商品先物投資を取り扱う業者に対する規制を強化する商品先物取引法が
一月に施行されたのを機に、廃業を一方的に告げ、顧客から預かったお金を返金しない
業者による被害が、全国で相次いでいる。投資被害の救済に取り組む弁護士は、二十三、
二十四の両日を中心に無料の電話相談会を開き、被害の掘り起こしを図る。 (稲田雅文)
名古屋市の投資会社に千九百万円を預けていた愛知県の八十代女性は、昨年十二月中旬、
この投資会社や担当者の電話が突然つながらなくなって驚いた。一月に入り投資会社から、
取引で三千百万円余りの損失が出ているとする「取引終了明細書」が届いた。同封の通知
書には、一月一日の法改正を前に、十二月末日で営業を終了した旨が書かれていた。
女性がこの投資会社の社員を名乗る女から電話勧誘を受けたのは昨年春。自宅に訪問して
きた男は「銀行に預けるより金利が良い」などと説明した。金への投資で、運用期間も
三カ月からと聞き「相場が上がっている金を買うなら安心だし、期間も短いからいいだろ
う」と、五百万円を投資。男と一緒に銀行に行き振り込んだ。満期になると投資会社から
金利が振り込まれたので、継続してお金を預けた。女性宅に通う男は頼みごとを何でも聞
いてくれる優しさを見せ、信頼して複数の取引を契約、全財産を預けていた。「信じ切っ
ていた。こんなことになるとは。頭が真っ白です」と女性は話す。