JARO】 一眼という言葉〜ネーミングの思惑8 【公取

このエントリーをはてなブックマークに追加
3名無CCDさん@画素いっぱい
(アサヒカメラ 2009/10 P336〜P337 より)

パナソニックではルミックスG1を「女流一眼」、ルミックスGH1を「ムービー一眼」と呼んでおり、またオリンパスは
E−P1のことを「マイクロ一眼」と呼んでいます。両者は一眼レフではない、レンズ交換可能なデジタルカメラをこう
呼んでいるようですが、後で述べる富士フイルムの例のようにレンズが交換できないものもありますので、その意味
するところはあいまいと言わざるを得ません。そもそも「一眼レフ」という言葉はファインダーの形式からきています。
撮影レンズあるいはそれと等価なレンズによる実像をピントグラス(あるいはファインダースクリーン)に結像させて
ファインダーとするのですが、このレンズとピントグラスの間で画像を一回反転させ、上下を正として見やすくしたもの
が「レフレックスファインダーです。「レフレックス」とは「反射」を意味します。このレフレックスファインダーのうち、
ファインダー専用のレンズを設けたものを「二眼レフレックス」略して「二眼レフ」、撮影レンズとファインダーレンズを
一つのレンズで兼用したものが「一眼レフ」というわけです。この場合は撮影時に撮影レンズの光路を切り替えなく
てはならないので、ミラーをスイングさせているのですね。つまり、「一眼レフ」の「一眼」というのはレンズが一つしか
ないという意味なので、その意味では大部分のコンパクトデジカメが含まれてしまいます。以前から富士フイルムでは
高倍率ズームレンズを固定してEVF(電子ビューファインダー)を備えた形式のコンパクトデジカメを「ネオ一眼」と
呼んでいます。これはレンズ交換ができないので、パナソニックやオリンパスとはまた違った概念になりますが、
パララックスがないファインダーで一眼レフと同等に使えるという意味からこう呼んでいるようです。外観も一眼レフ
のようにボディーの中央部が盛り上がった形をしています。いずれにしても、「一眼」というのはどんなカメラなのか、
はっきりした定義は存在しません。一方で事情を知らないユーザーが一眼レフと混同する危険性があります。

せっかくマイクロフォーサーズのように新しいコンセプトのカメラが出現したのですから、
「一眼」という紛らわしい呼称は使わず、それにふさわしい新しいネーミングを考えてほしいと思います。