デジタル一眼購入相談40

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240名無CCDさん@画素いっぱい
「プロジェクトX〜挑戦者たち〜  ニコンの挑戦。奇跡の利益率−高級ブランドっぽいカメラの誕生」

 社長から、もっと利益率の高いカメラをを作れと迫られていた。 思案に暮れていたとき、開発統括部長は意外な事を言った。
 「内蔵モーターを取り去ってみたらどうだろう」 工場長は戸惑った。 Fマウントから内蔵モーターを抜いたらFマウントでなくなってしまう。

 「無理です。出来ません」工場長は思わず叫んだ。 「俺たちがやらずに誰がやるんだ。俺たちの手で作り上げるんだ!」
 社長の熱い思いに、工場長は心を打たれた。商人の血が騒いだ。 「やらせてください!」

 それから、夜を徹してのカメラ作りが始まった。省ける部品は省きまくる毎日だった。
 しかし、本物のカメラの味は出せなかった。 工場長は、来る日も来る日もコストと戦った。

 いっそ、キヤノンに転職すれば、どんなに楽だろうと思ったこともあった。 追い詰められていた。
 そこへ社長が現れた。そしてこうつぶやいた。 「発想を変えるんだ。Fマウントだけがニコンらしさじゃない」

 そうだ。外装だ。外装とか見た目だけそれっぽくにする手があった。暗闇に光が射した気がした。
 工場長はグリップに、赤いビニールを貼ってみた。
 ニコンらしさが蘇った。 「これだ、これが探してた俺たちのカメラなんだ!」

 ニコンD40の誕生だった。
 社長と工場長と従業員は、工場の片隅で朝まで飲み明かした。 工場長は、充足感に包まれ、涙が止まらなかった。

 「社長、完成したカメラで朝日を撮って来てもいいですか」工場長は言った。
 「ああ、いいとも。だがブルーミングには気をつけろよ。中身はコンデジのままだからな」 社長は自分のジョークに、肩を揺らして笑った。