東京大学合格を目標に、国立情報学研究所などが中心となって開発を進めている人工知能「東ロボくん」が、
大手予備校のセンター試験の模試を初めて受験し、全国およそ400の大学でA判定を獲得する成績を収めました。
「東ロボくん」は国立情報学研究所や大手電機メーカーなどが共同で開発を進めている人工知能で、
9年後の2022年春までに、東京大学の入学試験を突破できる知能の開発が目標です。
23日は都内の大手予備校で東ロボくんが受けた初のセンター試験の模試の結果を講評するイベントが開かれ、
900点満点中387点を獲得したことが発表されました。
この得点は偏差値で見ると45ですが、「数学I・数学A」と「世界史B」、「日本史B」の3科目では平均点を上回り、
国公立の大学1校を含む全国404の大学で、8割以上の確率で合格できるA判定を獲得しました。
東ロボくんは市販のUSBメモリーにも入る4ギガバイトほどのプログラムで、例えば数学では、
日本語の質問を数式に変換してその意味を理解し、問題を解くことができます。
しかし、問題文が長くなると理解が不正確になり間違うことが多くなるということです。
このため、質問文が短い「数学I・数学A」や、あらかじめ記憶した知識を引き出して問題に答える日本史や世界史では
比較的高い得点となりましたが、国語や英語など、質問の文章がより長く、あいまいな表現が多く含まれるものになると、
正しい答えを出せなくなるということです。
このプロジェクトのリーダーで国立情報学研究所の新井紀子教授は、
「人のことばの意味を理解できる次世代の人工知能が出来れば、人の働き方など社会は大きく変化する。
長期的な目で開発を進め、世界をリードする人工知能に育て上げたい」と話しています。
(続く)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131123/n62129110000.html