日経スペシャル「ガイアの夜明け」 3月4日放送 第304回
漂流!ニッポンの給料〜働くものに明日はあるか
世界的な株安・円高・そして資源高による、物価上昇・・・。2008年、ニッポン経済に襲いかかる経済変調の波。
誰もが身構え、将来に漠然とした不安を抱き始めている。その中で、働く人々が最も気になること・・・それは、給料だ。
日本経済を俯瞰すると、モノやサービスなどの付加価値に占める、人件費の割合(=労働分配率)は、81年から下降線をたどり、06年には、60%を切った・・・。
経済を底辺で支える労働者たちの賃金。しかし、働けど働けど、ニッポン人の給料は、一向に上がらない。
今年の春闘の注目点は、労働者の3割を占める、パートや派遣・契約社員たちの待遇改善だ。さらに生活保護にも満たない、年収200万円以下の労働者が1千万人突破した。
一方、高齢化の顕著な中小製造企業では、賃金・退職金が経営再建の重い足かせとなっている。退職金倒産という声も聞かれるようになった。
上がらない給料を織り込んだかのように、個人消費は停滞を続けている。日本経済が元気にならない大きな原因である。
日本経済を底辺で支える、働くものたちのマネー(給料)の行方は? 春闘の動きにあわせ追跡ドキュメントする。
【働けど・・・先が見えない。漂流する団塊プア】
東京・三鷹市のマンションで一人暮らしをする山下さん(仮名)、57歳。
2003年まで郵便局に勤務していたが、郵政民営化で退職。外資系の保険会社に転職したものの、厳しいノルマや労働条件に不満があり、退職・・・。
その後、建設現場などでの日雇い労働を始めるものの、怪我。
現在は、保険関連の会社でアルバイト(時給1100円/8時間労働)を週6日程度して、食いつなぐ日々だ。年収は200万円にも満たない。
家族とは別居中。預貯金はほぼゼロ。怪我の治療費もバカにならない。年金をもらうまであと8年ある。このままでは生活を維持していくのは困難だ。
ここ数年で起きた「ニッポンの改革」から落ちこぼれた団塊世代に、日本経済の変調ぶりが象徴されていた・・・。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview080304.html