工場ってどんな感じ?

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過酷労働 動けず休んだ青年の寮に「てめえ」と…現代「たこ部屋」物語

青年を使い捨てにする請負労働が広がっています。「給料がよくて、楽な仕事がある」といって、
労働者を送り込み、徹底的にこき使う、たこ部屋といわれる実態をリポートしました。
 正社員をめざしたものの、結局は請負以外に仕事がなかった岐阜県の男性(35)。
会社が借り上げていた富山県黒部市のアパートの一室に住み込み、
市内のYKK工場で働き始めました。アパートの住所も教えられず、昼休みと午前、
午後の十分間の休憩以外は立ちずくめの作業でした。
十一日目の朝、体が動かず「とても仕事につけない」と欠勤を申し出ました。
「てめえー、ここは学校じゃない。社会なんじゃ。何考えとるんや」。営業担当者がどなり込んできました。
 男性は「こんな使われ方は耐えられない」と翌朝、退職を伝えました。実際に働いたのは十日間でした。
 振り込まれた給料は、たった三万―四万円でした。欠勤のペナルティーで日給九千円が六千円にダウン。
その日給で就業日から計算されました。そこから昼四百円の弁当代十日分、二週間分の寮費と
自転車、テレビ、ふとん、洗濯機のリース料が引かれます。
 「給料というより、小遣いです。何のために働きに行ったのだろう。あぜんとしました」
男性が働いていたのは、人材派遣・業務請負の最大手、日研総業(本社・東京都大田区)でした。
百四十を超す事業所で新規の請負・派遣労働者を月に四千人採用し、約九百社の取引先企業に
送り込みます。二〇〇四年三月期の売上高は八百八十二億円にのぼります。
 正規雇用の道を断たれ、若者の多くが請負・派遣で過酷な労働を強いられています。
「正規雇用の拡大を」―青年の痛切な叫びです。