ドラゴン登場

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886しょうじたろう ◆7Tz0FhoI
朝方、雨が降らなきゃいいな、という天気だった。俺は明石を出発し、高松に着いた。
高松駅の待ち合わせ場所には、二人の男性がいた。俺は、「2ちゃんねるの?」と声をかけた。
「ああ、そう。Zです」。俺は、はじめまして、しょうじたろうです、
と答えた。もう一人は、そわそわしていて返事をしなかった。後で分かったことだが、
彼がACEだった。
ドラゴン来ないね。最初に声を上げたのはエースだった。ドラゴンが来ない事態を、
俺も恐れていたが、あえて口にしなかったのだ。「まだ時間前だよ」俺は時計を見て、
そういった。
定時、女の子が歩いてきた。緊張した面もちだ。しかし、かわいい。俺達の前に
立ち止まると、オフ会の人ですか?と聞いた。
「そうです」。
「はじめまして、ドラゴンです」
ドラゴン登場だった。美少女で、しかもかわいい。こんなにかわいい子が、
ああいう書き込みをしているのか、と思ったが、同時に、書き込みはネタに違いない、
という思いが生じた。
俺達は近くの公園に移動した。この頃には、空はすっかり晴れ渡っていた。
887しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 11:41 ID:O65r80y7
Zは快活にしゃべりまくる。俺は相づちをうつ。ACEはむっつりしたまま歩き、
時々ドラゴンの方をちらちらと見るのが分かる。
ドラゴンはというと、頬を上気させて、何か言うチャンスを伺っているようだ。
公園の一角にあるベンチのところに着いたとき、ドラゴンが言った。
「あの、早く済ませたいんで」そういって苦笑する。
「え、何を?」とZ。
「ひょっとしてビー玉か?」とACEが叫ぶ。
「あやや。マジやるのかよ」と俺。
ドラゴンは頷いて、その一角に他に人が居ないのを、周囲を見回して再確認する。
そして、両足を大きく広げると、ミニスカートの下に手を置くように指示した。
ACEが、両手を広げ、ドラゴンの股間の下、スカートに触れんばかりの位置に置いた。
勿論、掌を上に向けている。時々、親指がドラゴンの太股に触れるのが分かるが、
わざと触れているように見える。
触れるたびに、ドラゴンはびくっとする。
ドラゴンはお尻を後ろに引き、腹部をやや前に出し、上半身を直立させる。
そして、少しもぞもぞとしていると思うと、

ぽとっ

ACEの掌に、ビー玉が一つ落ちた。「うわーい」狂喜乱舞するACE。
ドラゴンは恥ずかしそうに両手で顔を覆う。
「ドラゴンが卵を産んだよ」叫ぶACE。
「静かにしてくれよー」とドラゴン。ん?男みたいな口調だな。
888しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 11:47 ID:O65r80y7
「僕だって恥ずかしいんだからさー」とドラゴンは続ける。
ぼ、ぼく?声は女の子だが、口調はそのまんま男だ。「ドラゴンって、
そういう風に喋るの?」と俺は聞いた。
ドラゴンは、「そうだよ。いつもそう。男みたいでしょ」。うん、男みたいだ、
でも、可愛い子がそういう口調なのは格好いいよ、俺はドラゴンが気に入った。
「イイ!」と俺は叫ぶ。「何が?」とドラゴン。「僕っていうのがイイ」。
「え、そうかー」とドラゴン。
でも、書き言葉は女口調になるらしい。不思議なもんだ。そういえば、
メールも女口調だったっけ。
「それはそうと、次。早くしてよ、恥ずかしいよ、もう」とドラゴン。
「よし、俺が」とZ。ドラゴンの太股に触れないように、片手で待ち受ける。
先ほどと同じような姿勢をとり、少し時間をおく。もぞもぞするが、
今度は簡単には落ちてこない。奥深くにはいっているのだろうか。
やがて、ビー玉が落ちてきた。ドラゴンのビー玉、ドラゴンボールだ。
889しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 11:50 ID:TQ0LaIOB
「僕だって恥ずかしいんだからさー」とドラゴンは続ける。
ぼ、ぼく?声は女の子だが、口調はそのまんま男だ。「ドラゴンって、
そういう風に喋るの?」と俺は聞いた。
ドラゴンは、「そうだよ。いつもそう。男みたいでしょ」。うん、男みたいだ、
でも、可愛い子がそういう口調なのは格好いいよ、俺はドラゴンが気に入った。
「イイ!」と俺は叫ぶ。「何が?」とドラゴン。「僕っていうのがイイ」。
「え、そうかー」とドラゴン。
でも、書き言葉は女口調になるらしい。不思議なもんだ。そういえば、
メールも女口調だったっけ。
「それはそうと、次。早くしてよ、恥ずかしいよ、もう」とドラゴン。
「よし、俺が」とZ。ドラゴンの太股に触れないように、片手で待ち受ける。
先ほどと同じような姿勢をとり、少し時間をおく。もぞもぞするが、
今度は簡単には落ちてこない。奥深くにはいっているのだろうか。
やがて、ビー玉が落ちてきた。ドラゴンのビー玉、ドラゴンボールだ。
890しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 11:59 ID:TQ0LaIOB
ドラゴンは両頬に指先を置いている。かわいいしぐさだ。そして、心なしか恍惚としている。
体を軽く前後に揺すっている。
俺は手を定位置に置いた。掌に熱を感じる。暖かい。この熱は、どこから来ているのだ?
体温を感じているのだろうか。

ドラゴンが、こっくりと頷くようにしながら、うっすらと汗を浮かべた額に皺を寄せる。
ぽとり、ビー玉が俺の掌に落ちた。暖かい。熱いくらいだ。濡れているが、
陽気のせいか見る見る乾いていく。そして、表面にうっすらと白い膜を作った。
この白い膜は、ドラゴンの・・・。俺は興奮した。

それぞれの男のビー玉の処理は違った。ACEは、やがてビー玉を口に放り込んだ。もぐもぐしている。
「味わってやがるぜ、こいつ」とZ。えへへーとACEが笑う。
ドラゴンは、「ひゃ。やめろよ、馬鹿」と叫ぶ。
Zは、持ってきたらしい小さなビニール袋の口を開け、ビー玉を納めた。
そして、ドラゴンに何か耳打ちする。ドラゴンは、「マジ?」というと、
今までののりで、ミニスカートの下に手を入れた。そして、ぐいっと引っ張る。
陰毛が2本抜けた。Zが両手でドラゴンを拝むと、ティッシュを広げた。
ドラゴンが、陰毛をティッシュの上に置く。ACEはまだもぐもぐやっている。「うまいか?」と俺。「ああ、いけるー」と奴。
Zはティッシュを畳むと、大事そうに財布に入れた。お守りにするのだという。
何のお守りになるのだろう。
俺は、ビー玉を、ポケットに放り込んだ。
891しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 12:06 ID:TQ0LaIOB
「ドラゴンって、Mなのか?」とZが聞く。
そうだよ、とドラゴン。以前はSの彼もいたのだという。SMプレイをやっていたのだろうな、この野郎。
毒男板で、もっと過激な命令が出されたら実行していたのか?とZが聞く。
「そんなこと聞いても意味ないだろ」とドラゴン。それもそうだ。悔やんでもしょうがない。
Zが、毒男のスレに、ボンテージ着用の命令を書き込んだことを自白する。
「あはは。ボンテージなら持ってるから着てきたかもな」とドラゴン。
どこまで本気か。しかし、ドラゴン、その口調いいぞ。これからは、
文章も男言葉にしてくれ。
892R@ ◆dameC492 :02/07/20 12:08 ID:9W0bGPgo
>>884
名無しで叩くほうが、もっと失礼だろ?
893どんとこ〜い ◆JSMAAAcE :02/07/20 12:10 ID:HxHNLHou
>>886-891
すんげーおもしろいよ、文才あるよ。
続きたのしみにしてます。
894しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 12:11 ID:TQ0LaIOB
男っぽい口調のドラゴンの性格のせいか、ビー玉プレイをしたというのに、
少しも淫靡な感じがしない。あっけらかんとしたもんだ。
暑いね、汗が出る、俺達は涼を取るため、図書館に移動した。ドラゴンは、
ビー玉プレイをする前とはうってかわって快活だ。ビー玉を入れていた時は、
それなりに全神経を集中していたのだという。今は解放されたと言うわけだ。
ACEは既にビー玉を口からだし、ポケットに入れている。そしてドラゴンの左側を歩き、

時々ドラゴンに体をぶつけている。
ACEはドラゴンにばかり話しかける。勢い、ドラゴンもACEと話すことが多いが、
気を遣ってか、全員に話しかける。
Zが時々、ACEにきつい言葉を投げかけるようになった。ドラゴンに急接近しだしたACEが気に入らないのだろうか。
895R@ ◆dameC492 :02/07/20 12:18 ID:9W0bGPgo
ACEもキモイけど、よく考えたらみんなキモイな(w
896しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 12:26 ID:TQ0LaIOB
図書館のロビーの、一番奥にドラゴンが座った。その手前にACE、Z、俺と続く。
椅子は一直線だ。対面だと良かったのに。ドラゴンとACE、Zと俺、という組み合わせで話をする。
俺もドラゴンと話したいのだが・・・。
Zは司法浪人だそうだ。高卒だが、弁護士を狙っているのだという。
親は自営業で、すぐ上の兄が後を継ぐ予定だという。司法浪人とは大ばくちだ。
勝算はあるのか、と俺は聞く。30まで頑張って駄目だったら肉体労働でも何でもやるよ、
とZ。勝算など考えて司法浪人がやれるか、という。そういうものだろうか。
俺は大学を出た後就職したが、組織になじめずにドロップアウトしたこと、
そして、この歳までフリーターで食いつないでいることを話した。
アルバイト先では、年下の正社員に顎でこき使われる。二周りも年下の男から、
ため口を叩かれ、時には怒鳴られる。中高年フリーターの苦悩を口にした。
うーん、俺もそうなるのかな。受験頑張らなきゃな、とZ。
ドラゴンとACEの方からは、時々笑い声があがる。下ネタで盛り上がっているようだが、
時々、赤い稲妻、とか、ガンダム、とか、大蒜ラーメンチャーシュー抜き、
などの文句が聞こえる。
897しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 12:35 ID:TQ0LaIOB
ドラゴンは、「どはははは」などと笑うことがある。豪快だ。うーん、イイ。
Zが、男っぽい笑いは止めて欲しいな、と苦笑してこっちを見る。え?そうか? 俺はイイと思うのだが。
Zも、俺と話ながらドラゴンのことが気になっていたようだ。やがて、俺達
だけで話をしているのに飽き飽きする。
「カラオケに行こうぜ」とZ。え?俺はこのまんまでいいよ、とACE。
「さあ、カラオケカラオケ」ドラゴンが立ち上がる。しぶしぶ立ち上がるACE。

カラオケルームはがらがらだった。世間では休日では無い。こんな日にオフが出来る俺達は、
幸福なのか不幸なのか。
部屋にはいるとき、俺は、ACEがドラゴンの腰に手を当てたのを見逃さなかった。だが、口に出すのは、何故かできなかった。事件は、直後に起きた。

部屋にはいったとき、暗い室内に動物の本能が反応したのだろうか、ACEが、
「ドラゴンちゃーん」と怒鳴るとドラゴンに抱きついた。
「おい」とドラゴン。
「こら」とZ。俺はおろおろするが、ZがACEを引き離そうとするのに加勢する。
Zが、「何やってんだよ、まったく」と言って、ACEの頭を軽くこづく。
笑いながらやったので喧嘩にはならなかったが、俺は、Zが本気でこづいたのだと気づいていた。
以後、ACEは部屋の隅に座らされた。Zが場を仕切ってそう決めた。ドラゴンは俺の隣に来た。ラッキー。
898しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 12:42 ID:TQ0LaIOB
ミニスカートから出ている長いドラゴンの生足が艶めかしい。下着無しだぜ下着無し。俺は、全神経を右足の太股に集中する。そこには、ドラゴンの太股が接触している。体温が伝わってきて、<二人は繋がっている>という感覚を生じさせる。
部屋の隅に追いやられてつまらないのか、ACEが歌ばかり唄う。残りの3人は、
時々拍手をしながら、後は談笑している。
3人に半ば無視されながら唄う、ACEの尾崎豊が悲しい。俺は、ACEも仲間に入れてやらないとまずいのでは、
と思う。
ドラゴンは優しい。ACEに声をかける。ところが、ひねたACEは歌い続ける。馬鹿な奴だ。
やがて、部屋に酒が運ばれる。俺とACEは生ビール、ドラゴンはカクテル、
Zは酒が飲めないとかで、コーラだ。
899R@ ◆dameC492 :02/07/20 12:53 ID:UlU6/MRe
つか、その状況で何も起きないというのが、男として信じられません(w
900佐藤真希 ◆Maki.aTQ :02/07/20 12:54 ID:UlU6/MRe
そうね、女だって期待してるものなのにね
901しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 12:59 ID:TQ0LaIOB
このまま酒がはいると、ACEがまた何かしでかすかな、と俺は思った。だが、
俺自身も危ないものだ。セクハラをしでかすかもしれない。
何せ、隣にいるのは、下着なしの、ビー玉プレイをやり、陰毛を引き抜いて男に与える、若い、かわいい女の子だ。
おれも、心の中ではぐひひひ、と思ったことを自白する。
だが、先ほどACEを引き離した良識派のZが素面だ。事件は起こるまい、と思った。まさか、そのZが急先鋒になるとはね。
902|▽ `) 近江人 ◆DaMe.HB2 :02/07/20 13:08 ID:/xrhHLTM
俺も含めて今何人このスレ見てるか気になったり(笑)
903しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 13:10 ID:TQ0LaIOB
ドラゴンは酒に弱い。一番先に酩酊した。素面のZが介抱する。今は、ドラゴンはテーブルの上に仰向けになって寝ている。パンチラならぬもろチラが見えそうで、俺は時々ミニスカートを整えてやる。
ACEはよだれを垂らしている。酒に酔うとそうなるのか、ドラゴンがいるからそうなのか。よだれを垂らしながら、首を前後に振っている。目がいっている。
それでもACEは尾崎を唄う。もうマイク無しで、狂ったようにがなり立てる。
なんか危ないな、と俺は思った。ミニスカートを整えようと伸ばした俺の手を、
Zが払いのける。え?と思った。Zはそのまま、ぐいっとミニスカートをまくり上げる。俺は、「おい」と叫び、Zとドラゴンの間に身を入れた。
Zはずてんとひっくり返る。
「あ、冗談だよ、冗談」とZ。俺のガタイは小さい。Zと喧嘩になったら勝てそうにない。ACEはどちらに加勢するだろうか。まだ歌を唄っているが。背中を冷や汗が流れた。でも、Zは笑ったまま、「ジョークジョーク」という。
事なきを得そうだ。ほっとした。
904どんとこ〜い ◆JSMAAAcE :02/07/20 13:11 ID:HxHNLHou
>>902
みてまーす。
905しょうじたろう ◆7Tz0FhoI :02/07/20 13:21 ID:TQ0LaIOB
「え?」と言いながら、ドラゴンががばっと身を起こした。「お前ら、何してんの?」と聞く。Zがどぎまぎする。ACEが、ライブだぜーと叫ぶ。
俺は、そろそろ解散する? と聞く。
「もっと飲むー」とドラゴン。しかし、このまま続けたのでは危ない。
最年長の権限というものがあるのかどうか、俺は、「もう、夜になったし、こういう格好の女の子もいるし、どうだろう、解散しては。今日は楽しかったな」、と言う。
先ほど気まずい思いをしたZは、あいまいに頷く。ACEはぶつぶつ独り言を言っている。ドラゴンは、「分かった、また会おうねー」と言う。解散だ、何故かほっとする。
しかし、まだ酩酊状態のドラゴンを、下着無しのミニスカートのドラゴンをそのまま返すわけにはいかない。危なすぎる。夜だし。
ドトールコーヒーに行き、酔いを醒ますことにする。Zは俺に、しきりに、
さっきのはジョークだって、と言う。俺も、そうだよな、分かってるよ、
と答える。
ACEもドラゴンも酔いが醒めてきたようだ。4人揃って高松駅まで行く。
俺は、明石まで帰る電車が無い。一人でカラオケに戻って夜を明かすことにする。ACEとZに、一緒にどうだ?と言ったが、断られた。
ドラゴンを3人で見送り、いやあ、案外まともだったな、などと感想を述べる。もう、事件のことは忘れ去られている。あの状況では、ああいうことがあっても仕方ないことだよな、と、俺は納得してしまった。

ドラゴンの携帯の番号、聞き忘れた。後でメールするからよろしくね>ドラゴン。

               終わり