285 :
粗筋川裕一 6/6:
――やがてドゥガチのいるイオが見えてきた。
「いよいよだな!」
あわただしくなるパイロット達、準備するキンケドゥ。
…しかし、トビアはまだバーンズの言葉を考えていた。
(忘れるなよ小僧!)
「…だけど… 本当にそれで全てが終わるんだろうか?」
―リトルグレイ―
ベルナデットに艦長自ら食事を運ぶオンモ。
こっちに移ってからずっと部屋にこもりっぱなしだったので、元気づけてあげようと思ったのだ。
「ベルナデットちゃん? いいかい?」
…しかし、部屋はもぬけの殻だった。部屋中くまなく探しても見当たらない…。
オンモは大慌てでブリッジへ引き返し、部下に艦内をチェックさせた。
「しかしいないとしたらどこへ?」
「こんな宇宙のど真ん中で他にどこに行きようがあるってんだよ!
こっちに移ったふりをして、出発前にマザー・バンガードへ戻ったに違いないよ!
だけど…一体?なんでそんな事をしたんだ?お嬢ちゃん?」
―マザー・バンガード内―
敵本拠地が近づくにつれ、あわただしくなる艦内。その中にベルナデットはいた。
《全乗組員に次ぐ! これより母艦マザー・バンガードは衛星イオの敵本拠地に攻撃を開始する!
木星帝国を討ちます!》
ベラの指示に、艦内全てに緊張感が走った。 <続く>