「へぇ・・・こりゃまた随分ご無体されたようで」
羞恥に震える桂をねじ伏せながら、銀時は白い肌に残された痕跡を揶揄した。
執拗に付けられた赤い鬱血や歯型まで残る噛み傷。
そして変色して紫と黄色のにじんだ模様になっている暴行の痕。
おそらく、合意ではないのだろう。
この乱暴の証拠を見るまでもなく、数ヶ月前決定的な決裂をした高杉を、頭の固い桂が
諾々と受け入れるのは考えにくい。
もともと桂は高杉には甘いところがあるが、それで信念を曲げるような男ではない。
「無理やりレイプされて、ショックで飯も喉を通らなくなったわけ?
信頼してた男に何度も裏切られちゃ、食欲の薄いお前にはきつかったのか?」
「・・もういいだろう、離せ」
裏切り、という言葉だけでも今も重いのだろう。桂は沈痛な表情になって目を伏せた。
鈍すぎる、そして甘すぎる男だ。
それがあそこまで高杉を暴走させ、またあまたの人を惹きつけ、銀時をここまでやきもきさせる。
本人だけが、それを知らない。
「・・・まだだ」
桂がいぶかしげな表情で顔を上げた。
「ちゃんと全身確かめてやる」
さっき文句もつけられずきれいだと思った桂の顔が、悲しげに歪んだ。