月刊少年ジャンプ2002年4月号より『冒険王ビィト』という漫画が連載されました。
この漫画について語ろうじゃないか。
尚、この漫画は作者の知的でクールな作戦により、2日に1〜1/2話ずつの速度で連載される様だ。
たまにキレてダンゴールに八つ当たりする為変な時期に合併号になる事もあるが気にしないでくれ。
ちなみに今日は月刊少年ジャンプ2002年4月号の発売日だ。
※注意※
連載中スレとは連載終了した漫画作品を第1話〜最終話まで順々に、
『現在連載されているもの』つまり現在進行形で語り合うスレです。
ネタバレ発言はご法度。現在明かされてる情報のみで語り合いましょう。
連載中スレにそぐわない話は楽屋裏スレで行いましょう。
次スレが立ったら or 連載終了して合図があったら楽屋裏! 現代に戻って好き放題に語り合え!
なお、粗筋王マロンはなぜかこれまで関わったあらすじのほとんどが最近、何らかの動きを見せている。
(文庫版が出たり、新作が連載開始したり、フィギュアが出たり等)
粗筋王マロンのこの奇妙なジンクスを信じて、稲田氏の復帰に賭けてみようじゃないか!
連載中スレの楽屋裏 第32幕
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1293543652/ ※規制の巻き添えで書き込めない人は代理スレを利用しよう!誰かがレスを貼ってくれるぞ!
【代理スレ】連載中スレの楽屋裏避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/comic/5124/1213249930/
2 :
粗筋王マロン 1/8:2011/04/24(日) 23:30:32.91 ID:CYjjCqx1
〜ブイジャンプ平成2(1990)年 12月12日号〜
『DQI秘伝・竜王バリバリ隊 前編』
竜 王 !
それは平和の大地アレフガルドを闇に閉ざさんとする、邪悪の魔王の名だ!!
竜王はその強大な魔力で怪物達を甦らせ、人間達に攻撃を仕掛けてきたのだ…!
だが、何人かの勇気ある若者達は剣を取り、竜王の操る怪物達と必死に戦い続けていた……
―ラダトーム城下町―
町を襲う魔物(モンスター)の群れと交戦中の兵士達。
ふと、これまでの魔物と違う足音が地響きと共に聞こえてくる。
兵士の一人が振り向くと―――― 胸にエンブレムを付けた5匹のモンスターが佇んでいた!
死神の騎士“ザン”
スターキメラの“パタタ”
ゴールドマン“ボッカ”
キラーリカントの“ガオス”
そして… メタルスライムの“ピュー”!
「…ラダトームの兵士諸君!
我々は竜王様は以下の最強部隊、“ 竜 王 バ リ バ リ 隊 ”だ!!
諸君がいくらがんばっても我々にはかなわない!諦めて降伏する事をおすすめする!」
死神の騎士が喋った事に驚く兵士達だが、ふざけるなと攻撃を仕掛けてくる!
「やむを得ん… 行 く ぞ っ !! 』
3 :
粗筋王マロン 2/8:2011/04/24(日) 23:31:20.06 ID:CYjjCqx1
ザンの号令の元、5匹のモンスターは一斉に攻撃を仕掛ける!
しかし彼らは何か思惑があるのか、死者は出さず手加減していた。
それでも他のモンスターには大好評のようだった。やんや、やんや!
―竜王の城―
その光景を水晶玉で様子見、ご機嫌の竜王。
「フッフッフッ…いいぞいいぞ…!さすが竜王バリバリ隊だ!
このワシに逆らう愚かな人間共など全て根絶やしにしてしまえ!! ファハハハ〜〜〜!!』
「素晴らしい強さですなぁ…竜王様!
しかし、一体どのようにしてあれ程までの強い怪物を生み出されたのですか…?」
「そっ… そりゃあ秘密に決まっておろうが… ヌハハハハ!!」
側近の大魔道が尋ねるも、引きつった笑みでごまかされる。
―再びラダトーム―
交戦中、ただ一人…もとい、ただ1匹ピューは隠れて震えながら様子を見ていた。
『とどめだっ!』
ザンが斧を振り上げると、ピューが泣きながらそれを止めた??
「待ってよ… みんな… もう…やめようよ
だって…だって、ぼく達だって、元は…… 人 間 じ ゃ な い か っ !!
竜王達に身体を奪われて怪物にされちゃったけど…! ぼく達は人間だ!!
もう人間をやっつけるのはいやだよっ!!』
泣きながらボッカの手の平に乗るピュー。
しかし、竜王に逆らったらもう二度と彼らは人間に戻れない…!
バリバリ隊が攻撃を中断し、伏し目がちになっていると倒れた兵士が文字通り一矢報いる。
放たれた矢は―――― ピューの額のエンブレムに突き刺さった!!
4 :
粗筋王マロン 3/8:2011/04/24(日) 23:32:02.07 ID:CYjjCqx1
『『ピュー!!!!』』
地に落ちるピュー。死んでしまったのかと騒いでいると… なんと人間の姿へと変わって行く?!
『こ… これがピューの本当の素顔なのか…!?』
横たわるピューの素顔は、どこにでもいるようなあどけない子供だった。
その後、竜王はバリバリ隊逃亡の報告を聞き驚き戸惑っていた。
『怪物の分際で我が命に背くとは…! ただちに居場所を突き止め連れ戻せ!!』
「そ…それが… 見張り役のメーダもやられてしまい、水晶玉による追跡が不可能に…」
大魔道はそこまで言いかけたが、歯軋りする竜王の希薄に怯えてしまった。
『許さん! 全ての怪物に指令し奴らを追跡せよ!! この竜王の恐ろしさを思い知らせるのだ!!』
竜王の命を聞いた大魔道達はさっさと退室する。
「さすが竜王様、かっこええなぁ」 「竜王様にたてつくとはバリバリ隊もバカな奴らだ」
そして誰も王室からいなくなると・・・・・・ あらら、竜王泣きだしちゃった!
「ちっくしょぉ〜〜〜……
くそっ!ヤバい…ヤバいぞ…! 奴らは少し強く作りすぎちゃったからなぁ…
まさか…まさかワシに逆らうなんて事は…
あああ〜〜〜! も…もしそうだったらどうしよう!!」
床を叩いたりして泣きわめく竜王に、突如どこからともなく女王様の様な笑い声が響き渡る。
《ホ――――ッホッホッ 心配には及ばぬぞよ、竜王よ
お前にはこの私がついておるのだからのぉっ!》
声は竜王の杖から聞こえてくる・・・・ と思ったら、ぼぉんと派手な煙が立ち込める!
煙が晴れると…… そこには竜王に似た、曽我町子のような魔女が佇んでいた!
その魔女にピーピー泣きながらすがりつく竜王!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110424220308.jpg
5 :
粗筋王マロン 4/8:2011/04/24(日) 23:32:43.97 ID:CYjjCqx1
彼女の名は竜貴妃――――
この魔女こそ竜王の部下すら存在を知らぬ、影の支配者…
いわば竜王の知恵袋だったのだ!
竜王は泣きながら説明しようとするが、もうすでに竜貴妃は全てを知っていた。
「案ずる事はないぞよ、竜王や 忘れたのかえ?我々の手には奴らの身体があると言う事を!」
小さな人間の入ったカプセルを5つ取り出すと、その内の1つがメタルスライムになっていたのに気付く。
「なるほど… わかったぞよ
私は魔水晶の妖力によって、奴らとモンスターの身体を入れ替えた…
にも関わらず、ここにメタルスライムがおると言う事は… ピューめが人間に戻ってしまったのじゃ!」
さすが知恵袋の竜貴妃。それを見ただけで皆がピューを逃がそうとしている事に気付く。
「竜王や、奴らは私に任せておれ あの程度の雑魚などお前が騒ぐ相手ではないぞえ」 オホホホ
その頃、バリバリ隊は―――― 大さそりのハサミに捕えられたピューを救出していた。
ザンが大サソリに一撃入れ、怯んだすきにガオスがハサミをこじ開け助け出す。
ピューは名前通りぴゅぅ!と言われるまま逃げ出した!
…ちなみに、ボッカとパタタは追手のがいこつを蹴散らしていた。
―その夜―
『オレはもうゴメンだぜ!! どだい竜王を敵に回して逃げようってのが無理なんだよ!』
たき火を囲み、キャンプする中、ついにキレたパタタが叫ぶ!
「ピューを故郷のドムドーラに送り届けるだけだ」
『だったら一人で帰らせりゃいいじゃねぇか! 昔っからこいつぁ逃げ足だけは速かったぜ!!』
ボッカの膝に申し訳なさそうにちょこんと座るピューの頭を尻尾でパシパシはたくパタタ。
「だがな、ピューはもう怪物じゃないんだ
おそらく偶然刺さったその矢が、何万分の一かの確率で呪いの宝石の中心部を貫いたんだな
それで呪いが解け、人間に戻った…
今のピューに怪物の力は無い、だからオラ達が守ってやらなきゃなんねぇだ」
6 :
粗筋王マロン 5/8:2011/04/24(日) 23:33:33.05 ID:CYjjCqx1
ボッカの優しさに泣き出すピュー、うっとうしいと一喝するパタタ。
「心配するな、ピュー 折角人間に戻れたんだ、お前だけでもなんとか故郷に戻してやるよ」
「砂漠の町ドムドーラか… いい所だと聞いている、早く行ってみたいもんだぜ」
ザンとガオスの慰めに、ピューはありがとうと言いつつまた泣いた。
「ケッ! まったくお人よしが揃いやがってよ!」
そして翌日…… バリバリ隊の前にドムドーラの町が見えて来た。
ようやく帰ってきた事にピューは嬉し涙を流し、父と母に再会出来る事に喜ぶ。
そんなピューを見て嬉しそうに笑うバリバリ隊だったが―――― 事態は予想外の展開を迎える。
いざ町へ近寄って見ると、なんと町が潰滅しているではないか!
『こ… これは!?』 『まるで廃墟だ!』 「ひでぇ事しやがる…!」
余りの無残さにバリバリ隊は驚愕し、両親の生存を絶望したピューは涙目になる。
直後、地面が揺れ―――― 瓦礫から暗黒竜・ダースドラゴンが現れた!!
恐らくこいつが町を滅ぼした張本人! ザンはピューに隠れてろと叫び、戦闘が始まった!
昨日までさんざんピューをいじめていたパタタだったが、これには怒り炎を吐く!
…が、ダースドラゴンの炎はキメラよりも上!パタタはあっさりと焼き鳥(!?)になる!
「だみだ… こいつの炎にゃかなわん…」
怒りを胸に、ザン・ガオス・ボッカは一斉攻撃を仕掛けるが、尻尾の一撃で吹き飛ばされる!
よろめく連中の元に、高飛車な笑い声が周囲にこだまする――――
声の主を探すと、いつの間にか竜貴妃がダースドラゴンの背に乗っていた。
『き…貴様は… あの時の魔女!』
『そ…そうだ!オレ達を怪物にしやがった奴だぜ!!』
7 :
粗筋王マロン 6/8:2011/04/24(日) 23:34:20.39 ID:CYjjCqx1
「いかにも! 今こそ教えてやろう! 私の名は竜貴妃!暗黒の支配者、竜王の姉であるぞよ!
さあ、今すぐ降伏しピューめを明け渡すのじゃ
いかにバリバリ隊と言えども、ダースドラゴン相手では分が悪かろう! それに……」
竜貴妃はいやらしい笑みを浮かべると、4本のカプセルを見せるとザン達は驚愕する!
「ホホホッ さすがに目の色が変わったのぉ!
ザンは元ラダトームの一級兵士! ボッカはリムルダールの木こり!
ガオスは昔語りの町、ガライの魔道士!
そしてパタタはメルキドの大金持ちの一人息子であったな…
お前達が万が一にも逆らった時の為に、こうして魔水晶に身体を封じ込めといたのじゃ!
このままダースドラゴンに食べさせちゃおうかな〜〜〜〜?」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110424220325.jpg カプセル… 魔水晶をドラゴンの口に放り込もうとする竜貴妃に大いに焦るパタタ。
『あ…ああ〜〜っ! アレフガルド一の色男と言われたオレの身体が〜〜!!
ザ…ザン! なっ、降伏しようぜ!!』
「し… しかしそれではピューが…!」
『あんなガキの事なんか知るかよ! みんなだって自分の身体の方が大事だろぉっ!?』
パタタの冷たいセリフを聞いたボッカはキッ、と鋭い目つきになった。
「さあ、降伏するのじゃ そしてピューの居場所を…… おおっ!?」
直後、ダースドラゴンの身体が大きく揺れ驚く竜貴妃。
一同が見ると、なんとダースドラゴンの身体を背後からボッカが引っ張っていた!
『き…貴様… 私の言ってる事が分からぬのか! このまま身体を食わせてしまうぞえ!』
『ピューはオラ達に人間の誇りを教えてくれただ!!
オラ、ピューが幸福になれるんなら身体はいんねぇ!!』
心優しいボッカの決意にザン達も驚愕する!
(故郷(くに)のおっ父、おっ母… 許してくんろ! オラやっぱ仲間を見捨てらんねえだ!)
ボッカの決意にザンとガオスも続き、信じられないと叫ぶパタタ。
『お前も来い!!』 …結局、パタタはガオスに尻尾を掴まれ無理矢理攻撃に参加する事になった。
8 :
粗筋王マロン 7/8:2011/04/24(日) 23:35:10.29 ID:CYjjCqx1
自分の為に死に物狂いでダースドラゴンに挑む仲間を物陰から涙目で窺うピュー。
「みんな…… ぼくのために……!」
しかし、さしものバリバリ隊も強力なダースドラゴンには圧されていった。
「…ぼ…… ぼくだけ…… ぼくだけ逃げちゃいられないやっ!!』
仲間の為に勇気を奮い起し、物陰から飛び出すピュー!
『よせっ、ピュー! 来るなっ!!』
仲間の制止を振り切りダースドラゴンに駆け寄るピュー、捕まえろと叫ぶ竜貴妃。
ダースドラゴンは命じられるまま巨大な腕でピューを掴もうとする!
掴まれる直前―――― ピューはエンブレムの宝石に刺さったままの矢を抜いた!
と、同時にダースドラゴンの腕がピューを地面ごと掴む!
バリバリ隊は驚くが、ダースドラゴンの腕にピューの姿は無かった…???
『い…いない…! どこじゃ!?』
竜貴妃は辺りを見回すと、いつの間にかドラゴンの頭にメタルスライムになったピューがいた!
「こんの〜〜〜〜・・・・・・・ ク ソ バ バ ア 〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!』
反動をつけた液体金属砲弾の体当たりが竜貴妃の顔面に炸裂した!!
悲鳴を上げダースドラゴンの背から落下する竜貴妃、背中で何が起きたのか振り返るドラゴン。
その一瞬を狙い、バリバリ隊の一斉攻撃がダースドラゴンの腹に炸裂した!!
絶叫悶絶し気絶するダースドラゴン。
そして倒れたドラゴンの陰から、土煙りと共にひどい顔がますますひどくなった竜貴妃が現れる。
「お… おにょれ、きしゃまりゃあっ!! おぼえとるがいいじょえぇっ…!!」
そう捨て台詞を残し、竜貴妃は泣きながらその場から姿を消した。ちょっとかわいそう。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110424220338.jpg そして―――― バリバリ隊の勝利の歓声が起こった。
9 :
粗筋王マロン 8/8:2011/04/24(日) 23:36:02.99 ID:CYjjCqx1
喜びも束の間、一同はピューを見つめる。
「バカだな、おめぇも… 何でわざわざ怪物に戻っちまうんだよ」
「みんなを見捨てては逃げられないよ
――それに・・・・・ ぼくにはもう、みんなしか知り合いがいないんだ…」
そう言って寂しそうに滅ぼされた故郷を見るピューに、一同も暗く、無言になってしまう。
「…そっか… そうだよな…
あ〜あ… このまま5人とも一生怪物のカッコしてなきゃいけないのかぁ…」
「いや、人間達だってやられっぱなしじゃないさ
今にきっと勇気ある若者が現れ、竜王を倒しこの地上に光を取り戻すに違いない
そうすれば、オレ達もきっと…!
その日まで、オレ達は影ながらアレフガルドの平和を守ろう! 5人の力を一つにして…!」
ザンの言葉に4人は賛成する。
『よしっ!』 『やるどっ!』 「しょうがねぇ、一丁やったるか!」 「ぼくも!」
かくして、竜王バリバリ隊はアレフガルドを竜王から守る正義の怪物になった
時にラルフ16世の統治する時代……
<終わり>
ピューがダイとゴメちゃんそっくりだw
ダースドラゴンがそんなに強いなら、ダースドラゴン単身で攻撃すればいいのでは。
竜王がもう……いろいろ……orz
DQ1といえば、当時ゴーレム系の目を歯だと思ってたな…
それはともかく竜王様、威厳なさすぎですw
竜貴妃、響きも字面もいいのに絵がひどすぎww
まさに曽我町子そっくりwww
この竜王、勇者に世界の半分を断られたらきっとこういう風に泣いていたんだろうなw
17 :
粗筋王マロン 1/8:2011/04/26(火) 22:58:53.50 ID:G8/UBQic
〜ブイジャンプ平成3(1991)年 6月26日号〜
『DQI秘伝・竜王バリバリ隊 後編』
竜王配下の怪物達はラダトーム城とその周辺の町で大暴れを始めた
逃げる女性の背後に迫るがいこつを、巨大な鉄拳が吹き飛ばした!
女性は恐る恐る振り向くと―――― そこにいたのは我らの正義の怪物、竜王バリバリ隊!
…しかしそんな事を知るはずもない女性は怪物の増援かと思い怯えてしまう。
女性を安心させるべく、マスコット的存在のピューが女性の前に歩み寄る。
「怖がらないで! ぼくは味方さ!」
女性はスライムが喋った事に驚くが、バリバリ隊はザンの号令と共に追撃を開始する。
がいこつの群れをザンの斧とガオスの爪が切り裂き、ピューがすっ転ばしてボッカが踏み砕く!
トドメにパタタの火炎で大サソリを丸焼きにして怪物の群れを撃破完了!
パタタは女性にいやらしく笑いながら近寄るがガオスに強制連行され立ち去った。
―その夜、野営中の一行―
口論するパタタとガオス。
『ちぇっ!せっかくかわいい娘の前でいいトコ見せたのに邪魔しやがって…!』
『当たり前だ!オレ達ゃ怪物の姿をしてるんだぞ!!』
『でもピューにそんなに怖がられてなかったじゃねぇか!!』
「ピューはまだ可愛げがある!お前のツラは醜悪そのものだ!!」
『リカントなんかに言われたかねぇ!!』
そう吐き捨てるとパタタはフテ寝ならぬフテ散歩へと出かけてしまった。
腹にすえかねたガオスはザンに相談する。
「どうする、あの野郎…?あんな調子じゃいつか必ず逃げ出すかオレ達の事を裏切るぜ…」
「パタタは大金持ちの息子だったらしいから、ガマンを知らねぇだ」
――ザンが決めかねていると、ピューは信じるよ、と呟いた。
18 :
粗筋王マロン 2/8:2011/04/26(火) 22:59:36.15 ID:G8/UBQic
「…なんか… うまく言えないんだけど、信じなきゃいけないと思うんだ
ぼく達って… バラバラになっちゃったらもうダメだと思うし… だから…その…」
「…分かったよ、ピュー オレ達は一人欠けてもいけない
5人で力を合わせなければどのみち敵には勝てない… そう言いたいんだろう?」
さすがリーダー格であるザン、ピューの言いたい事はすぐ分かった。
「信じようじゃないか、パタタを ラダトームを竜王の手から守る為にはあいつの力も必要だ」
…だが、ガオスはもはやパタタの事を信じられずフテ寝してしまった。
「しかし何で奴らはあんなに必死こいてラダトームばっかし襲ってくるんだ?」
「ラダトーム城には“光の玉”があるからさ」
「「…光の玉……?」」
元・ラダトーム兵士であるザンは光の玉の伝説を語り始める。
「かつてこのアレフガルドを闇に閉ざしていた暗黒の大魔王に対し、
光の玉をたずさえた勇者が挑み その力をもって見事大地に光を取り戻したと言う…
以来、アレフガルド王家は代々勇者が残した光の玉を平和の証として大切に保管してきたんだ」
それを聞いたピューは、光の玉があれば自分達でも竜王を倒せるかも… と思ったが無理なようだ。
「怪物のオレ達では光の玉を使えない… こうして影ながら城と町を守るしか手は無いんだ…」
「損な役回りだな、今の話を聞いたらパタタの野郎、またブータレるぜ…」
「…でも、信じてるよ パタタだって仲間だもん」
………さて、当のパタタはと言うと…… 何やら鼻、いや、クチバシの下を伸ばしている???
(やった……ッ!超ラッキー!! まさかこんな所に水浴中の女の子がいようとは…)
昼間助けた町娘より美人な娘の全裸を見て、おっぱい目玉になりつつ大興奮のパタタ!
「ずいぶんとお気に召した様じゃのぉ…」
「おう、そりゃもうバッチリ好みの… ん!???」
唐突に背後から聞こえた声に振り向くと――――天国から地獄ッ!見たくもない竜貴妃のどアップ!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110426224350.jpg
19 :
粗筋王マロン 3/8:2011/04/26(火) 23:00:19.08 ID:G8/UBQic
大慌てで逃げ出そうとするパタタだが、彼の身体を鎖付鉄球が絡め取る!
『て…てめぇは“黒の軍”の…! 暗 黒 の 騎 士 ……!!』
パタタを生け捕りにしたのは、漆黒の鎧の騎士であった!
“黒の軍”とは竜貴妃が操る私設兵団である
暗黒竜(ダースドラゴン)を初めとする、黒き力を備えた怪物が揃った
恐るべき部隊なのだ……!
『ちっくしょう! オレをどうしようってんだよ!!』
「なぁに、我々はラダトーム城にある光の玉が欲しいのじゃ
だが、お前らバリバリ隊が影から城や町を守っとるためになかなか容易に近づけん
だからお前に私達の味方になって、力を貸して欲しいんじゃよ〜〜〜〜〜ん」
「もちろん褒美はあるぞ」
『ヘン!みくびんなよ!! オレがそう簡単に仲間を裏切るとでも…思…っ…て…」
一瞬拒否するパタタだったが、突如しげみから出てきた美女に呆気にとられる。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110426224411.jpg 「美しかろう…? オレの侍女ラミだ アレフガルド全土を探し周っても、これ程の女はいまい…」
(アレフガルドの美女かぁ… アレフガルド一の色男と言われたオレとなら…お似合いじゃねーか!)
一瞬下心丸出しの表情で考えるが、我に帰りどなり散らす。
『ハッ だったらどーだってんでぇ!!』
「我々に協力すれば、お前だけを人間に戻してみのがしてやってもよいぞえ
ついでにあの娘もくれてやろう、お前の言う事なら何でも聞いてくれるぞえ
… ぱ ふ ぱ ふ なんかもしてくれたりして……」
ドラクエ名物のぱふぱふに、パタタの下心は激しく燃え上がりメロメロになってしまう。
(ええぞええぞ! 完璧に理性を失っとる… ホーッホッホッホッ!)
――しかし、ラミは悲しそうに黙ってうつむいていた。
20 :
粗筋王マロン 4/8:2011/04/26(火) 23:01:01.45 ID:G8/UBQic
『た…大変だぁ!! やばいぜ!また町が奴らに…!!』
血相を変えて駆けつけたパタタに、一同は町へと急行する。
…しかし町へ着いても周囲に怪物の姿は無かった。
その時パタタが上昇すると、突如落とし穴が現れザン達を飲み込んだ!
直後穴の周囲に杖が刺さり、燃え盛る炎で六芒星の結界が張られ脱出不能になってしまう。
その様子を見に現れた竜貴妃と暗黒の騎士に驚愕するザン達。
『やっぱりあの野郎、裏切りやがった!!』
「…わ… 悪いな、みんな やっぱてめぇの幸福にゃ変えられねぇよな…」
裏切ったパタタを口々に罵るザン・ボッカ・ガオス。
しかし―――― ピューは泣きながらも、まだパタタを信じていた。
「う… ウソだよね… パタタはそんなひどい人じゃないよね… ぼく… 信じてるよ…!」
ピューの涙にパタタの良心がちくりと痛む ――――が……
『う…うるせぇな!! そもそもてめぇのその泣きっ面がイヤだったんだよ!!
これでせいせいすらぁ!!』
そう捨て台詞を残し、上空へと飛び去ってしまった。
「オホホ! さぁ、にっくきバリバリ隊が焼け死ぬ所をゆっくり見物しようかのぉ!」
勝ち誇る竜貴妃に、怒りで肩を震わせるザン。
「こやつらの始末が終わったら… 奴も…」
「ホホホッ… 無論…!」
湖のほとりでラミに膝枕してもらうパタタだが、周囲をキョロキョロ見回し落ち着きが無い。
「どうかなさいましたか…?」
「…い いや 別に… (き 気にすんない… しょうがねぇよ…)」
そう自分に言い聞かせるパタタだが、激しく良心が痛んでいるのは明らかだった。
ふと、パタタはなんとなくラミに自分が怖くないかと聞く。
「ええ、もちろんです」
21 :
粗筋王マロン 5/8:2011/04/26(火) 23:01:55.03 ID:G8/UBQic
「そ… そりゃあよかった でも、安心してくれよ
今でこそこんな怪物の姿してるけど、もうすぐ絶世の美男子に戻れるからさ!
…そしたらオレと一緒に故郷へ帰ろう! 故郷に帰りゃさ、オレんち大金持ちなんだぜ!
キミを連れてったらみんな驚くぞ〜〜〜〜
オヤジなんか、絶対…キミを… よ…嫁さんにしろ…なぁ〜〜んで言うだろうな!」
ウインクしてそう言うと、ラミの顔はみるみるうちに悲しそうな顔つきになって行く。
「……だめよ… だめよ! あなた人間になんて戻れない!!
光の玉を取られたら仲間と一緒に殺されます!!」
突如そう叫びながらパタタに抱きつくラミに面食らうパタタ。
「それに私… あなたのお嫁さんになんてなれない…
だって… 私… 私、本当は…… 人 間 じ ゃ な い ん で す……!」
――が〜〜〜〜ん!! 衝撃の事実に、パタタは激しくショックを受けた!
その頃、バリバリ隊は…… 火攻めに苦しんでいた。
『ピュー、大丈夫か!?』
仲間がピューを案ずると、ピューは泣くもんかと必死に泣きたいのをこらえていた。
「ぼくが泣いてばっかりいたら… パタタは戻って来てくれない! 泣くもんか!!」
―再びパタタ&ラミサイド―
「私はあなたと逆… 暗黒の騎士の魔力によって、人間の姿に変えられた…森の動物なんです…」
『な… なんだってそんな事を…!?』
「私… 人間になりたかった… 人間に憧れてました
そしたら暗黒の騎士が現れて…“オレの言う事を聞くなら人間にしてやろう”って…
だから今までも彼の命令で、たくさんの人をだましたりしました
でも、あなたはだましたくない…
あなたは怪物の姿をしてるけど、本当は心の優しい人だってわかるもの…」
22 :
粗筋王マロン 6/8:2011/04/26(火) 23:02:37.62 ID:G8/UBQic
「でも、奴らの言う事を聞かないとキミは…!?」
『元の姿に戻ったっていいの! これ以上悪い事をしたくないんです!!
だから… だから早く逃げて…!!』
衝撃の事実に震えるパタタの脳裏に、ピューの言葉がよみがえる。
(「もう人間達をやっつけるのはいやだよ!」)
「…やだね… キミの目はそっくりだぜ…… オレの仲間にさ……」
翼でラミの肩をそっと叩くと、パタタの目には決意が宿っていた。
―三度バリバリ隊―
なかなか死なないバリバリ隊をしぶといと吐き捨てる暗黒の騎士。
「どうせこのままほうっといても死ぬ… 城へ光の玉を奪いに行くかの…!」
呑気に高笑いをあげていると、空から急降下してきたパタタの尻尾が再び竜貴妃の鼻っ面にHIT!!
よろめき倒れる際、結界の杖を倒してしまったので炎が消え、穴から脱出するバリバリ隊。
『げげっ! ひ…ひまった!!』
ピューは戻ってきたパタタに礼を言うが、敵を油断させる為の作戦だとうそぶいた。
『大ウソこいてんじゃねえよ!』 『ミエミエだでよ!!』
…やはりバレバレだったが、ガオスもボッカもパタタが戻って来て嬉しそうだった。
すっかり油断していたパタタの身体をまたしても暗黒の騎士の鎖が絡め取る!
「お…おにょれ〜〜〜! しぇっかくあたらひー歯を入れたのに、また…!
やっへひまえ暗黒の騎士よ〜〜〜〜!!』
竜貴妃の指示の元、暗黒の騎士はパタタを激しく地面に叩きつける!
『おとなしくラミといちゃついていればよかったものを… おろか者が!!』
パタタがやられた事にガオスが襲いかかるが、裏拳の一撃で倒されてしまう!
ザンとボッカを援護する為にピューは体当たりを仕掛けるがやはり歯が立たない!
23 :
粗筋王マロン 7/8:2011/04/26(火) 23:09:06.85 ID:G8/UBQic
戦いはザン暗黒の騎士の騎士同士の一騎打ちとなる…が、やはりザンには分が悪い!
『同じ騎士でも貴様などとは格が違うわぁっ!!』
片手であっさり投げ飛ばされ、巻き添えを食ったボッカ共々激しく倒れるザン。
気絶から覚めたパタタはあの鎧さえぶち抜ければと愚痴るが―――― ふと、名案が浮かぶ。
『そ… そうだ! ボッカ!ピュー!例の奴だ!!』
『ええっ!? で でも あれ…痛いよ…」
『死んだらもっと痛ぇぞ!! オレがサポートするから… ぶっぱなせぇ!!』
パタタは渾身の火炎を吐くと、騎士の鎧が溶け始める。
『今だっ!』
パタタの合図にピューは覚悟を決めるとボッカの右手の平に乗る。
対するボッカの左腕はブロックが配列を変え―――― 『 黄 金 の 弓 』 へと変化した!!
ゴールドマン・ボッカは分子の配列を変える事によって
自らの身体の一部を武器に変える事ができるのだ!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110426224429.jpg ピューを矢の変わりに放ち、騎士の溶けた鎧をぶち抜いた!
ぶち抜かれた大穴から魔力が放出され、暗黒の騎士はただの鎧へと戻り崩れ落ちた!
「ほ… ほんなっ…! 暗黒の騎士が…! おにょれ〜〜〜!!
次こそ必ずやっつけてやるからにゃああっ! 覚えとれよ〜〜〜〜っ!!』
捨て台詞を残し、キメラの翼で撤退する竜貴妃。
『ざまあみろ! おととい来やがれってんだ!!』
勝利を喜ぶバリバリ隊をよそに、竜王の城では――――
「…おのれ、バリバリ隊の奴らめ! だが、今に見てろ!!
必ず光の玉を奪いこの地上を再び暗黒の世界へと変えてやるわ…!!」
姉がやられた事と、出番がここだけしかなかった怨みに歯ぎしりする竜王がいたのでした。
24 :
粗筋王マロン 8/8:2011/04/26(火) 23:09:50.26 ID:G8/UBQic
<エピローグ>
ラダトーム城にかかる朝日を見上げるバリバリ隊。
「なんとか光の玉を守れただな…」
「ああ、だが油断はできん 奴ら、次はどんな手で来るかわからんからな」
「そういや、パタタの野郎 またどっかに消えちまったぜ!」
…当のパタタはあの池のほとりでラミを探していたが、もはや彼女の姿はどこにもなかった。
ふと、しげみがガサガサと鳴り、その方向に目をやると―――― 1匹のウサギが現れた。
・・・・・そのウサギの首には・・・・ 見覚えのあるネックレス??!!
『ま… まさか… ラミ…!?』
驚いたパタタは思わず声をかけるが、ウサギは逃げずにただじっとパタタを見つめる。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110426224448.jpg 「おーい! どうしたんだ、パタタ!」
探しに来た仲間達の声が聞こえ、パタタは何でもないとごまかし、もう一度チラリとウサギを見る。
「……なんでもねぇよ……」
そう悲しそうにつぶやくと、パタタは仲間の元へと向かって行った。
そんなパタタ達を、ウサギはいつまでも、いつまでも見送っていたと言う……。
――そのウサギが本当に少女・ラミだったのか…? 真実は誰にもわからない
ただ、パタタはそう思えてならなかった…
ラダトームを舞台にした光の玉争奪戦は まだ始まったばかりだ
力を合わせて頑張れ! 5人の怪物戦士達よ…!!
<竜王バリバリ隊・終わり>
冒頭のパタタが声かけてた女の子、なんとなくレオナっぽくない?
つーかおっぱいキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!! ( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!おっぱい!
パタタ達のモンスター姿が強くなさそうなんだが、よくあれで一般モンスター倒せるな
>>26魔法が掛かってる分、なんか特殊なんだろう多分
魂の力みたいなもんでもあるのかな
さて、ベタだが良い話だったな
この作者はお約束を守るべきところはきっちり守るから好きだ
まったくだ。この2人、というより三条は原作者としてはかなりうまいよね。
まさか続きが見れるとは思わなかったよ。また続き、というか他のメンバーのエピソードも見てみたい!
前回・今回共になんかガオスの性格と外見が合って無さそうに見える…
黄金の弓かっこいいじゃん
便利そうな能力だな
他のメンバーにもなにか特技あるのかな?
うさぎさんおいていくなよー連れてけよー
と思ったが、闘いに巻き込むよりは森にいる方がいいか……
勇者ライディーン思い出した〉黄金の弓
32 :
粗筋王マロン 1/7:2011/04/28(木) 22:58:39.07 ID:FGHvOnC7
〜月刊少年ジャンプ平成13年12月号〜
『DRAGON QUESTW外伝 ―地獄の迷宮― 前編:迷宮の章・A』
多数のモンスターを迎え撃とうとする少年と少女。
「…結構強敵ぞろいよ!気を引き締めていきましょう、ギィン!」
少年に警告を発するのはプラナ(LV32、職業:なんでも屋)。しかし…
「ププッ… 渦潮キングだってさ!変な名前だよなぁ… どんな怪物だと思う?プラナ!」
ギィンと呼ばれた少年(LV11、職業:無職)は図鑑を見て笑っている!?
「図鑑はいいから! 今は目の前の本物をなんとかするのっ!!!」
…さすがにこれにはプラナも呆れつつも怒鳴り散らす。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110428221609.jpg 襲い掛かるマンルースター2匹をベギラマでヤキトリにし、残るは大物だけとなる。
プラナは肩で息を整えながら、魔法の鞘(?)から剣を取り出しギィンにこれを使ってと渡す。
…しかしギィンは剣を受け取らず、何かをキョロキョロと探している…?
*ギィンは あたりをしらべた! なんと はぐれメタル をみつけた!
グレートオーラスの足元にちょこんと混ざっていたはぐれメタルを見つけ、にんまり微笑むギィン!
『きっ… きっ… 来たあああぁぁっ!!』
大喜びで毒針を取り出すと―――― グレートオーラスを弾き飛ばし、はぐメタ目掛けて突進する!!
『今日こそは倒してやる――――っ!!』
…思わずあっけに取られるプラナ。我に帰ると、残ったのはハンババとべレスが2匹ずつ…。
そんなピンチのプラナをよそに、一方、ギィンはとうとうはぐれメタルを木に追い詰めていた。
DQ経験者はご存知の通り、はぐれメタルは守備力が高く逃げ足が速いので倒すのは至難の業。
「でも、この毒針でチビチビ体力を削っていったらどうなるか…
へへっ… すでに4発は刺してるからな、そろそろ…」
33 :
粗筋王マロン 2/7:2011/04/28(木) 22:59:20.65 ID:FGHvOnC7
するとはぐれメタルのピンチを救うように、ギィンの背後からハンババが襲い掛かる!
ハンババは自慢の怪力でギィンを殴りつけるが、ギィンは倒れもせず全くのノーダメージ?!
「なんだよ…? うるせえなぁ…ちょっと静かにしてろよ!」
怒ったハンババは鼻息荒くすると、ゲンコツには〜っと息を吐き…さらに痛恨の一撃の連打! 連打ッ!!
――しかしそれでもギィンは全くのノーダメージ!!
「あ〜〜っ もう! 静かにしろってのが…… わかんねぇのか――ッ!!』
いい加減うっとうしいハンババを頭突き1発でKOさせてしまった!
「せっかくのチャンスがふいになったら…どうしてくれん……」
ハンババを片付けたギィンは再びはぐれメタルを狙おうとするが…… 案の定、逃げられてました。
『ちっくしょお〜〜〜〜っ!! あと1発でいけそうだったのにィィッ!!』
ギィンの悔しさの雄叫びが森に響き渡った……。
その頃、プラナは…… かろうじて無事でした。ただし満身創痍だが。
「な… なんとか大物は追っ払えたわ… 倒してないからお金にはならないけど…
生命にはかえられない……」
折れた剣を握り締め、地に伏して息を荒げるプラナ。
――するとトボトボとギィンがこちらに戻ってきた。
「ギィン! あんたどこに行ってたのよ!?」
「…ああ、すまねぇ…… 逃げられちまったよ、はぐれメタル……」
「あやまるポイントはそこじゃないでしょ!! この惨状を見て何とも思わないの!!??」
「うわっ! ひっでぇやられようだな! お互いツイてなかった…」
『 ど っ ち も あ ん た の せ い で し ょ ー が っ !! 』
思わず怒鳴るプラナ。無理も無い!!
「あんたねぇ!そんな調子だからいつまでたってもLVが上がらないのよ!!
あたしが誰の為にこんな苦労してると思ってんの!!??」
34 :
粗筋王マロン 3/7:2011/04/28(木) 23:00:37.46 ID:FGHvOnC7
「……悪りィな、プラナ……どーもおれ、目当てのモンスターを見つけると我を忘れちまってさ…
今はとくにはぐれメタルLOVEなんだよねっ!」
反省の色を見せたと思いきや…微笑みながらジャケットをめくると、内側にははぐメタバッジ!
「ああ…倒してェ… 一度でいいから、はぐれメタルを…この手で!」
.。oO(……このモンスターフェチめ…!)
「…まあ!そーゆーワケで、勘弁してくれよ!おれとおまえの仲じゃん!」
「…どうしたら吐けるのかしら?そんなドあつかましいセリフがっ……!!」
全く反省の色が無いギィンに拳を振るわせるプラナでした…。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110428221623.jpg .。oO(ホント信じられない!
こいつがあの有名なモンスターバスター一家、ゴルド家の長男だなんて…!)
怒りの余り、せっかくの美人がカッパの様に崩れる程ギィンを睨むプラナ。
“モンスターバスター”!!
それはモンスターを倒した賞金で生きている、プロの戦士達の証である!
モンスターバスターは誰でもなれる。
バスターの証である『魔石』を持ち、モンスターを倒し「転送」する事で
そのモンスターに応じた金と経験値がもらえるのだ。
ただし…… 相手はモンスター!
それで喰っていく事はもちろん、儲かる事などよほどの実力が無いと無理…なのである…!
とりあえず、プラナは倒したモンスターの転送作業を開始する。
ペンダント状の魔石をモンスターの死体へ向けると、死体は一瞬で消えた。転送されたのだ。
「マンルースター2匹で80Gぐらい…かな…」
生命賭けた割に見合わない収入の低さに嘆くプラナ。
この後、宿屋に泊まって2人で20G、薬草代や武器の修理代を考えると…夕食が食べられない…!
「…そりゃ切実だな… さっき倒したハンババ譲ってやりゃあよかったか?」
「ええっ!? ハンババを?…だってあなた、毒針しか持ってないじゃない!呪文だってヘタだし…」
まさかギィンがハンババを倒していた事に驚くプラナ。
「武器とかは関係ねぇよ、頭突き一発で倒したから…」
35 :
粗筋王マロン 4/7:2011/04/28(木) 23:01:32.62 ID:FGHvOnC7
思わずオウム返しで問うプラナに、ギィンは論より証拠と近くの大岩を頭突き一発で粉砕する!
「ははっ、たいした威力だろ? 岩相手じゃちょっと痛いけどよ…」
.。oO(こいつ…もしかしたら、LV32のあたしより強い…?
これだけの力があるのにLV11って、どういう事よ!?)
―その夜―
2人は宿屋で食事をしていた。出されたパンを世界一だと褒めるギィン。
「今日でトータル260Gの貸しだって事忘れんなよ!」
「武士の情け…痛みいるわ… ありがとう、マスター」
おやじさんのトゲのあるセリフにさすがのギィンも縮こまる。
ちなみにギィンが倒したハンババはトドメを刺した訳ではないので、気がついて逃げたようだった。
「あんた本物のアホ? 倒したモンスターを逃がしてやるバカがどこの世界にいるわけ?
『魔石』を使って転送しなきゃ、お金にならない事位知ってるでしょ!
それだけじゃないわ、経験値だって…!
この一週間でひとつでもLVが上がらなきゃ、あんた勘当されちゃうのよ!
そうならないようにあたしがあんたとパーティー組んでるんだって事、ちゃんと分かってんの!?」
「家業がモンスターバスターってのも考えもんだよな…
親父もおふくろもやれ『金かせげ』『LV上げろ』ってうるさいしさ…」
――全く反省の色が無いギィンに詰め寄るプラナ!
「なぁに!明日こそはぐれメタルを倒せば、それで終わりだって!
このバスター専用モンスター図鑑によると――――……
はぐれメタルの経験値はなんとなんと!10050EXP! 一発でLVアップ間違いなしだぜ!」
ギィンの夢物語にため息をつきながら呆れるプラナ。
そんなプラナの気も知らず、ギィンはマスターに水のおかわりを頼む。
「ついでにパンをもうちょっといただけたりなんか…」
「金持ってねーヤツが偉そうな事言ってんじゃねぇ!水が飲みたきゃテメーで井戸からくんできな!」
ごもっともな意見です、マスター。
そんな2人のやりとりに、プラナは頭を悩ませていた。
.。oO(ギィンの両親からつきそいを頼まれたけど、当人があの調子じゃねぇ…)
36 :
粗筋王マロン 5/7:2011/04/28(木) 23:02:18.08 ID:FGHvOnC7
<以下回想>
―ギィンの家―
「LV上げにつきあって欲しい!?」
いかつい強面のギィンの父親と美人で半裸の若々しい母親に頼みこまれるプラナ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110428221635.jpg 「そうなんだよ、プラナちゃん!
ウチの役立たずも幼なじみのあんたのいう事だけは一応聞くみたいだしさぁ」
「ウチは先祖代々、家族全員怪物退治で喰っとるからな…
あいつも素材としては相当いい線いっとるはずなんだが…」
「一度家を出たら鉄砲玉でよ、あまつさえLVは上がらん、金は稼げんでまるでプータローだ」
「ちょっと一緒に旅して性根を叩きなおしてやっちゃくれないかねぇ…?
こんな事、プラナちゃん以外に頼めないのよ」
「オレからも頼む、プラナちゃん!このままじゃゴルド一家存亡の危機になりかねんのだ!」
<回想終了>
.。oO(LV上がらない訳よね…倒した相手を転送してないんじゃ…
あいつの事でなかったら、投げ出しちゃうんだけどなぁ…)
――とは言ったものの、プラナは自分の頬が赤くなっている事に気づかなかった。
「楽しい食事だな… プラナ! ヨッ!」
物思いにふけるプラナの元に現れたのは、いかにもろくでなさそうな3人組。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110428221648.jpg 「……ドッカルス!」
「…聞いたぜ、ガキのお守をしてるんだって?
あんなヘボそうなのとペアじゃまともな生活もできねぇだろ!?」
図星を突かれ、反論できないでいるプラナ。
「名高いなんでも屋のプラナ姐さんがそれじゃ、あんまりだ
…で! バスター仲間のよしみで、オレ達がひとつ金になるイイ話をご提供しようって訳よ」
37 :
粗筋王マロン 6/7:2011/04/28(木) 23:03:03.51 ID:FGHvOnC7
同時刻、ギィンはと言うと…水を腹一杯飲み、空腹を紛らわせ座り込んでいた。
ふと、宿屋の入口を見ると珍しく馬車が止まっている。
「…へぇ〜〜 こんあとこに馬車で来てるなんて… どんなヤツだ…?」
場面は再びプラナへと戻る。
「…その噂は以前にも聞いたわ、『アッテムトの隠し秘宝』でしょ?
でも、あそこの鉱山、今閉鎖中じゃないの?」
その辺はドッカルス達が調査済みのようだ。間違いなく迷宮の奥に財宝はある!
ただ、そこまで行くのが問題なので、ドッカルス達はプラナを用心棒として雇おうというのだ。
今の状態でプラナに選択肢は無かった。
このままジリ貧を進むよりも、一日だけ金を稼いだ方がいいかもしれない…
「…わかったわ、ギィンがついてきちゃうけど、いい?」
「かまわねぇさ、あんなガキいてもいなくても大差ねぇ!」
「プラナちゃんさえいてくれりゃ、オレ達はは文句ないぜ!」
「…やめておくのね!」
交渉成立…… と思いきや、他のテーブルに座っていた顔ごとマントで隠した連中が声を上げた。
「…アッテムト… あそこは富に目がくらんだ者達を亡者に変える所よ
そこの彼女はともかく… あんた達なんかが行ったら、たちまち死霊の仲間入り…
…せめてレベルが30ぐらいになってからにしたら?」
青くなるドッカルス達をあざ笑うかのように、クスリと微笑む謎の女性。
ケンカを売られたと思ったドッカルスは連中に殴りかかる!
――が、ドッカルスの鼻に指を突っ込んで止めたのはギィン!
「やめとけって!このおねーさんにゃ勝てねーよ」
「ギッ… ギィン、でべェ… な…何を根拠に…!?」
「じゃあ見てなよ」 ギィンは鼻につっこんだ指でコップの水をちょっと謎の女性に弾く。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110428221702.jpg ――水滴はマントに当たると、一瞬で蒸発した!
「魔法の達人なんだよ、このおねーさん 一発で黒コゲにされちまうトコだったわけ…!」
38 :
粗筋王マロン 7/7:2011/04/28(木) 23:03:47.72 ID:FGHvOnC7
ドッカルス達は謎の連中の実力を知り、謎の連中は実力を見抜かれ驚き戸惑う。
「…どうしてわかったの?ぼうや…」
「そのマント… ボロに見えるけど、ちゃんと魔法の布で裏打ちしてあるんだろ?
ベギラゴンとかイオナズンとか使えるやつじゃないと、そんな事しないもんな…」
そこまで実力を見抜くとは… ギィン、只者ではない!
するとリーダー格らしき者が立ち上がる。
「…ギィン君だったね…!」
「ああ… ギィン・ゴルドだ!」
「とにかく… アッテムトには近づかない方がいい、死にたくなければね!」
リーダー格はそう警告だけ残し、謎の連中は引き上げていった。
「あいつらだな、馬車の持ち主は… みんなかなり強そうだ…」
実力を見抜いたギィンは謎の連中に敬意を表すが…
反面、ドッカルスは連中を盗賊か何かだと思い込み、秘宝を取られてなるものかと歯軋りした。
――ふと、ギィンは大事な事に気づく。
「・・・・・・で! アッテムトって何だっけ!?」
ギィンの天然ボケに思わずコケるドッカルス達、呆れるプラナでしたw <続く>
おねえさんはマントの中で炎系の魔法使ってるから水が蒸発したの?
それとも魔法の布で裏打ちに水を蒸発させる作用があるの?
ベギラゴンに対抗するのに布も熱いと却って焦げやすいんじゃあ?
無邪気な少年キャラが好きなんだな三条さん
世話女房化してるプラナもいい味だしてるw
>34 レベルを内部パラメータ扱いせず、社会的な制度っぽくしてるのは斬新だなー
金の入手経路も。SF系だと賞金制みたいなのはみかけるけど。
>37> ――水滴はマントに当たると、一瞬で蒸発した!
見抜き方がかっこよすぎる
しかしギィンってなんか変な名前だな
しかしこの制度だと、レベルは柔道の段と同じで、取ってなくても強い奴はいるってことだよな。
レベル上がるごとに体力とかスピードとかが上がるドラクエシステムとは根本的に違うな。
ギィン・ゴルド・・・・・・銀・金(ゴールド)か?
それにしてもママン若くてエロいな(;´Д`)ハァハァ
>>42 ダイのネーミングの多くがベタすぎることをかんがえると
99%それだろうな
じゃあプラナはプラチナか。
ダイ大の名トリオキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
まさかこの3人がまたDQ漫画描いてくれるとは思わなかったぜ!
ダイはいい作品だったけど最終回が物足りなかったな…
というかギィンよ、お前どんだけはぐメタ好きなんだよw
あと鼻につっこんだ指で水弾くなwお姉さんに怒られるぞww
>>43 ああ、言われてみればプラナはそれっぽいな。
じゃドッカルスの元ネタは何かあるのだろうか?
きっとこのろくでなしが何かトラブル起こしてギィンとプラナが尻拭いするんだろうな…
はぐれメタルなんて適当に相手してればそれなりの確率で倒せるだろ?
多対一ならな。
一対一じゃ戦闘開始直後逃げられる事もしばしば。
しかも今回はハンババが邪魔してたし。
>>45 ヒュンケルが「ヒュンと剣で斬る」、メルルが「目がウルウル」、ブロキーナが「武の翁(おきな)」というように
キャラによってはベタなネーミングをするのが三条さんだから
ドッカルス=「どっか留守」=おつむか足元がお留守 で駄目キャラってことじゃないかな。
>メルルが「目がウルウル」
おお、2人は知ってたけどメルルはそんな由来があったのか!ありがとう!
へえ〜、ここではレベルは階級扱いなのか
そしたら、魔石さえ持っていたら人の倒した魔物を
自分が転送しちゃってレベルアップって奴もいるのかな
転送した先で死体はどうなるんだろう??
51 :
粗筋王マロン 1/6:2011/04/30(土) 23:00:54.74 ID:acM5uuru
〜月刊少年ジャンプ平成13年12月号〜
『DRAGON QUESTW外伝 ―地獄の迷宮― 前編:迷宮の章・B』
―アッテムト鉱山前―
完全に廃墟と化したアッテムト鉱山にたどり着くプラナ達。
ただならぬ気配を感じ、冷や汗を流すドッカルス達…
「いよいよだな、頼むぜプラナ…」
「…本当は昨日の奴らの脅しで半分腰が引けてたんだけど…」
…そう、ギィンの冒険心に火がついてしまったので仕方なく来ていたのだ。
一同は鉱山を進む。
するとメタルスコーピオンの奇襲を受けるが、プラナの大かなづちで一撃で倒される!
例によって、魔石で死体を転送する。
「さっすがプラナちゃん!頼りになるぅっ!」
「迷宮探索は得意な仕事のひとつだからね!」
しかしギィンは不満な顔つきだ…。
「ベビーサラマンダ…アンクルホーンにメタルスコーピオンか…
期待して来たのにいまいちの面子だな… は〜〜〜〜」
ため息をつくギィン。実は今まで全然戦ってないのだ!
「あんたも少しは戦いなさいよ!」
「…あ!」 突然何かを思い出したかのように顔を上げるギィン。
「そういえば、アンクルホーンって酒場のマスターに似てると思わない?」
『 そ ん な こ た ぁ 今 は ど ー で も い い の よ ッ !! 』
思わずツッコむプラナ。気苦労が耐えなさそうです(´・ω・`)
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110430223150.jpg
52 :
粗筋王マロン 2/6:2011/04/30(土) 23:01:36.51 ID:acM5uuru
話を元に戻そう。再び探索を続けると… 一行は宮殿のような場所へたどり着いた。
「すごい… 地下にこんな宮殿が…!」
思わず声を出すプラナ、お構いなしに先へと進むドッカルス達。
そしてギィンは…相変わらず辺りをキョロキョロと見回している。
すると―――― 物陰に王冠をかぶった、丸っこい何かを見つけ、声を出さず叫ぶギィン!
.。oO(ああああ〜〜〜っ!! あれはメタル系最大のモンスターと言われる、超幻のっ……!!
“ メ タ ル キ ン グ ” ……!?)
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110430223203.jpg 「何だか異様な気配を感じるわ、ギィン そばを離れないで…」
プラナは警告を出すが… 案の定、メタルキング発見に目の色を変えたギィンはまた消えていた!
『もうっ! 肝心な時にいつもいつも!!』
「いいじゃねぇか、ガキは一人で遊ばせとけよ ここから先はしばらくいねぇ方がむしろ楽だぜ…」
一方、ギィンは… 物陰に隠れ、メタルキングの隙をうかがっていた。
『もらった――――ッ!! !!??』
毒針を片手に飛び掛るが…… 何かおかしいぞ??
さて、プラナ達は…3mはあろうかと思われる、巨大な扉の前にいた。
プラナが鍵を外すと、扉が地響きを立てて上がっていく。
その中は今にも動き出しそうなドラゴンの石像が立ち並ぶ、禍々しい洞窟だった…。
そして―――― その奥には、財宝が光り輝く宝箱!
念願の宝を見つけたドッカルスの子分達は喜びはしゃぎ、駆け出していく。
任務を終え、財宝を見つけた事に安堵するプラナ。
「…これで当分好き勝手が出来そうね! んじゃあ、あたしはギィンを連れ戻しに…」
――すると突然ドッカルスが背後から何やら粉をプラナの顔目掛けぶちまけた!
「なっ… 何をっ!?」
「毒蛾の粉だよ…! ご苦労だったな、プラナ」
53 :
粗筋王マロン 3/6:2011/04/30(土) 23:02:18.37 ID:acM5uuru
「おかげでここまで無傷でたどり着けたっス!」
「プロにノーギャラでここまでやってもらって、ホント感謝してるぜ!」
「あんた… たち… 最初っ…から…!」
「ああ… ハナっから、おまえさんを利用しようって計画でね…」
やはりこいつらはろくでもない連中だった!
毒蛾の粉をモロに吸い込んだプラナはやがて、その場で気を失ってしまった…。
たくさんの財宝を目の前に歓喜しまくるドッカルス達。
宝を詰め込み地上へと戻ろうとした時、プラナが目を覚ました。
「おやおや、ずいぶんと早いお目覚めだな
あの状況でも大して毒蛾の粉を吸い込まなかったらしい… さすがプラナってとこか…」
…ちなみに、プラナは気絶している間に手足を縛られ身動きができないでいた。
「のんびりとその辺で転がってな、オレたちゃその間にこのお宝で高飛びさせてもらうぜ
二度と会う事もねぇだろうが… せいぜいモンスターに喰われちまわねぇ様に上手やるんだな」
「どこに逃げたって… 絶対見つけ出してこのおとしまえつけてやるからねっ…!」
しかし、プラナをはじめ4人は気づかなかった。ドラゴンの像に起こった異変を…。
ドッカルス達が洞窟から立ち去ろうとした時、像が割れ、中から本物のドラゴンが姿を現した!!
このドラゴンの像自体がトラップだったのだ!
――すると頭上から3人の人影が舞い降りてくる。
「…欲深き者たちよ! その黒き血を地獄の魔王の神前へと捧げよ!!」
降りてきたのは3体のガイコツ兵… いや、ドラゴンに跨ったドラゴンライダーだった!!
強敵のドラゴンライダートリオの火炎ブレスから逃げ回るドッカルス達!
「な… なんだってこんな…!?」
プラナはすぐそばに来たドッカルスに縄をほどくように叫ぶ。
「ふ… ふざけんな!てめーだけ逃げようったって、そうは…」
『このままじゃ全滅よ! それとも、あんた達だけでどうにかできる相手だと思ってるの!?』
反論できないドッカルスはしぶしぶプラナの拘束をほどく。
「とにかく全力で戦うしかない…! ヤツらから逃げ切れるなんて思ってたらやられるわよ!!」
54 :
粗筋王マロン 4/6:2011/04/30(土) 23:03:25.99 ID:acM5uuru
魔法の鞘から剣を抜き、ドッカルスに警告を出している隙に尻尾の一撃をくらってしまう!
プラナが倒れ伏しているわずかの間に、ドラゴンライダーは次々とドッカルス達を追い詰めていく。
.。oO(火炎と剣が同時に来る! しかもすでにこっちは一人みたいなもの… ダメかもしれない…!)
何とか立ち上がるプラナだったが、すでに虫の息だ。
ドラゴン達はブレスを吐く準備を追え、狙いを定める――…
『…どこ行ってんのよっ!! ギィィィン!!』
「……おうっ!」
突如聞こえてきた声。見ると、扉の所にギィンが立っていた!
「…すまねぇ、プラナ メタルキングだと思ったら、プニプニしたスライムベホマズンだったよ…!
まぎらわしいんだよな、あいつら…」
『 そ ん な 事 聞 い て ね ぇ ―――― ッ !!!! 』
4人の魂のツッコミがハモる!!
『状況を見なさいよ、状況を!! それどころじゃないでしょーがっ!!』
…しかしギィンのあの顔は状況が分かってないようだ。
「…また欲深き者か…! お前も…死ぬが良い!」
ドラゴンライダー達は一斉にギィンに襲い掛かってきた!
『逃げてぇっ ギィン!!』
…ところがギィンは耳をほじりながら余裕たっぷりのようだ?
「ああ… ドラゴンライダーね!」
なんとギィンはドラゴンライダーの攻撃をあっさりと避けまくり、素手で次々と蹴散らしていく!!
その強さに恐れおののくドッカルス達。
「ちょっと位待てないのかねぇ… こっちにだって色々準備ってもんがあんだから…」
するとギィンは大事な物が入ってるからとジャケットをプラナに預ける。
「あっ! あと長いの一本ね、なんでもいいや!」
何だかよくわからないプラナだが、言われるままうなずいた。
55 :
粗筋王マロン 5/6:2011/04/30(土) 23:04:09.15 ID:acM5uuru
その頃、どこかの教会に馬車に乗った謎のマント一味が訪れていた。
「どうしたのよ? 急に教会なんか来て…」
「…見ろよ、あのギィンって奴の戦闘記録…」
するとリーダー格らしき者は1枚の紙を仲間に見せた。
「こ… これは…!?」
「面白いだろ? 今までずっと…全てのモンスターを 1 匹 ず つ しか倒していない…!
しかもスライムの次はアークバッファローだ」
「10倍位強さが違う奴だ! こんな戦い方が可能…なんですか?」
「可能だとすれば、結論は一つ…!
LV1の頃から… 彼は戦闘に関しては天才的だった、って事さ!」
―再びギィンサイド―
プラナはギィンに言われた「長い物」、鉄の槍を投げ渡す。
獲物を受け取ったギィンは難なくドラゴンライダー2対を倒すと、リーダーは慌てふためく。
『な… なぜだ! なぜこうまでたやすく我らを倒せる!?』
「当たり前だろ! ドラゴンライダーなら一度倒してるし…
大体お前ら、自分で自分の弱点も知らないだろ? そんなこっちゃますます勝ち目ねぇぞ…!
一度勝ったモンスターは負ける気、全然しねぇからな おれは!」
『な…なぜ!?』
「質問の多い奴だな… モンスターの事よく覚えてるからじゃねぇの?
おれぐらい、一日中モンスターの事考えてる奴もいないだろうからな!」
飄々と答えると大笑いするギィン。
激怒したドラゴンは火炎を吐くが、棒高跳びの要領で回避、同時にライダーの背後に飛び乗った!
「剣と炎の連続攻撃は確かにすげぇけど…
炎を吐いた瞬間、竜の飛行スピードが一瞬落ちるんだよな
そこがドラゴンライダーの弱点って訳…! 今のでわかったろ?」
56 :
粗筋王マロン 6/6:2011/04/30(土) 23:04:51.76 ID:acM5uuru
「く… 黙れッ!!』
やけになったライダーは剣を抜いて斬りかかるが、ギィンは指で刃をつまんで止めてしまう!
勢い余ったライダーの腕は骨が剥き出しだった為にあっさりと砕け折れてしまった。
「モンスターにもあるのかな…?カルシウム不足… 怒りっぽいし… 骨も脆いみたいだ…!
ガイコツのくせにそれってヤバいんじゃないの…?」
ギィンはその場で軽くジャンプすると、蹴りの一撃でドラゴン共々ライダーを叩き落とした!
瓦礫にうずまるドラゴンを見て、ギィンの実力を思い知るプラナ。
(…やっぱり… やっぱりギィンは強かった…! すごく強かったん…だわ!!)
しばらく無言の魔が続くと…… 「はぁ〜〜〜〜… つまんねぇ………」
――いきなりの溜息と脱力にスッ転ぶプラナ!
「あんたね――――! あれだけ大暴れしといて何よそれ!!」
「だってさー 一度勝ってる相手だぜ…勝てて当然だろ? いまいち緊張感がないってゆーか…
やっぱ勝った事のねぇ相手を工夫して倒すのが一番面白ぇよ!!」
頬をポリポリ掻いて笑うギィンを見て、プラナもつられて笑い出す。
「バカみたい!そんなだからLV上がんないんでしょ…! ギィンらしいけど!」ププ
そうかなと笑い出すギィンを見て、彼の強さを悟る。
(きっとギィンにとってのたった一度の戦いは、他の何十倍もの経験になっているのね…
だから数値だけでは計り知れないぐらい強い… ギィンは世界一強いLV11なんだわ…!)
プラナが感心していると、突如迷宮が大きく揺れ始める。…地震か!?
――――しかし、その迷宮最深部では強大なモンスターが目覚めようとしていた…!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110430223221.jpg <続く>
ギィン恐ろしく強ぇな…スライムの次はアークバッファローって…
つーかアークバッファローの強さがどれ位だったかそこまで覚えてないけどw
ラストのコマ、あれってまさか…!?
うーん。一匹ずつしか倒さないって言っても、転送してないだけで戦闘不能まで追い込んでるのは
一杯いるんだよな。
倒したのプラナに渡せば金が入るしいいのでは。
>>57 そういえばアッテムトつってたな
DQ4世界完全準拠かな
にしても超強敵のはずのドラゴンライダー相手に
格上の余裕かましまくりでかっこよすぎ。
誰か攻略本でスライムとアークバッファローの強さ比較してくれないか?w
61 :
60:2011/05/02(月) 04:24:23.28 ID:???
まさかこんな時間に起きているのが俺だけじゃなく
>>59もだったとはなw
ううん……ギィンかっこいいけどちょっと萎え
強いのねはいはいって感じ
まさかと思うがエスタークを火薬壺でビビらせる、なんてネタはないよな?
64 :
粗筋王マロン 1/4:2011/05/02(月) 22:34:57.27 ID:s9IrAoHh
〜月刊少年ジャンプ平成14年1月号〜
『DRAGON QUESTW外伝 ―地獄の迷宮― 後編:地獄の章・A』
―アッテムト鉱山入口―
馬車に乗ったマントの連中もここに辿りついていた。
リーダー格が鳴動する鉱山を見上げていると、彼の仲間…恐らく女性が慌てて駆け寄ってくる。
「…大変! やっぱりあのギィンって子達…ここへ入っていったみたい!
村はずれで見かけた人がいたわ!」
「…この気配…… “ヤツ”か…!」
―ギィンサイド―
揺れはどんどん大きくなり、ついに宮殿が崩壊を始める。
地面が割れドッカルス達を飲み込み、ついにはギィンまで飲み込もうとする!
地割れに落ちようとするギィンの右手首にムチが巻き付き、プラナが踏ん張ってくれていた。
『何をボーッとしてるの…! 早くここから出ないと…死ぬわよ!!』
「サンキュー、プラナ… でもよ…今すげぇ気配が…」
――そこまで言うと、ギィンは右手の激痛に悲鳴を上げる!
そう、鞭は鞭でも “ イ バ ラ の ム チ ”だったのだ!これは痛い!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110502220303.jpg 「ちょ…ちょっとこれイバラのムチじゃねーかよ!! 助けるんならもっと別の物で助けて…」
「…死ぬか生きるかの状況で・・・・・・・ ゼータク言うなァ――――!!』」
怒ったプラナは思い切りギィンを引き上げ、ギィンもまた思いっきり悲鳴を上げた!
65 :
粗筋王マロン 2/4:2011/05/02(月) 22:35:43.08 ID:s9IrAoHh
その後、インディ・ジョーンズ並に迷宮を脱出する2人。
…ようやく揺れも収まり、安全地帯まで戻ってきた。
「…おっし、行くか!」
「…そうね、いつまでもこんな所にいても仕方ないし… 地上に戻りましょう」
・・・・・・・が、2人は正反対の方向に進もうとする。(プラナ:地上 ギィン:迷宮)
…なんか会話がズレてる… 嫌な予感がするが、プラナは作り笑顔でギィンに聞く。
「ねぇギィン、念のために聞いとくけど…『行くか』って、どこへ行くつもりなの?」
「いや、そろそろもう一度中に入って行ってもいいかと思ってさ」
『やっぱ“ そ れ ”か――――――っ!! あんた正気!?
今更あんな危険な所に戻ってどうしようってーのよ!!』
「あの連中をほっといて帰るのも寝覚めが悪ィだろ?」
『あたしはあいつらにひどい目にあわされたのよ! 何でわざわざ助けてやらなきゃならないの!?』
あっけらかんと答えるギィンに叫ぶプラナ。
「そんだけ腹立ってんだから、しっかり反省した面拝ませてもらわないとな!
プラナの気も済まないってもんだろ? このまま死なれてもなんだし… とにかく行こうぜ!」
まさかギィンがまともな事を言うとは思わず、軽く驚くプラナ。
(ただの怪物フェチかと思ったけど、さっきもあんなに強かったし…
案外、本質的には正義の味方っぽかったりするのかも……)
結局、プラナも嬉しそうにギィンの後を追いかけるのだった。
そして2人は先程の宮殿へと戻り辺りを調べる。
「こりゃ地震の類いなんかじゃなさそうだぞ
地の底から何か圧倒的なパワーが立ちのぼった…… そんな感じだ」
66 :
粗筋王マロン 3/4:2011/05/02(月) 22:36:28.81 ID:s9IrAoHh
ふと、唐突に誰かの話声が聞こえてきた。
2人は物陰に隠れながら声の主を探すと、魔物が数匹集まって相談をしていた。
「もう…終わりだ…! あのお方が…目を覚まされてしまう!」
「おれたち全員… 生きてはいられん!」
…それなりに強いモンスターが一同に怯えるその存在とは…?
その話を聞いたギィンは目の色を変える。
「そうか…やっぱりな…! やっぱ…すっげぇ大物のモンスターがいるんだ…!」
目を輝かせ、鼻息荒く興奮して喜ぶギィンを見てがっくりと肩を落とすプラナ。
(な 何よこいつ! 最初っから“それ”目当てで戻ろうって言ったんじゃない!!
一瞬でもまともだと思ったあたしがバカだったわ…!
やっぱこいつ 真 性 の モ ン ス タ ー フ ェ チ よ 〜〜〜〜 !! )
……自らの考えが間違っていた事に、プラナは滝の様な涙を流し嘆くのでした。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110502220343.jpg ギィンがワクワクしながら様子を窺っていると、再び周囲が大きく揺れ出した!
今度の揺れは…先程よりも大きく、震源地はかなり近い!
魔物の群れはその揺れにより一層明らかに怯え混乱している!
「予定より早い… 早過ぎる! あのお方には決まっただけの眠りが必要なのに!」
「どうするのだ!? 眠りを妨げられるとその場にいる者全ての生命を奪わなくては治まらん…!」
「何者かが… この宮殿を騒がせたせいだ! 一体誰が…!?」
「知るかっ!」
――そのやり取りを聞いていたギィン達は、どう考えても自分達が原因だと気づき焦っていた。
その直後、どこからかドッカルス達の悲鳴と凄まじい雄叫びが聞こえて来た!
その雄叫びは魔物達を激しく怯えさせ、ついに魔物達は一目散に逃げ出してしまった!
「…あんなデカ物達が声聞いただけで逃げ出すなんで…相当なモンだな…!」
一部始終見ていたギィンは声の主を想像し冷や汗を流した。
67 :
粗筋王マロン 4/4:2011/05/02(月) 22:37:10.57 ID:s9IrAoHh
全く話が進んでない…
最後の魔物が変態っぽい
チンコ見せて大笑いしてるようなポーズ
俺としてはマントの一味が気になるな。あいつら一体何者なんだか。
ギィン達もどうやってエスタークに勝つor逃げるのかも気になる。
>そう、鞭は鞭でも “ イ バ ラ の ム チ ”だったのだ!これは痛い!!
そこを強調してる無理矢理さに笑った。
>…なんか会話がズレてる… 嫌な予感がするが、プラナは作り笑顔でギィンに聞く。
ちょっとした「キャラらしい」笑いシーンを盛りこむの上手いなー
>img20110502220414.jpg
エスタークかよ!この漫画だとどういう扱いなんだろ。モンスターたちに「あのお方」扱いだとすると
やっぱ固有ボスキャラ的存在なんだろうけど、こういうのは倒して転送してEXPやゴールド換算されるもんなのかな。
てか、DQ4のアッテムトに眠ってるエスタークってそもそもどういう存在なんだっけ?古代の魔王みたいなもん?
にしても稲田さんの絵ってシンプルにまとまってて藤子Fみたいで好きだけど
見方によってはコミカルだな。刺されてるモンスターたちが榎本俊二漫画に見えた
>刺されてるモンスターたちが榎本俊二漫画に見えた
想像しちまったじゃないかバカヤロウwww
DQ4のラスボスってデスピサロだよな?
という事は魔物にとってのエスタークって…部活のOBみたいな存在か?
今更だけど。
モンスターと金の関係がアニメの宝石モンスター張りに納得できた。
75 :
74:2011/05/04(水) 00:52:00.64 ID:???
あ、でも。4のモンスター物語のミステリドール貯金箱説はどうしよう?
けっこうマヌケエピソードで好きなんだが。
>アニメの宝石モンスター
アベル伝説?
>ミステリドール貯金箱
あれはエニックス公式じゃないぞ、モンスター物語やアイテム物語懐かしいな、好きだったw
77 :
粗筋王マロン 1/8:2011/05/04(水) 22:59:36.27 ID:xgfHi+OA
〜月刊少年ジャンプ平成14年1月号〜
『DRAGON QUESTW外伝 ―地獄の迷宮― 前編:地獄の章・B』
「お… 落ち着いて下さい…! なにとぞ…お気をお鎮め下さいィィ!!」
「ど…どうか… 今一度眠りに…!」
串刺しになった魔物は瀕死になりながらも、必死でなだめようとするが無残にも殺されてしまう。
目の前に落ちる大量の肉片と血により一層悲鳴を上げるドッカルス達。
――ギィンは直感で悟る。こいつは間違いなく…“ 魔 王 級 ”だ!!
(今まで見た事ねぇや、こんな… 立ってるだけで相手を殺せそうな奴…!参ったね…!)
さしものギィンも青ざめ身震いするが…… その顔は引きつりながらも笑っていた。
それを見たプラナは必死でギィンを止める。どう考えても自分達に勝てる見込みは無い!
「近くにいるだけでも足がすくみそう… あんな目で睨まれたら絶対に逃げられないわよ!」
「…睨まれりゃ…そうかもな… でもよ、あの目を見てみ
あいつはまだ半分眠っている状態なんだ、刺激しなきゃ大丈夫だろ」
「でも…さっき仲間を…!」
「あいつらは奴を止めようとして、多分身体に触れたんだ だから殺された…
音と刺激にだけ反応してるんだよ、地底のモンスターにはよくいるタイプだ」
プラナはギィンのモンスター知識に呆れていると、再び魔王級が唸り声を上げた。
《グ…ゴゴゴ…ゴ… …我が名はエスターク… グゴゴ… 地獄の帝王…!
…何人たりとも我が眠りを妨げる事は許さん… お前達か…? 我が眠りを妨げたのは…!?》
半覚醒状態であるにも関わらず、ドッカルス達に剣を突き付ける地獄の帝王エスターク。
ドッカルス達は必死で違うと叫ぶが……
「……そいつらじゃねぇよ!」
エスタークは背後から聞こえた声に振り向くと、そこにはギィンが笑顔で手を振っていた??!!
「悪ィな、おれがやったんだ! そいつらは関係ねぇから許してやってくれよ」
ドッカルス達はギィンがすぐそこまで来ていたのに気付かず、突然のギィンの出現に驚いていた。
そこへプラナがドッカルス達を助け起こす。
78 :
粗筋王マロン 2/8:2011/05/04(水) 23:00:24.12 ID:xgfHi+OA
「お…お前ら… まさかオレ達を…!?」
「あたしはあんた達なんか助けたくなかったんだからね! ギィンに感謝しなさいよ!!」
一方、エスタークは地響きを立てギィンへと歩み寄っていた。
すさまじい恐怖と威圧感に、さしものギィンも顔が引きつる。
《…お前が我が眠りを妨げたのか!? グゴゴゴ…》
「…ああ エスターク…だったっけ? すまなかったよ…だから許して…!」
《…笑止な、許す訳がない… 例外なく殺す…!》
「そう言わずに…!『地獄の帝王』なんだろ? 器量のデカイとこ見せてよ!」
そう言って微笑むギィン、そのやり取りを扉の前で見守るプラナ達。
《…ふざけた奴だ だが、死ぬ事に変わりは無い…》
「あっそ、じゃあ仕方ねぇな いさぎよくあんたの剣を受けるぜ
…でもせっかく魔王級の相手に出会ったんだ、どうせやられるんだったら…!
『帝王の力』って奴を十分味わわせてくれよな!!!!』
こともあろうに、ギィンは石を拾ってエスタークに投げつけた!
石はエスタークの顔に当たり、激怒したエスタークは凄まじい大声を上げ周囲が揺れ出した!!
「あのバカ!何考えてんのよォ!!」
困惑するプラナだが、ドッカルス達ははギィンの行動に涙する。
「なんて奴なんだ… 自ら囮になってオレ達を救うなんて…!」 「まるで勇者のようッス!」
だが、プラナは知っていた。絶対違う、ギィンはそんな奴じゃない事を!
エスタークが剣を振りかぶり、ギィンは回避準備に集中する。
――しかし思いの外エスタークの剣は早く、ギィンが動く前に鼻の先をかすめた!
さらにもう片方の剣が襲いかかり、ギィンの立っていた岩を粉砕し薙ぎ払う!
すばしっこい敵を捕える為にエスタークは吹雪を吐きだすと、床とギィンの足が凍りついてしまう!
動けなくなったギィン目がけて剣が振り下ろされるが、間一髪の所で足が離れ回避できた!
(…うははっ…ダメだこりゃ! 何にも手出しできね――――!)
エスタークの凄まじい強さを味わうと、ギィンは身軽さを利用して壁に張り付く。
79 :
粗筋王マロン 3/8:2011/05/04(水) 23:01:07.64 ID:xgfHi+OA
(とにかく… まずはあの剣をなんとかしねえと!!)
剣を握る手目がけて渾身の飛び蹴りを食らわせるが、逆に吹き飛ばされ岩に叩きつけられてしまう。
激痛で身動きできないギィンに剣が振り下ろされようとする!
――しかし剣に何かが当たり、エスタークの気が逸らされる。
見ると、プラナがブーメランを放っていたのだった!
ギィンのピンチに見てられなくなり、プラナもヤケクソ気味で攻撃に参加する。
『あんた達は先に地上へ逃げて!!』
エスタークの吹雪を掻い潜りブーメランを投げつけるが、逆にブーメランが破壊される。
迫りくる剣をアクロバティックな動きで回避するが、足を滑らせ尻餅をつく。
……が、その尻の下にはギィンがいた。
「へへ… お前も結構スゴイ女だな… あんなバケモノの目の前を横切ってくるなんてさ!」
『 バ カ ッ !!
なんでこんなとんでもない奴が相手だっていうのにニタニタしてんのよあんたは!!
どういう構造の頭してるの!?』
「…おれ… 笑ってた?」
「今も笑っとるわいッ!!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110504223928.jpg 「ハハ… そっか、それ… おれのクセなんだよな
右も左もわからないガキの頃からさ… くらった事のない攻撃をくらうとな…ドキドキしてきてよ…
こう、口元がゆるんできちまうんだよな…! 確かにバカかもよ、おれって!」
それを聞いたプラナは心底呆れつつ、バッグから鋼鉄の剣を2本取り出し1本を手渡す。
「あんたみたいな変人を一人で野放しにしとく訳にはいかない!
ほっといて心配するぐらいだったら、ずっと側に居てやるわよ!!」
「…さっすが恋女房!」
「バカ!調子のいい事言ってる場合じゃないでしょ!」
真っ赤になるプラナをよそに、エスタークは雄叫びをあげ襲いかかる!
『 行 く ぞ !! 』 2人は生き延びる為、決死の反撃を試みる!
80 :
粗筋王マロン 4/8:2011/05/04(水) 23:02:08.70 ID:xgfHi+OA
…その頃、ろくでなしドッカルス達は… 足をふらつかせながら地上に向かっていた。
「…やっぱ逃げるんスね、オレ達…」
「し 仕方ねえだろ!あんな魔王みたいなの相手だぞ… オレ達に何ができるってん・・・・・ ぶっ!」
前を向いた瞬間、あのマントの男にぶつかった。
そしてギィン達は…一向にエスタークに歯が立たずピンチになっていた。
(…ダメだわ! 叩いても叩いても倒れない!力が違いすぎる…!)
満身創痍の2人にとどめを刺そうとエスタークが歩み寄る。
《…いよいよだ 死ぬがよい…!》
しかしギィンは持ち前の観察力でエスタークの不死身の秘密を見抜いていた。
「非常に防御力や体力が高い」か「驚異の回復力があるか」のどちらかだ。
よく見ると、エスタークに突き刺さった剣が傷の回復により押し出されて落下する。
「あいつは何か“超生命力”みたいなものを持ってるんだ
それを操る中枢部を見つけて潰せれば……! ……プラナ、なんか切り札とかねえか?
あいつが多少なりともダメージを負いそうな攻撃… 何でもいいから」
プラナの攻撃手段はメラゾーマ1発分だけ残されていた。
ただ、これがエスタークにどれだけ効くか分からないし、これを撃ったら動けなくなってしまう…。
「頼む、やってくれ! そしたらおれも…“切り札”を出す!」
ギィンの言う“切り札”――――…… 猛烈に嫌な予感がするが、今はそれに賭けるしかない!
エスタークが両手の剣を大きく振りかぶった一瞬を狙い、プラナはメラゾーマを放つ!
メラゾーマはエスタークのわき腹を大きくえぐり、さしものエスタークもよろめく!
その一瞬を狙って、ギィンは神経を集中させ回復エネルギーを負い中枢部を探る。
――見えた!! 中枢部は……… エスタークの“眉間”!!
暴れるエスタークの頭上に飛びかかり、切り札である“ 毒 針 ”を突き刺した!!
81 :
粗筋王マロン 5/8:2011/05/04(水) 23:02:53.83 ID:xgfHi+OA
…効果が表れたのか、エスタークは両手の剣を落とす。
ガッツポーズを取るギィンだったが、エスタークの手がギィンの身体を掴む!
《…この愚か者めが…! 魔の王たる者が毒針で死んだ話など…一度たりとて聞いた事があるか…!?》
憎々しげにギィンを握りつぶそうとするエスターク。
「プ…プラナ…! 何でもいい… 重いの頼む!」
プラナは言われるまま指示に従い、バッグから大金槌を取りだし、ハンマー投げの要領で投げ飛ばす!
「…あいにくだけどな… こと、モンスターにかけちゃあおれの見立ては…
間 違 っ て た 事 は ね ぇ ん だ ぁ っ !! 』
――エスタークの手から脱出すると、大金槌をキャッチし毒針めがけて振り下ろした!!
今度こそ効いたのか!? 今までとは段違いの絶叫を上げ、ついに倒れるエスターク!
ギィンも力尽き、そのまま床に落下しプラナに助け起こされる。
「やったな…プラナ…! でも、ごめん… 武器壊れちまった…」
「生命には代えられないわ… 地獄の帝王とやりあったんだから…!」
「…それもそうだな…」
「…立てる?」
「あったりまえだろ、この位大した事ねぇよ 腹減ってるだけだよ… プラナこそ歩けるのか?」
「ふふ…そうは見えないけどね…! ギィンが歩けてあたしが歩けない訳ないじゃない…!」
フラフラになりながらも、2人は出口に向かって歩み始めると――――……
《…見事だな… お前達…! グゴゴゴゴ… おかげで… すっかり目が覚めた…!》
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110504223944.jpg ――エスタークが起き上がり2人を見下ろしている。しかも、 完 全 覚 醒 状態で…!
もはや体力も魔法力も、武器も何もない… 万事休す!
エスタークが2人に向かってゆっくりと手を伸ばし、ギィンもプラナも抱き合って覚悟を決める。
82 :
粗筋王マロン 6/8:2011/05/04(水) 23:03:38.71 ID:xgfHi+OA
すると―――― 迷宮の天井を突き破り、稲妻がエスタークに直撃した!!
地面と待機を揺るがすエスタークの断末魔が響き、ついにエスタークは倒れた!
…ふとギィンは後ろを見ると、扉の所に全身マントの一行と、しょぼくれたドッカルスがいた。
「あ…あれは… 酒場で会った…」
「…待ってよ… ここダンジョンでしょ…! 岩盤をブチ抜いて落雷を落とすなんて…」
「…勇者のライデインでもなきゃなぁ……」
・・・・・・・ん? 自分で言って、まさかと顔を見合わせる2人。
男がマントを脱ぐと、その正体は―――― 羽根の様な冠を被った青年!
『『…… 本 物 の …… 勇 者 ぁ っ !!??』』
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110504223958.jpg 続いて勇者の仲間もマントを脱ぎ棄てると、露出度の高い踊り子と軽薄そうな神官風の青年!
「…御一行だ…!」
観念したドッカルスは力なくそう呟いた。
―地上―
「…あの3人組はどうした?」
「教会へ突き出してやりましたよ、それなりの罰を受けるでしょうな」
勇者が仲間と思わしき戦士風のヒゲ男に聞くと、戦士はそう答えた。
勇者を目の前にし、緊張気味のプラナはなぜ助けてくれたのか問う。
「あのギィンという子が只者じゃないと判ったんでね、
ヘタすると最下層まで行ってしまう事もありうると思って後をつけてきたんだ」
「地獄の帝王がアッテムトに眠っている事はおおよそつかめていたんですよ」(神官)
「結構強いのね、あの子! わりといけるクチかも♥」(踊り子)
『姉さん!』(占い師)
「それじゃあ…! 勇者様達から見ても…強いって事ですか?ギィンって!」
83 :
粗筋王マロン 7/8:2011/05/04(水) 23:04:21.96 ID:xgfHi+OA
「私は最後のとどめを刺したにすぎない
帝王はすでにギィンの一撃で9割9分ダメージを受けていたようだからね…
…彼は強いよ、かなりね」
――勇者からのお墨付きをもらい、ギィンの強さが本物だと確信し嬉しそうなプラナ。
「帝王を倒してもまだまわ我々の旅は終わりそうにない 今度彼に会ったら伝えておいてくれ
またいつか、世界のどこかで会おう、とね」
……あれ? 何か話が見えない…。 嫌な予感がし、恐る恐る立ち去ろうとする勇者達に尋ねるプラナ。
「ちょ、ちょっと待って下さい! ギィンそこにいるんですよね!?
いましたよね? さっきまであの馬車の中に…!」
「…いや… さっき軽く挨拶して、すごいスピードでどこかへすっ飛んで行ったよ」
大声で驚き、行き先を尋ねるがさしもの勇者もそこまで分からず苦笑する。
すると馬車から太った商人風のおっちゃんがひょっこり顔をのぞかせ、申し訳なさそうに話し始めた。
「…いやぁ〜… もしかして、なんか余計な事言っちゃったのかな…?
北東の森ではぐれメタルを見た、と言ったらもう血相を変えちゃってねぇ……」
・・・・・がっびょ〜〜〜〜〜ん!
あのバカ、まだはぐれメタルを追いかけて行きやがった!
これにはプラナも愛想を尽かし、その場でフラフラと脱力する。
「…あの娘、男運悪そうだよね! ププ」
『姉さんってば!!』
「ギ・・・・・・ ギ ィ ン の バ カ ア ァ ァ ―――――― ッ !!!! 』
プラナの怒りの叫びに勇者一行も思いっきり驚いた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110504224015.jpg
84 :
粗筋王マロン 8/8:2011/05/04(水) 23:05:08.93 ID:xgfHi+OA
―北東の森―
さて、そのはぐれメタルフェチのバカ、もといギィンはと言うと…地面に寝転がっていた。
(勇者…かぁ… いいなぁ、あいつら 世界中のモンスターを見られるんだろーしなぁ…)
天を仰ぎながらそう考えていると、はぐれメタルが顔をのぞかせる。
念願のはぐれメタル出現に小悪党のようにニヒッとニヤつかせるギィン。
「…まだそんなとこにいやがったのか 笑ってられんのも今のうちだぜ…
今日こそ仕留めてやるかんな…! ナメんなよ…おれのこの武器はな…
“地獄の帝王”にも効いたんだぜっ!!」
ゆっくりと起き上がり、毒針を握りしめるギィン。
そんな事も知らずにはぐれメタルは相変わらずヘラヘラと笑っているのでした。 <終わり>
まさかの天空の勇者キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
これで稲田が描いた勇者って1と3と4か?
よく分からんがドラゴンライダーから攻撃されてもダメージ受けないレベルならエスタークぐらい簡単に倒せるのでは?
>77
>音と刺激にだけ反応してるんだよ、地底のモンスターにはよくいるタイプだ
かっこよすぎる分析力だぜ
>78
>「あたしはあんた達なんか助けたくなかったんだからね!
これって状況によっては恋愛フラグなセリフなのになw
>>82 >岩盤をブチ抜いて落雷を落とすなんて…
言われてみればそうか。三条ワールドではライデイン一つとっても勇者の株が上がるなぁ
しかしその場合、一度ライデイン使っとけば洞窟ルーラの天井ぶつかりが発生しなくなっちゃうな
>>87 >>音と刺激にだけ反応してるんだよ、地底のモンスターにはよくいるタイプ
映画「デッドリー・スポーン」でも目が無いモンスターは音に反応してたな。地底のモンスターじゃないけど。
>一度ライデイン使っとけば洞窟ルーラの天井ぶつかりが発生しなくなっちゃうな
???「知らなかったのか?大魔王からは逃げられない…」
鼻水www
おお〜!
4の勇者キターーーー!
魔法使いってマーニャ姉さんだったのか
怪しい集団かと思ってたらまさかの正当勇者御一行様とは
でもなんかイメージと違うよなw(特にマーニャとクリフト)
勇者なんか目がダイ大のフローラ様ぽいけど、実際に描いたらヒュンケルの目が近くないか?
あとブライとアリーナがいなかったのは残念だ
単体で見ると悪く無い話なんだけど…
なんか踏み台というか、メアリースーというか…
そんな納得のいかなさを覚える
メアリースーって初めて聞いたけど、なるほど、
「ぼくのかんがえたさいきょうキャラ」って訳か。言われてみればそんな気も。
三条・稲田コンビは好きなんで、またいつか何か連載してほしいね。
ところでエスタークの黒目が出た時点で、なんか小物臭くなったと思うのは俺だけ?
やっぱり他にもいたか。
最初から白目のキャラに後から黒目入れちゃいけないね。
ストUのサガットやベガも強敵から一気に弱体化しそうな気配がする
クリフトが不真面目な顔になってやがるwwww
>>92 この漫画は「独特の解釈でシステムなどが再構築された三条版DQ4」って感じだから
そんなに浮いてる感じはしないな
ただ、DQ4側のストーリーに立って考えると、エスタークを倒しかけるほどの重要キャラが
その後の展開に関与するにしてもしないにしても浮いてしまうというのは分かるけど。
(とはいってもメアリースーというほどの域じゃないと思うが)
元々この作者ってDQの竜王と勇者をハドラーとアバンにアレンジしてるような作風だしね。
1,3、4の稲田絵の勇者は見たから、今度は2・5の勇者を見てみたいね
>>95 鳥山明とかなら、シンプルな画風の中でも「黒目あり」なりの脅威感を出してたと思う
稲田さんは良くも悪くも真面目というか、無茶さがないんだよなー
あと三条さんのストーリーも黒目ありの方が強そうに見える演出を作ってないし。
覚醒エスタークを見た時になんか変だと思ったのはそのせいか……
同じ瞳有りのエスタークでも、鳥山絵は恐怖感と威圧感があるのに、
稲田絵で瞳有りだとなんか威圧感がなくなってるよね
102 :
粗筋王マロン 1/7:2011/05/06(金) 23:00:19.47 ID:kp3f5wsw
<第1話:少年、起つ!・前編>
占い小屋のような建物の中で老婆と話す少年。
「本当に… いいんだね、ビィト…!
何度も言うけど、こいつを一度押しちまったら、もうカタギとは言えない
それでも…… いいんだね?」
念を押す老婆の持つ、小さな焼きゴテのような物を見て少年・ビィトは生唾を飲み込む。
「おっ… おう!もちろんだぜ… おれはもうとっくに心を決めてんだ!!
今日こそ… ヴァンデルバスターになるってな!!」
勇気を振り絞り、ビィトはシャツを脱ぎ上半身裸になると―――――― 大・絶・叫!!
無論、焼きゴテの熱さと激痛による悲鳴だ!!
「…痛かったろう?」
老婆の問いに、ビィトは全然と答えるが… どう見てもその顔はやせ我慢です、本当にありが(ry
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110506223824.jpg 「…それどころかむしろ“一人前の男になったぁ!”って感じですがすがしい位だぜ!」
調子に乗ってVサインまで出すが、激痛にうめき老婆も何やってんだかと呆れている。
「よ…よし…! 早速…“あいつら”に見せてやる…!」
ビィトはシャツを手にすると、よろめきながら小屋を後にした。
その頃…… 巨大な門の前で5人の戦士が魔物の群れを蹴散らしていた。
その様子を見ていた町の住人達は、30体以上いた大型の魔物を一瞬で殲滅した事に驚いていた。
「ゼノン戦士団… 大陸一のバスターぞろいと言われる訳だぜ…!」
その余りの強さは雇った住人達でもビビる程であった。
その声は彼ら戦士団の耳にも聞こえていた。
「こんな程度でビビられても困るんだがな…」
――お調子者っぽい風貌の青年“ライオ”。
103 :
粗筋王マロン 2/7:2011/05/06(金) 23:01:01.76 ID:kp3f5wsw
「魔物などは所詮、“奴ら”が戯れに生み出した使い魔にすぎないのですからね」
――長髪の吟遊詩人の様な風貌の、落ち着きのありそうな青年“クルス”。
「それを操っている奴を倒さねば…!」
――仮面に口を覆うマスクの力自慢そうな大男“ブルーザム”。
目深に兜を被った無言の男“アルサイド”。
「…そうだな… オレ達バスターの本当の敵は…… 奴ら…ヴァンデルなのだから……!」
――そしてリーダーである、黒髪の端正整った顔つきの青年“ゼノン”。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110506223839.jpg 『ヴァンデル』!! …それはこの世界での魔人の総称である
それまで闇に隠れし者達であった彼らが、ある日突如地上に現れ
魔物を増殖させ、瞬く間に国々を蹂躙し始めてから… 相当な月日が流れ去っていた
人はいつ終わるともしれないその日々をこう呼んでいた
『 暗 黒 の 世 紀 』……と
ゼノン達が壁の中に入ると門が閉まり、なんと門がライオを見て話しかけた!
《…ありがとう、もう少しで突破される所だった…》
「いいって事よ…!」
ライオは気さくに微笑むが、住人達は戦士団の強さに怯え一歩引いてしまう。
「…へへっ… 好意的なのは『門』だけかい」
「いつもの事でしょ?」(ク)
雇い主らしき老人はゼノンに戦況を尋ねる。
「アイアンライノスが30頭… 門をこじあけようとしていた
あれは自然に大量発生するような魔物じゃない
噂通り… 近くまで来ているんだな、強力な力を持った魔人(ヴァンデル)が…!」
ゼノンの推測に住民達は一層怯え騒ぎ始める。
「く…来るんだ、やっぱり…! “惨劇の王者”!! 魔人… ベ ル ト ー ゼ が !! 』
104 :
粗筋王マロン 3/7:2011/05/06(金) 23:01:45.09 ID:kp3f5wsw
――どうやらこのベルトーゼという魔人、その通り名にたがわず相当有名で強力な魔人らしい。
老人は不安になり、ゼノンに勝てるのかと問うと…
「…その為にこの里に来た!」
「おれも力を貸すぜ! ゼノン!!」
突如聞こえた元気のいい声に一同が振り向くと―――― 声の主は簡素な槍を持ったビィトだった。
どうもビィト、何度もゼノン戦士団の前に現れては迷惑をかけている様子。
「かぁーっ また今日も出てきやがったな、このバカガキめ…!
冷たくあしらわれんのもムカつくが、こういう信者みてぇな奴も困りもんだぜ…!」
毎度の事にライオはやれやれと言わんばかりに頭を抱える。
「おれはお前らの信者でもファンでもないぞ、ライオ!」
「じゃあ何だってんだ!?」
『 期 待 の 新 戦 力 だ !!』
――まさかの答えにスッ転ぶライオ!
口論するライオとビィトのほほえましい(?)光景を見て住人達も呆れてしまう。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110506223852.jpg 「…困ったもんだな、ビィトにも…! あんな連中になついちまって…」
「まぁ仕方なかろう…子供というのは無条件で強い者に憧れるもんさ
熱病みたいなもんでその内冷める…」
そのやり取りを見たゼノンは当然の様に、一言家に帰れと言う。
「な なんでだよゼノン!」
「ボク達の仕事は遊びじゃない…という事ですよ」 「そーそー、オレ達ゃプロなんだからな!」
クルスとライオにたしなめられ、すごすごを帰るかと思いきや…
「そこんとこは心配ないよ 見てくれ!おれもとうとうヴァンデルバスターの契約をしたんだ!
今日からおれもプロだぜ、プロ!」
――冒頭、焼きゴテでつけられた痕を見せつけ、周囲は驚愕の嵐に包まれる!
105 :
粗筋王マロン 4/7:2011/05/06(金) 23:02:28.09 ID:kp3f5wsw
「お…お… おめぇ…!」 呆れと驚きの余り、何度も口をパクパクさせるライオ。
「『ガキの遊びにゃつきあえないから、バスターになってから来い』って言ったのライオだよな!?
だから、すっげぇ痛かったけど我慢して契約してきたんだぞ!」
…言い出しっぺのライオはさすがに本当にやるとは思わず仲間から責められる。
『さぁっ! 今すぐ仲間にしろよ! ゼノン戦士団の仲間にさぁぁ――――!!』
ゼノンが何か言おうと動こうとした瞬間… 陰から何者かが飛び出しビィトをひっぱたいた!
『 バ カ ァ ッ !! 』 ――ひっぱたいたのは少女だった!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110506223912.jpg 「…ポ… ポアラ… 今…大事な・・・ はな・・・し・・・」
渾身のビンタでビィトはKOされ、ポアラは無言でビィトの身体を引きずってゆく。
「……あらら… たいした『期待の新戦力』だわ……」 やれやれと頭を掻きながら呆れるライオ。
その後、ビィトは路地裏に連れ込まれポアラに大目玉をくらっていた。
『バカ! バカ! バカッ!! あんたどういうつもりよっ!勝手に契約なんかしちゃって!!』』
「…うっせぇなぁ… どのみちおれは将来バスターになるって決めてんだからおんなじだろ?」
「両親を亡くしたあんたを育ててくれてる、
ウチの父さんや母さんに申し訳ないと思わないのかって言ってんのよ!!」
「大丈夫だって… おれは世界最強の一流バスターになるんだ
おじちゃんもおばちゃんもきっと喜んでくれるさ ついでにポアラを嫁さんにしてやってもいいぜ!
それなら問題ないだろ、なっ?」
調子づいたビィトは―――― 直後、怒りと恥ずかしさの鉄拳を喰らい壁にめり込み気絶!
「大ありよっ…! 誰がなるかっ!!」
その場にビィトを残し、真っ赤になって大股でその場を立ち去るポアラでした。
106 :
粗筋王マロン 5/7:2011/05/06(金) 23:03:10.02 ID:kp3f5wsw
しばらくして復活したビィトはその場で考え込む。
「うぅむ… どうして誰もおれの話を信用しねぇんだ? やっぱLV1だから説得力ねーのかな…?
よーし! まずは魔物をバンバン倒して昇格値を稼ごう!
何しろおれは“三日三晩戦える男”だかんな! あっという間にLV10位にはなるさ!」
そう決意すると、ビィトは土煙を上げてどこかへと走って行った。
―宿屋兼酒場―
「……三日に一度しか寝ない…?」
主人とおかみさんにビィトの特異体質を聞き、ゼノン達はお茶の手を止める。
「そうそう、ビィトは不思議な子でねぇ
昔っから三日間ずーっと起きていて、その後は丸一日眠る… そういう体質みたいなんだよ」
「遊ぶのも、仕事手伝うのも三日間ぶっ通し
この宿屋の屋根だって、つららコウモリに穴開けられたのをあいつが三日がかりで
一人で直しちまったんだ」
それを聞いたライオはバスター向きだと判断する。
敵を追うにしろ、旅をするにしろ活動時間は少しでも長い方がいいからだ。
「無理無理! その時だって、その後お風呂に入って爆睡しちゃって丸一日浸かってたのよ
身体ブニョブニョになっちゃって…!」
当時を思い出し微笑むおかみさん、考え込むゼノン。
「すまんな、ゼノン あの子にはカタギの暮らしをさせるつもりだったんだが…」
…しばしの沈黙が流れ、気になったライオは様子を見てくると席を立つ。
「…いつもありがとな、ライオ…」
「おっちゃんが泊めてくれなきゃ、この里へ来る度オレ達ゃ野宿だ、気にすんなって…!」
3人が微笑む中、ゼノンはまだ考え込んでいた。
(オレ達バスターの能力と「眠り」との間には大きな関わりがある
生まれつき大きく眠りをとるという事は… あいつも持つのか…あの“力”を…!?)
107 :
粗筋王マロン 6/7:2011/05/06(金) 23:03:53.47 ID:kp3f5wsw
その頃ビィトは……沼でカタツムリのような魔物に腕を噛まれ悲鳴を上げていた。
そんなビィトにライオはため息を吐きつつ、ご丁寧にアドバイスする。
「槍ってのはな、そうやって自分の攻撃間合いの中に入られたらアウトなんだつってんだろーが…」
魔物に噛まれますます悲鳴を上げるビィトに、バスターをやめるなら助けてやると意地悪く言う。
……もちろん、頑固なビィトは嫌だと拒否する。
「…力を抜け!」
突如聞こえた声に2人が振り向くと、いつの間にかゼノンが来ていた。
「…で、でも!すっげー痛いんだぜ…!そんな…!」
「筋肉が締まると余計に牙が喰い込む、一度力を抜くんだ!」
よくは分からないが、とりあえず言われた通り全身の力を抜くとあまり痛くなくなった。
「槍の刃先を短く持って、貝の口の後ろを斬れ!」
やはり指示通りにすると、貝の口が大きく開きそのまま沼に落ちた。
アドバイスがあったとはいえ、初勝利に大喜びするビィト。
そんなビィトを見たゼノンは… 心なしか微笑んでいるようだった。
まさかゼノンがアドバイスしてくれるとは思わず、ビィトがお礼を言うとゼノンはハッと我に帰る。
「ねぇ、こいつの昇格値どの位かな?LV5位にはなった!?」
「バーカ! ガブリ貝の昇格値は最低なんだよ!100匹倒したってLV3が関の山だ」
「・・・・・・・・・思ってたよりキツイ道のりだな……
まぁ、それでもとりあえずやるだけやるよ!みんなが里に居る内に驚く位強くなってやる…!」
ふと、ゼノンはなぜバスターになりたいのかと聞く。
「え? そりゃあ……… ゼノン達みたいにかっこよくなりたいからさ!」
「オレ達の様に…?」
「ああ! ゼノン戦士団は魔人をやっつけて人間を守る、正義のバスターだろ?
だからおれもそんなバスターになりたいんだ!!」
「…正義……ね…」
「…ビィト、バスターは魔人や魔物を殺して生きて行く仕事なんだ…
ハッキリ言って綺麗事だけではつとまらない、カッコよさや憧れだけではもたんぞ」
108 :
粗筋王マロン 7/7:2011/05/06(金) 23:04:36.15 ID:kp3f5wsw
「里の連中のオレ達への態度は見てんだろ?
毎日生命を賭けてんのに、どこへ行っても好かれねぇ… へへ…」
「ある意味魔人扱いだ 無理もない… 敵が人間でないだけで、オレ達は殺し屋と変わらんのだから…
…とても… 正義とは名乗れん」
「そんな事ないだろ
じゃあ、ゼノン達は金が目当てで戦ってるのか? 魔物を倒して自慢したいのかよ?
――違うだろ! 里の人とか…世界中の困ってる人達の為にがんばってんだ!」
「それはそうだが…」
「知らないのか? それを “ 正 義 ” って言うんだぜ!!」
そう言いきると、ビィトはこの沼の貝を全部片付けようとする。
「おれはもう大丈夫だから、みんなは帰って寝てなよ!」
2人はその場を後にしながら、ライオは確信する。
「ゼノン… オレは案外、あのバカ大化けすると見たぜ…!」 <続く>
ああ、これ予告してた新連載か。
これ始めるってことはダイ大続編はないのかね
三条&稲田の新連載キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
でももうダイの天界編は無いのかな…
キャラも設定もダイと地獄の迷宮を合わせたような感じだな。
ゼノン戦士団もかっこいいな。あの中ではなんかライオが一番好きだな。
>闇に隠れし者達であった彼らが、ある日突如地上に現れ
>魔物を増殖させ
>あれは自然に大量発生するような魔物じゃない
モンスターを生みだす魔王みたいな存在が何人もいる世界観ってことか
ところでベルトーゼって名前
ダイのアニメオリジナルでいなかった?
>その余りの強さは雇った住人達でもビビる程であった。
>「ある意味魔人扱いだ 無理もない… 敵が人間でないだけで、オレ達は殺し屋と変わらんのだから…
ダイでもあったな
>「バーカ! ガブリ貝の昇格値は最低なんだよ!100匹倒したってLV3が関の山だ」
経験値が「ゲームの処理上のパラメータ」でなく、世界観に積極的に組み込まれてるのは
前のギィンの話みたいだな。そういえば主人公と世話焼き女の関係も良く似てる
三条稲田コンビの集大成ってカンジになるのかな
スケールでかそう
>スケールでかそう
神脚本の三条だ、きっとすばらしい漫画になると予想!
おお、面白そうな予感!
ゼノン達、最初うさんくさい連中かと思っていたが
結構正統派にいいやつらだった
ゼノンってDQ3の勇者に似てね?
しかしこういう、主人公より強いキャラって主人公のために死にそう(例:初期アバン)
ゼノン達でも倒せないような超強い敵キャラが出て、
「ここは俺達が命にかえても喰い止める、お前には素質がある
いつかレベルを上げてこいつを倒してくれー」的に
ん、これから主人公はゼノン達についていくのかな?
ビィトと口論するライオのシーンが好きだな。
なんだかんだでライオは面倒見がよさそうな兄貴分じゃないか?
おまいらは誰が好きよ?
これ月ジャンだから月一か。下手すると間延びしそうだな。
作者が体力的に週刊連載は無理と思ったのか。
週刊だろうが月刊だろうが隔週だろうが、おもしろい作品になってくれればいいさ
月刊だとペース配分が違うぞ。毎回クライマックスが来るぐらいじゃないと前の話忘れちゃう。
まあ、単行本でまとめて読めば違うんだが人気自体は雑誌でとらないと続けられないからな。
ガブリ回は100匹倒してもレベル3にはならないか
まさかスライムより経験値の低い存在にお目にかかれるとは思ってもみなかった
FC中期辺りの「ハイドライド・スペシャル」なんか、スライム100匹倒してやっとLV2だぜ?
上記みたいに次のLVまでの経験値が根本的に違うのかもしれん。
経験値で思い出したが、この世界にはDQみたいに経験値やゴールドをたくさん持っている敵もいるのかな?
120 :
粗筋王マロン 1/7:2011/05/08(日) 22:58:40.14 ID:hWzwI8Fq
<第1話:少年、起つ!・後編>
夜になってもビィトのガブリ貝退治は続いていた。あの2人のおかげでもうガブリ貝は敵じゃない!
残るはあと数匹…… と思いきや、不意に視界がふらつく。まずい、今日は寝る日だった!
「だめ…だ… こんな所で…寝たら…… あいつらに噛みまくら…れ…!」
水面に浮かび寝てしまうビィトの頭を噛み砕こうとガブリ貝が迫る! ビィトピンチ!
――ふと、異様な殺気を感じ取った沼地周辺の魔物は一目散にその場から逃げ出してしまった!
そこには月明かりに照らし出された、マント姿の魔人の影が映し出されていた……。
――同時に魔人の気配を察知したアルサイド。
同時に門の前には昨夜の魔人とその配下らしき魔物の軍団が逆光に照らされていた。
《…貴様は…!!》
門は襲撃者に驚き、魔人はニヤリと笑う。
その門の内側では、戦闘態勢を整えたゼノン達がいた。
「…限界だな…!」
《すまない! こじ開けられる…! たった一人の・・・・魔人に・・・・!!》
必死の抵抗も空しく破壊される門。
襲撃者は―――― “惨劇の王者”こと、魔人ベルトーゼだった!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110508223300.jpg 同時刻、沼地から起き上がるビィト…… なのだが、里の方向が燃えている??!!
急いで里へ戻ると―――― 大量の魔物の死体の中、魔人とゼノン達が対峙していた。
初めて見る本物の魔人の気迫に恐怖を感じるビィト。
「…やりよる 噂にたがわんな オレをここまで追い詰めたバスターは今まで皆無だった…」
121 :
粗筋王マロン 2/7:2011/05/08(日) 22:59:21.79 ID:hWzwI8Fq
「…それはこちらも同じ事だ」
――ふと、ビィトはゼノン達が装備している奇妙な武器に気付く。
ライオの持つ槍“バーニングランス”! クルスの持つ盾“クラウンシールド”!
アルサイドの持つ銃“サイクロンガンナー”! ブルーザムの持つ巨大な両刃斧“ボルティックアックス”!
ゼノンが身構え念じると、両手の間に光が集まり、翼を象った大振りの片刃剣が現れた!
「そして… このオレの…… “エクセリオンブレード”!
この5人の才牙(サイガ)を同時に抜いた相手は、お前が初めてだ!!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110508223314.jpg (才牙って……身体の中から出すのか…!)
「…これで最後だ、ベルトーゼ! もうあの里に指一本触れさせん!」
「…里? 里か… フフッ、全く構わんよ あんな所には元々何の興味も無い!
お前達がよく立ち寄る場所ならば、別にどこでもよかった事だ!
オレの狙いはお前達5人の首…… だけなんでな!
人間も同じ様な事をしているらしいが… オレ達魔人も強いバスターには報奨をつけていてな…!
お前達5人の命でこれ一つ手に入る… 国一つ滅ぼした所でこの“星”一つもらえん!」
――そう言ってベルトーゼは左腕を見せると、そこには小さな宝玉が4つ埋め込まれていた。
(あ… あんな… あんなちっぽけな物1つのために… みんなの里を…!!)
「つまりお前達5人の価値は一国をも上回ると言う事だ
どうだ?自分の値打ちを他人から聞くと感動するだろう? ……戦士にとって恍惚の瞬間だ!!」
そう言ってニヤリと笑うベルトーゼ。怒りに燃えるゼノン達は一斉に飛びかかった!
――ビィトは見た! 魔人とバスターの…
強さの頂点を極めた者同士の、果てしなき死闘……!!
LV1のビィトにとって、それは天上の神々の攻防に思えた…!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110508223328.jpg
122 :
粗筋王マロン 3/7:2011/05/08(日) 23:00:11.63 ID:hWzwI8Fq
ビィトは青ざめ、ようやく自分がのけ者にされた理由を思い知らされる。まるで次元が違う!
――しかし戦いを見ていると、わずかずつではあるがゼノン達が圧している。
…もしかすると勝てるかもしれない!
死闘が繰り広げられる中、興奮したビィトは思わず大声で応援をしてしまう。
その声に6人はビィトの存在に気付き、ベルトーゼは猛スピードで接近すると彼を捕えてしまう!
「…人質とりやがった!」
「人質…? ちょっと違うな!!』 否定すると同時にビィトの胸に渾身の一撃を叩きこんだ!
吹き飛ばされるビィトを助けようとライオとクルスが駆け寄り陣形が乱れる。
その一瞬を狙い、ベルトーゼの背中から無数の触手状の物が伸び5人を叩きつける!
「ククク… バスターといえども所詮は人間…
オレに比べ、お前達個々の戦闘力ははるかに劣る…!! 陣形さえ崩れれば…オレの敵ではない!」
滅多打ちにされる中、アルサイドはサイクロンガンナーを撃ち土砂の煙幕を張る!
…しばらくして、土煙りの中で立っていたのは息を荒げるベルトーゼだけだった。
「勝った…! 最終的にオレの全冥力と引き換えだったが…
確実に今の攻撃で奴ら5人に致命傷を与えた筈…!!
爆煙で一時姿を隠したつもりだろうが、逃げられはしない…
あとはゆっくり探しだし、くびり殺せば終わり…だ…!」
よろめきながらも、勝利の高笑いをあげ撤退するベルトーゼ。
一方、ゼノン達は… アルサイドがガンナーで掘った窪みに身を隠していた。
「か… かなりヤバいぜ… このままじゃ全滅って事にも…」
弱音を吐くライオをよそに、ビィトの安否を気遣うゼノン。…幸いにもまだビィトの息はあった。
ビィトは弱弱しく自分のせいで全滅寸前になってしまった事を謝ると、血を吐きだした。
ゼノンは何とか助けられないかと方法を模索していると… 一つだけ方法があった。
(だが… それを使う訳には…!)
123 :
粗筋王マロン 4/7:2011/05/08(日) 23:00:53.63 ID:hWzwI8Fq
「ゼノン! お前の考え… オレにも読めたぞ!それでいいじゃないか! 迷ってる場合ではない!」
その考えを見抜いたブルーザムは、よろめきながら立ち上がると才牙を光の玉へと変える。
「…そうか! 瀕死の我々のこの生命でも… 才牙にこめて5つ集めれば!」(ク)
「し しかしそれではみんなが…!!」
「今更水くせぇ事言うなよ、ゼノン
ここにいる全員、みんな一度はお前に生命を救われてるじゃねぇか!」
ライオもアルサイドも迷う事無く才牙を光の玉に変え、4つの光の玉をゼノンに渡す。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110508223352.jpg 「今ここでまとめてくれてやるから、お前の好きに使えばそれでいいさ!
…それによ… 言っただろ? オレはこいつがいずれ化けるって信じてんだ!」 ヘヘッ
ゼノンはビィトの顔を見ると、先程の言葉が脳裏によみがえる。
(「知らないのか? それを “ 正 義 ” って言うんだぜ!!」)
(そうだ…この子の想い…! この子を殺してはいけない…!!)
「みんな… すまん!」 ゼノンも決意を固め、才牙を光の玉へと変える。
全員、顔を見合わせ頷くとビィトの周りに立ち、彼の身体の上に光の玉を浮かべる。
「ビィト、よく聞け!
これから… オレ達5人に残された生命力を才牙に込めて、お前の体内に押し込む
お前だけでも…必ず生き延びるんだ!」
「な…? 何言ってんだよ…! そんな事したら、もう戦えなくなっちゃう… ゴホッ
また…あいつに襲われたら…!」
弱弱しく身体を起こし、無理に喋ったので再び血を吐くビィト。
「ボク達なら大丈夫…!」(ク) 「LV1のくせにいらん心配をするな」(ブ)
ゼノンの合図と共に光の玉はビィトの上で回りだし体内へと入っていく。
「ダ… ダメだよ なんで…そんな… おれなんかのために…!!
お おれなんか… みんなの… みんなの足を引っ張ったのに…!!」
泣きわめくビィトの頬に水滴がポタポタと落ちる。雨か? ――いや。それはゼノンの涙だった。
「…バッカ野郎! まだわかんねぇのかよ!!? おめぇは鏡を見た事がねぇのか!?
…その目、その口、そのはねっ毛…!! 誰かに似てると思わねぇか!!??」
124 :
粗筋王マロン 5/7:2011/05/08(日) 23:01:40.50 ID:hWzwI8Fq
ライオの言葉にどういう事かと目を丸くするビィト。
「今までずっと冷たい態度をとってきましたが…ボク達は、君を本当の弟のように思ってきました
……でも、ゼノンにとっては違う… “ような”ではないんですよ」
――続いてクルスからも言われ、何を言いたいのかうすうす気づき始めるビィト。
「…せめて… お前だけには戦いを知らない暮らしをさせたかった こんな時代だからこそ…
だから物心のつかないうちに、あの里にお前を預けたんだよ
――でも、やはり 兄 弟 なんだな お前も戦いを選んだ…
一緒に連れてってやれなくて…… ごめんな、ビィト…!」
ゼノン… 兄の優しさを初めて知り、ビィトの涙はとめどめ無く溢れ出す。
…ずりぃや… みんな… 最後の最後までおれを子供扱いして…
…プロになったら… 強くなったら仲間にするって約束したのに…
どこに行っちゃうつもりだよ……
…待ってよ… 待っててよ… おれ……
いつか・・・・ 必ず・・・・・・!!
…薄れゆく意識の中、ビィトが最後に見た光景は…ベルトーゼに肉弾戦を挑むゼノン達の雄姿だった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110508223407.jpg ビィトが意識を取り戻すと、そこには心配そうに集まるポアラ達住民がいた。
「ゼノン達は…?」
「…! わからない… どこにもいないの… ゼノン達も…魔人も…」
悲しそうに目を伏せ事実を告げるポアラと共に、ビィトも目を伏せると…
服が破れてはいたが、ケガ一つない自分の身体が目に入った。
125 :
粗筋王マロン 6/7:2011/05/08(日) 23:02:22.44 ID:hWzwI8Fq
「ポアラ… おれは将来…絶対ゼノン達みたいな凄いバスターになる…!
世界中の魔人を全部片付けて、暗黒の世紀を終わらせる男になるんだ…!
…だから…… 今日で最後だ… こんな… みっともない泣き方…する…のは…」
――拳を顔を膝の上で握りしめ、見せない様にビィトは泣きだしポアラにしがみついた。
その泣き声はいつまでも、いつまでも里に響いたと言う……。
あれから3年後――――…… 暗黒の世紀はまだ終わらなかった。
それどころか人間にとってはさらに厳しい日々が続いていた……!
門の前で住人を急かす、成長したポアラの姿があった。
「…本当なのかね、ポアラ…! 魔物が里の中に侵入したらしいって言うのは…!?」
「ええ、それもザコの類じゃないらしいわ… 早く見つけ出さないと…!」
「お前以外にも助っ人のバスターを雇えればいいんだが… ゼノン達ももういないしのぉ…」
この3年の間にポアラもバスターになっていたのだ。
ポアラはビィトの事を思い出すが… 今、この場に彼はいないようだ。
「…いない者の事を考えても仕方ないわ! この里は私が守るからそれでいいでしょ!」
不機嫌そうに吐き捨て、その場を走り出すポアラ。
(…全く…! 3年間もどこほっつき歩いてんのよ、ビィト!!)
「生きてるなら…… 早く出てこいっての! バ カ ァ ―――――― ッ !! 』
思い出すうちにムカムカしてきて、思わず叫ぶポアラ!
126 :
粗筋王マロン 7/7:2011/05/08(日) 23:03:05.68 ID:hWzwI8Fq
――さて、当のビィトはと言うと…… あのガブリ貝の沼から起き上がった所だった。
「…ああ…いけねぇ… またまた丸一日水の中で寝ちまったか… ん?」
一瞬、兜か帽子かと思ったのはガブリ貝が頭に喰いついていたのだった。
「ハハハ よせよせ、おれをかじるとお前の方があぶねぇぞ!
だてに3年も修行してねぇんだ……」
突如ガブリ貝の牙が全て折れ、驚いて口を離してしまう。
「よっしゃあ、ボチボチ…… 暗黒の世紀を終わらせに行くかぁ!!」
大きく伸びをすると槍を手に取り、バスター・ビィトは立ちあがった。 <続く>
良い最終回だった
所構わず寝てしまうって命のやり取りしてるやつにはダメすぎる欠点だと思うんだが
>>127 勝手に終わらすなw
しかし才牙ってなんかダイのノヴァが使った命の剣っぽいな。
若干共通点があるのも三条・稲田コンビだから焼き直しも仕方ないか。
>img20110508223352.jpg
すまん、ここだけ見るとキン肉マンかと思ってしまうw
>今日は寝る日だった!
まだこの設定がしっくりこないなー
眠りにからんだエピソードや描写が増えていけばだんだんしっくりくるんだろうけど。
三条さんのことだからとんでもなく奥の深い設定が隠されてる可能性もあるが
「とりあえずそういうリスクを持ってます」な設定として見るなら
とってつけたようなわざとらしさが目立つ
>沼地から起き上がるビィト……
たしかに都合よく「場面を飛ばす」「急にピンチを招く」「その時行動しなかった説明になる」など
作劇上はすごく便利そうだけど
>オレ達魔人も強いバスターには報奨をつけていてな…!
>お前達5人の命でこれ一つ手に入る… 国一つ滅ぼした所でこの“星”一つもらえん!
魔物は魔物で別系統の出世(?)システムと査定があるんだなw
意外と斬新
・偉大すぎる伝説の先人パーティ
・弱者を命を犠牲にして守る先人
・先人の希望を託される当時まだ未熟な主人公
・スゴい人との血縁がある主人公
こういうベタなお約束要素を堂々ときっちり守るところがやっぱ三条さんの素晴らしさだな。しかし
>「ゼノン! お前の考え… オレにも読めたぞ!それでいいじゃないか! 迷ってる場合ではない!」
しかしベルトーゼが脅威だとして、戦略的にはそれでいいのか?
アバンが秘法でハドラーと一緒に凍結状態になったのはマァムの出産のためという合理性があったが
凄腕の5人がベルトーゼ一人の足止め程度で犠牲になるのはリスクのバランスがとれてない気がする
>わからない… どこにもいないの… ゼノン達も…魔人も…
まあダイでもアバンメガンテ・ポップメガンテetc死はアテにならんものだったから
今回も単純に犠牲になったわけじゃないんだろうけど
>良い最終回だった
>みんな10万パワーずつだ
ワロタ
“星”とやらをくれるのはもっと上位の存在だよね。
ハドラーと大魔王バーンみたいに。それがラスボス?
うん、いい最終回だったな
生き別れの兄、命を託す、特別な武器、別れ、王道ど真ん中な展開だったがむしろ大歓迎
ゼノンパーティーかっこいいじゃん
サイガのデザインも結構いいよな
羽みたいな剣かっこいいし斧もデザインこってるし盾はいかにも何かギミックありそうだし
だから勝手に終わらすなとw
ところで才牙見て思ったが、この世界は重火器が存在するのか?
>寝る日
明らかにビィトに仲間ができる伏線だな。
「奴が眠ってる間はオレ達が守る!」という感じの。
逆にビィトが眠っている仲間を守るという展開もたやすく予想できるな。
>>134 そういう展開の都合が先に予想できてしまうあたりが
「とってつけたようなわざとらしさが目立つ」なんだろうな…
>“星”とやらをくれるのはもっと上位の存在だよね。
あれって強さの目安や名誉なのかな
それとも何らかの能力が上昇すんのかな
善悪双方がシステマチックなレベルアップシステムみたいなのを持ってるのが面白い
「地上の戦禍は、より高位の存在から見れば実は盤上の遊戯にすぎない」
みたいな世界観なのかな
なんかジャンプで今売れ初めてるあの漫画の1話と被ってるような・・・
ゼノンとビィトってそんなには似てない気がするがな
138 :
粗筋王マロン 1/7:2011/05/10(火) 23:00:18.93 ID:nnQZGoZy
<第2話:帰ってきたアイツ!>
冒頭、里の男2人組に向けて短剣を投げるポアラ。
幸いナイフは男を外れ壁に突き刺さり怪我はないようだ。
「ポ… ポアラじゃないか…!」 「な 何をするんだ!? 血迷ったのかよ!?」
「とぼけても無駄よ
“門”は匂いがわからないから上手くごまかせたつもりでいるんだろうけど…
独特の油臭さですぐわかるのよ、あんた達が“ 絵 の 具 人 間(ドローマン)”だって事はね…!
この手の魔物の対処法としては、頭部の破壊…
もしくは体質的に燃えやすいという弱点を狙った…… 炎 ! ! 』
ポアラの火炎魔法が男の身体をかすめ、火が服に燃え移ると男の身体は溶け正体を現した!
――その場から逃げだす、ドロドロの一つ目の人間型魔物・ドローマン。
ポアラは壁に刺さった短剣を抜くと、猛然とダッシュ、追い越しざまに一閃!
…それからしばらく経った後、ポアラは1話冒頭の占い小屋の老婆と向き合っていた。
どうやら老婆は瞳に映った残像を見て闘いの記録を確認しているようだ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110510221416.jpg 「…ドローマン2体か、結構手強いのを仕留めたね」
この戦いでポアラは胸に焼きゴテのような物で胸に刻印を受け、これでLV21になった。
報奨金を受け取り例を言うと、去り際に「MUGAIN 85000」と書かれた手配書を持っていく。
「…やっぱりそいつかい…
ポアラ… 悪い事は言わないよ、魔人に手を出すのはもう少し経験を積んでからにおし
あんたが強くなったのは認めるが… 魔人は魔物とは違う」
「わかってるわ… でもこれ以上放ってはおけない
大丈夫!組んでくれるよその土地のバスターが見つかったの
こいつ程度なら、LV20以上が5人もいれば楽勝よ!」
――門の外へ出ると、件のバスター4人がポアラを待っていた。
139 :
粗筋王マロン 2/7:2011/05/10(火) 23:01:04.19 ID:nnQZGoZy
―同時刻、宿屋兼酒場―
「娘(ポアラ)が…死人沼へ…!?」
「もちろんみんな反対したんだがね… 絶対に大丈夫だと言って聞かんでなぁ…」
老人から話を聞き、不安になるおかみさん…ポアラの母。
「そりゃあポアラも随分腕が立つようになったが…
ワシは3年前のあの日の事が未だに忘れられんのだよ…
どんな魔人にも勝てると思っていた、あのゼノン達でさえも…
あの日以来…ワシには、魔人は人の手に負えるものではない… そう思えてならない…」
青ざめる老人に、ポアラの母も黙りこくってしまう。
「…なんだ?ポアラが危ないのか? おばちゃん!」
戸口で話を耳にしたのか、何者かが宿屋に入ってきた。
その頃、ポアラ達はムガインの住むと言う死人沼に到着した。
「…奴のせいで里の池や沼まで腐っている…! もうこれ以上好き勝手はさせない!
ガブリ貝、アクアドッグはともかく…… 門番の鉄騎貝には手間取りそうね…
できるならやりあわずに入り込みたい…」
そう考えると、協力バスターが内部へ通じる抜け道を見つけてくれていたそうだ。
「本当に? さすがベテラン揃いのプライム戦士団!手際がいいのね」
「報奨金5等分の約束だからな、その分はキッチリ働かせてもらうさ」
抜け道を進みながら作戦を確認するポアラ。
「魔人が現れた時の手筈… わかってるわよね」
「オレ達4人が両手足を封じる… だろ?」
「ええ! とどめは私に刺させて、里のみんなの怨みをこの手で晴らしてやる!」
一行が水路に侵入すると、いないはずの鉄騎貝が水中から現れた!
『こ… ここにも見張りが!』
ポアラが身構えると、背後の階段から不気味な声と共に何者かが降りてくる。
140 :
粗筋王マロン 3/7:2011/05/10(火) 23:01:52.26 ID:nnQZGoZy
「ようこそ、私の城へ…!
どーぞゆっくり見学して下さい ここがあなたの死に場所になるのですから…!
さあ… お相手しましょう… 可愛いバスターのお嬢さん…!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110510221431.jpg 魔人との初遭遇にすさまじい威圧感を感じるポアラ。しかし、もう後には引けない!
プライム戦士団に合図を送ると、戦士団は―――― なぜかポアラの両手足を掴んだ??!!
『な… 何やってんのよ!両手足を封じるのは魔人の方…!!』
――直後、戦士団の身体が溶け、ドローマンとは似て非なる魔物が正体を現した!
『そ…そんなバカな…!』
「そんなもこんなも… 最初からこういう筋書きだったのさ!」
「アンクルスの里の女バスターが、私の魔物達を次々に始末していい気になってると聞きましてね
ちょっとお仕置きを…と思ったのです 全て私の計算通りに運びましたよ…!」
「で…でも匂いが…!」
「オレ達ドローマスターは並のドローマンとは違うんでね!
化ける人間のクセや体臭までも似せる事ができるんだよ…
もっとも…… その相手の身体の一部が必要だがね!!」
ドローマスターは嘲笑うと、体内からプライム戦士団達の 頭 蓋 骨 を見せつけた!
動けないポアラの服の胸元を指で斬り裂くムガイン。
「フム… 10 20…LV21ですね! 私の予想通りの数字です
丁度色々と欲が湧く頃らしいですから… もっと強い敵を倒したい、もっと賞金が欲しい…とね!
それ故にもっとも生命を落としやすい頃でもある…!
そうそう…知っていますか? なぜバスターの刻印(ブランディング)が胸に押されるかを…?
…人間の首や両手両足は簡単に飛んでしまうからですよ…!!」
ムガインの残忍さに青ざめるポアラ、それを見て素晴らしいと笑うムガイン。
「その恐怖の瞳に乾杯しましょう!」
おもむろにワインを飲み干すと、続けてグラスまでバリバリ食べてしまった。
141 :
粗筋王マロン 4/7:2011/05/10(火) 23:02:34.98 ID:nnQZGoZy
グラスを食べ終わると、ムガインは右手を泥の刃と化す。
「あなたの死体はちゃんと里に送り返してあげます
せっかく総数84か所までに広げた私の黒い沼を片づけようとするバカが未だに後を絶たない…
その見せしめにね!
ひと思いに殺しませんから… なるべく恐怖と苦痛にゆがんだ顔で死んで下さいよ…!
人間共をさらなる絶望にうちひしがらせるために!」
刃を舐め不気味に笑うムガイン。
ポアラは何とかしようにも、徐々に手の力が入らなくなり、魔法も弱弱しいのしか出せない。
(だめ…どうしようもない! 甘かったわ!たかが二ッ星の魔人相手にこんな事に…!
ごめんなさい…父さん… 母さん…… ……ビィト……!!)
両親の姿を思い浮かべ、最後に幼なじみであるビィトの姿を思い出す。
――気がつくとポアラは涙をこぼしていた。
「キリのいい所で100は傷口が欲しい所です…! まずは一太刀目っ!!」
ムガインが刃を振りかぶる。万事休す!
――その瞬間、ムガインめがけて鉄球の様な何かが投げつけられる!
気配を察知したムガインはそれを両断し辺りを見回す。
「そこまでにしてくれねーかな、その娘とはこれから一緒に帰って晩飯食うんだから
すっげぇ久しぶりの里帰りなんだ、やっぱ家族全員揃っていないといまいち盛り上がらないし…
なっ! ポアラ!!」
ポアラの危機を救ったのは成長したビィトだった!
殺害を邪魔されたムガインは計算外だと慌てふためく。
「どういう事ですか、ドローマスター達! 報告と違うじゃないですか!
私は計算外な事が一番嫌いなのを忘れたんですか!? 大体、こいつは一体どこの……… ン!?」
ふと、ムガインはビィトの胸の刻印に気付く。ビィトのLVは…じゅういち…??
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110510221913.jpg
142 :
粗筋王マロン 5/7:2011/05/10(火) 23:03:19.31 ID:nnQZGoZy
それを見たムガインは思わず笑い出す。
(ククッ… もっと強い仲間のバスターが助けに来たのかと思いましたが…
よく見てみれば、たかがLV11のボウヤじゃないですか…!
恐らくあのお嬢さんの弟分か何かが我を忘れて飛び込んできてしまったと言う所でしょう
うむ! よし! それならつじつまが合う! 計 算 通 り で す ! )
『…だがしかーし! 私の完璧な計略を乱した罪は、とてつもなく重ォォい!!』
そう叫ぶとドローマスターに攻撃を命じ、4体は一斉に攻撃を仕掛ける!
――ビィトが切り刻まれる音を聞き恍惚に浸るムガイン。
ポアラは折角の再会の直後にビィトの死を思い浮かべ青ざめる。
「クク… お嬢さんには少し刺激が強すぎましたか… ねっ!!??」
ムガインが目にしたのは、一瞬でドローマスターを全滅させポアラを救出したビィトだった!
「よっ!待たせたな、ポアラ」
「「待たせたな」…?「待たせたな」ですって!?
何年待ったと思ってんのよ!! そんな…ちょっと待ち合わせに遅れた様な言い方しないでよ!!」
今までの事を思い出し、腹が立ったポアラは何度もバカと連呼する!
「…ポアラはおれの顔見る度にバカバカだなぁ… ま…利口な方じゃねーのは確かだけどな!」
少々呆れつつも開き直るビィト。いいのかそれで。
一方、ムガインはドローマスターが一瞬で全滅した事に戦慄していた。計算が合わない!
(い… いや…!そもそも冷静に考えてみれば、あのボウヤがここに居る事自体がおかしい…
女を誘い込んだ裏口は閉鎖済み! 城の周囲には門番として鉄騎貝2体とアクアドッグ11匹…!)
よろめきながら恐る恐るどうやってここへ入ったのかと聞くムガイン。
「どうやってって… 門以外にも入口あるのか?」
「…と言う事は、門番の目を盗んで入ってきたと…?」
「門番って…… 鉄騎貝ならやっつけたぜ」
『けっ 計算に合わん事を言うなァッ! LV11の分際で!!』
この世界ではLV11では到底、鉄騎貝を倒せる訳が無いのだ。少なくともムガイン的には。
「そんな事言われても… さっきお前に投げたぜ、見てみろよ そこ!」
143 :
粗筋王マロン 6/7:2011/05/10(火) 23:04:05.29 ID:nnQZGoZy
――ビィトの指差す方を見ると…… 先程のは鉄球などではなく、鉄騎貝の首だったのだ!
これを事実と受け止めたムガインは部下の魔物に一斉攻撃を命じる!
しかし魔物の大軍にビィトは顔色一つ変えず槍を身構える。
「ポアラ、とっとと済ませて帰るぜ! おばちゃんの自慢のスープが冷めない内にな!」
ポアラも同意し、2人のバスターは反撃開始となる!
次々と魔物を倒していく様子を、焦りながらムガインは観察している。
(落ち付け…落ち着くのだ…! まだ…これでなんとかなる!なんとかなるはず…計算上!)
ビィトが魔物を倒した一瞬の隙を突き奇襲を仕掛けるムガイン!
振りかざす刃をビィトは槍で受け止めようとするが、柄はあっさりと斬られてしまう。
「あちゃっ! おれの手製の槍が…!」
「グフフ…これで武器無しですよ…! 少々強くても、もうどうしようもないでしょう…!」
勝ち誇るムガイン、ビィトのピンチを知るポアラだったが手が離せない!
しかし、ビィトは顔色一つ変えずまだまだ余裕だった。
「お前ってさ――――…… 案外弱いだろ?
二ッ星でも強えぇ魔人はいっぱいいるけど、みんな自分が前線へ出て行くタイプなんだよな
お前みたいにちょっと危なくなったら、魔物をけしかけたり不意打ちしたり…
そんな奴に強えぇ魔人はいねーよ おれの経験上ね!」
『か… 駆け出しが一流みたいなセリフをォォッ!! 私の計算を乱す奴は消えろォッ!!』
ビィトの挑発に見事ブチ切れ刃を振りかぶるムガイン!
『あぶないビィト!!』
「あいにくだけどよ… お前なんかにやられる訳にはいかないな…!
おれにはこれから…まだ山ほどやる事があるんだ! …そうだろ、みんな!」
144 :
粗筋王マロン 7/7:2011/05/10(火) 23:04:47.20 ID:nnQZGoZy
光の玉を創りだすビィトの背後にゼノン戦士団の幻が見える。
いや、今ビィトがやろうとしている事は… まさか…!
――ビィトが作成した才牙は―――― ライオが使っていた『バーニングランス』だった!
バーニングランスの繰りだす炎の一閃でムガインは上下に両断された!!
「バッ… バカな…! こんな… 低LVのガキが… 才牙まで…! 計算に…合ってな…い…!」
ビィトの力に驚愕の表情を浮かべたまま、ムガインは泥となり溶け崩れた。
ボスがやられた事で魔物達は逃げ出し、ポアラもまたビィトが才牙を使った事に驚き固まっていた。
「…ビィト… あんた…使えるの? 最強のバスターの証… 才牙を!!』
「まぁね! こいつが使えないと魔人達とは互角には戦えないし…
これからの大仕事にも差支えがあるからな!」
「大仕事…?」
「前にも言ったじゃねーか この手で終わらせてやるんだ、暗黒の世紀をな!!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110510221445.jpg <続く>
五個受け継いだから五種類使えるのか。そりゃ無敵だな。
使えば使うほど長く眠るとかなんかの制約があるのか?
今回も良い最終回だった
最終回最終回言ってる奴はこの作品のアンチなのか?
盲目で記録を見る…って、はて、何か他の作品で見たような…?
>>145 この手のお約束だと「5種類使えるが本来の性能は発揮できない」ってのがあるな
ダイ大でアバンストラッシュが未完の奥義だった時期があったし
当面は使いこなせない才牙を使いこなせるように〜って感じに成長してくんだろうな
しかし五種類も武器があったら、仲間の才牙がかぶらないよう考えるのが面倒そうだ
ジョジョを見てると、最初はシンプルな武器だが、後の方に出てくる仲間ほど武器は特殊能力付きってことになりそうだ。
> そうそう…知っていますか? なぜバスターの刻印(ブランディング)が胸に押されるかを…?
> …人間の首や両手両足は簡単に飛んでしまうからですよ…!!」
つっこまなければ気にしない部分にもいちいち納得いく理屈がついてるとこがすごいよなー三条サン
>ビィトのLVは…じゅういち…??
> そんな奴に強えぇ魔人はいねーよ おれの経験上ね!」
どっかのモンスターマニアとこれでもかというほどかぶりまくってるな
分析力といい、レベルの割に強いところといい
魔人は魔物とは別格なのは分かったけど
魔人にも低レベルなのがけっこういるみたいだな
魔王クラスが複数いて星争いと群雄割拠の戦国時代みたいな状態だとイメージしてた
>>148 ヤリと剣と斧と盾と銃だっけ
盾や銃器がアリなら、
大砲型やマァムの魔甲拳みたいな装着型、
さらにはタケコプターみたいな飛行能力兼凶悪な刃物兵器みたいなのがあってもいいな
>>150 だってギィンとプラナはビィトとポアラのプロトタイプだしな
地獄の迷宮のアイデアを一部流用してるっぽい>当作品
そういえばファンタジー物と言えば主人公の武器は大抵剣だけど、
ビィトは素の状態でも槍を使ってるのが珍しいね
ムガインのモデルって
『はねるのトびら』に出てる「塚地むが」かな
ググってみた。確かに顔はそんな感じだな。
計算ずくなのも似てるの?
>>152 槍はリーチの短さを補うため、とかまた設定ついてるのかもね
腕やら首がふっとんでもレベルが分かるように胸に印をつけるってことは
あれは個体認証もできるものなのかな
槍を使う主人公と言えば、「うしおととら」を思い出すが他にあったっけ?
ジャングル黒ベエ
古!w
だまされる女キャラ、両手両足を拘束
軟体生物(貝)っぽい敵キャラ
服の胸元を切り裂く
ひと思いに殺しませんから…
ここまでやっておいて何もしないでやられるとは・・・畜生、魔人め許さん
隻腕の戦士とかいるだろうから、両手両足に刻印がない理由はわかるけど、首が落ちたらもうだめだよなぁ…
魔人が刻印を集めやすいようにしている?
なら、占い小屋の老婆もグルなのかなぁ…
顔に刻印するわけにもいかないから胴なのでは。
>>159 このスケベ!w
>>161 現実のどこかの部族みたいに、顔にペイントなり入れ墨なりという方法だと
漫画的に見づらいし、かっこ悪いから胸が正解だろうね。
あと今回みたいに、女性だったら微サービスも兼ねているのかもしれんw
この世界では魔人の強さは星の数に依存するみたいだな。DクラスとかSクラスとかそんなん。
だとするとベルトーゼは強さも見た目も超魔ハドラーぽいから、星の段階は5つまでだとすると
DQ・ダイ大で例えると強さの基準はこんな感じだろうか?
星1つ:DQ4のピサロの手先
星2つ:デルムリン島脱出後のライオンヘッド
星3つ:改造前のハドラー(15年前)、ボラホーン参りました!
星4つ:ラーハルト、魔剣戦士時代のヒュンケル
星5つ(多分最高ランク?):超魔ハドラー、バラン
(バーンとかもっと上の存在もあるらしいが、これらは除外)
>>160 むしろ首の方が胴体より集めやすいのでは。
でも、瞳を見て敵を倒した状況が分かる技術が魔人側にもあるなら実物持って行く必要もないよね。
胸に刻印はむしろ人間側の都合でしょ
簡単に飛んでしまう手足に付けて飛ぶたびに刻印し直すのは一々手間だし
首やら胴体がチョンパならもれなく死ぬので最刻印の必要もないって感じで
魔人「腕に星をつけたよ! でも腕を斬り飛ばされちゃったよ……」
人間「じゃあこっちは胸に刻印しよう。頭が無事なら顔で判別できるし、胴体が無事なら刻印で判別できる」
こういうことか
>>163 でもベルトーゼが当時4つ、ゼノン団倒せばもう1つもらえるわけで
5が行き止まりってのはなさそう。
作者の好みなどでダイなどの世界観と共通性があると見るなら
正義・光が五芒星、悪・闇が六芒星だから
それを踏まえると星6つが悪の究極の存在(六芒星魔法陣も作れるし)の方が
しっくりくると思う
しかし星2コでムガイン程度のザコ(ポアラくらいの未熟バスターにとってはやや脅威だろうけど)
3年前の星4ベルトーゼが、伝説のバスター集団5人を相手に有利に戦うレベルだから
●次の星までのレベルの開きがものすごく大きい
(ベルトーゼですら4つなのだから星一つでバスターのレベル10〜15くらいに相当しそう)
●ベルトーゼの場合、5つめの星をもらえる寸前(星4.9コ分くらい)までの実績や経験を積んでる
●ビィトのセリフにあるように
>二ッ星でも強えぇ魔人はいっぱいいるけど、みんな自分が前線へ出て行くタイプなんだよな
同じ星数でもタイプはいろいろ。つまりは経験値や手柄の稼ぎ方と強さが比例してるとは限らない。
ギィンみたいにものすごく実力持ってるのに、経験値に興味がないせいでレベル11みたいなことも、
その逆に他人の手柄をかっさらうなどのずる賢さで、実力に見合わない星を集めてるヤツもいるんだろう。
などが考えられる
つまり、必ずしも星の多さと魔人の強さは比例しないってこと?
ミシュランだって味だけで星をあげてるわけじゃないからな
170 :
粗筋王マロン 1/7:2011/05/12(木) 22:59:19.09 ID:mWRRzRNf
<第3話:旅立ちの時!>
夜、宿屋にて…妻からビィトが帰っている事を聞き、食堂へと向かう主人。
ドアを開けると、そこにいたのは・・・・こちらに背を向け座っているゼノン??!!
「よぉ、おじちゃん!久しぶり!」
その声に振り向き挨拶するのは……もちろんビィト。主人は一瞬ゼノンと見間違えたのだ。
ビィトと主人は再会を喜ぶが、娘(ポアラ)がテーブルに突っ伏して寝ている事に気付く。
「疲れて寝ちまったみたいだな…
人前でバッタリ寝ちまうのはおれの得意技のはずなんだけどね…」 へへっ
ふと、ビィトは主人が左手をケガしている事に気付き問い詰める。
「ああ…これな… 死人沼のムガインの影響で、今 里中に数え切れない程の黒い沼が出来てしまってな…
全ての沼には泥トカゲが住みついてるんだ、ヘマして噛まれりゃこうなる…!」
おかみさんが言うには、一応これでもよくはなっているらしい。
「最初の1年なんか、全く腕が動かなかったんだ 薬代もバカになんなくてね…」
――ポアラがバスターになったのは、父や住人の仇を取るのと、薬代を稼ぐ為だったのだ。
「こいつにゃ苦労かけっぱなしでな…」
その話を聞いたビィトは主人に納屋の槍を借りると言うと、上着をポアラにかける。
「ちょっと出てくる」
2人はビィトも休めと心配してくれているが、ビィトは今日一日寝たから大丈夫と言う。
「大丈夫! みんなが寝てる間に、おれがちょっとだけいい明日にしておくよ!」
…どういう事か分からず首をかしげる主人達をよそにビィトは出かけて行った。
171 :
粗筋王マロン 2/7:2011/05/12(木) 23:00:09.15 ID:mWRRzRNf
―翌朝―
目覚めたポアラは自分にかけられたビィトの上着に気付き…… 妙に外が騒がしい???
人だかりに行ってみると―――― そこには泥トカゲの死体の山があった!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110512223526.jpg 住人達の話を聞くと、たった一晩で黒い沼が消えたらしい。
その話を聞いてポアラはビィトの仕業だと確信するとその場を走り去った。
(…凄い! 凄い凄いっ! どうしてLV11なのにこんなに強いのかよくわからないけど…
とにかくビィトは凄いわ! これでもうどんな魔人が来ても大丈夫… この里にはビィトがいる!)
ふと、ポアラの前方にビィトの姿が見え、を呼びとめると上着のお礼を言い返却する。
「それとォ…」
「丁度よかった!ちょっと一緒に来てくれよ、鑑定小屋(ハウス)にさ!
ヘタすりゃ一人じゃ持てねぇ…」
そして―――― ビィトとポアラは金貨の詰まった袋を4つ、宿屋に持ち帰った。
当然、主人とおかみさんは何事かと面食らう。
「換金してもらったんだよ、おれの報奨金! 3年分位たまっててさ…」
『さ… 3 年 分 って…!?』
「鑑定小屋のばーさんに怒られちまったよ、「もっとこまめに換金に来い」って!
さすがに目ん玉も痛ぇや…」
……どうやら何回も目を見開かれたらしい。鑑定人のばーちゃん、お疲れ様です。
「なんだってまた、こんなにたまるまで……」
その答えはただ“ め ん ど く さ い か ら ”! 思わず脱力する2人。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110512223539.jpg 「LV10位までは烙印も面白かったんだけど、だんだん面倒になってきて忘れてたんだよ
でも、よく考えたらおれも結構魔人倒してるし、金もあるはずだって昨日思ってさ…
鑑定小屋に行ってびっくりしたよ、おれが L V 2 8 だったなんて……」
――ビィトのLV11にふさわしくないあの強さの秘密はこれだったのだ!呆れるポアラ。
172 :
粗筋王マロン 3/7:2011/05/12(木) 23:01:07.63 ID:mWRRzRNf
「そんなマヌケなバスター…あんただけよ、ビィト!」
「ハハ… ビィトは昔からそこらの奴とはスケールが違うからな…」
ビィトを小突くポアラ、そんな2人を見て笑う主人とおかみさん。
「さぁーてと… じゃあおれ、そろそろ行くわ!
里の沼も全部キレイになったし…その金はおじちゃんの治療代とか、バスターを雇うのに使ってよ」
……え?? 行くって、一体どこに…?帰ってきたんじゃないのか?
「3年間、外の世界で修行してきたけど いよいよこれからが本番だ
今以上に強くなるには、もっともっと遠い外の世界へ出ていかなきゃならない
そこにはとんでもなく強い魔人がウヨウヨいるんだ、世界を闇に変えてる張本人達がね…
そいつら全部をやっつけるまで、多分帰れなくなると思う
それを言いに…… ちょっと里に立ち寄っただけなんだ」
ビィトの告白に当たりは静まり返る。きっと止めても聞かないだろう、昔からそうだったから。
「そうだな… 『世界一強いバスターになる!』と何度聞かされた事か… がんばってこい!
まあ、これが最期の別れって訳でもねぇしな…」
「そうよ… いつでも顔見せに帰って来ておくれ、ここはあなたの家なんだからね」
固くビィトの手を握りしめる育ての親に、ビィトも少し赤くなる。
……が。不愉快なのが約一名。もちろんポアラだ。
『父さんも母さんも… こんなバカの言う事を鵜呑みにして!
“暗黒の世紀を終わらせる”!? ビィト… アンタ本気で言ってたの!?』
「おれはいつだって本気だぜ、ポアラ」
「…信じられない…! 何が“正義のバスター”よ! 子供みたいな事言って…
みんな…みんな自分の暮らしを守るのが精いっぱいだって言うのに…!!
一緒に… この里を守る為に帰って来てくれたと思ってたのに…!
ちょっとばかり強くなったからって図に乗って…!」
「ポアラ… 自分以外の人達の暮らしも守れるバスターなら、ちゃんといただろ?
ほら、このテーブルに…… いつも5人で腰かけてたじゃねーか」
懐かしそうにテーブルに触れるビィト。――そこには今でもゼノン戦士団がいるように思えた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110512223552.jpg
173 :
粗筋王マロン 4/7:2011/05/12(木) 23:01:53.67 ID:mWRRzRNf
「だからおれは正義を信じられるんだ… 理屈じゃなく、ああなりたい!
ましてやおれの生命はあいつら5人にもらったものだし…
だからおれは5人分強くなって、正義のバスターになりたいんだ!」
……それでポアラは納得してくれるかと思いきや… ひとことバカと叫んで飛び出してしまった!
…どこかの路地裏で塞ぎこむポアラ。
(ムチャよ、ビィト…気持ちは分かるけど…強くなってるのも分かるけど…!一人じゃいつか…!
ビィト… ダメだよ… 絶対行っちゃダメ…!)
その頃、ビィトは竹槍を持って門の前にいた。
《…待て、ビィト! 魔人が一人待ち構えている!》
「それだったら問題ないぜ、開けてくれ!」
そこまで言われると門は命令に従うしかない。気をつけろと忠告し門は開いていく。
待ち構えていたのは―――― 予想通りムガインだった!
「探す手間が省けたぜ、鑑定小屋のばーさんからお前の分の報奨金をもらえなかったからな…
死んでないのはわかってたんだ」
「これが最後の勝負ですよ、ボウヤ…!」
「そのつもりだぜ、お前がいちゃいくら里をキレイにしてもまた汚されるからな…!
でも案外、正々堂々とした所もあるんだな
そっちから出向いてくるなんて… ちょっと見直した・・・・・・!!???」
――ふと、ビィトは失ったはずのムガインの下半身に注目する。
よく見ると…… ドローマスターや鉄騎貝など、配下の魔物が寄り集まっているではないか!
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174 :
粗筋王マロン 5/7:2011/05/12(木) 23:02:37.70 ID:mWRRzRNf
「“見直した”ってのは取り消しだ… ひでぇ事するんだな… 再生の為に手下を喰うなんて…!」
「キミに斬られた半身を復元するには大変でした…
ドローマスター4体、鉄騎貝5体、アクアドッグ9…
――まぁいいです、とにかくキミの才牙の威力がそれほど凄いと言う事です
キミは強い… 認めますよ、素直にね!」
そう叫ぶや否や、ビィトの背後の地中から土くれの腕が現れ全身に捲きついた!
「才牙がいかに強力でも、手が使えなければ扱えないのでは…? クックックッ」
ビィトは必死に拘束を振りほどこうとするがなかなかほどけない!
もがいている内に、ムガインは笑いながらにじり寄る…。
「そのまま私がやられたのと同じ目にあってもらいますよ…!
61対39の比率で… 胴体を真っ二つにしてねェェェッ!!』
傷口から放射状の刃を生やし、自らの身体を回転するカッターと化し迫りくるムガイン!!
ビィトは渾身の力を込め拘束を引きちぎろうとするが…どうしても抜け出せない!
「無駄無駄ぁ…! 力任せではどうにもならん!
それにジタバタ動くと…… 正確に切れんだろーがぁっ!! このクソガキィ――――ッ!!』
――突如ムガイン目がけて何かが投げつけられる。現れたのは… 短剣を持ったポアラだった!
「小娘! お前も一緒に死にに来たか!!」
「死ぬのはそっち…! 天撃のぉ……雹弾!!』
ポアラの放った氷結の天撃(魔法)リングがビィトを包む泥へと刺さる! 誤爆か!!??
『ビィト! それなら抜け出せるはずよ!』
――そうか!凍ってしまえば脆くなる!
再びビィトは力を入れると凍った土はひび割れて行くが…… すでにムガインは目の前に居る!
『遅ォい!! もはや迎撃は不可能ッ!! 死ねェェェェッ!!』
拘束を振りほどいたビィトは才牙を精製するが―――― 間に合うか!!??
175 :
粗筋王マロン 6/7:2011/05/12(木) 23:03:25.99 ID:mWRRzRNf
そして―――― 激しい衝突音と共にムガインの刃が砕け散る。
『バ… バカなぁっ!?』
衝撃によりムガインの上半身にまでヒビが入ってゆく。Bランスを出したのではなかったのか!?
いや、ビィトが持っているのは…… 強固そうな“盾”??!!
「こいつが… 世界最強の盾…! クラウンシールドだっ!!!』
シールドを持ったまま体当たりし、ついにムガインは砕け散った!
(…才牙の…盾だと…!? し…信じられん…! 前回は確かに槍を使っていた…!
才牙を複数使える人間なんて… 計算外にも… ほどが・・・あ・・・・・る・・・・・)
計算外の事態に呪いながら、ムガインは砕け灰へと化していった。
その様子を見ていたポアラも、ビィトは並のバスターと違う事を感じていた。
(きっと… ビィトは… 今までの常識を超えた… 何かをする為に生まれてきたのよ…!)
戦いが追え、Cシールドを光の玉へと戻し安堵するビィト。
「あぶねーあぶねー、もうちょっとで殺されるトコだったぜ… ありがとな、ポア……」
……そこまで言って頬を思い切りつねられた。
「何やってんのよあんたは!? 遠くの世界にはもっと強い魔人がウヨウヨいると言っときながら…
なんで出発早々大ピンチな訳!? よくも「暗黒の世紀を終わらせる」なんて言えたわね!!
そんなんじゃ一人で死にに行くようなものじゃない!!」
正論をまくしたてるポアラに何も言い返せずゲンナリするビィト。
「どうせ私が止めても行くんでしょ? いいわよ!どこへでも行きなさいよ!
その代わり……… 私 も 一 緒 に 行 く か ら !『ビィト戦士団』のNo,2としてね!!」
176 :
粗筋王マロン 7/7:2011/05/12(木) 23:04:17.17 ID:mWRRzRNf
「ナンバーツーって…… ポアラ…お前…」
「父さんたちなら大丈夫…! ほら!」
門を振りかえると、そこにはポアラの両親や住民たちがこちらを見送ろうと集まっていた。
「私がいなくても、ビィトがくれたお金で当分なんとかなりそうだし…
何よりあんたみたいな常識外れが一人で世界をウロウロするのかと思うと心配で余計傷に悪いって!
――さあ! 出発よ!」
「…本気なのかポアラ!? これから先、魔人と山ほど戦わなきゃならない…
何年かかるかもわからないんだぞ!!」
『自分の心配の方が先でしょ!! 大体さっきだって私が助けなきゃ、ムガインにやられてたじゃない!
これから先、私がいなくてどうするつもり!?
あんたみたいな 無 計 画 で 金 銭 感 覚 ゼ ロ で それに… バ カ なのが一人で!!」
何も言い返せずタジタジするビィト。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110512223625.jpg 「まぁいいわ… もう私決めたの! 理屈じゃないわ! 行きたいんだから!」
そう言いきるポアラの表情はどことなく嬉しそうだった。
「…ハハっ それ言われちゃ、文句の言いようがねぇな…!
ま、いっか! 『ビィト戦士団』ってのも悪くない!」
それに同意するかのようにポアラはクスリと笑う。
(…そう…悪くないわ… こんな気持ち…
ビィト…私ね、あなたの側にいるだけで… きっと正義を信じていける…!!)
――新たな戦士団の門出を祝福するかのように、空は青々と澄み切っていた。
<続く>
うどんな魔人って香川出身か?と思った。
61対39でってwこういうのいいなw
魔人がありがちな敵キャラクターって感じじゃなくていい
おあついこってすなぁ
ひゅうひゅう
>おれが L V 2 8 だったなんて……
ギィンみたいに才能があるとかじゃなくて、単にLVUPしてなかっただけかよw
でもこの世界、LVUPしなくてもそのLV相応の実力はちゃんとつくみたいだな。
なんか斬新、さすが三条!
>>178 そこ俺も気になったw
なぜ60:40じゃなくてそんな半端な数字なのかとw
まあそういう半端な数字が計算ずくなムガインらしいっちゃらしいけどなw
5人の命(才牙)をもらったという事は、もし今後ゼノン戦士団が生きていて再会したら返すんだよな?
(返せるかどうかはわからないが)
全員が生きているとは考えにくいから、1・2人は死んでいる可能性もある。
(特に無口のアルサイドと包帯だらけのブルーザムが死んでいそうな気がする)
いずれはビィト自身の才牙も作れるようになるから、
最終的にはビィトは才牙を3つは完璧に使いこなせるんじゃないか?
そんな半端な展開にはならんだろ
5つ全部返して自分自身の本当の才牙を作り出すか
5つ全部合体させて全属性才牙を作り出すか
エクセリオンブレードの真の能力を解放するかでは
>>183 >5つ全部返して自分自身の本当の才牙を作り出すか
ゼノン戦士団壊滅という結果(死亡や行方不明、戦闘不能含む)
→ダイ大でもポップやアバンが生きていたという結果になったから、これは考えにくい
となると全属性才牙は、才牙に属性があるかわからんので考えにくい。
やはりエクセリオンブレードの真の能力解放かな?ダイの剣みたいに。
>>182 全員、何らかの形で生きてると思う。
で、きっと全員に対して再会や報告イベントをやると思う。
本人が生きてなくても、たとえばブルーザムの娘とか
アルサイドの飼いドラゴンとか、魂を継いでるような存在が出てくると思う。
さまざまなパターンの再会になるだろうけど
わりと明確に前向きな漫画だから
あの最終回のごとく美化されまくってる伝説の5人の中の一人が
ヒュンケルみたいに魔人側にとりこまれてるってことは多分ないと思う。
ヒュンケルのご都合主義は三条のお得意みたいなもんだからな…
>>185が言うように、魂を受け継いでいるか重傷を負って戦闘不能とかありそうだな。
魂を受け継いだ場合、仲間化は免れないだろうな。
ゼノン戦士団は才牙出せなくなってもそれなりの強さだろうから生きてるならそれなりに名声が漏れ聞こえてきそうだよな。
洗脳されて魔人の部下になってるとかかな。
188 :
粗筋王マロン 1/7:2011/05/14(土) 23:00:08.14 ID:y4eAz5b3
<第4話:宿敵ふたたび!>
夜明けの森にて……
木の間からポアラがヒロインにあるまじき大あくびをしながら目の下のくまがバッチリの顔を出す。
「まさか外の世界で野宿するなんて…!」
外に出ると、小さなかわいらしい角を生やした小動物の群れが歩み寄ってくる。
「…何よあんた達… 悪いけどあんたらカネックにやる金なんか1MG(マギー)も無いわよ
こちとらバカな相棒のせいで文無しなんだから!」
――すると小動物…カネックの群れは豹変、凶悪な目つきになってしまった!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110514223337.jpg 直後、カネックの群れに炎の天撃が炸裂する。
『ただでさえ寝不足でイライラしてるってーのに!! 失 せ ろ ――――っ!!』
荒れ狂うポアラと炎に怯み、カネック達は逃げ出した!
一方、ビィトは…離れた所で手製の槍で早朝訓練をしていた。
ポアラが近寄ってきたのに気付き、よく眠れたかと声をかけようとするが… ポアラの目にはくま。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110514223400.jpg 「ね 眠れなかったみてぇだな…」
「おかげ様で! この『暗黒の世紀』になかなか出来ない体験をさせてもらったわよ…」
「まあ… そう言わずにさぁ… 野宿も慣れればその内楽しくなるって…」
『慣れたくなんかないわよ!!』
…説明しよう!なぜビィト達があれだけの報奨金をもらって文無しなのか。
それは単に『 全 額 里 に 置 い て き た 』からなのだ!
こんな事なら自分でも金を用意しておくべきだったと後悔するポアラ。
「金なんかなくてもなんとかなるからな! 今までだって寝たり食ったりして金使った事ないし!」
カラカラと笑うビィトを見て、ポアラは呆れつつも本物の冒険者だと確信する。
(…もう、あらゆる意味で!)
189 :
粗筋王マロン 2/7:2011/05/14(土) 23:01:10.29 ID:y4eAz5b3
「…まぁいいわ! こんな所に来るまで気づかなかった私も私だし…
引き返すよりも次の鑑定小屋を目指した方が早いわ! そうと決まれば出発するわよ!」
ビィトも同意しつつ、ポアラの頭の切り替えの早さに感心、尊敬する。
(なんじゃそりゃ…! 褒めてるつもり…!?)
――こめかみに血管を浮かべ不機嫌になるポアラだが、ふと、ある事に気付く。
そういえば、この辺は昨日まで岩がいっぱいあったはず。
…しかし、今見ると岩はなくただ平らな大地があるだけ……?
その理由はビィトが昨夜新しい槍の試し降りをしている際、つい力が入りすぎたからだそうだ。
「…強くなるのが早い訳よね… あんた…!」
「…いっつもライオには助けられっぱなしだからな…
おれ自身の槍のウデもちょっとは上げておかないと…!」
「ライオ…?」
「…ああ、バーニングランスはライオの才牙なんだ」
「…それじゃあ、『5人から生命をもらった』って言うのは…」
「そうだよ、生命を救われたって意味だけじゃない、本当に生命そのものをもらったんだ
あの時… ゼノン達5人は5つの才牙に自分達の生命力をこめておれに与えてくれた…
だから、おれの中にはいつもみんながいる…!」
(だったら… だったらビィトには…! 5 つ の 才 牙 が ……!!)
「…そうだったの、だからビィトは複数の才牙を使えるのね… みんなの…形見の才牙を…!」
「 形 見 ィ!? エンギでもない事言うなよポアラ!
あの5人が死んだりするもんか! 世界のどこかで絶対生きてる…! おれはそう信じてるんだ!
魔人をやっつけながら2人でゼノン達を探そうぜ!きっとみんなおれ達を待ってる!」
「…そうだね、きっと…! きっとみんな生きてる… 私もそんな気がする…!」
「ああ… そして…多分…“あいつ”も…!!」
――急に険しい表情になり遠く離れた黒雲がかかった山を見つめるビィト。
190 :
粗筋王マロン 3/7:2011/05/14(土) 23:02:01.16 ID:y4eAz5b3
…その山にひっそりとそびえ立つ城。その中では配下の魔物がやられ驚愕する魔人がいた。
「…だから言ったろう、キャンバル 例え5対1でも… オレの部下が勝つ…と…!
賭けは… オレの勝ちだ…!」
この城では魔人同志が配下の魔物を使って賭けをしていたのだ。
そしてキャンバルが賭けをしていた相手は―――― 惨劇の王者・ベルトーゼ!!
賭けの対象としてベルトーゼはこの城を奪い取り、言い出しっぺのキャンバルも負けを認める。
――直後、突然ベルトーゼはキャンバルの顔を掴みあげる??!!
「オレの城になった以上、あってはならない物がある それは『役に立たない物』…
…つまりお前だよ、キャンバル…!」
キャンバルはふざけるなと激怒し腕の仕込み剣を抜く! ――――が。
「冥撃の獄炎…!!」 そう呟くとベルトーゼの手から炎が放たれ、キャンバルを焼き殺してしまった!
キャンバルの死体を足蹴にし、周囲に居た魔物に演説するベルトーゼ。
「諸君! 見ての通り、今日からはオレがここの主だ
オレが役に立たんと判断した奴はこいつと同じ目に合わせる! 覚えておいた方がいいぞ…!」
魔物達が怯える中、ベルトーゼは先程キャンバルの部下を倒した狼男の様な魔物・ハザンを呼ぶ。
「ここはお前に任せる… 連中にベルトーゼ流を教えてやれ! 見込みのない奴はその場で殺せ!!」
「心得ております!」
ベルトーゼが城を出ると、そこには不思議の国のアリスに出て来そうなウサギの獣人が佇んでいた。
「…シャギーか」
「いつもながら豪快なお手前…! さすがですねぇ、ベルトーゼ様」
「向こうから仕掛けてきた事だ、文句でもあるのか?」
ベルトーゼの機嫌をうかがうかのように笑うシャギーに、ベルトーゼもニヤリと笑う。
「無問題(ノープロブレム)ですよ 魔人同志が殺し合いをしてはいけない…というルールはありません
競争・共闘全て自由! 要は人間がより苦しむ強力な魔人が育てばそれで良いんですから
それにね… 正直、弱者が淘汰された方が仕事が楽になるんですよ、私!」
「全魔人の評価と監視…か “世界一多忙な魔人”よな、お前は」
「ええ、その上“魔賓館”の艦長も兼任…ですし!」
191 :
粗筋王マロン 4/7:2011/05/14(土) 23:03:01.45 ID:y4eAz5b3
――そこまで言ってシャギーは本来の仕事を思い出し、慌てて懐から何かを取りだした。
「本日までのベルトーゼ様への『魔札』でございます
もう相当な額がたまっておられるはず… 久々に我が魔賓館にお越しになって
魔物でも増やされてはいかがですか?」
しかしベルトーゼは魔札を受け取ると、当分いらんと答える。
「相変わらず少数精鋭主義ですなぁ…
魔物を山ほど抱えている大所帯の魔人もいれば、あなたのような方もいる
最もあなたに増軍を考えさせる程の手強い人間なんてもの自体、この所とんといない様ですしねぇ…」
「…3年前が最後… あの時の相手は強かった…!
あれ以来ずっと人間・魔人を問わず戦い続けてきたが、どの相手もオレが触ると一瞬で死による…!
どこかにいないものか… オレの血を沸かせてくれそうな奴が…!」
かつてのゼノン戦士団との戦いを思い出し、恍惚の表情を浮かべるベルトーゼ。
「“惨劇の王者”健在なり、ですな…!」
そんなベルトーゼを見たシャギーもニコニコ笑顔から突如目つきを変え、邪悪な笑みを浮かべた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110514223528.jpg 「…ですが、まぁ たまには魔賓館にも足をお運びください
なにしろ、あなた様は世界の魔人の最高位に当たる “ 七 ッ 星 ” !
我々の間でもカリスマ的な存在ですからね お顔を見せて頂くだけでも当館に箔がつきます」
「わかった、考えておく」
ふとシャギーは時計を見ると予想以上に時間がオーバーしているのに気付く。
「大物を1点納品しなければいけなかったのに!」(←わざとらしく)
その場で杖を振ると地中からドアが現れ、去り際にベルトーゼは納品先を尋ねる。
「…グリニデ様ですよ… 六ッ星の…」
ドアをくぐると礼儀正しく別れの挨拶を述べ、再びドアは地中へと潜って行った。
「あの“深緑の智将”…グリニデか……!」
――――何か企みがあるのか、ベルトーゼはニヤリと不敵に微笑んだ。
192 :
粗筋王マロン 5/7:2011/05/14(土) 23:03:55.64 ID:y4eAz5b3
その頃、ビィト達は…… 谷間を移動中、地中から動く虫の牙の様な物を見つける。
「…きっとジャガーム(ムカデ型魔物)だわ、結構大きい魔物なのよね…アレ
迂回するのも面倒だし、気づかれる前にやっつけるしかなさそうね
私達の炎の天撃で…!」
「…天撃? 私達の…!?」 何か微妙な反応のビィト。
「昆虫っぽい魔物のほとんどは炎に弱いわ
あんたが一発お見舞いして、土中から飛び出した所を私がとどめ! いくわよ!」
――合図と共にポアラは手の平に火炎球を生み出す・・・・・が、ビィトの天撃はしょぼい??!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110514223548.jpg 「何やってんのよ! それじゃあただ手が燃えてるだけじゃない!もっとちゃんと大気を練って…!」
言われるまま手を振り回すと天撃が暴発、ヤケドしてしまう!
……意外な弱点! ビィトは天撃が苦手だったのだ!!
『ウソでしょ――――っ!!! 才牙が使えるのに天撃が使えないなんて事がある訳!?
天撃が上達して天力が上がった者が最後に手に入れる究極の武器が才牙でしょ!?」
「うん! そうらしいな!」 笑ってごまかそうとするな、ビィト。
「…らしい、って…」 ポアラは思った。改めて、こいつは規格外すぎる、と……。
仕方が無いので作戦変更、ポアラが2連発仕掛けるのでビィトはポアラを守る事に。
「行くわよ、天撃のォ…」
「でもさー、ホントお前って切換え早くていいよなぁ…!」
『あーもう! 黙って待機!』
プチ夫婦漫才はさておき、ポアラの天撃の火炎が炸裂し、地中が割れ巨大な影が現れる……
………しかしッ! 現れたのはジャガームを捕食中の巨大なカブトムシの様な魔物だった!
((で……でかっ!! ジャガーム喰われてるし!!))
あまりの巨大さに驚く2人。食事の邪魔をされた魔物は凄まじい咆哮を上げ、逃げる2人を追う!
『す すっげーな!この辺りじゃ見た事ねーぞ、あんな魔物っ!!』
ポアラも同意するが、彼らはバスター。逃げる訳にはいかない!
あいつも見た目昆虫系のようだし、炎には弱いかもしれない…。
その場で踵を返すと、再び天撃の火柱を投げつける …が、強固な装甲に弾かれた!
193 :
粗筋王マロン 6/7:2011/05/14(土) 23:04:53.65 ID:y4eAz5b3
襲いかかる魔物からポアラを守る為、ビィトはポアラの前に飛び出し才牙を作成し始める。
――かろうじてBランスを作成するが、さすがの才牙でも魔物の装甲は貫けず止めるのが精一杯!
必死で踏ん張るビィトだったが、魔物の巨体とパワーに押され、魔物の右手がビィトに迫る!
…その時、ビィトの頭に走馬灯の様にライオの言葉が甦る。
(なーにやってんだよ、ビィト!)
<以下回想>
3年前…… ライオに槍の指南を受けるビィト。
「…槍で接近戦やっちゃあダメだっての!
いいか、槍ってのはな―――― 相手を叩きのめして薙ぎ払う為の武器なんだ!
パワーだ、パワー! 四の五の考えねぇで自分の力の五倍増し位のつもりでブン回してみろ!
おめえみてぇな単細胞にゃ、それで丁度いいんだ!」
ビィトの頭を枝でポコポコ叩きながらも、皮肉を込めた的確なアドバイスをするライオ。
<回想終了>
そして―――― 今。
「た… 単細胞は…… お前もだろ、ライオ――――ッ!!』
かつて反論したセリフを再び叫びながら渾身の力を込めると―――――― Bランスが伸びた!!
魔物は大きく投げ飛ばされ岩壁へと激突する。
直後、ビィトはBランスを振りかぶると…… Bランスは名前の通り激しい炎に包まれる!
炎の槍と化したBランスは魔物の腹に突き刺さると、一瞬のうちに魔物は体内から業火に包まれた!
194 :
粗筋王マロン 7/7:2011/05/14(土) 23:05:41.40 ID:y4eAz5b3
……しばらくして…… 魔物は燃え尽き真っ白になっていた。
「…や… やった…!」
よろめきながら勝利を噛み締めるビィトだったが、その後ろでポアラは呆気にとられていた。
(…天撃の火柱が効かなかった、あの魔物の装甲を一発で…!
つまり今の一撃は上位天撃ぐらいの威力があるって事…!
才牙に宿ったゼノン達の魂がビィトに力を貸した… なんだか…そんな風に見えた…!)
…そんな事もつゆ知らず、ビィトは魔物の身体からBランスを抜く。
「…まぁた助けられちまったな、ライオ…!」
ビィトの言葉に、まるでライオが笑っているかのようにBランスはキラリと輝いた。
「おれ… ちょっとでもみんなに近づける様に、これからもがんばるぜ!
だから待っててくれ! …いつか……! 強くなったおれを、必ず見てもらうからさ!」
――この戦いを崖の上から観察する魔物がいた事を、ビィト達は知らない。
ダンゴムシのような魔物と、ハチのような魔物。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110514223605.jpg 本拠地へと戻ったダンゴムシは上司に報告する。
「――――と、いう様な具合でして…」
ダンゴムシが紙を取りだすと、ハチはお尻を紙にくっつけスラスラとビィトの絵を描いていく。
その絵を星を6つつけた魔人の腕が受け取り、しげしげと眺める。
「通常天撃もまともに放てず、自分の手を焼くかと思えば…
才牙を繰り出して、大甲虫の外甲を一発で貫く……か!
面白い小僧だ、最強と最弱が同居している…!」
「いかがでしょう…? グリニデ様!」
「……ご苦労、掘り出し物かもしれんぞ このビィトとかいう獲物は…!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110514223621.jpg 部下のダンゴムシを労うと、深緑の智将・グリニデは不敵に微笑むのだった。 <続く>
カネックとダンゴムシがなんかかわいいなw
天撃が下手でコケるプラナを見て、やはり自分は稲田のギャグが好きなんだなと思ったよ
槍って敵を薙ぎ払うものなの?
むしろ、敵が攻撃できない所からざくっとひと突きで殺すためのものかと思ってたが。
ハルバードや薙刀だったら薙ぎ払えるけどな。
槍は確かに突き専用の武器では。
>グリニデ様
老獪そうだが渋さもなく、
キモいけど突き抜けたキモさはなく印象が薄く
いっそチンピラの軽輩キャラなら分かりやすいのに中途半端に貫録があり
かといってセリフ通りの理知キャラにも見えないパッとしないおっさん魔人だな
おっさんといっても、いかついくせにクロコダインみたいな豪放磊落さもないし。
不人気投票したら1位にくるんだけど、でも1位になったことがネタや話題性になるでもない微妙さで
空気をおかしくしそうなタイプだ。
>>191 7がMAXなのか。ベルトーゼがトップで、それに次ぐのがこの微妙魔人か。名前はガニメデみたいでかっこいいのに。
けっこう根回しとか頑張るのに、いつもいいとこはベルトーゼや他の強い魔人にもっていかれて
嫉妬心やコンプレックスを持ってそう。悪役が挫折やストレスに悩む姿、中間管理職的悲哀など
今までの三条作品の少年漫画展開にはなかったタイプの悪役になってくれそう。
ホントだ、最高位は7ッ星なのか…
じゃあ5ッ星だった時点であれだけゼノン達を苦しめたベルトーゼは間違いなくラスボスになるんだろうな
シャギーは本来の仕事を思い出し、慌てて懐から何かを取りだした。
>ベルトーゼ様への『魔札』
これで魔の側にもレベルに相当する星以外に、報酬金に相当するものも存在することが判明したな。
>もう相当な額がたまっておられるはず… 久々に我が魔賓館にお越しになって魔物でも増やされてはいかがですか?
で、何に金を使うのかというとシミュレーションゲームのノリかよw
バスター側以上にゲーム的システムが世界観に盛り込まれてるな。
>シャギー
こいつは何さまなんだろう
魍魎戦記MADARAのジャトのパクリか?
特殊な役どころがけっこう似通ってる
そういえば、魔人は切られやすい腕に星をつけてるんだな。
パンチとか、しづらくないのか?
>バスター側以上にゲーム的システムが世界観に盛り込まれてるな。
人気が出て連載が続けば、確実にゲーム化されるのを見越しての設定かな。
ビィトのSLGか… 今の所何とも言えんな。ユニット(キャラ)もまだそんなに出てないし。
>>202 >ゲーム化されるのを見越しての設定かな。
ゲーム化されるとしても、魔人側が金稼いで、それで魔物を買って勢力拡大というシミュレーションゲーム要素は
そのまんまゲームで生かせるものじゃないと思う。
システムとしてはSLG要素があからさまだけど
(というか、実際的にはモンスター側にも組織やその運用の問題はスポットが当てられないだけでちゃんと存在してるハズだけど)
それを作中で数値化されたものを扱ってる、
「何者かに用意されたゲーム世界を動く登場キャラクター」「キャラ=盤上のコマ」というようなメタさを感じさせる世界観が
ひとひねりありそうだと思う。
>>201 バスターのレベルと違って、星には何か魔力(冥力とでも言うのかな。>冥力と引き換え>冥撃)がこもってて
切り離されても本体が生きてたら戻ってくるとかあるんじゃないかな。
物理的に埋め込まれてるところになにかアイテム性がありそうな気がする。
かといって純粋にモノとして扱えるなら、星4つくらいの魔人が星2つの魔人を2人殺して星を奪い取れば一気に7つ星を越えることができるから
そんなことにならないように、実際の星取り実績はシャギーの魔賓館が管理してるんじゃないかな。
>殺して星を奪い取れば一気に7つ星を越えることができるから
魔人達の間でも暗黙のルールがあるってことか。
シャギーのデザイン、もう少し何とかならなかったのかな。
まんまアリスのウサギじゃん
というより、手柄によって認定されてない星は効果を持たないんじゃないか?
「」1つ星を殺しまくって星100コとか言っててもバカにされるだけだろうし。
ズ「あの2つ星魔人、カンタンにこの城あけわたしたわね」
デ「へへへ、なんたって俺サマは4つ星だからな!
星一つで10倍以上の力の開きがあるというのが相場だろ?
魔人とはいえ城より命の方が大事だろうぜ」
へ「おーいリーダー、客人が来ましたぜ」
兎「これはこれはお久しぶりですねぇ「、『4つ星』魔人・デロリン様」
デ「げえっ、シャ、シャギー!!」
兎「いえね、全魔人の評価と監視が役目の私としたところが
うかつにもこのロモス地方で活躍なさっている『4つ星』のお方がいることを忘れておりましてね。
その失礼をお詫びしに参った次第なんです…
あろうことかデロリン様のことを『1つ星』だと認識していたのですから、これでは私め、殺されても文句は言えませんよね」
ズ「な、何よ、魔人が魔人を騙しちゃいけないなんてルールはないんでしょおっ!
騙されたあの2つ星がマヌケなのようっ!」
兎「いえいえ、責めているわけではございませんズルボン様。城を明け渡した『疾風の騎士』こと2つ星魔人バロリア様は
こういってはなんですがパッとした見どころもない御方。おっしゃるとおり騙されたバロリア様がマヌケだったのです。
それに比べてあなたがたはこのシャギーめの盲点をつく悪知恵を思いつかれるとは。
正直申しまして、魔人として非常に有望で先行きの楽しみな方々だと感服いたしました」
デ「星の数を偽装したことで罰しに来たんじゃないのか」
兎「星は偽造することはできませんけれど、一つ星魔人が4人集まれば本物の星が4つ揃いますからね。
そして1つ星でありながら2つ星魔人から実際に城を奪うという成果もあげておられる。
人間をより苦しめるという意味では、この悪知恵は非常に期待できますし、それだけでも本当に星を一つ差し上げたいくらい
評価しているのですよ」
へ「よかったー」
兎「ただですね、『4つ星』の威光を利用するのは見事な戦略なんですけれども、
逆に『4つ星』の方があまり情けない姿を見せると、星そのものの信頼性にかかわってくるんですよね」
デ「うっ…」
兎「そこでですね、4つ星といえば目安としては例えば一つの軍事都市を陥落させるほどの手柄に相当しますけれども
来月までに、その星の数に見合った実績を作っておいていただきたいのです。
なあに、その悪知恵の冴えをもってすればカンタンなことじゃないですか。それではこれで失礼いたします、『4つ星』デロリン様」
デ・ズ・へ「ひえ〜〜〜っ」
シャギーにそんな強制力があるのか?
それはシャギーもしくはそのボスがラスボスってことだが。
>「全魔人の評価と監視…か “世界一多忙な魔人”よな、お前は」
で、最強の七ツ星魔人相手にも対等にルールがどうのと話をしてるくらいだからな
ボスもしくは神的存在がいるかどうかは置いといて
魔人全てが従うことになってる強制力のある根深いシステムがあって、
シャギーはそのシステムの実務面担当の役人みたいなもんだろう
評価と監視と魔貧館(魔物を売る店?)だけでなく、評価に応じて魔人たちに報酬を届けることもしてるようだし。
バスターにしろヴァンデルにしろ、評価基準をだれがどういう判断で設けてるのか謎すぎるが。
そもそも星をもらえる基準はなんなんだろうか?
とりあえず、ゼノン戦士団のような強力な戦士を倒せば1つもらえるのは確定みたいだが。
(ダイ大で例えれば、ハドラーがアバンを倒した事でバーンが3度の失敗で1回だけ見逃してくれたようなもん?)
国ひとつ潰してももらえんらしいからな…
といってムガインが国2つ潰す以上の活躍をしてるとも思えないし
通常のRPGのレベルアップ同様、あとの星ほど大変なんだろう
でないとビィトにやられたムガインが星2つなら、
現在のビィトを上回る実力のバスター5人からなるゼノン戦士団相手に一人で優勢に戦ってた4つ星ベルトーゼは
あの時点で20くらい星がないと合わない
>殺して星を奪い取れば一気に7つ星を越えることができるから
読んだけど、
>>190のキャンバルは殺されて星が崩壊してたから
持ち主の魔人が死ねば無くなるんじゃない?
キャンバルは最低4、星の配置デザインからすると5つ星か。
それをつかまえて「弱者は淘汰された方が」とはシャギー自身は星何コだろう
という事は、他の魔人を殺して星を奪う…ってのは無理なのか
だとすると地道に強敵を倒すしかないのか
>>212 シャギーは星を配る方だから、ないんじゃないかな?
古代の氏姓制度みたいに、天皇には氏がないのと同じで。
強さには関係ないとすると、リアルで言う勲章みたいなもんかねえ?
216 :
粗筋王マロン 1/9:2011/05/16(月) 22:59:36.61 ID:opV31m0v
<第5話:標的はビィト!!>
暗雲が立ち込める荒れ果てた大地にそびえ立つ、城とは違う立派な建築物。
「地の果て、魔の泉…! “魔賓館”へようこそ…!」
自動で扉が開き、中へ入ると他の魔物が何人かいるのが見受けられる。
この日、グリニデはダンゴムシと共に魔賓館に訪れ売人の魔物が挨拶する。
「本日も魔物の発注でございますね、グリニデ様
当館で生み出された魔物が世界中に放たれていくのはこの上ない喜びです
お選びになる“魔獣大鑑”は…… いつもの“樹の章”ですか?」
「…出さんでよい、手持ちがある」
どうやら魔獣大鑑とは、人間で言うカタログの様な物らしい。
グリニデが魔獣大鑑で品定めしていると、周囲の魔人達は彼に注目しヒソヒソ話を始める。
「あれがグリニデか…」
「深緑の智将と呼ばれる六ッ星…!」
「だがその実は安い額で小虫の類を大量に繁殖させて勢力を拡大する、典型的な小心者とも聞く…」
「…星の数が少々上でも、所詮は頭で立てた武勲! 直接戦えばオレの方が強いかも…なァ!」
――その話を耳にしたグリニデは話をしていた数人の魔人を見やる。
魔人達はニヤニヤと嘲笑うが、グリニデはまるで気にしていないかのように魔札を取りだす。
「グルメアントを20匹頼む」
「お目が高い! 一週間で5倍に増えますからねぇ、こいつらは…!」
「ククッ… なんとまぁ細かい買い物だ…! 魔札を束で使わない魔人などここで初めて見たぞ!」
いざ取引をしようとした矢先、先程ヒソヒソ話をしていた魔神が椅子に座って嘲笑っている。
ふと、魔人はいつの間にかグリニデが目の前に来ていた事に気付く。
グリニデが魔人の肩当てにそっと手を置くと、肩当てがきしみ始め、魔人は予想外の力に内心驚く。
217 :
粗筋王マロン 2/9:2011/05/16(月) 23:00:21.08 ID:opV31m0v
「…もしかして…だが… 私を挑発しているつもりなのかね? 坊や…
…私は野蛮で見苦しい戦い方が嫌いなだけだ
ただでさえ魔人というと粗暴で原始的思考の者が多すぎる…!
効率よく魔物を増やし、勢力を拡大して人間社会に甚大な被害を与える…
私の理知的なプランの何がいけないのかな……?」
――ついに魔人の肩当てを砕き、さらに肩の骨が折れ魔人は悲鳴を上げ出した!
「さあ!言ってみたまえ、それが正しい意見なら私は否定しないから………」
表情はあまり変わらないが、明らかにグリニデは怒っていた。
激痛に挑発した魔人は許しを請い、ようやくグリニデは彼の肩から手を離す。
そして売人に一週間後受け取りに来ると言い残しその場を立ち去った。
グリニデが立ち去った後…… 件の魔人の肩は完全に折れ、苦痛に呻いていた。
そんな彼の前に、いつの間にか館長であるシャギーが佇んでいた。
「…もぉ―――― ダメじゃないですかぁ… ケンカは相手を見て売らなきゃぁ!
頭の良さだけで六ッ星にまでなれる訳がないでしょう?
“ 知 性 の 仮 面 を か ぶ っ た 魔 性 の 獣 ” !
それがあのグリニデ様なのです!」 ウフフ
帰り際、グリニデは自らの行為を反省していた。
「…いかんな! すぐに激昂しそうになるのは私の忌むべき悪癖だ…」
「とんでもない!グリニデ様の寛容な態度… このダンゴール、感服いたしました!
あのような下卑た魔人達にまで志を説かれて…」
「全てベルトーゼのせいだ…! あんな戦闘狂が魔人の頂点にいるから、皆がそれに影響を受ける…!
このまま奴の独走を許してみろ…! 魔人の品位はますます下がる一方になる…!!」
――思い出し笑いならぬ、思い出し怒りのグリニデの額から徐々に角が伸びてくる???!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110516224355.jpg
218 :
粗筋王マロン 3/9:2011/05/16(月) 23:01:07.02 ID:opV31m0v
「お… おっしゃる通りでございます! グリニデ様こそが魔人の模範にふさわしいお方です」
「! ・・・・・・・・・・そう…… だよな!」
ダンゴールは必死でなだめのおかげでようやくベルトーゼの怒りは収まり、角も引っ込んだ。
「…まぁ… 私はベルトーゼ達とは違うからな 私は…常に冷静(クール)だ…!」
落ち着きを取り戻し不敵に笑うグリニデ。
「…明日はいよいよ狩りの日だったな、ダンゴール」
「はい、獲物は今レドウに来ております」
「趣味と実益を兼ねた私の唯一の気晴らしだ、楽しませてもらうとしよう…!」
レドウ―――― 港町である
大河を渡るこの港は、危険な外の世界へと出て行く為の旅立ちの港であり
同時に安全圏へと逃れて来た人々にとっては終着の港でもある
ここから出て行こうとする人間…… それは危険を求めている人種に他ならないのだ……!
酒場にて乾杯するビィトとポアラ。
「これからが本当の意味でも旅立ちね…
さっきこの町の鑑定小屋で、鑑定と一緒に戦士団契約も済ませたし…
ビィト戦士団としても本格的に始動だわ!」
「でもさぁ… ビィト戦士団って言っても、おれとポアラの2人っきりだろ…?
どーもイマイチピンと来ないんだよなぁ」
「あんたが5人分みたいなものだし… いいんじゃないの、今のとこ! …それにしても…」
食事をしながら雑談を交わすが、ふとポアラは周りを見ると明らかに周囲から迷惑そうにされている。
「…何なの、この扱い…
いくら私達がバスターだからって、こんな露骨にひいて欲しくないもんだわ…
感じ悪いったらありゃしない…」
219 :
粗筋王マロン 4/9:2011/05/16(月) 23:01:56.23 ID:opV31m0v
――その時、女の子が食事を運んできてくれたが…… 明らかにおびえている。
もちろん2人は危害を加えるつもりは一切ないが、ビィトが食器を受け取ると一目散に逃げ出した!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110516224412.jpg 「魔物か…私らは!」
あからさまにおびえられ、恐怖に満ちた目で見られ軽く凹むポアラ。
「どこでもこんなもんさ、ゼノン達も言ってたぜ
『バスターが笑顔で見られるのは、魔人や魔物を倒した時と金を払う時だけだ』って!
――気にすんなって! いい人に見られなくたって、正義は守れる!」
「…単純ね、あんたは!」
どこまでも前向きなビィトに少しだけ元気づけられるポアラ。
「……まったくだ 相変わらずだな、ビィト!」
突如隣の席から声が聞こえ、男が立ち上がる。その男の顔を見た瞬間、ビィトはゲッと青ざめる。
長い襟で口元を隠した、幅広のバンダナの目つき悪い男…。
「あ〜あ… 出発早々やな奴に出会っちゃったなぁ…」
ビィトの反応を見る限り、互いに知人の様なのでポアラは誰かと聞く。
「…スレッド! 知り合いのバスターさ
でも… 事あるごとになんだかんだとおれにイチャモンつけてくる、性格の悪い奴なんだ…」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110516224426.jpg 悪口がスレッドの耳に入り、再会早々槍の柄で小突かれる。
「誰が性格悪いって? イカレてんのはお前の方だろうが
このご時世に「正義」だのなんだの、甘っちょろい事ばかり抜かしやがって…!
同じバスターとして、お前みたいなのがいると目ざわりで仕方ない…!」
完全に見下すスレッド、喰ってかかるビィト。すわ一触即発な所をポアラが止める。
ふと、スレッドはポアラの存在に気付く。どうやらポアラの名前だけは知っていたようだ。
220 :
粗筋王マロン 5/9:2011/05/16(月) 23:02:45.69 ID:opV31m0v
「…そうか… あんたがポアラか… バスター仲間の間じゃ有名だからな…
ビィトの 未 来 の 嫁 さ ん に な る 、物好きな女だろ?」
――――えええええええ!!!???? とんでもない事を言われポアラは大声を上げる。無理もない!
「こら! 物好きとはなんだ、物好きとは!ポアラにあやまれ!」
「問題あるのはあんたの方よ、ビィト!!
何勝手な事言いふらしてんのよ! なんで私があんたの未来の嫁さんなワケぇ!?」
「前に言わなかったっけ?そんな事…」
「そっちが一方的に言ってただけじゃないよ!」
「まぁいいじゃん!そんな小さな事」
『良くないわよっ!!』
真っ赤になって否定するポアラ、軽く笑い飛ばすビィト。
…突発的に起きた夫婦漫才に、スレッドはただ黙って2人を眺めていた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110516224439.jpg その後、港付近を3人並んで歩く。
「ついて来んじゃねーよ!」
「オレはこっちに用事があるだけだ… お前こそ離れて歩け!仲間だと思われたらこっちが恥ずかしいからな」
その言葉に再び不穏な空気が流れる。
「また槍で勝負つけてやってもいいんだぜ…!」
「偉そうな事を… 今まで41勝40敗8分けで勝ってるのはオレの方だぜ!」
…結局2人はそっぽを向き合う。どうやらケンカだけは避けられたようだ。
「わかったろ、ポアラ こいついちいち細っけえんだ! おまけに金に汚いときてる
鑑定小屋の報奨金以外に、依頼をした奴からも金取ってるんだからな」
「それが普通だ、バスターは慈善事業じゃない これで生活しているプロなんだ
お前みたいに野宿したり、野草や虫喰ったりして無一文で生きてる奴が異常なんだよ…!」
その話を聞いて、先日の野宿の事を思い出したポアラはあっさりスレッドの側についてしまった。
「…ちょこっとだけこっちに賛成…!」
『ええ――――っ!! ビィト戦士団もう分裂かよっ!!?? 2人しかいねーのに!』
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110516225139.jpg
221 :
粗筋王マロン 6/9:2011/05/16(月) 23:03:29.25 ID:opV31m0v
そのやり取りと行動を見て、ポアラはスレッドが見た目程悪い奴ではない事に気付く。
「あなたなりにビィトが気になって…」
「フン …そりゃあ気にもなる ちょっと目を離すと…… すぐにアレだ!」
スレッドの目線を追うと、ビィトが頭をグラグラと回し、フラつきながら… 海へ落ちた!!
なんとかビィトを引き上げ、2人は宿屋に向かいビィトをベッドに寝かす。
「…うかつだったわ… 3日経ってたなんて… これから丸一日寝るのね、コイツ…」
「ビィトの頭がぐらぐらし始めたら危険信号だ 嫁さんになるんなら覚えておくんだな」
そう言い残すとポアラの否定を耳にせず、部屋を出ようとする。もう行くのか?
23:03 2011/05/16
「偶然会ったのが、こいつが“寝る日”でよかったぜ
これ以上起きてられても腹の立つ事ばかり言いやがるし…
なんでもかんでも真っすぐにしかできねぇ甘ちゃんのくせによ…!
…どこまでもバカにできてんだか……な!」
――ビィトの寝顔を見るスレッド。 …気のせいか、その顔は若干の微笑みが浮かんでいた。
その微笑みに気付いたポアラは、やはりスレッドはいい奴だと確信し微笑んだ。
ポアラの微笑みに気付いたスレッドは慌てて襟を持ち上げ顔を隠す。
「な… 何がおかしい?」
「別に! ビィト運ぶの手伝ってくれてありがと、気をつけて!」
「フン そっちこそ気をつけるんだな!
これから外の世界へ出て行くなら… 1日中寝てるなんてバカは真っ先に殺される…!
あんたがしっかり気を配ってやるしかない… あっさりくたばんなよ… 嫁さん…!」
そう言い残し、スレッドは部屋から立ち去った。
222 :
粗筋王マロン 7/9:2011/05/16(月) 23:04:16.45 ID:opV31m0v
―翌朝―
朝食を取るポアラだったが、ビィトはまだ起きない。 顔にイタズラされても起きない。
とりあえず、ビィトが寝ている内に武器や冒険道具を買いそろえておこうとするポアラだった。
その後、港町に着くが…… 賑やかなはずの町並みは朝早いとはいえ、人がほとんど見当たらない。
暗黒の世紀だからか、やはりここも景気が悪いのだろうか?
ふと見ると、珍しく銃を扱っている武器屋の看板があった。
「使った事ないけど… 買ってみちゃおうかな♪」
かっこよく銃を構える自分を想像し、購入に踏み切るポアラ。
店のドアに手を賭けた瞬間―――― 悲鳴を上げて男が飛び出し逃げて行った!!!???
何事かと思いきや… 店の奥から煙…??
「ちょ、ちょっと待ってよ… 銃を売ってる店で…… 火 事 ィ――――ッ!!!???』
血相を変えて逃げ出すと―― 武器屋は大爆発を起こした!
直後、店跡から笑い声が聞こえる。様子を見ると、頭に炎をつけた人型の木が蠢いていた!
『ざ 罪人たいまつ…!』
驚いていると背後からも罪人たいまつの群れが現れる。
大通りへと向かってみると、門で守られた町中なのにあちこちから無数の罪人たいまつが現れる!
『いつの間にこんな! “門”はどうしたのよ!! ここの“門”はザル!!??』
「“門”ならすでに開かれておりますから! 我が主人(あるじ)によって…」
突如背後から聞こえた声に振り向くと、そこにはダンゴールがいた!
「な… なんなのよ、あんた!? 主人って、まさか…! 魔人…!?」
青ざめつつ問いかけるが、ダンゴールはニマッと笑うと… 直後ポアラの肩に針が突き刺さる!
「な… 何これ… 毒…!?」
「即死する程ではありません、あなたには役に立ってもらわなければならないので…」
――そのまま意識を失い倒れるポアラ。 その直後、グリニデで現れたのに気付く由もなかった。
223 :
粗筋王マロン 8/9:2011/05/16(月) 23:04:59.90 ID:opV31m0v
…その頃、スレッドは森で二ッ星の魔人を倒した所だった。
真っ向両断された死体を見て拍子抜けだったと漏らすと、レドウから煙が上がっている事に気付いた。
同時刻、ビィトもベッドから飛び起き、鼻に刺さった花(シャレではない)を抜き、クシャミを一発。
窓の外を見て異変が起きているのに気付き、身支度を整え町へ向かう。
人々を襲う罪人たいまつを阻止し、次々となぎ倒していく!
「大丈夫か!? みんな!! …なんでこんな魔物が町の中に…!?」
ふと、罪人たいまつの生き残りが火炎弾を吐き、仲間の死体の頭部に命中する。
頭部が燃えあがった罪人たいまつは…… 頭に火がつくと生き返った!!
「こんなの繰り返してたらキリがねぇぞ… おまけにゾロゾロ集まってきやがるし…
こうなりゃまとめて……… 面 倒 見 て や ら ぁ !! 』
手近にいた罪人たいまつの足を掴み、思い切りブン回すビィト!
罪人たいまつの群れは次々とバラバラに粉砕され、ついに掴んでいたのが最後の1匹となる!
最後の一匹を地面に叩きつけ粉砕、ようやく罪人たいまつは全滅した!
肩で息を整えていると―――― 今までビィトを恐れていた住人達は歓声を上げる。
「ハハ… みんなゲンキンだなぁ…
でも…本当にゼノン達の言ってた通りだ、魔物さえ倒せば… みんな笑顔になる!」
喜ぶ住人達を眺めていると、あのビィトを怖がっていた少女もこちらを見て微笑んでいる。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110516225240.jpg …そんな折、ビィトはポアラの姿が見えない事が気になった。
224 :
粗筋王マロン 9/9:2011/05/16(月) 23:05:45.23 ID:opV31m0v
そして当のポアラは…… 街中の一角に、両手を縛られ吊るされていた。
探し周ったビィトは吊るされたポアラを見つけ、血相を変えて走り寄る。
『ポアラを放せェ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!』
周囲に居る罪人たいまつを蹴散らすが、物陰からグリニデが腕の針を発射しようと狙っていた。
逃げる罪人たいまつを無視し、ロープを切ってポアラを救出する。
ポアラは弱弱しくビィトに危機を知らせようとするが―――― 毒針がビィトの胸に突き刺さった!
現れたグリニデに賛辞を贈るダンゴール。
「お見事! 今回も見事な狩りでした、グリニデ様!
狙い通り心臓を一発、仲間を救い出したその一瞬の安堵を見事に突かれました!」
「こうして… 有望であろうバスターを成長前に狩り尽くしてしまえば、
他の魔人どもも“星”の荒稼ぎなど出来なくなる
私の様に計画的に人間社会を侵攻する者の努力が評価の最優先事項になるという訳だ」
「さすがです! さすがは深緑の智将と呼ばれるお方…!
ご覧下さい、ピクリとも動きやしません 完全に仕留めておりますぞ!」
グリニデが満足そうに顎をさすっていると――――
「…やっぱ、魔人がいたな…! ポアラの様子が変だったからな
魔物にやられただけじゃねぇとは思ってたけど… こういう事だったとはな…!!」
――直撃を免れたビィトが起き上がり、激しく動揺するダンゴール!
(し… 信じられん!こんな子供が…!
あの一瞬の仲間の様子から危険な飛び道具と判断し対応するとは…!!)
「…魔人はどいつもずるがしこい奴ばっかだったけど… お前はとびっきりずりぃ奴だな…!!』
右手にわずかな炎の天撃を宿し、毒針を燃やしながら握りつぶす怒りのビィト。
そんなビィトを見て、グリニデもまた「…EXCELLENT!」と呟いた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110516225258.jpg <続く>
>「さあ!言ってみたまえ、それが正しい意見なら私は否定しないから………」
ここまでは予想外の格好よさに痺れたのに
>「! ・・・・・・・・・・そう…… だよな!」
こんな化物を可愛いと思っちゃうだなんて悔しい……!!
頭の角は怒ると伸びるのか
グリニデ怖いな
スレッド…ねぇ。なんかどっかで聞いたような…それもよく聞くような…
ポジション的にはダイ大のヒュンケルか?
いよいよシミュレーションゲーム的な
魔人側の運用形態が描写されはじめたね。凝ってるなあ。
>いつもの“樹の章”ですか?」「…出さんでよい、手持ちがある」
>魔札を束で使わない魔人などここで初めて見たぞ!」
このわずかなやりとりだけで、グリニデの細かさや
どれほど常連なのか(自分用にカタログを持ってることが珍しい)なども分かるな。
>「さあ!言ってみたまえ、それが正しい意見なら私は否定しないから………」
>ただでさえ魔人というと粗暴で原始的思考の者が多すぎる…!
>帰り際、グリニデは自らの行為を反省していた。
>このまま奴の独走を許してみろ…! 魔人の品位はますます下がる一方になる…!!」
ありがちな知性キャラを装うポーズじゃなく、心底粗暴を忌み嫌ってるのが分かるな。
冴えないキモいとことん日陰役のおっさんヴァンデルかと思ってたが
良すぎるわこのキャラ
>「お目が高い! 一週間で5倍に増えますからねぇ、こいつらは…!」
>効率よく魔物を増やし、勢力を拡大して人間社会に甚大な被害を与える…
>「こうして… 有望であろうバスターを成長前に狩り尽くしてしまえば、
> 他の魔人どもも“星”の荒稼ぎなど出来なくなる
> 私の様に計画的に人間社会を侵攻する者の努力が評価の最優先事項になるという訳だ」
弱いうちに倒す、安く済ませる、やってることはセコさの限りを尽くしてるわけだが
こう信念を持って説かれると全然かっこ悪く見えないな。さすが深緑の智将
それに、力のない頭脳タイプでも策略で賢く星を稼ぐスタイルがありえることも分かるし、
かといってこのグリニデがオツムだけタイプかと言うと
> 頭の良さだけで六ッ星にまでなれる訳がないでしょう?
> “ 知 性 の 仮 面 を か ぶ っ た 魔 性 の 獣 ” !
だもんな。ステキすぎる
>長い襟で口元を隠した、幅広のバンダナの目つき悪い男…。
目つきも口も悪いが、実際のところかなりイイヤツだよな
なんとなくだが、アルサイドの弟?
>「大物を1点納品しなければいけなかったのに!」納品先「…グリニデ様ですよ… 六ッ星の…」
>現れたのはジャガームを捕食中の巨大なカブトムシの様な魔物だった!
>ダンゴムシが紙を取りだすと、ハチはお尻を紙にくっつけスラスラとビィトの絵を描いていく。
前回のこれって繋がってたんだな。グリニデが今回みたいに魔賓館で大物(大甲虫)を注文、
それを使ってバスターの戦力を観察というわけか。
>>226 なんか、数日便秘して、ウンコが出口のとこで固まって栓みたいになって、
全力でふんばると少しだけウンコが前進するんだけど、力を抜くと肛門の中にウンコが逆戻りしてしまう
あんな感じに見える
しかし他のザコ魔人どもにバカにされたくらいでは角はのびないんだな
日頃から心底憤りを感じてる思い出し怒りだと角がのびるみたい
ぐり と ぐら
そこは「ぐり と だん」では?
しかしなんでグリニデの御付きがダンゴムシモンスターなんだ。
普通こういうボスの部下はもっと強そうなモンスターだろ?
自分が最強で何でも出来ると思ってれば執事キャラで十分なんだよ。
>>235 ダイ大で例えればザボエラみたいな奴とか?
って、書いてて思い出したが魔剣戦士時代のヒュンケルも執事は腐った死体だったな
むしろダンゴールちゃんは事務能力が高いのでは。
グリニデはモンスター沢山所有してるみたいだし、本人が色々戦略を決めて、各地に細かく指令を出す係が必要だろう。
>>231 今回グリニデに肩を潰されてた彼もこの時来てれば多分あんな事にならなかったのにな
グリニデの角が伸びるのはわかりやすいな。
仮にグリニデの表情だけ怒っても迫力が無い。
爆発寸前でフルフルしてる便意って感じで
実にやばそうだもんな
つーか「木の章」とかいう森林系・昆虫系モンスターで統一してるようだし
「深緑」の智将だし
もしかしてこいつって木(植物)がモチーフなのか?
首のうしろのツノが根っこみたいだし
顔のシワは樹皮みたいだし
頭にかぶってるパンツみたいな部分の模様も茎と葉みたい。
もしかして緑だからGREENide?
>もしかして緑だからGREENide?
目から鱗。おまい頭いいな!
DQダイの百獣魔団の植物・昆虫のみみたいな感じだな
244 :
粗筋王マロン 1/6:2011/05/18(水) 22:59:58.57 ID:yoC93nQT
<第6話:魔人大激突!!!>
素直に敗北を認め、拍手で褒めたたえるグリニデ。
「…EXCELLENTだよ、ビィト君 今回の狩り(ゲーム)は私の完敗だ…!
相棒を傷つけられ、怒りに燃えた様に見えてもキミは実に冷静だった
私の矢を片手で掴む動体視力といい…
とっさに天力の炎で自らの手を焼き、毒素を焼き消すという機転といい… 全てが見事だ!
獲物にこうまでしてやられた事は、ちょっと記憶に無いよ…
できればゲームの中で君を美しく始末したかったが…
これほどまでの潜在能力(ポテンシャル)を持った少年を野に放つ訳にもいかん
他のくだらん魔人達の星を増やす事だけは避けたいしなぁ…
最も私の本意ではないやり方だが… 仕方あるまい……」
――やれやれとばかりに片手で顔を覆うグリニデだったが… 指の間から覗く視線は憎しみに満ちていた。
その証拠に、ポアラはグリニデから激しい殺気を感じ身震いする。
「……殺しておくかな……! こ の 場 で !! 」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110518224315.jpg 先程とは違い、明らかに怒りの表情を浮かべビィトを睨むグリニデ!
その激しい殺気は大気を震わし、ビィトの全身にビリビリと伝わる!
「ただ卑怯なだけの魔人じゃねぇとは思ってたけど…
すっげぇな… 見た事ねぇ… ここまで凶暴そうな魔人…!」
ふと、グリニデはピクリと目を見開き反応した?!
「… 凶 … 暴 … だと…!?」
グリニデは歯軋りをし、全身を震わせ、大地を踏み砕く。
「…無礼な…! この私のどこが凶暴だというのだ…ッ!
これほど…っ 万事において知的で… クールなこの私がぁぁっ!!」
今にも怒りが爆発しそうなグリニデだったが、どこからともなく聞こえた笑い声に2人は周囲を見回す。
「子供(ガキ)に図星を指されたな、グリニデ!」
声の主の姿を見つけ固まるビィト。
245 :
粗筋王マロン 2/6:2011/05/18(水) 23:00:44.83 ID:yoC93nQT
声の主は―――― あの“惨劇の王者”、魔人 ベ ル ト ー ゼ だった!!
ベルトーゼの出現はグリニデにも予想外だったらしく、怒りも失せ青ざめている。
(バ… バカな…! よりによって…こいつがなぜ今ここにっ…!!??)
(…生きてた… やっぱり生きてたんだっ…!! 惨劇の王者…ベルトーゼはっ!!!)
「あ… あれがベルトーゼなのっ…!? ビィト…」
初めてベルトーゼを見るポアラはビィトに問うが、ビィトは身動きせず押し黙ったまま何も答えない。
歩み寄るベルトーゼに久しぶりではないかと挨拶するグリニデ。
「君ほどの大物が、こんな片田舎に何の用だね…?」
「面白そうな事があれば、オレとて田舎にも出向くさ …その獲物、オレによこせ グリニデ
珍しく大物の魔物を買ったと耳にはさんでな
またバスターの青田刈りでも始めたのだろうとピンと来た…
狩る前に強い魔物をぶつけて腕を試すのは、お前のお得意のやり口だからな
そのおかげで楽しめる相手が年々減り続けて魔人は皆退屈しきっている…! 実に迷惑な話だ…」
「……私が何をしようと勝手のはずだ…! ならばオレのやり方を否定せんで欲しいな…」
「すべて“力ずく…! それがオレの“魔人流”だ!!”
獲物を取られるのが嫌なら、オレから力で奪い返せ!! …オレはその方が楽しめる…がな!」
その時、そばにいたダンゴールはグリニデが固く拳を握りしめるのを見る。
「…それは… 挑発だね? ベルトーゼ君…!」
――深緑の智将・グリニデと惨劇の王者・ベルトーゼの間に火花が飛び交う!
…しかしグリニデは一笑すると、挑発を見事に回避した。
「無駄だよ、あおっても…! どの道一番知られたくない君に知られてしまったのだ
意地を張って獲物を奪い合っても、メリットは無い… 差し上げましょう、君に 今回はね…!」
踵を返し、またの機会にと一言残しグリニデはその場から立ち去った。
ポアラはベルトーゼの腕の星に気付く。三年前は五ッ星だったのに、今は七ッ星になっている事に。
なんとか起き上がり、ビィトに逃げるように言うがそのまま崩れ落ちてしまう。
…しかしビィトは身構えたまま、身動き一つしなかった。
246 :
粗筋王マロン 3/6:2011/05/18(水) 23:01:28.97 ID:yoC93nQT
―門の外―
「いやぁ…驚きましたな、グリニデ様
まさかあなた様の長年のライバルであるベルトーゼが現れようとは… いやはやなんとも…
思いもしない事態で…」
――ニコニコしながら見上げると… グリニデの額から角が伸びている!
『うわわっ…!! く…来るのですね!!』 危険を感じたダンゴールはその場で丸まってしまう。
直後―――― 咆哮と共にグリニデは何度もダンゴールを攻撃し始めた!!
『クソがっ!! あのクソ魔人めがっ!!
いちいちいちいちいちいち……!! 会う度私の計算を土足で踏みにじりくさってェェッ!!
私はお前の様に気ままな立場ではないんだッ!! 次に何か一事でもぬかしたら殺してやるぞッ!!
殺してやる!! 殺してやるとも!! ウガアアァァァァァッ!!!!!』
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110518225446.jpg 荒れ狂ってストレス発散して落ち着いてきたのか、肩で息を切らせると共に角も引っ込んでくる。
「……何を言ってるんだ、私は… 私は奴とは違う…常に冷静(クール)なのだ
私は私のやり方で綿密に勢力を拡大し、最後に頂点に立って奴を見下せばそれでいいのだ…
Be COOL… Be COOL……!」
…そして角もほとんど引っ込み、スッキリとした微笑みを浮かべるグリニデ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110518225500.jpg 「いつもすまぬな、ダンゴール」
踏みつけられ地面にめり込んだダンゴールの死体をすくいあげると――――
「い… いえ… この為にもお側にお仕えしております…!」
――あ、生きてた。 丸まった体を元に戻し、少々疲れてはいるが元気なようだ。
「こうしてたまった物をブチまけられるからこそ、冷静さが保てる」
「も… もったいないお言葉! いつでも私をお便り下さい…!」
「…あの場の判断はあれでよい、あれで正解なのだ
ベルトーゼ位の者にとって、今のビィトは倒してもたいした評価にならん… 大器ではあるが未完だからな
それに… 上手くすればベルトーゼにひと泡吹かせるなんて事もあるかもしれん… …あのワンダーボーイは…!」
247 :
粗筋王マロン 4/6:2011/05/18(水) 23:02:17.69 ID:yoC93nQT
―同時刻、ビィトサイド―
「…フン 帰りよったか… そうそう挑発には乗らんわ…
命拾いしたな、小僧… お前の見抜いた通り、あのグリニデは知性派を気取ってはいるものの
魔人の中では一・二を争う暴力性を秘めた奴だ
あのまま行けば… お前達など、一瞬でバラバラになっていただろうよ
……奴と闘えると思って来てみたのだがな……」
ベルトーゼは鼻で笑ってビィトを見ると…… ビィトは怯えも泣きもせず、ベルトーゼを睨んでいた。
「…ふふ… オレをベルトーゼと知ってそんな目をする奴は二つに一つしかない
…余程の大馬鹿か… あるいは大物か…」
「知ってるに決まってんだろ? …お前の事は一日だって忘れた事はねぇんだ…!
ひでぇな… 覚えてねぇのかよ、おれの事殺しといてさ…!」
「……殺した…? …まさかあの世から生き返ってきたなどほざく訳じゃあるまい…」
「…だったらどうする?」
――その直後、ベルトーゼは目に見える程の激しい闘気を全身から噴き出した!
「…面白い事を言う小僧だ… まぁよい… よっぽど殺されたいらしい…!
後悔しても知らんぞ… 魔人の頂点の力… 尋常なものではないからなッ!!』
そう叫ぶとマントを脱ぎ棄て、完全に戦闘モードへと移行するベルトーゼ!
激しい闘気を全身で感じたビィトは、間違いなく3年前以上のパワーだと感じ取る。
「…行くぞ… 小僧…!」
そして―――― 黒い爆煙と共にビィトへ突っ込むベルトーゼ!
(な… 何だ? 黒い…炎!?)
ベルトーゼの第一撃をかろうじて回避するものの、第二撃を避けられず防御する。
軽量級のビィトは壁に叩きつけられ、激痛で動けない所にベルトーゼの拳が迫りくる!
壁は一撃で粉砕されたが…… ビィトはギリギリでその場から飛び退いていた。
雄叫びをあげ反撃のパンチを頬にブチ当てる - ――――が、拳をヤケドしてしまう!
「魔人相手に素手で応戦しようとは… 頼もしい事この上無いっ…!」
軽めの裏拳でビィトを民家に叩きつける。
248 :
粗筋王マロン 5/6:2011/05/18(水) 23:03:01.67 ID:yoC93nQT
戦いをはたから見ていたポアラも、ベルトーゼが体にまとっている黒い炎が何か分からないでいた。
(な… なんなの?あの黒い炎みたいなもの… 冥撃…? それとも……)
実際に戦っているビィトは、黒い炎の正体が何かうすうす気づいていた。
(…め… 冥力を吹き出しながら格闘戦をしてるんだ…!
想像以上に強くなってやがる… だけど… おれだって…!!)
「フフ… いいぞ…! その程度で音を上げられてはつまらんからな…
オレの方にも少しは楽しませてくれよ…! …次だ! 冥撃の獄炎!!」
ビィトは獄炎を避けられず、そのまま炎に包まれてしまう!
「…おいおい… 天撃で相殺ぐらいはして欲しいな…」
しかしビィトは無傷だった。とっさにクラウンシールドを出して獄炎を防いでいたのだ。
「……才牙か… 盾使いとは意外だったが… 防御だけではオレとは渡りあえんぞ…!?」
「…わかってるさ、防御だけ… ならな!」
次にビィトがとった戦法は―――― バーニングランスの具現化! 才牙の同時装備だった!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110518225516.jpg 『行くぞっ! ベルトーゼ!!』
ベルトーゼへと立ち向かうビィト!これでなんとかビィトにも分が出てきた。
…この戦いを建物の上からシャギーが観察していた。
「いや〜〜 これはこれは…なんという少年!
才牙を2つも持っているバスターなんて初めて見ましたよ!
確かにあれなら攻防の頂点を極めたベルトーゼ様にも太刀打ちできるかも…!
ベルトーゼ様とグリニデ様の戦いが拝めると思って見に来ましたが…
これは思わぬ拾い物になりそうです…!」
249 :
粗筋王マロン 6/6:2011/05/18(水) 23:03:45.11 ID:yoC93nQT
ベルトーゼはBランスの一撃をかわし、蹴りを放つがビィトもまたCシールドで防御する。
…いや、シールドの後ろにビィトの姿は無い! いつの間にかベルトーゼの頭上にいた!
とっさに右手を上に伸ばし防御するが―――― Bランスは右手もろとも深々と突き刺さった!!
これにはさしものベルトーゼも膝をつき、ビィトも間合いを取って呼吸を荒げている。
「…ふふっ… 驚くべき逸材だな、グリニデが目を付けるわけよ…
オレに… 膝をつかせる人間がまだこの地上にいたとはな…!」
…ところがビィトはBランスを床に突き刺し手放してしまった。
「!? …好機(チャンス)を捨てるのか…?」
「…あの日… 3年前からずっと…!
お前と戦ってとどめを刺す時には、こいつにしようと決めてたんだ…!
…この才牙で… この技でっ……!!」
三度才牙を発動させるビィト。具現化されたのは―――― エクセリオンブレード!!
(あの… 才牙は…!!) これにはベルトーゼも見覚えがあり、わずかに驚愕の表情を浮かべる。
続いてCシールド、Bランスに目をやり、ついに完全に思い出す。――ゼノン戦士団の事を!
Eブレードを身構えるビィトにゼノンの姿が重なる。
「…受けてみろ、ベルトーゼ…! これがっ…!! これがぁぁっ…!!
ゼ ノ ン ウ ィ ン ザ ー ド だっ!!』
師でもあり、兄でもあるゼノンの必殺技が炸裂する!
ベルトーゼは受け身も防御もせず、そのまま直撃を受けて吹き飛ばされた!
――瓦礫に埋まったベルトーゼをよそに、ポアラも不思議に思う。
(ゼノンウィンザード…… ゼノンの…必殺技…!?)
ゼノンウィンザード…。 その威力は建物さえもやすやすと両断出来る程の凄まじさだった。
そして戦いを観戦していたシャギーも大興奮。
「いいですねぇ♪ 実に頑張りましたよ、あの子…! …ここまでは…!」
不意に大気が大きく震えだす。――同時に、ベルトーゼが床に爪を立てていた。 <続く>
もうベルトーゼと再戦かよ!展開早過ぎね?
ダンゴールが配下なのはただのうっぷん晴らしだったのんかw
あのグリニデのスッキリ顔は漏れる寸前でやっと駆け込めたトイレの後の顔だ
ベルトーゼ倒したらもうこの漫画後がねえじゃねえか
>>251 確かにあの顔だけ見るとそう言われたら納得してしまうw
>>252 なあに、ドラゴンボールみたいに新たな敵出せば引き伸ばしはできるよ!
それ以前にグリニデとも戦わなきゃいけないし、ゼノン達も探さなきゃいけない。
いずれはシャギーとも戦うだろうし、まだ続くはず。
今回のベルトーゼ戦はなんだかんだで「今日はここまでにしておいてやろう」って引き上げるとかじゃない?
才牙の同時装備かっこいいな。
ダイ大では盾がほとんど使われなかっただけあって、なんか新鮮だ
ゼノンウィンザード…………三条先生はアバンストラッシュ名付けた頃からネームセンス変わってないな
言われてみれば名前+αで何か似てるな
>指の間から覗く視線は憎しみに満ちていた。
憎しみとは違うんじゃないか?
>>244 >「……殺しておくかな……! こ の 場 で !! 」
この時の殺気モードではウンコが伸びないんだな。
>「… 凶 … 暴 … だと…!?」
図星つかれて地団太モードでもウンコはそのまま
> ―門の外―
ここでやっとウンコ解放
やっぱ人前では憤怒の姿(とウンコ)見せるのは恥ずかしいんだろうな。
>何度もダンゴールを攻撃し始めた!!
それで防御力の高そうなダンゴムシモンスターなのか
三条さん仕込み周到すぎるわw
>>251 ウンコも怒りもたまったものを出すとスッキリだからな
キャラの怒りをウンコで表現するのは画期的だよな
キャラデザが自由な魔人ならではだな。
>>255 アバン先生はあの性格だから自分の名前付けた必殺技名を叫ぶのもノリノリでいけるだろうが、
ゼノンもそんな感じなのか?数話見た限りではそういうキャラではなさそうだが。
>>252 どう考えてものちのちの主要ボスキャラとの度重なる因縁作りのうちの
初歩的な一戦だろう
この場でのメインの中ボスはグリニデだろうし。
>>253 多分そんな感じで、ゼノン戦士団と戦ったときとくらべて才牙が全然使いこなせてないから
使いこなせるようになってから戦った方が楽しそうだとかいって去るんだろうな。
ただ、それだけだとビィトがやられっぱなしなので、なんかグリニデが溜飲を下げるような
ベルトーゼへのワンダーな一撃をがまぐれでヒットするのかも
>>258 ゼノンの場合、
ゼノン戦士団につどってくれた仲間たちや
ゼノン戦士団というバスターの活動によって勇気づけられてきた人々の想いの象徴として(みたいないい感じの理屈で)
利己心や名誉欲というより、ヒーローとしての義務というか責任の一環としてあえて名を冠してるような気がする。
ゼノンが必殺技編み出したけど、特に名前をつけていなかったor考え中だった所に
仲間や町の人(おやっさん等)が「「ゼノンウィンザート」なんてどうだ?と」名付けてくれたと予想
こうなると他の才牙の必殺技名も気になるな
「ぶ…ブリリアントロイヤルクラウンクルスファンタジア」
クルス「恥ずかしいんですけどね。みなさんがつけてくれた以上は…」
「アルサイドトラップ」
アルサイド「うーむ…」
「ブルーザム痛恨撃」
ブルーザム「痛恨はないだろう」
「バーニングランス」
ライオ「なんでみんな俺だけ名前つけてくんねぇんだよ」
ベルトーゼなんかショボいと思ったらパンツ履いてないな
パンツだのウンコだのトイレだのと…
しかしノーパンといえばエスタークとかもはいてないぜ
>>262 ワラタwww 特にブルーザムwww
そういえばゼノン戦士団でアルサイドだけ適当なデザインぽいな
無口だし顔見えないし
むしろブルーザムは「ブローム』って言ってピンチになるとナイスガイに変身しそう
主従のSMプレイとはw
>>266 実はブルーザムは透明人間とか、一旦木綿みたいに包帯が本体
…なワケない
>>266 でもあんな見かけのわりにはけっこうしゃべってなくね?
しかも、あんな外見ならミストバーンやマキシマムみたいな別フォントでしゃべるのがお似合いなのに
普通にしゃべってるし。
ビィトに対しての会話要員としての割り当てがわりとはっきりしてたライオ・クルスと比べると
セリフが少ないのはやむを得ないと思うけど、それをいうならアルサイドなんてほとんどしゃべってない
才牙を託すときなんか真っ先にゼノンの想いを見抜いて、その後の全員の行動を決めるような言葉も切り出してるし
不言実行なパワーファイタータイプとか、得体のしれない寡黙キャラって感じでもない
(アルサイドに至っては才牙託すときにも無言だな…)
多分ヴァンデルとのハーフとか、亜人種とかなんだろうけど
個人的にはビィトから見てゼノンが1代前の勇者だとすると、そのもう一代前の勇者パーティの一員って気がする。
>>265 アルサイドの数少ないセリフ(そして目が見えるシーン)がベルトーゼ登場前の「…来るッ…!」なのが意味深だな。
なんかベルトーゼに特別な因縁でもあるのか、アルサイドに特別な感知能力があるのか
それとも全員同じように察知してたけど、あまりにアルサイドの出番がすくなくてかわいそうなので
あのコマを割り振られただけなのか…
270 :
粗筋王マロン 1/5:2011/05/20(金) 22:59:59.84 ID:TmEBZ72J
<第7話:激闘!ベルトーゼ>
周囲の大気を震わせながら起き上がるベルトーゼ。
起き上がったベルトーゼの胸の傷はもはや完全にふさがりつつあった。
「なるほど あの時の鼻タレ小僧か… 一人前の目つきをしとるからわからなかったぞ…
そして… オレの数年来の疑問も解けた
あの時、瀕死でオレに立ち向かってきたゼノン戦士団が
なぜ誰一人として才牙をふるってこなかったのか…?
それは即ちお前の生命を救う為に才牙を与えてしまったからに他ならない…!」
「… そ う さ ! おれにはみんなの力がある!
ゼノン戦士団はずっとおれの中に生きているんだ…!」
「…みんなの力…?
確かにお前は5人の才牙を受け継ぎ、あの時見たゼノンの必殺技までも独学で身につけたようだが…
所 詮 は 真 似 事 に す ぎ ん …
ゼノンとオレが戦った時を思い起こしてみるがいい
あの時… オレは奴の放った一刀を、全冥力を集中し防御していただろう…?」
――その言葉に、ビィトの脳裏に3年前の忌まわしい出来事が甦る。
<以下回想>
3年前のゼノン戦士団対ベルトーゼ、第1ラウンド……。
彼らがビィトに才牙を分け与える前の、互いの全力の戦い。
クルスが仲間を防御しつつ、その陰からアルサイドがCガンナーを撃つ。
その背後でゼノンがEブレードを身構え、タメを作る。
直後、大きく跳び―――― ゼノンウィンザードが炸裂する!
しかしベルトーゼは全冥力を込めた両腕を交差させ防御する。
さすがのゼノンウィンザードも、ベルトーゼの腕を浅く斬った程度のダメージしか与えられなかった。
…もちろん、魔人にとってはこの程度の傷はすぐに治癒してしまう。
その直後、ベルトーゼはビィトに気づき――――…… あの忌まわしい出来事が起こったのだ。
<回想終了>
271 :
粗筋王マロン 2/5:2011/05/20(金) 23:00:55.12 ID:TmEBZ72J
(そ… そう…だった…!)
「全力で防御しなければオレは殺られていた… それほどあの男の秘技は強力だったのだ!
つまりお前の攻撃は防御にも値しなかったと言う事よ…! 一目で… そう見抜けた!!
それが証拠に、見よ!己の才牙を!! ゼノンの才牙はオレが出会った中でも最強の武器だった…
それが… たかが一撃でそうなるか?」
言われるままビィトはEブレードを見ると…… 徐々にヒビが広がり―――― 砕け散った!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110520223216.jpg 砕け散ったEブレードを落とし、愕然と膝をつくビィト。
「…まぁ、そんな所だろう…上出来とも言える
いかに本人から授かったものとはいえ、ゼノンの才牙は究極の才牙…!
普通のバスターには生成する事すらできんはず…
それを具現化し、不完全とはいえ振り回せたのだ …奇跡だよ」
その会話そ聞いていたポアラは奇跡の理由がハッキリわかった。
(…兄弟…だからだわ!
ビィトがいなくなった後、父さんが言ってた… ゼノンはビィトの本当の兄さんだったんだって…
血のつながった兄弟だからこそ、そんなゼノンの才牙も生み出す事ができた…)
――そこまで考え、ふとある事に気付く。と言う事は、もしかしたら……?
一方、ベルトーゼは茫然となったビィトに蹴りを入れる。
「どうした!? このぐらいで戦意喪失してる様では… 5人の名が泣くぞっ!!」
ベルトーゼは猛攻を続け、ビィトを片手で掴みあげる。
するとビィトが次に生成したのは…… サイクロンガンナー!!
至近距離でCガンナーを撃ち、ベルトーゼの右肩を大きくえぐる!
追撃しようとする ……が、撃てたのは1発だけだった。周囲に空しく引鉄の音だけが響く。
「…後が続かんなぁ… 今まで出した才牙以上に使えんとは…!!」
ベルトーゼは一気に間合いを詰め殴りかかるが、ビィトもCガンナーで拳を防ぐ。
(……やっぱりそうなんだ…! 今のビィトの実力では5つの才牙を完全に使える訳じゃないんだわ!!)
272 :
粗筋王マロン 3/5:2011/05/20(金) 23:01:49.70 ID:TmEBZ72J
ビィトの致命的な弱点に気付き青ざめるポアラ!
――ふと、間合いを取ったビィトを見ると…… こんな時に頭がグラグラし始めた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110520223230.jpg ポアラはスレッドの警告を思い出しますます青ざめる。
そしてビィトは視界がかすむ中、不信に思う。さっき丸一日寝た筈なのに…?
強烈な眠気を振り絞った瞬間、目の前にはベルトーゼの拳!
…次の瞬間、ビィトはCガンナー共々宙を舞い落下した。
苦痛にうめくビィトに次をしかけてこいとばかりに挑発するベルトーゼ。
ふらつきながら起き上がるビィトは、最後の才牙「Vアックス」を使おうとするがためらってしまう。
(でも… あれは…!)
そうしている間にも、ベルトーゼは必殺技を繰り出そうとしている。もはやためらっている暇は無い!
『ファントムストローク!!』
ベルトーゼの拳から放たれた黒い風圧がビィトを襲う!
ビィトは必死にVアックスを生成しようとするが… 疲労のせいで出すのに時間がかかりすぎる!
直撃する瞬間―――― ポアラがビィトをかばった!
『に… 逃げるわよ、ビィト! 今は…あいつにはかなわない…っ!!』
「逃げる…だと? 逃げるにも最低限の実力が必要だぞ…!」
「そんなの… 百も承知よ!!』
叫びながら天撃を発動させて目くらましでも作ろうとするが、なぜか大気が練れない。
それどころか、視界が徐々にかすみ始めて行く…
「…グリニデの毒だな…! おそらくお前を囮にするための遅効性の毒…
時間が経てば確実に死にいたると言う代物だ…!」
「ポ… ポアラが…死ぬ!?」
青ざめるビィトを見て豪快に笑いだすベルトーゼ。
「心配は無用だぞ、小僧! 毒で苦悶して死ぬ前に、その女は楽になれる… 今、お前とここでな…!
あの世への冥土の土産に上位冥撃と言う物を見せてやろう これが…
“ 灼 熱 の 冥 獄 炎 ” だ…」
273 :
粗筋王マロン 4/5:2011/05/20(金) 23:02:37.00 ID:TmEBZ72J
ベルトーゼの足元の床が割れ、そこからマグマが立ちのぼり… 巨大な火球が現れた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110520223244.jpg その熱気は離れた場所にいる2人の肌を一気に焦がす程。
成す術もないビィトとポアラはただベルトーゼを見るしか出来なかった…。
「…オレに2度殺される事になったな さらばだ……!」
別れを言うと、ベルトーゼは火球を投げつけた!!
荒れ狂う炎の竜巻を発生させながら火球はビィト達に向かう!!
………が、狙いは大きく外れ火球は建物を爆破しただけだった???!!!
何事かと見てみると、ベルトーゼの右手に深い切り傷が刻まれていた。
「…どうした、惨劇の王者」
突如聞こえた声にベルトーゼが振り向くと―――― そこにはスレッドが立っていた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110520223258.jpg 「まさか血を見た事が無いとでも言うのか…?」
「…仲間か…」
「…冗談だろ!」
そう吐き捨てると、スレッドは煙玉を取りだし煙幕を張る。
――――しばらくして煙幕が晴れると…… ビィト達は姿を消していた。
―町はずれ―
背負ったビィトを路地の壁に投げ捨てる様に降ろしながら文句を言うスレッド。
「…バッカ野郎が!お前の阿呆は底なしか!?
三ッ星や四ッ星程度の魔人相手だって、強豪のバスターが組んで挑むんだ
あんな伝説の怪物に2人で勝てるとでも思ったのか…!?』
「…伝説の怪物…か… ホントだよな… 死ぬほど強ぇや…」
死ぬ思いをしたのに思わずニヤつくビィトに襟首を掴んで一喝するスレッド。
『笑い事じゃないっ! どういうつもりなんだ、ええっ!?』
274 :
粗筋王マロン 5/5:2011/05/20(金) 23:03:19.00 ID:TmEBZ72J
「……………………逃げたく……なかった… …一目見てとんでもなく強ぇのはわかったし…
ゼノン達が5人で戦っても勝てなかった奴だって事もよくわかってる…!
でも…… 逃げたくなかったんだ…!
ここで…ここで一度逃げてしまったら… 多分、その後も奴を見かける度にこそこそしちまう…
『まだLVが足りねぇ』『まだ自信がねぇ』『次に…』『次に…』って… そんな気がしたんだ…
そんな男に… なりたくなかった…!!」
悔しさで拳を握りしめるビィトを、ただ無言で見るスレッド。
「自分でも… バカみてぇだって…思うけど…ごめん・・・・・ポアラ・・・・スレッ…ド…」
そのまま寝てしまった事に驚くポアラ。さっき起きたばかりなのに…。
「才牙は一撃必殺… 長期戦は禁物だ
あまりに戦いが長引くと、天力を大量に消費し短時間だが眠りに襲われる
それはビィトがどれだけ大きな眠りを取ろうとも、避けられないものなんだ
ましてやこいつは複数の才牙を生成できる、その消耗度たるやケタ外れのハズだ…」
――その直後、光の帯が4本、空中から飛来しビィトの胸へ入って行く!敵の攻撃か!?
「才牙だ…! ビィトが意識を失ったから戻った…」
直後、何かに気付いたスレッドは目を見開き焦りだす?!
『いかん! 今ので奴に居場所が知れたぞ…!』
…その頃、ベルトーゼは光の帯を追って街中を歩きまわっていた。 <続く>
イイハナシダナー
> ここで…ここで一度逃げてしまったら… 多分、その後も奴を見かける度にこそこそしちまう…
ゲームで例えると、DQではないが「メタルマックス2」のテッドブロイラーがまさにこれ。
結局どれだけLV上げても勝てず、投げてしまった…
ネットが普及した現在では、LOVEマシンの熱バリア必須と知って愕然としたけどなorz
ゲームの話じゃないと思うんだが
あくまで例え話な。
現実だったらいじめっ子に立ち向かう、という例でもいいかな
とりあえず弱点が明らかにされたな。まあ順当な所か。
適当な2つ☆辺りを相手にしつつその辺を鍛えてグリニデと再戦、そのあとベルトーゼと再戦かな。
ベルトーゼからうまく逃げおおせれば、な。
もしくはベルトーゼが「興をそがれた」とか言って立ち去るか。
>ゼノンの才牙は究極の才牙…!
バスターによって多種多様なはずなのに、なんでこんなことが言えるんだろう
なんか他の才牙にはありえない特殊能力でもこもってるのかな
最高位である七つ星の魔人であり、しかもグリみたいなセコく賢くタイプじゃないってことは
堂々と強いバスターと戦った経験が多いはず
そんな現在のベルトーゼがここまで言うからには、ゼノンが特別だったんだろうな
ダイでいえば竜の騎士みたいな、原則として代わりになるものがありえない存在なのか
>―――― そこにはスレッドが立っていた!
渋い
>>276 負けグセじゃないけど、
一度妥協をおぼえてしまうとズルズルいきそうってのは真理かもな。
特に純粋さがウリなビィト君みたいなキャラは。
ちなみにたとえといえば
黒死館殺人事件のスレでよく見かけた。
>ここで…ここで一度逃げてしまったら… 多分、その後も奴を見かける度にこそこそしちまう…
一度頑張ってある程度の所まで読み進まないと、
早めにギブアップすると、次も最初から読み始めてまた同じあたりで挫折して
何ものこらん
>―――― そこにはスレッドが立っていた!
渋い
やっぱスレッドはビィトにおけるヒュンケルポジションかな。顔は似てないけど
対等なライバルって感じで
ダイにはありそうでなかったタイプじゃないかな
例えるならヒュンケルに対するヒムみたいな感じかな
ヒュンケルとヒム、ヒュンケルとラ-ハルトにしても
ビィトとスレッドのような並列感はないと思う
強さ評価の上で片思い的な関係があるというか
となると、やはりダイ大にはいなかったタイプか。
もしかすると三条先生の他の作品にいるのかもしれないが。
それにしてもこのピンチにビィトはどうやって危機を脱するのかが見ものだ。
個人的には才牙が予想外の場所へ飛行、その隙に撤退という流れを予想。
> …その頃、ベルトーゼは光の帯を追って街中を歩きまわっていた。
歩き回ったというより、スレッドが言った通り戻った才牙を追ってまっすぐ居場所を突き止めた、だね
ビィトたちのいる路地=ベルトーゼが来た路地。
そうとわかるように、道幅を2:1(反対から見れば1:2)に分けるように敷石ラインが目印になっている
似たような別路地の可能性もあるが、伏線を極度に好む三条氏が
あえて敷石までこだわって描いてただのミスリードなんてことはしないと思う
289 :
粗筋王マロン 1/6:2011/05/22(日) 23:00:41.80 ID:EwEuAzGr
<第8話:目覚めよ!!ビィト>
先程までビィトがいた場所を見つめるベルトーゼに、何者かの影が背後から襲いかかる!
とっさに右腕で防御するが、右腕がスパッと鋭利な物で切れてしまう。
襲撃者は―――― スレッドだった。 ……が、武器らしい物は持っていない。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110522223839.jpg 「いい度胸だな… いきなりオレの首を狙ってくるとは…
相当場数を踏んだ暗殺屋… と言ったところか…
お前ぐらいのバスターなら分かるはずだぞ、一人でオレに立ち向かえばどういう事になるか…」
『黙れっ!!』
スレッドがジャンプしてベルトーゼとすれ違った瞬間、またしてもベルトーゼに切り傷がつく。
(…まただ! あいつが腕を振るうと鋭い一撃が走る…! 手刀による真空波の一種か… あるいは…)
何度見てもスレッドは武器を持っていないが、妙な「構え」が気になるベルトーゼ。
同時刻、ポアラは…… 弱った体でビィトを担いで逃げていた。
(「とにかく行け! 適当に時間を稼いでオレは逃げる
心配はいらん、こいつの尻拭いで生命を落とすつもりなんかさらさら無いからな…!」)
スレッドの言葉を信じ、少しでも離れようとするが目まいがして膝をついてしまう。
ポアラは改めてグリニデの毒のやばさを感じ、このままではビィト戦士団は全滅してしまう!
――――“戦士団”…?
自分のセリフである事を思い出す。戦士団契約をした場所…“鑑定小屋”なら解毒ができる!
気力を振り絞り、ビィトに肩を貸しながら何としても鑑定小屋に辿りつこうとするポアラだった。
290 :
粗筋王マロン 2/6:2011/05/22(日) 23:01:23.56 ID:EwEuAzGr
一方、ベルトーゼは…… 手足に切り傷を負いながらも、余裕の笑みを浮かべていた。
「…くっ…! どうりで楽に斬らせてくれると思ったぜ…! こういう事だったとはな!」
「お前の攻撃の謎に興味があったんでな… わざと斬られたのさ
おかげで見えない筈の武器がオレの血を吸って浮かび上がってきた… やはり… 才 牙 だったな!」
「…おそらく肉眼で見た相手は貴様が初めてだ…
これが…オレの才牙… “ サ イ レ ン ト グ レ イ ブ ” だ!!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110522223856.jpg スレッドの才牙がはっきりと目に見える。それは元々ガラスの様な透明な刃物だった!!
「…透明… しかも極薄の刃とはな…! 才牙と言えばバスターの力の象徴として
強大な物と言う印象が強いが… こんな発想もあるわけか……」
「極限までに薄く鋭く圧縮されたこのオレの才牙は、いかなる相手をも断ずる…!」
「面白い戦法だが… ネタが割れてはもう通用せんぞ…!」
『まだだっ!!』
Sグレイブに着いた血を振り払うと、再び身構える。
「…わからんな…! なぜそうまでしてあの小僧を守ろうとする? 自分の生命を捨ててまで…だ…!」
「…知るかっ…! あんなバカで! ド素人丸出しで! 青臭い夢ばかりわめく世間知らずな奴を…!
なぜ… いつもオレは放っておけないのかっ… 知りたいのはオレの方だ…!!」
言うが早いか、スレッドは天撃の旋風を放ちベルトーゼの足止め&目くらましとする!
小型竜巻と化した旋風はベルトーゼを覆い、いくつもの傷を負わせていく。
(いくらベルトーゼでもこいつは見切れまい…!
この旋風の中で攻撃を続ける限り… まだ打つ手はある!!)
切り刻まれ弱ったベルトーゼは、ついに崩れ落ちてしまう。
「(…今だっ!) 覚悟! ベルトーゼ!!』
スレッドのとどめの一撃が放たれ、激しい血飛沫が舞い散った!
――――しかし、それは…… 急所に直撃したのではなく、防御した腕からの出血だった!
291 :
粗筋王マロン 3/6:2011/05/22(日) 23:02:05.07 ID:EwEuAzGr
とどめの一撃を防がれ、驚愕し怯んだ隙にベルトーゼの拳が才牙を砕き、スレッドの身体を吹き飛ばした!
さらに追い打ちのファントムストロークをまともに受け、壁に叩きつけられ血反吐を吐くスレッド。
「バ… バカな… オレの攻撃は見えないはず…だ! なぜ防御が…」
「見えはせんが予測はできた これまでの戦いでお前は普通に斬りつけても、
オレの身体に決定的なダメージを与えられない事を痛感していたはずだからな…
それならば、お前の最後の一撃は横切りではなく、急所を狙った突きしかない…
即ち、心臓か… 頭だ!」
悔しがるスレッドにとどめを刺そうと、ゆっくりと歩み寄るベルトーゼ……。
一方、ビィトは……何者かに呼ばれ目を覚ました。
そこは暗闇の中に5つの才牙が浮かび上がり、ビィトを取り囲んでいた。
その中でひときわ目立つ、ボロボロのエクセリオンブレードに謝るビィト。
「おれに力が無いせいで… こんな… こんな事に…!
おれ… みんなから才牙を授かったのに…ベルトーゼに勝てなかった… 全然…ダメだったんだ…!」
《…元気を出せ、ビィト…!》
激しく落胆するビィトに、突如どこからともなくゼノンの声が聞こえた。
《お前には無限の可能性がある、オレ達はそれを信じて才牙を託したんだ
オレ達が信じていると言うのにお前自身が自分を信じられなくてどうする?》
――声はそれぞれの才牙から聞こえていた。それも、それぞれの持ち主の声で…。
《…その通りだ、ビィト》
《おめーが一番マシに使えるこのバーニングランスだってな、まだ半分の力も出し切れてねェんだ》
《お前はやがて、全てを備え 全てを駆使する男になるだろう…!》
《今でも充分君は強い! ただ力の使い方を知らないだけです 困った時にはボク達の事を思い出して…!》
アルサイドが、ライオが、ブルーザムが、クルスが…みんなビィトを信じている。
《そうだビィト、思い出してみろ オレ達と過ごしてバスターを夢見たあの頃のお前の気持ちを…!
誰でも無い… お前自身が選んだ戦いの道だろう? 自信を持って進めばいい!
お前が… 暗黒の世紀を終わらせるんじゃなかったのか…?》
292 :
粗筋王マロン 4/6:2011/05/22(日) 23:02:48.36 ID:EwEuAzGr
「……そっか… そう…だよな…
突然…みんなの仇のベルトーゼに出会って… しかもすんげぇ強いんで…
おれ…柄にもなくビビってたのかもしれねぇ…
“暗黒の世紀を終わらせる男”が… そんな程度でへこたれてなんかいられねぇよな!」
迷いを捨て微笑むビィトの前が強く輝き始める。――エクセリオンブレードが修復していくのだ!
《そうだ! お前の心が折れてしまわん限り、才牙もまた不滅なのだ! 心を強く持て!》
《強く… 強く!》
5つの才牙はビィトを励まし―――― そこで目が覚めた。
ここは…… 魔人や魔物の襲撃でボロボロにはなったものの、鑑定小屋だった。
突如2階から降りてきた爺さんはビィトが目覚めた事に気付く。
ビィトは事情を尋ねると、爺さんはこれまでのあらましを説明する。
「1時間程度で回復するもんじゃが… 今後は気をつける事じゃ」
…と、思い出したかのように再び慌て始める爺さん。
「そっ そうじゃ!こうしちゃおれん! 早くポアラを…!」
「ポ… ポアラがどうかしたのか!?」
―鑑定小屋2階―
ベッドの上には土気色の肌になった、苦しそうなポアラが横たわっていた。
「…すまん この子の魔人の毒には強い魔力が込められていて、体内から出ようとせんのじゃ…
ワシの能力ではどうしようもない…
しかも先刻の魔物の襲撃で解毒道具の類いが全部ダメにされてしまってのぉ…
このままでは… このままでは確実に助からん! 死ぬのを待つだけ…じゃっ!」
うつむいて何も出来ない自分の無力さを呪う爺さん。
ビィトは思わずポアラを呼ぶが、もはやポアラの耳にはビィトの声も入らなかった。
293 :
粗筋王マロン 5/6:2011/05/22(日) 23:03:29.85 ID:EwEuAzGr
同時刻、ベルトーゼはスレッドの胸の刻印を見てLV32だと知った所だった。
「明らかにあの小僧より上級者だ ゼノン戦士団といい、こいつといい…
先駆者達が次々と生命をかなぐり捨てて守ろうとする小僧…か…!
あの小僧… もう少しつついてみるのも面白いかもしれん…!」
ベルトーゼは指を鳴らすと、空中からハチ型の魔物・ペンバリ―が数匹やってきた。
ペンバリーにビィトを探せと命じるベルトーゼに、これはまずいと立ち上がるスレッド。
もう少し時間を稼ごうとするが、もはやベルトーゼはスレッドに興味を無くしたようだ。
ベルトーゼはスレッドに背を向けたまま、冥撃の爆炎を放り投げスレッドを爆破した!
―再び鑑定小屋2階―
そうすればいいのかと悩む爺さん、何か方法は無いのかと焦りながら詰め寄るビィト。
…だったが、先程のゼノンの教えを思い出し落ち着こうとする。
(こんな時こそオタオタしてねぇで自分に出来る事を考えろ!
きっとおれにだって、何か… 何かポアラのために役立てるはずだ!!)
その時、ビィトはクルスの言葉を思い出す。《困った時はボク達の事を思い出して》、と。
――その言葉に名案が浮かぶ。もしかすると助けられるかもしれない…!
そう思ったビィトは、敵もいないのに場違いなクラウンシールドを生成、具現化した??!!
もちろん爺さんは何をしようとするのか分からずビィトに問う。
「…昔! この才牙の持ち主だった男が、こうして仲間を救うのを見た事がある…!
…クルス! おれもっ… おれもやってみせる! あんたみたいに!!」
ビィトがCシールドを掲げると、ポアラの身体が空中に浮かびあがって行く。
シールドから発せられた神々しい光はどんどん強くなり―――― ビィトの雄叫びと共に弾けた!!
すると―――― ポアラの身体からシミのような物が吹き飛び、壁にくっきりと人型の染みができる。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110522223911.jpg
294 :
粗筋王マロン 6/6:2011/05/22(日) 23:04:12.23 ID:EwEuAzGr
ベッドに落ちたポアラの顔を見ると、先程の苦しそうな表情が消え、安らかな寝息を立てていた。
一方、ビィトは自分にもできたと大喜びだったが…… 一体何が起こったのか。
それは歴代のバスターを見てきた爺さんが知っていた。
(な… なんという子じゃ…! 才牙を使うだけじゃなく、こんな高度な解毒方法まで…!)
――あのシミはポアラの身体を蝕んでいた“毒”そのものだったのだ!
突如ビィトは喜ぶのをやめ、外を見ると爺さんにポアラを頼み駆け出していく。
「…奴が来る!」
「ま… まさか… ベルトーゼがここへ!!??」
「大丈夫! おれがなんとかする!」
「なんとかったって、お前… 相手は“惨劇の王者”なんじゃぞ!?」
「心配すんなって、おれだって“暗黒の世紀を終わらせる男”だぜ!!」
――迷いも悩みもふっきれたビィトの表情は、凛々しい一人前の戦士の顔つきになっていた。
<続く>
毒が染み込んでしまった鑑定小屋に住むばーさんカワイソス(´・ω・)
どうせ死んでないスレッドはビィトのピンチの度に現れては返り討ちにあうDB映画版ベジータのポジションだな
>>295 後に「あそこの鑑定小屋には死体が塗りこまれている」とか噂されそうだな
つまりスレッドも心が折れなければ才牙再生して戦う事も可能だったんだな。
極限まで薄く鋭く圧縮したってむしろ色濃くて壊れにくいイメージなんだけどな
>>299 そもそも現実の物質でない物を実体化したって時点で、薄かろうが厚かろうが壊れやすさは制作者の精神力次第なんでは
>>299 SaGaシリーズのガラスの剣思い出した。
攻撃力はすさまじく高いが、1回使うと壊れちまうヤツ。
>「…知るかっ…! あんなバカで! ド素人丸出しで! 青臭い夢ばかりわめく世間知らずな奴を…!
> なぜ… いつもオレは放っておけないのかっ… 知りたいのはオレの方だ…!!」
普段は照れのせいか冷たい態度で接してるが
いざとなると好意むきだしの甘い態度になる、ラブコメでの一つの古典的パターンを
最近では「ツンデレ」と名づけられてるらしいが
これは自分でも気持が整理できてない、感情の披露の相手が本人でなく第三者という点で
「ツンデレ」をさらに深めた形になってるな
なかなか目の離せない関係性だw
>防御した腕からの出血だった!
防御してるってことは一応、ビィトの未熟ゼノンウィンザードよりは上なんだな
>ベルトーゼはスレッドに背を向けたまま、冥撃の爆炎を放り投げスレッドを爆破した!
かなり安全な生存フラグが立ってよかったw
>《…その通りだ、ビィト》
こんな時でも言葉数が一番少ないな、アルサイドw
他4人のセリフとくらべて独自のメッセージ性がないじゃないか
> しかも先刻の魔物の襲撃で解毒道具の類いが全部ダメにされてしまってのぉ…
これって毒で人質をとる作戦のグリニデの下工作か
さすが細かいとこまでぬかりがないなー
>ポアラの身体が空中に浮かびあがって行く。
なんか物理的効果の域をはるかに超えてるな…まだ未熟なくせにそこまで使えるビィトもすごい
>なんか物理的効果の域をはるかに超えてるな
剣と「魔法」のファンタジー物なんで無問題!
ゆで物理学よりはずっとマシだw
あんなのを三条漫画とならべたら失礼だろ
306 :
163:2011/05/24(火) 00:30:54.94 ID:???
今更だが魔人の星は最大7つだったのな。
となるとイメージとしてはこんな感じか?
(ただ強いだけで星はもらえないらしいから、一概には言えないけど)
星1つ:DQ4のピサロの手先
星2つ:デルムリン島脱出後のライオンヘッド
星3つ:改造前のハドラー(15年前)、ボラホーン参りました!
星4つ:ラーハルト、魔剣戦士時代のヒュンケル
星5つ:バラン
星6つ:超魔ハドラー、竜魔人バラン
星7つ:バーン、ヴェルザー
ダイだと、もうすこし上寄りな気がする。先に行くほど幅が広いそうだし。
星1つ:
星2つ:でろりん一味
星3つ:
星4つ:バーンによって十数年ぶりに復活した鼻水ハドラー、クロコ、竜騎衆の残り2人
星5つ(けっこう幅広い):結界の効果込みのフレイザード、復活前ラーハルト、通常バラン、超魔ゾンビ
星6つ(〃):親衛騎団、竜魔人バラン、キルバーンとか
星7つ:
最初5人がビィトに才牙を託すところを読みかえしたんだけどさ
ベルトーゼが全冥力と引き換えの技を放った時、ゼノン戦士団のダメージ描写
1 最前列のライオ、足と腰に被弾、クルス、ビィトをかばって肩に被弾
2 ゼノン、胴と足に被弾
3 ブルーザム、頭と首に被弾
4 ライオ胸に被弾、クルス腕に被弾
5 被弾せず全てかわし、サイクロンガンな―で反撃するアルサイド
6 サイクロンガンナーでの反撃シーンがさらに2コマも
(他キャラは、ゼノンでさえ反撃せず技を被弾するがまま)
ベルトーゼ来襲を察知したのがアルサイド一人だけのシーンでなんとなく意味深だったし、
なんかアルサイドにもベルトーゼ関連の特別な取り柄があるんじゃなかろうか
>307
でろりん一味は後半の活躍があるのであえて外したけど、
もし読切時のまま改心しなければ★1だと思う
才牙の原形って、ダイ大の命の剣かな?
311 :
粗筋王マロン 1/7:2011/05/24(火) 22:59:36.86 ID:KVkIXlEu
<第9話:死闘!!>
ビィトが鑑定小屋から出て行ってしばらくした後、ポアラが意識を取り戻した。
「…? …私… 治ってる…!?」
「お前さんの相棒のおかげじゃよ、ワシにも思い及ばない見事な解毒方法じゃった!」
爺さんが指差す方向を見ると、ポアラは壁の人型のシミに気付いた。
「ビィトが… これを…!?」
「……大物になるぞ! あの子はっ…!!」
その頃、ビィトは腕組みをして森でベルトーゼが来るのを待ち構えていた。
「…よぉっ! 来たな、ベルトーゼ!!」
ビィトの姿を目の当たりにしたベルトーゼは、先程とはまるで別人の様になったビィトに驚く。
「…妙にふっきれた顔をしているな
てっきりオレに挑んだ事を後悔しながら震えているかと思っていたが…」
「…バカ言うなよ! やっちまった事をあれこれ考えても意味ないじゃんか!
おれは反省はするけど、後悔はしねぇっ!!」
そう言って自慢げに胸を叩くビィトをベルトーゼは鼻で笑うと、どうするのかと問う。
「お前があんまり強ぇんで、ロクに使えもしない才牙をあれこれ出しちまったのが
さっきの戦いのマズイとこだな
一番有効な才牙1つに絞って積極的に戦った方が、今のおれには合ってるし力が出せる…!」
明らかに落ち着き払っているビィトは、まるで講座を開くかのように説明する。
「…ホゥ… それでは、オレに一番有効な才牙とは…!?」
ビィトは何も言わず、その場で才牙を生成―――― 具現化した才牙にベルトーゼは驚愕する!
ビィトが選んだ才牙とは―――― ク ラ ウ ン シ ー ル ド !!
「……なん… だと…? 盾…? 盾を選んだだと?
先刻のオレの力を忘れた訳じゃあるまい… 守勢に回ってしのぎきれると思っているのか?」
312 :
粗筋王マロン 2/7:2011/05/24(火) 23:00:23.26 ID:KVkIXlEu
しかしビィトは自信たっぷりに余裕の笑みを浮かべて答える。
「まぁ、やってみるさ さっきまでとはちょっと違うはずだぜ」
「買いかぶりだったか… オレをなめた代償…! 高 く つ く ぞ ッ !!! 』
――怒ったベルトーゼは黒い炎を纏いながらビィトに突進する!これにはビィトも一瞬ビビる!
「ひょぉっ!やっぱ凄っげぇな!!
だけどよ、なめてるのはそっちだぜ! クラウンシールドはな…!!
守 り だ け の 才 牙 じ ゃ ね ぇ ん だ ッ !!!! 』
シールドの下の角を掴むと、そこからチェーンが伸び―――― シールド部分が丸まっていく!?
ビィトの攻撃をまともに受けたベルトーゼは、ここにきて初めて吐血、倒れた。
再び立ち上がったベルトーゼが見たもの、それは――――……
鉄 球 形 態 へと変化したクラウンシールドだった!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110524223409.jpg 「そうさ! お前の身体は斬っても突いてもほとんど効果がねぇ!
それならこいつで叩いて、叩いて叩きまくるのが一番ってな…!」
ふらつきながらこしゃくな、と立ち上がるベルトーゼだったが。やはり打撃系が一番有効の様だ!!
『思った通りだったぜっ!!』
打撃が有効と知ったビィトは、鉄球を振り回しながら何度もベルトーゼに仕掛ける!
…その戦いを遠巻きに、爺さんの肩を借りたポアラがいた。
「す… 凄い!クラウンシールドにまだあんな秘密が…!」
「ええぞ! 最初のカウンター気味の一発が効いとる!!」
一方、ベルトーゼは冥撃の獄炎を放つがビィトは鉄球を振り回して防御した。
それならばと今度は切り札である灼熱の冥獄炎を繰り出そうと地面を割る。
「そいつはもうごめんだ・・・・・・ よっと!!』
313 :
粗筋王マロン 3/7:2011/05/24(火) 23:01:16.44 ID:KVkIXlEu
鉄球を地割れに叩きつけ暴発させ、冥獄炎発動を阻止する!!
「やっぱりな! 上位冥撃は放つまでにちょっと時間がかかる!
それさえ防いでおけば… 通常の冥撃ならこの形態でもなんとか弾けるぜ!
なんたって、元は・・・・・・・・ 盾 だからなっ!!!!」
ポアラは戦うビィトを見て、先程のビィトとは明らかに違う事を感じ取っていた。
(なんだか… すっごく自然体で戦ってる!
まるでああいう戦い方を昔から知っているみたいに…!)
――それもそのはず、ビィトは昔クルスの盾戦法を見た事があり、今バッチリ思い出していたのだ。
<以下回想>
痛がるライオの腕を掴み、Cシールドで解毒するクルス。
解毒が成功したのを見ていたビィトは喜んでいる。
「昼間戦った魔人に毒を受けてたんでしょう… そんな事に気づかないならまだまだ未熟ですね!」
「大きなお世話なんだよ!先輩風吹かせやがって!
オメ―に助けられるぐらいなら、毒でくたばった方がまだマシだっ!!」
訳の分からないビィトはクルスに「もしかして… また?」と聞く。
するとクルスは声は出さないでいたが、大きな咳払いで肯定する。
「おとなげないよな、ライオも! そんなちっちぇー事でプリプリしてよ!」
「うるせーな! テメーみてぇなガキに何がわかる!! 一度や二度じゃねぇんだぞ!!いつもだ!!
なんだって旅先でオレがホレた女は必ずクルスにホレるんだッ!!!!」
……何の事かと思えば、色恋沙汰だった!嫉妬の炎を燃やし悔しがるライオ。
がんばれライオ!粗筋王マロン以外にも多くの同志がいるぞッ!。・゚・(ノД`)・゚・。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110524223424.jpg 「まぁ… クルスの方が顔がいいからな…!
でもさ… おれちょっとクルスを見直しちゃったな…
なんか“盾使い”って身を守ってばっかでカッコ悪いってイメージがあったんだけどさ!」
314 :
粗筋王マロン 4/7:2011/05/24(火) 23:02:23.62 ID:KVkIXlEu
「…別にキミにカッコイイと思われなくても結構ですよ それにね……!」
――突如Cシールドを鉄球に変え、近くの岩を砕く!
「盾だって攻撃はできます まあ、滅多な事ではしませんけどね…
ボクの仕事は… みんなを守る事ですから…!」
淡々と語りその場を立ち去るクルス。
そんなクルスの後ろ姿に目を輝かせながら憧れるビィト(と、舌打ちするライオ)だった。
「ケッ! …あいつはな、本当はとんでもなく強ぇんだよ
その気になりゃ、オレなんかよりずっと攻撃力だって高ぇんだ…
さっきのだってただの解毒じゃねぇ “水”の属性を持つ盾で天力を増幅して、
オレの体内の毒が持つ呪いの冥力その者を“攻撃”したんだ
ただ攻めるだけのオレなんかにゃ、とても真似できねぇ… かなわねぇよな… ったく!」
自分の腕を握りしめながら微笑むライオ。
口ではなんだかんだ言いながらも、彼もまたクルスの実力を認めていた。
そんなライオの心境を、幼い頃のビィトは知る由も無かったのは言うまでも無い。
<回想終了>
そして―――― 現在(いま)。
(今ならわかる!!
あの時…クルスはそっけないふりをしても、ちゃんとアドバイスをくれてたんだ!!
防御も! 攻撃も! 兼ね備えた男になれ、って!!)
ビィトの攻撃は続き、一時互いに攻撃をやめ出方を窺う。
この死闘を見ていたポアラは弱った体をおしてビィトの加勢をしようとするが、爺さんに止められる。
「いかん、いかんぞポアラ! 今…加勢なんぞしても、逆にビィトの邪魔になるだけじゃ!」
「わ… わかってるわよ、それぐらい…!」
315 :
粗筋王マロン 5/7:2011/05/24(火) 23:03:06.46 ID:KVkIXlEu
ビィトが気を荒げる中、ベルトーゼは…… 弱った様子も無く、余裕の笑みを浮かべていた。
「ハァ… ハァ… おいおい、やめてくれよ その「見切ったぞ」って顔はさ…! ちょっと早くねぇ?」
「…フフッ… オレの攻撃をほとんど受けていないのに、その息の乱れよう…
そいつを振り回すのは相当な体力を消耗すると見た…!」
「へへっ… よく言うぜ! そっちこそ身にまとっていた黒い炎がほとんどなくなってるぜ
おれの攻撃に込めた天力で相当冥力散っちまったんじゃねーの?」
――そして2人は静かに笑いだし―――― 次第に高笑いに変わった!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110524223442.jpg 「ククク… これだ…! こういう奴が出てくるから闘いはやめられん…!
“星”よりも… “魔札”よりも…! オレの心を熱くかきたてるもの…!!
それは…やはり“闘い”なのだ!!
かえって……「この身体」で丁度良かったというところだな…!」
…どういう意味だ? 怪訝な顔をするビィトをよそに、再び冥撃を放とうとするベルトーゼ。
「冥撃なら・・・ 何度やってもおんなじだぜっ!!』
「どうかな? くらえ!!』
――今度の冥撃はいつものと違う! 地中を勢いよく走ってくる!
慌てて鉄球を地面に叩きつけるが、狙いが外れ冥撃はビィトに直撃した!
鉄球と共に吹き飛ばされるビィト。立ち上がろうとするが身体が言う事を聞かない!
「地中を走らせた電流だけは防ぎきれなかったな… ここまでだ…!
最後は何で殺されたい? オレの拳か… それとも上位冥撃か…?」
勝ち誇りながら近づくベルトーゼ。ビィトの顔に焦りが浮かぶ。 ――――ところが…
「…そんなもんでいいのかよ?
なんたっておれはゼノン達の代わりに“暗黒の世紀”を終わらせようって男だぜ!
もーちょっと強い技にしとかないと… また生き返ってくんぞ!!」
何か作戦でもあるのか、挑発し不敵に笑うビィト。
挑発に乗ったベルトーゼの身体から激しい黒い炎が噴きあがる!
316 :
6/7:2011/05/24(火) 23:08:04.30 ID:???
「…いいだろう、おまえがあの5人を上回っているとでもいうなら…
…こいつからまた生き延びてみせろ!!
ファントムエクスプロージョン!! あの5人に致命傷を与えた奥義だ!!
小 僧 に は 過 ぎ た 技 だ が 地 獄 へ の 土 産 だ !!
亡者にでも自慢するのだなァッ!!!!』
黒い炎が無数の鞭状になり、ビィトへと襲いかかる!
ポアラがビィトの名を呼ぶ中、ビィトはサイクロンガンナーを具現化した!!
「…バカめが! 自ら禁を破ったな! 今更他の才牙に頼ってどうなる!! お前の負けだ小僧!!』
――しかしビィトはCガンナーを明後日の方向に向けて撃った??!!
Cガンナーの狙いはベルトーゼではなく・・・・ C シ ー ル ド の 側 !!
衝撃でCシールドをこちらに吹き飛ばしたのだ!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110524223457.jpg Cシールドをキャッチしたビィトは鉄球を盾形態に戻し身構える。
「だから言ったろ! おれが選んだ才牙は…… このクラウンシールドだってな!!
お前のその一番冥力の強い攻撃をっ…!! 待 っ て た ん だ あ ぁ ぁ ぁ っ !!!!』
なんとCシールドがベルトーゼの全冥力を吸収しハネ返した!!
さしものベルトーゼもこれは避けきれず、直撃を受けついに崩れ落ちる!!
(…どうだ! これがクラウンシールドの力だ!
あの時だって…おれが邪魔をしなければ… おれを救う為にクルスが陣形を乱さなければ…!
ゼノン戦士団は負けたりしなかった… こうやって勝っていたんだっ…!!)
…勝利と後悔を胸に、ビィトはその場で吠えた。
317 :
7/7:2011/05/24(火) 23:08:27.29 ID:???
そして闘いを見守っていたポアラと爺さんも、あのベルトーゼに勝った事に喜びを隠せない。
…というか爺さん、年甲斐もなくはしゃぎすぎだ!
ポアラは思わずビィトに抱きつくが、この闘いを木の上から見ていたシャギーはその場を後にした。
―暗雲立ち込める不気味な場所―
「いや―――― 生で拝見してきましたよ、素晴らしい闘いでしたぁっ!!
まさか殺されてしまうとは思いませんでしたがね…
あなた程のお方が……です ベ ル ト ー ゼ 様 ……!!」
シャギーがにこやかに報告したのは―――― 倒したはずのベルトーゼ!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110524223510.jpg 「…全くだ オレの“分身体(ファントム)”を倒す奴がいるとは嬉しい限りだな」
シャギー曰く、分身と言ってもベルトーゼの場合、その強さは五ッ星・六ッ星にも匹敵するそうだ。
「末恐ろしい子ですよね! わざわざベルトーゼ様がつついてみた価値もあったというものです」
「…あの小僧… なんと言ったかな…」
するとシャギーはこれまでと違い、邪悪な笑みを浮かべながらビィトの名を教える。
「フッ …今度は忘れんようにしよう…
…オレがここを動けるようになるまで… 他の魔人に殺されんでくれよ、ビィト…!!」
水晶玉にポアラと共に喜ぶビィトの様子を浮かべ、将来を楽しみにするベルトーゼだった…。
<続く>
あの世への冥土の土産に上位冥撃をくれたり
地獄への土産にファントムエクスプロージョンを出したり
ベルトーゼは贈り物が好きな人だな
クラウンシールド一つで五ッ星ベルトーゼ倒せるなら、5人揃ってりゃ七ッ星だって楽勝じゃねえか?
ビイトを助けたばっかりに“暗黒の世紀”が終わるのが遅くなってるような。
苦労して倒したのに影武者かよ!
まあ、打ち切りにならなくてよかった…
>>320 まあこの先まだ6つ星のグリニデがひかえてるから
いきなり7つ星(しかも第一話から因縁のある名敵役候補)と決着つくわけはないけど
見方によってはグリニデおいてきぼりで「ビィトの戦いはこれからだ」的な急展開とも見れるわけか
>――そして2人は静かに笑いだし―――― 次第に高笑いに変わった!
ダイの純粋さと、人生にリーチがかかった超魔生物ハドラーなみの
戦闘に対する純粋さだな
>>319 当時のベルトーゼがまだ5つ星だということを考慮に入れても
それ以外にも分身体と本体ではしぶとさが違うんじゃないかな
あのときクルスが今回みたいにみごとに攻撃をはねかえしてたとしても
それだけで戦闘終了にはなってないはず
>>321 考えてみたらダイ大でも、バーンがまだ控えてるのに因縁のあるハドラー戦で終わらなかったよな…
つーかあれだけ散々目立ったグリニデがこのまま消えると思えないし、
月刊ジャンプは週刊と違ってそこまで人気重視でないみたいだからしばらくは打ち切りは免れそう?
解毒&変形する盾って斬新だな。
変形する盾と言えば他に思い出すのは
「電光超人グリッドマン」の盾しか浮かばん
(盾が閉じて斧、剣と合わせて長剣になる)
とぐろ兄とか??
未読なんで説明も添えてくれないか
>>324 なんとなくアンドロメダ瞬を連想した
いや盾はあんまり関係ないけど
そういや聖闘士星矢でも、ライブラの黄金聖衣が盾を円盤として投げてたっけ。
あれは円形だから投げるのは分からなくもなかったが…
ここで変形して武器になるとは、正直予想外だった
329 :
粗筋王マロン 1/7:2011/05/26(木) 23:04:26.62 ID:BlMQ0Nok
<第10話:新天地へ!!>
――――ちんまりとした金貨袋をつまみ怪訝そうにするビィト&ポアラ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110526223513.jpg ベルトーゼを倒したのに……たったこれだけ……???
「そうじゃ、ポアラはLV23に昇格 ビィトは現状維持 報奨金は罪人たいまつと合わせて…」
「ちょ… ちょっと待ってよ、じーさん! ベルトーゼって魔人の中でも超大物だろ?
いくらなんでもこれって…少なすぎねぇ!?」
町の修理費とか引かれた…と言う訳ではない。爺さんは言いにくそうに冷や汗混じりで説明する。
「実はな… 驚くじゃろうが… あれは… ベルトーゼ本人ではない…!!
死体を調べて判ったんじゃ、あれは魔人の分身体… “ファントム”じゃった…!」
『『・・・・・ファントム!!??』』
「ファントムというのはな、魔人や魔物の死肉を利用して造るかりそめの身体なんじゃよ
本体が遠くから冥力で遠隔操作して、偵察や影武者として身代わりに使ったりする存在じゃ
本体に比べたら相当弱くなる… それで昇格値と報奨金が低いんじゃが…
……あれ程の強さ… まさかファントムだった、などとは夢にも思わなんだ…」
衝撃の事実を聞き、ポアラは身体を震わせる。
信じられない強さでやっと倒したのに、あれが弱い分身だったのだから無理もない…。
(本物のベルトーゼは今もどこかで生きていて… しかもあの何倍も強いって言うの…!?)
――身震いするポアラを見て、その気持ちを察した爺さんは何も言えずうつむいてしまう。
「…って事はさ… これからどっかでムチャクチャ強ぇ、本物のベルトーゼにぶち当たる
気ィ入れて強くなっとくしかないって事だな!!」
どこまでも前向きなビィトのセリフに、さすがの爺さんも開いた口がふさがらない。
「そうだろ?じーさん!」
「そ… それは…そうじゃが…」
『あ…あんたねぇ! 何能天気な事言ってんのよ!! そーゆー問題!?
ちょっとはこれからの先行きが不安にならないワケ!!??』
330 :
粗筋王マロン 2/7:2011/05/26(木) 23:05:14.43 ID:BlMQ0Nok
一瞬呆れつつも立ち直りまくしたてるポアラ。
「お前… やっぱ大物じゃのぉ… 今の話を聞いて他に何も感じんかったんか…?」
「え? そりゃあ感じはしたよ
“世界はすげぇなぁ!!”とか“がんばんなきゃー!”とかさ!!
なんとしても先に進まなきゃ…! 強くなるにはそれが一番だからな…!!」
能天気すぎるビィトに思わずコケるポアラ&じーさん。
ポアラは折角の美貌が台無しになる位涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにし、何か言いたそうに爺さんに訴える。
「気持ちはわかるぞ… お前も苦労するのぉ…
ぶっ飛んじゃいるが、言ってる事は間違っちゃいないだけに困りもんじゃぁ…」
――先行き不安なポアラを慰めつつ脱力する爺さん。ポアラ、哀れ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110526223532.jpg ポアラが忠告しようとするも、先を急ごうとビィトはここから出ようとする。
『ちゃんと聞いてッ!! 先へ進むには、最低あと1人は仲間が必要よ!
あんたの才牙に頼りっぱなしじゃ、今回みたいに私がドジっちゃった時に 誰もフォローできなくなるわ!
攻撃と防御…
最低2人であんたを支えていかないと、これからは切り抜けられなくなるのは目に見えてる!
なんとか… この町の付近で仲間を見つけて万全の態勢で旅に出なきゃ…!」
「そんな事言ったって、この辺りにおれ達とレドウの先まで行ってくれそうな強い奴なんて
いそうにいないんだ、先に進むしかないだろ?」
該当なしとのビィトの言葉にポアラは思わずため息をつく。
「……スレッドが… 仲間になってくれれば…」
「…そっか! スレッドか… ちょっと前だったら「ふざけんな」って言ってる所だけど…
あいつが助けてくれなきゃ、おれ達2人とも殺されてたもんな…
どこ行っちまったんだよ、あいつ…! まだ礼も言ってねぇってのに…」
「…無事だといいけど…」
「…なぁに!心配はいらんよ 死体があった訳でもなし、あれ程の奴が簡単にくたばりゃせんて!
ただ、素直じゃない所があるからの 照れて出て来れんのじゃろう
きっといつか… また一緒に戦えるじゃろ…!」
331 :
粗筋王マロン 3/7:2011/05/26(木) 23:05:58.24 ID:BlMQ0Nok
「…そうだよな!」 「そうとも!」
じいさんの言葉に元気づけられる2人。
――しかし窓の外にはいつの間にかスレッドがいたのを、この時2人はまだ知らない。
だが、スレッドは重傷の我が身を見つめ何かを思い、その場を離れ森へと消えていった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110526223545.jpg その後、2人は爺さんから地図を見せてもらい、次なる強国『トロワナ』を教えてもらう。
「強力なバスターも多く集まっとる、仲間探しならトロワナが一番じゃろう」
その話を聞いたビィトはトロワナに行こうと言うが、ポアラは浮かない顔をしている。
「ねーねー! この地図の先の世界もあるんだろ?どんななの? もっと大きな地図で見せてくれよ!」
「先走るでないわい! 本当じゃったらこの地図だってLV30以下の奴には見せちゃいかんのじゃぞ!」
――ふと、ビィトは地図の一部分が真っ黒に塗りつぶされている場所に気付く。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110526223604.jpg 「なあ、ここ… この黒い場所は何…?」
「これか… これが“黒の地平”じゃよ
大量に増殖した魔物の影響で、空は暗雲に包まれ 大地は黒く枯れている… 地獄の様な地域じゃ
“深緑の智将”魔人グリニデの勢力圏じゃよ…!」
「…あいつか…!」 グリニデと言われ、奴の顔を思い出し気を引き締めるビィト。
―黒の大地・グリニデの居城―
そこではグリニデがシャギーによって、腕に新たな“星”を埋め込まれている最中だった。
埋め込みが終わり、七ッ星になった腕を自慢げにダンゴールに見せるグリニデ。
「……どうかね?似合うかな?」
(な… 七ッ星!! ついにグリニデ様も地上の魔人の最高位になられたっ…!!)
目を潤ませ祝辞を述べるダンゴール。その嬉しそうな表情をペンバリーがスケッチする。
332 :
粗筋王マロン 4/7:2011/05/26(木) 23:06:49.66 ID:BlMQ0Nok
「良くお似合いです! グリニデ様が滅ぼした国や村落の数は丁度100!
黒の地平の人口を1/10までに減らしたそのご功績をたたえての「星」の授与ですよ」
「フフ…どうやら幸運と言うのはまとめて降ってくるものらしい…
私の堅実な努力が認められ…
同時にベルトーゼがあのワンダーボーイに殺されたと言うのだからな…!」
――その言葉にシャギーは一瞬、邪悪な笑みをちらつかせる。
どうやらあれがファントムだと言う事は、さしものグリニデも知らない様だ…。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110526223620.jpg 「ええ… まさかあんな事になるとは私も思いませんでした!」
またいつもの笑顔に変わりしらじらしい芝居を続けるシャギー。
『フハハハッ! めでたい事が並び過ぎてキミが悪いぐらいだよ、艦長!』
「しかし… これで世界中の魔人がビィト抹殺に色めき立つでしょうねぇ
子供とはいえ“ベルトーゼを殺した男”… 星一つ位には値するかもしれない人間…なのですから!」
「…そうだな、それが唯一気になる点ではあるが…」
「今… レドウにいるのでしょう? 大河を渡ってきっとこっちへ来ますよ
『ベルトーゼの次はグリニデだ!』ぐらいのテンションだったりして!!
いよいよグリニデ様もご出陣…!ですか!?」
「ハハッ、馬鹿を言え それでは他の戦闘狂の魔人どもと変わらんじゃないか
七ッ星になった以上、私には新たな仕事もある…! 既に手は打ってあるのだよ」
「…ああ! あの方ですか!」
頭をポリポリかきつつ、思い出して手を叩くシャギー。
「そうだよ館長! キミも知っているだろう、私の配下の魔人…
絶対的な暗殺のプロである彼にビィト抹殺を命じてあるのだ!
…彼の勝利は私の勝利と等しい… この黒の地平でビィトはGAMEOVERだよ…!」
333 :
粗筋王マロン 5/7:2011/05/26(木) 23:07:32.35 ID:BlMQ0Nok
―レドウ―
ゴルフバッグの様な大荷物をズシリと置くポアラ。その買い込みに爺さんも驚く。
「剣とか銃とか斧とか… 持てるだけ買ったわよ!!
こんだけあればもしもの時はビィトと使いまわせるし…
行くと決まったからには、ちょっとでも武装を上げとかないと不安だわ…!」
直後、船を手に入れたとビィトが喜び勇んでやってくる。
「苦労したぜ、ポアラがあんまし金くんないからさぁ!」
ビィトが買ってきた船とは―――――― どう見ても小舟! ボート!!
あまりの貧弱さに爺さんも思わず鼻水を垂らして驚く! これが一番安かったと言っても、これは…!
「お お前達、レドウの大河を渡った事は…?」
ビィトは首を横に振り、ポアラも同じく初めてだと答える。
「…じゃろうな…(汗) 悪い事は言わん、武装客船がまた動く様になるまで待っとった方が…」
「そりゃあ、あんな船に乗ってみたいけどさぁ…」
爺さんが指差す方向には、立派な船があった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110526230134.jpg 「…早く行きてぇんだ、待てねぇよ!」 「…料金高すぎ!」
爺さんはどうしようもない理由に大量の冷や汗を流し、止めても無駄だと判断する。
別れを言い、2人は小舟に乗り込み海の上に浮かぶ“門”へと向かう。
そんな2人を見送りつつ、爺さんの一言。
「……若さって…… 恐ろしいのォ… 無事に辿りつけるといいが…」
《…大河を渡るのかね? 君達の合計LVはいくつだね?》
「…おれが28でポアラが23だから… え――――っと……」
《…ギリギリ50以上だね、ならまぁ… なんとかなるかな…》
…どういう意味かわからないが、とりあえず門は開いた。
小舟は順調に大河を渡る。水中にはエイのような魔物の影がちらほらと見える。
334 :
粗筋王マロン 6/7:2011/05/26(木) 23:08:14.57 ID:BlMQ0Nok
335 :
粗筋王マロン 7/7:2011/05/26(木) 23:08:57.10 ID:BlMQ0Nok
そうしている間にも頭上からまた1匹が襲いかかる!
これにはビィトが飛びかかり槍を脳天に突き立てるが、水中へと引きずり込まれてしまう!
船上でポアラが応戦している間にビィトが首長エイごと上がってくる。
『チャンスよ、ビィト! その位置なら…!!』
周囲を見渡すと、ビィトがいる位置を中心にの残りの首長エイが群がっている。
状況を察したビィトはBランスを具現化、大きく伸ばし回転しつつエイの首を次々と薙ぎ払った!
残った足場のエイも始末し、これで襲ってきた首長エイは全部片付いた。
勝利に手を叩き合って喜ぶ2人。
「さっきは元気ねぇから心配したよ、ビビってんのかと思ってさぁ!」
「…ビビってたわよ!」
「…えっ!? マジだったのかぁ!?」
「ビビらない訳ないでしょ、あんな魔物に急に囲まれたんだから…
でも…… それでも…! ここまで来たらやるしかないじゃない!」
拳を握りしめ明るく笑うポアラにつられてビィトも笑いだす。
幸先の良い出発になりそうだ ・・・・・が、ここで門が一言。
《…一匹倒すとその血の臭いを嗅ぎつけて、他の連中も集まってくる 十分注意したまえ…!》
――見るといつの間にか新たな首長エイの群れに取り囲まれていた!
『先に言っときなさいよ――――!! そ――ゆ――事はぁっ!!!』
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110526230236.jpg 思わずツッコミを叫ぶポアラもお構いなしにエイの群れは吼える!
「………あーぁ…… 私達…無事にトロワナに着けるのかしら…?」
「……着けるさ! …いや!絶対に辿りつくっ!! 待ってろよ!黒の地平!!」
一気に愕然とするポアラを元気づけるかのように、ビィトは決意を固めるのだった。 <続く>
今回はほとんどギャグ回だなw 豪快な鼻水www
ダイ大でもヒロインが鼻水出すのってあまりなかったよな?
(マァムがマトリフと再開した時に乳を揉まれた時くらいか?)
黒の大地…なんだろう。生きて帰ってきた者がいないから前人未到の地とかか?
分身体でも五つ星相当なんだろ?
それが報償あれだけとかだったら割に合わない。
>――――ちんまりとした金玉袋をつまみ怪訝そうにするビィト&ポアラ。
に見えた
分身体を「ファントム」と言うのと
ベルトーゼが技名にファントムを使ってる(ファントムストローク、ファントムエクスプロージョン)のは関係あるのかな。
今回のはあくまで弱い分身(ファントム)による「ファントム」エクスプロージョン
以前ゼノン探偵団にかましたのは本体による「○○○○○○○」エクスプロージョン
みたいな感じで
しかしグリもついに7つ星か。
>地上の魔人の最高位
「地上」ってのが気になるなw
グリは地道なセコ戦略で手柄を稼いでるわけだけど、ちっともセコく見えないところがすごい
>私の配下の魔人
魔人が魔人を配下にするのもアリなのか。
さすが三条、システムも敵側もただ設定つくるだけでなく
自分がその立場ならどういう戦略をとるかシミュレーションしまくってるな
>>337 敵が強い割に経験値や金が低いと言うと、個人的にはFF3の分裂するモンスターの洞窟を思い出す
>>338 おい、いつからゼノン達は探偵団になったんだw
だけど今回を見ると、ただ「強い敵を倒せば星をもらえる」という訳じゃないのな。
やはり魔人にとってはリアルで言う勲章みたいなものなのか?
(もちろん何らかの効果もありそうではあるが)
キャンバルを見る限り、死ぬと割れるようだから他の魔人の星は奪えなさそうだし。
ファントムに星があったということは本隊とはべつのダミーの星だったのか
>リアルで言う勲章みたいなものなのか?
ムガインの時にビィトが2つ星魔人にもピンキリと言ってるとこでも
星の稼ぎ方や強さはさまざまなんだって気はした
しかしバスターは手足や首がもげても残るように胸に刻印するわけだが
魔人は左腕がもげたらどうするんだろうな
左腕を失っても生きてるケースってのはかなり多そうなのに。
魔人の心臓は人間と違って左腕にあるとか?
そしたら弱点が知れ渡ってて
攻撃されやすい端部に弱点があるってことにならね?
あ、そうか
うーん・・・理由が思いつかん
魔人は腕ぐらい失ってもしばらくすればまた生えてくるのでは。
でも星は失うと戻らないので、上手い事すればライバルの魔人を蹴落とせる一発逆転チャンスになる
ので兎の人がわざとそうしてるとか。
345 :
粗筋王マロン 1/6:2011/05/28(土) 23:00:44.35 ID:hsrbDmpF
<第11話:敵地上陸!!>
冒頭、川岸で何者かから逃げるポアラ。振り返ると水面から巨大なクジラ型の魔物が姿を現した!
――直後、クジラの額が光ったかと思うと爆発、中からビィトが飛び出してきた。
その後、2人は濡れた服を乾かしながら周囲を眺めていた。
「ずいぶん下流に流されちゃったみたいね… まぁ…なんとか無事に乗り切れたからいいけど…」
「まさか河でクジラに出くわすとはなぁ!
首長エイをボリボリ喰い始めた時にゃ、どうしようかと思ったぜ」
どうやらあれが噂に聞く「河クジラ」らしい。…直球・安直過ぎる名前だが。
「そう言えばビィト… あんたやっぱりサイクロンガンナーを連射する事はできないの?」
「ああ・・・ さっきもギリギリまで使わなかったのはそのせいなんだ
一撃必殺と言えばカッコイイけど… アルサイドはバンバン撃ってたしな…
まだおれにな何かが足りないんだ、きっと…」
先程Cガンナーで倒した河クジラを思い起こし、ちょっと凹むビィト。
「ふぅん… なるほどねぇ…」
相槌を撃ちながら、何やらメモるポアラ。どうやらビィトの閻魔帳か何かの様だが…?
メモり終え、手帳をおもむろに閉じる。
「よし決まり! 今のビィトの弱点は『遠距離攻撃が苦手』って事だわ
かと言って、私の天撃も銃も決定打には欠けるし…
3人目の仲間の条件はズバリ! 天撃の達人!! これで行きましょう!!」
「そう都合よく仲間になってくれる奴がいるといいけどな、トロワナに」
「人さえいれば金で雇うって手もあるわ!」
「え!? そんな金あんの!? 船の金とかあんなにケチってたくせに…!」
「バカねぇ、節約するのとはまた別よ!」
――そう言ってあくどい顔つきでニマリと笑うポアラ。
まだとっておきの資金があるらしい。それも10000MG硬貨!これにはポアラも初めて見た金だそうだ。
346 :
粗筋王マロン 2/6:2011/05/28(土) 23:01:25.65 ID:hsrbDmpF
・・・・・・・・・・が、ポーチの中を見ても何もない。すっからかん。
「あれ? なんで??」
不思議に思うポアラに、ビィトがチラリと横目に見ると、“あるモノ”に気付く。
「……もしかして…… あれか…?」
ビィトが指差す方向を見ると、カネックの群れが硬貨を 喰 っ て い る …。
しばし、2人は茫然とし――――――
「おっ…… おっ…… お〜〜 の〜〜 れ〜〜 らぁ〜〜〜っ!!!!』
ブチ切れたポアラは魔物のごとく激怒し魔物達を追いかける!怖ぇ!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110528224536.jpg マッハで消えたポアラと魔物を茫然と眺めるビィト…。
「…ありゃりゃ〜… ある意味、河クジラより手強いな カネックも…」
……とりあえず、地図を眺めて進行ルートを探る。山を迂回して南回りに行くのが一番早そうだ。
「…でも、ちょっと信じられねょな
このきれいな山の向こう側に、何十年も太陽の光を見た事が無いっていう
“黒の地平”が広がっているなんて… 気ィ引き締めていくか…!」
――ビィトの言うとおり、ここから見ると何の変哲もない山並みと青空が見えるだけだった。
…ふと、ビィトのすぐそばのしげみからうめき声が聞こえた。
調べてみると、木にもたれかかった戦士がいた。
戦士は息も絶え絶えに魔人にやられたと告げるが、どうも様子がおかしい。
とりあえず助け起こそうとビィトが戦士の手を掴んだ瞬間―――― 両脇から襲撃された!
直後、木の上から下卑た笑い声が響き、クモのような姿の魔人が現れる。
『やった、やったぞぉっ!! …このペンチュラ様が…倒したぞっ!! 噂の小僧をっ!!
ケケッ…他愛ない奴だ! 用心してかかるまでもなかったな…!』
「…いや、用心不足だろ…!」
戦士達の身体がグラリと倒れ、無傷のビィトが姿を現す。
『き… 貴様…!気づいてたのかっ!?』
347 :
粗筋王マロン 3/6:2011/05/28(土) 23:02:25.74 ID:hsrbDmpF
「だって唇が動いてねぇんだもん、人間操るならもっとうまくやれよ」
いきり立ったペンチュラが腕を振ると、気絶させたはずの戦士達が再び起き上がり襲いかかる!
なぜなら、連中はペンチュラ配下の魔物によって最初から気絶させられているから。
――攻撃をかわしながら見ると、確かに戦士達の首筋に一つ目のクモのような魔物がくっついている。
すかさずこいつらを取り除こうとビィトは手を伸ばすが…… 危険を感じ、手を止め距離を取った。
「ヒヒっ!いいカンだな!
うかつに取ろうなどと力を加えたが最後、抵抗して針が延髄を貫通… そいつは死ぬ!
同じ人間同士…殺す訳にはいくまい…?
とはいえ、トリュプスだけを殺す事など、神業をもってせねば不可能…!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110528224549.jpg 「なるほどね、お前、こういうヒキョーな手でここらへんの兵士とかを苦しめてんだな」
『そうよ! 黒の地平は既に我が支配下!! ざっと100の国を滅ぼしてやったとも!!』
「でもまずったな! 弱点バラしちゃダメだぜ! 要は一瞬でその魔物だけを殺せばいいんだろ?」
襲い来る戦士… いや、兵士達の攻撃をかわすビィト。
「…神業みてぇな力・・・・・・・・でなっ!!」
ビィトはエクセリオンブレードを具現化するが、ペンチュラは動じず笑っている。
『知っているんだぞ!! その才牙が未熟なお前の手に余る存在である事はなぁっ!!
そんなものでオレ様がビビるとでも思っているのかぁっ!!』
そんなペンチュラの言葉も無視し、、ビィトは一閃でトリュプスの足ごと針を切り落とした!!
その剣圧はわずかなカマイタチを生み、勢い余って唖然とするペンチュラの顔に傷を付ける。
「ワリィけどな、おれのこの不完全なEブレードですら 鋼鉄の塊をバターみてぇに斬れるんだ…
だからベルトーゼと戦うまでは夢にも未完成だなんて思わなかった…
相手が並の魔人なら…充分、必殺武器なんだよ、こいつは…!」
歯噛みするペンチュラに改めてかかってこいと言うが、ペンチュラは手から糸を出して木の上に逃げてしまう。
「きょ、今日の所は… 特別に見逃してやるぜぇっ!!
だがなァ!! 覚えておけ! この次会ったら必ずゥゥ・・・・・・・!』
348 :
粗筋王マロン 4/6:2011/05/28(土) 23:03:07.94 ID:hsrbDmpF
「…次なんか無いわよ…」
月並みのセリフを吐くペンチュラの後頭部に銃が押しあてられる。
それはもちろん、(下着姿の)ポアラのガンアームドだった。
ペンチュラはこの期に及んで女だてらにいい度胸だなと毒づく。
「撃てるものなら撃ってみろッ! ただではすまな・・・・・・・・」
――――突如、躊躇なく連射するポアラ!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110528224604.jpg 固い外骨格のせいで殺せはしなかったが、哀れ、ペンチュラはそのまま木から落下する。
「ビィト君、あとはまかせたわ それでスパンとやっちゃって頂戴!」
「そっか… それじゃあ!」
ポアラのサポートを受け攻撃を再開しようとするビィト。
ペンチュラは焦って逃げ腰になりながら、後でどうなるのか分かってるのかと脅すが…
…所詮。既に七ッ星・六ッ星という強敵と戦っている以上、こんなザコは怖くない。
「今更あんたなんかの月並みな脅し文句じゃ、ピクリともしないわよ …さぁ… 覚悟なさい!」
ガキのくせに場数を踏んでいた事にますます焦るペンチュラ。こうなったら・・・・・・!
『すまんっ! 見逃してくれぇ〜〜〜〜〜っ!!』
――――なんと土下座して命乞いを始めてしまった!
魔人の命乞いなんて初めて見た…。これにはポアラもビィトも思い切り呆れる。
…奴の腕を見ると、一応星は三つ付いてるが… こいつ本当に魔人なのか?
「うそみてぇ… 弱っちぃから、いいとこ二つかと思ってたぜ…」
ふと、ビィトはペンチュラが短い鎖付の腕輪をしている事に気付き触ろうとする。
『う…迂闊に触るな!! こ…この腕輪は…!!』
慌ててビィトの手から腕を振り払った瞬間―――― しげみから何者かが飛び出した!!
再び目を開けると、ペンチュラの姿は既になく、すぐ近くの茂みにフード姿の魔人が佇んでいた。
「我が名はロズゴート…! ペンチュラ同様、グリニデ様の配下の一人…!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110528224832.jpg 蛾や蝶のような触角をのぞかせるロズゴートの隣にはペンチュラが。
349 :
粗筋王マロン 5/6:2011/05/28(土) 23:03:49.86 ID:hsrbDmpF
どうやら先程の猛スピードでペンチュラを救出したらしい。
その威圧感、たたずまいからしてペンチュラとは明らかに違う実力を感じ取る2人だった。
…ふと、ビィトはロズゴートもペンチュラと同じ腕輪をしている事に気がついた。
「…これか? これはグリニデ様への忠誠の証… 我々配下にとっては“鉄の絆の象徴(シンボル)”だ」
ビィトの視線を察し、説明するロズゴート。
「魔人が魔人の配下になんかなるのか?」
「それだけのお方だと言う事だ、グリニデ様がな」
――言うが早いか、ロズゴートは毒粉の煙幕を張り、ビィト達は急いで風上へと避難する。
「…こんな奴でも、組織の中では用がある この場は預かって行くぞ
慌てずともまた機会はあろう、ビィト君! 今日は思わぬ茶番になったが、いずれまた…な…!」
…煙幕が晴れると、すでにロズゴート達の姿は消えていた。
「…あの魔人… あんたの名前を…」
「奴だけじゃない、もう一人の方もおれの事知ってるみたいだったぜ…
もしかして、魔人の間じゃ有名なのかもな、おれって!」
ピースして軽くおどけるビィトを一喝するポアラ。
「バカ! …ちっともいい事じゃないわ!!」
「…そうだな、部下の魔人までいるってんだから… ハンパじゃ済まなそうだぜ、グリニデとの闘いも…!!」
…同時刻、気絶していた兵士達も目覚め始めた。
一方、ペンチュラはロズゴートに礼を言うが……
「『100の国を滅ぼした』そうだな? 凄い戦果だが… お前一人でか?」
「い いや…それは…!」
――――無表情のままペンチュラに鉄拳をくらわすロズゴート!
「虚栄心だけは他人の数十倍! お前の星が一向に増えんのはそのためだ
与えられた“偵察屋”としての仕事ぐらい、まともにこなしてから欲を出せ…
そもそも、ビィト抹殺はお前の仕事ではない…… あの男のする事だ…」
“あの男”と言われ、さしものペンチュラも顔色を変えた。
350 :
粗筋王マロン 6/6:2011/05/28(土) 23:04:31.17 ID:hsrbDmpF
『も… もう帰ってきちまったのか!? フラウスキーの野郎……!!』
思わず叫ぶペンちゃんだったが、ロズゴートは何も答えず、ただ密かな笑みを浮かべていた。
――そして…… グリニデの居城に向かう、白いマントに身を覆った一人の魔人がいた。
<続く>
そら現実にも1万円札をヤギに食われたら、誰だって血相変えて追いかけるわなw
あとポアラ、地味にスタイルヨスw
>蛾や蝶のような触角をのぞかせるロズゴート
超力招来!
金貨食われたら台無しなのか
桃太郎伝説よりきびしいな
でも鑑定所は網膜チェックで金が失われたのも判別して
全額とはいわないまでもいくらかサポートしてくれてもいいのにな。
>我が名はロズゴート…! ペンチュラ同様、グリニデ様の配下の一人…!
>フラウスキーの野郎
おおよかった
さすがにあのグリが頼りにしてる配下の魔人が
このお邪魔虫じゃあ恰好がつかないw
>ペンちゃんだったが
愛称まで使ってるところ申し訳ないが
「ぺ」ンチュラじゃなくて「べ」ンチュラな。
>>352 >桃太郎伝説よりきびしいな
ごめん、どゆこと?
名前は聞いた事あるが、モモタロウ伝説やったことないんだ(電鉄も)
戦闘中に所持金盗む敵がいる
倒せば帰ってくるんだったかな
金は鑑定所に貯金とかして必要なだけ小切手で出すとかできないのか
必要なときだけ鑑定所へ行って、それ意外はレベルアップせず金も持たないビィトのやり方が賢明だな
>>355 d、調べてみたらクロガッパって奴が凶悪みたいだな…
ビィトの世界ではDQで言う預り所システムが無いのかね。
カネゴンみたいなモンスターがいちゃ、危なくて大金モテられない。
SaGaシリーズにも金盗む敵がいたなぁ
SAGAシリーズは微々たる金額だからまだいいが、桃太郎シリーズは半端じゃない金額だからヤバい
361 :
粗筋王マロン 1/8:2011/05/30(月) 22:59:52.97 ID:J/rU498q
<第12話:鮮烈!フラウスキー>
冒頭、グリニデの居城に響き渡る悲鳴。声の主は……もちろんベンチュラ。
ベンチュラの腕輪が妖しく光り、激痛に悶え苦しんでいる。
そしてその前には不機嫌そうな顔で本を読みつつ、魔力を放つグリニデが座っていた。
あまりの激痛に涙目で許しをこうベンチュラ。さすがにちょっと気の毒になってきた。(Byあらすじ)
「…忘れたのか、愚か者め グリニデ様はいつでもそのご意思一つで我らの生命を奪えるのだ
この忠誠の証の内側にある針が完全に伸びきった時… 猛毒が体内へと流れ込み、死に至る…!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110530223211.jpg 必死に命乞いと許しをこうベンチュラに、ダンゴールは改めて忠誠の証の恐ろしさを心に刻む。
(ま… 万一生き延びても、左腕は腐り落ち 魔人の誇りたる星は完全に失われるッ…!
あれこそ… 文字通り、絶対の忠誠の証っ…!)
「…『節度』! 私の非常に好きな言葉だ 知的な者とそうでない者を分ける境界線と言ってもいい…
功を求めるのは良い事だが、節度のない者は私の配下にはいて欲しくない
分かるかね、ベンチュラ君…?」
ベンチュラは必死で詫び、グリニデは魔力放出を止める。
ようやくベンチュラの激痛も無くなり、胸をなでおろすのだった。
その後、廊下で悔しさから壁を殴りつけるベンチュラだったが、腕が痛くなりすぐやめる。
「…チッ! クソ面白くねぇ!」
ベンチュラが去った後、ロズゴートは典型的な小物ですなと呟いた。
「フッ… 確かに明日の小遣いしか頭にないようなタイプの男だが…
あれはあれで役に立つ時もあると言うもの… まぁ… ビィトは倒せんよな… 大物でないと」
そう言ってグリニデもニヤリと笑うのだった。
362 :
粗筋王マロン 2/8:2011/05/30(月) 23:00:34.41 ID:J/rU498q
「そ そういえば… フラウスキー殿が戻られるとおっしゃいましたが…」(ダ)
「…彼ならもう来ている、私に一言挨拶するなり出て行ったよ …星を稼ぐ奴は違うな…仕事が速い!!」
その頃、ビィト達は森の中で奇妙な虫型の魔物を倒し続けていた。
「なんなのよ、ここ… わけわかんない虫だらけじゃない!」
「ホント… キリがねぇぞ、こりゃあ…」
槍にまだピクピク動く虫の死体をいくつも刺したまま、数の多さと気色悪さに顔をしかめるビィトだった。
「よくもまぁ、これだけ虫の魔物を増やしやがったもんだぜ グリニデって奴も…!」
「ここに来る途中もひどかったわよね…」
ポアラはこれまでの経路を思い出す。門や村は完全に破壊され、人が住めなくなっている事を。
「…グリニデの放った虫どもは増殖を重ね、大地を黒く染めるだけでなく
空をも黒煙で覆ってしまうんだ…!」
――そう説明してくれたのは、さっきビィトが助けた兵士達。
確かに周囲を良く見ると、カメムシのような魔物が背中から黒煙を上げているのが見える。
「この辺りはもう20年以上もまともに日の光が射した事が無い…! グリニデ達さえいなければ…!」
“朝の来ない絶望の大地”…。黒の地平と呼ばれる理由をはっきりと知る事になったポアラ。
兵士達は実はトロワナからのグリニデ討伐隊だったのだ。
しかしお互い生きているし、何よりトロワナへの最短コースが行けそうだとビィトも喜ぶ。
「この森さえ抜ければもうすぐです」
「国へ戻ったら、その時は出来る限りの礼金を払うつもりだ よろしく頼む…!」
…しかしビィトは礼金なんかいらないと手を振る。
「し… しかし君達はバスターだろ?」
「困ってる人を助けるのは当然だ、やって当たり前の事で金なんかもらえねえって!」
その言葉に呆気にとられる兵士達。
思わずポアラを見るが、ポアラは何も反論せず行きましょう、と笑顔で先を急かした。
363 :
粗筋王マロン 3/8:2011/05/30(月) 23:01:27.21 ID:J/rU498q
…襲い来るジャガーム等、虫型モンスターを次々倒しながら先を進む5人。
「……オレは… ヴァンデルバスターっていう人種を見る目が少し変わったよ…」
兵士の一人が呟き、隊長らしき男も同意する。
「バスターといえば、金が出なければ平気で他人を見殺しにする連中… という印象があった
少なくとも我が国にたむろしている奴らはほとんどそうだ
……だが…… こんな子達も… いたんだなぁ……」
…ようやくトロワナ王国の門が見えてきて興奮するビィト。
頑丈そうな門に感心するが、ふと、上空にトンボのような魔物が王国へ向かって飛んでいく。
――――すると強力な結界でトンボは一瞬で蒸発してしまった。
「…上空の封印も完璧ね… まるで要塞だわ!」
兵士達は弱った体で無事帰れたのも2人のおかげだと喜び感謝する。
「何かお礼をさせてくれないだろうか? でないとこちらの気が済まない…!」
しかしビィトは笑いながらお礼はいらないと言う。こっちも迷わずトロワナに着けたのだし。
…と思ったら、ビィトの腹の音が豪快に鳴り響く。
「そうだ! せめてウチの家内の手料理を食べに来て下さいよ!
トロワナはこの“黒の地平”で唯一、門の中での自給自足が成功している国なんですから!」
――オバQのように鳴り響く腹の音に、結局ビィトも折れた。
「でも、大丈夫かな…? 言っとくけど… すっげぇ喰うぜぇ…!」
顎に手をやりながら真剣に悩むビィト。 ・・・・・その指はポアラを指していた。
『なんで私なのよっ!!!!』
思わず怒鳴り散らしビィトを追いまわすポアラに、兵士達の明るい笑い声が周囲に響いた。
閑話休題。後はこの階段を昇るだけとなり、ビィトは弱った兵士に肩を貸す。
…すると踊り場にマント姿の人影が見えた。難民だろうか?
人影が立ちあがるとフードがハラリと落ち、花をくわえたキザっぽい顔の下半分が覗く。
364 :
粗筋王マロン 4/8:2011/05/30(月) 23:02:09.16 ID:J/rU498q
肩を借りていた兵士はその顔に見覚えがあるらしく、慌ててビィトに逃げろと叫ぶ!
『あいつは… あいつはぁぁっ…!!』
――直後、兵士は眉間に銃弾の直撃を受け絶命してしまった!!
激しい血飛沫を撒き散らしながら倒れる兵士。
彼がさっき言った「せめてウチの家内の手料理を…」という笑顔がビィト達の脳内によみがえる。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110530223224.jpg 「…ククッ… 騒ぐんじゃねぇよ… つい撃っちまったじゃねぇか…!」
「な… ……なんでこんな…… なんなんだお前ぇ――――――っ!!!!!』
兵士の遺体を見て怒りを爆発させ、叫ぶビィト!!
「オレか…? …何って言われてもな…… まぁ… しがない殺し屋さん …だな!」
マントを脱ぎ棄てた男は―――― 植物型の魔人だった!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110530223239.jpg 『グリニデの配下の中で最も恐ろしい男として…“黒の地平”にその名を轟かせている魔人ッ……!!
“鮮烈の紅弾”フラウスキー!!』
「へへっ… 有名だねぇ、オレも…」
隊長がしてくれた自己紹介にウインクで返すフラウスキー。
「お前… おれを狙ってきたんだな…!」
「そう言う事だ、ここで待ってりゃ確実に来ると思ったんでな」
『だったらどうしてこの人を殺したんだっ…!! おれだけと戦えばそれで済む話だろ!!』
「…つまんねぇ事で熱くなってんじゃねぇよ、 魔 人 だぜ、オレは…
人間を殺す理由なんて考えた事ぁねぇ……! それとも……
殺す前に理由を言ってくれなきゃイヤなのか?」
挑発的な態度ににビィトの怒りは爆発、ポアラの制止も聞かずふざけんなと突っ込んでいく!
「…おお。結構結構! このオレに真正面から向かってくるたぁ… 手間が省けるね!」
フラウスキーは右手の親指を下にむけると、左手で親指を掴み引き抜いた!
――なんとフラウスキーの右手は銃になっていたのだ!!
365 :
粗筋王マロン 5/8:2011/05/30(月) 23:02:50.93 ID:J/rU498q
銃弾を飛んでかわすビィトだったが、フラウスキーは空中のビィトに右手を向ける。
――直後、外した右手からもバズーカの様に弾丸が飛んでくる!
爆煙に包まれるビィトだったが…… ポアラの元に降りてきた時は、Cシールドで防いでいた。
「ホゥ… 早ぇじゃん オレと闘ったバスターは9割方、才牙出す前に死ぬんだがね…」
隊長の話では、フラウスキーは全身に武器を仕込んでいると言う。
その話を耳にしたフラウスキーは外野は余計な事を言うなと言うと、髪が真っ赤に染まって行く。
『クリムゾンブラッダー!!』
髪を無数の深紅の針と化し連射してくる!
ビィトは咄嗟にポアラ達の前に躍り出てCシールドで防御するが、全てを防ぎきれる訳ではない!
流れ弾が兵士の肩や太ももをかすめ、重傷を負わせてしまう!
(…まずい! このままじゃ、この人達まで…!!)
――そんなビィトの気持ちを察したのか、フラウスキーは勝ち誇った笑みを浮かべ砲弾を発射する。
さしものビィトも不意を突かれ、Cシールドもろとも吹き飛ばされる。
ビィトはポアラに兵士達を連れて門の中へ行くようにと叫ぶ。
しかしポアラはビィトの身を案じるが… もはやフラウスキーの好き勝手にはさせない!
Bランスを具現化し、身構えるビィト。
…しかし、さすが殺し屋と呼ばれるだけはある。フラウスキーの猛攻にビィトは近づけない!
「聞いた通りだ、この坊主には離れた相手を倒せる飛び道具がねぇ…!
かわし続けるだけで精一杯だよな…!」
一方、ポアラは兵士2人を抱え、重い足取りで階段を昇っていた。
(早く… 早く援護に行かなきゃ! あの魔人…今のビィトには一番苦手なタイプだわ…!)
次なるフラウスキーの一撃がBランスを弾き飛ばす。
――次の瞬間…… ビィトの顔の目の前には、フラウスキーの銃口があった!チェックメイト!
「…ハハッ …楽な仕事だったぜ…!」
銃口を突き付けたまま、冷徹な笑みを浮かべるフラウスキー。ビィト、万事休す!
366 :
粗筋王マロン 6/8:2011/05/30(月) 23:03:39.09 ID:J/rU498q
――その直後、フラウスキーの背後にマシンガンのような銃撃が浴びせられる!
振り向くと、ガンアームドを構えたポアラがいた。
次に天撃の用意をするが…… ポアラは余裕の笑みを浮かべている?
フラウスキーの攻撃を軽々と避けるポアラ、背後の発光に振り向くフラウスキー。
そこには、Cガンナーを具現化したビィトがいた! ポアラの行動は才牙具現化の時間稼ぎだったのだ!
振り向きざま撃つフラウスキー、対するビィトもCガンナーを撃つ。
その一瞬で決着はついた。 ――――フラウスキーの胸に大穴を開けて。
ビィトの勝利に歓声を上げ、駆け寄るポアラ。
「…サンキューな、ポアラ… おかげでなんとかこいつを決められた…」
かろうじてフラウスキーを倒したものの、ビィトはもう疲労困憊だ。
「……銃の才牙…か… そういや情報にあったな… 確か、一発こっきりしか撃てねぇって代物だ…!
こっちは生体弾丸… 弾ぁ無尽蔵だぜ…」
不気味な声にまさかと顔を見合わせる2人。
――ふりむくと、倒したはずのフラウスキーがゆらりと起き上がっているではないか!
間違いなく心臓を撃ち抜いたのに…!フラウスキーの不死身さに、ビィトもポアラも驚きを隠せない。
「…勝負あったな、坊主…!」
もはやCガンナーは弾切れ。2人を狙うフラウスキー。万事休す!
………と、その時、フラウスキーはすぐ側に翼を痛めてもがく小鳥を見つける。
ピーピー鳴く小鳥を見て、フラウスキーは・・・・・・・・・・・・
「か・・・・・・・・ 可 愛 い ィ ィ・・・・・♥」
鼻の下を伸ばし、目尻を下げ、鼻息荒くにんまりと小鳥に夢中になってしまった???!!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110530223251.jpg 「おいおい、ひどいケガだなぁ… 可哀そうに…! よちよち♥」
銃(右手)を再装着すると、先程までのシリアスな雰囲気はどこへやら、いとおしそうに小鳥を愛でる。
…良く見ると、忠誠の証の鎖の先にはかわいい猫のぬいぐるみも付いている。
ポアラは呆れて様子を見ていると、なんとフラウスキーの方から一時停戦を持ち出した。
367 :
粗筋王マロン 7/8:2011/05/30(月) 23:04:21.91 ID:J/rU498q
「今日はやめだ… 気が乗らなくなった… ほんのわずかな間だが…お前は生き延びられる
やりたい事があったら、その間に済ませておきな…!」
そう言い残すと、小鳥を手の平に乗せたまま疾風のようにその場から消えた。
…2人はしばらく警戒するが、もうフラウスキーの気配は感じられない。
「…魔人が変な性格してるおかげの生命びろいだったな……」
「でも… あいつ… 強い!」
「いいや…… おれが… おれが弱かったんだっ……!」
Cガンナーを握りしめ、殺された兵士を見下ろしながら自らの力不足を思い知るビィトだった。
――その頃、森のどこかでフラウスキーは…ハサミで自分のトゲを切っていた。
しかし、気配を感じその手を止める。
「…遠慮してねぇで出て来いよ、館長」
例によって笑いながら現れたシャギーに、今の様子をグリニデに黙っててくれと半笑い。
その側には手当てを終えた小鳥が嬉しそうにピーピーと鳴いていた。
「それ… 何をなさってるんですか?」
「トゲ切ってんのさ
――以前…… 子猫を抱っこしてやったら、串刺しになって死んじまってさ…
ありゃあ三日三晩泣いたぜ…」
「相変わらず変わったご趣味ですよねぇ、魔人界に名だたる殺し屋のあなたが…」
「だって最高に可愛いじゃねぇか、人間や動物の子供って…!
完全体で生まれてくるオレ達魔人や魔物にゃねぇ、圧倒的な魅力があるぜ
こいつらはな、自分じゃ何もできねぇからこんなに可愛いんだ
“守ってくれ”ってオーラを出しまくってる訳よ! ………殺せねぇって……!」
微笑みながら懐いた小鳥を指に乗せるフラウスキーに同意するシャギー。 ……ん?
368 :
粗筋王マロン 8/8:2011/05/30(月) 23:05:08.86 ID:J/rU498q
「…あれ? でもビィトもまだ子供ですよ…!」
「あ―――― ありゃダメだ、圏外! 子供があんなすげぇ殺気の目するかよ
人間の子供が可愛いのは、せいぜいこの位(フラウスキーの膝の高さ位)まででしょ!
…それから上は圏外だから皆殺しでいいのよ!オレの場合!」
先程までと違い、最後のセリフではフラウスキーの顔は完全な殺し屋の顔つきに戻っていた。
(いやはや… 魔人って本当に素晴らしいですよねぇ! まともな方が一人もいないんだもの…!)
そんな事を考えつつも、相変わらずニンマリ笑うシャギーであった。 <続く>
つまりシャギーも自分がまともじゃないと分かってるんだな
フラウスキー… なんかライオに続いて好きになりそうなキャラだな。
もちろん残虐な魔人ってのはわかってるんだけどさ。
なにげに左手を失ったら星がどうなるのかを説明してくれたけど
あんな腕輪じゃ毒関係なく死ぬって
針が長いから腕貫通して重傷だよな、普通
魔人はそんなもんじゃ死なないんだろ。
>フラウスキーは…ハサミで自分のトゲを切っていた。
グリニデはまあいいとして、ちょっとキャラをむりやり立てようとしすぎてる感があるなーコレ。
まあ三条さんのことだからキャラ立てであると同時に、先の展開に巧妙に生かされる何らかの伏線でもあるんだろうけど。
>空をも黒煙で覆ってしまうんだ…!
こういう全て理屈が繋がってるところは好きだな
>左腕は腐り落ち
魔人には解毒の概念はないのかw
どうやら今度の敵はガンナー練習要員でもあるみたいだなw
やたら射撃がクローズアップされる展開であり、敵の能力でもある
>>370 アニメではライオもフラウスキーも同じ古川登志夫さんが演じていたw
>>374 毒って即効性じゃないの?解毒しようにも10秒で致死とか。
>>375が見た幻覚はともかく、声優ネタなら自分の脳内では
フラウスキー…千葉繁
ロズゴート…曽我部和恭
なんだよな
いつの時期、どこのスレでも
声優ネタってどうしてこうウザいんだろうね
381 :
粗筋王マロン 1/8:2011/06/01(水) 23:00:18.26 ID:MNa3ufiJ
<第13話:第3の仲間!>
冒頭…イラつきながら森を歩くビィト、後を追うポアラ。
「ちょ ちょっとビィト…! カッカしないで落ち着いて行動してよね…!」
「わかってるって! 偵察だけだよ、偵察っ…!」
しかしどう見てもビィトはいら立っている。しかも顔に無数の擦り傷を作ったまま。
(どーだかなぁ… ま、あんな事があった後だから仕方ないけど…)
<以下回想>
トロワナの酒場でいきなりゴリラのような屈強な男にブッ飛ばされるビィト!
『このイカレ小僧がぁっ! ふざけてんじゃねー!!』
その争いを見ていた褐色の女バスターはポアラを茶化す。
「あんたのコレ(彼)だろ? あのゴランは見た目通りの化物だ、早く止めないと殺されちまうよ…!」
「…“コレ”じゃないわ!
それに… いきなり殴ってきたのはあっちの方でしょ? アンタのコレ… の、化物!」
男同志のストリートファイトが発展する中、こっちでは女同志の水面下の激突勃発!
ちなみにゴリラ… もとい、ゴランが怒った理由とは…
『「フラウスキーを倒しに行くから仲間になれ」だぁ!? 世迷言も大概にしやがれ!!』
その罵声を聞いた他のバスターも下卑た表情を浮かべながら憎たらしく笑う。
「そんな事が出来れば誰も苦労しねぇよ、世間知らずのボウヤ…!」
「オレ達の仕事は門の内側に入り込んだ魔物の始末と、敵が攻めてきた時の加勢だけ
この国を一歩も動く気なんかねぇって…!」
ゴリラが二度と顔を見せるなと殴りかかろうとした刹那―― ビィトは一本背負いで投げ飛ばす!
『みんなは悔しくないのかよ!奴らにこの土地で好き勝手されて…!
おれは… おれは悔しいんだ!! 無造作に…まるでゴミのように目の前で人を殺しやがって…!!
あいつが…許せない! それを防げなかった…今の自分も! だからっ…!!』
382 :
粗筋王マロン 2/8:2011/06/01(水) 23:00:59.60 ID:MNa3ufiJ
もはやチンピラと化した最低バスター集団に、自らを責めつつ叫ぶ。
「…仇を討ちたい…ってか? 甘ぇよ、ボウズ…
魔人に人間がむごたらしく殺されるなんてのはな…… この暗黒の世紀じゃ当たり前の話だぜ!!』
『…当たり前でいいわけないだろ!!』
――――復活したゴリラVSビィト!ラウンド2、ファイっ!
<回想終了>
…ビィトの擦り傷はこれが原因だった。
「……くっそーっ! あいつら根性無ぇよな!
ゼノン達を見つけ出したらツメの垢をもらって連中の口に押し込んでやる!!」
ビィトの愚痴にため息をつくポアラだったが、ふと、空に大きな蝶の魔物が数匹飛んでいるのを見る。
「あれが大怪蝶 …って奴?」
――よく見ると、先頭の大怪蝶の背にロズゴートが乗っている。
ポアラが様子をうかがう中、不意にビィトは木陰から飛び出しロズゴートを大声で呼ぶ?!
ビィトの存在に気付いたロズゴートはすぐ目の前に降り立つ。
「…ほぅ!ビィト君ではないか… トロワナの門の中で縮こまっているかと思ったが…意外だったな」
「…奴はどこだ!? フラウスキーはどこにいる!!
おれの生命が欲しいんだったら、今この場で戦ってやるから呼んでこいっ!!」
それを聞いたポアラは、やっぱりこういう事かと心の中で嘆く。
「…フラウスキーは本職(プロ)の殺し屋だ、一部の魔人のような戦闘マニアではない
決闘になどまず応じんよ」
「……だったら…!」
(…あ… わかった…!こいつの次のセリフは「お前をブッ倒して奴の居場所を吐かせてやる!」…よ!)
――さすがビィトの女房役。直後、ビィトは一字一句違わない、そのままズバリのセリフを吐いた。
ポアラは半ば呆れつつもビィトにつきあい、戦闘準備する。
「私はグリニデ様からお前達の抹殺を言い渡されてはいないが…
…降りかかる火の粉は払わねばならんっ…!」
ロズゴートからの威圧感が目に見える様に高まってくるのが分かり、息を飲む2人。
――直後、背後からビィトの名を呼ぶ声がし、何者かが歩み寄ってくる。
383 :
粗筋王マロン 3/8:2011/06/01(水) 23:01:59.07 ID:MNa3ufiJ
「…相変わらず…見ていられないね ビィト…!
…昔から君はいつも無鉄砲で、無茶苦茶で… でも…決して放っておけない所があった…
…なんだか… とても懐かしいよ…!」
「あっ… ああっ… おまえっ! キ ッ ス !! 』
現れたのは、ビィトより少し年上らしき、マント姿の美少年だった!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110601222955.jpg この少年…キッスはロズゴートも知っているらしく、「貴様…!」と口走る。
「ロズゴート… 悪いけど、この場は退いてくれないか? 彼は…ぼくの大事な旧友なんでね…」
「…よかろう、お前と戦うのは私にとっても得な事ではない…!」
ウインクし微笑むキッスに対し、ロズゴートは怒りを胸に秘めたまま、大怪蝶に乗って飛び去った。
「…これからは気をつけなきゃダメだよ、ビィト
あのロズゴートっていう魔人、この辺りじゃ相当な… ん? どうしたの?」
…見ると、ビィトは目を閉じ無言で肩を震わせ……キッスの両肩をがっしと掴む。
「嬉しいよ! おれ…すっげぇ嬉しいんだよ、キッス! 今…お前に会えて… 本当にっ…!」
「…2年ぶりくらいだね」
「…だな!」
今にも泣きそうになる程顔を歪め、再会を喜び合うキッスとビィト。
「ポアラ! もうトロワナの連中に頼む必要無くなったぜ! 3人目の仲間はこのキッスで決まりだよ!」
「ポアラ? …ああ! 君の未来の奥さん… だよね!」
またこのセリフか! 誰彼かまわずンな事言いふらすビィトを一喝するポアラ。
「照れる事ないよ、君みたいにステキなパートナーがいて… ビィトがうらやましいな!
今後ともよろしく…♥」
歯が浮くようなセリフを言うなり、ポアラの手の甲にキスをするキッス。シャレではない。
ポアラは全身鳥肌が立ち、キザな奴!と顔をしかめた。
「そうあからさまにイヤそうな顔すんなよ、ポアラ
キッスを“顔がよくて口がうまいだけの男”だと思ったら大間違いだぞ!」
…まっっっったくフォローになっていないビィトの紹介に苦笑いするキッス。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110601223014.jpg
384 :
粗筋王マロン 4/8:2011/06/01(水) 23:02:42.79 ID:MNa3ufiJ
「こいつはな! おれが知ってる中でも一番の天撃の使い手なんだ! 正真正銘の天才だぜ!
なんてったって、こいつの夢は……『世界一の天撃使い』だからな!」
…だがポアラは半信半疑。しかしその証拠に先程のロズゴートも一目置いていた。
「「お互い強くなってまた会おう」って2年前に別れたけど…
順調にLVアップしてるみたいだし、さすがキッスだぜ! ――で、いくつになった? LV!」
しかしキッスはその事に触れたくないのか、いつまでもここに居ない方がいいと話題を変える。
結局、キッスの案内で安全な所に移動してからゆっくり話をしようと言う事になった。
(「世界一の天撃使い」…か…)
<以下回想>
2年前――――…… ビィトとキッスのタッグは四ッ星の魔人と戦っていた。
キッスの炎の天撃とビィトの槍の同時攻撃…… だったが、予想以上に手強く2人は逃げ出した。
何とか逃げ切った2人は休憩しながら息を荒げていた。
「…や… やっぱ四ッ星は ちょっと早かったかな… ははっ」
「…わ…笑い事じゃないよ、もう…」
「ま… 生きてたんだからいいじゃねぇか! お前の天撃が無かったら死んでたけどな…!」
呆れるキッスをよそに、ビィトは横になったまましばらく青空を見上げる。
「…おれはさ… 将来絶対に「暗黒の世紀を終わらす男」になるんだ、キッス…お前はどうする?」
「えっ?」
「お前は何になるんだよ? おれみたいにバシッと宣言してみろよ」
「そんなぁ! そんな大仰な事、考えた事もないよ…
ぼくはとにかく毎日毎日、生きていくのが精一杯で…」
弱気そうにうつむくキッスに、ビィトは身を起こして元気づける。
「んな事あるか! おれはお前みてぇに天撃の上手い奴、見た事ねぇぞ!
才牙がまだ使えなくても、あんだけ凄けりゃ天撃で充分一流バスターになれるぜ!
お前は絶っっ対強くなる!! ――――そんでおれと同じ戦士団に入る!!」
…一瞬ビィトを見直す・・・・・・・・が、決定事項かよ!? これにはキッスも苦笑い。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110601223029.jpg
385 :
粗筋王マロン 5/8:2011/06/01(水) 23:03:24.33 ID:MNa3ufiJ
「…わかったよ、じゃあぼくは… ぼくは世界一の天撃使いになる!
「暗黒の世紀を終わらせる男」の仲間なら… その位じゃないとダメだろ?」
ともあれ、キッスも決意し2人は絶対そうなろう、と固い握手と共に約束するのであった。
――――だが…… 事態は急転する。
その後、数人の男達の死体と共に―――― 瀕死のキッスが横たわっていた。
そしてその光景を、黒いマントの何者かがただ黙って見下ろしていた……。
<回想終了>
…忌まわしき過去を思い出し、思わず頭を抱え苦悩するキッス。
ビィトはどうしたのかと問うが、キッスは何でもないとごまかした。
―グリニデの居城―
ロズゴートから報告を受けたグリニデ。
「…なるほどな、君が望んだ状況を作れそうだぞ、フラウスキー君」
「へぇ… そいつぁ嬉しいね、やっぱ旦那の仕切りは楽でいいや
オレの座右の銘なのよね、『楽』ってさ!」 子犬の絵本を閉じるフラウスキー。
「君にそれだけの警戒をさせるとは… 相当危険な存在に化けてきたな、ビィトも…」
「ああ、ありゃ強ぇよ ベルトーゼを殺したなんて眉唾もんだと思ってたし 今も思ってるが…
あの坊主が並じゃねぇ事は、まぁ保証する それに……」
そう言いかけて、フラウスキーはダンゴールの持っていた紙を指差す。
ダンゴールは紙を裏返すと、そこにはポアラの似顔絵が描いてあった。
「そう、その女…! そいつもただのお飾りじゃなく、相当いいコンビネーション見せやがんのよ
…一人にして ズ ド ン ! …これが最良!」
「その用心深さも逆に信頼している、次で決めてくれたまえよ…」
「…あいあい」
フラウスキーはタバコに火をつける・・・・・が、グリニデに睨まれる。
「…おっと! ここは禁煙ね…!」
386 :
粗筋王マロン 6/8:2011/06/01(水) 23:04:19.61 ID:MNa3ufiJ
同時刻、廃墟でビィトはキッスが今何をやっているのかを聞いていた。
「…魔人の調査員…!!??」
「そう、一口に魔人と言っても色々な奴かいるからね
その調査書や対策プランをあちこちの国や村の依頼で作るんだ
今はトロワナに頼まれて、グリニデ陣営の情報を集めてるのさ」
――ふと、キッスは廃墟の壁に彫られた文字らしき物に気がつくと、悲しそうな表情をする。
…しかし、ビィトはポアラと喋っていた為、その表情に気づく事はなかった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110601223043.jpg 「そ… そうだ、これから遺跡の調査に行くんだ
この土地には古代遺跡の類いが多いんだ でもグリニデはなぜかそこだけは破壊しない…
その理由を調べてるんだよ、一緒に行ってくれると心強いんだけど…」
そう言われては断る理由もない。ビィトは喜んで同行する事にした。
―遺跡―
かつて栄えた町の跡… だが、ビィトが見てもなぜここをグリニデが興味を持つのか分からない。
遺跡に気を取られて歩いていた為、ビィトはキッスとはぐれてしまう。
「や… やべぇぞポアラ! キッスとはぐれた・・・・・・・・・!?」
しかし、どう見てもはぐれたのはキッスではなくビィトの方だった!
ビィトはその場を駆け出し、慌てて2人を探しに向かう ……が、2人はすぐ側に居た。
…あろうことか、キッスはポアラを物陰の壁に押し倒し(?)ていたのだ!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110601223100.jpg 「これ何の真似よ!」
「うーん… “君をひと目見て好きになったから”…ってのはダメかな?」
「…バカな事言ってないで!」
当然、怒ってポアラはその場を立ち去ろうとするが―――― 背後からのロープ状の何かに捕縛される。
「…本当に君はでしゃばりだな 彼女はぼくにまかせてくれと暗号文字で返事したろ?」
「こっちにも事情ってもんがあるんだよ、組織内でのパワーバランスって奴がな!
ちょっとは活躍しねぇと…」
387 :
粗筋王マロン 7/8:2011/06/01(水) 23:05:13.57 ID:MNa3ufiJ
キッスの視線の先には―――― 魔人ペンチュラがいた!
「キッス… あんた…!」
「・・・・・・・・・なんとか… こっそり君達をこの土地から逃がしてあげたかった…
でも仕方ないんだ… ぼくらが顔見知りだって、グリニデ様に知られてしまったから…」
「…グリニデ…“ 様 ”っ…!?」
「あの時… ぼくが実力者だからロズゴートは戦わずに退いたってビィトは思ってるみたいだけど…
そうじゃない… ぼくとロズゴートが戦う訳はないんだよ」
悲しそうな顔でそう言うと、キッスはおもむろに左手の皮手袋を脱ぎだした。
「…… 身 内 … なんだから…
・・・・・・・・・・ごめん・・・・・・ 今のぼくは最低の人間だ…」
――――キッスの左手には、あの『忠誠の証』がガッチリとはめられていた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110601223115.jpg …一方、ビィトは気配に気づき曲がり角で足を止めた。
行く手の塀の上には… 魔人・フラウスキー!
「…フッ 気づかれたか… さすがにこんなんじゃ殺れねぇな…
…だが今度はガールフレンドの助けはねぇ… 一対一(サシ)での勝負だ …楽そうな仕事だろ?」
フラウスキーはすでに銃を抜き、臨戦態勢だ。
「おれが一人になる所を狙ってたってわけか…
だったら… 待 っ て ま し た って心境だぜ! フラウスキー!!」
「ハッ… まったく図抜けた坊主だぜ… 一対一でオレに勝てねぇのは充分わかってるはずだ!!』
開口一番、フラウスキーの先制攻撃が火を噴いた!
388 :
粗筋王マロン 8/8:2011/06/01(水) 23:05:55.54 ID:MNa3ufiJ
その銃声は離れた場所に居るキッスとペンチュラの耳にも届いていた。
「あーあ、始まっちまった きっと上手く殺っちまうんだろうなぁ、フラウスキー
ヘタすりゃこれで六ッ星… オレの倍だぜ、クソっ…」
ポアラを運びながらブツブツ文句を言うペンチュラ。
しかしキッスはただ、申し訳なさそうな表情でうつむきながら黙っていた。
一方、ビィトはフラウスキーの嵐の様な銃撃をなんとかしのぐ事しかできないでいた。
(なるほど… 才牙を出すどころか、いつの間にか槍まで捨ててやがる…)
(才牙を装備するとよけるスピードが鈍る! どうせこっちは一発しか撃てねぇんだ…
出 す の は と ど め の 瞬 間 だ け ! )
「シンプルな発想だ… オレの隙をつく前に…ハチの巣にされるとは思わなかったのか!? 坊主!!』
無尽蔵に発射される生体弾丸の嵐をよけ続けるビィト。
しかし、ビィトのスピードはいつしか残像を残す様になっていた。
だが、フラウスキーも負けてはいない。「数撃ちゃ当たる」で残像全てを攻撃する!
…一瞬、フラウスキーの背後に回る気配がした。
(こいつがビンゴだ!!)
背後に回った影を撃つフラウスキー ……だったが、それはビィトの『 服 』だった!
――その一瞬の隙をつき、Cガンナーの一撃がフラウスキーの額を撃ち抜いた!!
(お… おいおい… …マジ…か…)
「……アルフォード…」
血飛沫を上げながら倒れるフラウスキーに、ビィトは静かに誰かの名を口にした。
「…?」
「…お前がこんな風に額を撃ち抜いた…… あの人の名前だ…! しっかり覚えとけっ…!!」
――それは、かつてビィトに奥さんの手料理をご馳走してくれると言った兵士の名だった。
<続く>
アル31ドとアル4ドはアル家の兄弟だなこれは
だから敵は銃使いでフォーの敵をサイの才牙で討つという流れになってるわけか
ポップ担当きたー・・・・・と思ったら、敵かよ!裏切り者かよ!orz
>>372-373でも言われてるが、人間があんなぶっとい針手首に打ち込まれたら、
毒以前に出血多量で死ぬだろと。
どうすんですか三条先生!
>>389 そんな無理矢理な解釈せんでもw
>>390 腕ざっくり切り落とせば大丈夫。
最近は腕なしのキャラとか出しにくいのかなあ?
2000年に入って仮面ライダー復活したはいいが、
「改造人間」という呼称は義手や義足をつけている人に対し差別用語でないかと言われてるらしいんだわ。
それと同じように、フィクションでも片手や片足が無いキャラは出しづらいんではないだろうか?
>が、グリニデに睨まれる。「…おっと! ここは禁煙ね…!」
なくてもいいのにキャラの奥行きを深めるこういう描写好きだわw
>ポップ担当きたー・・・・・
ネーミングもそれっぽいしな。まあ裏切りも含めて
成長要員なのは見え見えだな
ポップはなんだかんだ言いつつも陽の当たる側からドロップアウトせずに最後まで突っ走れたが
こいつはポップ的な、才能はあるが心の弱さをかかえた等身大キャラが
ダークサイドまで堕ちた場合にどう奮起するかという
ポップでできなかったことをやろうとしてるんだろうな
キッス君、自分を育ててくれた魔人がゼノン達に殺された…、なんて事はないよね?
ポップ担当じゃなくてヒュンケル担当かよ!
その場合ポアラに聖母だの天使だの言うのかwww
作画担当が同じだから、その光景がありありと見えて困るww
まだキャラ名間違えたままなのかw
そこら中黒煙で覆ってるくせに自分の城は禁煙なのか
黒煙は人間社会に被害を与えるためのものだからな
自室で出されたら誰だって嫌がるだろう
単にタバコが苦手なだけかもしれんが……つまりグリニデを煙攻めして倒すフラグ!!
401 :
粗筋王マロン 1/8:2011/06/03(金) 23:00:01.65 ID:EAuCDe8D
<第14話:裏切りの友…!>
強敵フラウスキーを倒し、しばしアルフォードの冥福を祈るビィト。
「…あーあ… 気に入ってたのになぁ、このにゃんこ… 血まみれになっちまったじゃねーか…」
不気味な声に振り向くビィト。――なんと倒した筈のフラウスキーが起き上がっているではないか!
(こ… こいつ… 本当に急所がねぇのか!? 心臓だけでなく…頭さえも…!!)
「…そろそろ終いにしようぜ…… いくら不死身のオレでも… これじゃまともに動けねぇんでな…」
戦慄するビィトに、ゾンビの様な不気味な笑みを浮かべながらにじり寄るフラウスキー。
「ホント… たいした坊主だぜ!!」
そう言いつつ何かを投げるフラウスキー。 ビィトは咄嗟によけ、投げた物は壁に刺さる。
――それはフラウスキーの星がある、左手だった。
ビィトはCガンナーを向けるが、今のロケットパンチが最後の一撃だったらしく動かない。
「冥土の土産だ… 面白い事を教えてやろう」
直後、背後からもフラウスキーの声が聞こえる。
ビィトは驚いて振り向くが、そこには落ちた左手だけ…??
「魔人の中にはな… 脳や心臓が戦闘補助の器官にすぎねぇ奴がいるのさ…
このオレのようにな!」
――なんとフラウスキーの左手の甲に邪悪な顔が浮かび上がった! こいつが本体だったのだ!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110603223333.jpg 本体曰く、今ビィトの背後にあるのはもはやただの抜け殻。
「どんなダメージを受けようが…
体内を自在に移動する、ちっぽけな中枢さえ貫かれない限り オレの肉体は何度でも復元できる…
ここまで集めた“星”がもったいねぇから、左腕はとっておく事にしてるがな」
「どういうつもりか知らないけど… それならこの場でその左腕ごとブッ潰してやる!」
「…そりゃ無理だな ――――時間切れだ!」
不意に周囲にブブブ…と不気味な音が響き渡る。
402 :
粗筋王マロン 2/8:2011/06/03(金) 23:00:50.49 ID:EAuCDe8D
見上げると、ベンチュラが大怪蝶にまたがり糸でフラウスキーの左腕を回収した所だった。
…いや、それだけじゃない! 背後のフラウスキーの抜け殻が不気味な振動を上げヒビ割れていく!
「…やべぇっ! 自爆……!」
「……灰になりな! スーパールーキー!!」
――――その瞬間、ビィトは大爆発に巻き込まれた!!
大怪蝶に乗ったキッスはビィトの死を知り愕然とする。
魔人2人は満足そうな笑みを浮かべたまま、グリニデの居城へと戻って行った。
―グリニデの居城―
「やれやれ… 「勝負に勝ってケンカに負ける」たぁ、全くこの事だな…
カッコ悪いったらねぇ… 早く下半身も再生して欲しいもんだぜ…」
鎖の先にわんこの人形を付け、まるで風呂に入るかのように鉢に植わっているフラウスキー。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110603223345.jpg だが、そんなフラウスキーをグリニデは名誉の負傷だと褒めた。
「手際のよい仕事をありがとう、諸君 良い部下に恵まれて私は誇らしい!」
グリニデの言葉に満足そうに微笑むフラウスキー、無表情のロズゴート、浮かない顔のキッス。
「ま… 旦那の大事な遺跡を一個、潰しちまったのが心残りだがね」
するとキッスは素早く書類を出した。
「その事でしたら、閣下…! あの遺跡の主要な古代文字はすでにここに記録してあります」
「…エクセレント! いつもながら素晴らしいよ、キッス君
君は人間だがその知力と品位は私の憧れですらある」
「そんなっ… 恐縮です…」
するとグリニデはキッスを励ますかのように、そっと彼の肩に手を置く。
「つまらん過去は忘れたまえ 君はもう我々の世界で生きていく以外にないし、それは正しい判断だ
私ほど君を買っている男はこの世に居ない… そうだろう?
気に病む事は無い、君が手助けをせずともビィトはいずれ殺されていたさ…」
403 :
粗筋王マロン 3/8:2011/06/03(金) 23:01:33.59 ID:EAuCDe8D
ポンと肩を叩かれ、我に返るとキッスはポアラがどうなったのか気になった。
しかし、牢にもいないし、グリニデも知らないと言う。…多分ベンチュラが勝手な事をしたのだろう。
キッスは失礼しますと一礼すると、慌ててその場を駆け出した。
「おやおや… ご執心だな へへへ」
「好きにさせてやれ、ビィトさえ殺しておけば後はどうにでもなる
…ロズゴート君 私は「例の部屋」へ入る、後は頼むよ」
そう言い残し、グリニデはダンゴールと共にその場を立ち去った。
「「世紀の大偉業」ってあれだな」
「ビィトも死んだし、しばらく集中される事だろう…」
「死んでると…いいがね」
「…? フッ… バカを言うな、お前の自爆に巻き込まれて生きている奴などいる筈が無かろうが…」
ロズゴートも部屋から立ち去り、あとは動けないフラウスキーが残った。
…しばらくすると、フラウスキーは何気に鳥かごを取り……
「……なんでかね? なんとなく逃がしちまったがな……」
逃がした小鳥を眺め、タバコに火を付けた。
一方、ベンチュラはクモの糸に囚われたポアラを眺めて笑っていた。
するとその場にキッスが現れた。
『やめろベンチュラ!彼女の処遇はぼくに一任されているはずだぞ!』
「うるせぇな、ちょっとぐらいオレにも楽しませろってんだ!
いつぞやはこの女に随分世話になったんだからよぉ!」
キッスはベンチュラを止めようとするが、ふと、ポアラの怒りの眼差しに気付き黙り込んでしまう。
「あんたねぇ! ビィトはあんたの事を心から信じてたのよ…!
それを騙して恥ずかしくないのっ!?」
伏し目がちのキッスに変わって答えるベンチュラ。
404 :
粗筋王マロン 4/8:2011/06/03(金) 23:02:15.74 ID:EAuCDe8D
「ヒヒヒッ! そりゃあ仕方ねぇってもんだぜ、誰だって死にたかねぇからなぁ!
こいつはな、オレと同じ“捕まり組”さ!
グリニデ様の配下といやぁ聞こえはいいが…
無理矢理この毒の腕輪をはめられて手下にされちまったんだ!
グリニデ様の命令に逆らったら、即コロリ!
それにこの腕輪は冥力で作動してるんだ、オレ様と違ってこいつなんか天力一発放っただけでも
毒牙刺さるって仕掛けよ… 誰だって生命は惜しいんだよ!おめぇだってそうだろ!?」
下卑た笑いをあげながらキッスの肩をバンバン叩くベンチュラ。
申し訳なさそうに目を閉じるキッス、事実を知り青ざめるポアラだった。
「これからおめぇがどんなにむごい目にあうか… 想像できるか? あぁん!?」
「…そうね、私が想像するに、多分…
あんたは隠し持った刃物で脱出した私に手足を斬られるわね
そこからは上に乗られてタコ殴り…」
どうせ強がりだろうと笑っていると、ポアラは言った通り脱出、ベンチュラを攻撃した!
手足を斬られたベンチュラに、側にあったバッグからガンアームドを取り出し零距離射撃!
(…む… むご…すぎる… この女…!)
ズタボロになったベンチュラはそのまま気絶した。サシで戦うと弱かった!
ベンチュラを片づけたポアラはキッスを睨み―――― パンチを一発!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110603223358.jpg 「…とりあえず、今はこれだけにしておくわ…」
「…これだけ!!?? ぼくは… ぼくは自分の命惜しさにビィトを見殺しにしたんだよ! なのに…!」
ポアラは鞄を持ち、ビィトの所へ行こうとする。 …しかしビィトは死んだはず…?
「あんたはビィトの死体を見たの?」
「い…いや… でも、あれじゃ…」
「だったらきっと生きてる! あいつの生死不明ほどアテになんないものはないわ…!」
405 :
粗筋王マロン 5/8:2011/06/03(金) 23:03:02.40 ID:EAuCDe8D
その頃、当のビィトは… 予想通り生きていた。
「い… 生きてる… みてぇだけど… 一体…?」
意識を取り戻し、様子を窺うと―――― 目の前に、ブルーザムが瓦礫からビィトを守っていた!
……いや、違う!瓦礫を支えていたのはブルーザムではなく、ボルティックアックスだった。
それを見て、ビィトはフラウスキー自爆の瞬間を思い出す。
フラウスキーの身体が爆発する瞬間、Vアックスが勝手に具現化し、大地を割って守ってくれたのだ。
「この遺跡…地下があったんだな
ブルーザムはそこにわざとおれを落とす事で、大爆発から守ってくれたんだ
助かったぜ、ブルーザム…!」
ビィトが礼を言うと、それに応えるかのようにVアックスの刃がキラリと輝いた。
…しかし、命は助かったものの、状況は最悪に変わりは無い。
片足は瓦礫に埋まって抜けないし、息苦しくなってきた…。
「…どうすりゃいいんだ…!
おれにはブルーザムみたいにこのアックスを持ち上げて、瓦礫をとっぱらうような凄ぇ力はねぇ…
くっそぉ〜… なんとかならねぇのかよ…!」
―グリニデの居城―
城の壁が爆発すると、中から大怪蝶に乗ったキッスとポアラが出てくる。
キッス達が脱出した事に、罪人たいまつが慌ただしく城の中を走り回っている。
「オイオイ…なんの騒ぎだぁ…?」
全快したフラウスキーが服を着ていると、ロズゴートがポアラの仕業だと告げた。
「キッスを人質にして大怪蝶で逃げた」
「ほぉ… 人質、ねぇ…」
406 :
粗筋王マロン 6/8:2011/06/03(金) 23:03:49.03 ID:EAuCDe8D
―上空―
「…ぼくなんか連れだしてどうするつもりなの?」
「ビィトに会わせるに決まってるでしょ! それでどうするかはあいつが決める事だわ!
ホラ! とっととあの遺跡まで戻って!」
ガンアームドを付けたまま、キッスの後頭部を小突いて急かす。
「…すごい行動力だよね、君って… やっぱりビィトといるからなのかな…」
「え?」
「彼は特別なんだよね… あの頃のぼくはそんな事にも気づかなかった…
ビィトが「暗黒の世紀を終わらす男になる!」って言うのにつられて、
「じゃあぼくは世界一の天撃使いになる!」…なんて、出来もしない約束までした位だからね…
はは… あの時は本気で信じてたんだよな、そんなの… 無謀な夢でしかないのにさ…!
…ビィトと離れてから気づいたんだ… ぼくは… 本当に無力だって…」
「…あんた、一体何があったのよ、ビィトと別れた後で…!」
――しばしキッスは黙っていたが、ぽつりぽつりと過去を話し始めた。
「…2年前、ぼくはある有名な戦士団に誘われた…
独自に才牙の訓練を従っていたビィトとはそこで別れ、ぼくは戦士団契約をしたんだ
「強くなっていつかまた会おう」って約束して…
それまでにもぼくは何度も無力感を感じていたんだ、ぼくの方がLVは上だったけど、
ビィトの潜在能力には圧倒されっぱなしだったから… 早く強くなって彼の役に立ちたかった…
戦士団メンバーはみんな強いバスターばかりだったから、
ぼくはみんなの足を引っ張らない様にするので精一杯だった そんな数カ月が過ぎた、ある日……」
<以下所々回想>
稲妻と共に戦士団のフード姿の魔人が現れ、圧倒的な強さで戦士団を蹴散らしていった。
「絶体絶命の時、リーダーがぼくに言った… それは危険な提案だった
一番傷の浅いぼくが相手の至近距離から天撃を放ち、その隙に全員が一斉攻撃するという作戦だ
どのみち、このままでは全滅だ… ぼくは恐怖を振り払って、仲間の為に敵に向かった…!
……だけど……!」
407 :
粗筋王マロン 7/8:2011/06/03(金) 23:04:32.50 ID:EAuCDe8D
――――キッスの一撃はあっさりと返され、頼みの綱の戦士団は…… 全員が逃げ出していた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110603223412.jpg 「常に捨て駒になる者を仲間にしておく… それが知られざる彼らのやり方だった…
ぼくは…… その時だった 死を覚悟した瞬間… 光が走った…!」
…キッスを見捨てた戦士団は、魔人の一撃で次々と殺されていった。
変わり者の魔人は驚くほど穏やかな声で倒れたキッスに声をかけた。
「仲間の為に危険を冒し、身をなげうったその勇気に免じて 今回だけはお前の生命を助けよう
逆に勇気のない行動を取ったあの者達には死を与えた
…その拾った生命で再び私に挑むのもよし、戦いを恐れて隠れ生きるもよし 好きにしろ…」
――それだけ言うと、鉄仮面を被った魔人は風と共に消え去った。
<回想終了>
「まるで神の声に聞こえた…
その時だ… ぼくが人間より魔人の方が信じられる気持になってしまったのは…
それからどこへともなく流れついて… 気がついたらこうなっていた
グリニデ様も、捕まえてきたぼくを殺さなかった…
ぼくが趣味で持っていた古文書を見つけたのがきっかけだったんだ
彼は言った 自分の遺跡発掘や諜報活動の手助けをすれば配下として生かしてやる、と…
魔人の方が人間よりよほど仁義やルールを重んじてくれるし、紳士的に思えた…」
「バカ言ってんじゃないわよ!
毒の腕輪つけていつでも殺せるようにしてる奴のどこが紳士なのよ!
どこにも信頼関係なんてない… ただ 服 従 させられてるだけじゃない!!」
「そ… それは…」
「確かにあんたの境遇には同情するわ
あんたと同じ目にあったら、私だって人間を信じられなくなるのかもしれない…
でも、あんたそれでいいの!? このまま誰一人信じる事もなく…
グリニデに生命を握られたまま、ありもしない信頼にすがって生きていくの!?」
408 :
粗筋王マロン 8/8:2011/06/03(金) 23:05:19.76 ID:EAuCDe8D
ポアラの言葉に、反論できずうつむくしかできないキッス。
「ビィトは何の保証も見返りもなくったって、あんたとの約束を守り続けてる
今でも“暗黒の世紀”を終わらせようと、本気で考えて行動してるわ!
そんなあいつさえ信じられなくなったって言うの!!?? …だったらあんたは敵よ… 私達の敵だわ!!」
――その言葉に、一瞬キッスの目が覚める激しく動揺する。
…しかし、今のポアラの言葉は自分にも言えた。
ビィトが一緒にいるから旅に出られる。ビィトを信じているから戦っていける…!
――――しかし、その背後には追手のフラウスキーが迫っていた。
その頃、ビィトは空気が薄くなっている事を感じ、より一層焦っていた。
「…落ち付け… 落ち着いて考えろ…! なんか手があるはずだ… 最後まであきらめるなよ…!」
…無い脳みそをフル回転させ、必死に考え込んでいると、呼吸音のような音が聞こえてくる。
コー… コー…
自分以外に呼吸している者がいるのか?
音を頼りに音源を探ると―――― そこにはサイクロンガンナーが落ちていた。
…よく見ると、Cガンナーの目の様な部分が呼吸音と共に光を放っている。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110603223424.jpg 『こっ こいつだ! サイクロンガンナーが呼吸してるんだ…!
そうか… もしかすると…もしかすると、こいつの弾丸って…!!』
何かを理解したビィトは、おもむろに銃口を上に向け―――― 瓦礫を撃ち抜いた!
その軌道は、さながら天を貫く一筋の光の柱だった。
崩れた地下からようやく脱出したビィトは、思わず『見つけた!』と叫んだ。 <続く>
>――なんとフラウスキーの左手の甲に邪悪な顔が浮かび上がった! こいつが本体だったのだ!!
なんとなくダイ大のフレイザードが浮かんだ…
>そうか… もしかすると…もしかすると、こいつの弾丸って…!!
ん、つまり早い話がドラえもんの「空気砲」と同じってことか?
いくら空気砲でも呼吸する必要はないだろ…もしかして才牙が可愛いアニマル化したりするのか?
そういや動物っぽいデザインだしな。その線もありうるかもしれん。
動物型才牙に変身してどうやってビィトが助かるのかがちと予想できんが。
暗黒闘気な魔人とかいないのか?
その場合★はどうなるんだ?
暗黒闘気・・・って、ダイの?
だとしたらベルトーゼが相当するんじゃないか?
ファントムとはいえそれっぽい技持ってたし、何より顔が似てるw
いや、身体がガスで出来てる魔人。植物とか蜘蛛とかなんでもいるんだったらガスもありでは。
DQ2のガストみたいな奴?
話が進めば出てくるかもしれんが、どうやって倒すんだか。
風で吹き飛ばすしか倒す手段なさそうだ。
炎の天撃で焼き尽くすとか?
FF4のマザーボムかよ!
じゃあ氷結の天撃で液化、固化させてぶちこわすとか。
| ゙、 ゙l ! l l〉 ヽ`"
| ! i | ._..-イ .!゙゙゙,゙,゙゙¨ニ'''ー-...l
l | | .|‐´.゛.゙/ .! ´ .`'.、'./
!.゙二鯔'ニ/'''" l'、 .'.! 海戦騎ボラホーン!
;= l/ッi|/リィ彡‐゙ "! '.| 呼ばれた気がしたので
_,,,...l、..`く,_ / '´ __,./ │ 参りました!!
_..y‐'" / )l,'y,..! _..ir゙゙.i./ 、、 -,、 │
/゙,i" ./ t;;;;ニi|フ''゙‐'-=┴.'..´. .゙!" i|
_..r'′.、 ノ /. `lllレ゛ : `;; .! l
.,-'./ l゙./ 、 .iイ .′ '_,..;;'lljli ! il゛ | 、
./‐゛.,,,. ゙| i ヽ i" l‐''ーiッ;;itイ゙゙゙゙゙|!"`.゛.,./ ,、.゛ ,ノ .,,l ,!
./ {__,ノ .ヽ.,! .,! / │ !一''''ト .l''l!l!フ'.,゙_,, / ゛.,iil!''!..、 !
ヽ ..、 ゙'-、,、 .| l ! ! l゙'ゞi|二=―'''´ .},.ミ|∧ _.、 .!
ヽ. `゙''! ゙l .! |, | `゙'.、 ,i..、,,..-''" ./ ,/! ̄|ミヘ、lヽ.゙l;l゙|
ヽ, ! ! ! ! ! ! .,i゛ .. . / '゙.フ'" /;、!,.ヽ゛゙' | .`イ
`-、. ..! 、 .! ,! ! .,! .′ ゙'-,,./ _.. -'''''^゙ .ー'゙ ゙/ !, ゝ .} !
/ `゙''tッt!/.. .l ! . l ./ ! .゙,ノ.! ,! :!
i"\ `' l゙j゙,、‐ .l,.! . !,/.,) , / ,. ././ ゞ ,,-|
,l゙ .\. i.." .゙l| , .、.'''>'" `''ーミ./ ,i-、 ,レ" i´" ._..-|
呼んでない帰れ!w
<第15話:唸れ旋風弾!!>
フラウスキーの銃撃により、不時着する大怪蝶、投げ出されるポアラとキッス。
「よぉ、キッス 災難だったなァ…!
安心しな、今すぐ片づけてやるからよ… あの性悪女をな…!」
ポアラの頭部に狙いを定めるフラウスキーだったが、キッスはそれを止める。
「ま… 待ってくれっ、フラウスキー! 頼む!彼女にはまだ利用価値がある!
ぼくと一緒にグリニデ様に仕えるように言う!だから…!」
「…だめだね」
フラウスキーの左手に飛び付き、ポアラを凶弾から守るキッス!
フラウスキーはキッスの左ももを撃ち抜く。どうやら全て見透かされていたようだ!
「おめぇ、この女にイカれたな?
いくらグリニデの旦那のお気に入りでも、裏切り者は生かしとく訳にゃいかねぇ………
……ああ! おめぇは元々人間を裏切ったんだから、“表返り者”かァ?」
うまい事を言いながら、銃口をキッスに向けるフラウスキー、それに怯えるキッス。。
「…なんて見苦しい顔だ 敵味方をフラフラしやがって…! …見るに耐えねぇっ…!」
――――直後、銃声が轟いた!
……次の瞬間、宙を舞っていたのはキッスの身体 ……ではなく、フラウスキーの銃だった。
「…待てよ、フラウスキー! おれの仲間に手を出すなっ…!」
全員が振り向くと、そこにはCガンナーをフラウスキーに向けたビィトがいた!
どうやって助かったのか、全員が知る由もないが… キッスは本当によかったと涙を流す。
(…どうせこんな現れ方をするんだろうと思ってたわよっ… あんたは…!)
予想通りビィトの生存に安心するポアラだったが… それはフラウスキーも同じだった。
「…なんでかね、あんまり驚かねぇんだよな おめぇが生きててもよ そんな気がしたっつーかな…
…しかしまぁ…おめでたい奴だぜ、自分を敵に売った裏切り者を助けようってんだからな…!」
その言葉に顔色を変えるキッス。…そうだった、ビィト達人間から見れば自分は裏切り者…!
しかし、ビィトは何も答えず、ただ黙ってフラウスキーを睨んでいる。
「こいつはな、あの遺跡にお前を誘い込んだ張本人だぜ
オレ達同様、グラニデの旦那の配下の一人なんだよっ…!」
そう言って、腕輪を見せる。ビィトからはキッスの腕に同じ腕輪がはめられているのが見えた。
キッスは涙を流しながらそれを認める…。
「…薄汚ぇ奴だぜ、人間も子供ん時は可愛いが、あっという間に薄汚ぇ大人になりやがる
幻滅するよなぁ… 全くっ…!」
「……薄汚ぇのはおめえだろ!」
「…! なんだと……?」
「あいにく、おれの知ってる大人達はみんなカッコよくて、夢を忘れねぇ“本物”ばっかりだ!
おめぇ自信が薄汚ぇから本物に会った事がねぇんだよ!
おれたちは全員本物になる おれもっ… ポアラもっ…… もちろんキッスだってな!!
こいつが横道にそれたんなら、おれが連れ戻す! 力づくでキッスを奪い返してやるぜ!」
兄・ゼノン達を思い起こし、本物になる宣言とキッスをまだ仲間だと言い放つビィト。
…しかし、フラウスキーは激怒するでもなく、咥えた鼻を揺らしながらニヤリと笑う。
「…そいつが一番難しいんじゃねぇのか? 『力づくで』…ってのがよ」
「…そうでもないさ、多分もうお前は手も足も出ないだろうからな!」
しばし両者は睨みあった後―――― 無言の銃撃戦が始まった!
フラウスキーの銃撃を、Cガンナーの 連 射 で撃ち落とすビィト。
ビィトがCガンナーを連射した事に、ポアラもフラウスキーも驚愕する!
飛びかかってくるビィトをフラウスキーは全身の弾丸で迎撃するが、
ビィトはことごとく攻撃を避け、フラウスキーのマントに一撃入れる。
ふと、フラウスキーはビィトが弾切れを起こした事に気付く。Cガンナーの弾装ゲージが真っ黒になっている。
(…もらった!)
――しかしビィトは呼吸を整えると―――― 弾装ゲージが再び満タンになり、反撃を開始する!
油断したフラウスキーは直撃を受け、右肩とわき腹に直撃を受け、激しい血飛沫を上げる。
「て… てめぇ…!!」
426 :
粗筋王マロン 3/5:2011/06/05(日) 23:00:47.32 ID:w7dfk5Dy
「…これがサイクロンガンナーの本当の力だ!
おれは… 今までずっとこの銃の弾丸は天力だと思いこんできた
アルサイドとの天力の差のせいで、弾丸が一発しか撃てねぇんだって…
でも違ってた! この銃には元々弾丸が無い!
生物の様に、“空気を吸ってそれを弾丸に変える銃”だったんだ!!」
その話を聞いたポアラは理解する。
才牙は天撃を極めた者が天力で生成する武具… つまり、Cガンナーは『風』の属性を持つ銃!!
「この銃と心を一つにして呼吸を合わせる… それで初めて銃に大気を吹き込ませる事が出来た…
今まで一発しか弾丸が得られなかったのは、この呼吸法が不完全だったからだ!
ようやく、おれはそれを得た…! もうちょっと遅かったら、地底でくたばってたけどな…!
…さあ、どうする!? これでこっちの弾丸もお前と同じ無尽蔵だぜ!
…いや… 身体の中から捻りだしてるお前より有利かもよ… なにしろ、空気がある限り撃てんだから!」
激痛に冷や汗を流しながら、ビィトの実力を認めるフラウスキー。
「……すげぇ… おめぇ、本当に魔人の天敵になる男… かもなっ…!
――だがっ! 俺はまだ死なねぇ!
いくら弾を連発できても、オレの体内で移動する急所を正確に貫けるとは限らねぇ!!
この不死身がある限りはっ… オレは負けねぇんだよォッ……!!』
飛ばされた銃を拾い、連射するフラウスキー!
しかしビィトは焦らず呼吸を整えると、Cガンナーもそれに呼応し大きく呼吸する。
「…どうかな? 今のおれには急所を探す必要は… ねぇ! あの時見つけた… この力で…!
お前の全身まとめて・・・・・・・ 撃 つ !! 」
Cガンナーの大きなカバーを地面に突き刺し、ショックに備え―――― 高エネルギーを撃ちだした!!
すさまじい高エネルギーを回避できなかったフラウスキーは… 手足を残し、消滅!
「……なんて… 怖えぇガキだ… 圏外にもほどがあるぜ……」
――吹き飛ばされた手足度同時に、フラウスキーの小石程の大きさの“中枢部(核)”が落ちる。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110605223523.jpg 「…それがお前の“中枢部”って奴だな…」
427 :
粗筋王マロン 4/5:2011/06/05(日) 23:01:33.07 ID:w7dfk5Dy
「…まったく… 冴えねぇジ・エンドだぜ…
おめぇはよ、坊主… きっとこれからもとんでもねぇ戦いに巻き込まれていくぜ
オレが死んでも世界中の強豪魔人に目ェつけられるだろうからな…
…アバヨ…! せいぜいがんばりな…!」
――その直後、頭上から大怪蝶に乗ったベンチュラが現れ、フラウスキーの核を回収してしまう!
だが、ビィトは焦るでもなく、落ち着き払った様子で空を見上げる。
「…『アバヨ』か… そうだな、さよならだフラウスキー!」
再び呼吸を整えると、Cガンナーもまた大きく呼吸した。
―上空―
無防備なフラウスキーを助け、図に乗っているベンチュラ。
「ウケケケケ…! どうだ、フラウスキー!
これで二度目だぜぇ! 命の恩人への礼はちゃあんと覚えておけよォォ!
こっちは傷を押して助けに…」
「……ムダだ オレ達は助からねェよ」
「バカこけ! これだけ離れてりゃ、どんな攻撃だって当たんねぇよっ…!」
「…あの坊主は… ただ者じゃねぇ…」
同時刻、地上でCガンナーを構えるビィト。
ポアラとキッスが見守っていると… 拳銃タイプのCガンナーはライフル状へと変形した!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110605223538.jpg Cガンナーの先端に光が集まり―――― 極細のレーザーの様に撃ちだした。
そのレーザーは上空遥かに離れたベンチュラの心臓共々、フラウスキーの核を撃ち抜いた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110605223558.jpg
428 :
粗筋王マロン 5/5:2011/06/05(日) 23:02:14.83 ID:w7dfk5Dy
「うっ…! こ… こんな事が…!?」
「…フッ… だから言ったろ? ・・・・ただ者じゃ・・・・・ねぇ・・・・・・・って・・・!」
炎に包まれ燃え尽きるフラウスキーの核。ようやくここで決着がついた。
炎に包まれ墜落する大怪蝶を見て、ビィトの勝利が信じられないほど驚愕する2人。
…一方、我に返ったビィトはなぜかCガンナーが変形している事に驚いた。
「ビィト! それって…?」
「ああ… よくわかんねぇけど、『遠くを撃とう』って思って構えたら、こんなのになってた…!
ちょっとは認めてくれた…って事なのかもな、アルサイドが…!」
(ビィト… ぼくといた頃は槍と盾しか使えなかったのに…!
なんて… なんて大きな違いなんだ… ぼく達の2年間は…!)
「…まぁ、なんにしても勝ったな!」
ここにきて、ようやく笑顔を見せるビィト、つられて微笑むポアラ。
…しかし、キッスはビィトと目が合うとつい顔を伏せて黙り込んでしまう。
「…大したものだな…… 実際…!」
突如聞こえた声に周囲を見渡す3人。 声の主は… ロズゴートだった!!
「まさかフラウスキーをここまで完璧に粉砕するとは…!
もはや我らが大敵と呼ぶ以外になくなった
消耗しているこの場で葬らせてもらった方がよさそうだ…!
…お見せしよう! 我が冥力の極致…!」
まさかの連戦に緊張の色が浮かび、ロズゴートの手が不気味に輝きだした。 <続く>
蜘蛛って心臓撃った所でそう簡単には死ななそうな
潔いなフラウスキー
無様な姿ではあるが、無様に足掻かないのが実にいい
ベンチュラの無様さがそれを引き立ててるな、ナイスだ
残忍な敵ではあるが憎めない奴だったな。好きになったぜフラウスキー。
自家受粉で種を残しといて簡単に自分のクローン作ってたりしないかな
???「フラウスキー2号、成長速度に以上。廃棄」
???「フラウスキー3号、右手が武器に変化せず。廃棄」
???「フラウスキー4号、一旦完成するも・・・・・」
フラウスキー「うそだーーーー!」
>>427 さすがにすごすぎないか?
ビィト自身損な能力しらなかったってことで
アルサイドの魂との無意識の共鳴・信頼って感じがあるのはいいんだけど。
>「……ムダだ オレ達は助からねェよ」
あとフラウスキーも「才能は才能を知る」みたいな無駄いさぎよい諦めっぷりだな。
ベルトーゼファントムがシールド成長イベントで
今回は模範的なほどに着実にガンナー成長イベントだったな
>声の主は… ロズゴートだった!!
つーことは次はポアラかポップの成長イベントなんだろうな
一つ一つの戦いが
バトルとしての敵の多様性やキャラ立ちも満足させつつも、
魔人やバスターや星、報酬など世界観の説明にも確実に役立てているし
主人公側の成長描写としても毎回活用し、無駄が実にすくないね、三条クン。エクセレント!
>ポアラかポップ
おいw
どっちかというとポアラ成長イベントか、キッスがビィト側に寝返るイベントかな。
ああ、そうか
キッスだった
フラウスキーのような性格のキャラ、
ダイ大にいたっけ?
強いて挙げればフレイザード(冷静込み)
わずかにキルバーン風味ってとこか
>>437 いない気がする。グリニデもいなかったタイプだし、
今回の漫画は色々実験してるというか作者の引き出しの広さを感じた
版権と言う枠に縛られない分、確かに三条が色々試してるのかもな
それは関係ないだろ
ダイの頃から版権や原作に関係ないところで
かなり個性あるキャラは出してた
443 :
粗筋王マロン 1/6:2011/06/07(火) 22:59:24.07 ID:Bi3c4JWd
<第16話:友よ、起て!>
冒頭、ロズゴートの冥撃の直撃を受け吹き飛ばされるビィト。
ポアラは連戦とはいえ、まさかビィトが簡単に直撃を受けた事に驚きを隠せない。
『ビィト! 盾よ! クラウンシールドを…!』
「そ… それがさ… おかしいんだ… やっぱ連戦はキッツイのかな…
さっきから… 盾がどうしても出せねぇ…! 銃にも弾丸がこめられなかった…!」
疲弊のせいで、起ちあがろうとするが思う様に立ち上がれない。
「フフ… 調子が悪そうだな、ビィト君 このままワンサイドゲームで終わり…かね?」
「じょ… 冗談じゃねぇよ! 少々追い詰められたって、こっからが本番だ
今までだって… そうやって勝ってきたんだからな…!」
「…私は今までの魔人とは違うよ…!」
ポアラはガンアームドを連射しビィトの援護に入るが、
ロズゴートはまるでワープしたようなスピードでポアラの背後に入り込み氷の冥撃を放つ!
ポアラもまた炎の天撃で相殺しようとするが……突如激しくせき込み始めた。
そのせいで天撃が発動できず、ポアラの右手はガンアームドと地面ごと凍ってしまう!
ビィトもポアラ救出に動こうとするが、彼もまた大声を上げた途端せき込み始める。
一方、キッスは周囲に立ちこめる煙のような物に手を伸ばすと、何か粉末が沢山掴めた。
(もしかしたら、これは…!)
ロズゴートは冥撃を連射してくるが、疲弊したビィトはかわすだけで精一杯だった。
「まるでイモムシだな、動かん方が楽に死ねるんだが…」
「…や… やなこった…!」 よろめく体を押し、起ちあがるビィト。
「フ… なんという闘志だ… そいつをかき消すには… この位の力が必要かな…」
ロズゴートが指を動かすと、地面にヒビが入りマグマが昇ってくる。あれは…上位冥撃だ!
吸い上げられたマグマはまるで命があるかのように動き、一つ目の大蛇の様になる。
それを見たキッスは何とかしたいと思うが… 腕輪の鎖がジャラリと鳴った。
ビィトは才牙を発動させようとするが、疲労の為かやはり具現化できない。
「…さらばだ! ビィト君!!」
444 :
粗筋王マロン 2/6:2011/06/07(火) 23:00:14.91 ID:Bi3c4JWd
上位冥撃が放たれようとした瞬間―――― キッスがビィトの前に飛び出した!
「…何の真似だ、キッス」
…しかしキッスにもなぜかわからなかった。身体が勝手に動いたのだ。
「もう… 二度と… ビィトを見殺しにはできない…!」
「し…心配いらねぇよ、キッス おれはこんな奴には負けな
『負けるんだよ!絶対に!! この場所で戦ってる限り… 100%ロズゴートには勝てないんだ!!』
ビィトのセリフが終わらない内に反論するキッス。その理由とは…
「おそらく… フラウスキーが倒された時から、
この周囲にはロズゴートの毒鱗粉が散布されていたんだよ これはきっとただの毒粉じゃない…
これに包まれた空間では、天力で大気から天撃や才牙を生成する事が困難になるんだと思う…」
そう言って、先程掴んだ手の平の粉を見せる。
「フフ… 大したものだな、私の秘技の仕組みを見破るとはな…
いかにもその通り! この極微細な霧の粒子一つ一つは私の冥力の産物!
この霧の中では天力を使って戦う人間は無力に等しい…!!
これこそが我が奥義… イ リ ュ ー ジ ョ ン ミ ス ト だ!!』
ビィトがずるい戦法だと罵った瞬間、膝をついて崩れ落ちる。
この毒鱗粉は天力阻止ではなく、当然、人体へ毒による影響もあるのだ。
このままでは、ロズゴートの攻撃を回避し続けてもどの道死んでしまう…!
弱ったビィトとポアラを見て、キッスはまだ悩んでいた。
「…キッスよ、迷いは捨てて我々の側に戻れ 今ならそれも可能だ、お前のその頭脳は惜しい…
以外と良いものだぞ… 力にひれ伏すというのもな…」
そう言ってロズゴートはフードを脱ぐ。
ロズゴートの素顔は―――― 左目が潰されていた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110607225119.jpg 「この傷はな… 一生消える事はない… つけたのは他でもない…グリニデ様だ」
445 :
粗筋王マロン 3/6:2011/06/07(火) 23:01:00.36 ID:Bi3c4JWd
かつて…グリニデがロズゴートをスカウトしに来た時の事。
「私の方もまんざらではない気分だった
だが…… 私のどうという事のない一事で会談は急変した…」
<以下回想>
「両方にメリットのある話だ、そうは思わないかね ロズゴート君」
「…おまえの都合ばかりで話を進められてもなぁ… ククッ」
――その直後、グリニデが席を立った。
「………『おまえ』…!? 『 お ま え』 だとぉぉッ…!!??」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110607225131.jpg ブチブチブチ
その一言でグリニデの額の角が大きく伸び、ブチ切れたグリニデはロズゴートに殴りかかった!!
<回想終了>
「壮絶な光景だった… グリニデ様は鬼神と化し、
その緑の身体が深紅に染まるまで私の城を… 部下を全て叩き壊し続けた…
連れてきた自分の魔物さえも皆殺しだった… ひと言…『おまえ』と呼んだだけでな…
…それが“血塗られた獣”グリニデ様の本性なのだ…!」
「血塗られた…… 獣…?」
「“深緑の智将”というのは、その呼び方が嫌であの方が自分で広めたものさ
普通魔人の異名は他人がつけるものだがな
あの日…私は生まれ変わった! グリニデ様が私の身体に刻みつけてくれたのだ!
力 こ そ 全 て ! 理由抜きに他を服従させうるもの… それは力以外にないのだと!!
言わば… あの方が、私を一人前の魔人にして下さったのだ!」
446 :
粗筋王マロン 4/6:2011/06/07(火) 23:01:43.18 ID:Bi3c4JWd
その迫力とグリニデの本性を聞き、気押されるキッス。
「目を覚ませキッス 力に恐怖し…力に従う… 実に明確な生き方だ 考えずに強い方につけば良い…!
ビィトを見殺しにすれば、お前の心には大きな傷が残るだろう… この私の目のように
だが後年、必ずそれが誇らしく思えるようになるッ…! さぁ… そこをどけ…!」
「…へへっ… バカ言ってんじゃねぇよ…! お前の話はてんでデタラメだ…!」
振り向くと、よろめきながら立ち上がるビィトの姿があった。
「…なんだと?」
「だってそうだろ? まるでキッスが弱えぇって決めつけたような話じゃねぇか
キッスはお前とは違う… そんな毒の腕輪がついてなきゃあな…
今頃お前なんか黒コゲんなってるぜ!」
「ビ… ビィト…!」
「なんたってこいつは… 天 撃 の 天 才 なんだ…! 世界一の天撃使いになる男だぜっ!!」
「フ…何を言い出すかと思えば…! 初耳だな、それは! この気の弱い優男が… 世界一の天撃使い!?」
直後、爆笑するロズゴート。
「そうだ… よな… キッス…
もし… あん時… おれにつられてつい言っちまったんだったら…仕方ねぇんだけどさ…
…お前の本当の気持ち…聞いときてぇんだ… もう…なりたくねぇのか…?」
汗一つかかず、苦しむ表情を見せずにまっすぐキッスを見つめるビィト。
「・・・・・・・世界一の・・・・天撃使い……!」
キッスは目をつぶり、過去の事を思い出す。
楽しそうに天撃の書を読む事。バスターの証の痛みに耐えた事。初めてバスターの服を着た時の事。
そして…… ビィトと楽しく冒険をした事……。
「……そんな事… ないよ…」 消え入りそうな声でそう答えるキッス。
「君につられたからじゃない… ぼくはその前からずっと…!
子供の頃から… バスターになった時から、ずっと…!
だから… あの時言ったんだ! 初めて他人に自分の夢を!! 君にだけっ…!」
直後、地面に何かがポタポタと落ちる。
「…今でも… 今からでもなりたいよ、ビィト…!!」
447 :
粗筋王マロン 5/6:2011/06/07(火) 23:02:43.91 ID:Bi3c4JWd
――涙と鼻水で顔が文字通りグシャグシャになる程、キッスは泣いていた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110607225143.jpg 「…そっか!」
キッスの正直な気持ちを知ったビィトはキッスを押しのける。
「よ… よっし… じゃあちょっと離れてろよ、キッス…!
お前の力を借りなくても… あんな奴おれが倒しちまうよ! なんか…やる気グングン出てきたかんな!!」
…とはいえ、再び苦悶の表情を浮かべはじめ汗びっしょりのビィト。明らかにやせ我慢だ。
キッスはムチャだと止めようとするが、言う事を聞くビィトではない。
「へへ… お前はさ、おれの事いつも無鉄砲で無茶苦茶だって心配してたみてぇだけど…
…おれだってお前の事、心配してたんだぜ…
お前…天才だけど… 気が優しいっていうか、ちょっともろいと事があるもんな
安心しろよ、お前ならなれる…!『世界一の天撃使い』に! 今からでもな!
だからあいつはおれが倒してみせる! お前のそうなった姿…絶対見てぇもんな!!」
キッスを元気づけ、ウインクするビィト。そしてロズゴートもどうするのかと急かす。
「至極当然の世の道理か…!? 絵空事の夢か…!? 選択するがいい!!』
その時、キッスはかつて見逃してくれたあの魔人の言葉を思い出す。
《その拾った生命で再び私に挑むのもよし、戦いを捨てて隠れ生きるもよし 好きにしろ…》
(好きに… 好きにしろ…)
キッスは腕輪をチラリと見、拳を握りしめつつ覚悟を決め―――― ビィト側についた。
「…残念だ ならば絵空事の夢を抱く者同士、共に焼け死ぬのだな…!!』
「ビィトは…死なないよ ロズゴート」
「…!?」
「…死ぬのはぼくと君だけだ
ぼくの生命… それさえあれば、君を倒してビィトを救う事ができる!」
448 :
粗筋王マロン 6/6:2011/06/07(火) 23:03:25.48 ID:Bi3c4JWd
迷いを捨てたキッスはもう、鼻水だらけの気弱な少年ではなくなったが… 相討ち覚悟になっていた。
『笑わせる! 非力なお前などがどうにかできるものではない…
このロズゴートの最終冥撃! 業火の冥撃流はなッ!!!!』
激怒したロズゴートは、待機させていた冥撃を放とうと襲いかかる!
ビィトは逃げろと叫ぶが、キッスは逃げない。 そして―――― 爆発音!
勝利を確信したロズゴートはニヤリと笑うが…… 次の瞬間、目を見開く。
なんとキッスもビィトも無傷! それどころか、冥撃流が受け流されている!!
『バ… バカな!! 業火の冥撃流がっ… なぜっ!!??』
驚き戸惑うロズゴート。…その直後、ビィトの目の前に何か液体がポタポタと滴り落ちる。
それは―――― 毒の腕輪に左手を貫かれた、キッスの“ 血 ”だった。
キッスはビィトに心配をかけさせまいと、左手を見えない様に隠す。
甘く見ていたロズゴートは驚愕し、ありえんと信じ込もうとするが、どうやって防いだのかが分からない。
「…5分… いや、3分…かな この毒でぼくが死ぬまで…
…ビィト! 最後の最後になったけど、あの時の約束を果たすよ
今、この一瞬だけ…! なりたかった自分になってみる!」
そう言ってロズゴートと対峙するキッスの顔は… やつれ初めているが、立派な戦士の顔立ちだった。
<続く>
ダンゴール仕事しろよ
グリニデに「お前」は禁句なのか… くわばらくわばら
キッス覚醒、というか正義に目覚めたな。なんかいいキャラなんで死なないでほしいわ。
ただ… イケメンにあの豪快な鼻水は…w
あれ?即効性じゃないの?なんでそんなに猶予があるんだ
その間勝手な事されたら困るじゃないか
3分間かー。
グリニデ的には「自分より弱い者がそのくらい反抗したって撃退余裕です」
くらいのノリだったり?
キッスで3分ならフラウスキーとか魔人連中はもっと耐えるんじゃないか?
そっちは忠誠の証なので問題ありません…ってのも微妙だよなー
実はキッスが解毒出来てるってなら3分と言わず完全にやれよって話だし
相性の問題?ww
ポップでいえばまぞっほにけしかけられてロモス城にダッシュしたところだな
3分もつんならクラウンシールドで解毒するか
勇気出したことで急に天力が噴き出して賢者状態になって回復するのは折り込み済みで
まず死ぬことはないだろうけど
この先キッスをどう使うかに興味があるな。仲間になって合流ってのは単純すぎる。
グリニデの人間界征服シミュレーションを細かく練った作者のことだから
毒と一緒にグリニデ細胞でも注入されてて、忘れた頃にグリニデクローン化させられたりするのかもしれん
さてグリニデをお前よばわりしてキレさせるのは誰だろうな
ポアラは「あんた」とか言いそう
◎ ビィト
○ 勇気出したキッスが自分を鼓舞して
▲ グリニデを怒らせるためだけに登場して死ぬ噛ませ犬魔人
△ ダンゴール(ポアラあたりに無理矢理言わされる)
これって腕斬り落とせばよくね?
死ぬよりはさ
>さてグリニデをお前よばわりしてキレさせるのは誰だろうな
普通にビィト、もしくは裏をかいて合流したスレッドだと思う
キッスは言いそうにない&禁句だとわかってそうなんで
>>456 天力の詠唱に両手の動きが必要な物もあるとか。
ダイ大で言えばハドラーだったかザボエラだったかが、両手を使うベギラゴンが
片手切り落とされてベギラマしか使えなくなったときみたいに。
>>456 勇気なきキッスには手を切り落とす勇気なんて湧くはずもないし
開き直った今は毒回避より天撃をよりよい形で使う事優先だろう
あ、わかった!
今のキッスはダイ大でマトリフが
ポップにキアリーかけながらベギラマ撃ってる状態に近いんだ。
天力を完全に回復・解毒に回せば助かるかもしれないが、
必要最低限にして攻撃に回してるとか。
>>456 今さら切り落としても毒が身体に回ってしまってるのでは。
毒針が刺さる前に切り落とせば良かったんだと思う
あれ?ビィトは初見時(5話)にグリニデをお前って言ってなかったっけ?
ふと思ったんだが、某慈愛の聖母様(ただしイケメンに限る)がいたら、キッスに対してどんな反応するだろ?
まぁ結論から言っちゃえば解毒は盾で解決だろ
さすがにマジで3分丸々戦って笑顔で死亡とかはないだろうし
とは言えキッス自身は盾の事知らないだろうし腕斬り落とす方が傍目には確実だよな…
出血多量でアウトになるのを恐れたとか?
>>462 「軟弱者!」とか言って猛虎破砕拳かますに100MG
>>462 経験の乏しすぎる男女関係を突かれてドギマギするには
キッスはあまりに表面的で軽薄すぎるからな
エイミやポップ告白の真剣さで自分がゆらぐようなことはキッス相手にはありえんだろう
美辞麗句は完全に無感動スルー
鼻水混じりの母性本能くすぐり要素には多少ひっかかるだろうけど
それでもまずはノヴァにやったみたいな荒療治だろうな
>ノヴァにやったみたいな荒療治
ごめん、どんなんだっけ?
467 :
粗筋王マロン 1/5:2011/06/09(木) 22:59:49.27 ID:blXar1vz
<第17話:おれの胸で泣け!>
油断していたロズゴートにキッスの天撃が炸裂する。
「…どうしたの?ロズゴート…
まさかさっきのが本当に一番強い冥撃だったんじゃないだろうね…!?
…だったら… 君はぼくには勝てないよ…!」
キッスは投げキッスのような仕草をすると、天撃が光の矢… いや、炎の矢となり襲いかかる!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110609225324.jpg その天撃を回避したロズゴートは、今のが炎の攻撃と分かり、凍気で相殺しようと考える。
次に放たれた天撃に凍気の冥撃を投げる ――――が、相殺できず直撃を受ける!
(ど… どうなっているんだ!? こいつの天撃は!?
着弾の直前まで炎か氷か…まるで区別できんとは…! 冥撃で相殺する事すら間に合わん…!
い… いや… それ以前になぜ… 私の霧の中でなぜ天力を使っているッ…!?)
半ば混乱するロズゴートは目を凝らして良く見ると…
キッスは風の天撃で自分の周りに気流を作り、毒鱗粉を吸わない様にしていたのだ!
「自慢していた程完全無欠な技ではなかったって事さ… 君のイリュージョンミストは…
確かにこの霧は天力を無効化する… だからといって、冥撃を増幅するような物ではない
…結果、この空間で冥撃を使うと、霧がその冥力に押されて小さな空気の溝が生まれる事になるんだ
…通常冥撃より上位冥撃… 強力になればなる程、その溝は大きくなる
ぼくはその隙間の空気を使って、天撃の気流を発動させた…!
知らなかったのかい? 自分の奥義の欠点を…!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110609225339.jpg (し… 知ったところでそんなわずかな隙間では、普通は何もできぬはず! こいつ一体…!?)
「…これでぼくの周囲の大気は、もうイリュージョンミストの干渉は受けない!
そして… ぼくは通常天撃ならば、全て同じ動作・同じタイミングで放つ事ができる!
これで君はもう…… 打つ手なしだ!!』
468 :
粗筋王マロン 2/5:2011/06/09(木) 23:00:33.11 ID:blXar1vz
再び天撃の矢の嵐(炎・電気・冷気)を仕掛けるキッス!
なんとか攻撃をよけるロズゴートだが、その内1本が肩に刺さりみるみる内に凍結していく!
その戦いを見ていたポアラはキッスの凄さを思い知る。
もしかするとキッスは火・水・風・雷・光の五属性全てを使えるって事なのだろうか…!?
(どんな人間でも必ず得手不得手があるものなのに…!
全属性の天撃を着弾するまで相手に分からない様に放てるなんて…!)
次第に押され、ついにロズゴートは舌打ちするようになる。
キッスの圧倒的な強さに、ビィトはよろけながらもその凄さに感心する。
(やっぱ…やっぱ凄ぇっ! 本気を出したキッスは凄ぇんだ!! 昔のキッスが…帰ってきた…!)
ロズゴートは凍りついたマントとフードを脱ぎ棄て、本来の魔人の姿となる。
「…驚いたよ、お前にこんな才能があったとはな… 正直予想外だった
だが… これ以上はどうにもなるまい…!」
そう言うと、キッスの口の端から一筋の血が流れる。
「…フフッ やはりな! 致死まで時間がかかると言っても、
その間にもグリニデ様の毒はお前の身体を蝕み続ける!
通常天撃で私を倒す前に、お前は死ぬ事になるのだ!!」
その言葉を聞いたビィトとポアラは思わずキッスの名を叫ぶ。
「そうだね、そろそろヤバそうだ…
どうせ死ぬんだったら、この生命の炎全て… 君にぶつけないと…!」
キッスは血を拭うと、上位天撃を発動させようとする。
ロズゴートは慌てて冥撃を発動させ、投げられた上位天撃と相殺しようとする!
直後、ビィトがCガンナーで援護射撃する ――――が、頬をかすめただけだった!
怒り狂ったロズゴートは地面ごと、ビィトを吹き飛ばす!
「考えたものだな… キッスの天撃を防御するために、霧がこちらに集まるのを見越して
お前が銃を使い攻撃…か! だが、これで万策尽きたという訳だ」
「…いいや… おれたちの勝ちだね! これが手強い魔人と戦う時のおれたち2人のやり方なんだ
キッスがひきつけて、おれがとどめか…… あるいはその逆…!」
469 :
粗筋王マロン 3/5:2011/06/09(木) 23:01:36.66 ID:blXar1vz
「…逆?」
よろめきながら立ち上がるビィトの視線を追うと… キッスが大気を練っていた。
「さっきの炎はただの囮だ…! キッスのあれは出すまでやたらと時間がかかるんでな!」
「そう! 本当のぼくの切り札は… この水の天力を極限まで圧縮して放つ…」
そうはさせじとロズゴートは業火を投げつけるが――――
『 天 青 の 氷 結 波 !!』
圧縮された天撃がツバメのような形になり、冥撃もろともロズゴート貫き―――― 凍結させた!
(バ バカ…な…
なぜ… これほどまでの力を持っている男が… 魔人の軍門になど下っていたのだ!!??
我々は… 犬のつもりで狼に首輪をつけて飼っていたのか…!?
こんな… こんな力がありながら…何故…! …人間は・・・・・わからん・・・・・!!)
そう思った矢先、凍結したロズゴートはバリバリと音を立てて砕けていった……。
キッスの勝利を喜ぶビィト、キッスもサムズアップしてそれに応える。
…と、まだ右手が凍ったままのポアラに気付くと、投げキスで凍結を解除する。
「少しは… 君達の役に立てた… …かな?
ホント… 死ぬ気になると何でもできるもんなんだね、人間って…
上位天撃なんて2年ぶりに使ったのに…身体がもってくれたんだもん…
死ぬ気で頑張る… それだけでよかったんだ 単純な事だった… のに…
いつからそんな当たり前の事が出来ない人間になってしまったんだろう…?
・・・・もっと早く・・・・・ こうしていれば・・・・・ね!」
そう言うと、毒が全身に回ったキッスはついに膝をつき倒れてしまった!
苦しみの中、キッスの前にビィトが近寄り、おもむろにエクセリオンブレードを身構えた?!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110609225351.jpg (そ… その才牙は… お兄さんの… ぼくが…毒で苦しまないように… 介錯してくれるの…?)
次の瞬間、Eブレードが振り下ろされ―――――― 腕輪が真っ二つになっていた。
470 :
粗筋王マロン 4/5:2011/06/09(木) 23:02:20.22 ID:blXar1vz
「…動くなよ、キッス! グリニデの毒ならお手のもんだ!」
「そっか! その手があった!」
後はポアラの時と同じ方法で解毒を行い、キッスは一命を取り留めた。
「クラウンシールドの解毒能力! 最近覚えたばかりの技だぜ!
グリニデの腕輪はおれが斬った! これでもうお前を縛るものは何もない!
元のキッスに戻ったんだ! …て訳だからさ、ポアラ…」
「ハイハイ、皆まで言わないで、わかってるわよ
この気が弱くて泣き虫の天才クンが… ビィト戦士団の 3 人 目 !! …って事でしょ?」
「ハハハ、さすがポアラ!話が分かるぜ!」
「調子いいんだから、もう…!」
ビィトに続き、ポアラも仲間として認めてくれた…… のだが、キッスはまだ愕然としている。
「…どうして… なんだよ… ビィト!
どうして… 君はいつもそうなんだよ! 奇跡みたいな事を当たり前にやって…
どんな時でも気持ちが揺るがなくって…!
せめて君の為に生命を捨てられれば、と思ったのにっ…! こんなに何事もなかったみたいに…!
これじゃあ… ぼくがあまりにみじめだよ!情けないよっ!!
君は自分の凄さがどれだけ周囲にプレッシャーをかけてるかわかってない…!
みんなが… 君みたいな超人じゃないんだっ!!!!』
涙を流しながら叫ぶキッスに、めんどくさい事になったと渋るビィト。
するとビィトはキッスの両肩をそっと掴み、真正面から見つめる。
「…おれがもし、超人に見えるとしたら… それは多分…3年前のあの日のせいだ
心の底から憧れてた兄貴分達が、自分のせいで倒されて…
悔しくて…無力で… ポアラの膝でみっともなくボロボロ泣いたっけ…
あの日の涙がおれを強くしたんだ、きっと…!
…だからキッスもボロ泣きしてみりゃいい… ここで一生分泣いちまえ!
泣くだけ泣いたら… お前も超人だぜ!!」
ニカッと笑って元気づけるビィトに、キッスはますます涙と鼻水まみれになって、精一杯泣いた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110609225404.jpg
471 :
粗筋王マロン 5/5:2011/06/09(木) 23:03:02.16 ID:blXar1vz
――泣き叫ぶキッスを見て微笑むポアラ。これにて一件落ちゃ・・・・・・ん???
ヤバい、ビィトの頭がグラグラしだした!!
「あ〜〜〜 悪ィ、ポアラ 才牙使いまくった上に、そろそろ“寝る日”だわ…
当分起きねーから… ま・・・・・なんとヵ 頼・・・・・・・・」
「はぁっ!? ちょ… ちょっとビィト…!」
――ついに力尽き、そのまま寝てしまうビィト。横たわったビィトにしがみつき、号泣するキッス。
その光景に頬を引きつらせるポアラだった。
(………うっあ……… 先が思いやられるわぁ…… この戦士団……)
一方、少々離れた所ではこれまたシャギーがビィトの戦いを見ていたのだった。
「…全滅! あのグリニデ様配下の三魔人が一気に!! なんという強運! なんという潜在能力!
ああ…… どうしましょうか… これをグリニデ様にご報告さしあげるべきか、否か…!?
あのグリニデ様がかつてない程激昂されるのは、火を見るよりも明らかですしねェッ…!
・・・・・・・・・怖いような! 物凄〜〜く見たいような!!」
おどけながら迷うシャギーだったが、邪悪な笑みを浮かべ楽しそうに微笑んでいた。
<続く>
天撃は五属性で火・水・風・雷・光で土がハブられてるな
それでビィトの持ってる才牙がそれぞれを持っているということなんだろうな
サイクロンガンナー:風
バーニングランス:炎
ボルティックアックス:名前からして恐らく雷
クラウンシールド:消去法で水?
エクセリオンブレード:お約束で光?
なるほど、確かにこんな感じだな。
それにしてもあっさりキッス仲間になったな。問題はこの後どうするかだ。
>>473 クラウンシールドは水でほぼ確定
ライオが解毒法のからくり説明のとこで水属性だと説明してたろ。
ボルティックアックスが消去法で雷だろうな
斧の刃の部分がイナズマのようなZ型といえなくもないか。
しかし水は回復、水流、凍気とバリエーションが広く
風や火はそのものが応用しやすいものだけど
雷で一属性を割くってのはなんか違和感あるなー
光属性に組み込んで、そのかわりに地属性かなんかもってきたほうがしっくりくる
まあ三条さんのすることだから、今後雷属性が決め手になる敵が出てくるんだろうけど。
雷が鳴らないと絶対離れないスッポンモンスターとか、
ガンアームドや武装船などみた感じでは工業もそこそこ発展してる世界観だから
雷属性を電気的利用する武器とかが出てくるかもしれんね
>ライオが解毒法のからくり説明のとこで水属性だと説明してたろ。
すっかり忘れてたorz
となるとボルティックアックスがやはり雷かな、ボルティック→ボルトだし。
こういうのって大抵主人公の属性は炎か光だからな
なんかポアラは戦力外になりそうな予感。
いやもうなってるか?
ボルティック←vortexで渦巻きとかって意味じゃないの?
フラウスキーさんが言ってたろ、ポアラはただのお飾りじゃなくビィトといいコンビネーションを取るって
つまり一人の時は……
479 :
粗筋王マロン 1/8:2011/06/11(土) 23:04:48.66 ID:zTr8siuh
<第18話:電撃!ミルファ>
グリニデ配下の三魔人を、死闘の末撃滅したビィト達は
そのまま黒の地平を北上、ある目的地へ向かいつつあった
この地の北西に位置する、その場所こそ ……他でもない……!
グリニデ城である…!
遠くの山脈を眺めるビィトとポアラ。
「…あの山の向こう辺りだな!」
「…いよいよビィト戦士団、グリニデ城に殴り込み…かぁ! いつもながら無謀よねぇ、私達って!」
「そうでもねぇよ、キッスが加わってくれたおかげで戦力も上がったし、敵側の情報も得た!
おまけに向こうは配下の魔人を失ったばかりときてる…
今しかねぇだろ!? グリニデ城を叩くのは!!」
にこやかに手を叩いて励ますビィト。これにはポアラも同意する。
「まぁ、そうなんだけどね… 現実… キビシイわよね、我が団は!」
ポアラはチラリと後ろを見ると……… 杖をつきながら、ヨロヨロとついてくるキッスの姿。
何しろ2年のブランクがあるので体力が落ち、LVも当時のまま23ときたものだ。
そんな状態で登山したものだから、ヨロヨロになるのも無理もない!
「し… 失礼だな、2人とも! け…決してこれはぼくに体力が無いわけじゃないよ!
た…ただロクなもの食べてないから、力が出せないだけで…!」
「ちょっとキッス! どうしてロクなものが食べられないんだったかしら? 私達…
一体誰のせいでハウスでのLVUPや換金が、この先ず――――っと出来なくなったんでしたっけねェ…!」
「そ… それは… もちろんぼくのせいで…」
『でしょ! ハウスの管理人はみんなバスターの網膜に焼きついた記憶を見るんだから!
あんたがバスターでありながら、魔人の手下だった事なんて一発でバレちゃうのよ!!
私が気づかなかったら、あんた今頃牢獄よ! ろ・う・ご・くっ!!」
480 :
粗筋王マロン 2/8:2011/06/11(土) 23:05:29.82 ID:zTr8siuh
「ゔゔゔ…… それももちろん感謝してるってば…
…そうなんだよなぁ…… ぼくって…基本的に 犯 罪 者 なんだよなぁ…」
自らの立場を改めて思い知らされ、ため息と共に縮こまるキッスであった(´・ω・`)
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110611222700.jpg 『凹んだってどうにもならないでしょ! だいたい、五ッ星魔人2人も倒して報奨金0なのよ!!
信じられるぅ!? ビィトのジャケット新調したり、宿代払ったりで余分な金なんか無いってのに!!
ホラ!反論があるなら言ってみなさいよ、聞いてあげるから! ホラぁ!!
――とぉにかく!! 腹が減ったら虫でも野草でも食べるしかないの!! 私達は!』
「そう言う事だな! 別に魔物喰えって言ってる訳じゃねぇんだし…
おれの焼く虫や木の根はなかなかのモンなんだぜ! 見た目はともかく… な? ポアラ!」
…それを聞いて、嫌な事を思い出され思いっきり嫌な顔をするポアラ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110611222713.jpg ここで愚痴っても仕方ないので、ともかくムスリーの町まで行く事にする。
ムスリーの町とは、トロワナ以外で唯一補給できる町なのだ。
「そ… そうだった… ぐずぐずしてても一つも良い事無い…よね 前に…行かなきゃ!」
気を取り直し、力強く歩み始めるキッス。それを見て微笑む2人。
「ちょっと…変わってきたんじゃない?彼…」(←小声で)
進みながら、キッスは左手を見る。そこには腕輪による傷跡がまだ小さく残っていた。
(そうさ、今更ぼくの過去を変える事なんて出来ない…!
魔人の手下だったという事実がある限り… いつまで2人と一緒にいられるか分からないんだ…
せめて…… この黒の地平での戦いだけでも、彼らの役に立たないと…!!)
やがて3人はムスリーの町に着くが……… 町はすでに滅ぼされた後だった!!
トロワナには及ばずとも、ムスリーの門は硬度・結界の力共々ずば抜けていたのに…。
するとキッスが様子を見てくると言い、2人にここで待つように言う。
ポアラは魔物や魔人がまだいるかもしれないと言うが、キッスはここに何度も来た事があるから大丈夫と言う。
481 :
粗筋王マロン 3/8:2011/06/11(土) 23:06:17.32 ID:zTr8siuh
「見て回るだけなら一人の方が都合がいい、まかせておいてよ!」
振り向かずVサインを出し、キッスはそのまま進んでゆく。
「ただ…」
「「ただ?」」
「ふ…… 2人して勝手にそこからいなくなっちゃう… ってのはナシだからね…!
約束だよ! 約束――――っ!!」
顔を引きつらせながら弱気になりつつも駆け出すキッス。
「…本当に大丈夫なのかしら…?」
「最後の一言がなきゃぁカッコよかったんだけどなぁ…」
不安になるポアラ、やれやれとため息をつくビィトだった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110611222726.jpg 廃墟を調査するキッス。
その残骸を見ると、あちこち溶かされている。一体なぜこんな事になったのか…?
調査を続けるキッスの背後に、イソギンチャクの様な影が忍び寄っている事に気付かなかった。
一方、ビィト達もこれもグリニデの仕業かと疑問に思っていた。
「町の人達… 無事だといいけど…」
――と、その直後、2人の背後から血相を変えて何者かから逃げてくるバスターらしき男がいた!
どうやら生存者らしい!ビィトは事情を聞こうとするが…
『どけどけ! 邪魔だ!!』
「何慌ててんだよ! 魔人が来てるのか!?」
『そ… そんなモンじゃねぇ! もっと…恐ろしい奴だ!!』
『魔人より……恐ろしい!?』
――――直後、物陰で爆発音! 爆煙の中から男の仲間らしきバスターがよろめきながら現れる。
そしてその男を追いかけるかのように現れた、全身黒いマントで覆った人物…。
482 :
粗筋王マロン 4/8:2011/06/11(土) 23:06:58.87 ID:zTr8siuh
『あいつが… 魔人以上の…!』 敵かと思い身構えるビィトとポアラ!
「あらぁ☆可愛い! キミ達、新人バスターくん?」
唐突にフレンドリーに話しかけて来たマントの人物に拍子抜けする2人。
「だったら邪魔しっちゃダメよぉ! これからその悪い子ちゃんをキュ〜〜ッて目に合わせなきゃならないの!」
謎の人物はマントを勢いよく脱ぎ棄てると、手配書らしきビラが2人の目に留まる。
「この正義のスーパーヒロイン・BBミルファがね!!」
謎の人物は―――― 黒髪にミニスカート、巨乳の美女であった!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110611222742.jpg 2人は女性であった事に驚き戸惑うが、その隙に男は逃げ出してしまう。
…が、ミルファは目にもとまらぬ早さで男の前に飛び出した!
男は短剣を抜いて抵抗するが、ミルファは手持ちの金具の様な武器であっという間に男をノしてしまう!
余りの強さに驚くビィトだったが、ポアラはBBという名に聞きおぼえがあった。
「そうだわ、BB… “ブロード・バスター”よ!!』
ブロードバスター…
それはバスターの本拠地、グランシスタの許可を受けた、バスターの中でも特殊な階級の者の事である。
強さも行動範囲も普通のバスターとケタ外れで、規律を乱したバスターを処罰する管理者なのだ!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110611222756.jpg 男は天撃を発動させようとするが、ミルファはいつの間にか男の背後に回り込む。
「遅ーい! ――天撃の…… イ・ナ・ズ・マ!」
ちょん、と指で触れると、男はたちどころにレントゲンと化しK・O!
「…納得した?『抵抗は無駄』だって…」
…が、まだ男は抵抗しようと試みる。
「ふ…ふざけんな! 誰がおめぇみてぇな小娘に捕まるかよ!!」
「ふざけてんのはどっち? あなたまだLV31じゃない…
バスターのLVが一回りも違ったら勝負にならないでしょ?
歳も! 年季(キャリア)も! 性別も! その差は埋められはしない…!」
483 :
粗筋王マロン 5/8:2011/06/11(土) 23:07:40.14 ID:zTr8siuh
………と、言う事は…… ミルファのLVは40以上!!??
「当然でしょ! BBの最低条件はLV40以上である事だもの
あなたがもっと好みの顔してたら、この胸元を開いて見せてあげるんだけど! 残念ね――っ☆」
高飛車に笑うミルファを睨みつけながら、男は何かやろうとしている。
「小娘が! ナメた口をきくのはッ… このオレのレッドヴァンソードを受けてからにしろッ!!』
最後の抵抗として、男は才牙を具現化、ミルファに斬りかかる!
――――あわやミルファ重傷かと思いきや、事態を予測していたビィトがEブレードで受け止めた!
男はそのままフッ飛ばされ、廃墟に激突する。
「て… てめぇ… 何で邪魔を…!」
「……才牙を何だと思ってるんだ!! 才牙はバスターの誇りだろ!!
正義を守るために天から授かった究極の武器なんだ!
自分勝手な事のために才牙を振り回すような奴は… おれが許さないっ!!!!』
ビィトの一喝に思わずときめくミルファ。…直後、ミルファは一瞬ビィトにゼノンの姿を重ね見る。
そしてビィトが持っている才牙に気付く…。
(え… えええ〜〜〜〜!!?? エクセリオンブレード!?)
男は憎々しげにビィトを睨みつけるが、ようやく気を失った…。
「…ビィト… くん?」
突如ミルファに呼ばれ振り向くビィト。
「やっぱそうなのね… ゼノン戦士団の才牙を受け継いだ
期待の新戦力がいるって噂、あちこちで聞いてたけど…
すっごォ〜〜〜〜い!! コレって案外運命の出会いかもぉ――――っ☆」
そう叫ぶと、大興奮でビィトに抱きつくミルファ! うらやましい!
困惑するポアラをよそに、ミルファはその巨乳にビィトをうずめさせるのであった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110611224144.jpg
484 :
粗筋王マロン 6/8:2011/06/11(土) 23:10:34.92 ID:zTr8siuh
…男2人を拘束し、事情を話すミルファ。
「ふふふ! あたしねぇ、一度キミに会ってみたいと思ってたんだぁ!
こ〜んな所で会えた上に、手配中の窃盗犯グレスト・バドゥ組を捕まえるのを手伝ってくれるなんて…
ドラマチックよねぇ!!」
(…なぁ〜にがドラマチックよ! なんなのこの人!どーゆー性格してんのかしら!?
…それにっ…!! )
「ハハハ! よくわからねぇけど、お前面白いな! なんかイイ奴みたいだし!」
「うんうん! とーぜんいい奴よん!」
(のっけから意気投合してんじゃねーよ、おめーもッ!!)
いきなり仲良くなったビィトにヤキモチを焼くポアラ。
ちなみにミルファがビィトに会いたいと思ってたのは、彼女もまたゼノン戦士団を憧れてたからだ。
特にゼノン“ 様 ”の大ファンだったそうで…。
…この辺、ミルファの「ゼノン様ラブラブ♥」なセリフなので少々飛ばそう。
「(前略)LV40以上ってホントなのか?」
「んふ♥ 見たい?」
そー言ってミルファは服をはだけ、少々恥ずかしそうに胸の刻印を見せる。
確かに巨にゅ… もとい、LV41の刻印があった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110611224202.jpg 『 何 や っ と ん じ ゃ い ゴ ラ ァ !! 』
見かねたポアラはビィトを強奪し、急いでいるからと立ち去ろうとする。
「おい… 急ぐって言っても、キッスを待って…」
『行くわよ!!!』
ミルファはポアラがご機嫌斜めになっている理由をすぐ察した。
485 :
粗筋王マロン 7/8:2011/06/11(土) 23:11:23.88 ID:zTr8siuh
(ははーん… そーゆー事ねぇ…!
無理ないわぁ、こーんなに可愛くてセクシーな恋のライバルが突然現れちゃったんだもんね!
でも、手加減はナシよ! 今はちょっとお子ちゃまっぽいビィト君だって、数年経てば…
ゼノン様みたいな、あんな感じに…!)
うっとりとおとめちっくになり、身もだえするミルファ。
…さて、妄想に浸るミルファは置いといて、ポアラが先を急ごうとした理由はもう一つある。
「どうしたんだよ、急に… あいつ悪い奴じゃないぞ」
「シーッ! バカ!悪い奴はこっちにいるでしょ! あの人の職業忘れたの!?」(小声で)
――そう、 キ ッ ス の事だ!
「窃盗犯であの仕打ちよ! 魔人の手下だったなんてバレたら…
本国へ強制送還されて、ヘタすりゃ死刑よ、し・け・い!」(小声で)
閻魔大王みたいなおっかない王様に処刑されるキッスをイメージし、慌ただしくなる2人。
…と、その直後周囲に悲鳴が響き渡る!
声の主は… とっ捕まったバスターの2人!
見ると、地中からスライムとイソギンチャクが合成されたような魔物が無数に現れたではないか!!
「…何なの!? ど…どこから湧いて出たのあいつら!」
「…土中よ! ツチギンチャクだわ!最近魔人がよく使ってる、“門崩し”の魔物よ」
その頃、キッスもツチギンチャクに追われ身を隠していた。
「…あいつらが…この町を滅ぼしたのか…!
門の内側には結界が無いから… そこで卵から成長させて全てを溶かさせたんだ!
門も建物も、そして… 人間まで…!!」
キッスの足下には、ツチギンチャクの犠牲者の骨が転がっていた。
――と、ここでキッスは気づいた。こいつらが相手ではビィトとポアラでは勝ち目が無い!
486 :
粗筋王マロン 8/8:2011/06/11(土) 23:12:08.02 ID:zTr8siuh
場面はビィトサイドに戻る。
いくら悪党でも助けてやらなきゃと、ビィトとポアラは武器を取る …が、ミルファに止められる。
「ダメよ! ツチギンチャクを斬ったり撃ったりしちゃダメなの!
分裂したら増えちゃうし、ここから撃って体液がはじけたら、あの2人溶けちゃうわ!
まかせてちょーだい!」
戸惑う2人を置いて、ミルファはツチギンチャクの群れに駆け寄る。
そしてムサイ男よりも美女の方がいいでしょと誘惑し、思惑通りツチギンチャクが集まってくる。
一体何をするつもりなのか、心配してミルファを呼ぶビィト。
「平気よォ、ビィト君! しばらく離れて見ててねーっ!
――本気で戦ってる時のあたしは… ちょっと近寄りがたいからっ…!」
おどけた表情が一変、真面目な顔つきになり、ミルファは空を指差す…。
「天撃の落雷!!」
呼び出された落雷は、見事ツチギンチャク ……ではなく、 本 人 に落ちた??!!
まさか、ブロードバスターともあろう者が失敗したのか!?
………いや……。 良く見ると、ミルファはダメージを受けず、電流を身にまとっている。
全身金色に光り輝くミルファ(の尻)に触手を伸ばすツチギンチャクだったが、
触手がミルファに触れた途端、一瞬で蒸発してしまった!
200-201
「さあ…… 大掃除の始まりよ☆」
電撃を纏ったままのミルファは、肉弾戦で次々とツチギンチャクを片づけ始めた! <続く>
新女キャラキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
( ゚∀゚)o彡゚巨乳!巨乳! パンチラ!パンチラ!
タイトルでてっきり「電撃結婚」とか「電撃参戦」とかそういう意味かと思ったら、
まんま電撃使いってコトだったのな。
キッスはともかく、ビィトやポアラも換金できないのかな?
ビィトの網膜にキッスが出てきてもハウスの管理人は只の友達と思うのでは。
>>480 ダイの頃から比べてもキャラの崩し方が一層板についてきたなー
そのうち鼻水たらして唖然としてるスレッドとか
ギャグ風の大口開けて驚いてるベルトーゼとかの絵が出てきそうでこわい
残るボルティックアックスは雷属性か?と言ってるそばから雷属性特化キャラ登場か
今度はアックス開花イベントでもやんのかな。
こいつはシメるところではきっちり正義を遂行する高い意志をもちつつ
かなりミーハーでお調子者って、相当レオナ臭がただよってくるね
>キッスはともかく、ビィトやポアラも換金できないのかな?
そのためのBBなんじゃね?
バスターを処罰する権限持ちなら、キッスの魔人協力の罪状に関しても
なんらかの打開策を示してくれそうだし
そうでないと、BBなんて設定をわざわざ今出す必然性なさそうだし。
キッス入りパーティ状態のままでまともに行動できるようにするか、
あるいはキッスを一度逮捕で離脱させる(のちに再会イベントあり)ために
このタイミングでのBBという設定の登場だろう。
>ダイの頃から比べてもキャラの崩し方が一層板についてきたなー
同意。稲田はシリアスキャラ、ギャグキャラとちゃんと描き分けられるうえに
崩し顔もうまいからあなどれない。
尊敬する作家のひとりだわ。
>「ふ…… 2人して勝手にそこからいなくなっちゃう… ってのはナシだからね…!
約束だよ! 約束――――っ!!」
格好いいんだか情けないんだかw
やはりキッスはポップ担当かw
あとひと月遅れたが、名前がキッスだから投げキッスで天撃使うのか?w
ただ、以前の出来事を考えるとあんまり笑い事じゃないんだよなぁ
>ただ、以前の出来事
どっかの戦士団のトカゲのしっぽ役のことか
情けないキャラを強調するシーンだとしか思ってなくて
そことつなげて考えてみたことはなかった
あんたすげえな
言われてみりゃ… キッスすまん、笑ってしまってorz
キッスにすりゃトラウマに近い事なんだよな…>捨て駒
ところで今回久々にあらすじ氏の心の声がちらほらとw
>あらすじ氏の心の声がちらほらとw
ミルファ関連か
あんま相手するとかなり調子に乗る人だからなぁ…
そう言う事は楽屋裏で言え
497 :
粗筋王マロン 1/7:2011/06/13(月) 23:03:23.38 ID:3dnof2T6
<第19話:金色の閃光!!>
電撃を纏った金色に輝くミルファは、肉弾戦で次々とツチギンチャクを倒していく。
その実力のすごさを感心するポアラ。
――ふと、ビィトはミルファの戦い方に見覚えがあった。
先日のベルトーゼ戦で、奴が使っていた戦法の天力版だ!
(自分自身を雷の天力で包んで攻撃と防御を一体化させてるんだ!
すっげぇ事するなァ…… ミルファって!!)
数匹のツチギンチャクが一斉に襲いかかるが、無駄な事。一気に蒸発してしまった。
…ものの数分でツチギンチャクは全滅し、改めてミルファの強さ(恐ろしさ)を思い知る男達。
(オ… オレ達ゃ捕まりたくねぇ一心で才牙までふるった外道のバスターだってのに… それを…!)
(身を挺して…… かばってくれるなんて…!)
犯罪者である自分達を守ってくれたミルファを、その神々しい姿からまるで女神だと思いこむ男達。
「あ… ありがとう!」 「あんたのおかげで…!」
感謝と感激のあまり、涙ながら近寄る2人だが…
「ちょっと待って… 今は!」
慌てて2人を止めるが、2人は感激のあまりミルファの両手を握りしめ―――― 感☆電!
「…ああん、もう! だめだって言おうとしたのに…!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110613223747.jpg うめき声を上げ倒れる2人をよそに、ビィトは理解した。
「本気で戦ってる時は近寄りがたい」とは、こういう事だと…。
…ま、それでも魔物に殺されるよりはマシだ。
「死なずに済むかどうかはまだわからないわ… これからが本番よ!」
まだ電撃を解除しないミルファ。どうやらまだ敵が潜んでいるようだ。
辺りを警戒していると、そこら中からまだまだツチギンチャクが湧き、次第に集まって合体してゆく。
498 :
粗筋王マロン 2/7:2011/06/13(月) 23:04:06.34 ID:3dnof2T6
「あれがツチギンチャクの本当の姿よ 小さい奴は敵のサイズに合わせて繰り出される分離体なの
門を溶かす時や強敵に会った時には元の姿に戻るってわけ
強さは格段に上がるけど、バラになられてまた増殖されるよりはマシだわ
ターゲットも一つだし、こっちにとってはかえって好都合・・・・・・・・ え!!??」
――なんと予想以上に巨大化したツチギンチャク! 推定身長、約10m!
こんな巨大な魔物を今までも倒していたのかと感心するビィトだが、
どうやらミルファもここまで巨大なツチギンチャクに遭遇したのは初めてだそうだ。
「…一体何百匹集まったらあんなサイズになるのよ…」
「魔物を大量増殖させるのがグリニデの手口だって聞いてるわ あいつもきっと奴がこの町に…!」
巨大ツチギンチャクが大きな雄叫びを上げる。…さて、これからどうするか。
「簡単に倒せそうなサイズじゃないし… いっそ逃げちゃうってのもアリよ」
「逃げるワケにはいかねぇよ! まだ奥の方には仲間がいるんだ!!」
「それに… あんな危険な魔物… このままほっとけない!!」
「……OK! それでこそバスターだわ!! デカくなったって倒し方は一緒よ!
とにかく天撃でガンガン身体を溶かしまくる…!
氷と風は相手を飛び散らしちゃう恐れがあるから、炎か雷でお願い!
あたしはこの“天撃の落雷”を使っている間はあいつに触られても大丈夫だけど、
2人は触手の届かない場所から炎の天撃も混ぜて攻撃してくれると効果的だわ!」
作戦を説明するミルファだが、ビィトは天撃が使えない!
その事を言い出せず、結局ポアラによってビィトは気絶した男を運ぶ役となった。
「…ハイ! あっちお願いね!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110613223806.jpg 「くっそぉ〜〜〜〜〜! 出番無しかよぉ!!」
文句を言いながら男達を運ぶビィト、ビィトが天撃を使えない事に意外だと驚くミルファ。
「そうなのよ! 才牙は5つも持ってるくせに…!」
「順番メチャクチャね! フフッ
――でもいいんじゃない? 彼はそこらのバスターとはスケールが違うって証拠よ!」
…よりによって父と同じような事を言うミルファに、ポアラは訝しげに睨みつけた。
499 :
粗筋王マロン 3/7:2011/06/13(月) 23:04:48.88 ID:3dnof2T6
そろそろ戦闘に入ろうかと思ったが、そういえばまだミルファはポアラの名前を知らなかった。
「ポアラよ!」
ぶっきらぼうに応え、戦闘が開始される。
ミルファの肉弾戦をメインに、ポアラの炎の天撃による援護。
男達を離れた場所に避難させたビィトは、やる事もなく2人の戦いを見守る。
「…まさか天撃しか効かねぇなんて相手がいるなんてなぁ…!
やっぱちゃんと天撃もできねぇとマズイのかも…!」
一方、ポアラはというと… 苦戦していた。
ツチギンチャクは炎の天撃の直撃を受けても、一向に効果が無いのだ!
しかし、天撃自体が無効と言う訳ではない様だ。現に、ミルファの天撃は効いている。
(これってバスターとしてのLVの差なの…!?)
しかしミルファから見れば、天撃の遠距離攻撃の撃ち方の基礎がなっていなかったのだ。
あれではこういうデカイ相手では、あっという間に傷がふさがってしまう。
ミルファはツチギンチャクの隙を見て、一旦攻撃をやめポアラを見つめる。
(な… なによ!そんな「あんたの天撃の威力がもう少しマシなら」って目で見ないでよ!)
(素質はすごそうだけど… まだまだこれからね…!
実質一対一かぁ… そのつもりでやるっきゃないわね!)
覚悟を決めると、ミルファは再び攻撃を再開した。
ミルファの戦いを見たポアラは、いくらBBでも一人じゃ無理だと、せめてやれる事はやろうと天撃を連発する。
――しかし、ポアラは戦いに夢中になる余り、いつの間にか触手の攻撃範囲内に入っていた!
襲いかかる数本の触手からポアラをかばうミルファ。
その一瞬の隙をつき、ツチギンチャクは巨大な手でミルファを塔へとハネ飛ばした!
塔に当たる直前、何者かがミルファを横からかっさらって行く。
それはもちろん―――― 駆けつけたキッスだった!!
「大丈夫かい?」
500 :
粗筋王マロン 4/7:2011/06/13(月) 23:05:40.78 ID:3dnof2T6
「え ええ… キミ… ビィト君の仲間…?」
「…そうなればいいな…って思ってるんだけどね!」
…ふと、ミルファ自分の身体に触れてもなんともないキッスを不思議がる。
天撃の天才であるキッスはひと目で帯電状態と見抜き、自分も両手に雷の天撃をまとったのだ。
(とっさにそんな判断まで… スゴイわ!このハンサムくん…!
もしかしてこれって… 運命の出会いUかもぉ…♥)
…またときめきモードになりし、頬を赤らめながらそっとキッスの手を握りしめる。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110613223818.jpg “お前ら何戦闘中にイチャついとんじゃボケぇ!”と言いたげにツチギンチャクの雄叫びが響き渡る。
その雄叫びに我に返ったミルファは、天撃が上手そうなキッスに援護を依頼する。
もちろんキッスが快諾したのは言うまでもない。
ビィトはキッスに敵の特徴を教えようとするが、すでにキッスは天撃しか効かない事も見抜いていた。
ふと、キッスは懸命に天撃を放つポアラに気がつく。
(…ああ…もうっ…! なんでこんなにも役に立たないのよ…私の天撃って…!
こんなんじゃ… 私なんかこの先みんなの足手まといになるだけじゃない!)
必死になるポアラに慌てて駆け寄る。
『ダメだよポアラ!そんな撃ち方じゃ…!』
『なっ 何よ! あんたまで私に文句があるって言うの!?』
「…あんた… まで? い、いや! ぼくは別にケチをつけてる訳じゃなくて…」
『どうせ私の天撃はあんたやミルファ程の威力なんかないわよ!!
でも… ちょっとは力になれるはずだって思ってやってるのに! それを… それを…!!」
自らの無力さを悔やむポアラに、キッスはそっとポアラの手の平の炎に触れる。
「…凄い熱量だ、大気も良く練れてる でも…少し拡散しやすい性質があるね
あまり遠くに飛ばすのには向いてないのかも…
落ち着いて、ポアラ 君の天撃は威力があるよ 炎の天撃ならきっとぼくより強いんじゃないかな
でも、まだ自分に合った撃ち方を見つけてないんだよ
ぼくは… 自分の強さに自信がないからいつも工夫してる
同じ天撃でも増幅したり、圧縮したりして色々な撃ち方をしてるんだ
でなきゃぼくが上位天撃なんか使えるワケないでしょ? 君よりLVが低いのにさ…!」
501 :
粗筋王マロン 5/7:2011/06/13(月) 23:06:25.49 ID:3dnof2T6
アドバイスして、照れくさそうに笑うキッス。
「“天力とは天を掴む握力の事だ”ってぼくに天撃を教えてくれた人が言ってた…
LVが上がれば使える大気の量や、天力を発揮していられる時間とかは自然と増えていく…
だけど… 一発一発の天撃の強さはそれとは別問題
よ り 大 き く 天 を 掴 む 事 が大事なんだ!!」
カッコイイセリフを決めるキッス …だったが、これも師匠の受け売りだそうだ。
…だが、キッスのセリフはポアラに天力のなんたるかを知らしめるには充分だった。
(私とミルファの差はLVだけじゃ…ない!
彼女も工夫に工夫を重ねて自分に合った戦法を身につけてきた… その…努力の差だったんだわ…!)
そしてポアラはキッスのアドバイスを思い出す。
自分の天力は遠くに飛ばすには不向き…… それならば、いっそ!
…と、思った矢先!
『ちょっとぉ――――っ!! どうなってんの――――っ!! 援護がち――――っとも来ないんですケド――――!!』
援護が来ない事にしびれを切らしたミルファの罵声が響く。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110613223832.jpg そしてポアラは意を決し…… ツチギンチャクの至近距離で天撃を放った!!
――――効いた! 今度は先程とは全然違うのが全員に見える程に効果絶大だ!!
右手が燃え盛るツチギンチャクは再び地中に逃れようとする。
『いけない! 地中に逃れて炎を消すつもりだ!!』
「そうはイカの……金時計よ!!」
ミルファは才牙生成を行いながらツチギンチャクの背後に回り込む。
キッスとポアラが天撃を用意しつつ、様子を窺っていると… ツチギンチャクの巨体が徐々に持ちあがる?!
502 :
粗筋王マロン 6/7:2011/06/13(月) 23:07:14.48 ID:3dnof2T6
『ライボルトグラスパー!!!!』
巨大なレンチ状の才牙でツチギンチャクを掴み、持ち上げるミルファがそこにいた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110613223845.jpg 「決めちゃっていいわよ!ポアラ☆」
――直後、頭上からのポアラの一撃がツチギンチャクにとどめを刺した!
爆煙に包まれる中、帯電状態を解除したミルファが歩み寄ってくる。
「やったねポアラ!さすがビィト君の相棒! 戦いの中で新戦法を開発できるなんて、なかなかのセンスよ!
ダイヤの原石が揃って… 可能性の塊ね、ビィト戦士団って☆」
褒めてくれた事に、勝手な思い込みをしてしまい自己嫌悪に陥るポアラ。
(…やっぱイイ人なのよね、私が勝手に意識しちゃっただけで…
こんな私と同じくらいの年齢の女の子がBBで、LV41で… 才牙も天撃も極めてるなんて…
…のんびりしてらんない! 必死でやらなきゃ…!)
その後、ビィト達はミルファと別れ先を進む。
「…それにつけても台風みたいな女の子だったよなぁ、ミルファって!
『ビィト戦士団に入ってあげようか?』って言われた時は、さすがに焦ったけどな…!」
「…まったく! キッスが鼻の下伸ばしてキザなセリフを連発するからよ…!」
「だ…だってぇ! 君達一言も教えてくれなかったじゃないか… あの娘がBBだなんてェッ…!」
「BBでなければね… きっといい仲間になれたんだろうけど…
でも、ミルファが何も言わなかったって事はキッスはまだ指名手配になってないのかもね
ひとまずは安心かな?」
「…だよな! ははっ、良かったなキッス! 心配いらねーよ!!」
笑いながらキッスの背中を叩き、先を進むビィト達。
503 :
粗筋王マロン 7/7:2011/06/13(月) 23:07:59.83 ID:3dnof2T6
才牙は武具関係だと思ってたが、まさか工具タイプとは…!
>…めくったページには、 キ ッ ス の 手 配 書 があったのだった。
ばれた! さて、どう弁解するのかが見ものだな。
竜闘k・・・・・ごめんなんでもない
ロズゴートを倒した、くらいじゃ罪滅ぼしにはならないかな?
やっぱり、グリニデを倒す(一人じゃ無理だし三人で協力してもいいよね)くらいやらなきゃダメかな?
グリニデと戦ってるところに空気を読まずに現れて強制エンカウントを余儀なくされ仲良く共犯になりましたとさ
ボスからは逃げられないのでなし崩しなんですね、分かります。
戦力的にも心強い感じだしな
グリニデ「知らなかったのか?七つ星魔人からは逃げられない…」
少なくともグリニデを倒す事ができれば、黒の大地にも平和訪れるだろうから
何らかの減刑はあると思う。
ただ、キッスが魔人側にいた時に何をやっていたかにもよるだろうけど。
天撃は使えないんだし、人間を傷つけたり殺したりはしてないんじゃない?
後は捨て駒の件で同情を期待するか…
>「BBでなければね… きっといい仲間になれたんだろうけど…
> でも、ミルファが何も言わなかったって事はキッスはまだ指名手配になってないのかもね
どのみち一度顔を知られ、キッスらは手配されてることを知らないにせよ
今後手配される可能性は大なんだから、堂々と悪事を明かして反省したうえで
今後の前向きなバスター人生を説くのがビィトイズムなんじゃないかなー
今回は意外にもポアラの成長イベントだったな
それとミルファの雷属性・ポアラの火属性にうってつけの性質の敵
ビィトの才牙熟練イベントといい、実に無駄のない配置だ
「いつもの樹の章」ってことは
グリニデ自身のモチーフや配下の魔人が植物系・虫系ってことと考え合わせても
グリニデ軍は可燃性がかなり高そうだが
成長途上にあるポアラの火の天撃のいいカモという気がしてならない
ビィトのバーニングランスの追加効果も見れそうだし、
キッスならポアラと合成天撃みたいなことをやるかもしれん
火の上位天撃・天赤の五指炎爆!
でもクールでエクセレントな閣下はバスター側の情報をぬかりなく収集分析したうえで
一見つまらなそうで実は意外と効果的な、世界観を知りつくした戦略で
いやらしく待ち構えてるんだろうな
「見事な天力だねキッス君…しかしクールに状況を把握したまえ
先ほどのビィト君のむやみな攻撃で君たちが浴びてしまったのは『ナパームツリー』の樹液なのだよ
これがどういうことか君には解かるはずだ」
「…火や雷の天撃や才牙を使ったが最後、あっというまに燃え尽きるのはぼくたちだ…!!」
「グッド!いい理解力だ。そして樹液の接着性の強さも知っての通りだ。水の天撃でも、風の天撃でも取り去ることは不可能」
「こいつぁちょっと厄介だな、服を脱ごうにも樹液が肌ごとはりついてやがって脱げねえ」
「こうなったらやけくそだわ!キッス、私がこの樹液だけを燃やすから、体に燃え広がる前にあんたの水か風の天撃ですぐに消火して!」
「フハハッ…たしかにロズゴートのあのミストのわずかな隙間で天撃を放つキッス君の精巧さなら、それも可能といえるだろうね」
「それが駄目なんだポアラ…見て、これを」
「なんなの、この蚊みたいなのは」
「なあんだ、バブルモスキートか。陸生の小昆虫モンスターが水中に潜る時に酸素ボンベがわりになるだけの、人畜無害なザコモンスターだぜ」
「それが今の状況だと恐ろしいんだよビィト。バブルモスキートが樹液内に酸素の気泡を送り込んでるだろう」
「おう、この樹液にコーティングされてるおかげで皮膚を刺されないから全然かゆくもねぇ」
「そうじゃなくて、風の天撃で気流を操って酸素の供給を断っても、こうして樹液内に酸素が混入されたんじゃ消火できないんだ!」
「この無害な魔物にこんな使い道があるなんて!おまけにこの樹脂の撥水性で、水ははじかれちゃうわけね。」
「エクセレント!一人を除き、なかなか頭の回転の早い戦士団だ」
「喜ぶのは早いぜグリニデ!おれたちが焼き尽くされるっていうんなら、 おまえ も一緒に焼きつくしてやる」
みたいな。
すげぇアイデア…
まさか
>>512は三条先生ご本人!?
514 :
粗筋王マロン 1/7:2011/06/15(水) 23:03:06.72 ID:VzETfLe7
<第20話:血風!グリニデ城>
冒頭、ビィト達はキッスの案内の元、ついにグリニデ城正門前に辿りついていた。
「さぁて… 来ちまったぞ」
「この扉が… 地上から城に入れる唯一の場所だ、これを破れば…」
「いよいよグリニデ城突入…ね!」
3人の間に緊張の空気が走り、キッスは2人に作戦内容を確認する。
「おお! “奇襲して大暴れしてトンズラ”だろ? わかってるって!」
……まぁ、単純な覚え方では間違ってはいないのでよしとしよう…。
キッスは簡単な地図を出し、現在地と目的地…「城の中枢部」を指差す。
「ここから送られる養液でこの城のほとんどの施設は動いてるんだ
一気に突入して、この中枢部さえ破壊できれば…」
…当然、城は機能を失い連中も黒の地平を自由に攻撃できなくなる。
――ふと、気になったポアラはビィトに念を押す。
「…いい、ビィト? 当然グリニデが妨害してくるだろうけど、まともに相手しちゃダメよ!
目標はあくまで敵施設の破壊なんだから…!」
さすがにまだ荷が重いのは重々承知の上で、ビィトはその辺もよくわかっている。
「おいおい、いくらおれだって七ッ星の魔人との正面激突を望んじゃいねーよ!
それにあいつ…… うかつにつつくととんでもねぇ事になりそうな気がするしな…」
ビィトの脳裏にブチ切れ寸前のグリニデの様子が思い起こされる。
「なんとか上手くあしらいながら中枢を壊そうぜ!
自分の城がメチャクチャにされりゃあ、結果的には奴にひと泡吹かせられるもんな!」
その言葉にキッスもポアラもうなずき、いよいよ侵入開始となる。
「充分注意して! ここに来るまで見張りの魔物がほとんどいなかったのは不自然だ
扉の向こうで待ち伏せているかもしれない!」
「…だったら、そんな奴ら扉ごとぶっとばしてやろうぜ!!」
そう言いつつ、ビィトはCシールドを具現化し―――― 鉄球モードで扉を破壊した!!
「行くぜ!」 次にCガンナーを具現化し、2人に突入を促す。
515 :
粗筋王マロン 2/7:2011/06/15(水) 23:03:54.22 ID:VzETfLe7
やがて連中が目にしたのは…… すでに 崩 壊 したグリニデ城だった!!
辺りを調べると、魔物の無数の死体が横たわり、目標であった中枢部まで破壊されている。
「じゃあ、何か? おれたちする事なくなっちまったって事なのか!?」
「そ… そうみたい…」
ポアラは他のバスターが来て倒したのかと思ったが、ビィトは才牙を収納しつつ否定する。
この有様は天撃や才牙でやられたという感じではない。
「そうだね… 押し潰されたり引きちぎられたり… まるで凶暴な野獣が暴れ狂ったみたいな…」
――キッスの一言で何があったのか予想がついた。
ロズゴートの言葉、“血塗られた獣”が脳裏をよぎる。もしやこれがグリニデが暴れ回った跡…?
…と、その瞬間、砲弾のような何かが3人目がけて飛んできた!
3人はとっさに避け、砲弾のような何かは岩にめり込みモゾモゾと動いている。
3人はその「何か」に見覚えがあった。これは丸まったダンゴールだ!
「…あなた方のせいだっ…! あなた方があの方を怒らせなければ、こんな事には…!!」
身を起こし、ダダをこねるようにバタつくダンゴール。やはりこの惨状はグリニデ自身がやったのだ!
うるうると泣きながら説明するダンゴール。
「私の身体をもってしてもお怒りはおさまらず… ついには城を… 部下までもっ…!
……キッスどの! 寛大なるグリニデ様は人間であるあなたを差別することなく
仲間に加えて下さったっていたというのに…!!
それを裏切り、ロズゴートどの達お三方までも手にかけるとは…
あなたは一体どういうつもりなのですかぁぁっ!!』
その迫力に弱気なキッスは思わず引け越しになるが、ビィトの言葉がダンゴールの罵声を遮る。
『何勝手な事言ってんだ! 八つ当たりも大概にしろ!』
『そうよ! 今までさんざん人間を苦しめてきたくせに、都合の悪い時だけ被害者面しないでよ!!
そういうのを“自業自得”って言うのよ!!』
ビィトとポアラの正論に、ついにダンゴールはだだっ子のようにジタバタと大声で泣き出してしまった。
「どうする?」
「…さあ…」
516 :
粗筋王マロン 3/7:2011/06/15(水) 23:04:42.62 ID:VzETfLe7
どうしようかと悩んでいると、キッスの意見で本来の目的が無くなった以上、引きあげようとする。
――と、その直後、キッスの足下が泥の様になり、キッスを引きずり込んでしまった!
泥の中を落ちるキッス。
「い…いけない! ルートトラップに引っ掛かった! これを操るのは…ただ一人…!!」
そしてキッスはだだっ広い部屋へと落下し、辺りを見回す。
「も… もしかしてここは“あの部屋”…? 城の最深部にあると言われていた…」
「……その通りだよ、キッス君… ようこそ、私のプライベートルームへ…」
突如グリニデの不気味な声が聞こえ、目の前の扉が開きグリニデのマントが見える。
「君とは一度キチンと話したいと思ってね、ここへ呼んだのだよ こちらに来て… 座りたまえ」
「で… でも…」
「……座りたまえ……!」
嫌な予感がし、拒否しようとするが… 弱気なキッスは言われるまま足を運ぶ。
「フフッ… そう恐れる事は無い
先程まではひどい興奮状態だったが、今はすっかり落ち着いているよ
こうして君と平和的に話し合おうとしてるのも、私が冷静である証拠ではないか…
そうは思わんかね?」
キッスを歓迎するかのように、ワインをグラスに注ぎ、コトリとテーブルに置くグリニデ。
「は… はい…」
恐る恐るキッスはチラリとグリニデの顔を見ると・・・・・・・・・
「そう・・・・・・・ 私は冷静だ・・・・・・・・・!!」
すさまじい威圧感と共に目は血走り、額の角は大きく伸び、言葉とは裏腹に今にもブチ切れそうだった!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110615224047.jpg
517 :
粗筋王マロン 4/7:2011/06/15(水) 23:05:25.46 ID:VzETfLe7
その様子を見て血の気が引くキッス。
(ぜ… 全然落ち着いてない…!!)
「飲みたまえ」
おもむろに淵一杯になみなみと注がれたワイングラスを差し出すグリニデ。
(これと同じだ…!表面張力とか言ったっけ… 溢れんばかりの水が盛り上がっている…
とにかくこの場は刺激しないように言う事を聞いとかないと…
ちょっとしたきっかけで… 絶 対 また 爆 発 する…!!)
恐怖で手を震わせ、ワインをこぼしてしまうキッス。
「さあ、話しあおう…… 君にも言い分はあるだろうし…… ね!」
恐ろしい形相で睨みつけるグリニデであった。
キッスがピンチになりつつある一方、ビィト達は………
「ああッ… やめて! イヤでございますゥッ…!」
…ダンゴールの首根っこ捕まえて、キッスが連れて行かれた部屋に案内させようとしていた。
しかし、見ての通りダンゴールは激しく嫌がっている。
「お願いです、これ以上… これ以上グリニデ様を怒らせないで下さい…!
それに… グリニデ様がお許しになる訳はないのですから…
キッス殿は今頃八つ裂きにでもなってますよ!」
そう不安げな事を告げると、フヒヒと嫌味ったらしく笑う。
――その直後、ポアラはダンゴールにボディブロー(ガンアームド付)を一発!
やはりこういう魔物は腹側が弱く、その一発でダンゴールはやめて下さいと苦しみ懇願する。
『じゃあとっとと案内しなさいよ! そうしないと!!』
ポアラの迫力に怯え、怖い女だと涙目になりながら渋々了解するダンゴールであった。
ダンゴールに案内されながら先へ進む2人。
ポアラはビィトにまともに戦わず、キッスを助けたらすぐに撤退すると強く言う。
もちろん、ビィトもそのつもりだ。……すんなり逃げられれば、だが……。
518 :
粗筋王マロン 5/7:2011/06/15(水) 23:06:11.98 ID:VzETfLe7
場面は再びキッスとグリニデへと戻る。
「…なるほど… 君の言いたい事はよくわかった…
正直… 今すぐ君の首をねじ切って胴体を2つに裂きたい衝動にかられるよ…!」
拳を震わせながら顔を近づけるグリニデに、殺られると目を閉じ身をすくめるキッス。
「……だが…… あえて許そうじゃないか…」
まさかの展開に、一瞬耳を疑うキッス。
「許す… と言ったのだよ
君のした事は大罪だ、だが君にはそれを補い、私に功をもたらすだけの力がある」
「そ… そんな力… ぼくにはありませんよ…!」
するとグリニデが指を鳴らすと、書斎の隠し扉が開きその奥を見せつける。
「見たまえ―――― この部屋こそ私の知性の結晶なのだ
そしてそれを歓声に近づけたのは、君の知性だ
魔人に一番欠落しているもの…… それは“知性”だ だから私は君が惜しい」
部屋の奥には、無数のカプセルが並び… 中央には何らかの培養液のような物があった。
カプセルの中を見ると、罪人たいまつやペンバリー等の大小の様々な魔物が入っていた。
「…造っているのですか!? 魔物を!」
「…そう!造れるのだ! もはや九分九厘、“自らの力”でな」
(…そうか… そう言う事だったのか!
ぼくが古代遺跡から発掘し解析していた魔文字の情報は、この技術を完成させる為のものだったんだ!
古代においては魔人は皆、自らの冥力で土や岩など、大地の組成物から
魔物を生み出して配下にしていたという… それを手に入れる為に…!)
「ぼくは… これに協力していたのですね…
黒の地平の広大な面積を支配したのも、そこにある遺跡を他の魔人に渡さぬ為…
そして魔獣大鑑全十章の樹の章だけを集中して買い続けたのも、
まずは魔物の特性を全て掌握する為の下準備…! すべては…… このために…!!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110615224107.jpg
519 :
粗筋王マロン 6/7:2011/06/15(水) 23:07:20.19 ID:VzETfLe7
「……エクセレント… 一を聞いて十を知るとは… 素晴らしいぞ、キッス君っ!
この技術は現在、魔賓館の独占だ
だが遠からぬ将来、私は魔賓館と同等の機能を持ち、自らの意思で好きなだけ魔物を生み出せるようになる!
…シャギーに頭を下げる事なく… な! そんな魔人が…他にいるかね?
まさに世紀の大偉業だよ…! 特別報奨ものだとは思わないかね?
今、私は七ッ星になったばかりだが… これが実現し、さらなる領土拡大を果たしたら…」
「また… 星を一つ…」
――と、キッスは改めてグリニデの左腕の星を見て気がつく。
「そ そうしたらっ……!!」
「そう…… “ 八 輝 星 ” だよ… ゴールが見えてきた…!!」
恍惚状態のグリニデは愛おしいそうに培養液のカプセルに手を触れる。
「…クククっ… あれほど激昂し、城を壊しまくってもこの部屋にだけは傷一つついていない
ここがいかに私にとって大事な場所か、よくわかるだろう…?
君もだ、キッス君 失いたくは無い
そのギリギリの判断が今の私の腕を止めている事を、君は分かっているはずだ…
猛省して再び戻って来たまえ…」
恐ろしい目で睨みつけられ、息を飲むキッス。ここは嘘でもYESと言っておいた方がいいかも…?
「そうすれば私は慈悲深くそれを受け入れるだろうね… 冷静(クール)に!
そうだな… まずはこの城にいるビィト達の始末を手伝いたまえ
簡単な事だろう? 一度経験のある事だ
今度は罠にはめるだけでなく自ら手を下すといい 二度と…弱気の虫が起こらんようにね…
さあ… 答えなさい… 『YES』とっ…!!」
…顔を伏せ、しばし黙りこむキッス。
「…そう言われたら… ビィトの名を出されたら… ぼくの答えは決まっているんです…
ぼくは… あなたが言う様に、心の弱い人間です…
でも… たった一つだけ弱い心で…決めた事があるんです… それが…
それがビィトから二度と離れない事です!! 彼との約束は二度と破らないっ!!」
520 :
粗筋王マロン 7/7:2011/06/15(水) 23:08:10.00 ID:VzETfLe7
殺されるのを覚悟で断言するキッス!
「…だから許して下さい、閣下… 答えは『NO』… です!」
キッスの拒否にグリニデは身体を震わせながら笑い出す。
「NO…? NOか…
…この私が… こうまで! ここまで寛大なる態度をもって話してやったのに…!!
それを理解できんと! このっ… クソ人間がっ!! のみこめんと!!
お前の耳には穴が開いてないのか!? それとも粘土でもつめてやがんのか!!??
引きちぎったら少しは聞こえる様になるのか!!?? ああっ!!!???』
もう限界だ!大激怒の秒読み開始となるグリニデ!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110615224122.jpg 『キッス!! 無事かっ!?』 ――と、その直後ビィトが扉を蹴破って乱入してきた!!
「…失せろ小僧ッ! 今は取り込み中だ!! こいつに… 教育的指導を施さねばならんッ!!」
全身プルプル震わせ、爆発しそうになる己を必死で抑えるグリニデ。
『何が指導だッ! キッスはもう、 お ま え の部下でもなんでもねぇんだぞ!!』
・・・・・ヤバい!! 最後の最後でビィトが“禁句”を叫んでしまった!!
「・・・・・・お・・・・・ま・・・・・え?」 ブチン
『 『 お ま え 』 だ と お オ オ ォ ォ ッ !!!!????』
――ついにブチ切れたグリニデ!
その体表に無数のヒビが入り―――― 皮を破り、凶暴な『本体』が現れた!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110615224139.jpg 驚くビィトをよそに、自らも逃げながら逃げろと叫ぶキッス。
無差別に破壊しまくるバーサーカーと化したグリニデは、大事にしていた培養液さえも破壊してしまった!!
<続く>
グリニデついにブチ切れたーーーーー!本体きたーーーー!怖ぇ!!
フォント違いのセリフとか、表面張力とかうまいな…
表面張力の意味が分かっていれば、あれは確かにブチ切れ寸前のグリニデを示すにふさわしいな。
さすが三条先生!
>>520 割れよったww
なんかこう、溜めて溜めて溜めて溜めて…のあとのドカーンというカタルシスが少なかったな
ウンコで言えば肛門ヒクヒクおなかゴロゴロやばいやばいやばい
でも耐えるぞまた波がきやがった負けるもんかがんばれヒクヒクって感じで
実に見事に綱渡り状態でクライマックスまで高めたのに
肝心の爽快さを伴うブリブリブリッの部分がちょっと弱かった。
なんか中身の方がむしろシンプルで理知的なデザインじゃね?
脱皮前の皮のほうが魔人のくせに実に人間味あふれる表情で感情がよく出てる
> ぼくが古代遺跡から発掘し解析していた魔文字の情報は、この技術を完成させる為のものだったんだ!
> 黒の地平の広大な面積を支配したのも、そこにある遺跡を他の魔人に渡さぬ為…
> そして魔獣大鑑全十章の樹の章だけを集中して買い続けたのも、
> まずは魔物の特性を全て掌握する為の下準備…! すべては…… このために…!!」
いや、一を聞いて十を知るキッスも確かにエクセレントだがそれよりなにより閣下すごすぎだろ。
エクセレントの上はなんだ、パーフェクトか、ブリリアントか?スプレンデッドかアメイジングかマーべラスか。
魔賓館での効率的で無駄のない金の使い方や他の魔人を従えるなど、
今までの描写だけでもそんじょそこらの策士キャラじゃ及ばないくらい見事な計略なのに、
さらにもっと上の視点で、自力で自分が乗っかってるシステムそのものに迫ろうとして
その遠大な計画の元に必然性をもって黒の地平の支配や樹系モンスター特化をしてたとは。
ある意味六芒星核晶を世界全土に仕込み、自分らの拠点はこっそり徐々に浮遊させ、
最終目的の地表を消滅させることを大詰めまで隠してた大伏線王バーンと比べても
同程度かその上を行くくらいすごくね?
キレやすいって性格でなければバーン様に比肩していただろうに……
自分でも恥じてはいるが難儀な性格に生まれてしまったなグリニデ閣下
そういえば何気にさらに上の存在が明かされたな>八輝星
ダイ大で例えれば
・7ツ星魔人:超魔ハドラーやバラン級
・八輝星:大魔王バーンや竜魔人
こんな具合か?
なんか単にレベルカンストみたいな位置づけでもなさそうだな
>>191 世界の魔人の最高位に当たる “ 七 ッ 星 ”
>>331 (な… 七ッ星!! ついにグリニデ様も地上の魔人の最高位になられたっ…!!)
>>519 「そう…… “ 八 輝 星 ” だよ… ゴールが見えてきた…!!」
一つは、今のところ8つ星がいないことが分かる。
それから、仰々しい呼び方になってることから、
8つ星はそれまでの7つ星までとは質的に別ものらしいことも分かる。
囲碁で言えば、棋院の昇段制度による段の「初段〜九段」と
それとは別系統の、タイトルの称号である「十段」との違いくらい
実質的な違いがあるのかもしれんな。
ゴールという表現や、「地上の」魔人の最高位ってのが気になるな。
地上で戦功を立てて八輝星になったら
地上界以外(地下とか地獄とか魔界とか)にでもデビューできるのか?
星配りのシャギーは一度八をクリアして魔界デビューを済ませてる星取りと無縁な魔人か
元々魔界生まれの魔人なのかもな
>>332 七ッ星になった以上、私には新たな仕事もある…! 既に手は打ってあるのだよ」
計画的な智将グリニデがこう言うんだから、単なる名誉や強さの証、もうすぐ八輝という目安だけでなく、
星に応じた特権なんかも定められてるのかも知れんな。その特権を利用することで
今までできなかったさらなる研究を進めるつもりだったのかな
ビィト狩りの件は「既に手を打ってある」でフラウスキーに任せてるし
移籍の情報集めやモンスター自家生産は昔からの計画で新しい仕事じゃないし
新しい仕事って何だったんだろう
移籍→遺跡
>>520 こうしてみるとマキシマムみたいな喜劇キャラの顔だな
前にもレスしたけど、ビィトは初対面時にグリニデをお前と呼んでるぞ?
ベルトーゼも呼んでそうだな
三条先生に限って後付設定とも思えんな…
今回はブチ切れ寸前だったから、「お前」呼ばわりで切れたとか?
それだけで毎回切れたらあそこまで積み重ねることはできんわな
しかしザボエラといい研究者・技術者路線のやつは人格に問題あるのうw
確かになw
オレはSFCの「魔装機神」のゼツを思い出したよ
>>531 ロズゴートの時は?自分より星の少ない(格下の)魔人に言われたからかな?
>>534が正解・・・かな?
いや、ベルトーゼファントムの時も「お前」と言われてたっけ?
しかしダンゴールはかわいらしいな
同意、そのままぬいぐるみ化できそうな位だw
ああ見えてキルバーンみたいにあっちが本当の"深緑の智将"で
グリニデだと思ってたのはただの配下だった・・・
ってのは流石にないか。
グリニデなら星を自作する方法も開発すればいいのに。一気に九星球!
リアルと同じに、偽造したら他の魔人に抹殺されるとかでない?
星にも何らかの力がありそうだし、下手に星を偽造しても
弱いのに星が多い→多くのバスターに狙われる からやらないんじゃない?
偽造して八輝星になっても、魔賓館に星の管理記録くらいあるだろうし
本物と寸分たがわぬ星を作れたとしても意味ないんじゃ
苦労しても恥をかくだけよ
542 :
粗筋王マロン 1/6:2011/06/17(金) 22:59:58.46 ID:qL6hnqOv
<第21話:獣の本性!>
まるで脱皮したようなグリニデは、大事にしていた装置さえも見境なく破壊してしまう。
『いいから…! 早く逃げないと…!!』
直後、グリニデは激しい雄叫びを上げる!
雄叫びは衝撃波となってビィト達を飲み込む―――― が、ビィトはCシールドで防御していた。
しかしその威力は凄まじく、ビィト達をシールド諸共吹き飛ばし、岩に叩きつけた。
「み… みんな大丈夫か!?」
「…え… ええ、なんとか…」
振り返るとそこにはダンゴールがいた。お前じゃない!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110617222948.jpg …幸い、キッスもポアラも無事だった。シールドと城の柔らかい材質がクッションになり無傷だった。
「…それにしても… ハンパじゃねぇパワーだ…!」
ビィトはじっと両手を見る。あまりの威力にシールドを持った手もしびれていたのだ。
「あいつが… 強化変身したって事なの!?」
ポアラの叫びに、ダンゴールは必死に否定する。
『ち ち 違いますっ! あれが… あれがグリニデ様の 真 の 姿 なのです!!』
ダンゴールの言葉に思わずビィトとポアラは顔を見合わせる。
「グリニデ様は暴力的なその真の姿を嫌い、特殊な外皮をまとっておられたのです…!
トラキラという秘草の成分を液化した物に日々浸かり、あの深緑の外皮を常に保っておられました
あれはグリニデ様の精神を安定させ、冥力の増大を抑制する働きがあるのです」
それを聞いたキッスは青ざめる。今まであれでも精神が安定していたとは…!
『ですがッ! グリニデ様の怒りが頂点に達した時…
内部からふくれ上がった肉体が、その外皮をも破壊してしまうのです!!
そうなったらもう…! 誰にも…!!」
そう言ってダンゴールは頭を抱え震えあがってしまう。
543 :
粗筋王マロン 2/6:2011/06/17(金) 23:00:41.68 ID:qL6hnqOv
一方、グリニデは少し落ち着いたのか、一旦破壊を止めガラスに映った自分を見ていた。
…自らの姿を見たグリニデは、再び吠える。
その雄叫びを聞いたビィトは2人に警告を発する。
「みんな覚悟してくれ! 死ぬ気で戦わなねぇと逃げ切る事すらできそうにねぇ…!」
――その直後、付近一帯が爆発し辺り一面、土砂混じりの爆煙に包まれる。
…やがてその中から、ビィトの名を呟きながらグリニデの影が見え始め罵声が響いた。
『ビィト…! ビィトォッ!! あのクソガキはどこへ消えたァァッ!!!
…ちっぽけのゴミクズのくせにッ!! よくもッ… よくもオレを… このッ…!!
この… 化 物 の 姿 に 戻 し て く れ や が っ た な ぁ ッ !!!!
全部ッ…… てめぇのせいだァァァっ!!』
グリニデの真の姿が露わになり、激しい怒りの『気』を吹き出した!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110617223004.jpg ビィトの合図で散開する2人だが、グリニデは一瞬の内にビィトの前まえ迫っていた! 速い!!
『てめぇさえいなければっ… 部下も城も失わずに済んだ!! キッスもおれのもののままだった!!
そしてっ… 俺はずっとCOOLでいられたんだァァァッ!!!!』
怒涛のラッシュを仕掛けるグリニデに、ビィトは防御するだけで精一杯!
――するとグリニデの背中に銃撃が当たる …が、全く効いている様子が無い!
グリニデが振り向いた隙にビィトはCガンナーを連射し、グリニデは大きく後退する。
…しかしグリニデは気合を入れると、大きく凹んだ胸の傷がせり上がり、一気に回復してしまう!
再びグリニデはビィトを狙って猛攻を開始する。
『みんな! 離れて攻めるんだ!つかまったらアウトだぞ!!』
――もちろん、そんな事は言われなくても承知だ。
才牙の盾を持っているビィトがあの状態では、生身のキッスとポアラでは一撃で引き裂かれる!!
…ふと、キッスはかつて仕えていた主君の姿を見て思った。
(これが… 本当にあの知性を信条としていた男と同一人物なのか…?
まるで… 力任せの…“ 野 獣 ”だっ!!!!)
544 :
粗筋王マロン 3/6:2011/06/17(金) 23:01:24.29 ID:qL6hnqOv
一方でビィト達の戦いを崖の上から見届ける人影があった。
「…なんたる変貌ぶり! これがグリニデの本性か… ベルトーゼ様が戦いたがるわけよな…」
――見届け人はベルトーゼの部下のハザン(&ペンバリー)だった。
「…サイコーでしょ?グリニデ様って!」
イタズラっぽい声。もちろん、その声の主はいつの間にか現れたシャギーだった。
「やあ、ハザン君 あの場を動けぬベルトーゼ様に変わって、
片腕の魔物である君がこの戦いを見届けに来たってわけですね?」
「左様です …しかし驚きましたよ」
ハザンの見ている中で、グリニデは大甲虫の死体を軽々と担ぎあげると一瞬で引きちぎる。
「…滅茶苦茶だ “惨劇の王者”と呼ばれた我が主人の方が、はるかに紳士的に見えます…!」
「アレがいいんですよ、“アレ”がね!!
グリニデ様の最大の武器は、全魔人の中でも飛びぬけて強靭なあの肉体そのものなのです!
全冥力を筋肉強化一点のみに使用したあの姿でもって…! 蹴って! 殴って! ひきちぎるっ!!
ご自分では忌み嫌っておられますが、あれぞまさしく人間共を踏みにじる為に
この世に生を受けた魔人のあるべき姿! ゆえに…… 一番胸が踊るっ…!」
一方、暴れ回るグリニデにポアラは攻めあぐねていた。
昆虫っぽい外見だから炎の天撃が有効かもしれないが、あいにくポアラの天撃は至近距離向き。
あの暴れ回るグリニデに近寄ればそれは自殺行為にも等しく、とても近寄れない!
仕方ないのでキッスに遠距離戦を任せ、自分はガンアームドでけん制する。
(そ…そうだ! こんな時の為に…! 2人の役に立つ為に来たんじゃないか、ぼくはっ…!
閣っ……いや! 魔人グリニデは! ぼくが止めなくてはいけない相手なんだ!!)
そしてグリニデはビィトの名を何度も叫びながら、見境なく暴れ回る。
ビィトはキッスが天撃の用意をし始めたのを確認、フルパワーのCガンナーを直撃させた!!
・・・・・・が、グリニデは耐えた! 防御したとはいえ、与えたダメージは軽微!!
しかし今なら動きは止まっている!ビィトはキッスに合図を送り、キッスは天撃を放つ!!
『 天 青 の 氷 結 波 !! 』
545 :
粗筋王マロン 4/6:2011/06/17(金) 23:02:08.30 ID:qL6hnqOv
五ッ星のロズゴートを倒したキッスの必殺技がグリニデの胸に炸裂する!!
『おっしゃあ!! 粉々に砕けろッ!!』
たちどころに凍って行くグリニデ目がけ、ビィトはCシールドの鉄球をブン投げる!
……ところが、何かがおかしい。キッスがよく確認すると、氷結波が貫通していない!
なんとグリニデは筋肉だけで氷結波の貫通を防いでいたのだ! これでは完全に凍結しない!
グリニデは不完全な凍結を自力で脱出し、再び動けるようになった。
「こざかしいマネは・・・・・・・・ たいがいにしろォォッ!!!!』
迫りくる鉄球を蹴り返すグリニデ!
跳ね飛ばされた鉄球はビィトに直撃はしないものの、勢いでビィトの手から離れ飛ばされてしまう。
(な… なんて力なんだ… 分身体とはいえ、あのベルトーゼさえ怯ませた盾の鉄球だってのによ…)
勝利を確認したのか、しばしグリニデはビィトを見下ろし動かない。
その背後では怯えながら岩陰からグリニデをうかがうダンゴールがいた。
が、恐怖で足が震え転んでしまい、グリニデに存在を気付かれる。
「………ダンゴール……か……」
どうやら少しだけ理性を取り戻したのか、わずかに黒眼が見える。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110617223017.jpg ダンゴールはまだ主人が覚えていてくれた事に歓喜し、嬉しさのあまり駆け寄って行く。
「ハ…ハイ! そうですとも!! あなたの忠実なるしもべ…ダンゴー…」
「………失せろ!」
「え?」
「…お前にはもうオレのウさ晴らしはつとまらん
オレはお前以前にも3匹、片腕の魔物を激怒した時に失ったが その時でさえこの姿ではなかった
それとも…… 受けてくれるのか…? オレ自身にすら制御できない、今のこの姿の…!!」
そう言うとグリニデは力を溜め、一回り太く、長くなった両腕を上げる。
「渾身の…… 一 発 を ッ !!!!」
そのまま両腕を地面に振り下ろすと―――― 周囲が岩もろとも吹き飛んだ!!
グリニデのフルパワーに七ッ星の恐ろしさを思い知るビィト達!
546 :
粗筋王マロン 5/6:2011/06/17(金) 23:02:53.92 ID:qL6hnqOv
………土煙が晴れると……… グリニデを中心に、巨大なクレーターが出来上がっていた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110617223036.jpg 「……どうだ 受けてくれるのか…? …くれないのか……?」
至近距離に居た為、無傷だったダンゴールだが… とてもこんなのを受けれるものではない!
涙目になるダンゴールにハッキリしろと罵声を浴びせ、ダンゴールはムリです、と全力で逃げ出した!!
…しかし、ダンゴールは気づかなかった。これが今のグリニデにできる、精一杯の優しさだという事を。
「…そうだ… それでいい、とっとと逃げろダンゴール
この姿になってしまったからには…… オレは…… また一人だ…」
長い間仕えてくれた部下を逃がし、しばしクレーターの中心に佇むグリニデ。
その崖の上からは、未だ戦いを見守るハザンとシャギーがいた。
「“ 怒 剛 裂 波 ” ……という技ですね
全身の筋肉全てを高速振動させ、自分以外の周囲全域を薙ぎ払う衝撃波の壁を放つ…
かけられたら敵も味方もたまったもんじゃありません」
(この戦い… ベルトーゼ様はあのビィトという少年の潜在能力にも多少は期待していたはず…
だが正直これほどまでの実力差があってはな… やはり七ッ星は違う…と言う事か…)
「いやいや… しかし! 期待通りの活躍をしてくれましたねェ、あの少年…!
あのグリニデ様を心底怒らせ、知性の仮面を脱ぎ封印されていた本性を解放してくれた…
ベルトーゼ様の挑発にすら耐えたグリニデ様を彼の様な無名のルーキーが…!
おかげでまた魔人界に素晴らしいスターが誕生しました
今後グリニデ様は手当たりしだい暴れ狂う台風の目となる事、間違いナシ!
……ありがとう! 君の名は忘れない… ビィト!!」
そう言って邪悪な笑みを浮かべるシャギー。――どこまでも喰えない男だ。
http://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110617223048.jpg
547 :
粗筋王マロン 6/6:2011/06/17(金) 23:03:37.32 ID:qL6hnqOv
一方、ビィトは…… 瓦礫に埋まりかけてはいるが、やはり死んではいなかった。
(くそっ…なんにも効きゃしねぇ…!
最大級に警戒してたつもりだったのに… 想像以上のそのまた上だ!
今度ばっかりは… 本当にやべぇぞ…!!)
ふと、ポアラとキッスの安否が気になった。何としてもあの2人だけは逃がさないと…!
しかし、足が瓦礫に挟まりなかなか抜く事が出来ない。
脱出に手間取っていると、何者かがビィトに手を差し伸べてくれた ……が、乱暴に引き抜かれる。
――差し伸べた手はグリニデの手だったのだ!!
「…良かった… 心配したぜ… あの程度で圧死なんかされちまったら…
誰 が !? ど う や っ て !!??
こ の オ レ の 怒 り を 鎮 め ん だ よ ! あぁんッ!!??
……実際にっ… おめぇが粉々にちぎれ飛ぶ所をおがまなきゃぁ…!!
納 得 で き ね エ エ ェ ェ ェ ッ !!!!』
ビィトの至近距離でグリニデの怒りの拳が振り下ろされた!! <続く>
「頭の良さだけで六ッ星にまでなれる訳がないでしょう?」とか、「本性を解放してくれた」とか、
グリニデが望む形で星を貰ったわけじゃあないんだなぁ…
ロズゴートも結局、力に心酔していたわけだし、少し哀れだ。
>トラキラという秘草の成分を液化した物に日々浸かり、あの深緑の外皮を
トランキライザーってわけか。三条ネーミングは結構ベタだな
あの色の薄そうな外皮が深緑だとは思わんかったが、ってことはやっぱグリーン→グリニデってネーミングなのか
>全魔人の中でも飛びぬけて強靭なあの肉体そのものなのです!
>全冥力を筋肉強化一点のみに使用したあの姿でもって…!
単純に脳筋として過ごしていれば幸せだったんだろうに
よりによって最も粗暴でバイオレンスな素質を持って生まれた閣下が
クールと理知を追い求める性格だったのが悲劇だな
>ダンゴールはまだ主人が覚えていてくれた事に歓喜し、嬉しさのあまり駆け寄って行く。
かわいすぎるだろ
>「…お前にはもうオレのウさ晴らしはつとまらん
>
>「…そうだ… それでいい、とっとと逃げろダンゴール
> この姿になってしまったからには…… オレは…… また一人だ…」
もはや文学だろw
もうこれは漫画史上に語り継がれる名キャラと言って過言ではないぞ
>自分以外の周囲全域を薙ぎ払う衝撃波の壁を放つ…
カラミティウォールkita-
>>549 トランキライザーとカラミティウォールにふいたw 言われてみればww
ダンゴールもマスコットとして申し分ないし、グリニデも今回で輝きだしたな。
これからは「グリニデ様」と呼ばなきゃなるまいて。
グリニデ閣下は勝利しても終ったあとすげえ虚しいんだろうな
閣下の勝利を賢者タイムのように言うなよ
>>551 だがここでビィト達が負けるとも思えないんだよな。
だってほら、一応少年誌だし。
いったん閣下の中の人の強さを印象づけて休戦、
スレッドとミルファが合流して五芒星の力で決戦を挑むんだろう
ううーん、キレたあとの閣下はよくある粗暴な悪役って感じだなあ
>>555 老バーンが真バーンになったときのガッカリ感かw
そう?自分を抑えきれないがそれでも必死で知的な姿に戻ろうとしてるって結構珍しい悪役だと思うが
ダイで言えば後半のバランにわずかにそんな一面があるな
グリニデに関してはほぼ毎回感心させられてるよ
頭脳キャラといっても、他の漫画だと能書きと周囲の評判と理知的なイメージだけで済ませてるキャラが多い中
グリニデはちゃんと知的な策や視野が伴った智将してるもんな
グリニデちょっと萌えるわ
ちょっとかよ
ダンゴール蹴りまくりたい
563 :
粗筋王マロン 1/6:2011/06/19(日) 22:59:20.15 ID:DUDd8A+5
<第22話:力VS力!>
ビィトの至近距離でグリニデの渾身の一撃が炸裂した!
吹き飛ぶ岩の破片 ――――だが、そこにビィトの姿は無い。
戦いを見守っていたハザンは、まさかあまりの威力に肉片すら残さず吹き飛んだのかと思うが…
「…いや! 違うみたいですよ」
…しばらく待つと、グリニデの背後にビィトが落下してくる。
受け身も取れない程のダメージを受けた為、意識を失いかけている。
五体満足のビィトを見たグリニデは、歯軋りをしさらに怒りの炎を吹き上げる。
「な… 何でなんだァ…… え えっ……!!??
なんでオレの定めた通りに死なねぇんだァッ!!?? あいつはよオォッ!!!!』
グリニデが激昂する中、ビィトは必死に起き上がる。
ビィトが無事だった事に驚愕するハザン。
「かわした…のか!? あの超絶な一撃を!?」
「フフフ… まさか! そんな力はビィトには残されていませんでした
……だが…… それゆえにこんな奇跡が起きたのです…
要はスクリュー回転状に放たれたグリニデ様の拳圧が起こす空気の渦で、
ビィトは上空にカチあげられてしまった訳です! 拳そのものの威力が直撃するその前にね!
圧倒的な力をみなぎらせた巨漢のグリニデ様と、全身の力を失った小兵の少年ビィト…
対戦する両者の質量と力量に、あまりの差があったために起こった怪現象といえますな」
「運のいい奴だ…」
「どうでしょう? これ以上不運な者はいないのでは?
――――あの一撃を 二 度 も く ら う 事 になるのですから……!」
564 :
粗筋王マロン 2/6:2011/06/19(日) 23:00:18.98 ID:DUDd8A+5
ビィトは未だ立ち上がれないでいた。
(…助かった…とは言えねぇな、こりゃ…
竜巻と葉っぱぐれぇの差がなきゃ こんな事にはならねぇはずだ…
…どうする!? おれも竜巻ぐらいの力を出さねぇと、このままあの世へ直行だぜ…)
……と、そこまで考えた直後、“ある事”が思い浮かんだ。
(…ねぇ事ぁねぇが…… 方法が… だけどあれは…… あればっかりはな…)
直後、重い地響きに我にかえる。見上げると、目に見て分かる程怒りの炎を燃やすグリニデがいた。
(……やべぇ! もう来る…!!)
同時刻、ポアラとキッスは瓦礫から抜け出している所だった。
「…ふぅ! 出られそうよ、キッス…!」
「…カッコ悪いよなぁ… これって普通、男女の役が逆だよね」
「何言ってんの! あんたがとっさに風の天撃でかばってくれなかったら、私ペシャンコだったわよ!」
(氷結波の直後にすぐまた連発したもんだから、急速に天力が下がっちゃったんだ…
くそっ… いくらなんでも、昔なら立ってらんなくなるなんて事なかったのに…!)
岩の上に出た後、ビィトの姿を探す。
……そして2人が見たものは…… 今まさにビィトに怒剛裂波を放とうとするグリニデの姿だった。
……だが、グリニデは一向に技を放とうとしない。それどころか―――――― 頭を抱えて号泣しだした!!??
「ひどい、あんまりだッ! 悲劇としか言いようがなァい…!
こんなに真面目に… コツコツと地位を築き上げてきたのにィ!!
ちっぽけなゴミのせいで全てがブチ壊しだァッ…! ゴミにつまづいてこの有様だァッ…!!
ありえねエエェッ……!!」
そのままがっくりと膝をつき泣き事を言いだすグリニデ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110619224608.jpg
565 :
粗筋王マロン 3/6:2011/06/19(日) 23:01:11.49 ID:DUDd8A+5
泣き叫ぶグリニデを見て、魔人の中でも異常過ぎる事に引き気味のポアラ。
「そもそも間違っている!! 人間風情が逆らうなんて事自体がおかしいじゃないか!!
人間なんか… オレ達魔人に殺されるために存在してるようなモンなのに!!
オレ達魔人がこの地上に現れた時、その表面を埋め尽くしていたゴミクズ!それが人間じゃあねぇかッ!!
だからできたんだ、あの“ルール”が!!
『この地上から一番沢山のゴミを取り除いた者を その功績を称えて支配者にしよう』
……ってルールがよぉっ…!」
(…なん… だってェ…!?)
「非力で! 何もできねぇ! 価値のねぇゴミ!! それが人間だ!!!!
そんな連中でもオレ達の点取りゲームのコマにしてもらえるんだッ!!
感謝して殺されろよッ!! それとも何か!? あっさり死ぬ事もできねぇほど役立たずだってのかよォ!!』
――その言葉にビィトは胸に大きな怒りを秘め、完全に立ち上がる。
「…よっこら…せっと!」
ビィトが立ちあがった事に再び怒りだすグリニデ。
「…オイ… コラ… なんで立ち上がってんだよ… てめェ…!」
「…人間はお前らの遊び道具でも、ゴミでもねぇ! 今からそいつを証明してやる!」
先程までの苦戦の表情はどこへ行ったのか。その態度にグリニデの血管がいくつも切れる。
『ダメだビィト! 君の使える才牙は… もう全てグリニデには通じないんだよ!!』
「“使える才牙”…だったらな…! 迷ってたんだけど… もう、それどころじゃねぇや!
腹ァくくったぜ!」
――そう言うと、ビィトは再び才牙生成を始める。
「…前々からず〜っと思っていたが…! 本ッ物の馬鹿だぜ、お前…!
最後に教えてやる… オレが一番嫌いなのはな…!
ア ッ タ マ 悪 い ヤ ツ だ ァ ァ ァ ――――――ッ!!!!!』
激怒したグリニデはビィトへ向かってダッシュした!!
(……8! ……9! …10! …11!)
――グリニデの拳と具現化した才牙が激突し、グリニデの動きが止まる。
566 :
粗筋王マロン 4/6:2011/06/19(日) 23:02:07.01 ID:DUDd8A+5
「…12秒! かかっちまうか、やっぱ…!
もう少し具現化が早くできりゃあ、少しは実戦で使えるのに……な…!」
ビィトが具現化したのは… ボルティックアックス! その刃先でグリニデの拳を受け止めていた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110619224622.jpg 渾身の力を込め、グリニデを吹き飛ばす。
ビィトがボルティックアックスを使った事に、ポアラは驚きを隠せなかった。
<以下回想>
それはまだ、キッスが仲間になる前の事だった。
ビィト閻魔帳に色々と書き込むポアラ。
「…バーニングランス・クラウンシールド・サイクロンガンナーはほぼ実戦で使えるようになったわね
エクセリオンブレードも、通常攻撃だけなら…」
「ああ、普通に振り回すだけなら全然問題ねぇ 決め技で使えるかどうかは今後の努力次第ってトコだな」
「すると… 残るはボルティックアックスね これは実戦で一度も使ってないんでしょ?」
「う〜ん…… ありゃあなぁ…」
ポリポリ頭を掻きながら困惑するビィト。
「難しいの?」
「いや、難しいってよりな…… 危ねぇんだ
もちろん生成するのに時間がかかるとか色々面倒な理由もあるんだけどさ
何しろあの怪物みてぇなブルーザムが使ってた才牙だ、おれの手にはちょっとあまる代物なんだよな…
…いいか、ポアラ 今の内言っとくぜ」
急に真剣な顔なったビィトに、ポアラはきょとんとなる。
「…おれが、もし斧を使う様な事があったら………
そん時にゃ、 と に か く 全 速 力 で 逃 げ ろ よ ……!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110619224636.jpg <回想終了>
567 :
粗筋王マロン 5/6:2011/06/19(日) 23:02:48.58 ID:DUDd8A+5
ビィトの警告を思い出し、顔色を変えるポアラ。
一方、ビィトもポアラの存在に気付き、「早く逃げろ」と言わんばかりにチラ見する。
直後、ポアラはキッスを捕まえ全速力で逃げ出した。
「ちょ… ちょっとポアラ…!?」
ポアラが逃げ出した事を確認し、少しだけ安心するビィト。
「よっし…! 一か八かっ… 勝負だッ!!!!』
巨大な斧を振り回すと、衝撃波が頭上をかすめた! …「ポアラ達の」頭上を!
衝撃波はキッスの髪もろともいともたやすく岩を切り裂く!
「も… も… も… もしかして… あれって… 味方殺しの武器ィ…!?」
「………みたい!」
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110619224657.jpg 必死でVアックスを振り回すビィトだったが、非常に重くなかなかグリニデに当たらない!
(…あの超重量と力をビィトが制御できてない…!
これが今まで斧を使わなかった原因だったのね!
確かに…… 戦闘中にこんなの振り回されたら、
敵より先にビィトにパーティーが全滅させられちゃう…!)
「当たりゃあしねぇ…! そんなもん出すぐらいなら…
おとなしく死んでおけ!! こ の 大 ボ ケ 野 郎 が あ ァ ッ !!!!』
一瞬の隙をついて殴りかかるグリニデ!
「た… 確かにおれはこいつを扱いきれてねぇ…!! ……けどなァッ!!』
気合と共に振り上げ―――― ついにグリニデのわき腹に命中した!!
その一撃は思いのほか深く、グリニデは激しい出血と共に吐血した。
『…どうだ!? 当たりゃあデカいぜ!!』
568 :
粗筋王マロン 6/6:2011/06/19(日) 23:03:37.63 ID:DUDd8A+5
>対戦する両者の質量と力量に、あまりの差があったために起こった怪現象といえますな」
>竜巻と葉っぱぐれぇの差がなきゃ こんな事にはならねぇはずだ…
理屈付けうまいな
>だからできたんだ、あの“ルール”が!!
> 『この地上から一番沢山のゴミを取り除いた者を その功績を称えて支配者にしよう』
> ……ってルールがよぉっ…!」
なんかバスターのレベルといい、ヴァンデルの星や魔賓館システムといい
どうもこの世界の登場人物を駒にしてゲームを楽しんでる上位存在が居そうな雰囲気が漂ってたけど
やっぱそんな感じのようだな
>学者風の七ッ星の魔人・ノア
なんかまた一味違った奴が出てきたな。理知的で貴族的だ
閣下はコイツにあこがれてたとかいう設定でも出てくるかな
流水に浮かぶ木の葉のように身をかわすブロキーナ老師の技ですね
見た目だけなら、ノアはいつかビィト達の仲間になってくれそうだな
三条先生腰痛のためry)
>>569 >どうもこの世界の登場人物を駒にしてゲームを楽しんでる上位存在が居そうな
GB「魔界塔士SaGa」の神みたいなもん?
あれはかみのひとりよがりな感じだけど
この世界は正義側・悪側でそれぞれ黒幕的存在が組織立ってる気がするな。
おそらくシャギーあたりは上位存在の意図をかなり知らされた上で動いてるだろうし
バスターの天力・天撃・才牙・レベル・金・鑑定所とヴァンデルの冥力・冥撃・(必殺技)・星・魔札・魔賓館が対応してるのも
双方のシステムが意図的に整備されてる感じがする
元は人間主体の地上だったところに
人間ベースに天力や「眠り」などの特性を付加されたバスター資質のある超人種と
その敵役として対となる力を持って生みだされた魔人種と
そういえば、天と冥が対になってるから地属性があおりをくらってなくなったのかな?
だろうな。地水火風の4元素の方が一般的な気がする
DQの魔法は火系が充実しすぎてるから参考にならん
FFだと火氷雷が基本三属性のことが多いから、それだと雷ありだな。
+地水火風空でなく東洋風の木火土金水だと木が浮いちゃうしな
結局土や金もうまく属性に組み入れられない。
ナルトなんかは本来相生相克は木火土金水なのに木遁を特殊な位置づけにしてしまってたな
どうするんだろう
★稲田先生急病の為、休載です
578 :
粗筋王マロン 1/5:2011/06/28(火) 23:02:34.94 ID:1aaHHAKh
<第23話:最後の猛反撃!>
いつの間にか現れたのは、“魔人博士”ノア…!
「あの方までが… 自ら来られるとは…」
「…七ッ星の皆様方の間でも、この闘い 注目度が高いようですねぇ…
目当てはグリニデ様か… それとも…?」
一方、ビィトは相変わらずVアックスを振り回していた。
(多少当たんなくたってこの威力なんだ! 向こうも迂闊に攻め込んでこれねぇはず…!)
そして―――― また一撃、グリニデの腹に命中した!
その戦いぶりに青ざめつつも感心するキッス。
まさかあのグリニデとここまで対等に戦えるとは!
もしかすると、今回もまたビィトの残しれない力に救われる形になるのだろうか…?
……しかしポアラはそれを否定する。このままでは確実にビィトは負ける!
「……だって…… ビィトには…!」
その理由は魔人博士の異名を取るノアも理解していた。
「…悲しいかな、人間の体力しかない…… という事だ」
先程腹に一撃受けたグリニデは……ニヤリと不敵に笑っていた。
(…どういうつもりだ…!? 動いてねぇ…あいつ…!)
さらにノアは誰に言うとでも無く解説する。
「確かにあの少年の底力は驚異的だ
だが… いかに才牙の斧で一撃加えようとも、全冥力を筋力強化に次ぎ込んでいる
今のグリニデには致命打を与えられない やがて斧をふるう力にも限界が来る…
勝敗は…… すでに見えたか……」
579 :
粗筋王マロン 2/5:2011/06/28(火) 23:03:19.52 ID:1aaHHAKh
棒立ちしたままのグリニデの胸にまた一撃が入るが、受けたキズはたちどころにふさがって行く。
その様子を見て、ビィトはようやく状況を理解した。
「…飲み込めたようだな てめぇが売った無茶苦茶なケンカの仕組みがよッ!
…つまりはこういう事だ、オレは強ぇから殴らせ放題…! 逆にてめぇは一発でオダブツ…
オレはただただ、呑気に…てめぇがへたばっていくのを待ってりゃいい…!」
――すでにビィトの体力は尽きかけていたが、気力を振り絞って再び斧を振るう。
その闘いを見たキッスは心の中でだめだと何度も叫ぶ。
(もう本当に何もしてあげられない! 近づく事さえできない上に…もうまともに天撃さえ放てない!
このまま… ビィトがただ殺されてしまうのを見ている事しかできないんだ、ぼくらには…!)
「……ここまで……かっ…!」
自らの無力を思い知り、諦めモードに入ってしまうキッス。
「……“ここまでか”ですって…!?」
その弱音を聞いたポアラが睨み、慌てて謝るキッス。
(…そうよ… “ここまで”!! “ここまで”じゃない!
あいつを死なせたら… 全てが“ここまで”……! …冗談じゃないわ、そんなの!!)
その頃、ビィトの体力はもはや限界に達していた。
斧を持つ手も震え、足もガクガク震えもはや立っている事もままならない。
(ふ… 振り回すだけでも… 苦しくなってきやがった…!)
頃合いを見てグリニデが攻撃を仕掛ける。
ビィトはもう一度斧を振るうが、もはや弱ったスピードではグリニデに当たらない!
「フハハ! まだあがくか!」
『決まってらぁっ!!』
振るう斧はまたしても空振りする ――――が、直後、斧が偶然グリニデの角に当たる。
その途端、致命傷でないにも関わらず、グリニデは大きな悲鳴を上げた??!!
ビィトは怒り狂ったグリニデの一撃を受け吹き飛ばされるが、角が弱点だと気付いた。
だが……もう、体力は限界に近い。 もっと早く気づいていれば…!
580 :
粗筋王マロン 3/5:2011/06/28(火) 23:04:03.18 ID:1aaHHAKh
立ち直ったグリニデは倒れたビィトに迫る。
「お… おい… ちょっと待てっ…!」
もちろん、グリニデが待つはずもなく、とどめを刺そうと右腕を振り上げる。
『……無茶だぜっ!! ポ ア ラ !!』 ――――え!?
グリニデが振り向くと、ポアラが天撃を用意しつつグリニデの背後から飛びかかっていた!
炎の天撃は見事グリニデの頭部に炸裂、苦しみ悶えるグリニデ。
ビィトはポアラに助け起こされるが、よく見ると、ポアラは体中あちこちケガをしていた。
「…やっぱ… 突っ込んできたんだな… 斧の威力が荒れ狂ってる中を…!」
「ええ!ツイてたわ 手も足も飛ばされずに済んだしね…」
「…その上であのとんでもねぇ化物に一発ブチ込んだってぇのかよ… お前の無茶も相当なもんだな…!」
呆れるビィトに微笑むポアラ。
…とはいえ、ポアラの得意な炎の天撃でも足止めにしかならなかった。
「あいつに致命傷を与える方法なんて…」
「…ある! …“角”だ! あの角を折るんだ…!」
「角を!? そんな… 魔人の角は身体の中でも一番硬いのよ!?」
「だけど、冥力をコントロールする働きがあるって言うじゃねぇか
グリニデのあの強靭な筋肉にゃ何をやっても効かねぇが、
角を砕けば直接頭蓋骨の中にダメージを与えられるし 上手くすりゃ冥力も制御できなくなる…!
それしか…… 手はねぇ!!」
(魔人の角を折るなんて… 生半可な破壊力じゃできる芸当じゃない…!
ビィトの今持つ戦力でそれだけの物理的な衝撃を生めそうなものと言ったら…!)
「……角を…… 斧で狙わないと…!」
「それなんだ… 重すぎてどうにも言う事聞いてくんねぇ
身体に当てるのだって、5発に1発がいいとこだ
少々クソ重くたって、盾の鉄球みたいに
直線的に攻撃できる武器だったら狙いようもあるんだけどなぁ…」
581 :
粗筋王マロン 4/5:2011/06/28(火) 23:04:48.73 ID:1aaHHAKh
(…直線的に… 斧の力をぶつける…)
ポアラは考え込み、何か方法が無いかと考え込み…… あった!
「狙えるわよ、斧で… 奴の角を!!」
『・・・・ええええっ!!??? よくもそんなとんでもねぇ事思いつくな、お前…!』
作戦を聞かされ驚愕するビィト! 作戦内容はまだ読者には秘密だ!
「で…でもそりゃあ難しいぜ! 3人が3人とも200%位の力を出さなきゃ成功しねぇ…!
特に一番キッツイのはポアラ… お前じゃねーか!? わかってんのかよ!」
…まくしたてるビィトは、ポアラが微笑んでいるのに気付く。
「…やったわ… いい気味!」
「…あん?」
「あんたが目を丸くするのを初めて見たって事よ
今までずっと… 信じられないような事を言ったりやったりするのはビィト…
私はそれを仰天して、聞いたり見たりしてる側…
初めて私があんたをあんぐりさせてやったのよね、今日!!」
「ポアラ…」
「私…昔と違う…!ちょっとずつだけど強くなってるのよ! だから必ずやれる! やってみせる!
そうよ… 私達は絶対ここで終わらないっ! 暗黒の世紀最後の日までっ…!!
もっともっと先へ行こうよ、ビィト! あんな奴…一発で蹴散らして!」
ポアラの激励に心から感謝するビィト。今日ほどポアラが頼もしいと思った事は無い!
互いの拳をぶつけ、作戦を開始する。
ビィトは落としたVアックスを手に取ると―――― なんと具現化解除してしまう??!!
その一方で、ポアラもダッシュでグリニデとの間合いを取る。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110628223421.jpg やがてグリニデの体中の炎が消え、自由に動けるようになると、両手に力を溜め怒剛裂波を放とうとする。
(…やっぱあの技で来っか! …頼むぜ!キッス!)
そして頼みの綱のキッスは……… 鼻水をたらしながら絶叫していた。
582 :
粗筋王マロン 5/5:2011/06/28(火) 23:05:30.11 ID:1aaHHAKh
「うっ…… うそでしょォッ!? 本気じゃないよねぇ!? ぼく…もうまともに立つ事も出来ないんだよ!?」
そんな弱音をスル―し、ポアラは自分の頬を叩き気合十分。
「…本気… なんだね ム…ムチャクチャだよ、奇跡の3連発じゃないか…!
そんな事ぶっつけ本番でできっこない…!」
「奇跡なんか… 何度練習したって起こせるもんじゃないわよ、キッス
ぶっつけ本番で命がけでやった方が起きる! そんな気がしない!?」
一方、崖の上ではハザン達も怒剛裂波の前ぶれに今度こそ終わったと興奮していた。
…しかしシャギーは解せない。なぜビィトは唯一有効な斧を胸に収めたのか…。
その答えは、ノアがうすうす感じ取っていた。
場面はポアラとキッスに戻る。
未だキッスは立ち上がる力が起きない。しかも無茶苦茶な作戦で気力もダウン。
「あんたががんばってくれなきゃ、この作戦はパーよ! グリニデが技を放つまでに決めて!!
…立ち上がるって信じてるけどね!」
ふと、キッスは目をやると、ビィトもまたキッスの事を信じウインクする。
『…消し…飛べェッ…!! ク ズ ど も ォ ォ ォ ッ !!!! 』
迷うキッスの耳にグリニデの叫びがこだまする!
そして―――――― ついにキッスは立ち上がった!!
「…ほら、立った! 『それでこそキッス』…って奴ね!」
「…女ビィトだな、君って!似た者夫婦め…! 今の内に言っとくよ しくじったら…ゴメン…!」
「言いっこなしよ、一人でもしくじったらその場で全滅!
…でもね、キッス! …これを決めたら… 私達ミラクルチームよ!」
ブツクサ文句を言うキッスだったが、目の前には衝撃波が迫っていた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110628223551.jpg <続く>
天撃で空を飛んで衝撃波の上を飛び越えるとか?
それだったらキッスがビィト抱えればいいだけの話だろう。(キッスが空飛べれば)
なぜポアラも協力するのかが読めない。
自分の身体の重さだけでギリギリなのでは。だから囮役をすると。
大体、今の所有効そうなボルティックアックスしまっちゃったしどうすんだ?
でもボルティックアックスでやるって決めてたようだし、最後までビィトが隠れて一気に出すんじゃね?
ポアラの天力をなんとかビィトにチャージして斧の生成を早めるとかして。
そもそも何とかVアックス再生成したとして、あんな重いのどうやって角にぶち当てるんだ。
DQの魔神の金槌(or斧)戦法は通じないんだぞ?
逆にグリニデに衝撃を与えて奴を斧にぶち当てるとか
>>583>>584 天地魔闘破りじゃないけど、怒剛烈波やりすごした上で
「ビィトのただの攻撃」ではなく、「(おそらくはアックス利用の)奥の手攻撃」を出せる態勢にいるためには
2人の協力が必要なんだろう。
天地魔闘破りでヒムとラーハルトが、あるいはポップとブラックロッドとシャハルの鏡が必要だったように。
どうみてもカラミティウォールなわけだが、
まさか天力を同じ垂直方向に噴出して同化しやり過ごすみたいなダイそのまんまの攻略はしないだろうな。
やりすごしただけじゃビィトの攻撃態勢整えるところまでもっていけないし。
斧は切り札として使うのは確定っぽいが、生成にかかるタイムラグのデメリットを被ってもいったんしまうってことは
ビィトを身軽にしたことに意味があるんだろうな
高速移動か、
>>564の「竜巻と葉っぱ」現象でも起こすか。
>>588 三条さんならきっとこう言いそうだ
斧を角に当てることができないのなら、角を斧に当てればいいのだ、と。
そのためにはグリニデを吹っ飛ばすか、最低限つまづかせる必要があるけど
つまり斧を地面にセットして、グリニデが当たるように仕向けると?
ここでポアラが目醒めて、バナナの皮の才牙をちょうどグリニデが滑って斧に当たる位置に生成できるようになるんだな。
>バナナの皮の才牙
ワロタ。天才すぎる
しかし、よく読みかえしてみると
>「ひどい、あんまりだッ! 悲劇としか言いようがなァい…!
> こんなに真面目に… コツコツと地位を築き上げてきたのにィ!!
> ちっぽけなゴミのせいで全てがブチ壊しだァッ…! ゴミにつまづいてこの有様だァッ…!!
> ありえねエエェッ……!!」
伏線が半端ない三条先生は
こういう発言をしてたグリニデの末路が
見下してたゴミに「つまづいて」終わるという運命を作るために
伏線をこっそりはってたんだなw
さすがにそれはないと信じたいwww
いや、バナナの皮はともかく先生は最近サイレントグレイブとかライボルトグラスパーとか、
力押しでない機能のついた才牙を出してるから、炎の天力を使ったトラバサミでエクストリームホットトラップ
とか名付けてもおかしくない。
どんなヴァンデルでも突然の足下からの熱と歯でバランスを崩されてはまともに戦えない!とかキッスが
解説係したりして。
そう考えると汎用性も結構ありそう。
でもポアラが何か習得するとしたら
才牙より先に天撃のコツつかむ方が先決だろう
キッスに自分より素質あるとは言われてたわけだから。
上位天撃に目覚めて、グリニデの足元の岩を溶岩にするんだろう
で、グリニデの外皮がその熱に耐えて平気で残念でしたと思いきや
実は足元をすべらせるのが目的だったという二段構え
例えば昇竜拳みたいに「跳ばせて落とす」技を隠し持ってるんじゃないか?
その名も「怒号相拳」とかさ
武神流土龍昇破拳とか?
才牙といえば持ち主の精神が投影されてるものだろうから、
ビィトのあっけらかんとした性格のせいで慢性的な金欠の上に
今後鑑定所で報酬を得ることも経たれてしまったポアラにとって
最大の懸念点は「日々の食糧」
可食才牙「ドメスティックバナナ」発現
グリニデころばし作戦でいいとして
ビィト→いったん重い斧を消していいポジション取りをし、そっから斧を出す
仲間1→カラミティウォールから仲間を守る
仲間2→ビィトが斧を出す間時間稼ぎ+グリニデを誘導
仲間3→グリニデをビィトの斧めがけてこかす
3人で4人の役割をしなきゃならんわけだな
仲間1→かなりの特殊能力がないと無理。ビィトの才牙(ガンナーかえクセリオンブレード)+キッスの天撃
仲間2→ビィトのための時間稼ぎなのでビィト以外。ポアラ+キッス
仲間3→一人では無理だろうから、ビィト+ポアラ(ビィトが関わってた方が位置の調整がしやすい)
3人で3種類のタッグを奇跡的に連携させるとみた
斧が有効なのは超重量からの破壊力なんだから、転ばして当てても意味ないんじゃないか。
それだったらブレードのがいいと思う。
でも重量があればいいなら、斧にこだわらずエクセリオンブレードにクラウンシールド結びつけて振り回せばいいのでは?
コントロールが定まらないのは同じでも、生成速度はそっちの方が早いはず。
ビィトを空中に放り投げて、上から生成した斧を落とすんじゃないか
グリニデの気を引くなり動きを止めるなりの役が必須だけど
振り回すだけで消耗してんだから重量は斧>剣+盾だろ
>超重量からの破壊力なんだから
ボルティックアックスとグリニデノ体重(のうち、転んだ時に頭部にかかる重さだけでも)
どっちが重いと思ってるんだ
>>604 落下なら加速付ければグリニデの体重以上の破壊力は期待できるが
そうするためには相当高いとこまでビィトを飛ばさないとむりだろうし
そんだけ高くすると落下中は軌道が単純な直線だから
少々気をそらしたり動きを止める程度だと狙いを気付かれたり避けられたりする可能性が高い
グリニデが少しでも動けばダメ(振り返って首の向きを変えるだけでもだめ)だから厳しいだろう
そもそも角は本当に弱点なのか?
角で虫を串刺しにしたりしてたよな?
ま、スネにマシュマロぶつけたところで痛くないような感じか。実際痛がってたわけだし。
グリの体重を利用するならやっぱりブレードの方がいいと思うんだが。
小回り効くし。
★稲田先生重病の為、休載です
三条さんは先々のことを見越して話を組み立てることに定評がある人だけど
この戦闘の新登場の魔人ノアが見ていることはこの先どう関連してくるんだろうな
今後戦うとしても、かなり終盤の敵という気がする
ダイでいえばミストバーンやキルバーン
612 :
粗筋王マロン 1/4:2011/07/13(水) 23:45:23.87 ID:kSnVebZz
<第24話:一撃にかけろ!!!>
迫りくる怒剛裂波の衝撃に、3人に緊張が走る。ビィトがまず具現化したのは……バーニングランス!!
これを見ていたハザンは驚きを隠せない。
今更軽量の槍をどうするというのか?しかもグリニデの必殺技の前で…!?
そんなハザン達の気も知らず、ビィトはBランスを構えたまま衝撃波に突っ込んでいく!
『バ バカな!あいつ… まさか!!』
「…そう… バカな事です、これは… よくぞ思いついたというか…やる気になったというか…」
――するとビィトは棒高跳びの要領で、Bランスを伸ばしつつ衝撃波を飛び越えた!!
落下中のビィトの脳裏に、ポアラの作戦が思い起こされる。
「一つだけあるのよ、斧の重量をゼロにして、そのまままっすぐブチ当てる方法が…」
落下中にカウントダウンし、ボルティックアックスの具現化を試みる。
「確かに生成される直前までは、才牙の重量はゼロ!
ビィトは真っすぐにグリニデ様に向かっていける…
しかし…考えが甘すぎますね! 相手は止まっていてはくれない…
左右にかわす事はもちろん、上空に攻撃する事もできるのですから…」
シャギーの予想をよそに、ビィトは具現化を続ける。後は落ちるまでに生成出来れば…!
――しかし、ノアは見抜いていた。具現化には、あと1〜2秒足りない事を。
…話は少し前に戻る。
「…キッス! グリニデがあの場所から動いたら全てアウトよ! 私達の役目は奴の足止め!
そのために私は出来る限り強力な天撃を奴にぶつける事だけを考えるわ!
あんたの役目は私を奴の所まで行かせる事!! 例えあの物凄い技を使ってきたとしても…よ!!」
613 :
粗筋王マロン 2/4:2011/07/13(水) 23:46:06.90 ID:kSnVebZz
ポアラと一緒にいるキッスは作戦内容を思い出すが、彼らの前には衝撃波が迫っていた。
(風の天撃をクッションがわりにしても、ポアラごとフッ飛ばされて攻撃へは繋げない!
ポアラだけは必ず無傷で行かせるなんていう… そんな方法…!)
何か無いかと模索しながら衝撃波を見るキッスは……一つ思いついた。
(でも… 多分これ死ぬほど痛いな…)
…しかしその方法をやらなくても、遅かれ早かれ痛くなる。ヘタすりゃ死ぬかも…。
覚悟を決めたキッスはポアラを自分の真後ろへと合図する。
キッスは最大パワーの天撃の気流を身にまとい、可能な限り衝撃波と同じ速度と方向に調整する。
――――ついに衝撃波がキッスに着弾する!
(そして…… 一度身に受けてからっ…! 左右に…… 裂 く っ !! )
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110713234127.jpg キッスの策により、衝撃波に人一人が通れる道が出来た!
キッスは倒れる間際サムズアップし、望みをポアラに託す。
(キッス… あんたは凄いわ! どんな無茶でもこなせる、正真正銘の天才よ!!
私にはあんたやビィトほどの才能は無いけど… 見てて!)
キッスの想いを受けたポアラは、天撃を用意しながらグリニデ目がけてダッシュする!
一方、グリニデは落下してくるビィトを狙おうと拳を振りかぶる。
だが、グリニデはビィトに気を取られポアラの接近に気付かない!
そして―――― 衝撃音が周囲に轟いた!
衝撃音の正体は…… 天撃が炸裂した音ではなく、グリニデが天撃を受け止めた音だったのだ!
『バカが! 一度上手くいったからって調子に乗りやがって!!
今度は足止めにもならなかったなァァァッ!!』
グリニデは全冥力でポアラの天撃の発動を抑え込んでいたのだ! …作戦…失敗…!
このままでは、ビィトの落下よりも早くポアラが殺されてしまう!
614 :
粗筋王マロン 3/4:2011/07/13(水) 23:46:49.76 ID:kSnVebZz
しかしポアラもこのままむざむざ殺されるような女ではない!
(…弾けろっ!私の炎…! …爆発しろっ! 私を信じてくれてるあいつらのために…!!)
ビィトの「今日ほどお前がいてくれて頼もしく思った事は無い」、
キッスの「炎の天撃なら君はぼくより強い」と信頼してくれた言葉が思い起こされる。
『とっととつぶれちまえッ! このゴミィィィッ!!!』
『うるさいっ! この… 粗 大 ゴ ミ ィ ィ ッ !! 人間nん…なめんなあぁぁぁっ!!!』
ポアラの雄叫びと同時に―――― 炎の天撃が発動した!!
…天撃使いであるキッスはこれが何なのか、一発で分かった。
これは……『バーストエンド』!炎の天撃の奥義だった!
上空のビィトは爆風で若干滞空時間が伸び―――― 片手を失い暴れるグリニデ目がけて降ってくる!
ノ(偶然… いや、奇跡か…! 上空への爆風が足りなかった時間を埋めた…!)
足りなかった時間が埋められ、見事Vアックスは具現化と同時にグリニデの角に命中!
周囲に鈍い金属音が響き渡り―――― ついにグリニデの角はへし折れた!!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110713234144.jpg 受け身が取れず転げ回って着地するビィト、静まり返る観戦者達。
当のグリニデはしばし立ちつくし…… ついに倒れた。
「…やった…! 決めたぜ…!」
ヨロヨロと立ちあがり、勝利の勝ちどきを上げようとするビィト。
『 決 め ち ゃ い ね ぇ ――――――――ッ!!!!』
なんとグリニデが起き上がりビィトに掴みかかった!なんという執念!!
だが、角を失ったせいでグリニデも自分で自分が分からなくなっていた。
『どうしてくれんだ!? どうしてくれんだよ、オオッ!!??』
(き… 効いてる… 効いてるんだ、今の一撃が! あともうちょっとできっとこいつは…!)
死力を尽くしてやっと角を負ったのに、まだ生きているグリニデに愕然とするポアラとキッス。
615 :
粗筋王マロン 4/4:2011/07/13(水) 23:47:31.46 ID:kSnVebZz
『責任取りやがれェェェッ!!!!! ぐああああああっっ!!』
しかし、ビィトもキッスもポアラも、全力を出し尽くしもはや成す術は無い!
《……あと一発だぞ、ビィト! 全てを出しきって勝て!! そして… オレ達に会いに来いっ…!》
……その時、ビィトの耳に聞き覚えのある懐かしい声が聞こえてきた。
声の主を探すと、崖の上にマントを翻し、立ち去ろうとする人影が見えた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110713234231.jpg それを見たビィトは気力を振り絞り―――― ビィトを掴んだグリニデの左腕が激しく燃え上がった!
『あれは…! まさかビィトが天撃を!?』
「…忘れてたぜ…! 自分に火ィつけるぐらいだったら… おれにもできらぁ…
これがホントの…… や け っ ぱ ち だ ぁ ぁ っ !! 』
ビィトは怯んだグリニデの顔面目がけ、最後の力でパンチを叩きつけた!
大きくよろけるグリニデの顔面は―――― 突如大爆発を起こした!! <続く>
ダイとヒムのカラミティウォール破りの合成かよ。
キッス惚れるwwww
ギリギリの所で斧を具現化しても、斧の落下分の運動エネルギーがないからそんなに威力がないと思うんだが。
前作の流用とは三条さんにしてはひねりがなさすぎるな>キッス
>>616 ついでにいうと土壇場でカイザーフェニックスを引き裂くコツに目覚めたポップも入ってる気がする
>このゴミィィィッ!!!』
>粗 大 ゴ ミ ィ ィ ッ !!
さすがにバナナみたいなマヌケなオチにはならなかったものの
> ちっぽけなゴミのせいで全てがブチ壊しだァッ…! ゴミにつまづいてこの有様だァッ…!!
やっぱり過去のセリフにはキッチリ呼応させてくるな。
>「…やった…! 決めたぜ…!」
>『 決 め ち ゃ い ね ぇ ――――――――ッ!!!!』
このテンポ、間、天才すぎるw
閣下はどんな局面に立たされても新しい感動を与えてくれる稀有なキャラだな
今回は相方wのビィトもうまいこと間をつくった。
>やっと角を負ったのに、まだ生きているグリニデに愕然とするポアラとキッス
まあ実際のところ、角が弱点なんてのはビィト達が勝手に思ってるだけで、
仮に弱点だったとしても折れば決着なんてのはあまりに虫の良すぎる思い込みなわけだけど。
七ツ星ならこっからもうひと段階あってよさそうなとこだけど
ビィト側がもういっぱいいっぱいだからここで閣下が空気を読んで
閣下も死亡寸前になってくれるんだろうな
となるとあの角の機能が何なのかが気になるな
ちんこみたいなもんだろう
衝動がたかぶれば大きくなるし
理性的を重んじる本体にとっては感情にまかせて大きくしておくわけにもいかずビークールしなきゃならんきかん棒
もちろん重大な急所でもあり、攻撃くらえばかなり痛いし
万が一斬られることでもあれば大ショックだろう
ちんこちんこ連呼すんなよ…
俺はどっちかというと向うズネを連想したな
622 :
粗筋王マロン 1/6:2011/07/15(金) 22:23:39.08 ID:Qg0hN9kM
<第25話:さらば!深緑の智将>
ゆっくりと倒れるグリニデをよそに、ビィトは先程聞こえた声の主を探す。
声の主の姿はもうないが、ビィトはあの声に聞き覚えがあった。
そしてグリニデは……… 大きくのけぞってはいるものの、まだ倒れていなかった!
「これで…… 勝ったと思うか……!?」
なんという生命力!グリニデは顔半分が吹き飛ばされていてもまだ生きていた!!
だが、ビィトはよろめきながらも答える。
「……ああ…… おれたちの勝ちだっ…!」
…直後、左手の星が一つ砕け、グリニデはニヤリと笑う。
「……GOOD! 正解だ、…私の負けだよ、ビィト君…」
キッスは気づいた。いつの間にかグリニデが元の人格に戻っている事を。
「フフッ… 君は予想をはるかに超えるワンダーボーイだったな
そう言う意味では数いるルーキーの中から君を選んだ私の眼力は相当なもの…
…もっと早く…つぶしていればな… だが… まあよい」
そこまで言って、グリニデは言ったん言葉を止める。すると左手の星にどんどんヒビが入っていく。
「この方がマシだ… 上級な魔人の最期としては、ね
“血塗られた獣”のままで死んでいくのに比べれば、多少は知的でクールだろうからな…!
…そう… それほど私はこの自分の真の姿が嫌だった…
野蛮で! 粗暴で! 暴れ狂う事しかできない… まさに魔人の典型…!
私の一番嫌いな者…… それは“ 自 分 ”だったのだ…
ゴールを目前にして… 君らのような若造に倒された事は素直に悔しいが…
『よくぞ倒してくれた』…そんな気にもなる、かすかにだが、ね…」
――そう言うグリニデは、かすかに微笑んでいるような気もした。
623 :
粗筋王マロン 2/6:2011/07/15(金) 22:24:24.79 ID:Qg0hN9kM
…ふと、3人は大地がわずかに… いや、徐々に大きくなる振動を感じ取る。
震源地は…… グリニデの身体だった!
「…ああ そうそう…!
私に良い死に様を与えてくれた礼に、今後のアドバイスをしてあげよう
強大な冥力の魔人の角をむやみに折ったりしてはいかん!
制御不能になった冥力が、魔人の体内で圧縮され その死と同時に大爆発を起こすからね!
私の人格が今一瞬だけ抑制された状態になっているのは…
まあ、大津波の前に海面が穏やかになるようなものだろう
なにしろ…… その破壊力は上位冥撃のざっと5倍はあるらしいからな」
グリニデの全身は真っ白になり、今にも大爆発を起こしそうになり青ざめるビィト!!
「フフ… いい表情だ 最後の最後でちょっと溜飲が下がって嬉しいよ… ビィト戦士団!!
……では、GOOD LUCK!!」
そう言い終えると最後の星が砕け、ついにグリニデは息を引き取る。
(どわああああっ!! しっ… 死んだぁぁっ!!)
(…みんな力を出しきってまともに動けねぇ…! こ…こりゃあ…!!)
(…ダメかっ!!)
グリニデの死に慌てふためく3人。グリニデの胸が大きく膨らみ、今にも爆発しそうだ!!
『みんな! 生きてるぅ!?』
――絶体絶命のピンチに、唐突に聞こえて来た女性の声。
『き… 君は…!!』
「そーよ、そうそう☆ 可愛いバスターくん達のピンチにさっそうと現れる救いの女神!!
世紀のスーパーアイドル! BBミルファでぇーす☆」
髪をかきあげ、自慢の巨乳を誇らしく突きだし現れたのはミルファだった!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110715214605.jpg つーか、一刻を争う時に気取ってポーズなんか決めている場合ではない!
624 :
粗筋王マロン 3/6:2011/07/15(金) 22:25:21.29 ID:Qg0hN9kM
『グリニデの死体が……!!』
ビィトの叫びに、グリニデの死体に目をやると… ようやく事態を把握し、口をあんぐりする。
グリニデの巨大化した胸にヒビが入る。もう間に合わない!
「…そのまま伏せて!」
ミルファは合図すると、ライボルトグラスパーを砲台の様に身構える。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110715214620.jpg そのまま高エネルギーを射出し、グリニデの死体を空高く放り投げ… ついに大爆発!
…激しい爆風がビィト達を襲うが、なんとか事無きを得た。
見上げると、そこには巨大なキノコ雲が……。 3人は脱力し、大きなため息を突く。
「“はぁーっ”じゃないわよ、もーっ!
まさかと思って様子を見に来れば死にそうになってるし!!
そもそもこれだけの戦力でグリニデに挑むなんて、無茶にも程があるわ!!
(…その上、ホントに倒しちゃうところが驚きなんだケド…)」
プリプリしつつも、ちょっとだけおとめちっくになるミルファ。
「挑みたかぁなかったんだけどな… でも、助かったぜミルファ!ありがとな!!
…あんな使い方もできるんだな、その才牙」
「あれやると、天力の消費が激しいのよ ツチギンチャクと戦った時、使わなかったのもそのせいだしね」
「さすがはBB… だよな」
そこまで言ってビィトはガクリと崩れ落ちる。
気が抜けたので一気にバスター特有の眠りが襲ってきたのだ。
寝そうになる寸前、ポアラに声をかけるが今回ばかりはポアラも、キッスも同様だ。
3人とも持てる力を全て出しきり、心身ともに疲労困憊だったのだ。
「…はははっ …そっか… ミルファがいてくれてよかった…
ホント… 行き当たりばったりだな、おれたちって……」
嫌そうな顔をするミルファをよそに、ビィトは2人の間に横たわる。
「…でもよ… 最後は助けられたけど… 途中まではかなりイイ線行ってたよな…!」
「…そうね」 「…ん」
625 :
粗筋王マロン 4/6:2011/07/15(金) 22:26:15.14 ID:Qg0hN9kM
「ポアラ キッス …もしかすると… おれたち・・・・強ぇ・・・・・な・・・」
「…うん! 多分…」
「・・・・・・・ミラクルチーム・・・・・だよ・・・」
3人は満足そうな寝顔を浮かべ、眠りについた。 ――寝る間際、互いの手を強く握りしめたまま。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110715214632.jpg その様子を見たミルファは思わず微笑む。
「……いいな… ミラクルチーム…か…」
だが、キッスの顔を見た途端、微笑みはすぐ険しい表情へと変わる。
一方、観戦者達は――――……
「…ノア殿 あなたまでが来られるとは…」
「…興味があったのだ、私の造った分身体を倒した少年とやらに
あれは尋常な強さではなかった… 元が君の主人だけにな…!
そしてグリニデ程の男を倒した今… あの少年の勝利は偶然ではない事が証明された
奇跡もこれだけの数を積み重ねれば、それはまぎれもない実力…! …驚異の逸材だ…」
モノクルを外したノアはビィトに驚異を覚えだす。
(この… 魔と人 双方の研究を極め尽くし“魔人博士”とまで称された男にこう言わせるとは…!
やはりあの少年…ベルトーゼ様の期待に見合った男だったという事か…)
…ふと、ハザンはシャギーの背中を見ると、その背中は震えている??
「か… 館長…?」
「お〜〜〜〜っといけない! もうこんな時間だ!
すみませんノア様! せっかくお会いできましたのに、何分多忙な身の上でして!
それではご両人!またいずれ!」
慌ただしくその場を立ち去るシャギー。
626 :
粗筋王マロン 5/6:2011/07/15(金) 22:26:56.77 ID:Qg0hN9kM
走りながら独り言を繰り出すシャギー。
「…そうです! そうです、そうです!そうでした!!
ビィトはゼノンの実弟!! しかもその才牙を受け継ぐ事ができた男!!
潜在的に“あの力”を秘めていたとしても不思議はない…!
お知らせしなければ…! この事を一刻も早くっ!! 我らが 創 成 主 にっ…!!』
――――邪悪な笑みをチラつかせ、シャギーは疾風のように走り去った。
―トロワナ国王自室―
兵士が慌ただしく入室してくる。
「…なんだ、騒々しい!」
「あ… あれを!!」
「こ… これはっ… まさかっ…!』
兵士に言われ、空を見上げた国王は驚愕する。
同時刻、城下町では同じく人々も空を見上げていた。
その中には、ビィトをぶっとばしたあのバスターも姿も…。
――――黒の大地に、20年振りに太陽の光が差し込んでいたのだ。
―墓地―
「…あの子… 達だ…!」
「なんでかわからないけど… 俺も今そう思ったよ…」
直感でビィト達のおかげだと悟る兵士。
そして彼らの後ろには、フラウスキーに殺されたアルフォードの墓碑…。
「これで… 黒の地平に倒れたみんなの無念も少しは晴れるかもしれない…!」
「…そうだな!」
627 :
粗筋王マロン 6/6:2011/07/15(金) 22:27:43.80 ID:Qg0hN9kM
…黒の大地に倒れた死者達の墓標も、空を見上げている様に見えた。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110715214646.jpg 同時刻、光が差し込んでいたのはビィト達も見ていた。
「あーあ… もう消えちまう…!」
ミ「主人(グリニデ)を失って野良化したとはいえ、魔物達はこれからも黒煙を吐き続ける…
今の日差しを本当に取り戻す為には、根気よく野良魔物を退治していかないとね
トロワナのみんなで!」
ビ「…魔物が四散したための、一瞬の夜明けだった…って事かぁ」
ポ「いいじゃない! 20年以上も無かった事なのよ!
この一瞬の光だけでも、みんな明日からがんばれるわ きっと…」
ビ「そうだな!! 黒の地平の本当の夜明けはこれからだ!!」
嬉しそうに空を眺める3人に、これまた嬉しそうなミルファの手を叩く音が響く。
「さぁて!! 大金星得た事だしィ! 早速最寄りの鑑定小屋にでも行きましょうか!!」
――――ぎくぅ!!! その一言に激しくビビる3人!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110715214658.jpg 「あら? どうかした?」
キッスは何でもないとごまかすが、脂汗ダラダラで震えている。無理もない。
「きっとLVアップ凄いわよぉ!楽しみじゃなぁい!?」
『い い い いや、いいんだよ、慌てなくてもう!』
『そ… そーなのよ! また今度の機会にゆっくり…ね!』 必死ごまかすビィトとポアラだが…
「………やっぱ… 知ってたんだ、2人とも… このハンサム君がやってたコ・ト!」
――やはり気付かれていた!そ〜っと逃げ出そうとするキッスだが、あえなく手錠を頂戴する。
「…悪いけど、これ あたしの仕事なの…… 逮 捕 よ ハンサム君!!」
ミルファはブロードバスターの職務を全うし、ついに観念するキッスであった…。 <続く>
角は手榴弾のピンみたいだな
核ボタンみたいなもんだろう
圧倒的な破壊力を放出する爆弾兵器への対処法(そのあたりにいる人々も守るには)
×にげる →その場に残った人がまずい
×自分たちに強力な防御フィールド →防御フィールド内に入りきれない人がまずい
○爆発そのものを、同等の破壊力で相殺、おさえこむ(バランの対処法)
○爆発の原理を見抜き、比較的低めのコストで作動をストップさせる(ヒャドで凍らせる対処法)
○どっか人のいなさそうなところに捨てる(ダイの対処法)
今回のミルファはダイパターンだったな
しかしグリニデ、良いキャラだった
キャラへの感心度ならポップやバーンをもしのぐよ
数十年ぶりの夜明けってのもカコイイ
それだけグリニデの影響力が徹底的だったってことだしな
あんなご立派な角が生えてるグリニデは色んな意味でヘヴィだった
グリニデの口ぶりからすると強大な冥力を持つ魔人は大体チンコ角があるのか?
ベルトーゼやノアも。
ベルトーゼは強すぎてチンコ2本もあるだろう
しかも曲がってる
ノアはあの学帽みたいな下にあるんだろう
ムガインとかも角があったな
グリニデ配下の三人組はどうだったかな
>お知らせしなければ…! この事を一刻も早くっ!! 我らが 創 成 主 にっ…!!』
やはりシャギーは格上の存在?に仕えるキャラだったか。
こいつがラスボスなんだろうか?名前からすると世界自体を作った神っぽいんだが。
世界自体を作った神ってよりは、全ての魔人を作った魔人達の創成主ってことでは。
普通なら「創世主」だが
あえて創「成」主なのなw
レベルとかゲームっぽいし、メタ展開になりそうな悪寒
まさかSaGa1なストーリーにはならないだろうなw
三条さんだからその心配はないと思うが…
初期の頃から
何らかのメタ視点というか
この世は試験場みたいな雰囲気はあった。
創世主と創成主どう違うん?
キッスはどうなるかな?
グリニデ討伐に大きく貢献したし、(現実社会でいう)執行猶予くらいはつくだろうが…
>>639 創世主は世界を創った主だけど創成主は何かを創成した主ってだけで世界とは限らないってことだろ
>>641 創世主はいわゆる神、創成主は例えばケンタッキーを生み出したカーネルサンダースみたいなもんか
643 :
粗筋王マロン 1/7:2011/07/17(日) 22:00:00.16 ID:7WrrALvv
<第26話:新大陸をめざせ!!>
冒頭… キッスを逮捕したミルファに、ビィトとポアラは必死で事情を説明し終えた所だった。
幸い、物わかりのがよく、ボロボロのキッスの状態を見たミルファはその事を信じてくれた。
――――だが、それとこれとは別。罪は罪。
「バスター協会の本拠地グランシスタで事情聴取の後、しかるべき処罰を受ける…
それは避けられない事よ!」
塞ぎこむキッスをよそに、なんとビィトはすすんでグランシスタへ行こうと言いだした?!
「ミルファの言う通り、悪い事は悪いんだ…
きちんと協会の人達に話をして、きちんと全員で罰を受ける!
それしかねぇな、ビィト戦士団としては さ!」
これにはポアラも同意だった。
もし死刑と言われたらそれまでだが、重刑でも3人で甘んじて受ければ早く済ませるかもしれない。
「少しでも早くキッスに復帰してもらわなきゃな!」
予想外のビィトとポアラの言葉に目を丸くするキッス。
「2人とも… それでいいわけ?」
「ああ、もちろん 隠し事してたおれ達だって悪かったんだし、
何より暗黒の世紀を終わらすためにはキッスが必要なんだ!」
「うん、必要! なんたってキッスは……」
「「 世 界 一 の 天 撃 使 い に な る 男 なんだから……!!」」
――2人の声がハモってしまい、思わず微笑むビィトとポアラ。
「…いいチームね、ビィト戦士団! いつもあたしの思った通りの答えを返してくれる…!
じゃ、こーゆーのはどうかしら?
あたしが保護観察の立場として、ビィト戦士団に同行してみんなで本国を目指す!
向こうへ着いたらもちろん取り調べの上、処罰を受けるけど…
その際も極力恩赦がもらえるように伝えてあげる 七ッ星の魔人を倒した功績もあるしね」
644 :
粗筋王マロン 2/7:2011/07/17(日) 22:00:41.57 ID:7WrrALvv
「ほ… 本当に…!? 本当にまたビィト達と一緒にいられるの…!?」
「…百万の言い訳を聞くよりも、説得力がある一言っていうのがあると思う
君がどういう人間なのか… ビィト君やポアラの素直な言葉が何よりもハッキリ教えてくれたわ」
ポアラはそうウインクすると、キッスの手錠を外してくれた。
「ちょっと遠回りはしたけれど… 最高の仲間に出会えたじゃない 大事にしなさいよ☆」
――3人の気持ちを受け取り、キッスは何度もありがとうと言いながらうれし泣きした。
「…あらら…」
「…気にしないで 涙もろいの、この人!」
―海岸―
自分の背丈ほどもある岩に手の平を密着し、天撃を炸裂させるポアラ。
キッスの指導の元、バーストエンドがこれでほぼ完璧に使えるようになっていた。
自分でも信じられなかった。あのドタン場でこんな奥義が身につくとは…。
「あのドタン場だからこそ身についたんだよ
バーストエンドは火の天力をギリギリまで圧縮させて爆発させる高等技術なんだ」
――つまりこうだ。グリニデ戦で発動しかけた炎の天撃が、グリニデの冥力で抑え込まれた為、
自然に天力が超圧縮されてコツをつかませたのだ。
「これは君の強力な武器になるよ! 通常天撃が上位天撃並の威力になるんだから!」
キッスのお墨付きをもらい、まじまじと自らの手を見るポアラ。
……と、その時気付いた。天撃の天才のキッスがこの奥義を使った所を見ていないな、そういえば。
「う〜〜〜ん… やればできると思うけど… やろうなんて思った事もないなぁ…
一歩、天力のコントロールを 間 違 っ た ら 自 滅 す る 技 だもんな
それを 躊 躇 な く や れ る 度 胸 がないと…」
……なんちゅー危ない技を教えとんじゃ!事実を知り、冷や汗をかくポアラ。
(…私が“度胸”担当かい…!) ←心の中でツッコミを入れるポアラ
「…それにしても… 起きないね」
645 :
粗筋王マロン 3/7:2011/07/17(日) 22:01:24.64 ID:7WrrALvv
ふと、キッスが目をやると、そこには草むらで眠るビィト。今日はビィトが寝る日だったのだ。
「行く手は見渡す限りの大海原…
黒の地平を超えて大陸の端まで来たのはいいけど、すっかり足止めだ」
「いいんじゃないの? どうせ次の大陸へ行くにはこの海を渡らなきゃならないんだから
ミルファがここで待っててって言うんだから、待ってるしかないわよ
しっかし… ミルファからこの地図もらった時には驚いたわよねぇ…
黒 の 地 平 が こ ん な に 小 さ い な ん て … !! 」
もらった地図を広げるポアラ。黒の地平は全世界の内、ほんの僅かな範囲しかなかったのだ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110717214441.jpg ちなみに当のミルファは近くの町に買い出し中だそうで。
「…あのさ、ポアラ… 彼女の事なんだけど… この頃ちょっと様子が変なんだ…」
「変って… 何が?」
「なんか妙にぼくに色々してくれるって言うか、密着してくるって言うか…」
同時刻、ミルファは買い出しを終え街中を上機嫌で帰る途中だった。
泣くキッスにハンカチを貸した事を思い出す――――…。
<以下回想>
「…あ ありがと… また…女の子に恰好悪い所見られちゃったな…」
涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔をふくキッス。
「嬉しくて泣くのは格好悪くなんかないわよ、むしろ好き系かな☆」
「君に出会えて本当によかったよ、ぼくを救いに来てくれた… 天使なのかもね、君って…」
そう言って少し赤くなりながらミルファと握手するキッスだった。
<回想終了>
646 :
粗筋王マロン 4/7:2011/07/17(日) 22:02:06.67 ID:7WrrALvv
(こ… これって…もしかするとぉ… あの…相手に頼り切った捨てワンちゃんみたいな目…!
そーよ、そーなのよ! 彼ったら、きっと…!
好 き に な っ ち ゃ っ た の よ ぉ !! あ た し の 事 ぉ !! )
きゅぴぃぃん☆
……ちなみにこの時点で住民がをとめちっくなミルファを怪訝に見ているが、気付く由もない。
(無理ないわぁ、こーんなに可愛くてセクシーなBBに…
こうまで温情のこもった裁きをしてもらっちゃったんだものぉ!
…あ… でもマズイわ、彼 一応犯罪者だしィ…
あ でもでもォ ああいう子は放っておけないっていうか…
正しい道を歩めるように、更生させてあげるのがBBの務めよね、うん!!
もしかしたら、運命の出会いはっ… Uが当たりかもぉっ……!!)
「くぅ〜〜〜〜〜っ!!」
誰に向けるでもないVサインをするミルファ。
彼女のヲトメチックなパフォーマンスに、先程よりも多くの住人が見物しているのに未だに気付かなかった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110717214456.jpg …閑話休題。能天気おとめちっくなミルファは置いといて、キッスサイドに戻ろう。
ポアラはキッスに心当たりを聞くが、天然なのかキッスは心当たりが 全 ッ 然 無いと言い切る。
――ふと、ポアラが空に浮かぶ黒い小さな影に気付く。
「何かしら、あれ…!?」
黒い影は奇妙な唸り声の様な音を発しながらこちらに近づいてくる。魔物か!? …いや、違う!
徐々にこちらに近づいてくる黒い影は、次第にその姿をはっきりとさせていく。
あれは―――― プ ロ ペ ラ 式 飛 行 機 だ !!
どうやら作中の世界設定では噂レベルの乗り物らしい。
飛行機は水面に着水し、2人とも初めて見る飛行機に驚き、大興奮!
『ミルファはこれを待ってたのか!!』
647 :
粗筋王マロン 5/7:2011/07/17(日) 22:02:54.73 ID:7WrrALvv
「…おまえら… バスターじゃな!?」
様子を窺っていると、初老のパイロットが降りて問いかけてきた。
「…え、ええ もしかするとあなたが海を渡らせてくれ…」
「…どこじゃ…!?」
キッスの言葉を遮り、ゴーグルを外し問い詰めるパイロット。
『あのBB(ボインボイン)のバスター姉ちゃんはどこにおるんじゃあぁっ!!』
――――(;゚д゚) !? はいぃ!? 思わず脱力する2人!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110717214515.jpg それからしばらく経つ。
「…なるほど
彼女がこっちの大陸への飛行を頼んだ際、
帰りは決めた日に迎えに来てほしいとの要望があり、あなたは渋った…
すると彼女が… 『来てくれたらちょっとだけ タ ッ チ させたげよっかなぁ〜☆』
そう言っていた… と だから約束は守れ、と 要はそういう事ですね、ガントリィさん」
(回想で乳寄せしながら迫るミルファ、目をおっぱいにさせながら興奮するガントリィ)
『そうじゃあぁぁっ!! そ れ だ け が 楽 し み で
この危険極まりない洋上を渡って来たんじゃからなぁぁぁっ!!
代金はもちろんの事… そっちの方もこの場でキッチリ果たしてもらわんと気が済まんッ!!」
鼻息荒くとにかくおっぱいだけが目当てのガントリィ。
(…そんな事で生命かけて来た このスケベじいさんも凄いけど…
でたらめな約束するミルファもミルファよねぇ…)
ひそひそと耳打ちするポアラにキッスも同意する。
キッスは今ミルファがいない事を伝えようとすると、ガントリィはポアラのおっぱいに目を付ける。
648 :
粗筋王マロン 6/7:2011/07/17(日) 22:06:00.61 ID:7WrrALvv
「…フム… あの娘ほどではないが、相当な… こっちでガマンしとくかのォ――――!!」
鼻の下を伸ばしながらスケベ顔で両手をワキワキさせつつポアラに迫るガン爺!
――――当然、ポアラにはったおされ海にふっとばされたのは言うまでもない。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110717214543.jpg 『お おのれ! いいのかお前ら!
言っとくが今日び飛行機乗り自体がほとんどおらんのじゃぞ!!
ましてやこことベカトルテを行き来なんざ、ワシしかできィィんっ!!』
ベカトルテと言えば…… 黒の地平の対面の大陸の最初の国だ。
『そうとも! ええかっ、今やベカトルテはなぁ…!』
――――そこまで言った矢先、突如ガン爺の周りに水柱が上がる! 銃撃だ!!
「…しもうた! 上手くまいてきたつもりが…!!」
一同が空を見上げると、五ッ星の魔人が空・海の魔物の群れを引き連れやってきた!
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110717214559.jpg 「バァカが むやみに撃つなって言っといたろーがぁ 燃料に引火して爆発したらどうすんだっつーの
今時飛行機なんてのは珍品なんだぞ
どうせならオイシく食べないと… コゲてる機械(メシ)は好きじゃねぇんだ…!」
現れたのはサメ型半魚人の様な魔人、“鋼鉄の牙”バレアスだった。(ガン爺情報)
「ベカトルテの近海を暴れ回り、ワシらを苦しめとるクソ魔人の一人じゃ!」
「よォ、ジジイ とうとう年貢の納め時だなァ
安心してくたばりな、その飛行機はこのオレがネジ一つ残さず大事に喰ってやるからよ!」
バレアスの合図と共に、魔物の群れが一斉に襲いかかって来た!
「わかってんな!飛行機は撃つなよォ!! 穴開けていいのは人間だけだ!」
ガン爺は銃を抜くが、ポアラがそれを制し2人揃って前に出る。
そして―――― 戦いの爆音が周囲に響き始めた。
「…オイオイ なるべく撃たねぇで殺せって、あれほど…」
耳をほじりながら口を垂れるバレアスに光の矢が飛ぶ。
光の矢はバレアスの護衛を一撃で倒し、キッスとポアラは次々と魔物の群れを討ち倒してゆく!
649 :
粗筋王マロン 7/7:2011/07/17(日) 22:06:42.55 ID:7WrrALvv
…バレアスが彼らがバスターだと気付いた時には、もう魔物の群れは大半が全滅していた。
「早めに諦めた方が被害が少なくて済むと思うよ…!」 「とっとと海の向こうへ帰んなさい!」
しかし、バレアスはすごすごと帰るようなタイプではなかった。
「…そうかい、ただのガキじゃねぇ… お前ら結構手練だ
せっかくの飛行機だが諦めるしかねぇか…… お前らにくれてやるよ
一緒に焼け死ね…… 景気よくなっ!!」
言うなりバレアスの口が不気味に光り出す!冥撃を放つつもりだ!
キッスはとっさにガン爺をかばう
――――が、どこからともなく石が飛んできて、バレアスの口に飛び込んだ!
そのせいで冥撃が暴発、バレアスの乗っていた魚型魔物を吹き飛ばしてしまう。
「…ようやくお目覚めね…!」
「…なんかスゲェ騒ぎになっちまってるな! …ま、いつもの事だけどな!!」
石を投げたのはビィトだった。起きぬけの大あくびを一つすると、元気よく腕を振り回した。
<続く>
おっぱいキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
マトリフみたいなエロジジイキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
稲田よ、桂のアシなんだからもっとエロス増やせよ!
いちおう乳首絵拝めたけど、あんなちっこいモブみたいなんじゃ興奮できねぇよ…
それにしてもこの世界、科学技術レベルは一体どうなってんだ?
ダイ大世界以上に科学が発展してんな、銃しかり飛行機しかり。
>「これは君の強力な武器になるよ! 通常天撃が上位天撃並の威力になるんだから!」
ポアラ「今のは上位天撃ではない。通常天撃だ。」
こういう展開に期待。
>>650 稲田の真面目画風でエロス求めてもなあ…
パンチラやパンモロ、ポロリなどもダイの頃からあったけど正直イマイチ
ミルファはレオナ成分がかなり入ってるな
科学技術はそこそこ発展してるんじゃね?武装客船とかもあったし、ガンアームドとかもあるし。
ただ、全世界的に普及してるというよりは、工業化に特化してるところあるいは規模の大きい都市限定で作られて
それが徐々に遠隔地にも流通してる感じじゃないかな
それとは別に街ごとにある「門」なんか結界張ってたり意思まで持っててオーバーテクノロジーっぽい
やっぱ魔人なりバスターなりを生みだした神的存在がいるんだろうな
>バーストエンドは火の天力をギリギリまで圧縮させて爆発させる高等技術なんだ
つまり力をためて放つ、って事か。デコピンみたいなもんか
前回、グリニデを倒して天力切れになった3人が寝てる間、ミルファはずっと何もする事なく待ってたのかな。
特にビィトなんて完全にガス欠になったら3日ぐらい寝るんでしょ?
雲の切れ間もビィトが起きるまで待ってたのだろうか。
ビィト達をミルファ一人で運ぶのは無理だろうから、誰か人を呼んできたんじゃね?
(墓参りしてたあの兵士達とか)
雲の切れ間については… まあ、ご都合主義と言う以外言い訳が思いつかないw
黒の地平、結構広いと思ったのに実はあんなに狭かったとは…
改めて世界は広いんだなと思ったわ
悪く言えば、連載引き伸ばしという見方もできるんだが
まあ七つ星なりたての魔人が支配してた領域だからな
グリニデはたしかに悪役史上有数の名キャラだったとはいえ
世界の半分くらいを支配してるような大ボスだと思ってたか?
それに世界がもっと広いってだけで、黒の地平そのものは狭くないだろう
街や地形などとの比較で考えれば。
あの地図が2つ折りじゃなくて4つ折りとか8つ折りなら
引き延ばしとか後づけ付け足しかもしれんけど
2つ折りなら妥当なとこじゃないかな
うーん。なんだろう言葉にするのは難しいけど・・・
世の中にはまだまだ広くて強敵はいるんだろうかというイメージを連想するのは
バランス的にどうなんだろうという感じはある。
ワンピースとかでも戦闘力と賞金首は別物だというように、星ランクと実力は違うとはいえ
実際にグリニデ様は実力者だったし、こんな最強クラスを倒したうえにミルファまで仲間になっちゃったら
今後の敵はどんなインフレしていくんだ、みたいな
しかもこの漫画、まるでキャラ育成のために都合よくそれに合った敵が出て来たりして
必ず何らかの大きな進歩をするからな
ベルトーゼファントム→シールドの鉄球利用
グリニデの毒→シールドの解毒能力
フラウスキー→サイクロンガンナー
ロズゴート→キッスの天撃の天才っぷり解禁
グリニデ→ボルティックアックスはダメだったがポアラの天撃
などなど。たしかに星8がまだ存在してなくて七ツ星が上限だとして、
今の能力・レベルがそこそこ充実してしまったんじゃ、この先の敵はどうするんだという危惧はあるな。
まあ星が多ければ次の星までの開きがとてつもなく大きいらしいから、
星1 lv1〜2 星2 lv3〜4 星3 lv5〜8 星4 lv9〜16 星5 lv17〜32 星6 lv33〜64 星7 lv65〜
仮にこのように分かれてるとして(実際は影響力や戦功によるので単純な強さ比較じゃないけど)
グリニデlv65、ノアlv80、ベルトーゼlv90とかかもしれんね。
それと三条さんは味方キャラよりクセのある敵考える方が好きそうだから
一つのベクトルの大小でインフレにもっていくより
さまざまな強さ・悪さのベクトルで、得意苦手とかをうまく生かしてくると思う。
で、基礎戦力的にはこっちが上なのに相性でぜんぜん歯が立たない
→その敵キャラの弱点属性がちょうど風系斬撃系でスレッド登場とか
敵キャラの弱点をつくために今度はバーニングランスの秘められた力が明らかにとか
そういう進み方するんだろうな。
あと、今はチームワークや心理的な絆を重視してる時期だけど、
それがある程度進むと個人戦を強いられたり、そこで眠りの弱点を
どうごまかすかの問題が出てきたりしそう。
眠りのために主人公長期離脱って展開はあるだろうからね
663 :
粗筋王マロン 1/7:2011/07/19(火) 22:00:00.51 ID:ThaE99br
<第27話:けちらせ!! 海の悪魔>
眠りから目覚めたビィトも初めて見る飛行機に大興奮! …バレアスそっちのけで。
『何やっとんじゃお前! そんな事しとる場合かぁっ!!』
3人が振り向くと、無傷のバレアスがそこにいた。
「…たいしたもんじゃねぇか… このベカトルテ近海最強の魔人…バレアス様に手を出すとは…!
いいだろう、そんなに早く死にてぇなら望みをかなえてやる…!」
バレアスはおもむろにベルトから鉄クズを取りだすと、それをバリバリと貪っていく。
そして力むと―――― 両肩から数本の槍や剣を発生させた!
『オレの全身はまさに武器庫! 自分の望む形の武器をいくらでも造り出す事ができるのだ!!
ズタズタになって後悔しろォォッ!』
バレアスは無数の武器をビィトに一斉に投げる ――――が、全てBランスで叩き落とされた。
「…全身武器庫はいいけどよ… ナマクラばっかりつまってんじゃねぇだろうな…?」
「言ってくれるじゃねぇか…ちょっとばかし才牙が使える程度で…!
…だが! このおれのオーシャンズエンペラーをくらってェ…! 同じセリフが吐けるかぁぁっ!!」
再びバレアスが力むと、今度は魚の骨を模した巨大な武器が現れた!
――――――が。 次のページではいともあっさり折られ、あんぐりするバレアス。
やむなく魚の骨を捨て次の武器を生みだすが…出てきたのは、柄に針金がついた様な変な武器…いや、モノ。
「終わりか? さっきのが切り札だったら、やっぱりナマクラばっかって事になるぜ…!」
…今頃になってビィト達が大物バスターと気付いたバレアスは怖じ気づく。
「てめぇら… どこのバスターだ!?」
「おれ達はビィト戦士団…! “どこ”って聞かれたら…アンクルスって事になんのかな…?」
…しかし、世界中の危険な戦士団の名前を知っているバレアスだが、その名前は知らなかった。
(それにアンクルスったらド田舎じゃねぇか…! …んなバカな話が…!)
――そう考えていると、雑魚を片づけたキッス達も加わり、バレアスは引きつった笑みを浮かべる。
「わ… わかったよ… てめぇら大した奴らだ ビィト戦士団…忘れねぇぜ、その名前…!」
「…見逃してもらえるような言い方だな」
664 :
粗筋王マロン 2/7:2011/07/19(火) 22:00:47.22 ID:ThaE99br
「そ… そう冷てぇ事言うなよ、ちょっとうまそうな飛行機見つけて我を忘れちまっただけなんだからさ
お前ら人間だって飯食うだろ? な!?」
「私達の食事とは意味が違うでしょ?
あんたが連れてるナイトスナイパーは武器や弾丸を作る為に鉄を喰う魔物だって聞いてるわよ」
「お前らそんなにいっぱい武器や弾丸を作って、何に使ってるんだ…?」
「…そりゃあ、おめぇ… ベカトルテの人間どもにズドンと… ヘヘヘ」
――口は災いの元。慌てて口をふさぐがもう遅い! 「だと思ったぜ…!」
怒ったビィト達が攻撃しようとするが、上空の魔物が銃でそれを阻止し、バレアスを連れ去ろうとする。
「い… いいぞお前ら! このまま撤退だ!撤退しろ!!
覚えてやがれガキ共! 今日のウサは近海の人間共の血ではらしてやる!! 100や200じゃすまさねぇ!
全部てめぇらの責任だからなぁっ!!』
空中でバカ笑いをし捨て台詞を吐くバレアスに、ビィトは次の才牙を生成する。
「…てめぇら魔人はいつもそうだぜ!
自分の欲の事ばかりで苦しめられてる人間の気持ちなんて、これっぽっちも考えやしねぇ…!
ちったぁみんなの……! 痛 み を 知 れ え ぇ ぇ ぇ っ !!!! 』
ボルティックアックスを振りかぶり、その衝撃波で空中のバレアス達を雑魚もろとも両断した!!
…が、さすがにまだビィトにはVアックスは重かった。おっとと!
「大体狙った所には行くようになったな、こいつも…」
ビィトの勝利に駆け寄るポアラとキッス。
「相手が五ッ星だった割には楽に勝てたよね」
「私達が強くなってるって事なんじゃない? グリニデとの戦いを経て…!」
「かもな! ははっ」
――するとその側ではガン爺も高らかに笑いキッスとポアラの背中をバシバシ叩く。
「やってくれたのぉ、お前ら! あのクソ魔人をブチのめしちまうなんて!
…特に兄ちゃん! あんたにゃシビれたぞい!」
そう力説してビシッとビィトを指差す。
665 :
粗筋王マロン 3/7:2011/07/19(火) 22:01:35.31 ID:ThaE99br
「…あんたの言ってくれた通りじゃ…
連中に苦しめられ続けてきたベカトルテの人間がどんな気持ちでおったか…!
数十年ぶりじゃあっ! こんなにも心の底からスカッとしたのは!!! がはははは!!』
それからしばしの時が流れる。
「…海の向こうは地獄じゃ…あんな海賊気取りのクソ魔人がウヨウヨおる!
…あっちに着いてもこの調子で頼むぞい!」
…と言う事は飛行機に乗せてくれるという事か? ポアラのおっぱいで!?
「わ… 私は絶対タッチなんかさせないわよ!」 胸を隠して拒否するポアラ。ま、当然だわな。
「心配いらんわ、ワシャあな、確かにボインには目がないがの… それ以上に熱い男にゃ弱いんじゃ!
お前らまとめてベカトルテに連れて行ってやるわい!」
サムズアップと握り拳で応えるガン爺に、笑って礼を言うビィトだった。
「あ――――っ! 飛行機もう来てたんだ!」
向こうからミルファの声が聞こえ、振り向くガン爺。
「…何これ?またなんかあったの…? ハァイ、おじいちゃん! 元気ィ?」
「お…おおおお… ボ… ボインちゃ〜〜〜ん!! 待っとったんじゃあ〜〜〜〜っ!!」
この上ない笑顔でミルファに駆け寄るガン爺!
「いや〜… あんたの仲間は実にイイ奴らじゃ、気に入ったぞい!
もちろんあんたも約束を破るなんて事はせんよなぁ〜!? 忘れた訳ではあるまい! ホレホレ」
鼻息荒く、鼻を伸ばして手をワキワキさせるガン爺にしらばっくれるミルファ。
(やっぱり暑い男よりそっちなんだ…)
ある意味似た者であるキッスが心の中でツッコミを入れる。…さて、この後どうなるのやら。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110719212020.jpg …やがて4人を乗せた飛行機は海風を浴びて離陸する。
ちなみにミルファボインタッチの件はどうなったのかというと…
666 :
粗筋王マロン 4/7:2011/07/19(火) 22:02:16.76 ID:ThaE99br
『ホントじゃな!? 今度こそホントなんじゃなっ!?』
向こうに着いたらという追加条件発生。 …爺さん、絶対ミルファに騙されてますぜ…。
張りきったガン爺は全速力で飛ばそうとハイテンション。
…なお、座席は定員オーバーなので男2人は飛行機の 足 部分につかまっていたのだった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110719212039.jpg ビィトは普通の席よりもこっちの方がいいようだが、キッスは必死にしがみついている。
『 い や っ ほ ぉ ―――――― っ !! 』
―ベルトーゼ居城―
玉座に座るベルトーゼの前に人影―――― 魔人博士ノアが現れる。
「…よォ」
「…やあ また力を増したようだな… 薄気味悪い程に…
それほど強大な肉体が何のために要る? 神とでもケンカするつもりか…?」
「神とやらが本当にいて、オレの血が湧く相手ならば、な…」
「底知れんね、君の闘争心は… 魔人の中でも群を抜いている」
「おれは普通だ 魔人一の変わり者はお前だよ、ノア
他には聞いた事が無い…… “ 闘 い を 好 ま ぬ 魔 人 ”などという奴は…!
魔人は全て個性が違うが、共通点が一つある それが“戦う為に生れて来た”という事のハズ…
全く… よくも七つも星を手に入れたものよな…」
「好きで手に入れた訳ではない、ふりかかる火の粉を払っていたらこうなっていた…
どうやら私はカモに見えるらしいな、人間にも 魔人にも…」
「…お前の恐ろしさが見抜けん奴が阿呆なんだよ」
「……ベルトーゼ… 君はなんとも思わないのか? このまま八輝星になってどうなるというのだ
“八輝星は魔人の支配者”……分かっているのはそれだけだ
その先に何が待っているのかはわからんのだぞ」
「“未知”を恐怖ととらえるのは お前が頭がよすぎるからだ ……“未知”こそ最高の刺激だ……」
667 :
粗筋王マロン 5/7:2011/07/19(火) 22:03:05.87 ID:ThaE99br
「…驚くほど話が合わんな…
どうして自分が君の様な男を友としているのか、今更ながら理解に苦しむ…」
するとベルトーゼは高らかに笑いだした。
「ノアよ、オレ達は対極だからこそ惹かれあうのだ 互いに欠落したものを求めあっているのさ」
その話を聞いたノアは、怒ったのか踵を返す。
「…まあ、そう怒るな 友としてお前に一つ頼みがある」
「退屈しのぎの分身体なら、今度は魔賓館にでも造らせろ…」
ベルトーゼはおもむろに親書を取りだした。
「…その様子だと… まだ知らんな… シャギーからの親書だ、七ッ星全員に送られたらしい…」
「なに…?」
「…また何か面白い事を思いついたらしいぞ あの兎めが…!」
―上空―
ポアラはミルファにベカトルテがどんな所か聞いていた。
ベカトルテは現代のように飛行機・船・車など、あらゆる乗り物を建造“していた”国だそうだ。
「……“していた”…?」
ガン爺曰く、今は鉄を喰い、油を飲む魔人に荒らされて見るかげも無いそうだ。
「おかげで人間の移動手段も減っちゃって… 今じゃ飛べる飛行機もほとんど無くなってしまったのよ」
「……もうできやせんのかもなぁ… 昔みたいな活気を取り戻す事など…」
「…んな事ねぇよ、じいさん! じいさんみたいにしぶとく頑張ってる人もいるじゃねぇか!
魔人さえ倒せばまたいい日も来るって…!
…よぉし、決めた! グランシスタに行く前に、いっちょそっちを片づけようぜ!
ベカトルテ近海魔人の大掃除だ!」
「ハハハッ! こりゃまた大きく出たな、兄ちゃん! その手の大ボラは嫌いじゃないがのぉ!」
豪快に笑うガン爺だったが…… ビィトの場合、もちろん本気だった。
668 :
粗筋王マロン 6/7:2011/07/19(火) 22:03:51.57 ID:ThaE99br
――――と、のんびり雑談している最中、突如ガン爺が焦りだした!
海面を見下ろすと…… 甲羅に“砲台”つけた巨大な亀が浮かび上がっている?!
『軍艦トータスじゃ! あいつらのせいでどれだけの飛行機や船が沈められた事か…!!』
軍艦トータス達は一声吠えると、こちら目がけて砲撃してくる!
危険なのでコース変更、迂回しようとすると突如ビィトが飛び降りる。
ポ「もうやる気なんだ、近海の大掃除…」
『さっそく始めるぜッ!!』 Bランスを構え、急降下するビィト!
―同時刻、魔賓館―
「タロトス管理官… 今日は館長が珍しくずっとこちらにいらっしゃるみたいですけど…?」
バニーガール似の魔物がタロトスに話すと、タロトスは無言で床を指差す。
「…え!? ま…まさか…!」
「…そう! あのお方に謁見されているところだよ
いいかね… 息をひそめる森の小動物のように、今日が過ぎるまでは静かに暮らしたまえ
あのお方は全てが見え、全てが聴こえ、全てを感じ取れる…!
まさに… 全 能 の 神 なのだから…!」
―魔賓館・階下―
「…と、言う訳でございます
既に全世界の七ッ星に親書を送り、今回の件を伝達いたしました
…左様でございます 必ずやあなた様のお望み通りに 事が運びますでしょう
我らが神……! 偉大なる創成主…! 暗 黒 な る 瞳(ダークネス・アイズ)よ!! 」
魔賓館の地下深くに隠された、目のようないくつもの物体を敬うシャギーであった。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110719212052.jpg 暗黒なる瞳は喋らず、空気のうねりのような轟音で答える…。
「はい、楽しみでございます!
はたして全ての魔人を押しのけ、最初に八輝星に達するのは誰なのか!?」
669 :
粗筋王マロン 7/7:2011/07/19(火) 22:04:33.61 ID:ThaE99br
「暗黒なる瞳よ」…呼び捨てかよw
それはさておき、ビィトとその兄がいなければ、八輝星にさせなかったみたいだな。
目的が気になる…
ガロニュートってダイ大のブロック+マキシマムって感じだな
定員オーバーでそもそも飛行機飛べるのか?羽根の所にいたら揚力の損失も大きそうだし。
魔法もある世界だから、ある程度は魔力による補助もあるから大丈夫だと脳内保管
目玉は異次元からの侵略者とかそんな感じかね
>異次元からの侵略者
ウイングマンとウルトラマンA思い出した
バスター側にもなんか目玉的な存在あるのかな
>>103 > 『ヴァンデル』!! …それはこの世界での魔人の総称である
> それまで闇に隠れし者達であった彼らが、ある日突如地上に現れ
>>331 >(な… 七ッ星!! ついにグリニデ様も地上の魔人の最高位になられたっ…!!)
>>565 > オレ達魔人がこの地上に現れた時、その表面を埋め尽くしていたゴミクズ!それが人間じゃあねぇかッ!!
> 『この地上から一番沢山のゴミを取り除いた者を
ヴァンデルより前に「地上」と人間があったということをヴァンデル側でもそう認識してるわけだな。
やたら地上にこだわるあたり、さらにはダークネスアイズの居場所が”地上”ではなく地下なあたり、
地上以外のどっかにヴァンデルの故郷なり製造場なりがあったんだろうね。
普通に考えれば地底だけど、三条さんなら地上以外という言葉の可能性をどこまでも広げて
海上や海中、天空、異世界なども可能性ありそうだ
>>249 >オレに… 膝をつかせる人間がまだこの地上にいたとはな…!」
これも普通なら「地上にいた」=在世、死んでない ととらえるべきところだが
「地上」に特別な意味を持たせてる漫画だから、地上以外のところには居ると読む方が正しいんだろうな
ブルーザムとか、地上じゃない世界を経験してあんなマスク姿になったのかもしれんね
678 :
粗筋王マロン 1/9:2011/07/21(木) 22:00:00.15 ID:9xmyVIs/
<第28話:嵐を呼ぶベカトルテ!!>
ベカトルテ――――――
その黄金期には世界最大の工業都市として名を轟かせた国である
だが、魔人の度重なる襲撃によってその工業群は壊滅寸前だった
長きに渡って燃え続けてきた炉の炎も、今や門の中にのみ残されていた…!
街中では鉄騎貝の群れとバスターが交戦中だった。
『アークさぁん! あれ誰なんスかね!? あっちで戦ってる2人…!』
アークと呼ばれたリーダーが仲間の視線の先を見ると、魔物と戦うビィトとキッスの姿を見る。
「…わからん! この付近では見ない顔だが… なかなかいい度胸だ!」
やがて魔人の身体が塀に吹き飛ばされる。
「き…貴様ら…! このベカトルテ近海最強の魔人、“鋼鉄の角”エルダー様に…よくも…!」
「…おいおい、前にもおんなじようなセリフを聞いたぜ…!
何人いるんだよ、“最強の魔人”がさ!!」
ツッコミを入れたのはもちろんビィト(盾の鉄球装備)だった。
雑魚をキッスに任せ、ビィトとアークは見事エルダーを倒した。 この辺あらすじ書くの楽だ。
無事魔物を撃退し、アークの仲間はキッスをよくやったと褒めてくれた。
「ビィト… ビィト戦士団か、協力ありがとう!」
「いやぁ、海から上がってきたらたまたま戦ってたからさ!」
互いに才牙をしまい、自己紹介するビィト戦士団をアーク戦士団。
アークの仲間は紅一点のショートヘアの女性・シグサにクッキングパパ似のレンドと言った。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110721211222.jpg
679 :
粗筋王マロン 2/9:2011/07/21(木) 22:00:46.08 ID:9xmyVIs/
街中を進みながら話を聞いていると、アーク達はミルファの顔見知りだそうだ。
「彼女と…もう一人の仲間はどこに?」
そういえばミルファとポアラ、女2人の姿がさっきから見当たらない。
「…それがさ、ちょっとはぐれちゃって…」
「“はぐれた”って言わないよああいうの! 勝手に飛行機から飛び降りたのは誰なのさ…!」
そのやり取りを聞いたシグサは行き当たりばったりチームみたいだ、とアークに耳打ちする。
そう言う訳でビィトはアークに近海魔人の大掃除を手伝わせてもらえないかと尋ねる。
「…それならまずこの国の領主、メルマーデさんに紹介しよう
ミルファも上陸したら必ずここを訪れる筈だし、それまで我々と同じ施設が使える様に頼んでみるよ」
「その人がこの国の王様なんですか?」
「っていうか、国一番の資産家です」
「行政も崩壊しちまったんでね、
工場地帯を支配していた一族がそのまま領主を兼ねる様になったってぇ訳よ」
「今では稼働している工場は門の中だけになってしまっているけどね…」
「……確かに… どこもかしこもボロボロだもんなぁ…」
周囲を見渡すビィト。ベカトルテは予想以上に荒廃していた。
機械的な目をした門を開けると、そこは雪国… ではなく、ちゃんとした町並みがあった。
「…ほら、あれがメルマーデさんの屋敷だ」
現れたメルマーデは、眼鏡をかけた知的な女性だった。
「…いいでしょう、戦力は多いに越した事は無いですから 当国での滞在を許可します」
キッスは女性だったとは予想できず、ビィトはきつそうなオバサンだと小声で話す。
…そのやり取りを耳にしたシグサとレンドはシーッ!と口封じ。禁句のようだ。
ttp://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110721211240.jpg 「…でも大丈夫? アーク戦士団は総勢10人! LV40のアークを中心とした強者揃いよ
まだLVが20代の君達では足手まといになりはしない?」
680 :
粗筋王マロン 3/9:
「心配ご無用です 聞けばあのバレアスや黒の地平のグリニデをも倒しているらしいですから
LV以上の実力は持っていると見ますよ」
「そうそう! そういえば彼ら、あの有名なゼノン戦士団の意志を受け継ぐチームなんですって!
すっごいですよねっ!」
胸躍らせながら言うシグサだったが、不意にメルマーデは「ゼノン戦士団」という言葉に反応した。
――と、その直後横の扉が開き風と共に葉っぱが数枚入り込んでくる。
庭では男性が絵を描いているようだった。
「…天気が荒れそうよ、そろそろ部屋に戻った方がいいわ」
「…ああ、失敬 お客人…でしたか…
でも少しだけ時間を下さい、花々が最も美しく咲くのは、本の一瞬だけにすぎませんから…
今… 描いておきたいんですよ…」
――聞き覚えのある声と後ろ姿にビィトの顔色が変わり、思わずその場を駆け出す。
思い切り扉を開き、男性のすぐ後ろに立ち止まる。ビィトの気配に気づきふりむく男性。
その顔は―――― かつてのゼノン戦士団の一人、クルスそっくりだった!!
(やっぱ生きて…生きてたんだ!! こんな所で会えるなんて…! 夢でも見てんのか、おれ…!)
「ク…」 嬉しさのあまり涙目になり、クルスの名を呼ぼうとする ―――……が。
「やあ…! はじめまして!! 新しく入ったバスター君…ですね?」
……笑顔ではじめましてと挨拶され面食らうビィト。
「な… 何言ってんだよ…! ひ…久々だからって… おれの事からかってんのか?」
乾いた笑いを浮かべるビィトだったが……からかっている訳ではなかった。
「…すみません、ボクは… 覚えてないんですよ この屋敷に来る以前の事を… 全部ね」
――――申し訳なさそうに記憶喪失だという事を打ち明け、ビィトは激しいショックを受ける。
も、もしかするとあの時のベルトーゼとのダメージでこんな状態に…!?
「う… 嘘だろ……」
「君は本当に… ボクの過去を…?」