「泉こなたを自殺させる方法」を考える34

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1マロン名無しさん
まだまだ行くよ、何処までも行くよ
新時代の自殺バイブル

■前スレ
「泉こなたを自殺させる方法」を考える33
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1256653412/

■保管庫等
こなた自殺Wiki
http://www34.atwiki.jp/konataowata/

つかさビッチWiki
http://www10.atwiki.jp/tsukasa-bocchi-owata/

VIPのらきすたSSまとめ
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/

らきすた呼称リスト
http://www.syu-ta.com/luckystar/luckystar-namecalled.shtm
2マロン名無しさん:2010/05/05(水) 04:13:55 ID:???
頻繁に落ちるのでここでまったりやろうぜ
ぼっちスレもこの板だしな
3マロン名無しさん:2010/05/05(水) 04:36:10 ID:???
       / /   /  /|    |ヘ ゙l     l ヘ  \
      /  /   / ./ , |   !、゙、 l       l.  l    ヽ
     /  ./    l._,./‐'" |   |. `ー゙、_l      .l   !   ヽ
      /   ,ィ    l"/     !   !   ヾ!、.    l   l
     / /.l    | /  __,  l  l. 、__ ヾ ゙、    |   l
    /'"   |   |. ''r=f斥〒  l | 羊芋ミi=ャ、   ト、 .l
        |   l| ハ. |ヘ:::;|  ヾ {  |;:::::Ν |!∧   |_ヘ |
       |   .l l .| |!`' |   ヾ! | `'゙,/  !l ヘ  ! ゙!ヘ|
          |  l !、| | ''"´  ,     `ヾ  .ll  ヘ. |ノ Ν
        |  l .|  l、     ,-、       !|  Ν
.        | | |  丶、.  '⌒ヽ     ,. イ'   |
        | |  |  i l ``  ーr‐ ="|  .l    |!
           |l   |  | |!   _,..ノ   ,ゝ、/   /|
                |   !.ハ. /(.`ー--‐'゙//   / .|
            |  リ/     ̄ ̄   /   /`ヾ
              | /            /   /   ゙、
4マロン名無しさん:2010/05/05(水) 04:48:40 ID:???
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5マロン名無しさん:2010/05/05(水) 08:03:55 ID:???

まったり
6マロン名無しさん:2010/05/06(木) 04:04:37 ID:???
なぜか書けないのでこのスレのこと避難所に書き込んで
「泉こなたを自殺させる方法」避難所
http://www.milkcafe.net/test/read.cgi/campus/1205821672/
7マロン名無しさん:2010/05/06(木) 06:43:13 ID:???
俺も無理っぽ
アクセス拒絶っつーよりは、書き込みボタン押しても反映されてないって感じ。
8マロン名無しさん:2010/05/06(木) 10:16:49 ID:???
>>6
書いたよ
9マロン名無しさん:2010/05/06(木) 14:22:35 ID:???
おお、乙
106:2010/05/06(木) 19:10:12 ID:???
>>8
サンクス
俺も>>7と同じ
PCでセキュリティー設定してたらアカンの?
11マロン名無しさん:2010/05/07(金) 07:17:48 ID:???
ラノベ君は鋭意執筆中か?
12マロン名無しさん:2010/05/13(木) 00:16:53 ID:???
 こちらの板に移っていたのですね。
スレ立てお疲れ様でございます。
13マロン名無しさん:2010/05/13(木) 17:42:11 ID:???
ここで書かれたのはみWikiにアップしてるの?
14マロン名無しさん:2010/05/16(日) 21:07:22 ID:???
「やる夫は幸せになりたかったようです」
ttp://xn--hbko4132a.jp/archives/1151962.html
↑やる夫短編集にあったシリーズSS

主キャラはやる夫だがこなた達も登場し、ここのスレタイにも則していて
他のSSに引けを取らない内容だったのでリンクを張ってみた
15マロン名無しさん:2010/05/18(火) 23:22:08 ID:???
しめry
16マロン名無しさん:2010/05/20(木) 12:35:41 ID:???
 あくまで予定ですが近々、1作投じるかもしれません。
その時は宜しくお願いします。
17マロン名無しさん:2010/05/20(木) 13:04:35 ID:???
期待して待ってる
18マロン名無しさん:2010/05/20(木) 17:49:50 ID:bbRTZQJR
みんな一番好きな作品て何?
俺はうつ☆すた
19マロン名無しさん:2010/05/22(土) 12:06:21 ID:???
 どなたも予定がなければ今夜10時ごろに投下いたします。
20マロン名無しさん:2010/05/22(土) 15:36:08 ID:dzVIbJb5
期待
21マロン名無しさん:2010/05/22(土) 22:25:49 ID:???
 皆さん、こんばんは。
ただいまより投下します。
22恐怖!! 皆殺し学園1:2010/05/22(土) 22:28:50 ID:???
 空を見上げると清々しい青。
まばらにたなびく白い雲と、囀りながら飛び交う野鳥。
日が日ならお弁当でも持ってピクニックに行きたくなる気候だ。
「………………」
が、この快晴の下、こなたの顔色は優れなかった。
(学校、行きたくないな…………)
健全な学生なら持たない思考だ。
オタクグッズに囲まれた部屋で、彼女はそっと服をまくった。
青とも黒ともつかない痣が臍部の辺りに広がっている。
これをやった側はいじめ方についてきちんと心得ているらしい。
外から見て目立つ顔や手足などの体の端部には傷ひとつつけていない。
「痛……ッ!」
軽く撫でただけなのに、傷痕は容赦なく痛みを伝えてくる。
青く澄んだ空を見上げ、こなたはため息をつく。
そろそろ家を出なければならない。
歪(いびつ)な形の鞄を手に、トボトボと部屋を出る。
「お、もう行くのか?」
居間を通り過ぎようとしたところ、コーヒーを飲んでいたそうじろうが愛娘に気付く。
「う、うん」
無視するわけにもいかず、こなたは妙な作り笑顔でこれに答えた。
「もう3年生だからな、こなた。あんまり言いたくないけど頑張ってくれよ?」
「分かってるよ。ちゃんと勉強してるから」
「それなら安心だ。気をつけて行くんだぞ」
「うん。行ってきます」
そうじろうとの話が長引かないように、こなたは足早に玄関に向かう。
3年生に進級したあたりから、そうじろうは途端に親らしくなった。
といっても娘にとっては有り難くない変化で、彼は顔を合わせれば受験に絡んだ話をする。
彼の職業は作家で印税による暮らしをしているが、決して売れている方ではない。
さらに居候同然のゆたかに係る費用も増え、今度はこなたが高校を卒業する段階だ。
こなたの進路は一応は進学で決まっているが、泉家には私立大学に入れてやるだけの余裕は全くない。
正直、国公立でも厳しい。
23恐怖!! 皆殺し学園2:2010/05/22(土) 22:30:28 ID:???
家計も預かるそうじろうはお金に関しては殊の外シビアで、最近は趣味に使う金額も大幅に減らしている。
父のそんな姿を見てこなたも最近は自重気味になってきたが、彼女が幼少から培ってきたオタクの気質は抜けきらず、
バイト代では足りないくらいの買い物をすることも多々あった。
オタクも衝動買いも止められないのは、これが彼女にとって唯一のストレス発散方法だからだ。


 満員電車を降り、混雑するホームを抜けたこなたは通学路を数分歩いたところで、嫌な顔に出会わした。
「おはよう、こなちゃん」
「おっす。今日は遅かったわね」
柊姉妹だ。
片方はツリ目、片方はタレ目だがこなたにとってはどちらもが悪魔の形相にも等しい。
「お……おはよ…………」
こなたがふいっと余所を向いて呟く。
「えっ? なんて言ったの? よく聞こえなかったよ」
「あんたさあ、清々しい朝に友だちに会ったんじゃないの。もっと気持ちよく挨拶したらどうなのよ?」
2人に言われてこなたは一瞬だけ唇を噛んだ後、パッと顔をあげて、
「おはよう」
先ほどよりも大きな声でハッキリと言った。
「”おはようございます”でしょ、こなちゃん?」
つかさがニッコリと笑った。
しかし目だけは笑っておらず、彼女には似つかわしくない刺すような視線をこなたに向けている。
「……おはようございます」
つかさの指示に従い、こなたは丁寧な言葉に加えて深々と頭を下げた。
その様をツインテールをいじりながら、
「やればできるじゃない」
皮肉たっぷりにかがみが誉めた。
この時のかがみも口調こそ喜んでいるものの、実際は短矮なこなたを見下すようにして嘲っている。
横を通り過ぎる生徒たちがクスクスと忍び笑いを浮かべた。
同い年に卑屈なまでに低姿勢なこなたの小ささが、見る者の笑いを誘うようだ。
24恐怖!! 皆殺し学園3:2010/05/22(土) 22:32:40 ID:???
「いつまで頭下げてんのよ。鈍いわね、さっさと顔上げなさいよ」
言いながらかがみはこなたのアホ毛を引っ張り上げた。
「い、痛っ! や、やめてよ…………!」
思いの外大きな声をあげてしまったこなたは、尻すぼみに訴える。
あまり目立つ行動をとってはかがみの怒りを買ってしまう。
刷り込まれた柊かがみへの恐怖心が、彼女をさらに卑屈にさらに矮さくしてしまうのである。
「あはは、こなちゃん鈍〜い」
その横でつかさが無邪気に笑った。
こなたにとっては屈辱だが、つかさが笑っている間はこれ以上の酷い目には遭わないハズなのだ。
「………………」
とにかくここは低姿勢でやり過ごすしかない。
「ほら、遅刻しちゃうじゃない。さっさと学校行くわよ」
掴んでいたアホ毛を離したかがみは、ポケットからハンカチを取り出して丁寧に手を拭いた。
解放されたこなたは嵐が過ぎたことに安堵したが、
「あ、そだ。こなちゃん、いつもみたいにお願いね」
つかさが言い終わると同時に鞄を投げてよこす。
それを慌てて受け取るこなた。
もちろん手を滑らせて落とそうものなら、柊姉妹からの叱責は必至だ。
「じゃあ私のも頼むわ」
3人分の鞄を持ち、朝も早くから息を切らせながら通学路を行く。
その前を手ぶら状態のかがみとつかさが談笑しながら歩いている。
通り過ぎる生徒たちは時おりこなたを横目で見ながらうすら笑いを浮かべている。
(もう……もう嫌だよ……)
こなたは泣くまいと必死に堪えた。
いつからこうなったのかは分からない。
気がつくと彼女に対する扱いはこうなっていた。
かがみも、つかさも、みゆきも。
こなたがいない所で何らかの打ち合わせがあったのかもしれない。
登下校時には荷物を持たされ、休み時間には私物を隠され、時にはお金を巻き上げられることもあった。
体操服を水浸しにされたこともあれば、丸一日体育倉庫に押し込められたこともある。
25恐怖!! 皆殺し学園4:2010/05/22(土) 22:34:30 ID:???
逆らったり機嫌を損ねたりすれば、容赦なく暴力を振るわれる。
(堪えられないよ…………)
何事もなく済む日はまずない。
「おーっす、柊〜〜」
「おはよう、柊ちゃん、妹ちゃん」
沈んでいたこなたの耳に、またしても聞きたくない声が届いてしまう。
「おはよう。相変わらず元気ね、日下部は」
「当然。私はいつだって元気だぜ……お、やってんな」
みさおは軽く挨拶した後、ニヤニヤと厭な笑いを浮かべながらこなたを見た。
「チビは今日も筋トレか? だったらウチらも手伝ってやるぜ。なあ、あやの?」
「そうね。そうしてあげましょ。私たちって本当に親切よね」
さらに2人分の鞄がこなたにのしかかる。
幸い、置き勉組のみさおの鞄は中身が少ないのか軽かった。
「………………」
小さな体躯にこの重量はつらい。
コミケでの衝動買いの荷物ならまだしも、苦痛まみれの鞄持ちでは負担の感じ方が全く異なる。
もはや何を言う気力もなく、ただ流れに任せてこなたは通学路をゆっくりと歩く。
「なんだよ、せっかく手伝ってやってんのに、お礼もなしかよ?」
気付いたようにみさおが口を尖らせた。
そこに待ってましたとばかりにあやのも、
「失礼よね。オタクっていうと世間知らずで常識外れってイメージがあるけど、してもらった事にお礼も言えないのね」
困ったように口元に手をあてて言った。
「そういう奴なのよ、こいつは。だってバカだもん」
かがみが嘲笑した。
この流れはまずい。
執拗な指摘がくる前にこなたは先手を打ち、
「鞄を持たせてくれてありがとうございます……」
腹に力を入れてそう言った。
勢いに乗じて責めようとしていた4人はチャンスを逃して互いに顔を見合わせた。
26恐怖!! 皆殺し学園5:2010/05/22(土) 22:36:58 ID:???
「こ、こなちゃんもやればできるんだね」
「そうね。ちょっとは学習してるんじゃない?」
「でもさ、言うにしてもちょっと遅いよな」
「鈍そうだから仕方ないわね」
取り繕うように言い合う4人。
いじめっ子たちが無理やり庇い合う様が、こなたには滑稽だった。
いつも自分を虐げる連中にほんの少し、仕返しができた気分だった。
が、そう思っている事は間違っても悟られてはならない。
もし悟られたら…………。
こなたは長髪で顔を隠すようにずっと下を向いて歩いた。



「ほな出席とるで。あ〜でもメンドくさいから欠席の奴だけ返事せえ」
陳腐なネタでホームルームを始めるななこ。
生徒たちはそれが面白かったのか、遠近(おちこち)から噛み殺した笑いが漏れる。
笑っていないのはこなただけだ。
「えーっと……」
取り立てて生徒に伝えるような内容はない。
改修のために会議室がしばらく使えなくなるとか、保護者会の日程が決まったとかその程度だ。
「まあ、そんな感じやな」
日々アバウトに生きることを信条にしているのか、ななこの口調はいつも気怠い。
そういう雰囲気が伝播してB組の生徒もいまひとつ溌溂さが感じられない。
「あ、そや、忘れるとこやったわ」
出席簿を片手に教室を出ようとしたところで、ななこはピタリと立ち止まる。
「最近、忘れ物が多い奴がおるらしいな。教科担当から注意するように言われとんやけど、誰や?」
その言葉にクラス中の視線がただ一点に注がれる。
39人の目を向けられた少女は縮こまった。
27恐怖!! 皆殺し学園6:2010/05/22(土) 22:39:14 ID:???
「ん? 泉、やっぱりお前かいな」
「…………」
「自分なあ、もう3年生やで? そんなガキみたいな事でどないすんねん」
ななこは売れない漫才師のツッコミよろしく妙な強弱をつけた。
その滑稽さがまたクラスの笑いを誘う。
みゆきでさえ笑い声を抑えられない様子だ。
「それに自分、ロクに宿題もやらんやんか。ちょっとは学生としての自覚持ったらどうや?」
再び哄笑。
「まあ無理やわな。どっぷりオタク生活に浸っとったんや。今さら真っ当な生活できるとは思えんし」
生徒が言うのと、その生徒たちを取り締まる担任が言うのとでは重みは全く違う。
こういう話をするなら放課後など、1対1の場で諭すべきだ。
結局は黒井ななこもこなたいじめに加担する側のひとりでしかない。
少女の自尊心を粉々に打ち砕き、せせら笑い、容赦なく嬲る。
担任がそうであるから、B組の生徒たちもこなたいじめの許可を得たような気分になり、更に勢いづいてくる。
「ほんっと泉は何やっても駄目だよなー」
白石が通る声で言う。
「しょうがないよ、オタクだもん」
「っていうかさ、こいつがクラスの平均点下げてんじゃね?」
「あ〜そうかも」
「イメージ悪いよな」
「人間の風上にも置けない方ですね」
最後のはみゆきだ。
「とにかくや、ええ加減大事な時期に来とんやから、自分らも泉に毒されんようにちゃんと勉強せえよ」
吐き捨てるように言ってからななこは教室を出て行った。
瞬間、異様なムードが漂ってくる。
こなたはそれに気付かない振りをして教科書類を取り出した。
テキストもノートも寸々(ずたずた)に切り刻まれている。
かろうじて厚みのある表紙の部分は残っているが、開いてみると中の文字はほとんど読めない。
体裁の悪い寄せ書きのようにマジックで罵詈讒謗が殴り書きされている。
ページの端にはカッターの刃を仕込んだ跡もあった。
28恐怖!! 皆殺し学園7:2010/05/22(土) 22:40:44 ID:???
それを眺めながらこなたは惨めな自分につい涙してしまう。
「あーー!!」
突然、つかさが叫んだ。
「こなちゃんが泣いてるーーっ!!」
わざとクラスの注目を集めるように、つかさはこなたを指さした。
教室中がざわめく。
「あ、マジだこいつ。泣いてるぜ」
「ダッセー!!」
「先生に注意されて泣くってどんだけ〜」
「ガキみたいな事してんじゃねーよ……ってガキかこいつ」
「そうそう、見た目通りにさ」
男女何名かが席を立ってこなたを取り囲む。
俯き、ほとんど突っ伏した状態のこなたは頭上に響く嘲りにひたすら耐えた。
この状況を作り出したつかさは特にアクションを起こすでもなく、みゆきと視線のやりとりをしては口の端を歪め、
満足そうにうんうんと頷くばかりである。
(どっちがガキなのさ………………)
悔しい、と。
今のこなたにはそれしかなかった。
こんな目に遭わされ続ける原因が自分にあるなら、多少は苦痛も和らいだハズだ。
しかし彼女に非はない。
少なくとも彼女が知る限りでは、いじめられる理由はない。
空気の読めないオタクであるのは分かる。
成績も決して良くないが、しかし一夜漬けの成果でクラスの平均点を下げるには至っていない。
特に誰かを傷つけた記憶もない。
なのに彼女はいじめられていた。
いじめやすかった。
ただそれだけだ。
理不尽な責めには正当な理由など必要ない。
漫然と……。
いじめる側が多数派になればそれで条件は全て満たせるのだ。
29恐怖!! 皆殺し学園8:2010/05/22(土) 22:42:30 ID:???
教室の扉が音を立てて開いた。
その瞬間、蜘蛛の子を散らすようにこなたを嘲っていた生徒たちは自分の席についた。
「よし、1時間目始めるぞ」
国語の担当教師が入ってくる。
「起立!」
で始まる当番の常套句の後、教室は授業の態勢に入る。
ひとまずいじめっ子たちが離れたことにこなたはホッと胸を撫で下ろしたが、現実は彼女をさらに甚振ってくれる。
「では昨日の続き、発狂して宿を飛び出した主人公が虎になるところから……泉、読め」
名前を呼ばれ、こなたはビクンと体を震わせた。
この頃、彼女は他人に名前を呼ばれることに極度の恐怖を覚えるようになった。
それだけではない。
最近では誰かに視線を向けられるだけでも激しい動悸に襲われる。
跼天蹐地の想いでこなたは学校での数時間を過ごさなければならない。
「どうした、泉? 128ページの4行目だぞ」
一向に読み始めないこなたに、教師が若干イラついた口調で急かす。
が、こなたは立ち上がったものの、
「すみません……読めません……」
力なく指示に逆らう発言をした。
「読めないわけがないだろう」
大股で教師が歩いてくる。
こなたは身を竦めた。
クスクスと忍び笑い。
怯える少女の横に立った教師は乱暴に教科書を取り上げた。
30恐怖!! 皆殺し学園9:2010/05/22(土) 22:43:42 ID:???
「んん!? なんだぁ、これは?」
ななこ同様にわざと大仰に驚いた様子で――。
取り上げた教科書を高々と持ち上げた。
切り刻まれ、落書きだらけの頁を見れば確かに”読めない”のも無理はない。
活字の大半はインキに埋もれ、脚注ですら不可解な模様でかき消されている。
生徒たちは特に何を感じる風でもなく、それを眺めていた。
「高校生にもなって教科書に落書きか? それにこんなにボロボロにしやがって……」
常識でものを考えるなら、誰がどう見てもこなたがいじめに遭っていると想像がつく。
しかし面倒事を嫌うこの教師は、いじめだと分かっていてこう言った。
「そんなに勉強したくないならしなくていい。誰か……高良、代わりに読め」
投げ捨てるように教科書を置き、何事もなかったように教壇に戻る。
「ふふ、では…………翌年、観察御史、陳郡の――」
みゆきは誰にも悟られないよう小さく笑うと、滔々と音読を始めた。



31マロン名無しさん:2010/05/22(土) 22:47:07 ID:???
 今日はここまでです。
ここは一度に60行は入らないのでしょうか?
あまり書き込み数が多くなるのもどうか……と思うのですが。
32マロン名無しさん:2010/05/22(土) 22:49:42 ID:???
>>31
今回は初っ端から暗澹としていますねw

ここは32行までだそうです
33マロン名無しさん:2010/05/23(日) 01:29:45 ID:???
救いの手を差し伸べたくなる状況だ
34マロン名無しさん:2010/05/23(日) 07:58:19 ID:???
福祉を受けながらイラストレーターや小説家気取り()笑
35マロン名無しさん:2010/05/23(日) 21:38:53 ID:???
 皆さん、こんばんは。
本日分の投下参ります。

>>32

 32行ですか。
単純計算でレス数は1.875倍に……。
ここではゆっくり進めることにします。
36恐怖!! 皆殺し学園10:2010/05/23(日) 21:40:17 ID:???
 昼休み。
多くの生徒にとっては安息の時間であるが、こなたにとっては授業とはまた違う地獄の始まりでもある。
「こーなちゃん」
しまりのない笑顔でつかさが呼ぶ。
「一緒に食べようよ♪」
この台詞が出てしまったら、もう逃れることはできない。
「うん……」
機嫌を損ねないように、目立たないようにこなたは頷く。
「おーっす、お昼にしましょ」
かがみもやって来る。
こうなると自然、空気に溶けたようにいつの間にかみゆきも傍にいるのだ。
3人はかなり小さめの弁当箱を持っていた。
年頃を考えれば昼食としては少なすぎる量である。
対してこなたもチョココロネ1個だけという味気なさだ。
こちらは少食ではなく、もはや食欲も失せているというのが理由だ。
「臭くってさ〜」
「確かにそれはありますね」
などという会話がいちいちこなたに向けられて展開される。
数分が経つと、誰の弁当箱も空っぽになる。
「なぁんかまだ食べ足りないわね」
タイミングを計ったようにかがみ言い、2人がそれに大袈裟に頷く。
「お姉ちゃん、ダイエットしてたんじゃないの?」
「してるけど、これは少なすぎるわよ。あ〜あ、焼きそばパンでも食べたいわねぇ〜〜」
「私ももう少し何か食したいところですね」
と言い合って、2人は蔑むような視線をこなたに向ける。
「わ、わたし…………?」
ビクビクしながらこなたが問う。
もちろん彼女もとうに食べ終わっている。
「そ、購買でなんか買ってきてよ」
「え、でも…………」
「泉さんは優しい方ですから、まさか断られるということはありませんよね?」
「………………」
37恐怖!! 皆殺し学園11:2010/05/23(日) 21:42:17 ID:???
見るからに気の強そうなかがみと、一見すると穏やかだが静かな威圧感を放つみゆきに挟まれ、
こなたは身動きひとつとれなくなっていた。
(気が変わってくれたらいいのに…………)
いじめっ子にほぼ共通の性質はきまぐれな点だ。
彼女たちは気が向いたらこなたをいじめ、気が変わったら相手にしなくなる。
食べ足りない、というのも一時のきまぐれであれば――とこなたは願った。
「2人ともお願いしてるんだから、買ってきてあげなよー」
つかさの間延びした声が腹立たしい。
こなたはまだ席を立とうとしない。
「あんた、聞いてんの? 買ってこいって言ってんのよ」
かがみがぐいっと顔を近づけたところを、みゆきがやんわりと止めに入った。
「まあまあ、かがみさん。強制はよくありません。ここは泉さんの意思を尊重しようではありませんか」
聖母のような笑みを湛えた後、彼女はポケットから小さな箱を3個取り出した。
それを机の上に等間隔に並べる。
「ここに3つの箱があります。いいですか? この中の2つに石が入っています。当然、残りの1つは空です。
もし泉さんが石の入った箱を当てられたらあなたの勝ちです。お買い物に行かせるのは止めましょう。
ただしもし空の箱を選んでしまったら、お約束どおりパンを買ってきてもらいます」
挑戦的なみゆきから目を逸らすこなた。
(最初から約束なんかしてないじゃん!)
と言い返したいのだがもちろんできない。
「どうですか、かがみさん?」
「ふーん……ま、いいわ。それでこいつがハズレ選んだら自分の意思でパン買いに行くことになるんだしね」
「うんうん、ゲームなんて面白そう」
「でしょう? どうです、泉さん。よくお考えになってください。3つの箱のうち、当たりは2つ。
ということは当たる確率は3分の2ですから、泉さんにとって相当有利なゲームですよ?」
”有利”という言葉を持ち出すあたり、みゆきもこなたをパシリに遣るという認識があるようだ。
「アタリを選んだら……本当に買いに行かなくていいの……?」
そこを明らかにしておきたいこなたは、おずおずと訊ねる。
「失礼な方ですね、私たちがウソをつくとでも思ってらっしゃるのですか?」
「え、いや……そういうわけじゃ……」
「ご安心を。ちゃんと約束は守りますよ」
38恐怖!! 皆殺し学園12:2010/05/23(日) 21:43:58 ID:???
「う、うん。ヘンなこと訊いたりしてごめんなさい…………」
「分かればいいのです」
にっこり笑んだみゆきは箱を手にこなたたちに背を向けて、ごそごそと何かをやり始めた。
「では始めましょうか。泉さん、箱には手を触れず1つ選んでください」
再び向き直った彼女は先ほどと同じ様に3つの箱を机上に並べる。
みゆきを真正面に捉え、その間に並ぶ箱を俯瞰しながらこなたは考えた。
(こういう時って真ん中にはあんまり入れないよね。ってことは右か左かのどっちか……。
あ、でも裏をかいてやっぱり真ん中っていうのもあるかも。大丈夫、当たる確率の方が高いんだから――)
小学生でも分かる確率の問題だ。
問題はどの箱が空か。
みゆきは頭脳派だから、こなたの思考の癖を読んでハズレを仕込んでいる可能性がある。
「じゃ、この箱で……」
逡巡した末、こなたは右の箱を選択した。
指示に従って手は触れていない。
「なるほど、右の箱でよろしいのですね?」
念を押すみゆきの口調は妙に冷めている。
柊姉妹はゲームの顛末を見届けようと2人の顔を交互に見つめた。
これにはこなたに不正をさせない意味もある。
「では選ばなかった真ん中と左の箱ですが…………」
前置きをして、みゆきはゆっくりと真ん中の箱を開けた。
中には河原で拾って来たような灰色の石が入っている。
「はい、この通り、この箱はアタリでした。さて、慈悲深い私は泉さんにもう一度チャンスを与えたいと思います」
「なになに?」
余裕たっぷりに笑むみゆきに、つかさも嬉しそうに先を促す。
「ご覧のようにこの箱には石が入っていました。ということは残るどちらかがアタリでどちらかがハズレです。
泉さん……あなたに再び選択するチャンスを与えます。今なら左の箱に変更することができますが、どうしますか?」
眼鏡の奥に光る瞳には一切の感情が抜け切ったような暗さがある。
「………………」
こういう時のみゆきは怖い。
(もう一回選べる……? なんでたった3つしかないのに? もしかして右の箱がアタリだから言ってる?)
こなたはみゆきの言葉を簡単には信用しない。
39恐怖!! 皆殺し学園13:2010/05/23(日) 21:46:39 ID:???
とにかくアタリさえ選べばルールに従って彼女はパシリに使われずに済む。
些細な事なのだがこなたにとっては重要だ。
相手が挑んできたゲームで負かすことができれば、ほんの僅かではあるが仕返しができる。
もちろんその場合、大袈裟に喜んではいけない。
勝ちを喜ぶよりも負けなかったことに安堵するに止めるべきだ。
(やっぱ裏をかいて左がアタリ……? でもみゆきさんの事だから…………)
「早々と選んじゃいなさいよ」
というかがみの横槍に背中を押されたように。
「左の箱に変えるよ……左にする……」
こなたは言った。
自分の考えこそ正しいように、と祈りながら。
「分かりました。では左の箱に変更ですね……ふふふ……」
勝利を確信したような微笑みの後、みゆきはこなたが最初に選んだ右の箱を開けた。
真ん中の箱と同様、薄汚れた石が入っている。
「ふふふ……アタリが出てしまいましたね。残念ですがこのゲーム、泉さんの負けです。
ではお約束通りパンを買ってきて貰いましょう」
「あはは、3分の2ではずすなんてどんだけー♪ あ、私、クリームパンね」
「私は焼きそばパン。あ、それとコーヒーも頼むわ。みゆきは?」
「そうですね……ではサンドイッチでもお願いしましょうか」
こなたは悔しさに拳を握りしめた。
「こなちゃん、早くしないとお昼休み終わっちゃうよ? ほら、早く早くっ!!」
つかさが袖を掴んで無理やり立たせる。
「あ、あの……お金は…………?」
「はぁっ!?」
ボソボソと言うこなたに、かがみは目をつり上げた。
「バカだろ? ゲームに負けたんだから自腹切りなさいよ。あんたに有利な条件だったんだからさ」
「そうですね。私たちからお金を巻き上げようだなんて、敗者のくせに図々しいにも程がありますよ」
かがみに同調するようにみゆきが頷く。
「………………」
「行きたくないなら別にいいわよ? 後でどうなっても知らないけどね」
悪魔の一言にこなたはビクリと体を竦めた。
いつか同じ事を言われ、実際に”どうなるか”を知っているこなたは、重い足を引きずるように教室を出て行った。
40恐怖!! 皆殺し学園14:2010/05/23(日) 21:48:24 ID:???
「行ってらっしゃ〜い。買う物、覚えてるよね〜〜!?」
小さくなった背中に向け、つかさが止めを刺す。
その後ろではかがみが腹を抱えて笑っていた。
「”お金は?”だってさ、ほんとバカみたいね」
「”みたい”ではなくて本当におバカさんなんですよ」
みゆきも笑っていたが、こちらはお嬢様で通っているだけあって仕草にも品格が漂う。
その腹黒さもまた常人の比ではない。
「それは言えてるわ。普通、あそこで選びなおすかっての」
ツボに嵌まってしまったか、かがみは涙まで浮かべて呵々大笑する。
「ええ、あの瞬間思いましたよ。やはり泉さんは知性に欠ける、と」
「どういうこと?」
向きなおったつかさが訊ねた。
「あのゲームはね、途中で勝率が変わるのよ」
何故、という問いをつかさは呑み込んだ。
ここで訊いてしまうと自分もこなたと同じレベルになってしまう。
「最初は3つのうちの2つがアタリですから、泉さんが勝つ確率は約66%なんです」
幸いにもみゆきがすぐに解説を始めてくれた。
「ところが私が真ん中の箱を開けてアタリを見せましたよね? 私は正解を知ってますから。
ここで箱を選びなおすと勝率は50%に下がってしまうんです。2つのうち1つはハズレですから」
「なるほど〜〜」
つかさは感心したように頷いているが、今ひとつ分かっていない。
「昔からある有名なパラドックスですよ。あちらではアタリはひとつなんですけどね」
みゆきは妖艶な笑みを浮かべる。
「ですからあそこで選びなおすというのは泉さんにとっては損なんです。
66%の確率で勝てるゲームをみすみす50%にしてしまうわけですからね」
その仕組みを最初から分かっていたかがみは、こなたが迷った末に左の箱に変更した時、
心の底からバカなオタクだと思った。
この程度のレベルだ。ちょっと頭を使えば確率が変わっていることに簡単に気付く。
それができないこなたは何と愚かだろう、とかがみはその時から既に笑いを堪えるのに必死だった。
「でもそれでも2分の1はこなちゃんがアタリを選ぶわけだよね? ゆきちゃん、よくハズレを選ばせたね」
感心ついでにつかさはみゆきの手腕を誉めた。
41恐怖!! 皆殺し学園15:2010/05/23(日) 21:50:36 ID:???
それに満足したみゆきは小首を傾げると、
「その秘密はこれです」
と言って全ての箱を開けた。
「あっ…………!!」
「なるほど、そういうことか……」
「トリック、というほどのものではありませんが」
みゆきは恥ずかしそうに俯く。
「分かってしまえば単純な仕掛けよね。でもさすがにみゆきね」
「大したことありませんよ。あのゲーム、そもそもアタリは2つという前提を刷り込んでから始めましたから、
泉さんが選ばなかった2つがアタリであることを見せれば、必然的に残りはハズレだと錯覚させられるわけです」
悪戯が成功した子供のような表情を浮かべ、みゆきは3つの石を机に並べた。
「実際はこの通り、全てアタリなんですけれどね」
「でもさ、もしあそこでこなたが選んだ箱を開けたりしたらマズかったよね」
「その時は、”手違いがあった”とでも言って仕切り直せばいいのです。一応、そういう場合に備えてこんな物も
用意していたのですが必要ありませんでしたね」
みゆきはポケットからトランプを取り出し、興味なさそうに眺めた。
42恐怖!! 皆殺し学園16:2010/05/23(日) 21:52:11 ID:???
「それにしてもあの時のつかささんはお見事でした」
「…………?」
「上手い具合に泉さんを急かしてくれたお陰でトリックを見破られずに済んだのです。
あれでモタモタしていたらかがみさんが仰ったように、確認のために箱を開けられる恐れがありましたから」
「あ、そっか〜、そうだよね」
思わぬところで手柄を褒められ、つかさは破顔した。
「早くしないとお昼休みが終わる、という発言も効果的でした。冷静であれば本当に選んだ箱が空なのか、
一度くらいは調べようと思うものです。ですが泉さんにはそうする余裕がなかった…………。
時間制限をかけられたことで気が動転してしまったのです。さて――――」
ひとしきりつかさを誉めた後、みゆきは机上の石を窓から投げ捨てた。
「ゲームに使った石が特別な物だった場合、万が一3つあることを泉さんに見られてしまうと、
”昼間のはイカサマではないか”と疑われますからね。ですからどこにでもある石を使いました。
こうして投げ捨てれば他の石と混じって見分けがつかなくなり、イカサマを立証する術はなくなるわけです」
みゆきは誰にともなく呟く。
自分は完璧なのだと静かにアピールしたかったようだ。
「ま、後はあいつが戻って来るのを待つだけね」
かがみが背もたれに背中を預けて天井を仰ぐ。
悪辣な笑みを浮かべて3人はこなたを待った。



43マロン名無しさん:2010/05/23(日) 21:54:20 ID:???
すばらしいハラショーGJ
44マロン名無しさん:2010/05/23(日) 21:56:03 ID:???
 今日はここまでです。
続きは明後日投下します。
それでは。
45マロン名無しさん:2010/05/23(日) 22:03:21 ID:???
リア充でなきゃ思いつかない話ですねうらやましいです
46マロン名無しさん:2010/05/23(日) 23:13:06 ID:???
自分の体験談ですか






























加害者側の
47マロン名無しさん:2010/05/24(月) 00:22:20 ID:???
すげぇ…
48マロン名無しさん:2010/05/24(月) 00:34:09 ID:???
面白すぎて涙が出る
49マロン名無しさん:2010/05/24(月) 01:46:16 ID:???
乙です
50マロン名無しさん:2010/05/24(月) 05:14:56 ID:???
虐められてるこなたを守ってあげたい。
イケメン転校生として陵桜学園にやって来てこなちゃんを守る妄想をして楽しむぜ!
51マロン名無しさん:2010/05/24(月) 09:40:46 ID:???
まるで自分の経験のようだぜ
想像で見てきたように書ける才能がすばらしい
52マロン名無しさん:2010/05/24(月) 12:41:08 ID:???
タイトルがらしくない
53マロン名無しさん:2010/05/24(月) 13:57:10 ID:???
これからタイトル通りになるかも知れないんだぜ
(((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
54マロン名無しさん:2010/05/24(月) 15:03:19 ID:???
いや、そうじゃなくてジェディ氏らしくないって意味
55マロン名無しさん:2010/05/24(月) 15:11:30 ID:???
惨劇館あたりも割りとストレートなタイトルだった気が
56マロン名無しさん:2010/05/24(月) 21:50:18 ID:???
まだー?
57マロン名無しさん:2010/05/24(月) 22:07:10 ID:???
jediさんだとしたら、月曜は多分来ないよ
58マロン名無しさん:2010/05/25(火) 00:00:33 ID:???
何でこなたが虐められてるのか分からん。こなたが何をした?
59マロン名無しさん:2010/05/25(火) 00:55:21 ID:???
こなたが虐められるのに理由なんて要らねえんだよォッ!
様式美って奴だぜッ!

それにしても可愛いよこなちゃん。
こなちゃん守ってあげたいよこなちゃん
(*´Д`)ハァハァ
60マロン名無しさん:2010/05/25(火) 01:49:52 ID:???
>>58
刺激すんなよ、エロパロを嵐にくるから
61マロン名無しさん:2010/05/25(火) 21:15:38 ID:???
 みなさん、こんばんは。
急激な円高豪ドル安に涙目で投下します。
62恐怖!! 皆殺し学園17:2010/05/25(火) 21:18:24 ID:???
 放課後。
「やっとホームルーム終わったわよ」
かがみが首を左右に倒しながらB組を訪れた。
「桜庭先生はいつもお話が長いのですか?」
「今日はたまたまね。連絡事項が多かったからさ」
みゆきの問いに答え、かがみは視線を右にずらした。
借りてきた猫みたいにこなたが自分の席に座っている。
それを真正面から見下ろしているのはつかさだ。
「こなちゃんね、私たちと帰りたくないんだって。早々と教室を出て行こうとするんだよ? ひどいよねー」
「確かに酷いですね。私たちはお友だちですのに」
頬に手を当てるみゆきの表情は不気味なくらいに歪んでいる。
「だからこうやって見張ってるの。一緒に帰りたいもんね」
つかさが無邪気に笑う。
その時、かがみの後ろから2人の少女が割り込むように入ってきた。
「悪ぃな、待たせちまってよ」
「妹ちゃん、高良ちゃん、お待たせ」
みさおとあやのだ。
「今日は2人も一緒に帰るってさ」
「そうですか。それは賑やかに――賑やかになりそうですね、うふふ……」
口の端を歪めたみゆきはもちろんこなたを見ている。
「じゃあ帰ろっか」
誰かのその言葉で5人はぐるりとこなたを取り囲む。
「………………」
無言の圧力にこなたは力なく立ち上がった。
四方を押さえられているのでは逃げようがない。
仮に逃れられたとしても、翌日にはその反動が来る。
とにかく刺激しないことだと言い聞かせ、こなたは従順に振る舞うことにした。




63恐怖!! 皆殺し学園18:2010/05/25(火) 21:20:25 ID:???

他愛もない会話を交わしながら道を行く。
時おり聞こえる笑い声を不快に思いながら、こなたは人数分の鞄を持って後に続く。
「柊の役立たず〜」
不意にみさおがそんな事を言い出した。
話を全く聞いていなかったこなたは、その一言に僅かな望みを抱いた。
言葉通りなら仲間割れが予想される。
みさおがかがみを罵ったことで関係に亀裂が入り、それが伝播して全員の連携がとれなくなる。
そうなればこなたにとっては暗中に光明を見たも同然だ。
人の繋がりはとかく脆いから、一度できた蟠りを解消するのは難しい。
結果、この5人は互いにギクシャクしてこなたをいじめるどころではなくなってしまう。
…………というのが彼女の希望的観測である。
しかしこの夢想は甘いと言わざるを得ない。
なぜなら直後にかがみが、
「他人に選ばせておいてそれかよ」
いつものジト目で呆れたような口調で返すに止まったからだ。
険悪なムードになどなりはしない。
軽口の叩き合いというありふれた構図の一端でしかなかったのだ。
「それでどうするの? 次も買うの?」
とはあやのの問いだ。
みさおは少し考えるように唸って、
「欲しいんだけどさ、今月分の小遣いもう使っちまったんだよな」
すっかり落魄した様子で吐いた。
「普段から計画的にお金を使いなさいってことね」
かがみがしたり顔で笑う。
「あやの〜〜、柊がいじめる〜〜」
「はいはい柊ちゃん、弱い者いじめは駄目よ?」
いつものように仲裁役を買って出、あやのはちらりと振り返った。
こなたと目が合う。
その瞬間、天啓が閃いたあやのは何事かをかがみに耳打ちした。
64恐怖!! 皆殺し学園19:2010/05/25(火) 21:21:58 ID:???
僅かなやりとりで要領を得たかがみは頃合いを見計らい、
「あ、だったらさ、こなたに出してもらえばいいんじゃない?」
不自然なほどわざとらしく声を張る。
「それは名案ですね。泉さんはアルバイトもなさっているようですし」
聡明なみゆきもまた、瞬時にかがみの真意を悟って同調する。
「お、なんだよ。チビ、バイトしてたのか?」
お金の匂いを嗅ぎつけたようにみさおが身を翻す。
「な、ないよ…………私、貯金とかしないですぐ使っちゃうから…………」
こなたは咄嗟にウソをついた。
ここでみすみす持っていると申告するバカはいない。
「そんなことないでしょ? こないだだってヘンなグッズ買ってたよね? 私、見てたんだよ」
ここぞいうところでつかさが口を挟む。
最も自然な形で割り込む役は、立場的につかさが適している。
「妹はこう言ってるぜ。だったらさ、出してくれよ。とりあえず30口……6000円な」
みさおが快活な笑顔で言う。
無邪気さ、と表せば人あたりの良さを前面に押し出せるが、これは殆ど強要である。
「日下部さん、一度に口数を買うより、同じ番号で継続して買ったほうが得かもしれませんよ?」
またどんな悪知恵を働かせるつもりなのか、みゆきが頬に手を当てて提言した。
「ん、そんなもんなのか?」
みゆきの提案は明らかにこなたを陥れるための下準備なのだが、そこまで思慮が及ばないみさおは、
”普通の会話としての質問”をした。
ところがこれが奏功し、みゆきはじっくりと内容を説明する機会を得た。
「異論を挟まれる余地は多分にありますが、確率に絞って考えますとその都度その都度違う組み合わせにするより、
同じ組み合わせを継続したほうが当たりやすいんです。骰子(さいころ)を例にとって説明しますとですね…………。
ある目が出る確率は約16%ですね。6回に1回はその目が出るわけです。ただし6回振ったくらいでは、
狙った目が出ない場合もあるでしょう。同じ目が続く可能性もありますから」
「ふんふん」
みさおが頻りに頷く。
この程度なら中学で既に習っている。
「ただし10回振ればどうでしょう? さすがに狙った目が一度も出ない、というのは考えにくいと思いませんか?」
「そりゃそうだよな」
65恐怖!! 皆殺し学園20:2010/05/25(火) 21:25:04 ID:???
「もう少し簡単な例にしましょうか。そうですね……コイントスの賭けをやったとしましょう。
仮に10回連続で表が出たとして日下部さん、次はどちらに賭けますか?」
みさおは少し考えてから、
「裏……かな。さすがに11回も連続して表なんて出ないだろ」
当然のように答えた。
「そうですね。この場合は裏に賭けたほうが絶対に得です」
みゆきがポンと手を打った。
「これを宝籤に置き換えればいいのです。仮に10回連続ではずれたとしても、11回目に当たるかもしれません。
先ほどの例で10回目まで裏に賭けて悉くはずれ、11回目で表に賭けたらまたはずれてしまいます。
ところが初めから裏に賭け続けていれば、少なくとも11回目には勝てるのです。
逆に表に賭け続けていれば10回目まで連続して勝つ計算になりますね」
「お〜なるほどな! さすが眼鏡ちゃん!」
「……というように同じ数字で継続して購入するのが得でしょう」
「高良ちゃんはやっぱり凄いわね。理路整然としてるし」
途中で思惑に気付いたあやのも大いに称賛する。
(ふふ、ギャンブラーの誤謬でしょうか。本当は過去に裏表がどう出ようと11回目の勝率は必ず50%。
独立事象ですから同じ数字だの継続だのは全く関係ないのですけれどね。
こう言っておかないと泉さんからより多くのお金を巻き上げられませんから)
みゆきは称賛の声にそれほどでもない、と一応謙遜をした上で、
「その籤は5回先まで継続して申し込めますね?」
と念を押した。
「ああ、たとえば10口で継続回数5回だと1万円だな」
「おや? 日下部さん、先ほど30口買うとおっしゃってましたよ」
「そだったな。じゃあ3万円だ」
「だってさ、こなた。出してあげなさいよ」
「え……3万も…………?」
こなたの顔はみるみる青くなっていく。
不当な賭けに負けてパンを買わされるのとは金額が違う。
ここは何としても免れるよう反応するべきだ。
「そんなに持ってないよ、私…………」
「ウソつくなって。あんた、イベントとかで万単位のお金、平気で使ってるだろ?」
66恐怖!! 皆殺し学園21:2010/05/25(火) 21:28:59 ID:???
「財布になくても銀行には預けてるんだろ? 普通、バイト代って振り込みだもんな」
「ほらほら!」
かがみとみさおが同時にこなたの鞄を引っ張った。
「や、やめてよっ!!」
こなたも必死に抵抗するが多勢に無勢。
数秒もしないうちに鞄はみさおの手に渡ってしまう。
道行く生徒たちは横目でその様子を見るも、誰ひとり助けようとはしない。
「お、あったぜ。カードは……これだな」
緑色に光るカードを持ち上げてみさおがその場にいる全員に見せた。
「では目的の物が見つかったところで早速ATMに行きましょう」
みゆきを先頭にこなたを取り囲むようにして通りを抜ける。
カードは依然みさおがしっかりと握っており、鞄もかがみに奪られているため逃げ出すこともできない。
「おーっし、じゃあおろそうぜ!」
「待って、みさちゃん」
ドアの前に来たところであやのが制止する。
「私たちが一緒に入ったらマズいわ。中にはカメラがあるもの」
「あ、そっか……」
みさおが恥ずかしそうに頭を掻いた。
「じゃあ誰か見張りにつけようぜ。チビがちゃんと引き出すかさ」
「それも駄目よ。振り込め詐欺とかの影響でATMの監視も厳しくなってるから。
操作してる人の傍に誰か立つなんて不自然だし……後で面倒になったら厄介よ」
「それは確かにそうですね…………」
みゆきも困ったように首を傾げた。
このままではこなたの預金がいくらあるかが分からない。
彼女が本当に残高がないと言い張れば、それ以上の追及はできなくなる。
「泉ちゃん、1万くらいならあるわよね?」
不意にあやのが訊いた。
こなたは言葉に詰まったが、やがて、
「うん……それくらいなら……あると思う……」
と答えてしまった。
これはいじめられっ子に特有の保守の構えだ。
あやのの訊き方から、1万さえ出せばそれ以上の酷い事はされないだろうという希望的観測。
67恐怖!! 皆殺し学園22:2010/05/25(火) 21:31:36 ID:???
自分はいつも出来得る限界の奉仕をしている。
そうアピールすることで更なる災禍を防ごうというものだ。
この時も、”1万なら何とか出せないこともないが、それ以上の要求には本当に応えられない”
と刷り込ませる意図がある。
「じゃあ1万円でいいから引き出してきてよ」
こなたの鞄をしっかり持っているようにとかがみに言い含め、みさおから受け取ったカードをちらつかせる。
この時点でこなたの思考は、”1万円なんて大金を払いたくない”から”1万円くらいで収まるなら”になっている。
「その代わり――」
艶美な笑みを浮かべて、あやのはぐいっと顔を近づけた。
「引き出す時に利用明細をちゃんと発行して私たちに見せてね♪」
瞬間、おデコと絶対領域を萌え要素に飾る少女は悪魔の形相に変わる。
(なるほど…………)
その横で眼鏡の縁を摘み、みゆきが小さく頷く。
こなたは震える手で自分のキャッシュカードを受け取ると、やはり震える足に力を込めてATMに向かう。
「驚きました……」
小さくなっていくこなたの後ろ姿を眺めながら、みゆきが小さく息を吐いた。
「峰岸さん、さすがですね。ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック――ですか……。
3万円という金額に渋る泉さんから難なく1万円を引き出させ、剰(あまつさ)え残高を知る方法まで……。
お見事です。感服しました」
こなたの姿が見えなくなるのを待ち、みゆきが手を差し出した。
あやのはその手をしっかり握り返し、
「ううん、高良ちゃんには敵わないわ」
互いに知性を讃え合った。




68恐怖!! 皆殺し学園23:2010/05/25(火) 21:34:03 ID:???
こなたは5台並ぶATMの左端の機を操作する。
(明細を出せってことは私がいくら持ってるか見るためだ……)
もちろんあやのの思惑に気付いているこなたは、まず残高照会を行う。
モニターには、”お引出し可能額 17万2,628円 ”と表示されている。
(こんなの知られたら絶対、全部おろして来いって言われるよ。でもそんな事させないもんね……)
自分が働いて貯めてきた大切なお金だ。
それをみすみすやる訳にはいかない。
こなたは身を乗り出してATMを覆うように前かがみになると、『お引き出し』のキーを押す。
暗証番号に続き、引き出し額を”16万円”と入力する。
トレイから出てきた紙幣を一旦ATMの端に置き、再度引き出す。
今度はあやのに言われたように1万円だ。
”利用明細を発行する”キーを押す。
こなたは出てきたそれらを備え付けの封筒にしまうと、滑るような手さばきでキャッシュカードを挿入。
よけておいた16万円を素早く預け入れた。
(私が稼いだお金、あんな奴らに渡すもんか!)
あまりもたつくと怪しまれる。
封筒を大事そうに持ち直し急いでATMを出た。





「はい…………」
貢物のように下手から封筒を差し出す。
「よくできました」
あやのがポンと手を叩いてそれを受け取る。
中にはもちろん紙幣が1枚と利用明細が入っている。
あやのとみゆきは同時に舌打ちした。
引き出し後の残高は2,628円しかない。
「ほんとにお金ないんだね。つまらないモノばっかり買い漁ってるからだね」
それなりの額があったら搾り取ってやろうと考えていたつかさは、当てこすりにそう言う。
客観的に分かる具体的な金額を見せつけられ、あやのもみゆきもこれ以上の追及ができない。
69恐怖!! 皆殺し学園24:2010/05/25(火) 21:37:20 ID:???
「ま、いいじゃん。とりあえずチャンスセンター行こうぜ」
言って足を踏み出したみさおの袖をぐいっと掴み、
「ちょっと待って」
かがみが制する。
ツンデレと称されるツリ目に悪辣さを湛えた彼女は、腕を組んでこなたを凝視した。
「おろして来るだけにしてはずいぶん時間かかってたよな?」
「そ、あ……暗証番号忘れちゃってて…………」
「ふうん……」
こなたの咄嗟の誤魔化しはかがみには通用しない。
なぜならこなたの持ち物を掌握しているのは誰あろう彼女なのだ。
かがみはポケットから預金通帳を取り出した。
「鞄に入ってたわよ。ズボラなあんたにしてはちゃんと持ち歩いてんのね」
「………………ッ!?」
しまった、とこなたは思ったがもう遅い。
「これ、最後に記帳されたのが2週間前なのよね。今日まででよほど頻繁に出し入れを繰り返さない限り、
さっき引き出した1万までの入出金明細がちゃんと記帳されるハズよね?」
こなたと違い、明晰な頭脳を持つかがみはこのシステムを心得ている。
加えて通帳記入には暗証番号入力の必要のないことも。
「ちょっと挿れてみるわ。もしヘンなことしてたらどうなるか……分かってるよな?」
ATMに向かう素振りを見せ、かがみはわざとそこで立ち止まった。
「あ! そうか!」
みさおが顎に手を当てた。
「残高……それだけじゃないだろ?」
「どういうこと?」
双子だというのに姉に大きく知性が遅れているつかさは、まだ事態が呑み込めていない。
「このチビ、先にいくらかおろしてから1万引き出したかもしれねーんだよ。利用明細には発行時点の残高が出るからな」
意外にも疑問に答えたのはみさおだった。
「つまり今日の日付で引き出しと預け入れが続けて、しかも同額だったら隠し金があるってことだ。
今日、銀行に行ったのはさっきのが初めてのハズだかんな」
どうだ、と言わんばかりにみさおが胸を張った。
「どうする、こなた? 正直に残高を言えば私たちも鬼じゃないから、考えてやってもいいわよ?
でもこれ、記帳してもし隠してるお金があるって分かったら…………」
70恐怖!! 皆殺し学園25:2010/05/25(火) 21:39:11 ID:???
その言葉に合わせるように各々が包囲網を狭めた。
「今のうちよ。あと1分したらATM行くからね」
1分もかからない、と読んだ上でかがみは制限時間を設けた。
いじめられっ子の心理を彼女はよく分かっている。
「あと50秒…………」
「も、持ってます…………!」
残り時間を大半残し、こなたはあっさり白状した。
通帳を取られている時点でどうやっても残高は知られてしまう。
ならば酷い目に遭わされる前に申告しておいたほうがいい。
とにかく怒りを買ってはならない。
こなたがつい最近学んだことだ。
「いくら?」
「えっと……16万くら……うッ!!」
金額を言いかけたところで、みさおの膝が腹にめり込んだ。
「ウソつくなよ。もっと持ってんだろ?」
「ほ、ほんと…だって……けほっ……ほんとにそれしか……」
陸上部に所属しているだけあって、みさおの脚力は他に抽(ぬき)ん出ている。
体を折り、こなたは苦しそうに嘔吐(えず)いた。
完全に虚を衝かれたこともあり、痛みは閃電のように腹部を広がっていく。
「ちょっと行ってくるわ」
真偽を確かめるためにかがみはATMへと消えた。
「けほっ…………!!」
痛みをアピールする意味も込めてこなたは蹲る。
しかし当然のことながら誰ひとり気遣う者はいない。
かがみが戻ってきた。
「こいつの言うとおり、ほら」
今日の日付で記入されたページを見せる。
その顔は実につまらなさそうである。
「ふうん、本当だったんだ」
残高をまじまじと見つめてつかさが言う。
「では全額おろしていただきましょうか」
冷たい視線をこなたに向けてみゆきが言い放つ。
71恐怖!! 皆殺し学園26:2010/05/25(火) 21:44:08 ID:???
残酷すぎる要求にさすがのこなたも、
「え、ちょっと待ってよ……正直に言ったら何もしないって……」
弱々しくではあるが反駁した。
金額が金額だけにこれだけは死守したかった。
「”考えてもいい”って言ったのよ? 私たちにウソついた罰は受けてもらわないとね」
かがみが言うと、賛同の声があちこちから上がった。
正直に言えばこれ以上の仕打ちは受けないと思っていたこなたは、いよいよ涙を流してしまう。
こんな姿を晒してもいじめっ子たちを喜ばせるだけだと分かっていながら、それを止められない。
「あらあら、高校生にもなって泣くなんて見た目通りのお子様ですね」
みゆきが嘲弄した。
「元はといえばこなちゃんがウソついたからいけないのにね」
ずいっと泣き顔を覗き込んでつかさが追い打ちをかける。
同情する者はいない。
ただ弱者を取り囲んでその反応を面白がるだけだ。
「見ていて不憫ですね。でしたらこうしましょう」
残忍ないじめっ子は少女の前に蜘蛛の糸を垂らした。
「泉さん、あなたにチャンスを差し上げます。本来なら虚偽を告げたあなたには相応の罰を与えたいところですが」
「高良ちゃん、そんなに優しくしなくてもいいんじゃない? ますますつけ上がるだけだと思うわ」
「確かにそうですね。ですが傍からは私たちが泉さんの財産を巻き上げているように見えてしまいます。
ですから泉さんの意思で全額を引き出させるようにすればいいんですよ。さて……泉さん。
私とゲームをしませんか? 泉さんが勝てば16万円は諦めます。負ければ全額引き出してもらいます。
どちらでもいいですよ、私は。皆さんは……どうでしょうか?」
みゆきのまくし立てるような口調に、面白そうな空気を悟ったかがみたちは揃って、
「それでいいわ」
と賛成の意思を口にした。
特に昼休みの一件を見ているつかさとかがみは、おそらくこなたに勝ち目がないことを悟っている。
それを知らないみさおとあやのもまた、みゆきのやる事だからと敢えて口を挟まずに静観することにした。
ただし楽しい展開にするにはこなたがゲームに乗ってこなければ始まらない。
「やりたくなかったらやらなくてもいいんだぜ? ま、後でどうなっても知らねーけどな」
みさおが暗にゲームをするよう圧力をかけた。
72恐怖!! 皆殺し学園27:2010/05/25(火) 21:45:30 ID:???
「勝ったら……勝ったら本当にお金出さなくていいの……?」
こなたは涙を拭き、蚊の鳴くような声で問うた。
彼女は意図的にみさおだけは視界に捉えないようにしている。
「もちろんです。そういう条件で行うゲームですので」
こういう時だけみゆきは外向きの柔和な顔つきになる。
周囲を和ませる彼女の笑顔は、こなたにとっては何よりも恐ろしい重圧だ。
「じゃあ…………やる…………」
昼休み同様、勝てばお咎めがないという餌をぶら下げられ、こなたはまたもそれに食いついた。
彼女はある種の洗脳にかかっている。
最初に無茶な要求を突きつけられ、その直後に条件を緩和した代案を提示させるとついそれに乗ってしまうのだ。
特に精神的に追い詰められ続けているこなたには、不思議なことにみゆきの提案が助け船にも感じられてしまう。
そもそもが差し出す必要のないお金なのに、ゲームに勝てば出さなくてもいいという緩和された条件のせいで、
自分が救われたと錯覚してしまうのだ。
みゆきの言う”チャンス”をそのまま受け取ってしまうこなたには、冷静な判断などできない。
「さすが泉さん、そう仰ると思っていました。では――」
既に罠にかかっているこなたを内心で嗤いながら、みゆきは鞄に手を入れた。
73マロン名無しさん:2010/05/25(火) 21:55:05 ID:???
規制?
んじゃ支援
74マロン名無しさん:2010/05/25(火) 21:55:42 ID:???
 今日はここまでです。
このSS、ラスト付近で文体というか雰囲気が急におかしくなるのですが、
狙ってそうしたものですので気になさらないで下さい。
75マロン名無しさん:2010/05/25(火) 22:33:09 ID:???
先に16万を引き出すこなたの頭の良さに感心した。
しかし困ったな。
かがみ達いじめっ子は確かに酷いが皆殺しにされる位の極悪ではない。
虐められておとなしく暗くなってるこなた可愛い。
守ってあげたい。
何とか虐めが解決しないものだろうか。
76マロン名無しさん:2010/05/25(火) 23:22:00 ID:???
まぁまだ途中だしね
ただいじめの内容が酷いかどうかにかかわらずいじめられてる側が
いじめてる側を殺してやりたいと思うのは当然のこと
77マロン名無しさん:2010/05/25(火) 23:36:29 ID:???
つうかこなた阿呆だろ。携帯とかで会話録音しといてそうじろうや学校に聞かせればかがみ達糞どもの人生終了だろうに。
で、何でこなたが虐められてるのかが未だに分からん。
78マロン名無しさん:2010/05/25(火) 23:38:01 ID:???
それやられたら自殺しなくなってしまうw
79マロン名無しさん:2010/05/26(水) 00:04:36 ID:???
>>77
そうじろうは別にしても学校関係者は
黒井先生ですら見て見ぬ振りしてるからダメじゃね?
80マロン名無しさん:2010/05/26(水) 09:23:00 ID:yhXcaT6R
これが神奈川版シリーズだったらこなたに銀行強盗させるとかで凄い事になりそう。

あのシリーズの特徴はハードボイルド&バイオレンス度100%なんだよな。
刑事(大石だっけ?)や銀行強盗、麻薬とかが出てくるし。
81マロン名無しさん:2010/05/26(水) 12:14:05 ID:???
>>77
いじめの現実を知らないな?
82マロン名無しさん:2010/05/26(水) 21:26:09 ID:???
 みなさん、こんばんは。
円高一服の気配にひとまず安堵です。
本日分の投下参ります。
83恐怖!! 皆殺し学園28:2010/05/26(水) 21:28:14 ID:???
取り出したのはトランプと黒い袋。
トランプの箱を開けたみゆきは、その中からはハートのエースとジョーカーを抜き出した。
「どなたか油性のマジックペンをお持ちではないですか?」
用意のいいあやのが携行しているペンをみゆきに手渡す。
「これでいいかな?」
「構いません。カードの絵柄が完全に塗りつぶせればいいので……少し場所を変えましょうか」
ATMに近い通りでは彼女の仕掛けたゲームはやり辛い。
一同はやはりこなたを中に押し込めるようにして公園に移動した。
昔と違って外で遊ぶ子供は少ない。
見回すと遊具の反対側に木製のイスとテーブルが設えられている。
対局したのか歩兵の駒が落ちていた。
みゆきとこなたが向かい合わせに腰をおろす。
見通しはいいがどこか寂しい雰囲気の広場でペンのインクを確かめたみゆきはこなたに向きなおり、
「さて、泉さんはどちらのカードがお好きですか?」
早速切り出す。
「……どっちでもいいの?」
というたった一言にすら怯えの色が濃く滲み出てしまう。
「はい。どちらを選んでもゲームには支障ありません。オセロの白か黒か、の程度でお考えください」
こなたはジョーカーと言いかけて、ハートのエースを選択した。
多くのゲームでは切り札だが、横向きに笑う道化師の絵柄が不吉に思えたからだ。
「ハートのエースですね、分かりました。では泉さん、ジョーカーの両面とエースの表面を塗りつぶしてください」
「………………?」
「ええ、しっかりと。印刷が完全に隠れるまで真っ黒にしてくださいね」
言われるままに渡されたペンでカードを塗りたくるこなた。
みゆきが逐一、丁寧にと言ってきたため完全に塗り終えるのに1分近くかかった。
「はい、結構です。これでゲームの準備は整いました。皆さんもよくご覧ください。
一枚のカードは表がエース、裏がブラック。もう一枚はこのように両面がブラックのカードです」
手品師のように2枚のカードの裏表を見せながら説明する。
かがみたちが順番に手にとって内容を確認する。
「手で触っただけじゃ分からないね、当たり前だけど」
つかさが言った。
「そうなりますとゲームになりませんから」
84恐怖!! 皆殺し学園29:2010/05/26(水) 21:29:31 ID:???
みゆきは苦笑しながら自分の元に返ってきた2枚のカードを黒い袋に入れた。
「ではルールを説明します……といっても難しいことはありません。簡単なゲームです。まずカードを袋に入れます。
私がこの2枚のカードをシャッフルし、泉さんがそこから1枚引き出す――簡単でしょう?」
「勝敗はどうやって決まるの?」
急かすようにつかさが訊ねた。
「取り出したカードを返してエースが出れば泉さんの勝ち。ブラックが出れば私の勝ちです。
実際にやってみましょう。泉さん、1枚を水平に取り出してください。くれぐれも裏面が見えないように」
こなたは言われるままに袋からカードを抜き取る。
黒い面が上になって出てきた。
「はい、そのまま。ゲームはこれの裏がブラックかエースかで勝敗が決まります。泉さん、ひっくり返してください」
こなたがカードを返す。
「あっ……」
同時に小さく声をあげる。裏はエースだった。
「今の場合は見事エースでしたので泉さんの勝利です。もう一度やってみましょう」
みゆきはカードをひったくると袋に詰め、後ろ手にシャッフルした。
指示に従いこなたが同じ要領をカードを抜き取ると、またも黒い面が上になって出てくる。
返してみると今度は裏面もブラックだった。
「裏がブラックでしたので私の勝ちとなります。ゲームのルールは以上です。
そうですね……これを繰り返して先に10回勝ったほうが最終的な勝利者ということでどうでしょう?」
「へえ、面白そうだな。でもさ、取り出した時に最初から上の面がエースだったらどうすんだ?」
「その場合はゲームになりませんから無効です。だってエースの裏はブラックで決まりなのですから。
それを許してしまうと不公平なゲームになります。ですからリスタートとなります」
誰かがこの質問をすると踏んでいたみゆきは、少しも考えることなく答えた。
ゲームが始まる。
ルールに則ってみゆきがシャッフルし、こなたがそこから1枚を取り出す。
裏返してエースが出ればこなた、ブラックならみゆきの勝ちだ
1回目はエースが出てこなたの勝ち。
2回目はブラックが出てみゆきの勝ち。
3回目には取り出した時点でエースが出てしまったので無効。
4回目は再びみゆきの勝ち。
という具合で無効となったものも含め、ゲームは全部で17回行われた。
85恐怖!! 皆殺し学園30:2010/05/26(水) 21:31:38 ID:???





「残念でしたね。ではお約束どおり16万をいただきましょうか」
先に10勝したのはみゆきだった。
勝ち誇るみゆきとは対照的に、こなたは殆ど死んだような目でカードを眺めていた。
「さっさとおろして来いよ。負けたんだろ?」
みさおがこなたの髪を掴んで迫る。
「………………」
こなたはそれにも無反応で立ち上がろうともしない。
その様子がみゆきやあやのには面白くて堪らないのだが、せっかちなみさおは逆に不満を露にした。
「こなたぁ、ルールはルールだろ? いつまでもそうやってないで、さっさと銀行に行きなさいよ」
「そうですよ。別に泉さんからお金を巻き上げようというのではありませんよ。
負ければ全額引き出す。その条件を呑んでゲームに臨み、負けたのは貴方なのですからね。
つまり泉さんは今から、”自分の意思で”お金をおろしに行くわけです」
急かすかがみたちとは違い、みゆきのゆっくりとした口調はこなたに恐怖心を植え付ける。
言うとおりにしないとどうなるか分からないぞ、という意味の脅迫がある。
「16万かあ……それで籤買ったらさすがに当たんねーかな?」
「4桁や3桁のやつもあるだろ? あっちにすればいいんじゃない?」
「あ、それ私も知ってる。ミニっていうのもあるんだよね」
こなたの頭上ではすでに数人が16万の使い道についてあれこれ相談している。
イカサマゲームを仕掛け、それに勝利する事に悦びを感じるみゆきは特に巻き上げたお金には興味がないようだ。
彼女の目的は相手よりも2倍近い勝率となるカードゲームに、巧くこなたを誘導した時点で果たされている。
だから巻き上げた16万などどうでもいいのだが、当籤した場合にはこのメンバーで山分けという話が持ち上がったので、
「当たったら引き換えに行く前に私たちに教えてくださいね」
みゆきはにこやかな笑顔で言った。
「大丈夫よ、高良ちゃん。みさちゃんは独り占めなんてしないわ」
それがみさおの独占を封じ込める掣肘だと解釈したあやのは、やや強い口調で言い返す。
86恐怖!! 皆殺し学園31:2010/05/26(水) 21:33:01 ID:???
口調の強さの意味が分からなかったみゆきは、
「いえいえ、独り占めだなんて。ただ当籤金を山分けとなった場合、日下部さんが受け取りに行きその後分配するとなると、
贈与税がかかってしまいますから。110万円以下なら問題はありませんけれど」
やんわりと補足する。
「その際には私たち全員の委任状を添えて受け取れば贈与とは見做されません」
というみゆきの博識ぶりに一同は感心する。
もちろん、”全員”の中にこなたは含まれていない。
「そっかぁ〜、税金なんて全然考えてなかったぜ」
「さすがゆきちゃんだね」
口々に褒めそやされ、みゆきは赤面して俯いた。
和気藹々と盛り上がる一方、こなたは話題の矛先がいつ自分に向くかビクビクしていた。
もしかしたらこの卑劣ないじめっ子の中にも僅かばかりの憐憫の情があって、何らかの拍子に16万はおろさなくていい、
という話になりはしないか。
絶望の淵に立たされながらもこなたは一縷の望みを抱いたが、
「というわけで使い道も決まったことだから、早く出してきてよ」
つかさの一言によって淡い期待は粉砕された。
ここにいるのがつかさだけなら、今のこなたでも適当に逃れることはできたかもしれない。
しかしグループの頭脳であるみゆきやあやの、押しの強いかがみとみさおがいては勝ち目はない。
「これは泉さんにとっても有益なお話なのですよ」
緩急をつけるみゆきの語り口調は見事なもので、彼女の場合は一度は辛辣な言葉でこなたの精神を打ち砕いておき、
その後すぐに憐れみの言葉を用いて聞き手の感覚を麻痺させる。
初めに冷たく追い詰める事で、後に垂らされる蜘蛛の糸が黄金の綱にも見えてしまうのだ。
攻勢一辺倒のみさおとは違う、より効果的な責め方だ。
「つまり投資なのですよ。貴方が出したお金で籤を買い、当たればそれに見合うだけの配当が手に入る――。
くだらないアニメグッズなどを買うよりもよほど有意義な使い方だとは思いませんか?」
みゆきが何度見せたか分からない邪悪な笑みを浮かべる。
(使い方なんて私の自由でしょ……くだらないとか言わないでよ…………!)
内心ではそう思うも、もはや言い返す気力も湧かない。
87恐怖!! 皆殺し学園32:2010/05/26(水) 21:35:42 ID:???





みさおに小突かれながら、こなたは渋々ATMに向かう。
同じ店舗を出入りしては怪しまれる、というあやのの容喙があり別のATMで財産をおろす。
その間、店の外で待っていた5人は先ほどのカードゲームの話で盛り上がっていた。
「日下部さんは実によいタイミングで質問してくれました。エースが上向きに出たら無効……と付け加えることで、
泉さんはこのゲームが本当に50%の確率で勝てるゲームだと思いこんでしまうのです。
仮にエースが上向きで出てもゲームを続行する、というルールなら私の勝率は75%なのでそれでも良かったのですが」
「そこはさすがに気付くんじゃない? あいつ、バカだけどヘンに勘がいいしさ」
かがみは対象がいようといまいと、こなたに対しては言葉をオブラートに包む事はない。
たとえ当人を前にしても、平然とバカと言い切ってしまえるだけの潔さがある。
「黒→黒、黒→黒でゆきちゃんの勝ち。黒→エースでこなちゃんの勝ち、エース→黒で無効…………」
つかさは先ほどのゲームのカラクリを必死に解き明かそうとしている。
すでにみゆきの説明があったのだが、単純な確率の計算だというのに彼女には理解が難しいようだ。
「エースかジョーカーかを選ばせたのも疑いを逸らすためです。カードもルールも何もかもこちらで用意してしまうと、
どうしても疑念を持たれてしまいますから。ですから彼女にカードを塗り潰させたのです。
双方が関与することで不正を働く余地はない、と。皮肉にも彼女自身がそう思いこんでいたわけですね」
「そもそもルールに穴があるなんて、あの泉ちゃんが気付くハズないものね。それにしても高良ちゃんは凄いわね」
「いえいえ、私はこの手の遊びを考えるのが好きなんです。トランプを使ったゲームは他にもいろいろありますよ」
みゆきが笑んだ時、沈み切った顔でこなたが戻ってきた。
手には丁寧に薄緑色の封筒を持っているが、誰もがその中身を知っている。
みさおがパッとそれを奪い取り、慣れない手つきで札鑑を始める。
「よ……し、今度はちゃんと出してきたな」
空になった封筒をこなたに投げつけ、みさおが輪の中に戻る。
(はは……全部、取られちゃった……一生懸命バイトして稼いだお金なのに…………)
数メートル離れたところで笑い声が聞こえる。
88恐怖!! 皆殺し学園33:2010/05/26(水) 21:38:17 ID:???
ただ嬉しいからなのか、こなたを笑っているのかは分からない。
(もう耐えられないよ、こんなの…………いつか殺されちゃうよ…………)
こなたは腹部をさすった。
みさおに蹴られた痕が痛む。
暴力を振るわれるのは今に始まったことではないが、激痛には耐性ができない。
「もうイヤだ……イヤだ…………ッ!!」
無意識のうちにこなたは走り出していた。
「あ。あいつ、逃げたぞ!」
通りを挟んでかがみの声がする。
こなたにとっては幸いなことに鞄は彼女の手にあった。
トランプゲームに負けATMに向かう段になった時、かがみが渡したからだ。
憐れみからではない。
制服姿で鞄も持たずに銀行にいる姿をカメラに映されると、後で面倒なことになるかもしれない。
いじめっ子という種族はこういうところに妙に気が回る。
「あいつ……逃げ足だけは速いよな」
というみさおの声が風に乗ってこなたの耳に届く。
お金を巻き上げたことで満足し、追走するつもりはないようだ。
「もうイヤだ…………!!」
雑踏をかき分けて走るこなたは、自分の行いの愚かさは考えないことにした。
いじめられる側がしてはいけない事のひとつは逃走だ。
学校は明日も明後日もある。
いじめっ子が納得する方法で別れなければ後日、”逃走”に対する苛烈な責めを受けることになる。
しかしこの恐怖は今のこなたには関係のないものである。
恐れる理由は陰惨たる明日があるからであって、そもそも明日のない者には一切の感情を抱く必要がない。
こなたが望むのは安穏。
逃走ではなく逃避だ。
「……………………ッッ!!」
あらゆる感覚、あらゆる感情にぐちゃぐちゃにされながらも、彼女の足はしっかりと帰るべき家へと向かっていた。
「あ、お姉ちゃん、お帰りなさい」
ゆたかが屈託のない笑みで迎える。
が、こなたはそれに会釈を返すように僅かに俯くと、何も言わずに脇を通り抜けた。
「おねえちゃん……?」
89恐怖!! 皆殺し学園34:2010/05/26(水) 21:40:25 ID:???
怪訝そうな表情のゆたかだが、必要以上に不安に駆られることはない。
こなたは大体こんな感じだからだ。
3年に進級してしばらく経った頃から徐々に様子がおかしくなり始め、今に至ってはほとんど会話も交わさない。
ゆたかとしてはどうにか力になってやりたいところだが、その手立ても思いつかずに歯痒い想いをしている。
「………………」
こなたはそうじろうに見つからないように自室に入る。
顔を合わせれば受験だの進路だのと迫る父親にもいい加減にウンザリしていた。
その言い分が正しいだけにこなたには反論の余地もない。
勉強しなければならないのだが、いじめに遭う日々を送っていては勉強どころか生きる意欲すら消沈してしまう。
「お母さん……もう耐えられないよ……なんで私ばっかりこんな目に遭うの……?」
制服姿のままベッドに身を横たえ、こなたは昼間我慢していた涙を一気に溢れさせた。
泣いても喚いても現実は何も変わらない。
既にこの世の者ではないかなたが手を打ってくれるわけでもない。
「お父さんは同じことばっかり……そりゃ受験が大事だって分かってるよ――分かってる。
でも私だってもういっぱいいっぱいなんだよ…………」
これは愚痴ではない。
生きることを殆ど諦めた人間が死の間際に述べる、辞世の口上に近い。
「楽しいことなんて何ひとつない。私の頭なんかじゃ……そもそも勉強だってロクにしてないから大学だって
行けるかどうか分かんない。スキルも何もないから就職だってできないに決まってるよ……」
こなたの不安と恐怖は今を通り越し、数年先にまで及んでいる。
彼女の頭にどこかの会社の事務員をしている自分が描かれたが――。
局や先輩社員から代わる代わるに仕事の遅さを責められたり、大量の雑務を押し付けられる自分がいる。
襤褸襤褸になった精神状態では描く未来も舞台を変えただけで現実とは大差がないのだ。
「………………」
こなたは現実逃避することに決めた。
精神的な意味ではなく、文字通り現実からの逃避だ。
決意が鈍らないうちに机の抽斗からカッターナイフを取り出し、刃を手頸にあてがう。
これをたった一度、躊躇なく滑らせるだけで全ては終わる。
一瞬の痛みを感じるだけで明日、明後日と続く痛みから永遠に解放される。
(これで…………)
90恐怖!! 皆殺し学園35:2010/05/26(水) 21:42:34 ID:???
だがその最期の単純な行動が起こせない。
力を入れようとしても何かに阻まれているように手が動かせない。
(お母さん…………?)
かなたが止めているのではないか。こなたは思った。
自分の命と引き換えに産んだも同然の娘が、自ら死を選ぼうとしているのを次元を超えて止めに来たのではないか。
(ひどいよ……なんで死なせてくれないのさ……)
そんな母親をこなたは恨んだ。
「生きて……もっと私につらい目に遭えって言うの? 死んだら終わりだからもっと苦しめって言うの?
ひどいよ……ひどいよ、ひどいよ…………」
涸れたと思っていた涙が再び零れる。

――――ぽたり。

落ちた一滴の涙が刃先を濡らした。
丸みを帯びた雫は重力に従って刃を伝う。
透明なハズのそれがどす黒く変色したように見えたこなたは、無意識のうちに笑んでいた。
(はは……そっか……そうだよね……)
91恐怖!! 皆殺し学園36:2010/05/26(水) 21:43:27 ID:???
カッターナイフを投げ捨てたこなたは中空の一点を眺めた。
「もうちょっとで意味のない自殺するところだったよ」
聞く者のいない呟きが室内をぐるりぐるりと駆け廻る。
「止めてくれてありがと、お母さん。お母さんの言うとおりだよ。どうせ死ぬなら仕返ししてからだよね」
光の宿っていない瞳が空気に溶けたかなたを見つめている。
そのすぐ後ろに立っている黒い影が鎌を持ち上げて袈裟掛けに振りかぶろうとしている。
ギリギリのところで思考を転換したこなたは、その鎌が振り下ろされるまでの時間を僅かに延ばすことに成功した。





その夜遅く。
2人が寝入ったのを確かめてから、こなたは音を立てないように台所に滑り込んだ。
目当ては庖丁だ。
さしあたり彼女が思いつく武器がこれしかなかったからだが、よく手入れされていて切れ味は良い。
仕返しの為に用いるには十分な得物であろう。
「ふふ…………」
窓から差し込む青白い光が刃に当たって不気味に輝く。
そこに映るのは恍惚の瞳の少女である。




92マロン名無しさん:2010/05/26(水) 22:07:36 ID:???
 今日はここまでです。
投下してから散見される誤字に気付きました……ご海容下さい。
明日か明後日には完結します。


 いじめられる人間の心理というのは複雑なもので、
ただ嵐が過ぎるのを待つタイプや報復を恐れずに仕返しに出るタイプなど様々です。
不思議な事にいじめられる側は、同じくいじめられる人間・いじめる側の人間の両方の気持ちを
考えることができるのに対し、加害者側は標的の立場に立ってモノを考えようともしない場合が多いです。
陳腐ですが、両者のこうした意識の乖離がいじめ問題を永久に放逐できない一因ではないかと思います。
93マロン名無しさん:2010/05/26(水) 22:21:29 ID:???
乙です
そうじろう以外はみんな悪役かと思ったけどゆたかはこなた側のようで少し安心
94マロン名無しさん:2010/05/26(水) 22:33:32 ID:???
いよいよこなたの復讐が始まるのか…。
本当に苛める側は相手の辛い気持ちを考えないよね。
分からないのでもなく、分かってても知ったことか、なのかも知れない。
どうなんだろうね。
95マロン名無しさん:2010/05/26(水) 22:40:37 ID:???
いや…虐められる側の気持ちを考えて、最も効果的な方法を取るような人間も居るだろうからねぇ
サディスト、と呼ばれる人種

全く考えないのがサイコパスと呼ばれる人種か
96マロン名無しさん:2010/05/27(木) 06:51:40 ID:???
うおおー!
こなた早まるなー!
俺が嫁に貰って一生面倒見てやるから!
97神奈川板シリーズ:2010/05/27(木) 07:39:53 ID:???
「こなたがキャッスルロックにやってきた」

あれは夏に入る前、僕(ゴーディ)のクラスにあいつが転校してきた。
「東京から来ました泉こなたです、よろしくヽ(≡ω≡.)」
あいつは東京と言うところから来たらしい。後から聞いた話では埼玉からだそうだ。
バーン「なぁゴーディ、東京って何処だい?」
クリス「バーン、お前そんなのも知らないのか?」
テディ「しかし可愛いよな〜」
あいつは僕の隣まで来た、ああ分っている、僕の隣の席に座るのだろう
「どうもよろしく(≡ω≡.)」
クリスたちは冷やかしたが、僕は内心不吉なものを感じた。

昼休み、僕たちはあいつと昼ご飯を食べた。
ゴーディ「こなたさん、ここはどう?」
「うーん、ここはねえ、アニメイトやゲマズがないからこの町を出ていきたいよ(≡ω≡.)」
僕は内心、殴り殺したい衝動にかられながら、聞いた。
「それに、この町イケメンいないじゃん?イモばかりだねえ、アハハハハハハ(≡∀≡.)」
クリス「おいおい、お前悪く言いすぎだろ?それにイケメンってなんだよ?」
僕はあいつのことをブル・シット・・・牛の糞・・・糞野郎!と罵倒したくなった。
「まぁ商売が終わったらこの町から出て行くよ(≡∀≡.)」
バーン「商売って何だい?」
「白い粉を売っているのさ(≡∀≡.)」
バーン「ああ、小麦粉のセールスマンか」
僕は心の中でマザー・ファッカー、キス・ユア・ダーティ・アス、ファック・
98神奈川板シリーズ:2010/05/27(木) 07:41:00 ID:???
一週間後、僕たちはいつもの隠れ家にいた
クリス「ゴーディ、テディの奴、あの転校生と付き合っているんだよ」
ゴーディ「ええ?」
僕はちょっとびっくりした、クリスの話じゃあテディはあいつと買い物しているところを見たそうだ。
その時、テディがやってきた、凄い泣き顔だった・・・
クリス「どうした?」
テディ「彼女に振られちまったよ・・・畜生。金を全部、アニメグッズやゲームにつぎ込まれちまった・・・」
クリス「そいつはひでえな」
僕はあいつはテディ目当てでなく金が目当てでテディと付き合っていたということが分った。
一分後、バーンがやってきた。
バーン「大変だ!兄貴やエースたちが警察にしょっぴどかれた!」
ゴーディ「どういうことだよ!」
クリス「おい、バーン落ち着いて話せ」
バーン「こなたは白い粉のセールスマンって言っていただろ?エースたちはその白い粉を吸って大暴れしたんだ」
ゴーディ「じゃあ、あいつは薬の売人だったということか」
僕は凄まじいほど怒りのマグマが爆発した。

次の日、あいつは教室の机の上に手紙が置いてあるのを気がついた
「なにこれ?」
手紙には
(放課後、裏山へ クリス)
と書かれていた。僕たちのもくろみ通り、あいつは裏山にきた。
99神奈川板シリーズ:2010/05/27(木) 07:44:42 ID:???
「やぁ話って何?(≡∀≡.)」
クリス「俺はな、お前の迷惑に散々付き合わされてきた」
「はぁ?(≡ω≡.)」
クリス「お前、テディに金を巻き上げた挙句、エースたちを薬中にしただろ、今からお前をブッ殺す」
クリスは、あいつの頬をナックルで殴った。
「な、……何するんだ!?(≡Д≡.)」
僕はバールを取り出し、
ゴーディ「さーて何処を殴られたい?」
"ボガッ"
最初は、あいつの頭を1発殴り、倒れたあいつの身体に、何十発もバールで殴った。
"ドスッ""ゴフッ""バキッ"
「がはっ…(≡Д≡.)」
バーン「さて次は僕の番だ」
バーンは、水筒から硫酸をあいつにかけた。
「あ、……熱い!……熱い!!(≡Д≡.)」
「ほ〜ら、温かいジュースだぞ〜」
「ひぃ!やめて(≡Д≡.)」
「ふざけるなよ!俺の兄貴薬付けにしやがって!」
バーンは不気味な笑みを浮かべながら言った。
ゴーディ「バーン、次はテディにやらせようぜ」
テディはあいつの前に立った。
テディ「てめぇ俺を良くもコケにしてくれたな。軍隊式制裁を加える」
テディは、あいつを立たせて持っている釘バットで、あいつの頭を殴りはじめた。
"ゴンッ""ゴンッ"
「痛い!!やめて!!(≡Д≡.)」
100神奈川板シリーズ:2010/05/27(木) 07:46:57 ID:???
テディ「てめぇは俺を貯金箱扱いしやがって、もう我慢できねえ」
テディは、釘バットで殴るのをやめ、あいつにローキックをした。
キックは、あいつの腹に当たった。"バキッ"
あいつは口から、赤い液体を吐き出し、目から眼球が飛び出た。
ひるんだあいつに、テディは背中にかかと落としをした。
何発も
"ゴッ""ゴッ""ゴッ"
クリス「今度は俺の番だ。バーン、ゴーティ、この糞女を起こして、しっかり掴んどけ」
バーン「OK」
ゴーティ「分ったよ」
僕とバーンはあいつを掴んだ。
バーン「準備OK」
クリス「じゃあいくぞ」
クリスは、あいつの顔面をナックルで殴り始めた。
"ゴフッ""ドスッ""グシャ"
あいつの口から、2、3本も歯が落ちた。しかし、これだけ殴っても、あいつは生きていた。
クリス「ちっ、生きてやがる」
クリスは舌打ちをした。
その後僕たちは、瀕死をあいつを谷底まで連れて行き、谷底にたたき落とした。
クリス「よし、帰るか」
ゴーディ「そうだね」
僕たちは何事も無かったかのように家に帰った。
翌日、あいつ―泉こなた―の死は警察によって自殺として処理された。

おしまし
101マロン名無しさん:2010/05/27(木) 17:38:43 ID:???
神奈川版こなたには性格が性格だけに同情出来ないな。
102マロン名無しさん:2010/05/27(木) 20:47:33 ID:2jWuEmrr
神奈川版シリーズはそれだけじゃないだろ、他作品のキャラも
あんた誰?って言いたくなるほど凶暴化しているし。

竜崎 こなたを自殺に見せかけて殺す、泉家の財産を奪い取る。
伸恵 放火、強盗、殺人しまくり、未成年じゃないので無期か死刑しかない。
凜 そうじろうを恐喝した挙句警察に密告、ヤクザじみた行動を取っている。
キョン 銭ゲバでこなたを逆恨みした挙句学校襲撃させる。
大石 暴行、殺人、拷問しまくりのマッドポリス。警察官の皮を被った凶悪犯。
祐一 態度をコロコロ変えるやり逃げ男。多分、重度の女狂い。
アニメ店長 リンチ、拷問当たり前の基地外。
103マロン名無しさん:2010/05/27(木) 21:16:08 ID:???
 みなさん、こんばんは。
本日分の投下です。
急におかしな事になっても気になさらないで下ちい。
104恐怖!! 皆殺し学園37:2010/05/27(木) 21:17:46 ID:???
 翌朝。
こなたにとっては特別な、その他の者にとってはいつもの光景があった。
柊姉妹の待ち伏せに遭い、渋々合流させられたこなたは例によって3人分の鞄を持って通学路を行く。
しかし今の彼女にとっては軽微ないじめだ。
この数分後にはみさおとあやのが加わって都合、5人分の鞄を押し付けられる羽目になるのだ。
(なんかこいつ、今日はやけに明るいわね……)
トボトボ歩くこなたを背にし、かがみは額に汗を流している自分に気付く。
実際、この時のこなたは妙に快活だった。
いじめられっ子に特有の陰鬱さも動きの緩慢さもない。
逆に溌溂としていて気味が悪いほどポジティブに見える。
かがみはちらっとつかさを見やった。
天然を隠れ蓑にした蒙昧な妹はその変化に気付いていないようである。
(気のせいか……)
と、かがみは思うことにした。
しばらくして合流したみさおもあやのも、別段こなたの変化には意識が向いていないようだ。
(峰岸も何とも思ってないみたいだし)
みさおならその辺りに鈍いのも頷けるが、みゆきと共に智謀を巡らせてきたあやのでさえ訝しむ様子がない。
どこかスッキリしないかがみはしかし、仲間の多いことに安堵していた。
「でさ、眼鏡ちゃんが言うには今までで出た回数が少ない順に数字を選んだほうがいいんだってさ」
こなたに鞄を持たせたみさおは、両手を頭の後ろで組んでまた宝籤の話を始めている。
そんなもん、どうせ当たらないわよ。
かがみはそう言いたかったが、子供のように快活なみさおを見て言葉を呑み込む。
「それも確率の話?」
これまであまり接点がなかったつかさが食いついている。
「らしいぜ。全部の数字の出る確率が同じだから、1から43の出る回数にバラつきがなくなってくるハズだってさ。
ってことは一番出た回数が少ない数字が出やすくなるって言ってた」
数学が苦手なみさおも、この手の話になると饒舌になる。
「長い目で見たらそうだけどさ。結局毎回の抽選ではバラつきも何もないんじゃないの?」
いつしか不安も吹き飛び、かがみもいつもの調子で口を挟んだ。
105恐怖!! 皆殺し学園38:2010/05/27(木) 21:19:24 ID:???
「柊は固いよな〜。もちっと夢持とうぜ」
「あんたは夢見すぎだ」
「まぁまぁ2人とも……」
という具合に普段と何も変わらないやりとりが展開される。
その数歩後ろ。
身の丈に合わない荷物を持たされたこなたは、だらりと前に垂れた長髪で笑顔を隠していた。



「ほんなら出欠確認や。休んどう奴だけ返事せえ」
ななこのお決まりの挨拶は教室内に小さな笑いを生む。
「泉」
エセ関西弁を操るこの担任は、たったひとりだけ笑っていない生徒の名を呼びつけた。
「泉っ!」
自分のギャグが受けなかったことが気に入らなかったのか、それとも日増しに衰弱していくこなたが鬱陶しいからなのか、
教師らしさが微塵も感じられない冷たく突き放すような調子で再び呼ぶ。
「…………はい」
こなたは仕方なく虚ろな瞳で小さく返した。
その瞬間、ななこは口の端を歪めて、
「ほう、泉は欠席やな。休んどう奴だけ返事せえ言うたもんな?」
出席簿に何やら書き込む振りをした。
「あはは! こなちゃん休みってどんだけ〜」
「きっとレベルがこの学年には到底及ばないので自宅学習でもなさるのでしょう」
「泉はキモオタでバカだからな」
「算数ドリルでもやってろっての」
どっと哄笑が巻き起こる。
その渦中にあってこなたもまた嗤っていた。
声こそあげなかったが、大仰に肩を震わせて。
「おい、あいつ笑ってるぜ」
「ありえなくない?」
「とうとう頭おかしくなったんじゃね?」
「現実とアニメの区別がつかなくなったとか?」
106恐怖!! 皆殺し学園39:2010/05/27(木) 21:20:40 ID:???
「せんせー! 病院に連れていきましょう!」
「病院! 病院!」
「病院! 病院!」
数人がおどけて唱和した。
驚いたことにななこまでが手拍子をとって調子を合わせている。
ガタンッ! と大袈裟に椅子を引いてこなたが立ち上がった。
「…………ッ!?」
突然の動作に生徒たちがたじろぐ。
その反応が面白くて、こなたはニタリと笑みを浮かべる。
陽炎のように体を左右に揺らしながら、彼女はゆっくりゆっくりと教壇へ歩く。
(な、なんや…………?)
徐々に近づいてくる少女を見て、ななこの額に冷や汗が流れた。
「先生…………」
このたった一言が不気味だ。
ななこはただ教壇に両手をついたまま佇立するしかできない。
「保健室に行ってきます……」
吐き捨てるように言うと、こなたは返事もまたずにゆらりと教室を出て行こうとする。
「あ、ちょっと待たんかい! ウチは許可してへんで!? 勝手なこと――」
一瞬遅れて我に返ったななこがいつもの調子で怒鳴ったが、こなたは無視して室を出て行った。
「………………」
「………………」
妙な沈黙が場を支配する。
てっきりまた泣き出すと思っていた加害者たちは、被害者の予想外の行動に呆気にとられた。
どことなく面白くない、白けてしまった、という雰囲気になる。
「ふ、ふん! まあええわ。お前らもあんなオタクに毒されんようにな。1時間目は……物理か。
ほなホームルームは終わるから、ちゃんと用意して待っとき」
調子を掻き乱されたななこはつまらなさそうに息を吐くと、出席簿を手にそそくさと退室した。
彼女にとってもこなたいじめは一日の活力源だ。
担任教師という立場を利用して満座で罵倒し、それに生徒たちが乗っかってくれればこれ以上愉快なことはない。
応援している野球チームが負けた時も、ネトゲが思うように進行しなかった時も。
こなたを散々に蹂躙するだけで十分なストレス発散になる。
(くそ! なんやねんな、泉の奴! ほんまおもんないわ!)
107恐怖!! 皆殺し学園40:2010/05/27(木) 21:22:17 ID:???
そのこなたに勝手な行動をとられ、ななこは久しぶりに憤懣をむき出しにした。
ほんの一瞬だが、自分が負けたような気分になった。
思い返すだけでイライラが倍増する。
「放課後にでも呼び出したろか……どっか会議室借りて…………!?」
歯軋りしながら廊下を歩いていたななこは、行く先に佇む少女を認めて歩みを止めた。
たった今まで怒りを露にしていたのに、不覚にもその姿に竦み上がってしまう。
「い、泉……なにしとんや……?」
ちょうど曲がり角から半身だけを覗かせた恰好で、こなたはじっとななこを見つめている。
「お前、保健室行ったんちゃうんか……?」
「やっぱりやめました」
ニタリと笑うこなた。
「ほなさっさと教室戻れや。サボる気か?」
「後で行きますよ。それより先生」
「なんやねん?」
こなたがずいっと前に出てきた。
右手だけを不自然に後ろに回している。
「ずいぶん私のこと、いじめてくれましたね」
「………………?」
「普通、学校でいじめがあったら先生は止めるでしょ? なのに率先して私を標的にするなんてヒドイですよ」
「な、何の話や? 別にいじめてなんかないわ」
「ウソつき」
「ホンマや。ウチは皆が可愛いからな」
「ウソつき!」
2度目にそう叫んだこなたは地を蹴った。
「あっ――――!?」
ほぼ同時にななこの視界に光が一閃し、天井が壁が床が赤く染まる。
「ごぼっ!!? いずび……なんでや…………?」
「分かってるくせに。こんなのじゃ足りないよ、先生」
自身も返り血を浴びて赤黒く変色しているこなたは、脚下で痙攣するななこを憎々しげに見おろす。
情けをかける必要も躊躇う必要もない。
「い、しゃ……医者…呼ん…………だれか……!」
こなたは庖丁を逆手に持ちかえ――。
108恐怖!! 皆殺し学園41:2010/05/27(木) 21:25:03 ID:???
無様に這いずる女の背中に向け、外科医のような正確さで突き立てた。
「おごおおッッ!!」
骨につきあたって刃がうまく刺さらない。
こなたは全体重をかけてぐいっと庖丁を押しこんでいく。
ドライバーの要領で回したり捻ったりしながら、数秒後にはどうにか刃はななこの体を貫通した。
「……………………」
「黒井先生」
「……………………」
「……死んじゃったか」
既にななこは息絶え、喉から風の抜けるような音を発している。
廊下に広がった血液は不健康そうな濁った赤から黒に変わろうとしている。
「あいつらも…………」
誰かに見つかって取り押さえられる前に、こなたは復讐を再開することにした。
まずはB組。
仕返ししたい相手はクラス全員だが、その中でも順位をつけるなら真っ先に挙がるのがつかさとみゆきだ。
この2人だけは決して許してはならない。
ななこの背中から庖丁を抜き取り、足早に来た道を引き返す。
怒りと憎悪に身を任せたこなたの動きは速い。
ガラッと勢いよくドアを開けて室内に踏み込む。
「い!? な、なんだよそれ!!」
教科書類を出して担当教師が来るのを待っていた生徒らは、乗り込んできたこなたを見て戦慄する。
恐怖を感じさせるのは返り血で染まった制服でも、物騒な刃物でもない。
彼女自身だ。
過酷ないじめに耐えかね、復讐に燃える少女の双眸は対峙する者の動きを完全に封じ込める。
「よくも皆して私をバカにしてくれたね!!」
劇の始まりを高らかに宣言したこなたは風のように教室を駆けた。
目標はみゆき。
こなたは机の間を走り抜けながら、左右にいた数名の首を掻き斬った。
「おげぇっっ!!」
「ぐごほーーッッ!!」
あちこちから羶血が吹き出し、瞬く間に室内が赤く染まる。
「うわぁっ! 泉が狂ったぁ!!」
109恐怖!! 皆殺し学園42:2010/05/27(木) 21:26:44 ID:???
「ひ、人殺しーー!!」
遠くにいたため難を逃れた生徒たちが脱兎のごとく教室を走り去る。
「あ、あ、あ…………」
わずか数秒。
その惨劇に呆気にとられていたみゆきは身動きできず、こなたの接近を許してしまう。
鉄錆の臭いが鼻を衝く。
「ひいいぃぃぃっ! お、お助けを!! どうか命ばかりは――!!」
時代錯誤の嘆願の悲鳴をあげ、みゆきは大粒の涙を零した。
表情は恐怖に歪み、知性の欠片も感じさせないほどに醜い。
「私だって助けてほしかったよ。でも誰も手を差し伸べてくれなかった!!」
こなたが庖丁を振り上げる。
「ほほほ本意じゃなかったんです! 本当です! 皆さんに脅されて仕方なく加担しただけなのです!」
後ずさり、拝むようにみゆき。
あまりの滑稽さに一瞬殺意が削がれかけたこなただったが、目の前にいるのは紛れもなく自分を虐げてきた才女だと思いなおし、
刃を袈裟掛けに振り下ろした。
「んぎゃあああぁぁぁぁ!」
肩から胸から腹からボトボトと流れる血液。
銀光の跡を追うように走る激痛にみゆきは悶絶した。
「い、痛いっ! 死ぬほど痛いっ!!」
言わなくても分かることを彼女は態と口にした。
そうすることでこなたに罪悪感を抱かせるつもりだったのだが、一度燃え上がった復讐の炎を消すことはできない。
「あはは、痛いでしょ? 苦しいでしょ? だけど私の受けた痛みに比べたらまだまだ優しいほうだよ」
ほんの少しだけ満足感を得たこなたはみゆきの肩を踏みつけた。
この構図だ。
ついに立場が逆転したという悦びが、腥(なまぐさ)い血の匂いをすら勝利の芳香に変えた。
「うううう…………」
苦悶の表情を浮かべて恨めしげにこなたを睨みつけるみゆき。
「ふん! 全部みゆきさんが悪いんだよ」
先ほど放った一撃が思いのほか深く、放っておいても死ぬと判断したこなたは視線だけを巡らせ、
教室の隅で小さくなっているつかさを見つけたほくそ笑む。
「つーかさ!」
刃先から誰のものともつかない血が滴る。
110恐怖!! 皆殺し学園43:2010/05/27(木) 21:28:14 ID:???
次は自分があれの餌食になるのだと分かっているつかさは、既に力の入らなくなった足に動けと命じる。
こなたとの距離はまだある。
恐怖で動けない振りをし、隙をついて教室を飛び出すことも可能な位置関係だ。
しかしこの作戦も1秒1秒と時間が経つごとに実行不可能となってしまう。
「逃げてもいいよ?」
目の前のいじめっ子が小刻みに震えるのを見て、こなたは態と両の腕をだらんと降ろした。
ななこやみゆきの時は復讐心に駆られるあまり、行動を急いでしまった。
最初で最後の復讐のチャンスなのだ。
生きるか死ぬかの微妙な距離感を保ち、じっくり仕返しをしてやろう。
(そうでなくちゃ面白くないもんね)
逃げてもいいと言ったにも関わらず、つかさは一向に動く気配を見せない。
焦れたこなたは大袈裟に一歩踏み出してみた。
「ヒッ!?」
滑稽なほど震えあがったつかさはそれを切欠に立ち上がり、こなたを迂回するように教室を飛び出す。
「お、お姉ちゃあああぁぁぁぁぁんんっっ!!」
と叫びながら逃げ出した事から、つかさがどこに向かうかは予想がつく。
こなたはすぐにつかさの後を追いかける。
「たすけてぇぇぇぇぇぇ!!」
案の定、彼女はC組のドアに飛びついた。
ここには頼りになる姉がいる。
「お姉ちゃああぁぁぁん!」
再び叫び、つかさがドアに手をかけた。
「オベエェェェェッッ!!」
勢いよくドアが開かれたのと、つかさの首に穴が空いたのはほぼ同時だった。
たった今できたもうひとつの口から、壊れてしまった蛇口のように赤い水が迸る。
「な、なんだあっ!?」
「マジかよ!?」
隣のクラスでの騒ぎがまだ伝わっていなかったC組の面々は、みな一様に驚きを隠せない。
ドアが開いた瞬間、飛び込んできたつかさの首に大きな風穴が開いたのだ。
そこから噴き出す血液を見て冷静でいられる者などいない。
「つかさッッ!!?」
柊かがみもその一人だ。
111恐怖!! 皆殺し学園44:2010/05/27(木) 21:30:01 ID:???
彼女の場合は目の前で絶命した少女が他人ではなく、双子の妹であっただけにそのショックは計り知れない。
「こなた…………あんた…………!!」
妹の命を奪った少女が入口に立っている。
「お、おい、なんかヤバイぜ?」
「そう……そうね……みさちゃん…………」
敵愾心をむき出しにするかがみの後ろで、みさおとあやのは恐怖に打ち震えている。
「あのチビ、キレやがった……」
こなたと一瞬、目が合う。
「あっ!」
あやのが声をあげた時、既にみさおは走り出していた。
みゆきやあやのほど頭が回らない彼女でも、こなたが何をしようとしているのかくらいは分かる。
だから逃走した。
ということはつまり、こなたをいじめていたと認識しているわけだが、今さら罪悪感を抱くみさおではない。
(悪ぃ、あやの! そっちはそっちで何とかしてくれ!)
こなたをいじめることで団結していた彼女たちは、そのこなたの狂気がキッカケで容易く離散する。
教室を飛び出し、バランスを崩しかけながらも廊下を走る。
その後ろから、
「待て待てぇーーー!!」
追いかけっこを楽しむようにこなたの声がした。
「げええ!? マ、マジかよ!? なんで追いかけてくんだよっ!!」
振り向いたみさおの顔は恐怖に引き攣る。
血濡れの庖丁をバトン代わりに腕をぶんぶんと振り回しながら、こなたが追ってくる。
「こっち来んなってヴぁ!!」
”廊下を走るな”の貼り紙を3度ほど素通りし、こなたは執拗に追いかける。
しかし相手はみさおだ。
いかに運動が得意なこなたでも、陸上部で鍛えた彼女には敵わない。
次第に距離は広がっていく。
「いいもの見っけ♪」
小さくなっていく背中に歯痒い想いをしていたこなたは、廊下の端に野球ボールを見つけた。
男子生徒が勝手に持ち出して遊んでいたのだろう。
それを素早く拾い上げ、腰の捻りを活かして投げつける。
「うぎゃっ!!」
112恐怖!! 皆殺し学園45:2010/05/27(木) 21:31:39 ID:???
後頭部にボールが直撃し、みさおがバランスを崩して倒れ込む。
「むふふ、命中命中!」
一気に距離を詰め、起き上がろうとするみさおめがけて庖丁を振り下ろす。
ザクリ、と確かな感触。
「痛えぇ! 本当に痛えっっ!!」
赤黒く染まった刃は太腿を貫いている。
「うわああぁぁんん……痛えよおぉぉ…………!!」
うつ伏せに倒れたみさおは上半身を起こして涙目でこなたを見る。
「はぁ……よくも私をいじめてくれたね!!」
全速力で廊下を駆け抜けたこなたは、肩で息をしながら自分を虐げてきた怨敵を見下ろす。
「……日下部さんには散々殴られたり蹴られたりしたからね……はぁ……どうしてやろうかな…………」
「うぎゃあぁぁ!!」
優越感に浸りながら、太腿に突き刺さったままの庖丁を勢いよく引き抜く。
ポッカリ空いた穴から鮮血が溢れ出す。
「な、赦してくれよ! ちょっとした冗談だったんだからさ!!」
涙目で赦しを請うみさおに、
「冗談で済むと思ってんの!?」
こなたは服を捲りあげて怒鳴った。
「こんなに痣ができてるんだよ! 擦っただけでも痛いんだから!」
「わ、悪かったってヴぁ! な、なあ、これからは仲良くしようぜ! なっ!」
「バカにしないでよ! 私がどれだけ苦しんだか…………」
声を限りに罵倒してやろうと思っていたこなたは、妙に艶めかしい血まみれの脚を見て留めた。
それからニタリと笑みをひとつ。
その変貌ぶりにみさおの全身から厭な汗が噴き出した。
「そぉ〜だ。日下部さんって陸上部なんだよね?」
「………………」
「訊いてるんだけど?」
「そ、それがどうかしたのかよ!?」
「だったらさ、走れなくなったらつらいよね?」
「お、おい……!!」
恐怖に引き攣るみさおの顔を愉快そうに眺めたこなたは、その足首に刃を突き刺した。
113恐怖!! 皆殺し学園46:2010/05/27(木) 22:01:14 ID:???
「んぎゃあああぁぁぁっっ!」
2度目の激痛に悶絶する。
「アキレス腱切ったら走れないよね?」
「は、はいいぃぃぃ!?」
「今までの仕返しだよっ!」
「ひぎええぇぇぇぇッッ!!」
聞く者を震撼させる号(さけ)びが廊下中に響き渡る。
工作を楽しむようにこなたは何度も庖丁を抜いては突き刺し、あるいは手前に引いたり捻じ込んだりしながら、
2分ほどかけてみさおの左足首を斬り落とした。
「死ぬほど痛ええよおぅ! あやの〜〜!!」
少し前に自分が見捨てた友の名を呼ぶ。
2人の周りには既に黒い水たまりができている。
「ふぅ……ふぅ……どう……? 反省した…………?」
呼吸するのも忘れて”作業”に没頭していたこなたは、ようやくここで一息つく。
「足がぁ〜〜足が痛ええよおぉぉぉ〜〜!!」
もはや声を出すだけで痛みが倍加するほどに傷を負ったみさおは、この場から逃げ出すこともできない。
「まだ、もう一本残ってるね」
「悪かった! 悪かったってヴぁ! 頼むからこれ以上どこも切り落とさないでくれよ〜〜!!」
「よく言うよ。今まで私をいじめてきたくせに」
「ここまでやってないじゃんかよぅ!!」
理不尽な痛みに開き直ったのかみさおが抗議する。
しかし彼女はそうする場面とタイミングを完全に間違っている。
「私に逆らうんだ?」
こなたが一度言ってみたかった台詞だ。
「さ、逆らってない! 逆らってません!」
滑稽なほど卑屈になる。
その様がこなたには愉快でたまらない。
その気になればいつでも殺せるという優越感が、こなたの悪戯心に火をつけた。
114恐怖!! 皆殺し学園47:2010/05/27(木) 22:02:23 ID:???
「ん〜どうしよっかな? そだ! ”お許しください、泉こなた様”って3回言ったら許してあげてもいいよ?」
「えっ? 言ったらほんとに許してくれるのか?」
「言わなかったらアキレス腱を斬り――」
「お許しください泉こなた様! お許しください泉こなた様!! お許しください泉こなた様ッ!!!」
これ以上ないくらいの早さでみさおは自分が助かるためのキーワードを口にした。
「………………」
「い、言ったぜっ!? ちゃんと言ったぜ!?」
「…………やっぱり気が変わったよ」
言うより先にこなたの手は動いていた。
「ぎゃはぁぁっ! そんな事だろうと思ったァァァ!!」
鋸の要領で刃を押し引き押し引き…………。
「ひぐうぅぅぅ…………」
両足を斬り落とされたみさおは、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔でこなたを睨みつけた。
「ちくしょおぉ覚えてろよおおぉぉ!!」
という言葉を最後にみさおの意識は途切れた。




115マロン名無しさん:2010/05/27(木) 22:08:03 ID:???
 今日はここまでです。
本当はみさおをこんな目に遭わせたくはないのですが仕方がありません。
それではまた明日。

116マロン名無しさん:2010/05/27(木) 22:27:03 ID:???
やっぱり復讐劇は爽快だね!
気分が晴れ晴れして来るよ。
みさおはこなたに暴力を振るった報いだね。
ざまあぁぁwwとしか思わない。
あとはかがみとあやのか。
うんと苦しめて殺さなきゃな。

とは言え、実際問題こなたキレ過ぎw
ここまでやったら過剰復讐だw
117マロン名無しさん:2010/05/27(木) 23:54:31 ID:006g7P25
5月28日(明日)ぐらい話たてるのやめない?
こなちゃん の誕生日ですぜ!
118マロン名無しさん:2010/05/27(木) 23:56:51 ID:???
ちょっと待ったw
誕生日だからこそ敢えて28日に狙ってくる人も居るんじゃない?
てか自分もこなた誕生日記念に何か落としたかったけど無理だった。
119誕生日だぜ:2010/05/27(木) 23:58:57 ID:006g7P25
話はできてるけども
文にできない・・・・
120マロン名無しさん:2010/05/28(金) 00:24:04 ID:???
「泉こなたを誕生日に自殺する方法」を考える
121マロン名無しさん:2010/05/28(金) 12:53:04 ID:???
>>116
あやのはアレだね、性的な意味で凄惨に苦しめたいね
三角木馬とか鞭とか異物とかそれ系
みゆきもそっち系なんだが、既に死んでるか

かがみはだ、駄目な男と結婚するって罰はどうだろう?
その、なんだ、俺とか
おっと、いくらなんでも残酷すぎる罰か
122マロン名無しさん:2010/05/28(金) 21:38:54 ID:???
まだかなワクワク。
123マロン名無しさん:2010/05/29(土) 14:53:56 ID:???
>>77
実際のイジメはもっと悪質
誰かが解決を試みると深みにはまる
けどイジメはいじめられる側も悪い
自分を押し殺してるから調子に乗ってくる
本人同士のちょっとした言い争い(強気で暴れる)で解決することもしばしばある
解決のために他人を介在させるから、弱さを見せつける結果になってよけいにコジれる

まぁこのスレじゃこなたが自殺に至るプロセスを楽しむ趣旨のものだから、イジメ云々を議論するのはスレ違いだ
124マロン名無しさん:2010/05/29(土) 15:14:57 ID:???
概ね賛成だけど、そのちょっとした抵抗すらできない人もいるんだよ性格的に
イジメやる奴はそういう相手を目ざとく見つけてる
125マロン名無しさん:2010/05/29(土) 16:11:26 ID:???
イジメられる側も悪いって発想だけは未だに理解できんわ
126神奈川板シリーズ:2010/05/29(土) 16:42:16 ID:???
来週辺りに新しい新作の「探偵相沢祐一 ホームレスこなたをやっつけろ」というSS
を発表しようと思うけどどうかな?
127マロン名無しさん:2010/05/29(土) 17:17:52 ID:???
>>125
悪い、俺(>>123)いじめられる側だったからこそ確信を持って言えるんだ
人見知りする人や内気な人、はっきりものを言わない人や弱気・軟弱な人
そういう人が狙われる
「あいつを標的にしても自分は安全」と思わせたら終わり
どんなきれい事並べても、この世は食い合いの繰り返しであることを知れば
自分が取るべき行動も決まるだろ
たったの一言(反論・反抗)で状況が一変する(そのいじめっ子が周囲からハブられる)こともあるんだからな
自分の考え、存在を主張する行動
それもできないなら、自然界においては滅んでも文句は言えない
128マロン名無しさん:2010/05/29(土) 18:01:24 ID:???
>>126
ありあり
129マロン名無しさん:2010/05/29(土) 18:25:10 ID:vrddzVbt
あと、現実は登場人物が多いからね
130マロン名無しさん:2010/05/29(土) 18:44:56 ID:???
>>127
いや、俺もイジメられる側だったけどその考え自体おかしいと思うよ
確かに大人しくしっぱなしなのは状況も変えれないのでダメだと思うし俺も反発する方だったけど、それ以前にイジメがある時点で駄目だろう
いじめられたら状況を変えようとするべきではあるが、だからと言って大人しいのが悪いと言うことはない
自然界でと言うが、理性を働かせれば気に入らないことがあれば相手に直接言うなりなんありできるだろ
なんかしら理由があって嫌われてハブられるとかならともかく、意味なくイジメの標的に誰か選んで楽しむのは虐める側がおかしいよ

書いてみて思ったが、根本的に考え方が違うな
131マロン名無しさん:2010/05/29(土) 20:02:16 ID:???
イジメをする奴は総じて知能指数が低い
高校とかだと偏差値が上にいけばいくほどイジメは少なくなる
132マロン名無しさん:2010/05/29(土) 20:26:41 ID:???
四面楚歌よ……
133マロン名無しさん:2010/05/29(土) 20:42:34 ID:???
知能指数の低い奴はいじめてるという自覚もないだろ
底辺校のバカ見てたらそう思うわ
レベルの高いところのいじめのほうが陰湿だよ
絶対自分に返ってこない様に生殺しにするから
いじめられたほうは精神が破壊される
134マロン名無しさん:2010/05/29(土) 20:55:24 ID:???
いつからここは虐め議論スレになった?
135マロン名無しさん:2010/05/29(土) 21:27:30 ID:???
早く投下されないかなー。
136マロン名無しさん:2010/05/29(土) 21:33:51 ID:???
アク禁か?
137マロン名無しさん:2010/05/29(土) 22:17:53 ID:???
138マロン名無しさん:2010/05/29(土) 22:48:43 ID:???
ぬほー俺たちは生殺しか
解除待ってるよー
139マロン名無しさん:2010/05/29(土) 22:53:11 ID:???
>>133
ここのSSでも陰湿ないじめ役がみゆき
直接的ないじめ役はつかさのパターンが多い気がするな
140マロン名無しさん:2010/05/30(日) 00:36:44 ID:???
「泉こなたを自殺させる方法」を考える34
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1272998122/
141マロン名無しさん:2010/05/30(日) 00:37:33 ID:C0BDfpsa
焼身自殺
142マロン名無しさん:2010/05/30(日) 01:43:33 ID:???
ベジットに寝てる間にガス栓開けといてもらう
143神奈川板シリーズ:2010/05/30(日) 20:33:35 ID:???
「探偵相沢祐一 ホームレスこなたをやっつけろ」

所沢に向かう国道に火の鳥のデカールが貼られているイーグルマスクのポンティアック・トランザムが走っていた。
祐一「フッ、ソープランドでお金使いこんじまったぜ、これじゃあホテルに泊まる金もないな」
トランザムを運転している男の名は相沢祐一。私立探偵だ。ある人物を暗殺するため、所沢に向かっていた。
鈍感で、朴念仁。思った事を無意識のうちに口に出してしまう精神障害。
絶世の美男子な中性的容姿。恐怖の眼力、威圧的オーラ、悩殺スマイル、相沢流格闘術
頑張れば歴代ライダー最強レベルのシャドームーンにも素手で勝てる。
ハクオロ以上の神であり、アムロ以上のニュータイプであり、国崎以上の法術であり
耕一以上のエルクゥであり、海原雄山以上の料理人であり、藤原拓海以上のダウンヒラーの持ち主だ。
ビル・ゲイツも真っ青な大金持ち相沢家当主、もしくは次期当主。
恒例行事は転校時の自己紹介にっこりフォーリンラヴ。

祐一はふっと公園にトランザムを止めた。祐一はマルボロメンソールをチェーンスモークしながら
辺りを見回す。
祐一「あ!!ホームレスの掘っ立て小屋だ!」
祐一は歓喜の声をあげた。祐一は小屋へ向かっていった。
掘っ立て小屋は結構大きかった。確りと板で壁を打ち付けてあり、防寒対策も完璧だった。
コンコン・・・
そうじろう「誰だ!」
「ゲッお前は相沢祐一・・・(≡Д≡.)」
ガキ「バブー?」
出てきたのは泉親子とこなたのガキと思われる幼稚園児だった。話は五年前にさかのぼる。
当時、稜桜学園では麻薬密売組織と売春組織が存在しており、祐一はその組織をぶっ潰す
依頼を大石から受けた。結果、麻薬組織と売春組織はそうじろうが組織のボスだという
事が判明し組織は壊滅した。結果的に泉家は家を失い、こなたは学校も退学になったそうだ。
144神奈川板シリーズ:2010/05/30(日) 20:34:43 ID:???
祐一「昔のことは水に流そうや、ちょっと停めてくれないか?」
そうじろう「チンピラを泊めるほど俺たちも馬鹿じゃないぞゴルァ!!」
「はぁなんでこいつ止めなければいけないのだよ!!!(≡皿≡.)」
ガキ「バブー!!!!」
祐一のブチ切れた。祐一は無言でそうじろうの頭を殴り飛ばした。
そうじろう「ウゲエエエエエエエ!!!・・」
そうじろうはクルクル回りながら倒れた。次にこなたとガキを引っつかむと、
そうじろうが倒れている方向へ投げ捨てた。
祐一「人が下手にでりゃあいい気になりやがって!!!ふざけんじゃネエ!!今日からこの家は俺のものだ!!」
祐一は掘っ立て小屋の中に入っていった。
祐一はキッチンらしき所を見て、歓声をあげた。
祐一「お!すき焼きだ!!」
「やめてぇぇぇ!!それは一生懸命働いて、手に入れたんだよ!!(T皿T.)」
祐一「ハッ!何が一生懸命働いただよ。覚せい剤の密売で稼いだんだろ?
祐一はすき焼きの肉をとって、かぶり付いた。
祐一「ハフハフ、ウマー!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!すき焼きがぁぁぁぁ!!!!!!(T皿T.)」
ガキ「バブー!!ニクー!!!」
そうじろう「うう・・・俺たちのすき焼きがぁ・・・・」
そんな声を聞きながら、祐一はすき焼きをぺろりと平らげてしまった

祐一「ご馳走様!いやー、すき焼きなんて久し振りに食ったな!」
寛ごうとして寝転んだら、幼児向けのワゴン車の玩具が置いてあった。
祐一は面白い事が出来ると思い、玩具を持った。
145神奈川板シリーズ:2010/05/30(日) 20:35:54 ID:???
「それは子供の大切なおもちゃなんだよ!!!(T皿T.)」
そうじろう「頼む!それは、俺とこなたが三ヶ月金をためてやっと買ってやった只一つの玩具だ!」
ガキ「バブー!!!クルマー!!!!!」
祐一はニヤニヤしながら、こう言った。
祐一「こんなの買ったら悪影響だろ?将来走り屋になるとか言ったらどうする?処分しなきゃね〜」
そう言いながら、ワゴン車の玩具を下に叩き付けると、足で踏み潰した。
ガキ「バブーー・・・・オモチャガ・・・」
「幾らなんでもひどすぎる!!!!(T皿T.)」
そうじろう「ああ・・・俺たちの・・・努力が・・・」
三人ともボロボロのワゴン車の玩具を囲んで泣いている。
祐一「悪影響にならなくなって良かったじゃん☆」
キレたそうじろうたちは狂犬の様に襲い掛かってきた。厨房時代に暴走族を一日で80人以上殺した俺に
楯つくとはいい度胸だ・・・祐一はすばやくデザートイーグルを取り出し発砲した。
そうじろう「ぎゃああああ!」
ダムダム弾がそうじろうの腹に食い込んだ。祐一はガーバーハンティングナイフで、そうじろうの両耳を切る。
そうじろう「ギャアアアアア!!!!お、お、お、オ・・オ、俺に耳ィィィィィ!!!!」
そうじろうは耳の有った所を押さえながら、叫んだ。
祐一はデザートイーグルを取り出し、両手両足に打ち込んだ。
そうじろう「イウイウイユxコウグオsgdグオsグオゴウ!!!???オレノウデyhdvyrdf!!!」
全く持って理解不能な悲鳴を上げると、そうじろうは転げまわった。
祐一「よ〜し「チンピラと言って申し訳ございません祐一様」と言え!」
そうじろう「うう・・・い・・や・・・・だ」
祐一はガーバーハンティングナイフで、そうじろうの両目を抉り取った。
そうじろう「パオポアオポピピピプイウッペペポピプパパパ!!!?????」
そうじろうは謎の宇宙語を上げながら転げまわった。
祐一「じゃあ「チンピラと言って申し訳ございません祐一様」と言え!言ったら助けてやる」
そうじろう「ち・・・んぴ・・と・・言って・・・もうし・・・わけ・・・ござ・・い・・ません・・・・祐一・・・様」
146神奈川板シリーズ:2010/05/30(日) 20:37:02 ID:???
祐一「いいかよく聞けチンピラ。俺が貴様みたいな薬の売人を生かすと思うか?」
祐一はバッグからソードオフにされたレミントンM870を取り出してカウントを取った。
祐一「三! 二! 一! 零オオオオオ!!!残ネエエエエン!!年貢の納め時だよ〜〜ん」
レミントンから発射される弾がそうじろうの顔に直撃し、一発で絶命した。
祐一は次にガキを虐殺しようと、近づいていった。
ジッポーのライターで、ガキの両目を焼いた。
ガキ「クアシdッイェwイェフュオアy;オ;ウgフォウウェy0f8エy0gf0エryg8p0エグ!!!????!!?!??!?!??」
ガキは謎の悲鳴を上げながら、必死に転がりまわった。
祐一はレミントンを突きつけて、こう言った。
祐一「元気が良いな!「貴方の仰る通りです祐一様」と言ったら助かるかもしれないな〜」
ガキ「アナタノオッシャルトオリデスユウイチサマ」
祐一「俺が貴様みたいなガキを生かすと思うか?じゃあ、そろそろ死ぬ時間だよ。」
祐一は愛車のトランザムに乗って、ヒール&トゥをかましながら走った。
そして、ガキの上を通過した。
ガキ「ギャアアアア!!!」
こなたのガキは胴体が真っ二つになって、死んだ。
祐一は、こなたにこの光景を見せた。
祐一「ほ〜〜ら!貴様の糞親父とクソガキだよ!」
「うぎゃああああああああああああああああああああ!!!(≡Д≡.)」
こなたは突然発狂したように笑い出した。
「ア、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!(≡∀≡.)」
祐一はトランザムに装着されている警察無線を入れた。
祐一「成実さんか?あんたの依頼通り、泉親子を始末した。報酬の三億五千万円はいつ払ってくれるんだい?」
次の日、こなたは公園のボットン便所で手首を切って死んでいるのが発見された。
               完
147マロン名無しさん:2010/05/30(日) 21:30:59 ID:???
http://rainbow.sakuratan.com/data/img/rainbow110136.jpg

ちょっとアラバマリスペクトしてみた
148マロン名無しさん:2010/05/30(日) 22:09:08 ID:???
>>143-146
あんまり良い気分のする話じゃないな。
細々と静かに暮らしてる人間達を一方的に虐殺。
復讐でも何でもない。
自業自得でもない。
このスレの美学というものが感じられんな。
149マロン名無しさん:2010/05/30(日) 22:19:35 ID:???
>>143
U−1じゃねーかw
150マロン名無しさん :2010/05/31(月) 08:57:35 ID:???
U-1って昔、鍵SSで流行っていたジャンルだっけ?
151マロン名無しさん:2010/06/01(火) 21:24:59 ID:???
 みなさん、こんばんは。
先日は失礼しました。
こな誕生日云々という話が俎上し、様子見していたところ日明けた上にアクセス規制に……。
ただいまより投下します。
152恐怖!! 皆殺し学園48:2010/06/01(火) 21:28:06 ID:???
 まだ痛みも何も味わっていないというのに、早くもあやのの精神は危殆に瀕していた。
上手い具合にみさおがこなたを引き連れてくれたが、C組に残っていたらいずれこなたが戻ってくるかもしれない。
そうでなくともクラスの連中は1人を残して逃げ出してしまったのだ。
ここにいる意味はない。
「ひ、柊ちゃん! 私たちも逃げよう!」
かろうじて友を想う気持ちが残っていたか、彼女は入り口で蹲るかがみに声をかけた。
しかしかがみはそれには答えず、息絶えた妹を愛撫するばかりだった。
「つかさが……つかさが…………」
取り憑かれたようにその名を繰り返し繰り返し呼ぶ。
(嗚呼、柊ちゃんは妹ちゃん一筋なのね……美しい姉妹愛ね……)
ヘンな妄想をしかけたあやのだったが、直面している現実の悲惨さに気付き、かがみの袖を掴んで立たせようとする。
「離してよっ! つかさの傍にいるんだからっ!」
「ここにいたら殺されるかもしれないのよ!?」
「あんなキオモタにやられるわけないじゃない。もし来たら返り討ちにしてやるわよ」
そう言い切るかがみはこなたへの怒りよりも目の前でつかさを喪った悲しみのほうが強いようだ。
「返り討ちって…………」
凶器を持っていて、しかもあんな残酷な殺し方ができる相手にどう対応するのか。
無謀だ、とあやのは思ったが豪語したのはかがみだ。
本当にやるかもしれない。
そこまで思慮が及ぶと保身に走りたいあやのの思考は絞られてくる。
早々と教室を飛び出すべきか、それともかがみの傍で身を固めるべきか。
今から逃げ出せばどこを目指すにしても自分は単独で走り回らなければならない。
運悪くこなたと鉢合せにでもなったら、その時は短い生涯を閉じることになろう。
ではここに留まればどうか。
言葉通りかがみが撃退してくれればもう恐れることはないのだから、それが最善の道のハズだ。
(ううん、もし柊ちゃんが殺されたら……?)
と考えるとゾッとする。
かがみが殺されるということはこなたの進入を許している訳だから、そうなっては逃げ場はない。
(みすみす泉ちゃんが来るまで待ってるなんてバカバカしいわ)
結局、あやのはみさおと同じことをした。
153恐怖!! 皆殺し学園49:2010/06/01(火) 21:29:22 ID:???
彼女がもう少し冷静であれば、とりあえず携帯で警察に通報するなどしてから教室を飛び出すべきだったのだが、
命の危険が迫っている局面ではそこまで気が回らない。
「じゃあ柊ちゃん、あとヨロシク! 泉ちゃんが来たらやっつけてよね!」
あやのにしては妙に快活にそう言い残し、脱兎のごとく教室を走り出た。
さして運動が得意ではない彼女は全速力で走った経験を数年前に取り残していることもあって、突き当たりの階段を
一段飛ばしに降りたところで息があがってしまう。
「と、とりあえず学校から出ちゃおう…………」
壁に手をついて呼吸を整え、一歩踏み出した時だった。
「見〜つけた♪」
あやのにその気はないというのに、かくれんぼをしているつもりのこなたは自ら鬼となり、あやのに死刑宣告を言い渡す。
「あ、あ、あ…………」
目の前の少女に射竦められて歯の根が合わない。
可愛らしい陵桜の制服は墨液に浸したように黒く染まり、ところどころでは凝固も始まっている。
あやのが恐れを抱いているのは眼前のこなたに対してだけではない。
そのさらに後ろ。
累々となる同級生の亡き骸だ。
ここからでは顔までは見えないが、それがB組の生徒らしいことは容易に想像がつく。
「なんで!? なんでなのっ!?」
こなたに気付かれないように半歩引き下がる。
(みさちゃんは…………っ!?)
と疑問に思ったが、すぐに結論を得る。
どうやら彼女が思っていた以上に処刑にかかる時間が短かったようである。
「次は峰岸さんの番だよ」
じりっ、とこなたが詰め寄る。
反射的に仰け反ったあやのは危うく転びそうになったが、かろうじて体勢を立て直す。
「ほんと峰岸さんにはいろいろしてもらったよね?」
最も逃げ脚の速いみさおに報復したこなたにとって、あやのを仕留めるのは極めて容易い。
仮に隙を衝いて逐電したとしてもすぐに追いつける。
おそらく抵抗も満足にできず刃の贄となるのだ。
だからこなたは少しだけ遊ぶことにした。
「ゲームしようよ、峰岸さん。ほら、あっち見て」
気味の悪い笑みを浮かべてながら、こなたは廊下の向こうを指さす。
154恐怖!! 皆殺し学園50:2010/06/01(火) 21:31:38 ID:???
だがあやのはそれには従わない。
何故ならこなたが指差したのは彼女の背後。
言に従えば背を向けることになる。
「大丈夫だって、そんな卑怯なことしないからさ。っていうか言うこと聞かないと殺しちゃうよ?」
そこまで言われてあやのは慌てて後ろを向く。
――突き当たりに背の高いロッカーが3台並んでいる。
掃除用具を納めるためのものだ。
「ロッカーがあるでしょ? その中からひとつ選んで開けてよ」
「あっ、開けたらどうなるの!?」
「開けてもし中に何も入ってなかったら峰岸さんだけは助けてあげる。でも入ってたら……分かってるよね?」
「ぅぅ………………」
あやのの全身から汗が噴き出した。
喉もカラカラに渇いている。
(た、高良ちゃんがやったみたいに私にも…………?)
気を失いそうになりながら、しかし彼女は咄嗟に思慮した。
(あのゲームは泉ちゃんにまず勝ち目のないルール……だから受けるのは損……。
だけど今度は仕掛けてるのが泉ちゃんだもの……小細工なんて思いつくハズないわ…………)
助かるかもしれない!
暗中に光明を見たあやのは表情だけは強張らせたままで、
「ほん……とに何もなかったら助けてくれるの?」
既に存命の道が開けたものとして訊ねた。
「やだなあ、私はウソなんかつかないよ。峰岸さんたちとは違ってさ」
「わ、分かったわ…………」
確認もそこそこにあやのは踵を返し、ロッカーに近づく。
こなたの気が変わらないうちにアタリを選ぶしかない。
(大丈夫よ……大丈夫……。確率は3分の2、私のほうが有利なのよ…………)
ゴクリと生唾を飲み込み吟味する。
何としてもアタリを選び、助かりたい。
その一心でロッカーを凝視するあやのは、66%の確率で自分が勝つものと思いこんでいる。
「えいっ!!」
天に短い祈りを捧げた後、彼女は真ん中のロッカーを勢いよく開けた。
155恐怖!! 皆殺し学園51:2010/06/01(火) 21:33:28 ID:???
「ウギャラカゲバラァッッ!?」
その瞬間、どさりと何かが自分に倒れかかり、あやのは奇声を発した。
生暖かい何かが胸の辺りを伝う。
「ひやああぁぁぁぁぁっっ!!」
数秒遅れて”それ”を確認したあやのはその場から逃げ出そうとするが、凭れかかってきた”それ”がずしりと重く、
思うように体を動かせないでいる。
「みさちゃんが両方のアキレス腱を切断されて死んでるゥッ!!」
「あははははっっ! 残念だったね、峰岸さん!!」
こなたが腹を抱えて笑いだす。
あやのが言ったように両足首を落とされたみさおが、体いっぱいに愛を表現するようにしなだれかかってくる。
「そのロッカーはハズレだよ。さすが峰岸さんだね。最後の最後まで日下部さんと一緒にいたいなんてさ」
「どいてよみさちゃん! あっちいけ!!」
すでに息絶えているというのに、あやのはかつての友に罵声を浴びせながら引き剥がそうとする。
しかし自分に全体重をかけられているために簡単には逃れられない。
健康的な四肢が絡みつき、手間取っている間にもこなたはじわりじわりと距離を詰めてくる。
「どいてってば!!」
あやのが渾身の力を込めてみさおの遺体を突き放した時、振り下ろされた庖丁が彼女の左腕を激しく叩いた。
「ひぎいいいぃぃぃッッ!!」
怪鳥のような叫び声をあげてその場に蹲る。
運よく切断は免れたが、それでもこなたの一撃は強力だ。
白い骨が見えた手首を押さえながら、あやのは呪詛の目でこなたを睨みつける。
「ヘンな声出さないでよ。リアルで”ひぎぃ”はノーサンキュだよ」
「ううぅぅ……………」
「ハズレだったから殺すね。ま、ほんと言うと全部ハズレなんだけどね」
ころころと表情を変えて笑うこなたは、あやのを常に視界に捉えながら両方のロッカーを開けた。
転がり落ちたのはB組の女子生徒の首がふたつ。
不運にも逃げ遅れたか、逃げ道を間違ってこなたと鉢合せした者らしい。
「そ、そんなの卑怯よ! それじゃどうやったって私は助からなかったじゃない!!」
「そうだよ。だってそんなつもりないもん」
「なっ――!?」
「あれだけ私をいじめておいて、こんなゲームで助かろうなんて虫が良すぎると思わない?」
156恐怖!! 皆殺し学園52:2010/06/01(火) 21:35:34 ID:???
「ううっ…………」
「ま、全部ハズレだったことを見抜けなかった峰岸さんが悪いってことでさ」
振り上げられた刃を、あやのは他人事のように見ていた。
それが自分めがけて迫ってきた瞬間。
「たわばっ!!」
彼女はどこかで聞いたような断末魔の叫びをあげかけたが、すぐにその首も胴体から切り離された。




「いたぞッ!!」
2人の遺体を恍惚の表情で眺めていたこなたは、後方からの声に我に返った。
誰かが通報したらしい。
警官が走ってくる。
(もう来ちゃったよ……あと一人残ってるのに…………)
ここで捕まってしまっては無念極まりない。
そもそも彼女の望みは復讐を果たし、罪人として獄の中で生きることではない。
「あ、逃げたぞ!」
くるりと踵を返し、こなたは一目散に駆けた。
幸いにも3年C組へ続く道には警官の姿はない。
(もうちょっと! あと少し…………!!)
遺体だらけの廊下を走りぬけ、血濡れの階(きざはし)に転びそうになりながら――。
こなたは再びC組に戻ってきた。
「………………ッッ!?」
瞬間、かがみと目が合った。
「こなたァァァァッッ!!」
血走った目のかがみは怨敵の姿を認めるや、鬼の形相で飛びかかった。
157恐怖!! 皆殺し学園53:2010/06/01(火) 21:37:44 ID:???
「うわっ!?」
さすがにこの展開は予想できなかったか、こなたは為す術なくかがみの突撃を許してしまう。
馬乗りになった彼女はこなたの首を凄まじい力で締めあげる。
呼吸を止められ、意識が遠のきかけたこなただったが、復讐心が彼女の五感を呼び戻した。
(殺されてたまるか……殺すのは――)
突き飛ばされた拍子に手から離れた庖丁はすぐ傍にある。
こなたはかがみを激しく睨みつけながら、それに手を伸ばし――。
「ぐぎゃはぁっっ!?」
喉笛を貫いた。
頭上から夥しい血液が降り注ぐが、すっかりこれに慣れてしまったこなたは今さら何も感じない。
嗚呼、かがみは死んだのだ、と。
漸くこの手で自分を虐げてきた者たちを粛清できたのだ、と。
(………………)
こなたの心の中は虚しい達成感で満たされた。
「はぁ……はぁ…………ふん、こうなったらかがみも呆気ないものだね」
起き上がり、まだ喉元からどくどくと血液を溢れ出させているかがみを見下ろす。
「ずいぶん楽しませてやったね」
憎々しげに爪先で脇に退けると、ちょうどつかさに寄りそうような格好となる。
ドタドタと警官が走ってくる音がする。
動機は復讐だが捕まっては咎は避けられないだろう。
こなたは幾人もの血を吸った刃を、今度は自分の腹部に向けた。
(お母さん、ごめんね、こんなことして…………もうすぐそっち逝くからさ…………)
復讐はこれで完成するのだ。
「きみ!! やめなさいっ!!」
駆け付けた警官たちは自殺を図ろうとするこなたを取り囲むが時は既に遅い。
彼女は何の躊躇いもなくそれを突き刺した。
痛みは――ない。
これまで受けた痛みに比べれば、刃が体を刺し貫くことなど些細なものだ。
(お母さん…………)
血の海にくず折れる泉こなたの顔は醜く歪んでいたが、その表情は誰よりも幸せそうだった。

158マロン名無しさん:2010/06/01(火) 21:43:53 ID:???
 本日はここまでです。
まとめの初期のSSを読んでいて、偶にはこんな系統のものも書いてみようと思った次第です。
次回で完結しますので今しばらくお待ち下さい。


 僕自身、いじめというのは受ける側が意図的にいじめられるように仕向ける場合を除いては、
9分9厘9毛……9涅槃寂静、加害者側が悪いと思っています。
圧倒的多数でもって虐める側と、ごく少数の虐められる側。
何百年何千年経とうと恐らく未来永劫繰り返すであろうこの構図。
いつに変わらぬ人間の呆れ果てた浅ましい姿ではないでせうか。
”いじめられる側が悪い”というスタンスからのSSのストックもありますので、いずれ投下したいと思います。
159マロン名無しさん:2010/06/01(火) 21:43:56 ID:???
支援
160マロン名無しさん:2010/06/01(火) 21:55:04 ID:???
乙です
161マロン名無しさん:2010/06/02(水) 01:18:22 ID:???
GJ!
復讐は何を残したのか
162マロン名無しさん:2010/06/02(水) 01:45:34 ID:???
U-1って、今の言葉だとメアリースーになるのか?
163マロン名無しさん:2010/06/02(水) 01:57:43 ID:r6ojntAf
>>162
あほ!ボケ!
164マロン名無しさん:2010/06/02(水) 09:44:10 ID:???
福岡さんとかアラバマってどうしてるの?
165マロン名無しさん:2010/06/02(水) 10:08:39 ID:???
その前にダムダム弾ってなんだ?
U-1は作者の願望ばかりそろえた最強設定のキャラなんだよな。
祐一から名前を借りて作ったのが多い。
166マロン名無しさん:2010/06/02(水) 12:48:36 ID:???
>>115
みさお好きなんだっけ?
みさおの纏足作る時性的に興奮した?
応か否かがノーマルとアブノーマルの境目
167マロン名無しさん:2010/06/02(水) 16:41:41 ID:???
>>158
乙です!
全員への復讐を成功させスッキリしました!
でもこなちゃんの過剰報復はちょっと後で叱ってやらなきゃな。
でも最後「お母さん……」というこなちゃん可愛い。
守ってあげたい。

最後エピローグが残ってるという事で楽しみにしてます。
168マロン名無しさん:2010/06/02(水) 21:39:04 ID:???
 みなさん、こんばんは。
今夜、完結させます。
169恐怖!! 皆殺し学園54:2010/06/02(水) 21:41:52 ID:???


 一瞬と永遠の違いは何か。
これを言葉で説明するのは容易いが、実際に感じるとなるとこれほど難しい概念はない。
どちらも認識できない時間の流れだからだ。
一瞬は感じることなく過ぎ去り、永遠は終わりがないから感じることができない。
こなたはこの、どちらか分からない時間の流れを経てここにやって来た。
「こ、ここは…………?」
灰色の土が延々と続く。
空は不気味に曇っており、その向こうに太陽があるとは思えないほどに辺りは暗い。
彼女の目の前に巨大なアーチ状の門がある。

  ”WELCOME TO THE HELL ”

不釣り合いな電飾の文字が掲げられている。
「えっと……ようこそ丘へ……って意味なのかな……?」
こなたが呟いた時、
「ほんっとにバカよね」
後ろで不吉な声がした。
彼女は恐る恐る振り返り、声の主を認めた瞬間、表情は驚愕に彩られた。
「それはね、”地獄へようこそ”って書いてあるのよ。丘は”HILL ”だろ」
やや男性的な口調はかがみだ。
「普段から勉学を怠っているとそうなるのですね」
クスクスと厭らしい笑みを浮かべてみゆきがやって来る。
「そうかな? 普通は勉強してなくてもそれくらいは分かりそうなものだけど」
今度は門の方からあやのが顔を出した。
「っていうかこの状況で丘とかありえなくね?」
あやのの肩に手を回し、足並みを揃えて進み出るのはみさおだ。
170恐怖!! 皆殺し学園55:2010/06/02(水) 21:42:56 ID:???
よく知っている――会いたくもない――顔ぶれに、こなたは後ずさった。
が、彼女の後ろには知謀を巡らす2人の少女が。
前にはそれに劣らぬ策略を企てる2人の少女がいる。
「な、なんで……なんで…………?」
こなたは生きた心地がしなかった。
厳密には彼女は死んでいるから、この感覚は誤りである。
「お母さん…………!」
無意識にこなたは母を呼んでいた。
「ああ、あんたのお母さんなら天国よ? 良かったわね〜、ちゃんと天国に行けて」
かがみが笑った。それにつられてみゆきも笑った。
「なんで……お母さんに会えると思ったのに……」
こなたが肩を震わせた。
「あはは、天国に行けるなんてどんだけ〜〜」
門の向こうから声がし、それを合図にみさおがこなたの右腕を掴んだ。
「こなちゃん、人殺ししておいて天国に行けると思ってたの?」
姉と違って人当たりの良さそうな笑顔を浮かべ、つかさがゆっくりと迫った。
こなたが大袈裟にかぶりを振り、その場から逃れようとする。
が、それより早く反対側からかがみに抑え込まれ、こなたはその場に蹲った。
「生前、罪を犯した者はその重さによって死後の行き先を振り分けられるそうですよ?
天国と地獄……大きく分ければ二つですが、中身はもっと複雑なんですよ。ご存じでしたか?」
みゆきが口の端を僅かに歪めた。
「黒縄地獄に衆合地獄、叫喚地獄に焦熱地獄…………」
うっとりと恍惚の表情で彼女は地獄を数え始めた。
「多くの人の命を奪った泉さんはこれら八大地獄を順番に巡るのですよ」
怒気を露にしたみゆきの顔つきは獄卒よりも邪悪に満ちていた。
もはや抵抗する気も起きず、こなたは項垂れた。
が、彼女にはこうして一瞬でも体を休める暇は与えられない。
肩を強引に掴んで幼躯を立たせたみさおは、引きずるように門の方へと歩を進める。
かがみが反対側から逃げ出さないように抑える。
「なあチビ、知ってるか?」
「…………」
「単に他人を殺すよりも自殺の方が罪が重いんだぜ? ちょっと前に”ゴクリ”って奴に聞いたんだけどさ」
171恐怖!! 皆殺し学園56:2010/06/02(水) 21:44:25 ID:???
「そ、それで…………?」
みさおには珍しい含みを持たせた言い方が怖い。
「自殺ってのは文字通り自分から死ぬことだよな?」
「…………うん……」
「そういう奴はな、死んでも救われねえんだってさ」
「えっ……?」
こなたは目を瞬かせた。
言葉の意味が理解できなかったからではない。
微妙な言い回しに引っ掛かるものがあったからだ。
「悪いことをして死んだ人はね、高良ちゃんが言うように一度は地獄に落ちるの。
でもね、その罪の度合いに応じて救済の措置がとられるのよ」
前髪を軽く掻きあげ、あやのが笑んだ。
「つまりここは更生施設のようなものね。責め苦を受けて心を改めれば晴れて出所……天国に行く機会が与えられるわ」
まるで自分が天国に行く事が決まっているかのように、彼女は揚々とした声で言った。
虚ろな眼で周囲を見渡したこなたは、今になって誰もが妙に陽気であることに気付く。
これは。
この状況は。
彼女たちがここに来る前とよく似ていた。
「でも自殺の場合は駄目なんだって。生きることを放棄した人にはそんな救済も必要ないだろうって判断されちゃうらしいよ」
「与えられた命を自ら放棄する行為は、他者の命を奪うよりも罪深いんですよ」
「逆に殺された私たちは可哀想だっていうことで、生前に悪い行いをしても減免されるんだって」
つかさが笑った。
それにつられてみゆきも笑った。
「そんな…………」
「それにしても納得いかないわよね。なんで私たちまで地獄なのよ?」
かがみが口を尖らせた。
「泉さんをいじめた罪、だそうですよ。獄卒さんからお聞きしたのですが」
「とんでもない話ね」
「全くです。閻魔羅闍(えんまらじゃ)さんも何をお考えなのか……承服しかねますね」
「でもいいじゃん。どうせ5年とちょっとなんだし。適当に熱湯風呂に漬かってりゃいいんだろ?」
こなたの肩を掴む手に力を込めて、みさおが宥めるように言った。
「普通にやればね。でも私は天国行きを辞退するわ」
172恐怖!! 皆殺し学園57:2010/06/02(水) 21:45:45 ID:???
かがみが妙な事を言ったが、誰も特に驚きはしない。
驚愕の表情を浮かべたのはこなただけだ。
「な、なんで…………?」
苦悶なのか恐怖なのか、よく分からない顔をかがみに向ける。
「決まってるじゃない」
それに対し、得意そうに構えるかがみである。
「あんたが自殺したせいで私たちは地獄に堕とされたのよ。その仕返しをしたっていいと思わない?」
「…………!?」
氷よりも冷たい口調にこなたは身震いする。
「わ、わ、私のせいって……?」
「気付かないんだ?」
門に凭れながらつかさが呟く。
2人に押さえつけられたまま、こなたは既に門まで数歩の位置に来ている。
「その話ならつかささんからなさるのが良いでしょうね」
頬に手を当て、うっとりした表情でみゆきが発言を譲る。
あやのとみさおが小さく頷いた。
「こなちゃんに殺された私たちはね、閻魔様から審問を受けてたんだよ。天国か地獄のどっちに送られるかがそこで決まるんだ♪」
「…………」
「その時は閻魔様も決められなかったみたいなんだ。特に良い事も悪い事も私たちしてないからね」
「…………!!」
(散々に私をいじめておいて、悪い事をしてないなんてよく言えるねッ!)
こなたはそう思ったが極力、顔に出さないように努めた。
死んでしまった以上はもはや恐れるものなど何もないハズなのだが、いじめっ子の機嫌を損ねないように行動してきた彼女は、
地獄に堕ちてもなおその習慣を引きずっていた。
「だからね、閻魔様もずいぶん迷ってたみたいだよ。地獄に行くほど悪い事はしてないけど、天国に行くほどの善行もなかったって。
でね、そういう人たちはとりあえずどっちでもない世界に行くんだって。それから天国に行くっていう順序なんだけど――」
つかさの笑顔が邪気を孕んだものに変わった。
「あんたのせいよ」
173恐怖!! 皆殺し学園58:2010/06/02(水) 21:47:42 ID:???
つかさののんびりした喋り方に急いていたのか、かがみが割り込んだ。
「審問受けてる間にあんたが自殺なんかしたから、閻魔の奴が決断下しやがったのよ。
”泉こなたが自ら命を絶ったのは私たち5人が追い詰めたから”だってさ。その罪で私たちはこうして地獄送りよ」
「じゃ、じゃあ……私が死ななかったら……みんな天国に行けたってこと……?」
「1週間くらいで行けたでしょうね。ま、その場合はあんたもいずれは天国に行く事になるんだろうけどね」
かがみに睨まれ、こなたは竦み上がった。
”閻魔の奴”と言い捨てたところに、かがみの尋常ではない怒りが見える。
こなたに”人生”を狂わされたという矛盾した憤りは5人に共通していた。
どこからか断末魔の叫び声が聞こえる。
何の罪でか、先に死んだ者が責め苦を受けて叫んでいる。
「うちらは5年、ここで罰を受けりゃ天国に行ける。でも私と柊は天国には行かねえんだ」
みさおが遠い目をして言った。
「あら、私もよ?」
あやのが口を挟んだ。
「私も〜」
「もちろん、私もですよ」
遅れまいとつかさ、みゆきが殆ど同時に声を上げる。

174恐怖!! 皆殺し学園59:2010/06/02(水) 21:49:18 ID:???


「だってさ――」

5人が一斉にこなたを凝視する。

「天国に行ったら……」

邪悪な眼光を叩きつけ……。

「こなたと――」

「こなちゃんと――」

「泉さんと――」

「お前と――」

「泉ちゃんと――」


伸ばされた10本の腕がこなたの首を、肩を、腕を、足を掴んだ。
175恐怖!! 皆殺し学園60:2010/06/02(水) 21:50:29 ID:???
「………………ッッ!!」
無駄と分かっていながらこなたはもがく。
しかし快楽と憎悪とを綯い交ぜにした5人の拘束はある種の結束となって、さらにこなたを強く烈しく縛り付ける。
「遊べなくなるじゃない」
最後はかがみが代表して言った。
いやいやをするようにこなたが激しくかぶりを振る。
だがもはや手遅れだ。
彼女の小さな体は彼女の意思とは無関係に少女たちに持ち上げられ、遂に門をくぐってしまう。
「おう、泉……待っとったで」
黒井ななこが腕を組んで現れた。
「いやっ……いやだ! いやだよおおぉぉぉっっ!!」
無間地獄はその残酷な口を開いて、こなたを呑み込もうとしていた。







   終

176マロン名無しさん:2010/06/02(水) 22:02:48 ID:???
 これにて完結です。
お読み下さりありがとうございました。

 少し前、久々に桜藤祭をやってみたらギャラリーモードの8ページ目に、
僕の信奉する漫画家のCGを見つけました。
このSSはその敬愛する漫画家の作風に似せて書いたものです。
「怪奇カエル姫」は是非とも後世に残したい作品です。


>>166

 否ですね。
僕はもっとソフトでディープな絡みが好きですから。
みさお好きの僕にとってこの待遇は断腸の想いでした。
尤も現実に居たら一番嫌いなタイプですが。
177マロン名無しさん:2010/06/02(水) 22:35:39 ID:???
もう一回全員ぶっ殺してやれよ、こなた。
一回やったんだ、もう何回でもやれるだろ。
178マロン名無しさん:2010/06/02(水) 22:53:25 ID:???
書いた奴が死ねばいいのに一生苦痛の続くじわじわ悪化する病気でな
179マロン名無しさん:2010/06/02(水) 23:01:41 ID:???
鬱ストーリー作ってるだけの二次創作スレで何いってんの?
180マロン名無しさん:2010/06/02(水) 23:26:44 ID:???
ここのキチガイは他スレも荒らすからな
181マロン名無しさん:2010/06/03(木) 01:12:56 ID:???
>>176
乙です。
殺されて掃除ロッカーに押し込められた名も無き二人も、こなたを待ち望んでいるのかな。
こういうスプラッター系も好きですよ。
182マロン名無しさん:2010/06/03(木) 09:24:52 ID:???
ところでU-1がスレ最初期から出ていたらどうなっていたんだろ?
183マロン名無しさん:2010/06/03(木) 09:59:51 ID:???
反則的な能力で楽々自殺に追い込んでたと思うな
必殺のニコポで女子全員味方に付けてね
184神奈川板シリーズ:2010/06/03(木) 10:19:58 ID:L4dMVzwG
「探偵相沢祐一 俺が掟だ」

祐一は愛車のトランザムに乗ってマンション兼探偵事務所に戻った。車の駐車場には
マーキュリー・クーガーXR−7の他、シボレー・カマロZ28、フォード・マスタングUコブラが
止められてあった。それは全部祐一の愛車だ。そして駐車場の隣にはホームレスらしき妊婦の女性が
うずくまっていた。
「うう寒いよー(≡Д≡.)」
祐一はホームレスを自分のマンション兼探偵事務所に連れて行った・・・・。

マンションの中に入れると、取り合えず腐った牛乳と、賞味期限の切れたドックフードを与えてみる。
ホームレス-名は泉こなた-は、死体に漁りつくハイエナのように食べた。
「美味いな〜一か月ぶりの食事だよ(≡〜≡.)」
祐一「今日は泊まったら?」
「じゃあありがたく泊まらせてもらうよ(≡∀≡.)」
祐一「そうかじゃあ俺は風呂入ってくるね」
「はぁ私が入るのが先なのだよ(≡∀≡.)」
祐一はこの言葉に切れたが、
祐一「分かった、じゃあ先に入って。」
怒りを押さえつつも、テレビでやっている「クリープショー」を見て待った。
・・が、二時間待っても出てこない・・・
三十分後にやっと出てきた。
祐一はそそくさと、風呂に入っていった。
祐一「・・・何、コレ・・・ふ、風呂?」
湯船は茶色に染まって、糞尿の匂いがプンプンする。・・・おまけに茶色い固体物まで堂々と浮いている。
祐一はついにブチ切れた・・・そこで更に切れた。
185神奈川板シリーズ:2010/06/03(木) 10:21:58 ID:L4dMVzwG
「アアアアアアアアッ!!!!!!俺の大事な我が闘争ガアアアアアアアッ!!!」
何とこなたが祐一の大事なアドルフ・ヒトラーの政治書「我が闘争」の上で糞をしていた。
「本の上のウンコしたくらいで起こるなよ(≡∀≡.)」
祐一はこなたを掴み上げるとプロのボクサーでも十メートルぶっ飛ばすようなパンチを繰り出した。
「ヂsdgflディァデェイオgヘイhyウィロシgsラオイhヴォセヂfz!!!!!????!!?!?(≡Д≡.)」
こなたは謎の言葉を叫ぶと口から血を吐きながら壁にぶち当たった。
祐一「てんめぇぇぇっ!!!何が「本の上のウンコしたくらいで起こるなよ」だと!!」
そして、試合前の格闘家も裸足で逃げ出す闘志を放ちながらこなたの元へ近づくと、蹴りを入れた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!(≡Д≡.)」
こなたはこう叫ぶと、窓ガラスまでぶち当たってずり落ちた。
祐一「おい!この俺の部屋を滅茶苦茶にするとは良い度胸だな!!」
そう言って祐一は目潰しをこなたに繰り出した。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!目が目が!!!!!(≡Д≡.)」
こなたの両目は、見事に失明し、血がドクドクと流れていた。祐一はこなたの上に乗ると、
マウントパンチを繰り出すと、こなた外へ放り出した。
祐一「ふぅ全く失礼な奴だったぜ」
祐一はマルボロのメンソールの煙草に火をつける。しかし、冷静に考えていくと、奴を生かしとけば
俺は警察に捕まる・・・・祐一は携帯電話をかけた。相手は小神組のヤクザ、土見凛だ。
祐一「土見、ちょっとやってほしい仕事があるんだ」
凜「分った、俺もあんたに依頼したい仕事があったんだ、例のホームレス集団のことなんだが」

最近、ホーレレスの生活が変わっているホームレスが一緒に大きい洞窟などに、定住している。
まあ、それはそれで、アッソと思うような事なのだが、コレが最近、社会問題になっている。
ホーレスが住んでいる洞窟付近で、人間の死体が見つかっており、異臭を放つので苦情が出て居る。
また、ホームレスによる幼女の誘拐や、ホームレスによる集団窃盗などが多発している。本来ホームレスは
生ゴミを漁るだけだったのだが、今は堂々と強盗したりしている。
186神奈川板シリーズ:2010/06/03(木) 10:25:27 ID:L4dMVzwG
祐一「となると奴はその洞窟にいるんだな?」
凜「奴って、まさか泉こなたのことか?そいつがそのホームレス集団のリーダーなんだ」
祐一「なら仕事のやりがいがある、分った引き受けよう、あと劣化ウラン弾を用意してくれ」
祐一は電話を切るとカマロZ28に乗りこみその洞窟に向かった。
数分後、カマロを洞窟前に停めると、一台のトラックが砂塵を巻き上げてやってきた。
その中から、凜が顔を出して祐一にこう言った。
凜「高射砲と劣化ウラン弾もって来たぞー」
祐一は、有無を言わさずこう言った。
祐一「分かった、発射準備しろ!!」

「いったい何が始まろうとしているんだ・・・・(≡Д≡.)」
祐一「下劣なる害虫泉こなたとホームレス諸君!!早く降伏しなさい!」
この問いかけにこなたはこう叫んだ
「ふざけんじゃねえ!誰が降伏するもんか!!!!(≡皿≡.)」
祐一はこの言葉を聞いた瞬間、鬼の如く怒り狂いこう叫んだ。
祐一「ふざけんじゃねぇよぉぉっ!!ビチグソ共めぇぇっ!!おい!!劣化ウラン弾発射しろ!!」
高射砲が発射された。砲身から出た閃光は、直ぐに洞窟内部へ入り、爆発した。
ホームレス「シィウィィィィsyホイフyウェhピフォgフィlウェhygfウェオイゴ!!!!!!!???????」
ホームレス「ギュギフィyfツヅtdsdyjysrッイfyグgfdsrrtフェtgyty!!!!!!!!」
ホームレス「アヅウウウウウウウウウウウウkジログオヘrギオエシュオ:アショ:gf!!!!!!!!」
187神奈川板シリーズ:2010/06/03(木) 10:27:25 ID:L4dMVzwG
洞窟の入り口近くに立っていたホームレスは、謎の言葉を叫びながら、絶命した。
数分後、祐一や小神組のヤクザ達が洞窟に突入した。ヤクザ達は息のあるホームレスたちを
AK47で射殺していく。そしてついにこなたを見つけたのであった。こなたは新たな命を
生み出そうとしていた。そして、こなたは生まれてきた赤ちゃんの顔を見る。そして驚愕した。
どいつもこいつも、5人が5人 奇形児だったのだ。
頭がまるで、風船のように肥大化している赤ん坊
手足がまるでサリドマイド児のように、短くなっている赤ん坊
対照的に、手や足が5本も6本も体のあちこちから生えている赤ん坊
目はひとつ、かわりに耳が三つもついている赤ん坊
全身を、皮膚の代わりに正体不明のかさぶたのようなものに覆われている赤ん坊・・・・・・
祐一「こいつは・・・ものすごいな・・・・・・」
凜「全員奇形児かよ。こいつ、どんな生活を送ってたんだ?」
二人は笑いながら、赤ん坊をAK47で射殺した。
こなたは余りのショックに狂った。発狂したこなたは洞窟から出ると線路に飛び込んで電車にひかれて死んだ。
                  完
188マロン名無しさん :2010/06/03(木) 20:11:42 ID:???
探偵相沢祐一って伸恵(バイオレンス)と竜崎(社会的地位)を足した感じだよな。
普通の探偵の枠に納まりきろうはずがない。人を殺しまくるわ、女は犯しまくるわ、
銃や核兵器を使いまくるわ、押収した金はねこばばするわ、と実に型破りな仕事ぶりだしな。
探偵と言うよりもはや凶悪な殺人鬼だよ。正直、かがみたちにはこんな事は流石にできんと思う。
大石や伸恵ですら一歩間違えばテロリストだったが、ここまで派手にやらなかった。
189神奈川板シリーズ:2010/06/04(金) 09:10:12 ID:JfGsSX37
今度、皆殺し学園の後日談を書こうと思うけどどうかな。

主な主役は祐一とやまとと大石ときよたかだけど。
190マロン名無しさん:2010/06/04(金) 11:39:07 ID:IR77Fieg
お前もう神奈川名乗るのやめろ
元の神奈川に失礼っつーかもとの神奈川と同一人物だと勘違いしかねないわ
191探偵U-1シリーズ:2010/06/04(金) 17:57:25 ID:???
「探偵相沢祐一 キモオタキチガイを撃て!」

俺-俺の名は相沢祐一-は真面目に読書-大藪春彦の「戦士の挽歌」-しながら、こなたを喫茶店
から監視した。今回の依頼はあやのからで彼氏の様子がおかしいということだった、こなたとあやのの
彼氏日下部が何だか騒いでいた。
日下部「ゴメン、泉ちゃん。バイトがおくれて…」
「もう!私は三分も待ったんだそ!?そんな私を待たせて楽しいのかね?(≡皿≡.)」
日下部「そ、そんなことないよ。バイトがさぁ…」
「もういい!じゃあ。『銀座ラトゥール』で御馳走しなさい!団長命令よ!(≡皿≡.)」
日下部「ええっ!?それは無理だよ。この前『京王プラザ』でごちそうしたばかりじゃないか!」
「はぁ?この私に意見すんのか?団長の言うことを聞かない奴は死刑だよ、プププ(≡∀≡.)」
日下部「分かったよ…『銀座ラトゥール』に行こう…」
こなたは日下部の愛車の三菱ギャランΛ2000スーパーツーリングに乗りこんだ。俺も後をつけるように
駐車場に止めていたトランザムに乗りこんで、ギャランΛの後をつけた。
こなたは日下部のお金で散々飲み食いあと家に帰った。俺は庭に忍び込んで、話を聞いていた。
ゆたか「あ、おかえり」
「五月蠅い、声をかけるな!(≡皿≡.)」
さらにそうじろうが
そうじろう「おーこなた。ちょっとビール取って来てくれないか?」
「自分で取ってこいよ、糞爺!(≡皿≡.)」
と言い捨てました。さらにわざと聞こえるように
「さっさと死ねばいいのに(≡∀≡.)」
と言いました。ゆ、許さん・・・許さんぞ!この糞女が!。
192探偵U-1シリーズ:2010/06/04(金) 17:59:25 ID:???
次の日、こなたは駅の方に来ていた。俺は親友のきよたかの愛車の日産ガゼール(S110型)ハードトップから
降りるとこなたのあたまを鉄パイプで叩いた。こなたはしばらく失神した状態だ。

その間に『サリン』や『VXガス』のセールスマンのきよたかにある物を頼んでいた。
それは『つけた本人は何も感じないけどまわりの人間にはとても臭いと感じる香水』
というブツを作ってもらっていた。
それを失神したこなたに振りかけ、三時間後、こなたは立ち上がりました。
そしてこなたは歩き出しその後ろをガゼールを運転しながらをこっそり追跡した。
するとこなたは案の定日下部を見つけ走りました。
「日下部君♪(≡∀≡.)」
日下部「うわっ、臭ッ!吐きそうだ!」
「え?(≡Д≡.)」
日下部「うわぁぁ!?臭い、臭いぞあっち行け!」
日下部はさらにスピードをあげて逃げた。
「ちっしょうがないな、どっかで憂さ晴らしするか(≡皿≡.)」
こなたはバックからバタフライナイフを取り出し、近所の幼稚園に入って行きました。
こいつまさか・・・幼稚園児やるんじゃあ・・・
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!(≡皿≡.)」
こなたは幼稚園の中に入って行った。いっせいに、幼稚園児たちが散り散りに逃げだした。
その中で男子が派手にこけた。
男子は歯を震わせながらながら怯えていた。そして鼻を抑えている。
あまりの臭さには反撃できないようだ。その時、銃声が聞こえた。
「うぎゃあああああああああああああああああああ!!(≡Д≡.)」
幼稚園の先生がウィンチェスターM70をぶっ放して、右足を撃ったのだ。更にM70を
腹に向けて撃つ。
「痛い!痛い!!(≡Д≡.)」
悶絶しながらこなたはもがきます。そのすきに先生は警察を呼びました。
193探偵U-1シリーズ:2010/06/04(金) 18:03:57 ID:???
そして、こなたは這いずりながら逃走した。こなたは病院に行ったが臭さが理由で
門前払いされ、空腹をみたすために吉野家に入ろうとしたが店員のあんちゃんに
ボコられました。
そして、あんちゃんはワルサーP38を取り出し、こなたの両手足にダムダム弾を撃ち込んだ。
凄い汚い面で悶絶する。あんちゃんは更にこなたを嬲るため、
両耳をコンバットナイフでそぎり落とす。
ついにはコンバットナイフで汚ねえアヒル口と鼻をそぎり落としました。
店員「臭ぇ奴ぁくんじゃねェ!」
店員のあんちゃんの一言がこなたの脳内じゃあショックだったであろう。
こなたは泣いています。こなたが道を歩いていると皆一同逃げ出した。
泣き濡れた汚ねえツラで家にはいると、ゆたかはもちろん、そうじろうまで
アメリカのギャクアニメ風に人型の穴を壁にあけて逃げ出した。
こなたはうるさく泣いたあとチェーンソーを持ち出して自分の頭にあてました。
髪の毛が真っ赤に染まった。脳味噌も飛び散っていた。
                 完
194マロン名無しさん:2010/06/05(土) 00:31:21 ID:???
つまんないよ
195マロン名無しさん:2010/06/05(土) 10:43:22 ID:/surU3yk
銃や車にこだわりすぎだろw
196マロン名無しさん:2010/06/06(日) 10:37:30 ID:???

        ノ´⌒ヽ,
    γ⌒´      ヽ,
   // ⌒""⌒\  )
    i /  (・ )` ´( ・) i/
    !゙    (__人_)  |
    |     |┬{   |  この† 大魔王ゾーマ † ◆VKIF8WZmG6とかいう糞コテも仕分けしないといけませんなあ♥
   \    `ー'  /
    /       |
197マロン名無しさん:2010/06/07(月) 10:04:31 ID:4TefwcGC
あげ
198マロン名無しさん:2010/06/12(土) 01:36:09 ID:???
199マロン名無しさん:2010/06/13(日) 15:58:33 ID:???
ここの住人ってこなたのこと嫌いなのか?
200マロン名無しさん:2010/06/13(日) 17:06:25 ID:???
単なるキチガイ
201マロン名無しさん:2010/06/13(日) 17:13:19 ID:???
でも、なぜこなたばかりが標的に・・・
可愛そうだと思わないのか?
そもそも、このスレは最初に立てた奴は一体何を考えてたてたのだろうか・・・
202マロン名無しさん:2010/06/13(日) 18:05:44 ID:???
>>201
こなた以外の誰を狙うんだよ
かわいそうだろ
203マロン名無しさん:2010/06/13(日) 18:07:22 ID:???
まーいーじゃん。
リアルの人間に対してこんなんやってたら非道だと思うし、
やられた側に同情もするけど、二次元キャラだしなぁ。
可哀想以前に、やられてもこなたは痛いとも苦しいとも感じないでしょ。
204マロン名無しさん:2010/06/13(日) 20:53:12 ID:???
このスレへの批判としてよく、
「二次元キャラとはいえひどい」とか「こういう奴らが現実で犯罪起こす」
とか言う奴がいるが、そういう批判する奴のほうこそ現実と二次元の区別がついてない。
嗜虐の対象を創作の二次元に留めて満足してる連中に対して、スレ住人=犯罪者予備軍という
短絡的かつ独善的思考のみを根拠に断定口調で放言する人間こそよほど危険な人物と思うね。
205マロン名無しさん:2010/06/13(日) 22:43:55 ID:???
オレはこなたのことが好きだからこそここにいるけどな
こなた以外のキャラには全く興味無いし
206マロン名無しさん:2010/06/13(日) 23:35:54 ID:???
>>204
小学生でも書ける内容だな
207マロン名無しさん:2010/06/14(月) 08:00:51 ID:???
>>202
なぜ、そこまでこなたを嫌うんだ?
というかそんなに嫌いなら、らき☆すた読ま(見)なきゃいいのに

>>203
これは、こなたなら何されてもいいという意味なのか、二次元キャラだから何されてもいいという意味なのか、どっちだ?
それに作者からしてみれば凄く嫌なことだと思うぞ
ほんと、加害者側って被害者側のこと考えてないよな
208マロン名無しさん:2010/06/14(月) 10:05:32 ID:???
>>207
作者からしてみれば凄く嫌なこと、かどうかは作者本人にしか分からないこと
揣摩臆測でスレ住人や職人さんを批判しないように

>ほんと、加害者側って被害者側のこと考えてないよな

貴方がこう述べた時点で、加害者=貴方 被害者=貴方が叩こうとするスレ住人や職人
という構図が出来上がってしまう撞着について熟慮すべきとも思う
209マロン名無しさん:2010/06/14(月) 12:43:57 ID:???
あ〜こいつら犯罪被害者をネットであざ笑うような屑なんだろうな
210マロン名無しさん:2010/06/14(月) 17:30:21 ID:???
あと二ヶ月で三周年か。
伝統あるスレにようこそ。
まー楽しんでいきな。
211マロン名無しさん:2010/06/14(月) 17:35:37 ID:???
こんな板にまで落ちぶれて3周年おめ
隔離所で狂ってるのはお前らの勝手だが
エロパロやこなかがスレにしゃしゃり出てくるなよな
212マロン名無しさん:2010/06/14(月) 18:19:34 ID:???
何の話?
213マロン名無しさん:2010/06/14(月) 21:16:57 ID:???
三年も続いてるなんて、こなたは何回死んだんだ?
数えてる人いる?
214マロン名無しさん:2010/06/15(火) 02:04:47 ID:???
マイペースなこなたが精神的に追い込まれるのがいいんだよな
いわゆるギャップ萌えってやつだ
215マロン名無しさん:2010/06/16(水) 07:20:56 ID:???
あえて釣られておこう
>>209
実際に人が犯罪に巻き込まれたら気の毒に思う
それが見知らぬ他人であってもだ

ホラー映画やスプラッタ系の映画が好きなやつが狂気事件を好むと思うか?
仮想現実(作り物の見せ物)であるからこそ安心して見ているし、密かに抱いている怖いもの見たさの欲求が満たされる
その仮想現実では実際に誰が死ぬでもなく、事件が起きるでもない(撮影中の事故は別問題)

青少年保護という名目であれこれと刺激から隔離した結果、どうだ?
ちょっとしたことでキレる(注意されて逆ギレ等)
引き籠もりや社会不適合者の増加
加減を知らぬ暴力事件の数々
周囲の迷惑も顧みず分別の無い目に余る行動

刺激から隔離すると、初めてその刺激に晒されたとき、過度の反応を起こす
社会が行っている隔離措置(規制)は一生隔離できる刺激なら良いが、それも無理な話
どこかで刺激に触れる場所、フラストレーションが発散できる場所は必要だ
正当化するつもりはないが、ここもその一つと考える
刺激から隔離することは、より深刻な事態を招く可能性がある
個人差がある故に刺激への触れさせ方(さじ加減)が難しいだけ
ここで言う刺激ってのは良い方から悪い方まですべてひっくるめてる
刺激とふれあう機会の少なさが、過度な反応を招いて深刻な事態を招き、さらに規制>さらに深刻な事態>さらに規制>さらに(ry
のマイナススパイラルに陥っている最中なのがまさに現在

俺は別に人の不幸を喜んだり笑ったりしない
おまえの方こそ見方が一方的だ
216マロン名無しさん:2010/06/16(水) 08:27:36 ID:???
>>215

209程度の安易な思考(というよりモノを深く考えることを放棄している)しかできない人間に、
きみの意見は到底理解し得ないと思うね。
この長文をしっかり読んで自分とは別の考え方を認められるような人間ならそもそも209みたいな発言はしない
217マロン名無しさん:2010/06/16(水) 23:42:28 ID:???
>>216みたいな奴が一番アホだな
なぜアホか>>216に理解できないだろう
なぜならそれを理解できる人間なら>>216みたいなアホな書きこみはしない
218マロン名無しさん:2010/06/16(水) 23:49:36 ID:???
>>215
そもそも精神的に成熟していて満ち足りた人間はそういものを好まないだろ
219マロン名無しさん:2010/06/17(木) 00:57:00 ID:???
精神的に成熟しているだとか、リア充だとか……
そういうカテゴリーから外れてしまった人にも、パンとサーカスは必要なワケですよ。
サーカスの部分がコレ。

精神的な成長を社会の期待通りに達する事ができなかった人や、
非リアになってしまった人からはパンもサーカスも取り上げていいと主張するのなら、
最早残された道は自殺か餓死か精神的な安楽の無い人生しかなくなる。
果たして二次元キャラを自殺させる過程を楽しむ私達と、
実在する人間に餓死・自殺・精神的苦痛を望む貴方。
どちらの方が、狂っているでしょうか?
まー狂っているのはどっちでもいいのだけれど、
どちらの方が冷淡で残酷な人間かは明らかでしょうよ。
220マロン名無しさん:2010/06/17(木) 01:14:52 ID:???
>>219
まあチンポ剥けよ
221マロン名無しさん:2010/06/17(木) 08:30:47 ID:???
>>215 >>218
あたりは浅慮としか言いようがない
自分が理解できない事、納得できない事は脊髄反射的に即否定
いい人生を歩みそうだな
222マロン名無しさん:2010/06/17(木) 10:09:40 ID:???
この前、私のお父さんを読んだけど、銭ゲバと言うのはこういうものなのか。
と考えさせられる内容だったな。こなたはほとんど、金、金言っているし。
例を挙げると

「なんてこった・・・お父さん死んじゃったよ・・・(≡Д≡.)
 ん、まてよ。こうなると保険金と遺産相続できるから私は遊んで暮らせるぞ!やったー!ヽ(≡∀≡.)ノ 」

「くふふふ、私の金なんだ!私はこの金で遊んで暮らすんだ!(≡∀≡.)」
ひであき「この餓鬼!これは俺のだぞ!」
竜崎「・・・君たちは金と家族どっちが大事なんですか?」
「金に決まってんじゃん!私には家族はいないよ。うぷぷぷ(≡∀≡.)」
ひであき「家族ぅ?馬鹿だな。おい、俺は家族なんか興味ねえよ!それより金だな金!」

こなた自殺はいじめだけじゃなく人間のエゴも書かれていると思う。
223マロン名無しさん:2010/06/18(金) 02:30:21 ID:???
世界の声「ヲタクキメェ」
こなた「ちくしょう!死んでやる!」
224マロン名無しさん:2010/06/18(金) 21:23:32 ID:1XxHD6uG
審判と麾く煉獄を読んでみたけど、伸恵はやっぱかっこいいよな。
かがみとは違って動機も分かりやすいし、ストレートに行動とるから
陰湿さもないし、爽快感もある。

ただ、つかさとはどこで知り合ったんだろ?やつかさと同い年なのか年上なのか
はっきりしない(酒、煙草、自動車運転やっているので成人しているけどかがみからは呼び捨て等)
年齢不詳な点は思った。
225マロン名無しさん:2010/06/18(金) 21:31:49 ID:???
いやいや、ちょっと待て
確かに未成年の喫煙や飲酒は確かに違法だが、
そもそも成人しても殺人は違法だよ
血飛沫舞う中で未成年喫煙や飲酒みたいな軽犯罪気にしなくていいんじゃね?
226マロン名無しさん:2010/06/19(土) 09:24:39 ID:???
まぁ、テレビ局とかではマネしやすさに重点を置いて自粛しているけど
こういうスレのSSでいちいち気をつけたりはしないと思う。

ちなみに伸恵は苺ましまろという漫画のキャラクター
原作では高校1年の16歳だけど酒・タバコ・無免許運転を平気でやってて
酒と無免許運転は中学1年からしている。
小学生の妹やその友達を無免許で車に乗せたり原付で3人乗りしたりやりたい放題だけど
アニメでは短大2年の二十歳に変更されてそういう非行事実全てカットされてる。

227マロン名無しさん :2010/06/19(土) 10:22:32 ID:???
でも、伸恵は審判ではこなたに虐められていると知ると「こなたをボコる」と発言したり
殺人を起こした黒井先生を助けたり、麾く煉獄ではちゃんと警察に被害届出していたしな。
かがみはそんな事は全然しなかった。

かがみと違って、正攻法でこなたを自殺に追い込んでいる。
228マロン名無しさん:2010/06/19(土) 14:38:43 ID:???
グレゴリー氏生きてるかな?
スプラッターが恋しくなった
229マロン名無しさん:2010/06/19(土) 19:13:07 ID:aDbG3FY1
言われてみれば、つかさはどこで伸恵と親友になったんだろ?

中学校が同じだったのかな?
230マロン名無しさん:2010/06/20(日) 08:31:00 ID:???
このスレとは関係ないけど、昔VIPにバイト切欠で知り合うSSあったな
231マロン名無しさん:2010/06/20(日) 21:05:37 ID:???
no suisaid no life
232マロン名無しさん:2010/06/21(月) 10:44:06 ID:45gqiEk3
今度、伸恵主人公のこなた自殺SS書こうと思うんだけどどうかね?
233マロン名無しさん:2010/06/21(月) 21:50:36 ID:???
過疎るよりいいんじゃない?
234マロン名無しさん:2010/06/22(火) 00:26:06 ID:???
伸恵も遂にレギュラーキャラ化か
235マロン名無しさん:2010/06/22(火) 13:58:39 ID:???
こなたの淫道に半田ごて差し込んで電源を入れる
断末魔の悲鳴と焼肉の臭いをおかずに飯を食うみゆき
236マロン名無しさん:2010/06/22(火) 20:23:27 ID:???
>>235
みゆきさん焼肉は食べないの?
237マロン名無しさん:2010/06/22(火) 20:35:40 ID:???
こな肉だぜ?
238伸恵の自由研究:2010/06/22(火) 20:59:24 ID:3eJZTYh0
私ー伊藤伸恵ーは千佳たちの夏休みの自由研究のためこなたを家に連れてきた。
まずこなたに焼肉をいっぱい挙げた。
こなた「伸恵〜このお肉美味いね」
昨日、泉家に強盗に入って嬲り殺しにしたそうじろうの焼肉とも知らずに、
憎ったらしい感の触る声で喜んでやがります。
「さて、ゲームでもしょうかな!」
欲求がみたされたら、また新しい欲求をもとめ初めました。これだから、オタクを
嬲り殺したくなる衝動にかられるんだ。
「黙れ、この糞奇形児。」と、私が優しく誠実な返答をするとさらに喚きやがった。
こなた「奇形児だと!もう一遍言ってみろ、糞レズビアン!」
私はカリカリきた。キレた私はこなたの耳をガーバーハンティングナイフで削ぎり落として
ブラックジャックでその中身すらのない頭にぶち込んでやりました。
気絶しているこなたをガラスケースの中に入れた。

ガラスにおさめられたこなたが目を覚ました。
こなた「ここはいったい!?」
こなたがガラスの内側をかきむしる。
こなた「出せ!ここから出せ、糞レズビアン!」
伸恵「これが無いと開けられないぜ」
こなた「じゃあ鍵を貸せ!」
カギは親指くらいあって、空気穴は3ミリほどしかないのにどうやって貸せば
いいんだ?。構造上無理が分らないのか。このキモオタキチガイは。
239伸恵の自由研究:2010/06/22(火) 21:00:32 ID:3eJZTYh0
美羽に、ハンマーでカギを粉になるまで叩いてもらった。
長時間美羽が粉々にしてくれたおかげでカギはさらさらの粉になった。
この粉をガラスの空気穴から流しこんであげよう。
伸恵「ほら、貸してやるよ」
さらさらとカギは流れこんでいきます。こなたは呆然としてやがります。
こなた「…こ…このバカ女!粉にしてどうやって開けるんだよ!」
伸恵「はぁ?開けるんだったのか?ごめんね『カセ』って言ったから、貸したんだ」
私が素直に謝罪してやっているのにこの糞キモオタは悪態を付きやがる。
こなた「じゃあガラスを割ってここから出せ!」
こなたが叫びましたが、私は無視して怪談レストランを見た。
伸恵「おいおいおいおい、静かにしろよ。こなたちゃん。今から怪談レストラン見るんだ」

こなたはとりあえず、満腹の状態にしている。
この状態で何週間もつかを観察するのが千佳たちの自由研究の課題だ。

1日目

こなた「早く出せ!」
こなたはイラつくくらい元気にあばれまわっています。

3日目

こなた「出せ…出してください!」
おとといより少し元気がないです。大丈夫?こなたちゃん(藁
240伸恵の自由研究:2010/06/22(火) 21:02:39 ID:3eJZTYh0
5日目

こなた「お願い出して」
おやおやおやおやおやおやおやおやおやおや。四日前まであんなに勇んでいたのにもう
これか?こいつには『初志貫徹』という言葉を教えてやりたいくらいだな。
「お腹がすいた・・・」
こなたはお腹物凄く空いているようだ。せめておいしい焼肉の匂いを空気穴からいれて
あげることにした。
千佳たちと一緒焼いた美味しい焼肉に黒コショウをまぶしてかぶり付いた。こなたが
それをみじめったらしく見てやがります。
人が汗水流して手に入れた物をブン取ろうとするこなたの目の前で焼肉のとっても
いい匂いを振り撒かせた。せめて匂いだけでも楽しんでくださいな。

7日目

今日こなたは何もしゃべらないでガラスの中で丸まってやがる。
このままでは面白くないので、千佳たちにガラスが割れない程度に蹴ってもらった。
こなたちゃんは箱の中で頭をなんどもうって楽しそうです(禿藁
241伸恵の自由研究:2010/06/22(火) 21:04:00 ID:3eJZTYh0
10日目

昨日何度も体をぶつけたせいで体中にきたならしく青いあざができています。

20日目

こな虫狩りから帰ってくるとときたない動物がガラスの箱の中でピクピクしていた。
柊さんたちと楽しいこな虫狩りのせいでこのこなたのことをすっかり忘れていた(藁

22日目

こなたは舌を噛んで自殺した。きっと助からないだろうから、死ぬ前に病院の前に
解放した。ホームレスや腹をすかせた失業者たちが解放されたこなたちゃんを大歓迎している
ようだ。よかったね、こなたちゃん(大爆笑

終わり
242マロン名無しさん:2010/06/22(火) 21:27:15 ID:???
どんどん面白くない奴しか来なくなるな
243マロン名無しさん:2010/06/23(水) 00:37:19 ID:ifDF62Lq
JEDIさんもういなくなってしまったの?
244マロン名無しさん:2010/06/23(水) 00:45:04 ID:???
一ヶ月も経ってないのに、このペースでの執筆はキツイと思うよ。
245マロン名無しさん:2010/06/23(水) 01:30:30 ID:???
ID出ないと色々めんどいな。
書き手にとっては不便そう。メール欄抜けばいいんだろうけど。
246薩▲長連合はテロリスト:2010/06/23(水) 05:35:46 ID:???
【自民党清▲和貝=2▲ちゃん運▲営の北朝鮮カルト統▲一京会信者】
2ch規制→シベリアなどのレス代行スレに人が集まる→待たされるのにうんざりして△を買う→
→じつは2ch運営のカルト統▲一京会信者がレス代行人をしてる(つまり2chに人と金の両方を集めるための、2ch規制とレス代行スレ)


はい言論統制が始まります。
今年の7月から東京にあるネッ▲トカフェはすべて会▲員制になります。匿名書き込みできなくなりました。
警察が、ユ▲ダヤ(統▲一京会)や薩▲長連合のためにイ▲ンターネ▲ットカフェ規制をした。

↓【参考:洗▲脳支配  苫▲米地英人(著)】↓【参考:マ▲インドコントロール  池▲田整治 (著) 】↓
・ 第二次世界大戦時、油田のないドイツに石油を販売していたのは、英国女王支配下の石油会社。

・アメリカ軍から「日本の水道水には塩素が入ってるので飲めない」と言われた。
  GHQのマッカーサーが日本人を弱らすために水道水に塩素を入れた。古い水道管から溶けだす鉛や、
  農薬や有機物質と塩素が化合し、トリハロメタンやMX等が猛毒の原因にもなっている。

■いま日本の最▲高権力者は薩▲長連合(鹿児島県、山口県)たちです。日本はいまだに武家社会です■

・明治維新はテロだった
薩▲長土肥の戦費・・・・・ユ▲ダヤのロンドン支店が資金を貸し出す(年利18%)
幕府の戦費・・・・・ユ▲ダヤのパリ支店が資金を貸し出す(年利18%)
借金を型に最新兵器を売り、彼ら(ユ▲ダヤや貴族)の派遣した軍事教官をもって教育し、最新武装の洋式軍隊を作ればいいだけだ。

・総理大臣、大蔵大臣、外務大臣や公安、警察、自衛隊の歴代トップは鹿児島県、山口県、 高知県、
佐賀県、 長崎県出身者ばかりです。国策捜査は、薩▲長連合とアメリカのための捜査です。

2▲ちゃんねるに書き込めないレス
http://m▲egalodon.jp/2010-0527-2135-09/anchorage.2ch.net/test/read.cgi/s▲iberia/1▲274526803/2▲96
↑ 新しい掲示板に移動しよう

北朝鮮カルト統▲一京会=2▲ちゃん運▲営=自民党清▲和貝=薩▲長連合=ユ▲ダヤ権力
2▲ちゃんねるは統▲一京会の世●論工作所として作られてる。あとI●P集めが目的。
247マロン名無しさん:2010/06/23(水) 13:19:08 ID:???
>>241
伸恵△
248エクソシスト祐一:2010/06/25(金) 10:26:27 ID:+upwAlmK
ある日、17歳になる息子の祐二に言いました。
祐一「おーい、悪魔払いにいくぞーーー!!」と。
すると息子は今まで見ていた「涼宮ハヒルの憂鬱」でマスカキを止め、
キラッキラした目で
祐二「ホント!?親父!!」
と、大層喜んでくれました。
私は晩酌で興が高じると、悪魔払いの興奮と快感を語って止まなかったものですから、
それを聞いていた息子は、いつか私が悪魔払いに連れて行ってくれる日を待ち望んで
いたのでしょう。すぐさま一緒に準備を始めました。
先ずは武器を選ぼうと物置に行くと、息子は大分興奮した顔で、
祐二「俺はこれを使いたいな!!」
とチェーンソーを、ぬーと突き出すのです。
私はこんな玄人好みの得物を選ぶ息子は、将来大物エクソシストになるのでないかと
頬をゆるめつつも、
祐一「息子よ、これからテキサスチェーンソーに行くんじゃないんだから。
   もっと初心者にふさわしい武器を選んであげよう」
と、棚に飾ってある鉈を差し出しました。
祐二「凄い!これなら悪魔の脳天を一撃で粉砕できるね!!」
と興奮気味です。
道具を詰めた登山用かばんを背負うと、私は自分の武器であるコルトバイソンを持ち、
祐二の手を引いて意気揚々と息子の通っている学校へ向かいました。
249エクソシスト祐一:2010/06/25(金) 10:27:39 ID:+upwAlmK
学校に着くと、黒井先生が出迎えてくれました。
黒井先生「相沢か?まってたで」
祐一「で、悪魔はどこにいる?」
黒井先生は事情を話しました。去年、卒業した柊たちが糞漏らしたのを発端に
校内で連続糞漏らし事件が多発していたそうだ。どうやら犯人はメリーさんと言う
悪魔だそうだ。
祐二「そういや、自殺した泉も糞漏らしたな」
黒井先生「泉?そんな生徒おらへん、会ったこともあらへん」
話を終えると、私たちは校内を歩きました。その時、
こなた「わたし・・・こな・・・じゃないメリーさん・・・後ろ向いてよ・・・」
私は振り向きざまに、コルトバイソンを取り出し
バシュッ!バシュッ!
圧縮した空気を吐き出す音が1回、2回。そして続けざまに、
グチャッ!グチュッ!
何か水分を多量に含んだ柔らかい物を潰した、そんな音がこれまた1回、2回。
こなた「ハギャァァァァァアアアア!!目が目が!!」
眼球を撃ち抜かれた悪霊こなたは泣き叫ぶ。見れば、目があった所から鮮血と
何やら緑がかったドロリとした液体が流れている。
祐二「隙あり!」
ドガッ!
素早く体当たりを食らわせ、転倒させる。そしてすぐに鉈を構えると、
祐二「おりゃあぁぁぁぁぁ!!」
雄叫びと共に、倒れて動けないこなたに向かって鉈を思いっきり右足目掛けて振り下ろした。
バキィッ!
振り下ろした木刀は、見事にこなたの向こう脛にヒットした。
250エクソシスト祐一:2010/06/25(金) 10:28:54 ID:+upwAlmK
息子は間髪入れずに、鉈を連続して、右足に滅茶苦茶に叩き付けまくった。
バキィッ!バキョッ!ドギャッ!
息子の連続攻撃は、じわじわと嬲るようにこなたを痛めつけていった。
いつしか右足は異様な形に変形し、息子は左足に取り掛かっていた。
グシャッ!ドシャッ!ゴシャッ!
左足もぐしゃぐしゃに変形し、なんだかびろーんと伸びている。まるでのしイカのようだ。
こなた「ヤバい・・・殺される何とかしないと」
こなたは這いずりながら、逃げようとした。しかし、私は隙を見逃さず
祐一「そうは・・・」
こなたの背後に回った祐一が、両手で持った『何か』を振り上げる。
祐一「いかんざきっ!!」
ゴシャッ!!!
こなた「ギヂョォォォォェェェェァァァッ!!?」
こなたの胴体に叩きつけられた物―――マンホールの蓋。
この大きくて重い鉄板に胴体を丸々挟まれたこなたは、その重さと衝撃によって異常な叫びを発した。
マンホールの蓋から頭だけを出した状態のこなたが、ガクガクと震えだした。
重さに体が耐えられないのだろう。私は祐二に声を掛けた。
祐一「一緒に決めるからなっ!」
祐二「OK!これでトドメを刺すぜ!」
二人は高くジャンプした。
こなた「ナ゙ゴ・・・ナ」
『せいやぁっ!!』
グヂュ!
その衝撃でこなたは糞を漏らした
祐一「おいおい、糞漏らしやがって・・・貴様を徹底的に退治してやる」
こなた「成仏じゃなくて退治って・・・」
怯えた様子でこなたが訊く。
251エクソシスト祐一:2010/06/25(金) 10:30:13 ID:+upwAlmK
祐一「それは・・・」
私は呟きつつ、何と、傍らに落ちていたこなたがひり出した糞を手で大量に掴んだ。
そして、こなたを侮蔑と憎しみを込めた視線で一瞥した後、こなたの口をもう片手で抉じ開けて
祐一「こうだっ!!」
グチュボッ!
手にしていた汚物を、こなたの口腔内へと捻じ込んだ。
こなた「ギョブッ・・・!!?ゴボッ、グベェ・・・」
苦しそうに呻きながら、こなたは口いっぱいに広がる糞尿を何とか吐き出そうとする。
私は片手で口を抉じ開けさせたまま、もう片手で次々と、悪臭を放つ汚物を口に捻じ込んでいった。
グチュッ!ブチャッ!
こなた「オギュゥゥゥゥ・・・ジョェェェェ・・・」
気が付けば口の中はもちろんの事、喉まで完全にパンパンに膨らんでいた。
粘性が高い上に当然美味くも無い糞尿は、この上なく飲み下し難いようで、こなたは
こなた「モギュゥゥゥゥゥゥ・・・ウッ、ゴウェェェェェェ・・・」
異質な呻きを漏らす。どうやら窒息しているようだ。
祐一「息子よ!ガムテープ貸せ!」
祐二は鼻を摘みながら、かばんに入ってたらしいガムテープを丁度良い長さに切り、手渡す。
私は受け取ったガムテープをこなたの口に貼った。一番大きな『口』という穴を塞がれたこなたは
これでもう体外へ汚物を吐き出すことがほぼ不可能となった。
そこから私は、固めた拳をそのこなたの右頬に叩き込んだ。
ドガッ!
252エクソシスト祐一:2010/06/25(金) 10:32:25 ID:+upwAlmK
こなた「ゴヴェッ!」
バキッ!ドゴッ!ガッ!ベキィ!
こなた「ン゙ン゙ーーーーッ!ヴォゥゥゥゥゥゥ・・・グヴェェェェ・・・」
ゴガッ!バキョッ!ズガッ!
こなた「ヴォゥゥゥ・・・ア゙・・・・・・ゴォォォゥゥゥゥ・・・」
ドッ!ボキッ!メキッ!
こなた「ドゥ・・・・・ア゙・・・・・・・・・ゲ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴブッ」
どうやら、悪霊こなたは退治されたようだ。これでもう、糞漏らし事件は起こらないだろう。

祐二「親父、今日はすっごくスキーリしたよ!」
帰りの車内、目をキラッキラさせながら、息子は言いました。
「糞を詰め込んだ時は、本当に体内の血が沸騰したかと思うほど熱くなったよ!」
「初めて鉈で悪魔を殴った時の、あのぐにゃりとした手ごたえ!一生忘れられないよ!」
息子の話は止まることを知りませんでした。
祐一「よーし秋には、銀行強盗に行こうか!」
私の言葉に大喜びし、「早く秋にならないかなー!」と実に無邪気です。
すっかり日が暮れた頃に帰宅し、玄関先に立ったとき、涼しげな虫の声が聞こえました。
近づく秋の足音に、すぐに息子と悪魔払いをする日がやってくるだろう、と思い微笑がもれました。
忘れられない、息子との夏の思い出です。

終わり
253マロン名無しさん:2010/06/25(金) 10:41:58 ID:???
最近ただのリョナが増えてきた
もっと精神的に追い詰めようぜ
254マロン名無しさん:2010/06/25(金) 11:08:06 ID:???
祐一シリーズとかは昔読んだアブ板のしぃ虐殺小説みたいだw
255マロン名無しさん:2010/06/25(金) 11:52:10 ID:???
糞まみれで 投稿者:変態糞親父 (8月10日(木)14時30分56秒)

先日、二回目になるが例の浮浪者の親父と川原の土手でひさしぶりに会ったんや。
高架の下で道路からは見えないとこなんで、
2人で真っ裸になりちんぽを舐めあってからわしが持って来た、
いちぢく浣腸をお互いに入れあったんや。
しばらく我慢していたら2人とも腹がぐるぐると言い出して69になり
お互いにけつの穴を舐めあっていたんだが、
わしもおっさんも我慢の限界が近づいているみたいで、
けつの穴がひくひくして来たんや。おっさんがわしのちんぽを舐めながら 
ああ^〜もう糞が出るう〜〜と言うまもなく、わしの顔にどば〜っと糞が流れこんできた、
それと同時にわしもおっさんの口と顔に糞を思い切りひりだしてやったよ。
もう顔中に糞まみれや。お互いに糞を塗りあいながら
体中にぬってからわしがおっさんのけつにもう一発浣腸してから
糞まみれのちんぽを押し込みながら腰を使い糞を手ですくいとり、口の中に押し込むと舐めているんや。
お互いに小便をかけあったり糞を何回もぬりあい楽しんだよ。
最後は69のままお互いの口に射精したんや。
3人や4人で糞まみれでやりたいぜ。おっさんも糞遊びが好きみたいじゃ。
わしは163*90*53、おっさんは、165*75*60や一緒に糞まみれになりたいやつ連絡くれよ。
岡山県の北部や。まあ〜岡山市内ならいけるで。
はよう糞まみれになろうぜ。
256マロン名無しさん:2010/06/25(金) 12:06:08 ID:???
昔の質の高い職人は質の低い住民を見切っていなくなる
質の低い住民にしか支持されない質の低い職人が居つく
ますますおもしろくなくなりさらにスレの質が落ちる
257マロン名無しさん:2010/06/25(金) 12:07:09 ID:???
やったぜ。 投稿者:変態糞土方 (8月16日(水)07時14分22秒)

昨日の8月15日にいつもの浮浪者のおっさん(60歳)と先日メールくれた汚れ好きの土方のにいちゃん
(45歳)とわし(53歳)の3人で県北にある川の土手の下で盛りあったぜ。
今日は明日が休みなんでコンビニで酒とつまみを買ってから滅多に人が来ない所なんで、
そこでしこたま酒を飲んでからやりはじめたんや。
3人でちんぽ舐めあいながら地下足袋だけになり持って来たいちぢく浣腸を3本ずつ入れあった。
しばらくしたら、けつの穴がひくひくして来るし、糞が出口を求めて腹の中でぐるぐるしている。
浮浪者のおっさんにけつの穴をなめさせながら、兄ちゃんのけつの穴を舐めてたら、
先に兄ちゃんがわしの口に糞をドバーっと出して来た。
それと同時におっさんもわしも糞を出したんや。もう顔中、糞まみれや、
3人で出した糞を手で掬いながらお互いの体にぬりあったり、
糞まみれのちんぽを舐めあって小便で浣腸したりした。ああ〜〜たまらねえぜ。
しばらくやりまくってから又浣腸をしあうともう気が狂う程気持ちええんじゃ。
浮浪者のおっさんのけつの穴にわしのちんぽを突うずるっ込んでやると
けつの穴が糞と小便でずるずるして気持ちが良い。
にいちゃんもおっさんの口にちんぽ突っ込んで腰をつかって居る。
糞まみれのおっさんのちんぽを掻きながら、思い切り射精したんや。
それからは、もうめちゃくちゃにおっさんと兄ちゃんの糞ちんぽを舐めあい、
糞を塗りあい、二回も男汁を出した。もう一度やりたいぜ。
やはり大勢で糞まみれになると最高やで。こんな、変態親父と糞あそびしないか。
ああ〜〜早く糞まみれになろうぜ。
岡山の県北であえる奴なら最高や。わしは163*90*53,おっさんは165*75*60、や
糞まみれでやりたいやつ、至急、メールくれや。
土方姿のまま浣腸して、糞だらけでやろうや。
258マロン名無しさん:2010/06/25(金) 17:43:25 ID:???
ちょっと質問だけど、麾く煉獄はオリジナルと神奈川バージョンはどっちから
読んだ方がいいと思う?俺、バイオレンス描写の激しい方から読もうと思う。

できれば二作の感想を聞かせてくれ。
259マロン名無しさん:2010/06/25(金) 21:32:38 ID:???
やりたい 投稿者:糞親父 (7月11日(火)22時41分11秒)

糞まみれのプレーをやりたいぜ。お互いに浣腸してから、
ちんぽを尺八しながら顔や頭から糞をかけたりかけられたりしたら最高や。
もう考えただけでちんぽが勃起してしまう。
出来れば年配の親父や爺さんの糞が一番だが、
糞だらけになれるなら30代40代のおっさんでも
一緒に変態の限りをつくし気が狂うほどぐちゃぐちゃになりながら、
けつの穴に入れたり糞だらけのちんぽを舐めあおうや。
又浮浪者のおっさんにせんずりを見せ合ったり、
そのまえで小便を掛け合ったら興奮してたまらないぜ。一緒にやろう。
岡山県の北部なら良いが、岡山市内でも良いぜ。
163*90*53の変態親父や。土方姿のままで汚れながら狂うのが一番や。
連絡早くしてくれ。糞、ためて待つぜ。
260マロン名無しさん:2010/06/26(土) 15:41:36 ID:wcDdURGt
麾く煉獄はオリジナルと神奈川板の違いを簡単に言うと、オリジナルはドキュメンタリー性(ドラマ)重視
神奈川版はエンターテイメント性(アクション)重視というところ。

どっちも復讐がテーマだけど、はっきり言って先に見るなら、神奈川版を見ておいた方がいい。
大藪春彦の小説やアクション映画みたいな展開が多いから。
261マロン名無しさん:2010/06/27(日) 02:50:24 ID:???
ちょっと前からやたら神奈川版の話に持っていこうとする書き込みがあるが同一人物?
262マロン名無しさん:2010/06/27(日) 03:20:47 ID:???
さー?個性的だから目立つってのはあるかもね
263マロン名無しさん:2010/06/27(日) 04:00:32 ID:???
ようキチガイ共早く死ねよ
264マロン名無しさん:2010/06/27(日) 04:09:30 ID:???
糞・糞・糞 投稿者:変態糞親父 (6月10日(土)11時27分36秒)

俺は糞まみれになってお互いにけつの穴や口にちんぽを突っ込みあいながら、狂うのが大好きや。
浣腸してお互いにちんぽ尺八しながら、顔の上に糞をだしながら、やりまくろうぜ。3人でやると写真が取れる
のでやってやってやりまくりたいぜ。
岡山県の県北なら最高だえ。年齢は年上の親父・爺さんならいいが、糞まみれになれるなら30代でもOKだぜ。
もう糞に最近飢えてるので、徹底的にやろうや。又野外で浮浪者にせんずりを掻いて見せ合うのも大好きや。
野外撮影もOKだぜ。
わしが浮浪者の汚れたちんぽ舐めているのをデジカメで撮ってくれるやつもいいなあ〜。163*85*53の
変態よごれ親父や。至急連絡くれや。

禁断症状が 投稿者:変態糞親父 投稿日: 8月21日(日)22時35分27秒

浣腸して糞まみれになってやりたいぜ。もう我慢が出来ない。お互いの糞を体中に塗りあい、抱き合い、69になり
ちんぽから小便を出し飲みあいながら豚になりたい。岡山の糞親父や、163*90*52の土方親父や。
265内閣総理大臣・柊つかさ:2010/06/27(日) 08:33:40 ID:YfULA4mk
はーい、元AV女優で現内閣総理大臣の柊つかさだーよー
今回は磯野家が指名手配のテロリストこなちゃんが潜伏している
「こなたハウス」を占領したとの情報が入ったので視察に来ております
ちょっと前までは「こーなこーなこーな、かなたの子♪」などマジでUZAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!かったのが
今では物静かになっております
早速なかに入ってみたいと思いまーす
どこにも磯野家やましてやこなちゃんもみつからないのでおそらくお食事中と思われます
「ご飯食べるところ」などとUZAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!
い名前ですがここも磯野家に占領されたものと思われます
きずかれないよーに、入ってみまーす
そこでは、おそらくここを占領したとみられる磯野波平とフネ、サザエさんと、
おそらく食われるこなちゃんから吊るされていますた
こなた「この私にこんなことして許されるとでも思っているんのか!糞ハゲ!」
波平「うっせんじゃぼけが!、いま怪談レストランいいところなんだから静かにしろよ!」
サザエ「まあまあ、言わせるだけ言わせときなさいよ。どうせ今日の昼食にするんだから」
フネ「昼食の準備ができたわよー」
こなた「ガクガクブルブル」
私はいま猛烈に興奮しております。果たしてでぃはどんな料理をするのか?
さぁディナーショーのはじまりだぁ!
266内閣総理大臣・柊つかさ:2010/06/27(日) 08:35:01 ID:YfULA4mk
サザエ「じゃ料理タイムと逝きますか!」
そう言うとサザエさんはあ、今、北斗百列拳とも言うべきパンチをこなたに叩きつけています
こなた「イウdショcォcy9エcshh8!」
人間の声になっていませんね(w
サザエ「そうとう、柔らかくしたわ、ではここらで」
そう言ったとおもえばいまサザエさんは部屋の片隅にあった棍棒に手を伸ばしています
もう結果は言わなくても分かるでしょう
こなちゃんの首だけ残してハンバーグにしたよう。ちなみにこなちゃんは自殺しない限り
不死身なので、何度も何度も再生するようになっているんだよ。
では波平に目をむけてみると
波平「サザエがこなバーグなら俺はこなイドチキンと逝くか」
ビリビリッ!
こなた「ヒッギャァァァ!」
波平「じゃあ次はメインデッシュとなる部分だ」
こなた「イッギャァァァァ!足がぁぁぁぁ」
波平「じゃソーセージも出して、あ、母さん足揚げといて」
フネもそろそろ腹が減ってきたようです
フネ「じゃあ私はこなたの生き食いとしましょう」
こなた「命だけは助けて!
フネ「図々しいわねー、とりあえず要らないものはもいどいてと」
あ、今、フネが耳に手をかけています、そして・・
ボキッ!
ブシッ!バキッ!ブシュ!
ベシッ!ダン!ブッシャー!
こなた「日cブイdsbcflclbvィエエ!」
こなちゃんの耳、手足を素手で引っこ抜きましたよう、まるで達磨見たいです
267内閣総理大臣・柊つかさ:2010/06/27(日) 08:36:26 ID:YfULA4mk
フネ「じゃあいっただきまーす」
こなた「ジギィィィイ!ウッギャァァァ!」
フネ「肝臓(゚д゚)ウマー」
こなた「ギャァァァ!」
フネ「筋肉もこな虫にしては(゚д゚)ウマー」
フネ「とどめに肝を」
ブシュッ!
こなた「dンチョンvクb8349rン43ん58cb8音!」
フネ「ごちそうさま」
お食事も終わったようなので他の部屋にも逝ってみたいと思います
なになに「寝るところ」UZE・・入ってみましょう「ひいいい!」「ヒギィィィ!」
「さっさとココから出せ!」UZA・・まあここはこなちゃんのクローン「こな虫」の
倉庫として使われているようです
じゃあここは・・「チョメチョメ室」UZA・・その前にKIMO・・
どうやらここはクローン製作工場として使用されているようです
じゃあここは・・「糞こなた虐殺室」多分ホームレスを虐殺する部屋だったのでしょう
でも磯野家によって書き換えられたのでしょう
大体予想はつきますが入ってみたいと思いまーす
268内閣総理大臣・柊つかさ:2010/06/27(日) 08:37:45 ID:YfULA4mk
ここでは聖フィオリナ女学院の教師たちがこなちゃんを虐殺しているようです。
グチャッ!グチャッ!!
スパイクシューズを履いた足で、何度も何度もこなちゃんの腹を踏み潰す体育教師前原圭一。
こなちゃんの腹部からは血が溢れ、見ても分かるくらいにブヨブヨと柔らかくなっている。
内臓にも影響が出ているようだ。
ジュゥゥゥゥゥゥ!
こなちゃんの腹部を切り裂いて腸を引きずり出し、その体と繋がったままの腸のみを油で揚げている理科教師夜神月。
体の内部にある筈の物をを高熱に晒す苦痛は想像し難い程だ。凄まじいという事はわかるが。
ブシュゥゥゥゥゥゥゥ・・・
ドラム缶くらいの巨大ビーカーになみなみと濃硫酸を入れ、その中にこなちゃんを放り込んだ数学教師皐月駆。
もうもうと煙が立ち上り、水面には気泡を発する肉片がいくつも浮いている。こなちゃんは、既に筋肉組織が
露出して、それも半解している為かなりグロテスク。
ブリュリュリュリュ!!
自慢の唐辛子ペーストを使用して、こなちゃんをジェット機にして見せた保険医比良坂竜二。
こなちゃんの脱肛した肛門からは津波の如く糞が噴出している。数秒後、猛スピードで壁に激突して潰れた。
ダッダッダッダッダッダ!!
手にしたAK47で、こなちゃんの体のパーツを1つずつ蜂の巣へと変えていく社会科教師有馬たくや。
両腕と片足は、すでにマトモな皮膚が弾痕に隠れて見えない。
ドグシャッ!
両手持ちの大きなハンマーで、こなちゃんの頭部を一撃で砕いた国語教師春日恭介。
横薙ぎに振るわれた大槌は、こなちゃんの頭をまるで力を入れすぎた西瓜割りのように粉々に吹き飛ばした。
ザシュッ!グシャッ!!ブシャッ!!
音楽教師遠野志貴はこなちゃんの足をつま先から千切りにしていく。肉片が積み重なるたび、こなちゃんの
悲鳴も増量していく。
スパァッ!ブッシャァァァァァァァ・・・
家庭科教師ノーマン・ベイツは、持っていた剣でこなちゃんの頚動脈を見事に切り裂いた。鮮血が噴水の如く噴き出す
269内閣総理大臣・柊つかさ:2010/06/27(日) 08:38:51 ID:YfULA4mk
さて虐殺も終わり、奥の部屋にも逝ってみたいと思います
なにやらフネと自営業の男が話しているようです
肉屋「すまんが20匹ほど買わせてくれんか?」
フネ「はぁ〜、ま、いいわどうせこな虫は沢山作れるわけだし」
肉屋「毎度、毎度スマンな〜」
サザエ「お母さん、こなたが自殺したわよ」
フネ「しょうがないわね、サザエ、ザオリクで生き返らせなさい」
どうやら磯野家は肉屋と繋がっていたようです
それではここらでさようなら〜

終了
270マロン名無しさん:2010/06/27(日) 12:10:33 ID:???
正月裸参りに行く前の文章を偶然見つけた。
吾朗と竜作を二人いっぺんに相撲で叩きのめし、そのあとにケツを四発掘って
二人のケツに腕をねじ込こんでから裸参りで崖を登ってケツを掘りまくる
オヤジって超人だと思うなw

*************************************************************

新年早々吾郎が俺の家に来た。もう一人の奴を連れてきた。そいつは吾郎と
同じくらいの歳でむっちりした若雄坊主野郎だった。
「兄貴、お目出度うッス」
「オウ! そいつはお前のアレか?」
「兄貴?。実はそうなンす」
「オイオイ吾郎」そいつは慌てて言った。
「相撲部で竜作つうンすけど、二人で異種格闘技してるうちに、いつの間にか
絡み合って感じちまってケツ掘ったンす。ムチャクチャ気持ち良くてそれから
何度もやってるス」
「いいゾッ!それでこそ野郎だッ!」
「エヘヘ」
「今夜、裸参りに行こうぜ! その前にいっちょ扱いてやる!」
「押忍!」
「六尺は締めてきたんだろうな! 竜作は相撲部だそうだから褌はお手のもんだろ!」
「ウッス!」
「よし!六尺一つで庭へ出ろ!」
271マロン名無しさん:2010/06/27(日) 21:17:06 ID:???
最近はコラボが流行ってるのか?
272マロン名無しさん:2010/06/28(月) 07:45:53 ID:???
庭の土俵に立ち「ぶつかってこい! 二人いっぺんにだ!」
二人の裸体が勢いよく当たってきたのをガチッと受け、吾郎をはたき込み、
竜作を投げた。
「やられちまったなァ!」
「そうさ!兄貴はムチャクチャ強いんだ!」
「もっと鍛えるんだゾッ! サア!ヤロウゼ!これからが本当の男の勝負だ!
六尺を解け!」
俺もシュルッと六尺を外すとジクジクの魔羅がビーンと飛び出した。
吾郎たちはそれをまぶしそうに見つめながら全裸になり、奴らもすでに魔羅は
ギンギンだった。
「二人とも四つん這いになれ!」
二人がケツを突き出すと俺はまず竜作から掘り始めた。
プリプリの丸いケツをグイと拡げ奥の雄穴に突っ込むと固く締まるいいケツだった。
ガボガボ掘った。
「オウ! いいゾッ!さすが相撲部だ! 吾郎が夢中になるわけだッ!」
「オオオ?、タマンネェッスヨ?、ケツイイ?!」
ある程度掘り込んでから
「オイ!抜くぞ」
「アッ!」
「今度は吾郎のケツだ!」
「ウオッス!」
俺の交尾を見ながら魔羅を自分で扱いていた吾郎の雄穴にぶち込んでやった。
「いいゾ!」
「ウヒィ?!効くスゥ?」
そうやって吾郎も掘り込みケツの刺激だけで吾郎がギン魔羅から雄汁を
「ウォォ?!」と噴き上げるとまた竜作のケツに戻りガン堀して一発種付けた。
「イクスョ?!」と竜作もトコロテン発射した。
そんなこんなで二人を代わる代わる掘ってやり俺は四発種付け、若い奴らは
数えきれないくらい出した。
こいつらのケツの穴はまだガバガバになったままだ
273マロン名無しさん:2010/06/28(月) 07:46:33 ID:???
「ヨシ! 吾郎、また四つん這いになってそのガバガバの穴を突き出せ!」
「何スか?また掘ってくれるンスか?」
「せっかくケツがガバガバになってんだ! だだ掘るだけじゃつまらねえ。
この機会にもっとすげえことをしてやる」
「何スか?」
「まあケツを上げてろ!」
俺は雄魔羅のかわりに腕魔羅を一扱きすると、吾郎のガバガバの雄穴に拳を
あてがい、グイッとねじ込んでいった。
吾郎はさすがにやや苦しそうに唸った。
「ウウウウウウウ!」
その様子を見ていた竜作が感嘆した。
「ア! スゲエ! 兄貴の拳骨が吾郎のケツに入ってく!」
腕を肘の辺りまで吾郎の雄穴にズブズブねじ込んだ。
「どうだッ、吾郎!」
「ウオオオ?!兄貴ムチャクチャ効くッス!」
腕をこねまわしているうち吾郎は半勃ちの魔羅から雄汁をダラダラ垂らした。
「ヨシ! それでこそ野郎だぞッ!」
それを見届けてから腕を抜くと吾郎の雄穴はベロベロになっていた。
「次は竜作だ! ケツ出せ!」
「ウオッス、俺のケツもベロンベロンにして下さいスッー!」
こうして竜作の雄穴もくり抜くと
「お前らもどんどん野郎になっていくなッ! 裸参りに行こうぜッ!
 ケツが閉じたところで六尺締めろ!」
こうして俺達は裸参りに向った。
274擬古瑠我:2010/06/28(月) 18:50:48 ID:VvoUFMz1
どうも皆さん おはこんばんわ
えっと・・ 来週ぐらいから投稿したいとおもいますが
タイトルは決めれないので、投稿が完全に終了したら
みなさまが決めてもらう という形でやりたいとおもいます
句読点がおかしかったり誤字脱字があったら生暖かい目でみまもってください
ではノシシ
275マロン名無しさん:2010/06/28(月) 23:36:08 ID:???
ああ、頑張ってくれ
276マロン名無しさん:2010/06/29(火) 01:49:23 ID:???
ありがとう
待っとるよ
277マロン名無しさん:2010/06/29(火) 02:06:00 ID:???
糞ずき親父・爺様募集 投稿者:変態糞親父 投稿日: 6月13日(月)21時12分15秒

こんばんは、岡山市に住む変態土方親父です。今年の初めまで近くに70歳の爺さんがいて、
その爺さんと糞まみれでのプレーをやりまくっていたが、爺さんが体調をくずしてからは、年配
の糞に触れてないんだ。爺さんとは浣腸をしてお互いにけつの穴を舐めながらの排泄をし、
頭からちんぽまで又全身、糞まみれになりながら、何回も、何回も浣腸したりお互いに糞だらけ
のちんぽ尺八しあって、気が狂うほどやりまくっていた。
爺さんの糞や小便をお互いに掛け合いたいし体中にぬり、抱き合いたいよ。又小便もお互いに
直接飲んだり、穴の中にちんぽ突っ込んで小便したいよ。良かったらメールまってます。
岡山市の変態や。
163*90、51歳の土方


せんずり 投稿者:変態親父 (3月8日(木)00時21分39秒)

この前から、電話してくれてるおっさん連中、申し訳ないが昼はNG、
それから日曜日はまったく電話に出ることが出来ない。
電話でせんずり掻きながらよがり声をあげる声を聞きたいぜ。
平日の午後10時〜午後11時30分ならOKだぜ。
それ以外は絶対に出ないから、その時間にせんずりしながら電話してくれ、
又その時間以外はドライブモードにしてあるのでまったくでないぜ。
夜10時過ぎに電話で変態的な話をしながらせんずり掻こうぜ。
わしは163*90 53歳の変態土方親父や。090-????-????
いきなりちんぽの連呼でも良いぜ。声を上げないやつはNGだ。
思い切り変態の声を上げれる奴だけ連絡してくれ。ちんぽがいきり立つ話をしようぜ
278マロン名無しさん:2010/07/01(木) 10:51:42 ID:???
蒼色サヴァン
死線の青
デッド・ブルー

玖渚友と泉此方が被る………
279マロン名無しさん :2010/07/01(木) 11:08:27 ID:JWTG9/fx
聖フィオリナ女学院ってなんだ?初めて聞く名前だけど。
280魁!聖フィオリナ女学院:2010/07/03(土) 08:48:32 ID:y5B4QR46
受験戦争、誰もがぶつかる戦い・・・受かるか落ちるかの紙一重の戦い
彼らは一つの女子高に入ろうと必死である・・・
その女子高の名前は「聖フィオリナ女学院」
何故入る受験生が殺到しているかと言うと、この女子高を出たものは必ず一流大学に受かるからである!!
だが一つの悩みは・・・ここに入る生徒の95%はこな虫だからである
しかも・・・全員生活保護のホームレス!!
なぜこな虫が入るのかというと、日本共産党が発案したかの悪名高い法律「虐殺禁止条例」があるからである。
この法律のせいで「こな虫お断り」の方針の店は法律で罰せられるのである。聖フィオリナ女学院も例外ではない、
虐殺禁止条例が公布される前までは、
ブルジョア30%
中産階級30%
労働者階級35%
奨学金をもらっている貧困層5%
と言う風になっていたのである。しかし虐殺禁止条例公布後は
こな虫95%
ブルジョア〜労働者階級5%になったのだ!これを重く見た内閣総理大臣兼聖フィオリナ女学院校長柊つかさは
聖フィオリナ女学院に入ったこな虫を不慮の事故に見せかけて殺す作戦を発令したのである
つかさは生徒達の保護者(って言ってもほとんどこな虫)宛に手紙を出していた
「前略。この度は親子懇談をしますのが、我が校に入ってないお子様も9月11日の2時に御出でください」
もちろんただの懇談ではない、こな虫抹殺の最初の一歩である。
こな虫以外の生徒は無論普通の懇談だが、こな虫は親子ごと殺すのである。教師たちは日本刀やら拳銃やら
釘バットなどを手入れしながら不敵な笑みを浮かべている。こな虫抹殺を楽しもうとして・・・
そして、運命の日。その日はとても青空が綺麗だった・・・最高の舞台を喜ぶかのように・・・
実はこの懇談午前と午後に分かれているのである。
281魁!聖フィオリナ女学院:2010/07/03(土) 08:49:46 ID:y5B4QR46
午前はこな虫以外の生徒だ。
そして午後、一人目は・・・親虫に、東大志望のこな虫だ、それと保育所に行ってる位の幼虫、
それと生まれたばかりの幼虫だ。とりあえず、防音室に入れる。こな虫達は。
「ここはお茶を出さないのかね!!」
「私はコロネがいいの!!」
「ウィィィーーー!!」
「httpレーザーアボーン!!」
などと喚いている。うるせえやつらだ。とりあえず茶菓子を出す
「どうぞ・・・」
そう言ってお茶と和菓子をのせた皿をだすと、親虫のほうが、引っ手繰る様に奪い取った。
「分ればいいのだよ!!」
そう言うと親虫は和菓子を口に放り込んだ。
「何コレ!?すっごい不味いのだよ!!!」
この野朗もう切れたぞ・・・国語教師の永森やまとは親虫の顔めがけて蹴りを放った
「ウラァァァァ!!!」
ドゴ!!
親虫を縛り上げると、やまとはポケットに隠してあるブローニングハイパワーを取り出し、親虫に銃口を向けた。
「撃たないで!!」
そう悲願している親虫に向かってやまとはこう言い放った
「貴様どうせセクロスばっかりしてるだろ、だからマンコに銃をぶち込んで二度とセクロスできないようにしてやるよ」
ドガン!!!
「アギャアアアアアアア!!??」
訳の分からない悲鳴をあげ、のた打ち回っている。やまとが虐殺ショーを楽しんでいる時に背中に軽い衝撃がきた。
見ると幼虫(小)が私に体当たりを食らわしていた。(大)より勇気のある奴だ・・いや・・・ただ無謀なだけだが
やまとは幼虫(小)をつかみ上げると床に投げつけた
ドグシャ!!!
「ウjshjfjウェhf!!??」
と意味不明な宇宙語のような言葉を上げ、幼虫(小)は潰れたトマトのように血飛沫を上げ絶命した
282魁!聖フィオリナ女学院:2010/07/03(土) 08:51:03 ID:y5B4QR46
「イヤアアアア!!ベビたーーーん!!!」
親虫がうるさく喚くのでマウントパンチを食らわせた。
「ギャバァアア!!」
(大)の幼虫はどうなったかと言うとこな虫と共に「復活してください」などとブツブツ言っている
やまとは(小)の死体を(大)の口にぶち込むとコンバットナイフで(大)の腹を引き裂いた。
「ン!!ンブゥゥゥゥ!!!ングンゥゥゥゥゥ!!!」
と叫びながら白目をむいて絶命した。やまとは残り一人のこな虫を睨み付けた
そう言うとこな虫はこう言った
「金ならいくらでもやる!!」
やまとは竦み上がっているこな虫に向けてこう言った
「星座占いして欲しいなあ」
やまとはこな虫の頭を鷲掴みにすると天井に投げつけこう言った
「お前が星になれ!!」
こな虫は天井にぶつかると唾液をたらしながらドサッと落ちた変な呼吸をしている、多分折れた骨が肺に
突き刺さったのだろう。やまとはブローニングで射殺すると親虫の話を聞いてやった。虫の息でこう言う
「ナンデ・・コ・・ンナコト・・ス・・・ルノ」
するとやまとはこう答えた
「うざい!死ね!」
やまとは親虫の頭に銃を突きつけた
「ヤブェデェェ・・・」
バァン!!!
283魁!聖フィオリナ女学院:2010/07/03(土) 08:52:51 ID:y5B4QR46
やまとはつかさ校長に掛け合って緊急会議を開いた。やまとはこの作戦の盲点があるのにきずいた!!
それは一気につぶせないから時間がかかると言う事だ・・・と言う事を掛け合っているのだった。
するとつかさ校長は一つの作戦変更をした・・・
「一気に集めてつぶそう」
この作戦にのっとってこな虫達が全員集まるのを待った・・・
防音室はこな虫でギュウギュウだ。そして防音室に続く扉の前で教師たちは武器の手入れをしている
「みんな、準備は良いか!!」
「おう!!!」
そして扉をぶち破る!!!!
こな虫達はポカンとしているがすぐに正気に戻り逃げ惑い始めた。つかさ校長がM60機関銃をぶっ放してこう叫んだ
「テメエら全員地獄行きだアアああ!!!」
それを合図に全教師が武器を持って襲い掛かる!もうこの部屋は最高の地獄絵図になっている
日本刀で頭をぱっくり行ってる死体やら首をばっさり行った死体もある。もう殺すは殺す、M60機関銃の餌食になって
「イタイヨオオオ!!!!!!!」
「ギュジュウウウウウウ!!!!」
などと叫びながら絶命している。挙句の果てに火炎放射までぶっ放している奴までいる。肉の焦げる匂いが漂ってくる。
教師が武器を持ってこな虫達に襲い掛かっている間にその妊娠こな虫は必死で死体の影に隠れていた
するとやまとがその妊娠こな虫に気づいたのかどんどん近ずいていく。
「ダメだなあ〜隠れたら」
すると妊娠こな虫はガタガタ震えながらこう言った
「お腹に赤ちゃんがいるの!!」
そう言うとやまとはニコっと微笑んでこう言った。
284魁!聖フィオリナ女学院:2010/07/03(土) 08:54:10 ID:y5B4QR46
「じゃあ、中絶手術をしましようか」
そう言うと妊娠こな虫を仰向けにさせるとコンバットナイフで胸から下腹部ぐらいまで一気に切り裂いた
「イダイィィィィィイアダアアィィィィ!!!!」
鬼気迫る迫力の叫び声を上げた。やまとはひるむことなく子宮を取り出し中の赤ちゃんを傷つけないように裂いた
そして血塗れの肉塊を次々に取り出していった。全部でちょうど3個だ、妊娠こな虫にそれを見せ付ける。
「じゃあ、返すね」
やまとはそう言うと肉塊を妊娠こな虫の頭に投げつけた!!ブシュ!!っと言う音と共に妊娠こな虫は絶命した。
幼虫の背中を踏み潰して圧死させるはもう最高の虐殺になっている。
最後に犯しに犯しまくって使えないくらいガバガバになったら蹴り殺すなど最強だった。
そして最後の一匹をこかして棍棒やら日本刀やらナックルなどで袋叩きにして殺した
計画は最終段階に入った
こな虫の死体を出来るだけ細かく刻み、動物園の動物の餌にしたり、死体の肉を肉屋に売ったりして
証拠隠滅を図る・・・そうして食えない骨などは人体模型として闇業者に売りさばく。
そして次の日ニュースにこんな報道が流れた・・・
「昨日こな虫の集団失踪がありました。不思議なことに書置きなどをしていないので場所が特定できません一部では
 金銭トラブルと思われます」
             終わり
285マロン名無しさん:2010/07/03(土) 11:31:29 ID:???
286マロン名無しさん:2010/07/04(日) 02:25:37 ID:???
>>280
>彼らは一つの女子高に入ろうと必死である・・・
ちょwwwwwwwww
287マロン名無しさん:2010/07/04(日) 03:00:48 ID:???
288擬古瑠我:2010/07/04(日) 11:34:15 ID:aD44s1lk
こんにちわ
なるべく今日中に投下したいとおもいますが
一応
2作あるんですが
1つはすこしキャラが違うようなきがします・・・
もう一つはまだ大まかな話が浮かんであるだけで文にはなってません
題名はチャントできてますが・・・・
 
どっちがいいですかね? 前者は多分19時ぐらいに投下できます
後者は明日になります
あとこれって何文字打てるんですか?

289にゃあ:2010/07/04(日) 13:25:22 ID:2BbLymYi
タイトル「こなたのスカイダイビング」

こなたの誕生日のために、埼玉のある河川敷に集まった四人組。

かがみ:「おはよ〜 今日も頼むわね みゆき」
つかさ:「ゆきちゃん おはよ〜 今日もいっぱい飛ぼうね〜」
こなた:「おはよう みゆきさん いっぱいやろうね〜」
みゆき:「おはようございます みなさん 今日は 泉さんの誕生日ですので ちょっと高めのコースにしましたので 楽しみにしてくださいね」

私たちは、こなちゃんが誕生日の日にスカイダイビングをしたいという希望を、ゆきちゃんが出資して数ヶ月前から訓練をして今日、飛ぶことにしました。

みゆき:「さあ 皆さん、こちらの軽飛行機に乗っていただいて 準備が出来しだい高度4000mまで上昇しますで、個々のチェックをお願いしますね」
かがみ:「ちょ ちょっと いきなり4000mなの? みゆき」
みゆき:「はい 今日は風もあまりなく 滅多にこの高度では飛ぶこともできませんし、それに泉さんの誕生日でもありますので この高度にしました」
こなた:「み みゆきさん ありがと〜 もう一生忘れないよ~」
みゆき:「いいえ〜 どういたしまして」
つかさ:「ゆきちゃん すご〜い こなちゃん よかったね」


そして 20分後、軽飛行機は高度4000mに到達した・・・・・・
290にゃあ:2010/07/04(日) 13:26:23 ID:2BbLymYi
みゆき:「さて 皆さん 当機は高度4000mに近づきました、これから飛ぶわけですが パラシュートを開くタイミングは 高度1200m位を予定していますので忘れないようにしてくださいね」
かがみ:「高度1200mか・・・ どの位で行けるんかな」
こなた:「ぷぷっ かがみんなら すぐ行けるんじゃないかな〜 体重きにしてるし」
かがみ:「おっ お前なあ こんなときにそんな冗談言うなよ まったく」
つかさ:「こなちゃん ちょっと言いすぎだよ〜」
かがみ:「ちょっとだけなのね つかさ〜」
つかさ:「ごっ ごめんね お姉ちゃん」
かがみ:「いいわよもう・・・・・・」

みゆき:「4000mになりましたよ これから順番に飛んで逝きます・・・・・」
つかさ:「う〜 私3番目に飛ぶのか 結構怖いな〜」
かがみ:「大丈夫よ つかさ 最初と最後に飛ぶのが一番怖いんだから」
つかさ:「うん そうだね 続いて飛ぶほうがまだ怖さは少ないよね」
かがみ:「そういうこと だからリラックスして 飛びなさい」
つかさ:「うん わかったよ お姉ちゃん」
こなた:「うお〜い 私が1番目だから 一番怖いんだよ〜 かがみ〜ん」
かがみ:「ちょっと お前 危ないから 抱きつくなって 早く飛びなさいよ」
こなた:「冷たいな かがみんは・・・・・・」
291にゃあ:2010/07/04(日) 13:27:14 ID:2BbLymYi
ドアを開け、ロックを外して 待機するこなた・・・・・・

みゆき:「泉さん 用意はいいですか?」
こなた:「うん いいよ〜」
みゆき:「それでは 合図に従って 飛びま〜す」

さん・・・・・・ にー・・・・・・ い・・・・・・ ドンッ! きゃあぁぁぁ!

みゆき:「み みなさん 手近なところに?まってください」
かがみ:「つ つかさ・・・・・・ 私に?まってなさい」
つかさ:「う うん お姉ちゃん」

しばらくして 軽飛行機は安定した。

つかさ:「お姉ちゃん 怖かったよ〜」
かがみ:「よしよし つかさ、落ち着くまで?まってていいわよ」
つかさ:「うん ありがとう お姉ちゃん」
かがみ:「あっ みゆきのほうは大丈夫?」
みゆき:「ええ、手すりに?まってましたし、ロックもかかったままでしたので大丈夫だったのですが・・・・・・ 泉さん 衝撃と同時に飛び出して すごい勢いで回転しながら落下していきました」
かがみ:「こ こなた・・・・・・」
つかさ:「こなちゃん・・・・・・」


飛ぶのを中止した一行が見た こなたは・・・・・・ クレーターとなった中心に首が刺さったまま逝ってしまっていたとさ。
おしまい・・・・・・
292暁!聖フィオリナ女学院:2010/07/04(日) 15:05:39 ID:xGLV5+L2
俺はキョン。受験に向けて勉強している受験生だ。学年ではベスト3に入る成績。さらに生徒会長で人望も厚い。
そして、三者面談の日。俺は先生に聖フィオリナ女学院を紹介された。そこは偏差値360の高校。俺の偏差値は359。
目標としてはちょうどいい高校(女子高だけど)だそうだ。話は変わるが、俺のクラスには、自己中でキモオタの
こなおがいる。どうやら親は離婚して母だけらしい。そいつには妹がいて、まだ生まれて間もないそうだ。
ある日、こなおの母こなたから電話があった。
「ふん、頭がいいからってには入れないのだよ!!」
ガシャン
そういって切った。うぜえ、ああうぜえ。こなおは頭がよくないくせに・・・

そして、受験当日。
まずは筆記。自分では良くできたと思う。そして、面接。精一杯自分を主張した。
まあ受かっただろう。自分でもそう思えるくらい自信があった。

一方、こちらはしぃ華が今面接を受けているところです。面接官の内閣総理大臣兼校長つかさが質問を言い出した。
「なぜあなたは今回聖フィオリナ女学院を受けようと思ったのですか?」
「くふふふ、私が頭いいからだよ」
「はぁ?どんだけ〜ハハハハハハハハハ」
「なに?」
「あなた自信過剰だよ?わが校はそんな人はいりませんよお」
ガーン!!!!!!!
ドアを壊す音がした。そこにはこなおの親のこなたがいた。その手には血の付いていた鉈が握られていた。
おそらく何人かはこなたにやられてしまったのか・・・
「こなちゃん!どうやってここに!!」
「くふふふ久しぶりだね、つかさじゃあ行くぜ!」
ガン!!!!!
293暁!聖フィオリナ女学院:2010/07/04(日) 15:06:43 ID:xGLV5+L2
合格発表の日

俺は受かった。まあ当然だろう。
「あった、流石ママね」
その声はこなおか?受かったのかあいつ。奇跡だな。あの馬鹿が。だが気になることがひとつ。
「流石ママ」
どういうことだろう。それを知ることができるのは入学式までお預けだった。

そして入学式
来賓の話やら、PTAの話があってだるかった。しかし、これだけは違う。
「校長先生の話」
この聖フィオリナ女学院の校長先生はハーバード・ビジネス・スクール卒で内閣総理大臣だそうだ。
だから俺は入学する前から尊敬していた人物だ。はたして、どんな話が聞けるのだろうか・・・
校長先生は突然ドアをあけて現れた。そして、驚いた。
「あうあうあうあう。皆合格おめでとう!」
なぜだ?なぜ校長先生はつかさ校長先生じゃないんだ・・・
「前の校長先生が死んだので私が受け継いだのだよ〜」
つかさ校長先生が亡くなった?・・・これは夢か?いや、夢であってほしい。
「ここで私は新しい校則を作ってみますた」

1、校長に会うたびに500000円払うこと!
2、こなおをいじめたら退学!
3、女子生徒全員、こなおとセクロスすること!
4、この校則を一つでも破ったら退学!

ふざけるな。そのとき、ある言葉を思いついた。
―虐殺―
294暁!聖フィオリナ女学院:2010/07/04(日) 15:07:46 ID:xGLV5+L2
でもまだそれはできない。なぜなら、校則で退学になってしまうからである。
―するのは卒業後だ―
だから俺は必死で授業に耐えた。アニメの授業やら、オタクの素晴らしさについての勉強を・・・
しかし、虐殺の日はよそうより早く訪れた・・・
俺が2年の時、いつも通りオタクの素晴らしさについての勉強を聞き流してしていたとき、
「今日はペピタンと一緒にきたよ」
「チィチィ、ナッコナッコ」
こなた校長が授業を見に来た。もうこれもなれた。しかし、今日は違った。
「ナッコナッコー」
べビがこっちに向かって走ってくるではないか。
「ナッコナッコー」
俺はスルーした。しかし、それでもベビは、
「ナッコー。ナッコシナイヤツハタイガクデチュヨウ」
プチッ
俺の体のなにかが壊れた。
「いいよーダッコしてあげるよー」
俺はスポークを取り出した。
ザクッ
「ヂィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
「おおっ貫通した。これはすごい」
俺はさらにもう一本スポークを出し、さした。
グサッ
「ヂィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
俺はスポークを5本すべて出し、まとめてさした。
グサグサグサグサグサッ
「ヂィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
そろそろフィニッシュかな?俺はゾリゲンのカミソリを出した。そしてさした。
ザクッ
「ヂィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
そういって死んだ
295暁!聖フィオリナ女学院:2010/07/04(日) 15:08:49 ID:xGLV5+L2
休み時間。
ピンポンパンポーン
校内放送だ。なんだろう?
「皆さん聞いてください!私のペピタンが殺されますた」。
やべっそうだったつい熱くなって殺しちゃったんだ。死刑かな・・・でも平気だ。こなた校長などすぐ倒せる。
他の先生も校長を良く思ってないから協力してくれるはずだ。
「だから、加害者のキョンを退学したのだよ」
放送はそこで終わった。なにっ退学?あんなに苦労したのに・・・こんなことで・・・
許さない。今日の放課後みていやがれ。俺はあるものを持った。
そして放課後・・・担任の永森やまと先生とこなた校長とこなおを待ち伏せた。
「食らえ」
ゴキッバタッ
やまと先生はこなた校長の首をへし折った
「よしキョン、さっさと虐殺しろよ。」
俺は全力でこなおのほうに向かう。
「なんてことをする!!もう許さない」
「もう許さないはこっちのせりふだ!」
俺はそういって、あるものを取り出した。アーミーナイフである。
「まず一つ目ーナイフ!!」
ザクッ
しぃ華の体を切り刻んだ
「二つ目、ドライバー!!」
グサッ
俺は目をさした。
「ラスト!!ノコギリ!!」
俺はこなおの首にのこぎりをあてた。
ザクザクザクザク
切り終わった。こなおの生首の完成だ!全校生徒からが沸いた。
ワーーーーーーーワーーーーーーーワーーーーーーー
296暁!聖フィオリナ女学院:2010/07/04(日) 15:09:52 ID:xGLV5+L2
その時、こなた校長がおきた。
「ウッウーン何事?」
こなた校長が気絶からさめた。
「もう起きたか。私も腕が落ちたもんだな」
やまと先生がそういって頭をつかんだ
「何するんだ?首にするぞ」
「かまわねぇ」
やまと先生はこなた校長のすべての関節を外した。
「金ならやるから助けて〜」
「嫌」
グシャ、頭を踏み潰した。俺はあまりのつかれでそこで倒れた。俺が起きたところは聖フィオリナ女学院の保健室だった。
そこにはやまと先生がいた。
「退学食らったんだってな。じゃあ再テスト受けさせてやるよ。勿論受かったら元通りだ」

俺は落ちた。あと少しだったらしい。こなた校長さえいなければ今頃良い職場に就職していたかもしれない。
俺は聖フィオリナ女学院に落ちた後、フリーターになり、そのままニートになってしまった。だが、生きがいはある。

―それは虐殺―

終わり
297マロン名無しさん:2010/07/04(日) 16:55:03 ID:???
チラ裏乙
298マロン名無しさん :2010/07/04(日) 21:15:15 ID:???
聖フィオリナ女学院って初めて聞く名前の学校だな。
やまとって初めて聞くだけどそんなキャラいたっけ?
299擬古瑠我:2010/07/04(日) 21:27:36 ID:aD44s1lk
今日中に投下むりになりました ごめんなさい

298さん
永森やまとは 一応ゲームオリジナルキャラクターです
今はたまに単行本に出てきます
聖フィオリナ女学院は永森やまと の在校している学校名です

300マロン名無しさん:2010/07/04(日) 22:09:34 ID:???
フィオリナって何かのアナグラムか?
301擬古瑠我:2010/07/04(日) 22:13:08 ID:aD44s1lk
アナグラムって意味がたくさんありすぎてどれをいってるのかわからないんですが・・・
302マロン名無しさん:2010/07/04(日) 22:38:17 ID:???
>>291
これ、自殺じゃなくて事故じゃね?
303マロン名無しさん:2010/07/04(日) 22:44:33 ID:/dJoRrG7
なんかもう最近このスレがよくわからないよ
304マロン名無しさん:2010/07/05(月) 02:01:48 ID:???
わからないのがこのスレだ
305ハルヒカントリークラブ:2010/07/05(月) 07:56:59 ID:FkNENalL
「さて、リアルにゴルフでもするか♪(≡ω≡.)」
ここは、山口県の下関市のゴルフ場である。
今、その入り口にキモオタホームレスの泉こなたとこなたの子供である三つ子が入ろうとしている。
もちろん、山口県ではキモオタホームレスを迫害しているため、キモオタホームレスは入ることができない。
そのため、こなた達が入ろうとしたとき、受付の谷口が引き止めた。
谷口「こらこら、ここはキモオタホームレス立ち入り禁止・・・プルルルルルルル」
突然、谷口の携帯が鳴り出した。
谷口「社長からだ。なんだ?・・・ええええ!はい、わかりました。ピッ」
その瞬間、谷口の態度が急変した。
谷口「はい、1名様ですね。お子さまは子供ルームにお預け下さい。」
「まったく!今度こんなことしたら首にすっからね!(≡皿≡.)」
谷口「もう今度はねぇが・・・では、こなた様、存分にお楽しみ下さい。ああ、忘れるところでした。
   これはキャディーの古泉です。
古泉「こんにちは、私は男ですが宜しく。」

その様子をハルヒ社長が2階から見ていた。
ハルヒ「ははは、いや〜アレが例の泉こなただね。でもあのまま谷口が奴らを帰してしまったら
    もったいなかったと後悔してたところよ。にしても、永森やまと山口県知事はとんでもない施設を作るわね。
    ボーリングやら学校やら・・・いくら6年前にフィオリナを追い出されたからってここまでするとは・・・」

2時間後、ここは9番ホール。
「ふざけてんの?ボギーすら入らないのだよ!(≡皿≡.)」
古泉「あなたのせいですよ。でも+106なんて前代未聞ですよ。」
「うるさい!集中できないジャン!(≡皿≡.)」
古泉「今度はこのボールを打ってください」
そういい、普通のボールより20倍のボールを出した。
古泉「このボールではグリーンにのるだけでホールインワンと同様とします。」
「ほんと?(≡ω≡.)」
そういい、こなたはクラブを振りかぶり、打った。
306ハルヒカントリークラブ:2010/07/05(月) 07:59:47 ID:FkNENalL
「ヂィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
そう、あの大きいボールはこなたの子供を白く塗って接着剤で丸くしたものである。
「何やら悲鳴が聞こえたけど(≡ω≡.)」
古泉「そうですか?グリーンまであと少しですよ」
そのボールの方へ向かうともうその人間ボールは事切れていた。
「ホールインまであと少しなのだよ♪(≡∀≡.)」
そういい、打った。勿論グリーンに乗った。
「やったーホールインワンだ!(≡∀≡.)」
古泉「おめでとうございます。では早速ホールインワンのパーティの準備を」
そういい、古泉は笛を思いっきり鳴らした。
ピィィィィィィィィィィィィィィィィ
その途端、料理が運ばれてきた。ステーキとワインが。
「久々の料理だね・・・ってこのステーキ・・・(≡〜≡.)」
そう、その肉はこなたの子供である。山口県では、人肉料理の店もあるほどだ。
「まさか、このワインも・・・ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!(≡Д≡.)」
話は変わるが、北朝鮮では、人間ワインが盛んである。その味はまあまあらしいが。
「許さん外道!覚悟しろ!(≡皿≡.)」
古泉「まあお待ち下さい。まだ記念植樹がまだですよ。」
そう言い、記念植樹の植えるところへついた。
307ハルヒカントリークラブ:2010/07/05(月) 08:00:55 ID:FkNENalL
古泉「あ、あの穴の中に、みずのまこと板ハルヒがある!」
「マジ!これ私のものだからね!(≡∀≡.)」
そういい、下半身が埋まるほどの穴に入った。
「みずのまことがないじゃないの・・・・出られない!!(≡Д≡.)」
その穴の底には半永久的に乾かない接着剤が塗ってあったのだ。
古泉「では、土をかけましょうか。さようなら、お客様」
「まって!このままじゃあ生き埋めに・・・(≡Д≡.)」
そう言ってる間に埋まってしまった。
古泉「あ〜疲れた。これで終わりだな」

次の日、例のゴルフ場・・・

谷口「こらこら、ここはキモオタホームレス立ち入り禁止・・・」

終わり
308マロン名無しさん:2010/07/05(月) 10:08:09 ID:???
最近、娯楽性に富んだ新作が次々と作られているな。
今回は大量生産(一日一作のペースで)されているぜ。

なんか同じ人が書いているような気がするがなw
309マロン名無しさん:2010/07/05(月) 12:11:44 ID:???
JEDIさん新作まだ?
3101984年パクリの旅:2010/07/05(月) 18:12:54 ID:???
「私は今、1983年8月15日の東京・秋葉原にいる・・・(≡ω≡.)
 どうやらまた、タイムスリップしてしまったようだ・・・(≡ω≡.)
 だが、今度はくじけない!らき☆すたをアニメ化しよう!ヽ(≡ω≡.)ノ 」

東映アニメーション(かって京アニの前に鍵アニメを制作していたところ)にて
「今、爽やかな青春群像劇ものが受けるんですよ、是非この企画書を読んでください(≡ω≡.) 」
重役「しかし、君ね、アニメファンの女の子が主人公でゆるゆるの日常を描くだけというのがね・・・」
「今は萌えの時代なのだよ!「うる星やつら」とか「ミンキーモモ」とか「クリィミーマミ」が
 ヒットしているのだよ!我々も萌えの時代に参入すべきです!(≡ω≡.)」
重役「後ね、君がデモテープを聞かせたけど、あんなぶっ飛んだ曲、どうみてもアニメソングとしては
   使えないよ。」
「フォーク系やロック系、アイドル歌謡の時代は終焉を迎えている!今流行りの産業ロックを使えば
 目新しさに大ヒット間違いなし!フラッシュダンスとかそうでしょう?(≡ω≡.)」
重役「それとザブカル系はどうも、大衆向けには向いてないがね、パソコンとかファミリーコンピュータとか
   コミケ、ええっとライトノベルだっけ?」
「ザブカル系は大衆に向いてない?いやだな〜、このアニメがザブカル系をハイカルチャーにさせるのだよ(≡∀≡.)」
重役「それとアニメイトってどんな店かね?」
「結構有名な店なのだよ、いずれ大手チェーン店になりますよ(≡∀≡.)」
重役「もし大ゴケしたら、責任とってもらうからね」
「いいでしょう!大ゴケしたら切腹でもするよ!(≡∀≡.)」
3111984年パクリの旅:2010/07/05(月) 18:14:01 ID:???
さて、こなたが次に向かったところは音響監督のところである
「一応リストできましたヽ(≡ω≡.)ノ」

泉こなた:鶴ひろみ
柊かがみ:勝生真沙子
柊つかさ:深雪さなえ
高良みゆき:土井美加
日下部みさお:川村万梨阿
峰岸あやの:佐久間レイ
小早川ゆたか:本多知恵子
パトリシア・マーティン:松井菜桜子
岩崎みなみ:島津冴子
田村ひより:及川ひとみ
黒井ななこ:戸田恵子
成実ゆい:佐々木るん
泉そうじろう:鈴置洋孝
柊ただお:堀内賢雄
柊みき:小原乃梨子
千葉しげる:千葉繁
店長:堀川りょう

音響監督「一部全然知らない人ばかりなのだが・・・」
「いやだな〜冗談は顔だけにしなよ〜、佐久間レイとか堀川りょうとか、堀内とか・・・(≡ω≡.)」
音響監督「スマン、俺には全然わからん。それとさ、佐久間レイってサンデーズの佐久間レイの事か?」
「え?声優の佐久間レイだよ(≡ω≡.)」
音響監督「サンデーズのアイドルだろ・・・あと、そのまんま、マクロスの丸パクリやんけ」
「エルガイムも交じってますよ(≡ω≡.)」
音響監督「エルガイムなんて聞いたことないし・・・・」
3121984年パクリの旅:2010/07/05(月) 18:15:06 ID:???
次にテレビ局である。さっそくこなたはテレ朝に向かった。
「是非このアニメをやってください、マクロス並の大人気作がほしいでしょう(≡∀≡.)」
テレ朝のプロデューサー「いやうちにはドラえもんとサンライズアニメと東映戦隊ものと
            メタルヒーローものがありますので結構です」
「そんなこと言わずにさ〜視聴率15%にして見ますよ(≡∀≡.)」
テレ朝のプロデューサー「ちょっと待ってください・・・今空きがないんですよ」
「ならマクロスみたいに日曜の午後1時にやるというのはどうですか?(≡∀≡.)」
テレ朝のプロデューサー「しょうがない・・・勉強しときましょう」
「フジみたいな人気テレビ局にして見せますよ。このアニメで・・・くふふふふふふふふ(≡∀≡.)」
テレ朝のプロデューサー「しかし、午後の一時となると、裏番組が超時空シリーズとかぶるのだが・・・」
「その点は大丈夫なのだよ。超時空シリーズの時代は終わりなのだよ。超時空シリーズより
 高クオリティなものを出しますよ。ポストモダンなアニメを、くふふふふふふ(≡∀≡.)」

続く。
313マロン名無しさん:2010/07/09(金) 08:51:27 ID:???
このスレの住人への一番疑問なんだが、何でそんなにこなたを虐めたり、自殺させたりしたいんだ?
かがみやつかさやみゆきでも良いだろ。
こなたよりつかさの方が虐めに遭い易いんじゃないか?
314マロン名無しさん:2010/07/09(金) 09:45:43 ID:???
つかさ虐めるとか可哀相だろうが
315マロン名無しさん:2010/07/09(金) 14:06:50 ID:???
普段マイペースで余裕のある生き方をしているこなたが、
一転して追い詰められて絶望に浸っていく状況に萌えるから
316マロン名無しさん:2010/07/09(金) 19:55:19 ID:???
俺は単純に嫌いだから
317マロン名無しさん:2010/07/09(金) 20:06:22 ID:???
>>313
>かがみやつかさやみゆきでも良いだろ。
>こなたよりつかさの方が虐めに遭い易いんじゃないか?
うん、だからこなた以外にもあったよ。
淘汰の挙句残ったダーク系がこのスレ含めて僅かなだけの話で。
かがみぼっちはまだあるんじゃないんかな。
つかさ不幸スレとかもあったな。あれは流石にもう無いのかもしれないけど。
318マロン名無しさん:2010/07/15(木) 21:14:58 ID:???
 
319マロン名無しさん:2010/07/18(日) 03:32:40 ID:???
>>313

結局は人それぞれの好みなんだから、肯定する奴がいれば否定する奴もいる。

あくまで超個人的な意見なのだが。

SSその物の良し悪しは、文章の表現力なんだと思う。
仮に、文章がしっかりしてれば何を書いても良いか?と聞かれれば俺はイエスと答える。

どんなに設定が良くても、文章がクソだったら作品の価値は無い。
設定がクソでも、文章が良ければそこそこの作品にはなると思う。

両方クソなら、物書きを止めた方が良い。読んでも、意味が理解出来ないから。
320マロン名無しさん:2010/07/18(日) 15:49:22 ID:???
少し前に見た4枚くらいの画像で、こなたが筋肉番付の金剛みたいな超イカツイマッチョとタイマンしてて
最初はノリノリだったけどいざ始めると一方的にボコボコにされて
顔面とかグチャグチャにされるもの探しているんだけどどこかにないだろうか・・・
321マロン名無しさん:2010/07/18(日) 17:05:20 ID:???
322マロン名無しさん:2010/07/18(日) 22:29:37 ID:???
一時期は投下の嵐だったのになあ
波があるのは仕方ないのかね
323マロン名無しさん:2010/07/18(日) 22:49:28 ID:???
途中まで書いて放棄が多いな。
324マロン名無しさん:2010/07/19(月) 21:17:11 ID:???
自殺オチじゃなければネタはあるんだけどな
325マロン名無しさん:2010/07/23(金) 03:10:34 ID:???
                  ____
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         |八:::人ハc弋.:ソ /// 弋.:ソっ:::::|ノ   `ヽ:::::::::::i  ぷっ♪
         |::::::∨::::::::.    .    │:::::|      }| ::::::::|   そんな物で
         |::::::::|:::::: 八  r/7Yヘヽ  |:::::::|/    │:::::: |    オナニーしてるんですかぁ〜?
         |:::::::ハ ::: | 个〈{   |   }< {::::::,′    /| ::::::::|
         |:::::::| {\| ∨\ | /∨ Vl/      /}| ::::::::|
         |:::::::| 〉   /   `〈   \/  /   / | ::::::::|
         |:::::::l 〈 /   o人     `'く     /| | ::::::::|
         |:::::::| Y     ノL∧     ヽ  /' | | ::::::::|
         |:::::::| {    /   ○      / │ | ::::::::|
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         |:::::::|   ` 7    ○   ー'´    >、:::::::|
326マロン名無しさん:2010/07/23(金) 04:14:49 ID:???
うん
327マロン名無しさん:2010/07/23(金) 10:17:29 ID:???
いかんのか?
328マロン名無しさん:2010/07/23(金) 13:28:46 ID:???
新作来ないかな?
329マロン名無しさん:2010/07/23(金) 13:51:06 ID:???
四面楚歌とか?
330マロン名無しさん:2010/07/27(火) 00:20:46 ID:???
>>325
え?だめ?
331マロン名無しさん:2010/07/27(火) 23:45:11 ID:???
こなた「思うんだけどさ。みんな私を追い詰めすぎじゃない?」
かがみ「なに言ってんのよ? あんたが自殺しやすいようにみんな頑張ってるんじゃない」
みゆき「そうですよ。泉さんがなかなか自殺なさらないから私たちが骨を折ってるのです」
こなた「いやさ、そもそもなんで私を追い込むかな?」
つかさ「だってこなちゃん=自殺でしょ?」
ひより「そうっスよ。ツンデレとかアホ毛とか萌え要素もそろそろマンネリ化してますから。
    ここは新たな萌え要素として”自殺”を確立してくださいっス」
ゆたか「お姉ちゃん、頑張って!」
こなた「どっちかっていうと、ゆーちゃんの方が先に自殺しそうなのになあ……」
あやの「泉ちゃん、早くしないと……」
こなた「峰岸さんもみさきちも何で止めてくれないのさ?」
みさお「ちびっ子は敵だからな」
こなた「あーはいはい。かがみはみさきちに上げるからさ。だから助けてよ」
みさお「そうじゃねって。私とキャラ被るところがあるから早く自殺してほしいんだよな」
こなた「私は別にバカキャラじゃないじゃん。グータラなのは認めるけど」
あやの「またみさちゃんをバカにしてっ! 柊ちゃん! 遠慮しちゃ駄目よ!」
かがみ「分かってるわよ。でもそろそろやり尽くしたって感じなのよね。いじめは数え切れないくらいやったし」
つかさ「不治の病に置かされて将来を悲観して……っていうのはどう?」
みゆき「それももうやりましたね。まったく泉さんは自殺のレパートリーが少なくて困りますね」
こなた「私のせいにされても……」
かがみ「こうなったのもこなた! あんたの責任なんだから何とかしなさいよ」
つかさ「こうなったのもこなた……こうなった……こなた……クス」
こなた「分かったよ、もう! じゃあ考えるよ!」
ゆたか「どう、お姉ちゃん? 何か新しい原因思い浮かびそう?」
こなた「何も思いつかないよ……」
全 員「役立たず!」
こなた「あーもう! いいよ! 新しい自殺の原因を考え付かなかった責任をとって死んで詫びるよ!」

かがみ「やればできるじゃない」
332マロン名無しさん:2010/07/28(水) 00:20:36 ID:???
>ここは新たな萌え要素として”自殺”を確立してくださいっス
新ジャンル、自殺
333マロン名無しさん:2010/07/29(木) 13:10:27 ID:???
こんな下らないスレでSS書いてる暇あったら
「けいおん豚を自殺させる方法」を考えるとか「平沢唯を自殺させる方法」を考えろ
334マロン名無しさん:2010/07/29(木) 13:54:28 ID:???
は?
335マロン名無しさん:2010/07/29(木) 17:56:41 ID:???
うんたんは可愛い
こなたんは…………
336マロン名無しさん:2010/07/29(木) 23:41:56 ID:???
>>333を見て、唯を自殺させるスレを流行らせる事で矛先を逸らそうと画策したこなた。
でも憂に見つかって、逆に自殺に追い込まれちゃうこなた。
「お姉ちゃんに手を出したら、死あるのみだよ」
337マロン名無しさん:2010/07/30(金) 02:07:50 ID:???
>>333
あんな池沼自殺させたってなんらおもしろくないだろう
第一いじめとか気づかなそうだ
338マロン名無しさん:2010/07/30(金) 03:47:14 ID:???
                  , -─-r─-、_, -- 、---、
                _∠   _`__⌒Y ヽ _`ヽ- 、
           / _, -‐   '´  _  、 `Y´ ̄`ヽ⌒  ヽ
          イ , -┴<´ /   /  , ┴-、) _ `Y -、`ー、
        / | |/      /    ヽ     Y´  `ヽ   ヽ ヽ
          / ヽ\, -‐-、l     (  、__    __  ヽ ート、 下、
       /     ヽ\   (   ⌒X^ヽ ´ ̄` Y´  `く ト、  ハ Yハ
      ,′    ヽ i ⌒`ト、_ノ {   (_   {       Y  } // ',
        i        | |   ゝ   ーイ ̄ ̄`ヽ、}ィ´ ̄`ヾ    ノ :| |  l
        |         | |_人    }         }     ┤ ⊥ | | |
        |         | |  `  「 /   ー〈  _人   ノ_  l  ゝ| | |
       / ⌒ヽ     | |  ( ヽ 」     ヽ 、|   厂´ 人__ | |  l
     ′ ⌒ヽヽ   ヽヽ  } 厂`ゝ-      i}  ′ ´  ` // /
      | {  ,ヘL._  | |メ⌒ー〜^ゝ_人 __ノ^ヽ_八--┴< | h
      l ゝヽ不:::::::;下┤::::;ィ ⌒ヽ::ヽ:::::ヾ:::::i}:::/::::::/:;ィ ⌒ヽ:::ノ|| /
       \ 、⊥ト、::゙ヽ:::\{ (●) }:{:::`ヽ::l::;勹{:::::/:::{ (●) }:::://
         `ヽ、フヽ\::::\::ゝ___ノ::?::::::∨二ヽ/ヽ::ゝ___ノノl |
           ヽ   ヽ\:::\::\::::::`ヽY_/し⌒Jレ::/:::/::/,イ!
           ヽ   ヽ\_::::ト、`ー-ミ/( ○,:○)ヾ:::イ:://  /
             \  `ヽ. i:::::}::l>:ト,-'ニニヽ彳::/::l /   /
                  \  | lー≦彡:::>ヾ二ン"ム::メ::::| |i /
                   >上ヒ二:::::ノラ「ミT爪戈>┴'′
              , -イ::::/〈::`卞ー-k┼十ァ个、ヽ
       ,.-'"  \:      \::::∨:::::|::/.,.-''"     |
,,..-‐'''""        ヾ    ,.-''"|    /――――、/
339マロン名無しさん:2010/07/30(金) 16:50:21 ID:???
過疎だから人気投票でもしてみる?
職人別・作品別とかで
340マロン名無しさん:2010/07/30(金) 20:21:19 ID:???
>>337
唯は凄まじいものがあるな。
自殺に至る心理的葛藤の妙味が少なそう。
その点こなたはこな虫VERを除けば一応知性はあるので、
心理的葛藤が描かれていても特段の違和感は無い。
341マロン名無しさん:2010/08/01(日) 10:22:40 ID:???
 
342マロン名無しさん:2010/08/03(火) 22:08:13 ID:???
>>338
よう、元気してたか?
343マロン名無しさん:2010/08/05(木) 00:57:51 ID:???
こなた「そうだ!平沢唯虐めればいいじゃん」
かがみ「知的障害者を虐めるなんて、最低ね」
みゆき「見損ないました、泉さん」
あやの「泉ちゃんの差別主義者!」
みさお「弱いもの虐めしかできないのか、ちびっ子は」
つかさ「こなちゃんに対する教育が必要だね。
     あ、そうだ。障害者の痛みを分かってもらう為に、こなちゃんの精神破壊しちゃおうよ」

策を弄すれば策に溺れる。
こなたなんて所詮そんなもん。
344マロン名無しさん:2010/08/07(土) 00:39:05 ID:???
ヤリマンこなた 不特定多数のおっさんとセックス
345マロン名無しさん:2010/08/07(土) 01:47:16 ID:???
そんなことをこのスレで言われてもね
346神奈川:2010/08/07(土) 19:43:45 ID:FicZs+AX
こなたがクラナドに出ていたら、岡崎を渚から寝取り、DQNに
渚ちゃんは誰とでも寝ると言いふらしレイプさせて、他のヒロインは
弱みを握って売春まがいなことさせている。AVにも出演させている。
最後は渚に鉈で殺される。
347マロン名無しさん:2010/08/12(木) 01:09:34 ID:???
本物?
348マロン名無しさん:2010/08/12(木) 18:27:47 ID:???
お久しぶりです。SS落とします。
長めですので、次の方が書きあがるまでの繋ぎにはなるかと。
暫しの間お付き合い頂けると幸いです。

『トロッコゲーム』
349トロッコゲーム:2010/08/12(木) 18:28:40 ID:???
「で、今夜何時頃になりそうなんだ?」
「あー、家に帰って早めのシャワー浴びてから行くから……
それでも18時前には着くと思うわ」
 唐突に浴びせられたみさおの問いには、主語も目的語も欠けていた。
だがかがみにはみさおの問いかけの内容が分かっているらしく、
逡巡する事なく答えを返していた。
「あーい。私もそれまでにシャワー済ませとくぜ。
てか柊ぃ、私の湯上りの色っぽい姿見て欲情すんなよぉ?」
「色っぽいっていうか、アンタの場合イロモノなだけだろ」
 茶化すみさおの言葉に対し、
かがみが呆れ気味な声音を響かせ冷静に対応するのは日常的な事だった。
「キッツイなー、柊ぃ」
 日常的な事ながら、かがみの辛辣な毒舌にみさおは苦笑せざるを得ない。
「ねーねー、何のお話してるのー?」
 そこに一つ、朗らかで柔らかい声が加わった。
かがみとみさおの親友、あやのの声だ。
「あー、今日私日下部の家に泊まり行くのよ。
日下部が言うには、私がこなたの家には泊まりに行ったのに、
コイツの家に泊まりに来てないのは不公平だって口尖らせたのよ」
「うふふ、柊ちゃん人気者だね」
「疲れるだけよ、こなたのお守も日下部のお守も」
 苦労人のように呟いたが、その表情は何処か満足気だった。
「お守って何だよ、柊ー」
「言葉通りじゃない、そして私のいつもの行動通りの事よ。
あ、そうだ峰岸。アンタは来ないの?
私一人で日下部のお守大変そうだし」
350トロッコゲーム:2010/08/12(木) 18:29:39 ID:???
「え?私?私は」
 あやのが答えきる前に、みさおが割って入った。
「あー、駄目駄目。私の兄貴、こいつと付き合ってるからさ。
変な声を純な柊に聞かせらんねーし。兄貴をお前の家に派遣してやっからよ、
そっちで思う存分貪ってくれていいぜー」
 みさおの無邪気な笑い声が響く。
みさおにしてみれば、単にからかっている心算なのだろう。
それが、笑い声に込められた無邪気さに表れてもいる。
 だが、あやのの反応は違った。
温和な彼女にしては珍しく、怒気露わにみさおを睨みつけながら言葉を放つ。
「何言ってるの?そんな事してないもんっ。
酷いよみさちゃん、私の事そんな目で見てたなんて……」
 多少気圧されつつも、みさおは尚も茶化す姿勢を改めなかった。
誤って他人の怒りに触れてしまった際、取る対応策は幾つかある。
素直に非を認め謝罪するのも一つだが、
例えば笑い事にして流すという対応策もある。
みさおが今回取ったのは、後者だった。
だがそれは、相手や状況を選ぶ策だった。
本当に怒っている相手に対し、冗談めかした態度で流そうと試みれば、
それは怒りを更に深まらせる結果に終わる。
「何言ってんだよ、折角便宜図ってやってんだぜ?
あやのもさ、柊の耳気にして声抑えるより、気侭に獣のように振舞いたいだろ?
ほら、盛ってこいって」
「何……それ?」
 あやのの怒りに震えた声を聞けば、みさおが採った策は逆効果に終わった事が分かる。
351トロッコゲーム:2010/08/12(木) 18:30:25 ID:???
「私の事、淫乱だとか考えてたの?そういう目で見てたの?
みさちゃんが思ってるような野暮な事はせずに、
お兄さんとは清潔な付き合いしてるから」
「分かったよ。まぁいいや、で、柊さー」
「よくないっ、よくないよっ」
 軽く流そうとしたみさおの言葉に、あやのの叫びに似た声が被さった。
「んだよ、あやの」
 普段と違うあやのの姿に衝撃を受けたのか、みさおの声は険を帯びていた。
「この場合、私に謝るべきだと思うよ」
「謝るってお前な、ただの冗談じゃねーかよ。
一々絡まれても困るっての」
「冗談でも言っていい事と悪い事があるもん。謝って?」
 みさおの中に燻っていた苛立ちが、やり取りを繰り返す毎に大きくなっていく。
「やなこった。つーか、そんなにムキになるって事は、
もしかして冗談じゃないんじゃねーか?
マジで私の兄貴誑かして、嫌らしい事やってんじゃねーか?」
 苛立ちが冷静さを欠落させ、辛辣な言葉を呼ぶ。
みさおの放った言葉に、あやのは肩を震わせながら応じた。
「やってない、って言ってるから」
「ならそんなムキになるなっての。
心当たりあっからムキになってんじゃねーのかよ?
人の兄貴に淫らで汚らしい事しないでくれるか?」
 ムキになっているのは自分だ、それを自覚しながらも、
みさおは悪意を込めた言葉を止める事ができなかった。
仲が良く殆ど喧嘩などした事が無かったが故、
振り上げた拳の降ろし方が分からなかったのだ。
352トロッコゲーム:2010/08/12(木) 18:31:13 ID:???
「みさちゃん……本気で怒るわよ」
 頬を朱に染め睨みつけてくるその姿を見れば、
既に彼女の胸に怒りの感情が迸っている事は瞭然だった。
「怒りたいのはこっちだっつーの。身内犯されてんだから」
「もうみさちゃんなんて知らないからっ」
 劈くような語勢に劣らぬ勢いで、あやのはみさおに背を向けた。
淑やかな彼女にしては珍しく乱暴な手振りで鞄を掴むと、
わざとらしくみさおから顔を逸らして教室を出て行ってしまった。
「あー、そのー、何だ。謝った方が」
 かがみが遠慮がちに口を開いた時、割り込むようにこなたの声が聞こえた。
「かがみー、数学で宿題出ちゃった」
「あっそ。言っとくけど今日は無理だぞ、教えるの。
こいつん家行くんだからな」
 こなたが頼むその前に、先回りしてかがみが断りの文句を口にしていた。
以心伝心。みさおはそんな二人の関係が、少しだけ羨ましくなった。
(私とあやのも、そんな感じだったはずなんだけどな)
 ネガティブに毒されかけた気分を振り払うように、
みさおは努めて明るい声でこなたに話しかけた。
「多分それ、私らと被るわ。お前も泊まりで来るか?
そうすりゃ問題解決だろ?宿題皆でやろーぜ」
「ちょっ。いいの日下部?」
 かがみの問いが、あやのに対する遠慮の情から来るものである事は分かっていた。
あやのは弾いたのにこなたを招き入れてもいいのかという、
友情を秤に掛ける事を咎めるような問い掛けだ。
353トロッコゲーム:2010/08/12(木) 18:34:33 ID:???
「いいっていいって」
 かがみの言葉に込められた意味を振り払うように、
みさおは大仰なくらいの明るい声で応じた。
「それは行きたいね。って泊まりっ?」
「そ、今日は日下部の家に泊まるって事になってるのよ。
アンタも泊まるの?」
「行くには行くんだけど、泊まるとなるとお父さんの許可次第かな」
「そっか。了承出たら泊まれよ、ちびっ子。
お前とは色々と話してみたかったんだよな、前から」
「それは光栄だねぇ。ところでかがみん」
 こなたは悪戯っぽい眼差しをかがみに投げながら、言葉を放った。
「お泊りだからって、私に夜這いかけないでよ?」
「かけるかっ」
「おお、怖い怖い」
「アンタなぁー」
 みさおは二人のやり取りを見て、再び羨ましくなった。
(こいつらには、軽口叩き合っても友情壊れないっつー信頼関係あるんだなぁ。
いいよな、それ。私とあやのの間にも、あるって信じてたんだけどな。
信じてたのは、私だけだったか。あいつは私の軽口を許そうとはしなかった)
 少しだけ、かがみとこなたの関係が妬ましくなった。
そして、あやのが恨めしくなった。
そのせいかみさおは意地の悪い言葉を口走ってしまった。
「安心しろ、柊もお前みたいな幼児体型襲わねーって」
 発言の直後には既に、失言であると後悔していた。
354トロッコゲーム:2010/08/12(木) 18:36:02 ID:???
「むー。貧乳は希少価値だよ、みさきち。それに私だって脱ぐと凄いかもしれないよ?
みさきちも私を襲わないように、理性のタガしっかり締めててね」
 だが、こなたの反応はみさおの想像に反してポジティブなものだった。
特段傷ついた素振りも、怒った様子も無い。
「お前は、流してくれるんだな」
 暗い雰囲気を纏った独り言が、意図せずして口から漏れ出た。
「え?」
 怪訝そうなこなたの声に答える間もなく、かがみが割って入った。
「あー、そろそろ帰るわよ、私達も。
特にこなたは家が遠い上に、おじさんの許可も必要でしょ?」
(柊……私に説明させない為に?)
 みさおは内心かがみの機転に感謝しつつ、こなたを促した。
「そうだな、とっとと帰ろうぜ。お楽しみが後に控えてんだからよ」
「……そうだね」
 こなたも深く問い詰める気は無いらしく、かがみやみさおに従って歩を進めた。
だが、程無くしてその足は止まる事になる。
先頭を歩いていたみさおが廊下に出た直後だった。
「うおっ」
という驚愕に満ちた声を放ち、みさおは急停止した。
「ぶわっ、危ないな日下部。急に止まるなよ」
「みさきちー、何してんの?」
 こなたとかがみが放つ抗議の声が、みさおの耳に届く。
だがその声に返答してやれるだけの余裕は無かった。
みさおの眼前には、無表情に己を見つめてくるあやのが居た。
柔和な笑みの消えた彼女の顔は、冷酷にすら映ってみさおの口も足も止めている。
355トロッコゲーム:2010/08/12(木) 18:37:23 ID:???
「ど、どうしたのよ日下部」
「みさきち?」
 異常に気がついたのか、背後の二人もみさおの脇を潜って廊下に出てきた。
「峰岸……」
「峰岸さん……?」
 同じ人名を呼んでいるにも関わらず、かがみとこなたのニュアンスは違っていた。
こなたの声には、疑問をぶつけるような響きがあった。
それも無理はない、こなたが顔を出すとほぼ同時に、
あやのの視線がみさおからこなたへと瞬時に映ったのだから。
「泉ちゃんはいいんだ……」
 あやのは視線をこなたからみさおに戻すと、静かにそう口にした。
「何がだよ?」
「みさちゃんのお家にお泊りに行くの。私は駄目なのに、泉ちゃんはいいんだ。
幼馴染の私は駄目なのに、高校入ってから知り合った泉ちゃんはいいんだ」
 淡々と呟かれた言葉には、嫉みが隠される事なく散りばめられていた。
「ちびっ子は友達だからな、お前と違って。」
 拗れた関係の修復の仕方が分からない、喧嘩をした事が無い悲劇だった。
罵詈雑言を浴びせて憎む事でみさおは己の気持ちに決着を付けようとしている。
 勿論、今までもあやのに怒られた事はあった。
あやのを怒った事もあった。
だがそれは、叱られる側が己の非を認めていたからこそ、喧嘩には発展しなかった。
今回は様相が違う。双方共に、互いの非を認めようとしない。
356トロッコゲーム:2010/08/12(木) 19:02:02 ID:???
「っていうかお前さ、盗み聞きしてたワケ?趣味わりー」
「……別に、盗み聞きしようとしてたワケじゃないわ。
此処に立ってたら、偶々聴こえてきただけよ。
泉ちゃんって声が不必要に大きいから」
 嫉み故か、こなたに対する当て擦りも忘れてはいなかった。
「は?何でここに立ってんだ?盗み聞きする為じゃねーのかよ?
苦し紛れにしても、不出来な言い訳だなぁ?」
 普段のみさおの口調にも声にも、快活という表現がよく似合う。
だが今回は違う。快活ではなく、ただ乱暴なだけだ。
その剥き出された凶暴さが、ついさっきまで親友だったあやのに向けられている。
「違うもん、来るかもしれないから待ってただけだもん……」
 無表情を崩し、拗ねたような顔を俯かせながらあやのが言った。
何が来るのか、その対象をあやのは告げていない。
だが、みさおが追いかけてくる事を期待して待っていた、
というのはかがみにさえ予想が付く。
 当然、みさおも分かってはいた。
だが、その態度が気に入らない。
仲直りしたいのなら、追いかける事を待っているなどせず、自分から謝ればいいのだ。
そうみさおは考えた。
357トロッコゲーム:2010/08/12(木) 19:02:59 ID:???
「は?誰が?何が?
もしかして、私がお前追っかけるとでも思ってたの?
追っかけてくれるとか、期待してたの?
図々しいヤツだな、お前が私に謝れば済む話だろーが。
些細な事に突っかかってご免なさい、
冗談も解せないつまらない女でご免なさいってよ」
 そうまで言われて、あやのも色を為して反論した。
「そうじゃない、みさちゃんが自分の誤りに気付いて、謝罪するんじゃないかと……」
「悪いのお前だし。つーかよ、話聴こえてたのならよ、
さっさと帰れば良かったじゃんよ。追いかける気配が無い事なんて、途中で分かったろ?
最後まで聴いて、なおかつ待ち伏せする必要ねーじゃんかよ」
 みさおに分があった。
「盗み聞きする心算なんて……。偶々聴こえて、気になったから……。
私が駄目なのに、泉ちゃんみたいな人はいいなんて、理不尽だと思っ」
 最後まで言わせずに、みさおは遮った。
「ちょっと待てよ。
みたいな、って何だよ。私の友達に失礼な事言うなよ」
 あやのは唇を噛み締めると、こなたを睨みつけた。


358マロン名無しさん:2010/08/12(木) 19:03:56 ID:???
>>349-357
本日はここまでです。ではまた。
359マロン名無しさん:2010/08/13(金) 03:47:31 ID:???
乙です
このまま、みさおかがみはこなた側で展開していくのだろうか?
360マロン名無しさん:2010/08/13(金) 11:03:57 ID:???
久々に面白そうなのが来た
楽しみにしてます
361マロン名無しさん:2010/08/13(金) 12:01:17 ID:???
>>358
jedi氏?
362マロン名無しさん:2010/08/13(金) 14:29:36 ID:PpI3/vdm
待ってました!
期待あげ
363マロン名無しさん:2010/08/13(金) 19:41:08 ID:???
今晩は。
>>349-357の続きを投下します。
364トロッコゲーム:2010/08/13(金) 19:42:02 ID:???




 こなたの胸に、感激の念が訪れた。
(みさきち……。私のこと、ちゃんと友達だと思ってくれるんだね。
私のこと、庇ってくれたんだね)
 あやのに「泉ちゃんみたいな人」と表現された時、こなたも内心快くは思わなかった。
だがその不快を、みさおが代弁してくれた。
その事が、こなたには堪らなく嬉しかったのだ。
(でも……このままじゃマズイよね)
 射るようなあやのの視線を小さな身体に受けながら、こなたは思った。
どうやらこの二人の喧嘩の原因は自分にもあるらしいと。
二人の口論の内容から、あやのがみさおの家に遊びに行きたいと申し出たところ、
みさおは断ったらしい。その事が直接的な不仲の原因であり、
そしてその後こなたを誘った事があやのの逆鱗に触れた、という推量まではできた。
(この二人元々はとっても仲良しだったんだし……それに)
あやのに睨まれる事に、底知れぬ恐怖を覚えてもいた。
 こなたは意を決して仲裁を買って出る事にした。
「いやー、まぁお二人とも落ち着いて落ち着いて。
その喧嘩に関係無い私がこんな事言うのもアレだけど」
「関係無い?本当なの?」
 冷たい声が、あやのの口から漏れ出ていた。
「あ、いや。話聞く限り、私がみさきちの家に行く事にも
峰岸さんは快く思ってないみたいだから、完全な無関係ってワケでも無いけどさ。
まー、最初の仲違いの原因には無関係なのに、って意味で」
「私が訊いているのもそっちよ。最初の仲違いの時点で、本当に無関係なの?」
 こなたは訝しげな瞳をあやのに向ける。
「え……?言っている意味が分からないんだけど」
 そもそも二人の喧嘩の始めをこなたは知らない。
話から察して、みさおがあやのの申し出を断った、という推理を組み立てたに過ぎない。
365トロッコゲーム:2010/08/13(金) 19:43:14 ID:???
「私達の不仲、泉ちゃんも噛んでるんじゃないの?」
「え……。いや、そもそも詳しくは知らないよ、二人の喧嘩の原因。
二人の会話から、峰岸さんの申し出をみさきちが断った、っていう推量くらいはできるけど」
「違うわ、こなた。その……日下部のやや失礼な冗談を峰岸が聞き咎めた、
というのが直接の原因だったわ」
 それまで黙って顛末を見守っていたかがみが遠慮がちな声で告げた。
「え?じゃ、やっぱり私関係無いんじゃ?」
「何言ってるの?今までのみさちゃんなら、
失礼な事口走る事があってもちゃんと謝ってくれたし撤回もしてくれた。
でも今回は違ったわ。みさちゃん、固執してる。
泉ちゃんがみさちゃんにある事ない事言い立てて、
私を嫌うように仕向けてたんじゃないの?
そういえばみさちゃん、泉ちゃんと交友持つようになってから何だか態度変わっていったわ」
「し、してないよそんな事っ」
 こなたは慌てて弁解した。
「ああ、確かにそんな陰湿な事はしてねーな。
私が自分だけの判断で、お前の事嫌いになったんだよ」
 みさおが加勢した。
(みさきち……。それはマズイよ)
 こなたは内心そのお節介な援軍に舌打ちした。
こなたの目的は、二人の仲を修復させる事だった。
にも関わらずみさおがこなたの肩を持ってあやのに攻撃を加えれば、
その目的は遠のいてしまう。
(って、みさきちが仲直りを望んでいるワケじゃないのか。
双方こんな感じじゃ、私に仲介なんて無理だよ)
 こなたは早くも諦念に駆られた。
「そんな……。みさちゃん、私とあんなに仲良かったのに……」
「何言ってんだよ。お前だって私の事嫌いだろ?
さっきだって、勝手にキレて話し合い放棄して教室出て行ったじゃんよ」
「……」
 あやのは黙り込んだ。
それを機と捉えたのか、みさおが畳みかけるように続けた。
366トロッコゲーム:2010/08/13(金) 19:44:08 ID:???
「お前も私を嫌い、私もお前を嫌い、それでいいだろうが。
大体お前、しつけーんだよ。
どうせ私なんて、お前から見たらカレシの妹としての利用価値しかねーだろうが」
 幾らなんでも言い過ぎだとこなたは思った。
実際、あやのの表情からは血の気が失せていた。
「そんな……。彼は彼、みさちゃんはみさちゃん、
二人とも大切だよ……なのに酷いよ、そんな事言うなんて……」
 居た堪れずにこなたも加勢しようとした。
「そうだよみさきち、峰岸さんとみさきちは仲良かったじゃん。
恋人の妹とか関係なくさ。今のはみさきちがわる」
「泉ちゃんは黙ってっ。泉ちゃんに私達の何が分かるの?
大体馴れ馴れしいのよ、みさきち、だなんて。
みさちゃんの事、男の人みたいな呼び方しないでっ」
「構わねーよ、ちびっ子」
 こなたが反駁するよりも早く、みさおが割って入っていた。
「友達なんだ、渾名で呼び合うのは普通だろ?
ちびっ子とみさきち、それでいーじゃん。
馴れ馴れしいつったら、お前だよ、あやの。
今まで言わなかったけどな、みさちゃん、って呼び方気持ち悪いんだよ。
ぶってる感じが鼻に衝いて不愉快だったんだぜ?」
「えぐっ」
 あやのの瞳から一筋の涙が零れ、白い頬を伝って床を打った。
「泣けばいいとでも思ってんのかね。
行こうぜ、ちびっ子、柊」
 吐き捨てるようにみさおは言うと、歩き出した。
こなたも慌てて後を追う。
「先に行ってて。私も後で日下部ん家で落ち合うから」
 背後からかがみの声が聴こえた。
かがみは一緒に帰る気は無いらしい。
(そういえばかがみん、殆ど喋らなかったな)
 ぼんやりと考えながら、こなたはみさおの背を追った。
367トロッコゲーム:2010/08/13(金) 19:45:38 ID:???




 かがみはこなたとみさおの姿が廊下の角を曲がって見えなくなるまで見送ると、
あやのに向き直った。
顔面蒼白となった少女は、絶望に満ちた眼差しを虚空に放っている。
「あー、日下部には私からも厳しく言っておくから」
 努めて優しい声で、かがみは言った。
「みさちゃんは悪くない……」
 返ってきた声は細かった。
「日下部は言い過ぎよ」
 かがみは胸中に燻る憤懣を吐き捨てるように言った。
その怒りに似た感情は、実はみさおに向けられたものでは無かった。
(確かに日下部は言い過ぎだったけど、喧嘩の直後で気が立っていただけかもしれない。
問題はこなたよ。話の流れから自分が日下部と峰岸の仲違いを加速させている
原因だって分かったでしょうに。なのに飄々と口出しして……。
峰岸の神経逆撫でするだけだって、分からないのかしら。
本当に空気が読めないんだから)
 かがみが敢えて黙っていたのは、双方気が立っているであろう喧嘩の直後を避け、
お互いに冷静になった頃合を見計らって仲裁を買って出るという心算でいたからだ。
未だ悪感情の渦巻く喧嘩直後に無理に仲裁しようとしても、
お互いが頑なになってますます拗れてしまう可能性があるからだ。
(なのにあのバカ、引っ掻き回してくれちゃって……。
頭悪いんだから、黙ってなさいよ)
 毒づくかがみの胸中を代弁するように、あやのがぽつりと呟いた。
「泉ちゃんが悪いんだ」
368トロッコゲーム:2010/08/13(金) 19:46:46 ID:???
 だがあやのの言う悪いとは、かがみの思う悪いとは意味合いが違うものだった。
だからかがみは一応こなたを庇った。
「何言ってるのよ。確かにアイツは空気読めないヤツだけど、
影でコソコソ峰岸の悪口言うようなヤツじゃないわよ」
 多分、と心の中で付け加えた。
実際、自信は無かった。かがみは偶に思う事があった。
みゆきやみさおに対してこなたは自分やつかさの事を悪し様に言ってるのではないか、
そう疑った事も皆無ではない。
「でも……みさちゃん、あんな事言う人じゃなかったもん……」
「気が立ってるだけよ。峰岸もちょっと問い詰め過ぎたのよ。
ほら、お互い様って事でさ」
「私も悪かったかもしれないけど……絶対泉ちゃん、裏で何かしてるわ」
「言いすぎよ、峰岸。根拠も無いのにそんな事言うなんて、アンタらしくないわ」
 口ではあやのを窘めつつも、かがみの内心には暗い考えが閃いてもいた。
(峰岸は相当こなたがお嫌いなようね。逆に言えば、こなた一人を悪者にしてしまえば、
日下部と仲直りさせる事も可能かしら。日下部も退くに退けなくなってるだけで、
本当は峰岸との仲直りを望んでいるハズだし)
 かがみは即座にその考えを振り払う。
(駄目よ、何考えてるのよ私は。確かに峰岸と日下部には仲直りして欲しいし、
付き合いの長い友達でもあるけど……こなたも友達なのよ。
なのにアイツ人身御供に差し出して解決図ろうだなんて、馬鹿げてるわ)
 友人に優先順位を付けたくは無かった。
「ごめんね、柊ちゃん」
「気にしないで」
 かがみはハンカチであやのの目元を拭ってやった。
(涙なんて、似合わないわよ)
 涙の沁みたハンカチは、心なしか重量を増したような気がした。
369マロン名無しさん:2010/08/13(金) 19:54:27 ID:???
>>364-368
短めですが区切りの関係上、今回はここまでです。
また。

>>361
いえ。
370マロン名無しさん:2010/08/13(金) 22:14:10 ID:???
このスレのSSらしいこなたにとってすべて悪い方へ転ぶ展開だ
371マロン名無しさん:2010/08/14(土) 06:32:57 ID:7n6BPqj2
^^早く自殺しろ^^
372マロン名無しさん:2010/08/14(土) 17:36:11 ID:???
        / /         |    ヽ   /      , ´
 気 方 こ 弋´  /     ___| \  〉-/_,. -‐     /
 持  が な   .> /   /――-ヽ__Y^y      /
 ち  も ち  (_ /   /-―- ./ /   爪     /
 悪  っ ゃ  (/   /´ // /`/  /://:::|`―< ヽ
 い  と  ん   \ /  //_∠__/  /://::::,' |l \〉 .ハ
 よ    の /⌒ 7 /ィ≠''''ニミヽ/:://::::/ /l l:| |‖ |
!!      |   //_イ/ /  ', }}::::::〃::::/./:/ヽl:| | l| |
         弋 //::::  /  / / ::::/::::::/厶〈 ハ | | ‖
         /⌒,/:::::::  l   /.::::::::::::::::/,イΞミ〈// 人_人||人_ノ
ヽ/⌒ヽ(⌒Y  /:::::::::::ヽ _ー::::::::::::::::::::::::: / } |l<
   | .|| | |l  |       ::::::::::::::::::::: / / / jj::::::} は は あ
   ヽ|| | |l ∧   ト⌒\   ::::::::: し _〃:<  は は っ
     ヽ从ハ | ヽ   |  \ ` 、 ′ ヽ..::::::::::/  ) ぁ. は は
   _ /ヘ| \ ヽ   `ヽ、__フ   :::::::/<   l   は は
         |   \   _)/      / / ヽ !! は は
            l:::>  __,   -‐ ´ /_ノ     は は
            l:/ =ニ二三≠イ //  `ヽ
373マロン名無しさん:2010/08/14(土) 20:06:01 ID:???
>>364-369の続き投下します。
374トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:06:52 ID:???

*

 かがみがみさおの部屋に着いた時、既にこなたはそこに居た。
(って、こなた居るのかよ)
 地理的にかがみより遠いこなたが先に来ていた事に驚いたわけではなかった。
夕飯を食べ、シャワーを浴び、ついでにつかさの宿題を手伝ってから家を出たのだ。
こなたが先にみさおの部屋に居ても不思議ではない。
(峰岸と日下部のやり取り聞いてよくもまぁ、のうのうと顔を出せたもんだな)
 かがみは内心呆れていた。
みさおがあやのよりもこなたを優先させた事が、
あやのの心に傷を負わせる場面をこなたは目撃していたはずだった。
あやのに対する遠慮の念からこなたは来ないのではないか、
そう考えていたかがみの期待は見事に裏切られた格好だ。
「かがみん、まぁ座りたまえー」
 ドアの前で呆けたように立っていたかがみに、着席を促すこなたの声が響く。
「ん、ああ、そうね」
 かがみはベッドに腰を下ろすと、部屋の主、みさおに問いかけた。
「悪かったわね、遅くなって」
「気にすんなって。予め遅れるっつー連絡は貰ってたし」
「ごめんね。こなたは、何時来たの?」
「お前よりちょっと早いくらいの時間に、だよ。10分程の違いだな」
「何だ、そんなに違わないのね。
なら、一人で部屋で待ってて退屈してたんじゃない?」
「いんや、ゲームやってたし」
「お前な、予め宿題片付けとけよ」
「三人でやった方が効率いいじゃんよ」
「前やった時、アンタ何もしなかっただろ」
 前に三人でやった時とは面子が一人入れ替わっている事が、
棘のようにかがみの心に刺さった。
375トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:07:53 ID:???
「今回はやるっての。柊一人に負担させるワケにいかねーし」
「うんうん、でもその前にまずはトークタイムだよね」
 こなたが割り込んできた。
自分を無視して話が進んでいく事に抵抗を覚えるタイプらしい。
「あ、そういや何処まで話したっけ?」
 そのみさおの言葉に、かがみは謝罪の言葉を口にした。
「あ、ゴメン。もしかして私が来たから、話を途中で中断させちゃった?」
「気にすんなよ、そんなのどのタイミングで来ても同じさ」
「それもそうね。で、二人で何の話してたのよ?」
 この二人がテーマを持った話を展開していたとは考えづらかった。
(どうせ、他愛も無いふざけ話よね。でも中断した話を思い出すって事は、
話題にテーマあったのかしら)
 こなたとみさおの共通点を見出し難いかがみにとって、
それは興味のある事柄でもある。
「あやのの話、さ」
「そ、峰岸さんの話。
確か……付き纏ってきて鬱陶しい、って所で中断したんじゃなかったかな」
 なるほど共通の知人が居ればそれは話題になる。
だが中断する直前の話の内容から察するに、
仲直りしたいという類のかがみの望む方向では無さそうだった。
逆に、陰口の類の雰囲気を醸し出している。
謝罪の言葉を口にする必要なんて無かった、そうかがみは思った。
これなら別に中断させたままで良かった、と。
「そーそ。学校じゃ常にひっつきやがって。気持ち悪いっての」
「それが友達じゃないのか?」
 かがみは水を差したが、みさおは意に解する風も無く続けた。
「その限度越えてんじゃん。
友達だからって四六時中一緒に居なきゃならないワケでもねーだろ。
あれじゃ私がレズだとか思われかねないぜ」
「ご愁傷様、みさきち。でもそれも今日までじゃん。
今日っきりでしょ、峰岸さんなんて」
376トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:08:56 ID:???
 かがみはこなたの物言いに違和感を覚えた。
まるでこなたまで、あやのを嫌っているような口振りだ。
「だといいんだけどな」
「大丈夫だよ、みさきち。またみさきちに付き纏って来たら、
私からもビシッと言っておいてあげるから」
「何言ってるのよアンタ達……。峰岸は泣いてたわよ。
アンタ達も見たでしょ?とっとと仲直りしなさいよ」
「やなこった」
 その提案をみさおは切って捨てた。
「こなたもこなたよ。喧嘩加速させようとしてるんじゃないわよ。
アンタだって、二人が仲いい方が良いはずでしょ?」
 意固地になっているであろうみさおを説き伏せるより、
まずはこなたを懐柔しようと話を振った。
みさおとあやのの喧嘩を一旦は止めようと口を挟んでいた事を思い返しながら、
本心ではこなたも仲直りを望んでいるはずだとかがみは読んだのだ。
「別に」
 だが意に反してこなたの返答はにべも無かった。
「今日、日下部と峰岸の間に割って入ってじゃない。
喧嘩止めようとしたんじゃないの?」
「その時はそう思ったよ。でも峰岸さんの態度見て、考えを改めたんだ。
喧嘩止めようとしたのに、いつのまにか私が悪者にされそうになってるし」
「その時は済まなかったな、ちびっ子。
アイツ何トチ狂ったかしんねーけど、お前のせいにしようとしやがって」
 みさおが話に割り込み、こなたに謝意を伝えた。
「いいっていいって、悪いのはみさきちじゃないし」
「つーかありえねーよな、アレ。嫌われる原因は自分にあるのに、
それをちびっ子のせいにしようとしやがって」
「まーね。ていうか峰岸さんのあんな一面始めて見たよ。
いつもはキャラ作ってて、悪辣な部分隠してたんだね」
 こなたも最初は仲直りさせる心算でいたが、
あやのに攻撃された事で考えを改めたらしかった。
377トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:10:06 ID:???
「そらーな。兄貴の前だともっとぶりっ子めいてんぜ。
可愛いキャラ作っちゃってよ。ホント、女の嫌な部分見せられるぜ」
(私はそれを今見ている気分よ……)
「うわ、ビッチじゃん。それであんな清楚なキャラ気取ってんの?
前から狙いすぎだとは思ってたんだよね。ニーソで絶対領域とかさ。
淫乱だから常に戦闘態勢なんだね」
「戦闘態勢って、お前面白い表現すんなー」
「そういえば峰岸さん、前々から腐ったチーズの匂いがすると思ったけど」
 話がそこまで進んだ時、かがみは静かに口を開いた。
「……言ってるじゃない」
「え?」
「んあ?」
 こなたとみさおの視線がかがみに集中した。
そのこなたの視線に対し鋭い一瞥を返してから、言葉を放つ。
「峰岸の悪口、裏でコソコソ言ってるじゃない。
日下部の前で峰岸の事、悪し様に罵ってるじゃない」
 非難の声に対し、こなたは慌てたように両手を胸の前で振った。
「ちょっ、ちょっと待ってよかがみん。
今日が初めてだよ。峰岸さんにその嫌疑かけられた段階では、言ってなかったって」
「だから何?」
 かがみは溢れる苛立ちを隠す事無く、こなたに迫る。
「だから何って……」
「いやさ柊、お前らしくねーぞ?考えてみろよ、
あやのがちびっ子に裏で悪口言ってるとかいう難癖付けた段階では
悪口言ってなかったんだから、あやのが掛けた嫌疑は事実無根って話になるだろ」
 言葉に詰まっているこなたに対し、みさおが助け船を出した。
「確かに峰岸は根拠の無い嫌疑を掛けた。それは峰岸が悪いわ。
でもね、だからと言って悪口言っていい理由にはならない。
正直に言うわ。目の前で友達の悪口言われて、不愉快よ」
378トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:11:03 ID:???
「柊ー、何だよノリ悪いなー」
口を尖らせるみさおと
「かがみーん、何言ってるのさー」
媚びるような口調のこなたを
「煩いわねっ」
かがみは一喝して黙らせた。
 黙したまま顔を見合わせあう二人に、今度は明るい声でかがみは言った。
「ほら、さっさと宿題片付けましょ」
(聞いてられないわ。宿題やってる内は、取りあえず黙るでしょ)
 かがみは勢いで押し切るように、机の上にプリントを広げた。
(金曜日に喧嘩して、土日挟んだ月曜日……。
日下部が冷静になってくれてると有難いんだけど)
 てきぱきと問題を解きながら、かがみは明々後日の事を思った。

*

 月曜日、かがみは気分が重かった。
普段でさえ月曜日は気が塞ぐというのに、
金曜日のあやのとみさおの喧嘩の件が拍車を掛けていた。
 みさおの家に止まりに行って宿題を済ませた後は、ゲームや四方山話に終始した。
かがみが一喝した事もあってか、その後あやのの話題になる事は無かった。
(休み挟んで、みさおも冷静になってくれてると有難いんだけど……)
 C組の教室に入る時は、少しだけ緊張した。
「おはよう、柊ちゃん」
 入った瞬間、あやのの声に迎えられた。
その声は沈んでおり、いつも聴く明るい挨拶ではない。
「おはよう、峰岸」
 かがみは挨拶を返すと、素早くみさおの席に視線を飛ばした。
そこに席の主の姿は無い。だが、バッグは置いてあった。
「みさちゃん、教室には居ないわよ。ごめんね、柊ちゃん」
 かがみの視線を察してか、あやのがみさおの不在を告げた。
だが、謝罪の意味がかがみには分からなかった。
379トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:12:25 ID:???
「何で謝るのよ?」
「……。私が挨拶したら、どっか行っちゃったから……」
だから私のせい、そう続けたかったのだろう。
「挨拶しただけなんでしょ?峰岸は関係ないわ」
 口ではそう言いつつも、
みさおのその行為があやのに対する当て擦りである事は分かっていた。
「うん……」
「それに、別に日下部に緊急の用があったワケじゃないしね。
朝の挨拶でも、と思っただけよ」
「うん、きっと柊ちゃんなら、挨拶すれば挨拶で返してくれるよ」
 言外に込められた意味を、かがみは悟った。
「当然よ。誰が相手であれ、挨拶されて挨拶を返さないなんて非常識にも程があるわ」
 みさおに対する憤りが露わになった、荒々しい語勢で応ずる。
「んーん、ほら、挨拶した側の声が小さいと、された側も気付かないかもしれないし。
必ずしも返さない側が悪いとは言い切れないわ」
 挨拶を無視されたにも関わらずみさおを庇うあやのに、
かがみは少し胸が痛んだ。
「峰岸……」
(日下部がおはよう、と返すだけでどれだけ峰岸が救われたか。
ほんっとに、どうしちゃったのよ日下部……。
おはよう、っていうたった一言だけでいいのに)
 その時、かがみの耳朶に声が届いた。
「おはよーっす、柊」
 胸中で望んでいた、みさおの声だ。
だが、最後の余計な一言が、かがみの胸を刺す。
(柊、って何よ。私限定なワケ?)
 胸中に滾る苛立ちを抑えながら、かがみは振り向き様に挨拶を返す。
「ん、おはよ、日下部」
「おはよう、みさちゃん」
 かがみに倣うように、あやのも挨拶の言葉を口にする。
だがみさおは、またもやそれを無視した。
380トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:13:12 ID:???
「柊ぃ、金曜はありがとな。お陰で宿題片付い」
「待てよ、日下部。峰岸に挨拶は返したか?」
 みさおの言葉を途中で遮り、怒りを露わにした語調で質す。
「あー?声が小さいから聴こえなかったわ。
人の兄貴汚す時じゃなくってよ、挨拶の時に大きな声出せよ」
「日下部……本気で怒るわよ」
「いいの、悪いの私だから。ごめんね、みさちゃん」
「ふん。あ、そうだ柊ぃ、ちびっ子から伝言。
昼休み、一緒に飯食おうだってよ。私も付き合うぜ」
 みさおの発言に込められた二つの意味。
それに気付いてか、あやのは顔を強張らせた。
席を外していたのはB組のこなたのところへ行っていたからだという意味と、
昼休みにあやのを孤立させようとする意味。
かがみも勿論それに気付いた。
「行かないって伝えといて。峰岸と食べる約束あるから」
 そんな約束はしていないが、あやのの表情に怪訝は浮かばなかった。
代わりに、どこか安堵したような安らぎが浮かんでいる。
「じゃ、一人で行くよ」
 みさおの発言にかがみは顔をあからさまに歪めて見せた。
だが、みさおは顔を背ける事で表情によるかがみの抗議を躱していた。


 その朝の出来事以来、かがみの周囲は一変した。
かがみは一人帰路に付きながら、その変化について思いを馳せた。
 みさおとこなたはよくつるむようになり、みさおとあやのの交友はほぼ断絶した。
あやのから声を掛けることがあっても、みさおはあからさまな態度で無視した。
代わりに、つかさやみゆきがこなたと距離を置くようになり、
あやのと親しくなった。
B組の教室であやのに対する罵詈雑言を並べるみさおと同調するこなたに、
二人とも愛想を尽かしかけているらしかった。
381トロッコゲーム:2010/08/14(土) 20:14:13 ID:???
 そのような中、かがみだけは皆と平等に付き合った。
あやのに対する同情心はあれど、みさおやこなたと親交を断つ事はしなかった。
諌める事はあっても、切りはしない。
(板挟み状態ね……)
 かがみは心労に苛まれたが、自分だけが最早残された唯一の架け橋である。
どちらかに秤を傾ける事などできやしない。
(峰岸は日下部と仲直りしたがっている。だから日下部さえ説得できれば……)
 みさおの一貫した意固地な態度を思い返すに、簡単に説得できるとは思えなかった。
(人間は共通の敵が居ることで結束が強くなる。
日下部と峰岸に共通の敵、ね。青鬼のような存在が居れば、二人は仲直りするはず。
青……こなた……)
 思考がそこに至った瞬間、かがみは激しく頭を振った。
「何考えてるのよ……。ダメに決まってるじゃない」
 声に出して己を叱咤した。
友人間に優先順位を付け、友人の為に別の友人を犠牲にするなどしたくはなかった。
だが、焦燥に駆られた今ではそれが唯一の解決方法にすら思えてくる。
(みゆきは時間が解決する、って言ってたけど、そろそろ二週間よ)
 かがみには、逆に時が経過すればする程に
二人の間の断絶が深まるような気さえしていた。



382マロン名無しさん:2010/08/14(土) 20:16:19 ID:???
>>374-381
本日はココまでです。
ではまた。
>>372
懐かしいAA、
そういえば昨日でこのスレも3周年ですね。おめでとうございます。
383マロン名無しさん:2010/08/14(土) 21:32:54 ID:???
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 気 方 こ 弋´  /     ___| \  〉-/_,. -‐     /
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 ち  も ち  (_ /   /-―- ./ /   爪     /
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   _ /ヘ| \ ヽ   `ヽ、__フ   :::::::/<   l   は は
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            l:::>  __,   -‐ ´ /_ノ     は は
            l:/ =ニ二三≠イ //  `ヽ
384マロン名無しさん:2010/08/15(日) 01:29:37 ID:???
本人がいないところで陰口三昧
男の前ではキャラを作って媚びる
実際の女子ってこんなもんなんだろうな
グループ作ってる時点でそうだし
そういう意味ですごい現実味あるSSだ
こなた自殺にどう持って行くのか楽しみだぜ
385マロン名無しさん:2010/08/15(日) 11:54:38 ID:???
いいSSをありがとう
続き楽しみ
386マロン名無しさん:2010/08/15(日) 21:48:38 ID:???
今日は無しか
387マロン名無しさん:2010/08/15(日) 21:50:12 ID:???
今晩は、>>374-381の続きを投下します。
388トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:51:04 ID:???



 かがみがこなたを敵役に据えようと考えていたその頃、
当のこなたはまだB組の教室に居た。
ホームルームは終わっていたが、
部活の時間までみさおとお喋りに興じていた為帰りがかがみよりも遅くなった。
そのみさおも部活に出かけてしまったので、もう学校に残っている意味は無い。
こなたは手早く帰り支度を整えた。
丁度この頃、かがみが独り言によって己を叱咤し、
こなたを敵役に据える思考を放棄していた。
こなたにとっては与り知らぬ所の難を免れはしたが、
もう一つの難が迫ってきていた。
 こなたがバッグを手に席を立った時、教室の扉からあやのが入ってくるのが見えた。
みゆきやつかさに会いに来た訳ではなく、
こなたに会いに来た事はその視線を辿れば明白である。
それ以前に、今教室にはこなた一人しか居ない。
「泉ちゃん、ちょっといいかな?」
 こなたの席に向かいながら、あやのが問うた。
「何か用?」
 できるだけぶっきら棒な調子で、こなたは問い返した。
「お話があるの。来て」
 こなたの声調に込められた敵愾心に怯むことなく、短い言葉が放たれる。
「此処で話せば?と言っても、10秒で済ませてね?
別に急いでるわけじゃないけど」
 言外に、お前は時間を割いてやる価値も無い人間だと伝えた。
「みさちゃんに付き纏わないで」
 返事の代わりに大仰な溜息で意思を伝えると、
こなたはあやのを無視して歩き出した。
「あ、ちゃんとお話してくれないと、私も泉ちゃんと同じ事しちゃおうかな」
「同じ事?」
 今度は無視できず、こなたは訊ね返した。
389トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:52:33 ID:???
「みさちゃんにある事無い事言い立てて私を嫌うように仕向けた事、
私もやっちゃおうかな」
「だからやってないよ。みさきちは自分の意思で峰岸さんを嫌いになったんだ」
「あのね、泉ちゃん。高良ちゃんとひぃちゃんが泉ちゃんを嫌いになってないの、
私のお陰なんだよ?」
 何時の間にかあやのはつかさの事を「ひぃちゃん」と呼ぶようになっていた。
つかさもまた、あやのの事を「あやちゃん」と呼ぶようになっていた。
「どういう事?」
「私の悪口を言い連ねる泉ちゃんにあの二人も嫌気が差してたみたいだけど、
私が泉ちゃんを庇ってるんだ。私にも非があるかもしれないから許してあげて、
ってね」
 こなたは内心嘲った。
(はん。どうせ庇いたいのはみさきちだけでしょ?
みさきちだけ庇って私だけ貶せば、筋が通らなくなる。
だからついでに私を庇ってるだけじゃん)
 その推理を、言葉に変えて直接あやのにぶつけた。
「どうせみさきちの事も快く思ってないんでしょ、あの二人は。
峰岸さんはみさきちを庇うついでに、私も止む無く庇ってるだけだよ。
だって私の悪口だけ言えば、あの二人も不審に思うだろうからね」
「ねぇ、思い出してみて。私、柊ちゃんの前で泉ちゃんをどうしたかな?」
 こなたは目を見開いた。
(そうだ……。かがみの前では私のせいだって喚いてたっけ)
「分かった?泉ちゃん一人だけ攻撃する事もできたんだよ?
泉ちゃんがみさちゃんを騙して私との仲を引き裂いた、
って真実をお話すればいいだけだから」
「事実無根じゃん。信じるの?」
「実際、私の悪口言ってるそうじゃない」
 こなたは言い返せずに黙り込んだ。
実際、みさおがあやのを貶す言葉に同調の声を返している。
みゆきやつかさがあやのの詐言を信じる下地は出来上がっているわけだ。
「分かった?分かったらみさちゃん返して?」
 こなたは頭を抱えたくなった。
390トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:53:52 ID:???
「無理だよ。だってさっきから言ってるように、峰岸さんは誤解してる。
峰岸さんとみさきちが喧嘩した段階では、
私は峰岸さんの事を悪し様になんて評してない。
つまりみさきちが勝手に峰岸さんを嫌ってるんだよ。
私が最近みさきちに同調してるのも、
峰岸さんが被害妄想で私に罪を被せているのが鬱陶しいからだし」
「なら、せめてみさちゃんに付き纏わないで?
泉ちゃんがみさちゃんと離れてそれでもなお私を許さないのなら、
悪いのは私だって証明できるでしょ?」
「私の交友関係勝手に制限しないでよ。第一、私が孤独になっちゃうじゃん。
かがみんは居るけど」
「だから高良ちゃんとひぃちゃんの前では、泉ちゃんを庇ってるんだよ?」
 こなたはあやのの策を察し、思考を巡らせた。
(成る程、私がみさきちと離れてなお友達が残るなら、
私も峰岸さんの提案を呑み易いって策か。その為に庇ってたワケか。
でも……)
 こなたには頷き難かった。
親交を深めてみて分かった事だが、みさおとは色々と話が合った。
こなたの正直な感想では、
みゆきやつかさよりもみさおと話している時の方が楽しい。
それともう一つ。こなたにはあやのの提案を呑み難い理由があった。
(峰岸さんと中学が一緒だったつかさは兎も角さ、みゆきさんはどうなの?
付き合いなんて殆ど無かった峰岸さんの味方して、
一年生の時からの付き合いの私に好ましくない感情抱いてるんでしょ?
正直、みゆきさんには好感情今更抱けないよ。つかさもさ、
中学が同じだからって、殆ど交友無かったらしいじゃん。
なら私を優先してくれても良かったのに)
 こなたは決めた。つかさやみゆきと金輪際切れても構わないと。
それが自分を裏切った代償だと、二人に教えてさえやりたい気分にもなった。
391トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:54:40 ID:???
「嫌だよ。みさきちは友達だもん。
みゆきさんとつかさにある事無い事言い立てて私を嫌うように仕向けたければ、
すればいい。その時こそ、私も峰岸さんに対して遠慮の無い行動取れるから」
「ふーん、あくまでもみさちゃんに付き纏うんだ。
みさちゃんに付いた悪い虫、早く駆除してあげなきゃね」
 本来なら、負け惜しみの捨て台詞にしか聴こえない言葉だ。
だが、感情が欠落したような声で紡ぎ出されたそれは、
こなたの背筋を凍りつかせた。
 だがこなたは、芽生えた恐怖の念を包み隠して言い返した。
「ねぇ、峰岸さん。私からも一つお願いがあるんだけど。
みさちゃん、っていう馴れ馴れしい呼び方止めてくれない?
本人嫌がってたしさ。
それに私も、自分の友達が赤の他人にそんな風に呼ばれてたら気分悪いし」
 激昂するかと思ったが、あやのの反応は違った。
口元に笑みを浮かべ、艶やかな丸い瞳をこなたに向けてきた。
気品と愛くるしさが調和した西洋人形のような表情だ。
思わずこなたは戸惑った。
あまりにも場違いな、無邪気な瞳に射竦められたから。
「な、何なのさ?人の顔見つめて。気持ち悪いよ」
「んー。舌を切るのと、唇を裁縫するの。
どっちの方が可愛いかな、って思って」
──恐怖
こなたは全身の毛が逆立つような錯覚に襲われた。
それ程に怖かった。
月並みな脅し文句に恐怖したのではない。
実際に実行しかねない雰囲気に恐怖したのだ。
「は?何言ってるの?頭大丈夫?電波?」
 こなたは疑問の言葉と罵声の言葉を連呼した。
それが虚勢でしかない事は、こなたも震える声を通じて自覚していた。
「訊かれた事に答えただけだよ」
 あやのは軽くいなすと、踵を返して教室から出て行った。
こなたは椅子に腰を下ろした。まだ、足は震えている。
392トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:56:03 ID:???
(恐怖?私が?あんなビッチに?
認められないよ、気圧されてしまっただなんて)
 こなたは本能からの警告に対し、自尊心で抗った。
(私が怯えただなんて、有り得ない。
その証拠に、近日中に正面切って喧嘩売ってやる。
今日震えたのは、偶々なんだ)
 こなたは決意した。明日からは、みさおに同調するだけではなく、
積極的にこなたからもあやのに対する罵詈讒謗を並べようと。
そしてまた、効果的な方法で攻撃してやろうと。
 それはこなたに無礼な言葉を並べたあやのに対する怒りの念から来る決意であったし、
あやのになど恐怖していないという事を己に対し立証する方法でもあった。

*

 次の日、こなたはみさおを教室に招き入れると、ワザとらしく口にした。
「あれ?みさきち、寝不足?」
「んあ?まーな、ゲームやり過ぎたわ」
 素直なみさおの返答に、こなたは内心舌打ちした。
今度はより直接的な言葉で、みさおを誘導する。
「またまたぁ。近くの部屋から時間も迷惑も考えない淫乱女の声が聴こえて
眠れなかったんじゃないの?」
 そこまで言って、漸くみさおにもこなたの意図が飲み込めたらしい。
みさおは口裏を合わせるように、意地の悪い笑みを浮かべた。
「まーなー。兄貴の部屋から汚い喘ぎ声が聴こえてきてよ、それで眠れなかったぜ」
 そういうと、みさおは視線を横に流した。
こなたも同じように視線を向ける。
その先には、つかさやみゆきと談話していたあやのが映る。
 即座に敵意丸出しの瞳を向けてきたみゆきとは対照的な優しい表情を讃えて、
あやのが口にした。
「え……。でも私、昨日みさちゃんのお家に行かなかったよ?」
「誰もお前なんて言ってないし。兄貴がAV見てて、その音が煩かったって話だし」
393トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:56:59 ID:???
「うわー、ていうか何で峰岸さん自分だとか思ったの?
ねーもしかして、疚しいところあるの?」
 こなたは卑しい笑みを浮かべて、あやのを問い詰める。
「そんな訳じゃ……」
「どーいう訳だよ。つーかちびっ子と仲良く話してたんだから、
一々横槍入れて話しかけないでくれるか?」
「そーそ。友達同士の話題に入ってくるなんて、無粋だよ」
「こなちゃんも日下部さんも言い過ぎだよ」
 困ったように眉を顰めたあやのに代わって、つかさが怒気を含んだ声で割り込んできた。
「つかささんの仰る通りです。お二人ともいい加減になさって下さい」
 みゆきもつかさに加勢して、こなたとみさおに対する苦言を呈した。
「いや別に攻撃しようって訳じゃねーし。
一々横槍入れてくんのが鬱陶しかっただけだし」
 予想外の苦言にたじろいだのか、みさおは言い訳めいた言葉を口にした。
「そうそう。大体今のって、悪いの峰岸さんじゃん。
私達は全く関係ない話してたのに、突っかかってきてさ。
そんなに私達を攻撃したいのかって思ったよ」
 こなたは怯む事無く、あやのに対する嫌味を放った。
「わ、私そんな心算じゃ…。泉ちゃん酷いよ……ぐすん」
 どうせ大した反応など無いだろうと思っていただけに、
あやのが涙ぐんだ事にこなたは一瞬驚いた。
だが、すぐにそのわざとらしさに気付く。
(ぐすん、は無いでしょ、普通に考えて。
っていうか昨日あれだけの迫力で私を圧してきた峰岸さんが、
この程度で涙ぐむワケ無いじゃん)
 だが、みゆきとつかさはすんなりと騙されたらしい。
「ちょっ、あやちゃん泣かないで。私達は味方だからね?」
「泉さん、今のは失礼過ぎます」
などとあやのに同情する素振りを見せた。
394トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:58:05 ID:???
(何なのさ……)
 こなたは内心に怒りが燻っていくのを感じた。
あやののわざとらしい演技に騙された二人が恨めしく、
また自分よりもあやのを優先する所業も許しがたかった。
「行こ、みさきち」
「お、おう」
 些かの劣勢を感じたのか、みさおもこれ以上あやのを甚振る事はせずに
素直にこなたに従った。
こなたはあやのの脇を通り過ぎる際、
腹いせとばかりに軽くぶつかってやった。
「きゃっ」
(は?)
 途端、短い叫び声が響き、あやのが大仰な仕草で勢いよく転んだ。
床に身体が叩きつけられる音が、いやに大きく聴こえる。
「い、痛いよぅ……」
「あやちゃん大丈夫っ?」
「峰岸さん、大丈夫ですか?」
 慌てて駆け寄るつかさとみゆきに、こなたは信じがたい視線を送った。
(ちょっと待ってよ。軽くぶつかっただけじゃん。
あんなに大袈裟に転んだフリにまで気付かないの?)
「うん、大丈夫。ちょっと転んじゃっただけだから」
「大丈夫だろうね、ワザとらしい」
 こなたは憎々しげに呟いた。
その途端、みゆきの鋭い視線がこなたを捉えてきた。
「泉さん、貴女を見損ないました。まさか偶然を装った暴力にまで訴えるなんて」
「ちょっ、何言ってるの、みゆきさん。
ちょっとぶつかっただけだよ?
それでそんな勢いよく転ぶわけ無いじゃん」
 確かに偶然を装ってぶつかった。それは事実だ。
だが暴力と形容される程に強烈な体当たりは喰らわせてはいない。
395トロッコゲーム:2010/08/15(日) 21:59:13 ID:???
「こなちゃん護身術習ってたんでしょ?
そのテク応用して、転ばせたんじゃないの?」
 つかさにしては珍しく機転の利いた推理を見せた。
惜しむらくは、その推理が間違っていることだ。
「なワケないじゃん……」
 こなたは呆れ気味に呟くも、一旦形成された疑念は中々消えるものではない。
「ちびっ子、ヤバイぜ」
 みさおに耳打ちされて、こなたは状況を飲み込んだ。
クラスの非難がましい視線が、自分に注がれている。
「あー悪かったよ、つい足元ふらついてぶつかっちゃった。ごめんね」
 述べたくも無かった謝罪の言葉を口にする。
(昨日の峰岸さん、皆に見せてやりたいよ。
そうすれば、あれだけの迫力持った悪女が軽くぶつかった程度で
膝ついて涙ぐむなんて有り得ないって分かるはずなのに)
 胸中に憤懣が滾るが、この劣勢は覆しようも無い。
舌打ちしてやりたい気分を抑えて、
背を向けようとしたこなたに屈辱的な景色が飛び込んできた。
みゆきの腕に抱かれたあやのが、
こなたにだけ見えるように笑みを浮かべ舌を出したたのだ。
それは一瞬だった。一瞬だが、その仕草にこなたは強烈なメッセージを読み取った。
宣戦布告の、メッセージを。
(っ)
 頭に血が上っていくのを感じたが、こなたはどうにか自分を静めた。
ここで罵倒の文句を繰り出した所で、益々自分を窮地に追いやるだけだ。
「行こ、みさきち……」
「あ、ああ……」
 気まずそうなみさおを従え、こなたは教室を出た。
(ていうか私の教室なのに、何で峰岸さんが当たり前のように居て、
私が出てかなきゃならないのさ)
 瑣末な事でさえ、今のこなたには逐一が屈辱の棘となって胸に刺さる。
「みさきち」
 廊下を歩きながら、こなたはみさおに語りかけた。
396トロッコゲーム:2010/08/15(日) 22:00:06 ID:???
「何だー?」
「いい加減、鬱陶しくない?ビッチ系のキャラが身内にくっついてるってさ」
「ああ。だから兄貴には言ってるんだけどな、ある事ない事。
それで別れてくれりゃ、アイツに一撃加える事できるんだろうけど、
兄貴もアイツ信頼してんのか、取り合ってくんねーよ」
 みさおはみさおで裏工作を進めていたらしい。
好都合だった。
「それは……決定的な状況を突きつけてないからだよ。
峰岸さんが悪辣な女だって証拠見せてやれば、恋仲関係にヒビを入れる事ができる」
「証拠ねー。何かあったっけ?」
 こなたは笑みを浮かべた。
怒りが転化した邪悪な笑みだった。
「無いなら、作ればいい。
ねぇみさきち。峰岸さんとお兄さんの次のデート、分かる?」
「調べれば、な。兄貴は几帳面な正確だから、手帳盗み見れば一発だよ。
ってまさかちびっ子……」
「乱入して、ぶっ壊してあげるよ。それで峰岸さんがキレてくれれば、
カレシの前では良い子ぶった悪女だって証明になる。
キレなければ──」
「キレなければ?」
 みさおの問いに、こなたは一拍間を置いて答えた。
「妨害し続けるだけだよ。関係が決定的に壊滅するまでね」
「そいつぁいいな」
 みさおの同調の声も、こなたに負けず邪悪な響きがあった。
(昨日の屈辱も今日の屈辱も、まとめて晴らしてあげるよ。
峰岸さんなんて怖くもないし、大したこともないって事、
証明してあげるよ)
 邪悪な影が二つ、校舎を闊歩していた。
胸に秘めた憎悪の炎が照らしているのか、
その影は周囲の影に比して幾分闇が濃いようにさえ見えた。
397マロン名無しさん:2010/08/15(日) 22:01:33 ID:???
>>388-396
本日はここまでです。ではまた。
398マロン名無しさん:2010/08/15(日) 23:35:37 ID:???
無いと思ったらあった
すげードロドロしてきたな
マジで続きが楽しみだ
ところで作者ってpsychedelic書いた人?
399マロン名無しさん:2010/08/16(月) 02:33:30 ID:???
続き乙
みさお黒いなーと思ってたらあやのも黒いw
面白い展開だ
400マロン名無しさん:2010/08/16(月) 08:18:31 ID:dYuddLgS
psychedelicってどんな話だったっけ?
401マロン名無しさん :2010/08/16(月) 10:01:08 ID:???
今回の話、祐一や伸恵はどっちに付き添うと思う?
自分は祐一はこなた側について、伸恵はあやの側じゃないかなと
402マロン名無しさん:2010/08/16(月) 13:11:17 ID:???
>>400
こなたがあやのの彼氏を略奪する話じゃなかったっけ
403マロン名無しさん:2010/08/16(月) 19:20:48 ID:???
今晩は、>>388-396の続き投下します。
404トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:21:50 ID:???

*

 日曜日、あやのは幾分華やいだ気持ちで家を出た。
みさおと仲違いして以来、気の塞ぐ日が多かったが、
今日は恋人との逢瀬という事で久しぶりに心に晴れ間が覗いていた。
 目的地に着くと、既に到着していた日下部が笑いながら手を振った。
「先に着いちゃってたよ。待ちきれなくてさ」
 先に待っていてくれる日下部が好きだった。
「待った?お家近いんだから、一緒に出ればいいのに」
「いや、それじゃデートっぽくないだろ?」
 ロマンを大切にしてくれる姿勢も好きだった。
「もう……。優しいんだから」
 あやのは感激に胸を浸しつつも、幾ばくかの罪悪感や後ろめたさも覚えていた。
そう、みさおの事だ。
日下部の妹であるみさおとは未だに関係を修復できていない。
日下部がみさおとあやのの仲違いを知っているにせよ知らないにせよ、
妹と仲違いしたままというのは引け目に感じた。
 あやのにとってこなたとの関係決裂など重要では無かった。
いや、元々こなたの事を感じよく思っていなかった。
出会って間もないにも関わらず、
みさおの事を『みさきち』と呼び親友同然に振舞うこなたに、
嫉妬に似た感情を抱いていたのだ。
そのこなたに対する暗い感情が、あやのの推理を導いてた。
即ち、予めこなたが悪口を吹き込んでいたからこそ
みさおがあやのに対して硬化した態度を取った、
という推理だ。
「俺は優しいぞ」
「優しいのはいいんだけど、貴方が優しくしていい女の人は私とみさちゃんだけよ?」
405トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:22:43 ID:???
「おいおい、母親も含めてくれよ」
「あ、そうだね」
「いっつも肝心なところで間が抜けてるのな、お前」
「うふふ、安心して抜けていられるもん。貴方の傍なら」
 腕にしなだれかかったあやのの目に、信じられない人物が映った。
そして、鼓膜に聴きたくもない人物の声が届き、心を揺らす。
「あ、峰岸さんじゃん」
(何で貴女が此処に居るのよ)
 胸中の驚愕は声にこそ出ていないが、表情には出ている。
あやのに向けてくるこなたの卑しい笑みは、その驚愕の表情を嘲っているように映った。
「んお?兄貴じゃんよ。何してんだー?って、邪魔したか?」
 みさおも表れた。
『あー邪魔だよ。帰れ』
 そう言ってくれる事を、あやのは少しだけ期待した。
だがすぐにみさおをすら邪魔者扱いした自分の思考に吐き気を催し、
すぐに訂正した。
(泉ちゃんだけ帰れ、そう言ってよ……)
 だが、日下部は平等に優しかった。
あやのの自分とみさおにだけ優しくして欲しい、という希望は叶えられなかった事になる。
「何ってまー見ての通りだよ、みさお。
そっちの子は?」
「友達だよ。泉こなた、ってんだ」
「初めましてー、泉こなたって言うよ。
えーっと、日下部さん、でいいのかな?」
「ん、ああそれで構わない。泉さん、でいいのかな?」
「えーっとね」
 こなたが返答しかけた時、みさおがわざとらしく声を上げた。
「あ、わりぃ。家に用事思い出したわ。
悪いけど兄貴ぃ、ちびっ子の話相手になっててもらっていーか?
あやのも構わないよな?」
406トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:23:40 ID:???
 恋人と二人きりの逢瀬を存分に堪能したいあやのにとって、
構わないわけが無かった。
増してや敵対視しているこなたを交えるなど、
考えただけでも胸に毛虫が這うような不快に襲われる。
だが、仲違いの最中であるみさおから頼まれた事なのだ。
みさおとの関係修復を望むあやのにとっては断りづらい。
(ここで拒絶して、みさちゃんの機嫌損ねたくないし……。
何より頼みごとを引き受ければ、みさちゃんとも仲直りしやすくなる……かな?)
 あやのの中で、こなたに対する嫌悪とみさおに対する愛情が激しく火花を散らした。
「うーん、私はともかく……。彼次第、かな?
ほら、私がいいとしても、彼は泉ちゃんと初対面同然でしょ?」
 結局あやのの選んだ選択肢は、日下部に判断を投げる、というものだった。
正面から拒絶しない事でみさおの機嫌を損ねないようにしつつ、
日下部が気を利かせてくれる事に賭ける、という策だ。
 だが、みさおはあからさまに不満そうな口上を並べ立ててきた。
「何だよー、ともかく、って。嫌なのか?
ちびっ子のこと、嫌いなのかよ?私の友達と一緒じゃ嫌なのかよ」
 逢瀬に浸っている恋仲の二人に第三者を介入させようなど、
本来ならその行為が咎められるものである。
だがみさおはお構いなしに、あやのに不満の念をぶつけてきた。
そこに不審を抱きつつも、みさおの不満を買いたくないあやのは
彼女の思惑通りに踊らざるを得なかった。
「そんな事ないよ。泉ちゃんと一緒に居れば、
それはそれで新鮮なデートになるし」
 それでみさおの気が済むのなら、とあやのは己に言い聞かせる。
(みさちゃんとは、また昔みたいに仲良くしたいし)
 それにまだ、日下部が残っている。あやのが賛意を示しても、
日下部が拒絶すればこなたなど交えずに存分に二人の逢瀬を堪能できるのだ。
あやのは緊張した面持ちで、日下部を見つめた。
「あやのが構わないのなら、俺も構わねーぞ。
でもなぁ……」
 一旦は落胆しかけたあやのだったが、『でもなぁ』と続いた事で期待は復活する。
407トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:24:50 ID:???
「でも?何だよ、兄貴ぃ」
「いやさー、お前の友達なワケだろ?その友達すっぽかして、
お前何しに家かえる心算だよ?
幾らなんでも、その泉さんって人に失礼じゃないか?」
 常識的な意見を述べる日下部に対し、
みさおは気まずそうな顔で言葉を返す。
「それがさ、炊飯器のスイッチ付け忘れてたんだよ。
おまけに洗濯もまだしてねーし。最悪なことに、家出るとき鍵かけ忘れたっぽいわ。
今日母さんも父さんも居ないじゃん?ケータイで頼めなくってさ、
家帰らねーといけねーし」
「それなら、泉さんと一緒に行けよ。
友達は大事にしろよ」
「いやいくらなんでも家事手伝わせるわけにもいかねーだろ。
それに、家まで付き合わせるのも悪いじゃん。
今日のメインは18時からのアーティストのサイン会なんだけどよ、
それまででいいから頼むよ」
「何だお前、夜に家に居ないのかよ。じゃあ炊飯なんて気にしなくていいぞ。
無いならないで、俺はあやのと食べるから。父さん母さんも、
帰ってきてからスイッチ押せばいいだろ。数十分飯が遅れるだけだ。
洗濯も明日でいいだろ」
「いや、鍵はやべーぜ。他はともかくよ。
ああ後夕飯は帰るぜ、そのイベントも30分くらいらしーし」
「……。しょうがねーな。確かにこの距離に泉さん付き合わせるのも悪いし、
鍵は確かに不安要素だ。元はと言えば妹のお前の不備、
兄として妹の友人に対する責任くらいは果たさせて貰うよ」
 結局、日下部は折れた。
他はともかく、鍵の掛け忘れを放置しておくのは不安なのだろう。
あやのも一旦は了承した以上、従わざるを得ない。
「え、いいんですか?悪いですよ、私一人で喫茶店とかで時間潰しますよ?」
 こなたの声は遠慮がちな仕草と共に繰り出されたものだったが、
あやのにはそれすらわざとらしい演技に見えた。
408トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:32:52 ID:???
「一人でこんな可愛い女の子放置しとくのも不安だし。
妹の責はきっちりと被るよ。それに、妹と仲良くしてもらってるお礼もしたいしね」
 可愛い、その言葉を自分以外の女に向けた日下部をあやのは軽く睨んだ。
だがそんなあやのの視線に、日下部は一向に気付かなかった。
「わぁ、有難うっ」
 大仰な仕草で喜びを露わにするこなたを、あやのは胸中で毒した。
(何よ、あんなに喜んじゃって。もっと遠慮ってヤツをしたら?
……いいもん。私と彼で二人っきりの世界を形成して、
思いっきりバツの悪い思いをさせてやるんだから。
疎外感味わっててよ、お邪魔虫)
 そんな企みに気付いていないのか、こなたは未だにこやかな笑みを浮かべたままだ。
「わりぃ、兄貴。今度埋め合わせっから」
 みさおは両手を合わせ片目を瞑ると、走っていってしまった。
その場には、三人が残された。
 みさおが居ないならば、あやのは存分にこなたを嬲る事ができる。
あやのは内心でこなたを嘲りながら、
わざとらしく日下部の腕によりかかって顔を埋めた。
「お前……。友達が見てる前で、そういう事するなよ」
 聴こえてきたのは、呆れ返ったような声。
「え?」
 見上げると、困惑の表情を浮かべた日下部が居た。
「そうやってあんまりベッタリすると、泉さんがぼっちになっちゃうじゃん。
三人で仲良く話そうぜ。
っていうかお前、そんなに気が利かない奴だったか?」
 実はそれこそがあやのの思惑であったのだが、
日下部の辛辣な発言を聴いてしまっては、その策も放棄せざるを得なかった。
「あ、もしかして私邪魔だったり?」
 こなたが居心地の悪そうな表情を浮かべ、困惑を声に響かせてきた。
それに対しあやのは
(そう、邪魔。邪魔だから帰ってくれると助かるな)
などと思ったりもしたが、日下部の対応はあやのの思考とは逆をいくものだった。
409トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:35:44 ID:???
「そんな事無いって。今のはこいつが空気読めなかっただけだからさ。
悪いね、あやのとみさお、二人と仲良くしてくれてるんだろ?」
「私が二人に仲良くしてもらってる、って感じかな。
ね、峰岸さん」
 その言葉とともに、笑んだこなたがあやのの手に触れてきた。
あやのは込み上げてくる吐瀉物を飲み込み、
代わりに
「そうね、私達仲良いよね」
などと心にも無い虚言を嘔吐してやった。心にも無い笑顔を添えて。
二つの笑顔の先に散っている火花に、日下部は気付きすらしない。
「またまた。あ、そういえばさっきみさおのヤツ、
泉さんのことちびっ子って呼んでたっけな。ごめんな、妹が失礼なヤツで。
言い方改めるよう、注意しとこうか?」
「ん、別にいいよ。ニックネームって、仲良しの象徴みたいなものだから。
私もみさきち、って呼んでるしね」
 あやのには逐一が刺さる。
みさおのあやのに対する呼称はニックネームではなく、
『あやの』という名前そのものなのだから。
それともう一点。
こなたの発言は丁寧語ではなくなっていた点も、胸に刺さった。
丁寧語から口語に変わるという事も、親しさの象徴のようで不愉快だった。
「あのね、泉ちゃん。みさちゃんのお兄さんっていう事は、
年上なんだよ?年上に対する口の利き方、習わなかった?
風紀委員として、私が教えてあげようか?」
──その卑小な身体と矮小な心に傷を負わせて
そう続けたかったが、流石に飲み込んだ。
「固い事言うなよ、あやの。いーじゃねーか、
ある程度ならタメ語の方が話しやすいし。
大体、そんな事言ったらお前だって俺にタメ語使ってんじゃん?」
410トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:37:45 ID:???
(それは……私達が特別な関係だからよっ)
 心の中の叫喚は、勿論口には出さない。
だが、それが暗黙の了解となっていない事にあやのは衝撃を受けた。
事実こなたの口の利き方を糾したのも年長者に対する礼儀云々を動機としていない。
特別な関係だから許されていたと思っていた一線を、
初対面同然のこなたが軽々と飛び越えてしまった事が許せなかったのだ。
「ありがと、私も敬語とか苦手でさ、こっちの方が話しやすいよ。
あ、親しみ云々の話だっていうなら、泉さんっていうのもちょっと堅いかな?
周囲は名前かアダ名で呼んでくる人多いから。ちびっ子、でいいよ」
(調子に乗らないでっ)
 あやのは胸中で絶叫した。
普通、空気を震わせなければ意思は伝わらない。
それでも意思が伝わるのが愛であるとあやのは信じていた。
言葉にせずとも、感じあう関係が恋仲であると。
だが、日下部には通じていなかった。
「ちびっ子じゃ悪いから……こなたちゃん、でどうかな?
俺の事も日下部さんとか堅い呼び方しなくていいよ」
 あやのが考えうる限りで最悪の対応を日下部はしていた。
優しい部分も寛容な部分も、恋人にとっては長所にも欠点にもなる。
この場合、欠点の部分が存分に発揮されていた。
「いいの?じゃ、みさきちのお兄さんだから、みさ兄でどうかな?」
「ははっ、可愛くていいね、それ」
 あやのは不満を込めた瞳でこなたを睨みつけた。
その視線に笑みを返したこなたは、あやのにも語りかけてた。
笑みといっても、唇の端が心持吊り上がった、嘲笑の類の笑みだ。
「あ、でもその理論だと『泉ちゃん』『峰岸さん』って呼び合うのも変かな?
あやのちゃん、って呼んでいい?」
 あやのは鳥肌が立つのを感じたが、努めて冷静に返した。
多少の、棘を含めて。
「好きに呼んでいいと思うよ、泉ちゃん」
「じゃ、あやのちゃんって呼ぶね。私の事も、こなちゃんって呼んでいいよ」
411トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:51:04 ID:???
「遠慮しとくね、ひぃちゃんと被るから」
 その言葉にこなたは悲しげな表情を見せた。
「あ、ごめんな、こなたちゃん。コイツ、結構強情な所あってさ。
多分悪気は無いと思うから、許してやってよ」
 その悲しげな表情に釣られたのか、日下部がフォローに入っていた。
「あ、大丈夫だよ、然して気にしてないから。
あ、そうだ。喉乾かない?私ジュース買ってくるね」
「俺が行くよ」
「いいっていいって。付き合って貰ってるんだし、私が行くよ」
「元はと言えば、妹が悪い事だから」
「誰にでも間違いはあるよ。それに、みさきちはみさ兄君の妹でもあるけど、
私の友達でもある。間違いフォローするのも、友達の役目だよ」
 言うや否やこなたは自販機に走っていった。
「いい子じゃないか。幸せ者だよ、お前もみさおも。
あんないい友達持ってさ」
 こなたが一時とはいえ消えてくれたのは有り難かったが、
日下部の発言があやのは気に入らない。
「そうかな……」
 不満げに呟く。
彼女の中では、みさおとの不仲もこなたに責任転嫁が行われているのだ。
この上自分の恋人に対して馴れ馴れしく振舞うこなたを快く思っているわけがない。
しかも、その恋人からの評価が高いとなれば尚更だ。
「そうだよ。お前、少し変わったか?
自分の友達に、そんな評価下す奴じゃ無かったろ?」
「ごめんなさい。ちょっと、疲れてるみたいで」
 その疲れの原因であるこなたに視線を走らせると、
こなたは缶を三つ持ってこちらに向かおうとしていた。
その缶は小さな両手の中で、バランス悪く治まっている。
そのバランスの悪さが、まるで今の三人を象徴しているようにさえ映った。
日下部とあやのとこなた。
──或いは、みさおとあやのとこなた
412トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:52:21 ID:???
「あ、危ないっ」
 日下部が短く叫んだ。
こなたの手の中で、バランス悪い治まりをしていた缶が揺れたのだ。
こなたは済んでの所でキャッチしていたが、危うく缶を落とすところではあった。
「手伝ってくる」
 日下部はこなたの元へと駆け寄っていった。
(あの持ち方、わざとらしいよ)
 あやのには、こなたが故意にバランスを崩したようにも見えたのだ。
「大丈夫?俺も持とうか?」
「え……でも、私が持っていくって言ったのに悪いよ」
 日下部の優しい声に、こなたは戸惑うように目を逸らしながら言った。
あやのの瞳にはその態度も発言も、卑しい媚態として否定的に映る。
「持ってくって。女の子に無理させられないよ」
「ダメっ。かっこいい人の前で、頼りない姿見せたくないし。
だからね今、みさ兄君の分のジュースは渡すね。
これなら、私が運んだって事になるから」
 みさ兄は眼を瞬かせた後、朗らかな笑い声を響き渡らせた。
「あー、あーあー、そうなるな。
賢いな、こなたちゃんは。有難う、じゃあ今受け取るよ」
 その光景をあやのは愕然とした面持ちで眺めていた。
日下部がこなたを褒めた事が気に入らないのは勿論だが、
こなたから手渡しでジュースを受け取る事も避けたかった。
かといって、この状況下で受け取り拒否などすれば日下部から怪訝に思われかねない。
「峰岸さんお待たせー」
 やがてやってきたこなたが差し出すジュースを、お礼の言葉と共に受け取った。
お礼の言葉という体裁は取っているが、感謝の気持ちなど一切含めていない。
「有難う、泉ちゃん」
抑揚のない事務的な口調だ。
 対するこなたの口調は、明朗そのものだ。
日下部がズボンのポケットに手を這わせたのを目聡く見つけた時も、
極めて明るい口調で機先を制していた。
413トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:53:29 ID:???
「あ、お金はいいよー。今日は付き合ってくれたしね、私の奢り」
「え?いいの?悪いな、初対面なのに」
「みさきちには世話になってるから、そのお礼も兼ねてね」
「ご馳走様、こなたちゃん。今日は甘えとくよ」
 流石に日下部も、ジュース代程度でこなたに負い目を感じる心算は無いらしい。
奢る払うの問答を繰り返す事よりも、寡少な借りに甘んずる事を選んでいた。
 だがあやのにとっては、金銭の多寡に関わらず重大な問題だった。
(100円玉はともかく、10円玉は足りるかな?)
 確認すると、きちんとあった。
デート前にお金を崩しておく習慣が、この時は役に立っていた。
「泉ちゃんっ」
 ややきつい語勢になったのは、
単にこちらに意識を向かせる為という意識下の方法論からだけではない。
日下部と親しげに話に興じるこなたへの嫉みも多分にあった。
「えっ?何?」
 振り向いたこなたの右手に、半ば強引に小銭を握りこませた。
「あ、だから私が奢るって」
「それじゃ悪いから。払っておくね」
「でもコレ……」
 こなたは右手を開いて、掌に載せてある小銭を見せながら続けた。
「多いよ?」
 その掌には、100円玉2枚と10円玉4枚が収まっている。
「120円が二本分で240円。丁度でしょ?
それともあの自販機、100円でサービスしてたのかな?」
「いや、そうじゃなくって。どうして2本?峰岸さんに渡したの、一本でしょ?」
 その疑問に対し、あやのはさも当然であるかのように平然と言葉を放った。
「私の分と、彼の分。あわせて2本でしょ?」
──自分の物は彼の物、私自身も彼の物
その意味を込めて、言葉を放つ。
それはこなたに対してのみではなく、日下部にも向けられていた。
 ともかくも、これでこなたは日下部に奢った事にならないわけだ。
その事にあやのは一定の満足と、僅かばかりの勝利感を得た。
414トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:55:16 ID:???
「いやでも。私が出すよ。みさきちが抜けてた事が原因とはいえ、
二人には私に付き合ってもらって有難く思っているし」
 それでもなおも退かないこなたに、あやのは正直な感想をぶつけた。
「あのね、泉ちゃん。私と彼はね、付き合ってるの。恋人なの、私達。
だからね、私の彼が別の女からプレゼントされるなんて、絶対に耐えられないの。
それは絶対に許さないよ、金額の多寡に関係なく」
「───っ」
 こなたの絶句が聴こえてきそうだった。
実際、あやのは殺意すら覚えながらその言葉を口にしたのだ。
こなたは既に気を飲まれているが、それでもあやのはトドメを放つ。
「ああ、許さないと言ってもね、彼を許さないって意味じゃないよ?」
 その言葉を合図に、こなたは手を引っ込めた。
こなたの掌に握られていた240円は、彼女の財布に戻される事になる。
「そ、それは正論だね。私もちょっと気遣いが足りなかったよ」
 こなたのそれは、どうにか体裁を取り繕った言い訳のように聴こえる。
実際、声は震えていた。
「ま、まぁまぁ。今日はあやのに奢って貰っておくよ。
こなたちゃんからは気持ちだけ有難く受け取っておくって事で」
 日下部が笑いながらとりなしたが、その笑顔は引き攣っていた。
「あ、そうだ私。ジュース飲んだらちょっとトイレ行きたくなっちゃった」
 気まずさから逃れるように、こなたが唐突に便意を口にした。
「あ、まだ飲みかけでしょ?ジュース持ってるよ」
「う、うん。有難う」
 こなたは缶を日下部に預けると、逃げるようにトイレを目指して歩き出した。
「男の人の前で女の子が『トイレ』なんて言葉を口にするべきじゃないと思うな。
他に表現の仕様はあるのに。ほんと、泉ちゃんってガサツよね。
デリカシーってものが感じられないわ」
415トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:56:18 ID:???
 遠ざかるこなたの背に向けて、そっとあやのが呟いた。
聴こえるか聴こえないか、微妙な声量だった。
聴こえても構わないとさえ、思っていた。
日下部の凍りついた視線を頬に感じながら、
小さなこなたの背に向かって呪詛の言葉を胸中で繰り返す。
そのまま消えてくれればいい、と。



 こなたは女子トイレの個室に入り、便座に腰を掛けて鍵まで掛けてから、
漸く気を抜けるかのように大仰な溜息を吐いた。
膝を両手で掴み、震えを止めながら呟く。
「何なの……」
思い出すだけで、冷や汗が背筋を伝う。
 日下部に対して馴れ馴れしく振舞うことで、
彼女の本性を暴きだす事には成功した。
だが、恐怖の念に押されて逃げてしまった身としては、
完全勝利とはとても言えなかった。
(この前の雪辱を果たすっていう目的もあったのに、
これじゃ全目的果たしたとは言いがたいよ。
それに、みさきちを前に大風呂敷広げた手前もあるし)
 みさおの前で「ぶっ壊してあげる」とまで啖呵を切ったのだ。
流石に別れさせるまでに関係を壊滅させる事ができるとは考えていないが、
一定程度の成果を挙げなければみさおの失望を誘ってしまうだろう。
本性を恋人の前で晒してやりました、
程度ではみさおに満足を与える効果が薄いような気がした。
みゆきやつかさとの仲が険悪になりつつある以上、
みさおからの評価まで下げたくは無かった。
416トロッコゲーム:2010/08/16(月) 19:58:35 ID:???
 加えて、あやのに怯えてトイレに逃げて込んだ今の自分を見れば、
雪辱を果たすどころか屈辱をもう一つ味わった事にしかならない。
みさおだけではなく、自分をすら満足させる事ができていない。
(怖くなんか……ないっ。こうなったら、もっとオーバーな媚態で迫ってやる。
あの冴えない男を誑しこむように媚びてやる。
それができたのなら、あの女はもっと狂おしい醜態晒してくれるはずだよ。
それで日下部が峰岸さんに幻滅したなら、みさきちを満足させてあげる事もできる。
何より、私が峰岸さん如きに怯えていない事のいい証明になるよ)
 こなたは決意とともに立ち上がった。
気が付けば既に、足の震えは消えていた。


417マロン名無しさん:2010/08/16(月) 19:59:55 ID:???
>>404-416
本日はここまでです。ではまた。

>>398
はい。
418マロン名無しさん:2010/08/16(月) 22:44:26 ID:???
こなた優位に進むかと思いきやここで掣肘か
仲違い作戦は成功するのだろうか?
それにしてもこの作者のこなたとあやのってだいたい仲悪いな
419マロン名無しさん:2010/08/16(月) 22:56:03 ID:???
乙!
psychedelic書いた人か!
あやのとこなたが張り合う話ってあんまりないから新鮮でいい
420マロン名無しさん:2010/08/17(火) 19:10:31 ID:???
今晩は。>>404-416の続き投下します。
421トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:11:49 ID:???


 トイレを済ませたのか、こなたがこちらに向かってくるのが見えた。
あやのは敵意に満ちた眼差しでこなたを一瞥した後、すぐに視線を逸らした。
好き好んで視界に収めておきたい対象ではない。
尤も、目を離せば良からぬ事をやりそうな疑念もこなたに対し抱いている。
そういった意味では、
不快であっても目を逸らし続ける訳にはいかない対象である。
(不快なのに目を逸らしちゃダメって、まるで戦争みたい。
んーん、戦争だったら……戦場だったら良かったのかな)
──敵を殺しても罪にならないから──
こなたへの憎悪は、遂に殺意をすら醸し出した。
 その対象、こなたがあやの達の下へと戻ってきた。
そして、首を傾げながら恥ずかしげに問う。
「ごめんね、待った?」
 先に日下部が答え、あやのも続いた。
「いや、別に待ってないよ」
「そうね、別に待ってないわ」
 表示された発言こそ似ているが、その言葉に乗せられた意思は違う。
 日下部は大した時間待っていないから大丈夫、
という意のこなたを気遣っての発言だろう。
だがあやのの発言には
(帰ってこなければ良かったのに……)
という棘が含まれていた。
「あ、ジュース有難うね」
「ん、ああ。ちょっと温くなってるかも。俺、手温いから」
「いいよ、人の温かさが篭れば篭る程、料理は美味しくなるからね」
 あやのは歯軋りしそうになった。
自分の恋人の温度を他人が、
増してや憎きこなたが感じ取るなど娼嫉の対象でしかない。
422トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:12:55 ID:???
 だが、次のこなたの行動は更にあやのの神経を逆撫でする事になる。
 ジュースを受け取ろうとしたこなたの手が、日下部の手に触れた。
「あ、ごめん」
すぐに謝ってジュースを受け取りなおすこなたに対し、
「気にしなくていいよ」
と日下部は然して気にする風でもなく返した。
 瞬間、あやのの脳に血が上った。
普段の淑やかさをかなぐり捨てて、叫喚で以ってこなたを糾弾する。
「ちょっと、何やってるのっ?」
「えぅ……ごめんなさい……」
 驚愕し戸惑い視線を落とすこなたに、なおもあやのは迫る。
「わざとでしょ?今の、わざとでしょ?」
「お前、ちょっと落ち着けよ……」
 日下部が宥めるように割って入った。
「ちょっと手が触れた程度で、そんな怒るなよ。
俺まで息苦しくなるよ」
「うーん、いいよ。今のはきっと私が悪いから。
彼女が居る男の人に触っちゃうなんて、
いつも言われてるように私が空気読めない人間なだけなんだよ」
 落ち込んだように俯いて語るこなたの声に、
日下部が怪訝に満ちた声を被せる。
「いつも言われてるだって?」
 その言葉とともに、日下部の視線が一瞬あやのに向いた。
あやのはすぐに反駁を提出しようとするが、こなたが次の言葉を放つ方が速かった。
「あ、ち、違うって。峰岸さんじゃなくって、クラスメイトから……
言われてるってだけの話だよ」
 こなたの言葉は内容こそあやのを庇うものであるが、
声は震え視線も泳いでいた。
それは発言の信憑性を揺らがせる態度である。
しかし、内容はあやのを擁護するものである為、反論はできない。
423トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:14:05 ID:???
 あやのは歯噛みした。
これでは反論さえできないまま、
あやのがこなたに「空気読めない」と言っているように日下部に感じさせかねない。
「そっか……。大変だね」
 日下部は一瞬だけあやのに疑念の眼差しを送ってから、
こなたを気遣うように声を発した。
「ん、ダイジョブ。みさきちは仲良くしてくれてるし」
 被害者のように装うこなたが、あやのには許せなかった。
日下部さえ見ていなかったのならば、頬を張っていただろう。
「そっか。アイツもいいトコあるんだな」
「きっとみさ兄君に似たんだよ。優しいトコロとか」
 はにかみ笑いを浮かべるこなたに
「そうか?まーなんだ、褒めてくれて有難う、うん」
日下部は照れ笑いで返していた。
「そうね、確かに優しいわね。色々な女の子に」
 余計な一言だと思ったが、言わずにはいられなかった。
言葉に毒を含ませて発散でもしないと、滾る憎悪が行為として表出しかねない。
「あやの……」
 呆れたような声を出す日下部だったが、それ以上言葉を続けようとはしなかった。
代わりにこなたが口を開く。
「あ、私そろそろ帰るね。大分時間潰せたし、
みさきちとは別の場所で合流するよ。
これ以上居るのも悪いし……」
「あ、いや。そんな事無いって。今日のあやのちょっと変なだけでさ。
普段はこんな事無いんだけど……」
 慌てて日下部がフォローに入った。
自分の恋人がこなたに居心地の悪い思いをさせていると感じたのだろう。
「あ、いや、峰岸さん云々じゃなくってね。
……私、身体の具合も優れてないみたいだし。ちょっとどっかで休んでくるね」
「本当に?」
 怪訝な声を出す日下部を見ると、あやのはついつい邪推してしまう。
424トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:15:13 ID:???
そんなにこなたと離れたくないのか、と。
「うん、ホント。さっきだって、たかだか3つの缶ジュース落っことしそうになったり、
缶ジュース受け取る時も間違えて手に触っちゃったりしたけど、
体調が万全な普段の私ならそんなハズはないんだよ。
みさきちには悪いけど、キャンセルしとこうかな。
今日はもう帰って、家でゆっくり休むね」
「そっか……。お大事にね」
「うん。ありがとね、こんな時間まで付き合ってくれて」
「構わないよ」
 こなたが歩き出したのを見て、あやのは漸く肩の荷が降りた思いだった。
だが、先ほどまでのこなたの顔色を思い出すに、そう具合が悪いようには見えなかった。
(どうでもいいわ、泉ちゃんの事なんて)
すぐにこなたの事を頭から追い出そうとした。
だが、状況は常にそれを許さない。
 こなたは2、3歩歩いたところで、躓きよろめいた。
そこまでは、あやのにとってもどうでもいい事象だった。
寧ろ、転んでくれれば胸がすく様な出来事ですらあっただろう。
だがあやのの目に映ったのは
「危ないっ」
その掛け声と共に、こなたを抱きかかえるように支える日下部の姿だった。
「大丈夫?」
「う、うん。ありがとね」
 全ての音が停止したような世界の中で、二人の声だけがあやのの鼓膜に届いていた。
 数拍の思考停止の後、燃え上がるような怒りが胸を張り裂いて脳に達した。
「何やってるのっ?」
 滾る怒りのまま力任せにこなたを平手で突いた。
「きゃっ」
 華奢なこなたの身体が地面から浮き、次の瞬間には叩きつけられていた。
(え?そんなに力強かった?)
 怒りのままに動いた行動だったが、感じた違和が思考を冷静に戻す。
確かに加減などしていないがあやのの腕力から考えて、
あれほどの勢いを持って転んだのは不自然だった。
425トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:16:28 ID:???
「い、痛いよぅ……」
 目に涙を溜めながら呟く泣き言もまた、不自然だった。
いつものこなたのキャラクターからは、想像もつかない。
「何するんだっ」
 日下部の叫喚が響き、あやのを睨みつけながらこなたの前に立ち塞がった。
「みさ兄君……」
「大丈夫だった?ごめんな、アイツワケ分かんないヤツで」
 一旦こなたに謝った後、日下部はあやのに再び視線を戻す。
「お前、今のは何なんだよ?ヤキモチか?
俺が勝手に支えたんじゃねーかよ。だったら俺を殴ればいい。
なのに何で、何も悪い事していないこなたちゃんを張り倒したんだ?」
「そんな……」
 提出できる反論など、皆無だった。
日下部の言っている事が事実である以上、何も言い返す事などできやしない。
「知らなかったよ、そんなヤツだったなんて。
やっぱりみさおの言うとおり、
お前は裏で色々とえげつない事やってるような人間だったんだな。
信じた俺がバカだったよ」
 吐き捨てる言葉の一つ一つが衝撃的だった。
「みさちゃんが……?何て、言ってたの?」
「お前が学校で……陰湿なイジメやってるって事だよ。
他のクラスのヤツと一緒になって、な。
他にも色々訊いたぜ」
「違うっ。やってないっ。悪いのは泉ちゃんで……」
「こんな決定的な状況見せられて、信じられる訳ねーじゃん。
もう、いいよお前。ここまでだ」
 みさおが裏で自分の事を悪し様に語っていた事も、
そして日下部が自分を信じてくれなかった事も、
その心に受けるのは重過ぎる程に衝撃的だった。
だがそれ以上に深刻な衝撃としてあやのを見舞ったのは、日下部の放った最後の一言だった。
426トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:17:55 ID:???
──ここまでだ
それが何を意味するのか分かっていながらも、意味を訊いてしまう。
到底受け入れられない現実だったから。
「ここまで、って?ねぇ、何がここまでなの?ねぇ?」
 日下部は面倒そうに溜息を吐いた。
「俺とお前の仲、だよ。もう恋人でも何でもない。赤の他人だ。
俺にもみさおにも、二度と付き纏うな」
 具体的な表現で以って宣告されても、尚も受け入れられずにいた。
「嘘……嘘……嘘……」
 呆けたように、呟き続ける。
「ウソ……ウソ……ウソ……」
 壊れたように、繰り返し続ける。
「うそ……うそ……うそ……」
 狂ったように、反復を続ける。
「嘘だよね?冗談だよね?本心からじゃないんだよね?」
 そして、病んだように言い聞かせ続けた。
 だが答えは残酷そのものだった。
「嘘でも冗談でもない。もう終わりだ、俺とお前は」
 脚から力が抜け、膝と臀部が地に付いた。
だが、こなたの時と違い、日下部のフォローは入らなかった。
もうあやのを見てさえいないのだから。
「本当に大丈夫だった?って、足、膝の辺りからちょっと出血しちゃってるね。
バス停まで送ってこうか?」
「ん、お言葉に甘えて。ちょっとだけ、肩借りるね。
足痛くって、起き上がるの難儀だからさ」
 こなたは日下部の肩に首をのせると、抱擁するような格好のまま起き上がった。
あやのはもう、その行為を咎めはしなかった。
咎める資格など、先ほど喪失してしまったのだから。
為す術も無く茫然自失の体で眺めていたあやのの目に、
屈辱的な光景が飛び込んできた。
427トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:18:38 ID:???
日下部に抱きつく姿勢のこなたが、あやのに笑みを飛ばしてきたのだ。
日下部の肩にこなたの顎が乗っている姿勢上、
日下部からはそのこなたの笑みは見えない。
 嘲るような笑みだった。
勝ち誇るような笑みだった。
見下すような笑みだった。
嘲笑という言葉ではまだ足りない、声を出さない哄笑と比喩したくなるような、
暴力的な歪んだ笑みだ。
(さっきまで泣いてた人間の笑みじゃない、
痛がってた人間の笑みじゃない。
まさか演技?こうなる事を見越して、計算ずくで挑発して、
計算ずくで転んで……計算ずくで……私達を破局させたの?)
 疑念が怒りへと昇華しかけた時、こなたが次のアクションを起こした。
敗者を徹底的に嘲弄する仕草の象徴たる赤い舌を、
こなたはその特徴的な唇から出した。
 その時、あやのの中で何かが切れた。
(ふーん、そこまでするんだ)
 こなたは一瞬怯えたような表情を浮かべた後、急いで日下部から離れた。
そして、バス停の方角に向かって日下部と共に歩き出した。
(うふふ、立ち上がる時に彼の肩を借りておきながら、
逃げるように素早い動作で歩いていくのね。
彼もその矛盾に気付かないのかしら)
 二人の後姿を見送る少女の姿は、儚げにも見え、
また恐ろしげにも見えた。

*

 哄笑してやりたくてたまらない気分のまま、
こなたは一人家に向かって歩いていた。
日下部とは既に離れているので、下卑た笑い声を響かせてやっても問題は無い。
だから今笑いを堪えているのは、単純に羞恥心によるものだった。
428トロッコゲーム:2010/08/17(火) 19:19:45 ID:???
 既にみさおにはメールで経緯と成果を報告していた。
みさおもあやのと日下部の破局までは予想外だったらしく、
すぐに喜びに満ちたメールが返信されてきた。
 実はこなたにも、本日の成果は予想外のものだった。
(僥倖が幾つか重なって、勝手に日下部がキレてくれたね。
ていうかあの程度でキレるって、元々峰岸さん嫌われてたんじゃないの?ぷぷぷ)
 こなたの行動は全てが計算ずくだったわけではない。
最初はあやのに対する嫌がらせが主目的であったし、
トイレから帰ってきた後の行動もあやのを怒らせ、
日下部からの印象を下げるという程度の効果しか期待してはいなかった。
だがあやのの反発は予想以上に強く、日下部の反応も予想外なまでに
こなたに好都合に作用した。
(特によろけてみせたら支えてくれるとは思わなかったよ。
私を慮る言葉を掛けて峰岸さんが嫉妬、っていうシナリオ思い描いてたんだけど、
まさか峰岸さんが攻撃してくれるとはね。痛かったよ、吹っ飛ぶ程じゃ無かったけど。
ああ、私が峰岸さんにぶつかって過剰反応されて
クラス中の冷たい視線浴びたあの屈辱を返せたね。
返させてくれたね、愚かな峰岸さん)
 こなたは独りごちたが、すぐに気を引き締めなおす。
(それにしても怖かったね、峰岸さんの顔。
薄ら笑ってるような無表情のような、凄みのある表情。
反撃されなきゃいいんだけど。いや、大丈夫。
私にはみさきちが付いているし。みさきちが私と組んでいる限り、
彼女は強くは出れない。だから、大丈夫)
 最後に逃げるように立ち去った事を屈辱とは感じていなかった。
動物的本能が危険を察知したから、それに従ったまでだ。
今思い出しても背筋に寒気が走る。
後ろから追ってくるんじゃないかと、こなたは何度か振り向いた。
あやのの姿は無かった。
ただ、自分を追うのは、自分の影だけだった。
 もう既に、こなたからは笑いたいという欲求は消え失せていた。
思い出してしまったから、あの冷たい表情を。
429マロン名無しさん:2010/08/17(火) 19:21:16 ID:???
>>421-428
本日はここまでです。ではまた。
430aaa:2010/08/17(火) 20:39:36 ID:M2N23Y0n
悪名高い法律「虐殺禁止条例」が議決された日の一言


「本日未明 国会で コナ虫の虐殺禁止条例が議決されました。」
テレビのなかで、アナウンサーが興奮した状態で国会の様子を伝えていた。

「議決された条例について、天皇陛下から一言ありました。」
画面は、皇居の中にある会見場が映し出されていた。
現場にいた代表の記者が訊いた・・・

それに対し天皇陛下は、涙を流しながら・・・・・・
「耐え難きを耐え 忍び難きを忍び・・・・・・」

「以上、皇居からの中継でしたでした。」
431マロン名無しさん:2010/08/18(水) 02:25:19 ID:???
くるぞくるぞ
あやのの反撃が
432マロン名無しさん:2010/08/18(水) 04:17:01 ID:???
らき☆すたでこんなにクオリティの高い心理戦が見られるとは…
433マロン名無しさん:2010/08/18(水) 08:25:55 ID:???
みさお、あやの、みさ兄が初めからグルでこなたひとりが掌上で踊らされてたりしたらスゴイ
434マロン名無しさん:2010/08/18(水) 09:48:41 ID:sw0ocYl9
神奈川が書いたら、暴力の応酬になりそうだな。
寝取り、レイプ、脅迫、暴行とやりたい放題状態になってた。

あとは祐一が教師として出てきそうだな。
435マロン名無しさん:2010/08/18(水) 10:00:00 ID:???
まとめのSSなら友達って時間じゃないとかあの辺りのSSがクオリティ高いよな
やっぱある程度の長さがあってシナリオが練られてると面白い
436マロン名無しさん:2010/08/18(水) 15:21:46 ID:???
おもしれー
437マロン名無しさん:2010/08/18(水) 22:31:57 ID:???
今晩は、>>421-428の続き投下します。
438トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:33:13 ID:???

*

 橙を垂らした様に薄らと空が赤く染まりかけている。
その下の人気の少ない道路で、みさおは一人待っていた。
ここはあやのの帰宅経路であり、待っているのもその人だ。
 こなたからの連絡を受けたみさおは、あやのに嘲笑を浴びせたくなったのだ。
徹底的に追い詰める、それがみさおの目的だった。
「おっ、来たな……」
 赤い空の下、こちらに向かってくるあやのの姿がみさおの瞳に映る。
あやのもみさおに気付いたらしく、笑みを浮かべて視線を投げてきた。
その優しげな瞳に思わずみさおは困惑した。
(今回の件に私が噛んでいる事だって、もう気付いてるハズだろ?
私がちびっ子にデートを日付を教えた事も、
兄貴とお前と一緒にちびっ子を居させようと仕組んだ事も、
分かってるハズだろ?)
 疑問は尽きないが、みさおは敢えて居丈高に振舞った。
「おい、フラレたんだってな?」
対するあやのは微笑みを崩さずに
「うん、フラレちゃった。泉ちゃんのせいでね」
とだけ答えた。
「ちびっ子のせいね……」
「うん、泉ちゃんだけのせい。泉ちゃんのみのせい」
(状況から推測すれば、私が関わっている事も普通に分かるはずなんだけどな。
それくらいに、私の演技はわざとらしかったはずだし、
そもそも不自然だったはずだ。
なのにちびっ子のみのせいにしてるって事は、単に現実逃避してるだけか?)
 みさおは敢えて真実を口にする。
「いや、ちびっ子のせいだけじゃねーぜ?
私にしても、お前と兄貴が別れてくれた方が都合が良かった。
お前とはそれだけ距離置きたかったからな」
439トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:33:56 ID:???
「私の中では、全て泉ちゃんが悪いの。
みさちゃんは悪くないわ」
 飄々と答えるあやのに、みさおは薄気味の悪さを覚えた。
「彼を失ってしまったけど、みさちゃんまで失いたくないな。
んーん、彼も失いたくなかったな」
 その言葉を受けるみさおが失っていたのは、言葉だった。
語るあやのの得体の知れない凄みに圧倒され、
みさおの口に重石が落ちる。
 漸くみさおが言葉を取り戻したのは、10秒程も経ってからだった。
「別に……兄貴とちびっ子が付き合ってるってワケでもねーだろ?
単にお前と別れただけだ。別にちびっ子が盗ったってワケじゃねー。
兄貴がお前に嫌気が差して、勝手に別れたってだけの話だ。
兄貴の事が好きだってんなら、その判断を尊重してやれよ」
「勝手に別れた?
あれ?さっきみさちゃんと泉ちゃんが悪いって、自分で言ってなかったかな?」
 再びみさおは言葉を失う。あやのの言う通りだからだ。
関与を仄めかしておきながら、勝手に別れたという論理は通らない。
「あ、でもね、私は泉ちゃんが一人で計画して一人で実行したって思ってるけどね。
みさちゃんは泉ちゃんに利用されただけだって。
少なくともそういう事にしているんだけどね」
 あやのはこなたのみを責め、みさおは免責していた。
それに気付いたみさおは、内心で思考を巡らせる。
(あー、なるほど。そういう事か。分かったよ、お前の狙い。
言外の提案持ちかけてるんだろ?全てちびっ子のせいにして、
私と仲直りしようっていう提案だろ?
なるほどね、それで私を架け橋にして、兄貴との関係修復も図ろうって策か)
 みさおは幾分か気勢を取り戻した。
あやのの狙いが読めた、という思いがみさおを強気にしているのだ。
「ちびっ子が一人でやってたワケじゃねーよ。
私だって、ちびっ子の側の人間さ。いや、私こそがお前にとっての元凶だよ。
そして私にとっての元凶はお前だ。
ちびっ子はオプションさ。私達の諍いに直接の関係はねーよ」
440トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:35:06 ID:???
 あやのを嫌おう嫌おうとしている内に、
みさおは本当にあやのの事が嫌いになっていた。
自己暗示、という現象である。
 ただ、それが無かったところでみさおはこなたをスケープゴートにしての
あやのとの関係修復を望まなかっただろう。
みさおの胸中にはかがみの事があったから。
(柊には全て筒抜けだからな。私達の喧嘩の経緯も、ちびっ子と私がグルだって事も。
なのに都合よく私だけ逃れてちびっ子を攻撃したら、
柊に嫌われちゃうじゃんか)
 みさおはかがみに嫌われる事を恐れていた。
みさおにとっての本命がかがみだからだ。
「みさちゃんが何を言っても、みさちゃんは悪くないわ。
悪いのはぜーんぶ泉ちゃんだもん」
 拒絶の意を表した後も尚固執するあやのに、みさおは嫌気が差した。
だから、今度は更にストレートな言葉で拒絶の意を改めて表する。
「あのな、お前が言いたいのって要するに、
全てちびっ子が悪い事にして私達の間の諍いを無かった事にしましょう、
って事だろ?乗るワケねーじゃん、そんな提案。
ちびっ子は友達だしな、お前と違って」
 だがあやのは一切動じなかった。
それどころか、一歩一歩とみさおに向かって歩みを進めてきた。
「やだな、確かにみさちゃんとは仲直りしたいけど、
泉ちゃんが悪いっていう話とは別問題よ。
みさちゃんは何しても許せるけど、
泉ちゃんは何しても許さない。
つまりはそれだけのお話よ」
 あやのは話しながらも足を進めてくる。
みさおは止まる気配を見せないあやのの進みに後ずさりしかけたが、
意地を総動員して何とか踏み止まった。
結局あやのが足を止めたのは、みさおと接触する寸前の距離まで接近してからである。
お互いの吐息が顔にかかりそうな程に近い。
441トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:36:06 ID:???
「な、何だよ。急に接近しやがって……。
気持ち悪いヤツだな」
 みさおはあやのの言葉には反応を返さず、行動に対してのみ反応を返した。
「みさちゃん……」
 あやのが手を伸ばしてくるのが見えた。
身構える前に、みさおはあやのに抱きすくめられていた。
あやのの柔らかな胸部にみさおの顔が押し付けられ、
彼女の体温と心音を直に感じ取れる。
そしてあやのの髪が顔に触れ、爽やかな香りが鼻腔を擽る。
その香りにみさおは眩暈すら覚えた。
(温かくって柔らかい身体だな。
髪も、いい匂いだ……。それでも私は……
お前が嫌いだ)
 みさおは力ずくで離れようと、腕をあやのの身体に押し当てた。
力を入れて押し離そうとした時、あやのが言葉を発した。
「不快な匂いがするわ……」
(えっ……?)
 一瞬、何の事か分からなかった。
「ねぇ、トリートメント、泉ちゃんと同じの使ってるでしょう?」
 その言葉で、漸くあやのの発言の意味が分かった。
そして気付く。あやのがみさおの髪の匂いを嗅いでいる事に。
「悪いかよ」
 ぶっきらぼうに返しながら、内心あやのの観察力の鋭さに驚嘆していた。
確かにトリートメントはこなたから紹介を受けたものだ。
「うん、私の真似はしなかったのに泉ちゃんの真似をするなんて、
妬いちゃうな」
 別にこなたの真似をしたかったわけではない。
外ハネする髪質を鬱陶しく思い、
毛先の纏まっているこなたと同じトリートメントを使用したに過ぎない。
だがその事を丁寧に指摘する気にはなれなかった。
友好的な会話など、みさおは端からする心算など無い。
442トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:37:04 ID:???
「あっそう」
 だからぶっきら棒な返事に反応を留めたが、あやのは然して気にした風を見せなかった。
 次にあやのはみさおの首筋に鼻を宛がい、匂いを嗅いだ。
これには流石のみさおも動揺を隠せない。
「お前っ、何してんだよ……」
「髪の毛以外のみさちゃんの匂い、何だか落ち着くから」
 その返答に今度こそ力ずくで突き放そうと思ったが、
あやのの行動の方がまたもや早かった。
驚く事に首筋を舌で舐めてきたのだ。
「ぁっ、お前……いい加減に……」
 首筋に心地いい刺激が走り、力が入らない。
身体は勿論、声にすら力が篭らなかった。
「みさちゃんの喘ぎ声、可愛ぃよぉ……」
 恍惚とした声が耳に届く。
(キモチワルイキモチワルイキモチワルイ)
「気持ち悪い」
 正直な感想をみさおは口にしたが、あやのは然して気にする風も無く、
今度はみさおの腋に鼻を宛がった。
「止めろよ……」
 制止も虚しく、あやのの鼻で気体を吸引する音が響く。
「うふふ、ちゃんと腋のお手入れはしてるみたいね。
泉ちゃんはみさちゃんの事をガサツみたいに評するけど、
そんな事ないのにね。シトラスの香り、ちゃんと女の子してるのにね」
「いい加減にしないと、大声出して人呼ぶぞ?」
 脅しとは、実行するかもしれないという疑惑を抱かせれば”大抵は”勝ちだ。
だが、例外はある。
「いいよ、仲が良いってところ、見せ付けちゃお?」
脅迫内容が実行に移されてもいいと思っている相手には、
どれほどブラフを真に見せかけても通用しない。
「お前羞恥心無いのかよ?
大体、此処だって人通りが少ないとはいえ、全く通らないワケじゃねー。
人が通りかかったらどうする心算だ?」
443トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:38:08 ID:???
 脅しが通用しない事は明白だった。それはみさおの放つ台詞の中にも表れていた。
あやのは既に人に見つかるリスクを冒して行動しているのだ。
今更『人を呼ぶ』程度の脅しが通用しない事など、自覚しておくべきだったのだ。
「構わないわ。今の私に失うものなんて無い。泉ちゃんのせいでね。
ねぇ、みさちゃんが呼ばないなら私が呼ぼうか?
大声出して、呼んで見せようか?
仲良しなところ、いっぱいいっぱい見て貰いたいもん」
「止めろ馬鹿っ」
 言葉を発した後で、敗北に気付く。
「あれ?呼ぶって言ったのみさちゃんだよ?
ねぇ、どうして止めたのかな?」
 その通りだった。
実際、羞恥を覚えているのはみさおの方なのだ。
幾ら被害者とはいえ、性的ハラスメントを受けた事など積極的に吹聴したくは無い。
「あれれ?どうして黙っちゃったのかな?
うふふ、分かった。みさちゃんも誰にも邪魔されたくないのよね」
 みさおが黙しているのをいい事に、あやのはみさおの臀部に手を回してきた。
自然、抱き合うような格好になり、
あやのの柔らかく温かい肉体がみさおに押し付けられる。
その柔らかさと温かさに心地良さを覚えてしまう自分が嫌だった。
「調子に乗るなよ……」
そのままスカートの中に手を入れてきた。
「止めろ、止めてくれ……」
下着越しに、あやのの手が遂にみさおの守るべき部分に触れた事が分かった。
「なぁ、聴いているのか?」
「訊きたいのは私の方。ねぇ、泉ちゃんとは寝たの?」
 みさおは内心の動揺を気取られないように、努めて事務的に返す。
「なワケねーだろ。女同士で寝たら、同性愛者じゃねーか」
「柊ちゃんの事が好きなのに?」
「なっ?」
 隠そうとしていた動揺さえ、あっさりと表出してしまった。
444トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:39:19 ID:???
「見てれば分かるわ。柊ちゃんも気付いてるんじゃないかな」
 顔が火照った。
穴があれば入りたいなどというレベルではない。
消滅して墓穴に入ってしまいたい気分だ。
 突如、みさおはあやのから解放された。
「なんてね。みさちゃんを汚したりはしないわ。
それは柊ちゃんに任せる。
私にはみさちゃんにそんな顔、させる事はできないって分かってるから。
泉ちゃんには任せないけど」
 解放されてもなお、身体にはあやのの感触が残っている。
「憶測で勝手な事言ってんじゃねーよ」
 強がりだと、自分でも分かっている。
それでも容易に認めたくは無かった。
「本当はね、みさちゃんに嫌われちゃった事、分かってるんだ」
(分かってなかったら鈍すぎだ)
「泉ちゃんのせいだって事まで、覆す心算は無いけど」
(そこは意固地に拘るんだな)
「みさちゃんとは仲直りしたかったけど、無理みたいね。
でもね、みさちゃん。
例えみさちゃんと仲直りして彼ともやり直せたとしても、
それでも私は泉ちゃんを許さない。許せない。
彼女だけは絶対に、苦痛を幾倍にして返してやるわ。
この世の全てから嫌われ、疎まれ、蔑まれてしまえばいい」
 そう言い切ったあやのの顔に、みさおは凍りついた。
憎悪というよりも、愉悦の表情が浮かべられていたのだから。
瞳を爛々と輝かせ口元をも綻ばせながら、
こなたの破滅を口ずさむその仕草に、
却って彼女の恨みの深さをみさおは思い知る。
「安心して?みさちゃんは今でも大好きで、私は親友だと思っているから。
みさちゃんは私が守ってあげるからね」
445トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:40:25 ID:???
 みさおの表情から恐怖を察したのか、
あやのが気遣うように言葉を発した。
だがみさおは、内心恐怖に震えながらもその言葉に違和を覚えていもいた。
(守る?誰から守るってんだ?
そもそも攻撃するのは、お前じゃないのか?)
 けれどもその疑問が口を出る事は無かった。
何かを訊くのが怖かった。
「じゃあね、みさちゃん」
 あやのは別れ際にそれだけ言うと、踵を返して家へと向かっていった。
みさおは暫く立ち竦んでいた。
(今更仲直りできねーよ。やっぱりお前の事、もう嫌いになっちまったし。
それに何より、こっちにだって意地がある。
ここまでお前に対して言った手前、全てを水に流すなんて気恥ずかしい。
つーか、悪口ばっかり言ってた私をお前が許した、っていう感じになるじゃねーか。
実際に悪口を多く言ってたのは、私の方なんだし。
でも……)
──こなたの口車に乗せられてあやのを嫌いになってしまった事にすれば?
そうなれば、自分が悪いという状況を回避する事ができる。
悪いのはこなたで、自分は操られていただけという設定にする事ができる。
しかし、それには障害が一つだけあった。
(柊に軽蔑されそうな手段なんだよな。
あいつに嫌われる手段だけは取れない)
 かがみに嫌われたくは無かった。
(もし……さっき私の身体を弄ったのがあやのじゃなくって柊だったのなら、
幸せだったよな)
 あやのとこなたの事を考えていても、
結局はかがみの事を考える自分に苦笑した。
暗くなり始めた空の下、みさおは歩き出す。
446トロッコゲーム:2010/08/18(水) 22:41:47 ID:???
(ま、あやのと仲直りする必要は無いんだけどな。
あやのは私に危害加える心算は無いみたいだし。
これだけ危害加えてやってもまだ私と仲直りしたいとか、笑い誘う程に滑稽な女だな。
でも多分、柊が私にどれだけ危害加えてきても、私も柊を許すんだろうな。
滑稽な女なのは、私も一緒か)
 みさおの思考に、こなたに対する心配の情は沸いてこなかった。
こなたならあやのが何を仕掛けてきても上手く対応するだろう、
そうも思っていた。

*

 空を赤く焼いていた陽が沈んでからそう時間が経っていない頃、
かがみは部屋で一人煩悶としていた。
それは今まで悩み続けていた事だ。
(やっぱり、こなたに犠牲になってもらって、
峰岸と日下部を仲直りさせようかしら)
 仲直りしたがっているあやのは兎も角、みさおは意固地に仲直りを拒んでいた。
かがみはそれを、今更仲直りするのも気まずいからだろうと踏んでいた。
あれだけ悪口を並べておきながら、
大した切欠も理由も無く場を丸く収めるなどプライドが許さないだろうと。
 だが、こなたに触発されてあやのを嫌っていた事にしてしまえば、
それは仲直りするに充分な理由足り得る。
『こなたに騙されていた。でももう目が覚めた』という展開ならば、
自然な形で二人の仲を修復させる事ができる。
 しかしそれをやってしまえば、こなたとみさおの間の関係は壊れる。
提案を持ちかけるかがみもこなたと今までのように振舞えないだろう。
寧ろ積極的に敵対しなければいけなくなる。
何もかもが元通りになるわけではない。
447トロッコゲーム:2010/08/18(水) 23:06:43 ID:???
(実利だけ考えれば、私にとってはこなたと仲良くやるよりも、
日下部や峰岸と三人で仲良くやった方がメリットがある。
クラスメイトとクラス外の人間では比較にならない。
それに日下部や峰岸とは中学からの付き合いだ。
何時までも三人で仲良くやっていきたい……)
 だが、如何な理由があったところで、友人間の扱いに優劣を付けていいのだろうか。
それに、みゆきもつかさもあやのに対して同情を示し、
こなたに対し嫌悪を示している。
ここでみさおとこなたを対立させれば、こなたは独りになる。
幾らなんでも酷な仕打ちでないだろうか。
かがみは頭を振った。
(こなたは峰岸に対してどれだけの罵詈雑言を浴びせた?
つかさの話じゃ、峰岸に体当たり喰らわせて転ばせたそうじゃない。
容赦する必要や同情する必要はおろか、気にする必要さえ無いじゃない、
そんな酷いヤツ)
懸命にこなたを憎もうとするも、
結局悪口を言っているという点ではみさおやあやのも同類なのだ。
果たしてこなたのみを断罪する理由足り得るだろうか。
 悩むかがみの耳に、階下から呼ぶ声が聴こえた。
「かがみー、ご飯できたわよー」
 母親であるみきの声だ。
448トロッコゲーム:2010/08/18(水) 23:08:49 ID:???
「すぐ行くわ」
 短く答えると、かがみはまたもや今までと同じ事を行った。
(ま、また考える事にしましょう。何も今すぐ結論を出さなきゃいけない事じゃない。
それに、二人を仲直りさせる方法だって他にあるハズよ)
決断を先延ばしにするという、今まで悩む度に行ってきた事をここでも繰り返した。
(何より……私が『全てこなたのせいにして、峰岸と仲直りしなさい』
と日下部に迫ったところで、日下部が首を縦に振るとは限らないわ。
もし日下部が本当に峰岸を嫌っていたとしたのなら、無意味な行為になる。
この策を実行するのなら、もうちょっとリサーチしてからね)
 かがみは階段を下りながら、最終的には時間が解決するとも楽観していた。
幼馴染だった二人がいつまでも永続的に喧嘩する訳が無いと。
時間が味方になると、かがみは思ってしまっていたのだ。
 しかし時間が敵に回る事も往々にしてある。
時間が敵に回った時に、人は後悔するのである。
かがみもまた、その典型例の一つに列せられる事になるのだ。
449マロン名無しさん:2010/08/18(水) 23:10:53 ID:???
>>438-448
本日はココまでです。ではまた。
450マロン名無しさん:2010/08/18(水) 23:26:56 ID:???
続きキター
みさおの本命はかがみか
そしてこなたの立場が段々とやばいことに
いいSSが投下されてると頻繁にスレを覗いてしまう
451マロン名無しさん:2010/08/19(木) 10:28:02 ID:8MSwsBWT
SS終了後に神奈川版トロッコゲームが来そうな気がする。
ま、あれはギャグだからな
452マロン名無しさん:2010/08/19(木) 22:42:46 ID:???
今晩は、>>438-448の続き投下します。
453マロン名無しさん:2010/08/19(木) 22:44:33 ID:???

*

 月曜日。登校したこなたを迎えたのは冷たい視線だった。
クラスの中からも外からも、一部生徒の冷たい視線が注がれる。
(何があったの?)
 原因に思い当たらない。もし僅かでも心当たりがあるとすれば、
あやのが何か仕掛けてきた可能性くらいだ。
昨日あれだけ打ちのめしたのだ。復讐の一つや二つ思いついても不思議ではない。
だが、あまりにも周囲の反応が過剰過ぎる。
果たして一日の時しか経ずして、
ここまで周囲を巻き込める程の策略など存在するのだろうか。

 一部の囁く生徒達は横目でこなたを見やり、
憎しみとも嘲りとも取れる態度で接してきた。
 その生徒達の一人、つかさがこなたの席に顔を向けた。
敵愾心に満ちた瞳でこなたを睥睨しながら、一歩を踏み出す。
その尋常ならざる気迫にこなたは咄嗟に身構えた。
 しかし、つかさは最初の一歩を踏み出しただけで歩みを止めていた。
自分の意思で止まったわけではない。
見ると、つかさの手首をみゆきが掴んでいた。
そしてつかさの耳に囁きかける。
こなたは耳を澄ませた。
「……と、まだ決まったわけでは無いのですから」
「でもっ」
「分かっています。
結果がどうであれ、泉さんが許し難い存在である事は確かです。
だからこそ、軽はずみな怒りをぶつけるのは避けるべきです。
どういう罰が相応しいのか、それも結果によって左右されますから」
「……何れにせよ許せないなら、もうハイエンドの復讐方法取らせてよ」
 復讐。穏やかとは言いがたいワードだ。
こなたは不安になった。一体、何があったのか。
454トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:45:41 ID:???
「確かに何れにせよ許せませんが……。
どこまで詰問するかもどの程度まで罰するのかも、
謝罪が可能か否かによって決したいと思います」
 穏やかで気品溢れるみゆきの口から、不慣れな言葉が飛び出していた。
『詰問』も『罰する』も、優しげな風貌を持つ彼女にはあまりにも不釣合いな言葉だ。
こなたはいよいよ胸の動悸が高まるのを感じた。
おかしい、あまりにもおかしい。クラス中が物騒な雰囲気に包まれている。
 そしてこなたは、ホームルームの時に異変の原因を知る事になる。
黒井の口から、峰岸あやのが自殺した事が告げられたのだ。

 こなたは殆ど全身の知覚で以って確信していた。
それが原因だと。
それこそが、周囲がものものしい原因であると。
それはホームルームが終わった直後のみゆきとつかさの
「ゆきちゃん、これで確定したよね。あやちゃんの仇、絶対取るから」
「ええ、謝罪できない事が分かったわけです。
遠慮も情けも容赦も無く、徹底的に仇という仇を取り尽してあげましょう」
という会話からも伺い知る事ができた。
 だが幾つかの違和感があった。
黒井は別段、こなたを責める事も呼びつける事もしなかった。
もしあやのが自殺して遺書にこなたを責める言葉が書いてあったのなら、
呼び寄せられるはずだった。
いや、それ以前に普通に登校する事すら不可能だっただろう。
(もしかして……峰岸さんが自殺した理由を勝手にみゆきさんやつかさが推測して、
その憶測のまま吹聴して信じた一部の生徒が私に冷たく当たってるの?)
455トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:46:33 ID:???
 しかしそうであったとしても、別の疑問点が生じてくる。
そもそもみゆきやつかさはどうして黒井が語る前から、
あやのが自殺した事を知っていたのだろうか。
それもこなたは気になった。
みゆきとつかさはホームルームが始まる前から、あやのに異変があり
それがこなたを原因とする事を知っている様な素振りを見せていたのだ。
みゆきやつかさだけではない。
一部の生徒も、それを知っているかのような反応を見せ、
こなたに冷たい視線を投げてきたのだ。
(情報が足りない……。みさきち、そうだみさきちだ。
みさきちだって、峰岸さんに対する攻撃に加担していた。
いや、むしろみさきちこそが主犯格だ。
みさきちにだって、周囲の冷たい視線が及んでいないとは限らない……)
 こなたは咄嗟にみさおの事が心配になった。
だが、その前に自分の心配をすべきである事にすぐに気が付く。
「泉さん」
「こなちゃん」
 あまりに冷たすぎるその声に、呼ばれた当初は声の主が誰であるか分からなかった。
首を声の方角に向けて、漸く気付く。
みゆきと、つかさだった。
「お話あるんだけど、いいかな?教室じゃやりづらい事なんだけど」
 言いながらつかさは指で扉を指し示す。
場所を変えよう、という事らしい。
「う、うん」
 拒否したところで、どうせここでその『お話』とやらを展開するだけだろう。
クラスの冷たい瞳を浴びながら行うには、不利な話題だと推量できる。
覚悟を決めたこなたが立ち上がりかけたところで、みゆきが制した。
「ああ、今ではありません。お昼休みにです」
 一限が始まる前の時間では、終わらないという事なのだろう。
(それはお話が?それとも制裁が?)
こなたは一瞬だけ不安になったが、考えるまでも無く両方だろう。
それに気付いた途端、一瞬だけ抱いた不安は恐怖へと姿を転じた。
456トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:48:01 ID:???



 こなたは一限が終わると同時に、足早に席を立って廊下へと急いだ。
みゆきやつかさの冷ややかな視線を背に感じたが、
制止の声を掛けてはこなかった。
 別にみゆき達から逃れたかっただけではない。
教室を出た目的がこなたにはあった。
(みさきち……大丈夫かな)
心配だった。それに、あやのと家族ぐるみの付き合いをしていたみさおならば、
情報を期待できると思ったのだ。
あやのの自殺には不明要素が多すぎた。
 こなたは不安と期待を込めて、C組の教室を覗き込んだ。
そして、拍子抜けする。
そこにはクラスメイトに温かく接せられているみさおの姿があった。
みさおの身を案じていたこなたからすれば、
本来なら拍子抜けではなく安堵するべき場面だ。
だが、クラスメイトを自殺に追い込んだ人間が受ける対応としては、
不自然に過ぎる。
素直には喜べなかった。
 当のみさおはと言うと、悲痛の表情を浮かべている。
(一体、何が起こっているの?)
 こなたは訳が分からない。
その時、みさおの周囲を囲んでいたクラスメイトがこなたの存在に気付いたのか、
鋭い視線を投げてきた。
その内の一人には、柊かがみも居た。
そして当のみさお本人も悲痛に沈んだ表情から一転、
敵意に満ちた視線を放ってきた。
 幾つもの視線に射竦められ、
気まずくなったこなたは踵を返して自分のクラスへと戻った。
(みさきちやかがみまで……)
457トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:48:57 ID:???
 冷や水を当てられたように背筋が凍える。
もしみさおやかがみまでこなたを敵視するのなら、
最早こなたは一人だ。
学内に味方など、一人として居ないという事だ。
 自分の席に着いたこなたは、昼休みまでの時間を不安と共に過ごした。
授業に終わって欲しくないと思った事など、高校生活で始めての事だった。



 その空き教室には、生徒達の声など殆ど聴こえてこなかった。
昼休みともなれば、そこかしこから雑談に興じる生徒達の声が聴こえてきていた。
ましてや、食事中ともなれば尚更だ。
その声からさえ遠ざかるくらいに、ここは昼休みに生徒など殆ど訪れない。
放課後に物好きな同好会がサークル気取りで軽微な校則違反を犯す為に使う、
そういった類の教室だった。
「さて、泉さん。幾つかお伺いしたいと思います」
「うん、いいよ」
 不安が高まるが、こなたは努めて冷静を装う。
それに考えてみれば、これはこなたにとって情報収集のチャンスでもある。
「貴女に……罪悪感は無いのですか?」
 みゆきから放たれた言葉には、対象が欠けていた。
勿論、あやのの自殺が対象であろう事くらい分かっている。
だがそれを前提に話を進めてしまえば、
あやのの死の責任が自分にあると認める事に等しくなるのではないか。
そう考えたこなたは、慎重に対応する事にした。
「言いたい事、分からなくは無いけど……。
多分、みゆきさん達は峰岸さんの自殺の責任の一端を私が担っている、
そう言いたいんだよね?」
「一端?全て貴女の責です」
 そう吐き捨てたみゆきの言に、こなたは不審の念を抱いた。
458トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:49:54 ID:???
(全て私の責?
みゆきさんだって、みさきちが峰岸さんの事を悪し様に言うの見てたはずじゃん。
なのにどうして、私だけのせいになってるの?)
「あ、いや……。ほら、私が知ってる話ってさ、
朝に先生が言ってた事だけで……。
先生の話の中に、峰岸さん自殺の原因とか無かったじゃん?
なのに勝手に峰岸さんの意図を図っちゃうのもどうかと思うんだよね」
 実際、こなたは黒井の話以外にあやの自殺の情報を知らない。
眼前の二人は勝手な推測でこなたを責めているのか、
それとも黒井以外のソースを手に入れているのか。
それを訊き出そうとした。
「こなちゃん……もしかしてあやちゃん虐めた事を悪いと思ってないの?
だから自殺の原因は自分に無いとか、そんな図々しい事が言えるんだっ」
 温和なつかさにしては珍しく、気色ばんだ様子で詰め寄ってきた。
こなたは慌てたように付け足す。
「あ、いや。勿論私に原因がある可能性もあるけどね。
ほら、どちらに非があるにせよ、
私だってみさきちと一緒になって峰岸さんと対立していたのは事実だし」
 慌てたように弁解するが、
自然を装いみさおの名前を出す狡猾さも怠ってはいなかった。
自分だけじゃない、という意が込められている。
「いえ、全て貴女が原因です」
 みゆきはあっさりと言ってのけた。
みゆきは決して憶測でものを言うような人間ではない。
ましてや憶測で人を責めるような人間ではなかった。
ならば、何か根拠があるのだろうか。
「どうしてそう言い切れるのさ?」
 こなたの問いに、みゆきはまたもやあっさりと言ってのけた。
「峰岸さんご本人が仰っていましたから」
 本人がそう言っていたのならば、確かに根拠足りうる。
しかし、それでもこなたは抗った。
「いつ?それ、本当の話なの?」
459トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:50:43 ID:???
 些か語調が喧嘩っぽくなったが、構ってなどいられない。
どうせみゆきもつかさもこなたに対し、険悪な態度をとっているのだ。
「ええ。昨晩、峰岸さんからメールが来ました。
貴女の悪辣な虐めを、事細かに書いていましたよ。
……私はそのメールを読み進めている間に……」
 みゆきは言葉を切ると、眼鏡の奥の瞳を細めてこなたを捉えた。
冷たく光る光が、彼女の静かな怒りを表している。
「頬を伝う涙を止める事ができませんでした。
何て酷い事を……貴女は、何という醜悪な行為に及んだのか……。
いえ、それはそうと、メールを読み終わるとすぐに電話をしたのですが。
自殺するとまでは書いてありませんでしたが、
それを匂わせる文章であった事は確かです。
ですのですぐに電話をしたのですが、繋がりませんでした」
 続けてつかさが言う。
「あやちゃん、私にもメール送ってきてくれたよ。
私も色々こなちゃんがあやちゃんに酷い事するの見てきたけど、
それ以外にも色々やってたんだね。もうこなちゃんなんて信じられない」
 こなたにはそのメールの内容が気になった。
果たしてどのような内容なのだろうか。
「日下部さんを騙して巻き込んだばかりか、
峰岸さんと恋人の中に割って入って二人を破局させたそうですね。
一体貴女は、峰岸さんにどのような恨みがあったのですか?
彼女が死を選んでしまうまで追い詰めるような正当な理由、あったんですか?」
 みゆきにそこまで言われて、こなたは漸くあやのの企てに気付いた。
そして、メールの内容にも推測が及んだ。
(みさきちまで巻き込んで……?ああそうか、なるほど、そうか。
あのビッチ、私だけに集中砲火を浴びさせる心算か)
460トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:51:29 ID:???
即ち、あやのはみゆき達にメールでこなたに虐められたから自殺するという
気配を漂わせたメールを送った。
そしてみさおはこなたに騙されていただけである、
という意味合いの言葉も含めていたのだろう。
それならば、みさおがクラスで受け入れられこなただけ責められるという
この状況にも説明がつく。
被害者がそうだと言えば、周囲はそれを受け入れてしまう。
さながら痴漢冤罪事件のような展開だが、
それとは決定的に違う点があった。
痴漢冤罪事件は冤罪と付くように痴漢行為そのものは無い。
或いは、別の人間の行為によるものだ。
だが、今回のあやの自殺には、こなたの行為が確かにあった。
あやのが嘘を吐いている部分といえば、
みさおがこなたに騙されたという部分だ。
みさおがあやのを虐めていないという部分だ。
真実の中に嘘を混ぜる、それは虚言に効果を発揮させる強力な方法だ。
 黙りこんだこなたに対し、つかさも暴言を浴びせてくる。
「あやちゃんを返して?私の友達、返してよ。人殺し」
 こなたは何も言い返さない。

(みさきちを騙してはいない。でもその部分についてだけ反駁したところで、
何の意味もないよ。みさきちを巻き込むだけの結果に終わるし。
みさきちまで標的にさせたくはないし……。
いや、それ以前に被害者の峰岸さんがみさきちは悪くないと言っている以上、
私が何を言ったところで無駄か。増してや峰岸さんは自殺までしてる。
命かけてまで嘘を吐くなんて、誰も信じないよね)
言い返せない。
「何を黙っているのですか?
一体貴女はどうやって、峰岸さんに償う気ですか?
いえ、訊くだけ愚問でした。もう償いようもありません」
 切り捨てるように呟くみゆきにも、何も言い返せない。
461トロッコゲーム:2010/08/19(木) 22:54:03 ID:???
「でもあやちゃん優しいよね。あそこまで自分を追い詰めたこなちゃんに対してさえ、
その優しさを発揮していたよ。知ってる?
あやちゃんはね、そのメールの中で……」
 つかさは言葉に詰まると、ハンカチを取り出して目元を拭った。
再び語りだされた声は、涙交じりだった。
「先生や親には言わないで、ってそう書いてあったんだよ?
きっと言ったらこなちゃんが退学の憂き目に遭いかねない、
そう判断して私達に釘を刺したんだよ。
遺書にも無難な事だけ書いて、こなちゃんの事きっと書いてないよ?
だから知らなかったんでしょ?
もし遺書に書いてあったら、
学校に連絡されて今日のこのことこなちゃんが登校してこれるわけないもん。
何も思わないの?自分が虐めた存在に守ってもらって、何も思わないの?」
 その話を聴いて思うところは勿論ある。
それは、
決してあやのが優しさ故に先生にも親にも伏せるよう依頼したわけではない、
という事だ。
そんな事をすれば、こなたは退学か、停学その後転校というだけの結果に終わる。
あやのにしてみれば、
こなたを学校に釘付けてみゆき達に報復させた方が気が晴れるのだろう。
 けれどもこなたはその事を指摘する気はなかった。
そんな事を言ってしまえば、あやのに対する同情心に満ちたつかさやみゆきから
一層の反発を招く。
眼前の二人は──少なくともつかさはあやのの依頼を優しさから出たものだと
判断しているのだから。
「泉さん……。親友の峰岸さんから頼まれた事ですから、
私も教師や親や……警察に連絡するような事はしません。
彼女の意思は尊重します。
ですが……貴女に対して何かするな、とは言われていません。
言われたとしても、流石にそれは従いかねますが。
これだけは忘れないで下さい。貴女は峰岸さんの仇だと」
462トロッコゲーム:2010/08/19(木) 23:22:48 ID:???
 みゆきはそれだけ言うと、歩き出す。
こなたの脇を通る際、足を踏みつけてくるのも忘れてはいなかった。
「こなちゃん……。私もう、友達止めるね。
もう、私達友達じゃないから。
私もあやちゃんの遺志は尊重する。
そしてゆきちゃんと同じ考えだよ。こなちゃんはあやちゃんの仇。
私の敵。じゃあね」
 そこまで言うと、つかさもみゆきに続いて足早に去っていった。
空き教室にこなたは一人佇んでいた。
(このまま、帰ろうかな)
 そう思わないでも無かったが、目立つ行動は避けたかった。
結局その日は、最後まで授業を受けてから帰宅した。

 次の日から、学校では文字通りの地獄が待っていた。
クラスメイトから無視される日々。
みゆきやつかさから陰口を叩かれ、
かがみを始めとするC組の人間からも嫌がらせを受けた。
衝撃的な事に、その一員にみさおも加わっていた。
こなたにはそれが裏切りにも見えた。
 そしてそれらは狡猾に行われていた。
決して教師に見つからないように、だが効果的なように、と。
 あやのがどの範囲にまで遺志を込めたメールを送ったのかは定かではない。
こなた虐めに加担している人間の多くは、
あやのが自殺したのはこなたが虐めたからだという噂を鵜呑みにしての行動に見える。
であれば、あやのが実際にメールを送ったのは極々親しい数名のみで、
それらの人間が噂を流す事で積極的に
こなたを虐める方向へと多数を煽動しているのだろう。
その煽動家の中には勿論、みゆき・つかさ・かがみと言った面々が含まれている。
463トロッコゲーム:2010/08/19(木) 23:23:37 ID:???
 こなたは抗いようも無かった。
ああも多勢を敵に回して味方がゼロでは、どうしようも無い。
 そして登校拒否や退学などといった行動に出る事もできない。
それをしてしまえば、こなたが虐められている事が親や学校に露見する。
そうなると、こなた虐めの切欠となったあやのの自殺の原因にまで
話が及んでしまうだろう。
みゆき達はともかく、あやのからメールを受け取っておらずに
噂だけで加担している人間はその噂を教師達に告げてしまう事は想像に難くない。
そうなれば、今度はこなたが苦境に立たされる。
あやののメールは全てが本当では無いにせよ、
こなたがあやのに対する嫌がらせを行ったという部分は真実なのだ。
それによってこなたはあやの自殺の責を問われるが、
未成年だからそうじろうに多大な迷惑がかかる。
それは避けたかった。
 それに、あやのにしてみればこなたが学校で虐められ続ける
というシナリオこそが本流だろうが、
別にこなた退学というシナリオでも構わなかったのだろう。
そちらに話が転んでも、こなたの受ける損害は大きい。
即ち、あやのの勝ちはどう転んでも動かないのだ。
 こなたは心をズタズタに刻まれながらも、
どうすることもできなかった。
464マロン名無しさん:2010/08/19(木) 23:26:37 ID:???
>>453-463
本日はここまでです。ではまた。
465マロン名無しさん:2010/08/20(金) 00:38:50 ID:???
まさかあやのが自殺するとは…
しかしあやの大勝利な展開だな
466マロン名無しさん:2010/08/20(金) 01:03:03 ID:???
こなたにはまだみさ兄がいる!
467マロン名無しさん:2010/08/20(金) 07:27:00 ID:2fDWGnMP
みさ兄「はぁ?俺たち付き合っていたっけ?付き合った覚えすらないんだけど、あと、俺彼女いるんだわw」

話はさておき、トロッコゲームが終わり次第、IF話でも投稿しようと思う。
いずみ委員長がこなたに憂さ晴らしのためにいじめられるやつなんだけどね。
468トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 08:14:29 ID:???
「糞!悪いのは峰岸のバカなのに、みさきちまで裏切りやがって(≡皿≡.)
 そうだ、一年のいずみを虐めて憂さ晴らしするか・・・くふふふ(≡∀≡.)」

次の日、学校では
いずみ「おはよう。」
教室に入ったわたしは手を振って挨拶をした。
いつもなら、みんなもおはようと返事を返してくれるのに・・・・・・
し〜んと教室中が静まり返っていた。しかもみんながわたしの方を見ないように、目を逸らしていた。
わたしはその異常に気づいて、なにがあったのかを尋ねようとしたのだが、話しかけようとしても友達は
みんな目を逸らしたり教室から出て行ったりだった。
理由はわかった。
わたしの掲示板に紙が貼られていた。
ネットかなにかで落としたものと思われる新聞記事と、わたしの顔写真が印刷されていた。
『14歳女子生徒、刃物で同級生を切りつけ重傷負わす』

それは中学生だった頃のわたしの記事だった。
新聞に名前や顔は載って無かったが、ネットに情報が流れていたのだろう。わたしの顔写真や出身中学校までが
セットで記されていた。 わたしは1年前、同級生をナイフで傷付けて保護監査処分を受けていたのだ。
地元ではすぐに噂になっていたが、県外に引っ越してからは誰にも知られていなかった。
469トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 08:15:36 ID:???
わたしはクラスで孤立した。
あからさまないやがらせを受けることは無かったが、もう誰もわたしに話しかけたり近づいたりはしなかった。
なんで? だなんて聞くまでも無い。
そんな事件を起こしたおかしな人間に近づきたいと思う人なんているわけがない。
楽しかった高校生活は一変、一人ぼっちで誰とも話さずに放課後までただ黙って座っているだけの寂しい時間と化した。

そんなある日、放課後に三年の泉こなたに話しかけられて、そのまま体育館倉庫に連れていかれた。
なんだかすごく悪い予感がしてた。
こなたがかばんから一枚の新聞記事を取り出して言った。
「『14歳の少女が父親を刺殺』・・・・・・いずみ、この記事、アンタのことだよね?(≡∀≡.)」
わたしは「やっぱり」と心の中で呟いた。
三年生の峰岸さんをいじめて自殺に追い込んだ生徒だった。名前は確か泉こなた。
「学級委員で成績優秀ないずみさんがねまさかね・・・・・・(≡∀≡.)」
「アタシがいじめを行っているのは注意するクセに人刺すのはいいんだ?(≡∀≡.)」
「フツーこういうのって年少行きなんじゃないの? なんで学校来てんのよ。(≡∀≡.)」
「てゆーか死刑でしょ? 犯罪者なんだからさ。とゆーわけでェー・・・・・・(≡∀≡.)」
わたしはいきなりお腹を蹴られた。うずくまったところをこんどは顔を蹴られた。
それからまるでサッカーボールみたいに蹴られて転がされて、わたしは口から鼻血と胃液の混ざった物を
何度も何度も吐き出した。体中を殴られた。服と床にわたしの鼻血と胃液が付いていた。
もうこれで解放されると思っていた、でもそうじゃなかった。
いきなり服を脱がされた。こなたがニヤニヤした笑みを浮かべて火の付いたタバコを持って近づいてきた。
470トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 08:17:36 ID:???
何をするかと思うと、いきなりそれを体に押し付けられた。
いずみ「っあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
わたしの体は背骨が折れるんじゃないかと思うほど弓なりに曲がった。
それを見てこなたはケラケラ笑っていた。やめてと叫ぶヒマも無く、今度はライターで指を直接炙られた。
喉を押しつぶすような悲鳴がわたしの腹の中から上がった。
いずみ「あっアアアアアアアアアアアッッ!!!! いやああああああああああぁぁっっ!!!!」
わたしは涙と嘔吐に咽びながら必死で「やめて」と訴え続けた。
しかし一向に暴行は止む気配は無く、それどころかわたしの悲鳴を聞いてこなたは面白そうに笑っているだけだった。
それからまた殴られた。
髪留めで腕や足を刺された。
また火のついたタバコを押し付けられた。
髪の毛を手で掴まれてブチブチと引っこ抜かれた。
気が付くと誰もいない体育館倉庫だった。
体中が痛かったせいでしばらく寝たままでいたかったけど、これ以上この場所に留まっていたくなかった。
急いで服を着て倉庫を飛び出した。時計を見るともう夜の9時を過ぎていた。

続く
471トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 09:43:34 ID:???
そして次の日の朝起きたとき、理由も無く震えが止まらなくなっていた。制服に着替えて学校に
行こうと思うと叫び声を上げそうになるぐらいの恐怖を感じた。
それからわたしは学校を休むようになった。ずっと部屋にひとりで引きこもっていた。
そんな時、二年の八坂こうがやってきた。
こう「あの青虫にいじめられたんだって?青虫は明日には退学だよ」
いずみ「え」
こう「あいつ、日本人じゃなくてこな虫族と言う事が分ってさ」

そのころこなたは
「あいからわずつかさたちに虐められているけど、つかさたちも終わりだよね(≡∀≡.)
 こっちにはつかさたちを退学にできる写真があるし、くふふふ、つかさがシャブ
 やっているのは意外だったな、かがみなんか援助交際なんかしているし、みゆきさんは
 大麻なんかしているし、くふふふふ、あいつらから金をふんだくってやるよ(≡∀≡.)」
黒井「おい、こな虫族のこなた、職員室に来い」
472トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 09:45:02 ID:???
職員室
教頭「君、こな虫族だということが判明した君は退学だ」
そうじろう「どうやら病院側はこな虫の幼虫と俺の本当の子供を取り間違えたらしい
      DNA検査でわかったよ、今すぐ家から出ていけ」
「そんな・・・(T皿T.)」」
すでに種別間の差別を撤廃したはずの日本であったが、それは法律上に限ったことであり、
世間的にはしぃ族に対する差別も存在していた。
近年北朝鮮から日本に流入してきた こな虫族移民は、膨大な数になっていた。
しかも、その大半が初歩的な教育すら受けていない状態であったため、労働力として需要の高い
(つまり給与の多い)職種には就けず、国内で小作農や単純労働の職に就かざるを得なかった。
故に、彼らは貧しく、日本人からは教養の無い者達として様々な差別を受けていた。
学校を退学になり、家を追い出されたこなたは本当の両親のいる家に向かった。
その家はトタン屋根に石を置いただけの粗末なバラックであった。
天井から裸電柱がフラ下がり、壁には雨漏りをふさぐため新聞紙が貼られていた。
父親は酒好きで窃盗の前科があり、母親は聾唖だった。同居するおじも前科8犯のスリだった。
父親は日雇い労働者として働きながら、何度か窃盗をはたらいた。すっかりアルコール中毒に
なっており、稼ぐ金はほとんど酒代となり、家族から文句を言われていた。
473トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 09:46:14 ID:???
生徒「それでさー昨日のドラマがさぁ。あっ、・・・・・・いずみさん・・・・・・。」
朝、登校してきたわたしを見てクラスが少しざわついた。
わたしはそれでも笑顔で挨拶をすることにした。
いずみ「おはよう。」
ただそう言って、席に着いた。
祐一「よう若瀬。久しぶりだな。」
そんなわたしに話しかけてきた人がいた。振り向いたわたしの目に飛び込んできたのは、新任の理科教師だった。
みんなは彼を相沢先生と呼んでいたと思う。
祐一「日誌だ。お前がいない間、お前の分の委員長の仕事を俺がやっといたんだ。」
相沢先生は学級日誌をわたしの机の上に置いた。どうして? いや、わたしがまた学校に来るように
なったのだから日誌を渡したのはわかる。
祐一「俺が好きでやったんじゃあないさ。八坂から頼まれたんだ。その日誌と、あとお前が学校に来たときには
   一番に話してやってほしいってな。」
八坂さんが・・・・・・? そっか・・・・・・
いずみ「ありがとう。」
祐一「礼なら八坂に言ってやってくれ。それと昼飯は三人で食うぞ、理科準備室にいるから弁当持って
   そこに集合だ、いいな?」
相沢先生がわたしを気遣ってくれてるのが伝わってきた。
八坂さんに言われたから、というだけでなく、本当に彼がわたしのためを思ってくれてるのがわかった。
いずみ「うん。本当にありがとう。」
わたし、何とかまたやっていけるかもしれない。
そんなことを考えながら、昼休み、わたしは理科準備室の扉を開いた。
474トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 09:48:37 ID:???
そこにはすでに相沢先生が来ていた。だけど八坂さんの姿がなかった。
祐一「よう」
いずみ「八坂さんはまだなの?」
祐一「授業が長引いてるんじゃないか?」
じゃあ八坂が来るまでダンジョン&ドラゴンでもしてるか? と言って相沢先生が盤を取り出したが、
わたしは八坂さんを迎えに行ってあげようと思ってそれを断って部屋を出た。

廊下を歩いて、教室に戻ろうとする途中、2人の女子生徒とすれ違った。
みゆき「トイレにはいかない方がいいですよ。ヤバいですから」
つかさ「八坂さんだっけ、なにしたのかわからないけど、こなちゃん相当キレてたよね。」
みゆき「なんでも泉さんが追い込みかけて不登校にした生徒を八坂さんがまた登校させたんです
    あれはもう再起不能になるまで追い詰められますよ・・・・」
わたしは凍りついたようにその場で立ち止まった。なに? いま彼女たちはなにをしゃべってたの?
八坂さんが? こなたと? トイレで?

続く
475トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 18:21:39 ID:???
わたしはトイレに駆け込むと血の気が引いた。こなたが八坂さんにボコボコにされていたのだ。
「痛いよ・・たひゅけて(T皿T.)」
こう「こいつ、肩が当たったのに謝らなかったのでちょっと痛めつけてやったのさ」
いずみ「このクズ、さっさと北朝鮮に強制送還させてもらうしかないよ」
こうのけらけらとした笑い声がたまらなく不快に感じられた。瞬間、こなたは床を蹴ってこうに飛び掛かった。
「うあああああっ!!!(≡皿≡.)」
咆哮とも悲鳴ともつかない絶叫とともに、こなたは体ごとこうにぶつかった。
こうは不意をつかれて、そのままトイレの床に背中から衝突した。
「ぶっ殺す!!(≡皿≡.)」
こなたは腕を振り下ろして、平手でこうの顔面を打った。ばちんと激しい音が鳴った。
こなたはバタフライナイフを手に取っていた。
こう「ちょ、ちょっと何する気だよ!!そんなんで刺したら死んじゃうわ!」
倒れたまま腰を浮かせたこうが後ずさりをするように床を這いながら言った。
こなたは上半身だけを立てて床に座ったままのこうに襲い掛かった。
だが、その刃がこうの体に触れることはなかった。
ベキ、太い枝をへし折ったような鈍い音が鳴った、直後、こなたは体を折るようにして床に倒れこんだ。
こう「はいカット。みく、たまき、ちゃんと撮れた? タイトルはイマドキのキレる十代、ナイフで
   同級生殺害未遂ってところね」
こうの手には、長い鉄の棒のようなものが握られている。伸縮性の特殊警棒だ。それでこなたの足首を
思いっきり打ったのだった。こなたの足首は鉄の棒による容赦ない打撃によって、骨幹部から折れている。
その様子をみくとたまきは、ビデオカメラ片手に撮影していた、こなたがバタフライナイフを拾ったときからだ。
こう「言っとくけどあたしが反撃したとこはカットしてね、さすがに警棒はまずいから、椅子かなんかで
   叩いたことにしときなさい」
こうは警棒で肩をトントン叩きながら、面白そうに言った。
結局、午後の職員会議で、教師一同の目に映った映像は、こなたがバタフライナイフを持って
こうの殺害に及ぼうとしているものだった。
476トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 18:22:46 ID:???
さて、こなたはつかさたちの問題写真を黒井先生の机に置いたが、その問題写真はすでに相沢先生の手に
よって、すり替えられていた。それは顔をこなたに変えたコラ写真であった。
午後の授業は中止になり、生徒及び教師一同でこなたをリンチすることになった。
ちなみにこの学校の校則では

一人に石を投げられたら、二十人で石を投げ返せ
二人に石を投げられたら、四十人で石を
八人に棒で追われたら、百六十人で追い返し
千人に襲われたなら、生徒全員で立ち向かえ………

というのがある。当然こなたはぼこぼこにされて歯も折れて、足も変な方向に曲がっていた。
477トロッコゲーム IF:2010/08/20(金) 18:24:15 ID:???
一方、警察および市民による水晶の昼が行われていた。組織化された反こな虫族暴動が日本各地で
発生した。あわせて177の居住キャンプと7500の商店や企業が破壊された。
この暴動の際に96000人のこな虫族が殺害され、略奪も多数発生した。
警視総監の電報での「邪魔をしないように」との命令に基づき警察は暴動をまったく取り締まらなかった。
さらに消防隊も炎上する建物を傍観しているだけだった。消火活動をするのは非こな虫族の建物に延焼する
恐れがある時だけだった。
さて、ゆい姉さんはこの暴動に参加し、こな虫族を虐殺しまくった。こな虫族たちは交戦を試みたと言うが、
人数も武装も足りず、戦闘と呼べるものではなかった。この虐殺は昼頃まで続いた。老若男女を問わない
皆殺しだった。ゆい姉さんは酔っ払っており、殺したこな虫族の頭の皮を剥ぎ、死体を叩き砕いた。
指輪を奪うために指を切断し、子どもも合わせた男性の陰嚢は「小物入れにするため」切り取られた。
男性器と合わせ、女性の女性器も「記念品として」切り取られ、ゆい姉さんたち警察はそれを帽子の
上に乗せて意気揚々と警察署へ戻った。なお、ゆい姉さんは
「おまえらのせいで埼玉が汚くなるんだ」
「埼玉を綺麗にするためゴミ掃除しただけ」
「こな虫族が逃げ惑う姿が面白かった」
と語っている。その後、6階級昇進したというのは言うまでもない。

この暴動で警察に逮捕されることになったのは被害者であるはずのこな虫族であった。3万人ものこな虫族が
警察に逮捕され、その場で処刑された。政府はその日の夕方に「こな虫族の贖罪給付に関する命令」
(罰金10億円をこな虫族に課す)、「日本の経済活動からこな虫族を排除する命令」(企業は年末までに
こな虫族労働者をすべて解雇せよ。こな虫族の小売業も禁止)、「街路美観修復のための命令」(破壊された
建物の修復はすべてこな虫族が修復する。こな虫族が受ける損害保険金はすべて国が没収する)の三政令を定めた。
さらにこな虫族を文化生活から追放する政令を定めた(デパート・映画館・ライブ・本屋などへこな虫族が
立ち入ることを禁止する)。こな虫族が学校へ通うことが禁止され、夜間外出禁止命令も出された。

続く
478マロン名無しさん:2010/08/21(土) 06:35:25 ID:Qeq8bI76
いずみとかこうとかみくとかたまきとか初めて聞く名前だけど
そんなキャラいたっけ?
479トロッコゲーム IF:2010/08/22(日) 08:18:50 ID:???
それから一週間がたった、こなたはホームレスになっていた。
医療機関や公共機関は大抵は開いているものなのだ。片っ端から手当たり次第に入れていった。
だが・・・どれもこれも反応は最悪としか、言いようが無かった。
「お引取り下さい!キモゴミは持ち込み禁止です!」
「御恐縮ですが、当病院ではこな虫族は対象外になっております」
こんなのはまだいい方だ。
「こな虫族の事でしたら、保健所か廃棄物処理施設に相談してください。どーしてもとゆーのなら、
 ケーサツを呼びますがね・・・」
「あんた、犯罪の片棒を我々に担がせる気か?あんたのやってることは、立派な犯罪なんだよ!!」
結局入店及び診察拒否以外に、答えは返ってこなかった。これほどひどいとは、思ってもみなかった。
ネカフェやホテルに入っても
「疫病をまき散らしに来たのか!?」
「こな虫族が来ると、雰囲気が悪くなるのよ!」
「社会に何も貢献しないくせに、人並みに公共施設が使えると思ってるのか!?このゴミ共がッ!!」
などと、門前で叩き出されるのは日常茶飯事。
たまに入れてくれるところもあるにはあるが、そういったところでも
「こな虫族は、日本人の10倍以上の料金をいただきます」などと表記されている有様である。
こな虫族に対する差別など、無くならないのだ。
みさ兄に助けてもらおうと電話をしたが、みさ兄の返答は
480トロッコゲーム IF:2010/08/22(日) 08:19:55 ID:???
みさ兄「やめろや!!そんな事!!」
みさ兄「アンタ、本当俺に嫌がらせしてないのか? こな虫が身近にいてみろや!まず一日で発狂するよ!!」
みさ兄「こな虫の気持ち? 知るわけないでしょう?そんな事をいちいち気にしてなどいられませんって」
みさ兄「あれは異常極まる光景だったぞ。こな虫のベビが八匹もいたんだぞ、八匹も!」
みさ兄「もとからお前に対する愛情など、かけらもなかった。どんなに泣き叫ぶこな虫達を見ていても、
    何の感情も沸かなかったんですもの!!」
みさ兄「だからあの時、俺は必死で泣き叫ぶこな虫の幼虫を、鉄パイプで激しく叩いてやったんだ。
    もともと生かしておく価値など無かったからな」
みさ兄「噂ではこな虫の肉は柔らかく、臭みもない、多くの食通をうならせる、隠れた名品だと聞く!
   だが、俺はァ!!絶っっっ対に食わん!!」
みさ兄「とっとにかくだ!!キモイ顔のお前など・・・この世にいてはならんのだーーー!!!」
ショックは大きかった。さらにショックを受けたのは今から五分前、みさ兄とこうといずみが歩いている
ところだった。
三人は満面の笑顔を浮かべながら、楽しげに大声で話し込んでいる。幸せいっぱいの光景。
腹立たしい。なんで。なんでこいつらはわたしと違ってのあとに笑っていられるのか。
人が苦しんでいるのになお、我が世の春を謳歌できるのか。
元をたどれば峰岸のアホが悪いのにすべて私のせいにされた。あのアホのせいで何もかも失ってしまったのだ。
481トロッコゲーム IF:2010/08/22(日) 08:21:00 ID:???
そうなれば安酒をあおるしか、こなたにはもう道はない。映画館の階段に腰かけて酒をちびちびやっているこなたに
辛辣な言葉が浴びせられたのはそのときである。
平沢唯「邪魔だな、あっちへ行け!」
こなたは全身の血がすうっと冷たくなるのを感じた。その声音は“汚らしい”という軽蔑に満ちあふれていた。
悪口を言った平沢唯が映画館に入って行くのを見た。こなたの怒りは爆発した。
こいつらはみんな帰る家がある。出迎えてくれる家族がいる。これから帰って風呂につかり、冷房のきいた部屋で
TVを観ながらビールを飲むのだ。が何ひとつ手に入れられなかったものを、こいつらみんなが持っている。
こなたは早速、ガソリンスタンドに止めてあったタンクローリーに乗りこんだ。
ローリーを発進させた。
さて、映画館では「怪談レストラン」のプレミア試写会が行われていた。観客は天皇陛下や政府要人、警察庁のエリート
財政界の大物、人気アイドルといった著名人が集まっていた。
ローリーは歩道に入り次々と人を跳ね飛ばした、老若男女かまわずだ。
いずみはなんとかよけたものの、こうとみさ兄は跳ねられてしまった。
ローリーは映画館に突っ込み大爆発をした。
映画館にいた要人たちは全員死んでしまった。こなたもだがw

いずみは立ち上がると、こうに向かった。
いずみ「八坂さん・・・・・・終わったよ。助かったんだよ・・・・・」
八坂さん・・・・・・・・・・・・?
こうの体は糸のきれた人形のように床に転がっていた。口は半開きでよだれが垂れていた、
目が開いたままになっていた。わたしは恐る恐る、こうの細い首に手を当ててみた。
脈が・・・・・・・・・・・・・・・・・・無かった。
いずみ「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

続く
482マロン名無しさん:2010/08/22(日) 09:45:19 ID:???
つまらん才能ないな
483マロン名無しさん:2010/08/22(日) 23:07:24 ID:???
だんだんつまんなくなっている
484マロン名無しさん:2010/08/24(火) 02:39:15 ID:???
IFって本編書いてる人(サイケデリックの人)じゃないよね?

早く本人降臨しないかな
485マロン名無しさん:2010/08/25(水) 02:40:53 ID:???
トロッコゲームのつづきマダー?
486マロン名無しさん:2010/08/27(金) 20:55:42 ID:???
トロッコゲームもだけど最近職人来ないね
487マロン名無しさん:2010/08/28(土) 21:56:22 ID:???
よし、書くか
488マロン名無しさん:2010/08/28(土) 23:14:10 ID:???
今から惨劇館を読んでみようと思うから絶対に邪魔するなよ!
489マロン名無しさん:2010/08/29(日) 04:16:27 ID:+BKZBKSs
さん☆げき☆かんは面白かった
490マロン名無しさん:2010/08/29(日) 19:48:11 ID:???
たし☆かに
491マロン名無しさん:2010/08/31(火) 01:28:15 ID:???
続きがこないのは規制か?
492マロン名無しさん:2010/08/31(火) 03:10:35 ID:iWnaC/cm
何度も過っ疎過疎になって終わりそうになってんのに
何か終わらないなこのスレ
493マロン名無しさん:2010/09/07(火) 02:33:50 ID:???
こなたが性的にいじめられるのは興奮するね
494マロン名無しさん:2010/09/09(木) 20:27:25 ID:???
トロッコゲームの続きが読みたい
495マロン名無しさん:2010/09/09(木) 21:22:25 ID:tk1FIeJQ
規制されてんだろう
多分このスレを見てないってことはないだろうから
クラウンかシベリアどっかに避難所スレ立てたらどうよ?
シベリアはIP出るから嫌がるかもしれんけど
496マロン名無しさん:2010/09/12(日) 11:28:02 ID:???
今月号のコンプティーク見てからトロッコゲーム読むと泣けてくる……
497マロン名無しさん:2010/09/14(火) 00:50:24 ID:CsBNybPa
自分が描いた絵を見たらちょっと元気になった。
保存してくれた人ありがとう。
498マロン名無しさん:2010/09/14(火) 19:57:58 ID:nUu5YYmD
私のお父さんのオリジナル読んだけど、やっぱ竜崎はオリジナルの時点で出しとく
べきだったな。かがみは精神的にあれだったし、みゆきは力不足だった。

竜崎を出していたら自殺は未遂で終わっていたかもしれないし。
499マロン名無しさん:2010/09/15(水) 23:01:16 ID:???
トロッコゲーム読んだ
なんていうか凄まじいな……
上で言ってる人がいるけどコンプ読んでからだとなおさら鬱になってくる
そういやこなみさってこのスレじゃ初めてじゃない?
500マロン名無しさん:2010/09/16(木) 09:51:31 ID:???
そんなことないぞ
まとめに載せられてるやつの中にも数個はあったはず
501マロン名無しさん:2010/09/17(金) 20:58:27 ID:???
他にも挙がったもののまとめにない絵がいっぱいある
良作ぞろいなのでwikiに保存してほしいくらいだ
502マロン名無しさん:2010/09/17(金) 23:32:50 ID:???
そろそろjediさん来ないかな?
503マロン名無しさん:2010/09/18(土) 02:09:38 ID:???
>>481
作者さんに許可とるか、せめて完結までは自重できないのか?
504マロン名無しさん:2010/09/18(土) 10:48:16 ID:???
今まで歴代のSSで一番の名作ってどれですか
505マロン名無しさん:2010/09/18(土) 13:36:38 ID:???
そんなの自分で探せとしか言えんが…
個人的に好きなのは「罪咎深き賤しい女」とか「トモダチって時間じゃない」とか、「麾く煉獄」とかが好きだな
神奈川版じゃないやつね
長編はイイヤツが多い気がする

ホラーというかB級映画らしい楽しさがある「惨劇館」も好きだな
506マロン名無しさん:2010/09/19(日) 01:37:09 ID:???
>神奈川版じゃないやつね
思い出してみると、このスレの長編・良作を見境無く台無しにしてるんだよなコイツ
507マロン名無しさん:2010/09/19(日) 17:29:49 ID:???
とりあえずJEDIは死ねと
508マロン名無しさん:2010/09/19(日) 19:27:03 ID:???
>思い出してみると、このスレの長編・良作を見境無く台無しにしてるんだよなコイツ
え?奴はそんなひどい作品ばっか書いていたの?奴のリメイクした私のお父さんと審判は
発表当時は好評だったぞ。私のお父さんに関してはギャグといわれていたが・・・

つか、トロッコゲームIF書いたのは神奈川版しかいないよな・・・
509マロン名無しさん:2010/09/20(月) 07:58:45 ID:???
このスレ的にリョナ絵もあり?
510マロン名無しさん:2010/09/20(月) 09:40:46 ID:???
寧ろ歓迎
511マロン名無しさん:2010/09/20(月) 09:57:45 ID:???
どうやって上げればいいのかしら
512マロン名無しさん:2010/09/20(月) 12:55:30 ID:???
グロおkなアプロダに上げてアド貼る、とかじゃね。
双葉の二次黒とかgurochanとか。
513マロン名無しさん:2010/09/20(月) 13:00:00 ID:???
ああ、wikiに直にアップロードしちゃうって手もあったね
514マロン名無しさん:2010/09/20(月) 16:04:42 ID:???
すでにサイトやピクシブに上げてるからこのスレでも上がってるかも
http://up3.viploader.net/ippan/src/vlippan148927.jpg
515マロン名無しさん:2010/09/20(月) 18:26:36 ID:???
見た事はあるけど、好きな絵柄だ
大歓迎
516マロン名無しさん:2010/09/20(月) 20:15:14 ID:???
あと3枚ある
うぷろだに上げる方がいいかな
517マロン名無しさん:2010/09/20(月) 23:58:29 ID:???
wktk
518マロン名無しさん:2010/09/21(火) 00:27:38 ID:???
>>514
支部で見てすごい気に入ったイラストだ
519マロン名無しさん:2010/09/21(火) 02:22:31 ID:???
520マロン名無しさん:2010/09/21(火) 10:30:23 ID:???
どういう状況なんだってか内臓から血を吐いて血尿ってもう死んでるレベルだろw
521マロン名無しさん:2010/09/21(火) 16:33:45 ID:???
好みの絵だけど自殺するの?
522マロン名無しさん:2010/09/21(火) 20:12:31 ID:???
>>519
この展開は始めて見るな
期待大
523マロン名無しさん:2010/09/22(水) 02:36:25 ID:???
>>522
>>519で全部だよ
524マロン名無しさん:2010/09/22(水) 12:37:59 ID:???
二次創作の無断転載か
さすが外道の集まり
525マロン名無しさん:2010/09/22(水) 17:08:46 ID:???
そんなに褒めるなよ
526マロン名無しさん:2010/09/22(水) 17:59:07 ID:???
>>525
つまらんもう少し頭を使えクズ
527マロン名無しさん:2010/09/22(水) 18:10:45 ID:???
>>524
外道から見れば真っ当な人種が外道に見えるのか
528マロン名無しさん:2010/09/22(水) 18:37:53 ID:???
自分のこと良く分かってるじゃねえか外道
529マロン名無しさん:2010/09/22(水) 18:50:53 ID:???
無断転載じゃなくって貼ったの本人じゃね?
530マロン名無しさん:2010/09/24(金) 22:51:14 ID:???
神奈川版っていや、本物の神奈川帰ってこないかな。
531マロン名無しさん:2010/09/27(月) 02:36:39 ID:???
SS来ないのー
532マロン名無しさん:2010/09/27(月) 21:13:30 ID:???
いいこと考えたwwwww

提督の決断あるじゃん。
あれで重巡洋艦に「こなた」ってつけんの。新型で、軽装甲重武装・高速の。
533マロン名無しさん:2010/09/30(木) 11:19:07 ID:???
自爆か
534マロン名無しさん:2010/09/30(木) 12:10:12 ID:???
最後まで戦うが、耐久が10パーセント以下or速力低下で逃げ切れないときに
自沈する。みたいな

たまに火災全焼することもあるから困る。
535マロン名無しさん:2010/10/02(土) 23:20:38 ID:???
ハーレムエンドの集団自殺
手に手を取り合って電車にダイブ
某映画より
536マロン名無しさん:2010/10/04(月) 02:20:17 ID:???
電車にGOてか
537マロン名無しさん:2010/10/06(水) 20:37:33 ID:???
何時の間にかウィキ100万ヒット
538マロン名無しさん:2010/10/07(木) 21:17:07 ID:4TShkXs0
最近ガンガン福岡氏とかアラバマ氏とか見かけないようだけどこのスレにいるの?
539マロン名無しさん:2010/10/08(金) 01:08:43 ID:???
まとめの方にトロッコゲームの続き来てたのか
気付かんかった
540マロン名無しさん:2010/10/11(月) 01:20:12 ID:???
>>538
懐かしい名前だな
541マロン名無しさん:2010/10/11(月) 01:55:29 ID:???
当人がスレにいたら挙手!
542マロン名無しさん:2010/10/11(月) 01:58:32 ID:???
>>538
二人で合同同人誌とかやってるじゃん
543マロン名無しさん:2010/10/14(木) 21:16:00 ID:???
このスレが生み出したものは大きいな
544マロン名無しさん:2010/10/14(木) 21:22:20 ID:???
犯罪予備軍や他スレ嵐の基地外職人とかな
545マロン名無しさん:2010/10/15(金) 12:17:21 ID:???
こなた「けいおんが映画化だと!?あの中身の無い萌豚糞アニメが!?信者も京アニスタッフも基地外だよ!らき☆すたこそ映画化にふさわしい神アニメなのに!(≡皿≡.)」

今日もネットで吠えています^^;
546マロン名無しさん:2010/10/15(金) 17:33:44 ID:???
アラバマ氏は今はマウンテンプクイチの名でpixivで活動中
同人誌も出している
どうでもいいけどけいおんでは唯紬がお気に入りみたい
547マロン名無しさん:2010/10/15(金) 19:28:47 ID:???
へーそうだったのか
548マロン名無しさん:2010/10/15(金) 19:33:22 ID:???
>>546
情報ありがとう
549マロン名無しさん:2010/10/15(金) 19:40:50 ID:???
ガンガンもpixivにいるけどな
550マロン名無しさん:2010/10/15(金) 21:38:48 ID:???
>>549
何て言う名前でやっているの?
551マロン名無しさん:2010/10/15(金) 21:47:10 ID:???
まさかプクイチさんがアラバマ氏だったとは
この人の絵は結構好きだっただけに驚いた
552マロン名無しさん:2010/10/15(金) 23:50:37 ID:???
>>550
id=34394
553マロン名無しさん:2010/10/16(土) 00:51:40 ID:???
>>552
ありがとねっ!
554マロン名無しさん:2010/10/16(土) 03:16:10 ID:???
他にPIXIVやってる人はいますか?
555マロン名無しさん:2010/10/16(土) 05:03:03 ID:???
オレ
556マロン名無しさん:2010/10/16(土) 10:06:59 ID:???
>>555
ぬるぽ
557JEDI_tkms1984:2010/10/17(日) 20:58:57 ID:???
 お久しぶりです。
前回の投稿直後、悲しい出来事があり服喪していました。
このスレを覗くのも不謹慎な気がして暫く来られませんでした。
ご挨拶旁軽めのSSを投下いたします。


 トロッコゲーム拝読しました。
流石、としか言いようがありません。
盲目なほどみさおを愛するあやのと、彼女を撥ね退けるみさお。
みさおを愛するこなたと、最後には彼女を撥ね退けるみさお。
その彼女が相思相愛と思っていたかがみに態度を翻されるラストには慄きました。
6人という少数の中で愛憎が交錯し、小さなコミュニティ内でほぼ同じ手法による復讐が繰り返される展開は、
誰に最も正当性があるか、を読み進めるにあたって熟慮させてくれます。
こなたにもみさおにも同情はできませんでした。
もしみさおがこなたが自分に恋慕の情を抱いていることを知っていて、それに気付かぬ振りをして彼女を利用し搾取し、
かがみとのハッピーエンドに至る道を意図して辿っていたのなら、あの結末も自業自得でしょう。
今回、最も悪辣だったのはこなたでもみさおでもなく、みゆきではないでしょうか。
他人を自殺に追いやった非道な人間への制裁、という正当性を得た彼女は巧く虐める側に留まり続け、
節操もなく標的をこなた、みさおとシフトさせて加虐性的な欲求を満たしていたのではないかと。
仮にみさおが2人と同じ手法で自殺しても、彼女だけは罪悪感は微塵も抱かず次の標的を探すような気がします。
これだけの悪者が揃う中、あやのの仕返しはこなたの破滅を狙うものであっても清いものにすら見えます。
悲劇的な結末を迎えたからでしょうが、彼女があくまで受け身で最後の最後まで相手を叩き潰すタイプで
なかったところがそう見させたのかもしれません。

愛があれば人はなんでもできる。
人の心の奥底に潜む善悪と、そもそも善悪とは何かを自分勝手に定義して思うままに振る舞う
人間のエゴイズムを垣間見た見事なお話でした。
558隘路の向こう1:2010/10/17(日) 21:00:56 ID:???
 空虚な日々を送るかがみには、あれから半月が経ったという実感がまるで湧かない。
むしろ時間など永遠に止まっているのではないかとさえ思わされた。
しかし現実には時間の流れとは不変の法則だ。
泉こなたとは縁のなかった人間はもちろん、B組の生徒の多くも徐々に記憶から彼女の存在が消えつつある。
意識をしなくなるのだ。
使う者のいなくなった机がかろうじてこの教室にこなたがいたことを証明するが、このどこにでもあるような備品が取り除かれた時、
殆どの生徒はいよいよ彼女を忘れてしまうのである。
「こなた…………」
かがみは時々こうして屋上に来ては意味もなく名を呟く。
本当に意味のない――無駄な行動だ。
もしかしたら呼びかけに答えてくれるかも知れない、という想いがそうさせているだけだった。
生者の声に死者が耳を貸すハズがない。
そもそもこの世を去った人間には、声を聴くための耳もなければ答えるための口もない。
「柊……風邪ひくぜ?」
やや呆れた様子のみさおに言われ、かがみはゆっくりと振り返った。
目の前にはいつもと変わらない友人がいる。
スポーツが得意で勉強が嫌いで怠け癖があって――。
日下部みさおの個性は泉こなたのそれによく似ていた。
「あ、うん、ごめん…………」
だからかがみは彼女を見ると辛くなる。
快活な彼女の向こうにこなたが見えてしまうのだ。
「チビッ子のことか?」
蔑称を愛称に包んでみさおが問う。
「………………」
問われた側はそれに無言で答える。
別離から半月経ってもかがみの傷が癒えることはない。
半月程度では癒えないのだ。
ただ死を嘆くだけではない。
救えたかもしれない命を救えなかったことへの歯痒さ。
それが彼女を追い詰め、苦しめているのである。
「――だよな……そんな簡単に吹っ切れねえよな……」
近づき、みさおはそっとかがみの肩に手を置いた。
559隘路の向こう2:2010/10/17(日) 21:01:56 ID:???
以前のかがみならこれだけで恥ずかしがって手を払いのけようとしたに違いない。
このまま腕を背後に回し抱擁することもできたが、みさおは敢えてそれをせず彼女を置き去りにするように脇をすり抜けた。
転落防止用のフェンスに手をついてグラウンドを俯瞰する。
いくつかの運動部が割り当てられた場所でそれぞれに汗を流している。
その中には彼女の所属する陸上部員もいたが、大会を目前に控えているためか気迫は他の部を圧倒している。
本来ならみさおもそこに加わって高校最後となる舞台に向けて文字通り驀進するべきなのだが、
今ばかりはそんな気分にもなれないでいた。
「…………………」
みさおは唇を噛んだ。
かがみがまだあの件を引きずっていることが牴牾(もどか)しい。
だからといって、早々と忘れろなどと声をかければ神経を疑われかねない。
彼女の心は葛藤に揺れた。

葛藤――。

これは明朗快活な日下部みさおという少女がここに至るまで、何度も苦しめられてきた言葉だ。
彼女は決して単純ではないしバカでもない。
ただ精神的に未熟なうちから矛盾を孕む難解な事柄にぶつかってしまったために、結論を閃電が駆けるかのごとく
導き出す体質ができあがってしまったに過ぎない。
「チビッ子…………」
一度はグラウンドを見下ろし、すぐに天を仰いだみさおは半月前の出来事を思い起こした。






560隘路の向こう3:2010/10/17(日) 21:03:02 ID:???
黄昏時の病室である。
かがみたちが病室を出た後、浅い眠りについていたこなたはすぐ傍に人の気配を感じてそっと目を開けた。
面会者用のイスに腰をおろしていたのはみさおだった。
「みさきち…………」
こなたは怯えた様子で名を呼んだ。
みさおは怒りと憐れみとを混ぜたような目でこなたを見下ろす。
「いつから……いたの?」
「ちょっと前からな」
返事は素っ気ない。
気まずくなってこなたはふっと視線を逸らした。
「なんでこんな事したんだよ?」
逃がすまいと、みさおが迫った。
「………………」
「お前さ、柊に――柊たちにどんだけ迷惑かけりゃ気が済むんだよ?」
「………………」
「死ねば楽になれるとか思ってんのか?」
「生きてるよりはマシだよ」
拗ねたように答えるこなたに、みさおは言葉をかけるタイミングを失して黙り込んだ。
楽な方に行きたがる、という点では彼女も同じだけにその部分についてはどうこう言えない。
廊下を看護師が通り過ぎた。
「まあ、な。分からなくもねえけど。でも親御さんも悲しむんじゃないのか?」
淡々とこう言ってのける彼女がこなたには分からない。
少なくとも自分に手を差し伸べてくれたことはない。
かがみやつかさのように庇ってくれたことは一度もない。
むしろいじめに遭う原因は自分にあると責め立てたほどだ。
「でも……みさきちも思ってるんでしょ?」
「なにがだよ?」
「私なんかいないほうがいいって――」
「………………」
「言ったじゃん、みさきち。私が悪いって」
こなたは今できる精一杯の睨みを利かせた。
しかしとても健常とはいえない状態での睥睨はあまりに弱々しく、みさおへの抵抗にすらなっていない。
561隘路の向こう4:2010/10/17(日) 21:05:01 ID:???
「正直、チビッ子がこういう事するとは思ってなかったぜ」
抑揚のない声はそれが本心か、咄嗟に吐いた嘘かを見分けられるだけの手掛かりを与えてくれない。
「でも私の考えは変わらないからな。そりゃいじめやってる奴のほうが絶対に悪いに決まってる。加害者なんだからな。
でもさ、じゃあいじめられてる奴に落ち度はないって言い切れるのかよ?」
「………………?」
「こうなるキッカケとか、あったんじゃないのか? たとえなくても関係ない柊たちを巻き込むのは違うだろ?」
「――言ってる意味が分かんないんだけど」
突き放すようにこなたは切り返した。
みゆきに説法されるならともかく、みさおに意味深な言葉をぶつけられることは彼女にとっては苦痛だった。
「いじめなんて結局、当事者同士の問題なんだ。関係ない第三者がどうこうするべきじゃないって話だよ」
つまりここまで再三言ったように、かがみたちを巻き込むなという旨である。
ある意味、加害者よりも辛辣な言葉にこなたは、
「だからっ! だからこうやって死のうとしてるじゃん! かがみたちに迷惑かけないようにって!
分かってるよ! みさきちだってそう言ったんだから!!」
感情的になって撥ね退けた。
しかしこなたが声を荒らげると、それとは対照的にみさおは恐ろしいほど静かな口調で、
「死ねばいいなんて言った覚えはないぜ?」
今度こそ憐憫の情を湛えて返す。
「同じだよ!!」
「違うだろ」
「………………」
「………………」
2人は激しく睨み合ったが、先に視線を逸らしたのはみさおだった。
「勘違いすんなよな。私ははっきり言ってチビッ子が嫌いだ。だけど、だからっていなくなればいいなんて思わない。
そういう時も――まあ、たまにはあるけど……イライラするんだよ。お前のせいで柊や妹が苦しんでるの見ると。
あいつらは何も悪くないんだ。そうだろ?」
「………………」
みさおの口調も目も真剣そのもの。
いい加減な気持ちでわざわざ面会に来たのではない、とこなたは悟った。
「かがみのこと……好きなの?」
「当たり前だろ。5年近く友だちやってんだから」
みさおは顔を赤らめることも声調を変えることもなく、意外なほどさらりと答えた。
562隘路の向こう5:2010/10/17(日) 21:06:42 ID:???
かがみ以上にウソや誤魔化しの苦手そうな彼女が顔色ひとつ変えないのを見て、こなたはそれが偽らざる答えだと確信した。
友人の友人に対する想いの強さや深さは、単純に知り合ってからの長さが関係するのだと思い知らされる。
いつも一緒にいるか否か、ではない。
いつ知り合ったか、をみさおは重視しているのだ。
彼女の言う”好き”が果たしてどちらの意味なのか。
こなたは考えようともしなかった。
「チビッ子がどんな目に遭ってるかなんて断片的にしか知らない。私が言いたいのは……な、分かるだろ?
もう何度も言ってっけどよ、柊たちに頼らないで自分で何とかしろってことだ」
突き放すような、とても冷たい言葉だったがなぜか情が込められているようにこなたは感じた。
が、頭の片隅ではそう思っていても、自分にとって受け容れ難い辛辣な言葉の連続には、
「わざわざそんなこと言いに来たの? 日下部さん」
同じく敵愾心を以って切り返した。
言葉だけは強気に、口調は弱々しく。
みさおは音を立てないように席を立った。
去り際、彼女は肩越しに振り返って、
「あいつは自殺なんてしなかったぜ。あいつは――そういうやり方だってあるんだ」
妙に優しい顔つきでそう言い残した。







自殺を図った奴に対しては冷たすぎる言葉だったかもしれない。
普通は優しい言葉で慰めたりするんだろう。
柊たちがやってたみたいに。
でも私は後悔なんかしてない。
誰が聞いても私が追い詰めてると思うだろうし実際、私にもその自覚はある。
ただ…………。
あいつが――チビッ子が死ぬことを心から願ってるってことは断じてない。
後味悪いだけだし。
563隘路の向こう6:2010/10/17(日) 21:09:54 ID:???
生きていて欲しいってのは違うけど、だからって死んでしまえばいいなんて思えない。
いじめは当事者同士の問題だ。
私はそう何度も言ってきた。
あいつには直接言ったし、柊にも遠回しにそう言った。
チビッ子に非があるかどうかなんて分からない。
私は”当事者”じゃないからな。
非があろうとなかろうと、いじめられる側にはそれなりの理由があるハズなんだ。
それがいじめの実態なんだ。
私はこの考え方に確信を持ってる。
間違ってるなんて微塵も思わない。

――チビッ子。

うまい渾名(あだな)だと思う。
私は親しみを込めた風を装ってそう呼んでたけど、あいつは気付いてただろうか。
本当は嫌っていたことに。
疎ましく思ってたことにあいつは気付いてただろうか。
「………………」
あいつが言葉どおり小学生みたいな体型だったせいで、私は嫌でも当時を思い出さされる。



「船本です……どうぞ――よろしく」
小学5年生の夏ごろ、地方から転入生が来た。
色白の優しそうな男の子だった。
視力が悪いらしく銀縁の眼鏡をかけてたからか、その子はクラスの誰よりも賢そうに見えた。
いや、違うな。実際に頭が良かったんだ。
彼が前に通ってた学校はうちより少しだけ授業が進んでいたらしい。
転入して最初のテストで理科以外で満点をとったのだ。
そういう事もあるんだなってくらいにしか思わなかった。
進みの差がたまたまそいつに有利だったんだって。
564隘路の向こう7:2010/10/17(日) 21:12:01 ID:???
ところが次のテストも、そのまた次も彼は満点に近い成績だった。
少なくとも90点台を下回ることはなかったと思う。しかも塾にも通ってなければ家庭教師も雇っていなかったらしい。
今にしてみれば小学校のテストなんて遊びみたいなものだ。
偏差値とか気にする必要はなかったし、成績で進路が変わるわけでもない。
でもそれは今だから思えることで、当時の私たちには立派なテストだったんだ。
彼はクラスでトップになった。
凄いのはそれだけ頭がいいのに威張ったりしなかったところだ。
謙虚ってわけじゃないけど、自分は頭がいいってアピールをするタイプじゃなかった。
だけど転入早々、目立った事が裏目に出た。
どこのクラスにもいるように、うちにもボスみたいな奴がいた。
ガキ大将とは違う、もっと知的な男子だった。
彼が入ってくるまではそいつがクラスでトップの成績を維持していた。
そのボスっていうのが親が医者をやってて進学塾に通ってて……。
つまり頭が良くてお金持ちっていうイヤな奴だった。
小学生なのに革の財布に万単位のお金を入れて持ち歩いていて、事あるごとに見せびらかす奴だった。
いつも傲慢な態度でハブられそうなのにボスでいられたのは、男女問わずクラスの大半がそいつに飼われていたからだ。
支配者を気取って自分に媚びる生徒にはお金をばらまいてた。
逆に言う事を聞かなかったり、気に入らない生徒がいたりすると子分にお金を握らせていじめみたいなこともしてた。
転入生はボスが君臨していたトップの座をあっさりかすめ取ったわけだ。
もちろんそれを面白く思うハズがなく、ボスはあの手この手で転入生をやっつけようとした。
クラス全員に無視するように命令したり、私物を隠したり、本人に聞こえるように悪口を言ったり。
精神的に追い詰めて集中力を奪い、成績を下げさせようと作戦らしかった。
びっくりしたのはそういう事をする奴の中に女子も混じっていたことだ。
私はそのグループには入らなかった。
新しい環境に馴染もうとしている彼が、ちょっと頭がいいという理由だけでいじめられてるのが我慢できなかった。
「もうやめようよ。船本君が可哀想だよ。同じクラスなんだからみんな仲良くしようよ」
私は勇気を振り絞って訴えた。
あの頃の私はあやのには及ばなくても女の子らしかったと思う。
565隘路の向こう8:2010/10/17(日) 21:13:19 ID:???
活発だったのは昔からだけど、今みたいにがさつなモノの言い方はしなかったハズだ。
「はっ? なんだ、日下部。お前、俺に逆らうのかよ?」
手下を引き連れてボスが言った。
正直言って怖かった。
でもそれよりも船本を助けてやりたいっていう気持ちのほうが強かった。
だから私は怯まなかった。
するとそいつは財布からお札を何枚か取り出して迫ってきた。
「俺らに味方すりゃ10万やるよ。大金だぜ? アクセとかゲームとか買い放題だぜ。だからお前もあいつを追い出すのに手を貸せよ」
お金なんて誰でも欲しいに決まってる。
おまけに小学生にとって10万という金額はとんでもない大金に思えた。
でも私は受け取らなかった。
恰好つけるつもりはないけど、お金で買われていじめっ子に身を落としたくなかったんだ。
私はみんながいない時にそっと船本に声をかけた。
「がんばって」
無責任な言葉だと思う。
辛い思いをしている奴に”頑張って”なんて、さらに追い詰めるだけの言葉でしかない。
でもその時の私にはそれしか思い浮かばなかった。
とにかく声をかけてあげたかった。
私がボスの誘いを蹴ったところでいじめが終わるわけじゃない。
船本に対する執拗な責めはずっと続いた。
その原因がある程度分かっていた私は彼にそっと教えることにした。
「あの子たち、船本君が優等生なのが気に入らないからこうしてるんだよ。きみが来るまであの子がクラスで一番成績が良かったから。
周りは買収されてるだけ。だから……どうかな、わざとテストで悪い点をとったら? そしたらもう目をつけられないと思う」
その時、彼が浮かべた表情を私はたぶん忘れないと思う。
喜怒哀楽のない、機械みたいな顔で船本は、
「なんで?」
ちょっとだけ怒っているように言った。
「僕は一生懸命勉強してるんだ。僕をいじめる奴は頭が悪いんだ。バカなんだよ。そうだろう?
レベルの低い人間が優秀な僕に焼き餅を焼いてるんだよ。そんな奴らのためになんで僕がバカのフリしなくちゃならないんだい?」
その言葉を聞いてから、私の彼に対する見方は大きく変わったんだ。
華奢で女の子みたいで、逆境にもめげない頑張り屋だと思ってたのに、頭が良いことを鼻にかけるイヤな奴に見えた。
いや、そう見るようになったんだ。
566隘路の向こう9:2010/10/17(日) 21:15:05 ID:???
この辺りから私もいじめられる側になった。
朝、登校すると黒板に相合傘が書いてある。
その下にある名前はもちろん、”船本””日下部”だ。
彼を庇ったことが好意を寄せてるってことになったらしい。
そういう事をするあたり、ボス気取ってた奴はテストの成績は良くても考え方はまだまだ幼稚だったんだと思う。
今だからそう思えるけど、当時の私には苦しくてたまらなかった。
無視されるようになった。
授業中、後ろからゴミを投げられることもあった。
味方してくれるのはクラスではあやのだけ。
一応、船本も私と同じ側だけどいじめられ仲間っていう意識はなかった。
あいつは孤独というより孤高って感じの奴だったから。
何度も泣きそうになった。学校に行きたくないと毎日思ってた。
でも私は泣かなかった。
ちょっとでも弱いところを見せればあいつらがつけ上がるのは分かっていたからだ。
その時に気付いたことがある。
強ければ――弱くなければいじめられないんだって。
船本はどっちかって言えば強いほうだった。
それでもボスたちが取り囲んでいたのは、気に入らないからってだけのつまらない理由だ。
いじめの定義が多勢に無勢ならあれはいじめだった。
でも当事者がいじめじゃないって思ってたら……それはどうなんだろう。
何にしても受ける側の意識が大事なんだって思った私は自分を強く見せようとしてた。
長かった髪を短くして、男の子っぽい話し方を心がけた。
もともと体を動かすのが好きだったけど、ただ漫然とやるんじゃなくて体を鍛えることに重点を置いた。
おかげで並みの男子との1対1のケンカなら負けないくらいになった。

”やられたらやり返せ”

誰に言われたわけでもないけど、当時の私はその言葉を胸に学校に通っていたと思う。
あいつは仕返しをしてくるから。体を鍛えてるから。女なのにケンカが強いから。
ボスたちは私のことを疎ましく思ってただろうけど、迂闊に手を出せないらしかった。
おかげで私に対するいじめは少し収まった。
567隘路の向こう10:2010/10/17(日) 21:17:41 ID:???
やっぱり大人しい奴が狙われやすいんだろう。
連中は私に手を出しにくくなったことで、その代わりにさらに船本を追い詰めるようになった。
最初こそ気丈に振る舞っていた彼も、執拗ないじめを受け続けて精神が参ってしまったのだろう。
6年に上がる時に彼はどこかに転校していった。
白紙同然の寄せ書きを持って。
こうなると標的にされるのは私だけだ。
あやのだけは私に味方してくれたけど、庇った人間がどんな目に遭わされるか知っている私は敢えてあやのを遠ざけた。
私は耐えられるけど、あやのみたいな女の子には辛すぎる。
いじめは中学になっても続いた。
ボスはお金にモノを言わせて他の学区から上がった来た生徒を飼い慣らしたんだ。
新学期早々、私は一気に孤立した。
小学校時代のいじめグループが何も知らない生徒たちにある事ない事を吹き込んだらしい。
中学に上がる前から援交してたとか、親は詐欺師だとか。
13歳らしいくだらない噂話だった。
ちょっと考えればあり得ないことくらい想像つきそうなのに、クラスの連中はそれを真に受けたのかそれとも分かってて乗ったのか、
私をからかう種にした。
運良く……運悪く同じクラスになったあやのは、私みたいに声を大にして真っ向から立ち向かうことはしなかった。
そうしないように私が止めたんだ。
あやのはおっとりしてるようで正義感が強い。
熱い奴っていうのかな、ハッキリ自己主張するタイプだった。
もし止めなかったら多分、あやのも同じようにしたと思う。
たとえば終わりの会とかで教壇に立って、”いじめは最低だ!”とか。
気持ちは嬉しいけど、もしそんなことされたら、今度はあやのがどんな目に遭わされるか分からない。
私にきつく制されたことで、彼女はあからさまに私の味方をすることはなかった。
その代わりにさりげなくいじめの火を消そうとしてくれていた。
気の合う女の子何人かでグループを組み、私に関する話は根も葉もない噂だと広めてくれたんだ。
クラスのほとんどがいじめ側についてる中で、いくらグループを作っているとはいえ勇気のいる行動だと思う。
私があやのの立場だったら、そこまで頭が回るか分からない。
声を張り上げていじめは駄目だ! と訴えるくらいしか思いつかなかったから。
568マロン名無しさん:2010/10/17(日) 21:25:47 ID:???
支援
569隘路の向こう11:2010/10/17(日) 22:22:32 ID:???
私へのいじめは丸1年間続いた。
長いといえば長いけど、いつの間にか耐性のようなものがついていて、小学生の頃ほど苦痛ではなくなっていた。


2年に進級してしばらく経ったある日。
いじめは突然に終わった。
ボスが学校からいなくなったのだ。
聞いた話だと親が医療ミスをやらかして訴えられたらしい。
裁判沙汰になったその話がどうなったかは知らないし興味もない。
ただ、一家は逃げるように引っ越していったということだ。
ボスがいなくなると誰も私に手を出さなくなった。
元々お金で飼われていた奴もいたし、多数派に押されて仕方なくいじめ側についていたのが大半だったからある意味理解できる。
連中からすれば私を的にする理由がなくなったのだろう。
ずいぶん勝手な話だったけど、おかげで私は解放された。
でもだからといって私は態度を変えることはなかった。
相変わらず男の子っぽい話し方だったし、普段の振る舞いもがさつで乱暴な感じになるように意識した。
変えられなかったんだ。
ここで昔の自分に戻ったら、またいじめられるんじゃないかって。
そう考えたら虚勢でも何でもいいから強そうに見せるべきだと思ったんだ。
あの数年間はなんだったんだろうなって思う。
長い人生の中じゃ一瞬の出来事かもしれないけど、少なくともこれが今の私を作ったのは間違いない。
ボスがいなくなっていじめは無くなった。
だけどそれで何もかもが終わるわけじゃない。
クラスの私に対する態度は余所余所しかった。
動かされてたとはいえいじめに加わったり、見て見ぬふりしてた奴ばかりだったからその負い目があったんだろう。
まあ、何事もなかったように声かけられたら、それはそれで腹立つけど。
そんな中でごく自然に声をかけてくれたのが柊だった。
柊は加害者の側でもなければ傍観者の立場でもなかった――っていうのは後になってあやのから聞いた話なんだけど。
どうやら担任や教頭、校長にクラスの実態を報告してくれていたらしい。
普通、そうなったらすぐに問題になって教師がいじめグループに問い詰めたりするもんだ。
で、そのせいでチクったとか言ってもっとひどい目に遭わされる……ってのが大抵なんだけど。
570マロン名無しさん:2010/10/17(日) 22:23:51 ID:???
いまさらだがこなたのアニキャラ個別スレってなんで無いんだろうな
571隘路の向こう12:2010/10/17(日) 22:24:20 ID:???
ボスたちにそういう動きはなかった。
これもあやのに教えてもらった事だけど、柊は先生に報告する時、”騒ぎが大きくならないように”としつこいくらい念押ししてくれていたらしい。
対応が下手な教師なら頭ごなしに注意するだけだっただろう。
そうならなかったのは柊がうまく動いてくれたからに他ならない。
先生たちは加害者グループに直接何かを言ったわけじゃない。
ただ、柊のおかげで特に担任はいろいろと気を遣ってくれているのが分かった。
移動教室なんかで私が孤立しないように計らってくれたり。
休み時間も時々先生が教室に見に来てくれたりもした。
「これでもう大丈夫なんじゃない?」
ボスが転校してしばらくたったある日、柊はそう言ってくれた。
あやのとはまた違う手助けをしてくれた事もだけど、他の連中と違ってごく普通に接してくれるのが嬉しかった。
しばらく友だち付き合いというものを忘れていた私は――。
柊に特別な感情を持つようになってた。
向こうはただのクラスメートとして接してくれているだけなのに。
そう分かっていて私は勘違いしていたんだ。
2年に進級して初めて顔と名前を知った、柊かがみ。
私のことなんて何も知らないハズなのに、クラスの問題に目を背けないで助けてくれたことが嬉しくてたまらなかった。
だからこそ…………。
守りたいと思った。
私を助けたところで何のメリットもないのに。
それどころか教師たちの手際の悪さによっては、密告者として標的にされるかもしれないのに。
そういう損得勘定を度外視して動いた柊に。
恩返しがしたかった。
もちろん、あやのに対しても感謝してもし足りないくらいだ。
でも柊のそれとはちょっと違う。
あいつとは幼い頃から一緒だったから。
おこがましい考え方だけど、味方になってくれて当然だとどこかで思っていた。
だけど柊は――単純にあいつ自身の考えで動いた。
正義感が強いっていうのか、とにかく正直で真っすぐな奴だって分かった。
勇敢で凛々しいあいつに私は惚れたんだと思う。
恩返しがしたい、守りたい、今度もし柊に何かがあったら私が助けてやりたい。
そう思ってたのも結局、柊ともっと親しくなりたいって意識があったからじゃないかと思う。
572JEDI_tkms1984:2010/10/17(日) 22:28:19 ID:???
 今日はここまでです。
支援くださった方、ありがとうございます。
また明後日にお会いしましょう。
573マロン名無しさん:2010/10/17(日) 23:03:40 ID:???
お前の身内に不幸があったのなら世間的には祝杯だなざまあみろ
574マロン名無しさん:2010/10/18(月) 02:23:11 ID:???
>>573
一々うるせぇよ!
JEDI氏が書き込む度に文句つけるのお前だろ?
うざいから二度とこのスレに来るな。クソヤロー!
575マロン名無しさん:2010/10/18(月) 02:42:55 ID:???
JEDIも573も574もうざい
576マロン名無しさん:2010/10/18(月) 15:02:07 ID:???
JEDIもいい加減書き込んだら荒れることくらい自覚しろ
577マロン名無しさん:2010/10/18(月) 15:36:42 ID:???
キャラクターを全く理解していないからなJEDIは
上っ面だけ原作読んで書いているだけのオナニー
578マロン名無しさん:2010/10/18(月) 16:04:32 ID:???
アンチ多いみたいだが俺は楽しみにしてるぜ


579マロン名無しさん:2010/10/18(月) 16:46:29 ID:???
このクオでもアンチ付くのか
580マロン名無しさん:2010/10/18(月) 20:18:00 ID:???
他スレにもそこの空気読まず出てくるから
581マロン名無しさん:2010/10/19(火) 14:52:48 ID:???
まーたこなかが厨か
582マロン名無しさん:2010/10/19(火) 15:51:03 ID:???
>>581
えっ? 頭大丈夫?
583JEDI_tkms1984:2010/10/19(火) 21:01:54 ID:???
 みなさん、こんばんは。
前回の続きを投下します。
584隘路の向こう13:2010/10/19(火) 21:03:18 ID:???




 数日が経った。
あの時は何も感じなかったのに、今頃になって私の胸は杭を打たれたみたいに苦しくなる。
痛みが和らぐことは殆どない。
朝起きた時も夜寝る時も。
重くて苦しい。
なんでそうなのか大体分かってる。

――チビッ子に……罪悪感を感じてるんだ。

今さらっていう想いはある。
結果的に私が追い詰めたことには間違いないんだ。
少なくとも私はチビッ子の力にはならなかった。
あいつの所為で柊が面倒事に巻き込まれるくらいなら、いなくなってしまえばいいって一度は思った。
それも間違いない。
私は柊のことばかり考えてた。
だから冷たい態度をとった。
柊たちがやってる事を知りながら――。
いじめに遭ってる奴を庇うとどうなるか。
身を以って経験したからこそ分かる。
あやのにも柊にもあんな想いはして欲しくなかった。
させちゃいけないと思った。
多分、誰も信じてくれないだろうけど……。
チビッ子を死に追いやりたいなんてこれっぽっちも思ってなかった。
嫌いだったけど。
柊の手を煩わせるあいつの事は嫌いだったけど……。
嫌いなのに生きてて欲しかったって思う自分は何なんだろう?
585隘路の向こう14:2010/10/19(火) 21:04:55 ID:???
今になって?
あんなに酷い言葉をぶつけた私が?
「あー! もうワケ分かんねえ!!」
屋上から見える風景に私は叫んでいた。
あれ以来、よくここに来るようになった。
チビッ子が死んで泣いてた柊を抱いたこの場所。
なぜかここにいるとちょっとだけ気分が落ち着く。
風通しがいいからかもしれない。
「日下部」
後ろから名前を呼ばれた。
私をこう呼ぶのは桜庭先生と柊くらいだ。
「日下部」
もう一度。
チビッ子が自殺してから、柊に名前を呼ばれる回数が増えた。
それも今までみたいに気軽な呼び方じゃない。
”私”を特定して呼んでるんだと強く実感できる……そんな感じがするんだ。
不謹慎だと思いながら、私はしまりのない顔で振り返る。
(………………?)
違和感があった。
柊はいつも凛としててカッコいいけど、今日はちょっと違う。
なんていうか怒ってる感じだ。
ツッコミ役でいつも怒ってる印象があるけど、柊は怒りを引きずるタイプじゃないし理不尽なキレ方も絶対にしない。
そんな彼女が憤るのは相手がよほどのミスをしたか……道理に合わない事態が起こった時くらいだ。
「ど、どうしたんだ?」
声が上ずってしまった。
こんな様子の柊を見るのはあの時以来だ。
威圧感があった。
私に対してか……?
「訊きたいことがあるんだけど」
冷たい口調だった。
”訊く”というより何か確かめるみたいな感じだ。
不覚にも私の体は硬直してしまう。
586隘路の向こう15:2010/10/19(火) 21:07:08 ID:???
「日下部、あんたさ――」
「………………」
「こなたに何を言ったの?」
「…………ッッ!?」
この時、私はどんな顔をしていただろう。
驚いた顔をしていただろうか。それとも咄嗟に誤魔化そうとして苦笑いを浮かべていただろうか。
どんな反応をしたにせよ、そのせいで柊の視線はさらに攻撃的なものに変わった。
「こなたに何か言ったんだろ?」
もう疑ってるんじゃない。
そうだと分かっているような目で私を見ている。
「な、何の話だよ?」
ウソを吐くのも惚けるのも下手な自分が恨めしい。
「分かってんのよ!!」
柊は怒鳴ったが、彼女が”分かった”のはほんの数秒前だろう。
それまではまだ疑惑の段階だったハズだ。
私のあからさまな反応が確信を抱かせたんだ。
「見てた人がいたのよ。校門前でね、あんたとこなたが話してるとこ……! こなたは泣いてたって言ってたわ。
それに……日下部、あんたがずいぶん強い口調だったっていうのも――」
「………………」
そっか。
わりと遅い時間だったけど、見てた奴がいたのか。
結構大きな声だったもんな……。
一言一句聞かれてたとは思えねえけど――雰囲気はまあ見ればそうなるか。
「その次の日よ。こなたが自殺未遂したの」
そうなるよな。
私が何か言って翌日に自殺じゃ、私が関与してるって考えるのは当然か。
「こなたに……何を言ったのよ?」
この質問からは逃れられそうにない。
それに――。
柊の中ではある程度答えは決まってるだろう。
下手に誤魔化したり、柊の意に沿わない答えだったりしたらさらに追及されるのは目に見えてる。
587隘路の向こう16:2010/10/19(火) 21:09:45 ID:???
「言えないようなことなのか?」
「言うよ」
引き延ばす作戦も使えない。
私は正直に話した。
細かい部分まで。
これはチビッ子への罪悪感からじゃない。
柊に隠し事をしたくなかったからだ。
思ったとおり、真実を知った柊の体は震えていた。
「なんでよ……?」
「………………」
「なんでそんなこと言ったのよ! こなたを追い詰めるだけじゃない!」
「………………」
「あんたがあいつをどう思ってたか知らないけど! だからってなんで追い詰める必要があるのよ!?
そのせいであいつが自殺したんだとしたら――日下部! どう責任とるつもりだよ!」
柊の口調はどんどん激しくなっていく。
こういう時の口調は私によく似てる。
「あんたも一緒よ! あいつらと一緒になってこなたを酷い目に遭わせたのよ!!」
「ちょ、ちょっと待てよ! ”一緒”ってなんだよっ!?」
「私たちが何とかしようって時にあんたは何もしなかったじゃない! 別にあんたにこなたを助ける義理はなかったとしても!
見て見ぬフリしてるんなら……いじめやってるのと変わらないって言ってんのよ!!」
冗談じゃない。
いじめやってるのと変わらないって?
私が、か?
あんな卑劣な奴らと私が同じだっていうのか?
「一度でも助けようとしたことあるのか? 守ってやろうとしたことあるのか? そんな素振りすら見せなかったくせに……!!」
なんでだよ……?
私は意味もなく誰かをやっつけて喜ぶような連中とは違うんだぜ?
それに……あいつが死んで私に泣きついて来た時、私が協力しなかったことも承知の上だったんだろ?
それを――なんで今になってその事を責めるんだよ?
「柊たちがそこまでする必要あったのかよ?」
ついムキになってそんな言葉を吐いてしまった。
588隘路の向こう17:2010/10/19(火) 21:12:45 ID:???
「は…………?」
「現に妹が怪我したじゃねえか。柊は妹に怪我させるためにチビッ子を庇ってたのかよ?」
「そ、それは…………」
詭弁だと思う。
もちろんそんなつもりは無いって分かってるのに、私は逆に食ってかかっている。
そうじゃない!
こんな罵り合いに意味なんてない。
意味のあるコト――。
もっと重要なことがあるだろ。
「柊……妹や眼鏡ちゃんはどうなんだ?」
カッと熱くなった体を冷ますために、私は深呼吸してから問うた。
「落ち込んでるわ。落ち込んでるに決まってるでしょ? こなたがあんな――」
「そんなことを訊いてるんじゃねえよ」
「そんなことってなによッ!?」
「……悪ぃ、悪かった。そうじゃなくって……クラスの様子とかだよ」
できるだけ遠回しに質問したかったけど、柊はたぶん私が知りたがっている事が分からないに違いない。
いくら待っても答えが返ってこないので私は、
「単刀直入に訊くぜ? 2人ともクラスの奴らからいじめられてないか?」
痺れを切らしてそう訊ねてしまった。
「――別に」
柊は顔色ひとつ変えないで言った。
その答えはウソじゃないんだろう。
事実ならこうやって私に問い詰めてる暇なんてない。
チビッ子にしたように、妹や眼鏡ちゃんのことも形振り構わないで庇護するに違いない。
柊はそういう奴だ。
良かった……って思っていいんだろうか?
柊も妹も眼鏡ちゃんも、新たないじめのターゲットにならずに済んだっていうんなら私のやった事は無駄じゃなくなる。
チビッ子を犠牲にして3人を救ったことになる。
いや、これで良かったんだ。
私はこうしたかったんだ。
チビッ子を結果的に追い詰めたのは――。
そうだよな……柊を守るためだったんだからな。
589隘路の向こう18:2010/10/19(火) 21:15:00 ID:???
ただあいつが自殺しちまったから……。
それがなかったら……。
船本みたいに別の学校に行くとかそういう方法をとってくれていたら――。
寂しくはあっても悲しくはなかったハズなんだ。
「あんたのせいよ」
こう言われても仕方ないんだろうな。
誰がどう見たって私が引き金になったようにしか思えないし。
「あんたたち、最低よ」
「ひいらぎ…………」
「あんたたちのせいでこなたは…………!!」
柊は分かってる。
いじめをやった加害者と違って、私がチビッ子に辛辣な言葉をぶつけた事は罪には問えない。
告発することもできないし、大勢の前で断罪することもできない。
私でも知ってることだ。
弁護士を目指してる柊なら尚更その事は心得てるだろうし、だからこそ許せないに違いない。
「正直、信じられないわ」
そんな蔑むような目で見るなよ。
「いじめられてる人の気持ち――あんたが一番分かってるハズだろ?」
「………………!!」
柊は私なんかよりもずっと頭がいい。
生真面目で常識外れの言動はしないし成績だって優秀だ。
学校の成績の良さに限って言えば、そうなる理由は記憶力の良さじゃないだろうか。
私は授業で習ったことはよほど反復しない限り、すぐに忘れてしまう。
柊はその点が大きく違ってて、いろんな事を記憶に残しておけるんだろう。
たとえば――中学1年から2年にかけての出来事とか。
厭な記憶だから私は忘れるように努めたけど、そうか……柊はしっかり憶えてたんだな。
「それとも……日下部、自分がどんな目に遭わされてたか――どんな気持ちだったか忘れたっていうの?」
この会話の当事者である私が言えたことじゃないけど、柊のこの言葉は結構ヒドイものがあると思う。
昔、いじめられていた奴に当時を思い出せって言ってるのと同義だぜ?
それに私がここまで問い詰められる謂れもない。
590隘路の向こう19:2010/10/19(火) 21:18:13 ID:???
「あの時、2年の時、初めてあんたと同じクラスになって様子がおかしいってすぐに分かったわ。
異様な雰囲気だったもん、教室。その中で峰岸だけがちょっと違うように見えた。正しかったわ。
普段、余所余所しい感じだったけど2人とも本当はすごく仲がいいんだって思ったわよ」
柊はただ頭がいいだけじゃない。
機微っていうのか、細かいところまで気がつくタイプだ。
しかもそれを見て見ぬフリしない正義感の持ち主でもある。
「恩着せがましい言い方になるけど……私もなんとかしたいって思ったのよ。峰岸みたいに力になれるかは分からなかったけど。
でも私なりにできそうな事はないかって探したわ。それで――」
「先生たちとかに言ってくれたんだろ? それに騒ぎが大きくならないように」
「そうよ」
柊が誇らしげに胸を張った――ように見えたのは気のせいだろうか。
そのお陰で私の痛みが和らいだのは間違いない。
いじめそのものが無くなったのはボスの転校が理由だけど、あやのや柊たちが助けてくれなかったらもっと酷い目に遭っていたかもしれない。
「あんたは誰よりもいじめられてる人の気持ちに敏感だと思ってたわ」
全部聞かなくても分かる。
私なら柊たち以上にチビッ子に共感できるハズだって言いたいんだろ?
分かるんだよ。
分かってるんだよ、そんなことは。
チビッ子がどんな想いしてたか――私に分からないわけないだろ。
別にその現場を見たわけじゃない。
でもだいたい想像がつく。
高校生にもなっていじめなんてやってる奴は外見だけで中身は成長してない。
きっと私がされてきたのと同じことをやったんだろう。
「…………ッ!?」
柊が私の胸倉を掴んだ。
一瞬、息が止まったが対処法を心得ている私はすぐに呼吸を整えた。
こういう時、背を反らせて顎を少し引けば相手の拳を喉に押しあてられずに済む。
「同じ経験してるのになんでこなたを助けてあげなかったのよ? こなたの気持ち、なんで分かろうとしなかったのよ?
自分がいじめられなくなったら、他人はどうなってもいいのか!? 自分さえ良ければそれでいいのか!?」
柊は感情的に、思いつく言葉を並べて私を責めた。
もちろん反論なんてできない。
591隘路の向こう20:2010/10/19(火) 21:20:29 ID:???
私なりの考え方はあるけど、言ったところで柊にはきっと分かってもらえないだろうし、さらに反発を招くだけだと思う。
本来の目的はちゃんと達成されてるんだ。
この際、チビッ子を追い詰めた張本人と呼ばれてもいい。
「………………」
何の手応えもないことで余計に腹が立ったのか、柊は私を突き飛ばすようにしてその場から離れた。
「あんたたちとは口も利きたくないわ」
「ひいらぎ…………」
「そんな風に馴れ馴れしく呼ばないでくれる? あんたたちみたいな血も涙もないような人間とはもう付き合いたくないから」
完全な拒絶だった。
柊には私はただ冷酷な人間としか見えないんだろう。
実際、そう思われても仕方がないかもしれない。
そういう風にしか見えないようにしてたからな。
私が――。
柊のことが好きだなんて言えるワケねえだろ。
なあ……ひいらぎ…………。




 柊が立ち去った途端、屋上に冷たい風が吹いた。
さっきまではたとえ一方だけとはいえ、吹きつける風を遮ってくれる人がいたのに、今はもういない。
「ごめんね…………」
囁くような声はあやのだ。
「盗み聞きするつもりはなかったけど……そこで……」
あやのはこういう奴だ。
黙っていれば分からない事でもわざわざ自分から白状して謝ってくれる。
私がそんな事で怒らないのを知ってるくせに。
もし私が男だったらきっと兄貴と取り合いになってただろうな。
「柊ちゃんに知られちゃったわ。私が妹ちゃんに先生に相談するよう唆したって――」
”唆した”か。
悪意を感じるよな、その言い方。
助言とかアドヴァイスって表現もあるのに。
592隘路の向こう21:2010/10/19(火) 21:23:10 ID:???
校舎に続く扉の陰で私たちの会話を聞いていた事を謝ったあやのは今朝、柊と交わしたやりとりについて教えてくれた。
あやのに言われるまで妹は先生に報告することを頑なに拒んでいたらしい。
もちろんいじめやってる連中からの報復を恐れて、のことだ。
そういう考え方は間違ってないと思う。
先生に一度注意されたくらいでやめるなら、誰だって初めからいじめなんてやらない。
でもそのやり方でいくならチビッ子を庇うのは柊たちだけになってしまう。
その妹があやのに説得されて一転、先生に相談しようと提案した時には妹は連中のしかけた罠で怪我をしていた。
柊も眼鏡ちゃんもその時は大人に頼るのがいいって考えで一致したらしい。
チビッ子が死んで……しばらく経ってから柊は心変わりした理由を妹に訊ねたらしい。
そこであやのに言われて考えを改めた――と答えたというのが実際の話だ。
柊は怒った。
さして協力的でもなかったのに、いい加減なことを吹き込むなって。
安易な思いつきを正しいかのように押し付けるなって。
先生に相談する、っていう手段は私がいじめに遭っていた時、柊もとってくれた。
だから今度もそうするようにあやのが妹に提案したことを、柊が怒る道理はない。
ただそこに至る道が違っていた。
柊は当時の私やあやのを見て、教室の様子を見て試行錯誤した結果、先生に報告した。
でも今回はチビッ子に対して非協力的だったあやのが、安易に先生に知らせるべきだと助言した。
中身の差ってやつだな。
仮にあやのがチビッ子のことを真剣に考えていて、柊たちと連携をとってその上で教師に任せたほうがいいって言ってれば、
柊もその結論に納得してたハズだ。
今まで何もしなかった人間の”先生に知らせろ”は、チビッ子の問題に向き合ってない面倒事なら逃れたい奴の言い分なんだ。
だから結果的に同じ手段でも柊の感じ方はこんなにも違うんだ。
「そっか…………」
「柊ちゃん、私とはもう付き合いたくないって」
そうなるだろうな。
私もあやのもチビッ子を見捨てたんだからな。
いや、ちょっと違うか。
私の場合は追い詰めたんだから。
593マロン名無しさん:2010/10/19(火) 21:26:05 ID:???
支援
594隘路の向こう22:2010/10/19(火) 22:01:39 ID:???
「聞いてたと思うけど、私もさっきそう言われた」
「………………」
「………………」
「いいの…………?」
あやのは泣きそうな顔で問うた。
こんな質問をして何になるんだろう?
この幼馴染みは私にどんな答えを期待しているんだろう?
「いいんだよ、別に。柊に嫌われたって構わない。昔の私みたいにならなきゃそれでいいんだ」
そうだ。
そうしたいと思って行動した結果じゃんか。
柊を守ってなおかつ嫌われない方法――。
そんな虫のいい話があるとは思えないし、あったとしても私には思いつかない。
「でも! でも誤解されたままなのよ? 私はまだしもみさちゃんまで悪者に見られるなんて」
耐えられない、とあやのは言ってくれた。
「柊に気に入られたいって思ってたんなら、私も一緒になって形だけでもチビッ子を庇うフリくらいしてたさ。
でもそれじゃ柊が救われないだろ? 妹も眼鏡ちゃんも救われないだろ?」
「………………」
「妹は指を切っただけで済んだけど、あのままいじめがエスカレートしてたらどうなるか……きっとあんな怪我じゃ済まなくなる」
人間ってのは集まると何でもできるという気分になる。
誰かが信号無視してたら自分がしても何とも思わなくなるし、道端にゴミが捨てられていたら自分も捨ててもいいかという気分になる。
そういう心理が最も強く働いた結果がいじめだ――と私は思う。
「柊が巻き込まれるのは耐えられなかったから……だからこういう方法をとったんだ。柊を守りたかったからな」
言ってから私は気付いた。
「そうじゃない。たぶん私は自分を守りたかったんだ。”柊を守ろうとする自分”を守りたかったんだ!
だから柊に知られるまでチビッ子を追い詰めたことを黙ってたんだ!!」
「………………」
「卑怯だよな……」
「ううん、だったら私も同じよ。柊ちゃんが昔のみさちゃんと同じ目に遭うのを防ぎたかったから……こんなことになってしまったけど……。
人を助けるのに優先順位をつけるなんて間違ってるって分かってる。でも――柊ちゃんか泉ちゃんかだったら……柊ちゃんを助けたいわ」
そうなるよな。
595隘路の向こう23:2010/10/19(火) 22:03:22 ID:???
付き合いの長さが違いすぎるんだ。
どうしたって昔からの知り合いのほうに肩入れしたくなる。
ましてや柊は――私を助けてくれたんだ。
恩もあるし、何より…………。
好きな人を守りたい、助けたいっていう気持ちは当たり前だと思う。
「いじめを解決する方法なんてないんだ、あやの。被害者と加害者ができちまったら、もうどうすることもできねえ。
そのくせ病気みたいに広がるんだぜ? ちょっとでも関わった連中を巻き込んでさ」
「…………」
「だったらそれ以上、広がらないようにするしかねえじゃん。助けようとした人間は必ずいじめられる側になるんだ。
それで一人ひとりの負担が軽くなるわけじゃない。だから、さ……私は柊を守りたかったんだよ……!!
無駄なことをしようとしてた柊を守りたかったんだよ!!」
分かってる。
無駄なことなんかじゃない。
柊がチビッ子を助けようとしたのが無駄なら――あの時、なんで私は救われた?
柊は私にしてくれたのと同じことをチビッ子にしてただけじゃんか。
「みさちゃん…………」
あやの――そんな目で見ないでくれよ。
「いまは……チビッ子にはすまなかったと思ってる。取り返しのつかない事したって分かってる」
これは本当だ。
柊さえ無事ならそれでよかった。
私はチビッ子のことは好きじゃないけど、柊のために死んでほしいなんて思ったことはない。
自殺したのはあくまであいつの意思――。
そう考えちまう私はやっぱり卑怯者だと思う。
「どうすりゃ良かったんだよ……柊はさ、あいつはむちゃくちゃ優しい奴だぜ? 誰かがいじめに遭ってたら絶対放っておかない奴だぜ?
相手がチビッ子ならなおさらさ……だから、止められなかったんだよ」
「うん…………」
あやのは――。
多分あやのは私の柊に対する想いに気が付いてると思う。
隠し事の下手な私だ。
幼い頃からずっと一緒にいたあやのが見抜けないハズがない。
「みさちゃんは間違ってないよ。柊ちゃんも妹ちゃんも高良ちゃんも救われてるんだから。正しいと思う」
「でもチビッ子は救われてないぜ?」
596隘路の向こう24:2010/10/19(火) 22:05:22 ID:???
なんで私はこんな事を言ってるんだろう?
「私はさ……チビッ子を犠牲にして柊を助けたんだ。いじめ問題をどうにかしようなんて考えなかった。
柊が標的にされないようにって、それしか頭になかったから――チビッ子にあんなコト…………」
私は罪を犯したんだろうか?
法律では裁けないような重い罪を犯したんだろうか?
1人が犠牲になれば何人かが助かる……。
命がかかってるのにそんな単純な勘定をしていいのだろうか?
「柊ちゃんのこと、好きなんでしょ? 守りたかったんでしょ? だったら正しいって思わなきゃ。ねえ、みさちゃん」
まくし立てるなんてあやのにしては珍しい。
自分の意見はハッキリ言うタイプだけど、あやのは滅多に興奮しない。
あれだな、リラッタヌのぬいぐるみを汚した時以来だな。
「――泉ちゃんのためにも」
なんでそこでチビッ子が出てくるんだと思ったが、あやのの真剣な目を見てその意味が分かった。
あいつの死を無駄にするなって言いたいんだろう。
柊に言わせればそんなの、単なる詭弁でしかないだろう。
私があいつにぶつけた言葉が引き金になったかなんてもう確かめようがないけど。
少なくとも私のやった事は柊の邪魔でしかなかったのは間違いない。

”昔の私みたいにならないように、柊のためにやったことだ”

本人にそう言えたらどれだけスッキリするだろうな。
言ったところで柊が納得するとは思えないけど。
あいつの場合は、”自分を犠牲にしてでも他人を助ける”タイプだからな。
「…………?」
あやのが頭を撫でてくれた。
「私は――私はずっとみさちゃんの味方だから。だからみさちゃんが間違ってるなんて思わないよ?」
「あやの…………」


597隘路の向こう25:2010/10/19(火) 22:08:25 ID:???
 幼馴染みの後押しのお陰ってわけじゃないけど、私は私のやった事は正しかったんだと思い込むことにした。
でなきゃ柊に絶交されてまでやった意味がない。
もしこの先――。
同じようなことがあって、柊がそいつのために身を窶そうとしたら。
私も迷わず同じことをするだろう。
いじめられている奴を追い詰めるためじゃない。
いじめに加担するんじゃない。
全部、柊のためだ。

好きな人を守るためなら、たとえその人に嫌われたって構わない。

それが愛ってもんじゃないのか?

なあ、チビッ子?

お前もそう思うよな――?








   終



598JEDI_tkms1984:2010/10/19(火) 22:14:11 ID:???
 以上でお終いです。
お読み下さりありがとうございました。
書き忘れていましたが、これは「死にいたる隘路」の続きです。
本命のSSは来月上旬に投下いたします。
それではまた。
599マロン名無しさん:2010/10/19(火) 23:27:09 ID:???
こなくていいよ詩ね
600マロン名無しさん:2010/10/19(火) 23:33:11 ID:???
>>580
それ冤罪入ってると思うよ。
自分もエロパロスレでJEDIさんと勘違いされた事がある。
他スレでもさ、他の書き手がJEDIさんと認識されちゃってるケースあるんじゃないかな?
601マロン名無しさん:2010/10/19(火) 23:56:27 ID:???
他所で何をやったか知らんが単純に読み物としてはストーリーがあって面白いと思うけどなぁ
詳しく知らんからなんとも言えない

ところで続編なのに前作とみさおの性格変わってね?
602マロン名無しさん:2010/10/20(水) 01:47:03 ID:???
彼が非業の死を遂げますように
603マロン名無しさん:2010/10/20(水) 09:45:00 ID:???
スレにとってはSSを置いていってくれる人のが大事だからな
>>599がいなくなってくれれば一番いい
604マロン名無しさん:2010/10/21(木) 00:46:33 ID:???
死ねばいいのに
605紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/21(木) 04:19:25 ID:Kx86JqWB
ここは俺に免じて許してやってくれ!
606マロン名無しさん:2010/10/21(木) 14:52:06 ID:???
お前も死ねよ
607紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/21(木) 18:07:13 ID:Kx86JqWB
わかった!
608マロン名無しさん:2010/10/21(木) 19:47:49 ID:2PNTRIWt
レノンは「愛とは愛されたいと願うこと」だって言ってたけど
わかんなくなるなあ
609紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/22(金) 12:46:55 ID:8BDAerOO
>>606は心が貧しいんだな!
2ちゃんで人をおとしめたりして恥ずかしくないのか!
JEDIって人の作品も良い所見ようぜ!
610マロン名無しさん:2010/10/22(金) 13:29:56 ID:???
>>609にジェントル魂をみた。
611マロン名無しさん:2010/10/22(金) 13:34:03 ID:???
>>598
なんていうかヒドイ文章だな・・・
ラノベ感覚で書いてる中学生の作文みたいだ
612紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/22(金) 18:27:23 ID:8BDAerOO
みんなの苦しむ姿を見たくないんだ!
みんなが作品を投下しやすいスレにしようぜ!
613マロン名無しさん:2010/10/22(金) 21:16:06 ID:???
深みが全くない
ちやほやされて喜ぶ奴には
ここはいごこちいいからな
ここで飼い殺しでおk
自己顕示欲が強い奴だから
調子こいて他スレに来るとうぜ
614マロン名無しさん:2010/10/23(土) 10:55:42 ID:???
つまらないって言ってる奴はちゃんと読んでるのか?
615マロン名無しさん:2010/10/23(土) 13:20:36 ID:???
いじめについて何も分かってないやつの論文駄小説ww
616紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/23(土) 18:25:35 ID:HHBaMutp
読むだけしか能がないくせに批判ばかりするガキの巣窟だな!
自分の意にそぐわない作品だからって無神経に叩くんじゃねえよ!
子供ばかりでウンザリするぜ!
617マロン名無しさん:2010/10/23(土) 18:49:57 ID:???
はいはいお前があらしだから
ガスとで貧乏な退院祝いでも一人でやってろ
618紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/23(土) 21:04:11 ID:HHBaMutp
今夜はキャバクラで祝杯だぜ!
総量規制のせいでなかなかこれねえから久しぶりだぜ!
619マロン名無しさん:2010/10/24(日) 02:14:07 ID:???
紳士のSSが読みたい!
620紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/24(日) 08:29:16 ID:zICGcKyz
よしまかせろ!
俺のSSで職人叩きをする奴は全員ひれ伏すはずだぜ?
621マロン名無しさん:2010/10/24(日) 11:58:43 ID:???
SS叩きというのはSSに値する作品に対する行為だ
62249ccの幸福:2010/10/24(日) 12:13:10 ID:zICGcKyz
朝のさわやかな空気を切ってイケメンが走ってきた。イケメンは俺、紳士である。俺は信号のない交差点を左折すると警察に止められた。一時停止しなかったからだ。こういうときは下手に逆らわないほうがいい。俺は違反切符にサインした。
ふと前方を見ると青い髪の女も捕まっている。そいつの免許証を覗き込むと、泉こなたと書いてあった。こなたはスピード違反で捕まったらしい。しきりにトイレに行きたいと訴えていたが、やがて小便を漏らしてしまった。
俺はこなたに、気にすることはないと言って俺も漏らした。こなたは俺に惚れた。
62349ccの幸福:2010/10/24(日) 12:27:10 ID:zICGcKyz
俺は180日の免停になった。こなたは120日の免停だった。俺とこなたは180日後の再会を誓った。
180日後、公園でこなたと会った。超イケメンの俺と歩くこなたは注目の的だ。俺と対等な男といえば、公園の隅で同人誌を売っているアラバマぐらいのもんだった。
624紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/25(月) 00:11:45 ID:IMmvLzHY
羨ましそうな男どもを横目に、俺は公園を一周した。
そして愛車チョイノリに跨がった。だが待て、跨がっていてはキックを踏めない。するとこなたが踏んでくれた。
ギュルーンブォン!!
こなたはリトルカブのエンジンをかけると、俺の後ろについた。
風を切って走る。
一時間程走り、俺のアパートに着いた。トイレは共同で風呂とエアコンはないことを話すと、こなたは環境問題に真剣に取り組んでいると褒めてくれた。俺はこなたの洞察力に感心した。
チョイノリに乗ってるのもスピードの出し過ぎで人をひかないためとはなすと、もうメロメロだ。
俺とこなたは愛し合うことになった。
625紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/25(月) 00:23:38 ID:IMmvLzHY
俺は、性病を移したくないからコンドームを使うことを提案したが、こなたは拒んだ。俺のためなら命は惜しくないらしい。
俺はこなたの意思を尊重するため、中だしした。
そしてこなたは病気で死んだ。遺産としてバイトで稼いだ20万円を遺してくれた。これで10ヶ月の家賃を払える。
俺の人徳が結果としてこなたを自殺させたことは良心の呵責もあるが、こなたは幸せと言ってくれた。
凡人であるこなたは偉人である俺に尽くすことで偉人となったのである。
偉大なる自殺者こなたに栄光あれ!!
fim・・・
626紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/25(月) 00:29:43 ID:IMmvLzHY
スゲェ・・・
俺の文才が爆発したな!
失敗したのは最初に全角カタカナを使ったことだ!
半角カタカナにしないと鳥取からの風に乗ってきたゼソコンボイエが脳に引っ掛かって半日は思考がまとまらなくなるからな!!
ま、楽しんでくれた前!
627マロン名無しさん:2010/10/25(月) 00:45:53 ID:???
なるほど。
病気で死ぬと分かっていて性交に及び、結果病気を移されてこなたは死んだ。
という論理ですか。
ありがとう、インスピレーションを得ました。
628紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/26(火) 00:10:29 ID:8qsRZl7H
サラ金の返済が迫ってるぜ?
629マロン名無しさん:2010/10/26(火) 01:50:05 ID:???
とりあえず家賃2万とfimにツッコミたい
630紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/27(水) 20:46:39 ID:bnNC0vzj
moriagaro-ze?
631マロン名無しさん:2010/10/29(金) 21:19:01 ID:???
変なのばっか来る
正統派職人はもういないのか?
632マロン名無しさん:2010/10/29(金) 22:18:32 ID:QyLmvkuV
>>550 ガンガン氏は今はne(゚Д゚)gi・ 宏義中て名前だったと思う

あとまとめサイトには名前書いてないけどこなた菌の話とか死んだこなたは太陽にほえるを描いた人はマグロって名前で活動してる

確認した時点ではこんなとこかな


沖縄氏とか北大阪氏とかヤク中大分氏とかもpixivやってるのかな?
誰か見かけたら詳細キボンヌ
633マロン名無しさん:2010/10/29(金) 22:42:46 ID:???
634マロン名無しさん:2010/10/30(土) 14:40:50 ID:???
ピクシブHNばらしやがって
いきなりマイピク申請とかニコ動のカスが
635マロン名無しさん:2010/10/30(土) 15:35:11 ID:???
イェーイ!
636紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/30(土) 19:10:32 ID:74NJXcXg
イヤッホ-!
637マロン名無しさん:2010/10/31(日) 02:25:34 ID:aB+FNiGq
ポウ!ポウ!
638マロン名無しさん:2010/11/02(火) 18:42:38 ID:???
過疎ってるな
639紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/11/02(火) 19:40:19 ID:HPztxSXY
水道が出ねぇ!
640マロン名無しさん:2010/11/02(火) 23:06:54 ID:wsBpAd7b
ハッとしてグー
641マロン名無しさん:2010/11/03(水) 07:38:26 ID:???
ここアンチスレなの?
642マロン名無しさん:2010/11/03(水) 14:35:55 ID:???
今、リアル鬼ごっこ×らき☆すたでこなた自殺SS書いてる
貯まったらUPする予定
643マロン名無しさん:2010/11/03(水) 14:40:24 ID:???
>>641
アンチスレと言うとそうでもあるしそうでもない
こなた好きなら「もしこなたが自殺するならどうなるんだろう」
嫌い(アンチ)なら「こなたウザイから自殺しろよ」的な感じで書いてる

俺はこなたはまあまあ好きな方だ
644マロン名無しさん:2010/11/03(水) 14:42:04 ID:???
ところで紳士と>>640は何してるの?
645マロン名無しさん:2010/11/04(木) 01:14:48 ID:???
>>641
オレはこなたが好きすぎてここにいるよ
646マロン名無しさん:2010/11/04(木) 01:41:35 ID:B+ikLs57
こなたが好きというか鬱こなたが好きというか

能天気で二次補正なしだとただの自重しないヲタのこなたにはあまり魅力は感じない
647マロン名無しさん:2010/11/04(木) 21:20:53 ID:???
JEDIか誰か、こいつをモデルに描いてくれよ
http://mamesoku.com/archives/1191516.html
http://mamesoku.com/archives/1244609.html
648マロン名無しさん:2010/11/06(土) 15:07:20 ID:???
>>642
期待
649紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/11/06(土) 19:09:56 ID:pJAErsOx
>>644
俺はぼっちスレを救うことから活動を始めた!
今の勃起スレが在るのは俺のお陰と言っても過言ではない!
しかしだ!俺は無職と残金千円、電気水道を止められサラ金の督促に喘いでいる!!
英雄である俺が、正直者の俺が貧苦に喘いでいるなんておかしくないか?
650JEDI_tkms1984:2010/11/06(土) 22:03:52 ID:???
 どなたもご予定なければ、明日よりSSを投下いたします。
651マロン名無しさん:2010/11/06(土) 22:25:51 ID:???
wktk
652JEDI_tkms1984:2010/11/07(日) 21:08:45 ID:???
 皆さん、こんばんは。
ただいまより投下します。
653巡らされた籌1:2010/11/07(日) 21:11:41 ID:???
「私はもうダメだ……」
眠そうな目でみさおが呟いた。
「あやの……あと頼むぜ……」
「みさちゃん」
がくりと項垂れたみさおの手をとるあやの。
しかし活発な幼馴染みは既に精根尽き果て、虚ろな目で見返すばかりだった。
窓から冷たい風が吹き込む。
「みさちゃん、こんなところで寝たら風邪ひくわよ?」
「あ〜分かってるよ〜〜」
机に突っ伏したみさおは面倒くさそうに返した。
「ダラけてるわね。ほら、シャキッとしなさいよ」
呆れ顔でやって来たかがみが背中をパンと叩いた。
「うえぇ〜あやの〜〜……柊がどついたぁ〜〜」
泣きつきながらさりげなく”凶暴な柊が”と付け足したが、かがみには聞こえなかったらしい。
午後の授業は担当教師の都合でみさおの苦手な世界史が2時間続けて行われた。
元々が勉強嫌いなうえに苦手科目が重なり、彼女はマラソンを完走した直後に似た疲労に襲われた。
ただしこちらには爽快感も達成感もない。
あやのはすっかりだらけた様子の幼馴染みに微苦笑する。
「まったく…………」
一方で呆れ顔で見下ろすのはかがみだ。
勝ち気なツリ目の彼女は、腰に手を当てて立っているだけで様になる。
「なんか一生分の授業受けた気分だぜ……」
「大袈裟ね。たったの2時間じゃない」
「それが長いんだって」
みさおが口を尖らせた。
(こういうとこ、こなたに似てるわね)
眠そうな目で文句を垂れているみさおを見て、かがみは思った。
どこまでも楽をしたがるところ、趣味には全力を傾けるところ。
さらには、
「なぁ、ひいらぎ〜さっき出た宿題写させてくれよ」
こういうところまでそっくりだ。
654巡らされた籌2:2010/11/07(日) 21:13:07 ID:???
「自分でやれっての」
「……じゃあ、あやの」
彼女は困ったように口元に手を当て、
「写すのは駄目だけど、一緒にやろうよ。分からないところは教え合いっこしながら」
かがみの手前、妥協案を示した。
「ま、日下部から教わることなんてないだろうけどね」
「なにをーー!?」
したり顔のかがみに、みさおがパッと顔を上げた。
「やふ〜〜」
タイミングを計ったようにこなたがやって来た。
「あ、泉ちゃん、いらっしゃい」
「んあ? 珍しいじゃん。チビッ子のほうから来るなんてさ」
2人に水を向けられたこなたは人差し指をぴんと立て、
「いや〜たまにはね、私のほうから嫁を迎えに行くべきだと思ってさ」
口の端をくるんと丸めて言った。
弾んだようにアホ毛が揺れる。
「いやクラス一緒だし、柊はうちのだから」
すぐさまみさおが反駁する。
「いやいや、いつも一緒にいるからかがみは俺の嫁!」
こなたも負けてはいない。
「柊とは5年連続同じクラスなんだぞ」
「なんだとー!? かがみでハァハァできるのは私だけなんだぞ!」
「やっぱそういう目で見てんじゃねーか。そんな奴にうちの柊は渡せねえな」
という具合に何かと張り合いたがる2人は、いつもの調子で所有権を主張し合う。
「人をあんたらの所有物みたいに言うな」
顔を赤くしてかがみがツンデレとして模範的なツッコミを入れた。
「じゃあ誰のもの?」
2人が同時に訊いた。
「誰のものでもないわよ!」
ツインテールを指で摘みながら一蹴する。
そんなステレオタイプの反応を2人は楽しんでいたが、やがて、
「ま、こんなオタクは方っておいてさ。柊、たまにはうちらとカラオケでも行こうぜ」
655巡らされた籌3:2010/11/07(日) 21:15:24 ID:???
みさおがちらっとこなたを見て言った。
不毛な争いを自分から切り上げることで”大人”としての度量を示しつつ、さりげなくかがみを連れ出そうとする手だ。
しかしこなたはそれには動じない。
それどころか不敵な笑みを浮かべて、
「ふっふっふ、甘いな、みさきち。かがみ様は今日は私とデートに行くと決まっておるのだよ」
ゆったりとした口調で切り返した。
「デートなんかしないから!」
かがみがキッと睥睨した。
傍で見ているあやのは不穏な空気になりはしないかと不安げに見守っている。
「なぜなら! 今日はかがみが読んでるラノベの新刊が発売される日! これを逃す手はない!」
「なにいぃぃぃっ!?」
みさおは大仰に驚いた。
「そうなのか、柊?」
ウソであってくれ、という期待を込めたような視線を送る。
事実ならこなたにポイントを稼がせることになってしまう。
先ほどまで紅潮していたかがみの頬から赤みがひいていく。
そして、
「へえ、よく知ってたわね?」
こなたに有利になる答え方をした。
オタク扱いされる事を厭う彼女も、好きなラノベを話題に出されるとそうした嫌悪感はなくなるらしい。
こうなると活字に苦手意識を持つみさおの出る幕はない。
「もともと買いに行くつもりだったのよ」
さらに追い打ちをかける発言。
「じゃ、じゃあさ。そのラノベってやつ買ってからカラオケ行こうぜい!」
押しの強いみさおは引き下がらない。
必死に知恵を絞ってかがみを繋ぎとめる方法を模索する。
もちろんこの手順なら問題はない。
かがみにとってラノベが最優先であっても、入手してしまえばその後の行動は制限されない。
だがみさおがこの案を出してくる事を読んでいたようにこなたは、
「それは無理ってものだよ。みさきちだって新しいゲームとか買ったらすぐに開けたくなるでしょ?」
目を細めて問うた。
656マロン名無しさん:2010/11/07(日) 21:17:40 ID:???
まだオワンネ
657巡らされた籌4:2010/11/07(日) 21:17:56 ID:???
「あ、ああ……」
「それとおんなじ。ラノベを手に入れたかがみは真っすぐに家に帰ると見たね。そして晩ごはんも忘れて読み耽るのさ」
2人分の視線を注がれたかがみは、
「あ〜そうかもね。ずっと新刊出るの待ってたし早く読みたいのよ」
既に鞄を手にしている。
「え〜〜? じゃあカラオケは〜〜?」
拗ねた子どものようにみさおが頬を膨らませた。
「ごめん。また今度付き合うから」
到底心変わりしそうにないかがみに、もはやかける言葉が見つからないみさお。
「あっはっは! そういうわけだからかがみは貰って行くぞ〜!!」
「あ、こら! 引っ張るなってのっ! ごめん、日下部。この埋め合わせは今度するからっ!!」
こなたは絶妙のタイミングでかがみの手を掴んで教室を飛び出した。
無理やり引っ張り出される恰好になる彼女は、しかし特に抵抗したりする風はなく、むしろこなたの勢いに乗じてみさおの誘いを上手く断り、
目的のラノベを早く手に入れたいと思っているようだ。
「………………」
残されたみさおは長大息する。
授業終了からわずか7分。
嵐のようにやって来たこなたはごく短時間でかがみの性質を衝き、彼女と寄り道する権利を巧みに掻っ攫って行った。
「あやの、柊の奴、最近付き合い悪くね?」
こういう時、縋る者と縋られる者はそれぞれの立場をよく弁えていつものやりとりを展開する。
「そうね……でもそれだけ泉ちゃんといるのが楽しいのかもね」
「うう〜やっぱ私らは背景から抜け出せない運命なのか……?」
「まあまあ、みさちゃん。仕方ないじゃない。今日は私たち2人で楽しみましょ?」
”背景”という言葉を遣っているのはみさおだけで、あやのはそうした意識を全く持っていない。
だからかがみがB組の連中と仲良くしていようとも嫉妬の情は湧かないし、それを嘆くこともない。
自分の人生の主役は自分なのである。
「あやのってば私とのデュエットばっかじゃん」
「持ち歌少ないし、それになんか恥ずかしくて……」
「私相手に恥ずかしがる必要なんてないだろ」
このあたり、この2人は見事に対照的である。
静のあやのと動のみさお。
水と油の性質のハズだが、ここまで殆ど衝突することなく昵懇の間柄で付き合ってこられた。
658巡らされた籌5:2010/11/07(日) 21:20:16 ID:???
両極端の天秤はどちらに傾くともなく――。
そこにもう1人が入り込んでも違和感なく成立する関係性がある。
柊かがみだ。
静と動の両方を半分ずつ持っている彼女なら、この”背景コンビ”に加わっても均衡が崩れることはない。
――ないハズなのである。


 他方。
目当ての新刊を無事に手に入れたかがみは、その延長でこなたの買い物に付き合っていた。
やたら派手なポスターが所狭しと貼られている壁。
魅惑的なポーズのフィギュアが並ぶ陳列棚。
独特の空気のここに引きずり込まれてもさほど嫌悪の情を催さないのは、かがみの嗜好から大きく逸脱していないためだ。
「………………」
マニアックな商品に目を輝かせているこなたを、彼女は微笑ましげに眺めていた。
遠目からは歳の離れた姉が妹の買い物に同伴しているように見えなくもない。
「ここまでくると魔砲少女だよね〜」
ウィンドウの向こう。
白い魔導服を来た少女のフィギュアがある。
先進的なデザインの杖を構えている。
「ほら、こっちのはかがみに似てない?」
こなたはその横の、金髪ツインテールのフィギュアを指差した。
斧か鎌かよく分からない武器を携えているそれは、かがみに似て凛々しい顔立ちである。
「アニメのキャラに似てるって言われてもなあ」
反応に困ったかがみは呆れ顔で呟いた。
泉こなたはひと言で表せばマイペース。
周囲の反応などお構いなしに自分の言いたいことを言い、したいように行動する。
一般に知られたくないと思う人間が多いにも関わらず、彼女は自分がオタクであることを隠そうとはしない。
自由に振る舞うのだ。
だが弁えもある。
たとえば峰岸あやのや高良みゆきのようなタイプには、積極的にその手の話題は持ちかけない。
アニメやゲームに多少の理解があるかがみや、自分にどこか似ているみさおに対しては垣根なく接する。
彼女は自分で設定した範囲の中で怠惰に、自由に、奔放に振る舞っているに過ぎない。
659巡らされた籌6:2010/11/07(日) 21:22:23 ID:???
そして賢しい柊かがみは、そうした泉こなたが秘かに行っている配慮をよく知っている。
簡単なようで難しい。
TPOに応じて自分を抑えることができなければ、こうした気遣いはできない。
その点、こなたは世間から厭われるほうのオタクではない。
「ん、どしたの?」
店内を回っている最中、こなたは何度かかがみに見られていることに気付いていた。
たまたま視界に入った、という程度のものではない。
かがみは間違いなく、こなたの目を見ていたのだ。
「へ? いや、別に……」
問われたかがみは反射的に余所を向いて言った。
が、こなたの追及はこれで終わらない。
「そう? さっきから私のこと見てなかった?」
口調は普段通りだが、そう訊ねる彼女の唇は悪戯を思いついた子供のように端をくるんと丸めている。
「な、何でもないって!」
途端、かがみの頬は朱に染まる。
彼女はウソを吐いたり誤魔化したりする時、視線を右上に向けるか俯いて目を閉じるかする。
どちらの場合でも手持ち無沙汰そうに髪の毛をいじるのは共通だ。
「………………?」
今回は前者の反応を見せたかがみに、こなたはもちろん彼女が何かを隠しているのに気付く。
だが分かるのもそこまで。
柊かがみが胸の内に秘める想いは、どんなに聡い者でも他人である限りは窺い知ることはできない。
「な、なによ?」
今度は逆にこなたに視線を注がれているかがみが、居心地悪そうに口を尖らせて言った。
「いやいや、かがみんはカワユイな〜と思ってさ」
「なっ!? なに言いだすのよ急に……」
「べつに〜〜」
アホ毛を揺らせてこなたは別のコーナーに消えていった。
(な、何なのよ…………)
渋々といった様子でその後を追う。
660巡らされた籌7:2010/11/07(日) 21:24:06 ID:???





「はい」
店を出たところでこなたは包みを差し出した。
「ん?」
「開けてみて」
受け取ったかがみは言われるままに包みを解いた。
大判の本だ。
200ページはありそうな厚みでしかもオールカラー。
「これって……」
表題を目で追ったかがみは不思議そうな目でこなたを見た。
彼女が愛読しているラノベと同じタイトルだ。
「ムック本だよ。昨日出たんだって。知らなかった?」
「あ、うん……」
「だよね。かがみってそういうコーナー見ないもんね」
持つとずしりと重いその本は、かがみの両手にしっかりと収まっている。
彼女はこなたに気付かれないように表紙を裏返した。
「ちょ、ちょっと待ってよ。これ、2300円もするじゃない!」
かがみは思わず値段を声に出していた。
そしてすぐに鞄から財布を取り出そうとする。
「こんな高いの受け取れないわよ。お金払うからちょっと待って」
道端でするようなことではないが、彼女は本の代金をこなたに返そうとした。
「いいって。頼まれて買ったものじゃないし」
「そうはいかないわよ」
「今日、買い物に付き合ってくれたお礼だと思ってさ」
「………………」
お金を払おうとするかがみと、それを制するこなた。
661巡らされた籌8:2010/11/07(日) 21:25:50 ID:???
払う、受け取らない。
何度か譲り合いをしたが、最終的にはこなたの熱意に押されてかがみが折れる恰好となった。
「でも本当にいいの? けっこうするじゃない、これ」
「一応バイトしてるからね。それに……」
「…………?」
「普段、いろいろお世話になってるからね。宿題とか」
「………………」
こういう時のこなたはいつもの眠そうな目で相手を見るが、その表情は実は真剣そのものだ。
照れ隠しに冗談を差し挟むことはあっても、自分が本当に伝えたいことは言葉に緩急と強弱をつけてそれを示す。
「そ、そういうことなら――あ、ありがたく貰っておくわ。あ、ありがと……」
かがみは耳まで真っ赤にして本を大事そうに抱えた。
「その代わり今度の課題もまたよろ――」
「調子に乗るなっての」
かがみはふいっと余所を向いた。




662JEDI_tkms1984:2010/11/07(日) 21:29:15 ID:???
 本日はここまでです。
2の最後のセリフ、”放”と”方”を間違えました……。
それではまた。
663マロン名無しさん:2010/11/07(日) 22:11:05 ID:???
>>662

いつもありがとう
続き楽しみにしてます
664マロン名無しさん:2010/11/07(日) 22:15:10 ID:???
レス増えてるなと思ったら、1人の基地外が長文連投してるだけか
665マロン名無しさん:2010/11/07(日) 22:45:36 ID:LFrSybrc
いまんところ平和に見えるが……
どこで誰が本性を現すかwktkしてるぜ
666マロン名無しさん:2010/11/07(日) 22:50:02 ID:???
ここのスレ覗く奴に自分が基地外と自覚してない奴がいるなんて
667マロン名無しさん:2010/11/07(日) 23:02:05 ID:???
>>666
スルーしろカス
668紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/11/07(日) 23:16:12 ID:MjQfKbcF
目クソが鼻クソを笑ってんぜ!!
669JEDI_tkms1984:2010/11/09(火) 21:05:07 ID:???
 皆さん、こんばんは。
本日分の投下参ります。
670巡らされた籌9:2010/11/09(火) 21:08:45 ID:???
 翌日、昼休み。
かがみは例の如く、お弁当箱を持ってB組にやって来た。
「おまたせ」
椅子に座るなり包みを広げる。
その動作があまりに自然で、初めからこのクラスの生徒のように見える。
「ほうほう、今日はつかさか……」
柊姉妹のお弁当の中身を見て、こなたは顎に手を当てて言った。
エビフライに厚焼き卵に野菜炒め、仕切りの向こうにポテトサラダが鎮座している。
彩り、栄養バランスともに合格点である。
この2人の料理の腕は性格同様まるで正反対で、ちょっとしたおかずを作らせただけでその差異はすぐに分かる。
「よく分かったね」
天然と評されるつかさは何故こなたがすぐに見分けられたのか、その理由を考えることはしない。
ただ2分の1の確率とはいえ、ピタリと言い当てた事実に対して素直に感嘆しているに過ぎない。
「いやいや、豪華だからね。いろいろと……」
ちらっとこなたが視線を向けた先では、
「悪かったわね。今日はちょっと寝坊して作る時間が無かったのよ」
かがみが拗ねたように口を尖らせていた。
「誰にでも得手不得手はあるって」
そう言うこなたは母親がいない分、幼い頃から家事をこなしていただけあって料理の腕は悪くない。
つかさやあやのには及ばずとも、他人に食べさせられる程度の食事は十分に振る舞うことができる。
「なんなら私が教えてあげよっか? 泊まり込みで」
やや得意げにこなたが言う。
「けっこうよ」
かがみは顔を赤くして切って捨てた。
「でも、ま、たまにウチ来るくらいならいいわよ。料理は教えてもらわなくていいけど」
いつも一度は突き放してから情けをかける発言をするが、かがみは特に意識してそうしているわけではない。
が、結果として本人も意図していない絶妙なまでの飴と鞭の効果が、それをされた者の心をしっかりと掴むのである。
つかさにしろ、みさおにしろ、時に言葉に険があるかがみを慕っているのはそうした理由によるものなのだ。
そしてこれは泉こなたにも同様のことが言えた。
辛辣な対応をとられてもなお付き合いを続けるのは、彼女が本当は世話焼きで優しく、そして強いことを知っているからだ。
671巡らされた籌10:2010/11/09(火) 21:10:49 ID:???
「そん時はたっぷりお菓子持って行くよ」
「いらんっ!」
不敵に笑うこなたにかがみは冷たく言い放つ。
そんないつもと変わらないやりとりを微笑ましげに眺めているのが、つかさとみゆきだ。
(お2人は本当に仲がよろしいのですね……)
絶えず軽口を叩き合いながら、しかし決して険悪なムードにならない2人をみゆきは羨ましげに見つめている。
ここに自分の居場所はないのではないかとさえ彼女は思ってしまう。
まるでかがみを中心にこなた、つかさが結びつき、その後にみゆきが加わったような構図だ。
高良みゆきという少女に特有の奥ゆかしさが、3人との間に僅かながら壁を作っているのかもしれない。
「2人とも仲良いね〜」
つかさがみゆきの思考を読んだかのようなタイミングで囁いた。
「え? ええ、そうですね……」
つい動揺してしまったみゆきは慌てて眼鏡をかけなおすフリをした。
その間にも2人の掛け合い漫才は続いている。
(本当に――――)
みゆきは頬に手を当てて小さく息を吐いた。
(羨ましいくらいですよ…………)



「かがみ様〜〜!」
ホームルーム終了とほぼ同時にこなたがC組にやって来た。
「その呼び方やめろって言ってるだろ」
まだ教室内に多数生徒が残っているとあって、かがみは恥ずかしそうに辺りを見回した。
案の定、何人かは2人を見てひそひそと言葉を交わしている。
「え〜? だって前にそう呼べって言ったじゃん」
「いつの話だよ? ほんっとどうでもいい事はよく覚えてるわね」
怒ることも忘れてかがみは呆れ口調で取り繕った。
一方、呆れ顔すらできないのが日下部みさおだ。
昨日の事もあり、今日こそは3人で寄り道を……と考えていたらしい彼女は、面白くなさそうに遠目から見ている。
そしてそんな彼女をさらに遠くから見ているのが峰岸あやのだ。
「それよりさ、こないだ借りたゲームだけど――」
672巡らされた籌11:2010/11/09(火) 21:13:21 ID:???
アニメはともかくテレビゲームはそこそこに嗜むかがみは、この手の話題にも難なく応じることができる。
今などはRPGの話で盛り上がっていて、謎解きのヒントを教えるか教えないかで小競り合いしている。
数分。
いよいよ我慢できなくなったといった顔で、鞄を片手にみさおが2人の間に割って入った。
「ちーっと邪魔するぜ」
「み、みさちゃん……!」
いつも大らかなみさおがいつになく攻撃的な目をしているのに気付いたあやのは、オロオロしながらも彼女の傍に張り付いた。
「柊、今日はこの後なんか予定あるのか?」
こなたはちょっとだけムッとしてみさおを見上げた。
「ん? 別に。まっすぐ帰るだけだけど?」
「そっかそっか。じゃさ、カラオケ行こうぜ、カラオケ! あやのと3人でさ」
「ちょおっと待った」
そう来るだろうと踏んでいたこなたは牽制した。
「まだ昨日のラノベを読み終わってないんじゃないの? 早く帰って続き読みたいでしょ?」
「むっ…………!」
いちいち絡んでくるこなたに、みさおはかがみに気付かれないようにやや敵意を含んだ目を向けた。
「ま、まあね」
2人に挟まれる恰好になり、かがみは若干息苦しさを感じて曖昧に答えた。
「え〜いいじゃんかよ〜。どうせ昨日はチビッ子に振り回されたんだろ? だったら今日はうちらの番じゃんか」
みさおが口を尖らせた。
「ってちょっと待て。それはつまり今日はあんたが私を振り回すってことか?」
「いやいや、同じクラスとして親睦を深めようとだな――」
「その前に私が振り回したってとこ、取り消してよ」
3人寄れば言葉通り姦しい少女たちは、教室の真ん中でああだこうだと言い合っている。
(………………)
一向に収束する気配を見せない生温い論戦を、あやのは少し離れたところから困ったように眺めていた。
(柊ちゃん……?)
よくある光景なのだがあやのにはここ最近、かがみのこなたに対する接し方が微妙に異なっているように思えた。
冷たくあしらうのはいつもの事ながら、その口調がやや厳しくなっているのだ。
加えて意識的にか、こなたから目を逸らすことも多くなった。
そのくせ休み時間毎にB組に出かけたり、放課後もいつものメンバーと他愛もない会話を交わしたりしている点は変わっていない。
673巡らされた籌12:2010/11/09(火) 21:16:52 ID:???
「――私が」
「いいや、私が……」
今度は何が原因か、こなたとみさおはまたしても張り合っている。
子供っぽい言い争いを続ける2人に挟まれ、かがみは呆れながらもその状況を楽しんでいるように見える。
(もう…………)
あやのは長嘆息した。
かがみがハッキリしない態度だからあの2人の諍いはいつまで経っても終わらないのだ。
「まあまあ、2人とも」
仲裁役は彼女の得意とするところだ。
「それならみんなで遊びに行けばいいんじゃない?」
「ふへ?」
「んあ?」
思いもよらない妥協案に、こなたとみさおは呆気にとられたように提案者を見つめた。
「柊ちゃん、困ってるじゃない。どっちかと行こうとするから揉めるのよね? だったらみんなで行けばいいのよ。ね、柊ちゃん?」
「へ? あ、まあ、そうよね……」
ぎこちない笑みを浮かべて曖昧に頷く。
どうもこの峰岸あやのという少女に対しては、真っ向から反対の意を述べにくい。
彼女の人柄がそうさせているのか、それとも普段温厚な人間ほど憤った時が怖いと感覚的に分かっているからなのか。
ともかく3人ともこの案には反駁はしなかった。
しかし構図は変わらない。
こなたとみさおが同じ場所にいる以上、事あるごとにかがみを巡って火花を散らすだろう。
それも承知しているあやのはさらに、
「妹ちゃんと高良ちゃんも誘ってみんなで行きましょ」
天使のようなにこやかな笑みを浮かべて言った。
「――って言ってるけど、どうする、チビッ子?」
「私はいいと思うよ。そのほうが楽しいと思うし」
「じゃ決まりね」
まだ何か言いたげなかがみを見ないようにしながら、あやのはパンと手を叩いた。
674巡らされた籌13:2010/11/09(火) 21:19:59 ID:???
「アニソンばっか歌うなよ〜」
「みさきちこそシャウト系ばっか歌わないでよ?」
「私はそんなの選ばねえよ」
などと再び言い合いを始めた2人と、うまく場を収めたことに満足げなあやのを見ながらかがみは思った。
(今日は早々と帰って本読みたいと思ってたのに……なんで寄り道ありきで話が進んでんのよ……)
嘆きは呼ばれてやって来たつかさとみゆきの前に、小さなため息に変わった。



 数日後。
人混みからようやく抜け出したかがみは腕時計を見やった。
時刻は午前9時49分。
「あいつ、また寝坊とかじゃないだろうな……」
小さく息を吐きながら彼女は呟く。
こなたが約束通りの時間に来ることは滅多にない。
典型的な夜型の彼女は夜更かしが原因で翌朝起きられなかったり、そうかと思えば逆に起きた時間が早すぎたためにテレビゲームに興じ、
セーブポイントを探しているうちに家を出る時間が遅くなったりで、約束の時間に間に合わなくなることが多い。
まるで子供同然の遅刻の理由にかがみは呆れたようにため息をつくばかりである。
こなたとの待ち合わせと携帯電話に関しては全くアテにならないと痛感しているハズだが、それでも根が真面目で律義な彼女は、
こうして予定より10分も早く改札口に着いてしまったのである。
殷賑な駅前は特にカップルが多い。
白昼堂々、人目を憚らずに唇を重ねる者もいる。
「もうちょっと場所を考えなさいよ……」
壁に凭れてその光景を見るとはなしに見ていたかがみは、つい本音を口走ってしまう。
「じゃあ私たちも物陰でニャンニャンする?」
下の方から甘ったるい声が聞こえ、かがみが視線をおろすと触角のようなアホ毛がぴょこんと揺れた。
「あ、あんたいつからいたのよ!?」
「”あいつ、また寝坊とかじゃないだろうな”のあたりかな?」
「――って着いたの私とほぼ同時かよ? なんですぐ声かけないのよ?」
「いやあ、最初は恋人を待ち侘びるかがみんを遠くから眺めようと思ってたんだけどね」
「恋人じゃないから!」
いつものように素早いツッコミを入れるかがみだが、その頬はよく見ると赤い。
675巡らされた籌14:2010/11/09(火) 21:22:04 ID:???
それを認めたこなたはさらに身を乗り出して、
「とかなんとか言って本当はデートを楽しみたいんじゃないの〜?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。
「デートじゃ駄目なのか……?」
かがみは真顔で返した。
「――え?」
「あんたはそう思ってないのか?」
「かがみ……?」
「………………」
「………………」
妙な沈黙が流れる。
数秒、こなたは世界から取り残されたような感覚を味わった。
「冗談よ」
呆気にとられた様子のこなたを見て、彼女は大仰に笑った。
「ちょっとあんたを揶揄ってやろうと思ってね」
まんまと仕掛けが成功し、かがみはしたり顔だ。
「だ、だよねっ! はは……そう――そうだよねっ!!」
額に浮かんだ大粒の汗を拭いながら、こなたはぎこちない笑みを浮かべる。
いつも揶揄している相手に逆襲された彼女は悔しいと思う余裕はなく、むしろ動揺を隠すことに必死だった。
柊かがみから繰り出される冗談としては想定外である。
(………………?)
しかし今のは本当に冗談だったのだろうか?
こなたはふと思った。
そもそも今日、こうして2人で会うことになったのもかがみが誘ったからだ。
こういう時、たいていつかさも交えての行動となるが、なぜかかがみは彼女には声をかけなかった。
つかさはつかさで誘われてもない外出に自分から付いて行くというタイプではない。
結果、かがみとこなたという、傍から見れば割とお似合いの組み合わせで街に繰り出すことになった。
676巡らされた籌15:2010/11/09(火) 21:26:08 ID:???
そして…………。
その誘いを二つ返事で受け、しかも珍しく約束の時間どおりに来た泉こなたである。

”明日、どこか行かないか?”

というあまりに素っ気ないメールの後、間を置かずに、

”私と2人でだけど”

明らかに何かを意識していると思われる一文が送信された。
飄々としているがこういう事には意外と勘が働くこなたは、この妙な言い回しに引っかかるものを感じた。
ただ単に遊びに行きたいというだけでなく、もっと深いところに別に意味があるに違いない。
妹にも明かせない何かが……。
「で、今日はどこに連れてってくれるの?」
若干、顔に赤みがさしているこなたが問う。
「あんたの好きなところでいいわよ。オタショップでもどこでも」
「へ……?」
「だからあんたの行きたいところでいいって」
何度も言わせるな、と言わんばかりにかがみは2度目を敢えて突き放すような口調で放った。
(誘ったのってかがみだよね?)
こなたは思うが、もちろんそれは口にしない。
「なんで?」
代わりに率直に質問をぶつけてみた。
「別に理由なんてないわよ」
「…………?」
今日の柊かがみはおかしい。
こなたは思った。
彼女は誰もが認めるツッコミ役で、自分からボケたり他人を揶揄ったりすることはまずしない。
時たまこなたがツッコミに転じる場合もあるが、それは主にダイエット絡みの話題でかがみの誤爆を拾っているだけだ。
そもそも自分から誘っておきながら当日の行動を相手に委ねるなど、常識人の彼女にはあり得ない行為だ。
677巡らされた籌16:2010/11/09(火) 21:30:22 ID:???
「ほら、どこか行きたいとこないの?」
「え、えっと……じゃあさ、とりあえず何か食べない? 朝ご飯まだ食べてなくてさ!」
「いいわよ。そこのファミレスにする?」
「う〜ん、ちょっと遠いけど駅の向こうのほうがいいかも」
「なんで?」
「制服が可愛くてさ。特にスカートの下から覗く――」
「おっさんか、あんたは……」
呆れた様子のかがみを、こなたは注意深く観察した。
口調も反応もいつもどおりである。
(なんだろう…………?)
どこかが違うハズなのだが、それが何かまではとうとう分からずじまいだった。





こなたの希望で朝食は駅の西側にあるレストラン『 Selbstmord 』でとることになった。
といってもかがみは食べてから家を出ているため、パンケーキと紅茶という軽めのものを注文する。
一方のこなたはミックスサンドにココアである。
「おまたっせいたしました〜」
決まり文句に妙な緩急をつけてウェイトレスがそれぞれの品を運んでくる。
卓子の上に揃ったそれらは、どこのレストランででも見かけるごく普通の軽食である。
見た目も味も余所と大差ない、空腹をいくらか満たせればいいだけのありきたりのメニュー。
「今日はどうしたのさ? どこか行くって言っておいて、行き先は私の自由なんてさ」
分厚いパンに苦慮しながらサンドイッチを頬張るこなた。
「別に、ただ何となくね」
一方、かがみはさらりとその問いを躱(かわ)すと、上品にパンケーキを切り分けて口に運ぶ。
バターは皿の端に寄せている。
「……なんかヘンじゃない?」
「な、なにがよ……?」
質問がストレートな言葉に変わり、かがみは少しだけ慌てたように返す。
678巡らされた籌17:2010/11/09(火) 21:35:23 ID:???
「だってさ、かがみってそういう行き当たりばったりなの嫌うじゃん」
「まあ、ね」
「だから何でかな〜と思ってさ」
「…………あ、あんたこそ!」
「ん…………?」
頬を赤くしたかがみはわざとらしく紅茶を喉に通す。
「あんたこそ今日は時間どおりに来たじゃない。いっつも平気で遅刻するくせに」
「――かがみと2人きりだから」
「は……っ!?」
かがみは危うくカップを落とすところだった。
「むふふ、冗談だよ。照れて真っ赤になるかがみ萌え〜」
「な――っ! あ、赤くなんかなってないわよっ!」
声を荒らげて抗議するも、興奮気味になったせいで彼女の頬はますます紅潮していく。
模範的なツンデレの反応を堪能したこなたは、いつもの眠そうな目で残りのサンドイッチを頬張った。
「でもほんとにどうしたのさ? なんか誘い方もかがみらしくないし」
「ま、まあ、いろいろと……ね」
かがみは居心地悪そうに視線を彷徨わせた。
「…………?」
まただ、とこなたは訝る。
ハッキリしない態度が多い。
これではまるで待ち合わせる事そのものが目的であって、後はどうでもいいという風にも見えてしまう。
(ヘンな感じ…………)
様子のおかしい理由を知りたくなったこなたは、注意深くかがみを観察することにした。


679マロン名無しさん:2010/11/09(火) 21:44:25 ID:???
しえn
680JEDI_tkms1984:2010/11/09(火) 22:10:53 ID:???
 中途半端ですが、今日はここまでです。
毎度毎度このタイミングで規制にかかるようなので、
間が空いた所が投下終了の合図だと思ってください……。
681マロン名無しさん:2010/11/09(火) 22:34:20 ID:cepaU/iM
なんだろうこれ
どうなるんだか想像できない
普通にちょっと大人ならき☆すたって感じ
これがどう自殺するんだ
682マロン名無しさん:2010/11/09(火) 23:05:37 ID:???
こいつのはらき☆すたじゃないもんな
683マロン名無しさん:2010/11/09(火) 23:44:28 ID:???
>>680

今んとこはむしろこなかがな雰囲気だなw
どうやって自殺までもっていくか楽しみにしてます
684マロン名無しさん:2010/11/10(水) 00:45:20 ID:???
死ねばいいのに、作者が
685マロン名無しさん:2010/11/10(水) 07:29:54 ID:???
この雰囲気が逆に怖いぜ
686マロン名無しさん:2010/11/10(水) 08:31:40 ID:???
これ、はかりごとって読むのか
687マロン名無しさん:2010/11/10(水) 08:51:19 ID:???
自殺を生中継してる人がいるらしい
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/campus/1289253125/
( ^ν^)「自殺中継に釣られる情弱乙。いい加減リテラシー身に付けろや」 →本当に自殺でした★2
http://hato.2ch.net/test/read.cgi/news/1289345752/
688JEDI_tkms1984:2010/11/10(水) 21:12:47 ID:???
 皆さん、こんばんは。
本日分の投下参ります。
689巡らされた籌18:2010/11/10(水) 21:15:05 ID:???
 こなたの趣味嗜好からすれば秋葉原あたりを歩くのが妥当だが、今日は一般的な書店やゲーセン巡りに落ち着いた。
オタク系ショップは既に昨日足を運んでおり、財布の中も乏しいからというのが理由である。
かがみの好みはこなたのそれとも共通するところがあり、こなたは相手を選んで接し方を変える。
時おり暴走しがちなこなたのコアな話題について行けなくなることもあったが、かがみは呆れ顔になりながらも話を合わせた。
息の合った――とは言えないまでも、彼女たちの掛け合いにはどこか温かさがあった。
「もうお昼じゃん」
思い出したようにこなたが時計を見て言った。
言葉通り、2人は時間が経つのも忘れて遊びに興じていたのである。
「いつの間に……」
時刻は12時を少し回ったところである。
人間の体は面白いものでそれまで意識していなくても、昼食の時間を確認するや空腹を覚えるものらしい。
かがみはそれを顔にまで出していたようで、
「ほほぉ、かがみんや。お腹が空き過ぎて我慢できないって顔をしてますなあ」
こなたに呆気なく看破されてしまった。
「あんた、私を何だと思ってるのよ……」
しかし実際、何か食べたいと思っていた彼女はいつもより幾分鋭さを落として言い返す。
「そんなかがみんのためにお昼ご飯は私が御馳走してしんぜよう」
言うより早くこなたはかがみの手を引き、洒落たレストランに入っていく。
「あ、ちょっと、そんな引っ張るなって……!!」
口では反駁しながらも、かがみはどこか弾んだ声だった。
朝とは違うレストランである。
店の前にはスタンド型の黒板に『 Suicide 』と殴り書きされた看板がある。
フランス料理を振る舞う洒落た店だがコース料理はない。
当地の家庭の味を楽しませてくれるという趣旨のようだ。
「なんか想像もつかないものばかりね」
メニューを見ながらかがみが呟いた。
短冊状の品書きにはフランス語で料理名が書かれてあり、その下に小さく日本語で説明が附されている。
手作りのそれには写真がなく、したがってどのような料理が出てくるのかが分からない。
「そだね……あ、でもほら、これ。エスカルゴだって。これくらいなら分かるよ」
「カタツムリよね? あっさりしてるって聞いたことあるけど」
「私、これにするよ。他の料理、よく分かんないし」
690巡らされた籌19:2010/11/10(水) 21:17:36 ID:???
こなたがメニュー表をかがみに向けて指をさした。
「本場フランスの味の決定版……エスカルゴのバター焼きです」
かがみは日本語の説明文を読み上げた。
「レウコクロリディウム入りエスカルゴのバター焼きは当店だけのオリジナル商品です。だってさ」
どんな料理が出てくるかは分からないが、”○○入り”と聞くとお得に感じてしまうのが人間の性である。
他に選択肢もなく、2人は同じ料理を注文した。
コースでないため、ウェイターが料理を持ってきたのは注文してから10分ほどしてからだった。
(なんか毒々しいわね…………)
白皿に乗っている殻はよく見かけるミスジマイマイのものとさして変わらない。
しかし肉の部分は赤や紫や緑の混じった、食慾を減退させるような色をしている。
ところが見た目から受ける印象と味とには何ら関係性はなく、実際に食してみると美味であることも多々ある。
今回もそうだった。
ナイフを入れるとプチリプチリと肉が切れる感触が手に伝わる。
小さく切ったそれを口に入れると、ほんのりと甘い。
付け合わせのサラダとともに、2人はほどよく空腹を満たした。
「けっこう美味しかったね」
「そうね」
満腹になると人は自然と笑みをこぼすようになる。
かがみは水を飲み干すと、向かいに座っているこなたの顔をじっと見つめた。
「な、なに……?」
見つめられることに慣れていないこなたは、思わず視線をそらす。
「あ、あのさ、こなた…………」
彼女の目は真っすぐにこなたを捉えているが、その瞳は小刻みに左右に揺れている。
「女の子が女の子を好きになるのって……ヘンよね、やっぱり……」
「えっ――!?」
こなたは驚いたようにかがみを見た。
今度はしっかりと目を合わすことができた。
どちらも魅了されたように互いに向き合う。
「いや、ほら……漫画とかでもあるでしょ? 百合っていうのか? そういうのって実際はどうなのかと思って――」
震える手でかがみはコップを手に取り、口元に当てた。
中身は既に空である。
だが彼女はそれに気付かないのか、それとも気を紛らすためなのか勢いよく飲み干す素振りをした。
691巡らされた籌20:2010/11/10(水) 21:21:12 ID:???
(かがみ…………?)
朝から様子のおかしい理由がこなたには分かった気がした。
柊かがみは冗談でこのような事を言うタイプではない。
思い悩み、誰にも相談できずにこのような形で切り出したのだろう。
そう分かった上でこなたは、
「最近読んだラノベに書いてあったとか?」
試しにそう問うてみた。
「……そういうワケじゃないんだけどね」
妙な間があり、含みを持たせた答えが返ってくる。
彼女は真剣だ、とこなたは確信した。
(ってことは相手はつかさか……)
姉が妹を、あるいは妹が姉を溺愛するというのはゲームやアニメではよくある事だ。
一緒にいる時間が長すぎるために姉妹としての感覚が恋人に対する感覚に変わってしまうのかもしれない。
横にいて当たり前の存在であり、かけがえのない存在。
身内に対する一般的な愛情が極めて個人的な恋慕の情にすり替わる感覚は、こなたには分からない。
しかしゆたかが同居していることもあり、庇護心がそういう風に変化するのかもしれないと彼女は想像してみた。
想像ができたからこそ彼女は、
「別にヘンじゃないと思うよ。恋愛のかたちなんて自由だと思うし」
この時ばかりは茶化したりせずに、真摯にこう答えた。
その瞬間の――。
どこか訝るように顔をあげたかがみの表情は、主に期待と不安が占めていた。
「本当に? 本当にそう思う?」
肯定してくれと言わんばかりに身を乗り出す。
こなたには否定するべき理由はない。
愛情とは同種生物の異性だけに注がれるものではない。
犬や猫に無償の愛を抱く者もいれば、ネックレスなどの物それ自体を愛でる者もいる。
この世界に生きる者は、この世界に存在するあらゆるものを恋愛の対象にできる。
そう考えれば同性同士の恋愛にいちいち悩みを抱くことなどは瑣末な問題である。
「う、うん……私はそう思うよ」
気迫に押され、こなたは少しだけ身を退いた。
同時に彼女はつかさを羨む。
かがみが”百合”という言葉を出した時、こなたは全身がかぁっと熱くなるのを感じた。
692巡らされた籌21:2010/11/10(水) 21:23:33 ID:???
なぜならこれは、こなたにとって深い意味を持つキーワードだからだ。
(百合、か…………)
彼女の中、心の深潭に宿る想いは彼女自身、曖昧ながらも自覚していた。

”柊かがみが好き”なのだと。

友だちとしての好きとは少し違う。
おバカな言動を冷たくあしらわれ、しかしいつもフォローしてくれる彼女に、こなたは特別な感情を抱いていた。
ちょっと不器用だが面倒見のよいところに惚れたのかもしれない。
彼女には母親がいなかったから。
それに近い存在――同年でありながら既に母性を備えているらしい柊かがみを、写真でしか見た事のない母親と重ねていたのかもしれない。
自分には父親しかいない。
小学生の頃にはそれを理由にいじめられた過去もあり、片親であることにコンプレックスを持ちながらも
その点に関しては気丈に振る舞うようになっていた。
母親がいないという事実を弱みだと思いたくなかったのだ。
だから泉こなたは現況に悲嘆せずに努めて明るいキャラを演じてきた。
しかし母性を感じさせる柊かがみが登場した事で、彼女が幼い頃から抑えてきた、”同性に甘える”という慾求が蘇ってしまう。
弱さを隠し続けることが堪らなく苦痛だった彼女はその反動でか、かがみにべったりと甘えるようになった。
宿題もやろうと思えばできる。
課題も時間はかかるが提出期限に間に合うように仕上げることは可能だ。
だがこなたはそれをしようとはしない。
弱みを見せる事でかがみの庇護心を煽り、母親のように接してくれると分かっているからだ。
この庇護を求める心がいつから恋心に変わってしまったのかは、当の本人にも分からない。
「良かった…………」
かがみがこう呟いたのをこなたは聞き逃さなかった。
(私がつかさだったらよかったのに…………!)
思っている事は決して口には出さない。
彼女にとってつかさは大切な友だちだ。
羨むことはあっても恨むことはあってはならない。
「念のために訊くけど、本当にそう思うのよね?」
かがみは真剣な眼差しで再び問う。
(ここで”やっぱりヘンだと思う”って言ったら、かがみはつかさを諦めるかな?)
693巡らされた籌22:2010/11/10(水) 21:27:50 ID:???
ふとそんな考えが頭をよぎり、こなたはそう言いたくなるのをかろうじて抑えた。
いくらかがみが好きだからといって、彼女の妹に対する恋慕に横槍を入れてはいけない。
好きだからこそそれを受け容れるべきなのだ。
一方的に想いを押しつけ束縛し、相手を困らせるのではなく。
たとえ自分に振り向いてくれなくても、好きな人が別の誰かと結び付くことで幸福を享受できるのなら。
(私はつかさになれないけど……なれないからこそ、つかさにはかがみの気持ちを受け止めてほしいな)
彼女の恋を応援するべきだという結論に達したこなたは、
「うん。同性同士だからとか家族だからとか、そんなの関係ないよ。誰を好きになっても自由だと思う」
ハッキリとそう言い切る事でかがみへの想いを断ち切ろうとした。
この力強い口調が逡巡する様子のかがみの背中を押したようだ。
彼女はふっと息を吐き出すと、真っすぐにこなたを見つめた。
「じゃあ……言うけど」
ツリ目の少女が見据える様は、これから決闘を申し込もうとしているようにも見える。
「私……あんたのコトがす――好き……みたい」
「は…………?」
小学生に見紛う思春期の少女は目を白黒させた。
「だから……! あんたのコトが……だから、好きなのよっ!」
一度口に出したことで迷いがなくなったか、再び告白するかがみの口調は開き直っているようだ。
幸い他に客はおらず、店主も厨房の奥にいたためにこの暴露は誰にも聞かれることはなかった。
「それ、本気で言ってるの…………?」
歓喜して小躍りしてもよさそうなのに、こなたはまず警戒してそう問うた。
日頃から軽重問わず揶揄ってきた相手だ。
この告白は度重なるちょっかいに対する報復なのではないか、と彼女は訝ったのだ。
普段、かがみを弄んでいるからこそ簡単には信用できないというのは、こなたにとっては矛盾を孕む大きな問題だった。
「冗談でこんなコト言えるわけないだろ」
その時のかがみは半分怒り、半分悲しんでいるようだった。
想いが伝わらないことに牴牾(もどか)しさを感じているらしかった。
その憂いを帯びた表情にこなたは確信する。
かがみはこんな駆け引きができるタイプではない。
つかさよりはウソを吐くのは巧いかもしれないが、それでも感情が表に出やすいタイプだ。
694巡らされた籌23:2010/11/10(水) 21:31:22 ID:???
「信じて……いいの……?」
真実ならこれほど嬉しいことはない。
かがみは今度は言葉にする代わりに、小さく頷いた。
「かがみ……」
「あんたのコト考えると、なんかヘンなのよ。体が熱くなってさ……」
恋だ!
こなたは思った。
無数のギャルゲーをやってきた彼女は、恋する少女が見せる反応のあらゆる事例を網羅している。
好きな相手に素直になる場合と、逆に嫌っているかのような素振りを見せる場合。
出発点から最初に訪れる分岐点はここだ。
実際は対象の反応はより細分化されていく。
頬を赤らめる、視線が落ち着きなく彷徨う、俯く、髪を掻きあげる……。
50以上のチェック項目の中で、かがみが見せた反応は多くが当てはまっていた。
「私も…………」
「え……?」
「私も同じだよ。かがみのコト考えたら胸が痛くなるんだ。でも言えなかったんだ。ほら、そんなのって私のキャラじゃないし、それに――」
「それに?」
もはやこれを言う必要もなさそうだ。
こなたはそう分かったうえで、
「嫌われたらどうしようとか思ったら言えなくて――」
自分もまた長いこと思い悩んでいたことを白状した。
饒舌な人間ほど、真に言いたいことは言葉にしない。

”かがみが好き”

このたった6モーラがこなたにはどうしても言えなかった。
築いてきた関係が崩れるのが怖かったのだ。
告白はつまりは綱渡り。
見事渡りきれば輝かしい未来が待っている。
だが足を滑らせればスタート地点に戻るどころか、取り返しのつかない事態を招く。
だから彼女は綱を渡ろうとはしなかった。
渡りきる自信がなかった。
695巡らされた籌24:2010/11/10(水) 21:37:06 ID:???
同性同士というハンディキャップを抱えている状況、滑落する可能性のほうが遥かに高かったのだ。
「だから、黙ってたんだ……その、さ……本当はずっとかがみのコト――」
かがみは小さく息を吐いた。
「私だってそうよ。こなたってそういうところドライっていうか……あしらわれるんじゃないかとか考えて……」
今日まで言い出せなかった、とかがみは言う。
「冗談だと思われたらイヤじゃない。こんな大事な話……」
拗ねたように口を尖らせるかがみは、少女としての可愛さと同時に大人の色気も醸し出している。
「ははっ! なんだ、かがみもそうだったんだ……」
こなたは全身から力が抜けたように椅子に凭れかかった。
「私も……安心したわ……」
重大事があっさり受け容れられるとは思っていなかったのか、かがみは頬杖をついてため息まじりに言った。
愛の告白の後の割には2人とも随分とあっさりとしている。
日常会話の延長のように、見つめ合うこともなければ手を取り合うこともない。
ただ彼女たちの頬はうっすらと赤かった。
「ありがと、かがみ」
囁くように言う。
「私のコト、好きって言ってくれて」
平素、ツンデレと称してかがみの反応を楽しむこなたであるが、彼女も照れると顔を真っ赤にして俯く癖がある。
それこそ”デレ”の部分が露呈してしまったように、わざと前髪を垂らして目を見られないようにこなたは下を向いた。
互いが互いを好きであっただけでなく、言い出せなかった理由まで共通していたことにこなたは人生最大の喜びを感じていた。
(かがみが……私を好きだったなんて夢みたいだよ…………!)
こなたが一番欲しかったものはDVDでもフィギュアでもない。
柊かがみからの、自分だけに注ぐ愛だ。
仲の良い友人を演じ、その奥では決して言葉にできない恋情を秘めていたこなたには――。
これ以上の幸せはない。
(私はかがみが好きで、かがみは私が好きで……)
いま一度確かめる。
もう自分の気持ちを隠す必要もないし、偽る理由もない。
696巡らされた籌25:2010/11/10(水) 21:40:12 ID:???
「ありがと……」
「お礼を言うのは私のほうよ。その……ありがと……」
ついに耳まで真っ赤になったかがみは、もうこなたを直視することはできない。
「ま、まあとにかく! そういうことだから!」
何が”そういうこと”なのか、かがみは素早く立ちあがって伝票を引っ掴むとレジの方へ歩いていく。
「ちょっと待って!」
その手をこなたが掴む。
「…………!!」
「…………」
ここで2人は告白の後、初めて見つめ合う。
「割り勘にしよ」
「………………」
頬を朱に染めて見上げるこなたに、かがみは無言で頷いた。





697JEDI_tkms1984:2010/11/10(水) 21:44:25 ID:???
 今日はここまでです。
それではまた。
698マロン名無しさん:2010/11/10(水) 22:32:33 ID:Q517tNxX
えっなにこれ
眼球があったかくなったんだけど
こっから自殺になると思うと死にたくなるんだけど
699JEDI_tkms1984:2010/11/11(木) 21:06:37 ID:???
 皆さん、こんばんは。
本日分の投下参ります。
700巡らされた籌26:2010/11/11(木) 21:08:11 ID:???
「ただいま〜」
少しでも気が緩むとニヤけてしまう頬を軽く叩き、こなたは努めて平静を装う。
「おう、おかえり」
〆切まで余裕があるのか、そうじろうが玄関口まで出迎えにきた。
このちょっとした気配りが男手ひとつで子供をうまく躾けるコツだ。
ある意味では正道を踏み外してしまっているこなただが、少なくとも顰蹙を買うような反社会的な行動はしない。
これはひとえに父そうじろうの子育ての辣腕による。
彼は自宅が仕事場となる職にあるおかげで、娘から目を離さずに今日まで接することができた。
成長を間近に感じるということはつまり、彼女の機微にも敏感になれるということだ。
たとえば愛娘に嬉しい事があった時、悲しい事があった時には表情を見ていればある程度は分かる。
「………………」
彼には彼女の感情がある程度読みとれた。
何か良いことがあったらしい。
それも物欲を満たすような類ではなく、もう少し深い内容のようだ。
「ん? どしたの?」
「あ、いや……」
良い父親になる秘訣は、自分が子の何かに気付いていると本人に悟られないよう振る舞うことだ。
「もうすぐ晩ごはんだから、早く着替えておいで。今日はゆーちゃんが作ってくれてるぞ」
「う、うん」
今は父の顔もまともに見られない。
こなたはやや俯き加減に彼の脇を通り過ぎ、小走りに自室に向かう。
「ふぅ〜…………」
後ろ手にドアを閉めて凭れかかる。
告白をし合った時に感じた激しい動悸がまた襲ってきた。
こなたの瞳に映るのは凛々しい柊かがみ。
カッコイイ女の子たる彼女は、出会って間もなく泉こなたの心を鷲掴みにしたのだ。
ある種の憧憬の念を抱いていたこなたは、かがみを手の届かない存在だと捉えている節があった。
必要以上に甘えていたのも彼女と少しでも接点を持ちたいという願望の表れである。
DVDや同人誌はお金を出せば手に入る。
店頭に無くてもネットを使えば多少割高になっても目的のものは入手できるのだ。
だが人の心は違う。
701巡らされた籌27:2010/11/11(木) 21:10:06 ID:???
柊かがみともっと一緒にいたい。ずっと一緒にいたい。友だち以上の仲になりたい。
こなたはそれを口にすることはなかったが、欲求はどんどん大きくなっていく。
手に入らないモノほど欲しくなる。
しかもこの場合は、相手の同意も必要だ。
幾多の艱難――こなたはそう思っていた――を乗り越えた先に、ついに柊かがみと恋仲になることができた。
このカタチにならない喜びは、こなたの精神を幸福でいっぱいにした。
(誰かを好きになるってこんな感じなんだ……)
さんざん恋愛モノのゲームで恋する男主人公の気持ちをテキストで読んできたこなただが、どれだけの作品を昇華しても
不自然にモテる男たちの恋心は理解できなかった。
男が女を、女が男を好きになるのは当たり前だから。
当たり前のことを改めてゲームを通して教えられたところで新鮮味も刺激もない。
だから漫然とプレイするだけで感情移入はできなかったのである。
(でもやっと分かったよ……)
こなたは頬をパンと叩いてから部屋を出た。





夕食時、差し当たってこなたが気を遣ったのは、今のこの感情をそうじろうとゆたかに気取られないようにすることだった。
2人とも理解のある方だが、さすがに同性愛まで認めてくれるのか、という不安がこなたを襲う。
冷たい目で見られないか。穢れた者として見られないか。
異性同士ならともかく、同性同士となればどうしても他人の目が気になるものだ。
(別に打ち明ける必要なんてないよね?)
と、彼女はこうして結論づけて”いつもどおり”に振る舞う。
報告の義務はない。
結婚をするわけではないのだし、人付き合いに家族が干渉すべき年齢ではない。
賑やかな夕餉を楽しんだ後、こなたは宿題があるからとさっさと部屋に引き揚げた。
些細な。実に些細な悩みであるが、かがみと別れて数時間が経っただけだというのに、彼女はちょっとした不安に駆られたのだ。
だから滅多に使わない携帯電話を取り出す。
アドレス帳からかがみのメールアドレスを選択し、ゆっくりゆっくりとメッセージを打ち込んでいく。
702巡らされた籌28:2010/11/11(木) 21:12:26 ID:???


送信先:かがみん
 件名:
 本文:

『今日は嬉しかった。かがみも私と同じ気持ちだと分かって嬉しかった。
嫌われたらどうしようって思ってたけど、でもいつかは告白したいとも考えてんだ。
だからかがみが打ち明けてくれた時は本当に嬉しかったし、悪かったとも思ったよ。
だって私はためらってたのに、かがみにだけ辛い想いさせたんだから。
メールでこんなこと言ってごめん。
卑怯だと思うけど、でも改めて聞いておきたいことがあるんだ。


かがみのこと、好きになってもいいですか?』


一方的な文面であるとの自覚はある。
電子メールという通信手段は双方向に見えて実は一方通行の繰り返しである。
相手の返事も待たずに、送信ボタンを押さない限りは好き勝手な文章を好きなだけ溜めこんでおける。
最後の一文の前に数行の空白を設けたのは、特別な効果を狙ってではない。
ただそこまで殆ど改行していなかったため、見づらいだろうとの配慮によるものだ。
ディスプレイを飛んでいた紙飛行機が消え、”送信完了”のメッセージを確認するとこなたは長大息した。
いざとなると実際に言葉にするにも、文字に託すにも過大な精神力を要する。
こうした問題になると途端に慎重になってしまうところはこなた自身、驚きであった。
(なんかつかさみたいになっちゃったな)
最後の最後で丁寧口調になったのを見て、こなたは小さく笑った。
「あっ……!」
軽く握っていた携帯電話が振動し、取り落としそうになる。
(メール?)
差出人は、”かがみん”とある。
703巡らされた籌29:2010/11/11(木) 21:14:55 ID:???


発信者:かがみん
 件名:
 本文:

『なんか気が抜けた感じよ。ヘンな気分なのよね。
ああ言ったけどさ、本当はちょっと怖かったのよ。
今の関係が壊れるくらいなら黙ってたほうがいいのかとか考えたら、なかなか言い出せなくてね。
友だちにすら戻れなくなるのは嫌だったから。
でも思い切って告白して良かったわ。あの時あんたが言ったこと、ウソじゃないわよね? 信じていいのよね?』


これは返信ではない、とこなたはすぐに分かった。
着信したのが先ほどのメールを送った1分後なのだ。
これだけの文面をこなたのメールを読んでから書けるとは思えない。
となると2人はほぼ同時に送信したということになる。
「かがみ…………」
こなたはまた幸せを感じた。
互い、想うところは同じ。
メールを送るという行為も、その内容も、そしてそれを送信したタイミングまで。
どれもが共通していることにこなたはこの上ない喜びを味わうのである。
ただの偶然ではない、と。
泉こなたと柊かがみだからこそ成せる業なのだと。
この強固な結びつきは誰にも解くことはできないのだと。
そう思えるこなたは幸せだった。
「あ、またメール……」

704巡らされた籌30:2010/11/11(木) 21:18:19 ID:???
発信者:かがみん
 件名:Re
 本文:

『当たり前じゃない。私だってこなたのこと、ずっと好きだったんだから。
拒否する理由なんてない。言わなくても分かるでしょ?

それと、このことは誰にも内緒にしといてよ。
問題ないと思うけど、理解してくれるかどうか分からないから。
2人だけの秘密ってことで。』



恋に逆上(のぼ)せているかと思えば、かがみは意外にも冷静である。
宗教観念の希薄なこの国でも、同性愛に対する理解は十分に得られていないのが現状だ。
人間はたいてい、ある事柄に対して”普通”か”異常”かの仕分けを行う。
この場合では異性愛が”普通”、同性愛が”異常”となる。
つかさやみゆきの性格からしてあからさまに同性愛に嫌悪したりはしないだろうが、実際どうかは分からない。
奇異の目で見られるくらいなら隠し通した方が、一時的に悖徳感に苛まれることはあっても干渉を受ける心配はない。
「ふふ…………」
無意識にこなたの口元が緩む。
2人だけの秘密――なんと甘い響きだろうか。
こなたはかがみのモノになり、かがみはこなたのモノになった。
その証が”秘密”なのである。
その夜、こなたは昂奮して眠れなかった。



705巡らされた籌31:2010/11/11(木) 21:19:48 ID:???
 それから数日。
2人はほとんど毎日、寄り道と称してデートを重ねた。
学校内では極力、普通に振る舞う。
ただし一歩外に出れば日中我慢していた分、色恋に耽る。
盲目になりがちな恋に溺れながらも、彼女たちは慎重だった。
まず寄り道のコースである。
商店街やカラオケ、飲食がメインとなるとつかさとみゆきが同行してしまう。
そこでデートの際は”オタクショップ巡り”を宣言してから教室を出る。
こうすればその方面に興味のないつかさやみゆきの同行を拒むことができる。
しかしこの口実の後、本当に秋葉原あたりに出かけたのは一度だけである。
かがみの趣味嗜好に合わせてか、こなたも以前ほどオタクとしての自分を露わにしなくなった。
アニメもゲームもほどほどに。
最近では苦手な活字と向き合い、ラノベを読むことが多くなった。
もちろん、かがみとの接点を増やすためだ。
好きな人が好きな物を自分も好きになり、”好き”を共有する。
今の彼女にとって苦痛でもなければ努力でもないのである。
「つかさもみゆきさんも勘付いてる感じだよ?」
界隈を歩くこなたは、すぐ横を歩く愛人に言う。
「しょうがないわよね。ここんところ、ほぼ毎日あんたとこうやって寄り道してるわけだし」
「寄り道じゃなくてデートでしょ?」
「デ、デート……!!」
愛の告白という最難関を乗り越えたハズだが、改めてデートという言葉を用いられるとやはり赤面してしまう。
「相変わらずだねぇ〜、かがみんは」
そんな可愛い反応を見せるかがみに、こなたはニンマリと笑みを浮かべた。
密着こそするが2人の付き合い方はさして変わらないようだ。
「もう言ってもいいんじゃない?」
こう持ちかけるこなたは少し焦っているようだ。
他の者がどう捉えるかに関わらず、この恋仲を公認のものとしたいようだ。
「2人だってヘンな目で見たりしないと思うよ。つかさもみゆきさんもそういうタイプじゃないじゃん」
「それはそうだけど……」
かがみは逡巡した。
わざわざ打ち明ける理由が見当たらない。
706巡らされた籌32:2010/11/11(木) 21:23:21 ID:???
「言ってどうすんのよ? ”私たち、付き合ってます”って告げる意味がないじゃない」
彼女の言うとおりだった。
むしろ知られることでこの関係に悪い影響が及ぶおそれの方が大きいのではないか。
こなたはその点について考えてみたが、
「隠し事したくないじゃん。なんか後ろめたいし」
やはりこの結論に落ち着く。
「それはそうかも知れないけど……」
こういう事には慎重なかがみは簡単には頷かない。
つかさとみゆきに賛成してもらえれば、今ほど人目を憚る必要はない、というのがこなたの考えである。
が、こういう大事な問題はひとりで取り組むべきではない。
結局、かがみが肯わなかったのでこなたもそれ以上は勧めなかった。
「そういや、ゆーちゃんにさ、昨日言われたんだ」
「なんて?」
「”お姉ちゃん、雰囲気変わったね”って」
「そうか?」
「んー私も実感ないんだけどさ。ゆーちゃんはそう言うんだよ」
「背だって相変わらず小さいし、胸だって無いのにな」
「う……気にしてることをズケズケと……」
「冗談よ。でも傍から見れば分かるものなのかもね。恋すると女性は美しくなるとか言うし」
「かがみが言うと似合わない……」
「うっさいな!」
軽口の叩き合いすら和やかに見える2人は、お似合いのカップルである。
この日も模範的なデートだった。
ウィンドウショッピングを楽しみ、食事を済ませ、人気の少ないところでこっそりと手を繋ぐ。
愛する相手とならどんな瞬間も宝物になる。
いま、こなたは幸せだった。
誰よりも幸せだった。
(お父さんとお母さんもこんな気持ちだったのかな?)
異性愛と同性愛では当人の感じ方は違うのだろうか。
こなたは一瞬、そんなことを考えたがすぐに瑣末な問題と切って捨てた。
考えても仕方がないし、答えが出たところで意味はない。
泉こなたと柊かがみ。
707巡らされた籌33:2010/11/11(木) 21:25:24 ID:???
この2人の関係性が永遠に続きますように。
彼女は甘美に酔いしれた。




 やっぱりつかさとみゆきにはまだ内緒にしていたい。
かがみが念を押すように言い、こなたはそれに従うことにした。
以後、放課後にはこなたがC組を訪れることが多くなった。
もちろんデートのお誘いである。
つかさたちは既に勘付いているようだったが確信には至っていない。
そういう状況でかがみが足繁く通って毎回こなたを連れ出していては、いずれ結論に達してしまう。
秘密にしたがるかがみのために考えた結果、こなたは自分から彼女の元へ向かう。
「かがみ、来たよ〜」
あくまでいつもどおりに。
誰にも恋仲であると悟らせないように、自然な口調を心がける。
「ちょっと待ってて。いま行くから」
かがみは大急ぎで教材を鞄に詰める。
「柊ー付き合い悪いぞー。たまにはうちらとどっか行こうぜ〜」
明らかに不機嫌そうにみさおが言った。
仲裁の声はない。
なだめ役のあやのは風紀委員の仕事があり、ホームルームが終わるとすぐに教室を出て行ったのだ。
「なぁ柊〜〜」
「みさきち、残念だけどかがみ様には予定があるのだよ」
こなたが人差し指を立てて言うと、アホ毛がぴょこんと揺れた。
いつもの所有権争いも、これまでと違ってこなたには余裕がある。
何しろもはや2人は友だちの領域を超越したのだ。
今、みさおがどれだけ頑張ろうとも決して干渉することのできない関係性が築き上げられている。
(悪いね、みさきち。かがみと私は強い絆で結ばれているのだよ)
こなたは優越感に浸った。
あからさまな敵意をもってみさおと張り合っているわけではないが、どうしても勝者と敗者の構図を思い浮かべて悦に入ってしまう。
708巡らされた籌34:2010/11/11(木) 21:28:54 ID:???
「ちぇっ、またかよ。いいじゃん、柊。いっつもチビッ子たちと遊んでんだろ。たまには私たちと親睦を深めるべきだぜ?」
なおも食い下がるみさおに、かがみは鞄を手にしたまま立ち尽くした。
「う〜ん……」
迷っている素振りを見せている彼女に、
「うちらと疎遠になってもいいのかよ〜」
ここぞとばかりにみさおが押した。
かがみはちらっとこなたに目配せすると小さく息を吐き、
「言われてみればそうかもね。親睦がどうとかは置いておいて……分かった。今日はあんたたちに付き合ってあげるわ」
妙ににこやかにそう言った。
あっさりと承諾した彼女に、こなたは分からない顔をする。
予定では今日もデートに繰り出すハズだったのに。
甘い物が好きなかがみのために、こなたは数日前からスイーツの店を探していた。
ようやく手頃な店を見つけ、2人で一緒に食べようと思っていたのに。
不服そうなこなたは訝しげにかがみを見やる。
ツリ目の彼女はみさおに分からないように唇を動かした。
(そっか……!)
読唇術の心得などないこなただが、この状況から彼女の言わんとしていることを察した。
(私たちがベタベタしてたら疑われるからなんだね?)
つかさやみゆきに知られたくないなら、同じクラスのみさおやあやのにはなおさら知られたくないだろう。
大事なデートを蹴ってまで申し出を受けたのは、疑念を抱かれないため。
かがみは優しいから。
たとえ本意でなくてもクラスメートととも仕方なく付き合うこともしなければならないのだろう。
そう考えればたった1日、かがみと離れ離れになることが悲しくなるどころか、むしろみさおやあやのに憐れみすら感じてしまう。
「さすが柊だぜ! へへん、チビッ子ぉ〜残念だったな」
我が意を得たり、みさおは屈託なく笑って腰に手を当てた。
しかしこなたは動じない。
「いいよいいよ別に。かがみんは俺の嫁だから」
「嫁って言うな!」
かがみが顔を真っ赤にして反駁する。
「チビッ子、勘違いすんなよな。柊とは私の方が付き合い長いんだぜ? な、柊!!」
「へっ? あ、ああ、そうね……」
「相変わらず素っ気ないよな〜。ま、いいや。で、どこ行く? カラオケか? ゲーセンか?」
709巡らされた籌35:2010/11/11(木) 22:01:01 ID:???
みさおはわざとこなたに背を向けるようにして問うた。
かがみは暫く考えた後、
「落ち着けるところのほうがいいわね。日下部には話しておきたいこともあるし」
抑揚のない声でそう言った。
「えっ!?」
と思わず声を上げてしまったのはこなただ。
「ん? どした、チビッ子?」
「いや、別に…………」
「ははーん……さては柊と私がくっつくのが気になるんだろ?」
「別にそんなんじゃないから」
「日下部、誤解を招くような言い方するなっての」
口を尖らせたかがみは手持無沙汰そうに自慢のツインテールを指で弄ぶ。
(話しておきたいことって? まさか私たちのこと、みさきちに打ち明けるのかな?)
こなたは少しだけ不安になった。
が、その線もあり得るとすぐに思いなおす。
現状、必要以上にかがみを独占したがっているのはみさおだけだ。
今のうちにハッキリした態度をとれば、彼女も諦めるのではないか。
もちろん、こなた対みさおの小競り合いは続くだろう。
しかし2人が同性とはいえ結ばれていると宣言しておくことで、みさおに妙な期待を抱かせないようにできる。
(それにみさきちってこういう事に偏見とか持ってなさそうだし……)
かがみ争奪戦に敗れたことは悔しがるだろうが、自棄になって言いふらすような真似はするまい。
冗談で評したが、こなたは彼女は基本的にガキっぽくてバカキャラだと思っている。
自分の思い通りにならなかったものを、いつまでも根に持ったりするような性格ではないだろう。
710巡らされた籌36:2010/11/11(木) 22:02:29 ID:???
(多分、かがみはそこまで見越して判断したんだ)
推理に推理を重ねていくと、いつしか持論は強化され先ほどまで感じていた不安は霧消していた。
かがみはこなたよりもずっと頭がいい。
打ち明けるにしても直截簡明な言い方はせず、遠回しに仄めかすに留めるだろう。
それでみさおが理解すれば良し、駄目ならまた折を見て話せばよい。
「ごめん、こなた。そういうわけだから今日は――」
「分かってるって。私はみさきちみたいに子供じゃないから駄々こねたりしないよ」
「子供みたいな体型してよく言うぜ」
「なんだとー!?」
「なんだよ!?」
「2人ともやめんか。私から見たらどっちも子供だ」
あやのがいないため、仕方なくかがみが仲裁役を買って出る。
この後、委員の仕事を終えて戻って来たあやのが加わり、C組の3人は食事にカラオケにと久しぶりの寄り道を楽しんだ。




711JEDI_tkms1984:2010/11/11(木) 22:06:16 ID:???
 今日はここまでです。
それではまた。
712マロン名無しさん:2010/11/11(木) 22:31:22 ID:ADRzh6Cy
えっ
えっ
このこなたが死ぬぐらいなら俺が死ぬううううううう
713マロン名無しさん:2010/11/12(金) 01:21:43 ID:???
みさおがこなた追いつめる展開か?
714マロン名無しさん:2010/11/12(金) 16:53:01 ID:/w761jlr
容量がやばいよ
誰か新スレ用意してくれ
715マロン名無しさん:2010/11/12(金) 17:20:30 ID:???
一年365日24時間、アニメ板のスレを巡回+AA板でのAA批評に人生全て使ってる
即レス引籠りネット廃人キチガイニート=◆MetroErk2gくん
気色悪いトレス奇形ゴミAAが唯一の自己存在証明の◆MetroErk2gくん
小卒だから英語も数の数え方もわからない◆MetroErk2gくん

http://2se.dyndns.org/test/readc.cgi/changi.2ch.net_anime2_1242744796/ 参照
●えいごもわからないちてきしょうがいごきぶりの めとろくん=ID:7YrPT++T

>>816で 「 I was too embarrassed to I were dead.」 と滅茶苦茶な小学生以下の英文を披露

>>823で 「わざと間違えたんだ!」 と、言い訳をするwwww

>>510 でAAなんか作ったことない!と、「AA職人」と言われたわけでもないのに否定して、墓穴を掘る

>>588で >>521の、>>510で墓穴を掘った後のレスを言い訳に挙げる

    //禿 ̄池沼\← ◆MetroErk2g=気持ち悪い低能キモオタ奇形デブメガネの正体
   彳丿; \,,,,,,,/ u lヽ ←脳障害 精神分裂病
   入丿 -□─□- ;ヽミ ←ゴキブリと蛆虫の混血
    | u:.:: (●:.:.●) u:.::| 
    |  :∴) 3 (∴.:: | <わざと間違えたんだ!ぽんぽん!あうあうあー
  ノ ヽ、   ,___,. u . ノ、
 /   ヽ:.___;;;;;;;;;;___.ノ  ヽ
/   ,ィ -っ、.    脳障害.ヽ
|  / 、__ う 人  ・ ,.y  i
|    /        ̄ |  |
ヽ、__ノ ネット廃人キモオタノ  ノ
  |      x    9  /
   |   ヽ、_  _,ノ 彡イ シャシャシャシャシャ  ←のキモオタ童貞の実態は、
716マロン名無しさん:2010/11/12(金) 17:22:24 ID:???
1.勉強も仕事もしていない童貞。 2.1日中PCの前でティンポを握り締めている変態。
3.25にもなって親に金を無心(これは度々出てくるキモオタ童貞のトラウマ)4.友達は全くいない孤独なヒキコモリ。
5.ルックスはデブ、不潔、不細工、バーコードハゲ6.服装は3年前のコミケで買ったアニメキャラのTシャツにケミカルジーンズ(黄ばみ付き)
7.家族にも見放されている。 8.コンパに行けないことを僻んでいるロリータアニメ好き。
9.外出恐怖症(ヒキー) 10.居留守魔(対人恐怖症、人と面と向って話せない。だからPCだけが唯一の拠り所)
11.妄想とのバーチャルSEXでオナる変質者。 12.実態に見合わない分不相応な病的プライド。13.コンプレックスの権化。 14.美少年に対しては悪口ばかりほざく精神異常者
15 二次元のキャラを叩かれると自分の彼女として発狂する不気味なキチガイキモオタ。16 いい年してゲームから離れられない高齢ゲーマーの無職。寄生虫。
朝から晩まで2chを1分単位でリロードするネット廃人。現実でもネットでも誰にも相手にされない
全生物の最底辺のゴキブリや蛆虫以下の存在。2次元キャラを嫁と思い込んでおり、少しでも叩かれると火病る。
部屋はペットボトル尿とゴミとフィギュアの山。萌えキャラのポスターに白いしみだらけ。親からは見捨てられ、殺されかけたことがあるので部屋を厳重に施錠している。
外見は冗談なしにこうである → http://omoro.cside9.com/gazou/manafter/z2.jpg
717マロン名無しさん:2010/11/12(金) 17:23:09 ID:???
Metroの一生: 
○学校で虐められて引篭る 奇形レベルの醜悪な容姿のため女子から気持ち悪がられ殺されかける
○引篭りニートのため、深夜萌えアニメを見てひたすらシコる 「モカモカしたい!」「ぽむぽむしたい!」などと奇声を発し親に殺されかける
○同年代の人間に取り残され、低学歴引篭りの社会の底辺となる焦りから、せめてAAをつくって何かをなした気になる。
○トレスAAという単なる工場のパート以下の「作業」のみが自己の拠り所となり、必死にそれを守ろうとする。
○他のAA職人に見当違いな逆恨みをし、一年中AA板に貼り付いて荒らす。
○自作の奇形グロAAをアニメ板その他に貼り回って、「ぽむぽむ」「ぽんぽん」などと一年中荒らして自演をする。
○キモアニメ視聴、グロAA作成、アニメ板、AA板荒らし、で一年の全てを費やす廃人中の廃人。日本総人口の最底辺。

○そんなゴミ以下の自分も、小卒の登校拒否ニートではないとハッタリをかますため、日本語の掲示板で無意味に英語を用いる
○「 I was too embarrassed to I were dead.」という無茶苦茶な英文や、 煽り文の語尾に「man」などとフレンドリーな呼びかけをつけたりして 大恥をかく。
○廃人ニートの有り余る時間を使って必死に自演、火消し、自演。
○以下その繰り返し。 小学生以下の知能、学歴、取り柄も何もない。 グロAAとアニメだけが生きがいのゴミにも劣る蛆虫の人生。
718マロン名無しさん:2010/11/12(金) 17:27:53 ID:???
    ‐=ニニ二: : : : : : : : : : : : : /: : : :/: : : :\: : : : :\{_,): : : ::ハ、
          ̄`>'´: : : : : ::/: : : :/: : ;ィ: : : :ヘ::: :ヽ:: :ヘ: : : : : ,ィ´;Y´;`ヽ、
         ,ィ´: : ; : : : : :i ::i: : : : |: ::/ |∨:: : :|::::: :|:: : :ヘ:ノ::/;;;;;;;;;}ヘ、;;;;;;\
         /: : ;ィ'/. . . . : |.::::| : : : :;|: :| | ∨: : :|::::: :|. . . . ヘ/;;;;;;;;;;;;j: :|√ ̄
        /: :.:/;;/ . . . : : :|:::::|: : :.:/ |::|  | ∨: ::ト、::::|: : . . . .\;;厂:|: :|
     /: :;イ;;;;;;/: : : : : : ::|:::::|\:/  |:|  |   V: :|/、|:.: : : : : : :\::|: ::|
     //└-/: :i: : : : : ::|:/'|: :/\ l|   !   Χ::|  ∨: : : : : ト、:.:ヘ:: ::|
    '"   /: :/|: : : : : :ハ |;/.___  !     __ヽ:|_   ∨:.: : : :|: :\l:: :|      ほ、ほら!・・・脱ぎなさいよ・・・
         j::/ |: : : ::/::::ハ ミニ彡      ミニニ彡" i∨、: : :|::: :リ:::: |
         |/   |: : :/::V:::ハ   / / ///// /     _ソ:ヽ:;|:.;/::: : :|      脱がなきゃ診れないでしょ?・・・
           |: :/::::::i::::::j      '          ,.イ:::: : : : ,イ::| : : :|
              |:/:::::::|:::::::ヽ、     (_ ̄_)    / j:/: : :.:/ |:::|::: : :|       そ、その・・・・お…おちんちんを・・・・///
           ,   }: ::::j|:::::::|::::| `>‐-,.ニ .-‐<´  ノ: : ::::/  |::|:::: : :|
           /:|   j: :::||::::::::!_:」,r'  ,ィ' j  !/'" `j/::/::::;/   |::|:::: : :|
        _j: :V:j,ノ: :;j|:::/.´、    |,.-‐-、/   /: ::/:;/`ヽ、 |::i::: : : |      
       /,ノ: ::;ノ):;ノ |::j、`ヽ\   |   ./  /: : : /'",ィニニ二} |l::::: : : |
      / ´ ̄_二V~  |:/ 、\\\ |   / /: : : : ://,ィニニ二j |::::: : : :|       
       j  '´,.-‐_  ノ" :::λ \\ | / /: :/: : : ://´     } |::::: : : :|
719マロン名無しさん:2010/11/12(金) 17:28:34 ID:???
           イ: : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : : : : : : : \
.         /: : : / : : : : : : : :/: │: : : : : : : : : : : : : : : : : \
      /: , -/ : : : : /: : : :/ : : ,|: :|: : : : : :| : : : : ヽ : : : : : :ヽ
      /: //: : :/: : :/: : : ,イ: : :/ |: :|: : : : : :| : : : : : :', : : : : |_ 」__
    /: / .': : : :/ : : /.: : :/ |: : イ |: :|', : : : : | : : : : : : ',ニ/⌒ヽ.:.:>、
.   //  /: : : :/: : : .': \/ |: /:|  ',: ',ヽ: : : :|', : : : : : : ',/ ̄.:ヽ}___.:.:.:.\
  /    /: : : :/|: : : :|: : :/\.|/ |   v ', \斗―: : : : : :|.:.:.:.:.:.:.\:ヽ.:.:.:.:|
      |: : : /.:.|: : : :|: :f≧x、ヽ |   ヽ{ /ヽ| ', : : : : : |.:.:.:.:.:.:.:.:.:| :|.:.:.:.:|     はぁっ!? アンタのおちんちん病気なんでしょ!? 治したいんでしょ!?
      |: : ∧.:.|: : : :|: :|! {rイ心  、__ /x≦云示ア/⌒ヽ.:.:.:.:.:.:.:.| :|.:.:.:.:|
      |: :/ ヽ!: : : :!:ハ Y::::j}    〃frイ:::::::::/'      }.:.:.:.:.:.:.:| :|.:.:.:/      だったらツベコベ言ってないでとっとと脱ぎなさいよ!?
      |:/    V: : :|{: :ハ ヽzソ        vトーイ/      /.:.:.:.:.:.:.:.:| :|ー '
      |{r=≠ニヘ : ∧/ {.:.:.:.:.  、     ヽzxV     /____」 :|        そんなグズグズした性格だから、おちんちんまでグズグズになっちゃうのよ!!
        }    |V : : :个 、   f⌒ヽ  .:.:.:.{      ′: : : :/ : : : |
        { \ー‐|: : : : : |: /「 >- 、___ノ__ ... -',    {: : : :/: : : : │
        |  `ー|: : : : : |/ :| | |  ヽ x-- 、/ }    |: /:}: : : : : : |
       ヽ.ヽ、 ヘ : : : :∧/| | . >ー{   ヽ/ ̄ ̄ ̄ヽ. |: : : : : :│
         {ヽ.__ム: : : {-ヘ ー ' {.:.:.:.:.:.>、   {       ',ヽ: : : : : |
        ヽ.ー―ヘ: : :|-/ヽ   〉ーく /ヽ  ヽ/⌒    | ',: : : : |
720マロン名無しさん:2010/11/12(金) 17:30:08 ID:???
             _,.-:‐:'"´: ̄: : : : : : : : |: : : ̄: : : : :<、____,
           /: : :; : : : : : : : : : : : :.:: :|: : : : : :、:: : : : : : : : :、:/
            _,r‐'-、: : :|: : : :/......: : :/ : :|:: :ト、:: : : : :i: :.、:...、. . ...∧
          /〈   \:|: : :/. . . . ./... ./|:: :| \:: : :|. . .i. ...\... .∧
        /  r::、    \:/: : : : :/:.: :/' |: :|   ∨: |: : :|:: : : ∧:: :.∧
     /   /: ::∨     /: : : __;'_;ノ/  |: :|  ヽ、|__:|_:: :|::. : : :∧::: :.ハ
      〈    |: : : :|:V   /: : : : :/:: ;/   |: :|   |: :l∨: |:::.. : : :∧::: : |
     \  |: : : :|::∨ /: :;': : :/:/__、   |: :l   ,._|:/__∨:l:::::::.. : : :|\::|    ったく! 駄目じゃない! 「大事な部分」なのにこんな不潔にしちゃって!
       \|: : : :|::::∨: :/:: :/マ弐テz、  |:/   ,ィチ弐ア∨::::::::::.. : :|  `
        |、: : :ゝ:://|: :/、 |::::::(_|` '´   ´ |::::(_| ,'∧:::::::::::..: :|       こういうトコロは丁寧に洗わないと病気の原因になっちゃうんだからねっ!?
        |::V: : :::´:::r'|:/  、 V:z:;リ      Vz;リ,'ハ:∧::::::::::|: |
        |: :∨: : :::〈 i´ 、   ゛-‐     、   ‐-'" |ノ::::l∨:::/|/
        |: ::::∨: : :::ゝ--'、 ゛゛    __     ゛゛ノ:::::::| |:;/          __
        |: : ::::∨: : :::∧  \    (:::__,ノ   ,.イ::::::::::::| ´         /´_,,ノ
        |: : ::::i::∨: : : ∧  ,.>‐r:- r:‐<´ |:::l::::::::::i:|        / ,∠__
        |: : ::::l::::|\: : ::人/`ヽ::::ノ.  l::::.. ,ハ_j:::|::::::::::|:|       /´ 〈:::_ゝ,〉》
        |: : ::::|::::|  ∨: : : \  `ー--‐'´    ̄`ヽ:::|:|    /  ,`二,フ‐"
        |: : ::::|::::| /´ `ヽ: : : :〉 `ー--‐'´      ∧::|     l  ノ´ ノ
721JEDI_tkms1984:2010/11/12(金) 20:59:05 ID:???
 皆さん、こんばんは。
本日分の投下を……その前に容量が少ないようですがどうしましょう。
スレの立て方がよく分からないのですが、どこをどうやるのでしょうか?
722マロン名無しさん:2010/11/12(金) 22:10:15 ID:/w761jlr
ちょっと待っててくれ
あたしが今依頼所に依頼してくる
間に合わずこのスレ落ちたらこの板で自殺で検索で探してくれ
723マロン名無しさん:2010/11/12(金) 22:19:58 ID:???
           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : :、:: : : :、
          ,:: : : : : : : : : ::/: : : : ,': : : : :;|: : :|: : : : : : : : : :.ヽ:: : :\:::: :ヽ
         ′. . . . . . ../. . . . . ./. . .../ | : :|:: : : : : : : .i: : : : :、:: : :ヽ::: :ハ
        /. . . . . . ../. . . . . . ../. ../|   |.....|.. . . . . . ....|. . . . . .\::/ ̄ ̄|/ヽ
          /: : : : : ::/: : : : : : : :;イ: :/'  |   |: ::|:: : : : : : : ::|:: : : : : : : ヽ   |:  |
.         |: : : : :;.イ:/: : : : : :.,'::/_|:_:l、  |   |: ::|\: : : : : :::|::: : : : : : : :.ハ   l:  |
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.         |:/ /'´|: : : : : :/:::マ弐ヽ:|z.、 |   |: :|  ヽ:: : ::::ト、::: : : : ::|:|: :|__/ヽ_/
              |: : : : :;/::/::|'|'´f_ノ::ハ` |  |: :|    \: :| ∨::: : : :|:|: :| |:: \
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724マロン名無しさん:2010/11/12(金) 22:22:21 ID:???
                                                                                    
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            |: : : /|: : l: : |  マ辷ソ      行テ=ッ-、|: : :.,': : !  |: : |_/
            {; イ: :{: : :ヽ:j     ////ゞ辷ソ イ|: : /: : :|_|:.: :|      ねっ! 駅員さん! そこのイケメンの駅員さん! ひっく!
                  |:.:∧: : : リ                  |: /: : : :|: / : : |
                  |:/:.∧: 八      f>―-、       j/|:/ヽ|:/i: : : |      おねーさんと! おねーさんとしよっ? ね?やろ? いっく!
                  |: :/: :ヽ{:个: 、  `ーu┘     、_ノ' : : :/: i: : : |
                  | ;': : : :.:l:/: : :|> ,、____....., 、-=勹: :/: : : :/: : |:. : :|      だから駅に泊まらせて! 気持ちいいからっ! ウイッ!
                  |;': : : : :.レ ‐┴/∧   ノ ト、_// : : : /i : : |:. : :|                              
             l: : : : : /   /  {___/  │/ : : : : : /:.:i : : |:. : :|
             |: : : : /   /  {_/    j/ : : : : : ∧:.:l : : |:. : :|
             |: : !:.,′|  { 〇/\    /: : : : : : ;ハ|:.:l : : |:. : :|
                                                                                         
725マロン名無しさん:2010/11/12(金) 22:23:03 ID:???
           __      __
          〃ハ      〃ハ
          |i >`'´ ̄ ̄ ヾ、}!                       -――- 、
          |レ     _●ヽ                  /       \
          |   ● '´ ━ヽ二、                    / / {. |  .}|     ヽ
          {  -―   、_ィヘノ ーヘ                  ,' {-∧ j  -∧l  |  |
          j   / / じノ    {                  l l. YrトV/リr=テ |  |
         {i         リ  '.                  レ| ヽ}┴'  └/ /) /
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          }    ヽ、_〉   ゝイ                 ((´  ̄∨ { {{/  ,  }ヘ
            /   ,、___ノ  /⌒ヽノ                  `ーヘ\ \V  /\j ハ
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         }         |  .|  {                 〃⌒ ̄\`<二ニ、__〉
f⌒ヽ      ノ         |  .|  └-、               ゝ、    )  \/ i}
{    \_   {      -=-、 |  |     }                \`ヽ { _ / f7
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726マロン名無しさん
                    i: : : : : :∧: : :.:/ |: :| ヽ ヽ : : : : : : : : |: : : : :.i : : : : : : : : : : : : : : :
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