Act42 夢4 ジュピター・ドリーム
ちびうさは部屋から窓を眺めて、一つ溜息をついた。――エリオスが あれからあらわれない
鈴を鳴らしてみても、なんの反応もない。「ちびうさ――っ おやつ食べないの?」
ダイアナを頭に乗せたうさぎが、ケーキを食べながらちびうさを呼びに来た。「……食欲ないの 胸がいっぱいで」
「え゛〜〜〜っ!?」うさぎはびっくり。「そっかー ざんねんねー きょうはレモンパイもメロンもチョコケーキもシャーベットもあったんだけど…」
ちびうさはしばらく思考停止した後、廊下を走ってリビングへまっしぐら。「食欲ないけどっっ ……食べる」「ハイハイ」
ちびうさより先におやつを食べ終えたうさぎは、衛の家に出かけるようだ。
「まもちゃんずっとぐあい悪くて大学休んでるの おみまいいこうと思って あんたもいく?」ちびうさの脳裏に人間姿のエリオスがちらついた。
「あ ううん いい これから二人のジャマはしないコトにしたの いってらっしゃい」
笑顔で手を振るちびうさを見て、うさぎとダイアナは天変地異の前触れではないかと不気味がっている。
ちびうさはドキドキしながら顔を赤らめた。――いけないわアタシったら まもちゃんっていう心の恋人がありながら
あのときからエリオスのことばかり ……考えてる ――これじゃまるで気分はフリンだわっっ
エリオス……どうしてきゅうにあらわれなくなっちゃったの?あれがエリオスのほんとうの姿なの?
どうしてペガサスの姿をしてるの?――ヒミツのニオイがいっぱいのエリオス ――力になってあげたい
「――だれかのとこに相談でもしにいこっかな ひとりでモンモンとかんがえててもはじまんないしっ」
――亜美ちゃん…“まずはデッド・ムーンの解析から”……は話が長くなりそーだし
レイちゃんってカンジの話題じゃないし“若いオトコの姿になったとたんにっっ(怒)”
“で?二人はどーゆーカンケイなワケッ??”美奈子ちゃんにはつっこまれそーだしっ☆
「そーだっ まこちゃんにそーだんしよっ」ちびうさは元気に出かけていった。
「うさぎはいいなあ なんでもそーだんできる仲間がいっぱいいて」
「スモール・レディッ☆あなたはまだまだ修行中の身!うさぎさまと立場をくたべるなんて!身分不相応なっっ」ダイアナが忠告する。
「わかってるわよぉ」――いつかあたしもりっぱな戦士になって あたしの仲間ができるときが ……そんなときがくると いいな――
闇の底の籠の中では、ペガサス姿のエリオスが苦しんでいた。……しっかりしなければ 王子のおからだまで蝕まれてしまう… そしてこの星も……
“ジルコニア”「なんでございましょうネヘレニアさま」“――わたしはだあれ?”
「あなたさまはこの世でもっとも美しくかしこい わがデッド・ムーン最高にして最大の力をおもちの 偉大なる女王ネヘレニアさまでございます」
“――われらの悲願は?”「――われらの悲願 それは にくき白い月の王国シルバー・ミレニアムにとってかわり
聖石(クリスタル)“幻の銀水晶”と この青い星地球をわが手にすること」――そしてやがては全宇宙の偉大なる支配者となること
“ククク そうよ エリュシオンはすでにわが手に落ちた 太古のむかしからこの星を守りぬいてきた白い月の王国も
もうすでに息たえ あそこはもう死の星 ククク あとはめざわりな月の王国の生き残りどもを始末するだけ
はやく 悪夢と暗黒で満たされた この青い星が見たい―― 美しき暗黒のデッド・ムーンのものとなったこの星を!”
「女王ネヘレニア おまかせを このアマゾネス・カルテットと このアマゾン・ストーンと!このレムレスどもに!」
「かならずやこの星をわれらのものに!ククク」
衛はベッドの上で苦しんでいると、スウッと四天王の幻が現れた。
――師(マスター)の体を包むオーラが弱まっている ――師の体の内部に異変がおこっている――
衛は苦しげに咳き込んだ。思わず押さえた手に付着したのは、血だった。
――だが もうわれわれの力ではどうすることもできない――
玄関のチャイムが響き渡り、四天王は静かに姿を消した。「まもちゃん?」「――うさ」
「もしかしてねてた?おこしちゃってごめんね だいじょうぶ?体のほう 食事とかしてないんじゃないかと思っておべんともってきたの
ママに煮物いっぱいつめてもらっちゃった あとね 外でてないんじゃないかと思って のみものと薬も……」
「……うさ」衛が不意にうさぎの言葉を遮った。「……帰ってくれないか ――ねむろうと思ってたところなんだ ……ゆっくり休みたいから……」
「……あ うん ごっ ごめんね か 帰るね ――とつぜんおしかけて ……ごめんなさい ――ゆっくり休んでね それじゃあ」
うさぎは笑顔を取り繕って、衛の部屋を出て行った。衛はぎゅっと目を瞑る。――感づかれちゃいけない うさにだけは
衛はまたも激しく咳き込むと、吐血した。――この黒い血のことを!
“肺に影が”――どうしたんだオレの体はいったい!デッド・ムーン!これからだやつらがこの街に魔の手をのばしてくるのは――!
これからというときに!またしてもうさの足手まといになるのか――!
衛のマンションを出たうさぎは、呆然と立ち尽くしていた。――まもちゃん……!?
「どうだった?きょうのショーは」「きょうはゾウとオートバイのショーが迫力あったな」
「なんかモーレツに怪電波がでてたよーな気がするわ アタマがクラクラする」「ショーを見た人たちだいじょうぶかしら」「うん 見た目はひとまずだいじょうぶそうだけど」
――あたしたちあれから毎日 デッド・ムーンサーカスに偵察にきてます
「あくまで表向きはタダのサーカス団をよそおうつもりなのかしら」「怪電波で洗脳しよーってケーカクのショーコはあがってんのよデッド・ムーン!ぜぇったいバケの皮ひんむいてやるわっ!」
「でもその後敵のコーゲキのナシ☆サーカス団にもとくに変化はナシ☆」「もう最後はサーカスの人たちをはしからつかまえてみるしかないわね」
「いったい敵は何者?どんなヤツらなのかしら」そう言って帰路につく美奈子達四人を、木の上からアマゾネス・カルテットが眺めていた。
「――そうカンタンにしっぽをつかまれるほどまぬけじゃないよv」「あんたたちがどんなに手ごわいかも ウワサにきいているしね」
アマゾネス・カルテットは美奈子達を手鏡に映した。そこに映ったのは四人のセーラー戦士。「シルバー・ミレニアムの守護戦士 セーラー戦士ども!」
「あたしたちはね 夢にまで見た外へやっとでれたの」「思いっきり楽しませてもらうよvククッ」
ジュンジュンはパチンコを構えると、美奈子達四人の後頭部にボールや石の欠片を命中させた。
不思議そうな顔をする美奈子達を、アマゾネス・カルテットは木の上からせせら笑った。
「それにしても すっかりサーカスが街に定着したわね あいつらこの街にずっといすわる気かしら☆」
十番商店街は放置されたゴミが増えたように見受けられる。「サーカスがきてから なんか十番もきたなくなったわね」
「しかたないわよ ヒトが集まるんだもの」「夏になればもっと人がサーカスに集まっちまう キケンだな なんとかしないと」
「暑いわね 今年の夏は猛暑になりそうね」「じゃね」「バイバイ」「またあしたね」ゴミの傍には、無数のレムレスが隠れていた。
「あ!まこちゃんv」ちびうさがまことを呼び止めた。「よっちびうさv」
「いまね まこちゃんちいこうと思ってたの ちょっとそーだんしたいことがあって……」
「なんだなんだあらたまっちゃって 気になるオトコの子でもできたか―――っ」鋭いまことに、ちびうさはドキッとしてしまう。
「よ―ーし まこちゃんがおいしい夕ごはんごちそうしたげようv」「わ――いっv」「スーパーへレッツゴ――v」
スーパーではなにやら人だかりができている。変わった客が、店員を質問攻めにしているようだ。
「ええっ!?ピリピリもピンコピンコも!?ガラナもないのっ!?」「お客さま そのようなものは当店には……」
「それじゃトコンは?ヘンルーダは?オールスパイスは?」――もしかして……
まことがにっこり笑って客に話しかけた。「スパイスとかがほしいんですか?それなら外国人専用のスーパーにそろってますよ」
まこととちびうさは、その客と一緒にスーパーを後にした。
「スパイスやハーブは小さなスーパーでは売ってないんですよ そこのスーパーまでいっしょにいきましょうか?」
「ご親切にどうもvでも じつはいまのは市場リサーチだったの」客はバッチンとウインクして見せた。
まこと達二人は、その男の経営するハーブ専門店へと付いて行った。
「きょう開店したばかりなのvもううれしくってv十番商店街のほかのお店をいろいろ研究してまわってたのvどうぞ入ってv」
「わあっ」まことは歓声を上げた。「ハーブならほとんどそろえてるの でもおススメはやっぱり いろいろとりそろえたアマゾンの薬用植物かしら」
まことはアマゾンと聞いた途端表情を変えた。――アマゾン!?
「――まさか サーカス団の?」――アマゾンからのサーカス団!デッド・ムーンサーカス!」
「ええアタシメンバーよvまだ当分興業はつづくしせっかくだからお店をだしたの 副業ってとこかしら」
「じゃ さっきいってたのもアマゾンの植物なの?」ちびうさが質問する。「そうよ 薬になるのよ」
(ピリピリ…カヤツリグサ科 婦人病に ピンコピンコ…マオウ科 膀胱炎に ガラナ…ムクロジ科 万能薬 トコン…アカネ科 去痰薬)
男は目をキラキラさせた。「アタシね こういう小さなお店をもつのが 若いころからの夢だったの 十番は良心的な街だわ 店舗も安くかしてもらえたし
いい街ね大好きよvでもまたサーカスの巡業でべつの街へも行くわ いつか世世界中にお店をもつことが夢なのよ」
まことはドキドキしながら切りだした。「――あ あたしの夢も……いつかお店をもつことなんです お花屋さんとケーキ屋さんの」
「まあステキッ!ゼッタイ実現させてね!目標をきめたら若いうちから努力しなきゃダメよ!」
男に夢を肯定されて、まことは嬉しくてポーっとしてしまう。「ウチのお客サマ第一号の二人に特別なプレゼントさしあげるわ」
男――ホークス・アイはまこととちびうさに綺麗な指輪を手渡した。
「これはアマゾン・ストーン アマゾンの魔よけのおまもり 夢をかなえるおまもりでもあるのよ」
まことは感動して真っ赤になってしまったのだった。
●to be continued●
Avt42-2
「まーこちゃーんvトマトきってサラダに入れたよ」「OK そしたらバジルをちらしてできあがりv」
「バジル?」「トマトをおいしくするハーブだよ」「へ――v」まことはイタリア料理のディナ―を作りながら、右手中指の指輪を眺めた。
――夢をかなえるおまもり かvすてきな人だったよな キラキラしてて 夢を実現させてもさらに努力をつづけてた
“若いうちから努力しなきゃ”――あたしの夢 ――あたしは両親が早く死んじゃってひとり暮らしが長いから
早くケッコンして しあわせな家庭をつくるの そして小さなお花屋さんとケーキ屋さんをひらくこと
それからナイショだけど ホントはみちるさんみたいに キレイな女性にもなりたい それからはるかさんみたいに 強くもなりたい
夢はたくさん ――でも あたしその夢のために 努力なんてしてた?
「それでね まこちゃんにハーブのお料理を いっぱいつくってもらったの(ごはん食べたらエリオスのそーだんするのわすれちゃったケド)」
「そうか それで」衛が相槌を打つ。「これがそのアマゾンストーン 魔よけの石の指輪か」
「ねっキレイだけどあやしいでしょ?タダでこんな高そーな指輪くれるなんて」「ちびうさ コレあずかってもいいか」
「もちろんvじゃああたし帰るね」ちびうさはドアの前で心配そうに振り返った。
「まもちゃん “おだいじに”ね ちゃんとごはん食べてね なにかほしいものあったらでんわしてね かってくるから」「わかったわかった」
ベッドの中から笑顔で見送った衛は、ちびうさが部屋を出るなり表情を変えた。――アマゾンストーンか
衛はペンチを取り出したかと思うと、ちびうさから預かった指輪の石を割ってしまった。
――ふつうの石に見えるが しばらくおいてみてみるか……
衛のマンションをでたところで、うさぎがちびうさを待っていた。
「……ちゃんと“おだいじに”ってつたえてきたよ まだ具合わるそうだった まもちゃん」
「……そっか ごめんねちびうさ ありがとね」「……どうして会わないの?せっかくきたのに……」「いいの」
――なんだか また拒否されそうで ……こわいの ……なにかあったのでしょ?まもちゃん 時間がたてば ……話してくれるよね
一方、まことの足は自然とあのハーブ専門店に向かっていた。「いらっしゃいませ――… あら」
「こんにちは すこし見ていってもいいですか?」「もちろんよ」
店員――ホークス・アイはお茶を入れてまことを座らせた。「どう?その後夢にむかって順調につきすすんでる?」
まことは恥じらいながら切りだした。
「……友だちにはなんか相談できなくて…… ……あたし ……夢がたくさんあるんです ……でも 迷ってて……」
――あたしはほんとうはどの道を選んだらいいの?――もしかして このままセーラー戦士をつづけていたら 戦いがあるだけ
――ずっと心に秘めていたあたしの夢は 実現しないんじゃないの?
「――いますすんでる道がまちがいなんじゃないかって思っちゃって――」――やだあたしナニいってるの?
「迷ってるならやめちゃえば?セーラー戦士なんか」――え!?
指輪から妖気が吹きだし、まことの右手にレムレス達が現れた。――なに!?こいつら!――この指輪!ぬけない!?
「悪夢の権化レムレスちゃんたちが 夢がたくさんつまってはちきれそうなあなたをほしがってるわ
あなたもデッド・ムーンサーカス団に入ったらいかが?あたしといっしょに悪夢を世界じゅうに売り歩きましょうよ」
指輪からどんどん力が吸い取られていき、そうしているうちに店のシャッターがピシャリと下りてしまった。
鷹の姿に戻ったホークス・アイの後ろにベスベスが現れた。「かわいそうに これでだれも助けにこないわよvククッ」
パラパラもアマゾンストーンと共に現れた。「これがアマゾンストーンの“玉結び”ほどけるものならほどいてごらん」
まことはドサッと床に倒れ込んでしまった。――力が ぬけてく……!……みんな…… ごめん…
「今度こそセーラー戦士もこれでおわりね」そう言って、アマゾネス・カルテットの一人がまことの頭を踏みつける。「ちょろいもんだわ」
『……ピター ジュピター』全裸のまことははっと目を覚ました。「――ここは」『ここはお前の意識の中だよ ジュピター』
そういってまことの頬を打ったのは、なんと小さなセーラージュピターだった。
『しっかりしろよ!ったく!敵にまで弱みをみせてどうする!だからつけこまれんだよ!おまえは使命を忘れたのか?
怪力ジュピターがいなくて だれがプリンセスセレ二ティを マーズやマーキュリーやヴィーナスたちを守れるんだ!この街の人たちを守れるんだよ!』
……そうだ あたしは怪力ジュピター 夢はいろいろあるけど いまいちばんの夢は
大好きなみんなを守る最強の戦士になること そしてそれが使命――!
“まこと 覚えておいて 敵をたおすまえに最大の敵は 自分の弱さだ!”――わかってる はるかさん ――まけない!
『それでこそ セーラージュピター!』――あたしのプリンセスジュピターだ
まことの手の中に、ハート形のクリスタルが現れた。『それはおまえのジュピタークリスタルだよ』「おまえは……」
『あたしはおまえの分身ってとこかな いつでも見守ってる がんばんな怪力ジュピター』
まことはすぐさま起き上がると、自力で呪縛をぶち破った。「ジュピター・クリスタル・パワー・メイクアップ!!」
変身したジュピターの額の上には、雷電のエンブレムであるオークの葉が飾られていた。
「この街からかならずおい出してやる!そのときはおまえらが死ぬときだ!デッド・ムーンサーカス!」
「ジュピタ――・オーク・レボリューションッッ!!」パラパラとベスベスは急いで姿を消し、鷹の姿のホークス・アイだけが電撃の餌食になった。
すると、店は幻のように消えてしまった。「ジュピター!?」「うさぎ!ちびうさ!」なんと偶然にもうさぎとちびうさが傍にいたのだった。
――ククッ さすがはセーラー戦士!だが死ぬのはおまえたちのほうよ!
木の上にいたアマゾネス・カルテットにジュピターが気付くも、彼女たちはすぐに消えてしまった。
突然、ちびうさの鈴が鳴り響いた。「エリオス!?」――エリオスが!どこかであたしをよんでる――!?
うさぎとちびうさは同時に危機を察知した。――まもちゃん!?
うさぎとちびうさは急いで衛の部屋に乗り込む。「まもちゃん!!」
そこにはベッドの上にうつ伏せに倒れている衛に、ペガサス姿のエリオスが寄り添っていた。
その周りはたくさんのレムレスの囲まれている。「ちびうさ!」「うさぎ!」二人は顔を交わした。
「「ムーン・クライシス・メイクアッップ!!」」
二人はすぐに武器を構えた。「「ムーン・ゴージャス・メディテイションッ!!」」
レムレスは一撃で吹き飛び、エリオスがふらつきながらちびうさの傍に寄ろうとした。『――乙女よ……』
「エリオス!?」――体じゅうキズだらけ――!?
衛はベッドの上で苦しげに咳き込んだ。「まもちゃん!?」スーパーセーラームーンは見てしまった。――黒い血!?
●to be continued●
12 :
マロン名無しさん:2009/03/19(木) 22:13:26 ID:8mMJfAjD
オークの葉って軍隊の紋章などのシンボルになってるやつだよね
雷電のエンブレムって言われてもなんのことだか
>ごはん食べたらエリオスのそーだんするの忘れちゃったケド
ごはん>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>エリオス
ですね、わかります
亜美もレイも意識の中(?)で服を着ていたのになぜまことだけ裸なんだ
〜〜〜レボリューションってサターンの技もそうだったような
いきなりペンチで宝石を破壊する変態にワロタwww
次回、衛に多額の保険金を懸けるうさぎの姿が
アマゾン・トリオ全滅か…
次回からは、アマゾネス・カルテットが、一人また一人と消えていくんだろうな
>>12 オークというか、日本語だとカシワの木。
ヤドリギが生えるので、ヨーロッパのドルイドとかがあがめられてる。
雷を操るゼウス/ジュピターの象徴だったり(ヤドリギのほうが)。
しかし、「怪力」ジュピターか…もう少し言いようってものが
脳筋ジュピター
筋肉キャラで良いのかまこ
>>14 亜美&レイ→服着用
まこと→全裸
ときたから、美奈子の意識の中のシーンは全裸かな。
Vコスに一票
ヴィーナスの武器?予想
1.ラブミーチェーン進化版
2.初期に出てきた銀水晶の剣(何故か復活w)
3.セーラーVの時に一度だけ使用したマイク
4.クレッセントカッター
[受験戦争編]
第2話 亜美ちゃんの初恋 (「るんるん」1995年7月号掲載)
――あたし 水野亜美 九月十日生まれ 星座は乙女座 血液型はA型 母と麻布十番のマンションに二人ぐらし
毎朝授業開始四十分まえに教室へいって本を読むのが日課 趣味は読書とチェス 好きな色は水色
好きな食べ物はサンドイッチ 食べながら本を読んだりできるからよ 好きなスポーツは水泳 好きな科目は数学 そして苦手なものは……
ある朝、亜美が学校のロッカーを開けると、そこに入っていたのは――ラブレター。「……いっ」
手に取ったとたん、亜美の顔には広範囲にわたってプツプツと発疹が出来てしまった。亜美は思わずラブレターを投げ出す。
「いやあ〜〜ん かゆ〜〜〜いっっ」
昼休み、すっかり変貌してしまった亜美の顔を見て、うさぎはびっくり。「亜美ちゃんっ!?どーしたの!?そのカオッッ」
「……ちょっとね 朝じんましんがでちゃって ストレスがたまっているのかしら(じんましんはストレスが原因なのよっ)」
そーよべんきょうのしすぎよおっ、とうさぎは内心思うのだった。
――苦手といえるほどもらったことがあるわけではないのだけど(じつはこれで三通め)ラブレターを手にしたとたんカラダにこんな症状がでてしまうの
まず第一に「はずかしい」からだと思うわ 第二に「信じられなくて」 だってこんななんのとりえもないあたしにラブレターなんて
そして第三に ――やっぱり拒否反応なのかしら
――あたしね 思うの 中学三年のたいせつなこの時期 情熱をかたむけるべきことはただひとつ
それは勉強よ!いまの亜美の辞書に「恋愛」の二文字はないわ!
「ああっ!!」下校中、受験生向けの情報誌を読んでいた亜美が突然叫んだものだから、うさぎや美奈子達はびっくり。
「……またこのヒトだわ!予備校の模試で最近よく名まえを見かけるヒトなの いつもかならずわたしの順位と同じなのよ」
そう言われて亜美の持つ情報誌を覗いてみるが、うさぎにはさっぱり意味がわからなかった。
「マーキュリー?メリクリウス?それが名まえ??」
「ペンネームよ 自分の好きな名まえを登録してその名まえで試験を受けられるの もともとは通信添削のシステムよ」
「マーキュリーってもしかして亜美ちゃんのペンネーム?」「そうよ」
――いろんな出版社や予備校の全国模試にもよく登場するこのヒト 「メリクリウス」 いまのところずっと満点で一位をキープしているヒト
「どれどれ?」まことも一緒に情報誌を覗いてみた。「一位マーキュリー 五教科総合五百点 ……五百点ッ!?また全教科まんてんッッ!?」
「いつも満点ばっかであきない?」レイが笑顔をひきつらせながらつっこむ。「そうね ちょっと変化にとぼしいわねっ」
「受験勉強もいいけど さ たまには息ぬきしないと あしたみんなで原宿のバーゲンいくんだ 亜美ちゃんもいかない?」
同じく笑顔をひきつらせたまことが誘ってみたが……。「ごめんなさい あしたも模試をうけようと思ってるの」
さすが模試荒らしの異名をとる亜美ちゃんっ!友情よりもテストをとるオンナッ!とうさぎ達は揃って呆れてしまうのだった。
――そう いま あたし友情をうらぎっても模試をうけたい理由があるの ――それは気になるヒトがいるから
「ああっ!」別の情報誌を読みながら、またも亜美は短く叫んだ。――またこの人!同じ点数 同じ順位――!
――メリクリウス ――ラテン語で「マーキュリー」 この名まえと都内の中学ってこと以外はいっさい不明
気になってしかたない亜美。そんなとき、亜美は掲示板に模試のポスターと新しい予備校のポスターが貼ってあるのに気が付いた。
――もしかして「メリクリウス」もこの模試をうけるのかもしれない うけなくちゃ!――そうよ彼(もしくは彼女)も予備校や塾へいっているハズだわ
もうすでに模試会場や予備校で 知らないうちに会っているのかも……!どんな人かしら――!
亜美はぱっと閃いた。――そうだわ もしかしてこれからある模試ぜんぶをうけて いろいろな予備校へも通ってみたら 会えるかも……!
「なんだかやる気がでてきたわっ ライバルがいるってすてきなコトねっ」眼鏡をかけた亜美は思わずガッツポーズを決めた。
「さあっ ガンガン模試をうけるわよっ 予備校にもいくわよっ もうしこまなくっちゃ!」
参考書をブツブツと読みふける亜美を遠目に見て、うさぎ達が呆れている。「亜美ちゃん最近やつれてない?」
「あたりまえよ!塾や予備校に加えて 毎週日曜を模試の日にしたんだって」
「おカネもかかるわねー」「いーのよあみちゃんち医者だしひとりムスメだしっっ」
「え――っ IQ300の亜美ちゃんがなんでそこまでっっ」うさぎ達は同時にピンときた。二ヤリとして亜美を見やる。「……例のメリクリウスさまねっ」
数日後…。「ああっ!」またまた別の情報誌を見ていた亜美はまたまた短く叫び声を上げた。またマーキュリーとメリクリウスが同時に一位を取っていたのだ。
「ここまでピッタリ同じ点数同じ順位なんて もう奇跡よ!!やっぱり敵かも!」
二人そろっていつも満点なんだから一位であたりまえでしょ、と思うレイをまこと。うさぎと美奈子は「そりゃキセキだけどーっっ」と喚いている。
「でもこのヒト きっとすばらしいヒトなんでしょうね ここまでトップをキープするなんて どんなヒトかしら 会ってみたいわ」
美奈子が思わず呟いた。「亜美ちゃん まるで恋でもしてるみたい」
亜美は猛否定。「彼(もしくは彼女)はあたしのよきライバルよっ 恋だなんてフキンシンなっっ」
「そーよ まだメリクリウスさまは男か女かもわからないのよ」とうさぎ。
「ねえ 亜美ちゃんの理想の男性ってどんな人?たとえば芸能人でいうとだれ?」美奈子がわくわくしながら聞いてみるが……。
「あたしの理想のヒト それは…… あの特殊相対性理論のアインシュタインさまかしらっ」亜美は夢見るような目でそう語るのだった…。
「さすがに理想は高かったけど あたしあんな亜美ちゃんはじめて見ちゃった」「あたしも!」フルーツパーラークラウンでうさぎ達がお茶をしている。
「あんなホオを上気させてひとみをキラキラさせた亜美ちゃん」あんなハイテンションでぶっとんだあみちゃん、と内心思ううさぎ。
――もしかして…… これはマジに亜美ちゃんの初恋!?
「よ――し!ココはいっぱつあーみちゃんのために ひとはだぬごうじゃないの このみなこサマがっ
つきとめるのよ!メリクリウスさまがどんなヤツかっ!あのままじゃ亜美ちゃん気がちって成績がおちちゃうわ!」
「こんなコトはじめたってのがバレたときのほうが 亜美ちゃんの気がちると思うけど」レイが冷静につっこむ。
「どうやって見つけるの?」一同はもんもんと考えていたが、やがて美奈子がパチンと指を鳴らした。
「そうだ!亜美ちゃんたしかネットの掲示板でチャットやってるよね メリクリウスさまもやってるんじゃない?きっと!
そこでメリクリウスってハンドル・ネームをさがしだして ネットをつかってそいつのデータをゲットする……」
一同はしーんと静まりかえった。うさぎ・レイ・まことはメカオンチで、美奈子は唯一メカオンチではないがパソコンはいじれないのだ。
――そんなことできるの亜美ちゃんしかいなーいっっ
「でもあたしもメリクリウスさまがどんなヤツか見てみたい!亜美ちゃんの初恋だものね←本人に確認を取ったわけではない
カッコイイヒトかもしれないしv」うさぎが悶々としながら学校の廊下を歩いていると、なると海野がやってきた。
「うさぎ―― きょう図書館よってかない?海野が中間テストのヤマかけてくれるってv」
――海野ッッ!!限りなくいま力をかしてくれそーなヤツの存在をしばらく(一年くらい)忘れてたわっっ!!
うさぎはがしっと海野の胸ぐらを掴んだ。「海野!あんたメリクリウスってペンネームの模試荒らしきーたことないっ?」
なんと、ラッキーなことにメリクリウスは海野の友人だったのだ。「え?会わせてほしい?いーですよ」
そのころ亜美は、一番予備校に殴りこみに来ていた。「ここね 学校の掲示板に広告をはりだしてあった予備校って
ずいぶん古い建物ね 生徒はいるのかしら」――ううん!勉強はどんなところでもできるわっ
メリクリウスとのショーブのために学ぶ場所がひとつふえて 亜美うれしいわっ!
チャイムの音で、亜美ははっと目を覚ました。ノートにはよだれが付いている。
――いけないっ あたしとしたことがっっっ 初日からいねむりっっ!?なんだかアタマがポーッとするわ 体調をくずしたかしら こんなことはじめて
メリクリウスを意識して勉強をやりすぎたせい?あたしのペースを乱すなんて なかなかやるわね さすがメリクリウス!
亜美はドレーク方程式を思い浮かべた。――でも あなたとショーブをしてもしても満たされない 会ってみたくても名まえさえ知らない
これはまさに方程式がとけないときのイラだちと同じ はやく解を見つけてスッキリしたいわ!
亜美は気づかなかったが、同じ教室で、全国模試の申し込み用紙を書いている男がいた。彼がペンネーム欄に書きこんだのは――「メリクリウス」。
夜になり、予備校に煙のように湧き出た悪しきものが一人。
“わらわは地霊(ゲニウス・ロキ)ぼんのーん 由緒正しき寺子屋を ここに開いて百数十年
まじめに勉学にはげむ者しか見たことなかったが なんと!まれに見るオソロシイ煩悩を感じる!
このよみかきそろばんの聖地に 口に出すのもはばかれるような インラン邪気のかたまり!”
地霊は、ふらふらと予備校を出ていく亜美の姿を認めた。“おおっ!まさしく恋する乙女!オトコのことばかり考えてる煩悩のカタマリじゃ!”
「この予備校ですよ ヤツが通っているのは」海野はうさぎや美奈子達を、一番予備校へと連れてきた。
「あ!メリクリウス!」「やあ!ぐりぐり博士!←どうやらペンネームでよびあう仲らしい」うさぎ達はぱちくりと目を瞬かせた。
「けっきょくゆうべは体調がわるくてノルマがおわらなかったわ きょうは内職しなきゃ」
亜美ははっと我に返った。――ダメよ!授業中に内職なんて 学校へのぼうとくだわ!……あら?「ぼうとく」ってどういう字だったかしら
しっかりしなきゃ!成績をおとすわけにはいかないわ!模試でメリクリウスがあたしをまってるのに がんばらなきゃ……
なんと亜美はそのまま廊下でパッタリと倒れてしまった。「きゃ〜〜〜 亜美ちゃ〜〜〜ん」うさぎが叫ぶ。
亜美は保健室へと運びこまれた。「亜美ちゃん〜〜 もしかして知恵熱?」「それをいうなら恋の病だろ」とまこと。二人とも心配して涙ぐんでいる。
「ただのカゼよ 不摂生のせいね ねてればなおるわ」保健の先生はそう言うが、亜美は高熱でかなり辛そうだ。
急用のため、保健の先生は亜美を一人残して保健室を出て行った。
「う――ん う――ん アタマがいたーい カラダが動かなーい 勉強したいのにできなーい これはどういうコト?
まさか メリクリウスあなたのせい……?」そう呟く亜美のもとへ、地霊が湧いて出た。
“とうとううなされるほどに煩悩に支配されたかvさっさと煩悩のカタマリになってしまえ!わらわのエジキとなるためにv”
“すべての煩悩のはじまりっ 初恋の君からの恋文攻撃ッ!!”地霊はいきなり大量のラブレターを投げつけてきた。
“初恋の香りに自己の解放をしない人間などいないのじゃ〜〜 さあ 煩悩の権化となれ〜〜っv”
その途端、亜美の顔中にじんましんが広がる。
「いや〜〜 だれっっっ!?かゆ〜〜いっっっ これはラブレターねっっ カオにはりついてとれな〜〜いっっ」
「ああっっ かんじるっっ 感じるわっっ せっかく覚えた方程式がっっ 単語がっっ アタマからにげてく〜〜〜 うそおっっ」
亜美はやっとのことで顔からラブレターを剥がすことに成功した。「だれっ!?そこにいるのは!!」――ああっ 頭がボーッとしてよく見えないわ!
“よくぞきいてくれた わらわは地霊ボンノ―ン…”しかし亜美は聞いちゃいなかった。――もしかして
「そこにいるのはメリクリウスッ!?あたしをおとしいれよーなんてあなたはメリクリウスでしょっっ!?」
地霊のセリフを無視して、亜美は神経を研ぎ澄まし、計算を始めた。――なんてヒキョ―な!メリクリウス!ついに勝負のときはきたわ!まけられないわ!
初めに亜美の頭に浮かんだのはE=mc²という相対性理論の公式。それは次第にもわもわと形を変えていった。
_______________
/ストレス×体温×(妨害工作)²
(模試²+予備校²)+ / _______________ ×ライバル²
√ 順位
…=メリクリウスの正体=敵=たおす
亜美はチ―ンと閃いた。「変身よっっ!マーキュリー・プラネット・パワーメイクア――ッップ!」
あまりの展開に、地霊は悲鳴を上げて恐れおののいた。
「正義と知の戦士セーラーマーキュリー ここに見参ッ!←“けんざん”じゃなくて“げんざん”よっっ!」
「メリクリウス!おたがいいつも満点で一位!ケリのつかない不毛な机上の勝負はもうおわりよ!」
“あの――っ もしも――しっっ わらわのなまえはボンノ―ン…… きいてるっっ???”しかしやっぱりマーキュリーは聞いちゃいなかった。
「あなたが敵だってわかっていたわ!だってこのあたしをこんなにまどわすなんて!あなたに会えてほんとうにうれしいわ!
ライバル=敵!亜美の方程式よ!これで証明されたわ!敵はたおすのみ!水蜃気楼(マーキュリー・アクア・ミラージュ)!!」
マーキュリーの怒涛の攻撃で、地霊はあっけなく消滅してしまったのだった。
「ああっ!!スッキリしたv」マーキュリーは満面の笑みを浮かべた。
「ああっ!!スッキリしたv」マーキュリーは満面の笑みを浮かべた。
「ちょっと目がかすんでメリクリウスのカオがぜんぜん見えなかったけど きっとすてきなヒトだったんでしょうね」
――だってあたしのライバルだったヒトだもの……
マーキュリーは頭がぐらついて、またもばったりと倒れてしまった。「わ〜〜 亜美ちゃんっ」保健室のドアを開けてみて、うさぎは真っ青。
「ライバル=敵ねえ あたし成績よくなるのだけはやめよーっと 亜美ちゃんに殺されたくないし」
フルーツパーラークラウンでお茶をしながら、美奈子がどん引きしている。うさぎが続ける。
「そうね とにかくいま亜美ちゃんのまえで メリクリウスさまを見ちゃったって話はしないほうがいいわね」
「ええっ見たのっ!?」なんと背後に亜美が立っていた。
「どんなヒトだった?」亜美がキラリと鋭く目を光らせた。美奈子とうさぎは慌てて美少年の巨大ポスターを広げてみせた。
「こっ こんなヒトッ」「このアイドルにそっくりだったv」
「やっぱり!アインシュタインさまの若いころにそっくり!vさすがあたしのライバル(だった)ヒトだわっっv」
美奈子とうさぎは内心ドキドキしていた。――ゼッタイメンクイだと思ったんだ 理想高いし
――メリクリウスさまが海野にそっくりなおたくだってことは こんどこそだまってよう
ちなみにメリクリウスの本名は“数理くるめ”で、ペンネームの由来は本名を逆さまに読んでみただけだったのだ…。
そして後日模試結果発表。そこにはまたも亜美と共に全教科満点で一位を取る“メリクリウス”の文字があった。
亜美は怒りのあまり冊子を真っ二つに裂いてしまう。「ああっ ナゼッ!?たおしたハズのメリクリウスがナゼッッ!?そんなバカなっっ」
――理想の高いマーキュリーの戦いは まだまだつづく
●The End●
_______________
/ストレス×体温×(妨害工作)²
(模試²+予備校²)+ / _______________ ×ライバル²
√ 順位
…=メリクリウスの正体=敵=たおす
訂正です 失礼しました
34 :
マロン名無しさん:2009/03/22(日) 00:16:29 ID:InfSZOYa
亜美ちゃんって論理的なイメージだったけどむしろ情緒的だな
>食べながら本を読んだりできるからよ
これは作法上問題があるんじゃ…
みちるさんあたりが見てたら叱りそう
アインシュタインさまwwwww
アインシュタインさまはイケメンですかそうですか
目と口にモザイクかかった亜美にワロタw
人気キャラなのにこんな扱いしていいのかw
もうマーキュリーは前線部隊の仲間入りすればいいんじゃね?
>「ここまでピッタリ同じ点数同じ順位なんて もう奇跡よ!!やっぱり敵かも!」
>二人そろっていつも満点なんだから一位であたりまえでしょ、と思うレイをまこと。
温度差にワロタ
頭が良いのにこんなことは気付かないんだなw
受験戦争編の亜美は水を得た魚だなw
海野ッッ!!限りなくいま力をかしてくれそーなヤツの存在を
(直子が)しばらく(一年ぐらい)忘れてたわっっ!!
数理くるめはいくらなんでも無理やりすぎだろ…
逆さ読みではなく、アナグラムにするなりすればよかったのに
>ライバル=敵
浦和くん…(´・ω・`)
医学部に進学した変態も亜美の中では敵認定されてるのかもな
>>35 > みちるさんあたりが見てたら叱りそう
みちる:食事しながら勉強するのは、はしたなくってよ。
こうですね。わかります。
亜美「(みちるさん…同じ水使い…ライバル…敵…タオス…)」
>>44 勉強はちょっと世代が違えば敵じゃないと思う
>きっとすてきなヒトだったんでしょうね
だったら倒すなよ亜美ちゃん…
Act43 夢5 ヴィーナス・ドリーム
「まもちゃん!!」黒い血を吐いた衛に驚き、セーラームーンとちびムーンは衛の側に駆け寄った。
「まもるさん!!」遅れて、ジュピターも駆けつけてきた。
「まもちゃん!いつからなの!?どうしてこんな黒い血が……」「――わからない すこしまえから胸が痛みだして」――そして肺に黒い影が……
ちびムーンはエリオスに懇願する。「エリオス!おしえて!エリオスなら知ってるでしょ?まもちゃんのこの黒い血は
もしかしてエリオスや敵に関係があるの?これは敵のしわざなの!?」エリオスはしばらく迷っている様子だったが…。
「……もう時がせまってきたようです おはなししましょう」エリオスはふわりとペガサスから人間の少年に姿を変えた。
「――わたしは エリュシオンの 祭司エリオス」――エリュシオンの 祭司エリオス?「エリュシオン?」ちびムーンが聞き返した。
「エリュシオンは地球と守護する聖地 地球の奥深くに静かに息づく この星の心臓部のような場所です
――わたしはそこにつかえる祭司 わたしの使命は エリュシオンとこの星――地球と
王子(プリンス)エンディミオン あなたを見守りつづけること わたしはあなたの守護祭司でもあるのです」
あまりにも意外な話に、衛は目の前に跪く少年をじっと見つめた。――オレの 守護祭司――?
「あなたは遠い過去の時代から いまはたったひとりこの星に守護される この星の高貴なる 王子エンディミオンなのです」
「オレが王子!?オレのことを知っているのか?」
「――ええ 王子 あなたはわたしをごぞんじないでしょうけれど―― この星は聖地エリュシオンに守られ わたしの命もエリュシオンと共にある
王子とこの星と エリュシオンとわたし―― 四つの心と体はつながっているのです その四つの心と体は 共鳴しあうようになっているのです」
――四つの心と体がつながっている?共鳴――?
「けれど そのためにこんなことがおこってしまうなんて……」エリオスの額のマークから光が放たれ、衛の胸を照らした。
セーラームーンが驚き叫んだ。「まもちゃん!?胸の中に……!」衛は部屋の鏡に自分の姿を映してみた。――胸の中に 黒いバラが咲いて……!?
エリオスは自分の胸にも光を当てて見せた。「わたしの胸の中も この呪われた黒いバラに蝕まれています
これはエリュシオンが蝕まれているしるし 王子はわたしとエリュシオンにかけられた呪いに 同じようにかかってしまったのです」
――まもちゃんの胸の中に…… 黒いバラが……?呪い!?
「あなたがたの見ているこの姿はわたしの幻影 ――わたしの体はいま 呪いによってさらにペガサスの姿へとかえられ
エリュシオンで幽閉されているのです」心を痛めたちびムーンが尋ねた。「……だれが そんなことを……!?」
「……こんなことができるのは あいつしかいません ――新月の中の悪夢の王国 デッド・ムーンの女王ネヘレニアです
デッド・ムーン それは 新月の闇の奥深くに封印された王国 ――太古のむかしから 光の王国 シルバー・ミレニアムにとってかわり
地球を支配することを もくろんでいたのです ――デッド・ムーンの女王ネヘレニアは 執念深い化けものです」
――月からのシルバー・ミレニアムの輝ける力がなくなり いまならエリュシオンにダメージを与えれば この星はたやすく落ちる
――そう考えたあいつは 長い時の力をかけ暗黒の中心から 地球の心臓部であるエリュシオンに 呪いをかけてきたのです
まず内側からこの星を落とすために ――わたしは祈りつづけました しかしわたしの小さな力ではかなわず
呪いは悪夢のように広がり エリュシオンは荒廃していった そして地球を守護する力が 一瞬うすれたその時
――そのスキをついて 美しく呪われたあの皆既日食の瞬間に やつらは入りこんできたのです
「この星はいま内からも外からも侵略されようとしています エリュシオンはいま やつらの呪いによって 悪夢と暗黒に支配され ひん死の状態です
この状態が長くつづけば やがてすぐにこの星の表面にも悪夢が広がり この星は死の星となり やつらのものとなってしまうでしょう
プリンセスセレ二ティ ――いいえ スーパーセーラームーン やつらは シルバー・ミレニアムの後継者であるあなたが
この星に転生していたことまでは気づいていなかった どうかあなたの力と“幻の銀水晶”の力でやつらをたおしてください」
「もちろんよ!敵はかならずあたしがたおす!そうすればエリュシオンも あなたもまもちゃんもたすかるのね」
「……残念ながら やつらをたおすことができても “幻の銀水晶”の力だけでは エリュシオンにそして王子にかけられた呪いをとくことはできません」
セーラームーンは動揺して言葉を失ってしまう。衛が尋ねる。「……どういうことだ!?」
「……蝕まれたこの体で 乙女であるあなたと王子のところへたどりつくのは たいへんなことでした そしてやっと見つけた」
――プリンセスセレ二ティ ――もしもあなたが“選ばれたる乙女”なら
「ゴールデン・クリスタルをさがしだし その力を導きだせるはず―― “――美しい夢をもつ 月の光に守られた”
プリンセスにして戦士 ゴールデン・クリスタルの封印をとく 聖石(クリスタル)をもつ選ばれたる乙女ならば――」「ゴールデン・クリスタル?」
エリオスは苦しげに体を抱きしめ、ペガサスの姿に戻ってしまった。「エリオス!?」
「……乙女よ わたしは祭司 わたしにはこうしてたすけをもとめ 祈り見守るだけの力しかない
乙女よ あなたの力が必要なのです ゴールデン・クリスタルの封印が解かれる日がやってきたのです
どうか “幻の銀水晶”とゴールデン・クリスタルの力で 悪夢からすべてを救いだしてください……」
「エリオス!」そのままエリオスの姿はどんどん透けて消えていってしまった。
――ゴールデン・クリスタルがなければ まもちゃんもエリオスも そしてエリュシオンもこの星もたすからない――!
――ゴールデン・クリスタル――…!それはどこにあるの?どうやってさがせば……!
衛はまた苦しげに咳き込んだ。「まもちゃん!?」「……オレに近づかないほうがいい ――この呪いが…… うつるかもしれない!
オレのそばにいないほうがいい……!」――この体じゃおまえに力をかすこともできない――!
「……そばにいるわ あなたがこの星の痛みもわかるように あなたの苦しみは あたしの苦しみよ」セーラームーンの目から大粒の涙が溢れた。
「あたしがかならずあなたを直してみせる」セーラームーンは泣きながら衛に思いきり抱きついた。
――だからどんなときも いっしょにいさせて いっしょにがんばろうっていわせて――!「うさ……!」
――かならずこの星を この人をみんなを あたしが守ってみせる――!
ちびムーンはこの様子を見守りながら、ぎゅっと鈴を握り締めた。――エリオス……!たすけてあげたい――!エリオスを
ジュピターもまた二人を見守っていた。――ゴールデン・クリスタルがないと 王子とエリュシオンはたすからない ――そしてたぶんこの星も――
――ゴールデン・クリスタル――!それはいったいどこにあるの?――どんなクリスタルなの!?
「――デッド・ムーンから完全に地球を救いだすには ゴールデン・クリスタルが必要…か」
「まもるさんがそんなことになっているなんて……!」ちびうさとまことの話に耳を傾け、亜美・レイ・美奈子はじっと考え込んだ。
「――こんどの敵はいままでとはちがう そう思ったほうがいいな」「これからはあたしたち五人が うさぎをたすけしっかり守って戦わなきゃ」
「――うん!」ちびうさが頷く。「これからデッド・ムーン やつらにどう達むかってくか 作戦をねらなきゃね」「そうね」
「……こんなとき あの三人がいてくれたらな」まことがぽつりと呟いた。「え?」美奈子が聞き返す。
「はるかさんとみちるさんとせつなさん さ」
「あの三人といっしょに戦えたおかげで すこしはあたしたちたくましくなれたんじゃないかって」まことが遠い目をして言った。
「……あたしね 何度か変身できなかったときがあったの」とレイ。
「でも はるかさんやみちるさんやせつなさんのことを考えたら 力がわいてきたわ そしてパワーアップして変身できた」
「あの変身のときあたしたちの姿であらわれた分身たち――
もしかしてあの三人が“がんばれ”って おくってくれたメッセージだったんじゃないかって思うの」
「ね?美奈」亜美が美奈子に同意を求めた。「う うん そうねっ」美奈子は曖昧に相槌を打っておく。
美奈子には気がかりなことがあった。……このごろ思うんだ ――どうしてあたしだけ 変身できないの?
「ヴィーナス・プラネット・パワ―― メイクア――ッップ!」自室で叫んでみるも、なんの変化も起こらない。
……そう みんなにはいってないけど 変身できないんだ あたしだけ……!
「あわてなくても みんなもそれまで変身できなかったことがあるっていってたじゃないか
みんなパワーアップを感じたって 自分の分身に会ったっていってただろ?これは特別な変身なんだよ!
きっといま まさに!美奈の体の中でリーダーとしての力がたくわえられてる最中なんだ!」そう言ってアルテミスが慰める。
――そう これは特別な変身なんだ ――きっとこれから なにかおこるんだ――!
「なんたってきみは!セーラー戦士のリーダーなんだから!すぐ変身できるようになるよ!おくれてるだけで その時はきっとすぐくるよ!」
「……そうね 気にしててもしょーがないし おふろでもはいってこよっと」
――そうさ その証拠に美奈 最近のきみはずいぶん美しくなった まるで女神ヴィーナスに近づくみたいに――
シャワーを浴びる美奈子をこっそり見つめながら、アルテミスはそんなことを思っていた。
「リーダーか そうよね あたしいちおうみんなのリーダーだったのよね よくわすれるケド」美奈子は美奈子でそんなことをぶつぶつ言っていた。
「ねえママちゃま」ダイアナがルナに話しかけた。「パパちゃまの美奈子さまを見る目って まるで恋人を見る目みたい」
「ダイアナったら☆」ルナは溜息をつく。「でもフロをノゾくのだけはとにかくゆるせないわねっ」
ルナに尻尾を噛みつかれ、哀れなアルテミスの叫び声が響いた……。
「んまあv」空中ブランコに足を引っ掛けながら、セレセレが手鏡に美奈子を映した。「セーラー戦士の中で 変身できないのがひとりいるわよんv」
「どこの世界にもおミソちゃんはいるのねえ」玉乗りをしながらパラパラが同調した。
「サーカスのショーだけで人間どもに悪夢をまきちらすのもあきてきたわ」とバスバス。
「コイツを使って楽しいイベントでもひらきましょうか」「わーいvさんせーいっ」
「ゼノタイム!ゼオライト!」アマゾネス・カルテットに呼び出され、瓜二つの二人が投げナイフとともに現れた。
「われらにおまかせをvお姉さまがた われらは能ナシのアマゾン・トリオとはちがうv
レムレスどもを使い この世に悪夢をふやすだけでなく イベントのクライマックスにはジャマものを一掃し!われらが女王ネヘレニアさまご所望の “幻の銀水晶”をこの手に入れてみせましょう!」
●to be continued●
55 :
マロン名無しさん:2009/03/23(月) 22:24:42 ID:J38FZ8Gw
ヴィーナスのヤムチャ化が著しい件
変態と地球が繋がっているなんて\(^o^)/
>この呪いが―― 移るかもしれない!
※慶応大学医学部の学生の発言です
幻の銀水晶の剣でクインベリルを討伐した頃のヴィーナスは何処へ…
しかしエリオス長生きだなw
フォボスとディモスも一時的に人間姿になったことだし、
次回まさかのアルテミス人間化クルー?
でもあんまり需要なさそうだな
衛の涙の結晶がゴールデン・クリスタルだったらどうしよう
美奈子はセーラーVとして生きてけばおk
×ネヘレニアの呪い
○遠藤の呪い
エリオスとちびうさに物凄い歳の差があることが発覚した件
さすがロリコンで名高い変態と繋がっているだけのことはあるな
……ん?エリオスと変態が繋がっているということは
仮にエリオスとちびうさが結ばれた場合近親相kうわなにするやめry
衛とうさぎのハグを見ても嫉妬せずに
エリオスの心配をしてるあたり、ちびうさも成長したよな
胸に黒バラが咲くとなんで血まで黒くなるんですかセンセイ!
…いま思ったんだが、黒い血ってアニメで再現されたら相当グロいだろうな
アルテミスまで変態に目覚めるとは思わなかった…。
Act43-2
「しっかし ほんとうに今年の夏は暑いわね☆」今日は美奈子達四人で十番商店街に偵察にやって来ていた。
「なんだか街の中がますます荒れてきたわね☆」
商店街の隅にはたくさんのゴミが捨てられていて――美奈子達は気づいていないが、そこにはレムレス達がわらわらと潜んでいたのだった。
「デッド・ムーンサーカス!とにかくあのテントをつぶさないとな!どうする?いっそ奇襲でもかけるか!?」まことが意気込む。
おもむろにレイが見覚えのある手鏡を取り出した。「それ?」
「みちるさんの鏡ちびうさにかりてきたの このみちるさんの鏡でなにか異変を感じとれるかと思って 最近暑いだけじゃなく不穏な空気を感じるのよ」
亜美も険しい顔つきになる。「サーカス団を中心に異様な気(オーラ)が十番を包んでるわ 結界か洗脳波か」――結界!?
美奈子は内心驚き、動揺を悟られぬよう、胸の前で帽子をぎゅっと握り締めた。
――まさか そのせいであたし変身できないんじゃ…… でもそれにしたっておかしいわよね あたしだけなんて……
「美奈?」「あ ううん なんでもっ その結界ってあみちゃん自分で調べたんだ スゴーイ!」
「そう せつなさんにもらったプログラムでね」その言葉に、美奈子はピクリと反応した。
不意に、空からヘリコプターの音が聞こえてきた。まことがサングラスを前髪の上にずらしながら、懐かしむように空に微笑んだ。
「――ヘリの音をきくと つい はるかさんたちじゃないかって思っちゃうんだよな
はるかさんたちみたいにヘリを足に使えたら 調査もラクにできるんじゃないか?…なんちゃってー 免許ももってないクセにー」「……五回」
「え?」「きょう集合してから あの三人の名まえがでた回数が 全部で 五回」イライラが頂点に達してしまった様子の美奈子。
「いない人のこと考えてたって しょーがないと思う!」「美奈?」「三人がいたらたよれるってハナシだよ」美奈子がムキになって言い返す。
「どうせあたしは たよれないリーダーよ!」亜美達は当惑してしまう。「そんなコトいってないじゃない」「美奈 ヘンよ きょう」
美奈子はしばらく沈黙していた。「美奈?」「……どーせヘンよ ヘンでケッコー!コケコッコーッッ!!」
美奈子は力一杯に捨て台詞(?)を吐くと、どこかへ駆け出していってしまった。
走りながら、美奈子の目にはじわりと涙が滲みでた。「……これじゃリーダー失格だわ☆」――ああ サイテーッ!
――ああ どうしてこんなにイライラするの?どうしちゃったの?あたしの力 なんで変身できないの?
――こんなんじゃ敵があらわれたってどうやって戦えってゆーのっ!?
美奈子がティッシュを取り出し、思いっきり鼻をかんでいると、スーツを着た男が近づいてきた。
「きみ アイドルのオーディションうけてみない?」
「スカウトされたあ!?」寝耳に水の話に亜美・レイ・まことにルナ達はびっくり。美奈子は優雅に髪を?き上げてみせる。
「そ!と いうワケで あたしこれからオーディションうけにいって あたしの夢だった!!アイドルにっ!!なにがなんでも!なってみせますv」
レイは一人だけ興味なさそうに「……なれば?」と突っ込んでいる。
亜美が眼鏡を取り出し、目を光らせた。「あやしいプロダクションじゃないでしょうね スカウトマンの名刺見せてっ」
そこには【(株)デッド・ムーン興業 Mr.Xenotome】の文字があった。「デッド・ムーン興業ッ!?」「美奈〜〜 あんたコレッッ」
「いってきまーすっv」「美奈ッ!?」美奈子はそんなことどこ吹く風で、笑顔で出かけていってしまった。
――あたしだってバカじゃないわ デッド・ムーンのワナだってコトぐらいわかってるわよ
アルテミスが慌てて追いかけてきた。「美奈ッ!まてよ!ナニ考えてんだよ!一人でのりこむ気が?変身もできないクセにっ」
「うるさいわねっ」怒り心頭の美奈子は、アルテミスの口にテープを張ってしまった。
――これはあたしの力を発揮するチャンスなのよ!あたしはリーダーよ!行動あるのみ!のりこんでやるわ デッド・ムーンに!
――セーラーヴィーナス!シュミと実益かねて戦わせてもらいます!
こうして美奈子はたった一人でデッド・ムーンのアイドル・オーデイション会場に乗り込んだのだった。
――いつのまに まわりにこんなデッド・ムーンのビルが……!?このごろやけにムシ暑いせいか ここはとくに息苦しいカンジがする
――熱気だけじゃないわ たしかに異様な空気がただよってる ――あたしたち 知らないうちにやつらに侵略されているんじゃ
……よし!てってー的に調べてやるのよっ!
会場には、美奈子含め水着を着た少女達で溢れかえっていた。――え〜〜っ☆こんなに女のコたちが集まったの!?
不安に駆られた美奈子はセーラーV時代のコンパクトを取り出した。――あたし一人じゃみんなをたすけるのはムリだわ
やっぱり亜美ちゃんたちにレンラクを…… ――でも――― あたしが変身できないことがみんなにバレちゃう――!
――ううん!弱気は禁物!“弱くても相撲取り”よ!美奈!あたし一人で戦ってやる!そう決めたのよ!
「みなさん!オーディション会場であるテントの中へどうぞ!」広いテントの中は、まるで熱帯雨林が再現されているようだった。
「さあ!サバイバルオーディションの開始です!このオーディションはストーリー仕立てとなっています ひとりひとりが勇者となり
ジャングルをぬけ あの塔の上の子どもたちを救うのです!」なんと、鉄柱で作られた塔のてっぺんには、あまりの恐さに泣いている子供たちが見えた。
――あんなところに子どもたちを!!
「一位のかたには賞金500万円と!TV・映画の主役!CM出演 CD発売などが決まっています!!では!!スタート!!」
少女達は、我先にと凄い勢いで走りだした。ジュンジュンがこの様子を木の上から傍観していた。
「ふふっv怒れ怒れ もっともっとエネルギーを放出しな そのエネルギーとおまえたちの夢を レムレスどもが悪夢にかえてく
こんなに大量に悪夢をふやせるなんてうれしいねv」
美奈子が慌てて止めに入った。「みんなおちついて!このオーディション変よ!テントからでるのよ!」「うるさい!あたしたちはアイドルになるのよ!!」
ところが少女達は全く聞く耳を持たない。「まってみんな!!」
後を追おうとした美奈子の前に、突如大きな岩石が転がってきた。「あぶない!!」
咄嗟に美奈子の盾になり、素手で岩石をはね退けたのはジュピターだった。「ジュピター!?」
「美奈!もうこういうのはナシだぜ!」「そうよ!のりこむときはみんないっしょよ!」マーズとマーキュリーも駆けつけてきてくれていた。
「美奈!変身よ!」美奈子は一瞬ためらうが…。「ヴィーナス・プラネット・パワー!メイクアップ!!」
やっぱり、何の変化も起こらない。「美奈!?」――ダメだ!やっぱり変身できない このままじゃみんなの足手まといになるだけだ!!
「先にいく!」「美奈!!」美奈子は皆の止めるのも聞かず、ジャングルの奥へと走っていってしまった。
草木を掻き分け進んでいくと、目の前には先に行った少女達が倒れていた。周りにはレムレスが蔓延っていた。
「みんなしっかりして!!」――どんどんふえてくコイツら!まさかコイツらがみんなのパワーをすいとってる!?
美奈子はぎゅっと拳を握り締めた。――みんなアイドルになりたいだけ そのキレイな夢を利用してえじきにしようなんて!!
――ゆるせない!こんなイベントぶっつぶしてやる!デッド・ムーン!!助けてみせる みんなを!!
美奈子は子供達を助けるために、果敢に塔をよじ登っていった。
ところが、そんな美奈子の頬をナイフが掠めた。塔の頂上にはゼノタイムが待ち構えていたのだった。
「さすがくさってもセーラー戦士 レムレスのえじきにならず ここまでくるとは!」
「美奈!あぶない!」マーズ達が助けに行こうとするが、突然、威嚇するようにたくさんのナイフが飛んできた。
「オーディション参加者じゃない者がいるようね」ゼオライトが鋭いナイフを宙に浮かし、追い込まれた三人を脅す。
「ヘタに動くと 変身できないおまえの仲間の命の保障はないよ」どこからかわらわらとレムレス達が湧いてきた。
「さあ レムレスども セーラー戦士をくいつぶしておしまい!あはははっ」
そのころ、美奈子は自力で塔の頂上までよじ登ることに成功していた。「やった!みんな いま助けてあげるからね!」
ところが、なんと子供達は恐ろしい目をしたかと思うと、レムレスへと姿を変えたのだった。――子どもじゃない!しまった!!
突然、大量のナイフが飛んできて、美奈子は床に貼り付けになってしまう。ベスベスが笑顔で擦り寄ってきた。
「おめでとう!数々の難関をクリアーし あなたがダントツ一位でここまでたどりつきました!
さあ!アイドルまであと一歩!最後に特別な宝さがしをしてもらうわ ――レムレスちゃんたちv」――レムレス!?
レムレスは動けない美奈子の頭の中にどんどん入りこんでいく。「うふふvおまえもこれでデッド・ムーンの一員よ」
むくりと起き上がった美奈子の目は、正気ではない。「さあ 仲間たちのところへいき “幻の銀水晶”をうばっておいでv」
美奈子はにんまりと笑った。「“幻の銀水晶”を われらデッド・ムーンの手に…… くすっv」
物影からバッとアルテミスが飛び出してきたかと思うと、美奈子の顔をバリバリと引っ掻いた。美奈子は痛みで正気に戻ったようだ。
「しっかりしろ!美奈ッ」「アルテミス!?」ベスベスは舌打ちをすると、ダンッ、と床を踏みつけた。
その時だった。なんと美奈子の居た床がパカッと開いたのだった。――うそっ……おちるう〜〜〜
みるみる落下していく美奈子の腕を、すんでのところでアルテミスが掴んだ。「アルテミス!?」……だめ… うでがちぎれそう……!!
「このへんであたしにもおたのしみをちょうだいv」この場に不釣り合いな微笑みを浮かべて、パラパラがふわりと現れた。
「玉あられ!!」パラパラが唱えると、なんと必死に美奈子を支えるアルテミスの上に巨石が降ってきたのだった。
「アルテミースッッ!!いやあああ」
●to be continued●
78 :
マロン名無しさん:2009/03/25(水) 22:17:37 ID:FRo26cDF
えーと… 新リーダーはウラヌスあたりでよくね?
珍しく引っ張ったな
アルテミスは猫の身なのに人一倍頑張ってて(というか無理してて)えらい
これで風呂覗いてなければ人気鰻登りだったのにもったいない
主役とヒロインはどうした
鼻かんでる時にスカウトされるとかwww
でも何十メートルも(しかも水着でw)よじ登っていける美奈子はすごい根性の持ち主だよな
今回ばかりは敵が容赦なさすぎて笑った
ところでうさぎは衛の看病に明け暮れているんだろうか
>>79 単行本に収録される時に、アルテミスが変態に書き換えられてたりして
怪力ジュピターすげええええええ
まこちゃんはこれから先そのキャラを押し通すつもりなんだろうか
次回、実ははるかみちるせつなの内の誰かがアイドルのオーディションを受けていて、助けにくる展開希望
Act44 夢6 ニュー・ソルジャー・ドリーム
一人の少女が、寝ころびながら詩集を広げている。
「“――たしかに なにか啓司が近づいている たしかに「再来」の時が近づいている”
“――「再来」そのことばを口にするやいなや 「世界の霊」からの巨大なイメージが わたしの視界を乱す――”
“――砂漠のどこかで 獅子の胴体をもち人間の顔をもつ怪物が 太陽のようにうつろで非情なまなざしで凝視し
ゆっくりと足を動かし そのまわりには怒れる砂漠の鳥たちの影が旋回する――”」
――あたしの夢はね 愛する人とその人の子どもと お花のさいてるかわいい家で 幸せにくらすことなの
はるかは、信号を待ちながらうさぎのことを想っていた。――君の夢は?そうたずねたら 君はそんなふうに答えるだろうか
横に付いた車の男が、はるかを見て口笛を鳴らした。――青いフェラーリ ――F512-M 十二気筒最高出力440PS 最高速度315km/h
――風をあやつる最速のマシンだ その風にふさわしく青いメタリックのボディ
――“AZZURRO HYPERION” ――紺碧の彷徨の巨人神(ハイビリアン)――か ――男かな 女かな
男は、はるかの耳に光るピアスに気がついた。――女だ!
男はサングラスを外しながら、はるかに声を掛けた。
「ねえ ひとりなの?よければいっしょに走らない?そのあとお茶でも……」信号が変わると同時に、はるかはアクセルを全開にした。
「――このはるかさまに声をかけるなんて 百億光年早い!」
風のように駆けだしていった青いフェラーリを見て、男は目を回してしまうのだった…。
その頃みちるは、大きな花束を持って、店でCDを見ていた。みちるの姿を見つけて、男が声を掛けてきた。
「あのっ 海王みちるさん――ですよね?ああっやっぱりホンモノだあっ!オレ大ファンなんです!CDぜんぶもってます!
あくしゅしてください!このCDショップよくこられるんですか?あ!この近くにおすまいとか?」
横からスッと差し出された手。はるかは笑顔で、しかしとんでもない力を込めて男の手を握った。
「やあやあCDぜんぶ買ってくれてドーモドーモ」痛みのあまり絶叫する男を放置して、はるかは渋い顔のみちるの肩を抱いた。
「おまたせv」「……☆」「まっ白いバラか いいね ファンにもらったの?」
「ざんねんでした 買ったのよ あたしたちの新生活スタートちょうど半年めのお祝いに」「――もう半年か」はるかは感慨深げに呟く。
連れ添って歩く二人の華やかな姿は自然と人目を引いた。“見て!バイオリニストの海王みちるよ!”
“帰国してたの?海外に移住してってウワサだったじゃない?”“あれがアツアツの彼氏 F1テストドライバーの天王はるか?”
“カッコイーイッ!!いっしょにすんでるってほんとうかしらっ”“見て見て!二人の左手のくすり指!”“うそ―― あの二人ケッコンしてたの!?”
帰りの車の中で、はるかは薬局に目を止めた。「みちる!おむつと粉ミルク大特売だって!すげーやすいよ」
みちるは運転しながら笑みを見せた。「はるか まだなれてないわね ウチのおヒメサマは ミルクもおむつももうとっくに卒業したでしょ?」
家ではせつながパソコンに向かっていた。その左手の薬指には、はるかやみちると揃いの指輪が光っていた。
すると突然、ガシャーンと派手な音が響いた。続いて聞こえてきたのは、激しい子供の泣き声。
「キッチンだわ ああもう☆さっきまでおとなしく本読んでたと思ったら おねがいだからあの二人が帰ってくるまで大ケガしないでちょうだい」
キッチンで泣きわめいている少女の腕には皿の欠片で切ったのであろう傷が出来ていたが、なんと少女は一瞬で傷を消してしまった。
「ただいま――v」「あち――っ 今年の夏の暑さはイジョーだよ」二人の声に気づき、少女はぴたっと泣きやむと、玄関に向かって駆けだした。
「はるかパパ!おかえりっ!きのうのゲームのつづきしよっv」
「きょうはみちるママとバイオリンのおけいこの日!」「え―――っ」「えーじゃない さっさと着がえる!」
「……やられた」キッチンの惨状を見て、みちるは頭を抱えた。「ラリックとロイヤルコペンのおさらが……こなごな」
「……ごめん ついさっきまでおとなしく本読んでたんだけど」せつなが詫びる。仕方なく、みちるは素手で割れた皿を拾い始めた。
「ムリもないわ あの子書斎の本をとっくに読みきっちゃってるんだもの このあいだなんてウェルギリウスの詩を暗唱したのよ
目の玉がとびでたわ あたし」「――ほんとうに 毎日のことながら ほたるの成長速度のはやさには ついていくのがたいへんだわ」
「毎日が夢のようさ」とはるか。「ほんとうね」少女を着替えさせながら、みちるが相槌を打つ。
「びっくりしたわ この子(ほたる)がとつぜん 朝おきるたびに恐ろしいほどのスピードで成長しはじめて この半年でこんなに大きくなるなんて」
「あたしたちが新生活をはじめて きょうでちょうど半年め――」みちるは白薔薇を花瓶に生けてテーブルの上に飾った。
「あたしもずっと夢を見てるみたいだわ」「おしめをかえてやってたころはおとなしくていい子だったのに
ぐんぐんでかくなってこんなやんちゃなガキになるとは」足を元気にバタつかせるほたるを抱っこしながら、はるかがぼやく。
ちなみにしつけ・教育係はせつな、食事・健康管理はみちる、おしめと遊び相手がはるかだ。
――そう ほんとうに 毎日がまるで夢を見ているよう ――あの日食も――せつなは半年ほど前の日のことを思い出していた。
――四人で暮らしはじめて 数週間後のあの皆既日食の日 ――あの日 あたしは東京湾天文台で観測をしていた
――不吉な予感がしたの 四人での生活をはじめて 最初の ――いやな予感
89 :
マロン名無しさん:2009/03/27(金) 23:07:47 ID:H0j83WRM
「一次接触(※日食の開始)――確認」白衣のせつなは祈るような気持ちだった。――なにごともおこらないで
「二次接触(※皆既日食の開始)――確認」――闇が どんどんおりてくる
突然、目の前の観測員がぐにゃりと歪んで見えた。――え!?
「……つなさん せつなさん?」観測員に肩に手を置かれ、せつなははっと我に返った。
「汗びっしょりですよ 皆既日食ぶじおわりましたよ」――ぶじ!?いいえいまのは!一瞬空間がゆがんだわ!だれもなにも感じなかったの!?
――なにかが異空間から侵入したわ――!敵!?調べてみなければ 変身して調べてみなければ
一人になったせつなは、変身のスペルを叫んだ。「プルート・プラネット・パワー メイクアップ!!」ところが、せつなは変身することはなかった…。
「…つなママ せつなママ?」我に返ったせつなは優しくほたるの頭を撫でた。「ごめんね なんでもないわ」
――もう半年 ――わかっていたことだわ あのとき戦いはおわり あたしたちはべつべつの道を選んでしまった
――変身できない それはきっとあたしたちの使命がおわったしるし――
――なのに あの日食の翌日から ――ほたる あなたは毎日みるみる恐ろしい速さで成長をはじめた
――ほたる あなたのその力は ――目ざめのしるしなの?あなたはなにを伝えようとしてるの?なにがおこるの?
「こんにちはーっ」「みちるせんせーいっ」家に訪れた子供たちを、みちるが笑顔で出迎えた。「いらっしゃい きょうも時間どおりね みんな」
みちるは子供達に順にレッスンを施した。「はい よくできました じゃあつぎはほたるちゃんね」“くるぞくるぞ”子供達はひそひそと話しあう。
「さん はいっ」ほたるがバイオリンを奏でると、なんと背後に翼を広げたエリオスの幻が現れたではないか。
「でた!ペガサスのユーレイだ!!」子供達が悲鳴を上げる。「せんせい!まただよ!先週もあのユーレイでたよね!」
「どうしてほたるちゃんが弾きだすとでるの?」「みんな静かにっ…」
しばらくすると、なんとエリオスに続いてちびうさの幻も現れた。みちるは呆然と見つめるしかない。――あれは スモール・レディ!?
エリオスとちびうさの幻は、廊下へと駆けだしていく。「まって!」「ほたる!?」ほたるもその後を追っていく。
廊下の角を曲がると、そこには動かなくなったエリオスを前に、泣き崩れているちびうさの幻があった。
後を追ってきたみちるは、ほたるの表情を見て不安に駆られてしまう。――まえからは想像もつかないくらい 明るく元気に育った ほたる
――でも一瞬 凍るような 冷たいひとみになるときが ある まるでサターンのように――
「――あの子 見たことある みちるママといっしょに写真にうつってた あの子泣いてた あのペガサスが死んじゃったからだ かわいそう……」
みちるは哀しげな眼をすると、ほたるを後ろから抱き締めた。――この子は また 目ざめてしまうのかしら
みちるは皿洗いをしながら、はるかは窓の景色を見やりながら、せつなはパソコンと向かい合いながら、薬指の指輪にキスを落とした。
――ずっとこの家で 四人で暮らせたら―― ――でも 心がさわぐ 夢からさめる その時が 近づいてくる――
部屋の一室で、ほたるが目を瞑って力を集中させている。目の前には、太陽系の星々のミニチュアのようなものが浮かんでいる。
それを見守るはるか。冷たいドリンクを用意したみちるが部屋を訪れた。「太陽系を育てるゲームは順調に進んでる?――はるかの役目はなんなの?」
「ほたるひとりじゃ力が暴走しちまうんだ 力をコントロールする“おさえ”の役だな」
「すごい…!きのうあんなにたくさんあった微惑星がぜんぜんなくなったわね ガスもどんどん消えてゆく……」
「過去からのできごとを高速でシュミレートしているの いまねちょうど四十
六億年 完全な現在の太陽系になったわ」
「なにか小さく光ってる これは?」「小惑星たち―― 自分の意志とはカンケーのない ――新しい生に 生きるべきか死ぬべきか とまどってる光よ」
「――この白く光るのは 月ね ……キレイ まるで真珠のようだわ」みちるが思わず見とれてしまう
「まるで青いガラス玉の地球をつつんでるみたいな光だ」はるかの脳裏に甦ったのは、笑いかけるうさぎの姿。“はるかさあん”
――あの子をいつもつつんでいた光だ
はるかの目から涙が零れた。「はるか……!」みちるがそっとはるかを抱きしめる。「……会いたいな」
「あいつら…… みんな元気でやってるかな」空は雲行きが怪しくなり、遠くで雷が鳴りだした。
「――いま ちょうどこないだの皆既日食をすぎたわ」はるかとみちるは太陽系の異変に気が付いた。
「――地球がどんどん黒くなってゆく……!」「日食はおわったんじゃないのか――?」「――月の光が…」「まっ黒に……!」
「ほたる!」不意に呼びかけられ、ほたるはびっくりしてホログラムをパァンと消し去ってしまった。
「――きょうはこのへんでおしまいにしよう おふろへ入ってからゆっくりおやすみ」「うん」はるかはそっとほたるの頭を撫でた。
「皆既日食のあとの 闇につつまれる地球と月―― それがほたるの見たビジョンなのね
東京上空に出現した時空のゆらぎ 異常な気温の上昇 各地での植物の異常増殖 ――原因不明の街の荒廃
それらがすべて新月に支配されていることがわかったの そして異変はすべてあの皆既日食の日からはじまっている――!敵が侵入してきたのよ!」
「わかっているわせつな!だけど」みちるが叫んだ。――あなたはあの日東京湾で あたしはそのあとウィーンの公演中で はるかはアフリカのレースで
――闇につつまれ荒廃しはじめる街や人の中に たしかに敵の影を察知した ――でも変身できなかった!
「――もう変身できないのよ!もうあたしたちには 外部太陽系戦士としての力はないのよ」
「――もう必要とされてないってことか わがプリンセスに 見はなされたってことか」はるかが呟いた。
「――もうあいつらは あたしたちがいなくてもりっぱに戦ってゆける」――プリンセスを守ってゆける
――変身できない それは ――あたしたちは必要じゃない そのしるしなの――!?
●to be continued●
ほたる、ご都合な成長してるなw
この分だと本シリーズ中に4人一緒に参戦しそうだ。
ほたるがちびうさを覚えてなかったことがショックだ
みちるさんは指が命のバイオリニストなんだから素手で割れ物持っちゃだめでしょ
それにしても生活感溢れるはるかさんとみちるさんを見れてなんだか嬉しい
せつなさんは家族というよりなんか事務員ぽいw
部屋の中で太陽系を作るほたるスゲー
…そういえばドラえもんでそういう話があったな
>>93 ほたるは三つのタリスマンが揃わないとサターンになれないんじゃない?
ちびうさがみちるさんに鏡を返さないと
※この間美奈子はずっと宙吊りになっています
アニメでは確か土萌教授生きてたよな
どうするんだこれ
ほたるは何歳位の設定なんだろうか
キッチンで悪さするってことは幼稚園とかその位か?
>この子はまた目ざめてしまうのかしら
サターンとして目ざめる=自分の身を犠牲にして世界に再生をもたらす
ってことだよね
…これ早くもほたるちゃん死亡フラグ??((((゜д゜;))))
せつなは、はるか・みちるみたいな熱々カップルと一緒に暮らしていると、なにかと苦労もあるだろうな
自分だったら色々気を使うと思うし居心地悪いと思う
心中察するわ
>>102 ほたる「せつなママ、どうしてうちにはママが二人いるの?」
せつな「………」
みたいなことはありそうだ
頑張れせつなw
はるかに声掛けたナンパ君が、耳のピアスで女と確信してたけど、今だったら男か女か見分けられなかったんだろうな。
百億光年早いって言われてもなぁ…
Act44-2
ほたるが脱衣所で服を脱いでいる。雷の音が聞こえ、ほたるは思わず短く悲鳴を上げて大きな鏡に触れた。
ほたるはビクリと体を震わす。鏡の向こう側に映っていたのは、静かに微笑むセーラーサターンだった。
『――こわがらないで』「……だあれ?あなたは だあれ?」『――わたしはあなたの中の ねむれる あなた』「ねむれる あたし?」
『――目ざめのときがきたのです―― 新たな使命の はじまりの時が』――目ざめなさい わが星土星の守護のもと ねむれるわたしの魂よ――
ほたるは本を持ったままゆっくりと湯船に浸かった。――目ざめなさい
閉じた瞼の裏に、パワーアップしたマーズ達や抱き合ううさぎと衛の映像が駆け抜けてゆく。――見える いろんなビジョンが――… いそがなければ
ほたるはザバッと湯船から出ると、脱衣所の鏡の前に立った。その中にいるサターンと、ほたるの背はぴったり同じになっていた。
「――“そして再び闇…… だが いまのわたしにはわかっている 石のようにねむっていた2000年の歳月が
ゆらゆらとゆれるゆりかごによって 悪夢をもたらされたことを」闇夜にカッと稲妻が走り、ほたるの大人びた横顔を照らした。
「ほたる?」はるか達三人は、部屋のドアを開けて入ってきた人物を信じられない思いで見つめた。
「――人は自分以外のもののために生きられるようになって はじめて生のスタートをきる――」
ほたるの額に光るサターンのマーク。「アルベルト・アインシュタインのことばよ」「……その 姿は……!」
「――時がきたのよ あたしたちの新しい目ざめの時が 何度生まれかわろうとも あたしたちはだれのために生きてゆくか きまってるの」
「ほたる…… それは……!」「――思い出したの?以前の記憶を……!」
「もうまえのあたしたちじゃない もう遠くから孤独に戦う必要はないの
あたしたちはあのときあたしたちのプリンセスとともに新しく生まれ変わったそしていまやっと時は満ちた」
ほたるは子供らしくにっこりと微笑んだ。「ここまで育ててくれてありがとう はるかパパ みちるママ せつなママ
こんどはあたしが三人を導くばんよ みんなのもとへ!」ほたるは四人分のクリスタルを差し出した。
「新しい戦士としてのしるし あたしたちのクリスタルよ」突如、ほたるの前に聖杯が現れた。
聖杯の蓋が開き、うさぎと衛の幻影が揺らめく。二人とも青白い顔をしている。「――プリンス!プリンセス!?」
「――二人のようすがヘンだわ!」「これはいったい……!どういうことなの?」
ほたるは花瓶に生けてある白薔薇を一本抜きとった。すると、薔薇はみるみる枯れていってしまった。
「あたしたちの プリンスとプリンセスに 危機がせまっている ――いかなければ!」
四人の額に、守護星のマークが煌めいた。――ほたるを育てることをちかいあった 三人の約束の指輪 もう いらない
――いこう あたしたちのあつまるべき場所へ だっていつでもそこが あたしたちのほんとうの夢のある場所だから
美奈子の左腕に血が滴っている。アルテミスは巨大な岩石の下敷きになってしまったが、その腕は、決して放すことがなかった。
「アルテミス……!」――ごめんねアルテミス――!あたしいつもあんたにひどいこといってばっかり いじめてばかりだった
――いまわかった いまあたし体じゅうがこんなにいたい こんなに苦しいよ
――アルテミス!あんたはいつだってあたしと一心同体 あたしの分身だったのよ――!
美奈子ははっとして自分の左手を見つめた。握り合っているのは、人間の手同士だった。
長髪の男が、荒い息をしながら岩石を持ち上げた。「……いま わかった 美奈 キミが変身できなかったのは
パートナーであるぼくの力がたりなかったからなんだ」男の額には、三日月のマークがあった。「……アルテミス?」男はニコッと笑ってみせた。
……体じゅうに力がみなぎってくる さっきよりもずっと強く つながってるあたしとアルテミス
「きみのヴィーナスクリスタルだ 美奈 さあ変身だ!」「ヴィーナス・クリスタル・パワ―― メイクアッップ!!」
今度こそ無事に変身した美奈子は、宙吊りの状態から、塔の頂上に舞い戻ることに成功した。
「ヴィーナス!」アルテミスが頷いてみせる。「アルテミス!」ヴィーナスは感激のあまり涙ぐむ。
「よくもこのあたし 愛と美の女神ヴィーナスさまを さんざんいたぶってカスなあつかいしてくれたわねっっっ!
無敵の金星の女神の愛のムチ!!うけてみよ!!ヴィーナス・ラブ・アンド!!ビューティ・ショ――ッックッ!」
薔薇をモチーフにしたムチが乱れ飛び、ベスベスは姿を消したが、残されたゼノタイムは呆気なくやられてしまった。
「おのれっ」ゼオライトが投げナイフで応戦するが、ヴィーナスは上手く避け、ムチを振るった。ゼオライトもついに消滅してしまったのだった。
「マーキュリー!マーズ!ジュピター!」ヴィーナスが急ぎ三人の元へ駆け寄った。
「ヴィーナス!!変身できたのね!?」「みんなごめんね でももうだいじょうぶっ!」ヴィーナスは明るくVサインをした。
ヴィーナスはついさっきまでいた塔の頂上を見つめた。――アルテミス あんたのおかげよ
「せっかくの大イベント!このアマゾネス・カルテットが もりあげてあげるわ!」
「パラパラ!」「わかってるわセレセレ!玉かずら!!」パラパラが玉に力を込めると、なんと樹木の太い根が動きだし、
四守護神の体に巻きつくと動きを封じてしまった。「きゃあああっ」
「あたしたちはアマゾンの伝説の最強戦士アマゾネスの血をひく!」「アマゾネス・カルテット!!」
「アマゾンの密林 アマゾンの熱帯夜」「そしてわれらがアマゾネスにつたわる のろわれた石アマゾンストーンが」
「新月の闇のもと真の力を見せるのはこれからよんv」動けない四人に大量のレムレス達が襲いかかった。「いやっ!!」――アマゾネス・カルテット!?
「みんな!?」ヴィーナスが叫ぶ。マーズ達三人は意識をレムレスに支配されつつあった。「しっかりして!みんな!」
「アルテミス!!」「美奈!」――やっぱりあたしの力だけじゃダメなの!?たりないの?あたしたち!――もっともっと力があれば
――敵をたおすために たいせつな人を守るために 力(パワー)よ あつまれ!!
誰かの声が聞こえた気がして、家にいたちびうさははっと顔を上げた。――胸さわぎがする 今夜もまた 星が一つも見えない
ちびうさはエリオスの言葉を思い出した。“あの黒いところはあなたのいた街ですよ”ちびうさの背筋に冷たいものが走った。
――これも敵のしわざなの?星が見えないくらい闇がひろがってるの?
“幽閉されているのです”――会いにいきたい ――いますぐ助けにいきたい エリオスはどこにいるの?――エリュシオンはどこにあるの!?
カタッと物音が聞こえ、ちびうさは振り返った。「うさぎ?」うさぎは苦しそうに咳きこんでいる。
「おそかったね まもちゃんのぐあいどお?」「うん だいじょうぶみたい…… ゲンキだったよ もうねるね」
うさぎはフラフラした足取りで部屋へと戻っていった。ちびうさは心配そうにその背中を見守った。――うさぎ?
●to be continued●
アルテミスロン毛・・・
112 :
マロン名無しさん:2009/03/30(月) 01:55:30 ID:px3yazK9
鏡に映るサターンにドキッとした
この演出好き
ルナ→幻の銀水晶と聖杯の力で人間に
フォボスディモス→レイの意識の中で人間に
アルテミス→現実世界で自力で人間に
アルテミスすげーwww
ルナ「髪長い男ってムサくてイヤ」
亜美同様、ほたるもアインシュタイン厨だった件
美奈子とアルテミスが絆を確かめ合っている間、待ってくれてる敵は優しいと思ってしまったw
ほたるが風呂から上がったら、鏡(ガラス?)の中のサターンと身長がぴったり同じになったようだが
はるか達のいる部屋を訪れた時には少し身長縮んでないか?
まさかと思っていたが変態はうさぎに呪いを移したっぽいな
戦わずしてなお迷惑をかける変態…
>>117 前者は精神的な成長を表していて、
実際はそこまで伸びていないんじゃないか。
>もうまえのあたしたちじゃない もう遠くから孤独に戦う必要はないの
ほたるはうさぎとかちびうさとか四守護神達に守られてなかったか?
Act45 夢7 ミラー・ドリーム
四守護神は樹木の根に絡みつかれて身動きが取れない。――セーラームーン!!
もう駄目かと思った瞬間、息を切らした四人がテントに乱入した。「暑いわね あたしたちアマゾンへでも迷いこんでしまったのかしら」
「バカいっちゃいけない レース中のあの五十度近い地獄にくらべれば こんなジャングルはニセモノだね」
「そう ここはこの世にあってはならないものだわ」「破滅 あるのみ」アマゾネス・カルテットは一斉に振りかえった。「だれだ!?」
「ネプチューン・クリスタル・パワー」「ウラヌス・クリスタル・パワー」「プルート・クリスタル・パワー」「サターン・クリスタル・パワー」
「「「「メイクアップ!」」」」ヴィーナス達は信じられないように目を見開いた。――まさか……
「――深海の星 海王星を守護にもつ 抱擁の戦士 セーラーネプチューン」「天空の星 天王星を守護にもつ 飛翔の戦士 セーラーウラヌス」
「時空の星 冥王星を守護にもつ 変革の戦士 セーラープルート」「沈黙の星 土星を守護にもつ 破滅と誕生の戦士!セーラーサターン!」「参上!」
「天界震(ワールド・シエイキング)」ウラヌスの放った攻撃で、ヴィーナス達はやっとのことで呪縛から解放された。
「破滅喘鳴(デッド・スクリーム)!!」しかしアマゾネス・カルテットはすんでのところでかわしてしまった。――にげられたか!?
「おのれ セーラー戦士ども!」
「――ウラヌス ネプチューン プルート……!サターン……!……どうして……!?」ヴィーナスの目からぽろぽろと涙が零れた。
「サターン……!成長を……!?」サターンは力強く微笑んだ。
「美奈!」アルテミスが戦士達の元へ駆けつけてきた。「アルテミス!」――ネコの姿にもどったのね
「セーラームーンに知らせなきゃ!」「そうよ セーラームーンに!」口ぐちに叫ぶ四守護神に、ウラヌスが重い口を開いた。
「……彼女に いま君たちの声はとどかないかも……」
その頃、うさぎは自宅のベッドで青い顔をして伏せってしまっていた。苦しそうに荒い息をするうさぎの元に、ちびうさが心配して付き添っている。
「うさぎ!うさぎ!?」「……だいじょぶ ねればなおるから……」「まもちゃんのとこから帰ってきてから なんだか苦しそううさぎ」
「あたし!みんなをよんでくる!」ちびうさはうさぎの部屋から飛び出した。
「玉あられ!」パラパラがセーラー戦士達の真上に巨石を出現させた。「深水没(ディープ・サブマージ)!!」
瓦礫と化した岩石が降り注いだが、戦士達はなんとかかわした。「なぜセーラームーンにわたしたちの声がとどかないの!?」
「ウラヌス ネプチューン プルート サターン ――なぜもどってきてくれたの?あたしたちのところへ」
ネプチューンがやっと口に出した。「あたしたちのプリンスとプリンセスに危機がせまっている」四守護神は衝撃を受ける。
プルートが続ける。「そのためにあたしたちは集結したのです その運命をさけて通ることはできない
だから全力であの二人をお守りし その運命をうけとめのりこえ 新しい運命を切り開く それがあたしたち十戦士の真の使命」
「玉はがね!」ベスベスが鋭く光る石つぶてを投げて攻撃してきた。「でも ひとまずこいつらをぶっつぶしてからの話だけどな」ウラヌスが剣を構える。
「宇宙剣乱是風(スペースソードブラスター)!!」
サターンはそっと跪くと、目を閉じて神経を集中させた。――スモール・レディ
部屋を出ようとしていたちびうさははっとして立ち止まった。“スモール・レディ”――この声は……!まさか……
“スモール・レディ”――でも この声は!“スモール・レディ”――この声は――!
ベッドの中のうさぎも、全身で十戦士の力を感じ取っていた。――感じる!あの三人が戦っている!!みんなが集結している!!
うさぎの目から涙が溢れた。
ネプチューンの手鏡が光輝き、外部太陽系四戦士が映し出された。“小さなプリンセス かならずまたあなたがたのもとへ帰ってくるわ 約束のしるしよ”
ちびうさも堪え切れず涙を流した。――約束通り四人が 帰ってきた――!?
「うさぎ!」「わかってる……!」うさぎは苦しげに咳き込んだ。「あたしにも
「うさぎ!」「わかってる……!」うさぎは苦しげに咳き込んだ。「あたしにも見えたわ……!!」――みんなの姿が!!
「あたしもすぐおいかけてくわ!だからさきにいきなさいちびうさ!」ちびうさは決意の表情を見せた。
「ムーン・クライシス!!メイクアップ!!」ちびムーンは手鏡を取り出した。「サブマリン・ミラーッ!ネプチューンのところへ!あたしもすぐいく!」
手鏡は光を放ったかと思うと、フッと消えてしまった。ちびムーンはみんなのもとへと駆けだした。
手鏡は無事にネプチューンの手元へと辿りついていた。鏡に映ったちびムーンを見て、ネプチューンは微笑む。――スモール・レディ!
「――いかなきゃ あたしも」うさぎは重い体を引きずりながら、ルナの制止も聞かずに飛び出していった。
うさぎが必死で走っていると、向こうから衛が駆けてきた。「まもちゃん……!」「うさ!」
「きこえたんだ おまえのよぶ声が」「……あたしならだいじょうぶ……」うさぎは衛と手を重ね合わせる。「――うさ!?」
ところが、うさぎはガクッと崩れおちてしまった。「うさ!」衛はぎゅっとうさぎを抱き締める。
「まさか おまえの体…… ――まさか おまえの肺の中もおかされて……!」
「……いかなきゃ みんなが集結してる なにかがおこるんだわ」それでもうさぎは力強く前を見据えた。
「いかなきゃ 敵をたおすのはあたしの役目よ」
●to be continued●
124 :
マロン名無しさん:2009/04/02(木) 10:52:50 ID:FrKt+I6Y
変態おまえよりによって主戦力に呪いを移すなよw
Act45-2
「プリンスとプリンセスに危機……!?」――そのために全戦士が集結を……!
ヴィーナスがウラヌスに詰め寄った。「なにがおこるの!?あの二人はどうなるの!?」
ところが、ヴィーナス目がけて投げナイフが飛んできた。「きゃあっ」
「寝言をいっているヒマはないわ!」ネプチューンが一喝する。「見なさい!」ネプチューンが手鏡を上空へと向けた。
「深海鏡射(サブマリンリフレクション)!!」ネプチューンの手鏡から放たれた攻撃は、勢いよくテントを突き破った。
テントにぽっかりと開いた穴から見えるのは、重く垂れこめる新月だった。
「このサーカス団の上空に出現した あの巨大な新月―― いいえ 新月の闇の中にぽっかり口を開けた異空間――
あそこから悪夢がどんどん地上へふきだしているのよ」
ヴィーナスは愕然とする。――そんな……!このテントに入ったときはなにもなかったのに
――ううん ずっと以前からすでに外は異様な空気と闇が蔓延してた……!!
「世界中の人びとが 街が やつらのあやつる悪夢にのまれだしている」外部太陽系四戦士は語る。
「この星のまわりはもうとっくに異常な暗黒バリアにおおわれている やつらはこの星を征服し 死の星とするつもりよ」
ちびムーンは一人、十番商店街をひた走っていた。街では喧嘩が横行し、浮浪者の姿も見える。
――闇がこくなってゆく 世界はこんなに暗かった?――いつからこんなに荒れた街になっちゃったの!?こんなの十番じゃないよ!
ちびムーンはテントの上の大きな新月に気が付いた。――あれはなに?まっくろい月……?ううん まるでブラックホール……
誰かに後ろから肩を叩かれ、ちびムーンは振り返った。そこにはセーラームーンとタキシード仮面の姿があった。
程なくして、三人はテントの中へと駆け付けた。
「ウラヌス ネプチューン プルート!――サターン!」
「小娘どもめ てこずりおって!おあそびもそれまでじゃ」怪しげな老婆が目の前に立ちはだかり、セーラー戦士達は身構えた。
「クククッ よくきた セーラー戦士ども わたしは女王ネヘレニアさまにつかえる 霊魂導士ジルコニア
白い月の王国の者たちよ おまえたちがこの星に生まれかわっていたとは!だがもうおそい この街はとうにわれらのもの
この星もわれらの支配下にあるも同然 こんなもろい星 悪夢を無防備に受け入れる人間ども 呪いを自ら受け入れる弱い者どもに守られた星など!
赤子のクビをひねるようなもの!」ジルコニアの背後にはネヘレニアの巨大な影が透けて見えた。
セーラームーンとタキシード仮面は苦しげに咳き込むと、崩れ込んでしまった。
セーラームーンは精いっぱいの表情でジルコニアを睨みつけた。「ゆるせない……!弱さにつけこんで思いどおりにしようなんて……!」
「もう とうに白い月の王国はないのだ」ジルコニアはスッと杖をこちらに向けた。「消え去るがいい!呪われた者どもよ!」
「あぶない!!」ウラヌスが叫ぶ。杖から放たれた魔術は、セーラームーンとタキシード仮面両者に降り注いだ。
ペガサスの姿のエリオスは、二人の危機を察知した。――いけない!王子(プリンス)と王女(プリンセス)が!
エリオスは急いで二人の元へ現れたが、間に合わなかった。二人の体は抱き合ったままどんどん縮んでいってしまった。
「プリンス!?プリンセス!?」子供の姿に返った二人は苦しみながらも懸命に呪いと戦っている。
「じわじわと苦しんで息たえるがいい ククッ アハハハッ」
ジュピターはガクリと跪いた。「――まさか これがエリオスのいっていた 呪いの第二段階!?」
――呪いによって さらにペガサスの姿へ……
「こんな…… ひどい!」ちびムーンは涙を零しながら、ジルコニアをキッと睨みつけた。「ゆるせない!」
「これでこの星はもう守れない!ククッ アハハッ」そう捨てゼリフを吐いて引き返すアマゾネス・カルテット。
その後を追って、ちびムーンとサターンが揃って駆けだした。「ちびムーン!?サターン!?」
――どんどん抵抗力がなくなってゆく!このままではお二人の命が……!
「エリオス!?」エリオスはパアッと光を放つと、なんとうさぎと衛と一緒に何処かへ消えてしまったのだった。
ちびムーンは前を走るサターンの後ろ姿を見つめた。――ほたるちゃん ――ううん セーラーサターン
「――大きくなったのね」サターンはピタリと足を止めた。「あたしはあたしの使命をはたすために そして」
サターンは力強く微笑んだ。「スーパーセーラーちびムーン あなたといっしょに戦うために!」
サターンとちびムーンがテントの一角に突入すると、そこではアマゾネス・カルテットが曲芸をしながら待ち構えていた。
「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそv」「今世紀最大のアマゾンからの神秘のデッド・ムーンサーカス!
大スター・アマゾネス・カルテットのショーのはじまりよんv」
「玉納豆!!」パラパラが術を唱えると、二人の体に粘液が纏わりついた。
「きゃははっvいいザマですわんv新月の闇の力をもつアマゾンストーンが おまえたちを地獄へゴショータイ!ってトコかしらんv」
サターンが懸命に説得を試みる。「その魔性の闇の力こそ おまえたちを地獄へしばりつけるもの 目をさましなさい!」
「玉ぐすり!!」「不動城壁(サイレンスウオール)!!」ジュンジュンの攻撃を、サターンはバリアを張って防いだ。
「おまえたちもその心を悪夢に支配されているのよ!わからないの!?」
「なにをいうの!?デッド・ムーンに生まれたときから あたしたちはこの神聖な新月の闇の力で 悪夢を自在にあやつってきたのよ!」
「その力はおまえたちのねむれる力がゆがめられたもの 利用されているだけよ!目をさませ!」
「沈黙鎌奇襲(サイレンスグレイブサプライズ)!!」アマゾネス・カルテットは霧のようなバリアを張って凌いだ。
――にっくきシルバー・ミレニアムの者ども!われらの野望は白い月と青い星をわが手にすること
「!?」ちびムーンは耳を疑った。――暗黒の中サーカスの中 夢を見ることなんてゆるされなかった ――にくい!すべて白い月の者どものせいだ!
ちびムーンの頭の中にアマゾネス・カルテットの悪夢が流れこんでくる。――でもこの悪夢はすこしかなしい こいつらは敵じゃないの?
サターンは冷たい目をして死神の鎌を構えた。「目をさませ さもなくば死 あるのみ」
サターンは左手で鎌を構えつつも、右手をスッと差し出した。
「おまえたちは亡者にあやつられているだけよ」アマゾネス・カルテットが戸惑いつつも、その手を取ろうとした時。
「未熟者め!!」「ババさま!」アマゾネス・カルテットは恐れおののいた。「ゆるしてババさま!」
ジルコニアは四つの石を取り出すと、なんとアマゾネス・カルテットをその中へと封じ込めてしまった。
「わしが手塩にかけて育ててやった恩も忘れ 邪魔ばかりしおって ――おおジルコン そこの侵入者どもにも おいたをしたバツをせねばな」
ジルコンの目が妖しく光輝き、散らばっていた二つのガラスの破片が浮き上がった。
ちびムーンは咄嗟にカレイドスコープを取り出す。「ムーン・ゴージャス・メディテイ……」
ところが時すでに遅く、ちびムーンとサターンはそれぞれガラスの破片に閉じ込められてしまった。
ジルコニアは不気味に笑いながら四つの石と二つの破片を拾い上げると、ネヘレニアの住まう鏡の中へと投げ入れてしまったのだった。
●to be continued●
原作セラムンでこんな風に敵と和解フラグって初めてじゃね?
あたしはあたしの使命をはたすために−
すっかり凛々しくなったな〜新生サターン
もしアマゾネス・カルテットの4人が改心したらどうするんだろうか。
アニメでのあやかしの四姉妹みたいに普通の人になるのかな?
原作じゃ普通に考えりゃ死ぬだろ
改心してやっぱり死ぬwwwさすが原作すごく後味悪いですwww
悪役に同情の余地など無いとwww
うーん…
アマゾネス・カルテットは意外にも生き残る気がするなあ
死ぬなら「許してババさま!」のところであっさり殺されてそう
つーか誰か主人公とヒロイン(笑)の心配してあげてください><
死に神と呼ばれるサターンに見込まれたアマゾネスカルテットは死なないと見た
ほたるちゃん、ちびうさのこと思い出したんだね°・(ノД`)・°・
[受験戦争編]
第3話 レイと美奈子の女子校バトル!? (「るんるん」1995年11月号掲載)
――あたし 愛野美奈子 十五歳ちゅーさんっvただいままこちゃんちで受験勉強まっさいちゅー゚・*:.。. .。.:*・゜
誕生日は十月二十二日(プレゼントちょーだいねっ(^^)v)てんびん座 のーてんきなB型ちゃんv
好きな色は黄色と赤 趣味はアイドルの青田買いとおっかけ 好きなものはカレーとラーメン キライなものはシイタケ☆特技は遊ぶこと……
気づけば、時計は22時25分を指していた。「あら もうこんな時間 じゃあ今夜はこのへんでエンドにしましょうか」
亜美の一言に、とっくに限界が来ていた美奈子は泣きながら万歳をする。「バンザーイ べんきょ―― おわりっっ!」
この様子に、亜美はわなわなと震え、鉛筆をバキっと真っ二つにしてしまった。――そんな泣くほどよろこばなくても やる気あんのっ!?みなこっっ
「みんなー アップルパイあるけど食べる?」とまこと。「あ 食べる 食べるっv」アップルパイを頬張りながら、美奈子はすっかり元気を取り戻した。
「ねーねー テレビつけてもいいっ?」美奈子は思いだしたとばかりにH×Hの14巻を取り出した。
「あ うさぎーっ このまんがおもしろかったー つづきかしてーv」美奈子とうさぎはテレビを見ながらゲラゲラ笑っている。
「あー 勉強さえなかったらこーゆーのっていーよねえv」「女のコどーしで気ぃ遣わないし女子校みた――いv」
正直なヤツ、とまことはお茶しながらニコニコ見守っているが、亜美はすっかりご立腹の様子。――勉強さえなかったらっ!? だれのためにっっ
「あしたは日曜だしさ とまってけば?みんなv」まことが笑顔で提案する。「え――っっ うそ――っ とまりた――いっっv」
「じゃ―― お夜食ナニがいいっ?vvv」――まこちゃんのつくるごはんは天下一品 お姉さんみたいで大スキv
「そーねっ 一晩かけてこの問題集みんなでおわらせましょ――かっ!」――あーみちゃんは…… ちょっとコワイケド 勉強カンケーたよりになるし
「ねーねーみなP しんやばんぐみでキレてるヤツあるのよお きょー見よーね」――ゲームとまんがとテレビのハナシはうさぎがいちばん!
「――あたしは」レイは読んでいた本を静かに閉じた。「あしたお祓いがあるからパスするわ 朝早いの」「何時から?」「四時」
「四じ〜〜〜っ!?」「いつものことよ」周囲が驚くのも気に留めず、レイはずずっと日本茶をすすった。
美奈子は横目でそんなレイを見やる。――いつも四じにおきてんの?マジッ??
――そして 火野レイ 同じく十五歳 中三 四月十七日生まれ ガンコな牡羊座のAB型 趣味はたぶん占い(よくやってるから)
だだっぴろい神社に おじーちゃんと二人ぐらしのブルジョワちゃん
――じつはこいつだけはちょっとズルイヤツである
「レイちゃんの好きな食べものってナニ?」美奈子が聞いてみる。すると「ん― フグかなあ」となんともシブい答えが返ってきた。
「特技は?」「座禅」美奈子は頬杖をつきながら、じっとレイを見つめる。「……レイちゃんてさあ」
「お ナ ラ と か す ん の ?」うさぎ・亜美・まことは盛大にお茶を吹きだした。レイは相当頭に血が昇ってしまっている。
「……ケンカ売ってんの?」「えー だって座禅のときでないのかなーって思って」悪びれる様子のない美奈子。
レイは亜美の眼鏡を借り、どこからかマイクを取り出した。まるで芸能レポーターかなにかのようだ。
「エキゾチックストレートロングが売りのレイちゃん!複数の男子校におっかけがいるってウワサですけど!」
「アタシ 男ってバカだと思ってるから」ツンとそっぽを向くレイに、美奈子はそこまでゆうっ?と呆れ顔。
――レイちゃんてばおじーちゃんと二人ぐらしでテレビだって見ほーだいのクセに
「家にいるとあんま見ないのよねえ うるさいしくだらないし」(ちなみにカルピスこども劇場とデビルマンは見ていたらしい)
「ねえ レイちゃん もしかしてあたしたちに 気 遣ってる?」勉強できる環境を求めて帰ることにした亜美が、玄関で靴を履きながらレイに尋ねた。
「レイちゃんとこ受験ないし もっと有効な時間の使いかた……」レイはにっこり微笑んだ。「なに 気 遣ってんのよ いいのヒマだから」
――そう なにがずるいって レイちゃんには ――受験がない!こんなずるいことってあるっっ??
――ヒマだから受験べんきょーしてんのか――っ キサマは――っっ
「それはさ―― レイちゃんトコ 小中高大一貫教育の私立の女子校なんだから あたりまえなんでない?」とまこと。
「天下ムテキの都内一等地の(六本木まで徒歩0分ッ!)ブライド私立 短大まであそんでてもいけるエスカレーター式!うらやましーっv」
うさぎとまことはキラキラと目を輝かせる。
「あっ きたきた おそーい レイちゃん」「ごめーん そうじが長びいちゃって」
麻布前派出所の警官が、レイを見て鼻の下を伸ばしている。「あ T.A女学院のコだぜ」「美人!あそこのセーフクいーよなーっv」
二人の警官は、傍に立っていた美奈子に気づくと、フッと鼻で笑って通り過ぎていった。
「キサマら〜〜っ いまハナでわらったなああっっ あたしだってぢょしちゅーがくせーよおおっっっ」
美奈子はまことが押さえていなければ暴れ出しそうな勢いだ。
――ちなみに あたし愛野美奈子の苦手なもの ママとおまわりさん ――ちなみに レイちゃんにはうるさいクソババア
――失礼 ママがいない そしておまわりもファンの天下のT.A女学院生 ……ずっこい ……なんか差ァつけられてる☆
やる気が起きず、ぐったりと机に突っ伏した美奈子を、亜美が覗き見る。「美奈ッ さっきから一ページもすすんでないじゃないっ」
美奈子はパラリと高校受験ガイドを広げた。「……アタシ 女子校うけよーかなあ……」
レイがクールに言い放つ。「わるいけど ウチのガッコは高校からの募集ないわよ」「ゆるせんっ」美奈子は本を真っ二つに割いてしまった。
「このごろこればっか だれかなんとかしなよ」まことが呆れる。「受験からの逃避の矛先を受験のないレイちゃんにむけたわね」と亜美は冷静に分析する。
うさぎはにっこり微笑む。「なあんだ美奈Pvレイちゃんとおんなし高校いきたかったんだ――v」
「どーせ地球がひっくりかえってもはいれないわよっっ」美奈子がヒステリックに叫ぶ。
「まあ そりゃボシューしてないんだからムリだよなあ」まことが宥める。
さすがのレイも呆れ顔。「ないないってゆーけど ウチだって入試ぐらいあるわよ 毎年おちて高校上がれないコだっているし
だからあたしもここきてるのよ」「キサマーッ ヒマだからってゆってたぞーっっ」飛びかからんばかりの美奈子をうさぎが押さえる。
「女子校なんて 変化ないし生ぬるいし つまんないわよ 規則ばっかりキビシくて」
「へー キビシイんだ」「つまんないの?」ふーんと聞き入るまこととうさぎ。ところが美奈子は……。「ウソよっ」
「そんなのウソッ」あんたその自信はどっから、とまことは心の中で突っ込む。レイが冷めた目で言い放った。「じゃあ きて 見てみれば」
――とゆーわけで きたわよ――っ レイちゃんっv
T.A女学院の門の前ではレイが腕組みをして待っていた。まさか本気で来るとは思っていなかったようだ。
美奈子はセーラーV時代のコンパクトを取り出した。――こーゆーときのためにこのコンパクトはあるのよおおっv
「ムーン・パワー T.A女学院生にへんしーんっv」ボボン、と音がして、美奈子はおさげ髪に眼鏡の生徒に変身した。
「アラッ アラッ もちょっと美人にしてくれても〜〜」コンパクトは、ワガママッと内心悪態をついている。
「昼休みのあいだだけよ あんまし大さわぎしないでね」――女子校 それは女のコのステイタス ヒミツの花園゚・*:.。. .。.:*・゜
「わああーいっ アコガレの女子校のローカだああっ」美奈子はバタバタと廊下を走りだした。「みっ 美奈ッ いってるそばからっっ」
「そこのあなたッ!なんて野蛮なっ おまちなさいっ」恐ろしい顔をしたシスターが、ビシッと十字架を突き付けてきた。
「ろうかを走るなんて神への冒涜!学年 組 出席番号即答なさいませ!」とっさにレイが美奈子を庇った。
「もっ もーしわけございませんシスター ゲ リでトイレにいきたかったんですっ 以後気をつけますっっ」「そーなんですうっ もれそうでっっ」
レイが小声で美奈子に打ち明けた。「バカッ シスターにつかまったら反省室いき ムチでおシリたたかれて反省文の刑なのよっ」
まあっ キャンディのセカイッッ!と美奈子はびっくり。
レイと美奈子は豪華な食堂へとやってきた。「え―― スッゴーイ!食堂があんのっ!?」
「ひええ〜〜 レストランみたいーっ キレイ――ッッv」美奈子は大声で話しながら昼食をがっつき始めた。
「おいしーいっvレイちゃんてば まいんちこんなゴーカなお昼食べてんのっ?ずっる――い」
すると、またもシスターがビシッと注意を投げかけた。「そこっ なんて野蛮な!食事はしずかに!」
「「もっ もーしわけございません シスタ――ッ」」
ちらっと覗き見ると、レイは優雅にスプーンを口に運んでいた。美奈子はドキッとしてしまう。……レイちゃん なんて……
「なんてまずそーに食べるの」「……よけーなおセワよっ」
校舎の外に出ると、生徒達が上品にバレーボールを回しあって遊んでいた。「あっ 火野さーん ごいっしょにやりませーん?」
「きょうは遠慮しておきますわ」ホホホ、と笑うレイに、美奈子はカルチャーショックを受ける。――でたっっ!女子校コトバッ
代わりに美奈子が元気に名乗りを上げた。「クラスメイト?ハイハーイッ 食後のハラごなしにあたしやるざますっ なんたってバレー部ざますよっ」
誘ってくれた生徒達は、まあっどなたっ?何語ッ?と困惑している。
「いくわよ――っっ これならあたしもなじめるわっっv」体操着に着替えた美奈子が力一杯にアタックを打つと、
ボールはぐんぐん伸びていき、なんと校舎の窓ガラスに激突してしまったのだった。「なんてやばんなっっ」シスターが窓から怒鳴り声を上げる。
「……いい あたしあやまってくるから」レイは怒りで顔を引きつらせた。
「やっぱあたしにむいてない世界かも」肩を落としながら、美奈子がボールを探して校庭を散策していると、
ボールは古めかしい井戸の近くに転がっていた。「こんな奥にこのガッコになんてミスマッチ井戸?」
美奈子がカパッと蓋を開けてみると、もの凄い煙が噴き出てきた。そうしている内に学校のチャイムが鳴りだした。
「やばいっ はやくもどんなきゃっ」美奈子は咳き込みながらも急いでその場を後にした。
美奈子がみんなのところへ戻ると、レイは生徒達に囲まれていた。「ええっ火野さまが職員室のガラスをっ?」
「お昼休み何度もシスターに注意をうけてらしてっ 火野さまらしくないですわっ」
みんなと楽しそうに笑いあうレイを見て、美奈子はなんだか寂しくなった。――レイちゃん ……なんか しらないヒトみたい
「美奈」レイが戻ってきた美奈子に気づいて呼びかけた。「だれ?」「いやだ」泥だらけ埃まみれの美奈子を見て、生徒達はくすくすと笑った。
「やだ ドロだらけ」レイも思わずクスっと笑った。
美奈子はついに堪忍袋の緒が切れた。「……わらったわねっ」「え?」「どーせアタシはレイちゃんとちがって やばんよっパンピーよっ」
「レイちゃんなんかダイッキライッ」美奈子はそう言い捨てると逃げるように走って行った。――あ いまレイちゃんが ちょっとかなしそうなカオした
“野蛮ですわっv古井戸から解放されて 三百年ぶりのシャバの空気は 野蛮な空気がぷんぷんしますわっv”
空中に浮かんだ地霊の目に入ったのは、美奈子を探して走り回るレイだった。“おおっ なんて野蛮な服装の女子っv”
“野蛮な世の中を生きるには あのように野蛮な肉体が必要ですわっ”
「美奈!?」地霊は、視線に気づいて振り返ったレイの無防備な背中に一瞬にして入りこんでしまった。
「あのっ!レイおねーさまっ!」一人の生徒がレイを呼び止めた。「……なあに?」
「調理実習でつくったクッキーですっ わたしわたし入学したときからずっとおねーさまのことをっ」「まあっ」
「なんて野蛮なっv」正気を逸したレイは、ぐいっと唇を突き出した。「野蛮なコはおねーさまが食べちゃいますわっ クチビルをおだしv」
……いいすぎちゃったかな、と美奈子がショボくれながら歩いていると、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
「火野さまがあぁぁっ 下級生をっっっ みてしまいましたわっっっ」必死に此方へ走ってくる生徒の肩を、追いついたレイが掴んだ。
「まv大声をおだしになって野蛮ちゃんっv」レイは生徒の片足を抱き上げて唇を突き出してきた。
「野蛮なこねこちゃんは食べちゃいますわっvさvクチビルをおだしv」美奈子はどん引き。――レイちゃああんっ!!
――妖気ッッ 「ヴィーナス・プラネットパワ――― メイクア――ッップ!!」
「クレッセントブーメランッ」「はうっ」レイは一瞬怯んだ。「超野蛮ですわっっ どこのどなたですのっ!?」
「あるときはしがない受験生 またあるときは悩めるT.A女学院生!でもそれは仮の姿ッ!
その実体は!女子校生の友 愛と美の戦士セーラーヴィーナスッ!参上ッ」
「レイちゃんにとりついた悪鬼ッ!ショータイを見せなさいっ」地霊は一瞬レイの体から離れた。
“まv野蛮な子ザルちゃんっvわらわは花゚・*:.。. .。.:*・゜のお江戸のむかしからこの女の園に巣くう地霊 ゴーストシスターンvv”
“野蛮な子ジカちゃんはっ”地霊はシュワンッと再びレイの体を乗っ取った。そして、なんとそのままキスを迫ってきた。
「あたくしが食べちゃいますわっvんーっっっv」「ひえええっ」
「悪霊たいさ――ん」ヴィーナスによって顔にバシッとお札を貼られ、地霊は無事に消えさり、レイはばったりと倒れ込んでしまった。
「あ゛〜〜〜っ レイちゃんごめん〜〜〜」
すると、歓声を上げて生徒たちがわらわらとヴィーナスの周りに集まってきた。「すてきっおねーさまっっ」「ヴィーナスさまーっv」
「さわらせて――」「写真とらせて――っ」ヴィーナスはなんだか照れてしまう。
「やっだ〜〜んっ もしかしてあたしって めちゃくちゃ女子校向き――ッ?vたのし――いっvまたきたーいっvあっ シスターッ?」
倒れていたレイは、その瞬間確かに嫌な予感を感じ取った。そしてそれは見事に的中してしまったのだった……。
「……美奈 このたいせつな時期に シスターににらまれて高校あがれなかったらあんたのせいよ」「……ごめん」美奈子はシュンとうな垂れる。
うさぎ・まこと・亜美が後ろでひそひそと話し合っている。
「美奈Pおーさわぎして大ヒンシュクだったんだって?」「ケ―サツざた寸前だったって 不法侵入で」
美奈子が泣きながら目をキラキラさせて詫びる。「あたしずっとずっとT.A女学院のセーフクってきてみたかったの アコガレだったの
ただそれだけだったのっっっ ブルマーもはけちゃったしーっ まんぞくしたーっっ」
レイはピキッと眉間に皺を寄せた。「……美奈ッ ひとついい忘れてたけど」
「ア タ シ お ナ ラ っ て し た コ ト な い か ら あ ん た と い っ し ょ に し な い で ね っ っ 」
実はしたことがある美奈子は顔を赤らめた。「命の恩人の戦友をみすてんのっ?」「みすててやる アタシの技無断で使いやがってっっっ」
「あたしにキスしよーとしたクセにっv」「してないわよっ」――いじっぱりなレイちゃん ホントはそのままでもダイスキよんv
「あんたなんかキライよ もうっ」
●The End●
146 :
マロン名無しさん:2009/04/04(土) 22:12:19 ID:fawtDj+A
レイちゃんへ
つ胃薬
レイのデビルマンといい、ヴィーナスのキューティーハニー風の名乗り口上といい、
今回は永井豪御大をリスペクトしてる?w
武内センセイ自重w
どうした直子
なんか悪いものでも食べたのか?
アニメのみちるさんVS原作のレイちゃん
のお嬢様バトルが見たいw
アニメはまこと&亜美のコンビをプッシュしてるみたいだけど
原作はむしろレイ&美奈子押し?
神社の子なのに他の神様の学校行ってよいの?
オ〇ラしたことないレイちゃん、凄すぎ…。
美奈子のオ○ラってあれか?
「コードネームはセーラーV」で焼き芋大量に食べた話あったけどやっぱりあれはオナ○だったのか?
美奈子は必死に金星のガスの匂いって誤魔化してたけど
T.A女学院って六本木だったのか
さりげなくレイおねえさまが女の子に告られてる件
TAのコはモブでもいちいち可愛いな〜
>美奈子は思いだしたとばかりにH×Hの14巻を取り出した。
旦那の作品宣伝ktkr 。
>>152 やおよろずの神に他の国の神も含まれるんだろ
あまり気にしない家なんだろう。
じいちゃん南無阿弥陀仏唱えるし、孫はマンダラ使うし。
つーか神社自体宗教と言うより、形だけという気が。
それが日本の宗教のいいところよ
Act46 夢8 エリュシオン・ドリーム
…まぶしい…… ……おひさまの光だ 気持ちい――い… ……ああ まもちゃんのおふとんの中だわ いっつもふかふかで おひさまと緑のにおい……
「うさちゃん」うさぎが気持ちよく眠っていると、だれかが起こす声が聞こえてきた。「うさちゃん」「……ん まもちゃん?」
二人とも、体が小学生サイズに縮んでしまっている。「おはよう うさちゃん」衛少年は、うさぎにお目覚めのキスを降らせた。
驚きのあまり、うさぎはガバッと起き上がる。「さあ シャワーあびてきがえて」エプロンを付けた衛がにこやかに微笑みかける。
「たまごは めだまやきゆでたまごオムレツ どれにする?」「……おむれつ」「おっけ――v」衛は鼻歌を歌いながらキッチンへ駆けて行った。
……あ あれっっ?――あたし なんか夢を見てたよーな気がするんだけど……
うさぎは眠い目を擦りながらキッチンへと足を運んだ。「…おはよう まもちゃん」「あ うさちゃんvきょうはフレンチトーストだよ ジャムぬる?」
「あたし ライムのマーマレードッv」ここでうさぎは我に返った。「ってそんなのんきに食べてるヒマなんかあたしにはっ」
しかし衛は表情を崩さない。「だいじょうぶ 始業までまだちょうど一時間あるよ」「いっっ 一時間!?」……まえにおきたのっ?このあたしがっっっ
尚もうさぎは慌てふためく。「あ〜〜〜っっっ しまったああっっ さんすーの宿題ッ 今朝早くおきてやろーと思ってってっ」「うさちゃん」
衛はにっこりと笑う。「宿題ならぼくがやっておいたよ 教科書もかばんにそろえてはいってるからねv」
「……これって 夢かなあ」「うさちゃんてば ヘンなの 歩きながら夢なんて見れないよ」「そうだよねえ」
うさぎと衛が仲良く手を繋ぎながら歩いている。衛はスキップをしながらうさぎをリードする。
「うっれしいなっ ぼくね うさちゃんといっしょにくらして毎朝いっしょに登校するのが夢だったんだ 夢がかなってほんとにうれしいなっv」
うさぎはきょとんとしてしまう。……あれっ?そうだったっけ?
「ぼくね うさちゃんの夢をぼくがぜんぶかなえてあげたいんだ うさちゃんはなんにもしなくていーんだよ ぼくにあまえてくれるだけでいいのv」
……まもちゃんて こんなにあまかったっけ ――いつものまもちゃんはもっとこう クールでキビシくて もちろん宿題もやってくんなくて
うさぎは横目で衛をじっと見つめた。「……まもちゃんの夢って お医者さんになることじゃ ……なかったっけ」
衛は元気よく答えた。「ぼくの夢は うさちゃんとケッコンすることだよ」うさぎ、一時停止。
言葉がうまく出てこないうさぎに、衛が笑顔で問いかける。「うさちゃんの夢は?」「あっ あたしっ?」……あたしの夢は……
「うさ」眠り続けるうさぎを、衛が揺り起こす。「うさ」「……ん」「だいじょうぶか?」「……まもちゃん?」うさぎはがっくりと肩を落とす。
……ちくしょーっっ やっぱし夢かっっっ まもちゃんかわいかったのに――っ りそーだったのに――っ あのシチュエレーションッッ
「お体はだいじょうぶですか?おふたかた」二人の傍には人間の姿のエリオスが付き添っていた。うさぎと衛はすっかり元のサイズに戻っている。
「あ あれっ あたしたち たしか体がぐんぐんちっちゃくなってったよーな……」
「しっ」「!」エリオスが指を唇に押し当てた。
「声をなるべくひそめて ムダなことかもしれませんが すこしでもネヘレニアに気づかれぬように 神殿までゆきたいのです」
二人はその言葉で一気に現実に引き戻された。
「ここまでくれば地上の悪夢もすこしはやわらぐ この地にまだのこっている浄化の力が あなたがたをもとの姿にもどしたのです」
目の前に広がるのは、不気味に朽ち果てた土地。「――ここは……」うさぎと衛は思わずしっかりと抱き合った。
「――エリュシオンです」衛は目を見開いた。――まるで 夜の荒野
「――まもちゃん」ここにも黒いバラが茂っているのに気づき、うさぎはドキッとした。
「――黒いバラは呪いのしるし あの美しかったエリュシオンがこんな悪夢の地になってしまうなんて」
エリオスは二人を神殿へ案内した。そこには二人の女性がクリスタルに包まれ、立った状態で眠っていた。二人ともお団子頭をしている。
「わたしのほかに いまはたった二人のこの地の住人 神殿につかえる巫女 メナードたちです
このクリスタルはこの地の浄化作用のひとつ 呪いから守られ 二人はねむっているのです」
衛は懐かしむように神殿内を見渡した。――なつかしい オレはこの建物を ――ここのにおいを知っているような気がする
「王子(プリンス) この神殿はずっとあなたの一族が守ってきたもの――
エリュシオンは いまは亡きあなたの王国 ゴールデン・キングダムのあった場所です」――ゴールデン・キングダム――!
――そうだ オレはここを知っている 緑濃く地上と同じ風がふくこの星の守護聖地エリュシオン オレはこの地に住み ここが好きだった
「王子はここから地上へゆきこの星を守り わたしは神殿の奥深くいのりをささげこの星を守る
わたしと王子は会うことはなかったけれど いつでも心はひとつでした ――わたしたちのねがいはいつでもひとつ
そしてあなたがたがひかれあうのもまた おなじねがいをもっているから」――立場のちがう 通じあってはいけない二人だった あのときも
――同じ使命をもち 同じ力をもち 同じ心をもっていた あなたがた 「同じ使命?……同じ力?」衛が聞き返す。
「シルバー・ミレニアムは外から そしてゴールデン・キングダムは内から この星地球を守ってきました
そしていまその使命を負うふたつの王国の聖石(クリスタル)は 聖石“幻の銀水晶”はシルバー・ミレニアムのプリンセスの聖石となり
聖石“ゴールデン・クリスタル”はゴールデン・キングダムの王子の聖石となり 力を発する」
――ゴールデン・クリスタルが まもちゃんの聖石――!?
「ここは――」「神殿の中心部 いのりの塔です わたしはいつもここでいのりをささげ さまざまな形の啓示をうけとるのです」
――あれも この塔でうけた啓示でした
『――エリオス』ある時エリオスが跪いて祈っていると、目の前に炎のような幻が現れた。
『――聖石ゴールデン・クリスタルの封印がとかれるときが近づいてきました』 煌々と輝く幻は、次第に額に月の印を持った女性へと変化していった。
『――しかしそれはエリュシオンとあなたにとって 最大の試練のときとなるでしょう』
『わたしはいまはこれを告げることしかできません ――でも 乙女はいつでもあなたの味方です』「乙女――?」
――美しい夢をもつ 月の光に守られた 王女(プリンセス)にして戦士 そしてゴールデン・クリスタルの封印をとく聖石をもつ乙女――
「あなたは……」お団子頭の、ドレスを着た美しい女性が答えた。『――わたしは プリンセス レディ・セレ二ティ』
――プリンセス レディ・セレ二ティ――
「その啓司は あなたのことを告げていました ――そのお名まえとお姿も
時がやってきたのです プリンセス あなたの聖石の力で ゴールデン・クリスタルの封印をとく日が」
「――エリオス ゴールデン・クリスタルは いまどこに?」「――ゴールデン・クリスタルがどこに封印されているか だれもしらないのです」
――このエリュシオンのどこかなのか あるいはべつの場所なのか
「プリンセス あなたなら すでに聖石を手にしているあなたなら その場所を」
――あたしと同じ 封印されている まもちゃんの聖石――
うさぎはあることに思い当った。「まさか ゴールデン・クリスタルは まもちゃんの体の中に……!」「――オレの 中に?」
「そうよ!ゴールデン・クリスタルは まもちゃんの中にずっと封印されているのよ!」――オレの中に――… ゴールデン・クリスタルが!?
「――まさか そんなバカな」「わかるの あたし!まもちゃんはずっとあたしに 力を注ぎこんでくれてたわ
いつでもその力が あたしの“幻の銀水晶”の力を強く導いてくれた」
――まもちゃんのその力こそ まさにゴールデン・クリスタルの力だったんだわ!
「その聖石の力が 結晶となって解放される時がきたのよ」「――このオレに 聖石の力が…… いつも君の足をひっぱってばかりの オレに……」
うさぎは優しく微笑んだ。「……さっき 夢を見てたの」――まもちゃんに あたしの夢は?ときかれて 目がさめた
「あたしの夢は みんなが幸せにくらせるように この星を守っていくことなの まもちゃんと二人で」
「――まもちゃんの夢は?」「……オレの夢も この星を守っていくことだよ」衛はうさぎを抱き寄せた。「二人でいっしょに」
うさぎも衛に頭を擦り寄せる。「……うれしいっ おんなじね」
――いつでも 夢はひとつ――
●to be continued●
>まさか ゴールデン・クリスタルは まもちゃんの体の中に……!
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ ないない
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
r、 r、/ ヘ
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } モリ | |
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. |
\. ィ | |
| | |
168 :
マロン名無しさん:2009/04/06(月) 22:50:35 ID:z9Nvh24+
〜お団子頭のバーゲンセール〜
変態がかわいい…だと……?
初めて素直にまもちゃんと呼ぶ気になったわw
ライムのマーマレードって見たことないけど美味しそう
以前レイちゃんが欲しがってたプラムジュースも聞いたことないけど美味しそうだし
直子のセレクトする食べ物は美味しそうなのが多いな
衛は地底王国の王子だったのかw
なんか「地球国」に突っ込まれて苦肉の策で後付けしたっぽいな
おそらく衛の涙が結晶化するんだろうが、どうやって泣かす展開に持っていくんだろうか
セーラー戦士全員で一芝居打って、うさぎが死んだふりしたら笑える
というか月の王女が銀水晶で地球の王子がゴールデンでおもいっきり対になるクリスタル持ってるけど
第一部を見るに2人はお互いに好きになっちゃいけない禁じられた恋だったんだよな
それっておかしくね?
体が小さくなったのはなんだったんだ
>>174 内と外と役目を分けてるのに一緒になったらいけないとか。
ドッジボールで外野無しになるようなもの。
…尿結石を連想した
もうそろそろクライマックスかな?
タキシード・ドリームとかやるんだろうか
>>177 ちょwwwその発想はなかったwww
変態がトイレに行って戻ってきたら、ゴールデン・クリスタルgetしてたらやだな
まだ涙の方がいいわw
もしかしてエリオス×ちびうさフラグ立った?
今回、エリオスは見た目の割にとんでもなく長生きなことが発覚したし
いつまで立ってもチビな者同士気が合いそう
>>176 いい例えだな
自分はなんか納得した
しかし地底人×宇宙人のカップルってよく考えたらすごいな
プリンセスレディセレニティって普通に考えたら千年以上後のちびうさなんだろうけど
だとしたら母親のことを「乙女」って表現してるのが引っかかる
誰かバーローをエリュシオンに連れて行ってあげてください><
>>182 過去の、それこそ大昔の母親なら乙女って呼んでもおかしくないと思う
それにしても大人になったちびうさが出てきたって事は転生後ほたるみたいに急成長するフラグ?
>>174 ゆくゆくはちびうさ(=プリンセスレディセレニティ?)が
ゴールデン・クリスタルと幻の銀水晶を両方受け継ぐってことになるよな
ちびうさ最強w
>>177 今回うさぎと衛の夢は明らかになったので、
アマゾネスカルテット・ドリームかレディセレニティ・ドリームと予想
>>184 そ れ だ
だけどそうなるとうさぎとキャラが完全に被っちゃうから、
話の都合上、多分未来に帰っちゃうんだろうな…サミシス
シルバー・ミレニアムがメタリアとベリル達の手で滅ぼされたのは知ってるが
なんでゴールデン・キングダムまで滅亡してるんだ?
>>187 案外、成長したちびうさとエリオスは二十世紀のエリュシオンで一緒に暮らし始めるかも
>>188 サターンが仕事した結果だと思われる@第三部
>>188 エンディミオンが死んで血筋が絶えたからじゃね?
>>188 変態の一族だから、なにか不祥事を起こしたんじゃ
痴漢・覗きetc…
>>175 幼児化させることによって抵抗力を落として
呪いの効き目を早めるのが敵の目的だったような描写があった
結局は浄化作用がある(らしい)地底に逃げられちゃったけど
エリオスはそれこそ神話の時代から生きてるっぽいな
しかもルナやアルテミスのように
長きに渡って眠りについてわけではなく
普通に生きてたなんてスゲーw
第一部で出てきたと思うんだが、確か月の王国にも「祈りの塔」ってあったよな
月と地球の王国はほんと何から何まで似てる気が
二つの王国は、元を正せば一つだったのかも
…もしかして、前世の二人が通じてはならなかったのは血縁だったからか?
>>194 衛とエリオスと地球とエリュシオン この4つの心と体は繋がっている(エリオス談)
すなわち地球誕生=エンディミオン誕生
つまり エンディミオンは……
人類ですらなかったんだよ!!
な、なんだってー!!
Act46-2
衛の腕の中にいたうさぎの視界に、ある光景が飛びこんできた。それは、神殿の隅に置かれた大きな鳥籠に囚われた、ペガサスの姿。
「エリオス!?」――エリオスの体はあそこに捕らえられて!?
「プリンセス」エリオスが止めるのも聞かず、うさぎは鳥籠に走り寄る。ところが、鳥籠に触れた瞬間、うさぎの体はバチバチと弾かれてしまった。
鏡の中のネヘレニアは、その瞬間目ざとく反応した。“ネズミどもがはいりこんでおったか”
ネヘレニアは暗い闇の世界から鏡の外へズブズブと体を潜らせていった。
エリュシオンに突如黒いバラの花弁が吹き荒れた。驚き身構えるうさぎ達。
“わたしのかわいいカゴの小鳥は ネズミどものエサではないぞ クククッ”
床まで伸びた長い黒髪をズルズルと引きずりながら、ついにネヘレニアが姿を現した。
「エリオスはわたさないわ!」強い決意を持ってネヘレニアの前に立ちはだかるうさぎと衛の胸から、熱く輝く光が生まれた。
エリオスはそれを見て驚く。――あの輝きは!
“いやしいネズミどもめ!”ネヘレニアは今にも攻撃を繰り出そうとしている。
――エリュシオンよ!我に力を!!
エリオスは額の印から力を放ち、うさぎと衛を光で包みこんだ。そのまま二人の体はスウッと浮かび上がり、みるみる上昇してゆく。
「あうっ」エリオスはまともにネヘレニアの攻撃を浴びてしまった。「エリオス!」二人は上方から叫ぶことしかできない。
「早く地上へ!いまのあなたがたなら地上の悪夢にもうちかつことができる!二人でこの星を守るのです!」
そう聞こえたのを最後に、うさぎと衛はフッと消えてしまった。ネヘレニアは舌打ちをする。
うさぎと衛が消えてしまってから、残されたセーラー戦士達は何が起こったのかと、ただただ立ち尽くしていた。「プリンス……!プリンセス!」
しかし程なくして、皆の前に光が突如出現したかと思うと、うさぎと衛が無事に生還してきたのだった。
「プリンス プリンセス!」「みんな!」うさぎが元気に答えた。
二人は繋いだ手を上に突き出し、スペルを唱えた。「ムーン・クライシス!メイクアップ!」「セーラームーン!タキシード仮面!!」
セーラームーンははっとして皆の顔を見た。「サターンとちびムーンは!?」「!!」
――しまった!!アマゾネス・カルテットをおいかけて奥へいったきり――!もどってこない!?
“手こずらせおって!だが もうどんな悪あがきも手おくれだ”
「ネヘレニアさま エリュシオンのガードが弱まりましたぞ!いまこそチャンス!――この霊魂導士ジルコニアにおまかせを!」
街の様子を伺ったセーラー戦士達は戦慄する。街並みはすっかり変貌し、鬱蒼としたジャングルが広がっていた。――このジャングルは!!
草むらの影には無数のレムレス達が蔓延っている。――街の人たちが!
「――暑い……」「……息が できない……」熱気にやられ、セーラー戦士達は次々と倒れていってしまった。
「みんな!?」セーラームーンが呼びかける。「しっかりして!」ところが、セーラームーンの胸にあの痛みが湧きあがってきた。
セーラームーンとタキシード仮面は黒い血を吐いて苦しみ出す。――たおれるわけにはいかない みんなを助けなきゃ
――だけど…… ……苦しい 息が……できない………!エリオス……!
エリオスもまた、悲鳴を上げる体と戦っていた。――プリンス プリンセス!
――聖なる力を秘めたエリュシオンよ どうか 浄化のその力すべてを地上へ!
――わたしの最後の祈りを ききとどけたまえ――!!
エリオスの祈りに応えるように、エリュシオンの神殿が光輝いた。すると、地上にクリスタルが出現し、倒れていた人々を覆っていく。
セーラー戦士達は重い体を起こした。――熱気がおさまった!?なにがおこったの!?
見れば、街を乗っ取ったジャングルは全てクリスタルに封じこめられていた。
『……プリンス』「エリオス?これはエリュシオンの浄化作用なのか?」『長くはもたないかもしれません ですがこれがわたしとエリュシオンの限界――』
「エリオス!?」『……王子(プリンス) あなたに会えてよかった……』
衛は、一心同体だったエリオスが、静かに体から離れていくのを感じた。「エリオスッ!!」
――そして 小さな乙女にも 会えて……
“クククッ”「とうとう力つきたか!」ジルコニアは黒く笑うと、新月を背後に従えてぐんぐんと巨大化していった。
マントには怪物の顔のような紋様が見える。――巨大化した!?
続いて怪物の顔の口が大きく開き、放射状に攻撃が放たれた。そのレーザーのような光線は、タキシード仮面とセーラームーンの胸を正確に射抜いていた。
「プリンス!!プリンセス!!」二人は、胸から血を流しながら、闇の中へと堕ちていった。
●to be continued●
202 :
マロン名無しさん:2009/04/08(水) 22:46:59 ID:PDHrT60t
まーた夢オチだろ?
…ですよね?gkbr
なんでエリオス死んだのに変態は生きてるんだ?
心と体が繋がっているんじゃないのか?
いまググってみたが、ジルコニアってイミテーションのことを指すんだな
ところでジルコニアのマント(?)の顔が、なにかに似ているのだがどうしても思い出せない
まーたなぜか生きてるんだろ?
Act47 夢9 デッド・ムーン・ドリーム
セーラームーンとタキシード仮面は胸を撃ち抜かれ、ドサリと地面に倒れ込んだ。「プリンス!!プリンセス!!」
ヴィーナスが駆け寄り、抱き起こすが、セーラームーンの皮膚はドロリと溶け、グシャッと醜く変貌してしまった。
「いやあぁっ」「プリンセス!」セーラー戦士達は狂ったように叫び声を上げる。
気丈なウラヌスでさえも何が起こったのかわからず呆然としてしまっていた。――こんな こんなバカな
マーズが頭を抱え込んだ。「こんなの!悪夢だわ!!」ウラヌスはその言葉にはっとする。――悪夢!?
セーラームーンはズルリと手を滑らせ、重い体を起こした。――なにがおこったの?
目の前には、夥しい血を流して倒れているセーラー戦士達の死体が転がっていた。「!? みんな!?」
「まもちゃん!?ちびムーン!?サターン!?」そして、セーラームーンの顔もドロドロに溶け、まるで骸骨に皮膚が貼りついたような顔に変貌していた。
「いやああっ」――うそ…… これは 悪夢だわ………
巨大化したジルコニアのマントの紋様から、怪しげな術が放たれていた。――ホホホッ この星は永遠にわがデッド・ムーンのものだ
――弱き者どもよ 永遠にさまよい人となれ!新月の闇と悪夢の中でな!
クラウン・ゲームセンターの地下にある司令室で、アルテミス達がモニターを見つめていた。
「見ろ!地球が暗黒につつまれてゆく!このままでは地上にかけたエリュシオンのクリスタル・バリアはやぶられ 地上があの新月にのまれてしまう!」
「だれも応答しないわ!アルテミス!」ルナが叫ぶ。二匹を見守っていたダイアナは、ぽろぽろと涙を流した。――まさか みんなやつらに――!
――スモールレディ……!そばをはなれなきゃよかった!
「あたし!デッド・ムーンサーカスへいってきます!!」「まって!ダイアナ!」ルナが呼び止めた。
「あたしたちはもうすこしここで 待機しましょう」「ぼくらの戦士たちはこんなことでは負けない!信じて まとう!」
――セーラー戦士たちはかならずこの星を守ってくれる――!
「うさ!」タキシード仮面がセーラームーンの頬を叩いた。続いて、ヴィーナスとマーズの頬も叩く。
「しっかりしろ!これはやつらの悪夢だ!!」「まもちゃん!」セーラームーンは頬を押さえながら、驚いてタキシード仮面を見つめた。
「プリンス!?プリンセス!?」他のセーラー戦士達も驚いて正気に返ったようだ。
「見ろ!!」タキシード仮面の視線の先には、嵐のような威力の呪術を放つジルコニアがいた。
「心を強くもて!この星をやつらに渡してもいいのか!?やつらを倒してこの星を守るんだ!!」
外部太陽系三戦士はじっとタキシード仮面を見つめた。――プリンス――!あのすさまじい悪夢をご自分の力でうちやぶって――!?
セーラームーンは心動かされた様子でタキシード仮面を見つめ返した。――まもちゃん……!
――ああ そうだ この星のみんなの幸せを 永遠に守ってゆくとあなたに誓ったばかりだった
――そしてそれは夢なんかじゃない この星を守る それはいつだってあたしたちの現実(リアル)
――悪夢なんかに そして自分の夢なんかに こんなところで負けるわけにはいかない――!
「――あたしたちセーラー戦士が負けるはずないわ!」セーラームーンは自信に溢れた表情で仲間達の方へ振り返った。
ウラヌスは思わず見とれてしまう。――そう プリンセス あたしたちのすべて
――生も死も絶望も希望も夢も―― いつだって そうやって光輝くあなたのところにある
「プリンス!プリンセス!!あたしたちは どんなことがあろうともあなたがたを守ってみせる!」
「セーラープラネットパワ――ッ」「ウラヌス!」「ヴィーナス!」「ジュピター!」「マーズ!」「マーキュリー!」「プルート!」「ネプチューン!」
「「「「「「「メディテイション!!!」」」」」」」
守護戦士達は立て膝の姿勢で円状に並ぶと、手を繋いだ。すると、円の中心から強力な光の渦が放たれ、ジルコニアに直撃した。
「くっ……!おのれ……!!」地面に崩れ落ちたジルコニアは、突然飛びあがると、姿を消してしまった。
セーラー戦士達は後を追って、デッド・ムーンサーカスのテントへとテレポートした。
「マーズ!フレイム・スナイパ――ッ」「ヴィーナス!ラブ・アンド・ビューティ!ショ――ッック!!」
セーラー戦士達はテントに乱入した。マーキュリーがゴーグルを装着し、敵の位置を計算する。「いたわ!」
セーラー戦士達はやっとジルコニアの姿を見つけるが、ジルコニアはこちらに気づくと、大きな鏡の中へと逃げ込んでしまった。
セーラームーンも後を追いかけて鏡の中へ入っていく。「セーラームーン!?」
ヴィーナスも続けて入ろうとするが、鏡は固く閉ざされてしまっていた。
●to be continued●
209 :
マロン名無しさん:2009/04/11(土) 00:10:22 ID:G/1qBk0q
あれ?変t…まもちゃんがかっこいいんだけど
変態GJ
…で、ゴールデンクリスタルはどうなった
すっかりウラヌスがリーダーみたいになってるな
ヴィーナスはこのままではヤムチャになっちゃうぞ
へんたいは レベル2に なった!!
ひらてうちを おぼえた!!
〜変態確変中〜
冒頭の絵が少女漫画にしてはグロすぎるんだが…
悪役がああなるのはともかく、主人公側が醜い死に顔晒すとか…
トラウマになるぞ
鳳凰幻魔拳をくらったみたいだ…
直子はホラー漫画家に転向しるw
鏡には鏡でネプチューンのアクアミラーが効きそうなんだけどなぁ
>>218 そういえば「かぐや姫の恋人」で外部太陽系3戦士が
ネプチューンの鏡の中に入って宇宙にワープしてたな
あんな感じでネヘレニアの城に乗り込めばいいのに
>>218 ネプチューンの手鏡は最近までちびムーンが借りて持ってたから
なんとなく重要なアイテムになりそう
Act47-2
ジルコニアを追って、セーラームーンは鏡の中に突入した。そこは宮殿内部のような造りになっており、無数のガラスの破片が散らばっている。
その中央には、女王ネヘレニアが鎮座していた。――ここは?――あいつは――!?
“ククククッ なんという力(パワー)――!ここへ入りこんでくるとは やっと その輝ける無敵の星の力が
この女王ネヘレニアのものとなる時がきたのね クククッ”その薄気味悪い姿に、セーラームーンは思わず身震いする。――女王 ネヘレニア――!?
セーラームーンははっとしてあちこちに目を走らせた。――感じる 星の輝きの力を 星の守護の輝きの力を!!――どこから!?
セーラームーンは、床に落ちているたくさんの破片の内の二つと、その傍の四つのアマゾンストーンに目を止めた。
――あの四つの石と ガラスの破片から――!?
セーラームーンが意識下に呼びかける。――ちびムーン!!サターン!!
二つのガラスの破片にそれぞれ封じ込められていた二人は、ぱっと目を開けた。――ここは!?
二つの破片が呼びかけに答えるように光輝く。――ちびムーン!サターン!そこなのね!?
ちびムーン達は声の主に気が付いた。――セーラームーン!!
ネヘレニアは床に落ちていた無数の破片を宙に浮かせ、撹乱する。
“くくくっ あはははっ”宙を舞う破片には、不気味に笑うネヘレニアの姿がいくつも映りこむ。「ちびムーン!サターン!」
セーラームーンは無心でカレイドスコープを構えた。「ムーン・ゴージャス・メディテイション!!!」
すると、辺りのガラスの破片は砕け散り、ちびムーンとサターンは無事に解放された。
「ちびムーン!サターン!」セーラームーンはひとまず安心する。
“おのれ!”セーラームーンとちびムーンは揃って攻撃を繰り出した。「「ムーン・ゴージャス・メディテイション」」
ところが、割れたのは周りのガラスの欠片だけだった。ネヘレニアの姿は幻のように揺らめき、ダメージを受けた様子が見られない。
そのとき、セーラームーンの頭の中にヴィーナス達が呼ぶ声が聞こえてきた。『セーラームーン!!』――みんな!!
――ちびムーンとサターンを助けだしたわ!カガミを割って!
「マーキュリー アクア・ラプソディー」鏡の表面にピシッと亀裂が入る。「まかせろ!」そこへ、ジュピターが鏡に素手で上段突きをお見舞いした。
すると、鏡にヒビが広がっていくと同時に、ネヘレニアの顔も中心からピシッと裂けてしまった。
「!?」ネヘレニアの姿はどんどん薄くなっていく。ジルコニアも苦しそうだ。
「おおお!美しきデッド・ムーンの女王ネヘレニアさまは死なぬ!」――まだ死なぬ!こんどこそすべてを手に入れ 永遠に宇宙に君臨するのじゃ!
鏡の中の宮殿がガラガラと崩れ始める中、サターンはスッと屈むと転がっていた四つの石を手に取った。「サターン!?」
鏡はバラバラに砕け散り、セーラームーン達はその中から飛び出すことに成功した。
「セーラームーン!!」鏡の前に居たヴィーナス達と合流したセーラームーン達。
ところが、いきなりいままでいた巨大なテントは幻のように消えてしまったのだった。
あのサーカス団の飛行船は、まるでただのオモチャのように転がっていた。
「セーラームーン!!ちびムーン!サターン!よかった無事で!」辺りはクリスタルに覆われたまま、シーンと静まりかえっている。
「――デッド・ムーンサーカスが消えた……?」「……街も あの異空間にも変化はない――」とプルート。
「――やつらは」「どこに消えたの!?」セーラームーンとタキシード仮面を嫌な予感が襲った。「――まさか!」――エリュシオン!?
――エリュシオンがあぶない!
「――エリュシオンへいってくる!地上をおねがい!」「あたしたちもいくわ!」他のセーラー戦士達が意気込むが、セーラームーンが静かに制する。
「――いいえ ここでまってて」そう言われ、ちびムーンははっとする。「――エリオスに エリオスになにかあったの?」
エリオスの死を直感していたセーラームーンは、何も答えることができなかった。
「あたしもいくわ!エリュシオンへ!」タキシード仮面がそっと手を差し伸べた。「――いこう」――エリュシオンへ!!
結局、セーラー戦士達は全員で手を繋いでテレポートを行い、荒廃したエリュシオンへと降りたった。
湖の中央にある神殿へと向かうと、お団子頭をした二人の女性が皆を出迎えた。
「おまちしておりました」「――わたしたちは この神殿におつかえする 巫女メナード」
「――エリオスは…」ちびムーンが心配そうに尋ねる。メナード達は哀しげな目をして答えた。「こちらへ」
そこには、鳥籠の中に力無く囚われたままの、ペガサスの姿のエリオスが倒れていた。
「エリオス!!」取り乱し、駆け寄ろうとするちびムーンをセーラームーンが制する。「ちびムーン 鳥カゴにふれてはダメ キケンよ」「エリオス」
「エリオス!どうして返事をしてくれないの?目をあけて!」
タキシード仮面がぽつりと切りだした。
「――エリオスは そのすべての力をふりしぼり 街や人々を敵から守ってくれたんだ そして ――力つきた」「――死んだの?」
「…うそよね うそよ!エリオス!返事をして!」ちびムーンが力一杯泣き叫んだ。「エリオス!」
カシャン、と空しく鈴が床に落ちた。「……死んでなんかいないわ エリオスは まだ死んでない!力つきてなんかいない!
だって まもちゃんもエリュシオンも地球も 生きてるもの!」
その時、ネプチューンとマーズは同時に妖気を感じ取った。――だれかがどこかであたしたちを見てる!?
ウラヌスが気を引き締める。「――そうだ やつらもまだ死んじゃいない」――戦いはまだおわっていない!
「きゃああ」メナード達が抱き合い、悲鳴を上げた。なんと、空間に黒く穴が空き、デッド・ムーンの飛行船が侵攻してきたではないか。
ジルコンがパタパタと飛びまわり、湖に突如大きな鏡が出現した。――あの鏡は!!
ガラスがバラバラに砕け散った後のあの鏡の奥では、女王ネヘレニアが薄く笑っていた。
●to be continued●
225 :
マロン名無しさん:2009/04/13(月) 01:02:02 ID:8ChyQBIy
素手>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>ジュピターオークレボリューション
ほたる久々だよほたる
しかしアマゾネスカルテットは石に閉じ込められたままか…
次回最終決戦?
ネヘレニアの本体はあの大きな鏡自身だと思っていたが、
バラバラに砕けても活動できているということは違うんだな
レイちゃんとみちるさんは抜群に第六感が研ぎ澄まされてるんだな
巫女と芸術家だから感性豊かなのも頷ける
デッドムーンが今度こそ地球を我が手に!って言っているのは
前世から因縁があったりするからだろうか
そういえばネヘレニアはベリルに似ているが…
231 :
マロン名無しさん:2009/04/13(月) 17:11:31 ID:NhKXWPrQ
レイと星野はアニメではかなり性格ちがかったな・・・・
>そういえばネヘレニアはベリルに似ているが…
本人じゃないとしても姉妹とか関係者筋なのは充分ありうるな
ベリルも本当はエンディミオンが好きだったとかあったし
ネヘレニアもなにかしらエピソードが用意されてたりして
Act48 夢10 プリンセス・ドリーム
突如出現した鏡を中心に波紋が広がり、瞬く間に湖は荒れ果て、黒いバラの花で埋め尽くされた。
“わたしは 新月の闇の王国デッド・ムーンの美しき女王ネヘレニア セーラームーン いいや 白き月の王国シルバー・ミレニアムの幼き王女よ
そなたの母君も考えたものよのう そなたをこの星に新たな姿で転生させようとは
生まれかわった姿とはいえその姿 ありし日のクイーンに瓜二つ ホホホ”
セーラームーンは身震いしつつも鋭い眼差しを向けた。「――クイーンを …知っているの?」
“わたしもまた月の王国の女王 そしてこの星は月の王国のもの!この星の真の支配者はだれなのか きまるときがきたようね”
「この星はこの星の人たちのものよ!邪悪な心と悪夢をまきちらすおまえなど!
このセーラームーンが月にかわっておしおきするわ!おまえはここで悪夢とともに消えるのよ!」
“私の呪いに おまえは勝つことはできぬ”ネヘレニアは余裕の笑みを見せる。セーラームーンの胸が、またもズキンと痛みだした。「なぜ!?」
“知りたいか?かわいいプリンセス クスクス”鏡の亀裂が更にどんどん広がっていく。――鏡が!!
「ムーン・ゴージャス!!メディテイション!!」セーラームーンは鏡の中のネヘレニアに向かって必殺技を放った。
ネプチューンがはっとして叫ぶ。「セーラームーン!!」
なんと、セーラームーンの攻撃は鏡によって反射し、セーラー戦士達に向かってきた。「!?」
なにが起こったのか分からず、セーラームーンは武器を構えたまま一瞬固まってしまう。
セーラー戦士達は、鏡の破片のようなものがいくつも浮いている、闇の中に包まれていた。
「――これは」「まるで…… 万華鏡の中にいるみたい――!」ちびムーンが唖然として呟く。ネプチューンは一人、焦燥感に支配される。
――しまった!反射されて!セーラームーンの攻撃の中に!?
「セレ二ティ セレ二ティ」不意に名前を呼ばれ、セーラームーンは後ろを振り返った。
そこには、クイーンセレ二ティと、赤ん坊の頃のプリンセスセレ二ティの映像が、まるで映画館さながらに大きく映し出されていた。
「セレ二ティ かわいいわたしのムスメ あなたが生まれてほんとうにうれしいわ」――クイーン!?このビジョンは… 前世の!?
「さあ お祝いをしましょう みんなを招いて」そのとき、セーラームーンは違和感に気付いた。――ネヘレニアの鏡!?どうしてクイーンの部屋に!?
「おめでとうございます クイーン!」ちびムーンよりも、もっともっと幼い四戦士達がここに集結した。
「まっていましたあなたたち マーキュリー!マーズ!ジュピター!ヴィーナス!プリンセスセレ二ティの四守護神たちよ!」
「クイーン この時を指おり数えてまちこがれておりました あたしたちが命をかけて守ってみせます!いつかクイーンとなるべきたいせつなお方を!」
クイーンはにっこり微笑んだ。「すぐに大きくなってあなたたちに追いつくわ たのしみね どんなプリンセスになるのでしょう」
大勢の人々が、プレゼントを持って城を訪れた。「クイーン お祝いを!」「お祝いを!」「お祝いを!」
“あたくしも お祝いを”長い髪をズルズルと引きずって、闇とともに現れたネヘレニアを見て、四守護神はバッと身構えた。
“月いちばんの祝いごとに このあたくしだけ招いてくれないなんて”クスクスとネヘレニアは笑った。
その映像を見て、ヴィーナスは少しずつ記憶を取り戻した。――そうだ あの時のただひとりの招かれざる客 ――黒い影をひきずってやってきた
――あれはまさに闇の世界の生きもの!
「――神聖な宮殿(パレス)を汚す者!何者!?」ヴィーナス達が身震いしながらも立ちはだかった。
“まあ わたしだって月に住む者 月の奥ふかくからわざわざ出向いたのに”
「うそだ!月に住む者なんて!」「――そうか おまえね!人知れずこの星に入りこみ この星に闇を広げようとしてる邪悪な魔物の化身は!!」
プルートも記憶を取り戻した。――思い出したわ ――記憶の中に封じこめた いまわしいあの日の出来事
あのころ月はまだ かげりひとつない白い光の星だった 平和と幸せしかなかったわ
――あいつがどこからやってきて いつから月の奥深くに住みついたのか ――だれも気づかなかった
――だれも ――光の力が闇をひきよせることを ――知らなかった
「招かれざる客よ」クイーンが呼びかけた。「やすらぎをもとめてこの星におりたったのならば むかえましょう けれど
この星に邪悪な闇をもたらすことを許すわけにはいきません1」
“おかしなことを おまえたちもまた はるか彼方の銀河から この星へともたらされた者たち わたしたちの源は同じではないか
クイーン 闇は必要なのよ そなたがほんのすこし手をかしてくれれば”――闇をうけいれてくれれば――
マーズが炎で威嚇する。「異形の者!いますぐ立ち去りなさい!!」“光あるところに闇はある 闇は光をよび 光もまた闇をよぶ!!”
いまにも力を暴走させようとするネヘレニアを前にして、クイーンはムーン・スティックを素早く構えた。
一瞬のことだった。クイーンはムーン・スティックの先の銀水晶にネヘレニアを封じ込めた。
「封印します!永遠に闇の世界へ!」クイーンはムーン・スティックを部屋の鏡にかざすと、ネヘレニアをその中へと封印してしまった。
“祝いのプレゼントを!!わたしの美しい呪いをうけとるがいい!!この王国はやがて滅びる
美しい王女(プリンセス)は王国を継ぐことなく死ぬ それがわたしのプレゼントよ!”
“そしてわたしの呪いは成就し シルバー・ミレニアムは 滅んだ”――ネヘレニアの呪いで シルバー・ミレニアムが滅んだ――!?
ネプチューンが懸命に否定する。「王国が滅んだのもプリンセスの死も呪いなんかじゃない!運命だったのよ!!
おまえごときに運命をあやつれるわけがないわ!」
サターンはこの様子を冷静に見守っていた。――そう ――あの時は ――いくつもの悲劇がドミノのように重なり 滅びの運命をたどってしまった
――すべて消去し再生したと思ったが こんなところにコマがひとつ残っていたなんて!
“あの時 月はすべての光を失い 王国の者どもも銀水晶もろともに滅び去った だが たやすくやつらが滅びるわけはない どこに消え去ったのだ!?
――ずっと手に入れようと思っていたこの星――!この星の支配こそ真の月の女王のあかし!銀水晶に負けぬ未知の力を秘めた星!”
――その胸で銀水晶が輝いていようとは!
ネヘレニアの目が妖しく光った。次の瞬間、セーラームーンの胸のブローチがパァンと割れ、なんと銀水晶がネヘレニアに奪われてしまった…!?
●to be continued●
237 :
マロン名無しさん:2009/04/14(火) 22:15:41 ID:CnJ5qmLB
ネヘレニアの脳内にも黒いお花畑があるような気がしてならない
月=日本
ネヘレニア=在●
>すべて消去し再生したと思ったが こんなところにコマがひとつ残っていたなんて!
KAKKEEEEEEEEEEEEEEE
これなんて眠り姫?
>>240 こう考えるんだ
これは王子活躍フラグだと
クイーンセレニティktkr
ムーンスティックが忘れられてなかったことがなんだか嬉しい
※ネタバレ※
ネヘレニアの正体は闇ベリル
セーラームーンの必殺技が跳ね返ってきたというのに
セーラー戦士たちが全くダメージをくらわない謎
>>244 いま思ったんだが、それってこの先セーラー戦士が敵に回ったらヤバくないか…?
>>232 予想的中オメ
つーかデッドムーンが薔薇を使うのは
眠りの森の美女に出てくる悪い魔法使いをイメージしてるからだったんだな
ネヘレニアは多分王族の血を引いてるわけではないんだから
自分で自分のことを女王とか言うのやめろよw
>>243 ベリル→ヤンデレ
ネヘレニア→お花畑電波女
全然別人だろ
>>239 この「すべて」消去というのが具体的になんなのか気になる
もしかして地球ごと消滅させてたりして
>>243 ネヘレニア「AIBO!!」
ベリル「もう一人のわらわ!」
こうですか?><
>こんなところにコマがひとつ残っていたなんて!
ちょっとマテ
沈黙の鎌に勝ったのか?
>>251 サターンがうっかりしてただけ…だと信じたい
Act48-2
“ホホホホッ”ネヘレニアに幻の銀水晶を奪われたセーラームーンは変身が解けてしまった。うさぎは黒い血を吐き、苦しげに口元を両手で押さえる。
「うさ!」タキシード仮面が駆け寄ろうとするが、彼もまたゴボッと吐血してしまう。
“これは夢ではないぞ!わたしの長い長い呪いには勝てぬ!!シルバー・ミレニアムもエリュシオンもいまここで滅びるのだ 完全に!
やっと手に入れた!月の女王のあかし!この星と「幻の銀水晶」!!”
銀水晶はネヘレニアの手の上で儚く揺らめきだした。「銀水晶が!?」マーキュリーが叫ぶ。
銀水晶に呼応するように、うさぎの胸にもパキッと痛みが走った。「うさぎ!!」
タキシード仮面はそれでも懸命に抗おうとする。――しっかりしろまもる!オレが生きなければ 地球もエリュシオンも助からない!!
力を得たネヘレニアは、恐ろしい力でセーラー戦士達を攻撃してきた。「きゃあああ」セーラー戦士達は自分の身を守るので精いっぱいの様子。
“力もがれたおまえたちなど塵同然!滅び去れ!これですべてわたしのもの!無敵の力を手に入れたわたしだけが真の宇宙の支配者となれるのだ!!”
――ちがうわ!!
うさぎはぎゅっとタキシード仮面の手を握り、涙を堪えた顔で向かい合った。「まもちゃん!」「オレに力をくれ うさ!」
二人は見つめ合うと、熱い熱い口づけを交わした。――オレたちがこんなところで消えてしまうわけがない!
――そうよ あたしたちが こんな悪夢に負けるはずがない――!!
二人を中心に、眩い光が放たれた。「!?」同時に、ネヘレニアが持っていたはずの銀水晶は、フッと消えてしまった。
二人はうっとりと唇を放した。――胸が あつい 力(パワー)が生まれてくるのが ――わかる
“そんな バカな!!”「力は手に入れるものじゃない――! 生まれるものよ そして力はひとりじゃ生まれない ひとりじゃ使えない!
だれにも負けないあたしたちのパワー 見せてあげるわ!」
セーラームーンの額に、三日月のマークが輝いた。“クイーンセレ二ティ!?そんな ばかな!!」
セーラームーンは、胸に生まれた光を高く空に掲げた。
光がセーラー戦士達を照らしたかと思うと、彼女達は、まるでギリシア神話の女神のようなドレス姿にチェンジした。一人ひとり、微妙に装飾が違っている。
クラウンゲームセンターの地下にある司令室で待機していたルナ・アルテミス・ダイアナも光を浴び、それぞれ人間の姿となって戦士達のもとに集結した。
「スモール・レディッ!!」可愛らしい少女となったダイアナが、チリリンと首の鈴を鳴らす。ちびムーンはびっくり。「ダッ……ダイアナッ!?」
そこへ、まるで妖精のような大きさのセーラー戦士達が現れた。
『プリンセスマーキュリー!』『プリンセスマーズ!』『プリンセスジュピター!』『プリンセスヴィーナス!』
ジュピターが驚き尋ねた。「プリンセス!?おまえたちは……!」
続いて外部戦士達の分身も現れた。『プリンセスウラヌス』『プリンセスネプチューン』『プリンセスプルート』『プリンセスサターン』
サターンの分身が代表して答えた。『わたしたちはあなたがたの守護力精霊(セーラーパワーガーディアン)です 太陽系のセーラープリンセスたち』
――守護力精霊!?太陽系のセーラープリンセス――!?
『わたしたち戦士(ソルジャーズ)のあらたなる変化のときがきたのです あなたがたの母星のキャッスルの力をかりて セーラームーンの聖杯に力を!』
セーラームーンの掲げる光が、徐々に形を形成していく。
「見て!聖杯が……!」ちびムーンが叫んだ。生まれ変わった聖杯は以前よりもシンプルで高貴なフォルムをしている。
ウラヌスとヴィーナスは思わず見とれてしまう。――あたしたちの集結のしるし ――あたしたちがずっと さがしもとめていた 聖杯が……!
セーラームーンが呼びかける。「みんな!あたしに力を!!」
「わが母星 水星のマリナ―・キャッスルよ!」「火星のフォボス・ディモス・キャッスルよ」「木星のイオ・キャッスルよ!」
「金星のマゼラン・キャッスルよ!」「わが星天王星の ミランダ・キャッスルよ!」「わが星海王星の トリトン・キャッスルよ!」
「わが星冥王星の カロン・キャッスルよ!」「わが母星 土星のタイタン・キャッスルよ!」「――三十世紀のクリスタル・パレスよ!力を!」
――聖杯に力を!! ――あたしたちの力を すべてここへ!!
額の三日月が輝き、セーラームーンはまるで生まれたての天使のような姿へと変身を遂げた。
セーラームーンは自信に満ちた表情で微笑んだ。「エターナルセーラームーン!!」思わずダイアナが叫んだ。
――クイーンのお力にいちばん近い力をもつ エターナルセーラームーン!!
●to be continued●
なんかすごいこになった。
そろそろ最終回か。
257 :
マロン名無しさん:2009/04/16(木) 22:57:07 ID:juquuR2g
すごいことになって出るに出られないアマゾネスカルテットw
まさか忘れられたまま最終回迎えるんじゃないだろうな…
>>251 鏡の中はセーフだったんじゃね?
セーラームーンの必殺技でさえ跳ね返すくらいだし
ちびうさのドレス、なにげにプリンセスレディセレニティが着てたのと同じだね
え?セーラームーンのコスチューム
…あれって変身中だけじゃなくて変身後も普通に翼が付いてるように見えるんだけど
非戦闘員であるルナ達三匹を戦場に来させたのはなにか意味があるんだろうか
まさか三匹もセーラープリンセス(?)で、実はセーラー戦士だったとか…?
>クイーンのお力にいちばん近いお力をもつ エターナルセーラームーン
このクイーンって、クイーンセレニティのこと?
それともネオクイーンセレニティ?
うーん…正直自分はスーパーセーラームーンの服装の方が好きだったかも…
今更だが、サターンを幼児化させたのは成功だったと思う
インフレに付いていけなくても、まだ幼いから本来の力が発揮できないという言い訳が立つ
>>251 ネヘレニアの鏡>>>>>>>>>>沈黙の鎌≧ムーンカレイドスコープ
と見た
はるかのドレスが裸エプロンに見えた
個人的には亜美&みちるのドレスのデザインが好き
せつなさんとほたるちゃんのドレスだけ黒で、長い手袋しているのが(・∀・)イイ!!
268 :
マロン名無しさん:2009/04/18(土) 02:20:30 ID:JQBysOpX
水星と金星の城の名前だけが探査機で、他の惑星の城は衛星の名前から取ったっぽいね
…もしかして衛星(もしくは探査機)自体が城とか?
ダイアナかわいいよダイアナ
セーラームーンへんだよセーラームーン
セーラームーンの背中の羽はなに?w
これアニメスタッフ泣かせなコスチュームだなあ…パーツ多いし
>>261 まてまてまて
セーラールナとセーラーダイアナ(仮)はいいとしてアルテミスは?
まさかウラヌスみたいに実は両性具有…あれ、こんな時間に宅配便かな
>>261 マジレスすると、解説係が欲しかったためだと思われる
>>262 クイーン・セレニティじゃない?
ネオ・クイーンセレニティは「私はクイーンとなってから戦う力はほとんど無くしてしまった」って言ってたし
エターナルセーラームーンということは来期からアニメの方は
美少女戦士セーラームーンET
とかになったりして
あれ?ゴールデンクリスタルなんかなくても余裕でラスボス倒せそうじゃね?
変態立場ねーw
エターナルセーラームーンは白を基調にしているならアリな気がしてきた
カラー絵が楽しみな半面怖いw
他の戦士たちがドレス着てるんだからセーラームーンもセレニティのドレス姿で戦えばいいのに
Act49 夢11 アースアンドムーンドリーム
セーラームーンの手の中に、柄の長い新しいロッドが現れた。先端はハート型で、その上には睡蓮の花の形の装飾が付いている。
「われらを守護せし星の光よ!!太陽系のセーラー・クリスタル・パワーよ!!その力このエターナル・ティアルにあつまれ!」
「シルバームーン・クリスタル・パワ――!」セーラームーンのブローチが光出し、中からクリスタルが浮かび上がると、ふわりと睡蓮の花の形に開いた。
――セーラームーンの銀水晶が変化を!?
「ヴィーナス・クリスタル・パワ――ッ!」「ジュピター・クリスタル・パワ――ッ!」
「マーズ・クリスタル・パワ――!」「マーキュリー・クリスタル・パワ――!」「ウラヌス・クリスタル・パワ――ッ」
「ネプチューン・クリスタル・パワーッ!」「プルート・クリスタル・パワ――!」「サターン・クリスタル・パワ――ッ!」
ちびムーンも凛々しく叫ぶ。――あたしも!あたしの銀水晶パワーをセーラームーンに!!「ムーン・クリスタル・パワ――ッ!!」
タキシード仮面も決意の表情を見せた。――もしも オレの中にほんとうに ゴールデン・クリスタルがあるのなら
タキシード仮面が両手で胸を抱くと、睡蓮の花の形の輝く水晶が出現した。――エターナルセーラームーンに 力を!
ルナ・アルテミス・ダイアナは驚き叫ぶ。「プリンス!?」
エターナル・ティアルの柄がセーラームーンの身長よりも長く伸び、その先端に太陽系の全戦士のクリスタルパワーが集まった。
そして、セーラー戦士達のコスチュームは、エターナルセーラームーンと揃いのものに変わっていた。
――あたしたちのすべての力 いま ここへ――!
「スターライト・ハネムーン・セラピー・キッッス!!!」
エターナル・ティアルから放たれた太陽のように輝く力は、鏡ごとネヘレニアを打ち破った。“ぎゃあああ”
ネヘレニアはまるで業火に焼かれるようにもがき苦んだ。“おおおおお”なんとネヘレニアの長い髪がズルズルと抜けていく。
「!?」“おおお”ネヘレニアは、ジルコニアそっくりの醜い容姿に変貌してしまっていた。
“わたしは わたしは永遠に美しい女王ネヘレニアよ”ネヘレニアは死の淵でタキシード仮面に手を伸ばした。
“王子 太陽の守護をうけた地球の王子よ このわたしがあなたの手をとり 真の月の女王に 太陽系のこの無敵の星の力(パワー)の支配者に……”
断末魔を奏でながら、ネヘレニアの体はみるみるうちに砂に変わっていった。
街を保護していたクリスタルは消え、倒れていた人々は次々に目を覚ます。「――あれは…… 日食?」
ネプチューンは手鏡で地上の空の様子を確認した。「――地上がもとどおりにもどってゆく……!
――長い悪夢の皆既日食が いまやっと あけてゆくわ……!」
――長い長い悪夢が やっといま おわってゆく……
セーラームーンはぼんやりと空を眺めながら、前世の記憶を手繰りよせていた。
幼い頃のプリンセスセレ二ティが泣きながらクイーンの部屋にやってきた。『どうしたの?セレ二ティ』
『ねむれないの 目をとじるとまっくろなかいぶつがおそってくるの ヴィーナスたちにこわいおはなしをきいたの
鏡の中にはまっくろなおそろしいかいぶつがすんでいて なきむしな子をたべちゃうって ホント?』
クイーンは微笑むと、セレ二ティの顔に両手で優しく触れた。『――セレ二ティ わたしたちはみんな胸の中に星をもっているの』『――星?』
『――光と闇はいつでもとなりあわせ 闇にすこしでもおびえたり涙を見せると 闇はすぐに巨大になりおそってくる そして光を のみこんでしまう
――セレ二ティ 闇や暗黒の心にうちかつために いつでも胸の中の星を 輝かせていなければだめよ』
――それがあなたの いちばんたいせつな使命よ
鳥籠は消え、エリオスはペガサスの姿から人間の姿へと戻った。しかしその目は固く閉ざされていた。
「……エリオス?」ちびムーンが呼びかけるが、返事はない。ちびムーンの目から涙が溢れてくる。「……エリオス ……目をあけて」
――おねがい どうか ――目をあけて
ちびムーンは、そっとエリオスの唇にキスをした。同時に、ちびムーンの星型のブローチからクリスタルが飛び出し、ふわりと睡蓮の花の形に変わった。
その光に導かれるように、エリオスは目を開ける。視界に映るちびムーンと、プリンセスレディ・セレ二ティの顔が重なった。
「……どうして 泣いているのですか?小さな乙女よ」ちびムーンはエリオスの手をそっと取ると、頬に当て、笑顔を浮かべて見せた。
「うれしいの ……エリオスの目がさめて とてもうれしくて なみだがでてくるの」
「そのクリスタルは…」エリオスがはっとして尋ねた。「あなたの銀水晶が生まれかわったの スモール・レディ」ダイアナが嬉しそうに答えた。
「セーラー戦士はみんな 星の力をひめた自分だけのセーラー・クリスタルをもつの
それはあなたのピンク・ムーンクリスタルよ セーラーちびムーン」……あたしの ピンク・ムーンクリスタル……!
メナード達が続ける。「そしてその力が 祭司エリオスの目ざめを導いたのよ」エリオスは意外そうな表情を浮かべた。――小さな乙女が わたしを……
「エリオス きて!」ちびムーンが笑顔で神殿の外へと駆けだしていく。
――わたしにとっての乙女は セーラーちびムーン ――あなただったのですね
ちびムーンに連れられて外に出たとたん、爽やかな風がエリオスを迎え入れた。神殿の周りの湖は、光を受けてきらきらと輝いていた。
●to be continued●
ゴールデンクリスタル出現シーンは普通に笑った
>太陽の守護を受けた地球の王子
衝撃の事実発覚
>>281 なんの苦労もなしに出てきたように見えたしなw
エリオスは内心コノヤロウと思ってるんじゃね?www
なるほど
第四部はちびうさと衛の成長物語だったわけだな
まだ続くっぽいから、第五部以降は見違えるような活躍ぶりを期待
ゴールデンクリスタルは花の形じゃなくてもよかった気がする
じゃあ何の形ならよかったのかと聞かれると思いつかないが
〜幻の銀水晶終了のお知らせ〜
>スターライト・ハネムーン・セラピー・キッッス
日本語でおk
エリオスとちびうさは純愛って感じでいいわ〜素直に応援したくなる
エリオスは、誰かさんみたいに寝込みにキスしたり不法侵入したり
洗脳されて足を引っ張ったり人殺ししたり未成年誘拐したりDVしたりしないしw
プリンセスレディ・セレニティがあんなにゴールデンクリスタルを過大評価してたのは何故?
ちょwwwみんな(変態除く)コスチュームが何気なくエターナル仕様になってる((((゜д゜;))))
内部とちびうさはともかく、大人っぽい外部太陽系戦士達には似合わないと思うけどなあ
エターナルセーラームーンって、あの背中の羽はずっとあのままなのかな
すんごく違和感
スターライト・ハネムーン・セラピー・キッス
直子自分の好きな単語並べただけじゃねーのか
・・・て時々思う
セーラームーンの攻撃を受けたネヘレニアがジルコニアっぽくなってたけど、あの二人って姉妹だったのか?
ジルコニアはネヘレニアの一部とか分身みたいな物じゃないかと思う。
スターライト・ハネムーン・セラピー・キッス
とても愛情ある星の光りのようなキスで浄化してあげるわ
って意味じゃない?
なんかもーすごいエネルギーは伝わってくるんだけど
なんかもーわけわからん
ついていけるかな
>>297 ここまで来たら一緒に最後まで行こうぜ
しかしエターナルセーラームーンは更なる変身を残していそうで怖いw
例えばフォーエヴァーセーラームーンとかw‥意味同じか
>>294 鏡の外ではジルコニアで鏡の中ではネヘレニア 二人は表裏一体の存在なのではと勝手に思った
何故ならネヘレニアが死んだらジルコニアも死んだっぽいから
>>290 原作の変態はS辺りからシルクハットとマスクが無くなってるが
Act49-2
「エリオス!!」セーラームーンに呼ばれ、エリオスは寄り添うセーラームーンとタキシード仮面の方に振り向いた。
「プリンス……!セーラームーンによって ゴールデン・クリスタルが解放されたのですね」
タキシード仮面は微笑むと、黙ってゴールデン・クリスタルをエリオスに差し出した。
エリオスはそれを大事そうに受け取ると、30世紀のキングが持っていた杖を出現させ、ゴールデン・クリスタルを装着させてタキシード仮面に渡した。
すると、セーラームーンとタキシード仮面はネオ・クイーンセレ二ティとキング・エンディミオンの姿にチェンジした。
「――キング!?クイーン!?」ルナ達が驚いて声を上げる。
クイーンとキングは一緒に杖を掲げると、ネヘレニアの鏡を砂に変え、新月と共に浄化してしまった。
後ろで見守るセーラー戦士達は、ちびムーンとサターンを除き、みんな先ほどのドレス姿に変わっていた。
気高く杖を振り上げるクイーンとキングの後ろに内部戦士が控え、さらにその後ろには外部戦士が控えている。
二本の杖から灯った光は神々しく輝いていた。
「……まるで戴冠式のようだ」「……ええ アルテミス…!」人間姿のルナとアルテミスは肩を寄せ合い、その光景をうっとりと見つめた。
サターンはスッと屈むと、クイーンとなったうさぎの前に四つのアマゾンストーンを差し出した。
「サターン これは……」「どうかこの者たちに シルバームーン・クリスタルパワーを」
うさぎは言われるまま、跪いたサターンの手の上の石に、杖の光を浴びせた。
すると、四つの石はふわりと浮かびあがり、閉じ込められていた四人が姿を現した。「――アマゾネスカルテット!?」内部戦士達は戦慄する。
しかし四人は、セーラー戦士達と同じコスチュームを身に纏っていた。
「――わたしたちは 太陽系四小惑星の守護をもつ」「セーラーセレス」「セーラーパラス」「セーラージュノー」「セーラーベスタ」
――セーラー戦士!?
セレスが代表して語り始めた。
「――わたしたちは ほんとうならばまだアマゾンの奥深く 眠りの途中でした
しかしひめたる星の力を ネヘレニアに気づかれ いによりムリヤリ目ざめさせられ 悪夢の中でデッド・ムーンの手足となり踊らされてきたのです
しかしやっとこうして悪夢から解放されました ――あなたがたのおかげです わたしたちはまた眠りにつきます わたしたちの真の目ざめはまださきなので」
「セーラーちびムーン」セレスがちびムーンを暖かい目で見つめた。
「いつかあなたが 戦士としてひとりだちするときを 心よりおまちしています
その時こそわたしたちの真の目ざめの時 あなたがわたしたちを必要としてくれるなら きっと命をかけてあなたをお守りします」
ちびムーンははっとした。まさか… この四人はあたしの……
「だいじょうぶ」サターンがちびムーンの前に進み出ると、ちびムーンの手を握った。
「それまでは あたしたちがかならずプリンセスをお守りします」セレス達四人はニコッと微笑むと、そのまま空に消えてしまったのだった。
――セーラーセレス パラス ジュノー ベスタ……!セーラー戦士としてひとりだちする時が やってくるかもしれない――
またあなたたちに会える時が もしかしたらあたしがほんとうのセーラー戦士に 本当の乙女(レディ)に なれる時かもしれないのね
エリオスが微笑みかける。「――さあ もう地上へおもどりください おおくりしましょう わたしの愛馬で ――ペガサス!」
エリオスの背後に大きく翼を広げたペガサスが現れた。エリオスはペガサスにまたがり、手綱を引いた。
「さあ!わたしのあとへついてきてください!」ちびムーンは顔を赤らめた。――エリオス!――まるで白馬の王子さまのようよ
一行はエリュシオンを後にすると、エリオスに導かれるまま一の橋公園へと辿り着いた。
「どうか お体をたいせつに わたしはエリュシオンで あなたがたの無事をいのりつづけています」
エリオスは優しく衛を見つめた。「そしてプリンス あなたのことを――」
ちびうさが名残惜しそうに話しだした。「エリオス また会えるよね」「ええ 乙女よ ――またお会いできるときを 心からまっています」――心から
「エリオス!きっとよ!――きっとまた会いにゆくから」
ペガサスの羽根が舞い、エリオスは空に消えていった。
――いつか未来で あたしがほんとうの乙女(レディ)になったとき どうぞエリオスがあたしの王子さまでありますように
顔を手で覆って泣きだしてしまったちびうさを、守護戦士達がなだめる。
「さあ いこう!」「かならずまたエリオスには会えるよ!」「その日までにオンナをみがいておかないとね ちびうさ!」
ちびうさは涙を零しながらも、笑顔を浮かべてみせた。
――そうよ あたしのたくさんの夢がかなうように いまはちびなあたしだけどがんばっていかなきゃ
衛がそっと胸に手を当てた。「……ふしぎだな 戦いおわっても胸のおくがあつい まるで胸の中に星が生まれたみたいに
これがゴールデン・クリスタルの力なのか」うさぎは振り返ると、同じように胸に手を当ててみせた。
「まもちゃん だれでもみんな 胸の中に星をもっているのよ」「星?」「――そう そして胸の奥があついのは 星が輝いているしるしなの」
――夢をかなえるために ――たいせつな人を守ってゆけるように 戦ってゆけるように
――どうぞ胸の中の星よ 光りつづけて わたしに力を!
●to be continued●
ここにきて設定詰め込みまくりだな
セーラーカルテットの伏線とかぜってー消化されないだろ
セーラームーンのおさがりではない、自分だけの仲間と自分だけの王子様に出会えてよかったねちびうさ
…というわけで、変態はちびうさから離れろ
セーラーカルテットの等身に違和感
ブラックムーン編でも思ったが、一国の王がマスクして顔を隠す意味がわからん
最近タキシードコスのときはマスク無しで素顔晒してたのに、キングの姿になったとたんマスク装着する謎
セーラーセレスがヴィーナス的ポジションなんだな
戴冠式(?)でサターンがドレス姿にならなかったのはやはり異質な存在だからかな
エリオスがペガサスに変えられていたのは、白馬の王子様ネタをやりたかったからかよw
まこちゃんのドレスの裾が花びらみたいで綺麗
戴冠式付近の絵が若干荒れてるのが残念だけど
>>305 わからんぞ
次章から主人公交代で舞台が30世紀に移るのかもしれん
サターンがセーラーカルテットに、それまではちびムーンをお守りしますって言ったシーンが好き
ほたるは生まれ変わって感情表現が素直になった気がする
>>309 キングってくらいだから30世紀には肖像画とかあるんだろうか
マスクを装着した状態で描かせてたら笑える
次シリーズ予想
ブラックムーン編で問題になっていた人類長寿化政策に対する考えが食い違い、
クイーン一派とちびうさ一派で争いがおこる
最終的にはクイーン+内部戦士VSちびうさ+セーラーカルテットで歴史的大戦が勃発
しかしそうなるよう仕向けた黒幕は、更なる権力を欲するキング・エンディミオンだった
>>317 プルートが小早川秀明ですね、わかります
>わたしの愛馬で
一介の祭司がなぜ馬を持っているんだろう
趣味は乗馬なのか?
ってかよくよく考えると
惑星のプリンセスがなんで地球の衛星を護るのか不思議
>>320 惑星にプリンセスがいるということは、
惑星にも人が住んでいる(住んでいた?) という設定なんだろうけど、
地球を守っているのは、太陽系で地球が一番人口が多いからだったりして
日本で言うところの東京みたいな
あるいは地球以外の惑星の文明は全て滅亡してしまっているとか
セレセレとかベスベスとか
えらく適当な名前だと思ったら意味あったんだな。
Act50 スターズ1
満天の星の下、うさぎと衛は熱く抱き合い口づけを交わした。
「あ ――また 流れ星――」衛が尋ねた。「願い事した?」うさぎはぷうっと頬を膨らませると、拗ねたように答えた。
「――まもちゃんが ずうっとそばにいてくれますように」衛はくすりと笑うとうさぎの手を取った。「――もう もどろうか」
同じころ、はるか・みちる・せつなが身長の何倍も大きな窓から夜空を見上げていた。「――また 流星雨よ」「ここのところ毎日――…」
とある星で、ウエーブがかった長い髪の女が、セーラームーンとタキシード仮面がネヘレニアとの戦いの最中交わしたキスの映像を見ていた。
二人が深い口づけを交わすと、地球全体が眩い光で包まれてゆく。
「美しい光…… これがシルバームーン・クリスタルとゴールデン・クリスタルの光――
――この輝きがもうすぐ手にはいる 銀河の頂点に立つ勝利者にふさわしい輝きだわ」
PiPiPiPiPiPiPi
目覚まし時計が鳴り響き、うさぎはぼんやりと目を覚ました。部屋には三人組の男性アイドルのポスターが大きく貼ってある。
今日が何の日だったか思い出し、うさぎの目から涙が零れた。……泣いたってしょうがないのに
「ちっびうっさちゃーんっvお――は――よ――っv」「ほたるちゃんv」ほたるが月野家までちびうさを迎えにやってきた。
「いってまいりまーすっ」ほたるが育子ママに挨拶をする。「いってきまーすっv」ちびうさも元気に挨拶をして出て行った。
手を繋いで前を歩く二人をうさぎはじとっと見つめた。「…仲いいわねあんたたち 朝っぱらから手ェつないじゃって」
「じゃ まもちゃんと手つなげば?」ほたるの一言にカチンときたうさぎは、二人の間にずいっと割り込んで、先をずんずん歩いてゆく。
「やーんっ」「うさぎのばかー」
十番高校の女子生徒の制服を着たはるかとみちるが、自転車に二人乗りしながら登校している。もちろん漕いでいるのははるかだ。
「…かったりーなあ 朝からおきるセーカツなんて☆」はるかはいかにも眠そうに欠伸を一つ。
「おはようございます!みちるセンパイ!」「おはよー 海王さんv」みちるは満面の笑みを向けた。「おはようv」
はるかはそんなみちるを横目で見やった。「……みちる なんかたのしそう」「たのしいもんv」
「…世界中を演奏旅行して子育てをしまくって いまさら高校セーカツ?」みちるは目をハートにしてわくわくしている。
「あたしたち また青春を謳歌できるのよ こんな幸せなコトってあるっ!?ああワクワクするわっv学校セーカツッ
げたばこのラブレターッ 図書館でもまちあわせっ 部活ッ 学祭ッッ コンパに合宿ッッ
――いまごろせつなだってきっと 十番小の保健室でそう思ってるわよ!」
十番小の保健室では、白衣のせつなが先生として勤務していた。「しみる〜 しぬ〜☆」せつなが、男子生徒の傷をぺしっと軽く叩いた。
「ナニいってんの コレくらいのキズで☆ハイ!さっさと教室もどる!」「いて〜〜っ」
「せつーなせんせーいv」「んもーっ またケガ人?」ちびうさとほたるがひょっこりと保健室に顔を見せた。
「えへへーv」「きょういっしょに帰らない?」ちびうさとほたるの背後には興味津津の生徒達で溢れかえっていた。
「せつな先生がほたるちゃんのママだっていったら」「みんながうらやましがっちゃって」
子ども好きのせつなはなんだかうきうきしている。「わかったわかったvみんなまとめてめんどーみたげるから はやく教室もどんなさいv」
授業中、うさぎの頭にどこからかメモを丸めた手紙がスコーンと飛んできた。
『きょー 帰りCDショップよってかなーいっ? みなPよりっv』うさぎは即座に返事を返す。『きょーは× タイセツな用事アリッ!ゴメン』
放課後、バレー部のユニフォームに着替えた美奈子は指でくるくるとバレーボールを回した。
「まもちゃんのおみおくり!?…ってきょーだったのかあ そーか それでアイツしょげてたのかあ」
「まもるさんのアメリカ留学 ホントにとつぜん決まっちゃったものね」と亜美。
まことはエプロン姿で苦笑する。「うさぎもホント―に甘えんぼだよな 一生会えないワケじゃあるまいし」
「なーんだ☆せっかくスリーライツの予約したビデオ見せよーと思ったのに☆」そういう美奈子にはるかは呆れ顔。「また新しいアイドル?」
「そう!いまイチオシのこの三人組スリーライツ!」美奈子はバッとポスターを出してみせた。
「女のコみたいにカワイイ夜天光!アダルトな大気光!そいでもってイチバン人気のクールガイ星野光ッ!vv
まだデビューしたばっかでやっとファンクラブもできたとこなのv(もちろん会員No.ヒトケタッ!)」
まこともうっとりする。「カッコいいよねーv歌もうまいしおどりもグッドだしv(もちろんCDもってますv)」
「あ――っvvはやくコンサートやってくれないかなーっ」
「あら あのコたちv」「みちるさんもファンッッ!?(「あのコたち」ッ!?まさか会員No.ヒトケタッッ!?)」美奈子が凄い勢いで食らいつく。
「いい情報をあげるわ こんど渋谷でやる“ファンタスティック国際音楽祭”で はじめてのライブやるのよ”」「えええ〜〜っ!?」
美奈子はパニック。「なんでっ!?どーしてっ!?みちるさんがファンクラブも流してない情報知ってんの?」
「その音楽祭に彼らといっしょにでるからv」「うっそ――っ」
はるかは陸上部で後輩の指導に当たっていた。「よーし!じゃ基礎トレはじめようか」女子部員はきゃあきゃあ言っている。
「まこちゃんセンパーイ きょうはゼッタイ園芸部カオだしてくださいよ!」園芸部の男子部員が手を振る。
「じゃ あたしたちも部活いこっかv」ちなみにみちるは水泳部(ブラバンかけもち)、まことは園芸部(料理研かけもち)、
亜美はコンピューター部、美奈子はバレー部に入ったようだ。
「陸上や園芸部がうらやましいわ せっかく念願のコンピューター部入ったのに 男子はひたすらゲームばかり☆
女子はあたし一人だけで部員もギリギリ☆」眼鏡をかけた亜美は考え込む。「もっとミーハーな要素がないとダメなのかしら」「よ――しっっ」
美奈子が声を大にして言った。「みちるさんからチケットゲットして みんなでスリーライツのライブいこーっっ!」「美奈って平和」まことが突っ込む。
「なあーにいってんの!せっかくその平和をとりもどしたのよーっv高校生活エンジョイしなくっちゃ!」
せつなは保健室のパソコンを操作しながら、険しい表情でふと空を見上げた。――そう たとえその平和が つかのまのことでも
新東京国際空港にて。「……どれくらいむこうにいるの?」「一年だけどもうすこしいるかもしれない」
「……そっかあ ……一年かあ 論文がえらばれて あこがれのハーバードへ留学できるんだもんね
まもちゃんてホントスゴイよ ……あたしもっともっとよろこばなきゃね」うさぎの目からぽろぽろと涙が溢れてくる。
「……やだなあ あたしきょうは ちゃんとわらって おみおくりしようと思ってたのに……」「……うさ」
衛はぎゅっとうさぎを抱きしめた。「手紙かくよ 電話もする うさも オレにいっぱい手紙かいてよ」
「……いっぱいかく 電話もいっぱいする …だから ――たまには帰ってきてね」「かならず帰るよ」
「――もういかなきゃ」繋いだ手がすっと解かれ、うさぎは切なくてたまらなくなる。
「うさ」衛がラッピングされた小さな箱を取り出した。「プレゼント あけてみてよ」
中には、ハート型の宝石が中央に座った、凝った装飾の指輪が入っていた。「まもちゃん……!これ……!」
うさぎの目から、違った涙が溢れてくる。「…うれしい……!ありがとうまもちゃん…!はめてみてもいい?」
衛はうさぎの左手を取ると、細い薬指にそっと指輪を通した。「……愛してる」うさぎと衛は固く抱き合い、口づけを交わした。
衛は唇を少し放すと、至近距離で、瞳を見据えて言った。「……うさ 帰ってきたら……」
キラッと空に閃光が走った。
次の瞬間、衛の体はバッと異様に光り輝いたかと思うと、うさぎの目の前でボロボロに砂のように崩れていった。突然のことだった。
粉末と化した衛の残骸の中から現れたゴールデン・クリスタルを、伸びてきた手がわし掴んだ。
それは、まるで鎧のようなセーラー服に身を包んだ女だった。
●to be continued●
Y^´ ∨// /,∠ ,. ' /l/// /, ' , '/ ! | l }´ 〈
〉 変 〈/ , ' // ̄`>< /// /// _,.=‐|'"´l l〈 変 /
〈 態. ∨, '/l| ,.'-‐、`//`7/ /''"´__ | ハ l丿 態 {
人) ! ! (/! |ヽ〈_ ・.ノ〃 〃 / '/⌒ヾ.! ,' !く ! ! (_
ト、__/ ヽ、_,.イ /l l |:::::::```/:::::/...´.. //´。ヽ }! ,' !! ) /
ト' 亦 ,イ⌒ヽ/ !l l ! l し J ::::::::::::::::::::``‐-</ / ,'、`Y´Τ`Y
l 夂 (ハ ヽ l i ! l ', ! , -―-、_ ′::::::::::::: //! Λ ヽ、ヽl
ヽ 〉,\ ! i ',.l `、'、/_,. ―- 、_``ヽ、 ι 〃,'/! ヽ、\ ヽ、
! 能 // ,' lヽ! ii ',l ∨\'⌒ヽー-、 `ヽ、! / ハ ノヽ._人_从_,. \
| 心 { / ,' ' ,! ll l`、 { ヽ' \ ヽ ' '´ Λ ',} ( \
.丿 ∨ // ,',! l l l ヽ`、 \ \ ∨ し /! ∨ 変 ,ゝ、
∧ / / ヾノ //l l l l、_ヽ\ \ ヽ , ' ,.イ |ノ 態 (ヽ
/ノ__ ゚ ゚ (⌒`〃'j | l l l `ヽ `ヽ、.ヽ _,.}'′ ,.イl { | ヽ ! ! ,ゝ\
/ /`Y⌒ヽ/⌒ 〃 ノ | l l l } ヽ、._ } ノ,.イ l | ! ! | )_
( ゚Д゚)ポカーン
____
.ni 7 /ノ ヽ\ プゲラッチョ
l^l | | l ,/) / /゚ヽ /゚ヾ\ .n
', U ! レ' / / ⌒ ⌒ \ l^l.| | /)
/ 〈 | (____人__) | | U レ'//)
ヽ\ |lr┬-l| / ノ /
/´ ̄ ̄ノ ゙=ニ二" \rニ |
`ヽ l
─┐||┌─┐ l ─ ‐┼‐ ‐┼‐ヽ l ノ │ .| | ‐┼‐ ‐┼‐
日 フ 口 メ __|__ フ |┬ | | ‐┼‐ d
(__ .六 ↑ .田 (___ (丿 ) ↑.ノ│ ノ ヽ__ノ (丿\ ノ
>>333乙!
しかしまあ目の前で恋人が木っ端微塵って……
木っ端ミジンコ
第4部は衛とちびうさの成長を描いた話だったから、第5部ではさぞかし活躍すると思ったらこれだよ!!
祭りときいて
みんな変態に釣られすぎ
デッドムーンの幻覚はまだ有効でしたってオチだろ
変態…最近のあなたはそれなりに役に立つようになったし言動もまともになってきてちょっと好きだったよ…変態だけど
まてまておまいら突っ込むべきは変態死亡よりも「論文がえらばれてハーバードに留学」だろwww
みんなが愛した変態は死んだ!なぜだ!!
ゴールデンクリスタル「え?俺の出番こんだけ!?」
>>340 いやそれより「女子の制服を着たはるか」だろJK
自転車も違和感あったな。
原作はるかさんのおっぱいにトキメいているのは俺だけでよし
>>343 いやいやいや目をハートにしてはしゃぐみちるさんだろJK
>>345 はるかは何気に巨乳
しかしせつなさんってまだ大学一年生じゃなかった?いつの間に養護教諭の資格取ったんだ
あとここにきてせつなさんが子供大好きなのが判明してよかった
ちびうさと仲良かったのはそういうわけだったのか、と
衛「いっぱい釣れたおwwwwぅえwwぅえwwwww」
ネタバレ:これはヒロインの座を狙うエリオスの下克上
ふっふっふ… 俺の呪いがようやく効いてきたようだな……
今まで以上に現実味のない死に方だ
灰になったのか原子レベルに分解されたのかよくわからんが、苦しまずに一瞬で逝けたのが不幸中の幸いだな
あまりの急展開に吹いた
直子は連載投げ出したくなったんだろうか
衛「(アメリカから)帰ってきたら…グハァ!!」
死亡フラグくらい最後まで言わせてやれよ
非常に申し訳ないが、故タキシード仮面の遺影を想像したら吹いた
二度あることは三度ある
というわけで、うさぎがまた自殺を図りそうで怖い
つーか、敵はなんで変態をぬっ殺したわけ?(´・ω・`)動機は?
なんで同じく無防備だった最強のセーラームーンを狙わないの?
わかったぞ!俺たちの知らない内に、
美少女戦士セーラームーンはなかよしから週刊少年ジャンプに移籍していたんだ…!
きっとそうに違いない…!!
これヒロインが死んだにしてはあまりにもあっけなさすぎだから死んでないでしょ
本物はどうせまた連れ去られて敵の城に監禁されてるんじゃないの?
Act50-2
鎧のようなセーラー服の女は、勝ち誇った表情でゴールデン・クリスタルをわし掴むと、そのままフッと消えてしまった。
あまりのことにうさぎは呆然とし、気を失って崩れ落ちた。倒れ込むうさぎを抱きとめたのは、あの人気アイドルの星野光だった。
「おそかったか」そう言って星野はうさぎを抱きかかえる。後ろには大気光と夜天光も控えている。
「スリーライツよ!」空港にいた人々が、彼らに気づいて騒ぎだした。三人は駆けだすと、急いでタクシーを捕まえた。
フワッと漂うキンモクセイの香りに、うさぎはそっと目を開けた。……だれ?
星野はうさぎの顔をじっと覗きこみながら話しかけた。「いま 品川だよ あとすこしで十番につく」
「……あたし ……おりなきゃ」「ちょっと」夜天は目をぱちくり。「……運転手さん ここでいいです」
「せっかくここまでおくってあげたのに お礼ぐらいっ…」噛みつく夜天を、星野が片手で制する。
タクシーを降りて、ふらふらと歩きだすうさぎを、星野が意味ありげな目で見つめていた。
PiPiPiPiPiPi
いつもの目覚まし時計の音で、いつも通りにうさぎは目を覚ました。
「うさぎっ!!」ぼんやりとした顔で登校するうさぎに、美奈子が駆け寄る。「きのうどうだった?まもちゃんとあっつ――い別れのキスはかわしたかなあ?」
「―――」うさぎはぼうっとしたまま何も答えない。「うさぎ?」
「あ〜〜〜っっっ」まことと亜美が驚いて声を上げた。「うさぎっっ 左手のくすり指に指輪してるっ!!」
亜美・まこと・美奈子はそろって顔を真っ赤にして騒ぎ出した。「すごーいっ すごーいっ」「すごーい それまもちゃんからもらったの?」
「……そう」うさぎは焦点の定まらない目でぽつりと語りだした。
「――まもちゃんは あたしにこの指輪をくれて 飛行機に乗って ぶじアメリカへ ――いったの」
「でね あたしにピンク・ムーンクリスタルがあらわれたこと エリオスや セーラーセレスたち四人に会ったこと
こんどのことぜんぶママに報告しようと思うの 一度三十世紀へ帰ろうと思うんだ」ちびうさが喫茶店ではるか・みちる・せつなに嬉しそうに話している。
「ゼヒともスモール・レディの活躍を報告しておきたいんです キングとクイーンも心配しておられるでしょうし」ダイアナが続ける。
「それがいいと思うわ」「お二人ともきっとおよろこびになるわ」せつながにっこりと笑った。
ほたるは心底寂しそうにしている。「ちびうさちゃん ホントの家に帰っちゃうの?つまんない」
ちびうさは穏やかに微笑む。「すぐもどってくるよ まってて」
「気をつけてね」せつなとほたるが寂しそうに見送る。「わかってる!それじゃ」
一の橋公園で、ちびうさとダイアナは手ぶらのまま笑顔で未来へ帰っていった。
亜美・レイ・まことが話し出す。「――まもるさんとちびうさがきゅうにいなくなって なんだかちょっとさびしいわね」
「……そんなことないわ ちびうさはきっとすぐもどってくるし まもちゃんも電話と手紙くれるって たまには帰ってくるっていってたわ」
そう無表情で話すうさぎに、美奈子は少し違和感を覚えた。――うさぎ?
ファンタスティック国際音楽祭当日。ドレスアップしたみちるが、舞台の上でバイオリンを奏でている。ピアノ伴奏ははるかだ。
客席の女の子達から歓声が上がる。「はるかさんだ!」「やだ!カッコイーイッ」うさぎとまことも思わず見とれてしまう。
不意に舞台の照明が落ち、一瞬の後、スリーライツの三人の姿が照らされた。
「スリーライツッッ!!?」あまりの盛り上がりように、亜美は思わず耳を塞いだ。
美奈子は興奮してぎゃーぎゃー叫ぶ。「うそっ!二人とジョイントやるなんてきーてなかったわ!」
あの男嫌いのレイでさえも頬を赤らめている。「これがスリーライツね カッコイイじゃんvアタシ テクノってスキだわーっv」
「そうねーv」こういうのには不慣れな亜美も、結構楽しめているようだ。
うさぎは少し残念がっている。「あーんっ 遠くて顔がよくわかんないよー オペラグラスもってくればよかったーっ」
コンサートは大盛況のうちに終わった。「おつかれ――」「おつかれさまー よかったよーっ!」舞台裏で、スタッフが出演者達を労う。
「海王みちるさん ――すばらしかったです」大気が、スッと一輪のバラを差し出した。「――大気光です」
続いて夜天もバラを差し出した。「夜天光です あなたのCDとビデオぜんぶもってます がんばってください」「ありがとう」
突如差し出された手に、はるかが振り向く。
「――星野光です あなたの走りが好きです 風のようで オレとおなじものをもっている ――握手してください」
そう言って、星野は軽くはるかの手を握った。「スリーライツのみなさん!アンコールお願いします!」
舞台に戻っていく三人を、はるかは呆然と見守った。「はるか?」みちるが声を掛ける。
「――星の光だ ――あいつら 何者だ?」
客席の後ろで、一人の少女がサングラスを掛け腕組みをしてほくそ笑んでいた。
「クスクス 見つけたわ 究極のスターシード セーラークリスタルをもつ者たち
――感じる 感じるわ!信じられない!ここには十個も集まってる!ギャラクシアさまがおよろこびになるわ!
地球上の究極のスターシード!セーラークリスタル!このセーラーアイアンマウスがもらったあ!」
アイアンマウスは舞台に向かって光線を打ち込んだ。スリーライツは、素早く舞台から飛び下りる。舞台裏のはるかとみちるも異常事態に気が付いた。
「避難経路はこちらです あわてないで指示にしたがってください」そうアナウンスが入り、逃げ惑う観客。
「なに?」「なにがおこったの!?」うさぎ達は当惑している。
「さあ でておいで セーラークリスタルをもつ者たち!」――敵!?
「ヴィーナス・クリスタル・パワ――」「マーキュリー・クリスタル・パワ――」
ジュピター・クリスタル・パワ――」
「マーズ・クリスタル・パワ――ッ!」「「「「メイクアップ!!」」」」
ジュピターが応戦し時間を稼ぎ、観客達が避難した後、マーズとヴィーナスが内側からドアを封鎖した。
駆け付けた関係者達は会場に入ることが出来ず、戸惑うばかり。「ドアがあかないぞ!」「そんなバカな」「いったいなにがおこったんだ!?爆弾テロかっっ」
「ムーン・エターナル!!」うさぎの手の中に、聖杯が出現した。「メイクアッップ!!」
「セーラーマーキュリー」「マーズ!」「ジュピター!」「ヴィーナス!」「そしてセーラームーン!参上!」
「まっていたわよセーラーソルジャーズ ギャラクティカ・クランチ!!」アイアンマウスがブレスレットの力で攻撃を放った。
「宇宙乱気流(スペースタービュレンス)!!」「深海提琴潮流(サブマリンバイオロンタイド)!!」
ところが、アイアンマウスは、ウラヌスとネプチューンの攻撃を、ブレスレットでやすやすと防いでしまった。「!?」
「スター・センシティブ・インフェルノ!」何者かの突然の攻撃で、ブレスレットを残して、アイアンマウスの体はボロボロと砂になってしまった。
それを見たセーラームーンの背筋に寒いものが走った。
「――何者!?」舞台に、パッと三つのスポットライトが灯った。ライトに照らせれた三人は、バッと飛びあがると姿を消してしまった。
――あの三人は!?
新キャラ3人投入されたけど3人ともイマイチ。
星野は男しては良いかと思ったけど女でアレだと・・・。
大気は根本的にダメ。
大気はデコがちょっとな…
はるか「キャラパクんなヽ(*`Д´)ノ」
えっと…とりあえずスターライツ(変身後)は襟が無くても服として成立してると思うんだ
照明さん空気読みすぎワロタw
変態をヌッ殺した重装備のセーラー戦士はセーラーサンと見た
今更だが変態は死んでないだろ
だって変態=エリオス=エリュシオン=地球なんだぞ?
地球が存在しているかぎり残念ながら変態は不滅
死んだか封印かよくわからんけど、
どっちにしろ復活は確実なので覚めてる俺。
敵もセーラー戦士なのはどういう訳だ?洗脳されてるのか?それとも変態以上に頭がイッちゃってるのか?
はるかを女性と設定したアニメスタッフのことだ、
どうせスリーライツもそうなるんだろ?
そしてそんなスリーライツに熱を上げる女性ファンが大勢いるというカオスな状態にw
>>371 サイヤ人みたいに、死ぬと超パワーアップしたりして
>>372 ブラックムーンのように考えた上で離反したのかもしれないし、
ただ単に他の星にセーラー服文化があるからかぶっただけかもしれん。
30世紀よりさらに未来から来たセーラー戦士って設定は止めて欲しい。
つーかうさぎ完全に気が狂っとるオワタ
無くして分かる変態のありがたみ
>>368 スリーライツには照明係という名の影武者がいるんだろ
フォーライツの4人目、蛍野光ですね
わかります
>>379 吹いたwwwww
卒業と旅立ちの戦士ですね
Act51 スターズ2
「うさ」呼ばれて振り返ったうさぎの目の前には、笑顔で両手を広げた衛が居た。「まもちゃん!」うさぎは衛の胸に思いきり飛び込んだ。
「うれしい!!帰ってきたの!?」うさぎと衛は抱き合うと、熱い口づけを交わした。「うさ 愛してる」
「無事に帰ってきたよ だから……」重ねた衛の手は、みるみるうちに溶けてゆく……。「まもちゃん?」
うさぎは自室のベッドの上で目を覚ました。……夢 か ――ハーバードのあるマサチューセッツは いまごろ夕ごはんの時間かな
制服に着替えたうさぎは、家の中がなんだか静まりかえっているのを感じた。
……そっか ちびうさもとうとう三十世紀へ帰っちゃったんだっけ ……さみしいな
「いってきまぁす」家を出たうさぎは、ふと郵便受けを覗いてみた。中は空っぽ。うさぎは深い溜め息をつく。
「……こんな朝っぱらからきてるワケない か」衛は空港で別れ際に「手紙かくよ 電話もする」と言っていたはずなのに。
――まもちゃん ゲンキ?どうして手紙も電話もくれないの?
「うさはおこっちゃうぞっ」しゅんとうな垂れて登校するうさぎを、物影から星野が見守っていた。
同じ頃、ある船舶所の上空がキラリと光った。凝った花柄の傘を広げ、空ふからふわふわと降りてきたのは、お団子頭の少女。
少女は器用に着地すると、上の方から小さな花の花弁が降ってきたのに気づいて、傍にあった小型船の中へとよじ登っていった。
船の中で無数の花びらに彩られるようにして倒れていたのは、中華風の高貴なドレスを着た女性だった。
「さv洗いものもかたづけたし おそうじおせんたくもOKv」育子ママが鼻歌交じりにガラスのコップを磨いている。
「スーパーにでもいってこようかしら きょうのおかずはなーんに……」ところが、戸棚を開けた育子ママの手が止まった。
戸棚の中には、「CHIBIUSA」という文字とウサギのイラストが描かれたカップがしまってあった。思わず手に取って眺めてみる。
「――このカップ…… だれのだったかしら……」そのとき、不意に玄関のチャイムが鳴った。
「ちびうさちゃん!?」育子ママは急いで駆け出していく……が、無意識に出てきた言葉に、はっとして立ち止まった。「ちび…… ちび……?」
玄関には、先ほどの少女が立っていた。「――ちびちびっ?」そう言って、少女はにっこり笑ってみせた。
「天才は忘れたころにやってくるってとこね!」クラウンゲームセンターの地下にある司令室で、美奈子が講釈を垂れている。
「……美奈☆そのことわざは適当じゃないぜ 字もちがうし」アルテミスが呆れ顔で突っ込む。「……☆うるさいっ」
ルナが代わりに話し出す。「デッド・ムーンをたおして やっと平和になったと思ったけど また新しい敵があらわれたようね」
内部太陽系・外部太陽系戦士が勢揃いし、皆真剣な表情を見せた。
「――あたしたちのことを セーラーソルジャーズとよんでいたわね それにセーラークリスタルをもつ者たちと」眼鏡をかけた亜美がそう指摘する。
「あ――ら いまどきあたしたちみたいな有名人ッ!知らないヤツのほーがモグリよっっ!」どこか能天気な美奈子に、まこともやや呆れ顔。
「あたしたちのことを知ってるってことは やっぱり前世での因縁をもつヤツら?」「そうとはかぎらないわ」はるかが遮った。「宇宙は広い」
「ほかの星からの敵!?」レイが尋ねた。「たぶん―― そうだと思うわ」とせつな。
はるかが付け加える。「そしてあのアイドル スリーライツの三人もね」「!?」美奈子達は驚いてはるかを見つめた。
「なんの目的で優雅にアイドルをやってるか知らないけど ――まちがいない 星の力を感じたのよ あの三人に」――太陽系の者じゃない!!
――敵か味方か あたしたちを助けて去ったあの三人――!
うさぎはきゅっと下唇を噛むと、気を引き締めた。
―また敵があらわれた まもちゃんやちびうさが旅立ってしまっても けっして平和になったわけじゃない
「プリンセス この件はあたしたちが責任もって処理するわ!まかせて!」外部太陽系三戦士が頼もしく言ってくれた。
美奈子達も、優しくうさぎを見守っている。「そ――ようさぎ!安心してあたしたちにまっかせっなさ――いっv」
そんな彼女達に、うさぎは少し表情を和らげた。
「ただいま――っvおナカすいた――っv」うさぎが帰宅すると、ハートの付いた見慣れない靴が、玄関に揃えて置いてあった。
「おかえんなさ――い」「なさ――い」育子ママと一緒に登場した見知らぬ少女を見て、うさぎは度肝を抜かれる。「だっっ だれっ このコっ」
「いやねえうさぎ 自分の妹のちびちびちゃんのカオ 忘れちゃったの?」「ちゃったのっ??」
「ええ〜〜っっ 新手がきたあっ?」月野家に集結した美奈子・はるか達はみんなで間近のちびちびを眺めた。
子供好きのせつなは、可愛いとばかりにハートマークを飛ばしている。
「うさぎの妹なの?」「まさか!」「ちびうさの妹?」「かもね」「ってことはうさぎの二人めのコドモか」「知らないわよっ/////」
「ちびうさのムスメかもよ」「ヒョエ――ッ」
美奈子がちびちびと向かい合った。「そいで名まえがちびちびってゆーの?」「てゆ――の?」「まねっこ!」「まねっこ!」
「なんだガキじゃんっ」「なんだガキじゃんっ」悪びれる様子もなくきゃっきゃとはしゃぐちびちびに、コケにされた美奈子は怒り心頭。
うさぎとルナはその光景を遠目に見ながら呆れる。「とにかくなにを聞いてもあんな調子だし ちびうさがきたときみたいに
どーも危機を知らせにきたワケじゃないみたいなのよね」「なのよねっv」
そのとき、育子ママが満面の笑顔で部屋に入ってきた。「さあさあっ」育子ママは美奈子達から取り上げるように、パッとちびちびを抱きかかえた。
「ちびちびちゃんはもーねる時間vあなたたちもあした学校あるんだから はやく帰ってねなさいねv」
すごい可愛がりようの育子ママを見て、美奈子が考察する。「うさぎや育子ママがさみしいと思って ちびうさが妹を送りこんできたんじゃないの?」
「姉のたのしそーなハナシをきいて 一人でぬけだしてきたとか?」とまこと。
うさぎはベッドの中で一人赤くなっていた。――そっかああのコか ちびうさの妹ってことは あたしとまもちゃんの二人めの子どもかあ
「うさぎうさぎ」ルナに促され、ドアを見ると、パジャマを着たちびちびが隙間からじっとこちらを覗きこんでいた。
うさぎはクスリと笑う。「いっしょにねる?」ちびちびは部屋に入ってくるなりゴソゴソと何かを取り出した。
「なあに?ナニしてんの?」それは、小さな香炉だった。「――いいニオイvお香?ママたちの部屋からもってきたの?」
……あ これ 甘いキンモクセイの香り…… この香り…… まえにもどこかで……?
二人は、まるで姉妹か親子のように、共に仲良くベッドで眠った。
翌朝、うさぎが郵便受けを見ると、なんとそこには一通の手紙が入っていた。――エアメール!アメリカから!――まもちゃん!?
中に入っていたのは、一枚のカード。――淡いオレンジ色の 夕焼けのカード……?
「あれっこれだけっ?カードになんにもかいてない!手紙もメッセージもナシッ!?」――もーっ まもちゃんたら☆
――でもうれしいっvきょうはなんだかイイコトありそうなよ・か・んvうふふっv
学校に行くと、そこにはすごい人だかりが出来ていた。「うさぎっ!」感極まった美奈子が、背後からうさぎに抱きついた。
「大ニュースよ 大ニュースッッ あのスリーライツがうちのガッコへ転校してきたのよっっv」
一年一組にて。「大気光です 趣味は詩の暗唱とコンピューターです」「夜天光!シュミはカメラ よろしく!」
「星野光です アメフト部に入ろうと思ってます」
うさぎと美奈子他、クラスの女子は大騒ぎ。「……信じらんない あの三人が」「同じクラスぅ!?」
星野はうさぎの隣の席に座った。「よろしく」「あ はじめまして」その言葉に、星野は大きく目を見開いた。
「月野うさぎです よろしくv」「あいのみなこですう よろしくうっっ」星野はそんなうさぎを横目で見ながら、なにかを考え込んでいる。
「しっかし☆わかっちゃいたけど近づけやしない☆」くやしそうな美奈子。「あの三人もたいへんだよなー なんでこんなフツーの高校へ」
はるかは腕組みをしながら考え込んだ。――まさか あたしたちに接触するため?
「あら うさぎは?」みちるが尋ねる。「屋上☆ラブレターかくんだって ジャマすんなだって☆」
「え――と “とっても気に入りましたv生徒手帳にはさんでおまもりにしますvこんどはそっちでの生活きかせてね 電話もしてねv”と」
うさぎが手紙を書いていると、スリーライツの三人も屋上にやってきた。「ふ―― たまんねーよ」夜天が愚痴をこぼす。
「もうやめよーぜ 学校ゴッコなんて つかれちゃったよ」「学ぶことは楽しいですよ」「そんなの大気だけだよ」
星野がうさぎに気づいて声を掛けた。「ナニしてんの?」――ええっ!?スリーライツだっ!!
夜天がひょいと手紙を取り上げる。「“あいするまもちゃんへvすてきな夕焼けのカードをありがとうv”ヘッタクソな字」
うさぎは真っ赤。「なっっ☆なにすんのっっ!!?ヘッタクソな字でわるかったわねっっ」
「ごめんごめん」夜天が舌を出してウインクして見せた。
――やだ……vやっぱしこの三人って クラスの男子とはゼンゼンちがうわ ホントに…… カッコイ―イッvv」
大気が話しかける。「すてきな指輪だね 彼にもらったの?」「え?ええ まあっ……v」
「――月野うさぎっていったっけ 彼って いまどこにいんの?」星野が尋ねた。
「まもちゃんは いまアメリカに……」ところがそう口にしたとたん、うさぎは頭を抱えてうずくまった。
――いたい…… 頭がわれるように……
「うさぎに近づかないで!」はるかがうさぎを抱きよせ、スリーライツにすごい剣幕で食いかかった。「なにをしたの!?」
「――なにも」三人はそのまま屋上を出て行ってしまった。
「だいじょうぶはるかさん ちょっと頭痛がしただけ 話をしてただけなの」
「あいつらはなにをするかわからないわ!もう二度と一人で接触してはダメよ」
――あの三人がなにかの力をわたしに?――ううん ちがう まもちゃんがアメリカにって考えたらきゅうに――…
●to be continued●
うさぎ……。・゚・(ノД`)・゚・。
なんかこのうさぎ滅茶苦茶カワイイ…こんなにうさぎがカワイイと思ったの
連載始まってから史上最大かもしれない…
スリーライツ第四のメンバー・蛍野光(仮)きたーw
夜天はどこの厨房だよ
>無事に帰ってきたよ だから…
ここのシーンこええええええええ
ポスト覗いて一喜一憂してる様が切ない…
死んじゃった人にせっせと手紙書いてるのも哀しすぎる
ところであの夕焼けのカードには何の意味が?
>>388 個人的には「うさはおこっちゃうぞっ」がツボった
今回のうさぎは年相応な感じでいいね
背景を考えると切ないけど…
真面目に予想
ちびちびは、うさぎが衛と結ばれなかった仮想未来から来た、うさぎと許婚の間の子供
うさぎが衛と結ばれたら自分の存在が消えてしまうため、衛を抹殺しに来た
ああああしばらく来なかったら変態祭り乗り遅れたorz
とりあえず
先生!変態が!変態が息をしてないのっ!!(AA略)
>>392 ゆっておくが
うさ 俺は
やらしくなんか
けっしてないぞ
の意
記憶操作されてばかりの育子ママの体が心配
麻酔銃撃たれまくりの毛利のおっちゃん並みに心配
あーん!まもちゃん様が薄情だ!
エンディミオンさまよいしょ本&タキシード仮面さまF.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…美形薄情だ…
・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「……うさ 帰ってきたら……」の葉書きを出してまだ2週間じゃないですか!
どーして、どーして!電話もできないMidnight!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんなアメリカごときから連絡しないなんてっ!!
うさはおこっちゃうぞっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・
私はあのおそろしく美しい彼が(たとえド変態仮面でもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
地場さまあっ!私を捨てちゃ嫌だああああああっ!!
タキシード仮面様のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・
>>398 うさぎ乙w
電話もできないmidnightワロタ
しかしはるかはみちるといる時一般人に会話で
「あれがアツアツの彼氏」とか「あの2人ケッコンしてたの」とか
言われてたのにいきなりセーラー服着せて大丈夫なのか・・・
Act51-2
大勢の女性ファンを引きつれて、大気が亜美のいるコンピューター部を訪れた。「こんにちはv入部したいんですけど」
亜美、そして見るからにオタクな男子部員達は突然のことにびっくり。
「スゴーイッ」「大気くーんっっv」「えーっ パソコンで作曲なんかできるのお――っっ」
地味だったコンピューター部はすっかり様変わりしてしまい、亜美は呆れて見守るばかり。
なお、学力試験の結果が貼り出されたが、亜美が499点だったのに対して、なんと大気は500点満点だった。
「おおっ!水野さんをぬいて一位だぞ あのアイドル!」頭に来た亜美はテスト用紙を真っ二つに裂いてしまった。
一方、アメフト部では星野が大活躍していた。女子学生達が群がる様を見て、はるかは面白くなさそうだ。
「とにかくいちいちあたしたちにチョ―センしてるとしか思えんっ!!」怒り心頭のはるかを、みちるがなだめていたが…。
みちるがタリスマンの手鏡を取り出し、口紅を塗っていると、夜天が通り際に口を出した。「下品な色!もちょっと自分に合う色見つけたら?」
「夜天く――んvモデルもやってるんだって――?」「こんどメイクのしかた教えてよ――っ」「いいよv」
女子学生に囲まれている夜天を見て、みちるは片手で口紅をケースごとバキッとへし折ってしまった。
「はるか 得体のしれないヤツらはちゃっちゃっと抹殺してしまいましょう!めざわりだわっ」(……みちる コワイよ)
園芸部では、まことが大気と和気あいあいと交流を図っていた。
「大気くん 園芸部に入部してくれたのvすごくくわしいの 植物を好きなヒトに悪い人はいないわv」夢見る目つきのまこと。
「「そーよ あーんなカッコイ――人たち 悪い人には見えないわ――っv」」
すっかり目がハートになっているうさぎ・美奈子・まことを見て、はるか・みちる・亜美は、わかっちゃいたけどあんたたち、と呆れ顔。
うさぎ・美奈子・まことは、スリーライツの東京でのコンサートのチケットをこっそりゲットしていた。
「もっちろんこれも平和のため こないだの敵の攻撃もコンサート会場だったし やっぱ平和を考えたらコンサートはハズせないでしょう!」
…と言いつつ、美奈子はコンサートを完全に楽しんでいる。「ゆるして はるかさん←ナイショできた」
「――では つぎはスリーライツのデビューシングル ぼくらの“流れ星へ” きいてください」星野が、センターに立って歌い始めた。
――きみの香り ずっと さがしてる ぼくの声よ とどけ ――あいしてる
うさぎの胸が、思わず高鳴った。
――いま どこにいるの ――ぼくのプリンセス こたえて
皆が夢中で拍手をする中、うさぎだけは両手を握ったまま半ば放心状態で舞台を見つめていた。「うさぎ?」美奈子が声を掛ける。
――いま あのヒトと目があったような気がした ……なんてせつない歌……
ところが、客席には明らかに邪な心を持った女が紛れこんでいたのだった。
朝が来て、うさぎが郵便受けを見てみると、そこにはまたうさぎ宛に手紙が来ていた。――エアメール!まもちゃん!?
うさぎの顔がパッと輝いた。中を確かめてみると、そこには満天の星のカードが入っていた。――こんどは星のカードだ
うさぎは一人、学校の屋上でカードを眺めていた。「まん中の淡いオレンジ色の星 なんて名まえの星かなあ」
「人工衛星だよ」振り返ると、星野がそこに立っていた。星野の指さす先には、一際目立つ星が輝いていた。
「へええ―― あんなふうに光って見えるんだ ――星が好きなの?」「うん」星野がまっすぐうさぎを見つめて答えた。「すきだよ」
うさぎの心臓がドキッと音を立てた。
「――またファンのコたちからにげてきたの?たいへんだね学校でまでさわがれて」
美奈子が抜けがけ禁止と言っていたことを思い出し、うさぎは心の中で謝った。
「アイドルってホントは学校きてるヒマなんてないんじゃない?いそがしくて」「オレたちは 歌えればいいから」
星野の物憂げな横顔を眺めて、うさぎがぽつりと言った。「――あたし まえに あなたとどこかで会ったこと…… あるような気が…」
うさぎははっとして口元を押さえた。――バッ バカ☆そんなコトあるワケないか こんな有名人と
「あっあたしね スリーライツのデビューシングルの曲 すっごく好きなの なんだかせつなくて…… とてもキレイで胸の奥にのこる歌だわ」
「――きみが そういってくれるなんて すごくうれしい」ニコッと微笑んだ星野に、うさぎの胸がまた一つ音を立てた。
「オレたちこの歌を歌いたくて シンガーになったんだ」そう言うと、星野はデビューシングルの曲を歌い始めた。
――きみの香り ずっとさがしてる ぼくの声よ とどけ あいしてる
うさぎは切ない思いに駆られる。――セイヤくん……!――だれのために歌っているの?
客席にいた女――とあるセーラー戦士が、クスクスと不気味に笑いながらどこからかこの歌声を聴いていた。
一方、大気がコンピューター部を飛び出したのを見て、亜美も後を追う。
――ぼくの プリンセス――
屋上の扉の影からは、まことがこの様子を窺っていた。――なんて声 なんて力(パワー)だ!
うさぎは当惑しながらじっと星野を見つめた。――見える 感じる いまたしかに このヒトを包む星のオーラを 「あなた いったい」
夜天と大気が揃って屋上に駆け付けた。「バカセイヤ!!」「無防備に力を出したな!――ヤツらに感づかれたぞ!」「!!」
二人の言ったとおり、屋上にあのセーラー戦士がスウッと姿を見せた。「ホホホホッ わたしはセーラーアル―ミナムセイレーン!!」
――セーラーアル―ミナムセイレーン!?
「ギャラクティカ・ツナミ!!」「!!」咄嗟に、スリーライツの三人がうさぎを守るように立ちはだかった。
次の瞬間、マーキュリーとジュピターが現れ、攻撃をガードした。「ホホッ やるじゃない!」
ジュピターがキッとスリーライツを睨みつけた。「てめーらがよんだ敵か!?ゆるせねえっ うさぎからはなれろ!まとめて始末してやる!」
しかしうさぎはスリーライツを庇った。「ちがう!この人たちは敵じゃないわ!星野くんを包むオーラは
ジュピターマーキュリーあなたたちと同じように 星に守られて誇り高く輝いているわ」
うさぎは聖杯を出現させると、胸に抱いた。「シルバー・ムーン・クリスタル・パワ―― メイクアッップ!!」
アルーミナムセイレーンはまるで触手のような水流を巻きつけ、マーキュリーとジュピターの体の自由を奪った。「ホホホホッ」
「!!マーキュリー!ジュピター!」
「宇宙乱気流(スペースタービュレンス)!!」ところが二人を捕らえた水流はウラヌスの攻撃を跳ね返してしまった。
駆け付けたヴィーナス・ウラヌス・ネプチューンは唖然としてしまっている。
「わたしもセーラークリスタルをもつセーラー戦士!!」セーラームーン達はその言葉に我が耳を疑った。――なに!?
「わたしはセーラーアイアンマウスのようなヘマはしない!ギャラクシアさまのためにセーラークリスタルをいただくわ!」
アル―ミナムセイレーンがブレスレットをぎらつかせ、迫ってきた。
「スターライト・ハネムーン・セラピ――…」
しかし遅かった。一瞬のうちに、マーキュリーとジュピターの体はボロボロ崩れ、粉状になって散っていった。
「ジュピター!!」「マーキュリー!?」
二人の残骸から出てきたクリスタルを、アルーミナムセイレーンが奪い取った。「ホホホホッ もらったわ!セーラークリスタル!!」
躊躇していたスリーライツだったが、ついに決心したのか、星に翼のマークがついたアクセサリーを掲げた。
「メイカ――・スター・パワ――ッ!」「ファイター・スター・パワ――ッ!」「ヒーラー・スター・パワーッ!」「「「メイクアップ!!!」」」
「スター・シリアス レイザーッ!!!」「スター・ジェントル・ユーテラス!」ファイターとメイカーによって、アル―ミナムセイレーンは倒された。
「おまえたち!?」「その姿は……!」
「――星の流れ着くところ」「三つの無敵の光あり――」「セーラー・スター・ヒーラ――!」
「セーラー・スター・ファイタ――!」「セーラー・スター・メイカ――!」「「「セーラー・スター・ライツ!参上!」」」
●to be continued●
悪の配下となった変態はうさぎを宇宙人に寝取られ逆上するが
戦士たちの力を合わせた攻撃により悪もろとも消滅
そして世界は新しい未来を迎える
―完―
武内先生の次回作にご期待下さい
407 :
マロン名無しさん:2009/04/28(火) 23:50:47 ID:Sd7pF5ML
大きいお友達「NAOKO…てめーは俺を怒らせた」
……そんなことないさ まことはきっとすぐもどってくるし 亜美ちゃんも電話と手紙くれるって たまには帰ってくるっていってたよ
>>398 ごめんね素直じゃなくて(言葉より先に手が出るんだ^^)
夢の中なら(うさ 帰ってきたら…の続きを)云える
思考回路はショート寸前(うさの記憶回路がショート中)
今すぐ(あの世で)会いたいよ
(うさが星野といいかんじで)泣きたくなるよなmoonlight
(死んでるから)電話もできないmidnight←いまココ
おまいらwwwww
現実見ろ!戻って来い!!
∧||∧
( ⌒ ヽ 俺のあみちゃんががががg
∪ ノ
∪∪
>>411 ジュピター一人死なせるわけにはいかないぜ!
テンゴクデズットイッショダヨネ
ウフフアハハ
|| ⊂⊃
|| ∧ ∧
|| ( ⌒ ヽ
∧||∧ ∪ ノ
( ⌒ ヽ 彡 V
∪ ノ フワーリ
∪∪
変態「やぁ待ってたよ」
マーキュリーとジュピターの死に顔があんまりな件
彗星かと思ってたけど、メイカーとか何なんだろ?
スリーライツだかスターライツだかはっきりしてくれ
むしろ後者の方がアイドルっぽい
>>415 今回の話を見て、人工衛星の可能性もあると思った
星野…シリアス(ここでは真剣勝負的意味合い?)キャラ
大気…ジェントル(紳士的)キャラ
夜天…センシティブ(突っ込み?が鋭い)キャラ
ということか?
>スターライト・ハネムーン・セラピー……
だから無駄に長い呪文はやめろっつったんだよ!!!
あみちゃああああん°・(ノД`)・°・
亜美オタ・まこオタの思考回路がショートしたようです
あーん!亜美ちゃんまこちゃんが死んだ!
亜美まこよいしょ本&亜美まこF.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…美少女薄命だ…
・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「今、時代はコンピューター部だ!」って大気がしゃしゃり出てまだ数ページじゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんなアル―ミナムセイレーンごときに殺られるなんてっ!!
スターライツと差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・
私はあのおそろしく惚れっぽいまこちゃんが(たとえ大女でもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
亜美ちゃんっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
武内先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・
P.S 今月号のうさぎはセイヤとくっつきすぎだ !!=3
>>422 ちょwww
肉体が消滅してもクリスタル?はあるから、また力を注入したら戻るんじゃないの?
それにしてもうさぎカワイソス……
>>422 そのコピペになんだか懐かしさを覚えてしまった
職人さんが戻ってきてくれて嬉しい
>>400 遺伝子上は女性だと急に発覚したことになってたりして
スポーツ選手でたまにいるじゃん
>下品な色!もちょっと自分に合う色見つけたら?
夜天…みちるのCDとビデオ全部持ってるんじゃなかったのか
いまさらだが星野(セイヤ)って星矢から取ったのかな
セーラームーン及び守護選手たちは、アイテムなしでも変身できるようになったんだな
>>364 ちびちびは異次元における星野とうさぎの子どもだったりして
>>426 夜天は夜道に気をつけろよ
はるみちオタに刺されるぞ
いま思ったんだが、変態が死んだということは未来でちびうさの命も((((゜д゜;))))
>植物を好きなヒトに悪い人はいないわv
つテルル
まこちゃんよりはるかさんの口調のほうがよっぽど女らしい件
>そーよ あーんなカッコイ――人たち
悪い人には見えないわ――っv
変態「まもはおこっちゃうぞっ☆」
亜美ファンスレが荒れすぎてひどいことになってる…
>>435 まことスレはお通夜だぞ…
逆に衛スレは盛り上がっててわらった
>>427違うよ。星野光(せいやこう)は星明かりといわれる夜のほのかな明かりのことで大気光、夜天光も実際にある用語だよ。
Act52 スターズ3
初登場時から身につけていたレイのペンダントの鎖が切れ、カシャンと地に落ちた。
見上げれば、空にはカラスが狂ったように羽ばたいている。その瞬間、レイは直感的に亜美とまことの死を感じ取った。
同じころ、せつなとほたるの目には、亜美とまことの体がボロボロに散っていくビジョンがよぎった。――マーキュリー!?ジュピター!?
「セーラースターライツ!?」「セーラー戦士!?そんなバカな!!」ウラヌスとネプチューンは信じられない様子で三人を凝視した。
「そうか!あんたたちがかくしたのね」ヴィーナスは現実から逃げるように目を固く瞑り、頭を振った。
「どこへかくしたの!?二人を返して!!二人はどこ!?」
セーラームーンは無言のまま、ただ呆然と立ち尽くしていた。――マーキュリー!!ジュピター!!
ネプチューンがセーラームーンの肩を揺さぶる。「セーラームーン!しっかりするのよ!」
「ヴィーナス!!」「!!」ウラヌスが取り乱すヴィーナスの頬を打った。
「見てのとおりよ」ファイターが口を開いた。
「セーラーマーキュリーとセーラージュピターの肉体はほろぼされ 彼女たちの心臓部であるパワーの源 セーラークリスタルは奪われた」
――肉体が…… ほろぼされた!?セーラークリスタル……!あたしたちセーラー戦士の 心臓ともいうべきセーラークリスタルが ――奪われた!?
「セーラームーン あたしたちは……」ファイターが一歩前に進み出た。その瞬間、ウラヌスがセーラームーン達を守るように立ちはだかった。
「これ以上あたしたちに近づくな!!」ウラヌスはスペースソードを構えてみせた。「近づきたいならまずあたしの屍をこえてからだ!」
「おまえたちの正体と目的は!?」「あなたの気持ちはいたいほどわかります」メイカーが諭すように言った。
「だが いまのように冷静さを欠き あなたたちの心がバラバラに乱れていれは セーラーギャラクシア率いるシャドウ・ギャラクティカには勝てない」
――セーラーギャラクシア!? ――シャドウ・ギャラクティカ!?
「やつらは容赦なくおそってくる わたしたちのことにかまっているヒマなどない」
「本気で戦え!」ファイターがじっとセーラームーンの目を見て言った。「でないと――」
スターライツはそう言い残すと、バッと屋上から飛び下りた。「まって!!」ネプチューンが慌てて叫んだ。
「マーキュリーとジュピターはほんとうに――…」スターライツの三人は、落下を続けながらも光に変化していき、フッと消えてしまった。
司令室で、レイがタロットの]Vを手に呟いた。「――セーラースターライツ スリーライツの三人がセーラー戦士――!」
みちるが語る。「コンサート会場 そしてきょうおそってきたやつらもセーラー戦士を名乗っていた
セーラークリスタルをもつセーラー戦士だと――!そしてわたしたちのセーラークリスタルをねらってきた――!」
せつなとほたるも厳しい表情をしている。「セーラーギャラクシア率いるシャドウ・ギャラクティカ それが新たなる敵――!」
「今度の敵は セーラー戦士というわけか?」はるかが険しい顔で呟いた。
うさぎは哀しげな表情を浮かべる。――セーラースターライツ あの三人がセーラー戦士――!そして敵!?
――いいえ!セーラーアル―ミナムセイレーンにおそわれた瞬間 三人はあたしをガードしてくれた まるでみんながあたしを守ってくれるみたいに
「シャドウ・ギャラクティカ マーキュリーとジュピターはそこよ!きっとそこで生きてる!助けにいかなくちゃ!」
美奈子が意気込むが、うさぎは軽い眩暈に襲われる。――マーキュリー ジュピター ――たしかに目のまえでこなごなに……
――でもあの二人が そんなかんたんにやられるわけはない……!
「シャドウ・ギャラクティカ いったい何者なんだ!?いつこの星へ侵入してきたんだ!」アルテミスがモニターを確認する。
「侵入ルートはすべてチェックしてる デッド・ムーン以後外部からの侵入者は――」
ルナが口を挟む。「先月大規模な流星雨があったわ」「いて座α流星雨か しかしこれはほんものの流星雨だったデータもある」
「侵入者はこの流星雨のみ―― あとはすべてを確認するのは不可能な異空間のルートだけ――」
「時空のゆがみはない 異空間からの侵入者はないわ」せつなが言い切る。
「では その流星雨が侵入者だわ やつらは星として この地球にやってきたのよ」はるかがそう断言した。
「じゃ あたしはうさぎを送ってくるわ」みちるがレイに声をかけた。「なにかあったら連絡をいれるわ レイ あなたも気をつけて」「わかってる」
「三人の監視はあたしがつづける」はるかが言った。「あたしはルナたちと侵入ルートとやつらの本拠地をしらべるわ」とせつな。
「美奈!」レイは帰ろうとする美奈子の腕をぐいっと引っ張った。
「あす十番高校へいくわ 二人であの三人 スリーライツに接触するのよ」美奈子は一瞬フリーズした後、目をまんまるにした。「ええっ!?」「しっ」
レイが小声で話し出す。「あの三人がほんとうにセーラー戦士かたしかめるのよ」
「もしも敵だったら?火のないところに煙はたたず スリーライツあれば戦いアリってね」
「敵なら 戦ってシャドウ・ギャラクティカの場所をつきとめる!マーキュリーとジュピターは死んでなんかいない!
クリスタルといっしょにシャドウ・ギャラクティカにいるわ!クリスタルをとりもどし二人を助け出す!――そしてうさぎとこの星を 守るのよ!」
――体が重い 目の前に霧がかかったよう ――前に進み出すのがこわい…… どうしてそう感じるの?
「あたし ちょっと約束思い出しちゃった」「うさぎ?」いつの間にか随分先を歩いていたみちるが振り返る。
「まもちゃんの友だちと会うだけ なにかあったら連絡する!」
うさぎはその足で元麻布中学校を訪れた。「え?まもるセンパイのアメリカのアパートのTELナンバーですか?」テニスラケットを持った浅沼が聞き返す。
「ボクきーてないんですよ☆むこういってからそろそろひと月ぐらいたちますよね
センパイってば ボクには電話も手紙もくれないんですよ――っ ボク荷づくりてつだったのにつめたいんだからセンパイはも――っ」
「うさぎセンパイは手紙とかもらってるんでしょ?それには――」「……かいてないの」ぽつりとうさぎが言った。
「まもちゃんからのエアメールは カードがはいってるだけで手紙類はなにも……
メッセージも住所もTELナンバーも ――差出人の名前さえも――」不安げに俯くうさぎを見て、浅沼が心配して言った。
「ボク あした大学いってセンパイの友だちにきいてみますよ まもるセンパイ フデ無精だしっ かならずレンラクありますよっ
研究でいそがしーんですよっ」「ありがとvあさぬまクンv」この様子を、心配して後をつけてきたみちるが見守っていた。――うさぎ……!
家に帰ったうさぎは、こちらでの衛の部屋に思わず電話をかけた。……まもちゃんの部屋に電話なんかしたって 出るわけないのに
――あたし なにか たいせつなことわすれてる でも思い出そうとすればするほど 混乱して
――こわい 歩きだしたら すべてがなくなってしまいそうで――
ぎゅ、とスカートを掴まれてうさぎは我に返った。ちびちびが、大きな瞳でじっとうさぎを見つめている。
「……なぐさめてくれてるの?ちびちび……」うさぎは涙とともに振り返ると、その場に座り込んで、ちびちびを抱きしめた。
うさぎは今日も学校の屋上から外の景色を眺めていた。――マーキュリー!ジュピター!
――だいじょうぶようさぎ!二人のクリスタルをとり返せば 二人はきっと助かるわ!
うさぎは左手薬指の指輪を見つめ、そっと衛を想った。――そうよねまもちゃん ――会いたい いますぐだきしめて 名まえをよんで まもちゃん
“本気で戦え!でないと――”――しっかりしなければ!!
――だけど 感じるの――!あたしにはまもちゃんもみんなも同じかけがえのない存在だから――!わかるの
――いまジュピターとマーキュリーに感じる胸さわぎと
同じ不安を まもちゃんに――
「あぶない!!」ふらついたうさぎの体を抱きとめたのは星野だった。
うさぎを追って屋上への階段を昇るはるかとみちるの前には、大気と夜天が立ちはだかった。「おまえたち!?いったい――」
大気がかざしたカードから光が放たれ、はるかとみちるはまるで金縛りににあったかのように動けなくなる。
光輝くカードには、空港で旅立つ間際の衛が映し出された。
「思い出せ」屋上では、星野がうさぎと向き合っていた。「時間がない きみがしっかりしなければこの戦いは負けてしまう!」
「ジュピターとマーキュリーがどうなったか 思い出せ きみのまもるは」――まもちゃんは……
カードの中の衛の体が、不意に不自然な光を放った。「いやっっ!!」
そのさきは 見たくない!!
星野が、視界を隠すように、強くうさぎを抱きしめた。
カードの中の衛の体は、ボロボロと朽ち果てていく。それを見たはるかとみちるはショックで青くなる。――プリンス!?
星野はうさぎと顔を、唇を、ぎりぎりまで近付けて、涙を零すうさぎに詫びた。「ごめん きみを 苦しめるつもりは……」
カードに映る映像の中に、衛の残骸から出現したゴールデン・クリスタルを奪い取るセーラー戦士の姿が映りこんだ。――コイツは!?
大気が説明する。「――これが セーラーギャラクシア」
うさぎはバッと屋上を飛び出し、はるか達を置いて、逃げだすように駆けていってしまった。「うさぎ!!」
大量のカードが吹雪のように舞い散り、スリーライツは姿を消した。あとにはたった一枚、あのセーラー戦士の絵のカードだけが残された。
――セーラーギャラクシア……!
●to be continued●
セーラーふくは銀河共通なのかよ…
それならいずれタキシードギャラクシアとかタキシード・ラ・ギャラクシー・ボンバーも登場するんだろうな
>「あす十番高校へいくわ 二人であの三人 スリーライツに接触するのよ」
脇役だけで救出できるとも思えないし、2人退場で決まりだな。
スターライツが味方になるから数減らしたいんだろうか・・・。
>>446 いいえ
あんな変態まるだしの格好は全銀河探しても一人しかいませんw
ちびちびの髪型は、もはや突っ込んだ方が負けなんだろうな
浅沼くんキター
ブラックムーン編でいい感じだったまこと先輩が星になったことを知ったらどう思うだろ‥
>>446 ギャラクシアの技がギャラクティカ・ビッグバン・ボンバーとかだったら笑う
ネタバレ
セーラーギャラクシアンの正体は遠藤君
美奈子だけは殺されずに洗脳されて敵の幹部になる、に一票
レイはともかく美奈子まで殺したら、
コードネームはセーラーV時代からのファンが大勢離反するだろJK
>>450 まもる先輩…!まこと先輩…!ちくしょう…俺にも力があったら大切な人を守れるのに…!
↓
ある日突然変態仮面としての才能が開花
↓
二代目変態仮面襲名
((((゜д゜;))))ガクガクブルブルガクブルガクガク
>>452 なら真っ先に衛が殺されたのも合点がいくなwww
「タキシード浅野仮面!」
ってアニメの海野か
>>447 それなら星野とキャラが若干カブっているはるかが一番危ないんじゃ…
そういえば海野となるちゃんって最近見ないな
スターライツが濡れぎぬ着せられすぎてさすがに可哀想になってきた
なんか懐かしいキャラが出てきて嬉しいな
あれだろ星野の歌ってた「プリンセス」って
プリンセスDじゃね?
このままじゃいつかうさぎが屋上から飛び降りるんじゃないかとヒヤヒヤする
苦しいだろうけど早く立ち直ってほしい
アニメから入ったはるかファンは、
原作のはるかが語尾に「〜のよ、〜だわ」って付けて
喋ってるのを見たら卒倒するだろうなw
自分達もショックだろうに、放心するうさぎと叫び喚く美奈子を
正気に返したはるみちはやっぱり大人だなーと思った
ピンチになったらセーラーファラオ90達が助太刀に来てくれるよ
>>464 www
なんかセーラーベリルとか普通に出てきそうだ
タキシードデマンドは勘弁してほしいが
新たな時代に誘われて
セーラータキシード仮面参上!
セーラーファラオ90「勘違いするなよ… 貴様を助けに来たわけじゃない
いつかの借りを返したまでだ」
星矢世界の聖衣=セラムン世界のセーラーふく
セーラーメタリア
セーラーファントム
響きだけなら新戦士で登場しても違和感が無い
ギャラクシア=ギャラクシー=銀河というのは解る
だがアイアンマウスとかアルーミナムセイレーンってどこの星だよw
>>469 セーラーファントムって名前だけならかっけー
>>468 ギャラクシアが黄金セーラー戦士ですねわかります
タキシードメタリアってかっこよくね?
>>472 積尸気水平波!
>>473 うさぎは蟹座だなそういえば…
対して変態は獅子座なんだよな
交換すればちょうどよくね?w
宇宙にはセーラーベジータとかいるんだろうか
もうなんでもありだなwwwww
ここは間を取ってセーラーミストレス9で
>>447 ちびうさもあっさりリストラされちゃって…
殺されるのと忘れられるのだとどっちがマシだろ
かもめのセーラーサン!
Act52-2
“思い出せ”駆けだすうさぎの目から大粒の涙が溢れた。“きみのまもるは ――まもるは”「やめて!」
――星野くんの 耳元に残るあの少し低い声 すいこまれそうな瞳 思い出してしまう ……にてる まもちゃんに
「どうしてあのコに かまうの」夜天と大気が星野に尋ねた。「――にてるんだ あの人に」
うさぎは家に着くなり郵便受けを確認する。――まもちゃんからのエアメール!またきてる!
――まもちゃん?――いつも差出人の名まえのないこの手紙は ほんとうに ――まもちゃんから?
中に入っていたのは、銀河を映したカードだった。――銀河(ギャラクシー)シャドウ・ギャラクティカ――
うさぎはひらりとカードを落としてしまった。――銀河の影(シャドウ・ギャラクティカ)――
ある星の宮殿では、シャドウ・ギャラクティカの幹部らしきセーラー戦士が、跪いてギャラクシアに詫びていた。
「ギャラクシアさま セーラーアイアンマウスにつづくセーラーアル―ミナムセイレーンの失態 どうかおゆるしを
すべてこのわたくしの責任でございます」「――だが 二つのセーラークリスタルを手に入れたこと ほめてつかわすぞ よくやった」
「わが配下 セーラーアニマメイツに与えてくだすったギャラクシアさまのパワーにちかって!かならずやのこりのセーラークリスタルも」
「ククッ ――セーラーアニマメイツが セーラースターライツと 太陽系のセーラー戦士どもの敵ではないことはわかりきったこと」
「――最高のクライマックスを ギャラクシアさまがごぞんぶんにおたのしみになれますよう
やつらが真の戦いのリングに上がるまえに かならずやのこりのセーラークリスタル すべてこの手に!」
「無敵のセーラークリスタルをもちながら 人間としてのもろいスターシードにしがみついているとは
人間どものスターシードなど まさに目に見えぬちりのようなもの―― 」
「ギャラクシアさま セーラーアニマメイツ第三の戦士 このセーラーレッドクロウが セーラームーンを 美しき舞台へひきずり出してみせましょう」
せつなと共にいたほたるは、大勢のカラスが狂ったように羽ばたいているのを見て、呟いた。「――もう とめられないかもしれない……」「ほたる?」
次の日、レイが十番高校へやってきた。美奈子はバレー部のユニフォームに着替え、自分の制服をレイに渡した。
「レイちゃーん にあうじゃ――んvアタシのセーフク・ピッタシvT.A.女学院潜入事件を思い出すわねっv」
「うさぎは?」「なるちゃんやはるかさんたちとお昼だよん すこしはゲンキあるフリできるみたいね」
「で ウワサのアイドルくんたちは?」美奈子は“みなこのスリーライツ超シークレットvメモvノート”を取り出すと、パラパラ広げて見せた。
「……なにこれ」「スリーライツの超?ノートッvvスリーサイズからうたの歌詞までっっv
三人は昼休みは五限体育の水曜日以外 かならず本館の屋上にいるのよっ これはいまんとこけっこ―― トップシークレットなデータよっっ!」
ところが、向かった屋上には人っ子一人いなかった。「で?」「そんな――っっっ なんでだれもいないの〜〜〜っっっ」喚く美奈子。
「ま 昼休みはじまったばかりだし まちましょ」「ちくしょ――っ ハラがへった―― 昼ヌキなんだぞ――っ 早くこい〜〜〜っ」
「――あたしも 十番高校えらべばよかったな そうすればみんなといっしょの高校生活おくれたのに」「なに?きゅうに」
レイがあるタロットカードをピッと投げた。「今朝のタロットで このカードがでたの」――死に神……!
「――わかるの いままでの戦いとはちがう 今度こそ帰っては」――これない予感が――
「ストップ!!」美奈子がレイの唇に左手の人差し指を当てた。
「誓ったよね 二人を助け出すって あたしたちはいつだって同じ 仲間を助け!敵をたおし!たいせつな人を守る!今度も同じ!
そしてかならず生きてここへ帰ってくる!」美奈子の顔がパァッと輝いた。
「そして高校生活へ復帰して!今度こそカレシをつくるっっ!!これでキマリッ!!」レイは毎度のことに呆れながらも、額に青筋を浮かせた。
「やっぱオトコよっv中学んトキもけっきょく一人もできなかったし―― そんなヒマなかったしー
だから今度こそスリーライツみたいなかあっこいいダーリンをつくるのっ!もちろんキープくんも!!
そんでもって思いっきりデートしまくっていちゃいちゃしまくって フツーの女子高生するのよっっっっ
あたしたちの究極の夢ッッ!やっぱこれしかないでしょ――っ!!」
「うそばっかり」
突然聞こえた声に、レイと美奈子はバッと臨戦態勢に入った。「もう心にきめた人が いるクセに」夜天がクスッと笑う。星野と大気も一緒だ。
「その人のために生きるってきめてるクセに」「……ばれちゃあ ……しょーがないわね」美奈子はフッと息を吐き出すと、態度を改めた。
「そうよ もうとっくにあたしには 命をささげたたった一人の人がいるわ」レイは驚いて美奈子の顔を見つめた。――美奈……!
二人の心に浮かぶのはたった一人、女神のように微笑むうさぎの姿だった。
「――そうよ だからあたしたち 男なんかおよびじゃないのよ」レイが髪を靡かせ、きっぱりと言い切った。「わるい?」
夜天がクスッと笑う。「いや それでこそ真のセーラー戦士――!!」レイが問う。「では あなたたちは!?」
「――もしボクらが ニセモノだったら?」「イコール!あたしたちの敵!!」美奈子が断言する。「敵は倒す!!」
「ヴィーナス・クリスタル・パワ――ッッ」「マーズ・クリスタル・パワ――ッッ」「「メイクアップ!!」」
「あたしたちは無差別に戦いをいどむつもりはないわ!あなたたちの正体が知りたいだけ セーラー戦士を名乗るなら
あたしたちと同じように目のまえで変身して見せて!さあはやく!!」ヴィーナスの剣幕に押され、三人は星形のアクセサリーを取り出した。
「ヒーラー・スター・パワ――」「ファイター・スター・パワ――」「メイカー・スター・パワ――」「「「メイクアップ!!」」」
――感じる 星のパワーを ――これはまちがいなくスターパワーをもつクリスタル
――まちがいなく あたしたちのクリスタル・パワーと同じセーラー・メイクアップ――!
ファイターが語る。「わたしたちや 敵のセーラー戦士たちが 名を語るだけのニセモノのセーラー戦士とは限らない」
「だってそれじゃ本物のセーラー戦士なら……」「あなたたちはどこからきたの?」マーズが尋ねた。
「セーラーマーズ」メイカーがカードを投げて寄こした。「“死に神”のつぎのカードよ」――銀河――!!
そう言って、スターライツは屋上を飛び下りた。ヴィーナスが急いで下を見下ろすと、スリーライツが女の子に囲まれて普通に歩いていた。
――あなたたちは銀河からきたの!?この銀河にはあたしたちのほかにもセーラー戦士がいるの――!?
ザァッと突風が吹き、二枚のカードを運んで行った。――なんて禍々しい気の流れ――!あれは牛(うま)の方角―― 火川神社のあたり――!?
火川神社に、怪しげな人影が舞い降りた。
「おまえたちのスターシードの光 すぐわかったわ いいかげんに姿を見せたらどう?フォボス!ディモス!」
名を呼ばれた二匹は、フワッと人間の姿に変化した。
「ひさしぶりね フォボス ディモス!」「――レッドクロウ……!」
●to be continued●
485 :
マロン名無しさん:2009/05/03(日) 09:26:34 ID:xYHuLgZb
美奈子が久しぶりにかっこいい!
…これなんて死亡フラグ?
>>480 一瞬何のことかわからなかった自分は負け組
うさぎ→まもちゃんに似てるから星野が気になる
星野→「あの人」とやらに似てるからうさぎが気になる
これって恋愛って呼んでいいのか…?
わるい?に痺れた
なんでスリーライツは普通にうさぎ達の正体知ってるんだ?
男性アイドルのスリーサイズってw
すっかり屋上がスリーライツのジャンプ台と化してるw
>ひさしぶりね フォボス ディモス!
背景みたいなキャラとのフラグとは
>>492 背景みたいなキャラが急に目立ったら…フラグだよなこれ…
どこぞのシュラク隊みんなで「そんなことないよ!」
美奈子とレイの忠誠心が凄いわー
>>487 アニメだと恋愛感情に近かったみたいだけど、原作はどうなんだろうね
Act53 スターズ4
「フォボス ディモス 銀河一神々しく輝く太陽系の火星のプリンセスにその力選ばれ その名と同じ星を与えられ
プリンセスのパートナーとなったラッキーな双子――!むかしはおたがい夢見る訓練兵だったわね」レッドクロウは鞭を取り出し構えた。
「でももうあのころとはちがう!わたしはセーラーレッドクロウ セーラー戦士よ!」――セーラー戦士!?
「銀河に生きるものはすべてスターシードをもつ そしてその中でも選ばれたスターシード セーラークリスタルをもつ者は
セーラー戦士を名のることができる!」
フォボスとディモスが言い返す。「コロニス星でセーラー戦士を名のれるのは わが星コロニスの守護をうけた セーラーコロニスだけよ!」
「ギャラクティカトルネイド!」レッドクロウが問答無用で攻撃してきた。二人は飛び上がって交わすが、後には大きな爆発音が轟いた。
――このパワーは!?
「クククッ そうよ!わたしはギャラクシアさまからセーラークリスタルのパワーを手に入れた!
そして太陽系のセーラー戦士たちのセーラークリスタルとひきかえに こんどこそ本物のセーラー戦士となって新たによみがえること
そしてわたしだけの星をもつことを ギャラクシアさまは約束してくださった!
わたしはギャラクシアさまに忠誠を誓うセーラーアニマメイツとなったのよ!」
信じられない様子の二人。「母星やわたしたちの仲間を わたしたちの誇りセーラーコロニスをうらぎったの!?」
「仲間もセーラーコロニスももういない!母星ももうないわ!」レッドクロウはすごい剣幕で言い放ったかと思うと、怒涛の攻撃を浴びせた。
「フォボス!ディモス!」マーズとヴィーナスが駆け付けるが、間に合わなかった。二人の体は粉のように散っていってしまった。
「マーズ!フレイムスナイパー!!」ところが、レッドクロウはマーズの一撃を己の技で相殺してしまう。
そして、マーズの隙を突いて素早く背後に周り込むと、腕で首を絞めつけた。
「マーズ!!」「おっと!動いたら あっというまにフォボスとディモスの二の舞よ!」
レッドクロウはマーズを捕らえたまま二人のスターシードを手中に収めると、ギャラクシアの元に転送した。「あはははっ」
ヴィーナスはどうすることもできず、ただただ叫ぶしかなかった。「ちくしょ――ッッ セーラームーン!!」
それぞれ授業を受けていたうさぎ・はるか・みちるは咄嗟に異変を感じとった。――ヴィーナス!?
レッドクロウは鞭を構え、今にもマーズを絞め殺そうとしている。「まずは火星のプリンセスからかしら それとも金星のプリンセスから?」
「いいえ!おまえが先よ!」そこには、大きく翼を広げたセーラームーンが立っていた。
「スターライト・ハネムーン セラピ――・キ――ッッス!!」セーラームーンによって、レッドクロウは呆気なく粉砕された。
「セーラームーン!!」安堵したマーズとヴィーナスが、セーラームーンに向かって駆けだした、その瞬間。
二人は背後に現れたギャラクシアに撃たれ、セーラームーンの目の前でボロボロと砕かれていった。
セーラームーンの瞳に、マーキュリーとジュピターが滅んでいった光景がフラッシュバックした。
そして次に浮かんでしまったのは…。“うさ 愛してる”
駆け付けた外部太陽系三戦士はあまりのことに目を疑い、同じころスタジオで仕事をしていたスリーライツも異変を察知した。
「ククッ アハハハハッ」ギャラクシアは二人のセーラークリスタルとともに、再び姿を消してしまった。
呆然自失のセーラームーンは、見えないものを掴むかのように、思わず宙に手を彷徨わせた。
「……ヴィーナス?マーズ?」――ジュピター マーキュリー
そして、衛の体が粉々に崩れていったビジョンが、セーラームーンの瞳にはっきりと映し出された。――まもちゃん……!
セーラームーンはそのまま意識を失って倒れ込んでしまった。
一方、30世紀のクリスタルパレスでは、盛大な宴が催されていた。大勢の客人が、ドレスを着たちびうさを祝福している。
「乾杯!!」「プリンセス うさぎ・SL(スモールレディ)・セレ二ティに乾杯!!」「おかえりなさい!プリンセス!」
キングが、ちびうさに大きな花束を差し出した。クイーンも傍に寄り添っている。
「スモール・レディ 今夜のパーティ―のヒロインはきみだ おかえり すてきなプリンセス」「ありがとう ママ!パパ!」
だが、しばらくすると外から雷鳴が聞こえてきた。「――雷雲?さっきまでは晴れていたのに……」
ベッドの中に入ったちびうさは、なんだか気がかりで寝付けないようだった。――三十世紀にもどってから 空がずっと不安定だ――
――そうだ このお花 あしたプルートのところへもっていこう なにかかわったことはないかきいてみよう
花束を抱えて廊下を歩いていると、ある部屋から明かりが漏れているのに気づいた。ちびうさは思わず覗きこむ。
部屋の中にいたのはクイーンと、跪いてなにやら報告をしているプルートだった。「――時空がゆがみはじめている――!?」
「――遠い時空のかなたで巨大な渦が力を発しています そして過去に異変がおこっています
このままでは……歴史がかわってしまうかもしれない――!」「――過去になにがおこっているの?」「それは……」
そこでクイーンとプルートは一斉に気配に気づき、ドアから覗くちびうさを凝視した。
――過去に異変!?――歴史がかわるかもしれない!?
――まさかセーラームーンたちになにか――!?みんなは無事だろうか 知ってるんだろうかこのことを ――もどらなきゃ!みんなのもとへ!
「――スモール・レディ あなたの修行はもうおわったのです 時空のカギはプルートへ返しました」クイーンが柄の長いロッドを手に論した。
「あなたはこれからこの三十世紀で多くのことを学ばねばなりません」「でも!」「さあ もうお休みなさい」
「あすは月島の離宮で教育カリキュラムを開始します」ちびうさはドレスの裾を広げてお辞儀をした。「……はい ママ」――そんな……
――もう過去へもどれないの?
――巨大な渦ってなに?敵なの!?いったい過去でなにがおこってるの!?歴史がかわるほどのことってなに!?
――もどりたい みんなのもとへ いやな予感がする――
ダイアナは、そんなちびうさを見て心を痛めていた。――スモール・レディ……
――もどりたい!
●to be continued●
ほたるが復活したのにちびうさは来られないとはカワイソス
そのうち来ることになるだろうけど。
あーん!なんかもういろいろ死んだ!
セーラー戦士よいしょ本&一期生F.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…美形薄命だ…
・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「今、時代はフォボスとかゴッドマーズとか闘神ダイモスとかヴィーナスだ!」の葉書きを出してまだ2週間じゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんなギャラクシアンごときに殺られるなんてっ!!
アニメと差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・
私はあのおそろしく鈍い彼女らが(たとえド噛ませ犬でもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
レッドクロウさまあっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・
プルートは女子大生と門番を兼業してるの?
ハードすぎるだろ。いつ寝るんだ。
503 :
マロン名無しさん:2009/05/04(月) 23:15:55 ID:Cd+ZGpi4
>>502 時をかけるせつなさんなら
レポートや論文の締切も楽勝なのです
プルえも〜ん
一日が50時間になる道具出して〜
>>502 女子大生なのが二十世紀のプルートで、
門番やってんのが三十世紀のプルートなんじゃない?原作では
門番のプルートのコスチュームが
デスバスターズ編のころのもの(ハート形のブローチ)に戻ってるのは何故?
コードネームはセーラーV・完
三十世紀のはるか・みちる・ほたるマダー?
果敢にクインベリルを討伐した頃のヴィーナスが好きだっただけにいっそう泣ける
ここ最近のヤムチャ化といったら…
>月島の離宮で教育カリキュラムを開始
↑これすごく気になったんだが
月島ってなんだ?そんな島東京にあったか?それとも月に浮かんでる島?
ギャラクシアンはうさぎの目の前で殺すことにこだわっているみたいだな
よっぽどうさぎに恨みがあるのかなんなのか
変 態 王 が 三 十 世 気 で 普 通 に 生 き て る 件
レイオタ・美奈子オタお気の毒…
自分の好きなキャラはまだ無事だけど、明日は我が身かな(;´д⊂)
復活フラグ早すぎwww
>火星のプリンセスにその力選ばれ その名と同じ星を与えられ
プリンセスのパートナーとなったラッキーな双子――!
たまたま名前と同じ星を貰ったのかよ
ギャラ串餡こえー
どこにでも出てくんのな
フォボスとディモスがコロニス星人?
普通に火星人だと思ってた
どんだけ中央集権制だよ
あの、はるみちは…ほたるは死にませんよね?((((゜д゜;))))
マーズフレイムスナイパーって、タイガーズアイを倒しただけでもうお蔵入りか
美奈子追悼スレやっぱ荒れてんな
セーラーV時代からの古参ファンが暴走してる模様
運営「そろそろ追悼スレ乱立ウザい」
今年度いっぱいで元々の主役は全員退場
来年度から新たに、飛行機や車に変形するセーラー服を纏った戦士が戦う
「スチールセーラー」が始まる
という夢を見たんだ
>>525 セーラー服デカとヴィーナスデカ参戦ですね、わかります
フォボスとディモスってほんと空気だったよな…合掌
みんなが復活するときに
なんとなく忘れられそうな気がする空気カラス
レイってほんと空気だったよな…合掌
急逝した亜美まこに比べて
レイ美奈はこれでもかって死亡フラグ立ってたから
みんな心の準備できてよかったかもね
月島の離宮についてkwsk
Act53-2
はるか・みちる・せつなは、倒れたうさぎを家まで送り届けた。
「――あたしたちのキャッスルへもどろう そして太陽系内にシールドをはろう」はるかがそう言った。
「あたしたちの力(パワー)だけでシールドなんてムリだわ!星系のバランスがくずれるかもしれない キケンよ!」みちるが反対する。
「守護力精霊(セーラーパワーガーディアン)の力をかりる これ以上の侵入者を防ぐには それしかない
そして ――セーラースターライツに 協力してもらおう 銀河じゅうのセーラー戦士のデータを集めるんだ
――なにがおこっているのかたしかめるんだ」
三人は決意したように視線を交わす。「今度の戦いはあたしたちだけのレベルの話じゃなさそうだ」
「ルナ アルテミス すこしの間 プリンセスとほたるをたのむわ」「気をつけて」ルナとアルテミスを抱いたほたるに見送られ、三人は宇宙へ飛び立った。
「さあ どうぞ」育子ママがスリーライツの三人を家の中へと招き入れる。
「すぐ目をさますと思うわ ホントにどうしちゃったのかしらね きゅうにたおれたりして」
うさぎの部屋に入ると、うさぎはちびちびに付き添われてベッドで眠っていた。星野はちびちびを見た瞬間、何かを感じ取った。――この子――?
「まあちびちびちゃん うさぎの部屋にいたの?おやつたべる?」「たべる――っっ」ちびちびは育子ママに手を引かれて部屋を出て行った。
横になっていたうさぎは、気配を感じてか、フッと目を開けた。「……思い出したわ」――空港でまもちゃんは あたしの目のまえで……
うさぎは両手で顔を覆った。……信じたくなくて あたし…… 自分で自分の記憶を……
「……あいつ…… わらってまもちゃんを…… ヴィーナスとマーズを…… ……あいつがギャラクシアなのね?」
「そう きっと いままでで最強の きみの敵――」「どこにいるの?ギャラクシアは」星野は口をつぐんでしまった。
「あいつもセーラー戦士なの?なぜセーラー戦士なのにあたしたちをおそうの!?戦いをいどんでくるの!?」
代わって大気が口を開いた。
「――あなたたちだけじゃない ギャラクシアは銀河じゅうのセーラー戦士をおそってるのよ おそらくセーラー戦士の頂点に立つために」
――銀河じゅうのセーラー戦士?
「――銀河に あたしたちのほかにもセーラー戦士がいるの――?」
「そう わたしたちのようにね そしてぼくらの星も ぼくらのプリンセスもギャラクシアにおそわれた――」
うさぎは僅かに動揺した。――おそわれて……
「……おしえて まもちゃんやヴィーナスたちの体は みんなの体は滅んだって ……どういうことなの?」「――人間としての“死”だ」
“死”――?
――死んだ――?
「滅んだのは肉体だけだセーラームーン」夜天が勇気づける。
「セーラー戦士のすべてはセーラークリスタルのうちにある 未知の力の結晶 セーラークリスタルは消えたりしない!
だからこそギャラクシアはセーラークリスタルだけをねらってくるんだ!」
「三人とも!」ルナがここでストップをかけた。「これ以上はもういいわ きょうはもう帰って」見ればうさぎは体を丸めて小さく震えていた。
部屋を出る時、星野は棚に香炉が置いてあるのに気づいた。――!?
「セーラームーン」星野は、一枚のカードをベッドに向かって投げた。「ギャラクシアは そこにいるよ」
――燃えるような大きな星 ここは……銀河――?銀河(ギャラクシー)の中心――!?
うさぎは溢れ出る涙を止められなかった。……いままでとどいたカードは ……まもちゃんじゃなくて 星野くんだったの……?
スリーライツは外から月野家を眺めた。「――まちがいないのか?」「かすかにキンモクセイの残り香があった それにあの香炉―― まちがいない」
「出席をとる!相川!」「ハイ!」「愛野!――愛野?」うさぎは、はっとして叫んだ。「やっ 休みです!」「そうか」
うさぎは悲しみで胸が押しつぶされそうだった。……みなP…… あみちゃん……!まこちゃん……!レイちゃん……!
「えー とつぜんだが転校生を紹介する ――リビアからきた」「鈴にゃんこで〜〜すvよろしくうっv」
星野が警戒してちらりと鈴を見やった。――転校生?
「鈴は家が貿易商で三年間リビアにいたそうだ 授業や校内のことなど教えてあげるように」
休み時間、にゃんこがうさぎのところへ寄ってきた。
「ねえねえん そのおだんごアタマカワイ〜〜イvにゃんこもそれしたいにゃあっv今度結い方教えてね うさぎちゃんv」「えっ うん いいよ」
スリーライツの周りは今日も人だかりが出来ている。「なあに?うるさいにゃ〜〜あ」
うさぎの友人が説明する。「知らないの?あの三人スリーライツって超人気アイドルなの やっぱりすこしまえに転校してきたのよ」
「ふーん」にゃんこは明らかに面白くなさそうだ。すると、あす眼鏡の男子生徒が好意的に話しかけてきた。
「ねね 鈴さん にゃんこってカワイイ名まえだね ネコが好きなの?」とこどが、にゃんこは顔を背けて思いきり無視してしまった。
うさぎはなんて露骨な、と思わず呆れる。「あたしね やっぱり信じあえるのは女のコどーしだけだと思ってるからv」
「でもねーえ うさぎちゃん」にゃんこがスリーライツを見てキラリと目を光らせた。
「女のクセにオトコのカッコしてるヤツらのいうことは 信用しないほうがいいかにゃv」うさぎはぽかんとしてしまう。――鈴さん?
うさぎの友人はびっくり。「えっえっ ダレのコトッ??うさぎってヅカファンだったのっ??」
スリーライツは屋上から教室の様子を眺めていた。「あの転校生 異星人(エイリアン)のフェロモンをプンプンさせやがって」
「ボクたちもヒトのコトはいえないケドね☆」夜天が突っ込む。「学校の中まで入りこんでくるとはね」
「それより」「うん!」「いきましょう!」三人は一斉に屋上から飛び下りた。
外部太陽系三戦士は、それぞれ自分たちの城へと辿り着いた。
「なつかしいわ このカロンキャッスルにふたたびやってくる日がくるなんて」プルートはどこか嬉しそうにしている。
――この太陽系を統べる シルバー・ミレニアムの女王クイーンセレ二ティが わたしたちの誕生のとき与えてくださったわたしたちの城(キャッスル)――
「おまちしておりました プリンセスプルート」ガーディアン・プルートが出迎える。「プリンセスウラヌスから通信が入っています」
『プルート すぐにシールドの用意を!』「まって 流星のデータを調べたいの」『流星?』
「――ここ数か月地球にふりそそいでいたあの異常な いて座α流星雨よ」
――すべての流星が太陽系からの脱出速度を超えている ありえない流星雨――!
――この星たちのパワーは――!太陽系にはないパワーだわ ――まさか ――太陽系よりもっと遠く離れた星間からやってきた星たち――?
「そんな……!流星雨になりすまして地球に入りこんでいたなんて……!」とネプチューン。
「それで?プルート シャドウ・ギャラクティカの兵士どもは いったいどこから?」「――銀河よ ――銀河から――」
突如、プルートの背後にギャラクシアが現れた。「だれ!?」振り向いたプルートは、そのまま光に飲まれた。「プリンセス!?」ガーディアンプルートが叫ぶ。
「プルート!?」通信していた画面が砂嵐になり、ウラヌス・ネプチューンも異変を察知した。
一方、ほたるはルナとアルテミスと共に、砂遊びをするちびちびの面倒を見ていたが…。
突然、吸い寄せられるようにどこかへ消えてしまった。「ほたる!?」
――ウラヌスネプチューンプルートたちになにかおこった――!?
うさぎは一人、屋上に佇んでいた。“――人間としての「死」だ”――死んだ まもちゃんが あみちゃん まこちゃん レイちゃん みなPが
――信じられない―― “滅んだのは肉体だけだ”――死ってこんなにとつぜんあっけなくおとずれるものなの?
“――セーラー戦士のすべてはセーラークリスタルの内にある”――あたしたちにとって肉体は重要じゃ なかったの?
――コワイ…… あたしたち これからどうなってしまうの――?
ルナとアルテミスは、うさぎの高校へ向かっていた。「――アルテミス」「ルナ……!」
――感じる まさか…… でも―― どうしてこんなところにあたしたちとおなじパワーをもつ者が――…!
「うさーぎちゃんっv」「ひえっ☆」にゃんこがぎゅうっとうさぎに抱きついた。「にゃんこちゃんっ?」
「ねええ」にゃんこの指が、うさぎのブローチをなぞり、うさぎはドキっとする。
「きょううさぎちゃんちへ あそびにいきたいにゃあ 夕ごはんはスズメちゃんがいいちゃあv」
「ダメよ!!」現れたルナが叫んだ。「正体をお見せ!この化けネコッ!!」
月野家では、ちびちびが香炉を目の前に置いてうたたねしていた。「その香炉をわたしてもらおう」「!」スリーライツの三人が、姿を見せた。
「さあ」「……だめ だめだめだめ〜〜っっ」
そのとき、香炉から、ふわりと人影が現れた。「――だいじょうぶよ ちびちびちゃん この者たちはわたしのたいせつな友だちなの」
「――プリンセス!」
●to be continued●
540 :
マロン名無しさん:2009/05/06(水) 22:58:43 ID:MZcCMAwo
え…ほたる死んだ……?
-−_─ - ─_−_─ - ─− ̄─ - ─_−_─ - _−-
-  ̄─_─ ̄─ -- = ─ -- = ─− ̄-
─ ̄ -−-- ─− ̄─−--− ̄−-
-  ̄─_─ ̄─ -- = ─ ─− ̄-
─ ̄ -−-- ─−--− ̄−-
∧∧
/⌒ヽ) 逝ってくる・・・・
三三三
三三 ザブザブ....
みんなリタイアしすぎでカナシス
はるかとみちるは無事ですよね???
[美少女戦士セーラームーン番外編]
ヒミツのハンマープライス堂(「なかよし」1996年8月号掲載)
(※1995年8月、フジテレビの人気バラエティー番組『ハンマープライス』に『セーラームーン』登場。
武内先生の原作マンガへの登場権が200万円で落札される。
「なかよし」1996年8月号に『ハンマープライス』用の特別マンガが掲載され、落札者をモデルにした『でぶっちょ仮面』が登場する。)
「ちっびうっさちゃ――んっv」月野家の門の前で、ほたるが元気よくちびうさを呼んだ。
「あvほたるちゃーんvいまいく――っv」――あたしv月野うさぎv通称ちびうさ 区立十番小三年一組園芸委員よっvでも年は902歳!
――きょうは日曜日 これからショッピングへいくのv
すると、ちょうど衛と彼の腕にぎゅっと抱きついたうさぎのカップルに出くわした。
「あら あたしたちもこれからまもちゃんがハーバードへもっていくもの買いにいくのよvとちゅーまでいっしょにいこっか――v」
「ここでクラスの子とまちあわせしてるんだけど」ちびうさがキョロキョロと辺りを見回す。
しばらくして、轟音と共に現れたのはなんとド派手なオープンカー。ゲゲッ☆ハコ乗りッ!?まさかレディース!?と衛・うさぎはドン引き。
車を降りてきたのは、超露出度高めな服を着た、やけに発育の良い小麦肌の少女二人だった。
「ちっびうっさちゃ〜〜〜んっっv」「なるるあ→んどるるな参上―→っっv」
居合わせた衛は鼻血を勢いよく吹きだした。「わ〜〜〜っ まもちゃ〜〜んっっ」
二人は悪びれる様子もなく、ぎゅうっとちびうさに抱きついた。「おくれてごめ―→んっv」「もしかしてチョ―→MM(マジムカツク)ッ!?」
よく見ると、二人はアイスクリームを持っている。「ちょっととちゅうでハゲッちゃって――」
「ハゲる!?」怪訝に眉をひそめるほたるに、ちびうさが説明する。「ハ―ゲンダッツのアイスを食べることなんだって」
ちびうさがほたるに二人を紹介する。
「こちら同じクラスの大阪なるるちゃんと」「なるるで―→すっv」「神戸るるなちゃんv」
「るるなで―→すっvちびうさちゃんのチョーMD(マブダチ)よっv」さらによく見ると、二人は紙袋をいくつも持っている。
「そーいえばハゲったあとに――っ ついブランドっちゃってえー フクいっぱい買っちゃってえー」
「あたしたちってチョーDH(ダイヒンシュク)―→ッ!?」
ちびうさが補足する。「二人のシュミはファッションショーなのvしかも超ブランド品の」
「ふ→ん」ほたるはちびうさにベタベタする二人がおもしろくないようだ。
「なるるちゃんるるなちゃん こちら三組のほたるちゃんv」ほたるは負けじとぎゅうとちびうさの腕に抱きついた。「ちびうさちゃんの大親友よっ!」
「ふ――→ん」「ふ――→ん」なるるとるるなはぐいっとちびうさの腕を引っ張った。ほたるも片方の腕をぐいぐい引っ張る。
両者の間には馬血馬血(バチバチ)と熱い火花が飛んだのだった。
「じゃ あたしたちはこれでっっ」「コドモのテンションについてけないので」恐れをなしたのか、うさぎと衛は去っていった。
「で?きょうはどこいくの?」この一言に、なるるとるるなは一斉に振り返った。「もちっ いつもの質屋よっ!」「質屋??」
二人に連れられて向かったのは、その名も「ハンマープライス堂」という小さな店だった。
「?質屋ってなに屋さんなの?」ちびうさが質問する。「なんでも屋さんよっ」「いろ→んなものを売ったり買ったりしてくれるのっv
とくにブランド品や超レアものがっ!」「ふーん 質屋ってなんでも屋さんかあっ」ちびうさはこの説明で納得してしまったようだ。
ところが店の中に入ると、ぽっちゃり系の男性店員をチンピラ連中がなにやら脅しているではないか。
「おらおら 今度くるときはきっちりおとしまえつけてやるぜっ」リーゼントの男に蹴られ、店員はコロコロと転がっていってしまった。
ちびうさが慌てて声を掛ける。「だっ だいじょうぶですかっ!?」「ヘ―キへ―キ これくらいだいじょーぶなのv」
店員は目を回しながらもVサインをして見せた。ふらふらと店の奥に引っ込む店員を見て、ちびうさは心配そうにしている。
店内には、それはたくさんの品物が整然と飾られていた。「わああ〜〜 質屋さんって ホントにいろんなもの売ってるのねえ」
なるるとるるなは歓声を上げる。「さがしてたチャンネルのうきわがある〜〜っっっ」「グッチッチッのまな板がある〜〜っっvチョレア〜〜ッv」
ほたるは頭に疑問符を浮かべている。「チャンネル?(←テレビ??)グッチッチ??(←ぬいぐるみ??それはモンチッチ)」
「チャンネルってゆーのはねえっ ガブリエルナタデココが1909年にパリでスタートさせたフランスの超人気ブランドッ!」とるるな。
「グッチッチってゆーのは1906年グチ子グッチがフィレンツェではじめた高級馬具商がはじまりのイタリアの超人気ブランドッ!」となるる。
「あたしたちは小学生チャンネラ→よっ」「グッチャッチャ→よっっv」どこか嬉しそうな二人。
ほたるは頭を抱えた。「チャネラー!?(←まさかブラックムーンのコーゲキがっっ)グチャグチャ??」
ちびうさがここで補足する。「“チャンネル”ってブランドの大ファンの人たちのことを“チャンネラー”
“グッチッチ”ってブランドの大ファンの人たちのことを“グッチャッチャー”ってゆーのよほたるちゃん
(ちなみにセーラーチームのファンの人たちのコトは“セーラーチーマー”かしらあっv)」
なるるとるるなはきゃぴきゃぴとはしゃぎ出す。「つまりあたしたちって―→」「チョ―→コギャルってヤツ―→ッッ!?vv」
「ふ→ん」ほたるはそんな二人を冷めた目で見つめた後、「死語」と一蹴してしまった。
ちびうさは、ふと店内に人だかりが出来ているのに気づいた。ほたるも違和感を感じたようだ。
――あのひときわクライ人だかりは! ――妖気!まさか敵ッ!?
ちびうさとほたるはもぞもぞと群衆の足を潜り、前へと出てみた。「わああっvセーラーVの等身大のお人形さんっっ!」
ちびうさは思わずニヤける。――超レアモノ〜〜ッ みなPに見せたい――っ よく見るとヘンな服きてるしーっっっ
「わ―― ちびムーン人形もある!人形がいっぱいだあっv人形のコーナ―なのねっっ」カワイイ、とほたるも見とれている。
突然、ひときわ大きな歓声が上がった。声の主はもちろんなるるとるるな。
「見て見てッ エターナルセーラームーンのワンピ売ってる――うっv」
「こっちは原作にしかでてこないニューバージョンのマーキュリーのワンピ――ッッvvv」
「あのねほたるちゃん なるるちゃんとるるなちゃんはブランドだけじゃなくってアニメのキャラのファッションショーもスキなのよ」とちびうさ。
「かわいくってレアな服ならなんでも着てみたくなっちゃうんだって オンナのサガよね――っ」
見れば、なるるとるるなはさっそくコスプr…試着を済ませている。
「ふ―→ん」ほたるは、先ほどの人形コーナーに群がる男達を横目で見たあと…
「おたく[御宅] (代)@相手の家・家庭・夫・会社を言う敬語 対義:うち あなた。you」この一言に、なるるとるるなはピシッと石化した。
「キサマ――ッッ タイマンはるか―→っっ ブッ殺すっっ」「まあまあ」
この様子を、影から先ほどの店員が覗き見ていた。……よかった よろこんでもらえたなのv
――ボクは凡松浦マコト 10月27日生まれのB型なのv趣味はししゅうなのvこの質屋ハンマープライス堂の第十八代当主なのv
――あの二人 こないだきた時に
「こんどのイベントのコスプレど→するう?セーラームーンってつくるのチョーかったり→っ!」
「どっかに売ってないかな→ マーキュリーのニューバージョンのフク→ッッ!」――だからきっと気に入ってもらえると思ったなのv
なるるとるるなは満面の笑顔でお会計しに店長の元へやってきた。「これくださ―→いっ」
「もちろん天下ムテキの パパのゴールドカ→ドでっ」「コーポレートカ→ドでっ」「…泡(バブル)」ついていけん、とほたるはキレ気味だ。
店長のシャツとエプロンには、ルナ・アルテミス・ダイアナの可愛らしい刺繍が施されていた。
「店長〜〜っ そのシャツとエプロンチョカワイ〜〜ッv」「それどこで売ってるの?チョホシ〜〜ッ」
「ああこれはねボクのお手製なのvボクっししゅうがシュミなのvよかったらあしたまでにこれと同じヤツ四着つくっておくなのvいるなの?」
四人は大喜び。「じゃ 明日とりにきまーすっv」
外に出ると、店の隣に古めかしい蔵が建っているのに気が付いた。
「わ――っ 古い蔵☆なんかコワーイッ」「蔵は質屋の命なのvむかしは質草を保管しておいたなのv
いまはこれから店に出す予定のたいせつな商品をしまってあるなのv」なるるとるるなはもしかして宝の山?とドキドキしている。
店長は、四人に手を振って見送った。――ボクの夢は…… ――この質屋ハンマープライス堂を
――あの四人のようなフツーの女のコたちが気軽にこれるカワイイショップにするコトな・の・
次の日――。「ごっめ〜〜ん オニH(ヒンシュク)→ッ?」「んも――っ☆なるるちゃんるるなちゃん三十分のちこくよっ☆」ちびうさが文句を言う。
(わるいけどほたるはチョバブよっっ☆三十分もまたせやがってっっ)
「ごめ〜〜〜ん ちょっととちゅうで ドトっちゃって―→っ」
「ドトる?(←トド?)」「……ドトールでお茶してきたんだって」寄り道魔コンビめ、とちびうさは呆れ顔。
しかし、店の前では店長がチンピラ共にヤキを入れられていた。
「いつまでイキがってんだあ?コラあ きょうこそ立ちのいてもらうぜっっ」「ココにハンコおした土地の引き渡し書も ちゃあんとあんだぜっ」
女たちが、店の脇でひそひそと噂話に花を咲かせている。「あそこの質屋 先代さんが上にバカがつくほど人がよくて」
「うっかり悪徳不動産屋にだまされて いまひどい地上げにあってるらしーわよっ」確かに、この質屋が建っているのは一等地だ。
「おらおら いつまでムリしてられっかなあ?」チンピラ共が、建設車両を引きつれてきた。
「なるるちゃん!るるなちゃん!あぶないっっ!!」咄嗟に、店長が二人を突き飛ばした。「あぶな――いなのねっっっっ」
店長は頭をぶつけてのびてしまった。「きゃ〜〜っっ 店長ッ しっかりして〜〜っっ」
店長がなんとか顔を起こすと、目に入ってきたのはすっかりひしゃげてしまった。「ああっ 店があっ☆☆なのねっっ」なおも建設車両は猛烈な勢いで突っ込んでくる。
「わああっっ☆関東大震災でもびくともしなかった ウチの蔵があっなのねっっ☆」
亀裂の入った蔵から、突如禍々しい妖気が立ち上った。ちびうさとほたるが身構える。――妖気!?
なんと悪霊はほたるの体に入りこみ、ほたるは髪の長いおぞましい魔物に変化してしまった!
「ほっっほたるちゃんっっっっ!?」
“わちきはこのお蔵に巣くう地霊(ゲニウス・ロキ)プリティーvゴーストおたクーラさまじゃv
神聖なるわちきの眠りをさまたげるやからは ゆるさんぞええ〜〜”「わ〜〜〜んっ ほたるちゃ〜〜ん」ちびうさ涙目。
そこに偶然うさぎが通りかかった。「ゲゲッ☆またゴーストが出たの?」
「なるるっ!」「るるなっ!」なるるとるるなはガシッと手を組んだ。「あれも地上げ屋のしわざっ!?」
「もしかしてこれはチョ→MY(マジヤバッ!?)」
うさぎとちびうさが意気込む。「これはまさしくっ!」「「あたしたちの出番だわっっ!」」とセリフを横取りしたのは…なるるとるるな!?
「変身よ!ちびうさ!!シルバー・ムーン・クリスタル・パワ――ッッ!」「ピンク・ムーン・クリスタル・パワ――ッッ」
「「メイクア――ッップ!!」」うさぎとちびうさはそれぞれセーラームーンよセーラーちびムーンに変身した。
「さあ!あたしたちがきたからには地上げ屋だろーがゴーストだろーがry」「「おまちなさ――→い!!」」二人は拍子抜け。
「ひとりボッチャ―→なおたくのオアシス!あ→んど!あたしたちコギャルの心のやすらぎ」「質屋ハンマ→プライス堂を地上げっちゃお→なんて!」
「「チョべリバMM(マッハムカツク)―→ッッ!!」」「なんだコラあ おまえらはっ」チンピラ共が振り向いた。
「小学生コスプレイヤ―→ るるなっv」「あ―→んどなるるよっv」
いつ着替えたのか、セーラー戦士をパク…リスペクトしたキワドイ格好に、チンピラとついでに店長も鼻血噴出。
「せっかくるん2気分でここへきたのにあ―→んたたちのおかげで」「「あたしたち超(チョーッ)ホワイト・キックよ―→ッッ」」
キックが炸裂し、チンピラ達はあっけなくのびてしまった。
すると、店にいたオタク達からどどっと歓声が上がった。「新キャラッ??」「アイドル??」「チェーック!」
すっかりその場は撮影会場と化してしまった…。
「ちなみにホワイト・キックで白(しら)・ける……」「アンタ主役の座があやうしーっっなトキになにいってんのよ〜〜っっっ」
セーラームーンがちびムーンに涙目で突っ込む。
ついに地霊の堪忍袋の緒が切れた。「ここはコスプレパーティー会場じゃな〜〜〜いぞえっっ おたク〜〜ラッみんなまとめて」
「おクラ入り〜〜〜っっっ」まるで蔵がブラックホールにでもなったように、皆を吸い込んでいく…。
店長は必死で電柱にしがみついた。「わわわっ これはまさしく小さいころばあちゃまのいっていた……」――お蔵の守り神さまのたたりなの〜〜っっ!!
「主人公なのにおクラ入りなんてそんなバカなっっ」店長は、セーラームーンとちびムーンが曲がった道路標識にぶら下がっているのに気づいた。
――あれはセーラームーン!?ちびムーン!?なのっっっ!?
「せっかくのコスプレがお蔵入りなんてイヤ〜〜ンン」なるるとるるなは今にも蔵に吸い込まれそうになっている。
――こうしちゃいられないっ!なのっっ!!よおお〜〜〜〜し!!なのっっっつ!!
突然、なるるとるるなは網にくるまれ、安全な店内に引き上げられた。放りだされた二人を受け止めたのは、ぽよんという心地よい感触。
「この感触は」「あなたは……」そこに現れたのは、なんとマスクをつけ、頭に薔薇を挿し、全身マントでくるまった小太りの男。
「わたしの名はでぶっちょ仮面 ……とでもしておいてほしいなのv」なるるとるるなはうっとり。「「でぶっちょ仮面さま……v」」
でぶっちょ仮面(?)はガラリと戸を開けて外に舞い戻った。
「セーラームーン!ちびムーン!いまなの!!お蔵の守り神さまをしずめてほしいなの!」
「やった!出番がまわってきたわよちびム――ン!!」「「スターライト・ハネムーン!!ダブル・セラピー・キーッッッス!」」
「ほたるちゃんにとりついた悪霊ッッ!きえろ〜〜〜っっっ」
すると地霊は成仏し、ほたるは我に返った。「あっあれっっ!?あたしいままでナニして…!?」
「うそ―→っうそ―→っ」「モノホンのセーラームーン!?ちびムーン!?チョラッキ―→ッ チョベリグ―→ッッ」
なるるとるるなははっとした。「でぶっちょ仮面さまッ!?」しかしそこには彼の姿はなかった。
店内を見回すと、チンピラが目を回して倒れている。二人は土地引き渡し書をビリビリに破いた。
「バンザ――イッッ これであたしたちのハンマープライス堂も」「安泰よ〜〜 超AS(あんしん)――→ッv」
しかしこの騒ぎで店はグシャッと全壊してしまい、数か月後、見事新装オープンを果たした。
「しょえ〜〜っっ☆あのハンマープライス堂がこーんなにキレイなビルになっちゃうとは☆」感心するちびうさ。
店のシンボルの大きな羽は店長が彫ってつくったらしい。もちろん蔵はキレイに直して火川神社でおはらいしてもらったようだ。
「ごっめ―→ん あたしたちってばま→たちこく―→っ!?」しかしなるるとるるなはやはり悪びれる様子がない。
「ちょっととちゅうで」「オケっちゃって―→っv」「オケる?」聞き返すほたるに、ちびうさが説明する。「カラオケボックスいってたんだって」
そこへあらわれたのは、なんとうさぎの親友のなるだった。「あ―― なるるっ!きょうは塾の日でしょ!?まーたカラオケいってサボッたの!?」
「ゲゲッッ おね―→ちゃんっっ」なんとなるるはなるの妹だったようだ。
「ねねっほたるちゃんっ!」なるるとるるながほたると内緒話を始めた。
「あのトキあのさわぎでちびうさちゃんさがせなかったケド ほたるちゃんも見たでしょ!?セーラームーンとちびムーン!!」
「このコトはあたしたちだけのヒ・ミ・ツ・ねっv」「ちびうさちゃんてさ ちびムーンににてると思わないっ?」
「あ!でもこれもちびうさちゃんにはナ・イ・ショよっ」ほたるはくすりと微笑んだ。「もちのろんよっv」
「それにしても……vでぶっちょ仮面さま……v」「いったいどんなヒトなのかしら……v」夢見るなるるとるるなの傍を、店長が普通に通りすぎていった。
「あ なるるちゃんるるなちゃん 蔵にあったボクの大作お店に出したなのv見てほしいなのvv」
「チャンネルの十二単〜〜っv」「グッチッチのゆかただ〜〜っv」大歓声を上げる二人。
「そーだ!ほたるちゃん!ナイショだけど」「セーラームーンもどうやらこの質屋の客だったみたいよ!」
「「だってエターナルセーラームーンの背中の羽 この店のシンボルのあの羽根と同じだったもんっ!」」
まさかセーラームーンのコスチュームは店長作!?そんな疑問を残し、無事に事件は解決したのだった。
●The End●
おまけ
「小学生コスプレイヤーるるなっ」「あ―→んどなるるっっ参上ッッv」突風が吹き、二人のミニスカが豪快にめくれてしまった。
そこに通りかかったのはなんとタキシード仮面。
「ワハハハッ わたしの名はタキシード仮面ッ!!ぱんっ2(つー)○(まる)見えだっっ さらばだっっっ!!」
「あれがタキシード仮面さま―→っっ!?」「チョーヤガモ―→ッッ」二人は胸キュン。
「さーてコマもなくなってきたしこれからど→するう?」「ちょっとトリってくう―→?」
「ヤガモ??トリる???」疑問を浮かべるほたるに、ちびうさが答える。
「ヤガモは矢がムネにささること トリるはケンタッキーにいくことだって」
しかし衛の言動にちびうさはまたも涙目だった。
変態キタ―――――――( ゜∀ ゜)―――――――!!
555 :
マロン名無しさん:2009/05/08(金) 22:38:33 ID:vKCXFjOx
スカートめくりきたああああああ
変態w久々だからって自己主張しすぎwww
でぶっちょ仮面はないわ〜
なるちゃんキター
来月号からヒロインはでぶっちょ仮面でお送りいたします
ほたるが生きてるしゃべってるゥゥ―――!!
二百万円出してでぶっちょ仮面って‥‥
松浦さんとやらはこれで満足できたんだろうか
>ふーん 質屋ってなんでもやさんかあっ
これ読んだ子同じ勘違いしたりしないか?w
不覚にもサンバなおばけで吹いた
変態…私達のことはもういいんだよ
安らかにおねむり
こうして小学生のパンチラを拝んで心残りが無くなった変態はあの世へと帰っていった…
〜美少女戦士セーラームーン・完〜
ダメだ
ヤクザ二人が幽助と桑原に見える
ついにセーラームーンにもコギャル旋風がやってきたか
まあほたるがガングロになったりしなければ許す
トドやオケを連想する
ほたるかわええ
これで小三ははねーわw
変態でなくても鼻血出るw
小学三年といえばちびまるこ
なんだこれは
パパのカードを子供が支払いに利用できるのだろうか
家族カードなら未成年でも大丈夫?
>>561 その回見てたけど確か石橋が松浦さんの容姿を見て「でぶっちょ仮面なんてどう?」って勧めてなかったっけ
つまり直子はその言葉通りにしただけ
Act54 スターズ5
「――こんな こんな近くにいたなんて」スリーライツの三人は、女性の前にかしずいた。
「ずっと…… ずっとさがしておりました わが姫君」
中華風のドレスを身に纏った女性は、涙ぐみながら三人と対面した。
「……星野 大気…… 夜天…… やっと会えた……!ずっと聞こえていました あなたたちの歌声が 心の声が
――何度もあなたたちのもとへゆこうと思いました でも体の回復に思ったより時間がかかってしまって……」
「ちびちびちゃんがわたしを 助けてくれたの」女性がちびちびを皆に紹介する。
「あなたたち三人のことも教えてくれたわ そしてセーラームーンのことも ずっとわたしを守ってはげましてくれていたの」
驚いて星野が顔を上げた。「ちびちび……?おまえはいったい……?」
女性は優しくちびちびを見つめた。「感じたわ あなたの癒しの星のパワー あなたもまたセーラー戦士なのでしょう?ちびちびちゃん」
ちびちびはニコッと笑うと、片手を上げて叫んだ。
「ちびちび・クリスタル・パワ――ッ!!メイクア――ップ!!」驚くことに、ちびちびもセーラー戦士に変身した。
一方、ルナ・アルテミスと対峙していたにゃんこはぺロリと舌舐めずりをしてみせた。
「現れたわね 裏切り者ッ!」「なに!?」「あたしが化け猫なら おまえたちも化け猫よっ!」言うが早いが、にゃんこは攻撃を繰り出した。
「ルナ!アルテミス!!」うさぎが叫ぶ。ルナとアルテミスは空中でくるりと一回転すると、人間の姿へと変化した。
屋上に着地した二人を見て、にゃんこは舌打ちする。「ちっ にがさないわよ!」
――にゃんこちゃん!?いいえ 敵!?
「シルバー・ムーン・クリスタル・パワー メイクアッップ!!」
にゃんこは、すぐにルナ・アルテミスとの距離を縮めた。「ギャラクティカ」にゃんこがブレスレットを二人に向ける。「パペット!!」
咄嗟に、セーラームーンが二人を庇って盾になった。「セーラームーン!!」
「アタシとお友だちになりたいのねセーラームーンvじゃ自己紹介といきましょうかv」
なおも攻撃を繰り出しながら、にゃんこが続ける。「あたしはセーラーティンにゃんこv」
その言葉にルナが反応した。「やっぱり!マウ星人!?神聖なセーラー戦士の名を語るなんて!
わがマウのたったひとりの英雄セーラーマウの誇りにキズをつけるようなマネを!」
アルテミスも勢いよく攻め立てる。「平和を愛するマウ星人が得体のしれないやつらに身を売るなんて どういうことだ!?」
「なにも知らないくせに!」にゃんこが言い返す。「あんたたちだってマウ星をすてた裏切り者じゃないか!マウ星はもうないわ!
シャドウ・ギャラクティカに死の星にされたわ!」「……なんですって?」信じられない様子の二人。「どういうこと!?なにがあったの!?」
「うるさい!あたしはこの戦いに勝ち残り このブレスレットをはずしてもとの完全な肉体をもらうのよ!
そしてギャラクシアさまにセーラークリスタルをもらい わたしだけの星を手に入れ ほんもののセーラー戦士になるのよ!!」
――ルナとアルテミスがマウ星人――!フォボスディモスと同じように二人には母星が――!
「わああっ!!」ティンにゃんこがやりきれない思いを抱えたまま、猛烈な勢いで急襲を仕掛けてきた。「ルナ!!アルテミス!!」
――そして二人は遠いふるさとをはなれ 太陽系へとあたしたちのために――
放たれた攻撃が二人を襲う前に、一つの人影が目の前に飛び出した。
「やめて!!同じ星の仲間なのに」「ダイアナ!?」「パパちゃま!ママちゃま!」
二人の身代わりとなって、攻撃はダイアナの額の三日月に直撃した。「きゃあぁ」力を失ったダイアナは、みるみるうちに猫の姿へと戻っていく…。
「ダイアナ!?」セーラームーンは力を発現させパペットをぶち破った。
30世紀のクリスタルパレスでは、ちびうさがダイアナの危機を察知していた。「ダイアナ!?」部屋の籠の中は、空だった。「ダイアナ?どこ!?」
額を負傷したダイアナは、普通の猫と同じように、ニャーニャーと弱弱しく鳴くばかり。――しゃべれない!?いまの攻撃で!?
セーラームーンは手の中にエターナルティアルを出現させた。「目をさますのよ!にゃんこちゃん!!」
「ククッ!」にゃんこはいくつも分身を始め、セーラームーンを翻弄する。
ブレスレットの力で放たれた攻撃は、セーラームーンの脇を擦りぬけていった。そして、恐怖で抱き合うルナ・アルテミスの方へ真っ直ぐ向かっていく。
二人はダイアナと同じように額の三日月を狙われ、苦しみながら猫の姿へ返っていった。「ルナ!!アルテミス!!」
セーラームーンは咄嗟に駆け寄り、ルナとアルテミスを抱きしめた。「あうっっ」
「ダイアナ!!ルナ!アルテミス!しっかりして!!」――あたしのせいだ あたしがいつもみんなをこんな運命にまきこんでしまう!
「バカな!自らとびこんでくるなんて」驚愕するにゃんこ。
「スタ―― シリアス レイザ――ッ!!」バッと飛び上がり、なんとか直撃を免れたにゃんこはそのまま姿を消してしまった。
セーラームーンが駆け付けた仲間たちの名を呼んだ。「スタ――ファイタ―― スターヒーラー スターメイカ――」
そしてもう一人。セーラー戦士となったちびちびも一緒だった。「ちびちび!?」
メイカーが三匹を抱き上げる。「まだ息はある わたしたちの家へ―――」
●to be continued●
また意味の分からん設定が出来た
578 :
マロン名無しさん:2009/05/10(日) 23:58:27 ID:T7ikNbi3
ルナとアルテミスは月の王国の者じゃなかったの!?
どんな事情があったのかkwsk
リストラを免れたぬこ三匹ツヨス
>>578 遠い昔に親に反対されて駆け落ちした、に一票
>>578 冬の間の出稼ぎに1スモーキングボンバー
確かに同じ星の仲間から見たら裏切り者だよな…
セーラーちびちびw
ちびちび星から来たのか?
癒しの星の力を持ってるってことは、ちびちびが死んだみんなを助ける、って展開もありそう。
スリーライツ達のプリンセスも一度死んで生き返ったっぽいし。
セーラー戦士量産しすぎで有り難みないなぁ
>>584 それだ!!
いままで回復系能力者いなかったし
…でも、十人近くの人を生き返らせるなんて可能なんだろうか
なにか代償がありそう
ネタバレ
ちびちび=ドラ●ンボール
Act54-2
うさぎは傷ついたルナ達を抱きかかえてスリーライツの住むマンションの一室を訪れた。
部屋では、星野達がプリンセスと呼んだ女性が優雅に腰掛けて皆の帰りを待っていた。
「あなたは……」「わたしは火球――」彼女はそのままの姿勢で言いかけたが、うさぎの前に跪き、両手を胸の前で合わせて丁寧に挨拶した。
「キンモク星(せい)の丹桂(たんけい)王国第一皇女 火球ともうします」
火球のそばにはスリーライツが一歩下がって控えている。
「この者たちの無礼 どうかおゆるしください この者たちは 三人ともわがキンモク星系の守護戦士なのです
はじめましてセーラームーン ――いいえ シルバー・ミレニアムの次期女王ネオ・クイーンセレ二ティ」
「なぜ あたしのことを……」「太陽系の強く美しい守護戦士たちは 銀河にちらばるセーラー戦士たちのあこがれです」
火球は、うさぎ達がデッド・ムーンを滅ぼした直後の戴冠式のように美しい光景を思い浮かべた。
「あなたがプリンスの手をとり この星の次期キングとクイーンの輝きを見せたあの一瞬――
その生命力にあふれた星の光のパワーは 時空をこえて銀河じゅうにつたわりました
それは見たこともない強く白く熱い 太陽系からのメッセージでした ――ずっとお会いしたかった あなたに」
火球はにっこり笑って手を差し伸べた。うさぎは心動かされた様子で、なんだか赤くなってしまう。
火球はカゴの中に寝かされているルナ達三匹を受け取った。「よかった まだ息がある……!手あてを」
そう言って、火球は片手を三匹の方にかざした。「この者たちのスター・シードも まるでセーラークリスタルのようなパワ―と輝きがある――!」
火球は静かに微笑みながら涙を零した。「無事でよかった…!」
星野が報告する。「プリンセス 敵はとどめをさせずに逃げ帰りました 心までは支配されていなかったようす――」
「セーラームーン」火球は振り返り、決然とした表情を浮かべた。「どうかこの銀河を救ってください」
「いま銀河はおそろしいことになっているのです セーラーギャラクシアが銀河じゅうのセーラー戦士のいる星をおそいはじめたの
セーラー戦士たちはセーラークリスタルをうばわれ 人々も街もおそわれ 星はつぎつぎと破壊されていった
そしてギャラクシアは野心と力をもつ若者たちをつぎつぎと狩り出し配下にしてゆき “シャドウ・ギャラクシア”という名の恐ろしい帝国を築いたの
いままであなたがたをおそってきた者たちは みな真のセーラー戦士ではありません
ギャラクシアのブレスレットに支配され利用されている 罪なき者たちばかり――
セーラー戦士でないゆえ そのギャラクシアのブレスレットの力におしつぶされ命を失った者も……」
「――銀河のセーラー戦士たちが母星をおそわれ ギャラクシアに命を……!?」半ば呆然とするうさぎ。
「セーラーギャラクシア それは 破壊の戦士――!」
「ギャラクシアにおそわれた星は 命ある者もない者も すべて滅ぼされ死の星になる」
火球は目を閉じ、両手で顔を覆った。――あの人も…… 目の前で……
星野も自分のことのように辛そうな表情を見せた。
「でも 幾多の星をおそってきたのは太陽系へたどりつくまでのギャラクシアのほんの小手調べ―― 彼女の最終目的はきっと あなた――」
「……なぜ ……あたしなの?」「それは」
「あなたが銀河一の力をもつセーラークリスタル シルバームーン・クリスタルをもつ戦士だから」
衝撃の言葉に、うさぎの心はざわついた。うさぎは、ブラック・ムーンのサフィールが言ったことを思い出した。
“「幻の銀水晶」とおまえの存在が歴史をくるわせるんだ”
……いつも …すべてあたしのせい あたしがもっている力のために みんなをまきこむ ――戦いが おこる
「ギャラクシアはどこにいるの?」顔を伏せたまま、うさぎがぽつりと口にした。
「……あたしの一番たいせつな人たちのクリスタルも …奪われたわ 仲間のクリスタルをとりもどさなければ……
いかなければ ギャラクシアのもとへ……!」火球はそんなうさぎを見て、しばらく迷っているようだったが…。
「――わたしが道を案内しましょう」「プリンセス!?」思いもかけない言葉にスリーライツは驚く。
「この銀河を救えるのは セーラームーンあなただけ―― ギャラクシアのいる場所は銀河の中心です」――銀河の中心――!
空が段々と暗くなってきた。私服に着替えた星野はおもむろにグランドピアノを奏で、大気と夜天はそれを見守っている。
うさぎは膝の上にちびちびを抱き上げると、彼らに話しかけた。「……銀河には この太陽系のような星系が たくさんあるのね」
大気が答える。「太陽系は特別な場所です こんなにバランスよく育ち完成された星系は ほかにはない
とちゅうでうまく育たなくなり死んでしまう星もたくさんあります」
「“育つ”?」「星はみんな“種(スターシード)から育つんだよ」と夜天が教えてくれた。
「星だけじゃない ――大きさも形態もその名もさまざまだけど 命あるものはみんな“種”から育つんだ
この星もこの星の人たちも“種”をもってる ぼくらの星もそう ――そして」うさぎの胸のブローチをこつんとつつく。
「ぼくたちセーラー戦士ももちろん“種”から育つんだよ」
「特別な“種”として生まれたセーラークリスタルは 選ばれた星にそれぞれとばされたときいている
そして星といっしょに育ち やがて守護戦士となってその星を守るんだ
きみらを最初におそってきたアイアンマウスの星 チュウ星はセーラーチュウが アルーミナムセイレーンの星 マーメイド星はセーラーマーメイドが
コロニス星はセーラーコロニスが マウ星はセーラーマウが――」
――そして 太陽系の
うさぎの目からぼろぼろと涙が溢れ出てきた。――水星はセーラーマーキュリーが 金星はセーラーヴィーナスが
――火星はセーラーマーズが 木星はセーラージュピターが そして地球はあたしとまもちゃんが……
星野はピアノを弾く手を止め、そっとうさぎを抱きよせた。それを見た大気と夜天はちびちびを連れ、部屋を後にした。
「……だいじょうぶ もう泣かないわ これからギャラクシアとの戦いがまっているんだもの」
星野はその横顔に見とれた。……きみは いままでも ずっとこんな重い翼を背負ってきたんだろうか
「……プリンセス火球も 最愛の恋人をギャラクシアに…」うさぎははっとして星野を見つめ返した。
「セーラームーン ――銀河でどんな戦いがまっていても」星野はうさぎの手を取ると、キスを落とした。
「ぼくらはきみのそばについて力になる かならずきみを守る」「……ありがとう」うさぎの目にはまだ堪え切れない涙が残っていた。
……もしも あたしがセーラー戦士でなかったなら こうして仲間たちに手をさしのべてもらうことも 出会うことさえもなかったのかしら
……もしもシルバームーン・クリスタルが存在しなかったなら あたしも生まれることはなかったのかしら
「……肉体(カラダ)も永遠に消えなかったらいいのに」切なげに口にするうさぎを見て、星野は衝動に駆られ、吸いよせられるように唇で唇に触れた。
「また 生まれてくればいい」うさぎは不思議そうに星野を見つめた。
「もうおそい おくっていくよ」「だいじょうぶ 二人で帰れるわ …ありがとう」
……銀河一身分ちがいな 片思いかもしれないな セイヤ
帰り道、公園の前を通ると、ちびちびがはしゃいでブランコの方に行ってしまった。
「ちびちびっ☆もう「帰らないとママが心配するわよ」「ちょっとだけ――っっv」「んもーっ」
ちびちびは嬉しそうにブランコで遊んでいる。「…フシギなコね あんたってば あたしにはなーんにも教えてくれなくて」
――だけどみょうになつかしくてにくめなくて 安心する なんにもいわなくてもなにかがわかるような……
「ちびちびもセーラー戦士だったなんてびっくりしちゃった …いったいおまえはどこからきたの?おまえはだあれ?」
ちびちびはニコッと微笑んだ。「あたしは あたしよ」――あたしは あたし……
うさぎははっと我に返った。「コラッ☆またはぐらかしたわねっ ちゃんとこたえなさい ちびちびっ☆」
ブランコを降りてふざけて逃げるちびちびをうさぎが追いかけようとすると…。
不意にこちらにダイヤの形をしたクリスタルが転がってきた。
ふと見ると、うさぎからやや離れたところに、ウエーブがかった長い髪のロングスカートの女性が立っているのに気が付いた。……だれ?
うさぎがクリスタルを拾い上げ、女性に手渡す。「ありがとう」ルナとアルテミス・ダイアナを抱き上げたちびちびを見て、女性が言った。
「……いつでも たくさん友だちがいるのね ――その特別なセーラークリスタルがひきよせるのかしら」女性は口の端で笑った。
すると突然爆発音とともに、女性を中心に力の渦が巻き起こった。まるで嵐のように吹き荒れる力は、うさぎを圧倒する。
――!?だれ!?なんて力!!この強いパワーは!!――いままでの敵をちがう!!――だれ!?
うさぎは火球の言葉を思い出していた。
“セーラーギャラクシア それは 破壊の戦士――!”
まさか――!
――まさか――!!
●to be continued●
594 :
マロン名無しさん:2009/05/12(火) 23:38:26 ID:HPYG/HQZ
ギャラクシア「きれいなお姉さんは好きですか?」
まさかのサフィールktkr
直子忘れてなかったんだな〜感慨深い
サフィール懐かしすぎるw
それにしてもちびちび可愛いわー
火球
これ名前なのか
火球
かきゅう
カキュー
かQ
…だめだ どうやっても可愛く見えない
カッキュン
球ちゃん
キュンキュン
>「……いつでも たくさん友だちがいるのね」
実は寂しがりやなんだろうかギャラクシアは
>>602 シャドウギャラクティカ(?)のトップなのにいつも単独行動してるよなそーいや
>キンモク星(セイ)
>キンモク星(セイ)
>キンモク星(セイ)
キンモク星の周りを3つの人口衛星が回っていて、それらの守護戦士がスターライツってこと?
それとも地球に月が3つあるような感じ?
「ずっとおあいしたかった あなたに」
このシーン好き
見ず知らずのルナ達が無事だったのが嬉しくて泣くなんて、火球は心優しい姫様なんだな
>銀河一身分違いな 片思いかもしれないな セイヤ
星野は結局うさぎと火球どっちが本命なんだ?
初恋が火球で次に惚れたのがうさぎってことか?
>命ある者もない者も すべて滅ぼされ死の星となる
命ないもの=植物?
>>602 ギャラクシア「べ、別に寂しくなんかないんだからね!」
つーかスリーライツの部屋豪華すぎじゃね?
火球の寝てるベッドといいグランドピアノといい
ここにきて幻の銀水晶が銀河最強なのが発覚w
インフレというかなんというか…
ブラックムーン編(長寿化政策問題)がここにきて生きてきたな
Act55 スターズ6
まるで竜巻に襲われたように、周囲の建造物がボロボロと崩れていく。――街が!!ふきとばされる――!
――まにあわない――!!あたしひとりじゃもちこたえられない――!なんて力 いままでの敵の比じゃない!!
――ウラヌス!ネプチューン!!プルート!!
窮地に立ったうさぎは、普通に喋れていたころのルナの言葉を思い浮かべた。
“三人は侵入者と銀河周辺部を調べるために自分たちの城(キャッスル)にいったの すぐに連絡が入ると思うわ”
――ウラヌス!ネプチューン!プルート!返事をして!敵が現れたの!お願い あたしに力をかして!!
次の瞬間、うさぎの瞳に映ったのは、グシャグシャに潰れた外部太陽系三戦士の躯だった。――!?
ギャラクシアは愉快そうに笑った。うさぎは自分に言い聞かせる。――これは……幻覚よ!!三人は―― きっと無事よ!!
うさぎはちびちびを抱きよせると、両手を前にかざし、聖杯を出現させた。
――みんなのクリスタルをとりもどし みんなをもとの無事な姿でとりもどし あたしたちは一刻もはやく ひとつになってこの星を守るのよ!!
「――できるかしら?」
ウエーブがかった長い髪の女性――ギャラクシアが、ヌッとうさぎの領域に侵入し、うさぎの意識下に働きかけた。
「ふたたび仲間が集結し 仲間の肉体(カラダ)はもとどおりになるの?」
うさぎはその言葉に心が不安定になる。――だって あたしたちはいつでもひとつになって…… 未来まで戦いつづけて……
うさぎの心を反映してか、聖杯はみるみる輝きを失ってゆく。「ほんとうに あなたの知る未来は“未来”なの?」
うさぎは頭が真っ白になった。
――ほんとうに あなたの知る「未来」はやってくるの?
ギャラクシアにトン、と軽く額を押され、うさぎは力を失って深い意識の底へと沈んでいった。
「どうしたの?これでおわり?これではこの星は ふきとんでしまうわよ」
そのとき、ちびちびが立ちあがった。バサリ、とちびちびの背中に天使のような羽が生える。
ちびちびはうさぎの両手を支え、手のひらを上向かせると、聖杯に眩い光を灯した。
「!?」その凄まじい光は崩壊しかけていた街を見事に甦らせ、ギャラクシアを圧倒した。
「くっ!!」ギャラクシアは、そのままやむなく撤退していった。
「セーラームーン!!ちびちび!!」異変を察知したスリーライツの三人が公園に駆け付けた。
倒れているうさぎの傍に、ルナ達を抱いたちびちびがちょこんと座っている。ちびちびは大きく息を吐き出し呼吸を整え、笑顔を浮かべた。
「――だいじょぶ」「襲ってきたのね 敵は」「きえちゃったの!」「街が もとどおりに……!」
大気がうさぎを抱き起こす。「まさか変身せずに!?なんて再生力なの」
星野が呟いた。「ギャラクシアと互角に戦える これがシルバームーン・クリスタルの力か――」
ある星の荒野の一角、セーラー戦士の戦闘服を身にまとったギャラクシアがバーで酒をロックで飲んでいると、ある男たちの話が耳に入った。
「――星の生まれるところを知っているか?強い星も弱い星も 光も力も すべてそこから生まれるんだ」
話を聞いた男は酒瓶を片手にガタッと立ち上がった。「そこはどこだ!?そこを手にいれれば星を自由にあやつれるってことか!」
客はどっと沸いた。「星を支配できれば宇宙はオレのものだ!オレは神になれるぞ!こんな人生とはおさらばだ!!」
ギャラクシアは飲みかけのグラスを置くと、冷めたように言い放った。「クズは 死ぬまでクズのままよ」
ざわめく客達を残し、ギャラクシアは席を立ち去った。
――どこへいってもクズばかり クズな星ばかり ここもわたしの星じゃなかった
――ありあまるわたしのこの力―― ――わたしこそ神に選ばれた者なのだ
――もっと強大な力がほしい どこかにあるはずなの わたしにもっと力を与えてくれる わたしにふさわしい輝ける星が――
「――星の生まれるところ?」ある星の道端で、占い師らしき者――ワイズマンにそっくりだ――が男と話をしているのが聞こえてきた。
「おお!知っているとも」ギャラクシアは驚いてそちらを凝視する。
「銀河の故郷 星々の種が泉となって湧きいずる場所 ――いて座ゼロ・スターだ ――そこは 銀河の中心だ」――銀河の中心
“――おいで おいで かわいいわたしの子どもたち おまえのもとめる真の星がどこにあるのか 教えてあげよう この母なるわたしが”
――教えてやろう このカオスが すべてを
ギャラクシアは、ベッドの中で目を覚ました。――夢…… 居場所をもとめてさまよっていたころの ……昔のつまらぬ夢か
――もうすぐセーラームーンがここへくる わたしがカオスに呼びよせられてここへきたように ――真実を知るために
――はやくおいでセーラームーン そんなちっぽけな星は わたしたちの戦いの舞台にも おまえにさえもふさわしくないわ
――はやくおいで わたしのもとへ おまえとわたしの真の力の開放のために!
「ギャラクシアさま アニマメイツのティンにゃんこが……”側近のセーラー戦士が取り次いだ。
「もうしわけございませんギャラクシアさま!!」にゃんこは恐ろしさのあまりガクガクと震えている。
「あと一度!あと一度だけチャンスを!こんどこそ!」
「恥をさらしにおめおめと帰ってきたの?」ギャラクシアは、スッとにゃんこを指さした。
「クズは星にはなれないのよ」「ギャラクシアさま!」にゃんこのブレスレットはパチンと外され、にゃんこの体はボロボロと崩れていった。
●to be continued●
617 :
マロン名無しさん:2009/05/14(木) 22:11:06 ID:tu+aoHkZ
誰一人殺せずに粛清されたにゃんこは実はいい奴な気がしてきた
真のラスボスはカオス?ワイズマン?
ちびちび強すぎじゃね?何者?
あんな格好でバーに入り浸って飲んでるギャラクシア様がシュールでワロタ
サフィールに続きワイズマンも再登場か
どこのサイヤ人だ
あれは話の流れ的にワイズマンじゃなくてカオスとかいう新キャラだと思う
そっくりだけど
外部太陽系無残…(;´д⊂)
面影すらない
変態はあの世でハーレムだな
星を花火にするのはフリーザだろ
>>587 光り輝くキ○肉バ○ターでギャラ様を抱えて
エタムンの目の前に落下してギャラ様をKOしている
某STGゲームのガチムチが出て来る画像があったけど
ちびちびの特殊能力で異次元空間で呼び出されたのかな?
何か怪しい画像だけど。一撃で全身破壊で即死してたみたい。
屁のツッパリが要らん人の7000万パワーマッスルスパーク以上のインパクトだったw
Act55-2
――ここは どこ?――水の音――?
次の瞬間、うさぎは光に飲まれた。――ここは
地の底の方から、ある女が囁いた。“いて座ゼロ・スターの ギャラクシーコルドロン”
女――ギャラクシアは、宙に浮くうさぎの足首を握った。“おまえの墓場よ”
うさぎははっとして目を開けた。「うさぎ!!」手を握っていたちびちびが嬉しそうに微笑む。――夢!?
スリーライツと火球もずっと寄り添っていてくれたようだ。
――ひきずりこまれるかと思った あの暗い意識の中へ ――ギャラクシーコルドロン―― あれはいったい――!?
うさぎは、ずっとちびちびが手を握ってくれていたことに気が付いた。
「ちびちび―― おまえが助けてくれたのね」――ずっと感じてた あたしの手をひっぱるやわらかくてあたたかい手
「ありがとうちびちび ホントふしぎでたよりになるコね おまえって おまえがセーラー戦士だからかしら?」――仲間だから?
「――ちびちびはたよりないあたしに 未来からみんながおくりこんでくれた天使かもね」
うさぎは高鳴る鼓動を押さえながら、星野を見つめた。……そう ……目ざめると いつも仲間が見守ってくれている
「無事でよかった」星野がフッと笑みを漏らす。――どんなときも仲間が命をかけてあたしを守ってくれる
――たとえそれが あたしがシルバームーン・クリスタルをもつ戦士だからだとしても――
うさぎの目から、もう零さないと決めた涙が一粒落ちた。「セーラームーン……」夜天も心配そうにうさぎを見つめる。
――受けとめなきゃ どんな「あたし」もあたしなの ――そんなあたしだからこそ あたしにしかできないことが あるの
「星野くん 夜天くん 大気くん」うさぎが語りかけた。
「あたしたちはセーラークリスタルにだけ価値があるわけじゃない このカラダも“あたしたち”よ
この体ごと見つめ合い 声をかけ合い 手をつなぎ合って力は増幅するの この体があって
はじめてあたしたちの力がひとつになれるの それがセーラー戦士なの」
“ほんとうに仲間の肉体はもとどおりになるの?――ほんとうに あなたの知る「未来」はやってくるの”ギャラクシアの言葉がフラッシュバックする。
――やってくるわ ――あたしは信じてる!みんなは死んでなんかいない!かならずあたしたちの「未来」はやってくる!!
――あたしのもてる力のすべてをつかって みんなを助け出すの!!平和をとりもどしてみせる!かならず――!
――セーラーギャラクシア 何者なの!?なぜこんな戦いをはじめたの!?――いかなければ 一刻もはやくギャラクシアのもとへ――!!
朝食の支度をしていた育子ママは、ありえない人物がしっかり制服を着て台所に現れたことに驚き、開いた口がふさがらない様子。
「おはようママ」「うさぎ!?どうしたの?こんなはやおきして!☆」
コーヒーを飲みながら、うさぎが切り出した。「ねえママ ルナのほかにまたネコ飼ってもいい?」
「まあ☆そのおねだりではやおきしたの?しょうがないわね ちゃんと世話できるかしら☆ルナちゃんのお友だちなの?」
「だんなとコドモなの」うさぎは三匹を抱えて育子ママに見せた。
――三日月にうけたキズがなかなか治らない そのせいでずっとしゃべれないままだけど ――家になら安心して残していける
「グレイはね ダイアナ ルナのコドモ 白いネコちゃんがアルテミス ルナのだんなよ」
うさぎは切なげに微笑んだ。「アルテミスは美奈Pのネコなんだけど ……ちょっと事情があって すこしの間だけ」
「いいわよ」育子ママはにっこり微笑んだ。
「よかった」うさぎは三匹を育子ママの腕の中に託した。「ママ」
うさぎは儚く微笑んだ。「いっぱいごはんあげといてね」
「いってきまあーす!」うさぎは普段の調子を取り戻し、元気いっぱいに出かけていった。
「ママ?」そのまま立ちつくしている育子ママを見て、謙之パパが声を掛けた。
「……へんね」育子ママの目から、ポタポタと涙が落ちる。「うさぎが…… もう帰ってこないような気がして……」
セーラームーン、セーラーちびちび、セーラースターライツ、プリンセス火球は準備を整え、夕暮れ時の一の橋公園に集結した。
「――では 三人はいまそれぞれの母星の城(キャッスル)に?」「あのね ほたるちゃんもね とんでったの 三人のとこへ」ちびちびが補足する。
ヒーラーが一言。「おっ ちびコロ フツーにしゃべってやんの」「ちびコロじゃないもん ちびちびだもんっ」
メイカーが尋ねる。「彼女たちの城には何度も?」セーラームーンが儚げに答えた。「いいえ みんなの母星にはいったことはないわ」
――みんなはいつもこの星で この星とあたしを守っていてくれたから ――あたしはみんなに守られて ただこの星を守っていればよかったから
「――四人からはなんの連絡もない なにかあったんだと思う」「…外部太陽系までどのくらいでたどりつけるか」――四人に はやく会いたい
火球が振り返り際に微笑む。「天王星海王星 冥王星までなら すぐよ」
火球の背中から、バサリと天使のような羽が生えた。「ナビならわたしにまかせて」スターライツの背中からも。
ファイターが手を差し伸べた。「手を」セーラームーンは顔を赤らめる。「だいじょうぶ!足出まといにならないように がんばってついてくわ!」
「――いいんだ きみは プリンセスだから 守られていいんだよ ――プリンセスは 守られて強くなってゆくものだから」
「いきましょう」ちびちびとセーラームーンの背中にも羽が広がる。――三人の城へ――!
五人は天王星の城を訪れたが、そこには人影すら無かった。「ウラヌス!?ガーディアン・ウラヌス!?」
床に灰が散らばっているのに気づき、セーラームーンはドキリとする。――ウラヌス!?
「ネプチューン!?プルート!?サターン!?」――四人はどこ!?「海王星にいってみましょう」火球が進言する。
「ネプチューン!!ガーディアン・ネプチューン!?」やはり、床には灰が落ちていた。
――こわれた通信システム だれもいない ――ウラヌスの城とまったく同じ ――まさか…… まさか四人は……
最後の希望を残し、一行は冥王星を訪れた。「プルート!!ガーディアン・プルート!サターン!?」
突然眩しい光に襲われ、セーラームーンは目を疑った。そこには、ギャラクシアにまさに体を滅ぼされる瞬間のプルートと変身前のほたるがいた。
「プルート!?サターン!?――いやああっ」ファイターがセーラームーンを落ち着かせる。「セーラームーン!!残像システムだ!!」
ヒーラーが通信システムを触ってみた。「ビジュアルレコーダーが記録を!」「ここにもギャラクシアが……!!」
――ギャラクシアが ウラヌスとネプチューンを プルートとサターンを
「……あたしのクリスタルが目的なら あたしをねらえばいいのに なぜみんなを……!」――ゆるさない
「――つれていって!プリンセス火球!いて座ゼロ・スターへ!」「セーラームーン!?いて座ゼロ・スターのことを!?」
セーラームーンはグッと拳を握り締めた。「教えてくれたわ ギャラクシアが」
セーラームーンは顔を上げ、決意したように前を見据えた。――いますぐいくわ!ギャラクシア!あなたのもとへ!
“はやくおいでセーラームーン わたしのもとへ もっともっとうちのめして もっともっとうばってあげる そして最後に残ったおまえのひとかけらに”
“――わたしが 真実を 教えて あげる―――――!!”
●to be continued●
なんでほたるはすぐ死んでしまうん?
ちびちびかわゆす
うさぎかわいそす
サターンまであっさりやられるとかないわー
ほたるは変身前でサイレンスグレイブ持ってなかったから仕方ない気もする
サターンは以前と比べて体が小さいし力も落ちちゃってるんじゃないかな
仲間がいなくなるという展開上、サターンが強すぎるのは困るから、直子はほたるを完全には成長させなかった気がする
はるかとみちるの扱いorz
>「うさぎが…… もう帰ってこないような気がして……」
あああああああああ
ほたるが冥王星に飛んだのは自分の意思?プルートの意思?それともギャラクシアの力?
>>639 仮にほたるがプルートの危機を察知してワープしたとしたらすごくね?
変身しないで生身で冥王星に飛んじゃうなんてw
髪下ろしたギャラ様が無駄に美人な件
ウラヌスとネプチューンの死に顔が酷すぎる
その点プルートとほたるは恵まれてるよ…
>>627 殺された内部・外部戦士達のオタは
ギャラクシアをそんな目に合わせてやりたい気分だろうなw
つ牛丼
「――大きな光が近づいてくる」
「――たたかいがはじまる ――こわいわレテ」
「――だいじょうぶよムネモシュネ あなたはわたしが守ってあげる」
「2人の平和で幸せな未来のために ――ここから先へは一歩も進ませないわ――」
Act56 スターズ7
セーラームーンとちびちび、スターライツ、火球は銀河の中心へと飛んだ。火球が皆に説明する。
「――あのひときわ星の密集しているところが 銀河の中心 いて座A(アルファ)・スター
そしてさらにいて座・スターの中心部が いて座ゼロ・スター ――星の生まれるところよ」「――星の生まれるところ?」
「銀河のすべての星の種(スターシード)は あのいて座ゼロ・スターから生まれるのよ」
――星の種の生まれるところ…… 銀河にちらばる星々のすべてが ――地球もあたしたちも あそこから生まれたの?
「シャドウ・ギャラクティカがあそこにあるということは ギャラクシアは銀河の星の盛衰のシステムを支配するつもりで――?」とファイター。
「おそらくね」火球は皆の手を取った。「さあ 一気にゼロ・スターまで飛ぶわ 無事に着陸できるか保証はないけれど」
ヒーラーがペロッと舌を出す。「覚悟はできてますよプリンセス なんたって未知の領域 ――おまけに敵地のドまん中だもんね」
眩い光を浴びて、セーラームーンは思わず眼を瞑った。そして目を開けると、目の前には暗黒の扉が待ち構えていた。
扉は一行を認識してか、重く開き始めた。――ゼロ・スターへの扉(ゲート)――!?
扉を抜けると、そこには一面の砂漠が広がっていた。火球とちびちびは咳き込む。「――なんだか のどがカラカラ……」
すると、目の前にボートに乗った人影が見えてきた。「わたしはレテ この砂漠川の渡し守」フードをすっぽりと被った人物はそう名のった。
「おのりなさい 異邦人たち」
言われるまま、一行はボートへと乗った。ボートは砂漠の上をゆっくりと進んでいったが……突然、砂漠が水に変化した。――!?
水は瞬く間に浸水し、セーラームーンを飲みこんでしまった。――プリンセス!!ちびちび スターライツ!!
ふと気がつくと、うさぎは制服を着た姿で公園のブランコに腰掛けていた。「……ここは…」……あたし…?…いつのまに ……ここへ…?
いつのまにか目の前に立っていたセーラー戦士が尋ねた。「あなたのネコなの
」足元にはルナ・アルテミス・ダイアナがいた。「……あたしの ネコ?」
「ネコを飼ってかわいがると死んだときさみしいわ ひとりのほうがずっといい そう思わない?」――ひとりのほうが……?
「……いいえ ひとりはさみしいわ ――だからあたし 友だちを いっぱいつくったような気がする……」
「さみしがりやなのね それで?どんな友だちを?」――あたしの友だち―― 友だちは…… よく 思い出せない
セーラー戦士がうさぎの左薬指の指輪に触れた。「恋人は?いるの?」――あたしに恋人?……いたかしら この指輪はだれから……?
――あたしは「だれ」……?――思い出せない なにも――
セーラー戦士は黒く笑った。「人としての記憶にたいした価値などない この肉体(カラダ)だってただの入れもの わたしたちに価値があるのは」
女は片手に力を込めた。「力(パワー)だけよ!!」「!?」セーラー戦士の攻撃はルナ達三匹の体を破壊した。
三十世紀では、ちびうさが胸を押さえてうずくまっていた。「!!」――胸が痛い――!!――なに!?なにがおこったの!?この痛みは――!?
ふっと眼の前に、グシャリと潰れるダイアナのビジョンがよぎった。――ダイアナ!?
「ママ!ママ パパ!」クイーンは、ルナとアルテミスと一緒にいた。「スモール・レディ……!」
「――何日もまえからダイアナの姿が見えないの ――どこにもいないの ダイアナは どこに?」
籠の中では、ルナとアルテミスが苦しげに荒く息をしていた。「!!ルナ!?アルテミス!?」二匹の体はいまにも消えそうに透けてしまっている。
「まさか まさかダイアナは――」――まさかダイアナは!「もう消えてしまって……!?」
「スモール・レディ ダイアナには時空の異変の調査の任務で 過去に飛んでもらいました」――過去へ!?
“お願いです どうかわたしをもう一度過去へ!時空をこえたこの異変は セーラームーンたちの戦っている攻撃のせいなのでしょう!?
セーラームーンのもとへゆき敵をたおし もとの平和をとり戻す手助けをしたいのです!”
ちびうさは真っ青になる。「――ダイアナの身になにかあったんだわ わかるの 感じるの いったいなにがおこってるの?おしえて!ママ!」
クイーンは躊躇している様子だったが、ちびうさを皆が眠る部屋へと連れていった。
四守護神は力なく倒れ、胸の中央が光輝いている。――みんな!?みんなのクリスタルが光って!?
キングとプルートも同じように倒れてしまっている。――みんなのクリスタルがあんなに輝いて…… みんなの体が消えかかってる――!
――まさか ――過去の異変って 過去でみんなの命が――!?
「――ママ あたしいくわ 過去へ!!」「スモール・レディ!なにをいうの!?危険なのよ!!」
「ママ ママがこの三十世紀を守らなければいけないように いまのあたしにはセーラームーンを助けて戦うという 使命があるの」
――あたしの体がいかなきゃって叫んでる みんなが呼んでる ――そう この胸の痛みは時空のかなたのみんなの痛みなの!!
「ピンク・ムーン・クリスタル・パワー メイクアップ!!」
ちびうさが変身すると同時に、見憶えのある四人の戦士が光の中から現れた。「おまえたち……!」
「セーラーセレス!」「セーラーパラス!」「セーラージュノー!」「セーラーベスタ」「「「「セーラーカルテット ――参上!」」」」
「いってくるわママ 三十世紀をどうか守って」「――ゆきなさい 時空をこえて 銀河のかなたへ」クイーンは哀しそうに時空のカギを手渡した。
「銀河のかなた!?」「いってしっかり見とどけてきて 銀河のかなたでなにがおこっているか――」
●to be continued●
649 :
マロン名無しさん:2009/05/19(火) 00:12:51 ID:mfqisSuA
燃える展開きたあああああああ
うさぎもちびうさもえらい成長したなあ
そういえばうさぎの時代にダイアナが居るのに
疑問を感じなかった
未来のネオクイーンセレニティは全部知ってるって事?
>>652 もしや未来の他のセーラー戦士たちも変態すらも知ってるってことか…?
Act56-2
川の底。うさぎはブランコの前にぺたんと座り、ただルナ達の残骸を眺めていた。
「……どうしてこんなかんたんに 殺したり…できるの?みんな 生きるために生まれてきたのに」
セーラーレテが挑むように言った。「命あるものは 死ぬために生まれてくるのよ」
レテがオールを振りかざす。「ギャラクティカ!ミュソーティス・アルぺーストニス!!」「きゃあああっ」
うさぎは力なくその場に倒れ込んだ。この光景を川の淵から見ていたもう一人のセーラー戦士は、見ていられず顔を背けた。
「……どうして!?あたしを殺そうとするの……?」ぽつりと言ううさぎ。
「おまえがここへすべてを失いにきたからよ」
――名まえも命も すべてを失いに…… ……いいえ ちがう あたしには失いたくないたいせつな友だちがたくさんいたわ
――あたしの名まえも命も その友だちの ――仲間のためにあった
…――そうだ あたしは失うためにじゃなく 仲間をとりもどすためにここへ――…
「この忘却の川の底では だれもわたしに勝つことはできない」レテがブレスレットを構えた。「さようならセーラームーン」
そのとき、もう一人のセーラー戦士が止めに入った。「!?」「やめてレテ!」「ムネモシュネ!!」
ムネモシュネはぎゅっとレテに抱きつく。「セーラームーンはもうこんなに傷ついてるわ 最後の審判はギャラクシアさまにおまかせして」
……セーラームーン?
うさぎは、この会話をはっきりしない頭で聞いていた。――セーラームーン…… その名まえは
うさぎの額に三日月の印が浮かび上がる。――そうだ あたしはセーラームーン!!すべてをとりもどすためにここまできたの!!
うさぎは一瞬で変身を済ませると、川底を見渡した。そこには、スターライツと火球、ちびちびが気を失って横たわっていた。――みんな!?
セーラームーンは意識を取り戻したちびちびを抱いて、川に浮かびあがると大きく息を吸った。
「このレテの忘却の川で記憶をとりもどすなんて!!おのれ!」「レテ!!お願いもうやめて!!」
ムネモシュネは川底に沈んでいたスターライツと火球を一瞬で岸に移動させた。
「うらぎるの?ムネモシュネ」
「あたしはただ これ以上あなたにあたしと同じセーラー戦士を傷つけてほしくないだけよ」
ふと、火球が起き上がったが、彼女はふらふらとして意識が覚醒しきらないようだった。
「わたしの記憶の川の水を」「ムネモシュネ!」レテが止めるのも聞かず、ムネモシュネが火球に水を飲ませると、火球はようやく意識を取り戻した。
「セーラームーン!?ここは――」「プリンセス!」セーラームーンは安堵する。
「――あたしは殺し合いをしにきたんじゃない 仲間のセーラークリスタルをとりもどしにきたのよ みんなのクリスタルはどこに――!?」
レテが答える。「セーラークリスタルはここにはない ここは帝国シャドウ・ギャラクティカのギャラクティカ・パレスを二重に守る広大な外堀“砂漠川”」
「わたしは忘却の川の番人 レテ星(スター)のセーラーレテ」「――わたしは記憶の川の番人ムネモシュネ星のセーラームネモシュネ」
レテは両手をクロスし、ブレスレットを構えた。「おまえをここから先へはいかせないわセーラームーン 生きたままではね」
「レテ!」「見たくないなら目をつぶりなさいムネモシュネ!」
「忘れたの!?二人の平和と幸せを手にするためにギャラクシアについてゆくときめた誓いを!」
――わたしたちの星は小さくまずしく いつも争いがつづき混沌としていた
――ギャラクシアが現れ わたしたちの星に 死と静寂があとずれたときも わたしたちはついてゆくしかなかった
レテとムネモシュネは強く抱き合った。「
――けれど この戦いに勝ちのこり ギャラクシアが銀河を統一すれば
二人の新しい未来がきっと―― 今度こそ平和と幸せがやってくるわ ムネモシュネ」
火球が反論する。
「破壊の戦士のもとに平和と幸せがあるわけないわ!知っているでしょう!?ギャラクシアがどれだけ多くの人を殺してきたか!
この先も彼女のもとには 破壊と殺戮があるだけよ!!」
「ではセーラームーン おまえのもとに平和で幸せな未来はあるの?戦いのない未来があるの?
セーラームーン おまえのもつ力は戦いを呼びよせる!おまえが存在するかぎり戦いはおわらない わたしたちにとってはおまえこそが“敵”!
きっとどちらが勝っても未来は同じ いまこの戦いをおわらせて ムネモシュネと二人だけの平和と幸せさえ手にはいればいい それだけよ」
「……もしもそれでその戦いがおわるのなら」
「あたしを殺して」
セーラームーンの目から大粒の涙が溢れた。
「あたしも 戦いをおわらせるために ここへ きたの」
――そう 戦いを終わらせるために戦う それがセーラー戦士の使命と願い(セーラー・マインド)――!
――願いは いつも みんな 同じなの ――たとえ どんな未来が 待っていようとも
二人のセーラー戦士はしばらく考えあぐねているようだったが…
ムネモシュネがすっと道を開けた。「――どうぞ いってくださいセーラームーン」「セーラー・ムネモシュネ」
レテも悔しそうにブレスレットを下げた。「わたしたちがたおさなくても おまえが死んでも死ななくても 戦いはおわらないわ」「セーラーレテ……!」
「おろかで役立たずなやつらめ」突然、新たな二人のセーラー戦士が現れた。「!!」セーラームーンと火球は身構える。
二人のセーラー戦士は長い杖に力を込めると、一瞬にしてレテとムネモシュネの体を打ち砕いた。
「レテ!!ムネモシュネ!!」セーラームーンの声が空しく響き渡る。
「レテ…」「ムネモシュネ…」二人は手と手を取り合うと、灰と化して崩れていった。
つづいて、彼女たちはこちらに総攻撃をしかけてきた。ちびちびが急いでガードするが…離れたところに倒れていたスターライツが攻撃を受けてしまった。
「!?ヒーラー!!メイカー!!ファイター!!」「ホホホホッ」
セーラー戦士達はスターライツのセーラークリスタルを抜き取ると、フッと消えてしまった。
――しまった!!三人のセーラークリスタルが!?
●to be continued●
スターライツまでやられたか。
何のためのために出たんだろうこいつら。
659 :
マロン名無しさん:2009/05/21(木) 00:06:50 ID:ypt07wq1
>>658 本来の仲間を失ったうさぎの束の間の支えじゃない?
今回のまとめ
百合
ゆり
Yuri
ムネモシュネ可愛いいいいいいいい
レテ「べ、別にお前が死んでも戦いは終わらないんだからねっ!」
ツンデレと清楚な美少女という最強コンビだったのに使い捨てはもったいないだろ常考
ぶっちゃけスターライツよりこっちにレギュラー化してほしかった
生き残ってしまった火球の動向が気になる
双子かわいぃいいい
シプリンプチロルといいこの人の描く双子はやばい
マジでこの二人には活躍して欲しい!
あああぁぁぁ可愛いよおぉぉぉ!
直子に復活希望ファンレター100通出してくる!
服装も精霊っぽくて可愛い!
神様直子様、変態を生け贄に捧げますのでなにとぞレテとムネモシュネの復活を!
そう言うこと言うなよ…>生け贄
ごめん
終盤に向かってどんどん重い展開に…
わたしたちはいつでも あなたのためにうたう あなたのためにこの命ささげる ――それがわたしたちセーラースターライツ
Act57 スターズ8
「ヒーラー!!メイカー!!ファイタ――!!」「プリンセス火球!!」「はなして!スターライツたちが!!助けなきゃ!!」
駆け寄ろうとする火球をセーラームーンが必死に止める。
「あの青い火を消して!三人の体が……!!」みるみるうちにスターライツの体は朽ちていった。
「ヒーラー!メイカー!ファイター!いやあぁっ」セーラームーンもショックを受ける。――三人の体が――!!
セーラームーンは夜天の言葉を思い出す。
“セーラー戦士のすべてはセーラークリスタルの内にある 未知の結晶セーラークリスタルは 消えたりしない!”
――消えたりしない!
「プリンセス火球!!」セーラームーンは泣き暮れる火球の手を取り、力強く言った。
「いきましょう!とりもどすのよ!セーラークリスタルを!」
「セーラークリスタルさえとりもどせば 三人の体はかならず再生できるわ!」「セーラームーン……!」
三人は背中に翼を羽ばたかせ、砂漠川の上を飛んだ。しばらくすると、向こうに光が灯っているのが見えた。
光の中央には、立派な西洋風の城がそびえ立っていた。ところが、近づいてみると、城は幻のように消えてしまった。
少しして、今度は別の場所に城が立っているのが見えたが、またすぐに消えてしまった。
――近づいても 近づいても 消えてしまう たどりつけない
「セーラームーン……!」疲れて息を切らす火球の体をセーラームーンが支える。――蜃気楼なの!?幻!?
――いいえ!ギャラクシアもあたしたちと戦うことを 心まちにしているはず たどりつけないはずはない ――どこにいるの?
――どこであたしたちを見ているの!?ギャラクシア!!
――みんなのセーラークリスタルはどこにあるの!?
ギャラクシアは愉快そうに笑った。「セーラームーン ついにここまで ギャラクティカ・パレスまでやってきたか」
「ギャラクシアさま」レテとムネモシュネを討った二人のセーラー戦士が跪く。
「セーラーレテとムネモシュネの失態 どうかおゆるしを ――二人のセーラークリスタルはここへ」
二つのクリスタルは、人間の何倍もあろうかという大きなクリスタルのオブジェに吸い込まれていった。
「何度見ても美しい―― 銀河中のセーラークリスタルの輝き――!
まるでセーラー戦士たちが この巨大ガーデンクリスタルの中で息づいているかのよう
本来ならばその肉体と心が滅んでしまったセーラークリスタルなど 微々たる力(パワー)しかもたぬもの
こうして強力な力を発揮できるのも すべてわが銀河の女王ギャラクシアさまの青金石(サッファー)クリスタルパワーのおかげですわ」
ギャラクシアは満足そうに微笑んだ。
「もうすぐ銀河一のセーラークリスタルが手に入る このわたしのもつ 銀河一の破壊力の青金石クリスタル
そしてセーラームーンの 無限の再生力をもつシルバームーン・クリスタルがそろえば わたしは無敵だ
全銀河 ――いいや 全宇宙を手にしたも同じ――!」
「ギャラクシアさま セーラースターライツのクリスタルもここへ」三つのクリスタルも、大きなクリスタルに吸収されていった。
「つぎのステージで残りの者どものクリスタルもかならずやこの手に!」「おまかせを!」二人の幹部はそう言って下がっていった。
ギャラクシアはぱさりとドレスを脱ぎ棄て、一糸纏わぬ姿になった。――心がさわぐ やっとこの時がきたのね
青金石クリスタルのブローチの力で、ギャラクシアはセーラー戦士へと変身する。
――セーラームーン とうとうおまえに会えるのね 運命のはじまりの場所で 新しい銀河の歴史をはじめる時が とうとうくるのね
ギャラクシアは回廊の奥へと歩を進めた。
「カオスさま まちこがれた時が やってきましたわ」部屋にいたのは、形をもたない闇の生命体…。
“おおお とうとうこの時がきたか あらたなる宇宙の はじまりの時が”
いつのまにか、セーラームーン達は霧の中にいた。目の前には、不気味な墓地が広がり、無数の蝶が飛んでいる。――ここは……!?
「ここは死んだ星のかけらが流されたどりつく最後の地――」蝶の羽を背中に持つ女が言った。
「この蝶たちは星たちの最後ののこり火―― ――銀河へ散りゆく蝶の葬列が とぎれることはけっしてない」
あるものを見つけてしまい、火球はぎくりとして声を上げた。「この墓は……!?」
そこにはスターライツの顔の彫刻が施された墓石が三つ並んでいた。「スターライツたちの墓!?そんな――!」
「ごらんなさい」向こうでは、黒いフードで体を覆った人々が墓を掘っていた。
「またあらたにこの地で命の火を消す者たちがいるようね 今度はどんな色の蝶たちが飛ぶのかしら」「!?」
そこにあったのは、セーラームーン・ちびちび・火球の顔が彫られた三つの墓石だった。――あたしたちの墓!?
そのとき、背後から飛び出してきた植物の蔓が三人の体に巻き付き、体の自由を奪った。
そのまま三人の体は枝で組まれた十字架に貼り付けになってしまった。
「かわいそうに!つぎの葬列はおまえたちのようね」「くっ……!!」
「わたしはセーラーアニマメイツ最後の戦士!魂の狩人セーラーヘヴィメタルパピヨン!!このわたしが最高に美しく哀しい葬式を出してあげるわ!」
「悲運の救世主(メシア)の最後は火あぶりときまってるの!苦しむがいいわ!」
ヘヴィメタルパピヨンが三人に火を放った。
「!!」動くことができない三人はどうすることもできず、炎に包まれた。
絶体絶命の三人。ちびちびは上空を見上げると、星の力を感じ取り、瞳に力を込めた。
するとすぐに、五つの星の光が助けに舞い降りた。
「ピンク・レディーズ フリージング!!キッッス!!!」五人の攻撃でセーラームーン達を縛り上げていた蔓が切れ、三人はどっと地面に倒れ込んだ。
「アマゾネス!!ジャングルアロ―――ッッ!!」ヘヴィメタルパピヨンはあっけなく消滅した。
「セーラーセレス!」「パラス!」「ジュノー!」「ベスタ!」「「「「セーラーカルテット!」」」」
「そしてセーラーちびムーン!参上ッ」
●to be continued●
ちびうさ達キタ━━(゚∀゚)━━!!
「セーラーセレス!」「パラス!」「ジュノー!」「ベスタ!」「「「「血管針攻撃!」」」」
名前が4個並ぶと、それ言いたくなるよな。
カルテットはいかにもすぐやられそう
これで活躍しちゃったらあっさり死んでいったセーラー戦士達やスターズの立場ないしな
ちびうさを守って戦死とかじゃね>カルテット
レテとムネモシュネ残してたら、不意打ちはくらわなかったのに…
Act57-2
「ちびムーン!!」「セーラームーン!!」ちびムーンは涙ぐむ。
「おそくなってごめん あたしたちも太陽系のセーラー戦士よ 助けにきたわセーラームーン!」
「三十世紀でみんながたおれたの」セーラームーンはその言葉にはっとする。
「セーラークリスタルが まるでシグナルのように輝いて みんなのカラダが消えかかって――」
「セーラーギャラクシアの攻撃で みんな ――人間としての体は滅ぼされ セーラークリスタルが奪われたわ」今度はちびムーンが驚く番だった。
セーラームーンはぎゅっと拳を握り締める。「あたしたちだけでなく 銀河中のセーラー戦士たちも……」――三十世紀でとうとうみんなの命が……!
“ほんとうにあなたの知る「未来」はやってくるの?”
――やってくるわ あたしたちはかならず この手で築いてみせるの あたしたちの未来を!
「みんなのセーラークリスタルは かならずこの手に取りもどす!そしてみんなの体をきっともとどおり再生してみせるわ!」
セーラームーンはそう固く誓った。
セーラームーンがちびムーンを強く抱きしめる。「ちびムーン よくここまで無事に……!」
「地球で戦っているのかと思って 三十世紀から地球へとんだの だけどみんなの姿はなく」あの公園にはルナ達の残骸が散らばっていたのだった。
「ルナとアルテミスとダイアナも すでにやられたあとで……!」――ルナたちが……!!
セレスが言葉を引き継ぐ。
「セーラームーン すでにあなたがたが 敵の本拠地なのではと気づいた瞬間 ひとすじの光が わたしたちを導いてくれたのです」
ちびムーンがにっこり笑いかける。「うさぎの声を感じたわ あたしたちを一瞬にして ここまで導いてくれたのはあなたでしょう?セーラームーン!」
「――いいえ あたしじゃないわ あたしにそんな力は……!あたしたちもプリンセス火球のナビで みんなの力でここへ……」
火球は首を横に振る。「わたしの力でもありません はるか遠くの地球の力を感じとり この銀河の中心いて座ゼロ・スターまでひきよせる力はわたしには……!」
「じゃあ…… いったい だれが……!?」
セレスが、セーラームーンのふとももにくっ付いているちびちびに気が付いた。」
「そちらの小さな戦士のかたは?(まあっ なんかにたよーなアタマのかたっ)」
「このコは セーラーちびちびよ」「セーラーちびちびっ?」当惑するちびムーン。
「そう!これでもりっぱなセーラー戦士なの セーラーちびちび…… そいえばあんたそのあとにムーンはつくんだっけ?」
「け?」ちびちびは可愛く首をかしげる。
「ちびうさと同じように時空をこえてきたらしいのよ あんたの妹じゃないの?」「
あっっっあたしの妹ッッ!?」ちびムーンは全く心当たりがない様子。
セレスがぽっと赤くなる。「まあっ ってことはクイーンの二人めの御子?いわれてみればそっくりですわね お二人に」
「ミレニアムの女王は代々第一王女しか生まないときーたわよ」とベスタ。
「あたしもそう習った!ゼッ」ジュノーが頷く。「あたしも――っ」パラスが手を上げる。
「あたしのコドモじゃないの?なら ちびうさのコドモなんじゃないの?」ちびムーンは、ガーンと頭が割れんばかりにショックを受ける。
「あたしのコドモッッ!?(あいてはだれ〜〜〜っっっ)」
「とにかくなんにもしゃべってくれないのよ このコ 何者なのか なにが目的できたのかも
でもりっぱなあたしたちの仲間(セーラー戦士)だってことはわかったの ここまでいっしょに戦ってきたし このコにはたくさん助けられたわ」
――あたしのコドモ――?いいえ
「……ちがうわ」セレスが振り向く。「スモール・レディ?」――ちがう わかるの
――まさか このコがあたしたちをはるか彼方からここまでひきよせたの?銀河の中心までかるがると――
――まるでセーラームーンのようなはかり知れない力――
「――おまえは いったいだれ……?」
ちびちびは、サッとセーラームーンの後ろに隠れてしまった。
そのとき、辺りを覆っていた霧がどんどん晴れていった。すぐ目の前には巨大な城がそびえており、大きなクリスタルがいくつも転がっている。
――あれが ギャラクシアの城――!?
「ようこそわたしたちのスターガーデンへ」「!!」そこには、スターライツの体を滅ぼした二人のセーラー戦士がいた。
「わたしたちはスターガーデナー セーラーΦ(ファイ)!」「セーラーΧ(カイ)!」
二人の姿を見るやいなや、火球が必死に挑みかかった。「スターライツのクリスタルはどこ!?返しなさい!!」
Χが黙って杖を掲げると、大きなクリスタルの一つが光輝いた。――まさかクリスタルはあの中に!?
火球を守るように、セーラームーン、ちびムーン、ちびちび、セーラーカルテットが二人の前に立ちはだかった。
「なんと!またあらたなセーラークリスタルたちがこのゼロ・スターまでたどりついたの?」
「掴み取りがいのあること!」「わが庭園のガーデンクリスタルたちも喜びにたえきれぬようすだわ!」
火球が名乗りをあげた。「セーラームーン!わたしも戦うわ!!わたしだってセーラー戦士よ!!」
「キンモク・スターパワー!!メイクアップ!!」火球は光に包まれ、帽子はそのままに、スターライツと似た衣装に変わった。「プリンセス火球!?」
「キンモク・スターの守護戦士 セーラー火球がおまえたちの相手よ!!」
――ヒーラー!メイカー!ファイター!わたしに力を!!
「スターライツロイヤルストレートフラッシュ!!」火球は幾つものカードを操り、巨大なクリスタルを次々と破壊した。
ところが、クリスタルの残骸はフッと消えてしまった。――消えた!?スターライツのクリスタルはどこに!?
「おのれ!!ギャラクティカ!!プランツブリザ――ド!!」「桂花百花繚乱(キンモクフユージョンテンペスト)!!」
Φの攻撃を、火球が花びらのバリアで打ち消した。
「スターライト!!」セーラームーンがバッとエターナルティアルを構える。
火球が叫ぶ。「セーラームーン!!やつらの力の中心はブレスレットよ!!」
「ハネムーン・セラピーキッッス!!」ブレスレットを狙われたΦは一瞬で塵になった。
ちびムーンが短く叫ぶ。「プリンセス!!」なんと、火球の背後にΧが迫ってきていた。
Χは高く飛ぶと、空中から火球の背中の真ん中めがけて長い杖の先端を突き刺した。
杖は火球の胸まで貫き、素早く杖を抜くと大量の血がほとばしった。
「プリンセス火球!!」セーラーカルテットが応戦している間、セーラームーンが駆け寄り、火球を抱き起こした。
「火球!!」「セーラームーン……」火球は助からないことを知ってか涙ぐんだ。
「この戦いがおわったら…… あたらしい世界がはじまるかしら…… ……今度は… 戦いのない世界になるかしら……
戦いが…… なくならなくてもいい……」火球はセーラームーンと手を重ねあった。
「また…… みんなといっしょに生まれてきたいわ……!生まれて……こられるかな……」
「もちろんよ」大粒の涙を湛えたセーラームーンが、静かに微笑んだ。
「あたしたちはセーラークリスタルをもつ戦士だもの 何度だって生まれてこられるわ」
「そうね…… セーラークリスタルは あたしたちの… 希望だもの… ね……」
火球は瞳を伏せ、そのまま動かなくなった。「火球!!!」
Χが、火球の足もとにドスッと杖をついた。
「おまえさえ死ねばむだな戦いも苦しみもおわるぞ!おまえはわが帝国の銀河支配 いいや!宇宙支配のために
その無限の力をもつというシルバー・ムーンクリスタルを わが帝国にささげねばならないのだ!!」
――どんなに命をなげだしても 戦いはおわらない この戦いに勝ちのこるしかない――!!
「わたさない あたしはこのシルバームーン・クリスタルの力で 戦いをおわらせてみせる」“「希望」ね”
「セーラークリスタルは破壊や戦いのためじゃなく 平和と再生のためにあるんだって 信じてるから!!」
セーラームーンは、涙を零しながらもΧを打ち破った。
「セーラームーン!!」ちびムーンが身を呈してセーラームーンの体を突き飛ばした。
放たれた攻撃は火球を直撃し、亡骸を灰に変えた。
火球のセーラークリスタルを手に取ったセーラー戦士が言った。「つぎの相手は わたしたちよ セーラームーン!」
それは、探し求めていた八人の太陽系のセーラー戦士だった。
●to be continued●
容赦ねえ・・・・
セーター火球!
変態仮面を越えるインパクトだ。
しかし役立たず・・・。
??
キンモク星の守護戦士なのになんでセーラーキンモクじゃなくてセーラー火球?
面白いからいいけど
次から次へときっついな
しかし
キンモク・スター・パワー…
あれだよきっと火球たんはセーラームーンと同じく潜在能力は高いんだよ
だけど常にスターライツに守ってもらってて実戦経験に乏しいからたまたま隙だらけだっただけなんだよ!
と擁護してみる
串刺しとか…アニメ涙目
次回「セーラー火球VSタキシード・ラ・スモーキングボンバー!!」
お楽しみにね☆
今回ほど「無茶しやがって…(AA略)」がぴったりな回はそうそうない
Act58 スターズ9
まさか――
一同に衝撃が走った。探し求めていた仲間達が、生きて、そこに立っている。
「ヴィーナス!!マーキュリー!!マーズ!!ウラヌス!!ネプチューン!!ジュピター!!プルート!!サターン!!――みんな……!!」
セーラームーンは嬉しさのあまり涙を零すが、ちびムーンとちびちびは違和感に気付いた。――ギャラクシアのブレスレット!?
そしてもう一人。城門から姿を見せたのは、同じくブレスレットを付けたタキシードの男…。
「タキシード仮面!?」セーラームーンは信じられずに口を両手で覆った。――まもちゃん!?
「セーラームーン!!」ちびちびが首を激しく振りながら、セーラームーンの足にしがみ付いた。
ところが、セーラームーンは強引にちびちびを振り切ると、吸い寄せられるようにふらふらと仲間達のもとへ歩み寄る。
「まもちゃん みんな……!」
タキシード仮面が口を開いた。「セーラームーンを 殺せ そして奪え!シルバームーンクリスタルを!」
セーラームーンは目の前が真っ白になった。
「まずはあたしたちが相手を!」マーキュリーとマーズが進み出る。
「マーキュリー・アクア・ラプソディー!!!」「マーズ・フレイム・スナイパーッ!!」
セーラームーンを守ろうと、セーラーカルテットが身構える。「きゃああ」しか
し、彼女達は直に攻撃をくらい、夥しい血を流して倒れ込んだ。
「セレス!パラス!ジュノー!ベスタ!」ちびムーンが叫ぶ。――みんな!?あやつられてる!?
「セーラームーン!!」ちびムーンがセーラームーンの腕を掴んで訴えた。「ブレスレットよ!あのブレスさえはずせばきっともとのみんなに!」
しかし、ちびちびはそんなちびムーンのスカートをがしっと掴むと、首を激しく横に振った。
そして、ちびちびがちびムーンの手を握ると、仲間達の体が滅んでゆく映像が走馬灯のように伝わってきた。
――まもちゃん!?マーキュリー!?ジュピター!?マーズ!?ヴィーナス!?ウラヌス!!ネプチューン!!プルート!!サターン!!
「――ちびちび このビジョンは…… みんなはこんなふうにふきとんだの!?」――まるでちりのように一瞬のうちに……!!
――それなら いま目の前にいるみんなは――!
「おつぎはあたしだ!ジュピター・オーク・エボリューションッ」セーラームーンは反撃できず、なんとか交わすも地面に倒れ込んだ。
「セーラームーン!!」ちびムーンが懸命に説得する。「こいつらは敵よ!!ギャラクシアにつくられたにせものよ」
「敵!?――うそよこの技は この力は みんなよ!生きていたのよ」
「そうよわたしたちよ 新しく生まれかわったわたしたちよ!時空嵐撃(クロノス・タイフーン)!!」
セーラームーンは攻撃を受け、どっと倒れ込んだ。
――プルート!?いいえ!こんなのプルートじゃない!「セーラームーン!!」ちびムーンが声を上げた。
「ギャラクシアさま わたしに力を」ウラヌスがスッとブレスレットをこちらに向けた。
「ギャラクティカ!!宇宙乱気流(スペースタービュレンス)!!」「あうっ」今度はちびムーンが攻撃を喰らい、地に伏した。
「ちびムーン!!」ちびムーンがセーラームーンの手を取り、息も絶え絶えに訴えかけた。
「セーラームーン これはみんなじゃない 敵よ!つらいけど思い出して みんなの体はギャラクシアにこなごなにされたのよ」
ドクン、とセーラームーンの心臓が大きく音を立てた。
「――だって みんな そこにいるわ 目のまえに生きて 立って 戦って」
「そうよ!だけどみんなの真の力じゃない!みんなはギャラクシアの力で甦ったのよ あたしたちを殺すために!!」
「つぎはあたしの番ね」サターンはククッと笑うと沈黙の鎌を取り出した。
「ギャラクティカ 鎌 奇襲(グレイブサプライズ)!!」攻撃は真っ直ぐちびムーンに向かってくる。――サターン!!
しかし、抱き合うセーラームーンとちびムーンの前にちびちびが飛び出すと、ロッドを使ってサターンの技を弾いてしまった。
想定外のことに、サターンとタキシード仮面は動揺する。
「手こずらせる子スズメちゃんたちね つぎの相手は」ネプチューンがバイオリンを構えた。
「このわたしよ!ギャラクティカ!!提琴潮流(ヴィオロンタイド)!!」セーラームーンが両手で攻撃を弾くと、跳ね返った力が壁をぶち破った。
――ちがう!ネプチューンじゃない この破壊力 この力は――!!
「ガーネットオーブ!!」「サイレンスグレイブ!!」「「ギャラクティカキャノン!!」
強力な技が今度はちびちびを襲った。「ちびちび!!」叫ぶ間もなく、セーラームーンの背後にはヴィーナスが迫ってきていた。
「ヴィーナス!!ラヴ・アンド・ギャラクティカショッッック!!」
セーラームーンは反射的に両手を前に出すと、力を出して技を相殺した。
「ちっ」タキシード仮面はそんな様子を見て、城の中へと引き返していった。それを追ってセーラームーンも城の中へと入っていく。
二人は、大広間で対峙した。――まもちゃん ――いいえ まもちゃんじゃない あの目は あのブレスレットは――
「「「「ギャラクティカゲイル!!」」」」城の入口から突入した内部戦士四人が合体技を放った。
セーラームーンは突然の攻撃に戸惑いながらも、それもなんとか弾き返した。
「クソッ!」タキシード仮面が忌々しげに呟く。
ちびムーンが荒く息をつきながら懸命に体を起こした。
「セーラームーン!みんな!!こんなのウソだよ!みんなで殺しあってしまったら 地球はだれが守るの!?
この銀河はだれが守るの!?あたしたちの未来はどうなっちゃうの!?目をさまして!でなきゃみんなここでおわっちゃうよ!!」
「スターライト・ハネムーン・セラピー・キッッス!!」
しかしヴィーナスはセーラームーンの攻撃を片手でぴたりと止めてしまった。
「これが銀河一と謳われる セーラー戦士のセーラークリスタルの力?まるでそよ風のダンスね」
セーラームーンの脳裏に無邪気に笑う美奈子の顔が横切る。
セーラームーンの目からは、いつしか涙があふれていた。……できない できないよ みんなをたおすなんて
八人の戦士達は、示しあったかのように一斉に片手をこちらに向けた。
「「「「「「「「ギャラクティカ プラネットアタック!!」」」」」」」」
反撃できず直に技を浴びたセーラームーンの翼がピシピシと砕けていく。セーラームーンの体は吹き飛ばされ、強く地面に叩きつけられる。
セーラームーンのロッドも真ん中から折れ、砕けていった。
●to be continued●
ヴィーナスがリーダーっぽい
初めてきたけど4スレも続けてるって凄い
なんかみんな5割増しくらい強くなってね?
うさぎカワイソス…(´;ω;`)
>>701 もともと脇役の技でも名前のあるキャラを
一撃で消すくらい強力だからな・・・。
久々に出てきたと思ったら偉そうに命令してるだけの変態
>これが銀河一と謳われるセーラー戦士のセーラークリスタルの力?まるでそよ風のダンスね
うさぎを守っていた頃の記憶が消えちゃったのか…
そういや確かに変態何もしてないな
要るだけでうさぎには精神的大ダメージなんじゃね?
開口一番「殺せ」だし
戦力としては期待されてないんですね、分かります
Act58-2
翼を無くし、ロッドも折れ、力なく横たわるセーラームーン。
タキシード仮面が至近距離まで近づいてきた。「羽をもがれたか ククッ」
ちびムーンは危機を感じ身を起こす。――やらなければやられる!!戦ってたおさなければここでおわり――
――ギャラクシアの元へはたどりつけない ホントの敵をたおすことはできない!!
「――ダメ 手を出しちゃいけない」「立ち上がろうとするちびムーンの腕を、横からちびちびが掴んだ。
「これはセーラームーンの戦いだから 銀河のゆくすえがかかってる セーラームーンの戦いだから だから セーラームーンを信じて――」
セーラームーンの傍には、ヴィーナス達もじりじりと歩み寄ってきていた。
タキシード仮面が冷たく笑う。「とどめをさせ」
「セーラームーン!!」ちびムーンが叫ぶ。
ちびちびは目をぎゅっと閉じ、祈るように手を組んだ。
セーラームーンは手をグッと握り締める。
――そうだ まだここでおわるわけにはいかない!「シルバームーン・クリスタル・パワー」――あきらめるわけにはいかない!
セーラームーンの両手の中に、砕け散ってしまったはずのロッドが甦った。
「セラピーキッッス!!」セーラームーンが泣きながら叫ぶと八人の戦士達は一瞬で塵になった。
そして探し求めていたセーラークリスタルが露わになるが、それらはセーラームーンが手にする前に何処かへ消えてしまった。
セーラームーンはそのまま城の中を進んでいく。
巨大なクリスタルのオブジェの元に、全ての元凶が佇んでいた。
「わたしの泥人形(ゴーレム)たちはなかなかのできばえであったろう?
銀河一の破壊の戦士 セーラーギャラクシアの城へようこそ セーラームーン」
――やっとたどりついた セーラーギャラクシア あなたのもとへ――!
「傷つき羽をもがれても わたしへの憎悪でそこまで美しくまぶしく力がみなぎるか」
「――力がみなぎるのは 憎しみのせいじゃないわ セーラー戦士の力を信じてるからよ
あたしに力を与えつづけてくれる みんなの セーラークリスタルの力を信じてるから ここまでたどりついた 自分の力を信じてるから」
火球が今わの際に残した言葉がセーラームーンの心に甦った。
“またみんなといっしょに生まれてきたいわ”
「仲間はかならず助かる いっしょにまた生きると 信じてるから あたしたちのつくる未来があると信じてるから!」
――いま 戦える
ギャラクシアは嘲笑する。「愛する仲間たちとの未来か?」
すると、部屋の奥から再びタキシード仮面が現れ、ギャラクシアに口づけを捧げた。「!!」
さらに、ギャラクシアの胸のブローチにも一つキスを送り、続いて靴の先にも一つ……。
セーラームーンは堪え切れず目を瞑った。「やめて!!やめて まもちゃん!!」
ギャラクシアはタキシード仮面を思い切り蹴り上げると、手の甲を踏みつけた。
「この男も銀河中の力(パワー)も この銀河すべてわたしのもの!とり返したければ 戦え このわたしと!」
「戦うわ!!戦ってこの戦いをおわらせてみせる!」
二つの力が、ついに激突した。
●to be continued●
711 :
マロン名無しさん:2009/05/28(木) 22:20:19 ID:8M7Jjgcp
ギャラクシア様→女王様
変態→変態
ラストの絵が少年漫画の打ち切り最終回みたいだった
SMとはいいご趣味をお持ちで>ギャラクシア様
変態は更に変態に
>>712 変態「俺たちの戦いは始まったばかりだぜ!」
〜完〜
武内先生の次回作にご期待ください!
こうですか?><
パワーアップした戦士たち8人まとめて一度の攻撃で倒すってすげー
仲間は殺せても、恋人だけは殺せなかったか…°・(ノД`)・°・
変態はギャラクシア様の力で「ド変態」へとレベルアップwwww
変態は何回操られれば気が済むんだよwww
変態は調教がお好き
まもちゃん自重しるw
ギャラクシアは調子に乗ってうさぎを挑発しすぎ
もしこれが少年漫画だったら
変態が犠牲になってキレたうさぎ超パワーアップ→ギャラクシアフルボッコという展開に
ギャラ様「先程のド変態M男は実に殺しがいがあった。」
うさぎ「まもちゃんのことか――――!!!」
黒幕のカオスが控えてるんだし
ギャラクシアはベジータ的ポジションだろ
>>723 ギャラクシア「セーラークリスタルのバーゲンセールだな。」
>羽をもがれても
羽体に直に生えてるのか
アニメの羽は絶対違うだろーが
Act59 スターズ10
「シルバームーン・クリスタルパワーセラピーキッッス!」「ギャラクティカインフレーション!!」二つの力がついに激突した。
セーラームーンに遅れて城の奥に突入したちびムーンとちびちびは、二人の真剣勝負を黙って見ているほかなかった。
攻撃の巻き添えを喰らわないよう、ちびちびがハート形のロッドで自分とちびムーンの周囲にバリアを張った。
「――ちびちび おまえはこの戦いを知っているのね おまえがもしあたしの妹か子どもなら あたしたちの未来はちゃんとあるってことよね
あたしたちはこの戦いに勝ってみんな助かるよね!?だから セーラームーンを信じてっていったんでしょ!?
ちびちび ――おまえはほんとうは何者なの?」
ちびちびは、哀しげな深い色の瞳をゆっくりとちびムーンに向けた。
激しいぶつかり合いの後、ギャラクシアがセーラームーンの首に手を掛けたまま地面に叩きつけた。
「わたしはクズのような星にクズとしてたったひとり生まれた 地獄のような日々を孤独にさすらって生きてゆくしかなかった
だがわたしにはセーラー戦士としての力があり ある時突然それはめざめた わたしは選ばれた者だったのよ」
――けれど ただのセーラー戦士ではクズと同じ 最強の力をもつ最強の星でなければ!
――ずっとわたしにふさわしいわたしだけの星をさがしてきたわ!!
――そして見つけたの すばらしい星を
ギャラクシアが首に手を掛けたまま至近距離まで顔を近づけてきた。
「そしてその星を手に入れるために 必要な銀河最強の力も――!」
セーラームーンが勢いよくギャラクシアを跳ね除けた。
「セーラー戦士の力(パワー)は 銀河の正義と平和のためにあるのよ!そして愛する人と仲間たちのために!!」
「愛?仲間?群れ集うのはクズであることの証」ギャラクシアは戦いを黙って眺めているタキシード仮面の元へ歩み寄る。
「われらが信じられるものは 自分の力だけだ」タキシード仮面を見て、セーラームーンの心はまたざわついた。
「パワーの源セーラークリスタルだけ それがすべてだ ――滅んでしまったセーラー戦士たちもセーラークリスタルさえあれば肉体などたやすく甦る」
巨大なクリスタルのオブジェから八つの光が浮かび上がり、太陽系の戦士達の姿が幻となって浮かび上がった。
しかし次の瞬間、それらは脆く弾け飛んでしまった。
「そしてそれはまた たやすく壊れるような代物だ ククッ」セーラームーンはカッと頭に血が上った。
「おまえもわかっているはず おまえの信じるものははかない幻ばかり それでもまだ信じようというのか?
愛や仲間などを クズどもの平和を!共存を!未来を!」
「破壊の戦士のあなたにはわからない!!」セーラームーンはロッドを構えると、眩い光を放った。
「仲間や愛する人たちの 手が体がその言葉が どんなに強い力をもつか
あたしがここまできたのも生きてゆけるのも そしてセーラー戦士として戦えるのも 仲間と愛する人がいるから!」
「それが セーラー戦士よ!」凛々しくロッドを構えるセーラームーンを見て、ギャラクシアは一瞬言葉を失い、巨大なクリスタルとともに消えてしまった。
――銀河最強のセーラークリスタルをもつ者!なぜセーラームーンなのだ あんなクズのようななにもしらぬ小娘が!!
――だがなんとしてもセーラームーンの力を手にしなければ!カオスを倒し全銀河をこの手にするために!必要なのだ あの力が!
走るギャラクシアを追ってセーラームーンがたどり着いたのは、城の最奥の、まるで切り立った崖のような場所だった。
崖の下には、光の湖のようでもあり、光の滝のようでもあり、底なし沼のようにも見えるものが浮かんでいた。
「ここは――…」崖に追い詰められたギャラクシアは不敵に笑った。「――ここは 星たちの聖地 ギャラクシーコルドロン」
「――強い星も弱い星も クズもセーラー戦士も 銀河中のすべての星が生まれるところ」
――星の生まれるところ ……なんて キレイ…… ここが銀河で一番 可能性にあふれた聖なる場所――
「この場所こそ 最後に選ばれた者が手にする最高の舞台(ステージ) ここにはすべてがあり すべてがなくなる場所」
ギャラクシアはそう言うと、あの巨大なクリスタルを宙に出現させた。
「!?」クリスタルは、みるみる落下していく。「ギャラクシア!?なにを……!」
クリスタルは静かにコルドロンに沈んでいき、見えなくなってしまった。
――みんなのセーラークリスタルが……!?
「銀河中のセーラークリスタルは いま母なる海にあとかたもなくとけて消えた なんてすばらしい ゾクゾクするわ
このコルドロンこそ この宇宙で絶対無敵の最強の“星”なのよ」
あとを追ってきたちびムーンとちびちびもあまりのことに唖然とする。
セーラームーンは目の前が真っ暗になった。――みんなのセーラークリスタルが 消えた?
消えた!?
――ずっと信じてた セーラークリスタルさえあれば きっとみんなをもとどおり ――取り戻せると
――取り戻してみせる ――その最後の希望 ――みんなのセーラークリスタルが……
「…ゆるせない ゆるせないギャラクシア!!」セーラームーンの怒りの攻撃を、ギャラクシアはガードする。
後ろにはタキシード仮面を従えている。
「そうだ もっともっと怒りの炎を 憎しみの嵐をおこせ」ギャラクシアが、手の甲でトン、とタキシード仮面を押した。
「孤独になれセーラームーン その心こそがおまえの中の底知れぬ力を目覚めさすのだ」無抵抗のタキシード仮面はそのままの姿勢で落ちてゆく。
「まもちゃん!!」タキシード仮面はマントを瞬かせ、仰向けのままコルドロンに溶けていった。
――そして カオスからすべての真実をきいた時 おまえの力は爆発し暴走し カオスもろともふきとぶだろう
「まもちゃん!!」
――その時こそ このわたしギャラクシアが コルドロンの真の支配者となる時!!
セーラームーンが泣き叫ぶ。「いやあああ!!」
次の瞬間、セーラームーンはあることに気が付き、ちびムーンを凝視する。
「セーラームー……」「ちびムーン!?」ちびムーンの体はみるみる透けていき、こちらに手を差し伸べたまま儚く消えてしまった。
「ちびムーン!!いやああ!!」
●to be continued●
730 :
マロン名無しさん:2009/05/30(土) 21:53:26 ID:UGi1ZE9P
〜そして誰もいなくなった〜
>カオスからすべての真実をきいた時 おまえの力は爆発し暴走し カオスもろともふきとぶだろう
>その時こそ このわたしギャラクシアが コルドロンの真の支配者となる時!!
やたら挑発してたのはこんな狙いがあったからか
カオス=セーラームーン(本気)>>>ギャラクシア≧セーラームーン>|越えられない壁|>他の戦士>>>>>変態
くらいか?
セーラークリスタルと変態が溶けて消えた。
でも「どうせ復活するだろう」感は消えない。
ギャラクシアは銀河最強の「破壊の戦士」であって
銀河最強の「戦士」ではないのな
>>732 ギャラクシア様はてっきりもっと強いものだとばかり…
でもギャラ様の言い分だと
カオス=セーラームーン>ギャラクシア
なのは確定っぽいよね
Act59-2
“おおおおお”コルドロンの底の方から、バキバキと轟音が轟いた。
「パワーを得て動きだしたか!!」ギャラクシアはさも嬉しそうな表情を浮かべる。
「おまえもカオスさまのえじきとなれ!セーラームーン!!」――このコルドロンの中で頂点の力を爆発させ カオスもろともふきとぶがいい!
「ギャラクティカ・スーパーストリング!!」ところがギャラクシアの技がセーラームーンに届く前に、飛びだしたちびちびが攻撃を弾いてしまった。
ギャラクシアは目を疑った。――はね返した!?バカな!!このセーラー戦士は!?
“おおおお”「カオスさま!銀河最強の戦士セーラームーンをいまあなたに!」――やっとこの時がきた
――力(パワー)が銀河が全宇宙が手に入る時が
「最高の力をたぎらせたセーラームーンをあなたに!!」
「!?」ところが、なんとカオスはコルドロンに背を向けたギャラクシアを急襲した。
「ギャラクシア!?」激しい攻撃の渦に巻き込まれたギャラクシアに手を差し伸べ、気を失った彼女を助け出したのはセーラームーンだった。
コルドロンはすっかり闇に支配され、恐ろしい力がセーラームーン達を襲った。セーラームーンは咄嗟に翼を生やし、バリアを張った。
“おおお なんという力!!その白い輝き 銀河最強の光の力!――とうとうわたしのもとにやってきたか ――わたしはカオス
星になりそこねた者 そしてこのコルドロンの闇の星々の支配者”「――カオス!?」
“美しきコルドロンの光の力をうけついだ子よ ――同じ海から生まれた兄弟たちを ――邪悪な闇の星々を その手で消し去り
返り血で輝きを増し その名を銀河中にとどろかせてきたか ククク”
「――兄弟たち!?邪悪な闇の星々!?」
“光の力をもとめて銀河をさすらう 邪悪な闇の化身たち おまえが消し去ってきた輩ども―― ――それらはすべてわたしの分身
すべてここから時空をこえ旅立っていった ――おまえたちは兄弟なのだ”
――いままで戦ってきた 敵が―― ここから 同じ場所から生まれた 同じ兄弟(星たち)――!?
“おまえがここへくることは運命だったのだ 光あるところに闇はあり 闇は光をよび光もまた闇をよぶ
わたしたちはひきあう運命なのだ 原初すべてがここでひとつであったように そしていままた光と闇が手をとりあう時がきたのだ!”
「!!」カオスは力を増し、迫ってくる。
“銀河最強の戦士セーラームーンよ さあ おまえの力をわたしに!このわたしの長きの願い
コルドロンにかわりこのわたしが全宇宙を支配する時がついにやってきたのだ!”
意識を失っていた傷だらけのギャラクシアは目を開けて驚いた。セーラームーンとちびちびが自分を守ってくれている。
「――なぜわたしを助けた」「ギャラクシア!」「とどめをさせ!」ギャラクシアは悔しげに目を閉じた。
――カオスははじめからわたしなど眼中になかった
――しょせんわたしではこの巨大な存在には勝てない ――ここもわたしの星ではなかったのか
「手がのびたのはあなたの中に孤独なあたしを見たから もう仲間を失うのはいやだから」「わたしは敵だ!これは戦いだ!」
「…もう 戦えないよ」ぽつりとセーラームーンが呟いた。
「みんな消えてなくなってしまったもの あたしはいつだって 平和や正義のためなんかじゃない 愛する人のために 仲間のためだけに戦ってきたの
でももう すべて消えてしまった なによりたいせつなものがもうないのに だれのために なんのために戦えばいいの?」
「……クッ おまえもわたしも戦えぬ セーラー戦士がひとりのこらずいなくなる いまこそ戦いのおわる時か」
――戦いが おわる ――望んでいたことが こんな形で……
「いいえ 戦いはおわらない ずっとつづくわ」そう確かな口調で言ったのは、なんとちびちびだった。
「だからこそあなたの手で “こんどこそ”いま戦いをおわらせるのよ 銀河の未来を救うために
セーラームーン あなたの最後の力で すべての敵の源 カオスとコルドロンを消滅させ 戦いをおわらせるのよ!」
――カオスを ――コルドロンを!? ――ちびちび?
「カオスはいま完全にコルドロンと一体化した カオスを完全に消滅させるにはコルドロンごと消すしか方法はないわ」
「――だけど コルドロンが消えてしまったら」――もう星は生まれない 「――いつか銀河の未来がなくなってしまうわ!!」
「でもそうしなければこの戦いと苦しみの歴史はずっとつづくわ!あなたが背負ってゆくのよセーラームーン!きっと後悔するわセーラームーン!」
必死に説得するちびちびを、残された二人の戦士は不思議な面持ちで眺めていた。
「…星が 生まれつづけるかぎり戦いはおわらないのね」――闇は光をよび 光もまた闇をよぶ これが 銀河の意志なの?
セーラームーンはサターンを思い浮かべた。――戦いをおわらせるということは すべてなくなることなの?
――そして その死の鎌を こんどはあたしが ふりおろさなければいけないの?
「……だって しかたないよ」ちびちびの瞳から涙が零れた。「それしかないんだもの ――銀河に平和をよぶには もうそれしか……」
「――だが この銀河が滅んでしまっても」それまで沈黙を守っていたギャラクシアが口を開いた。
「またどこかで新しいコルドロンはきっと生まれる どこかで新しい未来がはじまり また光と闇も生まれるかもしれぬ
そう簡単に戦いのおわりがやってくるわけはない」
ギャラクシアは唇に手をやった。――新しい未来 …不思議だ まだわたしの中にこんな言葉があったなんて
「…そう そうね」それまで涙を零していたセーラームーンが初めて微笑んだ。
「新しい未来はずっと生まれつづけていくわ そしてそこには光も闇も 戦いも希望も生も死も 喜びも悲しみも きっとまたすべてがあるわ
すべてが ――それがこの宇宙なのよ」その言葉は、ちびちびの心を揺さぶった。
ギャラクシアは、柔らかい笑顔を浮かべるセーラームーンの顔を見つめた。
――セーラームーン… おまえはこの宇宙の はるかな未来まで信じているのか
――セーラームーン おまえは すべてを包みこむ戦士なのか?
ギャラクシアは、その笑顔に懸命に手を伸ばした。――セーラームーン…… ……やっと見つけたわたしの星は
ギャラクシアのブレスレットにピシピシを亀裂が入っていく。――大きすぎてまぶしすぎて手が届かない
――だが その星は永遠にこの宇宙で輝きつづけるだろう……
ブレスレットが砕けるのと共に、ギャラクシアは一瞬で塵と化した。「ギャラクシア!?」
セーラームーンはしばらく泣き崩れていたが、ようやくその泣き濡れた顔を上げた。
「ちびちび あたしはあきらめない」残されたギャラクシアのブローチを拾い上げる。
「だっていつでもみんながおしえてくれたもの 戦いのおわりには希望と未来があるって あたしはつくってみせる みんなとの未来を
だから あなたも希望と未来をすてないで 信じて あたしたちの希望の星はけっして消えたりしない
星が輝きつづけるかぎり あたしたちはだいじょうぶ 負けないから」
ちびちびの目からも涙が溢れた。「……うん」ちびちびはセーラームーンの頬にキスをすると、ふわりと翼が生えた大人の戦士に変化した。
「……ちびちび?」二人は手を取り合った。……そうね 負けたりしない だってあたしたちはセーラー戦士だもの
741 :
◆P9MoonSjzo :2009/06/01(月) 23:12:31 ID:TeLDJTj8
突然、力を増したカオスがグアッと迫ってきた。
「!!」“セーラームーン!母なるコルドロンがおまえの墓場だ!!いまカオスという宇宙最強の星の誕生だ!!”
心を決めたセーラームーンは、両手を広げると力を放った。“おおお?!”
――クイン・メタリア デス・ファントム ファラオ90 ネヘレニア そしてギャラクシア
――いまならわかる あなたたちが なぜあたしの力を求めていたか
セーラームーンは目を閉じると自分の体を抱きしめた。――それはあたしが愛する人を 愛する仲間たちを求める気持ちと同じなの
――あたしたちはみんな ひとりぼっちの星なの だから求めあうの “ひとつ”になりたくて
――“ひとつ” それがあたしたちのはじまりの姿だから だからいまあたしも
――あなたを求めて
セーラームーンは翼を羽ばたかせ、果敢にもカオスに向かっていった。
――包んであげる このコルドロンの中で すべてを救うために
●to be continued●
ちびちびはギャラクシアから別れた良心と予想していたが
そんなことは全然なかったぜ
ギャラクシアに一抹の良心が残ってたことに驚き
ちびちびが実は大人でおまえら涙目www
orz
Act60 スターズ11
――すべてを救う そんなことが できるかどうか わからない だけど
浮かぶのは、太陽系の仲間達の笑顔。“あたしたち いつでもいっしょよ”
次に、衛の笑顔。“迷わずに戦え”
続いて、死を決意したサターンの微笑み。“いつでも希望と再生があるのです”
そして、死の間際の火球の涙。“セーラークリスタルは あたしたちの希望だもの”
“希望だもの”
うさぎは羽根を振り撒き、一糸纏わぬ姿へと変わった。
――コルドロンに眠るセーラー戦士たちよ セーラークリスタルたちよ 銀河に散らばるたくさんの あたしの仲間たちよ どうか
――どうか あたしに力をかして――!
眩い光が溢れ、城の外に倒れていたセーラーカルテットはフッと目を覚ました。「――!?」皆、胸の中央が光輝いている。
セレスは城内の異変に気付いた。城を突き抜ける膨大な光の力――!
――呼んでる このパワーはセーラームーン!?あたしたちの力を もとめてる――!?
カルテットは城の中へ駆けだした。――セーラームーン!
城の奥へ奥へと駆けるカルテットは、ついにうさぎとカオスの一騎打ちを目の当たりにした。
その途端、胸の光がヒュッとうさぎの方へと飛んで行った。――セーラームーン!?
「シルバームーン・クリスタル!!エターナルパワ―――ッ!!」
渾身の力を込めて叫ぶと、うさぎの髪から帯状の光が伸び、カオスを包みこんだ。
“おおおお!このわたしをバラバラにする気か!?やめろ!!おおおおぉ”
パァン
“ぎゃああぁぁ”光のリボンが弾かれ、カオスは断末魔を上げた。
うさぎはうっとりと目を細めた。――ああ みんなの力を感じる からだじゅうに
そっと、手をカオスに当てる。――まってて いま助け出すから ……この中から……
そう思ったのを最後に、うさぎの肉体は原始の海に溶けて消えていった。
「セーラームーン!?」一部始終を見ていたカルテットが叫ぶ。
その瞬間、コルドロンからはきらきらと光が溢れた。
「――すごい この光の洪水は!?いったい――!?」
意外にも、誰かが答えをくれた。
「――コルドロンに散っていったセーラー戦士たちのセーラークリスタルが もとどおりの姿をとりもどし 自分たちの星へ還ってゆくのよ」
カルテットから少し離れた場所に、その女性は立っていた。長いロッドを持ち、マントを着けた神々しい純白の戦士――。
その横顔に、セレスは面影を見た。――ちびちび?
「――まだみんなコルドロンから生まれたばかりのスターシードだけど それぞれの星にたどりつくころには成長してもとの姿にもどっているでしょう」
「――まさかこれは セーラームーンが自らを犠牲にして シルバームーン・クリスタルの力で!?」セレスが尋ねる。
「――いいえ この再生力は 銀河じゅうのセーラークリスタルがひとつになったからこそ 実現した力(パワー)
これこそコスモスクリスタルの すべてを静的な“コスモス”にする究極のラムダ・パワー」
「コスモス・クリスタル!?――ラムダ・パワー!?」ベスタが驚いて尋ねた。「――あなたは だれ?」
女性はゆっくり振り向いた。「わたしは ――セーラーコスモス」――セーラーコスモス!?
セレスがあることに思い当った。「――まさか まさかあなたは未来の」
未来のセーラームーンの究極の姿――!?
コスモスは自嘲気味に言った。
「……わたしは 自分のいるべき場所から すべてをすてて逃げ出してきたただの臆病者
エターナルセーラームーンの 最後の勇気と力には 永遠にかなわないでしょう」
――「最後」の勇気!?「――ではセーラームーンは!?まさか……」
ジュノーが質問する。「セーラーコスモス!わたしたちのプリンセスは……」
「安心なさい あなたがたのプリンセスもほかの戦士たちと同じように あのラムダ・パワーで再生されました
いずれあの光の流れにのり 三十世紀へ無事に還りつくことでしょう
ここはギャラクシーコルドロン 銀河の星が生まれ 星が最後に還りつくところ
ここに巣くっていたすべての敵の源カオスを自らの内にとりこもうとして エターナルセーラームーンはカオスとともに
コルドロンの原初の海にとけていったの エターナルセーラームーンの力により コルドロンは そして銀河は もとの姿をとりもどすことができたわ」
「でもやはり カオスを完全に消し去ることはできなかった ――わたしは気の遠くなるような未来から セーラーカオスとの戦いをすて
すべてをなげ出して逃げてきてしまった」
――くり返される殺戮 長い苦しい戦い 現れた敵セーラーカオスは強く巨大で いままでの戦いかたでは勝ち目はない
――たとえたおしても もとどおりの平和をとりもどしても 受けたダメージも払った代償も 大きすぎる ――なかったことにはできない
――もうわからなくなった なんのために戦いはあるのか なにが正しいのか ――どうすればいいの?
――迷うたび 苦しむたびに思い出す ――“ここ”でも戦い ――あのときコルドロンを消滅させていれば 戦いは苦しみはなくなっていた――?
「……何度も後悔したから ここへきたの こんどこそやり直すために」
――“ここ”でのわたしも やはりずっと孤独だった いつも苦しんでいた だからずっとよりそい支え こんどこそ正しい道を選ばせるつもりで……
「――でも わかったの 選んだ道はまちがっていなかった だれも星の生まれるところを消すことなんてできない」
――ここがあるからわたしたちは生きつづけてゆける
コスモスはコルドロンを眺め、涙を零した。
――何度でも やり直せるの
「……もう逃げたりしない 前へ進んでいけるわ エターナルセーラームーンから大きな力を授かったから」
――すべてをすて去る勇気の力と すべてを受けいれる勇気の力――!忘れかけていた無敵の力――!
「セーラーコスモス……」
「――いま 銀河を救ったエターナルセーラームーンの姿こそ 真のセーラーコスモスの姿
エターナルセーラームーンのように すべてすて去る勇気とすべて受けいれる勇気をもてたら そのときこそわたしが真のセーラーコスモスになれるとき」
コスモスはロッドを掲げた。「さあ あなたたちもおもどりなさい あなたたちの戻るべき場所へ 守るべき人のもとへ」
光に包まれ、カルテットは一瞬にして見えなくなった。コスモスは、銀河中のクリスタルが還る様を、いつまでも眺めていた。
●to be continued●
ちびちびが未来のうさぎって・・・何歳よ。
プルートより年上っぽいな。
750 :
マロン名無しさん:2009/06/03(水) 22:56:10 ID:xvnu6b4S
こ……小宇宙
コスモスは地球の女王の座をちびうさに譲った後のうさぎなんだろうが、
シルバーミレニアムの一族の寿命は約1000年のはずなのに長生きしすぎじゃね?
この戦いに生き残ったセーラーカルテットこそ最強
>>751 何度か転生を繰り返したあとのうさぎなんじゃない?
カルテットが生きのこったのは正直意外だった
次回作は「美少女戦士セーラーちびムーン&カルテット」かな。
うさぎ達はセーラー戦士引退ということで…。
Act60-2
――あたたかい …なつかしい においがする
薄いワンピースを着たうさぎは、フッと目を覚ました。
……あたし?生きてる?――あたし カオスをつつみこもうとして 最後の瞬間
はじかれた
――ここは?……みんな 消えてしまったの?カオスも コルドロンも みんなも
後ろから、誰かが手を差し伸べた。あんなにも待ち望んでいた、暖かい手。
「うさ」
うさぎは勢いよく振り向くと、手を取り合った。シャツを羽織った衛が笑顔でそこに立っていた。
「うさぎ!!」同じく薄手のワンピースを着た美奈子達がこちらに駆けてくる。
うさぎは衛の肩越しに皆を見て、涙を零した。「……みんな…!!」
「――うさの力のおかげだ」衛がうさぎの手にキスを送る。
レイと美奈子も涙を零す。「うさぎ……!ひとりにして …ずっと守れなくて ごめん……!」
はるかとみちるが手を差し伸べる。「――会いたかった……!」
亜美・まこと・せつな・ほたるも涙ぐむ。「あたしたちを呼びつづけてくれて 力を注ぎこんでくれて ――ありがとう うさぎ」
「うさぎ」後ろから小さな手が頬に触れた。振り向くと、翼の生えたちびうさが涙ながらに微笑んでいた。
「三十世紀でまってるね」「ちびうさ……!」ちびうさの姿は光に変わり、時空を超えて旅立っていった。
――信じてた こうしてかならず会えるって
「あたしたち またひとつになれたのね」堪らず、うさぎは美奈子に抱きついた。
――ひとつになって思いが通じあって こうしてまた 出会えたのね
『――なんて強い星の輝きなの』アンティークのような不思議なドレスを着た小さな女性が、ロッドを片手に浮かんでいた。
『このコルドロンの中で 星の姿を完全にとどめておけるなんて』「コルドロン?…ここはコルドロンの中なの?」『そうよ』
「……あなたは?」『わたしはガーディアン・コスモス コスモス・シードの守護・星霊(せいれい)』
『むかし おまえたちのように完全な星の姿でここへやってきた輝く星があったわ』それは前世でのうさぎの母、クイーンセレ二ティその人だった。
『その胸に小さな星のぬけがらを抱きしめて ――その星もやはり おまえと同じ強い輝きをもっていたわ セーラームーン』
『それで わたしのもとへやってきたということは その命をこのコルドロンのはじまりの海へすて あたらしい星の歴史をはじめたいということ?
それともそのままの星の姿で ここから立ち去っていきたいのかしら?』ガーディアン・コスモスは微笑みを浮かべて尋ねた。
うさぎは優しく微笑んだ。「――あたしたち このままずっとみんなで いっしょに生きていきたい」
「このままみんなで未来をつくっていきたい どんなにつらくても この人生を生きていきたい……!」
「!?」突然光に包まれ、うさぎ達の体が浮かび上がった。ガーディアン・コスモスがぐんぐん遠くなっていく。
「ガーディアン・コスモス!カオスは――…」うさぎが懸命に手を伸ばすが、一瞬の後、うさぎ達は光に包まれ、旅立っていった。
『――カオスの核(コア)だったカオス・シードもガーディアン・カオスも コルドロンの海にとけ いまは見つけられぬくらい小さくなった
……また 生まれてくるかもしれないわね』
――ここは 星が そして 可能性が生まれるところだから……
時が過ぎ、豪華なダブルベッドで眠るうさぎを見守る衛の姿があった。二人とも一糸纏わぬ姿でベッドの中にいる。
衛はうさぎにお目覚めのキスを送った。「おはよう」「……おはよう まもちゃん」
シーツを胸の上まで引っ張りながら、うさぎが呟いた。「……なんだか 長い長い夢を見てたみたい」「どんな夢?」「……忘れちゃった」
クリスタル・パレスが日の光を浴びて輝いている。
「……ねえ まもちゃん」うさぎが衛の頬を両手で覆った。「あのことばもいっかいいってv」「…もうゆうべ五十回くらいいったよ」
「もいっかいだけv」「……じゃ 最後の一回だ」二人は長い口づけを交わした。「“結婚しよう うさ”」
二人は教会で神に永遠の愛を誓った。うさぎは薔薇をあしらったウエディングドレスで、衛はタキシードで。
「――あ」「なに?」「……感じたの いま あたしの中に星が生まれてくる予感を」
――もうすぐあたしたちのムスメが あたらしいセーラー戦士が生まれてくる予感を――
「――ねえ いつかあたしたちの役目がおわるまで ずっといっしょにこの星を守っていけるかな」「――いけるさ もちろん」
「あたしたち ずっといっしょに 生きていける?」「――誓うよ」涙を流しながら微笑むうさぎの額に三日月の印が浮かび上がる。
「オレたちはずっといっしょだ」うさぎはもう一度口づけを送った。――あたしも誓うわ あなたをずっと 守ってゆくと
――そして あたしたちのたいせつな仲間たちを守りつづけてゆくと
教会の外へ駆けていくうさぎは、ドレスアップした美奈子達と合流した。「まもちゃん!」
衛は立ち止まり、輝くうさぎの笑顔をしばらく見つめていた。――いつかオレたちが消えてしまって あたらしいセーラー戦士たちが
――あたらしい星たちがつぎつぎに生まれてきても セーラームーン きみはきっと 永遠に不滅だ
永遠に一番美しく 輝く星だよ
●The End●
変態のモノローグで終わりか・・・
影の主役だったもんな、ある意味
761 :
マロン名無しさん:2009/06/05(金) 22:07:17 ID:JK7PAqGg
まさかベッドインまで描くとは…
スリーライツとは結局なんだったのか
最終回近い雰囲気だと思ったら本当に終わっちゃった(/_;)
今日からなにを楽しみに生きれば…
ハッピーエンドでなによりだけど欲をいえばクリスタルトーキョー建国に至る過程を描いてほしかった
うさぎは結婚できたが、他のセーラー戦士は生涯独身なんだろうか
変態大勝利
セーラーコスモス、自分に会わないのかよ。
今まで散々会ってたじゃんw
そして過去の自分と触れ合うこともすでにあったことでいいんだよな?
>>765 他のセーラー戦士たちもみんな花嫁衣装を着てブーケを持っていたのが気になる
うさぎと衛は神の前で永遠の愛を誓い、他の戦士たちは永遠にうさぎを守ることを誓ったのかも
でも亜美ちゃんだけは既に純潔ではないのですけどね
>>767 ネオクイーンセレニティとセーラームーンは
未来が変わってしまったとしてもどうしても会いたい
という欲求を抑えられなかったが
セーラーコスモスはこの二人よりさらに精神年齢が上だから我慢できたんだとオモ
うさぎの頭には王冠があるのに変態の頭にはないのはなぜ
うさぎのドレス可愛い!!!
直子はデザイナーの才能もありそう
変態ですら結婚できたのにおまいらry
>>764 俺は欲を言えば変わりゆく世界やうさぎを見る
うさぎの家庭の過程を見たい
>>776 自分もそれ見たい!
うさぎが女王として即位したら育子ママや謙之パパも王族みたいな扱いになるのか気になるし
うさぎの前世やセーラームーンとしての活躍を聞かされたときの反応が知りたい
>>777 案外クリスタルトーキョー成立までに戦いの中でうさぎと戦士たち以外の身近な人
(家族及び友達及び学校関係者)
みんな死んでたりしてな
うさぎは他セーラー戦士が死んでも戦い続ける運命でほぼ決定したのかな
ハッピーエンド演出だけど未来考えるとダークだな
あと一応高校卒業→結婚だよね?亜美ちゃんに猛特訓受けて入った高校中退じゃカッコ付かんぞ…
22歳で女王になったんだからもしかしたら短大を出てるのかもしれない
>>778 銀河一の再生力のシルバームーンクリスタルがあるんだから
そう簡単に周りを死なせないと思いたい
私は未来で外部太陽系戦士(プルート除く)がどうなってるのか見たかった
特にほたる
おまいらこの長編の大団円に直子乙の一言もないのかよw
キャラ萌えスレとか伸び早過ぎてついていけねぇ
言い忘れてたけど直子超乙!!!!!
この壮大なストーリーをよくまとめたなって普通に感心する
どっちかといえば自分はアニメ派だけど終盤の展開は原作の方が好きだ
でもこれ、エンディミオンや他の内部・外部戦士はいつか死んでも
シルバームーンクリスタルを持ってるセーラームーンだけは絶対に死なない
って意味であってる?
だとしたら結構鬱だな
直子乙!
でも仮にも今シリーズのレギュラーだったスターズ(+火球)が最終回で完全スルー…
せめてチラッと顔見せだけでもしてほしかった
>>785 火の鳥の死ねない人間の話を思い出した
悲しすぎるよ…°・(ノД`)・°・
え、自分はそういう印象うけないけど…
次代の戦士がいるしセーラーコスモスが不死身だと明言したわけじゃないし、
所詮永遠なんて変態のモノローグだし。
単純に戦士みんな天寿全うして、またクリスタルのもとに転生して仲良しすればいいよ。
つまり未来永劫何回生まれ変わろうとも戦い続ける運命なんだな。そりゃコスモスも投げ出したくなるわ。
>>788 自分は他の戦士は何度も転生繰り返したらいつか消えるけど
セーラームーンは何度生まれ変わっても死なないって意味かと思ってた
死んでも生まれ変わるうえに一般人も寿命が千年になるような世界観だと
死ってものが曖昧になるなぁ
ぱられるせぇらぁむ〜ん (1999年10月 『美少女戦士セーラームーン』設定資料集かきおろし作品)
1999年7の月 とある次元のとある星のとある国のとある街の昼下がり――
「やっほ――vお股――ッ!」頭に細いリボンを付けた愛野美奈子(子持ち 年齢→ヒミツ)が待ち合わせ場所に現れた。
「あれー 亜美ちゃん 白衣で外ウロウロしてていいのーん?レイちゃんもそんなカッコで」
白衣の水野亜美(子持ち 年齢→ヒミツ)は不機嫌そうに頬杖してみせる。「33分49秒の遅刻 きょうはバイトで隣のビルの診療所」
巫女の衣装を着た火野レイ(子持ち 年齢→ヒミツ)は近所の新築のお祓いの帰りらしい。
「よっvオンナ社長!どーよ店のほうは」木野まこと(子持ち 年齢→ヒミツ)はうるうると涙ぐむ。
「結婚七年(同棲二年)夢だった自分のお店がやっとやっと持てて やさしーダンナも手伝ってくれるし幸せいっぱいよv美奈は最近どーなの?」
美奈子は笑顔でビールを注文した。
「楽しいわよーvあいかわらずチビつれてまいんちドラマの見学やバラエティー見にいって タレントのサインのコレクションもふえたしv」
「これもみんなダンナのおかげねーv」「美奈のダンナってドラマのプロデューサーだっけ」「お笑いのAD」美奈子はどっと泣いてみせる。
「レイちゃんのダンナ ガッコの先生しながら神主やってるってホント?タイへ〜〜ン☆」
「しかたないでしょ むこうがやめられないっていってんだから 先生 気がよわくってもー」
亜美は気だるげに「すてきな病院」という本をパラパラ捲っている。
「レイちゃん 家で書道教室始めたってホント?ウチの子面倒見てよ コンピューターばっかいじってて 字がヘタで ヘタで」
「ダメよ亜美ちゃん習いごとばっかさせちゃ!!子どもの豊かな創造力が育たないわよッッ」美奈子がキラリと目を光らせる。
「字なんか書けなくったってお金つめば大学に」そう言ってのける美奈子の顔面に亜美の突きが炸裂した。
「ウチは貧乏勤務医の共かせぎ 月謝はもちろんタダよねレイちゃん。」
「ママ あたしたちお料理教室いってくる」「あらあんたたちまだいたの 知らない人についてっちゃダメよ 四人とも」
美奈子は大きく息を吐いた。「はーッ あいつらが外で遊んでくれるとうれしーv家においとくとかたづけてもかたづけても気がつくと家じゅうカオスの海で」
「エントロピー増大の法則ってヤツよ」と亜美。「は?えんとろぴー?みなP−?」目を白黒させる美奈子。
「じゃあ きょうはマクスウェルの悪魔たちの会合ってとこですか?」そう言って現れた眼鏡の少女は、月野ちびうさ(中3 月野家長女)。
同じく眼鏡をかけた土萌ほたる(中3)も一緒だ。
「やるわねガキのクセに。」「センパイと同じ日本の最高学府ねらってますんで。」「そして官僚になってこの国を牛耳るの。」
「チビは見つかった?」「ウチのチビ ウサギの飼育当番だったみたい むかえにいったらトロトロやってて」笑顔でちびうさが答える。
「エライわねー ちびうさちゃん チビちゃんのおむかえしてんの?」「チビが習いごとある日だけですよ」
ちびうさははあ、と大きく溜息をついてみせる。「あのコ途中で拾 い 食 いするし ウチの母親 バ カであてになんないし」
そこに現れたのは、月野うさぎ(二人の子持ち 年齢→ヒミツ)。
「ごめ〜〜〜んvおそくなっちゃってぇ〜〜v」「うさぎッッ アンタ主人公のクセに何ページ待たせんのよッ」
うわさをすれば、とちびうさは呆れ顔。
「だってえ おニューの靴はいてきたら歩きにくくってえv」「「「「つっかけでこいッ」」」」
それぞれ草履・サンダル・ビーサン・ゲタのレイ・亜美・美奈子・まことがキレる。
「あら ちびうさ なんでココに?」ちびうさはサッと催促状と督促状を取り出すと目を吊り上げた。
「(長女の)塾月謝催促状 (次女の)PTA懇談会すっぽかし 家のカギかけてきた?」
しっかり忘れていたうさぎはうっと詰まると、大声を上げて泣き出した。「わあああああん いじわるう〜〜」「じゃ アタシたち塾なので」
泣きわめく母親を残し、ちびうさとほたるは去って行った。
「ったく 毎日電話して毎週会ってくだらんハナシして」「ほかに楽しみはないワケ?主婦は」四人の娘が歩きながら喋っている。
「あの五人全員ムコ養子だって」と愛野ミナ(小3 愛野家長女)。
「うわー だからやりたい放題なのか オヤジに発言権ないワケだ」頭の後ろで腕を組んでいるのは木野マコ(小3 木野家長女)。
「毎週一回のお茶会の名まえは“セーラー・マッスルズ会」と目を閉じて喋っているのは火野れい(小3 火野家長女)。
「……サイテー。」本を読みながらそう呟く眼鏡の少女は水野あみ(小3 水野家長女)。
「これからどーする?十番の“つづくスタジオ”いこーよ!ジュニアの出待ちしないっ?」ミナがそう提案する。
「渋谷に服見にいきたーいv」とマコ。「家帰ってねる」とれい。「神保町へ本見にいく。」とあみ。
「神保町っておいしーカレー屋さんあるよねッ こうさぎ神保町ッv」息を切らしつつもアイスを持って登場したのは月野こうさぎ(小3 月野家次女)。
「やっとおいついた!走ったらおナカすいたーッ なんか食べにいこーッvv」四人はこうさぎを見てうんざりした顔つきになる。
「でたよ人間消化器」「またなんか食ってる。」「消火器かもよ いくぜ」四人はこうさぎを置いて走りだした。「あっ 待って おいてかない」
「でっ」つまづいたこうさぎは顔からコケてアイスを落としてしまった。「ああ〜〜ん あいすくりから〜むがああ〜〜」泣きわめくこうさぎ。
立ち止まり、呆れてこの様子を眺めるれい。「だれが呼んだのよあのバカ」「ママたち友だちなんだからしょーがないじゃん」
「あみちゃん神保町つれてけよ カレー屋におきざりにしたら?」「よけーに交通費かかるから絶 対 い や。」
「じゃ だれがめんどーみる?」四人はジャンケンを始めたが、こうさぎの悲鳴を聞いて振り返った。
「いや〜〜ッッネコ〜〜ッッ どピンクのネコ〜〜」こうさぎは拾い食いをしながら、段ボールに入れられていたネコに擦り寄られている。
「すげーっ ホントにピンク色!」「ワシントン条約違反じゃないのッ!?」「や〜んかわいーっv」「ちっさーい!」
「うわー すごいネコが集まってきた このへんしきってるネコの子じゃないの?」
怖がって泣くこうさぎに、ミナがピンクのネコを突きつける。「おもしれー こうさぎんちネコいるクセに ネコ苦手でやんの」
ミナがニタッと笑った。「こうさぎ つれてってやってもいーぜ」「ホント!?」五人はジャンケンを始めた。結果はこうさぎの一人勝ちだった。
「じゃ きょうは勝ったヤツが」四人がランドセルをこうさぎの前にドカドカと積み重ねた。「みんなのカバン持つ日ね」
「ついでにこのピンクのネコもつれてくること」「渋谷の饅疋屋パーラーで待ち合わせなッ 先いってるぜ」
四人はダッと走りだす。「あっ あみちゃ〜〜〜ん れいちゃ〜〜〜ん マコちゃ〜〜〜ん ミナちゃ〜〜〜ん」
こうさぎは全身に鳥肌が立ってしまっている。
「思いだした〜〜☆きょうってお料理教室の日だよ〜〜 だめだよ〜〜 フルコース食べそこねちゃう〜〜ッ」
こうさぎは青くなりながらネコを頭上に乗せた。
「ううっっ このネコ歯医者でハブラシの練習のまえに食べカスをピンクにするくすり あれにそっくり〜〜 キモチわる〜〜〜い」
「でもッ 饅疋屋のフルーツサンドと桃のパフェは 絶品なのッ 食わねばッ」こうさぎは四人分のカバンを抱えると、舌舐めずりをしながら走りだした。
置いてきたはずのこうさぎがみるみる近づいてきて四人はぎょっとする。
「おっかけてきたぜ」「こうさぎ饅疋屋のパフェすんごい好きなのよ。」「マジ!?」
四人は走るスピードを上げた。「急げ 駅までぶっちぎるぜっ」「ど〜しておいてくの〜〜〜」「バカこうさぎの相手してると燃費が悪いからよッ。」
「!?」突然、空の一角が光り出し、四人は立ち止まった。
光はみるみるこちらに迫ってくる。「なんだ!?アレ!?」「太陽じゃないの?」「なんか音がする!」「UFO?」「隕石!?」
――あれは なにー!?
あみの視覚が警鐘を鳴らす。――見える!この星のものじゃない光!
れいの触覚が警鐘を鳴らす。――触れる!この星の大気じゃない風!
マコの聴覚が警鐘を鳴らす。――きこえる!この星の音じゃない波!
ミナの嗅覚が警鐘を鳴らす。――におう!におうわ!この星のものじゃないにおい
――感じる!!この星が危ない!?
「こうさぎは!?こうさぎを助けなきゃ!」
光がぐんぐん迫ってきて、走っていたこうさぎを直撃した!
「まったく失礼しちゃうわね プラークの検査薬のピンク色にそっくりだなんて」「う……ん」
こうさぎが目を開けると、目の前にはピンクの髪をしたネコ耳の少女がいた。
「あたしッ?わわわっっここはッ!?まさかあたし 死んだの?」「うんそう」笑顔で即答され、こうさぎは絶叫した。
「うそ〜〜〜 いやあああん パパあ〜〜ッ ママあ〜〜ッ かえして〜〜〜」
少女は耳を塞いだ。「ウソウソウソだって!そんなに死ぬのがイヤなの?」「前田のエビの天ぷら!まだまだ食べてないものいっぱいあるのよッ」
「じゃ あたしのいうコトをきいて 変身してこの星を救ってほしいの」突如周りを浮遊し始めたエビの天ぷらを頬張りながら、こうさぎが答えた。
「もしかして あたしやっと選ばれたの?」「は?」こうさぎは舌を出して少女に見せた。
「パパがあたしの舌は近年まれに見る“あくじき”の舌だって!いつか選ばれてこの舌が世界を救うって」「救いません。」少女は呆れ果てる。
「じゃやだ コワイことキライ☆これ以上いじめられるのもやだ☆」「変身するといーことあるわよ」少女はこうさぎの鼻をちょんとつつく。
「あみちゃんれいちゃんマコちゃんミナちゃんがこうさぎちゃんの手下 こうさぎちゃんがお姫さまvやる?」
「やる!!」こうさぎは大声で言った。「おっしゃあ!!ぱられるむーんぱわー――ッ!!めいく あっぷ」
こうさぎはあちこちにうさぎの縫いぐるみがついたセーラー戦士に変身した。
「えええっ うっそお☆」「こうさぎ!?」「あみちゃんれいちゃんマコちゃんミナちゃん!!」四人も変身して街の上空にいた。
「きょうからあたしがお姫さま!!この星を救うわよッッ」
「きたわ あれよ!あれを消去(デリート)するのよ!」――火の玉!?ううんあれは
なんと驚くことに、無数のうさぎが一つになってうさぎの形を成していた。
「うさぎの大群だあ〜〜〜ッ」
ミナは頭を抱えた。「ウサギの天敵ってナニ!?」「ネコよっ」こうさぎはそう主張した。「ええっ!?」
こうさぎはあみの本をバッと取り上げる。「オオヤマネコッ!!ホラ本にのってるもんッ ウサギを食べるって!!」
「あのネコたちをひきあげてみんな!!早く!!」地上にいたネコたちは上空に吸いよせられ、みんな合わせて巨大なネコの形になっていく…。
「合体巨大化させてつっこませるのよ!!」こうさぎはロッドに力を集中させた。
「ネコちゃんネコちゃん デカイオオヤマネコになれ〜〜〜ッッ いけ〜〜〜ッ」
巨大なネコはうさぎの大群を大きな口で丸のみした!
「うーんうーん」「ネコがウサギを食べた〜〜」「ウサギの天敵はネコ〜〜 ネコ〜〜 バカうさぎにおしえられた〜〜」
「あなたたち〜〜 遅刻してきたうえにいねむりとは根性すわってるわね〜〜」みちる・はるか・せつなが眠る五人を見下ろしていた。
「あ あれっ?」五人はここで目を覚ました。「いつのまに料理教室に!?」「すんごい夢 変身してこうさぎにこき使われる夢」「…こき使う夢」
なんと五人とも同じ夢を見ていたようだ。
こうさぎの傍には、あのピンクのネコがくっついていた。――夢じゃなかったりしてv
1999年うさぎ年にカンパイv
●The End●
なんで娘達の年齢が同じなのw
別に9歳の娘がいる母の年齢なんざ隠すほどのもんでもないだろうに
ここらへんに女の自意識の醜さが見えるな
うさぎ達の年齢を隠したのはキャラオタに配慮してのことかと思った
変態の扱いワロスwww
まるで容疑者かなにかみたいに目を黒く塗り潰されてるしwww
>セーラー・マッスルズ会
>セーラー・マッスルズ会
>セーラー・マッスルズ会
東大出て官僚になってこの国を牛耳りたいだなんて心強いな >ちびうさとほたる
ちびうさの年齢からするとみんな三十路か…
地球と月の王族の血をひく王女が拾い食い常習とか
シルバーミレニアムの女王は代々第一王女しか生まないはずだし
うさぎは女王を放棄して普通に主婦やってるし
せつなは門番せずに料理教室の先生やってるから
あくまでパラレルワールドの話ってことでFA?
なにより亜美ちゃんが三十路なんてorz
うさぎの服がマタニティワンピに見えるんだけど、まさか…
眼鏡属性を手に入れたほたるに死角なし
いい頃合いだと思いますので、そろそろ楽屋裏にしたいと思います。
皆さん長い間お付き合い下さり本当にありがとうございました。
拙い文章しか書けず逃げ出したくなる時もありましたが、
なんとか続けてこられて本当によかったと思います。
皆さんと同じ時間を共有できて私自身とても楽しかったです。
また機会がありましたらよろしくお願いします。
乙!楽しかったよ
あらすじさん乙!みんな乙!
終わっちゃったらなんだか寂しいな
あとこの中に変t…衛好きな人がいたら正直すまんかった
ちょっといじりすぎたw
セラムンは特にラスト付近は世界が壮大すぎて訳が分かってなかったから
ここで実況できて本当に良かった
あらすじさんムーンヒーリング乙カレーション!
あらすじさん乙
楽しかったよ
乙!
他のセラムンスレは荒れたりしてるけど
ここは終始平和でよかった
あんまり書き込まないでROMばっかりだったけど楽しかった
あらすじ書きさんおつかれさまでした
セーラームーンってアニメでは子ども向けだけど、原作って子どもは理解出来ないんじゃないのかな
今の歳でも難しくて話を理解するのが大変だ
アニメから入ったから、こんなに壮大で難しい話だとは思わなかった
このまま終わるのは寂しいな
なんとなく質問してみるが、一番好きなのは5部の内どれ?
自分は第1部は別格として第5部。
いや本当は全部好きなんだが、あえての話で。
原作なら自分は
3≧5≧1>2
>>4かな
3は外部とサターンが魅力的に描かれてて大好き 世界を滅ぼす力を持ったほたるが世界を救う展開もいい
5はリアルタイムですごい感動したのを覚えてる あとこの頃の扉絵の美しさは神
4は可愛い話でそれはそれで好きなんだけど、なんだか番外編みたいに思えてしまって…
自分は、
1>2>5>3>4
やっぱり1は思い入れがある
前世の恋人とかプリンセス衣装とかに憧れたよ・・・子供心に前世にセーラー服があるのが疑問だったがw
2は子持ち人妻に恋してそうなる前の彼女を手に入れようとしたデマンドがなにげにスキだった・・・
5は世界観が壮大で、これからもひとりうさぎは戦っていくんだと思うと切なくなった
3は世界が滅びる周辺のとことかサターン関連すごくいいんだけど、ダイモーンがグロすぎた・・・orz
・・・4はやっぱちびうさが活躍しだすとどうもだめだった。キライじゃないんだけど子世代活躍はなあ・・・
アニメも一番4が苦手だし。
3>1>その他
こんな感じ
1部最強
でも絵柄は透明感あって綺麗だから終盤の方が好き
四部人気ないなw
でもアニメじゃ作画が綺麗だったし変態やアマゾントリオがやりたい放題にはっちゃけてて面白かった
とフォローしてみる
「ねぇ、もし・・・あなたを狙ってる悪い奴らがどこかにいてさ
それでさ・・・それで、私が助けてあげるから、本当に約束するから
その代わりね・・・次の新月までずっと一緒にいてって言ったら・・・あなた、どうする?」
「・・・なんの話だ・・・?」
「本当に!本当に絶対約束するから!だから・・・!」
「・・・。
・・・よく分からないけど、何かのお礼に恋人ごっこをするのは、かえって寂しいんじゃないか。
そういうのって・・・夢がないよ」
「!!・・・
・・・そう・・・また、夢なのね・・・よく分かった。いいわねあなたたちには立派な夢があって・・・・・・何さ!」
Ssはここが一番のクライマックスだと思った
まもちゃん事情を知らないとは言え、主役側のキャラとしてはあまりにも無自覚に敵の気持ちを踏みにじりすぎ
番外編みたいな感じでうさぎが女王になった時の話やってほしいかも
四部は、印象に残りにくいので、下がるのは仕方がない。
一部 導入・前世からの因縁
二部 過去からの因縁・ちびうさ・プルート
三部 外部太陽系・破滅の戦士サターン
四部 キャラは出尽くしたし、特に因縁も無さそう
(実は次世代キャラ投入だったと後で分かる)
五部 カオス
>>821 フィッシュアイ可愛いかったなぁ…
原作では扱いが酷かったからアニメで救われたな
衛はRでもうさぎに対して酷い発言してたのが印象的
あとセーラーカルテットはアニメで見たかった
>>822 番外編ぱられるセーラームーンは1999年うさぎ年に描かれたから
次のうさぎ年の2011年にまた番外編描いてくれないかな〜と期待
>>824 どんなひどい発言か教えて
気になってきたw
>>826 衛はうさぎと結ばれると世界が崩壊し
うさぎが不幸になるという悪夢を見続け真に受ける
(←二人の愛情を試したいキングの仕業)
衛「お前には愛情が感じられなくなったってことだ!」
うさぎ「それってどういう…?」
衛「お前とはもう終わりってことだ!!!」
(中略)
衛「何度も言わせるな!お前とはもう終わりにしたいんだよ!」
うさぎ「そんなの…信じられないよ…だってあたしたち生まれる前から恋人同士で…」
ドン!(壁殴る)
衛「だからそういうのが嫌いになったんだよ
今のオレがどうしてそんな過去のことでお前と付き合わなきゃいけないんだ オレは…(゚Д゚)ハッ」
うさぎ、笑顔のまま号泣
うさぎ「ごめんねまもちゃん 今まであたしに…付き合わせちゃって」
→黙って衛の部屋出てく
みたいなシーンがあった
>>827 キングはそんな嘘ついて何を見たかったんだろうな
つか過去の自分なんだから試すもなにもないだろうと思うのだが
過去を変えたかったんだろ。
自分の過去とはいえ、「悪夢」で条件は変わってくる。
それでも変わらなかったから、「君たちなら越えられると思っていた」と
綺麗な言い方してたけど。
>>829 >過去を変える
これよく考えたらプルートに怒られそうだなw
そういえば最終回にフォボス・ディモスでなかったな。
多分、星に還ったんだろうけど・・・。
1話から出ているのに最終話で完全スルーされたルナのことも思い出してあげてください
>>831 いや、四守護神&外部太陽系戦士が今もうさぎの側にいるということは
フォボスディモスも変わらずレイの側にいるんじゃないか?
ルナとアルテミスはフォボスディモスと違って衛星じゃないのでわからないけど
ルナとアルテミスはにゃんこが手加減したので死んでない
>>834 でもセーラーレテが公園にいるルナ達を川底に映し出して抹殺してなかった?
ちびうさが「二十世紀の地球に着いたときにはルナ達はもうやられたあとで…」って言ってたし
その時ちびうさは公園を思い出していたから、レテに殺されたことは間違いないと思う
>>827 dクス
今にして思うと、なんという自作自演・・・
まあ、原作じゃ現世の二人も愛し合ってたけど、
アニメじゃ前世恋人だったから恋したようにしか見えない部分もあったからな・・・
>>835 確かにそうすなあ・・・。
じゃあ、普通に死んだの復活無しってことで。
それってダイアナが生まれない°・(ノД`)・°・
>>836 R後半の衛はちびうさ登場によってロリコン臭が増した上に
キングの自演で衛がうさぎに対して冷たくなるし正直キツかった
R前半(エイルとアン編)の記憶喪失の衛が結構かっこよかっただけに…(月影のナイトはアレだったけどw)
>>839 Rは世界観が一気に広がって続編としては大成功だったと思う
‥唯一の欠点は変態じゃね?原作でも洗脳されてうさぎのロッドで殴りつけたりしてたし
しかしルナとアルテミスって長生きだよな
ある意味大往生だったのかも
うさぎちゃん・ちびうさ
お誕生日おめでとー!!!
永遠の憧れです。
生まれてきてくれて本当にありがとう。
うさぎ&ちびうさ 誕生日おめでとう!!!
まこちゃんのケーキでお祝いしてるのかな?
しかしケーキを11等分するの大変そうw
844 :
マロン名無しさん:2009/06/30(火) 18:07:11 ID:gksOMdVj
845 :
マロン名無しさん:2009/07/09(木) 09:42:59 ID:Xjrp95VE
ほしゅ
正直、衛がヘタレすぎて未だにうさぎとの仲を応援できない…
多少頼りなくて超能力のない一般人でも浅沼の方がよっぽどいい男だと思う
まこちゃんがんばれ
浅沼くんはひたむきで応援できるキャラだな
原作ではアニメじゃスターズに登場したんだっけ?
アニメスタッフにも彼を評価している人がいたんだと思われる
ところで今日後輩が衛とうさぎの歳の差を話題にしてて吹いたw
若年層にも衛のロリコンぶりが浸透中
原作ではそこまで歳が離れてないのに不憫だ
>>847 訂正
原作→R、スターズ
アニメ→スターズ
だった スマソ
アニメの浅沼くんは名前が一緒というだけで原作とは違うキャラなのが残念だった
まこちゃんとも絡まなかったし
以下チラ裏
衛がネタキャラ化したり受けが悪いのは複雑なものがあるw
第一部(アニメでは無印)で終わる予定だったのを引き伸ばしたから、
うさぎとくっついた以上ドラマは作りにくいし、どうしても何回も操られたり
新キャラに押されたりするのはしかたないんだが
そういえばリアルタイムでも衛は変態、ロリコンでネタにされてたなあ
ある意味、一番不憫なキャラかもしれんw
うーん リアルタイムでは自分の周りは皆まもちゃんまもちゃん言ってて人気だったけどなあ
しかしタキシード仮面て今見直すとちょっと‥いやかなりアレだよなw特にアニメw
この間かぐや姫の恋人を見てみたんだが、
空にトナカイが引くソリに乗った正真正銘のサンタが現れて、
衣装を脱ぎ捨ててタキシード仮面に早変わりし挙げ句の果てには
「メリークリスマース!アーンドハッピーニューイヤー!」
とか陽気に叫び出したのを見て開いた口が塞がらなかったwww
子供にサンタの正体バラすなよw季節はずれスマソ
いや小さいお友達wは普通に見てたが、ヲタからはよくネタにされてた
アニメスタッフも完全にギャグキャラとして扱ってたよな<タキシード仮面
ちなみに武内直子的には「格好良いキャラ」として描いていたのに
旧版によると周りから「変な名前ー」と言われていたらしい
>>851 「タキシード仮面」やら「ココナッツサイクロン」やら「スターライトハネムーンセラピーキッス」やらを見る限り
あの人の言語センスは「ダサイ」と「独特」の境界をうろうろしてる感じだな
ヒーリングエスカレーションとかシャボンスプレーとかは良い感じなのに
私はアニメから入ったんでセーラー火球で笑ったw
ムーンヒーリングエスカレーションは響きが綺麗で好き
854 :
マロン名無しさん:2009/07/15(水) 16:05:58 ID:z9izL4TK
>>851 >いや小さいお友達wは普通に見てたが、ヲタからはよくネタにされてた
>アニメスタッフも完全にギャグキャラとして扱ってたよな<タキシード仮面
女がセーラー服で、男がタキシードという組み合わせはどうもおかしいと思うんだが。
マント+タキシード+シルクハットという服装じゃなくて、
マント+学ラン+学帽という服装だったら、ギャグキャラ扱いされずに済んだだろうに。
>マント+学ラン+学帽
ビジュアルを想像しようとしたら間貫一になった件
フラメンコのBGMかと思いきや下駄の足音…。
「我が名は学ラン仮面!」
…なんですかその昭和の少年向けギャグアニメ…
>女がセーラー服で、男がタキシードという組み合わせはどうもおかしいと思うんだが。
>マント+タキシード+シルクハットという服装じゃなくて、
>マント+学ラン+学帽という服装だったら、ギャグキャラ扱いされずに済んだだろうに。
たぶん直子は当初「怪盗」というコンセプトでキャラを作ったんだと思われ。
1話で「ルパンみたい」とうさぎに言わせてたり、連載前の初期設定ではモロ「怪盗2001面相」という名前だった。
(初期設定公開してる新装版持っていないんで名前間違ってるかもしれん)
だからタキシード着ているのは、ある意味間違ってはいなかったりする。
実際、原作重視を謳った実写版では宝石ばかりを狙う怪盗として描かれてるしな。
そうするとセーラー服着て戦うのはどうかという話になるかもしれんが、
直子のセンスor担当編集のアイデアを「そういうもの」として受け入れるしかないのかもしれんw
ドラマ冒頭でVちゃんとタキが対面するとこよかったな。
…あの頃はVちゃん役があんなに棒読みだなんてわからなかったし…
実写か‥ セーラー戦士五人の顔がアニメのイメージぴったりで、キャスティングした人超GJ!
と思ったものだが蓋を開けてみたらorz
北川景子と小池里奈が出てたけど多分黒歴史だろう‥
そして実写タキシード仮面の変身シーンは酷すぎる 脱いで着替えてるだけ(上半身裸&トランクスが露わに)
直子はよく抗議しなかったよな
>>858 美奈子役の子はすごい美少女だったな
同時にものすごい大根で音痴だったけど
個人的には原作通りに初期ヴィーナスがプリンセスのダミーを演じてる設定があって嬉しかった
それだけに終盤になって不治の病で死んじゃったのにはポカーン
美奈子は健康美が売りなのに‥
北川景子は黒歴史にはしてないよ
こないだブログで「小松とはセーラームーンで一緒だった」みたいな内容もあったし。
完結してだいぶ経つけど、あらすじさんお疲れ様
途中で長期規制食らって歯がゆい思いしてたよ
最後のパラレルがとても気になるので
ゆっくり探してみようと思う
>>862 ぱられるせ〜ら〜む〜んは確か新装版特別編2巻(うさぎと衛がベッドインしてる表紙のやつ)に載ってたはず
普通の単行本には収録されてたっけ?
>>863 おおありがとう
ちょうどかぐや姫の恋人の巻を紛失してたんで即ぽちった
通常版には載っていない
完結後に描かれたものだと思うしね
9月1日からアニマックスで再放送おめ!
自分は2ちゃんで実況するのを楽しみに待つw
mjdk
人生初アニマックス加入を悩む…
あれ?
しばらく来ないうちに終わっちゃったのか
ねー
あと10日
スレチかもしれないがアニマックスでアニメ2話目見た
変身の呪文を忘れるうさぎwww
あと実況板でムーンティアラアクションが気円斬だとかアイスラッガー呼ばわりされてて笑ってしまった
え!?
あれって毎日一話ずつやるの?
三日は同じ話を繰り返すのだろうと高を括ってアニマックス加入を検討していたが…もう無理だ…
873 :
マロン名無しさん:2009/09/02(水) 23:11:43 ID:UsltbkjR
アニマックスHPのセーラームーンのコーナーの「放送スケジュール」より
9月3日(木)11:00〜 2話 16:00〜 3話 21:00〜 3話
9月4日(金)11:00〜 3話 16:00〜 4話 21:00〜 4話
9月5日(日)18:30〜 1話 19:00〜 2話
平日は11:00〜11:30 16:00〜16:00 21:00〜21:30
日曜日は18:30〜19:30
みたいだよ
>>873 うわああありがとう!
何にせよ思ったより進み早いな。
明日にもアニマックスサイトで加入について見てみることにしてみるわ
>>874だけど、今日からアニマックス見れるようになった!ありがとう!!
セラムンがテレビで見れるとか…嬉しすぎて発狂しそう
ちなみに東映チャンネルで劇場版がずらっと
>>875 おめでとおおおお
亜美ちゃん登場に間に合ってよかったね!
すごく巧いけど直子の絵じゃないwww
アニマックスの変身シーンてディレイかなんかかかってる??
前ほど鮮やかじゃなくなったよね
ポリゴン現象(仮)対策?
リボンの巻きつく速さも遅くなった気がする
そうだな
こーゆーのってDVDだと直ったりするんかな?
昔のビデオ手に入れないと無理??
スーパーズの映画のまもちゃんが消防士にしか見えない件w
>>884 あーちょっと自分はDVD持ってないからわからないゴメン
アニメ板のスレなら多分持ってる奴もいると思うから聞いてみてはどうか
つーか変身シーンだけでいいならyoutube等の
途中送信しちゃったorz
大きな声でいえないがyoutube等の動画サイトにあるよ
>>855 www
ペルルが出てくる映画か〜なつい
どうしよう、DVDBOX出るって知る前にわざわざスカパー契約してまだVHSだったデッキをスカパーチューナー入りDVDレコーダーに替えたけど…
DVDBOX欲しくなってきた…!(>_<)
アニマックスは無印だけとかいう噂もあるし…
みんな買う???
>>889 単品で買うより安いのは確か
多分、スターズは初のDVDソフト化
で、地上波は知らないが、スカパーではスターズを放送したことが無い
LD時代のジャケット絵が再現されているのは単品のほうだと思うので
悩み中
>>890 スターズのDVD化は初じゃないよ
前に他のシリーズと同じく単品でDVD化されてる
>>891 そうなのか
以前、DVDが気になって
発売予定をチェックしていた時には出てなかったはずなんだが
その後に発売されたんだろうな
今から見る、録画する
編集してDVDに収める(多分1枚に4話入れる?)
録画状態を気にする
ならばBOXを買うのもあり・かな
乳首が追加されていたら俺も買う
こらwww
俺も俺も