【アカギ】もしも福本キャラが同じ学校だったら【カイジ】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1マロン名無しさん
まとめWiki
http://www9.atwiki.jp/fukumotoshougaku/
過去スレ
もし福本キャラが同じクラスだったら〜小学校編
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1200333942/
もし福本キャラが同じクラスだったら〜中学生編  
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1212843659/

関連過去スレ
ID:wuPL6adx作品ネタバレスレ【福本伸行?】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1212196545/

ID:wuPL6adx作品ネタバレスレ2【福本伸行?】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1213468997/

ID:wuPL6adx作品ネタバレスレ2【福本伸行?】 (実質3スレ目)
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1214307790/
2マロン名無しさん:2008/09/03(水) 08:12:22 ID:???
にゃおーん
3マロン名無しさん:2008/09/03(水) 09:16:59 ID:???
フォークダンスは確実に男子が余る。
かなり余る。
4マロン名無しさん:2008/09/03(水) 09:23:32 ID:???
>>1乙! 今度は落とさないようにするぜ!
5マロン名無しさん:2008/09/03(水) 12:19:12 ID:???
>>1乙!

連載陣、新連載、楽しみに待ってる
6マロン名無しさん:2008/09/03(水) 19:09:08 ID:9p7xahl6
>>3
俺のところでは余った男子は
男子同士で組んでました。
7 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 21:04:26 ID:???
応援込めて投下します
ギャンブルもなんもしてないですが
生意気ながらも長編予定


店長「長い髪だなー男のくせにっ切れよっ」

カイジ「い、いたっ引っ張るなっ」

店長「切れっ切れっ」

店長「!!」

店長「なんなんだこの耳の傷・・・う、うわぁああぁああああ!!」

それはカイジにとって決してあってはならないことだった。

今まで髪で必死に隠してきた耳の傷が露わになってしまうこと。

まるで切り取り線のような縦一筋の異質。

周りは泣き喚いた。恐怖が伝染したのだろう、部屋中に泣き声は広がっていく。

無理もない。皆、小学生なのだから……。
8 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 21:08:31 ID:???
この日からカイジの周囲は一層近寄る者が少なくなった。

代わりに、というのも変なことだが、カイジはいじめられるようになった。それも陰湿に。

カイジのノートはまともな状態で一日を過ごすことのほうが少なくなり、机には傷や汚れがみるみる増えていった。

学校に心安まる場所などない。

カイジはそう判断せざるをえなかった。誰もがカイジをあからさまに避けていくなかで、どう楽しく過ごせというのだ。

耳の傷のことを知り、担任教師すらもカイジを遠巻きにする。

皆、敵だ。敵なのだ。
9 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 21:13:54 ID:???
カイジ「ここ……ここだ……!」

そんなカイジが目をつけたのは、決められた登下校路を少し外れたところにある原っぱだった。

原っぱといってもそこに生えているのはカイジの背丈よりも長く硬い雑草である。

いつも枯れたように黄色いこの雑草がだだっ広い土地に生い茂っている。

カイジはそこに踏み入った。

外から見た印象どおり、ぎっしりとカイジの行く手を阻むかのように草は生えている。


カイジ「決めた……! ここにする……!」


カイジは決意をした。

ここに、作ってやる。俺だけの……秘密基地……!
10マロン名無しさん:2008/09/03(水) 21:21:01 ID:???
新スレでもあいかわらず不憫なカイジw
いきなりスゴイ連載キター!楽しみにしてます!
11 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 21:30:12 ID:???
あまり区切りに意味はないのでお気になさらず。
とりあえず今日は三話目まで投下したい

二話目


カイジはそれから毎日帰りにはその原っぱに寄った。

親に怪しまれないよう毎日少しの時間だけ費やす。

入り口の目印に道と原っぱを区切るドブ溝、そこに大きな石を落としておいた。

そこから入って十歩、二日かけて踏みならした道が二メートルほど、その先に再び草が生い茂り、これをくぐるとカイジの秘密基地は広がる。

今日もカイジは秘密基地予定地に向かっていた。

原っぱに入る前に周囲を見回す。誰かに見られでもしたら、そこでカイジの計画は終わってしまう。

まだまだカイジの秘密基地は出来上がっていない。

今は土台作り……雑草をスペース分だけ刈ったり踏みならしたりしてまわるのだ。

カイジにはこれが意外と重労働……!

五年生のカイジにできることは少ない。

そう思い知らされる。
12 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 21:44:20 ID:???
まずは道具がないのだ。

刈ると言っても家の鎌はどこに仕舞われているのかもわからず、

結局カイジは学校のお道具箱から持ち出したハサミ一本で草を切っては踏む、切っては踏むを繰り返している。

ハサミ一本では一度に切れる量などたかが知れている。

しかも秘密基地と名を冠させるにふさわしいほどの広さを得るためには、いったい何度ハサミをちょきちょきさせなければならないのか。

また、踏む作業の方すらも難航していた。

草は硬く、その根元付近ともなると更に硬い。

五日目ともなるとカイジは足の裏が痛くて痛くて仕方なくなった。

だが、それでもカイジは耐える……。

少しずつでも基地が広がっていくのは嬉しかったし、邪魔する者もいない。

完成を思うと、カイジはいつも夢中になった。
13 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 21:56:31 ID:???
三話目



予想外のことが起きたのは十日目。

カイジの足の痛みが限界に達した頃のことだ。

ここ数日は足の痛みが酷く、作業もなかなか進まないでいた。

もう完成は無理かもしれない……そうカイジが思ったとき、不意に目の前にカイジの頭ほどもあろうかという大きな石が飛んできたのだ。

カイジはびっくりして飛び退いた。こんなものが当たりでもしていたら、大事だ……!

いったいどこからこの石は飛んできたのか。

カイジが怒りながら立ち上がると、入り口から誰かが入ってくる。

カイジ「おっお前か! 危ないだろ!」

?「当たらないように投げたじゃない」

カイジ「間違って当たるかもしんないじゃねーか!」

?「当たらないね」

カイジ「なんでんなこと断言できんだよ!」
14 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 22:00:33 ID:???
その少年は先ほど投げ込まれた石と同じくらいの大きさの石をもう一つ持っていた。

カイジはぶすくれて座り込む。

なんだかこの少年には口で勝てる気がしなかった。

カイジ「お前、四年生のアカギだろ。なんでここ知ってる」

アカギ「怪しすぎるんだよ行動が……なるほど………凡夫だ…カイジ」

カイジ「いきなり呼び捨てかよ」

アカギ「小学校ってそんなもんでしょ」

どうやら秘密基地に入るところを見られていたらしい。

自分の失策にカイジは舌打ちした。

秘密であるからこそ秘密基地であるというのに、その存在がバレてしまうとは。
15 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 22:03:51 ID:???
こうなるとカイジにとれる選択肢は二つ。

一つはこの秘密基地を諦めること。

だがそれはできるはずもない相談だ。

これまでこんなに苦労して作ってきたきた基地をどうして諦められよう。

と、なればとる行動は一つだ。

カイジ「アカギ、お前口は堅いか」

アカギ「なに」

カイジ「この秘密基地、二人で作らないか……、…………?」
16 ◆69whBbyhes :2008/09/03(水) 22:08:49 ID:???
アカギはもう話をきいていなかった。

かわりに先ほどの石をゴロゴロと転がしている。

はじめは何をしているのだろうと思ったが、カイジはようやく石の使い道に気づいた。

自分も先に投げ込まれた石を同じように転がす。

何日もカイジを苦しめたあの草が、みるみるうちにぺったりと地面に抑えつけられていった。

カイジはすっかり感動してしまう。

カイジ「すげぇ……っ! すげぇよこれ……!」

訊くまでもなく、アカギはもうカイジの仲間、であった。



とりあえずここまで。
17マロン名無しさん:2008/09/03(水) 22:14:51 ID:???
乙!面白かった!小学生コンビいいなw次回も楽しみにしてます。
18マロン名無しさん:2008/09/03(水) 22:44:12 ID:???
◆69whBbyhes ありがとうございます。面白かったです。
小学生時代から、
カイジはカイジらしく、アカギはアカギらしいのが
可笑しいです。
19マロン名無しさん:2008/09/03(水) 22:46:59 ID:???
なんか分からないけど泣きそうだ。
20マロン名無しさん:2008/09/04(木) 17:29:52 ID:???
カイジが苦労してたのにアカギがあっさり解決策を考えついたのに泣いた。
21 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:07:57 ID:???
感想書いてくれた方ありがとうございます
明日っから旅行なんでその間に終わりまで書き溜められたらいいな
今日は五話まで投下予定



アカギの石のおかげで、秘密基地造りは順調だった。

当初思っていたよりもスペースを広げ、地面は更に平らになったため居心地もだいぶいい。

次はどうしようか、その相談をしていたときである。

ガサガサ、と音がして、再び一人の少年が姿を見せた。

カイジ「誰だ!」

少年はにっこりと笑ってみせる。

だがカイジは警戒を解けるわけもない。

アカギに見つかって以来、それまで以上にカイジたちは見つからないよう気をつけてきたのだ。

それなのに何故この少年はこの場所を知ることができたのか。
22 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:11:38 ID:???
アカギ「こいつ、三年のゼロじゃない?」

アカギが声をあげた。

カイジ「ゼロ? あのゼロ、か?」

ゼロの名前はカイジも知っている。

というより、この近辺でゼロの名を知らない者の方が少ないのだ。

なぜ公立の小学校なぞにいるのかと囁かれるほどの天才。

小学生にして二等辺三角形の全てを知ると言われる少年。

それがゼロだった。
23 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:14:01 ID:???
カイジ「どうやってここを知った」

カイジは以前にアカギに尋ねたのと同じ問いを繰り返した。

ゼロは目を瞬かせ、当然とでもいうように答える。

ゼロ「俺目の前のマンションに住んでるから。上から丸見え」

カイジ「…………!」

カイジは自分の迂闊さに気づかされてしまった。

周り、横からの視線は草が隠してくれる、それで安心していた……。

上から、という発想が抜けていたのだ。

これではマンションに住む無数の視線に晒されたままである。

そんなものは秘密などではない。カイジは悩んだ。
24 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:16:00 ID:???
アカギ「それは?」

アカギがゼロの抱えているものに目を移す。

ゼロ「ビニールシート。これ被せて、その上に草を乗っければバレないだろ。雨避けにもなるし」

二人はきらりと目を輝かせた。

それは妙案……!

カイジたちも切った草の処理に思い悩んでいたところ。

一石二鳥の良策だった。

カイジ「お前……っ! お前もやるだろっ! 秘密基地!」

アカギ「ゼロの頭脳に乗っかればいける……間違いない……」

ゼロ「確認しておく……! オレに乗る……と言うなら、何があろうとオレに乗り続けてくれ…………!」

ゼロ「そこを間違えると……結果……こうなる……!」

鏖だ……!
25 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:18:22 ID:???
ゼロは持ってきたビニールシートを広げ、そこに書かれた文字を指差した。

カイジ「なん……だと……?」

アカギ「しか……きん……?」

ゼロ「そう……世界中の鹿という鹿が……金色に染まる……!」

カイジ「な、なんだとぉっ! そ、そんなの、ちょっと、見たいじゃねーかw」

なにはともあれ、こうして三人が揃ったのだった。

カイジ・アカギ・ゼロの、三人が……!


零みたいな漫画は すごくあほらしいネタにしたくなるのは
俺の悪い癖かなぁ…
26 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:22:52 ID:???
五話目


翌日、アカギは石をもう一つ持ってきた。

いったいこれほどの石を三つも、どこから見つけてきたのかカイジは不思議に思う。

スペースは三人入っても十分なほどに広いので、この石は椅子に使うことに決めていた。

だから石も三つ。ゼロも嬉々としてそれに腰掛けた。

カイジ「持ってきたか……?」

アカギ「ああ……」

ゼロ「当然……!」
27 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:25:57 ID:???
カイジ「じゃあ、おれだ……」

カイジはビニール袋をがさがさいわせながら開いてみせた。

中には木の枝と思しきものがわっさと入っている。

ゼロ「これは……?」

一つを手にとり、ゼロとアカギが首を傾げる。

アカギ「なにかの……マーク?」

それは木の枝で作られたベンツのマークだった。

袋いっぱいのそれをカイジも手にとりながら、言う。

カイジ「俺はいつかこのマークのついた車に乗るんだ! そんときはお前らも乗せてやるよ!」

得意げにふんぞりかえるカイジをアカギとゼロはびっくりしたように見つめていた。
28 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:30:16 ID:???
カイジの宝物。

秘密基地には宝物。一番に置くものはそれだと、カイジが決めていた。

二人にも異議はなく、皆、それぞれに宝物を持ち寄っていた。

これからずっとそこに置いておく。

だが誰も相手のものを取ったりはしない……。

そういう信頼の証。

秘密基地の真ん中に置かれた宝物たちを見て三人は満足そうに笑っていた。
29 ◆69whBbyhes :2008/09/04(木) 23:34:37 ID:???
今日はここまでです
それじゃノシ
30マロン名無しさん:2008/09/04(木) 23:39:27 ID:???
かわいいい!小学生らしくてすごいイイ!たのしいお話!
31マロン名無しさん:2008/09/04(木) 23:44:08 ID:???
3人とも可愛らしすぎ。カイジのオバカ?加減が絶妙…に可笑しい。
投下ありがとうございました。おやすみなさい。
32マロン名無しさん:2008/09/04(木) 23:47:41 ID:???
鹿さん超逃げて
33sage:2008/09/05(金) 21:51:52 ID:nsc4N2op
良話……!
ギャンブルも無いのに、ここまで面白いとは……!
34マロン名無しさん:2008/09/05(金) 21:54:05 ID:???
sageの使い方間違えるとは……!
35マロン名無しさん:2008/09/06(土) 09:26:17 ID:???
二等辺三角形で吹いた
36マロン名無しさん:2008/09/07(日) 02:16:49 ID:???
保守
37マロン名無しさん:2008/09/07(日) 07:51:27 ID:???
カイジ(これが学校裏サイトか……)

カイジ、踏み入る……
学校裏サイト、その禁断の地へと……一歩!
カイジ(お!?何かスレが立ってるな……【伊藤カイジについて】!?)

カイジ迷わず、押す!ダブルクリック!!
001 名無しのザワザワさん sage
2008/09/07(日) 07:51:07 ID:00ZERo00

エスポワール学校が誇る、駄目人間カイジについて語ろう


002 名無しのザワザワさん sage
2008/09/07(日) 07:51:10 ID:AkaGiR0N
>>1乙!こんなスレを待っていた

007 名無しのザワザワさん sage
2008/09/07(日) 07:58:17 ID:siRuBE00

>>2が即レス過ぎて糞ワロタwwww
これは実際見た話。カイジは、美心の縦笛舐めてた

008 名無しのザワザワさん sage
2008/09/07(日) 07:52:07 ID:AkaGiR0N
>>7
キメェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!
正気の沙汰とは思えんなw
カイジ、驚愕……ない噂を立てられる……
敵!敵!敵!敵ばかりの書き込み…

カイジ(畜生!やってやる…こいつら…ぶっ潰してやる)
38マロン名無しさん:2008/09/07(日) 09:34:15 ID:???
うろ…うろ…
うろ…うろ…
カイジ未だ家庭科室の場所を覚えられず…!
かといって一緒に移動教室をしてくれるようなクラスメイトもいない…
というよりも友人そのものがいない…皆無…!圧倒的皆無っ…!
そもそも学校はカイジにとって居心地の良い場所では無かった…当然休みがちになる…不登校スレスレ…そんな学校生活
うろ…うろ
それでもなんとか家庭科室の前までたどり着いたっ…!
その時…カイジの耳に入ったのは…笑い声…和気相合と談笑する楽し気な声…
カイジの不在など誰も気にしない…否っ…!気付いてすらいないっ…!
39マロン名無しさん:2008/09/07(日) 09:41:02 ID:???
このスレのカイジ人気は異常wいじりやすいのか…。
よかったなカイジ。かわいそうな役どころばかりだけど…。
40マロン名無しさん:2008/09/07(日) 12:20:01 ID:???
>>38続き
カイジはただ…立ち尽くしていた。
だが…心の何処かで期待していた…自分の不在に気付く者が現れる事を。
だが無駄っ…!
家庭科担当のさくら先生が面取りの説明を始め、カイジは己の惨めさにいたたまれなくなり…結局逃げる様にその場を去った。

タニ…タニ…
カイジは屋上を目指し階段を登っていた。
この世を儚んで命を断つ…などと考えた訳ではない。ただ…無性に空が見たかった…!
が…ダメっ…!
屋上に通じる扉にはカギ…
41マロン名無しさん:2008/09/07(日) 12:39:25 ID:???
>>40 兄さんが家庭科の先生かよw
42マロン名無しさん:2008/09/07(日) 12:41:36 ID:???
>>40 >>家庭科担当のさくら先生
ダメだ、末崎さくら が浮かんでくる…
43マロン名無しさん:2008/09/07(日) 16:11:56 ID:???
>>40続き
鼻の奥がツンと痛んで、視界が歪んだ。
ボロ…ボロ…
校舎の最上階の半ば物置状態の踊り場にうずくまってカイジは泣いていた…
何を泣いているんだ…俺はっ…!
そもそもこうなったのは己に原因があるのだ。自分は人付き合いが苦手な性質だからと、他人との関係を築く努力を怠ったのは他ならぬ自分自身…因果応報…当然の帰結…
分かってはいるが…期待していたのだ…そんな自分を理解し受け入れ、手を引いてくれる人物が現れるのを…!
誰からも相手にされず孤立し…馴れ合うクラスメイトに背を向けながらも期待していた…
「こんな所で何してんだ…?」
カイジが顔を上げると…そこに白髪の人物がいた…
44マロン名無しさん:2008/09/07(日) 17:11:32 ID:???
アッカギィーーー!!
45マロン名無しさん:2008/09/07(日) 18:25:25 ID:???
>>43続き
蹲っていたせいで、踊り場から数段下の少年に真正面から泣き顔を見られてしまった。
カイジは立ち上がりながらYシャツの袖で顔を拭いながらしどろもどろと言い訳をする。
「こ…これは違うんだ…!目に…埃が…><」
階段を昇りきって踊り場に立った白髪は少し困った様でカイジを見る。
気不味さを覚え下を向いたカイジの目に相手の上履きが入った。上履き先端のラバー部分は緑…つまり同学年の生徒…
「お前こそ…こんな所で何をっ…!」
照れ隠しにカイジは軽くイキッてみせる。
「俺はこんな所に用は無いさ…用が有るのはアンタの後ろだよ…伊藤開司…」
カイジの後ろに有るのはカギの掛かった扉のみ…
だが…その前に…コイツ…
「お前…どうしてオレの名前を知っているっ…」
「俺の記憶力は並じゃないんでな…」
カイジの問に眼前の白髪の少年―平山幸雄は微かに笑って答えた
46マロン名無しさん:2008/09/07(日) 18:34:46 ID:???
>>45補足
エス中は上履きの爪先のゴムっぽい丸くなってる所?が学年毎に色違いになってて、カイジは2年で緑
制服は半夏服。半袖でも長袖でもOKだけど、まだブレザーはNG。カイジは長袖
47マロン名無しさん:2008/09/07(日) 19:10:26 ID:???
まさかのダメギw
48マロン名無しさん:2008/09/07(日) 19:12:12 ID:???
なんでかわからんけど平山がかっこいい気がする。
49マロン名無しさん:2008/09/07(日) 20:00:27 ID:???
平山カコイイ

>>上履きが入った。上履き先端のラバー部分は緑…
カイジが同学年と知る描写 凄い!!!
50マロン名無しさん:2008/09/07(日) 22:32:32 ID:???
>>45訂正
2行目
カイジは立ち上がりYシャツの袖で顔を拭いながらしどろもどろと言い訳をする。
「ながら」が2回連続してしまっていた。
何かおかしな所があったら教えてやって下さい。
文章書き慣れてないからボロがでる
51マロン名無しさん:2008/09/07(日) 23:35:31 ID:???
ダメギいらね
52マロン名無しさん:2008/09/08(月) 20:06:26 ID:???
ダメギ呼び多いな
53マロン名無しさん:2008/09/08(月) 20:37:08 ID:???
>>45続き
「あ…?」
呆け顔のカイジを通り過ぎ平山は扉の前に歩を進めた。
カイジは考える。どういう事だ…?まさか…「お前…全生徒の名前を記憶しているのか…?」
「まあな……だが、この程度…やろうと思えば…誰でも出来るさ…」そして自嘲気味に付け足した「所詮俺は…凡夫だからな…」
平山はしゃがむと、扉面の下部にはめ込まれた蛇腹状の通風口に手をかけた。
簡単にそれは外れ、平山は開かれた通風口から這い出て行ってしまった。

一人踊り場に残されたカイジは顎に拳を添えひとりごちる。
全生徒の名を記憶…?アイツ…とんでもない記憶力の持ち主だ…何が「誰でも出来る」「凡夫」だ…とんでもねえ…
唐突に足元から声がした。
「アンタもさっさと来いよ…」
みると通風口から顔だけ出した平山がいた。
54マロン名無しさん:2008/09/08(月) 20:45:07 ID:???
なんだか今までどうとも思ってなかった平山が少し好きになりそうだ。
55マロン名無しさん:2008/09/08(月) 21:40:01 ID:???
>>53続き
「いいのか…?なんていうか…その…「お前の場所」なんじゃないのか…?なのにオレが行っても…」
足元の平山は怪訝な顔をする。
「なんだ…?その「お前の場所」ってのは…?まあ…アンタの好きにしなよ…カイジ…」
それだけ言うとサッと頭を引っ込めてしまった。
もじ…もじ…
カイジは暫くそうしていたが、結局通風口から屋上に出る事にした。
(まるで猫だな…)通販番組か何かで見たペット用出入口を想起したのだ。
56マロン名無しさん:2008/09/08(月) 22:41:49 ID:???
>>55続き
空―
ああ…
屋上に出たカイジは蒼穹を見上げる。
9月に入ったばかりの空は澄み、ひたすらに高く広い。

ハッと我に返り辺りをと見回すと、屋上のほぼ中央の位置に胡座をかき煙草をふかす平山の姿を認める事が出来た。
カイジはその傍へ寄り腰を降ろした。
「そういえばさ…お前…誰…?」
「ああ…俺は平山幸雄だ…クラスはB…アンタはEクラスだったよな…」
少々間の抜けた問に平山は紫煙を吐きながら答えを返す。

エスポワール学園は特殊なクラス編成がされている。
その編成条件は二つ…一つは学業の成績。
もう一つは学園から出される課題…
難易度の高い課題をより多くクリアした者が評価を受けるシステム。
この二つの要素によってS〜Eにクラスが分けられる。
57マロン名無しさん:2008/09/08(月) 22:48:43 ID:???
カイジは落ちこぼれなんだな…。
平山がカイジを見下してないようなのがとてもよい。
58マロン名無しさん:2008/09/08(月) 23:46:10 ID:???
平山でBクラスなら、S・Aにはどんな猛者がクラスに居るんだろう?
59マロン名無しさん:2008/09/09(火) 00:49:39 ID:???
>>55続き
「え…?お前…Bクラスなのかよ…」
不躾なカイジの発言に平山は憤慨するでもなく説明する。
―学業成績はどんなに頑張っても満点500点で頭打ち…
しかし、学園から出される課題…こちらは頭打ち無し…!
つまりいくらでも成績を積む事が出来るのだ…無制限に…!

「結局俺に出来るのは…底の浅い計算だけ―」
確かに平山の学業成績は高い…トップ5の常連…だがそれだけでは駄目なのだ…
現在2年生Sクラスの生徒は…赤木しげる・宇海零・鷲巣巌…僅かこの三名である。
この三人のうち、学業成績上位に名を連ねているのは宇海零ただ一人…
「所詮俺は二流さ…学業成績がトップクラスといってもナンバーワン宇海零には敵わない…
課題も…理の裡…知識や計算でならなんとかなるが…理の外となるとてんでダメ…」そこまで言って平山は息を吸う。
「でもなっ…!ダメギって…!ダメギって…!あんまりだろっ…!そうだろっ…カイジッ…!」
60マロン名無しさん:2008/09/09(火) 06:54:33 ID:???
あんまりですよねー。
61マロン名無しさん:2008/09/09(火) 07:41:40 ID:???
まさかの>>ダメギって…!ダメギって…!
吹いたっ やられたっ
62マロン名無しさん:2008/09/09(火) 18:15:35 ID:???
>>59続き
「そうだよっ…!俺はニセモノだっ…!ダメギ呼ばわりも当然っ…!」
徐々に興奮の度合いが増し、言う事が矛盾しだす。
「どうせ俺はっ…B級の人間だよっ…!」
とうとう感情がピークに達し、平山は煙草を投げ捨て暴れだした。
流石にこれは不味いとカイジは平山の背後に回り羽交い絞めにする。
「死にたくなあーーい!」
錯乱のせいか意味不明な叫び声を上げ、一層暴れる平山。
それ程体格に差の無い少年二人である。カイジは平山を押さえ付ける事が出来ずに、縺れ込んだ。
「落ち着いけっ…!」
パアニ…!
カイジが平山の頬を打った。
「お前っ…!いい加減にしろよっ…!
自分で自分を卑下するような事ばかり言いやがって…!」
ボロ…ボロ…
いつのまにかカイジの目から涙が溢れていた。
「そんな風にっ…!自分の事を悪く言うのはよせっ…!」
63マロン名無しさん:2008/09/09(火) 18:54:59 ID:???
この平山はなんで髪を白くしてんだよw
いろいろ突っ込みどころがあって吹くがなんかいい話に見えるから不思議w
64マロン名無しさん:2008/09/09(火) 19:38:37 ID:???
>>62訂正
×「落ち着いけっ…!」
○「落ち着けっ…!」
まず落ち着くのは自分だった
65マロン名無しさん:2008/09/09(火) 22:28:32 ID:???
青春ものだ! カイジ 好いやつだ
66マロン名無しさん:2008/09/09(火) 22:30:57 ID:???
>>62続き
「他の誰がお前を何と呼ぼうとっ…!お前はお前だろうがっ…!」
「な…何なんだよアンタ…!」
「オレはっ…ずっと期待していた…!オレ自身にじゃねえっ…!他人にだっ…!
他人がオレを変えてくれる事を期待していたんだっ…!
愚図っ…!どうしようもない愚図の発想…!
肝心なのは…オレだっ…!オレなんだっ…!
やっと…気付いたんだ…!」
カイジは平山の両肩をつかみその双眸を真正面から見つめる。
「だからお前もっ…!
他人が何と呼ぼうと…!お前はお前…!平山幸雄なんだっ…!」
平山から手を離し、カイジは屋上の縁に立った。

カイジは感じていた…
己が内の沸騰点…
半ば眠っていた意識が目覚めるのを…

「平山…オレと手を組め…
一週間後の課題…積めるだけ積んでやる…
二人で上がるぞ…Sクラスに…
オレ達を凡夫と言うなら…見せてやろうじゃないか…凡夫の意地をっ…!」
67マロン名無しさん:2008/09/09(火) 23:00:22 ID:???
格好良い カイジ・・・
カイジ 格好良い!!!!
68マロン名無しさん:2008/09/09(火) 23:02:37 ID:???
カイジ お約束の>>半ば
カイジ 漢前っ
69マロン名無しさん:2008/09/09(火) 23:15:17 ID:???
>>66平山視点
(いや…無理だから…
だってアンタ学業成績ワースト常連だろ…)
平山は叩かれた頬を押さえつつ口には出さないツッコミを入れる
(クラス分けは学業成績と課題の点数の合計なんだから…
課題ならいくらでも成績を積めると言っても課題日は2日間と決まっているんだ…
飽くまで期間内なら積み放題ってだけで…)
(それにどうも…俺の感じている鬱憤と、カイジの感情とは…ズレがあるというか…噛み合っていないんだよ)

まあ…いいか…

―お前はお前…!平山幸雄なんだっ…!―
(何勝手な熱ふいてやがる…恥ずかしいやつめ…)

悪くないのかもしれない…

(あの男とは…違う意味で自分とはタイプの違う男…伊藤開司…)

こんな男に…乗ってみるのも…

「組んでやるよ…アンタと…カイジ…」

それにしても…
(なんでアンタそんな所に立ってんだよ…)
70マロン名無しさん:2008/09/09(火) 23:32:57 ID:???
冷静な平山…
「おっと、どっこい 」ってこういうときに使うんだろうな…
71マロン名無しさん:2008/09/09(火) 23:39:25 ID:???
平山幸雄は覚醒カイジを知ることになるの?
72マロン名無しさん:2008/09/09(火) 23:46:37 ID:???
いいコンビだなw楽しみだ。
73マロン名無しさん:2008/09/10(水) 00:01:17 ID:???
>>69
一段落です。
ありがとうございました。
感想とか、本当に。

もし、これの続きを書いてみたいという方がいたら、お任せします。
74マロン名無しさん:2008/09/10(水) 00:15:31 ID:???
>>73 >>73の書かれた続きが読みたいです。
ぜひ覚醒カイジ&平山幸雄を書いてください。
75マロン名無しさん:2008/09/10(水) 00:24:48 ID:???
面白かったです。
これからって盛り上がってきたところで手放されるのは正直もったいないと思います。
課題日の二日間というとても面白そうな設定もあるのに、
>>74の言うとおり>>73の書く続きを読みたいと私は思っています。
76マロン名無しさん:2008/09/11(木) 11:36:37 ID:???
☆保☆守☆
77マロン名無しさん:2008/09/11(木) 13:15:18 ID:VuTzaxLa
追いついた おもろかった
ぜひ続きを
78マロン名無しさん:2008/09/11(木) 20:44:20 ID:???
小学生トリオの続きが読みたいけど…まだ旅行中かな?楽しみ
79 ◆69whBbyhes :2008/09/11(木) 23:54:33 ID:???
>>78
昨日帰ってきました
結局ほとんど書き溜められなかったので
六話目が出来次第投下しようと思ってます明日か明後日
Uターンまできたので頑張ります
ありがとうございます
そして>>73の続きが読みたいのは俺もです
80マロン名無しさん:2008/09/12(金) 00:16:06 ID:???
>>79 お帰りなさい。
81マロン名無しさん:2008/09/12(金) 00:17:20 ID:???
小学生トリオたのしみ!
頑張ってください
82マロン名無しさん:2008/09/12(金) 00:58:06 ID:???
>>79 おかえりなさい。たのしみにしてます。
83マロン名無しさん:2008/09/12(金) 18:19:00 ID:???
>>66>>69続き

とりあえず…
一週間後の課題日にそなえ、情報の整理を行わなくてはならない。

自らの発言の穴―学業成績の加算について―に気付いたカイジは、屋上の地面にうつ伏せて虫の様な動きを披露してくれた。
それを平山は内心(コイツめんどくせぇ…)と感じつつも引きずり起こし、翌日の放課後に図書室で落ち合う約束をした。
兎に角、課題は二人で協力してクリアする事に決めたのだ。


…そして図書室
「実際の学園の算出方法とは多少異なるだろうが…」と前置きをして、カイジはルーズリーフに幾つかの人名・アルファベット・数字を書き出す。
「仮に課題トップの赤木しげるをS+・10とする。で、学業成績のトップが宇海零でS+・10」
84マロン名無しさん:2008/09/12(金) 19:08:37 ID:???
>>83間違えた
学業成績S+・75
課題S+・100
です
85マロン名無しさん:2008/09/12(金) 19:13:30 ID:???
平山がいい味。
86マロン名無しさん:2008/09/12(金) 23:00:09 ID:???
カイジが以外に論理的?
「仮に課題トップの赤木しげるをS+・75 とする。で、学業成績のトップが宇海零でS+・100」
になるのですか?
87マロン名無しさん:2008/09/13(土) 00:42:26 ID:???
すみません>>83-84は一度無かった事にして下さい
見切り発車で矛盾が生じてしまった(自分的に)
スレ汚しお目汚しで本当に申し訳ない
88マロン名無しさん:2008/09/13(土) 22:01:59 ID:???
>>87 待ってます。
>>85 平山 面倒見の良い兄さんになってきてるような。
89 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 22:37:23 ID:???
遅くなってすみません
ちょっと長めの六話を投下しにきました
良かったらお付き合いください




三人で要るものを持ち寄って、秘密基地はすっかりそれらしく様相を変えていた。

漫画、懐中電灯、遠足に持っていく用のレジャーシートを下に敷いて、カイジたちの宝物も全部その上に置いてある。

ごろりと寝転がって漫画を読むアカギにこちらは石の椅子に座って家から持ってきたお菓子を食べているゼロが声をかけた。

ゼロ「カイジ…遅くないか? いつもなら一番にいるのに」

漫画からゼロに視線を移しながら、アカギも首を傾げる。

昨日は酷い雨で三人揃って秘密基地は大丈夫かと見に来て補強をしたばかりだった。

水がたまらないようにゼロの指示のもと簡易排水口を作って、この雨の中長いこと帰らないのも変だろうということで早めに別れている。

風邪でも引いたのだろうか。

だが学年が違うために欠席かどうかの情報など耳に入ってくるはずもない。

学校ですら今まですれ違ったこともない。ちなみに、登校班も別々である。
90 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 22:42:03 ID:???
二人がそうやって話していると、ガサリと音がした。

姿は見えなくともドブ溝側の入り口を掻き分ける音で誰かが入ってきたのはすぐわかるの

だ。

果たして再び草を掻き分ける音がして、カイジが姿を現した。

ゼロ「……それ……どうした……」

目を見開いて二人は驚く。

カイジの全身は泥水に汚れて、未だに雫をたらしていた。

さすがにそんな姿を見れば驚くのも当然だろう。
91 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 22:48:38 ID:???
カイジ「ちょっと……そこの水溜りで転んで……」

下を向きながらカイジが答えたが、二人は直感的にそれを嘘だと判断していた。

泥まみれなのは前も後ろも、そんな濡れ方をするほどの水溜りは今日の打って変わった

日差しのためにどこにも残っていない。

他の理由ならまだしも、そんな嘘だとわかってしまう言い訳に、二人は不穏なものを感じと

る。

カイジ「だから……今日は俺もう帰ろうと思ってて……」

こんな格好じゃ遊べないし。

ぼそぼそと呟くカイジが鼻を啜り上げた。

すぐにも泣きそうなのが二人にも伝わる。
92 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 22:51:58 ID:???
カイジが踵を反して帰ろうとしたとき、ゼロが声を上げた。

ゼロ「オレの家においでよ!」

ゼロ「そこのマンションなんだからすぐだし、お風呂入ればまだ遊べるだろ!」

思いもよらない言葉をかけられて、たまらなくなりカイジはとうとうボロ……ボロ……と涙を

零す。

カイジ「でもだって……汚いだろ俺……それにゼロん家が汚れちまう……」

ゼロ「だからお風呂って言ってるんだろ! 床なんか拭けばいい」

それでもカイジは戸惑うように決断を渋っていた。

アカギもゼロもどうするのだ、と問うようにこちらを見ている。

結局カイジは、ゼロの提案に頷いたのだった。
93 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 22:57:27 ID:???
「おじゃまします」

声を揃えてアカギとカイジがそう言う。

ゼロ「ただいまー」

ぱたた、とゼロは一足先に駆けていき、タオルを持ってきた。

それで一先ず足だけを拭いて、カイジは風呂場に案内してもらう。

カイジ「ゼロのお母さんは……?」

カイジがそう訊くと

ゼロ「うち共働きなんだ」

そうゼロが答えたので、だから誰も家にいないのか、とカイジは納得した。

カイジのお母さんは専業主婦なので、帰っても誰にも迎えられないという状況が少し珍し

い。










アカギのお母さんは正直想像できない
94 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 23:01:32 ID:???
なんか変な改行が入ってるところがありますねすみません
以降頑張って修正します








お風呂からあがると、二人はゼロが用意したらしいお菓子を食べながらぷよぷよをしていた。

テーブルの上にはアカギたちが食べているクッキーがお皿に盛られ、

カイジの分のジュースも用意されている。

カイジ「お風呂ありがとな」

汚れていた服は脱いですぐにゼロが洗濯して、

カイジは貰い物でサイズが合わなかったから、と出してもらった新しい服を着ていた。

カイジが二人の対戦をしばらく見ていると、

決着がついたのだろう、二人もテレビから離れテーブルの方へやってくる。
95 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 23:08:19 ID:???
アカギ「あの泥どうしたの」

ふいにアカギが尋ねた。

カイジ「だから、こけたんだって……」

カイジの声が再び沈む。

アカギ「あんなに汚れるくらいの水溜りなんて見なかったけどな」

カイジ「俺寄り道したから、アカギは見てないだけだ」

アカギ「嘘だろう」
96 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 23:11:29 ID:???
そう断じると、カイジは泣きそうに顔をゆがめた。

やがてぽそぽそと話し始める。

カイジ「ちょっと……ぶっかけられて……」

いじめられているのだ、とは言えなかった。

まだまだ子供であっても、プライドくらいはある。

そして、いじめられている、と言って二人に離れられるのは絶対に嫌だった。

ゼロ「なんで?」

カイジ「あいつら、俺のことが嫌いなんだ」

ゼロ「それこそ、どうして」

問われて、カイジは再び黙ってしまう。
97 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 23:14:28 ID:???
それでも、二人になら見せれる気がした。

まだ乾ききっていない髪をかき上げて、あの傷を見せる。

二人の顔は見れなかった。

カイジ「これがあるから……誰も俺に近寄らないんだ」

言ってしまってから、やはりカイジは後悔した。

二人とも黙りきったままだ。何も言えないのだろう。

あの日みたいに悲鳴をあげて逃げられたら、もうあの秘密基地にも居場所はないのだ。
98 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 23:15:34 ID:???
カイジが下を向いて涙をこらえていると、ふと頭を誰かがぽんぽんと優しく叩いていた。

驚いて顔をあげると二人ともがカイジの傍にいて、カイジはぽかんと口を開けて驚く。

だって、傷が見えなかったわけではないだろうに。

アカギ「いいこいいこ」

ほとんど棒読みのような言葉だったが、そこには嫌悪感や敵意などは全く感じられなかった。

ゼロ「オレたちがずっと友達でいてあげる……!」

二人の言葉に安心して、カイジはまた、ボロ……ボロ……と泣いてしまったのだった。
99 ◆69whBbyhes :2008/09/13(土) 23:18:59 ID:???
テンプレな展開で申し訳ない
六話目終わりです
お付き合いくださった方
お帰り&楽しみレスくださった方
てーか皆様ありがとうございます!

カイジの一人称が不安定で申し訳ない

それではまた書き溜め次第現れます
嘘です誰かの投下楽しみに毎日スレ覗いてます
今度こそまたノシ
100マロン名無しさん:2008/09/13(土) 23:21:26 ID:???
乙!
笑って泣いた
101マロン名無しさん:2008/09/13(土) 23:23:28 ID:???
次も楽しみにしてます
102マロン名無しさん:2008/09/13(土) 23:26:33 ID:???
可愛らしい3人のお話が緊張感に包まれた話に。
小さくても男 仲間に矜持を保っていたいカイジ。
カイジの誇りを傷つけないよう、振舞うアカギ、零に
感じ入りました。
◆69whBbyhes お話投下ありがとうございました。
103マロン名無しさん:2008/09/14(日) 01:04:49 ID:???
急転直下で深刻な話なのに救いがある。
次も楽しみにしてます。
104マロン名無しさん:2008/09/14(日) 09:12:18 ID:???
ヤバい。泣きそうだよ
105マロン名無しさん:2008/09/14(日) 13:55:32 ID:???
3年B組金バッヂ先生!


板倉先生「クラス委員に立候補する者はいるか〜?」

さくら「はいっ…!やりますっ…!」

板倉先生「却下…!(ニコッ)」

さくら「板倉〜〜!」
106マロン名無しさん:2008/09/14(日) 14:11:22 ID:???
さくらちゃん カワユス
107マロン名無しさん:2008/09/15(月) 20:53:02 ID:???
倍保っ守だ…!
108マロン名無しさん:2008/09/16(火) 18:07:44 ID:f5z1QzKl
^^
109京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/16(火) 20:59:21 ID:???
ルー=ガルー
 ―闇に降り立った狼―


loup-garou(複〜s-〜s)[lugalu]男 ルー・ガルー,
化物(夜間狼に化けてさまよい悪事を働く伝説上の怪物).
110京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/16(火) 21:01:55 ID:???
001

 昔、狼というけだものがいたそうだ。
 画面(え)で観てみると、犬とどこが違うのか、というようなものだ。
 伊藤開司は赤木しげるの背中をみながらそんなことを考える。どうしてそんなことを思いついたのかは開司にも解らない。
 意味はないのだ。その証拠に、ついさっきまで開司は学生服の生地は厚くて動きにくい、というようなことを考えていたのだから。
 髪伸ばさないのかと開司は話しかける。なあ、ともう一度声をかけると赤木は振り返る。
「けものの匂いがする…」
 膝を抱えた赤木は開司の無為な問には答えず、もう一度前を向き直してからそう言った。
「けもの…?」
「何か…いやだな…」
111京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/16(火) 21:04:45 ID:???
 開司は赤木の真似をしている訳でもないし、赤木と親しくなりたかった訳でもない。
 この場所は無為に過ごすにはいい場所なのだ。他に意味はない。
 邪魔だとも言われないから一緒にいるだけである。
 赤木は、また自分の腕に鼻先をつけて、それから右の掌を開いてそこに見入って、それからぐっと拳を握った。
「何の匂いだよ…」
「解らない…人の…匂い…」
「けものって言ったじゃないか」
「じゃあ言い直す…生き物…」
「自分の匂いじゃん…」
「そうだけど…」
 開司が言葉を継ごうとするより一瞬早く、す、と赤木は立ち上がった。そしてくるりと躰を返す。開司も振り向く。
 階段の手摺の所に宇海零が立っていた。
「叱られるぞ」
 零はそう言った。
「今日は早く帰れと言われたろ」
「そっちこそ…」
 赤木がそう言うと零は少し笑って、手摺を乗り越えて開司の横に立ち、
「暇なんだ…」
 と言った。
宇海零も開司達と同じクラスの少年だ。ただ齢は同じだが学習レヴェルは遥かに上…雲上人…!である。
でも、どれだけ進んでいても十四歳は十四歳である。
そういう意味では何も変わらない。
112マロン名無しさん:2008/09/16(火) 21:47:10 ID:???
構わん続けろ
113京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/16(火) 22:18:04 ID:???
なんか書き込めなくなった?ので今日は以上で。
京極夏彦の小説をベースに福本キャラを少年で当てはめてみました。
ベースは氏のルー=ガルー 忌避すべき狼 です。
若干スレチっぽいですが、保守代わりということで…
もし不都合がありましたら、すぐ引っ込むオラ…どんどん引っ込む…!
114京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/17(水) 21:02:07 ID:???
「やることがない」
零はそう言った。
「学習すれば…」
「飽きた」
零は面白くなさそうに言うと、くるりと背を向けた。
開司は零の背中と赤木の顔を見比べた。
意外―に思ったからである。
零はとっつきにくい少年である。開司は今日まで、一度も会話らしい会話を交わしたことがなかった。
尤もそれは宇海零に限ったことではない。
積極的にコミュニケーションが取れない者は何をしたって無駄なのである。
宇海零は何をしたって無駄な口―だと開司は思っていた。
一方、赤木は殆ど目立たない存在である。
その二人が自然に会話しているという事態が、開司には上手く呑み込めなかったのである。
零は鞄を下に落とすと、しゃがんでから向きを変えた。
大きな瞳。視線。開司は観られるのが得意でない。
零は開司を見てまずこう言った。
115京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/17(水) 21:04:39 ID:???
「カイジ―だっけ」
「カイジだよ…」
「県議の息子」
「養子…」
「息子じゃないか」
「月に一度も会わないから…」
「俺だって親とは年に一度も会わないよ」
「ふうん…」
会話が続かない。
「いつも居残りじゃなかったのか―」
頭の上から赤木の声がした。
「―教員に物理学レクチャーしてるんだろ…」
「教員に…?本当か…?」
開司が目を瞠(みは)ると、零はもう一度微かに笑った。
 否定しないということは事実ということなのだろう。
開司はまったく気がついていなかった。
 赤木までが知っているということは周知の事実だったのかもしれない。
零は赤木を上目遣いで見て、
「俺がレクチャーしてるのは教員じゃなくてカウンセラーの田中さん。
内容も物理じゃなくて統計学」
と言った。
赤木はそれに答えずにただ零を見下ろした。零はこう続けた。
「今日はもう帰れってさ」
「いつものことじゃないか…」
「今日は特別なんだ。危ないんだって」
「危ない…?」
「人殺しがでるから帰れってこと」
116京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/17(水) 21:11:18 ID:???

以上です
勝手に居座っちゃってるけどいいのかなあ…?
117マロン名無しさん:2008/09/17(水) 21:31:06 ID:???
良い。福本漫画と京極堂は“ざわざわ”が似てる。
もっとざわざわさせてください。
118京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/18(木) 20:56:33 ID:???


ありがとう
今日も投下させていただきます。3話程
119京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/18(木) 21:00:48 ID:???
「人殺しって―あの…?」
そう。人が―殺されている。しかもそのすべてが十四五歳の児童だというのである。
「珍しいことでもないだろ…」
だって近いじゃないかと零は言う。
「近くたって隣だろう…?」
開司はそう言った。所詮は他人ごと―である。
事件が起きてるのは総(すべ)て他県なのである。
隣接しているとはいうもののカイジ達の居住する県では一件も起きていない。
この街は―治安だけはいいのだ。
隣じゃないのさと意味ありげに言って、零は後ろに手を突き、空を見上げた。
「他人ごとじゃなくなったんだ。県警も大慌てだよ」
「誰か―死んだのか…?」
開司は思い起こす。今日―クラスメートは全員揃っていただろうか。
騒ぎが起きていた様子は窺えなかった。
 尤も開司が気づかなかっただけかもしれないが。
―そういえば。
「今日欠席いたっけ」
名前は何といったか。
「井川」
「ああ井川だ―」
と―応えてから、よく知っているなと思った。
 開司はクラスメートの名前を半分も覚えていない。
120京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/18(木) 21:03:15 ID:???
 赤木は立ったまま、あれは違うよ―と言った。
「―死んでない…」
「死んでないんだ」
変な問答だと開司は思った。死んだのは別の子だよと零は言った。
「今朝屍体が見つかったんだって」
 零の言葉に赤木が顔を向ける。逆光でよく見えない。
「陸橋の下だって。あそこ、ぎりぎり県内の端っこだから」
「でもそんな話は―」
聞いていない。
「まだ情報公開されてないから。県警察と警察庁で揉めてるとこ」
「揉めてるって―」
「連続した事件なのか単独犯行なのかで担当省庁やら責任部署が変わるんだ。
県を跨ぐと広域指定になるだろ。この国はそういう体質なのさ。
当然初動捜査は失敗するから当分ごたごたするって」
零は大人のような口を利く。
「何でそんなこと知ってるんだ」
「ちょっと覗いた。割り込み」
「ハッキング…?よくやるな。捕まるぞ…」
開司の抱いていたイメージとは大分違う。どうも戸惑いがある。
121京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/18(木) 21:05:34 ID:???
開司はちらりと赤木を見た。顔が―見えない。
「手口は似てるんだってさ。首とか顔とか斬られてるみたいだ」
零は上を向いたまま続ける。
 暴行した後、鋭利な刃物で滅多切りにする―というのが今起きている連続殺人事件の特徴なのだ。 同一犯人ということか。
被害者十六の男なんだってさ―と言って零は仰向けに寝ころんだ。
開司も上を見る。落ち着かない。すぐに目を逸(そ)らす。
「で―」
赤木は口を開く。
「それで、何でここにいるんだ…」
「だから暇なんだって。
だいたい自宅(うち)帰ったって一人なんだから余計危ないじゃないか。
全部帰宅途中でやられてるんだし。
帰れっていうんならせめて送れよとか思うね」
零は寝ころんだまま表情ひとつ変えずに答えた。
本当に―思ったよりよく喋る。
「送ってくれないんだ―大切な天才を」
「会議があるんだって」
話し合ったって人殺しは見つからないだろうに―と投げ遣りに言って、零は躰を起こした。
122マロン名無しさん:2008/09/18(木) 21:15:42 ID:???
>> 零の言葉に赤木が顔を向ける。逆光でよく見えない。
赤木がどんな顔してるのか気になる。
うっすら笑ってたら怖い。
123マロン名無しさん:2008/09/18(木) 21:42:36 ID:???
ざわ…
   ざわ…
124マロン名無しさん:2008/09/18(木) 21:51:47 ID:???
殺人鬼って有賀かなぁ?
125京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/19(金) 20:58:44 ID:???
赤木は上げていた顔を斜め下に向けて
「人と話すの好きなんだ零」
と、意外そうに言った。面白いぜと零は笑った。
「生憎…俺はコメディアンじゃないから―」
 そう言ったあと、赤木はゆっくりと顔を開司に向けた。
開司はただ下を向いた。脛に当たる雑草が不快だ。
「だから―そうやって見物したって面白くない…」
「見物なんかしてないよ」
「じろじろ観てるだろ…」
「見なきゃ話せねえよ」
「俺は…観てない…」
そう。赤木は―一度も零を見ていない。
 ―いや。 赤木は。開司のことも。
赤木は踵(きびす)を返し、屈み込んで零の顔を凝眸(みつめ)た。
「何だよ…」
零は視線を赤木の頬の外に逃がした。
「ほら―眼を背けるじゃないか…自分だって観られたくないんだろ」
「やな奴」
「そう―」
自覚してるから一人でいるんだと言って、赤木は再び腰を下ろした。
その仕草は、まるで会話はもうお仕舞いだという合図のように見えた。
126京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/19(金) 21:01:49 ID:???
零は赤木の背中を見た後、すっと立ち上がった。
「面白かったぜ」
面白かっただろうか。
ただ見上げている開司にちらりと視線を寄越して、零は手摺を越えて行ってしまった。
赤木は―その後ろ姿を追うこともなく、遠くを見ていた。
「観られるのって―ヤだよな…」
開司は問うた。
オレも邪魔かな―と開司は小声で続ける。
「邪魔…?別に―何の邪魔でもないけど…」
考えてみれば言葉を交わすとしても内容は他愛のないとばかりだった。
眼を合わせたことは一度もない。
赤木の方が開司を観ることはなかったのだ。
安心出来るような安心出来ないような関係。
―それで普通か。
開司は自分に言い聞かせるようにそう胸の裡(うち)で思って、腰を上げた。
「帰る」
「うん…」
「帰らないのか…」
「え…?」
赤木は意外そうな声を出した。
今まで一度も、開司はこんな言葉を赤木に掛けたことがないのだ。
帰りたくなれば互いに勝手に帰る。別れの挨拶を交わさぬ時すら多い。
127京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/19(金) 21:18:57 ID:???


以上です
何故か初日以外、文頭がガタガタしてる…。
とりあえず明日で001終了になります
128マロン名無しさん:2008/09/19(金) 21:37:21 ID:???
孤高の赤木が、すこーしだけ他人に興味を持ち始めている様子が感じられます。
この後どうなるのか、“ざわざわ”しながら待ちます。
京極伸行 ◆pGS3hh1rhY 様、 作品投下ありがとうございました。
129マロン名無しさん:2008/09/19(金) 23:03:53 ID:???
投下ありがとうございました。
>>文頭がガタガタしてる…
とのことですが専ブラLive2chで
見ておりますと、水曜日以降は綺麗にそろっています。
明日の結末?が楽しみなのですが、、終わってしまうのが残念。
130京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/20(土) 11:52:24 ID:???
>>110>>111の間が抜けていた事に気付いた

 赤木は膝の上で組んだ腕に顔を埋めるようにしてそう答えた。開司は座ったまま前に出る。
「何それ…?けものの匂いなんて嗅いだことない」
「俺もないよ…」
 そっけなく赤木は答える。じゃあ何で判るんだと問うと、赤木は右腕をすっと出した。
 開司は鼻を近づける。
「別に…匂いしないだろ…」
「そう…」
 赤木は腕を戻して再び膝を抱えた。遠くを見ている。開司は更に前に出て、赤木の横に並んだ。
「何がけものなんだよ…」
「よく…解らない…そう思っただけだ…」
 最初、ここには赤木がひとりで座っていた。下校途中に偶然その姿を見かけて、開司は少し不思議に思ったものである。
 同じクラスだから開司も名前くらいは知っていたのだか、それまで存在を意識したことは一度もなかった。
 その翌週、開司は何を話すでもなかったが、ただ座った。暖かくなってからはずっとそうしている。
131マロン名無しさん:2008/09/20(土) 12:22:40 ID:???
支援
132京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/20(土) 20:56:46 ID:???
「あ…危ないんだろう―」
開司は言い訳をする。弁解しなければならぬ理由もないのだけれど。
「―人殺しが」
「大丈夫だよ…」
 赤木は振り返った。そして開司の顔を真っ直ぐに見上げた。
目が―。
「俺は平気…カイジは―」
危ないかなと赤木は言った。
「それは―どういうことだ…?」
赤木はその問いには答えず、水の匂いがする―と言った。
「え…?」
上―。
赤木の意識は上の方に向いている。開司は何故かそう思った。
天を仰ぐとぽつりとひと粒、冷たい刺激が頬に当たった。
雨だ。
傘は持って来ていない。赤木の方は一向に動く気配がない。
開司は何故か逡巡(しゅんじゅん)する。今日は何故かとても帰り難い。
所在なく踵を返し勾配(こうばい)を少し上がると、足許に異物を感じた。
 爪先(つまさき)で探ると草の合間にディスクが一枚落ちていた。
つまみ上げ、顔を上げ気味に背後に気を遣る。赤木のものではあるまい。
133京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/20(土) 21:00:43 ID:???
「これ―」
赤木の―と開司は問うた。違うことは判っているのだが。
再び戻ってディスクを赤木の方に向ける。
「そんな容量のでかいディスクは使わない」
言われてみればそうである。
 表記してある数字を見る限り、大容量のディスクだった。
そんなの使うのは零くらいだろと赤木は言った。
「―零のか」
そうかもしれない。
 さっき零が鞄を置いた―というより落としたのはこの辺りだった。
「どうしよう…」
「取りに来るだろう…」
「でもここに落としたって―知らないんじゃないか」
プロテクトがかかっているところを見ると中味が空とも思えない。
「大事なものなら探すんじゃないか…置いとけば」
「でも…」
開司はもう一度天を仰いだ。
冷たい水滴がふた粒、続けざまに額に当たった。
雨が降る。
それでも―水の匂いなんかはしなかったのだけれど。
134京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/20(土) 21:25:09 ID:???


以上で001終了です。
ありがとうございました。
抜けていた所は>>110>>130>>111が正しい順番になります。
ご迷惑おかけしま焼き土下座した
135マロン名無しさん:2008/09/20(土) 22:50:07 ID:???
京極伸行 ◆pGS3hh1rhY 様、作品投下ありがとうございます。
人恋しい開示の不器用さが物悲しい。
赤木がもう少し開示に優しくしてあげたら良いのに。
(雨降り前の)水の匂い が気になります。
002の投下を楽しみに待ちます。ありがとうございました。
136マロン名無しさん:2008/09/20(土) 23:14:53 ID:???
乙!次もたのしみにしてます
137マロン名無しさん:2008/09/21(日) 11:35:02 ID:???
ふんがー!京極も好きなのでたまらんです。
京極の文体にアカギが溶け込むのがさすが神域。
そして開司が関口に見えてしまう罠。

次作も楽しみにしています。
138マロン名無しさん:2008/09/23(火) 08:30:02 ID:???
ワシは村岡。
このエスポワール学園で保健の先生をやってるざんす。
ここの生徒は皆個性的ざんす。
…おや、また今日も保健室に生徒がやってきたざんす。

   ¥¥¥

村岡「おや?どうしたざんすか?ダメg…平山君。
顔面蒼白の上、泥だらけじゃないざんすか」
平山「(今…ダメギって言いかけた…)
鷲巣先生の授業で…麻雀に負けて…血を抜かれて…校庭に埋められた…」
村岡「それは災難だったざんすね。どの位抜かれたざんすか?」
平山「2000t…」
村岡「(よく生きてるざんすね…)」

バタン

村岡「ダメg…平山君っ!」
平山「(…わざとだろっ…)」
村岡「幸いワシとダメg…平山君は同じ血液型。
輸血するざんす!ワシの血を…」

  ¥数分後¥

村岡「体調はどうざんす?」
平山「良くなったざんす!ありがとうざんす!」
村岡「お大事にざんす〜」
139マロン名無しさん:2008/09/23(火) 09:58:31 ID:???
伝染っちゃってるけど、大丈夫か平山?
なんて優秀な校医なんだw村岡先生。
140マロン名無しさん:2008/09/24(水) 05:10:56 ID:???
くそ、油断して吹いたw
そのうち鷲巣もざんす言い出してたら嫌だな
141マロン名無しさん:2008/09/24(水) 07:14:09 ID:???
¥¥¥に吹いたw
142マロン名無しさん:2008/09/25(木) 09:05:34 ID:???
ワシは村岡。
このエスポワール学園で保健の先生を(ry
ここの生徒は皆(ry
…おや、また今日も保健室に生徒が(ry

   ¥¥¥

村岡「さあ3分立ったざんす。体温計を渡すざんす」

アカギ「どうぞ…」

村岡「36,7℃…平熱ざんすね」

アカギ「まるで白痴だな…」

村岡「あ゛…?」

アカギ「平熱が35℃代の人間にとっての36℃後半は…現在の貨幣価値に換算すれば37℃代に価する…」

村岡「………」

アカギ「……」

村岡「ベッドで横になっていなさいざんす」
143マロン名無しさん:2008/09/25(木) 10:11:49 ID:???
また来たな 社長萌スレからの刺客めw
確かにアカギは平熱低そうだ 目ん玉ひんむいてる社長が目に浮かぶw
144マロン名無しさん:2008/09/25(木) 13:35:32 ID:???
カーテン閉めて17歩が始まりそうだ。
145 ◆69whBbyhes :2008/09/26(金) 14:57:46 ID:???
お久しぶりです
投下ペースがすっかり遅くなって申し訳ないです
八話目完成してから一気に投下したかったんですが
これからまた数日いなくなるのに間に合いそうになかったので
七話目を先に投下しにきました
多少蛇足な話ですが、お付き合いいただければうれしいです








『なんでも一人でできるんだね』
それは望んだことではなかったので。



世界はいつでも鮮烈だった。
知ることに終わりはなく、考えることにも飽きなかった。
それは今でも変わらない。
どうやら零には才能があったらしく、早いうちから天才、と呼ばれるようになっていた。
自分と他者がそういう部分でどんどん離れていくのを感じながら、零はそれでも人と交わることが好きだった。
だが、離れていくのを感じているのは零だけでなく相手の方こそであり、
劣等感とあいまって零の意思とは関係なしにあちらから離れられてしまうのだった。
大人はと言えば、この子は一人で出来るだろうと他の子供にかかりきりになり、
結局零はそうやって一人にされてきたのだ。
146 ◆69whBbyhes :2008/09/26(金) 14:58:59 ID:???
小学校に入るとその傾向は顕著になり、
勉学という一ジャンルが子供たちに認識されるにあたって零の孤独は加速していった。
周りの子供も決して零が力を誇示するような人間でも、
それを悪用する人間でもないのを知っていたが、
『零と自分は違う』という意識がいつも邪魔をするのだった。
やがて零という子供は学校という場において笑う機会をなくし、
誘われもしないで外に出ようとするほど無神経でもないがために、
休み時間は教室で一人過ごすようになる。
それを破って零を連れ出す者など、いるはずもないのだった。
147 ◆69whBbyhes :2008/09/26(金) 14:59:48 ID:???

零がマンションの前の原っぱに違和感を感じたのは、
もうほとんど義務感によって学校に通っていた頃のことだ。
一部分だけが異様に揺れる様子に目を凝らして見れば黒髪が隙間から覗くのだった。
孤軍奮闘、の言葉が似合う黒髪を零は心のどこかで応援していた。
一人でも居場所だと言えることを証明してほしくて。
しかしまた他のどこかで零はその失敗を願っていた。
自分の得られないものを先に得られるのが悔しくて。
矛盾する心に気付きながら見つめていた。
やがて白髪の子供も加わるまで、ずっと。
148 ◆69whBbyhes :2008/09/26(金) 15:00:35 ID:???

白髪があの場所に来てから、零はなんとなく観察を控えている。
黒髪は白髪を受け入れていた。
それが衝撃的でならなかった。
黒髪は一人であろうとしてあの場所を築いているのかと思っていたので。
だがそうではなかった。彼は仲間を待ち望んでいたようにも今は思える。
彼と自分はどこか似ている気がしていたのに。
そう考えて、零はようやく気付いた。
彼と自分は似ている。自分も仲間を待ち望んでいるのではないか?




そして零は駆け出した。
押し入れからブルーシートを持ってきて。
ずっとずっと言えないでいた「まぜて」を言いに。
149 ◆69whBbyhes :2008/09/26(金) 15:03:50 ID:???
七話目終わりです
八話目からはまた三人の話に戻ります

それではまた読者に戻りますノシ
150マロン名無しさん:2008/09/26(金) 15:12:23 ID:???
小学生で“孤独”を感じるなんて…

>>そして零は駆け出した。
>>押し入れからブルーシートを持ってきて。
>>ずっとずっと言えないでいた「まぜて」を言いに。

零の逡巡する思いと、孤独からの脱出が無邪気な「まぜて」に
凝縮されているようで、「じわっ 」っとします。
151マロン名無しさん:2008/09/26(金) 18:56:59 ID:???
いいなあ
152マロン名無しさん:2008/09/26(金) 21:30:03 ID:???
投下おつです
153マロン名無しさん:2008/09/28(日) 09:20:25 ID:???
ワシは村岡。
このエスポワール学園で保健(ry
ここの生徒(ry
…おや、また今日も保健室に(ry

   ¥¥¥

板倉「村岡先生」

村岡「どうしたざんす?」

板倉「濡れヒg…兄さんが在全の授業で溺れました。息してません」

村岡「何ですって!?すぐに人口呼吸をしなさいっ…!」

板倉「却下っ…」(ニコッ)「俺が心臓マッサージしますんで」

村岡「(あ…足で?)」

板倉「尊い行為はどうぞ先生が…」

村岡「……。男、村岡やる時はやるざんす!」


末崎「ぶはあっ!」

村岡「さくらちゃん!」

末崎「た…助かったざんす〜」

板倉「(アンタもかよっ!?)」
154マロン名無しさん:2008/09/28(日) 10:34:53 ID:???
さくらちゃん吹いた
155マロン名無しさん:2008/09/28(日) 11:18:31 ID:???
さくらちゃんw
156マロン名無しさん:2008/09/28(日) 11:34:20 ID:???
村岡先生w
157京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/29(月) 23:33:59 ID:???
こんばんは
そろそろ002をと思ってるんですが構いませんか?
あと、002から出てくるエリートで痩せたイヤミな警官を誰にしようか迷ってるんですが…
誰がいいですかね?アドバイスお願いします
158マロン名無しさん:2008/09/29(月) 23:51:44 ID:???
投下お願いします
159マロン名無しさん:2008/09/30(火) 02:55:54 ID:???
>>157
イヤミではないけど板倉かなぁ。本編で痩せ型と記述されてたしエリートだし
160マロン名無しさん:2008/09/30(火) 09:21:12 ID:???
澤井さん。制服着てるし、看守だし。
京極伸行 ◆pGS3hh1rhY 様、作品投下楽しみです。
161京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/30(火) 20:56:33 ID:???
>>159>>160さんありがとうございます
警官の人は板倉にしました。(ある程度若くないと後に矛盾がでるのを思い出した)
偶数パートは田中視点になります。002は退屈なのでダイジェストでお送りします。
田中さんはもはや別人です
162京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/30(火) 20:58:37 ID:???
002

 ――会議は嫌だ。
ただ情報を交換するだけなのに不当に長い時間拘束されるという無駄。
――苛々(いらいら)する。
結局一番カウンセリングが必要なのは自分じゃないかと、田中沙織は思った。
沙織はこの部屋自体が嫌いだった。
清潔第一といっても滅菌処理されている訳ではないから雑菌の数は然程変わりがない。
寧(むし)ろ埃が目立つ。沙織など消毒用のウエットペーパーを手放せない程である。
嫌だ。月例会議は先週済ませたばかりだというのに。
臨時招集がかかったのだ。
沙織は県のセンターから派遣されているカウンセラーの一人である。
通達に依れば本日県内で殺人事件が確認され、それに対する協議が行われる――ということだった。
163京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/30(火) 21:00:43 ID:???
 聞けば被害者は県内の学校に通う生徒のひとりであるらしかった。
実際会議の席には警察関係者や、普段は顔をみせない所長まで顔を揃えていた。
事件絡みであることは確実である。
「県警刑事部担当管理官の板倉です」
と痩せた男が言った。
「正直に申し上げると、捜査は難航しているというのが県警刑事部としての現状認識です。
実のところ我々のデータベースには大きな穴があると言わざるを得ない。
未成年情報が著しく欠けているのです」
板倉は一同を見渡し、最後に沙織を見た。
「我々は未成年のデータは公式なもの以外収集していないのです」
予算がないんですよと板倉の横の警察関係者らしき男がぼやく。
「データ管理も大変なんだ」
そんなこと聞いたって始まらない。沙織の虫は居所を悪くする。
164マロン名無しさん:2008/09/30(火) 21:02:36 ID:VNajB1Ug
「警察の予算に余裕がないことは十分解りましたが…
それが何だというのですか…?」
「それでは単刀直入に申し上げます。
こちらで管理されている、十歳以上の未成年のデータを――警察に提供して頂きたい」
「そんなことはできません。児童のプライヴェート情報は非公開が原則です。
そんな非合法な要求は聞いたことがありません」
「非合法ではありません。超法規的処置です。」
「言葉を変えただけです」
まあまあ田中君――と職員が髪の毛を掻き上げて珍妙なリアクションを取った。
「とにかく――私は 反対です」
「実は――既に事件の起きている他の県からは当局の要請に従って提供がなされているのです」
そんな話は聞いていないが――と所長はやにわに当惑した。
165京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/30(火) 21:04:29 ID:???
「勿論――情報提供があった事実は一般には非公開です」
隠蔽しているということですか――沙織は問うた。
「事態は急を要するのです。
これは違法ではないものの非常にデリケートな問題です。
ですから社会的な混乱が起きないように、暫定的に箝口令を布(し)いたのです」
「いずれ非合法な特例です。
そうした既成事実の積み重ねを繰り返すことで、
なし崩し的に 法制化しようという卑劣なやり口が透けて見えているじゃないですか」
「卑劣かどうかは別として――」
法制化は視野に入っていますと板倉は言った。
「勿論法律を作るのは私達の仕事ではありませんから、こればかりはどうにも出来ませんが」
沙織は机の端を見た。
茶番だ。もう異論も反論もない。これは予め決められていたことなのだろう。
 ただ記録には残せないことなのだ。だから――わざわざこんな臨時会議なんか招集したのだろう。
沙織は息を止めた。匂いを嗅ぎたくなかったからだ。
166京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/09/30(火) 21:08:08 ID:???
以上ですが3つめやっちまった…申し訳ない。
鉄板を熱しておこう
167マロン名無しさん:2008/09/30(火) 21:37:27 ID:???
京極伸行 ◆pGS3hh1rhY 様、作品投下ありがとうございました。
確かに 板倉さんじゃないと
若い田中沙織が 若い傲慢?不遜?な警官に噛み付く雰囲気が出ないです。
どうなるのかな。つづきが楽しみです。
168マロン名無しさん:2008/09/30(火) 22:01:55 ID:???
緊張感がいいですねー
169京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/01(水) 21:10:23 ID:???
003

 この匂いは何と言い表すのだろう。
 開司はずっと、そればかり考えている。
 良い香りでもなく、嫌な匂いでもない。
 何の匂いにも似ていない。街の匂い。外の匂い。空気の匂いか。
 ――これが水の匂いなのか
 水道水はこんな匂いはしない。
少なくとも室内で感じる匂いではない。
「濡れた…」
赤木が言った。

空気が素通しなのに街は昏(くら)かった。
俗に旧カンラク街と呼ばれる地域である。
開司はもう一度景色を見渡す。見慣れない。
どうにも落ち着かない。果敢(はか)なげな気持ちが湧き上がる。
ぐるりと見回して、視線は赤木で止まった。
携帯の液晶を見ている。
「この辺の筈だけど――宇海って」
言葉を最後まで続けずに赤木は首を曲げ、開司から顔を背けた。
旧カンラク街に住んでたんだ、という言葉を呑み込んだのだろう。
それに就いては開司も意外に思ったのだった。
宇海零と旧カンラク街は似合わない気がしたのである。
でも、検索して出て来た住所は慥(たし)かに旧カンラク街を指し示していた。
170京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/01(水) 21:13:19 ID:???
「あ…」
 赤木が小さな声を発した。
 開司は赤木が顔を向けている先に視線を投じる。
普通より狭い道路の向こう、安っぽい建材の壁に挟まれた、更に狭い路地に。
「ひろ…」
そうなら、クラスメートである。
でも――名前と顔は必ずしも一致しない。
私服だと余計に判らない。目を凝らす。顔には見覚えがある。
容姿以外には何も知らない。でも容姿に見覚えがあるということは、たぶん同じクラスだろう。
――そういえば。
井川――井川ひろゆきだったか――は、今日欠席していた。
――何をしているのだろう。
軒下に脱力して立ち、井川ひろゆきはただ上を見ている。
雨具をつけている様子もないし、かなり濡れているに違いない。
「アイツ濡れてる」
と言いかけた時、赤木は小雨が散る道に踏み出していた。
早く行こう――赤木は振り返らずにそう言った。
171京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/01(水) 21:18:55 ID:???
つまらないことを言わなくて良かったと開司は思った。
それにしても赤木はアイツのことが気にならないのだろうか。
――普通は気にならないか。
別に関係ないことだ。そう思い直して開司は見慣れぬ雨の街に一歩踏み出した。その時。
待って――さあさあいう雨の音に雑(ま)じって声が聞こえた。
赤木が止まったのが先か、呼ばれたのが先か。
ゆるりと振り向くと雨に濡れた井川ひろゆきが近づいてくるところだった。
「待って下さい」
ひろゆきはもう一度そう言った。
赤木に向けて言っている。何故なら開司はもう振り向いているのだから。
「大丈夫だったんですか…?」
ひろゆきはそう言った。赤木は振り向かなかった。
ねえ、とひろゆきが重ねて問うと、俺は平気だと赤木は言った。
何のことか開司には判らない。
ひろゆきは振り返る気がないらしい赤木の背中を暫(しばら)く眺めて、
それから漸(ようや)く開司を視界に入れた。
172京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/01(水) 21:23:34 ID:???
以上です。003は多分4日位の長さになると思います
173マロン名無しさん:2008/10/02(木) 10:02:06 ID:???
静かに不気味だ…
雨にまぎれて何か開司たちに近づいているのでしょうか?
174マロン名無しさん:2008/10/02(木) 12:57:08 ID:???
乙。こないだ邪魅の雫を読了したところなので京極節は無条件にwktk
175京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/02(木) 21:15:27 ID:???
「何か――起きてます…?」
どこか思い詰めたような尋(き)き方である。開司は返答に窮する。
「何か起きてるかって――どういう意味だ」
「なんか――その、ちょっと変ですし…」
「知らない――のか?」
県内で殺人事件が起きたことを知らないのだろうか。
一時間くらい前に情報は公開されている筈だ。開司はここに来る途中で連絡網を受信している。
 学園で配布される携帯は所持を義務付けられている。
開司が本当に知らないのかと問うと、ひろゆきは携帯壊れちゃったからと答えた。
「殺人。この県で」
「殺人…?」
ひろゆきは眉を寄せた。
「陸橋の下で――滅多斬りだって」
「じゃあ」
「じゃあ…?」
「じゃああいつ、“あの後”――」
死んだのは男の方だよと言って赤木が躰を返した。
「ほら」
赤木は自分の携帯のディスプレイをひろゆきに向けて差し出した。
「安藤守。十六歳。」
赤木はもう一度、ぐい、と携帯をひろゆきに近付けた。
「被害者はこいつだ…」
176京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/02(木) 21:18:29 ID:???
ひろゆきは、額に当たった細かな霧が水滴となって流れ落ちるまで、赤木の携帯を凝視していた。
それから頬を緊張させてちらちらと開司を見て、
「こんなとこで――何してるんですか」
 と尋(き)いた。尋きたいのはこちらの方だと開司は思った。しかし――。
先程からのひろゆきの口振りを聞いている限り、二人は何らかの情報を共有しているとしか思えない。
そう考えると、さっきの赤木の言葉も頷ける。
あれは死んでない――赤木はひろゆきが授業を欠席した理由を知っていたのだろう。
でも。
それなら、まず尋常ではないひろゆきの姿を見かけても無視し、避けるようにした赤木の態度は腑に落ちない。
「心配しなくても、ひろを見舞いに来た訳じゃない…」
赤木はそう言った。
「宇海零の家を探してる」
「どうしてですか…?」
「雨だから…」
さっ――と、雨滴が細い細いストライプに変わる。
雨足が強くなってきたのだ。
177京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/02(木) 21:22:06 ID:???
「零の家なら――そこの車が停まってるとこです」
自家用車が道端に置いてある。
「入り口は二階です。一階は店だから。中国の人とかしかいません」
 もともとここはそういう場所だしとひろゆきは言う。
「――昔の歓楽街だから」
 開司には意味がよく判らない。
 まごまごしているうちに赤木はもうその建物に向かって歩き出している。
ひろゆきは雨に濡れている。
開司は――取り立てそれ以上何の言葉も交わさずに、ひろゆきに背を向けて赤木を追った。
路地を曲がるまで、背中はずっと視線を感じていた。

中は薄暗く、女性が数名、椅子に座っているのが見えた。
「覗かない方がいい…」
赤木はそう言ってぐるりと建物を周り、入り口らしきガラス張りのドアの横に立った。
開司はドアの前に立つ。
くう、とドアは開いた。
178京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/02(木) 23:25:19 ID:???
以上です。
>>174読了乙です。ジャミは中盤までのざわざわ感が好きです。
179マロン名無しさん:2008/10/03(金) 08:14:49 ID:???
>>177>>くう、とドアは開いた。
開司、開司っ と襟首引っ張りたくなります。
大丈夫かな?
京極伸行 ◆pGS3hh1rhY さま、作品投下ありがとうございました。
180京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/03(金) 21:04:45 ID:???
「開いた」
 安っぽい建物だった。エレヴェーターは動いてないようで、プラスチック容器やガラス瓶が沢山放置されている。
 おまけに壁が数箇所壊れていて、太いケーブルの束が何本も覗いている。
 そのうち何本かは引き出されており、床に置かれた金属の箱のようなものに接続されている。
 そこから更に太いケーブルが床を這うように、壁づたいに伸びている。
 赤木はそれらを無造作に眺めた。そしてちらと開司を見て、行くか――と尋いた。
「なんか凄いな…」
「でも――」
ここまで来て帰るというのもどうかとは思う。
雨も止む気配はない。髪の毛はすっかり湿っている。開司は鞄からディスクを出した。
「渡す」
床のケーブルを目で追いながら赤木は言う。
「だけど――零は携帯の電源を切っている」
だから会いに来たんだと言いかけて開司は思い至る。つまり。
――会いたくないということか。
そうじゃないかと思って、と赤木は言った。
何も言わなかったのに、たぶん開司の顔色を読んだのだろう。顔なんか見ちゃいないくせに。
181京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/03(金) 21:09:02 ID:???
「いきなり行ったら迷惑じゃないか…?」
「自宅の電話にかけるか?」
「それもヤだな…」
暇そうだったからいいかと言って赤木はケーブルを伝うようにして歩き出す。
ケーブルはうねりながら階段を上がっている。
カツン…カツン…と跫(あしおと)が響く。
 ジイ…ジイ…という音が引っ切りなしに聞こえている。
古い照明が鳴るのかか、それても冷却ファンが回る音だろうか。ケーブルの中を何かが通って行く音か。
「二階だって言ってたか――」
廊下に添って三つ、突き当たりにひとつ、計四つのドアがあった。
赤木は床を観る。
 ケーブルの束は階下からだけではなく階上からもまた伸びており、
二筋の束は一本に縒り合わされて、廊下の真ん中を通って突き当たりのドアへと続いていた。
ドアの横の壁は少し剥がされており、しかもそこは孔(あな)が穿たれていて、ケーブルはその中へと繋がっていた。
赤木は迷いなく真っ直ぐに突き当たりのドアへと進んだ。
表示がある訳ではない。どの部屋かは判るまい。
182京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/03(金) 21:13:07 ID:???
「待ってくれ」
知っている――訳はない。
慥(たし)かに赤木は開司の知らないことを多く知っているようだが、この建物な中々発見できなかったのだ。
赤木は無言で指を指す。
「入れない」
慥かに――廊下に並んだ三つのドアノブの総(すべ)ては取り外されていた。
突き当たりのドアの前で赤木は止まった。
何もないドアである。赤木はケーブルが引き込まれている孔を覗いた。
何か見えるか――と開司は尋いた。
なにもと赤木は答えた。
暫(しば)し動きが止まる。
赤木だって他人の家を訪問することなどないだろうと思う。慣れていないのだ。
ジイ…ジイ…という音が続いている。
突然、赤木はがちゃりとドアのノブを掴んだ。
ドアは簡単に開いた。途端にノイズの音量がいっそうに増した。
「開く」
開けてから赤木はそう言って、一歩裡(なか)に這入(はい)る。開司も頭を差し入れる。
そして開司は絶句した。裡は想像を絶する有様だった。
183京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/03(金) 21:17:41 ID:???
以上です。
多分明日くらいで004終了です
184マロン名無しさん:2008/10/03(金) 23:10:15 ID:???
裡(なか)?室内 ってしないで わざわざ 裡(なか)と書き表す意味…
明日が楽しみです。
185京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/04(土) 22:02:20 ID:???
「その辺シールドもなんにもしてないから結構電磁波きついぜ――」
ごちゃごちゃの装置とケーブルの中に宇海零が立っていた。
「――別に死なないけど」
零は驚いた様子もない。寧(むし)ろ開司が動揺している。
携帯入れとけと赤木が言う。
「お蔭で濡れた…」
 零は手に持っていた工具らしきものを脇にある台の上に置いた。
「なんだよ。ここに人が這入るのは初めてだ」
赤木は顔を僅かにに開司に向けて、頬で促した。開司は慌てて手にしていたディスクを出す。
「これ――」
「あ」
零は何だか呆れたような顔をした。
「全然気づかなかった」
「大事な物なんじゃないかと思って…」
「大事っていうか――別に役に立つものじゃないけどさ」
「そうなのか…」
「趣味だよ」
開司はケーブルを踏まないように気をつけながら前に出て、ディスクを零に渡した。
186京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/04(土) 22:05:49 ID:???
「じゃあ…要らなかったか…?」
「いや――なくしたら計算するのが面倒だったから。
といっても計算は何分だけどね、データ再入力するのが無駄か」
何のことだか開司にはさっぱり判らない。
赤木は無表情のままぐるりと部屋を見渡した。
どうやら封印された三つの部屋は、内部で総て繋がっているようだった。
「凄いとこ住んでるな…」
「ああ。まあ親の住んでるところはこの上だし、そっちは別に何でもないし。
でも親の方はずっと留守なんだ。
でも、ま、オレのところは大丈夫みたいだ。
田中さんが一回来たけど呆れて帰ったし」
「天才だからか…?」
そう――と零は答えた。
「じゃあここは零だけの部屋か」
「最初はここだけだったんだけど、狭くなったからフロアぶち抜いてさ。
壁壊すの大変だった」
「壁――壊したのか?自分で…?」
壊した壊したと言って零は笑った。
187京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/04(土) 22:08:04 ID:???
「寝るとこなくなったから。今思えば出入り口は階段側にしておけば良かったと思うけど。
壁に沿って色々置いたどうしようもなくなった」
「なくなったって――これ何だ…?」
「何って機械だよ」
「部屋全部がか…?」
「そう」
ふうん、と赤木は興味なさそうに反応した。
「それにしたって不細工だな…」
「オレ天才だから美観とかないから。でも性能はいいんだ。
情報処理能力は一般の家庭用のおよそ一万二千倍。記憶容量は八千倍。
尤(もっと)も百分の一も使ってないけど。
でもどんな情報源にだって瞬時に接続できるしさ。逃げ足も早いし、大抵のことはできるんだ」
「無意味。俺たちは子供」
「だから趣味だって」
「そのディスクもそうなのか…?」
「これはさ、カイジューだよ」
「カイジューって…?」
188京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/04(土) 22:10:29 ID:???
「古い動画のフィクションで見たんだ。大きいカメがさ、口から火の玉をだすんだ」
何だよそれと赤木は言った。
「だから昔の動画」
「亀が火を吹くのかっ…?」
凄いんだと零は言った。
 それから部屋の奥の方――というか、隣の部屋の方を指し示した。いっそう不可解な装置が置いてあった。
「亀にできて人にできないというの納得できなくてさ。
あれは――プラズマ発生装置。で、発射する機械とか造ってるんだ。失敗したけど」
「武器じゃん」
法律違反だと赤木は言った。
「武器としては失敗だよ。もっと他の方式を考えなきゃ。
何十年も前の娯楽動画の通りにはいかないって。
で、別な方式のやつを考案したんだ。こいつにはそのデータが入ってる」
「危ないやつ…」
「造るだけで使い道はないからさ。使いようもないだろうに。
昔と違ってもの壊したってなんにもならないし」
唸る電磁波の中で零は言った。
189京極伸行 ◆pGS3hh1rhY :2008/10/04(土) 22:13:34 ID:???
以上で004終了です。
今回も、ありがとうございました。
190マロン名無しさん:2008/10/04(土) 22:36:03 ID:???
間違えた003終了です。なんで2回も 間違えたんだろう?
191マロン名無しさん:2008/10/04(土) 23:16:09 ID:???
緊張感がある話だけど安藤の死体で吹きましたw
次回も楽しみにしてます。
192マロン名無しさん:2008/10/05(日) 00:39:31 ID:???
京極伸行 ◆pGS3hh1rhY 様、作品投下ありがとうございました。
なんで ガ○ラ?? ディスクの中の怪獣???
1話、1話どう繋がっていくのか解らない。
深い霧の中にいるみたいです。
>>191 >>次回も楽しみにしてます。 ハゲドウです。
193マロン名無しさん:2008/10/07(火) 01:04:00 ID:DOsFq8C2
なんかすっかり前とは違う雰囲気のスレになっちまったな
感想レスも同じ奴ばっかもうここ過疎だろ
大先生はじめ昔の執筆陣が戻ってこないのがいい例

いつまでも過去にこだわりゃしないがそれでも名前が同じなだけなら
ここは>>1に上がってるあの過去スレたちの続きとは言えないんじゃないだろうか
194マロン名無しさん:2008/10/11(土) 21:49:46 ID:???
言いたい事は分からんでもないが保守
前スレも好きだけど今スレも好きだよ
195マロン名無しさん:2008/10/12(日) 17:10:59 ID:???
カイジ……乗車!
圧倒的乗車!
カイジ(う……ううっ…)
魔のS字クランク!
が…脱輪!圧倒的脱輪!

カイジ(が……ああ……左っ左に……)
利根川「左に寄せ過ぎですよ!戻しなさい!」

……失敗…この日もまた押されない…ハンコを!

カイジ(悪魔……押せよ…いい加減っ…もう25回目だぞ…
辞めろよ!あからさまな差別!!ド悪魔めっ)
196マロン名無しさん:2008/10/12(日) 17:44:06 ID:???
自動車学校とは、新しい視点だ。
がんばれっカイジ♪
197マロン名無しさん:2008/10/13(月) 02:03:46 ID:???
25回ってw
運動神経悪いってレベルじゃねーぞ
198マロン名無しさん:2008/10/14(火) 20:08:54 ID:???
カイジ「なあ……知ってたか?」
アカギ「…ー」
199マロン名無しさん:2008/10/14(火) 20:33:06 ID:???
カイジ「なあ……知ってたか?」
アカギ「…ん、何をよ」
カイジ「プリンターって奴はな、…裏紙を使っちゃいけねえんだよっ…!!」
アカギ「…?」
カイジ「PPC用紙かどうかで、ヤツは印刷出来るかどうかを決めやがるんだ…っ!!」
アカギ「…」
カイジ「とどのつまり…裏紙を使っちまうと、ヤツは紙の種類を識別しなくなり、
印刷を失敗しやがるんだっっ!!」
アカギ「…それは、常識…ってやつじゃないのか?」

―その時、カイジに電流走る!!

カイジ「おまえ…知ってたのか?」
アカギ「まあな…」
カイジ「馬鹿なっ…なんでお前が…そんな…(ジタ…ジタ…)」
カイジ、痛恨のミス…!! 紙代をケチったばかりに、肝心のプリンターを
動作不良にしてしまっていた!!
アカギ「何、お前…レポートの印刷ミスッたの?」
カイジ「いや、ははは、何言ってんだよ、冗談だよ、ちょっとした…そう、
アメリカン・ジョークってやつさ」
銀二「だろうな。なんせ今日提出期限のレポートのテーマは『美しき帝愛』。
こいつを出せない奴は(こってり)しぼられるか、(内申点を)奪われるか、
殺される! まして伊藤は普段から先生方の覚えが良くないからな…ククク」
カイジ「よせっ、やめろよ縁起でもねぇっ…!!」
その時響き渡る…っっ…非情なる宣告っ!!
班長「みなさん静粛に!! それでは只今より、レポートを回収致します!
出席順に並んで提出してください!」

迫るタイムリミット、どうするカイジ?!
200マロン名無しさん:2008/10/14(火) 20:34:51 ID:???
保守がわりの一発ネタです。
201マロン名無しさん:2008/10/14(火) 21:06:55 ID:???
カイジが可哀想な子過ぎるw
202マロン名無しさん:2008/10/14(火) 21:16:20 ID:???
伊藤呼びってなんか新鮮
203マロン名無しさん:2008/10/14(火) 21:28:46 ID:???
銀二がひょっこり出てきたのに違和感が無くて吹いたww
204マロン名無しさん:2008/10/14(火) 21:39:53 ID:???
大学生ネタってなんか新鮮だな
アカギもカイジも大学生でおかしくない歳なのに
つうかアカギは普通に書いたのか…「美しき帝愛」のレポート
205アカギのレポート:2008/10/15(水) 02:39:29 ID:???
『私の考える美しき帝愛とは、まさに金と狂気の中にあります。
資金は目のくらむほどになければなりません。そして、その金に群がる亡者ども。
ずばりそれこそが、美しき帝愛の根幹をなすものであります。そして、その帝愛の
シンボルとして君臨なさる兵藤会長。この会長の演説、それに心より賛同し、
熱狂的に歓声をあげる黒服達。これを以って、美しき帝愛は完成するのです』

アカギ「…オレが普通にレポートを書くわけないでしょ、>>204さん」
206福本美術大学:2008/10/15(水) 03:33:39 ID:???
一条「本日はみなさんにりんごを描いてもらいます」
涯「生ぬるいっ…生ぬるいモチーフだっ…」
零「先生!でも今日はカンバス以外は持ってくるなって…」
一条「みなさんにはこれを使ってもらいますっ…!」
一条が取り出したのはペンチっ…!
ざわ…ざわ…
カイジ「そんなもんで…どうやって描けって…」
アカギ「血…」
カイジ「えっ…?!」
アカギ「自分の爪を剥がして…血で描けってことでしょう?」
その時生徒に電流走る…!
一条「その通りっ…!」
ダメギ「ふざけるなっ…!お絵かきに体や命を張れるかっ?!別に痛いのが怖いわけじゃないっ!無意味な血はごめんだと言ってるんだ!」
アカギ「無意味な血…?それがまさに芸術なんじゃないのか?」
207マロン名無しさん:2008/10/15(水) 09:19:16 ID:???
どんな美大だよっ
造形科のやつらは人物モチーフに苦戦だろうな
208マロン名無しさん:2008/10/15(水) 14:54:12 ID:???
お絵かきwwwwwwwww
209マロン名無しさん:2008/10/15(水) 20:21:43 ID:???
>>206
この場合ダメギが正しいww
210マロン名無しさん:2008/10/15(水) 20:24:27 ID:???
カイジはある意味リアルゴッホ
211マロン名無しさん:2008/10/15(水) 20:59:50 ID:???
ねーよw
212マロン名無しさん:2008/10/15(水) 21:28:53 ID:???
耳的な意味でかwwwwwwww
213マロン名無しさん:2008/10/16(木) 02:06:17 ID:???
>>206つまりこういうことですね。

アカギ「無意味な血ってやつがさ…俺はずっとそう考えてきた…」
アカギの芸術への熱い思いに生徒一同電撃走るっ!
ダメギ「俺とおまえはタイプが違うんだな…」
アカギ「タイプじゃない。土俵の問題だ。お前はまだ芸術という
土俵に上がってないんだ。だから頭から捻りだしたイメージなんかで
絵を描こうとする…見当違いもいいところだ。」




214マロン名無しさん:2008/10/16(木) 09:31:16 ID:???
コンペに入賞できなければ焼き土下座は当然の美大
215マロン名無しさん:2008/10/16(木) 09:46:49 ID:???
そんなハチクロなら観たい
216マロン名無しさん:2008/10/16(木) 14:48:21 ID:???
まいったな…
初めて見てしまった…人に電流が走る瞬間を…!
217マロン名無しさん:2008/10/16(木) 19:47:38 ID:???
芸術至極録 蜂蜜と四葉/福本伸行
218マロン名無しさん:2008/10/16(木) 20:32:31 ID:???
あのね
お願いがあるの
矢木ちゃんの腕一本を私にください
219マロン名無しさん:2008/10/16(木) 20:53:14 ID:???
アカギ(あら……?何かカイジと零がやってるな)


零「カイジ…キャッチボールしようぜ」
カイジ「ああ……良いぜ」
零「落としたら、指削ぎ落としな」

零……投げる!
鉄球を!カイジの顔面目掛けて……

カイジ(ぐっ……!うおお)

ギリギリで交わすカイジ…

零「さぁ……落としたな……指…落とそうか」


アカギ(ああっ!零がカイジと手を取り合ってる!これは…萌える)
220マロン名無しさん:2008/10/17(金) 21:26:37 ID:???
221マロン名無しさん:2008/10/17(金) 21:42:36 ID:???
>>218
絵を描くのに腕が足りないから矢木ちゃんから腕をもらうんですね
222マロン名無しさん:2008/10/18(土) 09:03:56 ID:???
赤い絵の具が足りないんですね、分かります
223マロン名無しさん:2008/10/18(土) 09:14:05 ID:???
ワシは村岡。
このエスポワール学園(ry
ここの生(ry
…おや、また今日も保健(ry

   ¥¥¥

村岡「扉の所に誰かいるざんすか?」

カイジ「……」

村岡「おやカイジくん。どこか具合が悪いざんすか?」

カイジ「いや…」

村岡「なら、教室に戻るざんす」

カイジ「でも…次の授業が音楽で…リコーダーだから…軍手外さなきゃ…」

村岡「…カイジくん顔色が悪いんじゃないざんすか?」

カイジ「え…?」

村岡「このワシが言うんだから間違いないざんす。休んでいきなさい。」

カイジ「村岡先生…」

村岡「いいんざんすよ」

カイジ「地道にいこう」(キラン)

村岡「帰れ」
224マロン名無しさん:2008/10/18(土) 10:51:31 ID:???
村岡先生っ!
225マロン名無しさん:2008/10/20(月) 23:49:17 ID:???
先生!
226マロン名無しさん:2008/10/21(火) 01:14:49 ID:/B1Yt0wK
     ~゙''   .,.'  iヽ./\/ i ゙'、''"_,,、 ''"
    ~゙ ''  -,'   !II !!.II !!.IIi.   ゙"~ - '' "~
.  - ------!   〉====〈   i----- --     生き残りなさい 村岡隆・・・・!
     ,.   ''、  .rY三・三Y'i.  ,'~.,"''   、、
   ''" ,、 ''",,.゙ 、.!i!: i| ! :i!i , ."゙' 、゙ '
      ,. ''" //゙レ!:.-=- ;!J".\゙ヽ, ゙' 、       行きなさい・・・! 隆・・・・・・・・・!
       / /_r'7')=-=(i-、_゙、\ .ヽ
      /. rrn ! ! |,゙'' -- '"| ! ,/"゙'' 、
        |.!.!.!ヘ .|\  ,/| ./::::::::::::::ヽ.,_,,.. .,,
       .i! r K, | 与0子_,.ノ:::::::::::::::::::;!:::::::::::ミ゙'i,
       i 〉ーく ト , '"~::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::;;iiリ)
       |i i ゙i | ゙ .i:::::::::::::::::::::::::::::::;、;、=ミミ::::(((_
        || | ,リ.!,,. ノ::::::::::;..、::ノ'メr,.ノ.〃!::::ミ::::::ii !!)  ありがとうございます・・・・・・・・!
       !! ''" i:::::::::::::::::/r//  リ | ヽ!! )ノ!::::川::リ
        .,,. ..ノ::::::::::::::///' _ \i !. ,,..」_{(巛(/
        ):::::::::::::::::::::i /u〜 ̄7u./__υ/!((     神様・・・・!
ー――---=ニ三/ ̄7'"~7,,.、'  ,.、/ /\ /彡ノ
.i――--- :.:.:,;,;,/: : /i  /〃ス/メ、゙i  〈υ/《(
/ : : : : : : : : : / : : /:::|. /《///メ/7テラ'》/ノリツ        ありがとうございます・・・・!
.: : : : : : : : : /: : : /:::::.Vυ゙==、ク'メ//巛i"
: : : : : : : : :/: : : :/:::::::::ヾ'' -、.,,ヾ=/:\'"
: : : : : : : :./ : : : /::::::::::::::\/!:゙.-"i: : \:\
: : : : : : : 〈: : : : /::::::::::::::/ヽ:::|: : : :|: : : : \:ゝ、
227マロン名無しさん:2008/10/21(火) 09:39:40 ID:???
先生いい人すぎるだろ…!
228マロン名無しさん:2008/10/22(水) 18:33:16 ID:???
先生!!!
229マロン名無しさん:2008/10/22(水) 20:26:44 ID:???
「ごきげんよう・・・!」
「ごきげんよう・・・!」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする・・・!
福本伸行のお庭に集う猛者たちが、今日も悪魔のような邪悪な笑顔で、修羅場をくぐり抜けていく・・・!
汚れた心身を包むのは、深い色の制服・・・!
鉄骨から足を滑らせないように、風に煽られないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ・・・!
もちろん、気圧差で落ちてしまうといった、はしたない生徒など存在していようはずもない・・・!
私立エスポワール学園・・・!
明治三十四年創立のこの学園は、もとは帝愛の子弟のためにつくられたという、伝統あるギャンブル系不良学校である・・・!
東京都下・・・!地下強制労働施設の面影を未だに残しているこの地区で、魔物に見守られ、幼稚舎から大学までの一貫教育が受けられる博徒の園・・・!
時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、十八年通い続ければ修羅場育ちの不純培養博徒が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だ残っている貴重な学園である・・・!
230マロン名無しさん:2008/10/22(水) 22:34:48 ID:???
零(………)
生徒会長で利根川幸雄と対面する零……
その手には、大量の汗…
自分と同じ学生だとは思えぬその圧倒的存在感!
利根川「……何か用があってここ(生徒会室)まで来たんじゃないのか?……零君」
零「……知っているのか?俺の事…」
利根川「生徒の事は大体把握している……それに君は優等生じゃないか……
が……連んでる仲間が良くないな……どうにもならないクズ共……利用価値もないクズッ」
零「そのクズの事で頼みがある…。カイジの無期限自宅謹慎を解いて欲しい…
いや、無期限ではなく…責めて、あと半月っ半月したら学校に帝愛学園では月に一度、奉仕活動が行われる。
基本的には全員参加なのだが、条件を満たした者だけは参加しなくても良い決まりになっているのだ

一、月に一度行われるテスト(五教科)の点数が450点以上を取れたもの
一、兵藤校長が喜ぶ様な何か(賄賂、ポスト、新たな校則等)をする事

しかし、この二つが意外と厄介で難しい。毎回、奉仕活動を逃れる事が出来るのは優等生かズル賢い者だけなのだ。
カイジは、条件を満たさず奉仕活動をサボったので無期限の自宅謹慎を受けたのだ。


零「頼む……利根川っ…」
利根川「別に構わない案…が…零はこれを承諾…
というよりも承諾しなければ利根川は口利きをしてくれない…
承諾せざるを得ないのだ…
零「で?ギャンブルってのは何だ?ブラックジャックか?ポーカーか?」
利根川「ああ……それも良いが、我々は学生だ…ここは学生らしくギャンブルの種目は『鬼ごっこ』といこう」
231マロン名無しさん:2008/10/22(水) 22:40:17 ID:???
零「鬼ごっこだと?そんなのがギャンブルになるか!」
利根川「まあ…確かにそう思うだろうな…」
タバコに火を付ける利根川…
零(学生らしく、じゃなかったのか?)
利根川「が……意外と面白いのさこれが……お互いがある程度のリスクを背負えば鬼ごっこもまた格別…!」
零「リスク?」
利根川「負けた者は…爪だ……爪を剥ぎ取る……更に零君には50日間の自宅謹慎を受けて貰う」

零(負ければ……爪剥ぎ……が、関係ない!俺は……行く!やってやる…!)


リスクを恐れず、零決意!
制限時間は一時間……鬼は零!
逃げる事が出来る範囲は校長室と職員室を除いた校舎一階から三階……
帝愛学園の校舎はT字型になっており、校舎の端・三カ所に階段が設置されている。
一階は一年の教室と職員室・校長室となっている。
二階は二年の教室と美術室・倉庫、三階は三年の教室・音楽室・理科室となっている

零(隠れるのもOKなら……普段生活している…三階か?)

232マロン名無しさん:2008/10/23(木) 00:01:13 ID:???
零カコイイ!!
支援
233マロン名無しさん:2008/10/23(木) 09:46:12 ID:???
>>229
ちょwwww気圧wwwwwwwwww
ロザリオならぬリングをギャンブルに賭けて託す学園ですね、わかります
234マロン名無しさん:2008/10/23(木) 22:32:45 ID:???
零(確かに三階は要チェック……だが囚われるな!そんな典型的な閃き……
囚われすぎると、見えなくなる……消える!俺の勝ちが…)

逃亡者側である利根川が校舎に消え十分…ゲームスタート……
ルールは単純明解……鬼側零は、利根川を見つけたら体に触れる…指先が触れるだけでも零の勝利…
逆に利根川は六十分逃げ切る事……逃げ切れば勝てる…

先ずは零、見回る……
一階から二階、教室等には入らずに廊下からただ眺める程度

零(次は三階……居るか?利根川……)

やはり、見える所に利根川は居なく、三階のチェックも終える……
零、再び一階へ……

零(この鬼ごっこ……逃亡者側は出来る……俺が来る気配を感じたらどこかの教室に隠れやり過ごす…
それが可能……下手すりゃ俺は一度も利根川を見つける事なく終わってしまう…)
残り時間…00:47;54
235マロン名無しさん:2008/10/23(木) 22:56:14 ID:???
なんかスゲー!
告白思い出した。
236マロン名無しさん:2008/10/25(土) 22:34:54 ID:???
   「一の川」

 赤木しげるの後ろ姿を見ながら伊藤開司は考える。
――この男は狂っている。
赤木が学校内で奇異な言動をした事はない。
たから何故そう思うのか自分でも分からない。
ただ腹の中がざわついてそう告げるのだ。

 伊藤開司の後ろ姿を見ながら宇海零は考える。
この男にはずっと引っかかる物を感じている。
彼の中で今は瞼を閉じている「何か」。
その正体が判らないのがもどかしい。
ほんの少しだけ――イラついた。

 宇海零の後ろ姿を見ながら工藤涯は考える。
頭も良く運動も出来る。思い遣りもあり正義感もある。
とても「まとも」である。
別段悪い感情も持ってはいないが関わりたいとも思わない。
尤も、それは零に対してだけではないのだが。

 工藤涯の後ろ姿を見ながら黒沢は考える。
何故自ら孤立しようとするのだ。
独りは寂しくはないのか。喪失感や焦燥感はないのか。
いや…。寂しいのは自分なのだ。喪失感も焦燥感も自身から生じたものだ。
きっと涯はそんな感傷とは無縁なのだろう。
しかし不思議と羨ましいとは感じなかった。
237マロン名無しさん:2008/10/25(土) 23:02:44 ID:bd57SaW/
背中がざわざわ。
誰か振り返って「何?」って訊ねたらどうなるのだろう。
238マロン名無しさん:2008/10/25(土) 23:14:27 ID:???
いいまとまり具合だ…
239マロン名無しさん:2008/10/26(日) 10:28:06 ID:???
小学生の話、ダメギ・カイジの話 が心を掴んで離さない……!
たのむ…!時間はかかっていい、最後まで…最後まで書ききってくれ…!
何があろうと、だ…!
240マロン名無しさん:2008/10/26(日) 17:15:57 ID:???
   「二の川」

 在全無量の後ろ姿を見ながら坂崎幸太郎は考える。
物凄い後頭部である。物凄いとしか表現のしようがない。
「濡れヒゲ」在全の後頭部がそう言った気がした。
無論気のせいである。何故なら坂崎は濡れヒゲではないのだから。
それ以前に後頭部は喋ったりはしないのだ。

 坂崎幸太郎の後ろ姿を見ながら純一郎は考える。
ワン。
ワンワンワン。
ワンワン。
ク〜ン。

 純一郎の後ろ姿を見ながら佐原は考える。
どうみても犬である。というか事実犬なのだ。
どういう訳だかクラスメイトである。
フリーダムにも程があるだろう。
だが――少しだけ…可愛くはある。

 佐原の後ろ姿を見ながら城山小太郎は考える。
いつも下らない仲間とつるんではしゃいでいる。
気に入らない。
佐原に何かちょっかいを出された事はない。
というより興味がないのだろう。シカトとは違う。存在を認識されていない。
いつか――ころしたろう――

 城山小太郎の後ろ姿を見ながら曽我は考える。
後頭部の模様…文字だろうか。
首を傾げる。
何と書いてある…?
更に首を傾ければ読めそうだが、血を吐きそうになったので止めた。
241マロン名無しさん:2008/10/26(日) 20:37:08 ID:???
>>240
調子にのっちゃったんだねp(´⌒`q)
242マロン名無しさん:2008/10/26(日) 22:17:27 ID:???
不条理な感じが良い。
僧我の毬栗頭見たキャラはなんて思うのかな?
243マロン名無しさん:2008/10/26(日) 23:55:55 ID:???
小太郎はコミュ力あってリ充な佐原が苦手そうだな
244マロン名無しさん:2008/10/29(水) 12:41:35 ID:???
【私立エスポワール女子高】


「おはよう」教室に着くと一条さんが挨拶にきた。
美人の一条さんに話かけられて、女同士なのに、ちょっとドキドキしてしまう。
「新しいマニキュアを手に入れたんだけど…試してみないかしら?」
何となく嫌な予感がしてお断りする。
「そう…残念ね…。でも気が向いたら声をかけてね。いつでもウェルカムよ」

教室の後ろがざわついている。何かしら?
クラスの不良がしげ子さんに絡んでるみたい。
大変っ…!止めなきゃっ…!
 パアニ…!
あーあ、やっちゃった…。
教室で発砲なんて、しげ子さんたら本当にお転婆なんだから。

そういえば涯江さんは今日もお休みね。
ボロアパートに住み着いて、公園で体を洗っているって噂だから心配だわ。

「ちょっと…」
スケ番の克美さんに声をかけられた。
何かしら…ちょっと怖い。
「さっきしげ子が撃った不良を保健室に運ぶの手伝って」
そういえば克美さんは保健係だったわね。
結構責任感が強いのね。快く協力を承諾する。
「ありがとう、さくら」
245マロン名無しさん:2008/10/29(水) 15:08:50 ID:???
どこから突っ込んでいいのかわからんwww
246マロン名無しさん:2008/10/29(水) 15:38:31 ID:???
さくらたん…!
247マロン名無しさん:2008/10/29(水) 15:39:43 ID:???
>>245
後ろから
248マロン名無しさん:2008/10/29(水) 16:09:56 ID:???
さくらたんっ!!
249マロン名無しさん:2008/10/29(水) 16:40:03 ID:???
一条www
250マロン名無しさん:2008/10/29(水) 22:21:05 ID:???
>>244
さくらは男の名前のように見えるな。
251マロン名無しさん:2008/11/01(土) 12:31:42 ID:???
そろそろID:wuPL6adx先生に復帰していただきたいな。
誰か事情通の人いないの?
252マロン名無しさん:2008/11/02(日) 00:04:11 ID:???
確かに帰ってきて欲しいな。
あの心理戦をもう一度見たい・・・!
253マロン名無しさん:2008/11/02(日) 12:03:23 ID:???
ID:wuPL6adx先生…
「仕事が忙しくて書き込めませんが、ザンギ録カイジ 必ず完結させますよ。」
と約束してくださったID:wuPL6adx先生…
最後まで、お優しかったD:wuPL6adx先生……
254マロン名無しさん:2008/11/02(日) 13:59:45 ID:???
>>253
ちょ、死んだみたいに言うなwww

先生の初期作品も好きだ
カイジの体操服が盗まれる話
255マロン名無しさん:2008/11/02(日) 14:23:19 ID:???
あったけえID:wuPL6adx先生…!
256マロン名無しさん:2008/11/02(日) 15:32:43 ID:???
今日は小学校のおとまり会
そこでおとまりするカイジ一行っ・・・!

その次の朝 カイジ  圧倒的おねしょ・・・! まさに世界地図っ・・・!!

安藤「あー!カイジさん!!おね・・・っむぐうっ・・!
カイジ「言うなっ・・・!言わないでくれっ・・!俺達仲間だろっ・・・!!
安藤「う うん!もちろんさ!カイジさんとはずっと友達っ・・・!ちくったりしないよ
一条先生「騒がしいな・・・何かあったのか?
カイジ「なんでもないです!
一条先生「どうも怪しいな・・・カイジ、何か隠しているんじゃないのか?安藤、カイジのやつ何かしなかったか?教えてくれたら金をくれてやる
安藤「カイジくんがおねしょをしました

カイジ「あんどううううううううきさまあああああああああああああああああ!!
!!
一条先生「この年でおねしょですか・・・やれやれ恥ずかしいことこの上ないなww ま、カイジくんなら仕方のないことですがwwww
北見「おいおい、マジかよwwwwあいつおねしょとかwwwやべえんじゃねーの?
佐原「カイジさん・・・
遠藤先生「恥ずかしい奴め
村岡「ぷぷぷwwwあの年になったもおねしょとか笑えるざんすwww(ほんとはさっき自分もしてしまったけどばれないように布団を隠したから証拠隠滅ざんすwwww)
涯「自立せよ・・・!!
零「みんな、カイジをいじめるなよ!!
石田先生「カイジくんっ・・・おねしょは仕方のないことだから気にしてはいけないよ

カイジ「ううっ・・・ぐっ・・・・!!

優しいおじさん「そうだ・・・気にするな つオムツ
カイジ「ううう・・・おじさん優しいっ・・・!ありがとうっ・・・!
257マロン名無しさん:2008/11/02(日) 16:19:02 ID:???
いやいや、それ優しさ違うからっ…!
つうか涯意味不明だろw
258マロン名無しさん:2008/11/02(日) 16:32:00 ID:???
佐原の「カイジさん・・・」から表情が浮かんでくるwwww
259マロン名無しさん:2008/11/02(日) 19:09:17 ID:???
新スレ
【アカギ】福本作品の謎を読者が補完する2【カイジ】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1225620481/
260マロン名無しさん:2008/11/03(月) 00:08:50 ID:???
>>259
誤爆ってここにかw
261マロン名無しさん:2008/11/04(火) 09:44:07 ID:???
小学生トリオの続きが読みたい。無性に。
262マロン名無しさん:2008/11/04(火) 16:43:30 ID:???
【私立エスポワール女子高】
キーンコーンカーンコーン

お昼休みになったわ。
「お姉さま」
後輩の板子ちゃんが来たわ。
「一緒にお昼にしましょう」連れ出って屋上へ。今日はとても良いお天気。なんだか喉が渇いちゃった。
「板子ちゃん、悪いんだけどお茶を買って来てくれるかしら?」
「却下…!」
「え…?」
「悪いと思うなら自分で行って下さい、お姉さま」
ニコッと微笑んで彼女は言う。
「そ…そうね…。じゃあちょっと下に行ってくるわ…」
「あ、私はイチゴオレ」
再び彼女はニコッと微笑む。恐ろしい子っ…!

はあ、自販機に着いたわ。あら自販機の影に誰かいる。
シク…シク…。カイ奈さんじゃない。
「どうしたの?」
声をかけると、カイ奈さんは泣きながら両の手を見せる。その10本の爪には赤い線。
「一条さんが…新しいマニキュアを試してみないって言うから…」
「で…でも、とても良く似合っているわよ」
「そうかしら…?」
良かった。カイ奈さん元気出たみたい。

「お姉さま…飲み物買うのにどれだけかかってるんです…?」
「ああ…いや…」
「イチゴオレは…?」
「あっ…!」
「……ちっ…」

さくら、負けちゃダメッ…!
263マロン名無しさん:2008/11/04(火) 20:17:19 ID:???
さくらたんっ 泣いちゃだめっ
264マロン名無しさん:2008/11/05(水) 06:07:57 ID:l3Ps1pAn
兵藤校長と利根川教頭が全校集会で説教するのがみたい
265マロン名無しさん:2008/11/05(水) 07:07:26 ID:???
さくらちゃんは可愛いのだろうか?w
266マロン名無しさん:2008/11/05(水) 15:08:34 ID:???
そりゃ…あれにセーラー服とかだろ?
かわいいかどうかは人による
267マロン名無しさん:2008/11/06(木) 12:50:46 ID:???
ここを参考に
ttp://kyave.web.fc2.こむ/
268 ◆69whBbyhes :2008/11/07(金) 02:07:07 ID:???
小学生トリオにコメントくださってる方
ありがとうございます
前…しかも番外編的な七話を除いたら最後に投下したのいつだよって言う…
すっかり筆が止まってしまっていて自分でも困るばかりです
プロットは最後までもうあるので絶対に完結はさせますし書きます
ただ自分の実生活の予定を考えても次を投下できるのがいつになるかわからないので
もしお待ちいただいている方がまだいらっしゃるなら本当に申し訳ないのです
厳しく言われても仕方のない状況で、自分でも情けなく思います

突然堅苦しく流れをぶったぎってこの長さ
本当にすみません
一言ご挨拶だけでもしたくて参りました
えらそぶってるわけでもないので文面が気にいらない方興味ない方どうぞスルーしてやってください
それでは引き続き作家様方の投下楽しみにしております
269マロン名無しさん:2008/11/07(金) 02:24:41 ID:???
>>268
まさかのご本人きたきたー!
楽しく読ませていただいてます!嬉しいです!
あんまり無理なさらずに投下出来るときに投下なさってください
そのときまで楽しみに待ってます!
270マロン名無しさん:2008/11/07(金) 09:07:43 ID:???
まったり楽しみにしてるよ〜
271マロン名無しさん:2008/11/07(金) 23:47:17 ID:???
昼休み…!圧倒的昼休みっ…!
3年3組男子二つのチームに分かれる…

チームホワイト
・赤木しげる  ・市川  ・神威秀峰  ・原田  ・平井銀二  ・平山幸雄  ・兵頭和尊  ・鷲巣巌

チームブラック
・伊藤開司  ・一条  ・宇海零  ・工藤涯  ・黒沢  ・天貴史  ・森田鉄雄  ・安岡

両チーム8名…合計16名…

8名のうち…5名が内野…3名が外野となる…
チームホワイト外野は神威、兵頭、鷲頭…
チームブラック外野は天、森田、一条…
ジャンケンの結果…先攻はチームブラック…



ドッヂボール開戦であるっ…!!
272マロン名無しさん:2008/11/07(金) 23:48:23 ID:???
投げるっ…!涯…放つ…!超光速のボール…!

フワッ…!
避けるアカギ…!だがそれが一人の男に禍…不幸を齎す…

ボゴッ…!ズボッ…!
ヒット…!ボールは平山に当たる…!平山両腕を残して全身埋まる…!それ程の威力っ…!!
が…、高く上がったボールをそのまま原田がキャッチ…

原田「ノーバンだっ…!」
平山命拾い…どうあれ生き残る…永らえる…

【チームホワイト 残り5名】
【チームブラック 残り5名】
273ざわやか3組:2008/11/07(金) 23:52:41 ID:???
名前欄入れ忘れた
274マロン名無しさん:2008/11/08(土) 01:40:14 ID:???
体力的にはブラック有利だが、ホワイトの面子からは言い知れぬ恐怖が…
っていうかこの時点で腹痛いwwww
275マロン名無しさん:2008/11/08(土) 03:41:53 ID:???
どっから突っ込めばいいのか既に分からんw
確かに腕力体力ではブラック有利だな
276ざわやか3組:2008/11/08(土) 21:07:49 ID:???
ルール補足

・外野が内野にボールを当ても復活は無し
・初期外野の内野への復活も無し
・ノーバン→ボールが当たっても地面に落ちる前に味方がキャッチ出来ればセーフ


チーム分けは髪が黒く塗られているキャラをブラック、黒く塗られていないキャラをホワイトにしました。

現在のチームブラック内野→赤木、市川、原田、銀二、ダメギ(5名)
チームブラック内野→カイジ、零、涯、黒沢、安岡(5名)

矛盾点や解りにくい事、その他何かあれば言って下さい。
277ざわやか3組:2008/11/08(土) 21:10:49 ID:???
投げるっ…!涯…放つ…!超光速のボール…!

フワッ…!
避けるアカギ…!だがそれが一人の男に禍…不幸を齎す…

ボゴッ…!ズボッ…!
ヒット…!ボールは平山に当たる…!
平山両腕を残して全身埋まる…!それ程の威力っ…!!
が…、高く上がったボールをそのまま原田がキャッチ…

原田「ノーバンだっ…!」
平山命拾い…どうあれ生き残る…永らえる…

【チームホワイト 残り5名】
【チームブラック 残り5名】
278ざわやか3組:2008/11/08(土) 21:18:20 ID:???
原田そのまま投げるっ…!ガタイがよく上背もある彼の投じる豪速球…!

ビチャッ…!
湿った音…血飛沫…吹っ飛ぶ…!カイジの耳…!
ヒット…!しかし…、
カイジ「顔面セーフだっ…!」

血に塗れたボールはチームホワイト外野鷲巣の手に落ちる…


【チームホワイト 残り5名】
【チームブラック 残り5名】
279ざわやか3組:2008/11/08(土) 21:22:33 ID:???
>>277間違えたごめんなさい
280マロン名無しさん:2008/11/08(土) 21:58:39 ID:???
>>278
グロいww
281マロン名無しさん:2008/11/08(土) 22:23:19 ID:???
ドッヂボールってレベルじゃねーぞ!!
282マロン名無しさん:2008/11/09(日) 21:17:02 ID:???
>>276どっちもブラックチームじゃね?
283マロン名無しさん:2008/11/10(月) 01:17:45 ID:???
あっ本当だ俺の馬鹿

チームホワイト内野→赤木、市川、原田、銀二、ダメギ(5名)
チームブラック内野→カイジ、零、涯、黒沢、安岡(5名)

ありがとう全然気付いてなかった…
284ざわやか3組:2008/11/10(月) 17:53:22 ID:???
チームブラック内野陣が態勢を立て直す隙を与えず…
投げる鷲巣…!
なんとその球は恰も分裂したが如く…!

鷲巣「ぐおっ…!ぐおっ…!ぐおっ…!」
バッバッ
安岡「うっ…!><」

安岡アウツ…!

こぼれ球はチームブラック、カイジが拾う…

【チームホワイト 残り5名】
【チームブラック 残り4名】
285ざわやか3組:2008/11/11(火) 21:50:54 ID:???
流れはチームホワイトにある…
このままでは…ズルズルと後退…その先にあるのは…
敗北の二文字…
なんとしてでも…断ち切らねばならない…この流れ…
その時カイジに閃き…!
(これに賭けるしかないっ…!)

黒沢「いけっ…!当てちまえっ…!」
カイジ投げる…!
原田「うわっ…?!」

なんとカイジはボールと共に…指…己が指を投げたのだっ…!
これには流石の原田も動揺…!

撃沈す…!原田アウツ…!

カイジはもぎとったのだ…!筆舌に尽くしがたい痛みと恐れを乗り越え…
ホワイトから一勝を…!


【チームホワイト 残り4名】
【チームブラック 残り4名】
286マロン名無しさん:2008/11/11(火) 22:04:48 ID:???
い、いた……っ
いたいっ……!
287マロン名無しさん:2008/11/11(火) 23:35:49 ID:???
>>284
中のみあがりの腹いせww
288マロン名無しさん:2008/11/12(水) 03:12:15 ID:???
>>268
おおお、本人が舞い降りた。
今か今かと毎日来てたのでご報告有難い。承知した!
私、いつまでも待ってるから…っ!
289マロン名無しさん:2008/11/12(水) 06:12:01 ID:???
カイジがグロくてワロタw
290ざわやか3組:2008/11/12(水) 19:46:00 ID:???
「狂人…狂人…」ざわめく校庭…
血に濡れながら嗤う男…カイジ…

そんな中、こぼれ球を拾ったのは…アカギ…
アカギはカイジを見据える…
(同類の男…?いやオレの同類など存在しない…奴かオレ…どちらかが仮、偽りの無頼…!
まあしかし…それはひとまず先の話。今はとりやすいところから…)

アカギ「こんな球当てちまえってことは、自分も当てられてもかまわないってことだ」
黒沢「いや、そういうゲームだからっ…!」

パアニ
黒沢「あつっ…!」
思わず突っ込んだ黒沢の隙を付き…
球は黒沢の膝に命中…!

黒沢アウツ…!

アカギ「ククク…まるで白痴だな黒沢さん…」


【チームホワイト 残り4名】
【チームブラック 残り3名】
291マロン名無しさん:2008/11/13(木) 19:46:09 ID:???
今追いついた
福本ドッヂワロスwwww
292ざわやか3組:2008/11/13(木) 20:34:58 ID:???
しょんぼりチーターは外野へ移動…

こぼれ球を拾うは零…
(指を犠牲にしてまで原田を討ったカイジに応えるためにも…この際キレイ事なんか言ってられないっ…!)
零が狙ったのは…盲人市川…!

が、ダメッ…!避けられる…
良心の呵責が球威を鈍らせたっ…!
非情になれない…

「ところがどっこい…」
外野一条速攻…!当てる…!容赦なく…!
一条「夢じゃありません…!現実です…!これが現実…!」

市川アウツ…!

ヒソ…「アホタレっ…」
聴力は盲人の市川にとって生命線
そんな彼が聞き逃したりはしない…一条の囁きを…


【チームホワイト 残り3名】
【チームブラック 残り3名】
293ざわやか3組:2008/11/13(木) 20:49:38 ID:???
補足
・顔面セーフ→首から上は当たってもセーフ。(これってローカルルール?)


現在残り
チームホワイト内野→アカギ、銀二、ダメギ(3名)
チームブラック内野→カイジ、零、涯(3名)
294マロン名無しさん:2008/11/13(木) 23:35:15 ID:ojHs1QxF
どこまでも非人情一条wwww
295マロン名無しさん:2008/11/14(金) 01:25:21 ID:???
顔面セーフはうちの地域にはあったな
つーかダメギ埋まったままかwww
296ざわやか3組:2008/11/14(金) 18:54:32 ID:???
ボールは再びチームホワイトの手に渡り、銀二の手中へ…
(3対3…とはいえ平山は土中…実質2対3…厳しいな…
光速の涯に、スポーツ万能の零…狙うならカイジ…だが…)
ちらりとアカギを窺う…
(まあ周りから片してやるか…)

銀二ボールを右斜めに向けて高く放り上げる…
ホワイト外野兵頭がキャッチ…
兵頭「命はもっと粗末に扱うべきなのだ…!」
そして再び放り上がるボール…

対面の外野鷲巣がそれをキャッチ…
その隣には弓を番えキリキリと引き絞る神威の姿…!
ニヤリと笑い鷲巣ボールをセット…
鷲巣「死んじゃう球…死んじゃう球…」

神威右手から弦を離す…!放たれる球…!!
神威「どいつもこいつも…手ぬるいわっ…!」

バゴッ…!
零「ぐっ…!」

恵まれた運動能力を持つ彼であったが…射抜かれる…なす術なく…
そもそも初期外野…兵頭、鷲巣、神威…この三人が大人しくしている道理などあろうはずもなしっ…!

零アウツ…!


【チームホワイト 残り3名】
【チームブラック 残り2名】
297マロン名無しさん:2008/11/14(金) 20:34:30 ID:???
おじいさん3人が元気すぎ。
今の日本を風刺!!なのっ。
予想がつかない勝負だ。
298ざわやか3組:2008/11/15(土) 19:10:08 ID:???
カイジ拾ったボールを回す…外野へ…
受けて外野陣も回す…

狭められていく…!
ホワイト内野陣を取り囲む世界が少しずつ縮小し…

その時…!
銀二躓く…地面から生えた二本の腕に絡み取られ…バランスを崩す…!

天「討ち取ったり銀次…じゃない銀二っ…!」
その隙を天は見逃さない…!銀二目掛けて投げつける…!

ぬるりっ…!
咄嗟の銀二の判断…!地中の平山を引き抜く…!

ズガンッ…!
盾にされる平山…!ぐったり幸雄…!

平山アウツ…!

森田「てきぱきしてるなあ……オレにはとても無理だ……とても銀さんのようには…」
天「感心するところかっ…!」



【チームホワイト 残り2名】
【チームブラック 残り2名】
299マロン名無しさん:2008/11/15(土) 19:52:50 ID:???
銀さん危うし! と、ちょっとだけマジでハラハラしたw
内野陣は好きなメンツばっかり残ってて嬉しいな さぁどうなる
300マロン名無しさん:2008/11/15(土) 20:15:26 ID:???
アカギに活躍してほしいなぁ
301ID:wuPL6adx:2008/11/15(土) 21:03:08 ID:uTR//7HX
 何と言うか……、伊藤カイジは経験的に知っていた。
 
 勉学……スポーツ……、言ってしまえば恋愛や趣味に至るまでのとにかく諸々、そういったものの努力が徒労であること……!
 
 所詮、この世は才ある者のみが成功し、冨と名声を得る世界。カイジは骨身の隋まで、それを思い知らされてきた。
 

 しかし…………カイジはその一方で、知っていた。

『才無き者でも、“冨”は獲る事が出来る……!』と……!!

 “名声”は付与しないものの……、“冨”オンリー…………! それ単体だけなら、才持たぬ者にも得る資格……チャンスがある…………!!

 その信念に背を推されカイジは、“賭博の国”5年4組の扉を叩いた。
302マロン名無しさん:2008/11/15(土) 21:21:53 ID:???
ID:wuPL6adx 先生 復活っ!!!!
お帰りなさい。盛大にAge,アゲ、アゲーッ!!!
303ID:wuPL6adx:2008/11/15(土) 21:35:56 ID:uTR//7HX
 2階、東校舎の奥……、人通りの少ない箇所に位置する5年4組……!
 それは放課後、賭博好きの猛者が集う楽園と化す。
 賭けの種類は様々……、トランプから簡易競馬、スポーツ賭博に至るまで、賭博好きを満足させる為のありとあらゆるゲームが用意されているが、基本的にこの楽園は一つの世界…………!!
 まず、5年4組での賭博に参加する為には、自らの身分証明書を持ってID登録を行う必要がある。
 すると全てのゲームの結果を集計しているメイン・サーバー(黒沢の算数のノート)に名前が登録され、以後“賭博の国”への正式な参戦が可能となる。
 そして金銭の支払いにおいて、この世界の住人は全てメイン・サーバーで繋がっており、個人のプラスマイナスは全て黒沢のノートに記録されている。

 ここで、メイン・サーバーで繋がっているとはつまり、この世界では“ごった煮方式”が採用されているということ…………!

 例えば、参加者Aが参加者B、Cと行った賭博において1000円の勝ちを得た時、まずメイン・サーバーの参加者Aの欄に+1000が記録される。
 そこで、参加者B、Cが即日支払い能力を持っていないと判断された場合、その場でB、Cからの支払いは行われずAの欄には+1000が記録されたまま残る。
 ここで、本来ならばB、Cが翌日Aに1000円分の負けを支払えば良いのだが、“ごった煮方式”で全ての人間はメイン・サーバーで繋がっている為、同じく1000円分の負債を負った第三者Dが居た場合、DがAに負け分を支払う事が出来る…………!!
 つまり……同じ賭博に参加していない人々も支払いの際は横一線の繋がりであり、過去全ての人間のプラス・マイナス未払い分がメイン・サーバー中枢には記録されているのだ…………!!(支払ったり、支払われた分はその度に記録から消されてゆく)

 そしてメイン・サーバーには700名を越える人間の名が登録されており、1000万を越える大金が動いていると言われている。
304マロン名無しさん:2008/11/15(土) 21:47:28 ID:???
ほっ……本物!!!!!!!?
305ID:wuPL6adx:2008/11/15(土) 21:52:52 ID:???
 ガラッ……。
 伊藤カイジは身分証明書(GEOポイントカード)を持ち、5年4組の扉を叩いた。
「おっ……カイジくん。確かお初だね」
 教室に入るとそこには受付として森田が座っており、カイジは黙って身分証明書を差し出した。
 森田はそれを受け取ると意味深に笑みを浮かべ、大仰な引き出しに手を掛ける。
「!!」
 カイジは驚いた。そこには、何百、何千という判子が所狭しと用意されていた。
 恐らく、全校生徒分のものがあるのだろう。森田がカイジのネーム判子を取り出したのを見て、カイジはそう悟った。
「黒沢……。新規の参加者だ」
 大きな背中、伸びっぱなしの無精髭。黒沢は無言で判子を受け取るとノートを開き、カイジのネーム判子を押す。
 それを見てカイジは、右手を力強く握った。

 参戦…………!! カイジ 荒波の中へ………………!
306マロン名無しさん:2008/11/15(土) 21:55:05 ID:???
最強に冨むものと最弱に搾取されるもののガチバトルの予感。
307マロン名無しさん:2008/11/15(土) 22:00:45 ID:???
じ、序盤も序盤なのに既に熱い!!!!
トリップなど無くても分かる!!彼は本物!!!!本物の大先生だああああああああああ
308マロン名無しさん:2008/11/15(土) 22:06:43 ID:???
もう、沸騰してるよ!!!
309ID:wuPL6adx:2008/11/15(土) 22:25:28 ID:???
 カイジは、教室の中を歩き回った。多くの人で賑わう中でカイジは、地雷神経衰弱・ハイ&ロー・限定ババ抜き等……、トランプのコーナーに興味を持っていた。
 規定の参加人数とそれを取り巻く観戦者……、大体、各テーブルには10人程ずつ人が集まっている。
(どれにするかな……)
 カイジが様子を窺っていると、誰かがその右肩を掴んだ。
「やあやあやあっ……! お初ざんす……! プレイヤーの村岡隆ざんす…………!!」
(! 村岡……)
「いや〜っ、噂は重ね重ね伺っているざんすよ……! “賭博の王”、伊藤カイジっ…………!!」
(…………)
「やめろって……。そんなんじゃねえよ」
 カイジは村岡の手を払い、体勢を直した。
「いや、いや、いや…………! 有名ざんすよ、カイジくんの活躍ぶりっ…………! この賭博の場以外……、いわゆる“外の世界”だけで戦っているにも関わらず、勝ち金は相当溜まってるとか…………!」
 村岡は身振り手振り、体全体を使って大袈裟に表現する。
「バカッ……! そんなの、噂も良いとこだ……! 見ての通り、俺は今素寒貧だ……!」
「カカカッ……! まあ、そういう事にしとくざんすかっ…………!」
 カイジはそれ以上、反論を重ねようとはしなかった。
「でも、急にどうしたざんすか? 今までここには来なかったんざんしょ?」
「ちょっと金が必要になってな」
 そう言うと村岡は顔をしかめ、腕を組んだ。
「う〜ん…………、お金を稼ぎたいざんすか。でも見たところ、どのテーブルも埋まり気味……プラス強豪揃い……! いくらカイジくんでも、今日中に金を何とかっていうのはキツそうざんすが…………」
「そこを何とかならねえかな……? あんた、結構詳しいんだろ?」
 そう言うと村岡は更に顔をしかめ、より大袈裟に唸ってみせた。
「あっ…………!!」
 村岡は何かに気が付いた様に、手を叩く。
「そう言えば良い台があるざんすが…………どうざんしょ………………?」
 村岡は不気味な笑みを浮かべ、右手で奥のテーブルを差してみせた。
310マロン名無しさん:2008/11/15(土) 22:38:20 ID:???
村岡社長だっ
311ID:wuPL6adx:2008/11/15(土) 23:33:16 ID:???
「オススメするのはズバリ……大富豪ざんすっ…………!」
 村岡は指を立て、表情を明るくする。
「大富豪……?」
「そうっ、大富豪…………! それも……オリジナルルールの無い、通常に行われている大富豪……! 今日初参戦のカイジくんにピッタリ…………!!」
 “オリジナルルール無し”、それを聞いて、カイジは少し村岡の話に興味を持った。確かに、いきなり特殊ルールで戦えと言われてもカイジとすれば辛いものがある。
「ま、まっ、とりあえずテーブルに案内するざんすよ」
 そう言って村岡は右手で道を示し、カイジはそれに続いた。

 教室の奥、窓際のテーブル。そこには既に2人の男が座っていて、村岡はそのテーブルのトランプを手に取った。
「先程もお話した通り、ここでやるのは通常の大富豪ざんす…………! オリジナルルール無し、純真無垢、ただの大富豪っ…………!」
「…………、ルールは? オリジナルルールは無しとは言え、ローカルルールってもんがあるだろ……大富豪には…………!」
「ああっ……、すまんざんす。ローカルルールについては、この紙を見てくれざんす」
 テーブルの上の、1枚のプリント。

『“大富豪”使用ルール一覧』
 ・2上がり、ジョーカー上がり禁止(革命時は3上がり禁止)
 ・ジョーカーが組み込まれていても、4枚以上のカードの組み合わせで革命が起きる(カードの強さが逆になる。但し、ジョーカーは最強の力を持ち続ける)
 ・7渡し(7のカードを出した時、手札の中から要らないカードを次のプレイヤーに渡す事ができる※枚数は累積する)
 ・10捨て(10のカードを出した時、手札の中から要らないカードを捨てる事ができる※枚数は累積する)
 ・8切り(8が単独で場に出た時に限らず、8を含む複数枚のカードが場に出た時、無条件で場を流す)
 ・イレブンバック(Jが単独で場に出た時に限らず、Jを含む複数枚のカードが場に出た時、次に場が流れるまでの間一時的に革命となる)
 ・スペ3(ジョーカーが単独で出た際にのみ、スペードの3がジョーカー以上の力を持つ)
 ・縛り
 ・激縛り(例えばハートの3→ハートの4と続いた時、次にカードを出すプレイヤーはハートの5しか出せない)
312ID:wuPL6adx:2008/11/15(土) 23:36:01 ID:???
「まあその他に何か聞きたい事があれば、その都度聞いてくれざんす」
「分かった…………で、肝心の賭け金は……?」
「カカカッ……そう、ココがこの台の見所っ……! ズバリ、5000−2500…………!!!!!! つまり、大貧民が大富豪に5000円支払い、貧民が富豪に2500円を支払う…………!!」
 それを聞いたカイジの、頬が痺れる。掌が湿り、唇が震える。
 村岡はすぐにそれを察し、慌てふためく。
「あっ、あちゃっ……! びびっちゃったざんすかっ……!? すまんざんす…………!」
 カイジは笑みを浮かべ、村岡の顔を見る。
「安心しろ、逆だ……!」
「………………?」
「やはり、ここは期待通り…………! 体が痺れる高レート、それを貪らんとする猛者達……!」

「この勝負、受けよう…………!! ゲームスタートだ………………!!」
313マロン名無しさん:2008/11/15(土) 23:53:14 ID:???
ついに……ついに…………!!!!
314マロン名無しさん:2008/11/16(日) 03:05:56 ID:???
大先生!マジで!?よく帰って来てくださった!
もうほとんど諦めかけてたのに…!奇跡ってあるんだなあ。
しかもさっそく社長を出してくれるとは…。ありがとうございます!
315マロン名無しさん:2008/11/16(日) 10:18:11 ID:???
初日からエンジン全開だなあ大先生。

ネタバレスレが欲しいとこだが、とりあえずこっちの雑談スレでよかろう。
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1220311550/201-300
またファンの皆が集まって展開予想をすれば何倍も楽しく見れるぞ。
316ID:wuPL6adx:2008/11/16(日) 10:34:50 ID:yJQtQlIY
「いや、いや、いやっ……! 流石カイジくん……!! 即断即決、賭博師の鏡ざんすっ……!!」
「御託は良いっ……。それより、早く始めようぜ……!」
「あいやっ、すいません。了解ざんすっ……!」
 そう言うと村岡は、一つの椅子を引いた。そこが、カイジの座る席……!
「ささっ、どうぞ……!」
 カイジはゆっくりと腰を下ろし、周囲に視線をやった。

 カイジ側から……安藤……!! 大槻……! そして……一条…………!!!

 これが今回のメンバー……!!
(一条がいるか……。嫌だな……)
「村岡……、あんたは参加しないのか?」
「カカカッ……! む、無論ざんすよっ……! 私なんかが、カイジくんに敵うはずもない……!」
 カイジは、静かに村岡の目を見ていた。
「分相応っ……! わきまえてるざんすよっ! そのへんは…………!!!」
「…………」
「ただその代わりと言ってはなんざんすが…… 強者揃いざんすよっ……! 十二分に…………!!!」
 それを聞き、カイジは微笑んだ。
「そうじゃなきゃ困る……! さあ、始めようぜ…………!!」
317ID:wuPL6adx:2008/11/16(日) 11:02:25 ID:yJQtQlIY
「カカカッ……! さすがの覇気だな、カイジくん……!」
(大槻……)
「では早速……シャッフルしようか……!」
 そう言って大槻は、カードに手を伸ばす。
「ちょっと待った……。シャッフルって誰がするんだ?」
 場の空気が一瞬、止まった様に思われた。
 突然の質問……! カイジから……!
「ハハハハッ……! すまんすまん、そりゃあそうだ、今日初参戦のカイジくんからすれば、我々がシャッフルするなど愚の骨頂っ……! イカサマし放題っ……!! そういう事だろ? カイジくん…………!」
「…………ああ、まあ……」
「いやいやっ、流石だよ……! たまらんねっ! そういう猛者がいると…………!」
 そう言って大槻は、傍に立っている男にカードを手渡そうとした。

「ちょっと待った………………!!」

 大槻らは、きょとんとした顔でカイジを見る。
「別に、あんたら疑う訳じゃないけどさ……。有り得なくねえよな、あんた達がそいつとグルって事…………!」
「………………!!」
「ここの賭博は、数人の観戦者が周りを取り囲んでいるのが常……! だから……予め一人仲間を用意しておけば、自然とそいつにシャッフルを任せる事が出来る……! 今みたいに…………!!」

「だから……ここのシャッフルは、この大富豪に何の関係も無い、他の台の賭博を観戦している者に任せたい………………!!」

 ――大槻らは呆然とし、そして確かに、伊藤カイジの博才の欠片を感じ取っていた。
 カイジはこの教室に入って数分で、この賭博場の空気……つまり……“イカサマが平気で起こっている様な場”である事を感じ取ったのだ…………!!
 肌で……眼で……鼻で…………!! その五感……博徒としての全細胞で………………!!!

 ――大槻は両手で顔を覆い、そしてその両手の中で、静かに微笑んだ。
(伊藤カイジ……か………………!!)
318マロン名無しさん:2008/11/16(日) 12:27:06 ID:???
懐かしいなあ〜……古き良き時代。
『ザンギ黙視録カイジ』『17部屋』『25枚』『調理実習カイジ』『ビリヤード零』
などなど、スター作家、数々の名作が生まれた創世記〜黄金時代。
黄金世代の方々が今皆戻ってくれば、黄金時代を超える盛り上がりが見られるかもしれない
319ID:wuPL6adx:2008/11/16(日) 20:51:15 ID:yJQtQlIY
(面白い……面白いぞ、伊藤カイジ…………!!)
 カイジは、教室の入り口付近に立っている男に声を掛ける。
「シャッフル……してくれねえかな」
「ぼ……僕ですか?」
 その男はおどおどとした様子でカイジ達の座るテーブルへと向かってきて、大槻からカードを受け取る。
 男は二回……三回……と慣れない手つきでカードを切ってから、安藤の位置からカードを配り始めた。
「………………」
 カイジは、その様子をじっと眺めていた。自分の手元に一枚ずつカードが溜まってゆくのにつれ、心臓の鼓動は激しさを増す。

「さささっ…………! カードの配布が終わった様だ。各自チェックしてみてくれ…………!」
 54枚のカードの配布が終わると、大槻はそう声を掛けた。
(これで……決まる…………!)
 ――大富豪は良くも悪くも、スタート時の手札がゲームの結果を大きく左右する。
 例え、ルールを知ったばかりの子供でも手札にジョーカーが2枚ありさえすればある程度勝ちを収める事は出来るだろうし、逆にどれ程の経験を積んでいても、手札にジョーカーも2も無ければゲームに勝つのは厳しい。
 カイジら、今回のゲームの参加者4名は皆それを十二分に理解していた。
(この手札の良し悪しで……決まる…………! 冨を得るか……失うか………………!!)
 カイジはゆっくりと手札を手元に引き寄せそして、開いた。

 カイジ 開示……………………!!!

(!!!! これは………………!!)
320マロン名無しさん:2008/11/16(日) 20:58:12 ID:???
おお、リアルタイムで大先生に遭遇!僥倖!
321ID:wuPL6adx:2008/11/16(日) 22:06:38 ID:yJQtQlIY
 S13 C11 H11 D11 H10 D9 H8 D7 H7 S6 D5 H4 C3 D3

 カイジ 驚愕…………!!!
 ジョーカーが無いどころか……2もAも無いという、圧倒的な弱さ…………!!
(ば……馬鹿な…………!!)
 衝撃……驚愕……焦燥……! 
 何度手札を見直しても、カードは変わらない…………!! キングが1枚あるだけという……圧倒的弱者っ……!!!!
(馬鹿な……こんな事がっ…………!)

 そして……感じる……。このゲームにおいて、自分が“搾取される側”である事………………!!

 筆舌に耐え難い程に弱い手札を見てカイジは、このゲームが仕組まれている可能性を考えていた。
(…………いや、シャッフルは完全なる第三者に任せたんだ。奴がシャッフルした以降にカードに触った者はいない……。つまりイカサマは……、無い…………)
 繰り返される……自問自答っ……! 『このゲームは仕組まれている』という結論に身を委ねたいのに、自らの論理的思考に遮られ、委ねられない…………!!
(イカサマでは…………無い……。単純に、俺の運が悪かっただけ…………か……)
 ……自然と視線は下を向き、頭が垂れる。



 無論 このゲームは仕組まれている!!!!!



 大槻、安藤、一条の3名は完全なるグルであり、全ては事前に打ち合わせがなされていた。“カイジに弱いカードを集め、大貧民にする”。それが今回のゲームの目的である。
 その手段は、単純なるカッティング法。“強→弱→強→強”の4枚1組で固めておいた塊を崩さぬ様にシャッフルし、安藤らにジョーカー、2を集め、カイジには弱いカードを寄せるもの。
 この手段では結局、カード配布の終盤は運否天賦のものになるのだが、確率的に見て安藤らがこのゲームで勝ちを収めるには充分であり、また、カイジの手札がこれ程までに弱いのも、充分に想定内の結果である。
 そして何より、この方法は不確定なものであるが故に証拠は無く、イカサマが発覚しにくい。
322ID:wuPL6adx:2008/11/16(日) 22:09:11 ID:yJQtQlIY
 ――だがご存知の通りカイジは、シャッフルを第三者に委ねた。ではイカサマはいつ行われたのか? 
 答えは単純。
 “カイジにとっての第三者が、大槻ら3名にとってはそうでは無かった”というだけのこと………………!!
 普段、この教室での時間の殆どを観戦で過ごす者共には、予め大槻らの息がかかっている。
 もしシャッフルを任せられた時の対処法と、イカサマの手段……! それらは大槻らが予め、時間をかけてレクチャーしていたのだ。
 つまり……カイジがイカサマの可能性に気付き、また、その際のシャッフルを完全なる第三者に委ねようとするのは大槻らにとって完全に予想の範疇であり、前もってその全ての対策を練られていた…………!!
 例えば……カイジが大槻らの手下以外に声を掛けようとしていれば、“その台はもうすぐゲームが終わりそうだ”と言い、別の者を選ばせるつもりだった。
 しかしカイジは運悪くも大槻らの手下を選び、“スムーズにイカサマ防止を行った”と解釈してしまう。

 結果 納得…………!! 

 初参戦にしてこれ程弱い手札であるに関わらず、自らがイカサマ防止の手段を行使した為、カイジは“イカサマは無い”と信じ込んで疑わない…………! “手札が悪いのは自らの不運さが故だ”と………………!!!
 これは大槻らが事前に想定していたパターンの中でも最高の状態であり、正しく全ては順調に進んでいると言えた。
 ただし、このパターンは、標的がある程度の博才を持ち、イカサマの可能性を疑わなければ訪れない。
 つまり……カイジが博才を持っていたが故に、カイジは大槻らの策略にはまったのだ………………!!!!
 そして……カイジが代行シャッフルの一人目に大槻らの手下を選ぶという幸運っ…………!!

 回った 歯車………………!!!
 後は負けるのみ……………………!!!!
323マロン名無しさん:2008/11/16(日) 22:15:14 ID:???
ジョジョのダービー戦ポーカーを思い出した
324マロン名無しさん:2008/11/16(日) 22:23:14 ID:???
『ダービー・ザ・ギャンブラー』は最高だよな。
猫まで手下だという…。
それにしても大先生の筆力…!圧倒的!

325マロン名無しさん:2008/11/16(日) 22:24:26 ID:???
ああなんだ、大先生って天才なんだ。
326マロン名無しさん:2008/11/19(水) 01:33:15 ID:???
ほしゅ…ほしゅ…
327ざわやか3組:2008/11/20(木) 18:09:20 ID:???
保守がてら>>298の続きを投下。
それにしても大先生が待ち遠しいっ…!
328ざわやか3組:2008/11/20(木) 18:15:20 ID:???
平山に当たった球はそのままブラックの陣地内へ…
ボールを拾ったのは涯…
その時…外野の零と目が合う…視線が交わる…意思の疎通…!

涯投げる…光速の球を…再びアカギ目掛け…!

フワッ…!
避ける…!アカギ…難なく…!

その球を零キャッチ…!即効連携…それこそが涯と零の狙い…!

いかにアカギと雖も光速を超える涯の球をキャッチすることなど不可…!
フワッを使ってくることは、謂わば必然…!
ならば中空にあるその瞬間を狙う…!

投げる…!
その無防備な背を目掛け…!あまりに無力な背…!それはまるで奈落の縁に泣く赤ン坊…!
しかし今度は零も躊躇しない…!全力で投げつける…!!

が…、それを阻止すべく手を伸ばした者がいる…!
銀二である…!
読んでいたのだ…涯と零の狙いを…

銀二キャッチ…!
曲者揃いのホワイト…その中でもこの二人は抜きん出ている存在…そう容易く当てさせはしない…
アカギ獲りならず…!

森田「さすが銀さんっ…!」
天「お前はどっちの味方だよ…」

【チームホワイト 残り2名】
【チームブラック 残り2名】
329マロン名無しさん:2008/11/20(木) 19:32:13 ID:???
ざわやか3組のつづきキター!待ってました! それにしても森田と天ワロスw
330マロン名無しさん:2008/11/20(木) 21:22:57 ID:???
マガジン組の連携って良いね
結末が気になる
331マロン名無しさん:2008/11/21(金) 00:39:53 ID:???
ざわやか3組待ってたよ!
「フワッを使ってくる」ってあれ必殺技名なのかよwww
332ざわやか3組:2008/11/21(金) 17:50:05 ID:???
銀二投げる…!しかし涯はこれをキャッチ…!やはり身体能力では涯が勝る…!

涯(オレが何とかしねえと…だけど普通に投げてたんじゃダメだっ…!)
その時…血塗れのカイジが目に入る…
涯「……!!」
圧倒的閃き…涯に齎される…

突如コートに出現する赤…!赤色の煙幕…!!
ざわ…ざわ…校庭に動揺が走る…

ボコッ…!
銀二「うっ…!」

煙幕の正体…それは涯の血液…血飛沫である…!涯は己が手首を掻き切ったのだ…!動脈を切断…!!
そしてそれに紛れさせて投げたのだ…ボールを…

銀二…血煙に目を眩まされ…アウツ…!

涯の執念実る…!が…、
ボコッ…!
涯「ぐっ…!」
カイジ「!?」

アカギ「ククク…」
なんとアカギは利用したのだ…涯の血煙を…銀二の後方に位置していたアカギ…僅かにできた涯の心の隙を突いた…!
銀二のノーバンには至らなかったものの…

涯アウツ…!

【チームホワイト 残り1名】
【チームブラック 残り1名】
333マロン名無しさん:2008/11/21(金) 18:11:08 ID:???
一騎打ち?
334マロン名無しさん:2008/11/21(金) 18:44:25 ID:???
あああ、白と黒、銀さんと涯、痛み分けか…!これはびっくり。 森田の反応が気になるw
335マロン名無しさん:2008/11/22(土) 00:19:52 ID:???
昼休みに毎度こんなことやってたら
何人死者が出るやらw
336マロン名無しさん:2008/11/22(土) 12:17:06 ID:???
ドッヂのために手首切るって何賭けてんのw
337マロン名無しさん:2008/11/22(土) 14:13:24 ID:???
こんなドッヂ参加したくねぇww
338ID:wuPL6adx:2008/11/24(月) 10:38:08 ID:VeyHwStm
始められる……! 出来レース……結果の見えた、大富豪…………!!
大槻「ではまずは……、ハートの3から……!」
そう言って大槻はハートの3を一枚、テーブルの中央に置いた。

一条「クククッ……じゃあまあ、最初はゆっくり行きましょうか…………!」
【一条】クローバー4
カイジ(クローバーの4………………)
【カイジ手札】 S13 C11 H11 D11 H10 D9 H8 D7 H7 S6 D5 H4 C3 D3
カイジ(ここは…………)
パシッ……! 叩きつける様に、カイジはダイヤの5を投げつけた。
カイジ(ここは……とにかく、要らないカードを少しでも消耗していくのが先決……! 縛りだなんだ……と考えるのは終盤っ…………!!)

【安藤】ダイヤ10
カイジ(! 縛り…………! これでは……ダイヤの11ならば出せるが…………)
大槻「クククッ…………!」
無論 出る……! 11より上が…………!!
大槻は余裕の表情で、ダイヤの13を置く。それから間髪入れずに、安藤はダイヤのAを提出した。
大槻「パス……!」
一条「パス……!」
大槻「…………。カイジくんは…………?」
カイジ「…………。パスだ…………!!」
それを合図にした様に、安藤は場に溜まったカードを台の隅へと流す。
そして…… 【安藤】ダイヤ・クローバー6
大槻「………………」
【大槻】クローバー・スペード9
カイジ(! チャンスッ…………!! もし……ここで11を2枚出せれば、クローバーとダイヤの3ダブルで確実に勝てる…………!!)
339ID:wuPL6adx:2008/11/24(月) 10:55:25 ID:VeyHwStm
一条「………………」
カイジ(来いっ………………!)
一条(ククク…………!)

【一条】ダイヤ・ハート13

カイジ「ッ………………!!」
大槻「どうだ、カイジくん……出るかい?」
カイジ「………………、パスだ…………」

一条(バレバレッ…………!! 何かしよう……チャンスだ……っていう気概……意志…… 漏れてるぞっ……!)
カイジ「………………!」
一条(なら……13ダブル…………! お前の手札じゃこれは出ないだろっ……伊藤カイジッ…………!!)

一条(クククク…………。死ぬぞっ……! そんなんじゃ…………!! )
340マロン名無しさん:2008/11/24(月) 11:06:43 ID:???
ID:wuPL6adx 先生だっ
一見、カイジの手札、強そう(数字が大きい、ばらばら)に見えるのに…
他の3人がもっと有利な手札を持っているのか。
3人の連携にワクワク…
341マロン名無しさん:2008/11/24(月) 11:55:31 ID:???
大先生の『……!』は格別だな!
342マロン名無しさん:2008/11/24(月) 23:35:57 ID:???
何だか班長貫禄あるな
343マロン名無しさん:2008/11/25(火) 14:05:11 ID:???
いや、カイジの手札は明らかに弱いだろ
マックス13は絶望的
344マロン名無しさん:2008/11/25(火) 14:25:18 ID:???
数字が大きいほうが強いと思っていた。違うのか…
345マロン名無しさん:2008/11/25(火) 16:14:53 ID:???
いや、数字が大きい方が強いけど、13よりA、Aより2が強い。つまり3が最弱
一般的なルールではね

やってみると分かるが、A、2、ジョーカーが無いのはマジ絶望的だよ
346マロン名無しさん:2008/11/25(火) 21:38:26 ID:???
強 2>A>13>12>・・・・・・・・>3 弱 ということなのか。
4人で52+1を配っているから、2やA、ジョーカーが一枚もないのは
おかしいということなんだ。説明ありがとう>>345
347ざわやか3組:2008/11/26(水) 19:34:04 ID:???
――この闘争もついに最終局面を迎える――…

ホワイト、ブラック互いに残るは一名のみ…
二人の少年は対峙する…血溜りと化したコートの上で…

不利なのはカイジ…片耳と四指を失い…血を失い…
圧倒的不利…それは誰の目にも明らか…

カイジは野良犬…典型的な野良犬…しかし…まだ抜けてない…牙は…


 赤木しげる vs.伊藤開司


アカギ「ククク…面白い…狂気の沙汰ほど面白い…!」
348ざわやか3組:2008/11/26(水) 19:35:04 ID:???
こぼれ球を拾ったカイジは外野へボールを放り投げる…
が…アカギそれをキャッチ…

もはやカイジには避ける事も受ける事も叶わない…
為す術などない…まさに万事休す…確定する敗北…

カイジ「やれっ…!」
胸を張れ…!手痛く負けた時こそ…胸をっ…!
目はつぶらないっ…!つぶらないっ…!

アカギ「ククク…」
ボールをバウンドさせるアカギ…

一同「あ…」
アカギ「えっ…?」

アカギ、アウツ…!

取り零し…
ボールをバウンドさせたアカギの行為はルール上獲り零しに当たる…

勝利…チームブラック…!勝利である…!
勝者はチームブラック…!!

【チームホワイト 残り0名】
【チームブラック 残り1名】
349ざわやか3組:2008/11/26(水) 19:44:41 ID:???
以上で終了になります。
ありがとうございました。

↓以下補足と蛇足

味方から受けた球をバウンドさせる→無問題
敵から受けた球をバウンドさせる→取り零しアウツ(とりゼロし じゃないよ)

――しかしこの時アカギはグラウンドに出る5分前に南郷からドッヂのルールを簡単に説明されただけで、
ローカルルールなどいっさい知らない…
ど素人以前の状態だったという――


熱い昼が終わった…

利根川先生「昼休みはもう終りだ…教室に入れクズども…ぶち殺すぞっ…!」
兵藤(…後で焼き土下座じゃな…)

足元に転がって来たボールを拾い上げる市川。
市川「すまんがワシの代わりにボールを戻してくれんかね、一条くん…」
一条「構いませんよ…」
市川「それじゃ、投げるぞ…」
一条「ウェルカム…」
ボゴオッ…!
ボールは一条の顔面に直撃…!
市川「アホタレッ…」ヒソッ…


※カイジの耳と指、涯の手首は保健室で治して貰うので問題ありません。この学園ではよくある事です。
350マロン名無しさん:2008/11/26(水) 20:25:29 ID:???
>>292 の伏線をここで>>349回収するとは…
ヒソ…「アホタレっ…」
聴力は盲人の市川にとって生命線
そんな彼が聞き逃したりはしない…一条の囁きを…

緊迫する昼休みのドッヂボール風景
飛び散る耳・指 血煙上がるグランド、埋まる人間・・・
血気盛んな老人達…
見てる分にはドキドキするけど、絶対参加したくない…

ざわやか3組さん、作品投下ありがとうございました。
次の登場楽しみに待ちます。ありがとうございました。
351マロン名無しさん:2008/11/26(水) 20:28:40 ID:???
ちゃんと終わらせるなんて偉いぞ!
乙!おもしろかった。
352マロン名無しさん:2008/11/27(木) 00:41:16 ID:???
ざわやか3組、乙でした! 面白かったー。
それにしてもカイジと涯はドッヂのたびにこんな難儀をするんだろか
353マロン名無しさん:2008/11/28(金) 16:50:57 ID:???
今更だが乙
アカギの「え…?」に笑ってしまった
354マロン名無しさん:2008/11/29(土) 22:28:34 ID:???
なんか作家の方々すごいなぁ…。俺も創作に挑戦してみようかな?
355マロン名無しさん:2008/11/30(日) 09:02:36 ID:???
してみて
356グニャりんこ☆:2008/11/30(日) 12:39:17 ID:???
キャラがぐにゃぐにゃした様子が大好きな>>354です。
つたない小説ですが、以後よろしくお願いします。

第一章 「発端」
ここは、金満(きんまん)学園中等部3ー1のある日の風景。そして、俺―カイジの日常が一変した日でもある…。
「許して下さいっ……!もう二度としませんっ……!!」
「何をしている!早く押さえつけろっ!!!」
いつもの見慣れた光景。ただ、いつもと違うのはこのいじめ(?)を止める零が珍しく早退したことぐらいか。
零の愛人との噂が絶えないさくら、ユウキはクラスメイトと同じく見てみぬ振りをしている。兵藤一派に逆らって無事に済んだ者はいない。
357グニャりんこ☆:2008/11/30(日) 12:52:01 ID:???
兵藤の腰巾着、黒崎・利根川・一条が小太郎を押さえつけズボンを脱がせた。
「ククク……、執行だっ……!!」
「痛いっ…!もう、勘弁して下さいっ……!」
兵藤自ら小太郎のケツ毛をむしっている。
まったく、小太郎はグズでバカだ。パシリをやらされ、その釣り銭をごまかすとは…。俺ならもっとうまくやる。兵藤一派に従うフリはしているが、いつか必ずほころびを見つけ奴等をひざまずかせる!その日が来るのが楽しみだ。
358グニャりんこ☆:2008/11/30(日) 14:17:19 ID:???
兵藤一派は三番目に気に食わないが、俺がもっとも気に食わない男、そう赤木が小太郎の制裁を無表情というか無機質な目で見ている。この男の器は「不気味」と言うのが正しい。
例えば成績。学年トップは当然、零で赤木は決して良くない。しかし一度も赤点は取らない。今までの試験の平均的はすべて40点。あたかもテストの配点を読みきったかのようだ。
359マロン名無しさん:2008/11/30(日) 16:21:57 ID:???
支援
頑張って最後まで書き上げてね。応援してるから
360グニャりんこ☆:2008/11/30(日) 17:39:36 ID:???
赤木が本気を出せば零の牙城を脅かすどころか、全教科満点取ることも簡単なのではないか?と思えてならない。
「どんな場面でも感情・己を出すことのない赤木という男は、まったくもって信用ならねぇ…」そんなことを考えつつ、大富豪で負けてパシらされた昼飯と釣り銭を三好・前田にきちんと渡す。
その時三好が「カイジさん、さっき零から今から家に来て欲しい、との伝言がありましたよ」
「はぁ……?あいつ、何の用があるっていうんだ……?」
「さあ、それだけ言って慌ただしく帰っちゃいましたよ」
まさか、二番目に気に食わない男から呼び出しがかかるとは…。稀代の秀才と言われ、女子からも人気があり誰からも愛されるホモ野郎。しかも実家は金持ちときた。まったくもって気に食わねぇ…。
しかし、そんな奴が俺に何の用があるというのか?無視してもいいのだが…
「カイジさん、どうするんですか?」
「ふん、ほっとけばいい…!あの野郎の言いなりになってたまるか!」
―放課後
「俺、何してんだ……?」結局来ちまった、零の家に。零の家の門の前でウロウロしてると
「やあ、そろそろ来ると思ったよ」
零だ。こうなったら行くしかない。
しかし、俺はここで家に帰るべきだったのかもしれない……。
第一章 完

第二章「憤怒」 に続く。
361グニャりんこ☆:2008/11/30(日) 17:44:30 ID:???
今日はここまで。第二章は明日掲載。

次回予告
「ち、違うっ……!俺はそんな男ではない!」
「君は嘘をついている」
「中々、面白い話をしてるな…」
「貴様っ……!!貴様っ……!!」
乞うご期待。
362マロン名無しさん:2008/11/30(日) 17:59:23 ID:???
お疲れ
また明日
363マロン名無しさん:2008/11/30(日) 18:55:54 ID:???
グニャりんこ☆ お疲れ、明日を期待っ!!!
364グニャりんこ☆:2008/12/01(月) 16:47:18 ID:???
第二章「憤怒」

(なんだこれ…?まるで宮殿じゃねぇかよ・・・)
零の家に来るのは初めてであり、宇海家はここらでその名を知らぬ者はいない程の金持ちとは
知っていたがここまででかいとは思ってもみなかった。さっそく家のチャイムを押そうとしたが……、
押せない…。押そうとすればする程、「零の言いなりになるのか?あいつのことは無視すると
言ったはずだろ?」という思いがマグマのように湧き立つ。が、ここまで来て帰れば交通費が
無駄になる…。結果、家の前をウロウロするばかり。どこから見ても不審者だ。30分程ウロウロ
した頃、突然門が開き、インターフォン越しに「やあ、そろそろ来ると思っていたよ」零だ。ここまで
来て帰る訳にはいかない。もしかしたら零と対決することになるかもしれない。
(己を信じろ……!!)
そう自らに言い聞かせ零のもとへと向う。そこにあるのが魔界ではなく、活路、希望、未来だと信じて。
365グニャりんこ☆:2008/12/01(月) 17:26:28 ID:???
使用人に案内されて零の部屋に通される。俺は零の部屋に驚いた。広いのではない。狭いのだ…、
それこそ物置部屋のように。そして部屋の装飾。アイドル、モデルといったポスターの類は一切なく、
ただ小さな机と電灯、ベッドしかない。これはまるで…
「監獄みたいだろ?」
「ああ、俺に何の用があるって言うんだ…?」
「カイジ、君は高等部の入試について知っているかい?」
「……あ?知るかよ、エスカレーター式でないのか?」
「違う。10日後に第一次選抜試験が実施される」
「そんな話聞いてねぇぞ……」「
情報戦も選抜試験の一環なんだろう」
「ふん、悪趣味だな…。しかしてめぇなら楽に受かるだろうが。そんなつまらん話で俺を呼び出したのか?俺は帰るぞ」
「この試験は二人一組なんだよ。そこで君と手を組みたい」
「あ…?何で、てめぇなん…」
「気に入らない男からの誘いだから断るのか?」
突然、零が口を挟む。それはまさに俺の心中を見透かす言葉であった。今、零とやりあって勝てるかを瞬時に俺は考える。
「カイジ、今のあんたでは俺には勝てない」
366グニャりんこ☆:2008/12/01(月) 17:52:16 ID:???
(な、なんだコイツ……!?俺の心が読めるのか…?くそっ……!!)
「君が勝てない理由は1つ。その安いプライドだ。」
「なんだと……?てめぇ…、あんまりふざけた事をぬかすなよ……」
「事実だ。君は俺を嫌っている。普段の素振りを見れば一目瞭然だ。しかし俺に
言わせれば君は俺に嫉妬しているだけだ」
「違う…!俺は、俺はそんな男ではない…!」
「繰り返すが事実だ。カイジ、君は人の価値は本当に金・成績・人気で決まると思うか?これらは己を磨きあげれば自ずと
ついてくるものだ。それなのに君は最初からそんなものはない、と決めつけ自らの弱さをつまらんプライドで隠し、修練を怠たった。そう、今のおまえはただの負け犬だ……!!」
「うぐっ…!貴様っ……!!貴様っ……!!」
零をつかみ上げ、殴りかかろうとすると
「どうした…?本当のことを言われて悔しいか?殴りたければ殴れよ…」
「おのれっ……!!まだ言うか!」
殴ろうとしたその瞬間、
「中々、面白い話をしているな……」
そこに突如現れた、いやおそらく最初から部屋にいたのだろう。ベッドに座っている男―赤木がそう口にした。
(まったく、気配を感じなかった……)
そのあまりに異様な出現で俺の怒りはあっけなく霧散してしまった…。
367グニャりんこ☆:2008/12/01(月) 17:56:58 ID:???
ちょっと改行ミスったorz

次回予告
(俺は利用されてる…?)
「まさに俺のことさ……」
「なぜ生きるの?」

第三章「吐露」に続く…

また明日。
368マロン名無しさん:2008/12/01(月) 18:58:18 ID:???
また明日。
369マロン名無しさん:2008/12/01(月) 19:47:29 ID:???
また明日。
370マロン名無しさん:2008/12/01(月) 20:11:07 ID:???
グニャりんこ☆ また明日…
カイジ どうするんだろう??零の真意はなんだろう?
371グニャ☆りんこ:2008/12/02(火) 19:30:48 ID:???
※もしカキコできてたら

携帯からです。PCで二度カキコに失敗し、プライベートの都合上本日は誠にかってながら休載します。
さらに第三章はすごく長くなったので、明日の午前中に前編、午後に後編を掲載します。
楽しみにしていた方々に大変なご迷惑をかけて申し訳ありません。
372マロン名無しさん:2008/12/02(火) 21:56:11 ID:???
楽しみにしてる
373マロン名無しさん:2008/12/02(火) 22:28:49 ID:???
待ってるよ〜!!
374ID:wuPL6adx:2008/12/02(火) 22:40:56 ID:fRpZCaU1
第3ターン……一条は5を3枚提出。
同じ数字の3枚出しというのは、このゲームにおいて相当強力……! 5の様に低い数字であっても、これだけで流れる事も多い。しかし…………。
【カイジ手札】 S13 C11 H11 D11 H10 D9 H8 D7 H7 S6 H4 C3 D3
カイジは持っていた…………!! 11のトリプル……!
これこそ、カイジがこの手札を開いた瞬間に目をつけていた役であり、恐らくこの手札で最も威力を発揮する…………!(“8切り”を除く)
だが…………。

カイジ「パス…………!」

カイジ パス……! 絶好のチャンスをみすみす逃す…………!!
村岡(…………。ああ〜〜……? どうしたざんすか? 何故ここで使わない? 11のトリプルを…………! そんなもの……とって残しておいても、どの道今以上に活躍

する場面など訪れないざんすよ…………!!)
カイジ「………………」

カイジ(使わないって…………! そりゃあ…………!)

カイジ(そりゃあ……手拍子、相手の出した手に反応して11トリプル……っていうのも分からないじゃないけど………… ここはこれっ…………!!)
【C3 D3】
カイジ(つまり……11のトリプルを11ダブルとして使う……! こうする事で11は1枚残るがそれでもここは、3のダブル…………!!)
――つまりカイジの策とは、11のダブルを自分で使い、3のダブルで待ち構えるというもの…………。
確かにイレブンバック(そのターンのみ一時革命中となる)中であれば、3のダブルは最強の手っ……! 比類なく……!
すなわち……11を2枚使い、3を2枚使い、更に次のターンを自分の番から始められるという、ハマれば最強の手…………流れ…………!!

これがカイジの目論見…………! 最後の希望………………!!!

カイジ(……………………)
375マロン名無しさん:2008/12/02(火) 22:48:44 ID:???
ID:wuPL6adx先生だ。カイジの戦略っ!!! 1枚ずつ出すんじゃないんだ…
圧倒的不利な状況、ひっくり返せるの?
376マロン名無しさん:2008/12/02(火) 22:58:40 ID:???
おー大先生!大先生のカイジは凛々しいな。
377マロン名無しさん:2008/12/03(水) 06:08:45 ID:???
>>371
楽しみにしてるって書いたけどごめん……楽しみじゃないわ
378マロン名無しさん:2008/12/03(水) 07:26:32 ID:???
……まあ、大先生の連載と重なったのは不運っちゃ不運だな
379マロン名無しさん:2008/12/03(水) 14:14:30 ID:???
大先生の連載が熱すぎる
380マロン名無しさん:2008/12/03(水) 19:34:11 ID:???
ハイ&ロー放棄の大先生お帰り!
381マロン名無しさん:2008/12/03(水) 20:02:04 ID:???
>>371 完成させてね。待ってるから。
382マロン名無しさん:2008/12/03(水) 20:12:12 ID:???
大先生>>380はハイ&ローが大好きですってよ。
自分も好きだから今度やる勝負にハイ&ローつかってよ。

ぐゃりんこ待ってるから頑張れ。完成させろ。
383マロン名無しさん:2008/12/03(水) 20:14:33 ID:???
>>380-381(同一人物)はラン&ローの続きを死ぬ程楽しみにしていて、続き放棄された憂さを晴らそうとしているのはわかった
384マロン名無しさん:2008/12/03(水) 20:39:50 ID:???
>>383
チン&コーだ馬鹿
385マロン名無しさん:2008/12/04(木) 12:27:53 ID:???
>>383
同一人物じゃねーよ

何その馬鹿な推理
386マロン名無しさん:2008/12/04(木) 13:20:04 ID:???
喧嘩はやめようぜ
作品投下しにくくなるだろうし
387グニャりんこ☆:2008/12/04(木) 16:10:16 ID:???
ついに我が家のPCが逝ってしまいました…。
しばらく携帯からで読みにくいかもしれない事をご容赦下さい。

第三章 吐露 (前半)
「赤木…?なぜここにいる?」
「それは後でわかる。ちょっと待っててくれ…」
そう言うと零は内線で、使用人に飲み物などをもってくるよう指示した。
飲み物が運ばれてくる間はただ無言。話すことより、俺は零の真意を計ることに必死だった。
そして数分後、使用人が俺たちにサンドイッチとオレンジジュースを出してくれた。
「カイジ、君には才能がある…」
零はそう口にした。とりあえず俺は聞くことにし、先を促した。
「」1ヶ月前のクラスマッチを覚えているか?」
俺はうなずく。忘れるはずがない、あの屈辱的な日を。あのクソ班長どものイカサマを…!!
388グニャりんこ☆:2008/12/04(木) 16:21:17 ID:???
「君はあいつらのサマを逆手にとって大勝した。あの天啓とも言うべき閃きには正直驚いた…」
「ただあの時は必死だっただけさ」
「しかし、あの時の君は純粋だった」
「……?どういう意味だ…?」
「あの時、君はただ勝利を目指していたはずだ。プライドを捨てて挑んだはずだ。」
「……そうだな」
「それが君の才能だ。ただ純粋に勝負に徹すれば、君は俺やこの赤木を凌駕する」
それは言い過ぎだ…。と感じたがそう言われて悪い気はしない。しかし、やはり赤木という男は凄まじいのだろう…。俺の直感は正しかったようだ。
389グニャりんこ☆:2008/12/04(木) 16:35:17 ID:???
「だからなのか…?」
「そう、だから君をわざと怒らせた。自分の弱さもまた君自身だと自覚し、認めて欲しかった」
「確かにそれが出来れば苦労はしねぇ…、だがそんな事が出来るのか…?」
「そうやってすぐ諦めるのは君の悪いクセだ。克服しようと努力することに意味がある」
「わかったよ…。さっきは悪かったな…」
俺は零を殴ろうとした事を詫びた。不思議な事に今は零が嫌いではなくなったが、友情が芽生えたとも思えない…。
(俺は利用されているのか……?)
そんな思いが頭をよぎる…。
「気にしないでくれ。俺は君と対等でいたい。では試験について説明しようか…」
(…!コイツ、また見透かしていやがったな…)
俺は苦笑し、
「頼む。…ちょっと待ってくれ、試験は二人一組だろ?ではお前と組むのは俺か?赤木か?」
「君だよ。赤木には別の役割がある。まずはこれを見てくれ」
そうやって一つの紙束、つまり願書を見せる。
390グニャりんこ☆:2008/12/04(木) 16:56:14 ID:???
「そこの最終ページの『注意事項』を読んでくれ。……それから赤木はもういらないそうだからこれも君が食べてくれ」
赤木はまったくといっていいほどサンドイッチに手をつけてない。一口中身を食べただけだ…。
(腹減ってないのか…?)
深くは考えず、赤木のを食いながら注意事項に目を通す。

注意事項
試験は三日間に渡る。食事、ベッド、風呂はこちらで準備をする。
よって各自歯ブラシ、着替えといった私物を持参しておくこと。
以上

「これが赤木の役割に大きく関係する。君にはわかるか?」
しばし、熟考。ただひたすら、そうひたすら答えにたどりつくために……
(注意事項の本文の意味…、赤木の役割…、本文…、赤木…、両者の接点…、………お?おおぉっ!)
俺は閃いた…!
「わかったみたいだね。」
零は嬉しそうにそう言った。

第三章 吐露 後半に続く…
391グニャりんこ☆:2008/12/04(木) 17:05:26 ID:???
赤木の役割はきちんと次回に説明します。

さて、PC成仏と「楽しみでない」発言にすねすね・ぐにゃぐにゃしてましたがなんとか立ち直り。
在全の愛人になりたいという福本マニアの恋人に正直に、PC成仏したから、クリスマスは期待すんなと言ったら焼き土下座されそうになったり…
今後の展開では色んなゲームを考えなくてはならんので、更新は不定期になりそうで(後半は明日掲載)…
とにかくおいら、今日は元気です。
またお会いしましょう。
392マロン名無しさん:2008/12/04(木) 17:31:30 ID:???
悪い流れを断ち切ってくれたグニャりんこ先生、激乙!!
俺はかなり続きを楽しみにしていますし、無限に拡がりそうな話にワクテカしてます!

ただ多少なり、展開が遅いかなと思わない訳でもありません。
大先生も、ギャンブルに入るまでの展開は1日で一気に書き上げてくれましたし。
早くギャンブルシーンを読みたいという意を込めて、もう少し展開が早ければ良いのになと思います。

それにしても、続きは楽しみです!! 頑張って下さい!
393マロン名無しさん:2008/12/04(木) 18:11:15 ID:???
グニャりんこ☆ 先生、投下ありがとう。
続き楽しみです。在全の愛人希望の彼女さんによろしく…
PCの為に申し訳ない…
394グニャりんこ☆:2008/12/06(土) 17:17:30 ID:???
更新遅れました。

第三章 「吐露」 後半
赤木の役割、注意事項の接点で俺が思い付いたことは一つ。
「つまり、赤木は『私物』ということか…?」
「そうだ。まぁ、主催者が認めてくれればね。」
「しかしそれだと赤木、お前には受験資格はないのでは?…」
「心配するな。俺はもう学校に飽きたから進学しねぇよ」
(飽きた、って……。まぁ、赤木らしいか…?)
その後三人で軽く打ち合わせをし、零の家を後にするまさにその時――
「待って下さい!」
食べ物を持ってきた使用人だ…。
(…忘れ物したか、俺?)
「あの…、たまご☆ついてるぞ♪」
いきなり、頬を舐められた…。おぞましくて言葉がでない。俺は真っ青になって家を後にした…。

その頃、零の部屋では…
「お前、人間の価値について講釈をたれてたな…」
「赤木、君になら言える。あれは俺がそう信じたいだけだ…。金も友人も腐るほどある。しかし……」
「心は虚無。お前の部屋がそれを証明している」
「そうだ。何物も何人も俺の心は満たさない。君と同じだ。
ただ一つ君と違うのは、俺は心を満たす何かを求め続けている。
それは生き甲斐を探す事と同義かもしれない。赤木、君はなぜ生きる?」
「………試験が楽しみだな…」
それだけを残し、零の家から赤木は姿を消す…。
395グニャりんこ☆:2008/12/06(土) 17:41:26 ID:???
そして十日後。小雨が煙のようにまとわりつく、蒸し暑い十一月の早朝。
俺は試験会場となる金満学園高等部の正門前に到着した。零と赤木はもう来ていた。
「カイジ、受付は済ませてある。赤木については何も言われなかったよ」
「…そうか。しかし人間を私物として認めるなんてどういうつもりだ?」
「それはわからない。では体育館に行こう」
体育館に行くと他の受験生だろう、見知った顔が多い。兵藤、黒崎といった胸クソ悪い連中はもちろん、石田や大福女まで様々だ…
「さくらやユウキはいないのか…?」
「二人は就職組だ」
しばらくして、教員が集まり学園長が姿を見せる。
「…静粛に!それでは在全様、お願いします。」
教員は厳かにそう告げ、俺たちは在全の言葉を待った。
「前置きなど言わん!愚民どもに進学する権利などない。ここで貴様らを選定する第一次試験は『将棋』だ……っ!!」
そう言うと教員が各グループに駒を配る。
(…なんだ、これ…?)
各地でざわめきが起こる。なぜなら駒が足りない、いや少なすぎる。玉一枚に歩が四枚しかない。
「ではルールの説明に入る!」
教員の宣言にざわめきは一瞬にして消えた…。

第四章 「苦闘」 に続く…
396グニャりんこ☆:2008/12/06(土) 17:55:01 ID:???
あとがき的な何か
更新の遅延、申し訳ありません。先行きが少々不安です。
皆さん、将棋のルールはご存知ですかな?
「知らん!」という方が多いのでは?、と不安ざんすよ。
ギャンブルのネタで将棋は見たことねーなー、と思ったのがきっかけ。
安易…!愚直…!という声が聞こえてくるぅぅぅっ!!
もう耐えられない!いやん、いやん〜

次回予告
「貧乏くじを引いたようだな…」
「鼠だ……っ!」
「う、嘘だっ!ありえねぇっ…!!俺が…俺が…俺が…負け、た………負けました……」
397マロン名無しさん:2008/12/06(土) 18:17:49 ID:???
>>396

良い解決策を教えよう!


将棋板にいけ
398マロン名無しさん:2008/12/08(月) 19:16:30 ID:GvbQc4BW
あげ
399ざわやか3組:2008/12/09(火) 21:54:43 ID:???
やばい思いっきり他所に誤爆った…。

秋の長雨というやつだろうか。このところ雨は毎日のように降り続けている。
そのため外遊びができず、かといって体育館で遊ぼうにもそこは高学年の子供たちに占領されており使用できる状況にない。
よって彼ら3年3組の生徒たちは必然的に教室遊びを余技なくされる。

今このクラスではある遊びが流行っていた。
用意するのは3つのカップと1つのサイコロ。
ルールは単純。
カップの一つにサイコロを入れて逆さに伏せる。
あとはカップを回す側と、サイコロを当てる側に別れ対決するだけである。


“カップ当て”開戦である…っ!
400ざわやか3組:2008/12/09(火) 21:55:36 ID:???

  【回す側 涯 vs.当てる側 カイジ】

涯回す…ぐるぐる回す…!超光速…!バターになるのではという勢いで回すっ…!

涯「さあ、どれだ…?」
カイジ「ぐっ…!」(わからねえ…さっぱりわからねえ…!)
確立は三分の一…カイジあてずっぽうで真ん中のカップを指す…
カイジ「神よ…オレを祝福しろっ…!」

オープン…!

ダメッ…!カイジ外す…!
涯「今日の給食のゼリーは貰うぜ…」
思わずカイジ床に伏しジタジタする…

平山「次はオレの番だな…カイジどけ…」
カイジ…ジタジタのまま移動…
平山「ちょっキモッ…!」
401ざわやか3組:2008/12/09(火) 21:56:18 ID:???

  【回す側 涯 vs.当てる側 平山】

再び涯ぐるぐるする…!超光速のぐるぐる…!
涯「さあ、どれだっ…?」
平山「これだろ…」
迷うことなく平山は右端のカップを指し示す…

オープン…!

正解…!平山正解を引き当てる…!
平山「悪いな…今日のゴミ当番は頼んだぜ…」
涯「ちっ…!」

この時…涯の後ろに移動していたカイジは小さな引っ掛かり…違和感を覚える…
だが、その正体を掴むには至らない…
カイジ(何だ…何かがおかしい…)

アカギ「ククク…涯代われ…次はオレの番…」
402ざわやか3組:2008/12/09(火) 21:57:15 ID:???

 【回す側 アカギ vs.当てる側 平山】

アカギ「見てな…オレのぐるぐる…凍りつかせてやる…」
回す…アカギぐるぐる回す…速い…
確かに速い…が、涯ほどのスピードは無い…バターには程遠い…

アカギ「さあ、どれだ…?」
平山「これだ…」
今度も迷うこと無く平山は一つのカップを指し示す…選択したのは真ん中のカップ…

オープン…!

ハズレ…!不正解…
平山「なんだとっ…!?」
アカギ「ククク…」
平山「貴様…抜いたな…!?」
アカギ「へえ…」
平山「両端のカップも開けてみせろっ…!」
アカギ「腕一本だ…」
平山「何っ…!?」
アカギ「両端のカップを開けて…そのどちらかにサイコロがあった時には腕一本頂く…」
平山「ふざけるなっ…!休み時間の遊びで腕などという取り返しのつかない物を賭けられるか…!」
アカギ「それこそがギャンブルの本質…オレはそう思って…」
森田「あーもういいからっ…!アカギ代われっ…!次はオレが回す…」

疑っているうちはまだしも――
カイジ「口にだしたら戦争だろうがっ…!」カッ…!
一同「うるさいっ…!」
カイジ「……!」グネ…グネ…
403マロン名無しさん:2008/12/09(火) 22:55:10 ID:???
昼休みに似たようなことしてた・・・
キャラの特徴掴みすぎ、凄いっ!!
笑ってしまった。ざわやか3組さん 面白すぎる。
404ざわやか3組:2008/12/11(木) 21:50:23 ID:???
元々あまり仲の良くない白髪二人の諍い…珍しくも何ともない…だが…、
素早くぐねぐねから復活したカイジは考える…
(さっきのアカギと平山のやりとり…あの会話…何かおかしい…いやそれ以前に…何だ…?)
思考…カイジの中の違和感は大きさを増す…
しかしそれはまだ形成さぬ靄のような違和感…

  【回す側 森田 vs.当てる側 平山】

カップを回す森田…だがその動きは妙にたどたどしい…
森田「うっ…手、手汗が…」
ぬる…ぬるり…

森田「…さあ…どれだ…?」
もはや問うまでもない…誰から見てもサイコロは左端…
平山「これだ…」
若干白けた空気の中…平山が指し示したのは当然左端のカップ…

オープン…!

正解…!

カイジ(あ…ああっ…!)
森田の後ろで注意深く平山の様子を窺っていたカイジ掴む…!
違和感の正体…!急速に姿を成す…!形を得る…!
405ざわやか3組:2008/12/11(木) 21:51:48 ID:???
最初の契機(きっかけ)は平山の仕草だった…
その異様な行動に誘発されてカイジの中である疑問が急激に膨れ上がる…!
不条理……
ある理に合わぬこと…!!

そしてアカギへの言い掛かり…
この一事がどう考えても変っ…!!

交錯する…!
カイジの中で交錯する…!!
三つの違和感…

この三つの違和感…不合理が…導きだす結論は何か…?
その先にある…

合理は…!?
406マロン名無しさん:2008/12/11(木) 22:24:16 ID:???
平山とアカギの会話?何か変なところあったっけ?
期待上げ
407マロン名無しさん:2008/12/12(金) 20:37:29 ID:???
とりあえずアレだ

森田のカップえんがちょwww
408ざわやか3組:2008/12/13(土) 22:48:27 ID:???
カイジが抱いた平山への三つの違和感…

一つ目は間
二つ目は発言
三つ目は目線
 
まずは涯戦…涯がカップを回し終えた後、平山は殆ど間を置かずに正解を示していた…
人間の目には追うことが不可能な速度で涯はカップをぐるぐるさせていたにも関らず、である…
あの場合は勘で選ぶより選択肢は無い…
ならば、カイジの様に迷って然るべきなのである…
これが一つ目の違和感…“間”

次にアカギ戦で平山がハズレを引き当てた時に彼が発した言葉…
『抜いたな』という台詞…
普通は自分が不正解だったからといって即サイコロを抜かれたという発想には至らない…直結しない…
という事は、あの時平山は自分が選んだカップが本来なら正解だと「知っていた」のだ…
思うにアカギは本当にサイコロを抜くイカサマを行っていたのだろう…
しかし、アカギがサイコロを抜いているのを見咎めて、平山が『抜いた』と言っていたのなら…ぐるぐるの前でなければタイミングがおかしいのだ…
これが二つ目の違和感…“発言”

最後にカイジの違和感を明瞭にしたのは森田戦…
彼の回すカップは涯やアカギのそれと違い…非常に「遅かった」のだ
前者二人とは異なり、目でその動きを追うのは容易かった筈…
にも関らず…平山の視線は回っているカップには全く注がれていなかった…
これが三つ目の違和感…“目線”


そしてカイジは一つの答えを導き出す…
409マロン名無しさん:2008/12/14(日) 10:21:20 ID:???
種明かしキター!!!! なんか凄いなぁ。
そんな些細なことに注目しているの?ギャンブラーの人って……?
410マロン名無しさん:2008/12/14(日) 17:44:46 ID:???
しかし…これは飽くまで推論の域を出ない上に一つ穴があるのも事実…

どちらにしてもカップの確認は必須なのだ…
そう判断したカイジは生徒が全員帰った頃を見計らい放課後の教室へ侵入する…

が、そこには先客…
髪を結わった後ろ姿がしゃがみ込んで、何やらごそごそとやっている…

カイジ「森田…?」
森田「うわっ…わわっ…」

突然声をかけられ動揺した森田は手にしていた物を思わず放り出す…
ポコンと間の抜けた音を出して床に落ちたそれはカップ…

カイジ「何してんだお前…」
森田「いや…別に…」

その様子を見てカイジはニヤリと笑う…

森田「なんだよ…」
カイジ「森田…オレとお前、同じ事を考えてるかもしれないぜ…」
森田「何…?」
カイジ「ここで何をしていたのか…話してみろよ…」
411ざわやか3組:2008/12/14(日) 17:46:24 ID:???
あ、名前忘れた。
なんか常にうっかりしてるなあ…
412マロン名無しさん:2008/12/15(月) 12:33:04 ID:???
カップの中に両面(リャンメン)テープ…!
413マロン名無しさん:2008/12/15(月) 14:05:16 ID:???
両面テープだってっ!! ???
414ざわやか3組:2008/12/15(月) 17:24:16 ID:???
カイジの導いた答え…それは…カップの中に両面テープ…!ではなく…
ズバリ…「ガン」…!!
つまり平山はカップに何かしらの印付けを行っていたのではないか…例えばそれぞれに1、2、3、というような…
それならば、最初にどのカップにサイコロが入れられたかさえ把握できればよい…カップの動きをわざわざ追う必要もないのだ…

どうやらカイジと森田は似た思考の持ち主のようだったらしく…カイジと同じ違和感を感じてカップを検めていたのであった…

森田「でもなあ…」
カイジ「ああ…」
揃ってため息を吐く…

二人でカップに怪しいところはないかと調べたが多少の色ムラのようなものがある位で、それらしい印の類は見付けられなかった…
そう、この推論の穴…それは「どのような印がつけられているか」ということ…
カップ同士に明らかな相違があっては、まずゲームそのものが成り立たない…
しかし色ムラ程度の差異であれば、相当顔を近づけるようにしなければ判別できない…勿論そのような動きは平山にはなかった…

カイジ「ガンカップじゃなかったのか…?」
森田「ガンカップて…」(何だその造語…)
415ざわやか3組:2008/12/15(月) 17:25:10 ID:???
いつの間にか外の雨は止んだらしく、西の窓から夕焼けが差込んで教室の中は妙に赤い…

「ああっ…!」
同時に声を上げ二人は顔を見合わせる……

カイジ「そうだ…ちょっと待ってろ森田…」
そう言いながらカイジがランドセルから取り出したのは、赤くて透明な下敷き…

二人で下敷き越しにバター色…薄めのオレンジのカップを覗き込む…

カイジ「やっぱりガンカップか…」
森田「成る程な…やってくれんじゃねえか…あの赤グラサン野郎…」
416マロン名無しさん:2008/12/15(月) 20:34:21 ID:???
なんか印が付けてあったんだ。
417マロン名無しさん:2008/12/16(火) 21:49:52 ID:???
続きが激しく気になる
418マロン名無しさん
ランドセルで吹いた
そういえば小学生なんだよなwww