ネギま!と他作品をコラボしたクロスオーバーSSを作るスレです。
以下のルールを守ってより良いスレを作りましょう!
1.基本的にはsage進行。落ちそうになったらたまにはageて
2.荒し、煽りは徹底スルー。反応する人も同じです
3.他作品なら何でもコラボあり(ゲーム、映画、ドラマ等)但し全年齢板なのでアダルト作品はご遠慮ください
4.オリキャラは基本的には禁止ですが、物語の都合上やむ得ない場合は事前に知らせてください
5.職人(小説、SSの書き手さんの事)への催促はやめましょう。職人さんにも個人的な都合があります
6.指摘と中傷は別物。指摘歓迎、中傷不愉快
7.なにか質問があればまとめサイトのコメント欄に
次スレは
>>980踏んだ人。もしくは容量が480KBになった時
前スレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1193056727/ まとめサイト
http://www16.atwiki.jp/amaterasu/pages/6.html ネタはあっても文章が書けないという人、気にせずに投下してください。腕は書いていくうちに上がるもの。
無限の組み合わせを考えるの皆様です。それでは夢のコラボ世界へどうぞ…。
その他基本ルール
オリジナルキャラを出す事は致し方ない場合もありますが、オリジナルキャラを主人公にするのだけは禁止です。
こういった行為をされるとこのスレで書く意味がなくなりますので注意してください。
コラボ作品にはこれといった制限(アダルト作品は除く)はありません。
ただあくまでネギま!とのコラボスレです。
ネギま!の登場人物がワンシーンしか出てこず、後は他作品のキャラのみで進むと言うのは問題ありです。
ネギま!キャラと他作品キャラとの配分は良く考えてください。
あとアダルト作品は禁止ですが、例えば18禁作品が全年齢対象作品としてリリースされ直した場合。
全年齢対象となった作品の設定を用いて書くのは……OKかもしれません。
この辺りは住人の方や職人さんと要相談です。
出来れば最初から全年齢向けの作品とのコラボを考えてください。
出来れば心掛けて欲しいルール
小説の投下開始、投下終了はできるだけ宣言してください。
でないと他の職人さんと投下が被ってしまったり。
何時投下終了するのか分からないと他の職人がいつまでも投下できなかったりする事があります。
被って投下してしまうと若干読みづらくなりますのでこの辺にも気を遣ってください。
あと投下宣言しても宣言してから1時間2時間経ってしまうと意味がないので予告直後に投下開始するように心掛けてください。
それと投下された作品にはコメントをできるだけ付けましょう。
そうすれば今後の作品の発展やスレの発展にも繋がります。
職人さんとしてもその方が嬉しいでしょうし。
中傷は絶対禁止ですし無視ですが、指摘は歓迎です。
上記した事は心掛けてほしいだけで厳守して欲しいわけではありません。
あくまでできればの範囲の事ですので、あまり重く受け止めないでください。
それではネギま!と好きな作品のコラボレーションを存分にお楽しみください。
即死回避
新スレ御礼作品投下入ります。
前スレからの続きで「ネギま!戦国史」
クレヨンしんちゃんとのクロスオーバー作品になります。
では、今回の投下、入ります。
>>640(前スレ)
「もう良い!
もう良いのだ、しんのすけ…」
又兵衛を見送った後、思い出の泉で、廉姫は言った。
野原夫婦、ひまわりと共に泉に戯れる超も、一人離れて廉姫としんのすけを眺める美砂も、
他のネギ・パーティーの皆々も廉姫の恋の結末は聞いていた。
「色々と有り難うな」
「いえ、私は別に」
誠実な表情で言うひろしに、千雨がぼそっと答えた。
「またねー、きれいなおねいさん」
「しんのすけのお友達、それだけで十分。
こんな子だから色々ご迷惑だったかも知れませんが…」
「いえ、この程度で参ってたら私たちの学校やってけませんから、じゃあな」
「ほーい、またねー」
「たーっ」
「またネ、ひまわりチャン」
超がひまわりに優しく笑いかけ、ひまわりも超に手を振る。
>>6 「たぁーったぁーったぁーっ」
「お姫様のご指名ネ、王子様」
超がニッと笑い、ハルナや裕奈、チア辺りが口笛を吹く中、
ネギがみさえから受け取ってひまわりを抱き上げにこっと笑いかける。
「全方位ラブ光線再びかよ…」
ぽーっと言葉を失うひまわりとみさえを前に、
千雨が指で眼鏡を上げて嘆息し明日菜が拳を震わせる。
「はいっ、みさえさん」
「有り難うございます」
「たぁー」
「又ね、ひまわりちゃん」
「たあっ♪」
にっこり笑って手を振るネギに、みさえの腕に抱かれたひまわりが嬉しそうに手を振り返す。
「おねいさんたちー、またねー」
しんのすけが車の側で手を振るその近くで、
アーニャの飛び蹴りを食らったネギの体が45度傾いている。
「おおっ、又ね、しんのすけ」
美砂が大声で言って手を振った。
>>7 「Go Go Let’Go Let’Go NOHARA.
Go Go Let’Go Let’Go NOHARA!
Go Go Let’Go Let’Go NOHARA!!
オオーーーーーーーーーーーッ!!」
チアの三人が元気よく声援を送り、しんのすけとひまわりが手を振りその両親が頭を下げる。
そして、野原一家が廉姫と別れの言葉を交わす。
「ずっとここにいるよ」
「そういやそうだな」
「時を超えここにイル…また、何れ会おう、再見」
超が頷いて言った。
野原一家が、事故車以外の何物でもない車に乗り込み、エンジンが掛かる。
ネギとひろしが、フロントガラス越しに目で頷き合った。
「アーニャさん」
「?」
アーニャの前で刹那がにっこり微笑んだ。
細切れですいませんが今回はここまでです。
前スレから引き続き、原作そのままの台詞はかなり省いています。続きは折を見て。
乙
保守
半年・・・ぐらいかな?
いろいろあって、放置するという状態でしたが・・・
もうしわけない。
今日の21時ごろに投下します。
本当に、長い間もうしわけありませんでした・・・
みんな、大学のレポートはちゃんと出そうな!!
待ってたよ、大統領とネギま!のクロスオーバーというだけあって
プレイしていた俺としてはとても楽しみだ
小説書いてるくせに、実際ゲームをやったことはないんだよ。
X−BOX買う勇気がないんですよ・・・・(ソフト¥8600)
なんでPS3で出ないかな?フロム。
絶対売り上げあろうものを。
てなわけで遅くなりました。投下します。
2−Aの教室の中は思春期真っ盛りの乙女たちの話し声で埋め尽くされている。
昨日のテレビの話題で盛り上がるもの。
本を読んでいるもの。
朝にもかかわらず食事をしているものetcetc....
どこにでも、ありそうな普通の光景だ。
が、明るい雰囲気の教室の中に、一角だけ異質な黒い物体が存在していた。
その発生源は、今を行く恋する少女神楽坂 明日菜だ。
朝っぱらから不機嫌全開の彼女は、己から真祖の吸血鬼も顔を背けるようなどす黒いオーラを発している。
それが原因で周りが黒く染まった空間ができたというわけである。
彼女が不機嫌な理由。
それは、朝に起こった出来事に問題があった。
「ありのまま起こった事を話すぜ。
朝変ながきんちょに恋愛運最悪とか言われたかと思ったら、担任が愛するタカミチからロボットに
なっていた。
何を言ってるのかわからないと思うが私も何をされたのかわからなかった 。
頭がどうにかなりそうだった… 。
アメリカンヒーローだかクマパンだか、そんなチャチなもんじゃあない。
もっと恐ろしい片鱗を味わった」
少々ずれているかもしれないが、これがその問題の出来事の全貌である。
さらに、追加攻撃といわんばかりにそのがきんちょ…もといネギを泊めるようにある人物に頼まれてしまったのだ。
普段の彼女なら早撃ちの速度以上に問答無用で切り捨てるところだが、その頼んできたある人物というのが学園長だったために事態がこんがらがったのだ。
元々親のいない彼女は、学園で生活するに当たって、学費や生活費その他もろもろをを学園長に工面してもらっている。
そのため、明日菜から言えば彼は人間離れした頭を持つ男とはいえ、恩人でもあるのだ。
一応?純粋な乙女としては、恩人の頼みを断るわけにも行かず、そうこうしているうちに結局なし崩しに決められてしまった、というわけである。
しかし、かといってその本人のの気が納まるというわけでもなく、今になっても彼女の心は嵐が吹き荒れていた。
そんな彼女を尻目に、いや、あの状態だからこそあえて放って置いているのか?
クラスメートたちが、教壇を中心になにやら細工を行っていた。
2−Aは、問題児クラスである。
暴力沙汰とか、学級崩壊とかそういうものがあるわけではない。
基本的にいい子たちではあるのだが、次元を超越した問題が存在しているのだ。
まず、外見。
教室を一回り見回してみれば、そこにいるのは普通の標準の身長をもつ者や、どうみても中学生と思えないスタイルの少女がちらほら。
かと思えば、対照的にどこをどうみても幼稚園児の少女たちもいる。
次に人種。
地元日本人は当たり前。隣の国中国から砂漠の国東洋、アメリカおよび国籍不明多数。
おまけにロボットまでいる始末である。
まるで学校中の「異質」が集められたようなこのクラス。
実際に、やる行動一々が常識をとび出るほどの杭でもあった。
その行動の一つが、今クラスメートが行っている「新担任歓迎会」である。
実行者の中心は鳴滝 風香および史伽姉妹の二人だ。
その他の連中は朝倉主催のトトカルチョを行っている。
彼女たちが毎回行っている「新任の教師の為の歓迎会」、と聞こえは良いが、その内容は実に手の込んだ「イタズラ」の類である。
その原因として、トラップが仕掛けられているのだが、その質が半端ではないのだ。
主力となる某忍者の里の黒板トラップは当たり前。
弓矢水入りバケツロープその他etc…それが入ってきた教師を狙っているのだ。
あらゆる角度あらゆる方向から狙いを定めるそれは、さながら中東の戦場である。
仕掛ける側は面白いが、受ける側はトラウマものである。
現に、過去に手違いにより一度女教師がこれに引っかかってしまい、学園長に泣きながら即日辞表を提出するという事態が発生したとか。
ちなみに、前の教師であったタカミチは華麗にこれを避けてみせ、これによりクラスの人気者となったとか。
「みんなー!担任が来たよ!」
普段通りがやがやしていた教室は、ある生徒の言葉で急に静かになった。
皆が急いで席につき、「今までいい子にしてまってました♪」なんて雰囲気を作っている。
それからしばらくすると、廊下のほうで、複数の足音と話し声が聞こえてきた。
聞きなれた女性特有の高い、しずなの声と、男性二人の声。
男のほうは彼女たちが初めて聴いた声だ。
ということは、おそらく今日来ることになった二人だろう。
やけに大きな鉄のたたくような足音がひとつあるが、気のせいだろう。
「にしししし」
トラップしかけた張本人である風香が密かに含み笑いをしている。
ドアを開けたら最後、入ってきたものを待っているのは彼女たち特性の「歓迎トラップ」だ。
それを受けて慌てる教師の姿が目に浮かんだのだろう。
ほかの生徒たちも興味深げにドアを見ている。
新しい担任がどんなものか、という純粋なものもあれば、トトカルチョの結果に期待する邪な考えの輩もいた。
というのも、2−Aの賭け事は食券がそれこそ100枚動くこともあるという本格的なものであるからだ。
ちなみに、現在のトトカルチョは、
・半分引っかかる 1.025
・全部引っかかる 2.50
・華麗に避ける 0.42
であり、残りの生徒は両方に興味がないのかぐっすり寝ている状態だった。
「レエェェェェエエッッツ!パアァァアリィイイイイ!」
バァーーーーーーーーーーーーンッ!!
その直後、だっただろう。
皆の注目を受けていたその扉が、思いっきり吹き飛んだのは。
朝倉主催「新任ドッキリ」トトカルチョ結果。
・Cーーーー担任「吶喊します!」
結果 全員敗北(食券は全て朝倉が回収)
Metal Wolf Chaos in Mahora 第3話 二年A組!マイケル先生!! ほかネギ副担任。大作戦!
扉が、吹き飛んだ。
それは決して過大表現ではない。
ましては、「布団がふっとんだ」のような洒落ではない。
それが、2−Aの生徒たちの目の前で今まさに起こった出来事である。
一年間2−Aの今までの悪戯にも耐えてきた、十数年の古い歴史を持つ木製の扉は、アメリカ合衆国技術の結晶の突撃によって破片となり、
その長い生涯を終えた。
その扉に仕掛けられていた黒板消しは、巨人の突撃によって天井に向けて発射。
そのまま天井を跳ね返り、加速度を大幅に増し、「興味ない」といわんばかりに熟睡していた小柄な金髪の少女の頭に命中。
質量保存の法則により、その小さな頭を机に思い切りめり込ませるまで叩きつけた後に沈黙した。
弾丸と化した「メタルウルフ」の身体に引っかかった「ひっかけロープ」は、持ち前の柔軟さを生かし、何とか耐えた。
が、結ばれていた部分が耐えられなかったのでは意味はない。
猛烈な勢いをつけたロープに引っ張られ、つながれていた使われていない椅子は破片と化しつつある扉と共に窓に向かっていった。
侵入者に対し狙いを定めた弓矢は、だがしかし侵入者によって逆にはじき返され、ベクトルを増しつつ自らを仕掛けた双子の少女のおでこにクリ
ーンヒット。
全く同時におでこをのけぞらせると、その体制のまま動かなくなった。
そして最後にといわんばかりに扉とロープと椅子が、窓をカチ割り高い騒音を引き起こしながらはるか地面へ吸い込まれていった。
まるでジェット機が通り過ぎたかのごとく風が吹き荒れ、大量のチリが空中を舞う。(本当にジェットエンジンが発動していたのだが)
それは見ているものの視界を覆い、教壇と突撃者の姿を隠してしまった。
「な、何よこの風ー!」
「トトカルチョはどーなったぁー!?」
教室があわただしくなる。
前と横でクラスメート達が騒いでいるその中で、ただ一人明日菜だけが悟ったかのような顔をして席に座っていた。。
なぜなら、朝に「彼」にあったからである。
「あいつならやりかねない」と。
もくもくと教壇を中心に立ち込める煙の中から、一人の男が姿を現した。
いや、その外見から男か女かどうかすらわからない。
なぜなら、その人物は鋼鉄のスーツを着ていたからだ。
3メートルはあろうかという巨大な身体に、煙の中から紅いカメラアイを光らせる頭部。
頑丈そうなダークブルーの装甲に、背部に積まれた巨大なコンテナ。
そう、それは誰がどうみても、「ロボット」と答えるであろうその姿。
巨人は教壇から一歩踏み出すと、ぐるりとクラスを見回す。
目に入るのは、こちらを見つめるいくつもの目。
「諸君!」
肉厚なフレームが右手を天に向ける。
そして、彼は、「アメリカ合衆国国旗を持つ男」は、高々と宣言した。
「私が今日から1−A、君らの担任となるマイケル・ウィルソンだ!」
これが、後の伝説となる最強の第38代2−A担任、マイケル・ウィルソンと、「マギステル・マギ」を名乗ることとなる彼女たちの邂逅。
彼彼女たちの物語が、今、ここに幕を開けたのであった。
ネギ?なにそれ??おいしいの???
「さて・・・・・早速だがこの素敵な「歓迎会」をしてくれた素敵な少女はだれかね?」
マイケルが手に持った先ほど自分に向かってきた、吸盤付き弓矢をひらひらと見せる。
その背後には、扉のないドアと、割れた窓ガラス。
突入したのはマイケルだが、トラップがなければ被害はドアだけですんだはずである。
担任の様子と、そして教室の惨状を交互に見ていた2−Aの顔ぶれは、自分に襲い掛かるであろう災厄に一気に真っ青になった。
お仕置きされる。いや、げんこつである。
それも、鋼鉄製の。
彼女たちとしても、少し過ぎた悪戯をしているという自覚はあったし、少しくらいならしかられるのもわかっていた。
しかし、それでもなお好奇心を抑えることができないのが2−Aのいいところであり悪いところである。
おまけに、前のトラップはタカミチが華麗に避けてしまったため、姉妹が「今度こそは!」と張り切ってしまったのもまたこの原因でもある。
さらに言うなら、本来ならストッパーとなる明日菜がまっくろくろすけ状態であったのと、同じ役割であるあやかが自身の好敵手の出す雰囲気に
おびえてしまい、結局姉妹の行動を抑えることができなかったのも今回の悲劇につながったというわけだ。
まあ、お仕置きされることが前提とした行動であっても、普段彼女達を叱っているのは前担任の高畑か、新田の拳骨ぐらいである。
担任としてロボットが来るなんて誰も予想できなかっただろうが。
クラスメートが必死で危機を回避しようと考案中にあるのに対し、マイケルは鼻歌を歌いながらアームをガションガションと前後に稼動させている。
見るからにお仕置きする気満々だ!
さて、状況を整理してみよう。
直接仕掛けた実行犯は、風香および史伽の二人。
だが、共犯という立場なら見てみぬ?振りをしていた(トトカルチョも実施していた)クラスメートほぼ全員が該当する。
さて、彼女たちの前に残された道は二つ。
1.全員起立でマイケルにあやまり、もしくはお仕置きをうけるか。
2.友情?んなもん関係ねーー!死して屍は拾わないんだよ!
あんな鉄の塊を脳天で受け止めるようなことはしたくない。
しかし、実行犯である二人とも長年クラスメートとして仲良くしてきた仲間である。
此処に来て学園位置硬いといわれた2−A友情という名の鎖が彼らを苦しめる。
「さて、ファイナルアンサー!?」
「あいつらです!」
マイケルの大きな掛け声に、クラス全員が息のあったように一斉に鳴滝姉妹を指差す。
2−Aの硬い友情は、あっさりと友を売り渡すことに決めたのであった。
「うう〜。一体何があったっていうのさ」
指差されている中で、ようやく気がついた風香が赤くなったおでこを痛そうにさすっている。
「ふえ。外れません〜。なんで〜」
その隣で、史伽が取れなくなった吸盤を必死で引っ張っている。
「ヘイ、可愛い少女たち?」
「「はい?」」
そんな中、普段聞いたことのない太い男の声に、二人が顔を向ける。
大きな大きなメタルウルフカオス。
腕伸縮中ガションガションガション。
赤々カメラアイがこちらを睨んでいる。
「覚悟はいいかね?」
顔を見合わせる鳴滝姉妹。
「ぎゃああああああああああああ!?」
「ハハハハハハ!まだまだまだあああああああッ!!!!」
「あきゅうううううううううううう!!」
「え〜と、このクラスの副担任をすることになりました、ネギ・スプリングフィールドといいます」
「同じく、今日から君らの担任になるマイケル・ウィルソンだ!よろしく頼むぞ、ガールズ!」
平らになった教壇の前で、二人の男がそれぞれ自己紹介をしていた。
見れば見るほど対象的な二人だ。
片方は3メートルはあろうかというアームスーツに身を包んだ男。
もう一方は、労働基準法に真っ向から挑もうかという外見も精神年齢も小さな少年。ネギ・スプリングフィールド。
そして、その後ろで非常に影が薄くなったしずなが立っている。
完璧に登場の機会を失っていた二人がようやく気がつき、教室に入ったのはマイケルのお仕置きがおわった、具体的に言えば突入10分後のことだ。
彼らの入ってきたドアは既に存在せず、ロープの結ばれた椅子もろとも木屑となり窓から投げ出され、その結果割れたガラスの傷跡が生々しい。
しかも、それだけではない。
教室の中の幾人かの生徒も被害を受けているのである。
主なものは机にめり込んだまま動かない金髪吸血鬼。
横に半分へこんだまま転がっている黒板消しが衝撃の強さを物語っている。
その横で彼女の従者が「マスター。だいじょうぶですかー?」なんて声をかけている。
そしてもう二人。
先ほどの悪戯で頭から煙を出している鳴滝姉妹。
生徒たちから見離され、マイケルのキツイ「教育」を受けたのだ。
ちなみに、マイケルはスーツを着込んでおり、そして彼は元軍人である。
海の男に教官としてしごかれたことから、彼の考えは一部分で非常に極端であったことを付け加えておこう。
まあ、結局のところこれは彼女たちの自業自得だが。
自己紹介を無事?終わらせた二人だが、その後に待っていたのは生徒たちの質問攻めであった。
前にも言ったように、ただでさえ好奇心+行動力旺盛な2−Aの顔ぶれに対し、入ってきたのはこれまた興味を持ちそうな担任が二人。
当然、この機会を放って置くわけがないわけで。
「どこから来たの!?」
「ええと、イギリスから」
「大学とか出てたりする!?」
「オクスフォード大学を2位で取ったぞ」
「質問!あなたは人間ですか!?」
「私はアメリカ大…いや、人間だ!」
その後、先ほどの騒動と同じくらいの、この騒動の回収で一時間授業がつぶれてしまったのは言うまでもない。
前半投下終了。
後半は明日に投下します。
ええ、絶っっっっっ対に投下しますんで。
お待ちしておりました、これから正座して拝読します。
こちらは日付が変わるあたりに投下を予定しています。
すいません、予告しといてかなり遅くなってしまいました。
>>27 GJです!
ほとんど同時期にスタートした者として復活にお祝いと感謝を。
貴作とタッチしての退場を心より名誉に思います。
では、「ネギま!戦国史」第一部最終回投下、開始します。
>>8 「?」
気が付いたアーニャは、体が動かない事に気が付いた。
取りあえず、邪魔な後部座席シートベルトを外し、周囲を見回す。
ドアを開け、車を飛び出したアーニャは目をぱちくりさせる。
「狭い庭…」
「悪かったなぁ…」
アーニャがハッとして飛び出す。
「…アスファルト…電信柱…」
クラクションに気付き、アーニャは慌てて近くの塀に寄る。
「おやおや、危ないよ」
アーニャがそちらを見ると、日本人のおばちゃんが立っていた。
「ワッツユアネーム?」
「あ、え、アンナ・ユーリエウナ・ココロウァ、アーニャ」
「おや珍しい、どこから来たの?」
「ウエールズ…イギリスから」
「そう、野原さんのお知り合い?」
「え、ええ…ごめんなさい失礼します!」
>>29 いかにも近所のオバチャン風な見るからに純日本人の中年女性に
流ちょうな英語で親切に話しかけられ、
アーニャはそれからも続いた英語での会話もそこそこに、
やっとやっとぺこりと頭を下げて野原家に飛び込んだ。
「どう言う事!?」
車の側で、アーニャは絶叫していた。
「ヒロシ、ミサエ、シンノスケ、ヒマワリ、これ、これってどう言う事なのっ!?」
少し困った顔をしたひろしが、黙ってアーニャに手紙を渡す。
「アーニャへ、
野原さんたちは、多分、元の時代に帰れると思う。
野原さんに付いて行けば、一緒に帰れるかも知れない。
だけど、全員が付いていく事は出来ない。
僕は、先生として、みんなをあの時代に連れて来てしまった先生として、
みんなを置いて行く事は出来ない。
みんなも、自分だけが、誰か一人だけ帰ると言う事にはならなかった。
だけど、この機会に誰かが、元の時代に戻って、
元の時代に、僕達の事を知っている人がいて欲しい。
だから、野原さんにお願いして、アーニャをちょっとだけ早く帰してもらう。
それを、アーニャにお願いしたい、アーニャを信じているから、
また会える、また、アーニャと一緒にこの時代でみんなで楽しく過ごす事が出来る、
僕は、そう信じているから。
だから、僕らの事を信じて、少しだけ早く、僕らのいるべき所で待っていて欲しい。
Negi Springfield」
>>30 カサカサと手紙を広げる手を震わせるアーニャの肩を、
しんのすけがぽんと叩く。
「また、会えるよ。ここにいるんだから。
だから、泣かないでおねいさん」
「バッ、バカねっ、誰が泣いてるのよっ!?」
「おおっ、リアルツンデレラなおねいさーん。
でもー、おねいさんかわいーけど、おらー、高校生未満は対象外だしー」
「そーね、チビでボケなガキは私も対象外だから…
でも、ちょっと見所あったかな、十年後またおいで」
つんとそっぽを向いたアーニャが言う。
「ほうほう、チビでボケなガキですか、それはあのお兄さんの事ですかな?」
「そうよ、あんなチビでボケなガキ」
「あれ、おねいさんだってお子様じゃないですか?おむねも無いし」
「失礼ね、私の方が年上よ、それにあのクラスの巨乳率が異常なのよ!」
「ほうほう、そうですか。
でもまー、あのおにいさん、マホラのおねいさんたちにモテモテでしたからなぁ」
「生徒よ生徒、ガキのくせに先生なんてしてるから、勘違いしちゃってバッカみたい」
「おおっ、ジェラシーメラメラですか」
「何でそうなるのよっ!?」
「だって、ねー」
「ねー」
「違うわよっ!!違いますっ!」
思わず口を挟むみさえとひまわりにアーニャが絶叫する。
「あっ!」
しんのすけの声に、皆がそちらを見る。
「おじさんの旗だ」
青空に白く渦巻く柔らかそうな雲、それぞれに感慨を覚える。
>>31 「ここも、空もさ、こうやって繋がってるんだ。
二度ある事は三度あるってな」
アーニャの後ろで、ひろしがカラカラと笑う。
「ね、ひまわり」
「ねー」
「そーだぞ、マホラのきれーなおねいさんたちにも、
おねいさんにモテモテなヤオウなお兄様にもまた会えるんだぞ」
「そうね」
アーニャが不敵な笑みを浮かべる。
「私がいないと思って、いつまでもデレデレしてたり出来ないんだからね、
そーなんだからね、分かったこの
ヴァカネギイィィィィィッツッッッ!!!」
門柱の陰で、どこから見ても事故車、と言うか弾痕事件車と絶叫する謎の白人少女を
北本夫人が大汗を浮かべて眺めていた。
この後、せっかくだからお誘いに甘えてヤキニクをゴチになろうとしたアーニャが
なぜかどこかで聞いた事のある声のツンデレ隊長その他と熾烈なロードバトルを展開。
そんな訳でもう一日延びた滞在期間に未来の売れっ子女流脚本家と意気投合。
恐怖殺伐泥沼修羅場ズブズブドロドロガクガクブルブルサスペンスおままごとの
監修演出に辣腕を発揮、
いたいけなお子ちゃまたちを震え上がらせたのは又別のお話(いや、書かないからめんどいし)。
ネギま!戦国史第一部・了
>>32 えー、第一部、終了です。
そうです、第一部です。しぶとく第二部の用意をしています。これは一つの区切りです。
只、すぐに第二部スタートとはいきそうにない状況です。
余り期待しないで心の片隅に留めていただければ幸いです。
後書きぽいのを書きますと…
マジしんどかったです…
もちろんそれぞれの作品に色々大変な事素晴らしい事はあるのですが、
傑作アッパレの二次に手を出すと言うのはやっぱり半端じゃありませんでした。
それなりの覚えもあるつもりで書き出したのですが、この難易度は想像以上。
描写の一つ一つ、イメージを文字に表現するのに十倍ぐらいの手間が掛かった印象です。
個人的事情で引っ張ったのも確かですが、
前半戦で完全に筆が止まった大きな理由が二つ、風呂としんのすけです。
一通りの事は知っていたつもりでしたが、
次から次へとこれはどう表現すればいいのかと考証で引っ掛かり、
入浴シーンの描写が決定的に出来ませんでした。
かと言って、やっぱりラブひな、そしてそれ以前からの様式美ですので、
これを外すと言うのはこちらの作品構成からも出来ず、
蒸し風呂は分かっていましたがそれ以上の描写をどうするかでかなりの手間が掛かりました。
それで正確に描けたのかと言われると…そこまでは、です。はい。
>>33 そして肝心のしんのすけ、
ファースト・コンタクトがなかなか浮かびませんでした。
一見してどちらもネアカでノーテンキではまりやすくも見えますが、
元来しんのすけにはおねいさん好きと同時に対象年齢制限と言うのがあります。
「ネギま!」は「ネギま!」でもドラマ版ではないのでまずそっちに引っ掛かってしまいます。
おねいさん好きで積極派のしんのすけが対象外のマホラ・ガールズと最初にどう絡むか、
そもそも感情的に接点すら無いのではないかとかなり頭痛かったです。
これは結局試行錯誤の末案ずるより産むが易しみたいな結果になりました。
まあ、どう見ても中学生に見えないのが揃ってますしw
しんのすけが千雨をいじったり美砂と意気投合したり隊長とお遊戯したり、
さすが最強の5歳児ですが、やっぱり自分で書いてなんですが亜子がやってくれました。
それに、あの天然女殺しをひまわりが見逃す筈がない訳で。
とにかく、野原一家とネギ・パーティー、一度かみ合って回り始めると
この歯車もいい感じで勝手に回り出してくれて、
第一部でお別れなのが名残惜しいコラボになりました。
ネギ・パーティーは色々ありますが、私の見た所では
優しい人達であり、本質的に大事な事を知っている、
その点においてだけは決してバカではありません。
それが、自分はもちろん他人の生き死にに関わっていく。
それだけの必然性、絆を描くには私の頭ではとにかく積み重ねしかありませんでした。
その分、スリリングな事件を次々と起こして刺激すると言う作りには出来ず、
短期決戦向きであるスレSSの展開としてはこれも苦戦を覚えました。
後は読者の皆さんの感じ方ですので、作者としては取りあえずここまでやって見ました。
何れ、機会があったら又お目に掛かりましょう。そのつもりで準備中ではあります。
−了−
すいません最後が抜けていましたorz
ここまで引っ張ってしまいましたが、ご愛読ありがとうございました。
読者の方々、元ネタとなった傑作に心よりの感謝を込めて、
今度こそ、−了−
乙です。そしてGJ
第二部も期待しています。
やっぱりどっちも見ていて楽しい
大統領の人、ゲーム未経験とはいえ
大統領のハチャメチャぶりが活かされている
そして明日菜のストレスも原作より五割増しといった所か
確かに大統領は高いよな、動画サイトなどで見るのが妥当な判断かな
クレしん戦国史の人
今までこのスレを支えてくださって本当にありがとうございました
第二部にも適度に期待しています(過度な期待はアレなのでね)
保守
あー、それでは政務多忙のミスタープレジデントに代わりまして、
と、言う訳でもありませんが(むろん冗談であり感謝であり催促ではありません念のため)
準備してた作品前倒しで投下してみます。
もう一繋がりにはなっていますし、やるからには完結させるつもりで投下しますが、
途中引っ掛かるかも知れませんのでその辺はご勘弁を。
これから開始するSSですが…
原作ネギま!でもリスペクトバリバリ、あの不朽の国民的名作漫画です。
ではこれより「のび太のin麻帆良祭」投下開始します。
「今回もすっごい冒険になったねー」
タイムマシンの上でスネ夫で両腕を広げる。
「おおよっ、あそこで俺の一発が決まったってのが」
「でも疲れたー」
「だらしないなーのび太は」
へばったのび太にジャイアンがガハハと笑う。
「早く帰ってお風呂入りたいわー」
「もうすぐ着くよ、いつも通り出発の五分後に…」
ドラえもんが言いかけた時、超空間にビービーと不穏な電子音が響き始めた。
「な、何っ?」
「アラームだ」
タイムマシンから響くアラームにドラえもんの表情も真剣なものとなる。
「あ、あれ、あれっ!」
スネ夫が背後を指したそちらからは、
何か白いものが猛スピードでのび太達のタイムマシンに突っ込んで来ていた。
経験上、のび太たちにはそれがタイムマシンである事は分かっていた。
無論、この超空間に存在し得る時点でタイムマシンでしかないのだが、
何か船の様なカプセルの様な独特の形状にロゴ、この乗り物に彼らは見覚えがあった。
>>39 「あれ、故障してる?」
スネ夫が白いタイムマシンを指さす。
白い乗り物のひびの入った箇所からバチバチと電撃が弾け黒煙まで見え始めた。
「まずい、このままでは…
空間強制離脱!!」
のび太たちは、白い乗り物が虹色に光るのを見ていた。
そして、超空間にバチバチと不穏な光が広がるのも。
「まずい!」
ドラえもんが叫ぶ。
「何かをする気だっ、巻き込まれるっ!!」
「ドラえもん、急いでっ!」
のび太が悲鳴を上げる。
「分かって…」
「ん、んー…」
草木の、土の匂い。
のび太が頭を振って起きあがろうとする。
「ここは…」
周辺は、真っ暗な森の中だった。
「おーい、無事かー?」
「おーっ」
「うん」
「大丈夫」
ドラえもんの呼びかけに、三々五々集合する。
「ここって…」
「裏山。元々到着寸前だったから」
のび太の問いに、ドラえもんが答える。
>>40 「あっちにさっきのタイムマシンが」
スネ夫が言う。
「行ってみよう」
一同が、裏山に転がる白いタイムマシンに駆け寄り、ドラえもんがハッチを開いた。
中には、制服姿の若い男が倒れている。
「大丈夫ですか?」
ドラえもんが制服青年の身を起こす。
「ケガしてる…」
しずかが言い、青年がうめき声を上げる。
「君たちは、あの、タイムマシンの…」
青年の問いに、ドラえもんが頷く。
「タイム・パトロールの人ですか?」
ドラえもんが尋ねた。
「ああ…ここは…今、今は…」
「2003年6月18日夜、東京都練馬区月見台ススキヶ原…」
「そうか…時空間サーチ&アタックを力ずくで振り切って…
まだ間に合う…いかなければ、まほら、がくえん、ちゃお、りんしぇん…
このままでは、世界に…」
その時、アラームと共に白いタイムマシンがガクガクと揺れ始めた。
「いけない、離れて、ここは危険だっ!」
「でも、あなたがっ!」
のび太が言う。
「いいからっ、私は大丈夫、応援を呼ぶ事は出来る、早く離れて暴走するっ!!」
その切羽詰まった声に、スネ夫を先頭にドラ・パーティーが悲鳴を上げてタイムマシンを離れる。
振り返った五人が見たのは、ガクガクと地震の最中の様に揺れる白いタイムマシンだった。
「あーーーーーうーーーーーーー………」
そして、それは一瞬見えた暗闇の中にぷつっと消滅した。
>>41 「うーん…」
「どう、ドラえもん?」
裏山の中に無事転がっていた自分たちのタイムマシンでのび太の部屋に入った一同が、
腕組みして唸るドラえもんに声を掛ける。
首を傾げたドラえもんが、四人に紙片を渡す。
「これが、宇宙完全大百科に入っていたまほらがくえんちゃおりんしぇんの検索結果だ」
「ふーん、中学三年生なんだ」
「でも、中学三年生で凄い人みたい」
のび太の側でしずかが言った。
「ここまでなんだ」
ドラえもんが言う。
「データベースに何らかのプロテクトが掛かってる」
「プロテクト?」
のび太が言う。
「コンピューターに外から入れない様にする仕組みの事」
スネ夫の言葉にドラえもんが頷く。
「うん、宇宙完全大百科は、そのデータが余りにも膨大だから、
惑星ほどもあるデータベースを宇宙に浮かべてそこから情報を引き出す仕組みになってるんだ。
だけど、今回麻帆良学園、超鈴音をキーワードに検索すると、
その大部分のデータにアクセス出来ない様に妨害されてる。
それも、普通ならそうとは気付かない、このデータが全部だと思ってしまうぐらい巧妙に。
こんな事は初めてだ」
ドラえもんが真剣な顔で唸っていた。
「なんか、大変な事になりそうな、そんな感じだった」
のび太が不安そうな表情で言った。
>>42 「麻帆良学園?」
「スネ夫、何か知ってるのか?」
ジャイアンが言う。
「もうすぐ学園祭だって、なんか凄いイベントが色々あるって聞いてるけど」
「おーっし、何があるか行ってみようぜ」
「どうする、ドラえもん?」
のび太が不安そうに言った。
「あのタイムパトロールの人の様子はただ事じゃなかった。このプロテクトも。
あの人がうまく連絡してタイムパトロールで解決出来ればよし。
タイムパトロールなら大丈夫、だと思う。
だけど、そうじゃなかったら…」
「なかったら?」
のび太が聞き返す。
「今、この時代の事みたいだった。
今、この時代で何か大変な事が起きる、そんな感じだった。
行って、確かめてみよう。タイムパトロールが解決してくれているならお祭りを楽しめばいい。
そうじゃなかったら…」
「やるか」
ジャイアンが言う。
「僕らで」
のび太、スネ夫が息を呑んで言う。
「そんな事にはならないと思うけど…とにかく、行って確かめてみよう」
ドラえもんが決断した。
「おーっ!」
今回はここまでです。続きは折を見て。
引き続き、今回の投下、入ります。
>>43 「賑やかねー」
6月19日、麻帆良学園都市の駅から学園に向かう最中、しずかが言った。
「明日からお祭りだからね」
ドラえもんが言う。
「このまま、学校まで行って超鈴音に会いに行くのか?」
ジャイアンが言う。
「いや、この騒ぎだとそれで見付かるかどうか。
んーと…あった。人さがしがさー」
ドラえもんが取り出したのは、頭に矢印の付いた雨傘だった。
「たずね人ステッキだと三割間違うし、みんな仮装してるから晴れてても不思議じゃないでしょ」
そう言って、ドラえもんが傘を開く。
「…空?」
一同が、矢印の向いた青空を見上げた。
「おかしいなぁ…」
ドラえもんがもう一度傘を開き直しても、矢印は空に向いてぐるぐると動いている。
「壊れたかなぁ?」
「行ってみようぜ」
首を傾げるドラえもんにジャイアンが言い、五人はタケコプターで飛び上がった。
>>44 「うわあっ!」
タケコプターで上昇したのび太が、いきなり強い衝撃を感じて悲鳴を上げた。
「のび太君っ!?」
「たたた…」
のび太が前を見ると、屋根の上で中学生ぐらいの女の子が尻餅を着いていた。
星形の髪飾りを付けた割と可愛らしい娘だ。
「あ、大丈夫?…」
「どうしたの愛衣っ!?…」
「あの人が、急、に目の、前に…」
「………」
「………」
少しの間、沈黙がその場を支配した。
「空を、飛んでる?不意打ちの妨害、超鈴音の一味?」
屋根の上で高音がぶつぶつ言う。
「!?」
次の瞬間には、影法師が一斉にドラ・パーティーを襲撃していた。
「何だ何だっ!?」
「うわっ!?」
「なんかないかなんかないか、空気砲ーっ!どっかーんっ!!」
「何っ!?」
双方が叫んでいた。圧縮空気が影法師を貫通し、土手っ腹の風穴が見る見るふさがる。
「な、なんだよあれーっ!?」
スネ夫が悲鳴を上げる。
「な、何?捕獲急いでっ!」
「正体スコープーッ!えーっと…影?」
「ドラえもーんっ!」
空を自由に飛び回るドラ・パーティー相手に操り手の高音も勝手が違っていたが、
それでも徐々に追い詰め始めていた。
>>45 「えーっと…あったっ!
かげとりもちーっ、ビッグライトーッ!みんなこっちにっ!!」
ドラえもんの呼びかけにドラ・パーティーがドラえもんに向けて飛び、
その後を影法師が追跡する。
仲間四人と空中ですれ違ったドラえもんがかげとりもちを投げ付け、
ひゅんひゅんと回転しながら影法師に向けて飛ぶとりもちがビッグライトで巨大化する。
「な、何なのっ!?」
巨大化したとりもちに絡め取られて機能を停止する影法師を前に高音が悲鳴を上げる。
“全員捕獲っ!得体の知れない術を使う気を付けてっ!!”
“了解!”
「箒で飛んだあ!?」
「魔法使い?すごーいっ!」
のび太としずかが悲鳴を上げ、愛衣が空中で腕を掲げた。
「メイプル・ネイプル・アラモード…
紫炎の捕らえ手っ!」
「わわわわっ!」
「ドラえもーんっ!」
四散したドラ・パーティーの中でスネ夫としずかが拘束された。
「カチンカチンライトと粉砕ハンマーっ!
ジャイアン!!」
「おおよっ!」
紫炎の捕らえ手にライトが浴びせられ、
ジャイアンが普段はドラえもんの謝罪自決用に使われるハンマーをそれに叩き付ける。
「そんなっ!?」
音を立てて崩壊する炎に、愛衣が悲鳴を上げた。
「くっ!」
「ひらりマントーッ!」
愛衣が無詠唱で引き続き拘束魔法を放ち、ドラえもんがひらりマントで回避する。
ドラえもんがスネ夫にひらりマントジャイアンに空気砲を渡す。
>>46 「…?…わっ!」
「のび太君っ!!」
のび太のタケコプターが弾け飛び、ドラえもんが慌ててのび太の手を取る。
「どっかーんっ!」
そして、ガンドルフィーニからの念話を受けて急接近していた愛衣の前を
圧縮空気が通り過ぎる。
「やはり、あのプロペラか」
近くの屋根でガンドルフィーニが拳銃の遊底を引いた。
「狙い撃ちされる、人混みに入ろう!」
「あれ?あれあれ?ドラえもーんっ!」
一度着地したはいいが、ちょっとした隙に本当に人混みに流されたのび太が悲鳴を上げた。
影法師を引き連れて前方をざしざしと歩く高音の姿をみとめたのび太が慌てて建物の陰に入る。
そして、更に慌てて建物の角の向こうに隠れた。
“…ピ、ピストル?…”
角から覗いたのび太の視界に、銃口を上に向けたガンドルフィーニの姿。
のび太がポケットに手を突っ込む。持ち出していたスペアポケット。
のび太は息を呑む。だが、目的が達せられた時、それは数少ない自信に変わった。
「!?」
ガンドルフィーニが、とっさに両腕を体の前でクロスする。
「ショックガンが、効かない!?」
効かないと言っても仕方がない、のび太は撃ちまくりながら後退し、逃走する。
角から更に奥に逃げた所で強い力で引っ張り込まれた。
「しっ!」
目の前で、ドラえもんがしずかと共に口の前で指を立て、
かぽんとのび太に石ころぼうしを被せる。
「た、助かった…」
>>47 なぜか人のいない小道で、
スネ夫は愛衣の放つ紫炎の捕らえ手をひらりマントで弾き返していた。
「こ、これ以上近づくと、撃ちますよ」
スネ夫が言うが、愛衣は歩みをやめない。
「仕方ねぇ…どっかーんっ!」
ジャイアンが空気砲を放ち、愛衣が箒で叩き落とす。
「ジャイアンッ!どんどんっ!」
「おうっ!」
空気砲が連射され、意外な攻撃に愛衣も風楯を張って歩みを停止した。
両者の目がぐっと見合った瞬間、爆発音に両者腕で顔を押さえる。
こけおどし手投げ弾を放り込んだドラえもんが
その隙にジャイアンとスネ夫に石ころぼうしを被せ手を引いてその場を離脱した。
「愛衣、彼らは?」
「逃げられ、ました…」
後ろから現れた高音に、愛衣がきょとんとして言った。
「先生」
高音の呼びかけに、ガンドルフィーニが首を横に振る。
「ケガを?」
愛衣が言った。
「大した事はない、が、障壁を集中させていなければ危なかった。
通常なら気絶させる程度の光線銃の連発だ。
それも、恐ろしい程に的確な射撃で連射して来た」
「何者?」
高音が呟く。
「魔力は感じられませんでした」
愛衣が息を呑んで言う。
「私もだ。しかし、あれだけの不可思議な術を使う…
うむ…急ごう、念話が入った、今からなら超鈴音に追いつける」
>>48 「何だったんだよあれ?」
夕方の空き地で、スネ夫が息を切らせていた。
その傍らでドラえもんがどこでもドアを四次元ポケットにしまっている。
「魔法使いだった」
しずかがぽつりと言う。
「まさか…」
スネ夫が言うが、否定に力がない。
「とにかく、これで振り切ったと思う。
これからの事は慎重に考えよう」
ドラえもんもじっとりと汗を浮かべて言った。
「くえーっ」
「取りあえず担任であるネギ先生の預かりと言う事になりましたが、
何か分かりましたか?」
「こちらで感知した正体不明のステルス体を追跡しました。
魔力は感じませんでしたが、ドアの形をした高度な転移能力を持っており、
間一髪で滑り込んで追跡に成功しました。
そちらから情報のあった小学生とタヌキの五人組です。
場所は練馬区月見台…」
「何者でしょうか?」
「フム、タケコプターか…この時代で珍しいものを見たネ…」
今回はここまでです。続きは折を見て。
引き続き今回の投下、入ります。
>>49 「極大・月見乃夜桜」
葛葉刀子教諭が納めた野太刀と共に、深夜の野比家は時ならぬ夜桜に包まれた。
刀子は、紙人形を一枚玄関ドアの隙間から差し込む。
程なく、刀子は玄関から堂々と野比家に入り込んだ。
何枚もの紙人形がチビ刀子に化けて四方に散り、程なく戻って来る。
音もなく階段を上り、襖を開けた刀子は、布団の脇で膝を着く。
「うっ」
次の瞬間、小柄を抜いた刀子はそれを自分の左腕を突き刺し、そのまま布団をはいだ。
“…強力な強制認識?感じた事の無いタイプ…”
「人形?」
小柄が貼られていた代用シールを跳ね飛ばし、
刀子の左手には立体コピー紙で作られたのび太人形の首が掴まれていた。
「神鳴流奥義・百烈桜華斬!」
首を離した刀子の左手が即座に野太刀の鞘を掴み、斬撃一閃と共に
刀子は窓をぶち破って逃走した。
>>50 少し間を置いて、のび太の部屋の押し入れの奥のかべ紙秘密基地から
ドラ・パーティー(いわゆる大長編映画五人組の事)がぞろぞろと姿を現す。
「まさかとは思ったけど…」
「本当に来やがった」
スネ夫とジャイアンが言う。
「正義ロープが全滅だ…」
ドラえもんが、バラバラに散らばるロープを手に取ってぞっとしていた。
「骨川家、ターゲット不在」
「剛田家、ターゲット不在」
刀子が額にカードを当てながら屋根から屋根へと跳躍する。
「…小賢しい!…」
そして、ぐわっと目を剥き、気弾のこもった右腕を振った。
「気付かれたみたいだ」
仲間と共にタケコプターで飛行しながら、
画像の消えたスパイセットのモニターをしまってドラえもんが言う。
その代わりに、携帯ミサイルの束を取り出した。
「ちょっと、それ、そんなに…」
「顔と方角は覚えさせた、これだけの相手だ、良くも悪くも時間稼ぎだけだ」
しずかの言葉にそう応じて、ドラえもんがミサイルを発射した。
>>51 「神鳴流奥義・斬空閃っ!」
急遽スピードを上げた刀子が急停止して振り返り、
野太刀が閃くと共に大量のゆうどうミサイルが遙か彼方で一斉に爆発する。
「追い付いた」
刀子が周囲を見回すと、タケコプターで浮遊したドラ・パーティーが
屋根の上の刀子を取り囲んでいた。
「貴様が首魁か化け狸」
「バケッ!?…」
納めた野太刀に手を掛けて言った刀子の言葉に、ドラえもんの口があんぐりと開く。
「そっちこそ、完全に包囲されてるからね、無駄な抵抗はやめた方がいいよオバ…」
次の瞬間には、ショックガンを手に言いかけたスネ夫の目の前で、
刀子の刀と、相手は刀らしいと持たされていたのび太の電光丸がぶつかった。
双方の刀が弾けた次の瞬間には、たっと退いた刀子の胸元を電光丸がかすめていた。
“…今のに反応して、反撃まで?…”
「神鳴流奥義・斬岩剣!斬空閃っ!!斬鉄閃っっ!!!」
細切れですいませんが今回はここまでです。続きは折を見て。
新連載age
では、今回の投下、入ります。
>>52 「のび太君っ!」
「のび太っ!」
「…謎の術を使うと聞いていた…出来ると思ったが…もしや、殺ったか?…!?」
煙を突っ切る様にのび太が現れ、刀子が間一髪で鋭い斬撃を交わす。
「この子、出来る!」
「うわっ!」
黒い光を帯びた目をぐわっと剥いた刀子とのび太の刀身が激しくぶつかり、
のび太が辛うじて押し返し距離をとる。
「のび太っ!どっかーんっ!!」
「危ないっ!」
ドラえもんがジャイアンの前に飛び、
圧縮空気を呑み込んで突き進む斬空閃をひらりマントが切り裂く。
「!?」
サッと振り返った刀子が間一髪で背後から襲いかかった電光丸を受け太刀し、
刀子の蹴りが間一髪で電光丸に受けられ、
次々と繰り出される刀子の斬撃もことごとく跳ね返される。
その間にも刀子はジャイアンの放つ空気砲の圧縮空気を弾き飛ばし、
ショックガンで狙いを付けるスネ夫に左腕から気弾を放つ。
「ええい、ちょこまかと…くっ」
のび太が刀子のいる屋根に着地した。
何度となく刀身がぶつかり合い、双方すれ違う。
間一髪相手の刀を交わし、飛び退いて距離をとった刀子は、自分の眼鏡が無い事に気付く。
「あっ、ごめんなさい」
思わずのび太が口にした。
「神鳴流決戦奥義、真・らいこ…」
「!?」
>>54 二人の間に、ざざざっと何かが弾ける。
“熱くなるな、これ以上は認識阻害にも限度があるぞ”
“神多羅木さん”
念話を交わした刀子が小さく頷く。
「いたっ!」
スネ夫が叫び、ジャイアンと共にタケコプターで別の屋根に立つ神多羅木に近づこうとするが、
鋭い威嚇のカマイタチが無詠唱で二人の側を通り過ぎる。
「くっ、僕の後ろに」
ドラえもんがひらりマントを手に仲間を後ろに隠す。
刀子が引き揚げ、
電光丸につられてそれを追おうとするのび太の前の屋根に更にカマイタチが弾ける。
電光丸がそれを察知して動きを止めた。
「はひー…」
刀子と神多羅木が姿を消した後、のび太が屋根の上で腰を抜かした。
「のび太さん」
「のび太君、大丈夫?」
「疲れた…」
「まあ、電光丸だもんな…」
スネ夫が言いかけた瞬間、電光丸の刀身が砕けた。
「あたたた…」
「のび太君?」
ドラえもんは、
お医者さんカバンと、電光丸に接続した携帯コンピューターの出した結果に息を呑んだ。
「ひどい筋肉痛、完全なオーバーワーク、こんな事って…」
「のび太だからなぁ」
「いや、電光丸はチンピラの一万人でも相手にしない限りここまでの事にはならない、
それだけの解析能力と身体保護機能を持ってる筈なんだ、例えのび太君でも」
笑うスネ夫にドラえもんが真剣に言った。
>>55 「あのオバサンがそんだけおっそろしく強いって事か」
ジャイアンが言って一瞬ブルッと腕組みし、ドラえもんが頷く。
「これから、どうするの?」
しずかが尋ねる。
「もう大丈夫だと思うけど、裏の裏って事もある。
今は家に戻らない方がいい」
「待ち伏せかよ」
ドラえもんの言葉にジャイアンが言い、ドラえもんが頷く。
「あっ」
タケコプターで飛行しながら、石ころぼうしを被ったのび太が声を上げる。
「どうしたのび太?」
「あ、あれ」
のび太の視線は、眼下に見える星形の髪飾りに向かっていた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
まとめWikiがとまってるけど・・・
勝手に更新しちゃっていいの?
どうなのだろうか…しても良いんじゃないだろうか?
トップページを更新。
うぃきの加工なんて初めてだから緊張したぜ・・・
一日のつもりが一週間以上になっちまった!
申し訳ございません(汗。
遅れていますが、作品のほうは続けていきたいと思います。
なんとか、何とか近日中には!
そういや、Wikiの作品のほうも更新しなきゃいけないな。
そこんとこ、どうします?
>>59 どうも、その間に割り込ませてもらいました。
まずは乙です。
それでは今回の投下、入ります。
>>56 “います”
月見台すすきヶ原の路上で、愛衣が念話を発しながらつと上に視線を向ける。
“正体は分かりませんが何か、恐らく麻帆良で察知されたステルス体ではないかと”
“つまり、あの五人組って事ね?”
“推測が正しければそう言う事になりますお姉様”
“詳しく分かりますか?”
ナツメグの念話が加わる。
“いえ、何かがいると言う事だけで、大まかな方角を言います”
「あーあ、完全に家出だなぁ」
「今夜はここでキャンプか」
裏山でスネ夫がぼやき、ジャイアンが周囲を見回す。
「大丈夫かな?なんか、気付かれてた様な気が…」
のび太が言う。
「あの女の子を見付けてから大急ぎでここまで来て、
石ころぼうしも被ってるから大丈夫、だと思うけど、
今回の相手はよく分からない能力を持ってるから…」
皆石ころぼうしを被ったままで、ドラえもんも不安を隠さない。
>>60 (石ころぼうしの範囲については出典によって違います。
本来、五感に感知されても気にされない道具の筈なのですが、
「魔界大冒険」では互いに見えない、声は聞こえる、匂いはする、
「創世日記」では石ころぼうしを被った者同士では効果はなくなると言う事で、
「創世日記」に会わせました)
「魔女なのかしら?」
しずかが言う。
「分からない」
ドラえもんも、そう答えるしか無かった。
「ちょっ」
スネ夫が言う。
「どうしたスネ夫」
「今、何か…」
「ホントかよ…」
「ちょっと待って…コノ道トーリャンセチャート!」
ドラえもんが地図状の道具を取り出す。
「本当は目的地までの安全を確認するための道具なんだ。
チャートセット!…チップセット!…
一応、家までの安全路って事で設定したけど…いる…」
裏山の地図に、敵を示す黒いチップが三つうごめいていた。
「近づいてる、隠れて」
一同が手近な茂みに入った。
そこに、つかつかと愛衣が姿を現す。
そして、きょろきょろと周囲を伺っていた。
「この辺りで察知した筈…メイプルネイプル…」
「…やめろおっ!」
「のび太君っ!?」
「のび太っ!?」
「のび太さんっ!?」
のび太の信じがたい行動に、仲間は驚愕した。
>>61 ガサッと茂みが動き、愛衣は振り返る。
腕の防壁でショックガンを受けた愛衣は、即座にその出所にサギタマギカを放つ。
「紫炎の捕らえ手っ!」
そして、石ころぼうしが破れ丸見えで伸びているのび太を拘束した。
「くっそっ」
「待ってジャイアンっ!」
飛び出そうとするジャイアンをドラえもんとスネ夫が押さえ付ける。
「のび太を見殺しにするのかよっ?」
「見ただろ?あんなの勝てないよっ!」
スネ夫が泣き言を言う。
「チャンスを伺うんだ、必ず助け出す」
ドラえもんが言う。
“五人組の一人を捕らえました、眼鏡の少年です”
“分かりました、すぐ向かいます”
念話を終えた愛衣がのび太に近づく。
捕獲用に出力を抑え、気絶させただけの自分の手際に満足する。
「…せ…ない…」
「?」
「ここで…ほのおは…つかわせない…」
「そのために?」
そこに、高音と夏目萌が到着する。
「確かに、この少年ですね」
「あった」
離れた茂みで、ドラえもんが布切れを取り出した。
「物体変換クロスーっ」
>>62 「………」
高音は、一枚の木の葉を手にしていた。
その背後で、愛衣と萌が目を丸くして呆然と突っ立っている。
「愛衣…」
「…はいっ」
「子供が木の葉に?ペーパーゴーレム?
まさか、こんな初歩的なふざけた魔術にまんまと騙された、なんて言わないでしょうね?」
「そんな筈はありませんっ!」
愛衣が悲鳴を上げる。
「魔力は一切感じませんでした。あれは、確実に実体でしたっ!信じてお姉様っ!!」
「確かに、魔力は感じませんね…」
高音に近づいた萌も首を傾げる。
「式神と言うもの?だとすると、夕方に超鈴音を助けた桜咲刹那の関係をもう一度…」
「ここは、大丈夫かな?」
ポップ地下室に作った応接セットで、
ホットミルクのカップを手にスネ夫がきょろきょろと周囲を見回す。
「ここに秘密基地がある事はヒミツゲンシュ犬に飲ませておいたから見付からないとは思うけど」
ドラえもんが言った。
「来た時は来た時、ビクビクしててもキリがないだろ!」
ジャイアンが叫ぶ、空元気なのは分かっていた。
「お家には帰れないの?」
「家は見張られていると思った方がいいだろうね」
しずかの言葉にスネ夫が応じた。
「僕もそう思う」
ドラえもんが言う。
「何なんだよあいつら…」
ジャイアンが言う。
>>63 「あーもうっ、家にも帰れない裏山で野宿明日はまだ学校だってのにーっ。
あんなの警察でもなんでもなんとかならないのっ?」
スネ夫がかんしゃくを起こした。
「難しいだろうね、超能力者か魔法使いみたいな相手、言っても信じてくれないよ」
のび太が言う。
「取りあえず、これからの事を考えよう」
ドラえもんが言った。
「その、超能力者か魔法使いか、
とにかく、僕にもよく分からない能力の相手に僕らが付け狙われている事は確かだ。
そのスタートが麻帆良学園。
明日から学園祭で外からも入りやすくなる、これはチャンスだ。
手がかりは麻帆良学園、超鈴音、これしかない。
ここから、そもそも一体何が起きてるか、そこから突き止めて、
解決して、タイムマシンで戻る」
「それしか、なさそうだね」
ドラえもんの言葉にのび太が言い、一同が頷いた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
保守
出来は非常に悪いが、10分後に投下します。
期待はしないでくれ。自分でも頭を抱えるほどなのだから。
それでは、搭乗手続きを開始します。
投下を開始し「稚拙な文章を書きやがって!鉛玉のチケットをたらふく喰らいな!」
校内中に授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響き、しばらくして授業から開放された生徒たちがぞろぞろと中庭をうろつき始める。
小中高さまざまな学年の学生が歩くその中に、初めての授業を終えたマイケルが混じっていた。
「ン〜。まったく、ジャパニーズガールがあれほどパワフルだとは思わなかったぞ」
ゴキリと肩を鳴らすマイケル。
彼がパワフル、と例えたのは2−Aの歓迎会、およびにその後に起こった質問攻めのことである。
彼の故郷アメリカでも決してない、というわけではないが、2−Aのそれはまさに常識を脱した凄さ、であった。
ちなみに、冒頭でも述べたが、2−Aは異端児が集まったクラスである。
この学園内ではどちらかといえば非常識にあたる部類の集団であり、この学園の常識と考えるのは非常に間違っている。
しかし、ついさっき担任になったマイケルにはそんな事知る由もなかった。
「それにしても、ずいぶんと個性的な生徒たちだったな。まさに、人種のサラダボウル」
マイケルはコンテナから2−Aのクラス名簿を取り出し、パラパラとめくって、紙面を眺める。
上質なノートの上に描かれた少女たちの顔は、先ほどまでマイケルが教室で眺めていた顔ぶれである。
「それに、これまたずいぶんと‘要注意’な人物もいるようだ」
紙面の教え子のうちの何人かに目を留めたマイケルのカメラアイが赤く光る。
彼に要注意人物と言われた生徒は、その写真の中に複数いた。
まず、名簿15番 桜咲 刹那。
容姿は、少々背の小さな、髪を後ろにまとめたいわゆるポニーテール(絶滅危惧種)の髪型の少女。
学園長からの情報では、いわゆるサムライというやつで、京都出身で神鳴流とやらの使い手らしい。
学生でありながら、学園の警備を任されているあたり、相当の実力者なのだろう。
それだけなら現役の兵士であるマイケルにはまったく問題はない。
が、マイケルが刹那を要注意とした理由、それは、彼が入ってきてから始終彼女がマイケルに殺気を向けていたからである。
刹那は見た感じは普通の少女であるが、同じようにマイケルとて教師であると同時に、戦場を駆けた陸軍兵士である。
自身に向けられた殺気ぐらい探知するのはお手の物であった。
しかし、ここで脳裏に疑問がよぎる。
マイケルの周りにも、才女のオペレーターや、勘違いでこっちを攻撃してきた部下やクーデターを起こした親友といった、ずいぶんと個性的な人物はいた。
だが、会って早々の、それも学園に着たばかりの新任教師が殺気を向けられる筋合いはない。
なぜ彼女は自分に殺気を向けたのだろうか?
「まあ、考えていても仕方がない。先人は言ったものだ。悩むより突っ込め!だとな」
そう思い直して他の顔ぶれに目を通す。
他にも、同じように学園の警備をしている龍宮 真名、そして長瀬 楓両名。
ほかのクラスメートには隠しているようだが、お互いに中々の使い手だそうだ。
マイケルが来た祭、刹那と違い、この二人は騒ぎもせずにゆったりとおちついていたところを見ると、中々肝が据わっている。
特に真名のほうは同類の匂いがしたあたり、話が合いそうだ。
でもって、一番マイケルが警戒している人物が・・・
「名簿3番、朝倉 和美。報道部所属で、あだ名が……‘2−Aのパパラッチ娘’か」
パパラッチ。そう呟いたマイケルのマスクに隠れて見えない顔がわずかに苦笑する。
それもそのはず、彼は前の世界で、なんともしつこいレポーターに追い掛け回された経験があるからである。
おまけに、
「では、新聞は銃より強し!MNNリポーター、朝倉和美でした〜〜!」
なんて最後に言い放った。
正直、あの男のあの発言は今でも耳に残っている。
というか、時折夢にまでも追っかけてくる。
おそらく、異世界広しといえども、古今東西あのような記者が出ることはありえないだろう。
彼は唯一大統領に立ち向かえる男であるからだ。
そして、あって間もないはずの目の前の少女からそれと同じオーラがにじみ出ていることも十分にマイケルを警戒させる。
「……いや!教師として生徒を疑うことはあってはいけない事だ!私としたことがなんというザマだ!!」
生徒を疑ってしまった己の不甲斐ない精神に、こぶしを握って自身への怒りを表現するマイケル。
それにより、手に持っていた大切な名簿が粉砕されてしまったが。
「そうと決まれば、まずは2−A授業スケジュールからたてなければ。今日は忙しくなるぞ!」
これからの生活に意義込みをかけて、マイケルは自らの宿舎……郊外にある家へと歩みを進める。
脇目に森がちらつく、森に沿った道を通って、帰路に着く。
その途中、彼は遠目に林の中に入っていく人影を発見した。
「ん?」
マイケルが見たものは、林の中に入っていくネギと明日菜だった。
さて、後日正確に言えば修学旅行の最中に彼の朝倉に対するこの信用が無残にもぶち壊されることとなるが、それは後の話である。
ここは麻帆良学園の敷地内にある、巨大な森。
巨大な複合都市である中心部とはとは打って変わって、そこには緑豊かな自然が大地を覆っている。
そこに、男子教師とその教え子が二人、歩道から少し離れた場所で話をしていた。
なにやらR18的なシチュエーションであるが、実際にしていることは激しい話し合い……つまりは喧嘩である。
「あんたって、超能力者だったのね!?」
「ええっ!?ちちち違います!僕は魔法使いで……」
「ほとんど同じじゃないの!!」
その内の一人……明日菜がネギにつかみかからんとばかりに激しく詰め寄る。
対するネギはしどろもどろになって、本人にとっては言い訳か弁明なのだが、明らかに失言である言動を繰り返している。
軽く、いやかなりパニックを起こしているようだ。
そう、それもそのはず、明日菜に魔法の存在がばれてしまったのである。
それでどうにか誤魔化そうにしても、本人は混乱し、それもよりにもよって彼女の目の前で魔法を使ってしまったのだ。
現在、魔法とは、その力ゆえにこの世界の社会において秘匿された、それこそ一般人ですら極一部しかしらない代物である。
それゆえに、世界の混乱を避けるため、魔法使いは決して魔法を使うのを知られてはならない、という法令がある。
もし掟を破れば、その魔法使いははオコジョにされた上で追放処分とされてしまうのだ。
なぜ、オコジョになるのか、誰がそれを取り決めたのかは知られていないが。
では、なぜネギはよりにもよって明日菜の目の前で魔法を使ってしまったのか?
波乱の初授業が終わったネギは、マイケルと同じように庭園内をうろついていた。
マイケルは平気であったが、まだ子供であるネギは相当疲れていたらしく、休み時間を座ってすごしていた。
そこに、彼は目の前で自分の教え子である宮崎のどかが階段を踏み外すのを彼は目撃してしまったのだ。
下は石畳でできた道。
もしそこ落ちれば、貧弱な少女の体では大怪我どころではすまされないだろう。
ネギは必死に明日菜を説得しようとしているが、明日菜は全く聞き耳を持っていなかった。
明日菜としてみても、朝からいろいろあったために激情に身を任せてしまい、普段の冷静さを欠いた状態であったのだ。
しかし、当人の状況を知っていれば、無理もない。
幼いころから面倒を見てくれた、愛する人は病院で包帯でぐるぐる巻きに成り果て。
その担任の代わりに来たのは、でっかいロボット。
そして、副担任は自分の嫌いながきんちょ。
おまけに、自分に失恋の相が出てるとまで言い放った子供。
ここまできて、怒りを抑えろというほうが不可能話であった。
恩人が怪我をして、その代わりがロボットや魔法使い。
まるで自分を馬鹿にしたような立ち回りに、ついに彼女のたまりに溜まっていた怒りが爆発したのだ。
「うううう〜〜〜」
涙目になりながら、ネギは頭の中で必死で考えをめぐらせていた。
しかし、パニックになった彼の頭ではまともな思考ができるはずもなく。
「魔法使いに関する記憶を消す」
という最悪の言葉が浮かんでは消える。
魔法使いは相手の記憶を消す、という魔法が存在するのは確かだ。
しかし、それはかなり難しい術であり、まだ子供であるネギに使えるかどうかは五分五分だ。
なにより、明日菜はネギの教え子である。
そういった強行手段はできればとりたくはない、それがネギの考えであった。
しかし、そんな努力もむなしく、お互いの話は無駄に平行線に終わり、
ネギがついに最後の手段を使おうかと覚悟を決めようとしていた。
しかし、それを寸でのところで止めた男が一人。
「Hey! こんなところで二人きりで何をしているのかね?」
「ま、マイケル先生〜」
森から現れたのは、熊……ではなく、熊ほどありそうな巨体の男、マイケルである。
しかしネギにとっては熊ならぬ天使の助けだ。涙目になっていたネギがすがるようにマイケルに泣きつく。
「ハハハハハハ! ネギ、レディをナンパするには、ここでは場違いではないかね?」
「ち、違いますよ〜!」
「OKOK。ところで、一体何があったんだね?」
「そ、そうよ!マイケル先生!こいつ超能力者だったのよ!」
「ち、違いますって!僕は魔法使いです!!」
「・・・全くフォローになっていないぞ、ネギ。それはそうと、カグラザカ?必死に生きる男の道をふさいではいかんぞ!?」
「ちょ、着眼点違うじゃない!」
その後、3人の話し合いの結果、明日菜は魔法の存在を秘密にすることになった。
お互いに妥協する形?となったわけである。
ネギは、「これでオコジョになる心配がなくなった」と泣いて喜んでいた。
明日菜も、自身が熱くなりすぎた感があったし、なにより彼女自身マイケルが言っていた「必死で生きる人間」は嫌いではなかったからである。
勿論この話し合いの裏には、マイケルが既に魔法の存在を知っていたという事実があったからこそ出来たことに他ならない。
さて、物語はこれでおしまい……というわけにはいかない。
「ハハハハハ!そろそろ良い子はおねんねする時間だぞ二人とも」
「あ、はい。・・・はっっはっっはっっ」
「ん!?」
「ハーックションッ!!!」
花粉でも鼻に入ったのだろう、ネギが盛大にくしゃみをした。
本来ならば別にたいしたことはないだろう。
本来ならば、の話であったが。
「きゃあっ!?」
ネギの場合、それははヒジョーにまずかった。
「ん?どうした、カグラッッッッッッ!?」
「あうう、ごめんなさい、明日菜さっっっっっ!?」
「いやあ、あれはエアフォース・ワンでジョディのシャワーシーンに直撃してしまったときによく似ていたぞ!正に女性は強し、ハハハハハハ!」
「笑っている場合じゃありませんよ、先生!明日菜さんすごい怒っているじゃないですかぁ!」
右頬に真っ赤なもみじをつけた、マイケルとネギの波乱の初授業は、今度こそこれで終わったのであった。
長々と放置した上、自分でも不完全燃焼な形。
形が煮詰まらず、おまけに小説書がへたくそな奴の典型に(涙。
あ、そうだ。次回から少々小説の形を変えさせていただきます。
過去の作品……っていっても、僅かしかないですが(汗
しばらくしたら見直しして、自分でも納得できる出来になったらWikiに登録したいと思っております。
連載作品として、それなりに量がまとまったら、ですが……。
とりあえず、現在の自分なりの目標。
絶対に連載させる!
乙、原作をプレイしている自分としてはとても嬉しい
和美なら2代目ピーターになりうるな
そしてマスゴミの台詞が和美の台詞になってるよ
投稿する際に何度か読み直したりしてみると
この様なミスも減るはず
78 :
名無しさん:2008/08/26(火) 15:02:07 ID:???
ネギま!と「ドクター秩父山」の田中圭一先生の最低漫画シリーズを合体させてみたら?
お久しぶりになります、大統領GJです。
では、今回の投下、入ります。
>>64 「すごーい」
しずかが感嘆の声を上げた。
2003年6月20日、麻帆良学園を訪れたしずかが感嘆の声を上げた。
「なんとかランドみたい…」
「のび太君」
あんぐりと口を開けたのび太にドラえもんが声を掛ける。
「ここからもう敵地だと考えた方がいい…動物ごっこぼうしーっ」
ドラえもんがもぞもぞと取り出したのは、動物コスプレに使う様な帽子や耳だった。
「このお祭りならこれを着けていても目立たない」
「………」
動物コスプレの一同は、中等部廊下で立ち尽くしていた。
「これ、みんな3‐A待ち?」
長蛇の列を前にスネ夫が言う。
「みたいだね」
のび太が言った。
「よっぽど人気があるのね3‐Aの演し物って…」
しずかが言う。
ドラえもんの動きに合わせて、一同は列を離れ廊下の一角に固まった。
「ここでじっと待ってる間に敵に察知されたらまずい。
それに、これだけ並んで超鈴音に会えるかどうか分からないじゃ時間がもったいない」
ドラえもんの言葉に一同が頷き、ドラえもんはもぞもぞと何かを取り出した。
>>79 「探検ごっこセットーッ」
それは、全員分のコンパクトなケースだった。
「アニマル星に行った時と同じ、みの虫式寝ぶくろ、どろ水浄水器、
糸なし糸電話型トランシーバー、警報用打ちあげ花火、ミニカラオケセット。
それに、今回は一つずつ武器が入ってる。それから、トレーサーバッジ」
ドラえもんがトランプの絵柄を思わせるバッジを取り出した。
「この広さと人手だから、僕には居場所が分かる様にして、
もし、最悪の時は、このバッジを叩き壊すか、相手にバッジが盗聴器になってるって言って」
「バッジの反応が消えたら危険信号って事だね」
要はGPSであるバッジの機能を知っているスネ夫の言葉にドラえもんが頷く。
「唯一の手がかりは超鈴音、連絡を取りながら手分けして探そう」
「とは言うものの…」
校舎を出た熊さん帽子ののび太が、人混みをうろつきながら呟く。
「…この中からどうやって探そう…」
いくつか手がかりは聞いていたものの、これはもう学園と言う規模ですらない、
正直雲を掴む様な話だった。
そして、手の中のパスを見る。
それは、スネ夫が「家出」の直前に持ち出した貯金で購入した学園祭共通パスだった。
「んー…あの辺が怪しいかな?…」
「君達は栄えあるギャラクシーソルジャーの一員だ!!
地球を救うため諸君の健闘を…」
のび太は、工科大学提供と言うが、
どう見ても一般遊園地と遜色ないアトラクションの行列に並んでいた。
「はーい、じゃあ、ここまで座ってくださーい」
促されて、のび太が乗り物に乗り込む。
隣に乗り込んだ女の子がのび太ににっと笑みを見せ、のび太はちょっとぽわーんとなる。
>>80 女の子と言うが、のび太から見たら立派な女の人、
やはりこのお祭りのスタイルなのか、白い毛で縁取りした短い黒革の上下に
“…猫…”
「どうかした?」
「あ、いえ、何でもないです」
吹き出しそうになったのび太に隣の少女が言い、のび太がわたわたと頭を下げる。
隣の少女、ネコミミに髭、鈴付きの首輪と来てはどう見ても猫、
“…高校生ぐらいかな…”
それでいてスタイルのいい美少女の姿とずんぐりむっくりの違いに
笑いがこみ上げてしまう。
「ウオー、スゲー高得点」
「何者だあのアニマル」
「すごいにゃー、きみー」
アトラクションを出た後、隣に座っていた少女がにかっと笑ってのび太に声を掛けた。
アトラクションは、乗り物に乗って立体映像の中を進み光線銃で敵機を銃撃する
宇宙戦争シミュレーション。
動くのは乗り物で自分はさ程動かず、
自分で手にした光線銃を使うこのゲームはのび太の得意中の得意分野だった。
「アハハハハハ、射撃はちょっと得意なんです。
お姉さんこそ、凄かったですよ。えーと、ゆーなさん?」
ゲームの登録名を見てのび太が言った。
「うん、ゆーな☆キッド、とでも呼んでもらいましょうかー」
ゆーなが高笑いを響かせて言った。
「で、君はノビー」
「え、ええ。ゆーなさんは麻帆良学園の人なんですか?」
「うん、中等部三年」
「え、中等部の三年生?」
「うん、どうかした?」
>>81 「えーっと…あの、超鈴音さん、ご存じですか?」
「何?超りん?超りんがどうかした?」
「あ、いえあの、中学生なのに色々すごい人みたいだから、
えーと、学校のリポートで出来ればちょっと会ってみたいなーとかって…」
「ちょっと待って」
ゆーなが携帯電話を使用する。
「…駄目だわ、只でさえ学祭でみんなつかまんないのに、
超りんなんて死ぬ程忙しいからねー」
「そうですか…」
「お役に立てないでごめんねー。
あ、ごめん、私もぼちぼち交代だから、じゃあねーノビー」
「はい、ゆーなさん」
「うーん、やっぱりいないわー、
この状況だと超りん死ぬ程忙しいからねー」
空き教室で早乙女ハルナが言った。
「ごめんなさい、お手数をかけて」
しずかが頭を下げる。
「ハルナー」
「んー?」
のどかの声に、ハルナがそちらに向かう。
「これ、いいんちょさんのじゃ…」
のどかが取り出したのはヴァイオリンのケースだった。
「だね…」
ハルナが言い、のどかがケースを開いていた。
「ちょっ、ストラディバリウスとかだったらヤバイって」
「…普通の、多分練習用のヴァイオリンですね…」
相手が相手なのであながち非常識とも限らないとは知らず、
凄まじく非常識な事を言っていると思いながらしずかが言う。
>>82 「ん?しずかちゃんヴァイオリン弾くの?」
「ええ、ちょっと」
「ふーん、ちょっと聞いてみたいなー」
「ハルナー…」
「いいからいいから、ここまで来たんだしさー」
「失礼します」
しずかがヴァイオリンを持ち上げて軽く弓を引く。
「よく手入れしてあります」
「はい拍手ー」
「もう…」
ハルナと、渋々ののどかが拍手をする。
「…ったく、何で私が…
ああ、ここにいたか早乙女…」
そこに、ぶつぶつ言いながら千雨が姿を現した。
「それで、超鈴音は?」
のび太と共に、一度しずかと合流したドラえもんが言った。
「いっけない、私の演奏、目を回すぐらい感激して聞いてくれたから、
後の事聞くの忘れてた」
ぞおっとしたのび太とドラえもんがしずかと共に先ほどの空き教室に急行するが、
既に三台の担架が運び出された後の教室はしんと静まりかえっていた。
今回はここまでです。続きは折を見て。