1 :
マロン名無しさん:
ノビタは目を閉じた。京極堂の声が響いた。
「デキスギはその問題の細部に至るまで完全理解した。故に満点の答案を得た。
ノビタはその答案を利用して己の答案を作った。だからこれほど優秀な答案が作れたのです。
この秘密道具なくしてこのカンニング−これは四次元のカンニングでしょう−は
決してなし得なかった。他の方法では無理だった」
「そうだろうなあ。この席順。そして何より、誰にも知られておらず
記録にも載っておらず、まだ何百年も−−あ」
スネヲはそこで言葉を止めた。
「そう、それが未来から手に入れた秘密道具です。
2 :
マロン名無しさん:2008/04/06(日) 17:00:41 ID:B3gPWwPm
ノビタの零点は珍しいものではなかったはずです。
しかしそれらゆかしき既成事実は秘密道具と云う腹芸の通じない野蛮な行為に依って、
今やまるでなかったことにされてしまった。九九ひとつ解かせただけで『4×2=6』と
答える、善き時代は、遠い昔です。この条件なら、何百年もの間誰にも発見されないのです。
多分最強のカンニングですね」
ぱちっと炭のはぜる音が聞こえた。
気のせいであろう。
3 :
マロン名無しさん:2008/04/06(日) 17:01:21 ID:B3gPWwPm
「秘密道具は誰が与えた−−ものなのですか」
シズカの声だ。
じりじり云うのは蝋燭の芯の焦げる音だ。
さらさらと瓦の雪が風に舞う。
「ここから−−何百年も後の者です」
「え?」
「その者が犯人です」
「犯人は−−誰じゃ?」
「だから犯人はこの家の本当の居候です」
「何?」
「犯人はそこにいる青い機械ですよ」
京極堂が表を指差した。
戸口には襤褸襤褸(ぼろぼろ)の猫型ロボットが立っていた。
鉄猫「はいはい。左様にございます」
最高
5 :
マロン名無しさん:2008/04/06(日) 21:13:49 ID:g85uqyGn
期待あげ
6 :
マロン名無しさん:2008/04/06(日) 21:22:46 ID:yIRoVO8R
マロンの奴は京極なんて知らないだろ
7 :
マロン名無しさん:2008/04/06(日) 22:26:05 ID:fP7hIy91
てっきりドラが中禅寺役だと思ってたから、鉄猫に噴いたw
9 :
マロン名無しさん:2008/04/06(日) 22:55:27 ID:B376Jv79
榎木津age
10 :
1:2008/04/07(月) 00:16:14 ID:qBmyYt9f
意外と反応があって嬉しいです。
嬉しかったのでもうちょっと作ってみました。
ぼくはまだ眠かったのだが、どう云う訳かかなり早い時間に目が醒めてしまった。
窓下では一寸した騒ぎが起きており、その物音で目覚めたものか。
騒ぎの大元はドラミのようだった。要するにぼくの耳に届いた騒音は
ドラミの声だったのだ。
「わははは、お兄ちゃんの大馬鹿者! 逃がしてしまったじゃないか。
そんなものに入るか!」
「うへえ、しかしこりゃあバケツですよ」
「バケツになど入らない!」
「そんな鼠いないですよ」
11 :
1:2008/04/07(月) 00:17:25 ID:qBmyYt9f
窓下ではものすごいドタバタが演じられているらしく
酷い振動が寝床まで伝わってくる。
居たたまれなくなってぼくは玄関を出た。
着替えに時間がかかったせいか、その時はもう玄関には誰もいなかった。
仕方なく空き地に行ってみた。
空き地にはドラミちゃんとシズカちゃん、
それにジャイアン、スネヲ、それから鉄猫がいた。
「あら、ノビタさんね。やっと起きたか。
私は早起きして今鼠取りをしていたところだ! 羨ましいか!」
「鼠取り?」
「何でも齧って仕様がないのだ」
「齧る?」
「まだ寝ぼけているな? この寝坊猿」
12 :
1:2008/04/07(月) 00:19:03 ID:qBmyYt9f
ドラミはつかつかと近寄って来た。
こう云う場合はまず間違いなくぼくは小突かれる。
ぼくはジャイアンやスネヲに挨拶をするように見せかけて身を躱し、
ジャイアンの横に素早く移動した。
「おはようございます。あの、鼠と云うのは――」
――また鼠か。
「――何のことです? その」
「ああ。ノビタ。どうもな、二三日前から――ありゃあバギーの部品が
発見された日からか? そうだったなスネヲ?
そう、その日からネズ公が出る」
ジャイアンはそう云ってシズカ達の方を向いた。
「それが何日経っても被害が減らんのだ。オレは家業があるから朝が早い。
それで今朝店先とか台所見張っていたらな、いた。こオんなでっかいのが」
ジャイアンは両手を広げた。猫か犬くらいはある。
シズカが云った。
「私も見たンですよ。尻尾だけでしたけど、この位ありましたかねェ」
シズカ――確かBカップ――が両の人差し指で長さを示した。一尺はあろう。
本当なら大鼠である。
13 :
1:2008/04/07(月) 00:20:19 ID:qBmyYt9f
「ふん! それでわざわざ私が昨日から退治してやろうと奮闘しているのだ!」
ドラミはそう云いながら再び近づいて来た。
「ノビタさん、私がなぜ二十一世紀で優秀なロボットに選ばれたか、
君も知ってるだろう」
「知りませんよそんなこと」
「は! 私はね、神だからだよ。さあ行きましょうノビタさん!
おいお兄ちゃん、案内するのだ」
ドラミは急に真顔になって、鉄猫を指差した。
きりりとした顔つきできっぱりと云われて、
朴訥な丸いロボットは狼狽したようだった。
14 :
マロン名無しさん:2008/04/07(月) 01:07:27 ID:A27yqBSv
ドラミが榎木津?
なんという人選www
15 :
マロン名無しさん:2008/04/07(月) 02:11:41 ID:b5TQM/9y
榎木津がドラミとはww
16 :
マロン名無しさん:2008/04/07(月) 12:17:21 ID:Ox/bU+PB
ハッハッハッ!
僕がageてやろうじゃないか!
鉄鼠の檻かな?
という事は「あの娘」も登場?
ワロタ―――
なんとなく面白そうだからあげとく
おもしろいけど丸パクリやん
21 :
マロン名無しさん:2008/04/12(土) 20:16:15 ID:qaqQRheJ
続きをぜひww
もはやドラではないのだけど、、
某鼠について。
スレ建てるほどでもないのでここ使わせてください。
――1998年成立のソニー・ボノ著作権期間延長法以前、著作権は
作者の寿命+50年間か、または企業の著作物の場合75年間保護されていた。
どちらの期間も20年延長するこの法律は、古い書籍のデジタル版を
インターネット上で提供していたニューハンプシャー在住の愛書家
エリック・エルドレッドらによる違憲訴訟を呼んでいた。
米最高裁はソニー・ボノ著作権期間延長法は合憲であるとの判断を下した。
2003年1月15日の事である。――
「要するにだね、娘」
父親は云った。
「著作権延長法が成立して、ミッキーの著作権は2024年まで保証されたんだ。
だから、ほら、ここディズニーランドで撮った写真を不用意にブログに
アップしたりしてはいけないよ。訴えられる可能性だってある」
「果たしてそうでしょうか」
ひと際黒い影が浮かんだ。
墨で染めたような真っ黒い着流し。
薄手の黒い羽織には晴明桔梗が染め抜いてある。
手には手甲。
黒足袋に黒下駄。
鼻緒だけが赤い。
おおよそこの場に似つかわしくない。
そして、まるで舞浜一帯が滅んでしまったかのような仏頂面をしている。
「お前はッ――」
「何者だとか尋くんじゃないでしょうね」
そう云われては尋くに尋けない。
「そうです。私は京極堂です」
誰も何も云っていないのに男は名乗り、言葉を続けた。
* * *
「ソニー・ボノ著作権期間延長法――俗にミッキーマウス保護法などとも云われますが――
これは米国の話ですね。日本の話ではありません」
「日本にも関係あるだろう。ミッキーはアメリカのキャラクターなんだし」
「関係ありません。『ベルヌ条約』という条約があり、これは昭和49年に発効された
ものなのですが、【その享有及び行使は、著作物の本国における保護の存在にかか
わらない。したがつて、保護の範囲及び著作者の権利を保全するため著作者に保障
される救済の方法は、この条約の規定によるほか、専ら、保護が要求される同盟国
の法令の定めるところによる。】とある。
これはつまり、ベルヌ条約加盟国では自国の法律で相手国の著作物を守ることになるので、
米国で著作権の保護期間が延長されたとしても、日本に於いても
直ちに同様の結果がもたらされる訳ではありません」
「では――日本の場合はどうなるのだ?」
「日本における法人著作権の保護期間は【公表後50年】です。
ミッキーマウスの初出は1929年公開の『蒸気船ウィリー』ですから、
それに50を足して、さらに戦前の公表ですから『戦時加算』と呼ばれる
10年を加えて『1989年まで』と云う事になります」
「ば、馬鹿な――それでは、もう、ミッキーの著作権は――」
「切れていると云う事になりますね」
「それでは――ミッキーの画像や写真をブログにアップしても、
何の問題も無いのですね!」
* * *
「しかし――どんでん返しは一度ではない」
「どういうことだ?」
「著作権者と著作者とは別々の概念なのですよ」
「もっと解るように説明してくれ」
「著作権者とは、著作物にかかる複製権、貸与権など種々の著作権を持っている者の事です。
著作権とは譲渡可能な権利で、利益などを産む事のできる権利ですね。
逆に著作者とは実際に著作物を製作した者の事で、この性質は譲渡できない。
法人が著作者の場合は著作権の保護期間は【公表後50年】です。
けれども個人が著作者の場合は、『蒸気船ウィリー』公開時の旧法で【著作者の
死後38年】までとなります。
ミッキーマウスの著作者はディズニー社とは限らないのですよ」
「まさか――では、ミッキーの著作者とは一体?」
「解らないのです。
ディズニーはその事について明瞭な見解を未だ出していない。
仮にウォルト・ディズニー氏が著作者だとすると、彼が死んだのは
1967年ですからそれに38と戦時加算の10を足して、2015年までということになります。
また、ウォルト氏以外の例えばアイワークス氏が著作者だとすると、
彼の死後から計算するので2018年になります。
この場合、ミッキーマウスの著作権はまだ切れていない」
「し、しかし」
「それだけではありません。今云った事は全て『ミッキーマウスの著作権は
蒸気船ウィリーの著作権期間とイクォールである』と云う考えの基ですから、
キャラクターを作品から独立させて考えた場合、さらに期間が変わります。
著作権期間計算の基礎は現在の著作権法と同じ【著作者の死後50年】になる。
勿論、戦時加算も消えない。この計算では著作権はさらに伸びる事になります」
「ウォルト・ディズニーの死亡した1967年に50を加え、
さらに10を加えるのだから――2027年か。
まだまだ先の話だな」
「そのとき切れるのが『黒目のミッキーマウス』の著作権です」
「何?」
「ミッキーマウスには『黒目しかない物』と『白目のある物』があり、
1929年『蒸気船ウィリー』に登場したのは『黒目しかないミッキーマウス』なのです。
『白目のあるミッキーマウス』の登場したのはそれより後で、そちらの著作権保護期間に
関してはまた別に著作者等が誰になるかによって判断されますが――
まあ、『黒目のミッキーマウス』より早く切れる事はまずないでしょうね。
なるべく長生きした人を著作者として持ってくるはずです。
それだけではない、ミッキーマウスの著作権が切れたところで、例えば
『衣装の組み合わせ』などが著作物として認められるケースもあり、作品そのままの
イラストは認められない可能性がある。
着ぐるみも同じです。着ぐるみ自体の著作権はミッキーマウスとは別ですから、
ここで撮った写真を電子ネットワーク上に乗せる為には、また所定の保護期間を
経過する必要が、厳密に云えばありますね」
「そんな――それでは、いつになったら本当にミッキーの著作権は切れるんだ?」
「ディズニーには――著作権が切れることなどないのですよ、お父さん」
遠くからパレードの音が聞こえる。
――鼠の宴か。
「見てくださいお父さん」
京極堂が天を指差した。
「こうして見ると空が丸いですよ――」
男が見上げると、
本当に丸い空があった。
なにぃ
どんでん返しきたwwってことは塗仏だよな?
場面は全く思い出せんが、勉強になったよw
陰摩羅鬼だ
32 :
マロン名無しさん:2008/04/15(火) 20:22:14 ID:Cxbcf4sd
始末かな?
>>32 あ、丸い空って塗仏なんだ。
塗仏は俺ひょうすべしか覚えてないよww
え、円い空ってオンモラ鬼のラストじゃない?
塗り仏の家出少年じゃね?
オンモラは由良だよね
37 :
マロン名無しさん:2008/04/24(木) 21:40:58 ID:aE6BxYV0
>>33 そうそう、宴の始末。確か本当は榎木津?が言ってたはず<丸い空
始末冒頭の
天を―丸いと思ったことはない。
何故お空は丸いの―。
が、村上貫一・隆之親子
「見ろ京極」「こうして見ると空が丸いぞ―」がラストの榎さん
ところで、ケースはケエス、キャラクターはキャラクタの方が京極的じゃない?イクォールはナイス
みつしりもやって欲しい
39 :
マロン名無しさん:2008/04/29(火) 02:08:25 ID:TKjcMKx+
「ドラえもん――」
脚が縺れる。
「鼻で――」
汗が蒸発して眼鏡が曇る。
泪(なみだ)と洟水(はなみず)がのび太の顔をしわくちゃにしていく。
もはや何でも構わない。
道具でも何でも善いから、一刻も早く楽に成りたかった。
「鼻でスパゲッティ食べる機械を出してくれ――」
「できることかできないことか――考えてから話すもんだ」
>38
ありがとうです。
確かに、ケエスにすべきだったですね。流石です。。
魍魎も思いついたら書いてみますので読んでいただければ嬉しいです。
ほう
ウブメ?
43 :
マロン名無しさん:2008/05/01(木) 10:36:55 ID:1n32hpGD
京極堂:スネ夫
関口:のび太
榎木津:出来杉
木場修:ジャイアン
敦っちゃん:しずか
いさま屋:康雄
今川:はる夫
築地の先生:先生
ドラえもん:柘榴
ドラミ:お潤
便乗して、ルー=ガルーでドラゴンボールやってみても良いですか?
46 :
44:2008/05/04(日) 17:57:31 ID:???
>>45 いいんじゃない。
追加
堂島:スネ吉兄さん
自分が何処にいるのか、ベジータは見失っていた。
旧式の低層ビル。その屋上に立つ人影。
「ピッコロ!」
クリリンが叫んだ。クリリンの視線は屋上の人物を捉えている。
緑色の男は無表情に脚下を見下ろしていた。
クリリンは勢いよく悟空の方に顔を向ける。悟空は動かなかった。ベジータの位置からは悟空が何を見ているのか判らない。
ベジータは悟空を捉えたままふらふらと前に出る。クリリンはその間に男―ピッコロの方に向き直り、大きく脚を開いて立った。
「ピッコロ、話があるんだ」
48 :
44:2008/05/05(月) 22:41:20 ID:???
「魍魎の匣」で書いてみた。
「どうだ羨ましいだらう」
スネ夫はさう云ふと匣の蓋を持ち上げ、こちらに向けて中を見せた。
匣の中には恐竜の爪がぴつたり入つてゐた。
古い化石のやうだ。勿論善く出来たイミテエションに違いない。彼の父が土産に買つてきたのだらう。
初めて見るものなので、つい驚ひてしまった。
それを見てやはり皆も
驚ひた顔で、
「おお、」
と云つた。
ああ、本物なのだらうか。
何だか酷くスネ夫が羨ましくなつてしまつた。
(以下略)
「ほう」か
いいね、このスレ面白い
久保いいねぇ〜
昔、狼というけだものがいたそうだ。
画面(え)で観てみると、犬とどこがちがうのか、というようなものだ。
ヴェジータは孫悟空の背中を見ながらそんなことを考えている。
どうしてそんなことを思いついたのかはヴェジータにも解らない。意味はないのだ。
その証拠に、ついさっきまでヴェジータは地球の服の生地は厚くて動きにくい、というようなことを考えていたのだから。
―凄そうなヤツが出るからさ―
10年振りの天下一武道会の会場。
「どいつだ?カカロット―教えろ」
「へへ―お楽しみだ」
52 :
マロン名無しさん:2008/05/08(木) 20:10:58 ID:W4I7f4TR
久保=のび太!?
53 :
マロン名無しさん:2008/05/15(木) 01:56:35 ID:hGzUoYAD
期待あげ
保守
―伝説のスーパーサイヤ人。
言葉で想起しただけでヴェジータは旋律した。
―この先には。
ブロリーがいる。
―厭だ。
俺は何をしているんだ。
ヴェジータの思考はそこで止まった。
空っぽの頭の中に恐怖がこんこんと湧いて―。
ヴェジータの躰と重なっていたヴェジータ自身は物凄い勢いで躰から乖離して上方に飛んだ。
ヴェジータの躰は大声で叫び、ブロリーがいるはずの崩れた市街地に向けて、全力で飛んだ。判断力も理解力も何もかも、全部壊れてしまった。
―とても狡猾なヴェジータ自身は、死地に向けてひた走る我と我が身を―。
何故か冷静に俯瞰していた。
56 :
マロン名無しさん:2008/05/24(土) 00:29:54 ID:WVkqyg2I
保守
し
58 :
マロン名無しさん:2008/05/28(水) 18:18:34 ID:glDQtdXo
ドラえもんは、ネズミのことが本当に嫌ひだった。
何処も彼処も細菌ばかりで実に不愉快だ。
いっそ漆喰か何かで皆埋めて仕舞へば善い。さう思ふ。
(中断)
――判読不能――
酷いドブ鼠だ。御蔭で折角出した道具が汚れて仕舞った。
(中断)
時間はない。この家が穢れてゐるから腐敗するのだ。
家ごと浄化せねばなるまい。今すぐ破壊しよう。
地球破壊爆弾で。
ちょっと待て鉄猫ww
久保ってなんで死んだんだっけ?
>60
美馬坂の実験台
箱にみつしり
喉笛に喰らい付く
63 :
マロン名無しさん:
ほぅ守