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第156報 熱き独白
ジャワ島からスマトラ島へと向かう千国短期大学一行はぎゅうぎゅう積めの船内に戸惑っていた。
そんな中で、吉田教授と落合だけが、住民と元気に触れ合っている。落合は生のくだものを大きくほおばって食べるのだった。
日本・千国市。大吾の出動やハイパーレスキューの勉強で疲れたのか、大吾は出張所の机で大いびきをかいて寝ていた。
そんな大吾を多めに見てやるかと植木は大吾を仮眠室に連れて行くように大野に言う。大野は大吾は仮眠室の布団の上に
放り投げた。大吾は眠りながらいろいろなことを考える。道を分けた甘粕のこと、夢に向かって走る落合のこと、
自分が選んだオレンジという道を突き進むと決めたこと。大吾は目を開け、机に戻る。
落合先生… がんばってるかい? 先生はいつか何かに夢中になって生きたいと言っていたけど、
おれも今やっと見つけたんだって気がするよ。だからおれと先生は一緒だ。
別の日、大吾は迎えに来た近藤の車(バイトして買ったらしい右ハンドルの中古車)に乗り込む。おれと先生はきっと今、
一緒のものを見ている。先生が帰ってきたら、おれの研修も終わるころだ。おれもオレンジを着る。そしたら…
車の中で近藤と笑顔で談笑する大吾。その目は遠く別の国にいる落合を思う。そしたら今度こそ言おう…
初めて会った時からずっとあんたのこと、好きだったって。ずっとずっと一生そばに居てほしいって。
スマトラ島南部。暑い日ざしが大きく広がる木々の間を縫って降り注ぐ。落合たちは昆虫の観察を続けていた。
赤い四星の黒天道虫が木から生え広がるキノコの上に集まっている。地面にはルリタテハや他の蝶たちが集まり、
青い羽を休めながらミネラルを含んだ水を、その伸びたストローのような口から存分に吸っていた。
そんな自然の光景に、落合は心奪われ魅せられていた。
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2/2:2008/10/01(水) 23:34:42 ID:???
ランプン州林政局。吉田教授が現地の管理者と今後の予定について話していた。
ムトロのあたりまでは足を伸ばす。それより先は煙害が激しい。どうやらいまでも火が点いている場所があるとのことだった。
自然乾燥や焼畑の飛び火で起こる山火事、今年は雨も少なく拡大傾向にあるらしい。海外からの消防支援も検討中だとのことだった。
吉田教授一行はホットスポットの乗った地図を貰い州林政局を出る。別れ際には、もし山火事を知らずに生活しているような、
山奥の村に住む人がいたら教えてほしいとも頼まれた。
そして続く昆虫観察。そんな合間で、落合は現地の子供にジェスチャーで、なんとか山火事のことを伝えようとしたり
していた。教室の中よりも、野外の方が似合いそうな姿、落合は「さあ行きましょう――!」と大きな声で皆を率いて行った。
そんななかで飛び立つ鳥たち。その様子に吉田教授だけが違和感を感じるのだった……
「きのうからなんともありませんよ。わたし、ここに合ってるのかしら? んっ、おいしいっ!!」
すみません規制に巻き込まれました。今回は代行スレにお願いしています。
もし土曜までに解けない場合は、規制が解けるまで休み、ストックをためようと思います。
申し訳ありませんがお許しください。