もしジョジョキャラがハルヒのSOS団に入ったらpart4

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684マロン名無しさん:2008/08/19(火) 23:55:15 ID:???
かわいい話だったGJ!
685マロン名無しさん:2008/08/24(日) 23:41:14 ID:???
保守
686マロン名無しさん:2008/08/25(月) 00:43:53 ID:???
なんか花京院の続きが無性に読みたい…
687マロン名無しさん:2008/08/26(火) 00:01:05 ID:???
キョンのプレゼントはハルヒの寝顔かな?
688マロン名無しさん:2008/08/28(木) 21:07:22 ID:YgForFj5
続きが気になるなあ
689セッ子:2008/08/30(土) 20:26:05 ID:???
花京院が読みたいといった君…
SS投下はあったのかい?まだだよなァ
投下をするのは花京院の人ではない、このセッコだッ!

投下します。
690セッ子:2008/08/30(土) 20:27:35 ID:???
携帯電話の着信音で目を覚ます。
やはりと言うかなんというか気持ちのいい朝とはいかなかった。
寝ぼけ眼でディスプレイを確認する。どうやらメールが届いたらしい。
送り主は、これはやはりというべきだろう。
携帯の液晶画面にはちかちかと涼宮ハルヒという名前が浮かび上がっていた。
送り主:ハルヒ
タイトル:今日
本文:ちゃんと学校に連れてくるように。
連れてくるというのはもちろん俺のベッドの下でいびきを掻いている奴のことだろう。
断言しよう。
今日はロクな日にならないと。

act5―スタンドってなあに?〜オアシスの謎

オレの日記抜粋
○がつ○にち はれ
こんしゅうは がっこうに いった。
げつようびのあさ なんかWAWAWAとかいってる おとこにあった。
どうやらこいつは スタンドつかいでは ないらしい。
オレの オアシスがみえないことに キョンはとてもおどろいてた。
だからいっただろう。みえないやつもいるんだって。
いっしゅうかんかけて しらべてみたところ おっぱいには みえてない。
ニヤニヤヤローにも みえてない。
カチューシャには みえてる。
だんまりむすめは みえてるのかもしれないし みえてないのかもしれない。
どようびにあった しょんぼりおんなには みえていた。
こんびにの みかんのすじにも みえていた。
みかんのすじは のうりょくもだせた。
どろどろしてた。どうやらにんげんからなまハムをつくりだすのうりょくらしい。
つかいどころがきになる。
691セッ子:2008/08/30(土) 20:32:50 ID:???
いつもの通学路。青々とした木々が朝のさわやかな風に吹かれている。
なんでもない日常の風景。こういう風景を何の感慨も無く見ることのできていた頃が懐かしい。
今となってはこんな風景すらも愛おしく感じる。
そこまで追い込まれるくらい俺の周りは非日常的過ぎるのだ。
「どうかしたのか、キョン?」
俺の前を地中から半分体を出した状態で進んでいたセッコが振り返りそう声を掛ける。
一般人ならここで目がおかしくないかと確かめるところだろう。
しかし俺はもうそんなことはしない。
信じられない現象ならあらかた経験してきた為の慣れかもしれない。
朱に交われば赤くなると言うように、俺の感覚はすでに麻痺してしまっているのかもしれない。
とりあえず言える事は、この状況を無理やり納得しているということだ。そうしないとすぐに精神的にまいってしまう。
「オラ、さっさと行くぞー、キョン!」
分かったから叫ぶな。昨日喋らないと約束したばっかりだろ。
「おう、そうだったな。気をつけるぜェ。」
気をつけるぜ、じゃ無くてだな。とそこまで声を掛けて俺はあることに気がついた。
足音が近づいてきている。音はすぐ先の曲がり角の先から聞こえている。このままじゃやばい。
俺は一気にセッコに近寄り地中から引っ張り出し、後ろに突き飛ばす。

「WAWAWA綿流しー、っと」
角から現れたのは俺の級友、谷口だった。俺は胸をなでおろす。こいつなら心配ないだろう。
常識のある人間が見ればセッコは茶色い全身スーツを着込んだ変な男でしかない。
しかしこいつなら、と俺は谷口のほうを見やる。
谷口も俺に気づいたらしく、足を止め、こちらに向き直す。
「よぉキョン、おはよう。」
ああ、おはよう谷口。
「疲れてるみたいだな、大丈夫か?」
大丈夫だ。倒れるほどのもんじゃない。
「そうか、無理すんなよ。それよりお前英語の宿題やった?」
いや、やってない。あることすら忘れていた。などと、その場で何気ない会話を繰り返す。
だんだん崩れていく日常の中で、自分も一般人だと思い出せる大切な時間だ。
しかし、そんな日常も瞬間で音をたてて崩れ去った。
「ところで、そいつ誰?知り合いか?」
692セッ子:2008/08/30(土) 20:36:46 ID:???
ゆっくりと俺の斜め後ろを指差す谷口。この光景に俺は既視感を覚える。
そう、それは確か昨日妹と玄関で遭遇したときだ。
…嫌な予感がする。
振り向きたくない。オチが見えている。
「大丈夫なのか?」
谷口が不審そうな声を出す。もう腹をくくるしかないらしい。思い切って振り返ってみる。
やはりというべきか、セッコは後頭部を押さえてもんどりうっていた。
どうする、どうすればいい、どうするべきか?
俺は頭をフル回転させる。何とか言いくるめて逃げなければ。
「で、キョンの知り合いなのか?その長髪の兄ちゃん。」
言い訳を考えている俺の耳にその一言が届く。今、谷口はなんといった?
「長髪?」
そう問い直す俺に、谷口は怪訝な顔をする。
「ああ。そこの変な模様の緑色のスーツ着た長髪の兄ちゃんだよ。」
どういうことだ。セッコのスーツは茶色だし、髪など一本も見えてない。
じゃあ谷口には何が見えているんだ?
先ほどよりも嫌な予感が頭をよぎる。
もしかして、俺とは別の格好で見えているのではないか。
あくまで可能性の話だが、本当にそうならば危ない。俺は思わず緊急脱出を試みる。
「あ、あれ朝倉・・・か?」「何ィィイイ!!?」
バッと俺の目線の先のほうに顔を向ける谷口。その間に俺は急いでセッコを無理やり地面の下に押し込む。
しかしそこまで急がなくても良かったらしい。
谷口は「ちょっと見てくる」といってそのままいるはずの無い人物を探しに走っていってしまった。
どうやら助かったようだ。

両手をゆっくり道路から引き抜く。
不思議な感触だ。沼に手を突っ込んだらきっとこんな感じだろう。
違和感を覚えたのは少し経ってからだ。
上がってこない。いくら待ってもセッコが顔を出さない。
「おいセッコ、どうした?」
へんじがない、ただのしかばねのようだ…と、そんなことを言っている場合じゃない。地面で溺死なんて死因としてどうなんだ。
693セッ子:2008/08/30(土) 20:42:10 ID:???
「おい、嘘だろ?セッコ!」
一気に手を突っ込み、セッコの体を探す。
生コンのようになった道路が腕にまとわりつく。だが気持ち悪いなどといっている場合じゃあない。
制服が汚れるのも気にせず、両手を突っ込み沈んでいるだろう体を捜す。しかしどれだけ腕を振り回しても指先に触れるのは泥のような道路だけ。
「もしかして、本当に…」
瞬間、後ろから強い力で押し倒される。手をつき体を支えようとするが、手は虚しく沈んでいく。
そのまま手が、肘が、二の腕が、と沈んでゆき、ついには顔が、という寸でのところで救いの手は伸ばされた。
「オイオイ、そのまま沈むなよ。普通の奴なら息できなくて死んじまうからなァ。」
肩から上をひねり後ろを確認すると、そこにはいつものように茶色いスーツを着込んだセッコが立っていた。
「キョンよォ、俺になんか恨みでもあんのか?いきなり突き飛ばすわ、いきなり地面に押し込むわ。普通の奴なら死んでンぞ。」
そう言いつつ俺を引き起こすセッコ。
「普通の奴なら地面に潜れないし心配ないさ。」
悪態をつく俺、だがセッコはさほど気にせずにまた歩き出そうとする。が、そうは問屋が卸さない。卸すはずがない。
少しいいか?セッコ。
「アァ?」と顔だけをこちらに向けるセッコ。やはりスーツは茶色だし髪は見えてない。俺は一応セッコに聞いてみる。
「お前のスーツは茶色だよな。」
当たり前の質問。そう、国語の教師に日本語が読めるかと尋ねるくらい当たり前すぎて逆にふざけるなと言われるような質問だ。
「ん?オアシスは茶色だな、下は緑だけど。」
答えなんて最初から決まっている。当たり前なのだ。俺は色盲じゃない、それなら真実はいつもどおりひとつだけ。そうスーツは茶色…
「ちょっと待て、下?」
再びの俺の問いにセッコは不思議そうに首を傾げるが意味が分からないのはこちらの方だ。重ね着なのか?
しかしそれでは腑に落ちない点がある。どうして谷口には茶色いスーツは見えず、緑色の下スーツだけが見えているのか。
694セッ子:2008/08/30(土) 20:45:09 ID:???
その質問にセッコはさも当たり前と言うようにこう返した。
「そりゃそうだろ。重ね着してなきゃオアシス見えない奴には俺は全裸に見えるんだぜ?いくら俺でもそんな恥知らずな事しねェーっての。」
ほら、と頭の部分、フェイスマスクのようになっているスーツの一部を持ち上げ、そのまま一気に脱ぎすて、立ち上がる。
そこには確かに谷口の言っていた長髪で緑のスーツの男がいた。

ちょっとまて。
理解不能!理解不能!理解不能!理解不能!理解不能!
どういうことだ?オアシス、あの茶色スーツが見えない奴がいるのか?じゃあなんで俺には見えているんだ?
何にも分からない。
RPGの混乱というコマンドはこういう場合に発生するものなのだろう。
考えても考えても頭の中の歯車はカラカラと高速で空回りを続けている。
あーでもない、こーでもない。そーでもない、もうどーでもない。
そんな俺を見かねたのか、セッコがオアシススーツを着ながら俺に声を掛ける。
「知らねェのか?スタンドのこと。」
スタ…ンド…?

小一時間後。
セッコの分かりにくい説明を聞き、ようやく理解可能状態になった。
大学入試のように百字要約するとこういうことらしい。
つまり今まで俺が服だと思っていたのはスタンドという精神の像。
スタンドはスタンド使いにしか黙認できないため、一般人にはその下のスーツと髪が見えている。俺には素質があるから上のが見えている。
以上、丁度百字。
そうなるとここにこいつがいる理由も分かる。
ハルヒが望んだ超能力者、その一端にいるのがスタンド使い。つまりその代表としてセッコがハルヒに引き寄せられたのだ。
しかし、とここで俺は頭を抱える。モグラとして扱うという計画が総崩れになった。
家族にはきっと昨日のアレは食卓で暴れる三十路前の男にしか見えていない。
胃が痛い。ここまで胃が痛くなるのはSOS団創立当時以来だ。
腹を擦ると同時に腕につけた時計に目をやる。
時計の単身と長針は仲良く授業開始十分前を指し示していた。
どうやら神様は俺を休ませないつもりらしい。
695セッ子:2008/08/30(土) 20:52:02 ID:???
「遅い!何でこんな日に限って遅刻するのよ!!」
教室に入り最初に掛けられたのは、教師のお咎めではなく団長の怒声だった。

あれから、俺とセッコは学校に直で向かった。
学校に着いた時には一時間目も終盤に迫っているだろう、と言うような頃。
俺は雨にも風にも怒号にも胃の痛みにも負けず積み上げてきた皆勤を諦め、そのまま部室を目指す。
何故かって?教室に不審者は入れないからさ。
旧校舎の廊下を二人で歩き部室の前まで足を進め、ドアノブを回す。無用心ではあるが鍵はかかっていない。
ゆっくりと扉を開けるとそこには、
「長門…?」
いつものように窓辺で本を読みながら宇宙人がたたずんでいた。
これが放課後なら大して驚きもしなかっただろう。しかし今は朝。しかもそろそろ二時間目も始まる頃ときているのだ。
座り込んだ長門はというとそんな事も気にしていないのか気づいていないのか、膝上の本に目を落としている。
授業に出なくてもいいのかという俺の質問にも答えず、その白い指は一枚一枚確かめるようにページを捲り続ける。
次の瞬間、その機械的な動きがぴたりと止まった。
「オイ、どーしたァー?」間の抜けた声が俺の背後から聞こえる。もちろんセッコだ。
喋るなといっておいたのにこれだ。もうどうしようもないかもしれない。
長門は気にせずゆっくり本を閉じ、これまたゆっくりとした動作で立ち上がり、そのまま、セッコのほうへと足を進める。
「…何モンだ、テメェ。」咄嗟にセッコが身構えるが、何事もないように俺の質問も無視したまま長門は近づいていく。
「待っていた。」と聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう呟き、手を伸ばす長門。
しかしセッコはその手を振り払い長門の首を掴んだ。
「質問ッつーのはちゃんとした答えで返すもんだぜ、学校で教わんなかったのかァ?」
音が聞こえそうなくらい思い切りその首を絞める。
長門はというと顔色一つ変えずにじっとセッコのほうを見つめている。
こいつはまたやばいことになりそうだ。俺はとりあえずセッコをなだめる。
「やめろ、そいつは敵じゃあない。」「アァ!?どーしてそんなことが言えんだよ!!」
「どーしてって、そいつは俺の知り合いだ。」
696セッ子:2008/08/30(土) 20:58:12 ID:???
さるさん受けたので続きはまた後日。
697マロン名無しさん:2008/08/30(土) 21:12:27 ID:???
投下乙です
>俺には素質があるから見えている。
ひょっとしてキョンが覚醒する展開もありうる?
698マロン名無しさん:2008/08/30(土) 22:42:31 ID:???
6部以前のルールなら既に発現してるかな
そんなんどーでもいいけど。GJ!!
699マロン名無しさん:2008/08/31(日) 09:33:05 ID:???
乙・乙♪乙・乙♪セッコ乙♪
ところで緑の服とかって公式設定?
別に非公式でもいいけど。
700マロン名無しさん:2008/08/31(日) 10:08:54 ID:???
まさか
チョコラータとお揃いでいんじゃね?w 「オアシス」っぽいのも
701アメリカの人:2008/09/01(月) 16:38:43 ID:???
いいや、限界だッ!投下するねッ!
702アメリカの人:2008/09/01(月) 16:40:47 ID:???
第49話「シーズ・ア・ミステリー 1」

そこでは一つのボールを巡った熱き戦いが繰り広げられていた。肉体がぶつかりあい、俊敏な動きで立ち塞がる敵の壁を華麗に追い抜く。そこにあるのは勝つか負けるか……一瞬でも気を抜いた瞬間殺られる………まさに戦場………
「なんだってアメフトの試合なんか見てんだろーな……俺達」
「有希に一目ぼれした奴を見にくるためだろ……ちくしょー!クォーターバック何やってんだ!そこはランじゃなくてパスだろ!」
そう、徐倫の言った通り俺達は長門に惚れたとかぬかす俺の中学のクラスメートを見に来ていた。俺に電話をかけ、長門への愛を語ったそいつは長門に自分の事を知って欲しいと所属するアメフト部の試合を見て欲しいと言ってきた。
最初は俺と長門だけで見に行くつもりがアメフトと聞き付けた徐倫とアナスイ、そして最近ハルヒと知り合い気に入られ、門外顧問の腕章を押しつけられたウェザーさんの3人がノリノリで、結局SOS団全員で見にくる事になった。
「……にしてもアメフト随分詳しいんだな……」
「アメフトの嫌いなアメリカ人なんかいねーよ……いいぞレシーバー!ナイスキャッチ!」
「ねえねえ徐倫」
ハルヒだ。
「アメフトのルール教えてくれない?」
「構わないけど……何すんだ?」
「もちろん草アメフトに参加する為よ!」
………まだ草野球に次ぐその野望を捨てて無かったのか。
703アメリカの人:2008/09/01(月) 16:41:32 ID:???
試合は地味な展開が続いていた。タッチダウンは無し、ロングパスが通ったりランニングバッグが独走したりも無し。お互いファーストダウンを奪い合うくらいでフィールドゴールでぽつぽつ点が入るぐらいだ……が、不思議と面白かった。
それは………
「今のはクォーターバックの判断ミスだな……ラインに空きがあった」
「ああ……あの46番が穴だな……35番を張り付かせてランで行くべきだろ」
『いや、むしろパスが正解だろう……ここのランニングバッグそこまで速くはなさそうだ』
と、SOS団のアメリカ人3人組が細かい解説をいれてくれるからだ。古泉の解説だとムカつくだけだがこいつらならそう癪にはならない。地味な展開が大嫌いなハルヒですら解説に聞きいって楽しんでいるようだ。
「………これなら今度草アメフトに出られるわね……人数も足りそうだし……よし、出てやるわよ!」
………訂正、徐倫……頼むからハルヒに興味を抱かせるな………。

それは試合が第2クォーターの中盤にさしかかった時だった。
「………キョン」
今迄おおはしゃぎしていた徐倫が俺にこっそり顔を近付け囁いてきた。
「………誰かがこっちを見ている」
そんな奴いくらでもいるだろ。
「違う……殺気を放ってる……普通の奴じゃあない」
「僕もさっきから気になっていたところです」
『俺もだ』
704アメリカの人:2008/09/01(月) 16:43:03 ID:???
古泉とウェザーさんが口を挟んでくる。
「どうします?」
「行ってみる……古泉、ハルヒを見張っててくれ………」
「分かりました」
返事を聞いた徐倫はウェザーさんと共に、殺気を放っているという人物のところへ向かう。
「キョン、お前もついてこい」
「………なんでだよ」
「何となくだ」
仕方なしについていく……ま、興味が無いと言えば嘘になるしな。徐倫が向かった先は黒いダッフルコートにジャラジャラと飾りのついたシャツとジーンズを着た男だった。
「随分と派手に殺気放ってるじゃねえか……覚悟はできてんのか?」
「当たりめーだ……てめぇらをぶっ殺す覚悟ならな………」
「そうか……ならくらいなッ!ストーンフリーッ!」
その瞬間、敵がスタンドを出し、ガードしたらしい。ウェザーさんがあらかじめ渡してくれていたスタンドの見えるカメラを取り出しカメラを覗く。
スタンドは人型だが、手と足がアルミの針金のように細長く、全身幾何学模様で、目や鼻、口は無い。うむ……結構気持ち悪い。
「なかなか素早いじゃねーか……オラァッ!」
徐倫がさっきよりもより強く早く殴る。するとあっさりガードを弾き、敵にパンチが当たった。
「ぐ……う………」
「情けねーな……その程度か?」
「………フン……お前達はもう遅えんだよ………」
「負け惜しみだな……トドメだ!くらいなッ!」
「人間はよ……なんで服が変わっても同じ人を認識できるか知ってるか?」
いきなり何を言い出すんだ?
705アメリカの人:2008/09/01(月) 16:44:56 ID:???
「それはな……忘れるからだ……細部まで覚えずにおおまかな形でけ覚えるから認識できるらしいぜ…鳥とかはこの働きが弱いから石が一つ増えただけで場所が分からなくなるらしーぜ」
『………!まさか………』
「その機能が止まったら……こうなんだよぉ!」
男がダッフルコートのフードを被る。と、その瞬間、
「奴が……いない!?」
そこにはダッフルコートのフードを被った男がいるだけだった。さっきの奴だと理屈では分かっているのだが、脳みそは別人だとひっきりなしに言っている。
「こういう事だ……お前達の脳が俺の姿を判断できなくなる……声とスタンドは判断できるだろうがな」
確かに声と、カメラを通じてスタンドは見える。
「俺達の目的は涼宮ハルヒだ……あばよ、そこでウロウロしてな」
男はタバコを取り出すと何処かに行ってしまった。
「マズいな……キョン、古泉に電話しろ。ハルヒを別の場所に移す」
俺が携帯を取り出すと見計らったように鳴り出した。古泉からだ。
「もしもし?」
『すいません、大変な事になりました』
「こっちもだ…敵のスタンド使いの攻撃をくらって敵を見失っちまった。ハルヒの方に向かってるからどっか別の場所に移してくれ」
『……なるほど、これは敵スタンド使いの攻撃だったんですね』
……まさか、てめーも………。
『その通りです……参った事に涼宮さんは寒くなったとか言って手袋をはめてしまいまして……見失いました……実を言うと僕ももって来ていた手袋をつけてしまいまして……涼宮さん達にも僕が誰だか分からないはずです』
クソッ……あいつの思惑通りじゃないか。
『朝比奈さんとアナスイは一緒にいます……この二人は服装が変化してないから分かるはずです』
その時、グラウンドが騒がしくなり始めた。選手が交代の為にヘルメットを脱いだ瞬間、誰が誰だか分からなくなってしまったのだ。
「こいつは……目的の為なら他がどうなろうが構わねえって訳か………」
みたいだな……徐倫、絶対に捕まえるぞ。許すわけにはいかない。
「当たり前だ」

To Be Continued・・・
706アメリカの人:2008/09/01(月) 16:46:41 ID:???
いじょうです

それでは!(みじけぇwww)
707マロン名無しさん:2008/09/02(火) 21:29:55 ID:???
乙しろ犬どもがぁーっ!
708マロン名無しさん:2008/09/03(水) 17:24:37 ID:LWESGe6o
乙ッ!支援せずにはいられないッ!
709セッ子:2008/09/04(木) 21:38:53 ID:???
乙です。
識別できなくなるスタンド、ミューミューを彷彿とさせる恐怖ですね。
草アメフト…(使おうと思ってたなんて口が裂けてもいえんな。)

前回の続き投下します。
前回とあわせて一話になります。
710セッ子:2008/09/04(木) 21:40:10 ID:???
ところで、と典型的な日本人の切り出し方で俺はもう一度長門に声を掛ける。
「…何?」
「待っていた、っていってたよな。どういう意味だ、授業にも出ないで?」
その問いかけに対し、長門はいつもの無表情で淡々と答える。
「彼とあなたが来るのを待っていた。
先日未明に小規模な情報の変改がイタリアと日本の間で起こった。情報変改の原因はやはり前回と同じく涼宮ハルヒ。
内容は三年前の情報爆発のような世界規模のものではなく、もっと単純なもの。
イタリアと日本を空間的境界に亀裂を生じさせ、そこから珍しいものを取り寄せる。
それは涼宮ハルヒ自身が望んだことかもしれないし、偶然が重なっただけかもしれない。
しかしその結果として一人の人物が呼び出された。それが、彼。」
そういってセッコを指差し、また続ける。
「しかし呼び出されたものと涼宮ハルヒの接触、それによる情報遊爆の可能性。それを私の上は恐れている。
彼の能力と行動、それによる涼宮ハルヒへの影響、どんな些細な変化も見逃してはならない。
それが今回の変改に対する私の上の見解。それに従い私は行動する、そのために待っていた。」
つまりはこいつを監視するため、ということか。
「そう。」とこれも分かるか分からないかという程度に頷く長門。
なるほどな。どうやら俺の昨日の予想は的中していたようだ。
またあいつが迷惑なことを起こしている。しかも今度は現在の状況だけ言えば俺だけに対して超個人的に迷惑を掛けるというもの。
回りに迷惑を掛けているなんて毛ほども思ってないからもっと面倒だ。
肩をすくめ溜息をつく。同時に腹も押さえる。今朝と同じようにきりきりと胃が痛みはじめたのだ。
胃の痛みの原因1は今教室で授業を受けているだろう。
原因2は例によって例のごとく説明の意味を理解できず、備え付けの窓から外を飛ぶ蝶々を眺めている。
711セッ子:2008/09/04(木) 21:41:02 ID:???
「それで、今から俺とこいつはどうすればいい?」
しばらく沈黙が続き、時間的にも精神的にも耐えかねそう尋ねる。
すると長門はさも当然と言うように
「彼については問題ない。彼を一人でおいていても問題がないことに確証が得られるまでここで私が面倒を見る。
あなたはいつもどおり授業を受けてくれていてかまわない。」
と答えた。
面倒を見る、って授業にも出ずにか?
「それについても問題ない。授業には出なくてもついていけるように造られている。」
でも…
「大丈夫。」
そういう問題じゃないとも思うが、本人がそれでいいのならいいのかもしれない。
俺は身を転じ、ドアのほうへと向かう。
「オイ、どこ行くんだよーキョン!」
悪いセッコ。今から授業を受けに行かなければならないんでな、放課後までここで長門と大人しくしてろ。
「こいつと?」
そうだ、まさか嫌だなんていわないよな。
「だが断る!!このセッコが最も好きな…って、オイ聞いてんのか?」
ギャーギャーほざくセッコをおき、そのまま部室を後にする。
次に目指すのは、原因1が待つ教室。

結局俺は二時間目途中から授業を受けることになり、
ハルヒからは「遅い」と絡まれ、谷口からは「どこ探してもいなかった」と泣きつかれ、
散々な気分で迎えたくもない放課後を迎えた。
712セッ子:2008/09/04(木) 21:42:24 ID:???
終礼の終了を告げる残酷なチャイムが鳴り響く。
「ほら、早く!急ぎなさいよ!!」
そう声を教室中に響かせ、乱暴に俺の手をとって進もうとする女。
この女の事はたとえ健忘症になったって忘れることはできないだろう。
暴虐無人、唯我独尊、自己中心の象徴ことSOS団団長涼宮ハルヒである。
急げ、と言うのは今日もあの奇妙な活動があるからだ。
しかし俺はというとまだ荷物の整理も心の準備もできていない。できることならこのままとんずらしたいくらいだ。
しかし、今まで同様それを目の前の女が許すはずがない。
「さっさとしないと、もぐらすが逃げちゃうかもしれないでしょうが!」
もぐらす・・・ああ、セッコのことか。
そういえばこいつはまだセッコのことを地底怪獣だかなんだかと思ってるんだったな。
そこでふと、今朝のセッコとのやり取りを思い出す。
手を引かれ、部室に向かいながら自然な流れで俺はハルヒに問いかける。
あいつは本当に地底怪獣なのか?
するとハルヒは勢いよくこちらに向き直り喋りだした。
「当たり前じゃない。あんた何、もしかして脳ミソがクソでできてるの?
地面に潜れる上に、保護色の茶色。どっからどう見てもそうだったでしょ。」
しかしだな。
「じゃあ何、あんたあんな大きさのモグラがそこら辺にウジャウジャいると思ってんの?」
そう言ってまた先ほどのように俺の手を引き歩き出すハルヒ。
やはりハルヒにはあいつが茶色に、そう、オアシススーツが見えている。
つまりこいつもセッコの言うところのスタンド使いという奴なんだろう。
能力は、やはり世界を思い通りにするといったところだろうか。
それとももっとタチの悪い能力が今から生まれるのか。
それはまだ誰にも分からない。

to be continued…
713セッ子:2008/09/04(木) 21:50:20 ID:???
以上、日は空きましたが投下終了です。
なに?前回の次回予告と内容が違う?
それは作者が旨くまとめきれなかったからだよ。
逆に考えるんだ。
「これから三〜四話分の予告だった」と考えるんだ。

それでは拙い文章ですが何かあれば。
714マロン名無しさん:2008/09/04(木) 23:12:36 ID:???
乙!長門とセッコの絡みが楽しみだぜ!
71555:2008/09/04(木) 23:51:10 ID:???
GJ!二人ともスタンドが見えるんですね。……待った。確かキョンの妹も「もぐらくん」とか言ってましたね。
……ひょっとして、キョン家ってスタンド使いの家系?続けて投下します。
716ジョニィ・ジョースターの憂鬱:2008/09/04(木) 23:53:34 ID:???
第十六話「マドンナC」

「みくる!みっくるゥ!みっくるんるゥん!」
「グェス」は奇声をあげながら部屋に入ると、ぼくを水槽に投げ入れた。
宙を舞う間、セーラー服の少女が視界を掠めた。
激しい衝撃とともに地面に叩きつけられると、朦朧とする暇もなく悲鳴が耳を突いた。
「どう?お友達が来てくれたのよ。嬉しいでしょ?」
グェスの口から出たのは人形遊びをする少女のような台詞。しかし、その手に握っているのは生きた人間、みくるさんだ。
まただ。そうぼくは思った。また笑っている。直前の怒りに歪んだ顔が嘘のようにグェスは笑っている。
「さ、みくるちゃん。続きしよっか。お友達にも見せてあげようよ」
「続き」だって?嬉々とした表情はこの状況では不気味でしかない。拷問。最悪の二文字が頭をよぎる。
小さいぼくたちを痛めつけるなんてこいつにとってはわけもない。
例えば、今みくるさんを握っている手に力をこめれば?女性の力でもミニチュアサイズの人間を捻り潰すには十分だろう。
ぼくは最悪の事態を覚悟した。が、グェスがとった行動は一見拍子抜けするようなものだった。
グェスはみくるさんを文鳥のように肩に乗せ、一言。
「飛んで」
「飛べ」だって?見ると、乗せたほうの腕を曲げ、ここに飛べと言わんばかりに掌が広げられている。
あそこに飛べっていうのか?そんな事かと安堵する。が、すぐにそれは早計だとわかった。
今のぼくたちは……ざっと十pくらいに縮んでるのか?なら、グェスの肩の高さは?
今あいつは椅子に座っているから、一mくらい。……一m。ぞっとする。
普段は何て事ない高さだが、小さいぼくたちにとってはとてつもない。
身長の十倍ほどの高さ。もし床に落ちれば……即死なら運のいいほうだろう。
そんな失敗すれば死のダイブをみくるさんが出来るわけがない。
717ジョニィ・ジョースターの憂鬱:2008/09/04(木) 23:55:02 ID:???
案の定みくるさんは凍り付いたように下を覗き込んでいる。
「あ、あの……」
上ずった声。ピクリとグェスの眉が吊り上がる。
「ほ、本当にやるんですか……?こんな高さ……」
「ヘイッ!」
再びグェスは激怒した。みくるさんを手荒く掴むと指を突き付けた。
「物覚えの悪い野郎だな……言ったろーが。鼠が言葉を喋んのかよ、おい」
「……こ、こんなの無理でチュ」
みくるさんが震えた声でそう言うとグェスの態度は激変した。
「きゃわィィィイイ!とっても!とっても!きゃわイイねェェェ、みくるちゃん!」
狂ったように賛美の言葉を吐いた。そして戸惑うみくるさんを撫で始めた。
その間にもかわいい、かわいいと壊れたレコーダーのように繰り返している。
おぞましい。そう言う他はないが、この様子ならダイブはなしになるかも……。
みくるさんも同じ考えなのだろう。引きつった笑顔で撫でるグェスに応えている。
だが、淡い期待は簡単に裏切られた。グェスは唐突に撫でるのを止めた。飽きたように無表情になっている。
「……でもそれとこれとは話が別だ。あたしとお前の間には信頼があるよな?
なら出来るだろ?……飛べよ」
……駄目だ。こいつは何があってもこの無意味な飛び降り自殺をやらせるつもりだ。
止めなければ。だがどうすれば?スタンドも今は頼りにならない。
みくるさんはまだ飛ばない。いや、飛べるはずがないんだ。性格からすればとても出来る事じゃない。
「どうした……?出来ねーのか?あたしはあんたを信頼してるのに、あんたは応えるつもりはねーって事か?
あたしたちの友情を裏切るって事と見ていいんだな!?答えろッ!オイッ!」
「いい加減にしろッ!グェス、もう止めるんだッ!」
出来る事なんてまるでない。それでも言葉が出ていた。
グェスが憎々し気にぼくを見る。……標的を移したか?
「うるせーぞッ!黙ってろ!みくるッ!飛べよ!」
駄目だ。ぼくの事などまるで気にしていない。表情は苛烈さを増している。
「飛ばねーならもうあんたとは終わりだッ!そこの野郎も捻り潰してやるッ!」
しまった。最悪の結果だ。これじゃ二人とも……。絶望したその時だった。
幻じゃあない。みくるさんが宙を舞っていた。
718ジョニィ・ジョースターの憂鬱:2008/09/04(木) 23:57:47 ID:???
スローモーションのようだ。みくるさんが落ちて行く。
でも……駄目だ!目を閉じてる!あれじゃあ腕に着地しても踏み外す!
かといって、とても掌には届かない。床に落ちる!
ぼくは予想される惨劇から目を背けた。……静かだ。何の音もしない。まさか、成功した?いや、そんなはずはない。
あんなジャンプで掌に届くわけがない。なら、なぜ……?恐る恐るグェスを見る。
みくるさんが掌に座り込んでいた。なぜだ?どう考えても距離が足りないはずだ。どうにかして飛距離を延ばしたのか?
いや、それは違う。みくるさんを見ればわかる。あたふたと周りを見ている様子は策を弄した人間の物ではない。
みくるさんが何もしなかったなら、どうして……?答えはすぐにわかった。
簡単な問題だ。ぼくも、みくるさんも何も出来なかった。なら答えは一つしかない。
グェスだ。あいつが落ちるみくるさんをキャッチしたんだ。
でも、それは……あいつがわざわざ助けたって事か?……最初から痛めつける気はなかった?
なら、なぜこんな事を?そもそも、何か聞き出そうとする素振りもない。こいつは「強硬派」じゃあないのか?
……まさか。強硬派と関係がないなら、あの馬鹿げた「ダイブ」も「監禁」も全てあいつの気紛れなのか?
「ペット」のように、人間を支配するなんて。正気の沙汰じゃあない。
ぼくたちは、ひょっとするとこれまで一番ヤバい相手に捕まったのかもしれない。
「よおーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!
よく出来たッ!やっぱりお前が一番きゃワイイよッ!」
グェスが狂ったようにみくるさんを撫でている。おぞましい、本当におぞましい。
ぼくたちは今、ペットにされているのだ。
719ジョニィ・ジョースターの憂鬱:2008/09/04(木) 23:59:37 ID:???
どれくらい狂喜するグェスを見ていただろうか。
グェスは突然冷めた表情になるとちらりと時計を見た。
「……そろそろ夕飯の支度しなきゃ。みくるちゃん、友達と仲良くするのよ」
そしてみくるさんを元いた水槽に戻した。「またね」と手を振り笑顔で去って行く。
グェスが部屋を出るとみくるさんが飛び込んで来た。
「あああぁぁ……ありがとう……ありがとうございます……!
不安で……怖くて……!」
普段だったら嬉しいシチュエーションだが、今はとてもそんな気になれない。ぼくはみくるさんを体から離した。
「みくるさん、今は慌ててる場合じゃない。ここはヤバい。危険すぎる。あいつは何なんだ?説明してくれ」
毅然とした態度で諭すと、みくるさんは涙を拭いながら話し始めた。
「は、はい……。あの人はあたしのお隣さんのグェスさんです。親切な人でこんな事をするなんて……。
月曜日、いつも通り学校に行こうとしてグェスさんに挨拶をして。気がついたら小さくなってたんです。それで、連れて行かれたんです……」
「あいつは……『強硬派』なのか?」
違うだろうとは思ったが、念のため聞いておく。予想通りみくるさんはかぶりを振った。
「いえ……。多分違うと思います。これまでずっと……その、さっきみたいな事を命令されたんですけど、
涼宮さんの事や皆さんの事は聞かれませんでしたから」
やっぱりそうか。他のスタンド使いを呼ばれる事がなくて一安心といった所だが、ある意味こちらのほうが恐ろしいかもしれない。
グェスは組織の利害など関係なく、「趣味」としてこんな事をしてるって事だからな。
「……あの、やっぱりこれって……スタンドなんですか?」
恐る恐るみくるさんが尋ねる。この「小さくする」能力はぼくの知らないまた別の能力ももちろんある。
しかし、今はその可能性は無視しよう。いるかもわからない幽霊を相手してもしょうがない。
「多分そうだろう。あいつ……グェスも『スタンド使い』だ」
720ジョニィ・ジョースターの憂鬱:2008/09/05(金) 00:02:51 ID:???
ぼくがそう言うとみくるさんは死にそうな顔をした。スタンドを持たないみくるさんでは太刀打ちしようがないからだ。
しかし、悪いニュースばかりじゃあない。ぼくはこの前遭遇した弾丸を操るスタンド使い、「ホル・ホース」を思い出していた。
あの時、撃ち込まれた弾丸は距離をとったら消え去った。……つまり、「スタンド」には射程距離があるのではないか?
そしてそのルールがこの「小さくするスタンド」にも適用されるのなら、射程距離外に出れば無効化できる。
ぼくはこの一縷の希望と言える考えを話した。が、みくるさんはますます死にそうになっていく。
「……その仮説、あってるんですけど……すみません」
なぜか謝って俯いた。
「実はあたし、一度元の大きさに戻ったんです。さっきグェスさんが部屋を出て、その時に。
でも、すぐ戻って来て。メールを送るのが精一杯だったんです」
背筋が凍り付く。最悪の形で証明されてしまったようだ。
「……もう、グェスがぼくたちから離れる事はない?」
「……はい。職場にもあたしを持って行きますし、チャンスはないと思います」
泣きたい気分だ。今のぼくの爪のカッターではこの水槽のガラスですら切れるかどうか。
仮に切れたとして、グェスに気がつかれずに部屋を出られるか?分の悪すぎる賭けだ。
出来そうなのは……待て。さっきみくるさんは「メールをするのが精一杯」と言っていた。まさか……ぼくは携帯を取り出した。
「圏外、か」
多分電波も微弱になってるんだろう。元の大きさにならなければ、助けを求める事すら出来ない。
これで唯一の希望も断たれた……にもかかわらず、ぼくはさほど落胆してはいなかった。
721ジョニィ・ジョースターの憂鬱:2008/09/05(金) 00:04:42 ID:???
部室での古泉や長門の態度を振り返れば、どっちみち助けに来てくれない事はわかる。
キョンは……残念だがスタンド相手では力になれないだろう。
中空を見ながら思いにふけり、ふと視線を手元に戻すと、携帯が消えていた。
「え?あ、いつ取ったんだ?」
なぜかみくるさんがぼくの携帯を持っていた。手に取られた感触なんてなかったのに。
「え……?あれ、なんで?」
ぼくに言われて初めて手に乗った携帯に気付いたようだった。
慌てた様子で携帯を差し出す。受け取る瞬間に目が合った。ぼんやりと見つめていると、みくるさんの唇が動いた。
「助けには……来てくれないんですね?」
寂しそうに笑っていた。
722ジョニィ・ジョースターの憂鬱:2008/09/05(金) 00:09:26 ID:???
「違うよ。助けに来るさ」
反射的に嘘を口がついて出た。こんな簡単に悟られるなんて、ぼくの態度が悪かったのか?
「いいんですよ。無理しなくて」
みくるさんはわかっているようだった。きっと最初から。
恐らく、古泉や長門は助けに来ないと知っていた。だからぼくに連絡をしたんだろう。
ぼくは言葉に窮した。こんな寂しい笑顔をした人にかける言葉をぼくは知らなかった。
「あの……」
「ジョニィくん、でも二人を悪く思わないでください」
ぼくの沈黙を勘違いしたんだろうか。みくるさんは少し慌てたようだった。
「古泉くんや長門さんの言っている事とあたしの考えてる事は違うの。
……でも、みんなそれぞれ考えあっての事で、あたしが正しいって言いたいわけじゃなくて……
とにかく、しょうがないんです。あたしもきっと助けに行きません」
さっきの古泉と同じ事を言っているようだ。みくるさんもやはり組織の人間だ。
「……わかってるよ。でも……」
納得できるものじゃあない。ぼくたちが一緒に過ごした時間は1ヶ月程度だが、友達だと思っている。
今のように誰かが危険に遭ったら助けたい。……でも、もし彼ら同士が争う事になったら、ぼくはどうすればいいんだ?
「……それより、今はここから逃げる方法を考えよう」
ぼくは嫌な気分を押し殺しながら話を逸らした。とはいえ、今の状況は手詰まりに近い。
ぼくのスタンドという唯一カードが切れない以上、他からカードを持ってくるしかない。
要するに、助けてもらうしかないのだ。それか、何か偶然でグェスがぼくたちから離れるのを待つか。
どちらも確率は薄い。全く、現実ってヤツは非情だ。考え疲れて横になろうとした時、無機質な電子音が聞こえた。
「ジョニィくん、これは……」
チャイムだ。誰かが呼び鈴を鳴らしたのだ。パタパタとスリッパが音をたてる。開く鍵。そして……。
「あのー、すみません突然お邪魔して」
キョンの声。逆転のカードがそろったのかもしれない。

To Be Continued……
72355:2008/09/05(金) 00:14:30 ID:???
投下終了です。
なるべく早く続きを投下したいのですが、今の僕は某大冒険ゲームの配信が停止される事に絶望している最中です。
気長に待っていてほしいです。
724マロン名無しさん:2008/09/05(金) 05:28:29 ID:???
乙だッ!
725マロン名無しさん:2008/09/05(金) 07:43:46 ID:???
>大冒険
何かあったんだろうか。単なる鯖落ち?
それはともかく全員乙だーーー!!
726マロン名無しさん:2008/09/08(月) 19:16:18 ID:???
なんか9月いっぱいで閉鎖するらしいね。大冒険。
それはさておきGJ!!
727マロン名無しさん:2008/09/08(月) 23:36:17 ID:???
ディアボロにもジョニィの人にも
GJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJ!!!!
728マロン名無しさん:2008/09/10(水) 12:49:01 ID:???
もうそろそろ500いきそうなので新スレ立てといた
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1221017805/
729アメリカの人:2008/09/11(木) 12:42:18 ID:???
第50話 「シーズ・ア・ミステリー 2」

「ど〜〜〜なってんだよ〜〜〜〜」
「うるせぇぞッ!そのジュースは俺んだ!てめー俺の顔も忘れたのかッ!」
「うるせぇッ!だったら名前を言えやあッ!」
あたし達は客席でも起り始めたパニックを掻き分けながら進んでいた。
『しかし……こいつの能力、触れた相手に発動するのかと思っていたが………』
「どうやら射程内に入った奴全部って事みてーだな……キョン、奴のスタンド見つかったか?」
俺がスタンドの見えるカメラを回してあたりを眺める。
「いたぞ………」
『何処だ』
ウェザーさんが尋ねてくる。
「反対側だ……ハルヒがあっちにいるのか?」
「マズいぞ……ここから反対側に行くにはたっぷり10分近くはかかる……間に合わない………」
早くも万事休すか……そう思っていると、
『ウェザーリポートッ!』
次の瞬間、雨が降ってくる。携帯を取り出し何処かにかけていた徐倫が悪態を吐いたがウェザーさんは無視した。
『雨が降れば涼宮ハルヒは屋根のある場所に向かうだろう……グラウンドの横手に体育倉庫がある……あそこならすぐに行ける。
彼女達が避難するには一番の場所だ』
だが肝心のハルヒの見分けがつかないからな………。
『気にするな……多分向こうから話し掛けてくる』
730アメリカの人:2008/09/11(木) 12:44:11 ID:???
「どういう意味だ?」
『俺達は服装が変わっていない……涼宮ハルヒ……彼女の性格なら俺達だと認識したら間違いなく話し掛けてくるだろう』
なるほどな。……それからどうすんだ?
『無駄な戦闘は避けよう……涼宮ハルヒを連れて脱出する』
なかなかいい案だ。……逃げ帰るってのがなんだか嫌だが仕方ないだろう。相手の名前も顔も分からないんだ。
君子危うきに近寄らず、昔の偉い人もそう言ってるしな。

俺達が体育倉庫についたのは3分程してからだった。……ハルヒは……何処だ?
「あれ?キョン、こんなとこにいたの?」
ハルヒの声だ。目の前にはリボン付きカチューシャをつけた女がいた。
「ハルヒ……だよな?」
「当たり前でしょ?バカキョン……それより聞いてよ、さっきいきなり古泉君とみくるちゃん、有希とアナスイを見失ったのよ……変だと思わない?」
お前が迷子になったという可能性は無視か。
「何言ってんのよバカキョン!あたしが迷子なんかになるわけないでしょ!」
言葉では否定しているが視線を逸らすあたりどうも自分が迷子になったという可能性を捨て切れなかったようだ。
「ところでよ………」
徐倫が話を切り出す。
「………もう帰ろうぜ」
「何よ、折角有希が告白された相手を見に来てるのに」
「……見て分かんねーのか?周りのこのパニック………」
「……そういやそうねえ……さっきは焦ってたから気付かなかったけど」
731アメリカの人:2008/09/11(木) 12:45:13 ID:???
ハルヒは少し迷ってから、
「しょうがないわ……帰るわよ」
……本当か!?
「……何そんなに驚いてんのよ?」
いや……お前の事だから散々ごねるだろうと思ってたが……こうもあっさりすると……な……等と言えるわけがなく、
「そうか」
言いたい言葉を飲み込み、返事をする。
「それじゃ行くわよ……あの世にね」
「え?今なんつった?」
「離れろキョンッ!そいつはハルヒじゃないッ!」
徐倫がそう叫ぶと同時に何か……多分スタンドだ……に殴られ吹き飛ぶ。
「考えが足らねーな……服装じゃ分からないから声だけで誰か判断するたあ間抜けだぜ」
ハルヒの声だろ……てめぇ………。
「最近の機械は便利な物だな……合成音声だよ。涼宮ハルヒの声を作っていたんだ……普段なら間違いなく気付かれるがこんなパニックが起ってうるさいなかじゃ分からなかったろ?
ちなみに服はあらかじめ用意しておいた……女物着てるこっちの身にもなってみろ」
『ウェザーリポートッ!』
ウェザーさんが殴りかかる。が、男はカチューシャと上着を脱ぎ捨て人込みに飛び込んだ。
「マズい……このままじゃ逃げられるんじゃねえのかッ!?」
『いや……おそらく奴はここで決着をつける気だ……奴がどんな姿に化けているか分かれば……なんとかなるかもしれないが………』
だが……あるのか?そんな方法………?と、その時徐倫が携帯を何処かにかけた。5分程して切ると徐倫は顔をあげた。
「………いや、ある」
『徐倫、なんだその方法は?』
732アメリカの人:2008/09/11(木) 12:47:12 ID:???
「それはな……スタンド使いはタバコの煙を吸うと鼻の横に血管が浮き出る」
『……………』
「……………」
そんなのに引っ掛かるような馬鹿なら苦労しないと思うぞ………。それにタバコ吸ってる奴なんて一人もいないぞ。
「引っ掛かってたら……どうする?」
なんだと?慌てて見回すと……いた、鼻の横を調べている男が。
『しかし……何故奴が引っ掛かると分かっていたんだ?』
「タバコよ……あいつ、タバコを吸うみたいだからな……引っ掛かる可能性は高いと思ったんだ」
いつあいつがタバコ吸ってたんだ?俺は覚えてないぞ?
「あたしも覚えてねーよ」
『なら何故分かった………』
「古泉だ」
古泉……?
「実はこの攻撃をくらってから暫くしてから古泉の機関に頼んで上空からあたし達の監視を頼んだんだ……あの機関ならそれぐらいはできそうだからな……ハルヒに化けて奴が接触してきた時に奴のこれまでの一連の行動と居場所が特定できたのよ」
「あのさ……だったら最初から分かってたんだろ?さっきのあれ……いらないんじゃなかったのか?」
「一回言ってみたかったんだ……おっと、もう逃げられないわよ」
徐倫が客席の男の肩を掴む。
「な……なんなんだよ〜〜あんた達……だ、誰なんだよ〜〜〜」
「しらばっくれるな……とっくにバレてるんだ………」
「な、何を………」
「………じゃあな……オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!」
「おがぐっ!」
男が大怪我を負って吹き飛び、気絶した。
『……なるほど、確かにこういう顔の奴だったな』
……周りの奴がパニクってて気付かれなかったのは幸運だったんだろうな。
「そういえば………」
なんだ?徐倫?
「こいつの名前、聞いてなかったな」
その後、長門の告白騒動は意外な結末を迎えた。……ま、それは機会があったら話す事にするよ。
真柴啓一朗 シーズ・ア・ミステリー 再起不能

To Be Continued・・・
733アメリカの人
見ても見なくてもいい履歴書
真柴 啓一朗
173cm A型 6月14日 21歳
性格 自己中心的で、自分や仲間さえよければ構わないという性格。だが、意外と常識はわきまえており、無理と分かれば手段を変える柔軟性もある
好きな食べ物 マカロニ パスタ
嫌いな食べ物 メロン オニオン
趣味 音楽観賞、特にジャズ

シーズ・ア・ミステリー
パワー C スピード B 射程距離 能力はA 持続力 A 精密動作性 B 成長性 D
能力 射程内の自分以外の脳の忘れるという機能を奪う。これを奪われるとわずかな差でも人が認識できなくなる。

今回は後書きもいっしょに書きます

以上、第50話でした

後書き書くこと無いんだよな……

それでは!