ネギまバトルロワイヤル18 〜NBR][〜

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817マロン名無しさん:2008/02/04(月) 03:13:06 ID:???
100話いかないって言ってたから後1週間〜10日くらいかな?
次スレに越しそうだな。
818マロン名無しさん:2008/02/04(月) 18:06:14 ID:???
作者さん別館さん乙です

このかがかっこよすぎました
なんかロワっぽくなくなったうえに突っ込みどころ満載ですが…
服の綴じが右が上だということにやっと気付きました /^0^\
今度から気をつけます \_0_/
ttp://www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up30614.jpg.html
819メモ帳 ◆M1/Jm6iesU :2008/02/04(月) 19:04:46 ID:???
>>818
コテつけるの忘れてたorz
820マロン名無しさん:2008/02/04(月) 19:23:45 ID:???
ハイペースな投下乙です。
毎回色までついて凄い!
821作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/04(月) 20:05:19 ID:???
>>807>>809
スルーしようと思ったんですけど…。
一体何なの^^?

>>818
うわぁ、何かもう毎回同じようなコメントになるんですが素敵すぎます。
早速保存させていただきました。

では投稿始めます。
822作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/04(月) 20:06:40 ID:???
六十ニ、 <<情に流されたヒーロー 〜U〜>>

私、思うんだよね。
ま、大事な友達は居るよ、私にも。
だけどさ、自分の命投げ出してまで助けるものなのかね。
そりゃ友達居なきゃ寂しいかもしんないけど、
自分が損をすることに変わりはないじゃん。
護りたいとか助けるとか、本当に自分がやりたいことなわけ?
自分が助かれば良いじゃん。また元の生活ができれば良いじゃん。
命張ってまで、どうしてそんなに熱くなれるの?

――そう、考えていたが。

「ハァ…ハァ……。」
押さえた腹部からは純血が止め処なく流れ落ちている。
何度も意識を失いそうにながらも懸命にあの場から離れる美空。
血走った双眸を首輪探知機の画面の中で点滅する青い円に向けて、
次々と視界の端に現れる木にいちいちもたれかかりながら歩いていた。

私、思うんだよね。
ま、大事な友達は居るよ、私にも。
だけどさ、自分の命投げ出してまで助けるものなのかね。
そりゃ友達居なきゃ寂しいかもしんないけど、
自分が損をすることに変わりはないじゃん。
護りたいとか助けるとか、本当に自分がやりたいことなわけ?
自分が助かれば良いじゃん。また元の生活ができれば良いじゃん。
命張ってまで、どうしてそんなに熱くなれるの?

――そうじゃなくて。
823作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/04(月) 20:07:17 ID:???
違う。
護りたいっていうこのかの気持ちは、本気。
"だけどそれじゃ桜咲さんは?"
"彼女は、自分の知らないところでこのかがそんなことを考えながら死んじゃったって知ったらどう思う?"
"何もできなかった、って。この気持ちはアンタが一番知ってるでしょう。"
柄じゃない。だからこの言葉をアンタに言うことができなかった。
深刻な空気って嫌いだし。あそこで茶化すのもどうかと思ったから、ふーんっていう一言で済ませた。

(今このかを死なせたら、私桜咲さんに怒られるだろうし…。)
腹部を一瞥して、美空は溜息を吐いて目尻に浮かんだ涙を拭った。
陸上部で鍛えたこの速力と脚力を全力発揮すれば、間に合うはず。
しかし、美空は持つのだろうか。どんなに神様に祈っても出血は止まってはくれない。
自分は助からないのに、木乃香は助かるかもしれない。それって、得をするのだろうか。
「……ハァ…ハァ………。」
最初、木乃香と夏美を見つけたときも弱った赤組が発見できて
"自分が生き残る絶好のチャンス"だなんて思っていた気がする。
誰かと行動したい、という気持ちと自分が生き残りたい、という
矛盾した気持ちの狭間で、美空はまだ揺れていたのだ。
それなのに、結局は身体が動いてしまっていた。
―――こんな風に。

美空はつま先で地面を二回ほど突付くと一か八かの賭けに出た。
全力でこの画面上に映る青い首輪を持つ人物への元へと走り出す。

これが刹那であることを願って。
824作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/04(月) 20:08:31 ID:???


「お嬢様……。」
刹那は裕奈を失ってからずっと木乃香を探して一晩中走り続けていた。
一睡もしていないのに、木乃香がそれ程心配なのかちっとも眠くならない。
体育館の中で、刹那は木乃香に入り口付近で隠れて待っているように指示した。
それにも関わらず、木乃香の姿はどこにも無く、放送でも名前が呼ばれることはなかった。
実は少しだけ、刹那は木乃香の気持ちに気付いていた。
いつも木乃香は皆のために治癒魔法を懸命に学んでいた。
少しでも誰かの役に立つために、少しでも足手まといにならないように。
木乃香は刹那に護られていた。だがそれを彼女は"甘え"だと思っていたのかもしれない。
これ以上自分に迷惑が掛からないように、自分に気を遣って。
そんなこと、微塵も思っていないというのに。
「お嬢様、どうかご無事で…!」
翼が出せるものなら出す。誰に嫌われようがそれで皆を、木乃香を護れるのなら悔いはない。
先ほど意を決意してそれを試みてみたが無駄だった。
やはり全ての力が封じられているらしい。
焦燥感に駆られ、足を止めることなく延々と動かせていた。
――その時。

「助……け………て…!」
「……!」
小さな、掠れたような声。自分を求めているらしい人。
まさかと思い振り返ると腹を穿たれた美空が跪いていて、
視線が交じり合った瞬間に安堵したような表情を浮かべた後で崩れるように四つん這いになった。
「美空さん…!一体誰に!?」
「……お…ね……がい……。このかを、助けて。」
825作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/04(月) 20:09:11 ID:???
継ぎ接ぎで並べられる言葉。だが一言一言の発音は明瞭だった。
刹那が駆け寄るのを見てから、幾度か浅い呼吸を繰り返した後にまた続きを述べる。
「このか……は、この先…まっすぐ来たとこで……戦ってる…。」
「お嬢様が…!ですが…美空さんは…?」
「行って……。私は…どうせ……この傷じゃ…。…お願い、桜咲さん…。」
最期に全力を振り絞って吐き出された言葉に、歪みながら細められる双眸。
二度目のクラスメートの死に目頭が熱くなるような、少し痛くなるような感覚が広がる。
そして、刹那は立ち上がった。向かう先は木乃香が居る場所。
「有難うございます、美空さん。」
その時、刹那の決意を知った永遠の眠りについたはずの美空の表情が、少し緩んだ気がした。

【春日美空 死亡
       ―─赤組残り7名
       ─―青組残り9名】

【桜咲刹那/青】
[状態]健康
[武器]救急セット
[思考]
1/無意味な殺しはしない。
2/お嬢様を助ける。
826作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/04(月) 20:10:02 ID:???
移動します。
827マロン名無しさん:2008/02/04(月) 20:14:54 ID:???
>>821
>一体なんなの^^?

/^o^\_0_/
828マロン名無しさん:2008/02/04(月) 20:15:32 ID:???
リアル遭遇ktkrr

GJ
829マロン名無しさん:2008/02/04(月) 20:17:27 ID:???
乙\_0_/^0^\
美空、空気卒業したな
良い最期ですた
830代理:2008/02/04(月) 20:23:29 ID:???
六十三、 <<戦うお嬢様 〜U〜>>

「ようやく静かになったか。」
「ハァ…ハァ……。」
仰向けに倒れた木乃香の真正面には広がった青空、そして所々に散りばめられた雲。
これが何を意味するのかは考えなくともわかる。
木乃香は勝負に敗北し、身体は動かなくなってしまった。
可憐さを失った顔は傷だらけ、雪のような透き通った色をしていた手足は痣だらけ。
洗濯したばかりの制服も汚れて破れており、空白の部分からは肌が露出していた。
けれども木乃香は凛々しく笑んだ。ちっぽけな自分が一人で"何か"をできたことが嬉しくて。

(そういえば…美空ちゃん、大丈夫やったかな。)
(夏美ちゃんたち……ようやってるやろか。)
――自分の命が危ういというのに他人の心配をして。
「とどめだ、茶々丸。」
「了解。」
最後に、迫りくる銃を前に木乃香は昔のことを思い出していた。
831代理:2008/02/04(月) 20:24:01 ID:???

……
「なぁ、せっちゃん。」
「何やこのちゃん?」
刹那と木乃香は肩を並べて桜並木を歩いていた。
枝から旅立った桃色の花弁が刹那の髪の毛に絡んでいたのに気付いた木乃香がそれを摘んだ。
それを手のひらに乗せた花弁に息を吹いて飛ばす。
「花びらついてるえ。」
「あ、ありがと…。」
一瞬の沈黙があって、また木乃香が口を開く。
「ウチら、ずっと一緒やんなぁ。」
夕焼けのせいだろうか、少し刹那の頬が赤く染まったような気がした。
そして刹那は無邪気な笑みを表情に刻んだ後で、
木乃香の手を優しく握り締めた。
「うん、ずっと一緒や。このちゃんの傍に居たい、ウチがずっと傍で護ってあげる。そうすればウチ、幸せやから。」
「…ありがとな。」
ずーっと、ずっと。
ぎゅっと手を握り返して、永遠の友情を二人は夢見た。

……


(でもな、せっちゃん。本当は、違うんよ。)
瞳から流れた涙がこめかみを濡らす。
(本当はな、)
茶々丸が引き金を―――
832代理:2008/02/04(月) 20:24:32 ID:???
ドガァァッ!

「…!」
銃が空を舞い、突如茶々丸の視界が急激な速度で天から地へと移行した。
機械音を耳にした後、木乃香は我に返って視線を動かした。
偶然一番に目についたエヴァの表情が、微かではあるが強張っている。
そして緩やかな速度で右側へと移していくと、"彼女"が居た。
「せっちゃ……。」
「お嬢様を……お嬢様を傷つけたのは、貴様らだな。」
まるで別人のように険しくした表情でエヴァを睨む刹那が、
先ほど茶々丸が居た筈の位置に立っていた。
受身を取ろうとしたが間に合わず、倒れた状態のままの茶々丸が主人の危機を察して
注意を逸らすべく瞬動で刹那の懐へと潜り込み、急所である顎を狙おうと肘を下から振り上げる。
が、無残な姿になった木乃香を護りきれなかったという自分への怒りが糧となり、
避けることなど容易かった。そして茶々丸の肘を振るった方の拳を取り、
刹那が上半身を後方へと捩って茶々丸の胴体を投げ飛ばした。
「茶々丸……く!」
即座に次の行動に出る刹那が、茶々丸に駆け寄るエヴァの進路を阻んだ。
刹那は一歩足を踏み出したのを合図に一気に攻め込んだ。
気付けばエヴァの視軸は夕陽へと寄せられており、顎に衝撃が走ったと
思えば相手が利き手を突き出している体勢が見えたと同時に身体が後ろへと倒れかける。
このまま倒れてしまえばやられる!
咄嗟にその答えに有り付いたエヴァが伸びてきていた刹那の手首を掴み、
身体を捻ると共に足を後方へと振り上げ獲物を捕らえた左手を大きく振るった。
833代理:2008/02/04(月) 20:24:54 ID:???
「…ッ。」
両足首まで地面に埋まりそうなほどの渾身の力を振り絞って投げ飛ばされた。
だが刹那は両足を曲げ腰を低くしてズズズ、と滑りながらも見事着地。
やはり戦歴の違いというやつだろう。流石に簡単にやられてくれる相手ではなかった。
「随分とでかい態度を取るようになったじゃないか。自分のせいで愛しのお嬢様がズタボロにされたのがそんなに悔しいか?
そうなのだろう、何せそんなになるまで放ったらかしにしてしまったのだからな。」
汗を垂らしつつも嗜虐的な笑みを浮かべて黒いマニキュアが塗られた尖った爪を天へと向ける。
「……うっ!」
まるで刀身のように輝いたそれは、刹那の腹部を掻き毟った。
その一撃は意外にも深く、衣服が破れそこから覗く肌からは赤い血が辺りに撒き散らされる。
「せっちゃん!」
そして後ろへ倒れそうになった身体を後ろ足で支える。
途端、視界が僅かに右側へとずれると、そこに投げたはずの茶々丸の姿が無かった。
次に来る、と認識したときにはもう遅い。茶々丸に背後を取られていた。
左肘付近の自由を奪われ、思い切り地面に顔面から叩きつけられた。
「うぶッ…!」
「無様な姿だな。」
それでも諦めずに抵抗するところは刹那らしい、木乃香を護るという本能の働きは異常に速く、
頭部を鷲掴みにする茶々丸の右手首を掴み横に払い地面を手のひらで突き飛ばし、
宙へと脱出し、木乃香の前へと着陸した。このままでは暫く膠着状態が続きそうだ。
しかしこんな非常時になって昨日一睡もせず走り回っていた身体への反動が現れた。
やはり素手で2対1は分が悪い。並の人間ならば何とかできただろうが、相手はエヴァと茶々丸。
だが木乃香をここまでした敵に背中を見せるわけにもいかない。
身体中の全神経を集中させ、刹那は構えを取った。
「本気だな。行くぞ茶々丸!」
「はい。」
834代理:2008/02/04(月) 20:25:16 ID:???
【絡繰茶々丸/青】
[状態]異常無し
[武器]FN ブローニングM1900
[思考]
1/マスターを護る。
2/マスターを生き残らせる。

【近衛木乃香/赤】
[状態]左足捻挫、口内出血、体中に傷・痣
[武器]無し
[思考]
1/護られてるばっかりは嫌や。
2/ウチが誰かを護りたい。
3/夏美と一緒に強くなる。

【桜咲刹那/青】
[状態]健康
[武器]救急セット
[思考]
1/無意味な殺しはしない。
2/お嬢様を助ける。

【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル/赤】
[状態]健康
[武器]納豆
[思考]
1/新田を殺す。
2/ゲームに生き残る。
835代理:2008/02/04(月) 20:25:49 ID:???
作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/04(月) 20:15:01 ID:pKKBd7gI0
終了。

あの、思ったんですけど昨日定期放送までで止めておけば今日三話投稿でもキリ良かったんですよね。
さっき気付いたので、そこはつっこまないであげてください。
836マロン名無しさん:2008/02/04(月) 20:45:03 ID:???
作者さん代理さん乙でした
せっちゃんktkr
だんだん物語が繋がってきたみたいですね
明日も期待してます!
837マロン名無しさん:2008/02/04(月) 20:46:46 ID:???
作者19氏、投下乙です
明日も期待してまするー
838マロン名無しさん:2008/02/04(月) 20:59:45 ID:???
投下乙です。
http://imepita.jp/20080204/753080

刹那書いてみたんですけどなんかロワじゃないっすねこれしかも未だ後ろ姿だけです……orz
839マロン名無しさん:2008/02/04(月) 21:20:28 ID:???
作者19も絵描いた人も代理もGJ

皆張り切ってんね
840葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/02/04(月) 21:27:23 ID:???
投下乙です。
http://www.imgup.org/iup550813.jpg.html

久しぶりに絵を描いたら絵柄変わっててびっくりした。
19部序盤の楓をイメージしました。武器が違うのはご愛嬌。
841マロン名無しさん:2008/02/04(月) 21:32:48 ID:???
相変わらずネギロワのこのせつは泣けるな…
842マロン名無しさん:2008/02/04(月) 21:35:12 ID:???
>>838>>840
GJ!




誰か嫁の美空を描いてくれorz
843マロン名無しさん:2008/02/04(月) 21:51:56 ID:???
作者19氏 代理氏 絵師の方々

乙です
844S ◆ECugE/VfCQ :2008/02/04(月) 21:52:21 ID:???
ttp://www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up30616.jpg.html
別館の短編集のTOPコンビ。
タカミチがあまりにかわいそうだったので…;
別館氏も頑張って下さい!

>>19>>838 >>840
投下乙です!どれもレベルが高い…ハァハァ
845マロン名無しさん:2008/02/04(月) 21:56:40 ID:???
お前ら絵描きすぎwwwそして上手すぎwwwwwwwww
846マロン名無しさん:2008/02/04(月) 21:58:52 ID:???
>>844
クオリティ高すぎるわらたwww
タカミチの涙が素敵すぎるwwwwww
短編館のトップ画像はこれで決まりじゃないか?
847マロン名無しさん:2008/02/04(月) 22:00:44 ID:???
作者19氏乙です。
そして絵師さん達も素晴らしいです。

相変わらずSさんは凄いですね…
しずなの読んでる本の表紙が/^o^\て芸が細かいwwwwww
848マロン名無しさん:2008/02/04(月) 22:05:32 ID:???
美空ああああああああ(;o;)
GJすぐ!


>>844
/^0^\くそわろた
849マロン名無しさん:2008/02/04(月) 22:13:20 ID:???
>>844
貴方はどんなけ神なんだ!wwwwwww
850マロン名無しさん:2008/02/04(月) 22:18:38 ID:???
>>844
凄すぎるww
/^o^\気付かなかったww細かいwwwwwwwwwwwww
851マロン名無しさん:2008/02/04(月) 22:59:50 ID:???
>>815-816
亀で悪いが無事読めたサンキュ
お前らの優しさに惚れた

此処も暫く来ない間に神スレになってて驚いたわ
衰退してた時代が嘘の様だ
もう本当GJっす
852マロン名無しさん:2008/02/04(月) 23:06:47 ID:???
こんな神スレ久々だw
皆GJ!
853メモ帳 ◆M1/Jm6iesU :2008/02/04(月) 23:10:13 ID:???
みんな本当にGJですよ!
今日は絵を描いてる人多くて楽しいのでマッハでもう一枚描いてしまいました…>>842美空の画質がヤバくてごめんよ
http://s.pic.to/n9gy7

スキャナ欲しいなぁー…
854842:2008/02/04(月) 23:21:10 ID:???
>>853
まじ神だな
ありがとう、大切にします
855マロン名無しさん:2008/02/04(月) 23:23:23 ID:???
一日に四枚…
何かが起こる……何かが起こるぞ…!!!
856別館まとめ:2008/02/04(月) 23:53:13 ID:???
何?この盛り上がりw ずっと/^0^\ヒャー

皆様、短編に関してレスをありがとうございます。
>>800 あっ・・・。素で間違え・・じゃなくて、わざとです。
と、言いつつも次回更新時にこっそり直っていたりして・・・。

>>801 私の感想は個人的なので・・・。各ページの下にちょこちょこと
一言感想は書いてあるので一覧はしばらくこの形にしようと思います。

>>802 >>804 そうですね。短編ごとにロゴを貼っても文字が見えないので
ロゴを貼るのはやめようと思います。絵に関しては貼らないとページが寂しくなってしまうので・・・。
短編毎に絵も貼らないほうが良いとの意見が多ければ考えます。
今後は短編の主役人物の絵を貼って行こうかと思います。
次回更新時に修正しますね。

>>804 新着順は・・・逆からになるのでまとめるのが辛いorz
ただ、全て一覧化が終わってからなら対応可能です。それまでは古い順で・・・。
857別館まとめ:2008/02/04(月) 23:55:00 ID:???
メモ帳様、葱坊主、S様、838様
レベルの高い絵の投下をありがとうございます。
今週末には保管できるかと思います。
(本日の投下分は全て保存できましたのでロダから流れても別館に保管可能です。)

メモ帳様は本日、2枚描いて頂きありがとうございます。
毎回、色が付いていて手間が掛かっているのを感じます。
確か、美空の絵は初だった気がします。

>>838さんの後ろ姿の絵は新鮮でした。

葱坊主さんの絵のタッチは見たことがあるような・・・。
デフォルメされているようで、どことなく怖さがありますね!

/^o^\_0_/ヒャー/^o^\_0_/ヒャー
Sさんの絵が別館のタカミチとしずなですね!
そうそう、短編TOPの2人の会話はこういうイメージです。
>>846さんの言うとおり、短編館のトップ画像はこれで決定です!

最後になりましたが作者19様、代理様、本日も投下お疲れ様でした。

//////////////////////////////////
本日は別館の更新はありません。
次回更新予定は2月10日の予定です。
858携帯まとめ:2008/02/05(火) 00:04:40 ID:???
何という神展開/^0^\みんなGJ


なんか別館氏に言われて、そろそろ画像のうpロダ作るかって話になってるんだけど、携帯推奨の我がレンタルスペースでそれっぽいの作って大丈夫?

もしいいなら適当にいくつか作って、使いやすさとか容量とかをみなさんに判断してもらおうかと思う
859マロン名無しさん:2008/02/05(火) 00:14:04 ID:???
別館の更新が楽しみで仕方ない件。

>>858
作って別館にリンクできるのであればOKだと思う
860マロン名無しさん:2008/02/05(火) 00:16:01 ID:???
別館氏乙です。
感想欲しいと言った者ですがよく見たら1番下にありましたねw
気付かなかったorz
ならそのままで良いです。余計な事言ってすみませんでした。
861マロン名無しさん:2008/02/05(火) 00:31:41 ID:???
皆ネギロワ見てんの?
862861:2008/02/05(火) 00:41:45 ID:???
ミス
863マロン名無しさん:2008/02/05(火) 01:54:01 ID:???
作者19さん乙です/^o^\
調子に乗ってすみません/^o^\_0_/^o^\

.        / /\     /\   \
       /                      \
        /        ○            \
864マロン名無しさん:2008/02/05(火) 02:25:15 ID:???
やっぱりエヴァ様は悪役が似合う
それに戸惑いながらも従う茶々丸・・・理想のエヴァ茶々だぜ
865マロン名無しさん:2008/02/05(火) 02:41:03 ID:???
未だに引きずる朝倉の理不尽な死……

だが/^o^\のAAまで作る>>863に思わず吹いたww
866マロン名無しさん:2008/02/05(火) 06:56:59 ID:???
>>863
クソワロタww
867携帯まとめ:2008/02/05(火) 15:07:15 ID:???
ttp://atura.jp/bbs/top/negirowa

とりあえず、本当にやっつけで建てた。ロダっつーか掲示板だけど
ちなみに俺が使ってるトコは100kbが限界でしたorz
868マロン名無しさん:2008/02/05(火) 16:52:02 ID:???
アップローダーってSさんが使ってるとこのタイプをレンタルすれば良いだけじゃないの?
869マロン名無しさん:2008/02/05(火) 18:00:19 ID:???
中断すません
昨日後ろ姿の刹那貼った者です
美空書けたんであげてみます
http://imepita.jp/20080205/645250

名乗らないと逆に紛らわしくなってしまうのでこれからは『ぬこ』って名乗ってもいーですか?
870マロン名無しさん:2008/02/05(火) 19:23:40 ID:???
俺はもう少し描けるようになって名乗った方が立派だと思う
871マロン名無しさん:2008/02/05(火) 19:28:24 ID:???
今倉庫見てたら16スレの>2にとてつもなく恥ずかしい事書いてたの思い出してしまったorz
872マロン名無しさん:2008/02/05(火) 19:37:00 ID:???
>>870 わかりました!!!!
ちゃんと書けるように出直して来ます!!!!!
873マロン名無しさん:2008/02/05(火) 19:37:26 ID:???
>>869
乙!美空かわいいよ美空
俺は絵描けないから投稿するだけでも充分すごい
874マロン名無しさん:2008/02/05(火) 19:48:17 ID:???
下書き日本刀まきえ
http://imepita.jp/20080205/712450
875葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/02/05(火) 20:46:47 ID:???
みんな書いてるから私も書いてみた。

http://www.imgup.org/iup551367.jpg.html

876マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:02:34 ID:???
一瞬キャプテン翼に見えた。
もっと時間かけて描いた方が上手くいくのでは?
877マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:05:31 ID:???
流れに乗って描いてみました

みそら
http://www.imgup.org/iup551374.jpg.html
878作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:12:03 ID:???
絵師さん方超乙です。
全部保存しました!

ていうか…何であの顔文字あんなに人気なの^^;
>>844とか>>863とか見たらもうツッコミの言葉じゃなくて感心の言葉しか思いつかないんですけど…。

今から投稿します。
879作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:13:22 ID:???
六十四、 <<戦うお嬢様 〜V〜>>

先ほど、まき絵の耳に乾いた銃声が届いていた。
そして直感が"そっちだ"と叫び始めた。
そりゃあ、まき絵だって流石に銃相手だと恐怖心も湧く。
だがまき絵の決意の大きさの方が二倍も三倍も、何万倍も上回っているのだ。
まき絵は草木を掻き分けて音の出所へ走って、走って、走り続けていた。

思えば私は、このゲームで誰かのために何かをやったことが何一つ無い。
あやかに手を引かれ夕映に慰められハルナに助けられた。
おまけに、亜子があんなことになっているというのに自分は泣いてばかりいた。
だからせめて、これだけは成し遂げたい。
この役目は、絶対に果たしてみせる―――!

まき絵が辿ってきた道の向こうでは灰色の煙が空へと舞い上がっている。
その中に二つの魂が混じって天へ昇っているのだろう。
景色が後ろへと移動する度に全身のあらゆるところが軋む。
油断したら目の前が真っ暗になりそうだが、まき絵は日本刀を胸に刹那を探す。
無駄に重たいバックは身体に負担が掛かるため置き去りにして。
後ろを振り返ってはいけない。ただ前だけを見て。
遠慮なしに草木を揺らす音を立てて、疾走することだけに全身全霊を込める。
枝の先端が頬の皮膚を切り裂いても、視界の中に髪が入り込んできても、
冬の凍るような空気に喉を押しつぶされても、やらねばいけないことを遂げる。
「あう!」
前方ばかりを気にしていたため石に躓いてすっ転んでしまう。
それでも痛みなんて気にしていられない。
膝についた土を払うこともなくすぐに立ち上がるとめげずにまた走り始めた。

880作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:14:11 ID:???
残像だけを置き去りにして俊敏な動きでエヴァが刹那の背後を取る。
身を反転させてエヴァが肘を打ち込もうとする瞬を見遣ると姿勢を低くして、
地面に手をつきエヴァの顔面へと右足を振り上げた。
すると茶々丸の顔が視界全体に逆さまに入り込んでくる。
相手が攻撃に移る前にと刹那が両腕をバネに地面から宙へと跳躍する。
すかさずエヴァが茶々丸の銃を拾い上げ一発二発と発砲してくる。
だが刹那は器用に上半身を捻り向かってくる銃弾を避けた。
そして着地した後で許される限り茶々丸との距離を詰めた。
茶々丸が拳を放ってきたのを見計らい、伸ばされた右腕を流し肩を右手で掴む。
「…しまっ……!」
神鳴流奥義、浮雲・旋一閃!
刹那が茶々丸の身体を身の方へと引き寄せ足を絡めると、
空へと跳んで前方回転をし、引力に任せて茶々丸の身体を地面に伏した。
偶然下敷きになった左腕が重力によって破壊される。
「次は貴様だエヴァンジェリン!」
「チッ。」
機会が飛び散る様を見届ける前に目標を切り替えた刹那が、
宣言だけを残してエヴァの視界から姿を消した。
エヴァが舌打ちをし、体内に流れる気を集中させ刹那の次なる行動を読む。
上か、右か、左か、後ろか、はたまた――
「前か!」
最大限に刹那の顔が迫った瞬時にエヴァは銃を握った両手を伸ばし引き金を引いた。
――が、しかし。
「!!」
「ここだ。」

下――。
881作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:15:08 ID:???
空虚を打ち抜いた銃を握るエヴァの右腕を刹那が下から向かい合った状態で右手で掴みあげる。
そして一歩引いていた左足を軸に身体を回転させ、
勢いに任せて左肘で相手のみぞおちに打撃をいれた。
「ぐッぅ…!」
撃たれたそれは凄まじい速さのせいもあって重たい一撃だった。
修行に付き合ってきた中で感じてきたものとはまた別段の強さだ。
エヴァの中には刹那の新たな強さに激震が走った。
だが刹那に負けるだなんてエヴァのプライドが許さない。
「貴様ァァァア!」
「…っ!」
怒りによって全身の力が湧き上がるエヴァの素早さが一段と上がる。
刹那は繰り出される技の数々を喰らうことはなくただ回避するので精一杯だった。
次々に迫ってくるエヴァの両腕両足、それを掴んで投げるタイミングも計らうこともできない。
下手に手を出すと今度は自分が茶々丸のように――!
"回避するので精一杯だった"
つまり、それ以外に注意を向けることができなかったわけだ。
「な……!」
刹那の動きがピタリと、まるで何者かに足首を捕縛されたかのように止まった。
恐る恐る見下ろした足元には、実際に髪を地面に垂らして脹脛を抱きしめている茶々丸の姿があった。
片腕だけとはいえ、生身の身体ではない彼女の腕力は凄まじい。
「…少々衝撃が強かったようです。右腕だけでは長く持たない可能性があります。」
「あァ、一分も掛からないさ。しっかり捕まえておけ。」
どう足掻いても茶々丸の腕の中から逃げ出すことは出来なかった。
刹那は歯を食いしばって顔面蒼白の木乃香を見る。
(ここでやられたら、またお嬢様を傷つけてしまうことに――!)
882作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:16:35 ID:???
一歩、
せめて、何か武器があれば――。
一歩、
愛刀があれば太刀打ちできるのに――。
一歩、

「終わりだ。」
いやらしくエヴァの口角が吊りあがる。
まるでその笑みは刹那を蔑むような腹ただしいものだった。
刹那は目を瞑った後、もう一度木乃香の方へと視線を向けた。
そして、その瞬間目を丸くしたのは木乃香の倒れた草陰のずっと向こうに……。
「そうです、終わりです。この勝負、私の勝ちのようですね。」
「あ?」
エヴァは目の前に見えている"死"に怯えを見せない刹那に苛立ちを感じる。
更には勝ち誇ったように力強い眼差しを向けてくる刹那。
何のことかと刹那が向けていた視線の方へ顔を向けると、そこには。

――「桜咲さんに…届けェェェ―――!!!!」――

まるでオールスターゲーム最終試合での投球する選手のようだった。
エヴァが妨害しようと刹那から目を離し手を伸ばすが遅く。
「なッ……あのクソガキ!」
既にまき絵が全力を込めて投げた日本刀は刹那の手に渡っていた。
勝利を確信したように不敵に笑むと、
柄をエヴァの方へ放り刹那はまず足元に纏わりつく茶々丸の頭部に刀を突き刺した。
「あ゛……が………!」
883作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:17:45 ID:???
相変わらずの低音が、二つの短い呻きを残した。
刀身が埋まっている部分からは火花が散っており、
刹那が自由になった足で背後へと飛び退くと小さく破裂した。
「茶々ま…!」
「神鳴流奥義――斬岩剣!」



距離を確認した後に精一杯の力を込めて投げた日本刀。
長細いそれが縦に回転し、空中で綺麗な弧を描いて――
刹那はそれを受け取り、任務を無事遂行することができた。
「良かっ……た。」
できればその後も何かをしてあげたかったが、身体が持たなかった。
疲れからか、安心からか。兎にも角にも自然に体勢が崩れまき絵は地面に横たわった。

【絡繰茶々丸 機能停止
          ―─赤組残り7名
          ─―青組残り8名】
884作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:18:32 ID:???
【近衛木乃香/赤】
[状態]左足捻挫、口内出血、体中に傷・痣
[武器]無し
[思考]
1/護られてるばっかりは嫌や。
2/ウチが誰かを護りたい。
3/夏美と一緒に強くなる。

【桜咲刹那/青】
[状態]健康
[武器]救急セット・日本刀
[思考]
1/無意味な殺しはしない。
2/お嬢様を助ける。

【佐々木まき絵/青】
[状態]疲労・決心
[武器]無し
[思考]
1/仲間を捜す。
2/あやかの心配。

【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル/赤】
[状態]健康
[武器]納豆・FN ブローニングM1900
[思考]
1/新田を殺す。
2/ゲームに生き残る。
885作者19 ◆2HIP/nDee2 :2008/02/05(火) 21:19:33 ID:???
移動
886マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:22:51 ID:???
乙。てかひょっとしてマジで/^o^\を気づいてないの?無意識で?
887代理:2008/02/05(火) 21:27:19 ID:???
六十五、 <<戦うお嬢様 〜W〜 >>

あれから数秒が経過した。
通常のスピードでなら既に刃はエヴァの体内を通過しているところだ。
「……どうした、私を殺すんじゃなかったのか?」
それなのに、エヴァは平然と且つ堂々と心にゆとりがある様子で大口を叩く。
笑える状況ではないはずなのに、皮肉めいた笑みを浮かべている。
エヴァは今刹那には自分を殺すことが不可能だということを知っている。
本人も、そしてエヴァに首を締め上げられ盾にされている、
「お嬢…様……。」

嗚呼、不覚。

岩をも両断するこの強力な必殺技。
構えは完璧だったし、速度も常の数倍は速かった。
だが刹那は自らの意図で成功させようとはしなかった。
「せ…っちゃん…。」
刃先は木乃香の心臓の位置に合わせられていて、
後ろから軽くでも誰かに押されれば木乃香は死ぬ。
エヴァの胸の中に収められた木乃香の身体、首に絡められた腕と触れる爪の先。
これは警告。"一歩でも近付けば木乃香の命は無い"という、最大の警告だった。
「良いな、コイツを助けたければ私の指示に従うことだ。
元はコイツは私の仲間なのだから、命は助けてやっても良いんだ。」
裏を返せば――指示に従わなければ木乃香の命を目の前で絶つ、ということになる。
最悪な方法で刹那の動きを完全に封じたエヴァは満足そうに嘲る。
「フフ…悔しそうだな、刹那。」
木乃香はエヴァの手のひらの中。
握りつぶすことなんて一秒も掛からないくらいの行為なのだ。
言い返すこともできない、下手に動くこともできない。
刹那は無念と自分への憤怒に身体を小刻みに震わせていることしかできなかった。
888代理:2008/02/05(火) 21:28:17 ID:???
―――まただ。
またお嬢様を、このちゃんを傷つけてしまった。
護れなかった。怪我をさせてしまった。私の無力さが原因で、私のせいで。

幼少時代にも、一度同じ想いをしたことがある。
それからは"友情"を絶ち、ただ木乃香の護衛を果たすための側近として日々を過ごした。
木乃香はあんなことがあったにも関わらず、過去の関係に戻りたいと言ってくれた。
それでも刹那はあの時のような想いをしたくないがために冷たく突き放した。
それによってどれだけ悲しい想いをさせただろう。
後ろめたい気持ちがある一方、自分のことを嫌ってほしかったという気持ちもあった。
そうすれば木乃香は傷つかなくて済む。ただ自分が木乃香を影で護れば良いのだから。
けれど木乃香が刹那を嫌いになるだなんてことは無かった。
ずっと、ずっと、もちろん今も。

「せっちゃん……、ウチのことなんて気にせんでええ!」
自分のせいで、自分が木乃香に要らぬ心配を掛けてしまったせいで。
間接的に巻き込んでしまったのだ、木乃香を。
こんなに至近距離に居る木乃香の声が、遠くの方から聞こえているように感じた。
「ウチはええんよ、ウチはせっちゃんの足手まといになるくらいなら…うぐっ。」
「オイ、お喋りをしろとは言っていないだろう。」
エヴァが腕の力を強めたため喉が絞まり、言葉が途絶える。
息苦しそうな木乃香の表情が、刹那の心の傷を一層深めた。
「コイツは赤組、…先ほどまでは殺す気でいたが……まぁ、これまでの無礼は許してやっても構わん。
だから刹那。貴様はそれで、"腹を斬れ"。今すぐに。」
それは最初で最後のエヴァからの命令。
空間に緊迫感が充満し、次の刹那の一言でそれが全て木乃香の中に流れ込む。
889代理:2008/02/05(火) 21:29:44 ID:???
「…わかりました。」

アハハ――――
「ちょ、ちょっと止めて。な、なぁエヴァちゃん、止めさせてや。」
常の笑みを無くした口元は下がっており、声が震えてる。
刹那の行動は、当然のことなのだ。何の違和も無い、極普通のこと。
木乃香を護ると誓った刹那にとって、自分の命で木乃香を護ることができるのなら、
自ら命を絶ち切ることだなんて戦うことより容易いことだった。
「ウチ、何でもするえ?エ、エヴァちゃんの大好きな血ィいっぱい吸わせたっても構わへんし…。」
エヴァは木乃香の必死の懇願も無視して刹那の行動を見守っている。
最早木乃香の瞳には、絶望しか映っていなかった。

"結局、何も変わらへんかった。"――もう刹那の足を引っ張らないと決めたのに。
"夏美ちゃんとの約束、守れへんかった。"――共に強くなろうと誓ったのに。
"ウチの目の前で、せっちゃんが死んでしまう。"――私のせいで。
"せっちゃんはウチをずっと護ってくれてたのに。"――私は彼女を救うことができない。

刹那が姿勢を正して、刃先を自分の首筋へと逆転させた。
―――木乃香が無事なら、それで良い。
だが、一つだけどうしても彼女に伝えたい言葉があった。
刹那の動作が止まった後、口は笑っているくせにどこか悲しげな眼差しを木乃香に浴びせた。
「…最後に、お嬢様に…このちゃんに……伝えたいことがあります。」
エヴァは口を挟まぬことで許可を与えた。
これはエヴァなりの刹那と木乃香への情けだったのだ。
890代理:2008/02/05(火) 21:34:29 ID:???
"……このちゃん、最後まで護ることができなくてごめんなさい。"
どうしてそんなこと言うの?どうして謝ったりするん?
"……できることなら、一緒に生き延びたかった。"
やったら、やったら諦めんといてよ。
"……ウチ、このちゃんの傍に居れて、幸せやったえ。"
ちゃう、ちゃうよ。

「さよなら。逢えて良かった、このちゃん。」
生きてきた中で一番幸福そうな微笑みを木乃香の胸に残して、
刹那は両手で握り締めた柄を高く振り上げた。

―――ちゃう、ちゃうんやせっちゃん。

「……!」
急激な速度で刹那の腹を貫かんと迫る刃を、木乃香が素手で握り締めて方向を変換した。
鋭く磨かれた刃が木乃香の手のひらに食い込み、血が地面でポタリポタリと音を立てる。
切っ先で混じり合う二種類の血も、同じように音を立てて。

「ウチ…かて……せっちゃ…、を…護る……んや…!」
「このか…きさ……まァッ…。」

――それは木乃香と、エヴァのものだった。
つまり、刃は、"木乃香の体内を通った後"に"エヴァの腹部を通過した"。

その瞬間が、一つ一つのその行動が、
スローモーションの、色のない世界に見えた。
891代理:2008/02/05(火) 21:35:35 ID:???
柄が擦り抜けた瞬間のままの形を維持した状態の刹那の手が、
刀を引き抜き後ろへと倒れかけた木乃香の身体を抱き寄せた。
脳が働いてくれない。真っ白になったまま、何の反応も示してくれない。
「せ……ちゃ……。」
状況処理を遅らせたまま、刹那は自分の膝の上に頭を乗せている木乃香の言葉に耳を傾けた。
「せっ…ちゃ…………泣……て…る…。」
"泣いてる?"
「当たり前……じゃないですか…。」
零れた涙が木乃香の頬に落ちて、くすぐったいと彼女らしく笑った。―――とても力ない笑顔だった。
「これで………もし……自ぶ…の…こと…責め……ら、ウチ…せっ…ちゃ…恨む……え。」
所々が生命を繋げようと動く激しい呼吸のせいで聞き取れない。
しかし木乃香の言っていることは充分刹那の胸に響いた。
「ウチ…これで…満…く………や…。やか……そ…な顔……せん…いて。」
力が抜けきった木乃香の頼りない手を、刹那は自分の頬に添えた。
「夏…ちゃ……に…ごめ……ん……て言うと……て……。」
「このちゃん、このちゃん!」
「あ…でも……せ……ゃん…守……たから……ぇえか…。」
滲む視界の中で、木乃香の瞳に曖昧に刹那の涙でグシャグシャになった顔が映っている。
胸の方から何かが込み上げてくる感覚があって、目頭が酷く痛む。
護ろうと思っていた人が、大好きだった親友が、最大の笑顔を浮かべている。
「や……。嫌や、このちゃん。…このちゃん、このちゃ……。」
「せや……。さい……にひ…こと…せ…ちゃ……に…言…と………か…なな。」
刹那の頬を、木乃香が指先で撫でて一呼吸した。
恐らく、これで本当に最後。全身に残る全ての力を振り絞って屈託のなく微笑んだ。
――きっともう、この先瞼に焼き付けることはできないその表情。
892代理:2008/02/05(火) 21:36:26 ID:???
「せっちゃ…ちゃう…間違う…る…よ、せ…ちゃん……が、…ウチの…そば…に……居て…しあ…せ…ったん…ちゃう…。」
ここで、ゴホゴホと喉奥から込み上げた咳で全身を揺らした。
鮮やかな血が唇の隙間から零れて、頬に残っていた刹那の涙と混じりあい不思議な模様を描く。
木乃香はまた、言葉を紡ぐために息を吸った。
「……ウチ……がせ…ちゃ…に逢えて…傍……居れ…て……幸せ……や…たん…よ。」
「……この……ちゃ…ん。」
これでもう言い残すことも無い、幸せは目一杯溢れるほどにもらったから何の未練もない。
アスナにも、夕映やパルやのどか、美空ちゃんや夏美ちゃん、クラスの皆にも、父様にも、ネギくんにも、
―――そして、せっちゃんにも。

笑顔によって細められた双眸は、緩い速度で力無く降ろされた瞼によって覆われた。
絶え絶えだった息の音も消えうせていて、木乃香は永久的な眠りについていた。
その時刹那は息を堪えた。吐き出せば、胸の中から全てのものが一緒に零れそうだから。
木乃香の両手を腹部で重ね、唇を噛み締めて立ち上がった。
「……ありがとう………本当に有難う、…このちゃん。」
静かに、謝意ではなく感謝の気持ちだけを残して、
願いを叶えた彼女に向かって儚い笑みを送った後、刹那は木乃香に背を向けた。

【近衛木乃香、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル 死亡
                          ―─赤組残り5名
                          ─―青組残り8名】


【桜咲刹那/青】
[状態]健康
[武器]救急セット・日本刀
[思考]
1/無意味な殺しはしない。
893マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:36:30 ID:???
作者19さんも代理さんも乙
Sさんに刺激されたので自分も3日後にネギロワ3周年記念のイラストでも描くか…。
894マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:38:25 ID:???
°・(ノД`)・°・
895マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:40:02 ID:???

またもや涙が頬を伝ったぜ・・・
896マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:40:48 ID:???
kotokoのunsymmetry聴いてたから二つ合わせて泣いた
897マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:41:19 ID:???

感動した…
898マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:42:41 ID:???
すげえ神スレだな

作者19氏、代理氏、別館まとめ氏、携帯まとめ氏、絵師の方々みんな乙です
899マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:50:58 ID:???
あっ、ごめん。後ろに両親いるのに思わず泣いてしまった。

後、絵師の皆凄い。
Sさん、飴玉さん、>>877さんは特に上手くて羨ましい…
自分は落書きレベルだから載せるの恥ずかしい。でも3周年だし8日は投下してみようかと。
900マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:52:34 ID:???
深くにもグッときたのでまた調子に乗ってしまった…

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901マロン名無しさん:2008/02/05(火) 21:57:35 ID:???
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902葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/02/05(火) 22:00:05 ID:???
>>900
やり過ぎ。でも面白い。

もう一本絵を落とします。
深い意味はないんだけど・・・

http://www.imgup.org/iup551410.jpg.html
903マロン名無しさん:2008/02/05(火) 22:03:16 ID:???
>>900-901
でかすぎわらたwwww

でもロワで泣いた(;_;)
904マロン名無しさん:2008/02/05(火) 22:13:38 ID:???
作者も、代理さんも、
絵氏のみなさんも
GJ!
905マロン名無しさん:2008/02/05(火) 22:14:57 ID:???
あら?目から変な汁が・・・・
906マロン名無しさん:2008/02/05(火) 22:18:18 ID:???
やっぱりネギロワのこのせつはえぇのうえぇのう…
でも今回はエヴァのあの真っ黒っぷりが良かった。
907マロン名無しさん:2008/02/05(火) 22:44:39 ID:???
俺もSさんや飴玉さんと同じくらい上手くなれたらコテ名乗りたいと思いつつもこのせつ
http://www.imgup.org/iup551458.jpg

保管はしなくて良いです><
908マロン名無しさん:2008/02/05(火) 22:58:41 ID:???
>>907
君は即コテ付けなさいw
絵も上手いけど特に塗り上手いっすねー
909マロン名無しさん:2008/02/05(火) 23:06:44 ID:???
>>908
やっぱり上手くないのにコテつけるのは恥ずかしいんで…
今イラスト関係の学校に入って頑張ってるのでまたそのうち^^
910マロン名無しさん:2008/02/05(火) 23:08:57 ID:???
>>907
やべえwww
これはやべえwwww
GJすぐるぜ

みんな3周年描くのか・・・
流れに乗って俺も描いてみるか
911マロン名無しさん:2008/02/05(火) 23:22:31 ID:???
個人的に>>877の美空良すぎる…特に塗り方好み。

他の絵師さんも素敵な絵GJです

そして作者19さん、やべぇよ…このせつスゲー泣ける……
超GJです。
912葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/02/05(火) 23:34:47 ID:???
カラー絵すごいな。
私のそうしようかな?
でもカラーに手を染めると時間がかかるからなあ。

とりあえず白黒で。誰も書きそうにない所を攻めてみよう。

http://www.imgup.org/iup551508.jpg.html
913マロン名無しさん:2008/02/05(火) 23:41:13 ID:???
>>912
味があって個性的
だから良いとおもう、そういう絵
914マロン名無しさん:2008/02/06(水) 00:03:38 ID:???
コテハン名乗るなら量より質だろ
915マロン名無しさん:2008/02/06(水) 00:24:04 ID:???
木乃香の行動は途中で読めたんだ。
それなのに…それなのに不覚にも°・(ノД`)・°・

916マロン名無しさん
今読んだ。相変わらずこのせつ泣けるなぁ。
花の名聴いてたから余計泣けてきてしまったよ。