「ただの人間には興味ありません
この中に がいたら、あたしのところに来なさい
以上」
涼宮ハルヒはこの日 曖昧なまま自己紹介に加わった
正気にて 宇宙人 未来人 異世界人 超能力者 は呼べず
SOS団は『シグルイ』なり
「無駄なの。今この空間はあたしの情報制御下にある。出ることも入ることもできない
ねぇ、諦めてよ。結果はどうせ同じなんだしさ。 じゃ、死んで♪」
竹槍であった
団にとって入団は団名を残し団員を増やすための厳粛な儀式であり
自由意志という概念の入り込む余地はない
入団はハルヒの一存で決まるのだ
どこの団史をひもといても 一人や二人の暗君は現れてくる
が SOS団内において絶対主権者である団長といえども
部活を律する北高生徒会の目からは一介の同好会会長に過ぎない
風紀よからずとして処罰するのは易々たるものである
しかし その暗君が涼宮ハルヒであった場合 その暴虐を咎めることは可能だろうか
出現したのか 始めからそこに居たのか まるで長門である
朝倉涼子の瞳孔が猫科動物の如く拡大した
「邪魔する気?」
朝倉がおでんをかついだ TFEIの必勝形である
速度 間合い 共に「カレー」を凌駕する食事であった
長門有希に調理を教えたのは朝倉涼子であった
簡単なので炊飯と調理済みカレーとキャベツのみじん切り 毎日 欠かさずである
その長門が現在 二倍に膨れ上がっている
七人組のコンピ研部員を殴った際に 歯が刺さり雑菌が入ったのだ
(倦んだな)
「あなたはバックアップの筈。私に従うべき」
(TFEIという器は ひとたび ひとたび ひびが入れば二度とは 二度とは
この掴みはな 長門さん おぬしから盗んだのだ
コンピ研仕置きの際 おぬしが気前良く 見せてくれた奥の手
せっかく編み出した技を 不器用な奴だ おぬしは )
「・・・終わった」
「おぬしの三年余りの人生が?」
「ちがう 有機情報結合・・・解除開始」
「長門さん おぬしはやはり 物が違う 私は所詮 バックアップか」
「505号室・・・まことに広うなり申した・・・」
「ここはどこでしゅか〜? どうして私、連れてこられたんでしゅか〜?
なっ、なんでドアに鍵をかけるんでしゅか〜!?」
「黙 り な さ い」
団にとって入団は団名を残し団員を増やすための厳粛な儀式であり
自由意志という概念の入り込む余地はない
入団はハルヒの一存で決まるのだ
SOS団の完成形は 一人の涼宮ハルヒと 四人のマゾヒストによって構成されるのだ
長門は言った 進化の可能性と
朝比奈さんによると時間の歪みで 古泉に至っては神扱いだ
では俺にとってはどうなのだ
涼宮ハルヒの存在を 俺はどう認識しているのか
ハルヒはハルヒであって ハルヒでしかない
なんてトートロジーで 誤魔化すつもりは ない ないが
決定的な回答を 俺は持ち合わせてなどいない
そうだろ 教室の後ろにいるクラスメイトを指して
そいつはお前にとって何なのか と問われて 何と答えればいいのだ
俺にとって ハルヒはただのクラスメイトではない
進化の可能性でも 時間の歪みでも ましてや神様でもない
ある筈がない
涼宮は
もっとおぞましい何かだ
極端にネタが書きづらい
見よ 異端と化すまでに鍛え込まれた妄想
見よ 万力の如く妄想を締めつける常識
見よ そこから放たれる恐怖の神人を狩る者を
余人禁制の場(閉鎖空間)にて勝負を見守る一人の凡人
「学生さんがた おまちくださいやし」
「何か用か」
「へえ 勘定の方がまだでございやす」
五人連れの無銭飲食を咎めたのは 地元のファミレス店主
「おお 忘れておった」ゴッ
キョンが払ったのは 代金であった
教室内でキョンの弁当が荒らされた場合 その犯人として最初に疑うべきは
外部の者ではない
「涼宮。ご免仕る」
ボリッ ボリッ ボリッ ボリッ
「ごゆるりと・・・。
学食に行って来るわ」
他部のもの 丁重に扱うべし
帰すこと まかりならぬ
団員にして取り込むべし
かかる者の姿は「ロリ顔巨乳」を世に知らしめ
SOS団の名声を高むるに至るなり
>コンピ研はミグルイなり
コンピ研部長がさらし者となって SOS団の風評はどのようなものになったか?
「朝比奈?」
「おうさ 朝比奈よ さらし者となった部長が 揉まされたのは
朝比奈の乳であったそうな」
「なにゆえその涼宮は朝比奈の乳などを?」
「わからぬか 涼宮にとっては
長門など まな板のごとき平面に過ぎぬと…」パキィ ドサッ
長門有希
「SOS団の団員にござるか…」
「洗濯板と申したか」
「せ 拙者はさような事は…」パキィ
手首を用いた当て技は虎拳と呼ばれる
「口は災いの元」
平面を嘲笑うことなど不可能であった
ハルヒ流秘術『流れヒステリー』
何人もこの魔技から逃れることは出来ない
古泉とキョンは
『流れヒス』の及ぼす 死の間合いの中に位置し
瞬時に奴隷化する運命にあった