ミッキーアンチスレ 2

このエントリーをはてなブックマークに追加
1マロン名無しさん
 
2マロン名無しさん:2007/10/23(火) 09:10:51 ID:HYXFy3U9
♪☆ミッキーだよおおおおおぉぉぉぉぉ★♪
3マロン名無しさん:2007/10/23(火) 09:38:37 ID:???
血のしたたるような赤いつなぎ
漆黒の闇の魔王・魅津忌異
4マロン名無しさん:2007/10/23(火) 10:47:17 ID:???
前スレは?
5マロン名無しさん:2007/10/23(火) 10:53:10 ID:???
漫画キャラ板にあったけど圧縮のせいか急に落ちてたので勝手にこっちに立てちゃった…
6マロン名無しさん:2007/10/23(火) 17:11:35 ID:???
通報しますた
7マロン名無しさん:2007/10/23(火) 18:26:17 ID:???
ふふん
8マロン名無しさん:2007/10/23(火) 23:38:42 ID:???
前スレ
ミッキーアンチスレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1179759097/
9マロン名無しさん:2007/10/24(水) 00:05:15 ID:???
ミッキーマウスはいや
10マロン名無しさん:2007/10/24(水) 00:20:26 ID:???
>>8ありがとう。
11マロン名無しさん:2007/10/25(木) 08:03:50 ID:???
>>1乙!
ROM専だったけど、楽しく読ませて貰ってました
でもどうやったら元住人に此処を気付いて貰えるんだろうか…

ともあれ、魅津奇異に死を!我らが鬼帝に栄光あらん事を…
12マロン名無しさん:2007/10/25(木) 16:25:50 ID:???
ここの住人さんが行きそうなキャラスレというのが全くわからないのがなぁ…
関連スレがあるなら宣伝URL貼れるのにね。

自治スレには貼ってあるが…
13マロン名無しさん:2007/10/25(木) 23:31:15 ID:uHC8WYGR
まずは鬼帝SS書いてられた職人さんなんかが呼べればねぇ。
14マロン名無しさん:2007/10/25(木) 23:33:01 ID:???
ミッキーマウス?
15マロン名無しさん:2007/10/26(金) 01:42:20 ID:???
ネズミを敵に回すとはな…
16マロン名無しさん:2007/10/26(金) 17:57:22 ID:9pfKyOk/
世界のために浮上
17マロン名無しさん:2007/10/26(金) 20:31:31 ID:???
『ドナルド・ダックはこの世から消え失せろ!』とかいうアンチスレがあったのを思い出した。

猛烈にドナルドの死を願う>>1と「別にそんなにムキにならなくてもよくね?w」っていう周囲の温度差が面白かった。
18マロン名無しさん:2007/10/26(金) 21:12:43 ID:9483IxsO
冥き闇の鼠
魔王 魅津鬼異魔憂主
魔妃 魅爾威嘛齲芻
19マロン名無しさん:2007/10/26(金) 22:12:19 ID:hWiKbQPV
消されるぞ…!
20マロン名無しさん:2007/10/26(金) 22:13:50 ID:???
エリア88のキャラのことかと思った
21マロン名無しさん:2007/10/26(金) 22:38:38 ID:???
三木谷浩史の事かと思った
22マロン名無しさん:2007/10/26(金) 22:53:51 ID:???
ディ○ニー関連は鮫○並にヤバイからな…
23マロン名無しさん:2007/10/26(金) 23:09:55 ID:???
その後>>22の姿を見た者はいない・・・
24マロン名無しさん:2007/10/28(日) 03:13:20 ID:2G5FZVeu
鬼帝様…
25マロン名無しさん:2007/10/28(日) 11:29:20 ID:???
惨痢汚
26マロン名無しさん:2007/10/28(日) 18:59:55 ID:eeRpSWQJ
やぁやぁ元気だったかい?
夏の友達の攻撃も凌いだゴキブリ地味た君たちも、ボクが仕掛けたスレ落としは効いたみたいだねえ!
さあこの勢いでこのスレの皆をボクの夢の王国に
    永  遠  に
住まわせてあげるよ!
勿論、滞在費は君たちの有り金全部と土地家屋を売り飛ばしたお金で賄うから
気にしないでね。

え、それすらない?
別にいいよ、その分死ぬまで只働きしてもらうから、ずーーっといればいいよ。

   ハ    ハ   ッ   !
27マロン名無しさん:2007/10/28(日) 19:19:27 ID:???
ぎゃああああああああ!
復活してたあああああああああ!!

>>1乙!超乙!!見つけた瞬間絶叫したよw
前スレの最後の方でマロンかガイドライン板に移転しようって意見が
出てたから、こまめにチェックしていた甲斐があった!!
つか待ってても誰も立てないから自分が立てようかと思ってたw
ここで再び鬼帝伝説が始まるんだなw
28例のネタ師:2007/10/29(月) 01:05:59 ID:???
みなさん、お久しぶりです。鬼帝SSを書いてた人です。
スレ復活してたんですね。おめでとうございます。

未完となるかと思われた鬼帝伝説だけど、なんとか続きそうで良かった良かったw
早速前回の続きの投下を……と思いましたが、このスレからの参加者も
多少なりともいると思います。そこで、まず序章のようなものを書き下ろし、
更に前スレで掲載した物を再掲載してから続きを投下としたいのですがどうでしょう?
29マロン名無しさん:2007/10/29(月) 01:36:06 ID:???
>>28
是非!!
30マロン名無しさん:2007/10/30(火) 00:28:13 ID:???
                         ????
    ????????           ????????
   ???????????         ??????????
  ????????????        ???????????
 ?????????????          ???????????
 ???????????■  ???■??▼??????■??
  ????■??????????   ??■?????????
  ?????????????   ?━?   ▼ ???????
  ?■??■?????   ┃      ?━?▼
         ?????     ?━?     ??┃?
         ?????      ┃  ┃  ┃ ┃ ?
        ?????      ┃?  ┃  ┃? ┃ ?
        ■????     ?? ┃   ??┃ ?
        ┃        ??━  ?????  ??┓
       ┃   ?┳?        ??■??    ┃
        ??    ┃               ┳? ┃
         ??   ??         ???  ??
           ▲?? ????????   ??
          ?? ???  ▼   ▼   ▲
            ?????? ?■? ?????
            ? ▼???????????
            ????■??▲?■??
             ?■?        ▼
31マロン名無しさん:2007/10/30(火) 23:24:39 ID:???
これアニメだろ?
海外アニメ漫画板にでもいけばよかったんじゃないか?
32マロン名無しさん:2007/10/31(水) 00:21:26 ID:???
>>31
ネタスレだから。細かいこと気ニシナイ
本気で夜の魔王と敵対しようなんて馬鹿はいないよ
33マロン名無しさん:2007/10/31(水) 23:00:21 ID:???
ようやく、旧住人も集まりつつあるようで何より
職人さんのSS期待しております
34マロン名無しさん:2007/11/01(木) 07:57:37 ID:???
>>32 
前スレでも、魔王に対峙した幾人の住人が消された事か…。
ある住人は魔王の精神汚染を受けたし、またある勇気ある者は闇の王国に連れ去られて二度と帰らなかったしな。
35マロン名無しさん:2007/11/02(金) 00:33:01 ID:???
魔王には従っておいた方が無難かもしれんな
しかし心の中では鬼帝様を応援している
36マロン名無しさん:2007/11/02(金) 18:47:29 ID:???
鬼帝って漢字使いが絶妙
37序章 再臨・魔王御津忌委(1/4):2007/11/03(土) 01:39:12 ID:???
一人の泣き声が聞こえた。

そして、そこからたくさんの泣き声が聞こえてきた──


1980年代初頭、日本は動乱のただなかにあった。
夜の魔王とその配下によって、この星の八割は直接もしくは間接的に支配された。
そしていよいよ魔王の手が、この小さな島国・日本に差し迫っていたのである。
……しかし、そのことに気付いていた『人』は誰一人としていなかった。
「父上! 母上! おじいさま、おばあさま! 一体何をしているのですか?!」
武装し、怪我も負っている若い女性がモニターに向かって叫んでいる。
そこは小さな指令室だった。オペレーターは皆どこかしら負傷し、
疲れきった顔をしている。中央の少し大きめのモニターに数人の人物が映っていた。
後ろには他にもまだまだ大勢の人がいて、それが微かに映っている。
ジョージ「我が娘、キティよ。お前ならわかっているだろう。敵軍の日本侵略の勢いは激しく、
    お前達がいる山梨の本拠地を除き、今や全ての基地が破壊された。
    本部が陥落するのも時間の問題。もはやこうするしか手段はないのだ」
鬼帝「まさか、極秘に研究開発した最終兵器アーク2……?」
彼女の呟きに応えるように、後ろに控えていた男が淡々と続ける。
「アーク2……生命エネルギーを強大な爆発力に変換する禁断兵器。
 燃料にする人数が多ければ多いほど破壊力を増し──使用者は確実に死ぬ」
38序章 再臨・魔王御津忌委(2/4):2007/11/03(土) 01:40:39 ID:???
男は満身創痍で松葉杖をついていた。眼鏡にはヒビが入っている。
サッと顔に激しい怒りを浮かべ、鬼帝は男に掴みかかった。
鬼帝「ケロッピ貴様ぁ! あれは危険だから使用禁止にしたはずだろう?!
   何故あれを父上達に渡したりしたんだ!!」
ケロッピ「彼らがそう望んだからです……!!
    このまま全滅するよりも、一人でも多くの仲間を救うと!」
鬼帝の鋭い眼差しに射抜かれても、男の目は揺るがない。
ジョージ「キティ、ケロッピを責めないでくれ。彼の言うとおりだ」
メアリー「そう。未来を繋ぐ若者達を守るために、私達は自ら志願したの」
マーガレット「ずっと前から、決めていたことなのよ……」
彼らの後ろに立っている人々の顔に、悲壮感と年長者ゆえの責任感が浮かんでいた。
それでも諦めきれない鬼帝は、悲痛な叫び声をあげる。
鬼帝「ならば、ならば私が行きます!! 私がこの軍のリーダーです!
   みんなのために死ぬのは私の役目です!」
しかしその決意も、今まで黙っていた老人がなだめた。
アンソニー「それはダメじゃ……お前はこの国の未来……。たとえ我々が命を懸けても、
    それはほんの時間稼ぎにしかならんだろう。魔王は必ずや戻ってくる」
ジョージ「その時お前がいなければこの国は、日本はどうなる?」
鬼帝「ですが、ですが……!」
メアリー「キティ、私達の分もミミィと一緒に生きて……」
ジョージ「さらばだ、我が娘キティよ。ケロッピ、後は君に任せる」
ケロッピ「……わかりました」
鬼帝「お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん待って──!!」
無情にも、そのまま通信は途絶えた。
39序章 再臨・魔王御津忌委(3/4):2007/11/03(土) 01:42:42 ID:???
魔王軍は、侵略を開始してから破竹の勢いで千葉、東京、神奈川を制圧した。
決戦の地は、燦理雄の本拠地のある山梨まであと一歩という青木ヶ原樹海であった。
御津忌異「やあ、僕ミツキィ。何か面白いもの持ってるね。新しいおもちゃかい? ハハッ」
魅尼異「あらん、おもちゃ? いいわね。遊びましょうよ。フフッ」
ジョージ「そうだ。お前達のくだらない遊びに付き合ってやろう。これが最後だ」

その少し離れた南東の位置に怒鳴土(ドナルド)は部隊を展開していた。
戦闘中に回り込んで燦理雄軍を挟み撃ちにし、一気に崩すつもりであった。が、
怒鳴土「敵は新兵器を投入するつもりだ。怒鳴土隊ただちに撤退する。
    ミツキィ、聞こえてるのか? お前も早く退け。おいミツキィ、ミツキィ!!」
怒鳴土がいくら無線で呼びかけても御津忌異は応じない。
部下「ここは危険です! 早くさがらないと」
怒鳴土「離せ! まだミツキィが、ミツキィがいるんだ! 離せえええーーー!!!」
部下達に羽交い締めにされ、怒鳴土は無理やり撤退されていく。

そして次の瞬間、激しい光が辺りを包みこみ、轟音が響き渡る。
光は太陽の如く輝き、その燃え上がる熱で全てを薙ぎ払った。
また轟音は富士の山が噴火したかの如くで、甲府や御殿場にまで轟いたという。
爆心地から直径1,2キロは焦土と化し、巨大なクレーターが出来ている。
結局、その爆発から難を逃れたのは、いち早く撤退した怒鳴土隊、
幸運にも距離が離れていた寓不意(グーフィー)、プルート部隊だけであった。
40序章 再臨・魔王御津忌委(4/4):2007/11/03(土) 01:45:05 ID:???

その後、鬼帝は驚異的な早さで軍を整え再編成し、敵の残党を駆逐して東京、神奈川を奪還。
1990年には多摩に、新本拠地・燦理雄飛宇呂嵐土を築きあげた。
そして、決して警戒は怠らなかったものの、数年間は穏やかな日々が続いた。

   更に十年の月日が経ち……

「……ハハッ、僕は帰ってきたよ」

彼女は空を見上げた。東の空の一点を、じっと見つめる。
鬼帝(来たか)
ケロッピ「鬼帝、今……!」
彼女は頷く。
鬼帝「ヤツが、帰ってきた」
だが、鬼帝の心は動かない。ずっと前に、もう覚悟は決めている。
  (構わない。お前が望む限り、私は何度でも受けて立とう)
鬼帝「我が名は鬼帝! この国を統べる者にして守護神。
   魔王よ、私の力とお前の力、どちらが上か今こそはっきりさせる!!」


2001年9月。奇しくも世界を震撼させた悲劇とほぼ時を同じくして、

魔王は帰ってきた──
41マロン名無しさん:2007/11/03(土) 01:50:59 ID:???
ジョージ=鬼帝の父、メアリー=鬼帝の母、アンソニー=鬼帝の祖父、マーガレット=鬼帝の祖母

燦理雄飛宇呂嵐土=サ○リオピュー○ランド
その他わからない漢字があったら伏せ字で教えてあげてくださいw
42マロン名無しさん:2007/11/03(土) 11:45:28 ID:???
ネタ師さん超乙!!
レス番増えてるの見て飛び上がったよ!

鬼帝様にそんな過去があったとは……
43マロン名無しさん:2007/11/03(土) 13:53:42 ID:???
乙です!
鬼帝様が若いなぁ…
そういえば鬼帝様って今はいくつくらいなんだろう。
44マロン名無しさん:2007/11/03(土) 19:07:13 ID:???
>>43
Wikiで見てきた。鬼帝様は1974年生まれだそうだ
ただ、人間と違って完成体で生まれてきてるから序章では大体二十歳くらい?

そういや、1980年代初頭って日本にDeathNeetランドが出来た頃なんだな
45マロン名無しさん:2007/11/03(土) 19:46:43 ID:???
>>44
トンクス。
今年で33年か…

魅津忌委の場合は急に降って現れても何年生きててても何となく納得してしまう所がやっぱり魔王だな
46マロン名無しさん:2007/11/03(土) 20:57:55 ID:???
つか、千葉東京神奈川が一時期支配されて神奈川東京が奪還されたってことは
千葉は今も魔王軍に支配されてるんじゃ……
47マロン名無しさん:2007/11/04(日) 16:48:39 ID:???
本拠地DEATH NEET LANDがあるな
住所は千葉なのにも関わらず首都の東京を名乗るとは国民に支配感を植え付ける策略か…
48マロン名無しさん:2007/11/04(日) 20:41:20 ID:???
賛利尾が千葉を切り捨てたのか、それとも怒鳴土が死守したのか
後者だったら怒鳴土の健気さに泣けるな
49マロン名無しさん:2007/11/05(月) 17:54:40 ID:???
千葉県民の自分涙目ww
50マロン名無しさん:2007/11/05(月) 20:55:11 ID:Suw3mLob
恐らくは名将怒鳴土の巧みな戦線維持によるものだろうな。
そうしている内に魔王は復活した上に泥頭爾夷弑という第二拠点を作った訳だから

やっぱり魅津毀異ハンは恐ろしい御方やでぇ…
51マロン名無しさん:2007/11/06(火) 12:40:37 ID:???
電車で、魔王が子供を夢の国に誘っている広告があった((((゜д゜;))))ガクブル
怖いよおおー
52マロン名無しさん:2007/11/07(水) 21:18:44 ID:???
>51
おいおい、年賀状の絵柄になっているんだぜ。来年の元旦にお前の家に来るかも。

http://www.yubin-nenga.jp/main/html/products/disney.html
53マロン名無しさん:2007/11/08(木) 00:17:43 ID:???
うわあぁ復活してるー! 信じてた信じてたとも!
遅ればせながら>>1ならびにネタ師様乙!
54マロン名無しさん:2007/11/08(木) 00:19:17 ID:???
魔王の作戦だな。日本全国侵略計画だ

魅津忌委ハジマタ\(^o^)/
55第一話 日常(加筆修正版):2007/11/10(土) 00:35:03 ID:???
燦理雄軍本部──燦理雄飛宇呂嵐土
その部屋の一つに、長身のガッチリとした体躯に軍服をまとった精悍な顔の青年と、
隙のない鋭い瞳を持った若い女性がいる。女性の名は、帝王・鬼帝。
鬼帝「魔王御津忌異が復活して早数年。我々は長きに渡り冷戦を続けてきた。
   ……しかし現在、日本以外のすべての大陸は魔王に制圧されたと考えてもいい」
若いながらも経験を感じさせる凛々しい声で、鬼帝は告げる。
ター坊「知っているでアリマス。香港、中国までもが……恐るべき夜の魔王の魔力でアリマス」
鬼帝「とうとう魔王は本格的に世界征服へ乗り出した、と皆は見ている。
   だが私は奴の真意が分からぬ。奴の名前を騙った中国の遊園地を急襲し、
   完全に破壊し尽くしたかと思えば、他の国には特に手を出さずに遊び回っている」
ター坊「魔王は一体何を……」
さてな、と鬼帝は呟いた。そして一瞬だけギラリとその眼が輝く。
鬼帝「とりあえず敵の本拠地を偵察して欲しい。そして必要ならば……潰せ」
ター坊「イエッサー!」

愛用の戦闘機VF24に乗り込み、ター坊は飛行する。目指すは千葉。
ター坊「こちらター坊機、現在千葉上空を飛行中……む! あ、あれは! ば、馬鹿な……
   以前よりずっと領土が拡大しているでアリマス。なんだあのタワーは…? 潰さねば!」

御津忌異「ハハッ。誰かお客さんが来たみたいだね! 丁重に応対しないと! ハハッ」

ター坊「……な、なんだ?! 操縦がきかないでアリマス。操縦不能! 操縦不能ー!
   うわあああぁああぁぁ!!!」


ポチャッコ「ター坊! どうしたター坊、応答しろ!! ター坊!」
鬼帝「……やられたか」
56第一話 日常(加筆修正版):2007/11/10(土) 00:36:52 ID:???
広い会議室に幹部連を集め、重々しく鬼帝は事実を伝えた。
鬼帝「諸君に報告したいことがある……ター坊がやられた」
ケロッピ「馬鹿な……ター坊は最古参のうちの一人。それがこうも容易くやられるとは……」
罰丸「ケッ、御津忌異なんてボッコボコにしてやんよ(シュッシュッ」
幹部達の反応はそれぞれである。しかしその大半は、高位幹部であるター坊の死に震撼していた。
場の空気を払うため、ひときわ大きな声で鬼帝は宣言する。
鬼帝「まだ死んだと決まった訳ではない。私は、若手実力派であるポムポムプリンと、
   アニメも放映したマイメロディを派遣することに決めた。ター坊の生死の確認と
   泥図煮井の詳しい調査のため、悪夢の国に行ってくれるな? お前達」
マイメロディ「いいよ☆」
プリン「お任せ下さいませ」
57第二話 舞浜の激闘(加筆修正版):2007/11/10(土) 00:39:07 ID:???
プリン「気を付けよ……ここからはもう奴の領域……いつ攻撃されるかわからん」
二人──プリンとマイメロディは敵地への潜入に成功していた。
マイメロディ「わかってるよ。あ、あれ? あれって!」
プリン「ター坊殿! そなた、生きていたのか?!」
ター坊「………………」
二人は突然目の前に現れたター坊の元に駆け寄る。そして……
マイメロディ「キャ!!」
プリン「くっ、何をするのだター坊?!」
突然ター坊は持っていたショットガンで二人に攻撃を仕掛けてきた。
プリン「……まさか、魔王の魔力で洗脳されているのか?!」
攻撃を回避して距離をとるプリンとマイメロディ。
プリン「魔王め、同士討ちをさせて自分の手駒は減らさないつもりか!」
マイメロディ「ど、どうしよう……仲間は攻撃できないよ……」
全身から血を流し、既にボロボロのター坊の姿を見ながらプリンは考える。
プリン「いや……手はある。本来なら勝ち目のない相手だが、今はあの重傷だ。
    私が囮になり注意を引くから、お前は魔法でター坊の動きを止めよ」
マイメロディ「うん……。わかった。気を付けてね」
58第二話 舞浜の激闘(加筆修正版):2007/11/10(土) 00:40:11 ID:???
二人はさっと二手に別れた。プリンがター坊に駆け寄る。
プリン「ター坊よ! 私が相手だ!」
地面を殴って砂礫をター坊に仕掛け、プリンは一気に距離を詰めた。
接近したプリンにすかさず狙いを付ける洗脳ター坊。
プリン「なんのっ!」
即座に地面に伏せて回避、突き上げるように鋭い爪で斬撃を繰り出す。
ター坊は銃身でプリンの爪を防いだ。そのまま二人は押し合うが、プリンが弾き飛ばされる。
銃を構えるター坊。そこにマイメロディの魔法が炸裂した。
マイメロディ「ソングマジック・リタルダンド!」
ター坊「……!」
魔法の音波によってター坊の動きが次第に遅くなる。
プリン「今だ、食らえ!」
その隙を逃さずプリンはター坊に当て身を食らわせ、更に脳天に一撃を入れた。
マイメロディ「やった! プリン、大丈夫?」
プリン「ああ。それにしても早くこの場を離れた方が良いかもしれん。
    動けないように脳を揺さぶる一撃をいれたが、また暴れ出さないとは限らない」
その時、若干間の抜けた何者かの声が辺りに響いた。
???「あははぁ! そうはいかないよぉ」
59第二話 舞浜の激闘(加筆修正版):2007/11/10(土) 00:41:48 ID:???

プリン「何者だ?!」
寓不意「どうもぉ初めましてかなぁ? 寓不意っていうよぉ。
    侵入者を生かして帰すなっていう命令なんだな」
藪の中から現れた寓不意の背後から、猛獣達が次々に出てくる。黄色い猛犬のようだ。
寓不意「行けえぇクローンプルート軍団ん! そいつらをぉ、噛み殺すんだぁ!!」
プリン「く!(いかん、このままでは……折角ター坊も生きていたというのに!)」
武器であるマジックタクトを構えるマイメロディ。プリンがその腕を掴んだ。
プリン「マイメロディ! お前はター坊を連れて逃げるのだ!」
マイメロディ「え? 何言ってるの! プリンをおいていくわけには……」
プリン「この数では全滅は免れぬ。しかも寓不意は御津忌異の片腕! 最高幹部だ!
   まさかいきなり奴が出てくるとは思わなかった……完全な計算ミスだ。
   逃げ切ることは出来ぬ。ならば、誰かが足止めをするしかない」
マイメロディ「でも……そんなの……」
食い下がるマイメロディの肩を掴み、プリンは説得し続けた。
プリン「戦力の高いター坊を死なす訳にはいかぬ……そしてお前では足止めは出来ない」
マイメロディ「プリン……」
プリン「行け。鬼帝様に伝えるのだ。奴らは本気だと……行け!!」
マイメロディ「…………」
無言のまま涙を流し、マイメロディはター坊を背負って走り出す。
寓不意「こぉらぁ。逃がさないぞぉー」

プリン「捕まえさせはしない。フン、私も貴様もそいつらも同じ犬同士。奇遇ではないか。
    燦理雄の犬の意地──見せてくれるわ!!!」ベキボキゴキ……
60マロン名無しさん:2007/11/10(土) 00:49:13 ID:???
以前載せたものをそのまま載せるのはなんかあれなので、
加筆修正したものを投下。補足したり伏線張り直したりしてます

更新時間は今までの感じだと金曜か土曜の深夜になりそうですね
61マロン名無しさん:2007/11/10(土) 13:49:05 ID:???
魔 王 魅 津 奇 異 最 強
62マロン名無しさん:2007/11/10(土) 15:57:47 ID:???
前スレ落ちたの知った時は、マジでデ○ズニーの工作かと
ディ○ニーKOEEEEEEと思った
63マロン名無しさん:2007/11/10(土) 17:12:50 ID:???
          __               ,....-─-、
       /::::::::::::::::::::ヽ、            /:::::::::::::::::::::::ヽ
       /:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ         /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l           l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l        l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
     l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_,.......-;,==-...ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::/     `ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
      ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/   / ̄  ヽ/⌒ヽ:::::::::::::::::/
      ヽ、:::::::::::::_/::::::::::::/   /        ⌒ ヽ¬−'´
          ̄ /:::::::::::::::::l      /⌒ヽ         l:|
           l::::::::::::::::::l      .l     l  /⌒'l  l:l
           l::::::::::::::::::l     l _  l   l   l  l:l
           l::;, -ー 、::l       |l´::::l l   レヽ l .l:l
           /     ヽ     l::::::ノ_/__ |:::::l,/  l::l やぁ! 僕ミッキー!
          l       _       /`フ::::: ̄`ヽ< ∠く
            l    ̄|          〈:::::::::::......:::/ _   l
            ヽ    ヽ       `ー-─ ´ ,/) ./
             \    \、          /  /
              >. .、_、 ヽ.ー-....____/  /
              ヽ: : : : :ヽ  ヽ ̄ヽ丶//.イ
                 ヽ、: :__ヽ `ー- ´/: : : イ
               l  ̄: : : : : 7フ 7: : :`´: :l
                 l: : : : : : / ̄  ̄ヽ: : : :/
               ヽ ___/    
64マロン名無しさん:2007/11/10(土) 20:52:37 ID:???
ぎゃあああああ〜!
ま、魔王、魔王が直接スレを攻撃しにきたぁー!
65マロン名無しさん:2007/11/10(土) 21:17:32 ID:???
>>62
思った。あれはタイミングが良すぎた
ディ○ニーがやったとしか思えん。つかそーなんじゃ

今も↑このスレを攻撃してきているし
66マロン名無しさん:2007/11/11(日) 00:21:28 ID:???
職人さん乙!
あんまり無理せんでね。ゆっくり待ってます。
67マロン名無しさん:2007/11/11(日) 14:17:31 ID:???
誰もつっこまんが、一話のタイトル・・・・
68マロン名無しさん:2007/11/11(日) 16:27:14 ID:???
>>67
え、何がツッコミポイント?
69マロン名無しさん:2007/11/11(日) 17:46:36 ID:???
タイトル日常だけど、こんな日常嫌すぎるだろ常考
70マロン名無しさん:2007/11/11(日) 23:28:37 ID:???
戦はつらいのう
71マロン名無しさん:2007/11/12(月) 22:35:21 ID:???
保守

マロンに引っ越して良かったかもな。今キャラ板ひっ迫してるから
ちょっと時間があくとすぐ落ちちゃうし
72マロン名無しさん:2007/11/12(月) 23:52:59 ID:???
●●
.●<ヤァ。ボクミッキー!
73マロン名無しさん:2007/11/12(月) 23:56:14 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
74マロン名無しさん:2007/11/13(火) 01:03:53 ID:???
ぎゃー!!魔王がスレを襲撃にきたー!
しかも修正して二回もくんなよw
75マロン名無しさん:2007/11/13(火) 03:32:52 ID:???
●●
. ●<ズレタカラ ショウガナイジャナイカ

保守
76マロン名無しさん:2007/11/13(火) 11:40:22 ID:???
おまえかわいいなw
携帯からだと>>72がズレずに見える
77マロン名無しさん:2007/11/13(火) 12:56:48 ID:???
てかこのAA?じゃディ○ニーも消せないだろwww
>>63はアウトだと思うが・・・
78マロン名無しさん:2007/11/13(火) 13:33:29 ID:???
>>63は確実に消されるな…
デ○ズニーは怖い
79マロン名無しさん:2007/11/13(火) 23:20:21 ID:???
●●
. ●<ホシュッ
80第三話 非道なり御津忌異!!:2007/11/13(火) 23:40:14 ID:???
燦理雄軍本部──燦理雄飛宇呂嵐土

重傷の男が担架に乗せて運び出される。後に残されたのは嘆き悲しむ少女と仲間たち。
マイメロディ「わあああああん! プリンが、プリンがー!!」
鬼帝「……そうか。ご苦労であった。お前は少し休むがいい。直ちに救援隊を派遣する」
ナースのコッコ「ほら、元気出して。プリンはきっと無事だわさ」
コッコがマイメロディを連れて行く。鬼帝とケロッピは溜息をついた。
ケロッピ(ター坊が生きていたのは良かったが、その代償はあまりにも大きかったな……)

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!
突如警報が鳴り響く。

鬼帝「何事だ?」
ケロッピ「こ、これは……(カチャカチャカチャカチャカチャ) ハッキングか。
    本部のマザーコンピューターが泥須尼異に攻撃されている……!」
ペックル「第三区域乗っ取られました!」
ポチャッコ「なんだこのプログラムは?! NA・TU・CHU……夏厨?! くそっふざけてる」
81加筆修正版その2(上はその1):2007/11/13(火) 23:41:58 ID:???
鬼帝「ケロッピ、防げるか?」
ケロッピ「誰にものを言ってるんです? 僕はあなたの片腕ですよ?」
ペックル「第二区域乗っ取られました!! 自爆装置が起動してますっ!!」
ポチャッコ「なんつー攻撃性の高いウイルスだ! まるで基地外の頭の中みたいだぜ!」
ケロッピ「………………(カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ)」
機械音声『自爆装置作動まであと10秒、9、8』
ペックル「もう駄目です! 間に合いません!!」
ポチャッコ「万事休すかよ。この野郎! くそっくそっくそおお!!!!」
機械音声「7、6、5」
ケロッピ「──終わりだ(カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ…ピッ)」

機械音声『自爆装置作動プログラムは解除されました』

ペックル「やったあああ!!」
ポチャッコ「すげえ! 流石ケロッピ様だ!」
鬼帝「よくやった。ケロッピ」
ケロッピ「当然です。……と言っても、結果的に第三区域を切り捨てる羽目になりましたが」
ペックル「ん? これは?」
後処理をしていたペックルが何かを見つけた。
ケロッピ「どうかしたのか?」
ペックル「なにか、映像ファイルみたいなものが送りつけられてます」
ポチャッコ「おい、それ! 泥須尼異からじゃないのか?!」
ケロッピ「まさか……開いてくれ」
82加筆修正版その3:2007/11/13(火) 23:43:26 ID:???

画面に大きく現れる泥須尼異死ー(Death Neet Sea)
御津忌異『ハハッ。見てごらん。これが僕の誇る泥須尼異死ーだよ! すごいだろう?
     今日はそのアトラクションの一つ、レイジ○グスピリッツをを紹介してあげるよ』
映し出されたのはコースの途中で一回転するジェットコースター。

ケロッピ「おかしい……普通紹介VTRなら最新のアトラクションを紹介するはずだが
    これは最新のものじゃない。なんで今さら……しかも我々の元へ……?」
複数のカメラから撮影された画面が順々に切り替わっていく。
ペックル「あ、あれはーっ!!」
鬼帝・ケロッピ「!!」

コースターの滑走路が一回転しているその先に、傷ついたプリンが縛り付けられていた。

ポチャッコ「や、やめろおおおおおおおおおっ!!!」
御津忌異『じゃあ、次にコースターが走ってる姿を映すよ。よ〜〜〜く見ていてね。ハハッ!!』
コースターが無情にも走り出す。勢いよく回転したその先には……
プリン『鬼帝様、ばんざああああああいいっ!!!!!!!』

   シィィィィッンン……

ポチャッコ「プ、プリン……嘘だろ……」
鬼帝「………………」
83第四話 不安(修正版):2007/11/13(火) 23:44:53 ID:???
とも「ねーねー聞いたあ? プリンが御津忌異に公開処刑されたって!!」
なおみ「どうしよう……私達みんな殺されちゃうのかなー……」
てるみ「死にたくないよお」
よしこ「ちくしょー死んでたまるかー!」
とも「所詮勝ち目のない戦いだったんだよ! ぶっちゃけ魔王はもう世界を牛耳ってんじゃん!」
マロンクリーム「待って。私達には鬼帝様がいるじゃない……諦めるのはまだ早いわ」
ちえ「でも……鬼帝様なら勝てるって補償はないし」
まいこ「そうよね。むしろ鬼帝様が負けた後私達がどうなるかの方が問題よ」
てるみ「あっ! 鬼帝様……」
六人『!!』
鬼帝「………………」
何も言わず無言で鬼帝は通り過ぎた。そのまま司令室に向かう。

ケロッピ「鬼帝、大丈夫ですか? 少し顔色が悪いようですが」
鬼帝「大丈夫だ。心配しなくともよい。我々は今、戦争をしているのだからな」
その時、何者かが二人の元に駆け寄ってきた。
84第四話 不安(修正版):2007/11/13(火) 23:46:45 ID:???
シナモン「戦争など、もうやめればよいではありませんか!!」
険しい顔でそう鬼帝に迫ったのは、まだ少年の面影を残す青年だった。
ケロッピ「お前はシナモン……!」
シナモン「プリンのことは伺いました……。同じ犬同士よく面倒を見てもらい、
    実の兄のように慕っておりました。それ、なのに……」
苦悶の表情を浮かべながら、シナモンはギュッと拳を握る。
シナモン「プリンは、プリンはあなたのせいで死んだんだ!
    魔王に刃向かったりするから、勝ち目のない戦争などするから!!」
鬼帝「っ…………!」
ポチャッコ「貴様、鬼帝様に向かってなんてこといいやがる! 経験の浅い青二才が!!」
鬼帝に掴みかかろうとするシナモンをペックルが必死に押さえた。
ペックル「シナモン! よすんだ! 自分が何をしているのかわかってるのか!!」
シナモン「僕は許さないぞ! プリンを返せ! 返せえええ!!!」
ケロッピ「誰か、つまみ出してくれ」
シナモン「今まで一体何人死んだと思ってるんだあ! 責任をとれええええ!!」
85第四話 不安(修正版):2007/11/13(火) 23:47:44 ID:???
やって来た兵士に羽交い締めにされて連れ出されるシナモン。
ペックル「つまみ出すだけでいいのですかケロッピ様? 彼は危険です」
ケロッピ「所詮あの程度の輩では、寝首をかいたとしても鬼帝を傷つけることなど出来ない。
    ただ……危険人物に変わりはないか。反逆罪として処罰しましょう」
鬼帝「──いや、いい。放っておけ」
一瞬ケロッピは怪訝な表情をしたが、反論はしない。
ケロッピ「……。わかりました」
ポチャッコ「馬鹿な奴だ。あいつ」
吐き捨てるようにポチャッコが言うと、ぼそりとペックルは呟いた。
ペックル「戦争が続くとああいうのが出てくるんですよね。……もう、大分長いですし」
全員『……………………』


しかし、燦理雄軍内部でこんなことが起こっているうちに、
外から刻々とまた別の危機が迫ってきていた。
???「This is Hallowin,This is Hallowin 〜♪」
86おまけ:2007/11/14(水) 00:10:30 ID:???
プリン(1996)、コッコ(1992)、ペックル(1989)、ポチャッコ(1989)
るるる学園(1989)、マロンクリーム(1985)、シナモロール(2002)
ちなみにター坊(1984)、ケロッピ(1987)、マイメロディ(1975)

意外かも知れませんが実はター坊・マイメロディ・マロンクリームはケロッピの先輩にあたります
またこれから出てくるキャラにも結構先輩キャラがいたり。
燦理雄軍は年功序列ではなく実力主義というのがよくわかると思います
両軍の特徴や違いを比較すると何かわかったりするかも…?
87マロン名無しさん:2007/11/14(水) 00:16:19 ID:ZExVu1MP
サンリオとディズニーておなし会社なのか?
88マロン名無しさん:2007/11/14(水) 00:25:26 ID:???
乙です!

>>87
ちがくね?サンリオは国産だし…
細かいことは知らないけど
89マロン名無しさん:2007/11/14(水) 00:34:14 ID:???
>>87
ディ○ニーはウオ○ト・デ○ズニー氏が作ったアメリカの会社
燦理雄はバリバリ日本の会社でまったくの別物

ああ、こんな誤解が起きるぐらい燦理雄は知名度低いんだなあ。悲しいわ
90マロン名無しさん:2007/11/14(水) 00:54:58 ID:ZExVu1MP
や、ちが、ディズニースレなのにサンリオキャラバンバン出てるから…
兎に角サンリオが日本産のは多分知ってました。サーセン!んくらいでんな落ち込むなよ!
91マロン名無しさん:2007/11/14(水) 01:16:52 ID:???
>>90
おまいなんていいやつなんだ。感心したよ

確かにこのスレデゼニーキャラよりサンリオキャラの方が多いなw
92マロン名無しさん:2007/11/14(水) 02:07:50 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
93マロン名無しさん:2007/11/14(水) 12:14:18 ID:???
シナモンて今後裏切りそうだな
何か問題起こしそう
94マロン名無しさん:2007/11/14(水) 19:08:52 ID:???
>>92
ミッキーというより、埴輪の顔みたいだ。
95マロン名無しさん:2007/11/15(木) 00:42:21 ID:???
●●
. ●<ボクハニワ!
96マロン名無しさん:2007/11/15(木) 01:07:26 ID:???
もう埴輪にしか見えん

…て、ここなんのスレだ?w
97マロン名無しさん:2007/11/15(木) 12:30:20 ID:???
 ┯
●●●
.●●
 ●

 ┯
●●●

.●●
 ●<ハハッ!ブドウのコスプレだよ!
98マロン名無しさん:2007/11/15(木) 20:20:02 ID:???
魔王自ら連日スレに直接攻撃しに来てる訳だが
このスレに奴がそれ程マズいと思う何かがあるのだろうか…?
99マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:08:37 ID:???
魔王は鬼帝様の真の力の解放を恐れている…!
100マロン名無しさん:2007/11/15(木) 23:46:46 ID:???
ああああー!!!!
前スレ落ちてから見失っていたけど・・・ようやく再会を果たせた!!

職人さん乙!
旧住人ひさしぶり!
新住人よろしく!

鬼帝さま、魅津奇異に裁きを!魅津奇異に罰を!
101マロン名無しさん:2007/11/16(金) 00:17:48 ID:???
おめでとう!久しぶり!!
これからも共に鬼帝様を応援して魔王と戦おう

旧住人が戻ってくると嬉しいな。てなわけで定期的にあげ
102マロン名無しさん:2007/11/16(金) 01:19:30 ID:???
おおっまた一人生還者がやってきたか!
散っていった勇者たちも戻ってきてくれるといいな
103マロン名無しさん:2007/11/16(金) 17:51:34 ID:???
遅ればせながらやっと合流できた!
鬼帝様、お供いたします!!
104マロン名無しさん:2007/11/16(金) 21:01:08 ID:16t3XfAz
次から次へと旧住人が見つけてやってくる…
ここは魔王魅津忌異を討つべく好漢どもが群れ集う梁山泊か!
105マロン名無しさん:2007/11/16(金) 21:02:20 ID:???
●●
. ●<ボクハ ミッ*ージャナクテ ハニワダカラオk
106マロン名無しさん:2007/11/16(金) 21:15:50 ID:???
そうだね。ハニワもよろしくww
107マロン名無しさん:2007/11/17(土) 00:12:01 ID:???
>>105
埴輪乙www
108マロン名無しさん:2007/11/17(土) 02:42:27 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
109マロン名無しさん:2007/11/17(土) 13:18:31 ID:+ixMB1Qr
人気だけど自分は好きになれないから探してみたら…
アンチスレあったんだな!感動した。
110マロン名無しさん:2007/11/17(土) 13:41:50 ID:???
●●
. ●<Βεδεη!
111ハロウィンナイトはいつも愉快:2007/11/18(日) 00:25:38 ID:???
燦理雄の領内では現在も厳戒態勢がひかれている。
そして見回りをしているとある兵士。
もんきち「おさるのもんきちでござる。忍者でござる。……ムッ、あれは侵入者でござる!!」
軍の敷地内を平然と歩く男がいた。なんとその男、外見が骸骨で異様にひょろ長い。
しかものんびり鼻歌なんぞを歌いながら、堂々と道の真ん中を歩いてきている。
威嚇のため侵入者に対して手裏剣を飛ばすもんきち。しかし、すべて弾き飛ばされた。
もんきち「おぬし、何者でござるか?!」
   (この奇抜なファッション、骸骨……もしやデスノ○トのリューク?!)
水銀○もちらっと浮かんだが、それは流石にないだろう。
しかし、男の発言によってもんきちの予想はあっさり否定された。
ジャック「やあこんばんわ! 良い夜だね。僕はハロウィンタウンの支配者ジャック・スケリントン。
     Pumpkin King(カボチャの王)とも呼ばれてるよ。よろしく!」
もんきち「ジャック・スケリントン……おぬし、魔王の手先でござるな?」
ジャック「うーん、それはちょっと違うなあ。僕の父はティム・バートンで、
    僕自身は正式にはバートンファミリーに属してるんだよね。
    つまりシザーハンズのエドワードやウィリー・ウォンカが兄弟に当たる訳だ。
    対してデイズニーとの付き合いはあくまで商業上の契約だから」
もんきち「では、敵ではないでござるか?」
ジャック(大きく肩をすくめて)「いや、残念だけど僕はバートンファミリーの稼ぎ頭だからね。
     毎年ハロウィンのイベントやったり、デイズニーには何かと稼がせてもらってるし」
もんきち「敵なのでござるな? では戦うでござる!」
刀を抜いてジャックに斬りかかるもんきち。ジャックは指の骨をサーベルのように伸ばして応じる。
  キンッ  キィン!
火花を挙げながら何度か斬り結び、速さで勝るもんきちの斬撃がジャックに直撃した。
112第五話(加筆修正版)その2:2007/11/18(日) 00:27:11 ID:???
もんきち「ムッ……!」
大きく後ろに跳び、距離を空けるもんきち。
もんきち「拙者は確実に斬ったはず……何故おぬしは平気でござるか」
ジャック「ハハハ、僕の体は見ての通り全部骨で出来てる。ちょっとやそっとの攻撃では
    なんとも感じないよ。幸い、君の力はあまり強くないみたいだしね」
もんきちの額から一筋の汗が流れた。そのまま戦闘を続けるが、何度もんきちの攻撃が
当たろうと、ジャックの体にカスリ傷一つつけることは出来ない。
もんきち(このままではマズイでござる。決定打がない以上、いずれ体力が尽きて形勢が
     逆転するのは明らかでござる! 負傷する前に退くか、増援を呼ぶしか……)
ジャック「疲れてきたのかな? スピードがさっきより落ちてきてるよ」
もんきち「!! ウキッ!」
ジャックの攻撃を避けきれず、もんきちは左足を貫かれ体勢を崩して倒れた。
もんきち(もはやこれまででござるか……)
背後にジャックの気配を感じ、もんきちは覚悟して目を閉じる。しかし、
113第五話(加筆修正版)その3:2007/11/18(日) 00:29:06 ID:???
ジャック「そうそう、そう言えばね、さっき話したエドワードとウィリーのことだけど、
    彼らは彼らでまた別にデップファミリーというのにも所属してるんだよ。
    デップってジョニー・デップね。勿論有名なジャック船長も一緒なんだけど」
もんきち「…………は?」
知ってた? と笑顔で話し続けるジャック。
ジャック「君らは日本以外の事情にはあんまり詳しくないみたいだけど、あっちじゃあっちで
    結構派閥争いって言うのがあってねー。しかもキャラによっては複数の派閥に
    属してたりするから人間関係が複雑で大変なんだよ。わかる? でねー僕は……」
もんきち「あ、いや、その……待つでござる」
思わずもんきちが会話を遮った。が、ジャックはその理由がわからないようだ。
ジャック「ん? どうかしたのかい?」
もんきち「どうしてとどめを刺さないのでござるか?」
ジャック「だって、話の続きを思い出したから。折角思い出したのに今君を殺してしまったら
    話す相手がいなくなるじゃないか。まさか僕一人で喋ってろって言うのかい?」
もんきち「いや、ちょ、そんな当然みたいに言われても困るでござる」
ジャック「まあ、そう焦らずに。落ち着いていこうよ」
もんきち「え、えええええええ? おぬしは別の意味で落ち着きすぎでござるよ!」

その時、空からひらひらと白い花びらのようなものが舞い落ちる。
114第五話(加筆修正版)その4:2007/11/18(日) 00:30:44 ID:???
ジャック「ん? これは……?」
「もんきち! 助けに来たぞ!!」
そこに現れたのは礼装した一羽のペンギン。
もんきち「タキシードサム殿! 助かったでござる!!」
目を上げるとそこに燦理雄の幹部の一人、タキシードサムが颯爽と立っていた。
サム「骸骨男、私が相手だ!」
両腕で扇ぐようにサムが腕を動かすと、猛吹雪が襲いかかる。
もんきち(しめたでござる。冷気の攻撃なら骨にも効くでござる)
サム「氷付けにしてやる! エターナルフォースブリザード!!」
猛吹雪が骸骨の男を文字通り骨まで凍り付かせんとする。

……しかし当のジャックは、

ジャック「こ れ は な に ? !」
もんきち・サム『──ハ?』
115第五話(加筆修正版)その5:2007/11/18(日) 00:34:05 ID:???
ジャック「白く美しい花のような! でも冷たい氷のような! これは一体なんなんだ?!」
サム「お前、一体何を言ってるんだ? どう見ても雪だろう」
ジャック「雪? 雪?!」

   ♪What's this? What's this?
    (何だこれ? 何だこれ?)
    There's color everywhere...What's this?
    (一面にあふれる色・・・何だこれ?)
    There're white things in the air...What's this?
    (空に舞う白いもの・・・何だこれ?)
    I can't believe my eyes I must be dreaming,
    (自分の目が信じられない 夢を見ているに違いない)
    Wake up, Jack, this isn't fair...What's this?!
    (目を覚ませジャック こんなことがあるか・・・何だこれ?!)♪

もんきち「と、突然歌って踊り出したでござる……というか一体どこから音楽が……」
サム「こ、こいつは一体なんなんだ……ふざけているのか?」
もんきち「いやおそらく本人はいたって真面目……」
116第五話(加筆修正版)その6:2007/11/18(日) 00:40:26 ID:???
ジャック「ああ! なんて良い気持ちなんだろう! これが雪! 雪!!」
もんきち「(……テンション高いでござるな)おぬし、雪を見たのは初めてなのでござるか?」
ジャック「そう! 僕の住んでいるハロウィンタウンは年がら年中秋の国!!
    毎日がハロウィン、みんなが恐怖を大歓迎。それがハロウィンタウン!」
もんきち「は、はあ」
ジャック「なんだろうこの気持ちは。この雪が、僕の心を満たしてくれる気がする。
    もしかしたら、これは僕がずっと探していたもののヒントになるかもしれない」
サム「……で?」
どこか疲れた顔で腕組みをしているサム。
興奮したジャックは二人の手を取り握手して語りまくった。
ジャック「ありがとう、ありがとう。君たちのお陰だ! 僕は感謝するよ。
    もう戦いなんてやめだ。そうとも! 戦いなんて野蛮じゃないか!
    僕はこれから、もっと素敵なものを探す旅に出ることにするよ」
もんきち・サム「 は ぁ … … 」
置いてけぼり状態の二人を完全に無視して優雅に走り出すジャック。
ジャック「またいつか会おう! そう、出来ればハロウィンの夜に。ではご機嫌ようー!」
ダダダダダダダダダダダダダダダ……

その場に取り残された二人。
……結局、一体ナンダッタンダアイツ( ̄Θ ̄;) ( ̄ω ̄;)拙者モチョットワカラナイデゴザル……


ハロウィンの夜はいつも愉快。そう、こんな感じで……
117マロン名無しさん:2007/11/18(日) 00:54:27 ID:???
もんきち(1991)、サム(1978)
ジャック(1993)…ナイトメアビフォアクリスマスの主人公の骸骨男。カプコンから
         ゲームが出ているので、顔が見たい人は公式HPに

ちなみに>>85でジャックが歌ってるのは↓の三番、>>115は六番
試聴ができます。といっても六番の方は歌が入ってませんが
ttp://listen.jp/store/album_avcw12046.htm

ナイトメアは男女問わず見れる映画なので、興味がわいたら是非。世界観が面白いです
118マロン名無しさん:2007/11/18(日) 01:57:47 ID:???
ジャックは好きだ
119マロン名無しさん:2007/11/18(日) 10:25:55 ID:???
そういえば今日って例のネズミの誕生日らしいな。
120マロン名無しさん:2007/11/18(日) 12:23:48 ID:???
アフロだったらブルックだな。
121マロン名無しさん:2007/11/18(日) 12:36:59 ID:???
>>118
同意だ
ジャックは優しいし紳士的だから好き

>>120
なんの話?
122マロン名無しさん:2007/11/18(日) 14:01:54 ID:???
>>121
ワンピースにアフロで剣士で紳士的でノリのいい音楽家のガイコツがいるんだよ
モデルの一部はジャックかも知れんな
以上スレチスマソ
123マロン名無しさん:2007/11/18(日) 14:49:37 ID:???
>>122
thx。骸骨なのにアフロなんだなw
今度読んでみるわ
124マロン名無しさん:2007/11/18(日) 17:07:23 ID:???
あげ
125マロン名無しさん:2007/11/19(月) 10:47:54 ID:???
保守。そろそろ圧縮来そうな予感
最近糞スレ乱立が多くなってきたから油断するとまた落ちるぞ

なんでもいいがハニワくん来ないとなんか寂しいな
126マロン名無しさん:2007/11/19(月) 21:17:08 ID:???
>>125
mjsk!? こっちも油断できないなんて。見えない圧力がかかってるとしか…
127マロン名無しさん:2007/11/19(月) 23:02:17 ID:???
キャラ板ほどじゃないと思うけど一日1レスはないと危ないかも
圧縮はスレが増えすぎるとなるからスレの数が急に増えると危ないんだよね
雑談すればよくね?過去に見た魔王出演作品やディズ○ー映画とか
128マロン名無しさん:2007/11/20(火) 02:09:55 ID:???
魔王が魔薬作ってる映画?を見たことがある
あれはなんに使う薬だったんだろう…
129マロン名無しさん:2007/11/20(火) 02:19:59 ID:???
んじゃディ〇ニーがらみで雑談

リトルマーメイドってありえないだろー絶対人魚姫を正しく知らない子供とか出てくるだろー
とか思ってたが、自分の知ってる三匹のこぶたはデ〇ズニー版だと知り、かなりorz
130マロン名無しさん:2007/11/20(火) 12:21:50 ID:???
おおかみなんてこわくないー♪

白雪姫も人魚姫も美女と野獣も眠れる森の美女もシンデレラも
全部ディズニーで見た世代だ。やべ、年がバレるなw
まあミュージカル仕立てなこと以外は原作に近いんじゃないか
131マロン名無しさん:2007/11/20(火) 15:59:24 ID:z6o4culx
人魚姫はラストめちゃくちゃ変えてるぞ
バッドエンドから大団円のハッピーエンドに
132マロン名無しさん:2007/11/20(火) 16:29:51 ID:???
ああ確かに。主役を死なす訳にはいかんからかな?
だから唯一他の作品と違って原作の人魚姫とタイトルが違うのかも
133マロン名無しさん:2007/11/20(火) 17:58:21 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!

保守
134マロン名無しさん:2007/11/20(火) 19:49:40 ID:???
魔王が保守しにくるwww
135マロン名無しさん:2007/11/20(火) 20:10:20 ID:Rk8p1LMe
魔王、このスレ消えて欲しかったんちゃうんかいwwww
136マロン名無しさん:2007/11/20(火) 21:07:09 ID:???
魔王が気まぐれでスレ住人を翻弄しているwww
137マロン名無しさん:2007/11/21(水) 18:48:58 ID:???
☆ゅ
138第六話 頂きに立つ者:2007/11/22(木) 00:42:14 ID:???
──死ンデレラ城最上階のテラスにて。
そこには闇より深い黒色のローブをまとった御津忌異が佇んでいる。
御津忌異「夢の国にようこそ。お金さえ持っていれば国も! 人種も! 民族も!
     一切問わずに無条件で夢を与えてあげるよ! ハハッ!!」

陶酔したように御津忌異は叫び、彼の築いた帝国を見下ろした。
御津忌異「初めましての皆さん! 君たちには、またここで会えるように
     魔法をかけてあげよう。何度も、何度でもまた来たくなるように!!」

“魔王”は腕を大きく広げ、叫び続ける。その後ろ姿に狂気すら感じさせるほど……

御津忌異「何度目かの皆さん! あなた達にはより深い夢を与えよう!
     お金を山ほどつぎ込んで、享楽と快感の狭間にある夢の迷宮へと!!」

人間達のおかしな笑い声に同調するように、御津忌異も激しく笑う。
そしてそれが少し落ち着くと、彼は身を乗り出して下界を覗き込んだ。
御津忌異「それにしても、初デートに来たカップルを別れさせるのは楽しいなぁ。
     たくさん彼にお土産を買わせてから、派手に喧嘩別れをして貰おうか。ハハッ」
そこに、彼に似たネズミ頭のコウモリのような生き物が飛んでくる。
139第六話 (加筆修正版)その2:2007/11/22(木) 00:44:02 ID:???
御津忌異「ん、なんだい? ……ジャックが裏切っただって?」
ポリポリと頭を掻く御津忌異。
御津忌異「まあ、そんなに期待はしてなかったけどね。でも仕様がないなあ。
     ハロウィンタウンの奴らは見せしめに殺すとしようか。
     あいつらちょっとやそっとじゃ死なないし、どう殺そうかなー?」
しかし、少し考えてから御津忌異は思い直した。
御津忌異「……ああ、でもハロウィンのイベントはとても儲かるんだよね。
     ハロウィンは来年も再来年もあるし、殺しちゃうのは勿体ないな……
     よし! 今年のハロウィンが終わったらバラバラにして薬瓶にでも詰めて、
     ボーンテッドマンションの墓場に来年まで埋めておこう!」
そうしよう、と決めて御津忌異は部屋に入る。
贅を凝らした豪勢な部屋の中には、豪奢に飾り立てた女王・魅尼異がいた。
彼女は御津忌異に気付くと妖艶な声で話しかける。
魅尼異「ねぇんミツキィ、今度出るカルティエの新作が欲しいのぉん」
高そうな革張りのソファに悩ましげに腰掛けながら、見ていたカタログを差し出す。
御津忌異「ハハッ、そんなのいくらでも買ってあげるよ。見せてごらん」
ソファに座ってカタログを受け取るミツキィ。しかし、その笑顔が微かにひきつる。
御津忌異「……ゼロが一つ二つ三つ……八つ九つ……」
魅尼異「ダメぇん?」
まばたきをしながら魅惑的な上目遣いをする魅尼異。
御津忌異「ハハッ。仕方ないなぁ(まったく、宝石なんかより現金の方がいいのにこの女は)」
魅尼異「フフッ、ミツキィ嬉しいわ! 大好きよぉん!(ちょろいちょろい♪)」
140第六話 (加筆修正版)その3:2007/11/22(木) 00:45:32 ID:???
猛烈な魅尼異のキス攻めにあうが、御津忌異はそこからするりと抜け、
部屋に隅に置かれてあったパイプオルガンを奏で始めた。

J・S・バッハ作曲《フーガ ト短調 BWV578》

四小節半のフーガの主題が次第に重なり合い、絡み合い、ねっとりと連なっていく。
そこに激しさはない。しかし、何度も、何度も、狂ったように曲は繰り返され
フーガの連鎖は終わりを迎えることなく辺りに響き続ける。
演奏も最高潮に達したくらいに、バタバタと足音がしたと思うと乱暴にドアが開かれた。
御津忌異「ノックぐらいしなよ。最低限の礼儀だよ」
ピタリと演奏をやめて御津忌異は振り返った。そこには二人の男が立っている。
寓不意「ほぅら、怒られちゃったじゃないかぁー。僕は注意したんだよぉ?」
???「今はそんなことを言ってる場合じゃない」
141第六話 (加筆修正版)その4:2007/11/22(木) 00:47:33 ID:???
入って来たのは怒鳴土と寓不意である。
怒鳴土「ミツキィ、今はもう遊んでる場合じゃねえ。前から言ってるが、燦理雄は本気だ。
俺達もそろそろ本腰を入れるべきだろう? 奴ら一人一人は大したことないが、
     鬼帝は別格だし、高位幹部には強いのもいる。わかってるのか?」
しかし、怒鳴土の忠告を魅尼異が笑って遮る。
魅尼異「フフッ、だーいじょぶよぉ。キティなんてミツキィの敵じゃないわぁん。
    それにこっちにはあなた達二人や他の幹部だっているじゃなぁい。ねえ?」
寓不意「うんそぉだよね。怒鳴土は心配しすぎだよぉ」
怒鳴土「魅尼異、女は黙ってろ。寓不意、お前は危機感がなさすぎる。
     俺はミツキィに話してるんだ。おいミツキィ……!」
しかし怒鳴土の意見を煙たがるように御津忌異は立ち上がった。
御津忌異「あ、あ〜そうだ。今日はテレビ局に行くんだった。
      うちの宣伝しないとね。お金稼ぐのも楽じゃないなーハハッ」
怒鳴土「おいミツキィ!」
尚も怒鳴土は色々と言おうとするが、寓不意が遮る。
寓不意「おはスタやはなまるマーケットがいいよ。僕も行ってもいいかぁい?」
御津忌異「うん、勿論さ。……どうしたんだいプルート? 君も行きたいのかい?」
142第六話 (加筆修正版)その5:2007/11/22(木) 00:50:43 ID:???
いつの間にかいたプルートが、自分もついて行きたそうに御津忌異の足に顔をすり寄せる。
しかし次の瞬間、ミツキィはその顔を勢いよく蹴り飛ばした!
プルート「ギャン! ウォーン……」
怒鳴土「なっ……!」
慌てて部屋の隅に逃げるプルート。怒鳴土は思わず言葉を失う。
御津忌異「ハハッ、君はダメだよ。犬がテレビ局に行っていいわけないだろ?
      ……じゃあ行こっか寓不意? ハハハハッ!」
そのまま去ろうとする御津忌異にハッとして怒鳴土は食い下がった。
怒鳴る土「お、おい御津忌異! また本陣を空けるのか?! ミツ……」
しかし、今度は魅尼異が間に割って入り込む。
魅尼異「あたしも行くわー。終わったらショッピングに行きましょうよん。
     勿論銀座ねん。その後はみんなで赤坂へディナーに行きましょ。フフッ!」
ハハハハと笑いながら去っていく三人を半ば呆然として見送る怒鳴土。
しかし次第にその表情はこわばり、ただただ険しくなる。

「ミツキィ、お前は本当はわかってるはずだ! 死ぬ気になった奴等の怖さを……!!」
143マロン名無しさん:2007/11/22(木) 01:13:55 ID:???
前回の話ですが、ネタのつもりでエタブリをいれたものの誰からも
ツッコミがなくパクリみたいになってしまったので一応ネタ元を載せときます
ネタやパロディは遠慮なく突っ込んでくれておk

エターナルフォースブリザードについて
ttp://www013.upp.so-net.ne.jp/uehiders/log/eternal.htm
144マロン名無しさん:2007/11/22(木) 02:46:22 ID:???
エタブリってそういう意味だったんだー。他スレでも見かけたけど寒いギャグのことかと思ってたw

それにしても…魔王め許せん! よくも私のプルートを!
145マロン名無しさん:2007/11/22(木) 12:09:00 ID:ierLHmmW
魔王降臨A☆G☆E
146マロン名無しさん:2007/11/23(金) 11:15:47 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!

保守
147マロン名無しさん:2007/11/23(金) 12:02:26 ID:???
動物愛護協会から来ますた
148魅津奇異:2007/11/24(土) 02:43:12 ID:???
お金のない人間には興味ないよ。お金持ちは夢の国においで!
たくさん夢を与えてあげるからね。ハハッ
149マロン名無しさん:2007/11/24(土) 14:35:52 ID:???
魅津奇異こわい
150マロン名無しさん:2007/11/24(土) 22:32:13 ID:???
静かな狂気を感じるな

そういや鬼帝様がソフトバンクのCMに出演されていたぞ
151マロン名無しさん:2007/11/25(日) 11:04:17 ID:???
決戦に向けて大衆を味方につけようとなさっているのかも
152マロン名無しさん:2007/11/25(日) 19:45:09 ID:???
用事で地元に帰ったんだが…土産物屋にサクランボだの枝豆だののかぶりものをしてる鬼帝様のお姿がw

これも民の心を掴むための鬼帝様の(ry
153マロン名無しさん:2007/11/26(月) 01:09:25 ID:???
なにを言うておるか!鬼帝様は既に民の心をガッチリ掴んでおろう!
何せ鬼帝様は日本の守護闘神であらせられるのだぞ?


…そういや、このスレって魔王のファンとか来ないな
洗脳された信者に攻撃されたこととかは何度もあるけどw
一度くらい魔王軍の魅力について熱く語るレスとかお目にかかってみたいもんだ
154マロン名無しさん:2007/11/26(月) 02:08:58 ID:???
魔王やディ○ニーのスレってあるのかね。探したことないけど
怖いもの見たさの興味はあるなー
155マロン名無しさん:2007/11/26(月) 13:13:14 ID:???
面白がってググってたらナイトメアのスレを見つけたから魔王のスレも多分ある
魔王スレの住人がこのスレ見たらどんな反応するかなw
156マロン名無しさん:2007/11/27(火) 20:52:08 ID:???
ハ ハ ッ !
157マロン名無しさん:2007/11/28(水) 11:23:35 ID:???
魔王キモっ!
158マロン名無しさん:2007/11/29(木) 00:46:35 ID:???
前スレで話どこまで進んだっけ?
159マロン名無しさん:2007/11/29(木) 00:51:26 ID:???
魔王のシルエットがどことなくカエルに似てることに着目し
同じくカエル属性を持つ鬼帝配下の将・卦六臂を投入
160マロン名無しさん:2007/11/29(木) 01:55:07 ID:???
違うだろw
でもそうやって書くとなんかほんとに武将みたいだな
161マロン名無しさん:2007/11/29(木) 12:08:45 ID:???
悪魔将軍が会議してるなかに黄色くてやたら大きい卑猥な奴がいたな
162マロン名無しさん:2007/11/29(木) 21:04:44 ID:ohfft6AY
そう、シャツは着るくせに下半身丸出しの超絶猥褻物陳列罪野郎だ。
そして好きなプレーはハチミツまみれ。
163:2007/11/29(木) 21:32:35 ID:xr3hCUyG
ウワァー

移転してたんだ

久しぶり〜懐かしい〜
164マロン名無しさん:2007/11/29(木) 22:42:11 ID:???
原作の○ーさんは好きなんだ。なごむし。
だが、なぜデ○ズニーアニメになるとあんなに腹立つんだろう。素で張り倒してやりたくなる。
165マロン名無しさん:2007/11/29(木) 22:52:06 ID:???
>>164
あのいやに天然ぶった語り口が原因じゃなかろうか
一見温和そうだが実は狡猾な性格が所々で見え隠れしているな
166マロン名無しさん:2007/11/29(木) 23:23:37 ID:???
クマのプーさんを改悪したディ○ニーは消えるべき

目が痛くなる原色、でかい口でニカッと笑ってやたら動き回るプーさん
ずいぶん下品になったウサギ
はねっかえりのトラーは凶暴化
アメリカンボーイとなったクリストファー
個人的に一番許せないのがコブタの蛍光ピンクの服
なんだよあのピンクwwwwwもとは森の中に自然に溶け込む奇麗な緑色なのに
しまいには、シェパードさんの描いた絵をクラシックプーとか言い出す
もうね、アホかとバカかと

かなりの日本人があのドタバタで刹那的な笑いを誘うプーさんが本当のプーさんだと思ってるんだぜ
そして下品な黄色に染まった似非プーさんのぬいぐるみを買って喜んでるんだ
今では、原作を知らない子のほうが多いだろ

大人が郷愁に浸っている作品と批難されてもいいさ
ゆっくりとした時間の流れる魔法の森に帰りたいです(´・ω・`)
みんなに本当のプーさんを知ってほしいです(´・ω・`)



ごめんね。暴言はいてごめんね。2ch規制されてた日に怒りにまかせて書いたんだ。
167マロン名無しさん:2007/11/30(金) 00:07:04 ID:???
>>166
ディズ○ーのプーのアニメ制作スタッフは日本人だったという噂があるんだが…。依頼主デ○ズニーに著作権はあるけど。

どっちにせよプーにしろアリスにしろ原作のが良いのは同感。
168マロン名無しさん:2007/11/30(金) 00:39:54 ID:???
アリスといえば小さい頃、あのまるい双子が気持ち悪くて怖くて仕方なかった
169マロン名無しさん:2007/11/30(金) 01:54:34 ID:???
アリスも悲惨だったよな…ただでさえ意味不明な世界なのに映像が付いてカオス
ディ○ニーはパクリはやめてオリジナル一本にすべきだ

>>166
気にすんな。規制はイライラする。早く解除せんかなー
170マロン名無しさん:2007/11/30(金) 19:08:53 ID:???
まあ今はプーさん、泥頭尼夷に版権握られてるし
版権持ってて可笑しくない本物のクリストファーロビン自体が大のプーさん嫌いときてる。

今や本物のテディベアのプーさんは前スレのネタじゃないがマンハッタンのビルで仲間と伴にガラスケースの中に封じ込められている。
イギリスから返還運動が起きた時も、当時のニューヨーク市長は
「プーさんはアメリカ市民になった。だから返還しない」
と突っぱねたという。
プーさんがイギリス田園の森に帰れるのは何時の日か…。
171マロン名無しさん:2007/11/30(金) 20:11:28 ID:???
プーさん達はきっと、イギリス国民を人質にとられてるんだ

帰りたくても闇色鼠が帰してくれないんだよ
172マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:11:01 ID:???
魔王が本気で経済封鎖を考えれば
英国とて危ないからな
173マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:28:33 ID:???
恐るべし魔王の力…!
つかリアルでも結構ドロドロしてるんだな
プーさん故郷に返してやれよ…。それじゃ某北の国みたいだぜ

まあ、とりあえず偽物はもうすぐ鬼帝に倒されるけどな
174第七話 舞台の裏側(加筆版):2007/11/30(金) 23:06:22 ID:???
燦理雄軍本部内、医療センターの中のある病室にて。
マロンクリーム「お加減は、いかがですか?」
病室の中にはター坊と看護婦のマロンクリームがいた。
ター坊は上半身と顔に包帯が巻かれ、点滴を受けて横になっている。
「……………………」
質問には答えずに、じっとター坊は外の景色を見ていた。
マロン「良かったですね、洗脳が思ったよりも浅くて。発狂してしまう人もいますし。
    かなりの重傷でしたが、ミミィ様のお陰で徐々に回復してるって先生が言ってましたよ」
そう話しかけるマロンクリームの顔は見ずに、淡々とター坊は問いかける。
ター坊「……いつになったら、自分は退院出来るでアリマスか?」
マロン「まだ時間はかかるけど、もう少ししたらリハビリを始めようって先生が……」
ター坊「それでは遅いっ! っぐ……!」
マロン「! 大丈夫ですか?!」
反射的に起きあがってター坊は怒鳴っていた。その衝撃で体中の傷に激痛が走る。
マロンクリームは心配してすぐ横に寄り添った。その不安げな顔にハッとして、ター坊は俯く。
ター坊「だ、大丈夫でアリマス。そして、失礼。自分は少し、イライラしていたでアリマス」
マロン「い、いえ、いいの。私のことは気にしないでください。
    何日も部屋に閉じこもりっぱなしで、イライラするのも仕方ないですよね」
優しく首を振ってマロンクリームは答えたが、ター坊の表情は暗い。
ター坊「それは、違う……」
マロン「え?」
175第七話 (加筆版その2):2007/11/30(金) 23:09:07 ID:???
ター坊「いや、何でもないでアリマス! それで、自分はあとどれ位で退院出来るでアリマスか」
マロン「そうですね……あと三ヶ月くらいかしら。その間はゆっくりとご静養……」
ター坊「三ヶ月も?! そんなに……」
マロン「そんなにって……これでも大分短く言った方ですよ。
    本当だったらリハビリも含めて最低半年はかかるところなんですから」
ター坊「それでは……それでは駄目なのでアリマス!」
思い詰めた表情でター坊はシーツの裾をぎゅっと掴む。
ター坊「あと一週間、三日…いや明日にでも! 自分は前線に出て──戦わなければ!!」
困惑した表情でわかりません、とマロンクリームは呟いた。
マロン「……どうして、どうしてそんなに前線に行きたがるんですか?
    今まで散々、前線に出てきたじゃないですか。せめて今くらい休んでも……」
ター坊「休んでなどはいられない。死んだ者達の、ために……」
マロン「! ……」
男が言わんとすることに気付き、マロンクリームは黙り込んだ。
ター坊「……自分のせいで、仲間が、一人……死んだでアリマス。
    彼には家族も友人もいて……彼の分も、自分には戦う義務がアリマス」
真っ直ぐなその瞳に耐えられず、マロンクリームは何も言わずに目を伏せた。
ター坊「せっかく治った兵士がまた戦地に赴く姿を見るのは、医療に携わる者にとって
    とてもツラいと思うでアリマス。……でも、自分は行かなければならない。
    本当に、本当にすまない……でアリマス」
マロン「いえ……」
その時、ドアをノックする音がする。マロンがドアを開くとそこには鬼帝が立っていた。
鬼帝「ター坊の見舞いに来たのだが……」
マロン「ど、どうぞごゆっくり! 私、もう行かなくちゃ」
鬼帝「マロン、私に気を遣わずとも良いのだぞ?」
マロン「いいえ! ちょうどこれから別の仕事が入ってたんです。そ、それじゃ」
顔を紅潮させながらマロンクリームはバタバタと走り去っていく。
176第七話 (加筆版その3):2007/11/30(金) 23:14:42 ID:???
鬼帝「…………何か、あったな?」
ター坊「自分が悪いのでアリマス。死に急ぐばかりに、彼女を……傷つけてしまった」
鬼帝「まだプリンのことを気にしていたのか。あれはお前の責任では……」
ター坊「では、完全に自分のせいではなかったと言えるでアリマスか?
    あの時ヘマをしなかったら、洗脳されなかったら、プリンは死んだでアリマスか?」
鬼帝「……違う。お前が自分を責めなければならぬことなど何一つないのだ。
    全ては、この私が招いたこと。奴の死は、本来ならば私一人が背負うべきなのだ」
ター坊「鬼帝──本当はわかっているでアリマス。自分を責めても、プリンは喜ばない。
    ……それは自分もあなたも同じでアリマス。でも、こうするしか自分には出来ない。
    自分は軍人。自分の分も人の分も、全部背負って戦うことしか出来ないのでアリマスよ。
    自分は、とても不器用でアリマスゆえ……」
鬼帝「ター坊……(お前は、私や皆の分まで全ての責任を一人で背負って生きていくというのか──)」
何気なく窓の外に目をやる。そこには青空が広がり、小鳥の声も聞こえる穏やかな世界があった。
次に、全身に数え切れない傷を負った戦友の姿を見て、鬼帝はため息をつく。
鬼帝「悲しいな」
ター坊「いえ。それが自分で決めた生き方でアリマス。ツライとは思わないし、まして後悔など」
鬼帝「……私はお前を誇りに思う。共に戦ってゆこうぞ──死の、果てまで!」

病室の前には、何故か去ったはずのマロンクリームが立っていた。
そして、その頬を伝って一筋の涙がこぼれ落ちていく。音も立てずに……
177第七話 (加筆版その4):2007/11/30(金) 23:23:05 ID:???

場面変わり、死ンデレラ城の地下。大きな部屋の中心には、円卓が置かれている。
そしてその周りに陣取る、年齢も服装もバラバラでまるで共通点が感じられない八人の男女。
マレフィセント「それじゃあ、定例会議を始めるとしようか」
上級の席に座った仕切り役の黒衣の魔女マレフィセントが開会を告げる。
女王「状況は?」
美しいが少し険のある女性が問いかけた。それに答えたのはアラブ風の格好をした中年の男ジャファー。
ジャファー「ついこの間燦理雄の兵士が一人死んだ。今の所はそれだけ」
アースラ「それだけぇ? それだけってことはなぁいだろうよ」
巨体を震わせながら文句を言ったのは下半身が蛸の魔女アースラである。
スカー「ないんだから仕様がないだろ」
醜いアースラを半眼で見ながら、片目に傷のある黒い鬣のライオンがなだめた。
ガストン「フン、動物は黙ってろ」
ライオンを忌々しく見ながら立派な体つきのまだ若い男ガストンがボソリと呟く。
すぐさまライオン・スカーがガストンを睨み付け呻り声をあげた。
スカー「グルルル、貴様噛み殺すぞ?」
ハーデス「まあまあ、皆さん。落ち着こう。現実問題、今起こってるのはぁーこれだけ」
派手なジェスチャーと共に冥界の神ハーデスが薄笑いをして、場を落ち着かせる。
アースラ「魔王は? まさかまた遊んでるんじゃないだろうね?」
御津忌異をも糾弾しそうな勢いのアースラを、リーダー格の中年魔女マレフィセントが諫める。
178第七話 (加筆版その5):2007/11/30(金) 23:27:47 ID:???
マレフィセント「アースラ、口を慎みな。あたしら悪役が良い目を見てるのは
      ひとえに魔王のお陰だってことを忘れんじゃないよ」
ジャファー「確かに。我々は本来日陰にいてスポットライトなど当たるはずのない存在。
      だが魔王はエレクトリカルパレ○ドに出ることを条件に我々にも好待遇を保障してくれた」
ガストン「俺はあんまり納得してないけどな。だって俺悪役じゃないし」
ささやかなガストンの本音は全員に黙殺される。アースラは尚もまだ不満をぶつけた。
アースラ「だーからって、黙っていいなりになれってぇの? あたしゃまっぴらごめんだね。
    魔王は善人面しているが、中身は明らかにあたしら寄り。いや、あたしらなんかとは
    比べ物にならないもんを持ってる。あたしゃそこが気に入って付いてきたのに」
女王「アースラよ。何が言いたいのだ?」
スカー「要は遊んでばっかで行動しなさすぎ。そういうことだろう?」
ハーデス「まぁねぇ。でも、野望を叶えるためにはわざと時間を置くこともあるんじゃないのぉ?」
指をいじりながらハーデスは自分の経験を思い出す。だがアースラは納得しない。
アースラ「あたしゃいい加減しびれをきらしたんだよ! 恐怖と破壊が、もっとほしいワケよぉ!!」
ゲヘヘヘと下品な笑いを浮かべ、アースラは欲望に満ちた邪悪な瞳を輝かせる。
ジャファー「魔王にも何か考えがあるのかもしれぬ。早まった真似は……」
???「フフフ、でも彼女の意見も一理あるんじゃない?」
『!!』
その男の言葉で会談の席についていた者全員が黙り込む。
円卓の最も上座に座った大男は両手を組み、メンバーの顔を見渡して微笑んだ。

プーサン「盟友ミツキィのためにも、僕らが一肌脱いであげようよ」
179マロン名無しさん:2007/11/30(金) 23:30:19 ID:???
キャラ解説
マレフィセント:眠れる森の美女に出てくる魔女。強い魔力を持ち、茨の森を出したり変身したり出来る。
女王:白雪姫の継母。同じく魔女。毒リンゴ作りが趣味で美しいがナルシスト。
アースラ:リトルマーメイドに登場する人魚の魔女。太ったおばさんで魔法の薬を作るのが得意。
ジャファー:アラジンに出てくるちょび髭の魔法使い。ここではジーニー化はしていない。
ハーデス:ヘラクレスに出てくる冥界の神。一見ユーモアな話し口だがかんしゃく持ちな所も。
スカー:ライオンキングに登場する。主人公シンバの叔父。謀略が得意で片目に傷がある。
ガストン:美女と野獣に登場。主人公ベルにアタックして振られた。町一番の腕の狩人でもある。
180マロン名無しさん:2007/11/30(金) 23:51:25 ID:???
Poooooooooh!!!
181マロン名無しさん:2007/12/01(土) 00:10:53 ID:???
ネタ師様乙

ター坊いいなあ。健さん入ってるのがツボw
182マロン名無しさん:2007/12/01(土) 00:21:01 ID:???
話によるけど何気に結構加筆されてきてるね

ター坊渋カッコいいな。設定ではまだ青年のはずだがw
そしてとうとう魔王にも匹敵する大物がきた!!
183マロン名無しさん:2007/12/02(日) 00:06:21 ID:???
黒幕は魅弐居かはたまたプーか
184マロン名無しさん:2007/12/02(日) 12:57:07 ID:???
そういう展開がきてしまうのか…!?
185マロン名無しさん:2007/12/02(日) 14:10:27 ID:???
いや魅尼異では力不足じゃあるまいか。
個人的には怒鳴土は漢を見せてくれると期待している。
186マロン名無しさん:2007/12/02(日) 21:25:21 ID:78fwdf5f
自分はケロッピに期待
今後の動きが気になる
187マロン名無しさん:2007/12/03(月) 01:12:53 ID:???
プーはどのくらい強いんだろうか
188マロン名無しさん:2007/12/03(月) 09:46:22 ID:???
黄色い猥褻物は烏汚屡屠オリジナルではないから
魔王一族の様な最古・最高幹部程ではないが、烏汚屡屠としては相当思い入れのあるキャラだったらしい。
と言う事は、かなりの魔力を籠めて生まれたプーさんの偽物と見られるので
惨莉御幹部クラスでも中々手擦る相手とは想像出来る。
まして奴個人の手下がいるのだから、相当の激戦になるだろう。
189マロン名無しさん:2007/12/03(月) 15:19:17 ID:???
成程…!!
もの凄いバトルが期待出来そうだな
190マロン名無しさん:2007/12/03(月) 15:29:16 ID:???
いや待て

魔王すらも傀儡で、実はウ○ル△がラスボスという展開もあり得る
191マロン名無しさん:2007/12/03(月) 16:45:43 ID:???
そ、そんな…

でもダンボは私の聖域。
闇の魔王の父たる鳥汚屡屠が黒幕でもあの仔象が真っ白ならそれでいい。
192マロン名無しさん:2007/12/03(月) 17:36:08 ID:???
宇雄留徒が黒幕か…まんざらなさそうでもない
誰が黒幕になろうと魔王は操られてることになりそうだなw
193マロン名無しさん:2007/12/03(月) 20:02:16 ID:???
>>190>>191>>192
お、おまい等…一番拙い事に気付いちまったな…!
マジで魔王に消されるぞ。
194マロン名無しさん:2007/12/03(月) 22:32:24 ID:???
>>190だけど
さっきからずっと天井裏で変な物音がしてるんだ…
ちょっと見てくる






ハ ハ ッ !
195第八話 異常(1/4):2007/12/03(月) 22:40:48 ID:???
フゥ、と溜め息をつきながら、鬼帝は自室に入った。奥から誰かが声をかける。
???「キティ……帰ってきたの?」
鬼帝「ああ、戻ったぞ──ミミィ」
部屋の奥から現れたのは、鬼帝と瓜二つの美しい女性・ミミィだった。
顔はそっくりだがミミィは鬼帝よりもずっと線が細く、見る者に儚げな印象を与える。
鬼帝「ミミィよ、体の調子はどうだ? 悪くないか?」
ミミィ「私は大丈夫よ。心配しないで。みんなも頑張っているんだもの。私も頑張らないと……」
鬼帝「無理をするな。今まで散々負担をかけている。お前は我が軍の要だ。倒れられてはまずい」
ミミィ「うん、わかっているわ。キティこそ、体を大事にしてね……
    それから、お話を聞かせて。何か、変わったことはあった?」
鬼帝「いや、今のところは……」
そこでハッと鬼帝は耳を澄まし、顔をあげる。視線の先には入り口があった。
まもなく足音が聞こえ、ノックと共にケロッピが入ってくる。
ケロッピ「……鬼帝、よろしいですか?」
その表情ですぐさま鬼帝は彼の言わんとすることを察した。
鬼帝「わかった。今行こう。すまないなミミィ、ろくに話も出来ず……」
ミミィ「いいの。気にしないで。キティがいないとみんなが困るもの。早く行ってあげて」
鬼帝「ああ、わかった」
立ち上がり、去りかけた鬼帝の姿にミミィは何かを感じ、思わず声をかける。
ミミィ「姉さん……!」
鬼帝は無言で振り向いた。ミミィは何かを言おうとしたが、一度下を向いてすぐに微笑む。
ミミィ「……行ってらっしゃい。また、お話に来てね」
196第八話 異常(2/4):2007/12/03(月) 22:42:49 ID:???

廊下を早足で進んでいく鬼帝とケロッピ。
鬼帝「何が起こった?」
ケロッピ「まだはっきりとはわかりません。ただ奇妙なことが。
     突然、異常な数の人々が奴らの本拠地に向かい始めたのです」
鬼帝「どれほどだ?」
ケロッピ「平日で休日の五倍」
鬼帝「…………」
思わず鬼帝は側頭部を手で押さえた。そして聞き返す。
鬼帝「……平日の五倍ではないのだな?」
ケロッピ「違います。平日で休日の五倍、です」
鬼帝「それほど人が集まれば、ろくに身動きがとれぬだろうな」
ケロッピ「アトラクションはすべて四時間待ちです」
鬼帝「一度来た以上は意地でも楽しむというのが人間か」
ケロッピ「気になるのはそこです。人々の帰宅時間が」
二人は司令室に入った。ケロッピは機械を操作し画面を示す。
ケロッピ「これを見てください。人々の入退場の数をグラフにしたものなのですが」
画面にはほぼ均一な棒グラフがいくつも並んでいた。
鬼帝「不自然だな」
ケロッピ「その通り。通常なら開場する朝と夕方以降にかけてがピークなのですが、
     この表を見る限り一時間ごとにほぼ同数が入退出しています」
鬼帝「魔王の力、か」
どこか腑に落ちない表情をして鬼帝は呟く。
ケロッピ「どうかしましたか? 何か引っかかる顔をしていますが」
鬼帝「私は何も感じていない」
ケロッピ「……魔王の気配ですか?」
鬼帝「ああ。これほど大がかりなことをすれば判るはずだ。しかし今回、私は奴の力を感じない」
ケロッピ「恐らく正解です。この異常な現象が起こる二日前、魔王は愛妾と共にラスベガスに行って
     まだ帰ってきてはいません。きっと何か裏があります。今回は僕が参りましょう。
     調査隊が戻り次第兵を率いて出陣し、原因を見つけたら……破壊します」
197第八話 異常(3/4):2007/12/03(月) 22:57:27 ID:???

一方、泥須尼異乱土(Death Neet Land)正面ゲートの付近にて。
ガストン「あぁ〜面倒くさい。何で俺がこんなこと……」
男は大きな筒のような妙な形の銃を持って構えている。銃口の向けられた先は──人間。
スカー「さっきからうるさいぞ。文句ばかり言ってないでもっと手を動かしたらどうだ」
ガストン「俺はけだものの指図なんて受けない! 撃ち殺して皮を剥ぐぞ?」
スカー「なにいっ?!」
この二人(正確には一人と一頭)の何度とない喧嘩にとうとうジャファーが怒鳴った。
ジャファー「ええい、いい加減にせんか! まとめて魔法で虫に変えてしまうぞ!」
ガストン・スカー『スイマセン……(´・ω・`)』
ジャファー「まったく貴様等ときたら、この任務の重要性がちっともわかっておらんわ」
スカー「失敬な。わかっていないのはこの筋肉バカだけだ。私はわかってるぞ」
その言葉に納得できなかったのか、ガストンは少し気取って黒い銃を構えてみせる。
ガストン「ん〜、つまるところ〜、この魔法の銃で人間に呪いをかけて、
     強度のDeathニー中毒にしてるんだろう? ははは」
俺わかってるじゃん、という感じで自信満々に発言したが、ジャファーとスカーの視線は冷たい。
スカー「そうだ。リピーターが増え大幅に黒字になって経営陣ウハウハ。
    ……だけだと本当に思っているのか? このバカが」
ジャファー「話をちゃんと聞いとらんかったのか……ではもう一度だけ教えてやろう。この行為の意味を」
198第八話 異常(4/4):2007/12/03(月) 23:01:35 ID:???

泥須尼異死ー(Death Neet Sea)正面ゲート前。
女王「順調に進んでいるか?」
ハーデス「もーちろんですよ、美しい女王様。人間達の洗脳はバッチリです」
アースラ「ああ、いよいよあたしらに強大な権力が手に入るんだねえ。ゲヘヘヘヘ」
ハーデス「んー、あ、そうだね。えーっとふくよかな魔女さん」
    (まったく、モデル体型の美人とデブス。これじゃあ天国と地獄だ)
魔法の銃をカチャカチャいじりつつ愛想笑いを浮かべるが、ハーデスの心境は複雑だった。
アースラ「あんた、あたしに対してだけなんかそっけなくないかい?」
ハーデス「い、いえぇそんなことは! それより、この作戦は実に見事ですねぇ。
     人間達に呪いをかけて洗脳し、いずれは洗脳した人間達を使って
     この国を内部から支配するだなんて。もうシビレますよぉ」
女王「ただ大きな欠点もあるが。ここに来るのは女子供ばかりだ。
    政府の要人でも来ればいいのだが、そうはいかぬ。それ故時間がかかる」
ハーデス「まあ、気長に行きましょうよー、ハハハ」

彼らの様子をスプラッシュ○ウンテンの上空から眺めているマレフィセントとプーサン。
プーサンは相変わらず穏やかな微笑みを浮かべ、腕を組みながら悠然と宙の上に立っていた。
その更に上空800メートルほどの位置から何かが高速で去っていく……
199マロン名無しさん:2007/12/04(火) 00:17:26 ID:???
ネタ師様乙

ミミィ様キターーー!(゚∀゚)
200マロン名無しさん:2007/12/04(火) 00:24:30 ID:???
ミミィ様に期待大
201マロン名無しさん:2007/12/04(火) 00:34:28 ID:???
続きキター
乙です!
202マロン名無しさん:2007/12/04(火) 00:46:26 ID:???
ミミィ様来たな。やはり姉に似て強大な力を持っているのだろうか
203マロン名無しさん:2007/12/04(火) 13:07:05 ID:???
プーも手下達も出てるし話も進んだのに
今回はミミィ様に全部もってかれたな
204マロン名無しさん:2007/12/04(火) 16:08:12 ID:???
ネタ師乙!今回も面白かったです

ケロッピ死亡フラグ…?
プーサンと手下たちの活躍に期待
205マロン名無しさん:2007/12/04(火) 23:15:10 ID:???
いよいよ最高幹部のケロッピが戦うんだろうか
プーサンは強そうだが、手下ははたして強いんかね
206マロン名無しさん:2007/12/05(水) 10:12:20 ID:Ruvq+ErC
age
207マロン名無しさん:2007/12/05(水) 13:27:38 ID:???
208マロン名無しさん:2007/12/06(木) 12:11:24 ID:???
だが来年はネズミ年
正月から魔王の大攻勢がかかるな。年賀状という手を使って
209マロン名無しさん:2007/12/07(金) 15:57:58 ID:???
1日1保守
210魅津奇異:2007/12/08(土) 21:58:18 ID:???
ハハッ
211マロン名無しさん:2007/12/09(日) 22:06:45 ID:???
来年に備えて鬼帝さまのお守りとか買うことを検討している
どうか私をお守りください、鬼帝さま…

女はこれで何とかなりそうだけど、男はこの方法きつくない?このスレの住人はどんな方法で魔王から身を守りますか
212マロン名無しさん:2007/12/10(月) 01:01:23 ID:???
名産鬼帝ストラップならお土産でもらったりするから割と平気でない?
あとは、泥図荷居の良心怒鳴土将軍やケロッピ様に頼むとかw
213第九話 参謀、動く(1/3):2007/12/11(火) 00:31:35 ID:???
鬼帝「調査隊を派遣したのか……」
ケロッピ「大丈夫です。ター坊の飛行記録のお陰で、上空何メートルを飛べば
     敵の捕捉フィールドに捕まらないで済むか、事前に計算してあります」
ペックル「ただ今、第一調査隊ペッピー部隊帰還いたしました」
ケロッピ「繋げてくれ」
画面に一羽の可愛らしいフクロウが現れて報告をする。
ペッピー「ホーホー(報告します。複数の兵士が人間達に何かしていました)。
      ホー(ただ今そちらに映像を送ります)」
送られてきた映像は荒く、ぼんやりと複数の兵士が妙なことをしているようにしか見えない。
ポチャッコ「幹部は、どうやら映ってないようですね」
ケロッピ「……………………」
無言のままケロッピは何かを考え込み、口を開いた。
ケロッピ「出軍します」

泥須尼異乱土正面ゲート付近を、三人組が身を隠しながら進む。
罰丸「へっ、久々に腕がなるぜ」
サム「はやるなよ罰丸。任務の内容は覚えているだろうね? 作戦単位は六分。
   それまでに片を付ける。また、敵の幹部が来た場合は速やかに退避すること」
罰丸「わあーってるよ、ったく。いちいち敵の幹部にビビってどうすんだっての」
サム「仕方ないだろう。ここは敵の本拠地、あくまで今回の任務は隠密だ。
   騒ぎを起こして幹部が現れたらマズい。もっとマズイのは魔王が戻ってくることだが……」
魔王の名を聞いて、流石の罰丸も少しバツの悪い顔をする。
罰丸「ちっ、しょーがねえな……」
サム「シナモン、お前はわかっているな?」
シナモン「……わかっております」
伏し目がちにしながらシナモンは薄ぼんやりと返事をした。
サムは注意深くその様子を見ながら、本部を出る前にケロッピと話したことを思い出す。
214第九話 参謀、動く(2/4):2007/12/11(火) 00:35:33 ID:???

サム「ケロッピ! これはどういうことだ? 今回の任務は私と君の二人で十分だろう?
   何故私に二人も部下をつけるんだ。私の実力を信用していないのか?」
ケロッピ「いえ、むしろ逆です。あなたを信頼してるからこそ、この部下をお願いしたいのです」
サム「……どういう意味なんだ?」
ケロッピ「このシナモンという男……我々に叛意を持っている可能性があります。
     あなたに見極めてほしいのです。燦理雄に対する忠誠を……
     もう一人の部下は万一奴が裏切った時の為です。妙な動きをしたら即座に消して下さい」
サム「成程、そういうことか……。わかった。罰丸と共に気をつけて見ていよう」
その時、ケロッピはまるで独り言のようにもう一つ言葉を付け加えた。
ケロッピ「それに、戦死したらしたで都合がいいですし」

その時のことを思い返しながら、サムはケロッピに感心していた。
サム(なんて怜悧な頭脳だ。敵地に送ることにより忠誠心を推し量るばかりでなく、
   疑惑を抱かせる者として元より捨て駒にするつもりとは)
死んでも構わないシナモンをあえて最前線に回し、命を懸けて戦わせる。裏切ったらば消す。
サム(……我が後輩ながら、恐ろしい男だ)
小隊は慎重に進み、敵を探していた。罰丸がさっそく敵の姿を補足する。
罰丸「おい、いきなりやっこさんを見つけたぜ。
    ライオンと筋肉だるまとおっさんだ。アホ面さらしてやがる」
サム「見つからないように接近しろ。背後からしかける」
罰丸「よーし、全員ヌッ殺したる!」
サム「おい待て! 情報を得るために生け捕りにするって言っただろう?
   出来なければ最悪、あのリーダーらしき黒衣の男だけでもいい。行くぞ」
215第九話 参謀、動く(3/4):2007/12/11(火) 00:38:10 ID:???
ガストン「ああーもう村に帰りたい帰りたい! ル・フウはどうしてるだろう?
     こんなことだったらベルはさっさと諦めて、適当な娘と結婚しとけば良かった……」
ジャファー「やかましいわ! ……く、この男イアーゴを思い出させる」
ガストンの愚痴や文句に頭を抱えながら、ジャファーは昔部下として連れ立っていた、
口数と不満がやたら多いオウムの姿を思い出す。しかしその時スカーは別の音が耳に入っていた。
スカー「……ジャファー、今後ろで何か妙な音がしなかったか?」
ジャファー「何も聞こえなかったが? 私の耳に入ってくるのは、ただ男の虚しい愚痴だけだ」
スカー「そうか。……だが少し気になるな。一応様子を見てこよう」
そう言ってスカーが後方にある茂みに近付いた時、罰丸が飛び出して攻撃を仕掛けた。
罰丸「ブラックストーム!」
高速回転をしながらスカーに体当たりを仕掛ける。スカーはとっさに後ろに跳んだが、
ブラックストームを完全には回避しきれず、その破壊力に吹き飛ばされた。
ジャファー「ム! 敵襲か?! 喰らえ!」
先が蛇の形をした杖を突き出し、ジャファーは炎の塊を罰丸に飛ばす。
それをサムが凍気をまとった拳で打ち抜き相殺した。
サム「残念だがその程度の炎では無駄だ」
罰丸「っ!」
着地した罰丸が再び攻撃に入ろうとするが、ジャファーが大きな壁を作り遮る。
ガストンは一瞬呆けていたが、持っていた筒型銃を罰丸に向けて構えた。
シナモン「……させない」
だがシナモンがサーベルでガストンに切りかかり、ガストンは銃身でそれを受け止める。
スカーはなんとか体勢を整えると、牙をむいて罰丸に飛びかかった。

泥須尼異死ぃー正面ゲート前にて。ケロッピは建物の上から三人の敵を見下ろしている。
ケロッピ(女が二人か……。やりづらいな。卑怯かもしれないが致し方ない)
216第九話 参謀、動く(4/4):2007/12/11(火) 00:39:54 ID:???
三人へ向けてケロッピは不意打ちを仕掛けることにした。ケロッピの手から召喚された津波が襲いかかる。
女王「な、なんだ?!」
ハーデス「あぁ〜れぇ〜!」
五階建ての建築物に匹敵する大津波に巻き込まれ、あっさり流されてしまう二人。
ケロッピ(弱いな……あとの一人はどこだ)
自ら水の中に飛び込み、ケロッピは辺りをうかがう。ほぼ正面に邪悪なオーラを纏ったアースラがいた。
アースラ「まったく情けない奴らだねぇ。この程度の攻撃でなーにやってんだぃ」
ケロッピ「お前はたまたま相性が良かっただけだろう。仲間を馬鹿にする程の実力はあるのか?」
アースラ「ちっ、なめてくれるねぇ。じゃあ、あたしの力を見せてやるよぉ!」
そう言うとアースラは円を描くように腕を回し、いくつもの水の蛇を作り出して
ケロッピに襲いかからせる。それを無駄のない動きで一つずつ回避していくケロッピ。
アースラ「ちっ、ちょこまかと! これならどうだい?」
近くにあったおみやげ屋の屋台を魔力で持ち上げケロッピにぶつけるが、
スッとケロッピは片手をかざし、大きな水の障壁を作り出してそれを阻む。
ケロッピ「これで全力か?」
凍てつくようなケロッピの瞳を、アースラはギロリと睨み付けた。
アースラ「何をぉ! フゥルゥパァワァー!!」
青筋の浮いたアースラは体中の魔力を集め、両手から細長い大きな渦を作り上げる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……と轟音をあげて渦がケロッピに迫った。
ケロッピ「成程。言うだけのことはある、か」
渦の迫る勢いは予想外に早く、ケロッピに正面から直撃した。
217マロン名無しさん:2007/12/11(火) 00:46:09 ID:???
ペッピー(1991)、罰丸(1993)

アクセス規制に巻き込まれて投下が遅くなりました。スマソ
218マロン名無しさん:2007/12/11(火) 01:01:20 ID:???
毎度乙!

罰丸、子供の頃かなり好きだったのに
すっかり忘れてた…orz
219マロン名無しさん:2007/12/11(火) 02:34:21 ID:???
乙です!

ついにケロツピが戦闘…!かっこいい…!
220マロン名無しさん:2007/12/11(火) 03:31:00 ID:???
自分、黄色熊配下の奴らは何人か除いて好きなキャラ多いんだけどなw
ジ○ー○ァーとか素カーとか歯ーで素とか
職人さん頑張ってください
221マロン名無しさん:2007/12/11(火) 11:56:01 ID:???
>>220
わかる。人間味があるっていうか、面白い奴らが多いよなw
なんか憎めない感じだ
222マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:12:36 ID:???
このスレ、結構頻繁にネタが投下される割にはなんか人が少ないんだよなぁ

とりあえずあげてみる
223マロン名無しさん:2007/12/12(水) 13:09:33 ID:???
面白そうだから強さ議論しない?

とりあえず、
神 魅津奇異 鬼帝 これは絶対に確実
ケロッピは強キャラ扱いだから恐らくS。サムはまだよくわかんね
あとわかっていることはジャック>もんきちかな

今んとここのくらいか。プーがどのくらい上位に食い込んで来るか
224マロン名無しさん:2007/12/12(水) 17:59:01 ID:???
>>223
怒鳴土将軍もSな感じ
225マロン名無しさん:2007/12/12(水) 18:53:06 ID:???
神 魔王 魅弐居 鬼帝
S ケロッピ 怒鳴土 寓不意 黄色熊
A サム ジャック
B もんきち 罰丸 シナモン
C 黄色熊の配下


ヤバい。魔王軍強すぎ
226マロン名無しさん:2007/12/12(水) 19:29:32 ID:w17wmej+
>>225
お前はミミイ様をお忘れか
227マロン名無しさん:2007/12/12(水) 19:50:49 ID:???
ただ魔王と鬼帝様、魅荷射とミミイ様が相打ちになったとしても
Sクラスの数がなぁ。今のところケロッピ参謀しかいない
228マロン名無しさん:2007/12/12(水) 22:32:02 ID:???
でもミミイ様の力は戦闘向きではない希ガス
229マロン名無しさん:2007/12/12(水) 23:12:19 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
230マロン名無しさん:2007/12/12(水) 23:27:03 ID:syxfKIVr
ミミイ様ってそういや軍の要とか言われてたよな?
なにか特殊な力があるのかな
231山嵜渉:2007/12/12(水) 23:30:23 ID:???
●●
. ●<ヌルポ^^
232マロン名無しさん:2007/12/13(木) 00:38:58 ID:???
  ∧ ∧
(=゚・゚=)<ガッ
233マロン名無しさん:2007/12/13(木) 00:41:28 ID:???
あ、ズレちゃった。こうかな

 ∧ ∧
(=゚・゚=)
234マロン名無しさん:2007/12/13(木) 02:40:47 ID:???
あーぁ…来春コイツの大群が全国の郵便受けを襲うんだぜ…
むしろ来年は、事ある毎にコイツが大活躍なんだぜ……




mjuzeeee!
235マロン名無しさん:2007/12/13(木) 18:25:53 ID:???
手負いでなければター坊はS、やられたけどプリンがA、マイメロがBかCくらいなのかな…
236マロン名無しさん:2007/12/13(木) 19:31:59 ID:???
プリンは通常なら絶対勝ち目がないとか言ってたから
たあ坊>>プリン>マイメロくらいの差はありそう

マイメロは最古参のくせに弱いな…
237マロン名無しさん:2007/12/15(土) 14:11:56 ID:???
保守
238マロン名無しさん:2007/12/17(月) 19:45:02 ID:???
ふいに思ったけどそういえば魔王の好物ってなんだろう
黄熊にはハチミツだけど黒鼠にはチーズとか別段見た事ないような気がした

やっぱり「金」だろうか…
239マロン名無しさん:2007/12/17(月) 21:45:11 ID:???
間違いなく金だな
あと弱者を苦しめるの好きそう
240マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:40:26 ID:???
王妃…じゃね?
241マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:52:32 ID:???
>>240
つ愛妾
242マロン名無しさん:2007/12/18(火) 12:29:46 ID:NxBq9uG1
ジ*リが加勢してくる…ってのはナシ?








植物を自在に操り、コマに乗って飛ぶ大男「斗吐露」や生物兵器大隊「旺蟲」が助太刀に来るとか
243マロン名無しさん:2007/12/18(火) 21:00:17 ID:???
魔王自ら久々に映画主演か…。
恐ろしき世である事よ。
244いつもの人:2007/12/19(水) 02:44:10 ID:???
携帯から失礼いたします
続きを投下しようとしたのですがなんとまた規制に巻き込まれていました…
申し訳ないですがもう少し待っていてください。すみません…

…実を言うとこの間死海に潜入取材に行ってきたので後をつけられたか
魅尼異の声が予想以上に色っぽくてちょっと愕然。あれ、なんか笑い声が…?




ハ ハ ッ !
245マロン名無しさん:2007/12/20(木) 00:52:02 ID:???
「王国の鍵」は・・・ゲーマーを魔王の手先にするための道具なのだろうか。
正方形・絵爾苦素はすでに魔王の手の内か!恐ろしい・・・
246マロン名無しさん:2007/12/20(木) 02:15:05 ID:???
>>244
まさか、ついに魔王の魔の手がネタ師へと…!?ネタ師さん逃げてー!!
247マロン名無しさん:2007/12/21(金) 09:31:43 ID:???
ほす
248マロン名無しさん:2007/12/21(金) 16:03:38 ID:4C2m2uep
ピートいじめるんじゃねぇよ
糞鼠が
249マロン名無しさん:2007/12/23(日) 21:57:43 ID:???
とうとうネタ師まで魔王の魔の手にかかり、スレは完全に沈黙した

御津奇異「ハハッ!これでこのスレはもう終わりだね!
       世 界 は も ら っ た よ」

果たしてこのスレはどうなるのか?!鬼帝様はどこへ行ったのか?!
世界の命運は如何にっ!!!

……この世界はもしかしたら、君の手にかかっているのかもしれない
250マロン名無しさん:2007/12/24(月) 13:59:30 ID:???
今朝の九時、衛星放送第二で燦里雄の映画が流れたらしい
その内容がなんと、ネズミに呪いをかけられたクルミ割り人形を
助けるという内容だった。しかも鬼帝様もご出演された……?

映画は見てないが、新聞を見てちょっとビビった
251マロン名無しさん:2007/12/24(月) 15:04:52 ID:???
激しく見たくなってきた…レンタル屋にてその布教映画は取り扱っておられるだろうか
252マロン名無しさん:2007/12/25(火) 12:54:32 ID:???
メリークリスマス、鬼帝様!

今ごろ魔王どもは…
253マロン名無しさん:2007/12/25(火) 19:59:55 ID:vWaoWXmc
稼ぎ時とばかりに営業中です。
254マロン名無しさん:2007/12/25(火) 23:31:02 ID:???
聖夜の奇跡。規制解除キター\(^o^)/

長らくお待たせ致しました
今夜は前回分も含めて一挙に二話投下しようと思います
それでは、第十話第十二話投下します
255第十話 思惑(1/3):2007/12/25(火) 23:32:40 ID:???
場面は泥須尼異死ープラ座。二つの渦の直撃を受けたケロッピ。
アースラ「グハハハー! 燦理雄の最高幹部ケロッピ討ち取ったりー!」
ケロッピ「どうかな?」
アースラ「?!」
驚愕したアースラの首筋にヒヤリと、冷たく鋭い何かが当たる。それは鋭く伸びたケロッピの爪だった。
アースラ「バ、バカな?! 確かに……!」
ケロッピ「特別なことはしていない。当たる瞬間に回避して回り込んだ。ただそれだけ。
     僕は水中戦が得意で水の中でも抵抗0で動けるし、速さには自信があるのでね」
アースラ「ぐ、ぐぅ……」
ケロッピ「安心しろ。殺しはしない。いくつか聞きたいことがある」
彼の視界には、水の中にも関わらず何故か普通に行動し、
楽しそうにはしゃいでいる人間達の姿が映っていた。それらをちらりと見る。
ケロッピ「まず最初に、お前達の目的を聞きたい。何が目的だ?」
アースラ「目的ぃ? そんなの決まってるだろう? あたしらの目的は二十年前からずっと同じさぁ」
殺されないとわかったお陰か、アースラはニヤニヤと不気味な笑いを浮かべながら答えた。
ケロッピ「……質問の内容を変えよう。今回は魔王の命令か? お前達のリーダーは誰だ?」
アースラ「いいやぁ、魔王の命令じゃないねえ。あの方は何考えてんだかいまだによくわからないよ。
    あたしらのリーダーはある意味じゃ魔王以上の存在だね。知名度、人気、実力……
    そして器のでかさ。何一つ魔王に劣ってなんかいやしないさ」
ケロッピ「誰だそれは? まさか……」
話している間にケロッピは何かを感じ取り、即座にアースラを突き飛ばして離れる。
すると、ケロッピとアースラの間で水が真っ二つに裂け、水は地面へと落ちて消えていく。
256第十話 思惑(2/3):2007/12/25(火) 23:35:32 ID:???

その少し前、水上ではハーデスがなんとか身を起こし、水の上に立ちあがった。
広場の中央にある、地球型モニュメントの北極部分が丁度水の上に突き出ていたので
その上にいそいそと移動してハーデスは一息つく。
ハーデス「はあ〜、ヒドい目に遭ったなぁ。おっとあそこに女王が」
同じく水面から出ようとしている女王に近寄り、助けあげる。
ハーデス「ご無事ですか?」
女王「ああ。私はな。……アースラはどうした?」
ハーデス「さあ? 彼女は人魚ですし、とりあえず溺れてることはないでしょう」
その時すぐ近くからドーンという音がし、大きな水柱が上がる。
女王「……戦っているようだな」
ハーデス「そうみたいですね。じゃあ、今のうちに逃げますか」
女王「貴様! 仲間をおいて逃げる気か?」
ハーデス「んー? 仲間ぁ? いつから我々は仲良しクラブになったんです?
     我々は同じ目的を持つ同志であり、またライバルでもあるんですよ?
     まあ助けを呼ぶくらいはしてあげますがねぇ、勝ち目のない戦いをしてあげる
     義理までは流石にないですよ(別にあのオバサン死んでもいいし)」
本音はともかくとして、ハーデスのもっともらしい発言に女王は納得した。
女王「む……一理あるな」
ハーデス「さ、そうと決まればボスを呼んでとっとと逃げましょ」
そう言うとハーデスは携帯を取り出し、その場から速攻で駆け出した。

一方泥須尼異乱土では、3VS3の激しい戦いが繰り広げられている。
257第十話 思惑(3/3):2007/12/25(火) 23:41:06 ID:???
ジャファーは巨大なコブラに変身すると、サムに襲いかかった。
ガストン「お、おいジャファーのおっさん! 俺達まで巻き込むつもりなのか?!」
スカー「ガストン! 下がるぞ」
ガストン「貴様、ジャファーを置いて逃げるのか?!」
スカー「違う。お前が手に持っているそれは何のために使うものだ?
    ここは一度ジャファーに任せ、我々は遠くから援護するんだ」
巨大な大蛇のジャファーは炎をまといながらサム、罰丸、シナモンに次々と襲いかかる。
罰丸「ヘッ、デカくなりゃいいってもんじゃないぜ!」
身軽に飛び回り蛇の背中を走り抜ける罰丸。攻撃を仕掛けては離れる。
一方サムは巧みに攻撃を避けながらも、次々と冷気で炎を無効化していった。
サム(あの二人は逃げたか。こっちは三人。問題ない)
無線を使い、サムは罰丸に呼び掛けた。
サム「罰丸! 注意を引きつけてくれないか。ケリをつける」
罰丸「おい俺にやらせろよ! あと一分くれりゃあ俺一人で倒せる」
サム「忘れたのか? その男は生け捕りにすると言っただろう? 殺されては困るんだ。頼む」
罰丸「……ったくしゃあねえなあ。わーったよ!」
高速回転をしながら罰丸はジャファーの正面へと躍り出た。
罰丸「ブラックトルネード!!」
一カ所で回転を続け、砂を巻き上げながら罰丸は巨大な黒い竜巻となる。
ジャファー「なんの、砂漠育ちの私に砂嵐が効くと思っているのか?」
構わずにジャファーは突っ込んだ。サムはひたすら両手の間にエネルギーを集めている。

その時サムの後ろには、その姿をじっと見つめるシナモンが静かに立っていた。
258第11話 裏切りの定義(1/3):2007/12/25(火) 23:54:49 ID:???
ジャファー「ぬおおぉお」
罰丸「ふんぐああぁあ」
ジャファーと罰丸は押し合いをしている。サムの手には多大な冷気が圧縮されつつあった。
サム「罰丸! もういいぞ」
声と共に罰丸が竜巻の中から弾け出た。もうもうと砂が舞うが、次第に視界がはっきりする。
サム「今だ! フリージングインパクト」
圧縮された冷気の塊がジャファーの足元に飛び、爆弾のように破裂する。
ドンという爆音と共に超低温の冷波が放射状に広がった。ジャファーは一瞬で氷漬けになる。
罰丸「うぅーさみっ! これだからあんたの技は嫌なんだ」
サム「同じペンギンなのに、なにを言ってんだか」
罰丸「俺はハワイ生まれの暑いのが好きなペンギンなんだよ」
サム「天のじゃくだな。さて、任務は終了だ。一刻も早く撤退しなければ」
罰丸「あー、でもこれどうすんだ? 氷の彫刻みたいになってんぞ?」
つららがぶら下がった氷漬けジャファーをコンコンと叩く罰丸。
サム「とりあえず解凍しよう。それからだ」
パンッとサムが両手を合わせると氷が一気に砕け散り、ジャファーの体がドンッと地に落ちる。
すると、自然に蛇の姿から人間の姿に戻った。サムは気絶したジャファーの様子を確かめる。
サム「魔法が解けただけか。良かった……ん、これは?」
その時だった。シナモンが唐突に動き、サムに向かう。
259第11話 裏切りの定義(2/3):2007/12/25(火) 23:55:55 ID:???
シナモン「──サム!」
切羽詰まった声で短く叫びサムを突き飛ばした。
ジュッという嫌な音と共に、シナモンの右胸に黒い魔王の刻印が焼き付く。
シナモン「くっ……!」
罰丸「シナモン!」
呪いにのたうち回るシナモン。サムと罰丸がシナモンに駆け寄った。
少し離れた所では興奮したガストンが凶悪な目つきで銃を構えている。
ガストン「この、よくもジャファーを! 怪物どもめ……俺が退治してやる!」
とにかく銃を乱射しまくるガストン。サムはとっさに氷の壁を作り、防戦する。
罰丸「お、おいどうするよ?! なんかあいつヤケになってるぜ」
サム「相手にするな。シナモンを連れて今すぐここを離脱する」
罰丸「な……! あのおっさんはどうするんだよ? 折角生け捕りにしたのに」
少し離れたところに倒れていたジャファーを罰丸が指さす。
サム「……シナモンは重傷だ。今すぐ戻って治療をしないと危ない。
   それにあの男を連れ出そうとすれば、奴らもただでは帰してくれないだろう」
  (シナモン、お前の忠義しかと見届けたぞ……お前は私達の仲間だ。絶対に見捨てたりはしない)
罰丸「あーくそっ! ここまできて無駄足かー!」
しかし、悔しがって地団駄を踏む罰丸とは反対にサムには何か考えがあるようだった。
サム「……そうでもない。さあ、引き上げよう!」

場面は再び戻り、ケロッピは上を見上げる。そこにはプーサンとマレフィセントがいた。
プーサン「やあ、初めまして……でいいんだよね?」
260第11話 裏切りの定義(3/3):2007/12/25(火) 23:56:47 ID:???
柔和な笑顔を浮かべながらプーサンは挨拶する。
ケロッピ「そうなりますね。会談の際貴方はいらっしゃいませんでしたから」
皮肉と悪意を込めて、ケロッピはぶっきらぼうに答えた。
実は過去に数回、燦理雄とディズニーは会談を行っていたことがあった。
ケロッピ(名将怒鳴土の奮闘むなしく、魔王を欠いたディズニー軍は徐々に後退していった。
     そこで、とうとう魔王軍は文書で我ら燦理雄に停戦条約を提案してきた。
     最初は反対が多かったが、魔王亡き後の魔王軍は特に侵略活動は行わず、
     人間達にきちんと夢を与える仕事をしていたので我々も受けることにした、が……
     数回の首脳会談、そして条約締結の時ですら、泥須尼異側として姿を表した
     幹部は怒鳴土将軍ただ一人だった──)
その時のことを思い返しながら、ケロッピは後を続ける。
ケロッピ「怒鳴土将軍はその後どうされてますか?」
プーサン「さあ、僕は会っていないから」
ケロッピ「会っていない?」
怪訝な顔をするケロッピに、プーサンはのほほんと答える。
プーサン「うん。彼は売軍行為を行ったから、普段は泥須尼異の中心部から離れた郊外の
     アメリカンウォーターフロン戸にいるんだよ。別に本部への立ち入りを禁止された訳じゃないけど、
     彼のことをよく思わない人も多いし、実際彼も居づらいだろうしね。
     だから彼自身が本部に直接赴くことは滅多にないよ」
ケロッピ「そうですか……」
    (大声は俚耳に入らずとは言ったものだな……しかし、今は敵を憐れんでいる場合ではない)
さっと気持ちを切り替えると、ケロッピは考えた。
ケロッピ(相手は最高幹部の一人黄熊のプー。それだけでも決して状況は良くないのに、
     更に漆黒の魔女マレフィセント、海魔アースラもいる。……不利だな)
そして作戦時間もそろそろ終わる。
何かを待っているように、ケロッピは話ながら空をちらちら見ていた。
261マロン名無しさん:2007/12/26(水) 20:19:20 ID:???
おお、乙です!
ハーデスのゲンキンぶりにわろた
262御津奇異:2007/12/26(水) 21:10:20 ID:???
あげてあげるよ。ハハッ!
263マロン名無しさん:2007/12/27(木) 02:03:25 ID:???
意外とジャファー強いな。それとも他二人が弱すぎなのか
サムと罰丸はどっちが強い?
264マロン名無しさん:2007/12/27(木) 15:37:29 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
265マロン名無しさん:2007/12/28(金) 11:51:04 ID:???
一応サムが上司みたいだしサムかな…
266マロン名無しさん:2007/12/29(土) 11:40:45 ID:4xrf1RvN
トリビア
サムは蝶ネクタイを365本持っていて日替わりで使うオシャレさん
267マロン名無しさん:2007/12/31(月) 17:57:51 ID:???
鬼帝様、よいお年を
268マロン名無しさん:2007/12/31(月) 21:38:31 ID:???
鬼帝様、来年もどうかよろしくお願いします
269マロン名無しさん:2008/01/01(火) 02:13:24 ID:???
みんなおめー

早速黒鼠付き年賀メールもらってしまった…
今年もどうかお守りください
270 【大吉】 【1089円】 :2008/01/01(火) 08:50:36 ID:???
吉なら闇鼠の災厄から免れる、かな?
271 【大吉】 【1184円】 :2008/01/01(火) 23:33:18 ID:???
↑おめでとう
272 【吉】 【791円】 :2008/01/01(火) 23:44:35 ID:???
↑おめでとう
273マロン名無しさん:2008/01/02(水) 00:23:04 ID:???
274マロン名無しさん:2008/01/02(水) 02:41:23 ID:FeSmDzea
まさか…最強の猫型ロボットが既にやられているとは…

2008年ハジマタ\(^o^)/
275マロン名無しさん:2008/01/03(木) 14:30:24 ID:???
魔王…なんと恐ろしい…

ロ-ソンで一回五百円のおみくじひいて鬼帝様ストラップが当たった
幸先いい
276マロン名無しさん:2008/01/03(木) 20:09:19 ID:???
最強の猫型ロボットは、初手から鼠に被害を被って苦手意識があるからなあ…。
そのため黒鼠に対抗出来ない最強の猫型ロボットは
この度全猫キャラの王座を鬼帝様に禅譲し、魔王に対峙させているという。
277第12話 Smiley Poo(1/3):2008/01/03(木) 20:41:57 ID:???
プーサンが話している時、背後の空には小さな黄色い花火があがっていた。
実はそれは、ここから離れた位置で現在撤退中のサムがあげたものである。
白は任務成功、赤は任務失敗か非常事態。そして、
ケロッピ(黄色は、任務は成功だが何か問題が生じた場合……。さては怪我人でも出たか)
プーサン「君、今逃げようと思ってない?」
表情はまったく変えずに、プーサンは核心をついてきた。図星をつかれケロッピは内心ヒヤリとする。
ケロッピ「まさか。仇敵の幹部を一人減らせるとは思ってもいませんでしたよ」
プーサン「ならいいんだけどね」
ドン!!
ケロッピとプーサンの拳がぶつかる。衝撃波が放射状に広がった。
プーサン「ダメだよ逃げちゃ」
ギリギリギリとしばし力の押し合いになり、二人は離れ距離をとる。
ケロッピ(力は向こうの方が上、か。……仕方がない)
右手がビリビリと痺れていた。そのうえ考える間もなく攻撃は続く。
アースラは直接自分の手から渦を放ち、マレフィセントは闇の力で鋭い茨の森を作り上げた。
その両方から逃れるようにケロッピは高く飛翔し、何やら左手を構える。
ケロッピ「出ろ! パルジファル!!」
気合いと共に、ケロッピの左の掌から青い細長いものが出てくる。
ある程度の長さが出た所で、ケロッピは右手を使いそれを引っこ抜く。それは一本の槍だった。
プーサン「へえー、君は武器を使うんだね」
いつの間にか距離を詰めていたプーサンが右斜め上方からかかと落としを放ち、
ケロッピは槍を引き抜いた勢いで蹴りを下方へといなす。蹴りの向きをずらされたが
未だ残るスピードを利用してプーサンは一回転し、今度は拳を繰り出す。
ケロッピは後方に跳びながらそれを槍の柄で受けた。勢いを殺さずに飛んでいくケロッピ。
プーサン「そのまま逃げるつもりだね。逃がさないよ」
飛ばされたケロッピを猛スピードで追撃し、プーサンは怒涛のラッシュをくわえる。
そのすべてをケロッピは槍で受け、いなすが茨のツルが下から足を掴み、地面に叩きつけられた。
278第12話 Smiley Poo(2/3):2008/01/03(木) 20:48:29 ID:???
ケロッピ「! ……くっ」
とどめを刺そうとプーサンが強めの一撃を放つ。激しい轟音と共に、直径5メートル程の
小型のクレーターがプーサンの足下に出来た。その直前、間一髪ケロッピはバク転で起き上がり、
ツルを切り落として後方に跳んでいたため難を逃れる。すぐさま体勢を整えた。
プーサン「流石だね。聖鎗パルジファルだっけ、それ? 何か由来でもあるの?」
余裕があるのか、未だにプーサンは笑みを浮かべている。対するケロッピは額にうっすら汗を浮かべていた。
ケロッピ「聖鎗なんてとんでもない。ただの槍ですよ。皆が勝手にそう呼んでいるだけです」
プーサン「どうして? 君がその槍で敵の兵士を四千人殺したから?」
世間話のように何気なく話すプーサン。ケロッピは答えない。正確には、答えている余裕がない。
プーサンが話していようがいまいが、マレフィセントとアースラは容赦なく攻撃を仕掛けてくる。
マレフィセント「多勢に無勢で悪いがねぇ、あたしゃ敵に情けはかけない主義なんだ」
ケロッピ「くっ……安心しろ。同じ立場なら……きっと僕も同じことをやるだろうしな!」
アースラ「死ねええええええええ!!!」
無数の水で出来たナイフをアースラは作りだし、ケロッピに向けて放つ。
ケロッピは水のバリアを球状に展開してそれを防いだ。そのまま茨も水の盾で防ぐが、
マレフィセントは茨の先を刃のように真っ直ぐ研ぎ澄まし、全方向から一斉に突き出した。
防ぎきれないと判断したケロッピは、とっさに一方向の茨を槍で薙ぎ斬り回避する。
だが目標を外した茨は尚もケロッピを追撃し、絶え間ない攻撃でついには水のバリアを破った。
槍を自在に操り、ケロッピは次々と襲いくる茨を弾き、刺し、叩き切っていく。
だがどんなに激しい攻撃を受けていても、ケロッピの注意は常に彼に向いていた。
この場の鍵を握ると言ってもいい男、プーサン。その真っ黒な瞳からは何も窺い知ることは出来ない。
ケロッピ(マズい。奴は逃がしてくれないようだ。このままでは……)
茨のトゲで既に体は傷ついている。しかし、ケロッピが真に気にしているのはそのことではなかった。
279第12話 Smiley Poo(3/3):2008/01/03(木) 20:52:03 ID:???
人間が3Dの絵本を立体視するかのように、ケロッピの視界には今いる世界と重なった
もう一つの世界が見えていた。現在彼らがいる次元と人間達の暮らす次元は平行関係にあり、
複数のセル画が重なったかのような状態である。それらは基本的には独立しており、
どちらかの世界に異変が起きてもそれが直接もう一方の世界に影響をもたらすということはない。
むしろ片方に小さな変化が起きても自然に回復してしまう。しかし例外もあった。
ケロッピ(大災害や戦争のように、元々の地形を大きく変化させるような衝撃は別だ。
     重なっているセル画のうち、一方に大きな穴が開けば当然もう片方にも貫通する……)
先程プーサンが仕掛けた攻撃によって、人間界側のコンクリートにヒビが入っている。
これ以上大きな破壊を繰り返せば確実になんらかの事故が生じる。
ケロッピは思うように力を出せない苛立ちに舌打ちをするが、プーサンは気にせず会話を続けていた。
プーサン「その槍の名前はパルジファルだけど、それは君のことじゃないよね?」
ケロッピ(……勝負に出るか)
高速で土産物屋の並ぶトンネルを抜け、メディテレーニ案ハーバーの上に出るケロッピ。
そして湾の水を使い、自分を中心に巨大な渦を作りあげた。
プーサンとマレフィセントは少し離れた空中から竜巻を見下ろす。アースラは構わず向かっていった。
アースラ「ぬああぁぁあぁあぁ」
マレフィセント「おい、アースラ! まったく……どうしようかプーよ? これでは攻撃出来ぬぞ」
今や天にも届きそうな水の竜巻に巻き込まれないよう、マレフィセントは腕で防ぐ。
プーサン「ふふふ、無駄だよ。僕には効かない」
言うとプーサンは右手を突き出した。音を立てて腕が変形し、鋭く太い爪がいくつも伸びる。
そして、プーサンはそのまま渦に突っ込んだ。
プーサン「ハアアアアッ!!」
最初は猛烈な水の奔流に抵抗していたが、いずれ突っ切る。
ケロッピ「!」
彼は迫り来る敵を見上げた。その瞳には凶悪な笑顔を浮かべた黄色の熊がはっきりと映る。
プーサンは飛び込んできた勢いのまま、中心部にいたケロッピを右腕で貫いた。
ケロッピ「くっ……」
苦悶の声と共に槍がケロッピの手から離れ、飛び散る鮮血と共に落下していく。

そして、渦も勢いを失い徐々に崩れていった。
280マロン名無しさん:2008/01/03(木) 20:55:13 ID:???
またアク禁に巻き込まれて遅くなりました。申し訳ないorz

どうやら同じ種類のプロバイダの人に荒らしがいるようです
そういう人は黒鼠さんに夢の国に連れて行ってもらいたいですね
281マロン名無しさん:2008/01/03(木) 22:06:08 ID:???
職人さんあけおめ、そして乙です!
282マロン名無しさん:2008/01/03(木) 22:18:30 ID:???
>>276
マジか…
しかし対峙させているとなると奴が黒幕みたいだなw>ドラ○もん
283マロン名無しさん:2008/01/04(金) 12:00:26 ID:???
猫キャラ世界も多くの勢力の意志が渦巻いてるからな。
反黒鼠の急先鋒にして猫キャラ世界の主流派が
先帝・最強の猫型ロボット、そして直接闇の王国と戦ってきた大長老トム、軍師ガーフィールドという三巨頭
逆に黒鼠寄りは、実は黒鼠に造られたという噂のあるトンチャモンなどの猫キャラとされてる。
それぞれがある者は純粋に世界の子供と未来の為、またある者は自勢力拡大の為、
自分の生活の為、ある種の悪意の為などあらゆる理由で
猫キャラの誇りに懸け黒鼠に闘いを挑む派・黒鼠に従いおコボレに与ろうとする派に分かれている。
鬼帝様への王位禅譲もそんな諸勢力の流れの中にあるのさ。まさに大人の事情だ。
284マロン名無しさん:2008/01/04(金) 14:59:50 ID:???
>>280
職人さん乙です!そしてあけおめ

ケロッピが…ケロッピが…!サム達は無事に帰れますように
285マロン名無しさん:2008/01/04(金) 16:59:33 ID:???
絵を想像する時リアル系で想像してるんだが(ケロッピはクロノトリガーのカエルみたいな感じ)
プーサンだけは何故かデゼニーのあのままな感じで浮かんでしまうw
あの笑顔でかかと落としを放ったりベアクロー出したりするんだよなw
みんなはどんな感じで想像してる?そのまんま?それとも擬人化?
286マロン名無しさん:2008/01/05(土) 10:27:44 ID:???
自分もプーサンはそのまんまだw
魔王軍はほとんどそのまんまで想像してるな。
あの顔で秘めた空恐ろしさが…
287マロン名無しさん:2008/01/05(土) 16:29:00 ID:???
わかるw魔王軍はまんまだな。怖さ倍増ww
ただし怒鳴土だけはカッコいい兄貴キャラに脳内変換されてる
逆に燦里雄の幹部キャラは変換でその他はまんま
288マロン名無しさん:2008/01/05(土) 17:37:46 ID:???
>>287
パターン同じだww
ター坊とかしぶくなってる。
289マロン名無しさん:2008/01/06(日) 12:15:49 ID:???
プーはやはり強かったな。しかしケロッピも攻守のバランスがいい
二人ともS級かな?
あとプーの配下もピンキリみたいだな
290マロン名無しさん:2008/01/08(火) 00:11:23 ID:???
たあ坊はでっかくてスラッとしたガチムチの兄貴
怒鳴土将軍は長身でgtmtじゃない程度にガッチリした兄貴
ケロッピは着痩せで細身に見えるが脱ぐと引き締まってるイメージ

ファンシーキャラとゴツい男達が戦いを繰り広げてる図を想像するとかなりシュールだ
291マロン名無しさん:2008/01/08(火) 01:40:19 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
292マロン名無しさん:2008/01/08(火) 19:33:23 ID:???
全員元々のキャラクターのままで想像。
それでいてシリアスなのがいい。
293第13話 誰(1/3):2008/01/09(水) 01:08:35 ID:???
「……………………」
戦いの間でさえ常に微笑みを絶やさなかったプーサンが、初めてその笑みを消した。
彼の太く鋭い爪は、確かにケロッピの左腕を捕らえている。そう、左腕を。
プーサン「……ワザとだね?」
長年の経験と戦士としての直感でプーサンは確信していた。ケロッピも素直に応じる。
ケロッピ「ええ。そうです」
落ちていったはずの槍がいつの間にかプーサンのすぐ後ろに来ていた。そして……
ザンッッ!
ケロッピの左腕に吸い込まれたように槍はプーサンの右胸を貫いた。
プーサンの身体を通り抜けて槍はケロッピの左腕へと吸収され消えていく。
ケロッピ(この槍はいわば僕自身。僕が呼べば戻ってくる──
     だからあえて左腕を犠牲にして奴をここに誘い込んだ……!)
プーサン「…………」
しかし、急所を貫かれたにも関わらずプーサンは冷静だった。それどころか、
ケロッピ「!(笑った? 今、確かに……!)」
不気味に感じたケロッピは高速でプーサンに水塊をぶつけ、破裂させる。

少し離れた所で様子を見ていたマレフィセントが飛んでいくケロッピを見つけた。
マレフィセント「待て! 逃がさぬぞ!」
追いかけようとするマレフィセントにどこからか現れたプーサンが制止の声をかける。
プーサン「待って。追いかけなくてもいい」
マレフィセント「何故だ? あの速度ならすぐに追いつけるぞ」
プーサン「いや、無駄だよ。あれは偽物で本物はとっくの昔に逃げてるから」
指し示した湾のすぐ横の道路に、人一人が通れる程の穴がぽっこり開いていた。
マレフィセント「クッ、折角敵の最高幹部を打ち取る好機に恵まれたというのに、残念だったね。
      ところでプーよ、胸の傷は大丈夫かえ? けして浅くはないようだが……」
プーサン「大丈夫さ。この程度の傷なら全く問題ないよ。向こうはそうでもないと思うけどね」
ぽっかりと穴の開いた右胸をさするとプーサンはクスリと笑った。
プーサン「パルジファル“純粋な愚者”、か。一体誰のことだろうね?」
294マロン名無しさん:2008/01/09(水) 01:31:41 ID:???
連投規制解除
295マロン名無しさん:2008/01/09(水) 01:40:45 ID:???
書き込みテスト
296第13話 誰(2/3):2008/01/09(水) 01:41:36 ID:???
負傷した左手を押さえながら地下道を高速で飛んでいくケロッピ。
ケロッピ(奴の力を直接この目で見た。それだけでも今回の収穫はある。
     だが……まさかあの噂が本当だったとはな)
    「黄熊のプー、別名Poo・the・Deathless!!」

場面代わり、燦理雄軍本部の屋根の上。そこには小さな可愛らしい水色の熊が座っている。
「聞こえる。聞こえるよ」
夜空から来たその熊は、ほしのわぐまのポーだった。
ポー「あなたは、誰? どうして僕を呼ぶの?」
誰かに向かってポーは問いかける。だが誰も応えてはくれない。
ポー「お星様、教えて。一体誰なの?」
今は昼間だが、夜空からきたポーには昼でも星々がはっきりと見える。
しかしながら、星達はポーの疑問に応えてはくれなかった。
ポー「誰に聞けばわかるんだろう?」
謎を解くために、ポーは燦理雄本部の中をさまよう。
ポチャッコ「あん? 誰かがお前のこと呼んでるって? ちょ、おま頭大丈夫か?」
ペックル「ポチャッコ、子供に対してそういう露骨な言い方はよせ。あとで、ちょっと病院に行こうか。
    誰か手の空いてる人か、いなかったら僕が連れていってあげるから」
ポー「んーん、いい」
ペックル「あ、ちょっと君」
首を横に振って、ポーは行ってしまった。
ポー「誰かいないかなー」
マロン「坊や、一人? あらポーじゃない。どうかしたの?」
花が活けられている花瓶を持って、マロンクリームが立っていた。
297第13話 誰(3/3):2008/01/09(水) 01:44:15 ID:???
ポー「お姉ちゃん、誰か知らない?」
マロン「うーん……? 誰のことかな?」
ポー「あのね、ポーのこと呼んでる人。この間からずっと呼んでるの。
   ここから出して、出してって言うの」
スッとポーの額に手を当てるマロンクリーム。
マロン(熱はないみたいね。見た所異常もないようだし……
   ……かわいそうに。大人にかまってほしいんだわ。みんな戦争で忙しいから)
マロン「ゴメンね。それが誰かはちょっとわからない。でも、このお花を届けたら
   誰か知ってる人がいないか、お姉ちゃんが一緒に探してあげる」
ポー「ほんと?」
マロン「ほんとよ。じゃあちょっと待っててね」
ニッコリとマロンは微笑む。その横を同じく看護婦のコッコが通った。
コッコ「マロン看護婦長、どこ行くだわさ? もしかしてまたあの人の所?
   あんな素敵な人と仲が良くて羨ましいだわさ」
マロン「コッコ……。そ、そういう訳じゃありません! 
    中将は部屋から出られないからお花でも飾ったら気晴らしになるかと……」
コッコ「あたいはター坊中将のことなんて一言も言ってないだわさ〜」
ニヤニヤと笑いながらそう言って素早く走り去っていくコッコ。顔を真っ赤にするマロン。
マロン「こ、こらー! ……もう、そんなんじゃないのに」
そんなマロンのことをポーはじーっと見ている。
マロン「あ、ご、ごめんね! じゃあ行こっか」
まだ赤い顔のままで、ポーを伴いマロンはター坊の病室に向かった。
298マロン名無しさん:2008/01/09(水) 01:49:37 ID:???
えー、途中妙なレスをして失礼しました
何故か何度挑戦しても第13話のその2が投下できず、連投規制されたかと
思い携帯でレスしたりしたからです。ですが連投規制じゃなかったようで
原因は結局不明。…魔王に呪われてるんですかねw
299マロン名無しさん:2008/01/09(水) 07:42:36 ID:???
最近続く闇の王国の事故は、燦理雄軍と闇鼠との闘いの影響だろうか?
幸い事故に巻き込まれた被害者が居ないのは
燦理雄軍のお陰に違いない…。
300マロン名無しさん:2008/01/09(水) 15:30:41 ID:???
そういやここ数年ひどいな。コースターの車軸に異常があったり
一番最近のは火事だっけ?その前は電気系統のトラブルだし
火事は怪しいな。ジャファーあたりが原因かもしれん
301マロン名無しさん:2008/01/10(木) 11:10:30 ID:???
水上バイクに乗ったネズミ水没も混ぜてw
302マロン名無しさん:2008/01/10(木) 11:31:17 ID:kLIOxt0b
>>301
ちょwそれマジ?www
おそらく本物の魔王がベガスに行ってたあたりじゃね?w

頑張れ怒鳴土
303マロン名無しさん:2008/01/11(金) 20:43:03 ID:???
誰もケロッピ生存に触れない件について
304マロン名無しさん:2008/01/12(土) 02:14:08 ID:???
http://imepita.jp/20080112/046280
タイムリーなもの拾いました
305マロン名無しさん:2008/01/12(土) 11:59:31 ID:???
テラGJwwwwww
ケロッピがビビったのはこの顔だなw
306マロン名無しさん:2008/01/13(日) 14:58:47 ID:???
304>>テラ腹黒ww

腹黒いプーサンといえば、前に母がすごい着ボイスをもっていた。内容とかはうろ覚えだけど、あれはすごかった…
307マロン名無しさん:2008/01/13(日) 18:10:36 ID:???
「ハチミツつけて喰っちまうぞゴルァ!!」
ってやつ?
308マロン名無しさん:2008/01/13(日) 20:43:54 ID:yvFa/dXi
魔王が好きなものは金だが、黄熊の好きなものってなんだろう?
いまのところ富も地位も名誉もあんまり興味なさげな感じ
底知れない所がかえって不気味だな。案外魔王よりタチが悪いかもしれん
309マロン名無しさん:2008/01/13(日) 21:35:19 ID:???
>>307
多分メールだと思うんだけど、「メール届いてるよ。早く読まないと僕の鼻くそ触った手を蜂蜜につけてお前にかけるぞゴルァ!!」とかいうやつ。
早く読まないと、の後からドスのきいた声になるという恐ろしいもの
310マロン名無しさん:2008/01/14(月) 02:43:43 ID:???
誰の声なんだwつか一体誰が何のために作ったんだwww
311マロン名無しさん:2008/01/16(水) 01:34:28 ID:???
ミッキー最高!
312マロン名無しさん:2008/01/16(水) 01:36:57 ID:???
もう>>1はこの世にいないんだよな…
313マロン名無しさん:2008/01/16(水) 16:53:20 ID:???
>>1は現在夢の国にいる
314マロン名無しさん:2008/01/18(金) 00:47:44 ID:tD7Q93Nv
夜、台所の方でピチャピチャッて水の音がしたんだ
こんな時間に変だな、て思って様子を見に行ったんだけどそうしたら
奴のマークが印刷されたカップで姉貴がコーヒーを飲んでたんだ
コーヒーは闇の色だよね、ハハッとかブツブツ呟きながら





今では僕も愛用してます。ハハッ
315いつものSSの人:2008/01/19(土) 01:49:12 ID:???
大変お待たせして申し訳ないです
といっても待ってる人がいるのかわかりませんが

自分の使っているプロバイダーが最近規制されてばかりで困っています
そこで、今までは解除されるのを待って投下しておりましたが
今度からは投下代行スレを利用させてもらおうかと考えております
とりあえず試しに明日あたりお願いしに行ってみます
316マロン名無しさん:2008/01/19(土) 19:32:40 ID:B695+PoY
書き込み規制も魔王の仕業!?
317マロン名無しさん:2008/01/19(土) 22:17:29 ID:???
実は魔王が洗脳した人間に2ちゃんを荒らさせて
書き込み規制させてるんだ!なんだってー!?
318第十四話 Calling:2008/01/20(日) 00:50:51 ID:???
ター坊「まだ、でアリマスか?」
病室にはター坊とミミィがいた。ター坊は少し険しい顔をしてミミィに問う。
その問いに答えるため、ミミィはター坊の体に手をかざし、目を閉じて何かを探っていく。
ミミィ「……ええ。魔王の強大な魔力が未だにあなたの体を蝕んでいます。
    私の力ではそれを少しずつ消していくことしか出来ません」
ター坊「そうでアリマスか……」
ミミィ「ですが、時間はかかるけれどいつかは必ず治ります。それで良しとしなければ」
ター坊「……はい。他にも怪我人がいるのに優先的に看てもらい、感謝するでアリマス」
ミミィ「いいえ。あなたのことはキティからもよく頼まれています。
    今本部にいる幹部はあなたとケロッピ、サムのたった三人だけ……
    怪我人のあなたには申し訳ないけれど、幹部が全員帰ってくるまでは
    また無理をしてもらうことがあるかもしれません」
ター坊「それはまったく構わないでアリマス。鬼帝殿にももう伝えたでアリマスし……誰だっ?!」
銃に手をかけター坊はミミィを庇うように身を乗り出す。
扉が開いて中に入ってきたのはポーだった。その後ろには慌てたマロンが立っている。
マロン「あっ、ポー……ご、ごめんなさい! 邪魔をしちゃいけないと思って待ってたんですけど……」
ポー「だって長いんだもん」
マロン「こらポー、外で待ってないとダメでしょ。すみません、今外に出ますので!」
ミミィ「いいえ、構いませんよ。どうぞこちらへ」
穏やかな笑みを浮かべミミィは椅子を取ろうとする。
マロン「お、恐れ多いです! 私は立ったままで結構ですからお座りくださいミミィ様!」
ミミィ「どうか、遠慮なさらないで」
マロン「い、いいえぇ〜!」
319第十四話 Calling:2008/01/20(日) 00:51:07 ID:???
そんなことをしている間に、ポーは再び何かを感じ取っていた。
ポー「あ、また聞こえた」
ター坊「何がでアリマスか? 自分には何も……」
ポー「僕を呼んでるの。 助けて、助けてって」
マロン「ごめんなさい。この子大人達が忙しいから寂しいみたいで……」
ター坊は納得するが、ミミィはポーの言葉に興味を持った。
ミミィ「ポー、その言葉はどこから聞こえてくるの?」
ポー「あっちの方。ここからずーっと遠く」
曖昧に、だが確かに東の方向を指し示すポー。
マロン「ミミィ様?」
ミミィ「この子は嘘を言っていないわ。むしろ、この子に聞こえている声は
   私に聞こえている声と同じものなのかもしれません」
その言葉にマロンはハッとしてミミィを見る。
マロン(そういえば聞いたことがある。ミミィ様には治癒能力以外にも不思議な聖なる力があるって)
ミミィ「ただ、私が聞こえた声はそんなにはっきりとは聞こえない。
   すすり泣くような声と、時々諦めたような悲しい笑い声……」
マロン「それは一体……?」
しかしその問いに答える前にミミィは表情を険しくしてどこかを凝視した。
ミミィ「いけない。怪我人が二人来ます。それも一人はかなり重い」
マロン「え?」
その言葉に呼応するかのように、廊下がバタバタと騒がしくなる。
マロンは扉を開けて廊下の様子を覗いてみた。すると通りすがりの看護婦が声をかける。
看護婦「婦長! これから帰還する部隊に重傷患者が一名いるそうです。
      今すぐステーションに戻って指示を下さい!」
マロン「わかったわ。それではミミィ様……ミミィ様?」
振り返った時、既にミミィはそこにいなかった。
320第十四話 Calling:2008/01/20(日) 00:51:42 ID:???
燦理雄軍会議室にて。
鬼帝「ケロッピ、よくぞ無事に帰ってきたな」
会議室には鬼帝と負傷したケロッピがいた。ケロッピは左腕に包帯を巻いている。
また、まとっていた白衣には生々しく血が付着していた。
ケロッピ「いえ、不覚をとりました。申し訳ありません」
鬼帝「生きていただけで十分だ。怪我の程度はどうだ?」
ケロッピ「本来なら二、三日で治りますが、武器に毒が塗ってありました。
    持ちあわせの解毒薬を使いましたが、完全に治るには少なくとも一週間はかかるでしょう」
鬼帝「そうか。いや、大事に至らなくて良かった」
その時ノックとともにガチャリとドアが開き、サムと罰丸が入ってきた。
サム「失礼致します」
鬼帝「大儀だったな。席についてくれ」
サムは敬礼をして席についたが、罰丸はとっとと座っている。
鬼帝「報告を聞こう。だがその前に、重傷者が出たようだな?」
サム「はい、シナモンが負傷しました……私を庇って。現在治療を受けていますが、かなり重いとのこと」
チラリとサムはケロッピの方を見たが、彼の表情はうかがい知れない。
鬼帝「そうか……。では、報告を始めてくれ」
ケロッピ「今回の首謀者はやはり魔王ではありませんでした。
    現在泥須尼異の筆頭戦力である黄熊のプー。奴の独断のようです。
    銃に似た特殊な装置で人々を洗脳していますが、目的はまだはっきりとはしません。
    私見を述べることが許されるなら……この国を内部から掌握するつもりのようです」
鬼帝「ふむ。それで対処はどうする?」
ケロッピ「正直なところ、こういう物量作戦が一番対処が難しいです。
    たとえこちらが呪いを解除する装置を作ったとしても、向こうがやめない限りは
    いたちごっことなりますし。しかも、今回は敵の装置を奪取出来なかった」
サム「その点なら問題ない」
どこからか魔王の印の付いた黒い魔銃を取り出し、サムは机の上に置いた。
321第十四話 Calling:2008/01/20(日) 00:51:59 ID:???
罰丸「あ! お前どこから?!」
サム「言っただろう? 収穫はあったって。私は魔法使いの男を調べた時、こいつに気付いた。
   嫌な予感がしたからとっさに掴んで道具箱にしまったという訳さ」
道具箱の中は多次元仕様となっていて、見た目よりかなり多く物が入る。
ケロッピが体内に槍をしまう方法もこれの応用である。
鬼帝「よくやったサム。ケロッピ、この銃があれば」
ケロッピ「はい。呪いの解析が出来ます。対抗装置が完成すれば奴らの領地から出た人々を
    ある程度は救うことが出来るでしょう。幸い出入り口は限られていますし」
鬼帝「うむ、これで当面は凌ぐしかない。幸い兵の絶対数なら我らの方が上だ」
サム「今後はどうしますか?」
ケロッピ「黄熊のプーは一刻も早く排除した方が良い。奴は危険です。
    魔王とて己の魔力で人々を洗脳していますが、一度に大勢にかけるため効果は薄まり、
    軽い中毒程度で済みます。しかし今回の呪いは一人一人に直接かけるため非常に強い。
    放っておけば人格は破綻し、廃人になるでしょう。幸か不幸か今は魔王もいません」
鬼帝「……そうだな。奴はこの国の人々そのものを攻撃対象としている。
    見過ごす訳にはいかぬ。まずは黄熊を泥須尼異から排除するとしよう」
サム「では、御出陣を……?」
鬼帝「いや、残念ながら私が直接出向けば魔王は気付くだろう。
    そうなったらもはや総力戦となることは避けられぬ。
    決戦の時……魔王が本気になるまでは、出来るだけ穏便に敵の勢力を削ぎたいのだ」
ケロッピ「彼らを呼び戻しますか」
合いの手のように素早く、ケロッピが提案した。誰かがゴクリと息を呑む。
鬼帝「そうだ。いよいよ彼らの力を借りる時が来た」
サム「彼らとは、まさか……全世界に散った我らの友のことですか?」
鬼帝「そうだ。先の戦争で傷ついた身を癒やしながら、
    また来たる最終戦争に備えるべく修行の旅に出た仲間達だ。
    ──彼らを呼び戻す」
322SSの人:2008/01/20(日) 02:49:29 ID:???
規制されても書き込めるラウンジclassicのレス代行スレにて代理投下していただきました
素晴らしいスレですね。代理投下してくださった人に感謝です


あと魔王様、罠サイトの全板広域爆撃で規制誘発するのはお願いだからそろそろやめてください…
323マロン名無しさん:2008/01/21(月) 09:06:35 ID:eznN6OXk
みんな魔王の魔手にかかって規制されたのか?
324マロン名無しさん:2008/01/21(月) 10:43:48 ID:???
職人さん&投下乙です!
いちいち侮れないな魔王は…
325マロン名無しさん:2008/01/21(月) 21:06:21 ID:???
確実に魔王はこのスレを見ている
326マロン名無しさん:2008/01/21(月) 21:51:40 ID:???
職人さん、投下の人、乙です!

魔王…なんと恐ろしい…!
327マロン名無しさん:2008/01/23(水) 07:44:51 ID:???
魔王、本格的に携帯電話を通じて日本人の生活に侵略開始。
ここには泥頭尼委喪媒屡に入ったり、泥頭尼委携帯に乗り換えるような輩は居ない!





筈だよね?オレ?オレはソ○トバン○嫌いだから換えないけど。
328マロン名無しさん:2008/01/23(水) 11:56:17 ID:???
ノシ

ソフトバ○クって鬼帝様もいらっしゃらなかったか?
戦っているんだろうか…
329マロン名無しさん:2008/01/24(木) 16:07:11 ID:???
ノシ

そういやCMに出演なさってたな、鬼帝様
330マロン名無しさん:2008/01/24(木) 16:13:53 ID:???
昨日テレビでやってたけど
パソコンのマウスの移動距離を表す単位は
「ミッキー」らしい
331マロン名無しさん:2008/01/24(木) 17:15:41 ID:???
  ハ  ハ  ッ  !
332マロン名無しさん:2008/01/24(木) 23:02:53 ID:X/nGStna
>>330
見た。マウスという名称なだけで奴の支配下に入るとはな…

日本は泥須尼位に包囲されている
333マロン名無しさん:2008/01/26(土) 15:43:33 ID:???
333
ツツツ
キキキ
|||
334マロン名無しさん:2008/01/27(日) 12:39:03 ID:???
>>333

ぎゃあ!
335マロン名無しさん:2008/01/28(月) 21:54:18 ID:???
この刻印とはあの獣の名、 或いはその名の数字である
ここに知恵が必要である。賢い人は獣の数字にどのような意味があるかを考えるが良い
数字はネズミを指している。そして、その数字は333である

336マロン名無しさん:2008/01/30(水) 20:34:39 ID:fAHguh5k
age
337第15話 仲間を求めて(1/4):2008/02/01(金) 02:14:49 ID:???
サム「しかし、彼らは今どこに?」
ケロッピ「何人か音信不通な者もいるが、基本的には極秘に連絡を取り続けている。
    大体の居場所はわかっているから、捜索隊を派遣すればなんとかなるだろう」
罰丸「なんだ。呼びに行かないといけねーのか。メンドクセーな。電波の届くとこにいないのかよ」
サム「テレパシーにしろ電話にしろ、敵に傍受されたらマズい。それで誰が行く? 私は構わないぞ」
ケロッピ「いえ、幹部は行かない方がよろしいでしょう。感づかれたくない。
    それに比較的危険の少ない任務です。ある程度実力があれば誰でもいい」
罰丸「……嫌な予感がするぜ」

罰丸「あーくそっ。なんで俺様がこんな面倒なことを……」
もんきち「いいじゃないでござるか。表向きには休暇ということになっているのでござるし。
       敵の目を欺くため、ゆっくり寄り道しながら向かえとの命令でござる」
もんきちはいつもの忍び装束ではなくラフな格好をし、首からデジカメをかけている。
同じく罰丸もいつものド派手でパンクな戦闘服ではなく、アロハシャツを着ていた。
罰丸「だあああ! 俺が言ってんのはそういうことじゃねえ!
    なんでおめーまで付いてきてんだってことだよ。俺一人で十分じゃねえか」
もんきち「おぬしは短気だから一人では心配だったのでござろう。つまりお目付役でござるな」
罰丸「ケッ、ふざけやがって。ケロッピの野郎、後で文句言ってやる」
もんきち「先輩に乱暴な口をきいては駄目でござるよ。……拙者も一応先輩でござるが」
しかし罰丸はもんきちのぼやきなどまったく聞いてない。
罰丸「まあ決まったことはしょうがねぇ。さっさと行くぞ!」
ガタンガタン。二人は都会から離れ、電車を乗り継いで田園を進んでいた。一つの車両で単線の
線路を走っていく。いつしか二人はおしゃべりに花が咲いて、旅行のようになっていた。
罰丸「勘違いすんじゃねえぞ。俺はほんとはお前らとは敵同士なんだからな!
    俺様は悪のヒーローなんだ。魔王は俺の領土を侵害してるから鬼帝のやつと一時的に
    手を組んで戦ってやってるだけだ。……ライバルキャラと正義キャラが新たな敵と戦う
    っていう展開は燃えるしな。魔王をぶっ潰したら次はおめえらだ。鬼帝は俺が倒す!」
338第15話 仲間を求めて(2/4):2008/02/01(金) 02:16:53 ID:???
もんきち「はあ、そうでござるか(……無理に決まっているでござる)」
罰丸「なんだそのツラは。この俺がおめーに悪の美学を教えてやんよ。いいか?
    所詮この世は弱肉強食、力こそ正義なんだ。弱えやつはみんな死んでいくんだよ。
    だから、強い奴がこの世を征服して弱い奴らを支配していいんだ」
もんきち「なんか、どっかで聞いたことのあるような台詞ばっかでござるなぁ。厨くさいでござる」
罰丸「チッこれだからセンスのない奴は。その服装もダセエし俺が最高にイカす奴らを見せてやるよ」
もんきち「アロハ着てる奴には言われたくないでござるが……」
しかし例によって罰丸は人の話をまったく聞いていない。
マイコレクションと書かれた少し大きめのアルバムをどこからか取り出し、得意げに見せる。
もんきち「……汚い字でござるな」
罰丸「うるへえ。ほら、見ろよ。ジャ、ジャ、ジャーン!!
    俺様の尊敬する偉大な悪役達の生ブロマイド! サインもあるんだぜ!」
そこには、ポーズをつけたり握手をしたりして罰丸とツーショットで写る有名悪役達の写真や、
丁寧にバツ丸クンへと書いてあるサイン集が広げられていた。
もんきち「フリーザ、ラオウ、DIO、バーン、デスマスク、戸愚呂、志々雄……
      おお、スゴいでござるな! なんかやたらジャンプが多い気もするでござるが」
罰丸「まあ、集英ビルに張り込むのが一番効率がいいからな。でも他のもあるぜ。ほら」
指を指した所には範馬勇次郎、シャア、ギレン、ムスカ、ルカ他まだまだある。
もんきち「なんでもいいでござるが、どいつもこいつも悪役の割にいやに爽やかでござるな……」
写真に写っている悪役達は、みな何故かいい感じに笑っている。
罰丸「そりゃファンサービスじゃねえの? 俺様だって写真とサインは面倒でもちゃんとやるぜ」
もんきち「ファンサービスがしっかりしてる悪役って……」
イメージが壊れてうめくもんきちをスルーしながらコレクションの自慢をしている罰丸。
罰丸「特に大変だったのはこの二つだ。時武里は厳しいからな。
    ムスカは宮崎ビルに二週間張ってゲットした。もう一つはキラさんだ」
もんきち「夜神月でござるか。おぬしにしては意外なセレクトでござるな」
339第15話 仲間を求めて(3/4):2008/02/01(金) 02:20:09 ID:???
罰丸「バカ、何言ってやがる。キラさんて言ったら吉良吉影さんに決まってるだろ!
    ジョジョ会まで直接会いに行ったんだからな。握手もしてもらっちった。テヘヘ」
もんきち「…………(この熱意をもっと世界平和に生かせないでござろうか……)」
世界情勢とは裏腹に、二人の旅はのんびりなごやかと続いていった。

場面変わり、死海・ケープコッ土の路上で男二人は出会う。
プーサン「やあ」
怒鳴土「派手にやったようだな。遊び相手が見つかって楽しかったか?」
刺すように鋭い眼差しを黄色い熊に向けて、怒鳴土は皮肉を言った。
プーサン「んー、なんのことかな?」
怒鳴土「とぼけるな。燦理雄のネズミ達のことだ」
プーサン「ああ、そのことか。ネズミじゃなくてカエルだったけどねー。
     僕はただ侵入者と戦っただけだけど、君は何でそんなに怒っているのかな?」
怒鳴土「侵入者を迎え撃つ、それはいい。だが人間界にまで影響を及ぼすとはどういうことだ?
     もし事故でも起きて怪我人でも出たらどうするつもりだったんだ」
プーサン「ああ、ごめんよ。どうやら手加減が足りなかったようだね。ワザとじゃないよ?」
怒鳴土「 ワ ザ と じ ゃ な い ? 」
ギロリと睨み付けた。怒鳴土の中で激しい感情が浮かびかかる。
怒鳴土「……まあ、いい。俺が真に聞きたいのはもう一つ。貴様、ワザと奴を逃がしたな?」
プーサン「さあ、なんのこと?」
怒鳴土「もし次に奴と出会うのが人のいない場所ならば……後悔するぞ」
プーサン「どうだろうねぇ。フフッ」
怒鳴土「話は終わりだ。俺の領域からとっとと出ていけ」
プーサン「怒鳴土君、どうして僕をそう目の敵にするの。同じ幹部同士じゃないか。仲良くしようよ」
そう言って差し出したプーサンの手を怒鳴土は即座にはたく。
怒鳴土「目の敵にしてる? どちらがだ」
プーサン「君は僕のやり方に反抗的だねぇ。僕は魔王様から全権を委ねられてるんだよ?
    その僕のやり方に反論するってことは、魔王に対して敵意があるんじゃないの?」
340第15話 仲間を求めて(4/5):2008/02/01(金) 02:21:54 ID:???
怒鳴土「俺がミツキィに? ……ふざけるなぁっ!!」
ドゴォッ! 入江から突き出ていた近くの岩山がガラガラと崩れ落ちる。
怒鳴土「俺のミツキィに対する友情を馬鹿にする奴はたとえ味方だろうと容赦しない!
     もう一度言う。今すぐここから出ていけ。さもなければ──殺す」
プーサン「やれやれ。冗談が通じないなんて。君はお堅いな」
怒鳴土「…………」
肩をすくめプーサンは去っていく。その姿が見えなくなるまで、怒鳴土はその場を動かなかった。

一方、罰丸ともんきちは最後の駅についていた。バスに乗り、二人はいつしか山奥に出る。
罰丸「さて、と。どうすんだよこっから」
もんきち「拙者が知っているのはここまででござる。後は適当にこの辺りを探るしかないでござるな」
罰丸「……おい。まさかこの辺り全部ローラー作戦するんじゃねえだろうな?」
もんきち「それしか方法はないでござる」
罰丸「ッカァー! だからこんな仕事イヤだって言ったんだよ俺は!
    冗っ談じゃねぇっ!! 俺は今すぐ帰るぞ!」
もんきち「そんなこと言ってもバスは一時間以上来ないでござるよ。
      せっかくはるばる来たんだから、少しは手伝ってほしいでござる」
罰丸「じゃあ言うが、俺とお前でここら一帯手分けして探すとするよ?
    で、見つからなかったらその場合はどうすんだ?」
341第15話 仲間を求めて(5/5):2008/02/01(金) 02:23:33 ID:???
もんきち「野宿か、いったんふもとに戻って再チャレンジでござるな」
罰丸「ふーざーけーんーなー! やっぱ帰る。今すぐ帰る!」
もんきち「まあちょっとは落ち着くでござるよ。考えれば何かいい案が浮かぶかもしれんでござる」
     (厄介なやつと組まされたでござるな……)
そんな二人の間を一陣の冷たい北風がピュールリーと吹き抜けた。
罰丸「うぅーさみっ。あー寒い寒い……仕様がねぇなぁ。
    ジッとしてると寒いから帰りのバスが来るまでは手伝ってやるよ」
もんきち「そりゃどうも」
早速、道を外れガサガサと森を分け入って進んで行く二人。
もんきち「……雪が降りそうでござるな」
罰丸「冗談じゃねぇ。ぜってーその前に見つけて帰るぞ。ん……?
    そういや、今探してるヤツってどんなヤツなんだ? 聞いたことねえや」
もんきち「そうか。おぬしは知らないでござるか。拙者も一次大戦の折は
      まだ生まれてなかったゆえ詳しくは知らぬが、確かケロッピ殿の先輩でござる」
罰丸「じゃあサムみたいなもんか」
もんきち「だから先輩を呼び捨てにしては……」
その時、二人の視界が急に開けた。
342マロン名無しさん:2008/02/02(土) 09:13:59 ID:WCVCCVcK
ageとく

ジ○リ参戦フラグ!
343マロン名無しさん:2008/02/03(日) 23:40:08 ID:???
怒鳴土カッケェェェェェェ
そして新たな味方にwktk
344マロン名無しさん:2008/02/04(月) 23:37:54 ID:???
いったい何者が…
345マロン名無しさん:2008/02/06(水) 19:06:12 ID:pSAk+RMl
怒鳴土、同じ名前なのにあのピエロとは大違いだな
346マロン名無しさん:2008/02/06(水) 21:41:55 ID:???
そりゃそうだ、あのピエロからは魔王と同じ臭いがするからな。
魔王が闇色なら、ピエロは血飛沫の色だろう…
347第十六話 予想外:2008/02/07(木) 02:02:44 ID:???
広場のような空間に丸太で出来た立派な山小屋がポツンと建っていた。
「………………」
もんきちはさりげなく後ろを振り返る。しかし誰もいない。
罰丸「お、やった! 山小屋だぜ。この中なら寒さが凌げる」
もんきち「待つでござる。こんな街道から外れた所に山小屋があるなんて不自然でござるよ」
罰丸「そんなことどうでもいいだろ。さっさと入って暖を取ろうぜ」
もんきち「あ、罰丸!」
もんきちの制止も聞かず罰丸は中に入っていってしまった。
仕方ないので、もんきちも警戒しながら中へと入る。
罰丸「ほら、なーんにもないじゃねえか。見ろよ、立派なもんじゃねぇの」
もんきち「こら、勝手に中をいじるじゃないでござる」
     (最低限の設備しかないはずの山小屋にこんなに色々と揃っているのは
       やはり妙でござる。別荘にしては立地がおかしい。まさか、敵が……?!)
罰丸「おい何やってんだよ。早くこっち来いよ」
勝手に暖炉に火を点けてその前に居座る罰丸。
もんきち「罰丸、やはりここは妙でござるよ。急いでここから……」
その時、唐突に罰丸の体が宙に浮いた。
罰丸「ぬなっ?!」
もんきち「罰丸!」
???「動かないで」
罰丸の元に行こうとしたもんきちはビクリと止まる。首筋には冷たく固い何かが当たっていた。
???「殺しはあまりしたくない」
罰丸「な、なにもんだテメー!」
中空で身動きがとれずにもがいている罰丸が怒鳴った。
348第十六話 予想外:2008/02/07(木) 02:02:48 ID:???
???「名乗るほどでもない」
謎の男はフッと笑う。もんきちが鋭く切り返した。
もんきち「想像はついているでござる。泥須尼異なら殺したくないなどとは言わない。
      ……つまり、おぬしは我々が探しに来ていた男でござるな」
罰丸「なっ?! てことはテメーは!」
もんきち「おぬし、ポコポンでござろう?」
ポコポン「いかにも。その通りだ」
後ろに立っていた狸の青年はもんきちの問いをあっさり認める。
もんきち「おぬし、何故……」
罰丸「テメー、俺達は味方だぞ! 今すぐ自由にしろ、オラ!」
ポコポン「残念だけどそれは出来ない。君達が帰ってくれるまではね」
周囲の景色が徐々に薄れ、山小屋が消えてしまった。真上には曇天の空が見える。
いつの間にか捕獲用の罠によって罰丸は網で木に吊されていた。
罰丸「?! な、なんだァ?」
もんきち「幻術、でござるか」
ポコポン「よく勉強してるね」
手の内を知られても淡々としているポコポン。
もんきちの首元には葉っぱの形をした緑のナイフが当てられていた。
罰丸「テメー、俺達が味方だって知ってて仕掛けやがったな?
    しかもご丁寧に不意打ち食らわせてくるとはよ」
もんきち「いつ気付いたでござるか」
ポコポン「ずっとだよ。そこの停留所を使う人間は一人しかいない。
     よそ者が来たらすぐにわかる。それに、街道を離れた時点で観光客じゃない」
349第十六話 予想外:2008/02/07(木) 02:02:57 ID:???
もんきち「成程。拙者達はずっとつけられていたでござるか」
ポコポン「君は何度もこっちを振り返るから気付かれたかと思ったよ。流石忍者だね」
罰丸「で、俺達をどうするつもりだ? 人質にして燦理雄を裏切んのか?」
ポコポン「そんな、裏切るだなんて。そっとしておいてほしいだけだよ。
     帰って僕は見つからなかった。もしくは死んだと報告してくれればそれでいい」
もんきち「本部を欺けと?」
ポコポン「まあ、そういうことになるかな」
罰丸「冗談じゃねぇよ。臆病者のテメェがどうしても軍に戻りたくないってんなら
    俺様だってそんな根性なしを無理に連れてかねえ。戦争のジャマになるしな。
    でも、嘘をつくのはごめんだぜ。ケロッピのことはテメェも知ってんだろ?
    騙したことがバレたら俺らだってただじゃ済まねぇ。だからお断りだ」
ポコポン「そんなに部下に恐れられて……彼は相変わらずのようだね。
     では従う気はないと? 自分達の置かれている状況がわかっているのかい?」
罰丸「そんなの百も承知だぜ」
もんきち「そういうことでござるよ」
罰丸ともんきちの目が合った。
ポコポン「!」
もんきちが動いた。ナイフをものともせず力づくで束縛から逃れるとクナイを投げる。
クナイは罰丸が捕まっていた網の根元を切り、罰丸は落下した。罰丸は痛そうに腰をさする。
罰丸「イデデデデ……さーてと、体の自由がききゃこっちのもんだぜ」
ポコポン「……どうかな?」
350マロン名無しさん:2008/02/09(土) 21:47:19 ID:???
…あれから続きが投下されないってことは、今回のぶんはこれで終わりなんだね?

まさかの仲間内乱闘にwktk
職人さん乙です
351マロン名無しさん:2008/02/13(水) 02:06:46 ID:???
保守

過疎ってるのはもしや魔王が何かした?
352マロン名無しさん:2008/02/15(金) 00:43:53 ID:???
なんでみんな魔王に消されてしまうん(´・ω・`)
353マロン名無しさん:2008/02/15(金) 02:07:04 ID:???
俺はいるぞぉぉぉ
354マロン名無しさん:2008/02/15(金) 14:44:09 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
355マロン名無しさん:2008/02/15(金) 16:31:10 ID:???
俺もいるぞぉぉぉ!
356第17話 VSポコポン@ ─幻術─(1/3):2008/02/16(土) 01:09:32 ID:???
首から血を流しているもんきちは距離をとり、サラシでさっと止血をしながら警告を発す。
もんきち「罰丸、油断してはいけないでござる! やつは幻術使い、力押しでは勝てないでござるよ」
罰丸「わーってるよ。でもこっちは魔法も術も使えないんだから力押しっきゃねえだろ!」
もんきち「罰丸!」
制止の声を無視して罰丸はブラックストームでポコポンに突っ込む。
仕方なくもんきちも忍者刀を抜いて構える。
ポコポン「僕は穏便に事を済ませたかったのに……愚かだね」
ブラックストームが当たる前、森の中へ溶け込むようにポコポンの姿がかき消える。
バッとその場に着地して罰丸は辺りを見回した。
罰丸「なんだ? 消えた? 逃げたのか?」
もんきち「いや、敵意が弱いゆえ正確には把握出来ぬが、確実にまだ近くにいるでござるよ」
罰丸「だったら隠れ場所をなくすだけだ!」
次々と周囲の木に体当たりし、木々をなぎ倒していく罰丸。
罰丸「どこだ?! どこにいやがる! 姿を現しやがれ」
冷静に辺りを窺うもんきち。何かを感じ取って素早くその先に視線を送る。
もんきち「! 罰丸、来るでござる!」
そしてどこからか二人の前に現れたのは──
罰丸「な、なんだ?! 俺……?」
二人の前には、自分達がいた。鏡に映ったかのように全く同じ格好をし、構えている。
ゴシゴシと目をこすり呆然とする罰丸。
罰丸「な、なんだ?!」
もんきち「落ち着け罰丸! それは幻影でござる」
ポコポン「それはどうかな?」
いつの間にか二人の偽物の後ろにポコポンが立っている。
357第17話 VSポコポン@ ─幻術─(2/3):2008/02/16(土) 01:10:54 ID:???
ポコポン「高度な幻術は実体も持ち得る。そこにいるのはまぎれもなく君たち自身だよ。
     もし君達が攻撃を仕掛ければそれは自分自身に跳ね返ってくる。
     信じられないというのなら、その身で試してみるといい」
罰丸「ハ、ハ……成程。敵は自分自身か。受けてやらあ!」
もんきち「待て罰丸! はっ……!」
自分の幻影から放たれたクナイをバク転で避けるもんきち。
罰丸は既に幻影と技の応酬を始めていた。もうどちらが本物かわからない。
もんきち(くっ……奴はああ言ったが、あれは恐らく我々を騙すための嘘。
      幻術はあくまで幻。実体を持つなど有り得ないでござる!)
もんきち「幻術を破るには……」
スッともんきちは目を閉じる。呼吸を整え、全身の感覚器官を研ぎ澄ましていく。
その間に幻術のもんきちが刀を振りおろすが、するりと通り抜けた。
もんきち「(攻撃されない。やはり!)罰丸! 目を閉じるでござるよ!!」
罰丸「ああ?! 何言ってんだよ! 戦いの最中に目つぶれってか!」
もんきち「罰丸! この幻術は……ぬぅ!」
目を閉じたまま、もんきちは刀で攻撃を防ぐ。
ポコポン「……どうやら君から先に倒さなければいけないようだね。フンッ!」
鍔迫り合いをやめて距離をとり構える二人。ポコポンが仕掛ける。
もんきちは額に冷や汗を流しながらも的確にその攻撃を弾き、または避けていく。
ポコポン「君をなめていたよ。正直ここまで出来るとは思わなかった」
もんきち「拙者は忍者でござる。忍びとは常に己の気配を断ち、人の気配を探すもの。
      当然、視覚のきかない暗闇の中で戦う訓練もしているでござる」

もんきちがポコポンと戦っている間も、未だに罰丸は自分の幻影と戦っていた。
罰丸「くそっラチがあかねぇ」
力も技も速さも同じ。罰丸が攻撃をすれば向こうも仕掛ける。共に攻撃し、共に防いでいた。
358第17話 VSポコポン@ ─幻術─(3/3):2008/02/16(土) 01:15:44 ID:???
罰丸(フザけてやがるぜ! 俺様が本物なんだから、俺様の方が強いに決まってる!)
   「偽物なんかぶっ殺してやんぜ!」
次第に力と力のぶつかり合いになり激しさを増す。ある時罰丸の攻撃が幻影に直撃した。
罰丸「ぐあっ! なんだぁ?」
ドシンと地面に墜落し、罰丸は自分の体を見た。見ると幻影と同じ場所から血を流している。
罰丸(くそっ、奴が言ってたのは本当だったのかよ……)
痛みをこらえて起きあがり、自分と全く同じ状態の幻影と再び対峙する。膠着状態になった。
もんきちの方がチラリと見える。目を閉じて戦っているので押されているようだった。
罰丸(どうする? さっき言われた通り目を閉じるか? 間違いだったら俺は即死だぜ?)
少し離れた場所ではもんきちが追い詰められながらも必死に戦っている。
罰丸(あーくそっ……しょうがねぇな。イチかバチかだ)
もんきちの言葉を信じ、思い切って罰丸は目を閉じた。
緊張が全身を走り、汗が噴き出す。呼吸が激しく乱れ始めた。
罰丸「!」
どこからか敵の気配を感じた罰丸は、思わず目を開けて回避してしまった。
罰丸「……この状態で一体どうしろっていうんだ」

一方、目を閉じながらも善戦するもんきち。焦りながらも隙を誘おうと挑発する。
もんきち「フッ、前が見えない相手にどうしたでござる? 幹部の実力とはこんなものでござるか?」
ポコポン「君には本当に感心させられる。……でも、ここまでだ」
ナイフを避けたもんきちの背後にドンッと何かが当たる。それは一本の木だった。
もんきち「…………!」
注意が逸れたその瞬間、ポコポンの一撃によって刀を弾き飛ばされる。
ポコポン「残念だけど、ここまでだね」
もんきち「くっ……」
359マロン名無しさん:2008/02/16(土) 16:15:09 ID:???
うわあああああ
もんきち頑張れえええええ

何かすごく熱くなる展開
職人さんGJ
360マロン名無しさん:2008/02/16(土) 17:53:39 ID:x0HPJEdH
ポコポン意外とつええな。直接戦闘はもんきち以下のようだが
罰丸が目を閉じても幻術が破れなかったのは実力の差?
この絶望的状況でどうやって挽回するか
361マロン名無しさん:2008/02/17(日) 16:53:47 ID:???
まさかここまで熱い展開になるとは……
362マロン名無しさん:2008/02/19(火) 16:32:31 ID:???
スレを盛り上げるために話題提起

したいけど何も思いつかなかった。とりあえず保守
363マロン名無しさん:2008/02/21(木) 20:50:17 ID:zvSVAEr/
そういう時は展開予想、強さ議論、キャラ分析が相場かな

とりあえず人呼びアゲ
364マロン名無しさん:2008/02/21(木) 23:07:45 ID:???
365マロン名無しさん:2008/02/22(金) 15:27:09 ID:???
366マロン名無しさん:2008/02/22(金) 15:36:16 ID:???
367マロン名無しさん:2008/02/22(金) 23:19:49 ID:Fc5IDGBa
368マロン名無しさん:2008/02/22(金) 23:28:29 ID:???
イイイイィィイイィイイィ!!
369マロン名無しさん:2008/02/23(土) 13:17:47 ID:???
ハハッ!
370マロン名無しさん:2008/02/23(土) 14:50:53 ID:???
お父さ〜〜んお父さ〜ん
魔王が〜今〜〜〜
371マロン名無しさん:2008/02/23(土) 20:30:03 ID:???
息子よ息子、それは世界の支配者だ。ハハッ
372第18話 VSポコポンA ─問い掛け─:2008/02/24(日) 00:01:15 ID:???
追い詰められたもんきちは、なんとかポコポンを説得しようと声を張り上げた。
もんきち「何故でござる……? 何故おぬしは軍に戻りたくないのでござるっ?!
      おぬしは、燦理雄のために今まで勇敢に戦ってきたでござろう?
      それが何故、このような愚かな行為に走るのでござるか!」
もんきちの脳裏には、資料室で読んだポコポンの戦歴が思い浮かんでいる。
幹部の華々しい戦いの記録を見ては、彼は感心したり憧れていたものだった。
その問いに対して、どこか虚しさを含みながらポコポンは逆に問い返す。
ポコポン「じゃあ聞くけど、君たちは何でそんなに必死になって戦争をするんだい?」
もんきち「決まっているでござる。日本のため、ひいては世界のためでござるよ」
即答するもんきちを見下ろしながら、ポコポンは意味深な言葉を言う。
ポコポン「それは現在危機が迫っていることが前提になってるけど、本当にそんな危機があるのかな?」
もんきち「……どういう意味でござるか?」
意味の分からないポコポンの言葉に、もんきちは怪訝そうに聞き直した。
ポコポン「だって、考えてもごらんよ。僕らには僕らの考えや正義がある。
     でも、それは向こうだって同じ事じゃないかな。彼らにも彼らの正義、信念がある。
     泥須尼異が悪だって、誰が決めたの? それは本当に正しいことなの?」
もんきち「何を言っているでござるか。泥須尼異は……!」
すぐさま反論しようとしたもんきちをポコポンは遮って続ける。
ポコポン「待って。わかってるよ。これは例え話さ。泥須尼異は確かに悪だ。
     ──少なくとも人間にとってはね。
     それに僕は燦理雄のことをよく知っている。鬼帝様もたあ坊もサムもマイメロも、
     勿論ケロッピのこともよく知っているさ。だから彼らが正しい人達だということも、
     仮に泥須尼異が正義でも、燦理雄側で戦うのは間違ってないと言うこともわかってる」
ますます彼の言いたいことがわからなくなって、もんきちは眉をひそめた。
もんきち「だったら、だったら何故そんなことを?」
ポコポン「もっと根本的な問題だよ。人間を守るために命を懸けるのはそもそも正しいことなのか」
373第18話 VSポコポンA ─問い掛け─:2008/02/24(日) 00:05:53 ID:6sCs3+id
もんきち「っ……! それは……我々が踏み込んでは、いけない問題でござるよ」
気持ちの悪い汗が、もんきちの背中を伝って流れ落ちていく。
ただ意外なことに、心のどこかで予想していたのかもんきちの答えは冷静だった。
しかし、ポコポンも少しずつ追い打ちをかけていく。
ポコポン「君も知っているはずだ。今の人間達がどんなに堕落し、また酷いことをしているか。
     積極的に滅ぼそうとする必要まではないと思うけど、僕らが身を削って守る価値は
     本当にあるのかな。彼らのやっていることは、泥須尼異となんら変わらないじゃない?」
二人は共に、新聞を飾る数々の残虐な事件や、計り知れない自然破壊の図が思い浮かんでいた。
それでも尚もんきちは反論をし続ける。
もんきち「我々が言っても仕方のないことでござるよ。住んでいる世界が違うのでござるから。
      それに──被創造物である拙者達が、人間に意見する権利はないでござる」
ポコポン「勿論。その通りさ。だから何もしない。守ることも反抗することも」
無意識にギリッと、もんきちは歯がみをしていた。
もんきち「では、創造主を見捨てると?」
ポコポン「金に汚い生物に成り下がったのならね。都会の人間は嫌いだ。冷たくて何事にも無関心。
     彼らは心を失っているよ。その点、田舎の人間達はまだ温かみを持っている」
陶酔しているような遠くを見ているような感じで、ポコポンは語る。
そこに一縷の隙を見つけたかのように、もんきちは鋭く切り返した。
もんきち「泥須尼異の支配が都会の人間だけにとどまっていると思ったら大間違いでござるよ!
      田舎の人々は、何故か東京に来ると奴らの陣地に行きたがるでござるからな。
      その上都会の人よりも魔力に対する免疫がない分、廃人になりやすいでござる。
      おぬしはそんなことも知らないのでござるか! それで彼らを守れるとでも?!」
3743:2008/02/24(日) 00:14:34 ID:6sCs3+id
ポコポン「………………。何を言われても、僕の考えは変わらない」
必死に食い下がるもんきちを見ながら、ポコポンは冷たく言い捨てる。
その声と言葉を聞いて、もうこの男には何を言っても無駄だともんきちは直感していた。

突然斬り合いの音が消え、嫌な予感がした罰丸は目前の敵も気にせず後ろを振り向く。
もんきちが追い詰められているのが見えた。二人の会話が微かに聞こえる。
罰丸(どうする? どうする俺?! このままじゃもんきちがヤバい! 考えろ俺!!)
その時、もんきちの言った言葉を思い出した。
『罰丸! 目を閉じるでござるよ!!』
あまり気は進まないが、他に出来ることが浮かばない。
正面の敵を見る。向こうも自分も手負いなので、流石に迂闊には突っ込んでこなかった。
またチラリともんきちの方を見る。声のトーンが徐々に高くなり、話している内容が聞こえてきた。
二人が言い合いをしているのがわかる。そして、ポコポンが一方的にそれを打ち切ったことも。
罰丸(ああああ、くそっ! 死んだら恨むぜえ!)
半ばやけくそになって罰丸は目を閉じた。どこから攻撃されてもいいように構える。
だがしかし。
罰丸(…………。攻撃が来ねえな。もんきちの言ってたことは合ってたってことか。でもよ……)
   「目が見えねえと戦えねえじゃねぇか……」
見当違いの方向を向きながら、罰丸は固まっていた。

一方、もんきちは最期の時がひしひしと近づいているのを感じた。
もんきち「たとえ拙者達を殺しても地の果てまで追っ手が来る。逃げられないでござるよ」
ポコポン「構わないさ。逃げ切ってみせる。最後に、何か言いたいことはあるかい?」
もんきち「……拙者のことは好きにするでござる。でもどうか罰丸は逃がしてほしい。
      罰丸! 拙者を置いて今すぐ逃げるでござるよ。おぬしとの旅は楽しかった。
3754:2008/02/24(日) 00:18:11 ID:???
      せめて、せめておぬしだけでも生き残るでござる!!」
ポコポン「最期に自分のことより仲間のことを考えるなんて……健気だね。嫌いじゃないよそういうの」
覚悟を決めたもんきちに、スッとナイフを振りかざすポコポン。
ポコポン「さようなら。勇気ある忍者もんきち」
もんきち(罰丸……)
次に自分を襲うであろう痛みを予想して、もんきちは固く目を閉じた。

罰丸「う、うおおおおおおおおおおおおっ!!!」

ポコポン「なんだ?」
もんきち「罰丸?」
雄叫びと共に罰丸の体から尋常ではない闘気が噴出する。
そしてその場で超高速回転を始めた。
ポコポン(闇雲に攻撃を仕掛けるつもりか。でも無駄だ。彼の攻撃は破壊力は高いが、
     攻撃対象はピンポイント。元々小さい目標には当たりづらい上、今は目を閉じてる)
    「当たらないさ」
罰丸「おおおおおおおおおお!!」
もんきち「(いや、何かが違う。いつもとは……)熱い?」
ポコポン「な、なに? これは!」
もんきちは目を開けた。罰丸の体から花火のように炎が吹き出ている。
そして、真っ赤な炎を吹き出しながら高速回転で辺りを縦横無尽に飛び回った。
飛んだ後には炎の軌跡が生まれ、巨大な炎のリボンのようなものが夜空を踊り狂う。
3765:2008/02/24(日) 00:31:25 ID:???
ポコポン「炎の蛇?」
もんきち「違う。ドラゴンでござる。ブラックストーム……ドラゴン」
罰丸は大地を抉り木々を炎上させながら破壊の限りを尽くしていく。
一度に何本もの大木を根こそぎ叩き折り、鳥たちが悲鳴のような声をあげて飛び出した。
最初は呆けたようにポコポンはその様子を見ていたが、ハッとして叫ぶ。
ポコポン「彼はここら一帯を完全に破壊するつもりか?! 止めてくれ!」
もんきち「無理でござるよ」
ポコポン「このままでは君も死ぬぞ?! 仲間を巻き添えにするつもりなのか?」
周囲が少しずつ炎の壁に囲まれていくなか、もんきちは無感情に言い放った。
もんきち「巻き添えも何も、拙者は既に半分死んでいるも同然。
      どうせ仲間がやられるなら、敵も道連れにするのは当然でござる」
ポコポン「!」
ビクリと、驚いたようなすべてを悟ったような顔をして、ポコポンは膝をつく。
ポコポン「……負けたよ」
377マロン名無しさん:2008/02/24(日) 00:34:37 ID:???
今週はここまで。次週に続く
378マロン名無しさん:2008/02/24(日) 20:08:22 ID:???
職人さん乙!
おおお…ついに決着!?ポコポンカッケェェェェ
379マロン名無しさん:2008/02/24(日) 20:51:52 ID:6sCs3+id
罰丸がなんか新必殺技を編み出したっぽいな
もんきちが予想外にねばってて驚きだ
380マロン名無しさん:2008/02/24(日) 20:56:06 ID:???
おっと、スレをあげるためにわざとレスしたらミスってしまった
やはり普段し慣れないことはするものじゃないですね…

お騒がせして失礼。またいつも通り傍観者に戻ります
381マロン名無しさん:2008/02/24(日) 22:00:10 ID:???
キニスンナ

魔王は常にこのスレを見張って罠を仕掛けているんだぜ
職人も住人のみんなも十分気をつけるんだぜ
382自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/25(月) 23:33:09 ID:???
ミッキミッキミッキミッキミッキミッキマ〜ウス♪
ミッキマウスミッキマウスミッキミッキマウス♪
383自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/26(火) 15:05:03 ID:???
ハッ、死の着メロがきこえる……!
着メロがまだ単一電子音だった頃のみッキィマウスマーチってすっごいうぜぇよな、ハハッ
384自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/28(木) 11:07:59 ID:???
>>383
す、すでに洗脳されている…

早く逃げよう、ハハッ
385自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/28(木) 20:23:24 ID:???
やあ、僕ミッキー!君の名前は?
今夜君のうちに遊びに行ってもいいかな? ハ ハ ッ
386自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/29(金) 22:12:55 ID:???
デ〇ズニーモバイルだと…?
ソフトバンクは既に汚染されているのか
387自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/29(金) 23:52:04 ID:???
魔王や黄熊のはほしくないが怒鳴土将軍モデルがあったらほしいかも

御津奇異ダーク
魅尼位ピンク
黄熊イエロー
怒鳴土ホワイト
グーフィーブラウン
プルートオレンジとかどうよ
388自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/03(月) 00:26:15 ID:???
ランランルー♪ ランランルー♪
389自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/03(月) 19:38:39 ID:???
>>388
貴様からは魔王と同じ闇を感じるぞ……!
3901/4:2008/03/03(月) 22:41:05 ID:???
第19話 VSポコポンB ─決着、そして独白─

マイメロディ、ペッピーを始め多くの同士達が仲間を呼びに行っている。
そしてぞくぞくと世界各地から仲間が集まり始めていた。東京へと向けて。

一方、そのうちの一組であるもんきち達に場面は戻る。
もんきち「罰丸! 止まるでござる。もう戦いは終わったでござるよ!」
罰丸は膝を抱えて前向きにくるくると回転しながら地に降り立つ。
ポコポン「僕の──いや、おらの負けだす」
もんきちと罰丸は顔を見合わせた。
罰丸「おい、お前……」
ポコポン「とりあえず、誰か火を消してくれないだすか。おらの幻術では出来ないだす」
山火事になりそうななか、罰丸がブラックトルネードで砂を巻き上げてなんとか鎮火した。
ポコポン「これでもう安心だすな……二人とも、ついて来るだす」
どこかホッとした顔をして、ポコポンは歩き出した。

パチパチと火が弾ける暖炉の前で、今度こそ罰丸ともんきちは暖をとっていた。
二人に煎れ立てのコーヒーを持ってきて、手渡す。
ポコポン「すまなかっただす。おらのわがままのせいでヒドい目に遭わせてしまって」
罰丸「まったくだぜ」
もんきち「こら罰丸。……ポコポン殿、拙者はおぬしに聞きたいことがあるでござる。
      本当のところ、おぬしは何故軍に戻りたくなかったのでござるか」
罰丸「あん? さっき二人でぐだぐだ話してなかったか? 人間がどうたら」
もんきち「違うでござるよ。あれは本心ではないでござる。本心は、別の所にある」
二人の目を交互に見てから、ポコポンはフウとため息をついた。
ポコポン「全部、お見通しなんだすなぁ……
     さっきそこの彼が言った通りだす。おらは弱虫なんだすよ」
もんきち・罰丸「………………」
二人が何も言えない中、ポコポンはゆっくりと語り始めた。
3912/4:2008/03/03(月) 22:44:00 ID:???
ポコポン「おらは戦争が始まってからしばらく、敗色濃厚な頃に生まれただす。
     鬼帝様や他の幹部と違って大した戦闘能力もなく、人を化かすくらしいか
     特技はなかったけれど、そうも言ってはいられなくて……
     あの頃はただただ、生き残るのに精一杯だっただすよ。
     そしてなんとか一年こらえた頃に、あの人が現れたんだす」
そこでポコポンは一息つく。少し考えてもんきちが発言した。
もんきち「お主の一年後というと、ケロッピ殿?」
無言でポコポンは頷く。そして後を続けた。
ポコポン「……泥須尼異の侵攻は人間達も薄々感じていたのか、
     ある時戦闘に特化したキャラが生まれただす。それが彼、ケロッピ。
     ……彼は凄かっただすよ。形勢逆転とまではいかなかったものの、
     策を弄しては泥須尼異軍を翻弄し、何度も大軍を潰してきただす。
     最終兵器アーク2を始め、数々の軍事兵器を作り上げたのも彼だす」
そのあたりのくだりは有名で、燦理雄軍の兵士で知らぬ者はいない。
流星のようなケロッピの登場とその活躍によって焦りを見せたのは、
泥須尼異軍の参謀であり実質上当時は総大将であった怒鳴土将軍だった。
今までは自軍をなるべく失わないよう着実に侵攻してきたのにも関わらず、
一気に全世界の兵をこの日本に集結させて総力戦となった。
もちろんその際は魔王自らも直接日本に出向き、例のXデーを迎え
知っての通り第一次大戦は完全に終結したのである。
ポコポン「ケロッピはまず味方の兵を再編成しただす。戦える者、戦えない者を分け、
     戦える者には戦術を与え、戦えない者は自ら訓練を施しただす。おらはその時
     幻術の才能を見いだされ、徹底的に鍛えられただすよ。でも……」
もんきち「でも?」
3923/4:2008/03/03(月) 22:47:10 ID:???
ポコポン「訓練で強くはなっても、性格だけは簡単に変えられなかったんだす。
     自分や仲間の身の危険もそうだすが、見ず知らずの相手を倒すのもつらくて。
     出軍するたび怖くて怖くて、戦争が終わった時は心底ホッとしたもんだすよ」
罰丸「…………」
ポコポン「そんなんだから、後輩ながらもケロッピのことは尊敬しているし、
     同時にトラウマにもなって未だに怖い存在でもあるだす。
     戦闘の時口調が変わるのは、恐らくそのトラウマのせいだすよ」
罰丸「なーるほどな。ケロッピのせいか。通りでイヤーな感じがしたぜ」
もんきち「それで、軍には戻って頂けるでござるか?」
俯き、半ば諦めたようにポコポンは呟いた。
ポコポン「戻るしかないだすなぁ。幹部でも末席のおらに声がかかるくらいだし、
     状況はひっ迫してるみたいだす。それに、君たちを見てて思い出しただすよ。
     ……みんな、命がけで戦ってるんだっていうこと。仲間がピンチなのに、
     それを見て見ぬフリをしたおらは本当に自分勝手で最低だっただす。
     軍に戻ることが、迷惑をかけた君たちに対するせめてものおらの償いだす」
もんきちの首を見ながら、ポコポンは自分に言い聞かせているようだった。
ポコポン「今日はもう遅いだす。明日の朝一番のバスで出れば、
     夕方までには着けるはずだし、一晩泊まっていくだすよ」
罰丸「うおっし、そうと決まればとっとと寝るぜ。グォ〜……」
もんきち「なんと、もう寝てしまったでござる」
ポコポン「疲れたんだろうね。僕との戦いで相当ムチャをしたみたいだし」
もんきち「あ、話し方」
フフ、とポコポンはもの悲しげに笑った。
ポコポン「ごめんね。なんかもう、自分でも自分がよくわからなくなって。
     僕はポコポンというキャラクターなのか、軍のために戦う兵士なのか。
     “彼”の言う通りに厳しい訓練をして、確かに強くはなったんだけど
     敵を一人殺すたびに僕の中の何かが消えていくような気がして……
     本当に僕が恐れていたのはこっちなんだ。それで軍から離れようとした」
3934/4:2008/03/03(月) 22:53:34 ID:???
もんきち「わかるでござるよ。兵役を行った者ならきっとみんなわかるでござる。
      PTSDを起こして軍を抜けた者も少なくないでござるからな」
体育座りをしていたポコポンは自分の膝の辺りに目をやった。そして力強くもんきちを見る。
ポコポン「でもね、たとえ僕自身がどうなってしまっても僕がこの自然を
     愛している気持ちだけは、今も昔も変わってないと思うんだ。
     僕はね、自然とそこに暮らす人々が昔から大好きなんだよ」
もんきち「それは、よくわかったでござるよ。先程罰丸が森を破壊した時、
      おぬしだけなら逃げることは決して不可能ではなかった。
      でも、おぬしはあえてそうはしなかったでござる」
ポコポン「……一つ、聞いても良いかな? 君はなんであの時あんな無茶をしたんだい?」
二人の脳裏には、もんきちが力づくでポコポンのナイフから逃れた瞬間が鮮烈に蘇っていた。
ポコポン「あんなことをして、もしかしたら死ぬかも知れなかった。
     いや、普通なら確実に死んでたよ」
もんきち「普通なら、でござるよ。拙者にはそうならない確信があった」
ポコポン「確信? 何故?」
もんきち「おぬしに全然殺意がなかったからでござるよ。
      無理をしてもきっと大丈夫、そう思ったのでござる。まあ、
      たとえ無理だったとしても拙者に選択肢はなかったでござろうがな」
ポコポン「彼を、生かすために?」
もんきち「常に勝利と仲間の命を考えるのが真の兵士でござるよ」
ポコポン「そうだね。……ほんと、僕は後輩に教わることだらけだ。
     僕は駄目な先輩だね……」
そう言って、ポコポンは静かに目を閉じる。もんきちは何も言わずにその姿を見ていた。
ただ薪が火の中ではねる音だけが、静寂となった部屋にいつまでも響いていたのだった。
394自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/03(月) 22:57:26 ID:???
〜次回に続く〜

あと私事ですが8日からちょっと仕事で海外に行くので、
7日の深夜までにもう一度投下すると思います。それでは
395自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/04(火) 14:25:46 ID:???
>>394
乙です
海外では奴らの誘惑に乗ってはいかんぞ
396自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/04(火) 16:28:48 ID:???
というか、海外こそ奴らの本拠地だよなw
奴らがいまだ侵略完了してないのは世界でただ日本だけだし
397自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/05(水) 01:24:33 ID:???
魔王密奇異VSMACドナルド

[MACドナルドは全世界チェーン展開攻撃をした!]

[しかし、魔王には効かない]

[魔王は著作権賠償攻撃をした!つ$100,000,000]

[MACドナルドに大ダメージ。MACドナルドは倒れた]
398自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/05(水) 01:46:26 ID:???
Macドナルドって魔王のカレンダー毎年恒例だよな……
399自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/05(水) 11:45:21 ID:???
既に支配下ということか、もしくは同盟…
400自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/05(水) 13:35:34 ID:???
魔王が400ゲットだよ、ハハッ
401マロン名無しさん:2008/03/06(木) 02:04:46 ID:???
             覇 王 鬼 帝

      :
.   :  ..::::..  
   .:.  ::
 ...: . :...
   :::         ,.- ..,                  :
.   :        ,゙   ゙ ' ‐ ‐ ‐/⌒ヽ' ' ゙ ',    ..:::..
.     ∧     :          .! ,.γ⌒ヽ ;    ::
    <  '7   ,'゙        ゙'‐-ヘ,   ノ.,⌒)
     レt-! . ,’            〜 ^ヾ_ノ
       !‐‐┼-                  ;
       !‐┼-   ●       ●  ー┼-
         !.‐十      ○       ‐┼-
        ,.!- ヽ、             ゙メ、
        ',.と   ゙ ッ‐,- ... ,,_,,:n‐ッ, ‐ ' ゙
.          ` !、  ./  ゙' -∠ィ^'゙    ゙ヽ、
           `.7 .,‐^- 、  ゙ヽ、    i
   ..::..      ノ   ι、r'     ヽ、,._ノ
.     ::       ,∠..,,_     ゙         >   .:.
          ` ''! ゙ヽ.,, _ _     , イ   ...:: ::...
                ヽ、  ヽ、  ̄  ,ノ    :: ::
               ゙ ' ' ゙   ゙ ' ' ゙     :  :
                            ..: :..
                         ::
                             :
402マロン名無しさん:2008/03/07(金) 01:29:16 ID:???
403第20話 仲間、ぞくぞく(1/3):2008/03/08(土) 02:41:34 ID:YcU+3MaQ
マイメロ「どこかなーどこにいるかなー」
魔法でふよふよと空を飛んでいるマイメロ。足元には大量の線路が並ぶ。
マイメロ「あ、いたいた。新幹線ー!」
新幹線「おお、マイメロ殿ではありませんか!」
上野駅のすぐ近くを走っていた少し大型の新幹線がしゃべった。
マイメロ「あのね! 新幹線、実は……」
新幹線「わかっております。あなたが来たということは、
     招集がかかったということですね? 今すぐ参ります。とやっ!」
なんと、新幹線はジャンプして空を飛んでいく。
手頃な大きさの幹線道路を見つけて勢いよく着地すると、
そのまま誰もいない道路を好き勝手に走り回った。
マイメロ「あれ? 方向が違うよ?」
新幹線「一カ所寄りたい所があるのです」
いつの間にか上に乗って楽をしているマイメロを乗せて新幹線は疾走する。
そして、桜田門に着いた。警視庁のビルが見える。
新幹線「トランスフォームSHIN・KAN・SEN!」
起き上がり激しく変形する新幹線。両手両足が生え、頭も出てきた。
どう見てもその姿は巨大ロボットである。
新幹線「ラナバウツ殿! お久しぶりです!」
ラナバウツ「お前は新幹線ではないか。どうかしたのか?」
警視庁のビルの上にいた巨大なパトカーが新幹線を見下ろして答えた。
新幹線「まだ連絡が来てなかったようですね。
     本部からの招集です。一緒に参りましょう」
ラナバウツ「招集? ……そうか。そんな時期になったか。
     わかった。行こう。この国の治安を守るためだ」
よっこらしょ、とパトカーは道路に降りると叫ぶ。
ラナバウツ「合体!」
404第20話 仲間、ぞくぞく(2/3):2008/03/08(土) 02:45:31 ID:???
するとどこからか消防車や救急車が飛んできて、変形合体し一つの巨大なロボットになった。
ラナバウツ「四体合体ラナバウツ! よし、行こう!」

国立博物館のお土産売り場。
並んでいる恐竜のぬいぐるみ達の横に、少し毛色の違う別の恐竜達がいた。
ティラン「よし! いいな? もしお前達を選んでくれた人間がいたら、
    その人のためにお前たちは全力を尽くすんだぞ」
ぬいぐるみ達「はい! 先生」
そこに小さなフクロウが降り立つ。
ペッピー「ホー」
ティラン「おう、ペッピーじゃないか。久しぶりだな。元気にしてたか?」
威勢の良いティラノサウルスのティランが声をかけた。
ブラッキー「どうしたの? 何かあったのかい?」
ステガ「待てよ。もしかしたら……」
ペッピー「ホーホー(本部から招集がかかりました)
     ホー(今すぐ戻ってください)」
ティラン「招集? ああそっか。俺達の力が必要になったんだなぁ」
ステガ「行くしかないね。またみんなに会えると思えば、少しは楽しくなるよ」
突然の展開に、生徒のぬいぐるみ達が動揺する。
ぬいぐるみ「先生達、行ってしまうんですか?」
ティラン「大丈夫。お前達ならどこに行ってもやってけるさ」
ブラッキー「一人になったら寂しいかもしれないけど、頑張るんだよ。
     あんまりツラい時はこっそり夜中に抜け出してまた新しい仲間を作るんだ」
ステガ「そう。きっと同じ思いを持った仲間が近くにいるからね」
ティラン「俺達のことも、忘れないでくれよ! じゃあな」
ぬいぐるみ「今までありがとうございました!」
涙を流しながら整列し、ぬいぐるみ達は去っていく教師を見送った。
近くのおもちゃ達もその後ろ姿に無言で敬礼する。
ティラン「へへ、涙が出そうだぜ」
照れと寂しさが複雑に混じり合ったような表情で、ティランは呟いた。
ペッピー「ホッホー(ところであなた達はここで何を?)」
405第20話 仲間、ぞくぞく(3/4):2008/03/08(土) 02:50:16 ID:???
ティラン「教えていたんだよ。同じ恐竜として、キャラクターの心構えみたいなものを」
ブラッキー「僕達は、人を幸せにするために存在しているからね。
     でも、志があっても何をすればいいかわからない子も大勢いる」
ティラン「そっ。だから、俺達引退した先輩が教えてやんのさ。
    そうやって回ってんだよ。少なくともこの国はな」
ペッピー「ホー(使命感、ですかね)」
ティラン「さあな。そんな格好いいもんじゃないとは思うけど。
    ……ただ、人に頼まれたことは守らないと駄目だ。絶対に」
ステガ「さあ、急ごう。きっともうみんな待ってるよ」

教会で一人の女性が祈っている。その横顔にはまだ少女の面影が残っていた。
「神様、どうか今日も平和が続きますように……」
その後ろから、女性と年の近い一人の青年が歩み寄ってくる。
一心不乱に祈っている女性に話しかけるのを少し躊躇っていたようだが、
覚悟を決めると何でもない風を装って軽い声で話しかけ、
手に持っていた手紙を女性の手の上にそっと置いた。
「どうやら、そういう訳にもいかないようだ。
 ……この静かな生活も気にいっていたんだけどな」
「ああ、エディ。嫌な予感がしたの。だから今日は直接教会で祈っていたのに」
女性の不安げな声を吹き飛ばすように、エディと呼ばれた青年は肩をすくめておどける。
エディ「仕方ないさ、エミィ。お呼びがかかったんだから。
    仲間達を見捨てる訳にもいかないだろ?」
エミィ「そうね……行かないと、ね」
406第20話 仲間、ぞくぞく(4/4):2008/03/08(土) 02:51:29 ID:???
まだ不安がるエミィに向け、エディは二カッと歯を見せて笑う。
エディ「心配すんな。俺がどんな時でもそばにいる。だから大丈夫だ」
エミィ「ええ。私はいつだってあなたを信じてるわ、エディ」
優しい笑顔を浮かべるエディを見つめながら、エミィは手紙をギュッと握りしめた。


そしてここは渋谷。

渋谷のスクランブル交差点のど真ん中に立つ鬼帝。
異様な姿や服装にも関わらず、人々は誰一人として彼女の方を見ない。
いや、そもそも彼女の姿は誰にも見えていない。
にも関わらず、誰一人として彼女にぶつからないのはその圧倒的な存在感のせいか。
鬼帝「………………」
彼女が空間を切り替えると、周囲の人間は徐々に薄くなり、消えていく。
そこにはもはや彼女一人しかいなかった。ここが彼女たちの世界だからである。
鬼帝「こっちか……」
彼女はどこか遠くを見据えると、一瞬でその場から姿が消えた。
407マロン名無しさん:2008/03/08(土) 02:55:14 ID:YcU+3MaQ
今週はここまで。やたら新キャラが増えたので書き分けが大変です

日本に帰ってくるのが15日なので、次の更新はそれ以降となります
それまでどうかスレが落ちないといいのですが…
408マロン名無しさん:2008/03/09(日) 11:13:09 ID:???
続き乙です!
新キャラ増えて先がますます楽しみですお
とりあえず、渋谷のど真ん中に立つ鬼帝様にシビれる!あこがれるゥ!
落としたりさせんから、気を付けていってらっしゃい(`・ω・´)
409マロン名無しさん:2008/03/09(日) 17:11:51 ID:???
昨今魔王の宣伝工作が激しい。
そこはかと無い魔王の焦りをかんじるなァ…
410マロン名無しさん:2008/03/14(金) 16:22:46 ID:???
保守
ネタ師さんがいない間なんとしてもここを守らねば
411マロン名無しさん:2008/03/15(土) 13:10:56 ID:???
.∧_∞
(・。・)
彼奴等の好きにはさせん

鬼帝様のリボンは無限を表しておられるとか
412マロン名無しさん:2008/03/15(土) 20:40:07 ID:???
鬼帝さまカッケェェェェェ
413マロン名無しさん:2008/03/16(日) 11:59:11 ID:???
鬼帝様のリボンの騎士


予測変換してたらこうなったw
414マロン名無しさん:2008/03/16(日) 15:28:19 ID:???
男口調だから当たっているといえば当たってるなw
男装の麗人な鬼帝様
415マロン名無しさん:2008/03/16(日) 19:55:40 ID:???
そういえば鬼帝様は
普段からサロペットをお召しになってるな。
深い…!
416第21話 胎動(1/5):2008/03/17(月) 02:41:02 ID:???
怒鳴土「…………」
船の一番高い所にある艦長室の窓から、怒鳴土は日の沈む西を睨んでいる。
その背後に、小柄な二人組がどこからともなく現れた。陽気な声で話しかける。
声1「やあ、怒鳴土! 僕らにいったい何の用だい?」
声2「また面倒なことを押し付けるんじゃないだろうね?」
怒鳴土「お前達を呼んだのは他でもない。燦理雄軍の内部に侵入しろ」
単刀直入な怒鳴土の物言いに対し、二人もすぐさま嫌がって拒否する。
声1「ギョギョッ?! よりにもよって本部にだって?!」
声2「じょ、冗談じゃない! もし見つかったら殺されちゃうよー!」
怒鳴土「見つかればな。お前達の力、なんのための能力だ。
     それに安心しろ。何も最深部に侵入しろという訳ではない。
     奴らが今何をやっているか、それだけ調べればいい」
声1「それって簡単? なら引き受けてあげてもいいけど」
声2「でも、やっぱり怖いよ。だって敵の本部だよ?」
怒鳴土「……安心しろ。武士道精神のある奴らのことだ。
     捕虜になっても抵抗しなければ命まではとらんだろう」
二人「本当? わーい、じゃあ大丈夫…」
「ただし」
喜ぶ二人を遮るように、怒鳴土は言葉を続けた。
417第21話 胎動(2/5):2008/03/17(月) 02:43:02 ID:???
怒鳴土「万が一捕まった場合は、可能ならば機会を見計らって
     救出する。だがその前に、もしお前達が俺達のことや
     軍の機密を奴らに漏らした場合…
     その場合は奴らがお前達を殺さなくても
     俺がお前達を八つ裂きにする。いいな?」
本物の殺意を込めた瞳がアップになる。
二人組は震え上がった。甲高い声で必死にキーキー叫ぶ。
声1「ま、まさか、僕らがみんなを売るわけないじゃないか!」
声2「そそ、そうだよ! そんなことはしない! 神に誓って」
声1「僕らチツプとデェルの名に誓って!」
チツプとデェルはお互いの手と手を合わせてポーズをとった。だが、
怒鳴土「違うな」
チツプ&デェル「え……?」
二人は怒鳴土を見上げる。怒鳴土は一瞬寂しげな表情を浮かべたが、
次の瞬間にはまたいつも通りの険しい顔つきに戻る。
バサリと白いロングコートを翻して腕を振り、断言した。
怒鳴土「俺は神を信じていない。そして、残念ながらお前達のこともだ。
     だから誓うなら神やお前ら自身ではなく俺の、
     ──将軍・怒鳴土の名において誓え! 忘れるなよ」



──日本から太平洋を隔てたアメリカ合衆国・ラスベガス
寓不意「ねえ、そろそろ帰った方がいいんじゃないのかなぁ?」
いつもは緊張感の欠片も感じられない話し方の寓不意が、
珍しく不安を孕んだ声でおずおずと提案してきた。
418第21話 胎動(3/5):2008/03/17(月) 02:46:38 ID:???
魅尼異「あらん、どうして寓不意? まだ一週間しか経ってないじゃない?」
寓不意「だって燦理雄が攻めてくるかもしれないよぉ?」
彼の心配をよそに、魔王は余裕で組んでいた足を逆に組み替える。
御津忌異「ハハッ、心配性だな寓不意は。東京の支部は大丈夫だよ。
      そのために怒鳴土を置いてきたんじゃないか」
魅尼異「そうよん。怒鳴土は馬鹿がつくほど生真面目で義理堅いもの。
     ミツキィはプーちゃんに全権を任せたけど、怒鳴土なら言われなくたって
     命を懸けて領地を守ってくれるから絶対大丈夫♪」
御津忌異「そうさ。一応プーもいるしね」
フフフと笑う二人は、その後意味深に目を合わせる。
魅尼異「それに、この後はフロリダの本拠地に行かなきゃね。
     ミツキィには人間達を救済するってお仕事があるんだから。
     ただ遊びに来た訳じゃないのよぉん?」
寓不意「そっかぁ。じゃあ仕方ないよね。怒鳴土がいるからまあいいかぁ」
御津忌異「そうさ。彼はとっても頼りになる男だよ。ハハッ!」
魅尼異「そうよ♪ ……フフッ」



燦理雄本部には懐かしい顔ぶれがぞくぞくと集結し始めていた。
帰ってきた同胞を真っ先に出迎えたのはサムだ。
サム「みんな! 久しぶりだ。元気にしていたか?」
ラナバウツ「おお、サム殿! お久しぶりですな」
ポチャッコ「よお! ティランじゃないか! 懐かしいなぁ」
ティラン「ポチャッコか。会えて嬉しいぜ」
419第21話 胎動(4/5):2008/03/17(月) 02:48:17 ID:???
マイメロ「こんな賑やかな本部久しぶりだー」
新幹線「私のような新参者にもわかるくらい、みんな楽しそうだ」
その他にも激戦をくぐり抜けた仲間達が大勢集まっている。
ゴロ「本部は久しぶりだゴロ」
ピカ「みんなに会えて嬉しいピカ」
ドン「泥須尼異なんてやっつけてやるんだドン」
鼠小僧「本部は懐かしいでおじゃるなぁ。
     ところで鬼帝様と、同期のたあ坊がいないでおじゃる」
ケロッピ「たあ坊はまだ怪我の療養中だ。鬼帝はわからない」
現れたケロッピに全員の視線が向く。
帰参組で最年長のラナバウツが代表として進み出た。
ラナバウツ「久しぶりだな、ケロッピ。君も怪我をしているのか」
ケロッピ「たいしたことはありません。お久しぶりです。ラナバウツ」
ラナバウツ「再び共に戦う時が来たのだな」
ケロッピ「はい」
420第21話 胎動(5/5):2008/03/17(月) 02:53:17 ID:???
帰ってきた者、元からいた者、一人一人の顔をケロッピは順に見渡す。
ケロッピ「説明の必要はないと思うが、一応言っておく。
    いよいよ泥須尼異との決戦が近付いた。
    今再び燦理雄の旗の元で鬼帝と共に戦ってほしい」
「勿論だ」
「日本と鬼帝様の為に!」
「我ら再び力を合わせて」
「戦おうぞ!」
「おー!」
一致団結し大盛り上がりを見せる中に、一人の兵士が飛び込んできた。
兵士「た、大変です!」
ケロッピ「何事だ?」

兵士「し、侵入者です。それも泥須尼異の!」
421マロン名無しさん:2008/03/17(月) 02:59:50 ID:???
お待たせ致しました。毎回更新が深夜になってしまって申し訳ない

なんとか無事日本に帰ってこられましたよw
離陸直前に翼の修理を始めた時は本当に魔王の呪いかと思いました
無事に帰ってこられたのも鬼帝様と住人のご加護ですかね…
あと前回新キャラがたくさん増えたのにデータを書かず申し訳ない
今日はもう遅いので明日か明後日辺りに書きます。では失礼
422マロン名無しさん:2008/03/18(火) 00:27:25 ID:???
キャラ紹介
ラナバウツ(1984)、しんかんせん(1999)
男なら幼稚園や小学生の時一度はお世話になったんじゃないでしょうかね
どちらを知っているか、また両方知らないかで年代が判るような
ちなみに合体ネタでネタ師の大体の年齢もバレそうですねw

しんかんせん
http://www.sanrio.co.jp/characters/detail/shinkansen/index.html
ラナバウツ
ttp://www.sanrio.co.jp/characters/detail/runabouts/index.html
423マロン名無しさん:2008/03/18(火) 00:33:27 ID:???
ウィーアーダイナソアーズ(1992)
ティランとブラッキーとステガの仲良し恐竜三人組
ttp://www.sanrio.co.jp/characters/detail/dinosaurs/index.html
424マロン名無しさん:2008/03/18(火) 00:39:26 ID:???
ザ ボードビル デュオ(1982)
エディ&エミィの二人組。ゴロ・ピカ・ドンとは同期
ttp://www.sanrio.co.jp/characters/detail/vaudevilleduo/index.html

ゴロ・ピカ・ドン(1982)
その名の通りゴロとピカとドンの三兄弟
ttp://www.sanrio.co.jp/characters/detail/goropikadon/index.html
425マロン名無しさん:2008/03/18(火) 00:58:09 ID:???
ボ・ボクねずみ小僧だい
本名は本編でまだ出てないけどチュー吉。ター坊やラナバウツと同期
ttp://www.sanrio.co.jp/characters/detail/nezumikozou/index.html

ゴロ・ピカ・ドンやねずみ小僧は一応ゲストキャラ(るるる学園と同じ)です
レギュラーキャラと同期でネタになることと某サンリオスレで
名前がよく挙がっていたので懐かしいかなと思い、出してみました
まあ今後の展開によってはちょくちょく出るかもしれませんがw

泥須尼異燦理雄問わず、今後も懐かしいキャラを積極的に出していきたいです
もし好きなキャラ、出してほしいキャラなどのリクエストがあればどうぞ
出来うる限り応えていきたいと思います。それでは…
426マロン名無しさん:2008/03/18(火) 01:17:58 ID:???
乙です。
このスレから見始めたので前スレのことがわからないのですが
ダニエル、チャーミー、ウサハナ、そして
一番新しいルロロマニックなどはどんな位置に居るんでしょうか。
427マロン名無しさん:2008/03/18(火) 01:59:01 ID:???
>>426
それらのキャラはまだ登場してないよ
一応始まったのは前スレからだけど、結局序章だけ新たに書き下ろしで
後は前スレ掲載分も加筆修正してこのスレに投下し直してたから
428マロン名無しさん:2008/03/18(火) 19:32:11 ID:???
魔王再登場キター(゜∀゜)ー!
相変わらず底が見えないな

怒鳴土は騙されているに2万ペリカ
429マロン名無しさん:2008/03/19(水) 12:16:00 ID:???
乙です!
怒鳴土は相変わらずかっけぇ
430マロン名無しさん:2008/03/20(木) 01:06:58 ID:???
ハハッ僕登場記念でageるよ!
431マロン名無しさん:2008/03/21(金) 16:12:50 ID:???
このスレ復活してたのかよ!
死ぬ程嬉しい!
しかもキャラ増えてる
432マロン名無しさん:2008/03/22(土) 01:36:20 ID:???
このタイミングで昔の同志と再会とは…
鬼帝様のお導きとしか思えんな
433マロン名無しさん:2008/03/22(土) 21:13:50 ID:???
そして本日、鬼帝様はIQサプリに降臨遊ばされました。モヤっと大量生産。
434マロン名無しさん:2008/03/22(土) 22:43:18 ID:???
まさか鬼帝様がキエエーとかやるとは思わなかった。
435マロン名無しさん:2008/03/23(日) 00:25:45 ID:???
>>433>>434
kwsk
一体何があったんだ?
436マロン名無しさん:2008/03/23(日) 01:12:49 ID:???
鬼帝様にダニエルから暗号で手紙が来たが、正解者が一人しか出なかったその文章を
鬼帝様はいとも簡単に解読された。
「邦正さんキェエー!とか言ってない?」という鬼帝様のフリに
山ちゃんがキェエー!とやった後、鬼帝様自らもそのポーズをとられた。

と言うのが事のあらましです。
437マロン名無しさん:2008/03/23(日) 11:23:36 ID:???
トンです
そ、そんなことが…見たかった
鬼帝様のエンターテイメント性というかプロ魂は見事だな
438マロン名無しさん:2008/03/24(月) 00:08:54 ID:???
鬼帝「テレビに出演しタレントと戯れる。フッ、それも人類のためだ」
439マロン名無しさん:2008/03/24(月) 00:28:36 ID:???
おしたいしてます鬼帝様
440マロン名無しさん:2008/03/24(月) 01:16:12 ID:???
IQサプリには以前にも鬼帝様がスタジオにお出ましになった事があったな。
御幼少の砌の鬼帝様とミミィ様、御家族の皆様の平和な御食事シーンが解間見れてとても有意義だった。
その後鬼帝様より振る舞われたアップルパイがあまり好評を得られず、鬼帝様が少々凹まれたのがおいたわしかった…。
441マロン名無しさん:2008/03/24(月) 11:35:01 ID:???
ま、まさか手作りか?!罰当たりなゲスト共め・・・
だが鬼帝様はずっと戦い詰めで料理はあまり上手くないかもしれんな

ケロッピにそのことを指摘されて特訓する鬼帝様。サムやたあ坊に試食させる鬼帝様
ちょっとドキドキしてる鬼帝様。顔には出さないが失敗して凹む鬼帝様
・・・あれ?鬼帝様ってもしかして萌え系?
442マロン名無しさん:2008/03/24(月) 12:13:16 ID:???
鬼帝様に萌えるだなんて、そんな恐れ多いこと私にはでき…でき…でき…

ごめんなさい鬼帝様
443マロン名無しさん:2008/03/24(月) 17:47:11 ID:???
鬼帝様はクーデレ
444第22話 逃亡者:2008/03/25(火) 05:53:38 ID:???
──燦理雄軍本部司令室。
そこでは集まった幹部達が緊張した面持ちで立っていた。
ケロッピ「なんだと?」
サム「本当なのか?! それで、今どうしてる?」
最高幹部二人が報告に来た兵士に詰問する。
兵士「捕らえて搬送中ですが、なんだか様子が変でして」
ラナバウツ「どのように?」
兵士「誰でもいいから幹部と話がしたいと喚いています。
    ……なんでも、自分達は敵ではないだとか」
真意の分からない敵の発言に、メンバーはざわめいた。
しかし、ケロッピ一人だけは無言のまま少し考えて指示をする。
ケロッピ「……ここに連れて来てくれ」
サム「おい、ケロッピ!」
ケロッピ「大丈夫です。これだけのメンバーがいれば向こうの自由はきかない。
    ボディチェックを厳格に行って自爆にさえ気を付ければいい」
ラナバウツ「本当に、大丈夫なのか?」
ケロッピ「ええ。万が一の時は、僕が責任を持って処理します」
ギラリと鋭くした爪を光らせ、ケロッピは問答無用で押し通した。
そうしてわらわらとやたら外見の怪しい四人組が連れて来られたのである。
「お〜いおい、乱暴はよしてくれよ。俺達は話し合いに来たんだぜ!」
「燦理雄は紳士的だと聞いていたが、意外とそうでもなかったな」
「まったくだ。あんまり乱暴にされるから目玉が落ちちまったよ。よいしょ」
「あーん、やめてよー! しっぽ引っ張らないで!」
ケロッピ「………………」
サム「なんだこいつら……」
思わず、目が合った。
445第22話 逃亡者:2008/03/25(火) 05:54:05 ID:???
ウッディ「やあ、初めまして。俺の名はウッディ。保安官……のおもちゃさ」
視線に気付き、軽快に自己紹介をするリーダー格の男。
そして次々とその奇妙な仲間達が挨拶を始めた。
バズ「私の名前はバズ・ライトイヤー。スペェェス・レンジャー!
    ……の同じくおもちゃだ。よろしく」
ポテトヘッド「わしはMr.ポテトヘッド」
レックス「初めまして僕レックス! よろしくね」
宇宙飛行士の姿をしたスタイルのいい男がバズ、
手足の生えたジャガイモに顔が付いているのがポテトヘッド、
そして甲高い声で話す緑色のティラノサウルスがレックスである。
サム「え、えーと君達は?」
若干押され気味のサムが額に手をやりながら質問した。
ウッディ「トイ・ストーリーって言えばわかるかな? そこに出演してるキャラだよ。
    ……泥須尼異に所属してる、ね」
そこで突然、目に見えてウッディのテンションが下がった。
ウッディ「バズ、彼等に説明してやってくれないか?」
バズ「わかった、ウッディ。私達は泥須尼異所属のキャラだ」
ポテトヘッド「いやそれ今言ったぞ」
レックス「しーっ! 静かに!」
少し横からちゃちゃが入ったが、物々しくバズは語り始める。
バズ「しかし私達はある時気付いてしまったのだ。彼等との方針の違いに」
サム「方針の違い?」
うむ、とバズは頷いた。そして続ける。
446第22話 逃亡者:2008/03/25(火) 05:54:32 ID:???
バズ「我々おもちゃは人々を、主に子供達を幸せにするために生まれた。
    しかし、今の泥須尼異の首脳陣にはその心を感じないのだ。
    勿論みんながみんな、と言う訳ではないが少なくともリーダー格の
    御津奇異やプーさんは洗脳という卑劣な手段を使って人々を操っている。
    我々はそれに耐えられなくなったのだ」
暗い顔をしてウッディがその後を引き取った。
ウッディ「ああ。最初は君達と戦争中だから、それも仕方ないと思ってた。
    ちょっと卑怯な手段をとってでも、世界を統一しなくちゃいけないって。
    でも……最近それが誤りだってことに気付いた。たとえどんな理由があろうと、
    人間の心を魔法で支配するなんて、そんなの間違ってる!」
バズ「我々だけではない。今や泥須尼異に所属する多くの同胞達も、
    その間違いに気が付き始めている」
レックス「だから僕達、逃げてきたんだ」
ウッディ「幸い俺達はおもちゃだ。体を小さくして、お客の荷物に紛れて脱出できた」
彼らの頭の中に、その時の回想が浮かぶ。悲しい顔をしてレックスが補足した。
レックス「でも、逃げられない仲間も多いよ。逃げようとして失敗して、
    ヒドい罰を受けたり、友達を人質に取られたり……ブルブル」
ポテトヘッド「人間は夢の国なんて言っとるが、実際は監獄じゃよ。
      安い給料で休日だろうと祝日だろうと働かされて」
バズ「大人しく言うことを聞いている限りは待遇も保証してくれる。
    だがひとたび逆らえば……ただでは済まない。
    今や数え切れない仲間達が脱出の機会を伺っている」
447第22話 逃亡者:2008/03/25(火) 05:55:10 ID:???
重い、沈黙が襲った。言うべき事は終わったようだった。
燦理雄側も予想はついていたことだが、直接内部の者から話を
聞いたことはなかったので、少なからず驚いている。
ケロッピ「一つ訊きたい。他の仲間達はどうした?」
ウッディ「一緒に逃げた。同じ手を使ってな。みんなは直接お客さんの家に
    潜り込んだはずだ。しばらくはバラバラ……次はいつ会えるんだろう?」
最期の問いは誰に向けてでもなく、独り言として消えた。
バズ「我々は代表でここに来たのだ。トイ・ストーリの仲間だけでなく、
    泥須尼異に囚われている全ての同胞の現状を伝える希望の星として」
未だ疑いの心を捨てきれないサムが訊く。
サム「それは仲間を助けるために我々を利用するということか?」
レックス「そんな、あなた達を利用なんてしないよー。
    助けてもらうだけじゃなくて、僕らも一緒に泥須尼異と戦う!」
ポテトヘッド「逃げた時点でわしらはもう奴らとは決別してるからな」
ケロッピ「話はよくわかった。しかしここは軍事機密を扱う場所だ。
    部外者の諸君等をいつまでも置いておく訳にはいかない」
ピシャリとケロッピが言うと、予想は付いていたのかウッディは淡々と答える。
ウッディ「わかってるさ。俺達は亡命を希望する。どこでもいい。
    安息できる場所があるなら。もし俺達の力がほしい時は協力も惜しまない」
ケロッピ「まず諸君等の処遇をどうするか話し合って決めなければならない。
    それはわかるな? とりあえずそれまでは彼等を第一応接室へ」
指示をすると、兵士数人がウッディ達四人を司令室の外へ連れて行った。
残った幹部一同はお互いの顔を見合わせ、一息つく。
448第22話 逃亡者:2008/03/25(火) 05:55:35 ID:???
ラナバウツ「泥須尼異も内部は色々あるようだな」
サム「いや、彼等の言うことはまだ信用出来ない。
   我々にとって都合が良すぎる。スパイじゃないのか?」
「自分はそうは思わないでアリマス」
その場にいた全員が一斉に声をした方を振り向いた。
そこにいたのは車椅子に乗ったター坊。
車椅子を押しているのはマロンクリームである。
サム「ター坊!」
新幹線「ター坊殿!」
懐かしい顔を見て、仲間達が駆け寄った。
ラナバウツ「おお、ター坊! 久しぶりだ。だがどうしたその怪我は?」
ター坊「ラナバウツ、みんな、久しぶりでアリマス。
    魔王にやられてこの有り様でアリマスよ……」
ケロッピ「ター坊、怪我はまだ良くなっていないはずだが。マロン、君も知っているな」
みんなが懐かしい気分に浸っている中、一人だけ険しい顔をしてケロッピは確認する。
その射るような目つきに耐えられず、震えながらマロンクリームは俯いた。
マロン「ど、どうかお許し下さいケロッピ様……
   中将と旧知の幹部の方々が来られたということで……」
ケロッピの言いたいことを察し、ター坊はマロンクリームを庇うように前へ出る。
ター坊「ケロッピ、彼女のことは許してほしい。自分が無理を言ったのでアリマス。
    せっかくみんなが来たというのにジッとしていられなかったのでアリマスよ」
新幹線「まあまあ良いではありませんか! ケロッピ参謀。
     ター坊中将はラナバウツ殿と同期。積もる話もございましょう」
サム「……なんだか、懐かしいメンバーが揃って同窓会みたいになっちゃったな」
449第22話 逃亡者:2008/03/25(火) 06:03:51 ID:???
同窓会のように盛り上がりかけたが、ケロッピは盛大に咳払いをして注意を集める。
ケロッピ「近況報告や思い出話は後でじっくりやってもらいましょう。
    いまは先ほどの話。泥須尼異からの亡命者をどうするかという件について話します」
ター坊「その件についてでアリマスが、自分は外で全部聞いていたが
    彼等の言っていることはすべて真実だと思うでアリマス」
サム「根拠は? ……私も彼等が嘘を言っているようには感じなかったが、
   だからと言って根拠もないのに判断する訳にはいかないぞ」
ター坊「根拠は、自分の軍人としての勘でアリマス」
サム「だから、勘じゃ困るんだが……」
ケロッピが誕生して軍の実権を握るまでは、実質サムが参謀として軍を支えていた。
それは先人として豊かな経験と冷静な判断力をサムが備えていたからである。
鬼帝もケロッピも、突出した能力はないものの戦闘力や総合的な知識、経験、
そして判断力などサムのそういう総合能力の高さやバランスの良さを評価していた。
サム「君の勘の良さは知っているが、軍に大きく影響することはきちんと調べなくては」
そのもっともなサムの意見に対し、あくまで補足するようにケロッピは呟いた。
ケロッピ「僕はすぐに彼等を取り調べられかつ、
     正確に真実を見抜ける方法を知っていますが」
サム「なに?」
思わず片方の眉をあげるサム。
ケロッピ「きっとわざわざ呼びにいかなくてもいらっしゃるはずです」
サム「なに、それはまさか……」
「私の力が必要のようですね……」
涼やかな一陣の風と共に、その人物が彼らの前に現れた。

         〜次回に続く〜
450マロン名無しさん:2008/03/25(火) 23:01:35 ID:???
投下age
451マロン名無しさん:2008/03/26(水) 01:49:38 ID:???
乙!

誰だ、誰が出てくるんだ!wktkが止まらない!
452マロン名無しさん:2008/03/26(水) 15:00:56 ID:???
誰だ、誰だ、誰だ〜♪
453マロン名無しさん:2008/03/28(金) 00:46:43 ID:???
ほすage
454マロン名無しさん:2008/03/28(金) 15:14:22 ID:???
うちの近所の八百屋でずっと某エレクトリカルパレードの音楽がずっと流れている件
455マロン名無しさん:2008/03/28(金) 16:32:21 ID:???
うちの街のデパート地下で鬼帝様のポップコーン製造機が
いつ行っても『覇王〜鬼帝〜♪覇王鬼帝〜♪』
と歌っている件。
456マロン名無しさん:2008/03/28(金) 17:58:48 ID:???
きっとそのポップコーンを食べると魔王の魔力が浄化されるんだな。ウラヤマスィ
457マロン名無しさん:2008/03/28(金) 18:39:30 ID:???
>>454
危険な八百屋だな
だが八百屋に罪はない
音の洗脳に負けないよう気をつけて野菜を買うんだぜ
458マロン名無しさん:2008/03/29(土) 13:16:48 ID:???
うちの近所でも、灯油を売りにくるトラックがエレクトリカルパレード流しまくってんぞ
魔王の手下はどこにでもいるな、気を付けねば
459マロン名無しさん:2008/03/29(土) 13:55:20 ID:???
八百屋もあれだが灯油を売りに来るトラックってw
何を思ってあんな派手な曲を流しながら売り歩くんだろうwww

…燦理雄との戦いで引火したら怖いな((((゜д゜;))))
460マロン名無しさん:2008/03/29(土) 18:44:37 ID:???
鬼帝様のポップコーン製造機、うちの近くのデパートにもあったww
しかもサンリオショップとデズニーショップがそういえば同じフロアに……
461マロン名無しさん:2008/03/29(土) 20:08:23 ID:???
二つのコーナーの中心は時空が歪みそうなフロアだなwwww
462マロン名無しさん:2008/03/30(日) 01:26:54 ID:???
ショップの数だけドラマがあるということか
463マロン名無しさん:2008/03/30(日) 17:56:25 ID:JtaLjArD
魔王VS鬼帝
魔皇后VSミミィ

怒鳴土将軍の相手は誰だろう。ケロッピ?サム?
あと黄熊の相手は?
464マロン名無しさん:2008/03/31(月) 05:28:04 ID:???
黄熊にはター坊じゃね
怒鳴土将軍にはケロッヒ゜かと。

ただ魔皇后にミミィ様ってどうなんだろう、組み合わせ的には自然な感じだがこの二人は戦闘とかできるのか?
465マロン名無しさん:2008/03/31(月) 09:20:09 ID:???
精神攻撃戦とか?
ガチバトルはしないだろうな
466マロン名無しさん:2008/03/31(月) 11:51:35 ID:???
魅尼異は意外と強かったりして
パワーとかは他の奴らに及ばないんだけど頭脳戦で戦えそう
467SS書いてる人:2008/04/01(火) 21:43:10 ID:???
みなさんこんばんは。いつもの人です
またまた私的事情で申し訳ないのですが四月から配属部署が異動になりました
とても忙しくなりそうですが、なんとか投下は続けていきたいと思います
…本当は今日明日に続きをと思っていましたが、体調が悪いので今日は休ませてください
待ってくれている人には本当申し訳ない…

あとこのSSは面白いのかな?自分じゃよくわからないもので
もしも楽しんで頂けているのなら幸いです
468上に同じ:2008/04/01(火) 23:06:16 ID:???
age忘れてるし…最悪だorz

業務連絡失礼しました。ではおやすみ…
469マロン名無しさん:2008/04/01(火) 23:10:26 ID:???
普段あんま書き込まないけど、いつも楽しんでます
気長に待ってるので無理しないでね
470マロン名無しさん:2008/04/03(木) 18:24:54 ID:GGX34Xms




ハ ハ ッ ! !
471マロン名無しさん:2008/04/03(木) 20:26:29 ID:???


…魔王!?


472マロン名無しさん:2008/04/03(木) 21:35:08 ID:???
今日やっとここ見つけた!
前スレから探してたんだよ

職人様乙
すっごい楽しいよ
473マロン名無しさん:2008/04/04(金) 23:12:55 ID:???
おまいさんも乙!見つけられて良かったな
サンリオ軍のみんなもきっと喜んでるぜ
474マロン名無しさん:2008/04/04(金) 23:35:48 ID:???
>>468
業務連絡乙です。
了解しますた。
wktkで待っております。

幹部が敬称を使う方…。
双子(ミミィ様ではない)のあの方だろうか…?
475マロン名無しさん:2008/04/05(土) 12:02:44 ID:???
幹部が敬称を使うっていうのはいい目の付けどころではないだろうか
ただ声は一人分だけだったので双子ではないと予想
476マロン名無しさん:2008/04/06(日) 16:38:25 ID:???
第二十三話 本心は伝わりにくい

ここはアメリカ合衆国東海岸にあるフロリダ州、のとある浜辺である。
北アメリカと言えば、時折ハリケーンが起こる程度で雨の少ない
乾燥した大陸の印象があるが、実は海岸側は意外と雨が多い。
しかし、フロリダ州はサンベルトという地域に属し、比較的温暖な気候である。
またこの辺りは有名な麦やトウモロコシではなく、綿花栽培が盛んだ。
フロリダ州はアメリカ有数の観光地であり、産業の大半を観光に傾けていた。
中でも、泥須尼異世界(ディズニーワールド)リゾートが有名である。

さんさんと輝く太陽、真っ青な空と白い雲のコントラストが美しい。
浜辺と隣接した人気のない岸に、一つの青い巨体が腰掛けて釣りをしている。
「見つけたぞ」
「…………」
いつのまにかその生物の後ろに立っていたのは鬼帝だった。



一方、燦理雄軍本部司令室。
幹部達の前に姿を現したのは普段は軍の最奥にいるミミィである。
ミミィ「私の力が必要のようですね」
サム「ミ、ミミィ様! おいケロッピ! まさかミミィ様自らに奴らを調べさせるつもりでは……」
ケロッピ「そのつもりですが」
477清水たくぞー:2008/04/06(日) 16:38:44 ID:pyTljx8M
        \   |    /
         _┌┬┬┬┐_
       ――┴┴┴┴┴―、         __________
      //    ∧// ∧ ∧||. \      /
  __[//____(゚_//[ ].゚Д゚,,) || _ \__ <  清水拓造を逮捕しにきました
 lロ|=☆= |ロロ゚|■■|■■∪警視庁■■||   \__________
 | ∈口∋ ̄_l__l⌒l____|___l⌒l___||
   ̄ ̄`ー' ̄   `ー'  `ー'   `ー'
478マロン名無しさん:2008/04/06(日) 16:38:54 ID:???
悪びれるどころかまったく平然としているケロッピ。
サム「お前、何を考えているんだ? ミミィ様の聖なる力をそんなことに!」
ケロッピ「すぐ済みます。それに、使えるものを使って何が悪いんです」
サム「ふざけるな! ミミィ様は嘘発見機じゃないんだぞ!」
ケロッピを責めるサムを、ミミィはそっとなだめる。
ミミィ「サム、いいのよ。私達にとって有利な情報を得るためだもの。
   それに、力というのは出し惜しみしても意味がないわ」
サム「ミミィ様……」
ケロッピ「本人もそう言っていることだし、早速見てもらいましょう。
    敵意がない場合はすぐさま我が軍に協力してもらいたい。
    彼等は貴重な敵の内部情報を持っている可能性がある」
ケロッピの言葉を受け、すぐさまミミィは行動に移った。
ミミィ「…………」
両手を向かい合わせるように浮かべ、低い声で
祝詞のようなものを唱え始めるミミィ。
目を閉じて、念じる。すると、手と手の間に映像が浮かび上がった。
別室に移されたウッディ達トイストーリーのメンバーである。
新幹線「おお、スゴい……!」
ティラン「久々に見たな。ミミィ様の奇跡の力」
サム・ター坊「…………」
ミミィ「まず何をしますか?」
479マロン名無しさん:2008/04/06(日) 16:39:17 ID:???
ケロッピ「彼等が今何を考えているのかを見せて頂きたい」
その発言にまたしもサムは難色を示した。
サム「ケロッピ、人の思考を読むなんて卑怯じゃないか?
   しかもそんな汚い手をミミィ様にさせるとは……」
ケロッピ「そんなことに気を遣っていたらいつまで経っても戦争には勝てませんよ、先輩」
サム「……!」
瞬時に言葉の意味を理解し、サムは表情を歪めた。
サムが前の戦争で勝てなかったことを、ケロッピは当てこすっている。
少なくとも、ある程度古くからいるメンバーはそう感じた。
ラナバウツ「ケロッピ、それは言わない約束だろう?」
俯き、誰にも聞こえないようにケロッピはボソリと呟く。
ケロッピ「何もわかっていないのか……」
ミミィ「よろしいですか?」
おずおずと口を挟んだミミィに、即座にケロッピは通常の口調で指示した。
ケロッピ「ええ。お願いします」
ミミィは一人一人に指を差し込む。すると彼らの心の声が聞こえてきた。
ウッディ「(これで良かったんだよな……古巣を裏切ったことになるが。
     でも、世界中の子供達のためだし……はあ、みんなは無事かな?)」
バズ「(我々が出来ることはやった。後は待つだけだ。
    みんな、待っていてくれ。必ず助けに行くぞ)」
ポテトヘッド「(あいつら本当に信用出来るんだろうな……
      まあ、泥須尼異よりはマシか。
      ああ、そんなことよりMrs.ポテトヘッドMrs.ポテトヘッド……)」
レックス「(僕達どうなっちゃうんだろう? 怖いよー。
    早くおうち帰りたい。でももう帰る場所はないし……はあ)」
480マロン名無しさん:2008/04/06(日) 16:39:42 ID:???
一同思うことがあるようで、ほぼ同時に深々とため息をつく。
そっと指を引き抜き、ミミィはケロッピを顧みた。
ミミィ「彼らの心に悪はありませんでした。もう、いいかしら?」
ケロッピ「ご協力感謝します。そして、ただちに彼らを歓迎しましょう。
    知っている情報を全て我々に流して頂きます」
そこで我こそはと手を挙げたのは新幹線である。
新幹線「その役目は是非私が。それでは、行って参ります!」
ケロッピ「頼んだぞ」
去って行く新幹線を見送る他のメンバー。
ラナバウツ「さて、新幹線が新たな情報を持って来るまで我々はどうする?」
ケロッピ「待機です。同窓会でもしていればいいんじゃないですか?」
サム「そんな、いい加減な……」
しかし事実今はそれ以外にすることがないのであった。
賑やかに近況報告を開始する燦理雄軍の幹部達。
静かにその場を離れていくミミィ。
サム「戦争中にこんなことでいいんだろうか……」
どこか納得出来ないサムの呟きに誰かが応える。
「いいじゃないですか。もうみんなの顔が懐かしくて仕方ないですよ」
いつの間にか、その「みんな」の輪の中にいた二人。
481マロン名無しさん:2008/04/06(日) 16:40:03 ID:???
ゴロ「あ、エディだゴロ」
ピカ「エミィもいるピカ」
ドン「ゴロピカドンと同期の二人だドン!」
年若い青年と女性の二人組。女性は恥ずかしいのか少しはにかみ、
明るく爽やかな青年は元気に自己紹介を始める。
エディ「サム先輩、お久しぶりです! 若い子は知らないかな? 自己紹介しとくか。
    ゴロピカドンと同期、ター坊達より先輩でエミィとコンビ組んでるエディだ」
エミィ「皆さん、お久しぶり。初めての方は、私が相方のエミィです。よろしく」
ター坊「エディ先輩、エミィ先輩、お久しぶりでアリマス」
エディ「久しぶり。……負傷したみたいだな。大事なさそうで良かった」
車椅子で二人に近寄ったター坊を見て、エディは顔を曇らせる。
サム「エディとエミィか。本当に懐かしいな。となると残りの幹部は……
   あの二人は死んだから、あと四人ということか」

その時、幹部が一斉に何かを気付く。

幹部連『──!!』
サム「今、何か本部に……」
ター坊「今度こそ侵入者、か?」
緊張が走った。                        〜続く〜
482いつもの人:2008/04/06(日) 22:12:12 ID:???
みなさん、大変長らくお待たせいたしました。申し訳ないです
おかげでこのレス三日間くらい誰にも気付かれないんじゃないだろうか;
まあそれは置いといて、
規則的な就業時間になったので、多分今後の投下は週末になりそうですね
土曜の夜か日曜の夜までには投下出来てるようにしたいです。それでは

(チラ裏:あ〜、実はまた規制されてます。そろそろ二週間目突入です。レス代行人に感謝)
483マロン名無しさん:2008/04/07(月) 14:21:24 ID:???
乙であります
ついにミミィ様が…!
484マロン名無しさん:2008/04/07(月) 21:37:56 ID:???
ミミィ様の力の一部がわかったな

ところで、サムとケロッピって仲悪そうだなと思うのは俺だけ?
485マロン名無しさん:2008/04/09(水) 07:19:54 ID:???
保守
486マロン名無しさん:2008/04/09(水) 20:56:04 ID:???
どうした?魔王が怖くて発言できないのか?
みんな、もっと雑談とかして盛り上がろうぜ!

でないとレスしても返事がなくて寂しいがな(´・ω・`)
487マロン名無しさん:2008/04/09(水) 23:05:37 ID:???
>>486
どっかにこれまでの纏めとかない?
せめて前スレのログぐらいないと新参者にキツい。
新規が来ないと住人が減る一方だろう。
488マロン名無しさん:2008/04/09(水) 23:30:14 ID:???
>>1から順に読んでけば大丈夫だと思う

前スレもはってあるし
職人さんの話も改正版で全部あるから問題ないかと
489マロン名無しさん:2008/04/10(木) 04:52:18 ID:???
>>486
気づかなかったけど家にもうすでに魔王の手下がいたんだ…
うかつにも自分で魔王の手のものを呼び込んでしまった

気をつけろ、魔王軍の手はすぐそこn
490マロン名無しさん:2008/04/10(木) 06:55:17 ID:???
まとめいいかもな。このスレは最初から全部あるからいいけど
次スレになったら必要になりそう
それに過去ログも読みたいって人も当然いるだろうし
491マロン名無しさん:2008/04/10(木) 18:39:19 ID:???
朝の4時に書き込みした>>489
その後どうしたんだろう…
ハッ、もしやバスツアーで魔王の居城に…!?
492マロン名無しさん:2008/04/10(木) 21:55:48 ID:lfommZXR
魔王軍だけどみんなが悪いやつじゃないんです
トイストーリーは正義なんです><
493マロン名無しさん:2008/04/10(木) 22:07:33 ID:???
わあああああ!!!
テレビつけたら魔王が映った!!!
494マロン名無しさん:2008/04/11(金) 00:17:37 ID:???
最近やたらと魔王のメディア露出が増えたな
住人による目撃証言も多いし

まさか、洗脳?!
495マロン名無しさん:2008/04/11(金) 23:00:04 ID:???






ハ ハ ッ !
496マロン名無しさん:2008/04/12(土) 09:56:31 ID:???
ちくしょう!魔王め!


家来に隠れてコソコソ2chやってるイメージが
497マロン名無しさん:2008/04/12(土) 17:15:57 ID:???
あの魔王がそんなセコセコしたことするワケなかろう!
洗脳した数万の人間を使ってサンリオのネガキャンをしたり
自身がネットに侵入して荒らしまくるくらいはやっているはずだ
498マロン名無しさん:2008/04/12(土) 22:20:07 ID:???
そして真面目な怒鳴土将軍の反感を買うとw
アク禁になれ魔王め
499マロン名無しさん:2008/04/12(土) 22:43:43 ID:???
ご当地鬼帝様完全カタログっつーのが出てるんだって?
500マロン名無しさん:2008/04/12(土) 23:44:16 ID:???
魔王が500getだよ!ハハッ
501マロン名無しさん:2008/04/14(月) 00:38:36 ID:???
第二十四話 ヒーローになりたかった男

「見つけたぞ。こんな所にいるとはな」
「見つかってしまったでごわすか……」
そう言って振り向いた青い巨人は、大きく丸い目と分厚い唇が特徴の、
一人の魚人だった。全身を固く青いウロコが覆っている。
その彼の顔を見て、鬼帝は微かに顔をほころばせた。
鬼帝「久しいな。会えて嬉しいぞ、ハンギョドン」
ハンギョドン「鬼帝様、お久しぶりでごわす」
久しぶりの上司との再会なので、ハンギョドンと呼ばれたその生物は
のそりと立ち上がって丁寧に挨拶をする。
鬼帝「それにしても、まさか亜米利加にいるとはな。
    魔王の本拠地ではないか。ここで何をしている?」
ハンギョドン「見てん通り、釣りを……」
鬼帝「私が聞いているのはそんなことではない」
口調は穏やかだが、言い逃れは許さない断固とした態度だった。
ハンギョドン「……どげんしても、鬼帝様の目ばごまかせんとですか」
彼は大きな体から溜め息を一つつくと、再び海に向かって腰掛けた。
一呼吸、置く。そして、
ハンギョドン「おいどんはヒーローになりたかったんですたい」
意外な答えだった。しかし鬼帝はまともに返す。
鬼帝「なれたではないか。燦理雄でも泥須尼異でも、
    お前の名前を知らない奴はおらんぞ」
ハンギョドン「ばってん、それは力で得た名声でごわす。
      真のヒーローは力だけあれば良いという訳にゃいかんとです」
一瞬驚いたような呆れたような顔をしたが、鬼帝は笑ってハンギョドンの横に座る。
502マロン名無しさん:2008/04/14(月) 00:38:49 ID:???
鬼帝「何を言っておるのだ。燦理雄でも一、二を争う優しいそなたが。
    力だけ? けしてそんなことはないではないか」
ハンギョドン「じゃけんども……」
鬼帝「フフ。さてはお前、何か別の理由があるな」
口ごもるハンギョドンに鬼帝は鋭く突っ込んだ。女の勘というやつだ。
ハンギョドン「……まったく鬼帝様は手ごわいお方でごんす」
鬼帝「さて、それで本当のところはどうなのだ」
「…………」
今度こそ言う言葉が見つからずにハンギョドンは押し黙る。
その時、すぐ近くを誰かが走り抜けた。一人の少女である。
彼等のすぐそばの、オフシーズンのためかあまり人気のない砂浜で貝拾いをし始める。
鬼帝「ほう。成程、あの子が目的か」
ハンギョドン「や、そういう訳じゃ……」
ニヤリと笑う鬼帝。青い顔をほんのり赤く染めるハンギョドン。
鬼帝「さゆりはどうした? 別れたのか?」
さゆりというのはハンギョドンといつも一緒にいるタコの女の子のことである。
ハンギョドン「いやそもそも彼女とはそういう仲じゃないわけで……
      というか誤解ですたい! 決してその、色恋沙汰とかでは」
モゴモゴと口の中で言いつのるハンギョドン。しかし鬼帝は相手にしない。
鬼帝「しかし相手が人間だと、色々難儀だぞ」
ハンギョドン「だかんら、色恋じゃないと……まあ良かとです」
細かい説明は諦めた。相手が悪すぎる。
水面に映る歪んだ自分の顔を見下ろしながら、ハンギョドンはポツポツと話す。
ハンギョドン「おいどんはあの子の目で見たら化け物でごわすよ。
      近付いたり話をするなど、無理に決まっているとです」
503マロン名無しさん:2008/04/14(月) 00:39:04 ID:???
鬼帝「それで釣りをしながらただぼんやり見て過ごす毎日、か。
    私は気にするような外見ではないと思うが……」
ハンギョドン「鬼帝様のようなお美しか方には、ちょっとわからん悩みたい。
      おいどんは燦理雄軍の中でもかなり異色の存在でごわす。
      正直、ハンサムな方と可愛らしいデザインの後輩どんに囲まれて、
      おいどんはすごく生きづらくなっていたとです」
鬼帝「二枚目ではないかもしれんが、それなりに男前だと思うのだが」
ハンギョドン「おいどん達キャラクターと人間では、美的感覚が違うんじゃけん」
鬼帝「…………」
今の言葉で言うとキモカワイイ。
つまるところハンギョドンは時代の先を行っていた。


燦理雄軍司令室。こちらでは突然の侵入者に幹部一同動揺していた。
ター坊「今度こそ侵入者、か?」
ラナバウツ「しかし、どうやって?」
エディ「わからない。でも今、確かに空間が歪んだよな?」
その言葉に嫌な連想をしたサムは、顔を青くして司令室を飛び出す。
サム「! ……いかん、ミミィ様!」
ラナバウツ「サム、いま勝手に動くのは!」
ター坊「いや、ミミィ様は軍の要。何かあったら困るでアリマス」
サムを止めようとしたラナバウツをター坊が止める。
ケロッピ「皆さん、落ち着いてください。新たな侵入者は恐らく二体。
    エディ、エミィ。あなた方に任せてもよろしいですか?」
504マロン名無しさん:2008/04/14(月) 00:39:19 ID:???
エディ「わかった。任せてくれ。行こうエミィ」
エミィ「ええ!」
武器を携えて二人は廊下を駆け抜けていった。
ター坊「我々はどうする?」
ケロッピ「幸い、システムに直接侵入するタイプではないようですね。
    ……こうなれば軍の要所を個別に守護していくしかない。
    ミミィの所にはサムが行ったし、ラナバウツとティラン達は武器庫に向かってください。
    まだ部隊の再編成が済んでないので、僕の配下の小隊を派遣します。
    僕はメインシステムに向かう。その他の方は待機してこの司令室を」
ラナバウツ「わかった。行って来る」
ティラン「おおーし、久しぶりの仕事、気合いいれるぜ!」
司令室を飛び出して行くラナバウツとティラン達恐竜三人組。
その姿を見てター坊は、直属の部隊に連絡を取っているケロッピに向き直った。
ター坊「待てケロッピ! 自分も待機組でアリマスか?
    一般兵よりはまだ自分の方が戦えるでアリマス。
    才能ある若い兵士をこんなところで死なせてしまうくらいなら、
    この場は自分が命を懸けてでも守るでアリマス!!」
両手に銃を構えながらター坊が凄む。しかしケロッピは冷徹に言い放った。
ケロッピ「………………。
    そういうことはもう少しマシに動けるようになってから言ってください。
    貴方は動かなくていいので、司令室から全体の指示をお願いします」
ター坊「ケロッピ! くっ……」
車椅子から立ち上がりケロッピを追おうとしたター坊は低く呻いて膝をつく。
マロン「中将、まだ無理です! あまり動かないで」
ねずみ小僧「ター坊!」
505マロン名無しさん:2008/04/14(月) 00:39:31 ID:???
車椅子に戻らされるター坊。ため息をつく。
ター坊「怪我が治らない限り、自分は足手まといにしかならないでアリマスか……」
マロン「それはどうでしょうか」
おずおずと、しかしはっきりとマロンクリームはター坊に言う。
ター坊「どういう意味でアリマスか?」
マロン「私には、ケロッピ参謀が中将を温存しているように見えました」
ター坊「温存……」
マロン「下手に今動いて回復を遅らせるより、早く治って前線に立ってほしい。
    参謀はそう思っていらっしゃるんじゃないでしょうか?」
ター坊「……そうなのだろうか」
戦うどころかまともに動けさえしない事実にショックを受けているター坊。
そんなター坊を慰めるようにペックル達も口を開く。
ペックル「真実はわかりませんけどね、この司令室を守るのは大事ですよ。
    ええ、それだけは確かです。中将がいてくれれば心強いですし。
    それにこの中で全体に命令を下せるのは中将だけですからね」
ポチャッコ「そうっすよ中将。しっかり守ってください。俺達も頼りにしてますんで」
ター坊「ああ、そうだな……」
少し落ち着いた顔で、ター坊は再び銃を握り直した。
506いつもの人:2008/04/14(月) 00:57:48 ID:???
皆さんこんばんは、まだアク禁されてるいつもの人です。遅くなってすみません
レス代理の方の手際の良さにはいつも脱帽ですね。明日お礼に行かねば…

あと少し前にまとめサイトの話が出ていたようですね
このスレもとうとう後半に突入しましたし、是非検討したいと思います
ただ残念ながら、サイトというものは今まで作ったことがないものでよくわかりません
このスレが終わるまでには勉強して作っておきたいと思います。それでは失礼
507マロン名無しさん:2008/04/14(月) 19:50:20 ID:???
age
508マロン名無しさん:2008/04/14(月) 20:34:37 ID:???
マロンクリーム可愛いよマロンクリーム
今回出たハンギョドンなつかしいww
マロンは戦いもするの…か…?
509マロン名無しさん:2008/04/14(月) 21:00:55 ID:???
何気にマロンって結構古いキャラだったよーな
意外と強かったり?

家でマロンクリームのメモを発見。改めて見るとスゴいかわいいのな
510マロン名無しさん:2008/04/15(火) 01:08:14 ID:???
今日中にレスがつかなかったら
マロンクリームは俺の専属看護婦
511マロン名無しさん:2008/04/15(火) 06:58:35 ID:???
阻止!

マロン人気だな。しかし鬼帝様だって意外とかわいいんだぜ
あと今後はエミィにも注目だな
512マロン名無しさん:2008/04/15(火) 08:19:45 ID:???
畏れ多いことだが、微かに顔をほころばせる鬼帝様モエス
513マロン名無しさん:2008/04/15(火) 18:11:32 ID:???
鬼帝様はかわいいだけでなく凛々しくあらせられる
ハイル鬼帝!ハイル鬼帝!!
514マロン名無しさん:2008/04/15(火) 22:56:09 ID:???
女キャラに負けてなるものか
外見を気にするハンギョドンかわいいよハンギョドン(´Д`*)ハアハア
515マロン名無しさん:2008/04/16(水) 20:41:12 ID:???
そうそう、この前VIPにサンリオキャラを安価で擬人化するスレっていうのがあったらしいよ
擬人化というよりはイメージ画っていう感じだけどどれもスゴいかわいかった
まあこのスレを読んでる人には笑えるものもかなりあるけどw

サンリオと擬人化もしくは安価で検索すると出るから興味がある人はどうぞ
516マロン名無しさん:2008/04/17(木) 13:15:19 ID:???
>>515
見てくるわww
517マロン名無しさん:2008/04/18(金) 08:17:44 ID:???
以前洗脳された八百屋の話をした者だが、あの八百屋が更にパワーアップしていた
最近は電飾も付き、黒鼠マーチなども常に流している

ちょw店主どんだけ好きなんだよデゼニーwww
518マロン名無しさん:2008/04/18(金) 20:17:02 ID:???
エレクトリカルバロスwwwww
519マロン名無しさん:2008/04/18(金) 22:34:46 ID:???
暗黒メルヘンの世界にどっぷりだなwwww
520マロン名無しさん:2008/04/19(土) 12:06:10 ID:???
>>516
こっそり教えるが、また今リアルタイムでVIPにそのスレが出来てる
リクエストすれば何か描いてもらえるかもしれんぞ

スレ違い失礼した
521マロン名無しさん:2008/04/20(日) 19:01:51 ID:???
             __               ,....-─-、
          /::::::::::::::::::::ヽ、            /:::::::::::::::::::::::ヽ
          /:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ         /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l           l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
       l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l        l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
        l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_,.......-;,==-...ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
       l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::/     `ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
         ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/   / ̄  ヽ/⌒ヽ:::::::::::::::::/
         ヽ、:::::::::::::_/::::::::::::/   /        ⌒ ヽ¬−'´
             ̄ /:::::::::::::::::l      ,,,,,,, ノ ヽ,,,,,    l:|
              l::::::::::::::::::l     '''"""    """''   l:l
              l::::::::::::::::::l    -=・=‐,   =・=-   l:l
              l::;, -ー 、::l     "''''"   | "''''"    l:l
              /     ヽ         ヽ      l::l
             l       _           ^-^     ∠く
               l                      _   l
               ヽ    ヽ      -====-      ./
                \    \、     "'''''''"     ./
                 ヽ  、  .            /
522マロン名無しさん:2008/04/20(日) 19:28:34 ID:???
ま、魔王?!

……じゃないか
523ネタ師:2008/04/21(月) 00:15:21 ID:???
すみません!
急遽加筆修正したくなってしまって今日中に投下出来なくなってしまいました
明日か遅くても明後日にはあげたいと思います
お待たせして本当にすみません
524マロン名無しさん:2008/04/22(火) 12:17:05 ID:???
>>523
いえ楽しみに待ってます!
上の魔王のようなもの?は気にしないでください
525マロン名無しさん:2008/04/23(水) 00:33:27 ID:???
第二十五話 大きさ

波の音が聞こえる中、鬼帝はハンギョドンに問い掛ける。
鬼帝「それで、お前はこれからどうするつもりだ?」
ハンギョドン「勿論、本部に戻ってみんなと共に戦うでごわす」
即座にハンギョドンは答えた。鬼帝は続けて問う。
鬼帝「それは今すぐにか?」
ハンギョドン「鬼帝様ばお望みならば」
鬼帝「私の望みは関係ない。お前自身はどうなのだ」
ハンギョドン「おいどん自身とは?」
鬼帝「私が本気でお前を連れ戻したいと思っていたなら、お前はもはやここにはいない」
その言葉の真意を理解して、ハンギョドンは同意した。
ハンギョドン「そんでごわすな」
またチラリと、ハンギョドンは水面に映る己の姿を見る。
ハンギョドン「……あの子は、貝殻を拾うのが好きな女の子ばい」
鬼帝「そのようだな。ロマンティックではないか。私も若い頃はそんな感じだった」
自分の幼い頃を少女に重ね合わせながら、力強く頷く鬼帝。
ハンギョドン「き、鬼帝様にもそげな可愛らしか時期があったと?!」
大事な話をしていたはずだが、あまりにも意外な事実にハンギョドンは思わずのけぞった。
鬼帝「……お前、私をなんだと思っているんだ。私にだって少女時代はある!
    それも夢と希望に溢れた可愛らしい……ゴホン。まあ良い。それで、続きは」
ハンギョドン「あ、ああそんでごわすな。……あの子は移民の子供で
      あまり豊かではないじゃけん。けんども、親の仕事を
      一生懸命手伝う心優しか女の子たい」
鬼帝「フム」
526マロン名無しさん:2008/04/23(水) 00:33:58 ID:???
ハンギョドン「毎日お金持ちの観光客相手に物を売り歩きながら、
      暇があれば貝や綺麗な物を集めてるみたいでごわす」
鬼帝「なかなかよく調べているな。だが、つきまとい過ぎるとストーカー扱いされるぞ」
すごく、言いづらそうにハンギョドンは訂正を申し入れた。
ハンギョドン「……あんの、本当に誤解ばされてるみたいだから言いますけんど
      別においどんはあの子に惚れてる訳じゃないでごわすよ?」
鬼帝「…………ん?」
ハンギョドン「あれはある曇天の日じゃった。
      雨こそなかったもんの、風と波が少し荒れてもした。
      そこに、岸辺を歩いていたあの子は足を滑らして……」
鬼帝「海に落ちたと言う訳か」
ハンギョドン「幸い、おいどんが近くにおったからすぐに気付いて助けたでごわす。そして……」
ここでその時の回想が入る。
ハンギョドンは助けた少女を砂浜に横たえる。しばらくして少女は意識を取り戻した。
女の子『……ん』
ハンギョドン(良がった。気が付いたばい。もう大丈夫じゃな)
少女の無事を確認して、ハンギョドンがその場を去りかけたときだった。
女の子『誰っ?!』
ハンギョドン(?! な、なにっ?)
目を覚ました女の子は、こちらを凝視して固まっている。
しかし、それは本来有り得ないことである。彼は今別の空間にいるのだから。
だが少女は確かにこちらを見て、彼に話しかけた。幸運にも周囲に人気はない。
鬼帝「お前が視えただと?」
ハンギョドン「はい。気のせいではなかとです」
527マロン名無しさん:2008/04/23(水) 00:34:33 ID:???
鬼帝「……有り得ぬことではないな。まだ幼いうえ、一度死にかけて
    生命力が弱ったために、通常の空間から意識が離れかけたのかもしれん。
    もしくはまだ幼く純粋な魂であったがためか──」
ハンギョドン「あまり難しかことはおいどんにはわからんとです。
      問題はあの子がおいどんの存在に気付いた。
      おいどんのことを見た。それだけで十分ばい」
再びハンギョドンは回想する。
女の子『あなた、ここで何してるの? なんで着ぐるみなんか着てるの?』
ハンギョドン(ど、どうする?)
少女は、ハンギョドンが近くで観光客向けに行われているショーの
スタッフか何かだと解したようだった。少し落ち着きを取り戻す。
女の子「もしかして、おじさんが助けてくれたの?」
ハンギョドン「え、ええとまあそうでごわすな」
女の子「ありがとう! ……ところでおじさん、なんの着ぐるみ着てるの?
     面白いデザインだね。初めて見た。どこで働いてるの?」
少女は屈託ない。
ハンギョドン「あ、ああ、いやおいどんは……さらばでごわすー!」
答えに窮したハンギョドンは、全力ダッシュでその場から離れた。
ハンギョドン「その後じゃけん。これに気が付いたんは」
そう言ってハンギョドンはある物を懐から取り出す。
鬼帝「貝で作ったブレスレットか」
ハンギョドン「おいどんのウロコに挟まってたんでごわす。
      あん時すぐに気付いておったらその場で返せたもんを……」
528マロン名無しさん:2008/04/23(水) 00:35:25 ID:???
鬼帝「それを返すためにここにとどまっていたのか」
コクリとハンギョドンは頷いた。
そこで鬼帝はズバリと言う。
鬼帝「なら簡単だ。今すぐ返しに行け」
ブフオッとハンギョドンは勢い良く吹き出し、と同時にむせる。
ハンギョドン「ご、ごほごほごほっ!」
鬼帝「どうした? 大丈夫か?」
ハンギョドン「いんや、その……返せるものならとっくのとうに返してるとです!」
彼の反応など意に介せず、鬼帝はしれっとした顔で続ける。
鬼帝「何が妨げると言うのだ。彼女はお前を着ぐるみだと思っているのだろう? 都合がいい」
ハンギョドン「しかし……」
鬼帝「くだらないコンプレックスなど、さっさと海にでも捨てるべきだ」
ハンギョドンの顔は見ず、遠くの海洋を眺めながら鬼帝は断言した。
思わず、言いかけた言葉を飲み込んでハンギョドンは口をつぐむ。
鬼帝「小さなことではないか。この海や、空や、星の大きさに比べれば。
    実にちっぽけなことだ。特に、お前のような大物が悩むにしてはな」
手で空と海と大地を仰ぎながら、鬼帝は厳格に諭す。
鬼帝「お前はもっと大きなことを悩むべきだ。
    この星や、人間達の行く末のような。違うか?」
そう言葉を紡ぐ鬼帝本人は、何かを憂うように目を細めた。
そして彼を振り向き、見下ろす。
鬼帝「共に戻ろう。一人でも多く信頼出来るやつがほしい」
ハンギョドン「本当は、わかっていたでごわす……」
529マロン名無しさん:2008/04/23(水) 00:36:03 ID:???
自嘲するように微かに笑うハンギョドン。
ハンギョドン「鬼帝様の仰るとおり、ちっぽけなことでごわすよ。
      でも、どんなに自分が頑張っても人間達はそれを知らない。
      おいどんはいつまでも気味の悪い化け物のまま……
      だったら、潔く裏方に徹して他の仲間に花を持たせた方が
      自分にも他人にもいいことなんじゃないかと。
      そう考えたら、自然と本部から足が遠のいたばい──」
鬼帝「そして、敵の本拠地のあるこのフロリダに潜伏し、様子を見ていた。
    本戦が始まった暁には、機を見て自爆覚悟で特攻する気だったのだな。
    フッ、なかなか格好良いではないか」
ハンギョドン「そんな具体的に考えていた訳じゃなかとですよ」
鬼帝「いや、やはりお前は私の元にいるべきだ。今心からそう思った。
    お前が戻ってくれれば若い兵士達の志気もあがろう」
ハンギョドン「そんな大したもんじゃないでごわすよ」
少し照れるハンギョドン。
鬼帝「さあ、今すぐそれを返しに行くぞ。彼女もきっとお前のことを待っている」
スッと鬼帝はハンギョドンに向かって手を差し出した。
その手をしっかりと握り返し、ハンギョドンは力強く立ち上がった。



場面変わって燦理雄軍本部司令室。
敵の侵入が判明して十分も経たないうちに、既に非常事態になっていた。
ペックル「一体どうやってあそこまで侵入したっていうんだ?!
    サブシステム二号機が攻撃されました! 破損状況38%! 深刻です!!」
530マロン名無しさん:2008/04/23(水) 00:36:34 ID:???
キーボードを高速で叩きながら、状況を把握しては報告していくオペレーター達。
ポチャッコ「くそっ! エリア1と4をつなぐケーブルが破壊された!」
司令室にいる女性のオペレーター五人組、ネズミのチュッピーズも後に続く。
ベリー「衛星から敵補足。二体一緒に行動しているようです。映像回して!」
ソーダ「映像、回します。え……そんな、消えた?!」
驚きと動揺。もう一人のオペレーターが指示を仰ぐように振り向く。
ミント「レーダ−から敵影消えました!」
ター坊「見失ったか……」
あくまでター坊は冷静だが、その直後ペックルが信じられないものを見つけた。
ペックル「て、敵を捕捉しました! でも、そんな……馬鹿な!
    エリア2中枢からエリア5まで移動しています!
    なんなんだこの速さは?! あ、有り得ない」
ペックルは驚愕しながらも、次々に把握した事実を正確に伝えていく。
ポチャッコ「ふざけやがって。俺たちを挑発してるのか?」
レモン「敵影、徐々にこちらに向かってます!」
グレー「まさか、この司令室を狙っているの……?」
不安を煽るような呟きが聞こえたが、それに対して誰かが力強く応える。
ター坊「望むところだ」
銃を構え、いつでも動けるようにと備えるター坊。
だがその時、ペックルがあることに気付いた。
ペックル「む……この位置ならエディさんとエミィさんが近い。追いつけるか?」
ター坊「よし、二人に場所を伝えるでアリマス!」
531マロン名無しさん:2008/04/23(水) 17:06:06 ID:???
つ、続きは!?今回はこれで一区切り…?
乙です!
532マロン名無しさん:2008/04/23(水) 21:16:30 ID:pq+COF30
次はエディとエミィがさっそく戦うのかな

あと鬼帝様…w
533マロン名無しさん:2008/04/24(木) 10:00:57 ID:???
鬼帝様、貝殻拾ってたのかww
可愛い…不敬だがモエスww
534マロン名無しさん:2008/04/24(木) 10:25:44 ID:???
魔王軍が全国ツアーとやらをやるらしいな
宮崎県は既に墜ちたらしい
535マロン名無しさん:2008/04/24(木) 20:51:00 ID:???
>>534
kwsk
536マロン名無しさん:2008/04/25(金) 23:21:38 ID:???
司令室に迫る侵入者とは!?
エディとエミィの戦闘能力の高さは如何ほどか!?
そしてハンギョドンの揺れる心の行方…。
いつもの人、楽しみに待っております。
537マロン名無しさん:2008/04/26(土) 01:27:14 ID:???
フジテレビwwwwwwwww


山理央不人気ランキングとか辞めてw
538マロン名無しさん:2008/04/26(土) 13:29:00 ID:???
>>537
え?!なんだそれ?!kwsk!

…だ、誰が人気ないんだ?まさかハンギョry
539マロン名無しさん:2008/04/27(日) 12:30:14 ID:???
>>538
なんか深夜のお笑い番組でやってた
途中から見たから詳しくは分らないんだ。ごめん
ケロッピ、ターボ、バツ丸が出てた


なんかね…魔王の力が働いたんじゃないかと邪推してしまった

懐かしキャラとかなら分かるが、何故わざわざ不人気と言うのか…
540マロン名無しさん:2008/04/27(日) 12:45:40 ID:???
>>539
レスd

ええーっ!そのランキングおかしくね?!
ケロッピもター坊もばつ丸もいまだにグッズ売ってんじゃん。見たことあるぞ
懐かしキャラの間違いじゃないのか。つかサンリオからクレーム来ても文句言えない


…魔王のせいか
541マロン名無しさん:2008/04/27(日) 19:57:57 ID:???
魔王もとうとう攻めてきたな
こんな搦め手で来るとは思ってなかったけど
542マロン名無しさん:2008/04/27(日) 21:22:48 ID:???
ケロッピ「フジテレビを潰します(-_-#)ビキビキ」
543ネタ師:2008/04/28(月) 00:39:55 ID:???
連続ですみませんが、私的事情で今回もまた遅れます…申し訳ない
しかも明日の夜は用事があって確実に投下出来ないとわかっているので
火曜の夜に投下します。どうかもうしばらくお待ちください

あとお願いなのですが、業務連絡をした際には何かしら反応して頂けないでしょうか
おkとか把握のように一言でもいいしおせえんだよボケナスとかでもいいので
何も反応がないとちゃんと連絡が伝わっているのか、連絡する意味があるのか不安になったりします

>>524氏その他過去に返事をくれた方々、ありがとうございました
これからもよろしくお願いしたいと思います。それではこれで…
544マロン名無しさん:2008/04/28(月) 01:07:20 ID:???
>>543
いつも乙です

こっちは楽しませてもらってる身だし、そちらの都合でおK
マイペースにドゾー
545マロン名無しさん:2008/04/29(火) 22:59:47 ID:???
第二十六話 男、再び

カッカッカッカッと廊下を軍靴が駆け抜けていく。

その少し先の部屋から、甲高い声で「おおかみなんか怖くない」の歌が聞こえていた。
チツプ「キャッハー☆ イタズラっておんもしろいなぁー!」
デェル「怒鳴土には軽く調べるだけって言われたけど、せっかくだし色々壊しちゃえ!」
チツプ「これってみんなのためにもなるもんねー」
デェル「楽しく遊べて燦理雄にもダメージを与えられて一石二鳥!」
チツプ「僕らってあったまいいー。僕ら愉快なチツプとデェル〜♪」
デェル「イタズラ大好きさ〜♪ ヘイ!」
陽気な二人組が歌っている間、鉄の扉がガチャリと開き、誰かが中へ入る。
全体的に白を基調としたそこそこ広い部屋で、壁際には様々な機械があった。
「いたわ! あそこよ!」
女性の鋭い声が部屋に響く。続いて若さ溢れる男性の声。
「てやあぁっ!」
チツプ「キャー!!」
二匹のすぐ足元から、細長い刃物が突き出た。
エミィ「仕留めた?」
エディ「いやまだだ。油断するな」
左右に持った50センチ程の刀身の小刀を構え、天井裏を見上げるエディ。
猟銃のようだが連発式に改造されたライフルを腰の辺りで構え、警戒するエミィ。
デェル「キャー! 燦理雄の兵士だー! 怖いよー」
546マロン名無しさん:2008/04/29(火) 23:00:14 ID:???
エディ「そこか!」
再びエディのナイフが一閃して天井を貫いた。
それを避けて甲高い声で大騒ぎするチツプとデェル。
エディ「チッ、ちょこまかと。動きが素早い上に目標が小さい。
    更に言うなら天井が邪魔で攻撃にタイムラグが出る。最悪だ」
姿の見えない敵を見据える幼馴染みにエミィが問い掛ける。
エミィ「エディ、どうする?」
エディ「とにかく、今は邪魔な障害物をどけなきゃな。
    エミィ、ドアを閉めて鍵をかけてくれ」
エミィ「わかったわ」
指示通りエミィは出入り口を塞いだ。この部屋に窓はない。
呼吸を整え、エディは構えを変える。上ではいまだバカ騒ぎが続いていた。
エディ「ナメていられるのも今のうちさ。食らえ『風神』!」
怒涛の如く繰り出した剣戟がカマイタチとなって天井と壁をメッタ斬りにしていく。
 ゴオオオオオオオ
チツプ&デェル「うわあーーー!」
見事にチツプとデェルを載せた天井はバラバラになって崩れ落ち、
二匹は重力に従ってベチャリと床に激突する。
チツプ「いったぁー……ヒドいじゃないか!」
抗議するチツプに対し、いたずらっ子を叱る兄のようにエディは言い返す。
エディ「ヒドい? 勝手に人んちに入りこんだ挙げ句設備をぶっ壊すのはヒドくないのかい?」
デェル「え、えーっとぉ……(汗)」
いたずらっ子二匹組は、怖い顔で武器を構える大人二人を見上げた。
チツプ(ど、どうしようか?)
デェル(うーん、そうだなぁ)
547マロン名無しさん:2008/04/29(火) 23:00:37 ID:???
二匹はテレパシーで素早く相談する。
チツプ「とりあえず逃げろー!」
二匹は全力疾走するが、事前に出入り口を塞がれていたため逃げ場はない。
エミィ「逃げ場はないわ。観念しなさい」
ドォン、ドォンとエミィは次々に二匹を撃っていく。
しかし彼らは思いのほか素早く、掠りさえしなかった。
エディ「珍しいな。お前がそんなに何発も外すなんて」
エミィ「! 確かに当たったと思ったのに。なんて素早いのかしら」
チツプとデェルのあまりの逃げ足の速さに、敵ながら二人は感心する。
エディ「調子が悪いみたいだな。なんにせよこのままだと弾の無駄だ。エミィ、いつもので行こう」
エミィ「了解!」
二人は二手に別れて左右からチツプとデェルを攻めた。
何も考えず逃げまどう二匹。壁際に追い詰められ、少しずつ距離が狭まる。
エミィ「どうか降伏して。殺したくはないわ」
銃口を突きつけながらもあくまで穏やかにエミィは降伏を勧める。
デェル「降伏だって? 降伏したら命の保障してくれる?」
エミィ「ええ。それどころか、泥須尼異にいるときよりもっと良い待遇を約束するわ」
チツプ「毎日おいしいごはんとおやつもくれる?」
エミィ「もちろん」
デェル「お昼寝したりおもちゃで遊んでもいい?」
エミィ「ええ。いいわよ」
チツプ「どうしよっかな〜」
考え込む二匹に向かって、たたみかけるようにエミィは続けた。
548マロン名無しさん:2008/04/29(火) 23:01:07 ID:???
エミィ「私、無駄な殺生はあまりしたくないの。それに考えれば分かるでしょ?
   絶対こっちに来た方があなた達は幸せになれるのよ?」
デェル「う〜ん」
エミィの真摯な態度に、チツプとデェルも腕を組んで真剣に悩んでいる。
そして、
チツプ「決ーめた。僕ら燦理雄に…………は行かないよ!」
デェル「ざんねーん!」
彼らがそう言って逃げだそうとした瞬間だった。
エディ「今だ。食らえ!」
視界から消えていたエディは、いつの間にか構えていたビデオカメラを二匹に向ける。
そして、レンズから真っ白な光が飛び出して辺りを包んだ。
光が消えた時、既に二匹はどこにもいない。
エディ「撮影完了! ってな」
カメラを持ち上げてエディはニッと笑う。エミィも微笑んだ。
エミィ「エディは映画監督になるのが夢で、いつもカメラを持ち歩いているの。
   そしてカメラの中に作り出した亜空間に撮影したものを封じ込めることが出来る。
   ……と言っても、もう聞こえないかしら?」
エディ「さて、中はどんな感じかな?」
そう言ってエディはカメラに耳をつけて中の様子を聞いてみた。
チツプ「わーん! 真っ暗だよー! 怖いよー!」
デェル「出してー! もうイタズラなんてしないからー」
二匹『ごーめーんーなーさーいー!』
エディ「敵ながらちょっとかわいそうになってくるな」
思わず、顔を見合わせて苦笑いする二人。
549マロン名無しさん:2008/04/29(火) 23:01:27 ID:???
エミィ「そうね。でもエディ、逃がしちゃダメよ。これでも立派な敵の幹部なんだから」
エディ「わかってるって。さてと、ケロッピ達に連絡しないとな」
テレビカメラを肩に担ぎ、彼らは部屋を後にした。



燦理雄軍本丸正門前。
そこでいつ職務質問されてもおかしくない怪しい男がウロウロしていた。
半透明で鼻がピカピカと光る犬が、フワフワと男の周りを浮遊している。
ちょうど軍に帰還したばかりのとある三人組がその男を見とがめた。
罰丸「あーん? なんだアイツ? うちの基地の前ふらふらしてよぉ」
ポコポン「怪しいだすな。泥須尼異の刺客ではないだすか?」
もんきち「ん? いや、あれは……」
そうこうしているうちに、向こうもこちらに気付いたようだ。
そして駆け寄ってくる。少しだけ、嬉しそうに。
「猿くんじゃないか! 久しぶりだね。僕のこと、覚えているかい?」
もんきち「おぬしはジャック・スケリントン……一月振りでござるな」
ジャック「ああ、嬉しいよ。一ヶ月も経っているというのに、
    僕のことをわざわざフルネームで覚えてくれているなんて……」
そう、彼らは一月前の十月半ばくらいに戦っていたのだ。敵同士として。
それがどういう訳か、ジャックは戦いを放棄した挙げ句そのまま旅に出てしまった。
550マロン名無しさん:2008/04/29(火) 23:01:49 ID:???
そして今、彼は再びこの地に舞い戻ってきたのである。
しかし、彼は何故かあまり元気ではなかった。
旅立つ前にはあった、精気や活気がすっかり消えていたのである。
もんきち「何か、あったのでござるか?」
別に親しい友人でもなんでもないどころか、敵として相対したはずの
もんきちでさえ、彼の様子がおかしいことにすぐ気付いた。
ジャック「なんでもない、って言ったら嘘になるかな……
    あったよ。とても嫌な、悲しい出来事」
かぶりをふってガックリと肩を落とすジャック。
ゼロ「キューン……」
ジャックの横にいた幽霊犬が、主を元気づけるようにその顔をなめた。
罰丸「なんでもいいけど、お前誰だよ……」
ポコポン「まあまあ。もんきち君の知り合いみたいだし、とにかく話を聞くだす」
もんきち「立ち話もなんでござるが、かと言って元敵を中に入れる訳にもござらんし……」
ジャック「ここでいいよ。君達には悪いけど、僕はここで少しも構わない。
    それに、少しばかりこうしていたいんだ……」
ジャックはそう言うと、十一月の外気に冷やされ凍えきった骨の体を抱きしめた。
もんきち(これは何か、尋常じゃないことが起こったでござるな)
何かとてつもなく恐ろしいことをこれから聞かされる。もんきちは本能で悟った。
551いつものネタ師:2008/04/30(水) 00:05:25 ID:???
以上、次回に続く

遅れましたがなんとか今週分投下出来ました。良かった良かった
サンリオ不人気ランキングは驚きです。リアルでも魔王の動きには要注目のようですね

ただその前に。アークー禁ーとーけーたーまーえー
いや、本当にそろそろ許してください魔王さん…いくらなんでも長すぎ…
552マロン名無しさん:2008/04/30(水) 00:53:01 ID:???
禿乙です。
では自分も

とーけーたーまーえー!!
553マロン名無しさん:2008/04/30(水) 16:31:38 ID:???
>>545乙でございます、では私めも。
アク禁とーけーろー!!

チツプとデェルの見分け方でデェルは鼻血デェルと
覚えていたのを今思い出したよ…
554マロン名無しさん:2008/04/30(水) 17:45:48 ID:???
ネタ師さんいつもありがとう
555マロン名無しさん:2008/04/30(水) 23:43:59 ID:???
ネタ師さん乙です
自分、今までROM専でしたが、魔王の誘いに乗らないためにも
書き込むことでこのスレに少しでも貢献していこうと思います


魔王といえば、最近は泥巣煮異日本支部のCMがよく流れてますよね
あやうく洗脳されかけました……orz
魔王恐るべし(汗)
556マロン名無しさん:2008/05/01(木) 10:10:51 ID:???
何せ魔王日本支部設立二十五周年に当たるから、今年は特に魔王の攻勢は一層激しくなる。
皆、洗脳されそうになったら鬼帝様の笑顔を思い出そうではないか。
557マロン名無しさん:2008/05/01(木) 13:53:00 ID:???
そういや今気付いたがジャックって半年振りの登場だな


Q.ジャックって誰ですか?

A.このスレの>>111-117あたりを読むべし。たった一度の登場ながら
 サンリオの兵士(というかもんきちとサム)に強烈なインパクトを与えたキャラだ
 突然歌い出したり妙なことを言い出したりとっても個性的だぞ!
558マロン名無しさん:2008/05/02(金) 09:26:04 ID:???
ジャックの毎度のテンションが好きだwww
559マロン名無しさん:2008/05/02(金) 19:04:05 ID:???
でも今回はなんだか雲行きが怪しいな…
560マロン名無しさん:2008/05/03(土) 19:43:58 ID:???
ミッキーやミニーの顔には、昔からある違和感を持っていたんだ…
何かおかしい、何か変だ…
だが最近になってその理由に気がついた。


ゲッ歯目動物のくせに、前歯がねえ!
561マロン名無しさん:2008/05/03(土) 20:52:43 ID:???
そして愚宇負異の犬歯は四角いんだ!!

まさに呪われし魔族!
562マロン名無しさん:2008/05/03(土) 22:20:21 ID:???
>>560-561
確かに!今気付いた

そういう意味だと将軍はやっぱりまともなのかな
563マロン名無しさん:2008/05/04(日) 00:53:39 ID:???
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/news/1209824777/l50

魔王自ら九州征伐へ出陣されたようです
564マロン名無しさん:2008/05/04(日) 00:58:58 ID:???
将軍には羽根がないんだ…

やはり魔王の片腕を担う程の呪いをその身に受けているんだな…
565マロン名無しさん:2008/05/04(日) 11:24:26 ID:???
>>564
フッ、甘いな。あの将軍だぜ?
能ある鷹は爪を隠す…

つまり最終形態になれば翼が生えてくるに違いない!
566マロン名無しさん:2008/05/04(日) 13:31:06 ID:???
空飛ぶ将軍www
567マロン名無しさん:2008/05/05(月) 00:40:17 ID:cwxd9CJg
制空権は空飛ぶダンボにあるんだぜ
568マロン名無しさん:2008/05/05(月) 03:28:46 ID:???
制空権バロスwww
569いつもの人:2008/05/05(月) 17:01:56 ID:???
こんにちは。GWは家でずっと寝込んでいるネタ師です
連絡遅れてすみません。風邪を引いてしまったのか体調があまり良くないので
今週はお休みとさせてもらいます。続きをお待ちの方は申し訳ない

では、来週また夢の国でお会いしましょう
570マロン名無しさん:2008/05/05(月) 20:44:19 ID:???
乙。無理しないでね
571マロン名無しさん:2008/05/05(月) 20:49:46 ID:S4+9t893
おい、いいのか我が国の公共放送が高々一企業の宣伝番組を堂々やるってのは!
N○Kは魔王に魂を売りやがった…
まあ北の将軍サマに尻尾振る所だから、魔王に誑かされても不思議じゃないが。
572マロン名無しさん:2008/05/06(火) 12:46:09 ID:???
>>571
知らんのか?メディアは今やすべて魔王の手に落ちている
サンリオは追い詰められているということだ
573魔王:2008/05/08(木) 21:11:55 ID:???
24時間以内にレスがなければこのスレは僕がいただくよ、ハハッ!
574マロン名無しさん:2008/05/09(金) 01:01:07 ID:???
阻止!!

魔王め!好きにはさせん!
貴様の洗脳が及ばぬ者のある事を知らしめてくれる!!
575マロン名無しさん:2008/05/09(金) 18:27:59 ID:???
魔王がちょくちょくくるから安心できないなw
まあ本物の魔王の攻撃はこんなに手ぬるくはないだろうが…
576マロン名無しさん:2008/05/09(金) 19:28:44 ID:???
かたや アメリカ出身の年収1億以上の腹黒ネズミ
かたや 中国からやってきたレンタル料1億円のパンダ

愛くるしい笑顔の裏に野望を秘め、日本を我が物にせんと互いに火花を散らす。


『激突!!未奇異魔薄 VS 大熊猫』

近日公開。
577マロン名無しさん:2008/05/09(金) 23:23:02 ID:???
魔王の年収が一億は少なすぎる。二千億は行くはず

にしても中国パンダも日本狙ってるのかw
鬼帝さまもぶっちゃけ(メンドくせー…)とか思ってんじゃね?w
578マロン名無しさん:2008/05/10(土) 11:53:59 ID:???
パンダってアップの顔見たら怖いよな
子供は可愛いけど
579マロン名無しさん:2008/05/11(日) 12:30:36 ID:???
パンダ「ククク、燦理雄は馬鹿アルwディズニーと小競り合いしてる間に日本は頂くアルwww」
580全5レス:2008/05/11(日) 20:26:04 ID:???
第二十七話 願い

フロリダ

ハンギョドン「き、緊張するでごわす……」
鬼帝「とりあえず、あの子は今もお前が見えるのだろうか?
    もし見えないのならば空間を切り替えないとならんぞ。
    他の人間の目につかないようにせねばならんな」
ハンギョドン「そんでごわすな。……人間界は久しぶりになるばい」
鬼帝「来た」
まだ誰にも見えないのになんとなくノリで隠れている二人。
鬼帝「親と一緒か……私がおびきだそう」
ハンギョドン「い、いんやぁ! 鬼帝様にそげなことまでしてもらっちゃ恐れ多い」
鬼帝「なに、気にするな。部下の面倒を見るのは上司として当然のことだ」
ハンギョドン「鬼帝様……」
鬼帝「遠慮するな。私とお前の仲だろう? 行くぞ」
そう言うと鬼帝は人差し指を突き出し、少女のかぶっていた帽子を念力で飛ばす。
少女「あ!」
風に乗って視界の外に出ようとする帽子。
少女「取ってくる!」
母親を先に行かせ、少女は帽子を追い掛けた。
しなやかな体で走りに走り、少女はとうとう帽子を捕まえる。
そこはいつかの浜辺だった。辺りに人はいない。
581全5レス:2008/05/11(日) 20:26:29 ID:???
鬼帝「空間を閉じた。もはや誰にも邪魔は出来ん。安心して行け、ハンギョドン」
ハンギョドン「鬼帝様……感謝するでごわす」
鬼帝に向かって礼をし、ハンギョドンは少女に近付いた。
案の定、彼女はもうハンギョドンの姿が見えなくなっていた。
空間を切り替え、幽霊のようにスーッと人間界に現れていくハンギョドン。
ハンギョドン「……。ご、ご機嫌ようでごわす」
少女「あ、この間のおじさん!」
幼い彼女はハンギョドンのことを覚えていた。
少女「この間はありがとう、おじさん。まだ着ぐるみ着てるの?」
ハンギョドン「これを……」
その問いには答えず、ハンギョドンはブレスレットを差し出す。
少女「あ、それ! おじさんが持っててくれたんだ。
    なくしたと思って諦めてたの。一番気に入ってたやつなんだ。
    本当に本当にありがとう!」
ハンギョドン「…………」
笑顔の少女を見下ろし満足そうなハンギョドン。
しかし、次の瞬間何かを決意したような顔をする。
ハンギョドン「お嬢さん、実はおじさんは……着ぐるみなんかじゃなかと」
鬼帝「ハンギョドン──!」
ハンギョドンの突然の告白に、鬼帝は警告を発する。だがハンギョドンは気にしない。
鬼帝「どうなっても知らんぞ」
ハンギョドン「…………」
鬼帝は表情を硬くし、その場を離れた。
少女「おじさん、なに言ってるの? それどういうこと?」
ハンギョドン「言葉の通りじゃよ、お嬢さん」
582全5レス:2008/05/11(日) 20:26:51 ID:???
少女「冗談でしょ?」
少しずつ浮かぶ恐怖の色に、ハンギョドンは何かが脳裏に浮かんでいた。

『化け物! 近寄らないで!』
乱れた服で泣き叫ぶ女性。ボサボサになった髪を更に振り乱す。
気絶した男の頭を掴んでいるのは巨大な青い物体。男の手から地面に落ちるナイフ。
『ち、ちが……おいどんはそんな気は……』
『お願い、助けて……いや、こっちに来ないで!』
女性は後ずさりをする。その後ろには切り立った崖が。
青い生き物は男を地面に放り投げ、女性に手を伸ばす。
『そっちに行ったら危ない! ほら、早くこの手に……』
『触らないで! ……え?』
ガクッ
『!!!』
『キャアアアアアアアアアアアアアア』

ハンギョドン「…………」
目を閉じ、ゆっくりと首を横に振るハンギョドン。
突然のことに少女は戸惑っていた。しかし、徐々に落ち着きを取り戻す。
少女「おじさんは海で溺れていた私を助けてくれた……
     それに今も大切なブレスレットをわざわざ返しに来てくれた。
     だから私、おじさんはいい人だと思うの……」
ハンギョドン「……おじさんは、一体何だと思うでごわすか?」
583全5レス:2008/05/11(日) 20:27:11 ID:???
少女「おじさん? おじさんは……」
ハンギョドンの問いに、なんと答えればいいのか少女は考えた。
しかし、すぐに答えを見つけてハンギョドンを見返した。
少女「わかった! おじさんは海の妖精さんね! そうでしょ?!」
ハンギョドン「妖精……」
意外な答えにハンギョドンは少し迷ったが、すぐにニコリと笑う。
ハンギョドン「そうでごわすよ」
少女「やっぱり! ありがとう妖精さん、さようなら!」
輝くような笑顔で手を振りながら、少女は浜辺を去って行った。
その小さい後ろ姿にいつまでも手を振るハンギョドン。
鬼帝「……どうだった?」
様子を見て戻ってきた鬼帝。ハンギョドンははにかみながら答える。
ハンギョドン「ヒーローとは呼ばれなかったけんど、別の呼び方をされたとです」
鬼帝「ほう。なんと?」
ハンギョドン「海の妖精さんと呼ばれたけん」

鬼帝「妖精? ……お前が?」

鬼帝は爆笑した。



サンリオ軍本部の近くにあった喫茶店の中に入り、
もんきち達三人はジャックから話を聞くことになった。
584全5レス:2008/05/11(日) 20:27:33 ID:???
気を利かせたポコポンは厨房を拝借して飲み物を持ってくる。
しかしジャックはそれには一口も手を着けずとつとつと語り出した。
ジャック「全部、僕が悪いんだ……僕が軽率だったから。魔王を甘く見てた……」
もんきち「飲み物でも飲んで、落ち着くでござる。一体、何が起こったでござるか?」
ジャック「僕の裏切りが魔王に知られた。……いや、別に裏切った訳じゃないんだ!
    だって僕は元々彼等の味方って訳じゃなかったんだから! 
    でも魔王はそうは思わなかった。僕が世界中を旅していて、
    ハロウィンタウンからいない間にそれは起こった……」
真っ白な顔には、元より血など通ってはいない。
それでも彼の顔から血の気が引いているのがわかる。
彼は戦慄していた。
ポコポン「つまり、魔王に報復されたってことだね?」
気が引き締まったからか、口調が変わるポコポン。
罰丸「んでー、一体何されたんだ? おネズミさまによ」
ジャック「……にされた」
喉から絞り出した蚊の鳴くような細い声で、ジャックは話す。
罰丸「あ? 聞こえねーよ」
もんきち「こら、罰丸!」
そんな二人のやりとりなどまるで聞こえてないようにジャックは再び言った。
ジャック「町のみんなを……にされた」
罰丸「だーかーらー、もっとデカい声でハッキリ……」
ジャック「町のみんなを、バラバラにされた」
585マロン名無しさん:2008/05/12(月) 19:02:57 ID:???
投下報告age
586マロン名無しさん:2008/05/12(月) 21:28:45 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
587マロン名無しさん:2008/05/12(月) 21:30:31 ID:???
          __               ,....-─-、
       /::::::::::::::::::::ヽ、            /:::::::::::::::::::::::ヽ
       /:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ         /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l           l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l        l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
     l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_,.......-;,==-...ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::/     `ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
      ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/   / ̄  ヽ/⌒ヽ:::::::::::::::::/
      ヽ、:::::::::::::_/::::::::::::/   /        ⌒ ヽ¬−'´
          ̄ /:::::::::::::::::l      /⌒ヽ         l:|
           l::::::::::::::::::l      .l     l  /⌒'l  l:l
           l::::::::::::::::::l     l _  l   l   l  l:l
           l::;, -ー 、::l       |l´::::l l   レヽ l .l:l
           /     ヽ     l::::::ノ_/__ |:::::l,/  l::l 
          l       _       /`フ::::: ̄`ヽ< ∠く
            l    ̄|          〈:::::::::::......:::/ _   l
            ヽ    ヽ       `ー-─ ´ ,/) ./
             \    \、          /  /
              >. .、_、 ヽ.ー-....____/  /
              ヽ: : : : :ヽ  ヽ ̄ヽ丶//.イ
                 ヽ、: :__ヽ `ー- ´/: : : イ
               l  ̄: : : : : 7フ 7: : :`´: :l
                 l: : : : : : / ̄  ̄ヽ: : : :/
               ヽ ___/    
588マロン名無しさん:2008/05/13(火) 16:02:57 ID:???
乙です!な…なんか魔王に先を越されてしまった
クリスマスのイベントが終わったからハロウィンタウンの
人たちはバラバラにされちゃったという事でOK?

ハンギョドン…良かったな
589マロン名無しさん:2008/05/14(水) 00:06:36 ID:???
多分おk。実に半年以上前の伏線でした

というか、実際にやるなよ魔王…
590マロン名無しさん:2008/05/14(水) 00:45:58 ID:???
乙です!
爆笑なさる鬼帝様に恐れ多くも萌え……
591マロン名無しさん:2008/05/14(水) 01:38:55 ID:???
魔王がwwwwwwwwwwww
592マロン名無しさん:2008/05/14(水) 17:53:49 ID:???
魔王の影が出てくると話がどんどん暗い所へ向かっていくな
593マロン名無しさん:2008/05/14(水) 20:55:50 ID:???
PJの表紙で鬼帝様が素晴らしくセクシーな御姿を晒しておられる。
素敵です鬼帝様…!
594マロン名無しさん:2008/05/15(木) 17:50:58 ID:???
見た見たw水着のやつだよな?
フロリダで撮ったのか鬼帝様w
595マロン名無しさん:2008/05/16(金) 21:12:08 ID:???
あげ
596マロン名無しさん:2008/05/17(土) 03:00:56 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
597いつもの人:2008/05/18(日) 22:05:25 ID:hjZNDpTj
業務連絡

申し訳ないです…また体調を崩してしまいました…
時間があれば今週中に落とせるかもしれないし無理かもしれません
どうか気を長くしてお待ちください。雑談などしていただければ幸い…それでは
598マロン名無しさん:2008/05/19(月) 05:15:46 ID:???
>>597
了解です、あまり気にやまずに^^
ゆるゆると続きをお待ちします

魔王は怖いけどハニワはちょっとかわいく思えてきた
保守してるし
599マロン名無しさん:2008/05/19(月) 16:49:28 ID:Q1DIp2UJ
エリア88スレと聞いてとんできました
600マロン名無しさん:2008/05/19(月) 18:06:45 ID:???
●●
. ●<ハニワジャネーヨ!
601マロン名無しさん:2008/05/19(月) 22:17:35 ID:???
>>599
戦争してるからある意味では間違いじゃないw
でもそっちのミッキーはいいやつだぞw
602マロン名無しさん:2008/05/20(火) 01:47:55 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
603マロン名無しさん:2008/05/20(火) 09:41:54 ID:???
鬼帝さまが観光大使になられたらしいな
アジアの方から攻めるおつもりか
604マロン名無しさん:2008/05/21(水) 21:18:02 ID:???
地震やサイクロンで苦しむ人々を救うために鬼帝様が裏で暗躍されているのだ
605マロン名無しさん:2008/05/22(木) 19:01:46 ID:???
鬼帝様、愛して……いえ、お慕いしております
606マロン名無しさん:2008/05/23(金) 21:36:39 ID:???
久しぶりに強さ議論しよーぜ
と言ってもまだまともに闘ってないキャラも多いから
雰囲気とか口調で判断したりだが
607マロン名無しさん:2008/05/23(金) 22:27:12 ID:???
たぁ坊の実力に期待してる。
イメージでは短髪で包帯と眼帯の怪我キャラ。
怪我を負いながらもマロンクリームを守るぐらいの力はありそう。

マロンかわいいよマロン
608マロン名無しさん:2008/05/24(土) 12:23:45 ID:???
ポコポン>もんきちは問題ない
では相手が罰丸の時はどうか。幻術で勝つかパワーで押しきるか

あとジャファーvsポコポンって結構いい勝負になりそうな気はするんだがどうよ
609マロン名無しさん:2008/05/25(日) 10:38:59 ID:???
>>607
それなんて綾波?
610マロン名無しさん:2008/05/26(月) 21:48:00 ID:???
おいww
611マロン名無しさん:2008/05/27(火) 18:05:21 ID:???
わろた
612マロン名無しさん:2008/05/27(火) 19:48:57 ID:???
613マロン名無しさん:2008/05/27(火) 20:36:42 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
614マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:44:07 ID:???
      :
.   :  ..::::..  
   .:.  ::
 ...: . :...
   :::         ,.- ..,                  :
.   :        ,゙   ゙ ' ‐ ‐ ‐/⌒ヽ' ' ゙ ',    ..:::..
.     ∧     :          .! ,.γ⌒ヽ ;    ::
    <  '7   ,'゙        ゙'‐-ヘ,   ノ.,⌒)
     レt-! . ,’            〜 ^ヾ_ノ
       !‐‐┼-                  ;
       !‐┼-   ●       ●  ー┼-
         !.‐十      ○       ‐┼-
        ,.!- ヽ、             ゙メ、
        ',.と   ゙ ッ‐,- ... ,,_,,:n‐ッ, ‐ ' ゙
.          ` !、  ./  ゙' -∠ィ^'゙    ゙ヽ、
           `.7 .,‐^- 、  ゙ヽ、    i
   ..::..      ノ   ι、r'     ヽ、,._ノ
.     ::       ,∠..,,_     ゙         >   .:.
          ` ''! ゙ヽ.,, _ _     , イ   ...:: ::...
                ヽ、  ヽ、  ̄  ,ノ    :: ::
               ゙ ' ' ゙   ゙ ' ' ゙     :  :
                            ..: :..
                         ::
                             :
615ネタ師:2008/06/01(日) 23:37:29 ID:xsZ5vmcJ
連絡遅れて申し訳ない…
最近仕事が忙しくて、土日にしか書けない状況です
しかも土日に用事が入ったりしてしまうと非常にキツイ
今更正作業中なのでもうしばらくお待ちをば…

ああ、せっかく毎週日曜日な感じで投下できてたのに…
とりあえず退屈しのぎこんなものを作ったので落としておきます
616一覧表(燦理雄軍):2008/06/02(月) 00:12:51 ID:???
1974鬼帝
1975マイメロ
1978サム
1982ゴロピカドン、ザ ポードビルデュオ(エディ&エミィ)
1984ハンギョドン、ター坊、ザ ラナバウツ、ねずみ小僧
1985マロンクリーム
1986ポコポン
1987ケロッピ
1989ペックル、ポチャッコ、るるる学園
1991もんきち、ペッピー
1992コッコ、ウィーアーダイナソアーズ(ティラン、ブラッキー、ステガ)
1993罰丸
1996プリン
1999新幹線
2002シナモン、ポー

以前にも書いたかも知れませんが燦理雄軍は大体年功序列順です
ケロッピだけ例外。だから時々こうやって年表を貼った方が
上下関係がわかりやすくていいかもしれませんね
617一覧表(泥須尼異軍):2008/06/02(月) 00:21:44 ID:???
1928 御津忌異、魅尼異
1930 プルート
1932 寓不意
1934 怒鳴土
1943 チツプ&デェル
1959 マレフィセント
1966 プー
1989 アースラ
1991 ガストン
1992 ジャファー
1993 ジャック
1994 スカー
1997 ハーデス
1998 トイ・ストーリー

泥須尼異軍のキャラ年表です。現役・元は区別していません
こちらは順位は完全にバラバラですね。力ある者が上位にという感じです
…ただ、ガストンは実は先輩だったのですね。今気付きました
知らなかったとはいえ後輩達にコケにされまくってちょっと可哀相かも…

燦理雄は人気キャラが生まれる年が偏っているのも特徴ですねー
もし漏れがあったらご指摘よろしく。では
618マロン名無しさん:2008/06/02(月) 00:44:52 ID:???
職人さん乙です。ゆっくり待ってるので無理しないでね
マイメロってほんとに最古参だったんだなぁ……
そういえば昔は鬼帝様の次に見かけた気がする

>>614
鬼帝様が降臨なさった……
619マロン名無しさん:2008/06/02(月) 01:00:19 ID:???
業務連絡乙です。
了解したでアリマス。

あー、昔ハンギョドンのうちわとか持ってた筈なのに
いつ無くしちゃったんだっけなあ〜…
燦理雄には子供の頃の思い出がいっぱいだ…
620マロン名無しさん:2008/06/02(月) 21:14:43 ID:???
ニコ動画に戦時中のミッキーアンチ動画があがってて糞わろた

桃太郎や浦島太郎がミッキーと戦うモノクロ映画
621マロン名無しさん:2008/06/02(月) 23:28:00 ID:???
マジでか?タイトルなに?
622マロン名無しさん:2008/06/03(火) 00:57:37 ID:???
>>620
kwsk
つか桃太郎はいいけど浦島太郎は何で戦うんだ?
623620:2008/06/04(水) 01:06:43 ID:FxM2oSVl
キーワード「ミッキーが侵略してくるアニメ」で検索

つーか、ここの住人が考えているようなことを既に戦前の日本人が編み出していた、という事実w
624マロン名無しさん:2008/06/04(水) 01:12:07 ID:FxM2oSVl
間違えた「ミッキーが侵略して来るアニメ」な

ほか「アニメ史」タグで検索するとおもろいの出るよ
625マロン名無しさん:2008/06/04(水) 22:27:38 ID:???
情報提供トン!

ニコニコに結構古い貴重なアニメがあがってるね
デニーまであったのは驚いた。今見漁ってるよ。魔王テラ凶悪www
626マロン名無しさん:2008/06/06(金) 08:07:36 ID:???
その動画を見てる時、ちょうど魔王のアップで画面が止まった
超怖かった。しばらく様子を見てたらブツッという音がして再起動した

パソコン壊れたかもしれん、と二重の恐怖だったよ…
627マロン名無しさん:2008/06/07(土) 13:44:57 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
628マロン名無しさん:2008/06/07(土) 16:16:46 ID:???
●<ぼくどらえもんです(cv: nobuyo oyama)
629マロン名無しさん:2008/06/07(土) 20:12:11 ID:???



                       ?!
630いつもの人:2008/06/08(日) 22:11:32 ID:W0TVMzH5
みなさま、大変長らくお待たせいたしました
お詫びといいますか、今回はスペシャル版をお送りします
長いです。魔王も出てきます。しかも初の直接対決となります
この場面は大変難しくて何度も書き直しました。特に魔王ですね
基本的に魔王軍のメンバーはいつもこちらを悩ませてくれますw

それでは、全8レスお楽しみいただけたら幸いです。どうぞ
6311/8:2008/06/08(日) 22:12:29 ID:W0TVMzH5
第二十八話 邂逅

ジャック「町のみんなを、バラバラにされた」
罰丸「……は?」
シィィィン。
一瞬、その場を静寂が包んだ。
もんきち「それはどういう……」
ジャック「言葉の通りさ。みんなバラバラに切り刻まれて、埋められた──」
ポコポン「ムゴい……」
あまりの衝撃にポコポンは片手で顔を覆い、もんきちは目を伏せる。
罰丸だけがきまり悪そうにまだ温かいコーヒーの表面を凝視していた。
ジャック「でも、まだ生きてる。生きてるんだ。ハロウィンタウンの住民は
    人間界でいうお化けや妖怪に当たるから、ちょっとやそっとじゃ死なない。
    それこそ灰になるまで焼くか粉々にでもしない限り。
    だから僕は、みんなを助けようとした。……けれど、駄目だったんだ。
    もはや泥須尼異乱土の中に入ることも出来ず、僕は当てもなくさまよった。
    そして、気が付いたらここにいたんだ──」
そこで一度言葉を切り、ジャックは立ち上がって両手をテーブルについた。
ジャック「虫のいいことだとはわかってる。でも、もう君達しか頼れないんだ!
    どうか、一緒に僕の仲間を助けてほしい。お願いだ!
    もし手伝ってくれたら、僕の全身の骨全てを燦理雄に捧げよう。頼む……」
罰丸「んなこと言われてもな……」
気まずげに目を伏せる罰丸。もんきちも申し訳なさそうに言った。
もんきち「拙者達は軍の人間。確かに気の毒だとは思うでござるが、
      命令もなく勝手に動く訳にはいかないでござるよ」
ジャック「うん、そうだよね。ごめんよ、迷惑をかけてしまって。
    誰かに助けてもらおうなんて甘い考えだった。じゃあ、また……」
ゼロ「キューン……」
気を落とすジャックの顔をなめて慰めるゼロ。
6322/8:2008/06/08(日) 22:13:37 ID:W0TVMzH5
かける言葉もなく、そのまま去ろうとしたジャックをポコポンが呼び止めた。
ポコポン「待って! 君はもう泥須尼異とは完全に縁が切れたんだろう?
     なら、うちに来ればいいんじゃないかな? 仲間になって
     泥須尼異と戦えば、君の友人を救うチャンスもあるかもしれない」
もんきち「それはいいアイディアでござるな!」
盛り上がりかけた所に、ぼそりと罰丸が水を差す。
罰丸「でもよ、ケロッピのやつはなんて言うかな。あいつ厳しいからな」
ポコポン「そこが問題だすな……おらは幹部でも一番下だから、
     実質あまり発言権はないだす。それに……」
少し言いよどむ。だが、黙っていても仕方がない。ポコポンは正直に言った。
ポコポン「もしケロッピに何か言われたら、おらは反論出来ない」
もんきち「ま、まあ言ってみないとどうなるかはわからないでござるよ。
      拙者達三人が見張っていれば問題ないでござるし」
ポコポン「なるようになれ、だすな」
罰丸「しゃーねーな。じゃ、とりあえず連れてくだけ連れてってみるか」
ジャック「……すまない。本当に感謝する」
こうしてジャックとゼロを連れ、彼らは燦理雄本部に入って行った。

場面変わり、フロリダの海岸。
さっぱりとした表情のハンギョドンと鬼帝が波打ち際に立っている。
鬼帝「さて、思い残すことはもうないな? 帰るぞ」
ハンギョドン「鬼帝様、ありがとうござもした」
二人がその場を離れようとした、その時だった。
「!!」
海の向こうの、西方の空を見つめる。
6333/8:2008/06/08(日) 22:14:56 ID:W0TVMzH5
ハンギョドン「離れておってもはっきりわかるこんの気配……魔王!
      魔王が、こっちに向かってきておる!!」
鬼帝「…………」
魔王はまだ遥か彼方にいるので姿は見えない。
しかし魔王の姿を捉えるように、鬼帝は目を細めた。
ハンギョドン「鬼帝様、どげんなされますか?」
鬼帝「……ハンギョドン、お前は先に戻っていろ」
ハンギョドン「鬼帝様?!」
何か言い募ろうとしたハンギョドンを鬼帝は目で制す。
鬼帝「私は大丈夫だ。心配するな。先に行って待ってろ」
ハンギョドン「あなた様がそげん風に言うなら、何か考えがあるんでござましょう。
      おいどんは先に参りますゆえ、本部でまたお会いしましょうな」
そう告げてハンギョドンの姿はそこから消える。
鬼帝「魔王ミツキィ……」

その頃、エアフォースワンばりの豪華な内装を持った一機の中型飛行機が
フロリダに向けて成層圏を超音速で飛行していた。
機体には大きく赤い文字で『Disn○y』と、洒落た字体で書かれている。
そしてシンボルマークの三つの黒い●がデカデカとプリントされていた。
魅尼異「あはんv いよいよフロリダの古巣に帰れるのね。久しぶりだわぁ」
御津忌異「そうだね。僕の帝国は上手くやってるかな」
グラスに入ったワインを愉しみながら二人は談笑している。
寓不意「違うよミツキィ。帝国じゃなくて、王国だろぉ?」
御津忌異「……ああ、そうだったね。ハハッ」
その時、御津忌異は何かに気が付く。仰々しく窓を覗き込んだ。
御津忌異「おーやおや、お客さんだぁ」
6344/8:2008/06/08(日) 22:16:32 ID:W0TVMzH5
魅尼異「どうするのん? 攻撃しちゃう?」
御津忌異「手を出してはいけないよ。あれは僕の獲物だからね」
スッと何かが抜ける気配。

いつの間にか雲の上に、御津忌異は立っていた。
果てしない青と白の世界の果てに、誰かが立っている。
──絶対的な白い存在感。それは鬼帝であった。
彼女は白く長い髪をたなびかせてこちらを見ている。
対極的に黒い短い髪を手で撫でつけながら、御津忌異は彼女に話しかけた。
御津忌異「やあ、久しぶりだね! 元気だったかい?」
鬼帝「……ああ」
友人に話しかけるように御津忌異は気軽に声をかける。
本来なら声など届く距離ではないが、二人の会話は何故か成立していた。
御津忌異「以前会った時はまだ子供だったというのに、
      時が経つのは早いものだ。そうは思わないか?」
鬼帝「…………」
一方の鬼帝は、魔王の強烈な魔の力を目の当たりにしていた。
鬼帝(なんという、強大無比な魔。底のない闇……これほどまでにか)
御津忌異「大人になって、綺麗になったね」
鬼帝「何が狙いだ?」
魔王の本心のわからない言葉を無視し、鬼帝は鋭く問い掛ける。
鬼帝「お前の好きな金と権力はもう十分手に入れただろう。
    世界は実質、日本の一部を除いて全てお前の手に入ったも同然だ。
    地位も名誉も欲しいままにし、お前はこれ以上一体何が望みだ?」
魔王は、魔王と呼ばれる男は、その質問を予測していた。
そう聞かれるのを待っていたようにすら見えた。
彼は言う。しかしその顔にいつもの笑みは見えない。
6355/8:2008/06/08(日) 22:17:28 ID:W0TVMzH5
御津忌異「── 魔 王 は 時 を も 支 配 す る 。
      覚えておくといい、僕が望む物は不変。魔王とは永遠の存在」
鬼帝「それは一体どういう意味だ?」
今度は鬼帝が無視される番だった。魔王はいきなり話の腰を折る。
御津忌異「君は赤が似合うね」
鬼帝「?!」
御津忌異「大人になって綺麗になったが、服は昔着ていた赤い方が似合う」
鬼帝(いつ、の間に……)
何百メートルも離れた場所に立っていたはずだった。
その魔王が、今鬼帝の真後ろにいる!
魔王の白い手袋を嵌めた指先が、鬼帝の髪に触れた。
御津忌異「服も、この白い髪も、肌も、僕が全部赤く染めてあげよう」
魔王の指先が鬼帝の両頬を撫でる。恐ろしいくらいに優しく。
鬼帝(冷、たい……)
手袋ごしにもかかわらずその手は冷たかった。まるで氷人形のようだ。
鬼帝(ここは精神世界(イメージ)だ。斬ろうが突こうが真のダメージにはならない。
    しかし、何故ここまで殺気を押さえられる……何故穏やかでいられる?!)
長年の宿敵が目の前にいるというのに。
鬼帝「何故、何もしない?」
憎くない訳がない。鬼帝の家族の自爆によって一度死んでいるのだから。
現に鬼帝は魔王が憎い。憎い。心の底から、憎い。
宿敵とは、本来そういうものなのだ。
御津忌異「さあ。なんでだろうね」
魔王が何もしてこないのが、かえって不気味だった。
 実のところ、このような状況にも拘わらず、魔王が本気で攻撃してきたら
彼女に対応出来る自信はあった。もし魔王が彼女に危害を加えようと思ったら、
そう思った瞬間に彼女は迎撃できるだろう。
背後をとられていようがいまいが、それはあまり関係ない。
6366/8:2008/06/08(日) 22:19:03 ID:W0TVMzH5
鬼帝(駄目だ。コイツ、攻撃する気がまるでない。動、けない……)
そもそも普段の彼女ならば、少なくとも敵に背後をとられるようなことはない。
……通常ならば。では、何故今背後を取られているのか。
鬼帝(水のようだ。確かにそこに在るのに、存在を感じない──)
それでいて、在るだけで生命を奪わんとする。
息が止まりそうな緊張の中、鬼帝は震える右手を動かし、魔王の手に重ねた。
ああ、冷たいと彼女は口の中で呟く。ゆっくりと、静かに目を閉じた。
男は、ほんの微かにだが口角を吊り上げる。
ひとしきり楽しんだ後、御津忌異は背後に飛び去りながら高らかに笑う。
御津忌異「ああ、次に闘り合うのが楽しみだ。
      ハハッ! ハハッ! ハハハハハハハハッ!!」
鬼帝はバッと振り返り、彼が消えていくのをただ見送った。
そして、再び彼女の意識はフロリダの海岸へ。海も空も相変わらず穏やかである。
鬼帝「っ……!」
しかし、唐突に彼女は気分が悪くなり──突っ伏して嘔吐した。

魅尼異「おかえりなさい。どうだったん?」
ジェットの中で、魅尼異が御津忌異の顔を覗き込んでいる。
御津忌異「フフッ、女の子に会ったから気になるのかい?」
魅尼異「それはあまり関係ないわね」
意外なほど淡白に返す魅尼異。だが御津忌異はさほど気にとめない。
御津忌異「かわいくないな。嫉妬くらいしてくれないと」
魅尼異「その方がいい?」
御津忌異「そうでなくちゃ面白くない」
魅尼異「そう。じゃあ嫌」
ツンとする彼女に、彼は冷めた笑いを返す。
6377/8:2008/06/08(日) 22:20:34 ID:W0TVMzH5
寓不意「ねえ……僕の存在忘れないでほしいんだけどなぁ」
???「そうだよねぇ。二人の世界に入らないでこちらの相手もしてくれないと」
黄色い大きな熊がニコニコしながらもしっかり釘を刺す。
御津忌異「おや失礼、二人とも」
寓不意「あれ? プーさんいつからいたんだい? 気が付かなかったよぉ」
プー「フフ。僕はいつでもいるよ、どこでもいるよ」
黄熊は微笑んだ。
プー「わざわざ日本にいる僕を呼び寄せたんだ。面白いものを見せてくれるんだよね?」
含みを持たせて問い掛けるプーに、魔王は楽しげに返した。
御津忌異「勿論さ」

燦理雄軍本部、地下にある捕虜取り調べ室。
エディ「連れて来たぞ」
ケロッピ「よくやった。二人とも」
両手を後ろに組み、ドッシリ構えたケロッピと勢揃いした幹部が二人を迎える。
ケロッピ「チツプとデェルだったな。末席とはいえれっきとした幹部。
    泥須尼異も随分思い切ったことをする……」
   (しかし幹部を鉄砲玉にして敵軍の本拠地に突っ込ませるなど、
     いつもの将軍らしくない。裏があると見るべきだろう。何か聞き出せるか)
考え事をしているケロッピの横では、サムが忌々しげに話していた。
サム「わざわざ幹部を使うということは、駒が溢れているか足りないかのどちらかだ。
   泥須尼異に限って駒が不足するということはないだろう。フン、大した余裕だ」
ラナバウツ「しかし相手は仮にも敵軍の幹部。丁重に扱わねば」
エディ「その必要はないと思うけどね……」
ぼそりと独り言を言うエディ。エミィだけが心の中で同意している。
ケロッピ「さて、ではこの檻の中に奴らを出してくれ」
そう言ってケロッピは机の上に置かれた鳥かごのようなものを指し示す。
6388/8:2008/06/08(日) 22:21:38 ID:W0TVMzH5
そのかごを一瞥してエミィが呟いた。
エミィ「……随分強力な魔封じをかけたのね」
ケロッピ「念のため、だ」
エディ「まあ備えあれば憂いなしって言うしな。じゃ、出すぞー」
カメラの後ろの部分のフタを開け、かごの中にチツプとデェルを叩き出す。
回転しながらベチャッと落ちた二匹。
チツプ「イッタイなー!」
デェル「暴力はんたーい」
二匹が上を見上げると、そこには敵の幹部が勢揃いしていた。
チツプ「え、えっとー……(汗)」
デェル「……タラー;;」
二匹は敵軍幹部達の視線から逃れるように頭を抱えてうずくまった。
サム「本当に、こいつら幹部なのか……?」
エディ「だろ? だろ! 俺もスッゴい疑問な訳だよ」
ケロッピ「油断するな」
幹部一同が呆れかえっている中で、ただケロッピだけは相変わらず怖い顔をしている。
そしてもう一人。
エミィ「…………」

とにもかくにも、取り調べは始まった。
639マロン名無しさん:2008/06/08(日) 23:24:31 ID:???
子供の頃、CMだかなんだかで

「ミッキーとお風呂に〜♪」って歌が流れていた気がする
たぶん、シャンプーかお風呂で遊ぶおもちゃのCMだったのか?

子供心にものすごく怖かった記憶がある
640マロン名無しさん:2008/06/09(月) 16:06:05 ID:???
鬼帝様ああああああああああああ
641マロン名無しさん:2008/06/09(月) 20:09:28 ID:ycafG5pX
でつ
642マロン名無しさん:2008/06/09(月) 20:50:19 ID:???
日本オワタ\(^o^)/
643マロン名無しさん:2008/06/09(月) 21:40:19 ID:???
>>641
すぬーぴー参戦?
644マロン名無しさん:2008/06/09(月) 22:48:20 ID:???
ディズニーは著作権に非常に厳しくミッキーの絵を描いたら巨額の賠償金を
支払わされるもしくは捕まる、というのは都市伝説。
ディズニーは本当はそんなに著作権に厳しくない。
645マロン名無しさん:2008/06/09(月) 22:53:44 ID:???
スヌーピーだったんか。よくわかったな
ちなみに知ってるかい?スヌーピーはサンリオと提携してるんだぜ
646マロン名無しさん:2008/06/10(火) 00:34:43 ID:???
鬼帝様に何をしたんだあぁぁ
647マロン名無しさん:2008/06/10(火) 08:23:34 ID:???
鬼帝様完敗か
こりゃ燦理雄軍壊滅も遠くないな…

いまのうちに泥巣新居に寝返っとくか
648マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:09:58 ID:???
ミッキー!  ミッキー!
649マロン名無しさん:2008/06/13(金) 21:15:53 ID:???
サーバ復帰記念あげ

魔王のせいかとおもたよ
鬼帝様はこれからどうなってしまうのか…
650マロン名無しさん:2008/06/14(土) 11:08:46 ID:???
♪チャンチャラチャンチャン チャンチャララララララ
651マロン名無しさん:2008/06/14(土) 13:54:26 ID:???
>>646
何って、そりゃあ、レイ(ry
トムとジェリーの例にあるように、マンガやアニメでは猫の方が弱く描かれるのはお約束だからな

でもミッキーのささくれた心を貴帝の母性が溶かしほぐすという展開も見てみたいが。
652マロン名無しさん:2008/06/14(土) 18:22:24 ID:???
魔王は恐るべきテクニックを持ってそうだな
なんにしろ鬼帝様の白い肌をなでなでするなんて許せん!

代わりにその役は俺がry
653マロン名無しさん:2008/06/15(日) 01:19:43 ID:???
魔王と魔王妃はラブラブかと思ってたが、意外と冷えてるような気がするのは自分だけ?
654マロン名無しさん:2008/06/16(月) 02:20:44 ID:???
>>653
「永遠の恋人同士」のはずなのになww
でもなんかこっちのほうが萌えた、腹の探りあいみたいな感じで
655マロン名無しさん:2008/06/16(月) 08:24:42 ID:???
鼠の化かし合いか
さて、どっちがうわ手かな
656マロン名無しさん:2008/06/17(火) 18:56:08 ID:cEqKLRAM
汽艇ちゃんの上手投げで
ミッキーのふんどしぽろりのハプニングが
657マロン名無しさん:2008/06/18(水) 18:06:28 ID:???
実はどらえもんの耳をかじったねずみの正体はミッ




あれ、誰か来た
658マロン名無しさん:2008/06/18(水) 22:50:42 ID:Fi3Ey+Wg
成程、究極の青狸を封印したのは魔王か!
熊のプーも偽物にすり替えられてるし、奴の悪行はとどまることを知らないな
659マロン名無しさん:2008/06/19(木) 20:38:14 ID:???
age
660マロン名無しさん:2008/06/21(土) 22:56:18 ID:???
落ちた?
661マロン名無しさん:2008/06/21(土) 22:59:15 ID:???
ああービックリした!検索してもhitしないから落ちたかと思ったよ
ニワンゴでスレ検索したら見つかったけど
やっぱこまめにageなきゃダメだな
662マロン名無しさん:2008/06/22(日) 15:38:35 ID:N5DVeHDF
今やっと全部見た。
職人さんGJ!続き楽しみにしてます
663マロン名無しさん:2008/06/23(月) 00:09:35 ID:???
最近になって現れた短パンマンは実は魔王なんじゃないか?
6641/4:2008/06/24(火) 22:39:42 ID:JO41WeTE
第二十九話 チツプとデェルは大のイタズラ好きである

サム「まず聞きたいのは、今回お前達に命令を出したのは誰かだ。
   魔王か、それとも黄熊のプーか別の誰かか?」
チツプ(どーする?)
デェル(このくらいは答えてあげようよ)
素早く相談する二匹。
チツプ「ふふん、違うよーんだ。今回僕達に頼んだのは怒鳴土だよ」
サム「なに、怒鳴土将軍が?」
想定の範囲内とは言え、やはり直接聞くと少し意外だった。
デェル「そうだよ。しかも命令だなんて失礼だなー。僕達は怒鳴土に
    どうしてもって頼・ま・れ・たから仕方なく来てやったんだぞ」
どうしてもと頼まれたをやたら強調するデェル。
チツプ「そうそう。それにしても怒鳴土のやつ、燦理雄の評価高いんだなぁ」
感心している能天気な二匹に、呆れを通りこしてもはや怒りまで湧いてくるサム。
サム(こんな奴らに俺達は苦労させられているのか)
  「……諸君等泥須尼異は、組織としては全然なっていないようだ」
チツプ「だって僕達軍隊じゃないし。キャハハハハ」
サム「誰か、代わってくれ……」
甲高い耳障りな笑い声に、サムはすっかり参ってしまった。

場面変わり、執務室で机に向かっている怒鳴土。
すぐ横にはエンジ色のスーツを着こなし、
キリッとした表情の短髪の女性が立っている。
6652/4:2008/06/24(火) 22:42:44 ID:JO41WeTE
長い睫が特徴で少し吊り気味の美しい目を伏せ、彼女は心配そうに言った。
女性「あなた最近、部屋に篭もってばかりね」
いつもは輝いているはずの大きな瞳は、今日は憂いで曇っている。
声の裏には、何故こんな仕事まで彼がやらなければいけないのかという、
非難に近い感情が含まれていることを怒鳴土は即座に見抜いた。
怒鳴土「俺は本当はデスクワークはあまり得意じゃない。
     しかし、俺がやらなければ他に誰があの烏合の衆を
     まとめられるんだ? それに俺は司令官だ。
     軍のことは細部にわたって知っている必要がある」
デイジー「そうね……」
将軍の最愛の女性・デイジーは力無く同意した。
更に怒鳴土は、恋人を諭すように静かに、それでいて力強く続ける。
怒鳴土「俺がやらなければいけないんだ。さもないと……
     泥須尼異は御津忌異達を残して全滅するだろう」
デイジー「解ってる。あなたはみんなのために頑張っているのよね。
     だから私は、あなたをとめない──」
怒鳴土(偽善だ)
デイジーの横顔を見ながら、怒鳴土は自嘲した。
怒鳴土(みんなのため、そんなことは大義名分に過ぎない。
     戦をすれば誰かが傷つく。敵の兵士は数え切れないほど死に、
     女子供も巻き込まれる。味方にも、多かれ少なかれ犠牲は出よう)
顔にはけして出さず、怒鳴土は書類に目を通し続ける。
怒鳴土(そのことを知らないのならば仕方がない。
     だが、俺は知っている。そして知っているのにやめない。
     結局の所、俺は友のために、ひいては自分のために戦っている)
ほんの微かに、署名の最後が乱れた。
怒鳴土が黙り込んだために、デイジーは話を変える。
6663/4:2008/06/24(火) 22:44:23 ID:JO41WeTE
デイジー「そういえば、今チツプとデェルを潜入させてるんですってね。
     敵の本陣にあの二人だけで大丈夫かしら?」
怒鳴土「問題ない。昔から散々俺の手を焼いてきたあいつらだ」
デイジー「でも、少し遅くない? あの二人ならあっという間に
     行って帰ってこられると思うのだけど」
彼はデイジーの顔を見上げ、ニヤリと笑う。
怒鳴土「なに、あいつらのことだ。きっと遊んでいるのだろう」
そして、彼はそれ以上は気にせず再び作業に没頭した。

燦理雄軍。第二ビル、地下二階。
ペースを乱されて頭を抱えたサムの代わりにラナバウツが代打に立つ。
ラナバウツ「狙いはなんだ? まさかお前達だけで
     この基地を壊滅しようという訳ではあるまい」
チツプ「さあーね〜」
デェル「秘密だよーん」
とぼける二匹にラナバウツは尚も聞く。
ラナバウツ「狙いは基地か、ミミィ様か、それとも裏切り者の処分にか?」
チツプ&デェル「裏切り者だって?!」
今までとはうって変わって二匹は驚き大きく反応する。
ケロッピ「ラナバウツ、余計なことを言うな。
    捕虜とはいえ言って良いことと悪いことがある」
ラナバウツ「す、すまない」
ケロッピの牽制に慌てて引き下がるラナバウツ。
しかし二匹はますます興味を持つ。
6674/4:2008/06/24(火) 22:46:06 ID:JO41WeTE
チツプ「ねえ、そういえばさあ、さっきどこかで見覚えのある顔見なかった?」
デェル「見た見た。あいつら、トイ・ストーリーだっけ?」
デェル「捕虜か何かだと思ったけど、あいつらみんなを裏切ったんじゃ?!」
チツプ「た、大変だ! 帰って怒鳴土に知らせなきゃ」
ティラン「だが、残念ながらそれは出来ないぞ」
厳然と幹部達は二匹に言い放った。
エディ「お前等、自分達が今どんな状況なのかわかってないのか?」
ラナバウツ「諸君等は今、我々によって捕虜となっている」
ステガ「そう簡単には逃げられないよ」
デェル「知ってるよーそんなこと」
エディ「あのなぁ……」
もはやなんと言えばいいかもわからない。
チツプ「でも、伝えなきゃいけないんだ」
エミィ「あなた達の気持ちも良くわかるわ。でもね……」
同情の眼差しで優しくエミィが説明しようとする。
それを遮って二匹はイタズラっぽく目を細めてお互いの顔を見る。
チツプ「どうするデェル?」
デェル「もういいんじゃないチツプ?」
サム「何がだ?」
二匹は幹部達に向き直った。そして叫ぶ。
チツプデェル「捕虜のフリさ!」

カッ!

まばゆい光が辺りを包んだ。
668いつもの人:2008/06/24(火) 22:53:17 ID:???
ただいま投下ペースを模索中
とりあえず、元からそんなに高くないクオリティをこれ以上
下げるわけにはいかないので、一回分の量を昔のように
4レスくらいにして細かく落として行ければいいかと思っています

拙いSSを読んで下さっている人にはご迷惑をおかけして申し訳ない
楽しんでくれる人が一人でもいる限りこれからも頑張って続けます。それでは。
669マロン名無しさん:2008/06/25(水) 08:21:34 ID:???
うわ−!職人さん待ってました!!
毎回楽しく見させてもらってます。
無理せずご自分のペースで投下してください。
670マロン名無しさん:2008/06/25(水) 21:53:41 ID:???
投下報告age
671マロン名無しさん:2008/06/25(水) 21:58:14 ID:???
職人さん乙です!
やはりというかけなげなデイジーに萌え
672マロン名無しさん:2008/06/25(水) 22:05:43 ID:???
ここにも一人、ひっそり応援していますよ!
673マロン名無しさん:2008/06/25(水) 22:13:11 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
674マロン名無しさん:2008/06/25(水) 22:16:41 ID:???
何故か魔王も応援してるよ!
675マロン名無しさん:2008/06/25(水) 23:32:03 ID:???
魔王「早く僕が大活躍してサンリオを壊滅するシーンが見たいなぁ。ハハッ」
676マロン名無しさん:2008/06/26(木) 20:11:04 ID:???
チツプとデェルは合体して戦うに2000ペニー
677マロン名無しさん:2008/06/27(金) 18:36:17 ID:???
>>676
すると三本歯の栗鼠になる訳だな?
678マロン名無しさん:2008/06/29(日) 00:13:37 ID:???
デイジーと将軍はやっぱりラブラブなんだな
679マロン名無しさん:2008/07/01(火) 17:52:13 ID:???
ミッキミッキミッキミッキミッキミッキマーウス♪

ミッキマーウス♪ミッキマーウス♪ミッキミッキマーウス♪
680マロン名無しさん:2008/07/01(火) 19:12:56 ID:jo2CpZkD
           ?????
         ????????
           ????????
            ????????
         ????????
  ?????    ?????????
 ???????? ????  ?   ▼?
 ???????????? ?    ? ??
?????????■???┃   ??■ ?     バカにはコピペできないミッキーマウスだよ
 ?■??■??? ?〓  ┃   ?? ??????
         ?  ??       ???   ???
           ??  ???         ┃
            ??  ?????    ???
           ????? ????? ?????
        ???■??????????■????
      ????   ???■■■??  ????
     ?????   ????????????■?
     ??? ? ?????????????? ???
   ??〓? ??? ???????????? ┃ ?
  ???━?  ?? ????????????????
   ??  ?  ??????????????
     ???????????????????
          ???▲??〓???〓?
  ??━??     ?????    ????
??〓???::::??  ?????     ????
??:::: ????::::??????     ????
?::::??::::???? ????  ??????????
 ????:::: ?▲::::??? ?::::??■??::::??::::??
   ????::??▲?::::??????::::?????:::::?
     ?????▼????::::???????::::?◆
         ????▼  ?????〓??〓??
681マロン名無しさん:2008/07/01(火) 21:41:29 ID:???
ハハッ
682マロン名無しさん:2008/07/03(木) 23:25:57 ID:???
スネ夫が千鳥足でスレに迷いこんできた
683マロン名無しさん:2008/07/05(土) 00:36:46 ID:???
ミッキー「お金があるならいてもいいよ。ハハッ」
684マロン名無しさん:2008/07/05(土) 00:55:47 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
685マロン名無しさん:2008/07/05(土) 23:50:22 ID:???
6861/4:2008/07/06(日) 23:02:05 ID:j3FDHSEu
第三十話 Jumpers

カッ!

二匹の体が発光した。と同時に姿が消える。
ケロッピ「……!」
サム「な、なにっ?!」
ラナバウツ「消えてしまった……」
「ここだよ〜ん」
呆気に取られる一同の後ろから声が聞こえる。慌てて全員振り返った。
エディ「お前等、一体どうやって!」
二匹は幹部達の前で平然と仁王立ちしていた。
デェル「キャハハハ、間抜けな顔ー!」
エディ「なんだとっ!」
腰に差した二本の短刀を抜いて構えるエディ。
今にも襲いかかろうとするエディをサムが制止した。
サム「待て。まずは一体どうやって抜け出したのかを聞かなければ」
チツプ「敵に教える訳ないじゃーん。バーカ」
サム「ぐぬぅ! こいつら……!!」
怒りのあまりサムの額と拳に青筋が浮く。
その後ろでは、ケロッピが二匹を冷静に分析していた。
ケロッピ「over dimension 、空間使いだ」
サム「ば、馬鹿な! 『空間使い』だと?!
   こいつらがそんな高度な能力を使える訳がない!」
ラナバウツ「そうだ。我々が扱うより更に多種多彩な空間を知り、
     使いこなせるのは鬼帝様やミミィ様クラス。彼等にそれが出来ると?」
6872/4:2008/07/06(日) 23:04:05 ID:j3FDHSEu
機嫌が悪いのか、吐き捨てるようにケロッピは説明した。
ケロッピ「別に使いこなす必要はないでしょう?
    前線で戦うならいざしらず、ガードの固い敵軍の
    真っ只中に潜入したり脱出したりする程度ならば。
    彼等は空間と空間の間を自由に飛び回るだけの、いわば“Jumper”です」
エディ「証拠はあるのか?」
ケロッピ「空間使いでなければ一体どうやって、僕が魔封じをかけたこの牢から
    抜け出せたというんです? 僕は最強の魔封じをかけたのですよ?」
『……………………』
その時、何かに気付いてエミィが小さく声をあげた。
エミィ「まさか、あの時……」
エディ「どうした、エミィ?」
彼女はつい先程、二匹と戦闘した時のことを思い出す。
エディ「確かに当たったと思ったのに当たらなかった弾。
    あれは私の弾が当たる直前に別の空間に逃げていたのね。
    だから一発も当たらなかったんだわ」
チツプ「へへーん、そうだよーん」
デェル「僕達二人は好きな空間を自由自在に移動出来るのさ」
その時、彼女はもう一つ別の事実に気がついた。
みるみる顔が赤くなったかと思うと、ついには怒りのために青くなる。
エミィ「あなた達! 最初から……最初から全部演技だったのね。
   本当はいつでも逃げられたのに、私達をおちょくるためだけに
   わざと捕まったり、怖がったフリをしたり。ひどいわ……」
デェル「引っ掛かる方が悪いのさ! 敵に安易に同情なんてするからいけない」
チツプ「そうさ。お前達は甘いんだよ」
6883/4:2008/07/06(日) 23:05:23 ID:j3FDHSEu
エディ「なんだと?! お前達……エミィを悲しませてただで済むと思うなよ」
デェル「知らないよ。そんなこと!」
二匹はどこからか、体の大きさに合わない大型兵器を取り出す。
チツプ「ここで死にな!」
シュパパパパパパパパパパパッ!
大量のロケット砲が放たれる。
ラナバウツ「いかん! 多角展開電磁シールド!」
両腕からラナバウツは複数の自律式小型円盤ロボを射出し、
周囲に展開させて電磁フィールドを発生させる。
サム「アイシクルフォートレス」
また同じく、仲間全員を覆うような大きな氷の壁を作り爆撃を防ぐサム。
デェル「キャハハハハハハ! 防ぐのなら建物ごと壊してやるー」
チツプ「僕ら愉快なチツプと♪」
デェル「デェル! あっちでどたどた♪」
チツプ「こっちでバタバタ♪」
デェル「いつも二人で大騒ぎ♪」
チツプデェル「イタズラ大好き愉快な二人組ー♪」
二匹は戦艦に装備するようなミサイル連射装置をいくつも取り出す。
それを見て燦理雄軍幹部達の顔色がサッと変わった。
サム「ま、まずい! あんなものを喰らったら、
   たとえ我々が保っても建物が保たない!」
6894/4:2008/07/06(日) 23:08:16 ID:j3FDHSEu
その時。彼は無言だった。
だが眉間のシワがかつてないほど深くなり、険悪な表情となる。
ケロッピ「…………」

ザパアアアアアアアアアアアッ

突如彼の周囲から膨大な水が溢れ出し、津波が起こった。
幹部達はとっさに踏ん張るが、水は彼等には当たらず
天井から壁まで一気に部屋中を覆い尽くす。
サム「厚さ二メートルの水の壁か。これならば!」
チツプ「どうかなー?! 食らえー!」
数えるのも恐ろしいくらいの、ミサイルが一斉に発射された。
エミィ「きゃあああああ」
エディ「くっ! エミィ!」
とっさにエミィを掴んで自分の体を盾にし、床に伏せるエディ。
防御壁を展開するラナバウツとサムがなんとかこらえようと集中する。
ラナバウツ「ぬおおおおおおおお」
サム「っぐぅぅぅ!」
ドッッガガガガアアアアーン!!!
閃光と爆音が交互に起こり、絶え間なく凄まじい熱風が
その場にいた者全員に容赦なく襲いかかった。
690いつものネタ師:2008/07/07(月) 00:36:45 ID:???
遅くなりました。また以前のように土日投下を目指してるいつもの人です

応援、感想、その他wのレスありがとうございます。とても励みになります
目下の目標は投下時期の固定と、後から来た人のためにまとめサイトを作ることですね
頑張ります。それではまた来週ノシ
691マロン名無しさん:2008/07/07(月) 19:41:08 ID:???
ミーーーッキミッキース〜レ♪

ミッキースレから7時42分のお知らせだよ
692マロン名無しさん:2008/07/08(火) 00:28:22 ID:???
科学の力VS魔法その他
693マロン名無しさん:2008/07/08(火) 01:35:17 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
694マロン名無しさん:2008/07/08(火) 20:13:55 ID:???
age
695マロン名無しさん:2008/07/09(水) 12:26:12 ID:???
このスレの静まりっぷりはあれか?
ケロッピいるし幹部揃ってるしどーせやられる訳ないよwみたいな感じか?
696マロン名無しさん:2008/07/09(水) 20:51:09 ID:???
エミイのひどいわ…になんか滾ったww
いつもの人本当にお疲れ様です
>>695スレが静かなのはミサイル=機械→水に弱いの連想からじゃないかと
697マロン名無しさん:2008/07/09(水) 21:31:01 ID:???
一体なにがたぎったんだw


機械だから水に弱い、か。成程
でもミサイルみたいに表面がコーティングされてるやつはあんま関係ないんじゃ
ないかな。現に爆発してるし。まあどうせ負けるだろうけどw
698マロン名無しさん:2008/07/12(土) 01:22:23 ID:???
ほすあげ
699マロン名無しさん:2008/07/15(火) 22:40:22 ID:???
ハハッ
700マロン名無しさん:2008/07/17(木) 19:36:56 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
701ネタ師:2008/07/18(金) 00:56:39 ID:???
申し訳ありません!
本当は昨日投下する予定だったのですが、どうにもパソコンの調子が
悪くて打ち込みが牛歩の進みです…あと少しなのに
なんとか日曜には投下するつもりです。では業務連絡でした

データ飛ばなきゃいいが…
702マロン名無しさん:2008/07/19(土) 11:07:40 ID:???
いつもご苦労様です!楽しみにしとりますwktk

チップとデェルがむかつきますわw
エデイとエミーがいるならパティとジミーも出る予定はあるのかな−?
703いつもの人:2008/07/21(月) 01:14:26 ID:MF+s+oJf
お待たせしました!全4レス投下します。
間に合って良かった(日付的には月曜だが…)
7041/4:2008/07/21(月) 01:16:04 ID:MF+s+oJf
第三十一話 あきらめる者、あきらめない者

戦場と化したこの場に平然と立っているのはケロッピとチツプデェルの二匹のみ。
最前線で防衛をしていたサムは全身に軽い火傷を負って倒れ、
後方で支援をしていたラナバウツも吹っ飛ばされて仰向けになっていた。
エディ「……終わったか?」
やっと爆音がやみ、辺りが静かになった頃、一同は顔を上げる。
意外なことに砂煙一つ上がらず、部屋は先程と何一つ変わっていなかった。
至るところで倒れている燦理雄軍幹部達の姿を除けば。
サム(くそ。思った以上に水分が足りない。氷が、薄かったな……)
ここは地下二階である。体育館程度の広さなので狭い、と言うほどではないが
閉鎖された空間には相違なかった。地下深くにあるほとんど換気の
されない限定的な空間。その部屋の湿度は当然地上より少ない。
大気中の水素を操りH2Oを合成して氷を作り出すサムには不利であった。
またラナバウツの電磁シールドも、元は単体防御のためのものなので
広範囲に展開すれば当然防御力は著しく下がる。

 ただし、彼らの名誉のために一つ言っておくならば。

相手が繰り出してきたのは実在する「本物の」対鑑ミサイルである。
88式地対艦誘導弾──束ねられたチューブランチャーから
一度に数発のミサイルを連発することが出来る兵器であり、
射程距離はおよそ150km。飛翔速度は時速数百kmにもなる。
それを彼らがどうやって手に入れたのかはわからない。
ただわかることは、その破壊力は絶大であるということ。
その直撃を至近距離でこれだけ受けて、無事なことがそもそも奇跡だった。
7052/4:2008/07/21(月) 01:17:40 ID:MF+s+oJf
チツプ「キャハハハハハ。お前、自分だけ防御したの?」
デェル「こいつ、仲間を見捨てたぞ!」
一人だけ無傷なケロッピを指さして、二匹は腹を抱えて笑う。
対して、まったく表情を変えずにケロッピは一歩前に出た。
ケロッピ「守る必要がないと判断したからそうしたまで」
その顔には決然としたある何かが浮かんでおり、
後悔や絶望、羞恥などの感情はまったく感じられなかった。
ケロッピ「仲間を守るために共倒れになっては意味がない。
    たとえ僕一人になったとしても、お前達は必ず殺す」
嘲笑していた彼らも、ケロッピの凄まじい気迫に少しばかり押される。
デェル「へ……へーんだ! いい気になるなよ! 武器はまだまだあるんだ!」
チツプ「そうだ! どうせお前達は僕らに傷一つつけられないんだし。
    武器が尽きるまで攻撃してやる! くらえぇー!」
二匹は両手に機関銃を取り出すと、幹部達に攻撃を仕掛けた。
エディ「くそっ! いい気になるなよ。風神!」
エミィ「通常の武器なら私達だってひけはとらないわ!」
立ち上がった二人は手に手に武器を持って迎撃する。
ラナバウツ「バルカン!」
ティラン「ティラノアックス!」
倒れていたラナバウツも軽傷だったのを幸いに、すぐさま体勢を立て直して
頭部についていたバルカンを放つ。またティランは逞しい両腕を硬化させ、
鋭いかぎ爪から岩をも砕く一撃をお見舞いした。
ブラッキーは足に鉄の破片が刺さったため、ステガが横で支えている。
比較的怪我の軽いメンバーが一斉に攻撃を放ち、それは確かに
目標に当たっていたはずだった。しかし、残念ながら彼らは無傷である。
サム「攻撃するたびに他の次元に逃げるのではキリがない」
7063/4:2008/07/21(月) 01:26:29 ID:MF+s+oJf
応戦している四人を見ながらサムが歯がみをした。
これが本来の実力通りの勝負なら負けないのに、と悔しがる。
負傷したサムを抱き起こしながら、ケロッピは彼に冷静に述べた。
ケロッピ「奴等を倒すためには次元ごと吹き飛ばすほどの破壊力が必要です」
サム「おい、馬鹿なことは言うな。確かにお前なら出来るかもしれん。
   だがそんなことをしたらこの辺り一帯が粉々に吹っ飛ぶぞ!」
ケロッピ「わかっています。ですがそれは普通に攻撃すればの話です。
    極限まで力を収束して、攻撃範囲を狭めることが出来れば……」
サム「出来るか?」
この男なら出来るかもしれない、そんな期待を込めてサムはケロッピを見る。
その期待に応えてか、ケロッピは存外早く返事を返した。
ケロッピ「可能です。ですが、奴等は非常に動きが素早い。
    奴等が逃げても確実に殺せる範囲を爆砕するとなると……」
男の言わんとすることを察し、サムはすぐさま言葉を続けた。
サム「おい、それって……お前は良くても俺達が巻き添えになるんじゃないか?」
ケロッピ「なりますね。確実に」
サム「ば、馬鹿なことはよせケロッピ!」
慌てるサムとは対照的に、ケロッピは冷めた様子で答える。
ケロッピ「……わかっています。たかだかあの程度の輩のために、
    貴重な戦力を犠牲にする訳にはいかない。ですが……
    情報が外に漏れるのをみすみす見逃さなければいけないのは口惜しい」
サム「それは、致し方あるまい……」
超三次元的複合空間が相手では、流石の燦理雄軍幹部でさえ手が出せなかった。
軽くため息を吐くと、ケロッピはおもむろに立ち上がる。
ケロッピ「お前達! 退け。無駄なことはするな」
7074/4:2008/07/21(月) 01:34:17 ID:MF+s+oJf
エディ「ケロッピ! 仮にも敵軍の幹部がうちの大事な情報を
    持ってるってのに、このまま諦めろって言うのか!」
ケロッピ「そうです。諦めろと言っているのです。
    我々には次元を超越する術はない」
ぴしゃりと断言された。
最高司令官であり、この場で最も力を持つ実力者のケロッピに
ここまで言われれば、他の者にもはや為す術はない。
エミィ「そんな……」
ラナバウツ「むうぅ」
ティラン「……チッ」
エディは武器を降ろさないが、エミィとラナバウツは逡巡しながらも構えを解く。
無言のままティランは睨むように地面を見つめて、腕の硬化を解除した。
エディ「ふざけるな! 俺は諦めない! 諦めないぞ!」
エミィ「エディ……」
ティラン「エディ、よせ」
エディ「せっかく……せっかく、俺達を頼ってわざわざ無茶してきて
    くれたっていうのに……そんな奴らがますます危険な目に
    合っちまうかもしれないのを、俺は黙って見てるなんて出来ない!」
チツプ「無駄さ無駄さ!」
デェル「キャハハハハー!」
エディがいかに剣を振るおうとも、その軌跡は虚しく二匹をすり抜ける。
サム「エディ! いい加減に……!」
ケロッピ「待ってください」
見ていられなくなったサムをケロッピは制止する。
その間もエディは絶え間なく走り、踏み込み、剣を振るった。
目つきが鋭くなり、何かが少しずつ定まっていく。
そのエディの姿に、ケロッピは何かを見た。
ケロッピ(拓けるか?)
エディ「うおおおおおおおおっ!」
708マロン名無しさん:2008/07/21(月) 03:15:31 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
709マロン名無しさん:2008/07/21(月) 13:17:08 ID:???
うわああああああああああ魔王だあああああああああ
710マロン名無しさん:2008/07/21(月) 20:08:54 ID:???
これ書いてるの男性?
だとしたらサンリオキャラに詳しくて尊敬する
711マロン名無しさん:2008/07/22(火) 00:08:38 ID:???
エディ覚醒フラグきたな

>>710
詳しいっつってもサンリオはサイトに全キャラの紹介が載ってるぞ
キャラ設定はほとんどオリジナル同然だし
712マロン名無しさん:2008/07/23(水) 22:15:25 ID:???
雑魚だと思ってたチップとデールだが意外と粘ってるな
713マロン名無しさん:2008/07/25(金) 00:50:32 ID:???
このスレって今どのくらい人いるの?
714マロン名無しさん:2008/07/25(金) 01:26:53 ID:???
●●
. ●<ボク
715ハハッ:2008/07/25(金) 04:09:37 ID:???
ハハッ
716マロン名無しさん:2008/07/25(金) 07:54:07 ID:???
ちょw魔王軍が真っ先に書き込みしてるwww
717マロン名無しさん:2008/07/26(土) 14:41:10 ID:???
黒鼠の息を屏(かく)して
白き鬼帝を敬いまつれ。
718マロン名無しさん:2008/07/26(土) 17:37:32 ID:???

























このスレを見ている人はこんなスレも見ています。(ver 0.20)
●●高圧ガス保安協会の資格総合スレ6●● [資格全般]
● ●

   ●●  ↑
     ●  ハハッ
719マロン名無しさん:2008/07/26(土) 17:38:16 ID:???
ずれた……


●● ハハッ
720マロン名無しさん:2008/07/26(土) 20:11:27 ID:???
なぜガスなのかという疑問はあるなw

つか、今年になってからネズミーランド行ったやついる?
721マロン名無しさん:2008/07/27(日) 17:26:58 ID:???
このスレはROMが多そうだな
たまには書き込まんとある日突然落ちるぞ
722マロン名無しさん:2008/07/27(日) 23:19:50 ID:???
そろそろかな?

あげ
723マロン名無しさん:2008/07/28(月) 00:15:03 ID:???
>>720
ハロウィン中期間に行く予定
724マロン名無しさん:2008/07/28(月) 00:30:29 ID:iGLpLilN
>>723

どんどん遊びに来て

どんどんお金を使ってね!!








ハ ハ ッ !!!
725マロン名無しさん:2008/07/28(月) 00:48:56 ID:???
>>723
埋められたジャックの仲間が気になる所だな
金になるからその期間だけ解放でその後また埋められる悪寒
726マロン名無しさん:2008/07/30(水) 00:15:46 ID:???
ランドで悪さをするとお城の壁に埋められるって本当?
727マロン名無しさん:2008/08/01(金) 22:58:37 ID:???
>>711
男がサンリオサイトなんて行かないだろ
そもそも
728マロン名無しさん:2008/08/03(日) 17:36:53 ID:???
>>727
常駐してるかはともかくとして、ネタ探しに
覗いたりするぐらいなら普通にあるだろ
そもそも最初は一発ネタみたいな感じで始まったんだし

あとちなみに、俺の先輩(28歳♂)は大のサンリオ好きなんだぜ
7291/6:2008/08/04(月) 00:00:12 ID:???

第三十二話  集結!!

雄叫びをあげながら突っ込んでいくエディ。
チツプ「なんだこいつ、しつこいぞ?」
デェル「もういいよ、チツプ。こいつらの相手も飽きたし、そろそろ帰ろうよ」
チツプ「よーし」
エディ「……っ!!」
フッと二匹の姿が消えると、離れた所に再び現れる。
エディは目標物を見失い、勢い良くつんのめった。
エミィ「エディ!」
駆け寄り、エミィはエディを支える。
チツプ「じゃあね! イロイロと面白かったよ」
デェル「僕らはもう帰るから、バイバーイ!」
燦理雄側の暗い空気などどこ吹く風、と手を振って別れを告げる二匹。
ケロッピ(もう少し、時間が。時間さえあれば……)
彼はため息を吐いてコンクリートで出来た天井を仰いだ。
もしかしたら何か起こってくれるのではないかと微かな期待を
抱いていたが、それはあっさりと打ち砕かれる。
ケロッピ(ここまでか……無念)
消えていく二匹を見送った後、ケロッピは目を閉じた。
他の仲間も俯き、いくつかのため息が聞こえた後、地下室は完全に静まりかえる。
エディ「くそっ! あいつら、このっ!」
沈黙を破ったのはエディだった。幸い死人が出たわけでもなく、建物に深刻な
被害が出た訳でもないが、仲間に怪我を負わせた挙げ句、軍の重要機密を
持っていると判っている敵をむざむざ取り逃がしたことは、決して軽い事実ではない。
エミィ「エディ……」
7302/6:2008/08/04(月) 00:03:17 ID:JA2rA3jM

地団駄を踏み、地面を滅茶苦茶に斬りつけるエディを
エミィは止めようとしたが、そっとティランが制止した。
ティラン「とめないでやってくれ。悔しい気持ちはみんな一緒だ。わかるだろ?
    むしろこの悔しさを次に生かすためには、心の中に無理に押し込めたり
    しないで、思いっきり外にはき出した方が良いのかもしれねぇしな」
そう言って自嘲気味に笑うと、ティランも思いっきり暴れ始めた。
ティラン「うおおおおおっ」
叫んで、床のコンクリートを叩き割るティラン。
ブラッキー「あっちゃー、派手にやっちまって」
ステガ「あの馬鹿……」
頭を抱えるブラッキーやステガとは対照的に、サムとケロッピはフッと笑った。
ケロッピ「……まったく」
サム「こういうのも、たまにはいいんじゃないのか? よし、私も行くぞ!」
爆音や金属音が地下空間に響き渡る。
その時。

「騒がしいな」

『?!』
全員が後ろを振り返った。
そこにいたのは彼等にとってこの世で最も敬愛する人物であり、
また一部の者達にとってはとても懐かしい人物であった。
鬼帝「何をしている?」
エディ「き……」
エミィ「鬼帝様!」
ラナバウツ「おお! 鬼帝様、それにハンギョドン!」
7313/6:2008/08/04(月) 00:06:38 ID:JA2rA3jM

そこにいたのは誰であろう、燦理雄軍総帥の鬼帝その人に他ならない。
横には真っ青な巨躯が特徴のハンギョドンも控えていた。
サム「鬼帝様! ハンギョドン!」
ケロッピ「ハンギョドンか……」
みな、口々に彼らの名前を呼び、走り寄る。
懐かしい顔ぶれに落胆も吹き飛んだ。
ブラッキー「あれ? 鬼帝様、それは……」
鬼帝「鼠が侵入していたようだから、捕まえておいたぞ」
エミィ「!」
その場にいた全員が思わず息を呑む。
鬼帝が掴んでいたのは、なんとチツプとデェルだった。
チツプ「うわああーん、離せー」
デェル「このー」
ケロッピ「無駄だ。鬼帝が空間を閉じている以上お前達は逃げられない」
サム「捕まった相手が悪かったようだな」
先程までの緊張や怒りは嘘のように晴れ、お互いの顔を見合って笑った。
ティラン「ハッ、ざまあみな。年貢の納め時ってやつだ」
エディ「……良かった」
そしてほっとする。
ケロッピ「司令室にはもう行かれたのですか?」
鬼帝「ああ。ター坊とチュー吉がいた」
チュー吉とはねずみ小僧の本名である。
鬼帝「ここにみなが集結していると聞いてな。司令室で
    待っていても良かったが、懐かしのお前達に早く会いたかった」
サム「鬼帝様、お陰でとても助かりました」
鬼帝「今度は逃げられぬようにな」
7324/6:2008/08/04(月) 00:08:54 ID:JA2rA3jM

ポイッと鳥かごの中に捕獲した二匹をいれ、鬼帝はかごに触れた。
逃げられないように鳥かごの中の空間を固定化する。
鬼帝「マイメロにでも預けておけ。捕虜の面倒見は得意だろう」
ケロッピ「御意」
鬼帝「では、戻るぞ」
先頭に立って去っていく鬼帝。その姿を黙って眺めるハンギョドン。
ハンギョドン「…………」
「ハンギョドン」
「おい、ハンギョドン」
ハンギョドン「……ん、おお、すまんかった」
いつのまに、彼を懐かしい仲間達が取り囲んでいた。
サム「久しぶりだな、ハンギョドン! どうした? ぼおっとして。疲れてるのか?」
心配する仲間を前に、ハンギョドンは豪快に笑って見せる。
ハンギョドン「いやあ、ハッハッ! おいは今日はるばるアメリカから帰って来たと。
      そりゃ少しは疲れるけんな。それに、ちぃっと考え事をしとったばい」
エミィ「お疲れ様。今日はしっかり休んで、また改めてお話しましょうね」
ブラッキー「みやげ話期待してるぜ」
ハンギョドン「ハッハッハッ。よかよか」
笑いながら何事もないようにみんなと歩いていく。
しかし、またすぐにハンギョドンは黙って何かを考えていた。

司令室で新幹線も合流し、大層賑やかになる。
そこに更に扉が開いた。
罰丸「うーっす。俺様帰ったぞー!」
もんきち「ただいま帰還したでござる」
ペックル「おかえり、二人とも! それにそちらは……」
ポコポン「みんな、その、お久しぶりだす」
7335/6:2008/08/04(月) 00:12:43 ID:JA2rA3jM

とても懐かしくてとても嬉しいはずなのに、ポコポンは緊張していた。
彼の裏切りは知らせないでくれると二人は言ってくれたが、
後ろ暗いことには変わりない。みんなと、目が合わせられない。
特に、彼が最も畏れる男には……
しかし避けていたはずなのに、何故か真っ先に目が合ったのは彼だった。

ケロッピ「久しぶりだな、ポコポン」

ポコポン「ケロッピ……」
うっすらと、ポコポンの額に汗が浮かんだ。
ポコポン「お、お久しぶりです」
サム「どうした? やけに堅いな。私達は仲間だろう?」
ポコポン「え、ええ、そうですね」
鬼帝「ポコポン」
ポコポン「!」
その場にいた者全員が道を開けた。そこにいたのは鬼帝。
ポコポン「鬼帝、様……」
鬼帝「近う寄れ」
ポコポン「は、はい!」
彼女の前に倒れ込むように近付き、その勢いのままポコポンは跪いた。
鬼帝「よく、戻ったな。……お前は、戻って来ないのではないかと思っていた」
ポコポン「……!」
ギクリとして、息を呑んだ。胸がズキリと痛む。
鬼帝「お前は優しいやつだからな。お前の目には常に躊躇いがあった。
    だが、今のお前は違う。その目は──覚悟を決めた者の目だ」
ポコポン「…………」
7346/6:2008/08/04(月) 00:17:16 ID:JA2rA3jM

鬼帝「我が為に、そしてこの国に生きる全ての者の為に戦え。頼むぞ」
ポコポン「……僕なんかには、勿体ないお言葉です。ありがとうございます……!」
そう言って頭を下げたポコポンの頬には、一筋の涙が光っていた。
その姿を見て鬼帝は深く頷くと、全員の顔を順に見回し名前を呼んだ。
鬼帝「サム、ター坊、ハンギョドン、ラナバウツ」
『はっ!』
鬼帝「エディ、エミィ、ゴロピカドン、マイメロ」
『はい!』
鬼帝「チュー吉、ポコポン、マロンクリーム」
『はい』
ここで一呼吸、置く。
彼女は顔を上げて目の前にいる男をひた、と見据えた。
鬼帝「そして──── ケロッピ」
ケロッピ「……は」
鬼帝「ここに、現在生存が確認されている全ての幹部が集結した!」
十五年ぶりに勢揃いした幹部を見渡し、鬼帝は宣言する。
鬼帝「これからはもはや今までのような小競り合いでは済まぬ。
    お前達は人の上に立つものとして、皆を正しい道に導くように」
『はっ!』
一同敬礼、もしくは各々自分のやり方で表敬する。
鬼帝「また幹部ではないがペックル、ポチャッコ、もんきち、ダイナソアーズ、
    罰丸、新幹線、チュッピーズ、そして今この場にいない仲間達よ。
    お前達はお前達のやり方で幹部を支えてくれ。その働き、期待している」
ポチャッコ、罰丸、ティランは照れ笑いをした。
新幹線やチュッピーズは笑い、ブラッキーにステガ、ペックルは敬礼する。

鬼帝「戦はまだ始まったばかりだ! 燦理雄の戦士として誇り高くあれ!!」


今、鬨の声が揚がった。
735マロン名無しさん:2008/08/04(月) 00:39:01 ID:???
                                     〜続く〜
736マロン名無しさん:2008/08/05(火) 10:01:59 ID:???
●●
. ●<続かないよ ハ ハ ッ !!
737マロン名無しさん:2008/08/06(水) 19:43:16 ID:???
                        ,、 '";ィ'
________              /::::::/l:l
─- 、::::;;;;;;;;;`゙゙''‐ 、    __,,,,......,,,,_/:::::::::/: !|
  . : : : : : : `゙'ヽ、:::゙ヾ´::::::::::::::::::::::`゙゙゙'''‐'、. l|
、、 . : : : : : : : : r'":::::::::::::::::::::::::,r':ぃ::::ヽ::::::::ヽ!                 ,、- 、
.ヽ:゙ヽ; : : : : : :ノ:::::::::::::::::::::;;、-、、゙:::     rー-:'、                /   }¬、
. \::゙、: : : :./::::::::::::::;、-''"::::::::::   ,...,:::,::., :::':、            _,,/,,  ,、.,/   }
   ヽ:ヽ、 /:::::::::::::::::::::::::     _  `゙''‐''"  __,,',,,,___       /~   ヾ::::ツ,、-/
     `ヽ、:::::::::;;;、、--‐‐'''''',,iニ-    _|  、-l、,},,   ̄""'''¬-, '  ''‐-、 .,ノ'゙,i';;;;ツ
   _,,,、-‐l'''"´:::::::'  ,、-'" ,.X,_,,、-v'"''゙''yr-ヽ / ゙゙'ヽ、,    ,.'      j゙,,, ´ 7
,、-''"    .l:::::::::::;、-''"  ,.-'  ゙、""ヾ'r-;;:l  冫、     ヽ、 /    __,,.ノ:::::ヽ. /   またまたご冗談を
       l;、-'゙:   ,/      ゞ=‐'"~゙゙') ./. \    /  '''"/::::;:::;r-''‐ヽ
     ,、‐゙ ヽ:::::..,.r'゙         ,,. ,r/ ./    ヽ.   ,'     '、ノ''"   ノ  
   ,、‐'゙     ン;"::::::.       "´ '゙ ´ /      ゙、 ,'            /
  '     //:::::::::            {.        V           /
        / ./:::::::::::::            ',       /         /
.    /  /:::::::::::::::::.            ',.      /   ,.、     /


738マロン名無しさん:2008/08/08(金) 00:05:43 ID:???
>>736-737の流れワロスw

みんなで魔王をやっつけるぞ!
739マロン名無しさん:2008/08/12(火) 01:44:02 ID:???
保守
740マロン名無しさん:2008/08/13(水) 20:55:24 ID:???
過疎ってんなー…
741マロン名無しさん:2008/08/16(土) 22:27:16 ID:???
●●
. ●<ヤァ。ボクミッキー!
7421/5:2008/08/18(月) 00:59:33 ID:A8WdzYCY

第三十三話 それぞれの休日

多くの同志が集い、戦意高揚した燦理雄軍。
いまだ警戒はしていたものの、気のおけない友人達と会って、
久しぶりに穏やかな時間を迎えている者も少なくはなかった。
エディ「怪我の具合はどうだ?」
サム「たいしたことはない。凍気使いが火傷したということは悔しいが」
少し広めの病室では、医療チーム「リトル・コットン・ウッド・コテージ(通称L.C.W.C)」に
所属する小人の医者達が傷ついた幹部達の治療に当たっている。
新幹線「そのくらい良いじゃあありませんか! 軽傷でなによりです」
ラナバウツ「まったくだ。この程度なら自然に回復するから
     パーツを取り替えなくて済む。助かったわい」
機械のくせに切ってあったリンゴを口にいれてムシャムシャ食べるラナバウツ。
エミィ「ブラッキーは? 左足はどう?」
ブラッキー「大丈夫だ。ありがとう」
ステガ「防御力が高いからと油断するからだ。
    生身の部分を攻撃されては意味がないのに」
エディ「ま、まあまあ。そうきつく言うなよ」
困ったように笑うエディ。腕を組んで険悪な顔をしているステガ。
少し離れたテーブルにつき、シュガーバニーズの作った
絶品ケーキを食べながらマイメロが不思議がった。
マイメロ「ねーねーフラットくん。ステガちゃんはブラッキーくんと付き合ってるんだよね?
    なのになんでブラッキーくんが無事なのにステガちゃんは怒ってるの?」
その素朴な質問に、マイメロの友人ネズミのフラットは得意げに説明する。
フラット「わからないかなぁ。いわゆる複雑な乙女心ってやつさ。
   ステガだってブラッキーが無事で嬉しいんだけど、それを素直に
   言えないんだよ。彼女はクールなキャラで通ってるしね」
マイメロ「ふーん。そうなんだー」
ステガ「うるさいぞ外野……」
7432/5:2008/08/18(月) 01:02:15 ID:A8WdzYCY

司令室。
チュッピーズ達は休憩でおらず、ポチャッコ・ペックル・ティランの三人が座って話し込んでいた。
ポチャッコ「長い休暇はどうだった?」
ティラン「平和な生活ってやつも意外と悪くなかったぜ」
ペックル「でも一体どうしたんだ、突然?
    いきなり現場を離れるとか言い出したから心配したんだぞ」
少しだけティランの表情が曇るが、適当に受け流す。
ティラン「ちょっと、色々あってな。アニキ達はどうよ?」
ポチャッコ「変わんねー。毎日てめえだけ安全な場所で部下に指示ばっかよ」
そう皮肉混じりに言ってポチャッコは笑う。
彼がつけている横に尖った逆三角のサングラスごしに、ギラギラした目が透けて見えた。
ティラン「アニキ達こそオペレーターになるなんて、夢にも思わなかったぜ」
今度はペックルが表情を曇らせる番だった。
わずかに視線を落とし、また戻す。
ペックル「……同じく、色々あってね。でも僕は良かった。向いてたよ。
    ポチャッコはそろそろ前線復帰したいんじゃないのかな?」
ポチャッコ「んー、そろそろだな。でもまだいい。
     俺達がいなくなると、オペレートするのは新人の
     チュッピーズだけになる。アイツらにはまだ荷が重いしな」
ペックル「そうだね。僕らが戦うとしたら、それはかなり戦況が
    悪い時になりそうだ。そういう事態が来なければいいんだけど」
ペックルはそう言うと愛用の得物を撫でた。
ここしばらくは血を吸わせていない。
……でも、多分その方が良い。
ティラン「なに、俺がアニキ達の分まで戦うさ。見ててくれよ」
ポチャッコ「ははっ、言うじゃないか。流石俺の後輩だ。頼もしいな」
バシッとティランの背中を叩くと、ポチャッコは大口をあけて笑った。
7443/5:2008/08/18(月) 01:05:53 ID:A8WdzYCY

一方、病院の方ではちょっとした騒ぎが起こっている。
コッコ「あ、あわわわわ。あわわわわ! 婦長ー!」
看護婦に連れてこられたマロンクリームがその様子を目にした。
マロン「ち、中将! なにをされてるんですか!」
ター坊「見ての通り、鍛えているのでアリマス」
なんと、怪我が全快していないにも関わらずター坊は片手倒立をしていた。
空いた右腕はピタリと腰に当て、そのままさらに腕立て伏せまでしている。
一瞬言葉を失ったマロンクリームだが、すぐ我に返り制止に入った。
マロン「なにを考えているんですか! あなたはまだ怪我人なんですよ」
いつになく強い口調でマロンクリームはとめようとするが、それはター坊も同じだった。
ター坊「長い入院生活のせいで体がなまってしまい、このままでは
    退院してもすぐには戦えない。だがそれでは駄目なのでアリマス!」
普段は穏やかなター坊がキッとマロンクリームを見据える。
そこには有無を言わせない強さが潜んでいた。
マロン「……中将」
ター坊「どうせリハビリに時間をかけるなら、多少今から無理をしても変わらない。
    ならばせめて、自分は退院と同時に戦えるようにしたいのでアリマス。
    どうか君にはわかって欲しい、でアリマス」
そのまっすぐな瞳に射すくめられ、マロンクリームは反論する言葉を失う。
思わず、目を反らしてしまった。
彼女はキュッと拳を握る。
マロン(わかって、いたはずだった。この人はこういう人なのだということを……)
目を閉じ、また開いてター坊の目をしっかり見返す。
マロン「……わかりました。婦長である私の権限で特別に認めます。
    ですが、決して無理はしないようにしてください。
    やりすぎてまた体を壊したら、それこそ元の木阿弥ですから」
ター坊「……すまない。感謝するでアリマス」
7454/5:2008/08/18(月) 01:08:00 ID:A8WdzYCY

建物の外。
道を黒い少年と白い少年が歩いていた。
罰丸「でよ、俺がそこで新技でババーンと乱入したわけよ!」
花まる「わーすごい! すごいね罰丸くん!」
のんきに道を歩きつつ、罰丸の自慢話にいちいち感動しているのは親友の花まるである。
さっきからひたすら感心したり驚いたりを繰り返していた。
罰丸「俺様の大・活・躍のおかげでポコポンの野郎は改心し、もんきちも
    助かったってえ訳だ。二人にとっちゃ俺様は大恩人ってとこだな」
花まる「さすが罰丸くんだね!」
キラキラと瞳を輝かせながら罰丸の話に聞き入る花まる。
罰丸「ガッハッハッハッ! このくれぇは朝飯前よ。
    今度特別にお前にも俺の新必殺技を見せてやんぜ」
花まる「わー! ありがとう罰丸くん!」
ひとしきり自慢話をしつくし、満足げな罰丸。
一息つくと、先程から気になっていたあるものを横目で見る。
罰丸「……ところでよ、さっきから気になってたんだけど、アレなんだ?」
指差す方向には、耳に両手を当ててたたずむほしのわぐまのポーがいた。
先程からずっと、あちこちに立っては何かを聞こうと一生懸命耳をすましている。
それだけなら罰丸も特に気にとめなかっただろうが、
何故かポーはさっきから二人の後をついて来るのだ。
時々妙なことを呟きながら石をひっくり返したり木のウロを覗き込んだりと、
奇行をするポーを罰丸は気になってしょうがなかった。
ポー「うーん、ここも聞こえない」
7465/5:2008/08/18(月) 01:10:15 ID:A8WdzYCY

罰丸「なあ、こいつ何? 不審者じゃね? やっつけてもいいか?」
花まる「違うんだよ罰丸くん。実はね、ポーは“声”を
     探してるんだよ。それでね、なかなか見つからないみたいだから
     僕も探すのを手伝ってあげることにしたんだ!」
思い出したかのように両手をぽんっと合わせ、花まるはキラキラした目で語る。
それを見て呆れたように罰丸は頭をかきむしり、叫んだ。
罰丸「だあーっ! ったく、お前またかよ! 本当に引っかかりやすいヤツだな。
    声ってなんだよ声って! あれか? オラクルか? 予知か? 神のお告げか?
    なんにしろどう考えてもまともじゃねえだろ、アイツ?!
    変な電波小僧に関わるとお前まで妙ちくりんな電波に侵されるぞ!!」
しかし、罰丸が何を言っても花まるは取り合わない。
花まる「そんなことないよ。ポーくんはとてもいいこだよー?」
罰丸「そーゆー問題じゃねえ! ……はあ。まぁ、いいか。
    お前のお人好しは今に始まったことじゃねえしな」
もはや罰丸は完全に諦めていた。花まるのお人好しは
何も今に始まったことではない。昔からなのだ。
そのうえ、一度こうと思い込んだらなかなか考えを変えない頑固さもある。
幼なじみの罰丸はそのことをよくわかっていた。
罰丸「で? そもそも、声って一体どんな声なんだよ。
    まさか幽霊とかじゃねえだろうな」
花まる「それがね、すすり泣く声なんだって」
罰丸「幽霊だっ!!」

ちょっぴり、まともに取り合ったことを後悔した罰丸であった。
747ネタ師:2008/08/18(月) 01:13:51 ID:???
最近休みがちで申し訳ない…
今日は久しぶりにフリーだったので少し書き溜めしました
とりあえず、来週の日曜夜は確実に投下します。それでは
748マロン名無しさん:2008/08/18(月) 03:30:22 ID:???
●●
. ●<オツカレ!!
749マロン名無しさん:2008/08/18(月) 20:25:31 ID:???
魔王いいやつだなwww
750マロン名無しさん:2008/08/18(月) 21:16:39 ID:???
●●
. ●<カロウデシヌガイイ!!
751マロン名無しさん:2008/08/20(水) 22:13:48 ID:hyj0Ej6i
最近このスレ魔王に乗っ取られ気味じゃないか?
まさか住人はみな夢の国に連れて行かれてしまったのか?!
待ってろみんな!今助けに行くぞ!(`・ω・´)





グシャ!ピチャッ、ピチャッ…
752マロン名無しさん:2008/08/20(水) 23:53:30 ID:???
●●
. ●<ハハッ!!
753マロン名無しさん:2008/08/21(木) 02:19:40 ID:WerM8AtS
●●
. ●<ハハッ!!
754マロン名無しさん:2008/08/21(木) 18:38:07 ID:???
あの人を小馬鹿にしたハハッがまた無性に憎たらしいなww


でも今日は魔王に真面目に質問
ちゃくちゃくと勢力を強めてくるサンリオ軍に脅威は感じますか?
ディニー側代表としてコメントをどうぞ
755マロン名無しさん:2008/08/21(木) 23:55:50 ID:???
●●
. ●<ハハッ!!
756マロン名無しさん:2008/08/22(金) 12:17:27 ID:???
ハッピーセットのおまけに鬼帝様とラバナウツが進行中!
757マロン名無しさん:2008/08/22(金) 22:25:37 ID:???
>>755
コメントしないってことは実は焦ってるんだろ!
流石の魔王もサンリオ幹部大集合にはビビってるんだな。ざまあwww

>>756
マジで?鬼帝様はともかくラナバウツは珍しいな
758マロン名無しさん:2008/08/23(土) 07:56:05 ID:???
>>750といい魔王は焦っているぞ!!
759マロン名無しさん:2008/08/24(日) 21:45:39 ID:???
そういえばハッピーセットに燦利雄はありそうであんまなかった気がするなぁ
7601/5:2008/08/25(月) 00:10:27 ID:l5ICgudz

第三十四話 三つの理由

静かな部屋に男が数人、緊張した顔で相対していた。
ケロッピ「申し訳ないがその件には触れられない」
応接室のソファに腰掛け、足を組んでいたケロッピは即座に断言する。
ジャック・ポコポン「……!」
もんきち「なにゆえ、でござるか?」
ケロッピが無分別に私情で動くことはない。
それを知っているために、もんきちは声を荒立てず冷静に問い返した。
もんきち「ジャックはただ助けてもらうだけでなく、こちらの味方になると
      言っているでござる。彼の戦闘力は直接戦った拙者にはよくわかるが、
      決して低くはないでござるよ。それに向こうの情報も手に入るし、
      上手く行けばバートンファミリーともコネクションが持てるかもしれないでござる」
もんきちの説明を聞き、その一つ一つに的確な反論と否定の言葉を
携えながら、ケロッピは丁寧に説明し始めた。
ケロッピ「理由は三つある。まず一つ目、これはお前達もよくわかっている
    だろうが、軍とは個人の集団とは違う。ある唯一にして最大の
    目標を実現させるために我々は常に犠牲を払っている。
    具体的に言うならば、統率力を保持するために我々は個を喪(うしな)い、
    必要あらば味方をも切り捨てるという非情の決断を行う。
    そのような緊迫した局面で新たな配慮事項という負債を負って、
    指揮系統を無駄に混乱させたくない、というのが最大の理由だ。これが一つ目」
ジャック「………………」
ケロッピ「二つ目は、ジャックと言ったか。君にとってもマイナスにしかならない」
ジャック「……それはどういうことですか?」
若干青ざめながらも、ジャックはつとめて平静を装い質問する。
7612/5:2008/08/25(月) 00:12:54 ID:l5ICgudz

ケロッピ「直接的に裏切った訳ではなく、ただ戦いを放棄しただけ。しかも君は
    魔王の友人でも部下でもなんでもない。それなのに同盟関係であった
    君の仲間はヒドい目に遭わされた。裏を返せば、もし本格的に君が裏切り
    行為を行えば今度こそ仲間達の命はないということ。いわば人質といえる。
    実際に痛めつけて見せれば単に人質だと言って閉じ込めるより、はるかに
    殺しにリアリティが生まれ君の行動を制限し、操りやすくなる。
    魔王は狡猾な男だ。残虐な行為をいかに効果的に行えるかを知っている。
    次はバラバラにされたり生き埋めになるよりヒドいことも……」
ポコポン「ケロッピ! それ以上は……」
視線をジャックにやりながらポコポンは制止しようとして、口ごもる。
ジャックはただ黙って俯いていた。
ケロッピ「──失礼。とにかく、我々を頼ってくれた君がこれ以上立場を危うく
    することは我々としても望まない。またバートンファミリーのことだが…
    おそらく、表立って我々と手を組むことはないだろう」
ポコポン「どうして、そう思うの?」
ジャック「みんなには僕から助けてくれるように言いますよ?」
二人は納得できない、という顔をするがケロッピは
さも当然という様子でその理由を説明していく。
ケロッピ「一人でも頭脳派な人間がトップにいればそれはない。何故か。
    まず君との一件で、魔王含め泥須尼異側は何らかの手を既に打っていると
    考えるのが妥当だ。そしてバートンファミリーは複数の作品で泥須尼異と
    商業契約を結んでいる。近い立場にいれば人質の一人や二人簡単に捕れるだろうし
    無茶な要求で揺さぶりをかけることも可能。そして戦力差は明白。
    下手な行動をとれば組織は即座に壊滅する。そんな状況下で、
    バートンファミリーが我々と手を結ぶ余裕はない。余程のことがない限り
    動きを見せることすらないだろう。お互いになんのメリットもない。
    これが二つ目の理由だ。以上の理由により、我々は……」
ジャック「待ってください」
7623/5:2008/08/25(月) 00:13:48 ID:l5ICgudz

彼は俯いていた顔をあげ、ケロッピの言葉を遮った。
ジャック「三つ目は? あなたは確か、最初に三つの理由があると言ったはず」
ケロッピ「…………」
今まで教師が講義をするかのように、もしくは俳優が演技をしているかのごとく
朗々と流れるように話していたケロッピが、初めて言い淀んだ。
ケロッピ「……聞かない方がいい」
ジャック「どうして?」
ケロッピ「聞いても、君のためにならないからだ。
    一つ目の理由は最大にして誰もが納得出来る実質的理由、
    二つ目は君や君の仲間自身のことをも考慮した客観的理由、
    そして三つ目の理由……最後の理由は、司令官である僕の主観的理由だ」
目や口調でジャックを牽制しながら、ケロッピは言い放った。
それでもなお、諦めずにジャックは食い下がる。
ジャック「聞かせて、くれないかな」
もんきち「それは聞かない方が……!」
ポコポン「ジャック、君はもう十分納得しているだろう? ここから先は君には酷だ」
もんきちとポコポンがジャックを制止するが、彼の決意は固かった。
ジャック「いいんだ。覚悟は出来てる。僕は今まで甘かった。
    だから、その甘さを今打ち砕いてもらうんだ」
彼の決意は固い。
ため息、一つ。そしてケロッピは続きを話した。
ケロッピ「最後の理由は……魔王は確実に君の行動を読んでいるだろう。
    そして、君が仲間を助けに来るだろうと踏んで罠を張っているはずだ。
    予め危険だと判っている場所に、部下を派遣したいと思う上司がいるか?」
ポコポン(エッ?)
もんきち「…………」
ポコポンは驚き、もんきちは無表情となった。
7634/5:2008/08/25(月) 00:18:53 ID:l5ICgudz

対してジャックは深く頷き、まっすぐにケロッピの目を見返す。
ジャック「仰る通りです。僕は……僕はとても浅はかでした。
    あなた方を巻き込むということは、あなた方を
    とても危険な目に遭わせるということになるのに……
    僕はそこまで考えが及んでいませんでした。すみません」
頭を下げるジャック。
ケロッピ「謝らなくても結構。君も、仲間を失って冷静な判断が
    出来なくなっていただろうし、何も気にすることはない。
    むしろ、なんの手助けをすることも出来ず申し訳ない」
ジャック「いえ、いいんです!
    ……僕はこれから、一体どうすればいいでしょうか?」
縋るような目で、ジャックはケロッピを見た。
ポコポン「そういえば、君は僕らと接触してしまった訳だし、
     下手にバートンファミリーに帰る訳にもいかないよね?」
もんきち「かといってうちにくる訳にもいかないし……どうするべきでござるか?」
ジャックに加え二人の視線も受けながら、ケロッピは組んでいた足を外す。
ケロッピ「難しい問題だな、それは。」
机に置いてあるコーヒーを一口飲んで、ケロッピは考えた。
ケロッピ「しばらくは下手に誰かと接触しない方が良いだろう。そうだな……
    いくつか身を隠せそうな場所を教えよう。そこに潜伏しているといい。
    僕らが泥須尼異を倒した暁には、君も真っ先に駆けつけてくれ」
ジャック「……ありがとう。恩に着ます」
今度は立ち上がって、ジャックは再び深々と頭を下げた。
7645/5:2008/08/25(月) 00:20:45 ID:l5ICgudz

ほんの少しだけ元気になったジャックは、
ゼロを引き連れ燦理雄軍基地から去っていく。
その後ろ姿を見送った後、ポコポンともんきちは本部に向かい歩いた。
ポコポン「結局、おらたちはなんの助けにもなれなかっただすな……」
もんきち「仲間を失い、組織にも帰ることが出来ず、ジャックはこれから
      たった一人で想像も出来ない辛い日々を送るのでござろう。
      ゼロの存在が救いでござるが」
なんとなく気まずくて会話もなく歩いていた二人だが、
はっとあることを思い出したポコポンが雰囲気を明るくして話しかけた。
ポコポン「でも、ケロッピの言葉は正直驚きだっただすな! 危険な場所に
     部下を派遣したくないだなんて。彼が心の中であんな風に
     思っていたなんて、おらはちっとも気がつかなかっただすよ!」
だがはしゃぐポコポンを尻目に、もんきちは俯いてボソリと呟いた。
もんきち「──あれ、嘘でござるよ」
ポコポン「えっ?!」
もんきち「拙者はこれにて失礼」
何か言おうとしたポコポンを無視し、もんきちは一瞬で空高く跳躍して
付近の建物の上に飛び乗ると、素早くどこかへと去っていった。
ポコポンはただあっけなくその様子を見送ることしか出来なかったのだった。
765マロン名無しさん:2008/08/25(月) 19:01:21 ID:???
●●
. ●<ハハッ!!
766マロン名無しさん:2008/08/25(月) 20:38:39 ID:???
うおおこの展開なんか燃えるな
もんきちの反応がすげえ気になる
767マロン名無しさん:2008/08/25(月) 21:18:50 ID:???
理知的キャラだから仕方ないが、ケロッピの台詞の長さがデスノ並w

>>766
もんきちはなにげに深いキャラだよな
768マロン名無しさん:2008/08/27(水) 07:01:13 ID:???
なんか最近スレの乱立がひどいな
ちゃんと保守しないと前スレのようにある日突然落ちるかも…
769魔王:2008/08/27(水) 21:56:59 ID:???
ニタァ
770マロン名無しさん
職人様乙です。
















●●
.●<ハハハッ