これはえなり2世の数奇な運命を追った「えなりの奇妙な冒険」のリニューアル版である
書き込む際の最低限のルール
・ストーリーの流れは把握すること
・メインは漫画家。漫画のキャラは極力出さない
・誤字脱字の訂正は最小限に抑える
・細かい設定、言葉遣いの失敗には優しく対応
書き手も人間、失敗はあるもの
・指摘は優しく。罵倒とは違う
・リレー小説に割り込みは付き物
・展開予想は書き手の負担になるので極力しない
・アンカーを付けて、どの話の続きかわかりやすく
現在「したらば」に新スレ立てるか検討中
追加ルール【人数制限】
漫画家達のごった煮となり、良くも悪くもカオスとなった前シリーズ
スレ衰退を防ぐため、今回から登場人物の人数制限が設けられた
・登場漫画家は50〜60人まで(一般兵などの雑魚きゃらは除く)
・漫画家の登場、退場(死亡、完全封印など)を書かれた方は、作品の最後に
登場人数、退場人数、残り人数を書く
・定員以上の漫画家を出したいときは、誰かの退場まで待つこと。但し、
出したいからといって瞬殺はNG。納得のいく退場描写を
・書きたいキャラがいたら早い者勝ち
関連スレ
【リレー小説】えなりの奇妙な冒険〜冨樫の遺産編第27部
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1135882824
あえて言おう
2ゲットだ
3 :
書き忘れ:2007/06/22(金) 23:45:52 ID:GXYDf0daO
≪注≫この物語はフィクションです。実在の人物(特に漫画家)、地名、団体名などとは一切関係ありません。
4 :
プロローグ:2007/06/23(土) 01:26:30 ID:MCMIYCcb0
あのトーナントが終ってから3年後…
えなりチームの面々は集英社で宴会をしていた。
いつも通りの平和な日常。
しかし―
バ ン!!
その日常は、一人の訪問者により破られた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
く^ゝ / ヽ 楽天の六つ目山下が遊びに来たよ。
H l:::::::::. | ,..、
ヾ~ヽ __,,,,-(●)(●)(●)(●)(●)(●) / ノ
__,.-| i―'''"" )))|::::::::::::::::: \___/ | )/ /
/;― | i!- 、 )))))ヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ )) ヽ i
/ ` " : ヽ、:::::::::))))::::::::::::::::)))))))::::::::::::))))::::::| |
/ ヽ::::::::::::::::::::)))))))::::::::::::::)))):::::::::::::::/ ヽ
/ i)))::::::::)))):::::::::::::::)))),、'" `ー-J
| | ;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,.-''" | 楽天のシーマン中島が遊びにきてやったぜ。
| ノ \ | ;:::::::::::::::,,,,--'''"" ̄ ̄〉'"ヾ、ノ
| ━┓ ━┓ ! ,.-" ̄)/////// ,.-'"
ヾ , 、 i,,.--=二、_,,,..-‐'"
ヽ (__人__) / `ー-'
ヽ ` ⌒´ ノ
`ヽ、_,,,,-'
6 :
プロローグ:2007/06/24(日) 16:26:20 ID:sPbqe6hXO
漫画家をはじめとした「クリエイター」が、人知を越えた力を持つ世界。
これは、そんな世界の闘いに生きた一人の読者、えなり2世の物語である。
一面の黒い空間に点在する沢山のドア。その中を飛び続ける二人の姿がある。
一人は、二つ分けた金髪と赤いゴスロリ調ドレスの、えばら渋子。
もう一人は、流れる銀髪と十字の縫われた黒いドレス、
そして服と同色の翼を背に生やした千道万里。
急ぐようにして彼女達は黒い空間−−nのフィールド−−を飛ぶ。
「後ろに追っ手は?」
「いないみたいね。nのフィールドを通った甲斐があったわぁ」
えばらの問いに、後ろをみながら千道が答える。
「その代わり時間があまりないわ。さっきネジを巻いてから20分は経ってるのだわ。早く彼のもとへ行かなくては……あれは?」
黒い彼方から、一点の小さな光が飛んできた。
−−人工精霊。彼女達PEACH-PITの生み出した、薔薇乙女に付き添いし存在。
「ホーリエ! 戻ってきたのねぇ。彼は探し出せたの?」
見知った存在の帰還に、千道は心なしか嬉しそうだ。
「ちゃんと探し出せたみたいね。彼はこの先真っ直ぐにある鏡の前にいるわ」
「この事態をなんとかできる希望の一人なのよねぇ。
疑うのもなんだけど、大丈夫なの、彼って?」
その千道の問いに、えばらは前を見据えて答える。
「彼に辿り着けば、自然と同志が集まってくれるはずなのだわ。
そう、『えなり2世』のもとへ行けばきっと」
そう語る彼女の目には、確かに希望が伺える。
「一刻も早く仲間を見つけ出す、これが私達の義務なのだわ」
「確かに、『彼女』があっち側に捕まった今、それしか方法がないからねぇ」
始まってしまった悪夢を食い止めるために、二人はえなりのもとへ急ぐのだった。
7 :
プロローグ:2007/06/24(日) 16:29:05 ID:sPbqe6hXO
深夜の東京タワー、赤い体はいつものままだが、その展望部分にはこれから始まる悪夢の中心人物達がいた。
一人目は、黒い衣に身を包む長身の魔女、大川七瀬。二人目は、制服を着た小柄な少女、猫井椿。三人目は、何故か大量のコードに埋もれる白い少女、もこな。
あと一人いがらし寒月もいるはずだが、今彼女はこの場にはいない。
「PEACH-PITの二人は、もう見つかったん?」
「駄目ね、彼女達はこの世界はいない。nのフィールドに逃げ込んだようね」
「そこも捜したらえぇやんか」
「簡単に言うけど、あの世界は無限に広がっているの。かなりの重労働よ」
まぁ、今なら幾分か楽だけどと、大川は付け足した。
もこなはコードに埋もれたまま、一言も喋らない。もっとも、喋ったところで出てくる言葉は「ちぃ」だけだ。
そんな三人の近くに空間の歪みが生まれ、いつのまにか一人の少女がそこにいた。
手には星を模ったピンク色のステッキ、服装はこれまたピンクの活動的かつ飾りの多いドレス。
彼女達CLAMPの四人目、いがらし寒月だ。
「遅かったやないか、いがらしさん」
「『戻(リターン)』のカードでPEACH-PITのお二人が何処へ向かわれているかの手懸かりを探していたんです」
「それで、成果は?」
「お二人は、えなり2世という少年のもとに向かったそうです」
「えなりいうたら、『えなりん』っちゅうバンド組んでるはずやで。たしか今日も演奏や」
「では先回りして、兵を幾らか送っておきましょ」
「同人作家達をサイボーク化した“エンジェル部隊”ですね」
「せやな、わたし出動命令してくるわ」
言うと猫井は、携帯で連絡をするため場を離れる。
「それにしても、『戻』のカードは魔力消費が激しい部類。彼女の力があって成功したようなものですね」
「えぇ、そうね。私も捜索の時に使わせてもらったわ」
大川といがらしの視線の先には、液体とともにガラスの中に眠る女性。
白く長いドレス、そのほぼ中央である胸の辺りには、銀色の輝きがある。
「“銀水晶”、あの膨大な魔力と同盟さえあれば、私達の計画は完璧だわ」
武内直子−−CLAMPに捕らえられた、月の女王である。
登場人数:7
退場人数:0
現在の人数:7/60
スレたてた張本人なのに、投稿遅れて正直スマン。
PEACH-PITの二人のイメージは
えばら渋子…真紅
千道万里…水銀燈
の方向で
いきなり登場人物がマニアックで分かんねえ
漫画家とそれぞれの代表作は
CLAMP(大川・いがらし・猫井・もこな):『CLAMP学園探偵団』『魔法騎士レイアース』『ちょびっツ』など
PEACH-PIT(えばら・千道):『ローゼンメイデン』
武内:『セーラームーン』
それと大川の名前は大川緋芭に脳内修正してくれorz
……都内に林立するビルの中の一つに、二人の男がいた。
夜の闇も届かぬ町の住民であることに変わりは無いが、どうやら常人ではないようだ。
それは彼らの居る小さな部屋の様子からも窺い知れる。
電灯は煌々と灯っているというのに、その部屋は暗い…いや、黒い。
かといって闇や暗黒物質といった物の作用ではないようだ。この色は、そう…まるで墨を流したよう。
二人の男はどうやら何かについて話し合っているようだ。
片方の男……若者とも中年とも判断のつかぬ…或いは老人かもしれない…男が口を開いた。
「だからね、君はあまりにも映画的すぎるんだよ。映画には映画の、そして漫画には漫画の文法がある。」
もう片方の、西部開拓時代のような帽子を被った男がそれに反論する。
「確かに……しかし、それを言うならあんたも俺に負けず劣らず映画的じゃないか?」
「ふむ……確かにそれは否定しない。だが僕は自分なりにその手法を漫画的に」
ドン!ドン!ガチャ……
白熱しそうになった議論は、突然のノックと返事を待たずに開いた扉に中断を余儀なくされた。
扉を開いて部屋に入ってきたのは、ひどく狼狽した様子の眼帯をした男。数刻前から降り出した雨の中を駆けてきたようだ。
気のせいか、部屋の黒さが更に増したような気もする。
「なんだ、君か…。どうしたんだい、そんなに焦った顔をして…」
年齢のわからない男が口を開く。どうやら味方か、少なくとも知人であるようだ。
その後ろでは、西部劇風の男が腰につけたホルスターからゆっくりと手を離していた。
眼帯の男が答える。
「少々…いやかなり……やばいことになった……ピ…PEACH-PITが…」
「PEACH-PIT?彼女らとの交渉は今井君に任せておいたじゃないか。僕にいわれてもな…。
それに失敗してもともと、決定的な遺恨を作る前に手を引くことになっていたはずだが……。」
「その今井から連絡があった……今日二度目の交渉のためにPEACH-PITの家に向かったところ、
家は破壊され、二人は行方不明……だとさ。」
「な…んだと……!?」
「なにい!?一体…なんでそんなことが!!」
年齢不詳の男も西部劇風の男も、さすがに驚きを隠しきれないようだった。
やや長めの沈黙の後、眼帯の男が口を開いた。
「……誰がやったかはわかってる。」
「本当か!?どいつだ!!」
西部劇風の男が吼える。
「まあ落ち着け…と言っても無理だろうな。僕も興奮しているから、説得力がない。
とりあえず、誰がやったのか、それと何故そいつの仕業だとわかったのか。教えてくれ。」
「ああ…まず今井が破壊された家を探索中に、名刺の切れ端のようなものを見つけた。
奴の持ってるデータと照らし合わせた結果、どうもマガジンの編集部のものらしいということがわかったってよ。」
「マガジン!!?何であんな健康優良不良少年御用達の雑誌が……!!」
西部劇風の男が叫ぶが、年齢不詳の男にたしなめられる。
「だから落ち着け。それにそれは数年前までの認識だ。今では赤松を筆頭に結構そっち方面の需要と供給もある。」
「な、なるほど…よし、それでマガジンがそのPEACH-PITに用があるとする。
じゃあ何であんたら…いや俺達みたいにやらないでそんな乱暴な手を使うんだ?」
西部劇風の男の問いに答えたのは、今度は眼帯の男。
「そうだな…断られて、他の奴らに渡すぐらいなら…とか考え付かないでもないが、いくらなんでもそれは無いだろうしな…。
俺の勘じゃあ、彼女らに用があんのは編集の連中じゃなくて漫画家個人だね。
安全第一で動いてる編集者どもがこんな手を使うとは思えねえ。」
「で、その動いている漫画家というのは誰だい?
一般層にはあまり知られていないとはいえ、PEACH-PITの二人もかなりの手練だ。並みの漫画家ではそこまでできるとは思えないが……。」
次の問いを発したのは、年齢不詳の男。
そしてそれに対する答えは……
「お前らも知っての通り、俺はマガジンの方にも関わってる。そのコネを使って調べてみたんだが、どうやら……
…………CLAMPだ。しかも四人全員。」
長い沈黙。
その場にいる誰もが、会話を次の段階へ進めることを恐れているかのようだった。
「…CLAMP、か。」
その沈黙を破ったのは、西部劇風の男。
「そいつらは…今どこにいる?」
「あ?ああ、――東京タワーにいるみてえだな。何をやってるかまでは『見え』ねえけど。」
「そうか……ありがとよ。そこまでしっかりわかるとは思わなかったが…まあ都合がいいや。」
「待て。」
今にも席を立とうとする西部劇風の男を止めたのは、年齢不詳の男。
「何だい?」
「君の性格からして、これから何をするつもりかはよく解る。」
「そうかい?なら止めたって無駄だってこともわかるだろ?」
「まあ聞くんだ…まだここに来て日が浅い君は実感としてはわからないかもしれないが、ここの漫画家たちはみな『はぐれ者』だ。
もう俗世間の人気取りだの読者への媚だの漫画家同士の確執だのと関わらずに、静かに暮らしたいと思う人も多い。
君がCLAMPと事を構えたら、下手をするとマガジン…講談社との全面対決になる。彼らを巻き込むことになりかねない。」
だが、西部劇風の男の表情は変わらない。
「未来をしっかりと見て進むことも大事だろうけど……俺は、そのために今を見捨てたくはない!
CLAMPがPEACH-PITを襲ったというなら……俺はそいつらをそのままにしておくなんてことはできねえ!!」
「……戦いとなれば……、僕たちが戦うということは…
…深夜とはいえこの『不夜城』東京には多くの人がいる。無関係の人を巻き込む可能性は非常に高い。ほぼ100%だ。
たった二人のために、100人単位の人を危険に晒せるのかい?」
「……そんな時は昔から、こう言うと決まってるだろ。」
西部劇風の男の目の光が、一層強くなった。
「一人も百人も、両方助ける。それをやってのけるのが俺たち、漫画家の仕事だ!!!……ってね。」
「わかった。…いやすまなかったね。どうしても君の『覚悟』の程を知っておきたくて。」
年齢不詳の男の目が戦士から漫画家に戻った。西部劇風の男を認めたということだろう。
「じゃあ、もう話はいいな?行ってくるぜ!」
そう言うと西部劇風の男…皆川亮二は、窓を開けた。
その足が異形に変化し…夜の中へ飛び立っていった。行く先は東京タワー。
「……彼を見ていると、僕まで血が滾ってくるよ。つくづく自分が少年漫画家だということを思い知らされる。」
しばらく皆川が飛び立っていった窓を眺めていた年齢不詳の男が溜息をついた。
「やっぱり今でも週刊が恋しいかい?」
眼帯の男が応える。
「そりゃあね。あの熱い心は僕の原点だよ。今だって宿直でさえなければ皆川君と一緒に行きたかったぐらいさ。」
「……じゃあ行ってこいよ。俺が代わりにやっといてやるから。」
「そうかい?すまない。恩に着るよ。」
「いいっていいって。俺は編集の連中にこの件を報告しないといけねえし、まだネームも残ってるからよ。
それにCLAMP全員が相手じゃさすがの皆川も分がわりいだろ。」
「…確かに。でも本当にいいのかい?何なら次の君の宿直のとき代わろうか?」
「必要ねえよ。大体俺はあんたのこと一人の漫画家としてどっちかってーと尊敬してんだからよ、荒木飛呂彦さん。」
「それはどうも…。じゃあ今回はお言葉に甘えさせてもらうとしようかな、大暮維人君。」
どこから取り出したのか奇妙な仮面とマントを着けた年齢不詳の男……荒木飛呂彦は、皆川の出て行ったのと同じ窓から
こちらはどういう原理か雨粒の上を歩きながら、皆川を追った。
そして眼帯の男…大暮維人は…
「ちっ…やっぱ俺も行きたかったな……。まあ、またの機会を待つとするか。
自分の漫画の登場人物に何百年って単位で機会を待たせといて自分自身はほんの数日か数週間も待てねえなんて、笑い話だ。」
彼の掴んだ情報を編集たちに伝えるべく、ウルトラジャンプ編集部のドアを叩いた。
To Be Continued...
登場人数:10(7+3)
退場人数:0
現在の人数:10/60
このスレにも遂に書き手の方達が来てくれた……
あまりにも嬉しいと涙が出るという事を今、心で理解した
ウルジャンの面子は強力すぎる……
島流しとはいうが、実際ものすごい豪華メンバーだよなあ
そのころえなりは、自分がボーカルを務めるバンド、
「えなりん」の売り上げ不振により、多額の借金を背負っていた。
その額数千万。高利貸しから借りた金が、あれよと言う間に膨らんでしまったのだ。
もはやまともに返せるような額ではない。
サラ金からは毎日のように来る電話は、えなりの胃の状態をどんどん悪化させていく。
そんな状況に頭を抱えながら、
えなりは今日もガラガラのステージを終え、寂しく控え室に戻っていった。
えなり「はぁ…もうどうしたら…」
??「ククク…大変だな」
入った控え室の中に一人の男がいた。
えなりは驚いてそちらを見やる。
えなり「だ、誰です!? まさか…借金の…」
慌てて逃げ出そうとするえなり。
男がまあまあとそれをなだめた。
??「あぁ、心配はいらない。そんなんじゃあないからな」
男は懐からメモを取り出すと、内容を読み上げ始めた。
??「えなり3世、職業はメジャーバンド、「えなりん」のボーカル。
メジャーデビューしたバンドボーカルとなれば世間から見れば勝ち組だが、
その実CDはまったく売れず、運営費用がかさむ一方。
仕方なくサラ金から金を借りたはいいが、返す当てもなく借金は膨らみ続け、
そして今現在の借金総額は…」
えなり「…………」
??「約2千万」
えなり「あああああああああああああああ」
??「ククク…この金額、どうやって返済するつもりだ…?」
えなり「ほっといてください! あなたには関係ないじゃないですか!
ていうかなんでそんなこと知ってるんですか…公表した覚えはないですよ?」
??「これを見せてもらった」
男は一枚の紙をえなりに見せた。
??「明細書、荷物のなかにあったのを見せてもらった」
えなり「……!? あんた勝手に…!」
えなりは取引明細書を男から取り返した。
??「多額の借金があるとは聞いてたが、まさかそこまでとは思わなかったよ」
えなり「うるさい! あんた一体僕になんのようがあるってんだ!」
その問いに答える前に男は一旦の間を置いた。
??「…クク…まあ落ち着け。ステージ上がりで疲れてるだろう。
とりあえず一杯どうだ?」
男は冷蔵庫から缶ビールを2本取り出した。
一本をえなりに手渡し、もう一本は自分に。
訝しがるえなりだったが、自分の疲れはごまかせなかった。
缶ビールを開けると、一気に自分の喉を潤す。
??「いい飲みっぷりだ」
男の方も缶に口を付ける。
その後、少しの間無言が続いた。
??「借金……返すあてはないんだろう?」
えなり「…………」
えなりは答えない、だが答えない事が答えになっていた。
??「その返す当てを作ってやろうと思ってな」
えなり「え?」
不信感の募っていたえなりだが、さすがに今の言葉には興味を惹かれた。
えなり「一体どうやって?」
??「ククク…」
男は答えずに、一枚の紙をえなりに手渡した。
??「興味があったら、明朝にこの場所に来てくれ。
その時に全部の質問に答えよう」
部屋の外に出て行こうとする男に、えなりは慌てて言った。
えなり「待ってください。これだけ…なんで僕に声をかけたんです?」
??「ん? ああ…あんたのファンだから、かな」
男は笑いながら答えた。
??「ククク…来るか来ないかの判断は自由だ。まあ明日までよく考えてくれ」
男はドアノブに手をかけ。
??「ああそうそう、まだ名乗ってなかったな」
再びえなりの方に振り向く。
福本「俺は福本伸行だ。話に興味が湧いたならまた明日合おう、えなり君」
控え室に残されたえなりは、手の中の缶ビールの残りを飲み干した。
荒木に福本……2ch的な大物がいきなり出てきたな
しんしんと雪の降り積もる人里離れた山中で、二人の男達が死に瀕していた。
一人は盲人で、その顔はいかに過酷な暴行を受けたものか、ずくずくに腫れ上がっている。
もう一人の少年も同じく手酷い暴行を受けたらしく、顔に無数の深い傷跡が刻まれている。
二人に浴びせられた過酷な暴力は両者の身体と心を蝕み、既に両者共に身動きも儘ならない。
誰が信じようか。この瀕死の二人が鬼畜・劣情・勝利を旨とする少年誌の第4勢力「秋田書店」
元過激派幹部の一人「山本賢治」とその弟子「佐藤健悦」である事を。
ここで、かの「山本賢治」とその弟子「佐藤健悦」がこのような惨状に陥った経緯を説明しておこう。
数年前の秋田書店と小学館の全面戦争は秋田書店の惨敗に終わった。
秋田の一騎当千の外道達といえど、小学館との圧倒的な戦力差の前には意味を成さなかった。
山をも投げる背負いも、不退転の任侠の拳も、驚異的な繁殖力で増加する各種BM軍団も、
鋼鉄の切り札も、悪を滅す一人一殺の覚悟も、不屈の信念(サムライ)も全て戦力差に踏み躙られた。
世界を巻き込んで行われた秋田書店と小学館の全面戦争は秋田書店の惨敗に終わったのだ。
小学館が秋田書店に休戦協定で提示した条件は実に屈辱的な物であった。
秋田の所有する「神の力」の小学館への一部移譲、「水島」「浜岡」「板垣」の三巨頭の完全封印、
作家の小学館への一部移譲、チャンピオンの印刷証明付発行部数発表、その他多数の項目を
休戦協定に盛り込んできたのである。
既に小学館と戦う力の無い事を認識していた秋田書店上層部は血を吐く思いでそれらを受け入れ、
「水島」「浜岡」の両者もこれ以上の損害を避けるべく自らを秋田書店の地下数千メートルへ封印した。
しかし「板垣」を初めとする過激派は上層部の決定を良しとせず秋田書店を脱退、「RED」や「いちご」、
「烈」等の部隊を独自に結成し、ゲリラ的な対小学館抵抗活動を始めたのである。
これに対する小学館の弾圧は熾烈を極めた。
ゲリラは拠点確認次第その数倍の戦力が送り込まれ、投降も捕虜も認めず即座に抹殺される。
山本賢治に佐藤健悦の所属する新生「RED」第2支部も例外ではなく数日前襲撃を受けて壊滅、
二人は二日間に渡る制裁の後、山中に放置されたのであった。
雪の降り積もる中、疵の手当ても無いまま大木に縛り付けられ放置された
二人の命は正に風前の灯であった。
「健悦 健悦 己の顔はどうなっている?耳はあるか 鼻はあるか」
小学館との抗争で光を失い、二日間の制裁でありとあらゆる拷問を受けた山賢には
最早自分の肉体を確かめる事も出来ない。
「あなた様のお顔は まるで稚児のよう…」
人の物とは思えぬほど惨く膨れ上がった山賢の顔を佐藤健悦はそう称した。
それを聞いた山賢はただ静かに気を失った。
しばらくして佐藤健悦は子守唄を歌い始めた。永遠とも思える長きに渡る暴力からやっと
開放された師匠がせめて命を引き取るまでは安らかでいられるようにとの願いを込めて、
降り積もる雪の中で静かに子守唄を歌い始けた。
続く?
…勢いに任せて大仰な設定出しちゃったけどいいのかなコレ。
あと名前だけの人やそれっぽいイメージだけの人は登場人物に入れなくていいかな。
ついでにイメージ
・山賢(カオシックルーン・ガイスターバーン)…山賢作品で暴行を受けてボロボロな男
+目の病気で休養中の山賢本人
・サトケン(舞HiMEシリーズ・聖痕のクェイサー)…クェイサーのサーシャ
登場人数:12(11+2)
退場人数:0
現在の人数:12/60
大丈夫だとは思う。名前出たからって本人登場するまでは状態わからないし。
そんなことより、何故題名がないんだ?
いきなり最新のネタktkr
しかし能力を考えると、二人の配役が逆だなw
26 :
11:2007/06/28(木) 11:19:46 ID:tNU853eQ0
>>24 単なる書き忘れだが、わざわざ付け足すのも野暮かと思ったのでそのままにしておいた。
題は『Over The Night』。
ところで、前の設定を出すのはどの位までにしておいたほうがいいんだろうか。
あまり使いすぎるとリセットした目的の一つである新規参加者の引き入れが難しくなると思うのだが。
だいたいの漫画家は性格と能力はそのままで変えるのは人間関係だけいいと思う。
ただ《メル欄》だけは根本からどうにかしないと
>>26 設定に関しては、前の使い回しでも新しく見る人間を置いてきぼりにするんじゃなくて
ちゃんと誰にでもわかるように説明がなされてれば幾らでも使っても構わんと思うよ。
性格や能力に関しては書く人間次第だな。そんなもん議論で強制するのは自由度を狭めるだけ
残したい人間は頑張って自発的に書いていくべき。
早朝の公園に煙草を吹かす男がいた。
ベンチの背もたれに手をかけ、のんびりとくつろいでいる。
福本「…来たか」
えなり「…………」
福本「話に乗る気になった…と解釈していいわけかな?」
えなり「…あんた、漫画家なんだな」
福本「クク…一応、調べて来たわけか。漫画は読んでくれたかい?」
えなり「…………」
えなりは答えない。答えずに自分の疑問を突きつけた。
えなり「あんたみたいな人が、僕に一体なにをさせようっていうんですか?」
昨日以上に不信感を持っているのは明らかだった。福本は内心で苦笑を浮かべる。
福本(ククク…俺の漫画は読んできたみたいだな。
それも何を読んで来たのかは、この反応で容易に想像できる…)
福本「まあその話は、おいおいしていこうじゃないか」
彼はそう言うと、ベンチから腰を上げた。
福本「まずちょっと野暮用を片付けたくてね。
本題とは違うが、手伝ってくれたら日当10万だそう」
えなり「へ? 野暮用って……あ、ちょっと、どこ行くんですか!?」
公園の外へ歩みを進める福本。
あわててえなりもその後に続いていった。
なんかボンボンが休刊するらしいね
月ジャンに続いて、漫画界もリアルに激動しとるのー
えなり「ここは…?」
目の前の建物を見上げるえなり。
二人が来た場所は、場末の小さな雀荘だった。
えなり「こんなところに一体何の用があるってんですか?」
福本「クク…ここに来たら、やることは一つだろう?」
えなり「麻雀すか…? え、手伝うて麻雀? 僕、麻雀なんてやったことないですよ?」
福本「そうなのか?」
えなり「はい。ルールも、役とかいうのも知らないし。ついでに金ないですし」
福本「金の心配はいらない。俺のサシ馬だからな。
ルールは……やりながら覚えてくれ」
えなり「そんな無茶な…って勝手に行かないで下さいよ!」
雀荘の中はガラガラだった。
誰一人として麻雀をしている人間の姿は見当たらない。
ただ隅の雀卓に二人の男が座っているのだけが目に入った。
えなり「あの人達ですか?」
福本「ああ」
二人はその男達に近づいた。
??「来たか」
福本「ああ、少し待たせちまったかな」
男は手に持った煙草を灰皿に押し付け潰した。
??「それじゃあ早速始めようか、福本先生」
福本「そうですね、星野先生。それにさいふうめい先生」
えなりを置いてけぼりにしたまま、彼らの戦いが開始された。
描写を少なくしてテンポよく、見やすくしてるつもりだけど
こういうのより状況や心情を細かく書いた方がよかったりするのかいね?
33 :
1:2007/07/01(日) 18:04:25 ID:dQOO59oiO
福本出してくれたのは嬉しいし、書いてくれる事自体は感謝してる
けど一つだけ言わせてくれ
えなりの元へ向かったPEACH-PITは完全無視ですか?
気づいてないようなのでちょっと言うと
このえなり、えなり2世じゃなくてえなり3世なんだなこれが
なんにせよ先の展開にそれほど未練がある訳じゃないので
やりたいことがあったらちゃっちゃと割り込んでくれ
3は誤植扱いでも別にかまわんよ
つまり、えなり2世そのままだしてもいいと?
えなりです。
いやー、いくらお金に困ってても、知らない人についてっちゃあいけませんね。
気がついたらルールも知らない麻雀をやらされる事になってしまいました。
しかも聞く所、僕の借金が霞んで見えるほどのとんでもない金額を賭けてるようです。
お金って、あるところにはあるんですねぇ。
しかしサシ馬だから負けても僕に被害はない、なんて言ってましたけど、
よくよく考えたらそんな保証はないんですよね、あとで負けの責任を追求されたらどうしようか悩んでいる今日この頃です。
さあ次回のえなりの冒険は、
「闇に舞い降りた天才、えなり」
「初めての役萬」
「バレなきゃイカサマじゃねえんだぜ」
の3本でおおくりしまーす。
んがんぐ。
…などと現実逃避している場合ではない。
一体この状況……どうしたものでしょうか。
とりあえず勝負は半荘5回戦で先に3勝した方の勝ちだそうです。半荘ってなんでしょう?
点数は福本さんと星野さんという人のサシ勝負で、僕とさいふうめいさんて人の点数は関係ないそうです。
少し安心しました。
他にもいろいろ話してましたが、言葉の意味がまったくちっともこれっぽっちも分かりませんでした。
自動雀卓を使わない、って所だけはわかりましたが。
まず東西南北の4つの牌を裏返しにして一人一人引いて、座る場所を決めました。
僕は東を引きました。この東を引いた人を基準に、それぞれ座るのが決まりみたいです。
福本さんは北、星野さんて人は南、さいふうめいさんは西。
ここまではいいんですが、ここからが訳が分かりませんでした。
起家、ようするに親をここから決めるらしいですが、
それにサイコロを使うそうなんです。降るのは東に座ってる人、僕です。
降りました。3と4の7でした。
この出た目で東家の場所が変わるそうです。
3、7、11は南に座ってた人が東になる、南は星野さんだからそこが「東」になって、
僕の座ってる場所は「北」になりました。福本さんは「西」、さいふうめいさんは「南」に。
2回戦からは順位が一番だった人を東扱いにして、その人が一度サイコロを振って親を決めるそうです。
もうサイコロだけで勝負決めればいいのに…
そして今度は洗牌、裏返した牌を全員でがちゃがちゃ回すやつです。
十分に混ざったら17×2牌をそれぞれが集めて2段を作りました。
んで今現在の親の人がまたサイコロを振って、出た目の場所の人の所から牌を持って来る。
星野さんがサイコロを振りました、出た目は1、1の2。南家の人が作った牌山からもってくることになりました。
このとき、さっき出たサイコロの数字分だけ南家の牌山の右側の列を区切るそうです。この場合2列でした。
これを王牌と言って、全部で14牌をゲームで使わない牌として扱います(ドラとかなんとかで使うらしいですが)
足りない分の王牌は、下家の牌山の左端から必要な分だけ区切るんだそうです。
そして南家の区切った場所から親から時計回りに4牌ずつとっていき、13牌目だけ1枚ずつ取る。
取る牌山は半時計回りだそうです。ややこしい。
ここまでやって、やっと準備完了しました。
もうお腹いっぱいです、帰っていいですかね?
そんな自分の内心とは裏腹に、とうとうゲームが始まってしまいました。
そしていきなり事は起こりました。
星野「天和、国士無双。ダブル役萬」
時計回りと反時計回りが逆だった…
正確には牌を取る順番は親を頭に東南西北の順で
牌を取る牌山は開門の位置から東北西南の順でってことで
41 :
薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:22:26 ID:+m3Sf4N/O
>>6 >>19 >>39 テーブルに向かいながら、僕、えなりは昨晩の事を思い出す。そう、指にはめられた薔薇の指輪を見ながら−−
福本が去ってから、僕は思い悩んでいた。たしかに借金は返したい、がしかし−−
(相手は漫画家、しかもギャンブル物を描いている福本さんだ。当然用事っていうのもそっち関係だろうし。どうしよう、賭け事は強くないのになぁ)
これが普通の競馬などならまだいい。だが福本さんのギャンブルともなると裏の世界に通じているような気がしてならない。罠のような状況に僕は溜息をついた。
「本当に、これからどうしよう」
「随分と悩んでいるようね」
「そうなんですよ、借金は重くなるばかりだし……て、うわッ!?」
突如として後ろからした声に驚いた。鏡台を見ると、小さな2体の西洋人形がこちらを見ていた。声をかけてきたのが彼女達だとわかると、僕は何者なのか聞いてみた。
「いっ一体何なんだ、 アンタらは!?」
「レディに対してその言い方は礼儀がなっていないわ。紳士たるもの、まず自分の名前を言うものよ。えなり2世?」
さらに困惑したよ。何時からこの2体、いや2人はいたのか。そもそも何処から入ってきたのか。
「自己紹介させてもらうわ。私は漫画家PEACH-PITのえばら渋子よ」
「同じくPEACH-PITの千道万里よ。『ローゼンメイデン』って漫画、知ってるでしょ?」
そう言われて僕は思い出した。そういえば本屋に行った時に、そんな漫画もあったっけ。
「今日は漫画家に何で連続して会うんだろう」
「あら、私達の前に、誰か貴方に会いに来たの?」
「えぇ、まぁ。『カイジ』を描いている福本先生ですよ。借金の返済を手伝ってくれるって来たんですけど」
そう返事したら、今度は千道さんがこう言ってきた。
「借金返済よりも、これからは更に辛くなるわよぉ。私達はそれを知らせに来たんだから」
更に辛く? この借金地獄よりも辛い事なんてあるのか?
「貴方はこれから、否応なしに漫画家達の戦いに巻き込まれる。そう言いにきたのよ」
えばらさんがそう言ってきたが、僕には何の事だかさっぱりだ。そう言うと彼女はこう切り出してきた。
「矢吹健太朗という漫画家をご存知?」
「あぁ、それなら知ってますよ。ジャンプで『BLACK CAT』っていう漫画を描いてたパクリ作家と
42 :
薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:24:49 ID:+m3Sf4N/O
言われてた人でしょう? でも確か、作画担当になってもうパクリから手を引いたはずですけど」
「確かに彼はパクリを止め、まともな漫画家になったのだわ。それ自体は素晴らしいことよ。けど、それが予期せぬ事態を招いたの」
「予期せぬ事態? それって一体……」
「CLAMPが計画を実行し始めたの」
「CLAMP……って、確か4人組ですよね。その人達が何を?」
ますます事態が飲み込めなくなったので更に2人に質問をした。
「矢吹がパクリを止めたことで、漫画家における負の力が一つなくなったのだわ。それを狙って、CLAMPはマガジンの主な漫画家と手を組み、世界を手に入れようとしているのよ」
「少女漫画家達はそれをいち早く察知したんだけど、恋愛物ばっかりで戦う力もろくになかった。どうなったのかは、考えればわかるでしょ?」
「それはわかりますけど、じゃあ、どうして僕なんです? どうして僕の所へ来たんです?」
そう聞くとえばらさんは壁の方を見ながら答えた。いや、壁じゃなく別の物を見ながら。
「数日前に武内先生が言っていたのよ。冨樫先生の占いで、いずれ起きる災いを止める鍵の一つが貴方だと出たとね」
43 :
薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:26:34 ID:+m3Sf4N/O
「それで、貴方は明日行くの?」
暫く休んだのち、えばらさんが聞いてきた。
「あぁ、福本さんですか? 一応、行ってみようと思ってますけど」
「どうせなら、私達の助け、欲しくなぁい?」
「助け……ですか?」
「福本という男は話によると相当の勝負師。素人の貴方では、すぐに借金を悪化させるだけなのだわ」
(言われたくはないけど、確かにそうだよなぁ)
「それにこの先、何時戦いに巻き込まれてもおかしくはないのだわ。だから……」
そう言うとえばらさんと千道さんは、僕の目の前に指輪のついた手を差し延べて告げた。
「「誓いなさい、この薔薇の指輪に」」
44 :
薔薇の誓い:2007/07/04(水) 14:29:00 ID:+m3Sf4N/O
途中で切れてしまった部分が発生した
本当にスマンorz
じゃあ後よろしく
お、本編が動きそうだな。
一読者として期待。
「はーーーッ!!!」
「うりゃあぁぁぁあッ!!!!」
猫井と皆川、両人の右足が空気を引き裂く音を立てて交錯した。
と見えた次の瞬間には、既に1m程度の間合いを開けて油断なく構えを取っている。
猫井の構えは見たところ我流であるが、隙が見えないのは本人の卓越した技量の故か。
対する皆川はおそらく中国拳法であろうが、こちらも具体的にどの流派かまではわからない。
推測ではあるが、さまざまな流派の特徴を取り入れた半オリジナルだろう。
二人がこうした戦いを始めて、もう20分ほどにもなるだろうか。
東京タワーに飛び込んできた皆川の問い――『何の目的でPEACH-PITを襲ったか』
に対し、CLAMPの返答は――拳であった。
そして今現在、猫井はまだ皆川と互角の戦闘を繰り広げている。
もこなは何か外からはうかがい知れぬ――恐らくはおぞましく邪悪な――目的のために相も変わらずコードの山に埋もれている。
大川といがらしは猫井と皆川の激戦を、まるで面白い見世物でも見るかのような眼で眺めている。
その余裕は恐らく、武内、そして銀水晶が自分達の手にあることから来ているのだろう。
皆川は――当然、猫井との闘いの最中だ。
間合いを取って睨み合い、数合の打ち合いの後、再び距離を開ける。
傍から見れば舞いにも似た、妙な美しさを持った戦いは当分続くかと思われたが、
十何回目かの殴り合いのために、二人が動いたと見えたそのとき――
「『炎の矢』」!!!!
大川が叫び、迸る炎がまさに矢のように皆川を襲った。
「な…んだとおおぉぉッ!!!」
予想だにしていなかった方向からの攻撃に動きが止まった一瞬――
ズ ン
猫井の正拳がボディに叩き込まれ、皆川亮二は数メートルも吹き飛んだ。
「ぐわああぁぁぁッ!!!
て、てめえら……やり方が汚ねえぞ!!!」
「そうだよ大川さん!!私だけでも勝てたのに!!!」
横槍に憤る皆川と猫井。
しかし、よく見ると大川、そしていがらしまでもが切羽詰った顔をしている。
「そんなことを言ってる場合じゃないわ……急いでここから離れるの。」
「そうよ……。何か…姿は見えなかったけど、恐ろしい何かがここに向かっているわ!!
『今の』私達なら大丈夫だとは思うけど……用心はしてもし過ぎるってことはないからね。そこの彼に邪魔されるかもしれないし。
椿!!私達二人を信用できるなら今すぐもこなと武内を連れてここから逃げるわよ!!!」
「うん…大川さんといがらしちゃんがそう言うなら……。」
さすがに完成されたチームワークで撤退の準備をするCLAMP。
だが、皆川が彼女らをみすみす逃がすわけもない。
「てめえら…俺を無視して、勝手に話を進めんじゃねえ!!!
何かだかなんだか知らねえけどよ、俺もてめえらにはたっぷり用があるんだよ!!!」
さすがに猫井のパンチが効いたのか口から血を流しているが、その気迫には僅かの衰えもない。
だが、既にCLAMPの誰にも皆川の相手をするつもりはなかった。
ただいがらしが振り返り、
ファイアリー
「 火 」!!
巨大な火球を撃ったのみ。
そして4人…いや捕らわれの武内を含めれば5人は後ろを振り返ることすらもしようとはせず、闇色の空へと消えて……
バシュッ
遥か後方から放たれた何かが、彼女らを掠めて飛んでいった。
「な、なに!?今のは…」
「後ろから来たよ!!!」
「もし当たってたら…死んでたかも。」
「ちぃ?」
「とにかく、いったい何があったのかを確かめ………
………!!!!」
4人……いやもこなを除いた3人が振り向いた視線の先にいたものは……
『小娘ども…逃さぬぞ!!!!』
砲身と化した右手を突きつけ、第二ラウンドの開始を告げる魔獣。
ホワイトラビット
ARMS『白 兎』と『ジャバウォック』を発動させ異形と化した、皆川亮二その人であった。
To Be Continued...
50 :
44:2007/07/04(水) 23:32:21 ID:+m3Sf4N/O
このスレには神がいるよ
凄いぐらいに皆川vsCLAMPがかっこいい
>>45 後よろしくと言われても……
麻雀のルールなんてしらねぇ
調べてみてもいまいちわからねぇOTZ
>>50 ああ悪いちょっと読み違いしとった
てっきり勝負終わってその次の日になってたのかと
52 :
44:2007/07/05(木) 01:40:07 ID:xpw/V0uAO
>>51 いや、別にいいんだ。こっちも分かりづらい書き方してスマン
ところで、このスレ100までいったら、したらばに新スレたてる?
より過疎になりそうだからやめといた方がいい気がする
そもそもここ、3人くらいしかいないんじゃないか
福本「ククク、いきなり仕掛けてくるとはな…」
親のダブル役萬、ツモ上がりの為点数は32000all。
開始点は25000なので…
えなり「星野さん以外、いきなり全員0点…」
ハコ点と言う。
これにて一回戦、終了である。
星野「いやあ、ラッキーでした」
いけしゃあしゃあと言う。
福本(クク…あからさまに積み込んどいてよく言う…)
しかし気がつかなければイカサマではないのだ。
それに自動雀卓を使わない事は福本もOKしている、
それで積み込みに気づけなかったのならこちらが油断したということだ。
えなり「あの福本さん、今何が起こったのか説明してほしいんですけど…」
福本「ん? ああ」
煙草を口にくわえて火をつけ、解説を始めた。
福本「天和って言ってな、親が最初の一発目でいきなり上がることで、特例として役萬として扱われるんだ。
役萬くらいは分かるな? 麻雀で一番高い点数をもらえる牌の集め方だ。
国士無双ってのもその役萬の一つで、
『萬子(マンズ)』(萬の字が入った数字牌のこと)
それと『筒子(ピンズ)』(サイコロの目のような丸い点の入った数字牌)
あと、『索子(ソウズ)』(緑色の棒線の数字牌、1ソウだけは鳥の絵になってる)
その三種の中のヤオ九牌、1と9の牌だな、これを全種一つずつ揃え、
最後に字牌全種、
風牌の『東(トン)、南(ナン)、西(シャ)、北(ペー)』、
三元牌の白(ハク、真っ白なの)、發(ハツ、発の字)、中(チュン)
これら7種も一枚ずつ揃えたのが国士無双という役だ。
で、親は子よりも点数が多くもらえるワケだが…役萬は子の場合32000点もらえるところ、親は48000点になる。
その役萬を二つ同時に出したので更に+48000点。
ツモ上がり、要するに引いた牌で上がった場合は、他の3人が均等に点数を割って支払う。
(親が子に上がられた場合はちょっと違い、親が勝った時にもらえるのと同等の点数を子に支払う)
今回は96000点を三人で割って32000、開始の点数が25000だから、
全員いきなりハコ点になって終了、というわけだ」
えなり「はあ……」
よくわからないままただ頷いた。
しかしある疑問を抱き、再び口を開く。
えなり「あの…そんなことってそうそうあるものなんですかね?」
福本「…ククク。一度でもあれば、一生他人に自慢できるだろうな」
その言葉にえなりも気づいた。
えなり「てことはこれは…」
福本「ああ…連中、サマをやってる」
えなり「分かってるなら言わないんですか?」
福本「イカサマはその場で言わないと意味はない。
それに不覚だが、気づかなかったしな」
えなり「そんな…それじゃあまたやられたら…」
福本「どうしようもないだろうな」
その場に座り込んで頭を抱えるえなり。
福本は笑いながらその肩に手を置き、
福本「まあそう心配するな」
そう言って星野達の方へ視線を移した。
福本「同じ手を二度くらうほど、間抜けじゃないさ」
えなり「でも対処法が分からなきゃ…」
そこで言葉を区切った。福本から鋭い威圧感のような物を感じたのだ。
福本「まあ、なんとかしてみせるさ」
えなりの耳に、「ざわ…ざわ…」という音が聞こえた気がした。
麻雀2回戦。
親決めのサイコロを振るのは1回戦トップだった星野。
出た目は2、3の5。親は再び星野へ。
えなり(なんでこう都合良くサイコロの目が出るんだろう…)
疑問に思うのも無理はない。
彼はサイの持ち方と投げる時の力加減で出る目を操作しているのだ。
最近の麻雀ではこれができないように、雀卓の中央に自動でサイコロを振れる装置がついているのだが、
今回は自動雀卓を使わないという約束で開始されている為、サイコロも人の手から直接振る事になっている。
星野(機械の入る余地がなければ、そこは完全に牌人の領域。
こちらを甘く見て普通の雀卓でいいと言ったんだろうが…後悔させてやる!)
親が決まった所で洗牌へ。
全ての牌を裏返して、全員で牌を混ぜ合わせる。
そのとき、星野とさいふうめいはある事に気がついた。
「中」がない。
理由はすぐに分かった。えなりだ、
えなりが牌を4つ、露骨に抱え込んでいた。
2回戦が始まる前、えなりは福本にある作戦を託されていた。
福本「えなり君、2回戦の頭、洗牌の時になんとか「中」を4枚分かる位置に確保してくれないか?」
無論えなりはそんなこと無理だと言ったのだが、それが勝つ為の唯一の方法だと言われ、しかたなく実行したのだが…
えなり(自然に…自然に…)
本人は必死に気づかれないように4枚の牌を確保しようとしているが、
周りから見ればその意図はバレバレであった。
星野(こんな素人に…舐めたマネを…)
さい(ちょっと露骨すぎるぜ、坊……星野。作戦かもしれねえ)
星野(この挙動はどう見たって素人ですよ。やってやりましょう)
テレパシーのように「通し」(仕草で会話)で話し合う二人。
二人の作戦が決まったところで、牌山を作る「砌牌」(チーパイ)に移った。
えなり(よし、このまま「中」を僕の山に…)
そう思って手を伸ばした瞬間、他からのびて来た手が、えなりの確保していた牌を奪って行った。
えなり(あ!)
思った時には遅く、牌はあっという間に南家の山に詰まれてしまう。
えなり(しまった…すいません、福本さん。でもこれが僕の限界です)
すまなそうに福本の方を見るえなり。
えなりの視界に映る福本に、特にこれといった反応はなかった。
再び星野の振ったサイコロの目は1、1の2。また南家の牌山から配牌だ。
えなり(終わった…)
星野とさいふうめいの二人が好きなように詰んだ山は、また天和を起こすだろう。
どう考えたって勝ち目はない。
その場のほぼ全員がそう思った、
が――
星野(「中」がない!)
「中」がなく、代わりに「四萬」が配牌の中に混じっていた。
星野(一体どうして…まさか!)
福本(ククク…素人が、狙った4牌を抱えるなんて出来るかよ。
裏返って混ざり合う牌を、たとえ4つだけとしても素人が覚えられるわけがないだろ…
まして同じ牌を4枚なんてな。なんとか挑戦しても、全然違う牌を抱える事になるのさ。
で、俺がそれをカモフラージュにして本当の「中」を抱え込む。
あんたらは見える方の4牌に惑わされたってわけだ。
それに――)
福本「ククククク…あんたら、国士無双狙い過ぎなんじゃないのか?」
2回戦東一局。
天和、ならず――
お、麻雀編結構進んでるな。
俺も何か書いてみようかな…
書き手の方は大歓迎ですよ
2回戦、東一局、第一巡目。
親の星野、「白」をツモ、手出しで四萬を切ればテンパイだが―
星野(…「中」がなければこの国士無双は絶対に成らない)
その「中」は福本の手によって押さえられてしまった。
星野(手を崩すか…目指すのならチャンタだが―どう考えても時間がかかる。
もしくはいっそ、竹内さん((さいふうめいの本名))に上がってもらう方が早いか?)
さい(いや待ちな、坊。まだその役萬、消えた訳じゃないぜ)
星野(え…?)
さい(福本の旦那は牌を詰む時に「中」を確保したわけだ。
だったら、旦那の山までツモを回せば―)
星野(「中」を引く確率がある、というわけですか?
しかしそれまでに相手に上がられたら終わりですし。
そもそも王牌((引かない牌山。今回の場合、南家(さいふうめい)の牌山の右二列と、
西家(福本)の牌山の左から5列))に「中」4牌全て詰まれていたら、どうしようもないですよ!)
東(星野) 22222221000000000
南(さい) 000000000000000[22
西(福本) 22222]222222222222
北(えなり) 22222222222222222
こういう状況、[]内が王牌。
さい(その可能性もあるさ。
だが、よく考えても見ろ、「中」を4牌も確保してるんだぞ。
隠すのも手の一つだが、もう一つ別の使い道があるだろう)
星野(…自分で使う)
さい(そうだ、三元牌の暗刻が確定ともなれば用途は多い。
最悪「中」のみでもいいからな。使わない手はあるまい)
星野(しかし…誰かが鳴けばツモ順が変わって自分では引けなくなります。
自分たちが引けば役萬が確定するわけですし、
そんな危険を冒してまで、「中」をつんだりするでしょうか?)
さい(その考えは分かるが…そういう危険を承知で実行をしてくるのが、この男なんだ)
結局、星野は手出しで4萬を切る。
彼らの意見は国士無双を狙って行く事に決まった。
さいふうめいたちの思惑の通り「中」が牌山につまれていた場合、問題となるのは鳴くか否かである。
ポンでもチーでも、鳴けばツモ順が変わり、引く牌がずれる。
その為、想定していた物と別の場所の牌を引く事になり、積み込みが不発に終わることになる。
しかし逆に、こうなることを想定して牌を積んでいれば、鳴くことで相手の罠にかかることになってしまう。
鳴くか否か、鳴くとすれば何度鳴くかで、先の展開が決定されることになる。
さい「チー」
6巡目、さいふうめいは、一鳴きで牌をずらすことにした。
さい「チー」
10巡目で2鳴き。これでツモ順は大きくずれることになる。
さい(さあどう来る、福本の旦那)
しかし福本は動かない。ただ淡々と手を進めて行く。
そうこうしているうちに13巡目、えなりのツモの時に―
えなり(あ…)
最初に「中」を引いたのは、北家のえなりであった。
鷲巣麻雀並みの遅さですまん
もうちょい待っての
なにこの麻雀スレ
ヤマジュンはおkなの?
書いておkというより、
むしろ書いて下さい、お願いします
このスレまだ書き手が少ないんで
70 :
“跳んだ”時:2007/07/24(火) 23:02:07 ID:KXzpaeNoO
まさに異形。今の皆川を表すにはその言葉が一番だった。俗世を捨てたとはいえ、その存在感は四人の精神を凌駕していた。
「このままでは、間違いなく負けるわね」
「どしたらえぇんや、大川さん」
このままでは訪れるだろう絶対なる死−−−そう誰もが思っていた。しかし、
「ちぃ」
「どうしたのですか、もこなさん? えっ、アレ(・・)を使えばいいって?」
「そうね、今こそアレ(・・)を使うべきね」
もこなの突然の申し出。それを大川は、懐から何かを取り出しながら承諾する。
それは銃弾だった。一見すると、やや長細いだけの普通の銃弾だ。それを大川は、あろうことか皆川に直接投げ付けた。
金属音をしながら、弾は皆川に当たった。
『小娘どもが、何をするかと思えば弾をそのまま投げるなど……ぬぅ!?』
突如として皆川の周りに異変が起こる。空間が歪み、黒い渦が覆った。
「それでは皆川先生、しばしのお別れを」
彼は悟った。このままでは四人を逃してしまうと。
『ふざけるなよォーッ! 小娘どもォーッ!』
罵声を言うも周りの黒い渦は収縮していく。完全に収縮したとき、
皆 川 の 姿 も 無 く な っ て い た 。
71 :
“跳んだ”時:2007/07/24(火) 23:03:55 ID:KXzpaeNoO
−−火花、煙、爆発音。それらと共に先程消えた筈の皆川が姿を現す。どうやら異形のままだ。
『何だったんだ、さっきの銃弾は……あの小娘どもは!?』
辺りを見渡してもCLAMPの姿はない。唯静かな空間が広がっている。
『何が……一体何が起こったというのだ!?』
「どうしたんだい、皆川くん。CLAMPの四人は何処へいったんだい?」
『!?』
皆川が振り向くと、そこには遅れて出発した筈の荒木飛呂彦がいた。
『荒木、何時の間に!?』
「何時の間にって……雨粒の上を歩いて来たからなぁ、一時間弱かかってしまったんだかなぁ」
皆川は荒木の言った事実に驚き、壁の時計を見ると、明らかに時間が30分以上進んでいた。
一体何が、何が起きたというのだろう。訳がわからない。
怒りや憎しみより驚きが勝っていき、次第に皆川は普通の姿に戻った。
「何故、こんなに時間が経ったんだ!? 一体何が、どうやって!?」
普通の慌て振りじゃない。荒木にはそう見えた。
「君に何が起きたのか、ちょっと調べてみるとしよう。その前に……」
そう言うと荒木は、皆川に指を指しながら叫んだ。
「予めスタンドが見えるようにしておこう。皆川くん、準備はいいかい?」
「洗脳とかは好きじゃないが、この際だ。頼む」
「よし、ならば……ヘヴンズ・ドアー!」
天国の扉(ヘヴンズ・ドアー)、それは荒木が持つ能力−−スタンドの一つだ。皆川の事を本に変えると、即座に書き込んだ。
「『スタンドが見える』っと。これで君にもスタンドが見えるようになったから、検証を行うとしよう。『ムーディー・ブルース』! 皆川亮二を再生しろ!」
『ムーディー・ブルース』の額に付いたデジタル時計巻き戻され、ある程度の所で再生が始まった。
「俺が猫井と戦っている所だな。20分近くはやっていた筈だ」
「ならばこの辺りは早送りしよう」
暫くするとスタンドが横遣りを喰らった所、そして異形になった所を再現しだした。だがここで二人は予想外の事実を知ることとなった。
「何でスタンドの再生を止めちまうんだ? 動かなくなったぞ」
「そうじゃない、この先が何らかの理由で再生出来ないんだ」
「再生出来ない? 一体何故?」
72 :
“跳んだ”時:2007/07/24(火) 23:05:21 ID:KXzpaeNoO
「おそらく、瞬間移動の類いで何処かに飛ばされたんだ。だが、それでは皆川くんが此処にいた理由が分からない……まさか」
荒木はおもむろに携帯電話を取り出すと電話をかけ始めた。
「大暮くんかい? 済まないがマガジンについて聞きたい事があるんだが……」
一通り聞くと、荒木は一礼しながら電話を切った。
「大暮に何を聞いたんだ?」
「取りあえず謎は解けた。だが、この戦いはかなり苦戦する事になるかもしれない」
荒木が大暮に聞いた、空白の時間の正体。それは、
「B・C・T・L−−強制時間跳躍弾という相手を未来へ送り飛ばす弾丸だ」
強制時間跳躍弾ってネギまのアレか
あの弾丸さりげなく結構反則だよな
しまった、このところあまり投下がなかったから油断してた……。
まあこの続きになるように細部を修正すれば何とかなるか。
えなり(「中」をツモっちゃったけど、どうしたらいいのかなこれ)
えなりはすでに事態を飲み込めずに混乱の極地にいた。
自分が「中」4枚の確保に失敗したのに天和にならず普通に局が進み、
そして今自分の手に違う山からツモった「中」が一枚。
えなり(一体どうなってんだよ…)
訳が分からない。訳が分からないが…
手としては、この「中」は切りたいところだった。
えなり手牌
___________________________ __
│四│四│五│五│六│六│五│六│七│四│八│ │ │| |
│索│索│索│索│索│索│筒│筒│筒│萬│萬│北│北│|中|
テンパイまであと一歩のイーシャンテン
あと一つの順子(数字の並び)か、暗子(同じ数字3つ)が揃えば上がりである。
理想は三萬か五萬を引いての両面待ちだ。
同じ順子が2つで、一盃口
1と9の数字を使っていないので、断ヤオ九、略してタンヤオ
えなりが福本から教えてもらった、数少ない役だ。
ド素人のえなりがここまで手を進められたのはそれ自体が奇跡と言える。
えなり(「中」は確保しといた方がいいのかな…?
けど入れる意味がないし…変えるとすれば八萬だけど…)
だけど、自分の思惑外に事が進んでいる今、最初の指示を引きずる意味はなさそうに感じたえなりは、
「中」をそのまま捨てることにした。
えなり、打「中」
そして、それはもちろん―
星野「ロン」
えなり(あ!?)
しまった、と表情に浮かべるえなり。
星野の役は、もちろん先ほどと同じく、「国士無双」
星野「48000点、そして一人飛んで2回戦も終了だな」
勝ち誇る星野。安堵を浮かべるさいふうめい。
しかし―
福本「ククククク…」
福本は笑っていた。その表情は毛ほども揺れていない。
星野「何がおかしい?」
福本「ククク…勝ち誇るには、まだ早いってことさ」
自分の牌を晒して、宣言する。
福本「ロン、頭ハネだ」
頭ハネは、捨て牌で二人以上が同時に和がった時、
捨てた人から見て上家の人間の方が優先されるというシステムだ。
つまり今回和がれるのは、えなりの上家の福本だけである。
星野「福本さん、あんた…!」
福本「中、三色同順。3900」
えなりから3900点受け取り、福本28900点でトップに。
さい(今のは狙っていたな…こっちがツモ順を変えると事前に予想して、
「中」を左手芸(自分の山の端に積んでいた2牌と手牌の2牌を入れ替える技)で自分の手牌に加えて、
もう一牌の「中」はこちらの鳴き数を1回か2回と予想して積み込んでおき、
自分でツモるか、えなりという男からの頭ハネで上がるかの2択として用意していた、というわけか…)
さい「やってくれるな、福本さんよ」
福本「ククク、運が良かっただけですよ」
星野(ち、言ってくれるぜ)
三人の間に火花が飛び散る中、蚊屋の外のえなりは一人ごちた。
えなり(帰りたいなぁ)
なにはともあれ、2回戦東1局終了。
戦線は東2局へと移り変わる。
一方その頃、遠くはなれた集英社で異変がおきていた。
尾田「ぐああああああああ!」
吹っ飛び、倒れふしたのは現在の集英社筆頭格の尾田栄一郎。
よほど強力な攻撃を受けたのか、体全体に大火傷のような傷を負っている。
彼だけではなかった、大勢の集英社の漫画家達が、同じような状態でその場に倒れている。
岸本「一体なんのつもりですか!」
啖呵を切ったのは、集英社出世頭の岸本斉史。
目の前の男を、必死の形相で睨みつける。
岸本「なんであんたがこんな事をするんですか!」
男は答えない。左手をかざして、岸本の方へと向ける。
岸本は防御の態勢を取りながら、それでも言葉を紡ぎ続けた。
岸本「どうして答えないんです!? なんとか言ってください!!」
男の腕に寒気を感じるほどの力がみなぎっていた。
岸本の体全体から冷や汗が吹き出てくる。
しかし彼は問わずにはいられなかった。
岸本「どうしてなんですか、車田正美先生!?」
左手から放たれたオーラは、岸本の体を覆い、その姿をかき消してしまった。
登場人数:15(12+3)
退場人数:0
現在の人数:15/60
そしてageだ
80 :
作者の都合により名無しです:2007/08/02(木) 22:46:28 ID:3ZUN/snaO
車田がどんな技使ったのかわかんねぇ
岸本がどうなったのか分かれば続きいけそうなんだが
単純に小宇宙の塊か、拳圧による衝撃波を叩きつけただけじゃないのか?
先の展開をどうするかは基本的に先に書いた者勝ちだから好きなようにすればいいと思われ
早い者勝ちだから好きにやっちゃえばいいのよ
そもそも先の展開なんて何にも考えてないんだから、俺
麻雀どう決着つけようかな…
どこかの地下室に、四人の魔女と一人の姫がいた。
地下室――と書いたが、床は板張り、三方は障子、おまけに明かりは電気でなく木製の燭台に立てられた蝋燭。
窓の無いことを除けば、高位の貴族か或いは皇族の館の一室であると言っても疑う者はいないだろう。
そしてその部屋に光と音を与えているのは、CLAMPと武内直子。
未だ魔の眠りに捕らわれている武内、無数のコードに囲まれて何かを探しているもこな、
そして何かが起きるのを石と化したかのように身じろぎもせず待つ三人――大川、猫井、いがらし。
彼女らがこの部屋に現れてからそろそろ一時間も経とうかとする頃……
遂に、もこなが動いた。
言葉でない何かの情報が部屋に満ち、CLAMPの残り三人が立ち上がった。
彼女らが得た情報に眼を邪悪に輝かせながら部屋を出ると、再び地下室を静寂が支配する。
武内はただ昏々と眠り続ける。王子の訪れを待つ茨姫のように。
もこなももう動かない。働いているのか休んでいるのか、いや外から眺めただけでは生きているのか死んでいるのかすらわからない。
大川、猫井、いがらしの三人は、部屋を出てこちらはやや和洋折衷といった風情の廊下を渡り、そしてエレベーターへ乗り込んだ。
しばらくは沈黙を保っていたが、長いエレベーターの退屈な時間に耐えかねたのか誰ともなく口を開く。
「散々手こずらせてくれたけど、どうやらこれでお終いのようね。」
「そうね。えなり二世……つまりPEACH-PITの居場所は………」
「雀荘『天』。どうして麻雀なんかやってるのかは知らないけれど、もこなが間違えたことはないわ。」
「どうせ隠れ麻雀狂だったとかでしょ。どうでもいいわよ、そんなこと。」
大川が物憂げに答える。その言葉は自分達の力に対する自信の表れだろう。
えなりになど興味はない、声がそう言っている。
「そうだね。それよりも問題は、どうやら戦いは避けられそうに無いってことだよ。
風の噂じゃあ、そのえなりって人は3年前の戦いにも関わってて、結構大物ともやりあって生き延びてるそうだし。」
猫井の声には僅かに未知のものに対する恐れがあったが、すぐにいがらしの言葉にかき消された。
「大丈夫よ、そんな心配しなくても。それとも、自分の力に自信がないの?」
「そうだね。私達だって押しも押されぬ大御所だ。それに……。」
「そう、あの武内直子と銀水晶が私達の手にある限り、負けることなんてないわ。」
「そうそう、えなりとやらがどれほどのものか知らないけど、ちゃっちゃと片付けちゃいましょ。
……お、着いた。」
ようやくエレベーターが目的の階に着いたようだ。チャイムが鳴り、扉が開く。
そして三人が降り立ったのは――国会議事堂一階。
「ふう、やっぱりあの部屋地下深くすぎない?」
「いいのよ、その方がすごそうだから。」
「だからってねえ……」
「まあまあ二人とも、そういう話はあとにして、今はやらないといけないことがあるでしょ。」
「そうね。」
他愛の無い会話をしながら議事堂を出た彼女らを、二つの影が出迎えた。
降り続く雨の中、ゆっくりと口を開く。
「ほらね、僕の言ったとおりだろう?」
「ああ……。しかし、よくこんなとこに隠れ家を持ってるってわかったな。」
影は二人とも男らしい。そしてその両方とも、大川、猫井、いがらしの誰もが知っている声だった。
「なに、以前彼女らをランチパーティーに招待したことがあったり、
そのほかにもいろいろ縁があったから、成り行きで漫画のほうも結構読んでたんだ。」
何年も前から知っている声。
「なるほど、で、俺があいつらは『退却』したみたいだって言ったから、一旦ここに戻ってきたんじゃないかって考えたわけだな。」
そしてつい先ほどまで聞いていた声。
「そういうことさ。東京都庁かここかは少し迷ったけど、君の言っていた服装…つまりキャラならこっちだと踏んだ。そして……」
「大当たりだったってわけだ。」
「なんてこと……!!!皆川亮二、それに……」
「……荒木飛呂彦……先生…」
「『恐ろしい何か』が…まさかあなただったとはね……」
さすがのCLAMPも動揺を隠せない。いや、CLAMPだからこそかもしれない。
彼女らは四人全員がジョジョ、そして荒木のファン。かつてはジョジョの同人誌を出していたという伝説すらあるほどだ。
その荒木が目の前にいる。しかも、恐らくは敵である皆川と一緒に。
「でも、どうして荒木先生が皆川と!?」
「………思い出した。だいたい、サンデーがPEACH-PITに用があるはずがないと思っていたわ。
皆川亮二……あなたもあそこに行ったのだったわね。」
大川が訊く。
「そういうことさ。今の俺はウルトラジャンプの漫画家、皆川"ピースメーカー"亮二だ。
ってわけで、個人的にてめえらのやりかたが気に食わないのに加えて、上の方針でもあるらしいんだな、PEACH-PITの保護は。」
皆川が答える。
「そう……。だったらどうするの?ここを見つけたのはすごいけれど、その次は?」
「決まってるだろ…。言ったはずだぜ、てめえらのやりかたが気にいらねえってな。」
空気が帯電し、殺気を帯びた風が吹き始める。
だがしかし、その直後に出されたのは拳でも魔法でもなく、声だった。
「待って大川さん………皆川は私にやらせて。」
声の主は猫井椿。数刻前まで皆川と戦っていた猫井だ。
「椿……あなたが?」
「そうよ。やっぱり、きちんと決着をつけておきたいしね。
それに……。」
猫井が振り向いた先にいたのは、大川と皆川の口論の間中沈黙を守っていた荒木。
そしてその荒木と向き合い、こちらは尋常ならざる緊張からだろう、同じく一言も発さぬいがらし。
「そうね。私はあちらに行くわ。」
そう言うと大川は音もなくいがらしと荒木のほうへと移動し、猫井と皆川だけが残された。
「決着をつけたい、か。同感だな。まあ、勝つのは俺だけどよ。」
「あら、私の間違いでしょう?」
再び東京タワーの上でそうしたようににらみ合う二人。
だが、今度はどちらにも撤退の手はない。
どちらかが倒れるまで戦いは終わらないだろう。
そして大川がいがらしに囁く。
「あちらの邪魔をしては悪いわね。移動しましょう。」
「そ、そうね……。大川、あなたも手伝ってくれる?」
「ええ。あの荒木飛呂彦が相手ですもの……。
できれば戦いたくはないけれど、でも今の私達なら……」
議事堂の屋根の上。異能の者達の戦いの場所としては、恐らく最上級の舞台効果を持つであろう場所。
大川、いがらしと共にそこに立つ荒木が言う。
「一応言っておこう。
君達がなにをしようとしているのか、僕は知らない。
僕が知っているのは、君達がPEACH-PITの家を襲い、そして今も彼女らを狙っているということだけだ。
僕の基準で言えば今持っている情報から判断する限り、君達は『悪』だ。
自分のために他人を傷つけようとする……な。
何か、今のうちに言っておくことはあるかい?」
「いいえ。ありません。……いや、一つだけありましたね。
私達の邪魔をするつもりなら……荒木先生、例えあなたでも容赦はしません!!!」
大川の登場にようやく立ち直ったいがらしが言い放つ。
大川も後ろで肯定するようにうなずいている。
「そうか…じゃあ仕方がない。
ここで君達を止めさせてもらおう。」
荒木と大川、いがらしもまた、戦いの構えを取る。
雨はますます強く、五人の上に降り注ぐ。
To Be Continued...
続ききた!!これで勝つる!!
荒木とCLAMPって本当に因縁があるからなぁ
前作で出なかったのが不思議なくらい
星野「ロン、平和のみ。1000点」
2回戦東二局は思いがけず静かに終わった。
さいふうめいが星野に振り込んで1000点上がり。
早くも東二局が終わり、東三局へ、親は西の福本。
さい(ここがヤマだぜ。ここと次のえなり坊主の親を蹴って、
南一局、星野が再び親になった時が勝負よ。
次はもうあんな技にはかからねぇぜ)
星野とさいふうめいは早上がりを目指して手を進めてくる。
しかも左手芸も使って配牌時に有効牌を確実に手にしている。
よほど配牌とツモが良くない限り、手のスピードで勝つ事は出来ないだろう。
福本(ククク…まあそうくるか。
だが、それだけじゃあうまく行かないのが麻雀…)
福本の配牌は驚くべき物だった。
2索、4索、發の対子に、5萬の暗子が一つ、最もポピュラーな役萬の四暗刻も狙える手だ。
当然狙っていくだろう、そう思われたが…
福本、打、發。
いきなり対子を崩す暴挙。しかしその場にそれを気づく者は一人もいなかった。
その暴挙に反して、ツモは好調であった。
しかも9萬の2連続と、続いて2索、4索と有効牌4連続ツモ。
4巡にして対子が一つに暗子が3つ。こうなるとつくづく發切りが悔やまれるところだが…
7巡目、なんと9萬を引いて暗子が4つ揃った。四暗刻テンパイ。単騎待ち。
宣言はないが、星野とさいふうめいの二人はその雰囲気になんとなく気づく。
星野(張った…か?)
さい(まあ流石、ってところか)
気づく二人に対してえなりは―
えなり(揃わないなぁ…)
バラバラの手牌に四苦八苦して雰囲気に全然気づいていなかった。
10巡目、星野テンパイ。しかしリーチはかけない。
星野(下手にリーチすれば福本の当たり牌を無防備に出しかねんからな…)
そして11巡目、不要牌をツモる。
星野(流れが悪いな…)
福本の捨て牌を確認して、その牌が安全かどうか確認する。
星野(…大丈夫…だろう)
ツモ切り。が―
福本「ロン」
星野「!」
四暗刻、成立。
待ちは――なんと、發。
星野「一巡目の發で待ち…クソ、こんな簡単な罠に―」
さい「やられたな、こちらの焦りをきっちり見抜かれてる」
興奮して台を叩く星野、それをたしなめるさいふうめい。
さい「落ち着けよ坊、そんな調子だと、次も取って食われるぜ」
星野「…はい」
えなり「福本さん!」
えなりが驚きと喜びを表情に浮かべる。
福本「ククク…これで一回戦の借りは返した、って所かな」
二回戦、星野が飛んで終了。
戦績は1勝1負。
決着は次の局に持ち越されることとなった。
フリテンなのにはツっこんでいいのかな。
ああしもうた
素でやってもうた
修正した方がいいかな
いらんかな
福本の配牌が
2萬暗子、3萬が対子。
一巡目にさいふうめいが打った4萬をえなりがチーして234の明子に、
そしてえなり打1萬。
福本がすかさずチー宣言するが、スジ食い換えは無しと星野陣営から注意が入る。
えなりが素人という店も考慮してチョンボはなしに。
(福本の手牌が見れた点も優位になれると踏んだ)
結局えなりは鳴かずに手を進める事に。
数巡後、3萬を引いた星野が、
さっきの福本の鳴きを思い出し、さらにその辺の牌を捨てていないことから大丈夫と踏んで打3萬。
そこをすかさずロン。
四暗刻で2回戦終了。
こんな感じに進んだ事にしといて下さい。
失礼しました。
おー、なんかまた進みだしたな。
どっちのルートも期待。
>>メール
人が少ないだけだろうし、書きたいことを好きなように書けばいいと思うけどな。
集英社入り口前。
破壊活動を終えた車田正美が、出入り口から悠々と歩いて来る。
多少の傷を負っているものの、そのほとんどがかすり傷程度のようだった。
その彼に、拍手を送る影が一つ。
車田「フ、あんたか」
車田を出迎えたのは、秋田書店の筆頭格、板垣恵介であった。
板垣「さすが、ってところかな」
車田「フン」
不機嫌そうな車田に対し、板垣は常に皮肉げな笑みを浮かべている。
板垣「やっぱりあんたが強いのか、それともジャンプの作家が弱いだけなのかね?」
車田「さあな。それよりも、これで約束は果たしたぞ」
板垣「そうだったな」
再び手を叩きながら、板垣は車田に告げた。
板垣「おめでとう、秋田書店への忠誠の証をしっかり見せてもらった。
これであんたも立派な秋田書店の人間だ」
いちいち皮肉っぽい板垣の言葉に苛立ちを覚えながらも、車田は何も口にはしなかった。
板垣「それじゃあ、新人君にさっそく仕事だ」
車田「なに?」
板垣が一枚の紙を手渡してきた。一応内容を確認する。
車田「福本伸行? 講談社の人間か…」
板垣「ああそうだ。そいつをやってきてもらおうか」
車田「こんな仕事、下っ端にやらせればいいだろう」
板垣「だから、やらせてるんじゃねえか」
車田「なんだと…?」
さすがに車田の表情が変わった。怒りを隠そうともせず板垣を睨みつける。
車田「貴様、口には気をつけろ」
板垣「ククク…悪い悪い」
車田の放つコスモの威圧感を、華麗に受け流す板垣。
板垣「だがな、あんたが新人であることには変わりねえんだ。
少しでも信用してほしければ、多くの仕事をこなすんだな」
車田「…ち」
不満を抱きながらも、車田は反論しなかった。
分かった、とだけ答えて、テレポーテーションでその場を去る。
板垣「まあ頑張ってくれや」
いなくなった者に口だけの激励を送って、その場を去ろうとしたその時。
板垣「あっと。見かけによらず策士だから気をつけろって言うのを忘れちまったが…
まあいいか」
所変わって雀荘。
休憩も終わり、運命の三回戦が始まろうとしていた。
えなり「勝てますかね?」
福本「クク…どうかな」
えなり「そんないい加減な…」
福本「勝算がまったくないわけじゃないから、そう心配するな」
相棒を適当になだめて、椅子に座った。
四人とも準備が整い、二回戦トップだった福本がサイコロを振ろうとした。
その時であった―
えなり(ん?)
違和感のようなものを感じたえなりが、部屋の隅に視線を移した。
そこに見慣れない一人の男がこちらを見据えていた。
えなり「誰?」
彼の言葉に気づいた他の3人が、えなりと同じ方向に顔を向ける。
この場にいる人間の知り合いではなさそうだった、誰一人として声をかけようとしない。
男は視線が集まることなど気にも留めずに、値踏みをするように雀卓に座る四人を見回している。
福本はその場に立ち上がると、星野達にこう告げた。
福本「悪いな星野さん、勝負の続きはまた今度だ」
星野「なんだと? なにを勝手に…」
福本「クク…金どころか命に関わる事でね。
あんた達もどっかに行かないと、巻き添えを食らうぞ」
やばい雰囲気は感じていたようで、星野達は意外とあっさり引いた。
星野「分かった…だが必ず決着を付けるぞ」
福本「ああ」
星野達がその場を去っていく。男は二人に興味がないようで、すんなりと彼らを見逃した。
ついでにえなりも去ろうとし―
福本「君はダメだ」
えなり「ええええええ、何でですかぁ!」
福本「ククク…ここで君に帰られちゃあ、呼んだ意味がないんでね」
??「福本伸行だな?」
福本「ククク…人違いじゃないか?」
??「戯れ言はいい」
男は拳を構えると、福本に宣言した。
車田「貴様の命を頂戴する」
男―車田正美が拳から放ったコスモが、えなり達に襲いかかった。
ここまで書いて板垣が封印されていることを忘れてた
ミスばっかだなもぉ…
誰か変わりになる人おらんかな
いや、たしか板垣は封印されてないぞ
そっかゲリラ活動してたんだっけ
すっかり忘れてるな…
もう一度読み直してくる
これまでの流れを軽くまとめるぜ。
・えなり 借金地獄。福本に唆されて勝負師伝説 哲也の2人と麻雀打ってたら車田兄貴が殺しに来て大ピンチ。
・集英社 交渉相手のPEACH-PITをCLAMPに拉致られたのでウルジャン一味がCLAMPの隠れ家を急襲。
一方本社は車田兄貴に襲撃を受ける。現ジャンプ軍団たぶん重傷。
・講談社 ドエレー何かを手に入れる為に武内直子とPEACH-PITを拉致ったらウルジャン一味が攻めてきた。
多分赤松暗躍中。哲也の2人はここの所属かどうかは不明。
・秋田書店 以前調子こいて小学館に喧嘩売ってボロ負け。水島と浜岡封印。山賢や板垣等の一部勢力ゲリラ化。
小学館の襲撃を受け山賢&サトケン瀕死。板垣の指図で車田が集英社に特攻んだ後えなり急襲。
・小学館 秋田書店のゲリラ化した一部勢力の掃討中。山賢&サトケンを三日三晩暴行したらしい。
今のところ小学館や角川、スクエニ、電撃などの動きは殆ど無い。
103 :
短編:2007/08/21(火) 17:43:40 ID:f+QJyUOW0
板垣恵介の指図で車田正美が集英社の本社に襲撃を掛けて数時間後
とあるビルの薄汚い部屋の資料の山の中で、チビでデブで不細工な男が頭を抱えていた。
「山本に続いて板垣のアホまで先走りおって!このケツどない拭けっちゅうんじゃボケが!」
集英社に手を出せば、資本的に結びつきの深い小学館、白泉社が当然黙ってない。
つい最近小学館に大敗したような勢力に三社連合に対抗する戦力が残ってる訳も無く
軽率な行動は慎むようにと自社並びにゲリラ勢力に通告を出したばかりだったのだ。
彼の名は青山広美。麻雀誌や小学館を渡り歩き今は秋田書店に所属する漫画家である。
彼が頭を抱えていたのは今回の襲撃事件に関する事情聴取の為の小学館への出頭期限が
刻一刻と近づいているにも拘らずマトモな策が何一つ出てこなかったからであった。
「落ち着けよ青山先生。バカと貧乏人は立ち入り禁止とか言っていい気になってるだけの
小学館のキラキラエリートお星様連中なんてカモの群れだろう?いつも通りやればいい。」
隣に座っている銀髪でブレザーの青年が軽くそう答える。ハーフらしくすっきり整った顔立ちに
オーバルの眼鏡を合わせ耳にはワンポイントのピアス、それにブレザーの上下をすらりと着こなした
彼の外見は青山とは対照的である。何故かシャツの襟を立ててるのはアレだが気にしないでいい。
彼の名は山根和俊。彼も青山同様に秋田書店へ流れ着いてきた漫画家である。
「そりゃ相手が普通の連中ならな。ただ今回はそうもいかん。…差出人見てみぃクソガキ!
あのクソ野郎が!よりによってアイツが出張ってきよったんじゃ!」
青山が小学館からの書状を投げつける。山根はそれを受け取り差出人を確認する。
小学館 ビッグコミックスピリッツ支部長 浦沢直樹
「…極上だな。」 青ざめた顔で山根が呟く。
「…ああ、極上だ。」 仏頂面のまま青山も答えた。
つづく
登場人数:18(16+2)
退場人数:0
現在の人数:18/60
トム&ゴッキーのイメージで。ゴッキー語が適当なのは目を瞑って頂戴。
このコンビ大好きだw
しかしこの二人、本性はバリバリのバトル漫画家なんだよな
そのギャップがまた面白い
車田から放たれるコスモ。聖闘士の一撃は一般人ならば即死だろう。えなりも当然それを本能で理解していた。
ところで、人は死ぬ瞬間に今までの人生が走馬灯の様に思い起こされ、あたかも時間が
ゆっくりと進むような感覚に陥るといわれているが―――
それにしては一向にあの衝撃がやってこない。もう自分の体が吹き飛んでもいいはずだと思いながら目をゆっくりと開けた。
そこにいたのは、意外な人物だった。
「えっ、えばらさんと千道さん!?」
そう、昨晩契約をしたPEACH-PITの二人がそこにいたのだ。えばらは赤い防御壁で、
千道は黒い翼であの衝撃を防いでくれたのだ。
「どうして二人がこんな所に!?」
「窓ガラスの中から覗いていたのだわ。イカサマで惨い目になっていないか見ていたら、
こんな事になっていたのだわ」
「貴方はもう私たちの下僕――ミーディアムなんだから、死なれちゃ困るでしょ」
「下僕って……」
下僕扱いされたことは悲しかったが、二人の手助けには素直に心の中で感謝するえなりだった。
と、えばらは視線を福本の方に向ける。その目には、明らかな警戒の色が窺えた。
「福本さん、ですね」
「あぁ、誰かは知らないが、護ってくれたのは感謝すr」
福本が言い終わろうとする前に、えばらは彼の首元に何かをつきたてた。よく見れば、美しい細工が施された「庭師の鋏」だ。
「えばらさん何やってるんですか!?」
「彼は講談社の人間、つまりCLAMPと少なからず接点のある者よ。訊きたい事が山程あるのだわ」
彼女の返答はひどく冷静だ。そして福本も動じていない。
「否定はしない。だが、今は言える事はない」
沈黙だけが、その場を支配しているようだった。
だが時間は、車田の言葉で動き始める。
「お前たちが何者かは知らんが、そこを退け。俺は福本という男に用があるんでな」
車田正美――かつてはかの少年ジャンプに君臨した漫画家の一人だ。それが今、
刺客として目の前にいる。
(千道、私たちで真っ向から彼に勝てると思う?)
(無理でしょうね。いくらなんでも、実力の開きは大きすぎるわぁ)
確かにPEACH-PITの二人には、今やえなりというミーディアムがいる。力も十分に
発揮できるだろう。
だが相手が相手だ。元来戦闘が主体ではない二人と違い、車田は一流の戦士だ。
戦って勝てはしない。だから、彼女たちの決断は一つ。
「「逃げるのだわ(よ)!!」」
「えぇっ!?」
驚くえなりと福本の手をとり、PEACH-PITは窓ガラスへ向かう。
「逃すか!」
それを追う車田。板垣に従うのは癪だがやる以外にない。
「スィドリーム! 如雨露を!」
妨害の為、千道は人工精霊に「庭師の如雨露」を召喚させる。
「私の如雨露を満たしておくれ。甘い水で満たしておくれ」
紡がれる言葉に合わせ湧き出る水を空中に撒く。細かい水滴が室内の濃霧を作り出す。
だが車田は、そんなものに怯みはしない。
「愚かな、俺には第六感がある。そんな霧程度で……のわっ!?」
車田の脚に何かが絡み付き、勢いよく転んだのだ。
見れば、それは入り口付近に置かれた観葉植物の根だ。「庭師の如雨露」の力で、急速に
生長させたのだ。
(第六感が鈍ってしまったのか!?)
軽いショックを受けた車田を残し、四人は窓ガラスの中へ溶ける様に消えていった。
日本某所で、三人を乗せた車が走っている。
一人は中年男性、その隣でハンドルを握る若い男は額に手拭いを巻いている。
後部座席には女性が一人乗っているが、こちらはどういう訳か窮屈そうにしている。
「一体、私をどうする気ですか」
女性は前に座る二人に問いかける。半分は自分で知りつつも。
「とりあえず、君の身柄はスクエ二に引き渡した方がいいな。彼らはこちらより接点が多いし」
「目的の為にも、スクエ二の人たちとは提携を取りたいっスからね」
質問に答えた男に、運転手も話しかける。
「そうだな。「姫」を救い出す為にも、今は少しでも多く仲間がほしい。集英社も襲撃を受けたみたいだしな」
「小学館も秋田書店とのゴタゴタの後始末に追われてるみたいっスから」
運転手と隣の中年――福地翼と冨樫義博は今後の方針を話し合っていた。
そもそもは、もはや休載というレベルではなくなっていた冨樫が妻の武内を救出しようとした折に、打ち切り同然の
福地と知り合ったのが始まりだ。
その後、とあるライブハウスの前を通りかかったとき、講談社のエンジェル部隊、それと何故か部隊長になっていた
東まゆみ――マックガーデンが講談社と手を組んだと前情報があった――を知っている事を問い詰めようと捕虜にしたのだ。
ちなみに、彼女は冨樫の念能力で拘束され、部隊は二人で全滅させた。
東の負け惜しみととれる独り言を無視して、車は目的地へひた走る。
登場人数:21(18+3)
退場人数:0
現在の人数:21/60
108 :
間違えた:2007/08/30(木) 14:17:47 ID:ohavxKZZ0
>>107の題名は【三人が乗る車】に脳内修正してくれ
ageだ
終わったと思ってたのに復活してる…!
これは全力で保守だあああああ!
「………なんたる!」
車田は怒りに肩を震わせた。
憤りもあらわに、近くの柱を殴り倒した。
「あんな奴らに不覚を取るとは…!」
「お言葉ですが…」
何者かが車田の言葉に口を挟んだ。
車田は声のした方向の気配のみ察知するが、そちらに振り向こうとはしない。
「『エピソードG』、岡田芽武か…」
車田の背後に一つの影が現れた。獅子の聖衣を着ており、車田に対して跪いている。
「先生は先ほどまで集英社の者達との戦いをしてきたばかりです。
疲れが出て当然かと…」
「あのような連中相手に疲れるものか。もし疲れたとするなら…」
再び怒りが再燃する。その対象は、まごうことなき自分自身。
「…まあいい。それはともかく、先の事を考えねば。
岡田、貴様一人ではあるまい?」
「……はい」
もう一人が岡田の隣に姿を現した。
「『風魔』、由利聡。推参しました」
岡田と同じく、由利もその場で跪く。学生服と木刀が印象深い。
「うむ」
車田は返答に満足そうに頷くと、彼らの方へと振り向いた。
「貴様らに命じる。
今先ほど我がもとから逃れた福本とその一味を探し出して俺に知らせろ。
可能ならば、その首を持ってこい!」
『はっ!』
岡田と由利の二人は即座に走り出し、えなり達の足取りを追い始めた。
「俺をこけにした礼は、きっちりと返してくれるわ…!」
強い二人がIN!
だが自分、この二人の事は全くわからんので他の人に期待!
なんか最近スレの速度が上がってきたな。
いいことだ。
投下ペースも早くなって嬉しいかぎりだぜ
保守するぞ
職人がくるまで
講談社って、シリウスとボンボンに妖怪と怪物がいるな
それより保守
しかしボンボンはもう……
高山が「こんな雑誌、俺の手で滅ぼしてやる!」とか言って出奔しそうだな
118 :
ゼロの山賢:2007/09/03(月) 03:19:49 ID:IvnbBX600
しんしんと雪の降り積もる人里離れた山中で赤子の様に安らかな表情で眠り続ける山賢。
だが彼の安寧は佐藤健悦の子守唄に混じる十数匹の獣の唸り声により妨げられた。
山賢が晴れ上がった瞼を何とか抉じ開け周囲を見渡すと、果たして爛々と輝く幾つもの目が
こちらを凝視している。この時二人は自らの流した血の匂いに引き寄せられた餓えた獣の群に
完全に取り囲まれていたのである。
半死半生の重傷を負っている上に大木に荒縄で厳重に括りつけられている今の二人には
只の獣の襲撃を防ぐ手段さえ無い。あえなく二人は襤褸雑巾のように食い散らされてしまった。
獣が去った後、瀕死の重傷を負い再び薄れ行く意識の中で山賢は愛弟子の名を呼び続けた
「‥‥健‥悦‥‥健‥悦‥健‥悦‥‥健‥悦‥‥健‥‥悦‥‥」と弟子の名を呼び続けた。
だが彼からの反応は無く先程までのあの子守唄ももう聞こえない。ふと彼はこのまま死んでしまおうと思った。
いかなる状況でもゴキブリ以上の執念と生命力で生き延びてきた彼が今初めて生きる事に絶望したのだ。
その時、彼は強烈な光に包まれた。強烈な光に包まれて‥‥どこかへと消えてしまった。
後には未だ血生臭い大木の下には犬に弄ばれた襤褸布のように横たわる佐藤健悦のみが残された。
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!
私は心より求め、訴えるわ!我が導きに応えなさい!」
少年少女たちの見守る中、制服の上にマントを羽織った小柄な少女がピンク色の長い髪を靡かせて叫ぶ。
彼女の名はヤマグチ・カナリア・グリーングリーン・ストライクウィッチ・ノボル。通称ゼロのヤマグチ。
大手漫画出版社からするとある意味異世界なMFの「アライブ」における看板作家ながら漫画家としての能力がゼロ
と言う理由で上記の有難くない二つ名を頂戴している。この日は編集部立会いの下で自分の手足となる絵師を
使い魔として召還する儀式を行っていた。そして叫び声と共にいつもの様に巻き起こる大爆発。ただ今回はいつもと
少し様子が違って爆発の中心で何かが蠢いている。儀式は成功だ!そう思って近づいた彼女は酷く後悔する事になる。
身に纏っている衣類らしき物は原形を留めぬ程にボロボロで、身体も満遍なく何らかの獣の爪でズタズタに
引き裂かれている。肉を食い千切られたらしき箇所も複数に及び、右目の眼窩からは目玉が臍の辺りからは
小腸や大腸が盛大にはみ出して大便の臭いを放っている。手足はそれぞれ一本ずつ欠損し、残りの手足も
指は食い千切られ殆ど残っていない。頚動脈からの出血も激しく生きているのが不思議な位だ。
このスプラッタな物体を見たヤマグチは瞬時に気絶したのであった。 つづく
119 :
死後第1節:2007/09/03(月) 12:39:23 ID:IvnbBX600
山賢がファンタジーな世界でグロい事になってる一方で、サトケンもサトケンで奇妙な事になっていた。
それまで雪が降り積もる中で山賢師匠と樹に縛られて放置されて獣共に喰われていたはずなのに
気が付くと電柱が異常に立ち並び空には電線が張り巡らされた路地にいる。おまけに服装はそれまでの
フード付きの黒い上着と黒いズボンからフリルの豊富な上着に膝上20センチのちょっと動いたりするだけで
ぱんつ見えそうなスカート、そして白のニーソックスとセクハラ一歩寸前のメイドちっくな制服に変わっている。
僕は何でこんな格好をしているんだ。僕はオトコなのに。
前方に目を向ければ地面から女の子の足がまるでシンクロの様にゆっくりと逆さまにせり上がって来る。
足から腰、腰から胸、胸から頭そして腕と、弓のように身体を反らしながら黒いセーラー服姿の少女が
せり上がって来る。おまけにその隣からもゆっくりと片目をウエーブの掛かった髪で隠した黒いドレス姿の
年齢不詳の胡散臭い女がせり上がって来る。あり得ない。いよいよ気でも狂ったのか僕は。
「お迎えに来たわ。健悦さん‥‥」年齢不詳の女の方がそう話しかけて来た。こんな変態だらけの所にいられるか!
僕は自分の部屋に帰る!と背を向けて走り出したが何故か回り込まれている。あり得ない。こいつ悪魔か死神か何かか。
「フフフ、最初は皆そう考えるものよ。」人の考え読んだ?あの女何者だ。「あなたと同じ身の上よ‥‥」一緒にするな。
いいから帰らせてくれ。そう言おうとした瞬間に黒いセーラー服少女が無言でネジを1本差し出してきた。
こんな物どうしろっていうんだ。要らないよ。「よしなさい、吉富。」また人の考えを呼んだのかあの熟女。
そう思っていたらいきなり少女がネジをコリコリと食べ始めた。この娘もあの熟女と同類のヘンな人なのか。
「さて‥‥”死神”という言葉が出てきたところを見ると自覚しているみたいね?自分が亡くなったって事を‥‥」
熟女がそう話す。もう死んでようがいまいがどうでも良い。死後の世界がコレでこんな連中と付き合う羽目になるなら
まだ神曲に出てきた地獄に落ちたほうがマシだ。ってか夢だ。これ夢だから。イヤなヘンな夢‥‥
その時少女がネジを噛み砕いた。目の前に逆さまに自分の葬儀の光景が映る。たくさんの人が自分の霊前に花を添え
親しい友人達が涙に暮れている。そうか、僕は本当に死んでいたのか。「俺が‥俺が送ってきゃよかったんだ‥‥
俺が送ってかなかったから‥‥」と松山せいじ師匠も涙に暮れている。イヤ、松山師匠が一緒だとスーパーHなトラブルに
巻き込まれかねないから気持ちは嬉しいけど結構です。
続いて場面が移り変わる。見ると上半身裸の山賢師匠がつるぺたミニスカ幼女とベッドに腰掛けて何か語らっている。
頭の中がグルグルとピンクな想像で染まり始める。「やめてよ‥‥ねぇ‥‥や‥‥やめてェ――――――――ッ!」
サトケンが叫ぶと同時に空間が爆発し始めた。
サトケンの感情の爆発に合わせて路地も眼前の光景も全て弾け飛ぶ。熟女が落ち着きなさいと声を掛けるも
彼の耳には全く届かない。ただ彼はひたすらに師匠が幼女とっつかまえて何かエロい事しようとしていた
‥‥っぽい光景を否定しようとイヤだイヤだと叫び続けている。
少女はバレリーナの如くキレイに開脚しながら逆さまに宙に漂いこの光景を傍観するだけで役に立たない。
師匠が幼女とベッドの傍で腰掛けているって事はその後やる気まんまんって事で師匠のプレイはハードで
多分アレだから相手が幼女だったらどう考えても色々裂けちゃって幼女が死んじゃって師匠の家や仕事場に
家宅捜索が入って仕事場でも色々ヤバイ物が見つかって執行猶予無しの実刑判決食らってクビになって
無職になって貧乏になってプラモが作れなくなって師匠が死んじゃう!
考えれば考えるほどサトケンの思考は混乱してそれにつられ世界も砕けていく。熟女も大弱りである。
と、その時コートの男がサトケンの頭にポンと手を置く。その動作でサトケンは我に帰った。
「お前が落ち着け、光原。」コートの男が熟女へ静かにそう呼びかける。
「よ‥葉介さん‥‥。」熟女も男の言葉で冷静さを取り戻す。この人は一体何者なんだ。
「高橋‥‥高橋葉介‥‥”ツレビト”だ。」男はそう答えた。ツレビトって‥‥?
「死んだ人間の魂を連れて行く者。」男が答える。口数の少ない人だ。
「そう‥‥死の世界に通じる門まで‥‥そういう役目よ。あ‥‥決して死神ではないからね、あしからず。
人は1人で門に行く事は出来ないの。私たちがいるのはそのためよ。」熟女が説明を加える。
死の世界に通じる門‥‥ってじゃあここは?「ここは‥‥生と死の間だ。」男が答える。
熟女の説明によるとここは隣り合わせの生と死がわずかに交差し、生と死の世界が融合した場所で、
ここには空間や時間の概念が存在しないらしい。電柱が異常に立ち並び電線が空に張り巡らされ
黒いセーラー服の少女が普通に宙に浮かんでいる珍妙な光景はそうした理由で存在しているらしい。
これまでの説明を受けて大体の事情はサトケンにも飲み込めた。なら肝心な事を聞いておくか。
「あなたにとって残念だけど‥‥」by熟女
「ここに居るお前は魂だけの存在だ。」by男
「アンタは死んだ。もう元へは戻れない。」by少女
「イヤ――――――――ッ!」byサトケン
「厄いわね。」by熟女
つづく
イメージ
・ヤマグチノボル(ゼロの使い魔:原作)…釘宮
・高橋葉介(学校怪談)…ヨースケ作品のコート姿のあの人
・光原伸(アウターゾーン)…ミザリー
・吉富昭仁(EAT・MAN ブルドロ ツレビト)…ツレビトのミヨ。時々ネジ喰ったりする
スク水とかおつかれちんちんはまだナシ。
・生と死の間(ツレビト)…電柱がやたら立ち並ぶ涅槃っぽい場所。死んだらここに来る。
・アライブ…MFが出してる雑誌。他にはるるるとかkashmirがいる。山賢絶賛休載中。
登場人数:29(25+4)
退場人数:0
現在の人数:29/60
‥‥今回人を出し過ぎたから次があったらちょっと削ろうかな。
まだ半分はあるし大丈夫ではないかと
まぁ、そろそろサンデー、マガジン、ガンガンあたりから出ないときついな
職人を待つって、保守することでしょ?
保守
ところで質問なんだが、えなりが関わった3年前の戦いって前シリーズの事?
それともまた別?
>>125 前シリーズのようだ。
でもあまりこだわらなくてもいいというかこだわらないほうがいいだろう。
あの肥大化した設定をそのまま持ち込むと書き手、特に新規参入者が大変だし。
>>125 まあ過去に似たような戦いがあった平行世界が今シリーズであるとでも考えておけばいいと思う
前のとは別物だって考えてる
「ここまで来れば大丈夫なのだわ」
車田の魔の手から逃れた4人は、遠くはなれたデパート内に退避していた。
「そうね、追ってくる様子もないみたいだし…ここらで一息入れましょうか。それに」
千道はキッと福本を睨みつけ、
「そろそろあなたから聞き出さないといけないこともあるからね」
「ククククク…」
余裕を含んだ福本の笑いに苛立ちを覚えた千道は、
背中の黒い翼から羽を一枚福本へ向けて放った。
羽は福本の頬をかすめて後方の壁へと突き刺さり、遅れて福本の頬から一筋の血が垂れる。
「無理矢理聞き出してもよくってよ。
いくら力に差があるとは言え、こちらは三人がかりなのだから」
(…………え? 僕も入ってる?)
正直、どちらにも加担したくないえなりが心の中で焦る。
「ククク……」
状況を楽しむように何も答えない福本。
PEACH-PITの二人はその様子に不満をあらわにした。
「馬鹿にしてるのだわ」
「少し痛い目にあってもらうのが早そうね」
戦闘態勢に入る二人。
えなりはただ一人とても困っていた。
その時だった。
「後ろ」
福本がつぶやいた。
えばらがそれに釣られて後ろを見る。彼女達の後方はガラス窓であった。
「えばら、そんな安い手に引っかかるんじゃないの」
千道は福本を見据えたまま視線を動かさなかった。
今の言葉が、罠だと予想していたからだ。
だが、えばらの様子は違った。
「伏せて!」
千道に多いかぶさり、その場に押し倒した。
次の瞬間、とてつもない衝撃でガラスが粉砕。破片が彼女達へと降り注いだ。
「先制攻撃、失敗だな」
「うるせェ、倒しゃいいんだ、倒しゃ」
声の主達は破壊した壁穴から入って来た。
片方が学生服を、もう片方が黄金の鎧を着ている。
PEACH-PITの二人はすぐさま立ち上がり、その二人から距離をとった。
「あなた達は…車田の!」
「ククク…そう簡単に逃げられる訳がない、ってことか」
そう、二人は車田の部下、『エピソードG』岡田芽武と、『風魔』由利聡であった。
桃種の二人がピンチ
えなり、お前も含まれてるんだよ
爆発音が引っかかったのか、音に気づいた誰かがしたのかは不明だが、
デパート内は警報音が響き渡っていた。
客の大半は逃げ出したのか、辺りに彼ら以外の人の気配はない。
(私としたことが…!)
千道は怒りに震えていた。
えばらにかばわれなければ直撃を受けていた。
そうなっていればただでは済まなかったろう。
だがそれ以上に、事前に背後からの攻撃を察知することができなかった自分に憤りを感じていた。
(絶対に…許さない!)
自分への怒りは行き場を変え、目の前にいる二人の男へと向かった。
そして、
有無を言わさずに多数の黒い羽を二人に向けて放った。
「おっと!」
間一髪でかわす二人。
攻撃はかすりもしていないようだった。
「仕返しのつもりか? んなちんけな攻撃、効かねーンだよ」
「だまりなさい!」
千道の怒声が響く。
「おーこわ」
『風魔』由利聡が茶化す。千道はそちらを睨みつけ、再び羽で攻撃をした。
「うお、あぶねえ!」
遠くに飛んでこれをかわす。
「おまえは後回しよ」
そう言って彼女は、『エピソードG』岡田芽武の方に視線を移した。
「まずはあなた。最初に私に屈辱をくれたあなたを……殺してあげる!」
「まずいのだわ……怒りで周りが見えなくなってる」
冷静になるように言いたいえばらだったが、怖くて声をかけられない。
かわりに彼女は、後ろで傍観している二人を見やった。
「あんたたち! ぼーっと見てないで手を貸しなさい!」
「えー…そんなこと言われましても」
「ククク…悪いがもう歳なんでな、そういう荒っぽい事は若いのにまかせるよ」
「何さらっと勝手な事を言ってるのだわ! もともと狙われてるのはあんたでしょうが!」
「おかげで助かってるよ」
「がーーーーーもうこのおっさんはーーーーーー!
いいから手伝うのだわ! あんた達二人で、そっちの学ランの人をなんとかして。
こっちはあたし達がやるから!」
そう言ってえばらは、千道の加勢へ向かった。
「まかされちゃったけど、どうしましょうか…」
「しょうがないさ、火の元はこっちだしな。楽をとりすぎるわけにもいかんさ」
(僕はまったく関係ないような…)
納得はいかないが、無視するわけにもいかないので、えなりは渋々手を貸す事にした。
「まあそれに、あっちの金色のやつよりは、こっちの方がずっとマシだからな。その分は、楽をできそうだ」
「へ?」
「俺たちの相手の方が、向こうのより数段弱いってことさ」
「…そうなんですか?」
じっと見てみるが、えなりにはレベルの違いと言うのが見えてこない。
「ククク…じゃあ始めるか」
福本はそう言って、『風魔』由利聡に向かって歩き出した。
続きが気になる…!
wktkしつつ保守
えなり達が、車田の放った刺客達と交戦状態に入ったのと、ほぼ同時刻──
街の上空を、一組の男女が高速で飛行していた。
否、正確には飛行しているのではなく、断続的なテレポートを繰り返す事によって空を移動しているのだ。
故に、その速度は超音速で空を飛ぶ戦闘機並になっている。
「今度は○○デパートで戦闘開始ぃ!?クソッ、あっちこっちでチョコマカと!!」
しかしながら、『nのフィールド』を通じて移動可能なPEACH-PITの位置を捕捉するのは容易ではない。
ましてや彼女達が戦闘中というのであればなおさらだ。
テレポートを行っていたスーツ姿に眼鏡をかけた男──椎名高志が舌打ちする。
「何だったら、私を置いて、椎名君だけで先に行って。貴方一人の方が遥かに速くなるでしょう。私は後から急いで追いかけるから」
椎名の後方の空中に居る女性──高橋留美子が、そう提案する。
彼女には飛行手段はあるものの、テレポート能力は持たない為、今の移動は椎名の能力に頼ったものだ。当然、椎名は余計に力を多く使う事になる為、必然的にその速度は落ちる。それを考えれば、留美子の提案は妥当なものだが──
「いや、それはいけない! 最近は秋田書店残党のテロ活動が頻発している……単独行動は危険だ!」
椎名は断固として、その提案を却下した。それは一見、第三者が見れば仲間の身を案じての発言だと思うだろう。
もちろん、実際にそれも嘘ではないのだが───
「……貴方のイヤラシイ視線が無ければ信じるところなんだけど、ね」
椎名の粘つくような視線が、移動を開始してからずっと己の胸元に集中しているのに気付いている留美子は冷たい目で椎名をジト見する。
実際、テレポートの度に、赤い衣と袴に包まれたプレイメイツ顔負けの極端なほど起伏に富んだ肢体がダイナミックに躍動する様は、椎名ならずとも男の視線をブラックホールのように奪いさるであろう破壊力を秘めていた。主に性的な意味で。
「いいいいいイヤだなあ!ぼ、ボカぁ、そんなヤマしい考えなんてこれっっっっっっっぽちも思ってませんからッ!なーははははっ!!」
真意がバレバレだった事に気付いた椎名が焦りまくって弁解にもならない言葉の羅列を吐き出し始めるのを見て、留美子は呆れたように溜息をつく。
椎名のセクハラは毎度の事であるため、付き合いの長い留美子にとっては、この程度はいちいち怒るに値しない。少なくとも入浴や着替えを覗かれる事に比べれば、まだ可愛いものだ。
「ハァ……もういいから。とりあえず先を急ぎましょう。周囲の警戒は怠らないで」
「は、ハイィィィ!……ってアレ?」
二人が飛んでいる位置から、十数メートル先のビル。その屋上に立つ不審な人影が二人の視界に飛び込んできた。
その人影は、長身で体格の良い男で、その顔は道化のような仮面で覆われた異様な出で立ちだ。そして、両手には長い棒状の何かを持ち、それを大きく振りかぶっている。
それに気付いた二人の表情が変わる。
「 弧 月 」
キシャアアアアア!!
裂帛の気合いと共に、人影は棒状の凶器を振り抜くと、三日月の形をしたエネルギーの塊が、凄まじい速度で大量にこちらに殺到した。
「こっ、こいつ───っ!!」
突然の奇襲に椎名が即座に再度のテレポートを行おうとするが、テレポートの直後のタイミングをつかれた為、回避は間に合わない。
ガ ポ ン!!
咄嗟に椎名がPK(サイコキネシス)による障壁を張り、三日月のエネルギー群を破壊する。だがこの一瞬で全てを防ぎきれるものではなく、威力の余波が、椎名と留美子の体中に細い切り傷を刻む。
「くうっ、こんのおおっ!!」
ボ ン!!
不意の襲撃に怒りを覚えた留美子が、口から特大の火炎を吐いた。猛炎が謎の襲撃者に殺到する。だが相手は──
「火は赤、赤は南なり、夏なり羽なり!「己」になる「戌」を方角西南より東北へ!!」
キュアアアア……
その両手に持った棒状の何か──錫杖を前にかざし、呪文のようなものを唱えると、あろうことか炎は自ら軌道をそれたかのように相手を避け、
ゴ ア !!
「な、何っ!?」
そのまま、炎を放った留美子の元へ返り、その赤い舌で彼女を舐めつくした。
留美子は、火鼠の毛で織った衣を纏っている為、大した火傷は負っていないが、自身の攻撃を完璧に跳ね返された事については怒り心頭だった。
「それなら……雷ィ!!」
ドカカカ!
今度は、留美子から凄まじい雷が、襲撃者めがけて降り注ぐ。しかし――
「木気『雷』、『己』になる『戌』方角西南より東北へ!」
ドカカカカカ!!
「くうううっ!!」
放った雷はあろうことか、全て襲撃者の錫杖によって先ほどの炎と同じく受け流され、そのまま威力を保ったままこちら側に戻ってきた。
「この技は見たことがある……しかし、そんな馬鹿な!!」
一連の攻防を見た椎名が驚きの叫びをあげる。
「散魂鉄爪!!」
その間にも、留美子は再度つっかけ、鋭い爪による連続攻撃を見舞う。
だが、相手は見事な杖さばきと体捌きで、攻撃を全てはじき落としながら、懐から一斉にある物をバラ撒いた。
「これは法力僧が使う独鈷!?それにこの念の力は!!」
仏具であり、明王が武器としても使ったという、独鈷。それのひとつが留美子の肩に突き刺さる。
「乾」
ガ ン!!
「くあああっ!!この技は……やはりっ!!」
肩が血しぶきをあげて吹っ飛ぶのにも構わず、留美子が疾走する。
「あなたはァア!!」
男は即座に飛びのいたが、地からすくいあげるような爪の一撃が、男のゴーグルと半ヘルメットをこそぎ飛ばした。
その下から現れた男の素顔は――――
「 藤 田 和 日 郎 !! 」
週間少年サンデーの中でも、その力はトップクラス。
柔軟な思考と強靭な肉体から繰り出す数々の奥義は、サンデーでも最強の一角とさえ呼ばれた男。
かつて、その実力と人柄で同僚の誰からも一目置かれていた筈のその男は、今はその顔に見る者をゾッとさせずにはおかない、凄まじく『イイ笑顔』を浮かべながら、椎名達を冷たく睥睨していた。
←TO BE CONTINUED
登場人数:32(29+3)
退場人数:0
現在の人数:32/60
ぼちぼちサンデーの連中を登場させてみた
×男のゴーグルと半ヘルメット
○男の道化の仮面
最初はバイクでの襲撃と2パターン考えてたもので
留美子か……。
前シリーズじゃああんまりいいとこなかったから今回に期待したいな。
俺も早く続き書かないと。
留美子はね……前シリーズじゃ
登場≒暴走+ボロボロ(+エロス)
だったもんな
あんまり話を横に展開しすぎると
無駄に複雑になって前シリーズの二の舞になる悪寒
そこは書き手を信用しよう
保守
「消えなさい!」
千道が先ほどを遥かに上回る数の羽を同時に放った。
対する岡田は、何故か避ける素振りすら見せない。
直撃か――そう思われた瞬間、
「!?」
千道が驚愕の表情を見せた。
放った多数の羽のその全てが叩き落とされたのだ。
それも、ほとんど同時に。
「こんな単純な攻撃が、通用する訳ねーだろ」
余裕の言葉を吐く岡田。彼はその場から一歩も動いていなかった。
(相手の動きが見えなかった…これは…)
千道には一つ思い当たる節があった。
「噂に聞く、光速拳ね」
光の速さで打ち出す高速の拳は、常人の目に映る事すらなく、その威力は星すら砕く。
「車田正美の得意技とは聞いてたけど、まさか部下のあなたまでが使うなんてね」
「フン、伊達にこの聖衣を預かってねーよ」
誇りを持って自らの着た黄金の鎧を親指でさす岡田。
その姿は自信に満ちあふれていた。
(超スピードで殴るだけ。ただこれだけのとても単純な攻撃なのに…ここまでやっかいなんて)
遠距離攻撃は今のように全て叩き落とされてしまう。
逆に近づこうと思えば、その拳の弾幕を抜けていかなければならない。
そして攻撃の見えない千道に、その弾幕を抜ける術はない。
(となれば、動きを止めるしかないわね。けどどうやって…)
「次はこっちの番だな」
そう言って岡田が一歩踏み出した。
千道は一歩下がって防御態勢をとる。自分が下がった事に屈辱を覚えるが、気にしている暇はない。
「くらえ…」
岡田のコスモがふくれあがる。
「雷光電撃(ライトニングボルト)!」
「きゃあ!」
光速の拳が千道を襲う。
彼女はその場から吹き飛ばされ、背後の壁に体ごと突き刺さった。
距離をとって、さらに防御態勢であったにも関わらず、避けるどころか防ぐ事も出来なかった。
いやそれどころか、見る事すら不可能だった。
(車田正美を相手にしてるわけでもないのに…ここまで差があるなんて…!)
「一撃じゃ無理か。だが、次で終わりだ」
再びコスモを高めていく。千道は死も覚悟した。
岡田は右手に拳を作り、今まさに攻撃をしようとし――
その時、鞭のように連なった薔薇の花びらが、岡田の体にまとわりついた。
「なに…?」
「今よ、千道!」
鞭の主は、えばらであった。
今まで攻撃の隙をうかがっていたようだ。
そして千道の動きは素早かった。
えばらが言うよりも一瞬早く、岡田に向けて羽を放つ。
ローズテイルで動きを封じられた岡田になす術はない。
こんどこそ致命傷を与えられる――
はずだった、
「フン!」
岡田は乱暴に鞭をつかむと、強引に自分の方に引き寄せた。
「え? きゃあ!」
予想外の行動に、鞭をつかんだままえばらも一緒に引き寄せられる。
岡田は飛んで来たえばらの首根っこをつかむと、自分の目の前に突き出した。
「受けるのも面倒なんでな。盾になってもらおうか」
(しまった…!)
慌てて身をよじって逃げようとするが、岡田の豪腕はビクともしない。
そして、時間もなかった。
「えばら!」
千道の叫びが、デパートのホールに響き渡った。
「でどうするんですか?」
デパートの屋上に『風魔』由利聡を誘い出したえなり達二人だったが。
えなりは福本の指示にしたがって動いただけで、その後どうするかは聞かされていなかった。
「おいおい分かるさ」
福本は何も答えようとはしない。だがその言葉には余裕を感じられた。
「どこまで逃げる気かしらんが、無駄だって事がまだわかんないのか?」
二人に向けて木刀を突きつける由利。対するこちらの口調には、苛立ちの色が見えた。
「まあ、もうちょっと我慢してくれや」
福本はそう言うと、屋上の隅に向かって駆け出した。えなりもその後に続く。
「こんなに走って、逃げ切れるんですか?」
「逃げる訳じゃないが、走るのはもう少しさ」
「もう少しって…え?」
えなりの視線の先に奇妙な物があった。
巨大な板が、デパートの屋上から隣のビルの屋上に向かって設置されていたのだ。
「もしかして、あれを渡るんですか?」
「そう、急げよ」
慌てて板の上を渡る二人。板は厚さ、幅、安定感とバランスがよく、安心して全力疾走が出来た。
「くそ、待ちやがれ!」
二人が渡りきった頃に、由利もその後を追って板の上に乗ろうとした。
しかし、福本が隣のビルに設置されたボタンを押すと、板が崩れさり、変わりに一本の幅が数十センチ程度の棒がその場に残った。
「なんだこりゃ?」
由利が素っ頓狂な声を上げる。
それもそのはず。ただ逃げるのなら、わざわざこんな棒を残しておく意味はない。これではまるで…
「渡ってこい、そういうことか」
『クク…意図は理解してもらえたかな?』
拡声器で由利に呼びかける福本。
「け、下らん仕掛けをご苦労様だぜ」
とは言うもののこの上を渡るのはなかなか至難の業だ。時間もかかるだろう。
それなら、デパートを出て隣のビルに向かった方が早いかもしれない。
しかし福本はそんな彼の思考を読み取ったかのように言葉を紡ぐ。
『ああ、もしも君がこの橋を渡る以外の方法を考えているんだったら、やめた方が良い。
このビルには、いろんな移動方法を用意してあってな、
君が降りている間に、手の届かない場所に行く事も可能だ』
「いつの間にそんな用意してたんですか…」
えなりがあきれたようにつぶやく。
「何言ってやがる。それはこの橋渡るのに時間かけたら一緒じゃねえか」
『その変わり、だ。もし君がこの橋を渡ってこっちに来るのなら、我々は逃げずにこの場で待ってやっても良い』
「なに?」
思いがけない提案に、由利は驚いた。
『ククク…悪い話じゃないだろう?』
確かに悪い話ではないが、保証がない。由利は必死に考えを巡らせたが、
『考えたって無駄だろ? ここで逃がしたら使命を全うできないんじゃないか?』
「……」
気に食わないが、確かに他に選択肢もない。
仕方なく、彼は覚悟を決めて、第一歩を踏み出そうとした。
『おっと、一つ言い忘れた。橋には直接触れないように注意した方が良い。電流が流れてるからな』
「そうかい」
予想はしていたので適当に聞き流して、最初の一歩を踏み出した。
踏み出して、
「!?」
地面の様子がおかしい事に気づく。
橋の上から見える地面にアスファルトが一切存在せず、一面が全て、泥沼になっていた。
「これは……」
驚く由利に福本が答える。
『ククク……あんまり神通力とか超能力とかは好きじゃないんだが、今回は使わせてもらったよ。
これは抽象の泥沼。落ちたら二度と這い上がれぬ、心理を具現化した泥沼さ』
二度と這い上がれない。
その言葉を聞いて由利はゴクリと唾を飲み込んだ。
『さあ、頑張ってくれたまえ』
福本の言葉が、彼の耳には悪魔の声に聞こえた。
wktk
荒木の人にも期待保守
保守
硬いものがぶつかる音、空気が震える音、そしてときの声が響く。
猫井と皆川が互いの全力を挙げて戦っているのだ。
猫井の蹴りが皆川を捕らえたかと見えたら、次の瞬間には皆川の拳が猫井の脳天を狙っている。
しかしそれも一瞬のこと、気付けば限界まで距離を詰め、互いに急所を狙う。
両者の力量はほぼ互角。決着がつくにはかなりの時間がかかるだろう。
しかし、どうにも奇妙なことに、皆川の動きにいつもの切れがない。
達人が目を凝らしても見えぬほど微小な違いだが、今回の猫井のような実力伯仲の相手には致命傷となりかねない。
皆川の動きを鈍らせるものは何か?痛みではない。戦う意味などというものでももちろんない。
荒木である。荒木が大川、いがらしの二人に勝てるかが不安なのだ。
無論、荒木とて相当の使い手だ。尋常の相手ならば苦もなく倒してしまえるだろう。
だが、あの二人は漫画界でも知られた強豪、CLAMPの一員。しかも二対一の形だ。
その上、議事堂に来る前の荒木の言葉が不安を煽る。
『さすがに、あんたはすげえな。そのスタンドを自在に切り替えられるわけだ。向かうところ敵なし、なんじゃないか?』
『いや、そううまくはいかなくてね。スタンドの切り替えには、ひどく時間がかかる。だいたい一分ぐらいはたっぷりね。』
『一分…か。確かに、戦闘中、状況に合わせて切り替えるには長い時間だ。』
『ああ。だから今回はこいつ(キャッチ・ザ・レインボー)でやるしかないね。』
『? 何でだ?今のうちにやつらと戦う時に有利なスタンドに変えときゃいいじゃねえか。』
『……皆川君、君ならわかってくれるだろう?そんな野暮なことをいうもんじゃないよ。』
『野暮…か。確かに、それもそうだな。』
あの時は荒木の雰囲気に飲まれて納得してしまったが、今考えると狂気の沙汰としか思えない。
如何に鬼才、荒木飛呂彦といえど、あのようなひどく効果が限定されたスタンドでCLAMPを二人も相手にできるのだろうか?
荒木が大川といがらしに勝つのは、御神苗優がロードス島の青銅巨人と正面から殴り合って勝つのと同程度に難しく思える。
そこまで考えたとき、皆川はようやく自分が鈍い痛みとともに空中にいることに気付いた。
直後、壁に叩きつけられる。無意識のうちに受身を取っていたものの、やはりダメージは大きい。
そこに至ってようやく、自分に何が起こったのか皆川にも理解できた。
猫井の蹴りをまともに受け、議事堂の入り口近くまで吹き飛んだのだ。
「ちっ……俺としたことが、らしくねえな。」
そう呟きながら立ち上がった皆川の目から、ようやくかすかな濁りが消えた。
欠けたピースを嵌め込んだか、或いはバグフィクスが終了したのだ。
「人の心配をする前に、まずは自分のほうを何とかしないと……いけねえよな!!!」
叫び、上着を脱ぎ捨てる。
「まず、AMスーツに頼ってんのがそもそもの間違いだ!!」
放り投げたスーツがずしりと鈍い音を立てて地面にめり込んだ。
「確かに、その重そうな強化服を捨てて身軽になったみたいだけど……」
いつの間にやら皆川から1メートルと離れていないところまで近付いていた猫井が呟く。
「ああ……わりいな、待たせちまって。
もういいぜ。…で、『だけど』なんだ?」
「だけど、それは同時に攻撃力も、そして防御力も落ちたということじゃない?
もう一回さっきみたいなのを喰らったら、それで終わり。違うかしら?」
まさにその通り。実際、あの蹴りを受けて皆川が立ち上がり、今また戦おうとできるのもAMスーツの力によるところが大きい。
だが、
「あんたらは確かにすげえ。よく考えるもんだと感心するよ。背景世界、魔法だのなんだのの原理、それに漫画の売りかたまでな。
でも……そんなあんたらにゃあ、俺は理解できねえだろうよ。」
皆川の根底にあるのは、人間賛歌、そして希望と可能性への惜しみない賛美。
悲劇と耽美を縦糸、読者受けを横糸として物語を織り上げるCLAMPにとって、
最もとは言わないまでも、相当に理解しがたい感覚だろう。
「そう?それじゃあいいわ。わかるまで話を聞くより、あなたを立ち上がれなくするほうが話が早そうだし。」
猫井が再び構える。その姿を形容するならば、まさに獲物に飛びかかろうとするライオン、といったところだろうか。
「だな。……結局最後は殴りあう羽目になっちまう。いやなもんだ。
でもよ、その先に光が見える限り、俺は止まらねえ!!!」
皆川も構える。こちらはさしずめ、古代ローマの拳闘士といった風情か。
雨は降り続く。人間達のちっぽけな戦いなど意に介さずに。
スタンドを切り替えるのに一分かかるって設定はいいね
前作だとあまりにも万能すぎたからな荒木は
考えてみたら、荒木も最前線から退いた身なんだよな
なんか悲しいな
最前線というのを週刊少年誌とするなら、そうなるな
ただ個人的には荒木の漫画力は今なお進化し続けてると思うけど
秋田書店の一角では青山広美と山根和俊が相変わらず小学館対策に頭を悩ましている。
自棄を起こしたくなる程すべてが上手く行かないその時、不意に青山の非常用直通電話が鳴った。
「おう、ワイや。」
「大変だ青山先生!板垣恵介が集英社付近で謎のルチャドールと交戦開始したらしい!」
「な、なんやてええええええ〜〜〜ッ!?」
某ゴラク作品で主人公に一杯食わされた悪徳不動産屋のような面構えで青山が大声を上げる。
青ざめた下品な顔に脂汗を浮かべて青山が電話で報告を受けている傍らで山根は首を傾げていた。
(変だな。板垣と車田が集英社に襲撃をかけてからそれなりの時間は経過している。
あの二人ならばそれだけの時間があれば十分逃げられるはずなのだが…)
その頃、板垣恵介は謎のルチャドールの蹴りをマトモに食らって宙を浮いていた。
全身のバネを利かせた好敵手の凄まじい蹴りの威力を反芻しながら獣のような笑みを浮かべていた。
「 ダ イ ブ 」
謎のルチャドールがボソリと呟いた。
登場人数:33(32+1)
退場人数:0
現在の人数:33/60
まさかヨクサルか!?
「エエか!オドレは今から何とかして板垣とルチャ野郎の様子を逐一録画してコッチに送るんや!
せや!奴等には絶対に気取られるな!ほな一旦切るで!」
青山が電話を切り頭を抱える。ただでさえ小学館対策で大変なこの時期に余計なゴタゴタを
寄りによって元同僚に集英社付近で起こされた事が恨めしくてならなかった。
「いくら板垣が何らかの理由で離脱にもたついたとはいえ、他社の増援が到達するにはまだ少し早い。
恐らくそのルチャ男は集英社の人間。しかもあの板垣に正面から格闘戦を挑むとなると相当の強物。
いくら板垣と言えども他社からの援軍が到達する前に短時間でそいつを片付けるのは至難の業だ。
あの暴力馬鹿と配下のゲリラ連中にもまだ使い道はある…秘密裏にでも誰か送った方が良くないか、青山先生?」
濃い目のコーヒーをさりげなく出しながら山根が尋ねる。
それに対して不味そうにコーヒーを一気に飲み干した青山が仏頂面で答える。
「オドレはまだあのアホの事をよく知らないからンな事言えるんや。離脱にもたつく?援軍?アホぬかせ!
いいかクソガキ!恐らくアイツが中途半端に離脱に遅れた理由ってのは…」
その時PCに動画が配信され始めた。薄ら暗い路地裏で獣臭を感じさせる男が一回り身体の小さいルチャドールの
淀みない蹴り技に一見サンドバックにされているように見える。ただ獣じみた男はその怒涛の攻撃に全く下がらない。
むしろ前に出ているくらいである。顔には野獣じみた笑みを浮かべ、時折人とは思えぬ咆哮を上げながら反撃を返す。
その姿は言わば群れから外れたカモシカを捕食しようとじりじりと追い詰める巨体の肉食獣といったところか。
「…まさか、行きがけの駄賃として集英社の誇る格闘漫画家と闘いたくなった、と言う事か?」
「と言うより喰いたくなりよったって所や。ワイが思うに集英社襲撃は車田がメインで板垣は後詰めの雑魚掃除や。
あいつの性格からすると喰い足りん退屈な仕事やったろうからな。エフッ!エフッ!…全くあのアホが!」
その頃、数ダースの蹴りを全力で叩き込まれても倒れる素振りも見せない板垣に対して
謎のルチャドールには少し疲労と焦燥の色が見え始めていた。
「 相 変 わ ら ず か 。 怪 物 め 」
謎のルチャドールがボソリと呟いた
板垣は前シリーズよりも本能丸だしの感じがするな
保守
保守
160 :
集英社にて:2007/09/21(金) 17:27:46 ID:Fkog/iSG0
「くっ、遅かったか…」
襲撃された、集英社本社に3人の男がやって来た。
鳥山明、和月伸宏、富樫義弘。
いずれもジャンプの主力作家だ。
「と…鳥山先生…」
瓦礫の中、負傷して横たわる尾田が呟いた。
「尾田か!!よかった、生きてたか…」
「大変です。車田の奴が…」
「車田だと…!?」
尾田はこれまでの経緯を鳥山に説明した。
161 :
集英社にて:2007/09/21(金) 17:38:59 ID:Fkog/iSG0
「ふっ、それはおもしろいな」
トランプを弄びながら、富樫がニヤつく。
「やられた、やり返すしかねーよな!!」
和月は壁に向かって二重の極みを放つ。
それを見ながら、岸本がため息を漏らす。
「本当に大した奴ですよ。車田先生は… 本当に勝てるかどうか…」
岸本は、一人胸を撫で下ろした。
162 :
集英社にて:2007/09/21(金) 17:44:20 ID:Fkog/iSG0
登場人数:36(33+3)
退場人数:0
現在の人数:36/60
イメージ
鳥山→青年悟空
富樫→ヒソカ
和月→佐ノ助
ぎりぎりだった。
「大したモンだな」
岡田はそう言うと、手につかんだえばらを地面に叩き付けた。
「きゃ…がは!」
強い衝撃が肺を圧迫し、彼女は強く咳き込んだ。
衝撃は器官にもダメージを与えていたようで、地面に倒れたまま咳き込み続ける。
しかしそれだけだった。
彼女の体に、他に傷らしい傷が見当たらない。
「あの状態で、あの攻撃を全て防ぐとは…」
岡田の盾にされて多数の羽の脅威に晒されたえばら。
しかしその羽は一枚たりとも彼女の所まで到達せず、全て地面に落ちていた。多数の薔薇の花弁と共に。
向かってくる多数の羽を、えばらは全て薔薇の花弁の防御壁で防いだのだ。
地面に倒れたまま必死に呼吸を整えようとしているえばら。岡田はその姿を冷ややかに見つめていた。そして、
「フン」
岡田は鼻を鳴らすと、目の前のえばらを思いっきり蹴り上げた。
「!!!?」
落ち着きを取り戻す前に更なる攻撃を受けたえばらは、吹っ飛んでいる自分を認識出来なかった。
目を白黒させながら、現状に身を任せる。
彼女がようやく自分を取り戻したのは、千道に受け止められて、自分の名を三度目に呼ばれた時だった。
「…ばら、大丈夫!?」
「ん…うん」
やっと落ち着きを取り戻したえばらは、ようやくけり飛ばされた横っ腹に痛みを感じ始めた。
脇を抱えてその場にうずくまる。
「身動き取れない相手にこの仕打ち…ただの外道ね」
えばらを気遣いながら、岡田に言葉を吐き捨てる千道。
岡田は特に反論しない。めんどくさそうに聞き流している。
「それにしてもなんなの…あの強さ。あれじゃあまるで…」
「多分…あの聖衣が…けほ、原因…けほ」
「聖衣?」
聖衣――クロス。岡田や車田が着ていた黄金の鎧の事だ。
「近づいた時…あれ…けほ、あれから別の人間の…力を感じたのだわ」
「まさか…」
千道の言葉に、えばらはうなづいた。
「車田正美…岡田はあの聖衣から、車田の力を得ているのだわ」
岡田や由利のような車田の部下は、車田から預かった物から力の恩赦を受けていた。
岡田は獅子の聖衣、そして由利は一本の木刀から。
その力に相まって元の力も加われば、並の漫画家では太刀打ち出来ない。
そうとな恩恵と言っても過言ではないのだが、
『風魔』、由利聡は、その力の恩恵が無意味な状態に置かれていた。
「…………!」
一歩、また一歩。すり足で細い柱の上を渡っていく。
四分の一ほど歩いただろうか。大分進んだはずなのだが、彼にはまったく進んでいないように感じられた。
(なんでこんなことをしているんだ俺は…!)
自問するが、答えは渡る前に出尽くしている。任務を全うするには、とにかく進むしかない。
自分を納得させて、また少し前進していく。
その一方対岸のえなりは、ハラハラしながらそれを見ていた。
「どうしたえなり君。冷や汗が出てるぞ」
「いやその…なんか見てるだけなのに緊張しちゃって」
「クク…楽しんでるみたいだな」
「楽しむなんてそんな…ヒヤヒヤするだけですよ」
「それを楽しむ、と言うのさ」
福本の言葉の意味がよくわからず、えなりはただ首を傾げるだけだった。
165 :
何故に:2007/09/21(金) 21:42:55 ID:+s2/QC5KO
スクエニまで少しの道程となった所で、福地は車の中で少々やさぐれていた。
「なにもさー、鳥山先生達からの連絡があったからっていきなり行かなくてもいいじゃないッスか。
そりゃ冨樫先生の性格は分かってたッスよ。己の快楽優先で他人は気にも懸けないし。
この前の戦闘だってやったの殆ど俺で、先生は後ろでカレー食べてたし……俺、先の戦争じゃ後方支援専門だったのに」
集英社に行ってくると言って、冨樫はGIのカードで文字通り飛んでいってしまったのだ。目的地までもうすぐと言えど、秋田書店の件もあり福地はかなり心細かった。
愚痴は幾ら挙げてもきりがない。そう思い始めていた時に、目の前にスクエニのビルが見えてきた。
「やっと着いた。長かったよ此処まで」
「結構苦労してたのね」
「判りますか。あの人と一緒だと精神的に疲れるッスよ」
「私も昔は矢吹様の秘書やってたのに、何処で人生狂っちゃったんだろ……」
アスファルトに昨夜の雨がつくった水溜まりが輝いている。二人は溜め息をつきながら車を降りた。
と、福地の脚に違和感が生じる。何かと見てみると、
影から出た腕が、彼の脚を掴んでいた。
不意を突かれ対応が遅れた間に、残りの部分が現れて来る。
その姿を見た彼は、驚愕の色しか表せなかった。
「あっあんたは……」
その人物はわざとらしく紳士のように礼をした。
「はじめまして、赤松という者です」
166 :
何故に:2007/09/21(金) 21:44:57 ID:+s2/QC5KO
「赤松……だって……」
マガジンの漫画家、赤松健。どう考えても敵にしかなりえない人物が目の前にいる。
福地は自分でも知らぬ間に“手ぬぐいを鉄に変える能力”によって作り上げたこん棒を握り締めていた。
だが、赤松は手で止めるよう示す。
「今回は戦いに来たのではありません。貴方にお話したい事があるのです」
「まさか捕虜を引き渡せとか言うんスか?」
「いいえ。上の決定で、東さんにはクビになっていただきました」
後ろの方で絶望の呟きとともに倒れこんだ気がしたが、今はそれどころではない。
「近くのデパートで、えなり少年とPEACH-PITが何者と戦っているみたいですよ」
「なっ、何故それを……」
福地は冨樫からその三人について少なからず聞いていた。もちろん彼らがこの闘いにおいて重要だということもわかっている。
だからこそ分からない。この男がそれを告げる意味が。
(引っ掛けか!? 向かおうとしたところを攻撃する気なのか!? せめて触れられればメールで確認できるが……)
「あんたがそんなことを言うのに、一体なんの意味があるんスか!」
「福地さん、貴方もこの争いに重要な一人なんですよ。CLAMP達の予言によればですがね」
そんな言葉を残して、赤松は消え去った。水を媒介にした転位魔法だ。
167 :
何故に:2007/09/21(金) 21:48:11 ID:+s2/QC5KO
その場に二人だけになるやいなや、福地は踵をかえして何処かへ行こうとする。
「……たしがクビ、私がクビ、私が、て何処行くの!?」
突然のリストラに意気消沈していた東が我に返って問い掛ける。
「予定変更ッス。今から助太刀に行くんスよ」
「今からって、いくら近いって言ったって、直ぐ行ける距離じゃないはずよ!?」
「だからこそ、こいつを使うんスよ。俺は後方支援専門だったんスよ。建設、保管、運搬は完璧ッス」
何処からともなく取り出したのはヘリコプターの玩具。福地はそれで遊ぶような動作をしたあと、能力の一つを発動した。
「“オブジェ(模型)”を“実物”に変える能力!!」
閃光と共に現れたのは本物のヘリコプターだった。見るとさっきまであった車が今度は模型に戻っていた。
二人はヘリで向かう。えなりとPEACH-PITを救う為に。
登場人数:37(36+1)
退場人数:0
現在の人数:37/60
今更ながらそれぞれのイメージ
福地:『うえきの法則』の佐野
東:『EREMENTAR GERAD』のシスカ
赤松:『魔法先生ネギま!』のナギ(ローブは黒)
168 :
何故に:2007/09/21(金) 21:50:44 ID:+s2/QC5KO
勝手ながら、都合で暫く書けそうにない
他の書き手さんには申し訳ない
多分、登場人物は36人だな。
170 :
まとめ:2007/09/22(土) 02:17:55 ID:tJzZh4qD0
「状況報告。CLAMPと集英社の皆川、荒木が国会議事堂付近での交戦の形跡を確認した。」
「報告!報告!RED部隊『エピソードG』岡田がPEACH-PITと、『風魔』由利が福本、えなりと交戦開始!」
「大変だ!!小学館幹部の高橋留美子&椎名高志があの藤田和日郎と交戦開始との情報が入った!」
「こちら偵察部隊。赤松健の瞬間移動らしき形跡を発見。これより情報収集へ移行する。」
ここは秋田書店の一角。先程から各地での状況報告の為に青山の非常用直通電話が鳴リ続けている。
「ケッ!どいつもこいつも顔付き合わせれば戦争おっ始めよって!」
不細工な顔をいよいよ不細工にして青山がボヤく。
秋田書店が大敗してから数年の間、寝る間も無く働いてやっと事態が落ち着いてきた所にこの事態である。
彼の有休取って金髪巨乳の極上ねーちゃん達を侍らせて夜通し馬鹿騒ぎな夢はまだ当分叶いそうにない。
そうこうしている内にまた電話が鳴る。
「報告!集英社前にて現ジャンプ軍団と鳥山明、和月伸宏、富樫義弘が合流!」
「報告!岡田、由利とPEACH-PIT、福本、えなりが交戦中のビルに謎のヘリが接近しているとの情報を入手!」
「だああ〜!いい加減にせェよオドレら!…おい、クソガキ!」
「落ち着けよ青山先生。今までの情報は僕が纏めておいたよ。」
にこやかな笑みを浮かべながら山根が眠気覚ましのタブレットを添えて資料を差し出した。
「…そうか、それなら早く説明せぇ。」
資料を受け取った時の青山の頬が心なしか赤いような気がする。この胸をドキドキさせる魔法使いめ。
171 :
まとめ:2007/09/22(土) 02:43:47 ID:tJzZh4qD0
「今までの状況をかいつまんで説明すると…」
・えなり 借金地獄。福本に唆されて勝負師伝説哲也の2人と麻雀打ってたら車田の襲撃を受ける。
間一髪福本と共に逃げるも由利の追撃を受けて現在交戦中。援軍らしきヘリが向かっている。
・集英社 交渉相手のPEACH-PITをCLAMPに拉致されたのでUJ一味がCLAMPを急襲して交戦状態。
一方本社は車田に襲撃を受けて現ジャンプ軍団は重傷負うも鳥山、和月、富樫が合流。
・講談社 何か凄い力を手に入れる為に武内直子とPEACH-PITを拉致したらUJ一味が攻めてきた。
福本と赤松が暗躍中。哲也の2人はここの所属かどうかは不明。
・秋田書店 以前小学館との戦争で大敗。水島と浜岡封印。山賢や板垣等の一部勢力ゲリラ化。本社自体は存続。
小学館の襲撃で山賢&サトケン瀕死。板垣の指図で車田が集英社に襲撃後えなりを急襲する。
その事で小学館で近日尋問を受ける予定。現在岡田がPEACH-PITと、由利が福本、えなりと交戦中。
・小学館 秋田書店のゲリラ化した一部勢力の掃討中。山賢&サトケンに暴行。
そして原因不明だが高橋留美子&椎名高志が藤田和日郎と交戦開始。
登場人数:37
退場人数:0
現在の人数:37/60
「…って所だ。」
「上出来や、クソガキ。」
青山の背後で何か好感度が上がるっぽいメロディがピロリラリン♪と鳴った気がするが今はキニシナイ。
「で、あのアホの状況はどうなっとる?」
「あの暴力馬鹿はまだルチャ男と戦っているが鳥山、和月、富樫が合流した地点と奴が今いる路地裏は
かなり離れている。少なくとも今即座に3人の襲撃を受ける心配はないよ。」
それを聞いた青山がほっと胸をなでおろす。
172 :
まとめ:2007/09/22(土) 03:18:08 ID:tJzZh4qD0
その時再び電話が鳴った。
「ヤバい!ヤバいぞ!板垣とルチャ男の交戦地点に最短距離で何者かが疾風の如く向かっている!」
「外見は!」
「漆黒の甲冑を身に纏って何か馬鹿デカい物背負っているのに矢鱈と動きが早い!化け物か!」
「!?」
「剣?いや、剣にしてはあまりにも大きすぎる!これ程大きく、ぶ厚く、重く、大雑把すぎる剣など!
これはまるで…鉄塊!?こちら偵察部隊!もう少し距離を詰めて詳細を確認する!」
「待て!それ以上は!」
青山が叫ぶのとほぼ同時に巨大な何かが叩きつけられて全身の骨が砕ける音と
偵察者の断末魔が受話器から響いた。
「クソッ!」
青山が受話器を叩きつける。どうやら一難去ってまた一難、彼には胸をドキドキさせる暇もないらしい。
その頃、漆黒の甲冑男は板垣と謎のルチャ男が戦う路地裏を目指して常人の目にも留まらぬ速さで
何者かに導かれるように集英社近くの繁華街をひた走っていた。
「ヨクサル…!」
登場人数:38(37+1)
退場人数:0
現在の人数:38/60
勢力が個人個人じゃなくて出版社ごとに分かれてるのがわかりやすいな
青山 「ところで、他の出版社に目立った動きは無いんか?」
山根 「今はね。ただそろそろ角川辺りが動くと思うんだ。」
青山 「ほお、何か理由でもあるんか?」
山根 「ああ、次は『真!機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R 〜世界が燃え尽きる日〜』の予定だからね。」
戸田 (聞いて無ェぞそんな話。)
青山 「出来もせん事をホイホイ口に出すなや、このクソガキ。」
戸田 (そりゃそーか。)
>真!機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R 〜世界が燃え尽きる日〜
メッチャ読みてえw
ぶっちゃけ最近はアストレイも詰まらなくなってきてるからなあ…
OOも始まるし、種ももう本格的に終わりだね
このスレも加速し始めたな
えなりは今度こそ主人公らしくなれるかどうか
177 :
回想:2007/09/24(月) 12:05:11 ID:jNU+tEcQ0
鳥山達が、尾田、岸本と合流した時には、他の連載作家達は見当たらなかった。
(まさか、もう…)
鳥山は、そう思った。
「あのー、許斐先生は見ませんでしたか?」
ふいに、岸本が口を開いた。
「許斐… あー、あのテニスの王子様の…?」
「ええ、車田の襲撃を受けた時、一人だけ最後まで闘い抜いたんです…
だけど、チィ… 不運なことに…」
最も、岸本は、その時気を失っていたので、正確なことはよく覚えていなかった。
刻は数時間前…
車田襲撃の時刻に遡る。
178 :
回想:2007/09/24(月) 12:06:34 ID:jNU+tEcQ0
「ふははははは!!!!こんなものか!!!!」
車田は、岸本たちを見下しながら、笑い叫ぶ。
車田の一方的な攻撃に岸本達は追い詰められていた。
―その時―
「まだまだだね」
一人だけ無傷のテニスプレイヤーがそこに立っていた。
許斐剛、ジャンプきってのCOOLなスポーツ漫画家だ。
「ふん、まだ生き残りがいたか…だが所詮、ただのスポーツ漫画家。
この俺に盾突くなど、100年早いわ
喰らえェィィ!!! ペ ガ サ ス 流 星 拳!!!」
車田の光速の拳が許斐に襲い掛かる。
しかし…
「動 く こ と 雷 帝 の ご と し!!」
許斐は一瞬で車田の背後に現れる。
「何ィィーーーゴブっ!!!」
さらに、雷を纏ったテニスボールが車田の顔面に直撃した。
「ぐおぉぉぉッ!!!」
車田は陽光を背に遠くまで吹っ飛ばされる。
(ば、馬鹿な…俺と同じ光速の動きだと…これがスポーツ漫画家の力なのか…)
179 :
回想:2007/09/24(月) 12:08:33 ID:jNU+tEcQ0
そして、トドメをさそうと、車田に近づく許斐。
勝負が決しようとしたその時…
ズドドォォーーン
突然、天井のシャンデリアが落下してきた。
!!
許斐はそれに反応しきれず、後頭部にシャンデリアが直撃した。
登場人数:39(38+1)
退場人数:1
現在の人数:38/60
来るべき近未来ッ!人類は未曾有の戦乱の時代を迎えていた!!
その戦乱の中恐怖と畏敬の念を込めて語られる一体のロボットがあった。
その名は――――――
「…って感じで始まるんじゃないかと思うんだがどうかな、先生。」
「黙れクソガキ。」
秋田書店の一角で青山と山根の2人がこんな感じの馬鹿話をしている間も板垣と謎のルチャ男、
いや元白泉社、現集英社所属の格闘漫画家、「エアマスター」柴田ヨクサルの戦いは続いていた。
反撃の暇を与える事無く、ヨクサルの蹴りが立て続けに板垣に襲い掛かる。
頭部。
顔面。
胸。
腹。
背。
鎖骨。
肝臓。
そして心臓。
フェイントもコンビネーションも無い、一発一発に一撃必倒の気迫を篭めた蹴りである。
小手先の技術は不要。
もし一撃をガードするのならそのガードごと叩き潰せばいい。
もし一撃を避けられたなら次の一撃を全力で叩き込んで倒せば良い。
我流の喧嘩から始まって空手、柔術、拳闘、レスリング、総合、合気道、忍術、中国武術ほか
様々な武術をマスターした格闘漫画家の彼があえて上記の原始的な格闘術に立ち返ったのは
数年前に板垣と闘い、にべもなく叩き伏せられた苦い経験の為であった。
数年前にヨクサルが初めて立ち会った時の板垣はまさに獣だった。
相手が間合いに入るや否や恐るべき豪腕で凄まじく速い打撃を繰り出し叩き潰す。
「オーガ」と称され恐れられる板垣の格闘術は、その実シンプルな打撃技。
確かに打撃は恐ろしく速く強く、直撃すれば俺も只では済むまい。
だが速く強い、ただそれだけの獣の如く単純な打撃だ。
フェイントも連携も無い単純な打撃など、格闘家に何発出そうが当たらない。
そしていかなる打撃も当たらなければ、どうという事は無い。
所詮は獣、俺の技量なら十分に御し得る―――――
そう自惚れていた。
甘かった。
ヨクサルがいつもの様に軽くステップを踏み、跳ねる様に牽制の前蹴りを出そうとしたその瞬間に
既に板垣は倍以上大きく踏み込んでおり、蹴り足を伸ばす前に顔面を右拳で打ち抜かれていた。
その一撃でヨクサルの意識は完全に頭から弾き出されていた。
三浦健太郎の咆哮で意識が戻る。どうやら板垣が完全に自分に背を向けて三浦と闘っているらしい。
俺が顔面を打ち抜かれた直後に真っ先にあいつが板垣に背後から突っかけたという事か。
待て、三浦。
奴の相手は俺だ。
奴との勝負はまだこれからなんだ。
待て、板垣。
板垣―――
板垣の一撃が完全に全身に効いていたヨクサルは身動きする事もできずに、三浦達と板垣の
引き起こす喧騒を耳にしながら、目にうっすらと涙を浮かべて独りただ空を見上げていた。
保守
えなりが来るには……ageるしかねぇのかッ
皆、このスレを忘れちまったのかな……
時期を改めて立て直そうかな……
OTL
まあ焦るな。週数本のペースはSSスレとしちゃ悪くない。
どうしても、というなら自ら投下しちゃえ。
「他人の力であんな自信たっぷりなのね…あいつ」
千道が憎々しげにつぶやく。
「それに関してはあたし達も人の事言えないような気もするのだわ」
えばらがすかさずツッコミを入れるが、千道は棚に上げて答えた。
「あたし達はそういう能力なんだからしかたないでしょう?」
彼女達はミーディアムと呼ぶ人間から力を得ている。そして彼女達にとってのミーディアムは、言うまでもなくえなりである。
「そんなことよりも、今後の対策をしましょう。
あの鎧から力を得ていると言う事は、つまりあの鎧をなんとかすれば、あいつに勝てるっていうわけね」
「あんまり思い込まない方がいいのだわ…鎧から力の流れを受けているのは感じたけど、どこまでが本人の力なのかは…」
得ている力は微々たるもので、ほとんど全てが本人の力である可能性もあった。
「試せば、分かる事よ」
「それはそうだけど…それが出来たら苦労はしないのだわ」
「それはそうねぇ…」
本気で困った二人は、その場で考え込んでしまった。
しかしそんな時間があるはずもなく、
「なにぶつくさ言ってやがンだ。来ないんなら、さっさと終わらせるぞ」
指の骨を鳴らしながら、岡田がゆっくりと近づいて来た。
あわてて警戒態勢をとる二人。しかし、攻も守も圧倒的に差がある現状では、警戒したところでどうしようもない。
(どうしたものかしらね…せめてあの二人もいればなんとかなったかしら)
しかしいない人間の事を考えても仕方がない。
(なんとかするしかないわね)
覚悟を決めて、彼女は打開の為の最初の一手を打って出た。
「?」
岡田が不思議そうに眉をひそめた。
千道が放った黒い羽が、彼にまで届かずに地面に突き刺さったのだ。それも一度だけでなく二度三度と。
えばらも薔薇の花弁を地面に向かって放っている。
その意図が見えない岡田の目には無駄な行動にしか映らない。
「なんのつも――」
言いかけて、とっさに理解出来た。とても単純な戦略。
しかしもう遅かった。
「!」
岡田の足下が崩れ去った。
足場の状態を悪くして相手を不利に導く。基本中の基本だ。
対処が間に合わなかった岡田はバランスを崩して下の階へと落ちていった。
「ち、こんな小細工!」
「まだ小細工は続くわよ」
千道が続けて攻撃を放った。今度は岡田本人へと向かって。
それを防ぐ為に岡田は落下したままとっさに光速拳を放つが、体勢が悪く、数発を為損じてしまった。
「ぐ…だがこんな程度……!」
数発程度ならなんら支障はない。
はずだったのだが
「なに!?」
岡田はすぐに気がついた。自分の動きが鈍くなっている事を。
光速拳もスピードが落ち、千道の攻撃を防げなくなりつつあった。
岡田を追って千道とえばらの二人も下の階へと降りて来た。
その二人を睨みながら岡田が問いを投げかけた。
「なにをしやがった…」
「フフフ、ご自慢の黄金聖衣を見てみたら?」
言われるままに自分の聖衣に視線を下ろす。
思わず口から声が出た。
「……なんだこりゃ?」
黄金の聖衣に、何枚もの黒い羽が張り付いていた。
その纏わりついた黒い羽が岡田の動きを封じたのだ。
「フゥ、とっさにしては悪くない作戦ね」
えばらが安堵のため息をつきながら言った。
なんの合図もなかったが、彼女は千道の行動をすぐに理解してそれに続いたのだ。
「やろうと思えば、なんとかなるものね」
千道は地面に落ちた羽を一枚拾い上げて、その先を岡田へと向けた。
「さあ、今まで好き放題やってくれたお礼を、どうやって返してあげようかしら」
クスクスと怪しい微笑みを浮かべて、千道は楽しそうにつぶやいた。
189 :
死後第2節:2007/10/01(月) 20:26:59 ID:EabcCRhq0
前回のあらすじ
犬に食われてたサトケンが目を覚ましたらそこはやたら電柱が立ち並ぶ生と死の間だった。
あとちょっと動くだけでパンチラ放題なメイド服姿になっていた。
光原(熟女)、吉富(少女)、ヨースケ先生(紳士)から話を聞いて分かった事は
・生と死の世界は非可逆的でかつ完全に断絶しているらしい。
・ツレビトは生と死の間にいて死者が来たら手を引き死の世界の門へ連れて行く存在。
・ツレビトでいる間はここ、生と死の間に留まり生の世界を眺める事はできる。
・死人が生と死の間に長い間留まっているとバケビトと呼ばれる自分が何者かも忘れた
生と死の間を彷徨うだけの存在になってしまう。
・もしツレビトになっても一定期間死者を連れて行かなければバケビトになってしまう。
どうしても生の世界に未練があるのならツレビトになれ、とヨースケ先生は言ってくれた。
…正直そのまま死んでもツレビトになっても碌な事にならないのは気のせいか。
と、その時また目の前の風景が大きく変化した。今回はごく普通の寄宿舎の一室らしい。
隅のベットの傍ではつるぺたロリでピンク色の長髪が特徴的な女の子が全身包帯グルグル巻きの
目付きがヤバいモミアゲ男にツンデレな台詞と何らかの呪文を口にしながら接吻しようとしている。
「これは‥‥」
「今からここで人が死ぬ‥‥大勢‥‥」
「‥‥っていうか逃げてそこの女の子!」
遅かった。彼女の唇が男に触れる前に、男は彼女の細い体に手加減無しのボディーブローを叩き込む。
その勢いで床に倒れこみ激痛に悶える彼女を尻目に、男は仰々しい怪物が描かれたカードを差し出す。
「デス・レックス!」ヤバい目付きを更にヤバくして男が叫ぶと、カードから2本の骸骨の腕が伸びる。
その2本の骸骨の腕は男の胸に深々と突き刺さり、男の胸を出血も無く大きくムリムリと抉じ開ける。
その抉じ開けられた胸からは竜を思わせる程に大きな口が飛び出し、彼女を一息に喰らってしまった。
「やはり青い果実は丸ごとに限るな」
つづく
登場人数:37(38▲1)
退場人数:1
現在の人数:37/60
ヤマグチノボルが摩擦0も下着を洗わせる事もツンデレする事もなく退場。
なんという・・・
最近のゼロ魔SSブームに一石を投じるシュールさwww
>>188 ネタバレと長文に耐える覚悟があるならば、ローゼンメイデンについて此処に載せてもいい?
今後必要になりそうなので、ローゼンメイデンについて書いとく
ローゼンメイデンの基礎用語
ローザミスティカ:
ローゼンメイデン(以下ドール)の命であり魂。これを失うと只の人形になる
庭師の如雨露:
人の心に育つ『心の樹』を成長させる
過剰に栄養を与えて腐らせ、人の心の成長を妨げ悲しい記憶に縛り付けることもできる
庭師の鋏:
『心の樹』の成長を妨げる雑草(トラウマなど)を取り除く
心の樹の必要な枝を切り落とし、その人の心にしまわれた大切な記憶を奪うこともできる
薔薇の指輪:
媒介がドールと契約を交わした際に付けられる指輪
ドールに力を供給し、ドールが力を使うと指輪が光り熱さを伴う
ドールが力を使う際に媒介は体力を失い、疲労や気だるさといった形で現れる
大きな力を使うほど媒介の消耗は大きく、力を使いすぎると媒介は指輪に取り込まれて消滅する
契約が解かれるか契約したドールが敗れるまで消えず、契約中の媒介は自由に外すことが出来ない。無理に外すと肉が剥がれる
人工精霊:
ドールを援護する、光り輝き浮遊する物体(壁は通り抜けられない)
戦闘の援護や回復等の役目を持つ
ドールとは意志の疎通が出来、単独行動も可能である
鞄:
眠る時に入るトランクケース
高級そうな作りで、革張りの表面に金色の薔薇の彫金が施されている
nのフィールド:
現実世界と表裏一体をなす空間
無数の『誰かの精神の世界』で構成され、扉がそれを繋いでいる
透明な光を反射する所や、人工精霊のスィドリームやレンピカの力で夢の中から入る
人間が脱出が出来ない場合はその間は昏睡状態に陥り、脱出不可能な状態が永続することになれば現実世界では『死亡』とほぼ等しい状態となる
自分の持つイメージが曖昧だと、自分の具体的な姿を表す事も出来ず、声を聞く事や物を見る事すら出来ない
夢の世界
nのフィールドの一部
翠星石と蒼星石は近くにいる睡眠か失神状態の人間の夢の扉を強制的に開き、直接入ることができる
心の樹
その人自身が夢の世界のどこかに持つ樹
樹はその人の心の状態を表している
ドールの戦闘法
水銀燈
・羽根を弾丸の様に飛ばして相手を切り裂く
・ダーツの様に狙った場所を突く
・羽根を対象に纏わりつかせて動きを封じる
・翼で身を覆い防御する
・翼を龍に変貌させる
・翼や羽根を青い炎に変えて燃やす
・羽根を集めて剣を召喚する
・契約よりは効率が悪いが、誰からでも力を奪える
金糸雀
・バイオリンを使った音波攻撃や風の様なものを巻き起こす(曲名の違いは『必殺技辞典』に詳しく載っている)
・弦の強度は弱く、それを切られると技が使えなくなる(多少の損傷ならば人工精霊のピチカートにより修復が可能)
翠星石
・夢の世界に生えている『世界樹(精神世界に生える巨大木)』の一部分や心の樹の枝、現実世界の植物を如雨露で操り、敵を束縛したり自身を防御する
蒼星石
・大柄な庭師の鋏(鋏は普通に使って戦う)を使用した大振りな接近格闘
真紅
・ステッキを用いた接近戦と薔薇の花弁による遠距離攻撃や防御壁
・「薔薇の尾(ローズテイル)」(自動追尾攻撃)という技を使用
・肉弾戦に持ち込むことも多い
雛苺
・苺轍(苺の実がついたツル)を操る能力で人一人を軽く持ち上げたり、一時的に相手を束縛する事が出来る
出来れば漫画版の能力限定で…
さらに出来れば実物見た事ない俺が変な事を書く前に誰か乱入を
漫喫やブクオフ等で斜め読み程度でもいいから目を通しておけばいいんじゃね
198 :
ゼロの山賢A:2007/10/06(土) 08:08:58 ID:1cjUdAQ70
前回のあらすじ
ヤマグチ:か、勘違いしないでよ!こんな事するのはあくまで契約のためなんだから!
ヤマケン:デス・レックス!
ヤマグチ:ギャー
獰猛な笑みを浮かべながら胸からズルリと出てきた巨大な口でヤマグチを咀嚼する山賢。
一噛み毎に傷は癒え、わずかに見える肌には張りとツヤが戻っていく。
ヤマグチを完全に喰い切った山賢が全身をグルグル捲きにしていた包帯を自ら引き剥がすと、
つい先程まで全身に満遍なく残っていた大小様々な傷がきれいさっぱり無くなっていた。
山賢の「相手を喰うと相手の能力吸収と同時に体力回復も出来る」能力のお陰である。
引き剥がした包帯を部屋の脇のゴミ箱に片付けながら山賢はこれからの事を考える。
あのロリの話によるとここはアライブとかいう学園物を手掛ける漫画家の多い場所で、
集英社&小学館のクソ野郎共とも、講談社のカス共とも、秋田の腰抜け連中とも少し距離を
置いた勢力らしい。なら上手くやればあの鬱陶しい小学館の追撃から一時的にでも身を隠せる。
前に俺をコケにした小学館の虎皮ビキニの偉そうなデカ乳年増女を苺って嬲って殺って犯って
喰ってやるのが遅れるのは気に入らないが今は体力回復を優先すべきか…
そんな事をつらつら考えていると部屋の外からカレーのいい匂いが漂ってきた。
この匂いは各種スパイスを効かせつつもお腹に優しい本格的なキーマカレーだ。
「カレーの王子様」の異名も持つ山賢、思わず部屋を出て匂いを辿り台所へ向かっていった。
少し歩いた所でばったりと漫画家らしき女と出くわした時も(主にカレーの為に)事を荒立てまいと
山賢にしては珍しく、比較的にこやかに挨拶を交わす。
「イヤ─────────ッッッ!!変態!!」
そりゃ目付きの悪いフルチン野郎(山賢)がいきなり目の前に現れたらそうなるか。
つづく
前回のあらすじ
カレーの匂いに釣られて山賢がうっかり廊下に出たら偶然通りかかった女に裸を見られた。
「バカ!バカ!変態!」
女が激しく頭の大きな白リボンとデカ乳を揺らしながら木刀で思いっ切り引っ叩いてくる。
何らかの武術の覚えがあるらしく、一撃一撃がかなり鋭くて重い。ってかマジ痛い。
そりゃ昼間っから木刀携帯している女なら大体そんなキャラだな。袴も穿いてるし。
って余計な事を考えている場合じゃない。まずあの木刀をどうにかしないと
こちらが本気でKOされかねない。振り下ろしてくる木刀にタイミングを合わせて…
ム ニ ュ
「…………………………あ。」
「………どこ触ってるんですか。」
「………えー、その、これはその(ry」
「 こ の 変 態 ───────ッッッ!!」
その瞬間、山賢は女の横薙ぎの強烈な一撃で思いっ切り意識ごと吹っ飛ばされていた。
何だコレこんな馬鹿一なんざ今時あのサンデーのラブコメ漫画でも有り得ねェよド畜生犯すぞオイ
ってかラブコメは嫌いなんだよ俺は全くあ痛の小学館の虎皮ビキニ年増デカ乳痛ェぞオイ
と戦った時もよく考え痛ェんな展開でいきなりボコられた痛んじゃねェか許せねェあの年増
今度戦る時痛速攻で犯痛殺し痛た犯痛ェ──────!
壁に叩きつけられた衝撃で山賢が我に帰った。何かもう二人とも全身を震わせ、顔を真っ赤にして怒っている。
「もう我慢なりません!この変態!あなたのような変態は秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして
現アライブ恋愛部門臨時担当のこの私!みなもと悠が浮羽神風流の奥義で直々に性根を叩き直します!」
「うるせぇ!俺を誰だと思ってる!俺は秋田書店の山本賢治だ!」
「「…秋田書店!?」」 つづく
登場人数:38(37+1)
退場人数:1
現在の人数:38/60
みなもと悠 月刊チャンピオンでムチムチのぷりんぷりんのぼーんぼーんなエロコメ漫画を描いている人。
アライブでも別名義で描いてたりした(単行本未収録)。代表作は「明日のよいち!」
講談社ビルの地下に一般人の知らない不可思議な一角がある。全体的に暗く、燭台が朧げに照らす中、台が一つあるだけの部屋だ。
その上には、一人の男が微動だせず横たわっている。当然だ。彼は既に息絶えているのだから。
そこに誰かが入ってきた。金の長い髪をした、黒いドレスを身に纏った女性だ。
彼女は台の近くに着くと、おもむろに指先の皮膚を静かに噛み切る。傷からは真っ赤な鮮血が滴り始めた。
「私の血で、蘇るがよい」
そう言いながら台に横たわる男−−安西信行の口元に血を垂らすのだった。
部屋から出た女性に、執事姿の男が近づく。
男は手に持った救急セットの中から包帯を取り出し、女性の手の噛み切られた部分に巻き付けた。
「今回は、他に死体はないのだな?」
「はい。姫様、テラスでえなり様がお待ちしております」
女性の問いに、男は恭しく応える。
「そうか。ご苦労だったな、畑」
女性−−光永康則は執事服の畑健二郎に礼を言いながらテラスへと続くエスカレーターに向かう。
登場人数:41(38+3)
退場人数:0
現在の人数:41/60
怪物王女だっけ?
畑が小学館から離れてたり、えなりが待ってる発言等、謎だらけな展開だな
いやさ……えなり姉のつもりだったんだがな……
分かりにくかったのは重々承知だが、名前が思い付かなくってさ
畑は久米田関連でいると考えてる
「あつっ…!はぐぅうぅ〜〜〜ッ!」
熱いコーヒーをこぼした青山が素っ頓狂な声を上げる。
ここは秋田書店の一角。板垣と車田の集英社襲撃から続く一連の事件の為に
「バード」青山と「極上」山根の二人が長い事缶詰になっている狭い部屋である。
ここまでの長丁場になるとは二人とも思っていなかったので洋服の替えを
あまり備えておらずそろそろマズイなと思ってた矢先に青山がやってしまったのだ。
「……………」
「……?」
「青山先生……」
「……何やクソガキ」
「脱ごう。作業続行だ!」
「言われんでも脱ぐわこのボケ!」
コーヒーの染み付いたズボンを青山が脱ぎ捨てる。キュートなヒップがまぶしい。
プリプリと腹を立てながら青山が着替えを探すと、果たしてズボンの替えがない。
仕方なくパンツ一丁にYシャツをラフに羽織ったセクシーな姿で彼は机に戻った。
「…で、板垣の事はどうする先生。交戦中のルチャ男と先程情報があった甲冑男の二人を相手にして
万が一の事態が起こるリスクを考えると、そろそろ誰か救援を送ってもいい頃だとは思うが。」
それまでのどこか飄々とした雰囲気から一転した凛とした様子で、山根が青山に話しかける。
「あのアホはそない二人程度に殺られるようなタマや無い。」
「なら?」
「だが、救援を送るってのは悪くない案や。」
「何故だ?」
首を傾げながら山根が尋ねる。
「そらな、あのアホと二人を殺った後に来る連中との相性が最悪やからだ。」
「連中?」
「鳥山、冨樫、和月の3人や。いくら何でも2人相手に大暴れしていれば気づかれるやろ。」
「成程。で、最悪というと?」
「考えてもみぃ。板垣のアホは根っからの近接格闘タイプで、普通にブン殴りあえる相手なら
余程の事がない限り簡単に殺られる事は無い。資料によるとルチャ男も甲冑男も基本的に
近接戦闘タイプや。実力は中々あるようやけど、アイツの暴力なら普通に纏めて殺せる。
やけどそれを察知して速攻で駆けつけるだろう鳥山、冨樫、和月の3人はかなりマズイ。
3人とも本質は近接戦闘だけやなく、空中戦闘や遠距離攻撃も可能な万能型や。」
「万能型…」
「遠距離から超広範囲に攻撃可能な鳥山、高威力の設置型トラップを仕掛けられる和月も厄介やけど
一番マズイのは冨樫や。あの変態は相手の斜め上を行きながら最も有効で確実な戦略を立てよる。
猪突猛進の格闘バカの相手なんぞ、お手の物やろうな。教科書通りに何らかの手段で動きを止めて
あいつの射程外、恐らく上空から体力を削って、トドメに3人の一点集中の全力攻撃で一巻の終わりや。」
「…………」
「まあ、一番問題なのはこのまんまだと板垣がルチャ男と甲冑男を縊り殺した上であっさり3人に殺されて、
集英社の連中にまた秋田に攻め込ませる口実を無駄に与えてしまう事なんやけどな。」
「そうか。つまり誰かが板垣が2人を縊り殺して完全に逃亡するまで鳥山、冨樫、和月の3人を足止めするか
若しくは板垣達が大暴れして、鳥山、冨樫、和月に気づかれる前に間に入って板垣を逃がせばいいのか。
…前者は?」
「無理や。力押しで時間稼ぎ出来る連中やない。かといってあの冨樫相手に口先で時間稼ぎするのも
今は無理や。施川や倉島がいれば何とかなったかもしれんがな。今、可能性があるのは後者だけやな。」
「…後者も中々難しいぞ。板垣と正面から板垣と殴り合える相手との戦いに割り込んで止めるんだからな。
まさか先生や僕が今出て行く訳にも行かないだろう?」
2人共考え込んでしまう。現状の打開策が思いつかないまま、部屋の空気が煮詰まっていく。
戦い方は漫画家で様々ってとこか
満員になったら一回分類するのも面白そうだな
それよりさぁ、えなり姉の名前どうしよう?
何か案ある?
ここは秋田書店の一角。重苦しい空気に耐えかねて、山根がふとPCの画面へ視線を移すと
そこでは板垣とルチャ男、いや柴田ヨクサルの激しい戦いが依然として続いていた。
妙だ。机上の資料によると数年前にヨクサルは板垣に立ち会いを申し込むも一撃で敗れている。
それが今は既に10分、いや12分程度は板垣相手に渡り合っている。いくら路地裏が空中殺法を
主力とするヨクサルにとって最も得意な環境とはいえ俄かには信じ難い状況である。
「…前言撤回やクソガキ。いくら板垣でも今のあのルチャ男はそう簡単には殺せん。」
青山がポツリと漏らす。どうやら彼も資料を遥かに上回る、ヨクサルの今の実力を認識したらしい。
「血の小便を流し尽くしてきた感じだな。確か集英社のどこぞへ移籍したらしいが?」
「ヤングジャンプさ。」
「ヤンジャン…」
山根の返事を聞いて青山が顔をしかめる。
「…ケッ!奴等も生きとったかッ!」
(…奴等?生きていた?)
「まあええ、それなら作戦変更や。」
つづく
ヤンジャンで青山が厄介がる面子というと、甲斐谷や迫あたりか
特に甲斐谷はモデルが秋山程度だったらまだいいが、渡久地ベースだったら真剣にヤバいw
前回のあらすじ ラブコメ展開
両者の口から出た「秋田書店」という言葉に山賢&みなもと悠の二人が少し落ち着きを取り戻す。
とはいえ同じ秋田在籍の漫画家でも週刊&REDの山賢と月刊のみなもとの間に面識もない上に、
先程まで木刀でブッ叩いていた人間と叩かれていた変態じゃ間に流れる空気が少し気まずい。
「……………………」
「……………………」
「……あの、山本さん?」
「あぁ?」
みなもとの問いかけに山賢が無愛想に答える。
「あの、その、まず何か着てくれませんか?そのままだとその、何と言うか目のやり場に…。」
言われてようやく山賢は自分が全裸だった事を思い出した。
といってもここに来るまで着ていた服は既に拷問と獣の襲撃のせいでボロボロになっている為、
仕方なくみなもとのチョイスで何か着る物を持って来てもらう事にした。
みなもとが服を持ってくるまでの間、山賢は脳内でこれまでの状況を整理する。
●小学館に拷問を受ける→山で獣に喰われる→いきなりここに連れて来られる→ミニスカ幼女ツンデレ
→ついミニスカ幼女を喰う→カレーの匂いに釣られて全裸でま部屋を出たらみなもと悠に殴られる
…何なんだこの経過。どこから突っ込めばいいのか分からねぇ。どうすりゃいいんだこの状況。
そんな事をつらつら考えているとみなもとが戻ってきた。とりあえず彼女が持ってきたマントとカーゴパンツを
山賢が身に付ける。地肌にカーゴパンツは股間が地味に痛いがそこは我慢せざるを得ないところか。
そんなある意味ほのぼのした光景を光原、吉富、高橋葉介、サトケンの4人組が生と死の間で眺めていた。
ハンカチを噛み締めながら何かもう涙目なメイド服姿のサトケンを尻目に三人はじっとその光景を見据える。
と、その時彼らの背後に三人と同じ雰囲気の黒ずくめの人達がちらほら現れ始めた。
「もうすぐね。」
光原が物憂げそうに呟いた。
つづく
由利聡が2分の1を越えた現在も、えなりには己の中に渦巻く感情の正体がいまいち解らない。
気を紛らわせようと隣の福本に話しかける。
「もう半分越えちゃいましたよ。本当に此処まで辿り着いたらどうするんですか?」
「ククッ、まだ終わるまで解らんさ」
このまま続きそうにない。雑談は諦め、彼は空を見上げることにした。
「あれっ、何だろあのヘリ?」
えなりは、青空の中をデパートに向かってくるヘリコプターを見つけた。
「見えてきた。あれが例のデパートッスね」
福地は意気揚揚と目的地を確認している。対して東は、あまり乗り気ではないようだ。
「何で私まで付いてこなきゃならないのよ。そりゃ、さっきクビになったけどさ」
「えなり君はかつての戦いで活躍してるし、予言にも彼が必要だって出てるッスよ。
それに東さんも彼と一緒に戦えば、力も最大限まで使えるはずッスよ」
「そうかもしれないけど……」
東はそう言いながら、帽子をずらして自らの額に手をのばす。そこには、普通なら存在しない
筈のものがあった。
――孔雀石の輝き――
彼女は人間ではない。他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドだ。
鉄を切る剣にも、仲間を護る盾にもなれる。
だが今迄は同契しようにも、矢吹を含め周りの漫画家達は自分の力だけで充分という雰囲気だった
ので活躍の場がなかった。更に同契は一度した相手以外とは絶対にできないため
慎重に選ぶ必要があったのだ。
突然、福地がヘリの進路を変えた。拍子に東は倒れそうになる。
「何で急に上昇すんのよ! 私に怪我させる気!」
「誰かが建物間で綱渡りしてたんスよ。このまま着陸すれば、風圧で確実に落としちゃうッス。
こうなりゃ、緊急時用の着陸方法をとるしかないッス」
そう言いながら、おもむろにマントをはおり、掌からモップを取り出す。
「一体、何を……」
その次の瞬間を、彼女は一生忘れないかもしれない。なにせ、
「ヒャアァァァァァァァァァァッ!!」
ヘリが突然消失するなどまずないだろうから。
「“マント”を“翼”に変える能力&“モップ”に“摑(ガチ)”を加える能力!!」
あわや地面に真っ逆さまだった東をモップで捉えながら福地は飛行する。
そして二人は、えなりと福本の後方に着陸するのだった。
to be continued
前シリーズにおいて、何故えなりは影が薄かったのかを自分なりに考えてみたんだ
安西と比較してやっと分かった
えなりに足りなかった物、それは
ラブコメだ
地球を遥か離れた宇宙の彼方、「神」を名乗る異形と人類の熾烈な戦いが、
まもなく、人類の完全敗北で幕を下ろそうとしていた。
漆黒の宇宙が遥か彼方まで黒く見えない程に集結した異形の集団を前に人類側の残存戦力は
旗艦の「木馬」以下ごく僅か。その状況下で今なお鉄仮面の男が部下に激しく指示を出している。
「被害報告!」
「報告!敵艦隊の攻撃の第4波でエクセリヲン級戦艦の40%及びアークグレン艦隊の60%が大破しました!」
「本艦『木馬』の出力55%まで低下!高度持ちません!」「第28ナデシコ艦隊が襲撃の第3波を受け消失!」
「補修活動急がせろ!弾幕!これ以上敵を近づけるな!ATフィールドも展開しろ!」
「白兵戦部隊はどうなっている!」
「モビルスーツ部隊及びガンメン部隊、エヴァンゲリオン部隊押されています!大和田ザク小隊及び
長谷川クロスボーン小隊・島本シャッフル同盟の奮戦により何とか食い止めていますが、このままでは!」
「∀部隊を送り込め!月光蝶の発動も承認する!」
「時空改変システム!どうなってんの!」
「システム『タニガワ』及びシステム『ノイジ』、共に激しい干渉を受けています!時空改変システム作動しません!
現在展開中の閉鎖空間、局地的非侵食性融合異時空間、共に敵艦隊からの放射線に侵食されていきます!」
これで何回目だろうか。人類を集結させ「神」に戦いを挑み、傷一つ付けられずに敗北するのは。
眼前に見えるは、惑星よりも遥かに巨大な異形の戦艦3隻を中心とした「神」の尖兵たる異形の艦隊。
今までの情報分析で分かった事は敵中心に陣取る3隻の異形の超巨大戦艦には強力なバリアが展開されており
惑星破壊レベルの攻撃では傷一つ付けられないという事と、何の原理か知らないがその3隻が悠久の時を経て
合体すると、ビックバン級の超エネルギーが発生して宇宙が滅ぶ事ぐらいである。
「もういいでしょう、先生。」
ふと背後から黒いサングラスに顎鬚の男が話し掛けて来た。
神Tueeee!!
あれか、虚無の彼方に行ってしまった人なのか
いきなり話の規模が神話クラスになっててバロスw
地上で、えなり達を巡って小競り合いしてる漫画家達が馬鹿みたいじゃねーかw
「貞元君…。」
「現戦力ではあの3隻に傷を付ける事すら出来ません。トップレス部隊が失われ、
システム『タニガワ』『ノイジ』の時空改変能力に高屋先生の『次元連結システム』、
麻宮先生の『相転移システム』、そして貴方が富野先生から受け継いだ『巨神』が
敵艦隊から発せられる未知の放射線により出力20%以下に押さえ込まれている状況では
万に一つの可能性もありません。正に『抵抗は無意味』です。」
「………」
「今回の世界も間も無くあの異形の為に燃え尽きます。恐らく次の世界も、その次の世界も
同じ結果に終わるでしょう。それでも『神』を相手に戦い続ける道を選ぶのですか、先生。」
「…ああ。」
長く、重苦しい沈黙の後に鉄仮面が答える。
「先生。」
「貞本君。私は人の心の力を信じている。あの時『アクシズ』で感じた暖かな光を信じているんだ。
あの光を覚えている限り、いかなる理由があろうと無慈悲に人間を滅ぼす『神』に屈する訳にはいかん。」
「…分かりました先生。それでは艦隊主力の残存勢力を召集し、再び時空転移を実行します。」
意を決した貞元が各艦隊へ指示を出す。終わりなき戦いにまた次の世界も巻き込む事への罪悪感と
『神』を相手に絶望的な戦いを再び挑む事への恐怖を押し殺しつつ時空転移の為の準備を進めていく。
貞元先生の出番はプロローグだけの予定。
講談社の長い通路を3人――久保帯人、星野桂、河下水希が大きな袋を引きずって進む。
彼らは集英社の裏切り者だ。車田が襲撃する数日前には、既にCLAMPの仲間になっていた。それも自らの意思で。
向こう側から誰かが歩いてきたが、彼らは誰なのかもう知っている。その名は真島ヒロ。
パクリ四天王の1人に数えられる男。戦闘時ではないのに、禍々しいオーラが渦巻いている。
「命令通り、“アイツ”を連れてきたな?」
真島の言葉に、3人は袋の口を開けると、中には1人の男が眠らされていた。
驚くべきことに、彼こそは世界を牛耳ろうとし、えなりが戦った矢吹健太朗だったのだ。
と、環境の変化に矢吹は目を覚ました。
「なっ、何だ此処は!?」
「よう、久し振りだな矢吹」
驚いている矢吹に真島は邪悪な笑みを向ける。
「お前は、真島ヒロ!」
「なんだよその体たらくは。えなりに負けて毒が抜けちまったか?」
「すぐに集英社に戻してくれ! 原稿が描き終わってないんだ!」
矢吹の状態はかつてのパクリ四天王の1人ではなく、普通の漫画家になっていた。それを見た真島ヒロは
3人に命令する。
「こいつを久米田の所まで連れて行ってくれ。洗脳装置で根性を叩き直すんだ」
「「「了解(しました」」」
「嫌だ!! それは止めてくれ!!」
嫌がる矢吹は3人に引きずられていった。
唯1人になった真島は、矢吹の現状を見て呆れていたが、後ろから誰かが来たのを感じた。
「誰だ?」
「私ですよ、真島さん」
「その声は赤松か。何の用だ?」
「そろそろ“彼”の蘇生が完了するとのことです」
「遂にか。これで俺たち全員が揃うわけか」
その報告に、真島は楽しそうに歩を進める。その先には地下直行のエレベーター。
「待ってろよ、安西。また楽しくなるんだからな」
でもリアルだと、四天王で未だに現役バリバリのパクリ野郎は真島だけだな
最近は岸本を代わりに入れていいと思うんだ
暗闇の中、安西信行は覚醒――否、蘇生した。
(アレッ、何処だココ?)
なんだか今までの記憶が確かではない。彼はこれまでの事を整理してみた。
(確か、秋田書店のゲリラ連中に囲まれたんだよな。で、対抗しようとしたけどリンチにされて……)
その先を思い出そうとした時、部屋に誰かが入ってきた。安西にはすぐに誰かわかった。
・・・・
少なくとも、彼の顔見知りではあったから。
「もう起きてたのか、安西」
「お前は真島!? それに赤松!?」
「御久し振りですね、赤松君」
「すまんが率直に言うぜ、安西。お前は死んだ」
一瞬なにを言われたのか理解できなかった。いや、理解したくなかったのかもしれない。
「貴方は光永さんの血によって蘇生したんです。ですからここは地獄ではありません」
「しかも今のお前は半不死だ。出血多量でも、斬首でも死にゃしねえ」
安西は理解した。あぁ、自分はあの時に――死んだのだと。
では自分はどうしてここに居るのかは、それは分らなかった。真島の次の言葉を聞くまで。
「話変わるけどよ、お前小学館に復讐したくねえか?」
何を言い出すんだと思いたかったのに、安西には反論ができなかった。
「お前サンデーやめたんだってな。聞いたぜ、自分の居場所がないってな」
「ほっといてくれ」
「いいや、ほっとけねえな。4人で仲良くやらねえか? また昔みたいによ」
「黙ってくれよ」
安西には真島の言葉が無視できない。耳も塞げない。
「小学館の奴らが憎かねえか? 俺らと組めば、仕返しなんて幾らだって」
「もう黙ってくれよ!」
彼は嫌だった。また悪魔のような自分になるのが。自分は新人として一からやり直したいだけなのに。
だが次の言葉で、彼の心が、決意が揺らぐ。
「ここにはな、お前の師匠もいるんだぜ?」
「えっ?」
「ちょっと前にな、CLAMPに攻撃してきたんだ。今は洗脳を受けて俺たち講談社の仲間だがな。
師弟水入らずで復讐ってのも、悪かねえだろ?」
安西の心はもはや決まっていた。小学館への復讐心に。
登場人数:44(41+3)
退場人数:1
現在の人数:44/60
訂正箇所
×赤松君→○安西君
各部隊への通達から60分経過、多くの犠牲を払いながらも何とか時空転移の準備が完了した。
エクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊他主力艦隊も集結した。
全てこれまで幾度と繰り返してきた対「神」時空転移シミュレーション通りだ。
これで我々はまた1つの世界を見捨て、もう1つの世界を神の創り出す地獄に巻き込む事になる。
この神と人間の終わり無き闘争の輪舞で、我々はどれ程の血を流し続けるのだろう。
あと何度それぞれの剣を持ち神に抗う自由の代償として運命の業火に砕かれた世界を見るのだろう。
やめよう。今はこうした事を考えている時じゃない。
「先生、時空転移の準備が完了しました。」
貞元が鉄仮面に報告する。後は転移開始の指令を出せば時空転移が実行される。
しかし鉄仮面は黙したまま動かない。
「…先生?」
「悪いなぁ、そうホイホイ逃げられっぱなしってのも何なんで、ちょいと細工させて貰ったぜぇ。」
「!?」
鉄仮面の急な態度の変化にたじろぐ貞元を尻目に鉄仮面が右手をひょいと動かした。
その刹那、各モニターから悲鳴にも似た各戦艦からの異常報告が響き渡る。
「あばよ。」
「貴様、まさか!?」
その瞬間、貞元以下艦橋の全員が銃に手を伸ばすも彼らが銃を取り出すより前に鉄仮面の
ワルサーP38が火を吹き、艦橋の全員が成す術も無く胴を打ち抜かれた。致命傷であった。
激痛と流血の為に薄れていく意識の中で、貞元は赤いジャケットの粋な男が
「木馬」の何らかのコードを入力するのを見たような気がした。
それからしばらくして、月面のとあるクレーターの底に大量のMSの残骸と共に押し込められていた
本物の鉄仮面が轟音に目を覚ました。天も砕ける程の轟音の正体を確かめるべく月面に出ると
…眼前でエクセリヲン艦隊、ナデシコ艦隊、アークグレン艦隊、ネェルアーガマ艦隊、そして木馬が
自爆していた。全ての希望が打ち砕かれていくその光景を前に、鉄仮面は独り咆哮を上げた。
次回 角川編プロローグ最終話 「宇宙を駆ける」(嘘)
モンキーパンチの登場!? 神ってアレなのか!?
ところで、失礼ながら荒木はどうなったん?
いきなり壊滅…いったいどうなるのやら。
ロボ系は詳しくないから先の展開が全く読めない。
>>223 失礼ながら書く時間が取れない状況。
一応決着までの流れはできてるけどいつになるかわからないんで
そんな悠長なこと言ってられるかという人は続きをどうぞ。
というかそもそも各人が好き勝手に続きを書いて際限なく膨らんでいくのがリレー小説なわけで。
展開が思い浮かんだらそれこそ先代初期のような短文でもいいからどんどん書き込むのが本来の姿だと思う。
いかん、支離滅裂な文章になってしまった。
仕切り直しても何とか編とかいっていろんな話が展開する悪癖は結局抜けなかったな
それから先は地獄だった。神を打倒すべく集結した同士達の絶望と死は
ニュータイプ能力を持つ鉄仮面の中に流れ込み、彼の心を激しく蹂躙した。
しばらくすると完全な静寂が訪れた。全てが死に絶えたような静寂だった
どれ程の時間が経過したかも分からぬまま彼は漆黒の宇宙を見上げていた。
「ぐ…うおぉ…!何故…何故だ…何故殺す…!」
何者も居ない宇宙を見上げ、うわ言の様に鉄仮面が呟く。
その瞬間、数十体のロボットが轟音を上げて彼の傍に次々と舞い降りた。
赤い翼を背負った悪魔、いや魔神を想起させる鉄(くろがね)の機体を中心に
獣を思わせる異形達が武器を構え彼を完全に包囲している。逃げ場は無い。
マイナー漫画家ばっかで糞になったな
前のえなりは髪だったのに、もういいよお前ら
228 :
角川:2007/12/03(月) 13:40:31 ID:TYZzClX30
虚ろな目でぼんやりと宇宙を見上げたままピクリとも動かない鉄仮面に止めを刺さんと
魔神と鋼鉄の獣達が腕を振り上げる。その刹那、一筋の旋風が異形を巻き込み彼の前を駆け抜けた。
旋風の駆け抜けた方角を見ると、果たして漆黒の機体が鋼鉄の異形集団を一掃していた。
超高速移動と瞬間移動を駆使して相手を翻弄し、重力フィールドを展開した強烈な体当たりで
目標を各個撃破していく、この特殊な攻撃パターンに彼は覚えがあった。
成程、彼ならば戦艦が不意に自爆しても脱出は可能か。
「……安彦先生!」
生きていたんだな、麻宮君。だがもう無駄だ。恐らく奴らは予め少しの誤差を計算に入れた上で
この魔神まで送り込んでいるのだろう。私はもういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
高機動スラスターをパージして魔神に叩き付けたか。短期決戦でけりを付けるべく早々に切り札を切った訳だな。
だがそれでもあの怪物を撃破するにはまだまだ足りまい。もういい。君だけでも早くここから離脱するんだ。
「……安彦先生!」
ああ、あれはルストハリケーンだな。奴め、確実に殺す為にまず機動力と装甲を削りに来たか。
もういい。麻宮君。もういいんだ。
「……!」
無理だ。もういい。もういい。頼む。頼むからやめてくれ。
その時、ミサイルで動きを止められた麻宮の機体に魔神のロケットパンチが二発叩き込まれた。
拳は重力フィールドを貫通し、外装を粉砕し、本体の赤い機体の左腕部に右脚部を吹き飛ばした。
麻宮の死を予感した安彦は思わず目を伏せる。だが麻宮はこの瞬間を見逃さなかった。
「勝負だ……!」
重力フィールドと特殊な外装の為に先程の攻撃でもまだ機動力は完全には死んでない。
加えて奴が両腕を外した今は胴がガラ空きだ。なら奴は胸部からの熱線攻撃でトドメを刺しに来るか、
両腕を戻すか、いずれにせよその前に一撃を叩き込める。甘く見たな、永井。これで終わらせる!
金属が金属を砕く爆音の後に再び静寂が訪れた。ふと安彦が頭を上げて前方を見やると
麻宮の赤い機体がその右拳で魔神の胴を打ち抜いたまま静止していた。
麻宮の赤い機体の瞳からは血涙の様にオイルが静かに流れていた。
229 :
角川:2007/12/03(月) 15:18:31 ID:TYZzClX30
その機体から麻宮がゆっくりと転がり落ちた。魔神との戦いに勝利を収めたとはいえ
心身ともに消耗が激しく、一国の猶予も許さぬ状況にある。しかし、
「……俺のことは…いい……。それより……早く……空間転…移を……安彦先生…!」
息も絶え絶えに麻宮は安彦に空間転移を促した。
「何故だ?何故そこまで?」
「……先生が…一番…近くで……触れた…から…。あの…アクシズの……光…に……。」
「!」
「……あれが…人間の…持つ……世界を変える…力…なんだろう……?」
そう言うと麻宮は胸元から水晶を取り出して、安彦に手渡した。
「……チューリップ…クリスタル……。これが…あれば……生体…時空…転移……出来……。」
「出来ると思ったか?」
その獰猛な声に振り向くと、鉈の様に大振りなナイフを持った獣のような大男がそこにいた。
鋭い牙をむき出しにして、燃えるような瞳で二人を見据える男は間違いなく、あの男であった。
「久しぶりだな、安彦?」
「……馬鹿…な……貴様は……俺が…さっき……倒……」
「邪魔だ!」
麻宮が全てを言い終わる前に男のナイフが肩口にざっくりと突き刺さった。
そのナイフはバターでも切るようにあっさりと麻宮の右腕を斬って落とした。
230 :
作者の都合により名無しです:2007/12/07(金) 21:36:33 ID:sELjYAsO0
>>227 だな。
せめて4大週刊誌で限定してほしいな。
続きさえマメに書いてくれりゃなんでもいいよ、この際。
ここは講談社ビル6階にあるテラス。昨日の雨が嘘のように、陽光が暖かく照らす。
けれど、そこに佇む女性の心は晴れやかではない。その美しい顔が暗いのは、
彼女が囚われの身だからだけではない。
彼女の名はえなり怜奈。ジャーナリストであり、えなり2世の実の姉である。だが、
えなりがPEACH-PITと共にこの戦いに巻き込まれた事は知る由もない。
(一般人じゃ無理だったのかしら。武内先生拉致の犯人が講談社って事までは分かったのに)
その目的を探るために侵入を試みたところ、今の状態になってしまったのである。
しばらくすると、光永と畑の2人が到着した。
「で、要件とは何だ? 怜奈」
「決まってるじゃない。講談社の企みを全部話してもらうわ。その為にここに来たんだから」
「その事か。実はCLAMPからも話すよう指示があってな」
「CLAMPが?」
「怜奈、そなたは知るべきなのだそうだ。私が出来る限り話すとしよう。それと」
「それと、何?」
「日差しがあるとは言え、話が長くなれば冷えるだろう。研究室へ行きながら話そう。見せたい物もあるからな」
安西がいた階の更に下、地下3階へ向かうエレベーターの中で、光永の説明は続く。
「率直に言えば、CLAMPの計画とは即ち『神の審判代行』なのだそうだ」
「随分と大胆な思想ね。今時中学生でも考えたりしないわよ」
「CLAMPに言わせれば、人類の未来は絶望的なのだそうだ。環境破壊、政治腐敗、紛争、嘆かわしい事が多すぎるとな」
「旧約聖書の『ノアの洪水』を起こす気なのかしら」
「かもしれん。もっともその『洪水』は気象によるものではないがな」
そして一行は目的の階に到着した。そこはまさにSF映画に出てくるような、清潔感溢れる真っ白な通路だった。
「そして我々が引き起こす予定の『洪水』は、現在久米田が開発している」
「それは一体どんなものなの?」
「それは開発者本人に説明してもらおう。ここだ」
「康則様と怜奈様をお連れしました」
畑の声でドアが開く。そこでは、白衣を着た久米田が器具類に囲まれながらコンピューターで作業していた。
「御二人を御連れしました」
「御苦労さま、畑くん」
「それで久米田さん、『洪水』について説明して下さりませんか」
「そうでした。『洪水』とは我々が現在開発中の洗脳装置です。映像で説明しましょう」
そう言いながら久米田はモニターを展開した。
「銀水晶のパワーを利用して、特殊なプログラムを含んだ催眠波を地球全体に照射するのです。
そのプログラムは人々の深層心理に浸透し、気付かぬまま従ってしまうという訳です」
「洗脳……恐ろしい計画ですね」
(けれど、これを誰かに知らせられれば阻止できるかもしれない)
登場人数:45(44+1)
退場人数:1
現在の人数:45/60
えなり姉の名前の由来は
えなり→enari→reina→怜奈 といった具合
気に入らなかったら変更してもいいです。
>>230 おいおいガンガン作家がメイン張ってた旧えなりすら否定する気か?
>>232 >「随分と大胆な思想ね。今時中学生でも考えたりしないわよ」
やっぱりCLAMPはこういう扱いか。
レイアースあたりは好きだったんだがなあ…
どのあたりまで認めるか、ってのは確かに難しい問題だな。
人の多かった旧スレならともかく、今の状況では特に。
書き手側としては完全に趣味で出したいマイナー漫画家もいるが(竹本泉とか)
まあそういうのは自重するとして、最終的な判断はスレの空気に従うしかないと思う。
真夜中、雨が降りしきる国会議事堂の屋根の上、二人の女と一人の男が対峙する。
女は長髪の、魔女の如き風貌の美女と、こちらは昨今流行の魔法少女とでもいうべき同じく美女。
対する男の方は・・・いささか形容しがたい風貌である。
それなりに整った顔立ちをしているのだが、年齢が全く読めない。
二十そこそこの青年のようでもあるし、それでいて初老のようにも見える。
そしてなによりも奇妙なのは、その顔に被った仮面だ。
彼らの名は、魔女が大川七瀬、魔法少女がいがらし寒月、そして男が荒木飛呂彦。
詳細はこれまでに書かれているので省くが、ある人物を巡って今彼らは敵対関係にあり、そして今まさに緒戦の火蓋が切られようとしているのだ。
「荒木さん…」長い沈黙の果て、 いがらしが口を開いた。
「最後にもう一度だけ、考え直してもらえませんか?
私たちはあなたのことを、本当に尊敬しているんです。だから…」
「ここで殺してしまいたくはないの。」言葉に詰まったいがらしに代わり、大川が継ぐ。
殺す。物語では価値を失うほどよく聞かれる言葉であるし、漫画家同士の争いともなれば結末がどちらか、あるいは両方の死であることも珍しくない。
だが、漫画家として、そして一個人として多大な影響を受けたと公言してはばからぬ人に向かって、しかもあくまで淡々と、花を手折るかどうか程度に言ってのける。
発言者が美女であることとも相まって、耽美的な恐怖に襲われる。
だが、荒木は動じない。
「考え直す?そうだな、君たちが考え直すなら僕も考え直してもいいかな。
この場で君たちを再起不能になるまで叩きのめそうかどうか。」
あっさりと意趣返しのように返すが、彼もまた本気だ。
少年ジャンプの生存競争の中を、北斗の余韻さめやらぬ八十年代を生き抜いてきた男。
行く手を塞ぐ者、自分にとって悪と見なされた者は全力を持って破砕する。それに微塵の躊躇もない。
そうしなければ、誰かの踏み台となって地面にはいつくばり、歴史の彼方へ消え去っていっただろう。
「そう…仕方ないわね。」
大川の声はあくまで冷ややかだ。大事の前の小事だとでも言うつもりだろうか。それとも、人間的思考というものを全く欠いてしまっているのだろうか。
その瞳からは何も伺い知ることはできない。ただ一つ、荒木に対する殺意を除いては。
「ええ。…ごめんなさい、荒木さん。あなたと戦いたくはないけれど、こうするしかないの。」
いがらしの方は荒木に対する畏怖が感じられるが、それでも戦わずに事を済ませるつもりはないらしい。
そして荒木は――
「ううっ!?」
「きゃっ!!」
突然、まったく突然に二人が雷に撃たれたかのような悲鳴を上げて飛びすさった。
それと同時に荒木から周囲の地面へ、光や電気のようなエネルギーの奔流が起こる。
「そうか。残念だよ。僕も君たちとあえて事を荒立てようとは思わないけど、
PEACH-PITを付け狙うのをやめない、その上僕と戦おうというのなら……」
再び電流のようなエネルギー――波紋――がほとばしり、大川といがらしは慌てて宙へと退避する。
「いいだろう。この『キャッチ・ザ・レインボー』と!!『波紋』!!で!!
相手になろう!!!!」
―――――――――――――――
CLAMPが美女になってたり荒木のキャラがどうにもおかしかったりするけど、まあフィクションだってことで許して。
どうしても嫌ならこれ以上キャラを破壊される前に自分で理想の展開を書いちゃってください。
>CLAMPが美女になってたり
いいんじゃね?
旧えなりでも高橋留美子が美女設定だったし(実物はry)
つか漫画家連中が皆リアル顔でやられたら萎えるなんてレベルじゃねえw
リアル顔でも許せるのは、せいぜい荒木と福本ぐらいだ
保守
上げ
藤田和日郎。
90年代の少年サンデーを代表する漫画家であり、そして現在でも一線に立ち続ける実力者である。
また交友関係も相当に存在し、特に同期の椎名や村枝とは親友だ。
その藤田が、前述の椎名と、先輩である高橋の前に立ち塞がる。
敵意を、いや、殺意を剥き出しにして。
「やれやれ……困るじゃないか。」
はじき飛ばされた仮面を身じろぎ一つせずに受け止めながら、藤田が口を開いた。
「あんまり抵抗されると、面倒なんだよなあーー時間を無駄にするからさあーー」
凄まじい『イイ笑顔』を浮かべながら、虚ろな目で椎名と留美子を睨み付ける。
再び道化の仮面を被り直したその姿は、悪鬼以外の何者でもない。
「ふ、藤田さん…?いったい、何があったんですか、その変わりようは?」
椎名の言葉に今ひとつ危機感がない。
本人の気質もあるだろうが、やはり藤田和日郎が本気で自分たちと戦おうとするはずがないと思っているのだ。
だが、
「椎名君、危ないッ!!!」
留美子が椎名の腕をつかみ、上空へ飛び上がる。
それと藤田の錫杖が椎名のいた空間を貫くのと、ほぼ同時だった。
「おや?いけないなあー避けたりなんかしちゃあ。」
ふざけた口調が余計に恐怖感を煽る。
「椎名君、いったん逃げるわよ!!テレポートしなさい!!!」
「はっ、はいい〜〜っ!!でも、またすぐに追いつかれますよ!!!」
「いいから早く!!五分ぐらい時間を稼げればそれでいいんだから!!」
言い終わるか終わらないかの内に、留美子と椎名の姿は消えていた。
「……逃げたか。無駄なのになあ。わからないのかなあーー?」
そして藤田は再び、気配を頼りに追跡を再開する。その方向は恐ろしいほど正確だ。
「そろそろいいわ、椎名君!!いったん止まって!!!」
「はいっ!!!」
いつの間にか山間部まで来ていた。山中の少し開けたところに着地する。
「とにかく、あの襲撃者が藤田君だって事はほぼ間違いないわ。」
さすがに奇襲を受けた上にテレポート(これは椎名の能力だが)と飛行を併用しての長距離移動の後だ、息が荒い。
「ええ、そうですね。」
椎名の返事がこの非常事態に似つかわしくないぐらい適当だが、別に彼が集中力散漫になっているわけではない。
それどころか彼の意識はすべて、ある一点に向けて集中されている――すなわち、疲労から激しい上下動を繰り返す留美子の胸元だ。
「でも、いくら最近講談社系で活動しているからといって、あの藤田君が私たちと本気で敵対しようとするとは考えられないわ。
ほかの漫画家ならともかく、彼は信用できる…はずよ。」
椎名の脳天に一撃を加えて正気に戻した後、再び話しだす。
「じゃ、じゃあ、今現実に起こっているこの事態はどう説明するんですか?
偽物の可能性はいま留美子さん自身が否定しちゃいましたよ!?」
「そこよ。私の想像では、藤田君は何者かに操られているわ。」
「何者か、って……あり得ませんよ!!!藤田さんほどの人を、いったい誰が!!!」
藤田はそう簡単に精神支配を受けるような人間ではない。そのことは椎名、そして留美子もよく知っているはずだ。
それに対する留美子の答えは、
「ええ。でも、誰にでも弱点はあるわ。そこにつけ込まれて強力な力を受けたら、藤田君でも……。
特に彼は昔、弟子の安西君と相当な確執があったと聞くわ。」
「なるほど、まあそれは一応納得できないこともないんですが、じゃあいったいどうすればいいんですか!?」
「いくら強大な力の持ち主でも、いくら弱点をついても、藤田君に呪いをかけるのは難しいはず。
何か……きっとあの仮面に魔術かその類のものがかかっているのよ。これは私の推測だけれど、たぶん間違っていないはずよ。」
実際、何かしらの『もの』に魔法や呪いや、その他それに類するものを掛けることで効果を高めたり持続させたりすることは多い。
留美子自身、以前自らの武器『鉄砕牙』に掛けられた呪いから正気を失ったことがある。
「なるほど、ならあの仮面を外してしまえばいいってことですね?」
「いいえ、たぶんそれだけじゃ駄目だわ。外すだけで効果を失うなら、さっき仮面を弾き飛ばした時点で解けているはずよ。
破壊するか……いや、それだけじゃまだ弱いわね。掛けられた呪いそのものを消し去ってしまうのが一番確実そうね。椎名君、できるわね?」
「ええ。文珠を使って『解呪』すればいけると思いますよ。ただ……」
声が沈む。椎名には似つかわしくないぐらい真剣な口調だ。
「ただ……なに?」
「結構力を使ったから、文珠は今のところ二つしか用意できませんね。
それともう一つ。こっちのほうが重要なんですけど、何しろあの藤田さんを操るぐらいの強大な力です。
今の俺の力で、そこまでの効果を出せるかどうか……。
あ、いや……一つだけ、確実にどんな呪いだろうと無効化できるぐらい威力を上げる方法がありますよ!!」
「本当?確実にできるならそのほうがいいけど、もうあまり時間はないわよ。間に合うの?」
「ええ。それは……」
「それは……?」
「ご存知の通り、文珠に限らず精神、心霊系の能力は使用者の精神状態によって著しく威力が変化します。
ですから………」
椎名の目が光る。
「くっ、くっ、くう〜〜〜〜っ。みいいーーーつけたっ!!!!」
忌まわしい笑い声と、戦慄すべき殺気が辺りを覆う。
藤田和日郎だ。
テレポートも飛行も、彼の追跡を妨げはしない。
それによって開いた距離ですら、ほんの少し時間を使わせただけだ。
そして今、ついに留美子と椎名を肉眼で捉えられる位置まで近付いたのだ。
再び戦闘を、殺戮を始めるべく迅速に、そしてゆっくりと姿を現す。
その仮面に隠れた虚ろな目に映るのは、恐怖と闘志をない交ぜにした表情でこちらを見返す椎名高志と高橋留美子。
の、はずだった。
「何であんたはこんな真剣なときにたちの悪い冗談を言うのっ!!!」
「やだなあーぼかあ真剣そのものですよおーーーーっ!!!!!」
現実には椎名は留美子に飛びかかり、留美子は椎名を殴りつけている。
「文殊の効果を高めるには精神を集中・高揚させるのが一番!!!
だからほんのちょっとだけちちとかしりとかふとももに触らせてほしいってだけじゃないですかあーーーっ!!!!
いまは命がかかってるんですよ!!?いいじゃないですか減るもんじゃなし!!!!」
「減るわよっ!!!誇りとかプライドとか羞恥心とかその他いろんなものがっ!!!!!」
さすがの藤田も言葉を失い、思考停止状態に陥ってしまっていた。
洗脳されているとはいえ二人をよく知っている藤田も、まさかこんな時にまで痴話喧嘩を始めるなどとは思いもしなかっただろう。
「もう時間はないんですよ!?こんなところで無駄な争いをしてないで!!さあ!!!さあ!!!!さあ!!!!!ぎぶみーゆあらーーーぶ!!!!!!」
獣のごとく留美子に飛びかかった椎名の手が蛇のように複雑な軌道を描き、矢のような早さで留美子の胸を狙う。
それを飛び退いて避け、電撃を一撃放ち怯ませてから前蹴りを――いや、椎名は止まっていない。
蹴りを喰らってもまだ止まらない。軸をずらして距離を離されることだけを防いだのだ。
すんでの所で上空に逃れるが、すぐに椎名も追ってくる。
欲望と妄執が椎名の体を突き動かしているのだ。
「(まずいわ……椎名君の言うとおり、こんな下らないことで時間を無駄にするわけにはいかないのに……!!!
藤田君がいつ追いついてくるかわからないのに、これ以上長引かせたら危険だわ!!!!)」
なお留美子も椎名も、眼前の争いに気を取られて藤田の出現には気付いていないようだ。。
「(仕方ない!!こうなったら……)」
留美子が地面に降り、数瞬何事か唱えた。そして、
「うーん、まあしょうがないか!!いま大事なことは、藤田君を助けることだしね!ほおーら、どうぞ!!きゃはは!!!」
突然態度も、口調まで変わり、その上胸元を強調するような、きわめて挑発的なポーズを取る。
どう見ても怪しい豹変だが、しかし、
「あ、ああ、あああ………!!!その顔は!!!その声は!!!
オッケーって事ですねえええーーーーーーー!!!!!」
すでに半ば狂乱状態に陥っていた椎名には、それをいぶかしむだけの理性は残っていなかった。
もはや獣そのものと化した椎名の手が、留美子の豊満な胸を鷲掴みにすると見えた、その時――
ド オ ン
「猛虎……高飛車!!!!!」
留美子の両の手から放たれた気弾が、椎名を直撃した。
――猛虎高飛車。
不幸にうち沈んだ『重い気』を撃ち出す獅子咆哮弾の応用系。
『気が大きくなった』状態から、『強気』になって強力な気弾を放つ技である。
いま留美子の使ったそれは、気の充填具合、椎名の速度、留美子と椎名の距離、全てを完全な計算と長年の経験を元に、
最大の威力を発揮する瞬間に発射された。
椎名の手は、指は、今まさに本懐を遂げんとする瞬間、動きが鈍り、止まり、押し戻されて遙か彼方(約10m)へとその本体とともに吹き飛ばされていった。
だが、留美子は気付いていなかった。
椎名の執念の凄まじさを。それが自分に何をしたかを。
猛虎高飛車を受けたとき、椎名の手は留美子の体に限りなく近づいていた。
それは留美子自身がそうなるようタイミングを見計らって撃ったのであるし、また絶対に触れることのないぎりぎりの距離で椎名を吹き飛ばした。
はずだった。
一つの目的に向け研ぎ澄まされた精神は、時として自らの限界をたやすく超越する。
つまり、この時の椎名のように。
絶対に触れられないはずの指は、留美子の想像よりもほんの少しだけ早く、そしてほんの少しだけ飛ばされるのが遅かった。
時間としても距離としても、計るのが困難なほど短いものだったが、ともかくそれにより椎名はほんのわずか、留美子に触れることが出来たのだ。
そして、恐らくは無意識のうちに、その指は巫女装束の合わせ目に掛けられていた。
椎名が猛虎高飛車によって吹き飛ばされたとき、同時にその指も、そして指を掛けられた部分も――
「うっ…う……う………
宇宙だっ………!!!!!
原初の美を描く、緩やかな曲線!!
完全な白と命の赤が合わさった、最高の色!!!
生命自身の存在を示す、穏やかで、それでいて力強い脈動!!!!
俺は、俺はっ……
俺は今、宇宙の真理と共にいるっ!!!!!!」
椎名の形相は、もうフツウではなかった。その様子を見ていた、藤田も留美子も言葉を失ってしまっていた。
「椎名君、ちょっとこっち来て!」
留美子が叫んだ。
「あっ……はい」
留美子が正面から椎名に電撃を叩き込んだ。
249 :
えなりの初陣:2008/01/10(木) 09:56:02 ID:wwK2XVj60
「よりによって何でこういう組み合わせなんスか!? 何かの呪いッスか!?」
「本人目の前にしてそう言う事言うか」
「誰か分らないけど落ち着いて下さい! それより何でお前がここにいるんだよ!?」
「煩いわね! こっちだって都合ってものがあるのよ!」
傍から見れば漫才のようだが、本人達は真剣そのものだったりする。ここまで騒ぐのも無理はないかもしれない。
赤松の言う事を信じて来てみれば、講談社と秋田書店の漫画家などという危険な組み合わせだったのだから
(確かにえなりはいたのだが)。
それでも、双方の自己紹介と事情説明ののち、なんとか場を落ち着かせることが出来た。
「で、えなり君達は車田先生から逃げるために此処まで来たという事ッスね」
「はい。でも東がリストラですか。変な話自業自得というかなんというか」
「もうその事は言わないでよ」
「御二人さん、助っ人として来てくれたんなら、そろそろ仕事してくれると有難いんだが」
福本の声で三人が目をやると、由利聡が既に橋を渡りきり、木刀を構えて準備万端だ。
まあ当たり前と言えば当たり前。なにせ標的の福本だけでなく、あの憎き小学館の漫画家までいるのだから。
「渡りきってやったぞ。最初の予定よりも増えたが、その首とらせてもらう」
結局由利は渡りきったか。
人数が増えて乱戦になりそうだが面白そうだ。
251 :
えなりの初陣:2008/01/10(木) 10:17:56 ID:wwK2XVj60
「えなり君、ちょっとお願いがあるんだけど、いいッスか?」
「まさか僕にも戦えって言うんですか?」
「不安そうッスね。けど大丈夫ッスよ。東さんと同契すれば」
「えっ、何をするって!?」
「私があんたに力貸すって言ってるのよ。何か不満?」
「本音言えば、ものすっごく」
「えなり君、文句あるなら素手でやる事になるッスよ」
「あぁ、もう。わかりましたよ」
えなりが観念したと見るや、東は彼と向き合い和歌のようなものを紡ぎ出した。
それこそがエディルレイドが武器となる際必要な『同契の謳』だった。
――あえかなる夜へ 伽つむぎ
まなふたに栄ゆる おもしめし
そまどろ包み いし明かし
我といましに 息の緒に
相生う性の 契り籠ん
あからしま風を 纏いたり
甘ない相具す うきかわさん――
眩い光と風に包まれて、えなりは思わず目を瞑った。彼が目を開けると、右手には風を纏った孔雀石色の
大剣が握られていた。
「こっ、これは……」
『これが私の本来の力よ。少しは見直した?』
東の声が直接えなりの頭に流れ込んできた。
「凄い。こんな大きさなのに、羽みたいに軽い」
『この状態なら鋼鉄だって紙同然なんだから』
「1対2で来るつもりか? お前ら相手なら何人だって同じだがな」
「言ったッスね。後で泣きをみても知らねえッスよ」
252 :
251:2008/01/15(火) 09:49:28 ID:p6BO+6Sf0
ここまで書いといていうのもあれだが、風魔の小次郎にでてくる技とか聖剣とか知らないんだ。
誰か詳しい人助けて
風魔の小次郎は旧・新、両方読んでるし、植木も知ってるが、エレメンタル・ジェレイドが全然分からん
255 :
忍耐の試練:2008/01/15(火) 12:29:34 ID:S2X3b3on0
怒りの電撃を受け、黒焦げになった椎名。
いつの間にか全身に包帯を巻き付けながら、ゆっくりと崩れ落ちる。
そこから少し離れた場所に、二人の男女が対峙している。
言うまでもなく、藤田和日郎と高橋留美子だ。
何者か(CLAMP)の手に掛かり、魔道に堕ちた藤田。
その藤田を正気に戻すべく、戦いを挑んだ留美子。
そして、留美子に行ったセクハラの報いを受け倒れ伏している椎名。
三人(実質二人)の緊張が際限なく高まり、そして――
「!」
藤田が動いた。
手にした錫杖で留美子に殴りかかる。
殴りかかる、という表現は適切ではないかもしれない。
そう言うには、藤田の一撃はあまりにも早く、研ぎ澄まされていた。
それが刃物ではないということを考慮した上でも、「斬りかかる」という方が適当だろう。
その一撃を、留美子は見切った。
見切り、避け、そして一気に距離を詰め、留美子のもっとも得意とする素手の格闘戦に持ち込む。
並の漫画家なら、何が起こったのかもわからない撃ちに留美子の連撃を受けて倒れているだろう。
だが、残念なことに藤田は並の漫画家ではない。
その上藤田は高橋の知己、しかも操られているだけなのだ。
たとえ留美子が全力で戦っているつもりでも、どうしても精細を欠くことになる。
当然、留美子の拳撃は藤田に受け止められた。
ただ受け止めただけではない。拳を受け止めた左手はそのまま留美子の右腕を掴み、逃げられないように固定する。
更に接近戦では不利とみたのか、いつの間にか錫杖を離した右手から剣のような鋭い刃が現れる。
人形「あるるかん」のそれよりも細く、そして長い。切れ味はどちらが上か、一見しただけでは判断しかねる――鎌鼬の刃だ。
刃は無感情に動き、留美子の脳天を両断する軌道を描いて振り下ろされた。
256 :
忍耐の試練:2008/01/15(火) 12:30:18 ID:S2X3b3on0
その瞬間、金属のぶつかり合う音が辺りに響いた。
藤田の刃は留美子に触れてはいない。防がれたのだ。
刃を止めたのは、人の背丈ほどもあろうかという長大な刀。
『鉄砕牙』と呼ばれるそれは、留美子の左手に握られている。
利き腕ではない、しかも鞘の位置上抜き放ちにくい左手でも藤田の攻撃に間に合い、そして受け止められたとは驚嘆すべき技量だ。
予想外の反撃、何よりも巨大な刀の出現に藤田の手が緩んだ。その一瞬の隙をつき、留美子が脱出する。
そしてそのまま藤田へ斬りかかるかに見えたが、なぜか鉄砕牙を通常の大きさに戻し、鞘に収める。
「(鉄砕牙は『犬夜叉』の武器……。直撃したら致命傷は免れないわ。
それはだめ。死なせてはいけない。あくまで呪いを解くのでなければ……)」
「どおおおうしたああ?手加減か?遠慮か?
そんなふざけた真似をして……俺の相手になるとでも思うのかァ!!!??」
拳。蹴。掌打。炎。雷。
藤田の技を尽くした攻撃が留美子を間断なく襲い続ける。
今や防戦一方な留美子の体に、所々赤い線が浮かぶ。
あくまで藤田を傷つけまいとして力を押さえる留美子と、ただ何の躊躇いもなく腕を振るう藤田。
戦いの潮目がどちらに向いているかは明白だ。
「ははは、どうした!!!?今更、いまさら俺を相手にするのが怖くなあああったのかあああぁぁぁ!!!!?」
叫びと共に放たれた正拳が、ついに留美子の身体を直撃した。
「ぐ……ううっ!!!」
瞬間、留美子は後ろへ跳んだ。それにより衝撃のほとんどは無効化できたが、それでも内臓や骨にまで響く。
257 :
忍耐の試練:2008/01/15(火) 12:30:59 ID:S2X3b3on0
「やはり……手加減して戦える相手じゃない!!!
それはわかっているけれど、それでも藤田君は私の後輩、彼を危険にさらすような真似はやりたくないわ……!!!
くっ、さっき椎名君とやりあってた時はこんな余計なことを考えなくてもすんだのに……!!………椎名君?」
そのとき、留美子の中で何かがひらめいた。
「椎名君を相手にしていたときは、私は一切手加減をしていなかった。なぜ?
それはあの戦い?はシリアスではなく、あくまでコメディ――言ってしまえばギャグの領域だったから!!
何か、何かが見えてきたわ!!!
ということは、もしかすると……!!!」
暗闇に光が射し込むような実に晴れ晴れとした気分、は悪役の科白というかそもそも作者が違うが、かなり的を射た表現だろう。
唸りをあげる拳を避けながら、藤田を今一度、しっかりと見据える。
その顔は相変わらず憎悪に満ちた邪悪な笑みをたたえていたが、留美子には仮面の奥で涙を流す藤田が見えた気がした。
「藤田君……ごめんね、辛い思いをさせて。
でも、もう私は迷わない!!!進むべき道が見えたから!!!!
君を……必ず助けてあげるから!!!」
そう叫ぶと、身に纏っていた巫女装束を脱ぎ捨てた。
「(この巫女装束は『犬夜叉』の桔梗のイメージ。犬夜叉を、不慣れなストーリー漫画を書き続けてきた私自身!!
まずはそれを……『似合わないシリアス気分』を断ち切るっ!!!)」
その下から現れたのは、
『一昔前のSFによく出ていたビキニアーマーの上から「巨人の星」の筋力養成ギプスをつけた格好』とでも称すべきコスチューム。
そして放り投げられた巫女装束は藤田の視界を塞ぎ、一瞬だが動きが止まる。
わずかな時間。だがそのわずかな時間の間に、留美子はかすかな閃きを形ある『技』へと昇華させていた。
「これから起こることが私の想像通りなら、この格好――つまりキャラがもっとも都合がいいはず。
いくわよ……
るーみっく・わーるど!!!!!」
【登場人物のごく簡単なまとめ(登場順)】
・えばら渋子
・千道万里
二人合わせてPEACH-PIT。
武内直子の依頼によりえなりに会い、CLAMPの野望を阻むため戦う。
現在車田正美配下の岡田芽武と戦闘中。
・大川緋芭
・猫井椿
・もこな
・いがらし寒月
四人でCLAMP。
人類の行く末を憂い、洗脳装置を使ったマインドコントロールによる『ノアの洪水』を起こそうとしている。
そのために必要な『銀水晶』を持つ武内直子を誘拐。
現在、大川といがらしは荒木飛呂彦と戦闘中。
猫井は皆川亮二と戦闘中。
もこなは国会議事堂地下の隠れ家にて待機。
・武内直子
重要そうなアイテム『銀水晶』を持っている。
CLAMPに拉致され、昏睡中。
・皆川亮二
皆川“ピースメーカー”亮二。
PEACH-PITを襲ったCLAMPに急襲。
中国拳法やARMSを使う。
現在猫井椿と戦闘中。
・荒木飛呂彦
皆川を追ってCLAMPの隠れ家を襲う。
現在大川緋芭およびいがらし寒月と戦闘中。
なお、スタンドの切り替えに一分程度かかるらしい。
・大暮維人
皆川と荒木にPEACH-PITの一件を伝えた後、ウルトラジャンプ編集部にいる模様。
なお、UJはPEACH-PITを仲間に引き込もうとしているようだ。
・えなり
本編の主人公。
ロックバンド『えなりん』のボーカルをつとめているが、売り上げ不振により借金地獄に陥る。
福本伸行に唆され麻雀をやっていたら車田、岡田、由利に襲われた。
現在福本、東、福地と共に由利聡と戦闘中。
・福本伸行
何をたくらんでいるのかえなりを『仕事』に誘う。
それとは別に星野、さいふうめいと麻雀勝負中、車田の襲撃を受ける。
現在えなり、東、福地と共に由利と戦闘中。
・山本賢治
秋田書店元過激派幹部。
小学館勢力に拷問、暴行を受け瀕死の重傷を負ったところをヤマグチノボルに召喚される。
その後ヤマグチを食べて回復、現在はみなもと悠と共にアライブにいる。
・佐藤健悦
山本の弟子。小学館に襲われ、死亡。
現在『生と死の狭間』にて光原、吉富、高橋(葉)と共に山本を見て?いる。
・星野泰視
・さいふうめい
福本と麻雀勝負をしていたが、車田の襲撃で勝負は中断。
講談社との関係は現時点では不明。
・車田正美
秋田書店の命で集英社を襲撃後、福本伸行の暗殺に向かう。
現在は一度不覚をとったため配下の岡田と由利に任せている。
・尾田栄一郎
・岸本斉史
車田に襲われ重傷。
・板垣恵介
秋田書店筆頭。かなりの戦闘狂。
現在柴田ヨクサル、三浦健太郎と戦闘中。
・青山広美
・山根和俊
いろいろあって秋田書店に流れてきた。
情報収集などを行っている。
・冨樫義博
休載を超えた休載漫画家。
CLAMPに拉致された妻の武内を救出しようとした折りに福地と知り合う。
東を拘束後、集英社に向かう。
・福地翼
打ち切り同然の境遇にいたときに冨樫と会い、行動を共にする。
東を拘束後、赤松の言に従いえなりに会いに行く。
現在えなり、福本、東と共に由利と戦闘中。
・東まゆみ
元は矢吹の秘書をしていたが、なぜか『エンジェル部隊』の部隊長になっていた。
冨樫と福地の襲撃を受けて捕獲され、赤松に解雇宣告される。
他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドであり、えなりと同契する。
現在えなり、福本、福地と共に由利と戦闘中。
・岡田芽武
車田の舎弟。
獅子の黄金聖衣を身につけており、それから車田の力を得ているらしい。
現在PEACH-PITと戦闘中。
ちなみに由利より強いようだ。
・由利聡
車田の舎弟。
木刀(聖剣?)を持っており、それから車田の力を得ているらしい。
現在えなり、福本、福地、東と戦闘中。
ちなみに岡田より弱いようだ。
・ヤマグチ・カナリア・グリーングリーン・ストライクウィッチ・ノボル(退場)
絵師を使い魔として召喚しようとしたら何の間違いか山本を召喚してしまう。
その後山賢に食べられてしまった。合掌。
・高橋葉介
・光原伸
・吉富昭二
生と死の間にて佐藤を案内(?)中。
・高橋留美子
サンデーの重鎮。巫女さん→ビキニアーマーで美人で巨乳。椎名のセクハラに悩まされている?
現在藤田和日郎と戦闘中。
・椎名高志
超能力者で霊能力者だが煩悩の塊。
留美子に洒落にならないセクハラをしてしまい昏倒。
・藤田和日郎
サンデー屈指の実力者。
CLAMPに単身?戦いを挑むが敗北、洗脳されて留美子と椎名を襲う。
現在留美子と戦闘中。
・柴田ヨクサル
・三浦健太郎
板垣と戦闘中。
・鳥山明
・和月伸宏
冨樫と共に集英社へ行き、岸本から事の顛末を聞く。
・赤松健
CLAMPに時間跳躍弾を渡したり福地にえなりの居場所を教えるなど暗躍。
・許斐剛(退場?)
COOLなテニス漫画家。
車田を相手に互角以上の戦いをするが、落ちてきたシャンデリアが頭を直撃してしまう。
・みなもと悠
秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして現アライブ恋愛部門臨時担当。らしい。
現在山本をボコった後山本とラブコメ中。
・安西信行
藤田の弟子。(元)パクリ四天王の一角。
秋田のゲリラに殺されるが、光永の血で蘇る。
真島に唆され、小学館への復讐を誓う。
・光永康則
安西を自らの血で蘇生させる。
・畑健次郎
久米田康治の弟子であり執事。
・貞本義行(退場?)
偽安彦の銃を受け、致命傷を負う。
・偽安彦
モンキーパンチ?
安彦に成り代わり、脱出しようとした安彦配下の艦隊を全滅させる。
・安彦良和
『神』との絶望的な戦いを続けている。
何者かに襲われて月面に放置されていた。
・久保帯人
・星野桂
・川下水希
集英社を裏切り、講談社に所属。
矢吹健太朗を誘拐する。
>>413
・矢吹健太朗
(元)パクリ四天王の一角。
かつてパクリ漫画家として世界を支配しようとしたが、えなりに敗北。
その後作画担当としてラブコメを描くまともな漫画家になった。
久保たちに拉致され、久米田に洗脳されようとしている。
・真島ヒロ
パクリ四天王の一角。
安西を唆すなどしているが、まだ目立った動きはない。
・麻宮騎亜
永井の魔人を倒すが、安彦を救出中に永井の攻撃を受ける。致命傷?
・永井豪
『神』の軍勢の一人?
麻宮と安彦の脱出を妨害する。
・えなり玲奈
えなりの姉でジャーナリスト。
武内誘拐事件を探っていたが、講談社に捕まる。
CLAMPの企みを知り、阻止しようとしている。
・久米田康治
科学者。
洗脳装置などを作っている。
ここまで。連投規制のバカヤロー。
あちこちおかしいところがあるだろうから、訂正とかお願い。
麻宮は一撃で腕を切り落とされた右肩を抑えて苦悶の呻きを漏らしていたが
それを気にも留めずに永井は麻宮を掴み上げると衣類を剥ぎ取り地面へ引きずり倒し
それから無造作にジャックナイフを振り降ろし、麻宮に残された左腕と両足も切断した。
麻宮は苦悶、羞恥、絶望、その他様々な感情が滅茶苦茶に含まれた嗚咽を漏らした。
だが、その光景を前にしても安彦の目には何の光も無い。
あまりに多くの死を一度にニュータイプ能力で認識して精神が壊れてしまった為か、
幾つもの世界を巻き込んで練り上げてきた『神』打倒の計画が無に帰った事に
絶対的に絶望した為か、原因は分からない。今の彼はただ虚ろなだけであった。
それを見た永井は一瞬ひどく哀しげな表情を見せた。
が、すぐに元の暴力的な表情に戻り安彦へとジャックナイフを振り上げた。
「また失敗か。戦乱の中でならばあの因果を超える力が発動する筈だったんだがな。」
「仕方ありませんね。ただ彼を闇雲に殺戮に巻き込むだけでは駄目という事でしょう。」
「あのハゲ親父があの力を勝手に手放さなけりゃ良かったんだろうけどねぇ。」
「今更あのキチガイに文句言っても始まらねぇだろ。とっとと今回のケリつけて次だ、次。」
「了解。不正処理修正…完了。平行世界軸指定…完了。対象時空転送開始……完了。」
「それではこれより各々方は再び私の指示に従って行動お願いします。」
「…ただ可愛いだけでは、あの魅力は出せないか。このメイドさんは難しいなぁ。」
明け方のがらんとした少し薄暗い仕事場で、安彦はふと独りでに呟いた。
イラスト一枚という事で気軽に請けた仕事でここまで手を焼くとは思ってなかった。
あの独特なキャラを理解するにはやはり作者とじっくり話し合わないとダメだな。
近い内に暇を作って、ヨクサル君と一度あのメイドさんについてじっくり語り合うか。
つづく?
登場人数:46(45+1)←安彦良和正式参戦。今までの話は平行世界か何かみたいなー。
退場人数:1
現在の人数:46/60
>>258-
>>264ッ!
あなたの素晴らしき行動ッ!
ぼくは敬意を表するッ!
あら、別人オチ?
まあ面白かったし伏線になるだろうからいいけど。
ガンダム、アリオン、金星戦記……少なめに見積もっても荒木鳥山クラスか?
車田兄貴とギリシャ神話バトルとかいう妄想が頭に浮かんだから困る。
モーニングタイドのプレリリースが来週だしスマブラXもあるのに
ローゼンメイデンと聖闘士星矢G買っちゃった\^w^/
どっちも想像以上に面白かったからいいけど。
269 :
現場検証:2008/01/20(日) 04:19:52 ID:FOXQJftr0
ここは漫画家で賑わう町、神○町。だが今はテロが頻発するA級危険地域である。
現在、依然として秋田書店残党による集英社襲撃事件の現場検証が続いている。
これまでの検証及び集英社のCOOLなテニス男の証言で分かった事は
・襲撃犯は車田正美と板垣恵介の2人。
・板垣と車田が襲撃した階の少なくとも上下数フロアにはシャンデリアは存在しない為、
襲撃を受けた集英社の漫画家達は何らかの幻術が掛けられた可能性が高い。
・施設の物的損害の殆どはテニス男と車田の光速の技の衝突の余波で建物全域に一瞬で発生。
襲撃計画立案者は施設に損害を与える為、程々にテニス男と車田を戦わせた可能性がある。
これらの情報を受け(略)スピリッツ支部長にして小学館屈指の策士である浦沢直樹は、
小学館の一室で、ハットリくんの面の裏で密かに、静かに、しかし深く眉間に皺を寄せた。
これらの情報が真実ならば、僅か二人の漫画家を用いるだけで現ジャンプ作家の自爆を誘い、
甚大な被害を与え得る、言わば現ジャンプ作家全員をあっさりと手玉に取る程の策士が
現在敵として存在している、という事になるからであった。
登場人数:47(46+1)
退場人数:1
現在の人数:47/60
おお、浦沢直樹!
ハットリくんの面って何が元ネタだったっけ……。
20世紀少年
「ともだち」が前半で被ってる
272 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 14:32:58 ID:zewRdI/w0
「う、うう……」
ここで、時間は少し前にさかのぼる。
安彦が意識を取り戻す直前のことだ。
「俺はいったい……?
……そうだ、安彦さんみたいな仮面をかぶった奴に撃たれて……」
全てが死滅したはずの艦隊の中に、動くものが一ついた。
幸運にも弾丸が逸れたのか、それとも他の要因か、意識は失ったものの命に別状はなかったようだ。
「な、何だこの音は!?ちくしょう、いったい何がどうなって………自爆装置!!!?」
意識を取り戻した彼の耳に、サイレンとカウントダウンがけたたましく警告を繰り返す。
『120,119,118,117……』
「やばい!!何がどうなってるのかはわからないが、とにかくやばい!!!
だ……脱出しなければ!!!!」
胸部に格納された艦載機が飛び立つのと、女性を象った宇宙船、そして全ての艦隊が爆発するのはほぼ同時だった。
「な、なんとか助かったか。ぎりぎりだったな。
でも、これじゃあ他の人たちは………。」
爆風でだいぶ飛ばされてしまったが、ここからでもまだ戦場が見える。
彼らの艦隊はもはや無く、『神』の軍が侵攻と蹂躙を開始しようとしているのが見える。
砕け散ったスーパーロボットの破片が、彼の載る艦載機を掠めていった。
あの爆発では誰も助かるまい。
助かったとしても、『神』の軍勢と戦えるだけの力はもはやないだろう。
彼は、泣いた。哭いた。慟哭した。泣き叫んだ。
所詮人間が神と戦うなどできないのか。我々は奴らの手の上で踊り続けることしかできないのか。
例え神を倒すことが可能だとして、戦力の全てを失った俺たちにできるものか。
……よそう。とにかく、俺は生き残ってしまったんだ。
生き残り、そして知ってしまった以上、見て見ぬふりをすることなど出来はしない。
今の俺に何が出来るかはわからないが、とにかく少しでも前に進まなくては。
273 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 14:33:57 ID:zewRdI/w0
そこまで考え、地球への航路を取ろうとしたとき、ようやく彼は計器類の示す不吉な情報に気付いた。
凄まじい力に、脱出不可能な速度で引き寄せられている。
「ま、まさか!?どうしてこんなところに!!!!」
光すら逃げられない真の暗黒が、ちっぽけな宇宙船、そしてもっと小さな人間を飲み込もうとしている。
「だめだ、引き寄せられる!!逃げられない!!!!」
その闇の名は、ブラックホール。全てを飲み込む深淵。
特異点を抜けた先には何があるのか、誰にもわからない最悪のワープ装置。
「こんなものに飛ばされたら、地球まで戻れなくなる!!!
いや、リプミラ号クラスの宇宙船や戦艦ならともかく、こんな貧弱な装備の艦載機ではブラックホールを抜けられるかどうかも怪しいぞ!!!」
だが、今の彼にここから逃れる術はない。
全ての抵抗は徒労に終わり、彼はブラックホールに飲み込まれていった。
特異点(空間のつなぎ目)を越えた先、どこかの宇宙。
そこに彼はいた。命を保ったままで。
「た、助かったのか……。こいつ、思ったより丈夫なんだな。」
ブラックホールの超重力にも、空間跳躍のショックにも、小さな船は奇跡的に耐えた。
「でもよ……いくら何でもこれは、ふざけすぎじゃないか?」
生死の境界線を渡り、奇跡の生還を果たした先にあったのは、
「なんで、また別のブラックホールがあるんだ?悪意以外のものが感じられないんだが……。」
ブラックホールの出口と別のブラックホールの入り口が繋がっている。
普通では考えられないことだ。彼の言うとおり、何者かの意志すら感じられる。
そして彼は再び、決死の単独行に(彼自身の意志とは無関係に)旅立っていった。
ブラックホールの中、超重力と戦いながら彼は考えていた。
「ブラックホールに引きずり込まれ、抜けた先にはまた別のブラックホール。
こんな状況、前に何かで見たことがあったんだけど……」
答えの出ないまま、特異点を越えてどこかに転移する。
274 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 14:34:45 ID:zewRdI/w0
その先にもまた、新たなブラックホールが口を開けていた。
「そうだ、思い出した……。
俺だ!!俺の漫画だったんだ!!!
だが、ありえない!!こんな馬鹿げたことが、あるわけがない!!!!
ブラックホールハイウェイが、なぜこんなところにあるんだ!!!!!」
――ブラックホール・ハイウェイ!!
複数(5つが一般的)のブラックホールの入り口と出口を繋ぎ、
さながら波乗りで言うチューブランディングのように空間を跳躍、遠く離れた地点に移動する技術。
ただし中性子星やブラックホールを操る技術が必要であり、また当然ながら非常に危険である。
そしてそんなものが自然に起こる確率など、天地開闢から一度でも起きていれば奇跡と呼べるだろうほどだ。
誰かの造ったハイウェイが残っていたのだろうか?それを確かめる術はない。
重要なのはここにどこかへ繋がるブラックホールハイウェイがあるということであり、また彼の宇宙船がその負荷に悲鳴を上げているということなのだ。
「ちくしょう!!どこだろうと好きにしやがれ!!!……でも、この船が持つかなー?」
ブラックホールハイウェイの終着点、青き円卓を眼下に望む星間の空僻地。
そこに彼はいた。なんたる幸運か、船も彼も命を保ったままで。
「ううっ……!!何とか助かったみたいだが、ブラックホールハイウェイで船体が加速しすぎているっ!!!
あの惑星にぶつかるぞ!!!!」
このままでは衝突は避けられそうにない。
「エンジン逆噴射!!!焼き切れるまで出力を上げろ!!!
コンピュータ、再突入回廊を計算!!」
必死の抵抗が功を奏したのか、次第に宇宙船は軌道を変え、眼下の青い星に到着する軌道を取り始めた。
「何とかなりそうだな。でも、なんで妙にこの辺りの空に見覚えがあるんだ?
それにこの再突入回廊の軌道……まさか、ここは……」
彼の降りようとしていたのは、第三惑星だった。
第一惑星は小さく、第二惑星には厚い雲がたれ込めている。
第四惑星は第三惑星とほぼ同じ大きさだが、空気も水もなかった。そして第五惑星との間には、小惑星が帯のように散在している。
「まさか!!まさか!!!ここは……!!!!
地球なのか!!!?」
275 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 14:35:17 ID:zewRdI/w0
地球だった。どうしようもないほどに、地球だった。
青と白を基調としたマーブル模様、異常なまでに大きい衛星。
もう大陸が見える。南北アメリカ、アフリカ、そしてユーラシアと、順番に彼を出迎えた。
どんどん地球が大きくなってくる。もうすぐ大気圏だ。
着陸予想地点は、ユーラシア大陸の東の外れ。海に落ちそうだが、どうやら少しばかり大きめの島があるらしい。
日本。彼の故郷だ。
知らず、涙が溢れてきた。もう見ることもないと思っていた。死を覚悟して戦いに行ったはずなのに、こうして戻ってきた。
罪悪感もあるが、帰郷の喜びは何にも勝る。
「地球か……。何もかも、みな懐かしい…………。
って、これは辞世の句じゃないか!よく考えたら縁起悪いぞ!!」
それが悪かったのかはわからないが、突然大きな振動があった。
「な、なんだ!!?」
外から見ているものがいたなら、宇宙船が煙を吐きながら分解していくのが見えただろう。
本船の爆発、そして五つものブラックホールによる負荷は、艦載機の耐久性能をとうに超えていた。
そして彼も、さすがに見えてはいないものの何が起こっているか感づいたらしい。
「ま……またかよおおォォォ!!!!
冗談じゃない!!!!ここまで来て…………死んでたまるか!!!!!!」
宇宙服とパラシュートを背負い飛び降りた彼の頭上で、彼とここまでの道程を共にした船がついに最期の時を迎えた。
閃光が背後で炸裂し、バラバラになった船の破片が彼を追い越していく。
その光景に艦隊、そして盟友の死を思いだし、再び涙ぐんだ。
その間にも重力は彼を地上へと導き、ついに――大地を彼の足が、手が、体がとらえた。
重力1G、気温一五度、一気圧、etc...紛れもなく、地球の大地だ。
どうやら彼の降り立ったところは、人里離れた山中らしい。野次馬に付きまとわれずに済みそうでよかった。
生還の喜びに緊張が緩み、凄まじい痛みと疲労が一気に溢れ出す。
どこか休めるところはないか。霞む目で辺りを見回すと、どうやら小さな小屋らしいものが見えた。
もうほとんど動こうとしない足を引きずって小屋に入る。中は無人だった。
冬場の暖をとるためか毛布の敷かれたベンチに体を横たえると、すぐに彼の意識は深い眠りの中へと落ちていった。
薄れゆく意識の中で、彼は『ぽん』と何かのはじける音を聞いて、部屋の空気が変わったのを感じたような気がした――――
276 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 14:36:30 ID:zewRdI/w0
そして、眼が覚めた。
疲労も空腹もひどいが、どうやら死なずに済んだらしい。
……しかし、ここは本当にあの小屋なのだろうか。
確かにさっきは意識もほとんどなく、冷静に観察できていたわけでは微塵もない。
それでもそう疑問を抱くほど、小屋の中は様変わりしていた。
あちこちに奇妙なものが散乱している。
卵に手足が生えたようなロボット、戯画化されたトカゲ、ゲーム機――セガサターンとPC-FXだ――、UFOに乗った象の模型、その他いろいろ。
まるで万国博覧会だ。しかも明らかにこの時代やこの世界のものではなさそうなおかしな物体まである。
その上、何かを料理しているような匂いまで漂ってきた。料理!?
「だ、誰か……誰か、いるのか………?」
やっとのことでそこまで言うと、ガシャンと何かの落ちる音がして、軽い足音がこちらへ向かってきた。
「やあやあ長谷川君、気が付いた?よかった〜。」
足音と声の主は、極度にデフォルメされた擬人化恐竜が眼鏡と服を身に着けたような男。
「き、君は……竹本泉!?
何で君がここに……うっ!!」
「あ〜、何があったかは知らないけど、疲れてるみたいだしひどい怪我してるから、しばらく横になってるほうがいいよ。
今ご飯持ってくるから、ちょっと待ってね。」
そう言うと竹本は奥の部屋へ行ってしまった。
彼――長谷川裕一は、ようやく動き出した頭でこれまでのことを回想する。
「(安彦さんの偽者?に撃たれて、リプミラ号が自爆して、何とか脱出したらブラックホールハイウェイに引きずり込まれて、
ハイウェイを抜けたら地球、そして日本に着陸して、たまたまあった小屋に入って眼が覚めたら竹本がいた?
偶然にしては出来すぎてる。というかはっきり言ってありえないぞこんなこと!!!)」
ちなみに長谷川と竹本は以前、コミックノーラという雑誌で同時期に連載していたことがある。
長谷川が『忍闘炎伝』、竹本が『乙女アトラス』。
ノーラの中ではそれほど目立つ存在ではなかったのだが、長谷川は彼に自分と同じ心――SFを愛する心を見て取っていた。
ノーラが休刊の憂き目に会ってからは会うこともなかったのだが、まさかこんなところで再開するとは。
277 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 15:18:49 ID:zewRdI/w0
「はい、どうぞ。」
竹本が食事を運んできた。
お世辞にも美味いとは言えないが、今の長谷川には食べられるというだけで十分だ。
かき込み、咀嚼し、嚥下する。しばらくその作業を繰り返すと、長谷川の飢えは完全に満たされている。
疲労はいまだ濃いが、長谷川ほどの漫画にとっては大した問題ではない。締め切り前の修羅場に比べればまだぬるいほうだ。
「で、どうして君がこんなところにいるんだ?それに、この博覧会はいったい何なんだ?
俺がここに入ってきたときには、こんなものはなかったと思うんだけどな。」
「え〜っと……どう説明すればいいのかな。簡単に言うと、君を異世界から召喚したってことになるのかな〜?」
「は?」
まるで意味がわからない。ここは確かに地球・日本で、目の前にいるのは知人の竹本泉ではないか。
「うーん、異世界ってのがちょっと違うんだよな……。うまく説明する……ん?
ああなんだ、よく考えたら長谷川君じゃないか。なら変に簡単な言葉にしなくてもわかるよね。
つまりここはパラレルワールドさ。君にとって。で、僕はパラレルワールド――僕にとってだよ――の君をこっちに呼んだの。」
「パラレルワールドぉ!!?」
竹本が今は亡きコミックガンマで連載していた『さよりなパラレル』の主人公、岡島さよりの能力。
平行世界を跳躍し、また並行世界の一部を入れ替えるというよく考えなくても反則的な能力なのだが、制御が難しく何が起こるかわからないのと
本人にこの力を使って何かしようかという意思が全くないために事なきを得ている。
今回長谷川を召喚?したのは世界入れ替えの能力。長谷川がこの小屋にたどり着いた世界(今まで長谷川がいた世界)とこの世界とを一部交換したのである。
ただ、先ほど書いたとおり制御不能でほとんどランダムに入れ替えるため、望む世界を引き当てるまでには相当な苦労があったと思われる。
「で、このわけのわからない物体の山は俺が出てくるまでの失敗の歴史、ってわけか。
なんつーか……恐ろしい奴だな。」
「ははは、そうかな〜?」
山と積まれたセイヨウタンポポを一つつまみながら長谷川がため息をつくが、竹本はあまり真剣に考えていないようだ。
昔からのほほんとした能天気な性格だったが、今も変わっていないのか。再び長谷川がため息をつく。
「でもさ、俺に何か用があるってんなら、何でこの世界の俺を呼ばないでそんな面倒なことをしたんだ?」
278 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 15:19:30 ID:zewRdI/w0
「………………………………(今気付いた)」
「………………………………(おいおい)」
「あ、いや、ほら、あれだよ。これを書き始めたときはまだ角川編プロローグが終わってなかったからさ、あれがパラレルワールドだって知らなくて、
だからどうやって長谷川君を救助しようかと思って書いてたらこんなことに………」
相当混乱しているらしい。なにやらメタ発言まで飛び出した。
そんな姿を見て、長谷川が今日何度目かのため息をつく。
「で、こんな面倒なことまでして俺を呼んだんだ、何か用があるんだろ?」
「あっ、そうだった、すっかり忘れてたよ。実はね……。」
竹本の話は、CLAMPが武内を襲撃し、阻止しようとした少女漫画家たちを倒した、というものであった。
少女漫画家(自称)である竹本は、そちら側の事情にも明るい。『なかよし』時代のつてから聞いたそうだ。
「なんてこった……!!!奴らと戦うため、漫画家全てが団結しなければならないこんな時に!!!」
「『奴ら』?誰それ?」
今度は長谷川が語る番だった。『神』の軍勢のこと、絶望的な戦いのこと、決定的な敗北のこと。
「なるほど〜。それは大変だったね〜。
でもさ、この世界にもその人たちがいるとは限らないんじゃないかな?」
「そうだけどな、いないとも限らないよ。それに奴らも世界移動の技術を持ってるみたいだ。」
「そっか……。」
「まあ、その話は後だ。今どうにかできるもんでもなさそうだしな。で、君は俺にそいつらの復讐をしてほしい、ってわけか?
任せとけ。とは言えないけど、そんな危険な連中を野放しにしておくわけにもいかないな。」
「復讐とか、そんな物騒なことでもないんだけどね。ただ、その人たちが暴れまわったせいで結構上の人らが怒っててさ。
あの人たちが本気で怒ったら大変なことになるからさ、何とかその前に止めないとって。
でも僕は戦えないし、せめて知ってる漫画家にこのことを伝えないといけないと思ったんだ。」
「上の人ら?」
長谷川の声に驚愕の響きが混じる。
少女漫画家は一般的に戦闘が不得意とはいえ、キャリアの長い漫画家が多い。
ある程度以上の実力者なら、その辺のバトル漫画家より遥かに強い。
「上というと……魔夜や和田あたりか?」
279 :
次元の混乱:2008/01/21(月) 15:20:07 ID:zewRdI/w0
長谷川が聞くが、竹本は首を横に振る。それなりに作家歴の長い竹本が言う以上、魔夜、和田クラスより下とは考えにくい。
それよりも上となると、それこそ少女漫画の黎明期。………黎明期?
「!! ……まさか、24…………」
「……うん。」
沈黙があたりを支配する。
「ま、まあ、あの人たちもそんなに怒りっぽいわけじゃないし、たぶん大丈夫だとは思うよ。
人づてに聞いた話だけど、少年漫画界の問題は少年漫画家達で解決してほしいとか言ってたらしいし。」
何とか重苦しい空気を打破しようと、竹本が口を開く。
長谷川もそれに応え、何とか立ち直ったようだ。
「そうだな。『神』と戦うための準備、CLAMPの野望を阻む、少女漫画家たちの進攻を思いとどまらせる、
どれも一つの線で繋がりそうだ。というか二つ目と三つ目はもう繋がってるしな。」
長谷川は立ち上がり、小屋を出て行こうとする。それを竹本が制止した。
「あっ、待って。まだ怪我も治ってないし、危ないよ!!」
だが、長谷川は止まろうとしない。
「なに、このぐらい平気さ。ゆっくり休んで、動けるようになった頃には手遅れでしたなんてのは嫌だし。」
「そ、そうかな……。まあ、長谷川君ならだいじょうぶか。
……気をつけてね。」
「ああ。ところで、君はこれからどうするんだ?」
「僕?僕はまあ、締め切りが近いしネームをあげないと。」
「そうか。じゃあな!!!ありがとう!!!!」
そう言い終わるか終わらないかのうちに、長谷川裕一は駆け出していた。
登場人数:2 (長谷川裕一・竹本泉)
退場人数:1 (竹本泉)
現在の人数:48/60
竹本はさすがにマイナーだし使いにくそうだから一旦退場。
長谷川が助かった理由とかは全く考えてないので、ただの奇跡でもゴッドハンドの陰謀でもご自由にどうぞ。
280 :
講談社:2008/01/21(月) 15:31:53 ID:BHFUqW8h0
「…とは言え、いきなり毒電波を全世界に撒き散らして潜在的な催眠状態を作り出す、
なんて言われて真に受けると思う?」
えなり姉は、出来るだけあきれ果てたような表情を作って眼前の面々に言葉を返す。
「世界は世界征服を企む秘密結社の手で未知の電波による洗脳が進行していたんだよ!
…って、今は1980年代じゃないのよ。MMRの出る幕じゃないわ。」
「………」
「第一さっきも言ったけど、洗脳で世界を支配するって今更中学生でも考えやしないわ。」
「あの……」
「あー!スクープと思って侵入したのにとんだガセネタだったわ。経費と時間の無駄よ。
…少し言わせて貰いますけど久米田先生?そんな玩具弄って遊んでいる暇があったら、
もう少し売れ筋の漫画を描く努力でもしたらどうかしら?」
「虚勢を張るのはお止めなさい。」
えなり姉の心無い言葉に絶望する久米田、それを慰める畑、その光景を密かにふふんと笑う光永と
えなり姉の間に空間の揺らぎが生じた。この慇懃ながら威圧感を与える態度はあの男しかいない。
「お久しぶりです、怜奈さん。お元気そうで何よりで。」
「赤松先生…!」
講談社幹部が一人、赤松の登場に三人の雰囲気も一転して張り詰める。
「相変わらずの技術ですね。この計画に関しては畑君や光永君の説明だけでは、下手すれば
スポーツ紙の三面記事にもならない程度の情報しか得られないとなると、一転して取材対象を
久米田先生に絞り、若干ネガティブな先生の性格を踏まえ、あえて心にも無い挑発を繰り返し、
先生の暴走を誘った…といった所ですか。」
赤松に行動の裏を殆ど全て(久米田への挑発か心にも無いかどうかは微妙)見透かされていた屈辱に
無言で立ち尽くす、えなり姉を尻目に赤松は言葉を続けた。
「先程の発言はいけませんね、怜奈さん。久米田先生は売れ筋じゃないから面白いんですよ。」
つづく
>……まさか、24…………
こいつらは確かにヤバいなw
トキワ荘に相当する連中だし
282 :
講談社:2008/01/21(月) 15:38:10 ID:BHFUqW8h0
・困った時の赤松先生。何処にいてもとりあえず飛んで来てくれるので便利。
何というか戴宗って感じの便利屋さんって感じ。
・久米田先生のファンの方ごめんなさい。
・LOST+BRAINネタ仕込み忘れた。
・ふが
・ふふん
・そろそろアライブ潰そうかな。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:48/60
H尾、T宮、Y岸、Y田あたりは前作で言うゴッドハンドともタメはれそうだからな。
でも竹本泉以上に読者置いてけぼりになりそうだから出さないつもりだけど。
・前略 竹本泉です
・便利なのが一人いると書きやすいよね。
・最近のサンデーはホントどうしたんだ。またかつてのMAR、橘、ハルノクニといった恐怖の時代が訪れるのか。
・潰してもいいんじゃないかな。ラブコメ模様も好きだけど。
・ではまた。
うじゃうじゃ
>久米田先生は売れ筋じゃないから面白いんですよ
赤松のヤロー
>最近のサンデーはホントどうしたんだ
ガっシュも終わっちまったしな。サンデーの柱無くね?
>ふが
待て何処で出てきたフランドル
ところでさ、そろそろ満員間近なわけだが、定員は60人のままでいいのだろうか
なんか溢れそうだよ
何の為に定員を設けたと思ってるんだ
満員になりそうで、どうしても出したいキャラがいるのであれば、人数を減らすだけ
ただし、何の脈絡も無く消したりするとアレだから、それなりの段階を踏んだ話を考えなきゃいけない
今なら大暮とか星野、さいふうめいみたいな当分出て来そうにないキャラを一旦退場扱いにしてもいいかもな。
サンデーはなんかマジヤバイ。
犬にはさっさと終わって欲しいが、この状況で終わっても大丈夫なんだろうかとか思わんでもなかったり。
そしてウルトラジャンプチーム2008とかいう妄想。
今のところトーナメントをする予定はないけども。
サポート兼リザーバー 木城ゆきと
先鋒 伊藤悠
次鋒 弐瓶勉
中堅 皆川亮二
副将 大暮維人
大将 荒木飛呂彦
考えなしに新キャラ増やしまくってたらそれこそ前作の二の舞だしな
クランプ、麻雀コンビ、車田配下あたりは勝負に負けたらガシガシ殺してよさげ。
289 :
講談社:2008/01/24(木) 01:06:07 ID:MW3v3fm20
「絶望した!勝ち組の上から目線に絶望した!」
赤松のあんまりな言葉に絶望する久米田、それを懸命に慰める畑、
それを相変わらずふふん、な光永を尻目に赤松は話を続ける。
「…それに『洪水』に関しても全くのガセネタと言う訳ではないのですよ。
元々我々は蛭田先生の指揮下で洗脳の研究を進めておりましたから
洗脳技術で他社の少なくとも半歩先を行っているのは確実です。」
「………」
「その半歩分、僅か半歩分でも他社より先んじている事で得られる利は
大きい物なのですよ。…畑君、モニターお願いします。」
赤松の指示に応じて畑がモニターを切り替えると、そこにはビル街の上空で
人知れず戦う超人達の姿が何とか捉えられていた。
それを一目見た途端にえなり姉の顔が青ざめた。映像はボケているが
この攻撃パターン、攻撃手段、その他の要素も合わせて考えると
あの人達しかありえない。だが、しかし…
「そう、現在サンデー現幹部の高橋留美子先生とあの、あぁそうそう時給250円が
同幹部の藤田和日郎先生に襲撃を受けている、という事です。」
「貴方、まさか!」
「Exactry(その通りでございます)。藤田和日郎は我々が処置しました。」
「でも、あの人は…」
「半歩先の技術の賜物ですね。あの強靭な精神力をねじ伏せるのは骨でしたよ。」
えなり姉は今、驚きのあまり口もきけない。かの少年漫画家屈指の精神力を持つ
武人があっさり洗脳され、漫画の次に大切だと語っていた仲間と殺し合うなんて。
講談社は今、どれ程の洗脳技術を有しているのか。
「冨樫先生や板垣先生のような狂人以外でしたら恐らく誰でも洗脳可能です。」
つづく
・赤松先生のイメージは本人インタビュー内容。
・ってかネギまはエロ本でしか読んだ事が無い。
ファンの皆様ごめんなさい。
・相変わらずふふん。
・畑君が実に空気。
・時給250円。
・もう少し先に行ったらキャラ減らそうかな。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:48/60
>>286 イエロウと時給250円がかろうじて支えてる現状だろ
まあバッチョがかつてない輝きを放っているのが一縷の望みではある
・精神支配だの機械兵士だのばかりだと矢吹様みたいに誰も見てないところで泣くはめになるヨ。
・二次創作ってのは原作への愛に溢れた佳作も結構あるから案外馬鹿に出来ない。
・ほんげら〜
・畑は久米田が動いてからが本番じゃないかな。
・200円じゃなくてよかった。というか留美子・椎名コンビが美神と横島にしか見えない。誰か助けて。
・椎名大暴走を書いた本人が何言ってんだか。
そうか、鈴木がいたな。
ブリザードアクセルで何か大事なものが切れたか?と思うぐらいネタ方面に弾けやがった。
山根:うーん、何か他の出版社様は良くも悪くも色々動きがあるようだね、先生。
青山:ああ。
山根:ウチの方はどうだい?この絶体絶命な状況を打破する策を思いついたとか
誰か凄い人が戻ってくるみたいな、良い知らせは無いかな?
青山:ワイを誰やと思っとる?ワイはギャンブラー青山、転んでもタダでは起きない男や。
山根:そうだな。で、良い知らせは無いかな?
青山:ああ、こいつは取って置きの良い知らせやけどな、やっとこっちにも援軍が来るんや。
驚くんやないで。何とプロの漫画家100人やエフッエフッ。
山根:凄いな。あのケチで単行本も中々刷らない編集長がそんな事してくれるとはね。
青山:フェフェフェ!ワイらの働きが認められたって事さな。エフエフエフッ。
…っとそろそろ騎兵隊の到着や。
ピンポーン
青山:おぉ、待ってたでぇ。ささ、入りや、入りや。
余湖:それじゃ、
余湖:遠慮なく
余湖:失礼するじゃん。
余湖:二人共お久し振りじゃん。
余湖:お久し振りじゃん。
余湖:お久し振りじゃん。
余湖:お久し振りじゃん。
:
:
:
余湖:お久し振りじゃん。
青山:…もしかして援軍ってのは…
余湖:そう、俺達100人じゃん。クローンプラントも結構修復が進んで、少しづつまた俺達の
クローンが作れるようになったじゃん。
山根:('A`)
青山:('A`)
余湖:せっかくの戦争だってのにそんな沈んだ顔してちゃ駄目じゃん。
青山:いや、オドレら前の戦争じゃ殆ど何の役にも立ってなかったやろ。
余湖:今の俺達は自爆しか能の無かったあの頃の俺達とは違うじゃん。
今の俺達はウルフガイじゃん。
余湖:ウルフガイじゃん。
余湖:ウルフガイじゃん。
余湖:ウルフガイじゃん。
:
:
:
余湖:ウルフガイじゃん。
青山:だああ〜!やかましい!いい加減にせェよオドレら!
山根:(落ち着けよ、先生。今は何より人手が欲しいんだろう?)
えー、余湖先生。早速で申し訳ないが現在の状況を説明します。
板垣が(中略)…という訳です。
余湖:それならこのアイデアはどうじゃん。
@幹部が仲間割れしてクソ忙しい小学館に代わって板垣はウチで始末すると報告。
A余湖を板垣vsヨクサルの元に60人、三浦、旧ジャンプ作家にも何人か送る。残りは待機。
B三浦と旧ジャンプ作家には事情を説明してお引取り願う。
C板垣vsヨクサルは板垣を全員が死なない程度に相手をして退散、
後日小学館には追撃したが力及ばず返り討ちにされてしまったと報告。
余湖:俺達はウルフガイだから肉弾戦と治癒力には自信あるじゃん。ちょっと板垣の
相手をする位ならローテーション回していけば死なないで済むじゃん。
山根:………
青山:………
登場人数:1←余湖裕輝(アクメツ・コミックマスターJ・ウルフガイ等)×100
退場人数:0
現在の人数:49/60
青山のキャラってゴキなのか
てっきりアビィだと思っていた
もう大量に出てきた時点でヘタレフラグに見えてしまう。忍者反比例の法則は怖いぞー。
ウルフガイって平井和正だっけ?
297 :
狡知 その@:2008/01/25(金) 13:55:13 ID:guN24SIr0
荒木の『波紋』。
二十年近く漫画では使用されていない能力のためだいぶ威力は弱くなっているが、それでも並の漫画家ならこれだけで倒せそうだ。
それを受けた大川といがらしは、反射的に後ろに飛び退き体制を整え
「うっ!!?」
背筋に悪寒が走った。このまま下がったら死ぬ。本能がそう忠告している。
いがらしが注意深く手を動かしてみると、何か鋭いものが触れるのを感じた。
いや、触れたときは何かの先端かと思ったが、どうも非常に小さいものらしい。
荒木の動きに注意しながら自分が触れている物の正体を確かめようと視線をずらしてみたが、それらしい物は何も見えない。
ただ、先ほどから一層激しさを増した雨があるだけだ。 ……雨!!
「そうだわ、大川さん!!あの仮面、そしてこの天気!!!
見えないはずだわ……『雨』!!『雨粒』!!!を武器とするスタンド!!!
荒木先生が使っているのは……『キャッチ・ザ・レインボー』よ!!!!」
本体名――ブラックモア
スタンド名――『キャッチ・ザ・レインボー』
雨の上を歩くことが出来る、
その雨は完璧に空中に固定され、
重力に対し動く事はない。
(集英社刊『スティール・ボール・ラン九巻』より)
UJ編集部から東京タワーまで来る時に使ったのがこの能力。
さらにもう一つ、固定された雨粒は鋭利な刃にも、頑丈な防壁にもなる。目視は可能だが、逃れるのは相当に難しい。
雨でなければ物の役には立たないが、雨であれば相当な強さを発揮する、強さが環境に依存するスタンド。
そして今の天候――豪雨――は、このスタンドの力を最大限に発揮できる理想的な環境である。
「なるほど、そういえばそんなスタンドもあったわね。かなり最近のやつでしょ?
でも、わかったはいいけどこれじゃあ……」
298 :
狡知 その@:2008/01/25(金) 13:55:47 ID:guN24SIr0
すでに大川といがらしは、荒木の作り出した雨の牢に閉じ込められていた。
一歩でも動けば、いや身じろぎ一つしただけでも雨の刃が全身を切り刻むだろう。
「これじゃあ……荒木さんが私たちを甘く見てるんじゃないかって思いたくなるわ!!!!」
火。
火。
炎。
大川が叫びと共に全身から炎を放った。
キャッチ・ザ・レインボーの弱点。それはつまり、雨粒はどこまで行っても雨粒に過ぎないということだ。
物理的な攻撃には凄まじい強さを発揮するが、小さな雨粒は少しの熱で容易く蒸発する。
原作では鉄球の回転による摩擦熱ぐらいしか手がなかったが、漫画において炎を操る能力というのはお約束の域に入るほどよく見かける。
CLAMPも当然、その例に漏れず修得している。今回のは恐らくXあたりのネタだろう。
それはともかく、その効果は豪雨の中であってもてきめんだった。
炎と熱風が一面を覆い、雨の檻を跡形もなく蒸発させた。
下で戦っている皆川と猫井もその光と熱を感じたかもしれない。それほどの火力だった。
荒木は相変わらず、微笑むような無表情で立っている。――著者近影のあの顔だ。
必勝の構えが破れた事による衝撃でその顔のまま凍り付いたのか、これも予定の内であり表情を変えるにも値しないのか。
「そんなことはどうだっていいわ……重要なことは!!荒木先生!!あなたにこの攻撃を防ぐ手だてがあるのかということだけよっ!!!!」
今度はいがらしが叫ぶ。その手に持つカードに魔力が満ちる。
横の大川も、どこから取り出したのか細身の剣を手に呪文のような物を唱えている。
当然、二人が放つのは――
ファイアリー
「 火 」!!
「炎の矢!!!」
全てを灰燼に帰す紅蓮の炎が、荒木に向けて迸る。
闇を切り裂き、雨を吹き飛ばし、そして荒木を包み込む。
激しい光と大量の蒸気で何も見えないが、大川といがらしは自分達の勝利を確信していた。
299 :
狡知 その@:2008/01/25(金) 13:56:25 ID:guN24SIr0
雨が霧を洗い流し、そこにあったものを見せるまでは。
「なっ……なに……?
なんなの、あれは!!!?」
人間が入れるほどの大きさをした水のドーム。一見した印象はそれだった。
「まさか、荒木先生の力がこれほどだなんて………。」
ドームの中から荒木の声が響く。
「確かに…君達の力は大したものだ。
だがッ!!!漫画家がどれほど強かろうと、自然に逆らえるほどの力は無いッ!!!
僕の『キャッチ・ザ・レインボー』が雨天において最強なのはそこなのだ!!!!
何者も相手に出来ない自然の力を味方につけるッ!!これがどういうことか、わかるか!!わかるか!!!?わァかァるウゥかアアァァァァーーーーーーッ!!!!!」
荒木が危険なテンションに入り込んでしまったようだが、その言葉は真実だ。
いかに今のCLAMPが強大な力を持とうとも、降り続く雨を全て蒸発させるなど出来ようはずがない。
だが、それでも大川といがらしは少しも動じた様子を見せない。何か策があるというのか?
To Be Continued...
300 :
テヨギ死亡:2008/01/28(月) 04:14:10 ID:ZJA+Dzfc0
「聖衣よ!元の主の元へ帰りな!!」
「………………ッ!!」
また同じ夢だ。奴の肉体と共に虚空に消えた彼女の姿も、声も、小宇宙も全て
あの時から数年経った今でも、深い闇が訪れる度に鮮明に映し出される。
この光景を見る度に自分の無力さを思い知らされる。
集英社黄金期の伝説の漫画家の一人と持て囃され、能天気に舞い上がり、
努力・友情・勝利の言葉に酔い、真実を何も知らぬままに安易に力を振るい、
かけがえの無い物を幾つも失ってしまっていた愚かさを思い知らされる。
「バカヤロウが…!」
その言葉は虚空に消えた愛弟子への物か、それともそれを成すすべも無く見ている事しか
出来なかった自分への物か、あるいはその両方か、それは誰にも分からない。
ただ車田正美は静かに怒りを燃やしていた。
ここは集英社より10km程離れたとある廃ビルの一室。いくら車田正美の力が伝説級とはいえ
漫画出版業界トップの集英社の本社を襲撃し、現在最強の漫画家達を相手にしたのである。
先程は弟子の手前、微塵も疲れてない素振りを見せたが、実際はかなり体力を消耗していた。
その状態では福本一人ならともかく各社増援の相手をする可能性も考えると少々心許ない為、
万全を期してテレポートを幾度か繰り返し移動の痕跡を消した上で、この完全に打ち捨てられた
廃ビルを選び、体力回復の為の瞑想に入ったのであった。
だが先述の通り、瞑想は不十分な状態で中断された。体力回復も不完全なままである。
この状態での戦闘は出来れば避けたい所なのだが
ザ ッ !
…どうやらそうも言ってはいられない様だ。
301 :
テヨギ死亡:2008/01/28(月) 13:13:08 ID:ZJA+Dzfc0
足音は一つ。気配を隠そうとする様子は微塵も無い。
その気配から溢れ出る小宇宙は自分と同類の自信に満ち溢れた物だ。
テレポートの痕跡を消した程度で逃げ切れるとは思っていなかったが
いくら何でもここまで早く追いつかれるとも全く思ってはいなかった。
成程、ジャンプ看板作家の名は伊達じゃないという事か。
「お久しぶりです、車田先生。」
「…許斐とか言ったな。」
物陰から出て来たCOOLなテニス王子、許斐剛と座禅を組んだ車田が向かい合った。
依然として許斐、車田共に両者間の空気が歪む程に溢れたオーラを隠そうともしない。
どうやらお互いに小細工無し、一対一の真っ向勝負でケリを付ける気だ。
「…一つ答えて貰えますか、車田先生。」
「………」
「努力・友情・勝利を旨として、世界を脅かす様々な存在と戦ってきた貴方が、
あの戦争の後で集英社を脱退して、我々の仲間に牙を向いた理由をです。」
「断る。集英社の人間に最早語る舌を持たん。」
「…そうですか。」
許斐がポケットからテニスボールを取り出した。
「それでは集英社幹部が一人、許斐剛。逆賊、車田正美を討伐致します。」
許斐はラケットのグリップに力を入れ、精神を集中し、高めていく。
「…構えろ、車田!」
その瞬間、許斐のオーラがこれまでと比べ物にならない位に膨れ上がった。
テニス漫画家にあるまじきオーラの激流を発するその姿は超人を思わせた。
だがその光景に車田は動じた様子を見せず、座禅を解き緩やかに立ち上がると、
「調子に乗るな小僧!貴様程度、この指一本で十分だ!」
右手で許斐を指差して、そう言い放った。
登場人数:1 (手代木)
退場人数:1 (手代木)
現在の人数:49/60
手代木史織 メンヘルやデリヘル嬢を題材にした暗くてポエムな少女漫画を主に描いていたけど
何故か週チャンで聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話を描く事になった人。
ジャンプ連載時の煽り文をスクラップにして保存してる程の星矢ファン。萌えキャラ。
イメージはちちしりふとももで常に仮面を被らないポニテ女聖闘士「ユズリハ」+蟹。
手代木開始一行で退場かよw
このスレは萌えキャラに厳しいぜ
なに、そんなことは昔からわかりきってたことじゃないか。
赤松(旧)とか桜野(旧)みたいなヘタレ瞬殺じゃないだけまだましな方に思えたから困る。
許斐もよく考えたら現ジャンプ組では古株のほうに入るのか。確変が結構最近だったから以外だ。
しかし今回の赤松は手強い予感。
それはそうと、福地が読みきりでサンデーに戻ってくるらしいね。
卓球+ラブコメというのがアイツらしかったり。
しかしサンデーでラブコメ……高橋留美子への挑戦なのだろうか?
306 :
浦沢と青山:2008/02/02(土) 00:53:11 ID:5nPjL+vB0
浦沢:…まったく、何でウチの幹部はいきなり先走って洗脳されて同士討ち始めるんだ。
高橋先生も藤田先生ももうイイ年なんだから少しは自重してもいいのにまったく…
ジリリーン ジリリーン ジリリーン
浦沢:ハイ、こちら浦沢。
青山:ごめんやっしゃあ〜。浦沢はんでっか?秋田書店の青山です〜。
いやぁ〜お久し振りでんな〜。ちょっとお時間宜しいでっか?
浦沢:お前に付き合ってる暇は無い。
ガチャン ツー ツー ツー
山根:切られたか。
青山:何や!久々やってのにあのアホは!
余湖:瞬殺じゃん。
余湖:問答無用じゃん。
余湖:ダメダメじゃん
:
:
:
余湖:ダメダメじゃん。
青山:やかましい!やかましい!やかましいわオドレら!
山根:今の所、交渉の余地がゼロってのは厳しいね。余湖先生の案そのままでは無理か。
それはそうと、何か余程あの人に嫌われているようだね、青山先生?
青山:ああ。
山根:あそこまで嫌われるって、一体何をしでかしたんだい?
青山:…アレはワイのせいや無かったんやけどなぁ…
307 :
浦沢と青山:2008/02/02(土) 01:51:55 ID:5nPjL+vB0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜回想〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
青山:ホントにスマンね、浦沢はん。もしあんさんが秋田と小学館の間に立って
交渉纏めてくれへんかったら、今頃秋田は完全にズタズタになってたトコや。
浦沢:いいって事さ。いくら戦争に勝ってもあまりに無茶な要求ばかりだと
また戦争になってしまうからな。…それに、アンタとはスピリッツで一緒に
仕事をした仲だ。無碍には出来ないさ。
青山:おおきに浦沢はん、ホンマおおきに。
浦沢:おいおい、何だか恥ずかしいな。…で、秋田書店の一流漫画家2人を
小学館へ引渡して戦後処理完了か。どんな漫画家で?
青山:任せとけや。一流も一流、秋田書店の現役バリバリの看板漫画家や
っと、あー、すみまへーんお二方、入って下さーい。
…えー、右から高橋ヒロシ先生と西条真二先生です。
西条:カーカカカ!よろしく頼むぜ小学館!カーカカカカカー!
ヒロシ:ハッハハハハハハ、よろしく頼むぜ。
二ヵ月後
ジリリーン ジリリーン ジリリーン
青山:ハイ、こちら青山です〜。
浦沢:青山!お前何考えてあんな連中を送り込んだ!
青山:…何か?
浦沢:何か?じゃない!あの二人のせいで小学館が滅茶苦茶なんだよ!
まず西条!移籍早々ウチの漫画家達にゴリラと将棋打たせるわ
麻薬入りのスープや勃起と鼻血が止まらなくなる料理食わせるわ
好き勝手して挙句の果てにロリ孕ませて年表書いて逃亡したぞ!
青山:…秋田ではアレ普通に喰ってたんやけど。
浦沢:知るか!小学館はお前達のような変態集団とは違うんだ!
青山:………
浦沢:あと高橋ヒロシ!移籍早々サンデーに殴り込んでそこの漫画家に
片っ端から喧嘩売って、一日で半分近くの漫画家を血みどろの
ボコボコにした挙句、予告も無しに逃亡した!
青山:…真っ赤に流れ…
浦沢:黙れ!この落とし前はどうつける気だ!
青山:………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜回想オワリ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
青山:…ってな事情や。
山根:うん、どう考えても先生が悪いな。
つづく?
登場人数:2 (高橋ヒロシ・西条真二)
退場人数:2 (高橋ヒロシ・西条真二)
現在の人数:49/60
ところで今のサンデーって月刊マガジンより売れてないらしいね
このスレでもチャンピオン勢に買った頃はミナガーや藤田組が居た時代だったんだろうな
今週のジャンプ読んで、許斐vs車田が楽しみになってきた
人里離れた竹本泉の家を飛び出した長谷川裕一、
「まずは…」
全力で走って、走って、走り続けて麓の町へ出て
「…情報収集だ!」
そのまま全力でアニメショップらしき店へと駆け込んだ。
異世界へ辿り着いた人間が状況を把握しないままフラフラすると
大体ロクでもない目にあう。コアなSF漫画家、長谷川の持論だ。
ってな訳で駆け込んだ勢いそのままにコミック売り場、DVD売り場に
ざっと目を通して長谷川駆け抜けた。この世界は角川以外にも
思ったよりロボット作品を作っている会社が多いようだ。いい事だ。
…雑誌、単行本は一通りゲットした。少し重いが次はDVDだ。
とりあえずDVDならある程度大人買いしても問題ない程度の当座の金は
竹本先生から貰っている。あくまでこれは情報収集だから問題無い。
…って何だこのDVD売り場のラインナップは!?長浜ロボにJ9シリーズにゲッター號、
テッカマンブレードにオーガンにゼオライマー、勇者ロボシリーズがBOXで完備!?
気が付けば大量のDVDBOXを抱えてレジの前に立っていた。
「お買い上げありがとうございます!」
元気のいい店員だ。今時サンバイザーとは珍しいタイプだな。
「お会計、42万6520円になります!」
その声で長谷川は我に帰った。
マズイ。このままでは竹本に貰ったお金が殆どDVDと漫画代に消えてしまう。
このラインナップを見逃すのは心苦しいがDVDはいつでも買えるんだから少し
「少年よ!」
「!?」
「いつでも買えると思っているのなら、今買え!」
「!!」
数分後、大きな荷物を背負い竹本の家へ全力で走る至福満面の笑みを浮かべた長谷川の姿があった。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:49/60
今回のどう考えてもあまり売れないDVD売り場のラインナップは某店長の趣味。
多分その事で他の店員に色々文句言われ、七人の侍やロッキーを入れようとして
止められたりする、そんな店長の店ナリ。
余談だが元ネタのアレに自分は行った事が無い。ゲマズやとらには行くんだが。
そりゃあ秋田の変態(褒め言葉)達が小学館なんぞに行ったらこうなるわな。
許斐対車田は……どうしよう、なんか互角の勝負になりそうな気がしてきてしまった。
あのSFオタクがそんな店に行って無事に出てこれるわけがない。
店長はもしかして島本か?
――そこで、クイズです!
謎の存在……『神』!
その目的と正体は 何でしょう?
一番!
宇宙の完全破壊をもくろむ
マイナスエネルギー生命体だった
二番!
宇宙の創造と破壊を司る
超古代のコンピュータだったっ!
三番
"イド"の怪物だった!
さて……
もちろん正解は――
四番の――
実は暗黒面に引き込もうとする父親だった!でした!!
では容量250KB突破記念専用ブラウザ用特別しおりでお楽しみください
>6-7 プロローグ(登場:えばら、千道、大川、いがらし、猫井、もこな、武内)
>11-14 Over The Night(登場:荒木、皆川、大暮)
>17-19 無題(登場:えなり、福本)
>21-22 無題(登場:山本、佐藤)
>29,31 無題(えなり、福本 登場:星野(泰)、さいふうめい)
>37ー39 無題(えなり、福本、星野(泰)、さいふうめい)
>41-43 薔薇の誓い(えなり、えばら、千道 ※過去編)
>47-49 Majestic Fire(皆川、猫井、大川、いがらし、もこな、武内)
>54-60 無題(えなり、福本、星野(泰)、さいふうめい)
>63-65 無題(えなり、福本、星野(泰)、さいふうめい)
>70-72 “跳んだ”時(皆川、大川、いがらし、猫井、もこな、荒木)
>75-78 無題(えなり、福本、星野(泰)、さいふうめい 登場:尾田、岸本、車田)
>83-86 セカンドステージ(大川、いがらし、猫井、もこな、武内、皆川、荒木)
>89-90 無題(えなり、福本、星野(泰)、さいふうめい)
>95-98 無題(えなり、福本、星野(泰)、さいふうめい、車田 登場:板垣)
>103 短編(登場:青山、山根)
>105-108 薔薇乙女と聖闘士、三人が乗る車(車田、えなり、えばら、千道、福本 登場:冨樫、福地、東)
>111 無題(車田 登場:岡田、由利)
>118-120 ゼロの山賢、死後第一節(山本、佐藤 登場:ヤマグチ、高橋(葉)、光原、吉富)
>129-130 無題(えなり、福本、えばら、千道、岡田、由利)
>132-133 無題(えなり、福本、えばら、千道、岡田、由利)
>135-137 無題(登場:椎名、高橋(留)、藤田)
>143-146 無題(えなり、福本、えばら、千道、岡田、由利)
>150-151 (fly higher than) the stars(皆川、猫井、荒木(回想のみ))
>155 無題(山根、青山、板垣 登場:柴田)
>157 無題(山根、青山、柴田、板垣)
>160-161 集英社にて(尾田、岸本、冨樫 登場:鳥山、和月)
>163-164 無題(えなり、福本、えばら、千道、岡田、由利)
>165-167 何故に(福地、東 登場:赤松)
>171-173 まとめ(山根、青山、柴田、板垣 登場:三浦)
>177-179 回想(鳥山、岸本、車田(回想のみ) 登場:許斐)
>180-181 まとめ おまけの続き@(山根、青山、柴田、板垣、三浦)
>186-188 無題?(えばら、千道、岡田)
>189 死後第二節(佐藤、光原、高橋(葉)、吉富、山本 退場:ヤマグチ)
>198-199 ゼロの山賢A、明日の山賢(山本 登場:みなもと)
>201 跪いて足をお嘗め(登場:光永、安西、畑)
>203-205,207 無題(山根、青山)
>209 明日の山賢 その2(山本、みなもと)
>210-211 二人の奇妙な着陸方法(由利、えなり、福本、福地、東)
>213,217 角川編プロローグ
>218,220-221 無題(安西 登場:久保、星野(桂)、河下、真島、矢吹)
>222 角川編プロローグ
>226,228-229 角川
>232-233 無題(畑、光永 登場:久米田、怜奈)
>236-237 Fry higher (than the stars)(荒木、大川、いがらし)
>243-248 H@ppy Choice(高橋(留)、椎名、藤田)
>249,251 えなりの初陣(えなり、東、福地、福本、由利)
>255-257 忍耐の試練(高橋(留)、椎名、藤田)
>265 角川編プロローグ おわり(登場:安彦)
>269 現場検証(登場:浦沢)
>272-279 次元の混乱(登場:長谷川、竹本 退場:竹本)
>280,289 講談社(怜奈、久米田、赤松、光永、畑)
>293-294 山根と青山と新キャラ(山根、青山 登場:余湖)
>297-299 狡知 その@(荒木、大川、いがらし)
>300-301 テヨギ死亡(車田、許斐 登場:手代木 退場:手代木)
>306-308 浦沢と青山(浦沢、青山、山根、余湖 登場:高橋(ヒ)、西条 退場:高橋(ヒ)、西条)
>311 “夢”と“希望”がたくさん詰まった某店長の店へようこそ(長谷川)
勢力分布図兼登場人物紹介
えなり
・えなり
本編の主人公。
ロックバンド『えなりん』のボーカルをつとめているが、売り上げ不振により借金地獄に陥る。
福本伸行に唆され麻雀をやっていたら車田、岡田、由利に襲われた。
現在福本、東、福地と共に由利聡と戦闘中。
・福本伸行
何をたくらんでいるのかえなりを『仕事』に誘う。
それとは別に星野、さいふうめいと麻雀勝負中、車田の襲撃を受ける。
現在えなり、東、福地と共に由利と戦闘中。
・えばら渋子
・千道万里
二人合わせてPEACH-PIT。
武内直子の依頼によりえなりに会い、CLAMPの野望を阻むため戦う。
現在車田正美配下の岡田芽武と戦闘中。
・福地翼
打ち切り同然の境遇にいたときに冨樫と会い、行動を共にする。
東を拘束後、赤松の言に従いえなりに会いに行く。
現在えなり、福本、東と共に由利と戦闘中。
・東まゆみ
元は矢吹の秘書をしていたが、なぜか『エンジェル部隊』の部隊長になっていた。
冨樫と福地の襲撃を受けて捕獲され、赤松に解雇宣告される。
他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドであり、えなりと同契する。
現在えなり、福本、福地と共に由利と戦闘中。
集英社
・荒木飛呂彦
皆川を追ってCLAMPの隠れ家を襲う。
現在大川緋芭およびいがらし寒月と戦闘中。
なお、スタンドの切り替えに一分程度かかるらしい。
・皆川亮二
皆川“ピースメーカー”亮二。
PEACH-PITを襲ったCLAMPに急襲。
中国拳法やARMSを使う。
現在猫井椿と戦闘中。
・大暮維人
皆川と荒木にPEACH-PITの一件を伝えた後、ウルトラジャンプ編集部にいる模様。
なお、UJはPEACH-PITを仲間に引き込もうとしているようだ。
・尾田栄一郎
・岸本斉史
車田に襲われ重傷。
・冨樫義博
休載を超えた休載漫画家。
CLAMPに拉致された妻の武内を救出しようとした折りに福地と知り合う。
東を拘束後、集英社に向かう。
・柴田ヨクサル
板垣と戦闘、敗北?
・鳥山明
・和月伸宏
冨樫と共に集英社へ行き、岸本から事の顛末を聞く。
・許斐剛
COOLなテニス漫画家。
車田を相手に互角以上の戦いをするが、幻術?により敗北。
どうやら戦闘の余波で集英社を破壊させられたようだ。
車田を追撃し、戦闘になる。
小学館
・椎名高志
超能力者で霊能力者だが煩悩の塊。
留美子に洒落にならないセクハラをしてしまい昏倒。
・高橋留美子
サンデーの重鎮。巫女さん→ビキニアーマーで美人で巨乳。椎名のセクハラに悩まされている?
現在藤田和日郎と戦闘中。新技をお披露目したがまだ内容は不明。
・浦沢直樹
小学館ビッグコミックスピリッツ支部長にして小学館屈指の策士。
青山とちょっとした?遺恨あり。
講談社
・大川緋芭
・猫井椿
・もこな
・いがらし寒月
四人でCLAMP。
人類の行く末を憂い、洗脳装置を使ったマインドコントロールによる『ノアの洪水』を起こそうとしている。
そのために必要な『銀水晶』を持つ武内直子を誘拐。
現在、大川といがらしは荒木飛呂彦と戦闘中。
猫井は皆川亮二と戦闘中。
もこなは国会議事堂地下の隠れ家にて待機。
・赤松健
CLAMPに時間跳躍弾を渡したり福地にえなりの居場所を教えるなど暗躍。
現在地下の研究室にて怜奈に陰謀を解説中。
・光永康則
安西を自らの血で蘇生させる。
その後怜奈に同行、研究所に。
・真島ヒロ
パクリ四天王の一角。
安西を唆すなどしているが、まだ目立った動きはない。
・久米田康治
科学者。
洗脳装置などを作っている。
有能なのだが些細なことで絶望するダウナー系。
・(畑健次郎)
久米田康治の弟子であり執事。
・(藤田和日郎)
サンデー屈指の実力者。
CLAMPに単身?戦いを挑むが敗北、洗脳されて留美子と椎名を襲う。
現在留美子と戦闘中。
・(安西信行)
藤田の弟子。(元)パクリ四天王の一角。
秋田のゲリラに殺されるが、光永の血で蘇る。
真島に唆され、小学館への復讐を誓う。
・(久保帯人)
・(星野桂)
・(川下水希)
集英社を裏切り、講談社に所属。
矢吹健太朗を誘拐する。
・(矢吹健太朗)
(元)パクリ四天王の一角。
かつてパクリ漫画家として世界を支配しようとしたが、えなりに敗北。
その後作画担当としてラブコメを描くまともな漫画家になった。
久保たちに拉致され、久米田に洗脳されようとしている。
秋田書店
・車田正美
秋田書店の命で集英社を襲撃後、福本伸行の暗殺に向かう。
現在は一度不覚をとったため配下の岡田と由利に任せ、自身は追撃してきた許斐と戦闘中。
・板垣恵介
秋田書店筆頭。かなりの戦闘狂。
現在柴田ヨクサル、三浦健太郎と戦闘中。
・山本賢治
秋田書店元過激派幹部。
小学館勢力に拷問、暴行を受け瀕死の重傷を負ったところをヤマグチノボルに召喚される。
その後ヤマグチを食べて回復、現在はみなもと悠と共にアライブにいる。
・佐藤健悦
山本の弟子。小学館に襲われ、死亡。
現在『生と死の狭間』にて光原、吉富、高橋(葉)と共に山本を見て?いる。
・青山広美
・山根和俊
いろいろあって秋田書店に流れてきた。
情報収集などを行っている。
車田&板垣による集英社襲撃の事後処理難航中。
・岡田芽武
車田の舎弟。
獅子の黄金聖衣を身につけており、それから車田の力を得ているらしい。
現在PEACH-PITと戦闘中。
ちなみに由利より強いようだ。
・由利聡
車田の舎弟。
木刀(聖剣?)を持っており、それから車田の力を得ているらしい。
現在えなり、福本、福地、東と戦闘中。
ちなみに岡田より弱いようだ。
・みなもと悠
秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして現アライブ恋愛部門臨時担当。らしい。
山本をボコった後山本とラブコメ中。
・余湖
100人いる。
肉弾戦と治癒力には自信のあるウルフガイ。
その他、無所属、不明
・武内直子
重要そうなアイテム『銀水晶』を持っている。
CLAMPに拉致され、昏睡中。
・星野泰視
・さいふうめい
福本と麻雀勝負をしていたが、車田の襲撃で勝負は中断。
講談社との関係は現時点では不明。
・高橋葉介
・光原伸
・吉富昭二
生と死の間にて佐藤を案内(?)中。
・三浦健太郎
板垣と戦闘中。
・えなり玲奈
えなりの姉でジャーナリスト。
武内誘拐事件を探っていたが、講談社に捕まる。
CLAMPの企みを知り、阻止しようとしている。
・安彦良和
『神』に戦いを挑むも敗れ、死亡する。
と思ったらそれは平行世界での出来事だったらしい。
こちらの世界では今のところ平和に暮らしている。
・長谷川裕一
安彦が『神』と戦い、敗北した平行世界に登場。
地球へ奇跡的な生還を果たしたところを竹本に召喚?される。
情報収集という名目でコミックとDVDを40万円ほど衝動買いしてしまった。
退場
・ヤマグチ・カナリア・グリーングリーン・ストライクウィッチ・ノボル
絵師を使い魔として召喚しようとしたら何の間違いか山本を召喚してしまう。
その後山賢に食べられてしまった。合掌。
・竹本泉
自称少女漫画家。
平行世界移動+平行世界の一部入れ替えが出来、長谷川裕一を召喚する。
退場したのは大人の事情らしい。たぶんまだ山中の家で漫画を書いているだろう。
・西条真二
戦後処理の一環として秋田書店から小学館に移籍するが、
「小学館の漫画家達にゴリラと将棋打たせるわ
麻薬入りのスープや勃起と鼻血が止まらなくなる料理食わせるわ
好き勝手して挙句の果てにロリ孕ませて年表書いて逃亡」した。
・高橋ヒロシ
戦後処理の一環として秋田書店から小学館に移籍するが、
「移籍早々サンデーに殴り込んでそこの漫画家に
片っ端から喧嘩売って、一日で半分近くの漫画家を血みどろの
ボコボコにした挙句、予告も無しに逃亡」した。
現在の人数:51/60
退場扱いにしてもよさそうな漫画家:大暮、星野(泰)、さいふうめい
これまでのあらすじ
遠い遠い昔、
『2ちゃんねる』という掲示板があった。
その掲示板の中の、少年漫画板という場所に
『新生 えなりの冒険実録』というリレー小説スレが存在した。
それは、一部の人は知っているがたいていの人は
一ミリも知らない、という名スレであった。
漫画オタクである一人の少年が
運命に導かれ戦士となり、
矢吹軍と戦うところから物語は幕を開ける。
矢吹による支配からの開放を目指し、
戦い続けながら成長していく少年。
だが、そんな彼の前に
暴虐の限りを尽くす矢吹軍の司令官が立ちはだかった。
二人の生死をかけた一騎打ちが始まる。
が、少年が勝利を確信した瞬間、彼は司令官の
発した意外な言葉に驚愕した。
『お前は私の息子だ』―――――
すいません、途中からウソです。
乙
そろそろ定員リミットが近づいてきたから、ぼちぼち各ルートの繋がりを密にして衝突を加速させていくか
悠然と立ちはだかる車田を前に奇妙な光をキラキラさせて
許斐は懸命に思考を廻らす。
全般
・「同じ攻撃は二度通用しない」車田相手に長期戦は絶望的。
・出来ればここで再起不能レベルまでに叩いておきたい。
攻撃面
・車田に「同じ攻撃は二度通用しない」為に必殺技は多用出来ない。
・黄金期特有の理不尽な能力の為に小細工はあまり通用しない。
・少なくとも集英社での戦いで見せたツイストサーブは通用しない。
防御面
・「手塚ゾーン」「百錬自得の極み」で簡単に反撃出来る
甘い攻撃を車田は出さない。せいぜい一発が限界。
→結論 「パワー勝負・短期決戦」。
成程、あの理不尽な男を相手に力で挑めというのか。
ボクシングで虹を砕き、銀河が泣く、かの暴君に正面から。
――許斐は微かに笑みを浮かべた。
面白いな。
面白いよなぁ、許斐剛。
お前は、こういうのを待っていたんだろう?
女子供騙しの球遊びとは違う
どうしようもない位に困難で、逆境で、熱血で、
…そして、どうしようもない位に王道少年誌的な
そんな展開をだよ。
刃の斬り合い、由利とえなりが行っているのはそれだった。
由利の剣技と車田から受ける力、東の速さによって一時的な均衡状態だ。
しかし、福地の投げた鉄槍を避けようと、由利は一旦後ろに跳躍した。
『一体何なのよ、あの木刀は! 鋼鉄より強いって言うの!?』
東は思わず愚痴をこぼす。それもそうだろう。
先ほどの斬り合いでも、あの木刀は切れるどころか傷一つついていないからだ。
「多分、聖剣のうちの一つじゃないのか。『風魔の小次郎』には十本存在するらしいし」
えなりの予想通り、由利が持っている得物は聖剣が一つ「黄金剣」――感情を力に変える聖剣だ。
それにより、速さと鋭さで優る今の東の同契に太刀打ち出来ているのである。
「逆に言えば、アレさえどうにかすればいいっスね」
「作戦はあるんですか?」
「聖剣は俺にまかせて欲しいっス。東さんはその間に“アレ”をえなり君に教えるっス」
『了解』
そんな2人の会話の後、えなりは東に問いかけた。
「なぁ、“アレ”って何なんだ?」
『この戦い、なるべく早めに片つけたいから一気に大技いくのよ。その方法をね」
331 :
乱闘はムズい:2008/02/08(金) 10:48:17 ID:np4z4yNk0
「ブーメランカッター!!」
福地の先手。武器のリーチは全体的に彼の方に分がある。
「小癪な」
由利もただ喰らう気は更々ない。叩き落とそうと思い切り振るう。が、
「手拭いに戻れ!」
鉄から手拭いに瞬時に戻り、中からビーズ爆弾が飛び出す。爆音と熱エネルギーが由利を襲う。
間髪入れず、福地は鉄棍棒を握りしめ急接近。だが煙の中から黄金剣を振りかぶった由利が垣間見える。
瞬間、福地を謎の浮遊感が襲った。
「柳生殺刃、蓮花鏡・昇華」
それは刀を地面に思い切り叩きつけ、その衝撃で相手を空中に吹き飛ばす壱之太刀。
通常は巨大な木刀で行うこの技を、車田と黄金剣の力によって可能にしたのだ。
そしてこのまま、弐之太刀「散華」によって決める。空中の敵には避けられぬ必殺の刃。
だが、福地もさる者、由利の予想外の行動に出た。それは、
「洗濯機だッ!!」
まさにそれは、ロードローラーを持った某吸血鬼の様……って、それじゃ悪役じゃね?
いつもながらこのスレは進む時と止まる時の差がすごいな。
ところでしおりも貼られたことだしここで今までの投下の中で印象に残ったやつとかお気に入りとか聞いてみたい。
俺は車田の集英社襲撃。なんとなくロウヒーローなイメージがあったから以外だった。
自分としては、荒木がスタンドの切り替えに一分かかると知った時だな。
荒木も無敵じゃ無くなっちまったんだなって、なんか悲しかった。
車田を前にしてなお不敵な笑みを浮かべる許斐を
車田は心中密かに賞賛した。
怯えも
恐れも
迷いも無く
この俺を相手に闘志を漲らせ立ち向かってくる。
そんな男はあの時代以降、数える程しかいなかった。
車田が許斐を指差していた右手をゆっくり下ろした。
それを機と見た許斐は先手を打つべく、サーブのトスを上げようとした。
「 !? 」
しかしこの時、許斐はトスを上げられなかった。
彼は何かに体を堅く縛られているようにピクリとも動けなかった。
(こ…これは?…氷!)
――それ故に、惜しいな。それ程の男を未熟なままで潰すのは。
許斐が気合で氷の輪を振り払い、サーブを放つまでは一瞬だった。
ただその一瞬は車田が相手ではあまりに長く、あまりに無防備な時間だった。
大地を、星々を、宇宙を砕く大爆発の名を冠した必殺ジャンピングサーブ、
「ビッグバン」を放つ前に、許斐は焼けた針で貫かれるような激痛を全身に感じた。
球はラケットに触れる事なく地面に落ち、許斐ももろに顔面から地面に叩き付けられた。
ただ許斐には何が起こったか全く理解出来なかった。
既に車田の攻撃で五感を完全に奪われていたからである。
さすがに車田は強いか。
関係ないけど車田+許斐の組み合わせに旧えなり初期を思い出した。
講談社がリアルでパワーアップしてきたぞ!!
「ボンボン」が「ライバル」に生まれ変わってた!!
どうすんだろ、えなり達……
サトケンと3人の憂鬱を尻目に山賢はカレーを夢見心地で堪能していた。
みなもとが服を用意する間も
みなもとの用意した服を着てる間も
みなもとが何故かツンデレっぽい事を言ってる間も
山賢は先程の匂いを嗅ぐだけで思わず部屋を抜け出してしまう位
美味そうなカレーの事ばかり考えていた。
元々彼は「カレーの王位j様」の異名をモツほどカレー大好きである。
そんな彼だが所属するチャンピオンREDの最近の経済事情は苦しく
カレーなど望むべくもない状態が結構な期間に渡っていた。
そんな状況で市販のルーに頼らず、各種スパイスが豊富に、
かつ絶妙なバランスで調合された本格的キーマカレーの匂いが
台所から漂ってくるのだ。
だから彼はいてもたってもいられずに匂いを辿り台所に飛び込むと、
その匂いを発する寸胴を速攻で発見するや否や皿にも分けずに
グビグビと3分の1くらい飲み干し、それから満足そうにぬふぅと息をついた。
そのアレな光景の一部始終を赤松とえなり姉はスクリーンで見ていた。
モニターは藤田和日郎vs高橋留美子&時給250円のバトル中継から
山賢&みなもと悠inアライブの中継へと先程切り替えられていた。
講談社はどこまで他勢力の監視を行っているのか?方法は?目的は?
えなり姉が大まかに言えばそんな事を赤松に問い質そうと思った、その矢先
「…相変わらず下品な男です。」
眼鏡を抑えつつ、赤松が吐き捨てるように言った。
339 :
致命的な激情:2008/02/14(木) 13:07:56 ID:RvWyO4Pb0
「さあ、今まで好き放題やってくれたお礼を、どうやって返してあげようかしら?」
見る者を戦慄させる怪しい微笑を浮かべて、千道は楽しそうに呟いた。
「てめえ……よくも車田様から賜ったこの聖衣に……
許さねえぞ!!!喰らいやがれ!!!!」
抜カ 聖エ
リ
ク
バ
刀| 剣ス
超高速の手刀。いかに力が落ちているとはいえ、まともに喰らえば致命傷は免れないだろう。
それを千道は避ける。大地を蹴り、羽を広げ、畳み、転がり、逃げる。
「うふふ、そんなんじゃあ私には当たんなぁい……。鬼さぁんこちら、手の鳴るほぉへ……くすくす……」
あまつさえ岡田を挑発しさえしている。決して余裕があるわけでもないだろうに、張り付いたような笑みを浮かべながら。
「バ、カ、に……しやがってえええ!!!!」
「はあい、一名様ごあんなぁい。こちらでございまあす……」
何故だか一向に戦おうとせず千道は逃げ、殺意を剥き出しにして岡田は追い掛ける。
気付けば非常口の袋小路。やはり逃げるだけでは限界がある。
「あらあ……行き止まりぃ……?」
どうしようもなく向き直ると、眼前に憤怒の岡田。その後ろには破壊・切断された商品や何かが転がっている。
「散々手こずらせやがって……だがこれで終わりだ!!!!」
後ろは分厚い鉄の扉、しかも鍵が掛かっている。
千道クラスの漫画家なら扉を破壊して脱出するのも難しくないだろうが、それはあくまで平常時の話だ。
向きを変え、技の準備をし、放ち、出ていく。この間岡田が人形のように突っ立っているということはないだろう。
つまり千道は完全に追い詰められた。そしてこの期に及んでも、何一つ武器らしい物も、攻撃しようとする姿勢さえ見えない。
340 :
致命的な激情:2008/02/14(木) 13:08:53 ID:RvWyO4Pb0
「車田様の聖衣を汚し……この俺を愚弄し……」
岡田は完全に頭に来ている。元々直情的な傾向があるとはいえ、普通ではない怒り方だ。
それほど自分の、そして黄金聖衣の誇りを深く傷付けられたと言うことだろうか。
「それから……ああ、もういい!!!!とにかく!!!
てめえは死ね!!!!」
大きく振りかざした拳に、電気の如き小宇宙(コスモ)が収束していく。
これは岡田芽武の技の中で最大の攻撃力を誇る、――
電ボ 雷ラ
イ
ト
ル
ニ
ン
撃ト 光グ
超高速で拳を繰り出し、空間の空気を切る――その空間に小宇宙で作った高電圧を打ち込む。
希薄な大気を通して起こる放電…『真空放電』現象。
電撃と拳、二種類の攻撃を同時に繰り出し、しかもそのどちらもが必殺の威力。
「あらあら、どっちを向いてるのかしら?私はここよぉ、ここ。
あなたの後ろよ。」
直撃したら、いや掠っただけでも致命傷を負いかねない威力の攻撃を、しかし千道は避けた。
もしこの異様な戦いを見ている者がいたなら、――その観客が岡田を知っていることが前提条件だが首を傾げただろう。
なぜならば、岡田が雷光電撃を繰り出すたっぷり一秒近く前に、千道がフワリと飛び上がって岡田の背後に回っていたからである。
その上、千道が余裕の表情で岡田に話しかけ、彼が振り向く前に龍の姿に変化した羽が岡田の背面をとらえていた。
黄金聖闘士、光速の動きとそれに相応しい戦闘技術を身につけた岡田が反応すら出来ない、これはどう考えても異常なことだ。
341 :
致命的な激情:2008/02/14(木) 13:10:53 ID:RvWyO4Pb0
「うふふ……えばら、上手くやってくれたようねぇ。」
「はい、でも、無防備な夢の中と違って起きている精神に干渉するのはとても難しいのですぅ。
あんまり重要な枝は落とせなかったし、すぐに再生してしまう、でありますぅ。」
どこかへ消えていたえばら渋子が、千道と岡田を追ってやってきた。手には大きな如雨露と鋏を持っている。
「それでも十分よ。そのわずかな時間が何より大事なの。ちなみに、どんな風にしてやったのぉ?」
「とりあえずプライド系の枝に執着させるようにして、漫画関係の枝を片っ端から切り落としてやったですぅ。」
先ほどからえばらが姿を消していた理由が、つまりこれだ。
ローゼンメイデン『翠星石』と『蒼星石』の能力、『人間の夢に入り込み、干渉できる』。
本来起きている人間の精神には入れないのだが、まあそのあたりは大目に見てほしい。
そして精神(樹のビジョンを取る)の成長を促す『庭師の如雨露』で精神の滋養とでも称すべき物を過剰に与え、特定の記憶に心を縛り付ける。
今回は冷静さと機転を失わせるために、『怒り』『忘我』へと繋がる『誇り』にそれを使った。
更に望ましくない記憶を取り除くための『庭師の鋏』で必要な枝――漫画家の力と技の源である自作に関する記憶――を刈り取る。
かくて岡田は両手足を封じられたに等しく、千道の時間稼ぎは報われた。
「そんなわけでこれからスーパーお仕置きタイムなのですぅ。千道もほら、これを使うですぅ。」
千道が受け取ったのは彼女の足ほどの長さを持つ『庭師の鋏』。これは心の枝を切るとともに、普通の鋏として、そして武器としても使える。
「ありがとう、えばら。じゃあここからは、僕と君の時間だ。」
千道が鋏を開き、えばらは如雨露を剣のように構える。……いつの間にやら二人ともオッドアイだ。
「てめえら、さっきからゴチャゴチャゴチャゴチャ、おまけに後ろから殴りやがって……
もう許さねえ!!許さねえぞ!!!死いいぃぃぃねええぇぇぇぇ!!!!!」
「きゃっ!狂犬が吠えてるですぅ、コワーイですぅ。」
「狂犬は駆除しないといけないな。えばら、油断だけはするなよ。」
342 :
致命的な激情:2008/02/14(木) 13:14:45 ID:RvWyO4Pb0
ここから先はしばらく冗長で退屈なものになるだろうから、決着の数瞬前まで場面を早送りすることを許していただきたい。
途中については、とりあえず「『人間サンドバッグ』という言葉の意味を知るのに、もっとも身に染みてわかる方法がある」とだけ言っておこう。
「はぁ、はぁ……。思ったより手こずらせやがったな、ですぅ。」
えばらのドレスは所々切れ込みが入り、中には赤い線になっているものもある。
「ああ。まったく手強い相手だった。もし真正面から挑んでいたら……あまり考えたくないな。」
千道も同様。岡田の『技』と『速さ』を封じても、『力』はむしろ強化されていた。
触れてもいないのに服が裂け、血がにじむ。
「が……はッ……!!畜生、このガキどもがァアア……!!!」
岡田の傷はもっと多く深い。まあ、当然ではあるが。
聖衣も半分近く砕け、出血もひどい。立っていられるのが不思議なほどだ。
そして千道とえばらは決着を自分たちの勝利でつけるべく駆け出す。
「これで終わりなのですぅ、岡田芽武!!!」
「君には悪いが、負けてやるわけには行かない!!!」
「こぉおォォの小ぉォ娘ェどもオぉがあぁぁッ!!!
なぁ!めぇ!!んっ!!!なぁ!!!!」
それまで吹き出すだけだった岡田の小宇宙が形を取り始めたのは、ちょうどその時だった。
右手に小宇宙が収束し、球となる。
「なっ、何ですのこれは!?」
nのフィールドに似た、それでいて全く異なる深淵を含んだ異世界の風。
「岡田の拳が空間をねじ曲げる!!?」
「記憶が戻ってきたみたいです!早く止めないとだめかもですぅ!!」
「うおおぉぉォォォッ!!!!!」
聖闘士星矢黄金十二宮編のラスボス、双子座のサガ。
エピソードGにも登場する彼の使う必殺技の一つが、これだ。
「これは……危険すぎる!!!この技を成功させるわけにはいかない!!!!」
「殺られる前に殺れ!!なのですぅ!!!覚悟するですぅ!!!岡田!!!!」
鋏が、如雨露が、岡田の最後に残された意識を断ち切るよりも、ほんの僅か早く、――
343 :
致命的な激情:2008/02/14(木) 13:16:51 ID:RvWyO4Pb0
次デ 異ア
ィ
メ ナ
ン
シ ザ
ョ
元ン 界|
何よりも確かなはずの空間は脆くも崩れ去り、空気も、星も、もしかしたら時間すらも無いのではないかと思える空虚の世界が口を開いた。
千道の鋏が獅子の黄金聖衣を砕き、えばらの如雨露が岡田と非常階段の鉄扉を吹き飛ばしてデパート外に追放した。
異世界への門は二人を飲み込むかに見えたが、手のひら大から大きくならず数秒後に消えた。
「い……いったい、最後のはなんだったんでしょうか?」
「さあな。あんな状態で大技を撃つのは無理な話で、失敗しました、ってことじゃないか?
とにかく、どうやらこの戦い、僕達の勝ちだ。」
「か……勝ったの、ですか?」
「そうだよ、えばら。僕と君の二人で、勝ったんだ!!!」
聖衣無効化の成功などは相手の慢心によるところも大きいが、それでも独力での勝利に変わりは微塵もない。
「だが、歓喜に酔っている時間はないぞ。僕らもえなり君たちに加勢しなくては!」
「そ、そうですぅ!急がないと、あのチビと信用できないオッサンだけじゃあ手遅れになってるかもしれないですぅ!!」
実際には二人ほど加勢が来ているのだが、そんなことは知る由もない。
ともかく強敵・岡田芽武との戦いに勝利を収めた二人。だが、これは戦いと旅の始まりに過ぎない……のか?
To Be Continued...
344 :
致命的な激情:2008/02/14(木) 13:30:07 ID:RvWyO4Pb0
そのころ地球を遠く遠く離れた異世界で――
「ふう、ようやく修復できた。どうも最近好き勝手に空間をいじる人が多いなー。
エネルギーのひずみがたまってえらいことになるかもしれないってのに、わかってるのかなー?」
竹本泉が、岡田芽武によって開けられた空間の穴をようやく修復し終えていた。
――――――――――――――――
・最後は完全にギャグ。気に入らなかったら桃種の攻撃が異界次元発動より先に当たったってことにしといて。
・というか岡田ファンごめん、マジでごめん。今回は桃種のターンだってことで許して。
・『退場扱いにしても良さそうなキャラ』に岡田追加。
・蒼星石口調の水銀燈とか翠星石口調の真紅とか想像したら番茶吹いた。
>本来起きている人間の精神には入れないのだが、まあそのあたりは大目に見てほしい
大丈夫だとは思うけどな
桃種は漫画2つもアニメ化してのってきてるし、
それいったら福本も能力もってるし
大丈夫だよな?
>>345 大丈夫だよ。たぶん。きっと。そうなんじゃないかな?まあ、ちょっと覚悟はしておけ。
冗談はさておき、このぐらいならいいと思うけどね。もっと拡大解釈しても大丈夫かも。
関係ないけどネタ集めのために車田兄貴の『実録神輪会』を買ったらまんまこのスレで吹いた。
小学館にて
部下 「浦沢先生!これが私の新企画、『金剛番長vs鋼鉄番長〜東京23区に咲くは紅のSYURA〜』で
浦沢 「却下」
同時刻集英社近辺にて
和月 「やれやれやっと警察も帰ったし、とっとと車田先生と板垣のバカを徹底的にシメて
…って冨樫先生はどこだオイ?俺の知らない内に何かあったか鳥山先生?」
鳥山 「アイツはオラ達と別行動を取るって言って、ちょっと前にどっか行ったぞ。」
和月 「だぁー!何でそんな重要な事をすぐに俺に教えてくれなかったんだよ先生!」
鳥山 「…おめぇ、相変わらず人の話を聞いてないんだな。」
そのころ講談社にて
河下 「失礼します。真島様、先日の案件の報告…キャッ!」
真島 「 !! 」
河下 「…す、すす、すみません!真島様!あの、これ報告書です!」
真島 「…あ、あぁ。」
河下 「し、失礼しました!」
真島 (戦力になるからって集英社から引き抜いたのはいいんだが、あのいちごパンツの女、
何でどんな状況からでもいつも微エロなシチュエーションに持っていくンだよオイ。)
河下 「…済みません、先程の報告に一部追加が…って真島様?」
真島 「…………」
河下 「キャ────ッ!」
真島 (…何というかアレだな。近い内に赤松にでもレクチャー受けねぇと体が持たねェなコリャ。)
そのころ遥か遠い、時空のどこかにて。
岡田 「見つけましたオレの萌え!ロンチーチョコタン(ロングコートチワワチョコレートア&クリーム、タン在リ)!」
ガ ッ !
担当 「バカヤロウ!犬の萌え漫画なぞダレが求めるンだよ!」
河下w
あれか、この色仕掛けで矢吹を捕まえたのか。
349 :
魂の打ち込み:2008/02/22(金) 11:01:26 ID:C8z1hj7I0
流れが、来ていた。
ほんの僅かずつ、だが、確実に。
――猫井はこのワンツーの後、一歩踏み込んで蹴り上げてくる。
それを右にかわし、軸足へ左のローキック。いや、足払いだ。
ほう、予備動作なしのジャンプで避けたか。ちょっと軌道が低すぎたな。
だが、この回転と体の沈み込みを使って、右後ろ回し蹴り。どうだ、こいつは避けられるか?
AMスーツを外し、背水の陣を敷くと同時に五感が鋭敏に働くようにする。
その成果が、蹴りを受けてダメージを負った状態からの健闘だ。
目に頼らなくとも氣を感じ、肌で大気の動きを読み、足で大地の振動を判断すれば、
どんな動きであろうととらえることが出来る。
功夫は皆川にとって、全てのハイテクノロジーを超える最強の力。それをフルに使える状態にあるのだ。
猫井に向いていた戦いの潮目は、徐々に皆川へと方向転換を始めていた。
――むむ、あの体制からスウェーバックとはやるな。仕切り直しか。
次はどう出る? たっぷり助走をつけての中段突き? なるほど、速さ比べというわけか。
だが残念、今の俺はお前より早い。顔に軽く当てて次への布石にさせてもらおうか。
おっと、掠ってしまった。まあこの程度なら問題ないだろう。
今や皆川の優位は疑うべくもない。
猫井も決して弱くはない、いや、相当強い方に入るが、素手の格闘戦では皆川とのキャリアの差は歴然だ。
――さて、次は俺の番だな。まずは穿弓腿で打ち上げる。 そして『白兎』発動!追撃ジャンプ!
どうだ驚いただろう。これが俺が日本の格闘ゲームを見て編み出した技だ。
まだまだいくぜ!空中コンボ、二段ジャンプ、空中ダッシュ、そして空中投げだ!!
地面にたたきつけられる前に受け身を取ろうとしているな。たぶん成功するんだろう。その名前通り猫のように。
だが、俺が急降下するとは思わなかったようだな。
このまま逃れようのない空中で噴射力まで加えたかかと落とし。それでお終いだ。
くらえっ!!!
350 :
魂の打ち込み:2008/02/22(金) 11:02:49 ID:C8z1hj7I0
「『ライト』……」
猫井が呟く。
「『オブ』……」
皆川が振り上げた足を止め、その顔に戦慄が走る。
「(まずい!これは……これは打ちのめされた人間の顔じゃない!
獲物を捕らえた……狩人の目だ!!)」
「『ソウル』!!!!」
まばゆい純白の光条が、天を貫いた。
ライト・オブ・ソウル
魂 の 光 !!
『エンジェリックレイヤー』――漫画の題名であり、作中のホビーを使った格闘技の名でもある――の
チャンピオンであり、ラスボスであり、主人公の母親、鈴原萩子。
彼女の究極技が、この『魂の光』である。
レーザー光線にも似た光の奔流が全てを薙ぎ払う、まさに必殺技。
ちなみに原作ではこの技で主人公に勝っている(はず。間違ってたらごめん)。
皆川は? そんな威力の攻撃を受けて、皆川はどうなった?
「な、なんて威力だよ……。まともに喰らってたら、意識どころか命がぶっ飛んでたぜ。」
全身に火傷のような傷を負っているが、あれほどの技を受けたにしては信じられないぐらいの軽傷だ。
「あれを……私のライト・オブ・ソウルを受けて、まだそんな軽口を叩けるの?
いったいどんな体してんのよ。自信なくすなぁ……。」
必殺の威力を持つと自負する究極技に耐えられたことに対する警戒心か、どこからか取り出した細身の剣を構えている。
格闘戦は不利と見て、『何でもあり』の自分の土俵で戦うつもりだろう。
「へっ、ほとんど無意識だったんだけどな。ARMS『三月兎(マーチ・ヘア)』。」
大気中にナノマシンを散布し、光ファイバーのように光を屈折させるARMS『三月兎』。
実物と見分けの付かない立体映像を作り出し、自身の姿を消し、また光を収束、増幅させてレーザーを撃つこともできる。
それはまた同時に敵のレーザーを始めとした光学兵器を無力化できるということだ。
351 :
魂の打ち込み:2008/02/22(金) 11:03:20 ID:C8z1hj7I0
「俺のARMSの中でもだいぶ大物なんで、出来れば使いたくなかったんだがなあ……。
まあいいか。あんなビームを撃ってきてそのうえ剣なんか持ってるってことは、まだやる気ってことだよな。今度は武器ありで。」
「そうよ。……っていうかあなたの方がさっきからいろいろ使ってたじゃないの。強化服とか変形する足とか。」
「うっ……」
――さて、何を使ってくるかしら?
あの怪物に変身(ジャバウォック)されると面倒ね。
それに、あいつの口ぶりからするとあの変身……アームズとか言ってたっけ……にはまだ種類がありそうだわ。
現状じゃあわからないことが多すぎるわね。私達ほどじゃないけどいろんな漫画を書いてるらしいし。
まあ、この海ちゃんの剣と魔法、それにみさきちの格闘能力ならなんとかなるか。
いざとなったらもう一回ライト・オブ・ソウルも撃てるし。
――どうするかな。気付かれちまったかな?
『白兎』を使いまくって『魔獣』完全体になって、その上もう一回『白兎』、とどめに『三月兎』だ。
さすがに今日はもうARMSを使えないな。発動しない程度で済めばいいが、暴走でもされたら困る。
となるとそれ以外の武器ってことになるか。素手ってのもありだが、いっぺん波が引いちまった。俺もまだまだ未熟ってことか。
なら、俺が使うのは……
「さあ、どうするの?待っててあげるから早くしなさいな。」
猫井の言葉に呼応するように、皆川の腕がホルスターのある右腰に延びる。
「あら、何を使うのかと思えば……。そんなお守りぐらいにしかならなさそうな拳銃で私の相手をするつもり?」
そう言いながらも、いわゆる早撃ちを警戒して一気に跳躍し距離を詰めてくる。そのまま突く気だ。
「いいや、こいつは人を撃つための銃じゃない。お前を倒すのは……」
猫井の剣が皆川を貫くと見えたとき、耳障りな金属音が響いた。
同時に猫井は『海ちゃんの剣』越しに凄まじい振動波を関知し、皆川はホルスターより更に奥から取り出したナイフで剣を受け止めていた。
「この超振動ナイフで十分だ!!!」
思ったより接戦なんだなー。
もっと皆川が押すかと思ってたよ。
スカーレットニードル。
それは蠍の毒針の如き15発の真紅の衝撃を以って
相手に確実な死を齎す、車田の必殺技の一つ。
彼はこの技を「15発の激痛の間に相手に死か降伏を選ばせる
慈悲深い技」と言うが、本質はその様な生易しいものではない。
まず、この真紅の衝撃自体が一撃必殺の威力を持つ上に
衝撃には1発で歴戦の勇士といえども泣き叫び許しを請い、
4、5発で大抵の漫画家をショック死させ得るだけの激痛を伴う。
かつ、仮にその激痛に耐え続けたとしても15発受けた時点で
その毒針を受けた箇所から血を噴出して確実に死に至る。
激痛に耐え続ければどうにかなるという類の技ではない。
むしろ衝撃を打ち込まれる度に確実な死へ近づくだけである。
そのような凶悪な技を一発一発叩き込みながら完全な降伏を説くのである。
相手が激痛か失血で死ぬまでに屈服し絶対的な服従を誓うならそれでよし。
相手が意地を貫き通して激痛か失血で死ぬならそれはそれで全く構わない。
スカーレットニードルの本質はそうした考えに基づく加虐行為であり
単刀直入に言えば拷問、それも実に過酷な拷問である。
その拷問を許斐はこれまで14発まで耐え抜いていた。
それはジャンプの現看板作家が一人としての責任感がなせる業か、
それとも、一時代を築いた作家としての意地の為かは分からない。
ただ一つ確かなのは、あと一撃、「アンタレス」を打ち込まれれば
確実に許斐の命はないという事である。
>>352 ぶっちゃけ漫画家としてのキャリアではほぼ互角で、知名度も加味するとCLAMPのが遥かに格上なんだけどな
むしろミナガーは善戦してると言うべき
ここから許斐が覚醒して第二ラウンドか、それともこのまま車田が勝つか……。
どっちに転んでも面白くなりそうだ。
>>354 クランプは同人系ってことで軽く見られてるからなあ。
好き嫌い抜きで考えると全漫画家の中でも結構上のほうにいると思うよ。
CLAMPの良さを俺に教えてくれ。
正直、聖伝で見限った。
>>356 そんな主観的なものを口で説明できるわけないだろう
そこで見限ったなら、単純にお前さんには合わなかっただけの話だ
ただし、自分が嫌いな作家だから祖末に扱ってもいいやとか、そういう考えは勘弁してもらいたい
粗末に扱っちゃうくらいがこのスレの面白い所だったんだよね
跳。
蹴。
蹴。
好機!!
進。
蹴。
転。
撃。
撃。
蹴。
開いてる――――
撃。
蹴。
転。
左のガード…
ガラ開き…
蹴。
蹴。
ガラ開きだ!
進。
蹴。
…消!?
ぞ く
(…クラッチ!引っ掛かったッッッ)
「がぁッッ!」
(この技は‥‥ッッ)
! !
(バックドロップ!!)
路地裏に鈍い音が響き渡った。
いくら受身を取ったとは言え板垣の投げ技でまともに地面に叩きつけられた
ダメージは大きく、ヨクサルは頭から流れ落ちる血を拭う事も出来ないまま
焦点の合わない目で空を見上げながら痙攣していた。
一方板垣はヨクサルの数十発の打撃を受けてなお鼻血一つ流れない顔を
獣の様に歪め、身動きもままならないヨクサルの元へ近づいてきた。
今の状況で無碍に扱うのは難しそうな気もするけどな。西公平とか藤何とかぐらい嫌われてるならともかく。
それはそうとヨクサルきた!9月以来か?
>>358 今だから言うけど旧えなりのゆでマンセーっぷりは正直見てて辛かった
「凄いな。バーリ・トゥードであそこまで見事なジャーマンスープレックスを見るとは
思ってもみなかったよ。ダン・スバーンもビックリじゃないか、青山先生。」
山根が興奮も露に青山に話しかけた。
だが青山の表情はどこか浮かない。
「どうしたんだい、先生?」
「…気に喰わんのや。」
「?」
青山の言葉の意味がイマイチ掴みかねる山根に青山は言葉を続けた。
「確かに惚れ惚れするくらい見事なジャーマンや。ワイかてあそこまで
見事なアーチで相手をブン投げられる事はそうない。」
「裏を返せばあの程度のジャーマンなら自分も出来るって事か。」
青山がタバコに火をつけて一息つく。
「せや。ただ板垣のアホがその気になりゃもう一寸早く打撃でケリついてた筈や。」
「…やはりあのバカはルチャ男を相手にかなり遊んでいたという事か?」
「それもあるんやが…」
青山がタバコの煙を吐き出して続ける。
「…それ以上にあえて投げ技で決めようとしてたって事や。」
「………そうか!」
何かに気付いたような表情の山根に青山は話を続けた。
「オドレもワイもバーリ・トゥードじゃちょっとした実績がある。主にグラップリングの技術で
バーリ・トゥードを制したって実績がな。それこそ血の滲む様なトレーニングを積んで
高めたグラップリングの技術に、ワイらは自信とプライドを少なからず持ってるやろ。」
「まあね。ただ板垣は元々グラップリング系じゃない。」
「せや。というよりアイツはどちらかといえば打撃屋や。」
「つまり…!」
「当て付けなんや。ワイらに対する、な。」
青山、山根の両者の表情が渋い物になった。
「多分あのアホはワイらが監視している事なぞとっくに気付いとる。」
「見せ付けるという事か。」
「せや。ワイらが苦労して積み重ね、ある程度は極めたつもりの技術なんぞ
奴にとっちゃ打撃の片手間のオマケに過ぎんって言ってるようなモンや。」
山根の眉間の皺が深くなった。
「…どこまで調子に乗る!」
「落ち着けや山根チャン。そうトサカに来るんやない。」
「極上だ!」
「落ち着けや。」
「暴力に溺れた変態野郎!僕とサシで勝負する勇気はあるかッ!」
「落ち着かんかいこのボケェ!」
青山の一喝で山根が我に帰った。
「…ああ、すまない、青山先生。」
「ったくオドレは。クール気取りの癖に根っこの所はつくづく暑苦しいヤツやな。全く。」
山根が冷めたコーヒーをすすり一息つく。
青山も2本目のタバコに火を着けた。
「それはそうと、2人ともどうするじゃんこの状況。」
「…まだいたのか、余湖先生。」
同じ顔の男達が100人、微妙な表情で二人を見ていた。
両者の日頃見せていなかった一面を見た驚きは少なからずあるらしい。
「まぁ、そやな。状況が厄介なのは相変わらずやからな。」
「ああ。やはりあのルチャ男では…」
俺では
俺では
俺では―――
「…板垣には絶対に勝てないという事ですか猿渡先生?」
「率直に申し上げるならそうです。ヨクサル先生。」
「宜しければ理由を伺いたい。」
「気を悪くしないで下さい。決して貴方が弱いという訳ではありません。
ただあの男は別格なんです。」
そんな事は分かっている。
「確かにあなたは数多くの武術を極め、幾多もの実戦を重ねてきました。
技術と経験では決してあの男にも私にも貴方は引けを取らないでしょう。
ただあの男と貴方では体格に差がありすぎます。」
そんな事は分かっている。
「格闘に関わってきた者なら分かるでしょう。同じか、もしくは多少技術や経験で
上回ったとしてもライト級の格闘家がスーパーヘビー級と戦えばどうなるか。」
分かっている。
「あの男は格闘に関しては肉体、技術、経験のそれぞれで郡を抜いています。
その3要素が相乗されてオーガと呼ばれる程の強さを生んでいるのです。」
分かっている。
「ですから」
言うな。
「あの男と比べて」
言うな。
「肉体的に大きく引けを取る貴方では」
頼む。
「絶対に」
頼む。言わないでくれ。
「おいおい冷てェなぁ、猿渡さんよ?」
「本宮先生ですか。」
「ああ。で、確かアンタがヨクサルさんだな?あの喧嘩馬鹿に勝ちてェって言ってた。
一回ボロ負けした馬鹿デカい相手に借りを返したいってか?そのガタイで?」
「はい。」
「…いい目だな。気に入ったぜ。んなら奴との喧嘩で勝てるやり方は教えてやるよ。
…まぁ、流石にボロ勝ちって訳にゃいかねェがな。」
おお、一気に動き出したな。
余湖の出番はあるのかこれ?
367 :
優雅の領域:2008/03/01(土) 09:37:05 ID:cBtVmzx+0
「な……何をしたあ!?」
「どうやら成功したみたいね。……ああ、お構いなく。今まで通り戦ってくれたらいいわ。」
一見した感じでは何も起こっていないように見えたが、空気が確かに変わっている。
『るーみっく・わーるど』とやらによるものだろうが、いったい何をしたのか?
「『今まで通り』というわけにもいかんな。何をする気かしらんが、何もやらせるつもりはない!!」
どこからか藤田が槍を取り出した。
「お前たち小学館の走狗どもを滅する!!それだけよォ!!」
それは持ち主の魂を喰らい、あやかしを滅ぼす『獣の槍』。
ついでに髪が伸び、禿頭の藤田にとってはカツラ代わりになったりもするが、今はそんなことを言っている場合ではないだろう。
「いまさら君は操られているんだとか目を覚ませとか言う気はないわ。
ただ、これだけは言っておかないといけないわね。……藤田君、私があなたを正気に戻してあげる。絶対に!!!」
「ふん!今更そのような戯れ言を聞く耳は持たんわ!!」
驚異的な速度で突き出された槍を、留美子は『ひょい』と避けた。
「なに!?」
「そんなものは私には通用しないわ……今の私には、ね!!!」
カウンター気味の掌底が、隙の出来た藤田をとらえる。
「ぐっ! ならば、これでどうだ!!」
槍を右手に、左手の義手からは『聖ジョルジュの剣』と呼ばれる刃を取り出し、両手でラッシュをかける。
しかし、それも留美子には当たらなかった。そして返礼に強烈な回し蹴りが藤田を吹き飛ばした。
「な、なぜだ……なぜオレの攻撃が当たらない!?これが……『るーみっく・わーるど』とやらかァ!?」
「まあ、それで七割方正解ってとこかしらね。さて、続きといきましょうか。藤田君?」
焦燥している藤田とは対称的に、留美子は笑みすら浮かべている。
大事な後輩、そして仲間と戦っているというのに、まるで「何も心配はいらない、私にまかせなさい」と言っているようだ。
その姿は、往年の『サンデーの女帝』、そして『ラブコメの女王』そのものであった。
「くく……さすがは『ラブコメの女王』……面白い!!
後悔……するなよォォ!!!!」
藤田は今度は拳を繰り出した。それも留美子は避ける。
だが、藤田の目は、否、体は捉えていた。
今までと今の、僅かな違いを。
368 :
優雅の領域:2008/03/01(土) 09:37:49 ID:cBtVmzx+0
「なるほど、そういうことか……その程度のことだったのかァ!!?」
今まで、獣の槍や聖ジョルジュの剣で攻撃したときは空気のように自然な動きで避けていた留美子が、
拳のときは自分から動いて避けた。それの意味するところは単純だ。
「『るーみっく・わーるど』などと大仰な名前を付けおって……正体はギャグ漫画家どもがよく使う攻撃無効化の一種ではないかァ!!!」
――ほとんどの漫画家は、自分の作品に関連した能力を持つ。
例えば人間離れした身体能力、例えば強大な魔法、例えばギャグによる一定の不死身性。
そして、その中でも特に突出した能力を持つ者は、自らの作品世界、自分のルールが適用される『場』を作り出すことが出来る。
有名なのは水島新司や『昔の』矢吹健太朗などだろう。
いま留美子が使っているのもそれの一種。
「お前は元々コメディ畑の人間……そちらに引き込めば勝負ありと見たのか?
おおかた『刃物禁止』か『武器禁止』あたりだろう。確かに厄介かもしれんが、オレには通じぬわァ!!」
槍をしまい、刃をしまい、藤田が拳法の構えを取る。
この構えは、藤田がもっとも得意とする『形意拳』。
そして、技を看破された留美子は、
「やれやれ……まったく、しょうがないわね。」
低い姿勢で藤田に向かって駆けだした。
「はぁぁーーーーッ!!!」
そのまま強烈な掌底を叩き込もうとする、が。
崩
留美子の中段突きを藤田が手のひねりで下方に落とし、そのまま水月を打った。
形意拳の基本となる『五行拳』の一つ、『崩拳』。
形は単純だが威力は絶大、そして藤田の基本技にして必殺技である。
369 :
優雅の領域:2008/03/01(土) 09:38:19 ID:cBtVmzx+0
「殺ったァ!!!」
そう勝ち鬨を上げようとしたとき、藤田は違和感に気付き、それと同時に全身が粟立つのを感じた。
手応えが、全くなかった。
そのことに気付いたときには既に、留美子の取り出した巨大な木槌が『背後から』藤田の頭に叩きつけられていた。
「熱血系の人は、すぐに早とちりするんだからどうしようもないわ。」
藤田が崩拳を繰り出してからここまで、僅か二コマ。テンポの速い作家なら一コマにすることもあるかもしれない。異常な速度というほか無い。
――藤田の想像は、ある程度までは当たっていた。
確かに留美子の使った『るーみっく・わーるど』は、刃物を……もう少し正確に言えば、ある程度以上の『外傷』を与える攻撃を規制した。
だがそれは力の一端に過ぎない。
「な、何だとォ!?」
絶対の威力を持つと自負する崩拳を避けられ、あまつさえわけのわからない内に理不尽な攻撃を受けた。
藤田のダメージは精神的にも肉体的にも相当なものだったが、それでも腕は留美子に伸びる。そして、留美子の手を掴んだ。
「捕まえたぞ……こうしてしまえば、いかなお前とて避けられまい!!!」
そしてもう一方の腕で顔と言わず胸と言わず滅多打ちに
しようとして向き直ったとき、彼は自分の目がおかしくなったのではないかと真剣に心配することになった。
――『領域』系能力は大抵オリジナル能力であるために、使用者は少ない。
だが、それら全てに共通しているのは『自分のルールを展開し、他人をそれに従わせる』ということだ。
ある者は一対一に持ち込み、ある者はスポーツを始めさせ、ある者は俺理論を適用させる。
いわば強制的に相手の土俵に上がらされる。そして戦いの根幹である『戦術』を、そして『戦略』を成り立たなくさせられる。
だから領域能力は強いとされる。
「こ、れ……は……」
藤田が見たものは、『信楽焼』として知られるタヌキの置物。
……変わり身!!!
留美子は今、どこにいる!?
――そしてここに、ギャグ・スラップスティック・ラブコメディー・格闘・恋愛・異能力バトル・伝奇・その他種々のジャンルを描き、
しかもその全てで成功を収めた達人がいたらどうなるか?
370 :
優雅の領域:2008/03/01(土) 09:38:43 ID:cBtVmzx+0
「!!」
また、回り込んでいた。今度は藤田の右側。
だが、藤田が瞠目したのはそのことではない。
留美子の構え。
胸の前で両腕を十字に組む特徴的な構えは、かの有名な特撮ヒーローのそれそのものだ。
――答えは明白だ。何種類も持つルールの中から、もっとも都合が良いものを適用することが出来るようになるのだ。
それこそが『るーみっく・わーるど』の強さであり、犬夜叉終了の噂に全盛期の力を幾ばくかだけでも取り戻した高橋留美子の強さ。
ちなみに今回は、最初は『らんま1/2』、藤田が早合点したときに『うる星やつら』へと変更、正面からの殴打(と、その他諸々)も禁止した。
「まずい、あの構えは……!!」
元来時事ネタやパロディを大量に含むのが留美子の作風。それ故、原作でも『そういう行動』の時に『その構え』を取ったことは度々ある。
対する最上の策である獣の槍は先程仕舞ってしまった。
そして、あれはうる星空間でも何の問題もなく通用する。
「ふ〜じ〜た〜〜く〜〜ん〜〜〜!
いい加減に……おとなしく目を覚ますっちゃ〜〜!!!!」
某マンの某光線のような見た目の電撃が留美子から放たれ、藤田を直撃した。
なんだかんだ言って、サンデーの女帝は強いな
サンデーとマガジンが合作するそうだ
372 :
車田:2008/03/03(月) 00:16:08 ID:I611Naxp0
これまで車田から受けたダメージで身動ぎも出来ない許斐へ
車田は赤い衝撃を秘めた指を突きつけていた。
(分かっていると思うが、次の一撃で貴様は確実に死ぬ。)
五感が既に失われ、誰の声も届かない許斐へ
車田はテレパシーで言葉を続けた。
(降伏しろ、小僧。)
「………」
(俺は、俺の道を阻む奴には手加減出来ない男だ。)
「………」
(貴様には先がある。)
「……楽…しい…な…ぁ…」
その声に車田は驚愕した。
五感を奪われ、瀕死の重傷を一方的に負わせられた身でそれでも
「楽しい」と声に出して言う男は殆どいなかったからである。
さて、この辺りで福本と別れた星野、さいふうめいコンビがどうなったのか見てみよう。
雀荘から約600m離れた路地裏に2人はいた。
死んでしまっているが。
星野は首を切断され、さいふうめいは高圧電流か何かで焼け焦げていた。
これで生きていたら、むしろ恐ろしい程だ。
これの犯人は、同じく路地裏にいた。フード付きローブを着た少年の様だ。
彼の名は藤真拓哉。額に小さなカードを押し付け、念話をしているらしい。
「裏切り者である星野、及びさいふうめいの抹殺、完了しました」
『御苦労。次の対象である福本は現在○○デパートにいる。至急向かってくれ』
「了解しました、赤松様」
念話を中断し、彼は懐から別のカードを取り出した。
「来れ(アデアット)」
何かの呪文とともに、羽ペンやクロッキー帳などが彼の手に握られた。
――アーティファクト、落書帝国(インぺリウム・グラフィケース)――
ペンでクロッキー帳に羽の生えたマシンを書きこむ。と、そのまま実体化した。
それに乗り、彼は行く。目指すは、消すべき、裏切り者のいる場所。
登場人数:1
退場人数:2
現在の人数:50/60
藤真拓哉…『魔法先生ネギま!』の外伝的漫画『ネギま!?neo』の作画担当。
ボンボン無き今、マガジンSPECIALにて連載中。
勢いあまって、あの2人殺しちゃいました。書きたかった人済みません。
あと多分、次も死人でます。
これは間違いなく許斐覚醒フラグ。
個人的にはこのまま車田倒しちゃっても……あ、やっぱりちょっとまずいか。
そして麻雀コンビ死んでたー。
4対1じゃあ由利に部が悪かったしな。大混乱になるだろうなあ。
つーかタシケ連載オワタw
(楽しいだと?)
「……うん…、やっぱ…り…そう…だ……よな。
…漫…画……って……漫画…って……」
その時、抜け殻も同然だった許斐の体から途方も無い何かが
不意に湧き上がる予兆みたいな物を車田は感じた。
(この感覚は!?何だか分からないがこのままでは!)
咄嗟に車田は突きつけた指に力を込めた。
「スカーレットニードル・アンタレス!」
車田の致命的な赤い衝撃が許斐へと光速で襲い掛かる。
それに対して許斐は車田が思ってもみない行動を取った。
(重心を落として、ラケットを引いた!?)
「漫画って楽しいじゃん。」
その瞬間、許斐の体から眩い光が一気に溢れ出た。
(これは!この光は!?)
「…車田先生、楽しんでる?」
( !! )
許斐はアンタレスを完全に正面に捉えた状態で少し重心を落として
力を溜めていた。まるでテニスで相手の球を待ち構える選手の様に。
「サムライドライブ!」
その瞬間、鮮明で強烈な小宇宙が大地を覆い隠さんばかりに膨れ上がり、
そして車田達のいた廃ビル諸共に弾けた。
それからしばらくして、許斐は意識を取り戻した。
辺りを見渡すと建物一つ無い荒野に大量の電柱が立ち並ぶ奇妙な光景が広がっている。
先程の廃ビルとは明らかに違う場所だが何処だここは?そして車田先生は何処だ?
アンタレスを真っ二つにしたのか
つーか威力スゲえw
>大量の電柱
死 亡 確 認 !
車田と許斐の小宇宙が大きく弾けた瞬間、一般人には何も感じられなかったが、
多くの漫画家達はそれを強く感じ取った。
まず最初にそれを感じたのは、誰よりも「力」に敏感だったあの男だった。
(車田ッッッ!)
板垣がヨクサルへ止めを刺さんと踵を振り上げたその刹那に
それを強く感じ、その為に一瞬動きが止まった。
この一瞬で九割九部決した勝負が縺れる事になるがそれは別の話となる。
次に許斐の仲間達へと伝わった。
「コイツは!」
先程まで馬鹿をしていた和月の表情が一瞬にして引き締まった。
「ああ、間違いねぇ。こいつは許斐と…車田の気だ。」
「アッー!」
その時鳥山は今にも駆け出さんとする和月の襟を掴んだ。
「何しやがる、鳥山先生!」
「落ち着け、和月。オラの瞬間移動で行くぞ。オメェが走るよりその方が早ぇからな。」
「あ、あぁ!」
鳥山は血気に逸る和月の肩を強く組み…
「ここから35km南南西、○×ビルだ。行くぞ!」
ヒュンと風を切る音を立てて二人は消えた。
そして許斐は今までに見た事の無い物を見ていた。
少なくとも黒シャツの陰気な男とリーゼントのナイスガイがとても安らかな顔をしながら
それぞれ空から現れた黒ずくめの男に手を引かれて空の彼方へ消えていく光景は
彼にとって初めての物であった。
一瞬敵襲かとも思ったが、黒ずくめの男達には悪意も敵意も全く感じられなかった。
だとしたらコレは一体何だ?車田が見せる幻覚か何かか?
「お久しぶりね、許斐先生。何年ぶりかしら。」
その声に振り返ると、そこには見覚えのある顔がいた。いるはずのない顔がいた。
「光原先生!?」
381 :
争乱への突入:2008/03/05(水) 20:32:48 ID:NdVMXsbF0
「まったく、相変わらず下品な男です。」
(『相変わらず』?この二人は面識があるの?)
怜奈の脳裏に浮かぶ大量の疑問符にまた一つ追加があった。
聞きたいことが多すぎるし、話してくれそうなことは少なすぎる。
それに、下手なことを聞いて地雷を踏みでもしたら生きて帰れる保証もない。
でも、ジャーナリストの一人として恐れずに質問を続けよう。
だいたいそんなことを考えて口を開こうとしたとき、研究所のドアが開き怜奈は口を閉じざるを得なくなった。
「よう赤松!相も変わらずこんな穴蔵にいんのかァ?」
「ま………」
「やあ真島君。元気なようでなによりです。別にいつもここにいるわけじゃないですよ。今日も少し散歩をしてきましたし。」
「真島ヒロ!それに……後ろにいるのは!?」
怜奈の目が驚愕に見開かれる。
真島ヒロ。曰くマガジン三馬鹿、曰くパクリ四天王、曰く尾田栄一郎に似すぎじゃね?などと結構いろんな意味で有名な男である。
「おう!俺をご存じかい、姉ちゃん。その格好だとブン屋か何かか?俺の記事でも書いてくれるのかい?」
「ええ。また、機会があれば……。
と、ところで、後ろの方はいったい……?」
怜奈の視線は先程からずっと、真島の後ろにいる三人に注がれている。
怜奈だけではない。畑も心底驚いた表情で見ている。赤松は冷ややかな目つきだ。
久米田は顎が外れ、顔と背景に縦線が大量に引かれている。。光永は……ふふん。
「ああ、こいつらか。何日か前にこっちの方が性に合うってんで引き抜いてきたんだ。なあ久保、なあ赤松?」
「ええ、そういうことです、怜奈さん。今あなたが見ているのは悪い夢でも何でもない、現実です。
ちなみに真島君も言っていますが、彼らは別に操られているわけではありません。
自分の意志で私達についたのです。そうでしょう?星野さん、河下さん。」
382 :
争乱への突入:2008/03/05(水) 20:33:31 ID:NdVMXsbF0
「クク、そういうことだ。法律も編集仁義も糞喰らえ。俺がこっちのがいいって言ってんだからなァ。」
オレンジ色の髪をして幅広の奇妙な剣を背負った男。
「集英社より講談社の方が、楽なのよ。私は体が弱いしね。ふふふふ……」
ちょっと鬱っぽい危険な目つきの女。
「私は……えっと……誘われたから?」
ギリギリのスカートを履いたエロ少女漫画系の少女。
「そ、そんな……まさか……」
怜奈と畑が同時に言った。久米田もそう言いたそうにしている。
無理もない。
久保帯人、星野桂、河下水希。
週間少年ジャンプの看板から中堅層を担う実力者たちである。……若干性格に難はないでもないが。
それがことごとく裏切り、講談社に所属しているのだ。
しかもあの態度を見るに、移籍組であるということを抜きにしても真島や赤松より格下の存在らしい。
「それで、何の用なのです?まさか世間話をしに来ただけということはないでしょう?」
「おお、そうだそうだ。実はお前らに頼み事があってな。
『エンジェル部隊』を300人ほどよこしてくんねえか?」
「エンジェル部隊を?」
講談社に心酔する同人作家たちをサイボーグ化した実働隊、それがエンジェル部隊である。
(話には聞いていたけど……まさか実在していたなんて!)
驚愕に目を見開く怜奈をよそに、真島と赤松の物騒な会話が続く。
「しかし、昨日CLAMPさんたちの使った分がどうも全滅させられたみたいで‥‥。
まあすぐに補充しておくからいいんですけど、今300人は無理ですね。200でどうです?」
「200か。まあそんだけありゃあ十分だろ。」
人を完全に物扱いした会話である。
「あ、あの……。」
河下がおずおずと口を開いた。
「そんなにたくさんの人を集めて、いったい何をするつもりなんですか……?」
「決まってんだろ‥‥!? ジャンプをぶっ潰すんだよ!!」
383 :
争乱への突入:2008/03/05(水) 20:34:23 ID:NdVMXsbF0
「なっ……」
「ほう‥‥やはりそうでしたか。」
「え、えええええ!?本当ですか師匠!?」
「俺に聞くなー!!だが確かジャンプは車田正美に襲撃を受け半壊状態‥‥叩くなら今、かもな。」
「(ふが)」
ちなみに離反組は既に話を聞かされていたらしく、驚いた様子は見えない。
「つーわけで、早めによこしてくれよ。できれば今すぐな。」
「わかりました。‥‥ただ、私から一つ提案があるのですが、聞いてもらえますか?」
赤松が邪悪な笑みを浮かべる。
「何だ?言ってみな。」
真島もにやつく。この男がこういう顔をしたときは、大抵とんでもないことを企んでいるのだ。
「今のジャンプなら、よほど想定外の事態でも起きない限り楽に倒せるでしょう。
ですから50人ほどを別働隊として‥‥小学館、サンデーを叩きます。」
畑がとうとう失神して倒れた。
その横では、久米田が弟子の惨状にも構わず歓喜の踊りを半ば自棄になって踊り出している。
「ちょっといいかしら、赤松先生。」
「ええ。でも怜奈さん、止めても無駄だと思いますよ。」
「まあ、漫画家でもない私が言ったところであなた達が止まるとは思いませんけれど、
あのサンデーを改造同人作家ぐらいでどうにか出来るとも思いませんね。」
「おう、それだよ。俺もそいつが気になってたんだ。
兵力の無駄遣いは避けたいっていつも言ってんのはお前だぜ。それに、小学館まで相手にするのは面倒なことになりやしねえか?」
真島が割り込んできた。
「‥‥あなた達の疑問ももっともですね。もう少し説明させてください。
確かにサンデーをこんな手で倒せるとも思いませんし、小学館とおおっぴらに対立するのもまずい。
ですが、襲撃を仕掛けたのが講談社ではなく秋田書店だったらどうですか?」
怜奈も真島も、久米田までもが凍り付いた。なんということを考えるのだ、この男は。
「……!! まさか、変装して……?」
「秋田なら確かに小学館とは因縁があるからな‥‥。で、秋田に小学館の目がいってるうちに例の計画を進めちまうってわけだ。」
「そう。もう少し言えば集英社に向かう方も、秋田書店の仕業に見せかけるのです。
せいぜい、無駄な戦いをしてもらうとしましょう。」
384 :
争乱への突入:2008/03/05(水) 20:35:17 ID:NdVMXsbF0
「よし、話はまとまったな。久保!星野!お前たちは俺と一緒に集英社攻撃に参加!!
河下は矢吹の野郎を洗脳装置に叩き込んで目を覚ましてやんな!!」
『矢吹』の語に怜奈が反応した。
「矢吹?矢吹とはまさか、矢吹健太朗ですか!?」
「その通りですよ。彼らが集英社から離反するとき、ついでに拉致してきてもらったのです。
矢吹君はまともなラブコメなどを描かせておくには惜しい逸材です。昔のように無節操なパクリを思い出せば、なかなか頼もしい戦力にな
るでしょうね。」
赤松は先程までより更に凶悪な笑顔になっている。自分の思惑通りに事が運んでいくのが楽しくてたまらないという顔だ。
(なんてこと……いったいどうしたら、この計画を止められるの!?
どうして私は、ただ見ていることしかできないの!?)
怜奈が思い悩んでいる間に、真島たちは行ってしまった。
外ががやがやと騒がしくなる。エンジェル部隊が集合しているのだろう。
「さて、お騒がせしました。説明を続けましょうか。」
385 :
争乱への突入:2008/03/05(水) 20:35:46 ID:NdVMXsbF0
所変わってこちらは山根&青山&余湖。
板垣対策と小学館対策に頭を悩ませているところへ、更なるニュースが飛び込んできた。
「もしもし、青山先生ですか!?」
「おう、ワイや!どないした!?」
偵察隊の声が裏返っている。どうやら相当アレな事態が起こったらしい。今度はいったい何だ。
「謎の集団が集英社へ向かっています!推定人数150名前後!!」
「ひゃ………なんやて!どこの連中や、そんな無茶をしよるのは!!」
「そ、それが……」
「焦らさんとはよ言わんか!!!」
「全員、秋田の……チャンピオンの紋章が描かれた服を着ています!!」
「な、なんやてーーーーー!!!!!」
某パンと某MMRを足して2で割ったような叫び声が部屋にこだました。
「さーて、てめえらの古巣をぶっ潰しにいくぜ。覚悟は出来てっか?」
エンジェル部隊の制服+秋田に見せかけるための変装を身につけた真島。
「ああ、今更あんなとこに未練なんざあるかよ。」
同じく久保。
「……でも、こんないかにも怪しい格好で本当にばれないのかしら?」
同じく星野。
「まあ、赤松がやったんだから大丈夫だろ。それより目立たないように気をつけろよ。
あくまで秋田書店の連中がやったと思わせないといけねえんだからな。俺達がいるってばれたらヤバいぜ。」
「おう。」「……了解。」
命令が二人と全軍に伝わったのを確認すると、真島が再び号令を掛ける。
「よし、そんじゃあ全速前進といくぜ!!!」
それじゃあ小説にならないってツッコミがあるのは分かる
だけど人数が多い時はセリフの前に名前があると見やすくて助かるんだ
今更だけど
台本形式のほうが書き慣れてないのでかえって書き辛かったりする。
少々冗長になってももう少し地の分で説明したほうがいいかな?
そうするとよけいに分かりにくくなると思う
台本形式と肩を張らずに単純に、名前「」ってあると読みやすいってだけだから
合わないと思ったら無視してくれ
小学館の命令で雷句誠は講談社を襲撃した。
寺嶋裕二「何しやがるんですか、雷句先生!」
雷句「すまない、俺も今は無職の身だ。許してくれ…」
寺嶋「ぎゃぁぁぁぁぁ…」
寺嶋は集英社に強制送還されてしまった。
所変わって集英社。
強制送還されてしまった寺嶋は、
「講談社に戻る前に集英社を襲撃する。」
と小林尽に予告。
小林「僕も襲撃する。今から出る。」
というのが小林の答え。
小林は、集英社へ向かった。
集英社に着いた小林。
寺嶋と小林は、遂に襲撃を決行した!
所変わって講談社。
雷句は、赤松と真島を襲撃しようとするが失敗。地下牢に閉じ込められた。
雷句「俺はいつ地下牢から出れる!」
瀬尾公冶「僕は赤松先生と真島先生の命令でね…地下牢の監視をやってるんですよ。きっきっきっきっきっ…」
雷句「早く俺を出せ!」
雷句は魔法呪文を詠唱するも効果はゼロ。
瀬尾「そらそうよ。お前の魔法は全てカットされてるんだから。」
雷句「ならば力ずくで脱走してやる!」
雷句の復讐はここから始まった。
登場人数:4
退場人数:0
現在の人数:54/60
雷句・小林・寺嶋・瀬尾が追加?
キャラ増やすのはいいが、ちゃんと使いこなす気あるんだろうな作者
現在、講談社を軸に各出版社が巻き込まれ、状況は混迷を極めている。
各陣営共にその未来が見えない、それ故に未来が気になる状況にある。
しかし私はあえてここで一旦、時計の針を少し戻すことにしよう。
そして舞台はあの電柱が乱立する奇妙な荒野へ。
「光原先生!?」
「ええ。…暫く会わない内に貴方、少しイメージが変わったのね。」
ゆるいウェーブ気味の髪で片目を隠したこの熟…妙齢のお姉さんが、
つまり光原伸がいつからそこにいたのか、それは分からない。
ただ彼女は昔と同じく「どこにもいないが、常に貴方の隣に」いた。
「もう自分の台詞を吹き込んだテープとラジカセを持ち歩くのは
止めたのかしら?バイクは乗ってる?」
そう言って光原は悪戯っぽくクスッと笑った。
許斐は光原が以前より物腰が柔らかく、気さくな事に少し驚いた
同時に、あの作品の事はあまり話に出さないで欲しいと思った。
「さて、この状況でどこからどこまで説明したものかしらね、先生方?」
(先生方?)
光原その言葉に、許斐は怪訝な表情をした。
見渡す限り自分達二人しかいない荒野で「先生方」?
もしや、と思って背後を振り返るもやはり誰もいない。
「こっちよ、許斐先生。」
その言葉に許斐が向き直ると、いつの間にか光原の傍らに何人か増えていた。
山高帽に背広のどこか儚げな紳士に目付きが少しキツイ黒いセーラー服の少女、
そしてフリルがフリフリでヒラヒラのフェチなメイド服を着た可愛らしい女の子だ。
「右から順に高橋葉介先生、吉富昭仁先生、佐藤健悦先生ね。
あ、佐藤先生は男の子よ。悪しからず。」
…どうやらここが普通と違う世界というのは確かなようだ、と許斐は思った。
393 :
熟女(ry:2008/03/09(日) 15:18:05 ID:Rfl47KiP0
「無理も無いわね。私も初めて男の子だって聞いた時は耳を疑ったもの。」
愕然とした表情の許斐へと光原が話しを続ける。
「でもこれはこれで良い物よ。ほら、最近あの八神先生まで言っていたもの。
『あんなにカワイイ奴が女の子のハズねーだろ』ってね。そもそも…」
「光原。」
高橋の言葉で光原がぴたりと喋りを止めた。
「フフフ、冗談よ。そんな顔しないで。」
一瞬躊躇ってから、光原は高橋の方へ振り向いて軽く答えた。
どうやらあの山高帽の高橋は光原よりも目上らしい。
「冗談言っている場合でもないよ。」
目付きのキツイ少女、吉富も続けて口を開いた。
「何か講談社のバカ連中が先走るみたい。ほら。」
そう言うと吉冨は許斐の右を指差した。
その言葉に全員がその方向を向くと
「今のジャンプなら、よほど想定外の事態でも起きない限り楽に倒せるでしょう。
ですから50人ほどを別働隊として‥‥小学館、サンデーを叩きます。」
講談社であの赤松健が熱弁を振るっていた。
「まったく、古巣がバカやっていると気が重いよ。」
その様子を見て吉富は不機嫌そうに吐き捨てた。
「まったくね。私達の見ていた未来とはすっかり別物になってしまったわ。
…本当にこの状況、厄いわね。」
と、光原も少し憂鬱そうにため息をついた。
しかしあの男、今の集英社が物の数ではないとは何様のつもりだ。
確かにあの2人の襲撃で損害は受けたが、まだ鳥山、冨樫、荒木に
和月、大暮その他多数の人材は健在だ。あの尾田のニセモノと赤松で
どこまでいけるものか…そんな事を許斐が考えていたら
「あのバカ眼鏡、ちょっとシメてもいい?気に入らないからさ。」
吉冨が何気にとんでもない事をさらりと口にした。
394 :
熟女(ry:2008/03/09(日) 16:29:09 ID:Rfl47KiP0
「駄目だ。我々はこの現実への介入を認められていない。」
高橋が少し語気を強めて吉冨に答えた。
それを聞いた吉冨は何か反論したそうだったが、
少しして「ちっ」と舌打ちして黙った。
それから吉冨と光原の2人が黙りこくってしまった。
許斐は状況が理解出来てないから言うべき事が纏めきれず、
その結果、何となく発言が憚られる気がして質問出来ず、
高橋は元から無口で必要以上に喋らない為、全員揃って黙ってしまった。
相変わらず赤松の熱弁だけが響いているのがどうも気まずい。
その時、許斐達の前に淹れたての紅茶とスコーンが順番に置かれた。
「あの…皆様?お茶…宜しければ、どうぞ。」
お茶のトレーで顔を少し隠して、伏目がちにこちらを見る
サトケンのその様子は、とてもベタな美少女のソレだった。
「気を使わせちゃって悪いわね、佐藤先生。有難く頂戴するわ。」
「…ありがと。」
「頂こう。…美味いな。」
「うん、いい紅茶だね。ありがとう。感謝するよ、佐藤先生。」
4人がそれぞれサトケンへの感謝を口にした。
それからしばらく、和やかなお茶の時間が続いた。
だがその時間もそれほど長くは続かなかった。
原因は空に映し出された集英社入り口の地獄のような光景のせいだった。
その光景の中央にはウルジャンの漫画化が一人、大暮維人がいた。
全 裸 で。
周囲には襲撃をかけ返り討ちにあったらしき敵部隊の女性達が20人程転がっていた。
女性達の様子は…まぁ、大暮のアレな漫画のハードなアレの後って感じだった。
黒光りするアレを天に届くほど反り返し、咆哮を上げる大暮を見て、5人はドン引きした。
395 :
熟女(ry:2008/03/09(日) 16:59:04 ID:Rfl47KiP0
「何が秋田だ!鬼畜!劣情!勝利だオラァ!ス○ルファックも描いた事がねェ腰抜けの
ヘナ○ン共が調子コイてんじゃねぇ!来やがれ!片っ端から犯してやるぜファック!」
完全に交通封鎖、マスコミもシャットアウトされている為に、普段より性癖を抑える必要無く
少しハードにしかし、とても楽しそうに暴れる大暮を見て、少なくとも許斐は不快感を覚えた。
その時ぽつりとサトケンが口を開いた。
「…あの、光原先生、許斐先生?2人とも確か集英社でしたよね。
あの方ってお知り合いですか?」
「……いや。」
「……私も知らないわ。」
「あの感じ…」
サトケンが一度口を噤んだ。
「…あの感じって、もしかして何かあったの?」
光原がちょっと柔らかい口調で話を促した。
「…僕の御主人様や山本師匠を思い出して何だかちょっとゾクゾク来ます!
僕も昔はあんな風に叩いて縛って殴って刻んで犯してもらってたんです!
あぁ…こっちに来てからも僕をあんな風に虐めてくれる御主人様が…」
顔を赤らめて少し前屈みになって碌でも無い事を嬉々として話す
サトケンに許斐達は大暮の時よりもドン引きしたとさ。
ドン引きのままつづく?
ここではエロってどこまでOKなんだろう。やはり挿入とかはだめなのかな。
一応、全年齢版だからな…流石にホンバンをそのまま描写すんのはNGだろう
匂わせるつか、そのものズバリな描写はボカしとけばOKだと思うが
とりあえず魔獣狩りあたりまでが境界線じゃないか?
あと、赤松が強気なのは標的を週刊ジャンプだけに絞ってたからってことでどうか一つ。
398 :
390の続き:2008/03/09(日) 21:59:12 ID:H/P8W5i50
講談社地下牢では、雷句と瀬尾の死闘が繰り広げてた。
両者、ノックダウン寸前。共倒れも有り得る。
「これが最後だ!」
と雷句は呪文を詠唱。
瀬尾「ぐわぁぁぁぁぁっ…」
瀬尾はノックダウン。雷句は瀕死寸前ながら見事脱走したのだった。
そして、雷句は講談社地下の医務室のベットで丸一日眠ったのであった…
赤松「何だ、瀬尾が倒れた!?今すぐ救急車を呼べ!」
篠原知宏「はい。雷句誠に倒された模様です。」
赤松「そうか、わかった。俺も出陣の時が来たか。篠原、お前はここで待ってろ!」
赤松は襲撃中の小林と寺嶋に連絡。
赤松「俺も集英社に向かう。お前らは下へ向かえ。」
集英社のロビー。赤松は寺嶋と小林を呼び出し、合流した。
赤松「俺、寺嶋、小林は今から集英社に向かう。いいな!」
寺嶋・小林「はい!」
とりあえず瀬尾OUTね。
400 :
衝撃:2008/03/09(日) 22:21:23 ID:H/P8W5i50
集英社4階。真島の部隊と赤松の部隊が合流した。
真島「まさか赤松先生も出陣とは…」
赤松「ああ、出陣もやむ負えない。瀬尾が雷句にやられたからな…」
真島「これは酷い…」
赤松「とりあえず両部隊は合併だ、私が指揮をやる。お前らは迷わず進め!」
赤松部隊、遂に集英社を襲撃する…
401 :
激闘の果てに:2008/03/09(日) 22:26:23 ID:H/P8W5i50
雷句は師匠の惨状を知らずに講談社を立ち去った。
小学館に戻った雷句。雷句はすぐ講談社での戦績を報告。
雷句は小学館の防衛に就いた…
>>397 まあ今の週刊ではなあ…リアルでもマガジンのが発行部数上だし十分潰せるよな
ウルトラジャンプ組は、週刊から島流しされた古参orロックな面子だから、ぶっちゃけ週刊の連中の事疎ましく思ってる奴大半っぽい印象
403 :
小ネタ:2008/03/10(月) 02:32:47 ID:ad5VWsAy0
所変わって小学館。
下界の喧騒と対照的に内部は落ち着いていた。
「とりあえず今、ウチを襲撃するのは秋田の雑兵が50程度らしいから
病み上がりの雷句君で全く問題ない。リハビリ程度にはなるだろう。」
ハットリくんのお面を被った胡散臭い男が窓の外を眺めながら、
道化師の格好をした胡散臭い男に話しかけた。
お面の変質者は小学館屈指の策士、浦沢直樹。
彼は元々秋田に対しては警戒態勢を取るよう指示していたが、
秋田の2人が集英社を襲撃してからは即座に警戒水準を上げ
いざという事態にきっちり対処できる体制を整えさせていた。
故にこの程度の襲撃ならば主力を呼び戻すまでも無く対処可能で
浦沢の態度にも余裕があるのは尤もだったのだ。
「…それで、君の所はどうだ?雑兵とは言え150をあのレイプマン一人で
相手するのは少し問題が無いか?」
浦沢の問いに道化師は事も無げに答える。
「問題無いよ。敵の中に人鬼や隻腕の狂人がいれば別だけどね。」
「そうか。」
それからちょっと間をおいて、浦沢が窓から目を離し道化師に向き直った。
「で、何の用で今わざわざここまで来た、冨樫義博?」
その質問に対して冨樫は剃刀で切ったような鋭い笑みを無言で浮かべた。
うわ、すっげー嫌な2ショットwww
サトケンがドMでワロタ
えなりシリーズってスパロボっぽくゲームに
したら面白いんだろうな
無理だけどな
赤松 何か現場の方がゴタゴタしているようですので、ちょっと見てきますね。
皆様の後方支援、頼りにしていますよ。それでは。
ヒ ュ ン !
怜奈 …………。
畑 …………。
久米田 …行きましたよね?
怜奈 ……ええ。
久米田 …暫くは、戻ってきませんよね?
怜奈 ……多分。
全員 く は ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ 〜。
畑 いやー、赤松先生と一緒にいるとホント息が詰まりますねー。
とりあえず少し楽にして下さい。僕、お茶入れてきます。
怜奈 ありがとう。それはそうとあの人と一緒に仕事をする貴方達には同情するわ。
…あ、久米田先生、先程は御免なさいね。仕事とは言え失礼な事言って。
久米田 いいんですよ。私はそういう事言われるの、慣れてますから。
怜奈 そんな事言わないで。それにこちらの気が済まないわ。
久米田 いいんですよ。私が一般受けする少しHなラブコメを描けないのも事実ですし。
怜奈 そんな事…
久米田 普通の人はもう記憶に無いかもしれませんが、私、昔いたとある雑誌で
普通のHなラブコメに挑戦した事があったんですよ。
怜奈 ええ。アイスホッケーと平行してやってたアレね。
久米田 よくご存知で。アレをやる前に、自分なりに色々調べてみたんですよ。
どうすればウケのいい、売れるラブ&エロコメがやれるかって。
怜奈 そうですか。
久米田 これまで発表された名作ラブコメを分析的な目でキッチリ鑑賞して、雑誌のツテで
ラブコメの大家の皆様にレクチャー受けて、色々やって…なのに…それなのに…!
怜奈 あの…。
久米田 キェ――――――――――――!!
怜奈 あの…。
久米田 キェ――――――――――――!!
怜奈 あの…。
久米田 キェ――――――――――――!!
怜奈 ……。
久米田 キェ――――――――――――!!
畑 落ち着いて下さい、師匠。
久米田 …ハッ。
畑 落ち着いて下さいよ。ラブコメが出来るかどうかなんて、今の
師匠には大した事じゃありませんよ。今の師匠は何といっても
単行本もアニメDVDもバカ売れの売れっ子作家なんですから。
久米田 …そうなんですか、畑君?
畑 そうですよ。僕も一応先生と同時期にアニメやってましたけど
近所のビデオ屋では先生の作品の方が回転が速かったみたいです。
久米田 …本当にそうなんですか、畑君?
畑 ええ。その店の店員も『あそこまで回転の速いアニメ作品はハ○ヒか
ら○すたかグ○ンラガン位の物だ。』って言ってましたから。
胸を張って下さい。先生は今、売れっ子です。
久米田 …そうなんですか。
畑 ええ。先生は今、売れっ子で講談社の看板も同然ですよ。
久米田 ありがとう、畑君。…ああ、怜奈さん。もう大丈夫、落ち着きましたよ。
怜奈 ……はぁ。
畑 それではお茶にしましょう。
久米田 ありがとう。…うん。君の入れる紅茶はいつも美味しいですね。
怜奈 ありがとう。…本当、美味しい。凄い、凄いわ、畑先生。
畑 執事の嗜みですから。
怜奈 (ところで畑先生、先程の話って本当?)
畑 (嘘です。)
[えなりの冒険実録]は次レス以降も続く!(本当)
怜奈 そーいえば、さっき他にもいたじゃない。あの可愛い女の子とふふんの人。
あの二人はどうしているのかしら。
畑 河下先生は矢吹先生の洗脳中で、光永先生はちょっと用事があるからって
どこか出かけましたよ。多分、河下先生はもうすぐ戻ってきますよ。
怜奈 (…ふふんの人、ちゃんと喋れたんだ。意外だわ。)
河下 すみませーん。水希、ちょっと遅くなっちゃいましたぁ。
…あ、そのクッキー美味しそうですねぇ。
久米田 ああ、河下さんですか。ちょうど良い所に来ました。お茶にしましょう。
その様子ですと、もう矢吹先生の事は片付いたようですね。
河下 はぁい。いつもと比べて色々と大変でしたけどぉ、何とかしてみましたぁ。
怜奈 ( ”ビキッ” )
久米田 その喋り方はお止しなさい。
河下 …あ、はい、すみません。ちょっと仕事との切り替えが上手くいかなくって。
怜奈 仕事って?
河下 洗脳ですよ。先程ですと矢吹先生の。
畑 先生は洗脳のエキスパートなんです。男なら河下モード、女なら桃栗モードと
臨機応変に使い分けてメロメロに洗脳するんですよ。
河下 えへへ。
怜奈 でも矢吹先生って元々洗脳にかかりにくいとかいう理不尽な設定持っていて
何か色々そういうのに強いとか聞いた事ありますけど。
河下 そうでもないですよ。良ければ先程の洗脳のログ、見てみますか?
怜奈 …いいのかしら、私、部外者よ。
河下 いいんですよ。上から一応許可貰ってますし。
怜奈 そーですか。
怜奈 で、ここがさっきまで貴方が洗脳してた場所ね。矢吹先生もここに寝てるし。
…文章って本当に便利よね。移動したって書けばそれで済むんだから。
畑 何の話ですか?
怜奈 こっちの話よ。で、そのディスクが洗脳のログって訳ね。
河下 ええ。それでは再生しますね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 再 生 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
矢吹 …やっべぇやべぇ。今日からだってのにこのままじゃ遅刻だ。急ぐか!
河下 はわわ〜遅刻遅刻ぅ〜。もう月曜から遅刻なんて信じられないよぉ〜。
矢吹 うわぁぁぁ!
ド ガ シ ャ ー ン
河下 あいたたた〜。う〜ん、大丈夫ですか
矢吹 ッ痛ぅ……って……イチゴ?
河下 …え…これって…
矢吹 あの…その……。
河下 キャ―――――――!このエッチ!バカ!ヘンタイ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 中 略 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
矢吹 今日からこちらに編入します矢吹です。よろしくお願い…って?
河下 あ―――!!コイツ朝から私のスカートの中見たヘンタイ!何でココにいるのよ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 中 略 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
河下 矢吹君?もう学園祭の準備割り振り分は終わったじゃない。何でココに?
矢吹 何でって、そりゃお前が一人でこんな事やってるのに放っておけないだろ。
二人なら10時までには終わるさ。さ、とっとと片付けようぜ。
河下 矢吹君…。
怜奈 せっ!
ポ チ ッ
河下 あ。
久米田 あ。
畑 あ。
……っていきなり何をするんですか怜奈さん!ここからがいい所なんですよ!
やっと親愛度の上がった二人の前に第2、第3のヒロインが登場して関係が拗れて
その時本命ヒロインが大怪我か何かして見舞いイベントがあって看病して枕元で
怜奈 黙れ。
畑 はい。
怜奈 …もう十分だわ。話を先に進めて頂戴。
河下 あ、はい。まぁとにかくこんな感じのシナリオ頭に流して矢吹先生を洗脳したんですよ。
もうそろそろ仕度も終わって出てくる頃です。
怜奈 仕度って?
河下 赤松先生の集英社襲撃の手伝いですよ。
怜奈 …って、あんな洗脳で今まで長い事世話になってる会社を裏切って殴り込みって、ねぇ…。
河下 静かに。…来ました。矢吹先生です。
矢吹 待たせたな、水希!
河下 矢吹君…。
矢吹 どうしたんだ?
河下 …駄目だよ。私なんかの為にそんな事しちゃダメだよ。
あそこには矢吹君の大切な仲間がいるじゃない。
矢吹 構わないさ。例え世界を敵に回しても水希を泣かす奴は俺が許さない!
河下 ……。
矢吹 だからさ、そんな顔するなって。必ず戻ってくるからさ。…あー、そうそう。
河下 何?
矢吹 もしこの戦いから戻ってこれたらさ、「矢吹君」じゃなくて名前で呼んで欲しい…
なんてね。それじゃ行って来る!講談社の他のみんなに宜しくな!
河下 …矢吹…君。
怜奈 …………。
畑 …………。
河下 …行きましたよね?
久米田 ……ええ。
怜奈 ……多分。
河下 ってまぁ、こんな感じです。
畑 いやー、いつも見事な腕前ですね。他の人ならこうは行きませんよ。
久米田 まったくですよ。やはり餅は餅屋ですよね。…どうしました怜奈さん?
怜奈 (…このバカ共、思いっ切りブン殴りてぇ…ッッ!)
怜奈 (そういえば、普通にしている時は無駄にパンツ見せたりしないのね。)
河下 (それはもう。パンツ見せるのも仕事ですから。)
怜奈 (そう。)
河下 (ただ見せれば人気取れる物でもないですし。)
怜奈 (……。)
河下 (どうしました?)
怜奈 (…やっぱり貴方って)
河下 (はい?)
怜奈 (プロよね。ムカつく位。)
河下 (よく言われてます。)
つづく
こいつプロ中のプロだ……。
読者受け狙いもとことんまで突き詰めれば技になるんだな。
関係ないけど、結構面白いスレだと思うのに人が少ないのはなんでなんだろう。
SSにレスが2つも付けば多いほうだなんてこのクオリティにしてはおかしいような気がする。
まあ過疎板だし
週漫と少年漫画に分かれた時からこうなるのは決定されてたようなもんだから
個人的には読み手も書き手も少人数で回っている今の状態の方が気楽でいいよ。
とりあえず自分はジャンプ読んでないからジャンプ作品のネタ増やせないし。
そういや、マンキン完全版がでたよな
桃種は「メル欄」だから武井に申し訳ない部分あったりして
篠原 畑先生、篠原知宏です。講談社に居残りしています。
畑 篠原先生、お疲れ様です。紅茶はいかがですか。
篠原 ありがとうございます。美味しいです。
畑 いいえこちらこそありがとうございます。これも執事の嗜みですから。
久米田 ところで畑君、篠原先生とはどういう関係なのかね?
畑 そうですね…師匠もご存知でしょうが、篠原先生は赤松先生の命令で講談社に残ってるのです。
久米田 (それは知らなかった…)
篠原 久米田先生、畑先生とどんな話をしてたのでしょうか?
久米田 畑君は私の弟子ですので…改蔵連載時代の話を。
篠原 (そうだったんだ…)
417 :
狡知 そのA:2008/03/15(土) 13:24:17 ID:rdrN6OBu0
「なンだ赤松、てめえも来たのか?」
集英社入り口、暴走する大暮を攻めあぐねている真島の横に、音もなく赤松が現れた。
「ええ‥‥。少々そちらが面倒なことになるかもしれないと思いましてね。
向こうは久米田君と畑君、あと光永君に任せておけば問題ないでしょうし。」
「なるほどな。こっちはお察しの通りちょっと困った状況だ。あそこの変態野郎が邪魔で特攻(”ブッコミ”)出来ねえ。
つーかあいつ大暮じゃねえか。エアギアより天上天下の方が大事ですかそーですか。
それ以前にあいつウルジャン所属のはずなのになんで週ジャンのとこにいんだよって話だ。」
「確かに、どうして彼がここにいるのかは気になりますね。事と次第によっては向こうにさらなる増援が来る可能性もありますから。」
そう言っている間も大暮は哀れな犠牲者(主に女)を弄んでいる。
これではどちらが悪役だかわからない。わからないが、このままでは兵士の士気に影響が出ることは間違いないし、
何より集英社に入り込めない。ということはジャンプを潰せないということであり、目的を達成できないということである。
「だがよ、少々しゃくだが俺とお前なら奴ぐらい楽に潰せるだろ。」
そう言って赤松の方を見ると、心底呆れたと言わんばかりの視線を受けた。
「な‥‥何だよ。俺はそんなに変なことを言ったかよ?」
「ええ。‥‥確かに私と君なら大暮君を倒すことはできるでしょうが、彼もなかなか強いですからね。
おそらく私達の能力をフルに‥‥とは言いませんが、相当踏み込んで使う必要があるでしょう。」
そこまで言われて、真島もようやく気がついた。
この集英社襲撃は目眩ましも兼ねている。あくまで秋田書店の仕業であると思わせなくてはならないのだ。
自分たち講談社の仕業だとバレたら、台無しどころか下手をすれば窮地に追い込まれかねない。
ほぼ確実に集英社と小学館を敵に回すことになるからだ。
「確かに、俺達じゃあ講談社のもんだって丸わかりだしな。マックガーデンの連中じゃ力不足だろうし‥‥。
そうだ、久保と星野にやらせるってのはどうだ!?」
「なるほど‥‥。悪くない考えですね。集英社の人たちは、彼らが裏切ったことは知っていても、どこに付いたかは知らないはずです。
ついでに『無理矢理従わされてる感』でも出すように言っておきますか。」
「決まりだな。連中は兵士の中に紛れてるはずだ。ちょっと呼んでくるぜ。」
418 :
狡知 そのA:2008/03/15(土) 13:25:20 ID:rdrN6OBu0
ここで話は昨夜にさかのぼる。
何のことはない、荒木&皆川vsCLAMP(もこな除く)の戦闘は実のところ昨日の話なのだ。
さて、国会議事堂での戦いは地上で皆川vs猫井、屋根の上で荒木vs大川&いがらしというカードになっている。
「氷の刃!!」
「甘えっ!!!」
猫井から放たれた文字通りの氷の刃を、皆川が超振動ナイフではたき落とす。
と同時にダッシュで接近してナイフによる攻撃を繰り出したが、これは猫井のレイピアに受け止められた。
「ちっ……超振動ナイフで切断できねえかよ。これだからファンタジーな理不尽アイテムは嫌いなんだ。」
「よく言うわよ。自分だって十分ファンタジー世界の住人じゃない。気がどうとか言ったり変身したりとかさ。」
軽口を叩きながらも、お互い相手の出方をうかがっている。隙あらば即攻撃に転じる構えだ。
場面変わって、こちらは屋根の上。
スタンド『キャッチ・ザ・レインボー』によって固定された雨粒でドームを作り、防御の姿勢をとった荒木。
まあ内側で何を企んでいるかわかったものではないが。
そして少し離れた場所からそれをにらむ大川といがらし。水ドームの攻略法を思案しているのだろう。
何しろ材料は今も降り続く雨粒そのもの。気のせいか、更に大きさを増しているようにも見える。
いくら熱で簡単に蒸発するという弱点を知っているとはいえ、これを撃ち破るのは非常に難しいと言わざるを得ない。
「それは‥‥全部消そうとするからよっ!!!」
大川が何かを思いついたらしく自信満々といった声で宣言する。 というか地の文に反応するな。作者もっと文章力つけろよ。
「いがらし、私に火(ファイアリー)を撃ちなさい!!」
「えっ‥‥? あっ、そうか!そういう事ね!!!」
いがらしも何をする気か合点がいったらしく、カードを取り出して何やら唱え始める。
「『星』の力を秘めし鍵よ!真の姿を我の前に示せ!!
レ リ ー ズ
契約の元寒月が命じる!!! 『封印解除』!!!!」
空に魔法陣が浮かび、杖の羽が大きく広がった。
419 :
狡知 そのA:2008/03/15(土) 13:26:44 ID:rdrN6OBu0
「よーし、頼むわよ。‥‥でもなんで今更封印解除を? さっきからカード使ってるのに。」
「‥‥言わないで。まあ見せ場だしってことでいいんじゃない?
ファイアリー
『火』!!! 火よ!かの者に宿りそれが剣となれ!!!」
いがらしが火球を放つ。
「そうね、これは見せ場だわ。だって、今ここで‥‥」
大川が火球を受け止め、左手に纏わせる。
自分も発火能力を使えるんだからそっちを使えばいいと思っただろうが、大川にはもう一つ別の能力を使う予定があった。
「あの荒木飛呂彦を私達が倒すんだもの!!!!」
そう叫ぶが早いか、荒木に向けて猛然と走り出す。
踏み込まれた屋根に足跡が…否、遠目にもそれとわかる凹みが付いている。どう見ても運動向きではない女性だとは信じられない力だ。
詰まるところ、この力も力の一つ。この(運動能)力も(異能)力の一つなのだ。
能力として純粋なパワーを得るというのは妙な気もするが、実際に一定数存在する。
それも序盤のやられ役だけでなく、仲間や中盤の壁ボス、果ては主人公やラスボスの時すらあるのだ。
話が横道に逸れたが、とにかくそれにいがらしの火を足すことで荒木の水バリアを打ち抜くだけの威力を得、
そしてその奥にいる荒木本人をも焼き尽くして殴り抜ける。それが大川の策である。
「さようなら‥‥荒木先生!!!!!」
十分な加速度と熱を持って叩きつけられた大川の拳は、果たして目論み通り水の壁を貫き、中の荒木にまで突き刺さった感触があった。
420 :
狡知 そのA:2008/03/15(土) 13:27:46 ID:rdrN6OBu0
と同時に大川はもう一つの感覚を認識していた。
右腕がやけに熱い。いがらしの火によるものではなく、内側から熱が這い上がってくる。
その『熱』が『痛み』であることに気付いたとき、初めて大川の表情が崩れた。
「お‥‥大川さん‥‥?」
「う、うう‥‥」
雨に混じり、血が議事堂の屋根を濡らす。
「うわああああぁぁぁぁっ!!!!!」
大川の右手は左右から鋭利な刃物で滅多切りにされていた。実際の所はどうか知らないが、とにかくそんな傷だ。
それぞれの傷も深い。恐らく骨まで達しているだろう。
「か‥‥壁の中に挽肉ミンチマシーンがッ!!!」
「大川さん!?」
「この部屋は‥‥この部屋は牢獄なんかじゃないッ!!」
「ちょ、ちょっと、しっかりして!!」
「ここは『処刑室』だッ!!!!」
「大川さん!!!」
パン、と乾いた音が響いた。いがらしが大川に平手打ちを入れたのである。
「はあ、はあ‥‥と、とにかく、とりあえず落ち着いて。」
「え、ええ‥‥。このぐらいの痛みなら、大丈夫‥‥。取り乱してしまって‥‥、ごめんなさい。」
さすがに素早く立ち直った大川といがらしの耳に、バケツを……いや、池をひっくり返したような激しい水音が響く。
見ると、荒木の作った水のドームが崩れている。
「くっ……ハーッ ハーッ……『CLAMP』……。『高熱のパンチ』……。
とっさに『鉄球』と『キャッチ・ザ・レインボー』で凌いだが……。」
水の壁は二人の想像以上に厚く丈夫で、突き破ったときには大川の拳から全ての熱は奪われていた。
そこに『キャッチ・ザ・レインボー』でミキサーのように雨粒を付けた『鉄球』を叩き込んで腕を完膚無きまでに破壊する。
これが荒木流の反撃であり、大川が恐慌物の大ダメージを受けた理由である。
だが。
421 :
狡知 そのA:2008/03/15(土) 13:31:04 ID:rdrN6OBu0
「クソッ!……!これは『偶然』なのか?それとも『知っていた』というのか!?」
それでも拳撃の威力は衰えず、荒木の胴を深く抉っていた。
『胴』を『抉る』。これは荒木漫画における悪役の共通必殺技であり受けた側の死亡フラグ『胴体ぶち抜きパンチ』そのものだ。
さすがに荒木の機転により威力は見る影もなく減衰していたが、それでも『自分自身のルール』により荒木のダメージもまた浅くない。
「CLAMPなら知っていてもおかしくない……。また狙われると面倒だが……
今重要なことは『違う』な。今やるべきことは……『二人をブチのめす』ことだッ!!!」
気合一閃、右手の鉄球が大川といがらしへ飛んだ。
「速い‥‥!! でも、この程度なら!!」
「避けられるわ!!!」
言葉通り二人は鉄球を難なく避け、更に反撃の構えを取る。
「おーそうかい、避けられる?避けちゃうの?
そんならよォ……こっちはどうだッ!!」
荒木が二発目の鉄球を大川に投げる。
「どうだッ!!って、同じじゃないの!!
がっかりよ荒木先生!!あなたも老いて腕が鈍ったのかしら!!?」
またしても鉄球をかわし、荒木の懐に入り込む。
そしてそのままとどめの一撃を
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「どっちを向いてるんだ?まだお前は『鉄球』を避け終わっていないじゃないか。」
右側から向かってくる破壊を感じ、振り上げた左手もそのままに大川が飛び退いた。
その鼻先を掠めて先程かわしたはずの鉄球が飛び去り、
422 :
狡知 そのA:2008/03/15(土) 13:46:23 ID:rdrN6OBu0
ガンッという音を立て、再び大川に向けて飛んできた。
「なにぃーーッ!! こっ、これはッ!まさかッ!!!」
隙を伺っていたいがらしが驚嘆する。
そして、荒木お得意の解説台詞。
「『キャッチ・ザ・レインボー』で固定された雨粒を利用し!!
『ピンボール』や『ジェットコースター』のようにッ!! 弾き!レールを造り!!鉄球を操るッ!!!
名付けるならさしずめ……『キャッチ・ザ・レインボー・ジェントリー・ウィープス』ッ!!といったところかッ!!!」
鉄球はそれ自体に意志があるのではないかと錯覚するほど執拗に大川を追い掛けている。まあ本当のところは荒木の意志で動いているのだが。
そしてもう何十秒も飛び続けているというのに、一向に回転数が落ちる気配がない。これは『黄金の回転』のなせる技か、はたまた荒木の理不尽力か。
ともかく、戦況はもはや完全に荒木のペースだ。
大川は鉄球の防御に手一杯で、攻撃に転じる余裕はない。
いがらしは暴走気味な荒木に飲まれ、手が出せないでいる。知人であることが仇となったか。
だが、このまま荒木の勝利で終わるほど、彼女らも甘くはない。
たぶん。
なんか……とんでもない事になってきている!!
おれも書かなきゃいけないんだけどな、ネタが浮かばねえよ、えなり戦
赤松 それでは集英社正面の大暮君の相手はお任せします。
私は私で他にやる事がありますからこれで。
真島 あぁ…ってちょい待った。なぁ赤松。
赤松 何ですか。
真島 秋田書店っぽくって一体何をどうやればいいんだ?
赤松 ………!
真島 俺、よく考えたらあの出版社の事全然知らねェんだわ。
赤松 …とりあえず代表誌を何種類か渡しておきます。
よく目を通してから慎重かつ迅速に行動して下さい。
真島 サンキュー!いっつも頼りにして悪ィな赤松!
ンじゃアイツ達の所に行って来るぜ!またな!
赤松 ……ハァ
っていけませんねコレでは。さて、忙しい忙しい。
ヒ ュ ン !
真島 …ってな訳で、お前達であの変態をブチのめす事になったンだ。
ただちょっと条件があってな、普通にブチのめすンじゃなくて
特別な事情があって止むを得ず集英社に牙を剥いたって感じで
やらなきゃならねェ。面倒臭ェがな…ってオイ久保!
久保 何だ。
真島 あの変装用の衣装はどうしたテメェ!
久保 ダサいから脱いだ。
真島 ダサいからじゃねェだろボケェ!潜入中って事思いっ切り無視すンじゃねぇ!
しかも何だその妙にオサレな衣装とポーズは!ギャグか?ギャグなのか?
久保 何・・・だと・・・。
星野 落ち着いて、真島先生。
キレると岡田芽武とキャラが被るわ。
真島 うるせェ!
星野 まぁ、キレてなくても岡田芽武とキャラが被っているけどね。
真島 うるせェよ!
真島 …まぁいい。さっきの話の続きだが、要するにテメェ達は
秋田書店に関わりがあるって設定で集英社に特攻むンだ。
2人ともどうせ秋田書店なんぞ全然知らねェだろうから、
資料を持ってきてやったンだよ。ありがたく思いな。
久保 何冊かあるが…どれから読めばいい?
真島 あ。
星野 っていうか、貴方がそもそも読んだ事あるのかしら。
真島 うるせェ!いいから読めよコノヤロウ!
星野 じゃあ、私はREDと書いてある雑誌にするわ。
久保 俺は…週刊誌にしよう。
真島 なら俺は残りの烈とかいう薄いのといちごとかいうオタ臭ェのだな。
よっしゃ!チャッチャと切り上げて!ソッコーで特攻むぞオメーラ!
5分後
ヒ ュ ン !
赤松 …何か不安で戻って来てしまいましたよ。心配性ですかね。私も。
久保 赤松……
MAJIMAが…SERIOUSな事になった…!
赤松 そのラグーン語のような喋りは止めなさい。で、どうしました。
久保 死んじまったよ…二人とも……。
赤松 何ですって!?
久保 星野は…REDの表紙を開いたらシグルイ臓物クリアファイルに当たり……
真島は…三○靖冬と堀○砕三の作品に惹き込まれ…ペドフェリアに堕ちちまった……。
赤松 …本当ですか?
星野 嘘です。
真島 ってか勝手に殺したりロリコンにしたりするんじゃねェよ。
真島 …とは言え何かアレだな。俺には合わねェわ、秋田書店。
星野 私もよ。ボーイズラブは好きだけど、ゲイは大嫌いなのよ。
赤松 久保先生は如何です?
久保 俺は…読む気がしなくてな……。
真島 読めよ!
こんな感じで3人+1人が碌でもない事ばかりしている時、
大暮は「1秒間に10回レイプ」にまた失敗していた。
多くの漫画家達が己が思惑を秘めて暗躍している中、サトケンは
ドン引きする許斐&光原を背に、相変わらず大暮の少年誌どころか
ワニやコアを越えた一水社級の行為を至福の表情で鑑賞していた。
「んふぅ…ぅんん!もっと!もっお激ひく!突いへ!刺しへ!裂いえぇ!
広えへ!挿れへ!突いへ!壊ひれ!滅茶苦茶いひへ…ふあぁッ!」
多分正面から見たらゼッタイとんでもない事になってそうなテンションで
サトケンが大暮のオールナイトロングな行為を延々と実況するこの状況は
変態的な性行為にもスプラッターに耐性のない許斐にとって拷問だった。
(つい先程まで車田先生と死闘を繰り広げていたこの俺が
まさかこんな地の果てで変態行為を鑑賞しているとは
集英社の仲間達も絶対に思わないだろうな。)
どうしようもないこの状況下で、許斐はふと仲間のことを思い出す。
(病院に収容された尾田君に岸本君は眠っている頃だな。
鳥山先生と和月先生はそろそろ板垣を見つけた頃かな。
冨樫先生は…あの人の考えはやぱり読めないな。
フッ、いつに無く感傷的じゃないか、俺にもこんな…)
「やっやあぁらめえっ!すごいっすごいよほぉっ!んあっ!んあおっ!
もぉ!んおぉ!ほっちゃーん!ほ、ほーっ、ホアアーッ!ホアーッ!」
サトケンの奇声で許斐は我に帰った。そしてこの状況に改めて絶望した。
この地の果てで変態に囲まれたまま俺は何も出来ないのかと絶望した。
「アタシは変態じゃないよ。」
「 ! 」
その声に振り向くと
「吉富先生…?」
セーラー服少女姿の吉富が許斐に至近距離で銃を突きつけていた。
「どいて。」
吉富の声に、とっさに許斐は身を翻す。
その瞬間、吉冨の銃が火を噴き、
サトケンに5発の弾丸が叩き込まれた。
「何をする!いくら変態でもアンタ達の仲間だろう!」
思いもよらぬ吉冨の行為に、許斐は激高した。
だがその後の事態はさらに思いもよらぬ物だった。
「とりあえず止血を…」
「動かないで。下手に近づくと夢の中でR指定だよ。」
そう言うと吉冨は更に弾丸を数発打ち込む。
許斐は思わずサトケンの苦痛を思い顔を背けた。
しかし少しして許斐は妙な事に気がついた。
銃弾が打ち込まれているのにサトケンから悲鳴が聞こえない。
と言うより、先程と同じような嬌声が相変わらず聞こえるのだ。
「これは…?」
「あの程度じゃあの娘には効かない。」
そう言って袖をまくると吉冨の右腕が巨大な重火器へと変形した。
「秋田書店の筋金入りの変態2人にドMに調教されたせいでね、
可哀想だけどこれ位しないと大人しくなってくれないんだよ。」
その瞬間、吉冨の右腕が凄まじい轟音と共に火を噴き、
サトケンは五体の一部を欠損しながら派手に吹っ飛んでいった。
「これでも一緒に仕事してた頃よりはマシになったんだけどね。
…あ、光原先生に高橋先生。あの娘回収するからあとお願い。
この許斐先生に今までの事情、説明してやって。」
つづく
あ……秋田書店ってスゲェ……。
独歩な久保にワロタ。お前、読んでなかったんじゃないのか。
そして許斐………合掌。
>なお、UJはPEACH-PITを仲間に引き込もうとしているようだ。
トト神を誰か使ったのか?
YJのニュースを見てこのスレの恐ろしさを知った
>>430 それ書いたの俺だけど、一応桃種はUJに一回ピンナップを描いてて
UJスレ住民もローゼン終了のお知らせを聞いてから冗談半分に来い来い言ってたんだわ。
それを反映したネタのつもりだったんだ。まさか本当に集英社に来るとは夢にも思わなかったけど。
「黙っていては何も分からないな。単刀直入に話して貰おうか、冨樫義博。
今は君の不条理な暇潰しに付き合っている場合じゃないんだ。」
キレた笑みを浮かべる冨樫へ、浦沢が常より強い調子で言葉を続けた。
それに対して冨樫はあくまで異形な笑みを浮かべたままで答える。
「うん、小学館を代表してキミに今から集英社に来て貰おうと思ってね。」
「代表?」
「そう、代表。ウチとヨソのトップも直々に来るよ。」
それを聞いて浦沢は首を傾げた。
現在、集英社と小学館は秋田書店らしき勢力に同時に襲撃を受けている。
その状況下で暢気に会議を行っている暇など、それこそ無い筈だからだ。
「今回の小騒動に早急かつ完全に幕を引く為だよ。」
「完全に幕を引くだと?」
その冨樫の言葉に浦沢は更に首を傾げた。
そもそもこれまで様々な手を打ったにも拘らず全く効果が上がらなかった
秋田書店関連の問題を一度のトップ会談で沈静化させるのは不可能だ。
一体何のつもりだ、冨樫義博。
「話してもいいけど、ちょっと長くなるから後でね。」
「…要は今、真相を話す気は全く無いという事か。」
苦々しげに浦沢が冨樫へ答える。
「まぁ、そうだね。ついでにキミには同行への拒否権も無いよ。」
「だろうな。」
その瞬間、浦沢は不意に地面から現れた巨大な口に飲み込まれて消えた。
「あぁそうそう、せっかくだから一つイイ事を教えてあげるよ。
小学館の防衛をキミが心配する必要は全くないんだ。
何せ今回の襲撃犯はどこぞの二束三文の雑魚ばかりで
――あのタチの悪い秋田書店の連中は皆無だからね。」
そう言うと冨樫も小学館から音も無く消えた。
集英社入り口にて、大暮は久々の自主規制無しの暴力を満喫していた。
最近講談社の少年漫画分野での活動が主で、拷問や強姦は御法度とされており
多少欲求不満気味だった彼にとって今回の任務は渡りに船だったのだ。
シンプル ミノホドシラズ ブッコロ ジョートー
命令は単純、「集英社死守。侵略者は”DEAD or ALIVE”」
特攻んで来たのが個人的にも関わりのない秋田書店の連中なら遠慮は無用。
奴らが自分勝手に喧嘩を売って来るなら、ウチも相応の対応をしてやればいい。
全員纏めて生まれた事を後悔する程に嬲って壊して殺して犯ってやる。
実際に大暮はその通りに実行した。突撃する侵略者達を完膚なきまでに叩きのめし、
捕らえては一人づつ丹念に、正確に、肉体的にも精神的にも壊れるまで蹂躙した。
襲撃から暫く、38人を潰しその内32人を犯して壊した時点で侵略者達の足が止まった。
百人以上の侵略者達が大暮ただ一人を遠巻きに包囲したまま一歩も前に進めない。
只かの鬼畜に畏怖と憎悪の眼差しを向けるしか出来ないのだ。異常な状況だった。
その状況下で大暮は悠然と煙草に火を点け、一服した。
一服して大暮はある違和感に気が付いた。
秋田書店といえば絶対的な戦力差も省みず小学館に喧嘩を売った向こう見ずで
鬼畜・劣情・勝利を旨とした馬鹿連中と聞いてる。前の戦争でもクローン人間による
人間爆弾作戦や強化外骨格や憎悪を源としたTKを動力とする義手、義足開発の為の
各種人体実験を非公式ではあるが堂々と行っていたとも聞いている。
そんな連中にしては今回の襲撃作戦はあまりに正統派でキレイ過ぎる。
強姦前に歯を全て叩き折る必要も無ければ、膣内に爆弾セットも無い。普通過ぎる。
だが、その懸念は一筋の咆哮によって破られた。
前方を見ると後方の侵略者達を何人か跳ね飛ばし、恐るべき速さで向かって来る影がある。
大暮はその声とその動きに覚えがあった。
「よお、生きてて何よりだぜ矢吹さんよ。皆心配して…」
「重力(グラビティー)張り手!」
「ぶべらば!」
矢吹の不意の一撃を喰らって、大暮は列車にでも刎ね飛ばされたようにカッ飛び
きりもみで顔面から地面に叩きつけられた。
「集英社の外道め!女を泣かす奴はこの俺が!矢吹健太朗が許さない!」
「何…言ってやがる…そんなキャラじゃねぇだろ…テメェは…」
「うるさい!重力(グラビティー)張り手!」
「あじゃぱァ――!!」
二発目の攻撃で大暮はドアを突き破り、集英社内部へと吹き飛ばされた。
「今の内です!全軍突撃!」
大暮が吹っ飛ばされると同時に、赤松も全軍突撃の命令を出した。
忽ち包囲していた残存戦力100名以上が星野、久保の指揮で突入する。
普段はどちらかと言えばボケ役寄りの二人も流石はジャンプ現役作家、
やる時はやる人間であり、いざと言うときの動きは速かった。
「さて…先生の作戦通りに行くわ。矢吹先生は正面から編集部へ突入。
私は非常階段からコントロール室を抑えるわね。あの2人は別働隊として
自己判断で動いて貰って、久保先生は…」
「…俺はここに残る。」
そう言うと久保はスラリと刀を抜く。
「…奴の相手は俺だ…行け。」
「…成程ね。任せたわ。」
久保と大暮が吹き飛ばされた辺りの瓦礫の山をちらりと見てから星野が消え、
それに続いて矢吹にエンジェル部隊も次々と姿を消した。
一人残った久保は瓦礫の山へ刀を突きつけた。
「時間の無駄だ。起きろ下種。」
そのころ集英社屋上に一つの影が静かに空間転移してきた。
「始まったね。もうすぐだよ、浦沢クン。」
そう言うと冨樫は先程からのキレた笑みを更に歪めて笑った。
「…それで、あのヨクサル先生が板垣に勝てる可能性はどれ程あると思いますか?」
「まぁ、そうだな。1%位はあるぜ。あの目をした奴は時々とんでもない事をやらかすからな。」
集英社のとあるだだっ広い一室で、マホガニーの机の上に腰掛けたチョイ悪で粋な親父と
折り目正しいスーツ姿に眼鏡の大男が語り合っている。
「御冗談を。何日間か手を合わせましたが、彼では兆が一の可能性もありません。
経験と技術は互角ですが、埋め切れない肉体的なハンデが存在します。」
「オイオイお前さん、喧嘩で勝つために一番必要なモンを一つ忘れちゃいねェか?」
「私は根性があれば負けないと言う考え方は認めておりませんので。」
その時内線が鳴り、与太話は中断された。
「さて、奴らも突入してきたようだし、そろそろ準備でもするか。…そりゃそうと猿渡先生よ。」
「何でしょうか、本宮先生。」
「ガタイや技術だけで喧嘩の勝ち負けが決まるんなら、俺とアンタじゃ勝負にならねェがよ、
今の所は星は五分と五分だぜ。そこの所、忘れんなよ。」
本宮のそれを聞いて、相変わらず負けず嫌いな人だ、と猿渡はいつもの様に思った。
さて、舞台は集英社内部の別な一角。星野はエンジェル部隊数十名を引き連れて
建物のコントロール室へ一目散に向かっていた。ただ暫くして彼女は異変に気付いた。
集英社本社に突入したにも拘らず抵抗が無い、というより人影一つないのだ。
敵が少なければ楽でいいとは言え、これまで皆無と言うのは不気味ですらある。
久保と矢吹の陽動作戦が上手く行っているからだとは思いたいが…
その時彼女は歌を耳にした。
Os iusti meditabitur sapientiam,
Et lingua eius loquetur indicium.
美しく荘厳ながら哀しげなその歌に、星野はどこか不吉なものを感じていた。
そして屋上では冨樫も、とても嬉しそうにその歌に耳を傾けていた。
まるでストーカーがそのストーキング対象の電話を盗聴する時のような顔で
歪み、狂った笑みを浮かべながらその歌に耳を傾けていた。
星野と部下数十名は無言、無表情で集英社を上へ上へと駆けていた。
だが冷静そうな態度とは裏腹に彼女はこの異様な状況に心を乱されていた。
Beatus vir qui suffert tentationem,
Quoniqm cum probates fuerit accipient coronam vitae.
(確かに美しい歌だけど、何かしらこの雰囲気は。不吉だわ。
…歌詞はラテン語ね。意味はよく分からないけれど。)
Kyrie, fons bonitatis
Kyrie, ignis divine, eleison.
(不自然なまでに人影は無いし、嫌な感じね。
一度戻った方がいいかしら。)
O quam sancta, quam serena,
quam benigma, quam amoena esse Virgo creditur.
O quam sancta, quam serena,
quam benigma, quam amoena
O castitatis lilium
(LILIUM?何か聞き覚えのあるような…
まぁいいわ。コントロール室は1111号室…ココね。)
「突入!」
そう叫びその部屋へ突入した瞬間、星野は地獄を見た。
全裸の少女が、慈悲を求める集英社の社員達の首を手も触れず引きちぎっては
首と胴体を片っ端から壁に叩きつけて生々しくドス黒い赤に染めている。
血と臓物の臭いは部屋に立ち込め、犠牲者達の悲鳴は止む事はない。
「何よコレ…」
ふと星野が声を漏らした瞬間に少女は星野達へ振り向き、星野両隣の部下の首が飛んだ。
「何よ!何なのよコレ!」
思わず星野は激高し、少女へと攻撃を加えようとする。
だが遅すぎた。
目に見えぬ触手は星野を捕らえ、部屋の奥、少女の前へと星野を引きずり込んだ。
星野が周囲に目をやると、集英社の社員達が数人息も絶え絶えで横たわっている。
「何で…何でこんな事をしたのよ!貴方…貴方!貴方は!」
嗚咽を漏らしながら星野は我を忘れて少女へ叫ぶ。
しかし、その続きを星野が口にする事はなかった。
星野の首が鮮血と共に飛んだ。
星野を殺した後、突入したものの茫然自失となった星野の部下達も、
運悪くそこに取り残された集英社社員達も同様に首を飛ばされた。
全てが終わった後、血と臓物と肉片の海の中に少女が只一人残された。
何も物音を立てる存在の無い空間で、少女は近くに転がる星野の首を見た
目を開き涙を流し、何かを語りかけるようなその首はしかし、最早何も言わない。
「おはようマイスレイブ。」
そう言うと少女は星野の首を微塵に砕いた。
その頃、屋上では冨樫と裏男からやっと解放された浦沢が向き合っていた。
「心が痛むね。退避勧告が遅れちゃって何人か巻き込んじゃって。」
「自社の社員を囮に使っておきながら、白々しい事を…!」
冨樫は浦沢の言葉を無視して、そこにいない誰かに話しかけるように呟いた。
「おはよう岡本倫。」
438 :
まとめ:2008/03/20(木) 16:44:41 ID:Y3+a0KsD0
・重力(グラビティー)張り手は好き。
・JASRAC表記あった方がいいのかな。
・ちょんぱアニメは海外で確かR指定。
・1111≒ノノノノ
・人減らそうと思ったらむしろ増えた。
減らすのってムズカシイ。
登場人数:+3(本宮ひろ志・猿渡哲也・岡本倫)
退場人数:▲1(星野桂)
現在の人数:56/60
・本宮ひろ志…男樹や男一匹ガキ大将とか色々。
・猿渡哲也……ザ・ハードやタフとか色々。
・岡本倫………おはようマイスレイブでちょんぱの人。
こりゃあまたヤバイお方が出てきたもんだ。
ただ瞬殺は………まあ星野だしいいや。
現在の状況は
登場人数:3(岡本倫・猿渡哲也・本宮ひろ志)
退場人数:1(星野桂)
現在の人数:52/60
で合ってるかな?
あうわーごめん、回線の調子が悪かったせいで新着に気付いてなかった。
441 :
講談社にて:2008/03/22(土) 21:14:10 ID:HlcjJxVC0
講談社に戻った赤松。
赤松「星野が殺られた!?これは一大事だ。」
男「このスレの登場人物的にも誰か減らさなければなりませんからね…」
男の名は瀬尾公冶、雷句との戦闘で瀕死した男が帰ってきたのだ。
赤松「お前は瀬尾か、遂に戻って来たのか。お前は集英社へ向かえ」
瀬尾「わかりました。」
瀬尾は直ちに集英社へ向かった。
畑「…赤松先生、大丈夫ですか?」
赤松「お前はまだ講談社にいたのか。久米田の野郎がいるからといって…とりあえず小学館に戻れ」
畑「それより瀬尾先生の事なんですけど」
赤松「あいつなら心配いらないよ。かなりの強化をしているのだから」
畑「そうですか。講談社が天下を握る日も近いですね」
赤松「そうだな…」
442 :
まとめ:2008/03/22(土) 21:21:18 ID:HlcjJxVC0
・人減らさないとつらい。でも減らすのは難しいので枠を増やすのもアリ。
・名前だけ出て退場させない篠原知宏を集英社に送る手もアリ。
登場人数:+1(瀬尾公冶)
退場人数:なし
現在の人数:57/60
ツー ツー ツー ガチャン
山根:やっぱり繋がらないね。
青山:何や!せっかくこっちから連絡入れてやろうってのにあのアホ!
通常回線だけやなくホットラインまで切りよって!
山根:参ったね。このままだとウチが集英社と小学館の両方に
またまた喧嘩を売ったって事になるよ。
…青山先生、集英社周辺の情報は何か入ってきてるかな?
青山:何も。今の所、集英社と小学館の周辺は完全シャットアウトや。
アリ一匹潜り込めん。ウチの諜報員も締め出されたしな。
山根:参ったね。せめて情報が入れば少しは手も打てるのに。
??:お待ちなさいッ!
青山:ああッ…!?
山根:余湖先生ッ!余湖先生だーッ!!
(このテンションで合わせてやればいいのかな。)
余湖:青山先生、山根先生、とてもナイスなボケ感謝するじゃん。
で、情報が欲しいなら俺達がちょっと諜報に行ってやるじゃん。
今は満月が近いからウルフガイの身体能力全開じゃん。
並の人間じゃ思いも寄らないスピードで任務完了じゃん。
山根:申し出は嬉しいけど…その姿は何かな?
余湖:ウルフガイじゃん。満月が近くてウルフガイの身体能力全開だから
外見もそれ相応になって、ガタイもパワーも数十倍UPしてるじゃん。
山根:それは結構なんだが、その…
青山:ってかお前ら帰れ帰れ!揃いも揃ってデカくなりよって!暑苦しいんじゃ!
余湖:そりゃヒドイじゃん青山先生。俺達は…
青山:うわ寄るな!臭ッ!獣臭ッ!洗っとらん犬の臭いがするんじゃオドレら!
山根:…まあ、その狼男姿だと昼間の諜報活動には向いてないからね。
用があったらこちらから呼ぶよ。すまないね、余湖先生。
余湖:…ありがとう、山根先生。それじゃ失礼するじゃん。
山根:ああ、またね。
青山:おいクソガキ!入り口に塩まいとけ、塩!
山根:落ち着けよ、青山先生。余湖先生には悪気はないんだからさ。
何か入れるよ…コーヒーアリアリと、あとアツシボでいいかな?
青山:あぁ。
山根:それに余湖先生の出番はもうすぐ来るさ。外見は目立つけど
能力はそこそこなら、夜間の諜報活動にうってつけだろう?
青山:それもそうやな。
山根:さて青山先生、はい、アツシボにコーヒー。手元に気を付けて…
ジリリーン ジリリーン ジリリーン
山根:っと僕が出るよ、先生。…ハイこちら秋田書店です。
みなもと:お久しぶりです。私、月チャンのみなもと悠です。
山根:やあ 久し振りだね、みなもとさん。相変わらずいい声だ。
みなもと:…!そんなそんな、お世辞は結構ですよぉ。
青山:(クソガキが…さらりと女を褒めやがる。この胸をドキドキさせる魔法使いめ。)
山根:で、確かアライブって所に行ってたと聞くけど、何かあったのかな?
みなもと:あー、ハイ。そこでREDの山本さんと一緒になったんですけど…
山根:何だと!あのケダモノの鬼畜と一緒にいただって!大丈夫かみなもとさん!
四肢はまだ健在か!人体改造されてないか!避妊は!貞操は!処女は!
みなもと:落ち着いて下さいよ、山根先生。一緒に食事しただけですから。
あと、その、貞操とか、処女とかは、あの、私、その…
山根:…いや、こちらこそすまない。あの男の名を聞いてつい興奮してしまってね。
で、アイツは今、どうしてる?
みなもと:食事が終わってからはぐっすり眠ってますよ。思ったよりも寝顔が可愛くて…
山根:みなもと先生。
みなもと:あ、ハイ?
山根:悪い事は言わない。犯して殺してまた犯して喰われる前に早く帰った方がいい。
アイツはそういう男だ。
みなもと:…はあ。
山根:あと、申し訳ないがこちらはちょっと面倒な事になっていてね、
あまり長電話している訳にも行かないんだ。
みなもと:そうだったんですか、御免なさい。では早めに戻りますから宜しく…
山根:あ、そうそう、みなもとさん。
みなもと:何ですか、山根先生?
山根:君の作品を週刊の方でも少し見せて貰ったけど、実に魅力的だったよ。
今やってるのは月刊と、あとREDいちごの読みきりの2つみたいだけど、
手が空いたら週刊の方にも来てくれると嬉しい。個人的にもあの道場の
長女みたいなヒロインが活躍する作品は大好きだしね。
みなもと:え、あ、その、や、やや、山根先生!その、あの…
山根:じゃ、なるべく早めに戻って来てね。
みなもと:あ、ハ、ハイ!すぐ戻ります!それでは!
ガチャ
青山:…おい、クソガキ。
山根:何かな、青山先生?
青山:オドレ、女と見ると口説かずにいられんのか、あぁ、このジゴロ野郎。
山根:そんなんじゃないさ。あくまで自然に接しているだけだよ。
それに、僕が女の人を口説く時にはちゃんとした殺し文句を使うさ。
青山:殺し文句?…!ってオドレ…
山根:何か?
青山:まさか、『ムチムチのケツよりでかいポテトパイとバーボンをくれ』とか
『あんたのおっぱいよりでかいビーフでも焼いてくれ』じゃないだろうな。
山根:よく知ってるじゃないか。でもその殺し文句は僕の専売特許だから
勝手にキャバクラの女の子達を口説くときに使っちゃ駄目だよ。
青山:使うかボケェ!!
みなもと:はー…って、いけないいけない。それじゃ書き置きも残したし
早く帰って原稿の続きでもしますか。…それにしても
ヤマケン:ぐー
みなもと:こうして眠っていると、どこか愛嬌があってカワイイのよね。
ヤマケン:ぐー
みなもと:…カワイイのよね。
ヤマケン:ぐー
みなもと:…んー、ちょっと位なら…
ヤマケン:んがー
ム ニ ュ
みなもと:…え?
ヤマケン:ぐー
みなもと:こ の 変 態 ───────ッッッ!!
ヤマケン:@%#$!?
みなもと:エッチ!バカ!変態!ド変態!もう知らない!帰る!
ヤマケン:…玉が…俺の大切な玉が……。
高橋:…この話は、こんなスチャラカなオチで良かったのか?
光原:いいのよ。私達が始めに見ていた未来だと某Zの某巨大なOに
瀕死の重傷を負わされたあげく、山賢の餌にされてたんだから。
それに比べたら平和でいいじゃない。
高橋:それもそうか。
光原:これも集英社に講談社が攻め込んで人が大量に死んだおかげね。
これだけ死人が来れば、私達もしばらくは安心だわ。
…あ、そうそう星野先生。あそこが貴方の門よ。
アライブ編、しょんぼりと完結。
447 :
おまけ:2008/03/23(日) 15:41:47 ID:CSKEyFFe0
・何とか上限60でやって行きたいけど、やっぱり人減らしはムズカシス。
新キャラ自重して、要らない人や複線さっさと消さなきゃ無理だコリャ。
やっぱりガンガン殺さないと駄目かも。
・みなもと悠がエロシチュとかラブコメとか三角関係とかあまりやらず退場。
ついでに星野桂もひっそり完全退場。
・巨大なOと某ガバーンのスーパーロボットバトルやってみたかったなぁ。
・巨大なOの人、いちおーアライブでカレー漫画(全1巻)描いてるから
あのカレーは複線だったんだけどまあいいか。
・ジャスティスは俺のバイブルなんだぜ
登場人数:0
退場人数:▲1(みなもと悠)
現在の人数:55/60
別に殺さなくても、戦闘終わってどこかに散ったらその時点でマイナスってことでいいんじゃね?
一回定員増量するとそのままなし崩し的にずるずる増えそうだから60人のままで行きたいな。
書きたいものを好きなように書けばいいさと言いたいところだけど、それも旧版衰退の一員だし難しいところだ。
あとみなもとのラブコメっぷり、俺は好きでしたよ。
完全退場と仮退場と分けるってのもありかも。
完全退場→死亡など
仮退場→しばらく出てきそうにない、出す予定がない。
こうすれば体感的な参加人数は増えるんじゃないかと。
仮退場から復帰の場合は多少矛盾があっても気にしないとかにしておけば一見さんを阻まなくても済むだろうし。
まあ、新キャラ出すのもいいけど今いるキャラをちゃんと動かすのも大切だね。
ちょっと見る限りヨクサルの所へ駆けつけるはずがいつまでも出てこない三浦健太郎とか
ずっとヨクサル漫画の某カット描いてる安彦良和とかDVD大人買いした長谷川裕一とか
いい加減に動かしてもいいだろうに。
…スンマセン。少なくとも三浦と長谷川裕一をテキトーに展開させて放置したの俺です。
何も考えてないテキトーなネタ出しはやはりアレだわ。
三浦は別に動かそうと思えば動かせるけど、板垣vsヨクサルに水を差すのはどうかなと思って
長谷川は黒本系しか分からん
由利も押し潰される義理はないとばかりに横へ跳び避ける。
福地も、屋上を突き抜けないように洗濯機を右手に仕舞った。
その時、車田と許斐の小宇宙が彼らの場所まで届いた。
(これは、車田様の小宇宙! もしや車田様の身に何かが!?)
由利は敏感に感じ取っていた。車田一派は全員が小宇宙を人一倍感じ取る事が出来る。
岡田や、今は亡き手代木も例外では無い。
(それに、さっきから岡田の小宇宙が感じられないのも気になる。
一刻も早く任務を達成したいところだが……)
(何なんだ、この馬鹿でかい気は!?)
一方、福地も小宇宙を感じ取っていた。
(冨樫先生と一緒に行動していたせいか、余計強く感じるな。
ここまでの強さだとジャンプ黄金期の漫画家……いったい他の状況はどうなってるんだ)
『なんで固まってんのよ、あの二人』
「どっちも間合いに入れないからだろ。それよりも早く教えてくれよ」
『あぁ、そうだった。大技いくための“謳”についてね』
えなりは一般人なのであまり感覚が鋭くなかった。
東は武器としての能力はあったが、漫画家としてのレベルが低いので感じ取れなかった。
(ククッ、どいつもこいつも戦ってるみたいだな)
福本は小宇宙を感じ取りながら一人思考する。
(あの女は別にいいとして、福地ってのは戦力になってくれそうだな。だがCLAMPどもに
反撃するには、もう少し駒が必要だろう。少なくとも、ジャンプ黄金期か
それに匹敵する漫画家をスカウトできれば……んっ!?)
この時、彼しか気付けなかった。彼を処刑せんとする講談社の刺客に。
状況把握できてない二人が……。えなり、お前は一応主人公だろうが!
そして福本に期待。頭脳担当は貴重だヨ。
それぞれらしくてワロタw
がんばれ福本。ここが落ちたらたぶんもうだめだろうなーw
「ぐはぁっ!!」
留美子の電撃はまさしく必殺と言うべき威力だった。
藤田は感電しつつ吹き飛び、止まった時には十本近い木をなぎ倒していた。
それも、藤田が自分でどうこうしたわけではない。純粋に留美子の力で、である。
バトル専門ではない漫画家がここまでの力を出せるなど、とても信じられない。
「ぐっ……こ、こいつ……」
それでもなお、藤田は立ち上がる。
操られてもなお消えぬ闘志と信念の故に。
そして、藤田は気付いた。
空気が元に戻っている。
あの驚異の大理不尽『るーみっく・わーるど』が消えている。
見れば、留美子は肩で息をしていた。どうやら使い慣れない技で体に限界が来たか。
何にせよ、これは千載一遇の好機。
椎名はまだ目を回している。『女帝』高橋留美子を倒せるのは、今しかない。
そう直感し、藤田は留美子に向けて全力の拳を叩きつけた。
妖や自動人形ですら破砕する威力の一撃である。喰らえば留美子であろうとも致命傷は免れない。
結論から言えば、藤田はとんでもない思い違いをしていた。
高橋留美子は『犬夜叉』のような正面からの戦闘は実際のところ専門外である。
それよりも『らんま』のような卑怯とギャグの境目を綱渡りする戦い方こそ、留美子の本領。
『ピンチに陥ったふり』などお手の物だ。
強制的な精神操作によって不安定な精神状態にあった藤田では、演技の可能性など疑えもしなかっただろう。
――まあ藤田の場合は何もされていなかったとしても引っ掛かっただろうが。
ともかく、誘いに乗って突進してきたところに、矢をキセル代わりに使っての合気風投げで上空へ打ち上げた。
そして、――
「ぐ……お…おおおぉぉっ!!!!」
藤田も飛行能力を持つとはいえ、虚を突いた一撃、更に留美子の投げは猛烈な回転も伴っていた。
結果、さしもの彼も一瞬行動不能に陥る。
その文字通り値千金の一瞬に、留美子は次の行動を開始していた。
「椎名君!!今よ!!!」
どこからか取り出した弓に矢をつがえながら叫ぶ。
「(!!)」
椎名だと? やつは留美子自身がぶちのめして、まだ倒れているはずだ。
まさか、あの喧嘩騒ぎすら作戦の内だったとでもいうのか!?
そう考え振り返るが、椎名は気絶から復活してはいなかった。
罠は『椎名は戦えない』と思わせることではなく、『椎名は戦える』と思わせること。
そう考えた藤田が留美子に向き直るが、既にそこには山風が吹いているだけだった。
では留美子はどこに? 空中に打ち上げられた藤田は反射的に地上を見回す。
見つからない。当然だ。留美子は藤田の完全な死角に入り込んでいたのだから。
藤田が探すことすら考えなかった場所、すなわち藤田の頭上に。
――椎名君、もうそろそろ目を覚ます頃だと思ったんだけど。
やっぱりちょっとやり過ぎたかしら? あの子がいないと、正直私だけじゃあ藤田君を正気に戻すのはちょっと難しいのよね。
おまけに時間もないし。いくら藤田君が直情型でも、何度も罠に掛かってくれると思わない方がいいわ。
……しょうがないか。あんまりやりたいことじゃあないんだけど。
留美子は別に、そんな複雑怪奇な策を考えていたわけではない。
ただごく普通に椎名を叩き起こして奇襲させようと思っていただけであって、
今の状況ははっきり言って失敗した作戦を強引に修正してなんとか現状維持に持っていったような格好である。
そしてここから更にもう一押し、勝利への流れを掴むためには、――
「起きなさい!!椎名君!!!!」
弓を引き絞りながら叫ぶ。
だが椎名は身動き一つしない。逆に藤田が留美子の居場所を捉えた。
藤田が空中を走りながら槍を構える。留美子は矢を放つ体勢のまま動かない。
――だめ、今撃っても当たらない。
操られていて力が落ちているといっても、やっぱり藤田君は強いわ。
あの子にこの矢を当てるには、もう一押しいるわね。
しかたがない。あんまり……というか、できれば絶対にやりたくないことだけど。
藤田君を助けるためだもの、しょうがないか。私もこのあたりで……一つ体を張らないと!!!!
「椎名君!!聞こえてるんでしょう!? 隠したって無駄よ!!!」
「(い……イヤだ!! ちょっとした茶目っ気のあるいたずらにあんな暴行を加えておいて、この上まだ俺に何かさせようってのか!?
もうごめんだ!! 俺はもう騙されん!!
思い返せばあの時も、あの時も……。あの女は俺を利用するだけ利用して、用済みになったらさっさと捨ておったんだーーッ!!
これ以上同じ手に引っかかってたまるかッ!! 何を言おうが聞いてやるものか!!無視だ!無視ッ!!)」
(※)椎名の記憶には一部改竄が行われた形跡があります。削除部分に共通するキーワード『セクハラ』『制裁』。
何たることか、この土壇場で椎名はついに護身完成してしまった。
幾年もの経験から学習した知識、そして相手が藤田和日郎だということから来る萎縮、というかビビリ根性。
それらのいくつか、或いは全てが椎名の中で加算合成され、化学反応を起こしスパーク……。したかどうかは不明だが、もはやこの瞬間、椎名は悟りの境地に達した!!
今の彼には山吹色の賄賂も桃色の甘言も通用せず、もはや危険は彼に近づくことすら出来ない。
「え〜い!聞こえてるってのはわかってんのよ!!!(やっぱり、生半可な説得や脅しじゃあだめそうね。……やるしかないか。)」
椎名の誤算は只一つ
「椎名君、いい!!?」
「(よくない!よくないッ!!)」
この時の留美子が
「一度しか言わないから、よ〜く聞きなさいよ!!!!」
「(き……聞いてたまるかッ!!)」
女帝でも女王でもなく
「起きて、藤田君を助けてあげたなら……」
「(『なら』!?『なら』どうだって言うんだッ!!!信じるものか!何を言おうと信じるものか!!!)」
見る者全てを魅了する女怪へと
「(検閲により削除)触らせてあげる!!!!!!」
「………!…………………?……………!?………………………!!!!!」
変貌を遂げたこと
『プツン』と、音がした。
凄まじいエネルギーの奔流が、突如として発生した。
その音の発生源は、その渦の中心は、一人の漫画家だった。
名を、椎名高志。
「(切……切れた……。 俺の心の中にある、決定的な何かが……。
……音を立てて…………切れた……!!!)」
護身、破れる。
そして、彼よりも少し上がった場所。
男と女が、対照的な表情で浮かんでいた。
男は、引きつった顔。
女は、会心の笑み。
「な……何だ、あの力は!!
まずい、まずいぞ……椎名は確か、退魔・除霊のエキスパート!!
あれほどの力を以てすれば……この仮面も耐え切れまい!!」
男・藤田和日郎は本能的に察知する。
次の椎名の一撃で、確実に自分を洗脳している道化の仮面が破壊されるであろうことを。
「よおお〜〜し!!!椎名君、今よ!!!遠慮はいらないわ!!やっちゃいなさい!!!!」
女・高橋留美子は吠える。
ここで椎名が『解呪』の文珠を藤田に叩き込めば、この戦いは彼女らの完全勝利で終幕となるのだ。
「いよっしゃあああぁぁぁっ!!! まかせて下さいおねーさま!!!!
喰らえ藤田ッ!!! 『解』!『呪』!!!」
地上の男・椎名高志が叫び、手に持った何かを藤田に向けて投げつける。
藤田はそれを避けようとし――
気付いた。
「あ、アレ?嘘!?
文珠が……文珠が出ねえッ!!!?」
そう。椎名は文珠を投げていない。いや、出してすらいなかった。
ようやくそこまで思考が到達したとき、後頭部に凄まじい衝撃を感じ、
藤田の意識は途絶えた。
留美子には、始めからわかっていたのだ。椎名が文珠を出せないことは。
椎名は頭が混乱して覚えていなかっただろうが、『制裁』の前に留美子が椎名から文珠を二つとも回収していたのだ。
あとはそれを藤田に使ってやればいい。そうすれば留美子の勝ちである。
だが、怪物じみた身体能力に加え『凄み補正』とでも称すべき物まで持つ藤田に戦闘専門でない留美子が決めの一撃を当てるには、どうしても隙を作る必要があった。
だから、恥を擲ってまで椎名を起こしたのだ。
普通の囮や罠では、藤田には通用しなかったから。純度100%の『本気』と『危険性』がなくては、あの男を騙せなかったから。
そうして作り上げた一瞬の隙に、留美子の矢が藤田を撃ち抜いた。
鏃の変わりに文珠を付け、更に留美子自身の破魔の霊力も限界まで込めた矢で。
かくて呪われし仮面は塵となり、解放された男は――
「やれやれ、まったく手間をかけさせるんだから……。」
先程までの女傑ではない、慈愛に満ちた笑みを浮かべる高橋留美子に抱きかかえられ、静かに地上へと降りた。
月光条例に間に合ってよかった……のか?
どうにも黒藤田の動かし方が掴めずに、正直悔いが残る。藤田ファンの皆さんごめんなさい。
しかもなぜか椎名がまた大暴走してるんだし……。何勝手に護身完成したりシグルったりしてんだてめえ!!
何はともあれ、めでたしめでたし……?
光原:これで高橋留美子と藤田和日郎の戦いに決着が付いた訳ね。
先程はPEACH-PITと福本が護る少年達の所で動きがあって、
相変わらず集英社と小学館は襲撃を受けていて…と。
各勢力の動きも活発化してきたものよね、高橋先生。
高橋:活気付いてきたか、結構な事だ。…それはそうと。
光原:何かしら。
高橋:各勢力の現在の状況は正確に整理して理解出来ているか?
光原:…えーと。ご免なさい。
高橋:なら、俺が説明しておこう。まず集英社だ。
許斐:…集英社?ついに状況を説明してくれるのか。
・荒木飛呂彦…大川緋芭(CLAMP・講談社)&いがらし寒月(同左)と国会議事堂にて戦闘中。
・皆川亮二……猫井椿(CLAMP・講談社)と国会議事堂にて戦闘中。
・大暮維人……集英社入り口を防衛していたが矢吹健太朗(講談社)にKOされた。
・冨樫義博……暗躍中。現在、浦沢直樹(小学館)と共に集英社屋上に到着。
・許斐剛………車田正美(秋田書店)を追跡、集英社付近で戦闘後は生と死の間にいる。
・鳥山明………車田&許斐の小宇宙を察知して駆けつける途中。
・和月伸宏……同上
・尾田栄一郎…車田集英社襲撃の際に重傷を負う。
・岸本斉史……同上
・柴田ヨクサル…板垣恵介(秋田書店)と集英社付近で戦闘中(終了?)
・本宮ひろ志…集英社で雑談中。
・猿渡哲也……集英社で雑談中。
・岡本倫………覚醒。星野桂(講談社)を殺害。
許斐:生と死の間?何だそれは。
光原:集英社は13人…と。思ったより少ないのね。
高橋:ああ。
許斐:…ちょっと?
高橋:次は小学館だ。
許斐:ってオイ!
高橋:小学館はこの通りだ。
・高橋留美子…洗脳された藤田和日郎(講談社)を椎名と共に倒す。ちちしりふともも。るーみっく。
・椎名高志……洗脳された藤田和日郎(講談社)を留美子と共に倒す。セクハラ超能力&霊能者。
・浦沢直樹……策士。現在冨樫義博(集英社)と同行中。青山広美(秋田書店)と因縁あり。お面が胡散臭い。
・雷句誠………小学館防衛中。怪我人。
光原:4人ねぇ。小学館は少ないのね。
高橋:だが高橋&椎名の人が頑張ってるから存在感はある。多ければ良い物でも無いと言う事だな。
許斐:ちょっと!俺!俺!
高橋:次は講談社…といきたい所だが、まず秋田書店から説明しよう。
許斐:俺の話を聞けぇ!
・車田正美……何の因果か集英社に牙を剥くジャンプ黄金期の漫画家。集英社襲撃後に許斐を葬る。
・板垣恵介……集英社襲撃後にヨクサル(集英社)と集英社付近で戦闘中(終了?)。戦闘狂の傀
・山本賢治……小学館に拷問を受け瀕死の所をロリ娘のヤマグチノボル(退場)に召還される。
その後ヤマグチを喰って体力回復後、みなもと悠(退場)とラブコメして玉を殴られる。変態。
・佐藤健悦……小学館に襲われ、現在は光原、吉富、高橋(葉)と生と死の狭間にいる。ドMな女装少年。
・青山広美……流浪の賭博漫画家。車田&板垣の集英社襲撃の事後処理難航中。浦沢(小学館)と因縁あり。
・山根和俊……流浪の打ち切り極上漫画家。青山の秘書的役割を果たす胸をドキドキさせる魔法使い。
・岡田芽武……獅子の黄金聖衣を纏った車田の舎弟。由利より強いがPEACH-PITに敗北。現在行方不明。
・由利聡………木刀(聖剣?)を振るう車田の舎弟。岡田より弱いがえなり、福本、福地、東と戦闘中。
・余湖裕輝……100人いる。肉弾戦と治癒力には自信のあるウルフガイ。満月時は外見も狼男化する。
光原:9人…と。秋田書店って実はあまり頭数いなかったのね。
高橋:ここは他に比べて退場者が多くてな。現在でも西条真二、高橋ヒロシ、手代木史織、みなもと悠の
合計4人が既に退場している。退場率の高い会社なんだ。
光原:物騒ね。
高橋:余談だが手代木を殺した人はあれからしばらくして原作にパンタソスなるキャラが出てきた時に
あぁ、手代木殺したの凄ェ勿体無かったなぁ…と思ったそうだ。
光原:どうでもいいわね。
許斐:おい!「葬る」って何だ「葬る」って!おい!
高橋:さて、講談社だな。
・CLAMP………大川緋芭・猫井椿・もこな・いがらし寒月の4人で結成する漫画家集団
人類の未来を憂い、「ノアの洪水」(全世界洗脳計画)を立案。
その一環として「銀水晶」を持つ武内直子を誘拐。PEACH-PITも追跡。
(大川緋芭……荒木飛呂彦(集英社)と国会議事堂にて戦闘中。)
(猫井椿………皆川亮二(集英社)と国会議事堂にて戦闘中。)
(もこな…………国会議事堂地下の隠れ家にて待機。ちぃ。)
(いがらし寒月…荒木飛呂彦(集英社)と国会議事堂にて戦闘中。)
・赤松健………暗躍中。現在は集英社襲撃に加わっているらしい。慇懃無礼。
・光永康則……安西(講談社)を蘇生。現在は研究室から外出中。ふふん。
・真島ヒロ……現在集英社襲撃中。ファンタジー作家だがヤンキー臭い。
・久米田康治…洗脳装置等を作っている。有能だが些細な事で絶望するダウナー系。
・畑健次郎……久米田康治の弟子であり執事。
・藤田和日郎…サンデー屈指の実力者。CLAMPに単身?戦いを挑むが敗北、洗脳され
高橋留美子(小学館)と椎名高志(小学館)を襲撃するも敗北。
・安西信行……藤田の弟子。秋田のゲリラに殺され光永康則(講談社)に蘇生される。
・久保帯人……集英社を離反。現在集英社を襲撃、1Fで大暮に刀を突きつけている。
・川下水希……集英社を離反。洗脳とラブコメの腕は天下一品。下品?エロゲ?だから何。
・矢吹健太朗…集英社から拉致され洗脳され集英社を襲撃。大暮維人(集英社)をKOする。
・藤真拓哉……赤松健(講談社)の弟子。星野、さいふうめいの2人を殺害。
・小林尽………講談社の作家。フオォォォ!じゃないらしい。
・瀬尾公冶……講談社の作家。集英社に向かったらしい。
・寺嶋裕二……講談社の作家。
・篠原知宏……講談社の作家。
光原:19人か…流石に多いわね。
高橋:まあ、ほぼ全ての事態で裏から糸を引いている、現在の主役だからな。
許斐:おい!俺は!
高橋:あとはあの少年達とそれ以外だな。まず少年達が…
・えなり………借金地獄で福本伸行に唆され麻雀中に車田正美、岡田芽武、由利聡(ALL秋田書店)の
襲撃を受ける。現在福本、東、福地と共に由利聡と戦闘中。数少ない一般人。
・福本伸行……謎の策士。えなり、東、福地と共に由利と戦闘中。藤真拓哉(講談社)に狙われている。
・福地翼………打ち切り同然の境遇にいた時に冨樫と遭遇、同行。東を拘束後、赤松の言に従い
えなりに会いに行く。現在えなり、福本、東と共に由利と戦闘中。
・東まゆみ……元は矢吹の秘書をしていたが、なぜか同人作家部隊「エンジェル隊」の部隊長になる。
冨樫(集英社)と福地の襲撃を受けて捕獲され、赤松(講談社)に解雇宣告される。
他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドで、えなりと同契。
現在えなり、福本、福地と共に由利と戦闘中。
・えばら渋子…PEACH-PIT。武内直子の依頼でえなりに会う。その後、岡田芽武(秋田書店)に勝利ですぅ。
・千道万里……PEACH-PIT。武内直子の依頼でえなりに会う。その後、岡田芽武(秋田書店)に勝利する。
光原:6人…小学館より多いのね。
高橋:ああ。そしてその他が…・
・武内直子……重要そうなアイテム「銀水晶」を持つ。CLAMP(講談社)に拉致され昏睡中。
・三浦健太郎…ヨクサル(集英社)と板垣(秋田書店)の元へ駆けつける途中。
・えなり玲奈…えなり姉でジャーナリスト。決死の覚悟で講談社に取材するも何故か地下でほのぼのしてる。
・安彦良和……「神」に戦いを挑み敗れ死亡…と思いきやそれは平行世界の話らしくこちらでは普通に仕事中。
・長谷川裕一…安彦が「神」と戦い敗北した平行世界に登場。地球へ奇跡的な生還を果たしたところを
竹本に召喚?される。その後、情報収集という名目で漫画とDVDを40万円ほど衝動買いする。
・高橋葉介……生と死の間の住人。謎の紳士。
・光原伸………生と死の間の住人。厄いわね。
・吉富昭二……生と死の間の住人。ネジ食い。
光原:8人…っと。これで全員ね。
福地はフリー扱いなのか・・・
ところで河下じゃなかった?
466 :
まとめ。:2008/03/26(水) 14:07:11 ID:ORYK4LPn0
高橋:ああ。13+4+9+19+6+8=55人だな。
光原:ええ55人…って、計算間違えているわよ。
高橋:…そうだな。恐らく講談社か集英社の死亡扱いの作家が何人も紛れ込んで
今回は計上されてしまったらしい。参ったな。…まぁこれからの書き手さんは
くれぐれもこの物語の面子が60人の上限を超えぬように気をつけて欲しい。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:55?/60
許斐:ちょっと待てェェェェェェ!
光原:あら許斐先生、それキャラが違うわよ。
許斐:うるせェェェェェェ!思いっきり無視すんじゃねえコラァァァァァ!
高橋:そうだったな。すまない、すっかり忘れていたよ。
許斐:それでは!
高橋:…以下が退場作家達だ。
許斐:待てオラァァァァァ!
・ヤマグチノボル…ゼロの使い魔の人。絵師として山賢(秋田書店)を召還して喰われた。合掌。
・竹本泉…………自称少女漫画家。平行世界移動+平行世界の一部入れ替えが出来て、
長谷川裕一を召喚する。大人の事情で退場した。今は普通に仕事中。
・西条真二………戦後処理の一環として秋田書店から小学館に移籍後に滅茶苦茶して逃亡。
・高橋ヒロシ………同上
・さいふうめい……福本、えなりと麻雀を打った後、藤真拓哉(講談社)に殺される。
・星野泰視………同上
・星野桂…………集英社を離反し講談社に所属。集英社を襲撃するも岡本倫に殺害される。
・みなもと悠………山賢とラブコメして原稿描く為に退場。当初は死亡予定だった?おっぱい。
・許斐剛…………予定
許斐:ハッ!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
467 :
まとめ。:2008/03/26(水) 14:12:58 ID:ORYK4LPn0
ああ、そうだよ!河下は間違えたよ思いっ切り!分かってるんだよコノヤロウ!
…スンマセン。イヤ、本当スンマセン。素で間違えてました。
あと、投下されるネタがまた増えて嬉しい限りですよ。ええ。
面白いまとめとか反則だろチクショウ!!
しおりや人物辞典程度でいい気になってた俺が馬鹿でした。
許斐もすっかりツッコミキャラが板についてきたな。
個人的にこのルートは楽しそうで好きだ。一度書いてみたいけど難易度が高い……。
最初から読んでみたけど、旧と照らし合わせるとちょっとニヤリと出来るところあるな
旧で血みどろの殺し合いしてた本宮と猿渡が、こっちでは健全なライバル関係築いてんのが良い
このスレはリレーSSスレだから、自分の中に面白いネタが来たら
先手必勝&割込上等&遠慮無用でやればいいです。
ってか自分のネタを他の人が勝手に展開するのは個人的には歓迎。
思ってもみない展開ってのは楽しい物よ。逆に弄りがいもあるし。
>>469 確かに。書き手も時々旧版を意識したネタを入れてきてるような気がする。
車田や矢吹の変わりっぷりに笑って板垣や荒木が全く変わってないのにおののいてんですよ、はい。
>>470 おうよ、わりこみじょうとう!
俺も積極的に書いてるつもりなんだけど、なぜだか俺の所には割り込みが来てくれなくて寂しいんだぜ。
「…な、ヨクサルさんよ。これさえ出来りゃあの馬鹿と喧嘩しても…」
その時ヨクサルは全身を突き動かすような大きな力を感じ、意識を取り戻した。
( 小 宇 宙 )
そう、車田と許斐の小宇宙である。
そこからそう遠くない地で戦っていた車田と許斐の必殺技と必殺技、
全力と全力が激しくぶつかり合い弾けて消えた、その余波である。
余波とは言えその威力は凄まじく、ヨクサルは思わず目を見開いた。
そしてその刹那、自分自身のあまりに絶望的な状況を把握した。
( 板 垣 )
そう相手にしていたのは「傀」板垣恵介であり、しかも板垣は丁度今
彼の首を刎ねんと、恰も斬首人の斧の如く踵を振り上げている。
どうする?
奴の一撃を避けるか?
…無理だ。
奴の技は身じろぎ一つでどうにかなる甘い物ではない。
例え一撃を避
「邪ッッッッ!!」
気勢と共に板垣が恐るべき速さで踵を振り下ろしてきた。
左右にも、上下にも避けられない真ん中を打ち抜く踵だった。
とっさにヨクサルは十字受けに構えた。
鈍い音がした。
鈍い痛みがあった。
板垣の蹴りは完全に防御ごとヨクサルの顔面を砕いていた。
だがヨクサルは打ち抜かれた顔面を血でドロドロにしながら
口の端を吊り上げて凄まじい笑みを浮かべた。
板垣は戸惑っていた。
1つは車田の事。
自分が強敵手として認める数少ない男の一人、車田正美。
その力は地を裂き、星を穿ち、宇宙を砕く。
これまで幾度も手を合わせてそれを十分に理解していた。
有り余る力を持ちながら会社の為、仲間の為と戦いを避け続け、
挙句の果てに小学館の言いなりに自らを封じたウチの爺とも
集英社の看板を掲げながら実際に面と向かえば怯えるだけの屑とも
伝説級とほざきながら殴りあう度胸も無い他所の腰抜け連中とも違い
互いがその力を存分に奮い、堪能出来る数少ない相手だった。
正に強敵(とも)とでも呼ぶべき貴重な存在だった。
その強敵の力がもう一つの大きな力と共に膨れ上がり消えた。
まさかこれで死ぬ事は無いだろうが、車田はどうなった?
そしてあの男と同等、もしくはそれ以上の力を一瞬とは言え見せる、
その様な男がこの安穏として淀んだ世界のどこに居た?
もう一つは車田の事に気を取られ、止めを刺しそこなった事。
これまでならば車田や他の伝説級と称される連中を除き
一対一で勝負を挑んできた身の程知らずはただ一撃で屠り、
その後、踵で頭を潰して確実に殺してきた。
今回もそのつもりだった。
以前、チャンバラ野郎に2人のボクシング坊や、銀髪の殺し屋と共に
一撃で屠られ、ほうほうの呈で逃げ帰ったあの白泉社のルチャ男が
性懲りも無く喧嘩を売って来た時はそのつもりだった。
これまでこの小さなルチャ男が積み重ねてきた全てを蹂躙して
数年程度の特訓で俺に再び挑むハネッ返りを一発でブッ殺して
人を使い俺を監視している腰抜けの豚野郎と極上坊やをコケにして
それで終わりの筈だった。
だが生意気にもコイツは俺の蹴りを正面から受けた。
避けるでも、かわすでもなく、あくまで損傷を最小限に留める手段を選んだ。
俺の蹴りを受けても死なない、そうした自信と覚悟があっての手段だった。
現に顔面を潰されても奴はまだ嗤っていた。
(〜〜〜〜ッッッ!!)
思わず板垣はヨクサルを二発目の蹴りで豪快に宙へ蹴り上げた。
(この俺がこの程度の小物にッッ!)
空中で逃れようも無いヨクサルへ、板垣が狙いを定め
「チェリアアアァッ!」
その右拳でヨクサルを殴り飛ばし、ビルの壁に叩きつけた。
ビルの壁がヨクサルが叩きつけられた衝撃で人型に凹んだ。
通りの表の方では地震か何かかと騒ぐ声も聞こえる。
それ程の威力で板垣はヨクサルへと攻撃を加えたのだ。
今回の二撃も十字受けで受けられてはいるが関係無い。
受けごと完全に粉砕するだけの威力を込めて叩き込んでやった。
実際に何時もの様に相手の全身の骨が砕ける手応えも感じた。
ならば後は奴が壁から剥がれ落ち、頭から落ちた所を…
…ッ!?
ふと板垣は何かを感じ、上空を見上げた。
( 鉄 塊 ッ ! )
その瞬間、ヨクサルが叩きつけられたビルの屋上から途方も無く大きな剣を
上段に振りかぶった禍々しい漆黒の甲冑が板垣目がけて飛び掛ってきた。
475 :
おまけ:2008/03/30(日) 16:23:18 ID:feiybfhP0
・勝手にアニマルの面々が少し前に板垣にボロ負けした設定にしてしまった。
ファンの皆様と森節使いたい人ゴメンナサイ。
・やっと自分でも放置し過ぎた三浦が動かせるよ。
・多分YYSの人は事あるごとに喧嘩売られて苦労していたんだと思う。
・久々にYA読んだら「いつか勝ち組」が終わっていてたまげる。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:55?/60
とうとう三浦参戦か!これなら板垣相手でも何とかなるか?
安彦と長谷川をどう動かそうか悩み中。
今すぐあの二人が動く理由ってのが無いんだよなー。
俺は走る。とにかく走る。ただひたすらに上を目指して走る。
何の為?
それはあの娘の涙を拭う為。
何の為?
それは昔の仲間達に牙を向ける為。
分かっている。とても馬鹿な事だ。
あの娘一人の為に過去の全てを否定するのは馬鹿のやる事だ。
だがあの娘の為なら過去の全てを敵に回しても構わない。
好きとか愛してるとか、そんな次元じゃない。
あの娘には俺の全てを捧げる甲斐がある。
今の俺の全てはあの娘の為にある。
だから――――
「来るなら来い集英社!俺の本当の戦いはこれからだ!」
河下 …ってまぁ、今の矢吹先生の洗脳状態はこんな感じです。
怜奈 はぁ。
畑 ってか思いっ切り打ち切りENDじゃないですかコレ。
久米田 もう少し普通の展開は無かったのですか、河下先生。
河下 普通じゃ駄目なんですよ。
怜奈 はぁ?
河下 一人の女の子の為に自分の仲間達に牙を剥くなんて無茶するには
この位は滅茶苦茶な展開で設定しないと駄目なんです。
大体よく考え下さいよ。マトモな人が出会ってそれ程接しても無い
ちょっと可愛いだけの女の子の為に全てを投げ打つと思いますか?
畑 …えーと。
怜奈 ってかラブコメ描きのアンタがソレを言うなよオイ。
河下 まぁ、この調子でいけば直に目的地に到着して任務完了ですよ。
久米田 何事も無ければ、ですけどね。
畑 師匠ってば。
怜奈 (そりゃいいけど。)
河下 (何か?)
怜奈 (矢吹先生が戻って来たらどーするのよ?まさか付き合うの?)
河下 (いやいや、そんなそんな。)
怜奈 (いやいや…ってアンタ、ちょっと。)
河下 (大丈夫ですよ。いつもの事ですから。)
怜奈 (待てオイ。)
河下 で、赤松先生もいない事ですし、私達はゆっくりしてましょうか。
怜奈 マイペースね、アンタ。
畑 うわ――――!
久米田 大変だ河下君!集英社に!集英社に…!
河下 落ち着いて下さい二人共。何がありましたか。
畑 えーと!女の人が!裸で!おっぱいとか!何かもう!あー!
久米田 痴女ですよ河下君!天下の集英社に痴女が!
河下 あ、本当。
怜奈 リアクション薄いわね。
河下 ラブコメだと珍しくないですから。
畑 いや流石にちょっとそれは違うんじゃないかと!あわ!あわわ!師匠!師匠ぉ!
久米田 落ち着くのです!落ち着くのですよ畑君!
怜奈 …アンタらがまず落ち着け。
河下 あ、凄いですよ、コレ。
怜奈 アンタでもそういうのあるのね。で、何?
河下 矢吹先生、本当に女の娘の裸見て鼻血垂れ流してますよ。可笑しいですねぇ。
怜奈 そっちかよ!
矢吹健太朗と岡本倫、集英社にて接触せり。 つづく。
争乱への突入前後から河下株が俺の中でストップ高なんだが。
旧版ともまた違う小悪魔ぶりが実にいい。
一方、岡田との戦闘に勝利したえばらと千道は屋上へと続く階段を上っていた。
千道がえばらの手を取り、半分は文字通り飛んでいる状態だ。
そのとき、この2人も小宇宙(コスモ)を感じ取った。
「この感じ、あの車田のじゃない!?」
「そのようね。ここ以外でも運命は動いているようなのだわ」
「もっとゆっくりできなくなったわね。あの木刀男だって感じ取ったはずよ。
どんな行動に出るか分かったもんじゃないわ」
「指輪はあるから、まだやられてはいないのだわ。でも、それも時間の問題ね」
余談だが、彼女たちは福地と東の存在をまだ知らない。
「(一体何なんだ、ありゃ?)」
屋上で繰り広げられる戦いの蚊帳の外にいた福本だったが、遠くから飛んでくる物体に気づいた。
飛行機にしては小型で、ヘリにしては静か過ぎる物体。
「(あれは……まさか!?)」
恐れていた事態に気づいた瞬間、物体から何かが迫ってきた。
超長距離瞬動術――マシンを足場として藤真が跳んできたのだ。
野太刀「夕凪」を腰に提げ、間違いなく福本へ一直線。爆発のような大音量で
他のメンバーが気づいたときには遅すぎた。――えなり以外には。
東は漫画家としては弱くとも、武器としては心強い。
まして今の形態は最速を誇るレヴェリー・メザーランスモード。えなりは十分に間に合う。
「さっきの通りに謳えばいいんだよな?」
『そうよ! あの謳なら今の状態でも発動できるから!』
「なら行くぞ!」
――集(うごな)わり
強り奔らせ 白白明けと
朧なりに いめ通わん!!――
――南風の弦(ノトスコード)!!!――
謳とともにえなりの周りに風が吹き荒れ、その流れが剣を伝い勢いよく放出される。
その力により着地寸前の藤真をなんとか吹き飛ばすことが出来た。だが藤真も体を捻り、
なんとか屋上に着地した。
「何なんだお前は! 何をしにきた!?」
えなりは藤真に問いかける。彼は仕方がなしに名乗った。
「我が名は藤真拓哉。赤松様の命により、裏切り者、福本伸之を抹殺しに来た」
「裏切り? まさか、福本先生の行っていた仕事って……」
福本は短く、小さく笑うだけだった。決してえなりに答えようとはしない。
「抹殺だとぉ! ふざけるなよお前!」
そこに由利が割って入ろうとする。彼の怒りは顕著なものだった。
「俺は車田様から命を受けてきたんだ。他の奴が横取りすんな!」
「貴様の都合など関係はない」
「んだとぉ!!」
このとき、福地は好機を見出した。由利の意識が乱入者の方へ向きかけている。
誰にもばれぬように静かに両手を合わし、数本のチョークを取り出した。
「悪いけど、吹っ飛んでもらう(・・・・・・・・)っスよ!!」
――“チョーク”に“弾(はじき)”を加える能力――
チョークの先端を静かに当てる。するとどうだろうか。まるで
ダンプカーに撥ねられたような衝撃とともに吹っ飛んだではないか。彼はそのまま屋上から落ちていった。
「3人とも、ここからトンズラするっスよ!!!」
その掛け声を合図に、えなり達は隣のデパートへと駆け出した。
「逃がすわけにはいかないな」
藤真も追いかけようとするが、えなりと福地の攻撃で足止めを食らう。
「でもどうすんだ? 橋はアレ一本しかないぜ」
「無いなら作るまで!」
福本の問いに答えると、福地は自分の髪の毛を数本毟った。
「“ゴミ”を“木”に変える能力!」
髪の毛は大木になり、それらが絡み合って橋を作り上げる。渡るのに幅は申し分ない。
3人は全速力で渡るが、藤真も後ろに続いていた。それを見た福地は、
2人が渡りきったのを見計らい、木に付いている葉を一枚毟り取り、橋に押し当てる。
「レベル2“回帰(リバース)”!!」
大木はただの髪の毛に戻る。間一髪、渡りきれていなかった藤真は一瞬の浮遊感を味わった。
「なっ……」
哀れ彼は、地面へ真っ逆さまに落ちていった。
と、屋上に登ってくる人影があった。丁度着いたえばらと千道だ。
彼女たちは福地を見るや、声を荒げて聞いてきた。
「なっ何者なのあなたは!? 2人に何するつもりなの!?」
「ていうか、えなり、何なのよその剣は!?」
「2人とも落ち着いて下さい。この人は敵じゃありません」
「詳しい話は後っス。今は脱出するっすよ」
福地は素早くヘリコプターを実物化し、えなりはなんとか
PEACH‐PITの2人になんとか乗るよう説得した。
こうして彼らは、戦場と化していた○○デパートから脱出したのだった。
福本が離れたことで、能力により底なし沼になっていた地面は元に戻る。
だがその結果、沼に沈むことになった由利は、首だけ出して生き埋め状態になっていた。
「畜生、車田様に顔向け出来ねぇよ。小学館の漫画家相手に不覚はとるし、岡田はどっか行っちまうしよ」
一人悲しくぼやきながら、なんとか出られないものかと模索していた。
一方藤真は、埋まった割合が少なかったからか、自力で土中から出ることが出来た。
「逃してしまったか。まあいい。あいつらが何処へ行くのか探ってみるか」
彼は懐から、一枚のカードを取り出す。それは『ネギま』でも最近登場したカード。
「アデアット、“渡鴉の人見(オクルス・コルウィヌス)”」
――渡鴉の人見(オクルス・コルウィヌス)――それはカメラを搭載した浮遊する6体のスパイゴーレム。
超々遠距離まで情報収集が可能な代物である。
彼は6体を散らし、えなり達が何処へ行くのかを探索する。目的は唯一つ、
赤松等に有利な状況を作る為。古今東西、戦争を勝するのに必要なもの、それは情報であるから。
To be continued
・結局一人も死ななかったり。予定が狂ったよ。
・悪女は嫌いです。でも小悪魔は大好きです。
・手代木生きてたら、リアルであの3人技できるよな。
・桃種連載には間に合いそうだ。
これでえなり達も集結か。…まぁ何と言うか独特なメンツだよなぁ。
どう動いていくかは楽しみだ。
そして首まで埋まった由利だが
・岡田が助けに来る→生き恥を曝すのも辛かろう?助けてやるよ→聖剣抜刀→死
・手代木が(ry→超ローアングルちちしりふともも→無言でエクスカリバー→死
そんなしょーもないネタが浮かんだ。二人共いなくてよかったのぅ、由利。
・まあとりあえず由利は退場扱いでもいいんじゃないか?死んでないけど。
・以下同文につき省略します。
・!を使おうってのか……。でも現状で使うほどの相手いるかな。
・俺も早く続き書こう。
ジャンプで鳴らした俺たち特攻部隊は、サイレントナイト翔を切られ集英社に監禁されたが、
飼い殺しを脱出し地下に潜った。しかし、地下でくすぶってるような俺たちじゃあない。
筋さえ通りゃ金次第でなんでもやってのける命知らず、
不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、俺たち特攻野郎、神輪会!
俺は、リーダー車田正美。通称車田兄貴。見開きと小宇宙の名人。
俺のような天才漫画家でなければ百戦錬磨のつわものどものリーダーは務まらん。
私は手代木史織。通称星矢LC。自慢の車田LOVEに、読者はみんなイチコロだ。
リスペクトかまして、普通に可愛いアテナ様からやたら格好良い蟹まで、何でもそろえてみせるぞ。
よぉお待ちどう。俺様こそ由利聡。通称風魔。
漫画家としての腕は天下一品!休載?再開未定?だから何。
岡田芽武。通称エピソードG。描き込みの天才だ。毎月何Pでもドス黒く描き込んでみせらぁ。
でも影技だけはかんべんな。
俺たちは、道理の通らぬ少年誌に敢えて挑戦する、頼りになる神出鬼没の 特攻野郎、神輪会!
助けを借りたい時は、いつでも言ってくれ!
車田 「そんな事を公言していたら、REDの編集長から萌え漫画なる物を描いて来いと言われた。」
岡田 「………」
車田 「だが俺はそんな女々しい物は描いた事が無ければ、描く気もさらさら無い。そこでだ。」
岡田 「………」
車田 「岡田、お前が描け。」
岡田 「………!」
車田 「返事。」
岡田 「……ハイ。」
車田 「声が小さい!」
岡田 「ハイッッッ!」
車田 「良し。では俺は銀座で飲んで来る。原稿は俺が帰って来るまでに上げろ。いいな。」
岡田 「ハイッッッ!」
岡田 「…と言う訳で先生の手前、萌え漫画なる物を描くってのを引き受けたンだが
何せ俺も俺で、今まで男と男が熱い血を燃やして拳で語り合う漫画ばかり
描いてきたから、どういうのが萌えってのかさっぱり分からねぇ。」
由利 「…影技の主人公は女だろうが…声は…林原めぐみ…」
岡田 「俺の中ではアイツは男だ。で、お前、萌えってのが何か教えてくれねぇか。
由利 「…そんな物…自力で描れ…」
岡田 「以前我流でやった(
>>347)ら担当にブン殴られたンだよ。」
由利 「…どっちにしろ…車田兄貴アシで…3日…徹夜明けの…今の俺じゃ無理だ…」
ゴ ッ
岡田 「漫画家に無理なンて言葉は有り得ない!…って、おい。」
由利 「………ゴフッ」
岡田 「おぉ、生きてたか。なら萌えについて教えろ。」
由利 (ガクッ)
岡田 「おっと、気絶したか。仕方無ぇ、それじゃ次だ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
手代木 「フフーンフフーン♪ペーガサスファンタジーそうさゆーめーだーけはー♪」
ジリリーン ジリリーン ジリリーン
手代木 「ハイこちら手代木。」
岡田 「よぉ、手代木。俺だ、岡田だ。」
手代木 「忙しい。切るぞ。」
岡田 「まぁ待ちな。車田様がお前さンに用があるって…」
手代木 「 !! 」
岡田 「ちょっと仕」
ヒ ュ ン !
岡田 「何だ?」
手代木 「愛しの車田様!貴方様の愛弟子手代木史織、直々のお呼び出しを賜り
真っ先に馳せ参じました!さぁ車田様!私めに何なりとお申し付けを!
…っておい、岡田。」
岡田 「あン?」
手代木 「私の…私の車田様は?」
岡田 「ここにゃ居ねぇよ。銀座で巨乳姉ちゃん侍らして酒でも喰らってるンじゃねぇか?」
手代木 「そうか。」
岡田 「ってか何だよお前それ。忙しいくせに完璧にメイクしてきぶべりうおおk@!」
手代木 「………」
岡田 「止めろオイ手代木!痛ぇ!痛ぇよオイ!無言で蹴るな!止せってぶいおjp:いおh!」
30分後
岡田 「…手加減って物を知らねぇのかよ、手代木。歯ぁ欠けちまったぞオイ。」
手代木 「うるさい。今度やったら蹴り殺すぞ。で、何の用で私を呼び出した、岡田。」
岡田 「あぁ、車田様が萌え漫画描けって言われて(中略)。」
手代木 「なら最初からそう言え。私が手本を見せてやる。」
岡田 「お前が?」
手代木 「あぁ。妹系美少女キャラから幼馴染系、ダメ男を彼氏に持つ年上のお姉さんまで…
信じて無いな。相変わらず失礼な奴だな、岡田。」
岡田 「まぁな。特に妹系はお前だとキッツイだろ。」
手代木 「なら見せてやる、私の本気をな。…服装はそうだな、制服に体操着、スクール水着…」
?? 「起きろ、岡田。」
岡田 「!?…その声は!」
車田 「状況を考えろ、岡田。今はこんな辺境の時空で馬鹿な昔の出来事を夢に見ている場合か。
状況も把握できず勢いのみで突き進むからあの程度の雑魚にも不覚を取る。」
岡田 「く…車田様ぁーっ!申し訳ありません!」
車田 「次はこのような無様な真似は許さん。覚悟しておけ。…分かったら戻るぞ。
そろそろ板垣の方もケリがついた頃合いだろうしな。」
岡田 「か、畏まりました!…!?…ところで車田様、その聖衣の右肩の部分ですが…!」
車田 「あの男の最期の小宇宙の痕跡だ。」
ワロタwwwなんという和みwww
491 :
板垣×三浦戦:2008/04/09(水) 00:19:56 ID:1TraPn0D0
ビルの屋上から凄まじい勢いで、途方も無く巨大な剣を上段に振りかぶった
禍々しい漆黒の甲冑が板垣に飛び掛ってきた。
その甲冑が振りかぶる大剣は剣というには無造作に大きすぎる、まさに鉄塊で
高所からの加速を加えたその一撃には間違い無く全てを粉砕する威力があった。
オーガ
さすがの「 傀 」、板垣恵介もコレを生身で受ける事は確実に無理と判断して
まずは間合いを取ろうと甲冑の上空からの一撃を後方へ大きく飛び退き避けた。
甲冑の振り下ろした剣は板垣が一瞬前には存在していた空間を抜けて
コンクリートの地面に盛大な地響きと衝撃音、破壊音と共に叩き付けられた。
その衝撃は凄まじく、地面には一筋の太く深い亀裂が刻まれた。
「チッッッ!」
後方へ飛び退きながら、板垣はこの非常識な状況を分析する。
あの甲冑、ビルの屋上から馬鹿デカい剣を全く減速しないで叩き付けて来た。
避けられた後の隙や損傷を全く無視した、無謀な一撃必殺カミカゼ戦法だな。
余程俺を今回の襲撃でブチ殺したかったんだろうよ。その意気は認めてやる。
だがその手のは避ければこっちの物だ。あれだけの衝撃なら常人なら即死、
プロの格闘漫画家でも全身骨折は間逃れ…馬鹿なッ!有り得んッッ!
確かにかの板垣でさえも想定外の事態であった。
そう、地上10数メートルのビル屋上から合計数百キロの甲冑一式に大剣を装備して
直接コンクリートの地面に全く減速せずに一撃を叩き付けた男が即座に立ち上がり
あまつさえ全速力で追撃をかけて来るという事態は。
「ガアアアアッッッ!」
板垣を再び間合いに捉えた甲冑が獣の如く吼え、その振りかぶった得物を
横薙ぎに豪快に払った。刹那、骨の砕ける鈍い音がした。
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492 :
板垣×三浦戦:2008/04/11(金) 20:58:39 ID:dqq097n10
ヨクサルは板垣にビルの壁に叩きつけられた状態のまま、先程からの
板垣と三浦の攻防の一部始終を見ていた。
先手を取ったのは三浦だった。
板垣が俺を仕留め損なった事への屈辱と怒りで若干周囲への注意が乱れた
丁度その瞬間を見計らって、三浦は無言で上空から超威力の攻撃を仕掛けた。
流石の板垣もその威力は防御不能、かつその状況ではカウンターを取る事も
出来無い為に、一旦大きく間合いを取る事を選んだ。
普通に考えればそれが正解である。奇襲、それも上空からの奇襲に対しては
まず間合いを取り、ある程度安全を確保した上で状況を把握するのが望ましい。
板垣もその定石に従って、まず三浦から距離を離す為に出切るだけ大きく、
少し体勢を崩しながらも後方へと跳んだ。
だが、それは三浦の目論見通りだった。
普通ならば一対一の格闘戦で上空からの奇襲を回避された相手が瞬時に
追撃し得る事はまずあり得ない。自由落下による衝撃は相手に命中しなければ
奇襲した本人に返り、そのダメージによりどうしても動きが制限される為だ。
ただ今回の三浦は違う。
身に纏った禍々しい獣の如き甲冑は三浦の痛覚を殺し、且つ落下の衝撃による
脚部の損傷は甲冑により強引に一時的に矯正される為、落下ダメージによる
身体能力の制限は一時的に無視され、迅速な追撃が可能となる。
あとは後方へ跳び退いて不安定な姿勢の板垣を、十分な体勢からこの大剣の
最も攻撃範囲の広く、回避の困難な横薙ぎで叩き斬ればそれで終わり。
確かに相手の手の先を読んだ、万全の戦略だった。
相手が「地上最強の生物」「巨凶」の異名を持つ板垣恵介でなければ。
493 :
板垣×三浦戦:2008/04/11(金) 21:30:48 ID:dqq097n10
板垣は後方へ跳び退いた足が地に着いた瞬間、地に思い切り身を沈めて
三浦の横薙ぎを避けると同時に、三浦の膝の関節を横から蹴り抜いていた。
板垣作品読者には分かる様に言うと、グラップラー刃牙の幼年編で
勇次郎が花山の両膝を一撃で完全に破壊したアレだ。
その時の花山と同様に、三浦の膝関節は鎧ごしながら完全に破壊され、
折れた脚の骨が鎧の隙間から痛々しくはみ出していた。
甲冑の為に苦痛を感じないとは言え、物理的な損傷で近距離で
一瞬とは言え動きを止められた状況は三浦にとって最悪だった。
三浦の大剣は超接近戦では威力を発揮出来ず、矢や火薬では
板垣のあの筋肉には殆ど意味を成さないだろう。
一方板垣は接近戦限定ならば集英社黄金期の漫画家達とも互角、
もしくはそれ以上に渡り合える程の実力がある。
故に今度は三浦が何としても間合いを取る必要がある。その為には
あの甲冑が脚を修復するまで何としても時間を稼がねばならない。
しかしどうやって?
( 俺 だ )
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現在の人数:55?/60
まんまガッツvs勇次郎のイメージが浮かんだわ
そして実際にこうなりそうだから怖い
板垣の何が怖いって、ここまで強く書かれても納得できてしまうところだな。
三浦&ヨクサルでも勝つイメージがなかなか浮かばない。
496 :
三浦×板垣戦:2008/04/13(日) 14:01:08 ID:xcTHgP9U0
俺は体勢を崩した板垣へと渾身の力で大剣を振り抜いた。
この一撃で板垣の胴は泣き別れになる筈だった。
だがその瞬間、板垣が消えた。
正面左右には奴の姿は無い。
なら上か?下か?
その瞬間に脚に強い衝撃を感じた。
下か!
三浦が下へと視線を落とす。
その瞬間再び脚に強い衝撃を感じた。
野郎!俺の脚を!
幾らこの甲冑に強制的に外傷を補修する力があっても
完全に分断されてしまえば最早意味を成さない。
奴はその事を察知してか、脚を徹底的に攻めて来る。
このままでは拙い。脚を吹き飛ばされれば
その時点で一巻の終わりだ。
三浦は咄嗟に腰を落とし、大剣を右脚側面の地面に
深々と突き立てた。
これでまず変則的猪木アリ状態での板垣の脚への攻撃は防げ
「アホウがッッッ!」
板垣の右拳が咆哮と共に三浦の顔面に叩き込まれた。
板垣は二発目の右膝へのアリキック後に三浦が膝を防御する為
思わず右脚側面に大剣を突き立てたのを見逃さず、左腕と左脚、
右脚のバネで一気に立ち上がり、その勢いでガラ空きの顔面に
右拳を叩き込んだのだ。
不十分な体勢からの手打ちの拳とは言えそこは板垣、威力は十分で、
へし曲がり、歪み、潰れた甲冑の兜は三浦の視界を奪った。
497 :
板垣×三浦戦:2008/04/13(日) 14:38:47 ID:xcTHgP9U0
膝関節を手酷く蹴り抜かれた三浦の反応が苦痛ではなく、
驚愕のみ一瞬遅く示す物だった事から、板垣は全てを察した。
麻薬かドーピングか、それとも胡散臭い甲冑の為か分からんが
どうやらあのチャンバラ野郎は痛覚が死んでいるらしい。
成程、上空から奇襲かけた上で即座に追撃かけて来た時は
有り得ねぇと思ったが、痛覚が潰れているなら話は別だ。
…そういう下らん相手なら、それ相応のやり方があるんだよ。
もう一発板垣は三浦の脚へと蹴りを叩き込む。
どうだ。何処に何をされているか全然分からねえだろう。
苦痛を感じないって事はそういう事なんだよ。
見た所、胡散臭い甲冑には外傷を強制的に修復する
能力があるらしいが、そんなのも全く問題無い。
要はお前がボロ屑になるまで叩き殺せばいいだけだ。
さて次は…
その瞬間、三浦が右脚側面に大剣を突き立てた。
オイオイ、何をやっているんだお前は。
そんな安易に甲冑の防御力だの修復力だのに頼って
一番肝心の顔面の防御を空けるんじゃねえよ。
「アホウがッッッ!」
あのガラ空きで間抜けな顔面に一撃を叩き込んでやった。
この一撃は威力よりも視界を塞ぐのが目的でな、兜が潰れちまえば
視界はゼロだ。オマケに聴覚、嗅覚、触覚も甲冑で制限されて
痛覚も死んでるとなれば、この野郎は最早只の木偶だ。
全く、下らん奴を相手にした。もういい…殺すか。
(左腕…骨折、右腕…同じく骨折、肋骨…5本損傷か。)
ヨクサルは一人黙々と体の状態を確認していく。
(…両腕は使えるとしても1、2回か関の山か。)
勿論、三浦が板垣に蹂躙される様を平然と眺めている訳ではない。
だがヨクサルは今すぐに飛び出したい気持ちを必死に押し殺しながら
体の各部を確認していく。全ては板垣に勝つ為に。
(…待っていろ、三浦。)
各部確認が終わったヨクサルは
次に大きく深呼吸を始めた。
(今の俺にある武器は…この脚だけも同然か。)
大きく息を吸って吐き出す。
(丁度良い。)
その度に少しづつ空っぽの体に力が戻る。
(この程度の逆境なら…本宮先生と猿渡先生との
あの地獄の2週間で散々味わってきた。)
仕上げにもう一度大きく息を吸い込み
(感謝します本宮先生、猿渡先生…さて、)
もう一度大きく息を吐き出し
(勝つか。)
そして目を見開いた。
板垣が三浦を叩き殺そうとしたその時、後方に異質な気配を感じた。
あそこには確か先程のルチャ男しかいない筈だが…
板垣は状況を確認する為、一瞬で三浦の両膝を正面から蹴り抜いて
逃げられないようにして、かつ地面に突き立てた大剣を握る右手の
拳に爪先を叩き込み指を粉砕し、反撃を封じてから背面へ首を向けた。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:55?/60
499 :
まとめ:2008/04/13(日) 15:49:09 ID:xcTHgP9U0
・何か自分で書いてて格闘バカの板垣を妙に強化し過ぎたような気もしたが
まぁ、今の状況は初代ストUで他キャラがザンギに端に追い詰められた
みたいな状況だからこうなってると言えば納得してくれるかな。ダメかもな。
・そろそろ次スレとか考えるべきかな。
・まとめサイトやしたらば、まだ要らないよな。
・魔法や異能相手ならともかく、
格闘相手ならあれぐらい凶悪でいいんじゃね?
・次スレか……ホントどうしようか?
・まとめとかは次スレが終わったらで
というか、三浦が着けてる鎧調べたら、すごい物見たよ
なんつうアイテムだよ、アレ
・板垣は得手不得手がはっきりしてそうなイメージ。
でも同時に生身でガンダムとでもやりあえそうな気もするけど。
とりあえず現状描写に不満はないです。
・次スレは450KBか480KBごろがいいんじゃないかと思う。
・展開相談とかも基本的には本スレでいいでしょ。
ただこのスレが落ちた時には過去ログ倉庫とかが欲しくなるかも。
ここらで一回どのキャラが好きとかどの話がよかったとか言ってみるか?
書き手のモチベーションも上がるかもしれないし。
私はるーみっくわーるど発動のあたりと集英社襲撃あたりが好きだな。
あと、カヤの外の人らの会話が何か好きだw
俺はやっぱり
>>11-14だな。
最初は正直すぐに落ちると思ってたけど、あれを見ていけると思ったから。
あとは初期を引っ張ってくれた麻雀とかいい感じに気の抜けた講談社組&死者組あたりがお気に入り。
アカギ読んだことなかったから麻雀のことはさっぱりだったが、麻雀の話が渋くて好きだ
別に戦闘能力とか持っているわけではないのに、福本がかっこよすぎて惚れた
506 :
武勇:2008/04/20(日) 09:46:19 ID:QxnKrItW0
――亀裂が広がり、殻が砕け、あまねく地に武勇が広がる。
――始まりの書
現在の状況。
国会議事堂屋根に荒木、大川、いがらし。
大川といがらしが数メートル開けて荒木を挟んでいる格好だが、『キャッチ・ザ・レインボー・ジェントリー・ウィープス』により荒木優勢。
議事堂入口付近に皆川、猫井。
腕は互角だが、疲労と武器のリーチ差により皆川劣勢。
「ううっ……くっ!!」
鉄球が頭を掠めた。と思ったら鳩尾をめがけて向かってくる。それをかわしたら後ろから……
もう1,2分ぐらい避け続けているのに、一向に威力が落ちない。この男、本当の化け物か!?
まさか荒木の力がこれほどとは思わなかった。とりあえず炎を纏っているから雨粒は問題ないけど、鉄球をなんとかしないと根本的な解決にはならないわ。
それに私は能力を身に纏ったりするより派手に放射するタイプだし、今のやり方じゃあ消耗が激しい。
とにかくこのままではじり貧だ。なんとかしないと。……あれを使うか?
いや、駄目だ。あれは私達の目的を実現させるため、なくてはならない物。いくら荒木が相手だろうと、軽々しく使うわけにはいかない。
そう思っていたら、いきなり目の前に鉄球が現れた。
大川にはそう思えたが、実際は彼女の意識が『あれ』とやらに向いた一瞬に荒木が攻撃を仕掛けたのだ。
鉄球は大川から見て左側から飛んできている。このまま飛んだ場合は10センチほど前を掠めるであろう軌道だ。
それを最も近づいたとき固定した雨粒に叩きつけて大川へと軌道変化。それでとどめ。
「グッド!!完璧な『軌道』!『タイミング』!だッ!!
左眼窩から伝播する『回転』は『小脳』『大脳』を経由し『頭維』に抜け……
『頭蓋』!『脳髄』!!『脊髄』!!をシェイクしてドロドロのスープに変えちまうぜッ!!
勝った!!!頭をブッ飛ばすッ!!!」
荒木の勝利宣言が、大川にはひどく遠くで響いているように思えた。
そして鉄球が彼女の髪と並び、耳と、頬と、そして目の位置にまで飛び、――
507 :
武勇:2008/04/20(日) 09:46:41 ID:QxnKrItW0
――鼻。右目。頬。耳。そしてもはや完全に大川から離れ、致死の回転を秘めた鉄球はどこまでも真っ直ぐに飛んで消えていった。
「何……だと……」
荒木は自分の目が信じられなかった。あの状況で失敗など、ありえない。
空気を吸って吐くように、HBの鉛筆を指でベキッとへし折るように、スタンドは操れて当然なのだ。
視界もクリアだし、その他の感覚も全部まともだ。外す理由などない。
なら何故だ?奴らが何かしたのか?
あの妙な自信からすればありえない話じゃあない。だがどうやって?
疑問はまだある。『キャッチ・ザ・レインボー』自体は問題なく発動していることだ。
スタンドの発現自体を禁じるならともかく、能力だけを封じるというのも変な話だ。ましてやこの雨の中で。
瞬間、荒木の視線は上方へ飛んだ。
『クリアな視界』『「キャッチ・ザ・レインボー」は発動中』『雨』。推測するには十分だ。
「なるほど、『キャッチ・ザ・レインボー』は雨粒を武器とする。
なら僕に武器を与えなければいい……というわけだ。」
彼の目に映っていたのは、いがらしを中心とした透明な幕のようなもの。
それは水だった。いがらしが『水(ウォーティ)』のカードにより作り出した疑似天井が、雨を荒木と大川の周囲から閉め出していた。
「どうかしら、荒木先生? 確かにあなたの言う通り自然現象そのものを操るほどの力はないけれど、この程度なら私の力だけでも出来るんですよ。」
そういったいがらしの顔は、とっておきの悪戯が成功した少年のようだった。自失を装い、最高の効果を上げられるタイミングを狙っていたのだろう。
荒木の全身に怒気が満ちる。必勝の策を破られた恥辱、そして有頂天となり術の発動に気付かなかった自分自身への怒り。
その他様々な感情が一度に噴出し、彼は衝動に突き動かされるようにいがらしへと走った。
だが、いがらしはあくまで勝ち誇った笑顔を崩さない。
「無駄よ、荒木先生。確かに今私は水(ウォーティ)の維持に力を注いでいるから、防御も反撃もできない。
波紋なり何なりを使えば私は倒せるかもしれないけど、でもそこまでよ。」
何故か? 今ひとつの陰が荒木の背後から迫っているからだ。
「よくやったわよいがらし! あとは死なないように気をつけなさい!!」
大川である。
「たとえいがらしを倒して水を強制解除させたところで、雨が私たちに届くより先に私の炎があなたを灼く!!
あるいは標的を素早く私に切り替えたとしても、今度はいがらしの水があなたを貫く!!
これで……チェックメイトよ!! あなたに敬意を表して『「一手」遅かったな……』とでも言おうかしら!!?」
508 :
武勇:2008/04/20(日) 09:47:13 ID:QxnKrItW0
絶対的優勢が一転、今や荒木は窮地に立たされていた。
『キャッチ・ザ・レインボー』は封じられ、『鉄球』は二つとも手元になく、その上『挟み撃ちの形』。
どう考えても絶望的な状況である。既に勝敗は決したと言い切ってしまっても問題ないであろうほどだ。
だが、それでも彼は止まらない。真っ直ぐに、いがらしを目掛けて拳を叩き込む。
荒木のパンチは、正確にいがらしの心臓へ向けて放たれていた。
さらに手が電気を帯びているように見えることからすると波紋を纏っているに違いない。
間違いなく当たれば致命傷だったが、それはいがらしの左胸に軽く触れる程度にとどまった。
「ぐ……はぁッ!!!」
しかしそれでも波紋は人体を伝わり、全身に甚大なダメージを与える。
さらに魔法を使うための精神集中が乱され、逆流した魔力がいがらしの体力を容赦なく削り取った。
「お……恐ろしい……荒木先生、私はあなたが怖い…!!
その『知』と『力』の全てが……敵にして、初めてわかるわ……!!!
でも……もう遅いわ。大川さんの手がとどいたのがわかるでしょう?私を撃ち抜くはずだった手が止まった理由……!!!
すでに!! あなたの敗北は…決定されているのよっ!!!」
地の底から絞り出すような呪詛にも似た言葉を吐き、いがらし寒月は糸が切れたように崩れ落ちた。
そして最後の言葉が示すとおり、もはや荒木の命は風前の灯火。
「残念だったわね、私が間に合っちゃって。
あの程度じゃあいがらしは死なないわ。『せめて一人でも道連れに』と思ったんでしょうけど、無駄足ってわけね。」
大川の掌が荒木の右肩に手形を付け、肉の焼ける不快な臭いを放っている。これが荒木の拳を止めたのだ。
手は炎を内包し、それ自体が熱を持っている。このまま能力を解放するだけで荒木は一塊の灰と化すだろう。
「もう一度言うわ。『一手』遅かったわね。……さようなら!!!」
509 :
武勇:2008/04/20(日) 09:47:39 ID:QxnKrItW0
「………ああ、その通りだとも。アリーヴェデルチ(さよならだ)。」
大川の炎は放たれなかった。手は遮るものがなくなって再び降り出した雨に打たれ、急速に熱を失っていく。
「な……なに……? 何が…起きたの……?」
肩に奇妙な感触。ついで異物感。その次に痛みが襲ってきた。
「いや、一つ訂正しておこう。一手遅れてなどいない。ちょうど王手詰み(チェックメイト)だ。
まあ、これは君たちが『一手遅れた』と見ることもできるかな? ……どう思う?大川君。」
「う……うわあああぁぁぁぁっ!!!!!」
言葉にならぬ絶叫。それが何よりも雄弁に大川の思いを表していた。
「そう、まさにそいつが僕の聞きたかった答えだ!!」
荒木の言葉に呼応するように、大川を打ちのめしたものが荒木の手に飛んだ。
独特のポーズで見せつけるように受け止めたため、大川にもその正体が知れた。
「て……『鉄球』………!?
そんな…馬鹿な……ありえ…ない……!!!」
それを最後に、大川七瀬の意識は闇に落ちていった。
――荒木は一つ目の鉄球も『キャッチ・ザ・レインボー・ジェントリー・ウィープス』に組み込んでいた。
豪雨による視界の悪さと激しい雨音がCLAMPの発見を阻み、相当遠くでループ構造を組んで待機させていたことでいがらしの天井にもかからなかった。
あとは適当なところでループを解除、数刻前までの荒木と同じく有頂天になっていた大川に叩き込んだ――というわけである。
荒木の悪魔的頭脳、狡猾なまでの機転、そして最高のタイミングを見抜く眼。
全てが大川といがらしのそれを上回っていたということだろう。
さて、これで議事堂上空での戦闘は一応の決着を見た。
では次は議事堂入口付近での戦闘、皆川対猫井に目を向けてみよう。―― To Be Continued...
青山 …そうか、ああ…せや。…ん。ああ、じゃ、切るで。
ガチャン
山根 今回の電話は何だ?少し顔色が優れないようだけど。
青山 …ちょっと前に講談社の星野とさいふうめいが殺られたんや。
どうやら同じ講談社の連中の手でな。
山根 また内ゲバ?
青山 多分な。あのラブコメ野郎がちょっと前に佐木だの藤沢だの
馬鹿ヤンキー共を追い出して暫くゴタゴタしたのは知ってるやろ。
山根 まぁね。
青山 で、それが収まったと思いきや今度はコレや。
あの2人以外に福本の野郎にも刺客が来とる。
山根 成程。今度は自分の所のギャンブル連中が標的という事か。
何とも落ち着きのない事だね、あのラブコメ男も。
そこまで彼は自分の同僚が信じられないのかな?
青山 さぁな。
山根 それとも何か拙い秘密でも握られたとかね。何れにせよ嫌な話だ。
青山 …人殺しの話は常に嫌なモンや。
山根 …青山先生?
青山 …さ、仕事に戻りや。無駄口叩いてる暇はあまり無いで。
山根 …ああ。
青山 ………
山根 ………
青山 (あの2人も殺られたか。これであの時の生き残りも…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 回 想 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
青山 どうも初めましてぇ〜。ワイ、「バード」「ガチ」の青山広美ですぅ〜。
編集長 フハハハハハ!秋田書店へようこそ青山広美!
さて早速ですまないがキサマに一つ仕事を頼みたい!
青山 ハイ、喜んで!…で、どない仕事でっか?
編集長 ハーハハハハ!内容確認前に承諾とは頼もしいな青山!
素晴らしい!これこそ漫画家のあるべき姿だッ!
青山 (何かけったいなヤツやな。…やっぱり竹の方がマシか?)
編集長 さて、貴様に頼む仕事はこれだッ!
青山 えー、何々…「四大少年誌合同麻雀大会」でっか。これに参加しろと。
(ケッ!ガキの使いでもあるまいし!下らん仕事や!)
編集長 これは四大少年誌の面子を賭けた大会でな、負ける事は死と同義と思え!
青山 はぁ。
(ヘッ!ワイを誰やと思っとる!ワイはギャンブラー青山、
素人共とは比べ物にならない修羅場を潜り抜けてきた男や。)
編集長 参加者はこの8人だ!よく対策を練っておけ!
集英社 本宮ひろし、甲斐谷忍
小学館 能條純一、天獅子悦也
講談社 福本伸行、星野泰視&さいふうめい
秋田書店 青山広美、大和田秀樹
青山 モッ!モギィィィィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!
編集長 事前に他社からの襲撃も予想されるのでな、護衛もつけておいた。
紹介しよう!「地上最強の生物」板垣恵介!
板垣 よぉ、ジジイ。テメエがまだくたばってねぇとはな。
編集長 フハハハハ!お前も相変わらずで何よりだ!さて板垣!
お前はこの男の護衛に当たれ!襲撃者は殺しても構わん!
板垣 あぁ。で、コイツが逃亡しようとしたらどーするよ。
編集長 殺せ!
青山 ノッ!ノォォォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 回 想 オワリ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
青山 (…こうして少なくなればワイがギャンブル漫画のトップを取る事も
夢じゃなくなってくる訳や!いいで赤松!とっとと福本も殺りや!
グフフフッ…エフッエフッエフッ!)
山根 …なぁ、青山先生。
青山 …な、何や!
山根 今、何か良からぬことを考えていなかったか?
青山 …き、きき…気のせいや!とっとと仕事に戻らんかいクソガキ!
山根 そうか。
青山 …全く!余計な詮索はするモンやないでクソガキ!
山根 そうだな。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:55?/60
・編集長のモデルはハゲ。
・どう考えてもマトモな麻雀をする気が無ェ秋田書店。
・天獅子先生の龍虎シリーズ復刊してくれないかな。
いい加減渡鬼終われ。
荒木はCLAMPに、勝利。大川はリタイアか?
そして青山、お前……
>>504 俺最初の桃種書いた奴だけど、正直に言ってくれや
アレ、つまらなかったか?
青山もいい感じにアレだなあオイ。
ほんと島で松江名にしごかれてたのと同一人物には思えない。
>>514 いや、少なくとも俺はあれも十分よかったと思うよ。
>>504の考えはわからないけど、たぶん二人目の書き手ができたって意味じゃないか?
この手のリレー小説は構造的に結構な人数を必要とするものだし。
ただ正直、挙げてもらえたのは嬉しいけど昔のは今から見ると荒さが目立って恥ずかしい。
大川はどっちとも取れるようにぼかしておいたんで、次の人に任せます。
人の反響なんぞ気にしてたらこんなスレに書き込める物じゃない。
こんなのは好き勝手に書き散らしていいンだぜHAHAHA
そして麻雀はテキトーに嫌過ぎるメンツを出してみたが文章力がないから
自分には闘牌は書けん。が、天獅子先生はちゃっかり上位入賞して賞金で
銀座で遊んで気が何となくする(自分の中で天獅子先生はリアル安永プロ)。
そんな俺設定とチラシの裏。
何つー嫌すぎる面子w
しかし青山生き残ったという事は、伝説の青天井ワンツーが炸裂したのかな
桃種連載開始したな!!
安西もだけどな
安西の奴、漫画家としてはもう再起不能だと思ってたのに…
またヘブナーにとって充実した日々が始まりそうですね
鳥山の瞬間移動で、彼と和月の2人は即座に
許斐と車田の力が爆ぜた場所へと辿り着いた。
その瞬間、2人は驚くべき光景を目にした。
「…なぁ、和月。」
「あぁ、鳥山先生。ここには十数階建ての廃ビルが在った筈だ。
つい先程も航空写真で、少なくとも存在は確認してる。
だが、コイツは…」
2人の目前には廃ビルなど存在しない。
それどころか
「核?いや、コイツはそんな生易しい物じゃないなコイツは。
コイツは…いや、隕石が落ちたとしても説明が付かねぇ。」
そう和月が当惑せざるをえない光景が広がっていた。
それまで廃ビルが在ったらしき場所には文字通り何も無かった。
ジャンプの現役看板作家と黄金期看板作家の衝突である。
和月は建物が瓦礫の山と化している事くらいは予想していた。
鳥山は激闘の余波で一帯が灰燼と化していると予想していた。
だが状況は両者の予想を遥かに超えるものだった。
周囲への被害は比較的軽微で、少なくとも一帯の都市は消失しては無い。
だが建物の嘗て在った場所には瓦礫、いやそれどころか地面すらなかった。
只、とても深い、鳥山にも底が見えない位に深い穴が口を空けていた。
物理法則を無視し、膨大な力が極小な一点に集中された事が
ありありと示されるこの状況を見て鳥山は
「車田」
と、一声漏らした。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:55?/60
・うん、やっぱり展開遅い。
・和月の口調とか少し変。
・安西のアレは、まぁノーコメント。
和月のキャラがあまり定まってないね
旧の頃はパピヨン+志々雄で、かなりキャラ際立ってたけど
523 :
小ネタ:2008/04/29(火) 09:38:57 ID:K/KSOrgT0
集英社と秋田書店の軍勢に偽装した講談社の衝突が続く中、
講談社の一角で一人の男がその存在を忘れられていた。
(…遅いなぁ。準備して待機って言うから待機してるのに
あれから何十時間経っても全く何もない。)
殺風景な部屋の中で彼は溜息をついた。
(…待機中の暇潰しだとアイツが置いて行ったモンハンも
いい加減飽きた…ってかモンハンって複数人プレイが
楽しいゲームなんだし、一人でやっててもイマイチ…)
その時、部屋の片隅の小窓が開いた。
見ると簡素な食事が盛られたトレーが置いてある。
(…この部屋は数時間おきに自動的に食事が出るみたいだから
餓死って事は無いけど…何というか味気ないんだよなぁ。)
数時間前と同じく彼は、のそりと食事のトレーを取りに行き、
あまり美味くないコッペパンに備え付けのマーガリンを塗って
もそもそと無言で食べる。
(…こういう所で食事に文句言っても始まらないけど、
このパンあまり美味しくないな。)
彼の名は安西信行。つい先程までは自分を見捨てた
小学館への復讐心に燃えていた男だった。しかし
(…もうどのくらい人とマトモに話してないんだろう、俺は。
昔はこうじゃなかったんだ。師匠がいて俺と雷句がいて、
あの変態に星野もいて、その他にも色々いて…
時々他の作家達も遊びに来て飲んで騒いで語らって…)
HIKIKOMORIっぽい時間が続いた為か今は少し情緒不安定だった。
殺風景な部屋の中で人知れず安西は昔を思いぽろぽろと涙を溢した。
これまでのあらすじ
講談社の洗脳を受けた小学館屈指の実力者、藤田和日郎を
同小学館の高橋留美子と椎名高志が激闘の末、何とか退ける。
椎名 「大丈夫ですか先生!藤田さん!」
留美子 「…正直、大丈夫とは言えないわ。久々に全力で闘り合ったけど
藤田君の技のキレは相変わらずね。かなり酷い目にあったわ。
…あ、いいのよ。藤田君は私が運ぶから。」
椎名 「いいんですか?体力の消耗は激しいはず…」
留美子 「いいのよ。その代わり移動手段は貴方に任せるわ…ところで。」
椎名 「あ、ハイ。」
留美子 「その手は…その指の動きは何かしら?」
椎名 「(検閲により削除)ですよ。」
留美子 「………!…………………?……………!?………………………!!!!!」
椎名 「さ〜っき言ってましたよねぇ〜る・み・こ・セ・ン・セ♪」
留美子 「い、いい、イヤねぇ。こんな所で何言ってるのかなぁ〜?ね、椎名君♪」
椎名 「…惚けても無駄ですよ!ぼかぁ!先生が(検閲により削除)って言うから!
必死の思いで!あのキ〇ガイ相手に!勇気を振り絞って!先生の為に!
そう!全ては先生の(検閲により削除)の!(検閲により削除)の為に!」
藤田 「噴ッ!!」
椎名 「ギャー!」
留美子 (藤田君!?)
椎名 「…今のは…藤田さん…意識が…戻っ…て…!?…イヤだ…それはイヤだ…!
ここでまた…逃…したら…また(検閲により削除)が…うやむやに…そんなの…」
留美子 (藤田君!いいタイミングで意識が戻って!)
「せっ!」
ゴ キ ッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しばらくお待ちください〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
椎名 「う〜ん…あれ、ここは?」
藤田 「…気付いたか。」
留美子 「…良かった!大丈夫だったのね椎名君!」
椎名 「あ、ハイ。」
留美子 「もう!心配させないで!あれは無茶よ!」
椎名 「無茶…ですか?済みません。ちょっと藤田さんと戦っている
途中からの記憶が曖昧になっていて…」
留美子 「不用意に前に出過ぎて藤田君の攻撃を貰っちゃったのよ。
藤田君は普段の秋田書店の連中とは格が違うんだから
…気をつけなきゃ駄目なのよ!不用意な行動は命取り!」
椎名 「…済みません。」
留美子 「謝ればいいって訳じゃないの!一歩間違えば死んでたのよ!
…いい?椎名君。貴方は私の…私の、大切な仲間なのよ。」
椎名 「!」
留美子 「…貴方が死んだら…その…辛いじゃない。」
椎名 「…!先生…!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜以下 150行程 省 略 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
留美子 「…いい?椎名君が頑張ってくれるのは嬉しいけど、
これからはあまり無茶しちゃ駄目よ…約束して。」
椎名 「ハイ!先生!」
留美子 「…よろしい。じゃ、藤田君の体力も少し戻ったようだから出発よ!
目的地は○○デパートのPEACH-PIT!」
椎名 「ええ!行きましょう先生!藤田さんはもう大丈夫ですか?」
藤田 「…あ、ああ。」
(…「ラブコメの女王」の異名は相変わらず伊達じゃないか。
あれ程(検閲により削除)に猛り狂っていた椎名を力技と
舌先三寸で完全に丸め込むとは…恐るべきだな。)
さすが留美子さんだ、椎名が暴走してもなんともないぜ。
この人たちがえなりに合流したら旧版から通しても最強クラスのチームが出来上がりそうだ。
今回の留美子は素で黒いなw
物事がゴチャゴチャして時系列がイマイチわからない。
大まかな流れはこんな感じでいいのかな。
秋田書店vs小学館、秋田書店大敗
↓
小学館の秋田書店反乱分子粛清開始
↓
各出版社PEACH-PIT捕獲作戦
CLAMPvs集英社軍団、開始
↓
車田&板垣、集英社襲撃。
車田、福本抹殺失敗。
↓
車田、許斐の追撃を受ける
小宇宙大爆発
↓
講談社、集英社&小学館襲撃開始
集英社近辺全面封鎖
あとどこかに藤田や安西の失踪とか赤松のクーデターとか
車田の離脱とか留美子&椎名vs藤田とか山賢復活とか
長谷川裕一の帰還とか入るみたいな。
「それで、貴方達は○○デパートまで来たのね」
「そう言う事っス。一緒に行動してたスけど、冨樫先生も今大変なんスよ」
「あの冨樫先生がねぇ。本当に信用出来るんですか?」
「えなり君、あの人は確かに他人を騙したり利用したりは日常茶飯事っスけど、
奥さんの為なら真面目なんスよ」
福地の操縦するヘリの中、どうやらPEACH‐PITの説得に成功したらしく、
若干2名を除いて和気あいあいと話していた。
その2人のうち、1人は東だ。乗り込む際同契を解いた後、「ちょっと横にさせて」
とだけ言って、えなりの肩にもたれ掛け眠ってしまったのだ。福地の説明によれば、
東の同契はその形態によって必要な力の回復方法が異なり、レヴェリー=メザーランスの場合は
「睡眠」なのだとか。
1時間もすれば目が覚めるだろうとの事なので、えなりは嫌々ながらも
承諾せざるを得なかった。そのとき、千道とえばらの視線が妙に痛かったのは
気のせいだと信じたかった彼がいた。
さて、と一同は今まで話しに参加しなかったもう1人に目を向ける。
「福本さん、あなたが講談社を裏切りったって本当なんスか?」
「まさか、先生の言っていた仕事と何か関係があるんですか?」
福地とえなりの問いに、福本は短く笑って答えた。
「俺が狙われてる理由はまだ言えん。ただ、CLAMPは奴らの方法で世界を浄化するつもりらしくってな」
「世界を浄化?」
「洗脳でな。人間の思考を改造しちまうそうだ」
福本は相変わらず淡々と語る。
「戦争なんかを無くす為だか知らんが、博打は人の裏があって成立する部分もあるんでな。
そうなったら、こっちは漫画が描けなくなっちまう」
「それで、奴らの具体的な計画とかは?」
「俺の憶測混じりだがな……」
その後も、福本が話してくれた事で、彼らには様々な事が分かった。何故武内が拉致されたか。
そしてPEACH-PITがどうして狙われていたのか。
CLAMPの洗脳がどの程度であれ、2人の能力なら解けるかもしれないからだ。夢に入り
心の樹を癒す事にかけて彼女たちは他の追随を許さない。マガジンにとっては脅威以外の何者でもない。
「ところで、これからどうするんですか福地先生」
「そうなんスよね。逃げたはいいけど何所へ行けばいいんすかね」
戦場から脱出したはいいが、このまま少人数のままではジリ貧だ。相手は仮にも一種の軍隊。
自分達側にも後ろ盾が欲しい。それに
「俺たちを追ってきてるアレ(・・)も振りほどきたいしな」
そう、彼らのヘリの後方には、藤真が放った6体の渡鴉の人見(オクルス・コルウィヌス)がいる。
えなり達は詳しくは知らなかったが、何やら不味い物である事は分っていた。
「出来る事なら、真っ直ぐ集英社に向かいたかったけど」
「これじゃ、向こうに迷惑掛かっちゃいそうだしねぇ」
えばらと千道も思わず愚痴をこぼす。ヤングジャンプに移籍したコネで協力してもらいたかったが、
先ずは追跡者をどうこうする必要がある。
「とりあえず、人気のない所で無力化した方がいいっスね」
そんな福地の意見に皆も賛同し、一行は山間部へと進路を変えた。
to be continued
・どこの山間部かはぶっちゃけ自由です。合流もありだし、死体発見もありだし。
つか、いつの間にか移転してたんか
ID出なくなったけど、まあ今の状態なら別に心配ないかな
今の集英社に行ってもまともなのは荒木と皆川(戻ってきてたら)ぐらいしかいないような…十分か。
・何事もなく集英社へたどり着いたなら→229へ
・留美子達と会うなら→76へ
・もし佐藤の遺体を発見したのなら→14へ、それぞれ進め。
しかし、漫画サロンか。
流れが速く落ちやすいのはまだぎりぎり何とかなるとしても、結構頭の足りない奴とか誰彼構わず喧嘩を吹っかけてくる奴とかがいるからなあ。
…………次スレを建てる時に反逆するか?
というわけで(?)簡単なテンプレの草案を作ってみた。
よかったら叩き台にでもしてくれ。
○このスレッドは漫画家リレー小説『えなりの奇妙な冒険』のリニューアル(リセット)版である!
○ただし内容に関連性はないため、旧版を読む必要はない!
前スレ
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1182416885/からの続き、いくぜ!!
○リレー小説は割り込み上等!文章の質も基本的に問わない!!
「この先こうなったら面白い」「あの漫画家に活躍してほしい」などと思ったら自分で書いてみよう!!
○無計画な規模の拡大による空中分解を防ぐための特殊ルール『人数制限』について!
・登場漫画家は60人まで(一般兵などの雑魚キャラは除く)
・漫画家の登場、退場(死亡、自主退場など)を書かれた方は、作品の最後に
登場人数、退場人数、残り人数を書く
・定員以上の漫画家を出したいときは、誰かの退場まで待つこと。但し、
出したいからといって瞬殺はNG。納得のいく退場描写を心掛けるべし
・書きたいキャラがいたら早い者勝ち
○その他読み手書き手の守るべきルールというかマナーを以下に記す!
・ストーリーの流れは把握すること
・メインは漫画家。漫画のキャラは出さない
・誤字脱字の訂正は最小限に抑える
・細かい設定、言葉遣いの失敗には優しく対応
書き手も人間、失敗はあるもの
・指摘は優しく。罵倒と助言は違う
・リレー小説に割り込みは付き物。割り込まれても怒ったりせず、それに合わせて話を考えるように
★前回までのあらすじ(可能なら前スレを読んでおくことをお奨めします)
漫画家が自作の能力を持つ、この世界とよく似ているがここではないどこかの世界。
この物語は、そこに生きる漫画家達の生き様を描いた一大叙事詩であ……ったらいいなという願望。
かつて矢吹健太朗が世界を牛耳らんとして起こした大戦は、漫画界の自由闊達な発展を願う
勇気ある漫画家達の活躍により、矢吹の敗北という形で幕を閉じた。
矢吹大戦の直後、『鬼畜・劣情・勝利』を旨とする秋田書店が小学館との間に戦争を起こす。
この戦争は数に勝る小学館の勝利に終わり、秋田書店は屈辱的な講和条約を結ばされることとなる。
それに反発する一部過激派勢力がゲリラ化、それらの掃討を進める小学館と散発的な戦闘を繰り返している。
21世紀初頭、CLAMPや赤松健を始めとする講談社の幹部連が突如として乱心、
少女漫画界への侵攻と武内直子の拉致、敵対者や不賛同者の洗脳など蛮行を繰り返す。
どうやら目的は洗脳装置を用いた精神支配による『ノアの洪水』を起こすことらしいが、これですら真実であるという確証はない。
彼らの手を逃れた少女漫画家であるPEACH-PITや竹本泉達は高い戦闘能力を持つ少年漫画家達に助けを求め、
来るべき戦いに備えようとしている。
それと同時期、秋田書店の車田正美と板垣恵介が集英社(週刊ジャンプ)を急襲、多数の漫画家が重傷を負ったとされるが被害の全容は不明。
またこれに便乗する形で講談社の真島を始めとする一団が秋田書店を装って集英社を襲撃、現在も戦闘中である。
これら大きな動きの他にも、国会議事堂での荒木&皆川対CLAMPや山中での留美子&椎名対藤田など各地で小規模な戦闘が頻発しており、
これから事態は一層混迷の度を増すと思われる。
★登場人物紹介(一応勢力別)
☆集英社
・荒木飛呂彦
皆川を追ってCLAMPの隠れ家を襲う。
大川緋芭およびいがらし寒月と戦闘、これを破る。
なお、スタンドの切り替えに一分程度かかるらしい。
・皆川亮二
皆川“ピースメーカー”亮二。
PEACH-PITを襲ったCLAMPに急襲を掛ける。
中国拳法やARMSを使う。
現在猫井椿と戦闘中。
・大暮維人
皆川と荒木にPEACH-PITの一件を伝えた後、ウルトラジャンプ編集部にいたが
秋田書店(正体は講談社)の襲撃に対して防衛任務に就く。
現在は久保帯人と戦闘に入りそうな気配。
・尾田栄一郎
・岸本斉史
車田に襲われ重傷。
・冨樫義博
休載を超えた休載漫画家。
CLAMPに拉致された妻の武内を救出しようとした折りに福地と知り合う。
東を拘束後、小学館の浦沢と共に集英社へ向かう。
・柴田ヨクサル
三浦と共に板垣と戦闘中。
板垣の猛攻により重傷を負っているが、起死回生の策があるとかないとか。
・鳥山明
・和月伸宏
冨樫と共に集英社へ行き、岸本から事の顛末を聞く。
その後許斐と車田の戦闘があった廃ビルに向かう。
・許斐剛
COOLなテニス漫画家。
車田を相手に互角以上の戦いをするが、幻術?により敗北。
どうやら戦闘の余波で集英社を破壊させられたようだ。
車田を追撃し戦闘になるも、どうやら敗れたらしい(明言はされていないが)。
現在は生と死の間にてドン引きしたり突っ込みを入れたりしている。
・本宮ひろ志
・猿渡哲也
集英社で雑談中。
・岡本倫
襲撃してきた星野を殺害。眠りについていた?
☆小学館
・椎名高志
超能力者で霊能力者だが煩悩の塊。
留美子と協力?して藤田を倒す。
・高橋留美子
サンデーの重鎮。巫女さん→ビキニアーマーで美人で巨乳。椎名のセクハラに悩まされている?
講談社に操られた藤田和日郎と戦闘、これを破り正気に戻す。
このスレのオリジナル技『るーみっく・わーるど』を持つ。
・浦沢直樹
小学館ビッグコミックスピリッツ支部長にして小学館屈指の策士。
青山とちょっとした?遺恨あり。
冨樫に連れられて集英社へやってきた。
・雷句誠
小学館を襲った秋田書店(正体は講談社)の軍団と戦闘中。どうやら病み上がりらしい。
・藤田和日郎
サンデー屈指の実力者。
講談社に単身?戦いを挑むが敗北、洗脳されて留美子と椎名を襲う。
留美子に洗脳を解かれ、彼女らの仲間に復帰した。
☆講談社
・大川緋芭
・猫井椿
・もこな
・いがらし寒月
四人でCLAMP。
人類の行く末を憂い、洗脳装置を使ったマインドコントロールによる『ノアの洪水』を起こそうとしている。
そのために必要な『銀水晶』を持つ武内直子を誘拐。
大川といがらしは荒木飛呂彦と戦闘するも敗北。大川は生死不明。
猫井は皆川亮二と戦闘中。
もこなは国会議事堂地下の隠れ家にて待機。
・赤松健
CLAMPに時間跳躍弾を渡したり福地にえなりの居場所を教えるなど暗躍。
集英社襲撃に参加している。
・光永康則
安西を自らの血で蘇生させる。
その研究所を出るが目的等は不明。
・真島ヒロ
パクリ四天王の一角。
安西を唆した後、久保や星野と共に集英社を襲撃する。
ファンタジー作家のはずが何故かヤンキーっぽい。
・久米田康治
科学者。洗脳装置などを作っている。
有能なのだが些細なことで絶望するダウナー系。
・(畑健次郎)
久米田康治の弟子であり執事。結構かわいい男の子。
・(安西信行)
藤田の弟子。(元)パクリ四天王の一角。
秋田のゲリラに殺されるが、光永の血で蘇る。
真島に唆され、小学館への復讐を誓う。……のだが決心ぐらつき気味?
・(久保帯人)
集英社を裏切り、講談社に所属。
集英社襲撃に同行し、大暮と戦闘に入りそうな気配。
・(川下水希)
集英社を裏切り、講談社に所属。
上の二人と共に矢吹健太朗を誘拐し、洗脳する。小悪魔。
・(矢吹健太朗)
(元)パクリ四天王の一角。
かつてパクリ漫画家として世界を支配しようとしたが、敗北。
その後作画担当としてラブコメを描くまともな漫画家になった。
久保たちに拉致され、河下に洗脳されて集英社襲撃に参加。
現在集英社にて岡本と対面中。
・藤真拓哉
赤松の弟子。
星野とさいふうめいを殺害後、福本を暗殺しようとするが福地達に阻まれる。
・小林尽
講談社の作家。フオォォォ!じゃないらしい。
・瀬尾公冶
講談社の作家。集英社に向かったらしい。
・寺嶋裕二
・篠原知宏
講談社の作家。
☆秋田書店
・車田正美
秋田書店の命で集英社を襲撃後、福本伸行の暗殺に向かう。
一度不覚をとったため配下の岡田と由利に任せ、
自身は追撃してきた許斐と戦闘。どうやら勝利したらしい(明言されてはいない)。
・板垣恵介
秋田書店筆頭。かなりの戦闘狂。
現在柴田ヨクサル、三浦健太郎と戦闘中。
・山本賢治
秋田書店元過激派幹部。
小学館勢力に拷問、暴行を受け瀕死の重傷を負ったところをヤマグチノボルに召喚される。
その後ヤマグチを食べて回復、みなもと悠と共にアライブでラブコメしていたが変態扱いされて仕置きされた。本当はド変態。
・佐藤健悦
山本の弟子。小学館に襲われ、死亡。
現在『生と死の狭間』にて光原、吉富、高橋(葉)、許斐らと共に状況を説明したりしながらのんびりしている。
重症のマゾヒストな上非常にかわいい男の娘。
・青山広美
・山根和俊
いろいろあって秋田書店に流れてきた。
情報収集などを行っている。
車田&板垣による集英社襲撃の事後処理難航中。
・岡田芽武
車田の舎弟。
獅子の黄金聖衣を身につけており、それから車田の力を得ているらしい。
由利より強いらしいが、PEACH-PITに敗北。
・由利聡
車田の舎弟。
木刀(聖剣?)を持っており、それから車田の力を得ているらしい。
車田の命を受け福本を襲撃するが、福地、東、藤真らの乱入のため失敗。
ちなみに岡田より弱いようだ。
・余湖裕輝
100人いる。
肉弾戦と治癒力には自信のあるウルフガイ。
満月時には人狼化し能力が上がるが、なにぶん見た目化け物なので目立つ。
☆えなりと仲間たち
・えなり
本編の(名目上の)主人公。玲奈と共に数少ない漫画家でない登場人物。
ロックバンド『えなりん』のボーカルをつとめているが、売り上げ不振により借金地獄に陥る。
福本伸行に唆され麻雀をやっていたら車田、岡田、由利に襲われた。
PEACH-PIT、福地、東の助けもあり辛くもこれを撃退、集英社に向かおうとしている。
・福本伸行
何をたくらんでいるのかえなりを『仕事』に誘う。
それとは別に星野、さいふうめいと麻雀勝負中、車田の襲撃を受ける。
また講談社にも狙われているが、理由は不明。
・えばら渋子
・千道万里
二人合わせてPEACH-PIT。
武内直子の依頼によりえなりに会い、CLAMPの野望を阻むため戦う。
車田正美配下の岡田芽武を下した後、福本その他と合流。
ヤングジャンプに移籍したコネから集英社の協力を仰ごうとしているようだ。
・福地翼
打ち切り同然の境遇にいたときに冨樫と会い、行動を共にする。
東を拘束後、赤松の言に従いえなりに会いに行く。
その後対由利・藤真戦を経てえなりたちの仲間に加わった模様。
・東まゆみ
元は矢吹の秘書をしていたが、なぜか『エンジェル部隊』の部隊長になっていた。
冨樫と福地の襲撃を受けて捕獲され、赤松に解雇宣告される。
他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドであり、えなりと同契する。
☆その他・無所属・不明
・武内直子
重要そうなアイテム『銀水晶』を持っている。
CLAMPに拉致され、昏睡中。
・高橋葉介
・光原伸
・吉富昭二
生と死の間にて佐藤と許斐を案内(?)中。
・三浦健太郎
ヨクサルと協力して板垣と戦闘中。
板垣の猛攻を受け、戦闘不能?
・玲奈
えなりの姉でジャーナリスト。
武内誘拐事件を探っていたが、講談社に捕まる。
CLAMPの企みを知り、阻止しようとしている。……はずなのだが何やら久米田達と仲良くしている。
・安彦良和
『神』に戦いを挑むも敗れ、死亡する。
と思ったらそれは平行世界での出来事だったらしい。
こちらの世界では今のところ平和に暮らしている。
・長谷川裕一
安彦が『神』と戦い、敗北した平行世界に登場。
地球へ奇跡的な生還を果たしたところを竹本に召喚?される。
情報収集という名目でコミックとDVDを40万円ほど衝動買いしてしまった。
☆退場者
・ヤマグチ・カナリア・グリーングリーン・ストライクウィッチ・ノボル
絵師を使い魔として召喚しようとしたら何の間違いか山本を召喚してしまう。
その後山賢に食べられてしまった。合掌。
・竹本泉
自称少女漫画家。
平行世界移動+平行世界の一部入れ替え(ただしほぼ制御不能)が出来、長谷川裕一を召喚する。
退場したのはマイナーだとか使いづらいとかいった大人の事情らしい。たぶんまだ山中の家で漫画を書いているだろう。
・西条真二
戦後処理の一環として秋田書店から小学館に移籍するが、
「小学館の漫画家達にゴリラと将棋打たせるわ
麻薬入りのスープや勃起と鼻血が止まらなくなる料理食わせるわ
好き勝手して挙句の果てにロリ孕ませて年表書いて逃亡」した。
・高橋ヒロシ
戦後処理の一環として秋田書店から小学館に移籍するが、
「移籍早々サンデーに殴り込んでそこの漫画家に
片っ端から喧嘩売って、一日で半分近くの漫画家を血みどろの
ボコボコにした挙句、予告も無しに逃亡」した。
・星野泰視
・さいふうめい
福本と麻雀勝負をしていたが、車田の襲撃で勝負は中断。
その後藤真に殺害される。
・みなもと悠
秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして現アライブ恋愛部門臨時担当。らしい。
山本をボコった後山本とラブコメ状態に入ったが、結局山本のセクハラにキレて退場。
・星野桂
集英社を裏切り、講談社に所属。
集英社襲撃に同行していたが岡本に殺害される。
現在の人数:59/60
★オリジナル設定
・エンジェル部隊
講談社に心酔する同人漫画家をサイボーグ化した実働隊。
早い話が兵士A,Bである。
・るーみっく・わーるど
高橋留美子の能力。
特殊な力場を展開し、その中に自分の漫画のルールを適用させる。
さまざまな行動が適用された漫画内における制限を受けると考えてもらえばいい。
例えば『うる星やつら』や『らんま1/2』使用時に爆発を受けてもダメージにならない、など。
自分だったら、こんな素晴らしいテンプレ書けなかったよ
感謝と尊敬でいっぱいだ
それはそうと、次スレは何処にたてる?
少漫板からこっちに飛ばされたぐらいだから、サロンでいいんじゃね?
どうもサロンは好きになれないんだよなー。
厨房の流入がひたすら怖い。
とりあえず少年漫画に立ててみて、また移転させられたらおとなしくサロンでやるとか……ダメ?
それとスレタイは
【漫画家リレー小説】新生 えなりの奇妙な冒険 第二部
でどうだろ。
>>548 いいねえ、そのスレタイ
じゃ、480KB越えたら次スレ立てよっか
自分も新スレは少年漫画板に一票。
マロンだと週一投稿でもスレ落ちしそうだけど
少漫板なら月一投稿でも余裕で残るから安心。
保守しとく
全てが燃え尽きた地球で、血に塗れた一人の異形が
宇宙の滅びる瞬間をなすすべも無く見ていた。
あれからもうどれだけの時間が経ったのだろう。
安彦先生と富野先生を筆頭に島本、麻宮、貞元、今川、長谷川、大和田達が
「神」へ決戦を挑む為に宇宙の果てへと消えたあの時から。
今分かるのは、あの悪魔が全世界に宣戦布告して僅か数週間で
世界が壊滅した、ただそれだけだ。
俺には何も出来なかった。
苦難を共にした仲間達や俺を頼りにした物言わぬ、弱く、罪無き人達が
次々と悪魔と化して各地で無差別に虐殺を始めるのを止める事も
その恐怖を引き金とした人類同士の同士討ちによる滅亡を止める事も
あの悪魔に一矢報いる事も出来なかった。
何が正義だ。何が人々を護る楯だ。
俺は…俺は!
「…もうすぐこの世界は完全に壊滅する。坊主、テメェは好きにしろ。」
そう言って、悪魔は異形を独り残して消えた。
飛蝗を模したマスクの破損した箇所から覗くその瞳から流れる涙を
最早拭おうともせず、異形は声を上げてただ独り慟哭した。
数分後、空を遥かに覆い続けてきた「皇帝」の時空を揺るがす程の声が
世界に、地球に、そして全宇宙に響き渡り全ては瞬く間に光に包まれた。
異形はただ目を見開いてその光を全身に受けた。
その瞬間、彼は天からマフラーを靡かせた自分とは別の異形が
こことは違う燃え尽きた世界から逆に光臨するのを光の中に見た。
その異形は飛蝗を模したマスクの裏で静かに涙を流していた。
少なくとも彼はその様に感じた。
オワッテ‥‥シマッタ
マタ‥‥‥セカイガ
オワッテシマッタ‥‥
彼は異形の悲痛な思いを感じた。
こいつも俺と同じく、大切な何かを護れなかった事を
心の底から悔やみ、嘆き、怒り、悲しんでいるのか。
全てを焼き尽くす光の中で彼はその異形へとゆっくり手を伸ばした。
彼が異形に触れた瞬間、悪魔に完全に破壊されて止まっていた
彼の、村枝賢一のベルトのバックルが再びゆっくりと動き始めた。
××××年9月26日、また一つ世界が滅んだ。
登場人数:+1(村枝賢一)
退場人数:0
現在の人数:60/60
・村枝賢一で60人目でジ・エンド。うん、ちょっと狙ってた。
・HXLは企画としちゃ面白いけど、単行本売ってないのが。
・兄貴は角川で描いてないけど島本&長谷川繋がりって事で。
・次は人減らさなくちゃならないのか。
・これで次スレ?
HXLは単行本各種出てるよ
ジ・エンドだって、もう2巻出てるし
ちなみに単行本が出た時点で、収録分はweb上から消される
減らすキャラか…
個人的に、他の人だけじゃなくて、出した職人自身も全く動かす気配の無さそうなキャラは優先的に潰していこうと思ってる
それが嫌だというなら、お早めに
村枝か。旧版で言われてたようなZXモデルとかよさげな気配。
一番厄介なのは『動かしたいんだけど今は動かしようがない』キャラだな。
まあそいつが動ける流れに持っていけと言われればそれまでなんだが。
それ以前に早く続き書けって話だよな。ごめん。
そろそろ次スレを立ててもいいんじゃないかと個人的には思うが、他の人の意見も聞きたい。
もう次スレ立ててもよかないか
立てる場所はまだわからんが
>>554 近所の書店はケチなのさ。ギャラさんとか間違っても入荷されないさ。
そりゃそうと個人的には消すならガンガン消して頂戴。
ってか自分は上手くキャラ殺す方法が思い付かなくて
ついだらだらと殺すのを先延ばしにするタイプだから
このままだといつまでたっても新キャラ出せないのよ。
次スレは出来れば少年漫画板でお願いします。
この速度だと480kbぐらいの時点で立てるのが良いんじゃないかと思うが
講談社が秋田書店と偽り集英社と小学館を進攻する少し前、
人気の乏しい夜道のラーメンの屋台に三人の男たちがいた。
「…いよいよ、なんだよな。」
右端の妙にマッシブなガタイの男、小林尽がぽつりと漏らす。
「…戦争、だよな。」
左端の野球男、寺嶋裕二もいつものテンションの高さとは
打って変わった雰囲気で誰とも無くつぶやく。
「…ですね。」
ひょろりとした「王子」、瀬尾公冶も二人の目を見ずにこぼす。
彼ら三人は講談社の看板雑誌「マガジン」の中堅作家である。
彼らは某日、銀座の五番町飯店での決起集会に参加した後で
元集英社組や赤松組とは別れて家路につく事にしたのだ。
「…あ、さっきの料理、美味しかったですよね。」
瀬尾がこの雰囲気を少しでも変えようと話題を振る。
「あー。最近仕事続きでロクな物喰ってなかったからね。」
「小林先生、相変わらず仕事多いですからね。」
「いやいや。」
「寺嶋先生はどうです?前に単行本が売れた記念で鳳…何でしたっけ?
高い寿司屋に会社の金で行ったとか聞いてますけど?」
「…まぁ、いいって事よ。そーいえば、さっきの店なんだが…」
「誤魔化さないで下さいよ、寺嶋先生。」
「いや、こっちの話の方が重要だ。何か会の途中であの店の奥の方から
悪魔のような叫び声が聞こえてきたんだよ。カカカカーッってね。
イヤ、ウソじゃないウソじゃ…ってその目は何だよオイ!二人共!」
「…寺嶋先生。」
「…もう少しマシな誤魔化し方を考え付かなかったのか?」
「ちがーう!ホントなんだよ!聞け!俺の話の続きを!そもそもアレは…」
作風に似合わず、人間関係に気を回すタイプの瀬尾のおかげで。
場の雰囲気がグダグダながら少しだけ和んだ。
「…それにしても、決起集会で結構飲み食いした後でわざわざ
ラーメンの屋台に寄らなくても良かったんじゃないですか?」
瀬尾が二人に尋ねる。
「まぁ、普通ならそうなんだが、ここのは特別なんだ。」
小林が答える。
「特別?」
「喰えば分かるよ。なぁ寺嶋先生?」
「ああ…で、5分か。そろそろだな。」
「醤油ラーメン、お待たせしました!」
屋台の青年が威勢良くラーメンを差し出してきた。
小林と寺嶋はそれを受け取った後、自分達は手をつけず
ニヤニヤしながら瀬尾が箸を割るのを見ている、
その様子が瀬尾は少し気持ち悪いと思ったがスルーして
麺とスープを一口づつ啜り込んだ。
虹 !
気が付けば瀬尾は顔を涙と鼻水でグショグショにしながら
ラーメンをスープの一滴まで完食していた。
暫くして三人が元気を取り戻して帰り、再び人気の無くなった屋台で
「ラーメン修行全国行脚」ののぼりが静かに風にはためいていた。
えなりこっちに移ってたのか・・・
562 :
鳥山&和月:2008/05/18(日) 15:57:18 ID:???
「…相変わらず滅茶苦茶だな、車田先生は。」
和月が鳥山の言葉を受けて呟く。
「和月。」
「分かってるさ、鳥山先生。
…武装錬金!ヘルメスドライブ!」
和月が自分の特殊能力「武装錬金」の
95番、「ヘルメスドライブ」を発動した。
「創造者が認知出来る範囲での索敵及び瞬間移動」
を可能とするこの能力で、車田が空けたこの大穴を
和月は念入りに索敵していく。
数分後
「…これは?」
和月がふとレーダーの反応を見て声を上げた。
「何だ!?」
その声を聞いた鳥山がレーダーを覗き込む。
見ると穴の最深部に弱々しく反応がある。
「車田か?許斐か?」
「…この反応は少なくとも許斐じゃない。ただ車田先生にしては…」
「つまり、許斐じゃねぇんだな?」
「…あ、あぁ。」
その言葉を聞くや否や、鳥山が超上空へと飛びあがった。
「危ねぇぞ和月!オメェはどいてろ!」
上空から鳥山の声が僅かに聞こえる。
その声を聞いて、即座に和月はヘルメスドライブを解除した。
(まさかとは思うが、鳥山先生…)
「武装錬金!モーターギア!」
和月は咄嗟に機動力強化型の特殊能力へ切り替えた。
・ ・
(鳥山先生、あの技を使う気か?この市街地近くで?)
嫌な予感を感じながら、和月は鳥山の方へ耳を傾ける。
「 ギ ャ リ ッ ク 砲 !」
「それかよ!」
発射までタメがある、あの技の方を予想していた和月は
その声を聞いて一目散に穴とは別方向へ走った。
(最悪だ!予想以上に最悪だ!)
その瞬間、車田の大穴に鳥山のギャリック砲が叩き込まれ
凄まじい衝撃が近辺の大地を揺るがした。
つづく
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:60/60
>ギャリック砲
何 故 そ こ で
なんかフイタw
つーかギャリック砲懐かしすぎwww
前回のあらすじ
鳥山 「ギャリック砲!」
和月 「うわあああ!」
鳥山のギャリック砲は車田の大穴付近を打ち抜き、
その威力は大地を大きく揺るがした。そして
(…間一髪か。あの人の技は亜空間とか異相空間とか
細かい設定無視して問答無用で吹っ飛ばすからな。
…モーターギアじゃなけりゃ本当に直撃だった。)
和月が鳥山の一撃で広がった穴スレスレの所に
埃まみれで突っ伏していた。
「おーい和月!オメェ、大丈夫かぁー!?」
超上空から鳥山の声が響く。
大丈夫な訳が無いだろう、鳥山先生。
そう思いながら和月は口の中の砂利を唾と共に
ペッと吐き出した。
所変わってこちらは○○デパートに程近い一角。
そのビルの屋上でサンデーの看板漫画家三人が足を止めていた。
PEACH-PIT捕獲の為、高速で移動していた三人の中の椎名へ
小学館本社の浦沢からテレパシーで緊急通信が入った為だ。
「…分かりました。今回この件はそういう事ですか。…はい。
ですが…はい。…畏まりました。それでは失礼します。」
藤田と留美子の二人が見守る中、椎名がゆっくりと目を開く。
二人は椎名へ声をかけようとしたが、その顔を見て止めた。
彼が久々に、死んだ魚の様な目をしていたからだ。
つづく
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:60/60
別に浦沢がテレパシーを使えるわけじゃない。
それっぽい機械が小学館にあるんだ。多分。
…そして最近はヤンサン休刊騒動があったり雷句が小学館にキレたり
はやて×ブレードがUJに引き抜かれたり電撃大王がリニューアルしたり
西川秀明がゲッターを描くって情報が来たりとリアルの方が凄いなコリャ。
雷句の件は面白いな
これで小学館離反フラグが立った
ちょっと早いかも知れないけど、少年漫画板に新スレ立ててきます。
題名はそのまま『【漫画家リレー小説】新生 えなりの奇妙な冒険 第二部 』に
させてもらいますね。
連続投稿になってしまったので、続きはまた今度。
☆その他・無所属・不明
・武内直子
重要そうなアイテム『銀水晶』を持っている。
CLAMPに拉致され、昏睡中。
・高橋葉介
・光原伸
・吉富昭二
生と死の間にて佐藤と許斐を案内(?)中。
・三浦健太郎
ヨクサルと協力して板垣と戦闘中。
板垣の猛攻を受け、戦闘不能?
・玲奈
えなりの姉でジャーナリスト。
武内誘拐事件を探っていたが、講談社に捕まる。
CLAMPの企みを知り、阻止しようとしている。……はずなのだが何やら久米田達と仲良くしている。
・安彦良和
『神』に戦いを挑むも敗れ、死亡する。
と思ったらそれは平行世界での出来事だったらしい。
こちらの世界では今のところ平和に暮らしている。
・長谷川裕一
安彦が『神』と戦い、敗北した平行世界に登場。
地球へ奇跡的な生還を果たしたところを竹本に召喚?される。
情報収集という名目でコミックとDVDを40万円ほど衝動買いしてしまった。
デエイ誤爆。ごめん。
・星野桂
集英社を裏切り、講談社に所属。
集英社襲撃に同行していたが岡本に殺害される。
現在の人数:60/60
★オリジナル設定
・エンジェル部隊
講談社に心酔する同人漫画家をサイボーグ化した実働隊。
早い話が兵士A,Bである。
・るーみっく・わーるど
高橋留美子の能力。
特殊な力場を展開し、その中に自分の漫画のルールを適用させる。
さまざまな行動が適用された漫画内における制限を受けると考えてもらえばいい。
例えば『うる星やつら』や『らんま1/2』使用時に爆発を受けてもダメージにならない、など。
また誤爆…。
気にするな
何時ものことだ
今だから言うけど、実は最初荒木の一分設定は「ああ、そんなのあったね(笑)」の前振りのつもりだったんだ。
ところがなにやら好評だったから結局今の形に。
つまらない
>359-360 ヨクサルの事すっかり忘れてた。(柴田、板垣)
>363-365 倒れてるヨクサルの0.1秒にしては長い板垣漫画っぽい回想(柴田、板垣)
>367-370 優雅の領域(留美子、藤田)
>372 車田(車田、許斐)
>373 忘れられてたあの2人(登場:藤真、退場:星野、さいふうめい)
>377 無題(車田、許斐)
>380 久々の光原伸。あと哲也の2人。(板垣、和月、鳥山、許斐、光原)
>381-385 争乱への突入(赤松、怜奈、真島、畑、久米田、光永、久保、星野、河下、青山)
>389-390 無題(雷句、寺島、小林、瀬尾)
>392 熟女は文庫版オマケっぽいノリで(許斐、光原、佐藤、吉富、葉介、赤松、大暮)
>398-401 390の続き(雷句、瀬尾、篠原、赤松)
>403 小ネタ(浦沢、冨樫)
>406-407 講談社居残り組(赤松、怜奈、久米田、畑)
>408-411 河下100%中の100%(怜奈、久米田、畑、河下、矢吹)
>416 篠原と久米田と畑(篠原、久米田、畑)
>417-422 狡知 そのA(大暮、真島、赤松、皆川、猫井、荒木、大川、いがらし)
>424-426 講談社のみつどもえ(真島、赤松、星野、久保、大暮)
>427-428 無題(許斐、佐藤、吉富)
>432 浦沢、裏男に飲み込まれるの巻。(浦沢、冨樫)
>433-438 集英社正面入り口にて、集英社内部にて(大暮、矢吹、赤松、久保、本宮、猿渡、冨樫、登場:岡本、退場:星野)
>441 講談社にて(赤松、瀬尾、畑、)
>443 蚊帳の外の人々の巻(山根、青山、余湖、山本、退場:みなもと)
>329 テニスの王子様(サムライ)(車田、許斐)
>330 古本屋で探したけど旧風魔が見つからん(えなり、由利、東、福地)
>334 リストリクション→スカーレットニードル×10(車田、許斐)
>338 明日の山賢 その3(山本、みなもと、怜奈、赤松)
>339-344 致命的な激情(えばら、千道、岡田)
>347 あまり動きのない連中を少し動かしてみる(浦沢、和月、鳥山、真島、河下、岡田)
>349-351 魂の打ち込み(皆川、猫井)
>353 スカーレットニードル4発は追加的に喰らったと考えておくれ(車田、許斐)
>452 今まで書けなかったけど、また放置するかもしれない(由利、福地、東、えなり、福本)
>455-459 awakening(留美子、藤田、椎名)
>461-466 無題(光原、葉介、許斐)
>472ー474 ヨクサル×板垣戦(柴田、板垣、三浦)
>477-478 ToLOVEるアニメ化記念突発SS〜お前乳揺れ自重しろ〜(矢吹、畑、久米田、河下、怜奈)
>480-483 えなり戦ようやく(えばら、千道、福本、えなり、東、籐真、福地)
>487-489 実録!神輪会リターンズ(仮)〜復活?の岡田芽武〜(由利、手代木、岡田、車田)
>491-493 板垣×三浦戦(板垣、三浦、柴田)
>496-498 そしてヨクサル。(三浦、板垣、柴田)
>506-509 武勇(荒木、大川、いがらし)
>510-512 こんな卓はあまり囲みたくない。(青山、山根)
>520 1ヶ月振りの鳥山&和月(鳥山、和月)
>523 小ネタ(安西)
>524-525 留美子vs椎名(留美子、椎名、藤田)
>529-530 えなり、真実を知る(千道、えばら、福地、東、福本、えなり)
>552 角川編番外編(登場:村枝)
>559-560 講談社若手のグダグダな夜(小林、瀬尾、寺嶋)
>562-563 鳥山&和月(鳥山、和月)
寸評:
前半に比べて投下ペースも上がり、軌道に乗ってきた感がある。
週に二回以上の投下がほぼ安定してあるのは非常に喜ばしいことだ。
内容に目を向けると、まず目を引くのが>381-385だろう。
旧版でいうトーナメントのような一応の大目標が出来、これによってかなり多くの登場人物に動きが見られるようになったのではないだろうか。
他は和み、ギャグ系の割合が多くなってきたことや、前半ではあまり動きの無かった面々が活躍したことが大きい。
大暮、ヨクサルなどほぼ放置状態だった連中が存在感を現してきたほか、それ以外のキャラも生き生きとした動きを見せてくれた。
これはとにかく版図を広げる時期が過ぎ、登場人物達が本格的に活動し始める時期に入ったということなのだろう。
それを裏付けるように、前半で登場人物の枠がほぼ埋まったこともあって新キャラはあまり多くない。
雷句、岡本、村枝など大物もいるが、まだほとんど動きがないので今後に期待ということだろう。
反面、目に付くのが戦闘の決着だ。
荒木&皆川対CLAMP、留美子&椎名対藤田など前半における主要な戦闘の大部分がこの後半に終了している。
上とも関連するが、一つの戦い、一人の人物をじっくりと書く土台が整ったということであり、非常によい傾向であると言える。
総じて、次スレ以降に期待が持てる内容だった。
585 :
NG推奨:2008/05/31(土) 11:27:32 ID:???
毒吐き、或いは広告の裏面:
ここから先の文章にはあなたにとって精神の健康を損う可能性の高い主義主張が含まれています。
ブラウザの『戻る』ボタンか専用ブラウザのNG機能をご使用になることをお奨めします。
個人的には前半の話になるけど山賢がヤマグチを食べてしまったシーン、あそこが一番好き。
旧版終了後いくつかSS系スレを回って次の戦場を探してみたんだけど
そこそこ活気のあるところはどこもかしこも『fateは文学、クラナドは人生』を地でいくような連中が支配的だったもので幻滅してたんですわ。
そんなときにヤマグチ瞬殺、はっきり言って安心したよ。
赤松やら月姫の人やらが即刻退場させられて荒木や戸田が活躍してたあのころから、スレタイは変わりたぶん中の人も変わっただろうけど
根底に流れると勝手に思いこんでる俺にとってのえなりっぽさは変わってない、と。
もちろんこれは俺の勝手な思いこみだし、俺と違う考えの人にすごく不快な思いをさせてしまうだろうってことはわかってるんだけど
それでも言っておきたかった。
つまりこんな危険な思想を誰かに話したくなってしまうぐらい、『えなりの復活』は俺にとって嬉しい大事件だったんですよ。
ではまた新スレでお会いしましょう。
新スレも無事建ったことだし、前から気になってたんだけどみんないつごろからいるのか聞いてもいい?
俺は旧版27部で西公平が出たときにツギハギスレにリンクが貼られてたのがきっかけだった。
26部辺りから。なかなか面白かったから最初からログ読んだら見事にハマった
あれは漫画SSスレがまだバキスレという名前だった初期の頃だったから、まだ6部だったな……この中じゃ最古参かも
意外に住人がいてビックリだよ。で、自分は週チャンスレに誤爆した野球がきっかけだった。
ここは書き手率が高くて、読み専があまりいないイメージ。だから体感的には人が少なく感じるのかも。
文体とかから考えて最低3人、たぶん4〜5人は書き手がいると見てるんだけどどうだろう?
てすと
test
トリップ
コテハン
良スレ保守
すまん、何のスレかわからんのだが……
>>596 漫画家を使ったリレー小説スレ。書き手募集中。
サンデーのお家騒動か…
そういえば旧でもガンガンのお家騒動がネタにされてたな