「地獄先生ぬ〜べ〜」もついに連載5周年。これを記念して今回は
「ついに今夜結ばれる!ぬ〜べ〜・ゆきめのドキドキ新婚初夜実況生中継」をお送りします。
と思ったが、皆が乱入してきた。 「「「「 祝!5周年!!」」」」 新婚初夜はまた今度結婚してからね。
#249 ぬ〜べ〜修行時代!? の巻
「ぬ〜べ〜ってさー、インスタントヒーローだよね」
それは生徒の素朴な疑問から始まった。ジャンプのヒーローといえば皆修行して強くなるものなのに、
ぬ〜べ〜は最初から強くてインチキだと言うのだ。
「俺にだって修行時代ぐらいあるわい!」 という訳で、今回はぬ〜べ〜の昔話。
大学一年の夏休み、ぬ〜べ〜は希望に燃えて山に向かった。その山は昔から修験者達が霊山として
祀っており、霊力修行にはもってこいの場所だった。
さっそく道に迷って森をさまよっていると、奥に人がいるようなので近づいてみた。
すると、そこには亀の甲羅のついた少女が結界に囲まれてうずくまっていた。
ぬ〜べ〜がこれに驚いていると、熊の毛皮を被った修験者風の男が現れた。
この男が言うには、少女は「エンコ憑き」というたちの悪い水神の祟りに見舞われているのだそうだ。
取り憑かれた人間は雑巾のように締め付け殺されてしまうという事で、その除霊の最中だという事。
男に立ち去るように言われるが、除霊と聞いては黙っていられず得意の白衣神咒を唱えるぬ〜べ〜。
すると少女に憑いたエンコが襲い掛かってきた。男のフォローで難を逃れたが、エンコは小指で大岩を
持ち上げるほどの怪力で、戦えば数秒で肉の塊にされるところだった。なので、男は百日百晩をかけて
結界に封じてエンコの妖力を弱らせているところだったのだ。
この男を名のある霊能力者だと見たぬ〜べ〜は、早速弟子入りを申し出た。
自分を救ってくれた霊能力者の先生の遺志を継いで子供達を守りたいと。
そして…厳しい修行の日々が始まった。タイガーマスクを思わせる荒行や、あらゆる毒虫の中で耐えて
悪霊以上の力を得る蟲毒の陣などの過酷な修行を、ぬ〜べ〜は乗り切った。
その根性を目にした師匠は、ぬ〜べ〜が強くなりたいのは師の遺志を継ぐためだけなのかと問うてみた。
するとぬ〜べ〜は父親である無限界時空の事を語りだした。時空の名は師匠も優れた霊能者として
知っていたが、ぬ〜べ〜に言わせれば「最低の男」。金儲けのために霊能力を利用する悪徳霊能力者だ。
そんな父を許せず、正義の霊能力者として父を超え、戒めたいという思いがぬ〜べ〜にはあった。
師匠はぬ〜べ〜の才能を認め、きっと父を超えられるだろうと励ます。
日々修行に励むぬ〜べ〜を見守る師匠。
「強くなれ。今の私には霊力を高め使い方を教えることしかできん…
霊能力者としての心は自分自身でつかむのだ。」
エンコを封じて百晩たった。もう人間に祓える程度に弱っている筈なので、師匠は除霊に臨むことにした。
ぬ〜べ〜もこれに参加し、二人で白衣神咒を唱える。するとエンコは少女から離れ、暴れ始めた。
その力は予想外に強く、伝承どおりの百晩の封印では足りなかったようだ。
やむを得ずエンコに白兵戦を挑む師匠。しかし分が悪く、ぬ〜べ〜が制止を振り切ってこれに加勢した。
師匠をむざむざ死なせはしないと、ぬ〜べ〜は自分の霊力を師匠の霊力に上乗せする。
「俺は…親父とは違うんだ!!」
ぬ〜べ〜の霊力は急上昇し、能力以上の霊力を発揮した。これにより、エンコは砕け散った。
これをもって修行は終了し、師匠はぬ〜べ〜に励ましの言葉を送って少女と共に去って行った。
ぬ〜べ〜から離れたところで、師匠は少女に親から除霊料一億円払ってもらうと通告。
「フッ、どんな親も自分の子供には甘くなるわ。
だが情けをかけるのはこれで最後だ。 息 子 よ。」
熊の毛皮に隠されていたその素顔は、ぬ〜べ〜の父親である無限界時空その人であった。
…のだが、ぬ〜べ〜自身はそんな事を知らずに今に至っていた。
師匠を信頼していたぬ〜べ〜は、彼が今もどこかで人々を助けていると信じてやまないのであった。