もしデスノートの夜神月が女だったら

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687マロン名無しさん
「そんなに逃げたいですか?」

 悪魔の囁きだった。

「だったら、ひとつゲームをしませんか?」

 逃げ出すのに失敗し、廊下で力無く泣き崩れていた月の耳に囁かれた、それは悪魔の言葉。

「ゲームに勝って月くんが逃げ切れたなら……解放してあげますよ?」

 ──ゲーム。
 竜崎の言うそれが、どんな内容かなんて考える力は既になく。

「…………本当に?」

 泣き濡れた顔を上げて月が言えたのは、ただその一言だけ。

「えぇ。本当に」

 うっすらと笑って自分を見下ろしてくる男が、なにを企んでいるかなんて、月には考える余裕がなかったのだ。