肩が出る。腕が、胸が、腰が。そして、最後に下半身が。
ブランケットを奪われて、月は裸体を竜崎の眼前に晒した。
──ここに捕らえられて以来、月には衣服が与えられたことがない。
ひとつは逃亡防止に。
もうひとつは──脱がせる手間を省くために。
「イヤだ……ッ!」
足首を掴まれて、悲鳴を上げた。引き戻されて、両腕でシーツにしがみついて抵抗する。だが、長期間拘留され続けている月に、竜崎が負けるわけもなく。
「あ……誰、か……っ」
引き戻されて、足を広げられて、月は泣き叫ぶ。
「誰か……誰か、助けて……っ!」
「──飽きない人ですね」
叫ぶ月に、嘲笑が浴びせられた。
覆い被さった竜崎が、月の顎を捕らえ、目を覗き込んでくる。
「──誰がキラを助けてくれると言うんです?」
「いや……いやだ、竜崎……っ」
「誰が、殺人鬼を救うというんです……?」
「違う……違う、僕は……っ」
「いいかげん、諦めればいいのに?」
「違う、本当に違──イヤだ……ッ!」
──広げた足の奥、痛み続けている場所に、竜崎の指が触れた。
乾いた場所を押し広げるように動く指に、月の悲鳴が上がる。