その他基本ルール
オリジナルキャラを出す事は致し方ない場合もありますが、オリジナルキャラを主人公にするのだけは禁止です。
こういった行為をされるとこのスレで書く意味がなくなりますので注意してください。
コラボ作品にはこれといった制限(アダルト作品は除く)はありません。
ただあくまでネギま!とのコラボスレです。
ネギま!の登場人物がワンシーンしか出てこず、後は他作品のキャラのみで進むと言うのは問題ありです。
ネギま!キャラと他作品キャラとの配分は良く考えてください。
あとアダルト作品は禁止ですが、例えば18禁作品が全年齢対象作品としてリリースされ直した場合。
全年齢対象となった作品の設定を用いて書くのは……OKかもしれません。
この辺りは住人の方や職人さんと要相談です。
出来れば最初から全年齢向けの作品とのコラボを考えてください。
出来れば心掛けて欲しいルール
小説の投下開始、投下終了はできるだけ宣言してください。
でないと他の職人さんと投下が被ってしまったり。
何時投下終了するのか分からないと他の職人がいつまでも投下できなかったりする事があります。
被って投下してしまうと若干読みづらくなりますのでこの辺にも気を遣ってください。
あと投下宣言しても宣言してから1時間2時間経ってしまうと意味がないので予告直後に投下開始するように心掛けてください。
それと投下された作品にはコメントをできるだけ付けましょう。
そうすれば今後の作品の発展やスレの発展にも繋がります。
職人さんとしてもその方が嬉しいでしょうし。
中傷は絶対禁止ですし無視ですが、指摘は歓迎です。
上記した事は心掛けてほしいだけで厳守して欲しいわけではありません。
あくまでできればの範囲の事ですので、あまり重く受け止めないでください。
それではネギま!と好きな作品のコラボレーションを存分にお楽しみください。
テンプレ終わり
>>1 なんで前々スレのリンク先を貼ってるんだよ
この程度の事はちゃんと直せよ無能
まだ春休みだっけ?
10 :
名無し28号:2007/04/12(木) 07:21:12 ID:???
>>5 気にすんなよそんなどうでも良い事wwwwwwwww
11 :
名無し28号:2007/04/12(木) 19:39:41 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 20
「あの楓って言う姉ちゃんが
クナイ投げて来たんだよ!避けるのが1秒
遅かったら俺の人生終わってたわ!」
「それは災難だねハリー、
にしても良く避けれたね。」
「そりゃ野生の勘って奴だよ、良くあんだろ?
自信が来るのが分かるとかさぁ。」
「ああ、たしかにあるね、そっか、
ネズミだもんね、でも気を付けなよ、
相手も、相当なやり手のようだから。」
「わーかってるよ、見つかりゃしないって、
もし見つかっても「なんだネズミか」で済むしな。」
「そっか、じゃあ何かあったらSENDしてね。」
「ああ、サンキュな、何かあったら、
SENDするよ、じゃあなっ、オタコン。」
そう言うとハリーは通信を切り、
再び一円玉程度の穴から再び二人を監視した、
楓が教師にひどく叱られていた。
12 :
名無し28号:2007/04/13(金) 15:05:43 ID:???
あれ?俺以外の職人さんいますか?
自分で自分の事を「職人」とは・・
大したやつだ・・
しかもこの文章力で・・
14 :
名無し28号:2007/04/13(金) 16:05:29 ID:???
つーか前スレの人がいないな、
まぁとりあえず待つか。
>>名無し28号
おまえ自分の作品パソコンで見たことあるか?ないならすぐ見てみろ。見づらいかわかる。
というか他の作者の作品と読み比べてみたか?このスレだけじゃなく他のスレの作品とか。
正直職人と呼べるレベルじゃない。その癖偉そうな態度の数々。もっとわきまえろと言いたい。
16 :
名無し28号:2007/04/13(金) 16:49:05 ID:???
>>15 何か勘違いしてるようなので書き込んでおきますが、
>>11はまとめサイトに貼られる時に
アホ見たいに見ずらくなるから工夫してるんですよ、
ていうかあなたこそ偉そうじゃないんですか?
前スレから居る職人さんですか?
もしそうじゃなければわきまえるのはあなたの方ですよ?
ここはネギまと好きな作品のクロスSSを書き込むスレです、
そういったコメントはまとめサイトの方にお願いします、
レス数減りますから。
>>16 携帯基準で考えてるのかな?
確かに携帯ならそのくらいで区切らないと読み難いけど、まとめwiki見る大多数はPCからのアクセスだぞ?
それなら読む人数の多いPCに対して、読みやすく書いた方がいいと思う
あと俺も文才あるわけじゃないが
そう言うとハリーは通信を切り、
再び一円玉程度の穴から再び二人を監視した、
楓が教師にひどく叱られていた。
まぁこうあれば
オタコンにそう言って、通信機の電源を切ったハリーは、再び1円玉大の穴から下を覗いた。
するとそこには、くないを投げた事で教師に酷く叱られている楓の姿があった。
こんぐらい詳しく書いてもいいと思う。
あまりクドクド書くと読むのが面倒になるけど、ちゃんと句読点を打てば印象が大分違う。
状況を説明している文なんだから、楓が怒られるにしても何故怒られているのか?ハリーは誰と通信していたのか?
その点をもう一度読者に明確に提示してやると読みやすい
まして今回はスレ跨いでるから余計にそうした方がいい
まっ俺は応援してるから頑張ってくれ
>>16 なぜまとめ前提で考える?まとめ載せるときに改行すればいいだろ。むしろ逆に読みにくい。ハッキリ言って無駄。
とうか改行以前の問題だろ。文章が稚拙すぎる。描写も殆どないし状況が全くわからん。
書き手は想像しながら書いてるからわかるだろうが読むほうは文章だけで理解しなきゃいけないんだぞ。
それといくらなんでも一回の投下が少なすぎる。長すぎても読むの大変だが1レスとかふざけすぎ。
あと国語を勉強しろ。「、」と「。」これの使い方解るか?
>ていうかあなたこそ偉そうじゃないんですか?
>前スレから居る職人さんですか?
>もしそうじゃなければわきまえるのはあなたの方ですよ?
作者は偉いのか?読み手が偉いとは言わないが意見を言う権利はある。
GJとかマンセーだけのスレとか正直糞スレだ。ちっとも進歩しないし挙句勘違いしだすのも出てくる。
第三者の意見は素直に聞くべき。自分では気付かないことを言ってくれて凄くためになる。
それを何かと屁理屈捏ねて反論して……人の意見を無視した結果が今の状況だ。
19 :
名無し28号:2007/04/13(金) 18:55:13 ID:???
>>17 PC基準ですよwwwwまとめサイト見たんですか?
>>ハリーは誰と通信していたのか?
最後に『オタコン』って言ってるじゃないですか、
所々に『とオタコン』と入れた方が良かったでしょうか?
>>楓が怒られるにしても何故怒られているのか?
前スレを見てきてくださいwww
>>18 あのね、載せるのは俺じゃないの
まとめサイトの管理人さんなの、
俺が載せるならそうしますよ。
ていうか意見と言うかただの文句でしょう?
意見なら素直に認めますよ?でもタメ口の文句
言われたって聞くわけないじゃないですか、
敬語と言う物を知らないのですかあなたは。
てか前スレまともに見てないでしょ?
見てから出直して来てください。
>>19 無知乙。wikiは誰でも編集できる。管理人は「一人じゃ大変だからみんなで作っていきましょう」て言ってた。
タメ口なのはお前がそうだったから。こういう時だけは丁寧な言葉使って他のレスは偉そうにタメ口。
折角
>>17がいい事言っているのにお前はそれを否定し挙句の果て馬鹿にしたような返事。
そんな奴に敬語を使う気はない。前スレを見て来い?お前の投下量と文章のせいで訳が解らないんだろ?
偉そうにするのもいい加減にしろ。
ちなみに俺は初代からずっといる。新参のお前に出直して来い言われる筋合いはない。
むしろお前がコテ外して出直して来い。勉強して来い。
>>名無し28号氏
お願いだから 途 中 で や め る とかは止めてくれよな。
応援してるんだから。それと第三者の意見も少しは取り入れるべきだと思うよ。
それで駄目だと思ったら、使わなくすればいい話だし、良いと思ったらどんどん取り入れていけば良いし、更なる作品の向上を目指すべきだよ。
これは作品を書く上でもっとも重要なことだから。
時には文句とも思える厳しい事言われるかも知れないけど、その中に自分が今後さらに良い作品を書く為のプロセスや技法を見つけ出すことも重要だからね。
最後に、2chで敬語敬語って言ってもね・・・
>>15 俺パソコンだけど、見にくくないよ。むしろ句読点ごとに改行してくれているから見やすい。ただコレが長レス化すると見にくくなると思う。
その点28号氏は1レスの長さもちょうどいいから、ギッシリ書かれている某スレよりは見やすい。
ただ1回の投下量も少ないよな。
以上前スレも見ていた人より。
変な改行よりもまず行間を覚えろ。長い文章でも適度に行を開けてれば見やすいんだよ。
こっちに投下するときはちゃんと書け。まとめに載せるときは改行でもなんでもしていいから。
あと何度も言うが文の終わりに「、」は文として間違ってる。小学校の作文の授業で習わなかったのか?
>>名無し28号さん
wikiの改行がおかしいとの事ですが、こちらが見るかぎり、おかしな点は見られません。
確かに2ちゃんねるとは、一行に書き込める文字数が異なりますが、それほどの差はありません。
また個人的な意見を言わせてもらうと、wikiにそのまま貴方の作品をコピペすると読みにくいです。
但し、これは個人差がありますから私の意見を押し付ける気はありません
24 :
名無し28号:2007/04/14(土) 09:34:50 ID:???
>>20 そ れ 本 当 で す か ?
じゃあ昼にでも編集してきます、
教えてくれて本当にありがとうございました。
>>21 もう 途 中 で や め る なんてしませんので、
そのへんは安心してください、どんなにネタが尽きても書くつもりです。
なるほど・・・、良く考えてみたらそうですよね、
なんか今では馬鹿な事書き込んだような気がします(てかその通り?)
>>28号氏は1レスの長さもちょうどいいから、ギッシリ書かれている某スレよりは見やすい。
ありがとうございます、これからもこれで行きたいと思います、
あとたまにはいっぱい投下してみようかな。
>>22 はい、まとめサイトを自由にいじれるのが分かったので、
これからはそうさせてもらいます。
>>小学校の作文の授業で習わなかったのか?
一応聞いておきますがそういうのリアルで使ってませんよね?wwwwww
>>23 なるほど、わかりました、意見ありがとうございます。
25 :
21:2007/04/14(土) 14:58:49 ID:???
>>24名無し28号氏
勘違いされたら困るので一応補足。
スカスカでも見にくいぞ!
何事も適度にやるのが大切だからね。
スレタイがセクロス小説スレに見えた
名無し28号の聞き分けの無さは異常
前スレの容量が埋まったのでこっちに続きを投下します、前スレの最後の続きです
という疑問に答えたのは銀時であった。
「ああ、コイツは貧乏道場の息子でなあ、親父もお袋も死んじまって姉と二人暮らしなんだがここまで出稼ぎに来て、ここの爺さんの情けで働かせてもらってるんだよ」
「貧乏だから学校にも通えないアルね」
「ちょー!!アンタら何勝手なこと言ってるの!! 確かに言ってることのほとんどは本当だけど!!」
と新八がツッコミを入れた時。
「そ、そうだったんですか・・・」
「いろいろと苦労したんやね・・・」
「あ、あの昨日はすみませんでした・・・」
とこちらを同情的な視線で見る3人。
「もしかして僕、不幸な人に見られてる?」
その問いに銀時と神楽はうんうんと頷いて答えた。
「これで話は一通り終わりじゃな、このかもアスナちゃんも長くなってすまんかったのう。」
「別にかまへんで、おじいちゃん」
「あとすまんが、神楽ちゃんを部屋まで連れて行ってあげてくれんかのう」
「わかりました。行くわよネギ、このか、神楽ちゃん」
「はい、失礼しました」
「またな〜じいちゃん、銀八先生、新八さん」
「銀ちゃん新八〜達者で暮らすアルよ〜」
と4人は部屋を出た。ちなみに出ていく時に明日菜は銀時をまた睨み付けていた。
彼らを見送った後、銀時と新八は顔を見合わせた。
「銀さん、大丈夫ですか神楽ちゃん。あの子同じぐらいの子と一緒に暮らしたことなんて無いんですよ」
「さあな、何とかなるんじゃねーの? まあアレだ、あいつも俺らより同じぐらいの子と仲良くするのが自然だろ」
「何だかんだ言ってあの子が心配か若いの」
学園長が言う。
「そんなんじゃねーよ ただアイツと一緒に暮らす奴の方が気になるだけだ」
「そうかのう、ネギ君もアスナちゃんもこのかもいい子じゃぞ」
「そっちじゃなくってな、アイツらが無事かどうかだよ」
その夜。
「このかー、おかわりヨロシ」
「本当神楽ちゃんはいっぱいたべるなー、もうこれで5杯目やで」
「大丈夫かしらウチの家計・・・」
「ハハハ・・・」
この3日後、銀時の給料の一部が4人の家計に回されることとなった。
30 :
葱魂:2007/04/14(土) 20:10:18 ID:???
今日は以上です。
あと纏めサイトの方って勝手に自分のコレを乗せてもかまわないんでしょうか?
これも名無し18号と大差ないと思うんだが
何故18号だけ叩かれるんだ?
このスレにいるモノ書きは全員自分の格が低いと自覚するべきだろ。
そこから這い上がるか開き直るかはそいつの自由だけど。
>>31 だって2ch初心者バレバレなのに知ったかするし見栄張るし偉そうだしヘタクソだし厨房なんだもん
そりゃ叩かれてもしょうがない
前スレ
>>939 図書館島地下、廃墟弾発見場所にて
「刀子さん大丈夫ですか?」
「大丈夫よ…ある程度回復したから」
刹那と木乃香は湖の浅瀬で、傷付いたガンドルと刀子の介抱をしていた。
二人とも酷いダメージを受けていたが、木乃香の治癒魔法によって何とか動けるレベルまで回復されていた。
正太郎と大塚は廃墟弾があったポイントを念入りに調べていた。
廃墟弾のすぐ近くには巨大な、そこが見えないほど深い穴が掘られている。
正太郎は深い穴を覗き込みながら、自身の意見を大塚に告げた。
「この穴なら、鉄人ぐらいの大きさでも楽に出入りできますね」
「と言う事は…正太郎君やはりこれは」
「刀子さんとガンドルさんの見た物から考えても、やはりロボットでしょう」
なるほど、と大塚は口元に蓄えた髭を擦りながら、正太郎の意見に同意した。
そんな二人を高台から見下ろす人物が一人……
「鉄人28号がダメなら、操縦器を奪えばいい。行きなさい茶々丸軍団!!」
葉加瀬聡美の一言で、彼女の背後から無数の影が飛び出した。
「なんじゃあれは!?」
大塚の叫びを聞いて、全員が彼の視線の先に目をやった。
数十を超える人間大の女性型ロボットが、それぞれ武器を構えて迫って来ていた。
しかし正太郎と大塚を除く者は、現在迫り来る者達に見覚えがあった。
「あれは……茶々丸さん!?」
刹那が我が目を疑っていると、木乃香が間の抜けた声を発する。
「あや〜一杯おるえ!なぁ、せっちゃん茶々丸さんって何人兄弟なん?」
「お嬢様!呑気な事を言っている場合では…」
「来るぞ正太郎君!!」大塚はそう言うと懐から銃を取り出し、狙いを定めようとした。
しかし……
「か、か、数が多過ぎるわい!!」
一斉に迫る、数十体の茶々丸、そのどれを狙えばいいのか大塚は迷っていた。
そんな署長を見かねたのか、正太郎も懐から銃を取り出し、迫る茶々丸軍団に向けて発砲した。
弾は数体の茶々丸の身体に正確に命中したが、銃弾は全て、彼女の装甲に弾かれしまった。
「ピストルが効かない!?」困惑と驚きの混じった声を正太郎は上げる。
その直後、正太郎と茶々丸軍団の間に入るように一人の少女が立っていた。
「刹那さん!危ないです、離れて!!」
正太郎の言葉のまさに刹那、最前列に居た数体の茶々丸が、その身を切り裂かれ、吹き飛んでいった。
「えっ?」目の前の光景に、正太郎は再び困惑の声を上げる。
「正太郎君、私に任せてください」凛々しい表情で刹那は言った。
刹那と茶々丸軍団の勝負は殆ど一瞬で終わった。
目に留まらぬ速さで茶々丸達は切り裂かれ、人の形から原形を留めていないスクラップへと変貌した。
(やはり茶々丸さんじゃない、あの人はこんなに弱くない)
あの軍団は、茶々丸をモデルに量産されたロボットであると刹那は愛刀を鞘に納めながら考えていた。
刹那の周りには彼女達の残骸しか残っておらず、先程まで人の形の物が居たとは到底思えない様子であった。
「ありゃりゃ……やっぱり人工知能の経験地が足りなかったみたいですね」
ハカセは崖の上から刹那とスクラップになった茶々丸軍団を眺めていた。
「今回はこれで撤退しましょう……次は鉄人を頂きますよ、正太郎君」
ハカセはそう呟くと何所へともなく姿を消してしまった。
一方ネギは正太郎と別れた後、亜子達が居るライブ会場を訪れていた。
その道中、千雨と茶々丸に出会い、ネギは彼女等と職員室から付いてきた小太郎を伴っていた。
ネギと小太郎は魔法薬で大人の姿に、千雨は逆に子供の姿になっている。
何故普段と姿が違うのかと言えば、ネギと小太郎は亜子にライブに誘われた時、丁度大人の姿をしていたから、千雨の場合は半分趣味である。
ライブ会場に着いた4人は、亜子が控え室に居ると聞き、早速そこへ向かった。
そして……
「亜子さん失礼します」
キャ―――――!!
ここでもまた一騒動起きる事になる。
続く
38 :
名無し28号:2007/04/15(日) 12:41:30 ID:???
>>33 そうですか、でも初心者ではありませんよ?
ガンダム板にかなり前からいましたし
それに自分で言うのもなんですが
厨房言っても他よりはマシだと思いますよ、
まぁヘタクソってのは否定のしようが無いかもしれませんが、
ここで書いたり読んだりして少しずつで良いのでうまくなって行こうと
思っています、なのでこれからもいつも通りに投下しますね、
投下数もうちょっと増やしますけど。
>>33 嫌ならスルーでおk。もしくはもっといい作品を自分で投下。
いちいち反応するだけ体力と精神力の無駄。
>>37 茶々丸の残骸を手に取り、大塚は何かを考え込んでいた。
「どうしました署長さん?」
正太郎の声でハッと我に返った大塚は、難しい表情で自分の考えを述べた。
「このロボット…茶々丸は正太郎君を狙っておったのではと」
「ええ、でも何で僕を狙ってきたのでしょうか?」
「理由は、ワシが思うに正太郎君、その操縦器じゃよ」
「鉄人の操縦器……これを」
「恐らくはね。このロボット達は正太郎君に向かって真っ直ぐ進んできた、とするとロボット達の狙いは」
「鉄人の操縦器と考えるのが自然……確かにそうですね」
「でも何で28号ちゃんの操縦器を盗まなあかんの?」木乃香は正太郎と署長に疑問を投げかける。
「敵の狙いはもう分かっています、署長さんのお陰で鉄人を盗もうとした理由も……」
「正太郎君、やはりその理由とは……」
「ええ、鉄人だけが廃墟弾の場所を知っている……鉄人が居れば、効率よく廃墟弾を集められる、これが敵の狙いです」
「と言う事は、廃墟弾を盗んだ奴と今のロボットは……」
「そうです署長さん、この事件には黒幕が居ます。でも何故今になって廃墟弾を……そうか!!」
「ど、どうしたね正太郎君?」大塚は正太郎の言葉に疑問を感じて聞き返す。
「僕達がこの時代に来たのは必然だったんじゃないでしょうか?」
「どういうことだね!?ワシには何が何だか……」
「署長さん今の状況、話が上手く出来すぎています!廃墟弾を求める者が居る時代に鉄人が来る…僕達は偶然この時代に来たんじゃない!」
「じゃあ正太郎君、君はまさか…わし等がこの時代に来たのは……」
「必然……と言う事でしょう」
続く
>>38 昔からいたとか関係ねーよ
お前は技能が低い、それだけだ
もっと雑魚らしくしおらしくしてろ
>>1さん乙です
某ウイルスに感染してしまい投下不能の状態でした…………
明日の夜に今度こそ投下します
技能云々の話ですが、私はアドバイスしてくれる方には感謝しています。アドバイス自体、ある程度しっかり読んで下さらなければそんな事は出来ないからです
他スレの職人さんから技を盗もうとするのもいいと思います
技能も無く職人などもってのほかですが、向上に努めて行きたいと思いますので、アドバイス等を含めどうかこれからもよろしくお願いします
盗むのはいいが某スレのアホみたいにコピペ改変なんかすんなよ
初めてここに書き込むものですけど
いつになるかは分かりませんがこのスレに投下してもよろしいでしょうか?
まだいろいろと勉強不足でツッコミ多しなSSになりそうですが…
ちなみに内容はネギま&ローゼンメイデンです
47 :
名無し28号:2007/04/16(月) 07:11:31 ID:???
>>46 ちょwwwwwwwwそいつ俺違うwwwwwwwwwwwwwww
>>40 「でも難しく考えても仕方がありませんね」
「しょ…正太郎君?」
先程とは逆に、開き直った態度を取る正太郎に、大塚は拍子抜けをしてしまった。
「だってどれだけ考えても、未来に来た事実に変わりありません。それにもし誰かが僕達をこの時代に呼んだのなら、帰る方法だってあるはずです」
「なるほど!確かに来る事が出来たなら帰る事だって出来るかも知れん!!」
「それに署長さん、今考えるべきなのは廃墟弾が何所に有るかです。早く探し出さないと廃墟弾が爆発する可能性も」
「確かに…もし街中で爆発でもしたら、生物は殺さない廃墟弾でも建物の倒壊で二次災害が出かねん」
「おまけに廃墟弾は何故か殺傷能力を持つ事も有ります。もし廃墟弾が殺傷能力を持ったら……」
「死者の数は数万……いや数十万!歴史的な大惨事になりかねん!」
「そうさせないためにも、一刻も早く廃墟弾を捜しましょう」
「じゃが何所を捜せばいいんじゃ?この穴は人間が入るには深いし……」
「鉄人は、そもそもこの地下まで入ってこられませんしね」
そう言うと正太郎と大塚は、廃墟弾を盗んだ化物があけた穴を屈んだ状態で覗き込んだ。
穴は底を見る事が出来ないほど深く、とても巨大であった。
10秒ほど穴を覗き込むと正太郎は立ち上がり、その場に居る全員に聞こえるように声を張り言った。
「とにかくここで出来る事はもうありません!皆さん一旦外に出ましょう!」
正太郎の呼びかけに、各々が相槌を打ち、出口に向かって歩き始めた。
続く
夜にまた投下します。
「そういえば丁度お昼時ね。ここで食べよっか?」
「え?わ、私は良いですが………」
アスナの提案に刹那は曖昧に承諾しつつエヴァを見やる。
「…………はぁ、どうせ言っても聞かんのだろう。弁当はあるのか?」
「あるわよ」
「私もあります」
「僕も…」
「ふむ。では私は坊やの血をいただこう」
「「「…………………」」」
沈黙。
「……え、えっと、アーカードさんは…?」
話題を変えようとアーカードに問いかけるネギ。しかし、この選択は完全に地雷だった。
「私はこれだ」
彼のコートから出てきたモノ。病院でよく見る点滴液等の入っているパック。違うのは中の液体が赤い事と、なぜかストローが突き刺さっている事。それを見たネギは
「………トマトジューs「血だ馬鹿者」…ですよね…」
逃げようとしたが師に逃げ道を潰された。哀れ………
食事風景。食器の音、咀嚼する音。そして
「ぢゅう〜」×2
時折聞こえる何かを吸う音。音がするたびアスナと刹那の箸の動きが鈍くなる。
「………うん、びみょ〜に食欲が失せ……ってアンタ一体何本飲む気!?それ何本目よ!?」
「四本目だ」
そう、アーカード。この男、先程から物凄いスピードで輸血パックを空にしていくのである。一体エヴァの何倍だろうか?こんな事を言っている間に五本目突入である。
「………はぁ……にしても随分飲むわね?あっちはもう終わってるのに」
諦めた様子のアスナに対しアーカードが答える。
「質の違いだ」
「質?味が違うの?」
「味も勿論違うが、魔力や相性といったものもある」
「ふ〜ん………具体的には?」
「未経験の異性の血がベストだな。その点ではエヴァンジェリンにとってネギ君の血は極上と言えるだろう」
この発言に、アスナと刹那は顔を赤くしたり青くしたりし、ネギは多少げっそりとしながら頭の上に?マークを浮かべ、エヴァは満足そうである。
チャチャゼロはそれらを見てケタケタ笑い、茶々丸はネギの二の腕・表情等を内蔵高速連写式カメラ(これもハカセ謹製である)で撮影、画像フォルダに保存していた。閑話休題。
>>51 久しぶりの投下GJ!
>>50 正太郎達が出口付近に、差し掛かると背後から凄まじい爆音が響いてきた。
思わず振り返る6人、そして目の前には3体の巨影。
正太郎は彼等の姿を見ると、何かを思い出したかのように叫びを上げる。
「こいつらはベラネード財団の!ギルバート、VL2号、サターン!!」
正太郎達の目の前に現れたのは、以前彼の兄ショウタロウの手によって破壊されたはずの3体のロボットであった。
ロボット達は正太郎の声に反応するし、彼を睨み付けると突然動き出した。
「この数には敵いません!逃げましょう!」
正太郎の指示を聞くと、彼の仲間は一斉に出口に向かって走り出した。
それを追うかのようにロボット達もまた出口のある方向へと向かって行った。
一方ネギ達はと言えば……
「もうすぐライブですね。楽しみだなぁ」
ネギはネギでこの数時間、大変な思いをしていた。
亜子の楽屋に入った際、ネギは彼女の背中にある傷を目撃してしまい、亜子は逃げだしてしまう。
その後ネギはタイムマシン『カシオペヤ』で亜子や小太郎達と共に過去に戻り、亜子とのデートを楽しんだ。
そしてネギに勇気付けられた亜子はライブ会場に戻り、ネギ達は亜子達のバンドでこぴんロケットの出番を待っていた。
やがてライブ開始のアナウンスが会場に響き、一組目のバンドが演奏を始めた。
続く
鉄人28号を知らない人用の用語集を作りました。
知らない人が居れば参考にしてください。
鉄人28号
正太郎の父、金田博士が太平洋戦争末期に開発した人型最高兵器。
その戦闘力は従来型の兵器を遥かに凌駕している。
鉄筋コンクリート製のビルをも砕く怪力、戦車砲にも耐えうる装甲、高い運動性能とその性能はロボットの中でもトップクラスである。
背中に取り付けられているロケットエンジンは音速を超える飛行が可能で鉄人28号の機動力を格段に上昇させている。
特別な武器は持たず、パワーと頑健さを生かした肉弾戦を得意とする。
必殺技はロケット推進力とパンチ力を合わせたハンマーパンチ、ロボットを一刀両断する手刀、体重を乗せたパンチなど。
操縦者は開発者の息子である少年探偵金田正太郎、以前は兄のショウタロウが操縦者であった。
平成となった今では黒部ダムの下で静かに眠っている。
<3th down 泥門デビルバッツへようこそ!>
「あれ?ヒル魔さんいつの間に?それに美空さんは?」
診察室から出てきたセナのは辺りをキョロキョロと見渡す。その足首には包帯が巻かれていた。
「アイツならココネとかいうガキを迎えに行った。それよりどれくらいかかる?」
そう言ってヒル魔はセナの足元に目を落とす。セナは少し低いトーンで答えた。
「お医者さんの話ですと一週間は安静だと……でも今度の練習試合はギリギリ――」
「下手に治りが遅くなったら秋大会に響く。今回は出なくていい」
「で、でも……」
食い下がろうとするセナに対しまたも悪魔の様な笑みを向けるヒル魔。
「それに対策は打ってある……」
所変わって先程の川沿いの道。不機嫌そうに歩くココネを苦笑い交じりに追いかける美空の姿があった。
「いや〜ホントごめん!色々あってつい……」
「…………」
ココネは置いてけぼりにされた事にご立腹のようで、先ほどから美空は謝りっぱなしである。
すると突然美空はココネの足の間に頭を入れ立ち上がる。いつもの肩車だ。
「ほら、機嫌直して……ね?」
そう言って笑顔を向けると機嫌を取り戻してくれたのか、美空の頭をギュッと抱きしめた。
「所でドコいくの……?」
「ん?まあ……かくかくじかじかで泥門高校って所に行く羽目になった訳なんだけど……」
美空の手には一枚の地図が握られていた。ココネを迎えに病院を出ようとした時ヒル魔に渡されたものだ。
二人はその地図を頼りに泥門高校を目指した。
数十分後ようやく泥門高校の校門の前まで辿り着いた。校門では既にヒル魔が待っていた。
「遅せぇーぞ!糞シスター!!」
「スンマセン……ちょっと道迷って……」
怒鳴られながらも美空はある建物へと案内された。それは学園内の他の建物に比べ明らかに異質だった。
「え…と、ここは一体?」
「部室だよ。アメフト部、俺達泥門デビルバッツのな。見りゃわかんだろ」
どう見てもカジノのような建物。誰もアメフトの部室とは思わないだろう。
中に入ると運動部独特の泥臭さが鼻につく。だが以外と綺麗に片付いている。
「早速テメーにはこれに着替えて貰う!」
ヒル魔から乱暴に渡されたのはユニフォームと防具一式。
「それにとっとと着替えてグラウンドに来い。遅れたら承知しねーぞ!」
そして美空とココネを残してヒル魔は外に出てってしまった。
「はぁ……まいったなぁ……」
成り行きとは言え面倒なことになった。自由人な彼女は面倒事が一番嫌いなのだ。美空は溜息を吐きながらもそもそと着替え始めた。
初めて着けるプロテクターに四苦八苦しながらもなんとか着替える事ができた。
「ミソラ……結構カッコイイカモ……」
「ん?ホント?じゃあコレはどうだ!!」
ココネの褒め言葉に調子に乗った美空は様々なポーズを取って遊んでいた。その時だった……
――ガラガラ!
「「あ……」」
「ん?」
突然開かれた部室の扉。そこに立っていたのはセナと同じくらいの身長の猿顔の少年だった。
あまりにも咄嗟の出来事だったので美空はポーズを取ったままその場に硬直してしまった。
(セナ……?じゃねえ!俺より身長が少し高けえ!!ってことは……!!)
少年は尋常じゃない跳躍力で美空に飛び掛った。その姿はまさに猿のようだった。
「ムキャー!!この偽者が!!どこの学校のだこのヤロー!?」
「きゃああああ!!ちょ、ちょっとタンマ!!」
「タンマもコンマもねえ!!正体を現しやがれ!!」
少年が美空の肩に乗っかるとそのままヘルメットを外した。
「あれ……?女……?」
――ガラガラ!
「テメーら……」
再び扉が開いた。そこに立っていたのは両手に機関銃を持った恐ろしい形相のヒル魔だった。
「いつまで遊んでやがる!!この糞猿シスター!!」
「ひええええええ!!」
「ムキャーーーー!!」
部室に銃声と悲鳴が響いた…………
「という訳っス……」
美空はいままでの出来事を少年に話した。セナの怪我の事、ヒル魔の脅迫により身代わりになったことなど全て。
「なるほど……それは悪い事したな。ホントすいませんした!えー……と……」
「春日美空。美空でいいっスよ」
「美空さんすいませんした。俺は雷門太郎。モン太と呼んでくれ!ちなみにモン太の由来はジョー……」
「ヒル魔!!セナ君が怪我したって本当なの!?」
何やらモン太がポーズを決め喋ろうとした時、またしても部室に一人の男が入ってきた。
栗のような頭の優しそうな顔。しかし彼は関取でもそうそういないほどの巨漢だった。
「ああ。1週間は走るのは無理だ」
「どどどどど、どうしよう!今週の試合セナ君抜きでやるなんて……」
「心配すんな。こいつが代わりにアイシールドをやってくれるって“快く”引き受けてくれた」
快くなんか思ってねえっスよ!この悪魔が!……と美空は心の中で悪態をついた。
「こいつって……あの人?」
「あ……春日美空っていいます。よろしく……」
巨漢の男は目を何度も擦って美空を見るとヒル魔に詰め寄った。
「女の子を出すなんて危険だよヒル魔!!」
「そうっすよ!バレなきゃいいてもんじゃねえっすよ!!」
モン太も同じように抗議する。目の前にいるのは正真正銘の女の子。二人が反対するのは無理もない。
だがそんな二人の反発を読んでいたかのようにニヤリと笑うヒル魔。
「心配すんな。こいつは空手の世界チャンピオンだ」
「「「…………はあ?」」」
ほぼ三人同時に間抜けな声をあげた。
「こいつはかなりの使い手で下手な男よりもずっと強え。それこそアメフト選手よりなぁ!」
ヒル魔が美空に目で合図を送る。「話しを合わせろ」と……
「あ、あー!そ、そうなんスよ!いや〜もっと強い奴はいないかなぁ!HAHAHAHA!!」
私何言ってるんだろう……そう心の中で美空は思い涙した。
未だに信用出来てない二人にヒル魔はついて来いと命じた。勿論美空もである。
――トレーニングルーム
「ヒ、ヒル魔……本気でやるの?」
「いくらなんでもこれは……」
「な〜に、こいつならたったの“80キロ”なんか余裕だ!そうだろ?」
「は、ははは!勿論っスよ〜!(もうどうにでもなれ!!)」
ベンチには80キロのバーベル。そのベンチに美空は横になりバーベルに手をかける。
見習いとはいえ身体強化くらいの魔法は使える。美空は魔力を集中させると一気に持ち上げた。
「うおおおおお!!すげーーーー!!」
「ま、まあこれくらい余裕っスよ!」
調子に乗り始めた美空は何回も上下させる。
「でもヒル魔、春日さんはセナ君みたいに走れるの?」
「あ!そうっすよ!足が遅かったらバレバレじゃないっすか!」
「心配すんな。下手したら奴は糞チビよりも速えかもしれねえ」
――グラウンド
グラウンドにつくとヒル魔は美空に耳打ちする。
「いいか。速すぎると怪しまれるから適度に手を抜け。解ったな」
美空は黙って頷くと40yd走のスタートラインについた。
小声でアデアットと唱えるとAFのかそくそーちが現れた。
「テメーら!奴n走りをよーく見とけ!!レディー……」
ヒル魔はどこからか取り出したバズーカを上空へ向けて発射した。
「ゴー!!」
(手を抜けってこのくらいかな……?)
まさにあっと言う間だった。発射されたバズーカの弾が上空で爆発すると同時に美空はゴールを駆け抜けた。
「「アリエナアアアアアアアイ!!!」」
(こんの糞シスターが!!手を抜けって言ったじゃねーか!!)
(手は抜きましたよ〜……)
「な、何秒だったの!?」
二人が駆け寄ってタイムを見に来た。手元のストップウォッチは2秒3。どうみても人間じゃない記録。
仕方なく二人に気付かれないように時計を進めた。
「4秒23だな……」
「スゲエっすよ美空さん!!これなら大丈夫っすよ!!」
「うん!ようこそ泥門デビルバッツへ!!そういえば紹介まだだったね。僕は栗田良寛よろしく」
これまでの美空の記録を見てあっさりと出場を認めてしまった二人。
美空は思った。この二人……なんて単純なんだ。そして単純とは恐ろしいなぁ……。
「助けてココネ……」
「……頑張って」
忙しくて全然書けないっス。てか憶えてる人いるかな?
次回もいつ投下できるかわかりませんがよろしくお願いします。
61 :
名無し28号:2007/04/17(火) 21:50:24 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 21
特に何も起こらないまま授業は終了し、放課後になってしまった。
ネギはアスナさんとこのかさんと帰るので、ソリッドさんは
部屋に戻っていてください。とソリッドに言い残し、
アスナとこのかと友に女子寮に帰っていった。
「そういえばネギはあの二人と同じ部屋だったな。さて、俺も用意された
部屋に行くか。たしかオタコンも居たはずだったな。」と言うとソリッドは
学園側から用意された部屋に向かって歩き出した。
「部屋が散らかってねぇと良いな、ソリッド。」とハリーがソリッドに冗談を言った。
「・・・オタコン、何なんだこの散らかりようは。」
呆れながらそう言うソリッドの目の前には色々な紙が散らかっている
部屋があった、その部屋の隅にはデスクタイプのパソコンが4台ほどあって、
そのパソコンをいじっているオタコンが居た、ハリーも呆れてため息を吐き
「これからが心配だぜぇ、まったく。」と言った。
ここは女子寮の一室、裕奈がM92Fのモデルガンをいじっていた、
亜子は出かけているようだった。裕奈がモデルガンを構える。
(何時も、構えると何か物足りないような気がする・・・。)
裕奈は心の中でそうつぶやくとモデルガンを降ろした。
(にしても、あの『ソリッド』って人、見てるとなんか思い出しそうになるんだよね。
なんか『ジョン』をそのまま若くしたみたいな感じなんだよね。
いや、何を考えてんだろう私は、夢の事はもう忘れよう。)
裕奈はそう心の中で思うと、モデルガンを仕舞うとベットの二階に上って、
ベットに潜り込み、そのまま眠りに就いた。
62 :
名無し28号:2007/04/17(火) 21:51:12 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 22
その頃、ネギは気が抜けなかった、ネギは何時でも魔術が使えるように
エヴァから貰った、杖の代わりになる指輪を装備していた。
実はソリッド達の部屋は一階にあって、この三階にある部屋に来るには
走っても1分以上掛かる、どうして、そんな所で監視しているのかと言うと。
他に空き部屋が無かったのである。と言う訳で、ソリッド達が
この部屋に来るまで、ネギが時間稼ぎをしていなければいけないのである。
アスナとこのかはTVを見ていた、バラエティー番組がやっていた。
しばらくすると、バラエティー番組が終わると、アスナが
「そろそろお風呂入らない?このか。」と言い出した。
「そやね、ほな、ネギ君も一緒に入ろ?」とこのか。
「いや、僕は別に・・・。」いいです、とネギは言おうとしたが。
「そうね、じゃないとこいつまた体洗わないしね。ほら、来なさいネギ。」
と言うアスナに手を引っ張られて無理やり連れて行かされそうになる。
「いや、僕は本当に良いですからっ、自分で入りますからっ。」
とネギは必死で抵抗するが、抵抗もむなしく、ネギは入浴場に
連れて行かれた。
63 :
名無し28号:2007/04/17(火) 21:54:32 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 23
その頃、ソリッド達は部屋から三人を監視していた、
部屋の隅にあった四つのデスクトップのモニターに
三人の姿が映し出される、パソコンのウィンドの
上にある、スピーカーからは、三人の声も聞こえた。
さっきまで散らかっていた部屋は既に片付いていた。
それを見ていたソリッドが
「何?この三人一緒に風呂に入る中なのか?
にしては、歳の差が激しいような・・・。」
と言った、何か三人の関係を勘違いしているようだ。
「違うよソリッド、これは日本に風習なんだ。親子、兄妹や同姓の友人
と一緒に入るのは日本では良く見られるんだよ。日本には『銭湯』って言う
大勢の人たちが一緒に入るための施設まであるんだ。」
とオタコンがソリッドに手短に説明をした。
実は、アメリカには他人と一緒に風呂に入る風習は無いのである、
入るとすれば恋人とぐらいである。ソリッドが勘違いしても仕方が無かった。
「そうなのか?だが、ネギは子供とは言え男だぞ?
一緒に入るのはどうかと思うが・・・。」
とソリッドするとハリーが
「あの二人からすればネギは弟みたいなモンなんだろ?」
と言った。なるほどとソリッドが納得する。
「ところでオタコン、まさかとは思うが、
あの娘二人の着替えも監視するつもりか?」
とハリーが言い出した。
「大丈夫だよ、そこはちゃんと考えてるからさ。」
とハリーの問いにオタコンが答えた。
64 :
名無し28号:2007/04/17(火) 21:55:47 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 24
ここは女子寮の廊下、小さな二足歩行型のロボットが三人の後を追っていた。
その姿はメタルギアに似ている。これはオタコンの作った小型遠距離
操作型ロボット『メタルギア・マークU』である、このメタルギア・マークU
に搭載されたカメラで捕らえた映像と搭載されたマイクで拾った音が
そのままソリッド達の部屋においてあるデスクトップに音と共に映し出されるのだ。
メタルギア・マークUが三人の後を追っていると。向かいから刹那が現れた。
「お嬢様ッ!お風呂なら私もご一緒させてぐださい!」と刹那。
「・・・せっちゃん、なんでウチがお風呂入るの知っとるん?」とこのか。
「兎に角、お嬢様、出来るだけ私とご一緒させてもらい・・・。」
このかの問いを無視して、喋っていた刹那は、三人の背後に居た
メタルギア・マークUを見つけると、すぐに斬馬刀を抜き、
メタルギア・マークUに切りかかった、
「たぁっ!!」と言う刹那の叫びと共にメタルギア・マークUが真っ二つになった。
「ああっ!作るの大変だったのに!」
デスクトップでその映像を見ていたオタコンが叫んだ、
メタルギア・マークUを壊されたのがショックだったらしい。
「また同じ物を作ればいいじゃないか。」とソリッド
「だって、だって・・・。」と泣き言を言うオタコン
「つーかぁ・・・俺にカメラとマイクくっ付ければ良いんじゃね?」
とハリーが言い出した。
65 :
名無し28号:2007/04/17(火) 21:56:51 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 25
「待てハリー、たしかにお前なら目立たないかもしれないが。
大丈夫なのか?見つかったら切られるかもしれないんだぞ?」
とソリッド
「大丈夫大丈夫。見つかりゃしねぇよ。それに、あいつ
なら切らないでくれそうだしな。」
とハリー。
「? どういう事だい?ハリー。」とオタコンが聞いた。
「ああ、実は俺あの刹那ってのとあった事があんだよ、昔の話だがな。」
とハリーが答えた。
「そうなの?じゃあ大丈夫じゃいかい?スネーク。」とオタコンが言った。
「ダメだ、普通のネズミとハリーを見分けられるかどうか分からないからな。
下手すればあのメタルギア・マークU同様切られるぞ。」とソリッド。
「大丈夫だよ・・・あいつが覚えていれば多分。」
とハリーが自信無さげに言った。
66 :
名無し28号:2007/04/17(火) 21:58:51 ID:???
すみませんが
>>64に
『ロボットが三人』と書いてある所がありますが、
『が』と『三人』の間に『入浴場へ向かう』を入れて読んで下さい。
お手数をお掛けしてどうもすみません。
>>名無し28号
約30〜40レス前のゴタゴタで成長したな。句読点改行は相変わらずだけど、このくらいがちょうど良いかな?
投下量も多かったしこの調子でがんばれ!
68 :
名無し28号:2007/04/17(火) 23:13:07 ID:???
>>67 ありがとうございます!句読点改行は書いたり読んだりして
なんとか覚えようと思います。これからもよろしくおねがいします。
>>68 あえて指摘させてもらうぞ。
>ネギはアスナさんとこのかさんと帰るので、ソリッドさんは
>部屋に戻っていてください。とソリッドに言い残し、
この件は、「」使った台詞にした方が纏まりがいい、こういう表現は短い台詞じゃないとだれる。
例えば「そうですねとネギは、相槌を打った」上の文とは関係ないが、せいぜいこんなもん。
>ベットの二階に上って、 ベットに潜り込み、そのまま眠りに就いた。
同じ単語を2連続で使うのは避けたほうがいい。
これなら「裕奈は2段ベットの上段に登ると、そのまま眠りに付いた」
これで情景が伝わってくるはず、長々書くと逆にしつこい。
>アスナとこのかはTVを見ていた、バラエティー番組がやっていた。
まず人名は漢字に、したほうが読みやすい(これは個人差ある)
それとバラエティー番組と説明するなら、前半のTVは要らない(入れてもいいけど)
「明日菜と木乃香は、バラエティー番組を見ている」か「明日菜と木乃香は、TVでバラエティー番組を見ている」
分かってると思うが「た」は過去形「る」は現在進行形。
「見ていた」だと見終わっている印象になりやすいから「見ている」の方が現在テレビを見ている感じになる。
>しばらくすると、バラエティー番組が終わると
「しばらくして、バラエティー番組が終わると」こっちのほうが締りがいい。
それと句読点改行は基本的にしないほうがいい、非常に読み難い。
メタルギアの説明文も改行しているせいで分かり難い。
>>68 まとめを見てきたけど顔文字とかは止めたほうがいいよ。緊張感がなくなるから。
「〜した」「〜る」などの文の終わりはかならず「。」を使う。これは基本というか世間の常識ですよ
寧ろ「、」なんかほとんど使いません。
文章に関してはまずは色んな作品を読むのが近道。短編でも長編でもとにかく上手い人の作品。
読んだら自分の作品と読み比べてみる。自分と何が違うのか、どちらが読みやすいかとか。
言い回しや描写を真似てみるのもいいかもしれないっス。勿論丸々パクリはダメだけど。
自分は投下前に三回音読してます。これは文法の間違いや読み易さの確認などのためです。
中途半端な位置で改行すると逆に読みづらいです。音読するとそれがよくわかりますよ。
黙読でもいいので是非投下前に読んでください。
遠くから眺める。これは自分だけかもしれないですけど……
行間を空けずギチギチに詰めた文と適度に空けた文。パッと見どちらが見る気が起きるか?
とまあ偉そうに言ってますが自分もまだまだ鼻糞レベルなんで何とも言えませんが……
とりあえず自分の経験やらが参考になれば幸いっス
71 :
名無し28号:2007/04/18(水) 07:23:03 ID:???
>>69 >>この件は、「」使った台詞にした方が纏まりがいい、こういう表現は短い台詞じゃないとだれる。
例えば「そうですねとネギは、相槌を打った」上の文とは関係ないが、せいぜいこんなもん。
実はこれ俺の好きなライトノベル作家の作品をまねしてるんですよ。
時雨沢恵一って人でね、彼の『キノの旅』と言う作品が大好きなんですよ。
あ、すみません、まったく関係無い話に入りましたねwwwwwwww
やっぱりそこは「」をつけた方がよろしいのでしょうか?
次からそうする事にしますね。
>>「裕奈は2段ベットの上段に登ると、そのまま眠りに付いた」
>>「明日菜と木乃香は、バラエティー番組を見ている」か「明日菜と木乃香は、TVでバラエティー番組を見ている」
なるほど、こうしたほうがよろしいんですね。ありがとうございます、
勉強になりました。
>>70 顔文字?顔文字なんてありましたっけ?
>>それ以降
なるほど。そういや最近あまり読んでないなぁwwww
たまには浴びるように読みますか(あれ?日本語おかしい?)
>>71 指摘されてwwwwwwを使う意味がわからん。本当に反省してるのか?
見ててイライラする。
73 :
名無し28号:2007/04/18(水) 17:52:44 ID:???
>>53 図書館島1階、通常の生徒も出入りできるこの場所で、正太郎達は一息ついていた。
とにかく敵に捕まるまいと、彼等は必死に図書館島の地下から逃げてきたので、さすがの魔法使いと達人も息を切らせていた。
「あ、あいつ等が何でこの時代に、やっぱり僕達がこの時代に来たのも」
息も絶え絶えに正太郎は推理を進めるが、酸欠状態の頭で考えが纏まる訳もなく……
「お、落ち着こう。今考えても仕方がない」
自分に言い聞かせるようにして正太郎は呼吸を整え始める。
「正太郎君、あれも50年前のロボットなんですか?」
既に呼吸を整え終えた刹那は、正太郎に疑問を投げかける。
正太郎は深く深呼吸をして、その数拍の後、刹那の質問に答えた。
「あれはベラネード財団という企業のロボットなんです。でも兄さんが壊したはずなのに……」
一瞬の沈黙が流れるも、切り裂くような叫び声でそれは断ち切られた。
声を上げたのは、どうやらガンドルでうずくまるようにして、苦痛に顔を歪めていた。
彼は滴るように汗を流し、苦痛の涙を浮かべ、痙攣しながらよだれを垂らした。
「大丈夫ですか!すぐに魔法をかけます!」
木乃香は慌てた様子で、可愛らしい小さな杖を取り出した。
しかしその直後、地割れにも似た音が建物の外に響き渡る。
正太郎は立ち上がると脱兎の如く外界に通じる扉へと走り、それを開いて外を見た。
そこで彼が目にしたのは狂気の巨人達が、闇に包まれた湖の中を行進していく姿であった。
「まずい!このままじゃ!」
正太郎の叫びが響き渡る直後、それを遮るようにして聞き覚えのある声が近付いて来た。
「正太郎君、無事かい!」声の主は島と学園を繋ぐ橋を、全速力で渡ってくるタカミチであった。
その姿を見た正太郎は、古くからの友人に出会った時のように安堵したが、すぐに不安を取り戻していた。
「高畑さん!あの方向には何かありますか!?」
焦りの混じった正太郎の問いに、タカミチは目を見開き、慌てふためいた声を出す。
「まずい!あの方向にはライブ会場がある!しかも観客は満員だ!」
「なにぃ!!満員だとぉ!」
図書館の奥から大塚の声が上がり、そのすぐ後、ドタドタとふくよかな姿を現した。
「署長さん行きましょう!あいつ等を止めないと」
「私も行こう、何か役に立つ事があるかもしれない」とタカミチ。
「正太郎君、私も行きます。お嬢様は危険ですから、ここに」
刹那も彼の意見に同意し、正太郎に付いて行くと言った。
自分も行くと木乃香も言おうとしたが、それを遮るような刹那の言葉。
「……分かったわ、うちは二人の治療を続ける」
渋々と言った様子で木乃香は言い、それを見て、軽い会釈をする刹那。
そして彼等はその直後には、瞬く間に走り去り、図書館島には木乃香と負傷したガンドルと刀子が残された。
続く
薔薇乙女ネギま
まきますか まきませんか
そんな手紙が届いたのはつい昨日のことだった。
「――で夕映。それどうするの?」
手紙を覗くハルナは興味津々だった。
「これは処分するです。きっと新手の悪徳商法です」
「でもさ、ここに『幸運の人形プレゼント』って書いてあるじゃん」
ハルナは下の欄で一番強調している部分を指差した。
確かにそう書いてはあるが、人一倍疑り深い夕映はそれでも信用できなかった。
そもそも幸運の人形という辺りがとても胡散臭い。
他人事のように話すハルナは書け書けと発破をかける。
「興味ないです」
夕映は納得がいかず、ひとまずその手紙を置いてミニテストの答え合わせを始めた。
勉強は出来る方だが元々勉強嫌いがたたり×が連続する。
伊達にバカレンジャーのバカブラックを担当しているわけではなかった。
そんなことも気にせずに夕映は黙々と答案を見比べては×と○をつけていた。
そしていくつかの○をつけようとした途端――
「あっ!!」
隣で大人しくその答案を眺めていたハルナが、横からこっそりと手紙を取り出して答案の上に滑り込ませた。
大きく○をつけたそれは“まきます”の欄だった。
「な、何をするですかーーーー!!」
「な、何をするですかーーーー!!」
思わず書いてしまった夕映は手紙を抑えて笑っているハルナに向かって激怒した。
「『!!!お金は一切かかりません!!!』って書いてあるからやってみたら?」
「そんなことやってると、いずれしっぺ返しがくるですよ!」
声を荒々しくさせた夕映は、もうどうにでもなれと言わん張りに椅子に腰掛けた。
そして、鞄の中に入れたはずの手紙が無くなっていたのに気づいたのは放課後だった。
翌日、休みだった夕映は少し遅めに起きた。
寝起きの抹茶コーラは格別で、夕映はいつも朝一番に飲んでいる。
いつものようにベッドから起き上がり、いつものように顔を洗おうと洗面所に向かっていると。
「何です…これ」
ふと玄関を見ると、そこには大きめのトランクのような鞄が無造作に置かれてあった。
誰かの忘れ物かと思い、近づいて見る。しかしこんな鞄を持ってそうな人物が想像できなかった。
もちろん自分の物でもない。
「鍵は…掛かってないですね」
触れていると、特別何かをしたわけでもないのに鞄がすっと開いた。
「な、何です……」
異質な雰囲気に気味悪くなって一度はそこから離れる夕映。
一度顔を洗ってもう一度鞄に向き直した。そして意を決して鞄を開ける。
「人形ですか?」
その中には、まるで眠っているように横たわっている人形が一体存在した。
見るからに海外の人形で、おそらくヨーロッパあたりかと予想した。
ゆっくりと抱きかかえて見ると、結構な大きさでミニサイズの人間のようだった。
小さい頃に人形は何度も持ったことはあるが、この人形はまるで人間のように柔らかい。
「すごいです…まるで生きてるみたいです」
夕映はそこまで出来た人形にただ圧巻していた。ここまで精巧に創るからにはかなりの職人芸だろう。
だがここまで来てふと疑問に思う。
この人形は一体誰がここに置いたのだろうかというものだった。
別に注文したわけでもなければ誰かの忘れ物でもない。
何故なら、昨日の部屋には夕映一人でいて、出入りしたのはのどかとハルナだけだからだ。
長い付き合いの二人だからこそ考えられるが、とてもこんな人形に興味を持つとは言いがたい。
一旦その人形を元に戻そうとしていると、金色のゼンマイのネジが目に入った。
「…少しくらいいいですよね」
腰に小さな穴があり、そこに入れてそっと巻いてみる。
キリキリと音を立ててゼンマイを巻くと、その人形はいきなり眩い光を放ちだした。
「な、何ですーー!?」
宙に浮かび、そしてゆっくりと二足歩行するように地面に降り立つ人形。
目が開き人形が夕映を見ると、彼女はその光景に驚き気絶していた。
つづく
とりあえずネギま×ローゼンメインデン投下してみました。
まだまだ改良の余地がある上に、1話のタイトル未定でタイトルもいい加減です…。
これから頑張っていきますのでよろしくおねがいします。
>>79 ローゼンもネギまも大好きな俺にはうれしい限りだ!
期待しとるえ
81 :
名無し28号:2007/04/20(金) 15:26:58 ID:???
>>79 ローゼンメイデンは俺も好きです。
これからも頑張ってくださいね。
age
hosyu
84 :
名無し28号:2007/04/21(土) 22:34:11 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 25
「せっちゃん!?」
大浴場に続く廊下で、このかが叫んだ。
突然刹那が自分達の後ろに斬馬刀を手にして走り出したのだ。
「え?何?一体。」
「刹那さん!?」
釣られてアスナとネギも叫ぶ。
三人が振り返った時にはすでにメタルギア・マークUは真っ二つになっていた。
「何なんだ?この機械は。」
真っ二つになったメタルギア・マークUを前に、刹那がつぶやいた。
(何者かが追尾をしていたに違いない。)そう考えた刹那は
このかの方に向き直ると。
「お嬢様。何者かが追尾していた模様です。何か嫌な予感がするので
これからしばらくはずっとお供させていただきます。」と言った。
「・・・!!」
ネギは真っ二つになったメタルギア・マークUを見て。
やけに自慢げにメタルギア・マークUの事を話しているオタコンを
思い出した。同時にこれはスネーク達の仕業だと言う事に気付いた。
が、ネギはその事を刹那には言わなかった。
スネークに「俺達の事は誰にも言うなよ。」と口止めされていたのだ。
(もうオタコンさん。何もこんな目立つ物で監視しなくてもっ。)
とネギが内心でオタコンに文句を言ったが。何も解決はしなかった。
85 :
名無し28号:2007/04/21(土) 22:35:47 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 26
ハリーは大浴場へとつづく道をひたすら走っていた。
しばらく走っていると、ようやく4人の姿が見えた。
「おっ、いたいた。」
ハリーは走るのを止めて少し遠くから4人を監視しはじめた。
「大丈夫かなハリー。」
オタコンが自分達の部屋で呟いた。
「大丈夫だろ、心配するな。」とソリッドが言う
「本当に大丈夫なのかなぁ。」
「大丈夫だ、それに奴なら目立たないだろう。」
「それもそうだけど・・・。」
「大丈夫だ、見つかっても殺されないだろ・・・多分。」
「そうだね・・・・多分。」
それから部屋は静かになった。
今回少なくてごめんなさい。
最近ここのスレを読み始めて作品を書きたくなった者です。
脳噛ネウロとのコラボですが、少しお尋ねしたい事が。
ネウロの特徴である謎と、ネギまの特徴である魔法を組み合わせた物を物語の中心とさせる為
どうしてもとある人物が半ばオリジナルキャラとなってしまうのです。
これは上記のルールに反してしまうのでしょうか。説明がへたくそですみません。
>>86 SSも書いていない糞住民が答えるのもなんだが・・・
>>1参照
>4.オリキャラは基本的には禁止ですが、物語の都合上やむ得ない場合は事前に知らせてください
今回は
>>86がお知らせとすればokなのでは?
>>86 まあ大丈夫じゃない、あんまり厨設定キャラにならなければ。
そういえば前にネウロコラボが投下されたな。結局一話で打ち切りになったけど
て事は…ルールをしっかり守れば゙スパイラル〜推理の絆〜゙とも゙おとぎ銃士赤ずきん゙とも゙てんたま゙とも゙想いのかけら〜close to〜゙とも゙魔装機神サイバスター゙とも絡められるんですね…
86です。
では、ある程度完成したらまた顔を出したいと思います。ありがとうございました。
86です
ネギまとネウロのコラボ「魔人先生脳噛ネギま!」のプロローグを投下したいと思います。
その前にまず色々と連絡事項を
・三分の一ぐらい推理小説の要素です。
・物語の進行の上で、とある人物にオリジナルの設定がつきます。
・ある程度読み手が展開を推理できるような話になっていますので、読みながら考えていただけると嬉しいです。
・前半はややネウロよりの話となっています。
・ご指摘をしてくださると助かります。
とりあえず週に一回、或いは隔週を目指して執筆しますので、短い間かもしれませんがよろしくお願いします。
駅より近く、辺りを一望出来る、且つコンビニも直ぐ其処にあるという立地条件の良いビル。その中にとある探偵事務所が入っている。その名前は
桂木弥子探偵事務所と言い、その手の者にはそれなりに知られた事務所だ。
そして、その事務所の中で一人の少女がソファーに腰掛け数学の問題集とにらめっこを続けている。既にページにかけた指が動きを止めてから随分
と時間が経っていた。何度も右手でペンを回しているが、だからと言って脳の回転が速くなる訳でもないらしく、徐々に雑になるその動きは本人の苛
立ちを象徴するには十分すぎる程であった。
「あーやっぱり無理。後で叶絵にでも教えてもらおう」
物言わぬ本と対峙する事更に数十分、少女はとうとうギブアップ宣言をして正面のテーブルに突っ伏す。そしてスカートのポケットから携帯を取り
出して、電話帳の欄を眺めだした。
「どうしたヤコよ。助けてほしいなら助けてやるぞ」
ふと、少女の耳元に男の声が入ってきた。が、返事をする間もなく次の瞬間には少女はソファーから吹っ飛ばされて地面に叩きつけられる。
全く奇怪な現象の筈だが、当の本人は意に介した様子も無く、体の心にまで響く激痛に耐えてふらつきながらも立ち上がる。そして、偶然にも正面
になった、室内でも一際大きなテーブルでパソコンに向かっているスーツ姿の男に向かって怒鳴り声を上げた。
「ちょっとネウロ! 人が真剣に悩んでいるのに、ていうか言っている事とやっている事が違う!」
「ふん、その程度の謎も解けない分際で何を言うか」
だが、ネウロと呼ばれたその男は至極当然そうにふんぞり返って不満を漏らす。そして、パソコンに視線を落としてキーボードを叩き始めた。
この男は、正確にはこれに称されるような人間ではない。名は脳噛ネウロ。魔界の住人だ。今は何処にでもいそうな青年の姿をして
いるが、本来の姿は人間とは遥かに異なる。そして、彼が常識外の力をもってして地面にたたきつけた少女、彼女は桂木弥子と言い、
この探偵事務所の所長である。とは言え実際弥子はネウロの傀儡に過ぎない。とある事件をきっかけに二人は出会い、そしてネウロの
要求を満たす為に弥子は仮の探偵として不運にも選ばれてしまったという訳だ。
謎を喰う事。これがネウロの要求。初め、弥子はその意味がまるで分からなかった。ネウロによると、それは悪意のエネルギーで、
単なる悪戯から重大な犯罪まで様々な行動を引き起こすもの。しかし、普段は外部から身を守る、言いかえれば自分が犯人であると周
囲の人間に悟られぬよう隠してしまう。これが謎なのだという。
魔界という、人間にとって全く馴染みの無い世界の存在であるネウロにとっては、この謎こそが食料なのだ。人が食事をせねばやが
て飢えて死んでしまうように、謎は彼にとっても必要不可欠なもの。そんな謎を求めて、はるばる人間の世界にやって来た。
とても常人には理解しがたい内容。そんな事を平気で言ってしまうネウロの側で、紛い物とは言え探偵としての仕事をこなしていく
うちに弥子は受け入れるようになっていた。同時に、これは幾人もの犯罪者と向き合う事で彼女が人として成長を遂げている事にもな
っていたのだが、それはまだ弥子本人は自覚をしていない。
そしてネウロは、今日も時折弥子にちょっかいをだしながら謎の在りかを求めていた。
「おや、これは」
暫くして、ネウロの目があるサイトに止まった。彼の顔に、笑みが浮かぶ。その瞬間、彼の口元から涎が零れ落ちるのを、弥子は見
逃さなかった。
「ふぅ……今度は何処に行くの」
ため息をついて、ネウロの隣に回りこむ。
モニターに表示されていたのはある学校の風景であった。弥子が通う高校よりも遥かに大きいそれは、まさに都市と形容しても問題
はないように思えた。
「麻帆良学園だ。ここから良い謎の気配がするぞ」
ここで一際ネウロの笑みが大きくなる。人間である弥子には、表示されている画像からでは到底意味を理解できない。少なくとも理
解しているのは、ネウロが謎の気配を感じているという事から、この学校で何か良くない事態が起こっているぐらいだ。
肩を落として、弥子は途方に暮れる。また、宿題が遅れると。
95 :
86:2007/04/23(月) 18:29:19 ID:???
プロローグは以上です。コラボと言いつつネウロ側しか出ていませんが。
次回を楽しみにしていただけたら嬉しいです。
96 :
名無し28号:2007/04/24(火) 07:29:42 ID:???
>>95 楽しみに待っています、頑張ってくださいね。
97 :
名無し28号:2007/04/24(火) 20:45:56 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 27
その頃、ネギを含めた4人はと言うと。
「大丈夫やせっちゃん、きっとハカセの新作やって。」とこのか
(このかさんナイスフォローです!)とこのかのセリフにネギが内心で叫んだ。
「そうでしょうか?何やら『オタ魂』と言う文字があるのですが・・・。」
と刹那、良く見るとメタルギア・マークUの左横に“オタ魂”と
描いてあった。あきらかにハカセや超の作品では無い。
(オタコンさんの馬鹿ぁー!)ネギは再び内心で叫んだ。
「とにかく、修学旅行の事もありますし、
出来るだけ一緒にお供させていただきます!」
と刹那が叫ぶ。アスナはその様子をただ見ていただけだった。
「ん?あのロボットはハカセと超の物か?」
学園内の木の上で黒ずくめの男が双眼鏡を手にそうつぶやいた。
男が居る所からは大浴場へ向かう4人の姿が良く見る。
と、男は通信機を手に取り
「こちらαT、ターゲットに変化無し。」と言った。
定時連絡らしい、良く見ると男は右腰にベレッタM92Fを吊っていて。
背中にはコルトM4を担いでいた。左腰にM4のマガジンもある。
胸にはナイフが一本あった。男は通信機を仕舞うと
「まったく、何時までこんな事をやっていれば良いんだ。」
とぼやくと、通信機からピピピッと言う音が鳴った。
「αT応答しろαT」
「こちらαT、どうした?」と黒ずくめの男
「学園の事はもう大体分かった。明日ターゲットを
拉致する。今日はもう帰ってきて良い。」と通信の相手
「分かった、そちらに戻る、over。」と言うと黒ずくめの男は
その場から立ち去って行った。
98 :
名無し28号:2007/04/24(火) 20:48:31 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 28
その日、4人は風呂に入ったあとTVを見てすぐに寝た。
部屋には監視カメラがあるのでハリーはソリッド達の元へ戻った。
「大丈夫だったか?ハリー。」とソリッド
「大丈夫だって、見つからなかったさ。」とハリー
と、二人が会話をしている時に、オタコンのいじっていた
デスクトップからピロリンと言う音が出た。メールのようだ。
「ん?メールか、誰からだろ?」と言いながらオタコンは
ウイルスが無いかどうか確かめてからメールを開いた。
そのメールの内容は以下の物だった。
明日の夜、『PEACH MOON』が近衛木乃香と神楽坂アスナをさらう。
銃器を持っているのなら装備しておいた方が良い、奴らも銃器を装備
している。気を付けろ。
ファンの一人より
99 :
名無し28号:2007/04/24(火) 20:50:58 ID:???
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 28
「このメール・・・またか。」とオタコン
「またか、一体何物なんだ?どうして俺達に情報を?」とソリッド
「おいおいどうした?」とハリーが聞いてきた。
「実は一週間ほど前に同じ相手からメールが来たんだ。
『麻帆良学園3-Aの生徒近衛木乃香と神楽坂アスナがある組織に
狙われている。』ってね、しかも二人はメタルギアと関係して
いる事と狙っている組織の名前まで乗せてね。」
とオタコンがハリーの問いに答えた。
「おいおい、なんでそんな事をわざわざ教えるんだよ?」
とハリーがまたオタコンに聞く。
「そんなの分からないよ、メールアドレスを調べて見たけどダメだった。」
とオタコンが答えた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 29
「誰かは分からないが、その情報を信じてみるか。」とソリッド
「おいおいマジかよスネーク!こんな何処の馬の骨かも分かんねぇ奴の
本当かどうかも分かんねぇ情報を信じるのかよ!?」とハリーが今度は
スネークに聞いた。その声からかなり驚いている事が分かる。
「良いじゃないか別に。それに信じようが
信じまいがやる事はあまり変わらない。」とソリッド
「だからってよぉ・・・。」とハリー
「まぁ良いじゃないか、とりあえずは信じてみよう。スネークの
言う通り信じようが信じまいが僕らのやる事は同じだ。」とオタコン
「・・・まぁお前らが良いならそれで良いんだがよぉ・・・。」とハリー
「さて、とりあえず俺は寝る、あとはたのんだ。」と言うとソリッドは
しいてあった布団にもぐって寝てしまった。
「ふぁ〜あっ、俺も寝るかな。オタコン、
眠たくなったら俺と交代していいぜ。」と言うとハリーも近くに
置いてあった『REDFOX』と描いてあるハンカチの上に乗って寝た。
「分かったよ、眠くなったら起こすよ。」そう言うとオタコンは
引き続き監視を続けた。
ミスった、修正
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 28
↓
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 29
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 29
↓
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 30
お手数取らせましてどうもすみません。
「それで、私の元へときたと言う訳か……」
夕映は人形の出来事についてネギにこっそりと話すが彼にも分からなかった。
そこでエヴァンジェリンなら何か知っているだろうと思い、二人で尋ねてみた。
「それなら知っている。ローゼンメイデンだ」
「ローゼン…メイデン……?」
ネギもその名称は聞いたことなく、きょとんとしてエヴァの目を見る。
素っ気無くだが、意外と素直に応えたエヴァは椅子に腰掛けた状態で魔法を使う。
すると本棚の中にあった本の一冊が宙を舞いエヴァの手に収まる。
それなりの厚さのある本の真ん中あたりを捲って行くと、そこには一枚の写真であった。
「私が知っている限り、記録として残っているのはこれだけだ」
そこに映っている人物は金髪の青年と数行の文章、それだけだった。
「誰です、この人は?」
「そいつはローゼンと言って、その人形たちを創った天才人形師だ」
その後ろを見ると、様々な芸術品と呼べるような人形が見えていた。
写真自体が古いせいもあって分かりづらい。
しかしその精巧に作られた作品は彼女たちを作ってもおかしくないほどの技量であった。
「ローゼンが理想とする『アリス』を探すために創られたのがローゼンメイデンだ」
「アリス……ですか?」
聞きなれない言葉に理解出来る範囲を超えそうなほどになっている夕映。
ネギに至っては状況すら全く読み込めていない様子。
その中に割って入ってくる声があった。
「そう。完璧な少女、アリスを目指すためにお父様に創られたのが私たちなのだわ」
声をした方向へ向くと、赤いケープコートとボンネットを纏った人形が現れた。
人間の背丈よりもはるかに小さなまるで生きているような人形はゆっくりと机に座る。
「紅茶を出して頂戴」
何の抵抗もなく紅茶の要求をする赤い人形はエヴァに平然と言い放つ。
「な、何で貴様ごときに!」
「全く、茶々丸よりも使えないわね」
お嬢様気質であのエヴァに偉そうな態度で命令する人形。
杖で急かすように叩かれるエヴァの頭からは湯気が出そうな状況だ。
「それはそうと…あなたたちは何なの?」
「それはそっちのセリフですよ。君もローゼンメイデン…?」
ネギが尋ねると人形は机の上に立ち、誇らしげに自己紹介をした。
「そうよ、誇り高きローゼンメイデン第5ドール『真紅』よ」
そういい終えると真紅は椅子に腰掛けた。
「それで、ローゼンメイデンについて知りたいのでしょう」
茶々丸が用意した紅茶を飲みながら上品に話す真紅。エヴァは後回しにされていた。
それからいくつか重要なことを話し合った。
契約者のこと選ばれた人をミーディアムと呼ぶこと、そして一番重要なことを真紅は語る。
「アリスゲームよ」
「アリスゲーム?」
ネギと夕映は声を出して言った。
「お父様が目指す完璧な少女、『アリス』を目指すために七体のドールが戦ってローザミスティカを奪い合うの」
真紅の紅茶を飲んでいた口元がほんの少し引きつるようにも見えた。
「すべてのローザミスティカを集めたドールが、完璧な少女『アリス』になれるのだわ」
「つまり、彼女以外にもあと六体のドールがどこかにいて、そいつらと戦わなくてならないということだ」
真紅とエヴァはアリスゲームについて淡々と語った。
そんな中で夕映は自分の心に芽生えた疑念をぶつけてみた。
「ある程度は分かりました。しかしそれだけ精巧に創られた人形が、なぜ今まで出てこなかったのです?」
「今に始まったことではない、何十年、何百年と前から何度も行われてきたのだ。まぁ決着が付かずに今まで伸びただけだがな。
そもそもローゼンメイデン自体が表に出なかったのだ。信憑性がないものだから知ったものしか分からない」
「なら、どうしてエヴァンジェリンさんは知っているのです」
その言葉に一瞬答えていいものかと真紅を横目で見るが、構わず答える。
「私も…数十年前に偶然にも一体のローゼンメイデンと契約を交わした身だからだ」
「え」
夕映とネギはエヴァを見た。だがその次に言葉を発する前に、真紅が立ち上がる。
「来たのだわ」
側においてあった鏡が波打つように揺れだす。
「な、何です!?」
「どうやらドールが来たようだな」
その中から現れたドールは、左右の目がエメラルドグリーンとルビーのオッドアイ。
シルクハットと少年のようなボーイッシュな顔立ち、白いブラウスと蒼い肩掛け。
そして手の中の光から召還された大きな鋏を手に真紅を睨み付けている。
真紅は飲んでいた紅茶のカップを机に置き、軽い笑みを浮かべて相手を見た。
「あなたも目覚めていたのね蒼星石」
つづく
長々とアリスゲームについて語っていると疲れそうなので一部省略しました。
またタイトル未確定で申し訳ないです。
とりあえず柔順にいきたいと思います。
>>105 GJこれからもお互い、頑張って書いていきましょう。
>>107 良いと思いますよ、自由に書いてください。
そろそろ投下せなあかんな・・・。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 30
裕奈は6時頃に目が覚めた。
二段ベットの上から下を見てみると、亜子がトーストを食べていた。
裕奈は亜子に「おはよう亜子。」と言うと、亜子は
「あはよーゆーな。」と返してきた。
その後何時も通りにトーストを食べ、学校への準備をし、
歯磨きをして、二人は8時に部屋を出た。
同時刻、アスナは朝のバイトから帰ってくると、
このかとネギと一緒に部屋を出た。
ソリッドは5時に目を覚ました。
見るとオタコンは寝ており。代わりにハリーが
監視をしていた。ソリッドに気付くとハリーはソリッドに
「おはよーさん、異常はねぇぜ。」と言った。
その日の学校は何時も通りだった。
何もおかしい所は無い、何時も通りの3-A組だった。
人目を気にせずエアガンのデザートイーグル(実銃?)を
クリーニングする龍宮、ニンニン言っている楓、
時々お嬢様とかつぶやいている刹那、
肉まん食べながらアルーと言っているクーフェイ。
まったく普通の3-Aであった。
が、その平和が今夜崩れ去るとは、誰も思いもしなかった。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 31
ここは少し大きい部屋、大体、学校の校長室ぐらいだろうか。
壁には老人の写真がいくつか飾ってあって、そこには値段の
高そうな机があって、その机の上には通信機が置いてあった。
机の横には木製の杖が立ててある。机の後ろには本棚があって、
その本棚には魔術関係の本と科学関係の本がそれぞれ納まっていた。
机を前にこれはまた値段の高そうな椅子に座っている紅い髪の男が
一人。歳は20歳ほどだろうか、その表情は若い。
その男が居る部屋のドアからノックする音が聞こえた。
「誰だ?」紅い髪男が聞いた。
「私です。」ノックをした人間が答える。
「来たか、入ってくれ。」紅い髪の男は、ノックをした人間に
部屋に入る事を許可した。そしてドアが開いた。
ドアを開けたのは14歳ほどの少女だった。
髪は美しい金色で、瞳は美しい水色だった。
「久しぶりだな、ネカネ。」
紅い髪の男が言う。
「久しぶりね、例の作戦が実行出来そうなんですって?」
ネカネと呼ばれた少女は椅子に座っている男にそう返した。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 32
「ああ、もうナイトとスワローは完成している。
あとはマジック・キャンセル装置と魔術をもった
科学者が最低でも一人、そして核弾頭が必要だ。」
紅い髪の男がそう答えた。
「マジック・キャンセル装置?それならあの
エヴゲニー・ボリソヴィッチ・ヴォルトって男に
作らせれば良いじゃない。どうして別に科学者が必要なの?」
疑問に思ったのかネカネが椅子に座っている男に質問をした。
「あのエヴゲニー・ボリソヴィッチ・ヴォルトは
魔術が使えないらしい。いや、メタルギアに使う魔術は
使えるがその他の魔術が使えないんだ。だから
マジック・キャンセル装置を作る事が出来ない。
だからマジック・キャンセル装置を作れる、
魔術を持った科学者が最低でも一人必要なんだ、
その科学者はまだここには居ない。」
紅い髪の男が質問に答えた。
「なるほど、魔術だと言う事に気付かなかったのね、
結構似てるから。で、その科学者は今どこに?」
ネカネが椅子に座っている男に再び質問した。
「麻帆良学園だ。」紅い髪の男はそう答えた。
「!麻帆良学園ですって?」
ネカネが驚いた顔で紅い髪の男に聞いた。
「ああ、そういえばネギが修行でそこに居たな。
弟の身を案じて決めたはずが、失敗したなネカネ。」
紅い髪の男が言う。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 33
「・・・。」ネカネは何も言わなかった。
「大丈夫だ、ちゃんと保護するよ、お前の姉妹と一緒にな。」
紅い髪の男が少し笑いながらネカネにそう言った。
「姉妹・・・たしか神楽坂明日奈もそこに居たわね。」
ネカネが男に聞いた。
「ああ、俺があそこに預けたんだ、
間違いはねぇよ。別にこの作戦には必要は無いんだが、
そろそろ愛国者が動き出すかもしれないからな、
早めに保護しといた方が良いだろ?」
紅い髪の男がネカネに質問した。
「それもそうね。」とネカネが答える。
「そういえばネギの兄妹二人はどうした?」
紅い髪の男が再びネカネに質問をした。
「大丈夫、保護しといたわ、それに本当の事も話しておいた。」
とネカネが答える。
「そうか、心配は無さそうだな。」
と紅い髪の男。
「で、何時その科学者をさらうの?」
とネカネが紅い髪の男質問をする。
「今日の夜だ。」
紅い髪の男が答えた。
「今日?どうやって。」
ネカネが続けて紅い髪の男に質問をした。
「スワローを使おう、良いテストにもなる。」
紅い髪の男はネカネにそう答えた。
113 :
86:2007/04/28(土) 20:57:23 ID:???
返信遅れました。
>>28号さん
ありがとうございます。これからよろしく御願いします。
>>薔薇乙女さん
ローゼンメイデンを余り知らない私のような人間にとってはこの流れは助かります。頑張って下さい。
ところで、次話は明日投下する予定です。
ところでオリジナルのメタルギア(架空の兵器)を出すんですが
よろしいですね、あとストーリー上の問題でオリキャラも出す事に
なるんですがそこも宜しくお願いします。
115 :
86:2007/04/29(日) 20:12:21 ID:???
ではこれより「魔人先生脳噛ネギま!」の第一話を投下します。
116 :
86:2007/04/29(日) 20:16:22 ID:???
第一話 始まり
麻帆良学園理事長、近衛近右衛門は頭を悩ませていた。
突然やって来た、桂木弥子と名乗る探偵と、その助手だと言うネウロという男がその原因であった。
「この学園で起こっている事件を調査したいのじゃな」
「ええ。先生のところに先日メールが届きまして。是非とも協力を、と」
勿論、ネウロの言うメールが来たというのはこの学園に入る為の嘘だ。しかし、いかにもそれらしい印刷物を、丁寧な言葉と共に彼は
突きつけている。近右衛門は顔を強張らせてじっとそれを見続ける。ちなみにネウロのいう先生、というのは弥子の事で、普段は彼が魔
人である事、弥子がただの傀儡である事をばれないようにする為のカモフラージュだ。
そして、ネウロの隣で二人のやり取りを眺めていた弥子は、理事長室に入る直前に彼が言った言葉を思い出す。この学園には当初の目
的であった謎以外にも別の謎がある、という言葉を。
おぼろげながらも、それが事実だと弥子は気づく。
目の前の老人の驚きぶりと、慌てぶりは、いきなりの来訪者に向けてされるべきものでは到底思えない。何かを必死に隠そうとして、
門前払いをしたいという意図がはっきりと伝わってくる。
「先生の推測するに、この学園で起こっている事はとても警察には解決できない。しかし警察が来ると問題になる、という非常に深刻な
ものですね」
「むぅ……」
「先生の手にかかれば、そんな煩わしい事態になる前に解決できるのです。どうです、悪くない話でしょう」
意地悪そうな笑みで、ネウロは更に近右衛門へ詰め寄っていく。
「ちなみに、先生には警察のお知り合いも居ますので、なんでしたらお呼びしましょうか」
「……まあ、ワシらも猫の手も借りたいと思っていたところじゃしの。解決できるのなら」
「そうですか。ではまず簡単に事情を説明していただけますか」
「ああ、それなら彼に聞いたほうが早いぞ」
彼とは、とネウロが尋ねようと口を開いたのと同時に、後ろのドアからノックする音が聞こえた。程なくして扉が開き、何かの資料を
抱えた一人の少年が入ってきた。赤みのかかった髪、日本人らしくない顔立ちから、西洋人であるとすぐにわかる。
この学校の生徒か、と弥子は想像したがどうも様子が違う。この学園には小学校から大学まで揃っているのは聞いていたが、少年が
着ている服はそのどれにも該当しない。スーツに身を纏った姿はまさに先生であった。まさか、と思い、弥子は言葉を発する。
「あの、もしかして……」
「彼はネギ・スプリングフィールド。この学園の中等部3‐Aの担任をしている先生じゃ」
「ほう、その若さで先生を」
思わず二人は絶句する。
一方、注目の的となってしまったネギは、まるで事態を飲み込めないといった様子で目を丸くさせていた。
「あの、学園長。こちらの方達は誰なんですか」
「探偵だそうじゃ。麻帆良学園で今起きてる騒動の調査をしてくれるらしい。良かったらキミから今回の事を教えてもらえはしないじ
ゃろうか」
暫くして、ネギは警戒しながらも弥子達に会釈をして学園長のもとに歩み寄る。そして抱えていた資料を手渡すと、学園長からこん
な事を告げられて二、三度頷く。
そのやり取りは、まだ弥子達に対する警戒心解ききっていない事を暗に示していた。場の雰囲気が気まずくなる。弥子は一先ず自己
紹介をするべきだと考え一歩前に踏み出した。
「初めまして、私はか――――」
「いやぁ子供なのに先生をやっておられるとは凄いですね。しかも多感で進路の事も色々考えてあげなくてはならない中等部の生徒の
担任なのですか」
だが、突然ネウロが彼女の後頭部を鷲?みにして後ろに放り投げてしまった。物凄い勢いで床に叩きつけられて、軽い体が災いし更
に二回バウンドする。しかし、当のネウロはこれを皆目気にもせずネギに近づき一気にホメ殺し始めた。ネギの顔に、多少の困惑は見
られるものの変化が生じる。
「いえ、一応大学卒業程度の学力はありますので……」
「それでも素晴らしい! 是非とも私の先生にも勉強を教えていただきたいところですよ」
「は、はぁ」
「何せ先生は推理力こそあるのですが、学校の勉強はからっきしでして。おっと、今はそんな事を話している場合ではないですね。ほら
先生。早く話を聞きましょう」
未だ床で悶絶する弥子を、ネウロは再び頭を鷲掴みにして持ち上げて数回揺さぶった。すると、弥子は気を取り戻し、目をぱちくりさ
せてからネウロを睨み付けた。それから視線をネギの方に向けてようやく自己紹介をする。
「改めて初めまして。桂木弥子です。それで、こっちにいるのがネウロ」
「先生の助手です」
「あ、はい。よろしくお願いします」
宙に頭からぶら下げられているにも拘らず、平然としている弥子に驚きを覚えたのかネギは目を丸くした。そして、訝しそうに目を細
くさせるが、無意味な行動だと直ぐに悟ると話を切り替える。
「えっと、ここでは色々と邪魔になりそうですし、場所を移しましょうか」
「出来れば歩きながらでも話していただければ。先生はせっかちですので」
廊下へと繋がるドアが開かれる。そして、ネギは弥子達に学園を案内する途中、彼女達に話し始めた。この学園内で起こっている、不
審な事態についてを。
まず、被害者は五人。皆中等部3‐Aの生徒、即ちネギ受け持つクラスで最初の事件は今から十日前、学校からの帰り道と思われる生徒
が路上で気を失って倒れているのが発見された。その生徒は毎日バイトをしている事もあって、それから来る疲労ではないかとこの時は
片付けられる。そして第二の事件はそれから二日後、部活帰りの生徒が今度は女子寮へと繋がる並木道でやはり気絶していた。そして、
それから二日おきで場所こそ違えど、気を失ったままの生徒達が発見され続ける。この五人目の被害者が出た段階で、ようやく最初の出
来事も含めて、一連の出来事には何かの関連性があるのではないかと学園は考え始めるようになった。幸い、被害にあった生徒に目立っ
た外傷は無いものの、前後の記憶が全く無く犯人の手がかりはおろか何故気を失って倒れていたかもわからない状態という訳だ。
それでも、弥子には分からない。何故これがネウロの言う警察に連絡するのはまずいのだろうかと。ちらりと横目でネウロの様子を伺
う。何かを考え込んでいるのか、口元をきゅっと締めている。ネギの説明から、手がかりを得ようとしているのか、それとも違う別の事
を考えているのだろうか。
この弥子の類推は、結局のところ後者であった。ネウロはやがて口元を大きく歪ませて頭だけをネギの方に向けると、唐突に話を切り替える。
「それはそうとして小僧よ。貴様魔法使いだな」
「……はぁ?」
ため息とは違う、半ば呆れ気味な声が彼女の口から漏れる。事件の概要を説明していたネギですらも、その脈略の無い質問に言葉を呑む。
「我輩に隠す必要などない。普段は抑えているようだが、溢れんばかりの魔力ではないか。こんな所で先生をしているのも、恐らく魔法使いの修
行の為だろう」
「ちょ、ネウロ。いきなり何を言ってるのよ」
当然弥子は戸惑う。確かにこんな小学生みたいな子供が中学校の先生をしているというのは驚きであったが、いきなりそこから魔法使いという
のは余りにも突飛過ぎる。だが、ネウロの目は本気であった。何時も弥子を苛める時の目でも、誰かに何かを頼む時のような目でもない。今まさ
に、謎を解かんとする時の目と同じだ。
「貴方は、一体何者なんですか」
ネギが足を止めてネウロと向き合った。身長差から自然とネギは見上げる形となったが、それでも彼は怖気づく事無くネウロの目を確かに捉える。
「我輩は脳噛ネウロ。謎を食って生きている魔界の住人だ」
そんなネギの感情を皆目意識する様子も無く、初めて弥子と会った時にしたのと似たような言葉をネウロは並べた。
途端に二人の間で何かが生まれる。余りにも異質すぎる二人の気によって空気が徐々に淀んでいくのを弥子は感じ取り、溜まらず割って入った。
「でも安心してネギ君。アタシ達はただ協力するだけだから、ね」
少し身をかがめて、ネギの両肩を掴んで弥子はこう諭す。
「そうだ安心しろ小僧。我輩にとって謎は食料だ。それ以外には興味が無い。……もっとも、貴様にもそれなりの謎がありそうだがな」
「だから!」
だが、ネウロは彼女の気遣いをまるで嘲るかのように言葉を続けた。弥子はとうとうネウロの方を向いて、語気を荒げる。
ネウロは確かに謎を食う、つまる物事を解明する能力に長けている。その一方で魔人故にか、どうも人に対する思いやりに欠けていた。
事件を解決していくうちにその性格は少しずつ是正されているかに見えたが、まだ時間がかかるようだ。
だからこそ、弥子はその穴埋めに躍起する訳で今もこうして冷や汗を額に浮かべている。何せ片や魔人、片や魔法使いだ。ネウロの能力
を良く知る弥子にとってこんな学校の廊下で彼がそれを使ってしまったら、ネギも、そして間にいる自分ですら危うい。が、意外にもネギ
はその場で気を鎮めて弥子を見据える。彼の表情はとても子供とは思えない。
「ごめんなさい。こんな事をしている場合ではないですよね。早く事件を解決しなくちゃ」
「……ネギ君」
ネギが頭を下げる。弥子はどうして良いかわからず、ゆっくりと彼の両肩を掴んでいた手を離した。
そして、弥子ははっとなる。冷静になって考えてみれば、確かにその通りだと。自分のクラスの生徒が奇怪な事件に巻き込まれているか
もしれないというのに、口喧嘩などどうかしている。ネギは直ぐにそれを思い出したのだろう。それだけ彼は自分がクラス担任であるとい
う事を自覚している。弥子の背筋に冷たいものが走った。
「我輩としては早いうちに協力できるものを集めておきたかった。小僧の正体も確かめておきたかったのだ」
まるで付け足すようなネウロの発言。弥子は、出来るのならそれを一番最初にやって欲しかったと心の中で悪態をついた。
「では、まず女子寮に行きましょう。そこに僕のクラスの生徒が居ますから」
121 :
86:2007/04/29(日) 20:37:32 ID:???
第一話終了です。パソコン準拠の為携帯からでは読みにくいところがあるかもしれませんが勘弁してください。
>>121 GJ!続きが気になるぜ
こちら携帯だが見にくいってことはないですよ〜
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 34
「遂に今夜だな。」
自分達の部屋でソリッドが言う。
今日も学校では何事も無く終わった。
そしてまもなく夜になるところだった。
「そうだね、今夜本当に動くかどうか。」とオタコン
「所でよ、今までは何をやってたんだろうな、奴ら。」とハリー
「学園内の路地を調べてたんじゃない?」とオタコン
「なるほど・・・地図じゃ分からない所とかか。」とハリー
「さて、どう来るか。」一人と一匹の会話中に、
ソリッドはそうつぶやいた。
ピピッピピッ
突然、ソリッドの持っていたケータイが鳴った。
学校で使うために用意したケータイだ。
見てみるとネギからの電話だった。
ピッ
ソリッドが電話に出る。
「ソリッドさん、この前聞けなかった事なんですが。」
とネギ
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 36
「なんだ?一体。」とソリッド
「その『PEACH MOON』ってどんな組織なんですか?」
とネギがソリッドに質問をした。
「ああ、良くは分からないが、
メタルギアと関係しているのはたしかだ。」
とソリッドが質問に答えた。
「・・・そうですか。」とネギ
「聞きたい事はそれだけか?」とソリッド
「あ、いえ、その組織が動く日とか分かりませんか?」
とネギが再び質問をした。
「それなら昨日情報があった、今日の夜らしい。」
とソリッドが答えた。
「今日ですか?」とネギ
「ああ、本当かどうかは分からんがな。
とりあえず警戒だけはしといた方が良さそうだ。」
とソリッドがネギに警戒をするように言っておいた。
「分かりました。何時でも動ける
ようにしますね。ではまた。」
ネギはそう言うと電話を切った。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 36
「ねぇ亜子、そろそろお風呂入らないかニャー?」
部屋でTVを見ている時に、
裕奈が亜子に突然そう言い出した。
「そやな、そろそろ入ろ。」
と亜子、二人は大浴場へと向かった。
ほぼ同時刻
「このか、そろそろお風呂入らない?」
TVを見ている時にアスナがこのかに
突然そう言い出した。
「そやな、そろそろ入ろ。」
とこのか
「ほら、ネギ、行くわよ。」
アスナはそう言うとネギの手を引っ張って
大浴場へと向かった、ネギはしばらく
抵抗をしていたが、あきらめてやめた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 37
同時刻
ここは学園の遥か上空
その遥か上空に大きな何かが飛んでいた。
それは輸送機のようだった。
輸送機はアブロ・ヨークと良く似ているが
アブロ・ヨークにしては大きすぎる。
よく見ると、その輸送機には
骸骨のエンブレムと共に『LEGION』と書いてあり。
同じような輸送機が4つほどあった。
その輸送機の内部にはパソコンのような物が
数台あり、そのパソコンをヘルメットと
マスクを付けた数人の人間がいじっていた。
ヘルメットにはマイクが付いていて。
前部には『LEGION』と書いてある。
どうやら兵士のようだった。
そこにはネカネも居た、数人の兵士の
後ろにある設置式の椅子に座っていた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 38
「麻帆良学園上部へ着きました。」
兵士の一人がネカネにそう言った。
「各機に指定されたポイントへ
行くように伝えておいた。」とネカネ
「わかりました、そう連絡しておきます。」
兵士はそう言うと耳に手を当てて
「各機、各機、麻帆良学園上部へ到着、
ただちに指定されたポイントへいそげ。
繰り返す、各機、各機、麻帆良学園上部へ
到着、ただちに指定されたポイントへいそげ。」
と言った。ネカネはその様子をただ見て。
「ネギ・・・。」そうつぶやいた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 38
「ん?何アルか?」
ここは大浴場へと続く廊下。
そこにはクーフェイ、
楓、龍宮が居いる。
大浴場へ向かう途中
クーフェイが突然窓を見て言った。
「どうしたでござるか?クーフェイ。」
楓がクーフェイにそう尋ねた。
「いやぁ、なんか大きい飛行機が飛んでるアルよ。」
クーフェイはそう言うと窓を指差す。
「ん?どれだ?」龍宮がクーフェイの
所まで来て、窓を見た。
「ほら、あそこアルよ。」とクーフェイ
「あれは・・・イギリスの輸送機アブロ・ヨークか?」
と龍宮が言った、その後「どうしてここに?」と付け足した。
「たしかにどうしてこんな所を飛んでいるでござるかねぇ。」
と楓が言う。
「偶然ここを飛んでいるようには見えないな・・・。」
と龍宮が言った、たしかにこんな日本の学園の
上空にイギリスの輸送機が飛んでいるはずがない。
「本当になんでアルかね。」トクーフェイ
「・・・嫌な予感がする。」龍宮がそうつぶやいた。
そろそろEpisode 1終わるなぁ。
>>121 GJです、これからもお互い頑張って投下しましょうね。
保守
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 39
「あ、何してるの?」
上空のアブロ・ヨークに気付いていた
三人に話しかけたのはアスナだった。
よく見ると刹那も居る。
「ああ、アレを見てくれ。」
龍宮はそう言うと、窓の向こうの
アブロ・ヨークを指差した。
「ん?飛行機?」とアスナ
「イギリスの輸送機のようだ。」
と龍宮が言う。
「イギリスの・・・ですか?」
とネギがそのセリフに反応した。
「そういやネギ君はイギリス生まれやったな〜。」
とこのかが少し笑いながら言った。
「どうしてイギリスの輸送機なんかがここに?」
と刹那が疑問の声を上げる。
「たぶん偶然ここを飛んでるのよ、それより
早く大浴場行きましょうよ。」とアスナ
「そやね、いこ。」とこのかも言う
とアスナ達は大浴場へ向かって歩いていった。
「・・・まぁ良い、行くか。」
と言うと龍宮も大浴場へと向かった。
上空のアブロ・ヨークから白い何かが
落ちて来ているのに気付かずに。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 40
「ん?アスナ達じゃん。」
大浴場へ向かっていたアスナ達を後ろから引き止めた
のは裕奈だった、その後ろにはクラス全員居た。
「あ、ゆーな。」とアスナが返事をした。
「ところで見た?あのアブロ・ヨーク。」
と裕奈がアスナ達に聞く。
「ああ、それなら見たよ、何故かここを飛んでいた。」
と龍宮が変わりに裕奈の問いに答えた。
「そうなんだよ何故かここの上空を飛んでるんだよね〜。」
と裕奈が言う、その声、表情からは喜びが感じられた。
「もうゆーなったらさっきからそればっか。」
とまき絵が言う。後ろのクラスの全員が笑った。
「ゆーなさん、こんな所で立ち話なんてしてたら
大浴場がしまっちゃいますわ、早く行きましょう。」
といいんちょが言う。そのいいんちょのセリフが
スイッチだったかのように、31人の生徒達は
全員で大浴場へ向かって歩き出した。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 41
「各機ポイントに付きました。」
ここは上空の一機の大型アブロ・ヨークの内部。
兵士がネカネにそう言うと、ネカネは立ち上がり。
「では、作戦通りスワローと兵士を投下しろと、
各機に伝えてください。私もここで降ります。」
と言うとネカネは椅子の横に置いてあった
パラシュートを背負い、P90を持った。
「お気を付けて。」とさっきの兵士が言う。
ネカネはその兵士に向かって一回うなずくと
椅子の後ろにあったドアを開けて奥へと消えていった。
ネカネがドアを開けると、そこには兵士がざっと
20人は居た。投下する兵士なのか、
全員パラシュートを装着している。
ネカネを見た兵士達は一斉にネカネに向かって敬礼をした。
「敬礼はいいわ、すぐ投下するわ、準備をしなさい。」
とネカネが言うと全員敬礼をやめた。
そして直ぐに投下口が開いた。下は麻帆良学園だ。
兵士達は一人づつ飛んで行った。そしてネカネだけに
なるとさっきまで兵士達が座っていた椅子が
上に上がっていく、椅子の後ろにあった壁が開いていくと。
そこにはREXそっくりなメタルギアがあった。
メタルギアにしては小さく。高さは1mと半分ぐらいで
幅は1mとちょっとぐらいだった。足にホイールが4つ付いてる。
「先に下りなさい、スワロー。」ネカネが命令を出した。
スワローと呼ばれたメタルギア達は次々と飛んでいく。
スワローが全部飛んだのを確認して、自分も飛んだ。
ちょっと訂正
投下× 降下○
「敬礼はいいわ、すぐ投下するわ、準備をしなさい。」
↓
「敬礼はいいわ、すぐ降下するから準備しなさい。」
お手数をおかけしてどうもすみません。
間違いが多すぎだな。投下前の見直しはちゃんとやっとけ
>>136 すみません、今度からちゃんとじっくり見直ししてから
投下する事にします。本当にすみません。
>>137 オリキャラが多過ぎて把握できん
ここでもまとめでもいいからキャラまとめ作ってくれ
>>75 学園祭の会場である麻帆良学園、既に日は落ち、夜の帳が下りている。
祭りは夜が深くなればなるほど盛り上がりを見せる。
その中を悠然と歩く巨体が3つ、祭りの場には不釣合いな物が3体歩く。
そんな巨体を追う4人の人影、正太郎達である。
「こやつ等は何故ライブ会場を目指しているんじゃ!」
図書館島から走っているせいで息を切らせながらも、署長はあえぐようにして声を絞り出す。
「僕達で何とか出来ればいいんだが……」
「あの装甲にはよほどの攻撃でなければダメージを与える事は……」
刹那とタカミチは困惑と絶望が混じった様子でそう言った。
「そうだ正太郎君鉄人を呼ぶんじゃ!鉄人ならきっと…」
「駄目ですよ署長さん!こんな人の居る所で鉄人を戦わせたら……」
「確かにこの人混みの中で鉄人が暴れたら……まずい事になるね」
タカミチは額から一筋の汗を流した、それは焦りから来る物であった。
「じゃが正太郎君、このままではライブ会場が!」
「でも鉄人とあのロボット達を戦わせればここは廃墟になってしまいます!!」
「だが正太郎君、やるしかないようだよ」
タカミチの言葉にハッとして正面に目をやる正太郎、その目に映るのはライトアップされたライブ会場であった。
どうする!?正太郎は瞬時に思考を巡らせ、一つの決断をする。
続く
>>138 わかりました。まとめで作っておきますよ。
もうすでにキャラクター設定は考えてありますし。
>>141 ネカネって14歳じゃないだろう・・・
どう考えても20歳はいってる
>>142 このMETAL GERA YUNAは魔法先生ネギま!とMETAL GERA SOLOとは
まったくもって関係ありません。ストーリー上の都合により
年齢が多少(?)違うキャラクターもおりますので
出来れば大目に見てもらいたいです。
じゃあネギま関係ないじゃん。それだったら全部オリキャラで個人サイトでやれ
ネギまスレで投下するなら最低限の設定は守れよ
>>144 関係ないのはストーリーのほうでして・・・て同じか。
では最低限設定をネギま!と同じにするのと同時に
少しストーリーの修正をしますのでしばらくは投下できないと思います。
すみません。今後は気を付けます。
146 :
86:2007/05/03(木) 23:25:10 ID:???
>>145 分かりました。まだそちらの作品を全て拝見したわけではないのですが、今後の修正を楽しみにしつつ待っています。頑張って下さい
予告です。魔人先生脳噛ネギま! 第二話は次の日曜日に投下します。ここから推理ものらしくなってきますので、ご期待ください。
>>146 ありがとうございます。そちらの作品も楽しみに
待っています。お互い頑張りましょう。
所でこのスレの皆さんにお聞きしたいのですが
3-Aの一人が他の版権キャラやオリキャラのクローンだったーなんて
設定にするのはダメでしょうか?
例)
実際はそんな事ありませんが
小太郎が高畑のクローンだったとか
夏美がオリキャラのクローンだったとか。
どうでしょう?ダメならダメでストーリーを修正しますが。
148 :
86:2007/05/04(金) 23:57:06 ID:???
>>147 クローンは遺伝子そのものをコピーさせる為、見た目は兎も角仕草なども極めて似ますからね……例に挙げられているものでは少々無理があるのではないでしょうか。
ありうるとしたら、実は血が繋がっていたぐらいになるかと。それでもこの板のルールに抵触しかねませんが。
>>148 実は血が繋がっていたぐらいですか・・・。
どうしてもダメでしょうか?
>>149 流れに必要なら仕方ないかもしれんが
あまりにオリキャラとかオリジナル設定とか入れすぎるともはやそれは
ネギまももう一方の作品も関係ない単なるオリジナル作品になりかねないぜ?
とりあえずそこらへんのさじ加減が大丈夫か確認してみては?
>>150 う〜ん、ちょっと加減がすぎるかもなぁ・・・。
ちょっとそのへんも修正せねば・・・。
クロス物扱ってるサイトでいいところ知らない?
最近読み始めたんだが良作が中々見つからん。
う〜ん、ちょっと加減がすぎる所があるけど
とりあえずネカネの年齢24歳にして続けますね。
たぶんそのうち投下
一旦age
>>152 粗方読んだがあんまりいいのが無かったんで聞いてるんだ。
あれば教えてくれ。
>>156 自 分 で グ グ っ て 探 せ よ
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 42
「あれは・・・アブロ・ヨーク?」
ここはソリッド達の部屋。
ソリッドが上空のアブロ・ヨークを見て言った。
「アブロ・ヨーク?たしかイギリスの
輸送機だよね?もしかして連中かな?」
とオタコンが言った時に、
アブロ・ヨークから何かが落ちてくるのが見えた。
「ん?あれは?」ソリッドはそう言うと
双眼鏡を取り出した。
見てみると、兵士のような人間達が
パラシュートで降下している。
そしてその人間達の上を見てみると。
「REX!?」
そこには同じようにパラシュート
で降下していたREXのようなメタルギアが
見えたソリッドはそう叫んだ。
「なんだって?」ソリッドの叫びに
オタコンが反応をする。
「ソリッド!早く彼女達の所へ!」
とオタコンが叫ぶ
「分かった!オタコン、
ハリーにも連絡して置いてくれ。」
ソリッドはそう言うとP90を持って
アスナとこのかの所へと向かった。
「・・・ん?そう言えば彼女達の居る
所ってたしか大浴場じゃ?いや、そんな事
気にしてる場合じゃないか。」ソリッド
が部屋から出た後オタコンがそうつぶやいた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 43
同時刻、ここは大浴場。
30種類もの風呂が設置されていて
豪華な不陰気をただよわせるこの場所に3-Aの生徒達が居た。
体を洗ったり風呂に浸かったりしている。
そんな光景を大浴場の外から見ている兵士達が居た。
「こちらαチーム、ターゲットを発見した。」
兵士達の一人が通信機に向かってそう言った。
彼らは大浴場の外にある木の上に居た。
10人居るが全員気配はまったく感じない。
「了解。作戦を実行せよ。」
通信機から声が聞こえて来た。
その声を聞くと、その兵士は通信機を仕舞い。
背中に背負っていたスプリングフィールドM14に持ち替えた。
中にはこの前のコルトM4を持っている兵士も居た。
この前の兵士だろうか。コルトを持っている男が顎で
大浴場を指す。隊長でもあるらしい。すると、
他の兵士達が小銃の銃口を大浴場の窓に向け、発砲した。
大浴場の窓が一斉に割れ、突然の銃声に驚いた
生徒達はパニックに陥った。生徒達が悲鳴を上げると
同時に割れた窓からグレネードが投げ込まれた。
数秒後、グレネードから煙が飛び出した。
その後も次々と同じグレネードが投げ込まれる。
大浴場はほんの数秒で煙に包まれた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 44
兵士達はそれを確認すると。
大浴場の割れた窓に飛び乗り。金具のような物を取り出す。
よく見るとワイヤーのような物が付いている。
その金具を壁に引っ掛けると割れた窓から大浴場に侵入した。
地面に足が付くとワイヤーから手を離し。煙に包まれている
3-A生徒の所へ向かう、特殊なゴーグルを装備しているのか。
煙の中に居る3-A生徒が見えるようだった。兵士達は
迷う事無くアスナ、このか、ハカセ、超に向かって
駆け出した。兵士達は目にも止まらぬ速さで
麻酔針を撃てるように改造したスプリングフィールドXDで
4人に麻酔針を撃ち込み、すばやく銃を仕舞い。
倒れそうになった4人を抱えこんだ。と、その時。
突然煙が晴れた。いや、煙が吹き飛んだと言った方が
いいかもしれない。兎に角煙が無くなり兵士達の
姿が丸見えになった。生徒達の真ん中に居た
ネギが兵士達を睨んで「僕の生徒を返してください!」
と叫んだ。「断る。」隊長の兵士がネギに返事を返す。
良く見ると龍宮、楓、刹那、クーフェイも兵士達を
睨んでいた。龍宮はデザートイーグルを構えている。
他の生徒達は何が起こったのかわからずに兵士達をただ
見ていた。「お嬢様!」兵士の一人に抱えられている
このかを見て刹那が叫んだ。それと同時に斬馬刀を抜く。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 45
刹那が斬馬刀を抜く前に兵士の一人が刹那に
スプリングフィールドM14の銃口を向けた。が、
刹那はそんな事は気ぬせずに兵士達に突っ込む。
兵士は呆れた目をして銃を撃った。
弾は真っ直ぐ刹那に飛んで行ったが。
刹那は弾を全て弾いた。
銃を撃った兵士が驚いく。
刹那はこのかを抱えている兵士に真っ直ぐ向かった。
刹那が兵士に切りかかる。兵士は刹那の一撃を軽くかわし。
刹那に足を引っ掛けた。刹那は大胆に転んだ。
刹那は体勢を立て直したがその時には後頭部に小銃の銃口
を押し付けられていた。次にクーフェイが兵士達を
倒そうと兵士達に向かって行ったが。兵士の小銃の弾を
わき腹に食らい。こっちも大胆に転んだ後頭に小銃を
押し付けられた。楓は後ろから兵士の隊長を人質に
とろうとしたが軍事格闘技で投げられてしまった。
そして隊長の兵士がデザートイーグルを構えている
龍宮に向かって「どうした?それを撃つか?やめておけ。
拳銃じゃバトルライフルには適わない。」と言った。
龍宮が銃を降ろす。ネギは何とかしたかったが
撃たれて苦しんでいるクーフェイを見て恐くて
何も出来なかった。「ずらかるぞ。」と隊長の兵士が
言った時。発砲音と共に兵士が5人悲鳴を上げながら倒れた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 46
刹那、クーフェイ、楓に小銃の銃口を押し付けていた
兵士達だった、驚いた隊長の兵士が倒れた兵士の方を
向いたと同時に再び発砲音がし、4人を抱えていた兵士が
倒れこんだ。隊長の兵士が発砲音のした方を向くと
再び発砲音がし、隊長の兵士が持っていた突撃銃が
床に落ちた。生徒達は発砲音のする方を向くと。
そこには副担任のエドワード・ソリッドがP90を
構えていた。ソリッドはまだ少し弾が残っているP90の
マガジンを取り替える。よく見ると兵士達は目の辺り
から血を流していた。隊長の兵士は手から血が流れている。
「聞きたい事がある。」とソリッドが言った時。
大浴場の壁が爆発音と共に崩れた。
生徒達から再び悲鳴が上がる。そして崩れた壁から
スワローが入ってきた。足の4つのホイールを回転させて
走っている。「さっきのやつか!?」とソリッドが叫んだ。
スワローは龍宮が回収しようとしていたアスナ、このか、ハカセ、
超の四人を龍宮より早く回収し。隊長の兵士も回収した。
ソリッドはP90を撃ったがスワローの装甲には傷一つ付かなかった。
スワローは5人を回収するとすぐに入ってきた壁から
出て行った。「待て!」ソリッドがスワローを追う。
ネギも追おうとしたが自分が海パン一丁だと言う事に気が付き
着替えに行った。他の生徒達も着替えに向かった。
亜子と裕奈が撃たれたクーフェイを抱えて行った。
以上です。
>>156よ、自分でググってみましたか?
163 :
86:2007/05/06(日) 14:59:24 ID:???
これから魔人先生脳噛ネギま! 第二話投下します。つたない文ですが楽しんでいただければ。
「良いのか。あいつらに任せて」
ネウロ達と入れ違いになったエヴァンジェリンは、デスク越しに真っ直ぐ近右衛門に冷ややかな視線を送る。守衛もしている彼女は、つい先程
この学園に侵入してくる奇妙な気配を察し、面倒ながらもそれを報告しに学園長室を訪れた際に探偵と名乗る二人組みがやってきた事を知った。
本来なら彼女達の事は来客程度の認識で、エヴァンジェリン自身がそれほど目くじらを立てるようなことではない。
「お主も気づいているじゃろう。あの探偵の助手の男。人間ではない」
「魔人、か。地上に来ていたという話は聞いていたが。全く、まさかここを選ぶとはな」
だが、福音の闇と呼ばれる程の強力な魔法使いである彼女は、その二人組みこそが奇妙な気配だという事に気づく。そして、その片方が謎を喰
って生きる魔界の突然変異体である事に少なからず警戒心を抱かざるを得ない。元来、魔法というのは混乱を避ける為世の一般市民にばれてはい
けない、という鉄則があった。その為に今までこの学園内で起きてきた様々な問題はその中で解決してきた。しかし、今この学園内で起きている
「謎」もそうすべきだと行動を開始した矢先、外部の人間、それも魔界からの珍客がやってきた。これはエヴァンジェリンだけでなく、麻帆良学
園だけでなく、魔法世界全てに甚大なる影響を及ぼしかねない。
「あいつが、この学園そのものの謎を食わないという保証は無いぞ」
敢えてエヴァンジェリンはネウロの言葉を用いて近右衛門にこう告げる。
「わかっておる。だから監視がてら、あの二人を手伝って欲しいのじゃよ」
すると、大袈裟に椅子にもたれ掛って近右衛門はこう返した。
微かにエヴァンジェリンが眉をひそめる。そんな面倒な事など引き受けたくないという感情が剥き出しだ。
無理も無かった。彼女には別段この学園に思い入れがある訳ではなかった。かつて、己の魔力が全盛だった頃に伝説の魔術師サウザントマスタ
ーに呪いをのけられ、その呪いを解くまでの間、言うなれば留守番としてこの学園に身をおいているのに過ぎない。
しかし、エヴァンジェリンは暫く思案した後、微かに口元を歪ませてこう言い放った。
「まあ良いだろう。私も気になる事ではあるからな」
第二話 巡り
「へぇ、ここって色々部活動があるんだね」
弥子は女子寮入って直ぐの学生掲示板を一瞥してこんな感想を漏らした。
そこに貼り出されていたのは様々な部活動の案内であった。バスケ部、水泳部、陸上部といった比較的メジャーな運動部から、天文部、お料理
研究部、演劇部といった文化部まで揃いに揃っている。中には図書館探検部やさんぽ部など、どんな活動をするのか想像しにくいものもあったが。
「ええ。この学園は小中高、大学まで全て揃っていますから」
「うん、結構優秀な成績残してるのね」
「はい。ただ、立て続けに起こっている事件のせいでまともに部活動ができないらしくて……大会がもう直ぐっていう部活もあるのに……」
そういうと、途端にネギの顔が暗くなった。やはりまだ幼さの残るその表情は、弥子の心をきりきりと痛めさせる。
「ふむ。それで、被害者たちというのはどこにいるのだ」
一方、全く気にも留めずネウロは先へと進んでいく。途中すれ違った何名かの女子生徒に軽い会釈をしながら。
弥子もネギも一瞬互いの顔を見合わせ、踵を返して彼の後を追う。そして、案内しろと言っておきながら勝手に進んでいくネウロの後について
いくと、やがて一つの部屋の前まで辿りついた。表札代わりのプレートのところには、神楽坂明日菜、近衛木乃香、そして更に下の小さなメモ紙
にネギと書かれている。
「小僧よ、ここに今、被害者が集まっているな」
「え……はい、そうですが」
「なら話は早い」
ネウロがそう言うより早く、扉を叩く音が辺りに響く。弥子とネギが驚いて言葉を発するより前に扉が開き、奥から麻帆良学園の制服を着た、
ツインテールをベル付の紐で縛った少女が姿を現した。少女は暫く目の前に経つネウロと弥子を呆然として見やった後、視界の片隅に居たネギ
を見つけると、驚いたように彼に近づいていく。
「ちょっとネギ、この人たち誰なの!? 学園長室まで行って戻ってくるのにこんなに時間がかかってもう!」
「お、落ち着いてくださいアスナさん!」
すると、弥子とネウロが反応するよりも早くアスナと呼ばれた少女はネギの胸倉を掴んで、今にも殴りかかりそうに拳を振り上げている。血
相を変えている辺りどうやらかなりご立腹らしい。
ともかく先ずは弥子が事情を説明する。自分達はこの学園で起きている事件を調べに来た探偵だ、と。その話をした直後こそこの少女、神楽坂
明日菜は警戒心を前面に押し出していたが、自分の担任であり同居人でもあるネギの説得もあってそれからようやく機嫌を直して三人を中に招き
いれた。
奥に二段ベッドがある、ワンルームほどの部屋にはその大きさに不釣り合いな程の女生徒が居た。皆、一様にして顔色が優れない。弥子もネウ
ロも、直感的に彼女達が被害者なのだと理解した。最も、ネウロはそれ以外にも興味があるらしく、悟られぬように面々を観察し始める。
そしてこの二人が座卓の直ぐ側に腰を下ろすと、ネギがこの場に居る全員を紹介する。先ず弥子の直ぐ隣で座っている、先程ネギに掴みかかっ
た神楽坂明日菜こそが最初の被害者。早朝の新聞配達のバイトをしていた時に何者かに襲われ気絶、それから数日が経ってある程度の体調が回復
したものの、未だ全快という訳ではない。次に明日菜の隣で足を崩している黒髪のロングへヤーの少女が第二の被害者近衛木乃香。学園長の孫だ。
彼女の場合は放課後、図書館島にて図書館探検部としての作業を終えた帰り道に被害にあっている。第三の被害者はデスク脇の椅子で腰を下ろし
ているショートカットの少女、春日美空。陸上部に所属する彼女は部活の帰りに被害にあう。
残りの二人はそれぞれベッドを占領していた。二段目にいるのが四人目の被害者、長瀬楓。長身ではあるが細めで朗らかな印象を持っている。
被害には彼女自身が所属するさんぽ部の活動を終え、他の部員と別れて帰宅するところであった。そして、一段目の褐色の少女が五人目の被害者、
龍宮真名だ。彼女は学園内にある龍宮神社の巫女もしており、被害にあったのはちょうど神社を訪れていた時だ。
おおよそ二十分に渡る事件の概要を弥子は頭の中でまとめる。こういう類の事に関して殆ど素人の彼女にとってもこれの不可解さは常軌を逸し
ている。目立った外傷はなく、被害にあえばだるさに襲われる。強盗というわけでもなく、通り魔でもなく、全く意図が見えなかった。
隣には不気味な笑みを浮かべるネウロの横顔があった。恐らく彼にとっては中々巡ってこない良質の謎だと弥子は考える。魔界での謎を解きつ
くしてしまった彼は、一体今、何を考えてこの話を聞いていたのだろうか。
「ネギ君。一つ言い忘れていた事がある。実は私のデザートイーグルがなくなっているんだ」
不意に、場の空気を一蹴するかのよう真名がこんな事を発言した。当然、皆の視線が彼女に集まる。
「龍宮さん、それは……どういう事ですか」
「すまないな。初めはそもそも神社まで持ってきていなかったのかと思ったのだが。その時は依頼があってな。確かにデザートイーグルを持って
行った。ところが、だ。気がついてみれば無くなっていた。代わりにだるさが残っていたんだ」
あくまで冷静に事の顛末を真名は話す。依頼という妙な単語に関しても彼女から補足があった。曰く、裏の仕事だと。一介の女子中学生がどん
な裏の仕事をするのかと弥子は突っ込みたくなってしまったが、真名の持つ気迫に気圧されてしまいのどで詰まる。結局、デザートイーグルなど
という凶器を扱うのだから、ろくな仕事ではないと一人納得するしかなかった。
「しかし、確かその拳銃はかなり扱うのが難しい筈ですが。仮に犯人が奪ったのなら、色々と疑問が残ります」
ここで、何時もの「助手口調」に戻ったネウロが疑問を二点提示する。一点は何故奪ったのかという目的。現代社会においては銃を手に入れる
など、それ程難しくは無い。それこそ初心者に扱いやすい拳銃などざらにある。もう一点は何故奪った拳銃を使って真名を殺害しなかったのか。
後々面倒になるのは分かっていた筈なのに。最も、これは他の被害者にも言える事ではあるが。
「先生が推測するに、そもそも真名さんの銃を奪ったのはあくまでオマケ、ではないのでしょうか。本当の目的が別にあるはずです。被害にあわ
れた方全員に共通する目的が」
「ふむ、弥子殿には既にある程度犯人の目星がついているという事でござるな」
「楓さん、でしたね。その通りです。しかし、もっと情報が必要です。皆さんはまだ休んでいてください。僕達はネギさんと共に調べたい事があ
りますので」
そう言うネウロの顔には何処か余裕があった。弥子もネギも、この場に居た全員にはこれがどういうことなのかまだ知りようが無い。そんな一抹
の不安を他所に、ネウロは立ち上がり弥子に目で合図をして部屋を後にしようとドアノブに手をかける。
「ちょっとアンタ。私もついていくわよ」
だが、いざ外に出ようとした矢先明日菜が声を荒げた。ネウロは振り返りどういう事でしょうか、とわざとらしく首を傾げて見せる。
「私だってこんな目にあってじっとしている訳にはいかないでしょ! それにここに皆を集めたのだって、自分達でこの事件を調べたいって思った
からなんだから」
それによって一瞬にして沸点に達した明日菜は更に語気を荒げてネウロに詰め寄る。どうやら先程の怒りがまだ燻っていたらしい。それが今にな
って再燃したようだ。
「それはそうですけど……でも今は手伝ってくれる人も居ますし、何より今のアスナさんの体調では……」
「何よネギ、私じゃあ役に立たないって言うの」
「そういう訳ではありませんが……」
「自覚していらっしゃるではありませんか。今の貴方では調査の妨げになります。どうか休んでいてください」
明日菜が怒りの矛先をネギに向けたのを見計らったかのようにネウロが言葉を挟む。それは明日菜の言葉を逆なでするようなもので、余計な怒り
を買わせるには十分すぎるものだった。見る見るうちに彼女の顔が真っ赤になって行く。直ぐ側でこの様子を傍観していた弥子は、この明日菜とい
う少女は非常に首を突っ込みたがる性格且つ、頭に血が上りやすい性格なのだと察する。しかし、弥子にとっては明日菜の態度はわからなくも無か
った。自分がネウロと行動を共にするきっかけとなった事件、即ち父親が殺害された時も、周囲の人間には悟られまいとしていたが内心ではどうに
かして解決したいと躍起になっていた事があった。
「明日菜ちゃん……」
そうは言っても、今の彼女ではまともに協力することなど出来ないのは明らかであった。弥子は優しく言葉をかけ、両肩に手をかける。
「分かっているでしょ。足、ふらついているの」
「……!」
「御願い。今はじっとしていて。私達がちゃんと解決、するから」
暫く弥子と明日菜は互いの顔を見合う。明日菜の目の色には、まだ怒りが残っていたが弥子は決して目をそらそうとしない。
分かったわよ。明日菜がそう言ったのは、恐らく時間にして数十秒経ってからの事だ。大袈裟にため息をついて、腰を下ろす。
「じゃあ……頼んだわよ」
「うん。任せて」
弥子はほっと胸をなでおろして最後にこう付け加えた。その後ろで、ネウロはやはり不気味な笑みを浮かべたままで、ネギは感心したように息を呑んだ。
170 :
86:2007/05/06(日) 15:21:48 ID:???
第二話投下しました。感想を頂けたら嬉しいです。
次の投下は来週日曜日を予定しています。
いいんじゃないかな。個人的には一行を目一杯使わないでキリのいいところで改行してくれたほうが見易いかな
お久しぶりになります。
GWにネットのない実家でのんびりと過ごしたせいでしばらく投下のない日々が続いてました。
明日にでも復帰いたします。
それからタイトルが決まりました。
Phase 1 「人形」
Phase 2 「ローゼンメイデン」
という感じになりますのでよろしくお願いします。
>>170 はい、私ももう少しくぎるを付けてもらいたいですね。
個人的な意見ではありますがそのほうが読みやすいかと。
>>172 頑張ってください、待っていますよ。
>>173 くぎるって句読点のこと?アンタは逆に使いすぎだと思うよ。読んでてテンポが悪いもん。
まず口に出して読むことをオススメするよ。
「、」や「。」などの句読点があると一旦句切って読む習性があるから必ず違和感に気付くはず。
句読点は息継ぎみたいな物と最初は思えばいいよ。息継ぎばっかりだと逆に辛いからね。
一気に読めるならそのまま、ちょっと一息は辛いかなと思えば適当な所で句読点をうつ。
と経験者から。全部が全部ではないが大体これと同じ様な事を他の職人も無意識にやってると思うよ。
>>174 俺が言っているのは句読ではなくてたとえば
例)
名無し28号はキノの旅の新刊を買いに、1000円札を握りしめて一番
近くの本屋へUFOで向かいました。
↑を見てみると『一番』の所で途切れて下に続いてる
じゃないですか。こういう事です。ちょっと言い方間違えましたwwww
くぎりじゃなくて改行ですよねwwwwサーセンwwwwwwwww
たしかに最近ちと多いかな、昔より多いような・・・・。
>>175 はっきり言っておくとその改行間違ってるからな
んなもん一続きにして句読点打って区切った方が見やすいに決まってる
>名無し28号はキノの旅の新刊を買いに、1000円札を握りしめて一番近くの本屋へUFOで向かいました
でいいんだ、本当にラノベ読んだ事あんのかお前?
本読んだ事があれば分かるだろうよ普通
どうしても区切りたいなら
>名無し28号はキノの旅の新刊を買いに、
1000円札を握りしめて一番近くの本屋へUFOで向かいました。
こうだお前のは
>名無し28号はキノの旅の新刊を買いに、1000円札を握りしめて一番
近くの本屋へUFOで向かいました。
こうなる
何故区切りのついた部分で改行ぜずに、繋がってる部分で改行するんだ?
「一番近くの本屋」で初めて意味が分かるのに
「1000円握り締めて一番
近くの本屋」意味分からん
人に口出しする前に自分の文章力を磨いてこい
前より酷くなってるぞ?自分の書いたもん一度最初から読んでこい
177 :
86:2007/05/07(月) 17:07:39 ID:???
なるほど、改行ですか。
こちらの場合ですと、投下時に改行を入れてくださいという警告が出てしまいました。端をそろえたいという気持ちがあったので、何処かで統一された所で改行を入れざるを得ません。
結果、このような形で文章を投下していたのです。それでも右端に微妙なずれが生じていましたが。
次は文章単位にて区切りの良い所で改行を入れてみたいと思います。感想ありがとうございました。
>>176 いや掲示板ではそれ結構読みにくいんですよ。
>>177で言ってるように改行入れなきゃダメみたいですし
(多くてもダメだけど)
ちなみに俺はキノの旅は全巻コンプしております。もちろん読んでますよ?
まぁ読みにくい読みやすいも人それぞれですけどね。
と言うわけで戦闘シーンに突入したMETAL GERA YUNA
をこれからも宜しくお願いします。
>>178 携帯からかな?PCからなら普通に
>名無し28号はキノの旅の新刊を買いに、1000円札を握りしめて一番 近くの本屋へUFOで向かいました。
で問題ないんだが。
>>179 いえいえ、PCですよ。まぁあれですね、人の感じ方しだいですね。
>>172 遅くなりましたが期待に胸を膨らませて待っておりますぞい。
俺もそろそろEpisode 2のタイトルを考えなければ・・・。
>>180 人というか多分君限定の感じ方だと思うけどね
君のPCの画面の右半分が故障していて見れないというなら納得もいくんだが
>>181 すみませんね俺限定でwwwwwwwwwwwww
今度は少し改行する所変えてみるかな
ただ本読むだけじゃ意味がねーよ。ストーリーだけじゃなく文章の構成や表現とかを理解しないと意味がねえ。
それと読み手が見づらいと言っているのに「自分はこっちが見やすいから」なんて自分勝手は止めようぜ。
投下すると言うことは自分の作品を見て“貰ってる”ということだぞ?今のおまえは作者>読み手になってる。
自分の都合だけで書くならもう投下しなくていい。一人で自己満にでも浸ってな。
>>181 世界初縦長画面のPCかもしれんぞwwwwww
>>183 すみません。これからは改行する所変えますね。
見づらいと思うのは俺だけじゃないはずとか思ってたのですがもしかして違いますか?
違うみたいですね。すみません。でも今度は前よりはマシなると思いますのでこれからも
宜しくお願いしますね。
Phase 3 「アリスゲーム」
その場に現れた蒼星石と対峙する真紅は赤い服を靡かせて立ち上がった。
そしてその周りを赤い光が飛び回っていた。
「ホーリエ、行きなさい」
そう告げると、人工精霊ホーリエは一直線に蒼星石の元へと飛び掛った。
蒼星石は素早いジャンプでそれをかわすと、真紅に向かい庭師の鋏をかざした。
「真紅、君も目覚めていたんだね」
真っ直ぐに真紅へ向けた蒼星石のオッドアイは、手にした鋏のように鋭く好戦的だった。
「そうね」
真紅もステッキを構え空へと飛び上がる。
蒼星石はそれを追って飛び、鋏を振り回して真紅に襲い掛かる。
「な、何を…何をしてるですか!」
「見て分からんのか? あれがアリスゲームだ」
夕映は目の前で起きたことが理解しがたかった。
一応の説明は受けたが、殆ど有無を言わさず戦闘に突入した二体のドール。
同じ姉妹でありながらなぜこんなことをしなくてはならないのか。
もちろん夕映は人形でもなければローゼンメイデンのことなど今知ったばかりだ。
しかし成り行きで契約してしまった身であるため、他人事にも取れない。
いきなりの出来事に戸惑い、どうするべきか悩む夕映。
そんな葛藤をしているうちに二体のドールは別荘の外へと飛び出した。
「ま、待つです……っ!」
その瞬間、左手の指にある指輪が赤く輝き、その指輪から力が吸い取られる感じがした。
「夕映さん、大丈夫ですか」
目の前で生徒が苦しみ、慌てて駆け寄るネギ。
「な、何ですかこれ…」
その様子にエヴァが立ち上がる。
「どうやら、あの人形がお前の力を使っているようだな」
「ち、力?」
赤く輝くその指輪は細工もなければ魔法を使っているわけでもない。
真紅と蒼星石が戦うたびに、その指輪は輝き続けている。
「その指輪を通じてドールたちは力を供給している、ただ使いすぎるとまずいことになるがな」
「まずいこと…?」
ネギがその会話に入り込む。
「まぁその程度なら大丈夫だ。安心しろ」
エヴァは勝手にしろと言わんばかりに椅子に腰掛ける。真紅と蒼星石のことは放ったらかしだ。
「や、止めさせないと…」
夕映がそう呟いて立ち上がる。
空中で何度もぶつかり合う真紅と蒼星石。
真紅が薔薇の花びらを飛ばせば、それをかわしつつ鋏で応戦。
さらにシルクハットをブーメランのように飛ばしてかく乱する。
「どうやら、それなりに戦術を変えてきているようね」
「僕だって、ただ鋏を振り回すだけが能じゃない」
大振りながら相手をしっかりと見据えて攻撃する蒼星石。
対してヒットアンドアウェー戦法で一定の距離を保ちながら攻撃する真紅。
「乙女を目指すドールが『僕』だなんて、ふふふ」
「!!」
真紅の軽い挑発に蒼星石は一瞬カッなり、一直線に突撃する。
その瞬間を狙って真紅が手をかざした瞬間――
「やめるです!!」
そこへ二人の動きを止める声。
視線を下へ向けると夕映が大声で叫んでいた。
「やめるです蒼星石! マスター命令です!」
夕映の叫びに蒼星石はその手が緩んだ。
だがこの一瞬の隙に真紅は手を出さず、ホーリエとステッキを片付けてしまう。
「何の真似だ」
「あなたはマスターに背くの? この状況で戦えるわけないじゃない。折角知り合ったばかりですしね」
「……」
蒼星石は鋏を片付けて夕映の元へと飛び去った。
「ふぅ」
夕映は帰ってきた蒼星石に向かって何やら声を荒々しくさせてしゃべっている。
遅れてネギもその場に駆けつけてやっと夕映に安堵の表情が出た。
それを眺めて真紅は軽く微笑むとエヴァの別荘へと戻った。
「お帰りなさい真紅さん」
まず出迎えてくれたのは茶々丸であった。
「茶々丸、すぐ紅茶を入れて頂戴」
「はい」
すぐにキッチンに向かう茶々丸を見て真紅はいつもの机に向かう。
今度はそこにもう一体の人形が座っていた。
「ケケケ、オ前モオ人好シダナ」
チャチャゼロはそんな真紅を見て笑う。
「うるさいわね、操り人形のくせに」
「オ前ダッテ人形ノクセニ……」
エヴァンジェリンはそんな人ではない茶々丸、チャチャゼロ、真紅を横目で見ると、だるそうにベッドに横になる。
そして小さく呟いた。
「さて、今年のアリスゲームはどうなるのかな……」
つづく
遅らせながら第3話投下させていただきます。
長く間を空けている割に中身が中途半端気味で申し訳ないです。
次回からは蒼星石と夕映視点がメインになります。
>>188 ガンガレ!応援してるぞ!
ところでまとめで投票機能ってあったんだけど使わないの?どの作品が人気あるかとかさ
>>188 ガンガレ!ところでジュンとかは出ないの?
191 :
マロン名無しさん:2007/05/09(水) 19:02:32 ID:g+Tv40J3
>190
キサマはここに、なにしにきてる!?
>>191 いや・・・。元ネタの主要キャラは死亡者を除いて全員登場させなければいけないと
思っていたのですが違うんですか?
193 :
マロン名無しさん:2007/05/09(水) 21:56:35 ID:g+Tv40J3
↑改行おかしい…
「しなければならないと
思ってる」
↑ネタ?
>>192 今俺はぼくらのとのクロスを考えてるがぼくらののキャラなんて
ココペリとコエムシしか登場しそうにないんだが
どっちかっつーと「もしジアースにネギまキャラが乗ったら」って感じにして考えてるってのもあるが
まあ要は作者の設定とか話の流れ次第だろ
>>194 なるほど。じゃあクローンネタもOKですか!?
>>193 ん?「しなければいけない」じゃなくて「させなければいけない」です。
ちょっと改行する所ミスっちゃいました、いや〜夏風邪って辛いですよね。
たいした事は無いのですが喉が痛くてブルーベリーキャンディーを食べるのが結構辛いですよ。
あと「そんなに辛いならネットやってないで休めよ」と言う突っ込みは無しでおねがいしますね。
>>195 それが本当に必要ならいいんじゃあないか?
だが前にも書いたようにあんまりオリキャラやオリジナル設定が過ぎると、
単なる自己満足のオナニー小説になるから気をつけとけってこと。
>>196 このスレでオナヌー発言はちょっとマズイですよ?
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 47
ここは図書館島の近く。そこには一機のスワローと一人の女性が居た。
「αチームがターゲットの捕獲に成功したようですネカネさん。」
突然スワローが喋った。その声は子供のようだった。
「そう、ここに連れて来るように言って。」
とネカネと呼ばれた女性が言った。手にはP90を持っており。左腰にはマガジンが3つついていた。
「分かりました。そう連絡しておきます。」
スワローがネカネにそう返事をした。そして仲間との連絡を始める。
「αチーム、予定通り図書館島へ向かえ。繰り返す。予定通り図書館島へ向かえ。」
スワローはそう言うとネカネに振り返り
「連絡しておきました。」
と言う。ネカネはP90を右腰に吊るとスワローにしゃがむように言って、スワローは言われたとおりにしゃがむ。
スワローがしゃがむとネカネはスワローの背中に座り込んだ。設置されている取っ手を握と
「αチームの所に向かって。」
といった。スワローは了解と言うと4つのホイールを回転させ走り出す。ネカネの金色の髪が激しく揺れた。
一方ソリッドがスワローを追おうとスワローの壊した壁から飛び出すとすぐ近くにバイクが止まった。
サイドカーが付いているタイプだ。
「乗って!スネーク!」
バイクの運転席から叫んだのはオタコンだった。ソリッドはスワローを追うためにいそいでバイクに乗った。
「オタコン、このバイクは?」
気になったソリッドがオタコンに聞いた。
「ああ、もしもの時のために用意しておいたんだ。さ、急ぐよスネーク。」
オタコンはそう言うとエンジンをかける。やかましいエンジン音が響きわる。
「僕も連れて行ってください!」
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 48
オタコンが走り出そうとした時、着替えを終えたネギがそう叫びながら走ってきた。手には杖を持っている。
「ネギ、君はここに残ってろ。危険だ。」
とソリッドが言う
「大丈夫です!危険な事ならなれてますから!僕も連れて行きます!」
ネギはあきらめずにソリッドに頼み込んだ。
「スネーク。僕は良いと思うよ。彼の魔術ならなのメタルギアを壊せるかもしれないしね。」
ネギの頼みを聞いていたオタコンがソリッドにそう説得した。
「・・・いいだろう乗れ。」
ソリッドはそう言ってオタコンの後ろの席を指さす。
が、ネギは乗らずに自分の持っていた杖にまたがった。
「流石だな。行くぞ!」
ソリッドがそう言うとオタコンはバイクを走らせた。ネギはその後に付いて行った。
「ちょっと!ネギ先生!私達もご一緒に・・・いっちゃった。」
誰よりも早く着替えを終えた刹那だったがネギの姿はもうなかった。
そしてネギの姿が見えなくなってから数秒たって他の生徒達がやってくる。
「何なの!?あのロボット!」
「アスナとこのかとハカセと超が連れて行かれちゃったよ!」
「クーフェイ撃たれちゃったし!」
「早く保健室に!いや、救急車!?」
と生徒達が再び騒ぎ出した。突然襲われクラスメイトをさらわれ撃たれたのだ、無理も無かった。
「刹那、ネギ先生の後を追うぞ。」
と龍宮が刹那に言った。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 49
「でもどうやって?こんな人前で羽を出す訳にもいかない。」
と刹那が龍宮以外の誰にも聞こえないように言った。
「そこらへんの車を奪いたい所だが、道具が無いしな・・・。」
と龍宮がうなる。
「まさか・・・走れと?」
刹那が恐る恐る龍宮に聞いた。
「そうするしかないな、車を運転している奴が居たら奪おう。」
と言いながら龍宮がデザートイーグルを抜いた。
「・・・それしか無いな。」
と二人がそんな会話している時。ちょうど目の前に車が通り過ぎていった。真っ黒のスポー
ツカーで、乗っているのは20歳ほどの銀髪の男だった。
刹那は斬馬刀を抜いてスポーツカーに向かって駆け出し、車の前に飛び出した。
「うぉっ!?」
そう言いながら運転手がブレーキを踏み、止まる。
「良くやった刹那。」
そう言いながら龍宮はスポーツカーの窓を割り、デザートイーグルの銃口を運転手の頭に向けた。
「なっ何だ君達は!?」
運転手が叫ぶ。が龍宮はそんな事気にせずに「ドアを開けろ」と命令する。運転手はしぶしぶとドアを両方開けた。
「すみません、急いでいるので。」
そう言いながら刹那が助手席に座り込む。龍宮は砕けたガラスを足でスポーツカーから出し
てから入った。しかし銃口は運転手の頭に向けたままだった。
「私の言う通りに車を走らせろ、いいな?」
と龍宮が運転手に言った。
「ちょっと!何をやってるんですか二人とも!」
とあやかこといいんちょが大口径ハンドガンで見ず知らずの運転手を脅す二人に叫んだ。
「何って、乗せてってもらうだけだが?」
「それなら頼めば良いでしょう!その物騒な物を仕舞いなさい!そして私達も連れていきなさい!」
龍宮のセリフにキレたいいんちょが自分達も連れて行くように要求を出す。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 50
「そうだよ!ウチらも連れてってや!」
「私達だって四人を助けに行きたいよ!」
「私達も一緒に行くです!」
「私達も連れて行ってください!」
と「私達も!」と生徒達が一斉に二人に頼み込んだ。クラスメイトを助けたいと言うのはみんな同じのようだ。
「・・・仕方が無い、乗れ。」
「これ俺の車なんだが・・・。」
一緒に来る事を許可した龍宮に運転手がすかさず突っ込みを入れた。
その頃、ネギ達はスワローを追っていた。スワロー達は時々撃って来るがそれをなんとかかわす。
「ちっ、やっかいだな。」
とソリッドが舌打ちをする。スワローの前に来たネギが呪文を唱え始めた。
「アモリスタ!」
と言う言葉と共にスワローの足元に無数の光の矢が降ってきた。スワロー達が急停止をする。
続けてネギは早口で呪文を唱え「アモリスタ!」と言いながらスワローの足に手かざすと、
今度は雷をまとった暴風が吹いた。暴風がスワローの足を破壊する。
スワロー達の上半身が地面に落ちてゴトッ!と言う音がした。
「ひどい・・・。」
とスワローが言うとソリッドがP90で4人を捕らえているワイヤーを撃ち切った。
「これで良しっと・・・。」
ソリッド達が一息付いた。と、近くから足音が聞こえてくる。
「!?」
3人は音を聞くを音の聞こえる所に目をやる。ソリッドは銃を構えた。3人の前に現れたの
は美しい金髪を持つ20歳ほどの女性だった。その姿を見たネギが目を見開いた。そして
「お・・・お姉ちゃん?」
と、それだけを言った。
調べてみましたがオナニー小説って作者の自己満足な小説の事なんですね。覚えておきます。
オナニー小説にならないように頑張りますね。
このスレって、ホラー作品・・・というか死ネタはアリですか?
可能なら書けるネタがいくつかあるんですが・・・・・・。
>>206 たしかにそれは問題ですよね、俺が今書いてるの人普通に死にますし。
死ネタっておkなんでしょうか?教えてくださいマジで
バイオハザードとのコラボ考えてたんだけど…たぶん人死に杉になりそう
バトロワといじめにいる俺は耐性あるけどほかの住人がどうだろうな
たしかし
>>1参照
>3.他作品なら何でもコラボあり(ゲーム、映画、ドラマ等)但し全年齢板なのでアダルト作品はご遠慮ください
あまりバトロワスレみたいなグロさになるとダメって事だろう。全年齢対象ということを踏まえて書けばおk
とは言っても年が1桁の奴がここに来るとは思えないし・・・
頭の年齢が一桁の奴ならいるかもな
投下前にどんな内容か(グロい、痛い、等)前書きしておいたほうがいいかもね
そうすれば苦手な人はスルーすることができるだろうし
>>211 じゃあMGS程度のグロさなら死ネタもおkと言う事ですか?
>>214 参考までに
MGS1 登場時の対象年齢設定は無し
MGS2 上に同じ
MGS3 18対象→D(17対象)
MGP 15対象→C(15対象)
MGA 12対象
MGA2 12対象
だった希ガス。
>>215 MGS1と2ぐらいのグロさならおkと言う事ですねつまり。
…アンレイテッド、つまりレーティング制限無しってことか?w
一体どこまでが全年齢的なグロさなんでしょうね?普通に弾が頭に着弾、貫通して脳が飛び出
すって表現はどうなんでしょうか?
キノの旅では普通に使われている表現なんですけど一般からしたらアウトなのでしょうか?
この課題はこれからの問題になって来ると思うので出来るだけ早く話合って決めたほうが良いと思います。
とりあえず俺から見た全年齢的なグロさは
弾が頭部、心臓部に命中し死亡、人を剣で切る、刺す、燃やす、食べる(すでに調理済みの物を)
弾が命中した事で頭部から脳みそが飛び出る、高い所から落下し死亡。
こんな感じなんですがみなさんからしたらこれはどうなんでしょうか?みなさんからのレスをお待ちしております。
死亡自体は全年齢の奴でも出てくるのがあるから・・・
あとはあまり死亡の生々しさが出るような文章はダメというわけでは無いか?
そうなるとバイオはザードとか危なくなりそうだけど・・・
デスノって全年齢対称だよな。あれって死亡ばっか何だけどな・・・
Phase 4 「いつもの日常」
あの出来事から一夜明けた登校日。
学園では今も何一つ変わらない日常が流れている。
「ねーねー夕映。あれどうだったの?」
ローゼンメイデンを持つきっかけ(原因?)となったハルナが聞いてきた。
夕映はどう答えていいか迷った。
まるで人間のような小さな人形がやってきたと伝えるべきか?
互いに魔法の存在を知っているため、それ関連のことだと言えばすぐ解釈するだろう。
だが、ハルナのことを考えればすぐに何かに突っかかりそうな性分。
ややこしいことに巻き込むべきかで悩んでしまう。
「まだ何も来てないですし何も起こってないです」
「なぁーんだつまんない」
考えた末、ローゼンメイデンのことは伝えなかった。
とりあえず現在の状況をある程度把握するまでは打ち明けないことにした。
大体ひとりでに動く人形がいるというだけでも大事なのに、これ以上ややこしくなってはたまらなかった。
「でもその指輪どうしたの? もしかしてネギ君から?」
「!?」
夕映の左手の薬指に入れられた薔薇形の指輪。
契約の証としてその指輪が出ている。そこからローゼンメイデンは力を供給していた。
あまりに大きく目立つ指輪のため、夕映は必死に隠していたが遂にばれてしまった。
それを横で聞いていたのどかは少しだけ戸惑う。
「えぇ、そうなの夕映?」
「ちちち違うです。それはその……」
慌ててその指輪を外そうとするが…
「痛たたたたたたたた!!」
やはり無理だった。どんなに力任せに引っ張っても指輪は外れてくれない。
「うそ。皮膚に完全にくっついてるじゃん」
その状況に普通の指輪ではないことを悟るハルナ。
のどかも指輪を見て何なのかと心配する。
するとエヴァがゆっくりと夕映の元へとやってくる。
「それは私が作った魔力調整の指輪だ」
エヴァが珍しく口添えをしてその場を誤魔化してくれた。
最後に『貸しにしておくぞ』と言った笑いを浮かべてその場を去っていった。
何だか困ったことになったかと思うが、よく考えればエヴァはどうやって指輪を隠しているのか教わりたかった。
しかしどう誤魔化そうかで考えることでいっぱいだったため、エヴァがどうやって誤魔化してるのか分からなかった。
「…ふぅ」
夕映の部屋に一人お留守番の蒼星石はのんびりと休んでいた。
何もすることなく、いきなり戦闘目的で出て行かないようにと念を押されている。
仕方なくテレビを見て適当に時間を潰す。
自分たちが前に戦っていた時代と比べると随分変わっていた。
「携帯電話にパソコン…時代もだいぶ変わってるなぁ」
軽く呟きながらも夕映が置いていった本を読む。
ジャンルは様々で内容が濃く読ませる作品が多く、蒼星石の関心を誘った。
「ふぅ…面白かったぁ」
本を片付けてのんびりとする蒼星石だが、ドアノブが動く音がしてすぐに鞄の中に隠れる。
部屋に入ってくる誰かは少ししか開いていない鞄からは足くらいしか見えない。
「蒼星石、帰ったですよ」
「マスター」
夕映の声を聞いて蒼星石は鞄から飛び出した。
「蒼星石、大人しく留守番してたですか?」
鞄を机において夕映は蒼星石に話しかける。
「はい、今日はこの世界のことを色々と調べていました」
「そうですか、よかったです」
夕映は色々と話しながら鞄を開く。するとあることにふと気づいた。
「あ、ノート忘れたです」
「忘れ物ですかマスター、僕が取って来ましょうか?」
蒼星石が立ち上がるがそれはまずいと夕映が静止する。
すると、後ろから扉が開いた。
「夕映、ノート忘れとったで」
それは夕映が忘れたノートを届けに来た木乃香であった。
あまりに突然のことだったため、蒼星石は隠れることが出来ず、夕映も対応が出来なかった。
何とかハルナとのどかを誤魔化したのに最後の一刺しが甘かった。
木乃香を含めてその場の空気が凍ってしまった。
それとほぼ同じ時刻。
ある寮のある部屋である生徒の携帯が鳴っていた。
その人物は携帯を取るが聞きなれない勧誘にも似た内容であった。
何も取る気はないと伝えて切ろうとした時、電話の先から最後のメッセージが届いた。
『まきますか? まきませんか?』
つづく
これからの展開の繋ぎみたいなものなので少しボリューム不足気味です。
>>190に出たジュンなどのキャラですが契約者を変えているため出さない方向でいきます。
ただ薔薇水晶を出すため槐と白崎は出そうと思います。
物語とキャラクター設定はテレビ版中心ですが、雪華リ晶はテレビでのキャラが不明のため
原作中心で行こうと思います
>>219 なるほど、リアルを追求すると嫌でもグロイ表現になってしまうので調整は難しいですね。
でも逆を言えばその表現の調整が出来ればどんなグロテスクな作品でも大丈夫と言う事ですね?
>>223 毎回ボリュームたっぷりでも読んでて疲れるからこれくらいで調度いいよ
キャラも無理に全員出さなくてもいいよ。書き手も読み手もストーリーがこんがらがっちゃうから。
特に俺みたいに元ネタをよく知らない奴はキャラ少ないほうが助かる。
>>223 すぐにグロ描写に頼ろうとするのはグロ=リアルと思ってる素人に有りがち。
巧い人は直接的表現がなくてもリアルに伝えられる。俺はまだそんなの書けないけど。
というか素人が下手にグロ描写してもただ不快なだけ。グロ描写も簡単ではない。
〇〇は頭を撃たれた。頭からは脳みそが出ていた。
〇〇の頭部を銃弾が貫く。その弾丸によって出来た穴からは大量の血と脳獎が溢れ出ていた。
上は極端な例文だがどちらのほうが細かくリアルに描写されているか?
俺はグロ描写否定派ではない。ヘタクソなグロ描写否定派だ。それでも叩かれる覚悟があるなら投下してもいいよ。
>>223 グロ描写こそ比喩表現の巧みさが問われる
俺も文章へたくそなんだが
ゾンビはピストルで頭を撃たれて脳みそを撒き散らした
よりは
死人は頭を撃ち抜かれ、腐りきった理性の血肉を噴水のように撒き散らしてその場に倒れた
とか、う〜ん……へただけどこんな感じ
これの場合「理性の血肉=脳」っていう比喩なんだけど伝わり難いかな?
まぁMGSでグロ描写を無理に書く必要性はないと思うけどね
せいぜい血飛沫が〜みたいなもんでうちはええと思うでぇ〜
227 :
226:2007/05/13(日) 12:51:37 ID:???
228 :
225:2007/05/13(日) 13:05:16 ID:???
ただ、映画とは違って小説だから、グロを表現しても映画のような効果があるかはわからないよね
自分は今そこらへんを研究するために、映画のノベライズやホラー小説を読んでるんだけど・・・・・・
ノベライズのほうはまだなんとも言えないけど、ホラー小説に関しては読後のイヤ〜な感じを感じたりする。
例えば、トーマス・オーウェン(ベルギー作家)の『黒い玉(短編14話収録)』は、実にイヤ〜な話の詰め合わせ。
グロい描写はないが、何でこんな不快でイヤな話を書くんだ!というものばかり。
まだまだ研究途中だから、小説としてのホラー・恐怖描写っていうのがまだわかってないんだけど・・・・・・
とりあえずの研究課題として、ホラー映画のノベライズとスティーブン・キング等のホラー・スリラー系の作品を読んでみることにする。
肉体破壊の描写で恐怖や不快感を感じさせる描写とか研究しなくては
あと、それとは関係ないけど・・・・・・。
自分が書きたい作品でも結構ドキツイ描写だしてみたいから・・・ここまではアリかな?っていうのを教えて。
例えば・・・・・・。
チェーンソーで切り刻まれる(脳天唐割り、前から後ろからの胴体貫き&臓物噴出し、等)、首や手が切り飛ばされて血が飛び散る、
ネギまキャラ等がゲロを吐く、血を吐く、ネギまキャラが我を忘れて相手を斧や棒切れで殴りつける、自分で手足を切断する、
しまいには発狂して襲い掛かる、・・・・・・そして以上のような事をパロディ化する。
不謹慎極まりないけど、映画ならある描写なんで・・・・・・。
>>229 >チェーンソーで切り刻まれる(脳天唐割り、前から後ろからの胴体貫き&臓物噴出し、等)、首や手が切り飛ばされて血が飛び散る、
>ネギまキャラ等がゲロを吐く、血を吐く、ネギまキャラが我を忘れて相手を斧や棒切れで殴りつける、自分で手足を切断する、
>しまいには発狂して襲い掛かる
バトロワスレなら当然のようにやってるけどなwwwww
やばそうだったら注意書きでも書くかうpろだにあげるって手もある。
231 :
86:2007/05/13(日) 21:26:18 ID:???
>>229 映像と違って文章では同じシーンでも色々な表現方法がありますからね。
それで幾分かはグロい表現を直接的にあらわさないで自分の書きたいシーンを表現できるのではないでしょうか。
参考にならないような駄文で失礼します。
ところで少し遅れましたが、これより魔人先生脳噛ネギま! の第三話投下します。今回は会話中心の、所謂ヒント編の色合いが強くなっています。
第三話 集まる
弥子は今まで色々な事件にかかわってきた。その中で、何度も身の危険を感じた事もあった。
しかし、結果としてネウロが謎を食う事で、この危険が本当の意味を持つ事は無かった。
では、今彼女の目の前で起こっている事もそうなる事から回避はできるかといえば、実のところそう楽観できるとは到底思えなかった。
三人の目の前で髪を逆立て怒り心頭な金髪の少女、エヴァンジェリンから放たれている物は殺気もさる事ながら、ネウロやネギの言う魔力なのだと弥子は推測する。
只の殺気ごときでは周りの木々を揺らめかせたり、彼女の周囲から黒い煙のようなものが放たれるわけが無いからだ。
何故、こうなったのか。慌てふためくネギや、涼しげな顔をしているネウロを他所に弥子は思い出す。
事の起こりは数十分前、世界樹というこの学園で一番大きい樹木へととりあえず足を運んだ際、エヴァンジェリンに偶然遭遇した事から始まる。
「坊やか。後ろの二人が例の探偵とやらなのだな」
彼女もまたネギのクラスの生徒だ。しかし、素行不良なのかエヴァンジェリンはネギに対して挨拶もせず、唐突にこんな言葉を発した。
「今度はどんな謎を喰うつもりなのだ。まさかこの学園そのものを喰うわけではないだろうな。脳噛ネウロよ」
「ふん、我輩ただ単に事件を解決しに来ただけだ」
ほんの少し眉をひそめるエヴァンジェリンに対して、ネウロは鼻で笑う。
「あの……お二人は知り合いなのですか」
「小僧、この娘の存在は魔界でもそれなりに有名だ。福音、と言えば大よその者は震え上がるぞ」
エヴァンジェリンの口角が上がった。どうやらそれなりに、という一文が余りお気に召さなかったらしい。
だが、それ以上の危険を弥子は悟る。隣で、何やら口元をむずむずさせているネウロが居たからだ。こういう時の彼は、体外ろくな事を言わない。分かっていたはずであった。
ところが彼を止めるよりも先に、ネギが最悪のフォローを入れてしまった。
「やっぱり、マスターは魔界でも凄いんですね!」
「そうだぞ小僧。惚れた人間をストーキングしすぎて魔力を抑えられ、800歳になるにも関わらずもう何年も中学生を繰り返している悪の魔法使いなど、聞いた事が無いからな」
ネウロの語尾に、やたら笑い声が入っていた。弥子は瞬時に判断する。彼が今、エヴァンジェリンの逆鱗に触れてしまう事を言ってしまったと。
その証拠に、ネギは青ざめ震え上がっている。
当のエヴァンジェリンは刹那、口元を大きく歪ませた。そして、彼女の周囲の空間が乱れる。周りの木々が揺らめき、髪が踊らされる。
本人の顔が言わずもがな真っ赤になり、拳をわなわなと震わせている。
「ねぇネウロ、今もしかして酷い事、言わなかった」
「何を言うか。我輩はただ我輩の知っている事を言っただけだぞ」
ああ、駄目だ。弥子は内心こう毒づく。
そして、今に至るわけだがネウロには全く反省の色が見られない。それどころか、また何かを言おうと画策している。
弥子は更なる被害をもたらさせない為にもネウロを監視しつつエヴァンジェリンの様子を伺う。
血管が浮き出るほどに怒っているところから、弥子が何をいっても効果は無いだろう。
そこでネギに救いを求めようとネギの目を見て、そして目で訴えた。
「ま、マスター。この人は本当に事件の調査に協力したいだけであ―――」
「ぼーやは黙っていろ」
あっさり撃沈。
「折角学園長のじじいから手伝ってくれと頼まれたのだが、興ざめだな」
そう言ってエヴァンジェリンは肩を竦めて見せる。挑発のつもりだろうか。
そうだとしてもまだ顔は赤いし肩もまだ震えていて怒りを隠しきれているとはとても言いがたく、弥子には滑稽に見えて仕方が無い。
「おい小娘、何を笑っている」
不意に、そんな声が聞こえた。弥子は慌てて顔を上げる。心なしかエヴァンジェリンの表情には余裕が出てきたが、それが尚更弥子に恐怖を与える。
それによりネウロ以上の嫌な予感が彼女の脳裏を過ぎり、即座に首を横に振って見せる。
「まあいい……。これ以上この学園内で余計な事をしては困るからな。それで、何を知りたい」
「ほう、随分とあっさり引き下がるな」
「勘違いするな脳噛ネウロ。私は余計な面倒を増やしたくないだけだ」
「利害自体は我輩と似ていると言う事か。では、我輩達がこの学園に来る以前に別の誰かがやってきた、或いは出入りした形跡はあるか」
「それはない。第一、この学園に入ってくる奇妙な感覚を報告しに学園長室のところに行って、それで初めて貴様らなのだとしったぐらいだからな。
犯行の前後には魔力が放出された跡はあったが、それ以外に別段変わった事はなかった」
多少語尾を荒げる箇所はあったものの、比較的冷静にエヴァンジェリンは話す。恐らく彼女とてこの学園で起きている事態を懸念しているのだろう。
しかし、ネウロはただ只管に彼女の話した内容を脳内で反芻しているのか、ずっと腕を組みあごに手をやって考え事をしている。
魔力といった超常的な概念に全く疎い弥子だが、彼女の話を大よそ理解できた。
詰まる所、今起こっている事件の容疑者となりうるのは外部のものでなく、内部、即ち麻帆良学園に居る人物と言う事になる。
しかも、事件が起こっている間に誰も出入りしていないと言う事は、常にこの学園に身をおいていると言う事だ。
弥子の脳裏に女子寮の映像が映し出される。
この麻帆良学園内には男女別に寮が設けられており、遠方から来ているなどの特別な理由で在学中はこの寮で暮らす事が出来る。
エヴァンジェリンの話から推測するに、この寮に居る誰かと言う可能性はこれで極めて高くなった。
弥子は視線をエヴァンジェリンからネギに落とす。彼もまた同じような考えに達したのか、表情が沈んでいる。
自分のクラスの生徒を襲ったのが同じく自分のクラスの生徒なのかもしれないのだから、仕方の無い事だろう。
「まあ、最初の被害者の神楽坂明日菜の時は多少魔力が乱れているような様子はみられたがな」
「つまり、当初の犯人はそれほど手馴れていた訳ではないと言う事か」
「……ネウロさん、それはどういう事ですか」
「小僧。考えてみろ。もし犯人が腕利きの人間であれば犯行をする時躊躇しないはずだろう。
しかし、その小娘の時に限っては魔力が乱れていたと言う事はだ」
「犯人にとってアスナさんを狙う事は偶然だった、と言う事ですか」
「もしくは神楽坂明日菜は実験台だったかもしれないがな」
「……え」
「ともかく、ぼーや達が明日までに犯人を探し出して止めない事にはまた被害者が出るかもしれないぞ」
エヴァンジェリンは何かに期待しているのか、口元に微かな笑みを浮かべて最後にこう言い放つ。
既に言いたい事は言いきったようで、すっかり先程の怒りは消えうせていた。
そして、彼女の言葉に一番敏感に反応したのは意外にも弥子であった。
エヴァンジェリンの言葉を受けて、その真意を汲み取った弥子は直ぐにネウロとネギに説明する。
彼女曰く、これまでの事件は律儀にも前の事件から翌々日に起きていた。そして現時点で最後の被害者の真名があったのは昨日だ。
もし犯人が今までどおりに犯行を行うとするのならば、明日の夜間になる可能性が極めて高くなる。
「中々鋭いな桂木弥子」
「まあ、一応探偵だし、ね」
そうエヴァンジェリンの賞賛を受け流しながらも、弥子の内心では焦りが生じる。
容疑者はある程度絞れたが、それでも現在寮といった、普段学園内にいる全ての人間が容疑者となりかねない。
その数は余りにも膨大だ。そこから割り出していく事など気が遠くなる。
「そうこなくてはな。折角我輩が見つけた上質の謎だ。……今から楽しみだ」
ところが、ネウロはまるでこの状況を楽しんでいるかのように笑う。
引きつった笑いではなく、ほほの筋肉を緩めきった笑いだ。彼にはもうこの謎を喰う準備が出来たのだろうかと弥子は首を傾げる。
空は夕日が沈みかけ、大地を赤く照らす。
砂時計のように、徐々に消えていく時間が弥子やネギの焦りを奪い、ネウロの食欲を更に増大させると言う皮肉な結果をもたらしていた。
236 :
86:2007/05/13(日) 21:41:02 ID:???
第三話投下終了です。
今回は前回の反省を踏まえてきりの良い所で改行を入れてみました。
それと、今更なですが訂正を。
第二話にて事件の発生が二日おきとなっていましたg、これは一日おきの誤りです。こちらの計算ミスで何とも初歩的な間違いをしてしまい失礼しました。
これまでも色々とヒントがでてきましたが、これからどんどんヒントが出てきます。事件の真相を推理していただけるような内容になっていれば、非常に嬉しいです。
>>236 個人的にこの作品には期待してる。がんばれ!
あとは文がギチギチ詰まりすぎてるかな?行間を開けるとかすれば見やすいかも。
>>225-226 なるほど、やっぱり難しい物なんですね、頑張ってギリギリのグロ表現をしたいと思います。
まぁ、MGSじゃあまり必要ないですけどね。
>>236 GJです、俺もあなたの作品好きですよ。これからも頑張ってください。
239 :
86:2007/05/16(水) 11:34:53 ID:???
>>239 そうですねぇ、しますねぇ、「期待してる」って言われるだけですごいやる気がおきますからね。
「自分は期待されてるんだ」とか思うと本当やるしか無いって感じですよね。
なにこの馴れ合い
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 51
「元気にしてた?ネギ。」
ネギの姉、ネカネはネギにそう言った。ネギは口をぱくぱく動かしたあと。
「どうして・・・ここに?」
ネギが言うとネカネは優しく微笑み
「あなたが心配だったのよネギ、ほら、来なさい。」
ネカネがそう言うとネギは少しづつネカネに近づいて行った、ソリッドは問題無いと思い銃を向けなかったが。
ネギが近くに来たときに、ネカネの袖からナイフが見えた。ネギがそれに気付かずにネカネの懐にまで来る。
ネカネがネギの見えない位置から袖のナイフを取り出した。それに気付いたソリッドが銃を向け引き金を引く。
弾は出なかった、ソリッドの表情が凍りつく、リロードは間に合わなかった。その時、ソリッドの後ろからズドン!
と言う大きな音がし、ネカネが手に持っていたナイフを弾き飛ばす。ソリッドが後ろを見るを、ぎゅうぎゅう詰めに
されたスポーツカーが見えた。
そのスポーツカーの右側の窓から真っ直ぐ腕が伸びていて、その手にはデザートイーグルが
握られていた。
「大丈夫か?ネギ先生!」
その腕の主の声が聞こえてきた。ネギはネカネの手から弾き飛ばされたナイフに気付くと、
バックステップをし、ネカネから距離を取った。
「お姉ちゃん!?」
ネギがそう言うと、スポーツカーのドアが開き、龍宮が出てきた、ネカネのナイフを弾き飛
ばしたデザートイーグルは手に持ったままだった。
龍宮が出てくると、他の生徒達のゾロゾロと出てくる。スペースが無かったのか、荷台から
出て来る者も居れば上にしがみ付いていた者も居た。
保健室に居るのか。クーフェイの姿は見当たらなかった。
「誰だ?名を名乗れ!」
スポーツカーの上から降りた刹那がネカネに向かって叫んだ。ネカネが舌打ちをする。
「刹那さん、あれは僕のお姉ちゃんです!」
ネカネの代わりにネギが刹那の質問に答えた、それを聞いた生徒達が驚いた顔をする。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 52
「そうよ、ネギの姉のネカネよ。」
ネカネが名前を言った。その顔にはどこか余裕があった。
「なぜ先生の姉がここに居る!」
龍宮は銃を降ろさずに続けて質問をする。その質問にネカネは
「そこに寝ている神楽坂明日奈、近衛木乃香、超鈴音、葉加瀬 聡美を向かえに来たわ、それとネギも。」
と答えた。刹那が構える。
「お姉ちゃん!どういう事!?」
ネギがネカネに質問をした。
「今言った通りよ、ネギ、お姉ちゃんと一緒に行くわよ。」
ネカネがネギにそう言ってネギの手を握ろうと近寄る、が、ネカネの足元にP90の弾が着弾する。
見ればマガジンを変えたソリッドがP90の銃口をネカネを向けていた。
「動くな!」
ソリッドがネカネに叫ぶ。ネカネはそれ以上進まなかった。
「ねぇ、そこの4人とネギをこっちに寄越してくれないわよね?」
ネカネがソリッドと生徒達に聞いた。
「ある訳無いだろ!」
龍宮がその質問に答える。それを聞いたネカネは
「仕方が無いわね、それなら実力行使よ。」
ネカネが右腕を上げると、近くの建物の上からスワロー達が落ちてきた。スワロー達は着地すると生徒とソリッド達の右肩の銃機関砲の銃口を向ける。
生徒達の体がビクッ!と震える。龍宮と刹那と楓の頬から冷や汗が伝い落ちる。
「大丈夫、そこの4人とネギを大人しく渡してくれたら発砲はしないわ、どうする?」
ネカネが挑発的にそう言った。
「やめてお姉ちゃん!・・・どうしてこんな事を・・・ッ!」
ネギがネカネに言う、その顔は少し泣いていた。
「仕方が無いのよ、どうしても必要なの、私達がやろうとしている事には。」
「だからってこんな事・・・お姉ちゃん達がやろうとしている事って何なの!?」
ネギが大声でネカネに質問をした。ネカネは
「世界を変える事よ・・・。」
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 53
そう答えると生徒達の方に向き直り
「さぁ!そこの4人を渡すの?渡さないの?」
ネカネが再び質問をした。するとまき絵が
「絶対に渡さない!だって友達だもん!」
と叫び始めた、それが合図だったかのように次々と
「そうだ!絶対に渡すもんか!」
「そうだそうだ!ネギ君も4人も絶対に渡さない!」
と生徒達が叫ぶ、それを聞いたネカネが残念そうな顔を作り
「そう・・・残念ね、じゃあ死になさい。」
ネカネが手を上げるとスワロー達が構える。生徒達の体が震えた。
「撃ちなさい!」
「マギステル!」
ネカネが叫ぶと同時に呪文を唱えたネギが雷の暴風でスワロー達を一掃させる。魔術の存在
を知らない生徒達は一瞬何が起きたのか理解できなかった。
「一般人の前で魔術を使うだなんて・・・そんなに大事?」
ネカネがネギに聞いた、ネギはネカネを睨んでいた。
「お姉ちゃん、こんな事をしてまで・・・何を・・・。」
ネギが涙を流しながら言う、かなりあきらかに動揺している。
「あなたは怒ってるでしょうね、ごめんなさい、でも、命令だから。」
ネカネがそう言ってやさしく微笑む。ネギはまだ泣いていた。
「お姉ちゃん、僕の生徒は渡さない!!!」
ネギがそう叫んだとき、上空からヘリの音が聞こえて来た。
そこに居た全員が上空を見上げる。
「・・・来たわね。」
ネカネがそうつぶやいた、全員の見上げる空にはCH-47チヌークがあった。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 53
そう答えると生徒達の方に向き直り
「さぁ!そこの4人を渡すの?渡さないの?」
ネカネが再び質問をした。するとまき絵が
「絶対に渡さない!だって友達だもん!」
と叫び始めた、それが合図だったかのように次々と
「そうだ!絶対に渡すもんか!」
「そうだそうだ!ネギ君も4人も絶対に渡さない!」
と生徒達が叫ぶ、それを聞いたネカネが残念そうな顔を作り
「そう・・・残念ね、じゃあ死になさい。」
ネカネが手を上げるとスワロー達が構える。生徒達の体が震えた。
「撃ちなさい!」
「マギステル!」
ネカネが叫ぶと同時に呪文を唱えたネギが雷の暴風でスワロー達を一掃させる。魔術の存在
を知らない生徒達は一瞬何が起きたのか理解できなかった。
「一般人の前で魔術を使うだなんて・・・そんなに大事?」
ネカネがネギに聞いた、ネギはネカネを睨んでいた。
「お姉ちゃん、こんな事をしてまで・・・何を・・・。」
ネギが涙を流しながら言う、かなりあきらかに動揺している。
「あなたは怒ってるでしょうね、ごめんなさい、でも、命令だから。」
ネカネがそう言ってやさしく微笑む。ネギはまだ泣いていた。
「お姉ちゃん、僕の生徒は渡さない!!!」
ネギがそう叫んだとき、上空からヘリの音が聞こえて来た。
そこに居た全員が上空を見上げる。
「・・・来たわね。」
ネカネがそうつぶやいた、全員の見上げる空にはCH-47チヌークがあった。
いっけね、ミスって二回やっちゃった、みなさんすみません。
>>241 はて?あなたはここをどんなスレだとお考えで?
>>247 いやそれなら馴れ合っても別にいいじゃないですか、何かおかしな所でも?
投下と感想
これがあれば十分。書き手同士の馴れ合いほど見てて不快なものはない。
馴れ合うと必ずどこかで甘えが出てくる。それは技術の向上の妨げになる。
そもそもなんで馴れ合いしてもいいという考えになるのか不思議だ。
というか今更だがコテ外せ。
馴れ合いを見るだけで不快になるってお前、
そりゃ度量が狭いというか、人間が出来てないだけじゃね?
読み手は作品だけ見てればいい。はっきり言って、近くでおばはんが井戸端会議してる所に
横槍入れてるだけだぞ。そんなんスルーしとけって
>>249 今更すぎる・・・コテの事はもっと前に言うべき事のはず・・・まぁいっか。てか俺は少しぐら
い馴れ合いがあってもいいような気がするんですけど。
まぁこれは悪魔で俺の考えなので押し付けようと言う訳ではありませんけど。
まぁ俺は
>>250さんの意見に激しく同意なわけですので馴れ合いを楽しむのではなく作品を楽し
んでもらいたいので。
お願いします。
>>251 ごめんなさい。
あなたが何を言いたいのかさっぱりわかりません。
>>252-253 つまり簡単に言うと俺は少しぐらいの馴れ合いは良いと思うし
>>250の意見に同意なので黙って作品を読んでいてくださいと言う事ですよ。
ちょっとまどろっこしい言い方だったので分からなかったのでしょうか?まっいっか。
Phase 5 「新たなドール」
放課後の学園校舎。まだ部活に勤しんでいる生徒の中で、疲れを見せている者がいた。
「う〜ん…」
新体操部の佐々木まき絵はここ最近からくる疲れに悩まされていた。
その様子に親友の明石裕奈、和泉亜子、大河内アキラも心配そうに見ている。
「どうしたのまき絵」
「うん、最近疲れやすくて……練習がワンランク難しくなったし、ダイエットも残ってるの」
裕奈が心配そうにふらつく体を抱きかかえた。
「無理しちゃだめだ、すぐ保健室で休んで」
「そうや、ウチがついていくから」
「ごめん、亜子」
アキラは先生に報告し、亜子と裕奈の肩を借りてまき絵は保健室へと向かった。
「お父様が求めている完璧なアリスになるために……僕たちは戦っているのです」
「そうなんや…大変やなぁ〜」
ほぼ同時期、木乃香にローゼンメイデンのことを知られた夕映と蒼星石。
仕方なく、口止めの代わりとして自分たちが話せる範囲の内容を伝えることにした。
「木乃香、このことは出来るだけ内密に……」
「分かっとる、ウチこう見えても口は堅い方やで」
ひとりでに動き、外見はまるで人間のような人形。そんな人形たちが一人になるまで戦いあうという状況。
すんなりと今の現状を受け入れた木乃香。
ひとまず安心といった二人なのだが、これでこのことを知っているのはネギ、エヴァ、茶々丸、木乃香と4人。
これからもネギの魔法のように、下手に隠そうとすると次々とばれてしまうのかと思うと気が滅入る。
正座をして小さなコップに注がれた水を飲んだ蒼星石は立ち上がる。
「それではマスター、僕は真紅の所に行って来ます」
「蒼星石! また戦うのですか!?」
「違うよ、少し話したいことが出来たんだ」
アリスゲームに好戦的な蒼星石、アリスゲームの疑問視する夕映。
そんな正反対な考え方をする二人だが、意外にも友好的な関係を保っていた。
互いに理論的に考えして冷静に分析する考え方が同じなため、俗に言う『ウマが合う』というやつだ。
「その心配はないのだわ」
次の瞬間、夕映の部屋に置いてあった大き目の鏡が輝きを放ち、そこから真紅の姿が映りだす。
「な、な、何ですかぁ!?」
「わぁー。これって魔法で何とかなっとるん?」
いきなりの出来事に驚きを隠せない夕映と魔法によるものだと思い簡単に受け止める木乃香。
蒼星石はその鏡をじっと見つめて真紅を見つめる。
そして輝く鏡の中から真紅が抜け出してきた。
「あら、マスターが増えたの蒼星石」
「違うよ」
以前のすぐに戦いを挑む感じでなく、フランクに話しかける蒼星石。
真紅も軽く笑っているが、すぐにいつもの顔に戻る。
「また新しいドールが目覚めたらしいわね、nのフィールドで見かけたのだわ」
「やっぱり、真紅も見たんだね」
新たなドールが目を覚ました。それが蒼星石の話したいこと。
真紅もその場に座り、現状を話し合った。
「私の目が間違ってなければ、あの子は……」
何やら心配そうな趣でそのドールのことを思う真紅。
他のドールにはない何かが真紅を不安にさせている。
「誰ですか、その目覚めたドールっていうのは」
夕映がそのことに反応して真紅に問いただす。
「あの子は幼すぎて力の加減が利かないの。むやみに力を使い続けてミーディアムを弱らせたら困るのだわ」
「ローゼンメイデンとはいえ、マスターの命を奪うのはもっともしてはいけないこと…」
真紅と蒼星石は初めに入ってきた鏡に向かう。
「な、何のことです。マスターの命を奪うって…」
夕映には何が何なのか分からない。自分の蒼星石と契約を交わしたが、命を奪われるようなことをされた憶えはない。
むしろそれが蒼星石にも当てはまるのではないのかと思ったりもしてしまう。
「詳しくは明日話します……少し出てきます、しばらくしたら帰りますから安心してください」
鏡は光を放つと真紅と蒼星石をその中へと引き込み、消えた。
「うわぁー、すごいなぁー。CGとか言われても信じれへんわぁー」
「……」
その反応に何も応えられない夕映。
未だにアリスゲームとその考えをもつドールたちを完全に把握し切れていない。
鏡の中、無重力の空間の中を飛びながら移動する蒼星石と真紅。
その中の一つの扉の影に一体のドールの姿があった。
「やはりあなたね」
「真紅と蒼星石がいたのー。みんな遊ぼ♪」
その様子は無邪気に笑って喜んでいた。
戦いやアリスゲームには無関係なほどで、むしろ子供っぽさがあり人間の子供が遊び相手を探しているように。
ローゼンメイデン第6ドール『雛苺』。
新たに目覚めたローゼンメイデンは小さな子供そのものであった。
つづく
第5話投下しました。
ペースは遅めですが週1以内を目安にして書いてみます。
雛苺は原作の流れそのままになりそうな悪寒です。
個人的に馴れ合いに関しては中立な立場です。
必要に応じてレスを返すくらいなのでそれ以外ですと無愛想と誤解されやすいです。
ただこれが自分のスタンスなのですが、何か意見があれば変えようと思います。
>>255 実は自分でもよく分かりません!すみませんでした!
>>259 なるほど、それがあなたの考えですか、あまり変える必要は無いと思いますよ。
期待しているのでこれからも頑張ってくださいね。
俺は別に馴れ合いしても構わんな。
嫌ならスルーすればいい話だし。もしくは専ブラ入れてそれらしい単語をNG登録しとけばいい。
>>249 技術の向上の妨げになるっておかしいんじゃないか?
甘えが出るってのは確かにその通りかも試練が、馴れ合ってこそ聞ける話だってあるだろ。
SSだけ投下され、その感想だけがある殺伐とした空気は俺はあまり好まないな。
263 :
86:2007/05/20(日) 14:00:41 ID:???
馴れ合いに関しては、中立の旅場を取らさせていただきます。その理由は薔薇乙女ネギま氏の理由と殆ど同じです。
必要に応じてレスが合った方が、無味乾燥とならないだろうと考えるからです。
ただ、少し前の私のレスで誤解が生まれてしまったことに関しては申し訳なく思っています。すみません。
さて、これから魔人先生脳噛ネギま! の第四話を投下します。一気に事件解決の鍵を手に入れる三人、しかし……?
お楽しみください
第四話 知る
日も落ちかけて、授業を終えた生徒達が帰路につく。
時間こそ短くなったが、部活動に汗を流す者も居る。寮に戻る者も居れば、電車に乗り込む為に駅へと足を運ぶ者も居る。
そんな時間故に、学食に行くものはまばらだ。本来ならば学食で働く調理師といった人々も厨房の清掃を行い一日の作業を全て終えるはずである。
しかし、この日に限っては違った。皆、一様にして額に汗を浮かべて料理を盛り付けている。
そのうちの一人が眉間にしわを寄せ、微かに涙をこぼしながら学食の一角に視線を送る。
最も入り口に近いその席には無数と見紛うほどの空となった食器が積み上げられていた。どれも米粒一つ、汁一滴も残されていない。
「弥子さん……これ以上はちょっと」
山の向かい側に座っていたネギが、涙目でこう訴える。
すると、山が左右に分かれて弥子がひょっこりと顔を出した。その手には既に半分以上食された牛丼大盛りがのっている。
「あ、ゴメン。あまりにも美味しかったからつい」
そう言いながらも、まるで悪びれる様子も無く残りの牛丼を口に放り込む。
程なくして牛丼は空となり、弥子は側に積み重なっていた器の上に更に重ねる。
ネギは、自分の軽はずみな発言を後悔する。
弥子が昼から何も食べていないと呟いたのを耳に入れ、事件の調査を手伝ってくれると言う事のお礼として学食で食事を奢る事にしたのだが、ネギは侮っていた。弥子の食いっぷりを。
一体何処で引き返せばよかったのだろう、と。思えば、彼女が学食に足を踏み入れた途端に目の色を変えた段階で嫌な予感がしていた。
ポケットをまさぐり、厨房と、目の前の器の山を交互に見やった。意識が薄らいでいくような、不思議な心地に包まれる。
「ネギ君、聞いてる」
遠くから弥子の呼びかける声が聞こえて、ネギははっと目を見開く。
彼女は紙ナプキンで口元を拭きつつ、二人の間に置かれていた一枚の紙を指差す。
これは、今までの被害者達の詳しい状況や経緯等を纏めたものだ。こうして一枚の紙の上に並べてみれば何かが見えてくるのではないかと考えたのだが、そんなに上手くいく訳も無い。
弥子は、まるで文字がいまだ見た事がない記号のように感じられ、椅子にもたれる。
「ところで、ネウロさんは何処へ行ったんですか」
「さぁ。気になる事があるって言ってから、見かけてないよ」
「そうですか……」
食器が洗われる音に混じって、ネギのため息をつく声が室内に響く。
その内、二人は手持ち無沙汰になり山のような食器を返却カウンターへと運ぶ。
余りにも数が膨大な為に何度も往復する羽目になり、その度に厨房から痛い視線を浴びる事となってしまった。
「ネギ君。ここにいたんだ」
そして、最後の食器を返却し席に戻ろうとしたところで二人の女生徒と鉢合わせになった。
一人は黒髪を右側で纏めた快活そうな少女で、もう一人はそばかすが特徴的な大人しそうな少女だ。
弥子はその二人に見覚えがあった。つい先程エヴァンジェリンと分かれた後に、ネギに見せてもらった生徒名簿に写真で載っていた顔だ。
「ゆーなさんに夏美さん。どうしたんですか」
ネギは驚いた様子も無く二人――明石裕奈と村上夏美――の方を向いてこう尋ねる。
「もう忘れたの。部活の朝練の許可を出すって、朝言ってたじゃない」
頬を膨らませて夏美がネギに、一枚の紙を突きつける。
それが部活動の延長許可証だという事に気付くと、ネギは慌ててそれを受け取り胸ポケットに差してあったペンでサインを記す。
続けて裕奈も許可証をネギに手渡して、夏美のこれと同じ事を行う。
二人は互いの顔を見やって満足したように笑顔を浮かべると、ネギに一礼をすると学食を後にした。
「ねぇ、今の子達は」
「ええ。ゆーなさんはバスケ部、夏美さんは演劇部で頑張っているんですよ。バスケ部はもうすぐ他校で練習試合があって、演劇部も公演をするんです」
「そっか。あ、でも」
「そうですね……。今回の事件を受けて、部活動は放課後遅くまで活動できなくなってしまいました。
ですから、僕の方で頼み込んで、せめて朝錬でも出来はしないかって」
「ふぅん」
「他の部活に入っている人達も喜んでいました。今は二人だけでしたが、お昼は結構な数のサインを書いたんですよ。
そのお陰で他の先生方に怒られちゃいましたけどね。この学園には体育館を使う部活が幾つあると思うんだって」
椅子に座って、ネギは大げさな手振りを加えながらこんな事を言った。
だが、弥子はそれを見て無性に空しくなる。彼の行動には全く嬉しさや、気恥ずかしさといった感情が無かったからだ。
多分、今去った二人は今回の事件に関しては余り詳しく知らされていないのだろう。そうでなくてはあんなに実直な笑顔など見られない。
「……あ」
不意に、弥子の頭の中で何かが弾けた。
「それ」は彼女のような人間なら誰でも知っているような事だった。光よりも早く、弥子の頭の中で点が点を結び、線となっていく。
ネギは、まるで今まで見た事もないような生き物を発見したかのように目を丸めて弥子を観察していた。
そして、弥子が席を立ち、学食を駆け足で後にするのを追いかけるまで、一言たりとも言葉を発する事が出来なかった。
結局、ネギが慌てて弥子を追いかけ辿り着いたのは教務室だった。
弥子は近くに居た先生を捕まえ、何かを頼んでいる。その先生は特に不審がる様子も無く、暫くしてから一冊のファイルを彼女に手渡した。
立ったままですぐさまこのファイルを開いて、ページをめくっていく。
ネギからして見れば、その目は焦りもさる事ながら何処か許しを請うようにも感じられる。目を見開き、めくったページの隅から隅まで彼女は見渡す。
その間、ネギは言葉をかけてやる事がどうしても出来なかった。
「ヤコよ。どうやら犯人を絞り込めたようだな」
突然、ネギの後ろからネウロの声が聞こえた。
何時の間にかネウロも教務室へ訪れていたらしい。壁に寄りかかりながら腕を組んでじっと二人を見ている。
弥子は彼の言葉に呼応して顔を上げる。ちょうど探し物が見つかったのか、その目には確固たるものが宿っている。
しかし、表情だけは寂しそうで、ばつの悪そうな顔をしていた。
「うん……可能性があるのは、この人達しか居ない。それで、犯人はその中に」
「そうか。ここでは場所が悪いな。移動しながら貴様の推理を聞かせてもらうぞ」
弥子は頷き、手にしていたファイルを返却すると二人を引き連れて教務室から退室する。
今回は珍しく彼女の後ろにネギとネウロがついて行くという形になった。ネウロはそれに関して何も言わない。
恐らく、彼女の顔を見た時点でネウロは気付いていた。弥子が、少なくとも今回の事件の犯人を割り出したのだと。
程なくして、彼女は自分の構築した推理を二人に話し始める。
何故、犯人は等間隔で犯行に及んでいたのか。そして、そこから導き出された犯人像等を。
ネウロは至って平静にそれを聞いていたが、ネギは全く気が気でないように目を丸くし、唇を震わせていた。
弥子が全てを話し終えた後、ネギは肩を落とし未だ信じられないといった様子で視線を床に向ける。
「成る程。貴様の目を見た時に既に謎の形を捕らえていた目をしていたからな。良い推理ではないか」
「でも……そうなると……」
「小僧。この程度で動揺していてどうする。貴様も我輩の謎喰いに協力してもらうぞ」
「……え」
「さっき事件現場全てに足を運んだのだが、どうやらこの学園に張られている結界は我輩の能力にも影響を与えている。
エヴァンジェリンの魔力を抑える為の物のようだが。これでは不測の事態に備える事が出来ない」
「……」
「其処で、明日の夜に貴様にも手伝ってもらう。正確に言えば、犯人確保に協力しろと言う事だ」
ネウロの淡々と話す言葉を、ネギは黙って耳に入れる。ネギの中で葛藤が起こっているのは、直ぐに分かった。
もし、弥子の推理こそ真実だとしたら、ネギが今回の犯人逮捕の手助けをするというのはこれ以上に無いくらいに辛く、悲しい事だ。
だが、現にネウロの能力は普段の時に比べて低下している事に弥子は気付いていた。
ネウロの持つ力であり様々な謎を解決するのに大いに役立つもの、魔界777ツ能力を使えばわざわざ弥子の報告を待たずとも彼単独でこの謎の正体を見極める事が出来たはずだ。
しかし、未だ彼がこの能力を使ったような形跡は見られない。
弥子が思うに、ネウロは犯人逮捕の為の切り札として残しておくつもりなのだろう。
犯人もまた、魔力を伴った存在である事はエヴァンジェリンからの話で検討はついていた。
それ故に、ネウロ自身の力を見極めさせない為にも、尚更能力の行使し続ける訳にはいかないに違いない。
それでも、ネギは押し黙って考え込んでいる。弥子とネウロの提案を、まだ完璧に受け入れられないようだ。
弥子には、ネギの気持ちが痛いくらいに分かる。嘗ての自分の父親殺しの事件を思い出す。その犯人が信頼していた刑事であった時、弥子はネウロと出会った時以上に錯乱した。
何故、そのような凶行に至ったのか、全く理解できなかった。
弥子からしてみれば、その時の自分の感情は今のネギの感情と何処か通じる点があるように思える。
しかも、その犯人を自らの手で捕まえなくてはならないというのだから尚更だ。
だからと言って、弥子はまだネギに何と声をかけて良いのか、その言葉が見つからないでいた。
気がつけば、三人の足は体育館の出入り口へと辿り着いていた。
269 :
86:2007/05/20(日) 14:16:38 ID:???
第四話投下終了です。行間を開けると、どうしても文に緊張感がなくなってしまうために
またこのような形で投下しました。
それと、あざとい御願いなのですが。WIKIの編集が出来る方、宜しければ、これまでの話をまとめサイトに上げてもらえはしないでしょうか。
そろそろ回答編が始まりますので、その方が都合が言いと思いまして。
何分やり方を知らない人間ですので。どうか御願いします。
270 :
86:2007/05/20(日) 14:18:38 ID:???
と思っていたら、既に上がっていました。気付くのが遅くて、失礼しました。
>>270 GJ!やっぱり原作みたいに犯人がおかしな発狂するのか?
だとしたらちょっと楽しみwwwwww
それと名前は86じゃないほうが誰なのかわかりやすいかな?
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 54
「遅いわよ、ボス。」
ネカネが上空のチヌークに向かって叫んだ。すると、チヌークのドアが開き、そこから紅い髪の男が顔を出した。
「言うほど遅かねぇだろ!あとボスって言い方やめてくれねぇか?」
「なっ・・・。」
紅い髪の男を見たネギが絶句した、他生徒達も絶句する。
「俺の事は・・・。」
「分かったわよ・・・ナギ、これからそう呼ぶわ。」
「それ何度目だ?」
ナギ、チヌークに乗っていたのはネギの父親のナギだった。
「父さん!?」
ネギがナギに向かって叫んだ。ナギがネギの方に振り向く。
「ネギか、久しぶりだな。」
ナギが気軽にネギにそう言った。そして続けて
「悪いがそこに寝てる4人と一緒に来てもらおうか。」
と言った。ネギはまさかと言った顔で
「もしかして・・・父さんも組織の一人なの?」
ネギが恐る恐る聞いた、答えはすぐに返ってきた。
「ん?そうだ、だがただの一人じゃねぇ、その組織、『LEGION』の最高司令官だ。」
「『LEGION』だと!?」
『LEGION』と言う言葉を聞いて驚くソリッドの横で。答えを聞いたネギは「そんな・・・」と言いながら膝を地面に付いた。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 55
それを見ていた生徒の独りの夕映が前に出て
「どうしてこんな事をするんですか!ネギ先生のお父さんなのでしょ!?」
とナギに叫んだ。ナギは夕映を見て
「どうして?俺達のやる事に必要だからだよ。『ちょっと借りて行きます』なんて言って『ハイどうぞ』って言う訳無いだろ?じゃあこうするしか無いじゃねぇかよ。」
と答えた。それを聞いた他の生徒達も動き出す。
「そんな!だからってこんな事・・・クーフェイ撃たれたんだよ!?」
「そうだよ!クーフェイ銃で足を撃たれたんだよ!?」
「こんなロボットや兵隊さん達を使ってまでアスナ達が欲しいの!?」
「ああ、そうだ。」
生徒達の問いに、当たり前のようにナギは答える。そして続けて
「足を撃たれたと言っていたが、足のどこだ?」
と聞いた。
「足首の所や!血が出て・・・うっ。」
ナギの問いの亜子が答える。思い出したのかすこし足がグラついた。
「足首なら多分大丈夫だろ。太い血管も通ってないしな。」
ナギは大した事では無いかのように平然とそう言った。
「っ・・・なんですか!その言い方は!」
ナギの態度に怒ったのどかが叫んだ。しかしナギはそんな事知った事かと言った感じでヘリの
中を見て顎でネギ達を指した。すると、ヘリから3人の男達が飛び出して来た。
一人は高幡に似たメガネを掛けた男、二人目は長髪の美青年、三人目は巨大な剣を背負った男だった。
「なっ・・・」
その三人を見た刹那、のどか、ハルナ、夕映が絶句した、そこに居たのは京都で見た写真にナギと一緒に写っていた三人だった。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 56
「悪いが、力尽くでも貰うぜ、ちなみにエヴァンジェリンや高幡なら来ねぇぜ、スワロー達の足止めさせてっからな。」
ナギはそう言った後に続けて
「やれ!」
と叫んだ、ナギのパートナーの三人とネカネがネギ達に向かって走り出した、ネギが反応する。
ブンッ!
大剣を持った男が生徒達に剣を振り落とす。ネギが横から雷の暴風を大剣を持った男に放った。だが長髪の美青年がそれを魔術で弾く。
「くそ!」
刹那が斬馬刀を引き抜き大剣を持った男に切りかかった、が、刹那の斬撃は大剣を持った男に簡単に受けられた。
「何!?」
刹那が驚きの声を上げた、その時、大剣を持った男が喋った。
「その程度か?そんな事では俺は殺せないぞ?」
「私の刀は人を殺すための物じゃない!!」
刹那はそう叫ぶと斬馬刀を大剣から離し、下から振り上げた、が、これも呆気なく受けられた。一方長髪の美青年はスネークと対立していた。
「なんなんだ!?こいつ!」
ソリッドは長髪の美青年が自分に向かって走ってきた時に撃ったが弾はまるで上から叩いたかのよ
うに地面に落ちた。その後黒い球体がソリッドを襲う、ソリッドはその球体を必死で避けていた。
「貴方、ここの学園の人間じゃないですね?」
「そうだが、それがどうした!」
長髪の美青年の問いにソリッドがそう叫ぶ。その一方メガネを掛けた男はネカネと共に4人に向かって走る、が、思わぬ邪魔が入った。
「やめろ!何物なんだお前ら!」
スポーツカーの持ち主が木の棒を持って二人の前に立ちはだかったのだ。その男は少し長髪で銀色の髪を持っていた。ソリッドのその男の声に反応して振り向く、そして
「雷電!?」
そう叫んだ、そこに立っていたのはソリッドと共にビックシェルで戦った男、雷電だった。
ついでに
名無し28号の次回作早くも決定!(早すぎだろ)
ネギま!×魔女っ娘つくねちゃん(仮)
「こんにちは!わたしは魔女っ娘つくねちゃんです!」
ガラスの破片が体中に刺さった高幡をよそに首までしかない短い髪を持つ少女はそう名乗った。
『学園長を帰して欲しかったら一時間以内に一千億を持って来い』
「どうしよう!そんな短時間でそんな額のお金を用意出来ないしそんな価値があるとも思えない!助けてつくねちゃん!」
銀行強盗からの電話に高幡はつくねに助けを求めた。
「くちゅん!」
ココロがくしゃみをした瞬間、教室は炎に包まれた。
「今日こそ決着を付けましょうつくねさん!」
シオレッタと名乗った金色の長髪の女性はつくねに向かってそう叫ぶ。
「ねぇ!君ちうたんだよね!?だよね?そうだよね!?」
「うるせぇな違うっつってんだろ!」
しつこく同じ事を聞いてくる市長にキレた千雨が叫んだ。
「「あ・・・。」」
足を滑らしたネギはつくねを押し倒してしまった・・・。
MGY終了後連載開始!!
28号「連載すると思うよ・・・多分。」
ネギ「なんでそんなに自身無いんですか!」
28号「魔女っ娘つくねちゃんを知らない人はニコニコ動画かYoutubeでアニメ本編を見てくるか漫画を買ってください。」
>>名無し28号
高幡って字違うぞ。性格には高畑だ。
つかちゃんと終らせてからやれよな。>新作
てかやんなくていいよ
>>277 終了後連載って書いてあるじゃないですか!大丈夫ですよ!MGYは意地でも完成させますから!
あと高畑の件ですけど間違えてすみませんでした!
打ち切りでいいよ
>>280 誰ですか!そんな事を言う人は!少なくとも前のスレから居た人ではありませんね!?
>>281 なんでそうなるの?根拠は?仮にそうだとしても前スレから居ないと悪いのか?
>>281 作品についてはメタルギア知らんから何も言わんが
そのどんなレスにも対応するのはやめたほうがいいぞ
しかもアンチ・荒らしへの対応の仕方がガキ臭いから余計だ
>>283 冗談ですよ冗談(嘘)
今後からは気を付けます、あと根拠は前スレにはそんな事言う野郎は居なかったから。
>>284 みんな我慢して…いやなんでもない
つ精液
まぁこれ飲んで落ち着け
>>285の言うとおり皆我慢してたんだろ。それで何も言われないからって調子乗って一気に爆発した。
こんなのがよく黙認されてたよな。ここの住人は優しいんだな
実際のところ前スレでもそれなりに言われてたけどな
つーかコテつけてさらに自己主張が強いから叩かれてるってわからない?
ついでに言えば内容も知れたもんだし。
まぁまぁ投下してくれるのはありがたいんだしいいじゃまいか
厨房は叩かれる。これ2chの常識
>>285-289 いや・・・なんて言うかすみませんでした、以後気を付けます、いや本当に。
ちょっと他板で偽物が出たのでトリップをつけてみました。
よろしくお願いします。
>>291 ダメだこいつ……はやくなんとかしないと……
偽者じゃないか?名無し28号はそこまで馬鹿じゃないだろ?
さすがにこれは愉快犯だろ
何だかんだで続き読みたいんだが
早く投下してくれよ名無し28号
なんでコテハンって決まって痛いんだろう
痛いからコテハン付けるんだろ
とりあえず
>>1から引用。
>2.荒し、煽りは徹底スルー。反応する人も同じです
>5.職人(小説、SSの書き手さんの事)への催促はやめましょう。職人さんにも個人的な都合があります
>6.指摘と中傷は別物。指摘歓迎、中傷不愉快
俺は28号じゃないからな。これ以上こんな流れが続くのは非常に不愉快だ。
みなさんお久しぶりです、ちょっとした用事で3日間スレにこれませんでしたが帰ってまいりました。
ちなみに
>>291は偽者なので華麗にスルーしてください。
SSの方ですがあとちょっと待っててください、もしかしたら今夜中に投下出来ると思いますので。
あと「名無し28号」と言うコテは消してSSのタイトルを名前の欄に入れてみました。
偽者では無いので安心してください。
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 57
「スネーク!前!」
突然オタコンが叫んだ、ソリッドが前を向くと黒い球体が迫って来ていた。
「ちっ!」
ソリッドがギリギリで避ける。
「あなたは麻帆良学園に雇われたのですか?それでも自分から?どちらにしてもこちらの情報が漏れている事はたしかだ・・・。」
長髪の美青年がそうつぶやく、たしかに、ここは魔法学校少しあやしい奴がうろついてるぐら いで傭兵を雇うはずも無い。そう考えるのが普通だった。
「その情報、どっから聞いた?」
長髪の美青年がソリッドに聞いた。
「そんな事を言うはずが無いだろ!」
ソリッドがそう叫ぶ、長髪の美青年は「そうか・・・。」とつぶやいた後ソリッドに向けて黒い球体を放った。
「雷電、どうして君がここに?」
オタコンが雷電に向かってそう叫ぶ。
「来月生まれる子供の通う学校を探していたんだ!」
雷電はそう叫んで答えた。
「・・・気が早いんだね、雷電。」
「そうか?」
二人はこの殺伐としている所でそんな会話を交わした。
「そんな会話をしている場合じゃ無いわよ。」
ネカネはそう言いながらスカートの裏に隠していたP90を取り出し、銃口を雷電へと向ける。
「なっ!」
相手が銃を隠し持っている事に気付かなかった雷電が声を上げる、木の棒では対応できるはずも無い。
と、その時、上からネカネとメガネをかけた男の目の前に魔力の塊のような物が降ってきた、煙が舞い上がる。
「!?」
METAL GEAR YUNA
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 58
ネカネとメガネの男が防御の体制を取る、煙から男の影が見えた、次第に煙が薄くなりその影が誰なのかが分かってきた
「・・・ひさしぶりだな、高畑。」
煙の中に居たのは高畑だった、メガネの男が高畑に声をかける。
「お久しぶりですね、ガトウさん。」
高畑がメガネの男をそう呼んだ、ガトウと呼ばれた男がメガネを指で少し上げて
「思ったより早く来たな。少しは成長したようだ。」
ガトウが高畑にそう言う、ネカネはガトウに
「何のんきに会話してるの!早く終わらせるわよ!」
そう叫ぶ、すると、高畑はニヤリを笑い
「悪いけどそうはさせない。」
と言う。「何を!」と言いながら高畑に銃を向けた。すると、ネカネとガトウに向かって氷の矢が飛んできた。
ネカネとガトウはそれを避ける、ネカネが氷の矢が飛んできた方向に銃を向けた。
「何事かと思って来て見れば、随分と懐かしい奴らが来ているじゃないか。」
金色の髪なびかせながら舞い降りたのはエヴァだった、手にはスワローの装備だったと思われる
重機関銃の一部を持っていた。
「おう、久しぶりだな、エヴァ。」
ナギが緊張感の無い声でエヴァにそう声をかけた。エヴァは声の聞こえた方を見て驚いた。
「ナッ、ナギ!なんでお前がここに居るんだ!!」
エヴァがナギに向かってそう質問をした、さっきは目に入らなかったらしい。
「そこに眠ってる4人をもらいに来た。」
ナギがニヤリと笑いながらそう答える。エヴァは眉をピクッと動かして
「・・・その小娘4人を連れて帰ってどうするつもりだ?」
と聞いた、ナギはさっきエヴァに声をかけた時とは裏腹に、憎しみに満ちた顔をして
「・・・世界を変えるのさ、奴らを殺してな。」
と、そう答えた、エヴァはナギを睨んで
「奴らとはなんだ?」
と聞いた、ナギはさっきよりも憎しみに満ちた顔でこう答えた。
「愛国者だ。」
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 59
「愛国者だって!?」
ナギの答えを聞いてソリッドとオタコンがそう叫んだ。生徒達は何がなんだか分からないようで。
ただ4人の近くに立っていた、その時、4人が目を覚ました。アスナとこのかはナギを見て
「ネギのお父さん!?」
「ネギ君のお父さん!?」
と叫ぶ、ナギは二人に気付き
「おっ、起きたか、久しぶりだなアスナ。」
ナギはアスナに向かってそう言った、このかには言わない。
「二人とも!あの人はあんた達を誘拐しようとした奴だよ!」
二人の前に飛び出した裕奈が二人に向かってそう叫ぶ、二人は「え?」と言ってナギを見た。
「・・・ん?なんだ、お前も居たのかよ、『REDFOX』。」
ナギは裕奈に気付き、裕奈をそう呼んだ。
「『REDFOX』・・・?」
裕奈は訳がわからずそうつぶやいた。それを見たナギは驚いた顔をして
「なんだ、覚えてねぇのかよ?ひでぇなぁ、あそこまでやったってのに。」
と言った、裕奈は何がなんだか分からず目を細める。
「違う!彼女は『REDFOX』じゃない!」
ソリッドがナギに向かってそう叫んだ。
「あ?何言ってんだ、どう見ても奴じゃねぇか・・・まぁ良い。」
ナギはそう言って指をパチンッ鳴らした。すると建物の上、建物と建物の間から。大浴場に来
たのと同じ格好をした兵士達があらわれた。全員で10人ぐらいだろうか。
そして兵士達が裕奈に銃を構える。
「お前が忘れても俺は覚えている、お前は危険だからな、『REDFOX』?」
ナギがニヤリと笑いそう言った。そしてネカネが
「どうするのかしら?銃どころかナイフも無い状態で兵士達が倒せるかしら?自慢のCQCも役に立たないわよ。」
と言う。
「何よ!『REDFOX』って!意味が分からない!」
そう叫んだ、ナギが目を丸くしてソリッドを見た。
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 60
「・・・なるほど、たしかに『REDFOX』じゃあねぇな。」
そう言うとナギは手を上げた。兵士達の指に力が入る。
「裕奈!」
ソリッドはそう叫びながら裕奈にM9を投げた。裕奈は声に反応し振り向く、そして銃を掴んだ。ふと、ネカネの言葉が蘇る。
『自慢のCQCも役に立たないわよ。』
そして、夢で聞いた声が聞こえてきた。
『裕奈、CQCの基本を思い出すんだ。』
裕奈は銃を掴むと同時に兵士の胸を撃った。麻酔針が兵士の胸に突き刺さり、兵士は倒れこんだ。兵士が撃とうとしたが裕奈はすでに兵士の一人に接近していた。
裕奈は兵士の胸倉を掴み投げた、兵士が気絶する、そして兵士を抱き上げ盾にし、銃のスライドを口に引く。
兵士達は銃口を裕奈に向けた。裕奈は一人撃ってすぐにスライドを引く、そして盾にしていて兵士を他の兵士に向けて突き飛ばした。
盾にしていた兵士は構えていた兵士に覆いかぶさり倒れた所に麻酔針手首に食らった。
他の兵士が撃ったが裕奈はそれをかわしながら接近する、スライドを素早く引き、撃った、兵
士が一人倒れる。そして一人の兵士を捕まえると捕まえた兵士ごと銃口を他の兵士に向ける。
そして捕まえた兵士の手に自分の手を被せ引き金を引く、銃口から弾丸は発射され、残りの4人の兵士を殺した。
全員死んだ事を確認すると裕奈は捕まえた兵士を投げた。
以上で今日の投下終了。裕奈本領発揮
308 :
86:2007/05/26(土) 23:03:09 ID:???
投稿お疲れ様です。結末に向けて頑張って下さい。
ところで
>>271さんの指摘された通り、数字のみ以外の方が誰なのかわかりやすいでしょうか。
余り作者自身が目立っても、と考えていたのですが。
実のところ、良い名前が思いつかないもので…・・・
別に普段は名無しでもいいんじゃあないか?
必要な時には作品名か何かを名前欄に入れるとかすればいいかと。
普通のレスは名無しで作品投下するときは名前欄に作品名でいいんじゃない?
どうでもいい時にも名前入れると出しゃばってるように見えるからね
Phase 6 「雛苺」
「真紅に蒼星石、一緒に遊ぶのー」
懐かしい仲間に出会えて無邪気に笑う雛苺は喜びを全身で表す。
真紅と蒼星石はそんな雛苺を前にして何も反応せずにじっと見つめている。
「…ほぇ? どうしたの真紅」
「あなたマスターは?」
マスターの話になると突然しゅんと大人しくなる雛苺。
「つまんないの」
「え?」
「毎日学校学校って、いつも夕方まで鞄にいなきゃいけないの…」
膨れっ面になって怒る雛苺。
呆れた表情をする真紅はため息をついた。
逆に蒼星石はいつでも庭師の鋏を使おうとして、その瞬間を伺っていた。
「そうやって怒ってばかりでマスターを困らせるなんて、まだまだ子供ね」
「むぅーっ!」
雛苺は怒ったままそっぽを向いてどこかへと飛んでいってしまった。
「……雛苺」
今まで臨戦態勢になっていた蒼星石はその手を止める。
一方の真紅は全く戦闘態勢に一度も入らず、最後まで何もすることはなかった。
「……しょうがない子ね」
さらに深いため息をついて真紅はその場を離れた。
「……」
何もしようとせずアリスゲームに参加しない真紅の姿勢に、蒼星石は疑問の視線を投げかけた。
だがその視線に真紅は振り向かない。知っていても振り向くことはなかった。
翌日の学園で、ちょっとした変化が見られた。
それは雛苺のマスターがこの中にいると真紅と蒼星石が睨んでいるからだ。
「翠星石、いきなり入るのはまずいです」
夕映が持っていた手鏡からこっそりと顔だけ出して今の状況を知ろうとする。
「大丈夫です。ほんの少しの間ですので」
蒼星石は夕映の手鏡から周りを見渡して誰が契約者なのかを見極める。
しばらくして、談笑している運動部の4人組に目星を点けた。
「あの4人の中の誰かですね」
「誰かって……」
笑って話している明石裕奈、体調が悪くてだるそうにしている佐々木まき絵、そんなまき絵を心配そうに見つめる和泉亜子
そして亜子と同じようにまき絵を見つめるアキラ。
この中に自分と同じように戦いを求めるドールのマスターとなった人物がいるのかと想像する。
その人物はこのドールたちが戦い合うことを知っているのか…。
面白半分でやってほしくないのは分かっている。しかし…。
「本当に大丈夫?」
「うん……実は結構まずいかも」
かなり疲れているらしいまき絵はかなりだるそうでよろよろとまともに立つ事も出来ない。
「心配だよ、すぐに保健室で休んでたほうがいいよ」
アキラの助言でまき絵は大人しく保健室に向かうことにした。
「…本当にあの中に私も知らないドールのマスターが」
「間違いありません、特にさっき教室を抜けていった二人が怪しいです」
目の色を変えてまき絵とアキラを見つめる蒼星石。
どうもあの疲れ方からまき絵ではないかと睨んでいるようだ。
「ならば確かめるか?」
エヴァンジェリンが横から顔を出し、夕映は驚きのあまり椅子から転げ落ちた。
「大丈夫ですかマスター」
「え、エヴァンジェリンさん! 驚かさないで下さい」
「ん? あぁすまない」
一旦咳払いをしたエヴァはまき絵とアキラの姿を思い浮かべて言った。
「蒼星石の言うとおりだな、あの二人の中から魔力が吸い取られているのが見えた」
エヴァンジェリンの魔法で二人のどちらかから魔力が抜き取られていく様を確認した。
あの状態で吸い取られ過ぎるととんでもないことになることを自覚している。
「そろそろ行った方がいいかもしれんな」
「言われなくても行きます」
蒼星石は夕映の手鏡から姿を消してしまい、夕映は急いで二人を追った。
「エヴァンジェリンさんは?」
「大丈夫、手は打ってある」
何やら策があると言いたげな顔をしたエヴァは何もしないで椅子に腰掛けた。
教室を飛び出した夕映はその足で保健室に向かった。
今のまま魔力が吸い取られすぎるのはまずい。
ネギと仮契約をしている身だからこそ、魔力低下での体調不良などを理解している。
「まき絵さん!」
「わっ、何?」
保健室に駆けつけた夕映の姿を見てまき絵は驚きを隠せなかった。
「無事だったのですね」
夕映はとりあえず何もないまき絵を見てほっと一安心する。
「大丈夫、ちょっと疲れが溜まってたみたいだから。そういえばアキラは?」
その言葉を聞いて一瞬固まる夕映。
一緒に保健室に向かったのでは? そのことが頭を過ぎった。
「アキラさんは……どこに? と言うより一緒に保健室に行ったのでは?」
「え? 何だか気分が悪そうだったからトイレに行ったけど」
その発言を聞いて夕映はまき絵の指に指輪がないことに気付く。
出て行くときにそれが見えたというエヴァンジェリンの言葉が正しければ…。
夕映は今来た道を引き返した。アキラに会うために。
「アキラさん!」
3-Aの教室から保健室までの間にある女子トイレは一箇所しかない。
夕映は迷わずその先にあった女子トイレの扉を開いた。
誰もいない殺風景なトイレを見て何もないと判断しようとしたが、すぐさま鏡が光った。
「マスター!」
「蒼星石!?」
「こっちです!」
蒼星石が手を差し伸べると、指輪が光りを放ち磁石のように引っ張られた。
「な、何ですかこれ!」
そのまま輝く鏡にその手が触れた瞬間、夕映の体は光に包まれ……消えた。
今まで自分もまき絵のように力が抜ける感覚があったが、ずっと隠していた。
余計な心配をさせたくないというアキラの心配りであった。
気分がすぐれないためトイレで顔を洗っておこうと思ったあたりで、意識を失った。
「……ここはどこ」
目が覚めるとそこはメルヘンチックな空間。
おもちゃが山のように置かれており、さらにお菓子で作られた家や床。
ここが普通の場所じゃないことを察する。
「アキラ……遊ぼう」
左手の指輪が熱くなり雛苺がそっと現れる。
「ここにはお花もおかしもおもちゃもいっぱいあるよ……だからここでずっと遊ぼうアキラ」
雛苺がアキラの手に触れた瞬間、アキラの体を光が包む。
そしてそこから現れたのは雛苺と瓜二つな格好となっているアキラ。
何が何なのか分からず、指輪から魂が抜き取られる気分に苛まれたアキラは…その場にへたり込んだ。
つづく
以上6話です。
最近自由に動けなくなってるため少し多めに内容を増やしています。
とりあえずながらペースを維持していこうかと思っております。
>>315 なんか原作でもあったような展開になってきましたね、面白いです。
ところでローゼンの原作が打ち切りになるみたいですけど。
ローゼンの打ち切りは聞いた事がありますね。
出版社側との折り合いが悪くなったなどの噂がありますが……残念です
さて、魔人先生脳噛ネギま! 第五話をこれから投下します。
いよいよ犯人を追い詰める三人、その正体とは? お楽しみください。
第五話 開く
ネギは一日中浮かない顔をしていた。朝、出席を読み上げる時に何度も名前を読み違えるし、英語の授業の時間も英文を翻訳する時にもその訳を度々誤った。
まだ数えで十歳とは言え普段は先生としての仕事をそつなくこなす彼のこの日の行動を、3−Aの生徒全員奇妙に思うのは極当然の事だろう。
終礼後、自然と彼の周りには数人の女生徒が集まっていた。皆、一様にして気遣いの言葉をかける。
しかし、上っ面だけではあるがネギは別段普段と変わらぬ言葉を皆に返し、逃げるようにして教室を後にした。
彼が急ぐのには幾つか理由があった。一つ目は、立て続けに学園内で起こる奇怪な事件の犯人が、また今夜誰かを狙う可能性があるという事。二つ目は、その犯人を捕まえる為の作戦を練る為弥子達と合流しなければならないという事。
そして、最後の一つ。クラスに、今回の事件に関して少しでも迷惑をかけたくないという事。実のところ、ネギにとってはこの三番目の理由が急かさせる最も大きな要因だ。
昨日弥子の推理を元に体育館を訪れ、そこで犯人を確信してしまった。
最早、変える事の出来ない真実。この真実がネギの心に突き刺さり、そして深い所まで抉ろうとする。
今日一日の授業程苦痛な事は無いような気がしていた。自分の生徒に会いたくない、そう言っても過言ではないだろう。凡そ、子供が駄々をこねるような感情であったが、それが今のネギの心情を的確に表している。
一刻も早く、弥子達の待つ教務室へと行きたい。そう思う余り早足となるネギの頭部を、何者かが鷲掴みにして彼の進行を妨げた。
途端に上半身が後ろへと引っ張られ、バランスが崩れる。何とかネギはカラダの倒れる一歩手前で身を翻し、視界を後方に向けた。
ネギの頭を掴んでいたのは、明日菜であった。目の色が怒りで染まっているのが良くわかる。
「……一体どうしたの。そんなに血相変えて」
「え。その……」
ぐいとネギは引き寄せられるが、口から発せられるのはくぐもった音ばかりだ。
暫くして、明日菜はネギのこの心情を察するとゆっくりと鷲づかみにしていた手を離した。
「アスナさん、ゴメンなさい。今回は……」
「分かっているわよ。でも、その様子だと犯人分かったみたいね」
「……はい」
ため息をつき、明日菜は腕を組む。未だ目の色は怒りに染まっていたが、その色合いは確実に先程よりも薄くなっている。
「まあ役に立てないのは分かっているし、弥子ちゃんに全部任せるって約束もしちゃったから。
でも、だからって危なっかしいのは駄目よ。何だか納得できないけど、あのネウロって言う奴も協力してくれるんでしょう」
ネギが頷いた。明日菜はそれを見て安心したかのようにもう一度ため息をつく。
最後に、ネギの身を案じるような暖かい視線を送り、明日菜は今自分が歩いてきた道を戻っていった。
しかし、ネギは彼女の姿が見えなくなるまで待っていない。ほぼ同時にネギも踵を返し、再び走り出す。
明日菜は言った。危なっかしい事は駄目だ、と。ネギはそれに肯定の意を表したが恐らくこれは数時間後には嘘になる。
それでも、ネギは走る事を止めなかった。或いは、彼の中にある苦痛を誤魔化す為に。
ネギが教務室に戻る頃には、もうその目は涙目になりつつあった。
丁度扉の側で一冊のファイルを眺めていた弥子は、息を切らしてしかも涙目になっているネギを見て驚く。
だが、ネギは気遣おうとする弥子を無視して彼女の更に奥、ネギが普段使っている教員用デスクに腰を下ろしていたネウロに視線を送る。
「小僧、覚悟は出来ているのだな」
「はい」
笑みを浮かべてネウロが問うた。ネギは言下、返事をして更に言葉を続ける。
「あの人がこの事件の犯人だったとして、どうしてこんな事をしたのか。僕は知らなくてはなりません。その為には、僕自身でこの事件を止めなくては……」
「クク、良い覚悟だ。まだ時間はある。今の内に作戦を練ることにしよう」
二人の目の色が、変わった。ネウロは謎を喰う事に、ネギは犯人を捕らえる事に意識を傾けているのだろう。
彼らの後ろで、弥子は手持ち無沙汰に再びファイルを開く。昨日、教務室を訪れた際に偶然会った先生に頼んで見せてもらっていたファイルだ。
今ならじっくりと眺める事が出来ると、一枚一枚丁寧にめくっていく。
弥子には犯人の動機に関して、ある程度の確信があった。それは、今まで様々な事件を解く中出会った犯人達の事を知る内に磨かれていった独自の感覚の賜物であった。
しかし、今のこの二人には言うべきではないだろうと自身が警告していた。
日が完全に落ち、並木道を照らすのは両脇に設置された電灯のみとなってしまった。
その道を、ネウロが影を揺らめかせて歩いている。今にも涎が落ちてきそうに口元を歪ませて空を見上げた。
驚く程の満月だ。明るく輝き、それ単体でも影を生み出している。
「ネウロさん、こんな所にいたんですか」
不意に、ネウロは後ろから声をかけられた。振り返ると、ネギが近づいてくるのが視界に入った。ネウロは一旦足を止めて彼が側に来るまで待つ。
「弥子さんが心配していましたよ。何でこんな所に一人で……」
「良い謎の気配がする時は、どうも落ち着かなくなってな」
ネギは側に来るなり肩で呼吸しながらこんな事を言いネウロに詰め寄った。
しかし、ネウロは至って平静で、その上何処か詰まらなさそうな視線をネギに送る。
「犯人は、また今夜も来るのでしょうか」
「謎の気配が、我輩が初めてここに来た時よりも濃くなっている。動く可能性はあるぞ」
「そう、ですか。……犯人はどうして、こんなに沢山の人を……」
「小僧、その答えは本人に聞かなければ分からない。違うか」
ネギが俯いて嘆きの言葉を口にすると、ネウロはこう言い放つ。何処か苛立ちすら感じられる、そんな喋り方だ。
「それは……そうですが」
「もっとも、我輩は良質の謎が喰えればそれで満足だが。動機など、貴様や弥子が調べる事だ」
恐らく、魔人故に人間がこんな事を考える理由が分からないでいるのだろう。
ネウロにとってはこの事件は謎であり食料、つまり生きる為の糧だ。一方、ネギからしてみれば自分のクラスの生徒が巻き込まれているから、気が気でない。
それも、全くの不可解な事件の概要で戸惑う度合いの比べ物にならないほどの差が生じてしまう。その点は、以前に何度も弥子から指摘を受けてきた。
とは言え、ネウロとて何も進歩が無い訳ではない。弥子を傀儡として人間の世界の謎に触れていく中で、ネウロには人間の考え方、言うなれば心というものを知るようになっていた。
勿論、それだけでネウロの考え方が根本的に変わるわけではないのだが、それ故彼は謎喰いに集中し、それ以外のメンタルな部分の謎喰いを弥子に任せていた。
動機など、貴様や弥子が調べる事だ。この言葉も、そういう達観した面から放たれた言葉なのだ。
「……所で小僧。先程からコートのポケットに右手を突っ込んでいるようだが、その中は何だ」
そして、唐突にネウロがこう告げると、ネギの顔色が急変した。
確かにネウロの指摘する通り、ネギは自身の着ているスーツのポケットに右手をずっと突っ込んでいた。それも、ネウロを見つけて近づいてくる間までも。
「まあ、そもそも貴様はネギ・スプリングフィールドではないからな。差し詰め、中身は龍宮真名から奪ったデザートイーグルか」
止めと言わんばかりにネウロは容赦なく言葉を続けた。同時に、ネウロから彼に歩み寄るが、一方のネギはそんなネウロから離れようと後退する。
徐々にネギの顔色が青くなり、ポケットの中の膨らみが一層大きくなる。
「そんな玩具ごときで、魔人を殺そうと、能力を奪えると考えるとは。全く。幼稚な考えだ」
わざとため息を大きくついて、ネウロは更に一歩大きく踏み出した。その距離はまさに目と鼻の先、といっても良いだろう。
次の瞬間、問い詰められたネギは今までポケットに突っ込んでいた右手を素早く抜き出す。
その手には黒く、鈍く光るデザートイーグルが確かに握られていた。既にトリガーに指が引っ掛けられている。
凡そ普通の人間にとっては絶命する筈であろう事態だが、ネウロの顔には余裕が溢れていた。それが、益々ネギを追い詰め、ネウロを正面に捉えたとほぼ同時に左手を添えて引き金を引かせる。
「風花・武装解除!」
刹那、その場に悲鳴にも似た大声が響き渡った。
デザートイーグルを構えていたネギは先ずその言葉に驚き、ネウロとの間を通り抜けた凄まじい突風によりこの銃を遠くに吹き飛ばされてしまった事を気付くのに、数秒の時間要してしまった。
「やはり、貴方が犯人だったんですね」
そして、銃を構えていた方のネギは、今目の前に立つもう一人の杖を持ったネギを視界に捕らえて目を丸くする。
照る満月によって大地は明るく照らされている故、隠れるような場所は無かった。一応草むらに隠れて。飛び出したというのならまだ納得が出来たが、そんな様子すらも無かった。目にもとまらぬ速さで近づいたにしては余りにも不自然すぎる。
それこそ、初めからもう一人のネギは二人の直ぐ側にいたかのような不自然な状況であった。
「魔界777ツ能力、無気力な幻灯機。存在自体を極端に目立たせなくさせる魔人特有の能力だ。
我輩が先程この小僧にかけておいた。効果が短かいから、ある意味では賭けであったがな。我輩達の目論見どおり、貴様が我輩のみに意識を傾けていたお陰で上手くいった」
「……っ」
追い詰められたのだとこの時初めて気がついたこのネギは、慌てて二人から距離を置く。
ちらりとデザートイーグルの位置を確認したが、彼からしても、また二人からしても遠くはなれた場所に落ちている。
そして、このデザートイーグルを今までずっと草むらで身を潜めていた弥子が片手で拾い上げた。銃の重みに慣れていないのか、手が滑りそうになるのをもう片方の手で防ぐ。
弥子はそのままネウロの近くまで足を運び、そして彼にデザートイーグルを手渡す。ネウロはすぐさま銃身に指をかけた。
かと思えば、まるで初めから解体する手筈が整っているかのように瞬時にバラバラになる。様々な細かいパーツが地面へと乾いた音を立てて落下していく。
「……あ〜あ。魔人の力も手に入れられると、思ったんだけどなぁ」
すると、追い詰められていた方のネギが両手を後頭部にして回しておどけた様に笑って見せた。
「ま、良いんだけどね。この場で三人とも殺しちゃえば良いんだし」
月光によって、このネギは照らされる。さながら、ステージの上に立つスターの様だ。しかし、それは余りにも場の雰囲気から逸脱していた。
やがて、彼の周りに黒いもやのようなものが吐き出される。それに合わせて、漆喰が剥がれていくように彼の顔にヒビが入り剥がれて落ちていく。
この不可解な現象はやがて全身に及び、砕け落ちた体のカケラがやはり黒いもやのようなものに変容する。
「やっぱり……」
そして、ネギの形を模っていたカケラが全て剥がれた後、その中から姿を現した姿を見て弥子はこんな事を呟いた。
と、同時に弥子は右腕が縛られるような感覚に襲われ肩の力が抜ける。
彼女の意思に反して、右腕は人差し指を突き出したまま徐々に空に向かって上がり、ちょうど真上を向いたと同時に一気にネギに扮していていた者へと振り落とされる。
「犯人は、お前だ」
弥子の澄んだ声が、辺りに響いた。
以上で第五話投下終了です。
今回は改行するところを誤ってしまって、やたら横に長くなってしまいました。
読みにくくなってしまったようでしたら、すみません。
次から回答編です。一体犯人は誰なのか、そしてその目的は何なのか、期待していただける展開になっていましたら幸いです。
薔薇もネウロもGJ!!
>>ネウロさん
折り合い、と言うか編集者との喧嘩みたいですよ。
なんとも主要キャラを負けさせるか勝たせるかって言う。
作者は負けさせたかったようですけど編集者がつっかかってキタので
「分かった、ここやめてやんよ、その代わりに負けさせっからな!」
みたいな感じだったようですよ、実際はどうか分かりませんが。
知人から聞くとマガジンでやるかもしれないとかなんとか。
あと投下GJ、続きがマジ気になる。
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 61
投げられた兵士は地面に激突すると共に気を失う。生徒達はそれをポカーンとした顔で見つめていた。
「ハァ・・・ハァ・・・あれ?」
裕奈は兵士を投げたしばらくすると、自分のした事に驚いた。麻酔銃一丁で10人も居た兵士を片付けてしまったのだから。
「え?あれ?え?」
「ちっ、思い出したか。」
動揺を隠し切れない裕奈を見てナギがそうつぶやく。しかしナギはニヤリとぶつやき
「だがもう遅い。」
と言う、その時、ノミに羽が生えた虫がネギ達の前現れた。それも一匹ではない。
50・・・100・・・いや、それ以上だろうか、その虫達がネギ達の視界を阻むように飛んでくる。
「なんだ!?この虫は?」
ソリッドがそう叫ぶ。
「分からない、見た事無いよこんな虫。」
オタコンがそう言う、しかしネギは虫に苦戦しながら
「これは・・・妖精!?」
と叫んだ、「妖精!?」とソリッド達と生徒達が叫ぶ。
その時、どこからかギュイーンと言う機械音がした、ネギは音のした方を見ると、スワローが触手で4人を捕らえ、ヘリに向ってホイールを回転させて走っていた。
「ネギ!」「ネギ君!」
とアスナとこのかが叫ぶ。ネギはスワローを止めようとしたがスワローに追いつかないのは知れた事であった。
魔法を撃つとしても妖精が視界を阻んでいる中で撃ったら4人に当たるかもしれない、その迷いがネギを止めた。
スワローはヘリに近づくと高くジャンプをし、4人をヘリの開いているドアから叩き込んだ。
「いたっ!」
4人がそう叫ぶ、それを見たナギはスワローに
「もっと丁寧に扱え!」
と叫んだ、スワローは「ごめんなさーい。」と返事をする。
「しまった!」何か音が聞こえてきた。
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 62
ネギがそう叫んだ刹那、ネギの後ろからさっきの機械音が聞こえた。ネギが振り向くとそこにはスワローが妖精達の隙間から見えた、誰も乗せていないようだった。
「マギステル!」
ネギがそう叫ぶと同時に右手をスワローに突き出す、突き出した右手から電気をまとった暴風がスワローを襲った。
「ギヤッ。」
スワローはそう悲鳴を上げながらバラバラになった。
「ちっ!」
と叫ぶ、そしてネギを指指して何か言おうとしたが遠くから
それは何故こんな所にあるのかは分からないが戦闘機だった。ミサイルなどの武装をしている。
さらに使い魔達が現れた、ワイバーンも居る。
「ちっ、学園長のジジイか、いいぜ、全部潰してやる!」
ナギがそう叫ぶ、が。
「ダメよナギ!戦力が違いすぎる!負けるだけよ!」
とネカネがナギを説得する。ナギは仕方ないと言った感じで仲間全員に
「撤退だ!この4人を連れて脱出する!」
と叫んだ。すると3人の男とネカネはヘリへ向かって飛んだ。
「「「待て!」」」
エヴァとソリッドと雷電が叫ぶが遅かった。
「さらばだ!」
ナギはそう叫ぶとヘリのドアを閉めた。それと同時にヘリが上昇していった。
「待って!父さん!」
ネギはそう叫びながら杖に乗ってヘリへと向かった、が、ヘリのプロペラが出す風にせいでうまく前へ進めない。
「くっ・・・父・・・さん・・・。」
プロペラの出す風によってネギがバランスを崩す、それと同時にネギは地面に向かって吹き飛ばされた。
「うわぁ!!」
「ネギ!」
ソリッドは落下するネギに向かって駆け出し、ネギを受け止めた。ヘリは上昇しながらどこかへと飛んで行ってしまった。
「父さん・・・。」
ネギはそれを見ているしかなかった。ヘリが去った後、戦闘機がネギ達の頭上を横切った。
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 63
ヘリと戦闘機が去った後、辺りは静かになった、ネギは何も出来なかった自分が情けなくなり、泣いた。
突然の襲撃、そして突然魔法を見せられ突然クライメイト4人がさらわれた生徒達は未だに訳が分からなかった。
そして裕奈は真剣な顔をしてソリッドを見ていた。銃は下ろしていて、指も引き金は掛かっていなかった。
そしてソリッドに
「・・・知ってるの?私の事。」
そう質問した、ソリッドはが少し顔をそらして
「何の事だ?」
と答えた、それを聞いた裕奈は
「答えて!さっきの『REDFOX』っての何なのか知ってるんでいしょ!?」
とソリッドにしつこく質問をぶつける。
「相手の勘違いだ。」
とソリッドが言う。
「違う!じゃあなんで私に銃を渡したの!?」
裕奈がそう叫んで質問した。
「・・・・。」
ソリッドは何も答えない、それを見たオタコンが
「えっと・・・あれは・・・その・・・。」
と何とか誤魔化そうとする、が
「・・・もういい、オタコン、もう誤魔化せやしない。」
とソリッドがオタコンに言った、オタコンは黙った。ソリッドは裕奈の目をしっかりと見て
「分かった、全て話そう。」
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 64
裕奈が黙ってソリッドに耳を傾ける。
「が、聞くよりも思い出した方が早いだろう。」
ソリッドはそう言うとエヴァを見た、そして
「君も魔術師なんだろう?悪いが、彼女の呪いを解いてくれないか?」
と言った、その言葉に驚いたエヴァは裕奈に早足で歩み寄った、エヴァが裕奈の額に触れた。
「・・・記憶損失の呪いか・・・。」
エヴァがそうつぶやく、裕奈の額には魔方陣らしきものがあった、エヴァが触れるまで無かった。どうやら裕奈には『記憶損失の呪い』が掛かっているようだ。
誰がどんな目的で掛けたのかは分からないが。
「出来るか?」
ソリッドがエヴァに聞いた、エヴァはソリッドに振り向き
「今の私では無理だ、学園長のジジイならなんとか出来るかもしれんがな。」
と答えた。
「そうか・・・。」
とソリッドが言う、口で説明しようとした時、学園長が「おーい!」と叫びながらこっちへ走って来た。
「このかは!?このかは無事か!?」
それが学園長の第一声だった、ソリッドは首を横に振り
「いや・・・さらわれた・・・。」
学園長は「そんな・・・。」とその場で膝を付いた。
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 65
「学園長、すまないが、あの子の呪いを解いてもらえないか?」
とソリッドは裕奈を指差して学園長に頼んだ、学園長は「良いじゃろ・・・。」と言って立ち上がった。学園長は裕奈の前まで来ると
「ふむ・・・記憶損失の呪いか・・・。」
学園長がそうつぶやいた
「解けるか?」
とソリッドが再び聞く。
「安心しろ、これなら出来る。」
学園長はそう言うと裕奈の額を触り
「解けろ。」
と言った、すると裕奈の額にある魔方陣が消えていった。
「!?」
その時、裕奈が頭を手で押さえた。
「あ・・・ああ?」
そして裕奈の頭の中に映像と音が一気に流れこんできた。しばらくすると、裕奈は頭から手を離した。
「思い・・・出した。」
裕奈はそうつぶやいた、魔法をしらない生徒達は呆然と見ていた。
以上、投下終了、めざせ完結!!!
保守
ほ
し
ゅ
魔人先生脳噛ネギま!の作者です。
諸事情によって次話の投下が遅れています。すみません。
今週末までには投下できますので、どうかお待ちください。
薔薇乙女ネギまの作者です。
脳噛ネギま!の作者さん同様に個人的な事情で10日以降でないと次回作が投下できなくなりました。
その際は7話、8話を2夜連続で投下いたします。
とりあえじゅ保守
a
我保守するはネギま!×好きな作品クロス小説スレ!!
魔人先生脳噛ネギま! 遅れながらこれから投下します。
第六話 変わる
弥子が指差した先にいた人物、麻帆良学園の制服を着たそれは紛れも無く3−Aの生徒の村上夏美であった。
しかし、その場に居た全員はこの事実に然したる驚きを見せる事は無い。それどころか、夏美本人はまるで悪戯を見つかって決まり悪そうにする子供のようだ。
ネウロもネギも、そして夏美も臨戦態勢をとり一触即発の様相を呈する中、弥子は一歩踏み出して今回の事件の真相を語り始める。
「犯行が何時も決まった間隔を置いて起こっていた事、これがこの事件の捜査を難航させる原因の一つだったの。何でこんなに律儀にって。
でも、夏美ちゃん、いや、容疑をかけられる人全員にとってみれば、如何しても空けなくちゃならない理由があった。そうよね」
「そ。部活動があって」
弥子からの問いかけに対しても、夏美は笑顔で応えた。
あまりにも平然としていて弥子は恐怖に似た感情を覚えたが、直ぐに言葉を続ける。
「教務室で部活の活動予定表を借りて見たんだけど、体育館は使用する部活が多いからって決められた日にしか部活動を行えない。
ちょうど演劇部は一日おき、つまり今回の事件の起こった日と合致するの」
「……それだけで私を犯人だって決め付けられないんじゃない?」
「うん。だから、昨日体育館に行って、演劇部の顧問の先生と話を聞いてきたの。
夏美ちゃん、今度の劇で主役をやるはずだったんでしょ」
この言葉に、夏美は幾ばくか動揺するような様子を初めて見せた。眉をひそめ、唇をかみ締めて弥子を睨みつける。
「そうよ。初めて主役に選ばれるんじゃないかって、とても嬉しかった。
でも、二週間前突然配役を交代させられちゃってねぇ……もう直ぐ公演があるっていうこの時期に。可笑しいと思わない?」
唐突に夏美が笑い始めた。目を大きく見開き、憎悪のこもった歪んだ笑いだ。
と同時に、彼女の周囲を取り巻いていた黒いもやが膨れ上がるように大きくなる。
彼女自身を取り囲むようにそれが肥大化してくる中、夏美は絶叫にも似た声を上げる。
「ふ……ふふふ、初めてだったの。誰かの事を憎いなんて思ったのは。そうしたらね、クラスの皆が急に眩しく見えちゃって。
そうよね、あんなに個性的な人たちが集まっているんだもの。羨ましかったわ」
「……だから、アスナさん達を襲ったのですか」
「うんそうだよ。明日菜の時は朝錬が始まる前だったし、あっちはバイト丁度終わったところだったから簡単だった。
他の人は部活が終わった後に独りになった所をね。龍宮さんだけは上手く行きそうになかったから、嘘の依頼を出して呼び出してあげたの」
「でも、どうしてこんな事を。そんな事をしても―――」
「『無意味だ』と思っているのね」
「……え」
弥子は夏美を説得しようと言葉を最後まで発したと思っていた。
だが、この言葉は吐き出される事は無かった。代わりに彼女にあったのは、全身を流れる激痛であった。
視線は何故か満月に浮かぶ空に向いていた。この満月は彼女の目には不思議と歪んで映っている。
どこか遠くで、ネギが叫ぶ声が聞こえていたが、彼女の耳までそれが届くことはなく、只空を切っている。
程なくして、彼女は自分が地面に仰向けになって倒れているのだと知った。
ぼやけていた視界はようやく元通りになり、ネウロが笑顔を浮かべて覗き込んでいる事に気がつく。
「え……ネウロ。今一体」
「じっとしていろヤコ。気分が戻ったら、直ぐに草むらに隠れておけ」
そう言うとネウロは彼女の視界から消えた。
弥子は金縛りにあったように暫く動けなかったが、この奇妙な出来事と、
普段のネウロからは中々考えられない指示に今彼女の回りで起こっている事態の異常性を悟ると、まるで死んだようにそこから動けなくなっていた。
一方、弥子の視界から消えたネウロは踵を返して夏美を一瞥する。つい先程まで月明かりに照らされていた彼女が今は大通りを照らす電灯の元に晒されている。
油断していた事もあったが、魔人としての身体能力をもってしても見切れなかった彼女の俊敏さにネウロは少なからず警戒を抱く。
横目でネギの確認をすると、既に杖を握り締め何時でも魔法詠唱を出来る体制をとっている。
「ふう、やっぱり忍者の動きって早いわね」
「今のは、楓さんの……」
「やっぱりネギ君鋭い。後、こんな事も出来るのよ」
不気味な笑みを浮かべると、夏美はスカートのポケットをまさぐり数枚の硬貨を取り出した。
それを親指の上に載せると、二人に向ける。あまりに唐突なこの行動の真意を、彼らは直ぐには理解できずにいた。
何のつもりだとネウロが近づき、次の瞬間、彼の足元の石積みが爆ぜるまでは。
「ふん、指弾か。微かに魔力で包む事で威力を上げているという訳か」
ネウロは足元に出来た極小のクレーターを一瞥する。
それから詰まらなさそうにため息をつくと、こう感想を漏らした。
「今のは龍宮さんの技よ。……これで、分かったでしょ。私が何で皆を襲ったのか」
「人間どもの能力を奪って自分のものにする為、か。随分と凝った事をするものだな」
「まあ、私も初めこんな事が出来るなんて思ってもみなかったけれど。アスナを襲った時に自分の中で凄く力が漲るのが分かったの……」
唐突に、彼女の周囲の黒いもやが肥大化する。やがてそれは触手の様に幾つかに枝分かれし、夫々の先端がネギとネウロを捕らえる。
「……だから、だから。……私はもっと奪ってやるのよ! 私を否定した人たちから、目障りな人たちから、全部! 全部ねぇ!」
夏美が咆哮した。そして、関を切ったかの如く黒い触手は二人に飛来する。
二人とも身を翻して左右に別れ、触手による攻撃をかわす。
対象を急に見失った触手は地面に激突し突き刺さった。深いところまで地面を抉り、その威力の高さを物語る。
「夏美さん止めてください! こんな事をしても……」
「アハハハ! どうせ邪魔をするんでしょう。大人しく、ネギ君の魔力も頂戴!」
まるで狂ったかの様に夏美は叫ぶ。
その様子から、全く彼女が聞く耳を持っていないのだと気付くと、ネギは杖を一際強く握り締め呪文詠唱を始める。ネギの周りに淡い光が発生し、風が舞い起こる。
やがて光が幾つかの球体に分かれると彼の周りで浮かぶ。と、同時に夏美は彼の魔法を食い止めようと刺さっていた触手を引き抜かせ、ネギに向けて放った。
「魔法の射手!」
だが、触手がネギの体を貫こうとした刹那、ネギの周りにあった光球が猛スピードで放たれた。
内の数発が触手と激突し、粉々に破壊する。夏美は驚いたように目を見開くと、自分に一直線に向かってくる残りの光の弓矢に視線を向ける。
彼女が何か反撃を仕掛けるかとネギは再度呪文詠唱の準備を整える。が、彼女は不思議な事に飛来してくる弓矢に視線を送るだけであった。
恐らくそのままじっとしていれば致命傷と成り得る筈の状況にも関わらず。
「成る程。これはやっかいな謎だな」
遠くで、ネウロがこんな事を呟く。しかし、ネギはその意味を汲み取る事が出来なかった。
彼の背筋に冷たいものが走り、無意識の内に駆け出す。例えこの事件の犯人が、自分の受け持つクラスの生徒だったとしても、風穴が開くところなど決して見たくはない。
そんな正義感が、彼を突き動かしてしまった。
夏美が、首をネギに向ける。自然と目線があう。この時、二人の目の色には決定的な違いがあった。
ネギには焦りが浮かんでいたが、夏美はそんな彼の意思を全く意に介さず、寧ろ不気味な程の享楽を宿していた。
そして、ネギが彼女の本当の意図に気付いたのは、彼の足元で何かが蠢いている事に気付いた時であった。
轟音と共に大地がひび割れ、隙間から刃のように鋭利な形状と化した触手が飛び出す。
ネギは反射的に身をそらして回避しようを試みるが、予想以上の速さに体がついていかない。黒い刃は逆袈裟にネギの体を切りつけた。
反動でネギは後方へと大きく吹き飛ばされ、体中を駆け巡る激痛に身悶えする。
「大丈夫か小僧」
その様子を少しはなれた所で観察していたネウロがネギに歩みよった。
ある程度出血しているものの、それ程深い傷で無かった事にネギは幾ばくか安堵する。
「……そうだ! 夏美さんは」
途端にネギは身を起こし、夏美の立っている場所を見やる。
彼の推測では、夏美は自分が受けた傷よりも数倍酷い致命傷を負っていたからだ。
「安心しろ小僧。奴は随分と無事のようだ」
隣で腕を組み、ネウロは告げる。しかし、その言葉とは裏腹にネウロの表情にもまたある種の焦りが浮かんでいた。
夏美が、無傷のままで其処に立っていたから。光の弓矢が直撃した様子も、逸れて何処かに激突した様子も無い。
初めから光の弓矢など存在しなかったかと誤解するくらい彼女は平然としている。
不意に、ネギの脳裏にこれと似た光景が映し出された。自分の魔法や、他者の魔法の影響を全く受けぬある一人の少女の姿が。
これはやっかいな謎だ。つい先程ネウロが呟いた言葉の真意をようやくネギは理解できた。
「マジックキャンセル……アスナさんの」
殆どの魔法を無効化にしてしまう特異な能力、マジックキャンセル。
その持ち主である明日菜が一番最初の被害者であった事を思い出し、ネギは恐怖する。
夏美の言う事が事実であれば、彼女もまたこの能力を持っているという事になるからだ。
そして、この瞬間、この仮定が真実であると裏付けられた。光の弓矢は間違いなく放たれ、夏美を狙っていた。
しかし、マジックキャンセルによってかき消されてしまっていたのだ。
よって、魔力による攻撃がほぼ不可能となった今、物理的な攻撃を加えるという手段でしか彼女を止められなくなった。
それは言い換えれば、最悪の事態を想定しなければならないという事だった。
以上で第六話終了です。
戦闘シーンが苦手だと書いていてようやく気がつきました。
これからラストに向けて一番厄介なところですが、何とか書き上げますのでもう少しお付き合いください。
なっちゃーーーーん!!
今日一日せめて明日一日
憎しみも悲しみもなく
ネギまスレの住人が平和であるように
このスレを落とさせてたまるか!!保守!!
Phase 7 「雛苺2」
光に包まれ、鏡の中に吸い込まれるようにして飛び込んだ夕映。
目を硬く瞑っていたため分からないが、体が水の中にいるように軽い。むしろ無重力感に包まれている。
そんな中で夕映の左手の指輪を掴む蒼星石の手の感触だけがはっきりとしている。
ゆっくりと、蒼星石の姿を確かめようと目を開けるとそこは……
「何です……ここは」
鏡を抜けた世界は奥が全く見えない暗闇、その中に景色のように無数のドアが並んでいた。
ただ無造作に縦横斜めに散りばめられたドアの数々。
蒼星石は指輪を掴んだまま真っ直ぐ、どこかへと目指している。
「マスター、ここは現実と人の精神を繋ぐnのフィールドといいます」
「nの…フィールド…?」
「」
夕映の目の前に広がる無数の他人の世界。おそらく魔法よりもその衝撃は大きい。
覗くことは出来ないが、そのドアの先に人それぞれの思いと世界が存在していた。
非科学的、非常識、どの言葉にも該当しない世界。
おそらく魔法がらみなどでないとこんなことはありえない。
夕映はそのまま蒼星石に連れられるままに、nのフィールドにある一つの扉を開いた。
ふと蒼星石が振り向くが何も気付くことなく去っていく様子を、ある人物が覗いて見ていた。
「ほぅ、今宵のアリスゲームは一味違ったキャストが出揃っているようですな」
「うふふふ、楽しそうじゃなぁい?」
一人はタキシードに身を包んだ男性。ただし顔は兎の格好をしている。
「あなたも参加する気はないのですか?」
タキシードの男は漆黒の衣装に身を包んだ黒い羽を生やしたドールに話しかける。
黒い羽を生やしたドールは笑いながら
「そうね……でも今は雛苺がマスターにしたことの方が気になるわよ、ふふふふ」
そう告げた。
「ふむ。しかしマスターを傷つけるドールが出るとなると…」
「大丈夫よ、その前に彼女が来るはずだから……彼女が来れば……」
そのドールに向かって名前は告げなかったが、明らかな憎しみを抱いていることが分かった。
結局、二人とも手は出さずに高見の見物と言った様子であった。
夕映と蒼星石が扉を抜けた先にはおもちゃの入れ物がまず目に入る。
お菓子で作った家に巨大なぬいぐるみの数々、花やカラフルな景色。
まるで子供のおもちゃ箱の中に迷い込んだような気分だ。
「マスター動かないで」
蒼星石が庭師の鋏を取り出してすぐに正面へと構えた。
その先に待っていたかのように立っていた相手は……小さな子供。
「蒼星石、あれは……」
「あれはローゼンメイデン第6ドール雛苺」
鋏を握る手に力が入る蒼星石ではあるが、
「あっ、蒼星石」
蒼星石の姿を認めると笑ってこちらに近づいて手を掴んできた。
「やっと来てくれたんだね。一緒に遊ぼう」
その無邪気に遊んでいる姿に若干の戸惑いがある。
すると雛苺の真後ろに、雛苺と瓜二つの姿をした女の人が横たわっていた。
「誰か倒れてるです!」
夕映が指差すとその人物は少し動く。
その人物がしている赤く光を放つ指輪。夕映がしているのと同じであり、蒼星石が力を使った時よりもその輝きは強かった。
この状況からしてアキラであることは間違いない。
「アキラさん!」
夕映の問いかけにもアキラは苦しみ返答が出来ない。雛苺もその姿を見て異変に気付いた。
「アキラ、アキラどうしたの」
体を揺すってアキラの安否を確かめる雛苺だが、やはり反応は薄い。
蒼星石は雛苺を倒すことよりも、今苦しんでいるアキラを助ける方が得策と判断する。
「マスター、早く雛苺のマスターをここから出してください。このままだと命が危ない」
「わ、分かったです」
夕映はアキラへと駆け寄ろうとしたが、
「駄目なのーっ!」
雛苺は大事なマスターを奪われると思い、声を荒々しく上げて茨のツルを出した。
そのツルは夕映の手足や首を締め上げて空中高く持ち上げる。
「う……ぐぐ……」
首が絞まり息が出来ない、しかも茨のツルのため皮膚を傷つけ血が滴り落ちた。
「マスター!」
蒼星石がツルを庭師の鋏で切り裂くと夕映の体は地面に尻餅をつくようになって落ちた。
何度も咳き込み、喉や手からは真っ赤な血で汚れた。
「アキラは誰にも渡さないの、もう一人ぼっちは嫌なのー」
雛苺の頭には前のマスターがかくれんぼと称してずっと鞄の中に閉じ込められた過去がある。
その思い出が蘇り、折角仲良くなれたマスターがまた離れるのを必死になって拒んだ。
「雛苺、僕の話を聞くんだ! 君のマスターは……」
「蒼星石もヒナの邪魔をするなら許さないのー!」
それまで何の意思もないはずの人形が立ち上がり、その上蒼星石の身長をはるかに上回る大きさへと変わった。
人形は手を振り上げて蒼星石へと狙いを絞る。
「蒼星石!」
夕映の叫びとほぼ同時に蒼星石は空中に飛び上がり、一体、また一体と人形を切り裂いていく。
それでも雛苺が叫びを挙げれば次々と人形が飛び出すためキリがない。
「はッ……はー………」
次第に疲れが見えてきた蒼星石が戦っている間、雛苺はアキラへの呼びかけをしていた。
「アキラしっかりして!」
「……ひ、な……」
真っ赤に輝く指輪は未だに輝きの衰えを知らない。
アキラの顔から徐々に生気がなくなっていく。
「アキラ…さ…ん…」
茨のツルで傷つき血で濡れた足を引きずり、同じくやられた腕と首を押さえながら夕映もアキラに詰め寄る。
「来ちゃ駄目なのーーーっ!!」
それに気付いた雛苺は叫んで人形を一体夕映の方向へと向けた。
今の夕映では避けられない。それに蒼星石が気付くのは正面の敵を倒した瞬間だった。
「ま、マスター!」
「――っ!」
だがその攻撃は夕映には届かなかった。
人形の周りには赤く輝く薔薇の花びらがいくつもまとわり付いていた。
その特徴的な攻撃手段は誰の目から見ても一目瞭然。
「――! 真紅」
別の鏡から飛び出した真紅が雛苺の真正面に降り立つ。
「よく聞きなさい。あなたのマスターは、あなた――雛苺――がこんなにさせたのよ」
「……え」
真紅の言葉に雛苺は言葉を失う。
それと同時に人形やツルの攻撃が止んだ。
「マスター!」
蒼星石は鋏を片付けると真っ先に夕映へと駆け寄った。
「だ、大丈夫です」
幸い夕映の怪我は落下の際、足を捻挫しただけで後は皮膚の裂傷程度であった。
真紅の言葉に雛苺は言葉を失いつつ、自身と同じ姿となったアキラを見た。
指にある指輪は今も輝いたままである。
「あなたは無意識にミーディアムから力を奪いすぎたわ、このままだと指輪に取り込まれて死ぬわよ」
その発言を聞いて雛苺はもう一度アキラを見た。
自身と同じ格好をしているのも力を使ったことにより、ドールに近くなりすぎたことが原因。
ただ自分はアキラと一緒にいたいだけ、命まで奪うことは望んでいない。
「いや……嫌ぁ! アキラ目を覚ましてぇ!」
雛苺が叫んだ。死んで欲しくない、ただそのことを思って。
そしてその思いが頂点に達した瞬間。アキラの指にはまっていた指輪は徐々にヒビが入っていき……
皆の目の前で輝きを放ちながら消滅した。
そして光の中から現れたのは、泣きじゃぐる雛苺といつもの容姿へと戻ったアキラだった。
つづく
お待たせしました。色々とありすぎてなかなか投下できませんでした。
あと修正ですが
>>352の一部に「」となっている部分がありますが、そこはなしの方向でお願いします。
しかしローゼンメイデン最終回は、もう開いた口が塞がらない終わり方。
こうなったらこれだけでもまともな最終回を迎えなければ……
358 :
マロン名無しさん:2007/06/13(水) 01:19:00 ID:cQm8CwlX
家庭教師ヒットマンREBORNとのクロス誰か書いてください
>>358 ご自分で書かれてみたらどうですか?書くのは楽しいですよ。
おお、久々に覗いたらネウロと薔薇が投下されてんじゃん。とりあえずGJ!
にしても何だかマロン全体が過疎だなぁ……
>>348 うん、良い壊れっぷりでうね、次回も楽しみですよ。
さて・・・METAL GEAR YUNAですけど・・・もうちょっと待っててください><
ひでぇw
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 65
「・・・・ソリッド?」
裕奈がソリッドに向かって言った。
「久しぶりだな、裕奈。」
とソリッドが言う。
「久しぶりだな、相棒。」
いつの間にかソリッドの肩に居たハリーが言った。
「ハリー!?居たの?」
裕奈がハリーに言う。
「・・・一体、どういう事なんですか?」
さっきまで泣いていたネギがまだ涙で濡れている顔で裕奈に聞いた。
「・・・・・・・。」
裕奈が黙り込む、それを見た刹那が前に出て
「その事は私が話します、みなさんとりあえず部屋に来てください。」
と言うと、踵を返し寮へと向かった。
女子寮の一室、刹那と古菲の部屋にクラスの全員が集まっていた。
刹那は全員集まっている事を確認し、口を開いた。
「まず、裕奈さんの事ですが、彼女は隠密部隊FOXHOUNDの元隊員です。」
そう刹那が言うが、しばらくの間刹那が何を言っているのか全員理解が出来なかった。
「FOXHOUND!?あのシャドーモセスの?」
龍宮が刹那にそう聞いた、刹那は龍宮の方を見て「そうだ。」と答えた。
「えっと・・・そのFOXHOUNDって・・・どんな部隊なん?」
亜子が刹那に聞いた、刹那がその質問に答えようとしたとき。
「FOXHOUND、単独潜入、隠密任務を基本とし、通信機以外の武器、装備は全て現地調達、
エージェント(諜報員)とソルジャー(兵士)を併せ持つ隠密部隊。かつて私の居た部隊。」
裕奈が嫌な事を思い出したような顔で刹那の変わりに答えた。全員の視線が裕奈に集まる。
「・・・REDFOXっと言うのはあなたのコードネームですね?」
ネギが裕奈に質問をした。裕奈はネギから目を反らし、そして言った。
「・・・そう、BIGBOSSの弟子であり、FOXHOUNDで2番目の実力を持つ隊員、それがREDFOX、それが私。」
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 66
「・・・まさか噂の傭兵が君だったとはな・・・裕奈。」
龍宮がそう言う、それを聞いていた雪広が裕奈に向かって叫んだ。
「裕奈さん!あなた、どうしてそこまでに実力を持っていたのにも関わらず、何もしなかったの!?」
雪広が言っているのはさっきの事だ、彼女の実力ならあの4人を守りきれたかもしれない、しかし裕
奈は兵士を数人倒しただけで他は何もしなかった。
「・・・・。」
裕奈は黙り込む、雪広がまた叫ぼうとした時。
「まて、そう言ってやるな、しかたがなかったんだ、なんせ『記憶が無かった』からな。」
そう言いながらソリッドが割り込んで来た。
「記憶が無かった・・・何を言ってるんですか?あなたは。」
雪広がソリッドに聞いた、ソリッドはネギの方を見て
「代わりに説明してくれ、君のほうが詳しいだろう。」
と言った、ネギは少し戸惑ったが、雪広を含めた全員の方を向いて
「・・・『魔法』です、誰が掛けたかは知りませんが、裕奈さんには記憶損失の呪いが掛かっていました。」
と言った。
「え?ま・・・魔法?」
ほとんど全員がそうつぶやいた、極めて普通の反応だった。
「・・・まず、僕の正体から言います、僕は魔法使いです。」
ネギは話した、自分が生まれながらの魔法使いで、この学園に来たのは修行のためだと言う事。
自分の父親の魔法使いで、自分が生まれる前から行方不明でその父を探すためにマギ・ステルマギになろうとしていた事。
全てを話した、全員唖然としていた、当然の反応だった、そしてネギは最後に
「そして、魔法の存在をみなさんに知られた僕は、魔法協会から罰を受ける事になります。」
そう告げた。
「え・・・罰?」
桜子がつぶやいた。
「はい、罰として、僕は動物の姿にされます、それも一生です、二度と人間の姿にはなれません、言葉を話す事も出来なくなります。」
とネギは答えた。
「なんで!?ネギ先生悪い事してないよ?僕達の事守ってくれたじゃん!」
史香が叫ぶ、他の生徒達も同じような事を一斉に叫び始めた。
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 67
「仕方ありません、それがルールです。」
ネギはそう言った、そして「みなさんとも、これでお別れです。」と付け足した。
ガチャ
ネギがそう言った時に、高畑が部屋に入ってきた。
「・・・ネギ君、悪いけど来てくれ。」
高畑がそう言う。
「・・・分かったよ、タカミチ。」
ネギはそう言うと立ち上がる、高畑の方へ歩いて行った。
「ネギ先生!」
雪広がそう叫んび、抱きついてきた。雪広は高畑を睨み
「高畑先生!ネギ先生をどうするつもりですか!まさか動物に?」
そう叫ぶ、高畑は悲しそうな顔をして
「・・・やっぱり知ってたか、ネギ君から聞いたんだね、でも仕方が無いんだ、それがルールなんだ。」
高畑がそう答える。
「でも!ネギ先生は何も悪い事はしていませんわ!」
雪広が再び叫んだ。
「魔法協会では魔法の存在を知られるのはかなり重い罪だ、数人ずつなら仮契約をすれば大丈夫だけど、この数だ、どうにもならない。」
Episode 1「眠っていた赤狐」
Part 68
高畑がそう言った時、部屋のドアが激しくノックされた。ドアの外から声が聞こえる
「あの!あのロボットなんですか?あの兵士達は?あのヘリは?飛行機は?あの手から出てくる電撃はなんなんですか!?」
「すみません!あれどうやって飛んでたんですか?もしかして魔法とかの超能力みたいなものですか?教えてください!」
そんな声が聞こえた、さっきの所を見ていた他の生徒達だろう。
「この通りだ、こうなったらもう止められない、嘘も通じない、写真にも収められている。」
そう言うと高畑はポケットから写真を取り出した。アスナ、このか、超、ハカセを担いで走るスワローをバイクで追っているソリッドと杖に跨って飛んでいるネギの写真だった、
丁寧に攻撃魔法を使う所まで取られている。
「安心してくれ、魔法協会からの返事が来るまでの3日間は人間の姿で居られる・・・そろそろ行こうネギ君。」
と高畑
「うん、タカミチ。」
ネギはそう言うと高畑と共に部屋を出た、部屋の外に居た大勢の他クラスの生徒達の質問声が二人を襲う。
「あの!バイクに乗ってた男の人って誰なんですか!?」
「ネギ先生、あなたは超能力者なんですか?それともやっぱり魔法使い?」
「教えてください!」
そんな生徒達を無視して、高畑とネギは去って行った。3-A組の生徒達は、それをただ黙って見ているしかなった。
元名無し28号です!
ようやくEpisode 1終了しました!Episode 2もお楽しみに!!
>>362 ちょwwwひどwwwwまぁ前に書いていたSSをいきなり打ち切った俺ですので仕方無いですか・・・。
今回はちゃんと最後まで書きますよ!絶対に!断言します!
薔薇乙女ネギまの作者ですが、二夜連続での8話投下予定でしたが
見直しの段階で大きなミスが発覚しました。その修正のため明日の投下になります。
>>MGYの人
完結まで持ってゆこうとする志はいいと思うのだが。
「 」内での文章の形が変になっていると思うのだが、どうだろうか?
「・・・」のような3点リーダは単品で文中に入れるのではなく。
「……」といった風に半角の3点リーダを2文字で使った方がいいなどなんですが。
>>1のまとめサイトのリンク先のラノベ作法研究所に目を通した方が完成度の高い文章になると思います。
まあ、私も文章能力についてはそんなに言えたもんじゃありませんけどね。
読むだけでも変わると思いますよ。
>>371 指摘ありがとうございます。ちょっとそのラノベ作法研究所を除いて来ますね。
君の場合は技法よりも投下前にじっくり読み返す方が大事だと思うぞ‥‥
SSに限らずレスでも、な。今だって『除いて』ってやらかしてるし‥‥
まあ、がんばれ
Phase 8 「戦い終わって」
その日の午後の授業後の教室は大騒ぎになった。
体調が悪いまき絵を連れて行ったアキラが突如行方不明。
さらにそれを追うようにして夕映も消えたがしばらくして教室近くの女子トイレで発見。
二人とも折り重なるようにして倒れており、夕映は手足と首に怪我をしていた。
さらにアキラは生気を失ったようにしてぐったりしており、二人とも保健室に担ぎこまれた。
幸いにもネギが上手くまとめてくれたおかげで大事にはならなかった。
「大丈夫ですかアキラさんは」
腕や首に包帯を巻いた夕映は自分よりもアキラの安否が気がかりだった。
「大丈夫ですマスター。今は反動で寝込んでいますが、少し休めば今まで通りです」
蒼星石の言葉を聞いてほっと胸を撫で下ろす夕映。
その横では真紅と雛苺が重たい雰囲気で腰を下ろしていた。
「アキラさんは、どうして助かったのですか?」
夕映はベッドから上半身を起こして真紅に尋ねた。
まだ腕や首が痛む夕映だが、今の状況を知っておかねばならなかった。
「答えは簡単よ、雛苺が指輪の誓いを解いたのよ」
見ればアキラと雛苺の指には、契約の証としての指輪はもうなかった。
そしてそれが意味するもの……
「雛苺は自らアリスゲームを棄権し、アリスになる資格を失ったってこと」
蒼星石もこの意味の重大性は知っている。もうお父様――ローゼンに会うことは出来ない。
「負けたドールはローザミスティカを奪われる。話すことも自ら動くこともできなくなるただの人形となって」
脱落すればあとはそれっきりというもの。
敗者復活戦もなければ同情する者も誰一人いない。
しかし雛苺は晴れ晴れとした顔をして笑っていた。
「いいの、ヒナは自分から負けを選んじゃったから。仕方ないよね」
「雛苺…」
蒼星石が真紅に詰め寄るが、真紅は首を振る。
「せめて、アキラのそばにいさせて。これはヒナの、最後のお願いなの」
「話は最後まで聞きなさい」
雛苺の頭に手刀チョップを食らわせて黙らせる真紅。
少し間を置いてそっと口を開いた。
「動かなくなるのはローザミスティカを奪ったときの話」
そっと雛苺に手を差し伸べて告げる。
「選びなさい雛苺。このままただの人形になるか、それとも私の下僕――しもべ―になるか」
雛苺や蒼星石は真紅の発言にきょとんとして一瞬動きが止まった。
そもそもアリスゲームに負けたのだからローザミスティカは渡さなければならないはず。
「私は私なりにこのゲームを制するつもりよ。もし従うならローザミスティカは奪わないわ」
じっと見つめる真紅はそれ以上語ることをしなかった。
そして雛苺は決断する。
「ただいまです」
夕映が包帯姿で自宅に戻ってきた。それに真紅と蒼星石が続く。
さらに木乃香にアキラが雛苺を抱いて入ってきた。
「かわええなぁ。雛苺って言うんやな」
「うん。よろしくなのー」
笑顔で応える雛苺。抱いているアキラも満面の笑みを浮かべている。
雛苺は真紅の下僕となりローザミスティカも奪われなかった。またマスターと一緒に居られる喜びを噛み締める雛苺。
また新しいお友達が増えたと喜び、木乃香が腕を揮って料理を作ってくれた。
「木乃香の作った料理というのは美味しいの? 茶々丸の料理もいい感じだけど」
紅茶を片手に疑問視を投げかける真紅、だが蒼星石は軽く微笑みながら返す。
「彼女の作ったハンバーグは天下一品だよ。僕が保障する」
「わーい」
人間のように笑って話す人形たちを眺める夕映とアキラ。アキラの指には契約者の指輪はもうない。
「よかったよね。雛苺がここに残れて」
アキラも真紅がとった行動に同調していた。
「そうですね。でも、何でローゼンという人はそれだけの人形たちを戦わせるのです……
このまま争いがないままの方が、彼女たちにとっても幸せなのでは」
複雑な思いが入り乱れる夕映。
あの雛苺ですら、その気になれば人すら傷つけることが出来る。
願うことなら他のドールも争いをやめて幸せに過ごしてもらいたい。
それがアリスゲームを目の当たりにした夕映の感想。
「マスター、どんなにアリスゲームを止めさせたくても終わらない……。それは僕たちの運命だから」
それまで雛苺と真紅に笑顔で会話していた蒼星石が、突如険しい顔に戻った。
「蒼星石……」
蒼星石は忘れることはない。今も戦おうと思えば真紅に襲いかかれる。
しかし木乃香やアキラの目の前ではそれを避けたいと思っている。
折角自分たちを理解してくれる人たちの前で、傷つけあうのはごめんだった。
「はい、できたで」
木乃香が作った目玉焼き付きのハンバーグが人数分出された。
出来立てで熱々、ソースも焦げ目を入れて匂いでも味わえるようにした工夫。
思わずよだれが出てしまいそうなほどの出来だった。
「おいしいのー」
「美味しいわ……これほどの料理を独学で!? すごいのだわ」
木乃香の料理の腕には真紅や雛苺も驚きを隠せない。
「このニンジン、花柄で綺麗なのー」
「そうなん? せやったら他も花柄にしてあげよか?」
たまたま花柄に切ったニンジンを褒める雛苺を見て木乃香が提案すると…
「目玉焼き」
「え?」
「め、目玉焼きを花柄にしたらどう? 見栄えもいい感じなのだわ」
真紅が顔を赤く染めながら応えてきた。
「分かったで。そやったら次からそうしてみるわ」
「聞きワケがいい家来は嫌いじゃないわ」
「ちょっと待つです。木乃香がいつ家来になったですか!」
真紅、雛苺、夕映、木乃香、アキラ。それぞれの団欒風景にアリスゲームを忘れるほどの幸せに包まれる蒼星石。
夕映の言うとおり、争いがなければもっと心の底から笑えるのに……。
「ん!?」
ふと誰かの視線を感じて窓に視線をやるが誰もいない。
「どうしたの蒼星石」
アキラに話しかけられるが気のせいだと思いすぐに振り向いた。
「何でもないです、何か気配を感じたんですけど……」
また新たなドールが入り争いが始まらないことを祈りながら、蒼星石はハンバーグを大きめに切って口に運んだ。
その様子はまるで何かを言いたげなことを無理矢理飲み込むようにして。
夕映もその様子に違和感を感じるが、あえて気付かないフリをした。
その日の夜は漆黒の闇を明るく照らす満月だった。
黒い世界に飛ぶ大きな羽の生えた黒い物体。決してカラスなどではない。
黒き翼はアリスゲームの覇者は我が物だと印象付けるように羽ばたいている。
逆十時の柄が入った白黒のドレス姿をした人形。それもまた新たなローゼンメイデンだった。
そしてその人形は真っ先に自身のマスターへと降りたつ。
まるで調教された鳥が主人の手に乗るようにして、マスターの肩に腰掛けた。
「……相手は見つかったの?」
「えぇ、可愛い人形が三体。うふふ、楽しみだわぁ」
いずれ訪れるアリスゲームを楽しみにして笑うドールとは正反対に、契約者は何の反応も示さない。
顔にペイントを施されたその顔はほとんど変わらず、無口のまま。
「ほんとノリが悪い契約者ね。おまけにすっごく無口だし」
「……」
イヤミにも似た発言で揺さぶってもマスターは無反応。
「…なんで私はこんな奴と契約しちゃったのかしら」
ローゼンメイデン第1ドール水銀燈は、その異質な雰囲気を放つマスターに手を焼いていた。
そのマスターは夕映やアキラと同じく3-Aの生徒、ザジ・レイニーディだった。
つづく
第8話の投下を終わります。
これから新しいドールやバトルとギャグパートなどが交互に入っていくことになると思われます。
>>379 GJです!銀様キタァァァァァァァァァァァ!!!
魔人先生脳噛ネギま! の作者です。
執筆できる時間が激減してしまって、まだ完成の域に達していません。
迷惑をかけますが、また投下が遅れます。
382 :
マロン名無しさん:2007/06/18(月) 03:54:02 ID:M50utUbD
誰でもいいからリボーンとのクロス書いて
385 :
マロン名無しさん:2007/06/18(月) 09:27:05 ID:M50utUbD
自分で書けたらこんなの書き込みません
>>385 もうわかったから一生ROMってろチンカス
>>385 ラノベ作法研究所ってサイト見て来い、SS書くのは楽しいぞ?
過疎ってんな
まぁ作者氏がそろって忙しいみたいだからな。マターリ待ちましょうや。
ところでネギま!×ハヤテのごとくはまだですか?遅いですよね
薔薇乙女ネギまの作者ですが
少しリアルでの忙しさに思い通りに筆が進まない状態です。
明日には9話が投下できると思いますのでしばらくお待ちください。
保守!
Phase 9 「再開」
暗い闇の中で、二つの光がぶつかり合っていた。
片方は赤い薔薇と衣装を着た人形、もう片方は漆黒のドレスを身に纏った人形。
「真紅ぅーっ!!」
「っ!」
たった一言と一つの誤解が生んだ悲劇は、互いを壊し合う存在に成り果てた。
アリスゲームが終わらないかぎり、この憎しみの連鎖は終わらない。
「……」
鞄が力強く開き、飛び出した真紅。どうやら夢を見ていたようだ。
「真紅ぅー。どうしたのー」
あまりに突然だったためか、となりの鞄で寝ていた雛苺も目を覚ましてしまう。
嫌な夢を振り払うように真紅はいつもの口調で言い放った。
「何でもないのだわ。少し目が覚めただけ……だから寝なさい」
「うぃー」
すぐに雛苺は鞄の中に戻って眠った。
真紅は一息つくように鞄の上に乗りかかって休んでいた。
まだ寝付けないようでどうにも落ち着かない。今も忘れずに頭の中にくっついて離れないあの記憶。
誇り高きローゼンメイデンの中でも一際変わった存在。
過去の出会いと友情、そして崩壊と確執。
すべてが真紅とそのドールに当てはまる大きな要因。
「気になるのか」
「レディの寝起きを覗き見するなんて感心しないのだわ」
ふと声をかけてきたエヴァンジェリンに対して素っ気無い態度で対応する真紅。
「奴が、目覚めたんだな……」
「えぇ……」
思い雰囲気の中、真紅は一言だけ返事をした。
自分の中で何をどういえばいいのか分からなくなる。
とても渦巻くこの感情と気持ち、さらに目の前にいるエヴァンジェリンの存在。
「皮肉なものだな。こうしてまたお前たちの戦いを見る羽目になるのだからな」
「皮肉以外の何物でもないのだわ」
前の戦いにてエヴァンジェリンは偶然にもアリスゲームに参加した。
その中で見たのは赤いドールの真紅と黒いドールが戦う所。
ミーディアムたるエヴァンジェリンはその光景を眺めることしかなかった。
「決着はつけるのか?」
「えぇ……つけるわ」
すると真紅はそのまま鞄の中へと入り、エヴァンジェリンも自分のベッドへ戻っていった。
真紅がエヴァの別荘に来てからは周りの生活に変化が出てきた。
チャチャゼロは話し相手が増えたと言って喜んでいる、茶々丸はそれに伴い世話係となった。
「茶々丸、紅茶を入れて頂戴」
茶々丸を呼ぶ真紅だが、あいにく茶々丸は外出中。
仕方なく、エヴァンジェリンに頼むが彼女は結構いい加減にしか出さないので不機嫌になった。
小さな椅子に座って笑っているチャチャゼロの顔がいやに気になる。
そこへさらに雛苺が入ってきたのだからさらに騒がしい。
「いいこと雛苺。このラインから先には入らないこと、いいわね」
「うー」
「『うー』じゃないわ『はい』」
「うぃー」
前のマスターがフランス語を使っていた影響か返事がそれっぽくなってしまう。
真紅としては高いプライドのせいでどうしても突っぱねる。
「やー」
「全くなんて下僕なの! この部屋を誰のものだと思ってるの」
「私の部屋だ!」
エヴァンジェリンのナイスなタイミングの突っ込みにも真紅は全く動じようとしない。
雛苺に適当な命令をしてドアを開けさせた。
それを横目でエヴァンジェリンは見ると、二体のドールを置いて書物へと入っていった。
「やあ、僕くんくん。今日も応援ありがとう」
この時間は真紅に新たに入ってきた雛苺と一緒に見るTV番組『探偵くんくん』の時間である。
二人とも熱心にTVに釘付けで見ている。
「ケケケ、人形が人形劇見テルゼ」
「うるさいわねチャチャゼロ。静かになさい」
チャチャゼロの言葉も真紅には厄介な雑音。偶然見た番組に完全にハマってしまったのであった。
「あー、面白かったのー」
「流石ねくんくん。今日も見事な推理だわ」
雛苺と一緒にソファーから降りる真紅は鞄のある部屋に戻ろうとする。
いつもなら何の変哲もない通路だが、その異変に気付いたのは足元にある黒い羽。
そこらじゅうにいくつもの羽が散乱している様を見ると、真紅の表情は一気に険しくなる。
「……雛苺、私から離れないで」
雛苺の前に立ちはだかるようにして、いつも自分たちが出入りに使っている鏡に目を向けた。
そこの周りだけ異様な数の羽が散乱しているからだ。
「いい加減出てきなさい、水銀燈」
鋭い目つきで鏡に向かって言い放つ真紅。それと同時に鏡が眩い輝きを放つ。
そこから渦を巻くようにして暴風が吹き荒れる中から聞こえるのは、ドールの笑い声。
「し、真紅ぅー」
「雛苺、後ろに隠れてなさい」
ステッキとホーリエを呼び出して臨戦態勢に構える真紅の目の前に現れるドール。
かつてのアリスゲームで戦い合い、最後の最後に決着が付かなかった。
そのしこりと二体の間に生まれた確執は、時を越えた今でも変わらない。
「58万6920時間37分ぶりね。真紅」
「いつ現れるか心待ちにしてたわよ」
その黒きドレスと翼を纏ったドール――水銀燈は嘲笑を浮かべながら真紅の後ろに隠れている雛苺を見つめた。
「それより、どうしてゲームの敗者がここにいるのかしら? 雛苺」
水銀燈の指摘に振るえてしまう雛苺。
「アリスゲームの敗者は勝者にローザミスティカを渡し、その糧となる。それがアリスゲームの掟よ。
あなたたちは神聖なゲームを汚したも同然よ」
本来のルールなら真紅は雛苺からローザミスティカを貰い受ける立場にある。
だが真紅は雛苺からローザミスティカは奪わなかった。
「余計なお世話ね。私には私のやり方があるのよ」
「お父様がお怒りでも?」
真紅の発言それぞれを否定しあざ笑うかのようにして言い返す水銀燈。
言い分ならある種水銀燈が正しいだろうが、真紅にもただ戦うだけのゲームに疑問を抱きつつある。
しいていうなら、夕映と同じ立場にあることだろう。
「文句があるなら、ここで勝負をつけてもいいわよ」
「いいわね。あなたをジャンクにしても悪くはないわ」
水銀燈の翼が鋭く真紅を向くと、真紅はステッキを構えて薔薇を自分の周りに配置した。
これから起こるアリスゲームは、二体の間に生まれたある確執によってもたらされたゲーム。
よって個人の感情が入り混じった潰しあいとも取っていい。
しかし、二体がいざ飛び掛ろうとする瞬間、別の扉が開く。
「うるさいぞ、何が……」
書物の外からうるさい言い争いが止まないため、外に出て確かめに来たエヴァンジェリンと鉢合わせになった。
「……」
それまで襲い掛かろうとした水銀燈はじっとエヴァンジェリンの方を向いた。
互いに見つめあい、何も語ろうとしない。
その光景に真紅も雛苺も何も手を出そうとしない、否出来ない。
「久しぶり……といった所か」
「またあえて光栄ね。元のマスター」
前回のアリスゲーム。その時の水銀燈のマスターはエヴァンジェリンであった。
つづく
以上で9話終わりです。
10話はまた近いうちに投下します。
遅れましたが魔人先生脳噛ネギま! 第七話をこれより投下します。
第七話 争そう
「小僧、あの小娘に魔法を無力化する事が出来るのなら我輩の能力も殆ど通用しないぞ」
夏美が次の攻撃に移ろうと黒い触手を揺らめかせる中、ネウロとネギは作戦を練る。
魔力が無効化される以上、下手に魔法を使えば消耗する事は目に見えている。
では、物理的な攻撃で向かえば良いかと言えば、ネギの顔色を見れば一目瞭然である。
ネウロにとっては面倒極まりない事ではあるが、未だ彼女の持つ謎を喰うという、最大の理由を自ら取り去ってしまう事態も避けたい。
拳を握り締め、その手をネウロは見つめる。この学園に来てから体の調子がどうも優れない。
エヴァンジェリンの魔力を抑制する為の結界の影響が少なからず出ているのだ。
この状態では物理的にも圧倒的攻撃力を持つ魔帝7ツ兵器を使っても目ぼしい効果は得られない。唯一の頼みの綱は魔人としての身体能力の高さぐらいだ。
黒い触手に目を向ける。ネウロに確証は無いが、あの触手によって夏美は他者の能力を取り込んでいる。
とすれば、下手に近づこうものなら返り討ちにあう事も間違いない。
ネギの歯軋りがネウロの耳に届く。それでもネウロの表情には何時もの余裕が戻っていた。
「しかし、だ。我輩に策がある。協力しろ」
「策、ですか」
「そうだ。あの小娘の持つ謎は魔力も伴っている。つまり、我輩がその謎を喰う事ができる状態になれば勝てるぞ。
そこで貴様に聞きたい事がある。少し耳を貸せ」
ネギの頭を鷲づかみにして、ここからネウロは小声で彼に語りかけた。
その声はあまりに小さく木々のざわめきに隠れてしまう程で、だが、ネギはその一言一句決して聞き逃さすよう意識を傾ける。
やがて、ネギの表情には驚愕と歓喜の表情が不規則に表れた。そして、ネウロの語りが全て終わると納得したかのように二、三度頷き夏美に杖を向ける。
「光の弓矢!」
一瞬瞼を閉じたかと思えば、再度、ネギは詠唱を行い光の弓矢を放った。それは夏美についた黒い触手に一直線に飛ぶ。
「あれ? こんなの無駄だよ」
余裕綽々と言った様子で夏美は己の手のひらを前に差し出す。
そして、光の弓矢はその手に平にぶつかる直前、まるで手品でもかけられたかのように消え去ってしまった。
しかし、その先にいたネギもネウロも確信にも似た目の色を見せる。
全く気に入らないといった様子で夏美は舌打ちをすると指を躍らせて黒い触手を敵二人に向けて下から高速で這わせ、さらにワンテンポ遅らせて上方向からも触手を数本飛ばす。
二人はそれが合図かのように左右二手に分かれて走り出した。そして、夏美を挟み込む形でゆっくりとその軌道を変える。
身体能力の差から、若干ネウロの方が彼女の近くに到達するのが早い。当然、夏美は攻撃目標をネウロに絞り、全触手を先ずは彼に向ける。
「人間にしては良くやる。……魔人の能力を特別に思い知らせてやろう」
それでもネウロは勢いを衰えさせず、放たれた触手が体を貫く寸前の所で身を器用に翻らせて夏美の懐に飛び込んだ。
直後、ネウロが右腕を後方に引くや否や、夏美の胴体に一気へ振り上げる。
その余りの速さ故、腕の形が微かにゆがんでいるようにすら見え夏美は回避行動を瞬時に取る事が出来ない。
間一髪攻撃に使用していなかった触手を盾のように眼前に広げる。
「……っ!!」
ネウロの拳が盾となった触手にめり込み、反動で夏美は後方に強く押される。
触手によって体を支える事で転倒する事だけは避けたが、のけぞる形となってしまった。
ここで、夏美ははっとし、横目でネギを探す。だが、既に遅かった。視界の隅で捉えたネギの姿は、魔法詠唱を終わらせていたものであった。
直ちに彼の周辺から三度、光の弓矢が打ち出される。
「どうした。余所見をしている暇があるとは随分と我輩もなめられたものだな」
追い討ちをかけるようにネウロの声が届いた。ある程度距離が離れていたとは言え、その距離は雀の涙ほどしかなかったようであった。
既にネウロは己の右腕を大きな刃に変質させて夏美に肉薄を試みている。だが、光の弓矢も高速で彼女に向けて飛来していた。
同時に二つの敵を対処するなど、今の彼女とてそうできる事ではない。
何か反撃に転じなくては、そう思案する猶予すら与えられずネウロの刃が夏美の体を切り上げる。
その寸前、夏美は反射的に両腕を体の前で交差させて僅かでも防ごうとした。しかし、彼の刃は不思議な事に痛みすらなく、血が流れるわけでもなく夏美の体を通った。
余りにも鮮やか過ぎる為に、夏美は或いは自らの体は切られてしまったのだが、想像を絶する切れ味のよさに体自身が切断されたという事に気がついていないのではないかとも考える。
しかし、本当に「体は」斬られていなかったのだ。
それでも、夏美は戸惑い、接近する光の弓矢の事などすっかり意識の外に追いやってしまっていた。
慌てて意識の中に戻したのは、光の弓矢が直撃する刹那だった。
マジックキャンセルによって、数発は無効化出来たもののかき消しきれなかったものが黒い触手を貫き、ずたぼろにしていく。
「これで貴様を守るものはなくなったな。只の弱い人間になったという訳だ」
ネウロは、次々と崩れ落ちていく触手をちらりと見て不気味に笑顔を浮かべこんな事を告げた。
夏美が彼に目を合わせるのを確認すると、止めと言わんばかりにネウロは彼女のみぞおちに強烈な一打を食らわせる。
程なくして夏美の全身から力が抜け、前のめりになって倒れる。地面に倒れこむのだけは避けまいと、ネウロが彼女を抱えた。
その瞬間、彼女の中にあった何かが消失した。足早に駆け寄るネギは、これにこそ気がつきはしたものの一体何が消えたのかまでは分からなかった。
只知っているのは、ネウロと弥子のみ。
「中々良質の謎であったな。しかし……」
謎の持ち主であった夏美が、自らの敗北を認めたと同時に彼女の中にあった謎が外へと放出される。ネウロは直ちにそれを喰らった。
消失したのは、この謎だったのだ。
ネウロとネギの立てた作戦は、賭けに似ていた。
先ずはネウロが囮になり、ネギの魔法詠唱の時間を稼ぐ。そして、ネウロが彼女の気を引いている内に光の弓矢を放つ。
と、同時に、ネウロが魔界777ツ能力の一つ、「断面への投擲」を使用した。この能力は、実際に対象物を切るのではなく、その対象物が何で構成されているのかを調べる為のものだ。
夏美の体が斬られなかった理由はここにある。そして、ネウロはこの能力を使って触手と、夏美どちらに謎があるか、魔力はどちらに存在しているのかを調べた。
謎のエネルギーは当然夏美の中にあり、魔力は触手の方に大きく存在していた。
「要するに、魔力は夏美の中にある謎に存在していたのではなく、あくまで副産物として現れていただけだ。
原因となる謎が消えてしまった今、魔力は何時までもこの小娘と共にはいられない」
ネウロがそういうや否や、夏美についていた黒い触手の形が黒いもやに戻り始めた。それに合わせて、その黒い物質は彼女から剥がれていくていく。
やがて単体となったそれは、宙に漂いだした。
「さて、止めを刺すとしよう小僧」
「分かっています……」
黒いもやを睨みつけ、ネギは最も強力な魔法詠唱を開始する。ネウロもまた、魔界に生ける者の内極僅かしか使えぬ強力な能力の発動に取り掛かった。
その間は僅かなものであった。最後の抵抗をしようというのか、黒いもやの幾つかの断片が硬化し、触手のような形を模る。
だが、これの抵抗はそこまでであった。事切れそうな生命が最後の抵抗として己が手を振り上げるかのように、それが触手を僅かに突き出した瞬間二種類の声が周囲に響いた。
以上です。いよいよ次回で最終話となります。
どうか最後まで楽しんでいただければ。
Episode 2「任務命令」
Part 1
昨日の夜、3-Aの全員が泣いた、途中から来た小太郎はネギが連れて行かれるのを阻止しようとしたが、ネギにそれを阻止された。
小太郎も雪広と千鶴と夏美の部屋で泣いていた、ネギが高畑に連れて行かれた後は誰も笑おうとはしなかった。
そして次の日、ここはネギが居る牢屋だ、昔からある魔法使いが逃げられないようにするための牢屋だ、ネギが逃げ出すとは思わなかっただろうがこれもルールの一つだった。
「……父さん……。」
ネギはここに来てからずっとそんな事をつぶやいていた、自分の父親がテロリストのボスだったのがかなり効いたようだった。
コツンッ、コツンッ
鉄の策の向こうから足音が聞こえた、ネギが鉄の策の方を向く。
「……タカミチ?」
鉄の策の向こうに立っていたのは高畑だった。
「どうしたの?まだ二日目だよ?それとももう決まったの?」
ネギがそう言う、すると高畑は眼鏡を指でクイッを少し上げて
「違うよネギ君、聞いてくれ、ビックニュースだ。」
そう言った、ネギが「ビック・・・ニュース?」とつぶやく。
「そうだ、さっき魔法協会から君を正式にマギ・ステルマギにすると言う連絡が来たんだ。」
高畑が煙草を取り出しながらそう言うとネギが目を見開いた。
「僕を正式にマギ・ステルマギに!?どういう事タカミチ!?」
ネギがそう叫んだ、当然の反応だった、なぜ魔法の存在を知られた自分をマギ・ステルマギにするのか、ネギには意味が分からなかった。
「そして君を魔法隠密部隊シャドウの隊員にするとの事だ、そして、さっそく君に任務があるらしい。」
高畑が今でも理解出来ていないネギに、煙草に火を点けながらそう言った。
「隠密部隊?任務?」
ネギが高畑にそう聞いた。
「そうだ、君はたった今魔法隠密部隊シャドウの隊員になり、魔法協会から任務を以来された」
高畑がネギにそう答えた。
「……その、任務ってのは?」
ネギが恐る恐る聞く、すると高畑は再び眼鏡を指で少し上げて
「拉致された4人の救出、彼らの目的と本当にメタルギアを持っているかどうかを確かめる事・・・・・・そして」
高畑はすこし間を取ってから
「・・・・・・ナギを含めてアラ・ルブラの抹殺だ」
そう言った。
405 :
マロン名無しさん:2007/06/24(日) 22:17:16 ID:L9JKkZeP
>>397 役者が揃ってきたな。続きwktkさせてもらうぜ
>>403 とうとう最終回なのか……ちょっと残念
Episode 2「任務命令」
Part 2
「父さん達を!?どうして!?」
ネギが叫びながら高畑に聞いた。
「ネギ君、君の気持ちは分かる、でもそれが君の任務、役割だ。理解してくれ」
「そんな・・・・・・どうして僕が父さんを・・・・・・」
「ナギはもう犯罪者だ、魔法協会も手が付けられないんだろう」
「そんな・・・・・・父さん・・・・・・」
ネギがそうつぶやいた。
「そして君には、VR訓練を受けてもらう」
「VR訓練?」
ネギがそうつぶやく。
「VR訓練と言うのはコンピュータが生み出した仮想空間上での戦闘訓練プログラムだ。あらゆる事
件・状況を再現でき、被験者の命を脅かすことなく、安全に訓練することができる、痛みは感じるけどね」
高畑はそう答えた。
「それを僕が受ける?」
ネギが聞いた
「そうだ、とりあえず、この牢屋から出ようか」
高畑はそう言うと、ズボンのポケットから鍵を取り出し、牢屋の鍵を開けた。
「何?別荘を貸せだと?」
エヴァが驚いた顔で高畑を見た。
「そうだ、こっちには時間が無い、でも君の別荘なら時間も増える、頼むよ」
高畑がそう言った、エヴァの別荘とは地下室にある別空間で、そこでは1日が2日になると言う場所なのだ。
ただし、歳を1日多く取るので女性にはオススメ出来ない。
「・・・・・・仕方無い、坊やのためだ、貸してやる、ナギも関わっているしな」
エヴァがそう呟いた。
「ありがとう、じゃあ行こうか、ネギ君」
高畑はそう言うと、ネギを連れて行った。
Episode 2「任務命令」
Part 3
「ネギ先生がマギステル・マギに!?」
刹那がそう叫ぶ、ここは3-A組の教室、この前の事件で授業は休みになっていた。
その教室にはアスナ、このか、ハカセ、超を除いた3-A組全員とソリッドとオタコン、そして高畑が居た。
「そうだ、魔法協会からそう連絡が来た」
高畑がそう答えた。
「でもなんで?ネギ先生は魔法の存在バレたんでしょ?」
美空が高畑に聞いた。
「ネギ君にある任務を頼みたいらしい」
高畑が質問に答える。
「任務?」
龍宮が高畑聞いた。
「ああ、4人の救出、彼らが本当にメタルギアを所有しているかを調べる事・・・・・・そして」
高畑はすこし間を置いてから
「ナギ・スプリングフィールドを含めたアラ・ルブラの抹殺だ」
「!?」
高畑がそう告げた時、そこに居た生徒全員が、信じられないといった顔をした。
「た・・・・・・高畑先生、今なんと?」
雪広が高畑に聞いた。聞き間違いであってほしいと願った。
「・・・・・・ナギ・スプリングフィールドを含めたアラ・ルブラの抹殺だ」
高畑がさっきと同じ事を言った。
「そんな・・・・・・」
雪広は手で口を覆って、膝をついた。他の生徒達の口がほぼ一斉に開かれる。
「なんでネギ君がそんな事をしないといけないの!?」
「なんでネギ君のお父さんが殺されなきゃいけへんの!?」
「どうしてネギ先生なんですか!?」
「どうして!?」
彼女達は思った事をそのまま口に出した、高畑が指でメガネを上げる。
「君達の気持ちは分かる、僕だって同じような事を思っている、でも仕方が無いんだ、この任務を成し遂げなければネギ君は一生動物の姿になってしまう、君達とも一生会えない。そして、魔法協会のお偉いさんはネギ君にしかアラ・ルブラを倒せないと判断した。だからだ」
高畑が彼女達の質問に答えた。ソリッドはずっと黙っている。
Episode 2「任務命令」
Part 4
「だからって・・・・・・もっと他に解決方法が」
「あるとでも?」
雪広の発言を高畑が打ち消した。高畑が続けて
「他に解決方法があるならやってるよ、他に無いからなんだ、理解してくれ・・・・・・」
そう言った。雪広が黙り込む。
「・・・・・・もちろんネギ君だけじゃない、君達も参加してもらう、古菲君と龍宮君、それと楓君と刹那君」
高畑はそう言った。
「私達も?」
刹那が高畑に聞いた。
「そうだ、現地でネギ君のサポートをしてもらう、君達の戦闘力は高いからね」
高畑が質問に答えた。
「もちろん、ソリッド・スネーク、ハル・エメリッヒ、君達にも参加してもらう」
高畑は続けてそう言った
「あんたに命令される筋合いは無い、俺は自分の意思で戦う、その任務には参加しない」
ソリッドははっきりとそう言った。
「君達はメタルギアを壊したいんだろう?」
高畑がそう聞いた。
「お前らの任務とは関係無く、俺はメタルギアを破壊しに行く」
ソリッドが質問に答えた。
「・・・・・・僕達の任務に参加する気は無いが、メタルギアは破壊しに行くと、まぁそれでも良い、結果的には同じだしね」
高畑がそうつぶやく。そして3-Aの生徒の方に向き直って
「任務は今から一週間後だ、ネギ君が心配なら無線で任務に参加しても良い、何も知られずに待っているよりはマシだろうしね」
と全員に聞こえるように言った、そして
「じゃあ、一週間後に・・・・・・」
そう言いながら、高畑は去っていった。
以上投下終了、Episode 2も終了、Episode 1はあんなに長かったのに、この違いは何でしょうね?
>>403 GJです!これからも楽しみにしているので頑張ってください!(俺もこう言われたいなぁ・・・・・・)
保守
べ、別に保守するのは、あんたのためじゃないんだからね!
か、勘違いしないでよ!
職人さん居ないなぁ・・・・・・
たまには上げてみる
Phase 10 「マスター」
かつてエヴァンジェリンはナギに出会う前あるドールに顔をあわせていた。
黒い逆十字の模様が入ったドールは水銀燈と言い、偶然ながら契約を交わしていた。
自由気ままな旅を続けているエヴァンジェリンの目の前の鏡の中から出てきた水銀燈。
だが、その時の水銀燈は現在のような刺々しいイメージとは若干変わっていた。
「お前はアリスになってどうしたいんんだ」
「…私は、お父様に会いたい」
「それならさっさと会いに行けばいいだろ」
突っぱねるように言い放つが水銀燈は動こうとはしない。
ただ俯き、何も行動を起こそうともしない水銀燈に痺れを切らしていた。
「あぁぁっ! 一体何をどうしてほしいんだ!」
「……」
「……なぁーんて話していた時期があったな」
「そうね」
今や契約もしていなければ、水銀燈が憎むべき真紅側についているという皮肉さが物語っていた。
昔のしおらしい面影はなくなり、すべてを破壊せんとばかりにするその目つきが今の水銀燈だった。
懐かしい挨拶もなしに、今度は真紅を睨みつける。
「吸血鬼の神祖と契約するなんて、いい媒体を手に入れたわね。真紅ぅ?」
「勘違いしないで。エヴァンジェリンはただの見学者よ」
睨みあう二つのドール。
エヴァンジェリンは腕を組んでその場で今の有様を眺め、雛苺は真紅の背中に隠れたままだ。
その有様をただ眺めているままのエヴァンジェリンに向かって水銀燈はさらに言葉を投げかけた。
「エヴァンジェリン、私は完璧なアリスになってみせるわ。たとえあなたが敵に回ったとしても」
「面白い、やってみろ」
「ケケケ、ヤレヤレ」
その言葉を聞いて、水銀燈は羽一つ一つを矢のように伸びて雛苺と真紅へと向けた。
そして手をかざすとその矢は二体のドールの方へと飛び込んでいく。
「っ!」
真紅も手をかざして薔薇の花びらをぶつけて一つ一つ落としていった。
しかし水銀燈の羽の矢は次から次へと出てくるため、勢いに押されがちだった。
エヴァンジェリンはそれでも何もしようとはしない。
「ほらほら、そこのマスターに助けを呼びなさいよ」
プライドの高い真紅に屈辱以外のなにものでもない言葉を浴びせる。
「……私は――っ!」
杖と薔薇を使って大きなバリアを張って羽の矢を防いだ。
雛苺は怯え切って腰を抜かしてしまう。そのせいで真紅はそこから動くことができなかった。
「うふふふふふ。そうやって奇麗事を並べて他人を平然と巻き込むくせに、その時だけお姉さんぶるのね」
水銀燈の片羽が徐々に大きくなり、黒い龍の形を描く。
そしてそのまま龍は真紅を飲み込まんとばかりに突撃し、真紅を玄関まで跳ね飛ばした。
「がっ!」
「真紅ーっ!」
腰を抜かしている雛苺はその場から動けない。
ローザミスティカよりも真紅を倒すことを生きがいにしている水銀燈は、手出ししないエヴァンジェリンを横目で見ながら真紅に詰め寄る。
そして有無を言わさずに龍をもう一度呼び出して真紅に向けた。
「これで終わりよ真紅ぅーっ!」
「!」
次の瞬間、真紅の目の前を赤い光が覆ってその龍を弾き返した。
「何!?」
赤く輝く左手の薬指に入れられた指輪。真紅の指輪も同じように光っていた。
その相手が真紅の契約者だという証だった。そしてその瞬間、エヴァンジェリンが真紅のマスターではないという証明でもある。
「真紅さん。危なかったですね」
「茶々丸!?」
丁度外出していた茶々丸が帰ってきた。真紅の前に立ちはだかったのは茶々丸だ。
その様子に水銀燈は驚愕の表情をする。
「な、なんてこと……あんな機械人形が、真紅のマスター!?」
「そうだ、私の従者でもある絡繰茶々丸。アイツが真紅のマスターだ」
エヴァンジェリンがようやく動いて水銀燈に言い寄った。よく見ると、エヴァンジェリンの指には指輪がなかった。
「だから真紅が言ってただろ、私は見学者だと」
茶々丸と真紅に睨みつけられると水銀燈は、しばらく睨み返すが、すぐに笑って鏡の中へと戻っていく。
「逃げる気!?」
「やめたのよ。これからもっと面白くなるのに、今ココで倒しても面白くないわ。お楽しみには最後までとっておくのよ」
真紅の罵声をあざ笑うかのような水銀燈はそのまま鏡の中へと消えていく。
「いいこと、アリスゲームは私が勝つのよ真紅! ……じゃあねエヴァンジェリン」
最後にそう言って水銀燈の声は聞こえなくなった。
「……水銀燈」
その場に残されたのは未だに腰を抜かしている雛苺と最後まで手出ししなかったエヴァンジェリンとチャチャゼロ。
そしてマスターである茶々丸。
黒い羽で一杯になった足元を鬱陶しく思ってか、羽を蹴飛ばして無言で自室に戻ってしまった。
「マスター、あれは……」
「あぁ、水銀燈だ。昔、私が契約していたドールだ」
「ケケケ、面白クナリソウダゼ」
エヴァンジェリンも久々の再会も、あまり浮かない表情をしていた。
つづく
以上で10話終わります。
少し時間が掛かった割にはボリューム不足気味です。
次回からはもう少しペースをあげていきたいと思ってます。
>>418 お疲れ様です。次回以降バトルがありそうな予感がしますね。
引き続き執筆頑張ってください。
さて、魔人先生脳噛ネギま! 最終話ですが、無事明日投下できそうです。
>>419 速ッッ!もう最終回っスか!?もうちょっと続くかと思ったのに・・・・・・
魔人先生脳噛ネギま! 最終話をこれから投下します。
最終話といいながら色々謎の残る終わり方ですが、その理由は後ほど。
最終話 終わる
快晴による強い日差しが、この日学園長室に燦々と降り注いでいた。近右衛門はゆったりと椅子にもたれ掛り、日光を気持ちよさそうに受けている。
テーブルを挟んで向かい側にいるエヴァンジェリンは何とも気に喰わなさそうに近右衛門を睨みつけているが、何か言葉をかけようという様子は無い。
そんな状態が暫く続いた後、学園長室にノックの音が響く。そして、近右衛門の反応を待たずしてドアが開いてネウロとネギと弥子の三人が入ってきた。
三人が三人とも、何かしらの成果を得たのか満足げな面持ちを浮かべている。取り分けネギに至っては、口元が大いに緩んでいた。
エヴァンジェリンがその事を指摘すると、ネギは慌てて口を塞ぐ。
「では聞こうかの。今回の事件の犯人を」
近右衛門はそんな彼らを一瞥すると、一呼吸置いてからこう切り出した。
「犯人はあの小娘についた魔力、正確に言えば自我を持った魔力を伴う存在ということになるな」
それに対してネウロが応える。しかし、その内容が今一ピンとこないらしく、近右衛門は首をかしげてしまった。
「催眠魔法、とでも言いたいのか」
「似ているな。だが、決して同じという訳ではないぞエヴァンジェリン。
たかが催眠魔法如きが攻撃を仕掛ける事が出来るわけが無いからな。何より、他人の能力を奪う事など、な」
「ふん、結局分からずじまいと言う事か」
「そう言うな。あの魔力は我輩と小僧とで完全に消滅させたのだから」
悪態つくエヴァンジェリンをからかうようにネウロは鼻で笑う。
あの時、夏美についた魔力、即ち黒いもやに対しネウロは深海の蒸発、ネギは雪の暴風を使用した事で徹底的に破壊した。
結果として黒いもやは跡形も無くこの世界から消滅してしまった為に、このもやの正体を知りうる手段をなくした事になっていた。
だが、それは止むを得ない事であったのだ。魔力が夏美から離れた時、内心ネウロもネギも驚いていた。
謎を介して夏美を支配していた魔力が、その夏美から離れたにもかかわらず一個の個体として行動できていたという事は、それ自身の持つ魔力の大きさを示している。
加えて、他者の能力をそのままそっくり奪う事が可能という事。そして、魔力自身は如何なる形にでも変容できるという事。
「あの魔力は生半可な攻撃では逆にその攻撃を吸収してしまう。だから、最高位の魔法で一気に叩かなくちゃならなかったんです」
これらから導き出される答えの数は少ない。その内の一つを、ネギは呟くように言う。
無論、あの正体不明の魔力をそう簡単に破壊する事が難しいというのは、近右衛門も、エヴァンジェリンも分かっていた。
だからこそ、この結末をどうしても惜しんでしまう。
「何れ、また同じようなものが発生する可能性もあるということかの」
「そういっても良いだろう。最も、あれほどのものが自然に生まれる道理も無いがな」
この含みのある言葉に、近右衛門とエヴァンジェリンは顔をしかめる。
「……ところで、村上夏美の様子はどうなんだ」
唐突に。エヴァンジェリンは今回最悪の被害者である夏美の容態について尋ねた。ネウロは押し黙り、身を引くような態度を表す。
代わって、ネギがその事を話し始めた。
「夏美さんの意識は、この事件の間ずっと魔力によって支配され続けていたらしくて、多分、記憶も殆ど無いと思います。
マジックキャンセル等の能力も、持ち主のところに戻っていました。今の夏美さんは、これまでと変わらない、何時も通りの夏美さんです。
ただ、二週間近くもの記憶が全く無いのは幾らなんでもおかしいですから、ある程度の記憶を刷り込ませておきましたが。あ、勿論今後の生活に影響が出ない程度に、ですよ」
「そう、か。それは良かった……」
思わず近右衛門は安堵の表情を浮かべる。この麻帆良学園には魔法使いが大勢居て、彼らが学園生活を円滑に進める為の基盤となっている。
だが、一連の事件の被害者達と違い、夏美本人は魔法使いではない。極一般人だ。魔法の存在を秘密裏にしておきたい彼らにとっては、良い得て妙であるが完全に支配されていて助かった、という訳だ。
「さて、我輩の用はこれで全部済んだ。ここに長居する理由も無い。弥子、行くぞ」
「……もう、行くのですか」
「そうだ。我輩は謎を喰いに来ただけだ。それに、事務所にまた仕事の依頼が来ているかもしれないのでな」
何処か寂しげな横顔を見せるネギを他所にネウロは至極当然といった様子で喋ると、弥子の頭を鷲づかみにして早々に学園長室から出て行ってしまった。
ネギも、エヴァンジェリンも、近右衛門もこれ以上引き止める事は出来ない。ただ、黙って彼らを見送るのみであった。
「ねえネウロ。夏美ちゃんを支配していたっていう魔力って、もしかしてネウロの言う謎に似ているんじゃないの」
「ほう。中々冴えた考えだな」
学園長室で何も喋らなかった弥子が不意に口を開いたのは、正門へと続く道を歩いている途中であった。
興味深そうにネウロは暫し弥子の表情を覗いた後、満足したように薄ら笑いを浮かべる。
「確かに。あの魔力には様々な感情が入り乱れていた」
「感情……」
「恨み、辛み、絶望、悲壮。兎に角様々な負の感情だ。人を狂気に走らせるのに十分の、な」
「それって、人を犯罪に至らせる謎のエネルギーって事に……」
「その通りだ。だが、限りなく近いとは言え、やはり謎とは違う。だが、似ているからこそあの小娘の中にあった微弱な謎と共鳴しあったのだろう。そして、突然変異を起こした」
「負が、互いに引き寄せられたっていうのね」
「そうだ」
強気に頷くネウロの側で、再び弥子は黙って思案にふける。
今回の事件の直接的原因である演劇の主役を外された、というのも、後で詳しく聞けば本人も同意の上だった。
犯罪の源となる謎が彼女自身の中にあったとしても、これではどうにもつじつまが合わない。何かもっと、外部からの影響が無ければおかしいのだ。
少しだけ、ネウロの歩みが速くなった。弥子は慌てて歩調を合わせて再び彼の横を歩く。
また、事務所に戻ったら彼好みの謎が漂っているのだろう。この学園で起こった事また分からない事だらけで、弥子は事件の全貌を半分も理解できず、知恵熱を出しそうであった。
以上です。およそ一ヶ月ぐらいの執筆でしたが、最後まで読んでくださった方に感謝します。
これからは、あとがきという事で。
まず、この物語は一つの謎を解決する=一つの作品として完結させる
というコンセプトで書いていました。長くなりすぎると、モチベーションが下がりかねませんし、何よりいきなり長すぎるものを書くと
話自体が複雑になりすぎる恐れがあったからです。
さて、最後の終わり方が謎だらけでしたが、その理由として、好評であったら別の作品とのコラボ物を続きとして書きたいと考えていました。
ただ、書くにしても少々間をおかなくてはなりませんが。
ですので、このコラボの感想を最後にいただきたいと思います。
何れ、またSSを書く時があれば顔を出しますのでよろしくお願いします。
保守
最終回だったってのに過疎すぎ……
>>ネウロ作者
遅くなったが乙!続きも是非書いてもらいたい。
それと提案だが投稿サイトか個人サイトで書いたほうがいいと思う。ここの過疎っぷりは正直スレの寿命だと思う。
GJもなければ指摘もない。もっと沢山の人に見てもらってレベルアップしてもらいたいんだ。
てかそれは作者次第だよな。勝手な意見すまん
Phase 11 「くんくん決戦」
この日は学園が休みのため、夕映はいつもよりも遅めに起床した。
「おはようございますマスター」
目覚めるといつも蒼星石が挨拶をしてくれた。
こちらも寝癖が付いた髪の毛を直しながら応える。
「今日は僕たちに構わずのんびりと羽を伸ばしてください」
いろんなことがあってゆっくりとできる時間が夕映には足りなかった。
たまの休みくらいマスターにはのんびりとさせてあげたかった。
「どうもです、では少し出かけてくるです」
夕映は軽く朝食を済ませると、のどかやハルナと一緒に図書館へと向かった。
いつも一人で留守番ではあるが、窓越しに友と仲良く話しながら歩くマスターを見つめてほのぼのする。
午前は夕映の置いてあった本を読んで軽く時間を潰す。
夕映はいつも(図書館から)本を大量に持ってくるため、次々に読んでも終わりが来ない。
じっくり読んでいくタイプの蒼星石には飽きの来ない充実した時間だ。
昼前になると徐々にお腹が減ってくる。こういう場合はいつもの手段に出ることにした。
「お邪魔します」
蒼星石は鏡を使ってエヴァの別荘へと向かった。
基本的にエヴァは麻帆良から動くことができないため別荘にいることがほとんどだ。
案の定、エヴァは昼だと言うのにまだベッドの中から出てこようとはしない。
いつまでもベッドの中でもぞもぞと出てこないエヴァはスルーして真紅の元へと向かう。
すると丁度良く、真紅のマスターである茶々丸が昼食を作って出している途中だった。
「あら今日も来たのね、ゆっくりしていきなさい」
「蒼星石も来たのー」
雛苺も喜んでいるのでゆっくりと椅子に腰掛けた。
真紅の横ではチャチャゼロが相変わらず不気味な笑顔のままでこちらを見ているが知らないフリをした。
昼食を済ませると今度は雛苺と遊びながら時間を潰す。
雛苺のお絵かきや真紅の雑談に付き合い、ある程度過ごすと三体のドールたちは一斉にリビングへと移動した。
そしてソファーに横一列に並びながら真紅が時間に合わせてテレビのリモコンを押す。
『やぁ、ボクくんくん』
いつもの『探偵くんくん』の時間である。
ただのテレビ番組だが、ドールたちにとって一番の楽しみの時間になっていた。
「がんばるのーくんくんー」
「大丈夫よ、くんくんはこんなことでは負けないわ」
「頑張れ、くんくん」
三体のドールは釘付けになってテレビのくんくんを見ていた。
それを遠目で見ている茶々丸。あまり見せたことのない微笑ましい表情で食器を片付けていた。
するとようやくエヴァが頭を掻きながら起床してきた。
「人形が人形劇を見てるとはな」
嘲笑して茶々丸の差し出された食事をかきこむエヴァは、書斎で魔法の調べ物をした。
「あー面白かった」
今日もくんくんの推理のキレは抜群で、あっと驚かされるどんでん返しな内容に満足の様子だった。
するといつもは次回予告のテロップに入るはずが、別の内容に指し換わっていた。
『ボクの等身大の人形が好評につき、抽選で10名様にこのくんくん人形をプレゼント』
テレビの案内に真紅たちは目を丸くして驚いた。
等身大のくんくんが手に入るとなれば、これほどの幸せはない。
三体のドールは一斉に走り出し、はがきを手に書き始めた。
「茶々丸、住所とあて先は記憶してるわよね」
「はい、まず住所は……」
茶々丸の暗記機能に感謝しつつ、大急ぎで手紙を書き上げる真紅だった。
蒼星石や雛苺も負けじとはがきに精一杯の思いをつづって書いている。
「ははは、人形一体に必死だな」
エヴァの笑いなど全く耳に入っていない。
はがきを書き終えると三体のドールは一目散にポストに走っていった。
後日、抽選発表の日。
「わくわく、くんくん来て欲しいのー」
「私に当たるわ」
「いや、僕だよ」
本編にも関心を向けつつ、早く抽選発表が知りたい真紅たちはそわそわして落ち着かない。
しかし、そのわくわく感も放送が終わるとその空気は完全にしぼんでいた。
折角思いをつづったはがきも空しく、抽選には三体のドールとも全滅であった。
「……そんな、私の気持ちが伝わらなかったなんて」
「残念なのー」
「うぅぅ…駄目だったか」
完全にしょぼくれる真紅たちの下へ茶々丸が歩み寄る。
「みなさん、これ」
すると茶々丸の手にあるのはくんくんの人形がついていたキーホルダーだった。
「茶々丸! それどこで……」
「抽選には続きがあって、あの後先着50名にこのくんくんキーホルダーも記録されていました。
10名の抽選では確率が低そうなので、後で私がキーホルダー希望を送りました」
茶々丸がロボットであり、内容を細かく記録できる機能が役にたった。
「えらいわ茶々丸! 流石私のミーディアム」
「いえ……それほどでも」
照れる茶々丸の後ろでエヴァが腕を組んで現れる。
「しかしキーホルダーは一つだ。誰が貰うんだ?」
「「「!?」」」
一瞬で真紅、雛苺、蒼星石の間になんとも言いがたい複雑な空気が流れる。
奪うべきか茶々丸に媚売って貰うか、どっちにしろ手に入れられるのは一つのみだ。
「私のミーディアムなのだから私が貰う権利があるわね」
真紅が率先して茶々丸に手を伸ばす。
「駄目なのー。ヒナも貰うのー」
雛苺が真紅に飛びついてゆく手を阻む。
「何を言っているの! あなたは私の下僕よ。下僕のあなたに渡すとでも!?」
「でも貰うのー。くんくんはいくら真紅でも譲れないのー」
雛苺は足にがっちりと離れないのを見て、ちゃっかりといただこうとする蒼星石。
「蒼星石! あなたはこの家では部外者のはずよ、そんなあなたが貰っていいの!」
真紅の怒号も蒼星石は冷静だ。
「茶々丸は『みなさん』と言ったじゃないか、だから僕にも貰う権利はあるよね」
雛苺も蒼星石も全く譲る気がない。
キーホルダー一つに凄まじい討論をしだすドール。
その光景を見て呆れ果てるエヴァだった。
終
内容的にはギャグパートです。そしてその中心には大体の確率でくんくんが(ry
ドラマCDとかの7体ドール入り乱れの内容とかは微笑ましかったです。
>>426 お疲れ様でした。
内容的にはよかったので人を2、3人増やしてもう少し伸ばして欲しかったですね。
個人的な意見ですがまた新しいコラボをお待ちしてます。
>>426 ちょwwww謎残りすぎっスよwwwwwwwとりあえずお疲れ様です、
出るかどうかは分かりませんが次回策に期待して待っております。
>>433 GJ、次も楽しみに待っていますよ
あと、METAL GEAR YUNAですが、今週中には投下出来ると思います
保守
投下が遅れてすみません。薔薇乙女ネギま12話は明日にようやく投下します。
Phase 12 「雛苺の大冒険」
「うー!」
「何を文句を言っているの雛苺! あなたがこのラインを超えたからでしょう!」
「うーうー!」
朝から真紅と雛苺は朝から境界線の立ち位置を巡って喧嘩をしていた。
流石に見かねた茶々丸が割ってはいる。
「真紅さん。それ以上取っては雛苺さんのスペースがなくなってしまいます」
「何を言うの! 下僕のくせに偉そうに言わないで頂戴!」
真紅に一喝されて仕方なく引き下がる茶々丸はどこかへとまた出かけてしまう。
一方の雛苺も真紅の態度にふてくされてしまい、鏡を使って別の所へと移動してしまうのであった。
「……それで僕の所へ来たの?」
仕方なく雛苺は蒼星石のいる夕映の部屋へと向かうことになった。
「ここに居てもしかたないんだよなぁ……マスター学校だし」
今日は平日で別荘のエヴァ、茶々丸及び夕映もみな麻帆良学園に通学中で、ドールたちは完全なお留守番。
数少ない知り合いの場所へやってきてもつまらないだけである。
「アキラもいないのー」
「いるわけないよ。みんな学校」
差し出された夕映の買ってきた変なジュース群を見つめる雛苺は膨れっ面だ。
ジュースはとてもじゃないが二体のドールの口には全然合わない。
真紅が居れば少しは暇ではなくなるかもしれないが、雛苺とは喧嘩中でありそれも絶望的。
面白くなくなった雛苺は鏡に向かって入ろうとする。
「ど、どこ行くの?」
「アキラに会いに行くの」
「ちょ、ちょっと待ってよ! 今僕たちが出て行ったら……」
蒼星石の制止を無視して雛苺は鏡の世界へと消えていった。
あの大人数の真ん中に現れたらそれこと大変なことになる。
だからと言って下手な行動を取って自分がその立場になるのも嫌だ。
どうしようか悩んでいると真紅が現れた。
「蒼星石、雛苺を見なかった?」
「アキラはどこなのー」
雛苺は鏡を通じて麻帆良学園女子トイレの鏡から飛び出した。
幸いにも誰もいなかったため、騒ぎにはならなかった。
しかし雛苺はそんなことは知らずにアキラのいる教室へと目指す。
まず初めに入ったのはチアリーディングの部室であった。
「円。私のお菓子食べた!?」
「そんなに知らないよ! 美砂は知らないの」
「知るわけないでしょ!」
チアリーディングの柿崎美砂、釘宮円、椎名桜子は、桜子の持ってきたお菓子が消えたことにより誰が持ち出したのか言い争っていた。
「うにゅー。何を言ってるのか分からないのー」
部室で見つけたお菓子を片手に、次の場所へと向かった雛苺。
その次に入ったのはロボット研究会。
茶々丸が超鈴音と葉加瀬聡美によって改造を施されていた。
「これでよし」
葉加瀬は額に付いた油を拭って準備を整えた。
「これで機動力は当社比1.4倍に上がるネ」
体の機動力を高める改造らしく、超も自信満々であった。
あとはすぐそばにあるボタンを押せば結果が見えてくる。
自信を持って二人は機動スイッチを入れた……が。
「何の反応もありませんよ」
それどころか茶々丸は無反応になり、完全に機能停止に陥った。
葉加瀬はパソコンの画面をもう一度睨らむ、するとケーブルが外れていたり外部のエネルギータンクに不純物が混じっていたりした。
「な、何が起きたネー」
頭を抱えて悩みだす超と葉加瀬。それを見ていた雛苺はその場から立ち去った。
真実は雛苺が裏側を歩いているとケーブルに躓きジョイントが外れ、その拍子で持っていたお菓子が外部のエネルギータンクに入ったのが原因。
システム起動中にケーブルが外れたため、茶々丸のシステムはエラーを起こして機能停止になってしまったのだった。
原因究明で慌てふためく二人は茶々丸再起動まで徹夜をすることとなってしまった。
「うー、アキラどこー」
徐々に疲れが見えてきた雛苺。次に入ったのは新聞部の部室。
なにやら大量の原稿が置いてあった。しかし雛苺からしてみればいつものらくがき用の紙。
気分転換にくんくんの絵や真紅たちの絵を描いて別の場所に行った。
「さーて、編集へんしゅ……何これーーーーーーーー!!」
部室から、朝倉和美の悲鳴が聞こえたことも知らずに……。
移動にも疲れた雛苺がたどり着いたのは体育館。
明石裕奈のバスケット部や佐々木まき絵の新体操を見つめていた。
裕奈やまき絵はアキラと一緒に居ることがあるため、ついていけばアキラに会えると思ったからだ。
だが二人は足の遅い雛苺を簡単に引き離してしまうため、雛苺は完全に孤立してしまう。
「うぅーーー。アキラー」
半べそをかきながらグラウンドを歩く雛苺の目の前に、何人もの大群に追われてしまう。
陸上部の団体練習で先頭を走っている春日美空は小さな人形が走っていることに面白みを持った。
「何かなー。また超たちの作った変な発明かな?」
面白半分で追っていると、泣き声をあげて逃げ惑う。
雛苺からしてみれば、地響きを立てて襲い掛かる集団に見えたのだった。
「あーんアキラーーーーー、あうっ!」
拍子にヘッドスライディングのように転んで泥だらけになってしまった。
そしてそのまま雛苺は気を失ってしまった。
「居たわ! 夕映急いで」
「マスター、あそこです!」
「分かってるです!」
雛苺を追ってきた真紅と蒼星石は慌てて夕映に相談。
グラウンドで倒れている雛苺を発見して大急ぎでその場に駆け寄る。
完全に気を失っているため、今のうちに回収しておく夕映。
「ねーねー夕映吉君。また魔法がらみ?」
雛苺を抱きかかえる夕映にこっそりと耳打ちする美空。
「そうです。だからこのことは内密にしてほしいです」
互いに魔法を知っているため、半ば強引に美空に言ってその場から立ち去った。
「ごめんです。大騒ぎになるまえに何とか見つけることはできたですが…」
「いいよ。雛苺も寂しかったんだと思うよ」
帰り道、夕映は元マスターのアキラに雛苺のことを伝えた。
あの後雛苺は真紅と蒼星石に連れられ別荘に戻った。
そして散々迷惑をかけたことで真紅からきつくお灸をすえられることになってしまった。
「この大福はなんですか?」
「雛苺の好物だよ。帰ったらこれ渡さないとね」
ローゼンメイデンとはいえ物は食べる、皆の喜ぶ顔が見たいからだ。
争わなくてはならないはずの宿命を持ちながらこんな慌てふためく生活。
何だかどっちが大変なのか分からなくなってきた夕映。
「今は……このままの時間が過ぎればいいよね」
「はいです……」
電車で帰る二人はそんなことを会話しながら帰路についた。
つづく
以上で12話終わります。
ギャグパートの方が本編よりもノリノリの気がw
次回はさらに新たなドールが参戦します。
乙
ローゼンあんま知らないがこの作品は楽しく読める
GJです。
ほのぼのしていて良いですね。楽しく拝見しました。
新たなドールとなると……そのマスターは……色々気になってしまいます。
ところで以前書いていたネウロの続き物として、今は二つのコラボものを考えて居ますがどうでしょうか。
別サイトに載せたほうが良いという意見もありましたが色々あり、もう少しお付き合いできたらと。
その二つですが、
一つは天才柳沢教授の生活(モーニングKC・漫画)で至って平和な感じに
もう一つは地獄少女(アニメ・漫画)でこちらは逆にシリアスというか心理戦が主です。
以前のネウロとの繋がりは地獄少女との方が大きいですが、どちらがよろしいでしょうか。ご意見頂けたら。
>>443 すみません。名前を外すのをすっかり忘れていました。恥ずかしすぎます……
地獄少女キタコレ!
地獄少女だろ、常考・・・
好きっつーのもあるが、あの人死にまくりとどう絡めるか興味あり
前者は元ネタ知らないので地獄少女で
骨女は保険医として勤務かな?かな?
地獄少女つーか閻魔あいをヨロシク
449 :
444:2007/07/13(金) 11:58:49 ID:???
では地獄少女とネギまのコラボでいきたいと思います。
投下までどうか楽しみにして待っていてください。
基本救いが皆無な地獄少女とネギまとはまた水と油なクロスをww
楽しみにしてますぜ
Phase 13 「自称頭脳派ドール」
この所、誰かに監視されている感じがしてたまらない。
蒼星石はそんな気分で落ち着きがなかった。
遊びに来た真紅はそんなことには気にも留めていない様子で、雛苺に至っては気付いていないみたいだ。
そして台所で楽しみにしている花丸ハンバーグを製作中の木乃香は何も事情を知らない。
「やっぱり落ち着かないですか?」
夕映も蒼星石の様子に心配みたいだ。
「はい、やはり誰かに見られている感覚ですね」
「真紅が前に出会った水銀燈ではないですか?」
夕映は真紅がいるエヴァの別荘で最近出会ったドールの話をした。
ローゼンメイデンの第1ドール水銀燈。あのドールのことではと話したが蒼星石は首を振る。
「違いますね。水銀燈とは違う感覚だから……たぶん別のドールが目覚めたと思う」
深刻そうな顔で俯く蒼星石。また戦わなくてはならない相手になってしまう。
しばらく戦いのないほのぼのとした生活が続いたせいか、いきなり厳しい現実を見せ付けられてしまった。
どこまで行っても最後には戦わなくてはならない。後は残りのドールが目覚めるのを待つだけだった。
「それにしても、次は誰が目覚めたのかしらね」
真紅が二人のやり取りを聞いていたのか、さりげなく投げかけた。
厳しい現実とはいえ、さらに新しいドールと出会えるのは少しだけ気になる夕映。
「えーと、真紅が第5、雛苺が第6、蒼星石が第4、水銀燈が第1ドールとくれば……第2と第3と第7ドールですね」
「第7ドールは私たち全員が目覚めないと出会えないと聞いているから、少なくても第2と第3のどちらかね」
真紅は紅茶を飲みながら呟いた。
そんな中で第3という言葉を聞いて、少しだけ辛そうな顔になる蒼星石。
ドールたちが夕映の部屋でやり取りを交わすその様子を、遠くから双眼鏡で見つめる姿があった。
隣の屋根の上から、黄色と白で色取られた服を着たそのドールは不気味に笑っていた。
「うふふふふふふやったかしらピチカート。43回目の失敗を得てようやく潜伏先を見つけたかしらー」
左右に分けられた髪の毛とハート型の飾りと縦ロール。
彼女もまた新たなローゼンメイデン。
「あのドールたちのローザミスティカは、ローゼンメイデン一の頭脳派の金糸雀が楽してズルしていただきかしら〜♪」
誰もいない他人の家の屋根の上でにこりと笑って眺めている、ローゼンメイデン第2ドール金糸雀。
しかし立ち上がった途端、下り坂状態の屋根に足を取られて落下してしまう。
「あれえええええええええええええええええぇぇぇぇーーーーーー……」
金糸雀はそのまま下の茂みに派手な音と共に落下してしまう。
「何の音です!?」
下の窓から聞こえた大きな落下音。窓越しからも大きく聞こえたため夕映たちは急いで外を見た。
「……あれは」
真紅たちが空中を舞い、下の茂みへと降り立つ。
茂みの中では金糸雀が派手に体を打ち付けて目を回してのびていた。
気絶していた金糸雀であったが、真紅たちが迅速に部屋へと運んでくれたため誰にも見つかることはなかった。
軽く頬を二、三度叩いて反応を伺うと、ようやく目を覚ました。
「うぅ〜〜ん」
「ようやく目覚めたわね」
真紅の声に反応すると金糸雀は勢いよく飛び上がり部屋の端に逃げ込む。
「ふ、ふふーん。わざわざローザミスティカを渡しに来るなんていい度胸かしらー」
金糸雀の強気な発言とは裏腹に、腰は引けていた。
さらに声は震え気味になっているため、明らかに怯えが入っていることは明白だった。
「声が震えてるよ」
「う、うるさいかしらー!!」
すると後ろから木乃香が金糸雀を持ち上げる。
すると後ろから木乃香が金糸雀を持ち上げる。
いきなりの不意打ちに慌てふためく金糸雀は大暴れを起こした。
「何をするかしらー! 卑怯かしらーーー!!」
じたばたと手足を動かして必死に逃げようとするが、逆に木乃香は金糸雀を抱きしめる。
「かわええなー。名前は何なん〜」
可愛いものには目がない木乃香は楽しそうに金糸雀を抱きしめる。
勢いのあまり頬擦りまでしてしまう始末だ。
「あぅーーーーーーっ! ほっぺがまさちゅーせっちゅかしらーーーーー」
ようやく自由の身になったときには、金糸雀の片頬は赤く腫れてしまっていた。
「あれが新しいドールですか」
夕映も新しいドールには興味を持っていた。
それと同時に蒼星石が感じ取っていた尾行されている感覚の正体もつかめた。
「彼女はローゼンメイデンの第2ドールで、名前は……えーと」
「たしか……かな……なんだったかしらね?」
真紅も蒼星石も名前を思い出そうとしたが、なかなか出てこない。
「ひ、酷すぎるかしらぁー!」
同じローゼンメイデンでありながら名前を覚えてもらっていない空しさ。
金糸雀は率直に嘆き悲しんだ。そこへ雛苺が割り込んでくる。
「真紅も蒼星石も酷いのー。だよね金糸雀」
その場で彼女の名前を覚えていたのは雛苺だけだった。
「うぅぅ〜〜〜。ありがとぉ〜雛苺ぉ〜」
両目からギャグ漫画でありがちな、滝場の涙を流して雛苺に抱きつく金糸雀。
だがすぐに雛苺を離して一歩間を取る。
「私が来たからにはあなたたちのローザミスティカはこの金糸雀がいただきかしらー」
しかしその発言も何故か白けているのは気のせいだろうか…。
「きょ、今日のところは挨拶程度にすませるけど。次からはそうはいかないかしら!」
金糸雀はそう捨て台詞を吐いて鏡の中へと消えていった。
その様子に蒼星石らはきょとんと見つめるだけだった。
「金糸雀……何もしないで帰っちゃったね」
「まぁいいわ。木乃香、花丸ハンバーグはできたかしら?」
「わーい。金糸雀に出会えたのー。次に会ったら一緒に遊ぶのー」
相手によって金糸雀の態度が全然違うどころか扱い方も大幅に差が出ている。
その有様に夕映は若干呆れ気味だった。
「なんとも不遇なドールなんでしょう……」
「ふえーーーん。ひどいかしらー、名前を忘れるなんてぇー」
別の屋根の上で一人めそめそと涙に暮れる金糸雀。
そんな金糸雀を精霊のピチカートが周りを飛んで慰める。
「うぅー。ありがとピチカート、次こそは負けないかしらー!」
ものの数秒で立ち直り、決意を新たに立ち上がる金糸雀。
「あぁーーーーーーれぇーーーーーーーーーー」
そして、同じように足を滑らせ屋根から転落するお約束……。
つづく
以上で13話終了です。
金糸雀と雛苺はキャラが微妙に被るので、区別化のために微妙に金糸雀のキャラをいじると思います。
>>455 お疲れ様です。あまりの天然っぷりに笑い転げてしまいました。
次回も楽しみにしています。是非頑張ってください。
ところで地獄少女とのコラボですが、予告編が取り合えず完成しました。
本編はもう少々時間がかかりますので、その間の暇つぶしに役立てば幸いです。
魔法先生ネギま!×地獄少女
「地獄少女 ネギ籠り 〜偽りの仮面〜」 予告編
タカミチが、失踪した。
それと時を同じくして、麻帆良学園にて憎悪の連鎖が始まる。
例えば、椎名桜子は親友から裏切られる事に恐怖する。
「嘘! そんなの絶対に信じない!」
例えば、桜咲刹那は自分の大切な人がいなくなる事に恐怖する。
「お嬢様を守れるのは……私だけ、私だけだ」
例えば、和泉亜子は周囲の人々の姿に恐怖する。
「嫌やぁ……もう皆、やめて……」
一抹の不安は恐怖となるのに十分で、恐怖は恨みを呼ぶのに十分で、恨みは更なる恨みを呼ぶのに十分なもの。
そして、その裏で実しやかに噂される「地獄通信」というサイトの名前。
「ねえ地獄通信て知っている? 怨んでいる人の名前を書き込むと、その人を地獄に流してくれるんだって」
「書き込んじゃいなよ。怨んでいるんだろう? あいつの事」
ネギは彼女達を「闇」から救う事が出来るのか。そして、タカミチが失踪した理由とは。
「……後は、貴方が決める事よ」
俺の弟が二籠りをふたなりと誤読してな
カナの持ち主は誰だろ?
ちうちゃん?ww
リクエストしといてなんだけど、怖ぇw
俺も何か書きたいが、何とコラボするか検討もついてねぇorz
何かいいのない?
清杉とかどうよ?
463 :
マロン名無しさん:2007/07/16(月) 22:36:22 ID:zXlHxBt5
瀬戸の花嫁でどうよ
明乃X刹那とか
しばらく「もうずっと人大杉」ってのになってこれませんでしたが
ようやく続きを投下する事が出来ます。
Episode 3「潜入」
Part 1
ここは普通の住宅地、夜なので辺りは暗くなっていて、水銀灯の小さな明かりだけが道を照らす、周りの家にも明かりは付いていなかった。
その暗闇の中を、足音も無く小走りて駆け抜けて抜く影があった、黒いスーツと着て、黒いマスクを被っていた。
身長からして歳は10歳くらいだろうか、単独では無く、大人と思われる高身長の人間2人と、この中では中位の身長の人間3人、全員で6人居た。
「付きました、ここのはずです」
先頭に居た10歳ほどの人間が立ち止まって言った、後から続いていた4人も立ち止まる。
「ここですか」
中位の身長の人間が聞いた
「はい、間違ってないはずです、でも本当にここなんでしょうか?」
10歳ほどの人間が質問に答えてすぐ他の5人に質問をした。
「私も最初は驚いたけどここのはずだよ、ソリッドからの連絡もあったし」
さっきとは別の中位の身長の人間が言った他の二人よりも胸が大きい。
「ではさっそく潜入するでござるか」
高身長の人間が言った、他の5人はうなずいて、歩き出した。
向かった先は学校だった、どこにでもありそうな極普通の学校、校門には『桃月学園』と書いてあった。
学校の窓は何故か開いていたので簡単に入る事が出来た、学校内に潜入するとすぐにマスクを取った。
6人の人間はネギと龍宮と刹那と古菲と楓と裕奈だった。
「では男子トイレへ向かいましょう、確か廊下を右に真っ直ぐ進むんでしたよね」
「たしかそのはずです」
ネギと刹那がそう会話する、そして全員男子トイレへと歩き出した。
Episode 3「潜入」
Part 2
なぜこの6人が他校に居るのには訳があった。
今から数時間前、麻帆良学園3-Aの教室にネギと生徒達は集まっていた、高畑もいる。
「レギオンの基地を発見した、場所はここ、『桃月学園』と言う学校だ」
高畑がサポート役の5人とネギに向かってそう言った。
「え?学校?」
ネギが疑問を浮かべた、どうしてそんな所に基地があるのかが分からなかったのだ。
「そうだ、ある謎の人物からのメールが着てね、レギオンの基地は『PEACH MOON』にあると書いてあったんだ」
高畑がそう言った。
「それで桃月学園?あってるのそれ?」
裕奈が高畑に聞いた、高畑は少し頷いてから
「ああ、間違いない、ソリッド・スネークにも同じメールが届いていたみたいで、すでに潜入しているそうだ」
そう質問に答えた。
「どうやらその学校の地下に基地があるらしい、生徒と一部を除いた教師達はその事を知らないようだ」
と高畑
「なるほど、で、どうすれば地下に潜入出来るの?」
と裕奈が高畑に聞いた。
「ああ、学校の一階にある男子トイレに入口があるらしい、作戦開始時間はよりの1時だ、学校は警備員以外は誰も居ないはずだからそこまで難しくは無いはずだよ」
と高畑が言った
そして今に至る訳だ。
ネギ達は廊下を歩いていく、警備員の姿は無い。
「これなら大丈夫みたいですね」
ネギがそう言って全員がうなずく、男子トイレのすぐ近くまで来た時、向こうに二人の人影が見えた。
「!?誰か来ました!」
ネギが向こうの二人に聞こえないように叫んだ、ネギが胸のボタンを押した、するとネギのスーツがまるでカメレオンのように周りの風景に溶け込んだ。
他の5人も同じように胸のボタンを押して、周りの風景に溶け込んだ。
Episode 3「潜入」
Part 3
「姫子、お前はここで待ってろ」
長髪の11歳ほどの少女が制服を着ている高校生であろう髪の短い少女に言った、髪は金色で、ブルーの瞳を持っている。
「分かったよベッキー、お姉さんが待っててあげるから安心してトイレ済ませてね」
姫子と呼ばれた少女は11歳ほどの少女にそう言った
「馬鹿にするな!先生だぞ!」
ベッキーと呼ばれた少女が叫んだ、彼女ベッキーはこの高校の教師なのだ、そして姫子は生徒の一人、二人共ネギ達に気付いていなかった。
「分かったよ、じゃあここで待ってるね」
「ああ、動くんじゃないぞ!呼んだら来いよ?」
「分かったー」
姫子の返事を聞くと、ベッキーは女子トイレへと消えて行った。
「どうします?終わるまで待ちますか?」
「いや、このままホフクで行けばバレずに行ける」
裕奈はそう言うとホフクの状態で進み始めた。他の5人がそれに続く。
全員見つからずに男子トイレに入る事が出来た。
「さて、入り口ってどこだっけ?」
裕奈が小声で5人に聞いた。
「たしかこのタイルが外れるって話ですけど」
ネギがそれに答える。
「ここアルか?」
クーフェイはそう言いながら目の前に床のタイルを外した。
タイルの下は階段になっていた。
「中に入ってみましょう」
ネギはそう言うと階段を降りていった、後から5人が続いていく。
最後尾のクーフェイが自分が降りる時にタイルを階段の上に乗っけた
はい、METAL GEAR YUNAようやく投下できました。
今週中とか言ってたのに何週間も遅れましたけどね、ちょっと焦って一回目の投下の時名前をSSのタイトルにするの忘れましたよ。
俺はまだこのスレに存在しているのでこれからもよろしくおねがいします
追伸
「もうずっと人大杉」は言い訳とかではありませんよ?
ベルセルク
ディノクライシス
バイオハザード
ソラニン
グランドセフトオート
戦神
ARMS
家にあるのでネギまと合わせられそうなのはこれくらいなんだが、どれがいい?
>>469 ARMS!話もシリアスな感じでwwwはっ!待てよ?ネギ達って役に立つのか?
>>469 まぁ、それはいいとして
>グランドセフトオート
これは…(;゚д゚)
472 :
469:2007/07/18(水) 01:22:47 ID:???
あと、
ソウルキャリバー
SIREN
エイリアンvsプレデター
ドラゴンヘッド
ユーベルブラッド
ジャスティス学園
も、素案が思い付いた
>>472 個人的にSIRENかエイリアンVSプレデターが気になりますね。後、グランドセフトオートも。
ところで地獄少女とのコラボものですが、来週あたりから投下開始できそうです。
楽しみにしていてください。
オリ主
↓
クロスもの
↓
嘘予告
↓
「誰でも小説を書ける」と厨が勘違い
↓
ネギ魔界
だっけ?
Phase 14 「自称頭脳派ドールの逆襲」
麻帆良のスーパーマーケットで買い物をする木乃香と刹那。
大量に買い込む木乃香を見て刹那は尋ねた。
「お嬢様、誰か来るのですか?」
「来るって言うより、待ってるんやな」
ハンバーグの材料を籠に入れながら木乃香は話した。
「待っている? これだけの数ですと3、4人はいるはずですよ」
刹那はさらに尋ねた。木乃香は言っていいのか迷うが、長年の付き合いの刹那を信じようと思った。
「せっちゃんが秘密を守ってくれるっていうなら、教えてもええよ」
この所物騒なせいか、刹那といつもいることが多い。
これ以上秘密を守りきれるのが難しいと判断した木乃香は、刹那に秘密厳守を条件に教えることにした。
「……それでは、その人形たちが綾瀬さんの所へ」
「そうやな、何か大変そうやけどウチらは見守ることしか出来へんからな」
見守る側にもそれなりの辛さはある、何も手助けできないもどかしさ。
何も出来ない立場にはそれなりの苦しみもあった。
「もう一度言うけど、絶対に周りに漏らしたらあかんえ」
「ご安心下さい。この桜咲刹那、お嬢様の気持ちを裏切るような真似はいたしません」
木乃香を心配させまいと、凛々しい顔で言った刹那はとても頼もしかった。
とりあえず一安心した木乃香は最後の品物の卵を取りに向かった。
「あった、あと一つや間におうた。チラシに2円セールの卵、一人一個だけやったから」
喜んで卵パックに手を差し伸べようとした途端、別の人と手が触れた。
「あ……」
「げっ!」
現れたのは同じクラスにいた長谷川千雨であった。
木乃香とは量は少なめだが、同じように食料を買い込んでいた。
「千雨ちゃんも料理するん?」
「あー、あー……、そうだ。ちょっと知り合いが来るんだ、じゃあな」
慌てふためき言い放つと、千雨は籠を振り子のように振りながら去ってしまった。
その場に取り残されるようにして立ち尽くす木乃香と刹那は、千雨の走り去る後姿を見つめるだけであった。
「何だったんでしょうね?」
「うん……。あーっ! 卵取られたー!」
折角のセール品を手に入れ損ねた木乃香は、トホホと言わん張りにうな垂れてしまう。
そして仕方なく、通常品を買うことになったのであった。
一方、蒼星石のいる夕映の部屋でいつものように遊びにきて来た真紅と雛苺。
その中に喧嘩を売るようにして、金糸雀がまたしても挑戦状を叩きつけてきた。
「今日こそ、あなたたちのローザミスティカをいただくかしらー!」
意気揚々と乗り込んできた金糸雀はそう言い放つのだが……。
「あらいらっしゃい金糸雀。どう? 一緒にティータイムを楽しまない?」
「金糸雀ー。また来てくれたのー」
相変わらず真紅は戦う意思を全く見せず、雛苺は遊び相手とばかりに喜んだ。
一方の蒼星石は深刻そうな顔で金糸雀を見つめる。
完全に舐められている金糸雀は、自分が本気であることを見せ付けた。
「これを見るかしらー!」
バイオリンケースを取り出してステッキ片手に構える金糸雀。
金糸雀は声を上げてバイオリンを奏でた。
「第1楽章、攻撃のワルツ!」
奏でたバイオリンから美しい音色と共に、大きな空気の塊が次から次へと飛び出してきた。
「うわっ!」
空気の塊に当たった家具が台風にでも吹き飛ばされたかのように、簡単に飛び惑う。
その衝撃はすさまじく、蒼星石の被っていた帽子はいとも簡単に反対側の窓から飛んで言ってしまった。
蒼星石や雛苺はそれを上手くかわすが、真紅は何もせず特に戦いには参加しなかった。
これで勢いに乗ろうとした金糸雀はさらに攻撃を続けた。
「第2楽章、追撃のカノン!」
すると今までの音が数段高くなり、とてもではないが耳を塞がないといられなくなった。
「うわぁーーーーっ!」
「いやー、耳がガンガンするのー」
強烈な音撃に蒼星石も雛苺も動けない。
だがこの状況の中でも、真紅はただ耳を塞ぐだけで何もしない。
「そろそろ決着かしら?」
勝ち誇ったようにバイオリンを立てる金糸雀に、蒼星石が立ち上がった。
「君が……本気なら!」
レンピカを呼び寄せ、庭師の鋏を構える蒼星石。
金糸雀もそれに合わせてバイオリンを構えなおす。するとそこへようやく真紅が近寄ってきた。
「真紅!?」
「ようやく真打ちの登場かしら?」
真紅はこれと言って攻撃をしようという意思が見られない。
ステッキを構えるわけでもなければホーリエも呼び出していない。
「……」
無言で見つめる真紅に、何か企んでいるのではと少なからず動揺する金糸雀。
だがそれも振り切ってさらにバイオリンを奏でる。
「最終楽章、破壊のシンフォニー!」
今度は音色と共に、金糸雀の周りを竜巻が渦巻いた。
竜巻の暴風は、距離を取っているとはいえ真紅や蒼星石も吹き飛ばさんという勢いだ。
なのに真正面から受け止める気なのか、真紅はそこから動こうとしない。
「真紅!」
蒼星石が叫ぶが真紅は動かない。
そっと手をかざすと、そこから赤い薔薇の弁が竜巻の暴風に合わせて飛び上がる。
「薔薇の尾――ローズテイル」
風に合わせて飛んでいた花弁は一つの長い塊となって竜巻の中へと飛び込んでいった。
中にはいくつか金糸雀の側まで飛んでいくが、いずれも当たっていない。
だが暴風の中ではその攻撃もあっという間に外へと飛び出してしまう。
「残念かしら。それじゃあ私には届かないかしら?」
「誰もあなたに当てるとは言っていないわ」
真紅はそう言うと、突如竜巻の勢いが弱まり金糸雀の姿が露になる。
「え? え? えぇ!!」
驚いて回りを見る金糸雀はようやく気付いた。
バイオリンの弦が切れており、残っていたのは僅か1本だった。
薔薇の尾――ローズテイルは金糸雀ではなく、バイオリンの弦を狙っていた。
竜巻の中では攻撃できないのなら、薔薇の尾――ローズテイルでの物量で押すことで形勢逆転に持ち込んだのだ。
「う、うぅぅ」
攻撃する手段を失った金糸雀は怯えて後ずさりをし始めた。
しかしすぐに壁際に追い詰められてしまう。
真紅は怯えている金糸雀の頬を軽く平手打ちした。
「これに懲りたら、もうこんな真似をしないことね。後壊れた家具を元に戻しなさい」
その発言に蒼星石はじっと真紅を見つめた。
「うぅ……」
「早く家具を直しなさい! そろそろ夕映たちが帰ってくるのだわ!」
「今やるかしらー」
慌てて部屋の修復を始める金糸雀。
雛苺も手伝ってくれるらしく、夕映が帰ってくる前に片付いた。
「あれ、金糸雀です」
「おかえり夕映。お邪魔してるわ」
「はぁ〜〜〜〜〜〜。疲れたかしら〜〜〜〜」
何だか様子のおかしいドールたちに聊か疑念を持つ夕映だった。
その後ろからは木乃香と刹那もやってきて花丸ハンバーグを作ってくれるそうだ。
「わーい、花丸ハンバーグなのー」
喜ぶ雛苺やいつもの調子でテレビを見る真紅をまじまじと見つめる刹那。
「すごいですね……本当に生きてるみたいです」
「初めは私もびっくりしたですけど。もう慣れました」
興味津々な刹那といつものように接する夕映。
蒼星石はそんな生活に慣れてしまいそうな自分を考え直していた。
「あれ? 金糸雀ちゃんは?」
木乃香がそういうと、確かに金糸雀の姿が見えなくなっていた。
「帰ったのかしらね」
椅子でそう言う真紅に蒼星石が話しかけた。
「真紅、君はアリスゲームをどうしたいんだ」
「……」
「自分なりっていうのは分かるけど……どう見ても戦うのを拒んでいるようにしか見えないんだ」
そう問い詰める蒼星石だが、真紅は何も応えない。
「真紅!」
「はーい、花丸ハンバーグ出来たで」
「行きましょう蒼星石」
やはり相手にしない。何かあったのか戦いを拒んでしまう。
そんな真紅を蒼星石は何も言えずに立ち尽くす。
「……帽子、後で探しに行こう」
そう呟いたのを最後に、真紅を問い詰めるのを止めた蒼星石であった……。
少し薄暗い寮の一室。
そこには地味な印象の千雨と、ネット界のトップアイドルちうとしての二面性に分かれる部屋であった。
パソコンとネトアの衣装。カメラにセット、どれも本格的に出来ている。
今日もネトアのランキングはぶっちぎりのトップで、笑いが止まらない千雨。
その画面には、『ちうの新しいお友達』と描かれた文字と人形の姿。
一緒に映って楽しそうに笑っている人形は……。
「ちうー。帰ったかしらー」
「おわぁ! 驚かすなよ」
さっきまでいじっていたパソコンの画面から飛び出してきた金糸雀の姿に、千雨は驚いて椅子から転げ落ちた。
「今日は疲れたかしらー」
「どうせまた尻尾を巻いて逃げてきたんだろ」
「違うかしらー、違うかしらー!」
ぽかぽかと千雨の足を叩く金糸雀は必死で否定した。
「ちう、玉子焼き作って欲しいかしら」
すぐに立ち直ると今度は好物の玉子焼きの要求をした。
「分かった分かった。……なんだよこの人形。食い意地だけは一丁前なんだからよ」
ぶつぶつと文句を垂れる千雨はメガネをかけていつもの姿に戻った。
そして木乃香から奪い(?)取った卵を使って玉子焼きを作ることにした。
「ちうー。甘ーい玉子焼きを作って欲しいかしらー」
「分かったから少し黙ってろ。それとこの姿の時は千雨と呼べ!」
「はーい」
呑気に玉子焼きを楽しみに待つ千雨と、成り行きで金糸雀のマスターになってしまった千雨。
ぶつぶつ文句を垂れながらも砂糖入りの玉子焼きを作ってやることに。
「砂糖少ないかしらー、もっと甘くしてもいいかしらー」
「お前な……人形だから大丈夫かもしれないけど、糖尿病になっても知らねぇぞ」
千雨は子供のような金糸雀の世話に呆れてしまっていた。
つづく
以上です、今日は少しボリュームを多めにしてみました。
金糸雀は少し臆病だけど勢いをつけると調子に乗りやすいキャラにしてみました。
あと金糸雀マスターは誰かが言いましたが千雨です。
原作のみっちゃんのポジションに一番近いのは千雨が妥当かと。
決して中の人が(ry
>>473 楽しみにしています。あの鬱展開に持っていく地獄少女をどのようにして
組み合わせるのか楽しみです。
内容的に閻魔あいと宮崎のどかの夢の競演となりますね。
484 :
459:2007/07/20(金) 03:04:18 ID:???
GJ!
やっぱマスターは千雨でしたか!!こちらも夢の共演ですなww
地獄少女とのコラボを製作中のものです。少しお聞きしたい事が。
歴史上において、実在したであろう人物についてコラボ用のオリジナル設定を付け加えた人物というのは、
コラボものの中の登場人物、という扱いになるのでしょうか。それともオリジナルキャラの一人という扱いになるのでしょうか。
もしかしたら今後、このような存在が出るかもしれなくて気になって尋ねた次第です。
いいんじゃね?
ゲームや漫画では良くある事
じゃあARMSかgtaで書いてみる。早く完成したほうから投下してみるぉ
まあ、いつになるかわからんが
>>489 首を長くして楽しみにしています。
さて、地獄少女とのコラボですが、これからプロローブを投下します。
それに先立って幾つか留意事項が。
・それ程細かくはありませんが、前作麻人先生脳噛ネギま! の後の話、という設定です。
・登場人物数人に、幾つかオリジナルの設定がつきます。(原作から外れるほどではありません)
・とある人物について、原作ではまだ触れられていない点に言及するような場面があります。
・最後まで楽しんでいただければ嬉しいです。
では、最後までお付き合いください。
プロローグ in the NighMaRe
少年は闇の中にいた。身動き一つせず、波に流されているかの如く。だが、その目には明確な憎悪が宿っていた。
しかし少年は何もしない。ただじっと、上も下も、右も左も分からない闇の中にいた。
少年はこの闇の中でどれだけの時間をすごしたのか、既に覚えていない。何時も、少年の中では同じ映像が繰り返し流され、それが少年の憎悪を更に深いものとさせていく。
何時しか、それが少年の日課であり、より所となっていた。
「良い目をしている。未だに執着するものを持つ輩の目だ」
そんな日々が続く中、不意に、何者かが少年に声を掛けた。
少年は目を見開いて首を左右に回すが、延々と闇が広がるばかりで声の主が何処に居るのか見当もつかない。
声は少なからず狼狽する少年に更に言葉を続ける。
「どうだ。お前をここから出してやる。その代わり、協力して欲しい事がある」
少年は目を細めた。余りにも突拍子も無いこの提案に身構え、そして恐らく久方ぶりに言葉を漏らす。
「僕を利用する気かな」
凛とした声が無音の闇に響いた。
「違うさ。お前はお前の目的を果たせば良い。それが、こちらにとっての目的を果たす事にも繋がるからな」
声はこう応える。馬鹿にされたといった様子で少年はため息をつき、腕を組む。
少年にとっては、この申し出は願っても無いチャンスなのは間違いない。己の目的を実行するには、まずこの闇から抜け出さなくてはならないから。
しかし、そのリターンの大きさ故、リスクの大きさに警戒せざるを得ない。
「まあ、良いさ。僕には力があるからね。それに、君が僕と話を出来るという事はつまり……」
「察しが良いな。そうだ。つまりそういう事、だ」
少年は笑みをこぼす。警戒心は、暫く思案する事で案外簡単に解かれた。後は、このチャンスを利用するだけだ。
迷いは、無かった。少年がこの闇の中に来てから、最早迷いなど微塵も無かった。
復讐する。それが、少年にとっての全てなのだ。その為なら、どんな手段も厭わない。
「ところで、君は何者なんだ」
「俺か? 俺は……そうだな。悪魔、かな」
短いですが、プロローグ以上です。
今回も毎週を目指して執筆していきますので、よろしく御願いします
今のところ何とも言えないが・・・wktk
質問、このスレってネギロワみたいにSS完成させてから投下しないとダメ?それとも一話できたら投下とかおkなの?
>>494 無理に完成させてから投下することはないと思うけど、最初から最後までの流れと、
世界観やキャラクターの細かい作りこみは絶対に必要なはず
>>494 私の場合は、物語り全体の流れや、キャラの設定、相関図などを纏めてから一話ずつ完成させ投下しています。
あまりに骨組みがきちんとなっていないと、後で話が破綻する恐れがありますので。
497 :
494:2007/07/23(月) 14:28:29 ID:???
レストンクス、もう少し練り込みます
>>494 俺も物語の全体的な流れや設定などをきちんと設定してから書きます。
でないとネギガイアの二の舞になってしまうのでwwwwwwwwww
>>498 わざわざ自己紹介する必要は全く無いと思うんだが
そんなに注目されたいのか?
華麗に500ゲット
Phase 15 「人形の館」
「今のところ分かってるのはこれだけだ」
学園での休憩時間にカフェテリアで集まるエヴァ、ネギ、夕映。
あれからエヴァは書物からローゼンメイデンに関する資料を見つけてきた。
ネギも自分なりに力になればと図書館に足を何度も踏み入れていた。
夕映は蒼星石たちをある種の監視に近い状態で見守っている。
それぞれが思い思いの行動を今日まで続けていた。
「ローゼンは錬金術にも長けていたらしく、今もどこかでいるんじゃないのかと言われている」
「今も……ですか」
俄かには信じられない出来事だった。
ローゼンの生前は不明で、ローゼンメイデンが出来た頃と比べてもすでに何百年も生きているのではとの
結論がエヴァから出ていた。
「しかし、何故ローゼンはこんなことをするのでしょう……」
夕映も深刻な表情をする。
人形でありながら人と同じように話し、行動し、笑っている。
こんな夢のような技術を身につけながら、たった一体になるまで戦わせるローゼンの意図が読めない。
そんな思考を遮るように、予鈴が鳴った。
「……話はここまでだ。綾瀬夕映、お前はマスターとして見守っているように」
「はいです……」
エヴァにそう言われてネギと夕映は教室へと戻っていく。
「一体何故……これだけの愛情を注いで造ったのですから我が子も同然ですのに」
帰りも夕映はそうネギに漏らす。
「とにかく今は情報が少なすぎます。何とか調べ上げてローゼンって人を見つけないと」
ネギも夕映を宥めるようにして歩幅を合わせた。
ドールのマスターでもない部外者的なネギは、何とか夕映の力になろうと努力していた。
「あ、ネギせんせー……」
「あれれー。夕映吉と並んで歩いてるねー」
その様子をハルナは茶化すように眺め、のどかは何も言わずに見ていた。
「最近、一緒に居ること多いよね夕映……」
ローゼンメイデンを調べるためとはいえ、のどかよりも夕映と一緒に居る比率が日に日に多くなっていったネギ。
真相も話してもらえず、孤立しているような気分なのどかであった。
学園の生活もそこそこ済ませると、夕映は帰路に付こうとしていた。
するとアキラ偶然現れ夕映を誘う。
「ちょっといいかな?」
雛苺の一件以来、すっかり話し相手となったアキラ。
いつも雛苺の様子やお土産を買ってドールたちの生活を聞いて談笑する仲となっていた。
街をある程度進むと、小さな人形店にたどり着いた。
「人形店ですか」
「最近になって知ったんだ」
小さな古風あふれる外見、ショーウィンドウに飾られた美しく色取りされた人形たち。
綺麗に施されたガーデニングにアンティークな小品が置かれており、見るものを別世界へと
誘うそうな幻想に捕らわれそうな感じがした。
「いらっしゃい。あ、大河内さんか」
一歩そこへ足を踏み入れると一人の男性店員らしき人物が迎えてくれた。
どうやら顔なじみらしく、男は気さくに話しかけた。
「こんにちは、見ていっていいですか?」
「もうすぐ五時で閉店だけど、それまでなら」
軽めのタキシード姿で案内した男は、アキラの背中の影で分からなかった夕映の存在を認めた。
「そっちの子は?」
「綾瀬夕映です。よろしくです」
「どうも、僕は白崎。よろしくね」
メガネに長髪と特徴的な姿をしている白崎は笑って夕映と握手した。
挨拶もそこそこに、夕映はアキラと共に人形を観察した。
今の時代には珍しいもの、アンティークな品々。
どれもこれもすべて時代物の世界へと旅たさせてくれそうだった。
「いいよね人形は、造った人の気持ちが込められてるからね」
白崎は笑いながら造りがそっくりな人形を手に取る。
「こうしてじっくり見てると、同じように見える人形にもそれぞれ違う所があるんだ」
髪の毛や瞳の色、衣装など造りが微妙に違っていた。
「これはきっと双子なんだね」
「双子……ですか」
夕映にはどこがどう変わってるのか分かり辛かったが、それでもこの人はそれだけ人形に特別な思いを
込めて言ってるのだろうと感じ取った。
「すごいよね。全部手作りで、この人が造ってるんだって」
アキラが指差した先には、『人形師槐――エンジュ』と描かれたチラシがあった。
槐という人の顔は写っていなかったが、腕利きであるのはわかった。
「この槐って人はすごい人形師ですか」
「そうだよ、ちょっと恥かしがりやで人前にはなかなか出てこないんだよね」
白崎がそう伝えると、ちょうど時計の針が五時を指していた。
「悪いけど、もう閉店だからね」
「分かりました。また来ますね」
「それではです」
挨拶を済ませると、白崎は笑って送り出してくれた。
「いい人だったでしょ」
「そうですね。また、ゆっくり見たいです」
夕映とアキラは親睦を深めると、蒼星石と雛苺の待つ寮へと戻っていった。
夕映が寮に戻るが、そこには蒼星石の姿はなかった。
「蒼星石、どこです?」
しーんと静まり返ったその部屋には蒼星石の気配すらない。
指輪も反応していないとなるとどこかへと出て行ったのだろう。
「またエヴァさんの別荘ですか?」
仕方なく、夕映は荷物を片付けて休むこととなった。
夕映が自室で休んでいる中で、蒼星石はnのフィールドを突き進んでいた。
いつもの冷静さの中に、言葉では表せない険しさを潜ませて。
虚空に浮かぶ多くの扉を掻き分けるようにして突き進む先に待っていたのはタキシードを着た男の姿がある。
否、その人物は顔の部分が大きく異なっていた。
顔が兎そのものであるからだ。
「…ラプラスの魔」
兎の顔をした男を蒼星石はそう呼んだ。
「今宵の宴には来訪客が多いこと。まぁ、宴は皆で楽しむものですがね」
独特の言い回しに蒼星石も口を噤む。
「その宴が楽しめるかはどうかはマスターにもかかっています」
「そうだろうね。演出をするには持って来いの役だと思うよラプラス」
手を力強く握り締めてレンピカを呼び寄せる蒼星石。
ラプラスの魔は上空の扉に向けて飛び上がり、ゆっくりと扉を開けた。
そこは水面のように何も映っておらず、蒼星石の姿が反射している状態だった。
「すでにあなた以外のドールには挨拶を済ませました。後は……」
その水面のような世界がゆっくりと揺らぎだす。
やがて映っていた蒼星石の姿が徐々に変化を見せた。
髪は下まで伸び、緑の衣装へと変わると蒼星石の顔の色が変った。
「!!」
ラプラスの魔は微笑んだような仕草をして、扉の中へと消えていく。
「待て!」
蒼星石が飛び込もうとすると、扉はゆっくりと閉まってしまい、びくともしなくなった。
叩いても何の反応もない扉の反対側からラプラスの魔の声が聞こえる。
「もうじきこのドールも目覚めます。あなたのことをよろしく伝えておきますよ、それではごきげんよう」
その言葉に蒼星石は言葉を失った。
真紅、雛苺、水銀燈、金糸雀と目覚めていったドールたち。
そして最後のドールが目覚めた時、すべてのドールが揃ったこととなる。
それは即ち、アリスゲームが本格化するという意味合いでもあった。
蒼星石は夕映の部屋へと引き返し、夕映が話しかけるまで終始無言であったと言う。
つづく
以上で15話になります。
徐々にドールたちが目覚め、戦いが本格化しそうな悪寒であります。
もっと早くラプラス出す予定でしたが、本編の流れで放ったらかしでしたw。
>>499 えっ?自己紹介?そんなもんしたつもりないんですけど・・・・・・。
>>507 乙です
このままのんびりと平和な話が続けば……と思ってしまいますが。
アリスゲームが今後どうなるのか、楽しみにしています。
保守
512 :
マロン名無しさん:2007/07/28(土) 01:34:36 ID:Qwzs+Tj1
あげあげエブリナイト
513 :
緑の恐怖:2007/07/29(日) 17:50:13 ID:???
「錬金術士、ですか…?」
学園長室に呼ばれたと思ったら妖怪爺にいきなり話を振られ困惑気味の
葛葉刀子2■才独身(ウフ)
「実は学園のスポンサー筋から一人こちらで面倒を見て欲しいと頼まれてのう
そ奴の世話というか監視というかそれを頼みたいんじゃよ」
学園長によるとその男一般には植物学の権威で通っており麻帆良学園には大学の
非常勤講師として招く予定なのだそうだ
「で、その人物ですが…危険なんですか?」
渡されたファイルの頭に付けられた写真には頭にターバンを巻いた長身の
アラブ人が写っている
「いや、人物的には性格面、思想面ともに問題ないんじゃが…」
何故か言葉を濁すぬらりひょん
「何があるんですか?」
あくまで穏やかに、しかし無言の圧力を込めて詰問する刀子女史
素材が美人だけに迫力がある
「ちょっとパートナーに問題がな…」
麻帆良学園に向かって夜の高速道路をひた走る一台の軽自動車(中古)
「素晴しい!ここならきっと私の研究もはかどりますネー」
件のアラブ人はハンドル片手に学園のパンフレットを流し読みしている
「オシリス、今度の勤め先では大人しくしててくださいヨ!」
一人しか乗っていない車の運転席からアラブ人が声をかけると
バックミラーの中で緑色の影がのそりと動いた
新作?なんのコラボ?
515 :
緑の恐怖:2007/07/30(月) 19:21:00 ID:???
「ミスタ・ヒッシャム?」
予定の時刻に遅れること三時間二十七分
通常なら正中線四連蹴りでも飛び出すところだが
現れた相手が全身ズタボロ血塗れ状態では怒りも吹っ飛んでしまう
「いやー参りましたネー、車がエンコして人手を借りようと思って歩き出したら
道に迷って熊に追いかけられるわ川に落ちるわ地雷は踏むわで死ぬかと思いましタ」
耳の後ろから心臓の脈動に合わせ間欠泉のように真っ赤な血潮を吹き上げながら
HA!HA!HA!と笑うアラブ人
本当、何で生きてるんだろう
とりあえず包帯代わりにアラブ人の服を細かく裂いて傷口の止血をしていく
「そこは自分のスカートを使うところでハ?」
というアラブ人を絶対零度の視線で黙らせおそらくは一番重要な質問を切り出す
「で、ミスタ・ヒッシャム。例の『作品』はどこに?」
「心配いりませーン、オシリスなら車のところで大人しくしているように
よく言って…」
アラブ人の言葉を遮るように背後の森林の奥から連続した爆発音が響いてくる
「…おいたんですガ」
冷や汗を流しつつ引き攣った笑みを浮かべるアラブ人をその場に残し
刀子は森の中に飛び込んだ
Phase 16 「真紅、そして水銀燈」
白崎という人形店の店員と知り合いになった夕映はその日から、暇を見つけてはそこへ足を踏み入れていた。
知識欲の強い夕映はいろんなモノを取り入れて理解していく。
学園の勉強よりもよほど熱心に聞いている。
「はいこれ。その人形のブローチに」
「ありがとうございますです」
白崎から貰ったのは中世をイメージした綺麗なブローチ。
蒼星石にプレゼントしようと買ったものだった。
「それじゃあまたね」
白崎は笑顔で夕映を送り、そのまま店へと消えていった。
蒼星石へのお土産も手に入れて帰路につく夕映の元に、ある人物が声をかけてきた。
「夕映さん」
後ろから声をかけてきたのはごく身近な人物である。
その人物は左腕を伸ばして夕映を呼び止めようとした。
振り向いた夕映の目に真っ先に入ったのは、指にローゼンメイデンと契約した証の指輪の入った手であった。
「その指輪は!?」
夕映は思わず口から出てしまった。それは新たなローゼンメイデンが目覚めたことを証明した瞬間。
不意打ちとはいえ、思わず指輪に反応してしまった。
「……」
言葉が出ずに、その相手と対峙してしまう夕映。
その数秒が何十分にも感じる異様な空気。
だがその相手はまるでそんな空気など気にもしないように笑った。
それは彼女の特技であり、個性でもある。
「翠星石が言ってましたよ。蒼星石に会いたいと」
一方、学園寮の屋上で真紅と蒼星石は先ほどの夕映のように対峙していた。
「真紅、もうじきアリスゲームも本格化してしまう」
「……そうね」
蒼星石がアリスゲームのことを真剣に話しても真紅はいつまでも乗り気ではない。
まるで初めからアリスゲームから降りているようだった。
「何故なんだ。何故お父様の期待を裏切るんだ!」
普段は冷静な蒼星石が声を出して真紅に声を出した。
だが真紅はそれでも深刻な顔をしていながら蒼星石に詰め寄った。
「私はアリスゲームを降りたつもりはないわ」
「だったらどうして! ラプラスの魔にも会ったんだろ!」
ラプラスの魔と会って今のゲームの有様をもう一度見つめなおすようになった蒼星石。
今のままダラダラと生活をしていては、アリスに近づけることなど夢のまた夢。
そろそろ本気になっておかないと、いずれ腑抜けになってしまいそうだから。
「お父様の期待に応えると同時に、私は私なりの戦い方で決着をつけるつもりよ」
すぅっとホーリエが真紅の前を通りかかる。
蒼星石もレンピカを呼び出し、庭師の鋏を取り出した。
「ならば、今ここで決着をつけるかい?」
互いに構えはしないが武器を手にした。その気になればすぐに戦いを申し込める。
「……ホーリエ」
真紅は蒼星石に初めて自身の武器を向けた。
ついにこの瞬間が来たと蒼星石は鋏を負けじと向ける。
だが次の瞬間、ホーリエが蒼星石の真後ろに付くや何かに弾かれたような感覚を覚えた。
「ぐっ!」
跳ね飛ばされ地面に倒れこんだ瞬間、黒い羽が蒼星石の近くに落ちた。
「これは!」
蒼星石も見覚えのある黒い羽、立ち上がって振り向くとそこには扉のガラスに映るドールの姿があった。
そのドールは不適に笑い、こちらを挑発していた。
「水銀燈……っ」
真紅の目に、憎しみにも似た感情の瞳へと変貌を遂げる。
その顔はアリスゲームなど二の次だと伝えているようだ。
「いらっしゃぁい、この子のローザミスティカごといただくわ」
「雛苺!!」
ガラスに映る水銀燈の腕の中で雛苺が抱かれていた。
どうも気を失っているらしく、雛苺は水銀燈に抱えられたままぐったりとしていた。
水銀燈はそんな雛苺を抱えたまま、ガラスの奥へと姿を消してしまう。
nのフィールドへ行ったと察した真紅は、血相を変えて飛び出していった。
「真紅、君は……」
今までの発言をすべてひっくり返しそうなほど好戦的に見えた真紅。
そしてアリスゲーム以上に楽しみにしているような水銀燈の顔。
今までの疑念が確信になろうとした。
真紅はアリスゲームの前に水銀燈と決着をつけたかったのだ。
だから今はアリスゲームのことは考えたくない。
避けたい戦いはとことん避けて、まず水銀燈から落とす。
そしてそれを全く逆の立場で考えているのが水銀燈だ。
彼女らの過去に何があったかは全く知らないが、間違いなく二体だけで潰しあう要因が何か起きたと感じ取った。
「待って真紅!」
蒼星石も遅れまいと真紅の後を追った。
そして誰もいなくなった屋上。
人の気配すら感じさせない虚空の場所で、また別の気配がした。
扉のガラスに映っているのは真紅と蒼星石の後姿。
そして……
その姿をかき消すようにもう一体のドールが現れる。
左目に薔薇の眼帯をした誰も知らないドール。
「アリスゲームが……始まる……」
片言のように喋るそのドールは水銀燈とは別の異質な雰囲気を出して笑っていた。
つづく
16話終了です。このところ忙しくて執筆ペースが遅くなりがちです。
あと8月の連休でしばらく投下が出来ないかもしれないので少し気合を入れてペースを
上げて行こうと思います。
何せストーリの展開的に30話突破の勢いですから…。
次回はようやくあの(名前出てるけどw)ドールもようやく参加。
>>520 乙です。
これは面白くなってきましたね。見ているほうが続きが気になって仕方がありません。
ところで、遅れましたが地獄少女 ネギ籠りの第一話をこれから投下したいと思います。
第一話 喪失と迷妄
タカミチが消えた。
この言葉を学園長室にて、近右衛門からネギは直接聞かされた。
まだ昼休みで、ほぼ真上にまで太陽が昇り暑すぎる程の日光が差し込む中、全く似つかわしくないこの言葉にネギは狼狽する。
確かに、ここ2、3日タカミチをネギは見かけていなかった。彼が顧問を務める美術部に顔を出した時も、明日菜がふくれっ面で出迎えただけ。
それだけでない。彼の受け持つ授業も全て自習だった。しかし、彼とて魔法を良く知るものでその手の仕事が多忙となっているだけだとネギは考えていた。
それが違うのか。詰め寄るネギに、側に居たエヴァンジェリンは言葉を繋げる。
「正確には、行方不明だ。全くタカミチと連絡が取れない。だが、彼の仕事道具は全て残っていた。旅行に出かけた様子も無い。
まあ、最も彼がそんな事をしでかすとは思えないが。分かりやすく言うと、高畑・T・タカミチという人間だけがこの世界から居なくなったというところだ」
言いつつ、エヴァは呆れ顔を浮かべる。余計な仕事が増えてさぞ不満げ、といった様子だ。
多少ご機嫌斜めな彼女を近右衛門は横目で見ると、椅子に深くもたれて天井を見上げる。
二人とも、認識の差はあれどこの事を重要視しているのが見て取れた。それは、魔法に関する事だけではない。
タカミチは学園の風紀を守る役目も日ごろになっている。その腕前は確かで、一部からはデスメガネと呼ばれる程だ。そして、彼が受け持つ授業。これは生徒達の日常生活に大きく響く。
何より、彼を慕う明日菜や、彼女の友人達が怪しく思わないはずが無い。
「現に、報道部を筆頭とするクラブの一部で、色々と嗅ぎまわっているようだ。学園側は単なる出張だと言っているが、まあ何時まで持つものか」
「ワシらとしても無闇に魔法を使いたくはないからのう……。とはいっても、ネギ君をここに呼んだのは、少し違う事情での」
ため息混じりにエヴァは言い放つ。間髪居れずに近右衛門は応え、テーブルに上体を置くとネギを見据えた。
「さっきも言ったがタカミチ君は今行方不明じゃ。そこで、彼の所在が判明するまでの間臨時の先生を迎えることになってな。既に教務室に来ていると思うんじゃが」
「臨時の先生?」
「流石に何時タカミチ君が戻ってくるか分からないからの。それまでの穴埋めという形で雇ったんじゃ。まあ、魔法使いではないのじゃがな。」
「それは分かったんですけど、でも、どうして僕が案内を……」
魔法使いではない、という事は恐らく非常勤の教員を外部から雇ったのだろう。手回しの早さにネギはため息を漏らす一方でふとした疑問を口にする。
道案内なんて出来ない、などという引っ込み思案ではない。ただ単純に、適任者が居るのではないかという事を彼は不意に思ったのだ。
「残念だが、他の魔法使いを含めた教師全員、タカミチのお陰でてんてこ舞いだ。手の空いている者なんていない」
「情けない話じゃが……エヴァ君のいう通りでな。こんな頼みを聞いてくれるのはネギ君しか居らなさそうで」
はあ、と生返事をつくネギであったが、別段今日は忙しいわけではない。それに、こんな状況の中で新任の教師を放って置くわけにもいかない。
程なくしてネギは了承して、学園長室を後にする。その後姿を黙って近右衛門とエヴァは見ていた。
「ふん、お互い演技が下手だな」
「……そうじゃな」
やがて、再び訪れた静寂を切り裂くようにエヴァンジェリンが声を発した。それに呼応するように近右衛門はため息を漏らす。
「まさか、と思うがジジイ。「あの噂」を信じているのか」
「全て、ではない。しかし、現状と照らし合わせてみるとな。彼が地獄通信に何かしらの形で巻き込まれたという可能性を否定できないのじゃ」
近右衛門はエヴァンジェリンと目を一切あわせようともせず呟くようにこんな事を言う。
一方のエヴァンジェリンは肩をすくめて見せるが、その表情に先程までネギと話していた時のような余裕は無い。
地獄通信――そこに書き込まれた名前の者は速やかに地獄に流される――というサイトの存在が実しやかに噂され始めたのは極最近の事だ。
まだ、ごく一部の者しか知り得ていないが、報道部を筆頭とする様々な部やクラブが嗅ぎつけている。恐らく、秘密裏に広まるのは時間の問題だろう。そうなれば、タカミチの失踪という問題だけにとどまる事は無い。
学園の風紀を維持する者の不在。そして、それに共鳴するかのように噂される地獄通信というサイト。
この時点ではまだ、誰もが一抹の不安としてしか抱く事は出来なかった。
以上です。
最初のにタイトルを付け忘れて、最後は改行をし忘れたお陰で随分読みにくくなってしまいました。すみません。
地獄少女を良く知っておられる人はもしかしたらこの時点でいろいろ気づく事があるかもしれませんが。
MGYですが色々とあって本編を記録していた専用メモ帳が消えましたwwwwうぇwwww
まだまとめサイトにうpしてないのはまかせます、すみません。そういう事なので少しばかりお時間ください。
キター!!
ワクテカが止まらないぜww
528 :
緑の恐怖:2007/08/03(金) 22:57:11 ID:???
学園長室は重苦しい沈黙に包まれていた
クッションの効いた椅子に深々と腰を降ろし苦りきった表情の近衛翁
刀子女史を筆頭に殺気立った魔法先生の皆さん
良く見ると何人かは服とか髪の毛とかあちこち焦げていたりする
両者の間に挟まれ生放送中に渾身のギャグを外した芸人のように絶望的な笑いを浮かべるアラブ人
そしてアラブ人の隣りで偉そうにふんぞり返る“植物”
そう、人間に似た姿をしてはいるがそれは確かに植物だった
上半身は全身緑色の美しい女性の姿
だが腰から下は根のように(実際根なのだが)枝分かれした触手がじゅるじゅると蠢いている
「あ、改めて紹介しまース。ワタシの最高傑作、強化植物(パワープラント)のオシリスでース」
重苦しい空気を何とか変えようと涙ぐましい努力を続けるアラブ人
「オシリース、皆さんにご挨拶しなさーイ」
アイコンタクトでくれぐれも失礼の無いようにと念をおす
「妾はオシリスじゃ、その方ら頭が高いぞよ」
アラブ人の努力は徒労に終わった
529 :
マロン名無しさん:2007/08/06(月) 00:20:14 ID:b4xDxNsD
あげあげ
Phase 17 「ドール全員集合」
「うふふふふふ。いらっしゃい」
雛苺を人質にして水銀燈は笑いながら二人を誘い、どこかの鏡の中へと消えていく。
「待ちなさい!」
真紅が怒号を上げて飛び込んでいった。
「落ち着くんだ真紅。不用意に飛び込むと危険だ!」
落ち着きなく飛び込んだ真紅を止めるように、蒼星石も飛び込む。
「蒼星石〜。どこですかー」
蒼星石と真紅がnのフィールド内に現れたその後に、二体の人形がまた現れる。
一体はわき目も降らずに真っ直ぐどこかへと進んでいる。
誰かを探しているようで、顔は心なしか浮かれているように見えた。
もう一体は近くのドアに身を潜めて攻撃のチャンスを伺っていた。
黄色の衣装にバイオリンケース。紛れもなく金糸雀であった。
(今かしら!)
ドアに隠れていた金糸雀は声を出して飛び掛る。
「ローザミスティカ頂きかしらーーー!!」
バイオリンを取り出して第1楽章、攻撃のワルツをお見舞いする。
もう一体のドールはその存在に気付くとすかさず攻撃態勢に移った。
精霊を呼び出して如雨露を手にして水をばら撒く。
すると木のようなものが高速カメラを見ているような速さで成長して伸びた。
結構頑丈に出来ているらしく、金糸雀のバイオリンの音激を防いだ。
「お前は………」
少しの隙間から顔を出して、金糸雀を睨む翠星石。
金糸雀は得意げに見つめて堂々と名乗りです瞬間を待つ。
「お前は………神奈川?」
調子抜けな返答に派手にずっこけてしまった金糸雀。
「金糸雀かしら、か・な・り・あ!」
「あ〜思い出したですぅ。影が薄くて印象に残らなかったですぅ」
真紅、蒼星石に続いて翠星石までも忘れられた金糸雀は激しく悲しんだ。
「もう許さないかしらー。翠星石のローザミスティカ頂きかしらー!!」
「上等ですぅ。かかってきやがれですぅー!」
バイオリンのステッキと如雨露の先端が激しくぶつかり火花が散った。
nのフィールド内での熾烈な戦いが、切って落とされたのであった
「あなたは……」
その一方で、蒼星石のマスターである夕映は同じクラスメイトの那波千鶴に出くわしていた。
千鶴は微笑みを絶やさず、一見すれば二十歳近い年齢にも見える風貌を晒している。
だが決して彼女は二十歳などではなく、夕映と同い年である。
「翠星石が言ってましたよ。蒼星石に会いたいと」
「なっ!」
千鶴の指にはめ込まれたローゼンメイデンと契約を交わした証の指輪。
最後の一体の相手がこっちから話しかけたことに驚きを隠せなかった。
「いつからそのことを……」
恐る恐る夕映は千鶴にそのことを尋ねて見た。
「えーと……。ついこの前メールに『まきますか まきませんか』っていうメールが来て、思わず
まきますっていう所を選んじゃったの。そうしたら鞄が届いて」
千鶴の天然ぶりはどうであれ、翠星石なるドールのマスターであることが判明した。
新たなドールの出現となると蒼星石の敵が増えることになる。
本当は心の優しい蒼星石に、同類潰しはやってほしくないと考えると目覚めない方が幸せだろうか……。
「――っ!」
すると夕映の指輪が激しく輝き、体力を吸い取られるような感覚に思わず膝を突いた。
すぐに立ち上がると千鶴も同様に、腕を押さえて痛みに耐えるような表情をした。
「戦ってるのかしら…」
千鶴の心配そうな顔を見て、夕映は急いでその場を離れた。
蒼星石と翠星石はは戦っていて、それも二人でアリスゲームを戦っていると思ったからだ。
もしそれなら、マスター権限をすべて使ってでも止めなくてはいけない。
近くのビルの物陰に駆け込み、誰もいないことを確認する。
すると窓ガラスに指輪を押し当て、魔法の呪文を唱える。
「プラクテ ビギ・ナル」
窓ガラスに密着していた指輪が輝き、夕映は吸い込まれるようにして鏡の中へと消えていった。
追いかけてきた千鶴は、夕映がどこへ消えたか分からず近くを捜索していた。
「綾瀬さーん。綾瀬さーん」
ごみ箱を開いて夕映を探す千鶴。
千鶴さん、そんなところに夕映はいません。
nのフィールドを通じて戦いの場へと赴いた真紅と蒼星石。
十数年前の海外の建物が並ぶ場所へと降り立った。
そこは前のアリスゲームが行われた場所であり、水銀燈にとっては忘れられない出来事があった。
黒い羽を矢のようにして真紅に飛ばす水銀燈。
そしてそれをステッキで振り払い、薔薇の花弁を使って攻撃する真紅。
蒼星石は表向きは真紅を援護する形でだが、水銀燈にアリスゲームを挑んでいた。
「ホーリエ!」
「メイメイ!」
二体の精霊がぶつかり合い、同時にドールもぶつかり合う。
ドレスは乱れ、髪の毛もボサボサとなっても攻撃の手を緩めることはない。
確実に決着が付くまで止めない泥沼化した二人の関係。
その有様をようやく追いついた蒼星石は唖然とした顔で見つめる。
「真紅……」
「ほらほら、よそ見は禁物よ!」
「!!」
一瞬の隙を見せると自分も攻撃を食らってしまう。
庭師の鋏でそれを防ぐが、水銀燈のスピードと攻撃力は他を圧倒していた。
下手に近づいたり隙を見せると倒される。
人質にされた雛苺は空間の真上に高々と羽に胴体を包まれるようにして身動きが全く取れない。
どんなにもがいても何も出来なかった。
「あぁっ!!」
「真紅!」
水銀燈が龍に変えて襲い掛かった羽をかわしきれずにもろに食らって跳ね飛ばされた。
幸い急所は外れているらしく、すぐに立ち上がる真紅。
しかし体へのダメージはかなり大きなものであった。
「もらった!」
水銀燈が狂気の笑みで真紅に襲い掛かる。
だがその瞬間、蒼星石が前を塞ぐ形で水銀燈の攻撃を食らってしまう。
「うわあああああっ!」
「蒼星石!」
真紅よりも激しく跳ね飛んだ蒼星石は壁に体をめり込ませてしまう。
体は言うことを聞かず、辛うじて鋏を握り締めていた。
水銀燈は右手を伸ばすと自身の羽が一度に集まり、剣へと変化した。
「無駄よ、ここは私のフィールド。力に差が出るのは当然よ」
最後の力を振り絞って鋏を向けるも簡単に水銀燈の剣によってなぎ払われてしまう。
「うぐ……レンピ……」
だが余力の残されていない蒼星石の呼び出したレンピカは力が篭っていない。
それどころかレンピカが水銀燈の手に簡単に渡ってしまった。
「ありがとう蒼星石。こんないいもの貰えるなんて」
「くっ……」
「やめなさい水銀燈。私が目的なのでしょう!」
真紅がよろよろと歩みながら水銀燈を怒鳴る。
「うふふ、私の目的はアリスになること。だからあなたと同時に他のドールも……」
剣が蒼星石の首元へとあてがう。
「ジャンクにしてあげるから!」
振り上げたその剣は真っ直ぐに蒼星石の首へ……。
その瞬間、蒼星石の真後ろにある鏡が光りそこから影が三体現れる。
「な、何なの!?」
「あれは……」
水銀燈が驚きながら後ずさりをすると同時に飛び出してきた人影。
一方は慌てて蒼星石を抱きかかえ、もう一方はもつれ合った状態で飛び出してきた。
「蒼星石、しっかりするです」
「くっつくなですぅ! 変なところに出てしまったじゃないですか!」
「そんなの知らないかしら! そっちが巻き込んだかしら!」
蒼星石のマスターの夕映、戦いの最中に偶然飛んできた翠星石と金糸雀。
捕まっていて動くことが出来ない雛苺。そして真紅と水銀燈。
その場に、ローゼンメイデンのドールが六体出揃った。
つづく
17話終了です。
最近勢いが落ち気味なので量でカバーしました。
次の投下あたりで休みで帰省するので次も多めになりそうです。
毎回乙です
楽しみに待っとるよ
質問ですが、暴力描写と性描写はどこまでおkですかね?
暴力に関しては需要無いんじゃね?多分、控えた方が無難かと
性描写?ここはピンク板ですが何か?
YOUエロ百合の限界を試しちゃいなYO
悪い、有り得ない誤爆をかましてしまった
あげ
お前がピンク板に常駐してることは把握した
>>537 面白いし上手いが
この作者が普段どんな目線でネギまやぱにぽにを見てるのか気になるぜ
薔薇乙女ネギまの作者です。何とかしましたが出発時間まで間に合いませんでした、申し訳ないです。
帰省先ではネットがないため、作りだめしながら17日以降に投下したいと思います。
>>538 あんまりグロいと引く。どうしてもと言うなら注意書きでも書くとか。
エロに関しても同じ。原作くらいがボーダーラインかな?
>>543 残念だ。17日まで待ってるよ。
>>543 一先ず乙です。17日以降の更新楽しみにしていますね。
ところで、これより地獄少女ネギ籠りの第二話を投下します
第二話 拭われたもの
「せっちゃん、一緒に帰ろっ」
夕日がやや差し込む教室で、そう呼びかけられ桜崎刹那は帰り支度を一旦やめ声のしたほうに顔を向けた。
「はい、お嬢様」
そして、机越しに立っていた近衛木乃香を見やると多少はにかんだ表情を浮かべ、端的にこう応えてやや急ぎ気味に鞄に教科書などを詰め込む。
二人は程なくして帰路につき、校舎を後にした。廊下で各々の顔見知りと何度かすれ違い、会釈をする。
その間、二人は特にこれと言った会話をしていない。時折木乃香が適当な話題をふり、刹那がそれに対して相槌を打つぐらいだ。
「……ふふ」
「どうしたんせっちゃん、急に笑って」
それでも、今の刹那にとっては至福の一時になっていた。それは、木乃香も知るところなのだろう。少しばかり意地悪っぽく口を尖らせる。
気がつけば、二人の足は校舎の外へと出ていた。眩しいばかりの夕日が彼女達を照らす。後は、このまま真っ直ぐと女子寮へと向かうだけだ。
あと少しで木乃香と二人で過ごせる僅かな時間を終えてしまう事に刹那は胸の奥の空しさを覚える。
(いけない、そうだ。私はお嬢様を守らなくては……)
そんな時に限って、彼女は自分にこう言い聞かせる。自分は、かつての親友に再会するために麻帆良にやってきたのではない、と。
「……せっちゃん」
不意に、曇った表情を垣間見せる刹那に木乃香は語尾を強めた。意識が宙に浮いていた刹那は、当然の如く背筋を急に張り甲高い声を一瞬上げる。
そこで、彼女はようやく木乃香が自分の目の前で向かい合っている事に気がついた。己の不用意さと、思いも寄らない木乃香の行動に刹那は頬を赤らめる。
「ど、どうしました。お嬢様」
「もう、こんな時くらい、そんな呼び方止めてな」
「……し、しかし……っ!」
刹那が何か言おうとした途端、木乃香は更に詰め寄る。思わず刹那は言葉を詰まらせ、身を引いてしまう。何か言葉を出そうとしてものどに詰まってただ口をぱくぱくとさせるだけだ。
幼い頃から剣術一筋で来たために、どうしても刹那はこういう状況に弱い。最も、それは木乃香やその友人達も知るところで、時折弄ばれているような節もあるが。
刹那の体が強張り、視線が泳ぐ。ふと、その泳ぐ視線の遠くにこちらに駆け足で近づく見覚えのある少年の姿があった。
自分達のクラス、3−Aの担任、ネギ・スプリングフィールドだ。
「あれ、ネギ君も今帰りなん?」
木乃香も彼の気配に気付いたらしく、踵を返す。
しかし、二人とも直ぐにその視線が移動した。彼の後に、一人の青年が立っていたのだ。長髪で上下共に紺のスーツで決め、恐らく二十代後半ぐらいだろう。
「ネギ先生、こちらの方は……」
「ああ、僕の事? 僕は石本蓮。出張中のタカミチ先生の代理で少しお世話になるんだ。今ちょっとこの学園の案内をネギ先生からしてもらっていてね。
昼休みだけじゃあこの学園歩き回れなかったからさ。君たちのクラスの授業は受け持っていないし、直接会う事は少ないだろうけどヨロシク」
「そうなんや。……タカミチ先生、やっぱり直ぐ戻ってこれないんやな。もう少しで絵画の展覧会があるのに……残念や」
刹那の問いかけに対し、ネギが応えるよりも先に石本蓮と名乗った男は自己紹介をする。
その穏やかな物腰に二人は直ぐ彼を臨時の先生として受け入れはしたものの、直ぐに木乃香の表情が曇った。
聞くところによれば、タカミチが顧問を務める美術部は来週開催される絵画展に作品を出品するらしく、明日菜もまたそれに向けて本腰で作品を制作していたというのだ。
しかし、その展覧会直前の突然のタカミチの「出張」。事の真意を悟ったネギは戸惑う。つい数時間前、学園長室で自身が聞かされた時の心情を思い出す。
とは言え、ここでタカミチが行方不明となっている事、そしてその手がかりが全く無い事など伝えようものなら、どんな混乱が起こるか想像がつかない
「タカミチ先生だったら一週間ぐらいの出張って僕は聞いているから、もしかしらたその展覧会間に合うかもしれないね」
ネギが押し黙って、少し遅れてから石元が場をなだめる様にこんな事を告げる。三人が三人とも石元の顔を見やった。
「そうなんですか? ネギ先生」
「え、ああ。そうですね。お昼に学園長からそんな話を聞いていました。ホームルームの時にお話しておけばよかったんですけど、つい言いそびれてしまいました。すみません」
「いえ、それなら良いのですが」
「そやな、展覧会に間に合ったらええなぁ」
つかの間の談笑。すっかりネギを含む三人の中からタカミチへの不安は取りさらわれていた。
それは、この中で年長者である石元がこうも簡潔に出張に関して言い切った事も起因するのだろう。
しかし、それを嘲るかの様に不意に、四人の頭上を影が覆った。その影は途端に形を大きくし、落下してくる。
「危ない!」
ネギの怒号が響いた。直後、刹那が先ず身を翻して木乃香を抱え込み側の植え込みに飛び込む。
続けて同じように危機を察したネギと石元が後方に飛んだ。唯一木乃香だけが事態を飲み込めずに目を丸くして刹那の顔を見ている。
そして、つい数秒前までネギ達の立っていた所で何か光り輝くものがはじけた。それは、明らかに窓にはめ込まれるガラス板であった。
もし、そのまま立っていたのなら間違いなく誰かが致死的な傷を負う事になっていたに違いない程の大きさだ。
飛散したガラスの破片が、刹那の頬を掠める。そこから血が流れた事を彼女は気にも留めずに、ガラス板が落下してきた頭上に視線を向ける。
「誰も居ない……でも、誰が……」
刹那は一瞬でも、気を許してしまった事を酷く後悔し、ようやく頬を伝う血に気がつき拭った。
以上です。今回はボリュームが少ないですが
次回更新は来週の日曜日を予定しています。それまでどうかお待ちください
550 :
緑の恐怖:2007/08/16(木) 22:35:19 ID:???
ネギとオシリスが出会ったのはとある休日の早朝だった
その日、連休を利用した長瀬楓とのサバイバル訓練(何故か学園の敷地内には迷い込んだ
人間の方向感覚を狂わせる「魔の樹海」なんてものもある)を終え家路についたネギの頭上にいきなり一抱えもある檜の枝が落ちてきた
伊達に修行しているわけではなくヒョイと避けてみせるるネギだがそれでも多少びっくりする
すると今度は緑色の触手が伸びてきて落ちた枝に巻きつくと軽々と運んでいく
触手の戻っていったあとを辿って生垣を回り込むと全身緑色の女性の姿をした植物と鉢合わせしてしまうネギ
「えーと、お早うございます…」
とりあえず挨拶してみる
『うむ、清清しい朝じゃの』
普通に返事が返ってきた
いや、よく見るとその声はFカップはあろうかという豊かな胸の谷間に挟まった携帯電話から出ている
声帯の無いオシリスは人間との会話には首から下げた携帯を使用するのだ
「ひょっとしてオシリスさん?」
『ほう、妾も有名になったものよ』
ネギも話だけは聞いていた
麻帆良学園にやって来たその日に侵入者と間違えられて魔法教師と大立ち回りを演じた動く植物
曰く、吹っ飛ばしても燃やしてもあっという間に再生する
曰く、触手から怪光線を出して何でも溶かしてしまう
同僚達から聞いた話でビオランテ(特撮好きの生徒にDVDを見せられたことがある)の
ようなモンスターを想像していたのだがこうして実物を目にしてみると
(綺麗だなあ…)
というのが偽らざる感想だった
確かに上半身は美しい女性の姿をしているがそれだけに触手じゅるじゅるの下半身とのギ
ャップはミスマッチを通り越して悪夢的といっていい
そこを「綺麗」と断言できるあたり若干十歳にして立派な魔法使いを目指し異国の地で女
子校の教師をするこの少年はかなりユニークな感性の持ち主かもしれない
『そんなに妾の体が珍しいか?』
ぽけーっと自分の姿に見惚れているネギの様子を見て悪戯っぽく笑うオシリス
「な!ななな何のことです!?!」
図星を刺されてうろたえるネギ
『先ほどから妾の体ばかり見ておるからの』
551 :
マロン名無しさん:2007/08/17(金) 16:59:29 ID:UAiknoy/
うんこ
Phase 18 「嫌な思い出」
その場に出そろった六体のローゼンメイデン。
レンピカを奪われ、倒れた蒼星石に急いで駆け付ける夕映。
ついにこのときが訪れてしまった。
「ふふふ。ローザミスティカが全部揃っちゃった」
水銀燈は笑いながら他のドールたちを見つめて笑った。
レンピカを手に入れて早速庭師の鋏を召喚する。
右手に剣、左手に鋏と攻撃的になった水銀燈を翠星石は認める。
「な、何で蒼星石の鋏を持ってるですかぁーっ!!」
「あら? そこに転がってる妹からもらったのよ」
鋏で指さすようにして蒼星石に視線をやる。
気を失っているらしく、マスターの夕映に抱きかかえられていた。
「蒼星石!」
大慌てで蒼星石の名を叫びながら駆け寄る翠星石。
夕映から強引に奪うようにして抱き上げる。
本来、感動の再会といきたかったが、そんな場合ではなかった。
蒼星石は気を失ってはいるものの、無事のようだった。
「君は……」
夕映の問いかけにも翠星石は無言で立ち去り、水銀燈に向かい合う。
「よくも…よくも蒼星石を!」
スィドリームを呼び寄せて、庭師の如雨露を片手に水銀燈へと突進する。
すると水銀燈は庭師の鋏を出して受け止めた。
水銀燈は翠星石をあざ笑うかのように鋏ではじき返すと、ぐったりとして動かない蒼星石に近づいた。
夕映は決して離すまいと蒼星石の体を力強く抱きしめた。
「さぁ、大人しくその子を渡しなさい」
「嫌です。蒼星石、しっかりするです!」
蒼星石は夕映の呼びかけにもなかなか反応を示さない。
徐々に不安になってくる夕映をよそ目に、水銀燈は自身の剣を取り出して夕映の顔に向けた。
ほんの少しだけ横になぎ払うだけで夕映の頬には赤い鮮血がすぅっと滴り落ちた。
「あ……」
それ以上言葉が出なくなり、足がすくむ。
このドールは本気になって人間を傷つけかねない。
蒼星石は動かないままで、翠星石ははじかれた衝撃でまた態勢を立て直せない、真紅は倒されたまま動けない。
すべてのドールをジャンクにすることが目的の水銀燈には、マスターとてただの媒体扱い。
慈悲も何も持とうとはしない。
「やめなさい!!」
真紅の言葉も今は耳には届いていない。
水銀燈は横に薙ぎ払うようにして剣を振った。
「―――!」
身長が夕映よりも低い水銀燈だが、その力は壮大なもので、夕映を後方へと飛ばしたのであった。
水銀燈の剣は夕映の制服を切り裂き、その跡から血がにじみ出ていた。
幸い、蒼星石には傷は付けられていなかった。
人形を相手にしているとは思えなかった。それほど人にとてつもなく似ており、その心も鋭かった。
「さぁ、観念しなさい」
水銀燈が悪魔の笑みを浮かべながら、剣と鋏を向けた。
夕映は何とか蒼星石を守ろうと屈みこむ姿勢をとった。
すると、胸ポケットに入れていたあるものが音を立ててその場に転がる。
「あ……」
「っ!!」
真紅と水銀燈は言葉を失い、驚愕の表情をしてその場に固まった。
その場に転がったのは、横を向いた少女が描かれた中世をイメージしたブローチであった。
しかし二人にとってはあまりにも因縁がましいもの。
「な、何でこれが……」
よろよろと近づいて手にした瞬間、昔の記憶が蘇った。
初めて造られたその時、ローゼンから直々に飾られたブローチと全く同じ物であった。
それはまた真紅と水銀燈の間を引き裂いた要因となってしまった。
「…そんなもの!」
水銀燈は剣を構えてそのブローチを切り裂こうと突進した。
真紅は残された力を振り絞って立ち上がると、薔薇を周りに飛ばして防御を図った。
薔薇と剣がぶつかり合うが、さらに鋏を出して真紅を押しを図った。
徐々に押されていく真紅。
「!?」
「スィドリーム!」
吹き飛ばされていた翠星石が飛び上がって如雨露で木の根を飛び出して水銀燈に攻撃をした。
さらに、姿を消していた金糸雀は――
「行くかしら!」
「行くのー!」
空中に縛られていた雛苺を助け、水銀燈に戦いを挑んだ。
雛苺がツルを出して水銀燈の腕を塞ぎ、金糸雀は破壊のシンフォニーで突撃をした。
強風で吹き飛ばされそうな水銀燈は必死に耐えるものの、弾き飛ばされてしまう。
「ぐっ!!」
だが水銀燈は体をくねらせて剣を金糸雀に向けて投げ飛ばす。
一直線に金糸雀に飛び込んだ水銀燈の剣は、金糸雀のバイオリンを弾き飛ばした。
「きゃあっ!!」
反動で飛ばされ尻餅をつく金糸雀。
水銀燈は強風で吹き飛ばされたまま、鏡の中に消えていった。
そしてその奥から声がした。
「負けないわよ真紅。次こそ、次こそは!」
それを最後に水銀燈の声は聞こえなくなった。
「ふぅ……助かったですぅ」
翠星石は一息つくと如雨露を床に置いて腰を下ろした。
「助かったのー。ありがと金糸雀」
「そ、それは勘違いかしら! 水銀燈が危険だと判断しかたら力を利用したかったからかしらー!」
雛苺の素直なお礼も、突っぱねるようにしてその場から立ち去る金糸雀。
「今回は協力したけど、次はそうはいかないかしらー!」
捨て台詞のように叫ぶとそのまま金糸雀は鏡の中へと消えていった。
「うるせーですぅ! 勝負挑んでやり逃げなんて卑怯ですぅ!!」
翠星石は怒り心頭で怒鳴りつけるが後の祭り。
すぐに夕映の腕の中で気を失っている蒼星石へと駆けつける。
「蒼星石、しっかりするですぅ!」
「そろそろ帰るです。時間を過ぎれば螺子が消れるです」
マスター不在でnのフィールド内を移動するのには制限時間がある。
その場合螺子が切れて動けなくなってしまう。
夕映はそう投げかけて急いで元の場所へと戻す。
雛苺はいち早く茶々丸の別荘へと戻り、夕映は蒼星石を抱いて元来た場所から元に戻る。
翠星石は夕映の後を追うようにして飛び込み、そこに残ったのは真紅だけであった。
「……」
傷だらけの姿でじっとブローチを見つめる真紅。
「……っ」
思い出したくない思い出を嫌な形で掘り返されたように、ブローチを力任せに投げ捨てた。
ブローチは空中高く舞い上がって数秒の時間を置いて地面に落下した。
その瞬間、ガラスが割れる音と共にブローチは割れてしまった。
息を荒々しくした真紅は、切ない顔でかみ締めていた。
「自己紹介がまだだったわね。彼女は第3ドール翠星石です」
元の世界に戻った夕映はその後、寮で那波千鶴に翠星石の自己紹介をされた。
初め見た時はじゃじゃ馬的なイメージがあったのだが、今の翠星石は何故か千鶴の背中に隠れていた。
夕映が何か話しかけようとすると余計に千鶴の背中に隠れてしまう。
そのせいで二人の間に会話が弾まない。
「翠星石は人見知りをするから、こんなになっちゃうんだ」
ようやく目を覚ました蒼星石は鞄の中から立ち上がった。
「蒼星石ー。無事でよかったですぅー!」
蒼星石に出会えた翠星石は喜んで抱きしめる。
病み上がりの蒼星石は困り果ててしまって、てんてこ舞いだった。
「それではまた」
「はいです」
千鶴は夜も深くなりつつあるので自室に戻ろうとした。
翠星石は鞄の中に入ったままで出てこなかったが、最後に顔だけ出した。
「何です?」
「……………ちび」
「んなぁ!?」
夕映と翠星石の間に変なミソがついてしまった。
つづく
以上です。18話投下遅れてすみませんでした。
夢の競演パート2ですが流れの都合で真紅と水銀燈メインになりそうです。
地獄少女「らしく」ていい、ゾクゾクするw
で、あいタソまだー?
すみません、遅れましたが地獄少女ネギ籠り、第三話を投下します。
ちょっと地獄少女、というより、ネギま!よりの感じになっていますが。
第三話 曇天の下で
「どうやら三階の窓ガラスが外れて、それが落ちてきたようだな」
飛び散ったガラスの破片を取り除く作業が続く中、呆けたようにその光景を眺めていた刹那にエヴァンジェリンが突然話しかけてきた。
刹那は珍しいものを見るような目でエヴァンジェリンを見やったが、程なくしてまた視線を戻す。
頬に手をあてる。ガラスの欠片で切った傷はもう既に塞がっている。彼女にとって最大の不安だった木乃香だが、極軽い擦り傷を負っただけだ。
今は明日菜の待つ寮に戻っている。自分も直ぐ戻った方が良かったのだろうが、どうしても奇妙な胸騒ぎが止まらず、こうして作業を眺める事に至った。
「誰がこんな事を……」
「さあな。此処の窓は取り外し自体は容易だ。奇妙な事に、この時間帯で三階の廊下には誰も居なかったようだがな」
「……まさか」
「目撃者がいないという事だ。或いは、事故なのかもしれないがな」
彼女のその焦燥感を見透かしたかのように、エヴァンジェリンは隣に立ち眼前の光景を一瞥する。
事故の可能性、それは刹那には殆ど認められなかった。あの時、彼女は例えようの無い何かを察知していた。剣士として研ぎ澄まされた感覚が、危機を察知していたのだ。
尤も、それは事故の可能性をにおわせたエヴァンジェリンも同じだった。先程窓ガラスが落下してきたと思われる所を見に行ったところ、老朽化といった特に事故の原因となりそうなものは無かった。
となれば、誰かが意図的に外して落下させたと考えるほうが自然だ。実際、彼女が言ったように窓を落下させる事は難しくない。重さはあるのだが、窓枠から外してしまえば後はタイミングを見計らって手を離せば良い。
試しにエヴァンジェリンが窓を外そうとしたところ、拍子抜けしてしまった程だ。
そうなると、誰が何の目的で刹那達の居る所に落下させたかということになるのだが、全く心当たりが無い。
かつて京都に行った時に木乃香の魔力を狙って襲撃した者達がいたが、今は音沙汰が無い。何か別の勢力が存在するのだろうか。
しかし、それにしては余りにやり方ががさつ過ぎる。
「どうした? 随分恐い顔をするんだな」
気がつけば、まさかと刹那は目の色を変えて周囲を見渡していた。エヴァンジェリンがその事を指摘すると、気恥ずかしそうに頭を垂れる。
「ついでに言うと、魔力らしい魔力の気配は感じられない。まあ、せいぜい頑張ると良い」
ため息をついて、エヴァンジェリンは踵を返す。眠そうにあくびをするとそのまま彼女は自宅であるログハウスの方角に足を進める。
しかし、刹那は彼女を見送る素振りすら見せず、じっと正面を見据え続けていた。
燃えるような夕焼けが辺りを包む。細い川が一本流れるその脇に立つ一本の木に石元は寄りかかっていた。
良く見ると、彼の傍らには着物を纏い、肩まで大きく露出させた女性と、和服を着て赤いマフラーを首に巻いた老人が居た。
「……聞けば聞くほど、変な話だねぇ」
女性が、何度か頷きながら言葉を発する。
「お嬢の言っていた事はあながち間違いじゃないって事、か」
続けて老人がため息に似た言葉を漏らす。石元は二人の顔を見比べて、首を傾げた。
「そうだね。でも、お嬢が考えている事以上の事が起こっているのかもしれない」
「そりゃあどういったことだい?」
「何だったら骨女も来るか。あの学園、普通の学校とはちょっと違うみたいなんだよね」
「ふぅん。もったいぶらずに教えて欲しいねぇ」
骨女と呼ばれた女性は、口元を歪ませ石元に詰め寄る。どうにも悪戯っぽい行動に走る彼女を見て、老人は肩を竦めた。
しかし、何処と無く和やかな雰囲気が流れる中、突然その雰囲気がかき消された。三人の側に、黒いセーラー服を着た少女が立っていたのだ。
大きな瞳に不釣合いな無表情で、三人を見やる。骨女は少女の気配を察すると、直ぐに石元から離れて体を少女の方に向ける。
「さて、お嬢。今回のはどうも不自然な点が多すぎる」
「分かってる……。輪入道、骨女。一目連を手伝って」
少女が、余りにも冷たく淡々と指示を出した。三人は三人とも微妙に違う反応こそ見せたものの、一様にして頷く。
この少女が、三人の会話の中で幾度か出たお嬢であり、地獄通信の主である地獄少女閻魔あいなのだ。
そして、石本蓮もとい、一目連や骨女、そして赤いマフラーを首に巻いた老人、輪入道は彼女の使い魔とも呼べる三藁という存在で、普段は地獄通信にアクセスして来た者や、其処に書き込まれた人間の調査をしている。
だが、今回三藁の一人、一目連が麻帆良に来たのは彼自身が言っているように、普通の事情でない。
数日前、地獄の門がその起因となる地獄通信を介さないまま短い時間ではあるが開放された、というのがその普通ではない事情だった。
何百年もの間、地獄少女として人の世と地獄を往来してきたあいにとっても初めての事であり、流石に困惑する。
地獄と人の世とはそう簡単に繋いで良いものではなく、同時に簡単に繋げられるものではない。そもそも、何故そんな事が起こったというのか。
あいを含め、三藁も全く分からない。手がかりとしては少なくとも、麻帆良学園内でその気配が微かに残っているという事ぐらいだ。地獄通信にアクセスしたのか、それとも、別の手段が存在してそれで地獄の門を開いたのか。
それを、地獄少女として調べなければならない。
まるで暗闇の中を手探りで進まなくてはならないような状況の中だが、あいは何を考えるでもなく、その大きな瞳で夕日を見やる。彼女の意図を三藁は深いところまで理解し得ない。
それでも今はこれが最良の選択なのだと言い聞かせる。
以上です。相変わらず改行が下手糞で……
それ以外も下手糞なのはあるのですが、どうか今後も温かく見守ってください。
今、自分の投下したものを眺めていたら、
>>563にて一部の単語を間違えている為に文章全体が多少おかしくなっている点が見つかりました。
見直しの点で、どうも見逃してしまっていたようです。
この場合は、その部分を指摘するのか、それとも563だけを改定したものを投下するのか、
それとも第三話そのものを投下しなおすのが良いのでしょうか。
あまりやりすぎると、スレ汚しになってしまいそうで……
GJ
だがこれは予想外の展開
単純に恨み→地獄流しじゃない分期待できそうw
Phase 19 「六体ドールが揃って…」
蒼星石がレンピカを奪われて早3日。
千鶴と翠星石がたびたび部屋に訪れるようになって少し賑わいを見せた夕映部屋。
あの戦いの傷も癒え、普通に生活をする蒼星石。
レンピカを奪われたことに対して落ち込むこともなく、意外と落ち着いていた。
「蒼星石〜。会いたかったですぅ」
抱きついて頬擦りする翠星石は困り果てた表情で対応するのに必死だった。
双子の姉妹の感動も翠星石は構わず抱きついている。
「あらあらー。二人とも楽しそうね」
仲良く(?)している二体のドールを眺めてほのぼのとしている千鶴。
夕映もそれに相槌を打って反応する。
「もう離さないですぅー」
「翠星石。そろそろ離してくれないから、苦しいよ」
はしゃぐ姉に妹の方はてんてこ舞いとなってしまった。
「蒼星石安心するです。レンピカも私が必ず取り返すですぅ!」
テンション高いままの翠星石はそう豪語する。
流石に調子に乗りすぎだと夕映が止めに入る。
「闇雲に水銀燈に戦いを挑むのは危険です」
「うるせーですチビ人間」
突っぱねて夕映を拒絶する翠星石。
どうも翠星石は夕映のようなタイプが苦手のようである。
ただレンピカを失った蒼星石は落ち着きすぎと思うくらい、静かになっていた。
「そりゃ大変だな」
「酷いよ千雨ー。カナ死ぬほど頑張ったかしらー」
一方、千雨の部屋には金糸雀が必死になって弁解していた。
ここ最近、好き勝手に行動している上に玉子焼きの代金もかさばる金糸雀の世話に疲れ気味だった。
サイトの更新をしなくてはならないし、金糸雀の性格上、口が減らないのが特徴。
そのたびに返事をしなくてはならないため徐々に疲れが溜まってきていた。
「分かったから今日はもう寝ろ」
鞄を金糸雀の前に置いて千雨自身はパソコンの前で釘付けのままである。
「……」
千雨の言葉に無言で鞄の中へと戻る金糸雀。
「千雨はカナのこと嫌いかしら……」
そう呟いて金糸雀は鞄を閉じようとした。すると千雨はいきなり閉じそうになる鞄を開かせた。
「お前のことが嫌いだったら、さっさと契約なんか捨てちまってるよ」
はっきりと金糸雀に告げると、金糸雀は顔を少し赤くして戸惑ってしまう。
その様子に千雨も少し赤面すると、勢いよく鞄を閉じてしまう。
学園でも一番大掛かりで大変な場所。
ナイトメアサーカス一向は今日も本番さながらの練習に、皆真剣な表情だ。
そんな中でザジは得意のジャグリングを披露。
少し疲れ気味なのか、最後の最後でミスをしてしまった。
慌てて道具を拾うザジをたった一人の…否、一体のドールが見物していた。
練習を終えたザジの前に水銀燈が飛び寄ってきた。
「お疲れ」
「……うん」
水銀燈の素っ気無い言葉も、素直に返事をして返してくる。
練習後とはいえ少し疲れ気味なザジを見て水銀燈は指輪を見た。
この所、戦いのたびに力を使うようになった。
契約者を媒体扱いにしか見ていない水銀燈だが、ザジの地道な練習振りに少し考えさせられた。
「疲れたと思うならすぐに休みなさい」
リスクの高い技は相当の集中力を要する、連続して集中すればその分疲労も増す。
自分が力を吸い続けたせいでサーカスを失敗させたとなると、他人事とはいえ後味が悪い。
それよりも水銀燈自身、サーカスが気に入りつつある自分を否定しようとしている。
「ありがとう水銀燈」
「フン……」
羽を広げて水銀燈は三日月と星で色取られた夜空を舞う。
水銀燈の周りをメイメイとレンピカが色取り、本来の攻撃的な性格など忘れてしまいそうなほど幻想的であった。
「機嫌よさそうだね」
ザジはそんな水銀燈を眺めて軽く微笑んだ。それは営業スマイルではないザジの素直な笑顔。
エヴァの別荘では雛苺が画用紙にクレヨンで絵を描いている傍ら、真紅は紅茶を飲んでいた。
「茶々丸、少し出てくるのだわ」
「はい」
鏡の前に立つと真紅はその中へと飛び込もうとする。
それを見ていた雛苺はそれに続こうとした。
「ヒナも行くのー」
「あなたはここで留守番してなさい」
一言告げて真紅はnのフィールドへと飛び込んでいった。
仲間はずれにされた気分になった雛苺は膨れっ面でいた。
nのフィールドを突き抜けて進む真紅はある人物を尋ねていた。
「ラプラスの魔……」
探し人は意外なほどあっさりと見つかった。
ラプラスの魔は一つのドアの前でもたれかかるようにしている。
「何かな?」
「あなたでしょう。あんな悪趣味なことをしたのは」
真紅が問いただしたのは夕映が持っていたブローチのことであった。
思い出すのも嫌なほど、あのブローチには苦い思い出が残っている。
それがなぜ完全な状態で残っているのか、ラプラスの魔以外に考えられなかった。
「悪趣味とは失礼な。過去に捕らわれているあなたたちにそれを解くきっかけを持たせただけですよ」
「余計なお世話よ! 見物人は大人しくしてなさい!!」
真紅の怒号にもラプラスの魔は逆に睨みつけて返してくる。
「アリスゲームと私的な感情で戦うのとは違うのですよ」
「――!」
アリスゲームに参加せず、自身のやり方で戦う真紅にラプラスの魔は警告をした。
「私はあくまで見物人ですが。舞台が酷いとブーイングだって起こりますよ」
「それは……!」
突如会話を中断して、真紅は身を翻して飛び交う。
次の瞬間、ラプラスの魔の後ろの扉が僅かに開いて、水晶の弾丸が何発も飛んできた。
「何なの!?」
真紅が扉の隙間を見ると、目に眼帯をつけたドールがこちらを見ていた。
「――!?」
「戦いが本格化していますからね。下手に隙は見せない方がいいですよ」
ラプラスの魔はそう告げて、扉の中へと消えていった……。
つづく
以上で遅らせながら19話投下しました。
第7ドールの登場で徐々に物語のテンポを上げて行こうと思います。
>>565 >この場合は、その部分を指摘するのか、それとも563だけを改定したものを投下するのか、
それとも第三話そのものを投下しなおすのが良いのでしょうか。
一度指摘をして、txtで投下してみてはどうでしょうか?
すべて書き直して投下しなおすとスレ汚しになりかねないので。
こちらも地獄少女ネタには興味津々ですので頑張ってください。
両作者様、乙です
次回も楽しみにしております
まだこのスレあったんだ……何気に1周年立ってんじゃン
>>573 1周年おめでとう御座います。というところですね。
私はほんの数ヶ月前に参戦したばかりですが
>>571 txt投下の仕方がちょっと分からないというヘタレで……
ちょっと今調べているのですが
>>575 ありがとう御座います。次の話を投下時に利用したいと思います。
地獄少女ネギ籠りの第四話の投下、実は完成に手間取っていてまだ投下できません。
すみませんがもう少しお待ちください。
Phase 20 「第7ドール」
「すみませんです」
「いいんだよ、無くしたくらいで怒らないよ」
人形店で白崎にブローチを壊してなくしてしまったことを話す夕映。
流石に人形同士で戦っていたなんて言えないため、自分で無くしたことにした。
「それじゃあ変わりにこれなんかどうかな?」
白崎はブローチの代わりにリボンを差し出した。
「わかったです」
夕映は小さなリボンを購入すると軽くお辞儀をして店を出た。
「ふぅ……」
白崎は夕映を見送ると軽くため息をついて店の奥へと消えていった、
店の奥には一人の青年が黙々と人形を造っていた。
「どうだい?」
「……悪くない」
ただ一言そう呟いた。
「どうしたんだい、翠星石」
「蒼星石、そんなにのんびりしてたら駄目ですぅ! あの水銀燈からレンピカを奪い返すですぅ!」
ここしばらく、大きな動きも無いため平和な日々が過ぎていた。
蒼星石はレンピカを奪われて以来、戦いから身を引いた状態で過ごしていた。
「それは分かってる……」
「分かってないですぅー! ならどうしてすぐに向かわないですかぁー」
翠星石の怒鳴りにも、鬱陶しい仕草で跳ね退ける。
「じゃあ水銀燈に丸腰で戦って負けろとでもいうの」
「それはないです。私がついてるですぅ」
それでも蒼星石はあまり多くを語ろうとしない。
「……」
もどかしく思えてきたのか、蒼星石の手を引っ張り無理矢理鏡へ押し込もうとする翠星石。
「やめるです。闇雲に飛び込んでも返り討ちに遭うだけです。」
そこへ夕映が翠星石を制止した。
「おめーは関係ないですぅ。こっちの問題ですぅ!」
「な、何をいうですか!! 私はマスターです」
「チビ人間ごときが何の役にたつですか! 大人しく翠星石にまかせるですぅ!」
一緒にいられなかったことと、バラバラに契約してしまったことで、蒼星石を独占している夕映に嫉妬している翠星石。
思わず口汚く罵る。
「力を見極めないそちらこそ身の程知らずです!」
「おう!? やるならかかってこいですぅ!!」
珍しくムキになって魔法を使おうとする夕映とスイドリームを召還する翠星石がぶつかり合おうとする。
そこに蒼星石が止めに入った。
「やめてよ二人とも! 僕がレンピカを奪われたのは僕が未熟だったからだよ」
蒼星石が声を荒々しくして叫ぶと、二人はしんと静かになった。
「……すみませんです」
「……ちょっと熱くなりすぎたですぅ」
二人とも蒼星石を思ってのことだが、結局空回りして失敗してしまう。
蒼星石は色々と考えていた。
真紅と水銀燈はアリスゲームという名目で互いを潰しあおうとしている。
雛苺は脱落し、金糸雀は今もどこかで自分たちを狙っている、そして翠星石は……。
どのみち戦うしかない運命を化せられたドール。
何故ローゼンは翠星石と蒼星石を双子に造ったのだろうか。
もしも赤の他人に造れば、ここまで悩む必要もなかったのに。
「レンピカは必ず取り返す。だけど今は焦って飛び込んじゃだめだ」
「………わかったですぅ」
翠星石を宥めて引き返させた。これではどっちが姉だか分からない。
翠星石との言い争いのせいで、夕映は蒼星石のために買ってきたリボンを出し辛くなってしまった。
一方、nのフィールドを飛び回る水銀燈は妙な違和感を覚えた。
異質なドールの気配。自身のローザミスティカですら危うい感覚。
「さぁ……隠れてないで出てきなさい」
奥の扉。何の変哲も無い扉に見えるが、水銀燈には分かる。
そこから漏れてくる殺気と、ドールの反応が。
「……」
次の瞬間、扉が開いてそこから水晶の弾丸が飛び出してきた。
「くっ!」
咄嗟に翼を防御にして弾丸を防ぐが、衝撃でかなり後方へと吹き飛ばされた。
さらに続く第二射、第三射。必死で耐える水銀燈。
翼での払いとレンピカでの攻撃で何とか攻撃を反らすことができた。
「なんなのよぉ!」
「きゃぁ!」
すると後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
反らした弾丸の軌道の先に、金糸雀が驚いた表情で見ていたのだ。
バイオリンを取り出そうとして、弾丸が顔面スレスレを飛んでいったのだ。
しかも、隠れていた場所と位置関係から、不意打ちで水銀燈に挑もうとしていたようだ。
「あなた……」
「あわわわわわ。見つかったかしらー」
慌てて弁解を図ろうとするが、状況が状況だけに下手な言い訳ができない。
だがそこは(自称)ローゼンメイデン一の頭脳派。
「おーほほほ、その扉の先にいるドール! このカナを見つけるなんてやるじゃないかしらー」
とりあえず、扉の先に居る謎のドールに向かって言い放つ。
「……(明らかに私を狙ってたわよね)」
無言の訴えを行う、冷めた目をしている水銀燈の視線がとても痛い。
「どうだっていいわ。さっさと出てきなさい!!」
その言葉に、扉の奥から出てきたドール。
「レンピカ! メイメイ!」
「ピチカート!」
互いの精霊を呼び、立ち構える。
水銀燈と金糸雀はとりあえずその場での休戦協定でドールへと向かい合う。
見つめるだけでも相手の実力が未知数だからだ。
「……ふふ」
小さく笑っているそのドールは、どこか幻想的な感覚がしていた。
薄紫のドレスと水晶の飾り、薔薇の形をした眼帯。見慣れないドールであった。
「あれは……」
「誰かしらー」
無表情に近いそのドールは静かに口を開くと、自身の名を名乗った。
「私はローゼンメイデン第7ドール……薔薇水晶」
つづく
以上で20話の投下を終了します。
ここ最近、忙しさでなかなか執筆が進みませんがいける所まで進めています。
全力で最後まで突っ走ろうとする自分はばらしー派。
ほしゅage
お久しぶりです。大分遅れましたが、これから地獄少女ネギ籠り第四話投下します。
あの三人組はどうも地獄少女風にアレンジしやすくて……
第四話 罅割れ
チアリーディング部の活動も終わり、部室のベンチに座り靴を履き替えていた椎名桜子は、突然頬に冷たいものを当てられ、目を見開いた。
顔を上げると、後ろから釘宮円が雫のついた缶ジュースを自分に押し当てていた。円はにっこり笑いながらお疲れ、と一言良いそのジュースを差し出す。
桜子は別段嫌な顔をせず、プルタブを開け、ジュースを飲む。水分が全身に染み渡る心地がして、部活の疲れが若干癒されるような心地がした。
「ここ最近、随分はりきっているわね」
「んふふ、そりゃあ今度の大会の応援で私がメイン張るんだから当たり前じゃない」
桜子は満面の笑みを浮かべる。ついついその笑顔につられ、円も微笑む。
普段から桜子は朗らかな性格で部内の雰囲気を何時も良くしている。
今回は来週に迫っているバスケ部の試合での応援で、彼女がようやく中心となる事が出来たのだから尚更だ。
入部してから初めて担う大役に、彼女は心底疼いているのだと円は察する。
「ま、無理しないでよね。今日の練習だって危なっかしいところあったし」
そこに長い髪を纏めながら着替えをしていた柿崎美砂が会話に入ってきた。この三人はクラスメートになってから長い。
故にお互いの事を理解している親友でもある。
だからこそ、桜子はこの美砂の言葉も何一つ疑ることなく、素直に受け止める。しばしばつの悪そうな様子を見せた後、残っていたジュースを飲み干して自身も帰宅の準備に移る。
既に円も帰りの準備を済ませていたらしく、手持ち無沙汰にベンチに座っていた。
桜子はちらりと横目でそんな彼女を見やると着替えようとロッカーに手を掛けた。
だが、次の瞬間、笑顔であったはずの桜子の表情が、彼女から発せられる絶叫と共に醜く歪んだ。ロッカーを開けた途端、まるで滝のように彼女の足元に黒い物体が流れ出したのだ。
瞬時に彼女は「それら」が自分の苦手な「あれ」だと認識すると、腰を抜かせその場にへたり込む。そして、頬から涙が零れ、彼女が後ろにずり下がると共に部室の床にこぼれた。
最も側に居た美砂がそんな彼女の足元まで張っていた黒いものを払いのけ駆け寄る。顔が強張り、全身が震えている。腰も抜けておりとても自分ひとりで動けそうもない。
「円、悪いけど保健室に連れて行ってもらえない。私ちょっと先生呼んでくるから」
「分かった。確か今日は亜子が保険当番だったはずだから多分大丈夫」
円と美砂の二人は互いの顔を見やり、直ぐに腰を上げる。
美砂は足早に部室を後にし、円は未だ涙の止まらない桜子を肩で支え立ち上がらせ、ゆっくりと部室を後にする。
当然、保健室に足を運んだ円と桜子を見て、暇をもてあましていた亜子は仰天した。
しかし、流石は保健委員というべきか、亜子は手早く保健室のベッドに桜子を寝かせる。
程なくして桜子から心地よい寝息が聞こえてくると、円から事の顛末を聞き怪訝そうな表情を浮かべ口を噤んだ。
「確か、チアってもう直ぐ大会の応援……」
「そうなのよ。まあ、彼女の事だから心配ないとは思うんだけどね」
3−Aのチア3人娘のリーダー格である円が表情を曇らせる。
チアリーディングにチームワークは必須。しかも今回は中心が桜子本人。そこで起きた度を遥かに越えた悪戯。
亜子は何とか彼女を励まそうとするが、どうにも的確な言葉が出てこない。
暫く無音の、気まずい空気が流れる。
外からは野球部やサッカー部などの、活気のある声が聞こえてくるというのに、まるでこの夕日の差し込む保健室だけ別の空間に分けられてしまったようだ。
其処に桜子の鞄を持った美砂が入ってきた。既に顧問の先生と話をしてきたらしい。
静かに桜子の休むベッドまで歩み寄り、側に鞄を置くと今度は先生と一緒に部室の掃除を行うと告げ踵を返した。
円が腰を上げ、手伝うべきかと尋ねるとどうか桜子の側にいて欲しいと笑顔を見せる。曰く、掃除は自分がちゃんとやっておくから、せめて今日は桜子の面倒を見ていて、と。
結局、桜子は美砂が出て行ってから数十分後いそいそとベッドから身を起こした。
泣いてすっきりしたのか、顔色は良い。亜子から簡単な質問を数回受け、もう大丈夫だと判断され円と共に先に帰宅しようと鞄を肩に掛ける。
そこで、桜子は美砂に連絡をしようとして、自分の携帯が鞄の中に入っていない事に気がついた。幾ら鞄の中身を見ても見当たらない。
「もしかして部室に置き忘れてきたんじゃ……」
「あ、じゃあ美砂迎えに行こうよっ」
はっと呟く円に対し、何時ものような笑顔で桜子は部室に行こうと提案する。
円は、チアの一員として、何より親友の一人としてあの場所に直ぐに戻るという事に気が引いたが、どうにも彼女に聞き訳がなさそうだとうなだれると、渋々首を縦に振り部室へと足を運ぶ。
「ねえ、本当に大丈夫……? 何だったら私が取りに行っても良いんだよ」
「あはは、大丈夫だって」
そして、「あの部室」に行くにつれて、桜子の顔色は明らかに悪くなって来ていた。
溜まらず言葉を掛ける円であったが、桜子はやはり笑顔でこう応えるばかりだ。
それは、彼女自身の内面と、今自分の置かれている立場からくるものなのか。
円は思いをめぐらせる。やがて、無理をしないで、と一言付け加えると彼女の歩調に自らの足を合わせる。
ふと、部室の前まで来ると誰かの話し声が聞こえてくるのが聞こえた。かすかにあいたドアの隙間から声が聞こえて来ているらしい。
桜子はその声の主が美砂のものだと気付くとドアに手を掛けた。
しかし、唐突にその手は、まるで死んだかのように動かなくなってしまった。ほんの数ミリしか開いていない隙間から零れた会話によって。
「……でも、うまくいったんでしょ……椎名の……ね」
「私は……違……」
「大会だって……近いから……はやく何とか……」
「そうよ……あの子……ずっと笑っているだけ……」
複数の声が途切れ途切れに彼女の耳に届く。時折微笑が混じっている。部室の中には美砂と、他の部員がいるらしい。
しかし、誰が今、ドアの先にいるかは彼女にとって最早どうでも良いことであった。
その内容こそが彼女の脳裏を激しく揺さぶる。
自分自身の事。大会が近いという事。そして……。
思えば、彼女自身が兎に角苦手としている「黒いアレ」について知っているのは親しい友人達だけ。
その上、自分のロッカーの中にそれが入っていた。
刹那、彼女の脳裏に黒い影が過ぎる。溜まらず後ずさりをし、かと思えば乱れた足並みで廊下を駆ける。
目の前で桜子が奇行に至った理由を幸か不幸か、知る事の出来なかった円は唖然として、その場に立ち尽くすだけであった。
以上です。
今回は地獄少女風に言えば怨みの生まれる前、導入部分といったところでしょうか。
最近コミック版の方も読み始めて、また再放送してくれないかと思ったり。
>>581 遅れましたが乙です。蒼星石と夕映が読めば読むほどにていて、しかも
夕映が翠星石にちび人間といわれる辺り、何だか微笑ましい光景で和みますね(本当はそういってられないのでしょうが)
次回更新楽しみにしています。
ベスト 16
ネギ VS ゴン
コタロー VS ルフィ
楓 VS ナルト
刹那 VS 一護
明日菜 VS ネウロ
高音・D・グッドマン VS アレンウォーカー
高畑・T・タカミチ VS 悟空
エヴァ VS イブ
ベスト 16
ネギ VS ピカチュウ
コタロー VS リー
楓 VS 乱太郎
刹那 VS 緋村剣心
明日菜 VS クラウド
高音・D・グッドマン VS アレンウォーカー
高畑・T・タカミチ VS 勇次郎
エヴァ VS アーカード
誰かつよきすとのクロス書かないかなーー?
薔薇乙女ネギまの作者です。
所用で11日まで投下をお休みさせていただきます。
>>588さんなどまた待たせてすみません。
誤解で流されるのもまた地獄少女的w
594 :
マロン名無しさん:2007/09/12(水) 12:37:43 ID:SLr4cPLQ
誰かデモンベインとのクロス書かないかな?
初投稿です。FFタクティクスとのクロスものを書きます。マイナーものですみません。
話半ばでどうしてもオリキャラの敵を出さねばならなくなったのでご容赦ください。
なるべくFFタクティクスを知らないでも楽しめるように書きますので、FFTを知らない人も
読んでいただければ幸いです。ついでにFFTをプレイしていただければさらに幸いです。
あと自サイトでヘルシングのアンデルセン神父とエヴァ様のバトルものの長編があるので、
そちらも楽しんでいただければ。
http://poncho.my-sv.net/ NOVELのところにあります。
それではいきます。
と思ったけどちょっとトイレいってきますお腹痛いです。
失礼しました。
では。
FFタクティクス〜葱戦争〜
膨大な水が静謐に流れ落ちていく。見渡す限りに広がる断崖絶壁に、一様に音もなく滝が伝っている。
そしてその滝を割るように、書庫の列が整然と設えられている。
上を見上げれば、遥か遠くに不思議な色彩の照明が崖を縁取るように連なり、
そこへ向かって自分を支えるロープがつながっている。
下を見れば書庫を照らす照明の光がぼやけ、底がどこにあるかもわからない。
夕映はロープをきしませながら、目の前の本棚を見つめていた。
「夕映〜、辿り付いた〜?」
斜め上空で同じくロープを握り締めているのどかが尋ねる。
「もうちょっとです。296段まできましたから」
段の横に貼られたプレートを確かめながら夕映は答えた。
このフロアに着いて一時間。ようやく目当ての本がある棚に辿りつき、目指す本がある段を降りているところだった。
今は図書館探検部の部活動の真っ最中。図書館島の内部の探査といういつもの内容に加えて、
ハルナの私的な頼みを解決するため目当ての本を探していた。
ホームルームの終わり際、部活動に行こうとする夕映達に、
『いやー今ファンタジーもの描いてるんだけどさ。ちょっと架空のモンスターの資料欲しくなってねー。
私今日は漫研行く日だから、ついでに取ってきてくんない?場所はわかってるから』
と、ハルナが頼んできたのであった。
「まったくハルナにも困ったものです。資料が必要ならば事前に確保しておけばいいものを」
やってることはいつもと変わらないのだが、ハルナの頼みごとかと思うと余計な仕事を負わされた感がして、少々憎まれ口を叩いてしまう。
「しょうがないよ。ハルナ忙しいみたいだから」
スルスルと隣まで降りてきたのどかが笑顔でフォローする。
この友人は人の頼まれごととあれば喜んでしてしまうのが常である。
人が良すぎるのどかの笑顔に毒気を抜かれ、心中細々とため息をつきながら、さらに下へと降った。
”312段”
「この段ですね。では私は左から探しますから、のどかは右から」
「わかった〜」
ととっと段の合間の岩肌を蹴りながら左端へと移動し、目の前の本のタイトルを眺める。
同じく移動したのどかは二十数メートルほど離れたところへ。ちなみにこの本棚、一つの段だけで1000冊ほど収められている。
「タイトルは”始原の獣達”……と」
夕映はざっと目を走らせながら右へと移動していく。夕映レベルともなると速読の早さも漫画のコマを見るのと変わりの無い速さである。
「む。ありました」
深い暗緑色をした布製の装填に、金糸で縫われたタイトルが背面に刻まれている。
手にとって見ると訳書のようで、表紙にはBeasts of originという原題がサブタイトルのように日本語の下にある。
専門書の図鑑のように大きく、ズシリと重い。
適当にパラ見してみると、横書きの古めかしい日本語と共に様々な空想の獣―――竜や悪魔の図がページの半分ほどを占めて描かれていた。
当然ながら白黒ではあるが、描き込まれた精緻な線が鮮やかに映えるほど印刷はしっかりしている。
「わ、すごい絵……」
隣に寄ってきたのどかが覗き込み、感嘆する。
たしかに素人目にもわかるほどの流麗さで、架空の動物とは思えないリアルさを発していた。
「たしかに間違いないようですね。ではさっそく戻りましょう」
「うん。そうだね」
タンと本を閉じつつ、くるりと背を向けたのどかのバックパックに本を入れる。あまり空中で読んでいては落とした時が事である。
そしてベルトのバックルのボタンを押して、ロープをウィンチに巻き上げてもらおうとしたその時。
―――コトン
と、硬質な音が本棚から響いた。
「ん?」
「へ?」
夕映とのどかが音のした方向を同時に向くと、突然、ガクリと棚が前方へせり出した。
「わ!?わ!?わ!?」
驚くのどかの眼前の、段の中央からものものしい重い音と共に左右へと開き出した。
その様子を見た夕映は同じく驚きながらも、ポツリとつぶやいた。
「もしやこれは……噂に聞いた希少本の仕掛けでは」
「知ってるの、夕映?」
「はい。図書館探検部が創設されて数十年ほど経ちますが、その部活動の中で過去に数回、秘匿されていた希少本を発見した例があるのです。
たいがいどれも通常では見つかることがないよう、このように仕掛けを施されているそうです。
そして、その過程は偶然なものから追い求め苦節の果てについに発見したものなど様々ですが……
それらすべてに言えることは、そのどれもが国宝級の価値を持っているとか」
説明する夕映の口調も、少なからず興奮に満ちていた。
なにしろ探検部にとって、希少本を発見することはその活動の至上目的とも言える。
それも国宝級ともなれば、インターハイでの優勝と同じような価値を持つ。
そして何より、本好きにとって幻の本を読むのは、垂涎せんばかりの楽しみである。
やがて棚の動きが止まり、夕映とのどかの目の前に一冊の本が現れた。
砂色で、表紙は幾何学的な幾重もの円が織り込められ、どこか魔術的な印象を感じさせる。
タイトルは書かれていない。夕映が手にとってみると、ザラついた感触が長い年月を思い起こさせた。
「日本のものではないようですね……」
ゆっくりと開けてみると、ふわりとした古書特有の古びた繊維の匂いが香り、まるで見た事のないような文字と動物の絵が目に飛び込んできた。
「なんですかこの文字は……」
ページを繰ってみると最初のページと同じように、動物の絵とその注釈のように文字が連なっている。
「現実の動物じゃ……ないよね?」
隣から覗き込むのどかが言う。
確かにどの動物もまるで知っている動物とは違う。
海蛇が巨大化したような竜や、黒衣をまとった骸骨が骨の翼を広げているもの、中には人間の老人が杖を携え、先から雷を発しているようなものまである。
その姿は今のどかの本にあるような空想の獣を連想させ、そしてまた、
「ハルナが持っていたゲームのモンスターに似ています」
時折ハルナが部屋でプレイしているファイナルファンタジーに、こういうモンスターが出ていたのを思い出した。
「でもすごいよ夕映……こんなに古い印刷なのに、今にも動き出しそう……」
感嘆と共にのどかが言う。
たしかにさきほどの本と比べものにならないほど、その絵は躍動感をはらんでいた。
線の濃淡が目に見えるほど鮮やかに浮き出ているのである。
「……ともかく、この本は持って帰りましょう」
そう言いつつのどかを促し、バックパックに同じように本を入れる。
「先生に報告しなきゃだね」
バックパックをしょいなおしたのどかが嬉しそうに言った。
「……そうですね。少々、気がかりな面もありますが……」
「え?気がかりって?」
不思議そうに尋ねるのどかに、夕映は思案気な視線を向ける。
「気づきませんでしたか?のどか。その本から、私達が最近接してるものと同じような匂いがすることを」
「ええ?」
慌てるのどかから視線を外し、夕映はバックルのスイッチを押す。
巻き上げられるロープに夕映が上空へと登っていくのを見て、のどかも慌ててスイッチを押す。
同時に、開いていた棚が再び元へと戻り、本の安置場所を閉ざしていく。
「魔力の匂いですよ」
閉まっていく棚の音と共に、夕映はポツリと言った。
今回は以上です。
できれば感想等いただければ励みになりますので、よろしくお願いします。
では。
書こうかと思う作品があるが、ちょっと需要に関して質問。
カラミティ・ナイトとのクロスに需要はありますか?
ラノベ板ならともかく、ここでどれだけの人間が知ってるか怪しい作品なので、殆ど知らんようならやめようかと。
意見よろしく。
需要以前にこのスレ読み手が居なさ杉だろ。職人の方が多いってのは……。
クロスは元ネタも有名じゃないと厳しいからなあ……。過疎というか、廃寸前な現状が惜しい。職人は居るのに……。
ここはシリアスなネギまSSが読める貴重なスレだったけど、最早これまでか……。
>>604どっか適当にレンタルサーバーでも借りてそこに移住するか?
ところで、勢いでいくつかのゲームとクロスさせてしまったんだが、キャラ死はアリなのか?
Phase 21 「激化」
「ほら、こうするのよ」
「こ、こうですか?」
千鶴の手ほどきによって、クッキーを焼く翠星石。
蒼星石と真紅、さらに雛苺と並んで紅茶を啜りながら待っていた。
夕映やアキラも揃って団欒状態であった。
「翠星石の作ったクッキーが完成したですぅ。たーんと召し上がるですぅー」
完成したクッキーを自慢げに掲げる翠星石。
雛苺はクッキーを食べながらクレヨンで画用紙に絵を描いていた。
ぽろぽろと落ちるクッキーのカスが画用紙を汚して、さらにとんでもないことになっていた。
「だめだよ雛苺。ほら」
アキラがハンカチを取り出して雛苺の汚れた口元を綺麗にする。
「ありがとアキラー」
喜ぶ雛苺の姿を見て微笑むアキラ。すっかり保護者である。
そこに真紅と蒼星石、そして夕映が紅茶を飲みながら読書をしていた。
共々難しそうな本であり、翠星石にはとても理解できるものではない。
「すげー難しそうな本ですぅ」
「読んでみる?」
真紅が差し出したのは歴史の本らしいが、ページを数枚捲るだけですぐに本を閉じてしまった。
「おーほっほっほ。翠星石には無用の産物ですぅ」
「………強がりです」
小さく呟く夕映の声を、翠星石は逃さなかった。
「何を言うですかぁ! 翠星石には無用だと言っただけですぅ!」
「ろくに読まなくて何が無用ですか」
珍しく突っかかる夕映。翠星石とは俗に言う『ウマが合わない』というやつである。
「もう許さんですぅ! 勉強できないくせに偉そうな本ばかり読んでですぅ!」
「勉強は嫌いです。文句があるなら本の内容を理解しろです」
とことん言い争いに発展していく二人。
何が何でも譲ろうともしないし、理解しようともしない。
「悔しかったらこの内容をすべて説明してみろです!」
「んなもん無理に決まっとんだろボケー!! ですぅ!」
怒りのあまり、喋り方がおかしくなっていることに気付いていない翠星石。
やれやれと言ったご様子の真紅、蒼星石。
そしてここにいる全員の保護者になったような笑顔でいる千鶴。
すると真紅がある反応に気付いた。
「……これは」
その気配は蒼星石にも届く。
「真紅もわかった?」
二体のドールは立ち上がると鏡の前に立ち、nのフィールドへと向かおうとする。
マスターの夕映も、蒼星石の険しい顔を見て駆け寄った。
「どこに行くですか!?」
「僕たちが感じたこともないドールの気配だ。水銀燈や金糸雀もいる」
水銀燈にレンピカを奪われ力を失った蒼星石。うまくいけば取り戻せる。
真紅も今度こそ決着をつけようと決意を固めていた。
「待つですぅ。翠星石も行くですぅ!」
翠星石も参加して三体のドールがnのフィールドへと向かった。
「…ヒナは?」
一体その場に取り残された雛苺はどうすればいいのか分からず、立ち尽くしていた。
「大丈夫。一緒にお留守番してようね」
アキラが抱き寄せ、心配かけないようにした。
「ちょっと後は任せるです」
夕映も部屋を飛び出し、nのフィールドへと入っていく。
流石に千鶴とアキラに飛び込む所を見せられないため、近くの鏡がある場所に移した。
nのフィールド内では、水銀燈と金糸雀が薔薇水晶と激闘を繰り広げていた。
二対一での戦いだが、明らかに劣勢なのは水銀燈と金糸雀だった。
「なんなのよ!」
「手ごわすぎるかしらー」
形勢不利と見た水銀燈は、扉に飛び込んで一時撤退を試みた。
それに続こうとした金糸雀だが、薔薇水晶の水晶の弾丸に弾き飛ばされた。
「きゃあ!」
扉を閉じようとした水銀燈だが、一瞬の隙をつかれて扉をこじ開けられる。
「くっ!!」
「逃がさない」
庭師の鋏と水晶の剣がぶつかり合って火花が飛ぶ。
徐々に厳しくなってきた水銀燈の顔は険しかった。
「ふふーん。今日もトップを維持っと」
パソコンのモニターを見つめながら意気揚々と言った表情の千雨は自室で笑っていた。
コスプレ衣装もバツグンの出来で、久々の記録更新と行こうかとしていた。
「その暁には、サイトをまたリニューアルして……ん?」
するとパソコンの画面が揺らぎ、そこに傷ついた金糸雀の姿が映った。
「おいおい……冗談だろ……」
「た、助けてかしら……千雨ぇ……」
奥には知らないドールがぶつかり合っていて、それも厳しい状況。
折角のいい場面だったが、一瞬にして自身のドールの危機的状況を知った。
「いい所だったのによ……ちっ!」
出ていた僅かの部分のショートカットをすべて保存して消すと、千雨は立ち上がる。
そしてモニターに指輪を押し当て、呪文を述べた。
千雨のアーティファクトは電脳世界に飛び込むこと。
そこを経由してnのフィールドにも何か影響を与えられないかと考えた千雨。
「――っ!」
次の瞬間、光に包まれた千雨は力が抜けたように机に倒れこむ。
意識が電脳世界に飛び込んだからだ。
何かと金糸雀を鬱陶しい扱いにしていた千雨だが、本気のピンチにはいてもいれられなかったようだ。
つづく
非常に遅らせながら21話の投下を終えます。
物語の進行上、なかなかドールが減りません。本編もそうなのですが…
人が少なくて少々寂しいです。
>>602 新入りの加入は歓迎です。
まだ始まったばかりなのでなんとも言えませんが、これからの流れに期待ですよ。
楽しみにしてました!
乙です
こんにちは、また投稿させていただきます。あんまりにマイナー過ぎたクロスものかと思いますが、
けっこうネギまサイト界隈ではFFTのイラストも見かけるので潜在してるFFT+ネギまの人は多い、かも、と信じていきたいです。
>>611 うっス、ありがとうございます。ご期待にそえるようがんばりたいです。
前回は
>>598-601
探検部の部室に報告し、狂喜乱舞する顧問の元へ本を渡し、夕映達は寮へと戻った。
すでに時刻は日暮れ時で、遠くの山並みに赤い夕日が落ちかかっている。
ハルナとのどかの部屋へと廊下を歩きながら、二人は今日の本のことを話し合っていた。
「結局あの本なんだったろうね。先生もわからないって言ってたし」
「……おそらくは魔法使いの世界に属するものでしょうが、詳細はやはり不明です。私のアーティファクトにもあの言語のことは記載されていなかった」
あの後、安全な場所でじっくりと本を読んでみた二人だったが、やはり最初と同じようなことしかわからなかった。
てくてくと歩きながらも、夕映の表情は思案気なままだ。
「これからあの本どうなるのかなぁ……?やっぱり大学の方で研究されちゃうのかな?」
「魔法使いの研究者もいるでしょうから、その通りになるかでしょうね」
そうつぶやく夕映の表情にはかすかに名残惜しさが漂っている。
そんな夕映に、のどかは明るく微笑みかける。
「先生に頼んで、本について何かわかったら教えてもらおうよ」
その言葉に、夕映もかすかに微笑みながら、
「……そう、ですね。そうしましょう」
そう答えた。
やがて部屋に辿り付いた二人は、ドアの軽くノックして、
「ハルナ〜、入りますよ〜」
と、ドアを押して入った。
途端。
「きゃぁああああああ!!」
黄色い悲鳴が室内から響いた。
「……はい?」
「……へ?」
玄関に呆然と立ち尽くす二人の目に飛び込んできたのは、
「ホラ!先生お願い!お願いだから!脱いで!脱いで裸になって!」
「止めてくださいハルナさん!僕そんなこと……!」
「大丈夫!大丈夫よ先生!!なんにもしないから!なんにも痛いことしないからぁ!」
荒々しく息を吐き興奮絶頂でネギのスーツを脱がしにかかっているハルナと、涙目で抵抗しているネギの姿があった。
「な……!な……!!な……!!!」
「あわわわわわ……!?」
夕映は震えていく声と共に真っ赤になっていく顔を感じ、
のどかはのどかですでにゆでだこと化した真っ赤な顔の中に視線がグルグルと回り、
「何をやってるですかハルナッッッ!!!!」
世にも珍しい夕映の怒鳴り声が、寮の一室を揺らした。
ことりとテーブルにマグカップが置かれ、ふぅと夕映はため息をついた。
テーブルを囲んだ四人はそれぞれ、姿勢を正して湯気が立ち上るカップを目の前にしている。ちなみにハルナは正座である。
「つまり、漫画の資料として少年のモデルが必要となったハルナが、
折りよく廊下ですれ違ったネギ先生に頼み込み部屋でポーズを取ってもらいデジカメで撮影しているうちにボルテージが上がってきて
裸の姿も撮ろうとしたところそれを拒否した先生に強引に詰め寄っていた……ということですね」
「はい……その通り」
こちらも珍しく殊勝な態度のハルナが頷く。
「まったく……」
アホです、と呟きそうな顔で夕映は額に手をやる。
「ハルナ、物事には限度というものがあるのです。
人のいいネギ先生にモデルになってもらったばかりか、その……は、裸にしてしまおうなどとは言語道断です!」
どんっ、とテーブルに拳を打ちつけ、カップがガチャリと鳴り、他の三人がビクリとなる。
「でも、その、夕映さん。僕が強く断らなかったから……」
「先生も先生です!」
ギロリと、夕映の視線がネギを貫き、思わずネギもたじろぐ。
「教師という立場にありながら生徒に翻弄されるとは何事ですか!自覚が足りません!そもそものどかという人がありながら他の……!」
「ゆ、夕映っ!」
慌てたのどかが遮ろうとし、そして自分の失言に気づいた夕映が「ぁ……」と薄く赤面になりつつ、それを察したネギが同じく赤面になり、
「そっか〜そうだよね〜。あはは、私悪いことしちゃったなぁ〜」
と、ニヤつきつつアホ毛を愉快気に揺らしてハルナが言った。
その言葉に「ぬぐっ……」と、言葉を詰まらせ、夕映は震えつつ拳を納めた。
「それで、顧問の先生に渡したということですか?」
ネギが夕映に尋ねる。
「はい。それが部活動の規則ですし、目的でもありますから」
「ふーん。ちょっともったいない気もするけどねー。っていうか私も見たかったなぁ」
テーブルの中央に置かれたお茶請けのクッキーをかじりながら、ハルナが言った。
「そのうち読めるよきっと。顧問の先生に頼めば研究室の場所教えてくれるだろうし」
のどかがやんわりとハルナに言った。
「魔力がこもった本……メルキセデクの書のこともありますし、あっても不思議ではありませんね。
問題はそれがどのような種類の魔法書か、ということなのですが。
―――夕映さん、その本には架空の動物の絵が書かれていたんですね?」
「はい。見たことのない言語と共に。私のアーティファクトにも載っていませんでした」
「僕も魔法界のすべての文字を知っているというわけではありませんが、気になりますね……。
でもたぶん、その本は召喚書のようなものかもしれません。ハルナさんのアーティファクトに類するような」
「え、私の?」
「ハルナさんの場合はスケッチしたものを具現化する能力ですが、こちらの世界にはあらかじめ書に記した式を発動して召喚するものも存在します。
魔力を効率よく通すために、インクや紙などに様々な呪力処理を施し、その結果の一つとして本の劣化も防ぐんです。
その本はどこにも破けたり褪せたりしていなかったんですよね?」
「はい。どこにも」
「やはり、召喚書の可能性が高いですね……。しかし、描かれていたものに竜ですか……。
それほどハイクラスのモンスターと契約したものなんて、世界にも稀なはず……お二人が発見したものは
おそらく魔法世界でもとても価値のあるものだと思います。すごいですよ!」
「いえ、偶然発見したものなのでほめられるようなことでは……」
と言いつつ、ほのかに頬を染めていたりする。
「そっかー。そんなにすごい本かぁー。いやー私も早くみてみたい!」
身もだえしながら言うハルナだったが、
「あ、そういえば頼んだ本の方は?」
と、問いかける。
「あるよー。ちょっと待ってね」
のどかが後ろに置いてあったバックパックに向かい、ごそごそと中身を探る。こちらの本はちゃんと貸し出し登録をして借りたものである。
「……あれ?」
ピタリと動きを止めたのどかが声をあげた。
「どうしましたのどか?」
不思議に思った夕映が声をかけると、のどかがゆっくりと振り返り、
「あの本が、一緒に入ってる……」
その手に、二冊の本を抱えていた。その片方の一冊は、たしかにあの希少本だった。
「あれっ?顧問の先生に渡したんじゃないの?」
「うん。間違いなく……」
本を手にし、困惑した表情で本に目を落とす。
「……のどかさん。その本を見せてくれませんか」
ネギが少し緊張した声で、のどかに言った。
手渡された本の表紙に目をやり、中身を開く。
「どれどれどんなの?」
興味津々と言った顔でハルナが後ろからのぞきこみ、のどかと夕映もそれに続くように横から覗き込んだ。
「たしかに召喚書のようです……でも、この魔力は……?今までに感じたこともない……」
深刻な顔でページを次々に繰っていく。
「へぇー、こりゃ見事なもんだね。相当なもんだわ。ってかFFの召喚獣に似てるかな?」
絵描きとしての感じるところがあるのか、ハルナはしきりに感嘆しつつ言った。
「系統の違い、というよりもむしろ……根本からして違う体系……?」
ネギはそうつぶやきながら、最後のページを開く。
すると、そこには今までとは違った、魔方陣のようなものが描かれていた。
「変ですね。そのページには何も描かれていなかったはずです」
不審そうに夕映が呟いた。
それに同意するように、のどかも頷く。
と、その時。突然、その魔方陣が光を発し始めた。
「わわわ!?」
「これは!?」
「ひゃぁっ!」
「発動した!?そんな、魔力を込めてもいないのに!?」
驚く四人をよそに、本はネギの手元を離れ、部屋の空中へと浮かび上がった。そしてその光をさらに強め、本全体が輝き始める。
さらに、部屋全体が光に満ちたかのような眩さが増すと共に、その本の直下にある床に本に描かれていた魔方陣が出現し、
それは瞬時にして床全体に拡張した。
「まずい!皆さん逃げ―――」
その言葉が言い終わらないうちに、まるで太陽が出現したような光が部屋を白く塗りつぶし―――。
今回はここまでです。
なんか歯切れが悪いとことで途切れてますが、一回の投稿量を鑑みてこうしました。
それでは。
>>605 ある意味予想通りの反応どうも。
「書きやすい」のと「書きたい」のと「書く意味がある」のがそれぞれ一致しないのが辛いな。
かといってあまりメジャーなのも趣味じゃない。
.hackかR.O.Dでもいってみるか?
マイナーじゃない範囲って言うとこれくらいか。
どうも、SS初心者のものですが、初投稿させて頂きます。
クロスは題名のとおり、大統領とネギま!のクロスです。
敵役にオリジナルがでたり、大統領らしかぬ発言させたりするかもしれませんが、
どうかよろしくお願いいたします。
では。
21世紀に入り四半世紀が過ぎ去ろうとしていたとき世界の軍事産業は転換期を迎えた
特殊機動重装甲が開発されたためだ
耐久性と機動性を兼ね備えた、特殊装甲を身にまとうことで
「人」が再び戦場の花形へと返り咲いた
そんな時代、「メタルウルフ」と呼ばれた男がいた
ダークブルーの特殊装甲(スーツ)を身にまとったその男は、
自らの潔白を示し、合衆国を救うために戦いつづけた
彼の真の姿を知る者はいない
ホワイトハウスの住人を除いては・・・
夕日が空を照らす中、一人の男が雲の中をまっさかさまに突っ切っていた。
スカイダイビングをしているわけでもない。彼はパラシュートをつけずに、はるか高度か
らすさまじいスピードで滑走しているのだ。
しかし、そんな状況でも、彼は決して狼狽、ましては恐怖しなかった。なぜなら、彼は合
衆国大統領であり、世界一正義を信じる男なのだから。
「レッツ!ダイヴィイイイイングウウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
地面すれすれで体を回転させ、その両足で力強く地面に踏み立つ。
その着地の衝撃で床一面のタイルが吹き飛ばされ、さらにその下の地面さえも巻上がり、周辺に粉塵を拡散させる。
あたりの視界をさえぎっていた粉塵が消え去ったとき、その中から巨大な青いパワードス
ーツを着た男・・・アメリカ最強の男にして、合衆国第47代大統領マイケル・ウィルソ
ンが、その姿を現した。
Metal wolf chaos in Mahora 大統領!勇気と魔法の麻帆良に突入!!作戦
大気圏からのダイビングを終え、地上に到着したマイケル。しかし、さすがの彼も着地点
まではどうにもできなかったらしい。彼の知らない場所にきてしまったようだ。
「ヘイ、ジョディ!ジョディ!?」
何度も通信機にマイケルは応答しているが・・・・返事がない。
「ン〜〜〜。通信機が故障したようだ。やはり宇宙からのスカイダイビングの影響か?」
通信をあきらめたマイケルはあたりを見回す。一見見たところ西洋風の建物だが、看板な
どを見る限り、東洋の神秘、日本のようだ。
「OH!ここがジパングか、トノサマとやらがいるんだな!?」
・・・・どうやら、彼の日本に対する知識はいくらか偏っているらしい。
「まずはこの国のトノサマ、に話をつけて、ホワイトハウスへの便をだしてもらおう」
「だが、その前に・・・・・」
「そこにいるギャラリーの諸君!!君らの登場の時間だ!!」
マイケルが森に向かって叫ぶ。
すると、その中から明らかに人間とは違うもの、数十体の妖魔が現れた。
『俺たちの気配を感じ取るなんて。変な格好している割には、やるじゃねえか』
鬼たちは、獲物が逃げないようにマイケルの周りを地上から、空中からゆっくりと囲んで
いく。
『強そうだな。それだけ食い甲斐があるってもんだ』
鬼たちはスーツよりも巨大な体で、マイケルを見下げて舌なめずりをしている。
「・・・来たばかりの国で、こんな熱烈な大歓迎を受けるとは。私も人気者になったもの
だ」
やれやれ、と彼は顔を横に振る。その態度に、妖魔たちはカチンと来たらしい。
『囲まれた分際で、偉そうな事をしゃべるな!!』
『やっちまえ!』
周りにいた妖魔が、空から、地上から、いっせいにマイケルに襲い掛かる!!
「アメリカ市民として、初対面の相手には真摯に対応するのが礼儀だ。しかし―――――」
「私が紳士なのは、5時までだ!!」
『ギャアアアアアアアアッ!!』
鬼たちの悲鳴が響きわたる。マイケルは背中についたコンテナから巨大なガトリングガン
を展開させると、妖魔の群れにむかって掃射したのだ。ガトリングガンとはいえ巨大な弾
丸が、豪雨のように降り注ぎ、その比類なき破壊力は妖魔たちを瞬時にミンチにする。
妖魔の中にはそれなりの修羅場は潜り抜けたものもいたが、このような
『な、何だこいつは!?』
『慌てるな!散らばれ、散らばれ!!』
群れで襲うことが失敗だと思ったのか、妖魔たちはマイケルから離れようとする。だが、
それも彼の前では失策だった。
「ハハハハハハ!先ほどのラブコールのお返しだ。穴あきチーズにしてやるぜ!」
彼は両手のガトリングガンを放ちつつ背部のブースターで、その巨体からは想像もできな
いほどすばやく動き回り、妖魔を周りの木々や建造物ごと破壊してゆく。
もはや妖魔たちは完全に錯乱状態にあった。攻撃さえも許されないと彼らは悟ったのか、
必死に逃げようとする。だが、マイケルはそれすら許さずバズーカに武器を切り替えると。
妖魔の背後へ向けて攻撃する。
「BINGO!」
重厚な発射音と共に、巨弾が炸裂し、妖魔を地面ごと吹き飛ばす。悲鳴を上げる間もなく、
妖魔は次々と狩られていく。
さて、そこから少し離れた建物の上で、一人の青年が冷や汗を流しながらその光景を見て
いた。
巨大な爆音と、妖魔の気配を察知した彼が来てみると、とんでもない光景が広がっていた。
どうみてもロボットらしきものが『レッツ パーティィィィーーー!!』やら叫びながら
妖魔を追いかけている。というか、すでに虐殺である。ついでに言うなら、周りは戦争で
も起こったかのような穴だらけだ。
しかし、壁や建造物の被害も甚大だが、タカミチはむしろロボットの強さに驚いていた。
一見、ただ重火器を放っているだけのように見えるが、タカミチには妖魔の急所を正確に
打ち抜いているのがわかったからだ。しかも、狙いを一瞬で定めている。
また、ロボットの放つ武装も脅威だ。通常の武器では妖魔に傷ひとつつけることも難しい
のだが、どうやら数世代進んだ武装らしい。しかも、重装甲の割に、非常に動きが良い。
ここまで分析してわかったこと。それは、あのロボットが熟練した兵士であること。比類
なき強さと勢いを持っており、学園、いや世界でも止められる者がいるかどうか、という
ことだ。
おそらく、自分が戦っても絶対に勝てないだろう。
そんなことを考えながら戦闘を観察していたタカミチ。
でも、やっぱり気になるのは、穴だらけになった広場の修理費だったりする。
「フハハハハハハハ!!仕上げだ!熱々のローストチキンをプレゼントしてやるぜ!!」
タカミチがそんなことを考えているなど露知らずもはや狩られる側から狩る側へ様変わり
したマイケルは、妖魔を一気にしとめるために、上空へ一気に上昇する。
『な、何だ!?』
妖魔が驚く間も無く、マイケルは両腕にミサイル砲を構えると、一気に掃射した。
空中から放たれた数十発のミサイルは白い尾を引きながら己の標的へ、それは妖魔の体を破片残らず吹き飛ばしていく。はずだった・・・・
「あ」
「WHAT?」
タカミチは、考え込んでいたのが仇となった。付近一帯を巻き込もうとするミサイルに気づかず、対応が遅れてしまったのである。炸裂音に気づいたタカミチが上を見上げると
こちらを見つめる赤いモノアイ。
突っ込んでくるミサイル郡。
目の前に広がる光
タカミチは上空に投げ出された。
ギャグマンガよろしく、空中を大回転したあと、グシャ、という音を立てて血の海の中に沈んでいくタカミチ。
「大丈夫!心配するなジェントルメーン!なぜなら私は大統領だからだ!」
血まみれの姿で薄れ行く意識の中、タカミチはそんな言葉を聴いた気がした。
どうも、投稿終了です。
一部改行失敗したところがあるました。すみません。
大統領がうまく書けない・・・そういや、ゲームじゃ英語だったもんなあ
Orz
感想、間違い等の指摘ありましたら、よろしくお願いします。
629 :
マロン名無しさん:2007/09/15(土) 22:51:26 ID:Fe5fVv6C
なかなかアホなノリで楽しめた。ゲーム自体は知らないがなんとなく想像ついて、そのゲームのエッセンスを上手く取り入れてるんだなー、と思った。
ただここからは個人的な意見だけど、タカミチのキャラがどうも原作とかけ離れてるのではないかと。
具体的に言えば敵をぶっちめてるえらい強いのがいても冷や汗はかかないのではないかと。
マイナーなクロスものを書くならなおさら原作のキャラを壊さないようにした方がいいんでは?
そうでなければクロスにする意味が薄くなると思う。
ともかくここからどう動くか楽しみにしてます。
ギャアアアア!!
一部文が抜けていた・・・OrZ
>妖魔の中にはそれなりの修羅場は潜り抜けたものもいたが、このような攻撃をする相手は見たことがなかった。
早速のご指摘、ありがとうございます。以後、気をつけます。
地獄少女とのクロスものの作者です。
次の投下は大分遅れて月曜日辺りになりそうです。きちんと定時毎に投下できず、申し訳ないです。
最近新しくSSを書かれている方が増えて、非常に嬉しいのでこれからもお付き合いくだされば。
>>619 FFタクティクスはPS版ならやった事がありますが……
とりあえず今はじっくり拝見します。
>>630 はじめまして。この元ネタのゲーム。最近買いなおしてまた遊んでいるほどはまっています。
さすが大統領だなと。とばっちりをうけたタカミチがどうなるか気になって仕方がありません
〉613
密告者シュミハザはどうする?
彼がいなければベリアスたちがルカヴィにならなかったんだぜ。
>>631 PSP版もやりましたが、あれはないものとして扱っています。あまりにアレでしたので。
お気に召していただければ幸いです。
>>632 知らない名前だったのでググったら12に出てくるやつみたいですね。
12はやってますがあまりにアレだったのでおざなりに全クリして終わってしまい、
詳しいところはわからず……とりあえずはPS版準拠でいきます。
大分予定より遅れましたが、第五話投下します。
質が低下しているような気がしてなりませんが、楽しんでいただければ。
第五話 零れたその吐息
放課後、間もなく閉まる時間になった保健室には至極当然にベッドで休むものも、仮病を使ってソファーでくつろぐ生徒の姿もない。
時折部屋の片隅に置かれた水槽の中で、金魚が跳ねる音が聞こえるばかりだ。
亜子は、保健委員としての記録を、保健室日誌に書き込み終えて息を漏らしながら伸びをする。
彼女自身も把握しきれない程この学園には数多くの部活動がある。
その為にどういった経緯で怪我をしたのか、病気になったのかわかりにくい人がこの保健室に訪れる事も数少なくない。
しかし、この日は珍しく、保健室にそういった用事があってやってきた生徒は殆どいなかった。
その代わりに円が、桜子を連れてきたときは心底驚いた。桜子が気分を悪くして、あげく、気絶にも近い状況だったからだ。
チア部の活動は良く知っている。捻挫などはしょちゅうだが、正直なところ、今回のはどうにも違和感が拭えずにいた。
一体、桜子に何があったというのか。普段見慣れた笑顔が全く失われていた彼女の顔が、亜子の脳裏から離れない。
「ん……何やろ」
頭の中で思案が巡る中、ドアの向こう側で誰かの話す声が耳に入ってきた。
女の声で、二人は居るようであった。片方は声が小さいのか聞き取りにくいが、もう片方は時折怒鳴り声に似た声を上げている。
何事かと腰を挙げ、ドアを開けるとそこには同じクラスの木乃香と刹那の姿があった。
「あ、すみません。お嬢様が怪我をして……」
「もう、大した事ないのに。せっちゃんは心配性やな」
見れば、二人ともどこかで転んだのか、擦り傷がところどころにある。
刹那がしきりに木乃香の方を優先しようと彼女の背中を押すのだが、保健委員である亜子が見る限り、刹那の方が傷は多い。
ともかく二人を室内に招き傷の消毒及び絆創膏を貼り付ける。二人とも消毒液をつける際に幾ばくか表情をゆがめたが別段抵抗する事もなく、スムーズに処置は終了した。
それから、控えめに亜子は尋ねる。この傷は如何したのかと。
剣術修行をしているらしい刹那に関してはまあ想像がつかなくもないが、運動部に所属しているという訳でもない木乃香にはどうしても気になってしまう。
無論、興味本位であり、亜子自身にとってはそれほど大した事ではない。
しかし、彼女がその言葉を口にした直後、ほんの一瞬であったが刹那の雰囲気が変わった。
亜子のまだ知らないその感覚は殺気と呼ぶに相応しいもので、溜まらず身じろぎする。
「あ、うん。実はな……」
それに気付いたのか、矢つぎ早に木乃香が応えた。
曰く、放課後校舎から外れた窓ガラスが落下してきた事。
曰く、それを避ける為に、刹那が木乃香を庇った事。
曰く、この傷はその時の物だという事。
時折木乃香は刹那の方に視線をやりながら言葉を並べる。それは、まるで、彼女の顔色を伺っているように亜子には見えた。
恐らく、先程彼女自身が感じた殺気が原因なのだろう。だが、亜子はカウンセラーではないし、それに応えられる自信もない。
保健室日誌に軽傷二名と書き込み、お気をつけてと一言告げる。
木乃香も刹那も、それに素直に応じて一礼してから保健室を去った。
再び、静寂が保健室に訪れる。
こんなに立て続けにだなんて不思議な事だ、とも言えるし、3−Aは取り分け個性的な人が多いから、こういうのも珍しくない、とも言える。
そんな事がこの放課後の数時間の間で起きた。
だが、それだけではない。桜子達の事も、木乃香達の事も、何か事情があるのは間違いないだろう。
果たして、それがただの偶然なのだと、珍しくない事だと良い切れるのだろうか。
保健室から離れる事の出来なかった亜子には、幾ら考えても明確な答えが出る事はない。
そして、学園内に響くチャイムの音を耳にして開きっぱなしの保健室日誌を閉じる。
それから、何気なく彼女は天井を見上げた。ちらちらと蛍光灯が光る。それ以外にはただ真っ白な天板があるだけだ。
ため息をついて視線を戻す。椅子から立ち上がって、デスクの側に立て掛けておいた鞄を拾い上げた。
「……一目連。さっきまで、学園内の保健室の中見ていた?」
脚を棒のようにして、広大な学園内を散策し終えあいの待つ屋上に到着した一目連は、早々彼女からこんな事を尋ねられた。
それまで、ずっとネギについて周っていた彼にが自分の能力――自身の後頭部にある目によって、如何なる場所をも覗き見る――を使用する暇などあるはずもなく、首を横に振る。
あいは、彼の反応に対し驚いたように多少眉をひそめると、視線を屋上から見渡せる風景に移す。
「何か、気になる事があるのか、お嬢」
何時の間にか一目連の側に立っていた輪入道が尋ねる。
「まだ、はっきりと分からないけど……。私達以外にも誰か、彼女達の様子を伺っている様な、そんな気がする」
ゆっくりとあいは言葉を紡ぐ。一目連も、輪入道も直ぐに互いの顔を見やった。そして、この学園にきたきっかけとなった事を思い出す。
「どうなってんだろうな。この学園。結界が四六時中張ってあるせいで気配も察知できやしないし。全く困ったもんだ」
腕組をし、輪入道が低く唸った。彼も明日から用務員という事でこの学園に潜入する事になっている。
下見という事で色々と眺めて周っていたのだが、最も彼の気になっていたのはこの学園を覆うように張られた結界だ。
これによってこの学園に漂う恨みの念を察知しにくくなる。
地獄少女であるあいもまた、この結界のせいでまともな調査ができなくなっていた。
だからこそ、彼女が先程感じた妙な気配の正体を知る事が出来ずにいる。
輪入道が、一目連の肩を叩いた。突然の事に肩を微かに跳ね上げた一目連は、彼自身に課せられた事の重大さを再認識し、拳に力を込めた。
以上です。ちょっと短いですね……
次回からもっとどろどろになってくるかと。それでも原作らしさを失わないように尽力しますので宜しくお願いします
GJでした!
次回も楽しみにしています!
完成してから気付いた
デッドライジングとコラボしたのは間違いでしたorz
>>640 構ってほしがってるようにしか見えない
うだうだ言わずに潔く投下するのがいいと思うよ
>>640 YOU!投稿しちゃいなYO!
つまんなかったらボコボコにするけど。
Phase 22 「奪還」
「くっ……」
劣勢に追い込まれた水銀燈は防戦一方に追い込まれた。
剣と庭師の鋏を使って巧みに水晶の弾丸をかわすが、それでも反撃のチャンスが巡ってこない。
金糸雀は水晶の弾丸に弾き飛ばされ、傷ついて身動きが取れない状態だった。
そのnのフィールドに飛び込んできた蒼星石と真紅。
「あれは……」
「まさか……」
二体とも、薔薇水晶の姿を見て一瞬凍りついたようになった。
誰も知らないローゼンメイデン第7ドール。
その詳細は全てのドールが目覚めないと全く分からない。
ホーリエを呼ぶ真紅に対し、武器も何もない蒼星石は近くに居た水銀燈に歩み寄る。
「レンピカを返してもらおうか……」
だがそう易々とレンピカを返そうとはしない水銀燈。
隙を突いて身を引こうとするが、蒼星石も帰そうとはしない。
ここに来て、夕映と翠星石がいないことに気付いた。
「もぉー! ここはどこですかー!」
そんな翠星石の叫びも空しく、夕映と共に別の空間に迷い込んでしまった。
「途中で見失なうなんて……。不覚です」
大事な時にやらかしてしまった大失態に、夕映は焦り方向修正を試みた。
翠星石も蒼星石や真紅が行った扉を探すのに必死だが、闇雲に行くとさらに迷ってしまう。
慎重に行きたいが時間がない。どうするべきかに悩まされる。
するとnのフィールドに立体映像のように人影が現れた。
「だ、誰です!」
そこに現れたのは黒い衣装に身を纏った、見慣れたクラスメイトであった。
「……なっ、綾瀬!?」
「ち、千雨さん!?」
映像の主は金糸雀を助けようと、電脳世界からやってきた千雨であった。
「誰ですぅ。服が悪趣味ですぅ」
「んだとぉ!」
夕映の頭に居る翠星石が悪態をつくと、それに激怒する千雨。
「喧嘩はやめるです! 千雨さん、ここに居られるということは……あなたも」
千雨からすれば非現実的なことはこれ以上御免だったが、nのフィールドに入ってきた以上隠すことは出来ない。
やむを得ず、千雨は契約の証である指輪を見せた。
「そうだよ、私は金糸雀のマスターだ」
「そうですか……」
夕映は少し黙り込むと、アーティファクトの力でnのフィールドに入ってきた千雨を確認する。
「その力でフィールドに入れるなら、今の場所とか分かるですか?」
千雨は空中にパソコンのキーボードを呼び込み、猛スピードで叩く。
そしてさらに虚空に現れたモニターに表示された光に、二人と一体以外の反応を見た。
それはドールたちが戦っているようにも映っていた。
「ここだ!」
「早く行くですぅ!」
翠星石が率先して飛び込むと、蒼星石と水銀燈が戦いを繰り広げていた。
その脇で、力なく倒れていた金糸雀の姿を認める。
「金糸雀!」
扉近くで倒れていた金糸雀に近づく千雨。
千雨の体は現実世界に残っているため、意識層のみがnのフィールドに存在している状態。
そのため金糸雀を抱き上げられなかった。
「……ち、千雨」
金糸雀は傷つきながらも顔を上げた。
「しっかりしろ、私が出口を探す。そこまで行けるな!」
必死でキーボードを叩き出口を模索する千雨に、金糸雀は涙で目が潤んだ。
金糸雀は千雨に任せ、夕映と翠星石は蒼星石に加勢する。
「さっさとレンピカを蒼星石に返すですぅ!」
「出来るものならね!」
傷つき、本来の力を出し知れない水銀燈
剣と鋏で二刀流を作り、丸腰ながら隙をうかがおうとする蒼星石。
そこに夕映が指輪を掲げ、力を分け与えた。
「スイドリーム!」
庭師の如雨露を使って水銀燈の周りを固める翠星石。
「ち……」
水銀燈は二刀流の武器を竜巻させるようにして周りのツルをすべてなぎ払う。
その一瞬を狙って力を上げた蒼星石が飛び込んだ。
「レンピカを返せ!」
次の瞬間、蒼星石の拳が水銀燈の顔面を捉えた。
弾き飛ばされるようになって水銀燈はフィールド内を滑走する。
すると、水銀燈の周りを護るようにしていたレンピカがゆっくりと蒼星石の前に飛び戻る。
「やったですぅー!」
「蒼星石やったですね!」
蒼星石がようやくレンピカを取り戻し、意気揚々と喜ぶ夕映と翠星石。
一方の水銀燈は薔薇水晶の戦い後の二連戦で疲労しきっていた。
「まずいわね……これ以上戦うと」
レンピカを取り返し、さらにマスターの力も持っている蒼星石と翠星石の姉妹。
本当の意味で危機的状況になっていった、このままではローザミスティカを奪われる。
――水銀燈。
ふと、誰かに呼ばれた気がした。
それはあのピエロ、ザジ・レイニーディの声だった。
「ザジ……余計なことしないで!」
「駄目、戻ってきて」
必死に食い下がろうとするが、やむを得ず扉を潜る水銀燈。
「逃げるですか! この卑怯者ー!」
翠星石の罵声もぐっと堪えて水銀燈はザジの元へと戻った。
「ふんっ! 口ほどにもないです」
鼻息を荒くして得意げに笑う翠星石だが、蒼星石は険しいままだ。
「レンピカを取り戻したのはよかったと思ってる、でも真紅が」
そこへ夕映もはっとした、真紅がこの場にいないのだ。
次の瞬間、何か赤い塊が地面へと落下した。
何かが割れるような、それに等しい音を立てて。
「し、真紅ぅ!」
翠星石の悲痛な声と共に、真紅がその場に倒れていたのだ。
「レンピカ!」
蒼星石が叫び、庭師の鋏を構えると上空を睨んだ。
そこに浮かんでいたのは、ミステリアスな存在感。
薔薇水晶が翠星石と蒼星石を見つめていた。
その場面に、夕映ですら立ち尽くしていた。
ただのドールとは全く違う、それがローゼンメイデン。
その力と存在感は、人すらも傷つけかねない危険なものでもあった。
つづく
遅らせながら22話投下を終えます。
本来はもう少し早くする予定でしたが、他の人の投下が重なって少し間を空けました。
これからは投下のタイミングも重要になりそうですね。
ちなみに金糸雀と千雨はとっくに脱出しました。
次の瞬間、四人は軽い落下によって固い床に打ち付けられていた。
「あたぁっ!」
「!!」
「きゃっ!」
「っと!―――皆さん!大丈夫ですか!」
落下の瞬間体勢を整え綺麗に着地したネギは、周りに腰を落としている三人に声をかける。
困惑気味の夕映が腰のあたりに手をやり、
「お尻打ったです……」
さすさすさすりつつ立ち上がる。
「いたたた……」
のどかもさすりつつ立ち上がると、不安そうに辺りを見渡す。
「ネギせんせー、ここは……?」
「……わかりません。世界に満ちている魔力の質も、魔法界でも人間界でもありません」
周囲を警戒しながらネギが答える。
そこは部屋の中だった。広く、天井も高く、どこか作業場のような雰囲気が漂っている。
梁も床も木製で、辺りには紙が乱雑に散らかっており、隅には積み重なった本の山もある。
材質不明の何かの部品や工具もそこかしこにあり、そして最も注目すべきものが、部屋の中央に鎮座していた。
「ネギ君。これ、なんだろ?」
ネギの隣に寄ったハルナがそれを見上げながら言った。
高さは大人の身長三人分ほどもあり、広場の小さな噴水ほどの大きさだ。
金色の金属製で、扁平な土台の中央に頑丈な軸が立ち、その半ばほどで矢のような形をした横軸が水平につながっている。
鏃に当たる部分には扁平な楕円の形をした箱的なものがあり、そしてさらに横軸の半ばほどで交差するように小さな軸が傾いてくっつき、
両先にカンテラのような形をしたものが、下方側にはぶら下がり、上方側には乗っている。
それが、縦軸を中心にして、ゆっくりと回転していた。
「わかりません……。ただ、これからはとてつもない魔力を感じます。おそらくは、これが僕達をここに呼び寄せた一因だと思います。あの本と似たような魔術の形式が感じられますし」
注意深くそれを見つめながら、ネギは言った。
すると、それまでごそごそと床を漁っていた夕映が立ち上がり、紙をネギに向かってさしだした。
「先生、この紙に書かれてる文字ですが」
「見たことがありませんね……それにあの本のものでもない。夕映さん、アーティファクトでもう一度検索をしてみてくれませんか?」
「わかったです」
カードを取り出し、夕映のアーティファクト「世界図絵」を具現化する。
本を開き、紙に書かれている書体を読み込ませて検索をしてみる夕映だったが、数秒して顔をあげてネギを見る。
「……先生。まほネットにアクセスできないです。やはりここは……いえ、この世界は」
「僕達がいた世界ではないんですね……」
その言葉に、皆が沈黙する。
その時、上方の扉に人の気配が起こり、扉が開き、
「なんてこった……こいつがまた人間を召喚するたぁな」
男がネギ達を見ながら驚いた表情でそう言った。その手には杖が握られ、地面を突いている。
「……あなたは?」
ネギは、現れた壮年の男にそう問いかけた。
ここまでです。短すぎてすいません。それでは。
リクはダメだっけ?
誰かネギまvs7人の悪魔超人みたいなの書けない?
その場合、夕映かちうが「ゲェー!雷の斧!」と叫ぶ事になりますが、かまいませんね!!
ほしゅ
現れた男はネギ達の側へと降りてきて、ベスロディオと名乗った。
「あんた達、この世界がどこなのか知っててやって来たのか?」
興味深げな視線を向けてベスロディオは言った。
「ええと……いえ、僕達は自分の意思じゃなくて、本によってここに召喚されたみたいなんです」
ネギがそう答えると、ベスロディオはふぅむとアゴをさすりつつ得心がいったように頷いた。
「クラウドの時と同じか。―――とは言っても、あいつはどうやってここに来たかもわかっていなかったか」
その言葉に、ネギは、
「え!?それじゃあ、僕達と同じような人がいるんですか?」
「ああ、一人だけな。だが見た所、あんた達とは違う世界から来たと思うな。服装も雰囲気も似ているが微妙な違和感がある。
あいつはマテリアという宝石を武器に装備して戦う剣士なんだが、そんな人間があんた達の世界にいるか?」
「私達は知らないけど……ネギ先生知ってる?」
ハルナがネギに尋ねると、
「いえ……僕も知りません」
と、残念そうに答えた。
その様子を見たベスロディオは、
「まぁ、そう気を落とさんでくれ。こいつを見つけて組み立てちまったのはわしだからな。
あんた達が元の世界に帰れるよう、できるだけのことをすると約束しよう」
そう元気づけるように言った。
「そうだな。それじゃあまず、この世界について教えるとしようか。
……なんて言っても、この国のことでだいたいを占めるがな。
ここは、イヴァリースと呼ばれている。始終戦争が絶えんところでな、
今の戦争もわしが生まれた頃からやってるときてる。そのせいで国中物も金もすっからかんでカツカツだ。
盗みや強盗も日常茶飯事、それどころか昨日まで国のために戦ってた騎士団が国から金をもらえなくて、今日には強盗団に早変わりってなモンだ。
夜にあんた達みたいなのが出歩いたら、次の日の朝には奴隷市場で叩き売られてるな」
「ど、奴隷……」
のどかが蒼白な顔でフラリとよろめき、夕映がしっかりするですととりなす。
「ま、実際の風景見た方が早いな。そら、そこからこの街が見える」
そう言ったベスロディオは杖の先で窓を差す。四人は段差を上って窓に並び、ベスロディオはその後ろに続いた。
風化し崩れていく岩のような、くすんだ砂色の町並みが、黄昏の光に染まっていた。
この建物は丘の上に建っているようで、眼下には段差状に町並みが下っていく。
所どころから煙突が突き出し、その先から薄く煙を吐き出している。
そこかしこの建物には小さな風車がしつらえられ、街向こうの海からの風に回っていた。
路地の暗がりには、元は何色かもわからないほど薄汚れたボロを着た、男か女かもわからない人影が座り込み、
その前を子供たちが長い影の尾を引いて笑いながら走り去っていく。
「機工都市ゴーグってんだ。ここらの地下には旧時代の遺物がゴロゴロ埋まってる。空飛ぶ船やら勝手に動く人形やら……
まぁそんなもんは誰も見たことがない噂―――のはずだったんだがな。この前掘り出した鉄の球が人形になっちまって、えらい驚いたよ。
その時なぜか息子も死にかけたし。ま、それは置いといて、そういって掘り出したものを分解して使用法を見つけ、可能であれば複製して量産できるようにするのがわしたち機工師の仕事だ。
この街は、そうやって量産した遺物を売り払って潤ってるのさ」
物珍しそうに風景を眺めていた四人だったが、ネギは振り向き、尋ねた。
「ベスロディオさん。それではその後ろの機械は、そうやって掘り出されたものなんですか?」
「そうだ。こいつは数ヶ月前掘り出して起動させたばかりの遺物だ。
文献によると、こいつは次元を超えて異世界を旅するための転送機なんだそうだ。
ま、あんた達もクラウドも勝手に呼び寄せられたみたいだが……」
「それで、そのクラウドさんは今どこにいるんですか?」
同じく召喚された人間ならば、元の世界へ帰る手段を見つける協力ができるかもしれないと考えたネギだったが、
「ん〜。残念ながらあいつは今、息子がいる一団に加わって旅をしている。あれから二三度しかここに戻ってこなかったし、次にいつ来るかもわからん」
すまなさそうにベスロディオは答えた。
「そうですか……」
意気消沈したネギが肩を落とす。
「しかし、今のところはラムザ―――ああ、ラムザってのはクラウドや息子が加わってる一団のリーダーのことだ。
彼に事情を話すぐらいのことしか打てる手はないな。……が、やはり次にいつ来るかもわからん……どこにいるかさっぱりわからんから、
こちらから連絡を取りようも無い」
「……ベスロディオさん、それじゃあ、僕がそのラムザさんを探しに行くことはできますか?」
「おまえさんがか?そりゃ無謀ってもんだろう。ジョブについてるならともかく、見習い戦士にもなってないような子供が街を出るなんぞ自殺行為だ。
人間と見れば襲い掛かってくるモンスターがうろついてんだ。あっという間に食われちまう」
「その点ならば大丈夫です。僕、こう見えても魔法使いですから」
「……なんだって?」
目を丸くしたベスロディオの前で、ネギは始動キーを唱え、指先に火を点す。
「おおッ!?」
驚くベスロディオを前に、ネギはさらに言った。
「モンスターとの戦闘経験もあります。ですから、ここで待つよりラムザさんを探しに行った方が早いかもしれません。
常に連絡をとれるようにしておきますから、もしラムザさんがこちらに来てもすぐに駆けつけられます」
「いや……驚いた。魔道士になるのだってアイテム士でそれなりの場数を踏んでからってもんなんだがな……。
いや、それでも危険だ。お前さんの腕がいくら立っても一人で行くってのは無謀に過ぎる。
たいてい街を出る時は五人以上の隊になるのが普通なんだ。それにこの世界のモンスターがお前さんの世界と同じ程度かわからんだろう」
「それもそうなんですが、でも、一刻も早く帰る手段を見つけないと……」
ネギがそう言っていると、ハルナが隣に立った。
「だーいじょうぶですよベスロディオさん。この先生はなんてったって天才魔法使い少年なんだから。これまでも危ないことはあったけどなんとか切り抜けられましたし。だよね?」
同意を求めるように後ろを振り向くと、夕映とのどかがコクコクとうなづく。
「それとネギくーん……?」
声の調子を一転したハルナが腰を落とし、ネギの肩に腕を回して顔を近づけ、ジトリとした視線を向ける。
「今、”僕”って言った?僕って。僕達じゃなくて。もしかして、自分一人だけで行くつもりなのかな〜?」
「え、その、危険な旅になるみたいですから、皆さんにはこの街で待っていてもらおうかと……」
と、言った時点で、思い切りハルナに引き寄せられぎゅうと両腕で締め付けられる。
「んっもぉ〜〜〜また悪い癖が出てるみたいねネギくん!明日菜が言ってたこと忘れちゃったのかなー?」
「あわわわハルナさんっ!?」
「なんのために私達パートナーになったのかな?ネギくんを助けるためにでしょう?それをさておいてほっぽり出されちゃったら、私達の立つ瀬がないじゃん?」
ハルナはそれから、軽く真剣な視線になって、言った。
「もっと頼っていいんだよ。皆ネギ先生の力になりたいからパートナーになったんだから」
「す、すみませんでした……。それじゃあ、皆さんも一緒に」
「それでオッケー」
にこりと微笑んだハルナが頭をなでると、
「はっは、いや、仲がよくてうらやましいな」
と、ベスロディオが笑った。
ここまでです。では。
662 :
マロン名無しさん:2007/09/29(土) 23:19:26 ID:xBQRY/Xh
まぶらほとのクロス誰か書いて
663 :
マロン名無しさん:2007/10/03(水) 17:47:06 ID:5U0s0G4y
あ
ここだけじゃなくてネギま!スレ全体が過疎化してるな。
みんな喪に伏しているんだよ。わかるだろ?
地獄少女とのコラボの作者です。
現在第六話を投下しようとと考えているのですが、それを投下すると
>>1に書いてある
480KBを大幅に超えてしまうのです。
そこで、なのですが。
この場合480KB以下になる、どなたのコラボ物が投下するのを待って、新スレを立ててから改めて投下するのが良いのか、
それともとりあえず自分のを全て投下して新スレにその続きを投下するのが良いのか、
どちらが良いものなのでしょうか。
>>666 とりあえず500kbレス不可能だから様子を見つつ投下すればいいんじゃないか?
新スレも一応建てとけば直良し
>>667 わかりました。では大変遅れましたが、これから地獄少女ネギ籠りの第六話を投下します。
第六話 魑魅魍魎
その日、ネギが教室で朝一番に耳にしたのは、桜子の怒声だった。
驚いて声のしたほうを見やると、教室の片隅でチア部の三人組が何か口論しており、その周りで何人かの生徒が集まっている。
その中へ割って入ると、次に彼の視界に入ったのは桜子と美砂が、狼狽する円を挟んで言い合いをしている光景だった。
先に声を荒げた桜子の方が明らかに表情は怒りに満ちており真っ赤になっているが、美砂の方はというと、戸惑いを隠せないといった様子で時折俯いている。
ネギは次いで周囲の生徒の表情を見回すと、皆、一様にして美砂のような困惑の面持ちを浮かべていた。
美砂が何か言葉を紡ごうとする度、そこに桜子が濁った声を被せる。とても、話が出来るような状況とは考えられない。
円は必死に二人の間を取り持とうとしているらしいが、全てがこの二人の続かない会話によって台無しにされていた。
「だから……話を」
「嘘! そんなの絶対に信じない!」
やがて、桜子は美砂の言葉に対し、一際大きな罵声を返すと視線の隅にネギを偶然捕らえた。
その顔が益々赤くなり、今の自分の姿に耐え切れなくなったのか、踵を返して自身を取り囲む生徒の幾人かを弾き、教室から飛び出してしまった。
教室に冷たい静けさが訪れる。
ネギが手を叩き、とりあえず席につくように指示を出すまで誰一人として動く事はなかった。
まるで、その場に居た全員の意識がどこか遠くに飛んでしまったのではないかという誤解が、壇上から彼女達を眺めるネギの脳裏を掠める。
そして、その日の出席を確認し、日常を取り戻し始めた頃にようやくネギは今朝、教室で何があったのかを問うた。
桜子は教室を出てから、ずっと走っていた。すれ違う教師の姿は何度か見ていたが、既に彼女を止める足枷にすらならない。
とにかく、彼女は走った。既にHRの時間は始まっているだろう。しかし、あの教室には戻りたいという考えは毛頭なかった。
あそこには希望の欠片もない、では、今、自分が走っている先には今の自身を満たしてくれる希望は存在しうるのだろうか。
答えは否。
この先にも空っぽな己を満たすものはないだろう。走れば走るほど、益々空虚な心が膨れ上がっていく。
それでも、桜子は振り返らない、いや、振り返る事が出来ない。何かに追われている様で、足を止めたら全てをその何かに喰らい尽くされそうで。
一体、美砂が、円が、そして自分自身が相手に対して何を言ったのだろうか。思い出そうとして、熱くなった頭で考える。
本当は、あの日、放課後の部室で掃除をしていた時、何の話をしていたのか、誰といたのかを聞くだけの筈だった。
「大した事じゃあない。一緒に居たのは同じチア部の子」
ほんの少し目を丸くした美砂は、するとこんな風な返事をよこした。
勿論、冷静に考えてみれば何故そんな事を聞くのか、そして返せるのはこのぐらいだ。
しかし、その時の桜子の目には、耳には、それらが何かを隠す為の盾に感じられて仕方がなかった。
何故かは知らない、多分に、桜子がこの短い日の間に体験した事の印象が大きすぎて、親友ですら信じるに値するところまで持っていく事が出来なかったのだろう。
「それ、本当に?」
そして、ふと彼女が漏らした言葉。
「うん、そうだけど……どうしたの、桜子。ちょっと今日、変じゃない?」
そして、美砂の中で微かに芽生えた懐疑心。それを言葉に込めてしまった。
何気ない日常の一コマで、本来の桜子なら大した事がないと、それでこの話は終わっただろう。
だが、吹き上がる様に桜子の中の何かが湧いた。
「私が……変? 私は変じゃないわよ! いつもどおり……いつもどおりなの……。何か変なのは、そっちじゃないの……。何かを隠しているんじゃ……!!」
それから、何度か自分が罵声を美砂に浴びせて、ふと、担任のネギの姿が目に入って、自分の今吐いた言葉を思い出して恥ずかしくなって、そして逃げ出した。
全身が悲鳴をあげ、今にもこの華奢な身は崩れ落ちそうになる。
そして、普段彼女が足を踏み入れる事など全くない屋上に飛び出した瞬間。何かに開放されたかのように彼女はドアにもたれて腰をついた。
太陽が屋上の床に貼り付けられたコンクリートのタイルを照りつける。熱が反射して、桜子の身を熱くさせる。
余りの熱に桜子は身を起こし、学園内へと繋がるドアの反対側、つまり日陰になる場所へと移動して再びその身を下ろした。そのままぼんやりと空を見上げる。
視界の隅に見えた雲が、次第に中央に移動して反対側の隅に移動しやがて視界から消える。
感傷する程の余裕は彼女にはなかった。延々と注がれる水をその身に受け続けて、全身の力が抜けてだらしと手足を伸ばしたまま彼女は空を見上げる。
今頃クラスの皆は自分を心配しているだろうか。それとも、何様のつもりかと憤っているだろうか。
どちらにせよ、桜子の中には自分から戻ろうという気はなかった。その度に美砂の顔、円の顔を思い出して沸々と彼女の中で何かが湧き上がるのだ。
そして、頭の中が熱くなり、暴れたくなる。
彼女は、自慢ではないが変わり者ぞろいの3−Aの生徒の中でも飛びぬけて明るい性格だ。
時には部活内だけでなく、このクラスのムードメーカになりうる事もある。それに彼女の中で依存はなく、寧ろ喜ばしい事だった。
何時しか彼女は笑顔でいる事が当たり前になっていた。
その心に、今、風穴が開いていた。その原因に、まだ、彼女は気がついていない。
「ん〜、やっぱり屋上は風が気持ち良いね」
不意に、桜子の耳に少女の声が入ってきて、驚き身を震わせた。
どうやら、誰かが屋上にやってきたようだ。自身の存在にはまだ気がついていないらしい。
その内容から、自分を探しに来たわけでもなく、何故隠れるのかと自問して鼻で笑う。
「ふ〜、一時間目から新田の授業なんて酷で仕方がないわね」
「全くよ。まあ遅刻ついでにこのままさぼっちゃおうよ」
顔の見えない来訪者はそのまま、桜子の反対側の木陰に隠れる桜子の事など気づく由もなく話を続ける。
新田は、桜子も知っている。確か、国語の先生だ。
鬼の新田と呼ばれる程である意味タカミチと肩を並べる厳しい先生で、修学旅行の時のあるイベントでは3−Aの生徒が大いにお世話になった。
その二人は新田の愚痴をこぼし、うざったい、気味が悪い、と内容が過激なものとなっていった。不思議と、桜子の心にそれらの言葉が共鳴し、暫く会話に聞き入る。
やがて、溜まりに溜まった愚痴を吐き出すかのように、一人がこんな事を口にした。
「だったらさ、地獄通信で流しちゃえば良いんじゃない?」
「地獄通信って……確か其処に人の名前書くと地獄に流してくれるってサイトだっけ。午前の0時しかアクセス出来ないとか。あれって単なる噂じゃないの」
「うん。でもさ、タカミチ先生もそれで地獄に流されちゃったんじゃないかって。報道部の子から聞いた事があって」
「へぇ〜、あのデスメガネがね。そういえば最近見てないし」
地獄通信。初めて耳にするその単語に、桜子の心が揺らいだ。
地獄に流してくれる。
それはつまり、この世界からその人が消えるという事だろう。
なるほどタカミチ先生の姿をこの頃見かけていない。ネギは、彼は長期の出張に出ているというがどうも不自然な点が思い起こせばあった。
午前零時。その時間までまだ数十時間はある。桜子は黙って膝を抱えてた。その視線は、既に空を見ていない。
以上です。様子を見つつ投下していましたが、480KBには達しませんでした。
なので、今回はこのまま新スレを立てないで、もう少し様子を見たいと思います。
ようやく予告編に出ていた台詞を出せて一安心というか。
次回も楽しみにしていてください。
薔薇乙女ネギまの作者です。ただいま携帯で投下中。
ここ最近ずっとどこかの荒らしの規制に巻き込まれて投下できない状態です。
申し訳ありませんが、解除がくるまでお休みさせていただきます。
なあ、地球防衛軍とコラボしたんだが、タイトルどうすればいい?
麻帆良防衛軍か地球防衛軍 最期の麻帆良防衛とか?
677 :
675:2007/10/14(日) 13:34:41 ID:???
んー、じゃあ後者をもじって“The地球防衛軍 最後の地・麻帆良”でいいか。もう佳境なんで、仕上がり次第投下しやす
え、具体的な日時? え〜と、まあ、次スレぐらいにはきっと……多分…………
678 :
マロン名無しさん:2007/10/16(火) 01:49:44 ID:eqmwIgvD
ほっしゅっしゅ
こことルイズ以外にクロスーオーバー小説のスレってない?
ネギまに限らないなら、探せば沢山あると思うぞ
エロパロにも一個あったような気がする
「…………」
「……どうした?」
「ウチ達……これからどうなるん?」
「………………」
「ウチも……みんなみたいに死んで…………」
「……まだ死ぬと決まったわけじゃない」
「…………」
「麻帆良に行けば、EDFの本隊と合流できる。そこなら安全だ」
「……」
「さあ、そろそろ出発の時間だ。行こう」
「……――うん」
「そういえば、君の名前を聞いてなかったな」
「……和泉亜子」
「そうか。ちなみに俺は――」
SIMPLE2000シリーズ Vol、XX
“THE地球防衛軍 最期の地、麻帆良”
【この話は全てフィクションであり、実在の人物、団体等とは一切関係ありません】
【この話には、暴力、出血その他グロテスクな表現が含まれます】
麻帆良学園都市――
「ふうー、今日も疲れたー!」
学園内の商店街――学生その他で賑わっている――を歩いているのは、学園の生徒、神楽坂明日菜である
「あれ、ネギは?」
「んー、何か会議があるから遅れるらしいで」
明日菜の問いに答えたのは、平走する明日菜のルームメイトであり親友、近衛木乃香である
ちなみにネギとは――
「ふーん、まあいいや。今日の晩御飯は何なの?」
「んー、今日はやなあ――」
そんな、他愛ない日々である
『――たった今入ったニュースによりますと、イギリス・ロンドン市内に突如、大量の巨大な…………失礼しました。巨大な――蟻のような生物が大量に襲来し、市内はパニックに――』
「おいおい、何だコリャ?」
「巨大な蟻ぃ? ワケわかんねぇ」
「ハハッ、下んねー。何の映画だよ」
彼らは知らない
今、ロンドンは“本当に”未曾有の事態に陥っているなど
間もなく完成なので、さわりだけ投下してみた。仕事の隙を見て書き溜めている
マロンのネギま関連スレが全体的に過疎ってるが、ここはとくに酷いなorz
誰かつよきすとのクロス書かないかな?
Phase 23 「傷ついた乙女」
混沌を極めようとしていたアリスゲームの傍らで、ネギとエヴァはローゼンメイデンについての記述を目作していた。
あまりにも少なすぎる情報と元々謎だらけのローゼンメイデンという名の人形。
あのエヴァでさえ、全貌をまるで把握していない状態だ。
別荘に丸一日篭って本を読み漁るが、なかなか手がかりになるようなものはなかった。
「――ったく。なんなんだ」
進展がないことに苛立ちだすエヴァ。
本来は外野で眺めている立場のはずだったが、ネギの強い要請によって仕方なく手伝うことに。
そのエヴァも、自身の知識をもってしてもなかなか全貌がつかめない内容に少なからず興味は持っていた。
何の進展もないまま、時間だけが過ぎていった。
するといつも真紅たちが行き来していた鏡が揺れ動く。
「ん、真紅が帰ってきたのか?」
そこに現れたのはエヴァの予想通り真紅だった。
だが、真紅はボロボロの衣装の蒼星石に抱きかかえられた状態であった。
後から続々と出てくる翠星石と夕映もあちこちが傷が目立っていた。
「なっ!? どうしたんだお前たち!」
疲労困憊の蒼星石は翠星石に抱きかかえられながら口を開いた。
「薔薇水晶が……」
そう告げると、蒼星石は真紅と同様に力尽きてしまった。
翠星石は比較的傷が浅かったものの、立ち上がるには少し時間が必要だった。
「薔薇…水晶…?」
事情がつかめないネギは今の現状が理解できていない。
夕映は一番傷は浅いが、翠星石が力を大量に使ったことで疲労しきっていた。
その夜、回復した翠星石がそれまでの状況を説明した。
薔薇水晶の圧倒的な戦力に、金糸雀はおろか水銀燈も逃げることしかできなかった。
真紅は倒され、ローザミスティカをもう少しで奪われそうになり、翠星石と蒼星石が相手になる。
だがそれでも蹴散らされ、結局全員で尻尾を巻いて逃げるしか出来なかった。
夕映は未だに力が回復せず寝たまま。真紅と蒼星石はダメージが大きく、鞄の中から出てくる様子は無い。
押し黙ったままの一同は、仕方なくその場で解散した。
翌日、学園には夕映の姿はなかった。
予想以上に力を使ったことで、本調子に動けなかったのである。
「夕映、大丈夫かなぁ……」
事情を知らないハルナは心配になる。のどかも最近のよそよそしさに疑問があった。
「先生、綾瀬が来ない理由って……」
ネギを尋ねたのは千雨であった。金糸雀の傷つき方を見て、その日出席しなかった夕映を気にしていた。
「……まさか」
一瞬、誤魔化そうとしたネギであったが、指輪を見てすぐに悟った。
夕映は寮で休養を取っていた。しかし、蒼星石は未だに鞄から出てこない。
真紅もダメージが大きく、出てくる気配が無い。
「蒼星石」
十分動けるようだが、まだ少し感覚が鈍っていた。
そっと鞄を覗くと蒼星石は眠るようにして横たわっていた。
生きているような人形。戦いにより傷つき、その中の一体だけがアリスになれるアリスゲーム。
ローゼンはこの戦いに何を見出そうとしているのか、夕映には理解できなかった。
「それは確かに怖すぎるかしらー!」
「うるせーですぅ金糸雀!」
金糸雀と翠星石が別荘に集まって薔薇水晶について語っていた。
アリスゲームには放任主義な千雨であったが、金糸雀の傷つき方を見て何か力になれないかと志願してきた。
これで仲間がまた一人増えたということだ。
だが生半可な戦いでは返り討ちに遭ってしまう。どうすればいいか対策を練っていた。
――と言ってもやればやるほど意見はすれ違い、的外れな回答しか出てこない。
「あー、いい加減にしろよ」
千雨は我侭な金糸雀と大口を叩いている翠星石にうんざりきていた。
「誰に似たのか……」
エヴァの小さなツッコミにも、今は気休め程度にしかならない。
「どうだい槐」
「……これだ」
白崎がいる人形店。槐が小さく頷くと出来たばかりの人形が飾られた。
「いいねぇ、これ」
白崎は褒めるが、槐は押し黙ったままだ。
「お父様」
その間に割って入る小さな声。鏡が揺れてそこから人形の姿が現れてきた。
鏡から現れたのは、薔薇水晶。
「そろそろかい?」
白崎が鋭い目で見つめる。
「あぁ」
つづく
どうもおまたせしました。
規制やプライベートの都合でここまでずれ込んでしまったことをお詫びします。
予定が大幅に狂ったので少々展開を変更しました。
>>480 クロスオーバーって見る人が限られてるからな。
知らない作品だったら見ないし知ってても面白くなければ見ない。
依頼人「あなたが地獄少女?」
のどか「…、いっぺん死んでみる?」
ネギまバトロワスレとかネギまデスノスレとかスネークスレとかネギ絶望スレとか、明らかここで出来る内容だろ
あいつらが無駄な重複スレ立てるから同じネギま信者の質が下がってるんだよ、良い加減あいつらこっちに呼び寄せろ
向こうのスレでもちょこちょこ話題になってるが、結局は“sage進行でひっそりやろう”という結論に達する
デスノスレなんか、ここより賑わってるもんな
まあ良いか、あいつらの質が下がるだけ・・嫌、同じ信者としての質が下がるのかorz
何かこう、いただけない気持ちになるのは何でだろう。
>>694 前者2つはもう完全にこちらに取り込むのは不可能だろう。バトロワはもう20人近く作品仕上げてるわけだし。
後者は見たこと無いので分からぬ。
新田「休むんじゃない!!」
裕奈「コーチ…、もう限界です!」
新田「バスケットはスタミナだ!」
裕奈「でももう…」
新田「スタミナなんだ!!」
裕奈「…うるせえんだよ、このスタミナ野郎が!!」
ナギ「いいじゃない、スタミナ!!」
デスノスレは、作者は一人だけだよ。初期は何回か小ネタが投下されるだけだったけど、あの長編が始まってからあれだけになった
カレーに700ゲト
>>694 勝手に相談もせずに重複スレを立てて、同じ信者の質を下げたあいつらはさっさと死んで欲しい。
オナニースレだから何れ過疎になるだろうが、そう思っても未だならないんだよなあ・・・。
>>702 2ちゃん検索で探しなさい
バトロワは別にクロスじゃないし向こうのほうが歴史は古い。だからこことまとめることは不可能。
絶望、デスノはこっちでもいいと思うが
>>694が気に喰わん。
最近あちこちでネギま関連スレを荒らす自治気取りと同一人物だろ。
確かにスレ乱立してるこちらにも非はあるが無関係のスレにまで現れて正直うざい。
ところでスネークってまだあるの?
その決め付けもどうかと思うがな。
アンチがスレを荒らしている事も同じ信者が勝手なスレ立てをして質を下げてる事も同じ位にムカつく事だし、どっちとも言えない。
705 :
マロン名無しさん:2007/10/25(木) 20:25:24 ID:U+u327S6
つまんねーモン書いてんじゃねーよ
その前にお前だ、スレがアンチに荒らされるからageんな
極端な話、このスレ自体がザジちうスレでも出来るんじゃ……?
あのスレ、実質的にはネギまSS総合スレみたいな存在だったし。
ザジちうはクロスものは扱ってません。クロスものやったら散々荒れたし。
ここはここ、あっちはあっち。
それよかデスノ作者呼んでこいよ。このスレ向きだしここも盛り上がるだろうし。
何つーか、もしかするとここは敷居が高いとか思われているかも試練
題材的に長編になりやすいからかもね。需要と供給が噛み合うのも稀だし。
さくっと単発クロス物を書くなんて、ギャグに走らない限り難しいでしょ?
スネークスレ落ちたな
過疎ったな
______
/ \ /\
/ し (>) (<)\ さすがにもう誰か投稿してるはず・・・!
| ∪ (__人__) J | ________
\ u `⌒´ / | | |
ノ \ | | |
____
/ \ ─\ チラッ
/ し (>) (●)\
| ∪ (__人__) J | ________
\ u `⌒´ / | | |
ノ \ | | |
____
/::::::─三三─\
/:::::::: ( ○)三(○)\
|::::::::::::::::::::(__人__):::: | ________
\::::::::: |r┬-| / | | |
ノ:::::::::::: `ー'´ \ | | |
>>707-710 うーん、俺が考えてたのはほとんど
>>2のルールに引っかかるんだよな。
たとえば、ネギが桃月学園に行ったら(3Aの生徒の出番は無い)、とか
FFのキャラをネギキャラに置き換えて、FFストーリーで進める、とか
こういうのはアウトなんだよな。
あくまで、このスレは、「麻帆良学園に他作品キャラがやってきた」っぽい感じが前提と思ってるが。
まあ、所詮、アニメ2期からのにわかファンの戯言と思って流してくれい。
別に舞台とか人数はどうでもいいだろ。侍なんて舞台がゲーム内で刹那しか出てこなかったし。
マジで誰も来なくなったな
やべーよ
新スレの方で作品の投下をしましたが、まだこちらは使えるのですね。早とちりしてしまったようですが。
クロスに関しては、例えばFFで言えば、何らかの原因でFFの世界に飛ばされた麻帆良の人物と、
FFの世界の人物とで物語が進んでいくと言う物語であれば良いのではないでしょうか。
何にせよ、ストーリーを進める上でコラボ先のキャラとの配分をきっちり考えておけば問題なさそうですが……
返事がない。ただの屍のようだ
まあ、なんだ。
新スレ立てが早すぎたのが原因か。みんなあっちにいってるし。
というか、単に埋め忘れじゃね?ここ
>>718 やっぱ、麻帆良絡めないと駄目か・・・
まあ、ぶっちゃけ
>>715って、前者は糸色スレのことで、
後者はザジちうでみかけたDQ・ロマサガ・岩男物を指してたんだよね。
724 :
マロン名無しさん:2007/11/09(金) 15:12:23 ID:GreeP3XF
次スレなんてどうでもいい
ここはもう終わってるし
終わったな