#197 激突!玉藻V.Sいずな の巻
いずなは今日も小遣い稼ぎの除霊に精を出していた。しかしながら、いかんせん実力不足で苦戦気味。
抵抗する霊により現場は荒らされ、ちょっとしたパニックだ。そんな厄介な霊も、通りすがりのぬ〜べ〜
には軽く除霊されてしまった。いずなの実力を認めていないぬ〜べ〜はいつものように彼女を未熟者
呼ばわりし、精進しろと言って去っていった。
除霊で怪我をしたため、いずなは病院へ向かった。そこは玉藻が勤める童守病院。
玉藻は目に障害のある少年に心霊治療を施していた。患者の少年は玉藻にお守りを手渡すが、
それは稲荷神社のお守りだった。妖狐である玉藻に稲荷のお守りなど不要なので、玉藻はこれを
受け取らなかった。
心霊治療中の玉藻からは強力な妖気が発せられていた。治療を受けて帰ろうとしていたいずながこれに
気付き診察室を覗くと、そこには人化の術を解いて心霊治療に専念する玉藻の姿があった。
玉藻の事など知る由もないいずなには、この光景が医者に化けた強力な妖怪が少年に呪いをかけて
目を見えなくさせているのだと映る。
いずなは病院の庭でくつろぐ少年に接触した。少年の目が見えないのは妖怪の仕業だから、自分が
それを倒して助けてやると話を持ちかけると、少年は半信半疑ながら先のお守りをいずなに手渡した。
帰宅する玉藻を尾行して観察してみると、その完璧な変身能力に驚かされる。
奴の目的は童守町全滅か日本征服か?いずなの手に余るのでぬ〜べ〜に頼もうか…そう思った時だ。
そのぬ〜べ〜が玉藻に声をかけているではないか!しかも親しげに!
さては妖怪の強さにビビってへつらっているのか、やはり自分がやるしかない。いずなは覚悟を決めた。
啖呵を切って玉藻に宣戦布告、得意のくだ狐をけしかける。
しかし相手は狐の中でも最高位に近い妖狐。くだ狐は玉藻に操られ、主人であるいずなに襲い掛かった。
今度こんなマネをしたら殺すと玉藻。ぬ〜べ〜も身の程を知れとバカにする。
ぬ〜べ〜が玉藻にへつらっていると勘違いしているいずなはこれに反発、まだ玉藻退治を諦めていない。
その夜、いずなはくだ狐を使いに出して玉藻に果たし状を送りつけた。
これを受け、玉藻はぬ〜べ〜にいずなを始末する旨を電話で伝えた。
レベルが違いすぎるとぬ〜べ〜が止めるが、相手が正式に挑んできた以上、妖狐の掟に則って
手加減抜きで全力で相手すると言って聞かない。
公園で対峙するいずなと玉藻。玉藻が一歩足を踏み出すと、そこには落とし穴が仕掛けてあった。
罠にかかった玉藻にありったけのゴミを被せるいずなだったが、玉藻はいつの間にかいずなの頭上にいた。
玉藻は火輪尾の術で一気に攻勢に出た。いずなに直撃し、勝負は一瞬で決したかに見えた。
しかし自らも発火能力を持ついずなはこれに耐え、自分の発火能力で炎を起こしながら玉藻に抱きついた。
少しはやるようだがこのままでは刺し違えて死ぬ事になる、そんな事をして何になると玉藻。
いずなが答えて曰く、妖怪に取り憑かれた少年を救うために命を懸ける、それが霊能力者の端くれたる
自分の誇りだと。
この言葉と、いずなの胸にかけられた稲荷神社のお守り。これにより玉藻は事情を察した。
バシュッという音と共に玉藻は消滅し、公園にはススだらけのいずなが一人残されていた。
ぬ〜べ〜がようやく駆けつけた時、いずなは玉藻を倒したと思い込み喜びで小躍りしていた。
玉藻は平然とぬ〜べ〜の背後に現れた。わざといずなに負けたのか?
「さあね…ご想像にお任せしますよ。」
後日、少年の目は無事視力を取り戻した。
玉藻の心霊治療の賜物なのだが、少年はいずなの武勇伝に聞き入っている。
壁の向こうでは勘違いしたままのいずなを見ていられないぬ〜べ〜が、本当の事を説明してやろうかと
玉藻に話している。しかし玉藻にその気はなく、逆にいずなについて感じた事をぬ〜べ〜に語る。
いずなには少しだけだが、ぬ〜べ〜と同じく弱い者を守ろうとする「愛」があった。
少しは認めてやったらどうかと。玉藻の意外な言葉にぬ〜べ〜は少し驚いたようだ。
少年に優しく接するいずなを見守る二人であった。