第33話 裏切り
いよいよトルケルの射程圏内に捉えられた一行。
もうアシェラッドの命令にはうんざりだ、とばかりにほぼ全員が彼を囲む。
アシェラッド「……………お別れに…」「話していいかな?」
「今まで話したことはなかったがな」「オレァお前らと過ごしてきたこの十数年間…」
「お前らのことが」「心底嫌いだった」「豚にも劣る暗愚なデーン人どもよ」
言うなり手近の二人の首を刎ね戦闘開始。
王子を押さえようとするのも読んでいた。護衛の元主人公が阻む。
ビョルンが馬を走らせるが、即座に王子追撃とアシェラッド包囲の二手に分かれられる。
さすがに元部下だけあって状況判断は的確だ。
眼前の敵の仲間割れを目にしたトルケル、
「実にけしからん!」「オレ様ヌキでケンカを始めるとは!!」「まぜろまぜろ――!!」
部下「けしからんてそういうこと?」
投げナイフこそ尽きたものの、ビョルン相手に説得は通用しない。
ならば直接…ではなく馬をしとめソリを止める。吹っ飛ばされるソリと中身。
そんな中でも元主人公にだけは軽やかな身のこなしで迎撃される。
が、そのまま馬を奪われるもどこかへ逃げられてしまう。とりあえず放置。
王子の無事を確認し、仲間の元へ戻ろうとするのだが…ヤツも生きていた。
久 々 の キ ノ コ 。
元主人公は仇の下に向かっていた。その首をとるのは、オレなんだと。
アシェラッドはまだ、包囲を突破できずにいた。
アトヒキ
父の命を奪った男――その命を救うためにトルフィンは疾駆する!!
次号――息づくものは全て、敵!!