ネギまバトルロワイヤル12 〜NBR]U〜

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96作者1 ◆0Z3l12M4xM
9.コインで決める運命

学園の校舎から少し離れた街中、小さな椅子を見つけてそこに腰を落ち着ける。
それまで張り詰めていた緊張が少しとけ、一気に汗が噴き出したのが判った。
「まさかこんなことになるとはな」
龍宮真名(出席番号18)は小声でつぶやいた。

デイパックを下ろし、とりあえず中身を確認する。
中には言われたとおりの水や食料・地図などの中に黒く光るものが見えた。
取り出してみるとそれはバタフライナイフ。とりあえず当たりと言っていい武器だろう。
それを触り、手の中で遊ばせながら真名の頭の中に一つの選択肢が湧き上がる。

殺人ゲームに乗る、乗らない。

「別に私はどちらでもいいと思っている、のかな」
生徒同士で殺しあうなんて馬鹿げているにもほどがある。
ゲームに乗るやつもそれは何人か居るかもしれないが、普通は皆で帰りたいと思っている人間が多いはずだ。
なんとか協力して、このゲームを潰すか逃げる方法を考えるほうが良いに決まっている。
しかし…
「3人は生き残ってここから帰ることができる」
真名はそういうことを言っていた。3人はそこまで少ない数というわけではない。
ナイフをもっている自分なら立ち回り次第でなんとかなるかもしれない。
潜ってきた修羅場の数が違う、ナイフ1本で銃を構えた素人を倒すのは動作も無い。
だがそのためにさらに多い数のクラスメイトが死ぬのだ。
生きて帰ったあともずっとその事実は自分の中に残ることになる。
「超がいない今、契約はほとんど破棄に等しいな…」
スタート地点の教室に超はいなかった。超に報酬を受け取って契約はしているが、いたところで計画を遂行するべきかどうかも怪しい。
97作者1 ◆0Z3l12M4xM :2007/02/26(月) 18:02:36 ID:???
こんなことに巻き込まれては計画も頓挫してしまうだろう。
だがもしもこのゲームが超の仕組んだことだったら…?
そう考えるとゲームに乗るのは必然かもしれない、だが超がいない以上その確認も取れない。
乗るべきか否か。真名はいつにも増して真剣に悩んだ。

一通り悩んだ後、真名は一つの結論を出した。
ポケットの中に入っていた500円玉を取り出し、高く放り投げた。
(表が出たらゲームに乗る。裏が出たら反抗する)
武道会で使った技をその場で出す。
500円玉は空中高く舞い上がり、数十秒の間を置いて地面に落下した。

「これが答えか…」
真名はコインの面を確認するとポケットにしまい、歩き始めた。
生ぬるい風が自分の体にぶつかる。

「今日は、雨だな…」


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