ネギまバトルロワイヤル12 〜NBR]U〜

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77作者1 ◆0Z3l12M4xM
夕映はあやかが指定した場所へは行かなかった。
まず、この計画は無謀だと率直に思いつく。仮に人数が集まっても、集まった人らの武器がもしはずれだったら?
確実に銃を構えている兵士たちに一瞬で蜂の巣にされてしまう。
そして何をどうすればこのゲームが終わるのか。そこまではっきりとしていないとこの計画は成り立たない。
さらに30分のタイムリミット。入り込んだまではいいが、解決策が見当たらずもたもたしていたらそれこそ犬死だ。
少なくとも、のどかを見つけて殺し合い云々よりも今確実に生き残れる方法を模索した。
だが、希望を持って扉を開けた先にいたはののどかではなく美砂。

(ここで一人でいるよりは…複数でいた方が安全かもしれないです)
闇雲に動くよりも誰かと行動したほうが得策と考えた。当然、裏切られ殺されるデメリットも抱えてはいる。
しかし今の自分一人の力では全くの無力、信頼できる顔見知り仲間が欲しいがそんな贅沢は言ってられない。
ましてや自分の武器が園芸セットで、相手は銃なのだから。下手なことを言って牙を剥かれて撃たれるよりはマシだ。
もう会ってしまった以上、背を向けて逃げるなんてもってのほか。切り出すしかなかった。
「柿崎さん、一緒に行動しませんか?あなたも殺し合いは参加したくないはずです」
「私でよければ力になるよ。他のみんなも探したいし、他にも一緒に行動したいと思う人がいると思うから…ここから移動しよか」

夕映は内心驚いていた。この危機的状況でこんな簡単に相手を信用するとは思ってなかった。
(何か企んでいるんですか…?)
だが一度行動を共にすると言ったため、もう後には引けない。
美砂に促され、夕映は立ち上がり昨日まで自分たちの居場所(今じゃ殺し合いのフィールド)だった学園都市の地図を開く。
今は、後悔する時間すら惜しかった。


【残り29人】

78作者1 ◆0Z3l12M4xM :2007/02/25(日) 23:11:01 ID:???
5.-1の存在

明石裕奈(出席番号2)が出発してから何分時間が過ぎただろうか。
次の人間が呼ばれるまでの3分間がとても長く感じた。

「次、13番。近衛木乃香」
「せっちゃん…」
不安がる近衛木乃香(出席番号13)が桜咲刹那(出席番号15)が宥める。
「しばらくの辛抱ですよ、すぐに私が参ります」
「約束やで…絶対ウチを探してや!」
そう約束して木乃香は出発した。すると、刹那がいきなり立ち上がった。
「先生。質問…というより確認させて下さい」
若干の恐怖心を振り払いながら丁寧な口調で尋ねる。
「何かな?」
刹那はまだ出発していない残りの生徒、特に真名や楓を一瞬見てもう一度振り向いた。
「生き残れるのは3人になったのですね」
「そうです」
「逆に言えば、今ここで助けたい誰か二人以外全員を殺してしまえば、その場でゲームは終わるということも…」
「そうですね、君なら木乃香君あたりを引き合いに出してそんなことが可能でしょう」
刹那以外の他の生徒に一瞬の緊張が走る。
だが刹那はその視線を断ち切るようにして向き直った。

「なんでですか?」
「は?」
ガンドルフィーニは間の抜けた返事をした。
「なんで私達なんですか?ここでこんなことをさせて何のメリットが…それに生徒全員と言っていますが、ここには…」